西宮市議会 2019-06-28
令和 元年 6月(第 1回)定例会−06月28日-06号
令和 元年 6月(第 1回)定例会−06月28日-06号令和 元年 6月(第 1回)定例会
西宮市議会第1回
定例会議事日程
(令和元年6月28日午前10時開議)
日程順序 件 名 ページ
第1 一 般 質 問
発言順序 氏 名 発言時間(答弁を含む)
1 澁 谷 祐 介 67分 179
2 篠 原 正 寛 73 189
付託区分
第2 199
議案第1号 西宮市
附属機関条例の一部を改正する
条例制定の件 (総 務)
議案第2号 西宮市
市税条例等の一部を改正する
条例制定の件 ( 〃 )
議案第3号 西宮市
火災予防条例の一部を改正する
条例制定の件 ( 〃 )
議案第4号 西宮市
農業共済条例の一部を改正する
条例制定の件 (民 生)
議案第5号 西宮市
食肉センター条例の一部を改正する
条例制定の件 ( 〃 )
議案第6号 西宮市
食肉地方卸売市場条例の一部を改正する
条例制定の件 ( 〃 )
健康福祉局長 山 本 英 男 川 畑 和 人
こども支援局長 時 井 一 成
代表監査委員 亀 井 健
環境局長 須 山 誠 監査委員 鈴 木 雅 一
都市局長 清 水 裕 文
農業委員会会長 松 本 俊 治
職務のため議場に出席した
事務局職員
事務局長 北 林 哲 二 係長 大 西 正 幸
次長 岩 田 重 雄 副主査 池 田 祐 子
議事調査課長 新 田 智 巳
〔午前10時 開議〕
○議長(
大石伸雄) おはようございます。
ただいまから
西宮市議会第1回定例会第6日目の会議を開きます。
現在の
出席議員数は39人であります。
本日は、
川村よしと議員から所用のため欠席、以上のとおり届け出を受けております。
本日の
会議録署名議員に、会議規則第87条の規定により、
一色風子議員、
菅野雅一議員を指名します。
本日の議事日程は、タブレットに配信またはお手元に配付のとおりであります。
これより日程に従い議事を進めます。
日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。
順序に従い発言を許します。
まず、
澁谷祐介議員。
〔
澁谷祐介議員登壇〕
◆28番(
澁谷祐介) 皆様、おはようございます。
会派・ぜんしんの
澁谷祐介です。
傍聴席の皆様、お忙しいところ、本当にありがとうございます。
インターネット中継をごらんの皆様、
さくらFMをお聞きの皆様には、資料を使っての説明が多くなっております。わかりにくい部分もあろうかと思いますが、御容赦ください。
それでは、新しい任期を迎え、再び市政が抱える多くの課題に取り組む機会をいただいたことに感謝しまして、会派・ぜんしんの一員として一問完結方式で一般質問を行います。
1点目、
学校園等文書集配業務についてです。
同業務は、西宮市
教育委員会事務局と学校園、図書館などの教育機関や支所、
サービスセンターなど市の施設の間でやりとりが必要な文書等を集配する業務です。文書の集配は委託業者が行い、
集配対象は、一
般庁用文書、資料、教材、パンフレット、
ポスター等、本市の必要とするものとなっています。
資料@をごらんください。
2017年度時点では、
当該業務として、市内144施設について、12月29日から1月3日の年末年始を除いて、平日は毎日文書を集配していました。しかしながら、私の指摘を受けて、2018年度からは、文書量が少なく、集配の必要が低い、体育館、運動場などの運動施設、自然の家と
環境学習施設、
環境事業部、
大谷記念美術館等25施設については文書の集配自体を廃止、
地区公民館、
鳴尾図書館、フレンテ、
名塩和紙学習館等の22施設について、平日は1日置きの集配へと頻度を削減という二つの見直しが行われました。
このように見直しが進められたことは一定評価しています。しかしながら、やはり疑問に思う点があります。
一つは、学校園の
集配頻度についてです。夏休み、冬休み、春休みなどの
長期休業期間中、
集配対象の文書量は格段に減少するはずです。にもかかわらず、学校園の
長期休業期間中もふだんと同じく毎日文書を集配している現状には強い違和感を持ちます。
次に、学校も含めた施設全体の回収頻度についてです。そもそも各施設間、あるいは各施設と
教育委員会事務局との間で毎日文書を集配する必要があるのか疑問に思います。例えば保育所にも
朝日愛児館ほか62
施設文書配達業務という同様の業務がありますが、こちらの配達頻度は、毎週月・水・金及び毎月の初開庁日となっています。
学校園等文書集配業務と比較して、
集配頻度は格段に少ないのです。
それでは、以上の内容を踏まえて質問します。
学校園等文書集配業務の
集配頻度を見直すべきと考えるがどうか。
また、その前提として、各施設間でやりとりしている文書等の内容を確認、精査すべきと考えるがどうか。
一問完結方式ですので、以上で壇上からの質疑は終わりまして、以降の質疑につきましては、
対面式質問席にて進めさせていただきたいと思います。
御清聴ありがとうございました。
○議長(
大石伸雄) これより当局の答弁を求めます。
◎
教育次長(坂田和隆)
学校園等文書集配業務についての御質問のうち、まず、
集配頻度の見直しについてお答えをいたします。
教育委員会事務局や
市長事務部局と市内全域に点在する学校園、公民館など116ある施設との間で行う日常的な文書連絡につきましては、人件費や車両の
維持管理費、
事故リスクなどを考慮して、
信書便事業者に集配業務を委託しております。平成30年度の
教育委員会庁舎解体・移転の際には、施設環境や運用面での変更に伴い、
文書集配に係る費用が2倍程度に膨れ上がる可能性があったため、議員からの御指摘にもございましたように、集配車が巡回する施設数や頻度を大幅に見直し、ほぼ前年度並みにまで費用を抑えたところでございます。
しかしながら、依然として年間1,000万円前後の費用がかかっていることも事実ですので、事務の
効率性確保や集配車への積載量の関係から
集配頻度を全施設一律に下げることは困難ですが、御提案にございました学校園の長期休業中の見直しについてまずは取り組みたいと考えております。
次に、文書等の内容を確認、精査すべきとの御指摘につきましては、文書便の内容が、
財務会計帳票や人事関係などの有印文書を初め、国、県や市からの教材、あるいは児童生徒に配布するチラシや冊子類など、保育所の類似業務と比較しても、文書量、種類ともに格段に多い状況であることから、次年度に向けた見直しを進めるに当たっては、今後、
文書内容等の現状を確認するとともに、文書総量の削減を目指し、
ペーパーレス化などの推進につきましても各課への周知を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
〔
澁谷祐介議員「
対面式質問席」使用〕
◆28番(
澁谷祐介) 御答弁ありがとうございました。
まずは、答弁にあったとおり、学校園の長期休業中の見直しに取り組んでいただきたいと思っています。文書総量の削減や
集配対象・頻度の見直しは、事業費の削減に直結します。また、こういったところが減っていきますと、
文書受け渡しの事務も軽減できます。こうした視点を持ってさらなる見直しを進めていただきたいと思っています。
そもそもほかの業務で、頻繁に本庁に来所する部署であったり、郵送で十分な内容のものを集配する必要はありません。その点を整理するためにも、答弁にあった
文書内容等の現状を確認する、
ペーパーレス化などの推進につきましても各課への周知を図ってまいりたいとの内容を速やかかつ効果的に進めていただきたい。要望して、次の質疑に移ります。
2点目、
学校園等常駐警備業務の
発注方法見直しについてです。
現在、
市内公立小・中学校では、平日午前中の校門警備、夕方の施錠確認、漏水箇所の
発見対応等の業務を事業者に委託しています。
資料Aをごらんください。
当該業務における過去3年間の
契約金額は、2017年度が2億7,384万円、2018年度が2億8,204万円、2019年度が2億9,808万円と、毎年3億円近い費用が発生しています。
さて、業務量をはかる指標として人時数というものがあります。これは、一つの業務に延べ何人が何時間従事したかをあらわす指標です。
資料Bをごらんください。
例えば、あるお店で、1日当たりAさんが8時間、Bさんが6時間、Cさんが4時間、Dさんが4時間働いている場合、このお店の1日当たりの人時数は、8時間足す6時間足す4時間足す4時間で22人時、各人の時給が1,000円とすると、1日当たりの総人件費は2万2,000円となります。
この人時数の考え方を置いて、
学校園等常駐警備業務についてもう一回見ていきたいと思います。
改めて資料Aをごらんください。
当該業務に従事する方々に支払われているのは、兵庫県の最低賃金871円に若干上乗せした程度というふうに確認しております。
当該業務の遂行に必要となった人時数は、2017年度が16万5,662人時、2018年度が16万4,743人時、2019年度が16万7,085人時。仮に時給900円とした場合、必要な直接人件費は、2017年度が1億4,909万5,800円、2018年度が1億4,826万8,700円、2019年度が1億5,037万6,500円です。
契約金額との差額は、毎年1億数千万円に上るということになります。もちろん、
社会保険料等のいわゆる
間接人件費や、募集、採用、研修等に必要な費用もあるのでしょうが、それにしてもこの差は大き過ぎるように感じます。
このように大きな差額が発生する背景には、
小、中、高全ての学校の業務を一括で発注しているため、企業側が用意しなければならない人員の規模が大きくなり過ぎる、その結果、入札に参加可能な企業が限定されてしまう上、入札に参加した企業も、
突発事態発生等のリスクに備えるため、高価格で入札に参加せざるを得なくなっているという問題があるように思われます。
それでは、以上の内容を踏まえて質問します。
校種、地域を分割して発注するなど、入札の
競争性向上のための取り組みを進めるべきと考えるがどうか、御答弁をお願いします。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁を求めます。
◎
教育次長(坂田和隆)
学校園等常駐警備業務の
発注方法見直しについての御質問にお答えいたします。
学校の
常駐警備業務については、扉や窓、シャッターなどの施錠確認及び不審者や不審物の発見と排除などを行っております。また、これらの業務に加え、小学校と
特別支援学校については、校門での児童の安全を見守る立哨警備も行っております。
常駐警備業務の契約については、小学校、中学校、高等学校、
特別支援学校の全ての施設を一括で発注しておりますが、これは、同種の業務をまとめて発注することで、
スケールメリットにより経費の削減を図るためのものでございます。しかしながら、発注単位の規模が大きいことにより、入札可能な企業が限定されるなどのデメリットも考えられるため、入札の競争性を向上するために、試験的に校種を分割して発注するなどの取り組みにより、効果の検証を行ってまいります。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆28番(
澁谷祐介) 御答弁ありがとうございました。
入札の競争性を向上するために、試験的に校種を分割して発注するなどの取り組みにより、効果の検証を行ってまいりますとのことでした。高く評価したいと思います。
質問でも指摘したとおり、現在の
契約金額は、実勢金額に比べて高過ぎるように感じています。より適切な価格での契約を実現するべく、不断の見直しを進めていただきたいということを要望しておきます。
なお、この件につきましては、市民の方から重要な示唆をいただきまして、今回の質疑をさせていただきました。感謝申し上げて、次の質疑に移りたいと思います。
3点目、
西宮浜小中一貫校における用務員の配置についてです。
2020年度に西宮浜で
小中一貫校を開校するとの方針が3月議会で示されました。現状、
西宮浜小学校に1名、
西宮浜中学校に1名の用務員が配置されていますが、
小中一貫校の設置後はどうなるのでしょうか。正規職員の用務員1名に係る人件費は、
社会保険料等間接人件費も含めると、年間約1,000万円に上ります。
西宮浜一貫校の
用務員配置を1名にするのか2名にするのかで、学校運営に必要な費用は大きく変わります。用務員は1校当たり1名配置が本市のルールであることからも、
西宮浜小中一貫校の
用務員配置は1名とするべきです。
以上の内容を踏まえて、3点、質問します。
1点目、
西宮浜小中一貫校への用務員の配置は1名にするべきと考えるがどうか。
2点目、そもそも
市教育委員会は、用務員が行っている業務の内容、実態を把握できていません。この機会に、業務の内容を把握、精査し、今後のあり方を検討するべきと考えるがどうか。また、
市費学校教育事務員についても同様の取り組みを行うべきと考えるがどうか。
3点目、先ほどの大きい2点目で取り上げた
学校園等常駐警備業務の内容を精査し、用務員が負担可能な業務については用務員が担うよう改めるべきと考えるがどうか。
御答弁をお願いします。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁を求めます。
◎
教育次長(坂田和隆)
西宮浜小中一貫校における用務員の配置についての御質問のうち、用務員の配置は1名にするべきとの御質問にお答えをいたします。
令和2年度に開校を予定している本市で初の
小中一貫校となる現在の
西宮浜小学校及び
西宮浜中学校については、その敷地面積が両校を合わせた規模となるため、本市の全
市立小・中学校の中で最も敷地の広い学校となります。開校初年度については、学校が管理する敷地や施設の使用状況に変更がないことから、用務員の業務量は今年度と同じものになると考えております。そのため、現状の1校1名の配置に加え、敷地や施設の規模を考慮し、1名の加配措置を行い、これまで同様、2名の用務員を配置したいと考えております。しかしながら、当該加配措置については、今後用務員が担う業務量に変更が生じた場合には、その業務内容に応じて適宜見直しを図ってまいりたいと考えております。
