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開催日:2015-10-06 平成27年決算特別委員会第2分科会〔26年度決算〕(建設局) 本文

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  1. 神戸市議会 2015-10-06
    開催日:2015-10-06 平成27年決算特別委員会第2分科会〔26年度決算〕(建設局) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時0分開会) ◯主査(新原秀人) おはようございます。  ただいまから決算特別委員会第2分科会を開会いたします。 (建設局) 2 ◯主査(新原秀人) それでは,日程によりまして,建設局関係の審査を行います。  当局におかれましては,簡明な説明をお願いいたします。  それでは,当局の説明を求めます。局長,着席されたままで結構です。 3 ◯末永建設局長 ありがとうございます。それでは,建設局所管の平成26年度決算につきまして御説明を申し上げます。  お手元の資料,平成26年度決算説明書の2ページをお開きください。  初めに,一般会計の決算について御説明をいたします。  1総括事項でございますが,建設局では,「市民とともに創る!安全・安心・元気あふれる美しいまち神戸の実現」に向け,市民の生命と財産を守るとともに,まちの魅力をより高めるために施策の選択と集中を進め,効率的・効果的な事業の実施に取り組んでまいりました。  2主要な事業の概要でございますが,1)世界に誇れる夢のまちでは,神戸のさらなる飛躍に向けた都心の再生として,都心部における人を中心とした高質な道路空間へとリデザインするため,整備方針を検討いたしました。  3ページをごらんください。  安心して暮らせるまちを目指し,道路照明のLED化を進めるとともに,神戸のメーンストリートであるフラワーロードにおいて,光のミュージアムに引き続き取り組みました。  2)市民が地域とつながり福祉と医療を初め安心して暮らせるまちでは,阪神・淡路大震災の経験を礎とした安全な都市基盤の構築を進めるため,橋梁・トンネルの各長寿命化計画に基づき,効率的・効果的な修繕・改築を実施したほか,災害時にも主要な道路が安全で安心して通行できるよう橋梁の耐震化を推進するとともに,照明灯柱についても引き続き適切な維持管理を行いました。  4ページをごらんください。  小野浜公園の再整備等,都市公園の整備を行うとともに,老朽化した遊具等の改築・更新を行い,安全・安心な公園づくりを進めました。  また,市民の安全・安心を確保するため,道路ののり面や擁壁の防災対策,二級河川沿い道路等の空洞調査を実施し,道路交通の確保と土砂災害対策の取り組みを進め,宅地開発への規制や指導,河川の改修・補修による治水安全度の向上も進めることにより,防災・減災に努めました。  5ページをごらんください。
     一方で,昨年8月の台風11号により,土砂災害や街路樹の倒木など,六甲山系を中心に大きな被害を受けましたが,建設事務所間の応援体制を整え,復旧作業に取り組みました。  次世代へつなぐ環境共生のまちづくりの展開として,神戸を特徴づける貴重な財産である六甲山の森林設備を進めております。  3)市民が元気で働けるにぎわいのあるまちでは,全ての人に優しい交通網の整備に取り組み,神戸市自転車利用環境総合計画に基づき,国道28号などにおいて,自転車レーンの整備を実施するとともに駐輪場の不足している三宮駅・元町駅周辺では,民間活力を導入した,より利用しやすい駐輪場を引き続き整備いたしました。  また,都心ウオーターフロント地域では,回遊性の向上とまちの活性化を目指してコミュニティーサイクル事業──Kobe Linkleを開始いたしました。  6ページをお開きください。  安全・安心な歩行空間の整備として,歩道の段差や波打ちの解消などを実施するとともに,通学路等において交通安全対策を実施するなど,安全・安心な道づくりを推進いたしました。  また,身近な社会基盤への愛着・関心を持ってもらうために,「みち・みず・みどりの学校」を実施いたしました。  7ページをごらんください。  観光交流とスポーツ・芸術・文化のまちづくりの推進として,王子動物園の運営に取り組み,アシカの購入など展示動物収集に努めるとともに,コザル舎の改修工事等を実施いたしました。  また,動物園の主要な使命の1つであります動物の繁殖につきましては,ゾウやカバ,コアラなどの出産に成功いたしました。  続きまして,10ページをお開きください。  平成26年度一般会計歳入歳出決算額について御説明申し上げます。  なお,金額は万円単位で御説明をいたします。  歳入につきましては,一覧表の最下段の合計欄に記載してますように,予算現額141億4,626万円に対し,決算額107億6,662万円で,予算現額に比べ33億7,964万円の減となっております。  11ページに参りまして,歳出につきましては,最下段の合計欄に記載してますように,予算現額349億2,581万円に対し,決算額282億6,947万円で,翌年度への繰越額は41億3,736万円,不用額は25億1,898万円となっております。  14,15ページをお開きください。  歳入から順次内訳を御説明申し上げます。  右ページの収入済額欄をごらんください。  第14款分担金及負担金の決算額につきましては3億6,303万円でございます。内容につきましては,右端の備考欄に記載してますように,道路改良整備工事に伴う負担金等でございます。  第15款使用料及手数料52億7,978万円は道路占用料等でございます。  第16款国庫支出金37億8,092万円は,16,17ページに参りまして,宅地開発指導事業に対する国庫負担金等でございます。  第17款県支出金2億3,696万円は道路橋梁事業に対する県負担金等でございます。  18,19ページに参りまして,第18款財産収入5億7,561万円はNTT無線中継所等市有林貸地料等でございます。  