尼崎市議会 > 2020-03-06 >
03月06日-03号

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  1. 尼崎市議会 2020-03-06
    03月06日-03号


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    令和 2年  2月 定例会(第16回)        第16回尼崎市議会会議録(定例会)第3号-----------------------------------◯議事日程    令和2年3月6日 午前10時 開議第1 議案第25号 尼崎市手数料条例の一部を改正する条例について第2 議案第30号 尼崎市立歴史博物館の設置及び管理に関する条例について第3 議案第35号 尼崎市立城内地区自動車駐車場の設置及び管理に関する条例について第4 議案第40号 尼崎市建築物等関係事務手数料条例の一部を改正する条例について第5 議案第41号 尼崎市営住宅の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例について第6 議案第1号 令和2年度尼崎市一般会計予算第7 議案第2号 令和2年度尼崎市特別会計国民健康保険事業費予算第8 議案第3号 令和2年度尼崎市特別会計地方卸売市場事業費予算第9 議案第4号 令和2年度尼崎市特別会計育英事業費予算第10 議案第5号 令和2年度尼崎市特別会計公共用地先行取得事業費予算第11 議案第6号 令和2年度尼崎市特別会計公害病認定患者救済事業費予算第12 議案第7号 令和2年度尼崎市特別会計母子父子寡婦福祉資金貸付事業費予算第13 議案第8号 令和2年度尼崎市特別会計青少年健全育成事業費予算第14 議案第9号 令和2年度尼崎市特別会計介護保険事業費予算第15 議案第10号 令和2年度尼崎市特別会計後期高齢者医療事業費予算第16 議案第11号 令和2年度尼崎市水道事業会計予算第17 議案第12号 令和2年度尼崎市工業用水道事業会計予算第18 議案第13号 令和2年度尼崎市下水道事業会計予算第19 議案第14号 令和2年度尼崎市モーターボート競走事業会計予算-----------------------------------◯出席議員   1番    別府建一議員   2番    辻 信行議員   3番    西藤彰子議員   4番    広瀬若菜議員   5番    松澤千鶴議員   6番    武原正二議員   7番    久保高章議員   8番    安浪順一議員   9番    楠村信二議員  10番    光本圭佑議員  11番    中尾健一議員  12番    藤野勝利議員  13番    小西逸雄議員  14番    佐野剛志議員  15番    林 久博議員  16番    川崎敏美議員  17番    小村 潤議員  18番    山崎憲一議員  19番    須田 和議員  20番    綿瀬和人議員  21番    明見孝一郎議員  22番    北村章治議員  23番    宮城亜輻議員  24番    東浦小夜子議員  25番    蛭子秀一議員  26番    土岐良二議員  27番    眞田泰秀議員  28番    岸田光広議員  29番    丸岡鉄也議員  30番    真崎一子議員  31番    徳田 稔議員  32番    都築徳昭議員  33番    酒井 一議員  34番    福島さとり議員  35番    開 康生議員  36番    前迫直美議員  37番    真鍋修司議員  38番    杉山公克議員  39番    安田雄策議員  40番    上松圭三議員  41番    北村保子議員  42番    波多正文議員-----------------------------------◯議会事務局事務局長           高尾博幸君事務局次長          中田正弘君議事課長           豊島源史君-----------------------------------◯地方自治法第121条第1項の規定による出席者市長             稲村和美君副市長            森山敏夫君副市長            吹野順次君危機管理安全局長       辻本ゆかり君総合政策局長         塚本英徳君資産統括局長         御崎成亮君総務局長           芝軒崇晃君医務監            郷司純子君健康福祉局長         足田剛志君こども青少年局長       辻本正樹君経済環境局長         土元英樹君都市整備局長         田尻和行君消防局長           赤川孝平君公営企業管理者        有川康裕君総合政策局企画管理課長    中村直樹君教育長            松本 眞君教育次長           白畑 優君教育次長           北垣裕之君選挙管理委員会委員長職務代理者               兼行栄子君代表監査委員         今西昭文君-----------------------------------(令和2年3月6日 午前9時58分 開議) ○議長(真鍋修司議員) これより本日の会議を開きます。 日程に入るに先立ち、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において眞田泰秀議員及び佐野剛志議員を指名いたします。 この際、事務局長から諸般の報告をいたさせます。 ◎事務局長(高尾博幸君) 御報告いたします。 現在の出席議員は42人であります。 なお、地方自治法第121条第1項の規定により出席を求めております者のうち、中川選挙管理委員会委員長は、通院のため本日の会議を欠席、代わって兼行選挙管理委員会委員長職務代理者が出席する旨の届けが参っております。 次に、本日の議事日程は配付いたしましたとおりであります。 報告事項は以上であります。 ○議長(真鍋修司議員) 日程に入ります。 日程第1 議案第25号 尼崎市手数料条例の一部を改正する条例についてから日程第19 議案第14号 令和2年度尼崎市モーターボート競走事業会計予算まで19案を一括議題といたします。 これより質疑に入ります。 代表質疑の通告がありますので、順次発言を許します。 なお、最初に申し上げておきますが、質疑に当たっては要領よく、簡潔に願います。また、答弁に際しては、質疑の要点を的確に把握し、簡明に願います。 また、代表質疑の時間は、答弁を含め、各会派1時間程度となっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。 眞田泰秀議員。   (眞田泰秀議員 登壇) ◆27番(眞田泰秀議員) 皆様、おはようございます。公明党の眞田泰秀でございます。 令和2年度当初予算並びに関連諸議案を審議する第16回定例会におきまして、公明党を代表して、市長の施政方針並びに諸施策について代表質疑を行ってまいります。 先輩・同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御静聴賜りますようよろしくお願いを申し上げます。 なお、当局におかれましては、新型コロナウイルスの対応に専念していただくため、質問を半減させていただきましたので、通告している項目の中に質疑しない項目があることを御承知おき願います。市議会においても、尼崎市議会災害時連絡会議が設置されました。マニュアルの基本行動を常に念頭に置き、対応してまいります。 初めに、昨年中国にて11月下旬から12月初旬に発生したと言われる新型コロナウイルスについては、国内感染者は本年1月16日に初めて陽性が確認され、感染者は昨日の3月5日時点で国内で317名、お亡くなりになられた方は6名となっています。そして、3月1日未明、初めて兵庫県内在住の方が感染されました。新型コロナウイルスでお亡くなりになられた方へご冥福をお祈りし、御遺族の方々へお悔やみを申し上げます。また、病に伏しておられる方の早期御回復をお祈り申し上げます。 加えて、感染症対策の相談センターで対応されている職員の方など、市民の不安を軽減するための取組に従事されている職員の方々や、ほかにも様々な通常とは違う対応をされている職員の方々に敬意を表しますとともに、感謝を申し上げます。 市長におかれましては、尼崎市新型コロナウイルス感染症対策本部長として、市民への感染防止対策や不安を軽減するために指揮を執ってくださっていると思います。 3月に入り、このような状況の中、令和元年度の決算にも影響が出ることは明らかであります。令和2年度の予算に対しては、これからどれくらい影響が出てくるか想像ができない状態でありますが、令和2年度の予算には、当然のことながら、新型コロナウイルス感染症で影響されると予想される予算となっておりませんが、様々な歳入が減ったり歳出が増えたりすることが考えられます。災害とは違い、個人では認識のできない感染症の怖さがあり、捉え方は個人によって様々であるとは思いますが、この困難な状況を乗り切っていくため、市長として、感染症対策本部長として、市民の方々へのメッセージをお願いいたします。 昨年は、平成が31年で幕を閉じるときに尼崎城がオープンして、生涯学習プラザもオープンし、新しい時代を迎えるような感じもいたしました。その後、新たな元号令和となり、あまがさき・ひと咲きプラザがいくしあなど充実した内容で整備されましたことはうれしいことであります。 その間、体罰事案などが昨年発生し、いじめ問題も対策半ばで先月再び発生したことは誠に遺憾であります。今後しっかりと検証し、対策を行っていただきたいものであります。 本市は、ファミリー世帯の転出が続いており、様々な事業により転出が抑制されることを期待するものでありますが、平成28年から4年連続転入超過となっていることは喜ばしいことだと感じています。 先ほど申し上げた尼崎城、そして生涯学習プラザ、ひと咲きプラザのオープンに続いて、令和2年度には歴史博物館の開館が見えてきております。さらに、学校給食センターの整備が順調に進むことを祈っております。その上で、今後の総合文化センターの耐震化や市場の今後についても注視していきたいと思います。 今後、このような大きな整備が控えていますが、市長の見解をお聞かせください。 尼崎市民憲章の前文にゆたかな産業都市に発展させることとありますように、主要事業の考え方の中にもありたいまちの主要取組項目の4つの中の一つとして、産業活力とまちの魅力を高めるとありますが、主要事業の5つのポイントや令和2年度の重点化項目の中に産業・経済のことがないように思いますが、必要ではないでしょうか。市長の見解をお聞かせください。 令和2年度も様々な課題がありますが、公明党は小さな声を、聴く力を根本とし、ネットワーク政党を生かし、人が輝き、あまらしさを発揮できるように、さらに住みやすいまち、住みたいまち、尼崎のために全力を尽くしてまいります。 それでは、財政について伺ってまいります。 令和2年度予算は、あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトの中間総括で示した財政規律と財政目標を踏まえた予算編成を行いました。一般会計は2,096億5,000万円と対前年度46億5,000万円増の過去最高の本市の予算となりました。本市は、バブル経済崩壊後、長引く景気の低迷や阪神・淡路大震災、リーマンショックによる世界経済不況やデフレなどで危機的な財政状況が続きました。平成15年度から平成19年度の5年間を計画期間とする経営再建プログラム、平成20年度から平成24年度までの5年間を計画期間とする“あまがさき”行財政構造改革推進プランの10年間で行財政構造改革を目指してきました。194億円の効果額を計上しましたが、結果的に収支均衡ができませんでした。 そこで、平成25年度から平成34年度の10年間の計画期間である、あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトを策定し、令和4年度に持続可能で弾力性のある行財政の基盤が確立されている状態を目指すことを目標にしました。 経営再建プログラム、“あまがさき”行財政構造改革推進プランの10年間は、危機的財政状況の下、職員定数の削減や給与カットなど、内部経費の大幅な削減や退職手当債、行政改革推進債などによる予算編成が続き、まさに緊縮予算編成、真にまちづくりを推進する予算がなされたとは思えない状況が続きました。 あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトも中間総括を行い、先ほどの2,096億5,000万円規模の予算編成となりました。本市が目指す訪れたい、住んでみたい、住み続けたい、住んでよかったまちへの来年度予算としなければなりません。 本市は、4年連続社会増を達成、この2年間は人口も増加しました。住みやすいまちでは関西で一番、住んでみたいまちでも上位となりました。これは、本市が持つ特徴、鉄道駅13駅などの交通利便性、平たんな土地での移動が便利、土地や物価などが近隣他都市よりも比較的安価、人情味がある、などがあると思います。これからは10年、20年、いや、30年と尼崎市で子育てをして安心して暮らせる住み続けたいまち、住んでよかったまちを実現していかなければなりません。 そこで、市長にお伺いいたします。 あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトの後半、令和4年へ尼崎のまちづくりのお考えを市民へ分かりやすくお聞かせください。 昨年、尼崎市議会決算特別委員会で、令和2年度予算に向けた提言を行いました。公共施設マネジメントの取組について、市民アンケートでは知っているの回答が12%、パブリックコメントで市民周知が不十分であるとの意見が寄せられました。公共施設マネジメントの取組を進めるに当たっては、市民等の理解促進に向けた取組を強化すべきであると提言を行いました。 この議会からの提言を受けて、公共施設マネジメントの取組については、その意義・目的について市民の理解が深まるようきめ細かく意見を伺いながら進めていく必要があるので、1、施設の特性を踏まえながら、従来型の市民説明会ではなく、タウンミーティングを積極的に実施する。2、公共施設マネジメントの取組やその必要性などについて分かりやすく解説したパンフレットを全戸配布するとしています。 また、稲村市長は、令和2年度施政方針において、行財政改革の一環として取り組んでいる公共施設マネジメントについては、予防保全の推進とライフサイクルコストの低減に取り組むとともに、見直し対象となる施設については、タウンミーティングなどを通じて、市民の皆様と方向性を共有しながら、着実かつ丁寧に取組を進めてまいりますと述べています。 そこで、市長にお伺いいたします。 第1次公共施設マネジメント計画において、市民の皆様と方向性を共有しながらとはどのようなことでしょうか。具体的にお答えください。また、タウンミーティングで議会が提言した市民等の理解促進に向けた取組の強化となるのでしょうか。お答えください。 次に、SDGsと気候変動問題についてお伺いいたします。 昨年、ヨーロッパやインドでは記録的な熱波に見舞われ、また、世界各地、日本でも猛烈な台風や集中豪雨による水害が発生し、被害は年々増加しております。 昨年9月に、国連で気候行動サミットが行われました。国連加盟国の3分の1に当たる65か国が温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにするとの方針を表明し、そうした挑戦を全地球的な規模に広げることが急務となっています。生きる全ての人々と将来の世代への脅威という意味で、気候変動問題は単なる環境問題にとどまるものではなく、核兵器の問題と同様に人類の命運を握る根本課題にほかならないものであります。 実際、気候変動の影響は、貧困や飢餓の根絶をはじめとする国連のSDGs、持続可能な開発目標の取組も土台から崩しかねないものとなっています。気候行動サミットと相前後して、若い世代を中心に時代変革を求める動きが広がったことに加えて、各国の自治体をはじめ大学や企業が意欲的な取組を加速させています。平均気温の上昇幅を1.5度以内に抑えることを目指すパリ協定の運用も今年から始まります。その推進を軸に、気候変動の問題に立ち向かう連帯を広げ、SDGsの全ての分野をプラスへと転じることが重要であります。 ここでお伺いします。 気候変動問題を市民とともに考える、意識する、そして、未来を生き抜く子供たちのために、気候非常事態宣言を行うべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 次に、住み続けられるまちづくりについて、特に都市基盤整備について伺ってまいります。 本市は、尼崎市総合計画において、本市の将来をありたいまちの姿として示し、まちづくり構想とその実現の取組を示したまちづくり基本計画を一体に取り組んでいます。現在取り組む後期まちづくり基本計画の主要取組項目には、まちの持続可能性を高める、次の世代に、よりよい明日をつないでいくまちに向けての施策には、住環境・都市機能の安全・安心、快適で暮らしやすいまちとして、3つの展開方向があります。それは要約すると、仕組みづくり、魅力づくり、そして生活空間の維持・創出であります。安全・安心、快適で暮らしやすいまちの施策には、都市計画マスタープランをはじめ多くの分野別計画が連携しているものの、インフラ整備をはじめ現状の進捗状況で市民誰もが暮らしやすさや、地域のにぎわい、魅力あるまちの創出に向け、令和2年度予算案は、総合計画期間内において、本市のありたいまちの実現は可能になるのでしょうか。 ここでお伺いいたします。 本市の都市基盤を生かしたまちづくりをどのように評価されているのか。また、進捗においては、市民、事業者の意見を施策評価結果からどのように受け止め、次期施策に反映されているのか、市長の率直なお考えをお聞かせください。 次に、教育について、市長にお伺いいたします。 主要事業のポイント3、令和2年度の教育・学力では、未来社会を生きる力を育てるとしています。これからの子供たちの生きていく社会は、確かに情報化や国際化等大きな社会変化があり、その状況に対応できる生きる力を育む教育が求められております。 そこでお伺いします。 令和2年度の教育の柱である未来社会を生きる力を育てるとは、どのような教育になるのか。また、そこに込められた市長の思いとはどのようなものかお聞かせください。 以上で1問目の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) それでは、眞田議員の代表質疑に対しまして、順次お答えを申し上げます。 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねです。 新型コロナウイルス感染症については、感染を完全に防御することは難しい状況ですが、感染の拡大のスピードを抑制することは可能であり、まずは流行の早期終息を目指しつつ、患者の増加スピードを可能な限り抑制し、重症者の発生を最小限に食い止めることが目標とされています。とりわけ現時点では、クラスターが次のクラスター(集団)を生み出すことを防止することが極めて重要であり、徹底した対策を講じていく必要があります。 このような認識の下、本市では2月27日に私を本部長とする対策本部を設置し、全庁的な連携体制の下、専用相談ダイヤルの設置や検査体制の整備などのほか、感染予防に関する情報の発信、主催イベント等の中止、さらには市立学校園の臨時休業など、拡大防止に向けた取組を随時行っているところでございます。 市民の皆様におかれましては、手洗いの徹底、せきエチケットの遵守、発熱等の風邪症状がある場合は外出を控えるなどの予防を徹底していただくとともに、デマに惑わされずに冷静な行動を取ることをお願いしたいと存じます。 引き続き、関係機関と連携し、感染拡大の防止に向け、全力で取り組んでまいります。市民の皆様の御協力をどうぞよろしくお願いいたします。 次に、今後の大規模な施設整備が控えていることについてのお尋ねです。 本市では、総合計画に示すありたいまちの実現に向け、多額の将来負担という財政運営上の大きな課題も踏まえる中で、市民ニーズや喫緊の政策課題に対応するべく、生涯学習プラザや中学校給食センターをはじめとする施設整備も含めた新たな取組を推進しているところです。 また、老朽化等により対応を要する既存の公共施設については、少子化・高齢化が進む中、将来の本市にとって、身の丈に合う施設規模となるよう、中長期的な視点で、計画的かつ戦略的に施設の集約・複合化や長期保全の取組を進めています。 御指摘の総合文化センターだけでなく、次期焼却施設などの整備が控えており、今後におきましても、将来世代に負担を先送りしない持続可能な行財政運営と社会情勢の変化を的確に捉えた市民ニーズへの対応の両立を図りながら、施設の整備に取り組んでまいります。 次に、来年度主要事業重点化項目における産業・経済施策についてのお尋ねです。 令和2年度主要事業におきましては、限られた財源の中、本市の最重要課題であるファミリー世帯の定住・転入促進に資する取組として、学力向上対策や待機児童対策などを特に重点的に取り組む項目として、選択と集中を意識しながら予算編成を行ったところです。 重点化項目につきましては、施策評価結果などを踏まえながら、その時々の情勢に応じて対象を検討しており、産業振興につきましても、総合戦略において3つの基本目標の一つとして、経済の好循環と「しごと」の安定を目指すを掲げるなど、本市の活力を高める重要な要素として認識しているところでございます。 こうしたことから、地域の稼ぐ力を引き出す観光地域づくりを目指し、地域資源を活用した魅力創造発信について、特に重点的に取り組む項目としております。引き続き、時代の変化に即した地域経済の活性化や雇用・就労支援施策の展開に努めてまいります。 次に、あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクト後半に向けてのまちづくりに関するお尋ねです。 本市では、あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトにおいて、持続可能な行財政基盤の確立に向けた都市の体質転換を掲げました。現役世代の定住・転入促進を目指して様々な施策を重点的に推進してきた結果、人口動態が4年連続の社会増となったことに加え、イメージが向上しているといった調査結果が得られるなど、取り巻く環境に変化が見られます。 プロジェクトの計画年限である令和4年度に向けては、こうした傾向をさらなる好循環につなげるべく、訪れたい、住んでみたい、住み続けたいまちに向けた取組をさらに推進していくとともに、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据え、住んでよかったまちに向けた取組についても強化していきたいと考えているところです。 令和2年度はこうした考えの下、社会増にはなったものの、依然としてファミリー世帯の転出超過傾向が見られることから、子育て世代に住んでみたい、住み続けたいと感じていただけるよう、教育・学力向上対策や待機児童対策に引き続き取り組むとともに、年齢を重ねても住んでよかったと感じていただけるよう、介護予防の取組なども進め、生きがいづくりや健康寿命の延伸を図っていくこととしています。 こうした取組を通じ、プロジェクトに掲げる都市の体質転換を図り、持続可能な行財政基盤を確立することで、ありたいまちの実現を目指してまいります。 次に、公共施設マネジメントの取組についてのお尋ねです。 市民の皆様と方向性を共有しながらということなんですが、公共施設マネジメントの取組の背景にある本市の財政や人口構成の状況、老朽化が進む公共施設の現状などについて、市民の皆様の理解が深まるよう丁寧に説明し、きめ細かく意見を伺い、考えを共有していくことと捉えておりまして、事業の円滑な推進に欠かせないものと考えております。 また、タウンミーティングは多くの方が意見を出しやすい手法、市職員と参加者、また、参加者同士も意見交換しやすい手法として実施しています。理解の促進につながるものと考えており、今後も進めてまいります。 その一方で、公共施設マネジメントの取組についての市民理解はまだまだ低い状況にあると認識しております。 令和2年度におきましては、公共施設マネジメントの取組やその必要性などについて御紹介いただきましたが、市民の皆様に分かりやすく解説したパンフレットを全戸配布し、さらなる周知と理解に努めていきますとともに、タウンミーティングにも多くの方に御参加いただけるよう取り組んでまいります。 次に、気候非常事態宣言についてのお尋ねです。 気候変動については、国内外で様々な影響・被害が生じており、地球環境が危機的な状況にあることを市民や事業者の皆様とともに意識することが重要であると認識しております。 本市では、尼崎市地球温暖化対策推進計画に基づき、エネルギーの量だけでなく、質にも着目した様々な施策を講じることで、脱炭素社会を見据えたまちづくりを進めていくこととしております。 これらの取組を進める中で、地球温暖化対策の重要性に対する市民や事業者の皆様の認識を改めて促進する必要があると判断した場合には、宣言等の手法も視野に検討していきたいと考えております。 次に、都市基盤を生かしたまちづくりについてのお尋ねです。 本市では、これまでの市街地整備や都市計画道路の整備により、施策評価の目標指標において、都市基盤が整い、利便性と安全性が確保されていると感じている市民の割合が80%を超えるなど、市民の高い満足度が得られているものと考えております。また、都市基盤整備による利便性や防災性が評価され、本当に住みやすい街大賞2018in関西でJR尼崎駅周辺が1位となったことにもつながったと思います。 今後は、これまでのつくるから、つくったものを生かし、守り、育てることへと転換するとともに、ファミリー世帯の定住・転入、災害に強いまちづくりなど、行政課題に応じた対応を行っていく必要があると考えています。 また、施策評価結果でも示しておりますとおり、道路、橋梁等の都市基盤については、快適で暮らしやすいまちづくりに向け、計画的かつ効率的な整備・更新に努めることとしており、今後とも児童・幼児などの市民に対する安全・安心の観点から、優先順位をつけて着実に基盤整備を実施してまいります。 次に、本年度の教育の柱である、未来社会を生きる力を育てるとはとのお尋ねです。 議員御指摘のとおり、これから子供たちが生きていく社会は、グローバル化や情報化、AI技術の急速な進展などの流れの中で、人生の選択や生き方そのものが予測困難な社会になっていくと思われます。 このような時代の様々な変化に、将来子供たちが果敢に向き合い、未来社会を切り開いていくためには、未来の様々な課題に遭遇しても、他者と共同しつつ、主体的に解決していくことができる資質や能力を育むことが、今日の学校教育に求められている使命であると認識しています。 このような思いから、来年度の主要事業のポイントの一つに、未来社会を生きる力を育てるを掲げ、主要事業として、新たな学習指導要領等を踏まえた外国語教育の充実や教育現場のICT環境整備に向けたネットワーク環境の構築、それら新たな資質や能力を先進的に育む教育実践のための未来の学び研究事業等に取り組んでいくこととしています。 これらの新たな取組によって育まれた力によって、子供たちが希望に満ちあふれた未来を切り開き、将来のまちづくりの主役として社会に大きく貢献してくれることを期待しているところでございます。 以上で、眞田議員に対します1問目の答弁を終わらせていただきます。 ○議長(真鍋修司議員) 眞田泰秀議員。   (眞田泰秀議員 登壇) ◆27番(眞田泰秀議員) 1問目の御答弁ありがとうございました。 SDGsについて、特に尼崎市においては、昨年の決算の提言なども受けられてしっかりと対応していただいている、具体的に予算も組んでいただいている内容も見受けられますので、ぜひとも宣言をしていただけたらなと、このように思っておるところでございます。ありがとうございます。 それでは、2問目について質問させていただきます。 初めに、児童虐待対策について。 尼崎市においては、過去から近隣他都市に比べて虐待の相談件数は突出して多く、平成25年度と比べて平成29年度では2.4倍とさらに急増しております。 そこでお伺いします。 現在、兵庫県におきましては、西宮こども家庭センターの管轄区域3市、尼崎市、西宮市、芦屋市を見直し、尼崎市単独の兵庫県尼崎こども家庭センターの新設に向けて準備、検討されているとお聞きしましたが、設置について、市としましてはどのようにお考えか、見解をお聞かせください。 次に、幼児教育・保育について伺います。 昨年10月、公明党が2006年に発表した少子社会トータルプラン以来訴えてきた幼児教育・保育の無償化がスタートしました。小学校・中学校9年間の普通教育無償化以来、70年ぶりの大改革です。幼保無償化の目的は、家庭の経済的負担の軽減を図る少子化対策と、生涯にわたる人格形成と義務教育の基礎を養う幼児教育の重要性です。 私たち公明党は、関係する当事者の皆様の声を聴くべく、幼保無償化に関する実態調査を行いました。その結果は、約9割の利用者に幼保無償化が評価されていること、今後取り組むべき課題は、幼児教育と保育の現場における質の向上と受皿整備です。 本市は、令和3年4月1日に全ての待機児童を解消することとしていますが、そのためにはあと1,044人分の定員を確保する必要があります。既に計画が確定し準備を進めているものと、今後確保に向けた新たな取組が必要なものとありますが、令和3年4月開設の準備を進めていた北難波保育所は、建設地の地盤の影響により工事着手ができず、開設が遅れてしまう見通しです。そして、過去には平成30年度、平成31年度の2か年で待機児童を解消する計画でしたが、公募の不調が続き、残念ながら計画は達成できませんでした。 このようなことを踏まえ、計画どおりに待機児童解消ができるのか、大変危惧しております。そして、保育の質の向上については、先ほどのアンケート調査結果にあったように、利用者から今後取り組んでほしい施策の第1位は保育の質の向上、事業者が求める施設の安定的な運営を続ける上で期待する施策の第1位は人材の育成・確保への支援でした。 お伺いいたします。 1,044人の定員確保を着実に実施するため、どのような取組をされるのか。また、保育士確保に向けた様々な取組で何名の確保をされようとしているのでしょうか。事業者へのアンケートでは、若い担い手不足、仕事がきつい、定着率が悪いとの声もありますが、御見解をお聞かせください。 次に、高齢者施策についてお伺いします。 主要事業のポイントでは、住んでよかったまちと感じていただく対象者は、高齢者の皆さんを想定して取組を進めていかなければならないとも書かれています。高齢者の皆さんにこそ、尼崎は住みやすいまちだと感じてもらえることが非常に大事な視点ではないかと思います。 先ほど市長もおっしゃいましたが、2025年まであと5年です。団塊の世代の人たちが75歳以上の後期高齢者に到達します。高齢者の皆さんに喜んでいただける取組を今まで以上に充実させていかなければなりません。令和2年度は安心して年齢を重ねられるというテーマの下に、新規施策として、1、介護予防等の取組を効果的に情報発信する、2、認知症とその家族を支援する、3、地域ぐるみの介護予防の推進をするといったことが挙げられています。 長寿国の日本は、人生100年時代を迎えます。高齢期の長期化は、単純に計算すると、75歳から100歳までの25年間の取組ということにもなります。この人生100年時代を見据えると、健康寿命の延伸が大きな課題になると思います。