次に、用務員及び学校教育事務員の業務内容を精査し、今後のあり方を検討すべきではないかとの御質問にお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、用務員の業務内容を標準化し、可視化する必要性については、教育委員会としても十分認識しているところです。用務員の一般的な業務は、校長、教頭などからの指示や、備品の修繕や、本棚、靴箱の製作など計画的に行う業務、また、プール開きや体育大会など学校行事の開催に合わせ準備作業を行うことのほか、緊急的な対応業務として、教室の扉や窓の破損などの突発的な修繕にも迅速に対応しております。
今後、退職者不補充により欠員となる学校には、人件費の抑制を意識した非正規職員の活用を考えておりますが、その場合、新たに配属された職員が業務内容を速やかに把握するためにも、今回御提案いただいているとおり、用務員の標準的な業務内容を可視化し、職責を明確化しておくことが必要であると考えております。
学校教育事務員につきましては、現在、退職者不補充としており、当分の間は学校事務の負担軽減の観点から非正規職員を配置しておりますが、将来的には、事務室が担う業務以外にも学校全体の業務支援を行う職に置きかえていくことについて検討しているところであります。
次に、
学校園等常駐警備業務の一部を用務員が担うことでコスト削減ができないかとの御質問にお答えをいたします。
これは、先ほど申し上げた用務員の業務内容の標準化や可視化による職責の明確化を行う中で、現在警備員が行っている業務の一部を用務員が担うことができるかどうか、また、それにより委託業務のコスト削減につながるか否かなどを総合的に検討してまいります。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆28番(
澁谷祐介) 御答弁ありがとうございました。
用務員の業務についていろいろと説明がありました。でも、私は、球切れした電球の交換を校長とか教頭が依頼しても、用務員がそれは自分の仕事ではないと拒否する事例さえあると聞いているんですよ。また、漏水防止のための水道メーター、これは何年か前に、それをちゃんとやったら水道代が年間で何千万円と削減できましたという話がありましたが、それも、確認頻度を減らされたまま、なかなかもとどおりの回数に戻ってないんですね。これも、どうも話を聞いていると、一部の用務員がそういうことを嫌がっていることが大きな要因だというふうに聞いています。
用務員の役割とは何なのか、遂行すべき仕事は何なのか、何をもって用務員は評価されるのか、そうした点さえ明らかにされていないというのが現状だというふうに受けとめています。だからこそ、市としても、先ほどの答弁で、用務員の業務内容を標準化し、可視化する必要性については市としても十分認識しているところでありますと答弁せざるを得なかったのだと受けとめています。
こうした点も整理できないままに、
西宮浜小中一貫校の
用務員配置について、1名の加配措置を行い、これまで同様2名の用務員を配置したいと考えておりますと答弁する姿勢は、理解に苦しむものです。私は、本来、
西宮浜小中一貫校が設立されるこのタイミングにこそ、用務員の業務内容を標準化し、可視化するべきであり、その内容をもとに配置について検討するべきだと考えています。
一方で、答弁の中で、当該加配措置については、今後用務員が担う業務量に変更が生じた場合には、その業務内容に応じて適宜見直しを図ってまいりたいと考えておりますとの答弁があったことから、今回は、時間の関係もありますので、これ以上の追及は避けて、今後の推移を強い関心と興味を持って見守っていくということを申し上げておきます。お願いします。
あと、学校教育事務員については、将来的には事務室が担う業務以外にも学校全体の業務支援を行う職に置きかえていくことについて検討しているとの御答弁でした。
用務員についても同じですが、そもそもそれぞれの職種のあり方や、答弁の言葉をかりると置きかえていくことを検討するのであれば、今どのような仕事があるのか、そのボリュームはどれぐらいか等の現状把握が欠かせません。ところが、
教育委員会事務局は、こうした本来当たり前の現状把握やルール化を進めることに極めて後ろ向きだというふうにいつも受けとめております。まずは、答弁にあったとおり、業務内容の標準化や可視化による職員の職責の明確化を行っていただきたいと思います。
その中で、こちらも答弁にありましたとおり、警備員が行っている業務の一部を用務員が担うことができるかどうかを検討していただきたい。
用務員だけでなく、学校教育事務員についても、そのあり方や職務について根本的な部分から検証するべきであるということを指摘して、次の質疑に移らせていただきます。
4点目、指定管理者制度についてです。
指定管理者制度は、住民サービスの向上を図ることを目的として、公の施設の管理を、民間事業者、NPO法人、ボランティア団体なども含めた第三者に委託する制度です。当該制度は、開始から15年近くが経過しており、さまざまな観点から見直すべき点があります。
一例として、資料Cに、市立今津体育館、鳴尾体育館、甲武体育館の3施設を一括で指定管理する案件について取り上げました。ごらんください。
当該施設の指定管理者が行う業務のうち最も重要なものは、体育館を借りたい希望者に貸し出すという業務です。業務内容は極めて単純、定形的であり、工夫の働く余地も多くはありません。もちろん自主事業も行ってはいますが、その役割はあくまで副次的なものであり、本来、選定に当たって最も重視すべきは価格であるはずです。ところが、当該案件の指定管理者選定に当たって、価格点は100点満点中10点だけでした。そして、この条件で選定が行われた結果、応募した事業者の中で断トツで一番高い価格を提示した企業が落札しました。こうした問題が起きる背景には、指定管理者を選定する際の基準を各所管がばらばらに設定しており、配点の妥当性が担保される仕組みになっていないことがあります。
そこでお伺いします。
指定管理者選定の際の配点を定める全庁統一ルールを設定し、全部署がそのルールにのっとって、価格点、運営点の割合を設定すべきと考えるが、市の見解はどうか、御答弁をお願いします。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁を求めます。
◎政策局長(太田聖子) 指定管理者制度に関する御質問にお答えをいたします。
指定管理者の選定における評価項目ごとの配点のうち価格点の決定につきましては、施設のコンセプトのほか、業務の専門性、施設において提供するサービスの性質、業務の執行体制や指定管理料に占める人件費の割合、収入増加を図るための事業者の独自提案内容など、個別の選定委員会において、さまざまな視点から、専門的な見地も踏まえ、総合的な検討を行っております。今年度からは、社会福祉施設などを除き、価格点の配点の下限を20%とするとともに、公募前に価格点の配点や指定管理期間中の指定管理料の見込み等に関して財政部への事前協議を求めるなど、適切な予算計上に向けた見直しを行っているところです。
指定管理者制度については、公の施設を直営から指定管理者の運営に移行することで、サービスの向上や経費節減が図られたとの評価が定着しております。しかしながら、制度導入以降、指定を重ねることで経費節減効果が減少することから、各自治体では、限られた予算でいかにサービスの維持や向上を図るかに知恵を絞っており、公募前に事業者と対話の機会を持つサウンディング型市場調査の実施や、モニタリングの結果を次期選定時の加点対象とする取り組み、また、性能発注により事業者の自由度の高い運営を認めるなど、さまざまな取り組みが進んでおります。
御指摘のとおり、指定管理者制度は制度開始から15年が経過しており、本市としても、制度を取り巻く状況を踏まえて、これまでの取り組みがどうであったか、今後どのように制度を活用していくかなどの検証に取り組むこととしております。こうした制度の大きな見直しの中で、価格点の配点につきましても、今年度内をめどにルール化に向け検討してまいります。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆28番(
澁谷祐介) 御答弁ありがとうございました。
制度の検証に取り組むこととしている、価格点の配点につきましても今年度内をめどにルール化に向け検討してまいりますとのことでした。
資料Cで示した事例なんかは、やっぱりどう見ても納得できる内容ではないと思うんですね。二度とこういうことが起きないように、制度の大きな見直しを進めていただきたい、このことを強く要望した上で、1点、再質問します。
現行の指定管理者制度では、通常、収入は指定管理料に限られており、定額となっています。一方で、施設によっては、開館日数が多くなるほど支出がふえて指定管理者の利益が減る、あるいは、赤字がふえるため、施設を本来定められた以上の日数閉めている事例が見られます。
そこで質問します。
こうした事例についての市の認識はどうでしょうか。お願いします。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁を求めます。
◎
産業文化局長(岩崎敏雄) フレンテホールとプレラホールの指定管理業務で、ホールの稼働率が上がった場合に事業者の収益が減少することは事実であります。このことが原因で議員御指摘のような利用できない枠を設けていることが事実であるならば、こうした取り扱いが行われないよう指定管理者を指導するなど、対処してまいります。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆28番(
澁谷祐介) 御答弁いただきました。ありがとうございます。
今、答弁で、事実であるならばとあったんですけど、これは間違いなく事実ですわ。早急な確認をまずはお願いしておきたいと思います。
その上でなんですけど、制度の不備によってこうした問題が起きているのは非常に大きな問題だと思うんですね。一方で、これらの施設について、開館条件を規定どおりにすれば問題解決というのは、何かちょっと話が違うんじゃなかろうかと思っているんです。もちろんそれも大事なんですけど、指定管理者制度の目的の一つとして、民間の知恵を活用して市の資産を有効に活用することというのがあります。この事例については、こうした視点にのっとって契約の見直しも含めた検討を進めることこそが本来求められる対応だと思うんです。まず、そういうことを考えていただきたいなというのが一つ。
あと、制度の大きな見直しをされるということですので、それに当たっては、ちゃんとこうした点についても十分認識していただきたいなというふうに思っております。
この点を指摘して、次の質疑に移らせていただきます。
5点目、市が保有する財産の貸し付けについてです。
資料Dに、市が保有する施設のうち、本来の使用料を大幅に減免して事業者に貸し出している事例の一部を取り上げました。ごらんください。
まず、介護老人保健施設のすこやかケア西宮についてです。
2015年度に実施された包括外部監査によると、当該施設のうち西宮市訪問看護センター、西宮市ホームヘルパー派遣センター、すこやか福祉用具サポートセンター、中央居宅介護支援事業所として利用されている部分については、本来の使用料である年額837万1,678円が一切支払われていません。同種の施設はほかにも複数存在していますが、それらの施設は、介護保険制度のもと、自主自律で事業を行っています。すこやかケア西宮の当該部分だけが賃料を100%減免して社会福祉事業団に貸し出すという現在の形には大きな問題があります。
また、社会福祉事業団が非公募ですこやかケア西宮全体の運営を受託している点も問題です。
次に、特別養護老人ホーム西宮恵泉、にしのみや聖徳園、名塩さくら苑、シルバーコースト甲子園についてです。
市は、これら施設の使用料を100%減免しており、事業者は、施設を無料で使用しています。一方で、2013年度以降に公募した同種施設の使用料減免率は50%となっており、両者の状況には大きな開きがあります。
100%減免されている施設の本来の使用料を2018年度実績で見ると、西宮恵泉が年額1,030万8,480円、にしのみや聖徳園が1,781万5,968円、名塩さくら苑が年額212万7,504円、シルバーコースト甲子園が年額2,209万3,848円。他の施設同様、減免率を50%に改めた場合、使用料として市に年間約2,600万円が入ってくる計算になります。
各事業者による事業開始から10年以上が経過しており、法律・契約上も契約内容の変更は可能です。早急に使用料を見直すための協議を始めるべきです。
さて、こうした問題が発生する背景に、市が保有する施設を貸し出す際の減免率について、統一的、具体的な基準が存在しないという問題があります。大阪市、千葉市等では、全庁で統一した具体的な基準が設けられ、基準に基づいて各施設の減免率が設定されており、本市においても同様の対応を進めることは可能なはずです。
また、減免状況を明らかにするという観点から、第三者に貸し出している市保有財産の減免状況を開示するべきです。
それでは、以上の内容を踏まえて質問いたします。
1点目、すこやかケア西宮のうち使用料を100%減免して社会福祉事業団に貸し出している部分について、減免率を見直すべきと考えるがどうか。また、すこやかケア西宮全体について、非公募による社会福祉事業団への委託を改め、公募すべきと考えるがどうか。
2点目、西宮恵泉、にしのみや聖徳園、名塩さくら苑、シルバーコースト甲子園の減免率を見直すべく協議に入るべきと考えるがどうか。
3点目、市が保有する施設の減免使用許可について、統一的・具体的な基準を設けるとともに、設定された基準に基づいて各施設の減免率を定めるべきと考えるがどうか。
