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令和 2年 9月(第 9回)定例会−09月07日-04号

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  1. 西宮市議会 2020-09-07
    令和 2年 9月(第 9回)定例会−09月07日-04号


    取得元: 西宮市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-30
    令和 2年 9月(第 9回)定例会−09月07日-04号令和 2年 9月(第 9回)定例会                西宮市議会第9回定例会議事日程                (令和2年9月7日午前10時開議) 日程順序              件         名               ページ  第1  一 般 質 問       発言順序          氏    名        発言時間(答弁を含む)         1         大  迫  純 司 郎         76分      129         2         ま つ お  正  秀         55       138         3         河  本  圭  司         39       146         4         川  村  よ し と         59       149         5         う え だ  あ つ し         59       160         6         よ つ や     薫         39       171                                   西宮市議会議長
                    出   席   議   員    1番  河 本 圭 司  16番  菅 野 雅 一  30番  篠 原 正 寛    2番  田 中 あきよ  17番  吉 井 竜 二  31番  坂 上   明    3番  江 良 健太郎  18番  かみたに ゆみ  32番  佐 藤 みち子    4番  多 田   裕  19番  川 村 よしと  33番  野 口 あけみ    5番  大 迫 純司郎  20番  まつお 正 秀  34番  中 尾 孝 夫    6番  たかの し ん  21番  よつや   薫  35番  岩 下   彰    7番  うえだ あつし  22番  花 岡 ゆたか  36番  町 田 博 喜    8番  ひぐち 光 冬  23番  河 崎 はじめ  37番  大川原 成 彦    9番  一 色 風 子  24番  松山 かつのり  38番  八 木 米太朗   10番  宮本 かずなり  25番  山 口 英 治  39番  草 加 智 清   12番  脇田 のりかず  26番  山 田 ますと  40番  大 石 伸 雄   13番  福 井   浄  27番  大 原   智  41番  田 中 正 剛   14番  松 田   茂  28番  澁 谷 祐 介   15番  八 代 毅 利  29番  や の 正 史                 欠   席   議   員                   な       し                 説明のため出席した者の職氏名     市長       石 井 登志郎    健康福祉局長   山 本 英 男     副市長      北 田 正 広    環境局長     宮 島 茂 敏     副市長      田 村 比佐雄    病院事業管理者  南 都 伸 介     政策局長     太 田 聖 子    中央病院事務局長 須 山   誠     総務局長     中 尾 敬 一    教育長      重 松 司 郎     総務総括室長   大 植   進    教育次長     坂 田 和 隆     市民局長     土 井 和 彦    教育次長     佐々木   理     産業文化局長   岩 崎 敏 雄                職務のため議場に出席した事務局職員     事務局長     北 林 哲 二    係長       小 西   愛     次長       奥 村 仁 美    書記       野 村 菜々子     議事調査課長   大 西 正 幸    〔午前10時 開議〕 ○議長(澁谷祐介) おはようございます。  ただいまから西宮市議会第9回定例会第4日目の会議を開きます。  現在の出席議員数は40人であります。  本日の会議録署名議員に、会議規則第87条の規定により、福井浄議員及び草加智清議員を指名します。  本日の議事日程は、タブレットに配信またはお手元に配付のとおりであります。  ここで所定の一部議員に退出をお願いいたします。    〔大石伸雄議員、大原智議員、かみたにゆみ議員、河崎はじめ議員佐藤みち子議員、たかのしん議員、多田裕議員、田中あきよ議員中尾孝夫議員町田博喜議員、松田茂議員、宮本かずなり議員、八木米太朗議員、やの正史議員、山口英治議員、よつや薫議員、脇田のりかず議員退場〕 ○議長(澁谷祐介) これより日程に従い議事を進めます。  日程第1、去る9月4日に引き続き一般質問を行います。  順序に従い発言を許します。  まず、大迫純司郎議員。    〔大迫純司郎議員登壇〕 ◆5番(大迫純司郎) 皆様、おはようございます。  会派・ぜんしんの大迫純司郎です。  傍聴席の皆様、お越しいただきありがとうございます。  さくらFMをお聞きの皆様、インターネット中継を御覧の皆様、ありがとうございます。  通告に従い会派・ぜんしんの一員として一般質問をします。  今回は、大きく分けて二つのテーマがあり、一つ、新型コロナ危機への対応について、二つ、軽度認知障害――MCIについてです。  大きな一つ目は、新型コロナ危機への対応についてです。  このテーマについて、第1、独居高齢者の暮らしの質の低下を抑える、第2、介護現場の崩壊を防ぐ、第3、子供たちの心と体のために、第4、飼い主が感染した場合のペットたちのためにの四つの視点で質問したいと思います。  まず、第1、独居高齢者の暮らしの質の低下を抑えるです。  私たちは、新型コロナウイルスの感染拡大によって外出できなくなったお年寄りの暮らしの質が低下していることを強く心配しています。特に独りで生活する独居高齢者については、周囲がその暮らしぶりや体調の変化に気づくことが遅れがちであり、行政や介護従事者、地域の人たちが早期に発見して対処できる環境を整えるべきだと考えます。  西宮市内に住む65歳以上の独居高齢者は、2015年――平成27年の国勢調査の段階で2万2,449人でした。現在はさらに増えているものと見られます。新型コロナウイルスの感染が拡大する前、元気な高齢者は、買物や散歩で外出したり、老人会やいきいき体操などに参加して、体力や気力の維持を図っていました。要介護や要支援の認定を受けているシニア世代も、デイサービスリハビリセンターなどで、運動や利用者同士の食事、レクリエーション、趣味などを行い、充実した生活を送っていました。こうした活動の大半が新型コロナウイルスの感染拡大で3月以降ストップしました。デイサービスなどの介護事業は再開しましたが、その後も感染拡大の波は断続的に押し寄せており、現在も高齢者が活発に活動しようと意欲を燃やせる環境にはありません。  多くのお年寄りは、毎日、高齢者が感染すると重症化しやすいとの報道に接して、新型コロナウイルスに対して強い恐れを持っています。自宅から一切出なくなった高齢者も多いと聞きます。このため、日常生活での動作が少なくなり、体力が低下している高齢者が増えています。  こうした状況で強く懸念されるのは、軽度認知障害の発症、すなわち認知機能の低下です。社会的な交流が減少して脳への刺激が減少しているからだと見られています。高齢者の持病の悪化も懸念されます。新型コロナウイルスの感染リスクを恐れて、持病のために通院していた主治医の元に通わなくなった高齢者が増えているからです。このため、定期検査を受けられず、持病の悪化を見過ごしたり、主治医から渡された薬も使い切ったままで、次の薬がないケースが多いと聞きます。こうした状況は高齢者全体に見られますが、独居高齢者については対応が遅れがちです。  こうした状況を踏まえて質問します。  1点目、市として、地域包括支援センターの相談業務を強化して、独居高齢者の自宅への訪問回数を増やし、暮らしぶりや体調、医療機関の受診状況などを把握できる環境を整えるべきです。市の考えを聞かせてください。  2点目、市として、民生委員・児童委員や地域の人たちが独居高齢者の自宅を定期的に訪問したり、見守りができる環境を整えて、高齢者に何かあれば早急に分かる仕組みづくりを進めるべきだと考えます。市の考えを聞かせてください。  3点目、新型コロナウイルスのワクチンが開発されていない現段階においては、新型コロナウイルスと共生するウイズコロナの生活様式が求められています。高齢者が体力や気力を維持・向上するためには、一定の活動が必要です。地域社会と連携して、老人会やいきいき体操などの活動の場での感染防止の取組を徹底し、高齢者が安心して活動できる環境を整えていただきたいと思います。市の考えをお聞かせください。  次に、第2、介護現場の崩壊を防ぐです。  市は、8月、市内の介護施設でクラスターが発生して、入所者6人、職員4人の計10人が感染したと発表しました。この施設の感染者10人は、いずれも3階のグループホームに入所しているか、もしくは勤務していました。どこの介護施設でも、職員は、感染を防止するため、張り詰めた雰囲気の苛酷な状況で勤務しており、入所者や利用者も感染への強い不安を抱いています。このままの状況では介護現場が崩壊するのではないかと多くの関係者が強く危惧しています。  介護とは、高齢者や障害者、病気の人を介抱し、日常生活を助けることです。介護現場では、排せつや入浴、車椅子に乗せるなどの動作の中で、介護する側と介護される側が何回も体を接触させます。どこの事業所も、密閉、密集、密接の3密を招きかねないぎりぎりの状況の中で、感染防止のための最大限の取組をしています。それでも介護従事者の多くは、感染の拡大が本格化したとき、どのようにすれば感染リスクを避けて介護を続けられるのかについて不安を持っています。  また、介護サービスの利用者には認知機能が低下した人が多く、マスクの着用や手洗いの励行を徹底させるのが難しい状況です。厚生労働省は、2月以降、介護施設での感染防止策について通知を出し、排せつの介助や個室での食事の際の感染防止策などについて細かい部分まで踏み込んで説明しています。しかし、介護施設の関係者の間では、職員は感染症のプロではない、施設内で様々な対策を講じても気づかない穴があるのではないかという不安に駆られるとの声が上がっています。  医療機関が感染防止策を講じると報酬がアップする仕組みがありますが、介護事業所に対しては同様の制度がなく、行政が感染防止の取組をどこまで後押ししようとしているのか不明です。  こうした状況の中で、介護従事者の離職が増え、介護現場では担い手不足が深刻化しています。厚生労働省は、職員の不足について必要な対応を求めていますが、有効な方策を見いだしていない状況です。  在宅介護の現場も同じです。ホームヘルパーの多くは、自身が重症化のリスクの高い高齢者であり、まさに命がけで毎日仕事をしています。パートタイムのヘルパーの多くは、学校の臨時休業に伴って自宅で子供の世話をする必要が生じたり、感染への不安から休職や退職が相次いでいます。このため、常勤の職員や正社員に業務の負担が集中するようになっています。  こうした状況を踏まえて質問します。  1点目、市は、感染拡大に備えて介護事業所に十分な数量のマスクや消毒液などを提供していただきたいと考えます。現在の備蓄状況と今後の購入予定、提供予定はどうなっていますか。市の考えを聞かせてください。  2点目、在宅介護では、感染症に関する共通の手引がなく、現場の対応はまちまちです。介護施設でも、感染者が出たときの対応マニュアルを持たない施設が多いのが実情です。市は、感染拡大を想定して、介護サービスに関する感染防止のための基準や感染者が出た場合の対応マニュアルを作成し、事業所に提供するべきだと考えます。市の考えを聞かせてください。  3点目、ホームヘルパーは、サービス利用者の体調が悪化した場合、医療機関に同行するケースが多いです。今年の冬にインフルエンザと新型コロナウイルス感染症が同時に流行する可能性があります。利用者が発熱している場合、同行する介護従事者も感染するのではないかと不安になる上、医療機関から新型コロナウイルス感染症を疑われ、診察を断られる可能性があると思います。こうした状況を避けるべく、それぞれの利用者のために、発熱時における初診の病院を決めておくなどのきめ細かい対応が必要であり、介護施設と医療機関との連携の強化が不可欠です。市が介護施設と医療機関との連携の強化のために主導的な役割を果たしていただきたいと考えますが、市の考えを聞かせてください。  4点目、多くの介護事業所の経営状態は、新型コロナウイルス感染症が流行する前から厳しい状況にあり、感染拡大に伴う利用者の減少でさらに悪化しています。事業所の撤退による介護崩壊が起こらないようにするためには、次の介護保険料改定時における介護報酬の引上げは不可欠だと考えます。介護の世界では、従事者は低賃金・重労働の環境で働いており、離職が多く、入れ替わりの激しい業界と言われています。新型コロナ危機の長期化が避けられない状況で、介護従事者を離職させないためには、仕事を続けるためのインセンティブが必要であり、具体的には、介護職員の賃金アップを目的に給付する処遇改善加算の拡充などが不可欠です。市は、介護現場の厳しい状況を踏まえて、介護従事者の処遇改善への取組を強めるように国に要望していただきたいと考えます。市の考えを聞かせてください。  次に、第3の子供たちの心と体のためにです。  新型コロナウイルス感染症に伴う混乱が子供たちの心と体に深刻な悪影響を与えています。学校の臨時休業やその後の再開などの急激な環境の変化によって、子供たちの生活リズムが乱れたり、学業に遅れが生じたり、クラブ活動の休止などで運動量が減少するなど、健全な成長への懸念材料が続出しています。  国立成育医療研究センターが今年6月から7月にかけて全国の7歳から17歳の子供と0歳から17歳の子供の保護者の計6,772人を対象に実施した「コロナ×こどもアンケート」では、全体の72%の子供に新型コロナウイルス感染症の影響による何らかのストレス反応・症状が見られました。子供たちからの回答で多かったのは、コロナのことを考えると嫌な気持ちになる、最近集中できない、すぐにいらいらする、コロナのことは考えないようにしているなどでした。自由記載では、外に出たとき、知らない人と擦れ違うだけで怖くなる、学校の休みが長かったから行くと疲れるなどの回答が寄せられていました。こうした子供たちの気持ちは、私たち保護者にはよく分かりますし、学校の先生方も毎日子供たちから訴えられていると思います。  国立成育医療研究センターは、保護者に対して、親子でできるストレス対処法を提案しています。この中で、新型コロナウイルス感染症についての伝え方のコツとして、正しい情報をごまかさず正直に伝え、映像やニュースを見せ過ぎないように気をつけることを求めています。日常を維持することの大切さも強調しており、いつもと同じ時間に起きること、規則正しい食事を取ること、いつもと同じ時間に寝ることなどを求めています。子供の気持ちを聴くことの重要性も指摘しており、話を聴く前に、どんな気持ちでも蓋をせずに気づけるように手助けすることを求めています。話し始めたら、どんな気持ちであっても否定せず受け止める、つらくても子供なりに頑張っていることを認め褒めることなどをアドバイスしています。  子供たちにとって、体を動かす機会や時間が大幅に減っています。多くの保護者が感染への不安から子供たちを遊びに行かせないようになっているのをはじめ、クラブ活動などが制限されている状況であり、子供たちの毎日の運動量はかなり低下しているようです。先日、新聞に、遊びや簡単な運動で足首や股関節を痛めて病院を訪れる子供が増えているとの記事が掲載されていました。学校の臨時休業以降、体力が低下した子供たちが準備不足のまま激しい運動をすることは危険だと言われています。  こうしたことを踏まえて質問します。  1点目、市は、コロナ禍が子供たちの心と体に与えた影響をどのように考えていますか。本市の子供たちがコロナ禍によって心と体にどのような影響を受けているのかについて、聞き取りや体力測定を含めた広範囲の調査を実施して実態を把握すべきだと考えます。また、運動量が減った子供たちのために、様々な方法で運動する機会を増やすことを検討すべきだと考えます。市の考えを聞かせてください。  2点目、コロナ禍で傷ついた子供たちの心をケアするためには、学校が家庭と連絡を密にしながら、学校での学級担任を中心とした教育相談に加え、児童生徒の状況に応じ、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、関係機関と連携することが重要だと考えます。特に、学校から保護者に対して国立成育医療研究センターが提案している親子でできるストレス対処法のような資料を示して、家庭で子供の心の問題を考える機会を提供すべきだと考えます。市の考えを聞かせてください。  次に、飼い主が感染した場合のペットたちのためにについてです。  今年春の新型コロナウイルス感染拡大以降、ペットの飼い主から、ペットも新型コロナウイルスに感染するのか、新型コロナウイルスはペットから人に感染するのか、飼い主が新型コロナウイルスに感染した場合、ペットの飼育をどのようにしたらいいのかなどの相談が相次いで私の元に寄せられるようになりました。本市における登録犬の数は、今年3月末現在で2万4,567頭です。飼い主にとってペットは大切な家族であり、市は、コロナ禍における飼い主の悩みに対応する必要があると思います。  厚生労働省のホームページによりますと、これまでに、新型コロナウイルスに感染した人から犬、猫が感染したと考えられる事例が数例報告されています。また、動物園の虎やライオンの感染、例えば飼育員から感染したと推察されている事例も報告されています。ただし、新型コロナウイルスは、主に発症した人から人への飛沫感染や接触感染により感染することが分かっており、現時点では人から動物への感染事例はわずかな数に限られているとのことです。また、これまでのところ、新型コロナウイルスがペットから人に感染した事例は報告されていないとのことです。  東京都は、ホームページで、新型コロナウイルス感染症による入院・宿泊療養の際のペットの飼育についてをテーマにしたページを掲載し、飼い主が新型コロナウイルスに感染した場合のペットの対応について詳しく説明しています。この中で、飼い主の日頃からの心構えについて、ペットを預けるための準備をしておきましょうとして、入院や宿泊療養となっても、御家族等にペットの世話をお願いできない場合には、知人の方にお預かりいただくか、ペットホテルを利用いただくことなどが必要となります、万が一に備えてペットを預けるための準備をしておくことが大切ですと説明しています。  準備のポイントとしては、1番目に、信頼してペットを預けられる方に相談することを求めており、御家族や知人など、信頼してペットを預けられる方に連絡し、いざというときに預かっていただけるようお願いをしておきましょう、また、ペットホテルの情報についても事前に確認し、問合せ等を行うことを検討してくださいとしています。  2番目としては、ペットの性格や飼育上の注意点などの情報をまとめることを求め、ペットを預かっていただく上で必要となる情報をノートなどにまとめてお渡しできるようにしておきましょうと提案しています。具体的には、ペットの名前、年齢、性別、不妊・去勢手術の有無、マイクロチップ装着、運動習慣、性格――例えば嫌がること、怖がること、好きなこと、喜ぶことなど、健康状態、かかりつけの動物病院、飼育上の注意点などをまとめておくことを勧めています。
     3番目としては、飼育に必要な用具の準備や、逸走、つまり逃げてしまうことへの対策を求め、リードや遊具、飼い主表示の物品のほか、常備薬や療法食など、ペットの命や健康に関わるものは最優先で準備しておきましょうと説明しています。  その上で、ペットの受渡しの際、相手への感染防止のための注意点を列挙し、預かり先に自宅までペットを受け取りに来てもらう場合は、飼い主がペットをケージ等に入れて玄関先に置いた後に受け取り側が置かれた場所に向かうなど、相手との直接の接触を避けるようにしてくださいと強調しています。ペットホテルなどに預ける場合については、知人の方などに代理を依頼し、接触を避けてペットを引き渡し、ペットホテル等まで送っていただいてくださいとしています。  東京都は、ペットの預け先が見つからない場合の相談窓口も設置しており、ホームページ専用ダイヤルの電話番号を掲載しています。  私は、飼い主がペットをコロナ禍に巻き込まないための最善策は、飼い主自身が感染しないように予防することだと思います。そして、家にウイルスを持ち込まないことです。つまり、三つの密を避ける、小まめに手洗いをするなどの対策が最も重要だと思います。  福岡市は、飼い主が感染して入院などのため飼育が困難となった犬や猫について、動物愛護管理センターで預かる行政サービスを行っています。ペットホテルに加え、動物に関する保険会社や民間団体などでもペットの預かりをしています。  こうした状況を踏まえて質問します。  1点目、市は、ホームページ市政ニュースを使って、新型コロナウイルス感染の拡大の中でペットの対応に不安を持つ飼い主のために情報を提供すべきだと考えます。東京都のように相談窓口の設置も検討すべきです。市の考えを聞かせてください。  2点目、市は、福岡市のように飼い主が感染して入院などのため飼育が困難となったペットを預かる行政サービスの実施を検討すべきだと考えます。市の考えを聞かせてください。  大きい二つ目は、軽度認知障害――MCIについてです。  厚生労働省のホームページによりますと、軽度認知障害は、物忘れが主たる症状だが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態のことを言います。つまり、正常と認知症の中間とも言える状態です。具体的な定義としては、1、年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する、2、本人または家族による物忘れの訴えがある、3、全般的な認知機能は正常範囲である、4、日常生活動作は自立している、5、認知症ではないなどが挙げられます。すなわち、記憶力に障害があって、物忘れの自覚があるが、記憶力の低下以外に明らかな認知機能の障害が見られず、日常生活への影響はないか、あっても軽度のものである場合のことです。  しかし、軽度認知障害の人は、年間で10%から15%が認知症に移行するとされており、認知症の前段階と考えられています。認知症の完全な予防法や根本的な治療法が確立していない現段階において、軽度認知障害を早期に発見し、早期に対応することで、認知症の発症と進行を遅らせたり、生活の質を落とさずに残りの人生を送ることができる可能性が高まると言われています。  軽度認知障害の症状の具体例として、1、会話をしている中で同じ話をすることが多くなった、2、少し前に食べたものや友達の名前、銀行口座の暗証番号など、これまでは忘れる可能性が低かったものを忘れる、3、計算やスケジュールの管理ができなくなった、4、料理の味つけ、仕事や車の運転などの様子が変わった、5、好きだった趣味の活動をしなくなった、6、ドラマや読書を楽しめなくなった、7、やる気が湧かないなどが挙げられます。  軽度認知障害の早期発見と早期対応のためには、本人の状態について詳細な情報集めが重要です。気がかりな状態が出始めたら、それを記録に残すことが大切と言われています。例えば物忘れなどの症状が出たときには、その内容や時間、気になることを記録します。症状が現れた回数やその要因などを客観的に把握することができ、医療機関を受診した際に役立つ情報になります。  医療機関での診察は、認知症の場合とほぼ共通しています。面談で本人の状態を聞いた後、認知機能を計測する質問検査や、脳の状態を確認するためMRIなどを行います。同時に、症状の背景に別の疾患がないかを調べるため血液検査などを行うこともあります。軽度認知障害と診断されれば、認知症の発症というリスクを想定した生活を送るための準備に取り組むとともに、認知症の発症や進行を遅らせるための生活の改善を勧めることになります。つまり、軽度認知障害という診断を受けることによって、認知症になってもならなくても、生活の質を維持することができます。  認知症の発症や進行を遅らせるための生活の改善策としては、1、健康な食生活、2、適度な運動習慣、3、脳を活性化するレクリエーションや趣味の実践、4、生きがいづくりや仲間づくりなどが挙げられます。  こうしたことを踏まえて質問します。  1点目、今後、高齢化の進展によって認知症高齢者数が急増すると言われています。軽度認知障害の早期発見と早期対応によって、認知症の発症や進行を遅らせる取組に効果が出ると言われています。65歳時の健康診断や定期健診のときに認知症検査も取り入れるべきだと思いますが、市の考えを聞かせてください。  2点目、本市の認知症サポーター養成講座のテキストでは、軽度認知障害について、認知症の診断のない一歩手前の段階で、脳の活性化を図り、運動習慣を持つことで正常に戻る人もいますと記されています。市は、多くの市民に軽度認知障害について知ってもらい、早期発見と早期対応の必要性を理解してもらう必要があると思います。市政ニュースや市のホームページで取り上げるべきだと考えますが、市の考えを聞かせてください。  3点目、市が軽度認知障害の早期発見と早期対応を含めた認知症問題に本格的に取り組むためには、認知症初期集中支援チームの強化が不可欠だと考えます。また、本市で認知症施策の主な担当課は地域共生推進課ですが、認知症の人が警察で保護された場合には生活支援課へ連絡が入り、生活保護を受けている市民が認知症になれば厚生課のケースワーカーは認知症状を踏まえた対応が求められるなど、認知症の人を支援する上では庁内連携の強化が重要となると思います。市の考えをお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終えます。御答弁によりましては、対面式質問席より再質問、意見、要望を述べます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) まず最初に、独居高齢者の暮らしの質の低下を抑える、この質問について私からお答えをいたします。  コロナの中で、今、自助、共助、公助ということが改めてメディアにも最近別の文脈で出てきているところですが、コロナにうつらないために、多くの高齢者の方が、外出を控えるとか、人との接触を抑えるということで、大変御協力を頂きました。その結果、コロナの爆発的な感染に至っていないという、そうした成果が現状である一方で、お元気だったそうした方々が今お元気かどうかというようなことで心配をされるという、そういうような状況にあると。自助で頑張っていただいている中で、じゃあ共助と公助、特に公助についてどうなんだというような議員からの御指摘、まさに今、この状況に応じて的を射たような御質問であろうと思います。  そうした中で、一つ目ですね、地域包括支援センターの相談業務の強化についてでございますが、地域包括支援センターは、高齢者御本人、御家族からの御相談、民生委員、地域住民からの情報提供などにより、電話による見守り、自宅への訪問など高齢者への支援を行う相談窓口として、現在、年間1万5,000件の御相談を受けております。御相談の内容は年々多様化・複雑化しており、要支援認定者のケアプランの作成、地域で活動するケアマネジャー等とのネットワークの構築、地域ケア個別会議の運営など、これまで制度改正が幾度も行われたことにより、地域包括支援センターの業務負担は大変大きくなっております。このことから、市といたしましても、地域包括支援センターの相談業務を強化することは重要な課題と捉えており、今年度から体制の強化を進めているところであります。  具体的には、これまで地域包括支援センターの職員配置は、厚生労働省令に基づいて市条例で定めております高齢者人口2,000人に1名の割合で専門職を配置してまいりましたが、平成30年度から、国から全国統一の評価指標として示された高齢者人口1,500人に1名の割合で専門職を配置という水準を満たすべく、令和2年度から3か年かけて段階的な増員を目指しております。今後この取組を着実に進めることにより、地域包括支援センターの体制強化を図り、独居高齢者への訪問回数の増加や生活状況の把握につなげてまいりたいと思います。  また、新型コロナウイルスの今後の感染拡大に備えて、地域包括支援センターが高齢者への支援をこれまでと同様に取り組めるよう、地域ケア会議など多職種や関係機関との連携を図る会議のオンライン化のための補正予算を今定例会に提案させていただいております。引き続き、高齢者の自立支援・重度化防止に向けた取組に努めてまいります。  続いて、高齢者の見守りについてお答えをいたします。  本市では、民生委員の皆様方に、70歳以上の独居高齢者や高齢者世帯の自宅を訪問して、緊急連絡先や健康状態などの生活状況をお聞きする高齢者実態把握調査を毎年9月から12月にかけて実施しております。この調査で把握した高齢者の情報については、日頃の見守り活動だけでなく、緊急時や災害時の支援活動にも活用しており、いざというときの迅速な対応にもつながりやすく、高齢者の生活不安の解消にも大変役立つ、大変重要な活動であると認識しております。  民生委員の皆様には、新型コロナウイルスの感染拡大により外出自粛が要請されていた期間中も、電話で健康状態や生活の様子を伺うなど、独居高齢者を中心に、閉じ籠もりがちになる高齢者の見守り活動を続けていただきました。  また、今年度の高齢者実態把握調査についても、感染予防策に十分留意するとともに、電話による聞き取りや文書の投函といった方法も取りながら、実施していただく予定にしております。  新型コロナウイルスにより訪問や面談といった活動が制限される中ではありますが、引き続き高齢者の見守りを進めてまいりたいと思います。  最後に、高齢者が安心して活動できる環境の整備についてお答えをいたします。  議員も御指摘のとおり、高齢者の体力や健康を維持する上では一定の活動が必要であり、介護予防やフレイル対策において運動や社会参加の重要性が唱えられていることから、本市では、西宮いきいき体操や共生型地域交流拠点の整備など、高齢者の活動を促進する事業に取り組んでおります。  しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大下においては、これらの事業は、高齢者は感染のリスクが高いことなどから、事業の休止を余儀なくされることとなりました。感染状況の落ち着きが見られた7月からは、様々な地域活動が徐々に再開されており、いきいき体操につきましては、現在、実施グループの約6割が体操を再開しております。再開に当たりまして、全てのグループにおいて、参加者の体調確認、会場における消毒方法、また、人数制限や時間を短縮して体操を行うなど、感染予防策についても周知を図ってまいりました。今後も、コロナウイルス感染拡大に留意が必要な状況が続きますが、高齢者の体力や健康を維持できるよう、また、高齢者が安心して安全に活動できるよう、引き続き実施グループに対する巡回を通して感染予防対策の周知などの支援を行ってまいります。  以上です。 ◎健康福祉局長(山本英男) 介護現場の崩壊を防ぐについてお答えいたします。  まず1点目の、現在の備蓄状況と今後の購入予定、提供予定についてでございますが、事業所等における感染拡大防止に必要とされる手指消毒用エタノールの確保につきましては、国による優先供給の仕組み等を活用し、市内介護サービス事業所、障害福祉サービス事業所へ配付を行ってまいりました。現在は、各事業所から直接、優先供給のための専用購入サイトの利用が可能となっていることから、これらを周知し、確保をお願いしているところです。  また、衛生用品などの費用につきましては、県、市の補助制度や、令和2年10月より実施予定の新型コロナウイルス感染症に係る事業継続支援給付金により、事業所が負担する購入費用の支援を行ってまいります。  さらに、市としまして、施設などで感染の拡大や市場での購入が困難となる場合に備え、高齢者、障害者、児童などの社会福祉施設への配付用として、サージカルマスク15万5,750枚、アイソレーションガウン1,621枚、フェースシールド1,960枚、手袋1万2,300双を備蓄しております。今後、マスクにつきましては、9月より毎月、国から供給の予定があり、今年度末には87万5,000枚の備蓄が見込めます。また、新たにヘアキャップや使用頻度の高いアイソレーションガウン等を購入するなど、今後も備え不足が生じないよう適切に感染予防に関する用品の備蓄管理に努めてまいります。  なお、サージカルマスクについては、今年度末の備蓄見込み数の半数である約44万枚を12月頃に市内の介護・障害施設等への配付を行う予定にしております。その他の物資の提供につきましては、今後、計画的に購入し、配付に向けた検討を行ってまいります。  次に、2点目の感染対策に関するマニュアルについてですが、現在、国が専門家などの意見を踏まえ作成段階であると聞いており、国よりマニュアルが示されれば、市より各事業所へ周知する予定としております。  また、市では、事業所の職員や利用者に、感染者や感染疑いによるPCR検査等を受検した場合の市への情報提供の手順や、感染症が発生した際の対応について、これまで実施してきた本市の対応を踏まえ、サービスごとのフローチャートや対応チェックシートを早急に作成し、事業所の感染対策が適切に実施できるよう取り組んでまいります。  3点目の介護施設と医療機関との連携についてでございますが、介護サービス利用者が発熱や体調不良により受診を行う際は、症状によりかかりつけ医や帰国者・接触者外来への受診などが考えられます。また、利用者の身近な存在であるケアマネジャーに相談した際は、ケアプラン作成時などに把握した利用者の主治医や介護事業所等の連携医師、施設入所者であれば施設の配置医師に相談するなどにより、連携が図られているところです。  現在、市では、この冬に危惧されているインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行に備え、西宮市医師会や2次救急医療機関等と発熱外来について協議をしているところであり、今後も介護サービス利用者等が円滑に医療機関を受診できるよう、医師会など関係機関と協議し、介護施設と医療機関との連携強化に努めてまいります。  最後に、介護従事者の処遇改善についてでございますが、介護現場において慢性的に人員が不足している状況であり、介護従事者の確保・育成・定着は全国的な課題でございます。議員御指摘のとおり、サービスの担い手を支える仕組みである介護職員の賃金改善を目的とした処遇改善加算の一層の拡充が必要であることから、現在、国において、2021年度の介護報酬改定の中で介護人材の確保を目的とした処遇改善の拡充が議論されております。本市といたしましては、引き続き国の動向を注視し、一律に算定できる体制加算の創設や、持続可能な仕組みによる改善・拡充について国へ要望してまいります。  以上でございます。 ◎教育次長(佐々木理) 続きまして、子供たちの心と体のためにについてお答えいたします。  まず、コロナ禍が子供たちの心と体に与えた影響についてですが、学校再開後に学校が実施したアンケートなどに、いらいらする、不安があるなどの回答をしている子供たちがいます。臨時休業期間は、不要不急の外出が自粛され、運動量が少なくなったこと、学校での教育活動再開後も、新型コロナウイルス感染症対策を講じた上での運動となり、制限されることも多く、児童生徒の運動量は減少していると認識しています。  こうした子供たちへの対応として、子供たちが学校で授業や生活するリズムを取り戻すことに重点を置きました。再開直後には、学級活動や道徳の時間を設定し、仲間づくり及び感染症に対する偏見や差別は許されないということを考える時間を持ち、不安の解消を図るようにしました。個別の児童生徒の様子については、スクールカウンセラーも交え、組織的に丁寧な対応をしていくよう指導しております。  また、運動について、臨時休業期間中は、屋内でできる簡単な運動動画を学習支援コンテンツで紹介したり、再開に際して臨時休業期間の運動量が少ないことに配慮して体育の授業を実施したりすることを注意喚起するなど、教科の部会で指導してきました。  今年度は、国は、全国体力・運動能力、運動習慣等調査を実施しない方針を示しています。しかし、体力測定を実施し、体育の時間で体力を高めることに生かす取組を予定している学校もありますので、提供された結果を昨年度までの様子と比較・分析し、市全体の運動や体育の取組に向けた提言などに生かしてまいります。  運動する機会を増やすことについては、今後の感染状況を注視し、教科部会などで子供たちの運動に取り組む様子について聞き取りも行いながら検討してまいります。  次に、学校から保護者に対して家庭で子供の心の問題を考える機会を提供することについては、議員御紹介の国立成育医療研究センターが提案する親子でできるストレス対処法や、リラクゼーションなどのストレス対処やアンガーマネジメントなど、スクールカウンセラーによる便りや保健室便りなどで紹介しています。これらの便りは、児童生徒を通じて持ち帰られており、ホームページにも公開されているものもあり、家庭にも情報が伝えられ、保護者による家庭内での子供たちの心のケアに資するものとなっていると考えています。  今後も、子供たちの心と体のケアについて、学校と家庭との連携が図れる取組が継続されるよう支援してまいります。  以上でございます。 ◎健康福祉局長(山本英男) 1番目の新型コロナ危機への対応についてのうち、飼い主が感染した場合のペットたちのためにの御質問にお答えします。  初めに、新型コロナウイルス感染症に関するペットの飼い主への情報提供、相談窓口の設置についてですが、新型コロナウイルス感染症に関する動物を飼育する方向けの情報提供としまして、本市ではこれまで、市のホームページの「新型コロナウイルス感染症について」において、新型コロナウイルス感染症に係る他の質問と同様に、厚生労働省のホームページ新型コロナウイルスに関するQアンドAへリンクを貼り、その中で動物を飼育する方向けQアンドAへ御案内しております。  また、ペットに関する相談窓口としましては、本市新型コロナウイルス感染症電話相談窓口のうち生活一般相談窓口において、ペットに関するQアンドAを作成し、対応しているとともに、動物管理センターにおいても相談窓口業務を行っております。動物管理センターにおける今年度8月25日時点での新型コロナウイルスに関する相談件数としましては、狂犬病予防注射に関する相談47件、ペットの預かり相談7件、動物取扱業者からの休業要請等に伴う相談4件の計58件となっております。  今後も、最新の情報収集に努め、随時掲載方法や内容等、ホームページの見直しに努めるとともに、新たに動物管理センターのホームページにもリンクを掲載するなど、飼い主の方へのさらなる情報発信に努めてまいります。  次に、飼い主が入院などにより飼育困難となった場合のペットを預かるための行政サービスについてお答えいたします。  4月の緊急事態宣言以降、本市では、新型コロナウイルスに感染した飼い主の方が入院措置等により一時的にペットの飼育が困難となった場合に備え、東京都などの他の自治体の対応状況の確認、市内のペットホテル等への新型コロナウイルス感染患者ペットの受入れ可否の聞き取り、地元獣医師会との協力体制構築に向けた協議等を実施してまいりました。  現在、新型コロナウイルス感染により一時的にペットの飼育が困難となった飼い主の方に対しましては、まずは自助努力が大原則でありますことから、動物管理センターから、親戚など自身での預け先確保を検討するよう伝えるとともに、ペットホテルやかかりつけ動物病院への案内等を行っております。しかしながら、自助努力ではどうしても預け先を見つけることが困難となった場合は、新型コロナウイルスに感染した飼い主の方につきましては、緊急対応として動物管理センターにて有料でお預かりした事例がこれまで2例ございます。  今後も、ペットの飼い主の方に対し、万が一に備えた準備について啓発に努めていくとともに、緊急対応が必要な場合に備え、体制整備に努めてまいります。  以上でございます。 ◎副市長(田村比佐雄) 次に、軽度認知障害――MCIについての御質問にお答えいたします。  まず、軽度認知障害の早期発見のための検査についてでございます。  認知症につきましては、軽度認知障害の段階で適切に対応することで、認知症への移行を予防したり、発症を遅らせることが可能と言われております。このことから、本市では、御本人や御家族などの身近な方が認知症のセルフチェックを行い、早期発見ができるよう、兵庫県が作成する認知症チェックシート――以下「チェックシート」と申します――の活用を進めております。このチェックシートは、21の質問項目で構成されておりまして、一人で買物ができるか、今日の日付が分からないときがあるかといった日常生活上の質問に答えることで、認知機能や社会生活に支障が出ている可能性を確認するものでございます。また、今の生活習慣に関する質問に答えることで、4年以内に認知症になるリスクを知ることができる認知症リスク評価スコアや、認知症に関する相談窓口、医療機関の受診方法などの関連情報も記載しておりますことから、チェックシートを活用することにより、軽度認知障害や認知症の早期発見から早期受診などにつなげていきたいと考えております。  チェックシートにつきましては、現在、各支所や公民館、図書館、地域包括支援センターなどに設置しており、今年度は、医師会、歯科医師会、薬剤師会の御協力も頂きまして、市内の医療機関等にも設置する予定にしております。  さらに、国の認知症施策推進大綱では、認知症の早期発見・早期対応につながる取組として、高齢者が身近に通えるつどい場などで専門職が行う相談なども推進することとされておりますので、今後は、地域包括支援センターや市の職員が西宮いきいき体操の実施グループに対しまして巡回支援する際にチェックシートを配布するなど、よりチェックシートの活用が進み、認知症の早期発見につながるよう取組を進めてまいります。  次に、軽度認知障害や早期発見・早期対応に関する広報についてでございます。  これまでも、認知症に関する普及啓発を図るため、にしのみや認知症つながりフェアや講演会などのイベント開催をはじめ、市政ニュースホームページでの広報など、様々な取組を進めてまいりました。先ほど御答弁いたしましたチェックシートにつきましても、昨年10月の市政ニュース1面で広報を行い、認知症を早期発見することの重要性について啓発を行っておりまして、今年8月25日号の市政ニュースでも、チェックシートや認知症SOSメール、認知症サポーター養成講座などについて広報を行ったところでございます。また、今月は、認知症への正しい理解が進むことを目的に定められた世界アルツハイマー月間となっていることから、市内4か所の図書館に特設コーナーを設け、認知症についての普及啓発を図るほか、9月17日にはさくらFMの市の広報番組「聞いてなるほど!西宮市政」で認知症施策のPRを行う予定にしております。  このように、今後も、あらゆる広報媒体を活用して、認知症や早期発見・早期対応の重要性について、また、軽度認知障害につきましても普及啓発に努めてまいります。  最後に、認知症初期集中支援チームと庁内連携の強化についてでございます。  御質問にもありましたように、認知症の方に対する支援におきましても、早期発見と早期対応を含めた取組は大変重要であると考えております。早期発見・早期対応に向けた支援として、本市では、認知症初期集中支援チームを設置して、医療機関との情報共有や御家族への相談支援などを行っておりますが、認知症に関する相談は年々増加しておりますことから、認知症初期集中支援チームにつきましては、令和2年10月より、これまでの1チームから2チームへと体制の強化を図ることとしております。  現在、認知症を含むあらゆる相談に対しましては、日常生活圏域ごとに設置しております地域包括支援センターが窓口となっており、その上で、相談をお受けした地域包括支援センターにおいて認知症に関する専門的な支援が必要なケースであると判断した場合には、認知症初期集中支援チームと連携するとともに、それぞれのケースが関わる庁内担当課とも連携を図り、継続的な支援に取り組んでおります。  議員も御指摘のとおり、市といたしましても、認知症の問題だけでなく、あらゆる支援を行う上で庁内の連携強化は大変重要であると認識しております。このことから、毎年開催しています医師や保健医療関係者等で組織する認知症初期集中支援チーム検討委員会には庁内関係各課も出席し、認知症問題に係る専門的な意見や助言を頂きながら、連携した支援を行うことができるよう情報共有に努めております。  認知症による支援が必要な方々の早期発見と早期対応を進めるために、庁内の関係各課はもちろんのこと、地域包括支援センターをはじめ関係機関との連携を引き続き図ってまいります。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。    〔大迫純司郎議員「対面式質問席」使用〕 ◆5番(大迫純司郎) 丁寧な御答弁、ありがとうございました。  再質問はありません。意見、要望を述べます。  大きい一つ目の新型コロナ危機への対応についてのうち、第1の独居高齢者の暮らしの質の低下を抑えるから要望いたします。  答弁では、地域包括支援センターの相談業務の強化や体制強化の取組を進めていることや、今年度から令和4年度にかけて段階的にセンターの職員の増員を進めていること、新型コロナウイルスの感染拡大に備えて地域ケア会議などのオンライン化を補正予算案に盛り込んだことが示されました。これらの取組を評価したいと思います。  答弁でも言及がありましたが、民生委員が独居高齢者を見守る取組はとても大切です。今年度の高齢者実態把握調査についても、当面は電話で健康状態などの生活状況を聞くなどの方式になる予定ですが、民生委員が感染防止を徹底しながらきめ細かい対応をできるような環境づくりを進めてください。  高齢者にとって、体を動かしたり様々な活動をする場や環境が制限されると、たちまち心身ともに落ちて、要介護者も増加する懸念があります。そのためには、市全体で危機感を持たなければと思います。  第2の介護現場の崩壊を防ぐの答弁では、サージカルマスクについて、44万枚を12月頃に市内の介護・障害施設等に配付する予定とのことでした。それ以外の物資の提供についても前向きな検討を行っており、評価したいと思います。  介護施設の利用者が円滑に医療機関を受診できるように、医師会など関係機関と協議して、介護施設と医療機関との連携強化に努めることも評価したいと思います。  介護人材の確保を目的とした処遇改善の拡充はとても大切であり、国に対してあらゆる機会を通じて要望を続けてください。  第3の子供たちの心と体のためにで答弁されたように、学校再開後、学校ごとにアンケートを行ったり、学級活動や道徳の時間などで仲間づくりの大切さや感染症に対する偏見や差別をなくすことについて考える機会を設けたことは、大切な取組であり、評価したいと思います。  親子でできるストレス対処法やリラクゼーションなどのストレス対処などを、スクールカウンセラーによる便りや保健室便りなどで紹介していることは、保護者の一人としてありがたく感じました。子も親もストレスを受け、心身のバランスが崩れている今、とても重要な情報発信だと思います。  その一方で、教育委員会は、全市の子供たちの心や体への影響についての実態を把握する取組にもっと積極的な姿勢を示すべきです。実態調査の結果が今後の様々な教育活動の重要なデータになります。コロナ禍で悪影響を受けた子供たちの心と体がこれから成長する中で癒えていくのか、長く影響を受け続けるのかについては、保護者にとって最大の関心事です。今、子供たちの状態を把握しておかないと、この問題をこれから調べたり取り組むための基点を失います。  第4の飼い主が感染した場合のペットたちのためにの答弁では、この問題について最新の情報を収集し、ホームページの見直しに努め、不安を持つ飼い主に対して情報提供する方針が示されました。これから冬にかけて感染が拡大すれば、飼い主とペットを取り巻く環境は悪化するため、的確な情報が命綱になります。よろしくお願いします。  感染によって飼育できなくなったペットについて、飼い主の自助努力ではどうしても預かり先を見つけることが困難となった場合、動物管理センターで有料で預かる方法が示されました。これは、飼い主にとって大きな安心材料です。このことを周知すれば、ペットが安易に動物管理センターに持ち込まれるのではないかと心配する向きもあります。しかし、私は、自助努力でペットホテルやかかりつけの動物病院で預かってもらえるかどうかを確認することの大切さを訴えた上で、最終手段として動物管理センターの預かりを周知すれば、多くの飼い主は理解してくれる、賢明な対応をしてくれると思います。  大きい二つ目の軽度認知障害――MCIの答弁では、兵庫県が作成した認知症チェックシートの活用の重要性が強調されました。私も同感です。各支所、公民館、図書館、地域包括支援センター、医療機関などに置いて手に取ってもらえるようにし、地域包括支援センターや市の職員が西宮いきいき体操の実施グループにも配るとのことでした。すばらしい取組だと思います。より多くの市民が活用できるようにしてください。  特にチェックシートが国民健康保険の特定健康診査や75歳以上の長寿(後期高齢者)健康診査などの機会に広く活用される環境づくりをぜひお願いします。  認知症初期集中支援チームについては、令和2年10月より2チーム目が編成され、体制が強化されるとのことでした。認知症に関する相談は今後急増すると予想されます。庁内連携を強化する方針が示されましたが、同時に、相談窓口の一本化もぜひお願いしたいと思います。  意見、要望は以上です。  全ての人に福が届くことを祈って、大迫純司郎の一般質問を終わります。
     御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) 大迫純司郎議員の一般質問は終わりました。  次に、まつお正秀議員の発言を許します。    〔まつお正秀議員登壇〕 ◆20番(まつお正秀) ただいまより、日本共産党西宮市会議員団を代表して、私、まつお正秀が二つのテーマで一般質問を行います。  傍聴にお越しの皆さん、また、さくらFMをお聞きの皆さん、ありがとうございます。  一つ目のテーマは、名神湾岸連絡線についてです。  この名神湾岸連絡線は、名神高速インターチェンジから阪神高速湾岸線を南に結ぶ道路で、約3年前から工事が始まっている阪神高速湾岸線の西伸部区間――六甲アイランドから長田区までの長さ14.5キロの工事とこの名神湾岸連絡線との供用、いわゆる完成時期を合わせる予定で計画されている有料高速道路です。ルートや構造の概要も既に示され、長さは約3キロ、片側1車線の2車線ですが、阪神高速3号線とつなぐジャンクション、西宮浜に設けられる予定の出入口やジャンクション付近では、4車線あるいは5車線の箇所もできる予定で、名神高速からつながる部分では、複雑なジャンクションなどとも絡んで、高さは最高28メートルにも上る予定となっています。  昨年12月にはこの道路の都市計画案作成のための説明会や公聴会が行われ、18人の方が意見を述べられました。この記録を読ませていただきましたが、運送業の方たちから賛成の意見があったものの、西宮浜産業団地では、連絡道のルートに引っかかっている事業者の方たちから移転などによる不安、そして、何よりも近隣住民の方たちは、騒音や大気汚染などによる健康被害を心配する声も多く出されていました。  現在、この都市計画決定の手続と並行して、国による環境影響評価も行われており、国が県の条例に準じて行った調査が環境影響評価準備書として示され、西宮市や県の意見も聞いた上で国が環境影響評価を今後確定する予定となっています。  先日は、国が環境影響評価を確定する前段階である準備書の縦覧、説明会を、6月28日の市役所東館を皮切りに、7月にかけて4会場で12回行いました。それぞれ2時間の予定で、説明初日となった市役所東館では、説明時間が1時間30分、質疑は30分しかなく、しかも、1人1問しか認められず、十分質疑時間が確保されていなかったと聞きました。その後、少し改善されたとはいえ、私が参加した西宮浜産業交流会館でも、質疑は1人1問に限定され、時間が十分確保されていない印象を私は持ちました。  同時に国は、その準備書に対する文書での意見表明を受け付けるとともに、準備書に対する公聴会を8月8日に西宮勤労会館で行い、12人の方が意見を述べられました。こちらにも私は傍聴に行きましたが、多くの方がこの計画に反対の立場で意見を述べられました。また、その多くは、住民の健康被害や環境悪化を懸念した意見で、地震の影響や景観についても懸念する意見が出されていました。私なりに要約してその幾つかを紹介します。一つ、環境影響評価では、その高架の中心線から両サイドにそれぞれ125メートル、合計250メートルの範囲しか行われていないという問題点の指摘、二つ目、そのこととも関連して、大気の流れは固定ではなく、NO2やPM2.5などの浮遊性粒子物質などによる健康被害の心配、三つ目は、低周波被害や騒音被害の懸念、四つ目は、最高28メートルというジャンクション、インターチェンジなどによる日照被害や立ち退きの不安、5点目は、阪神・淡路大震災では阪神高速3号線が倒壊したので、今後予想される南海トラフ地震での倒壊や液状化の懸念などでした。  特に今津地域の方々からは、国道43号線訴訟を闘われた地域であり、この裁判では和解という形で一区切りつきましたが、今でも肺がんやぜんそくなどの方が多いと聞いております。裁判の和解においては、浮遊性粒子物質――SPMと言われていますが、この受忍限度を超えた汚染があったこと、騒音についても受忍限度を超えていると裁判所が断じています。こういった人たちが新たな今回の連絡道の建設で命や健康をむしばまれかねないという思いを持たれるのは当然のことだと思います。ですから、まず、住民の皆さんは、現在の健康がどうなのかを調査してほしいという願いを持っておられます。市は、住民の皆さんの不安に応えるためにも、その前提となる健康調査や、環境の状況やその影響を把握することが必要です。  さらに、今回の計画では、西宮浜にも大きな影響を及ぼすことになります。先ほど紹介した計画概要に対する意見表明された事業者の方だけでなく、近くに学校や住宅地があることから、住民の方たちからも、工事中だけでなく、建設後も含めて、交通事故の問題や環境汚染などの悪化を心配されています。  そこで質問です。  1点目、なぜ既に着工されている阪神高速湾岸線西伸部工事における供用と湾岸連絡線を同時に供用しなければいけないのか。また、湾岸線西伸部の工事の後で名神湾岸連絡線の事業化を検討することは可能かどうかも併せてお答えください。  2点目、環境影響評価準備書に対する公聴会の意見についての取扱いと今後の手続について伺います。  3点目、環境影響評価準備書に対する公聴会でも出されましたが、近隣住民への健康調査を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。  4点目、西宮浜では、日常的に大気汚染の調査が行われておりません。この計画に危惧を持つ市民の方たちが大気汚染調査測定局の設置を求められております。PM2.5も含めたSPM測定局を設置すべきと考えますが、見解を伺います。  二つ目のテーマは、自衛隊への名簿提供についてです。  今回この問題を取り上げるのは、西宮市が、今年2月から大学生の卒業予定者、6月には高校卒業予定者への自衛隊の隊員募集のために、名簿を電子データで提供していたことを知ったからです。自衛隊への紙や電子データでの名簿提供はこれまでも各地で問題になっていますが、西宮市はこれまで多くの自治体と同様に、住民基本台帳の閲覧しか認めていないものと私は思っていました。ところが、この1月、神戸市が今年の7月から電子データで自衛隊に名簿を提供することを明らかにし、神戸市議会でも取り上げられ、弁護士さんを招いての学習会や名簿提供反対の署名が取り組まれるなどの市民運動が大きく広がっていることを知りました。そこで私は、念のために、名簿提供窓口となったと聞いた市民相談課に確認したところ、今年から電子データで提供することになったという回答が返ってきたのです。  そのときに、なぜ今年からなのかと聞きますと、自衛隊地方協力本部の西宮地域事務所――田代町にありますけれども、ここから担当者が来て、近隣の自治体も提供している、法的にも問題ないということだったので、市長が協定書を結んで提供したということでした。  さらに調べていくうちに、西宮市は、以前、2013年度と2014年度の2年間、自衛隊に15歳、18歳、22歳の氏名、住所、年齢、性別の住基4情報を電子データで提供していたことが分かりました。この時期は、後でも触れますが、集団的自衛権容認を掲げた安倍晋三氏が第2次安倍政権として復活した時期と重なります。  2015年10月、神戸新聞が、2014年度の兵庫県下の自治体の名簿提供調査を行っています。この記事では、41の自治体のうち16自治体が紙や電子データで提供していて、西宮市も含めて幾つかの自治体が初めて提供したと報じています。第2次安倍政権が誕生したのが2012年12月で、この新聞記事で注目すべきは、その翌年、2013年5月、第2次安倍政権誕生から半年もたたないうちに、防衛大臣名で都道府県知事宛てに紙や電子媒体での名簿提供要請が行われていたこと、その要請文に井戸知事が適切に対応をという一文を加えて県内自治体へ送っていたこと、そして、西宮市は、この通知と前後して2年間にわたって電子データで名簿を提供していたこともこの記事には書かれています。  さて、この15歳の名簿については、陸上自衛隊高等工科学校への勧誘に使われていることがその後問題になります。自衛隊の幹部を養成する目的の学校では防衛大学校がありますが、この高校も同じ目的で、どちらも横須賀にあります。なぜこの高等工科学校への勧誘が問題なのか。それは、2009年に自衛隊法が改正されて、この高校の生徒の身分が自衛隊員から生徒へと変わったからです。自衛隊法では生徒への勧誘を認めなくなっていたにもかかわらず、自衛隊法の改正後も、これまでの慣例で、全国のほぼ各都道府県単位で50か所ある自衛隊地方本部の実に21地方本部が15歳の名簿も含めて提供を求めていました。2015年3月26日に行われた参議院外交防衛委員会で我が党の井上哲士参議院議員が、実際に滋賀県などで勧誘のパンフレットが送られていた具体例を示して違法性を追及しました。当時の担当局長が、深く反省していると陳謝、是正を約束しました。滋賀県といえば、この年に高島市の市立中学校のトイレットペーパーに自衛隊募集と印字されていたことが問題になり、すぐに撤去されたことで話題にもなった県です。  この国会質問から、兵庫県内でも、2015年度から西宮市をはじめ4市町が、15歳だけでなく、全ての名簿提供をしなくなりました。というよりも、名簿提供を求めてこなくなったというのが真相のようです。また、この2015年は、マイナンバー制度が導入されて、通知カードが送付された年でもあり、個人情報についての関心が大変高まったことも、名簿提供自治体が減少する背景にあったと思われます。  先日、安倍首相は辞任表明しましたが、もともと日本国憲法改正論者で、憲法第9条に自衛隊を明記することを悲願としてきました。そして、その具体化の一歩として、2014年7月、集団的自衛権の行使を認める閣議決定を行い、安保関連法、いわゆる戦争法を国会に提出、2015年9月19日未明に国会で強行可決させました。この安保法制によって、自衛隊の海外での後方支援や駆けつけ警護など武器使用が拡大され、命の危険が高まったことによって、自衛隊への応募が減っていったと思われます。  こうした政権の動きと自衛隊の応募者数――男子の一般曹候補生を例に具体的に見ておきたいと思います。民主党政権だった2011年度には、応募者4万3,529人だったものが、第2次安倍政権が誕生した2012年度は2万9,092人へ激減、2013年度は2万9,535人、2015年度2万1,181人、2016年度2万444人へと、民主党政権時の半分以下になります。その後の2017年度、2018年度の2年間は、年1回から2回に受験回数を増やしたことでわずかに応募者が増えましたが、それでも2018年度は2万2,452人です。こうした第2次安倍政権誕生から激減していく自衛隊員の応募に対し業を煮やした安倍首相は、昨年、2019年2月13日に行われた衆議院予算委員会で、自治体の6割が名簿提供を拒否していると不満をあらわにした発言を行い、そこからさらに各自治体への名簿提供の圧力がかけられているのです。  そこで質問です。  1点目、これまで電子データ名簿を自衛隊に提出していなかったのに、今年2月から電子データで名簿を自衛隊に提供することになった経緯を伺います。  2点目、兵庫県下のこうした名簿の提供状況について伺います。  3点目、こうした名簿を提供することになった根拠法令を伺います。  4点目、憲法第13条に基づくプライバシー権が名簿提供で毀損されるという認識はないか、お答えください。  5点目、明らかに自衛隊への勧誘がされることが分かっている目的の名簿提供は憲法違反だと思います。直ちにやめるべきだと思いますが、見解を伺います。  