そのため、特に力強く進めるべきは、新規施策にもある介護予防・健康づくりです。その重要な役割を担うのが、高齢者が地域で集まり、運動や会食、趣味などを楽しむ通いの場です。 お伺いします。 地域での通いの場には様々なものがあると思います。例えば先ほど触れたいきいき百歳体操や高齢者ふれあいサロンのほかにも認知症カフェ、いきいき100万歩運動などがあります。それぞれ高齢者が集う大事な場所ですが、これらの場所を活用した介護予防・健康づくりとしてのフレイルチェックの取組はどのように実施していくのでしょうか。薬剤師会とも連携することなどもお聞きしていますが、しっかり取り組んでいただきたいと思いますが、見解をお示しください。 障害福祉について。 令和2年度の拡充事業でもある障害者(児)相談支援事業についてお伺いいたします。 平成31年3月末現在、本市において、難病のある方を除きますが、身体・療育・精神の各障害手帳を所持している方の合計は3万3,425人です。障害福祉サービス等の支給決定者数は、令和元年8月時点で、障害者4,352人、障害児1,615人の合わせて5,967人となっております。 前期の尼崎市障害福祉計画第4期においては、計画期間終期の平成29年度に障害福祉サービス等の支給決定者全員に利用計画が作成されるよう、月ごとのサービス等利用計画の人数とモニタリングの人数の必要量を見込んでいましたが、結果的に利用計画の作成率は3割程度にとどまってしまいました。同様に、障害児においても計画作成率は5割半ばにとどまりました。 こうした反省を踏まえ、平成30年度から始まった現行の尼崎市障害福祉計画第5期においては、期間終期の令和2年度に全員にサービス等利用計画が作成されるよう、改めて必要量が見込まれ事業実施がされており、障害者・障害児ともに利用計画の作成が促進されて、平成30年度末の作成数は3,623人で、当時の支給決定者5,829人に対して、作成率は62.2%と大幅に増加しました。 こうした支給決定者(児)のサービス計画作成に当たっては、本市が委託している指定相談支援事業所の相談支援が大きな役割を果たしています。紹介しましたように、利用計画の作成達成率は着実に増加していますが、市長は支給決定者(児)全員への計画作成のためには、指定相談支援事業所の相談支援専門員が足りないとして、令和2年度から、新たに知的障害のある方を対象とした委託相談支援事業所1か所と相談支援専門員2人を増やすとしています。 そこでお伺いいたします。 平成30年度に利用計画作成が増えた要因は、どういったことだったのか。また、尼崎市障害福祉計画第5期の終期令和2年度末に、先ほどの要因と来年度の相談体制の充実とを併せて、計画どおりサービス等利用計画の作成は100%を達成できるのか、御見解をお聞かせください。 次に、動物愛護施策についてお聞きいたします。 動物愛護センターの1階に整備する計画で進められている保護・譲渡施設についてお聞きいたします。 本年1月に行われました第28回尼崎市動物愛護管理推進協議会において、当局は推進委員からそれぞれが希望する改修イメージ案を出していただきたいとお聞きしております。 そこでお伺いいたします。 動物愛護センターの保護・譲渡施設改修費用は、動物愛護基金からの支出と環境省の補助金を使って整備したいとお聞きしておりますが、今後、推進委員の希望案と財源額をどう調整していかれるのでしょうか。今後の整備スケジュールと併せてお聞かせください。 次に、経済対策について、ここでは稼ぐ力を強化するという視点で伺ってまいります。 事業者が稼ぐ力をつけるための事業が少ないのではないでしょうか。日本の国内総生産(GDP)は、2008年以降、ほぼ毎年上昇を続けています。日本の労働者人口も減少していません。一方、本市の事業所数や従業員数の減少は歯止めがかかっておらず、市と国の状況に乖離を感じます。一つ一つの事業は、目標を達成しても全体を押し上げる結果になっていません。本市の事業の決定プロセスが、この人員とこの予算ならここまではできるという上積み方式になっています。ですので、できることを逆算して立案されていると思います。 今求められているのは、市長の決意を目標とし、市の全ての知見を結集して、市長が示されたゴールを達成するかどうかという決意だと思います。 加えて、思い切った利益誘導と利益分配が必要です。本市の中小企業、小規模事業者が元気に生き生きと経済活動が取り組める体制は十分なのでしょうか。情報不足に陥っている本市の事業者、支援策を必要とする中小企業にしっかりと届くよう、企業訪問を本格的に実施すべきです。 市長は昨年、私自らももちろん先頭に立って取組を着実に進めるとおっしゃいました。 お伺いいたします。 産業を主要施策に格上げすべきです。稼ぐ力について、来年度の予算にどのように反映されているのか、市長の決意と併せてお聞かせください。 次に、観光行政についてお伺いします。 昨年開城いたしました尼崎城は、間もなく1周年を迎えます。先月の2月末時点の有料来館者数は14万5,000人となり、3月までの当初目標の15万7,500人が、新型コロナ対応で休館するために、その達成は微妙だと思います。 これからの単年度では、有料来場者数10万5,000人が目標で、城址公園の来場者目標は15万人です。そして、昨年の尼崎城開城に引き続き、本年10月に尼崎市立歴史博物館がオープンの予定です。15億円を超える整備費を投じて、市立文化財収蔵庫と市立地域研究史料館の施設機能を併せ持った施設に大きく生まれ変わり、大型バスが駐車できる40台の有料駐車場を有し、年間5万人の来館者を見込んでおられます。 そして、人気アニメ忍たま乱太郎の原作者である尼子騒兵衛氏の作品などを所蔵する尼子事務所より寄贈された作品資料を紹介する尼子騒兵衛展が開催される予定となっており、全国へ尼崎の認知度を高める大きなチャンスであります。 このようなビッグチャンスに、令和2年度より経済活性課から独立して観光振興課を設置します。令和2年度主要事業で観光に係る施策では、稼ぐ力の言葉がどこにも見当たりません。多くの市民が訪れることによって、シビックプライドの醸成に寄与するとか、訪れたいまちへの取組等が示されております。 お伺いいたします。 令和2年度より設置された観光振興課をどのように機能させて経済的効果、観光消費額向上、観光による稼ぐ力への取組をされるのでしょうか。御見解をお示しください。 最後に、本市の文化振興施策全般について伺ってまいります。 芸術・文化は人を育み、まちの未来をつくる大きな原動力であると言っても過言ではありません。そして、昨年4月より総合政策局に文化振興と文化特命を所管する文化担当部が設けられました。文化庁の補助もつき始めました。 そこでお伺いします。 尼崎市文化振興財団との連携、文化団体育成の在り方、地域文化を創造する次代の担い手の育成、そして、まちの魅力増進など、尼崎市文化ビジョンに基づき、令和2年度以降の文化振興施策の概要についてお聞かせください。 また、間もなく白髪一雄氏生誕100年を迎えると思いますが、節目の記念事業などは検討されているのでしょうか。併せてお聞かせください。 以上をもちまして、公明党の代表質疑全てを終了いたします。代表質疑で触れなかった内容については、予算分科会及び総括質疑にて行わせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) それでは、眞田議員の第2問目の質疑に対しまして、順次お答え申し上げます。 まず、兵庫県尼崎こども家庭センターの新設についてのお尋ねです。 先日、兵庫県から、昨今の児童虐待相談件数の増加を受け、西宮の児童相談所から独立し、本市のみを所管する児童相談所を市内に新設するため、令和2年度予算に検討準備のための経費を計上したと発表がありました。 一方、本市では、昨年10月に、子どもの育ち支援センターいくしあを開設し、子供家庭総合支援拠点として、予防的な観点から児童虐待の早期発見・早期対応や、不登校、発達障害の課題などに寄り添う支援を始めたところです。 市内に児童相談所が設置されますと、今まで以上に支援に必要な情報が得られ、制度の高い見立てと迅速な対応が可能となり、いくしあと児童相談所との連携がより一層推進できるものと期待しています。このため、市内におけるセンター新設に向けて、県に協力をしていきますとともに、いくしあと児童相談所の子供への支援に係る連携についても、さらなる強化に努めてまいります。 次に、保育定員の確保と保育士確保についてのお尋ねです。 保育定員確保に向けては、待機児童が多いエリアにおいて、さらなる受入れ枠を確保するため、認可保育所等の新設や認定こども園の改築に伴う定員増に加え、民間法人の理解、協力を得ながら、定員の弾力化をさらに推進してまいります。 これら定員確保事業に必要となる保育士の数は約210人で、その確保策として、新卒保育士への就労支援金の支給や保育士宿舎借り上げ支援事業等に加えまして、資格を有しながら保育業務に従事していない、いわゆる潜在保育士への就労支援や研修事業などを新たに実施することにより、さらなる保育士の確保・定着化を進めていくこととしております。 次に、地域での通いの場を活用した介護予防についてのお尋ねです。 介護予防の取組は、楽しい、役立つ、続けようと感じてもらうことが大切です。フレイルチェックは、東京大学開発のプログラムに沿って研修を受けた同世代のフレイルサポーターとともに、楽しみながらフレイル状態をチェックし、意欲的に介護予防を進めようとするものです。 現在はモデル的にいきいき百歳体操の実施団体を中心に実施していますが、今後サポーターを増やし、高齢者ふれあいサロン等の通いの場やいきいき100万歩運動参加者にも対象を広げ、将来的には通いの場を利用していない高齢者の方にも参加いただける機会を設け、介護予防を進める動機づけにしたいと考えています。また、薬剤師会など関係団体と連携し、フレイル予防やその活動継続の重要性などについて、あらゆる機会を通じて啓発していきたいと考えております。 次に、障害者(児)相談支援事業についてのお尋ねです。 本市では、平成30年1月に設置した基幹相談支援センターと委託相談支援事業所が連携を図り、相談支援事業所の連絡会や研修会を定期的に開催しているほか、個別に事業所の相談や利用計画の作成支援等に取り組んできたことが計画作成数の増えた要因だと考えています。 来年度はさらに委託相談支援事業所を1か所増加するなど取組を拡充する予定ですが、本市におきましては、依然としてサービス利用者数が増加傾向にあります。 令和2年度末に利用計画の作成率100%を達成することは、現在のようないろいろな取組強化を計上しましても、実は厳しい状況かなというふうに認識をしているところですが、引き続き委託相談支援事業所と連携しながら、今後の推進方策などの協議・検討を行い、できる限り早期の達成を目指して取り組んでまいります。さらなる体制強化の必要性等も現場とよくやり取りしたいと思いますし、もちろん一刻も早い100%達成も大切なんですけれども、お一人お一人多様な状況にしっかりと寄り添った利用計画の作成を進めていきたいと考えているところでございます。 次に、動物愛護センターの保護・譲渡施設の整備についてのお尋ねです。 保護・譲渡施設の整備につきましては、昨年8月に動物愛護管理推進協議会に協議事項として提案し、これまでにも様々な御意見をいただいています。 協議会では、動物愛護基金と環境省補助金の活用を前提として、現実的な予算の範囲内でできることは何か、優先すべきことは何かなど、具体的な選択肢を整理しながら協議を進めているところです。 今後は他都市の施設等も参考にしながら、令和2年度中に整備方針を固め、令和3年度予算に必要経費を計上できるよう、協議会での協議を進めていきたいと考えています。 次に、産業施策の予算への反映に関するお尋ねです。 企業が活発な経済活動を行うためには、時代に即した課題を解決しながら、個々の企業が持つ力を高めることが必要だと考えます。そのため、来年度予算では企業の魅力や経営力の向上に資する施策として、SDGsや外国人人材に関する施策のほか、設備投資や新製品・新サービスの開発への補助などによる事業費を計上しているところでございます。 産業振興は、総合計画の主要取組項目や総合戦略の基本目標として掲げているなど、本市の稼ぐ力を高める上で重要な要素だと認識しており、今後も重点化のいかんに関わらず、本市施策のほか、国や県、金融機関の施策も紹介・活用するとともに、時代や事業所のニーズに応じ、施策を見直し、地域経済の活性化を目指してまいります。 次に、新たに設置する観光振興課の取組についてのお尋ねです。 観光振興課は、市の関連部局をはじめ関係機関等との窓口として総合的な調整をこれまで以上に行うため、設置するものでございます。特に来年度は、議員からも御指摘いただきました歴史博物館の開館や尼子騒兵衛展などの大きな事業が予定されていることから、これらと尼崎城や商店街等との連携を強め、それぞれの事業が点ではなく、観光をキーワードとして面として展開し、重点取組地域における消費につながるよう、市内外からの人々の周遊を促進し、稼ぐ力を向上させる取組を進めていきたいと考えているところでございます。 次に、令和2年度以降の文化振興施策についてのお尋ねです。 本市では、尼崎市文化ビジョンに基づき、尼崎市文化振興財団とともに、伝統・文化の継承や若い人の夢とチャレンジを応援する事業などに力を入れており、若手芸術家を応援する尼崎市文化未来奨励賞の創設や世界的な指揮者の大植英次さんによるレッスンコンサートなど、新たな事業に取り組んでいるところです。 また、今年度は新たに文化庁の補助金を得て、尼崎城での薪能を開催いたしましたが、令和2年度には全国初となる尼子騒兵衛展の開催を予定しており、今後は今年秋に開館する歴史博物館などとも連携し、歴史・文化・伝統の継承、発展にも努めながら、尼崎の文化の魅力を広く全国に発信していきたいと考えています。 こうした取組と併せて、各地域の生涯学習プラザなどを活用して、市民がより身近なところで芸術・文化に親しみ、裾野の広い文化活動が行われるよう働きかけていくことも注力したいと考えています。 また、今年度から全国の美術館と連携しながら始めた白髪一雄巡回展につきましては、来年度は高松市美術館での開催を予定しています。 こうした取組を継続しつつ、白髪氏生誕100年の事業についても検討していくこととしております。 以上で、眞田議員に対します2問目の答弁を終わらせていただきます。 ○議長(真鍋修司議員) 眞田泰秀議員の質疑は終わりました。 続いて発言を許します。 波多正文議員。   (波多正文議員 登壇) ◆42番(波多正文議員) 皆さん、こんにちは。あまがさき志誠の会の波多正文でございます。第16回尼崎市議会定例会に当たりまして、あまがさき志誠の会を代表いたしまして、令和2年度予算案並びにそれに関する諸議案に対しまして、代表質疑を行ってまいります。 同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御静聴いただきますようお願い申し上げます。また、稲村市長には、質疑の趣旨をお酌み取りいただきまして、明確な御答弁をよろしくお願いいたします。 以前、尼崎市は、バブル崩壊による経済の激変に伴う税収入の落ち込み、また、少子高齢化社会の著しい進行なども背景とした扶助費の増大、加えて、駅周辺再開発、震災復興、公共用地先行取得といった、いわゆる負の遺産の処理により、とりわけ公債費は増加の一途をたどるとともに、収益事業収入という戦後の尼崎財政に大きく寄与していた、言わば固有の財源等も年を追うごとに減少しておりました。 宮田市政の頃のお話でありますが、その上に阪神・淡路大震災の復旧・復興事業を優先させざるを得ない中で、本市財政は本当にどうにもならない状況になっておりました。宮田・白井市政になり、このままでは財政再建団体に転落するとして、17年前の平成15年度から平成19年度にかけて経営再建プログラムが策定され、行政に経営的視点、体力に合った見直しと安定的な行政運営体制確立のため、現状分析、今後の収支見通し、再建の具体的目標、達成すべき目標への共通認識たる基本方針、主な項目とそれぞれの取組の視点を明記し、実施基準、改革改善の方向性や実施期間を示し、私自身も議員2期目から4期目の話でありますが、懸命な取組が行われました。当時の新鮮な気持ちがよく伝わってきます。 課題は新たになり、まだまだ大きな財源対策を講じなければ収支均衡が確保できず、今から12年前の平成20年度から平成24年度に“あまがさき”行財政構造改革推進プランで、将来負担の着実な縮減として50億円を超える構造改革に取り組みましたが、平成20年9月の世界的経済不況を発生させたリーマンショックの影響で構造改善以上の収支不足になり、引き続いて継続的な行財政改革を行っていかなければならなくなりました。 今から7年前、稲村市長が御就任になってからでありますが、平成25年度から平成34年度の10年間はまちづくりの尼崎市総合計画と同時に、行財政基盤を確立するためのあまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトが策定され、それに基づく取組が行われています。稲村市長は、よく双子の関係と称されておられましたが、こうした表現などを使い、市民理解を求めることに注力されてこられましたことは、私自身評価しております。 具体的に一つの例ですが、平成25年から行革と展望についての市民冊子が年度ごとに作成されるようになり、平成26年度から市民意識調査アンケートと施策評価も連動して作成され、重点や優先に反映されるようになりました。この頃から、まちづくり、ありたいまちへの方向性が順次鮮明化され、決算審査重視、決算審査直前に事務事業評価、施策評価も提出されるようになりました。 こうした地道な取組の成果として、平成30年には、新たな尼崎をお祝いするように、本当に住みやすい街大賞2018in関西と、評価されました。 今年は令和2年、市政104年、阪神・淡路大震災から25年になり、今後は住み続けたいまちを目指さなければならないはずなのですが、現在の財政状況は、少しよくなったとは言え、まだまだ厳しい面が残されており、気を緩めることなく、言い換えれば、初心に戻って律していかなければなりません。 さて、令和2年当初予算は、対前年度46億5,000万円の増で、特に市営住宅建て替え事業等の増加などがあり、過去最高の予算規模となっています。一般会計の歳入において、主要財源は前年度の8億円増となっていますが、市税は前年度4億円減で、個人市民税の納税義務者や固定資産税の増となったものの、法人市民税が14億円の減となっています。また、歳出においては前年度より46億5,000万円の増。 性質別では、投資的経費が前年度より37億円増となり、扶助費も4億円の増でありますが、生活保護費などの扶助費の伸び率が前年度より減少し、また、基金残高は前年度より減りました。 過去の経緯を述べつつ、感想めいたことを交えながら申し上げてまいりましたが、さて、尼崎市の総合計画と行政改革となるあまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトが同時進行で後半の折り返し地点も過ぎ、令和5年から10年間に取り組まれる計画を、今年、令和2年度から策定準備を始められますが、今年の将来負担の見通し、基金運用も含めて、今の財政状況をどう思っておられるか。また、市長が理想とするまちに尼崎市はどれだけ近づいたと思われるか。そして、まだまだと考えるのは、まちづくりのどこが力不足と思われているのか。十分に財源を充てることができずに少し心残りに思っておられる事業など、自らの言葉でお答えいただきたく思います。 また、令和5年から、計画について、何か考え方はあるのでしょうか。併せてお尋ねいたします。 今の総合計画のキャッチフレーズはひと咲き まち咲き あまがさきですが、行財政改革計画も同時に進行しています。市長は2期目のスタート時、質の改革を重視するとして、都市の体質転換を目指す改革と言われていました。 しかしながら、3期目のもう2年目となりますと、質の改革は終わったのかと思うほど表現が出てこないのでありますが、それ以外の質の改革を表現すると思われる言葉ですと、課題解決先進都市、自治のまちづくり、将来の負担を管理した未来を見据えたまちづくり、収支均衡の継続に向けた道筋をつけ未来へつなぐ財政運営や、以前に比べて聞かない情報公開、熟度の低いうちから意見を聞きます等、きらきら光っていた言葉が、最近では見当たらないし、聞こえもいたしません。 市長は、質の改革については十分に浸透し、行われていると思われて、表現されていないのでしょうか。それとも、1回言えば行政の人は飲み込みが早いのでもう十分と思われているのでしょうか。あるいは、もう質の改革はできたと思われているのでしょうか。お答えをお聞かせください。 次に、施策・事業の評価についてでありますが、あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクト、平成25年度から平成34年度の新たな行革の柱の一つであると私は考えており、事務事業の改革改善の推進として、事業たな卸しがありましたが、事業廃止は僅かしかありませんでした。また、事務事業評価だけの重要だけでは、事業レベルの視点しかないとして、施策の目指す姿が見えないとして、施策評価を平成26年度(平成25年度決算)より本格実施され、決算時の参考資料となりました。また、施策の重要度、満足度についての市民アンケートを平成29年1月から2月にかけて、市民調査アンケートが実施されるようになり、施策評価が平成29年度より決算議会の附属資料となり、平成30年度より事務事業評価も決算直前に附属資料として提示され、予算審議に連動できるようになりました。 2期目からの改革は、質の宣言で始められ、事業から施策評価に移り、シビックプライド、シティプロモーション、地域力の向上、若手世帯の転入・定住など多くの取組を示されましたが、3期目は明確な改革に対する質の転換の深化と、さらに改革につながる意欲、あるいは言葉が見当たりません。私自身の勝手な思いかもしれませんが、そのように感じる次第であります。もう改革の道筋はできたと思っておられるのかも、併せてお聞かせください。 情報公開、議会提示案件は、熟度の低い段階から意見を聞くことによって、若年世帯層が住み続けたいまちに転換するための努力や、シティプロモーション、シビックプライドに取り組むような仕組みを一定考えているとは思います。 何か役人の人は難しいことは後回しというようなことを以前聞いたことがありますが、陽明学では、抜本塞言論という言葉があります。根本になるところ、最も困難なところから解決していく、そのことが周囲も影響されて自然と改まっていくということです。一部の人でやゆした言い方になりますが、役人はその反対で、困難なところは行き詰まったときの誰かが着手するであろうという気持ちが先行しているので後回しになっていると言われがちです。 もとより、組織は人間が形成しています。組織をよい方向に変えていくのは人間です。年齢に関係なく、抜本的な課題解決に前向きな人材を重要な地位に登用することが、組織を再編成する以上に大切だと思います。 都市の体質転換という表現は最近あまり聞かれず、行政自体の体質の転換が尼崎行政にとっても必要ではないでしょうか。でなければ、課題先送り都市、尼崎に戻ってしまうと思います。 しかしながら、尼崎市の職員は、市長の意図するところをよく理解して仕組みを動かしているのか、疑問に思えてなりません。職員の方々は、一つ一つの事業は熱心であります。しかしながら、全体の質の改革に向け、全庁一丸となって動いているでしょうか。職員の意欲を市長はどのように感じていますか。お答え願います。 次に、評価表は、事業の重要性、必要性を可視化するためにも必要な仕組みであります。目指す行政目標に適切に対応した、また、有効性、そして評価の改善すべき内容が有効な結果となっているかを視点に入れれば、目標により早く近づくためにも必要な仕組みだと思います。例えば、数量の変化だけでなく、内容、質の適正性に近づいたか、サービスを受ける側からの問題・課題は解決したのか等、直接の受益者や第三者からの評価について、どう事業や施策に反映させるかが、事業や施策を深化させるために必要なことと思います。 施策評価の取組について、私は一定評価しております。現在の事務事業評価及び施策評価の現状について、市長はどう評価され、今後の在り方について考えるところがあればお示し願います。 次に、シティプロモーションとシビックプライドに関連してお尋ねいたします。 まず、シティプロモーションで大切なのは、尼崎で活動すれば補助金があるという安直で場当たり的ではなく、尼崎のまちの未来を自分たちが描こうという気持ちのコミュニケーションという意識で行うのが本来のシティプロモーションだということだそうです。 また、シビックプライドとは、まちのビジョンに関わる、前よりいいまちにしてやるといった自負心や自発心だという考え方です。 市長は、尼崎人口ビジョン(平成27年10月)で、令和22年に35万人、令和42年には26万人と示され、減少・歯止めも含め、尼崎版総合戦略を実行し、3つの基本目標として、1つ、ファミリー世帯の定住・転入を促進、2つ、経済の好循環としごとの安定を目指す、3つ、超高齢社会における安心な暮らしを確保とし、6つの柱の取組を示されています。 この3つの基本目標に対し、取組の実施事業が適切かどうかの検証は行われているのでしょうか。 つまり、ありたいまち、住み続けたいまちを目標にし、そのためのさらなる課題を適切に検証し、的確な課題解決とは言えない事業が多く見られます。施策評価が行われるようになり、以前より方向性は明確になり、本当に住みやすい街にも選ばれていますが、常に気を引き締めて行政活動に邁進しなければなりません。 今、尼崎は、住み続けたいまちを実現させながら、将来負担の多い財政状況を健全化させていかなければならない自治体です。将来負担見込額は努力して、令和4年度末に1,095億円にこぎ着けていますが、将来、本庁舎、クリーンセンター、中学校給食、ファシリティマネジメント等が控えていて、さらに市場の建て替えというようなことが突然提案されています。 今年度も一般財源ベース約3億7,800万円の主要事業が投資的経費、単年度経費として提案されていますが、今年度も政策及び財政当局でかなり調整があったと聞いています。 各局の行政の職員の方々は、尼崎の現在の財政状況と将来負担を踏まえ、そして、現在必要な施策を考えて議論しているのでしょうか。私は疑問に思えてなりません。 市長は、どこまで現在の財政状況等について、職員に浸透していると思われていますか。 次期尼崎の総合計画も視野に入れながら、まちづくり、財政状況、行財政改革は、職員の質も転換しなければ都市の体質転換につながらないと思います。長期的な視野で、今、職員の質の転換に取り組まなければ、尼崎市が元に戻ってしまうと思いますので、人材育成に力を入れていただきたく思います。 市長は、質の改革を実現するために、働く職員としてどのような人材が必要と考えているのでしょうか。そうした人材を育成するために、何に力を入れていく必要があるとお考えでしょうか。お聞かせください。 コロナ対策のため、時間短縮で続けて質問してまいります。 市場についてお聞きいたします。 以前から市場も施設が老朽化してきたと聞いていますが、財源の少ない中、まず市場の在り方を考えるのが先で、市民や小売店、そして飲食業に携わっている人が、今後どのような市場を望むかを聞き取って、あるべき市場をつくっていくべきと考えています。常に市場の在り方の話は行っていますかと行政に聞いていましたが、明確な返事もありませんでした。 しかしながら、昨年12月の定例会が終わってすぐ、市場関係者の最後の会があり、その報告を12月28日の市場関係者全体に報告すると聞き、26日の市場の会議に行き、傍聴したところ、その内容に驚きました。 また、2月6日の今議会の議案の事前説明時の資料の中に、市場の条例があり、びっくりしてその条例を提案する意味を調べ、結果、先日の常任委員会では継続審議となり、さらに、令和2年度の予算におきましても、約500万円の調査費が上がっています。 熟度の低い段階から、意見を聞きながら提出案件を決定していきたいと思いますとは逆行する立案過程であり、市場の体質はこのようなものかと思いました。 尼崎が住みやすいまちから住みたいまちへの移行が実現しようとしている中、今の地方卸売市場を見た人は、何と思わずにいられないでしょうか。その意味で、市場自体の体質まで転換しなければならないと心配いたします。 あるべき尼崎の地方卸売市場を含めてですが、まず、あるべき地方卸売市場の理想を目標として、それを実現するためにはどうしなければならないか。その中には、子や孫にツケを回さない、飲食店の人たちが買いに来たくなるような品物と接客、つまり、税金が生きてくるような地方卸売市場を目指すことが、税を負担している人たちが満足し、愛着を抱くような役割をこれからは背負っていただく必要があると考えています。 やはり大きなお金を使うときは、いろいろな立場の異なる人の意見を聞いて、熟慮し、何回も改善して、初めて理想に近いものが実現いたします。調査費を出しながら考えますというのは理解できません。 現在、尼崎が考える、あるべき地方卸売市場とはどのようなものでしょうか。お聞かせください。 次に、市営住宅についてお尋ねいたします。 市営住宅に関わるこれまでの取組を見る限り、本当に尼崎を若者世帯に転入・定住してほしいと思うまちにかじを切る気があるのかと疑っています。魅力ある自負心のあるまち、生きる力の出る糧を与えることのできるまち、そして、住みたくなる家のあるまちでないと、若者は転入してくれません。 今、公共施設の削減計画が始まっていて、現在においても類似都市の市営住宅戸数は5,000戸を切る数に対して、尼崎は2倍以上の約1万800戸となっています。逆に将来負担市債残高は断トツに多く残っています。若者が定住しにくい住宅事情になっています。 就労人口を増加させ、定住させることのできる一番の部局が、市営住宅保有戸数にこだわり、若年世帯が定住しやすい全般的な住宅施策に転換しないのは、権限の誤った履行と思います。市営住宅を適正な戸数に戻すには、国の通達後、独自で平成26年6月に、平成26年から令和30年度までの35年間で30%と決定いたしました。これで戸数は7,560戸ほどで、計画を立てた時点でも2,500戸以上、類似都市とは多い状況であります。 尼崎行政は、いまだ収益事業が年間140億円も入っていた体質が残っているとしか思えません。4割削減で約6,500戸、45%削減で5,940戸、5割削減で5,400戸であります。5割削減でも類似都市よりも多いということは、平成26年に決定した30%削減は、本当によい都市環境にする総合住宅政策の考えから決定しているとは思えません。 1万800戸を45%削減しても約6,000戸の市営住宅でありますので、平成26年に決定した尼崎市営住宅建替等基本計画を見直し、早急に若者層が定住しやすくなる総合住宅施策の観点に立ち、英知を駆使し、今ある最善の努力を行い、本当にありたいまちに近づけるようかじを切ることにより、住み続けたいまちへと近づいていく大きな決断のときと思います。 市営住宅建替等基本計画を見直し、総合的な住宅施策を進めていくことが、都市の体質転換に向けた絶好の機会と考えていますが、どのようにお考えでしょうか。あくまでも計画を推進するというのであれば、どのような住宅施策をもって都市の体質転換を行っていくかのお考えも併せてお答えください。 次に、教育についてお尋ねいたします。 教育関係については、先般来、大きな問題となっていますいじめの問題、また、新型コロナウイルスによる全幼小中高の休校に関する課題等を聞かなければなりませんが、それらはほかの会派の方からもあろうかと思いますので、この場では新年度予算計上を審議する場ですので、あまがさき志誠の会としての代表質疑においては、学力向上に関する問題に絞ってお聞きしてまいります。 