4点目、第三者に貸し出している市有財産の減免状況一覧を作成し、ホームページ上で開示・広報するなど、情報開示に努めるべきと考えるがどうか。
御答弁をお願いします。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁を求めます。
◎
健康福祉局長(山本英男) 5番目の市が保有する財産の貸し付けについての御質問にお答えします。
まず、すこやかケア西宮に附属する各種事業所の使用料の減免率の見直しと運営法人の選定方法のあり方についてお答えいたします。
介護老人保健施設すこやかケア西宮は、平成6年に策定された西宮市老人福祉計画の中で、要介護老人が住みなれた自宅で生活を続けていくために在宅介護を支援する総合在宅ケアシステムの整備を目的に、平成9年に設置された施設です。当該施設には、高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターや訪問看護センター、ホームヘルパー派遣センターなどの在宅介護を支援するサービスを併設し、入所サービスや在宅サービスを必要とする利用者に対し、円滑かつ一体的に支援できる体制を整備するため、これらの事業を行う事務所部分においても全額減免し、使用を許可してきたところです。
平成27年の包括外部監査において使用料の減免について指摘されたことを受け、当初に開設されていなかった中央居宅介護支援事業所及びすこやか福祉用具サポートセンターに係る部分の使用料について協議をしましたが、これらの事業についても、制度改正への対応や在宅支援をさらに強化していくために整備したものであるとの考えから、他の事業とあわせて減免することといたしました。
しかしながら、近年では、自主整備した入所施設において在宅サービスを提供し、一体的に運営している法人もあり、これらの施設との均衡を図っていくことが望ましいとの観点から、当該施設を使用している法人と使用料の減免に関して協議を始めてまいります。
また、現在非公募で指定管理事業者を選定している介護老人保健施設すこやかケア西宮の選定方法のあり方につきましては、当初に整備した際の経緯や在宅サービスとの一体的な運営、複合施設であることの問題等の課題を整理して、公募も含めたよりよい方法について検討してまいります。
次に、議員御指摘の4カ所の特別養護老人ホームの減免率の見直しについてお答えいたします。
これら4カ所の特別養護老人ホーム――以下「特養」と申し上げます――は、介護保険制度が発足した平成12年前後に開設された施設でございます。市では、制度実施に合わせて早急にサービス資源の充実を図る必要があったことから、事業者が参入しやすい環境をつくるため、条例に基づき市有地を無償貸与するという手法をとってまいりました。なお、その期間は、当該市有地を特養事業の用に供する間としておりました。
その後、一定の施設整備が進んできたことや、他の介護保険サービスとの公平性の観点から、平成25年度に要綱を制定し、以降に整備された特養につきましては、市有地の貸付料をおおむね半額減免とするよう運用の見直しを実施いたしました。
このように、現在特養用地としての市有地貸付料には、その時々の社会情勢を背景にした二つの取り扱いが存在しております。議員御指摘のとおり、同種の施設に係る使用料負担の取り扱いは単一であることが望ましいことから、市では、まずはこれらの4カ所の特養の運営法人と協議の場を持ちたいと考えております。その際には、特養を整備した当時の経緯や現在の施設の運営状況なども勘案しながら協議してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎総務局長(中尾敬一) 市が保有する財産の貸し付けについての御質問のうち、使用料・貸付料の減免の基準について及び減免状況の情報開示についてお答えをいたします。
目的外使用許可に係る行政財産の使用料につきましては西宮市行政財産使用料条例に基づき、また、普通財産及び行政財産の貸付料につきましては財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例に基づき、減免の決定をいたしますが、これまでは、各所管が事業の性質や経緯等を踏まえた上で減免内容を判断しており、統一的・具体的な基準は設けておりませんでした。しかしながら、各所管の考え方だけに委ねることは公平性・公正性を欠く可能性も否定できないことから、今後は、庁内における減免状況等の把握に取り組むとともに、他市の事例を含めた調査研究を進めた上で、減免に関する統一的・具体的な基準の作成に向けて検討してまいります。
次に、減免状況の情報開示についてですが、公表は減免の透明性を確保する重要な手段であると認識しており、公表の内容、方法、時期等につきまして、関係部局と協議調整を行ってまいります。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆28番(
澁谷祐介) 御答弁ありがとうございました。
まず、使用料の減免の見直しについてです。
すこやかケア西宮については、同種の他の施設との均衡を図っていくことが望ましいとの観点から、当該施設を使用している法人と使用料の減免に関して協議を始めてまいりますとのことでした。また、西宮恵泉、にしのみや聖徳園、名塩さくら苑、シルバーコースト甲子園については、同種の施設に係る使用料負担の取り扱いは単一であることが望ましいことから、市ではまずはこれら4カ所の特養の運営法人と協議の場を持ちたいと考えておりますとの御答弁でした。両方の内容について高く評価したいと思います。
施設それぞれに事情があるというのはもちろんそうだと思うんです。しかしながら、それだけを理由に減免を続けるようですと、答弁にあったとおり、公平性・公正性を欠く可能性も否定できませんし、影響する金額も大き過ぎます。改めてしっかりと協議を進めていただくように要望しておきたいと思います。
あわせて、もう1点、指摘しておきます。
今回は、こちらも時間の関係上取り上げていませんでしたが、ほかにも包括外部監査で同様の問題を指摘されている施設等が存在しています。これらについても協議を進めて、しかるべき形に改めていただきたい。
包括外部監査での指摘って、毎回見せていただきながら、やっぱりこれは勉強になるなと思うことが多いんですよ。せっかくやっているんやから、やっぱりそこで指摘されている内容については、できるだけきっちり誠意を持って受けとめて、前向きにやっていただきたい、そのまま流すということはできるだけなくしていっていただきたいなということをあわせて要望しておきたいと思います。
また、介護老人保健施設すこやかケア西宮の選定につきましては、こちらも御答弁にありましたとおり、公募も含めてよりよい方法について検討をしていただきたいということを要望しておきます。
市が保有する施設を貸し出す際の減免基準については、統一的・具体的な基準の作成に向けて検討してまいりますとのことでした。また、減免状況を開示するべきという質問に対しては、減免の透明性を確保する重要な手段であると認識しており、公表の内容、方法、時期等につきまして関係部局と協議調整を行ってまいりますとのことでした。こちらもいずれも前向きな内容であり、高く評価したいと思います。
今後の推移を見守ってまいりますので、御答弁いただいた内容をしっかりと遂行されるように要望しておきます。
あわせて、もう1点、こちらは再質問です。
各所管の考え方だけに頼ることは公平性・公正性を欠く可能性も否定できないという答弁がありました。これは、先ほど質疑した指定管理者の選定基準とか、今取り上げております賃料の減免基準に限られた話ではないと思うんですね。例えば施設の長寿命化について、学校は80年もたせるということを基本方針とする一方で、他の施設については、老朽化を理由にもっと短い期間で更新しようという話がいろいろと出てきています。これは、どちらが正しいかという話はまた別だと思うんですけど、こういうふうに、各所管の考え方だけに頼る、公平性・公正性を欠くようにも見える動きがあります。また、ほかにも、本来市として統一した基準を持ち、その基準にのっとって判断するべきであるにもかかわらず、各所管の考え方だけに頼る、公平性・公正性を欠く判断が下されている事例が多々存在するように思っています。
こうした点を踏まえ、全庁的に統一された考えを示すべき対象を洗い出し、基準の策定に取り組むべきと考えますがいかがでしょうか、御答弁をお願いします。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁を求めます。
◎副市長(田村比佐雄) 再質問にお答えいたします。
全庁的に共通する事案について、方針をつくり、統一的な取り扱いを行うことにより、公平・公正な行政活動を実現することや、市民に対しまして説明責任を果たすことは必要であると考えております。事案によって、方針のコンセプトや内容の細かさに違いが出てくるとは思いますが、まずは方針を定めることで庁内的に統一した取り組みができ、かつ各所管の施策目的達成に資するものにどのようなものがあるのか調査検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆28番(
澁谷祐介) 御答弁ありがとうございます。
今、行政改革に対する機運が西宮市でも結構高まっているのかなというふうに思ってます。行革には、もちろんRPAであったりとか個別の業務の見直しみたいなのもあると思うんですけど、ほかの自治体を見ていったときに思うのが、行政改革の先進市と言われる自治体においては、割とさまざまな課題に対して市全体として統一された考え方を示して、それにのっとって各所管が判断する形をとっている、そういうふうに市全体として機動的に動くという形がとられている場合がすごく多いように感じているんです。
繰り返しになりますけども、各所管の考え方だけに頼ることというのは、やっぱり個々の事例において公平性・公正性を欠く判断が下されることにつながりかねないなというふうに感じてます。また、そういう形をとっていることって、やっぱり個々の所管にとっても割と負担が多い場面というのがいろいろあるんだろうなというふうに感じますし、そういった話もぱらぱら耳にしてます。なので、多くの課題について、市全体としての方針を示すことができる、そして、そのほうが望ましいと考えられる問題を整理して抽出すること、そうした課題については、統一された方針を示すとともに、方針にのっとった判断を各所管が下せるよう徹底していただきたいと思います。今御答弁いただいた内容は私が考えているところと同じなので、ぜひともその方向で話を進めていただきたいということを要望しまして、次の質疑に移ります。
6点目、人事評価についてです。
2016年4月に改正地方公務員法が施行され、人事評価の結果を人材育成、処遇等に反映することが各自治体に義務づけられました。これを受けて、本市においても、2017年度から人事評価の結果が市職員の昇給、勤勉手当の査定に反映されることになりました。3月議会での私の代表質問に対して当局は、「平成29年度からは、評価結果が下位の職員に対しましては、その評価結果を昇給や昇格、また、勤勉手当の査定にも反映させております」と力強く答弁されています。
ところが、詳細を見てみますと、実際には、人事評価の結果、昇給が抑制された職員数は、2017年度が3人、2018年度が2人しかいません。考課対象となる市職員数は約3,800人ですから、評価結果が下位と判断された職員は全体の0.1%以下ということです。この結果に違和感を持つのは私だけではないと思ってます。
そこで質問します。
現在の人事評価における下位評価者の割合は実情と乖離しているように思われる。より厳しい姿勢で人事評価を行うべきと考えるがどうか、御答弁をお願いします。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁を求めます。
◎総務局長(中尾敬一) 答弁申し上げます。
平成28年度から導入しております人事評価制度につきましては、地方公務員法の改正に基づき実施しており、その根本基準として、人事評価を、任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用するものとすると規定されております。人事評価は、職員が業務に影響を与えた職務上における行動や能力とその結果である業績の両面を評価するもので、上司と部下との面談によるコミュニケーションを通して、個人や組織としての課題や現状の認識等の共有化を図り、人材育成や組織の活性化につなげていくことを目的としております。一部の自治体においては、評価は絶対評価を基本としながらも、給与等の処遇に反映する上位に評価される職員と下位に評価される職員に対し、一定の分布率を設けて相対評価を行っている事例もございますが、本市では、これを行うに当たっては、部局間の異なる職務に対して公平で公正かつ納得性のある形で調整を図る必要があることから多くの課題があると考えており、相対評価は行わず、下位に評価される職員のみを処遇反映の対象とした絶対評価を基本とする制度設計としております。
また、人材育成の実効性を高める観点から、評定期間終了の時点で下位評価された職員であっても、当該職員に対し評価理由を明示した上で、所属する課と人事課で連携して指導しており、毎年7月の昇給期の直前に特別評定の形で再評価を行い、その結果で給与等への反映をしているところであり、具体的なポイントを示し、改善を促すことで、より効果的に職員の資質の向上につながるよう運用を図っております。