第19款寄附金5,928万円は,20,21ページに参りまして,公園緑地事業に対する寄附金等でございます。  第20款繰入金3,508万円は都市整備等基金からの繰入金等でございます。  第22款諸収入4億3,593万円は道路掘削跡管理者復旧の受託収入等でございます。  26,27ページをお開きください。  次に歳出でございますが,右ページの支出済額欄をごらんください。  第9款土木費,第1項土木総務費の決算額53億9,003万円でございます。内容につきましては,右端の備考欄にございますように,建設局職員の給料及び諸手当等に要した経費でございます。  28,29ページに参りまして,第2項道路橋梁費30億9,783万円は,道路の管理,街灯の新設・照度アップに要した経費,30,31ページに参りまして,私道の公道化推進の助成等に要した費用でございます。  第3項道路橋梁整備費82億2,520万円は,将来道路網計画調査や新名神関連公共施設整備,道路改良,32,33ページに参りまして,道路美化,道路の維持補修,橋梁整備,34,35ページに参りまして,ユニバーサル歩道整備事業道路掘削跡管理者復旧工事等に要した経費でございます。  第4項公園緑地費51億1,141万円は公園や街路樹の維持管理,36,37ページに参りまして,六甲国立公園等の維持管理,神戸総合運動公園等の維持管理等に要した経費でございます。  38,39ページに参りまして,第5項公園緑地整備費23億9,072万円は市内一円の公園施設整備,松くい虫対策事業,40,41ページに参りまして,花のまち神戸推進事業等に要した経費でございます。  第6項河川砂防費10億8,979万円は準用河川及び普通河川の維持管理,42,43ページに参りまして,妙法寺川等の都市基盤河川改修,自然災害防止事業等に要した経費でございます。  第10款都市計画費第4項街路事業費14億6,068万円は山手幹線等の用地買収及び街路築造工事に要した経費でございます。  44,45ページに参りまして,第13款教育費,第11項社会教育費9億5,316万円は,王子動物園の管理運営等に要した経費でございます。  第14款災害復旧費,第1項災害復旧費5億4,940万円は,台風11号による被害の復旧工事に要した費用でございます。  46,47ページに参りまして,第15款諸支出金,第2項過年度支出120万円は,過年度支出に要した経費等でございます。  平成26年度に実施いたしました工事等の詳細につきましては,50ページから68ページに工事箇所表を掲げておりますので,後ほど御参照ください。  引き続き駐車場事業について御説明を申し上げますので,70,71ページをお開きください。  駐車場事業に係る歳入歳出決算額一覧表でございますが,歳入・歳出ともに決算額は9億3,188万円でございます。  74,75ページをお開きください。  まず,歳入でございますが,第1款事業収入9億3,188万円は駐車場使用料や他局施設負担金等でございます。  第2款繰入金は,歳出削減に伴い繰入金収入はなしとなっております。  78,79ページをお開きください。  歳出でございますが,第1款駐車場事業費,第1項運営費5億5,343万円は駐車場の管理運営経費でございます。  第2款諸支出金,第1項他会計へ繰出金3億7,844万円は公債元利償還金の繰出金でございます。  続きまして,下水道事業会計について御説明を申し上げます。  81ページをお開きください。  1総括事業でございますが,下水道は生活環境の改善,浸水の防除及び公共用水域の水質保全など,安全で快適な環境共生都市の実現に欠かせない基盤施設であり,まちの発展と市民生活,社会経済活動を支える重要な役割を果たしております。  平成26年度は,「神戸市下水道長期計画基本構想」と「こうべアクアプラン2015」に基づき,事業の必要性・緊急性・優先度を十分考慮した効率的かつ効果的な下水道整備に努めるなど,継続して経費削減に取り組んだものの,会計制度見直しの影響や使用料収入が前年度を下回ったことにより,平成26年度は赤字決算となりました。  次に,2業務実績でございますが,下水処理量は1億8,162万立方メートル,汚水中継量は2,555万立方メートル,雨水排除量は1,425万立方メートルでございます。  次に,3主要な事業の概要でございますが,(1)三宮南地区浸水対策として,地盤が低く,高潮時の台風等で浸水被害が発生してきたことから,雨水管渠の整備及び中突堤・小野浜ポンプ場の築造工事・設備工事を実施いたしました。  82ページをお開きください。  (2)西部処理場北系整備では,平成32年度の供用開始を目指し,既設の1系水処理施設の代替施設となる北系水処理施設の整備に着手いたしました。  (3)施設の計画的な改築・更新では,中央区・兵庫区を中心とした管渠の改築・更新を行うとともに,老朽化などにより更新時期を迎えた処理場やポンプ場などの施設整備を実施いたしました。  83ページに参りまして,(4)魚崎ポンプ場改築・更新では,民間事業者の技術力を最大限に活用する設計施工一括発注方式の採用など,事業化手法検討業務を行いました。  続きまして,86ページには議会議決事項等を,87ページから90ページにかけましては工事を,91ページから93ページにかけましては業務を,94ページに会計を,95ページにはその他といたしまして他会計補助金等の使途を掲げております。  続きまして,96ページをお開きください。  2平成26年度神戸市下水道事業損益計算書について御説明を申し上げます。  なお,金額は万円単位で御説明をいたします。  1営業収益は,下水道使用料,他会計補助金で188億9,448万円,2営業費用は管渠費,処理場費,ポンプ場費などで302億5,625万円を計上し,この結果,営業損失は113億6,176万円となっております。  3営業外収益は,受取利息及配当金ほか他会計補助金,長期前受金戻入などで150億4,810万円,4営業外費用は支払利息及企業債取扱諸費,雑支出で35億8,336万円を計上し,経常利益は1億297万円となっております。  5特別利益は,過年度損益修正益,その他特別利益で9億44万円,6特別損失は,過年度損益修正損,その他特別損失で26億9,795万円を計上しております。  