西宮市議会 2020-12-11
令和 2年12月11日総務常任委員会(連合審査会を含む)-12月11日-01号
(政策局)
1
所管事務報告「西宮市
教育大綱の改定(素案)について」
■
出席委員
大 石 伸 雄 (委員長)
たかの し ん (副委員長)
うえだ あつし
中 尾 孝 夫
野 口 あけみ
福 井 浄
松 田 茂
山 田 ますと
■
欠席委員
な し
■
委員外議員等
一 色 風 子
江 良 健太郎
大川原 成 彦
菅 野 雅 一
坂 上 明
田 中 あきよ
ひぐち 光 冬
八 代 毅 利
■紹介議員
な し
■傍聴議員
よつや 薫
■説明員(
西宮市議会委員会条例第19条による)
市長 石 井 登志郎
(政策局)
政策局長 太 田 聖 子
参与 安 井 洋 一
政策総括室長 楠 本 博 紀
政策総務課長 安座間 昌 三
政策推進課担当課長
岡 崎 州 祐
(
教育委員会)
教育長 重 松 司 郎
教育次長 坂 田 和 隆
教育総括室長 薩 美 征 夫
教育総務課長 竹 村 一 貴
教育企画課長 吉 田 巌一郎
社会教育部長 上 田 幹
教育次長 佐々木 理
参与 安 井 洋 一
学校教育部長 漁 修 生
学校教育課長 木 戸 みどり
(午前10時02分再開)
○
大石伸雄 委員長
おはようございます。
ただいまから
総務常任委員会を再開し、直ちに
総務常任委員会教育こども常任委員会連合審査会を開会します。
教育こども常任委員長との協議により、本日は私が委員長の職務を行いますので、よろしくお願いします。
昨日の
総務常任委員会におきまして、西宮市
教育大綱の改定(素案)についての報告につきましては、
教育こども常任委員会の所管にも関わる報告でありますことから、広く委員の皆様の御意見をお聞きし、深く協議することが重要であると考えて、会議規則第93条の規定により、
教育こども常任委員会との
連合審査会を行うことにさせていただきました。
教育こども常任委員会の皆様方には、
連合審査会の開催に対しまして快く御理解と御協力を頂きましたことに厚く御礼を申し上げます。
ここで委員の皆様に申し上げます。
各委員の質疑におかれましては、簡明で議題の範囲を超えない発言になるよう心がけてください。
なお、発言が明白な錯誤、著しい趣旨不明瞭、不適切、既に答弁された内容のみの繰り返しと判断した場合は、委員長において議事整理を行う場合もございますので、御承知おきください。
また、御自身の質疑が終了した後も
関連質問は認められております。
関連質問を行う場合は、その旨を宣言し、内容もこれに基づくよう心がけてください。
委員の皆様には、
委員会質疑に当たっての注意事項をお手元に配付しております。各自、質疑に際しては改めて御確認いただきますようお願い申し上げます。
次に、当局に一言申し上げます。
委員の質疑の趣旨を明確にするために、皆様には反問権を認めております。また、一問一答による質疑においては、委員からの政策提案に対し反対の意見または
建設的意見を述べる反論権も認めておりますので、御承知おきください。
協議に入ります前に私から皆様にお諮りしたいことが1件ございます。
通常とは違って本会議場での開催ということになりましたので、皆さんには、質疑の際は自席で起立してお願いしたいと思います。そういうことで運用させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○
大石伸雄 委員長
それでは、手を挙げていただいて、自席で起立して発言していただくということで、よろしくお願いいたします。
それでは協議に入ります。
所管事務調査の件、西宮市
教育大綱の改定(素案)についてを議題とします。
当局の説明を求めます。
◎参与
西宮市
教育大綱の
改定素案について御説明いたします。
資料1ページをお願いいたします。
西宮市
教育大綱の改定について、1、
教育大綱の改定の趣旨。
教育大綱は、平成27年4月から施行されました、いわゆる
地方教育行政法の改正によりまして
地方公共団体の長に策定が義務づけられ、本市の
教育大綱は、教育・子供施策の礎として平成28年11月に策定いたしました。その後、国においては、
教育大綱の目安ともなります第3期
教育振興基本計画が策定されたほか、2030年頃の社会の在り方などが想定されている新
学習指導要領が順次実施されております。このようなことから、本市の
教育大綱も、新しい時代へ対応するとともに、
シチズンシップの醸成、地域との連携による
コミュニティ・
スクールの実施、生涯
学習推進計画の改定など、新たな取組を踏まえ、改定しようとするものでございます。
2、改定に向けた取組。
改定に向けての協議の場となります
総合教育会議では、昨年10月17日には、改定の趣旨を説明し、現大綱の評価、加える内容等の
意見交換を行いました。11月27日には、事業や取組の記述の要否など、改定案のアウトラインを御協議いただきました。その後、有識者への
ヒアリングといたしまして、子供・
子育て支援関係者で構成されております子ども・
子育て会議、市内公立、私立の学校の先生の代表の方などから
教育大綱や子供の育ちについて意見を聞かせていただきました。さらに、2月8日には、
子ども未来カフェと銘打ち、
子育て世代の市民を中心に集まっていただき、
市民会議を開いたところでございます。
その後は、
新型コロナウイルス感染症の増加に伴う
緊急事態宣言などにより取組を見直し、できる範囲で御意見などを取りまとめ、事務局で改定案を作成したところでございます。7月には、コロナ禍の小康状態を受け、
総合教育会議が再開しましたことから、
教育大綱の改定につきましても、10月23日、11月25日と
総合教育会議で御協議いただき、一定御了承いただきました。
2ページをお願いいたします。
3、改定に関する意見の概要。
(1)、改定の方向性では、今回の改定に当たりましては、理念や根本までの改定は想定せず、
学校教育が重視してきた知徳体をバランスよく育むこと、
学習指導要領との整合、新たな課題や取組などを反映し、その内容に厚みを持たせる方向とし、進めております。
(2)、
総合教育会議、
ヒアリングで寄せられた意見の概要では、
総合教育会議、有識者への
ヒアリング、
市民会議において、様々な角度からたくさんの御意見を頂きました。それらを分類し、目指す教育に関する意見では、子供が育つ西宮という環境に触れるべきほか五つのポイントに、目指すべきまちの姿では、西宮市も当事者ということを確認した上で、自尊感情、
自己肯定感を身につけることのできる環境ほか六つのポイントにまとめたところでございます。
3ページをお願いいたします。3ページと次の4ページで
改定素案を御説明いたします。
右側の
改定素案を御覧ください。
一番上の箱では、今までの取組の大切さ、これから求められる力として、1段落目では、
文教住宅都市西宮では夢育む教育のまちの理念の下、
子供たちが確かな学力、豊かな心、健康・体力という生きる力を育み、それぞれの夢の実現を目指してきたことと、このことはこれからも変わることがない旨を記述しております。2段落目では、子供は、学校だけでなく、地域での様々な体験を通して育っていく旨と、大人の子供に対する姿勢として愛情と敬意と寛容さをもって慈しむことを、3段落目では、これからの社会は将来予測が困難な時代だからこそ、様々な人と力を合わせ、
人間ならではの感性や想像力を生かすことが求められる旨を述べているところでございます。
次に、上から二つ目の箱の中、こちらでは、市民も含めた西宮市全体が取り組んでいく教育の方向性として、一つ目は、個人の尊重と他者への思いやりと自尊心と自立心を育むことを、二つ目は、社会の中で共に生き、コミュニケーションを取り支え合いながら役割を果たすことを、三つ目は、置かれた環境にかかわらず必要とする教育を受ける機会とその支援が受けられることを、四つ目では、乳幼児期からの質の高い教育・保育を受け、学校での学習、体験を通じて生きる力を培えることを、五つ目では、生涯教育を通じて豊かな人生を送れることを述べているところでございます。
4ページをお願いいたします。
いわゆる呼びかけ文の部分でございます。変更部分のみ御説明いたします。
まず、現行の上から3番目、「立ち上がるたくましさ」につきましては、改定後は2番目とし、整理をいたします。
次に、現行の上から2番目、「自分で考える力」は、改定後は3番目に移動させ、その上で、子供への呼びかけ部分の前段を、「様々な情報に惑わされず、正しく判断し」に改めます。これは、子供が
スマートフォンなどで
インターネットを利用する機会が増加していますが、
インターネット上の情報は多数の情報があふれ、その質は玉石混交ですので、正しい情報を見極めることが必要になっていることから、このように改めるものでございます。
次に、現行の上から4番目、「他への思いやり」につきましては、矢印のとおり二つに分け、「異なる考えの尊重」から、子供については「
一人ひとりの異なる考え方や価値観を認め合い、大切にしましょう」、大人については「様々な文化や価値観を持つ人と出会う機会をつくり、違いを認め合える
社会づくりを進めましょう」に改めます。
次に、現行の上から5番目、「健康的な生活」につきましては、これも矢印のとおり二つに分け、一つを「他者への思いやり」と合わせ「社会の一員としての行動」として、子供については「私
たち一人ひとりが社会をつくることを意識し、社会の一員として行動しましょう」、大人については「社会の一員として、何ができるかを考え、行動し、子供の模範となるよう心がけましょう」に改めます。
もう一方の「規則正しい健康的な生活」につきましては、改正後は7番目とし、子供については「規則正しい健康的な生活を心がけ、楽しく遊び、いろいろな体験をしてみましょう」、大人については「子供のこころと身体の成長に気を配り、さまざまな体験ができる機会をつくり、共に学び続けましょう」に改めます。
現行の6番目、「ふるさとへの誇り」につきましては、もともと今住んでいる西宮や日本という文意を含んでいますので、今回、冒頭に、子供については「私たちが暮らす」を、大人については「子供が過ごし、育つ」を追加しまして、趣旨を明確にいたします。
5ページをお願いいたします。5ページ以降につきましては、実際に
パブリックコメントで市民の方に見ていただく予定のものをつけさせていただいております。
その
パブリックコメントを含む今後のスケジュールでございますが、資料2ページにお戻りください。
2ページの一番下でございます。4、今後の予定でございます。
本日の
所管事務報告終了後、年明け1月初旬から1か月の
パブリックコメントを行う予定としております。そこでの意見を取りまとめた上で、3月に改めて議会へ報告させていただいた後、
教育大綱の改定を完了させていただく予定としております。
説明は以上になります。
よろしくお願いいたします。
○
大石伸雄 委員長
説明は終わりました。
本件に御質疑並びに御意見はありませんか。
◆坂上明 議員
御説明ありがとうございました。
今回、この
教育大綱の重要性ということで
連合審査会が開催されまして、心よりありがたく、そのように思うわけであります。
今日は、
教育大綱の重要性ということを考えて、これはもちろん
教育委員会の活性化というようなことから、
教育大綱として、
総合教育会議が開かれるようになった、市長が直接教育に関与するということになってできたものなんですけれども、それが重要だということに鑑みて、7点ほど一括して質問させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
まず1点目、これは、平成27年、
総合教育会議が設置されて、28年に
教育大綱が策定されたと。それによって本市の教育がどのように改善されたのか。
2点目、この認知度の低さということが現行の
教育大綱の一番の問題点だ、このように思っております。その認知度の低さは、