これで壇上からの質問は終えまして、御答弁によりまして、対面式質問席から再質問、意見、要望などを述べさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。 ◎政策局長(太田聖子) 1番目の名神湾岸連絡線についての御質問にお答えいたします。  まず、名神湾岸連絡線の供用時期についてです。  議員御質問の大阪湾岸道路西伸部のうち六甲アイランド北から神戸市長田区駒栄までの約14.5キロメートルの区間は、平成28年度に事業化され、既に工事着手しております。この区間が完成すれば、多くの交通が阪神高速3号神戸線から5号湾岸線に転換すると予測されております。その際に名神湾岸連絡線が整備されていなければ、本市の内陸部と臨海部の主要なアクセス道路である札場筋線、今津東線、小曽根線等の大型車等の交通量が増加し、沿道環境や交通安全面への影響が大きくなることが懸念されております。そのため、市としては、大阪湾岸道路西伸部に遅れることなく名神湾岸連絡線を整備し、供用する必要があると考えております。  次に、環境影響評価準備書――以下「準備書」と申します。準備書に対する市の見解と今後の取扱いについてです。  現在、都市計画の手続と並行して、国が県の条例に準拠して環境影響評価の手続を行っております。準備書については、本年3月から縦覧等の手続が進められており、市としての見解は、市の諮問機関である環境影響評価専門委員会からの答申を踏まえて取りまとめる予定でございます。  今後の予定としましては、準備書に関して県知事から市長に環境保全の見地からの意見を求められており、本年10月14日までに県知事へ回答する予定です。その後、県は、住民意見、市長意見等を勘案して、第2次審査意見書を作成し、国に送付いたします。国は、第2次審査意見書に基づき準備書の記載事項について検討を加え、環境影響評価書を作成し、公告、公表等を行います。そして、今後決定する事業者は、環境影響評価書の内容を尊重し、環境の保全と創造について配慮して事業の実施に当たることになります。  最後に、近隣住民への健康調査についてです。  環境影響評価では、人の健康への影響が想定される環境要素も評価項目として選定し、環境基本法で、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準とされる環境基準が定められている項目については、その基準に照らした評価が行われ、必要な環境保全措置が検討されております。市としましては、住民等の健康を保護するために必要な環境保全措置等が実施されるものと考えております。  一方、議員御質問の健康調査については、疫学的に大規模かつ高精度な調査が必要であり、大気汚染等の環境要素と健康との因果関係も複雑であることから、名神湾岸連絡線の事業に関して改めて健康に関する調査を実施する考えはございません。  以上でございます。 ◎環境局長(宮島茂敏) 次に、大気汚染測定機の設置についての御質問にお答えいたします。  本市における大気汚染の状況把握については、大気汚染常時監視測定局を市内11か所に設置しているほか、大気環境移動測定車を市内約15か所に設置し、定期的な調査を実施しているところです。議員御指摘のとおり、西宮浜には大気汚染常時監視測定局は設置しておりませんが、大気環境移動測定車による大気環境調査を1991年から西宮浜3丁目の環境衛生課・管財課庁舎付近において、また、2019年からは西宮浜小学校付近において継続的に行っており、この2か所での調査により、西宮浜における大気汚染の状況は把握できているものと考えております。  以上でございます。 ◎政策局長(太田聖子) 2番目の自衛隊への名簿提供についての御質問にお答えいたします。  まず、電子データで名簿を自衛隊に提供することとなった経緯についてです。  本市に居住する18歳及び22歳の市民の情報、いわゆる募集対象者情報を自衛隊が収集するに当たっては、平成25年3月と平成26年4月の2度、今回と同様にデータによる情報提供を行ったことがありましたが、近年は、自衛隊が住民基本台帳法第11条第1項に基づく閲覧請求を行い、市民課の窓口で閲覧したものを手書きで書き写しておりました。平成31年4月に防衛大臣から市長宛てに文書依頼があり、加えて、自衛隊兵庫地方協力本部長から市長へじきじきにデータでの提供依頼がありました。そこで、関係法令や西宮市個人情報保護条例を精査したところ、募集対象者情報を適法に提供することが可能であると判断し、募集対象者情報のデータ提供を行うことにしたものです。  なお、募集対象者情報の提供に先立ち、募集対象者情報を自衛官及び自衛官候補生の募集の目的のみに利用することなど、募集対象者情報の取扱いに関する協定書を令和元年12月に市長と自衛隊兵庫地方協力本部長との間で締結しております。  次に、現時点での県下各市の状況についてでございます。  兵庫県下全体での状況は把握しておりませんが、神戸市と阪神間の6市の状況は、7市中、データの提供により対応している市は4市、住民基本台帳法第11条第1項に基づく閲覧請求で対応している市が3市となっております。  次に、名簿を提供することになった法令根拠についてです。  提供の法的根拠としましては、自衛官または自衛官候補生の募集に関する事務の一部を市町村長が行うと規定する自衛隊法第97条第1項、及び、防衛大臣が市町村長に対し必要な資料の提出を求めることができると規定する自衛隊法施行令第120条の規定でございます。  また、個人情報保護の観点で申し上げますと、西宮市個人情報保護条例第12条第1項におきましては、法令等に基づく場合以外の利用目的以外の個人情報の提供が制限されておりますが、同条第2項第3号におきまして、法令等の定める事務の遂行に必要な限度で個人情報を利用し、かつ当該個人情報を利用することについて合理的な理由のあるときは提供が可能である旨、規定されております。  以上のようなことから、自衛官募集事務は法令等に基づく事務であり、自衛官または自衛官候補生の募集に必要な限度で利用するものであるため、西宮市個人情報保護条例第12条第2項第3号に該当し、適法に情報を提供できるものと判断して情報提供を行ったものです。  次に、憲法第13条に基づくプライバシー権が名簿提供で毀損されるという認識はないかについてでございます。  自衛隊に提供する情報は、募集対象者の氏名、生年月日、男女の別及び住所の4情報であり、これらは、これまでの住民基本台帳法第11条第1項の規定に基づく閲覧の際に自衛隊が閲覧していた情報と同一でございます。また、自衛隊への募集対象者情報の提供は、さきに申し上げましたとおり、防衛大臣からの自衛隊法施行令第120条の規定に基づく依頼に対し市が西宮市個人情報保護条例第12条第2項第3号に該当するものと判断して適法に提供しているとの認識であり、市民のプライバシー権が情報提供により毀損されるという認識はございません。  次に、明らかに自衛隊への勧誘がされることが分かっている目的の名簿提供は直ちにやめるべきと思うがの見解についてです。  さきに述べましたとおり、自衛隊への情報提供は関係法令の規定に基づき適法に実施しているものであるため、現時点では自衛隊への情報提供をやめる考えはございません。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。    〔まつお正秀議員「対面式質問席」使用〕 ◆20番(まつお正秀) 一通りの御答弁を頂きました。ありがとうございます。  それでは、質問項目の順に再質問と意見、要望を述べさせていただきます。再質問については一問一答で行いますので、よろしくお願いします。  まず、名神湾岸連絡線についてですけども、西伸部工事と同時に完成しなければいけない理由が幾つか述べられましたけれども、そうしないと市内の一般道が渋滞する、環境が悪化するというふうなことだったと思いますけれども、まだこの工事は都市計画決定されておりませんし、環境影響評価もまだ終了しておりません。この間、車が1万9,500台通るとか、阪神高速3号線の渋滞が5号線に流れて渋滞が緩和されるというふうなことも言われていますが、これもやってみないと分かりません。4年ぐらい前からこの問題は議会で取り上げられてますけども、連絡線の必要性というのはいろいろいっぱい言われています。しかし、実際のところはやっぱりやってみないと分からないわけですので、今回の計画については、道路を造ることを先に決めて、後からそのための理由をくっつけている、こういう印象を持っています。  再質問1点目ですけれども、これから都市計画決定がされたとしても、事業化をするとなると、お金をどこから持ってくるのかとか、事業主体をどうするのかとか――NEXCOとか阪神高速とか言われてますけれども、そういったことが決まっていない中で、今後の事業化の時期は見通せているのか、伺います。再質問です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎政策局長(太田聖子) 再質問にお答えいたします。  現時点で名神湾岸連絡線の事業化の時期は決まっておりません。今後、早ければ令和2年度末に都市計画及び環境影響評価の手続が完了する予定です。これらの手続完了後に国が事業化の手続を行うこととなっております。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆20番(まつお正秀) まだ事業化としては決まっていないということだと思います。  少し経過が、私が説明するよりもちょっと新聞記事を紹介したいというふうに思います。  これは2017年ですかね、平成29年6月、神戸新聞がこの工事について書いております。少し途中から読み上げます。国土強靱化、ミッシングリンク――未整備区間解消を掲げる安倍政権――これは2017年ですね――の下で進む高速道路整備。国交省が昨春――ですから、これはその前年、2016年――に事業化を決めた大阪湾岸道路の西伸部もその一つである。2009年の都市計画決定――だから、10年以上前に都市計画決定後は凍結状態だった。総事業費5,000億円の半額を阪神高速が主に利用者から料金収入で賄い、県と神戸市も各300億円を負担する方針だ。完成に10年かかるとされるが、全国最悪という阪神高速神戸線の渋滞緩和が見込まれるというふうには書いてあります。ただ、人口減社会で必要性を疑う声もあるが、県は、交通量は人口だけで決まらない、国内総生産など経済情勢も影響する、こういうふうな意見も書いてあります。人口減がこれから深刻になると思いますけれども、こういった新聞記事があります。  もう1点、ちょっと紹介しておきますけれども、これはまたその前年の、これは日経新聞です。これが平成28年ですから2016年に、今年度、事業着手した高速道路と。工事が3年ほど前から始まったということについて、兵庫県と神戸市による費用負担の概要が分かった。地元負担分のうち、市に交付される地方交付税を差し引いた額を県、市で折半する。高速道路の地方負担は、政令指定都市であれば全額を負担するのが通例だが、高速道路ネットワークの早期整備のために、県も負担に踏み切る。同高速道路の事業費は5,000億円の予定。兵庫県と神戸市は、2分の1を高速道路の料金収入で充て、残りを国の直轄公共事業で整備することを想定している。この想定に従うと、公共事業分2,500億円の3分の1に当たる約833億円を神戸市が負担し、そのうち2割の167億円は地方交付税で賄われる見通し。実質的な負担額は666億円となり、県と市が333億円ずつ負担する計算になるというふうに書いてあります。  この事業ですけれども、今言ったように、2009年に都市計画決定されながら、7年間、凍結をされていた。なぜかというと、2008年ですかね、リーマンショックがありました。不況になりました。2009年には民主党政権になって、コンクリートから人へというふうな、そういう方向も打ち出されました。ですから、そういうこともあって多分凍結されていたんだと思うんですが、第2次安倍政権、2012年の12月に誕生して、国土強靱化――これはもともとそういう言葉はあったんですけれども、最初の組閣で国土強靱化担当大臣、これを初めて創設しています。さらに、10年間で200兆円、そのうち高速道路は33兆円と具体的数字も示しています。その見返りにゼネコンに、あんたところは幾らか政治献金をしてください、こういう通知を出していたことも明らかになりました。阪神高速湾岸線西伸部工事も名神湾岸連絡線も、その流れの中で急速に動き出し、それに井戸知事が、神戸が全部出さなあかんのに、兵庫県が半分出しますよと言ってこれを進めているということが、よくこの経過が分かってくるというふうにも思います。記事にあったように、井戸知事は――そういうふうなことが分かると思います。  今、コロナ問題がありますよね。国は今、何十兆円と補正予算を組んでいる。もともと1,000兆円の借金があった、それを何とか財政再建しないとあかんという中で、安倍さんがばんばんと公共事業をやるというふうな、そういう流れをつくってきたんです。  だから、これから税収も減っていきます。国も減ります。地方自治体も減ります。そういう中でこういう工事を本当にやっていいのかどうかということが、これからまた大きくそういう声が広がっていくんじゃないかというふうに思います。安倍さんも引退しましたから、その路線は修正されるべきだというふうに思うんですけれども。  再質問です。まだ都市計画決定はされていないということです。そして、まだまだ環境影響評価――これはもうすぐ専門委員会、第3回目が10月にあって、その審議もあります。実際、民間企業も絡んできます。採算が合うかどうかというようなこともあります。ですから、そういう点では、既に西伸部は工事に入ってますけども、西宮の名神湾岸連絡線については、西伸部の工事と同時に供用化するというのはとても今の状況では無理だというふうに思うんですけれども、その供用化が同時にできるのかどうか、そこの見通しもお聞かせください。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎政策局長(太田聖子) 再質問にお答えいたします。  大阪湾岸道路西伸部の供用時期は明らかにされておりませんけれども、先ほど御答弁しましたとおり、大阪湾岸道路西伸部は既に工事が着手されております。市としては、本市の内陸部と臨海部の主要なアクセス道路である札場筋線、今津東線、小曽根線等の沿道環境や交通安全面への影響が大きくならないよう、大阪湾岸道路西伸部の供用開始に遅れることなく名神湾岸連絡線を建設する必要があると考えております。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆20番(まつお正秀) あくまで供用化は同時にやっていきたいということだと思いますけれども、まだまだ手続上は、環境影響評価専門委員会等でもいろんな専門的な方もおられますし、都市計画決定に対して市長の意見も県から求められておりますから、そういう中で、この間のいろんな公聴会で出された意見とかそういうのを踏まえて、そういう意見も県には述べていくということですから、そこら辺はまだまだそういう中でいろいろ反対意見が出てくる可能性もあるわけですから、供用化は多分同時にはできないのではないかと私は思っておりますけれども、いずれにしても、同時にできるという保障はないということは確認できたかというふうにも思います。  この間、環境影響評価もやられてまして、そういう中で、いろんな健康のことも言われてます。健康調査、これは、以前、佐藤議員も健康調査をやれと言って、やりませんという冷たい答弁が返ってますけれども、43号線裁判を闘われた地域で本当に健康のことを心配されています。  それで、環境影響評価専門委員会の中には、島正之さんでしたかね、そういう兵庫医大の教授だったかな、いてはります。PM2.5とかそういうふうなことについて結構詳しい方ですね。そういう人たちも入っておられますから、そういう意見も十分に踏まえて、市としても意見を県にも述べていただきたいというふうに思います。  三つ目の再質問ですけれども、毎年、西宮市は兵庫県に対して予算要望書――我々も市に対して予算要望を出しますけども、この中で、この名神湾岸連絡線について要望を出されています。環境アセスメントについては情報提供及び地域関係者への丁寧な説明について要望いたしますと。これは去年ですね。去年、今年度の予算に対する要望書です。そういうアセスメントのこと。もう一つは、都市計画決定を進めるために地域関係者の理解と協力を得るために取組の実施を要望しますと。ですから、国と県も一緒になってそういうふうな地域関係者の理解と協力を得るために協力してくださいという要望を出されております。  いわゆる地域関係者というところですね、これは、どういうふうな対象なのかということです。自治会の方なのか、自治会の連合会なのか、そういうふうなところだけなのか、幅広く市民団体も含めてそういうふうな説明ですね、理解と協力を得るというふうなことにするのか、そこら辺の対象、どういうふうなところを対象にしておられるのか、再質問でお聞きします。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎政策局長(太田聖子) 再質問にお答えいたします。  市が考える地域関係者とは、名神湾岸連絡線の整備によって影響を受ける地域の住民等と考えております。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆20番(まつお正秀) 影響を受ける人たちということですから、自治会にとどまらず、いろんな幅広い人たちから要望があれば意見は聞いていただくというふうに理解をいたしましたので、そういう立場で進めていっていただきたいというふうに思います。
     あと、西宮浜のことについては、固定局ではなくて移動の測定車を定期的に設置しているというふうな答弁でしたけれども、これから交通量もたくさん増えてきますから、そういう点では、ぜひ固定局のそういう調査所を設置していただきたいというふうに思います。  特にPM2.5というのは、環境影響評価の基準の中には日本の場合は入ってないんですね。アメリカとかEUでは、必ずPM2.5は環境影響評価の基準というか評価項目に入っているんです。そういう点でも本当に日本は後れていると思うんですけども、そういう心配をされている人たちの不安を取り除くという点でも、ぜひそういった測定所を設置いただきたいというふうに思います。  以上が名神湾岸連絡線です。  次に、自衛隊への名簿の提供問題です。  壇上で紹介したように、2013年、防衛大臣名で知事に対して要請があったということで、先ほどの答弁では、昨年4月、防衛大臣から市長に直接要請の文書が来た、そして、翌月の5月に県本部長が来庁されて、今度は石井市長にじきじきに面談されて要請された、そして年末に協定書を結んだということでした。これはまさに、安倍首相の去年の国会答弁が自治体へのさらなる圧力になったということをあからさまに示していると思います。  根拠法令は、自衛隊法第97条と施行令第120条で、個人情報保護条例でも問題ないという答弁でしたけれども、しかし、自衛隊法第97条は、その募集の事務の一部に協力すると。これは、名簿の提供を言っているのではなくて、よくポスターを貼ってありますよね、ああいう類いのものだというふうに私は理解しています。名簿の提供というのは、もう募集の全面協力になると思うんです。事務の一部に協力するというようなものではないと思います。しかも、施行令の第120条で言うところの提供を求めることができる資料というのは、国は求めることができるというふうになっています。ですから、義務ではないんです。さっき答弁がありました。阪神間でも三つの市は閲覧しか認めていないということですから、これはやらなくてもいいわけです。  さっき、データで渡している、CDで渡しているということでしたけれども、これはやっぱり、いろんなデータの漏えいとかそういうことも心配があります。この渡したデータというのはコピーをすること、こういうことはできるのかどうか、そこら辺、できないようにしておかなあかんと思うんですけども、その可能性についてお聞かせください。再質問の1点目です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎政策局長(太田聖子) 再質問にお答えいたします。  自衛隊には、住民基本台帳から抽出した募集対象者情報をエクセル形式及びPDF形式でCD−Rに出力したものを提供しております。  提供したデータについては、コピーができない状態にすることは技術上難しいのですが、市長と自衛隊兵庫地方協力本部長との間で締結した協定書におきまして、提供した募集対象者情報を複製しないように規定しております。  また、提供したデータについては、パスワードをかけまして、第三者が容易に使用できない状態にした上で提供しております。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆20番(まつお正秀) コピーはしたらあかんという協定を結んでいるし、パスワードをかけているから紛失した場合は大丈夫だということでしたけれども、コピーはできるということですよね。だから、同じ例ではないですけども、過去にも自衛隊の日報の隠蔽問題がありました。これは、政権を忖度して、そういうデータがあったら困る、自衛隊が危ない目に遭っているというのがあったら、分かったら困るから出さないというふうに国会で答弁した。だけども、実際には出てきたんですよね。忖度をしてそういうふうなことがやられると。だから、そういうふうなことも含めて、政府の意向によって、名簿を置いておけというようなことになりかねませんから、コピーして残すことは可能ですよね。また、職員がもし悪い気持ちを持ってちょっと置いておこうかというようなことをやればできるということにもなっているということですから、それはやっぱり大変不安だというふうにも思います。そういう点では、やはり漏えいというか、可能性がないということではないと思います。  再質問の2点目ですけれども、福岡市が今年から名簿を提供しています。これは、市民からの批判が高まって、提供しないでくれと申し出た人は、市は送らないように、名簿を提供しないようにしています。しかも、名前と住所のみで、性別と生年月日は出してません。対象年齢を抽出していますから、それを渡すわけですから、生年月日は当然不要ということで、生年月日と性別は渡してないということです。  それから、京都市。ここは昨年からですが、ここは御丁寧に封筒に貼るシールにして、名前を印字して自衛隊に渡しています。それで反対運動が広がって、今はこちらも、申出があった人にはシールは作成しないということにしています。そういうふうな案内文書、はがきは要らないという人にわざわざ送るのは失礼でしょうし、それこそそういう人に送らなければ郵送代も要りませんから、節約にもなります。  我々は、もちろんこの名簿の提供はやめなさい、やめよという立場ですけれども、西宮市も当面、申出があればそういう人の名前を名簿から削除する、そういうふうなことはすべきだと思いますけれども、見解を伺います。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎政策局長(太田聖子) 再質問にお答えいたします。  さきに答弁いたしましたように、自衛隊への情報提供は法令等の規定に基づき適法に実施しておりますので、自衛隊への情報提供の際に一部の対象者の情報を除外することは現在のところは考えておりませんが、今後、他市等の事例も参考にしながら研究してまいります。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆20番(まつお正秀) ありがとうございます。他市の事例を見た上で検討していきたいということだったと思います。  多分、今、名簿を提供しているところが増えてますから、そういうふうな運動がいろいろ広がって、提供してほしくないという希望者については除外するところが多分増えていくだろうというふうに思いますから、ぜひそういう事例も参考にして検討いただきたいというふうに思います。  この問題については、やはり自衛隊に対する見方というのがどうなのかということが大きく関わっていると思います。市長さんがそういうのは必要だという立場で出されたんだというふうに思いますけれども、ここで市長に幾つか伺いますけれども、神戸市は、今年の年頭の記者会見でデータ提供を発表して、市民運動が大きく広がりました。京都市は、昨年、ホームページでは一応知らせました。一応知らせたということになっています。それで、シールを送らないでという運動が起こりました。  もしかしたらされたかもしれません。市長は、自衛隊とこういう協定を結んだということを何らかの形で広報されたでしょうか、その確認をお願いします。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) 再質問にお答えします。  特段改まって広報したというふうに記憶はしておりません。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆20番(まつお正秀) だから、広報はしてないということですよね。  さっきも言いましたように、送られてきて、何でこんなんが来るの、情報がどこで漏れているのとかいうふうなことがあると思います。やめてちょうだいという声もあると思いますし、これは、やっぱり情報提供すると思うんですが、西宮市長、石井市長は、選挙のときにオープン西宮ということを掲げられましたよね。そういうことも含めて、まず市民に知らせて、そういうふうなことに対する反応も踏まえてまた対応を考えるということをすべきだと思いますし、今年の施政方針ではリライアブルという、信頼性、職員からも市民からも信頼されるというふうなことを使われました。やっぱり、市民が自分のそういう情報を提供してほしくないという、そういう人たちもいらっしゃると思うんですね。そういう人たちからはやっぱり信頼されないと思うんですね。そういうオープン西宮とかリライアブルという点について、市長は、それで大丈夫だ、それで自分はいいんだというふうに思っておられるか、見解をお願いします。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) そのあたりの点につきましては、基本的な認識がちょっと私と議員の間で違うのかなと思うんですけど、閲覧できていなかったものができるようになったというようなことであったりするんであれば、これは大きな変化でありますけれども、閲覧できていたものが、それをデータで提供するようになったというようなことに関しては、結果として自衛隊さんが得る情報という意味では、私は変わっていないと思っております。そういう意味では、今回のことは、ある意味、事務的な範疇の話であるというふうに理解しております。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆20番(まつお正秀) 事務的な範疇だというふうに言われる。確かに、自衛隊が来て閲覧すると7日ぐらいかかるというふうなことも言われておりましたけれども、そうすれば同じような名簿が手に入るということですけれども、でもやっぱり、その姿勢だと思うんですね。自衛隊が本当にいいところなのかどうかというふうなことも含めて、市長さんは子供さんが小さいというふうに思いますけども、子供さんが例えば18歳になったときにこういったはがき、自衛隊どうですかと勧誘に来たときに、本人に任せる、自分としてはいいところだよというふうなことを言うのか、そこら辺の対応というのはどういうふうに――これはあくまで仮定でありますけれども、そこら辺、ちょっと見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) 10年以上も先の話のことでありますけれども、いいところと言うかどうか分かりませんが、私は、基本的には18となれは、特にその時代では大人でありますので、その一つ一つの判断はその18となった子供の判断になるんだと思います。一方で、私が持っている情報、私の理解をお知らせする、そして、そのときに必要な指導をするというふうな考えになるんじゃないかなと思います。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆20番(まつお正秀) じゃあ、自衛隊に対するもう一つ認識といいますか、本当に役立っている組織かどうかという点で、もちろん災害のときにはすごく役立っているとは思うんですよ。だけども、そこら辺も含めて、でも、いざ戦闘になったらそういうところにも行かなあきません。そういうことも含めて、再度、自衛隊に対する認識をお伺いしたいと思います。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) 自衛隊に関する認識でありますが、自衛隊は、国家の尊厳、そして国民の安全、こうしたものを守るために必要な組織だと思っております。あわせて、今、議員がおっしゃられたように、災害時の人命救助に関してはとても大切な役割を果たしていると思います。阪神・淡路大震災の際に自衛隊の皆さん方が本市市民に対して与えてくれた様々な援助、そして、今も平時の防災体制においても重要な役割をしていただいていると思っております。以上のようなことから、自衛隊に関しては、法令の範囲内でできる限り協力をしていきたいと思っております。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆20番(まつお正秀) 分かりました。そういう認識の違いはあると思うんです。  今日はちょっと紹介できませんけれども、いろいろ映画や――アメリカ映画では、「フルメタル・ジャケット」という海兵隊の映画があります。それから、本当にひどいいじめの問題。日本でも、防衛大学校でとんでもないいじめがあったというふうな番組、これは去年、NNNドキュメントで放映されています。そういう人たちが幹部になっていくというふうなことが、やはりいろんな自衛隊のいじめ、大変多いです。そういうことも含めて、そういう背景にあるところもぜひ知っていただきたいというふうに思いますから、今後、この問題についてはまた改めて質問させていただきたいということも要望しまして、ぜひ名簿の提供はやめていただきたい、このことを訴えて、終わります。(拍手) ○議長(澁谷祐介) まつお正秀議員の一般質問は終わりました。  ここで休憩します。  なお、再開は、午後1時10分の予定でありますので、よろしくお願いします。    〔午後0時06分 休憩〕     ――――――――――――――――    〔午後1時09分 開議〕 ○議長(澁谷祐介) ただいまから休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、河本圭司議員の発言を許します。    〔河本圭司議員登壇〕 ◆1番(河本圭司) 皆様、こんにちは。  会派BCP無所属セッションの河本圭司でございます。  傍聴席の皆様、さくらFMをお聞きの皆様、インターネット配信を御覧の皆様、忙しい中、お時間を頂き、本当にありがとうございます。  