御指摘の下位評価の結果が実情と乖離しているとされる点につきましては、本市が絶対評価を基本とする制度設計としているなどの違いから単純比較はできませんが、一部の自治体で分布率を設定して取り組んでいる状況に比較しますと、割合が相当程度乖離しているものと認識をしているところでございます。人材育成を進める観点からも、真に指導を要する職員に対してはさらに的確な対応を行う必要がありますが、これには評価者の評価をより厳正に行っていくことが前提となってまいります。この評価がより適正に行われるよう取り組みの強化を図ることにより、指導を必要とする対象者の人数の実情との乖離も解消されていくものと考えており、今後は、これらの取り組みを進める中で納得性や実効性の高い運用を図ることにより、個人や組織全体の質の向上に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆28番(
澁谷祐介) 御答弁ありがとうございました。
下位評価者の割合が実情と乖離しているのではないかという質問に対して、相当程度乖離しているものと認識しているところですとのことでした。あえて厳しい言い方をするなら、市も甘い評価がまかり通っていることを認めたということなのかなというふうに思っています。
その上で、いろいろ今後についての考え方も示していただきましたし、そこについては納得できる部分もいろいろありますので、基本的には今後を見守っていこうかなと思っているんです。
思っているんですけど、ちょっと1点だけ、ここは指摘しておきたいなと思っていることがありますので、それは言わせていただきます。
個人や組織としての課題や現状の認識等の共有化を図り、人材育成や組織の活性化につなげていくことを目的としているという市の人事評価に対する考えを全面的に否定するつもりはもちろんないんです。ないんですけど、この考え方には、誰が見ても勤務態度とか成績が不良な職員の存在が周囲にどれだけの悪影響を与えるかという視点が決定的に欠けているように思うんです。職員のやる気を引っ張り出そうと思うなら、もちろんその職員個人のこともそうですが、その職員以外にもほかの職員というのはいっぱいいるわけで、そういう職員のことも考えて、厳しい視点で人事評価を実施するとともに、その結果を人事、給与等に反映することが欠かせないと私は思ってます。なので、その方向で進めていただきたいということを厳しく指摘しまして、次の質疑に移らせていただきます。
7点目、通勤手当の不正受給についてです。
先月22日、土木局の男性副主査が休日の勤務手当と通勤手当を偽って申請し、計約56万5,000円を不正に受給したとして、停職1カ月の処分が下されました。今回は、両件あるんですが、このうち通勤手当に絞って質疑をさせていただきます。
今回発覚した不正行為について、私は、二つの面から大きな問題を感じています。
一つ目は、停職1カ月という処分についてです。
本市では、10年前にも、私の指摘を受けて通勤手当の調査が行われました。その結果、大量の不適切な事例が確認されました。にもかかわらず、当時、その人たちはどういうふうになったかというと、通勤手当の運用ルールの周知が足りない、あるいは通勤経路確認のために必要な履歴の保存を怠ったという理由で、不適切な利用が確認された88名全員が具体的な処分を伴わない口頭訓告、つまり口頭注意で終わって、手当の返納を求められただけでした。そもそもこういう甘い姿勢がこうした問題が次々に発生する一因になっているんではないかというふうに私は思っているんです。
新聞記事によると、当該職員は軽い気持ちでしてしまったと話しているようですが、この話は、公金横領として厳罰に処されても不思議ではない事案だという認識をまずは持つべきです。また、市は、みずからの甘い姿勢が、こうした認識と、それに基づくたび重なる不正行為を生む一因となっていることを自覚するべきです。
次に、市の責任の問題です。
先ほども言及したとおり、10年前に大量の通勤手当の不正受給が発覚したことを受けて、私は当時、本人が通勤定期を購入した際に、その現物を確認して交通費を清算する、もしくは間に事業者を介するなどして定期券を購入し、定期券現物を支給するのいずれかに通勤手当の支給方法の運用を改めるべきと主張しましたが、市は当時、これらの方法の採用をなぜかかたくなに拒否しました。そして、かわりに、不正行為防止のため、最低年に1回、場合によっては複数回、通勤手当の現物調査を実施する、そして、その通勤手当の現物調査の実施時期は年によって変えるということを約束しました。
ところが、今回の不正の発覚を受けて、その約束がちゃんと守られていたら、こんな不正は絶対起きないはずなんですね。でも、こういうことが実際に起きたということを聞きましたので、改めて市に確認したところ、約束はほごにされていて、毎年1回、6から7月ごろに現物調査をするという運用になっていたということがわかりました。先ほども申し上げたんですけど、当初約束した内容にのっとって運用していれば今回の事例の発生は防げたはずであり、市の責任は極めて重大だと私は思っています。
そこで、以上の内容を踏まえて、3点、質問をします。
1点目、職員の不祥事に対して厳しい姿勢で臨むことが不祥事の発生抑止につながると考える。そうした認識を持ち、不祥事発覚時にはより厳しい姿勢で処分に臨むべきと考えるがどうか。
2点目、ほかにも通勤手当の不正受給が行われている可能性がある。全職員を対象とした調査を再度実施するべきと考えるがどうか。
3点目、約束した内容をほごにした結果、10年前と同様の不祥事が発生したことについてどう考えているのか。また、今後同様の事例の発生を防ぐため、抜本的な対策が必要と考えるがどうか。
御答弁をお願いします。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁を求めます。
◎総務局長(中尾敬一) 通勤手当の不正受給に関する処分についての御質問にお答えをいたします。
本市におきましては、非違行為を起こした職員に対する懲戒処分は、国の懲戒処分の指針を参考にした西宮市職員の懲戒処分に関する指針に照らして処分量定を決定しております。今回の通勤手当等不正受給につきましては、その行為が社会や市民に与える影響などを考慮するとともに、行為の内容や結果、当該職員の職責や勤務実績等、法の趣旨や過去事例などを総合的に勘案し、停職1カ月としたものでございます。
このたびの事案を含めた一連の職員の不祥事につきましては、許されざる行為であり、全庁挙げて職員の倫理向上に向けた取り組みを行う必要があることを痛感しているところであります。このため、不祥事の抑止対策としては、処分の指針や運用の見直しを含めてより厳正に対応すること、あわせて、職員を孤立させない職場内での円滑なコミュニケーションのある風通しのよい職場づくりを行い、倫理意識を高めることの両面から取り組みを進めることが重要であると考えております。
御質問の点に関しましては、本市の懲戒処分に関する指針は、一部では国指針が定める処分量定より厳しくしているところであり、今回の職員手当等の不正受給に対する標準的な処分量定を例に申しますと、国指針は、戒告か減給のいずれかと規定されているところ、本市では、戒告、減給に加え、停職も含めた処分量定としております。しかしながら、今般の本市職員の不祥事が続発している状況を踏まえ、制度面での厳罰化にとどまらず、御指摘の運用面についてもより厳しい対応をすることも検討する必要があるものと考えております。
今回の職員手当等の不正受給事案を含めた不祥事につきましては、言うまでもなく公務員としてあってはならない行為であり、こうした市民の信頼を損なう行為があった場合には、社会通念を逸脱しない範囲で公平・公正に事案審査を行いつつ、厳しい姿勢で対処してまいります。
次に、通勤手当に関する運用についてお答えいたします。
通勤手当につきましては、職員が通勤手当の届け出をした経路が最も経済的かつ合理的と認められる通常の経路であるか否かについて審査をし、認定経路を定めて支給をしております。また、本市では、複数の鉄道が並行して敷設された利便性の高い環境にあることから、個人の特殊な事情により複数の経路または交通手段を利用することが多い状況でございます。このような場合につきましては、認定した経路を月の半数以上利用する経路をもとに、本市の基準に従い通勤手当の支給対象としております。
次に、通勤調査につきましては、許可した通勤経路の利用事実を確認することを目的に平成21年度から行っており、不正受給の防止や職員への制度周知等について一定の効果があったと考えております。しかしながら、今回の通勤手当の不正受給事案が発生したことに関しまして、市といたしましても非常に重く受けとめております。議員御指摘の複数回の調査や年ごとの調査実施時期の変更について検討する必要があったのではないかと考えており、通勤調査におきましては、再発防止のための効果的な調査を行うという観点から、実施時期や、その手法などを早急に検討し、改めて調査を実施したいと考えております。
また、今後の対策といたしましては、例えば職員が通勤手当の申請をする際、定期券等の確認を行うなどの方法が考えられますが、不正防止と事務効率の両面の観点から、他市の取り組み事例を研究し、認定の基準も含めて、通勤手当に係る運用方法の見直しについて検討してまいります。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆28番(
澁谷祐介) 御答弁ありがとうございました。
全職員を対象とした調査を再度実施するべきではないかという質問に対しては、実施時期やその手法などを早急に検討し、改めて調査を実施したいと考えておりますとのことでした。
当時から危惧していたことが実際に起こったこと、それが、私が指摘して市もちゃんとした約束をした内容がほごにされた結果それが起きたということに、個人的には何とも表現しがたい思いでいます。今度こそ、答弁にあったとおり、不正防止と事務効率の両面の観点から、認定の基準も含めて通勤手当に係る運用方法の見直しについて検討していただきたい。この点、厳しく反省を求めるとともに、強く要望しておきます。
不祥事に対してより厳しい姿勢で臨むべきではないかという質問に対しては、制度面での厳罰化にとどまらず、御指摘の運用面についてもより厳しい対応をとることも検討する必要があるものと考えております、社会通念を逸脱しない範囲で公平・公正に事案審査を行いつつ、厳しい姿勢で対処してまいりますとのことでした。
先ほどの人事評価の話にも通じますが、不祥事発覚時に甘い処分に終始することが職員にどのようなメッセージを送ることになるのかということをよくよく考えていただきたいと思うんです。それをやることで、この程度なんや、このぐらいやったらやっても大丈夫なんやという思いを広げることにさえなりかねないということを重々御認識いただきたいと思います。
これだけ頻繁にあきれるような不祥事が発覚するというのは、はっきり言って異常事態だと思っています。このような状態の中で、これさえすれば正常化するというような特効薬というのは多分どこにもないと思うんですね。いろいろなところで対策を考えるときに、市のほうからはあらゆる対策を実施するとおっしゃいますけども、実際に出てくる話というのが、どこか研修の充実とか、倫理意識の向上といった、ある意味性善説に基づいたものがすごい中心になっている感じがするんです。もちろん、それで全ての問題が解決するのであれば、それにこしたことはないとは思うんですが、現状を見ると、やっぱりそれではどうも不十分なんじゃなかろうかというふうに思わざるを得ないですね。
不祥事を起こした職員については厳しく処罰する、きちんと働かない職員には、しかるべき評価を下し、人事、給与にも反映させる、そういう当たり前の形で市政を運営しなければ、今の非常事態を脱することはできないですし、言い方は悪いかもしれないですけど、たるみにたるんで、緩みに緩んだ綱紀を粛正することもできない、そういう感覚を持つべきだというふうに私は思っています。
先ほども申し上げましたけども、不祥事の再発防止策は、やっぱり精神論とか個人の倫理観に頼ったものになるべきではないと思っているんです。制度面での対策を講じることにこそ重点を置くべきだと思っていますし、こちらについては、総務常任委員会でも、入札談合の関係を中心に厳しく指摘をしていきたいなと思っております。
済みません、最初は時間が全然足りないんじゃなかろうかと思ってすごく心配しておったんですが、草加議員、八木議員からお時間をいただきまして、非常に納得いく形でできたことをありがたいなと思ってます。改めて会派に感謝を申し上げまして、私、
澁谷祐介の一般質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
大石伸雄)
澁谷祐介議員の一般質問は終わりました。
次に、篠原正寛議員の発言を許します。
〔篠原正寛議員「
対面式質問席」使用〕
◆30番(篠原正寛) おはようございます。
政新会の篠原正寛でございます。
市長、冒頭から今回体調があんまり思わしくないということでマスクをされてましたけど、マスクもとれましたけれども、体調のほうはもうよろしいでしょうか、大丈夫でしょうか。(「まだ悪いです」と呼ぶ者あり)そうですか。マスクはとれましたけど、私も、1年間、猿ぐつわをしておったんですけど、それがとれまして議場で好きに物が言えるようになりました。1年半ぶりのこの場所ということなので、どんなふうにやっていたのか、何とも思い出せないというか、その分、新人さんのようなフレッシュな――言うそばから腐ってきそうですけど、フレッシュな感じでやらせていただけたらというふうに思います。
もうあと1時間ほどの辛抱ですので、頑張ってください。よろしくお願いします。
それでは、通告に基づきまして一般質問を始めさせていただきます。
まずは、産業振興基本条例及び産業振興計画についてお尋ねいたします。
今年度より、産業振興基本条例と、これを具現化する第3次産業振興計画がスタートいたしました。私は、条例、計画とも、内容そのものに大きな誤りや欠陥を見出すこともありませんでしたので、これらに賛成をいたしました。ただ、反対するには至らないものの、当時からぜひとも意見具申し、当局にお考えいただきたいことが2点ありましたので、議場で自由に物が言える立場に戻った今、存分にこれをお伝えさせていただきたいと思っています。