先日、平成30年6月に閣議決定された国の第3期教育振興基本計画及び尼崎市総合計画後期のまちづくり基本計画を踏まえ、令和元年12月18日に、尼崎市教育振興基本計画(素案)(2020年~2024年)が提出され、令和元年12月から令和2年1月にパブリックコメントが行われ、最終、令和2年3月に策定される予定であります。 内容については、第1部が基本理念として、1つ、教育の基本方針、2つ、目指す人間像、3つ、教育委員会、学校園、家庭、地域社会の役割、第2部は各論として、1から10分野の取組について明記されています。 この教育振興基本計画は、今までとは異なり、どういう人を育てるか、それぞれの立場での役割、そして、10分野での現状、課題と、早期・近年・将来に向けての取組と成果をPDCAサイクルで回し、推進していくと示されています。 このように、目標、役割、そして各分野の現状、課題を踏まえて、今、近、長期の取組と成果をPDCAで回しながら、目標に近づける実施事業において行っていくことは、子供たちの育成に大いに役立ちますし、併せて若年世帯の転入・定住が必ず促進されると思います。 しかしながら、この教育振興基本計画をどのように定着させていかれるのかがまだ不透明であります。各主体がそれぞれの役割を担っていくため、どのようにこの計画を定着させ、推進させていくお考えなのでしょうか。つまり、これからの具体的なスケジュール、取組体制でありますが、まずお聞かせください。 秋田市が現在、教育では日本のトップを進んでいます。40年前は尼崎市の学力とそう変わらなかったそうです。尼崎市も同様に、独自で取り組んでいる学校もありますが、教育委員会の下、学力の定着を目指しての事業も多く取り入れ、徐々に児童・生徒にやる気が芽生え、ほぼ全国平均の現状になりましたが、平成30年暮れの独自テストで、ある学年だけが特に全国よりも下回っていました。そうしたことを思えば、まだ確かな学力の定着とは言えず、改めて気を引き締めなければならないと思います。 これまでは私は、さらなる確かな学力の定着のために、他都市の成果ある取組を積極的に取り入れるべきだと申し上げてきました。そうしたことを踏まえられ、尼崎市では、授業前の帯学習を全学校で定着させ、また、全国テスト、尼崎独自のテストは全学年で実施するようになりました。そして、放課後学習も徐々に広がり、学校訪問は全ての義務教育では訪問し、授業参観と研究協議も行っているとのことです。あとは運用面だと思います。 秋田市の生徒と全国の違いの特徴は、無回答が全国平均よりも2分の1か3分の1と、少ないということだそうです。それは、問題をしっかりと理解している生徒が他都市よりもずば抜けて多いということになります。秋田市では、無回答をなくすということがテストに対する目標だそうです。そのための努力は、何に力を入れているかを知ることが解答につながるかもしれません。秋田市の取組で特筆すべきことは、学級・授業づくりと家庭学習ノートの懇切な指導、点検、研究に尽きると思います。この点が、無回答や考える力、自発性を育てているのではないかと思われます。 まず、家庭学習に力を入れていることは、日常の中にやる気を育てるための体制を整えることだと推測します。また、家庭学習する場所では、そろえているもの、集中できるように、こうしたことも留意しているそうです。ただ必要最小限度の時間、課題は自分で決める。答え合わせは自分でさせ、家庭では確認のための頑張ろう、できました、よくできましたなどの花丸の印でよい。学校では先生方がノートの確認の仕方も研究会でするそうです。また、放課後学習などで課題のある生徒には指導をするそうです。 そこでお尋ねいたします。家庭学習ノートの徹底は、日常の中から学習意欲を絶やさないように、常に家庭と学校で生徒の育成につなげることができる方法で行い、それをさらに育てるのが先生の確認と放課後学習の利点だと思います。家庭学習の支援のできる体制の強化が必要だと思いますが、どのようにお考えなのでしょうか、お答え願います。 次に、全国や尼崎独自の調査結果を生徒の学力定着にどのように生かされているかをお尋ねいたします。 実施されている全国と独自の調査を授業の活用についてどのように考えているのかと聞きますと、全国は2度報告。1度目は、調査が行われる時点で傾向と問題点を分析し、報告。2度目は、試験が終わって、7月に国から結果報告が返却され、その分析と結果を作成し、報告。独自調査は、全国を受ける前年に5年と中学2年生に行い分析し、授業は課題解決型、研究型授業が特徴になっています。目当て、課題を確認して、思考を個人の思考から、話し合い、意味づけして全体思考、そして振り返りという全国テストに対応できる授業の仕方になっています。 それでお尋ねいたします。全国テスト対策まではいかなくても、無回答をなくし、自己思考型授業の推進はつまずきや応用力に課題に対する学習力の強い支援になりますので、ぜひ尼崎独自の取組を強化していただきたく思いますが、いかがお考えでしょうか。 尼崎の将来に向けて、産業の課題や青少年の課題など、健全な行財政のまちとなり、人々が住みたいまちを目指すために必要な質疑はまだたくさんありますが、本日取り上げることができなかった課題や本日の答弁からさらに掘り下げる必要があるものにつきましては、これからの予算特別委員会での分科会や総括質疑、意見表明におきまして我が会派の同僚議員の方々がただしてまいりますので、以上で私の代表質疑とさせていただきます。同僚議員の皆様、長らくの間、御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) それでは、波多議員の代表質疑に対しまして、順次お答えいたします。 まず、現在の財政状況についてのお尋ねです。 ようやく実質的な収支均衡を確保した予算編成ができるようになってきましたものの、今後も社会保障の増大等による収支不足の発生が見込まれており、引き続き構造改善に取り組んでいくことが重要だと認識しています。また、御指摘ありましたとおり、依然として本市の財政運営における大きな課題となっているのが、類似都市と比べて著しく高い水準にある将来負担の縮減です。 令和2年度当初予算におきましても、投資事業の調整と、過去に財源対策として発行した市債の早期償還を可能な限り進めることで、何とかプロジェクト中間総括に掲げる令和4年度の目標管理対象将来負担を1,100億円までに抑えるという財政目標を達成できる見込みですが、今後も焼却施設の更新など必要な投資事業が控えており、これらを見据え、計画的、戦略的に基金の積立て、活用を行うこととしております。 引き続き、将来負担の財政目標の達成に向け、基金も活用した市債の早期償還等を進めるとともに、子育てや教育施策の充実、学校給食センターの整備など、必要な政策投資と財政規律の両立を図ってまいります。 次に、理想とするまちづくりについてのお尋ねです。 ファミリー世帯の定住・転入の促進に向けては、それらの転出要因に教育、環境、治安やマナーといった本市の課題が凝縮されているとの認識に立ち、学校教育や子供・子育て支援に加え、市民参画指数の向上を含めたシティプロモーションに資する取組などについて重点的に取り組んでまいりました。 そうした中、本市の人口動態が4年連続社会増となるとともに、本市のイメージが向上しているといった調査結果が得られるなど、本市のまちづくりを取り巻く環境に変化の兆しを感じているところです。 しかしながら、改善傾向にはあるものの、ファミリー世帯の転出超過が続いていることから、定住・転入の促進について引き続き全力で推進していく必要があるとともに、自治のまちづくりなど非常に地道で継続的な取組が必要な分野もまだまだございます。理想のまちづくりに向けては、まだそれは道半ばというふうに認識しております。 波多議員のほうからの十分に財源が充てられずに心残り等があるのではないかというようなお話もございました。やはり、この後にも質問いただきました人材にしっかりと投資をしたいと思いますとともに、これも御答弁いたしておりますけれども、投資事業の優先順位が非常に今、厳しい判断を迫られております。そういう意味では、安全・安心のために喫緊必要な事業と、やはり将来に向けての投資としてやっていく事業と、もう少し財源に余力があればという気持ちは正直あるところでございます。 いずれにしましても、後期まちづくり基本計画は、この令和2年度が5年計画の3年目となり、折り返し点ともいうべき中間点を迎えます。まずは、残された計画期間において施策評価を通じて毎年度その方向性を確認しながら、現在進めています取組に注力するとともに、総合計画審議会をはじめ市民や議会の皆様からの御意見もお伺いする中で、令和5年度を初年度とする次期総合計画の策定にも着手をしていきたいと考えております。 また、あわせて、総合計画を着実に進めていくための持続可能な行財政基盤の確立に向け、財政計画の策定を進めてまいります。 次に、質の改革への道筋についてのお尋ねに一括でお答えをいたします。 あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトでは、高齢化の進行や雇用情勢の悪化に伴って生活困窮に陥りやすい方が多いという本市の特性を踏まえ、長期的な視点に立ち、量の改革から質の改革へと軸足を移したファミリー世帯の定住・転入促進や、健康で自立した生活の確保という都市の体質転換を図る取組を行財政改革の柱に掲げてまいりました。そうした中、ファミリー世帯の定住・転入促進に向けては、これまでから教育、子供・子育て支援、シティプロモーションの推進などに重点的に取り組み、ファミリー世帯の転出超過は減少傾向にあります。また、健康で自立した生活の確保におきましては、ヘルスアップ尼崎戦略事業をはじめとする市民の健康寿命の延伸を図る取組などにより、平均寿命との差は縮小しつつあります。 また、来年度当初の予算におきましても、個人市民税につきましては、今後は非常に懸念が多いですけれども、まだ顕著な状態が続いているというような状況でございます。 本市の財政運営面では、そういったことから、4年連続で実質的な収支均衡を確保するなど、財政の健全化にも一定の進捗が得られていると受け止めておりますが、質の改革に向けてはまだまだ途上であると認識をしております。 こうした取組は戦略的かつ長期的な視点に立って継続することが重要であることから、引き続き実効性のある取組を着実に推進し、プロジェクトの最終目標としております持続可能で弾力性のある行財政基盤の確立を目指してまいる所存でございます。 次に、職員の意欲についてのお尋ねです。 職員はそれぞれ意欲を持ち、日々積極的に仕事に取り組んでいると感じておりますが、課題としまして、自分の目の前の業務だけでなく、もっと市全体の方向性や取組を意識し、組織間の枠を超えて様々な人と関わり、協力・連携して課題解決に向けて行動を起こしていくことがより必要だと考えているところです。 こうした職員に求められる能力を高めるため、今年度、本市の人材育成基本方針であるはたらきガイドを見直し、求められる能力に即した望ましい行動事例、いわゆるコンピテンシーを活用した人事評価を開始したところです。 今後は、これらの内容をしっかりと職員間に浸透させ、職員一人一人の資質向上につなげ、職員の意欲をより高めていきたいと考えております。 次に、施策評価・事務事業評価についてのお尋ねです。 施策評価につきましては、平成29年度から市議会に決算審査の附属資料としてお示ししますとともに、平成30年度からは、それまでの各施策の評価のみならず、後期計画期間中、特に重点的に取り組む主要取組項目やまちづくりの根幹となる行政運営についても評価を始めたところです。今年度からは、まちづくりの進捗を総合的に評価し、市民の皆様に分かりやすくお伝えできるよう、まちの通信簿を取りまとめるなど、施策評価を中心とした総合計画のPDCAサイクルの取組は年々一定の向上を図られているものと認識しております。 ただし、個別事業ごとの事務事業評価については、事務事業シートの見直し等を行ったものの、その狙いや効果がまだ十分に浸透していないと認識しており、議会や監査の御指摘等も踏まえ、引き続きPDCAサイクルの改善に努めたいと考えているところでございます。 次に、財政状況に対する職員の認識についてのお尋ねです。 本市の財政状況等につきましては、9月の予算編成方針の発信に先立ち、政策推進会議や企画管理課長会において財政規律や財政目標、本市の将来負担の状況等についての情報共有を行っているほか、毎年4月に実施する施策評価研修の場においても所属長や各課の担当職員を対象とした研修を実施するなど、職員へ周知する機会を幅広く設けております。 さらに、令和2年度当初予算におきましては、職員のみならず、市民の皆様にも財政状況等のポイントをより理解していただきやすいよう、当初予算の概要の資料について表やグラフを多く活用した構成に様式を見直したところでございます。 今後におきましても、職員が本市の財政状況等を踏まえた上で施策の構築や見直しに取り組むことができるよう、様々な機会を通じて情報共有に努めてまいります。 次に、質の改革実現に向けた人材育成についてのお尋ねです。 質の改革、総合計画に示すありたいまちを実現するためには、職員一人一人が、市が目指すべき方向性を理解すること、市民や事業者等と力を合わせること、困難な課題に対しても職種や役職にかかわらず柔軟な発想を持って前向きかつ果敢に挑戦し、成長していくことが大切だと考えています。 こうしたことから、先ほども触れましたはたらきガイドの見直しの中で、目指すべき職員像を市民とともに、勇気と智恵をに改めたほか、職員の果たすべき役割や求められる能力を再編し、新たに能力の発揮につながる行動事例を作成しました。 今後とも人材育成の重要性を十分に認識し、こうした基本方針の下、職員の政策法務力の向上を目指した多様な研修の充実、積極的な外部派遣、職員による自主勉強会の促進等に取り組んでまいります。 次に、地方卸売市場についてのお尋ねです。 卸売市場は、流通経路が多様化する中にあっても、生鮮食料品等の取引の適正化や生産・流通の円滑化を図ることにより、近郷農家の出荷先としてや消費生活の安定に資する施設として役割を果たしております。 本市場におきましても、市民が安心して食を享受できるよう、生鮮食料品等の安定した供給元として、卸売市場としての機能を発揮するとともに、今後の消費者ニーズや社会情勢などの環境の変化にも対応できる市場を目指したいと考えているところでございます。 加えて、交通利便性が高く、大消費地に立地しているなどの恵まれた環境を最大限に生かすことにより、雇用の創出のほか、経済効果や本市の財政効果にも寄与することを目指し、今後の在り方について検討を進めるよう指示しているところでございます。 次に、市営住宅の建て替え基本方針と総合的な住宅施策についてのお尋ねです。 尼崎市営住宅建替等基本計画では、令和17年度までの計画期間において、建て替えや廃止により管理戸数を15%削減することとしておりますが、計画期間終了後においても、その後の人口動態や財政状況などの社会経済情勢の変化を踏まえ、管理戸数の30%以上の削減をさらに目指すこととしております。 民間も含めた住宅施策につきましては、本市の利点である生活利便性をさらに生かしつつ、環境、防災、交通などの先駆的な技術を有する住宅地開発や子育てしやすいマンション等の誘導など、生活環境の付加価値を高めることが現役世代の定住・転入を促進し、都市の体質転換につながるとの考えの下、現在改定中の住宅マスタープランにおいて具体的施策の検討を進めているところでございます。 以上で、波多議員に対します答弁を終わらせていただきます。 他の教育に係ります問題につきましては教育委員会から御答弁申し上げます。 ○議長(真鍋修司議員) 松本教育長。 ◎教育長(松本眞君) 波多議員の教育に関する御質問に順次お答え申し上げます。 まず、教育振興基本計画についてのお尋ねです。 議員の御指摘のとおり、教育振興基本計画は策定することが目的ではなく、教育ビジョンを共有し、教育委員会、学校園、家庭、地域社会と一体となって、計画に基づいた教育施策を推進していくことが重要でございます。こうしたことから、計画の策定は教育委員会だけではなく、学校園なども参画して行うプロセスが非常に重要であると考え、計画策定のために設置した懇話会においては、学識経験者に加え、常日頃保護者や地域の声を聞いている校園長やPTA代表者も入れて構成するとともに、8月には学校園関係者が一堂に会する形で関係者ミーティングを実施し、基本理念について可能な限り多くの御意見を反映するように努めてまいりました。 また、計画本体は分量が多いことから、教職員や家庭、地域の皆様にまずは手に取っていただき、計画の理念や取組などを分かりやすく御理解いただけるよう概要版を作成するとともに、最新の本市教育の状況について、QRコードを読み取ればホームページで御覧いただけるような工夫も行っております。 今回の計画では、学校園、家庭、地域社会の理解と協力が不可欠な従来よりも踏み込んだ取組もありますことから、今後とも校園長会や市政出前講座など様々な機会を通じて、教育は未来への先行投資であるなどの教育ビジョンの共有、役割の相互理解を図ってまいります。 こうしたことにより、計画期間の早期に実現を目指す取組や計画期間内に実施を目指す取組など、計画に定めたスケジュールを意識しながら、教育委員会、学校園、家庭、地域社会が一体となって計画に基づく教育施策に取り組み、適宜、評価・検証を繰り返しながら着実に推進してまいります。 続きまして、家庭学習の支援体制強化についてのお尋ねです。 全国学力・学習状況調査の質問紙調査によりますと、本市の児童・生徒が学校の授業時間以外で学習する時間はこの10年間で大きく改善しているものの、まだまだ全国水準を下回っており、本市の課題であると認識をしております。 本市におきましても、これまでも自分で計画を立てて学習する習慣を身につけるための自主学習ノートやスタディープラン、週末課題などに取り組んでまいりました。また、家庭向け学習プリント配信システムなどを導入し、放課後や家庭での学習支援も行っておりましたが、十分な成果も得られていない状況でございます。これは授業と支援内容との関連づけが不十分であったと分析をしております。 家庭学習の励行は授業の理解度を高めることから、市内で成果が上がっている学校の手法や要因を分析し、市内学校に周知するなど、引き続き自ら家庭学習をする児童・生徒の育成に取り組んでまいります。 最後に、尼崎独自の学力向上に向けた取組強化についてのお尋ねです。 本市におきましては、全国学力・学習状況調査に加えて、平成30年度より尼崎独自のあまっ子ステップ・アップ調査のデータを生かした教育指導の充実を図っております。あまっ子ステップ・アップ調査では、子供たちが自分自身の苦手な単元や領域を知ることができる。また、教員は、調査結果を受けて、個々の児童・生徒の学習や生活の課題を把握し、一人一人に応じたきめ細やかな支援策を講じるとともに、自身の指導を振り返り、授業改善へとつなげることが可能となります。また学校は、自校の強みと弱みを把握して、学校独自の取組や研究の効果検証にも活用することができます。こういう特徴がございまして、これらは次年度の学力向上施策を検討するための重要な資料となるものです。 教育委員会といたしましては、今年度から、授業改善・学力保証推進チームの指導主事が学校にチームとなって計画訪問する際に、あまっ子ステップ・アップ調査の分析データに基づいて各校の取組について指導、助言をするとともに、授業参観後に管理職や教員と意見交換をすることなどを通じて、主体的で対話的で深い学びの視点に立った授業についての共通理解を図っており、今後につきましても、このような尼崎独自のきめ細やかな取組を推進してまいりたいと思っております。 ○議長(真鍋修司議員) 波多正文議員の質疑は終わりました。 この際、休憩いたします。                        (午前11時52分 休憩)-----------------------------------                        (午後0時58分 再開) ○副議長(岸田光広議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。 代表質疑を続行いたします。 発言を許します。 安浪順一議員。   (安浪順一議員 登壇) ◆8番(安浪順一議員) 皆さん、こんにちは。維新の会、安浪順一です。令和2年度当初予算及び関連諸議案並びに令和2年度施政方針について、維新の会を代表いたしまして質疑をさせていただきます。先輩・同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴よろしくお願いを申し上げます。 また、重複する質問もございますが、会派としての思いですので、御理解のほどよろしくお願いを申し上げます。 時間もないので、早速質問に入らせていただきます。 まず初めに、市内防犯対策についてお伺いします。 本市では、警察との連携や自主防犯パトロールなど、犯罪抑止に努め、一定の成果は出ているものの、依然として犯罪は多く、人口比では、兵庫県下、犯罪認知件数ワーストワンになっています。毎年、児童・生徒が犯罪に巻き込まれる事件も多く、ひょうご防犯ネットでは、尼崎市内で児童への声かけ、付きまとい事案など、不審者情報が連日アップされています。 本市は、兵庫県下で最も自転車が利用されていることから、広く市民に協力をしていただき、自転車の前籠に防犯パトロールの掲示物をつけてもらえば、犯罪を起こそうとする者に対し、防犯力の高い地域であることを認識させ、街頭犯罪の抑止を図るとともに、地域住民の体感治安を向上させる効果もあります。本市は平成28年7月から、市民のウオーキングをされている方を対象に、地域の安全・安心のため、防犯活動に協力していただく尼崎ウォーキングパトロール隊を結成されたことからも、自転車版の尼崎サイクルパトロール隊を結成できないことはないと思います。 ここでお伺いします。 本市のさらなる犯罪抑止のため、尼崎サイクルパトロール隊をつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。 次に、PPP/PFI地域プラットフォームに向けた公民連携についてお伺いします。 昨年9月議会において質問させていただきました。現在、本市において公民連携の窓口は、総合政策局の協働推進課が担っています。しかし、提案型事業委託制度において、平成25年からの提案件数も、平成27年の16件をピークに平成29年、30年と2件、今年度も2件です。提案型協働事業制度においても、今年度1件となっています。その原因として、一定程度の市の施策のアウトソーシング化も進んでおり、また一方で、庁内の受入れの体制、提案を受けてそれを予算化していく部署の体力といったところや、周知不足も大きな要因と考えます。 令和2年度主要事業において、市民提案制度関係事業を昨年9月に指摘させていただいた結果、提案等を受けて提案型事業委託制度と提案型協働事業制度の一本化が図られました。 ここでお伺いします。 この一本化された制度を効果的に市民の方や企業に利用していただき、また市の事業以外において広くアイデアを提案いただけるような制度としていくため、次年度に向けて、地域プラットフォームの、神戸市のような分かりやすい部門別のワンストップ化等も含めた具体的な施策とその施策による効果目標をお答えください。 次に、公共施設の包括管理業務委託についてお伺いいたします。 本市公共施設は、高度経済成長期からバブル経済期にかけて、人口の急増や市民ニーズ等に対応するため、多くの公共施設を整備してきました。現在、これらの施設の約6割が建築から30年以上経過しており、老朽化が進んでいること、また類似中核市に比べ、市民1人当たりの公共施設の保有面積が広いため、今後いかに効率的に管理し、コスト削減を行うかが重要です。 本市公共施設の管理業務は、所管による縦割りになっており、施設ごと、業務ごとで行われていますが、これらを民間事業者に包括委託し、職員の事務負担の軽減、コスト削減、施設の維持管理の質の向上を図る自治体が増えてきています。県下では、平成30年4月から明石市が132施設を、平成31年4月から芦屋市が53施設を包括管理業務委託を実施しています。 我が会派議員の一般質問の答弁では、市内業者の受注機会の確保について課題を掲げられていましたが、明石市や芦屋市の仕様書を見ますと、市内業者の活用についても現行の水準を下回らないように記載され、実際に契約後も以前と同水準で市内業者の受注を確保されています。ですので、この課題についてはクリアできます。また、市の答弁では、対象とする施設のグルーピングや業務範囲や内容など検討を進め、結果を踏まえた上で、サウンディング型市場調査の実施について検討されるとのことでした。 ここでお伺いします。 その後半年が過ぎましたが、本市の検討結果を教えてください。 次に、路上喫煙禁止区域についてお伺いします。 平成30年6月に尼崎市たばこ対策推進条例が制定され、尼崎市内全域で、たばこのポイ捨てや歩きたばこ、自転車・乗用車乗車中のたばこ禁止が決まりました。さらに、平成30年10月から路上喫煙禁止区域が指定され、現在、JR尼崎駅、JR塚口駅、阪神尼崎駅周辺が、路上喫煙禁止区域になっています。 ここでお伺いします。 令和元年度計画されていたJR立花駅周辺の路上喫煙禁止区域については喫煙場所が決まらないなど、計画どおりに進まないことは大きな問題だと思います。尼崎市たばこ対策推進条例の理念や条文を遵守するならば、早急に対策等を講じていただき、JR立花駅周辺は無論のこと、条例を速やかに遵守していただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。お答えください。 次に、尼崎市野良猫不妊手術助成金交付についてお伺いします。 2019年度尼崎市野良猫不妊手術助成金交付要綱の運用について問題点があります。本要綱第7条及び第6条においては、地域代表者、社会福祉協議会長等との活動合意が得られることが助成金の対象となる活動の承認の要件とされており、逆に言えば、地域代表者の活動合意が得られないと助成金の交付がなされる余地がないということになっています。確かに野良猫対策活動について、地元住民の理解を得ることは必要であると考えますが、このことと、地域代表者、社会福祉協議会長等との活動合意とは同義ではないはずです。なぜなら、地域代表者、社会福祉協議会長等といっても、各地域で、選挙等の民主的な手段で選出されたわけではなく、実際には透明とは言えない手続で選出された町会長、自治会長は社会福祉協議会長に自動的に就任しており、彼ら、彼女らの個人的な意見が地元住民の見解を反映したものとは必ずしも言えないからです。 このように、特定の個人の判断で公金である助成金の交付の可否が決定されること自体、公平さを欠いた制度であると言わざるを得ません。本要綱で助成金の対象となっている野良猫への不妊手術は、野良猫の繁殖を抑制すること、良好な生活環境を保全するもので、これについて地域住民が反対する理由は見当たらないものと考えます。そうであれば、そもそも助成金交付の要件として、地域代表者との合意を要する必要性はなく、例えば活動内容を説明するなどして、地域住民の理解を得るように努め、その結果を本市担当部局に報告するなどの措置を講じさせることで足り得るのではないかと考えます。 ここでお伺いします。 地域代表者の無理解によって、正当な野良猫対策活動が阻害されている事例は把握していますでしょうか。また、本要綱第7条及び第6条を改正・改善するお考えはありますでしょうか。御見解をお聞かせください。 次に、動物愛護についてお伺いします。 本市で多頭飼育崩壊が頻発している中、重症熱性血小板減少症候群、以下SFTSといいます、に感染した猫と犬が国内で発見されました。国立感染症研究所や厚生労働省によりますと、SFTSは、2011年に中国の研究者らによって発表された新しいウイルスによるダニ媒介性感染症です。2013年に、海外渡航歴のない方がSFTSに罹患していたことが初めて報告され、それ以降、他にもSFTS患者が確認されるようになりました。 SFTSウイルスに感染すると、6日から2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状が多くの症例で認められています。致死率は6.3から30%と報告されています。日本では、SFTSの患者の約90%が60歳以上です。感染経路は、マダニを介したものが中心ですが、血液等の患者体液との接触により、人から人への感染も報告されています。主に感染マダニにかまれて感染します。西日本で患者報告が多く、春から秋にかけて患者発生が多いようです。発症した猫や犬にかまれたり、その体液からも感染します。特に感染性が強く、感染猫の接触による感染例が報告されています。日本以外では、中国と韓国において発生しています。治療は対処的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンはありません。多頭飼育崩壊現場でも繁殖する感染症です。 このように、一般市民にも感染症の危機が迫ってきている中、環境省のガイドラインを見てからの判断と、多頭飼育崩壊に手を打たない本市の体制には、感染症対策についても、人が亡くなってからでないと手は打たないとも思えるような対応です。 ここでお伺いします。 今後、市民の安全を守るために、具体的にどのような方針で、動物由来感染の予防対策を行うお考えがあるのか。また、多頭飼育崩壊撲滅をどのように進めていくお考えでしょうか。御見解をお聞かせください。 次に、尼崎市内の分娩取扱についてお伺いします。 2020年春に、市内3医療機関から分娩取扱いを取りやめることになり、市内の方々から不安だと、会派に連絡がありました。分娩の取扱いを取りやめた理由は、医師の高齢化、担い手がない等の医師不足です。 妊婦健診は、現在12のクリニックで受診できますが、妊娠30週頃より、クリニックの紹介により分娩取扱い施設を受診し、4施設の分娩取扱い施設で出産できる産科セミオープンシステムにて対応できます。市内に住む妊婦の方は、近くの病院で出産したくても出産できない。分娩取扱い可能な4施設で受入れの問題等で、尼崎に住んでいながら必ずしも本市で出産できない場合が出てくると思います。ファミリー世帯が住みやすいまちをつくります。ファミリー世帯の転住・転入を促進しますと市長公約であることと相反するように思います。 ここでお伺いします。 住みたい、住み続けたい、そして住んでよかったまちを目指されておられるなら、この状況についてどうお感じですか。出産したくても他市で出産しなければならない。市長の立場、また子供を持つ母親として、御見解をお聞かせください。 次に、子どもの育ち支援センターいくしあについてお伺いします。 様々な関係機関が連携しながら、担当部署の垣根を越えて、切れ目なく継続的にサポートを行う総合施設として、昨年10月にオープンしました。虐待、不登校、発達相談等の児童相談支援を、福祉、保健、教育の支援を連携させる拠点として、子供や親を支えるために、心理士、ケースワーカーも配置され、ノンストップで支援ができ、他都市からも注目されています。オープンして約4か月が経過しましたが、児童虐待相談などの増加が心配です。 ここでお伺いします。 相談件数と窓口の人員は、想定よりどうなのでしょうか。現時点での相談件数と、どのような相談が多いのでしょうか、お答えください。 勇気を持って相談の電話をかけたら混んでいて、かなり先になりますと言われ、諦めた方がおられます。いくしあに業務が移管され、訪問に来ていない、担当者の引継ぎができていないとも聞きました。全国的に専門知識や経験がある人材不足だともお聞きします。 ここでお伺いいたします。 