アンケートが届くまで知らなかったが81.9%、内容を知らなかったを合わせると90%以上になるんですよね。この数字についての当局の評価、それと、今後これを克服されるための取組というものが必要になると思いますが、それについてお聞かせください。
3点目、2019年10月18日付で市長がこの
教育大綱について、
バージョンアップに取りかかります、このように書いていらっしゃいます。恐らく現況を鑑みての御提案でしょうけれども、しかし、先ほど言いましたように、認知度が非常に低いんですけれども、
教育現場の現況と改革すべき点を抜粋していただきたい、このように思います。
4点目、
政策局主体なんですけれども、このたびの新
教育大綱策定に当たって、市教委の関与方法、関与度、また、今後この
教育大綱に沿って
学校現場で教育が行われていかれるんですけれども、今日までと大きく変わるべき点、そして、その取組について説明していただきたいと思います。また、今後この施策遂行のために政策局がどのような関与の仕方をするのか。学校の現場だけを言いますと、
年間授業時数から考えたら非常にタイトな日程なんですよね、
学校現場というのは。しかし、臨機応変な対応はもちろん必要である、このように思うんですけれども、それを含めてお考えをお聞かせください。
5点目、2030年度、これを視野に入れてということなんですけれども、その2030年度に現場で憂いだというふうに懸念される点というのが恐らく予測されているだろうというように僕は勝手に推測しておるんですけれども、それを見据えての素案であろうと思うんですが、これをどの部分に生かされておるのかということを教えてください。
6点目、
シチズンシップ教育の重要性、これは市長もよくおっしゃるんですけども、このたびの西宮の
教育大綱で言うと、大人への対応についてどのようにするのか。
最後7点目、今も説明がありましたけれども、本日の
所管事務報告、その後のパブコメ、その結果についての
所管事務報告、そして3月改定の日程で今後進められるんですけれども、その間、今日もこのように議員が14名、正副委員長を入れると16名御出席なんですけれども、その方々からいろいろな意見が出た場合、あるいはパブコメの結果で、新
教育大綱にはどのように反映されるのか。
連合審査会まで開催していただいたので、まさか単なる報告会にならないようにお願いしたいと思うんですけれども。
以上この7点、お聞かせいただきたいと思います。
以上です。
○
大石伸雄 委員長
この7点について一括で答弁をお願いしたいんですが、どなたがされますでしょうか。
◎市長
御質問ありがとうございます。
大きく7点ということでございましたが、1点目と3点目についてまず私から答弁し、後に事務方のほうから他の点について答弁させていただくという形でさせていただきます。
まず、
教育委員会制度が変わり、平成27年に
総合教育会議が立ち上がるなど、市が関与するようになった、その後、本市の教育がどう改善されたかという点に関してであります。
総合教育会議の設置以降、教育をテーマに市長が
教育委員会と
意見交換する場ができ、密接になったことで、例えば今回であれば、
GIGAスクール構想を踏まえた
学校情報化について
教育委員会と連携し、協力しながら対応できるというようなこともございました。教育の改善につきましては、例えば西宮市
小・中学校アウトリーチ事業では、
文化振興課が窓口となり、音楽、古典、美術等の分野で、プロの演奏家やアーティストを学校に派遣する事業に取り組んだりしております。また、
アウトリーチ事業のほか、団体、企業などが
小・中学校に提供する
体験プログラムを取りまとめた西宮市
公立小・中学校の
体験プログラムを作成し、各学校に配付するなど、体験活動の横展開を図って、これらにより子供の豊かな学びを促進したというようなことがございます。
また、市長と
教育委員会の連携が密になったことで、
学校教育を含む各
教育施策の連携強化、生涯
学習関連事業の効率化、
社会教育施設、
文化施設等を含む総合施設の在り方の見直しなどの協議が進んだと考えております。これにより、
教育委員会の
社会教育部門を
市長事務部局に移管する
条例改正案を本定例会に上程することにつながったというふうに考えております。このことは、市長を中心とした全庁的な生涯学習推進の体制の確立につながったというふうに思っております。
平成28年に開校した
高木北小学校の建設では、建設段階から市長部局が関与することによって、校舎内で
子育てひろばや
児童育成センターを設置することができ、地域の
子育て支援の充実が図られることとなりました。
そのほか、発達に課題のある子供については、学校では、先生や周囲の理解を得ることが、そして、セラピストや心理士などの専門家からの支援が有用であり、従来、
福祉サイドから学校に入るということはなかなかやりにくいところがあったわけであります。そして、学校からも支援を求めにくいということもありました。しかし、平成27年度の
こども未来センターの開設により、福祉、教育、医療が連携して切れ目のない支援の提供が可能となって、状況が大きく改善されたというふうに考えております。
次に、3点目、私自身が
教育大綱の
バージョンアップと言っていたことについて、改革すべき点はどこにあるのかというようなことについてであります。
これにつきましては、
バージョンアップということでありますから、今のベースからさらに私の見方ではよりよくしていくというような、そういうようなことでもあります。そして、以前から
学校教育と社会を――これは今までの
教育連携協議会などで結びついておる、青愛協などで結びついておるところでもありますが、さらに地域と共にある
学校づくりを目指す西宮市の
コミュニティ・
スクールを各校で普及させていきたい、そのことによって、地域と共に学校の運営をしていくというようなこと、こうしたことを私の言葉では
バージョンアップというふうに言わせていただいたというふうに思っております。
学校の運営の基本方針に地域の皆様方に参画いただく、見守り活動や様々な
ボランティア活動に主体的に取り組んでいただく、こうしたことで、地域全体で子供の成長を支えていくというようなこと、こうしたことを
教育大綱に盛り込んでいく、こうしたことを意図して書かせていただいたものであります。
以上でございます。
◎
政策局長
私のほうからは、2点目の
教育大綱の認知度の低さについてどのように評価しているのか、また、今後どのように取り組んでいくのかについてお答えいたします。
本市の
教育大綱は、子供・
教育施策の礎としてのみならず、これを共有するために市民に呼びかける形にしていることから、策定時に
リーフレットを作成しまして、市立の
小・中学校の児童生徒がいる家庭を対象に約4万枚、
市立小・中学校の全教職員を対象に2,400枚を配付等いたしました。また、
PTA協議会総会等の場でも
リーフレットを配付しまして、市長からも説明を行うなどいたしました。さらに、
大綱策定の翌年度には、「わたしたちの
教育大綱」という見やすい形のものを作りまして、小学校の高学年から中学生を対象にした
リーフレットを作成しまして、約3万枚を配付するなど、広報に努めましたにもかかわらず、認知度が非常に低いということは
アンケート結果に出ておりまして、そのことについては非常に残念だというふうに考えております。
改定後につきましては、
市政ニュースやホームページで周知を図るということはもちろんなんですけれども、やはり手に取って読んでいただく必要があろうかというふうに考えておりますので、
リーフレットのようなものを作成したいというふうに考えております。
また、
PTA協議会や青愛協の総会等で説明に行かせていただいたり、あるいは、改定後の大綱は
シチズンシップの内容を含んでおりますので、様々な
地域活動団体の総会であるとか
研修会等の機会を捉えまして周知するなど、幅広く広報し、広く市民の方に認知、理解されるように努めたいというふうに考えております。
以上でございます。
◎
教育次長(佐々木理)
順番が前後して申し訳ございませんが、次に、5点目の質問にお答えさせていただきたいと思います。
2030年を念頭にどのような憂いを持っているかという質問でございますが、一番の憂いは、2030年に世の中がどうなっているかが予想できないというところでございます。かねてから国の会議や中教審でも同様の趣旨のことが言われておりますが、これからの社会は、人工知能、
ビッグデータ、IoT、ロボティクスなどの先端技術が高度化し、社会の
在り方自体が非連続的にと言えるほど劇的に変わる、すなわち、Society5.0が到来するというふうに言われております。そのような劇的な変化が予想される社会において、
教育現場が物質的、また、技術的についていけるのかどうなのか、また、どのような教育を行っていくことが必要なのか、このことが
教育現場における最も大きな憂いと言えると思います。
今申し上げたような劇的な社会の変化、いわば大海の大波の中でしっかりと根を張って生きていける子供を育成していくためには、第一には、自立した人間としての主体性、そして、多様な人々と関わっていける協調性や共同性、また、その営みの中で新たな価値を生み出していける創造性を育てることが必要であるというふうに考えています。加えて、これからの社会を創造していく
子供たちには、SDGsに示されるような国際社会の開発目標を自分事として意識させていく取組も必要だというふうに考えております。
今回の大綱には、今申し上げましたような理念、考え方が、
子供たち、あるいは大人たちへの呼びかけの中に以前にも増して色濃く反映されているというふうに考えております。
以上でございます。
◎
教育総括室長
4点目の、
政策局主体で進められてきた
大綱改正について
教育委員会はどのように関わってきたのか、また、授業時数など多くの制約がある中で市としてどのように関与してきたかという御質問につきまして、まず、
教育委員会が
大綱改正にどのように関わってきたかにつきましてお答えさせていただきます。
教育委員会としましては、草案の作成段階から政策局と
意見交換を行っており、同時に
学校関係者への
ヒアリングを行いながら、連携して作業を進めてまいりました。途中、コロナの影響で間が空きましたが、
総合教育会議でも4回にわたり協議を行っております。また、
総合教育会議に先立っては、
教育委員の皆様とも
意見交換を行ってまいりました。
次に、市の関与につきましては、政策局から答弁させていただきます。
◎参与
教育に対して市の政策局など
教育委員会以外のものがどう関わってきたのかということについてお答えいたします。
教育への
教育委員会以外の市の関与につきましては、
教育大綱に市としての理念や取り組むべき方向を盛り込んだところでございます。ただ、
学校教育につきましては、
教育委員会がその実施主体であるということでございます。そこで、
教育大綱で掲げました理念につきましては、
学校教育の実施主体である
教育委員会が作成する「西宮教育推進の方向」に反映させており、各
教育現場に落とし込まれ、生かされていっているところでございます。
その上で、市長部局といたしましては、予算編成などを通じまして、
教育大綱に掲げた内容が行われるよう努めてまいります。例えば
アウトリーチ事業での大谷記念美術館の鑑賞では、事業に取り組みやすく、かつ現場教員の負担が少なくなるよう、バスの手配を行うなどの配慮なども行っているところでございます。さらに、教育の方向性について、
教育委員会と協議が必要なものにつきましては、
総合教育会議の場を活用し、積極的に取り組んでまいります。
次に、
シチズンシップについて、大人に対してどのように対応していくことを考えているのかということについてお答えさせていただきます。
シチズンシップでは、多様な主体がそれぞれの立場から主体的に関わり、課題の解決に取り組むことが必要でございます。また、