今般の新型コロナウイルス拡大を受け、対策に動かれている全ての職員の皆様に敬意を表しますとともに、罹患されてしまわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。  それでは、通告に従い質問を行ってまいりたいと思います。  本日は、当初一括方式により、大きく二つ質問させていただきます。  それでは、特殊詐欺についての質問からさせていただきます。  特殊詐欺とは、面識のない不特定多数の者に対し、電話その他の通信手段を用いて、対面することなく被害者をだまし、不正に入手した架空または他人名義の預貯金口座への振込などの方法により、被害者に現金などを送付させたりする詐欺です。オレオレ詐欺、架空料金請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金詐欺、金融商品詐欺、ギャンブル詐欺、交際あっせん詐欺、その他の特殊詐欺に加え、令和2年から、預貯金詐欺、キャッシュカード詐欺盗を含めた10種類を総称しています。  まず、オレオレ詐欺とは、親族、警察官、弁護士等を装い、親族が起こした事件、事故に対する示談金等をだまし取る、家族を心配する気持ちに付け込んだ悪質な詐欺を言います。預貯金詐欺とは、親族、警察官、弁護士等を装い、あなたの口座が犯罪に利用されており、キャッシュカードの交換手続が必要であるなどの名目で、キャッシュカード、クレジットカード、預貯金通帳等をだまし取る詐欺を言います。架空料金請求詐欺とは、未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし、身に覚えのない料金を請求し、金銭等をだまし取る詐欺を言います。還付金詐欺とは、税務署や社会保険庁、市町村役場、電力会社、電話会社等をかたり、税金や保険料、医療費、利用料金等の還付等に必要な手続を装って、電話で指示しながら被害者にATMを操作させ、被害者が知らないうちに口座間送金により現金をだまし取る詐欺を言います。融資保証金詐欺とは、実際には融資しないにもかかわらず、低金利で融資をする旨の文書等を送付するなどして、融資を申し込んできた者に対し、保証金や信用調査等を名目に、現金を預貯金口座に振り込ませたり、宅配便や郵送などで送金させるなどの方法によりだまし取る詐欺を言います。金融商品詐欺とは、実際にはほとんど価値がない有価証券や架空の有価証券、外国通貨などの購入をダイレクトメール等であっせんし、その後、別の犯人が電話で、必ずもうかる、3倍で買い取る、あなたしか買えないなどと言って購入するように勧めてだまし、これらを買えば高額で買い取ってもらえると信じ込ませ、現金を振り込ませてだまし取る詐欺を言います。ギャンブル詐欺とは、雑誌の広告やメールなどでパチンコ打ち子募集、サクラのバイトなどと勧誘し、登録料や保証料の名目で現金を振り込ませたり、パチンコ攻略法や数字選択式宝くじの当たり番号情報、競馬必勝情報などで虚偽の情報を提供し、これを名目に現金を振り込ませ、だまし取る詐欺を言います。交際あっせん詐欺とは、雑誌やメール、サイト上で女性紹介などと記載し、これに申し込んだ人に対して、虚偽の異性の情報を提供した後、会員登録料や保証料等の名目で現金を振り込ませたり、異性に成り済まして現金を要求したり、サイト上で高額なポイント等を購入させ、現金をだまし取る詐欺を言います。その他の特殊詐欺とは、これら以外の特殊詐欺を言います。キャッシュカード詐欺盗とは、警察官や銀行協会、大手百貨店等の職員を装い、キャッシュカードが不正に利用されているなどの名目で、キャッシュカード等を準備させた上で、隙を見るなどし、キャッシュカード等をすり替える手口です。  さて、令和元年6月議会では、脇田のりかず議員の振り込め詐欺被害の防止についてという質問におきまして、本市では通話録音装置を無償貸与していたが、現在は停止されている、被害防止のため事業継続すべきではという内容に対して、本市当局の答弁では、事業継続における課題を整理し、貸出台数の追加や補助制度の創設も含め、適切な手法等を検討するという内容でした。結果、現在は通話録音装置の無償貸与事業は再開されたものの、令和元年における兵庫県内の特殊詐欺被害認知件数は減少しましたが、西宮市における件数は増加したと報告があります。  そこで御質問いたします。  本市の特殊詐欺防止対策はどのようにされていますか。また、コロナ禍における特殊詐欺防止対策はどのようにされていますか。加えて、西宮警察署、甲子園警察署などとの連携についてもお聞かせください。  次に、コロナ差別についての質問をさせていただきます。  緊急事態宣言が全国的に解除されましたが、新型コロナウイルスを現状では完全にはゼロにすることはできません。誰もが感染するリスクを抱え、感染させるおそれがあるという生活が今後も長く続いていくことを考えなければなりません。  そのような中で、新型コロナウイルスの感染者や特定の職業に従事している人などへの差別や人権侵害が深刻化しています。私たちが立ち向かうべきはウイルスであって、人間ではありません。感染者やその御家族、また、感染リスクを負いながらも社会機能を維持するために身を挺して働く医療従事者さんや運送業者さん、飲食店さんなどの特定の職業の人たちに対する差別や偏見は決して許されません。また、不確かな情報をうのみにして他人を誹謗中傷することなど、あってはなりません。  今、こんなときだからこそ、しっかりと真実を見極め、周囲の言動に流されず、正しく判断し、行動に移すことが求められています。未知のウイルスに対する恐怖によって、平穏な日常には見えなかった、社会に潜んでいた差別がむき出しになっています。他者に対する想像力を精いっぱい働かせて、今自分にできることは何かを考え、行動につなげていくときではないでしょうか。  児童生徒の皆さんには、子どもの人権110番や子どもの人権SOS−eメール等の活用を政府も勧めているところです。  そこで質問いたします。  本市のコロナ差別についての現在の取組と今後の取組について、また、学校園における取組についてお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終えさせていただきます。以後は対面席質問席に移り、再質問、意見、要望を述べさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。 ◎産業文化局長(岩崎敏雄) 1番目の特殊詐欺対策についての御質問にお答えいたします。  市内で発生した特殊詐欺被害認知件数は、昨年1月から12月までの1年間に108件、被害額は約1億2,500万円で、阪神間で最も被害認知件数が多い状況となっています。また、令和2年の状況ですが、兵庫県全体で被害認知件数が急増しており、市内においても、6月末現在、被害認知件数が87件、被害額は約1億3,600万円となっており、昨年を上回る被害状況となっています。  昨年度行った市民が特殊詐欺被害に遭わないための対策ですが、市のホームページ市政ニュース、地域情報誌「宮っ子」等に特殊詐欺被害防止に関する啓発記事の掲載を行ったほか、自治会等が主催する消費生活に関する講座への講師派遣や消費生活センター主催の講座、消費者団体と連携して講演会等を実施しました。  今年度の取組ですが、市ホームページ市政ニュースでの広報に加え、特殊詐欺被害防止のメッセージを印刷した封筒を高齢者への文書送付等に使用し、市として被害防止の啓発に取り組んでいます。  新型コロナウイルス感染症に便乗した詐欺及び給付金詐欺の対策としては、市民局と連携し、青色パトロールカーにて、市内全域で注意喚起を行いました。また、特別定額給付金が支給されることが決まったことを受け、特別定額給付金詐欺被害防止チラシを民生委員や福祉関係機関などへ提供、協力を得て、被害防止の啓発活動を実施いたしました。  特殊詐欺被害に遭わない身近な対策としては、自宅の電話を常時留守番電話設定にしておくことや、電話番号通知サービスを利用し、非通知の電話に対応しないなどの対策があります。特に被害件数が多い高齢者の被害防止対策として、65歳以上のみの高齢世帯の方や日中に65歳以上の方のみとなる世帯の方を対象に、通話録音装置の貸与事業を平成29年11月より実施しております。警察との連携では、昨年10月に、西宮警察署、甲子園警察署と情報交換の場を設け、本市での特殊詐欺被害の状況や市と警察の取組について情報共有を行いました。その後も警察から市内の被害状況について定期的な情報収集を行い、その情報を基に、市内の金融機関に特別定額給付金詐欺被害防止チラシを掲示するなど、連携に努めております。  以上でございます。 ◎市民局長(土井和彦) コロナ差別に関する御質問のうち、本市のこれまでの取組と今後の対応についてお答えします。  本市では、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染された方々やその御家族、医療従事者等に対する不確かな情報や誤解や偏見に基づく差別や誹謗中傷などの人権侵害がないように、これまで様々な取組を行ってまいりました。3月10日に市のホームページの中に、新型コロナウイルス感染症に関連する人権への配慮についてという特設ページを設け、注意喚起と人権侵害などがあった場合の相談窓口を御案内し、以降、感染拡大の状況や差別の対象が医療従事者等に変化した場面などに対応し、適宜内容を更新してきました。市政ニュースでは、5月10日号と7月25日号の2回、紙面の多くを割いて啓発するとともに、5月21日には、市長によるさくらFMの放送「みやっ子ホームルーム」において、休校中の子供たち向けに、「コロナウイルスよりも怖い人権侵害」と題して、インターネットやSNSの利用上の注意も含めたメッセージを放送しました。さらに、8月の人権文化をすすめる県民運動推進強調月間の啓発用ポスターは、今年度は、ストップコロナ差別のタイトルで作成し、市内の学校園、公共施設に掲示したところです。  今後とも、様々なチャンネルを使い、コロナウイルスによる人権侵害を抑止するよう啓発に努めてまいります。  以上でございます。 ◎教育次長(佐々木理) 続きまして、学校教育の取組についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症に対する偏見や差別につながる行為は断じて許されないことであり、感染症に関する適切な知識を基に発達段階に応じた指導を行うことなどを通じ、偏見や差別が生じないように、各学校園に十分配慮する旨通知し、管理職等の会議においても指導しています。  6月には、学校での教育活動再開に際して、小・中学校では、道徳の時間等で、日本赤十字社がまとめた「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!」などを活用して、差別や偏見の基となる不安を解消するために、正しい知識を得ること、悪い情報ばかりに目を向けないこと、差別的な言動に同調しないことが大切であることを学び、児童生徒は、自分がどのように行動すべきかを主体的に考えました。また、学校のホームページや学校便り等で、家庭や地域に向けて、偏見や風評被害につながる行為は許されないことを啓発しました。心配なことがある場合は学校に相談くださいなど、児童生徒や保護者が不安を抱え込まないよう、寄り添うメッセージを発信しています。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。    〔河本圭司議員「対面式質問席」使用〕 ◆1番(河本圭司) 順序が入れ替わりますが、コロナ差別についての再質問をさせていただきます。  御答弁の中にありました、5月21日の市長によるさくらFMにおける子供たちへの呼びかけ等の放送のように、今後また、緊急事態宣言の発令、学校園の休校等が起こった場合には、改めて市長自らさくらFMなどにより子供たちへの情報発信等は行っていただけると認識していてもよいでしょうか、お聞かせください。
    ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) 再質問にお答えをいたします。  みやっ子ホームルームのことをおっしゃっていただいているんだと思います。その状況がまた未来にどういう状況か分かりませんし、そこで私が呼びかけるのがいいのか、教育委員会がいいのか、もしくはほかの方がいいのか分かりませんが、市として、こうした差別を助長しない、そして、適切な人権意識を持ってもらう、そうしたことへの啓発活動をやってまいりたいと思います。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆1番(河本圭司) 丁寧な御答弁ありがとうございました。  それでは、特殊詐欺被害対策についての意見、要望から述べさせていただきます。  様々な手段での特殊詐欺被害への対策を行っていただいていると分かりました。ありがとうございます。高齢者の方々には反復してお伝えすることがより効果的だと感じています。今後も実施をよろしくお願いいたします。  私自身、スマホの公開のメールアドレスには、日々様々な詐欺とおぼしきメールが届きますが、一時期、詐欺とおぼしきメールが大量に届くようになり、私は、仕方なく、一定期間メールアドレスを削除して対応し、議会事務局さんにもメールアドレスなしとお伝えし、手続を行った、とても不便を感じた経験があり、本当に特殊詐欺被害が根絶されることを願うばかりです。  御答弁にありました各警察署さんなどと今後も一層連携を続けて行っていただき、西宮市には、特殊詐欺及び新型コロナウイルスに関する特殊詐欺の被害に遭われる方がゼロになる日が来るよう取り組んでいっていただくことをお願いいたします。  次に、コロナ差別についての意見、要望を述べさせていただきます。  市長、御答弁ありがとうございました。今後また学校園の休校等が起こった場合に、市長自らのメッセージは、子供たちのみならず、保護者さん等へも、市としてコロナ差別は本当に許されないというとても強い呼びかけになると感じています。よろしくお願いいたします。  当局の取組も様々な手段での呼びかけを行っていただいていると分かりました。ありがとうございます。  学校園では、日々未知のウイルスの恐怖を感じておられる児童の皆さんに対して、新型コロナウイルス感染者等に対する差別や偏見は許されないと啓発されていると御答弁くださいました。正しく新型コロナウイルスの知識を持っていただくため、赤十字がまとめた「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!」等、安心できる情報、前向きになれる情報を取り入れていただいていると知り、安心いたしました。今後も実施を続けていただくことをお願いいたします。  また、学校の先生方も、新型コロナウイルスに対する情報を共有していただき、児童の皆さんが過剰な恐怖を持たないよう指導してくださるようお願いいたします。  今後、西宮市が、新型コロナウイルスに不本意にも罹患してしまった方々やその御家族が平穏に療養し、暮らせるまちであるように取り組んでいっていただくことをお願いいたします。  以上で意見、要望を終えさせていただきます。  これで河本圭司の一般質問を終えさせていただきます。  どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) 河本圭司議員の一般質問は終わりました。  次に、川村よしと議員の発言を許します。    〔川村よしと議員登壇〕 ◆19番(川村よしと) 皆さん、こんにちは。  傍聴席の皆様、さくらFMをお聞きの皆様、そしてインターネット中継を御覧の皆様、本日はありがとうございます。  政新会の川村よしとです。  人生の半分以上を坊主頭で過ごしてきたんですけれども、今回だけ髪形が違うので。次回からはまた普通に戻りますので、御容赦ください。  また、個人的なことでちょっと恐縮なんですが、昨年の秋とか冬ぐらいからですかね、体調がちょっと思わしくなくて、4月の上旬に大きく状態が悪化してしまったこともあって、議場の皆様には本当に御心配と御迷惑をおかけしてしまいました。議会に来ると、会派を問わず多くの方から優しくお声がけいただきまして、本当にありがたいなというふうに感じた次第です。  正直、数か月かけてましにはなってきたんですけれども、本調子とは若干違うかなという感じで、今日もうまくやれるかなというのはちょっと不安なんですけれども、慎重に進めたいなというふうに思います。  それでは、通告の順に従い、初めてではございますが、一問完結方式で一般質問を始めます。よろしくお願いします。  一つ目の項目は、コロナ禍における政策推進の在り方についてです。  新型コロナウイルスの猛威とそれに対する社会的な影響は、もはやこの場で私が説明する必要はないでしょう。個人的に身近なところでの感染者や濃厚接触者はいませんが、一方で、お店を閉めざるを得なくなった方や会社を倒産させてしまった方、それによりさらなる不幸に見舞われてしまった方は一定数存在し、大変心を痛めています。この状況を乗り切るために国や自治体は様々な施策を講じており、それに伴って膨大な税金が使われています。西宮市においても、今年度は既に4月と5月と8月、合計3度の臨時議会を開き、補正予算を審査したところで、今後も臨機応変な対応が必要とされるところだと認識しております。  その審査の過程で、各常任委員会で集中的かつ効率的な質疑がされてきたとは思うのですが、今後のことを考えたときに少し心配な部分もございますので、この場で取り上げることにした次第です。  具体的には、これまで継続して進めてきた政策とコロナ禍において新たに行うことになった政策の整合性についてですが、具体的な施策に触れなければ、漠然としていて、つかみどころがない話になってしまいますので、ここでは屋外広告物の許可基準改正に伴う既存不適格物件の是正について紹介しつつ、話を進めることにします。  議場におられる方は御存じかと思いますが、概要を簡単に説明しますと、平成28年11月1日に屋外広告物に関する条例が変更になりました。これにより、広告物の高さや大きさ、色彩等のデザインなど、多くの基準が変更されたため、改正後の許可基準に適合していない広告物――既存不適格物件が市内に多く存在することになりました。既存不適格物件に該当する場合、今すぐ撤去というわけではなく、現状のまま引き続き表示・設置するものは改正後の許可基準施行日から起算して5年、令和3年10月31日までを経過措置期間とし、市としてもその間の是正を呼びかけているところです。今年に入ってからも、担当課から案内の書面が事業者の方々に送られていることは既に確認しています。  屋外広告物は、事業者の方々にとって必要なものであると同時に、新しいものを設置するとなると大きな費用を伴うものですから、コロナ禍の影響も考えると、経営を圧迫するものになりかねません。やむを得ず撤去という判断をしたとしても、そこに費用がかかることは言うまでもないでしょう。  事業者の方々を対象とした施策については、今年度の臨時議会において様々な補助制度が可決し、既に実施されています。その一方で、語弊があるかもしれませんが、期限まであと1年と迫った屋外広告物の改修・撤去を迫り、図らずとも経営を圧迫してしまう状況をつくるというのは、政策推進の整合性が取れているとは言えず、改善すべき点があると私は考えています。例えば芦屋市では、対象広告物の改修や撤去に係る費用の一部を市が負担する補助金事業が存在し、補助金の申請は今年の3月で266件に上ったそうです。一方、条例に適合していない広告物も934件残っているとのことで、コロナ禍も踏まえ、事業を1年間延長し、早期の取組を呼びかけています。  今ここでお話ししたいのは、西宮市でも屋外広告物に関する補助金事業を行えということではありません。先ほども述べたように、事業者の方々のことを考え、政策推進の整合性をしっかり取ってほしい、ただそれだけのことです。  そこで質問します。  1点目、西宮市屋外広告物条例に関して、現在の許可件数は1,417件、既存不適格物件の合計は286件あります。これに関して、コロナ禍を踏まえ、その猶予期間を延長するなどの対応を取るべきと考えられますが、今後はどのように対応する予定でしょうか。  2点目、今回取り上げたのは一例にすぎませんが、これまで進めてきた政策とコロナ禍において新たに始めた政策とで、その方向性が矛盾するものがほかにもあるのではという懸念があります。過去に臨時議会で提案されたものは、こうした整合性もしっかり吟味した上で上程されたものなのでしょうか、それがされているのであれば、その仕組みや過程を教えてください。されてこなかったのであれば、今後はどのようにする予定なのか、市の見解をお聞かせください。  最近の補正予算や事業については、ほかにも気がかりな点がございます。そもそも論になってしまいますが、コロナ禍を大義名分に、その手法や費用対効果に疑義があるような事業に安易に予算がつけられているのではないかということです。  新型コロナに伴った補正予算に関しては、補助制度をつくるものや、シンプルに物品を購入するものなど、方法は様々ですし、お金の出どころも、国や県の補助金など、市の自主財源でないものもございます。しかし、その効果検証は必ず行われるべきですし、まさか購入した物品がほこりをかぶって眠っていましたということは避けていただきたいところです。  ここでも一つだけ例を挙げさせてください。既に執行された予算で、各学校にサーモグラフィーカメラを購入するための補正予算がございました。このときは、非接触型の体温計が不足しており、手に入る時期も未定だったことから、まずはカメラを導入して生徒の体温管理を行っていこうという意図だったと認識しております。しかし、複数の小学校の生徒、保護者に私がヒアリングを行ったところ、そのカメラの存在を認識している人や、実際に活用している現場にいたという人はいませんでした。全ての学校の生徒、保護者に話を聞いたわけではないので一概には言い切れませんが、この件でも、本当に効果的な税金の使われ方がなされているのかという疑問を抱くこととなりました。  そこで質問します。  3点目、各学校においてのサーモグラフィーカメラの活用状況を教育委員会は正確に把握しているのでしょうか、把握しているのであれば、その内容も具体的にお答えください。  コロナ禍における補正予算全体に対する懸念ですが、さきに述べたように、コロナ禍だからということで、言い方は悪いですが、安易に上程されているものもあるのではないかと感じています。このままいけば、来年9月の決算委員会は、どの委員会でも大変骨の折れる議論をしなくてはならないという不安もあります。議会側も、議決しているわけですから、そこには責任が伴いますが、緊急事態であることを考えると、その予算執行に効果がないことを証明して反対するということは現実には難しく、意見を述べても賛成とせざるを得ないという実情もございます。  当たり前過ぎて質問するかどうか悩んだのですが、あえてお尋ねします。  4点目、臨時議会において議決された補正予算や事業について、市はしかるべきタイミングで効果検証を行い、例えば来年の決算委員会の場などで報告されるものと考えていてよろしいのでしょうか。  以上、御答弁をよろしくお願いいたします。  一問完結方式ですので、壇上からの質問は以上です。ここから先は、対面式質問席にて進めたいと思います。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。 ◎政策局長(太田聖子) 御質問のうち、屋外広告物条例許可基準改正に関する既存不適格広告物の撤去猶予期間の延長などの対応予定についてお答えいたします。  本市においては、屋外広告物について、屋外広告物条例許可基準を定め、良好な景観の形成と落下等の危害防止に努めており、新規許可後も2年ごとに許可申請を求め、屋外広告物が適切に維持されているかどうかを確認しております。平成28年の許可基準改正におきましては、現行基準に適合しなくなった場合でも既存不適格物件として5年間の是正猶予期間を定めており、鉄骨造などの堅固な広告物については、さらに5年を限度とする是正猶予期間の延長を行うことができるとしております。これまでにも、屋外広告物の是正相談については、安全性を確認した上で、個別理由も考慮して対応しておりますが、コロナ禍においては経済的理由も大きな要因と考えております。このことから、今後も、コロナ禍における社会的影響が収束するまでは、是正に関する費用等も考慮して、物件ごとの相談により是正猶予期間の延長など、柔軟に対応してまいります。  次に、これまで進めてきた政策とコロナ禍において新たに始めた政策との整合性についてお答えいたします。  現在、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、緊急かつ優先的に実施しているところです。感染症防止対策や困窮者支援等の施策は、即時の対応が求められるため、短い期間での検討となりますが、新たに実施するコロナ対策事業については、これまでのコロナ対策事業や既存事業との整合性やバランス等を勘案して決定しております。また、既存事業の実施に際しては、本市のコロナ感染症対策の方向性や社会情勢を踏まえ、配慮や変更が必要かどうかは当然に検討すべきことであり、所管課において対応しているものでございます。  以上でございます。 ◎教育次長(佐々木理) 次に、学校園に配置したサーモグラフィーカメラの使用状況についてお答えいたします。  7月末までに全ての市立学校園に1台ずつ、合計77台のサーモグラフィーカメラを配置いたしました。全ての学校園の使用状況の把握はできておりませんが、その活用については、三脚にカメラを設置して登校時のスクリーニングに使うだけでなく、学校園ごとの状況に応じて様々な方法を考えています。例えば、先生方が教室を巡回し、着席している子供たちの発熱の有無を確認したり、外部のディスプレーを活用し、子供自身が発熱の状態を確認したりする使い方を考えている学校もあります。また、コロナへの対応ではございませんが、教室や運動場の表面温度を測定して熱中症対策に活用することも可能です。今後、実践例も参考にしながら、有効な使用方法を各学校園へ周知してまいります。  以上でございます。 ◎政策局長(太田聖子) 次に、補正予算で計上した新型コロナウイルス感染症対策事業の効果検証の実施についてお答えいたします。  コロナ対策に係る事業につきましては、議会の御協力も頂きながら、臨時議会も含め、随時、補正予算を計上し、迅速な対応に取り組んでいるところです。しかしながら、契約の手続や制度の周知など、実施までに期間を要する事業もあり、今現在、事業実施中のものや、特に8月の臨時議会で計上した事業については、実施に向けて作業を進めているところのものもございます。  このように、現時点では効果検証の時期に至ってはおりませんが、多額の財源を投じて行ったコロナ対策事業について、事業目的が果たせたのか、効果がどうであったのか、今後の施策、事業に生かしていくためにも効果検証は必要であり、実施していかなければならないと考えております。  議会への御報告も含め、具体的な時期や手法等については、今後検討してまいります。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。    〔川村よしと議員「対面式質問席」使用〕 ◆19番(川村よしと) 丁寧な御答弁ありがとうございました。  一問一答で再質問を交えながら意見、要望をお伝えしたいと思います。  まず、1点だけ、市長に一問一答で再質問させてください。答弁によっては1往復で終わるかなと思うんですけれども、今回、私がこの質問をさせていただいた理由は、壇上でも述べたんですが、大きく2点で、コロナ禍という緊急時であっても政策的な整合性も考えながら進めてほしいということと、あと、コロナを理由に、財源がどこからであろうが、深く考えずに後乗せでさくさく予算を上げないように気をつけてほしいということ、この2点なんですけれども、市長自身、この数か月間、特に何に配慮して政策推進に取り組んでこられたのかというのを、1点、お伺いしたくて、今僕がお伝えしたようなことなのか、それともまた別の観点があったのか、お聞かせいただければと思います。お願いします。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) この数か月間、特にもちろん既存の政策との整合性というのも大切であります。一方で、今回のこの数か月間、御指摘の向きに関しては、やはり感染拡大の防止、それから、ウイズコロナに向かってそうした新しい生活スタイルをつくっていくというようなこと、そうしたことに注力してきたというようなことであります。そういう意味では、今回御質問いただきました、しっかり検証が必要だ、まさにそのとおりだと思います。しっかりそうした検証はやっていきたいと思っております。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) どうもありがとうございます。  今の御答弁も踏まえて、まず、政策的な整合性の点から意見、要望をお伝えしたいと思うんですけれども、例を挙げました屋外広告についてなんですが、実際に事業者の方から不安の声というのも届いておりまして、話を聞けば、確かにコロナ禍で経済的に厳しい中で対応していくというのはやっぱり金銭的にもちょっと追いつかないんだろうなという印象を受けました。御答弁の趣旨としては、物件ごとの相談で猶予期間を延長してくださるというお話だったかと思うんですけれども、これは、相談待ちをするんじゃなくて、相談に乗りますよということもしっかりプッシュ型の発信で事業者の方に御案内を差し上げてほしいなというふうに思うんですよ。早くしてと催告っぽい連絡だけ来ると、結構金銭的に追いつかないのに焦ってやらなきゃという感じに多分なってしまうと思うので、相談に乗りますよと、この1点、しっかり周知のほうをよろしくお願いします。  続いて、補正予算の考え方についてで言うと、事例を挙げさせてもらったのが各学校へのサーモグラフィーカメラでした。すみません、再質問しないつもりだったんですけど、1点だけちょっと確認をさせていただきたいんですけれど、御答弁の内容としては、各学校で活用を始めたところで、こんなふうに使ってますよとか、これからこういうふうに考えてますよというような内容だったんですけれども、僕個人が耳にしたところで言うと、まだ使われてない学校もやっぱりどうやらあるようなので、先ほどもお伝えしたとおりなんですけど、7月末に合計77台でしたっけ、カメラを配置したということで、もう1か月半経過するとは思うんですけれど、教育委員会は、全ての学校でのカメラの活用状況というのはまだ把握されてないんですか、全て把握しているんですか、どちらですかね。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎教育次長(佐々木理) 現在のところ、まだ全てを把握したわけではございません。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) どうもありがとうございます。  