児童専門のケースワーカー、相談員が一緒に考える中で情報提供や助言を行い、子育てへの不安や子育て家庭の悩みをサポートされると思いますが、本市においても、経験がない児童専門のケースワーカーや相談員への教育はどのようにされているのか、お答えください。 今年の2月18日に、兵庫県が、尼崎に来春2021年4月にこども家庭センター、児童相談所を新設すると発表がありました。2018年度に全国の児童相談所に寄せられた児童虐待の相談件数は15万9,850件で過去最多を更新し、兵庫県内でも2013年度の約2.8倍に上ります。尼崎市の相談は、県内では神戸市に次いで2番目に多く、767件です。 ここでお伺いします。 今後、いくしあとどのような連携をされていかれるのでしょうか、お答えください。 次に、宿泊税導入についてお伺いします。 本市は、訪日外国人観光客の増加や尼崎城の再建といった好機を捉え、地域の資源を最大限に活用することにより観光客を広く呼び込み、地域経済を潤し、市民の地域への誇りと愛着を生む観光地域づくりを実現するため、平成30年3月に一般社団法人あまがさき観光局を設立し、地域観光戦略の構築を目指しています。2025年には大阪・関西万博が決定し、観光客の増加が見込まれます。観光客が増えれば、Wi-Fiの設置や多言語対応のガイドマップ、案内板や外国人が使用できる洋式トイレの増設等々、観光客受入れのための環境整備は欠かせません。さらには、地域住民のための環境整備等についても、将来、費用がかかることが想定されます。 また、兵庫県が、尼崎などベイエリアに高級ホテルを誘致することや、万博会場の夢洲と尼崎臨海部で、来場者が車と船で乗り継ぐパークアンドライド方式についても発表しました。 ここでお伺いします。 今後、本市が住む人と訪れる双方にとって魅力的な観光都市となるよう、そして持続可能な観光振興のためにも、宿泊税導入に向け本格検討を始めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。 次に、老朽危険空き家についてお伺いします。 日本経済新聞の記事で、2018年住宅・土地統計調査によりますと、空き家数ランキング第1位は東京都世田谷区の4万9,070戸、本市の空き家数は3万7,170戸で、全国で第10位の多さです。関西では、東大阪市、吹田市に次いで、3番目になるようです。 本市は、尼崎市空家等対策計画を平成30年1月に策定されています。施策の展開のうち、施策2、老朽危険空き家等の管理不全対策について、老朽危険空き家等の取組について、市民からの相談、助言または指導、勧告、命令、代執行という段階を踏んで進めていかれないと、行政の撤去解体には至りません。当初、行政代執行にて3棟解体されましたが、近年は予算は取るものの、実績はありません。 今までは、所有者が不明の建物の代執行を行っています。所有者と連絡が取れる建物は、勧告以後の措置を行っていません。その理由は、勧告まで出してしまうと、兵庫県からの建物解体補助金が出なくなるという仕組み上の問題があります。本市から勧告が出せない中、職員が粘り強く所有者に指導を行っていますが、所有者に金銭的な余裕がなく、建築基準法上の道路に接道していない物件は売却することもできず、所有者だけではどうしようもなく、物件を放置してしまっているような状況であります。今回、寄附制度の創設も上程されていますが、一定の要件を満たさないと寄附ができません。 ここでお伺いします。 全国第10位の空き家数について、どのようにお考えでしょうか。また、その解決方法についてはどうされるお考えがありますか。あくまでも個人の資産なので、個人で解決しなければならないとお考えでしょうか、御所見をお聞かせください。 次に、ホテル誘致についてお伺いします。 1月4日、2月17日の神戸新聞の記事に、兵庫県は2020年度予算案として、兵庫県のベイエリアに大阪・関西万博を見据えた高級ホテル誘致の記事を見ました。兵庫県は、2025年の大阪・関西万博やカジノを含む統合型リゾート施設IRの誘致を見据え、尼崎から淡路島にかけてのベイエリアに高級ホテルを誘致し、大規模な国際会議や展示会が開けるMICE機能の集積を図る構想を検討しています。 我が会派からも、これまでに一般質問を行っておりますが、万博会場の夢洲と海を挟み隣接する本市臨海部の東海岸町で、来場者が車と船で乗り継ぐパークアンドライド方式を想定し、約10分の時間で移動できます。また、USJ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンからも市内に流入する可能性もあり、尼崎から淡路島にかけてベイエリアに高級ホテルを誘致と、期待が膨らみ、本市の動向が注目されています。 ここでお伺いします。 本市に大規模な宿泊施設の建設をするべきと思いますが、市長の御見解をお聞かせください。 次に、南部臨海地域の住宅開発についてお伺いします。 国税庁が公表した2019年度の路線価は、大阪府内の平均は前年比1.9%増と、6年連続で上昇しています。インバウンドの増加を受けたホテルや店舗の需要が要因と見られています。不動産鑑定士も、バブル時は3年ほどの上昇だったが、今後もオリンピックや万博があり、上昇は続くと思われます。また、2019年10月24日の日経新聞記事によりますと、関西の転出規模が、東海を2018年は下回り、関西と東海の逆転現象が起こっており、さらにこの差が開くと予想されています。今後は、建設人材の関西への移動や、統合型リゾートIRの誘致が大阪に決まれば、転入超過に転じても決して驚くべきことではないと、りそな総合研究所の分析が掲載されています。 IRが大阪に決まれば、恒久的に本市、尼崎市民にも多大な利益がもたらされます。尼崎のベイエリアに高級ホテルを誘致し、大規模な国際会議や展示会が開ける施設や、IRで働く人に住んでもらう住居や住宅マンションの建設は、さらに多くの人に住んでもらうことになり、子供たちやお年寄りが伸び伸びできる、たくさんの公園や野球場のできる多目的グラウンドをつくる、本市にとって有益となるビッグチャンスです。 ここでお伺いします。 これまで、会派議員が一般質問しておりますが、尼崎市において、阪神以南は工業専用地域で、新たな住宅誘導は阪神線以北でしか考えておられないと答弁されていますが、今も市長の考えに変わりはないのですか。大阪や兵庫から本市にアプローチがないとは思いませんが、まずは本市も同じテーブルに着き、話し合うことをなされてはいかがでしょうか。チャンスをつかみにいかず、待っているだけで、市長は声がかかるまで動かれないのでしょうか。市長の御見解をお聞かせください。 次に、武庫分区雨水貯留管整備事業についてお伺いします。 本市は、発進立て坑の有力候補を武庫荘総合高校用地に絞り込まれました。概算事業費、工期、供用開始、供用状況、使用面積、周辺状況の工事影響、搬入経路、維持管理に順位づけを行い、有力候補地を絞り込んでいます。また、今回の検討結果に至るまで、熟度の低い段階から、市民と協働で話し合い、住民意見を取り入れながら計画を進められなかったのでしょうか。地方自治法にある最少のコストで最大の効果を、最初からできていません。 今回、説明会において、市民からの声では、昨今の自然災害の雨水貯留管のほかに河川対策、公園貯留、校庭貯留、雨水浸透枡などの総合治水対策を、多くの市民が望んでおられました。 ここでお伺いします。 全庁横断的に河川や水路の外水対策や校庭貯留、公園貯留の検討を行い、対策を講じるべきではないでしょうか。御見解をお聞かせください。 また、立花地区の浸水は、この雨水貯留管では防げませんが、この地域の浸水対策について、御見解をお聞かせください。それも雨水貯留管を設置することが最も有効な手段とお考えでしょうか。お答えください。 次に、PTAについてお伺いします。 入学説明会やPTA総会などに、管理職を含めた教職員が同席しています。であるにもかかわらず、PTAの任意性は十分に周知されていません。また、加入の意思確認が十分に行われておりません。錯誤に基づき、入学と同時に自動的、半強制的に加入したことになっています。管理職を含めた教職員が、近年、様々なところで問題提起されています。PTAの任意性周知、加入の意思確認に対する指導、助言ができていません。そして、それを黙認していると捉えられています。 ここでお伺いします。 管理職を含めた教職員は、PTA役員、執行部に対して、任意性周知や加入意思確認に対する適切な助言、指導をするべきです。御見解をお聞かせください。 PTAは、各クラスから数名の委員、部員を選出しています。このクラス委員選出では、委員への立候補がおらず、くじ引や他者推薦などで強制的に役員を割り当てる、欠席者に割り当てるなど、非民主的な手法が横行しています。また、免除の理由として、家庭のセンシティブな情報を公開させるという人権侵害の疑いのある行為が学校内、クラス内で実施されています。そして、これらを教職員が黙認している状態です。 ここでお伺いいたします。 これらクラス委員選出時に横行している強要や人権侵害の疑いがある行為を是正するような助言、指導をすべきです。御見解をお聞かせください。 PTA会費から、学校備品、テントなどを購入したり、備品、どんちょうなどの修繕を行っているケースがあります。備品の寄附などを学校主導で行うことは、違法となるおそれがあります。また、教職員に対する慶弔費を支払っている事例や、退職金として使用されている場合もあります。これらの事案は、文部科学省の通達にあるとおり、学校教育法や地方財政法に照らして、疑義を生じさせる事案として、全国において指摘されています。 ここでお伺いします。 PTA会費の使途は、管理職を含めた教職員が参加するPTA総会において報告、説明されています。このような不適切な支出、学校備品購入・修繕、教職員への報酬を行わないように助言する必要があります。それについてお答えください。 次に、東京オリンピックの聖火リレーについてお伺いします。 東京オリンピックの聖火リレーの本市での実施について、我が会派の議員が、これまで何度も質問を行ってきました。そのたびに市からは、全市一体となって取り組んでいくといった答弁がなされていましたが、今なお、全市一体となって取り組まれている様子がうかがえません。市にとって全市一体とは何なのか、ぜひ、市長の言葉で説明をしていただきたいと思います。 本市では、聖火リレーは約2か月半後の5月25日に行われますが、そのことすら、市民の方が十分に知っている状況にはないように感じます。 ここでお伺いします。 本市での聖火リレーの実施が決定して以降、市民の方に対してどのように周知を行ってこられたのか、お聞かせください。また、現時点において、どの程度の市民の方が知っている、認識しているのか、お聞かせください。 これまで説明していただいた内容としては、リレーのゴール地点である尼崎城址公園で、ミニセレブレーションを実施することです。 ここでお伺いします。 ゴール地点でのイベントの内容について、現時点で決定していることがあれば、実施の規模なども含めて教えてください。 市が繰り返し述べた全市一体について、どういった、準備がなされているのでしょうか。聖火リレーの実施に当たって、市民ボランティアについては、安全性の確保のため警備業者、市職員による対応を基本としているが、他市の取組なども参考にしながら検討していくといった答弁をなされております。 ここでお伺いします。 市民ボランティアについて、現時点での検討状況をお聞かせください。 また、聖火リレーの実施に合わせたイベントなどについて、観光部局などと連携したイベントはできないか検討するとともに、様々な団体による関連イベントを把握するなど、全市一体となって積極的に取り組んでいくといった答弁をなされておられます。 ここでお伺いします。 全市一体となった取組について、現時点での状況を具体的にお聞かせください。 以上で、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) それでは、安浪議員の代表質疑に対しまして順次お答えいたします。 まず、尼崎サイクルパトロール隊についてのお尋ねです。 本市では、安全・安心なまちの実現を目指す取組の一つとして、平成25年のひったくり撲滅宣言を皮切りに、街頭犯罪防止に向けた様々な取組を行ってまいりました。その結果、街頭犯罪認知件数は、平成24年の6,765件から、令和元年は2,806件と大きく減少したことから、本市の治安向上はもとより、イメージアップにも寄与しているものと考えています。 今後は、複数の防犯事業をあなたを守り隊として統合し、より戦略的に実施していくこととしておりまして、議員御提案の自転車による防犯活動につきましても、選択肢にしていきたいと考えております。 次に、市民提案型制度の一本化についてのお尋ねです。 市民提案型制度は、開始から一定期間が経過する中、提案団体数が伸び悩むなどの状況にあり、制度利用者からも、委託と補助の違いが分かりにくいなど、改善を求める御意見がありました。このため、制度を一本化するとともに、構想段階での提案を可とし、提案者と市が相互理解を深める中で具体化を行うこととするなどの改善を図ります。 議員御指摘の地域プラットフォームの設置については現在検討しておりませんが、本市におけるワンストップ窓口といたしまして、総合政策局の協働推進課が引き続き担います。 新制度の運用開始を機に、課題であった効果的な周知につきまして、市民団体はもとより、事業所に対しても制度の魅力を積極的にPRし、指標として掲げる提案団体数の増加を図る中で、協働の取組を推進してまいります。 次に、公共施設の包括管理業務委託についてのお尋ねです。 本市の所有する施設のうち、指定管理や貸付けを行っているもの、廃止予定等の包括管理業務委託に適さない施設を除きますと、委託の対象になり得るものが約170施設となります。先行している他都市にヒアリングを行っておりますが、提案が市外大手事業者からあり、市内事業者の協力を得られる事業化ができなかったという事例もあるそうで、公共調達基本条例の趣旨を踏まえた市内事業者の受注機会の確保の観点からの課題があると思っています。また、コストの面では、従前の委託料に加え、管理コストが発生することによって、現状の委託料より金額面で増となった事例もあるそうです。 こうしたことから、サウンディング調査を実施する前段階において、市内事業者の受注機会の確保と費用対効果の両面から、引き続き検討を進める必要があると考えております。 次に、路上喫煙禁止区域についてのお尋ねです。 今年度は、JR立花駅周辺を新たに路上喫煙禁止区域に指定しようと近隣住民の皆様との調整を進めてきましたが、喫煙所の設置場所等について引き続き協議が必要となっておりまして、年度内の指定が困難となっております。 条例の目的である市民等が健康的に安全で快適に暮らし過ごすことができる地域社会の実現に向け、引き続き路上喫煙禁止区域の指定拡大に努めるとともに、新年度からは主要駅における巡回指導等に取り組むこととしており、今後も市民の皆様と意見交換しながら条例の趣旨に沿った事業を推進してまいります。 次に、野良猫不妊手術助成金についてのお尋ねです。 野良猫不妊手術助成金は、野良猫に対して不妊去勢手術を行うことでその繁殖を抑制し、良好な生活環境を保全するとともに、野良猫対策活動を通じて地域のコミュニケーションが活性化されることを目的としております。 活動の実施に当たりましては、地域のトラブルを未然に防止し、地域で合意をいただくことが必要であることから、直ちに要綱を改正する考えはありませんが、地域合意が難しいという声も耳にしておりますので、必要に応じて職員が同行し、制度の趣旨を理解していただくなど、今後も臨機応変な対応に努めてまいります。 次に、動物由来感染症と多頭飼育崩壊対策についてのお尋ねです。 動物由来感染症の予防対策として、ペットとの過剰な触れ合いを控えるなどの啓発を行っていますが、特に多頭飼育崩壊の現場では、動物由来感染症の原因の一つである大量のふん尿や害虫の発生など、衛生面が悪化した状態も見受けられることから、飼い主に対して衛生面も含めた適正飼育の啓発を行っているところです。 多頭飼育崩壊への対応といたしましては、不妊手術の必要性を周知・啓発するとともに、昨年から保健と福祉の関係部署が連携を図りながら飼い主に不妊去勢手術に係る助成金の活用を促すなど、未然防止の取組に注力しているところでございます。 次に、市内の分娩取扱施設の減少についてのお尋ねです。 昨年7月に市内の3医療機関が分娩取扱いの中止を決定して以降、市内外の医療機関に対して分娩受入れの調査や依頼を行いました。結果、分娩中止件数を超える受入れ数を確保できる見込みであり、各医療機関には、妊婦からの分娩予約や相談に対して適切に対応していただくよう協力を求めているところです。現在、出産のみを総合病院等で対応するセミオープンシステムを利用される方も多く、その場合、出産に当たっての準備、相談、健診等は市内の医療機関でも対応が可能となっています。 本市では、母子健康包括支援センターを設置し、関係機関とも連携する中で、妊娠期から産後にかけて切れ目のない支援を行っているところであり、引き続き安心して出産できる環境づくりに努めてまいります。 次に、いくしあの相談状況についてのお尋ねです。 いくしあで最初に相談対応を行う子ども・子育て総合相談事業では、年間相談件数を約5,200件程度と想定し、専門職の嘱託員7名を配置しています。いくしあがオープンした令和元年10月から令和2年1月までの4か月間の実績としましては、1,745件の相談対応となっており、ほぼ想定どおりの状況です。 相談内容としましては、落ち着きがない、周りと交流ができないといった発達に関する相談が一番多く、次に登校できないといった不登校に関する相談、その他家庭内における育児、しつけ、遊び等に関する相談が多くなっております。 最初の相談であまりお待たせすることはないと思っておりますが、その次につなげていくときにまたいろいろと状況があるかと思いますので、しっかりと課題も把握しつつ、今後も取組を進めてまいります。 次に、児童専門のケースワーカーや相談員への教育についてのお尋ねです。 いくしあでは、児童専門のケースワーカーをはじめ、公認心理師や精神保健福祉士など多様な専門職を配置し、相談支援業務を実施しておりますが、いくしあの職員一人一人が支援者としての基礎的知識を習得しつつ、福祉・保健・教育等の各分野における知識やスキルを身につけていくことが必要だと思っています。 こうしたことから、いくしあの児童専門ケースワーカーや相談員は、支援に関する基礎研修に加え、接遇技法や児童虐待、発達特性などの専門的な研修を受講し、知識の習得やスキル向上に努めています。 また、日々の業務におきましては、他の専門職も交えたケースカンファレンスなどで支援方針の検討や振り返りを行い、実践を積み重ねる中で人材育成につなげているところでございます。 次に、いくしあと兵庫県児童相談所との連携についてのお尋ねです。 昨年10月の子どもの育ち支援センターいくしあの開設以来、いくしあと西宮の児童相談所は、それぞれの職員が毎日のように連絡を取り合い、頻繁にケースカンファレンスを行うなど、良好な関係性を保っております。今後、市内に本市のみを所管する児童相談所が設置された場合、いくしあとの連携の仕方が大きく変わるわけではありませんが、今まで以上に支援に必要な情報が入りやすくなり、精度の高い見立てと迅速な対応が期待できるとともに、いくしあと児童相談所との連携がより一層推進できるものと期待しております。 次に、宿泊税の検討についてのお尋ねです。 宿泊税は地方自治体が条例で独自に徴収する法定外目的税であり、導入には税収の使途を限定して税率を定め、総務大臣の同意を得る必要があり、その留意事項として税を手段とすることがふさわしいものであるか、税収入を必要とする財政需要があるか、公平・中立・簡素などの税の原則に反するものではないかなどが示されています。 本市では観光地域づくりに取り組んでいるところですが、新たに宿泊税を課税することについて、関連事業者等の理解が得られる財政需要があるかといったことや、税を徴収するに当たってシステム関係費等の一定のランニングコストが発生することにも留意が必要であり、費用対効果につきまして慎重に検討する必要があると考えています。 こうしたことから、現時点では宿泊税の導入は難しいと考えているところですが、今後、社会経済情勢の変化等に注視して、また引き続きその状況の変化に応じて検討したいというふうに思います。 次に、老朽危険空き家についてのお尋ねです。 本市は他都市と比較して空き家数がそもそも多く、その中でも破損のある空き家の数が多いことが課題であり、これ以上増加させないことが重要であると考えています。 こうしたことから、平成27年の空家等対策の推進に関する特別措置法の制定に合わせ、尼崎市危険空家等対策に関する条例を制定するとともに、空き家対策を担当する組織を設け、取組を進めてまいりました。危険な空き家の解決に当たっては、これまで代執行も行っておりますが、空き家の適正管理は、本来所有者等が自らの責任において実施するものであり、市としては、体制強化を図りつつ、利活用も含めた助言や指導を行っているところでございます。 個人さんはあくまで個人で解決との考えかということもお尋ねでしたけれども、指導等を行う中で所有者だけでは解決が難しい場合もあることから、令和2年度には、自ら解決に向けて取り組む所有者を支援する制度として、これまで実施してきた除却補助制度に加え、弁護士や司法書士といった専門家の活用に係る費用の一部を補助する制度を創設し、対策をさらに進めていくこととしております。 次に、臨海部への宿泊施設の誘致についてのお尋ねです。 東海岸町などの南部臨海地域につきましては、工業専用地域であり、既に周辺には事業所が立地、操業しておりますことから、用途変更を行うことは難しいと考えております。一方、カジノを含むIR誘致については本市への影響もあることから、その動向や県の意向を注視してまいります。 次に、南部臨海地域の住宅開発についてのお尋ねです。 繰り返しになりますが、南部臨海地域は工業地であるとともに、運輸流通施設の立地が進み、物流の拠点にもなっているところで、今後とも本市の経済的発展を力強く支える重要な地域だと考えています。この地域に住宅開発を行った場合、事業所の操業環境に大きな影響を与えるほか、生活利便施設や公共交通等の新たな都市基盤を整備する必要が生じます。したがいまして、臨海部の住宅開発については考えておりません。 次に、総合治水対策と武庫分区雨水貯留管整備事業についてのお尋ねです。 総合治水対策につきましては、河川や下水道を整備する流す対策、校庭、田んぼ、ため池などを活用して雨水を一時的に貯留・浸透させるためる対策、浸水が発生した場合の被害を軽減する備える対策と組み合わせることを基本として、国、県、市が連携し取り組んでいるところです。 その中で、雨水貯留管整備事業は、河川放流の増量が難しい武庫分区において最も有効な浸水対策であり、下水道の流す機能を高め、立花地区を含めた浸水被害の軽減に資するものでございます。 以上で安浪議員に対します私からの答弁を終わります。 他の教育に係ります問題につきましては、教育委員会から御答弁申し上げます。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 松本教育長。 ◎教育長(松本眞君) 安浪議員の教育委員会に対する御質問に対し、順次お答えを申し上げます。 まず、PTAの任意加入の周知やクラス委員の選出に関するお尋ねです。 PTAは任意の団体でありまして、御指摘のとおり加入も会員の意思で決められるべきであります。説明に当たっては、保護者にその旨を正しく伝える必要があります。管理職を含めた教職員にPTAの指導権限はございませんが、教育委員会としては、社会教育法で社会教育団体に対し指導・助言することが可能でございますので、適切な運営・改善について協議や指導・助言をしてまいります。 また、クラス委員選出時における人権侵害の疑いがある行為につきましては、任意団体の運営上のことでもあってはならないことだと考えております。 次に、PTA会費の使途に関するお尋ねです。 PTA会費の使途は、子供たちの教育を支援するものとして会員による民主的な方法で決定され、かつ会計報告がなされるべきものでございます。学校主導であったり、強制があってはならず、会員同士の協議により決定いただくものでございますが、何かしらの問題があれば保護者からの御意見や相談をいただきながら、PTAに対し適切な助言や支援を行ってまいりたいと考えております。 続きまして、聖火リレーの周知状況に関するお尋ねです。 本市での聖火リレーの実施については、昨年6月に兵庫県が公表して以降、市報やホームページなどの広報媒体を通して、また市民まつりやスポーツのまち尼崎フェスティバルなどのイベントを通して市民への周知を図ってまいりました。 今年に入ってからは、懸垂幕や横断幕、のぼりを本庁舎等に設置し、さらなる周知を行っているところでございます。現時点における市民の認知度は十分であるとは考えておりませんが、これらの取組や今後の国等による広報も相まって徐々に高まっていくものと考えており、引き続き聖火リレーの実施に向け市民への周知を図り、機運を盛り上げてまいりたいと考えております。 次に、聖火リレーゴール地点でのイベントに関するお尋ねでございます。 ゴール地点の尼崎城址公園におきましては、ミニセレブレーションとして聖火ランナーの迎え入れを盛り上げ、お祝いするための簡単なイベントとセレモニーを実施することとしております。イベントの内容については現在検討中でございますが、観覧人数については、1,000人規模を想定しているところでございます。 次に、市民ボランティアの現状についてのお尋ねでございます。 聖火リレーの運営に当たっては、市民や聖火ランナーの安全を確保することを最優先で取り組まなければなりません。交通量が非常に多い県道玉江橋線をはじめ、国道2号などに大規模な交通規制を実施するとともに、大勢の方が観覧に訪れる城址公園周辺の雑踏対策が必要であることから、警察、消防と綿密に連携しながら、市が責任を持って委託業者や市職員で対応すべきものと考えております。 そのため、市民ボランティアにつきましては一般の公募は行いませんが、市が委嘱し、本市が行うスポーツの行事や事業への協力を役割とするスポーツ推進委員の方々に御協力をお願いする予定でございます。 最後に、聖火リレーの実施に合わせたイベントなど、全市一体となった取組についてのお尋ねでございます。 聖火リレーの実施に合わせたイベントといたしましては、これまで10月に開催をしていたスポーツのまち尼崎フェスティバルについて、スポーツ振興事業団をはじめとしたスポーツ関係団体等と協議を行い、開催日をリレー前日の5月24日とし、元オリンピック選手を招いたトークショーなどを実施することとしております。 また、ゴール地点の尼崎城址公園におきましても、聖火リレーに合わせたイベント開催について関係部局と協議するなど、引き続き聖火リレーを盛り上げるための取組を進めてまいります。 ○副議長(岸田光広議員) 安浪順一議員の質疑は終わりました。 続いて発言を許します。 川崎敏美議員。   (川崎敏美議員 登壇) ◆16番(川崎敏美議員) こんにちは。川崎敏美です。 日本共産党議員団を代表して、施政方針、予算案と関連議案に対し、代表質疑を行います。 初めに、新型コロナウイルス対策として、感染拡大防止策に市長、教育長をはじめ学校関係者、市職員の皆さんが日夜全力を挙げていることに敬意を表し、感謝を申し上げます。 質疑に入ります。 最初に、市民を取り巻く経済環境についてです。 日本経済2020年度の見通しは、いろんな数値が示すように先行き不安、経済低迷状況が続くであろうと予測されています。内閣府が発表した昨年10月から12月期の国内総生産、GDPの速報値は、物価上昇分を差し引いた実質成長率が前期7から9月期に比べて1.6%低下しました。年率に換算すると6.3%ものマイナスで、事前の民間の予測を上回る落ち込みで、安倍政権が強行した10月1日からの消費税率の10%への引上げが家計も経済も直撃しているためです。 GDPのマイナス成長は5四半期15か月ぶりで、日本経済が消費税の増税後、新たな消費不況に突入したことを示しています。実質経済成長率の大幅なマイナスは、消費税増税が日本経済にとって大打撃になっていることを浮き彫りにしています。米中貿易紛争の影響などを受けた一層の低迷に加えて、消費税増税前の7から9月期が前期に比べ0.1%の伸びと、増税前の駆け込み需要がほとんど見られなかったのに照らしても、増税後の落ち込みは極めて大きなものがあります。 消費税増税後、政府や民間が発表した経済指標で見ても、家計の消費支出は昨年12月、前年同月比で4.8%もの大幅下落、勤労者の実質賃金も昨年12月0.9%のマイナス、内閣府の景気動向指数も5か月連続で悪化という判断になりました。 安倍政権は、消費税の増税に併せて複数税率の導入やキャッシュレス決済へのポイント還元などの十二分の対策を取ると宣伝しました。しかし、その効果がなかったことは、一連の経済指標、とりわけ最も基本的なGDPの大幅な低下で明らかです。 こうした経済情勢に加えて新型コロナウイルスによる経済に与える先行き不安を考えると、今後の市民を取り巻く経済環境は大変深刻なものがあると予測されます。 お尋ねします。 こうした経済情勢の下、市長は市民を取り巻く経済環境をどのように認識され、新年度予算の編成にどのように反映されているのでしょうか。 次に、市の財政についてです。 現在、市の財政規律はあまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトを頂点として決まっています。市は他市に比べて公債費が多い、そのため2022年度までに将来負担の目標管理対象分を交付税措置を加味して1,100億円以下まで引き下げることを目標としています。つまりは将来の公債負担割合をいかに減らすかが第一優先課題とされています。このことは、地方自治法の本旨である住民福祉の向上を最優先するという考え方を後方に追いやっています。 財政公債比率を他市や中核市と比較してみることは、現在の尼崎市の財政状況を知る上での目安ではあると思います。しかし、市民に対して他市より健全性が劣っているのだと財政出動をできるだけ抑え込んでいく口実として牽制されている、このような側面も生まれているのではないでしょうか。 市の財政は、赤字再建団体に転落するような状況から脱したと言われて、もう何年がたつのでしょうか。市民が暮らしのための施策を要望したとしても、厳しい財政事情の下で実施できませんという言葉が飛び交います。 また、予算編成上のポイントとして、将来負担の抑制として交付税措置を重視した市債の活用が掲げられています。交付税措置が厚いということは、翻って国の政策に誘導される市政運営をしていくということです。そうなれば市が独自に抱えている課題をこれまた先送りにしてしまうということになります。市民が求めているのは、財政再建も大切であるが、他市よりも立ち後れている住民福祉の向上であり、国が交付金で誘導する政策を続けるのではなく、市民にとってより必要な暮らし優先の財政運営です。 お尋ねします。 あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトの目標1,100億円以下にこだわらない予算編成にすることを求めますが、いかがでしょうか。 次に、子ども・子育て支援の充実についてお伺いします。 尼崎市は、2009年12月に尼崎市子どもの育ち支援条例を制定しています。その前文には、大人が子供に関わるときは、子供一人一人が尊厳のあるかけがえのない存在であることを深く認識しとあり、そしてここに私たちは、子供の人権を尊重することを基本として、子供の育ちを地域社会全体で支えることにより、全ての子供が健やかに育つ社会の実現を目指すことを決意し、この条例を制定しますとあります。