この結果,97ページにありますように,当年度純損失は16億9,454万円となり,これに前年度繰越欠損金61億1,961万円及び会計制度見直しに伴うその他の未処分利益剰余金変動額906億99万円を加えた当年度未処分利益剰余金は827億8,682万円となっております。  98ページ,99ページには,剰余金計算書を掲載しております。また,100ページには剰余金処分計算書を掲載いたしておりますが,この内容につきましては,後ほど決算関連議案で御説明をさせていただきます。  101ページから105ページにかけまして貸借対照表を,106ページから107ページにかけましてキャッシュフロー計算書を,108ページから109ページにかけまして収益費用明細書を,110ページから111ページにかけまして固定資産明細書を,112ページから125ページにかけましては企業債明細書を掲載しております。  126ページをお開きください。  10平成26年度神戸市下水道事業決算報告書につきまして御説明を申し上げます。  (1)収益的収入及び支出の収入では,下水道事業収益の決算額として363億4,867万円,支出では下水道事業費の決算額として374億5,079万円を計上しております。  128ページをお開きください。  (2)資本的収入及び支出の収入では,資本的収入の決算額として121億7,155万円,支出では資本的支出の決算額として241億5,264万円を計上しております。  なお,翌年度繰越額は78億3,100万円で,工程調整のため平成27年度へ繰り越したものでございます。  130ページから131ページにかけまして基金運用状況表を掲載しております。  133ページ以降に下水道事業会計決算参考書を掲げております。  続きまして,149ページをお開きください。  4決算関連議案について御説明を申し上げます。  第52号議案平成26年度神戸市下水道事業剰余金処分の件は,平成26年度末の未処分利益剰余金827億8,682万円のうち自己資本金繰り入れとして827億8,682万円を処分しようとするものでございます。  151ページをごらんください。  5平成26年度決算に基づく資金不足比率の報告でございますが,下水道事業会計では資金不足は生じておりません。  以上で,下水道事業会計決算の説明を終わらせていただきます。  以上で,建設局所管事業につきましての平成26年度決算の説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほどお願いを申し上げます。 4 ◯主査(新原秀人) ありがとうございます。当局の説明は終わりました。  引き続いて,順位により質疑を行います。  なお,委員会運営の効率化のため,当局におかれましては簡明な答弁に努めるとともに,適当なものについては担当部課長からも答弁されるよう,この際,特に申し上げておきます。また,質疑者が要望にとどめた項目についてはコメントを要しませんので,念のため申し添えておきます。  また,委員各位におかれましては,質疑の要点をおまとめの上,簡明にお願いいたします。  それでは,外海委員,発言席へどうぞ。 5 ◯分科員(外海開三) おはようございます。東灘区選出の外海開三と申します。まずは,私のほうから質疑させていただきますので,よろしくお願い申し上げます。  1問目ですが,不適切な事務処理についてお伺いいたします。  本件につきましては,9月25日の決算質疑において,我が会派新原議員からも質疑がございましたが,平成27年2月6日の神戸新聞朝刊の記事にありました建設局職員の委託業務における公文書偽造について,以下2点,お伺い申し上げます。  報道によりますと,建設局では自転車駐輪場の設備点検や警備の委託業務4件で約330万円の不適切な処理が明らかになっております。契約審査会を開いたように装って支払い文書を偽造し,会計処理されたとありますが,今回の公文書偽造がどういう方法で行われたのか,詳細について説明をお願い申し上げます。  幹部の印鑑がどこか1カ所にまとめて置いてあって,それを職員が勝手に押印して書類を作成したということではないのでしょうか。  また,審査会を開いたように装ってとありますので,建設局事務事業委託審査委員会の議決審議の起案決裁文書や建設局道路管理課で委託契約締結に関する起案決裁文書があるのではないでしょうか。  2つ目です。今回の事故を受けて,今後は申請文書のコピーや職員の印鑑冒用による文書偽造を防止するための再発防止はどのように考え,どう対応しているのか,お伺い申し上げます。よろしくお願いします。 6 ◯末永建設局長 まず,こういった起こしてはならないことを起こってしまったということで非常に反省をしております。まず,事案の発端でございますが,委員御指摘のとおり,自転車・原付保管所機械警備業務につきまして,平成25年12月に業者のほうから督促がありまして,7月分から5カ月分,支払いが滞っているということが判明いたしたわけでございます。  当該委託業務につきましては,平成25年6月30日までの契約を締結しております。平成25年7月より,本来であれば新たな経理契約によりまして契約するべきところを,契約管理課への依頼を怠っていたということで契約ができずに,支払いができてなかったというものでございます。  支払い遅延が判明した時点で,平成25年7月にさかのぼりまして内部決裁を得て委託契約を締結し,早急に支払いを行ったものでございます。この委託契約には内部の審査委員会の承認議案書といったものが必要になるわけでございますが,業者さんへの支払期限が迫っているということで,急場をしのぐために,担当者が審査委員会に諮ることなく議案書を偽造したといった事案でございます。  議案書の偽造については,委員会の委員長であります局長以下審査委員の部課長の印鑑を勝手に用いたものではないということでございまして,実際に承認を得ております他の案件の決裁欄の,いわゆる印鑑を押している部分のコピーを今回の自転車・原付保管所機械警備業務等の議案書に張りつけ,あたかも議案承認が得られているように取り繕ったものでございます。  当然,印鑑類につきましては,幹部職員は自分の印鑑というのは各自机の鍵つきの引き出しに保管するなど,適切に管理しているわけでございますが,そういった事例が起こってしまったということでございます。  それと,再発防止でございますが,本当にこのような不適切な事務処理というのは,今後二度と起こしてはならないというふうに思っておりまして,今回の事故を受けまして,平成27年2月に局内の全職員に対しまして職務の遂行に当たっては,これはもう公務員として──全体の奉仕者として法令等を遵守する,あるいは内部規定を遵守するということで適正な事務処理に努めるように改めて周知徹底を行ったところでございます。