追及の意図は別にないので、ここからは意見、要望なんですけども、まず、今後、活動状況を全て把握するようにやっぱり努めてほしいなというふうに思います。  その上で、この点がよかったというところをやっぱり全体で共有してほしいですし、あと、駄目だったとか使いづらかったという声もやっぱりフラットに集めてほしいなというふうに思います。  そもそもカメラが不要だったとか、性能がよくなかったとか、数が足りなかったとか、使い方に課題が残ったとか、いろいろ出てくるとは思うんですけども、御答弁にもあったように、コロナ以外の対応についても活用していただければというふうに思いますし、あと、無理に使う必要というのもないとは思うんですが、ただ、全く使わずに放置というのも、やっぱり何のために予算を使ったのかという話になってしまうので、例えば、本当に学校で不要というのであれば、別のところで使うなりすればいいと思いますし、いずれにせよ、カメラって買ったけど、どこへ行ったっけみたいなことがないようにだけ、金額の大きさに関わらず、やっぱり税金なので、その点だけ配慮して今後活用を進めていただければというふうに思います。  あと、コロナ禍における政策推進の在り方について、全体的なお話にはなってくるんですけど、誰にも正解が分からない状況で、この数か月、やっぱり仕事が進んでいると思うんです。恐らくですけど、全ての事業とか施策が想定どおりうまく進んだという結論には絶対にならないと思うんですよ。もし仮にうまくいかなかったことがゼロだったとしたら、それは、採点基準が甘過ぎるか、不都合を隠してしまったかのどっちかしかないなというふうに思っていて、明らかに失敗したとか、改善の余地があるとか、そもそもこれはやらなくてもよかったよねという話とか出てくるとは思うんですね。今後、各施策によって検証のタイミングって異なってくると思うんですけど、議会への報告等をしっかりしていくということを念頭に置いて、やっぱり駄目だったところを隠さない、駄目だったところからしっかり課題を発見してよりよく生かしていくというところをしっかり議会にも説明していただいて、当局と議会と一丸になってよりよい解答を今後導き出せればなというふうに思いますので、よろしくお願いします。  あと、市長をはじめ当局の方々、本当にこの数か月、コロナ禍によって行政需要というのはまさに拡大して、本当に大変になってくるとは思うんですけれども、今後も御対応のほど、よろしくお願いしますということをお伝えして、この件については一旦終わります。  一問完結方式って、ちょっと時間が読みづらいので、初めてなのでちょっとやりづらいなという感じなんですけど、続いていきたいと思います。  二つ目の項目は、観光政策の在り方についてです。  観光については、昨年9月と今年3月の定例会でも取り上げていますが、具体的な政策というよりは、市役所改革の観点から、西宮観光協会と市職員の関わり方について質問してきました。簡単にまとめますと、市職員は市職員にしかできない仕事に専念すべきですが、行政需要の拡大という名目の下、本来であればすべきでない他団体の仕事にまで従事しているという現状があります。その一例として西宮観光協会を取り上げたわけですが、観光協会で言えば、団体の決算報告まで市職員が行ってしまっており、これは明らかに公務員の職務専念義務から考えても是正すべきという提案をいたしまして、既に前向きな御答弁も頂いていたというふうに認識しております。  そこで早速質問なんですが、1点目、前回、前々回と質問した西宮観光協会の決算報告など、本来は観光協会職員がすべき業務を市職員が行っていたことについては、この半年でどのように整理したのでしょうか。  西宮観光協会と市の関わり方については、お互いが独立した団体でありながらも協力体制を構築していく必要があると考えています。特に観光協会においては、過去に私以外の議員からも様々な場面で厳しい指摘がなされており、どんなによい取組を行おうとも、内部体制の不備のせいで自分で自分の足を引っ張るような事態は避けなくてはなりません。  そこで2点目の質問ですが、観光協会の内部体制については、お互いが独立した団体でありながらも、西宮市から客観的に助言を行い、これまで指摘されてきたような不備、失態が二度と起こらないようにしていただきたいところです。今後どのような体制を構築していく予定なのか、お答えください。  こうした観光協会と市の関わり方の内部的な整理を行った上で、次のステップとしては、市との役割分担をより明確にするために、事業面において観光協会が独立した団体になっていく必要があると考えています。西宮観光協会の事務局長には大手酒造会社のOBの方が就任されています。公務員ではなく、民間の視点から観光協会が地域活性化の担い手としてどのような事業を展開すべきかを戦略的に考えていただき、実行するところまで責任を持ってほしいと感じているところです。そうすることで、市がすべきことと観光協会が行う事業のすみ分けが明確になると思います。  ただ、この半年のコロナ禍で、観光を取り巻く状況は大きく変化し、これまでのようなシンプルに人を集めてイベントを行うような事業は成立しづらい状況になっており、まさに民間の視点からの斬新な取組を期待したいところです。  そこで質問します。  この項目では3点目ですが、まず大前提として、西宮観光協会はこれまでにどのような実績を上げてきたのでしょうか、市の評価も踏まえてお答えください。  続いて4点目、今後、西宮観光協会は、コロナ禍を踏まえた上で、地域活性化の担い手としてどのような戦略を考えているのでしょうか。また、市はそこに対して、くどいようですが、職員が直接働くという意味でなく、どのようにサポートをしていくつもりなのか、お答えください。  以上、御答弁をよろしくお願いします。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
    産業文化局長(岩崎敏雄) 観光政策の在り方についての御質問にお答えいたします。  まず、西宮観光協会――以下「協会」と言います。協会の業務の整理についてですが、協会では、理事会や総会での決算報告など、団体固有の事務を、今年2月に開催された令和元年度第2回理事会以降、事務局長を中心とした協会職員のみで行うよう整理、改善し、市との役割分担を明確にしております。  次に、協会の今後の内部体制の構築についてですが、協会では、独立した団体運営を行うためには、法人化と協会独自の財源確保が不可欠であると考えており、ほかの自治体の事例などを参考に、法人化に向けた検討を進めるとともに、財源確保のために民間の協賛事業の拡充にも取り組む方針です。また、限られた人員体制で効果的に観光事業を実施するために、酒蔵や文化などコンテンツを絞り、西宮の強みとなる地域資源を生かしたコンテンツづくりを進める予定と聞いております。  次に、協会のこれまでの実績と市の評価についてですが、協会では、事業面での独立性を高めるための方策として、会員増強に取り組み、令和元年度には20団体以上が新規加入されたと聞いております。また、まちたび事業を通じて新規会員となった事業者がコーヒー文化の認知度向上に取り組む新たなプロジェクトを立ち上げており、こうした民間団体の事業にも積極的に参画されています。さらに、酒蔵を地域活性化に生かすために、酒蔵巡りをサポートする阪神西宮おでかけ案内所との連携や案内地図の整備、ボランティアガイドの養成、イベントの開催、西宮神社や酒造博物館周辺施設との関係構築などに協会が中心となって取り組み、酒蔵ツーリズムの基盤整備を行ってまいりました。市としましても、こうして構築した酒蔵ツーリズムの仕組みを活用し、令和元年度には日帰りの観光ツアーバスを誘致し、約2,000人が酒蔵地帯を訪れるなど、協会の取組が本市の地域活性化に寄与していると考えております。  次に、コロナ禍を踏まえた協会の地域活性化の戦略につきましては、協会がこれまで取り組んできたまちたび事業のアンケート結果などから、西宮は人口流動が激しく、住んでいる地域以外のことをあまり知らない市民の割合が他市よりも多いと考えられます。このような状況を踏まえ、協会としては、市民を中心に西宮の魅力を伝えていくことが重要であり、また、現在のコロナ禍の状況においては遠方への旅行は自粛される傾向があることから、阪神間各市の住民をターゲットとしたマイクロツーリズムを展開していくべきであると考えておられます。特に酒蔵地帯は、伊丹諸白と灘の生一本として日本遺産の認定を受けたエリアでもあり、これまで以上の誘客が期待できることから、酒蔵ツーリズムのさらなる推進を図るとともに、まちたび事業を通じて、市内に多く存在する文化財や博物館、美術館、建築物等を一体的に紹介するなど、文教住宅都市にふさわしい地域資源を生かしたコンテンツづくりを進める方針です。  市といたしましては、行政ではできないような民間の視点による斬新な取組を期待しており、協会が地域活性化の担い手として十分な活動ができるよう、協会の自主性を尊重しながらサポートしてまいります。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) 御答弁ありがとうございました。  こちらについては、再質問はございませんので、意見、要望を述べさせていただきます。  これまでの一般質問では、観光協会について言及はしてきたものの、観点としてはあくまで行政改革だったので、具体的な観光政策について質問するというのは、私は初めてだったかなと。今回質問するに当たって改めて難しいなと感じたのが、文教住宅都市としての観光政策の在り方、そして、コロナ禍においての観光政策の在り方、この2点でした。極論に振ると、例えばの話ですけれども、文教住宅都市なんだから、観光になんて予算を割かずに、教育と住環境だという話もできてしまうかなと思うんですが、ただ、自治体の在り方として、やはりそれというのはあり得なくて、西宮というまちの特性、特徴を生かした観光政策・施策をやっぱり考えていくべきだろうなというふうに思います。例えば観光が柱のまちがあったとしたら、観光が柱なので教育と福祉を削るかというたら、削らないわけじゃないですか、きっと。それと同じように、やっぱりやり方とか政策全体のバランスこそ大事だなというふうに考えてます。  僕は、文教住宅都市という理念はすごいすばらしいと思うんですよ。その理念の下にまちづくりをしてきた一方で、西宮に対する対外的なイメージというのは、まさに部署の名前でもあったとおり、都市ブランドを発信するという観点から考えれば、観光というものはどうしても対外的なイメージを発信するものとして切っても切り離せないなというふうに感じてます。  御答弁の中で、様々な文化のコンテンツの活用であるとか、あと、コロナ禍においてはマイクロツーリズムというところにも触れられてましたけども、以前に質問した職務専念義務のすみ分けはしっかり行った上で、観光協会との役割を明確にして、しっかりした協力体制を築いていただければというふうに考えています。  会員さんが令和元年度で増えたということだったんですけれども、ただ、コロナ禍という状況で何も事業をしないというと、何のために入ってみたいな話にもなりかねないので、その辺のサポートというのもしながら、ただ、対外的にやっぱり、繰り返しになっちゃうんですけど、どれだけいい取組をしても内部体制に突っ込みどころが多いと台なしになっちゃうと思うので、そこはやっぱり気をつけてほしいなというふうに思います。  観光協会の内部の業務整理、こちらについては、既に事務局長を中心に整理されたというふうな御答弁で安心したんですけれども、こちらも繰り返しになるんですが、僕以外の議員から内部体制について指摘が過去もいろんな場面であったかと思うので、そうなってくると、例えばお金がなくなっちゃいましたとか、市職員にやってもらってましたとか、実は勤務中に内職してましたとか、本当にそういうことがないようにだけしていただきたいなというふうに思います。  その上で理想とするのが、観光協会が市の補助金、こちらを当てにせずに、御答弁にもあったような独立した団体運営、そのための法人化、こちらというのは非常に独自の財源確保というところから考えても重要になってくるのかなというふうに考えております。  でも、こちらとしても、内部体制の話というのはもう卒業して、今後は、西宮のための観光政策とか都市ブランドの発信についてどんどん前向きな話というのを、ふだんのお仕事の中であったり委員会であったり、場合によっては本会議場であったり、いろんな場面でしていきたいなというふうに考えてますので、よろしくお願いします。  この項目については以上です。  次の質問、3項目めなんですが、成年後見制度についてです。  この制度については、過去に一般質問で取り上げられた方もおられましたが、今後実際の運用を進めていくに当たって、そもそもの前提部分について確認したいと思いまして、質問することにしました。  議場の皆様は御存じかと思いますが、簡単にこの制度について説明しますと、成年後見制度とは、認知症などで判断能力が衰えてしまった方がいる場合に、周囲の方々、例えば御家族の方などが制度を用いて後見人となる制度のことです。これにより、判断能力が不十分でも後見人が代理となって必要な契約を行ったり、財産を管理することができるようになりました。  平成28年から成年後見制度利用促進法が制定され、自治体にも計画の策定が求められているところです。その方法としては、成年後見制度の利用促進計画のみを単独で一本化してつくる方法と、既に存在する個別の福祉計画の中に盛り込む方法がありますが、西宮市は後者の方法で進めていくことが過去の質問等で確認されてきたかと思います。  ただ、1点だけ気になるところがございます。世の中で広く指摘されていることではございますが、後見人となった家族、弁護士や司法書士などによる被後見人の財産横領など、障害者の財産権が侵害される事態が数多く発生しているという点です。  そこで質問します。  1点目、成年後見制度は国も批准している障害者権利条約に抵触するという批判もありながら、市は利用を促進するという姿勢を取っているということになります。この点に関して、市はどのような認識で計画の策定、利用促進に臨むのでしょうか。  2点目、制度の利用促進を進めていくという立場に立てば、市が主導の上で公募等によって専門家を募り、厳しい審査を経た上で成年後見制度利用のためのチームをつくる必要があると考えますが、具体的な利用促進体制をどのように考えているのか、現在の議論の状況などをお答えください。  以上、御答弁をよろしくお願いします。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(山本英男) 成年後見制度についての御質問にお答えします。  まず、成年後見制度の利用を促進することについて市としてどのような認識で臨むかについてですが、議員の御質問にもありますように、日本の成年後見制度については、被後見人を制限行為能力者として成年後見人に包括的代理権を認めている点が障害者権利条約に抵触するのではないかという批判があります。  このような状況において、平成28年5月に施行された成年後見制度の利用の促進に関する法律では、市町村に成年後見制度の利用促進に関する施策についての基本的な計画――以下「利用促進計画」と言います――を定めるよう努めることが規定されました。このことを受けまして、本市では、現在、利用促進計画の策定に取り組んでいるところですが、成年後見制度については、さきに述べたような批判がある一方で、判断能力が不十分な人にとっては自身の権利を擁護するための有効な手段となることから、成年後見制度の利用に際しては、権利擁護支援を必要とする人に対する安易な代行決定の手段ではなく、あくまでも本人の意思決定を支援し、その人の権利擁護が達成される手段として利用されることが重要であるとの考えを持って進めております。  次に、具体的な利用促進体制についてですが、これまで成年後見制度の利用促進につきましては、本市の権利擁護について審議する附属機関である西宮市権利擁護支援システム推進委員会で検討いただき、市の利用促進計画策定に向けた提言をまとめていただきました。この提言では、市に対して、権利擁護支援ニーズの把握・発見や一人一人の意思決定を尊重すること、また、権利擁護支援の地域ネットワークを構築することが求められております。  市といたしましても、必要な人が本人らしい生活を守るための制度として成年後見制度を利用できるよう、各地域における相談窓口を整備するとともに、権利擁護支援の必要な人を発見し、適切に必要な支援につなげる地域連携の仕組みが必要であると考えております。  また、成年後見制度の利用者に対しましては、本人の自己決定権を尊重し、身上保護を重視した支援が行われるよう、後見人と地域の関係者が協力して日常的に本人を見守るチームも重要であると考えてます。このことから、西宮市権利擁護支援システム推進委員会の提言も踏まえまして、本市の権利擁護支援がさらに進むような体制の構築に向けて検討を進めてまいります。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) 丁寧な御答弁ありがとうございました。  こちらについても再質問はございませんので、意見、要望を述べさせていただきます。  今回、成年後見制度については、至ってシンプルな質問をさせていただいたかなと思ってまして、質問に取り上げたきっかけなんですけど、住民の方からの問合せで議事録を確認していたんですよ。そしたら、国が批准する障害者権利条約に抵触しているんじゃないかという議論について、私が見たところ、特に何か具体的に、例えば議事録でぱっと調べたら出てくるとか、その議論の経過がちょっと見えなかったなというところで、今後計画を策定して実行するに当たり、大前提として必要な話なんじゃないかなと。その上で、西宮の姿勢というものもいま一度確認したいな、それで記録にしっかり残しておくべきだなというふうに考えたので、取り上げさせていただきました。  困っている人を救うためにあるはずの制度がその人をかえって困らせるという事態が起こり得る中で、特に実務を行っていく市役所の方々が自信を持って取り組んでいただきたいというのがその意図でもありました。  あくまでも本人の意思決定を支援し、その人の権利擁護が達成される手段として利用されることが重要であるというふうな考え方がお示しされたので、ここからは、計画の策定と、あと具体的な利用促進に改めて期待をしたいというふうに思います。個人的には、本人の権利の尊重や支援が担保された上で、専門性のある人材をしっかり確保するということもやっぱり重要になってくるのかなというふうに考えてます。  また、具体的な協力体制とかその構築の方法については、ふだんの仕事の中で随時御報告いただければというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。  この件については以上です。  最後、4項目めの質問なんですけれども、こちらは、何度も取り上げてます市役所改革についてです。  このテーマについては、2年前、平成30年の9月に市長のマニフェストについて質問させていただいてから、様々な角度から質問、提案を続けてきたと思ってます。その中で全くと言っていいほど着手されていないのが人事・給与制度改革についてです。  配付資料1ページ、@にまとめさせていただきましたが、過去の議事録等も踏まえて大まかな流れを説明しますと、2年前、マニフェストを実行するための財源捻出において人件費の削減をする必要があるという趣旨の質問をいたしました。それに対しては、人件費に関しては、しないともするとも私自身は言っておりません、この先に何をどうするかということに関して、私自身、今この段階で確定的に申し上げる段階には至っておりませんとの御答弁でした。市長就任から三、四か月ですから、仕方がないとも言えますけども、人事・給与制度改革については、市役所改革をうたう方であれば、その必要性は論じるまでもなく、必要という前提で、具体的に何をするつもりなのかという立ち位置から議論をスタートしてくれるものだと認識しており、非常にがっかりしたのを覚えてます。  続いて、その半年後の平成31年3月定例会でも市役所改革について質問いたしました。このときの観点は、年功序列で上がり続ける給与制度、これにより、上司より給与の高い部下がいるという逆転現象、これらを改善するための評価制度の構築、時間給の取得方法、公用車の事前予約を例にした超過勤務の在り方の改善、職務専念義務について、懲戒処分の基準について、分限処分についてと、多岐にわたりました。給与制度について、特に給料表や問題点については、配付資料2ページに記載のとおりですが、それぞれ矢印の先の太字が最新の人数データで、矢印の前が1年半前のものになります。これらについての御答弁の冒頭で石井市長は、改革について、当然不要だなどと考えてはおりません、人事・給与の問題は、いわゆる市役所改革の中でも、これは大変大きな課題であるとは思っておりますということを述べられていました。しかしながら、最終的には、先行事例を研究してまいりたいという話に終始されており、残念に感じた一方で、半年の間で、何も申し上げられないという話から、改革は大きな課題、研究するということになったので、少しだけ前に進んだと言えなくもないでしょう。  この質問の1か月後に統一地方選挙がございまして、私個人としては、行財政改革を主要政策に掲げて再び議席を預かることになりました。そして1年前、令和元年9月の一般質問が今期としては初めて、合計では3回目の石井市長への質問となりました。ここでは、私が新しい任期に入ったこともあり、改めて市役所改革の方向性について質問いたしました。このときは、職員による不祥事が頻発していたこともあり、職員に対する意識調査を行った上で意識改革を進めるという趣旨の御答弁でした。ただここでも、具体的にどんな改革を行うのかということには言及されませんでした。  そして、半年前、令和2年3月の一般質問です。ここでは、職員に対する抑止力という観点から、処分基準の厳格化について質問いたしました。このときは総務局長から、制度面での厳罰化にとどまらず、運用面についてもより厳しい対応をとることを検討する必要があるものと考えておりますとの御答弁を頂いたところです。日本語をそのまま解釈すれば、制度面での厳罰化と運用面でも厳しい対応を取ることを検討するとのことですから、少しだけ前進したと言えると思います。  以上、石井市長就任後から2年かけて、市役所改革、特に人事・給与制度改革について質問を続けてきたわけですが、いまだに具体的な方針は示されないままです。  そこで質問します。  1点目、1年半前に石井市長は、人事・給与制度について、先行事例を研究しますとおっしゃってました。この1年半、どのような研究をした結果、現在どのようなお考えをお持ちなのでしょうか。また、市長の任期も折り返しを過ぎています。具体的な改革内容についてはいつお示しされる予定なのでしょうか。  2点目、半年前に職員の処分基準については、総務局長が、制度面、運用面での厳罰化を検討する必要があると答弁されています。一方で、この半年の職員の不祥事に関して、厳罰化されたような印象はありません。これらの検討は今現在スタートしているのでしょうか。スタートしているのだとすれば、どのような会議体、体制で行っているのでしょうか。また、いつ具体的な結論を出す予定なのでしょうか。  以上、御答弁をよろしくお願いします。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) 市役所改革の御質問には私からお答えをいたします。  まず、人事・給与面の改革ですが、以前にも答弁させていただいておりますが、改革に関して不要であるとは考えておりません。一方で、この改革は大きな課題であるという認識も持っているため、広い意味でのコンセンサスが必要であると申し上げたところです。そういう意味で、広い意味のコンセンサスというような言い方をいたしましたが、5月に策定いたしました行政経営改革の前期実行計画の中で、やはりこの課題というのは私も重要だというふうに思っておりますので、特に28番、「職員給与の適正維持」というような項目を立てております。それから、71番、「人事評価制度の適正な運用」というようなことで項目を立てております。こういうようなことが今庁内において広い意味でのコンセンサスというようなところにここまで持ってきたのかなと思っております。  そういう中で、現在の給料表ですが、平成29年4月から、行政職給料表において、職務・職責に応じためり張りのある給料表に切り替えておりますが、職員のモチベーション維持や職務・職責に応じた給与制度となっているかどうかは、他都市の状況等も踏まえ、さらなる検証が必要であると考えております。  給料表については、御指摘いただいた課題も踏まえまして、私の今任期中に見直す方向で具体的な方針を示していきたいと考えております。  次に、職員の処分基準についてですが、本市の懲戒基準に関する指針は、処分基準を明確にするという必要性から、標準的な処分量定を定めており、一部では国基準より厳しくしております。例えば交通事故・交通法規違反関係では、酒気帯び運転をした職員について、国指針では標準的な処分量定として減給、停職、免職としているところ、本市では停職か免職のみとするなど、制度面において厳罰化に取り組んでまいりました。また、不祥事に対する処分量定は、任命権者の求めに応じ職員分限懲戒審査委員会において審議し、その結果報告を基に各任命権者が決定いたします。当該審査委員会は、不祥事となった非違行為の動機、態様、結果、あるいは故意または過失の度合いなど、指針に規定する基本事項を総合的に勘案して処分量定を決定いたしますが、その際、本市の過去の懲戒処分例だけでなく、直近の他市の処分例なども参考としながら、社会情勢を踏まえ、厳格に審議しております。  今後も、国の指針改正など社会情勢の変化などで必要が生じた場合には、その都度、総務局長を委員長として、各任命権者の人事担当部課長で構成する職員倫理向上検討委員会において議論し、裁量権の範囲を逸脱しない範囲で厳罰化を含めた改正を行ってまいります。  あわせて、付言をすれば、やはり昨年以降、大変多くの不祥事がございました。そういう中で、一つ一つの非違行為の動機、態様、私も人事から一つ一つ聞いているところでありますが、私の認識としては、厳罰化をすることでそれが防げたかというと、私はそうだとは思っておりません。結局、見つからないと思ったか、もしくは気づいたら一線を踏み外していたか、そういうようなことで結局そういう事態になってしまったのであろうと思っております。  ですから、私どもの役割という意味では、職員がそうした非違行為を起こさないというような、そういう職場環境をつくるということ、その一つに、議員としては処分の厳罰化というようなことをおっしゃっていただいておるわけです。それに関しても、一つ含めてお答えをした部分でありますが、一方で、私が一つ一つの事案、そしてその背景を聞くに当たって、それ以外のところに関して、一線を踏み外さない、そしてしっかりと仕事をしてもらえるような環境をつくるということ、そのことも大切だと思っております。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) 御答弁ありがとうございます。  こちらについては、一問一答で再質問を交えながら、意見、要望を述べていきたいというふうに考えています。  各論で細かく質問をしたほうが、より課題が具体的になったり、市長の意見、考えが分かりやすくなるかなと思うので、少し細かく聞いていきたいなというふうに思うんですけれども、御答弁で、他都市の状況も踏まえさらなる検討というふうな内容のものがございました。1年半前にも、先行事例の研究というものをおっしゃってまして、具体的にどこの自治体の事例を参考にされているのかなというのをお尋ねしたいんですけれども、市長、よろしくお願いします。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) まずは兵庫県です。それが一つ大きな、それをしっかりと見るように、それから、大阪府に対しても見るようにというような指示をしております。それから、一つの基礎自治体では、近隣、あわせて、一説に改革だと言われるところがどういうものかということについて今研究を指示はしたところであります。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) 近隣の自治体は具体的にどこを見ているのかというのをちょっとお答えいただけるとありがたいんですけれども。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) 子細にどう調査をしているかは総務局長のほうが詳しいと思いますので、総務局長からの答弁でよろしければそういたしますけれども、よろしいですか。じゃあ、よろしくお願いします。 ◎総務局長(中尾敬一) 再質問にお答えいたします。  市長が先ほど申しましたように、もちろん近隣のほうも見せていただいてますが、先ほど御質問にありましたように、当市の事例だけを見てますと、過去にこうしたからこうだという結論になりますので、直近を見る場合は、もちろん近隣、大阪も含め、あと、ほかの市に対しましても、厳罰化していっている傾向があればそれを取り入れていくという意味で、現在のトレンドといいますか、現在の潮流というものを踏まえるという意味で、直近に似たような事例があったところは見せていただいてます。具体的にここ、ここという限定で見ているわけではございませんで、傾向としては、先ほど市長が申し上げたとおりでございます。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) 何かおかしいなと思ったら、今、給料表のことだけで一旦絞ってお話をお願いしたいんですけど。今多分、処分とかの話をされていたかと思うので。市長が他都市の事例というのを1年半前に言っていたのは給料表のことだったりとかすると思うので、その点です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎総務局長(中尾敬一) すみません、ちょっと答弁の方向を間違えておりました。申し訳ございません。  近隣では、箕面市さんのほうにも行かせていただきまして、給料表の重なりの部分とか、そういった部分で御指摘のあった部分については研究させていただいてます。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) どうもありがとうございます。  箕面市さん、僕も割と知り合いの議員とかも伝っていろいろ調べたりとかをさせていただいているんですけども、箕面市さんの事例を参考にされた、先行事例として見ているというふうな話で言うと、じゃあ、今後西宮市が改革を行っていくに当たってですけど、箕面市さんが踏んでいる――箕面市さんが全ていいわけじゃないじゃないですか。というところで、箕面市さんが改革を進めました、箕面市さんの改革の導入後のデメリットとかメリットというのをどのように分析されているのか、教えてください。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎総務局長(中尾敬一) 再質問にお答えいたします。  箕面市さんの場合、御指摘いただいたのは、当市の給料表の、ある意味では級ごとの重なりの部分というのが本市は大きいという御指摘もありまして、そのあたりについて箕面市さんのほうもある程度その辺を整理していかれているという状況がございます。ただ、これは、これまでの市の等級の分け方とか、人員の問題、あるいは級から昇任のときの上がり方の問題とか、いろいろ市によってちょっと差がございます。ですので、箕面市さんの状況をそのまま適用するということになりますと、これまでの現状と大きく乖離してくる部分もございます。ですので、あくまで思想的には同じでございますが、そういった点を当市の状況も踏まえた上でよりよいものにしていきたいというふうに現在考えております。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) どうも具体的にありがとうございます。  今回、また資料をつくり直すに当たって最新の数字を入れさせてもらったんですけど、本市、西宮市の状況で言うと、気になったのが、たった1年半しかたってないんですが、3級の副主査の方が100名どんと増えているんですよね。ここがすごい気になるんですけど、この現象から今後どういう課題が発生するかということを市長は推察されますか。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) すみません、今初めてお問合せを頂きましたので、この先どうなるかということについては、すぐにぱっとは分かりません。  以上です。すみません。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) 総務局長はどうでしょうか。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。