シチズンシップに関する取組につきましては、まず、大人が実践していかなければ子供に浸透していかないと考えているところでございます。そこで、現在策定中の生涯
学習推進計画では、学んだ成果を活動につなげ、人とのつながりを育み、活動を踏まえてさらに学びを深めるという学びと活動の巡回の促進を大切な視点としており、この計画と計画に沿った取組が大人への
シチズンシップ醸成や浸透に大きな役割を果たしていくものと考えております。
次に、
所管事務報告、パブコメなどで出てきた意見についてどのように対応するのか、反映する意思はあるかということでございますが、議員の皆様から頂いた御意見、また、
パブリックコメントで頂いた御意見につきましては、
総合教育会議等でその内容を精査いたしまして、反映させるべきものと判断したものについては反映させてまいりたいと考えているところでございます。
よろしくお願いいたします。
◆坂上明 議員
いろいろと御答弁いただきまして、ありがとうございました。
今回、いずれにしましても、この認知度の低さを何とかして克服する、これが一番大事なことだと思うんですよね。
それと、今、佐々木次長のほうから2030年度のことも御答弁いただきました。つまり、今進めようとしておる全庁的な生涯学習というものとの密接な関係というものをもう一度再認識していただきまして、生涯学習のことは本会議場で八木議員もおっしゃってましたけれども、全庁的な組織編成というものが非常に大事だと思いますので、改めましてその組織づくりというものの再編を考えていただいたほうがいいんじゃないでしょうか。一言で生涯学習と言っても、これはとんでもない重要な事項ですよ。この
教育大綱にも大きく関与するものだ、このように思いますので、今言いましたように、全庁的な生涯学習のこと、それから、今言った認知度、これをどうやって克服していくかということも含めて、市長が
バージョンアップということをおっしゃっているんですから、その辺はしっかりと今後もう一度御検討いただきたいと思います。
最後に、一つだけ、もう一つ質問したいんですけれども、今回、この
教育大綱を変えなきゃいけないというそもそもの根拠は一体何なんですかね。というのは、これだけ認知度が低いんだから、庁内は別にしましても、市民にはまず知られていないものなんですよ。つまり、市民からの現行の
教育大綱についての評価は恐らく聞く由もないと思うんですけれども、その1点、最後にお聞きしたいと思います。
以上です。
◎市長
御質問ありがとうございます。
教育大綱をなぜ変える必要があるのかというようなことについてであります。
まず、認知度については、本当におっしゃるとおりでございまして、特に今回改正した中で、社会の一員としての行動をという項目も立てて、大人の皆様に呼びかけるというようなことも
シチズンシップの文脈で追記をいたしました。そういう意味では、今後、社会全体、市全体に認知度を高めていくというようなことをやらなければいけないというふうに私も強く思っております。
その上で申し上げるとすれば、やはり市全体で認知度が低いということは認識をしっかりせねばいけませんが、一方で
教育現場ですね、「西宮教育推進の方向」、
教育振興基本計画の中にこの
教育大綱の理念を踏まえた、そうした計画が書かれていると。そして、市全体、市民の皆様方の
アンケートとして、そうした今の認知度に関する現状はしっかりと認識しなければいけませんが、少なくとも事務方、市長部局、
教育委員会、そして学校の
教育現場、こういうところには、
教育大綱というようなこと、そして、それを踏まえた
教育振興基本計画というものを踏まえて、それぞれの予算などもつけられ、そして、それぞれの施策も講じられているというふうに理解しておりますので、そういう意味では、市全体の政策を形づくる方向性としての
教育大綱がある、ゆえに
バージョンアップを私はこの機会にしたいと思っているところであります。
併せて申し上げれば、私は、就任しました2年前の6月議会で、
教育大綱を変えないのかということについてお問合せを頂きました。その場では、今の
教育大綱については、悪いことは書かれていない、私のやろうとしていることについて支障があることはない、さらに言えば、文科省が示唆している中で、
教育大綱の一つのスパンが4年から5年程度のものというようなことを参考として書いております。平成28年11月にできたもので、私が就任したのが30年4月、お問い合わせいただいたのが6月という段階でありました。まだ2年というような段階でありまして、まずは教育の安定性、それから私自身もしっかりと
教育大綱、そして現場を踏まえる必要性があるということから、即座に変えるということをそのときに判断はいたしませんでしたが、あわせて、これができてから4年目を見据える段階に入ってまいりました。そして、今、私自身も、既に
コミュニティ・
スクールというようなことについて
教育委員会と協力し、地域と一緒に学校をつくっていこうというようなことについて心合わせもできてまいりました。改めてこの段において、ここで変えるべき適した時が今やってきたというふうに考えて、今回の改定に至ったというふうに考えております。
以上です。
◆坂上明 議員
市長、非常に御丁寧な御答弁ありがとうございました。
国のほうから、4年、5年で変えなきゃいけないんじゃないかなという、そういう指針があったというのもよく存じ上げておるんですけれども、西宮市の特徴はそれでいいんだから、それが1年で変えようが、2年で変えようが、僕はいいと思うんですよね、言うたって教育の根幹なので。今、佐々木次長が2030年には一体どうなっておるか分からないということなので、今後、それこそどんどん目まぐるしく変わる社会情勢だと思うんですよね。この
教育大綱も、
総合教育会議の重要性というものもより一層増すんだと思うんですよ。全庁的な生涯学習も含めて、
教育大綱の見直し等も常に視野に入れながら今後進めていっていただきたい、このように思います。
今回、前文が非常にしっかりとしたものになっていらっしゃって、ぜひともこれに沿った教育、全体的な教育、特に
学校教育をしっかりとやっていただくことを心より期待したいと思います。
以上です。
◆うえだあつし 委員
私のほうは、一問一答で1点のみさせていただきたいと思います。先ほど坂上議員のほうからもありましたけども、認知度があまりにも低かったということに関係して、一問一答でさせていただきたいと思います。
まず、認知度はほぼ0%であったというようなことがこの
アンケートの結果から見て分かると思います。ただ、前大綱ですね、現行の大綱ですけど、これをつくった際、市民に知ってもらう必要はないと思ってつくられたのでしょうか。
○
大石伸雄 委員長
1問だけでいいんですね。
◆うえだあつし 委員
はい、一問一答で。
◎参与
現大綱は、策定時、これを市民に知っていただく必要がないと思っていたのかということにつきましては、
教育大綱が西宮の教育・子供施策の礎という位置づけを持っておりますとともに、市民の方に呼びかけるという形式を取っておりますので、これは当然、市民の方に周知を図っていかないといけないというものだというふうに理解しております。
◆うえだあつし 委員
当たり前のことを聞いてしまってすみません。
なぜ当たり前のことを聞いたかというと、そういう意味では、現行の大綱は失敗に終わってしまったということであると思います。何も、今回失敗したからどうだという話ではなくて、内容は非常にいいものが書いてある、ただ、知ってもらわなくてはならない。過去に知ってもらうための方策として太田局長のほうはいろいろさっきお話しされたんですけど、それをやった上でほぼ0%であったというのが現行の大綱でございます。それで、新しい大綱はこのようなことになってほしくない、せっかくいいものが書いてあるのにというのが我々議員の意見じゃないかなというふうに考えてます。
幾らいいものをつくっても、知ってもらわなくては意味がないんですね。次は何%ぐらい知ってもらえるように努力するのかというのをまずお聞きできたらなと思います。
◎市長
御質問ありがとうございます。
知ってもらうということは大切だと思っております。認知度が今のものは低いということは課題だと思っております。一方で、今の何%ぐらいということに関しては、直接的なお答えは差し控えたいと思います。といいますのが、やはり大綱にある理念を教育の現場、そして社会の現場にしみ込ませて実現させていくということが目的であろうと思います。知っていることは重要ではありますが、そのこと以上に重要なことは、その理念に沿った政策・施策、これをやっていくことでもあります。そういう意味で、もちろん前回のような認知度にならないというようなことにしたいとは思っておりますが、何%の方が
アンケートで知っていただいているといったことで目的を達成したというような形の設定は、私の理解ではそういう目標設定ではないんだろうなと思っております。
以上です。
◆うえだあつし 委員
御答弁ありがとうございます。
理念が大切であって、大綱に沿った教育がなされる、理念がしみ込むとおっしゃった、それが大切であるということはもちろん存じ上げております。ただ、知ってもらって何ぼというところもありますので、気概として、100%を目指しますというようなことを言っていただければ助かったなというふうには思っておるんですけど、新しいもの、せっかくいいものをつくるので、ただ、これまでと同じ広報でしたらきっと同じような認知度になってしまうことがあり得るんじゃないかなと思っております。
そこで一つまた質問なんですけど、大綱というのが教育に反映している、いい大綱をつくった、これが教育に反映されていて、私たちの子供ですね、私もちょうど今、子供が学校に通っているんですけど、この大綱どおりしっかりした教育がなされているなというのを実感できるような形を最終的に取るということが大切だと思うんですよね。
アンケートをずらっと見てみますと、大綱がしっかり実施されたのかどうかというのを聞くことができなかったと思うんですね。なぜかというたら、大綱というのがあることを事前に分かってなかったものでして、そうすると、大綱どおりの教育ができているのかというのを実感することが今回できなかったと思うんですね。
ですから質問なんですが、新しくつくった大綱が教育に反映されているのかどうかというのは将来的に
アンケートを取る等をすればいいのではないかというふうに考えておるのですが、どうでしょうか。
◎参与
本市の
教育大綱につきましては、理念として策定しておりまして、事業が直接的に結びついていないことから、なかなか効果測定というのは難しいのではないかというふうに考えているところでございます。一方、やはり
教育大綱の認知度につきましては、
アンケートの実施も一つの方法とは考えているところでございますが、様々な方法による周知を検討したいというふうに考えているところでございます。
よろしくお願いします。
◆うえだあつし 委員
御答弁ありがとうございます。
一つの提案として
アンケートの話をしたんですけど、要は何が言いたいかといいましたら、新しいものは文章も変わっていいものになったというふうには思っておりますので、ぜひとも多くの方に知っていただく――理念がしみ込むというような言い方でしたかね、そのような形になるように、まずは知ってもらうことを考えて、そして理念をしみ込ます、その理念がしみ込んでいることを市民が実感できるような形にしていただきますようお願いいたしまして、質問を終わります。
◆菅野雅一 議員
8点について一問一答でお願いします。1点目、文中の用語としての「私たち」、2点目、文中の用語としての「西宮市」、3点目、「西宮の
子供たちへ」と「西宮の大人たちへ」について、4点目、第3期
教育振興基本計画と新
学習指導要領について、5点目、知徳体のバランスの取れた
学校教育などについて、6点目、
教育現場での活用について、7点目、コロナ禍での
教育大綱の改定作業の必要性について、8点目、議会への報告のタイミングについて。