まず一つ目は、宮水の取り扱いについてです。
これは、本件の本論ではありませんので、ごく簡単に申し上げますが、現在、宮水を使った産業振興のみならず、宮水を保全するための宮水保全条例から対象エリア内での開発行為に関する手続まで、産業文化局都市ブランド発信課の所管事項となっています。しかし、この宮水保全条例の内容からいって、開発行為に関係する部門が担当し、必要に応じて都市ブランド発信課に連絡するほうが業務的には効率がいいように思えます。このままでは、開発業者が都市局を訪れ、そこで都市ブランドのほうに回ってくれと言われ、具体的工事内容の話はここではできませんのでまた都市局に行ってくださいということが起きてしまいそうです。宮水だから都市ブランドという分類は、随分短絡的で、実践的ではないように思えるのですが、いかがでしょうか。
続いて、産業振興基本条例及び産業振興計画において私が決定的に足りないと感じる事柄についてお尋ねいたします。それは、条例や計画の中における市の存在、市自身のあり方についての問題であります。
本市は、それ自体、強大な業務発注体です。平成29年度の決算ベースを例に挙げると、工事関係の発注で年間約156億4,700万円、物品購入で約21億7,400万円、ここに各種メンテナンスや清掃、その他サービス提供業務を加えると、恐らく年間200億円を超えるさまざまな業務を発注しています。調べたわけではありませんが、市内でコンスタントに毎年これだけの多種多様な業務を発注している事業体は、恐らくほかには存在いたしません。
また、同時に市は、強大な権力者でもあります。さまざまな規制や許可権限を持ち、これをコントロールしています。つまり、社会秩序を維持するためとはいえ、企業活動を制限したり、あるいは実施させないだけの権力を持っているのです。
一度、産業連関表で市自身の経済効果を算出していただきたいと思いますが、豪腕でさまざまな価値をまき散らしながら歩くこの巨人ガリバーがどこを向いてどのように振る舞うのか、つまり、権限や業務発注をどう扱うのか、それが市内産業の活性化に多大な影響を与えますし、なおかつ、他のどんな産業振興施策よりみずからの意思でコントロールすることが可能な分野でもあります。
産業振興基本条例にも産業振興計画にも、どこにも間違ったことが書いてあるとは思っておりません。しかし、市みずからが巨人であるという自覚に乏しく、どこか他人事のようなにおいもします。確かに、条例にあるとおり、事業者は自主的な努力と創意工夫で発展せよという原則は、まさにそのとおりです。しかし、同時に、事業者に対し、企業市民として地域社会に貢献せよとシチズンシップを求めるのであれば、市が率先して市民を大切にするという意思を見せることも不可欠です。この課題にどう向き合い、どう変えていくのか、条例や計画で十分に表現されているとは言えないこの部分について問うてみたいと思います。
以上を踏まえ、以下2点についてお尋ねいたします。
質問の1、まずは、本論と少し離れますが、述べたように、違和感のある宮水の扱い方について、産業振興計画の中にある宮水に対する考え方と現実的・実務的な所管部署のあり方からお尋ねいたします。
産業振興計画では、第4章の施策2-2の1、「酒蔵ツーリズムの推進」という項目の中で、宮水の存在を周知し、保全と酒文化の発信につなげると記載されています。しかし、宮水保全条例は、明らかに土地開発事業における乱開発から高名な地下水である宮水を守るという趣旨であり、酒文化の発信とは直接つながりません。宮水を守る、そこに反対する人は誰もいません。しかし、何のために、誰のために守るのか、それはどのような方法が適切か、それを最も使いこなせる部署はどこなのか、そんな観点から再整理したほうが業務の合理性がより保たれると考えます。この地下にある段階での宮水の扱い場所について当局のお考えをお聞かせください。
二つ目、産業振興基本条例及び産業振興計画には、市内随一の経済的発注体として市の一挙手一投足が肝要であるという自覚が極めて希薄であると感じています。市がみずからの存在の大きさ、影響を考え、あらゆる部署が同じ意図で連携するという意味の言葉は、80ページを超える計画の中で、第6章にわずか3行足らず表現されているだけです。これでは、ほかにどんな理想的な姿、美辞麗句が並んでいようと、その実現は疑わしいと思わざるを得ません。地元業者がどうしたなど自分たちには余り関係がない、規制は規制だ、合理性は合理性だ、慣例は慣例だ、営利法人の利益確保を手助けする使命など自分たちには関係ない、自分たちの仕事ではない、そのような雰囲気さえする各部門に、これからどうやって条例や計画の理念を理解・共有させていくのでしょうか。担当局として庁内をどうリードしていくのか、その決意と方法についてお聞かせいただきたいと思います。
続いては、国民健康保険会計、この特別会計の収支改善について考えてみたいと思います。
これは、大きな意味で行財政改革の一環です。また、高齢社会における同様の問題は、介護保険特別会計とも随分重なる部分がありますので、きょうは述べませんが、フレイル予防などといずれジョイントしていくことになろうかと思います。
皆様御存じのように、国民健康保険は、自営業者のほか、後期に入るまでの高齢者や無職の方々などが加入する関係上、常に厳しい収支となる宿命です。いただいたデータによりますと、被保険者数、つまり加入者数は、後期高齢者が増加している分、ここ近年は減少傾向にありますが、1人当たりの医療費は年間1万円程度のペースで伸び続けており、数値の確定している平成29年度決算では、年間37万3,034円と高い値になりました。介護保険も、当初の予想を上回るペースで介護給付費が伸びているようですが、このままいけば、いずれ本市の財政にも影響を及ぼすことは必至です。
唯一の正しい道は、介護保険なら、要介護となる年齢をできるだけ先に延ばせないか、健康保険なら、できるだけ病気にならない、あるいは重篤になる前に治療が開始できる、つまり市民の健康寿命を延伸させていくことによって医療費の抑制を図ることです。
各位御存じのように、このため、特別会計の中から予防等健康寿命の延伸に資すると考えられる事業を保健予防費用として計上し、事業を行っています。本市の現状は後に御答弁で詳しく述べていただく予定ですが、代表的なものは、健康維持のための特定健診や保健指導、人間ドックの奨励事業などがあります。
ただ、全国的に1人当たりの医療費を見ると、都道府県あるいは市町村で随分差があり、地域特性や年齢分布だけでは説明ができないようです。特に本市と余り人口が変わらない都市でも医療費が低く抑えられている場合があり、詳しい分析が必要ですが、先ほど述べた予防事業がその鍵を握っていると言えそうです。ざっと見たところでも、まちを挙げての健康増進事業が展開されていたり、健診受診率向上のためのさまざまな工夫によってこれが向上していたり、いわゆる未病――東洋医学で言うところの病気になる手前の状態を改善するため、鍼灸治療などに補助を出していたりという工夫が目につきます。
保健予防費用は、本市の場合、決算ベースで特別会計歳出の約0.6%、長らく3億円程度でした。ここ2カ年はこれをやや予算として増額していますが、これがどのように作用し、成果を上げたのかどうかは、まだ数年分の決算を見てみなければ何とも言えません。
予防事業は量か質かと言われれば、当然、量も質もであります。言いかえれば、効果が確かなことを多角的・継続的に行う姿勢が必要です。このため、行っている事業の成果を分析し、細かく改良していくことと、常に新しい予防事業を貪欲に探し求め、他市で効果を上げたものが本市にも当てはまるのか、社会実験を積極的に行っていくことが肝要です。本市はこの姿勢を持って事業に当たっているのか、これを確認するため、以下2点についてお尋ねいたします。
質問の1、現在、国民健康保険特別会計の中で、私の申し上げた健康寿命を延ばすことで結果的に医療費の削減につながるような、いわゆる疾病予防的事業はどのようなものがあるのでしょうか。予算や決算の審査で関係資料は開示されていますので、本来、質問の中でこちらが羅列してもいいのですが、あわせて、それぞれの事業の具体的な効果及び効果額、つまり医療費の抑制にどれほど貢献しているかを調査、把握されているのかお伺いしたいので、これらをあわせてお答えください。
質問の2つ目、国民健康保険特別会計の財政状況改善は全国的な共通課題であると言えますが、全国市町村の中には、医療費削減のため独自の工夫を試みられている自治体もあり、その一例は、先ほど質問で披瀝したとおりです。もちろん、表面的データだけで他市の取り組みを軽々に導入するわけにはいきませんが、少なくとも効果が立証されていると考えられるものについては、当局お家芸の検討や研究にとどまらず、社会実験を実施して本格的に検証してみるべきと考えます。本件に関して当局のお考えをお聞かせください。
最後は、市役所改革についてお尋ねいたします。
市長の使った言葉をおかりし、市役所改革と呼んでいますが、これらはもちろん、西宮市行政経営改革基本方針案のことを指しています。
この質問の目的は、相互理解です。この種の話は、多くの議員にとって思い入れが強く、また、関心が高いものです。その分、自分なりの哲学やイメージ、こうあるべきという理想像があるもので、どうしてもそれを中心に比較し、よしあしを判断しようとします。かく言う私もその一人です。しかし、強過ぎる思い入れは、無駄な怒りを呼び、みずからの視界を狭くし、聞く耳を閉ざしてしまいます。この改革を百家争鳴のあげくでき上がったグロテスクな妥協の産物とせず、真に価値があり、実現可能なものとしていくため、詳細な議論に入る前に、使われる言葉の意味まで含め、全ての関係者が認識をそろえる、あるいは少なくとも近づけることに努力してみたい、そういう思いで質問してまいりたいと思います。
まずは、名称です。
市役所改革、行政経営改革、行政改革、行財政改革、いずれも同じように使われますが、少しずつ意味は異なっています。また、同じ言葉でも、使う人によって含まれる内容が異なっていたりします。最終的に土俵に乗るのは行政経営改革なのですが、方針を拝見すると、持続可能な財政運営のための歳出抑制がうたわれており、いわゆる行財でもいいのではないかと思えます。ここに込められた意図を披瀝し、議論して、認識を近づけていく必要性を感じています。
続いて、目的です。
基本方針を策定する目的については、持続可能な行政運営の維持、市民全体の利益の視点に立った適切な市民サービスの提供、新たな行政課題への的確な対応などが挙げられてはおりますが、方針を策定する目的はそのまま改革を断行する目的とイコールなのか、また、この表現は、本市に今経営改革が必要な意味の全てを言い当てているのかも議論は必要です。
そして、時期や財政的な目標をどこまで具現化するのかについても、これから多くの合意が必要となります。
一般論として言えば、目立ちたいだけで目的のあやふやな改革もどきは論外ですが、たとえ理念がしっかりあったとしても、数値的目標の明示なき改革はまた改革の名に値しません。
ただ、4次総で掲げた施策ごとの指標、つまり数値目標は、そのほとんどが形骸化し、かつ設定根拠が説明できなかったため、5次総ではこれら指標の明示が見送られました。もともと目標を立てんがための目標はこうなる運命だったのですが、4次総の中で無理を承知で目標を数値化せざるを得なかった原因は、平成20年度まで行われていた前回の行政経営改革基本計画の中で政策評価のためには指標、目標値を示すことが不可欠だとされ、これに対応させたためという教訓を忘れてはなりません。
以上述べてきましたが、要するに、本件は、本格的議論に入るまでに基本事項に関する認識合わせが必要だと思います。幸いにも私は、今期、本件を所管する総務常任委員会委員長の職を得ましたので、引き続き本件に関する議論を深めていきたいと考えております。この質問が少しでもその端緒となり得ることができれば、この上なき喜びであります。
以上を踏まえ、4点をお尋ねいたします。
質問の1、石井市長も御就任から1年以上たちました。実際に市長となり、あらゆる市の現状について、就任前の想像と合っていた、あるいは違っていたなど、さまざまであることと思います。この中で、特に市役所改革の部分――市民にとって遠く感じる市役所、縦割り行政の弊害が目につく市役所を、市民にわかりやすい情報公開を進め、市民参加が進む仕組みに改めるは、どのように捉え方が変わられたのでしょうか。要するに、当初、市役所改革と呼ばれた内容やイメージに何か変更するものやつけ加えるものが生じましたでしょうか、お答えください。
質問の二つ目、これから行われることが何であるのか、この認識の統一は、述べたように何より大事です。正式な使い分けの定義はないようですが、行政経営改革という呼び方は、いわゆる行革、つまり行政改革とは一味違うと言いたげにも聞こえます。私の望むものは、行財――行財政改革です。これは、述べたように、行政組織の効率化と経費削減を目的とし、組織やその機能のあり方のみならず、財政改革を含めたものです。ここに市長の言われる市役所改革まで加えると、似たような言葉が交錯し、微妙な意味、イメージの取り違えが後に誤解や不毛な論争を呼ぶ可能性があります。率直に言って、その方針や予定メニューから見ると、当局としてどう呼ばれるかは御自由ながら、この基本方針は一般的に言う行財政改革ではないかと私は思うのですが、その理解でよいのか、もし違うのなら何が違っているのかをお答えください。
質問三つ目、この基本方針では、方針を策定する目的については、先ほど述べたとおり明記されていますが、改革そのものを断行せねばならない目的もこれと同じと考えてよいのでしょうか。
通告書では、誰がために、何のためにという書き方をしましたが、まさにこの改革は誰のために何のために今やらねばならないのか、通り一遍の説明を超えた改革にかける哲学のようなものがあればぜひ伺っておきたいのですが、御披瀝ください。