私たちはこのことを深く心にとどめておくべきだと考えます。 そうした思いから、改めて尼崎の子育て支援策について、具体的にお聞きしてまいります。 昨年10月から、1号、2号認定の子供たちの保育料が無償化されました。それに伴い副食費の有料化や認可外保育施設にも公費が投入されるようになりました。その狙いは、消費税の引上げによる財源を活用し、生涯にわたる人格形成やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育の重要性と子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るとあります。 しかし、保護者の負担の軽減で言えば、より負担感の大きい乳児、ゼロ・1・2歳は対象にはならず、住民税非課税世帯のみが無料となっています。3歳以上児についても、認定を受けても入る施設がなければ無償化の対象にはなりません。 保育制度の発足以来、食は保育の一環として公定価格の中の事業費に副食費が含まれていましたが、今回の無償化により副食材費が公定価格から外され、主食費とともに保護者から徴収することになりました。さらに公立保育所については、4月からの無償化の財源を自治体が全額負担することになるので、統廃合や民営化がさらに全国的に進むのではないかと危惧されるところです。 また、無償化の対象施設が基準を満たさない認可外施設やファミリーサポート事業にまで拡大されたことは、保育の質の確保や子供たちの命と安全を守る観点からは、矛盾を大きくしています。 そうした中、自治体によっては独自で副食材費の無償化や負担軽減の補助を行うところも出てきています。認可外保育施設についても、国は指導監督基準を設けていますが、5年間の猶予期間が与えられています。実際の条例化で指導監督基準を満たしていない施設を無償化の対象から外すことが可能なことから、条例化を進める自治体もありました。昨年の12月議会で、本市で議員提案の条例が制定されなかったのは残念なことでした。 今回新たに無償化の対象になった認可外保育施設に対する指導監督基準は、保育士資格者は認可保育所の基準の3分の1程度で、保育に従事する者の3分の1、保育室の面積は、乳幼児ともおおむね1人当たり1.65平方メートル以上であることが示されています。早期の基準達成が求められます。 お尋ねします。 無償化の対象施設となっている認可外保育施設に対して市の指導強化が必要です。基準を達成していないところには、早期の基準達成、また、保育料の便乗値上げが行われないようどのような監督体制を取られるんでしょうか、市の見解をお示しください。 次に、保育所・児童ホームの待機児童対策についてです。 保育所の待機児数は、2019年148人、隠れ待機を含めると671人、2020年度は126人、隠れ待機を含めると昨年同様の670人相当になるということです。保育所の待機児対策として、近年、小規模保育事業、企業主導型保育事業、そして無認可保育所の活用など、規制緩和とともに保育の市場化への動きが加速しています。保育は福祉であり、企業のもうけの対象とされることはあってはならないと思います。 保育所の待機児童対策は、規制緩和の方向ではなく、保育の質を確保した認可保育所の建設で対応、また、保育士の処遇改善が不可欠です。公立保育所として残す計画である老朽化した杭瀬、次屋、武庫南の建て替え計画が一向に進みません。早期の建て替えを求める市民の要望に市は代替地がないとの一点張りです。本当にやる気があるのでしょうか。これらの建て替え計画をつくり、待機児童対策としてゼロ歳児保育の拡充、定員の拡大を求めます。 お尋ねします。 待機児童対策として、杭瀬、次屋、武庫南の公立保育所の計画的な建て替えが一向に進まない、いつまでこの老朽化施設を放置するのでしょうか。早期の建て替えとともに認可保育所の建設、保育士の思い切った処遇改善と併せて実施すべきだと考えます。市の考えをお示しください。 児童ホームについてです。 子ども・子育て支援制度の下で、2019年度までの5年間で国基準の学童保育の制度を整える計画だったのではないでしょうか。尼崎で最も重要な施策の一つが定員数の問題です。60人定員を国基準の40人定員を目指すという目標について、その達成率はどうなっているのでしょうか。2020年度の募集でも40人を超えている児童ホームは、人数が確定していませんが、およそ41か所中31か所を超えています。この計画が実現できていたなら、待機児童問題はとっくに解決できていたと思います。 市の2019年度の待機児童対策は、60人定員の児童ホームの定員数の弾力的運用で70人を設定し、難波、立花南、杭瀬、浜、立花西、名和、武庫東、武庫庄の8つの児童ホームで実施されています。国基準に反して大規模化していくことは問題です。まずは余裕教室を活用した40人定員の部屋を確保していくべきです。 また、待機児童対策として民間の学童保育の活用が第一にうたわれていますが、2019年度の実績は、ここは僅か6人が利用しているということです。この人数の利用者では、民間の学童保育への支援策は有効な待機児童対策になっているとは言えません。そして2020年度の施策でも民間学童保育の施設に対する家賃の一部補助を行い、その予算は4,500万円となっています。大した効果を生み出さない民間の学童保育施設に補助金を出すより、学校の余裕教室を児童ホームに改修するための予算は約1,000万円でできるのですから、政策転換が必要です。 お尋ねします。 待機児童対策としても、児童ホームの一部屋40人定員を計画的に実施していく考えはあるのでしょうか。 次に、こどもクラブについてです。 2020年度より全校一斉でこどもクラブでの夏休みなどの昼食、弁当持参を認める対策が講じられます。前年度のモデル事業段階での実施では、職員の体制が整っていない中で、職員が昼休憩を取ることができなかったとかの問題があったということを聞いています。どのような検証がなされて全面実施となったのでしょうか。 市はニーズがあったからと答えていますが、他の市民ニーズよりも優先して行う必要性が示されていません。今年度の実施はシルバー人材センターに委託するとのことですが、こどもクラブには待機となっている子供たちも含まれており、十分な対応が可能なのでしょうか。嘱託労組からの同意は得られているのでしょうか。 さらに児童ホームとこどもクラブの明確な区別を行うことを以前、一般質問で確認しております。児童ホームは生活の場、こどもクラブは遊びの場としての位置づけを市は行っており、留守家庭児童対策としての児童ホームの役割を重視しているということでした。 お尋ねします。 こどもクラブは無料で児童ホームは有料、昼食が食べられるとなれば、夏休みでも生活の場が必要とされている児童ホームの留守家庭の子供たちをこどもクラブに誘導する施策となるのではないのかとの懸念が出てきています。市はどのように考えますでしょうか。 次に、子供の医療費の問題です。 ファミリー世帯の定住促進のために兵庫県下でも遅れている所得制限なしでの子供の医療費の無料化の制度の実施は、尼崎市の喫緊の課題だと思います。 お尋ねします。 子ども医療費の無料化の制度は、ファミリー世帯の定住促進のために今こそ実現すべき施策だと考えます。中学卒業までの医療費無料化を所得制限なしで実施する取組を段階的に拡充して行う、また、いつまでに全面実施をするのか、その時期を明確にすべきだと思います。市の考えをお示しください。 次に、公共施設の在り方、ファシリティマネジメントです。 公共施設のいわゆる再編・再配置計画は、当初から今後35年間、2014年から2048年で30%の削減がうたわれていました。モーターボートの改修計画の結果、面積は全体の約10%の5,364平米の削減が予定されています。しかし、新たに駐車場や駐輪場がつくられるため、実質的な面積減は全体の10%に及びません。削減計画の30%を平均的に削減しようとすれば、まだ1万平米ほど面積を削減しなければなりませんが、競艇場では減らすことができず、その分は他の公共施設で減らしていこうということになってしまいます。競艇場の面積を計画の母数に加えることは検討し直すべきです。 計画を先に数字ありきで進めるのではなく、地域や市民の要望に沿った取組にしていくべきであるとの意見が地域にあります。一定の収入が見込まれるモーターボート競艇場や市営住宅の面積は、公共施設の面積から除いて検討されるべきであると共産党議員団はこれまでも主張してきました。 お尋ねします。 公共施設の量的な目標の見直しを検討する考えはありませんか。 次に、地域総合センター、これについてはどのように位置づけられ、今後の在り方はどこで議論されていくのか、公共施設の在り方の中でという意味です。また現状、市の貸館の制度がある公共施設の中で、ほかと違う休館日の設定がここではなされています。 お尋ねします。 地域総合センターはどのように位置づけられ、今後の在り方はどこで議論されていくのでしょうか。また、現状、市の貸館の制度がある公共施設の中で、おおむね週休2日制で実施されているのはここだけですが、なぜそのようになっているのでしょうか。 以上で第1問を終わります。(拍手) ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) それでは、川崎議員の代表質疑に対しまして、順次お答え申し上げます。 まず、予算編成に当たっての市民を取り巻く経済環境についての認識とのお尋ねです。 当初予算について申し上げますと、個人市民税における納税義務者数及び納税義務者1人当たりの給与収入は増加となり、また、生活保護扶助費は被保護者数、世帯数共に減少傾向となっておりますが、一方で、法人市民税においては、米中の貿易摩擦に伴う世界経済の減速などを想定し、一定の減額を見込んでおります。さらには今般の新型コロナウイルス感染症が社会経済環境に与える影響は、本市の財政においても大きな懸念となっているところです。 今後におきましても、国内外の経済情勢はもとより、市内企業及び市民の皆様の状況を的確に把握しながら、本市として適宜適切な対応に努めてまいります。 次に、あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトにおける将来負担の目標についてのお尋ねです。 プロジェクトで目標管理対象将来負担の数値目標を掲げていますのは、本市特有の市債残高の多さがその返済である公債費の多さとなって財政収支を圧迫し、議員もおっしゃっている住民福祉のためのその政策的な事業を行う余力を奪っているからです。ましてや支える側の人口が減少し、社会保障関連経費が増大する時代を迎えるに当たっては、将来の歳出を増加させる要因となる将来負担の削減を通じ、財政構造の硬直性を解消していかなければなりません。 私は、将来負担の縮減は現在の尼崎の財政を預かる市長としての重要な責務であると認識しており、今後におきましてもプロジェクトに掲げる財政目標の達成に向け、投資的事業の調整、早期償還等のさらなる取組とともに、必要な事業との両立を図ったそのような財政運営に尽くしてまいります。 次に、認可外保育施設への指導監督についてのお尋ねです。 本市では、これまで認可外保育施設の質の向上の視点から年1回の指導監査を実施しておりますが、全ての施設が国の定める認可外保育施設指導監督基準を早期に満たすことができるよう、適正な指導監査、必要な助言等を行ってまいります。 また、本市の認可外保育施設では、無償化の実施による保育料の便乗値上げは行われておりませんが、今後も引き続き確認をするとともに、認可外保育施設が無償化の対象になったことを踏まえ、これまで小規模保育事業所に対し実施してきた巡回支援を認可外保育施設にも広げ、保育施設の質の維持向上を促進してまいります。 次に、保育所の待機児童対策についてのお尋ねです。 杭瀬、次屋、武庫南の各保育所につきましては、築40年以上経過していることから、建て替えの必要性は認識しておりますものの、現在、北難波及び武庫東保育所の建て替えを進めており、第1次尼崎市公共施設マネジメント計画の中で、残る3保育所については令和5年度以降の建て替えを目指すこととしております。3所とも現時点で用地の確保にめどが立っておりませんが、令和5年度以降の建て替えを目指し、引き続き検討を進めます。 また、認可保育所の設置は本市の主要事業と位置づけ、子ども・子育て支援事業計画に基づき認可保育所の建設を進めるとともに、保育士人材の確保と定着を図るための処遇改善策として新卒保育士就労支援事業、奨学金返済支援事業等に取り組んでまいりました。これらに加え、来年度から潜在保育士就労支援事業を実施するなど、引き続き待機児童解消に向け、総合的に取組を進めてまいります。 次に、児童ホームの40人定員についてのお尋ねです。 児童ホームの集団の規模につきましては、厚生労働省令に基づき、本市条例におきまして40人定員を基本としています。しかしながら、子ども・子育て支援新制度実施前に整備をしました60人定員の施設につきましては、整備に係る用地の確保のほか、財源の問題もあり、また、現時点では待機児童の解消という問題もあることから、本市条例において経過措置の規定を設けているところです。 待機児童が発生している状況もあり、従前の60人定員及び暫定措置による70人の受入れによる運営を行っているところもありますが、子ども・子育て支援新制度実施後に施設整備を行うに当たっては、40人定員としているものでございます。 次に、こどもクラブで昼食が食べられるようにという取組についてのお尋ねです。 こどもクラブにおける夏季休業期間の昼食時間帯の開室につきましては、期間限定でかつ保育者のニーズが高いことから実施するもので、市として留守家庭児童をこどもクラブに誘導しようとするものではありません。 次に、子供に係る医療費助成についてのお尋ねです。 子供に係る医療費助成は、子育て家庭を支援する施策の一つとして実施しており、昨年7月からは、限られた予算の中、持続可能な制度として就学前児に係る所得制限を撤廃したところでございます。現在、制度拡充による利用状況の分析を進めており、また、今年1月にできました転入・転出を行ったファミリー世帯などを対象としたアンケート調査の結果についても、今後分析を進めることとしております。 子供の医療費助成のさらなる拡充については、こうした分析結果を踏まえるとともに、財政状況等を見通す中で全庁的な財源調整が必要となりますことから、現時点でその実施時期などをお示しすることは困難でございます。 次に、公共施設マネジメント計画の目標見直しについてのお尋ねです。 公共施設は、設置目的や利用状況、運営形態など様々であることから、公共施設マネジメントの取組を進めるに当たりましては、一律の削減を行うのではなく、可能な限りサービス水準の低下を来さないよう、丁寧に意見聴取等を行いながら進めていくこととしています。 公共施設マネジメントの取組は長期にわたる計画であることから、社会情勢の変化等へ対応していくことも必要だと認識しておりますが、少なくとも現時点におきましては、面積の削減目標については見直す考えはございません。 次に、地域総合センターについてのお尋ねです。 地域総合センターは、設置及び管理に関する条例におきまして、地域住民をはじめとする市民相互の交流の促進及び人権啓発意識の普及・高揚を図り、もって市民福祉の向上に寄与するためのコミュニティーの拠点となる施設として位置づけています。 また、施設の在り方に関しましては、現在、平成25年に策定した総合センターの今後の在り方に基づいていますが、今後、その在り方について検討する場合には、附属機関である地域総合センター運営審議会などで議論する予定としております。 なお、休館日につきましては、週休2日制ということではなく、日曜日及び第2、第4土曜日以外の土曜日としており、必要があれば臨時開館も実施しているところでございます。 以上で川崎議員に対します1問目の答弁を終わらせていただきます。 ○副議長(岸田光広議員) 川崎敏美議員。   (川崎敏美議員 登壇) ◆16番(川崎敏美議員) 引き続き質疑を続けてまいります。 国保料についてです。 国民健康保険の利用者と他の健保加入者との間では保険料負担の格差が生まれています。特に協会けんぽ加入者との比較では、年収400万円、子供2人の4人家族の場合、保険料の負担額は、協会けんぽ加入者は20万円、国保は42万円にも及んでおり、2倍以上の格差となっています。 国保には、他にはない人頭税のような均等割という制度上の問題があります。全国市長会は国に対して国庫負担1兆円を投じることを求めています。同時に市独自でも国保料の引下げに努力すべきです。均等割は1人当たり年3万6,000円、理不尽なものです。子供の均等割を減免することは子育て支援にもなり、多くの市民が待望しています。 国保会計が県に広域化され、市は県下一律の保険料となることを見通し、来年度より特別減免以外の法定繰入れをやめて基金で対応するとしていますが、県下一律の保険料実施は何年先になるかは分かりません。基金は利用者から徴収して蓄積されたものであり、本来は利用者に還元されるべきものであり、一般会計からの繰入れをやめるために基金を活用するやり方には問題があると考えます。 お尋ねします。 国保会計への一般会計からの繰入れを継続し、特に均等割の子供の分に係るものの減免策として基金の活用を行うべきです。このような国保料の引下げを行う考えはありませんか。 次に、障害者の問題についてです。 グループホームに通う障害者、滞在する障害者、土日祝日など自宅に帰ったとき、家から外出する際の移動支援が在宅ケアとされて移動支援が尼崎では認められておらず、家族に負担がのしかかっています。特に近年では、障害者とともに保護者である親もさらに高齢化して家族だけでは対応することができず、ヘルパーを依頼したりして金銭的な負担も多くなり、悲鳴を上げているという実態となっています。尼崎市も支援制度がある西宮にならって対策を講ずるべきではないでしょうか。 お尋ねします。 グループホームの障害者が土日祝日など自宅に帰ったとき、家から外出する際の移動支援が在宅ケアとされて尼崎市ではサービス利用が認められておらず、家族に負担がのしかかっています。支援制度の西宮並みの実施を求めます。 次に、業務執行体制の見直し、アウトソーシングの検証についてです。 今後とも少子高齢化がなお一層進んでいく中で、今後の増加、多様化する行政需要に対応するため、市は業務執行体制の見直しを実施するとのことです。これまでの業務を見直し、効率化を図りつつ、民間で対応できるとされるところはアウトソーシングを実施、そこで生じる人員を行政の役割が増える部署に重点的に配置していく計画を実施しています。既に戸籍や印鑑証明などを扱う本庁の市民課窓口やサービスセンター、昨年からは上下水道の各種業務、道路維持などが実施されています。また、指定管理制度で図書館、市営住宅や生涯学習プラザなど、公共施設の維持管理が民間に委ねられています。 これまでも偽装請負、市職員のスキルや市民サービスの低下問題など、何度も指摘してきました。特に災害時の対応がどうなるのかは深刻な問題です。ここでは3つの問題を指摘しておきたいと思います。 第1に、市民課窓口の委託先が変わる問題についてです。委託業者のパソナが他都市での不正を行ったことによる改善策だと受け取っていたのですが、市役所職員労働組合にお話を伺ったところ、様々な問題点が浮上してきました。パソナに業務に習熟した人員が確保できていないところから、人数をかけてマンパワーで対応せざるを得なくなっていた、だから人件費に上乗せを求めるパソナと市が折り合わず、今回は撤退したのではないかとのことでした。 また、パソナの業務管理が遅れて業務時間内に仕事が終わらない問題もあったということです。その結果、業務進行上の市民課の前処理が終わっていないから、後処理をする他の部署の残業時間も増えていくといった事態が生じているということでした。 つまり市民課窓口の民間委託は直営であったときと明らかに後退している、市民サービスの低下や業務時間が増加して人件費が高騰するという問題があったということです。 第2の問題として、ごみ収集車の直営割合を減らしていくことです。ごみ収集について職員労働組合は、高齢者の見守り活動の提案を行っているとのことでした。あらかじめ1人でごみの収集場所にごみを持っていけないマンション等や高層の住宅に住む高齢者を登録してふれあい収集など、積極的に実施していきたいとの考えを組合の側は示しています。それにもかかわらず、市はごみ収集の直営の比率を2018年度の52%から19年度は35%、そして2020年度は24%にまで引下げ、アウトソーシングをさらに加速させようとしています。 2年前の強風を伴った台風被害に襲われたとき、膨大なごみの処理をしたのは直営の力でしょう。かなり以前のことだったかもしれませんが、委託先の民間事業者がごみ収集が突然できなくなったとき、直営の職員が代わりに業務を行い、事なきを得たことがあったということを労働組合の方から聞いています。市は今後もそのような事態が起こらないと想定されていないのでしょうか。今度の直営の比率を下げ、さらなるアウトソーシングの推進は理解できません。直営であったからこそできた対応力がますます失われてしまいます。 第3に、クリーンセンターの委託問題です。ここでも建て替え計画では、今後、事業運営方式、DBO、公設民営方式となっています。業者の見積りが出されていますが、組合の側で試算した数字よりも大変安くなっていると。それが適正なものであるのか、将来的にこうした金額で本当に業務が遂行できるのか危ぶまれるとの意見を労組が述べています。 お尋ねします。 市はごみ収集車の直営割合を減らしていくことや、クリーンセンターの委託についてどのようなチェックをしているのか、業務が適正に行われているか、事業の検証をしっかり行い、問題があるところは大胆な見直しを行うべきであると考えますが、市の見解を求めます。 次に、中小企業支援策についてです。 市の中小企業に対する融資支援策はなかなか実効性がありません。その原因について市はどのように考えているのでしょうか。 お尋ねします。 昨年10月からの消費税増税や新型コロナウイルス問題により、多くの中小企業は売上げ減少に陥っています。対策として利息や保証料を一部補助し、返済期間の猶予を設けた特別融資を創設すべきではないでしょうか。また、中小企業融資の新規受付は継続すべきではないでしょうか。 住宅リフォーム助成制度についてお伺いします。 この制度は、市民が住まいの増改築を市内の業者を活用して行う場合に工事費の一部を助成するもので、住環境の改善や市内業者が工事を受注することにより、地域経済の振興につなげていくというものです。 全国商工新聞の2018年リフォーム助成制度に対する自治体調査、ここでは全国でも年々増えてきている、住宅は573か所、店舗は107の自治体で実施されているとのことです。兵庫県下でも住宅に対するものが西宮、宝塚、明石市など7市6町の自治体で広がり、実施されています。産業連関表を使って試算された経済波及効果は、補助金の20倍以上との報告もあり、地域経済活性化の起爆剤となってきています。 市民の住宅リフォーム助成制度創設の要求に対して、市はこれまでリフォーム自体の総需要の増加にはつながるとは考えにくく、地域産業全体に及ぼす効果は限定的なものであると答えられています。しかし、市は、2018年7月からは空き家利活用政策の一環として、子育てファミリー世帯や新婚世帯が市内の空き家の戸建て住宅を取得し、改修工事を行う場合に工事に要する費用の一部を補助する事業や空家エコリフォーム補助事業を実施しています。 しかし、これらの補助制度は限定的で市民のニーズにも見合っていない。結果、応募件数も少なく、年ごとの予算も減らし続けていっています。 お尋ねします。 今だからこそ景気刺激策としても、空き家やエコの住宅リフォームに限定しない全ての住宅リフォームを対象にした住宅、店舗、空き家などへのリフォーム助成制度を実施すべきではないでしょうか。補助制度の創設をどのように考えるのかお答えください。 次に、住宅政策についてです。 政府が健康で文化的な住生活を営む基盤として必要不可欠と定めた最低居住面積水準、これを満たさない住宅のうち約8割が民間借家となっています。家賃負担が収入の30%を超える世帯の割合は、東京都39.7%、大阪府38.5%に上るなど、高家賃に圧迫されている世帯は多数です。住宅に困窮する低額所得者に低家賃で貸す公営住宅は、2008年約208万戸から18年には約192万戸へ16万戸も減っています。住まいの貧困は、打開するためにも低廉家賃の住宅提供、公営住宅拡充などが急がれます。住まいは人権の立場に立つ政策への転換が求められています。 尼崎市では、2016年の市営住宅建替等基本計画で、今後、市営住宅を2014年の管理戸数1万887戸から、2035年までに9,255戸まで削減する計画を進めています。しかし、近年、高齢単身者や障害者、低所得者にとっては家賃が高い、バリアフリーの住宅環境が整っていないことから、安心して入居できる住宅が得られにくくなっており、大変深刻な状況が生まれています。市は公営住宅の在り方を見直し、高齢者、身障者が安心して住める住宅を整備すべきだと考えます。 お尋ねします。 高齢単身者や障害者にとっては、入居できる住宅が得られにくくなっており、そのための住宅制度を拡充すべきです。市営住宅建替等基本計画を改め、市営住宅の整備戸数を増やすべきです。市の考えをお聞きします。 次に、教育問題についてです。 学校でのいじめ対策、先日、毎日新聞の報道と文教委員会の協議会案件で、また新たないじめ問題が発生しています。新しい事案に対して真偽かどうか、関係者のプライバシー問題もあって詳細な報告が出るまで静かに見守るしかないのでしょうか。物が言えない雰囲気と感じているのは私だけとは思われません。 教育委員会がいじめの事実確認を行い、重大事案として認定してから、弁護士などの第三者に調査依頼などの手順を踏んでいかなければならないということは分かります。しかし、問題発生から数か月も経過してしまい、被害者や関係者から個々に抱える問題が直接的に解決されず、結果、時間がたち過ぎて真の問題解決には至らず、いじめの事案自体も当事者以外は忘れ去られてしまう、そのような危機感を感じています。 いじめは人権侵害であるという認識を教職員をはじめ、周りの大人、生徒たちが共有しているのか、問題が起こったときに教職員だけにとどまらず、周りの大人たちがどう対応するのか大きな課題です。いじめ問題に関しては、STOPitなど様々な手だて、対策が講じられていると思いますが、今回も機能したとは言えない状況ではないでしょうか。いじめ問題を人権問題と捉え、その対策にはこども青少年局も関わるべきではないでしょうか。 以前、議会で、私は世田谷区の取組、人権擁護の観点から取り組まれている、せたホッとを紹介しました。 尼崎市ならではのスピード感のある独自の取組を求めたいと思います。 お尋ねします。 いじめは人権侵害であるという認識を持ち、問題が発生した時点でどのように対応すべきか、対応策について徹底すべきだと考えますが、どうお考えでしょうか。 最後に、総合的な治水対策についてお伺いします。 武庫地区の雨水貯留管の計画変更の基本的な考えが示されています。発進立て坑は武庫之荘総合高校の敷地内から、到達立て坑はシールドマシンを地中に残置させることによってつくらず行うものとなっています。これらの説明会が近々開始されるということですが、対象はまたしても工事を行う周辺だけとしているようです。 私たちが以前から主張しているように、事業実施は下水道課が担っているからと担当部局に住民に対する説明を担わせるのは問題があります。住民側はこの2年余りの中で担当課からの説明を何度も聞いて、これは単に地域に貯留管をつくるだけの問題ではないと考えるようになってきています。 武庫川が氾濫したらどうなるのか、集中豪雨のときの内水・浸水対策はどうするのか、総合的な治水対策はどうなっているのかを突き詰めて考えなければならないとなっています。貯留管をつくるだけの工事だけの問題としての市の対応は改めるべきです。県や流域事務所との連携、ひいては危機管理局がどのような防災対策を考えているのか、積極的に地域に出かけて説明すべきだと考えます。 お尋ねします。 総合治水対策として校庭・公園貯留や雨水貯留管の在り方、その他の対策について危機管理局が横断的に取り組み、国や県の流域事務所との連携を進めるとともに、市民に対する説明・啓発に積極的に取り組むべきだと考えますが、市の見解をお尋ねします。 以上で第2問を終わります。(拍手) ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) それでは、川崎議員の第2問目の質疑に対しまして、順次お答え申し上げます。 まず、国民健康保険料についてのお尋ねです。 国民健康保険事業基金は、保険料を中心とする決算剰余金が原資となっていることから、被保険者に還元することが必要であると考えており、令和2年度においては、保険料の上昇抑制及び減免に係る財源として約9億円を活用する予定としております。 このうち保険料の減免に係る基金の活用につきましては、今後、県下で減免制度が統一され、財源が保険料となることを見据え、失業・廃業などの一般的な減免措置については、一般会計からの繰入れではなく、基金について実施することとしたものです。 また、子供の均等割に係る減免につきましては、本市の独自減免の在り方などと併せて検討してまいりましたが、現在実施しております特別減免が多人数世帯の負担緩和に寄与していることや、県下の減免制度の統一により短期的な措置となることが見込まれ、システム改修にも時間と経費を要することなどから実施を見送ることといたしました。 いずれにいたしましても、基金の活用につきましては、国民健康保険事業の健全運営を図るため、今後とも適切に行ってまいります。 次に、障害者移動支援事業についてのお尋ねです。 グループホームは地域生活を営む障害者の住居という位置づけであることから、その利用者が移動支援を利用する場合、当該グループホームを御本人の自宅とした上で移動支援の利用を認める運用としていますが、親元など帰省先からの利用は認めていないという運用になっております。 御指摘の西宮の運用ですけれども、移動支援の支給時間に上限を設けていない、これが尼崎方式なんです。それとは異なり西宮市さんでは、上限を設ける中で本市とは異なる運用をされているということになっていまして、尼崎市におきましては、本市におけるこれまでの運用の蓄積や特徴ということも踏まえながら、今後も利用者支援の観点からより使いやすい制度となるよう、利用者御自身の皆様たちと一緒に検討を進めていきたいというふうに考えております。 次に、ごみ収集やクリーンセンターの委託についてのお尋ねです。 一般廃棄物の収集、運搬、処分につきましては、市民生活に必要不可欠な公共性の高い業務であり、それらのさらなる委託に当たりましては、経済性、安定性、継続性を兼ね備えた実施体制の確保のみならず、危機管理体制の構築や職員による技術の伝承等も視野に入れながら検討を進めています。 また、委託業者が日々行う業務につきましては、その適正実施について検証するため、より一層充実した管理監督が可能な体制を構築していくこととしております。 次に、中小企業支援策についてのお尋ねです。 消費税率改定や今般の新型コロナウイルス感染症による中小企業への支援につきましては、既に関係機関との連携の下、経営相談窓口の設置及びセーフティネット保証認定など、適切な対応策を講じているところであり、御指摘の金融支援につきましては、今後、資金繰りの円滑化に向けた新たな支援策の検討を進めてまいります。 次に、本市融資制度につきましては、利用者の利便性及び制度の効果的かつ効率的な運用の観点から、県融資制度への一元化を行うものです。新規融資受付についても利用者の利便性を損ねることのないよう県融資制度へ誘導し、中小企業の事業継続力の強化に向けた取組を進めます。 