     また,現在,各業務について職場内で担当者以外の職員複数によるチェックを行っております。それと,やはり組織的にチェックが十分でなかったということで,契約とか,支払い事務の未処理・遅延,そういったことを防止するために月別にチェックリストなんかもつくっております。そういったことをやることと,今回文書の偽造がございました委託業務について,審査委員会の承認議案書の照合をきちっと原本と行うということなども行っておりまして,これはもうさまざまな観点から対策を講じて,こういったことを二度と起こさないような形で今後も組織一丸となって再発防止に取り組んでいきたいというふうに考えています。 7 ◯分科員(外海開三) ありがとうございます。適正な事務処理を徹底したとございますが,平成27年の8月6日にまた公文書偽造と廃棄,この2件で懲戒処分が出ております。再発防止策を遵守しまして,一刻も早く市民の信頼を回復するように期待しまして,この質問を終了いたします。  続きまして,駐輪対策の推進についてお伺いいたします。  放置自転車対策は,自転車駐車場の整備促進と有人・有料化,自転車等放置禁止区域の指定,禁止区域内の放置自転車等の即時撤去の3つの施策をセットとして一体的に実施しているところでありますが,放置禁止区域は現在市内で54カ所が指定されると聞いております。しかし,特に駅前などでは放置自転車が歩行者の通行の妨げになっている事例はいまだに多く,例えば阪神石屋川駅近辺は放置自転車が相当数あり,住民の方から相談をいただいておりましたので,建設局に放置自転車対策を依頼しサインキューブを設置していただきましたが,自転車の放置禁止区域には設定されないとのことでございました。  阪神石屋川駅近辺の放置自転車対策については,現状はどのように把握しておられて,今後どのように進められていくのか,お伺いさせていただきます。 8 ◯油井建設局道路部長 神戸市の駐輪対策でございますけれども,鉄道駅周辺における放置自転車対策については,先ほど委員が御指摘のとおり,いわゆる3点セットを一体的に実施してございます。  一方で,駐輪需要が比較的少なくて,放置自転車も少ない駅につきましては,放置禁止区域を指定せずに,無料駐輪場として運営しております。  阪神石屋川駅は放置禁止区域に指定せずに,駐輪場を無料で御利用いただいているという状況でございます。  現状では,駐輪場に約170台がとめられておりますけれども,一部,歩道上に自転車があふれているという状況が見られましたので,6月の下旬から7月の上旬にかけて,歩道上の放置自転車に撤去の予告タグを張りつけてマナーの啓発を行っておりました。  また,これも委員のほうからもお話がございましたけれども,駐輪禁止の啓発看板やサインキューブを歩道上に設置するなどの対策を実施しました。  こういった取り組みによりまして効果が出ておりまして,現在では,歩道上の放置自転車につきましては改善されている状況でございます。  ただ,一方で,駐輪場内の通路に駐輪がされているようなこと,そういった状況になってございます。  そういうことから考えますと,この状況で駐輪場が十分充足しているかというと,そうじゃないというふうに考えてございますので,周辺用地の改修によってこういった駐輪場内の通路に置いているというような,そういった状況については解消をしていきたいというふうに考えてございまして,駐輪場の拡張について今後検討してまいりたいというふうに考えております。  また,当駅につきましては,近年の放置自転車ですとか,駐輪場の利用台数の推移を勘案しますと,駐輪需要の著しい増加がないという状況でございますので,当面は放置禁止区域を指定せずに,駐輪場を無料で運営をしてまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 9 ◯分科員(外海開三) ありがとうございます。質問なんですけど,サインキューブを設置する前とした後で,どのぐらい歩道にあふれてた自転車が減っているかとかいうのは認識されていらっしゃいますでしょうか。 10 ◯油井建設局道路部長 ちょうど駅の南側の駐輪場のところの歩道のところにサインキューブを設置する前はかなり放置があったというふうに認識しております。今,そこにサインキューブを置いてまして,たまにとまっているかもしれませんが,ほぼ歩道に置いている自転車はなくなったというふうに認識してございます。ただ,先ほども申し上げましたけども,駐輪場内の通路にはやっぱり置いているということで,そういった面で拡張について今後検討してまいりたいというふうに思っております。 11 ◯分科員(外海開三) ありがとうございました。  続きまして,市街地における自転車利用の考え方について御質問させていただきます。  都心エリアでは,この3月から指定のポート間で自由に乗り捨てできるコミュニティーサイクル事業──コベリンが開始されております。都心部の自転車利用に関する新たな取り組みとして強い関心を持って見ております。この事業の目的や現在の利用状況,採算性についてお尋ね申し上げます。 12 ◯油井建設局道路部長 神戸市では,都心・ウオーターフロントの回遊性の向上であるとか,まちの活性化,また自転車の総量の抑制を目的にコミュニティーサイクルを導入すべく事業者を公募により決定をしてございます。  