最後の質問です。一般質問初日の脇田議員の質問に対し、改革の目標値は具体的実施プランの中で数値として立てられるものは立ててお示ししたいと述べられました。ある種、それでもいいのかとは思いますが、この方式を無理に進めると、11年前のように、やがて目標のための目標が提示され、結局、誰もその達成にコミットしないという過去から繰り返されてきた悪癖に陥ることも危惧されます。本気で改革をなすなら、目標は個別より全体、しかも、達成年次を含んだものがよいと私は考えています。御答弁の整合性もあるとは思いますが、改革の成果としての目標の立て方について、いま一度お考えをお聞かせください。
以上で1回目の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
○議長(
大石伸雄) これより当局の答弁を求めます。
◎
産業文化局長(岩崎敏雄) 1番目の産業振興基本条例及び産業振興計画についての御質問のうち、まず、宮水に対する考え方と現実的・実務的な所管部署のあり方についてお答えいたします。
宮水保全条例は、清酒づくりに欠かすことのできない本市の天然資源である宮水を将来にわたり保全することを目的としており、宮水を守ることは、本市の伝統産業である酒造業や日本酒のブランド価値を維持し、産業振興につながるものと考えております。
また、保全の手法として、宮水に影響を及ぼすおそれのある開発事業については、その着手前に市長が指定する者と協議をするなどの手続を定めております。この手続は、開発事業者に対して酒造団体との協議を義務づけたものであり、開発事業者は宮水の保存に向けた技術的な対応を求められることとなるため、その協議が円滑に進むよう、産業部門と開発・技術部門とが連携を深めながら、条例の運用に取り組む必要があると考えております。
このように、宮水を守ることが最終的には酒造業の振興や日本酒文化の発信につながることから、宮水保全条例については、従来から酒造団体との連絡体制を構築し、密接な関係を有している産業部が所管してまいりますが、運用に当たっては、開発・技術部門と連携しながら、一体となって取り組んでまいります。
次に、産業振興基本条例及び産業振興計画の理念をどのように庁内に理解・共有させていくのかとの御質問にお答えいたします。
本市では、産業振興に関する基本理念などを定めた産業振興基本条例と、それを具体化するための第3次産業振興計画を策定し、ことし4月からスタートしています。人口減少社会の中で、産業は、雇用の場を創出し、税収の確保やにぎわいのあるまちの形成など、都市が生き残っていく上で大変重要な役割を担っています。市民にとって今後も力強く魅力的なまちを維持していくためには、西宮のまちを構成する重要な要素として産業を捉え、市の施策を実施していくことが重要であり、産業振興基本条例は広くそれを発信するために制定したものです。条例を制定することで、本市において産業振興策を推進するよりどころにするとともに、その重要性について共有し、さまざまな主体と連携し、市全体で推進してまいります。
市は、これまでも、市内事業者の育成と地域経済活性化の観点から、庁内各部署において公共事業の発注に当たって市内事業者への優先発注に取り組んでいますが、
条例制定によってその取り組みの根拠が明文化されました。本条例の理念を踏まえ、引き続き公正な競争の確保に留意しながら、各部署でのさらなる工夫により、市内事業者への発注機会の確保に努めてまいります。
また、市としてのまちづくりと産業振興、両方の調和を図るべく、全庁的に本条例の理念を周知し、所管する産業文化局だけでなく、庁内関係部局と連携をとりながら、市のさまざまな施策の中で市内事業者の育成など産業振興の視点を意識して業務を行うことができるよう働きかけてまいります。
市内事業者からのさまざまな要望につきましては、現状では商工会議所などを通じて把握しております。今後は、業界団体等との新たなチャンネルづくりを進め、そこから得られた事業者のニーズを関係部局とも共有し、市みずからが大変規模の大きい発注者であるという自覚を持った上で、市内事業者の産業振興に向けて具体的な対策を検討するなど、改善に努めてまいります。
以上でございます。
◎市民局長(土井和彦) 2番目の国民健康保険会計の改善についての御質問にお答えいたします。
まず、本市が実施しております保健事業についてお答えします。
一つ目の事業としましては、糖尿病等の生活習慣病の発症や重症化予防のため、40歳から74歳までの被保険者を対象に実施する内臓脂肪症候群に着目した特定健康診査――以下「特定健診」と申します。特定健診と特定保健指導です。また、受診率の向上を図るため、特定健診の項目を含む人間ドック受診費用の一部を助成しております。
二つ目の事業としましては、慢性腎臓病予防連携事業です。特定健診の結果、本市では、腎臓の機能低下が見られる被保険者が県、国の平均よりも多い割合であったことがわかりました。人工透析は、身体的・精神的負担の重い治療であり、1人の患者に年間約500万円の高額な医療費が必要となるため、新規の透析患者を減少させることが増大する医療費の抑制につながると考え、新たな人工透析患者の減少を目的とした西宮市国民健康保険慢性腎臓病予防連携事業を本市の独自事業として平成29年10月より実施しております。
三つ目の事業としましては、重複受診や頻回受診の傾向にある被保険者に対する御家庭への訪問指導事業です。業者委託により平成28年度から30年度まで3年間実施いたしましたが、訪問指導を受け入れる被保険者が少なく、平成30年度では28人の対象者にしか実施できませんでした。この結果を受け、より多くの対象者に周知することが効果的と考え、今年度からは、2,000人を対象に文書啓発を実施することといたしました。
これに加えまして、被保険者に健康に対する認識を深めてもらい、ひいては国民健康保険事業の健全な運営に資することを狙いとして、保険診療に要した医療費を被保険者に通知する医療費のお知らせを年6回実施しております。
これらの効果検証につきまして、一つ目の特定健診では、5年間継続して特定健診を受診している人と未受診者について医療費を比較しました。平成29年4月から平成30年3月までの1年間の1人当たり医療費では、特定健診未受診者は特定健診受診者よりも12万8,986円高くなっておりますが、未受診者には医療機関に通院中のため健診を受診しない方が含まれております。そういった方が多くいる場合は医療費が高くなってしまうため、一概に特定健診受診の有無で医療費の削減効果を結論づけることは難しいですが、医療機関にかかっておらず、特定健診も受診しない被保険者の潜在的な疾病の早期発見・早期治療につなげるためにも、受診率向上に向け取り組んでまいります。
二つ目の慢性腎臓病予防連携事業につきましては、事業を開始したところであり、十分なデータの蓄積が必要なことから、効果検証は行っておりませんが、必要なデータが集まり次第、分析を進めてまいります。
三つ目の重複・頻回受診者を対象とした文書啓発につきましても、今年度から実施しているため、今後分析いたします。
次に、医療費削減のため、社会実験を実施した本格的な検証についてお答えいたします。
本市国民健康保険の被保険者の医療費分析から、がんによる医療費が県、国よりも高いことがわかっており、がんを早期発見し、早期治療することで重篤化を防ぎ、医療費の削減につながると考えます。したがいまして、先ほど申し上げました慢性腎臓病予防連携事業を引き続き実施するとともに、特定健診とがん検診を組み合わせた受診を関係部署と連携しながら推進し、その効果についても検証してまいります。
また、他市の事例を積極的に情報収集し、本市でも効果が期待できるものについて、社会実験などにより検証してまいります。
以上でございます。
◎市長(石井登志郎) 市役所改革に関する御質問にお答えをいたします。
まず、市長就任以降、市役所改革への考えに変更等があったのかについてお答えをいたします。
私は、市長選挙の際には、市民にとって遠くに感じる市役所、縦割り行政の弊害が目につく市役所の改革が必要と考え、市民にわかりやすい情報公開を進め、市民参加が進む仕組みに改める市役所改革の必要性を訴えました。また、市長となって以降は、職員の業務に取り組む姿勢が内向きであり、他都市の取り組みや外部の視点など、より外に目を向ける必要性があるという考えのもと、こうした組織風土、職員意識を変え、積極的に外部の知見を取り入れて、新たな行政課題にも前向きに取り組みつつ、行政の効率的・効果的な運営を図るための市役所改革はやはり必要との認識を新たにしたところであります。新規事業の査定、予算編成などのサイクルを一巡した現在も、その考えは変わっておりません。
次に、行財政改革と行政経営改革の違いについてお答えをいたします。
本市では、震災を機に悪化した財政状況を受け、必要な財源を捻出するため、3次にわたる行財政改善に取り組んできました。これは、議員の言われる行財政改革に近いものと考えられます。その一方で、平成16年に策定した行政経営改革基本計画は、行政を経営するという視点で、限られた経営資源を最大限に活用し、市民満足度の高い行政運営を行うことを理念に掲げ、成果を重視した行政運営や民間活力の活用、新たな財源の確保、市民参画・協働の推進など、行政の仕組みそのものの変革、構造改革によって、組織風土や職員の意識・行動の改革も目指したものです。これは、私が申し上げている市役所改革と目的や手法を同じくするものであり、本市が今後取り組むいわゆる行革の方向性としては、財源の捻出を主な目的とした行財政改革が中心となるのではなく、行政経営改革が主体と考えるのがふさわしいと考えております。
次に、改革の目的についての御質問にお答えをいたします。
今後、少子高齢化や人口減少が進むにつれて財政状況が厳しくなると見込んでおり、一方で、行政ニーズは多様化・複雑化し、増大し続けることが予想され、昨今の社会経済情勢からは新たな行政課題も見込まれるところです。こうした見通しの中、財政状況の悪化に伴い、財源捻出を目的に市民サービスの大幅な低下を伴うような改革を実施しなくてはいけなくなる前に、まずは行政の内部的な改革を中心に進め、今後の行政需要に対応するための経営資源である人員、財源の適正な配分ができる基盤を整える、つまり体質改善を図るものと考えております。
基本方針は、限られた経営資源を最大限に活用して持続可能な財政運営を維持しつつ、適切な市民サービスの提供と新たな行政課題にも的確に対応していくことを目指した行政経営改革の方向性を示すものであり、改革実行の目的と基本方針における策定の目的とは一致していると考えております。
基本方針のもと、政策、財務、地域、人材の各マネジメントにより、市民目線による施策、事業の不断の見直し、効率的・効果的な行政経営、地域の多様な主体との協働の取り組みの推進などを進めていきたいと思っております。
地方自治の目的は住民の福祉の増進であり、本市の行政経営改革もこれと同じであり、将来世代に負担を先送りすることなく、現在の行政ニーズにも応えていくための改革です。また、行政の最前線で職務に当たる職員一人一人が意欲を持って新たな行政課題やさまざまな行政ニーズに応えるとともに、業務の生産性を高めていくための取り組みが必要であると考えております。
そうした中で、議員から、通り一遍の説明を超えた改革にかける哲学のようなものがあればぜひ伺っておきたいとおっしゃっていただきました。通り一遍とは言いませんけれども、普通の説明が今までのところでありまして、哲学というようなことで申し上げます。
私の揺るぎない信念としてありますのは、シチズンシップの発達した社会、つまりコミュニティーが強い、一番市民にとってもすばらしい住みよい社会であるというのは、これは私の揺るぎない信念であるし、皆さん方と共有する真実だと信じているところであります。
シチズンシップとは、言うなれば前向きな市民の力というふうな理解でいいのではないかと思いますが、現在も、民生委員・児童委員の皆様方、防犯、自治会、青愛協、PTA、さまざまな形で多くの皆様方がシチズンシップを発揮いただき、市民生活を主体的に支えていただいていると認識をしております。
一方で、誤解を恐れずに言うなれば、その担い手が特定の方々に限られていないだろうか、少しでもいいから市民の皆さん方がみんなの暮らすまちに愛情・関心を持ってくれたらまちはよくならないだろうか、子育て環境、高齢者の見守り、社会全体で支えられるような、そんな西宮市にならないだろうかと考えているのが私の一番申し上げたいところでもあります。
そのために、まず、市役所自体が変わらなければならないと思っているところです。つまり、今の市役所は、私が1年間見るところ、これまた誤解を恐れずに言うなれば、全部市役所がやらなきゃいけないというふうに思っているところもあります。そうではなくて、市民と協働してやれることがある。ある意味、市が掌握してなくても、地域でもうやっていただいていることもありますが、ある意味、その地域で、市が認識してないけれども、いいことをやってもらっていたら、それこそすばらしいことではないかなと思っています。そうした認識から、まず市役所の市の職員の意識改革をしなければいけないと思っているところはあります。
例えば参画と協働という言葉がありますが、これは、私の理解では、市役所のやることに参画する、市役所のやることに協働すると私には見えてしまい、そこの真ん中に市役所があるというような、それがもしかしたら無意識の中にあるんじゃないかと思っています。私は、そうではなくて、市役所は中心でなくて、市民一人一人が主役、どこかが中心というようなことではないというふうに、そうした意識を私は持っています。
そうした中で、じゃあ具体的にどうしていくか。具体的にさまざまな指示を今日までしてきたつもりでありますけれども、例えば情報発信のあり方についてですが、情報の受け手である市民目線で発信、そして編集できているかということであります。例えば自治会向けに対してさまざまな部局がいろんな制度を持っておりますけれども、一方で、それぞれの部局から紙とか情報がいろんな形で出てきますが、自治会の役員をやられた方からすれば、まず防犯の話をした後、今度は学校の見守りの話をして、今度は夏祭りの話をして、それはもうトータルワンパッケージなわけでありますが、そうした自治会向けの本市制度の一覧というもの、これは、こういうのをつくるべきじゃないかということで、早速市民局の中で今一まとめにしてやっているところであります。