    ◎総務局長(中尾敬一) お答えいたします。  3級の副主査が増えていくということは、年齢が高い人で、言わば級が低いのに係長の給与と近づいてくるというか、今のところ逆転はないのではございますけども、そういった傾向が出てくる、言わば逆転に近い状況になり得る可能性があります。そういう数が増えてくるということがございます。係長の場合は、3級から上がっていくという場合もありますので、そういった意味で、年齢給の問題と、それから各等級ごとの職務給の問題と、そのあたりに今と違う状況が拡大してくる可能性はあるという、そういうおそれはあると思っております。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) どうもありがとうございます。  このときに、年齢構成がやっぱりいびつになっているのでこういう状況が起こるんだろうなというふうには思うんですけれども、こういう年齢構成がいびつな状況、あと、今、総務局長がお答えいただいたような課題というのを今後解決していこうというふうに考えたら、多分相当緻密な制度設計と、あと時間がかなりかかるんじゃないかなというふうに思ってまして、そういう意味で言うと、なるべく早く具体的な方針を出して取りかかっていく必要があるんじゃないかなというふうに僕は思っているんですよ。  今回、ようやく今任期中に見直す方向で具体的な方針を示していきたいという御答弁を市長から頂きまして、これをもう少し具体的にお答えいただきたいんですけど、この今任期中に見直す方向で具体的な方針というのは、例えばこういう給料表にすることを考えてますよとか、こういう新しい制度を入れますよというところまで具体的に出てくると思っていていいのか、それとも別の何かなのか、お答えいただければと思うんですけど。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) あくまで私のイメージですが、私の任期というのはあと1年半ちょっとということになります。それで、願わくば、今、川村さんがおっしゃったように、こういう給料表でというようなところまでいけたらいいなと思っておりますが、少なくとも方向性は、今の課題は具体的にこうだからこうしますというようなところは最低限お示ししていきたいと思っております。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆19番(川村よしと) 御答弁ありがとうございます。そこまでおっしゃっていただけると思っていなかったので、うれしいです。  この人事・給与、行政改革の中でも特に人事・給与の話というのが、僕、議員になって今10年目なんですけど、ずっと言い続けてきて、石井さんで僕が議員になってから3人目の市長なんですけど、残念ながら、1人目の市長だった河野さんは、ちょっと正直、やってくれませんでしたというところがあって、2人目の市長の今村さんは、マニフェストではかなり大胆な改革を訴えていらしたんですけど、いざ質問してみたら、いやもう終わったよみたいな答弁だったんです。いや、終わってないじゃんと。石井さんに替わって、最初、この先どうなるんだろうかと本当に心配だったんですけど、今回、具体的に今任期中というところで、かつ具体的にこういう方向性でというところまでお示ししたいとおっしゃってくれたので、ずっとずっと言い続けて、本当にようやく話が進みそうだなという感覚を少しだけ得ることができました。  本当に時間がかかるし、骨の折れる仕事だということは重々承知しているんですけども、ただ、本市の財政状況を考えたときに、人件費というところにどうしてもメスを入れなきゃ駄目というのは、僕が議員になる10年以上前からずっとそのロジックに関してもいろんな方が説明されてますし、手つかずというわけには絶対にいかないと思うんですね。今後、僕が議員でなくなっても、石井さんが市長でなくなっても、やっぱり明確に財政に大きな影響を与え続けていくのがこの人事・給与の話だと思ってます。そこで財源をしっかり生み出して、このまちのためにいろんな施策を講ずるということが本当に大事なことだと思ってますので、今後とも、情報交換しながら具体的な方針をぜひ一緒に決めていければ、考えていければなというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。  ということを最後にお伝えしまして、うえだ議員が時間が足りないとおっしゃっていたので、2分ぐらいあげますということで、川村よしとの一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) 川村よしと議員の一般質問は終わりました。  ここで休憩します。  なお、再開は、午後2時50分の予定でありますので、よろしくお願いします。    〔午後2時29分 休憩〕     ――――――――――――――――    〔午後2時49分 開議〕 ○議長(澁谷祐介) ただいまから休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、うえだあつし議員の発言を許します。    〔うえだあつし議員「対面式質問席」使用〕 ◆7番(うえだあつし) 傍聴席の皆様、インターネット中継を御覧の皆様、そして、さくらFMをお聞きの皆様、こんにちは。  政新会のうえだあつしです。  市民の声の代弁者として、その責務を十二分に果たすことができるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。  資料による説明が入る場所もあり、さくらFMをお聞きの皆様には御不便をおかけしますことをお許しください。  それでは、通告に従いまして政新会の一員として一般質問をさせていただきます。  質問の一つ目、PCR検査体制の強化についてです。  8月末より、西宮市保健所3階にて、コロナウイルス感染症に係るPCR検査の体制が整いました。これまで本市では、採取した検体の検査を外部委託により行っておりました。外部委託の場合は、結果が戻ってくるまでの期間が一律ではありません。いろいろな理由がありますが、その時点での各自治体のPCR検査の需要は異なりますし、委託先の立地によっては、検体の輸送にかかる時間も異なります。また、委託先の営業日の違いなども理由となります。コロナウイルス感染症の流行がこれまで以上の規模になった場合、外部委託に頼ったPCR検査は立ち行かなくなることが考えられます。ですから、本市独自のPCR検査体制が整ったことは、大変心強く感じております。まあ、ぜいたくを言いますと、7月の時点で自前のPCR検査体制が整っていればもっとよかったのになと思っております。  といいますのも、7月8日、育成センター指導員1名のコロナウイルス感染が発覚しました。育成センターにおいてこの指導員の濃厚接触者はゼロであったものの、同じ建物内の第3教室にいた全員に対して、念のためのPCR検査を行いました。本市の方針として、感染拡大防止に万全を期するため、念のためのPCR検査を行い、全員の陰性を確認してから育成センターと学校を再開することにしたのです。そして、翌9日には、検査結果が全員陰性であった場合、13日に学校が再開できるとの見通しが発表されました。しかし、11日、1例目の指導員とは別の2例目として、指導員1名のコロナウイルス感染が発覚しました。この2例目の指導員の濃厚接触者もゼロであったものの、同じ建物内の第1・第2教室にいた全員に対しても、念のためのPCR検査を追加で行うこととなりました。市民からは、自分の子供は大丈夫なのか、いつから学校は再開なのか、そんな不安な声が聞こえてくる中、全ての方の陰性が確定するまでの期間は、当初の予測より大分長くなりました。結果は、16日から育成センターと学校が再開されることとなりました。  このとき、PCR検査の結果が出そろうまでの期間が予測より長くなってしまった理由は幾つかあるかと考えられます。一つに、念のためのPCR検査を外部委託した場合、濃厚接触者の検査と比べて、その重要度から、検査の順番が後回しになる場合があること、二つに、土曜、日曜の外部委託の検査体制が充実していない期間にまたがっていたことなどが大きな理由であったと考えます。7月の時点で本市独自のPCR検査体制が整備されていれば、もう一日、二日、育成センターと学校を早く再開できたのではないだろうか、たらればの話ですが、このように考えたのは私だけではないのではないでしょうか。  ここからは、事前に担当課より説明いただきました測定作業の流れと検査に係る本市の体制についてを資料「PCR検査の流れ図」を基に説明いたします。  まず、Aの不活化処理ですが、受け付けた検体に対して、ウイルスの感染力を失わせるための不活化処理を行います。この作業は感染リスクを伴うため、PPE等の防護衣を装着した後、専用の検査室にて行います。不活化が終了するまでの検体の取扱いは、安全キャビネットの中で行われます。この作業Aは約1時間を要します。  次に、BのRNA抽出ですが、Aで不活化した検体から遺伝子であるRNAを抽出します。抽出された遺伝子にPCR反応液を混合することで遺伝子を短時間で複製し、コロナウイルスの遺伝子の有無を確認することができるリアルタイムPCR測定機器にかけることができる状態となります。ちなみに、抽出された遺伝子は感染力を持たないため、この先の作業は比較的安全に行うことができます。この作業Bも、約1時間を要します。  次に、リアルタイムPCR測定ですが、処理された検体は、別室にてリアルタイムPCR測定機器にかけられます。遺伝子を検出可能な量に増やすために、測定機器の中では加温と冷却の温度変化が何度も繰り返されます。ですから、このリアルタイムPCR測定というのはある程度の時間を要するもので、約2時間30分を要します。ただ、この間は全自動になりますので、あとは結果を待つだけとなります。  最後に、Dの成績書作成ですが、先ほどのリアルタイムPCR測定から出た検査の数値を基に、陽性か陰性かを判断し、成績書を作成します。この作業Dは約1時間30分を要します。  本市において不活化処理から成績書発行までの一連のサイクルを1サイクルとしたとき、9時開始で終了が15時ということになります。  当初、課長からの説明では、1度に20人分を1サイクルとして1日1サイクルを行い、1日に20人分の陽性・陰性が判定されると伺っておりましたが、現在では、1度に12人分を1サイクルとして1日に2サイクルを行うと伺っておりますので、資料にありますような形で、1日に24人分の陽性・陰性が判定されるのが1日の流れとなります。  このA、B、C、Dの一連のサイクルを全て行うことができる職員が全部で3名、C、Dだけを行うことができる職員が先ほどの3名のほかに2名、全5名がPCR検査に係る人員体制です。また、検査の実施日は、月曜日から金曜日の保健所の開所日が基本となるとのことです。  ここからは、本市における検査体制の強化について、項目ごとに六つ提案いたしますので、それぞれについて、本市の考えをお聞かせください。  項目1、1日3サイクルで36検体を行うについて。  1サイクル目の12検体については終了時間が15時、2サイクル目の12検体については終了時間が17時30分となりますので、3サイクル目は一見すると難しいようにも考えられます。しかし、2サイクル目の検体をリアルタイムPCR測定機器にかけた後、3サイクル目を開始する案を、資料ではピンクの枠で囲って「うえだ案」として載せておりますので、御確認ください。3サイクル目の作業をその日のうちに最後まで行うとなれば、終了時間が20時を越えてしまいます。しかし、2サイクル目の作業Cに入った時点で3サイクル目の作業A、Bを行い、3サイクル目の作業Cにおいては、リアルタイムPCR測定機器に検体をセットし、機器をスタートさせたところでこの日の作業を終了いたします。リアルタイムPCR測定機器というのは、先ほど説明しましたように全自動ですので、結果は翌日に確認することも可能です。  今提案いたしました3サイクル目については日をまたいで行う形になるのですが、この案を採用していただくことで、今の人員体制でも実質1日に36検体を処理することが十分に可能であると思います。市のお考えをお聞かせください。  項目2、土、日、祝の運用について。  民間の検査機関や病院、県衛生検査所などPCR検査処理能力を曜日ごとに比較しますと、月から金の平日に比べて、土、日、祝のほうがPCR検査の処理能力が劣っていることは言うまでもありません。先ほどお話しした育成センターの件でも、検査日が土、日をまたいだことにより結果が出るのが遅くなり、学校再開までの期間が長くなってしまったことは、皆さん御承知おきのことかと存じます。もし仮に土、日、祝にPCR検査を行える体制づくりを構築することができれば、同様の事例が発生した際に、再開までの期間を大幅に短縮することが可能です。土、日、祝に本市において緊急性を要するPCR検査が必要になった際に備えて、今のうちに、保健所において土、日、祝のPCR検査の実施体制を構築していくことが必要であると考えますが、市のお考えをお聞かせください。  項目3、人員増強、配置転換、中央病院派遣委託について。  現在、PCR検査の実務に当たる職員は5名、A、B、C、D全部の工程を行える職員は3名ですが、今後、PCR検査の需要が予測できない中、人員増強は必須であると考えます。仮に現在の3人体制で連日の業務に当たると仮定したときに、誰かが病気にかかったり、けがをしたりしてしまえば、1日に24検体を維持していくことも困難となります。  まず、人員増強策として、本市内での職員の配置転換の話をします。この一連のPCR検査ですが、これは何も職人的な、類いまれなる技術が必要な手技ではないため、基礎的な分析機器を扱う者であれば、少しの研修を受けることで検査の実務に当たることが可能です。本市は人材が豊富であり、獣医師であれば18名、薬剤師であれば15名の職員がおり、これらの職員は、先ほど申し上げた基礎的な分析機器を扱うことができる職種であると考えます。これらの職員の配置転換や、配置転換まで行わないにしても、緊急時に備えてPCR検査の手技を習得させておくことは必要なリスクヘッジであると考えます。配置転換に関して、市のお考えをお聞かせください。  また、中央病院では、検査機器の取扱いに最もたけた専門職である臨床検査技師が21名配置されております。この臨床検査技師は、ふだんよりPCR測定機器を用いるスペシャリストであり、即戦力です。この人材を活用しない手はないかと考えます。中央病院からの派遣に関して、市のお考えをお聞かせください。  あと、端的に申し上げますと、外部委託で人員を派遣してもらうという方法も可能かと考えます。PCR検査は、考えようによっては単純作業の一つであるため、外部委託に適しています。例えば市の職員であるA、B、C、Dの全ての作業を行うことができる今の担当者3名をリーダーとして、その下に派遣されてきた人員2名ずつを充てれば、3チーム完成することになります。仮に3チームあれば、曜日や時間帯に幅を持たせた検査体制の構築が可能かと考えます。外部委託に関しての市のお考えをお聞かせください。  項目4、周辺民間病院や大学、近隣自治体などの検査能力の確認について。  項目5として次に提案する周辺との連携構築に至る前の段階での質問ですが、周辺の検査能力の把握は既にお済みでしょうか、お答えください。  項目5、周辺との連携構築について。  周辺との連携構築については、近隣自治体との連携を例に挙げて説明いたします。仮にある日、本市で50検体の検査が必要になったとします。隣の尼崎市では、その日はゼロ検体であったとします。このようなときに、本市と尼崎市の間で検体のやり取りができる体制が構築されていれば、本市で24検体を検査し、尼崎市で26検体を検査してもらうことで、その日のうちに検査結果を知ることも可能となります。もちろん、本市に余裕があり、尼崎市に検体数が多いときは、本市が尼崎市の検体を引き受ける側となりますが、自治体同士の連携は互いにメリットがあると考えます。連携先はいろいろと考えられますが、周辺との連携構築について、市のお考えをお聞かせください。  項目6、検査の効率化について。  今ある資源でできるだけ多くの検査を行おうとすれば、検査自体の効率化も必要と考えます。効率化の方法として例を一つ挙げますので、これは、資料「検体の混合による効率化」を御覧ください。  濃厚接触者ではないものの念のため関係者全員の検査をまとめて行うことは今後もあり得るかと考えます。濃厚接触者に行う検査や、発熱や味覚異常などのコロナウイルス感染症様症状をお持ちの方に行う検査などに比べて、念のための検査というのは、陽性になる確率がぐっと低くなります。このような陽性になる確率が低いと思われる検体が120人分あったとき、普通の検査方法では1日に24検体ずつ行いますので、資料のように、結果が出るまで5日間かかることになります。  しかし、資料にありますように、仮に5人分ずつの検体を混合して検査をする方法を行った場合、120人分の検体が24検体となります。その24検体を測定した結果、陽性となる検体がゼロであれば、1日で120人分の陰性が判明することとなります。仮に混合した24検体のうち1検体について陽性が出れば、その検体に関係する5名について再度測定機器にかければいいので、この場合は、結果が出るまで2日間ということになります。120人分の検体を普通に検査した場合は5日間、検査の方法を工夫した場合は一日、二日になることもあり得るわけです。  理論は説明いたしませんが、陽性となる確率が十分に低い検体であることが検査の条件となる、この検体を混合する方法を用いるには、どのような場合を陽性が低いと判断して行うのか、また、何人分の検体まで混合して行うのかなどの指針を事前につくる必要があります。今後どのような方法で効率化を行うにしても、大量の検体を保健所で検査する必要が出たときのために、効率的な検査方法を考え、その検査方法を事前に指針として策定することが必要と考えます。これをなすには専門家の意見を参考にする必要もあるかもしれませんが、西宮市独自の指針をつくっておくことは有効と考えます。市のお考えをお聞かせください。  以上6項目の提案について、お考えをお聞かせください。 ○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(山本英男) PCR検査体制の強化についての御質問にお答えいたします。  まず、検査を1日3サイクル行うことについてですが、保健所衛生検査室の新型コロナウイルスに対するPCR検査は、8月27日より1日最高12検体の体制で始めております。これをできるだけ早期に1日2回転させることにより、最大で24検体の検査を実施できるよう目指している状況であります。今後、緊急時には1日3回転させることで最大36検体の検査を可能とすることも視野に入れ、人員体制を構築してまいります。  次に、土、日、祝日の運用についてですが、まずは衛生検査室の検査員の中で検査の手技を固めた後、他の課からの応援職員を訓練して、緊急時等の土、日、祝日の対応や、1日3回PCR検査を行えるように人員を養成してまいります。  次に、配置転換、中央病院からの派遣、外部委託による人員増強についてですが、先ほど申し上げましたとおり、緊急時に土、日、祝日等に対応していくには人員増強が大切であると認識しております。そのため、今後、保健所内でのPCR検査の経験者を他の課から兼務により検査室に配置し、シフトの体制を構築していくとともに、検査を行える人員の育成を最優先に進め、まずは議員御提案の3チーム程度をつくれるように目指してまいります。  市職員の中で検査を行える人員の育成を進めた後、さらなる体制の強化が必要となった場合には、中央病院に在籍する医療職員の応援のみならず、検体の受入れ、判定といった業務体制の構築や外部委託について協議・検討してまいります。  次に、民間病院、大学、近隣自治体など周辺地域の検査能力の把握についてですが、8月28日に発表されました兵庫県の新型コロナウイルス感染症対策本部会議の記者会見資料による数字として、兵庫県が1日当たり200件、県内保健所設置市の合計が1日当たり490件、県内の民間検査施設が1日当たり470件、県内医療機関の自施設実施分が1日当たり320件と把握しております。また、市内医療機関につきましても、名前の公表は控えますが、検査能力の把握に努めております。  次に、周辺との連携構築についてですが、本市と周辺自治体とでは感染症患者数の増減の傾向には大きな違いがないことから、日によって多少の違いはあるものの、本市において検査数が増加する時期には周辺自治体におきましても検査数が増加するものと考えられるため、周辺自治体との連携構築については、現時点では予定はしておりません。  検査体制の拡充につきましては、8月27日より、西宮市保健所によるPCR検査が始まっております。また、8月18日から西宮市医師会によるLAMP法を用いた検査も始まっていることから、これまで以上の検体数を検査することが可能となっております。さらに、兵庫県立健康科学研究所におきましても処理能力を大幅に向上させる新たな検査システムを導入する予定であると聞いており、さらなる検査体制の強化を見込んでおります。特に西宮市医師会につきましては、比較的迅速な検査が可能なことから、緊急時等にはできるだけ多くの検査を実施していただけるように協力を要請してまいります。  今後とも、県や民間検査機関、西宮市医師会や医療機関等と協力、連携の下、PCR検査の結果が迅速に判定できるように努めてまいります。  次に、検査の効率化についてですが、現在、複数の検体を混合して検査を行う方法につきましては、科学的なエビデンスに基づく知見が示されていないことから、現時点では実施は考えておりません。今後、国立感染症研究所等の知見が示された場合には導入等を検討し、効率化に努めてまいります。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆7番(うえだあつし) 丁寧な御答弁ありがとうございます。  それぞれについて意見を述べた後、少し再質問をします。  項目1、項目2に関しては、私の提案どおり対応していただけるということでしたので、よろしくお願いします。  項目3に関しましても、私の提案しました3チームを軸に調整していただいているということですので、よろしくお願いいたします。  また、中央病院在籍の職員が保健所に応援に来る体制や、保健所で受け付けた検体を中央病院で検査する体制も視野に入れていただいているということですので、こちらも期待しております。  項目4、5に関しましては、周辺能力の確認について、今後も継続し、連携可能な施設を常に探していただきますようお願いします。  周辺との連携については、新しく検査機器を入れた西宮市医師会との委託を模索中とのお話でしたので、この連携をできるだけ早い段階に実現していただきますようお願いします。  項目6に関しては、現在のところ考えていないということでした。国の方針が決まっていない時点ですので仕方ないかなというふうにも思いますが、今後も、国の方針を確認しつつ、市の最大検査能力を高めていただきますようよろしくお願いいたします。  ここまで、私が提案しました6項目のうち5項目については対応していただけるという答弁でした。今後はPCR検査体制の強化が進んでいくと確信しましたので、続いて、強化された後のPCR検査体制の在り方について、提案と質問をします。  本市の検査施設ができたということは、本市独自の利用方法でPCR検査を実施することが可能ということであります。言い換えますと、通常でしたらPCR検査の対象ではない方に対して本市独自の基準でPCR検査を実施できるということです。どのような基準でPCR検査の対象者を決めるかといえば、その人がコロナウイルス感染者であった場合に市政に与える影響が大きい方を対象者とします。  例えばの話をします。さきに話した育成センターの指導員が感染した事例において、指導員が1回目に受診した際に、この人がコロナウイルスに感染していれば市政に与えるマイナスの影響は大きいとしてPCR検査を行っていれば、もしかしたら育成センターや学校ともに閉めなくてもよかったかもしれません。どんな方を対象にするのかというのは大変難しい問題となります。これも例えばですが、石井市長が感染すれば市政に与えるマイナスの影響は計り知れませんので、一緒に行動することの多い局長級以上の職員を対象者にしてもよいかもしれません。また、救急隊や1次救急に携わる人員も対象者としてもよいかもしれません。  どのような方を対象者にするかは私のようなものが決めることではありませんが、ここで質問します。  コロナウイルスに感染した場合に市政に与えるマイナスの影響が多い方を対象者として、早い段階で先手を打ってPCR検査を実施することが必要であると考えますが、市のお考えをお聞かせください。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(山本英男) ただいまの再質問にお答えいたします。  感染した場合に市政に与えるマイナスの影響が大きい方を対象として、早い段階で先手を打ってPCR検査を実施することにつきましては、具体的にどのような方を対象とするのか、対象者をどのように把握するのか、また、検体の採取をどこで行うかなど、検査実施までの枠組みについて整理する必要があります。また、体内でウイルスの増殖が進む前に検査を実施しますと、ウイルスに感染していても検査結果が陰性となる場合があり、濃厚接触者として特定される前の早い段階で検査を実施した場合に、正しい検査結果が得られない可能性もあります。したがいまして、専門家や関係機関の意見を聞きながら、実施の可能性について検討してまいります。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆7番(うえだあつし) 御答弁ありがとうございます。  以下、意見、要望をいたします。  専門家や関係機関の意見を聞きながら、市政に与えるマイナスの影響が大きい方への早期の検査の実施を検討していただけるということでした。この検討は、早期の検査を実施するかしないかの検討ではなく、対象者をどのようにするかの検討であればいいなと思っておりますので、早い段階で検討していただき、御報告いただきたいと思っております。  といいますのも、救急隊や1次救急で感染者が出た場合、これまでと同様に、念のためのPCR検査が実施されることになるかと存じます。そして、全員の陰性が確認されるまで業務を停止することになれば、救急医療の崩壊につながりかねません。早い段階でPCR検査ができれば、接触者は最小限にとどまり、残りの人員で救急医療を維持することも可能です。ですから、救急隊や1次救急に携わる人は対象者として必ず検討していただきますよう要望いたします。  最後になりましたが、検査員におかれましては、感染のリスクを伴う中での作業となりますが、御自身の体調に十二分に気をつけていただき、業務に当たっていただきますようよろしくお願いします。  これで、PCR検査体制の強化についての質問を終わります。