今年の3月の26日に事業を開始しておりまして,正式名称のKobe Linkle──ちょっと宣伝になりますけれども,市民の投票で決定しておりまして,神戸とつなぐを意味するリンクと自転車のサイクルというのを組み合わせたもので,人と人をつなぐことをイメージしているものでございます。  現在の利用状況についてでございますが,9月末現在で約5,900人が会員登録をしてございます。また,トータルの利用ですけれども,合計1万500回の利用がありまして,利用の目的は主に観光や買い物でございます。  また,休日の利用が比較的多い傾向にございます。事業開始から半年経過をしたわけでございますが,おおむね計画どおりの利用状況でございます。また,その中で,ゴールデンウイーク中は一時的に全ての自転車が貸し出し状態になるなど,利用者から好評をいただいているといったところです。  一方で,コミュニティーサイクル事業につきましては,事業が定着している都市では,自転車の貸し出しとか返却の拠点となるポート数が多いということで,利用回数が高い状況にあります。そこで,コベリンでも当初は三宮駅・元町駅など6カ所でポートをしておりましたけれども,9月に神戸市役所など新たに4カ所を整備して10カ所まで拡大して利便性の向上を図ってございます。  コミュニティーサイクル事業は,ポートの整備や自転車の購入などの初期投資のほか,自転車のポート間の輸送経費などのランニングコストが必要でございまして,利用料金のみでは採算性を確保することが非常に難しいと考えております。そこで,神戸市では,道路占用を活用した駐輪場の整備運営とあわせて公募を行いまして,両事業を一体的に実施していくことで採算性を確保するということにしてございます。  しかしながら,現時点では,計画している駐輪場は全て完成していないという状況もございまして,見込んでいた収支には達成していないような状況にございます。  したがいまして,神戸市としましては,事業の収支計画が達成できるように事業者の取り組みにできる限り協力してまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 13 ◯分科員(外海開三) 採算性が厳しいとのことですが,このような事業も民間事業者にとっては採算が合わなければ定着していかないものと考えております。コベリンの採算性を高めるためには,より広域に展開していくのも1つの手法でないかと考えております。例えば,東灘区にはスイーツ店や観光拠点が点在しており,自転車でめぐるには絶好のロケーションでございます。今後,観光利用に特化したようなポートも設置していけば,採算性も改善されるのではないかと考えておりますが,今後の事業展開の計画についてお尋ね申し上げます。 14 ◯油井建設局道路部長 まず,コベリンの採算性を高めるために,現在やっています都心部においての事業を定着させていきたいというふうに考えております。ポートについては公募時の事業者の提案では平成30年までに15カ所拡充することにしております。これによってコベリンを観光だけじゃなく,ビジネスなどの都心のさまざまなニーズに対応するものにしていきたいというふうに考えてございます。  それと,もう一方,駐輪場事業についても計画している箇所が整備するように支援してまいりたいというふうに考えてございます。  都心においてコミュニティーサイクル事業と駐輪場を組み合わせるモデルを早期に軌道に乗せ,民間事業者の採算性を確保するとともに,都心の回遊性にそうしたことでつなげていきたいというふうに考えてございます。  都心地域において事業が順調に進めば,やはり御提案のような東灘区のような広域的な展開についても検討してまいりたいというように考えてございます。 15 ◯分科員(外海開三) ありがとうございます。引き続き市民の皆様が気持ちよく利用しやすい駐輪場の設置,そして引き続き放置自転車の対策を講じていただきたく思います。  また,採算性だけを見ればまだまだ厳しい事業であるコベリンではございますが,観光客の反響は上々と聞いております。今後とも引き続き利用者のニーズに見合った事業展開を期待しまして,この件の質問を終了させていただきます。  続きまして,災害に対する危険箇所の市民への周知についてお伺いいたします。  ハザードマップは市内全世帯に毎年配布されているものの,依然として自宅や地域の危険性について知らない市民が,特に高齢者の中で多いと感じております。例えばイエローゾーンのエリアの中にお住まいの高齢者の世帯には,危険性や,いざというときの対応を直接説明するなど,きめ細かい対応が必要であると考えます。今後,さらに周知を進めていくための方策について,当局の見解をお願い申し上げます。 16 ◯林建設局防災部長 建設局では,毎年6月に──梅雨時期の前に,区ごとにハザードマップとして「くらしの防災ガイド」を全戸に配布しております。今年度は,土砂災害警戒区域周辺にお住まいの方々に対しまして,避難経路などを確認していただくために,危機管理室から土砂災害わが家の避難マップを同時に配布をしております。  平成25年7月に実施しました神戸市民1万人アンケートの結果では,この高齢者の約8割以上の方々が一応,「くらしの防災ガイド」については目を通したことがあるという回答でございました。  このガイドでございますけども,今年度はよりわかりやすくするための工夫を行っております。具体的には,一目で避難の流れや注意点がわかる見出しづけでありますとか,わかりやすい言葉遣い,あるいは文字の大きさの拡大といったことをやっております。さらに,今年度からはスマートフォンでもハザードマップを閲覧できるホームページもあわせて公開をしております。  市民への直接説明についてでございますけども,地域特有の災害の危険性やいざというときの行動などについて市民の方々に直接説明する機会としましては,土砂災害特別警戒区域,いわゆるレッドゾーンでございますけども──の指定手続として,今後,順次実施していきます県・市合同の住民説明会の場でありますとか,あるいは職員が直接地元に出向く出前トーク,こういったものを活用していきたいというふうに考えております。  また,危機管理室や消防局あるいは区役所が地元と一緒に行いますさまざまな活動でも,「くらしの防災ガイド」が活用されるように連携を深めてまいりたいと思っています。  