ただ、こういう取り組みを一々市長が、これをまとめろ、あれをまとめろと言うのではなくて、それぞれの職員が、市役所の立場でなく、そうした情報の受け手から見た、市民から見た情報編集・発信のあり方を、私からすると市役所職員から提起してもらいたい、そんな意識改革をしたいというのがまずあります。これは、行政経営改革全体にかかわる重要なポイントでありまして、市職員がボトムアップでさまざまな改革提案、それが上がってくるような組織風土・文化をつくることこそ行政経営改革、これがなくては全体の行政経営改革はできないというふうに思っているところであります。
そうした中で、最後に、数値目標と達成年次についての御質問にお答えをいたします。
現在策定しておりますのは行政経営改革の基本的な考え方であり、改革の成果は具体的な取り組みを示す実行計画にできるだけ数値目標を立てて進捗を把握する必要があるものと考えております。また、進捗につきましては、行政経営改革本部において一元的に管理していくこととしております。
さらに、改革を各局、各職員に浸透させるためのさまざまな取り組みを通じて、実効性のある改革としてまいりたいと思います。
以上です。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆30番(篠原正寛) それぞれに御丁寧なる御答弁ありがとうございました。特に市長におかれては、通り一遍という言い方がどうかは別にしまして、御自身の思いを熱心に語っていただいたことに感謝したいというふうに思います。
それでは、お尋ねした順に片づけていくことにしたいというふうに思います。
まずは、産業振興基本条例及び産業振興計画についてであります。
これは、ちょっと再質問をさせていただきたいと思います。
宮水に関して、私の所管がえしてはどうですかというお勧めに対して、開発部門と一体となって取り組んでいくという御答弁がありました。一般的に縦割り・職務分掌絶対文化の役所において、具体的にどう一体になっていくのでしょうか、具体的にお答えください。再質問です。
○議長(
大石伸雄) 再質問に対する当局の答弁を求めます。
◎
産業文化局長(岩崎敏雄) 再質問についてお答えします。
宮水保全条例の手続は、開発事業者に対して、当該開発許可申請等に先立って酒造団体との協議を行うことを義務づけ、その協議の報告を受けることを定めております。開発事業者は、宮水の保存に向けた技術的な対応を行うこととなるため、例えば開発事業者から技術的な相談を受けた場合、市の開発・技術部門が一定の説明をすることで開発事業者の理解が深まり、酒造団体と開発事業者との協議がより円滑に進むことが考えられます。それらのことから、今後、宮水保全条例の運用について、開発・技術部門との連携をさらに深め、市が一体となって取り組むための適切な役割分担について検討を行ってまいります。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆30番(篠原正寛) ありがとうございました。
どうやって一体になっていくんでしょうか、それは検討してもっと一体になっていきますというお答えをいただきまして、実は何か裏に深い意味があるのかなと思って、考えたいんですけど、もう意見の中でこれは申し上げたいというふうに思います。
それでは、産業振興基本条例及び産業振興計画についての意見、要望を申し上げさせていただきます。
まず、宮水の件ですが、宮水は本市の酒造業にとって不可欠という捉え方にもちろん異議はありません。しかし、既に実際のお酒の製造に使われている率はかなり減少しており、都市ブランド発信課は、いわばその歴史物語、象徴としての付加価値を守ることに専念し、そこにエネルギーを費やしたほうがよいと質問では申し上げてきたつもりです。
一義的には地下水の話であり、また、普通の地下水と異なるのは、宮水はその多くが既に摂取できるよう井戸として完備されているので、水道ライフラインが途絶した場合の貴重な生活用水として活用できる可能性もあるということです。
開発部門と一体となって事に当たるとのことでしたが、二重所管という前例はなく、窓口としてはやはり、技術的な協議がすぐできるよう開発部門が受け持ち、そこから連絡を受けて酒造関係者とのパイプ役になるという、そういう一体が効率的な業務展開ではないかと思われます。
今後、市全体の業務の効率化を検討する中、遠からず組織改編がある可能性もあると思いますので、いま一度、どの手順で扱うことが効率的なのか、まさに真剣に検討して、より確からしい結論に導いていっていただきたいというふうに要望させていただきます。
続いて、巨人ガリバー君の振る舞い方のお話でございます。
局長より決意のほどは伺いました。それを具現化する方法は、この質問で完璧なものが次々語られるほど簡単ではないと承知はしておりますが、それでも、決意を体現するよう渾身の努力を図っていっていただきたいというふうに思います。
私が求めた決意とは、外に向けたものではなく、庁内を説得し、市全体で条例の意図を体現していくことへの決意でした。率直に言って、その御決意としてはまことに心もとないものではございましたが、今後しっかりと見守らせていただきたいと思います。
質問では他部署のことをちょっと意地の悪い言い方をしてしまいました。実際には、各部門の御担当各位は忠実に職務を行っているだけなのであり、そこに悪意があるとはもちろん考えておりません。しかし、行政の仕事は、例えば申請をさせる、対象に給付をする、許可する、規制をかける、前例を踏襲するなど、ともすれば排他的に映る種類のものが多いのもまた現実です。ガリバー君がどんな口で優しい言葉を語っても、悪意なく人の足を踏んづけていたり、話しかける顔が違うほうを向いていては、企業市民の協力構築などおぼつきもいたしません。
固有名詞は出しませんが、近年、実際に私が見聞した例を挙げますと、電子機器の大型入札で、地元の企業の参加促進と言いながら、実は大手メーカーの子会社が有利なように仕組まれていたり、物品の指名競争入札で、本市の事業者が呼ばれないのに、なぜか遠方の業者が参加、落札していたり、公共工事で業者がトラブルに巻き込まれたとき親身に守ってくれなかったり、本市の発注業務は温かいという声より、冷たいという声のほうが聞こえてきます。
また、最近のことですが、10室程度の
小規模旅館業を開業したいという事業者から、通学路に近いので許可されないという御相談を受け、調べたところ、確かに規制には抵触していたのですが、これはいわゆるファッションホテルと同様の扱いで、子供たちの通学にはほぼ影響がないのですが、子供の目に触れさせてはいけないという理由が含まれることが判明しました。車両の出入りもあるのに、集合住宅なら何らの規制も受けず、また、もし建つものが大型商業施設であるなら、通学路のほうを変更するとのことでした。子供の通学における安全を守ることは当然最優先ですが、酒蔵ツーリズムを促進するという都市型観光政策の方向性が打ち出される中、一体何を規制しているのかよくわからないという事案に遭遇しました。
何も、市内業者に高い値段で落札させたり、規制を大目に見てくれと言うつもりは毛頭ありませんが、このような相談も聞いてくれないとしたら、幾ら条例をつくっても、計画をつくっても、市内産業の育成に熱心だという評価を今後獲得していくことは難しいことになるでしょう。
また、担当者と話していて気づいたのですが、公共が営利事業者の利潤追求に余り加担してはいけないという考え方が産業振興部門にさえあるようです。利潤、利益、もうけ、何と呼んでもいいのですが、確かにある意味正論ながら、そこには大きな思い違いがあるように感じました。
先ほど述べた巨額発注のうち、例えばシステム開発や大型施設建設などは、大企業が請け負います。彼らは、多くの場合、どれだけもうかっても本市には納税しませんし、企業市民にもなってくれません。また、彼らの利益は、高額な役員報酬や内部留保や投資家への配当の原資となります。これに比べて中小企業、特に
小零細企業の利益は、その多くが納税の原資であり、市内従業員の給料であり、市内で消費される割合が高いものです。言いかえれば、小さな企業の利益は生活そのものとも言えます。これらを全て一くくりにし、公共は利潤追求に加担しないとするのは短絡的過ぎるのではないでしょうか。中小零細企業が倒れ、雇用が失われれば、結局、さまざまな社会保障に応じなければなりません。どうせどこかが受注し、税から対価が支払われるのであれば、その資金がまた本市に還流するような、そして、まちづくりに協力が得られるような使い方を志すのは、最良にして、とても合理的であります。これを単に表面の段階で他人の利益とみなすのは早計であろうと思います。
市民に温かい行政、これがいつでも当然にして目指されるように、企業市民にも温かい行政が実現するよう、御担当には一層の奮励努力を期待したいと思います。
この項目は終わります。
続いて、国民健康保険会計の改善について意見、要望を申し上げます。
まず、現在の予防事業については、国の示す標準メニューを漫然とこなすのではなく、私の想像よりかなり精密に考えられており、効果検証もなされているということで、評価させていただきたいと思います。
ただし、加入者の減少で医療費全体は減っていますが、1人当たりの医療費は、各種の御努力にもかかわらず、同じペースで増加し続けています。さらに細かく費用対効果を検証したり、事業の質を向上させていくことが必要で、例えば特定健診受診者の医療費が低いことはつかんでいるのですから、具体的にどう受診率の向上を実現していくのか、遠からずその方法を立案したり、特にここ近年で始めたことの検証はまさにこれからですから、これをしっかりとPDCAサイクルに乗せ、結果がどうなったのか、例えば文書啓発をする2,000人の受診行動に変化はあったのかなど、しっかりと開示をしていただきたいと思います。
続いて、二つ目の質問に対してです。
私は、他市でうまくいっている実例が幾つもあるのだから、社会実験から始めてはどうですか、効果が見込めるなら予防費用のさらなる増額も必要ですよと申し上げました。ただ、御意見を踏まえ、今後研究検討していきますといういつものいなされ方が嫌だったので、検証という言葉であえて迫らせていただきました。新しいことを調査し、取り入れられるかどうか、一々検証することは結構大変なことです。何でも全て職員が直接やれと言っているのではなく、訪問指導を事業委託したように、費用をかけて外注することもできると思いますし、手間をかけずにこれを行う工夫も考えられると思います。
例えば、他市で効果を上げているようだと例に挙げた鍼灸治療への補助事業の検証は、本市でも現在、高齢福祉課で鍼灸マッサージの補助券を出しております。これは申請式なので、どこのどなたが申請しているのかはわかっているわけですから、個人情報は明かさなくても、この方々、つまり鍼灸治療を行っているであろう方々の医療費がどうなっているとか、平均より高いのか低いのか、内部調査で検証することも簡単にできるのではないかと思います。
医療費の増大は、介護給付費の増大と同じく、国を挙げての問題です。厚生労働省のほうでも、各自治体でさらに手を打つよう、恐らく通達も来るものと思いますが、これをただこなすにとどまらず、効果があると予想されるあらゆることを積極的に実施してみるべきです。介護保険と一体にすることもふえてくるでしょう。あらゆる抵抗・困難を乗り越え、市民の健康寿命を延ばして財政の健全化をも図る、この王道をしっかりと邁進していっていただきたいと思います。
そして、その鍵は、効果性の高い予防事業を多角的に実施できるかにかかっています。今回は、予定外に急遽6月定例会での質問と私自身がなったため、1人当たりの医療費の低い各地のエビデンスを持って質問に臨むことが間に合いませんでしたが、本件は、介護保険ともども今後も研究し、また別で取り上げさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で本件は終わります。
最後に、市役所改革でございます。
述べたように、質問の目的は相互理解なので、再質問はございません。
最後に、現時点における私の考えを述べておきたいと思います。
まず、呼び方の件ですが、私にとってこれは行財政改革です。必ずしも財源捻出が目的でないということを表現するために今の表現になったのかもしれませんが、下手にできなかったときの逃げ道ととられるような表現になるより、歳出の圧縮は不可欠なのですから、目的の一つにちゃんと掲げておくほうが正直だと思います。
認識が一致できるなら、必ずしもその呼び方にこだわっているわけではありませんが、この話は、私が今までさんざん人生で失敗してきたダイエットに例えるとわかりやすくなります。これは体重を減らすことが目的ではない、体質改善なんだ、昔の服が着たいだとか格好よく見られたいなどというふらちな目的ではないから、御飯を半分減らすとか、おやつをやめるとか、ずっと続けられないようなことはやりません、根本的に一から生活習慣を考え直す機会にします、だから、目標体重が重要ではありませんというような感じに聞こえます。しかし、11年前、同じくそう掲げた結果、今があります。果たしてこの延長で大丈夫なのでしょうか。
何年後か結果が出なかったときに、一定の意識改革はできた、職員の目が輝き始めたなどのくそ評価を許さないため、はっきりと持続可能な未来のための財源を確保すると宣言したほうがよいと考えています。
次に、改革の目的ですが、私にとって改革の目的は、方針の目的と大きく異なるものではありませんが、いま少し深刻な表現がふさわしいように感じています。