1点目から質問します。
素案の内容について質問します。
2段落目の「また」の後の「私たち」と3段落目の出だしの「私たち」、4段落目の出だしの「私たち」、「西宮の
子供たちへ」の⑤の「私たち」、⑥の「私たち」、それぞれの意味を教えてください。どこまでの人を含んでいる表現ですか。いずれも同じ意味ですか。違う場合は、なぜ短い文章の中で同じ言葉に違う意味を持たせるのですか、御説明ください。
◎参与
「私たち」という言葉が複数出てくることについて、なぜ違う意味を持たせるのかということでございますが、まず、現在の
教育大綱の策定時におきまして、大綱は大綱自身が呼びかけているものと説明をさせていただいたところでございます。今回は、これを踏まえつつ、市民、地域団体、企業、市役所など、西宮に関わる全ての人を指しまして「私たち」というふうに表現したところでございます。ただし、前文の2段落目の「また」の後ろの「私たち」でございますけども、これにつきましては、この文章の文意からやはり自然人であることを指しているということになっているところでございます。また、後半の呼びかけ文中の「私たち」につきましては、そのほかの前文と同じ西宮に関わる全ての人を指しているところでございます。
よろしくお願いします。
◆菅野雅一 議員
なぜ短い文章の中で同じ言葉に違う意味を持たせるのですか、読む側に混乱を与えないでしょうか、御説明ください。
◎参与
今回御指摘いただきました短い文章内での違う意味という点につきましては、御指摘を踏まえまして、改めて
総合教育会議で協議させていただく予定にしております。
◆菅野雅一 議員
2点目の質問に移ります。
素案の内容について引き続き質問します。
「「夢はぐくむ教育のまち」をめざす西宮市」の「西宮市」の意味を教えてください。どこまでの人を含んだ表現ですか。次の行の「今後の西宮市の教育・子供施策」の「西宮市」と同じ意味ですか。御答弁ください。
◎
教育総括室長
「夢はぐくむ教育のまち」、この言葉につきましては、甚大な被害を受けた阪神・淡路大震災からの教育振興を目指し、震災によって
子供たちが夢と希望を失うことなく、心豊かにたくましく育つよう教え導くことこそ教育に携わる者の務めであると、平成8年に、これからの時代を生きる
子供たちに何が最も大切か、私たち大人とその社会が果たすべき教育的責任は何かを考察し、西宮教育の基本理念として
教育委員会が掲げたものでございます。しかし、教育行政は、福祉や地域振興などの一般行政との密接な連携が必要となっており、
学校教育だけではなく、施策の総合的な推進によって
子供たちの育ちを支えるため、現在では市の共通目標として位置づけております。
よって、ここでの「西宮市」は、ともに行政主体である西宮市を指してございます。
以上です。
◆菅野雅一 議員
3点目の質問に移ります。
引き続き、素案の内容について質問します。
「西宮の
子供たちへ」と「西宮の大人たちへ」は、それぞれ誰が西宮の
子供たちと西宮の大人に語りかけているのですか、「西宮の大人たちへ」は、西宮の大人が西宮の大人に語りかけているような印象があり、違和感があるが、なぜこのような形にしたのでしょうか。「西宮の
子供たちへ」と「西宮の大人たちへ」は、一方的に上から押しつけているような違和感を持ちますが、西宮の子供は何々しますとか、西宮の大人は何々しますなどの決意表明の形を取らず、現行の形にした理由は何ですか。「西宮の
子供たちへ」と「西宮の大人たちへ」の形では、子供と大人を分けてしまうことになりますが、それでいいのでしょうか。生涯学習推進の視点が阻害されるおそれはありませんか。「西宮の
子供たち」、「西宮の大人たち」の定義についても説明してください。それぞれ年齢で分けているのでしょうか。御答弁ください。
◎参与
まず、誰が呼びかけているのかという点につきましては、これは今回、西宮に関わる全ての人である概念的な私たちというものが呼びかけているということでございます。
その上で、呼びかけ文にしたことにつきましては、過去に策定いたしました教育理念のうち、「父と母のための48章」、「家庭教育五つの実践目標」などがこのような形式を採用していることに加えまして、施策推進の判断材料としてだけでなく、広く市民と共有するために分かりやすく親しみを持てる形で、今回も前大綱がしている形式を踏襲したものでございます。
次に、「
子供たちへ」と「大人たちへ」と分けていることにつきましては、現
大綱策定時に、有識者
ヒアリングの結果、子供の課題の原因の多くは周囲の大人や社会環境だということが整理されております。子供だけでなく、大人にもメッセージが必要だろうという発想で、同じことは要求しつつ、違う角度から書いた現大綱の形式を踏襲しております。
また、「西宮の
子供たち」、「西宮の大人たち」の定義につきましては、まず、改定原案全体は、子供が生まれた時点から大人による生涯学習まで扱うことで現大綱よりも対象範囲を広げているところでございます。しかし、呼びかけ部分につきましては、読んで理解をしていただく必要から、「子供」については小・中学生を中心に想定しているものでございます。また、「大人」については、小・中学生に様々関わる、保護者だけでなく、地域の方、先生など、子供の親だけでない幅広い大人を想定しているところでございます。
よろしくお願いします。
◆菅野雅一 議員
この部分、再質問します。
「西宮の
子供たち」、「西宮の大人たち」について、年齢を分けていないのでしょうか。答弁では、「子供」については
小・中学校を中心に想定しているものとのことでしたが、乳幼児や幼稚園児、保育園児、高校生、大学生はどこに入るのでしょうか。
教育大綱で呼びかける対象を限定すると、それ以外の人に阻害感を与えるおそれはありませんか。SDGsの理念である誰一人取り残さないに反するのではないでしょうか。御説明ください。
◎市長
御質問ありがとうございます。
そういう角度で御質問いただくというのは全く想定しておりませんでしたので、また中へ持ち帰りたいと思いますが、一方で、厳格に子供、大人というようなことではなく、これはやはり、理念的に呼びかけている、つまり成長プロセスにあるような方々を
子供たち、しかし一方で、やはり乳児にこういうことを言ってもなかなかまだそしゃくできる段階にはならないでしょう。そういう中で、子供というのは、今は小・中学生を中心にというふうになりましたけれども、それは高校生も「子供」に入るでしょうが、しかし、もう18になれば、今、法律的には大人というふうになりますから、子供の部分もありながらも、一方で大人というようなものの部分的なものは膨らんでいくのであろうと思います。どこかで線をぱっとこういうふうに切るというようなことよりかは、これはまさに大綱という理念的なものでありますので、それをもちろん何事も法律等々で定義というのは必要でありますが、ここにおいてはそこの厳格な定義というようなものはある程度膨らみのあるもの、そういうふうに私は捉えているところであります。
以上です。
◆菅野雅一 議員
この部分、さらに再質問します。
現
教育大綱において、「西宮の
子供たちへ」の中には、「他に対して思いやりを持ちましょう」という一文が入っています。しかし、今回は、「多様な考え方・価値観の尊重」、「社会の一員としての行動」に割り振られてしまっています。それで抜け落ちている部分があると思います。他に対する思いやりということには、他の人の悲しみとか苦しみに寄り添うとか、他の人の喜びを分かち合うとか、そういう人として非常に重要な部分がこの言葉の中には入っていると思います。この部分は、新しい改定後の
教育大綱にもこの考え方を入れる必要があるのではないかと思いますが、お考えを聞かせてください。
◎市長
御質問ありがとうございます。
「他に対して思いやりを持ちましょう」というようなことは、私の理解では、この中で、価値観を認め合って、そして大切にしましょうというようなこと、そのことが「他に対して思いやりを持ちましょう」というようなことと大方同義というふうにも考えられるところではないかなというふうに思っております。その上でさらに、社会の一員として行動していこう、つまり思いやりを持った行動をしていこうというような文脈で言いますと―― 一員としての行動がですね、社会の一員として行動していこう、それは、社会の一員でもありますし、仲間としてお友達たちに対しても行動していきましょうというようなことにつながるというわけでありまして、他に対しての思いやりを持ちましょうというこのこと、本当に大切なところを御指摘、ありがとうございます。これは、次の新しい
改定素案にも、文字面としては変わっているかもしれませんが、理念、思いとしてはつながっているというふうに考えております。
以上です。
◆菅野雅一 議員
4点目の質問に移ります。
引き続き、素案の内容について質問します。
教育大綱の改定として、第3期
教育振興基本計画と新
学習指導要領を挙げていますが、それぞれの趣旨を素案にどのように盛り込んでおられるのでしょうか、御説明ください。
◎参与
新
学習指導要領は、2030年頃の社会を見通し、そこで必要となる知識、能力を総合的にバランスよく育むことを目指し、言語能力の育成、伝統や文化に関する教育、主権者教育などに取り組むことになっております。素案では、主に前文の3段落目、「私たちを取り巻く世界は」以下でございますが、そこにこの趣旨を反映させたところでございます。
次に、
教育振興基本計画では、個人と社会の目指すべき姿が示されております。個人では、自立した人間として主体的に判断し、様々な人と協働しながら新たな価値を創造する人材の育成、社会では、一人一人が活躍し、豊かで安心して暮らせる社会の実現、社会の持続的な成長・発展とされておりまして、これらにつきましては、前文全体を通しまして要素を盛り込んでいるところでございます。
よろしくお願いいたします。
◆菅野雅一 議員
5点目の質問に移ります。
引き続き、素案の内容について質問します。
教育大綱の改定として、知徳体のバランスの取れた
学校教育、
シチズンシップの醸成、地域社会との連携による
コミュニティ・
スクールの実施、生涯
学習推進計画の改定を挙げていますが、それぞれの趣旨を素案にどのように盛り込んでいるのでしょうか、御答弁ください。
◎参与
まず、知徳体のバランスの取れた
学校教育につきましては、前文の1段落目において、これまでも取り組んできたもので、これからも変わらず取り組む内容であるという旨の記述をしているところでございます。
次に、
シチズンシップの醸成とこの具現化の一例でございます地域社会との連携による
コミュニティ・
スクールの実施につきましては、前文の6段落目の「第二」で始まるところ、自分らしい形で社会の中で共に生き、コミュニケーションを取り、それぞれの役割、居場所が見つけられることとして記述しておるところでございます。また、呼びかけ文の「社会の一員としての行動」などにも同じ内容が含まれているところでございます。
次に、生涯
学習推進計画の改定に関する内容につきましては、前文の9落目の「第五」で始まるところ、ここの全体が生涯学習の取組として記述させていただいているところでございます。
以上でございます。
◆菅野雅一 議員
6点目の質問に移ります。これまでの質問とダブる部分がありますが、質問させていただきます。
現行の
教育大綱について、どのように
教育現場で活用しているのか、どのような方法・手段で周知を図ったのか、どのような教育効果があったのか。改定後の
教育大綱について、どのように
教育現場で活用するのか、どのような方法・手段で周知を図るのか、どのような効果を期待しているのか。御説明いただければと思います。お願いします。
◎参与
まず、現大綱につきましては、策定時に
リーフレットを作成いたしまして、
市立小・中学校の児童生徒がいる家庭を対象に約4万枚を、
市立小・中学校の全教職員を対象に2,400枚余りを配付したところでございます。また、