今後ともわかりやすいハザードマップの紙面づくり,さまざまな機会を捉えました直接説明の場など,他局とも連携をしながら危険箇所の周知,市民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと思います。 17 ◯分科員(外海開三) 広報についてはいろいろ工夫や努力されているのは,私も広報を見させていただいて重々わかっておるのですが,なかなか配布のみでは周知を促すことが完璧にはできません。  実際,7月19日の台風11号の後に市民の方から,自分の家が危険地域に入っていたとは知らなかった,どこに避難すればよかったのかわからなかったなどのお声をたくさんいただきました。今後は,いま一層きめ細かな対応で市民の皆様が安心して暮らせるよう要望しまして,この件についての質問を終了いたします。  続きまして,光田議員のほうと交代させていただきます。ありがとうございます。 18 ◯主査(新原秀人) 外海委員,お疲れさまでした。  次に,光田委員,発言席へどうぞ。  なお,残り時間24分ですので,よろしくお願いいたします。 19 ◯分科員(光田あまね) 外海委員に引き続きまして,私,光田あまねから4項目質疑・提案させていただきます。  私も先日,コベリンに登録いたしまして,今後神戸市内いろんな形で活用していけたらいいなと考えています。  では,以下1問1答にてよろしくお願いいたします。  まず,自転車に関する質疑をさせていただきます。兵庫県下の交通事故件数は年々減少傾向にあるのに対し,歩行者と自転車の事故については平成16年から平成25年までの10年間で1.9倍の増加傾向にあります。  また,自転車側に対する高額な損害賠償事例も発生するなど,自転車の安全な利用への対策が喫緊の課題となっています。  神戸市では,平成26年,歩行者と自転車との交通事故は57件,増減を繰り返しながらも長期的に見ると増加の傾向にあります。そこで,兵庫県では,ことし4月に自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が施行され,10月からは全国で初めて自転車損害賠償保険等の加入を義務づけられました。この条例により,全県民に義務づけられていますが,神戸市としてはどのような取り組みをされているのか,お聞かせいただけますでしょうか。 20 ◯油井建設局道路部長 兵庫県では,自転車の交通事故が増加している現状を受けて,先ほど委員お話がございました条例を4月に施行しているということで,これは,自転車の安全で適正な利用に関して県民や事業者,行政などの責務を示して安全な地域社会の実現を目指していこうというものでございます。  その中で,自転車利用環境に関する建設局の取り組みでございますけれども,この本条例では,市町の責務としまして,区域の状況に応じて施策を策定して,県と相互に連携しながら効果的な施策を実施することが求められてございます。  これまで神戸市では,神戸市自転車利用環境総合計画を策定しまして,自転車利用環境に関する施策に取り組んでまいりました。この本条例を受けて,交通ルールの遵守など,安全に適してない自転車利用のさらなる周知徹底であるとか,保険加入の広報についても危機管理が中心となりますけれども,建設局も共同しながら実施しているところでございます。  加えて,建設局では自転車レーンなどの走行空間の整備を進めて,歩行者や自転車が安全に道路を利用できるような環境づくりにも取り組んでおるところでございます。  今後も自転車の安全で適正な利用に向けて,これらの取り組みを進めてまいりたいというふうに考えてございます。 21 ◯分科員(光田あまね) 自転車はどの世代も移動手段として手軽に利用できる生活必需品でもありますので,ぜひとも建設局としても主となって,また危機管理室と一緒に神戸市内安全に生活できるように今後も引き続き努めていただきたいと思います。  次に,建設局におきましては,自転車走行空間の整備を進められているところですが,神戸市内での現在の整備状況と今後の整備予定をお聞かせいただけますでしょうか。 22 ◯油井建設局道路部長 自転車走行空間の整備については,これまで統一的な基準がなかったことから,平成24年6月に神戸市の自転車利用環境総合計画を策定しまして,その計画に基づいて自転車走行空間の整備をしてございます。  この中で,大きく整備計画として5つがございまして,1つは,車道の左側を青く着色した自転車レーン,それから車道及び歩道に縁石より構造的に分離した自転車道,それから歩道内にラインを設置して自転車が走行するような通行部分指定したような環状線,これらを整備していく予定にしてございます。また,車道の路肩を活用するなど,また,歩道上の自転車啓発シールというのがございますが,そういった5つの形態でやっていきたいというふうに考えてございまして,その中でも青色の自転車レーンを基本に,交通状況や周辺の環境によって適切な整備をしているところでございます。  現在の整備状況でございますけれども,自転車レーンにつきましては,昨年度までに約3キロ,それから通行部分指定については1.3キロ,それから歩道上の路面シールと,そういったものでいきますと約1.3キロ,以上のような整備を行っているところでございます。引き続き整備が進むよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。 23 ◯分科員(光田あまね) ありがとうございます。  次に,広報への取り組みについてお伺いいたします。先ほどおっしゃっていました自転車レーンの塗装の色が場所によってはばらばらであり,利用者目線に立っていないように思います。事故のない快適な自転車走行区間を創出していこうとするならば,市民にも広く普及するべく広報に力を入れるべきだと考えます。例えば,幼稚園,小学校等の教育課程において交通ルールの特別授業の設置,また自治会や地域の集まり等への出張セミナー等を開催するなどの工夫が必要だと考えますが,御見解をお聞かせいただけますでしょうか。 