     質問の二つ目、コロナ禍における救急医療体制についてです。  コロナウイルス感染症に関する医療施策において、本市の現状や今後の展開があまり見えてこない、私はこのように感じています。現状や今後の把握のために担当課にいろいろと確認するのですが、明確な回答が得られないものもあり、それどころか、それは兵庫県でなければ分かりませんといった回答が返ってくることもありました。医療施策は何か県任せのような空気さえ感じてしまいました。  しかし、コロナ関連の医療施策は、県任せにするものではなく、市も積極的に関与すべき事項です。といいますのも、コロナ関連の医療施策における関連法令としては、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律――以後「感染症法」や、新型インフルエンザ等対策特別措置法――以後「特措法」などがありますが、この中で、保健所設置市は県に準じた役割を果たすことが求められております。ですから、厚生労働省から発出される新型コロナウイルス感染症関連の通知は、ほぼ全て、都道府県、保健所設置市、特別区に宛てて全く同じものが送られてくるのです。この通達に関しては、後ほどの質問大項目3で取り上げます。  感染症法や特措法の下、市が積極的に関与すべき医療施策というのは多岐にわたるのですが、この中でも、1次救急の視点から、救急医療体制についてお話しします。  本市の医療分野の基本的な指針である西宮市保健医療計画によりますと、1次救急は本市が担うものです。資料Aにありますように、本市の救急医療は、1次、2次、3次に分けて構成されています。その中でも1次救急というのは、比較的症状が軽い、緊急性が低い方のための救急医療です。ですから、1次救急の患者の多くは、受診後、薬を持って安心して自宅に帰り、翌日以降にかかりつけ医に行くという流れをたどります。しかし、中には、患者本人が自分は軽症であると考え、1次救急を受診してみたものの、実は重症であったり、大きな病の前兆が見つかったりする場合もあり、この場合は、2次救急に紹介し、転送となります。1次救急というのは、患者を適切な2次救急や3次救急へつなげる役割も担っております。2次救急は中程度以上の患者を診ることになるので、いわゆる外来メインの診療所ではなく、医療設備が充実している入院設備を伴う大きな病院が担っており、市内約10か所の病院が輪番制で協力していただいております。  コロナ禍における救急医療体制を考えるとき、インフルエンザなのかコロナウイルスなのか、はたまた別の感染症なのか、これが分からない発熱患者に対してどのような医療を提供していくのかは、大きな問題となります。  資料Aを確認しますと、1次救急としては五つの記載があります。一番下と下から2番目は歯科と耳鼻科、眼科の診療ですので、今回は置いておきます。残りの三つの平成31年度の患者数を資料Bで確認しますと、コロナ禍における救急医療で問題となる発熱を伴う内科や小児科の1次救急においては、西宮市応急診療所の役割が大きくなっていることが分かります。  ここで、西宮市応急診療所――以下「応急診」の体制について、簡単に説明します。  資料Cの小冊子にあるように、内科、小児科の診察で、365日休まず開所しています。開所時間は資料のとおりですが、地域の診療所や病院の多くが閉まっている時間帯に開所しています。その日に来る患者の症状などにもよりますが、例年であれば、この体制で、一つの診察室で1時間当たり10名ぐらいの診察を行うことが可能でした。  しかし、本年は、例年どおりの業務を行うことができておりません。コロナ禍において、発熱症状のある患者への対応は慎重を期するからです。現在、発熱症状がある患者は全てをコロナウイルス感染症疑いの患者として対応しているため、受診していただく時間の調整や、患者ごとに防護衣の脱着や消毒作業を行った上で、駐車場に設置している発熱者診察用コンテナハウスにて診察を行います。診察の後には書類の作成などが必要になる場合もあり、発熱症状のあるコロナ感染症疑い患者1人にかかる時間は現在およそ20分であり、今後の発熱患者数の推移によっては、応急診の体制維持は困難となります。  私が心配しているのは、これから冬の寒い時期です。早い年では11月頃からインフルエンザの流行期を迎えます。資料Bの平成30年度月別患者数にありますように、インフルエンザの流行期には、患者数が跳ね上がります。その中でも、特にDに平成30年度年末年始の患者数を示しましたが、市内の医療機関の多くが休業している正月や連休などでは、1日に400人以上の患者が来ることも珍しくありません。  現状の説明が長くなってしまいましたが、何も対策を取らずにインフルエンザの流行期を迎えれば、西宮市の救急医療は、1次、2次、3次と次々に崩壊することは確実です。コロナ禍における患者の動向は予測不能であり、この冬の患者数は少ないかもしれません。しかし、対策を取らずに例年どおりに1日400人、いえ、その半分の1日に200人の患者が応急診に訪れれば、1次救急は崩壊です。  この一般質問は、市に本腰を上げていただくための質問です。先ほど申しましたように、1次救急の今後の展開が見えてきていないのです。8月12日に応急診療所関係者による会議、8月27日に2次救急輪番病院群による会議が行われ、インフルエンザ流行期における発熱患者の取扱いについて話合いが持たれました。医療者にとって、今後、冬場に向けて十分な救急医療を提供できないかもしれないという現状は何よりも耐え難いことであり、それぞれの会議は真剣な話合いとなりました。ただ、具体的な対策を決定するところまでには至っておりません。といいますのも、ここまで説明しましたように、1次救急は市が担うべき医療だからです。市としての方針、市長の方針、西宮市として1次救急をここまで提供するという具体的なものを示してもらわなくては、具体的な対策を決定しようがないのです。  ここからは、医療現場で話し合われているインフルエンザ流行期の対策案について、資料の図を基に、ごく簡単に説明しますので、それぞれの対策案を踏まえた上での西宮市の1次救急に対する今後の方針をお答えください。  出発点は、西宮市応急診療を核とした1次救急です。先ほど少し説明しましたが、何も対策を講じない場合は、長時間の待ちが発生することにより、処置の遅れによる健康被害や、患者が密になり集団感染の危険性が考えられます。また、受診を諦めて帰る患者が増えれば、重症者を見落としてしまいます。このような方が119番に頼ることになれば、2次救急もパンクします。このような状況になれば、クレームの嵐が起こり、裁判沙汰になるやもしれません。また、クレームが多くなれば、スタッフの疲労やストレスはピークに達し、スタッフに感染者が発生したり、離職などに追い込まれたりするかもしれません。そうなれば、西宮市の救急医療は足元から崩壊してしまいます。ですから、何も対策を講じないという選択肢はないと考えていますし、どうやってこの冬を乗り切るかの対策案を現場では話し合っているのです。  対策案@、予約制の導入。1次救急の受診に際して予約制を導入するという案が出ています。この場合、予約システムを冬までに間に合うよう構築する必要があり、間に合うのかという問題とともに、予約制周知のための広報が重要となります。市民の認識として、応急診は365日、同じ場所で開いている1次救急のため、飛び込みで来る患者が必ず現れることも考慮に入れる必要があります。予約制というのは、診療の流れをスムーズにし、応急診をパンクさせないということには一定の役割を示しますが、予約数を上回った患者の受入れ体制は必須であり、結局、受入れ先の確保が必要ということになります。  対策案A、応急診療所自体の機能強化。応急診の機能強化を図る案ですが、この場合、増改築が必要です。これまでも、応急診の駐車場に発熱者の診察室として仮設のコンテナ室を増築していただいております。しかし、例年のように400人を超える患者を診ようと思えば、発熱者とその他の患者の動線を分けることができる施設に改修する必要があり、工事が間に合うのかが大きな課題となります。また、人員確保や運用方法の確立など、多くの課題があります。また、増改築には大きな予算も必要である上、患者動向によっては、増改築したものが無駄になってしまうことも考えられます。  対策案B、2次病院群の協力による1次救急の拡充について。2次救急を担っていただいている病院群を中心に市内の医療機関に協力いただき、1次救急の患者を受け入れてもらう案です。夜間、休日の応急診の開所時間に合わせて別の1次救急が開所していれば、患者の分散が図れます。この場合、症状により患者の受入れ先を変えるのか、1次救急としての診療レベルをどのようにするのか、また、応急診以外の1次救急があることの十分な広報などの協議が必要ですし、1次救急に協力いただける医療機関へは、人員確保の補償、防護設備の支援、PPEなどの資材供給も必要と考えます。  対策案C、西宮市立中央病院で全ての責任を持って対応。これは、応急診の開所時間に合わせて中央病院を開所する案です。中央病院は公立病院であり、独立採算性と言いつつも、実質は市の一般会計からの民間の常識では考えられない破格の手厚い支援により運営されています。このため、必要な資材の確保や防護設備の設置が容易であること、現在病床稼働率は60%程度であるため、病室に余裕があること、また、病床稼働率80%で人員配置がなされているため、人員に十分な余裕があることも考えられます。  今、四つの対策案を簡単に説明いたしましたが、どのような対策案を講じるにしても、1次救急の責任者たる市の方針が、市長の方針が見えてこないのでは、具体的な対策を早期に実行することは困難です。  ここで質問いたします。  今説明いたしましたそれぞれを踏まえた上で、市の1次救急に対する今後の方針をお答えください。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎副市長(田村比佐雄) コロナ禍における救急医療体制についてお答えをいたします。  本市の1次救急医療体制は、休日や夜間において急病で救急処置が必要となった患者に医療及び医療情報を提供するため、応急診療所、在宅当番医制、休日歯科診療、耳鼻咽喉科、眼科などの特殊救急医療、阪神北広域こども急病センターといった体制を整備しております。特に応急診療所につきましては、年間受診者数は、令和元年度で約1万6,000人となっており、1次救急医療の中核を担っている状況でございます。今回の新型コロナウイルス感染症の感染が拡大した際も、指定管理者である医師会が中心となって、院内の感染予防対策に努め、受診者の安全を確保しながら、発熱患者を含め、広く、内科、小児科の患者の受入れを継続してまいりました。  ことしの冬は、新型コロナウイルス感染症の発生により、インフルエンザの流行期に入る秋以降、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザが同時に流行する可能性が日本感染症学会などから指摘をされております。応急診療所では、現状におきましても、発熱している患者に対して新型コロナウイルス感染症対策を実施しながら診察をしていることから、患者1人当たりの診察時間が通常の診察時間よりも長くなっております。インフルエンザ流行期に、例年のように休日に多いときで約400人の発熱患者が受診することとなれば、長時間患者を待たせてしまい、待合室の混雑により感染が拡大するおそれや、状況によっては診察できない自体が発生するおそれなど、適切に対応できないことが想定されますので、受診に当たって予約制の導入を検討しているところでございます。  市といたしましても、応急診療所における新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行に備えた体制を構築することが喫緊の課題と認識をしておりまして、現在、中央病院をはじめ市内2次救急医療機関に対しまして、1次救急への協力を要請しているところでございます。協力いただける医療機関に対しましては、人員確保に係る財政的な支援や防護服等の感染予防に係る資材の供給など、必要な対応策について協議をしてまいります。  応急診療所自体の機能強化につきましては、現状ではこれ以上の動線を確保するための物理的なスペースがないことなどから、応急診療所の拡張工事などは難しいと考えております。  また、西宮市立中央病院が応急診療所の開所時間に合わせて毎日開所することにつきましては困難でございますが、いわゆる第1波におきましては、軽症から中等症の新型コロナウイルス陽性患者の入院受入れを行い、治療に全力を尽くしてきたところでございます。今後もさらに公立病院としての役割を果たすため、中央病院の持つ機能及び現有する医療資源を最大限活用する考えに変わりはございません。  以上のことから、早期に新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行に備えた体制を医療機関等の協力・支援の下、構築し、市民に安心して医療提供できるよう努めてまいります。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆7番(うえだあつし) 御答弁ありがとうございます。  対策案Bの2次病院群の協力による1次救急の拡充を軸として、今後の1次救急を堅持していくとの御答弁であったと存じます。市としての力強いメッセージを頂きましたので、ここから冬に備えた1次救急の体制づくりが加速していくことかと存じます。  ここからは要望をいたします。  まず、予約制の導入に関しては、検討していただいているとのことでした。対策案Bの体制が整いましても、市民が認識していなくては、応急診に患者が殺到する事態となります。予約システムを構築する際には、1次救急を要する患者が効率的に分散するような仕組みを御協議いただきますようお願いいたします。  次に、応急診療所自体の機能強化については考えていないということでした。実際に見て感じているのですが、応急診は、ここまで増改築を行い、体制を整えはしたものの、今の体制を維持していくだけでかなりの負担がかかっております。特に看護師と事務員は、応急診とコンテナハウスの間を行ったり来たりしながらPPEの脱着や消毒作業なども常に慌ただしく、少しでも早く多くの患者を受け入れるために、実際に走り回っています。この冬はさらに負担がかかることが予測されますので、今後新しく1次救急に協力いただける2次の医療機関と同様に、人員に対しての支援や防護服等の資材に対しての支援を要望いたします。  あと、発熱患者の診察用コンテナハウスを設置したことで、駐車スペースがほとんどなくなってしまっています。これも冬までに何らかの対策をしていただきますよう要望いたします。  次に、中央病院で全ての責任を持って対応についてですが、私に決定権があるのであれば、この案を採用したかもしれません。といいますのも、中央病院であれば、患者数が増えてきたのを確認してからフレキシブルな対応が可能だからです。また、ふだんより市民の税金から民間の常識では考えられない破格の手厚い支援を毎年のように行っているのは、民間の病院では実施することが難しい公立病院の役割を果たすためです。しかし、今回は、まず、2次病院群の一員として、中央病院は公立病院として十二分の役割を果たしていただきますようお願いします。  そして、万が一想定を超える感染拡大など不測の事態で救急医療に問題が生じそうになった際には、中央病院が公立病院の果たすべき役割を果たしていただきますよう、十分な準備をしていただきますようお願いいたします。不測の事態には中央病院が後ろで控えてくれているという安心感を今後はしっかりと地域医療に示していただきますようお願いいたします。  最後に、対策案Bを軸として今後の1次救急を堅持していくとの答弁でしたので、これについては、少し詳しく要望いたします。  協力いただける医療機関に対しては、人員確保に係る財政的な支援や防護服等の供給などを今後協議していくとの答弁でしたので、その協議をした上で、不足が出ない、十分な支援をお願いします。  といいますのも、人員確保に関しては、どの病院も大変厳しい状況であるというふうに伺っております。感染の危険性と隣り合わせの業務ですから当然かと思います。中央病院では、コロナウイルス感染症患者に対応する人員に対して手当をつけることで、危険を伴うスタッフへの支援を行っていると伺っております。民間の協力医療機関やそこで働くスタッフにも相応の支援を要望いたします。  また、確保した人材には、できる限り安全に働いていただけるように手を尽くしてください。防護服が必要なことは当然として、手だけを患者側に出してできる診察や、また、検体採取できるような、保健所に設置されているような防護施設も必要と感じますので、これらの支援も要望いたします。  また、新しく1次救急の受入れ施設が増えることになるので、施設ごとの診療レベルをどうするのか、抗原検査の取扱いをどうするかなど、しっかり協議をしておかなくては、患者の偏りが生まれ、現場の混乱につながりますので、この辺は十分協議していただきますようお願いいたします。  この質問の最後に、中継をお聞きの市民の方にお願いがございます。  私のお願いというより、今回お話をさせていただいた医師たちからのメッセージです。救急医療を堅持するためには、官民ともに医療者は全力を尽くしています。しかし、この冬は、救急医療を必要とする方が増えることが予測されます。救急医療というのは、急を要する方のための医療です。市民の皆様ができる限りかかりつけ医に受診していただくことが救急医療を堅持するために絶対に必要です。体調の不安というのは夜になったらやってきます。ぜひとも日中にかかりつけ医に受診していただきますよう、市民の皆様にはお願いいたします。  以上、コロナウイルスにおける救急医療体制についての一般質問は終わります。  質問の三つ目、コロナ禍における保健所体制についてです。  本市の医療分野の基本的な指針は西宮市保健医療計画にあり、現在、コロナ禍における医療政策は、感染症法や特措法に基づき制作された西宮市新型インフルエンザ等対策行動計画――以後「インフルエンザ等行動計画」を基本に進めるものとなっています。このインフルエンザ等行動計画は2014年に策定されたものですが、この「等」には、感染力が強く、社会的な影響が大きいウイルスも含まれています。国からの指示もあり、今回のコロナ禍における医療施策は、このインフルエンザ等行動計画を基本として進めることとなっています。しかし、この計画は、今回のコロナウイルス発生前の時点で全く未知の感染症に対応するために策定された計画ですので、実効性が伴わない箇所も少々あり、医療施策はなかなか計画どおりには進んでいないようです。  先ほど説明しましたように、保健所設置市である本市は県に準じた役割を果たすことが求められているため、その業務は多岐にわたる膨大なもので、それに関係する通達が厚労省から保健所に送られてきます。その一つ、今後を見据えた保健所の即応体制の整備――以後「即応体制の整備」では、今後、再び感染が大きく拡大する局面に備えた保健所の在り方がまとめられています。ここには、インフルエンザ等行動計画では網羅し切れていないコロナウイルス感染症対応に直結した保健所の体制整備についてのチェックリストがあり、現在、本市の保健所で何ができていて、何ができていないのかを確認することができるようになっています。  先ほど1次救急の視点に特化した質問をしましたが、ここからは、コロナ禍における医療施策について、保健所の役割の視点で質問します。  まず、保健所の役割として、急な入院先について質問します。  今後再び感染が拡大すれば、宿泊療養者や自宅療養者が増えることが予測されます。このような方々や自力で1次救急を受診することが困難な在宅の要介護者などが急な発熱等で体調が悪化した際には、入院先を確保しておくことが重要です。これは、即応体制の整備においても整備すべき事項として挙げられております。コロナ以前でしたら、急な発熱等の体調悪化は救急医療の対象であり、その時々で受入れ可能な病院を探すことは比較的容易でしたでしょうが、コロナ禍においてはそういうわけにはいきません。宿泊療養者や自宅療養者はコロナウイルス感染者としての対応が必要ですし、在宅の要介護者も、急な発熱があればコロナウイルス感染者かもしれないということで対応が必要ですので、受け入れる病院側としては相当の準備が必要となります。ですから、入院先の確保に関しては、事前に十分な協議と調整を行い、今日はここが受ける、あしたはあそこが受けるのような、いつでも確実に受入れ先が決定できるような体制構築が必要と考えます。  ここで質問です。  在宅の要介護者などを含め、宿泊療養者や自宅療養者などの急な体調悪化の際の入院先の確保についてどこまで整備されているのでしょうか、お聞かせください。  あわせて、入院先への患者移送についても整備すべき事項として挙げられております。救急車の利用による患者移送も可能ではありますが、これをしてしまうと、救急隊の本来業務に支障が出ることも考えられます。ですから、介護タクシー事業者等への外部委託を検討し、事前に契約事務等を行っておくことが望ましいと、これも書かれております。  ここで質問です。  入院先への患者移送について、どこまで整備されているのでしょうか、お聞かせください。  次に、保健所の役割として、地域医療との連携強化について質問します。  コロナ禍において保健所に求められる業務は多岐にわたる膨大なものであることは理解しておるのですが、いろいろな対応が後手に回っていると感じているのは私だけではないのではないでしょうか。現在の時点から保健所の体制を見渡せば、人員不足が原因で対応が後手に回っているなどという結論に至るかもしれません。しかし、私は、準備不足が大きな原因であると考えています。  なぜかといいますと、インフルエンザ等行動計画では、ウイルスの発生に至る前の未発生期に準備しておくべき事項が記載されています。一例を挙げますと、保健師等が担当している疫学調査においては、発生の規模が大きくなった際に備え、一定の研修を行った人員を育成しておくこととありますが、もしこれが十分にできていれば、連日獅子奮迅の働きをしている保健師の業務負担は相当量減っていたはずです。先ほど質問した在宅の要介護者に対する医療提供体制を整えておくことなども、未発生期に準備しておく事項として挙げられております。これらの未発生期の準備が不十分であった結果、次から次にやってくる日々の業務に対応することで精いっぱいという今の状況が生まれたのではないかと考えます。  しかし、準備が不十分であったことを嘆いても仕方がないので、ここからは、保健所の体制として今後何が必要かという話をします。  先ほど医療者として本市が展開する医療施策の今後が見えてこない現状には不安を感じるというようなことを申し上げましたが、これは何も私の意見ではないのです。地域の医療者からいろいろな質問を頂きます。西宮市の1次救急はどういうふうに維持していく予定ですかとか、要介護者の受入れ体制はどうなっているのかなどと質問を頂けば、担当課に問い合わせて確認します。しかし、まだ決まっていないというような回答が多かったのです。ですから、今回のような一般質問が出来上がったのですが、要するに、地域の医療課題は地域の医療者が行政より先に把握しているということです。そして、その医療課題は医療施策を立案する際に重要ですし、立案された施策を実行していく上で医療者の協力は必要不可欠です。  今回、コロナウイルス感染症の対応は、非常事態の対応であり、災害対応であると私は認識しています。地震や津波等の災害が発生した際は、保健所内に保健所長を長とした西宮市医療救護活動本部が立ち上がる仕組みとなっており、地域医療との連携とともに医療救護活動に当たることとなっています。しかし、感染症の際はこのような仕組みになっていないため、今回、地域医療との連携が円滑に行われていないケースが生まれたのではないでしょうか。そして、これが保健所の対応が後手に回っていることの原因の一つだと私は考えています。ですから、今回のコロナウイルス感染症に関しても、地震や津波等の災害と同様の仕組みが必要であると考えています。医療連盟の6師や介護に携わる方々、1次救急や2次救急の担当者、これに保健所や中央病院を含めた、地域医療を支える上で欠かせない方々が一堂に会して、課題を共有し、それに対する方策を協議していく必要があると考えています。会議自体は密を避けなければならないので、ウェブなどでもありだと考えていますが、ここで質問します。  コロナ禍における保健所体制がこのままであれば、さらなる対策の遅れが生じ、市民の健康が脅かされる事態を招く危険性があると考えております。今後は、会議等の開催も含め、地域医療との連携をさらに密にし、保健所体制を強化すべきと考えるが、市のお考えをお聞かせください。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁を求めます。 ◎市長(石井登志郎) ただいまの質問については、私からお答えをいたします。  まず、急な入院についてですが、新型コロナウイルス感染症に罹患された方が判明した際、保健所は市内で入院が可能な医療機関と速やかに入院調整を行っており、検査結果が陽性と判明してから数日以内には入院していただいております。また、その入院調整がつかない場合には、兵庫県が設置している新型コロナウイルス入院コーディネートセンターを通じて、県下にある医療機関と入院調整を行うスキームとなっております。これまでこのスキームにおいて入院に至らなかったケースは、現時点ではございませんが、今後の患者の増加に伴い、入院することができない状態に至ることを懸念しているところでもあります。  御質問にありますとおり、新型コロナウイルスに感染しているか分からない要介護者などが急な発熱などで体調が悪化した際、新型コロナ禍において医療機関の受入れ先を見つけるのが困難であったケースも実際にありましたが、地域の医療機関の御協力、御支援により、結果的に受診や入院に至っているのが現状であります。今後、新型コロナウイルスの感染拡大により患者が増加することで医療機関の状況は刻々と変化してまいりますが、県や医療機関等との協力、支援、連携の下、患者が適切にかつ円滑に入院等をすることができるよう、市と県が協力しながら、入院病床数の確保等に努めてまいります。  入院先への搬送につきましては、保健所の公用車や兵庫トヨタ自動車株式会社から借用しております搬送車を活用して市職員が患者搬送を行っており、緊急で患者搬送が必要な際は、消防局の協力・支援の下、救急搬送を行っているところであります。また、患者の増加に伴い保健所で患者搬送が困難である際は、県が委託契約を行っている民間救急を活用している場合もありますが、今後は、市が軽症者の病院への搬送を円滑かつ迅速に行うことができるよう、市独自で民間救急事業者と委託契約することも視野に入れて検討してまいります。  次に、地域医療との連携強化についてお答えをいたします。  今般の新型コロナウイルス感染症のように非常事態宣言が発令されるような感染症の発生につきましては、市としましても、災害の発生に準じたような医療体制が必要であると認識をしております。今後は、医療機関をはじめ、1次・2次医療救急や高齢者・障害者施設等の関係機関と情報を共有できる、西宮市災害医療救護連絡協議会のような地域医療の連携強化が図れる場を設けていくことを検討し、さらなる保健所体制の強化に努めてまいります。  以上です。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。 ◆7番(うえだあつし) 丁寧な御答弁ありがとうございます。  まず、急な入院については、受入れ先の入院病床を確保していくとともに、入院先への搬送に関しても本市独自のルートを構築していただけるとの御答弁でしたので、心強く感じております。保健所公用車やトヨタから借用した搬送車を活用する話もありましたが、車があっても、それを運転する人員がいなくては話になりません。特に夜間、休日の市民が不安に感じる時間帯にこそ体制を強化していただきますようお願いいたします。  今回、この質問を選んだのは、在宅で療養している要介護者の御家族から、もし発熱した際にコロナウイルス感染症疑いとしてどこも受け入れてくれなかったらどうしよう、夜も寝られないといったようなお話を伺ったり、また、在宅訪問医や介護職の方から、受入れ先や搬送先が決まっていなければ患者に対して安心感を与えることができないといったお話を何度も伺ったからです。このような話を私に聞いてくる方が多数いるという背景は、保健所業務が市民に知れ渡っていない、入院病床の確保や患者搬送の体制の強化が行われていることを理解していただけていないということなんだと思います。ですから、今後、このようなことはしっかりと周知していただき、市民に安心感を届けていただきますようお願いいたします。  次に、地域医療との連携強化についてです。  災害時の集まりについて、随分前に会議体というのがあって、会議をしておりました。その会議のメンバーに、私が議員になる前でしたので、薬剤師会の代表者として入っておりました。そこの先生方と今回もよくお会いしたんですけど、あの集まりは何だったんだ、せっかくつくったのに、地震とか津波のときしか使わないのかというようなことをおっしゃられたんです。おっしゃられた背景というのは、やはり市の方針が地域の医療者に伝わっていなかったということが一番だと思うんですね。ただ、今後は、地震や津波等の災害発生時と同様の連携強化を図ってくださるということでしたので、一安心しました。  今回のコロナ禍における医療施策はいろいろと後手に回っていました。地域の医療者が現場で把握していた問題点が、私が一般質問に取り上げるこの日まで残っていたことからも分かります。もし西宮市がコロナウイルス感染症対策本部を立ち上げた時点で西宮市医療救護活動本部のようなものが立ち上がっていれば、そして、そこで連携が密に取れていれば、PCR検査体制の強化も、2次病院群の協力による1次救急の拡充も、既に完成していたのだと私は思っています。  議員の仕事の一つは市民の意見を代弁することですから、私が医療者の意見を議場において代弁することは当然の仕事ではあるのですが、ただ、できれば、行政と地域医療が直接課題を共有し、解決していく、このような仕組みであれば、より多くの患者の命や健康を守れる体制づくりが一歩、二歩早く構築されるのではないかと思っております。  9月4日に、厚生労働省から保健所に届いている通達――「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について」というのが来てますので、もうこれは十分読み込んでいただけていると思っております。この中で、救急医療やPCRのことももちろん書いてあるんですが、日中の発熱患者の診察や検査を行う体制の整備であったり、例年の実績を踏まえたインフルエンザ抗原検査の体制整備というのを10月中に行うように保健所に連絡が来ているはずなんですよね。ただ、これを行おうと思えば、地域医療機関と協働しなくてはできない案件だと思っております。今のままの保健所体制では、この整備は難しいのではないかというふうに私は思っています。ですから、1日も早く、しかるべき場で、地域医療を交えた対策会議を開いて、西宮市の医療施策をよいものにしていただきますよう要望いたします。  最後に、地域の医療者は、いつでも患者のために働いております。ですから、何か協力が必要なことがあれば、いつでも全力で協力しますよといった心持ちで行政からの連絡を常に待っております。ですから、遠慮なく地域の医療者を頼っていただいたらいいよというふうに、今回、いろいろな方とお話をしたところ言っておりましたので、何か困ったことがあった際には、会を通してもいいですし、直接でもいいですし、一報を頂ければいいのではないかなと。何とかこの冬を乗り越える体制づくりを構築できることを祈念いたしまして、私、うえだあつしの一般質問を終わりにいたします。  ありがとうございます。(拍手) ○議長(澁谷祐介) うえだあつし議員の一般質問は終わりました。  次に、よつや薫議員の発言を許します。    〔よつや薫議員登壇〕 ◆21番(よつや薫) 皆様、こんにちは。  早速ですが、本日最後の質問者ですので、質問を始めたいと思います。  当初一括方式で、質問は全て壇上より行います。  まず、最初の質問項目、今後を見据えた保健所の即応体制の整備についてであります。  新型コロナウイルス感染症――以下「コロナ」とのみ申しますが、これに関する質問であります。本年春先の見通しとして、感染症の専門家の多くは、夏から秋にかけて感染状況が縮小していくのではないかというふうな予測がありました。しかし、残念ながら、7月から8月にかけて再び感染者が拡大し、第2波ではないかという状況になりました。私たちは、この見えない敵に対して、様々に自衛の予防手段を講じても感染が起きてしまう、いまだに実態の全容を把握し切れていないこの未知のウイルスの厄介な面を思い知らされております。  今期の一般質問でも、先ほどのうえだ議員もありましたけれども、何人かの方がコロナ関連で既に質問をされていましたが、本日は、特にコロナ対策の一方の最前線に立っている保健所の人員体制についてお聞きしたいと思います。  本年6月19日、都道府県及び保健所設置市に対し、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部より、「今後を見据えた保健所の即応体制の整備について」という事務連絡が出されております。その事務連絡に関する質問であります。  この質問をするに当たって、保健所の新型コロナウイルス感染症対策室――以下「対策室」と言います――にヒアリングをさせていただきました。資料の【1】を御覧ください。感染の疑われる患者対応等を簡単ではありますけれども図示し、ヒアリングから分かった具体的な業務内容を少し書き出しております。  例えば陽性患者が増えると、濃厚接触者も増えます。1人に対して四、五人、あるいはそれ以上増えるかもしれません。状況によってもっと増えるかもしれないという状況です。その濃厚接触者全てにまず検査をしてもらわなければならない、その検査で陽性者が出たら、またその濃厚接触者の検査をしなければならないという繰り返しでありますけれども、図で言いますと、Xさんという濃厚接触者の1人だったBさんが陽性であれば、またその濃厚接触者とされたEさんからHさんまでの検査依頼、そのそれぞれの人について、陰性の場合は2週間の健康観察をお伝えし、その間の文字どおり観察も職員の仕事として増えるわけです。陽性の場合は入院手続に入ると。  そして、その間、並行して行う作業として、医療機関との受診調整・入院調整、勤め先など濃厚接触者がいる施設等の調査――これは紙ベースでは少し異なった書き方をしておりますけれども、施設等の調査であります。それから、患者発生状況の公表、患者・接触者の情報の取りまとめ、国への報告――システム入力、検査費用、宿泊・入院費用などの国への請求業務、そして、その他として、他市の患者の濃厚接触者が西宮市民の場合の調査、また、空港検疫対象者――入国者の健康観察などなどがあります。患者が同じような数字で続くとすれば終わりが見えないし、感染状況が拡大すると、人員体制が即逼迫するのではないかと推測できます。  これらの業務について、どのような人員で対応していくのかという調査が厚生労働省から事務連絡としてこの6月19日と6月29日に届いているわけであります。  今後を見据えた保健所の即応体制の整備に向けた指針では、総務主幹部局とも連携し、保健所の即応体制を整備するため、全庁的に取り組んでいただきたいということが述べられ、また、新型コロナウイルス感染症対策専門会議の新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言、これは2020年5月29日ですが、これでは、これまでの取組を踏まえ、今後、感染拡大の局面を見据え、相談から検査を受けられるまでの日数の短縮や積極的疫学調査を行う人材の育成、クラスター対策の抜本的強化、感染情報や感染状況の的確な把握等をできる体制の整備などの必要性を指摘しています。