PTA協議会総会等の場でも
リーフレットを配布し、市長からも説明などを行うことをいたしました。さらに、
大綱策定の翌年度には、「わたしたちの
教育大綱」といいます
小学校高学年から中学生を対象にした
リーフレットを作成し、約3万枚を配付いたしました。
今回の改定後につきましても、手に取って読んでいただくという必要があると思っておりますことから、
リーフレットのようなものは作成したいと考えているところでございます。あわせて、その他の手段につきましても、今後検討し、広く市民に周知、理解されるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
よろしくお願いします。
◎
教育総括室長
教育委員会からも重ねてお答えさせていただきます。
教育委員会では、毎年4月に校園長研修を行いまして、
教育大綱にも触れ、また、
教育大綱の理念についても落とし込んだ「西宮教育推進の方向」という冊子を用いまして、その年の行動指針を示しておるところです。それを基に校長は、教育課程の中で大綱の理念を生かした指導を行っておるところです。
家庭でも話題にしていただきたいという思いを込めて、この
リーフレットも配付したところでございますが、先ほどの御質問にもありましたように、残念ながら
アンケートでは認知度の低さが浮き彫りになった、そういうことでございます。教育・子供施策の礎として大綱に基づいた政策を実施していくことが重要で、これは、
教育委員会だけではなく、市全体として取り組み、折に触れてそのことを周知していくことも必要だと考えております。
以上です。
◆菅野雅一 議員
7点目の質問に移ります。
本市は現在、新型コロナウイルスの感染拡大のため、業務継続計画――BCPが発動され、職員は多忙です。こうした状況の中で
教育大綱の改定作業を進める必要性についてどのようにお考えになっておられますか、御答弁ください。
◎市長
教育大綱の改定事務につきましては、昨年10月から本格的に議論を始め、令和2年2月中に
ヒアリングや
市民会議を終えていたものであります。その後、
新型コロナウイルス感染症に伴う
緊急事態宣言、そして、本市においても多くの感染者の確認というような事態になりました。その中で
総合教育会議も延期をするというようなことで、その場ではそうした対応をいたしました。また、学校の休校などもありまして、
教育委員会が多忙であったことから、改定作業については政策局の中での事務作業にとどめるなどして、影響のない範囲でやってきたところでもあります。
そういう中で、
緊急事態宣言も明けて、感染症は、今、数自体は多くの方がいらっしゃるというところではありますけれども、一方で、こうした対応については市としても落ち着いて対応できる段階になった、あわせて、
教育大綱の改定というのはこの段階でとても大切なものだというふうに私も思ったことでありますので、他の業務、市全体に支障を来さないというようなことが確認できた上で、今回、この改定を進めるという判断に至ったところであります。
以上です。
◆菅野雅一 議員
8点目の質問に移ります。
教育大綱については、来年1月初旬に
パブリックコメントを行い、3月に改定を決める予定になっており、決定までの時間があまりありません。なぜ議会への報告はこの時期になったのでしょうか。改定で大綱の理念や根本まで変えるかどうかについて議会の意見を聞く必要はなかったのでしょうか。議会から
改定素案について修正などの要望が出た場合、どこまで対応が可能ですか。御答弁ください。
◎参与
まず、今回の改定につきましては、教育を取り巻く周囲の状況でありますとか、
総合教育会議の協議を踏まえまして、一部改定をする必要があるのではないかというふうに判断したものでございます。
次に、改定への取組を行うことにつきましては、市長のほうから施政方針で触れていただきまして、議会のほうからの一般質問に対して答弁をさせていただくなどしてきたところでございます。
また、報告時期がこの時期になったことにつきましては、議会への報告につきましてはやはり一定の形になったものをお示しするのが適当ではないかということで、素案ができたこの時点で提示をさせていただくことになっておりました。今回の
所管事務報告で素案のほうを提示させていただいたということでございます。
最後に、議会等からの修正などの要望につきましては、
総合教育会議のほうで、頂いた意見を精査しまして、反映すべきものにつきましては反映させるという形で進めていきたいというふうに考えているところでございます。
よろしくお願いいたします。
◆菅野雅一 議員
この項目について再質問します。
教育大綱については、改定前も改定後も、一般質問を含め、多くの議員から様々な意見を出しております。こうした議会の意見は今回の改定作業の中に一定尊重・考慮されたのでしょうか、御答弁ください。
◎市長
議会の皆様から頂く御意見は、こういうオフィシャルな場もあれば、様々な懇談の場等々、一般質問など、様々あろうと思います。そうしたものは、常に私が聞いているもの、そして、それぞれの所管が聞いているもの、報告を受けて、議員の皆様の意見、市民の意見の代弁というようなことで受け止めて、反映をしてきたというふうに思っております。
以上です。
◆菅野雅一 議員
以上で質問を終わります。
以下、西宮市
教育大綱について感想を述べます。
今回の改定について御尽力いただいた方々に心より感謝します。
私は、
教育大綱について、頻繁に変えるべきではないと考えますが、今回の改定については賛成します。現行の
教育大綱の内容がかなり一面的であり西宮市
教育大綱の名を冠する内容になっていないからです。答弁で、残念ながら
アンケートでは認知度の低さが浮き彫りになったとのことでしたが、それは、周知の方法に問題があるのではなく、現行の
教育大綱の内容に魅力がないからだと思います。
改定素案についてはよくなったと思います。第3期
教育振興基本計画や新
学習指導要領を踏まえ、知徳体のバランスの取れた
学校教育や
シチズンシップの醸成、地域社会との連携による
コミュニティ・
スクールの実施、生涯
学習推進計画の策定の趣旨などが程よく盛り込まれており、他市の
教育大綱と比べても遜色はないと思います。特に石井市長が
総合教育会議で盛り込む必要性を強調された
シチズンシップの醸成については、私も同感であり、高い市民性、高い市民意識こそ文教住宅都市たる西宮の骨格部分だと考えます。
改定素案でその部分が盛り込まれたのはよかったと思います。
しかし、せっかく改定するのであれば、全体の様式を変更して、「西宮の
子供たちへ」や「西宮の大人たちへ」などの形もやめたほうがよかったのではないかと思います。この形にこだわるのなら、「西宮の
子供たちへ」では、○○しましょうという押しつけがましい言い方ではなく、資料2ページの
子ども未来カフェの主な意見にあるような内容をメッセージにして、あなたは自分のことを大切にしてほしいとか、あなたはありのままでいいとか、自分で考える力を身につけることはすばらしいというように、同じ目線で愛情を込めて語りかけたほうが心に響くのではなかったかと思います。また、無限の可能性を秘めた
子供たちには、グローバルな視点も語りかけたほうがよかったのではないかと思います。
もっとも、
パブリックコメントを直前に控えて大幅な変更を求めることはできないので、以上の感想を述べる程度にとどめます。
以上です。
◆ひぐち光冬 議員
一問一答で、私も、呼びかけ形式について1問だけ質問させていただきたいと思います。
全く菅野議員と同じ意見でして、非常に押しつけがましいと感じます。上から目線に感じます、誤解を恐れずに言えば。これは、私も小学生の子供がいるんですけど、小学校で手紙かパンフレットか、
教育大綱をもらって帰ってきて、家で見せてもらって、「西宮の
子供たちへ」、「自分に自信を持ち、新しいことや自分の目標に挑戦する勇気を持ちましょう」、うるせえよと思うと思います。「西宮の大人たちへ」、「子供の興味や意欲に気付き、それを深めたり挑戦したりすることを応援し、見守りましょう」って、そんなん言われなくてもいいよというような、ちょっと腹立たしくさえも思うぐらいの気持ちになるかと思います。これはぜひ検討し直していただきたいと思うんですが、検討の余地があるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
◎市長
先ほど来申しておりますように、ここで頂いた意見、そして
パブリックコメントも含めて、
総合教育会議など、そして、また私と事務方のほうで協議して、何らかの修文という可能性はもちろんあります。
その上で申し上げますけれども、ひぐち議員が今、なるほどこういうふうな感覚を持っている方もいるんだなと思って、ちょっと正直びっくりいたしました。それもまた受け止めたいと思います。
一方で、やはり自分に自信を持とうというようなことは、それは欧米なんかでよくあるんですね。アイム・プラウド・オブ・ユーというような形で自分の子供のことを言って、もともと日本の民族性といいますか、言語の中で、子供のことを愛しているよとか、僕は君のことを誇りに思うよみたいな、なかなかそういう日本語って出てこないんですけれども、ただ、私が欧米で少し暮らしていた経験、それといろいろなところで、やっぱりポジティブに
自己肯定感を高めていく、そういうようなことを様々なところで持ってもらうことが、子供の育ちにとって、私の議論の中ではポジティブに受け止めたところであります。前回の大綱からそういう中でこの部分は受け継いでというふうに考えているところでもあり、決して押しつけというようなことでなく、何々しましょうというような形で呼びかけるというふうに考えて今ここで提示をさせていただいているということも付け加えさせていただきます。
以上です。
◆ひぐち光冬 議員
ありがとうございます。
本当にポジティブな気持ちを持ってもらう、それを育んでいくというのは非常に大事なことで、そのためには、私は、この呼びかけ形式はマイナスになるんじゃないかなと感じています。ぜひ、見直していただけるなら見直していただきたいし、本当にシンプルに、西宮市
教育委員会としてはこんな教育をしていきますとか、こんな
子供たちに育ってほしいと思ってますみたいな感じでシンプルにいけばいいんじゃないかなというふうに思ってますので、これは意見です。よろしくお願いします。
◆江良健太郎 議員
一問一答で1点だけ。
先ほどから知っていただくことが大事とあるんですけれども、
改定素案は、道徳的であったり、こういった西宮市を目指すんだというのは非常によく分かるんですけど、目指すべき姿になるために、一人一人が実際にどのような行動を取るかというのがちょっと見えにくいなというのがあるので、御回答いただきたいと思います。
◎市長
御質問ありがとうございます。
端的に一つでということではないんでしょうけど、今回の特徴ですね、この資料の中で
改定素案、呼びかけの中であると、一つ加わったところとして、
シチズンシップの文脈で、社会の一員としての行動というようなところを項として出しているところではあります。つまり、我々は一人で生きているわけではない、一つの家庭、一つの学級ということでなくて、社会全体、西宮市全体というようなことで、包み込みながらお互い成長していくというのが私が考える大きな理念でもあります。そういうようなことがまず伝わっていくようにと思うところでもありますし、あわせて、受け継いだところ、その他、知徳体のところ、こうしたことも踏まえて、分かりやすい形で市全体に共有していけるようになればと思っております。
以上です。
◆江良健太郎 議員
ありがとうございます。
今の市長の御意見もそうなんですけど、結局、ちょっと抽象的な部分があるので、そういうのももう少し分かりやすいようなことがあるのであれば、そういったのも検討していっていただければいいかなと思います。
以上です。
◆松田茂 委員
西宮市