24 ◯油井建設局道路部長 自転車レーン等の広報についてでございますけれども,自転車レーンを市内各所で整備をしてございますが,そうした整備の際には,自転車利用者であるとかドライバーにレーンを正しく利用していただくために,例えば地域の小学生とか沿道の方々に来ていただいて,そこで自転車の講習会などを開催しまして広報等に当たってございます。  また,警察と連携して街頭でチラシを配布したりとか,小学校での出前授業であるとか,地域の集会等にもパンフレットを配布しております。そういったことであらゆる機会を捉えまして啓発活動を実施してございます。  今後は,整備の際の講習会や,また,さまざまな啓発活動,ただいま委員の御指摘ありましたような幼稚園とか,そういったことも一度検討してまいりたいというふうに思ってございますが,また地域の集会等で単に利用の方法だけじゃなくって,整備形態と舗装の色によって意義が違いますので,そういったことも含めまして,それらを御理解いただけるよう,利用者目線に立ったような広報に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 25 ◯分科員(光田あまね) ぜひとも広報にも力を入れていただきたいと思います。  次に,自転車レーンを設ける場合,短期集中的に整備をしていくべきではないでしょうか。整備しやすい場所から実施することで継ぎはぎ状況となり,本来の機能が発揮されない状態になっているように思います。一斉に整備し,安全で快適な道路空間づくりを実現すべきと考えますが,当局の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。 26 ◯油井建設局道路部長 自転車レーンについては,先ほど言いました総合計画では幹線道路約120キロを整備対象路線に位置づけてございます。その中で,自転車レーンについては,これらの路線の中から自転車交通量が多いなどの優先順位を考慮して順次ネットワーク化を図るべく,計画的に整備を推進しているところでございます。  御指摘のように,短期で集中的なような整備ができてないという現状はございますけれども,整備に当たっては沿道の住民の方,また警察等の関係者と協議にやっぱり時間を要するという場合がございます。また,単に舗装の上に色を塗るということだけじゃなくて,走行空間を確保するために,縁石であるとか,例えば街渠をやりかえるとか,そういった改修などに費用を要するような場合もございます。  ただ,一方,兵庫区で国道28号でも自転車レーンを整備してございますが,これは平成25年度から継続して自転車レーンを整備しているわけなんですけれども,その中で現在約970メートルが完成してございまして,整備直後に調査をいろいろしています。平成25年の整備したとき,それから平成26年の延伸後にしたときの走行状況を調査をしますと,レーンの走行割合が17%から40%まで増加しているということ。それから,レーンは左側を一方通行なんですけども,そのレーンの逆走がほとんどなくなるなどの効果が出てきております。そういったことでレーンを引き続き進めていかなければならないというふうに考えてございますが,東西のネットワークが全て形成するまでにはやっぱり一定の時間を要します。どうしても部分的な整備になるところがございますが,引き続き国道28号等の東西路線の主要幹線の整備を推進して,できるだけ早期にネットワーク化が図れるように努めてまいりたいというふうに考えてございます。 27 ◯分科員(光田あまね) よろしくお願いいたします。  次に,ノエビアスタジアムの活性化についてお伺いします。以前,我が会派からスタジアムの稼働率の向上について質問させていただきました。その当時は,いろんな工夫をして稼働率を上げていくということでしたが,その後の取り組み状況はいかがでしょうか,成果は出ていますでしょうか。 28 ◯末永建設局長 これについてはいろんな取り組みをしてきておりまして,いわゆるスポーツ系,それからスポーツ以外の取り組みに非常に積極的に取り組んで,我々としては効果が上がっているんではないかというふうに思っております。  これにつきましては,もともとインナーシティーの活性化ということで大変重要だということで,交通局とも連携しながら,それに取り組んでおるところでございます。例えばスポーツの取り組みでいきますと,震災20年のサッカーチャリティーマッチとか──これは2万4,000人ぐらい集まっていただきました。それから,ラグビーの国際試合の誘致,これも2万1,000人ぐらい集まっていただきました。スポーツ以外の取り組みとして,ちょっとおもしろいといいますか,変わったものでいきますと,なんでも鑑定団というテレビ収録で,これ1万人ぐらい集まっていただきました。また,パブリックビューイングでありますとか,これはFIFAのワールドカップ,それからリレーマラソン等がございます。また,あと地元の商店街の皆さんとも協働いたしまして,ノエビアのビアガーデンというようなことを実施しておるところでございます。非常に,こういったことで,今までの球技場の枠組みにとらわれないような取り組みもいろいろやっているところでございます。また,こういった取り組みは管理をしております神戸ウイングスタジアムのほうで広報誌に掲載するなど,PRも適宜取り組んでいるところでございます。  スタジアム部分の稼働日数としては92日間──スポーツで45日,スポーツ以外で47日ということで,集客数も約43万人ということで増加の傾向にありますので,これはもう徐々ではございますが,着実に効果はあらわれてきているんじゃないかなということでございますので,これも2019年にはラグビーのワールドカップも予定されておりますので,引き続き連携しながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。 29 ◯分科員(光田あまね) いろんな取り組みはされているということで,神戸の活性化にこれからも力を入れていただきたいと思います。  次に,ノエビアスタジアムの芝の全面張りかえに伴う影響についてお伺いします。  芝を張りかえていくことで,逆にサッカー以外のイベントに使いづらくなるようなことはないでしょうか。