なお、今年度内につきましては、本市融資制度にて適切に対応をしてまいります。 次に、住宅リフォーム助成制度の創設についてのお尋ねです。 住宅リフォーム助成制度につきましては、対象事業者を市内事業者に限定することや助成金額の条件設定を行うことで一定の経済効果が発生するものと考えますが、リフォーム需要の前倒し効果はあるものの、リフォーム自体の総需要の増加につながるとは考えにくく、地域経済全体に及ぼす効果は限定的であると認識しております。景気刺激策としてどのような計画が適切なのか、今後の社会経済情勢等も踏まえつつ、引き続き検討をしてまいりたいと考えております。 次に、市営住宅の整備についてのお尋ねです。 高齢者や障害者が入居しやすい住宅については、民間賃貸住宅、公営住宅等の両方を活用した取組を進めていく必要があると考えています。そうした中、市営住宅については、尼崎市営住宅建替等基本計画において耐震性に課題がある市営住宅の耐震化を進めるため、建て替え、耐震改修及び廃止等を計画的に行うこととしています。 また、本市の市営住宅は、類似都市と比較して多くの管理戸数を有しているため、将来にわたる財政負担の点から建て替えや廃止による管理戸数の削減を図ることとしておりますが、建て替え後の住宅は全てバリアフリー化され、加えて既存の中層片廊下型住宅へのエレベーターの設置も進めており、整備前に比べて高齢者や障害者にも住みやすい住戸は増えることとなりますので、そうした取組を着実に進めることにより、高齢者や障害者にも住みやすい市営住宅になるものと考えております。 次に、総合的な治水対策についてのお尋ねです。 総合治水対策につきましては、さきにも御答弁いたしましたとおり、流す、ためる、備えるの3つの対策を組み合わせることを基本として、国、県、市において連携しながら取り組んでいます。 そのような中、本市としましては、都市整備局土木部長を座長とする尼崎市総合治水対策庁内連絡調整会議を設置し、危機管理安全局災害対策課長を含めた関係各課の連絡調整を図り、庁内一体となって総合治水対策の取組を進めているところです。 また、市民への説明・啓発につきましては、備える対策の一つとして、出前講座や防災訓練等などにより進めているところですが、治水に係る各個別事業の説明会などの場におきましても、本市における総合治水全体の取組方針をお伝えできるよう意を用いてまいります。 以上で川崎議員に対します第2問目の答弁を終わらせていただきます。 他の教育に係ります問題につきましては、教育委員会から御答弁申し上げます。 ○副議長(岸田光広議員) 答弁を求めます。 松本教育長。 ◎教育長(松本眞君) 川崎議員のいじめに関する質問にお答えいたします。 教育委員会といたしましては、いじめは個人の人格を傷つけ、将来の成長にも深刻な影響を与える著しい人権侵害であると捉えており、いじめの未然防止に加え、早期発見と組織的な対応をしなければならないと考えております。 教育委員会といたしましては、全ての学校においていじめ防止基本方針を作成し、事案が発生したときの対応の仕方をフロー図で示す等、速やかな対応を組織的に行うとともに被害者の方の心情に寄り添った対応となるよう指導を行っているところでございます。学校現場が問題を早期に発見・認識するための意識改革も含め、いじめの感度向上に向けた各種取組をさらに強化し、仮に問題が発生した際には、被害者に寄り添った対応ができるよう、常に緊張感を持って学校にもきめ細やかな指導、そして支援をしていきたいと、このように考えております。 ○副議長(岸田光広議員) 川崎敏美議員。   (川崎敏美議員 登壇) ◆16番(川崎敏美議員) 最後は、意見・要望にとどめさせていただきたいと思います。 特に公共施設の再編、ファシリティマネジメント、この問題について、量的なことを先に決めて取り組んでいるという実態に対して、やはり改めるべきなのではないのかということをかねがね主張してまいりました。分母の数としては、モーターボート競艇場、それから市営住宅、それは除くべきだという考えを示したのです。 なぜかというと、人口が減少するから公共施設の統廃合を進めていくということになりますと、公共施設の統廃合は、結局住民にとっては生活がどんどん不便になっていくと、そうするとそこに住まなくなる、人口減少の悪循環に陥ってしまうということも併せて出てきます。使いやすさ、アクセスがしやすいということを公共施設に住民は望んでいます。 公共施設の在り方は、それぞれの個別の施設だけで判断するのではなく、それが点となって地域ごとのまとまり、さらにまちという形で面として発展していく、そういった関係性の中で考えるべきで、市が進める公共施設の再編計画にはまちづくりという観点が欠落しているのではないのかと、点から面へ、そして面を一体としてのまちづくり、よりよい住民が安心して住み続けることができるまちづくりについて、今後も大いに議論を市民との間で進めていかなければならないと思います。とりわけどのような尼崎をつくっていくのか、まちづくりについては積極的な議論が必要だと思います。 もう一点、いじめの問題についてですけれども、どうしてもスピード感がありません。既に私たちが委員会でお話を聞いた時点で解決策は遠のいているなというふうに感じているんですね。聞いた内容が全部真実であればという前提ですけれども。ですからそういう対応で本当にいいのかと、みんながこういった問題を起こったときにこう対応すべきなんだ、個々の違いというのはいっぱいあるでしょうけれども、一定の考え方なり、ルールなり、体制なりをつくっていくということが今まさに尼崎の場合求められているのではないか。そういった問題を指摘して、私の代表質疑を終わります。残余の質疑は、会派議員が予算特別委員会分科会、総括質疑で行います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岸田光広議員) 川崎敏美議員の質疑は終わりました。 この際、休憩いたします。                        (午後2時51分 休憩)-----------------------------------                        (午後3時18分 再開) ○議長(真鍋修司議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。 代表質疑を続行いたします。 発言を許します。 綿瀬和人議員。   (綿瀬和人議員 登壇) ◆20番(綿瀬和人議員) 皆さん、こんにちは。市民グリーンクラブの綿瀬和人です。第16回尼崎市議会定例会において、市民グリーンクラブを代表して、2020年度予算案並びに関連議案をはじめ、市長の施政方針について代表質疑を行います。 皆様におかれましては、長時間におかれる審議でお疲れと思いますが、御清聴をお願いいたします。 なお、代表質疑の終盤ですので、質疑が重複する部分もありますが、理事者各位におかれましては我が会派の思いですので御理解いただけますようお願いいたします。 また、私は初めての代表質疑でございます。お聞き苦しい点もあろうかと思いますが、御容赦いただきますようお願い申し上げます。 まず、感染拡大を続ける新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、罹患されている皆様の一日も早い回復をお祈りいたします。 それでは質疑に入ります。 政府は、世界で一番企業が活動しやすい国を目指し、異次元の金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略の3本の柱から成るアベノミクスを進め、日本経済が緩やかながら回復基調を保っているとし、戦後最長のいざなぎ景気を超えたと強調しています。 しかし、実情は、大企業の内部留保が過去最大を更新する一方、各種指標から日本国内の個人消費が落ち込んでいる状況がうかがえるとともに、実質賃金はマイナスとなっています。非正規労働者の比率は、一昨年と比べ昨年12月の同月比0.38ポイント上昇し、31.79%となっています。格差や貧困が拡大し、景気回復の実感はありません。 また、追い打ちをかけるような昨年10月からの消費税増税により、昨年10月から12月期の実質GDPが年率6.3%減と大きく落ち込んでしまいました。 また、隣国であり、大切な貿易相手国である韓国との対立、世界のGDPの約4割を占める米中の貿易戦争、イギリスのEU離脱、中東情勢の緊迫、また新型コロナウイルスの蔓延など、世界経済、日本経済の先行きの不透明感が強まっています。 また、2020年度国家予算の社会保障費では、対前年度比5.1%増で35兆8,608億円と過去最高を記録しましたが、大半が幼保無償化や高等教育の就学支援であり、高齢化や医療の高度化に伴う増加幅は圧縮されています。 また、公的年金の給付水準の引下げや、後期高齢者医療制度の窓口負担の2割負担の導入などを予定されており、国民の生活は大変厳しいものとなっています。 本市の来年度予算の収支状況は、公共用地先行取得事業費会計繰出金を除いて収支均衡を確保するとありますが、さきに述べたように経済の先行きが不透明な状況でありますことから、経済状況、国の動向を注視し、できる限り予算の収支状況と決算とで乖離が出ないよう行政運営を行わなければなりません。 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、経済への影響は計り知れないものになっています。当然、来年度の収支にも影響を及ぼすことは明らかです。 ここでお伺いします。当然、現時点で来年度の収支見通しを立てろといっても無理はありますが、新型コロナウイルスなどによる影響をできる限り回避をするために、早い段階から予測と対策を検討する必要がありますが、どのようにお考えでしょうか、お答えください。 次に、市長の施政方針について聞いていきます。 稲村市長が市長になられてから、これまで10回、施政方針を述べられています。初め2回までの施政方針の冊子で冒頭に書かれているのは未来へつなぐでしたが、3回目以降は、主タイトル、ひと咲きまち咲きあまがさきとともに、サブタイトル、未来を見据え、未来をつなぐと、現在のタイトルとなっています。このタイトルの変更は、尼崎市総合計画が策定され、あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトによる新たな取組が始まる年として、タイトルが変更されたのだと思います。 市長になって初めての施政方針では、幸いにも尼崎は人情味があり、市民活動が盛んで、ここは一部省略しますが、私たちのまちを力強く前進させていく大きなチャンスでもあります。この尼崎から、時代をリードして、成熟社会にふさわしいまちづくりを進め、安心で希望あふれる尼崎を未来へつないでいきますと、文字で見ても力強さとやる気が感じられる施政方針でした。 しかし、2020年度施政方針はどうでしょうか。昨年のおさらいと今後の分析、そして来年度の事業を淡々と説明するだけで、市長の気持ちが何一つ感じられない。結びにある、つぼみが開き花を咲かせるときの胸の高なりのように、人々がまちの魅力を感じ、将来への希望を抱き、豊かな心を持って暮らしていけるとありますが、市長の、花が咲き、胸が高鳴っているとは、私は到底そのようには感じられませんし、思えません。3期目となり、ベテラン市長となりましたが、少しお疲れなのか、内容に夢と希望が感じられない気がします。 ここでお伺いします。目標とする目標管理対象将来負担の1,100億円の達成が見えてきたのですから、未来の尼崎がどのようなまちになるのか、夢を抱き、語ることも必要であると考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 次に、2020年度予算編成についてお尋ねします。 2020年度予算では、魅力あるまちにみんなが訪れる、子供を健やかに育てられる、未来社会を生きる力を育てる、地域で互いに支え合える、安心して年齢を重ねられるの5つのポイントを示され、主要事業として教育関連や保育関連など、様々な分野の86事業が挙げられています。 一方、一般会計歳出款別の予算構成比では、教育関連の教育費7.0%、観光施策関連の商工費0.8%などとなっています。特に、観光施策についてはハード事業が多いように見受けられます。 ここでお伺いします。主要事業の巻頭で示されているポイント事業と予算配分が伴っていないように思います。主要施策に関して重点的に予算配分し、めり張りの利いた予算となるようにするべきと考えますが、お考えをお聞かせください。 次に、監査結果報告と予算編成についてお聞きします。 全国都市監査委員会により策定された都市監査基準の適用に伴い、本市においても、2017年4月1日に、同基準に準拠して尼崎市監査基準の全面改訂が行われました。主要な変更点は、リスク評価の実施、予備調査の実施、所属長ヒアリングの実施、年間に行う監査の時期、回数の変更であり、従前の監査とは大きく変わっています。これにより、きめ細やかな監査結果報告書を作成することとなり、今までなかなか見えなかった部分まで見ることができるようになりました。 なお、2019年3月付で公表された監査結果報告書において指摘された、ひと咲きまち咲き担当局所管の尼崎市未来いまカラダポイント事業等について、我が会派の宮城議員が監査結果報告書を基に9月定例会で一般質問を行いました。 ここでお伺いします。当局は、今まで以上に充実した監査結果報告書を真摯に受け止め、改善に努めるとともに、予算編成にもしっかりとつなげていかなければなりません。指摘を受けた担当局の改善はもちろんですが、担当局と財政担当とも監査報告書の指摘に関して議論を行った上で予算編成をしているはずですが、何がどう変わったのでしょうか、お答えください。 次に、あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトについてお聞きしていきます。 本市では、財政再建団体への転落を回避するべく、経営再建プログラムに取り組み、稲村市長が就任されてからは、10年計画である、あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトを始動させ、持続可能な行財政基盤の確立に向けた行財政改革計画を進められておられます。 2017年には、財政運営の中期目標に係る達成状況や行財政改革の取組の柱に係る成果や課題、今後の方向性等の整理を行うとして、前半5年間の取組を踏まえながら中間総括を行いました。 中間総括では、前半の5年間で30億円を超える構造改善に取り組み、2017年度当初予算において、公共用地先行取得事業費会計繰出金を除いて収支均衡を確保できたことに加え、行政改革推進債や退職手当債などの市債に頼ることなく当初予算を編成するに至るなど、これまでの行財政改革の取組の成果として財政の健全化に一定の進捗が見られる。しかしながら、将来負担の抑制については、新たな投資的事業への対応等に伴い、現時点で目標値に到達するには至らず、後半に向けて課題を残す結果となっている。さらなる取組を進めていかなければならないとあり、プロジェクト後半5年間で少なくとも15億円の構造改善に取り組まなければならないともあります。引き続き厳しい財政状況であることが伝わってきます。 ここでお伺いします。ここまで絞り出してきた構造改善ですが、後半5年の15億円は今まで以上に大変だと思いますが、どのような対応を取られるんでしょうか。また、不測の事態が発生する場合もあると考えますが、その場合も検討されているのでしょうか、お答えください。 この長期にわたる財政再建の過程で、市バスの民営化や、労働者のまちのシンボルである労働福祉会館の閉鎖など、市民サービスは大きく後退しました。 また、市職員も財政再建、借金返済が第一目標となり、職員数も激減する中で日々の業務に追われ、疲弊してしまっているのではないでしょうか。先輩議員がおっしゃった言葉があります。昔の行政職員は尼崎の未来像を絵で描くことができるぐらい夢を持って行政運営をしていたと。 ここでお伺いします。当局の職員は尼崎の未来像を語ることができるとお考えでしょうか。各局の仕事を見ていると、借金返しばかりに目が行き、また、目の前の業務をこなすのが精いっぱいになっているようにも見えますが、現在の職員の状況を見て、未来の尼崎を見据えた事業展開を行えるような人材へと育成できているのでしょうか、お答えください。 次に、都市の体質転換と税源の涵養を図る取組についてお聞きします。 2020年度予算では、公共用地先行取得事業費会計繰出金を除いて収支均衡を確保することができました。 また、これまで上向きで推移してきた国内景気の動向が不確実性を増す中、財政の健全化を確実なものとするため、これまでの取組を間断なく進める必要があると分析しています。やはり安定的な財政基盤を確立するには、少子高齢化や経済雇用情勢の改善、現役世代の増加に向けた定住・転入促進対策は不可欠となります。 また、尼崎に住み、尼崎で働く方の雇用を守ることも、市民税収入増につながることとなります。 ここで、本市が2018年に行った労働環境実態調査について少し触れたいと思います。本調査は、尼崎市内の勤労者の労働条件を総合的に把握し、労働福祉行政の参考に資するとともに、勤労者の福祉向上の一助とすることを目的に、尼崎市内の従業者30人以上の全ての民営事業所1,087事業所を調査対象とし、30.4%の回答を得たものです。決して回収率がよいとは言えませんが、本資料しかありませんので、これを基に話を進めていきます。 調査内容は、事業所の概要について、正規従業員の労働条件及び環境について、正規従業員の賃金等について、人材の確保・育成、女性従業員の活用等について、高齢年齢者雇用安定法への対応について、外国人及び障害者の雇用について、労働環境等を整備改善するときの相談先についての8項目について、選択式プラス従業員数などの記述式で行われています。 本調査では非正規従業員についても調査されています。非正規従業員を雇用しているのは全体の86.5%の事業所です。また、全従業員に占める非正規従業員の割合は平均値28.3%となっています。なお、2016年の総務省経済センサス活動調査では、本市の非正規従業員は38.3%であり、全国36.2%と比較して2.1ポイント高く、本市調査より高い数値が出ています。税源の涵養の観点から非正規で働く方を正規従業者に転換することは、重要な取組であると考えます。 ここでお伺いします。非正規従業者が多い現状に関して、どのように考えておられるんでしょうか。また、非正規雇用者を正規雇用に転換するための取組は待ちの姿勢では進まないと考えますが、非正規従業者への積極的なアプローチはどのように考えておられるのでしょうか、お答えください。 プロジェクトでは、実質的な収支均衡を確保できた後は、負債の圧縮を進めるため、市債発行の抑制、交付税措置の有無などを基準とするとあります。来年度予算でも手厚い交付税措置があることで、前倒しで2019年度に補正予算で処理した事業もありました。交付税措置を意識した市債発行は負債を減らす上で大変有効な手段であると思います。 しかし、そればかりを意識するあまり、必要な事業に着手することにちゅうちょすることもあるのではないでしょうか。例えば、雨水貯留管事業に関しても、以前から危険性は認識されていたものの、財政的理由から先延ばしされたのではないかと考えています。 ここでお伺いします。プロジェクトを意識し過ぎるあまり、国の補助が出る事業ばかりに執着し、必要な事業が後回しにされていないか危惧しますが、どのようにお考えでしょうか。 これで1問目の質問を終わります。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) それでは、綿瀬議員の代表質疑に対しまして順次お答えを申し上げます。 まず、新型コロナウイルス感染症の財政運営への影響と対策についてのお尋ねです。 今般の新型コロナウイルス感染症が経済に与える影響が広がる中、国内外の経済の停滞による法人市民税や個人市民税の減など、本市の財政運営にも大きな影響が生じることが予測されます。 現在、本市におきましては、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、全庁的に感染症対策について対応を進めているところです。今後におきましては、国の動向などの情報収集を図りつつ、必要に応じて補正予算の計上や基金を活用する中で、感染症予防や経済対策など迅速に対応を進めてまいります。 次に、未来の尼崎市がどのようなまちになるのかとのお尋ねでございます。 令和2年度当初予算においては、投資事業の調整や市債の早期償還、焼却施設の更新や給食センターの整備といった大規模な投資事業を見据えた基金の積立てなどにより、辛うじて令和4年度の目標管理対象将来負担が1,100億円を下回るよう見通しを立て、予算編成を行ったところです。 加えて、今後、高齢化の進行とともに社会保障関係費の増加が見込まれ、公債費についても高い水準で推移するなど、引き続き厳しい財政運営が予想されることから、改めて財政再建の途上であることを認識し、気を引き締めなければならないと考えているところでございます。 以前にも申し上げましたが、将来にしっかりと希望を持ち、しかし希望的観測に流されることなく、着実にまちづくりを進めていきたいと考えており、総合計画におけるありたいまちの実現に向けて、尼崎で子供を育てる人を増やす、すなわちファミリー世帯の定住・転入を促進するとともに、単に尼崎で暮らす人を増やすだけではなく、このまちに誇りや愛着を感じる市民、まちのことを思い活動する人を増やすことに資する取組を進め、厳しい財政状況の下ではありますが、一歩ずつ着実に歩みを進めていきたいと考えております。 次に、主要施策に関する予算配分についてのお尋ねです。 本市は今後も収支不足が見込まれる厳しい財政状況の中ではありますが、構造改善により新たな財源を捻出し、ファミリー世帯の定住・転入に資する取組を中心に新たな施策を検討、予算を重点的に配分しているところです。 また、重点化施策は、予算の多寡だけではなく、体制整備、事業内容の転換なども含めた抜本的な取組について、複数年を見通す中で進めてきたもので、地域職員の配置やいくしあの設置などにつながっているものです。 現在、本市の人口動態が4年連続の社会増となり、イメージが向上しているといった調査結果も得られるなど、本市を取り巻く環境には変化の兆しが見られます。令和2年度においても、こうした傾向をさらなる好循環につなげるため、訪れたい、住んでみたい、住み続けたいまちに向けた取組を引き続き推進するとともに、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据え、住んでよかったというまちを目指し、限られた予算の中ではありますが、選択と集中を図る予算編成をすることができたものと考えております。 次に、尼崎市未来いまカラダポイント事業における監査結果を受けた予算編成についてのお尋ねです。 昨年度の監査報告では、組織の意思決定の在り方をはじめ、マネジメント上の課題に対して様々な御指摘をいただきました。来年度の予算編成に当たっては、尼崎市未来いまカラダ協議会による適切な事業運営が図られるよう、尼崎市未来いまカラダポイント事業の実施等に係る委託料を協議会への補助金に一元化するなど、適正な事務処理に向けて取り組みましたほか、組織マネジメント面の課題においても本年度当初から改善に着手し、意思決定プロセスを明確化するとともに、業務量管理などの適正化を図ったところでございます。引き続き、ヘルスアップ尼崎戦略推進会議を活用し、各事業の評価、検証、再構築に取り組むことで、ヘルスアップ尼崎戦略事業が効率的・効果的なものとなるよう取組を進めてまいります。 次に、あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクト、後半5年間の構造改善についてのお尋ねです。 あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトの中間総括において掲げました15億円の構造改善に取り組むという財政目標につきましては、平成30年度から令和2年度までに累計13.7億円の構造改善効果額を計上しており、目標の達成に着実に近づいているものと考えております。 一方で、実質的な収支均衡の維持という財政規律につきましては、令和2年度当初予算編成において4年連続で達成できてはいますものの、社会保障に係る経費が増加傾向にあることや、中学校給食の実施などにより、令和3年度以降、収支不足額の拡大傾向が見込まれることから、引き続き歳入確保や歳出抑制などのさらなる構造改善を図る取組を推進していく必要があります。 今後の予算編成におきましても、歳入の確保はもとより、施策評価を踏まえた既存事業の見直しに取り組むほか、長期的な視点に立ったファミリー世帯の定住・転入促進や、健康で自立した生活の確保という都市の体質転換を目指すとともに、プロジェクト中間総括でもお示ししましたように、不測の事態に備えるため、計画的・戦略的に基金を着実に積み立てる中で、プロジェクトの最終目標としております持続可能で弾力性のある行財政基盤の確立を目指してまいります。 次に、未来を見据えた人材育成についてのお尋ねです。 職員には、自分の目の前の業務だけでなく、未来を見据え、市全体の方向性や取組を意識し、組織間の枠を超えて様々な人と関わり、協力、連携して課題解決に向けて行動していくことがより必要であると考えております。 さきの質疑にも御答弁しましたとおり、こうした職員に求められる能力を高めるため、今年度、本市の人材育成基本方針、はたらきガイドを見直し、求められる能力に即した望ましい行動事例を活用した人事評価を開始したところです。今後は、これらの内容をしっかりと職員間に浸透させ、総合計画に示すありたいまちの実現に向けて、職員一人一人の資質向上を目指してまいります。 次に、非正規雇用労働者の現状認識と正規雇用への転換についてのお尋ねです。 非正規雇用労働者の増加については、ライフスタイルや価値観が変化する中で、就労ニーズや働き方の多様化が進んだことなども一因であり、様々な背景があるものと思われますが、いずれにせよ、多くの場合において正規雇用と比べ雇用が不安定で賃金が安く、能力開発機会が乏しいといった課題があると認識しております。特に、正規雇用を希望しながら非正規の状態にある方にとっては、そうした状況が生活の不安定や将来に対する不安にもつながることから、雇用の安定と処遇の改善を図る必要があると考えます。 そうした中で、労働者がより安定した雇用条件を確保できるよう、労働者自身の技能習得やスキルアップに対する支援の充実が重要だと考えており、これまで以上に、庁内はもとよりハローワークやポリテクセンターなどの関係機関、市内経済団体とも一層の連携を深める中で、積極的な情報発信と多様な人材育成メニューの提供等に取り組みます。 また、求人・求職者双方のニーズを踏まえた労働者の働きやすい環境づくりの推進に取り組み、非正規雇用から正規雇用への転換を目指してまいります。 次に、プロジェクトを意識するあまり、必要な事業が後回しになっていないかとのお尋ねでございます。 当初予算を編成するに当たりましては、プロジェクト中間総括に掲げる財政規律、財政目標を踏まえて事業の実施判断を行うことを基本としています。 次に、そうした考えを踏まえた上で、例えば投資的事業の予算計上に当たっては、市民の安全・安心に関わるものを最優先とするなど、緊急性のほか、政策との親和性、事業実施の効果などを総合的に検討し、事業の優先度を個別に考慮した上で予算計上の判断を行っています。そのため、国庫補助や地方交付税措置があることは、市の将来負担を踏まえますと重要な要素ではあるものの、あくまで判断材料の一つとして捉えているところでございます。 こうしたことから、今後におきましても各事業の効果や課題などを十分に検証、考慮した上で、必要な投資と財政規律、財政目標の達成の両立を図ってまいります。 以上で、綿瀬議員に対します第1問目の答弁を終わらせていただきます。 ○議長(真鍋修司議員) 綿瀬和人議員。   (綿瀬和人議員 登壇) ◆20番(綿瀬和人議員) 御答弁、ありがとうございます。 監査結果報告の分って、いまカラダポイントだけじゃなくて、全体的に財政のほうと予算とでどのような連携がされているのかなというのがちょっとお聞きしたかったこと、質問の仕方が悪かったかもしれませんが、もし何か追加であるようやったら、また、すみませんけれども、お願いします。 引き続き2問目の質問に入ります。 教育について順次お聞きしていきます。 本市は、これまで学力向上を最重要課題として取組を進めてきましたが、その結果、おおむね全国レベルまで到達することができました。しかし、まだおおむね全国レベルであり、全国レベルを超えたわけではありません。 このたびの教育関連の予算は、学習指導要領が改訂され、教育ICT環境整備推進事業などのICT関連事業及び英語教育関連事業などが主要事業として挙げられ多くの予算が配分されていますが、計算力向上事業などは見直しがなされました。 ここでお伺いします。学力向上対策について、現状はどうなっているのか、子供たちはついていけているのか、分析、検証する必要があると考えますが、いかがでしょうか。 また、このたびの予算ではICT関連や英語関連事業ばかりが目立ちますが、学力向上対策については一定解決したと思っておられるのでしょうか、お考えをお聞かせください。 教育費予算は一般会計予算全体の構成比7.0%となっています。この予算の中には(仮称)健康ふれあい体育館整備事業や城内まちづくり整備事業など、ハード面の事業も含まれています。 ここでお伺いします。子供たちの未来を考える上で、学力向上など教育関連事業は本市が最も取り組まなければならない施策ですが、戦略的にどれくらい予算が必要なのかを積算した上で予算を立てる必要があると考えます。教育費予算の構成比7.0%が妥当な予算配分であると考えておられるのでしょうか、率直なお考えをお聞かせください。 最重要課題として取組を進める上で、しっかりと予算配分を行うことは大変重要であると考えます。しかし、事業を進める中で、この事業は有効なのかという検証も必要になります。ただ単に事業を増やしてばかりだと、教員の負担も増えるばかりとなってしまいます。 ここでお伺いします。事業のスクラップ・アンド・ビルドが必要ですが、どのような手法で検証され、適切な改善がされているのでしょうか、お答えください。 次に、事象発生後の検証と今後の取組についてお聞きします。 本市では、体罰事案が発生し、大きな問題となりました。体罰がなぜ起こったのか原因は検証されたのでしょうか。また、今の現場はどのように改善されたのでしょうか。年度内に結論を出し、来年度予算で対策を講じる必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。 暴力で解決できることは一切ありません。教育は、児童・生徒の安心・安全を守ることも仕事の一つであると思います。二度と起こさないために、教育委員会がリーダーシップを発揮し、教員の指導監督を徹底するようにしてください。 次に、学校と地域の連携についてお伺いします。 地域学校協働活動は、地域の高齢者、成人、学生、保護者、PTA、NPO、民間企業、団体、機関等の幅広い地域住民等の参画を得て、地域全体で子供たちの学びや成長を支えるとともに、学校を核とした地域づくりを目指して、地域と学校が相互にパートナーとして連携協働して行う様々な活動とし、2017年の社会教育法の改正により法律に位置づけられました。 本市では、各学校で地域学校協働活動推進員の委嘱及び地域学校協働本部の設置が進められています。しかし、現状の地域学校協働本部は機能を十分に果たしているとは言えません。