教育大綱の中身というのはすごく充実した内容だなというふうに感じております。そういった中で、市長が先ほど、この理念をしみ込ませていくことが大事だというような発言をされていたんですけれども、実際、先ほどからずっと各議員もおっしゃってますように、周知の問題、御答弁にもありました広く市民に周知していきたいという当局側の思い、こういった中で、理念をしみ込ませていくための具体策みたいなのを教えていただければありがたいです。
○
大石伸雄 委員長
一問一答ですか、一括ですか。
◆松田茂 委員
一問一答です。
◎市長
御質問ありがとうございます。
ただ一つのこれですということではなくて、まず、
教育現場に関しましては、先ほど来お答えしておりますように、「西宮教育推進の方向」というような中に、これを御理解いただき、お認めいただいた後には、来年度以降、しっかり書き込んでいく、そして、校園長会によってその理念も踏まえて浸透させていくというようなことはあろうと思います。
あわせて、今回、生涯学習の部門を市長部局のほうに持ってこさせていただくという議案を今上程しているところですが、そういう中で、生涯学習をより重層的にしていければと思っておりますけれども、その施策、あわせて、当然これに付随する
コミュニティ・
スクールなどは、ちょっとではありますけれども、予算措置をさせていただいて、もう既に走っております。私どものほうにある予算権なども活用していくと。そうした予算、様々な施策、それから広報、あらゆる中でしみ込ませていくというようなことになろうかと思います。
以上です。
◆松田茂 委員
ありがとうございます。
この
教育大綱を見てますと、心がけだとか態度とか、そういうようなのはすごく伝わってきます。受け手側、受け取り側の気持ちというのは千差万別だと思うんですけども、しみ込ませていくためにも、例えば、教育には就学前の教育、義務教育、高等
学校教育と三つあると思うんですけども、この内容というのはそれぞれちゃんと網羅されていると思ってます。ただ、受け止め方が、そこの場所、例えば就学前教育やったらこの部分をどう受け止めてどう発信していこう、義務教育であればこういうふうにやっていこう、高等教育だったらこういうふうに発信していこう、それぞれの立場というか教育の中で、発信の仕方というのは若干ニュアンスが変わってくるのかなというふうに思うんです。そういった中で、市民にも広く認知してもらう、あるいは我々大人もしっかりと興味を持ってやっていくためには、この
教育大綱自体に、あるいは落とし込んでいくもの自体に興味と関心がないとなかなか自分の身に落ちてこないというふうに思います。一方的に発信していっても、いろんなところに発信していっても、受け止め側が心を開いてなかったら受け止めることができない、そのためには、興味や関心をしっかりと把握して周知徹底していただきたいなというふうに意見、要望として申し上げます。
○
大石伸雄 委員長
今のでよろしいですか、意見で。
◆松田茂 委員
はい。
◆一色風子 議員
私からは、行政としての役割について、1点、一問一答で質問させていただきたいと思います。
先ほどから皆さんから御質問があって、理念についてどのように周知させていくのかというのが非常に大きな課題なのかなというふうに聞いていたんですけれども、「西宮の大人たちへ」という部分に関してなんですが、ここは、4年前も、私、
教育大綱ができていく中で確認させていただいたんですけれども、もちろん西宮市の行政もこの「大人たちへ」の部分に含まれているという認識で話が進んでいたかと思います。現在ももちろんそのような形で
教育大綱はあるべき姿なのかなというふうに思うんですけれども、それを踏まえた上で、この
教育大綱が、呼びかけ文の部分に関してもそうなんですけれども、すごく押しつけがましいというような御意見もあったかと思います。それは何でかなというふうに考えたときに、やはり行政としてこの「西宮の大人たちへ」という部分に関して、行政がこのような大人の心がけを持っていただけるような環境づくりということが必要なんではないかなというふうに考えるんですけれども、そのあたりの考えに関して共有できるのかどうなのか、まず確認させてください。
◎市長
御質問ありがとうございます。
それは当然、おっしゃるとおりであろうと思います。
以上です。
◆一色風子 議員
ありがとうございます。
そうであるのであれば、これは理念なのでということで、先ほどのうえだ委員の質問の中で、効果測定がちょっと難しいんだというようなお話があったんですけれども、理念とはいえ、これは一人一人の心がけ次第というか、どういった行動をしていくのかということにつながっていくのかなというふうに思いますので、何か事業に落とし込んでいかなければいけないんではないかなというふうに考えます。
それで、一番最初に坂上議員のほうから質問があったときに、教育の改善についてどういったことがあったのかということで、様々な、
アウトリーチ事業をやったとか、生涯学習の推進が進んでますとか、未来センターの状況が改善していっていますよみたいなお話もあったかと思うんですけれども、本当に多種多様な事業の中に
教育大綱が生きているというか、ここに理念がきちんと反映されているんですよということがきっと行政の中にはあるのかなというふうに思うんですけれども、そういったことが市民のほうには見えてこないと思うんですよね。なので、今ある事業の中で
教育大綱がどのように反映されているのかということをやはり見える化していく必要があるのではないかなというふうに思うんですが、そのあたりに関してはいかがでしょうか。
◎市長
大変参考になる御意見だなと思います。
一方で、先ほど松田委員がおっしゃった質問と重なる私の考えでありますけども、表現が適切かどうか分かりませんが、例えば、西宮の
教育大綱というのは、ある意味、憲法みたいなものですよね。つまり、憲法で言うと、例えば教育に関して憲法で触れられている、しかし、それに全て触れられているんでなくて、教育基本法がある、
地方教育行政法がある、それから、いじめに対する法律がある、さらに、政省令があって予算があるというような、ツリーの中の一番根幹となるところです。そういう意味では、この
教育大綱そのものはツリーの根幹にあるものです。その下に、例えば教育であれば「西宮教育推進の方向」がそのツリーの下に来て、生涯学習であればツリーの下に来る、それから、子供施策であると、またツリーの下に来るというような、一つ一つであります。そういう中で言うと、
教育大綱につながるところは全部つながる、因果関係というのは見えなくはないんだろうけれども、しかし、一方で、上の部分でありますから、そこをどうひもづけて見えてというようなことが具体的作業としてどうなるのかなというのは正直思うところではあります。
感想も含めて、今の私の
教育大綱というものに対する認識としてお答えをさせていただきます。
以上です。
◆一色風子 議員
まず、憲法のようなものであるということなんですけれども、憲法が認知されているということは、その下にいろいろな法律があって、これに基づく根拠になっているということが皆さんに認知されているからこそ憲法が浸透しているという部分があると思うんですよね。そういうことを考えれば、
教育大綱がここにある、その下にこういった事業があって、それぞれの計画があるんだけれども、
教育大綱があるからこそここでこういった事業が進んでいるんだということをやっぱり市民の皆さんに知らせていくべきであろうと思いますし、そのことが進めば認知度もおのずと上がっていくのではないかなというふうに考えますので、成果指標というのはすごく難しいのかなというふうには思うんですけれども、
教育大綱があるからこそ、ここに掲げられている文言について、今、西宮市としてどの程度進んでいるのか、どの程度浸透しているのかという部分が見えてくるのかなというふうに思いますので、ぜひそういった見える形で、
教育大綱があるからこそここの事業やこういったものがあるんやということを市民と共有できるような形をつくっていっていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいです。
最後に意見なんですけれども、
教育大綱を策定していく中で
総合教育会議を傍聴させていただきました。
教育委員さんからの御意見の中に、未来の主役である子供への意識というのがどうしても大人にはあるんだけれども、今を生きている
子供たちに対してどうあるか、今を生きる
子供たちを大事にしなきゃいけないよねというようなお話があったかと思います。私も、未来を見据えていくということはすごく大事なんですけれども、今しっかり生きてないと未来につながっていかないと思いますので、今を生きる
子供たちに対してどうアプローチしていくのかという部分が、文言の一番最初、1行目から切れた形で読みにくいなと私は思っているんですけど、今を生きる子供ということに少し焦点をぜひ当てていっていただきたいなと思います。
以上、意見でした。
終わります。
◆田中あきよ 議員
よろしくお願いいたします。
今回の
教育大綱の改定に関して、本当に様々な意見を取り入れていただいて、ここまでの作業は本当に大変だったことだと思います。
読ませていただきまして、今、いろんな議員からの質問への答弁も聞かせていただきまして、私からは3点一括で質問させていただきます。まず一つ目が周知について、二つ目がパブコメについて、3点目が文言についてになります。
まず、1点目の周知についてですが、いろんな御意見がありまして、やっぱりどうやって落とし込んでいくのかというのが課題になっていくと思います。中身もかなりいいものになっていると思うんですけれども、やはりほかの議員と同じ意見で、どうやってこれを子供から大人まで市民に伝えていくのかというところがすごく大事になってくると思うんですが、この
教育大綱の大切さ――今、憲法のようなものという市長からの答弁もあったんですけれども、これを教えてもらうには、やはり学校においては授業の中に取り込むということが、先生にも
子供たちにも、そしてそこで家庭にも伝えるのにすごく有効ではないかと考えます。授業数ですとか現状を考えて、そういった時間はなかなか取れないということかもしれませんが、
教育大綱の大切さを考えますと、そういった時間を取り、みんなで考え、
子供たちも主体的に考えるという時間を取ることは非常に大切ではないかと思います。そこで、そういった時間を取れるかどうか、質問させていただきます。
2点目、パブコメについてです。
パブリックコメントなんですが、いろんな部署から
パブリックコメントを出されますが、返答がすごく少ないという現状があると思います。昨日の委員会でも申し上げましたが、本気で
パブリックコメントを取るのであれば、本当に御意見を頂きたいということであれば、例えば、1問目に申しました
パブリックコメントを取るという授業を盛り込んだとして、先生と
子供たちも一緒に、今、西宮市ではこういった大事なことを決めている、みんなの意見を今集めているということで周知するという方法も一つあるのではないかと思っています。宿題にするというのはなかなか難しいかと思いますが、学校から子供へ伝える、そこから家庭に伝わるという形は日頃の一つの流れにあると思いますので、この
パブリックコメントで知っていただくことが最終的にどういったものになったかという市民の方の関心にもつながると考えますので、1点、可能かどうか、お答えください。
最後に3点目、文言についてなんですが、7ページにあります
教育大綱改定素案の「私たちは、このような視点に立ち」というところで、「第一に、市民
一人ひとりが」という文章の中の「自立心を育むまちであること」というこの「自立心」とはどういったものであるかというところを教えていただきたいです。
以上3点、よろしくお願いいたします。
◎
教育次長(佐々木理)
ただいまの御質問にお答えしたいと思います。