令和という時代は、その美しい意味とは裏腹に、余り幸せな時代にはならないかもしれません。2025年、団塊の世代が全て後期高齢者となり、超高齢社会の最盛期がスタートします。これは、第2次ベビーブームと言われる団塊世代のジュニア層が高齢化する2040年あるいは2045年ごろまで続くことになります。つまり、これから20年を耐えることのできる行財政運営が、行政経営が最低でも必要だということです。
今、社会を取り巻く諸問題、そして、荒ぶる自然災害の猛威、いつ来るとも知れない南海トラフ巨大地震、これらの対応には巨額の財源が必要で、どれだけ備えても不足感から逃れ得ない、そんな深刻さを少なくとも議場にいる私たちは共有する必要があると思っています。
しかし、20年耐えるために今の時代を生きる方々を犠牲にすることはもちろんできません。そして、今の大盤振る舞いや私たちの怠慢で未来の方々を犠牲にすることもまたできません。議会と市長、市幹部だけではなく、市民、職員、労働組合や職員団体、あらゆるステークホルダーを巻き込み、知恵を結集して今と未来を同時に守る、それが私の考える目的です。
また、数値化については、これが絶対ではありませんし、根拠の明示できない数値を安易に目標とすべきではないと思っていますが、重要項目には適切な目標を立て、短いスパンで工程管理を行うべきだと考えています。1年とか3年とかの目標で、結局できませんでしたのような報告とならないよう、NPMのような民間経営の厳しさを取り入れるというのですから、必達という概念をしっかりと備えていただきたいと思います。
ここに報告書があります。これは、平成20年度まで行われていた前の行政経営改革基本計画の取り組み結果報告書です。今の方針につながる立派な概念が記載してあり、改革28項目のうち4分の3が実施できた、達成できたと書いてあります。ちなみに、当時、できなかった、不十分ですとされたものは、この中で、政策・施策評価、目標管理システム、公共施設の維持管理システム、人事評価制度、外郭団体等の経営改革、市民参画手法の運用で、そのほとんどは、今なお不完全なまま課題として本市に重くのしかかっています。また、実施済みとされた項目でも、10年たってみれば、形骸化していたり、今となっては経営改革に資するものだったのか不明なものも多々あります。何より、行政運営の仕組みや職員の意識改革なしに行革を行っても限界が来るとして着手したはずのこの計画が、完了した後、本当に行政運営の仕組みや職員の意識を変え得たのか、しっかりと顧みることが肝要です。
財源捻出を目的としないと強調している部分、余りにも立派に掲げられた理念の数々、11年前と今の方針は似ているように感じています。この当時、何をし、何が足りなかったのか、これを失敗ではなく教訓として生かし、今度こそやり遂げたいと思っています。
今はまだ、議員間はもちろん、議会と市長、市長と市の幹部、そして各局長間でさえ、まだまだ認識の違いや温度差があるように見えています。特に歳出の固まりとして最大である総人件費の削減は必須です。ただし、災害時でもないのに、最も知恵のない大衆迎合的手法、一律何%カットなどという方法は、私は考えていません。職員は、職員という巨大な生き物なのではなく、一人一人の人間の集まりです。悪貨が良貨を駆逐するという言葉がありますが、人に見せるための一律カットは、無意識のサボタージュ、生産性の低下につながり、カットした金額以上の価値を失うことになるでしょう。信賞必罰を旨としながらも、誰の尊厳も奪わず、また、毀損もせず、敵のいない戦いを勝ち抜く、それが私の決意であります。
当局側は全員、議員もそのほとんどは、20年後、恐らくこの議場にはもういません。だからこそ、各職みずからの尊厳にかけて、我らが見届けることなき20年後のために、英知と勇気と情熱を持ってともに改革に取り組んでまいりたいと思います。
以上で一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
大石伸雄) 篠原正寛議員の一般質問は終わりました。
これをもって一般質問を終了します。
次に、日程第2 議案第1号ほか10件を一括して議題とします。
各件に対する提案理由の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑の通告を受けておりますので、発言を許可します。
一色風子議員。
◆9番(一色風子) 議案第10号
西宮市立地域子育て支援施設条例の一部を改正する
条例制定の件について、2点、質問いたします。
健全育成事業を今回取りやめることにより、当初の仕様書や指定管理料の積算根拠の一部が変更になることについて、指定管理者制度の中での問題点はないか、確認いたします。
1点目、指定管理料の積算根拠となる健全育成事業を取りやめることで、指定管理料は再指定の際に増減が生じると考えますが、次回の再指定の際の子育て支援施設の事業内容など、積算根拠はどのように市として提案していくのでしょうか。
2点目、来年度の再指定の際に、業務仕様書が当初の指定の際と変わってくることになりますが、再指定時にはどのように選定委員会で評価されるのでしょうか。また、こういった事例は今までにもあるのでしょうか。
お願いいたします。
○議長(
大石伸雄) これより当局の答弁を求めます。
◎
こども支援局長(時井一成) 議案第10号に関する質疑にお答えいたします。
まず1点目、高木北地域子育て支援施設での再指定に当たり、指定予定者から提案される金額につきましては、専門的な知見を持つ外部専門委員で構成する選定委員会において、事業計画とあわせて審査が行われます。選定委員会は、市が健全育成事業を除いた仕様内容に基づき算出した積算額を基準として評価を行い、指定予定者が指定候補者として妥当であるかを判断し、選定を行うこととなります。
次に、再指定の判断及び過去の事例についてお答えします。
高木北地域子育て支援施設は、留守家庭児童育成センター ――以下「育成センター」と言います――と一体的に公募が行われた施設でありますことから、再指定も一体的に行うものでございますが、今回の健全育成事業のみの取りやめは全体から見ると軽微な仕様にとどまること、また、これまでの指定管理者の運営の状況を踏まえて当初の指定期間を延長することが好ましいと判断したものでございます。
なお、市の判断の妥当性につきましては、選定委員会において審査いただくこととしております。
また、過去に同様の事例があったかにつきましては、西宮市の指定管理者制度において非公募再指定を行っているのは、今回の子育て支援施設と育成センターのみとなっております。
子育て支援施設は、今回が初めての非公募再指定であるため、前例はございません。
また、育成センターにつきましては、制度の改変や利用児童数の増減による仕様変更があった場合には、業務仕様書に基づき、双方協議の上、変更協定を締結することで対応しております。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆9番(一色風子) ありがとうございました。
この件に関しては、また後日、討論で述べさせていただきたいと思います。
以上です。
○議長(
大石伸雄) 通告による質疑は終わりましたが、ほかに御質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
大石伸雄) なければ、これをもって質疑を打ち切ります。
上程中の各件はそれぞれ担当常任委員会に付託します。
付託区分は議事日程に記載のとおりであります。
次に、日程第3 議案第12号を議題とします。
本件に対する提案理由の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑の通告を受けておりますので、発言を許可します。
一色風子議員。
◆9番(一色風子) 何度も済みません。
議案第12号令和元年度西宮市
一般会計補正予算、こども支援局所管分、児童扶養手当支給等事業経費554万2,000円について、3点、質問いたします。
この事業経費は、未婚の児童扶養手当受給者に対する臨時特別給付金になりますが、これは、消費増税対策と子供の貧困対策ということで給付されるものです。対象は、未婚のひとり親世帯が対象になりますが、その対象となる方々に情報がちゃんと届くのか、また、手続の負担などがないのかという視点で質問いたします。
1点目、対象者の把握方法、周知方法と案内方法はどのようなものでしょうか。
2点目、申請確認のために戸籍謄本などを提出して確認審査をしなければなりませんが、支給対象者、また、担当課にとって、その事務や事務手続が負担にはならないのでしょうか。
3点目、申請期限はことしの8月から来年の2月までと聞いておりますが、その期限を過ぎると受理していただくことができません。対象者は未婚のひとり親家庭となっている中、その期限は短いと感じますが、考慮されることはないのでしょうか。
以上3点についてお願いいたします。
○議長(
大石伸雄) これより当局の答弁を求めます。
◎
こども支援局長(時井一成) 臨時特別給付金の増額補正に関する質疑にお答えいたします。
まず、支給対象者の把握方法につきましては、担当課が保管する児童扶養手当受給者台帳から受給開始理由が未婚による出産の受給者を抽出することで、支給対象者を確定させる予定でございます。
また、給付金の周知案内につきましては、市政ニュースと市のホームページへの掲載を行うとともに、支給対象者には、給付金の案内チラシと申請書を個別に送付する予定です。
次に、申請確認の手続についてお答えいたします。
対象者より提出いただきました戸籍謄本に基づき、これまでの法律上の婚姻の有無について担当課が確認審査を行います。戸籍謄本の提出やその内容の確認審査が支給対象者及び担当課にとって負担になることが想定されますが、国が自治体に対し、申請者から戸籍等の書類の提出を求め、婚姻歴の有無を確認することによって審査を行うことと示しており、給付金の適正な支給のために必要な手続と考えております。
次に、給付金の申請期間についてお答えいたします。
国は、未婚の臨時特別給付金に係る申請期間として、自治体に対し、4カ月以上6カ月以内とするよう示しているところですが、本市は、受給者の利便性等を図るため、ことしの8月1日から来年2月1日まで6カ月間の最長の申請期間を確保したいと考えております。
以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 当局の答弁は終わりました。
◆9番(一色風子) 何度もありがとうございました。
意見はまた後日述べます。
これで終わります。
○議長(
大石伸雄) 通告による質疑は終わりましたが、ほかに御質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
大石伸雄) なければ、これをもって質疑を打ち切ります。
上程中の本件は担当常任委員会に付託します。
付託区分は議事日程に記載のとおりであります。
次に、日程第4 議案第13号ほか15件を一括して議題とします。
各件に対する提案理由の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
上程中の各件に対し、御質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
大石伸雄) なければ、これをもって質疑を打ち切ります。
上程中の各件はそれぞれ担当常任委員会に付託します。
付託区分は議事日程に記載のとおりであります。
次に、日程第5 報告第5号ほか11件を一括して議題とします。
各報告に対する説明は既に聴取しておりますので、これより質疑、討論に入ります。
各報告に対し、御質疑、御意見はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
大石伸雄) なければ、各報告はこれをもって終わります。
次に、日程第6 議案第26号ほか1件を一括して議題とします。
当局の提案理由の説明を求めます。
北田副市長。
◎副市長(北田正広) 提案理由を御説明申し上げます。
なお、議案番号のみを申し上げ、事件名を省略いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
議案第26号は、
尼崎養護学校耐震補強及び
施設等改修工事に係る工事請負契約を変更するに当たり提案するものでございます。
以上1議案につきまして、何とぞ御賛同賜りますようお願いを申し上げます。
報告第17号は、
処分報告の件で、地方自治法第179条第1項に基づき
専決処分いたしましたので、同条第3項の規定により、報告し、承認を求めるものでございます。
処分の内容といたしましては、公務上の災害に係る
損害賠償請求事件について、判決内容に不服があったため控訴したものでございます。
以上1件につきまして、何とぞ御承認賜りますようお願い申し上げます。
提案理由は以上でございます。
○議長(
大石伸雄) 提案理由の説明は終わりました。
これより質疑に入ります。
上程中の両件に対し、御質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
大石伸雄) なければ、これをもって質疑を打ち切ります。
上程中の両件はそれぞれ担当常任委員会に付託します。
付託区分は議事日程に記載のとおりであります。
次に、日程第7
報告監第1号ほか5件を一括して議題とします。
各報告につきましては、本市監査委員から既に配付のとおり報告があったものであります。
これより質疑、討論に入ります。
各報告に対し、御質疑、御意見はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
大石伸雄) なければ、各報告はこれをもって終わります。
以上で本日の日程は全部終了しました。
なお、各常任委員会の審査日程は、7月2日、3日及び4日の3日間の予定でありますので、各委員会におかれましては、この間に付託事件の審査を終了されますよう、よろしくお願いいたします。
本日は、これをもって散会します。
御協力ありがとうございました。
〔午後0時09分 散会〕...