そういった中、このたびの予算では、より地域連携を密にしたコミュニティ・スクールモデル事業が実施予定とされています。 ここでお伺いします。各学校において地域と学校の連携が十分にできているとお考えなのか。また、できていない学校があるならば、どのように改善していかれるのか、併せてお考えをお聞かせください。 次に、観光施策について伺います。 尼崎城を核とした観光施策を展開するとして、観光施策の推進のため、2018年にあまがさき観光局を設立しました。来年度も、あまがさき観光局補助金として約9,000万円の予算が配分されています。しかし、ホームページはきれいに作成されているものの、その他の実績が全く見えてきません。 ここでお伺いします。尼崎の観光施策のかじ取り役として、着実に事業を推進するために設立したとありますが、これまでの役割をどう評価され、今後どのように活用されるおつもりなのかお聞かせください。 次に、災害対策について質問します。 危機管理安全局では、災害対策や生活安全などの業務を行っており、災害対策では、尼崎防災マップと併せて各種ハザードマップを市民に配布し、危機管理の必要性を訴えておられます。 しかし、本市事業に関してはどうでしょうか。例えば、現在建設が進められている中学校給食センターの建設地は、洪水ハザードマップによれば浸水想定が1から3メートルとなっており、洪水が起これば浸水することになります。本市ではこれまでも、またこれからも、多くの公共施設の建て替えがあり、災害が発生した場合は避難所となる場所もあります。 ここでお伺いします。公共施設の建て替え計画を進める上で、危機管理安全局との連携は必須と考えます。また、他局の事業においても連携の必要はあると考えますが、危機管理安全局から意見を聴取するシステムはあるのでしょうか。また、他局との連携はどのようにされているのかお答えください。 災害時要援護者支援事業については、名簿の活用について地域では混乱が続いています。そのような中、このたびの予算で新たな取組が示されておりますが、地域に支援を要請する時点で避難支援体制の整備は完了しておく必要があったのではないでしょうか。地域に取りあえず投げておけば何とかするだろうという考えが感じられて仕方ありません。災害はいつ起こるか分かりません。地域担当職員を活用し、早期に対応する必要があると考えます。 次に、尼崎版グリーンニューディールについてお伺いします。 環境モデル都市あまがさきとして、市内の環境の向上と地域経済の活性化、新規事業・雇用等の創出の同時達成を目指し、環境と産業の共生と地域経済の好循環を図る手段を考え、様々な取組を推進するとしています。確かに、尼崎版グリーンニューディールとして位置づける事業は数多く実施されており、経済波及効果についてもホームページで公表しています。 例えば、2018年の実施事業で、空家エコリフォーム補助事業として、予算41万2,000円に対し経済波及効果は何と1,673万2,000円となっています。 ここでお伺いします。尼崎版グリーンニューディール関連事業を検証する上で、経済波及効果は重要な情報となりますが、経済波及効果の算出方法が複雑で大変分かりにくいのですが、このような算出方法で十分な検証ができるとお考えでしょうか。また、今年度予算では、SDGs地域ポイント制度推進事業が新たに取り組まれますが、尼崎版グリーンニューディールとの関連はあるのでしょうか、お答えください。 次に、公共施設マネジメントの進捗状況についてお伺いします。本市の公共事業において、人件費の高騰や人手不足などの理由により入札不調が多発していますが、公共施設マネジメント計画にも影響が出ているのではないかと考えます。 ここでお伺いします。計画は予定どおり進んでいるのでしょうか。また、人件費の高騰や人手不足による入札不調の可能性を予測して次の手段を考えておくべきだと考えますが、どのような対応を取られるのかお考えをお聞かせください。 次に、市民協働の取組についてお伺いします。 自治のまちづくりに向けた地域振興体制の再構築についての考え方がまとめられ、地域発意の取組が広がる環境づくり、地域を支える新たな体制づくり、地域とともにある職員づくりが柱として示されております。 ここでお伺いします。地域とともにある職員づくりとは、具体的にはどのような職員像を描かれているのでしょうか。イベントに参加するだけの職員では全く意味がないと考えますが、お考えをお聞かせください。 次に、外郭団体と、それに類する団体と、市の関係性についてお伺いします。 本市の外郭団体は、一般社団法人あまがさき観光局をはじめとし、公益社団法人尼崎市シルバー人材センターなど15団体、また、外郭団体に類する団体として、社会福祉法人尼崎市社会福祉協議会など3団体があり、市から出資や補助金を受けて市の事業の補完的な業務を行う団体です。 例えば、シルバー人材センターから派遣され学校に配置されている安全管理員もその一つとなる事業ですが、昨年、監視カメラを設置するとの市の方針転換で時間が短縮されました。この方針転換について団体と十分な協議が行われていないと聞きました。当然、一番影響を受ける現場の安全管理員の方たちも大変混乱されたようです。民間企業との随意契約であれば、このような横暴なやり方はできないのではないでしょうか。 ここでお伺いします。外郭団体等は市の下請機関ではなく市業務の代行者であることからパートナーとも言えますが、外郭団体等に関してどのような関係性があるとお考えなのか。また、何でもかんでも取りあえず外郭団体に仕事を回せみたいなことがあるのではないかと考えますが、お考えをお聞かせください。 この問題は、2017年3月24日及び2018年3月26日に報告された監査結果の、措置を求めるものとして指定管理者制度についても指摘を受けています。外郭団体についても丁寧な対応をお願いしたいと思います。 時間の都合上、以下の項目については質疑いたしませんが、以上で私の全ての質疑を終わりますが、代表質疑で取り上げることができなかったもの、あるいは、御答弁いただきました内容について、さらに掘り下げる必要がある重要諸課題につきましては、予算特別委員会分科会、総括質疑を通じて質疑してまいります。 以上をもちまして、市民グリーンクラブの代表質疑を終わります。皆様には長らくの間、御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) それでは、綿瀬議員の第2問目の質疑に対しまして順次お答え申し上げます。 まず、教育費予算の構成比についてのお尋ねです。 義務的経費が高い水準で推移している本市では、とりわけ公債費が多額となっており、そのうち学校施設耐震化事業などに伴い発行した教育債の償還を加味しますと、本市の教育予算の割合は11.1%となっております。 この構成比についてですが、当該年度における教育課題への対応や投資的事業の規模などの影響を受けるほか、民生費や公債費が一般会計歳出予算の総額を押し上げている現在の状況下、また、公民館が市長部局事業として生涯学習プラザとしてこちらのほうに計上されていると、そういった影響を強く受けるような状況下におきましては、私自身はあまり固執すべき数字ではないと認識しておりまして、少なくともこの構成比のみで教育の充実度や重要度を評価できるものではないと考えています。 令和2年度の主要事業における教育予算におきましては、厳しい財政状況の中ではありますが、学力向上対策を重点化事業に位置づけ、教育ICT環境整備や英語教育の推進などの予算を計上したところです。今後とも、各事務事業の必要性、有効性などを十分考慮する中で、引き続き適切な予算措置に努めてまいります。 次に、あまがさき観光局についてのお尋ねです。 観光局は、地域一体となった観光地域づくりの中心的な役割を担うために設立し、これまで尼崎城をはじめとする本市の魅力を感じていただくためのイベントの企画実施、各種媒体を活用したプロモーションを展開してまいりました。 また、民間と連携した取組を推進すべく、観光関係者で構成する観光プラットフォームを設置し、来訪者の動向調査データを共有するなど、地域一体となった観光振興の取組に着手しているところです。 観光の取組は一朝一夕に結果が出にくい面もありますが、進捗管理指標の一つである観光入り込み客数が増加していることから、一定の成果が出ているものと考えております。まだまだではございますが、今のところ一歩を踏み出しているのではないかと思っています。 今後は、現在、観光局において公募しています民間人材を中心に、観光マネジメント機能がより一層発揮されるよう、また、稼ぐ力、御指摘いただいていますが、こちらにも注力していけるよう、さらに取組を進めてまいります。 次に、公共施設の建て替えに際しての危機管理安全局と他局との連携についてのお尋ねです。 災害発生等の緊急事態はもとより、想定される災害の被害を最小限に抑えるための防災・減災対策の対応は大変重要です。公共施設の建て替えに当たっては、防災・減災対策の視点からも検討する必要があり、危機管理安全局からハザードマップ等の防災情報を検討材料として提供し、上層階に電気設備や備蓄倉庫を配備するなど、発災時に対応可能な防災面を考慮した設計などの実施につなげるなど、各局間の連携協力体制の構築に努めているところでございます。 次に、尼崎版グリーンニューディールについてのお尋ねです。 経済波及効果は新たな需要を満たすために生産が連鎖的に誘発され、それによって発生する金額の合計額を示すもので、一般的に経済活動の効果を測定するものとして採用されています。 新たに取り組むSDGs地域ポイント制度推進事業は、経済、社会、環境の総合的な向上、地域経済の好循環を目指す仕組みであり、尼崎版グリーンニューディールとも同様の政策目的を持つものとして推進していくものでございます。 次に、公共施設マネジメント計画の進捗と入札不調の可能性を予測した対応についてのお尋ねです。 公共施設マネジメントの取組については、計画を策定し、現在、それぞれの計画に基づいた取組を進めておりまして、必要な関係経費を令和2年度当初予算にも計上をしているところでございます。 御質問の入札不調への対応としましては、国の改正に合わせた積算基準単価に基づき予算措置を行うとともに、施設の安全・安心に留意しつつ、状況に応じて作業スケジュールの変更を行うなど、柔軟な対応を行っていくこととしております。 次に、地域とともにある職員づくりについてのお尋ねです。 地域とともにある職員像は、地域を支えるスタッフとして積極的に市民とつながり、共に考え行動できる、個人や様々な団体が活躍できる場や仕組みづくりに取り組みながら、多様な人や活動をつなぐことができる、まちづくりに関する様々な情報を収集し、地域発意の課題解決や魅力向上の取組を支援できる、このような職員であると認識しております。 この職員像に近づくためには、まずは地域の多くの方々と知り合い、地域の情報と課題を共有することが重要であることから、引き続き地域担当職員が地域に出向き、地域の方々との関わりを深め、いろいろな経験を積む中で、今申し上げましたような職員像に近づいていけるよう育成に努めてまいります。 次に、外郭団体等と市の関係についてのお尋ねです。 市と外郭団体等の関係性につきましては、議員御指摘のとおり、本市の政策やまちづくりを推進していく上でのパートナーとしての役割を担う関係であると認識しています。 一方、市が外郭団体等に業務委託を行う際、外郭団体等は当該業務内容が団体の設立目的に沿うものであることを前提に受託しているところではありますが、現在の本市の厳しい財政状況下において、事業の見直しや縮減をお願いすることがあるという状況でもございます。 いずれにしましても、各団体とは丁寧な協議をしながら、見直し等が必要なときにはそういった取組を進めてまいりたいと考えております。 私からの最後に、監査結果への対応として、予算編成に反映させた事業等がほかにあるのかということなんですが、今後、予算提案時に、そういった取組項目があった場合には、予算と併せて報告できるような仕組みを検討するなど、少しちょっと工夫をしていきたいと考えます。 以上で、綿瀬議員に対する第2問目の答弁を終わらせていただきます。 他の教育に係ります問題につきましては教育委員会から御答弁申し上げます。 ○議長(真鍋修司議員) 松本教育長。 ◎教育長(松本眞君) 綿瀬議員の教育に関する質問に順次お答え申し上げます。 まず、学力向上対策の現状と分析等に関するお尋ねでございます。 議員御指摘のとおり、学力向上に関する予算については、単に予算をつけるだけではなくて、その予算額を使われて、どうやって一人一人の教職員の行動変容に結びついているかという観点が非常に重要と考えておりまして、そういう観点からも、今年度から進めている新たな学力向上対策については、施策評価等を通じて分析、検証をしてまいりたいと思っております。 その上ででございますけれども、本市におきましては、これまでも子供たちに確かな学力を身につけさせるために様々な事業に取り組み、着実に改善が進んでおります。平成30年度からはあまっ子ステップ・アップ調査を学力向上対策の指標の一つとして、一人一人に応じた支援を行うことで学力向上につなげていく取組を進めているところでございます。 学校は、この調査結果によって把握した個々の児童・生徒の学習や生活の課題に応じ、一人一人に応じたきめ細やかな支援策を講じるとともに、自身の指導を振り返り、授業改善へとつなげております。 また、市内のどこの学校におきましても、帯学習や放課後学習等の基礎学力の定着に向けた丁寧な取組を進めております。 教育委員会といたしましては、今年度から授業改善・学力保証推進チームの指導主事が学校に計画訪問する際に、あまっ子ステップ・アップ調査の分析データに基づき各校の取組について助言をしております。授業参観後には管理職や教員と意見交換することを通じ、主体的・対話的で深い学びの視点に立った授業についての共通理解を図っているところでございます。 今年度のあまっ子ステップ・アップ調査は12月から1月にかけて実施をし、現在、その結果分析を行っているところでございますが、引き続き尼崎市の子供たちの確かな学力の向上を目指してまいります。 次に、教育に係る事業の検証、改善に関するお尋ねでございます。 事業のスクラップ・アンド・ビルドについては、予算要求に先立つ施策評価において、これまでの取組を評価し、当該評価も踏まえ次年度の施策を検討しております。 また、検討に当たっては、あらかじめ設定した目標指標の達成状況はもとより、その施策の有効性、効率性の観点、さらには学校現場の負担が過度にならないような配慮もしております。 例えば、今回の学力向上に関する一連の施策の実施に当たり、併せてスクール・サポート・スタッフを導入したり、英語教育の授業時数の増に当たりALTの充実を図ったりするなど、取組の充実とセットで負担軽減策も講じているところでございます。 また、いじめ防止対策をはじめとする子供の命を守るための取組の強化と併せて、SSWの充実も図ろうとしているところでございます。 さらに、来年度は、帯学習や放課後学習と同様の効果が期待されていた計算科についても、学習指導要領の改訂により授業時数が増加することから、大幅な見直しを行う予定としております。 また、今後、例えば学校行事の精選や各教科等の研究会の効率化に向けた工夫、さらには給食費の公会計化による教員の現金取扱いの負担軽減の実現などの取組も進めていきたいと考えております。 このように、施策評価も活用しながら、めり張りのある取組となるよう工夫をしているところです。 次に、体罰が生じた原因に関するお尋ねでございます。 市立尼崎高等学校における一連の体罰事案の重大性に鑑み、弁護士や学校経営、スポーツ指導等に知見を有する学識経験者などから成る有識者会議を昨年7月に設置し、体罰が生じた原因や改善の方向性について議論をいただき、先頃、議論のまとめの素案が公表されたところでございます。 その中で、体罰が生じた原因は、体罰が許されない意識の低さのみならず、学校の閉鎖性や勝利至上主義等、長年の学校や部活動運営の中で築かれた組織風土等を幅広い角度から改めていくべきとの意見をいただいております。 また、会議では、市立尼崎高等学校が独自で取り組もうとしている再発防止策の構築に当たっても御意見をいただき、既に管理職による巡回、相談窓口の設置等といった学校独自の体罰防止システムを作成し、取組も開始しているところでございます。 最後に、令和2年度向け予算において、本有識者会議での議論を踏まえる中で、体罰根絶に係る施策として、教育委員会では、体罰防止研修の実施や匿名報告アプリ、STOPitの市立高等学校への導入を計上させていただいたところでございますが、これらをはじめ、本有識者会議で御提案いただいた様々な体罰根絶のための提案につきましては、今後、教育委員会と学校、市長部局とが連携して一つ一つ具現化し、二度と体罰の生じることのないような教育環境づくりに努めてまいります。 最後に、地域と学校との連携に関するお尋ねでございます。 本市においては平成28年度から地域学校協働本部をモデル校2校に設置し、令和元年度には36小学校、令和2年度4月には市立小学校で41校に地域学校協働本部を設置いたします。地域と学校の連携や協働については設置期間等による活動の差はございますが、徐々に充実をしているところです。地域学校協働活動のより活発な展開を図るため、コーディネーターや学校長、地域振興センター職員向けの研修、交流会を実施するほか、個別に学校の相談を受け、適宜、助言や支援を行っております。今後は広く取組や活動を知っていただけるようPRに努め、幅広い地域の方々の参画が得られ、より活発な活動が行われるよう取り組んでまいります。 ○議長(真鍋修司議員) 綿瀬和人議員の質疑は終わりました。 続いて発言を許します。 都築徳昭議員。   (都築徳昭議員 登壇) ◆32番(都築徳昭議員) こんにちは。緑のかけはしの都築です。しばらくの間、御容赦お願いいたします。 私は、来年度当初予算並びに関連諸議案について、緑のかけはしを代表いたしまして、代表質疑を行います。 新型コロナの関係で、代表質疑の時間が短縮されていますので、発言通告の項目全てを質疑できませんけれども、よろしくお願いいたします。 まず、気候変動対策について質疑を行います。 尼崎市地球温暖化対策推進計画では、地球温暖化対策を進める必要性について、2016年11月に発効したパリ協定に由来があるとして、CO2削減について、2050年までに80%と大幅な削減目標を掲げている国も現れている。また、事業活動で100%再生可能エネルギーに転換させる企業も現れていますと紹介されています。 そのパリ協定では、産業革命前と比べて世界平均気温上昇が2度を十分下回る水準にするという2度目標と、1.5度の努力目標を長期目標として定め、この目標のために今世紀後半に排出実質ゼロ、脱炭素社会を目指すとしていました。 一方、各国が提出した2020年以降のCO2削減目標を積み上げてみても、2度目標達成に必要な削減量との間に大きなギャップがあるため、長期目標達成に向けた各国の目標を見直し、削減量を引き上げる5年サイクルの仕組みを設けました。国連環境計画の報告書によれば、各国がパリ協定の下で提出している2025年、2030年を目途にした削減目標は、完全に実施されても、2100年までに気温上昇が3度を超える見通しと言われ、深刻な状態です。 その中で、昨年9月に開催された国連気候変動サミットでは、事実上1.5度、2050年までにCO2排出ゼロを目指すことが世界の目標となりつつあります。 尼崎市は、市域が市街地であるために、吸収する緑地が少なく、排出するばかりで、吸収することは困難なために、排出を吸収で相殺することができません。また、市がつくった地球温暖化対策推進計画を実行したばかりでありますが、急激に変わる気候変動を見たときに、早急な見直しが必要ではないかと思います。 お聞きします。 尼崎市のCO2削減は、2030年目標を28%削減と掲げていますが、パリ協定後、大きく変わりつつあります。本市の2030年の目標設定の見直しと2050年の目標が今はありませんが、新たに目標設定が必要と思いますがいかがでしょうか。 続いて、気候非常事態宣言について質問をいたします。 これは、昨年の議会で、公明党中尾議員と、それから山崎議員が質問いたしまして、そのときには、あまりに冷たい返事だったんですけれども、先ほど眞田議員の質疑に対しては、少し温かい答弁が返ってきたように思います。私の質疑自体は、多分、もうしないということを前提につくっている質疑ですので、少し質疑の内容も変えながら、背景について少し述べさせていただいて、温かい答弁を期待しながら、質疑を行っていきたいと思います。 これは、1つは、損害保険協会が2019年5月20日に発表された内容です。損保の支払い額が、2018年が1兆5,694億円と前年度比8.4倍でした。直近で多かった2004年度の支払い額、約7,400億円の2倍です。2019年度も高いと言われています。そうした被害の増大を受け、国内では、2019年9月25日、長崎県壱岐市が初めて気候非常事態宣言を採択し、その後、15自治体で採択されています。兵庫県内では、明石市が採択に向けて進んでいるとのことです。 もう一つは、非常事態の認識についてですけれども、気候変動の引き返し不能点は、10年後かもしれないというふうに言われています。努力に意味のある最後の10年とも言われています。経済の問題など様々な困難はありますが、グレタ・トゥーンベリさんのように、そんなことを言っている場合ではないのです。 そして、近年の気候変動による雨の降り方も大きく変化してます。この30年間で、時間降雨量が50ミリを超える大雨の発生件数は1.4倍になっています。さらに、時間降雨量が80ミリ及び100ミリを超える猛烈な雨は、共に1.7倍となっています。そして、2018年には、観測史上最大という雨量は、西日本の123か所で計測され、2019年には103か所で計測がされています。 ぜひ、この気候非常事態宣言についてですけれども、眞田議員の答弁では前向きな答弁に感じました。ぜひ、この非常事態宣言について、市長も前向きに行うということで捉えていいのでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。 次に、降雨対策についてです。 今、6年確率を10年確率にするということで言われています。それには多額の費用が避けられません。ただ、本市、あるいは県、国が持っている設備を有効に使うということで、その対策ができないかということで、少し運河貯留ということで考えてみました。 運河貯留については、本市の港湾に広い運河スペースがあります。その水位を事前に下げておくことで、貯留管の役割が果たせないかということです。もちろん、あまり早くやると、川が干上がり、生態系への悪影響や運河の役割である船の運行にも支障が出ますが、実際問い合わせてみると、県のほうでは、大雨前には、事前に運河の水位を下げているとのことでした。そして、現状、庄下川水域と蓬川水域、庄下川水域はほとんど水位を下げてますけれども、蓬川水域では、まだかなり高いところに水位があります。庄下川水門によって分離されていますけれども、その川の水位によって、庄下川水門を開閉しているとのことでした。 総合治水について、職員から尼崎の内水の排水についてレクチャーを受けました。市内の河川ですが、武庫川は兵庫県、猪名川、藻川、神崎川は国と兵庫県、庄下川、蓬川は兵庫県、港湾は兵庫県、下水は尼崎と管理監督権限が分かれています。それぞれの役割と連携はどのようになっているのでしょうか。また、上流から流れてくる水量と海への放流水量が大雨時に最大の能力が引き出せるようなコントロールはされているのでしょうか。よろしくお願いします。 次に、松島と東浜ポンプ場の排出能力を高めることによって、市内河川への下水の排水能力を高めることが可能ではないでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。 次に、教育問題に移ります。 まず、体罰アンケートです。 厚生労働省の資料によると、2017年度に全国の児童相談所が対応した18歳未満の子供への、これは虐待ですけれど、虐待件数が13万3,778件、前年度より1万1,203件も増えています。調査を始めた1990年度から27年連続で増え続けています。 体罰については、2012年12月に、部活の体罰によって生徒の自殺事件があり、大幅に増加しました。その年度をピークに減少しています。しかし、実態は、体罰アンケート調査に表れているように、存在したことになります。 さて、現在、二度と体罰を起こさないということで、市立尼崎高校の事件後、教育委員会は、市立小・中・高校などを対象に、体罰の実態アンケートを実施しました。その結果、体罰を受けた児童や体罰を行ったと認める教職員がいました。来年度予算においても、体罰アンケート調査が行われる予算も組まれています。 しかし、この問題は根が深く、私たちの年代は、ごく当たり前のように先生にたたかれていました。親のほうもようやってくれたというような話もありましたけれども、そんな時代でした。今、教育委員会事務局の現場経験者の方にも身に覚えがあるのではないでしょうか。スパルタ教育、体罰は愛情を持ってやればよいとか、事件になるのは力加減を知らないからと容認し、クラブ活動においては、全国大会出場や強くなるためにはといったことで許されていたのではないでしょうか。保護者の中にも容認する声もありました。 そうしたことを考えると、私自身も含めてですが、甘く見ていたという自己批判は免れません。これまで体罰をある意味、容認したことに対する自己批判なしに体罰の根絶はできないと考えますが、どのようにお考えでしょうか。 また、今回、体罰を認めた先生もいます。こうした先生に対し、どのような方針で臨んでいくのでしょうか。私は、処分を重くするだけでは解決するとは思えません。考えをお聞かせください。 次に、来年度予算の中で、児童虐待の連鎖を断ち切る目的で、子供を傷つけている保護者への回復支援プログラムが実施されます。これまで学校現場で体罰が行われれば、処分で指導してきたと思いますが、処分の中に、実践的な体罰によらない指導の在り方について深く学ぶ更生プログラム制度を設けることはできないでしょうか。よろしくお願いいたします。 次に、事件、事故後の対応について質問をいたします。 これまで事件、事故が起こった後の対応に課題があるように思います。市立尼崎高校の場合は、学校の初動体制に問題がありました。学校の設置者への報告は、保護者への説明や学校設置者への報告、記者会見等々の根拠となることから重要ですが、正確な情報でなく、信用を失うことになりました。 これまで尼崎市内で起こった事件、事故では、学校から上がってくる調査報告と第三者委員会の調査報告との間で乖離があったようです。学校からの調査報告が正確であれば、第三者委員会の立ち上げは必要ありません。確かに、学校の責任者となると、先生や生徒が関わる事件や事故が起これば、事を小さくしようとするベクトルが働きます。事実を客観的に見て評価しなければなりませんが、現場に近ければ近いほど難しいです。そのことが保護者との距離を生む原因になります。幸いこれまで第三者委員会の報告については、保護者との争いになっていないことを見ると、評価できると思いますが、学校からの調査報告とのずれがどの程度か気になります。 そこで質問ですが、この間の重大事件において、学校からの調査報告と第三者委員会報告についての評価をお聞かせください。 次に、事件後の紛争解決について質問します。 中学校の自殺や生徒間のいじめ事件で裁判沙汰が続いています。学校事故対応に関する指針の中に、コーディネーターによる事故対応支援ということが書かれています。 まず、被害者児童・生徒の保護者への対応については、学校に連絡窓口となる教職員を配置し、窓口の一本化を図るとしています。他方、学校設置者は、つまり尼崎になると思いますが、保護者と学校の2者では、コミュニケーションがうまく図れず、関係がこじれると判断したときは、保護者、学校双方にコミュニケーションを取ることができ、中立の立場で現場を支援するコーディネーターを派遣することも可能とあります。事件が起これば、保護者と学校や学校設置者との関係は、加害者、被害者といった関係に見えてきます。中立的な立場で現場対応するコーディネーターの必要を感じますが、教育委員会、尼崎市は、どのように考えているんでしょうか。お聞かせください。 次に、先生方の連携です。職員会議、学年会議、あるいは労働組合の職場会もそうですが、どのようになっているのか気になります。お互いが口を出さない、見て見ぬふりなど、現場がクローズされた空間で学校が運営されているとしたら、いじめや体罰などをなくすことは困難と思います。学校の営みをオープンにすることが必要です。 これまでの事件で、第三者委員会の報告は、学校現場ではどのように扱われたのでしょうか。当該学校とそれ以外の学校も含めてどのようになっているのか、教えてください。 次に、学力問題です。 学力テスト成績は、ほぼ全国平均に到達しています。これでよいわけではありませんが、学力テストの点数ばかりが強調されると失うものが出てきます。本来の学ぶ力は、生きる力です。それは、3つの要素から成っていると思います。 まず好奇心。課題、問題を発見し、それを面白がることができる力です。次に、意欲。解決の道筋を探す意欲です。そして、最後に、何よりも他者と協力して助けを受ける力です。これは、社会人として必要とされる能力です。職業人の授業への参画、ものづくりを通しての学びも必要です。 これまで学力向上については、一定の効果が出ていますが、全国以上となると、平均以上となると、困難が伴います。一方で、現場での先生の競争になっているとも言われています。学力向上施策が子供や先生に過大な負担になっているのではないでしょうか。考えをお聞かせください。 教育問題の最後です。 夜間中学のことについてお聞きします。 2016年12月に、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の成立を受け、大きな転換期を迎えています。兵庫県は、神戸市2校、尼崎市に1校に続き、姫路への新設を進めようとしていることです。同時に、これまで設置自治体の負担で運営されていたこともあり、尼崎市は在勤、在住が入学条件でした。今回、その要件をなくし、どこからでも入学できるように改めるようですが、その進行はどのようになっているのでしょうか。また、どのような課題があるのか、お知らせください。 これで第1問を終わります。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) それでは、都築議員の代表質疑に対しまして、順次お答え申し上げます。 まず、CO2削減目標について、気候非常事態宣言についてのお尋ねに一括してお答えをいたします。 地球温暖化対策を推進するに当たっては、温室効果ガスの実質排出量ゼロを目標とする、いわゆる脱炭素社会の実現に向けた取組が今後ますます重要になるものと認識しております。 ただ、2050年の削減目標を設定するためには、革新的な技術の開発や普及等が前提となりますことから、現時点において目標を設定することが困難であり、設定ができておりません。まずは、本市において技術的制約やコスト面の課題を一定考慮して設定をしました2030年度の削減目標の着実な達成に向け、取組を進めていくこととしております。 そのような中、一方では、気候変動に伴い、国内外で様々な影響、被害が生じており、地球環境が危機的な状況にあることを市民や事業者の皆様とともに意識することが重要であることは、既に御答弁申し上げたとおりです。 今後、取組を進める中で、地球温暖化対策の重要性に対する市民や事業者の皆様の認識を改めて促進する必要があると判断した場合には、宣言等の手法も視野に入れて検討をしていきたいと考えているところでございます。 次に、総合治水対策における国、県、市の役割分担と大雨時の水量コントロールについてのお尋ねに、これも一括でお答えをいたします。 