まず1点目、授業を使って内容について周知していくべきではないか、一部、パブコメのところまで係る答弁になるかも分かりませんが、御容赦いただきたいと思います。
まず、授業につきましては、通常の授業内容の中で、
教育大綱の一文ずつを取り上げて、そのことについてどうであるかというような授業は、今のところ想定はしておりません。ただ、先ほど来出ておりますように、
教育大綱というのは非常に大きな理念を掲げたものでございますので、私の当初の坂上議員に対する答弁の中でも、SDGsというような話もさせていただきましたけれども、そういったところに盛り込まれた理念につきましては、授業の中でしっかりと強調して、現代社会に合った授業が進められるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
また、内容につきましての様々な部分での反映でございますけれども、
子供たちの授業というようなことで取り組むことも一つではございますが、様々な場面で保護者会等が開かれているところがございます。学級の懇談会であったりとか、学年の懇談会であったりとか、その他様々な場面で
教育大綱に載せられた「大人たちへ」の部分であるとか、そのあたりについては意識していただけるように、こちらのほうから働きかけをしていく、そういったことが必要であるかなというふうに思っております。
基本的には、知徳体をはじめとして
教育大綱に盛り込まれた理念につきましては、日常の教育活動の中で十分に反映させていきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
◎市長
パブリックコメントで、学校の中のほうにつきましては佐々木次長が一部答えてもらったところですが、
パブリックコメント全体に関しまして、せっかくの機会ですからお答えをいたします。
10年ほど前の条例に基づいて様々な
パブリックコメントが行われている中で、確かにおっしゃるように、本件が何件返ってくるかはまだ分かりませんけれども、物によって大変返りの少ないものがあるということは認識し、そのことについて、制度として改善の余地があるなということは大いに感じているところでもあります。今回、ラインで
パブリックコメントができるようにしてパートナーシップなど性の多様性の話とごみの問題についてやりまして、いつもよりちょっと増えた部分はありますけれども、裾野を広げるか、やり方をどうするかというようなことについては、課題として認識しているところでありますので、また様々な御意見を頂きながら、改善に結びつけていければと思っております。
以上です。
◎参与
自立心についての御質問でございますが、ここでの「自立心」ということは、経済的な独立という意味ではございませんで、主体的に自己の力を可能な限り発揮し、よりよく生きていこうとするということ、さらにその状態に向かっていくというところで「自立心」というふうにさせていただいたところでございます。
よろしくお願いします。
◆田中あきよ 議員
御答弁ありがとうございました。
周知の件と
パブリックコメントを授業に取り込んではどうかというところに関しては、保護者会などでということなんですが、なかなか
子供たちにこの内容を周知する、理解してもらう――先ほどから小・中学生ぐらいにちょっと読んでもらえるかなというようなことだったんですけれども、やはりこれは、
子供たち全員に関わることですし、小さい子から、そして大学生まで、子供と大人という線引きはどうなのかという菅野議員からの質問にもありましたように、両方が読んで、市民にここで周知していくといいますか、この大綱を理解していくということが大切だと思いますので、できるだけ小さいときに、幼い頃にしっかりと説明してもらって、ああ、そういうことであるのかという確認、理解をしていくということであれば、やはり学校で、授業でというのは必要なのではないかなと思っております。なかなか難しいということも分かるんですけれども、要望ですが、ぜひ考えていただきたいと思います。
パブリックコメントの件に関しても、ラインなどを使って少し増えたかなということなんですが、もっと思い切った挑戦といいますか、なかなか授業で
パブリックコメントをやってみようというのは今までになかったのかなと思うんですけれども、私の記憶の中では聞いたことがないんですけれども、
パブリックコメントというものさえなかなか
子供たちが知る由がないというか、大人でさえもなかなか分からないところを、じゃあ
子供たちがそれについて知る機会があるのかというと、本当に難しいところです。学校の中でそのあたりも取り組んでいただけたら、その後の
子供たちの人生にとっても、そういった自分たちの声を上げるところがあるんだという周知にもつながると思っています。
最後の「自立心」という言葉についてなんですが、自己の力を可能な限り発揮していくということでお答えいただきました。そのとおりだと思います。どうしても自立心というのが、
子供たちの育ちの中で、一人一人多様な育ちの中で、自立に向けてというところで、自立していくというのは本当にどんな人にとっても最終目的になると思うんですが、今、若者の自殺率、自殺の多さですとか、そういうのを考えると、やはり助けてほしいということが言えない人が本当に増えていると感じています。孤立していくということを感じていますので、この自立というものが、ただ自分独りで立って生きていかねばならないということではなくて、助けてもあげられるし、助けてももらえるという、そういう人を増やしていく、助けてと言える人を増やしていけるということが自立であるということを伝えていただけるような、そのあたりの文言ももし考えていただけるのであれば、ぜひ御一考いただきたいと思います。
私からは以上です。
◆福井浄 委員
私からは、2点、一問一答で質問させていただきます。1問目のほうは、西宮市のやるべきこととか意思というところ、二つ目は、健康・体力、生きる力について必要なものというところをお伺いします。
一つ目のところですけれども、この
教育大綱素案の文章を見せていただいても、一番上が今とこれからの教育や社会のことが書かれておりまして、その次のところでは、理想的なまち、こんなまちやったらいいなというようなことが書かれているのかな、最後のところに大人と子供に期待して、こういう期待を基に、それを基礎として、礎としますよというのが書かれておるんですが、私は、読解力が悪いのかどうなのか分からないんですが、西宮の行政や
教育委員会がどういうことをするのか、またはやる意思があるか、そういうところが少し読めないんですよ。西宮はどういうことをするかというのがここに書かれていないような気がして、何回読んでも読み取れないんです。なので、どこに書かれているのか教えていただけますか。
◎市長
私どもが今回
教育大綱――
教育大綱そのものは、議員も御認識いただいていると思いますが、そのスタイルというようなことは特に規定をされておりません。そういう中で、これは全ての市民に呼びかける、そして共有するような、そういう理念としてつくったようなものでもあります。その中で、市がどうしていくのかというようなことについて、もちろんそれは、まず先ほどの答えと重なる点にしてみると、今後ツリーのそれぞれの下のほうに連なっていく施策としてお示ししていくようなこともあると思います。
一方で、この中で、当然こうして市としてこれを大綱として確定するというようなことは、こうした方向性に沿って進めていくというようなことでありますから、私どもは、今、委員はなかなか読めないというような言い方でありましたけれども、大きな方向性として読める、書いているというふうに思っているところではあります。
以上です。
◆福井浄 委員
確かに、大綱の定義というところでは詳細な施策については策定することを求めていないということも言われています。ただ一方で、市長が先ほどおっしゃっていた憲法ということで言えば、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策について、その目標や施策の根本となる方針を定めるもの、つまり、憲法というのは確かに間違いないというところだと思います。
それぞれの自治体がつくるというところなので、他市を引き合いにするのはよくないかなというところもありますけども、大東市のものなんですけども、中では、「教育を大きな原動力として、子どもたちが安心してのびのびと育ち、若者が夢を抱き、高齢者が生きがいを持ち、誰もが幸せを感じながらいつまでも住み続けたいと実感できるまちづくりを推進します」、この辺は西宮とすごく近しいところが書かれておるんですけども、一方で、僕はここがすごく重要だなと思うところが、「まちづくりは人づくりであり、人づくりは教育から始まります。大東市はこの考えのもとで、これからの未来を拓く子どもたちのために、教育の充実に全力を注ぎます」と書かれてます。市の意思というのがすごく分かりやすいんですよ。いろんなことを市民に求めるのならば、やっぱり市としてはそういう意思というのをどこかに書いていく必要があるんじゃないかなと私は考えるんですが、いかがでしょうか。
◎市長
まず、そういう意思は当然持っているところではありますが、重ねて申し上げますけれども、
教育大綱というのはそうした規定した形がないと。そういう意味では、今の議員の意見はしっかりと拝受をいたしました。議員のテーストと大東市のその部分が合っていたんだなというふうに思うところでありますが、私どもの
教育大綱としては、今考える中で、いいものとしてお示しできるものとしてできているというふうに思っております。
以上です。
◆福井浄 委員
分かりました。
教育大綱のつくりはそうでないということを確認できたわけです。
それで、もう1点なんですけども、最初のほうに書かれてますね、これはいろんなところにも――健康・体力というところで、2行目のところに「「生きる力」を育み」という言葉が書いてあるんですけども、健康と体力、このことについて必要な要素って、何が必要だと思われますか、特に健康と体力です。
◎
教育次長(佐々木理)
健康と体力についての要素ということですけれども、まずは、早寝早起き朝御飯ではないですけども、やっぱり規則正しい生活というものが基本になってくるかなというふうに思っております。あとは、幼小中――幼稚園であれば遊びを通して、小中に関しては体育の授業その他を通してということで、形づくられていくものというふうに考えております。
以上でございます。
◆福井浄 委員
私もそうだと思います。朝御飯というのをおっしゃっていたんですが、朝御飯だけではなく、もちろん食事というのはすごく大切だなと思ってます。
前回――
教育大綱を見直す前なんですけれども、「健康的な生活」の中で、「大人」のところで、「子供の健康的な成長に気を配った家庭環境をつくり、子供の模範となる態度を心がけましょう」と書いてあるんですね。これがどう変更されたかというと、「子供のこころと身体の成長に気を配り、さまざまな体験ができる機会をつくり、共に学び続けましょう」と。私、ここを変える意図というのがよく分からなくて、子供の成長に気を配った家庭環境、まさに私が先ほどの中で、体をつくっていく、健康になっていくというところになると、睡眠もそうですけども、やっぱり食事というのがすごく大事だなと。西宮のほうでも、食育というのは非常に重点的に思ってまして、だからこそ直営式の給食を提供しているんだなというところがあるんです。ここの食育という観点というか、子供の環境に対して食というものが非常に抜け落ちている気がしてしようがなくて、一体どこに書かれているのかというのが分からなくて、それが「さまざまな体験ができる機会をつくり」と、いろんな遊びとかそういうことに変わっちゃっていて、とてもこの部分は残念だと思うんですけれども、食育ということを
教育大綱の中にも盛り込まなければならないんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
◎