     そして、保健所の即応体制の整備を検討する上での最大需要の想定について、今後の感染拡大局面を見据え、これまでの当該都道府県や全国的な感染拡大の状況を踏まえるとともに、それを上回る感染拡大も視野に置いて、ピーク時における陽性者数、検査実施件数、相談件数などの最大需要を想定することが必要であるとして、その上で、この資料にありますように、最大新規陽性者数、最大陽性者数(患者推計における最大療養者数)及び最大自宅療養者数、最大検査実施件数、そして、最大相談件数と。これらの各数字の報告を求めています。  また、想定される業務と必要となる人員数の設定、対応策の検討についてとして、今後の拡大局面を見据えて、陽性者数、検査実施件数、相談件数などの最大需要の想定を踏まえ、対応に必要となる人員数を、技術系職員や事務系職員等の職種別に設定した報告として、資料のように(0)から(6)までの7項目ありますが、マネジメント・情報管理、相談対応・受診調整、検査実施、入院調整等、積極的疫学調査、健康観察等、その他事務の各人員について、このとおり既に報告されています。  この中で、1日当たりの最大人数である最大需要想定とそれに対応する最大必要人員及び対応方針の各項目に西宮市としての数字を入れていますが、最大需要想定の数字のうち、最大新規陽性者数以外は、これは県が県内の合計数値を人口比で割り戻して算出し、国に対して報告していた数字でありまして、実数とは少し異なります。また、「積極的疫学調査」という言葉が出てきていますけれども、これは、感染症法に基づいて個人情報を厳重に管理しながら、患者の属性や症状、その経過、渡航歴、行動歴などを調査し、全体として集計した後に、今後の適切な治療や効果的な感染拡大防止対策に確実につなげていくためのものであります。  この調査の事務連絡が厚生労働省より来たのが6月であり、数値を報告したのが7月上旬とお聞きしておりますが、その頃は、一旦収まるかもと見られていた感染状況だと思うんですけれども、その後、7月から8月にかけて第2波と思われる感染の拡大があり、そこで濃厚接触者の業務も大きく加わり、全体の業務がさらに増大したのではないかと考えられます。  そこで質問です。  1点目として、この各数字を見るまでもなく、既に業務過多に陥りやすい部署は保健所内で幾つもあるのではないかと思われますが、特にこの数字で示される人数でどの業務が人員として最も逼迫しやすいのか、まずお答えください。また、その業務について、不足がちになる人員体制でどのようにその業務を回していくのかもお答えください。  2点目として、例えばそれまで2人、3人の陽性患者数だったものが急に最大の人員――ここに掲げられてます8人あるいはそれに近い数字、人数に増えた場合、どのように対応されているのでしょうか。  3点目として、保健師5人を急遽この間募集されています。5人で感染症対策を補い切れるのかという点もお答えいただきたいと思います。  次に、大きな2点目に移ります。電力の環境配慮調達についてであります。  2015年12月に採択され、2016年11月に発効した国際条約でありますパリ協定は、世界の温室効果ガス排出量を今世紀後半に実質ゼロにし、産業革命以来の気温上昇を2度未満、できれば1.5度未満に抑えるとの目標を掲げています。しかし、仮にこのパリ協定に基づく各国のCO2削減目標が達成されたとしても、今世紀末には世界の気温は3度上昇すると国連は警告しています。  気象庁によりますと、本年8月の日本の平均海面水温は、東日本と西日本、沖縄、奄美の太平洋側の広い範囲で30度近い領域が広がり、特に沖縄の東では30.7度と平年より2.1度高く、四国・東海沖では29.8度、平年より1.7度高くなっており、いずれも1982年の統計開始以来最も高い水温になったということであります。海水温の上昇は、今般の大型台風の発生を引き起こすのみならず、海洋生物の生態系にも多大な悪影響を及ぼします。地球温暖化の影響が今後も厳しく拡大していくのではないかと大いに懸念されるところであります。  国際社会がこぞって取り組まなければならない問題であるだけでなく、各国あるいは各自治体でも、今できる事を緊急に取り組まなければなりません。その一つの問題として私たちが日常に使う電力の電源についても、深刻に考えなければならないことと考えます。  さて、この電力の自由化の流れについては、2003年の制度改正以降、50キロワット以上の高圧電力の施設に参入が可能となり、西宮市も、この点、積極的に取り組んでこられました。これに関連して、2012年3月――8年前になりますけれども、一般質問で、既に入札による電力調達を本庁舎や中央病院、西部総合処理センター、下水の各ポンプ場などで実施されていることが明らかになりました。また、全く手つかずであった教育委員会の各学校園の施設などの入札にも取組を始めていただくことになり、経費の削減という点では、大きく進めていただいたという経緯があります。  現在もこの電力入札は各施設で実施されていますが、CO2の削減という点で言えばどうでしょうか。前後しますが、2010年、既に市は、電力の一般競争入札における環境配慮に関する手順書を定め、その電力の環境配慮調達評価基準に従って入札が行われています。資料、質問2の【1】がその評価基準の一部抜粋であります。西宮市では、環境配慮契約法に基づいて、環境省で示された配点例に倣って、前年度の1キロワットアワー当たりの二酸化炭素排出係数、未利用エネルギー活用状況、再生可能エネルギー導入状況について、資料の1に挙げておりますような配点で行われています。加点評価項目としては、環境マネジメントシステムの導入状況、市内における環境活動への参画と協働の実績、需要家への省エネルギー・節電に関する情報提供の取組があればそれぞれ5点が加点されるとされています。  この間、幾つかの他の自治体では、地球温暖化対策や原発を含めた環境に多大な負荷を与える電源を深刻なものと受け止め、より合理的で環境に負荷を与えない電力調達を進めていけるよう、入札方法や評価基準の見直しを行っている、そういう自治体が増えつつあります。  例えば資料の【2】ですが、東京都世田谷区では、再生可能エネルギーが20%以上で25点という配点になっており、資料の【1】の西宮市の7.5%以上で20点よりも高い点数で、踏み込んだ配点になっております。これは、本年1月に改定されたものであります。同じく東京都江戸川区は、さらに、50%以上で35点と踏み込んではります。一方、大阪府の吹田市は、CO2の排出係数そのものを評価項目に入れておらず、環境配慮契約法に基づくというよりも、全く独自の評価方式にしておられます。再生可能エネルギーの種別を主な評価基準にして、30%以上を70点にして、原発を電源の一つとする関西電力が参入できない基準となっており、ある意味非常にドラスティックな思い切った基準を取っておられると言っていいかと思います。また、東京都羽村市では、総合評価落札方式を取り、環境配慮基準に基づく得点と電気料金による得点の合計点で評価する方式を取っておられます。昨年は、一番安い入札額の電力会社ではなく、再生可能エネルギー利用率の高い事業者であり、価格は3番目の事業者が総合評価で落札となっています。  以上、他の自治体の先進事例を踏まえて質問いたします。  今後、より環境に配慮した評価基準に改定し、再生可能エネルギーの利用率の高い事業者へのシフトが進むよう、電力の環境配慮調達評価基準を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、大きな3点目であります。2020年税制改正後の寡婦控除に現れた問題についてであります。  これは、本年――2020年の税制改正によって、これまで続いてきた所得税、住民税の寡婦(夫)控除について、未婚の独り親世帯にも同様に控除ができるように改められた税制の問題です。一義的には国の税制ですが、その税制度にのっとって各自治体が所得税、住民税の税額あるいは控除された所得金額に従って、各事業の使用料などを算定するものとなっており、世帯が夫と死別あるいは夫の生死不明――これはまとめて以下「死別」とのみ言いますが――の女性、あるいは婚姻していたが、その後離婚した離別の世帯、そして、婚姻していないが独り親として子育てを行ってきた世帯との間で全く異なる扱い、つまり、前者二つの世帯は寡婦控除があるが、非婚の独り親世帯はその対象にならないという状況が国の税制によって長く続き、その問題点については、過去、2010年、2013年の本会議でも質問を行ってきたところです。  そもそも寡婦控除の制度は、第2次大戦で夫を失った、あるいは生死不明となっているその妻の経済的救済策として戦後に創出された制度です。しかし、その後、子を持たず、夫と死別した女性や独り親の男性にも対象を広げ、一度は結婚し、死別か離婚をした人に限定して続いてきた制度でありました。非婚の独り親だけを除外してきたこの点の法の下の不平等を是正するために、70年余りを経て、税制の改正が今般行われたものであります。  資料の質問3の【2】ですが、財務省のホームページからのものですが、これによりますと、現行のこれまで続けてきた寡婦(夫)控除に非婚の独り親が除外されていたことが分かります。その状況から、改正後は、右の表のように、扶養家族の子のある未婚の独り親にもこれまでの寡婦控除と同様の控除額35万円が新たに設定されたものです。多くの当事者、非婚の独り親世帯あるいは当事者の団体なども画期的な改正と評価はしています。  ところが、新たに別の問題が明らかになっております。この表をよく見ていただくと、「未婚のひとり親」の欄で、子以外の扶養家族がある場合、表の未婚の独り親35万円の下の枠、太い点線で囲んでいますが、その枠がバーになっています。死別、離別の世帯と異なる扱いになっています。子以外の扶養家族とは、配偶者以外の親族――6親等以内の血族及び3親等以内の姻族、または都道府県知事から養育を委託された児童、いわゆる里子や、市町村長から養護を委託された高齢者で、生計を一にしており、その合計所得が38万円以下であることとされています。  つまり、子以外の扶養家族を持つ死別、離別の女性あるいは扶養家族のない死別の女性への寡婦控除はそのまま該当するのですが、子以外の扶養家族がある未婚の独り親はまたしても除外されるという形をつくり出しています。死別の場合は、扶養家族のあるなしにかかわらず、一生寡婦控除がつき、離別の場合は、扶養家族がいれば寡婦控除があります。しかし、非婚の独り親は、子以外の扶養家族がいても同様の控除がつかないということになってしまったわけです。この点で、新たな法の下の平等に反するのではないかとの指摘を当事者である市民の方から御指摘を頂きました。そして、今回の質問をしようとした趣旨がそこにあります。  この点について、関係すると思われる各局の関係課など四つの局からヒアリングを行い、こちらの指摘については、それぞれ確認はさせていただいたと思っていますが、国の税制の結果であることなどから、質問自体は、今回はあえて取りやめまして、問題提起のみとします。後ほど対面式質問席から、市の取り組んでこられたこれまでの事業との関係を含めて、一言意見だけ述べたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) これより当局の答弁を求めます。 ◎健康福祉局長(山本英男) 1番目の今後を見据えた保健所の即応体制の整備についての御質問にお答えします。  まず、保健所内で最も人員が逼迫しやすい業務についてですが、現在、新型コロナウイルス感染症対策室には、合計約70名の職員が所属しており、そのうち約40名が現場で業務に従事しておりますが、過去に患者数が急増した際には、職員の超過勤務及び休日出勤が増加し、過重労働が発生しておりました。このため、電話相談窓口や濃厚接触者との連絡、受診調整等の窓口につきましては、複数名の保健師や看護師といった医療職を派遣会社から配置し、正規職員の負担軽減を図っております。  保健所内で最も人員が逼迫しやすいのは、陽性患者に対する積極的疫学調査や医療機関との連絡調整、患者情報の集約、国、県への報告等、患者数の増加に直接影響を受ける業務を担当している調査チームです。同チームにつきましては、不足がちになる人員体制を踏まえ、保健師、事務職ともに正規職員の応援を増員することで、交代制の勤務が可能となる体制を構築すること、対策室内の役割分担を見直すことなどにより、業務負担を軽減すべく取り組んでおりますが、恒常的に業務量が多く、また、保健師が患者の気持ちに寄り添って丁重に対応を行っており、患者数が急増すると、直ちに人員が逼迫し、業務過多に陥る可能性が高い状況にあります。  次に、患者数が急増したときの対応についてお答えします。  新型コロナウイルス感染症対策室では、担当業務ごとに交代制の勤務が可能となる体制の構築を進めておりますが、患者数が急増した際には、交代制勤務の中で出務予定のない職員にも急遽出務するよう依頼し、出務可能な職員によって、臨時的に増員することで対応しております。  次に、保健師の新規募集による体制強化についてお答えいたします。  現在、新型コロナウイルス感染症対策室に所属する保健師は32名おり、4名から5名が常時、それ以外は交代制で業務に従事しております。今回募集した5名のうち対策室に配属される人数は未定ですが、新型コロナウイルス感染症につきましては、今後の感染状況の動向が予測しづらいこともあり、保健師を数名増員することで感染症対策が補い切れるとは言い切れません。増員によって現在所属する保健師の負担につきましては一定程度軽減できると考えておりますが、さらなる体制強化につきましても、引き続き検討してまいります。  以上でございます。 ◎環境局長(宮島茂敏) 次に、2番目の電力の環境配慮調達についての御質問にお答えいたします。  本市では、電力の一般競争入札における環境配慮に関する手順書を定め、本庁舎や学校園、公民館、運動施設、西部及び東部総合処理センターなどの施設において、この手順書に沿った入札を実施しております。手順書では、二酸化炭素排出係数、未利用エネルギーの活用状況、再生可能エネルギーの導入状況、環境マネジメントシステムの導入状況、市内における環境活動への参画と協働の実施、需要家への省エネルギー・節電に関する情報提供の取組といった項目を評価項目とし、合計点が100点満点中70点を上回る小売電気事業者に入札参加資格を付与する仕組みとしております。  本市の手順書では、再生可能エネルギー比率を環境省内の施設に適用される指針に準じて評価しておりますが、議員御指摘のとおり、江戸川区などのように、配点基準の見直しにより再生可能エネルギーの導入比率を重視する方式や、吹田市のように、二酸化炭素排出係数を評価基準に入れず、再生可能エネルギーの比率を最重要視する方式を採用する自治体もございます。また、世田谷区では、今年4月の時点で、本庁舎ほか出張所やまちづくりセンター、地区会館など73施設で、使用する電力を再生可能エネルギー100%の電力に切り替えています。  これらの市の制度のように、電力の環境配慮調達評価基準を見直してはどうかとの御提案ですが、評価基準の設定に当たっては、環境負荷低減に関する取組状況の評価が重要なことはもちろんですが、一方で、多くの事業者が入札に参加し、競争性を確保することで、コストの削減につなげることも必要であると考えております。今後とも先進市の取組状況を調査研究するとともに、経済性に留意しつつ、より環境に配慮した電力調達制度となるよう、庁内の関係部局とも協議し、本市が率先して取り組むべき地球温暖化防止対策について検討を進めてまいります。  以上でございます。 ○議長(澁谷祐介) 当局の答弁は終わりました。    〔よつや薫議員「対面式質問席」使用〕 ◆21番(よつや薫) 質問をしました項目について、御答弁いただきました。  それで、順番が逆になりますけれども、大きな三つ目の、これは本来質問をするべきだったのでありましょうけれども、なかなかいろいろ難しいところがありまして、3点目から意見だけ申し上げますけれども、税制改正後の寡婦控除の問題ということで、そもそも論ですけれども、先ほども言いましたけれども、第2次大戦後に働き手としての男性を失った女性の救済策としてできたもので、戦後75年を経てどうなのかという問題もあります。それは国の問題ではあるんでしょうけれども、少子社会が進み、子育てに死別、離婚、非婚の独り親を区別して差別的扱いをしていく必然性、必要性がもうないんじゃないかという、そういう疑問です。  離婚以上に非婚の独り親世帯の増加率が大きくなっておりまして、これは10年前にも既に指摘しているんですけれども、今後も増えると予想されています。参考資料で挙げました寡婦(夫)控除のみなし適用対象事業に関連してですけれども、10年前に、これは共産党の野口議員からも予算特別委員会などで何度も丁寧に質問されて、いわゆるみなし適用によって所得額を算定し、保育所の保育料や育成センターの使用料などの算定をしていくという方向に市が大きく踏み出したという、これは前市長の時代ですけれども、そういう現在の事業、保育所の保育料もあります。  今回の問題は、子供たちの子育ての中でこういう減免対象というのではなくて、子育てを終えた独り親で、子供以外の扶養家族のある世帯も対象となる事業があるのではないかという大きな疑問があったわけです。ここで挙げております、福祉局の関連が多いんですけれども、理論上は対象となる世帯が私はあると思ったんだけれども、実際、ヒアリングしますと、この4年間実施してきて、そもそもの申請がなかったという、そういうことをお聞きしたので、それやったら質問しても仕方がないと思ったので質問自体をやめようと思ったわけです。  ただ、この議場やネット傍聴されている方には、これが何のことやって分かれへん方が多いかと思いますけれども、問題点の所在は、各担当部局の方はもう分かっておられると思うので、この所在を確認していただきたいと、あえて通告をした上で述べた次第です。この事業がまだ続いておりますので、みなし寡婦(夫)控除の対象事業というのがありますので、それに関連しては、後日の決算特別委員会の分科会のほうで改めて質問していきたいと思っております。  この点は以上です。  次に、二つ目の大きな質問の電力契約の入札の問題ですけれども、入札の参加資格を、お答えの中で、合計点が、これはそういう設定をしているわけで、合計点が100点満点で70点以上が入札に参加できる、それを上回る小売電気事業者に参加資格を付与する仕組みと。それでいいのかという点が今回のポイントの一つです。一番大きなポイントです。  西宮市の各施設の電力調達、どの小売電気事業者と契約しているのかということも、これは所管課からあらかじめ頂きました。今年の契約状況は、意外と、関西電力がほとんどなくて、そういう意味では、いわゆる寡占的な電力の状況から解放されつつあるのかなというところではあるんですけれども、実際に二酸化炭素の排出係数は各社でどの程度なのかというのを今後精査して、その内容を比較する必要はこれからあるのかなと思っています。  入札額そのもので契約事業者を決めてはるわけで、例えば、先ほど壇上から言いましたように、東京都の羽村市のような、入札の点数そのものに影響する総合評価落札方式を導入したらいいのではないかと私は一つ思っています。それから、吹田市の取組も非常に刺激的ではありますし、改めて、原発を電源とする大手電力を購入することに駄目なんだという意識を示されているんだと私は思っております。  この点は別の機会に改めて述べたいほどなんですけれども、福島第1原発事故以来、福井県の関西電力の敦賀、美浜、大飯、高浜の各原発15基の万一の事故の場合の関連の質問も過去何度かしているわけですけれども、最短距離で言うと、改めて言いますけど、西宮市は100キロ圏内にあるという指摘もあえてここでしておきます。何か起きたときに、そういう電源を使い続けてよかったんですかということになるかと思います。  また、市のCO2の削減目標ですが、2010年に設定され、2020年の目標と。今年が目標の年限だったわけですけれども、その点は今後、今年が終わってみないとそれは分からないんですけれども、宿題として残っています。  この二酸化炭素――CO2の削減目標自体は、今年の3月の予算特別委員会の民生分科会のほうで、これは河崎議員のほうから質問されていたようですけれども、環境局が、CO2の削減目標等については、今年度、省エネ行動モニター事業というのをやっておりまして、市民の方に電気使用量とかを報告してもらうという制度、これを来年度分析して、新たな目標設定をしていく予定だということです。新たな目標設定をした上で、今後どのような施策を取っていくのかというのを次年度、つまり今年だと思うんですけれども、次年度を含めて検討していきたいと思っておりますというお答えでした。削減目標自体は、来年度――今年設定するということですけれども、文字どおり、これは喫緊の課題として早急に取り組んでいただいて、その数値目標に沿った電力契約の在り方を見直していくべきではないかなと思っています。  目標や計画、いろいろありますけれども、地球の温暖化のほうが早く進んでいるんじゃないかなというふうに私は感じています。昨今、この気象ですね、気候の中に生きている者の1人として、非常に焦りさえ感じています。  最後に、御答弁の中で、先進市の取組状況を調査研究するとともに、経済性に留意しつつ、より環境に配慮した電力調達制度となるよう、庁内の関係部局とも協議し、本市が率先して取り組むべき地球温暖化防止対策について検討を進めるというお答えでありました。経済性に留意することは入札で一定達成できると思いますけれども、そちらに偏り過ぎると、目先の経済性に目を奪われた結果、大きく言えば、先ほど壇上から言いましたように、歴史的に言いますと、産業革命以降、地球温暖化が進んできたと言っていいわけですね。ぜひCO2の排出削減を第一と考えた電力調達のありように見直していただきたい、これは強く要望しておきたいと思います。  次に、1番目の大きな質問でありました、これは、保健所の即応体制についてであります。保健所、先ほどうえだ議員も質問されていましたけれども、いろんな側面がありますので、これは即応体制、人員体制ですね。こんなふうに議員が質問すること自体、私は非常に遠慮がちといいますか、それほど大変な状況なんじゃないかなというふうに推測しておりました。それでも、どういう状況かということはやっぱり市民の皆さんにも知っていただかないといかんし、実際にどういうところで改善できるのかということも知っていただいたらいいと思って、あえて質問しました。  コロナ自体は、先ほども言いましたように、未知のところが大きいということで、感染して、その後、体内に抗体ができても、患者によってはその抗体が比較的短期間に消えていくとか、これまでの感染症とは異なる側面が幾つかあるようであります。ワクチンの開発も一朝一夕には進まず、しばらく医療機関や保健所の業務が厳しい中で続くのかなというふうに推測いたします。  お答えでは、人員体制が逼迫しやすいのは、陽性患者に対する積極的疫学調査や医療機関との連絡調整、患者情報の集約、国、県への報告等、患者数の増加に直接影響を受ける業務を担当している調査チームということでありました。それが、業務量が恒常的に多いということ、そして、患者数が急増すると直ちに人員が逼迫し、業務過多に陥る可能性が高い状況にあるということもよく分かりました。  また、患者数が急増した際に、交代制勤務の中で、勤務予定のない職員にも急遽出務するよう依頼し、出務可能な職員によって臨時的に増員することで対応してきたということですが、これは実際に、当該各職員の方たちにしてみると、本当に働き方として疲弊するのではないかなというふうに推測します。  それから、保健師の新規募集の配属の件ですが、5人の採用、これが仮にできたとして、例えば近隣の他の政令市では、50人募集したというまちもあるようですが、どの自治体も結局必要な人材の引っ張り合いになるのではないかなと思っています。それは何よりも健康福祉局のほうがよくお分かりになっておられるでしょうし、それに対して、総務局の人事のほうでもよく把握しておられることだと思います。何とか職員の方たちが疲弊せずに、業務が回るようにしなければならないこともよく御存じだと思います。  保健師という専門職は、市役所全体でも相当数の方が必要だと。そこに対策室だけに急遽来てもらうということになりますと、もともと必要な部署にそれぞれ配置しているのに、その人に対策室に来てもらうということになると、逆にこっちが手薄になるということになりますよね。だから、非常に、いうたら、なるべくたくさんの人材を確保するべきではないかなというふうに私は思っているわけです。必要な人材、人員、この件については、特に圧倒的に必要なわけですから、この際、職員定数についてももっと柔軟に対応されてはどうかなと思っております。  保健予防課の通常の人員は、資料の一番下にも少し挙げておりますけれども、保健予防課としては、保健師5名、看護師1名だったわけですけれども、それが技術系職員の対応人員は、内訳は、保健師、看護師ということで、先ほどの厚労省に報告する分ですね、対策室に現在所属する保健師さんは32名というお答えでした。この数字になるように、しかも、職員の人たちを疲弊させないようにするには、まず定数を広げることを前提に増員することも大きな方向ではないかなと思っております。ぜひこれはお願いしたいと思います。  この間、二つ目の質問の中で、地球温暖化にも実は大きく関連しているのではないかなというふうに考えています。温暖化の話に戻るようで恐縮なんですけれども、温暖化というのは、永久凍土を溶かして、そういう側面があるんですね、もちろん温度が上がるわけだから。溶けた氷から出たガスがさらに温暖化を加速する悪循環が指摘されています。永久凍土の融解による危険性はそれだけではなくて、新型コロナウイルスの危機にも通じる危険性をはらんでいるということであります。凍土の中に潜んでいた未知の細菌やウイルスが凍土の融解で地上に解き放たれ、様々な感染症を引き起こす可能性です。  国連の気候変動に関する政府間パネル――IPCCは、その報告書で、温室効果ガス排出量が大幅な増加を続ければ、地表付近の永久凍土のおよそ70%が失われるおそれもあると警告しています。  そして、その関連で、これは京都大学の総長で、人類学あるいは霊長類学者としてよく知られています山極壽一さんが、この間、コロナに関連して、示唆的な発言をされています。エイズ、エボラ出血熱、SARS、MERS、ジカ熱など、この数十年、ウイルスによる新しい感染症が増加しているにもかかわらず、今回の事態で大きく混乱をしてしまった原因は何なのか。さらに、たとえこの感染症が終結しても、もはやこれまでの状態に簡単に復帰できるとは思えない。強固な感染症対策を打ち立てることとともに、新たな経済秩序、国際関係、暮らし方を早急に考えていく必要がある。また、近年のウイルス性の感染症は自然破壊によって野生動物との接触を加速したことが原因である。さらに資源の開発が続けば、深海や氷河の下に眠っている未知の微生物やウイルスを引きずり出してしまうかもしれない。今、私たちに必要なのは、グローバルな地球と国の動きと、私たち自身の身近な暮らしの双方で人間にとって大切なことは何かということをじっくり考えることである。コロナ後にそれが決定的な効果を生むだろうと思うとの言葉を発しておられます。  翻って、保健所の対応は、このコロナ対応をうまくやり過ごせば元の体制に戻せばいいというわけにはもういかないのではないかと。コロナ後の世界は、これまでとは異なる状況を想定した体制を求められるということだと思います。これは、皆さん、私などから言うまでもなく、よく認識されていることだと思います。市長をはじめ関係部局は、そのあたりも既に見据えておられると思います。十分な体制を整えていただければと思います。  以上です。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(澁谷祐介) よつや薫議員の一般質問は終わりました。  以上で本日の日程は全部終了しました。  次会は、明日9月8日午前10時から本会議を開くことにします。  なお、ただいま議場に在席の議員には、文書による開議通知を省略させていただきますので、御了承願います。  本日は、これをもって散会します。  御協力ありがとうございました。    〔午後4時35分 散会〕...