総合治水における内水対策につきましては、河川、運河、下水施設、ポンプ場などの施設ごとにそれぞれの役割に応じて連携した対策を行っているところで、整備目標である10年確率の降雨に対応するため、河道の掘削や下水道施設の整備などに取り組んでいるところでございます。 また、台風等の大雨が予想される場合には、事前に運河や庄下川の水位を下げることで貯留効果を発揮させるため、兵庫県は東浜ポンプ場と松島ポンプ場を、本市においても、副次的に庄下川の排水ポンプと可動堰を連携して運転することにより、最大の能力が引き出されるようコントロールを行っているところでございます。 次に、内水対策の能力を高めることについてのお尋ねです。 松島、東浜ポンプ場の排水能力を高めることも一つの内水対策とはなりますが、先ほどもお答えしましたとおり、各施設の管理者が整備目標である10年確率の豪雨に対応するために連携して取り組むこととなっており、県は両ポンプ場の更新を、本市は庄下川上流の河道掘削や下水道施設の整備を進めることとしているものでございます。 以上で、都築議員に対します1問目の答弁を終わらせていただきます。 他の教育に係ります問題につきましては、教育委員会から御答弁申し上げます。 ○議長(真鍋修司議員) 松本教育長。 ◎教育長(松本眞君) 都築議員の教育に関する質問に順次お答えを申し上げます。 まず、体罰に対する自己批判と体罰を認めた教員の処分に関するお尋ねでございます。 議員御指摘のように、これまで体罰が根絶できなかった責任は、学校に必要な指導を行い、また、支援を行う立場にある教育委員会の責任でもあると思っております。この点は、本当に申し訳なく思っております。 とりわけ、私自身が強く感じていることは、これまで教育委員会が学校現場に対して指導する意識が弱かったのではないかと思っております。同輩を支援することはしても、指導することにどうしても遠慮が生じてきたのだと思っております。 また、高等学校につきましては、教育委員会事務局に、統廃合の検討時を除き、高校を担当する課ないしは係が存在しなかったことも大きいと思っております。このことによって、各高校の教員が教育委員会という存在自体をほとんど意識しないような関係性が構築されたのではないかと私自身は考えております。 このような反省を踏まえて、これまでの教育委員会の学校に対する向き合い方を改めて見直し、学校に足しげく通い、指摘すべき点は指摘をする。また、その分、学校が困ったときは、最大限の支援をする。こういうめり張りのある対応をしていく必要があると考えており、今年度からは、全学校園に対し、生徒指導の観点から、そして、学力向上の観点から、それぞれの観点から担当指導主事が複数で、チームとなって訪問する体制をつくっているところでございます。 また、別途、学校企画課を設置し、多様な職種の職員が学校の指導事務に当たれるような体制も強化してきたところです。 これらの取組を粘り強く進めることで、学校との適切な緊張関係と協力関係を築く努力を、引き続き、行ってまいります。 続きまして、体罰を行った教員に対する懲戒処分についてでございますけれども、この点も議員御指摘のとおり、処分は重ければよいというものではなく、例えば、今回のアンケートで自ら体罰を行ったことを認め、反省が認められる教員に対しては、懲戒処分の量定に当たり一定の軽減が考えられると思っておりますので、本市職員の懲戒処分に当たっても、当然必要な配慮はしてまいりたいと考えております。 また、県費負担教職員についても、任命権者である兵庫県教育委員会の内申に際しては、この点について伝えていきたいと考えております。 次に、体罰によらない更生プログラム制度に対するお尋ねでございます。 本市におきましては、これまでも体罰を行った教職員に対して、教育委員会主導の下、個別に研修を実施してまいりました。研修後につきましても、学校長より勤務状況等の報告を定期的に求めるとともに、対象者からも取組状況報告書を提出させるなど、再発防止に向けた意識を徹底させております。 さらに来年度は、外部の専門機関に体罰防止研修を委託し、3年間を集中取組期間として、体罰再発防止に向けた特別研修の実施も予定しております。特別研修では、例えば部活動指導者を対象とした指導力向上のための研修や教職員を対象としたアンガーマネジメント研修、またストレスコントロール研修を実施する予定です。また、体罰によらずに優れた実績を上げている部活動指導者などを招聘して、そのコーチングスキルを学ぶ機会を設けることなども検討していきたいと考えております。 これらの取組の中で、御指摘の実践的な体罰によらない指導の在り方について、深く学ぶ機会も設けてまいりたいと考えております。 次に、学校からの調査報告と第三者委員会報告についてのお尋ねでございます。 学校からの調査報告と第三者委員会の調査報告とは、その趣旨、目的が異なることから、一概にその評価を申し上げることは、難しいものがあります。 学校からの調査報告は、事案が発生したときに、教育委員会が事案の概要を速やかに把握するために、その時点で学校が持っている基礎的な情報を提供してもらうという意味では、極めて重要なものではあります。 一方で、当該事案について、学校管理職も含めて当事者となってしまっている場合は、学校自ら客観的な調査を行うことは期待できず、その場合においては、学校からの調査報告は参考にしつつも、教育委員会自らが直接調べる、または第三者に調査を委ねたほうが、より詳細かつ客観的な事実の調査や評価が可能となるものと考えております。 次に、コーディネーターの必要性についてのお尋ねでございます。 御指摘のとおり、学校で事故などが発生した際に、被害者に寄り添い、調査等を進めていくことが可能な立場となる者の存在は、極めて重要であると考えております。 一方で、この被害者に寄り添う者は、発生した事案の内容や程度によってその都度異なることが想定されます。例えば、担任の責任が問われている場合は、学校管理職がコーディネーターの役割を担うことも想定され、また、学校としての責任が問われる場合は、教育委員会の指導主事がコーディネーターとしてふさわしい場合もございます。また、教育委員会の責任が問われるのであれば、市長部局の職員がふさわしい場合もあると思います。 このように、事案の内容や程度によってコーディネーターとしてふさわしい人物が変わってくることが考えられるため、特定のコーディネーターを常時確保することは考えておりませんが、その時と場合に応じて、弁護士等の活用も含めて、柔軟に対応できるようにしていきたいと考えております。 続きまして、第三者委員会の報告についての学校現場での扱いでございます。 いじめ重大事態において、第三者委員会を設置し、調査を行いましたのは、一昨年度の1件のみというところでございます。調査報告の内容につきましては、当該学校はもちろん、市内全ての学校がその内容を共有することにより、再発防止を含むいじめ防止策の促進を図るために活用をしております。具体的には、市内の全校長に対し、昨年度の3月と今年度4月の2回、概要版を配付し、事案の詳細と再発防止策について説明をいたしました。 教育委員会といたしましては、今年度、第三者委員会からの報告の中にある提言を基にした再発防止策の取組を市内全校で進めているところでございます。 続きまして、学力向上施策の子供や先生への負担についてのお尋ねでございます。 学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆しという論語の言葉がございますが、私自身は、知識と技能を身につけるという意味での学力というのは、考えること、これはすなわち思考の基礎だと考えております。また、例えば、スポーツにおいて、サッカーのルールに関する知識を持ち、ある程度の技能がなければ、サッカーという文化そのものを楽しむことができないように、知識基盤社会と言われる現代においては、一定の知識を獲得することが社会を批判的に思考するために不可欠だとも考えております。 学校で学ぶ知識や技能は、このように社会をあらゆる角度で眺め、思考するための基礎となるものであり、その基礎をしっかりと身につけられるようにすることは、学校に求められる基本的な役割だと考えております。このことができて、初めて学校というものが格差を拡大させる方向に機能するのではなく、格差を縮小させる方向に機能し得るものだとも考えております。その意味でも学力向上に関しては、学校によって学校の役割と家庭の役割の配分比率に大きな差が出ることをできるだけ避けなければならず、とりわけ本市のように扶助費の割合が相対的に高いような市においては、学校が積極的に責任を果たしていくことが重要であると考えております。 このような観点から、本年度から小学校において、帯学習や放課後学習を実施し、基礎学力の底上げを図る取組を推進しているものでございますが、これらの取組は、いわゆる学力の保証を重視しているものであり、決して、各学校間や子供の相対的な評価を重視しているものでないことも併せて御理解をいただきたいと思います。 なお、御指摘のように、学校によってはこのような取組により負担が増加することはあると思いますが、併せて学校の負担軽減が図られるよう、スクール・サポート・スタッフの導入を進めておりますし、また行事の精選や給食費の公会計化による教員の現金取扱いの負担軽減、ICT環境整備の推進など、各種取組を進めることにより、全体として教員の負担軽減が図られるよう、引き続き強力に進めてまいりたいと考えております。 最後に、夜間中学校に入る要件の見直しに関するお尋ねでございます。 国において、いわゆる教育機会確保法が平成28年12月に成立して以降、兵庫県は、平成29年から中学校夜間学級充実改善の意見交換会を開催しております。この意見交換会は、県下の市町の関係者も集まり継続的に行われております。本市も参加しておるこの会議では、他府県の夜間中学校の動向や県下の夜間中学校の運営状況、広域受入れの進め方など、様々な課題について意見交換をしているところでございます。 このような中、本市教育委員会といたしましては、夜間中学校の広域受入れは、数少ない夜間中学校の設置者として責任を持って進めるべき重要な課題であると認識しております。このため、まずは阪神各市町で夜間中学校に関する連絡会議を来週中に開催し、阪神間におけるニーズの現状を聴取するとともに、本市からは、夜間中学校の設置者として他市から受け入れる場合における経費負担を含めた諸課題を提示しつつ、広域受入れに向けた条件を整備してまいります。 具体的な課題とすれば、入学者の受入れの審査をどうしていくのかということや、夜間中学校の運営が本市の税金で運営されているために給食費や学校の光熱水費、また教材費、そして学校の施設関係の維持費、こういうものをどうやって負担していくのかというようなところが一番大きな課題になると思いますが、これについては、本市が一番情報を当然持っているわけでございますので、まずは阪神各市町の中で、尼崎市が中心になって、いろいろと経費のところについてはしっかりと整理をし、議論を進めていけるようにしてまいりたいと、このように考えております。 ○議長(真鍋修司議員) 都築徳昭議員。   (都築徳昭議員 登壇) ◆32番(都築徳昭議員) 御答弁ありがとうございました。 少し対話のところで気になるのは、私、学校現場がクローズという表現をよく使うんですけれども、学校現場の先生方同士が全体、連携がどうなっているのかというのはやっぱり非常に気になります。 先ほど、例えば第三者委員会報告を学校長にはざっと研修してという話がありましたけれど、僕は、あれを使って学校内でお互いが議論するというようなことが、割と第三者委員会報告にはいろんな課題や反省も含めて書かれていますから、そういったことが職場で本当に議論になっていくということが、僕はやっぱり体罰やいじめ問題なんかを、先生のスキルアップをしていくというか、なっていくんじゃないかなという気がしているんですよ。 だから、そういうお互いの人間関係みたいな部分が、やっぱりちょっと気になっています。だから、ちょっとそこのところが少し、私自身が今回質問させてもらったのはそういう意図があったということを御理解願いたいと思います。 それでは第2問目に入ります。 まずアスベスト問題です。 一昨年に尼崎市はシンポジウムを行いました。今年はアスベストセミナーを行政主催で開催しました。私は、アスベスト問題に対して行政が主催してこの問題を風化させることなく、現状や今後の課題について市民と考える市の姿勢については評価をしたいというふうに思います。なかなか難しいことだと思います。 さて、2005年に顕在化したアスベスト被害ですけれども、救済法ができて、全国のこれまでの認定者数は、2018年3月までで1万2,886人、労災を除くと1万507人です。尼崎市の救済法に関する決定は752件です。その内クボタへの救済金請求の書類提出人数は、2019年6月15日の時点で355人、クボタ旧神崎工場での労災認定は191人。構内下請を含めると560人です。 まず質問ですけれども、今、コホート内症例対照研究が行われています。その中で注目しているのが大阪大学の祖父江先生が中心としてやっているんですけれども、新聞記事には、居住歴に応じた個人の累積石綿量を計算し、職業暴露の影響を取り除いた一般市民への影響を調べているとのことですが、これまで尼崎の中皮腫死亡、公表調査とSMR、標準化死亡比の研究が行われてきました。こうした調査とコホート内症例対照研究との違いは何でしょうか。この調査では、発生元と中皮腫死亡者との関連は見えてくるのでしょうか。お答えください。 次に、アスベスト由来の肺がん患者についてです。以前から、中皮腫に比べて肺がん患者が少ないのではという疑問を持っています。当初に、青石綿では肺がんが出るというのではないかという話もありました。しかし、その後、結果を見てみると、クボタの旧神崎工場でのアスベストによる被害者は191人で、その内訳は、中皮腫が79人、肺がんが62人、療養中15人となっています。肺がんが全体の3分の1の発生率です。それに比べて、環境暴露の場合、肺がんの方が圧倒的に少ないように思います。もともと尼崎市全体の肺がん患者が多く、母数が大きいので見逃されているのではないかという気もいたします。 中皮腫がアスベスト由来であると同様、プラークがあればアスベスト由来の可能性があります。肺がん患者でプラークの所見があれば、石綿健康相談窓口に誘導することによって補償や実態把握につながらないかと思っています。病院やクリニックなどの医療機関で受診しているプラーク所見のある肺がん患者について、補償や実態把握につなげるために、石綿健康相談窓口の案内をするよう医療機関に対する働きかけはできないでしょうか。 続いて、アスベスト資料センターです。 患者団体からアスベスト資料センターの設置の要望が出ています。世界的なアスベスト被害です。歴史博物館が今回設置されますが、尼崎の歴史の中では新幹線公害、大気汚染、アスベスト問題は大きな事件です。その解決に向け取り組んできた、あるいは、取り組んでいることを歴史博物館の中で、コーナーを設置する予定はないでしょうか、お聞かせください。 続いて、公共工事における設計労務単価の引上げ及び介護従事者及び保育士の処遇改善について質問をします。 公共工事は設計単価の引上げ、介護や保育でも処遇改善加算を出し、人手不足や労働環境の改善を図ろうとしています。今回はそうした手当が政策目的に沿って支払われているのか疑問に思い、質問いたします。 まず、公共工事に係る設計単価の引上げです。引上げが始まったのは2013年からです。2011年の東日本大震災で復旧復興事業が急増し、人手不足が高まり、その危機感から担い手の確保や賃金や福利厚生の待遇改善のほか、社会保険の加入促進、法定福利費の相当額を設計労務単価に含めるよう、算定方法を変更しました。2013年度は前年度比16.8%の大幅引上げ、その後、毎年引上げが続き、2019年度は2012年度に比べて48.3%の上昇となりました。その間、最低制限価格も引き上げられております。 次に保育士の処遇改善です。 保育士の処遇改善手当は、加算の目的を見ると、これも人材の確保、質の向上を図り、質の高い教育、保育を安定的に供給するために、長く働くことができる、そういった構築をやる必要があるとして、処遇改善加算が導入されました。本市も、保育士不足解消策として来年度予算で、主要事業の中で新たに潜在的保育士の方が就労した場合、5万円を支給するとしています。 政府は、保育士の処遇改善について2013年から2017年、4年間で全ての保育士に7%2万1,000円の給与の上乗せを達成するとし、2017年には新たな制度をつくり、全ての保育士に給与2%、月額6,000円アップを実施するとともに、副主任保育士、専門リーダーが新設され、月額4万円アップを実施しています。条件は7年以上の経験年数とキャリアアップ研修4分野修了です。ただし、人数の上限があり、園長、主任を除く保育士の約3分の1が対象とされます。そのほか、若手の人材確保として職務分野別リーダーが新設され月額5,000円をアップし、条件は3年以上の経験年数、職務分野研修修了です。こちらも人数の上限があり、園長、主任保育士を除く5分の1が対象とされています。 次に、介護従事者の処遇改善です。 処遇改善加算の前の介護職員処遇改善交付金は2009年に他業種との賃金格差をなくし、介護事業者の雇用を安定させる目的で創設されました。この制度がつくられた背景には、高齢化が進む日本で、厚生労働省によると、2025年には約38万人の介護職が不足する見込みから、介護職を目指す人を増やすだけでなく、今働いている人の定着率を上げる目的から設けられました。 この制度も2010年、15年、17年の改正と進められました。2015年の介護報酬改定では、介護従事者の処遇改善加算について、事業者の昇給と結びついた形でのキャリアアップの仕組み構築について手厚く評価を行うために、区分を新設し、5段階つくられ、正社員は総計で3.7万円増加する計算となるとのことです。2019年の加算では、特定処遇改善加算が新設され、実施にはかなりの規模の事業所でないと難しいようですが、事業所で1人10年以上の経験のある介護福祉士は月8万円の加算との話もあります。 さて、このように聞くとかなり改善が図られているように感じますが、実際はどうでしょうか。処遇改善費を調べていると分かりにくい実態を抱えています。それぞれ処遇改善への原資は税金や保険料ですが、公共工事では労働者への支払いを義務づける賃金条項がありませんので、政策に沿って支給がされているかは不明です。特に工事関係は重層的な構造で契約が結ばれ、末端までその恩恵が行き渡っているのか気になるところです。 そこで、建設国保の一人親方の組合の賃金実態調査を見せてもらいました。皆さんが公共工事に従事しているわけではないですから正確ではありません。しかし、設計単価が上がり始めてからもう7年になります。少なからずその影響が出ているはずですけれども、2019年に行われた賃金実態調査では8割が変わっていないと回答しています。 次に保育士です。保育士の処遇改善手当ですが、傾斜配分が認められ、これも全員に引上げがあるわけではありません。ただ、支給報告書には、個人への支給が幾らか書くことで分かるようになって、本人の自署もあるようになっています。しかし、保育所の運営費用はほとんどが税金と保育料が原資で、国から自治体を通して委託として支給されます。国の想定では8割が人件費、残りは2割で事業費と管理費です。 かつては、人件費部分は人件費という厳しい制限がかかっていたようですが、2000年に待機児童解消のために、営利企業の参入が認められ、それと同時に委託費の使途制限が大幅に緩和されました。年間の委託費の25%が流用可能となり、雑誌世界に連載されたジャーナリスト小林美希さんの東京都のレポートによると、人件費比率が、それぞれの平均ですが、社会福祉法人で70.5%、株式会社では51.9%と大きな差があると報告されています。 保育士の委託費の規制緩和で流用が行われ、例えば新しい公共建設の積立ても可能です。私はそのような委託費の使い方は違うと思います。委託費は本来、公立であろうと民間であろうと同等レベルの質を担保するため支給されているはずですから、それが担保できるように使うべきで、新しい保育所建設には、補助金で対応すべきものです。処遇改善手当は、適切に配分されても、ベースになるもともとの賃金が低ければ、見かけは処遇改善手当で改善されたように見えるだけです。 次に、介護職場です。 介護従事者への処遇改善手当は、これも会社に入った処遇改善手当は全て介護職員に支給するというルールがありますが、均等に支給しなければならないであるとか、全員に支給しなければならないというふうにはなっていません。ある特定の人に全額支給したとしても、問題はありません。報告書を見ても、事業所単位なので、個人がどのように改善されたか不明です。 例えばこのような事例がありました。契約書には、あなたの処遇改善手当は70円です。そしてその人の時間給は920円です。そうなると70円を引くと、時間給は850円になり、兵庫県の最低賃金が899円ですから、それを下回ります。処遇改善手当が最低賃金をクリアするために使われたとしたら問題と思いますが、いかがでしょうか。 また、介護職では処遇改善手当の計画書を作成すると全ての介護職員に説明することが義務化されていますが、説明はされているのでしょうか。あまりそのようなことは聞こえません。 公共工事の設計単価の引上げの影響と、保育士、介護従事者の賃金や勤続年数の推移が分かる事業所単位のアンケートの調査ができないでしょうか。これによって、処遇改善のそうした費用がどのような影響を及ぼしているかというのが見えると思います。 ただ、今回の質疑を補足しますと、介護でいえば、2015年の改正で介護給付費の改定でデイサービスは軒並み削減を受け、特に小規模デイサービスは10%マイナス改定がありました。介護給付費大幅削減と処遇改善加算が同時に行われ、経営者にとって減債の穴埋めと受け取られても仕方がありません。 昨年6月の一般質問で悪質介護事業者の質問を行いました。多くは真面目に事業運営されていると思います。ただ、公費を投入しているにもかかわらず、政策目的が達成されていないのであれば、適正に配分されているか、あるいは、処遇改善手当がまだ不足している場合もあります。それも実態が不明であれば言いようがありませんので、ぜひ実態把握をしていただきたいと思います。 次に、新型肺炎対策について質疑をします。あまり時間がないので、簡単に行います。 水際対策であるとか、いろんなことが言われました。実際には昨年12月からいろいろ規制が、水際対策と言われるまでにたくさんの中国からの旅行者も来られています。その意味では、潜在的にはかなりの方がいるだろうというふうに思わなくてはならん、そういう見解がだんだん出てきています。 そして、いきなりですけれども、小中学校の休校も全国的に行われておりました。何もエビデンスもありませんでした。ただ、その上に、本当は急ぐべきなのは検査体制で、関わっていた湖北縛りであるとか37.5度が4日間というまだ縛りがありますけれども、少なくともお医者さんが、検査が必要と認識した人は検査ができる体制を確立することが急務だというふうに思います。今、政府も言い出しましたが、早急な検査体制が必要です。 ただ、少し気になることがあるのは、刻々と情勢が変化する新型肺炎問題です。マスコミでは連日のように報道されておりますけれども、市もホームページやSNSを通じていろんな情報が流されておりますけれども、災害と同じで、やっぱりそういったところに結びついてない、情報難民の高齢者の方にはなかなか情報が伝わっていないのでどうなっているんやというような電話の問合せがあります。 ぜひ、災害時と同じように、私は前から言っているんですけれども、エフエムあまがさきを通じて、定時放送で尼崎のそういった情報についてお知らせするようにしたらどうかなと。紙媒体で見るとなかなか時間がかかりますけれども、ラジオなどをつくられれば、もう少しいろんな情報が伝わると思っていますので、その対策はできているのか、教えてください。 次に、先ほど言ったように実は、内部的にはかなりおるだろうということになっています。そのときの対策ができているのかお聞かせください。 もうこれで多分、あと答弁したら時間がないと思いますので、これで、残りについては予算特別委員会分科会、総括質疑等で会派の諸君がただしていくと思いますけれども、御答弁のほどよろしくお願いします。 これで私の全ての質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(真鍋修司議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) それでは、都築議員の第2問目の質疑に対しまして順次お答え申し上げます。 まず、アスベスト被害に係る症例研究についてのお尋ねです。 今回のコホート内症例対照研究では、職歴等の聞き取り調査を行うとともに、発生源を中心とした石綿濃度と居住年数を掛け合わせたアスベストの累積暴露量を求めています。今までのSMR研究とは違い、中皮腫死亡者から職業暴露のある人を分けることが可能なこと、また、発生源からの距離に加えて居住年数や転居等も勘案することにより、いわゆる一般環境経由の暴露により、中皮腫に罹患する相対的リスクが把握できる研究になるのではないかと考えているところでございます。 次に、肺がん患者に対する石綿健康相談窓口への案内についてのお尋ねです。 これまでも石綿関連疾患のある方や、石綿暴露の不安のある方に対しましては、健康相談窓口において専門職が救済制度や労災制度を案内するとともに、暴露状況の聞き取りや健康相談などを行ってまいりました。 今後は、プラーク所見のある肺がん患者の方を必要な支援につなげるとともに、市として暴露状況等の実態を把握できるよう、医療機関に対して石綿健康相談窓口を改めて周知し、肺がん患者の方に御案内いただきたいと考えているところでございます。 次に、介護士の処遇改善加算についてのお尋ねです。 処遇改善加算が最低賃金を上回るために活用されるということについては、国もよくないと言っていますし、尼崎市においてももちろん望ましい状態ではないと考えております。 事業者に義務づけられている全ての介護職員への処遇改善内容の説明につきましては、処遇改善計画書の届出の際に全ての職員にその内容を周知したことについて、代表者の証明を書面にて徴収するとともに、事業所への実地指導の際には、職員への周知方法を聞き取り、その実施状況について、現場で確認を行っているところです。 次に、設計単価の引上げの影響、保育士、介護士の賃金、勤続年数等のアンケート調査ができないかとのお尋ねです。 まず、個別の雇用契約における労働条件につきましては、関係法令に基づき労使間の交渉により決定することが原則だと考えます。 設計労務単価は、それぞれの公共工事で工事費の積算に用いるためのものであり、技能労働者に支払われる実賃金そのものを拘束するものではないことから、設計労務単価の引上げについてのアンケート調査の実施については現在考えておりませんが、一方で本市は公共調達基本条例を制定していることもあり、こういった設計労務単価等が労働者の賃金水準に及ぼす影響を把握する手法の構築が可能であるか、今後、私たちがやっている政策の効果を図る手法については検討してまいりたいと考えています。 なお、保育士、介護従事者の賃金や勤続年数の推移は、民間保育士については賃金改善等の取組に応じて人件費を加算する制度に基づき、法人保育園等から毎年提出される公定価格の処遇改善等加算に係る申請書類により、処遇改善状況を把握しています。 また、介護従事者につきましては、厚生労働省において、平成27年以降毎年調査を実施しており、全国平均の賃金は、毎年おおむね1万円程度増額、勤続年数につきましても、平成28年から7.2年、7.3年、7.6年と、徐々にではありますが、定着が進んでいるとされておりまして、このように国の調査を参考に一定の判断をしているものでございます。 次に、新型コロナウイルス感染症対策に関する情報発信についてのお尋ねです。 御紹介いただきましたように、本市では、様々に変化する私たちの取組状況について、現在、市のホームページ、防災ネット、フェイスブック、ツイッター等のSNSを活用し、情報発信を行っているところでございます。 また、市報への対策関連記事掲載のほか、スマホや携帯等の電子媒体をお持ちではない高齢者等に対しては、公共施設の掲示物や広報車による注意喚起など、多層的な情報発信を行っているところです。 今後、尼崎市内で感染者が確認されるなど、事態の状況に応じて、議員から御指摘ありましたエフエムあまがさきや戸別受信機等を活用した情報伝達も行ってまいりたいと考えています。 次に、市内で新型コロナウイルス感染症が発生確認された際の対策についてです。 現在、対策本部を中心に尼崎市内で新型コロナウイルス感染の確認がされた場合に速やかに対応できるよう、様々な感染者発生状況を想定し、対応のシミュレーションを行い、事態の発生に備えているところです。感染者が確認された場合には、迅速で正確な情報を市民に伝えることが大切であることから、検査段階から情報発信までのタイムラインを内部で設定し準備しているところでございます。 また、市内感染者の発表した市民の皆様の不安を解消するため、帰国者・接触者相談窓口は24時間体制に切り替える予定としております。 最も重要である感染の蔓延防止に関しては、患者から聞き取りを行い、濃厚接触者を把握し、2週間の健康観察を実施すること等で、さらなる感染拡大の予防をしっかりと図っていくとともに、全庁連携の下、様々な分野で対策を強化することとしております。 以上、都築議員に対します第2問目の答弁を終わらせていただきます。 他の教育に係ります問題につきましては、教育委員会から御答弁申し上げます。 ○議長(真鍋修司議員) 松本教育長。 ◎教育長(松本眞君) 都築議員の歴史博物館におけるアスベスト問題の取扱いに関するお尋ねにお答え申し上げます。 本年10月に開館をいたします歴史博物館は、本市の豊かな歴史や文化を理解し、未来を展望するために必要な学びの場として、そして、本市の過去と現在の営みを後世に伝え、未来の検証に委ねる役割を持つ施設として整備するものでございます。 館内では、常設展示室を中心に、原始古代から近現代までの二千年を超える尼崎市の歴史を分かりやすく紹介する予定でございますけれども、尼崎市の戦後史を語る上で御指摘の公害問題への取組は、必ず紹介すべき歴史だと認識しておりますので、常設展示の中で工夫を凝らして取り上げてまいりたいと考えております。 ○議長(真鍋修司議員) 都築徳昭議員の質疑は終わりました。 以上をもって、19案に対する質疑を終結いたします。 お諮りいたします。 ただいま議題となっております19案は、議員全員を委員とする予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(真鍋修司議員) 異議なしと認めます。 よって、さよう決しました。 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 お諮りいたします。 委員会審査のため、明7日から23日まで17日間休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(真鍋修司議員) 異議なしと認めます。 よって、明7日から23日まで17日間休会することに決定いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。                        (午後5時17分 散会)-----------------------------------議長   真鍋修司副議長  岸田光広議員   眞田泰秀議員   佐野剛志...