教育次長(佐々木理)
ただいまの御質問にお答えしたいと思います。
食育の重要性はもちろん私どものほうも十分に認識しております。その上で、現行からの新たな部分に関しましては、今、委員のほうから御指摘のあったように、「西宮の大人たちへ」の⑦であるとか、あるいは「西宮の
子供たちへ」の⑦のところに反映されているかなというふうに思っております。
ただ、先ほど来お話が進んでおりますように、今回の新しい
教育大綱につきましては、第3期の
教育振興基本計画及び新しい
学習指導要領を踏まえてやっているところがございますので、そういった意味では、体験的な学習というものがこれまで以上に強調されるようになりました。そういうようなことも含めまして、今までのそういった健康的な生活に加えまして、体験的な学習というものをこのあたりで盛り込んだというふうに御理解いただければいいのではないかというふうに思っております。
以上でございます。
◆福井浄 委員
体験的な学習の部分を盛り込んだと。とはいえ、食育とか食べ物、そっちに対してのもっと踏み込んだ答えというか書いてあるものが必要だったんじゃないかなという気がします。
私はちょっとしつこいんですけど、今回の給食やその件についても、なかなかその辺が他市に比べておろそかだったんじゃないかなというところで、この憲法のところにこういうところが書かれてないというのは非常に問題があったんじゃないかという気がしておりますので、もし次回の改定なり、そういう意見等で変えられるものがありましたら、一言文言をつけていただくとかいうことでやっていただけたらなと思います。
私も、いろいろと質問したいなと思ったところがあったんですが、最後のほうの質問だったので、ある程度各議員さんがお話しされたのであれなんですけども、先ほど市長がおっしゃったとおり、それぞれの市によって考え方が違うからという話があるんですけど、効果測定を当市はしにくいということをおっしゃっていたんですが、大東市のつくりの中では、
教育大綱で基本大綱と重点大綱という二つに分けてまして、重点大綱の中にいろんな取組――学力の向上とか、安全・安心な教育環境の推進などを書かれていて、それが実施計画に落とされているという感じがあります。そうすると、割と効果測定しやすい状況になっているので、どこに基づいて今
教育施策をやっているのか、どういう憲法に基づいて今の施策をやっているのかということが非常に分かりやすくなりますので、そういうふうに分かりやすい見え方をするような――見える化ですか、見える化するような形をやっていただけたらなと思います。
それで、各議員がいろんなことをおっしゃっていたんですが、確かに大人に対して、子供に対してのメッセージ、それはそれでいいのかもしれないんですけれども、一番教育の中で目指さないといけないのは、自主とか自律性じゃないかなと思っています。自主自律というのは、手をかければかけるほど、これは相反して、だんだん自主性や自律性がなくなってくるようなものだと思います。自分で決定して、それが自尊感情を高めて、それが自律につながるということです。ですから、そのことから考えると、少し親に対しても子供に対しても丁寧過ぎるんじゃないかなというところはこの大綱について感想を持っております。
以上です。
◆中尾孝夫 委員
1点だけお尋ねをいたします。
理念や根本までは改定しない、こういうことですけれども、1年かけてるる検討されて、今度、大綱を改定されるということです。市長答弁では、地域が見守り活動やボランティアに参加している、こういうことですが、これは、改定があろうがなかろうが、もう現在行われていることです。あるいは
コミュニティ・
スクールに対する言及もありましたけども、これももうルール化されていることです。薩美室長は、大綱を生かして指導するんだ、こういうようなこともおっしゃってました。佐々木次長は、体験的な学習といったことにも触れられましたけれども、この大綱の改正によって、
学校現場において、すなわち教師、児童生徒、あるいはPTA、あるいは家庭、あるいは地域、そういったところで何がどのように具体的に変わるのか。今、憲法の話とかいろいろありましたけども、市で言いますと市民憲章、あるいは都市宣言、華々しく打ち上げて、少しの間はいいんですけども、それを具体的に言える人というたらほとんどいません。市民憲章を言える方々、ほとんどいらっしゃいません。
教育大綱の改正によって何がどう変わるのか。私も大人の一人ですけども、地域住民ですけれども、顕著に具体に何がどうなるのか、これをちょっと披瀝していただきたいと思います。またそういったことを受けて我々は判断するということになろうかと思いますので。
1点だけの質問です。お願いします。
◎市長
御質問ありがとうございます。
委員もきっと御理解いただいた上で質問いただいていると思いますが、重ねて申しますが、これは大きな理念的なものでもあります。そういう中で、確かにおっしゃるように、
コミュニティ・
スクール、地域の見守り、こうしたことは既に行われているところでありますが、これが、大綱にその理念が盛り込まれることによって、さらに今の地域の皆さん方の学校に対する参画というようなものに厚みが増していくようなことを我々は期待し、そうしたことを促すような施策を打っていかねばならないと思っております。そういう意味では、具体的に何がどう変わるのかというのは、この先に、ツリーの下のほうにある様々な予算である、ほかの施策である、こういったものを具体に詰めていく中から見えてくるものなのかなというふうに思っております。
そうした意味では、この大きな改定、労力をかけて何が変わるんだ、そういうような中で、叱咤も含めた御意見と受け止めて、それが今、即座に具体でこれというふうなお示しはこの段階ではできませんが、それが数年の後に見えてくるような形にしていきたいと思っております。
以上です。
◆中尾孝夫 委員
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
◆山田ますと 委員
市長にもう一度確認させていただきますと、
教育大綱というのは、ある意味、憲法のような位置づけを持っている、こういう御主張をされてました。それに基づいて様々な今の質疑に対する御答弁を頂いておるんですけれども、その認識でよろしいんですかね。
以上です。1点だけです。
◎市長
御質問ありがとうございます。
憲法というようなものを一例として出したのですが、その例がよかったかなというのをこの質疑の後に思ったわけであります。地方自治法があって、その下に地方自治の様々な法令があるというような言い方でもよかったかもしれませんし、そういう意味では、その前に自然の摂理があってというようなことを申し上げたほうがよかったのかもしれません。ですから、それでいいのですかといったら、いいですが、意図したところは、いわゆる憲法議論というようなものを想定したものでなく、ツリーというようなものの一例として分かりやすいであろうと思って憲法と申し上げたということであります。
以上です。
◆山田ますと 委員
ありがとうございました。
ということの認識を持った上で、意見だけ申し上げますと、先ほど来、様々な議員の方が質疑をされてまして、そこには例えば周知に対する御主張もありました。また、具体的な取組の中身等々の話もございましたけども、あくまでもこれは大綱ですので、大本、根本、その元となる考え方、ある意味ではそれは言葉を換えると憲法のようなもの、あるいはツリーの大本になるものという認識であるということをまずここで共通的に我々議会の議員のほうが認識を持っていかないと、憲法そのものが全部国民に中身が周知されているのかというふうな問題にも話が変わってまいりますので、要は、その理念に基づいてどう一人一人の国民の生活がより豊かになっていっているのかということが一番根本になってくるわけであります。それは、ある意味、中尾委員がいみじくも質疑の中で御答弁を引き出していただいた中身だというふうに思っております。
僕自身も全く同じ意見を持っておりまして、根本を忘れて枝葉末節なところに持っていかれると、せっかく大綱を見直す、その見直しの中に
シチズンシップの醸成の在り方をお入れになった、あるいは一方では、生涯学習という理念を盛り込んだ、これは非常に大きな視点になっているというふうに僕は思います。というのは、これまでの大綱の位置づけだけでいきますと、
学校教育の在り方の元をどうするのか、すなわち
小学校、あるいは中学校、西宮市立小学校の児童生徒に対するものの影響というふうなことに限定されていきますけども、今度は対生涯学習、
シチズンシップの醸成を入れることによって、一方では、例えば
コミュニティ・
スクールが学校を軸にした取組であるように、もう一方では、例えば公民館を軸にした取組にして、地域をより豊かにしていこう、より醸成の下地をつくっていこうというふうに、今後大本から具体的な理念に展開していくことが可能になってまいります。その辺を今回の大綱の位置づけるときに、
学校教育現場にお話しする、また、地域にそれをどうお話しする、これは皆様方のやり方に全部御一任させていただきます。私はそういうことをどうこう申し上げることはできません。ただ、一番大切なことというのは、大本がつくれたことによって地域に根差した様々な
シチズンシップが醸成されていくような機運に一人一人がどう高まっていったのか、それは、皆様方、今回改定に1年、2年携わっていただいた市長部局の方、また、
教育委員会の方々、この方々が今までなかった発想の中に生涯学習を入れた、また、そこに市長部局が盛り込んだといういろんなことが今展開していくわけでありますので、その辺をお願いしたいなというふうに僕は思っております。
議論の中で、いろんな議員さんの御意見、御主張はごもっとも極まりないことばっかりなんですけど、僕自身が感想として今感じているのは、いみじくも中尾委員さんがおっしゃった部分とほぼ同意見であります。皆さん方のほうも、それはしっかり自信を持ってしていただきたいなというふうに思っております。
以上です。
○
大石伸雄 委員長
ほかにありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
大石伸雄 委員長
なければ、本件はこの程度にとどめます。
以上で本日の協議は全て終了しました。
これをもって
総務常任委員会・
教育こども常任委員会連合審査会を閉会します。
御協力ありがとうございました。
引き続き
総務常任委員会をこのまま続けますので、
教育こども常任委員会の委員の方は退席していただいて結構です。
総務常任委員会の方はお残りください。
(委員外議員退席)
○
大石伸雄 委員長
この際、お諮りします。
本委員会の所管事務中、1、市行政の総合企画及び財政運営について、2、市民生活の安全及び消防行政について、以上2件について閉会中の継続審査としたいと思います。
これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
大石伸雄 委員長
異議なしと認めます。したがって、そのように決まりました。
2日間、
総務常任委員会、そして
連合審査会、ありがとうございました。全ての議案をつつがなく審査することができました。ありがとうございました。
ここで当局の挨拶があります。
◎市長
本常任委員会の閉会に当たり、一言御挨拶を申し上げます。
委員各位におかれましては、令和2年度西宮市一般会計補正予算ほか諸議案につきまして、慎重かつ熱心に御審議いただき、心より感謝申し上げます。また、
連合審査会では、
教育大綱に大変貴重な御意見を頂きました。
承りました御意見、御要望などにつきましては、十分留意いたしまして、事業の執行に万全を期してまいりたいと思います。
今後とも十分に御指導いただきますようお願いいたします。
ありがとうございました。
○
大石伸雄 委員長
これをもって
総務常任委員会を閉会します。
御協力ありがとうございました。
(午後0時01分閉会)...