また,芝の張りかえに伴い今後スタジアムをどのように活用していくのか,お伺いします。 30 ◯井川建設局公園部長 ノエビアスタジアム神戸につきましては,平成14年開催のサッカーワールドカップに合わせて整備されまして,開閉式屋根を備え,天候に左右されない球技専用スタジアムとして市民に親しまれております。  来年度は,競技環境をさらに向上させるため,芝生の全面張りかえを2回実施することにしておりまして,より高度なプレーを市民に提供できるものと考えております。  張りかえによるイベントの影響につきましては,従来からオンシーズンとオフシーズンに分けた活用をノエビアスタジアムではしておりまして,オンシーズン,これは3月から12月上旬のサッカーの試合の後なんですが,そのときにおきましては芝のコンディションに対するJリーグの要求度が非常に高いことから,天然芝の上でのイベントは困難でございますけども,スタンドと人工芝部分を利用したイベントの誘致を進めております。翻りましてオフシーズンにおきましては,スタンドなどを利用したイベントはもちろんのこと,芝生の養生を行いながら,比較的芝生に負担が少ないイベント誘致も検討しております。  また,来年度はオンシーズン中に2回の全面張りかえを実施することとしておりますので,張りかえ直前を狙ってグラウンドを利用したイベントを誘致できないか検討しておるところでございます。  ノエビアスタジアムの活性化は市街地西部地域の活性化に大きな効果を持っていると認識しておりますので,スタジアムを管理する神戸ウイングスタジアム株式会社を初め関係部局と連携を深めまして,1年を通じて集客力のあるスタジアムとしていくため,全面張りかえを有効活用していきたいと,このように思っております。 31 ◯分科員(光田あまね) ありがとうございます。  次に,公園における遊具の設置についてお伺いします。市内には約1,600の公園があり,日々市民がそれぞれの目的で公園を訪れ,利用されています。市民が公園を安全に,かつ安心して利用できるよう,遊具や施設の維持管理を行うことは非常に重要なことですが,同時にその公園にある遊具や施設が利用される市民のニーズに沿うものでなければ公園は十分に活用されないものとなってしまいます。特に,住宅地の中にある公園では,地域住民の年齢や世帯構成が変化していくため,公園の遊具や施設に対するニーズも変化しており,地域にお住まいの方から,子供が減り高齢者がふえてきているのに子供向けの遊具しかない,また,近くのどの公園に行っても小さい子供向けの遊具しかなく,遊べる子供の年齢が限られるとの声も聞きます。  公園に遊具を設置する際,また,古くなった遊具を更新する際,どのような遊具を設置するのかについて,どのような方針に基づき,どのように決定されているのでしょうか。道具の更新の際には地域住民のニーズを調査した上で反映していくべきと考えますが,当局の取り組みをお伺いします。 32 ◯井川建設局公園部長 委員御指摘のとおり,少子・高齢化によりまして地域全体の年齢構成が変化してきておりまして,これまで以上に公園に対するニーズ把握が重要になってきております。  例えば新たに公園を設置する際には,広く地域の皆様方を集めまして,ワークショップ形式で施設の内容を決めていくというようなことを従前よりやっております。  また,老朽化した遊具を更新する際には,地域の年齢構成あるいは利用状況などを十分に把握した上で,自治会などの地縁団体にヒアリングを行うなど,さまざまな方法で地域ニーズの把握に努めて遊具を選定しております。 33 ◯分科員(光田あまね) 先日,幾つかの公園を見てまいりましたが,ベンチの周囲に草木が多く,虫刺されを気にして利用しづらい等の声を伺いました。また,ベンチ自体が塗装剥がれ等があり,座ることもちゅうちょしがちです。したがい,憩いの場として活用しがたい現状ともあるとのことです。市が管理する公園の清掃状況において,頻度とその内容はどのようなものでしょうか。 34 ◯井川建設局公園部長 市内に1,600ほどの公園があるんですけども,2つの分け方がございまして,1つは地域の皆様に公園管理会を結成していただきまして,地域の皆様方の手で清掃等を行っていただいていると。これは約,全体の身近な公園の7割程度はこの地域の皆様方の手によって清掃等が行われておるという状況でございます。それ以外の公園につきましては,業者発注によりまして,除草等につきましては年に2回から3回程度,清掃につきましては月に,場所によりますけども,2回から4回程度行っております。 35 ◯分科員(光田あまね) ありがとうございます。高齢者や障害者の方々はもとより,乳幼児を連れた親子なども含めて誰もが使いやすい公園づくりを目指し,段差解消や階段の手すり設置など,バリアフリー化もさらに進めていただきたいと思っています。  今後もより積極的に地域と話し合って,よい公園づくりに取り組んでいただきたいと要望し,次の質疑に移ります。  次は,神戸のシンボルとしての東遊園地の活用についてお伺いします。
     東遊園地は,1875年,今から136年前に居留地に住む外国人からの求めで内外人公園地として設置された歴史ある公園の1つで,神戸の歴史を物語る場所でもあります。また,震災の慰霊と,復興のモニュメントが設置されているなど,神戸市民の心のよりどころとなっている場所でもあります。犠牲者の鎮魂と追悼,まちの復興を願い,観光地再建の目的も含め,開催されたルミナリエや1.17の集いの会場,ことしはビエンナーレ会場として活用され,アーバンピクニックの開催や一部芝生化の実験など,新たな発想での取り組みが見られることは評価いたします。  こういった取り組みを一時的なものに終わらせず,しかし,慰霊の会場でもあることから,神聖な場所として将来にわたって東遊園地がより市民に親しまれ,市民の誇りとなる場所へと発展させていく必要があると考えますが,建設局の取り組みをお伺いします。 36 ◯末永建設局長 東遊園地の件につきましては,今委員から御紹介いただきましたように,非常に歴史のある公園でございまして,先日,発表いたしました全市的な都心の将来ビジョンでも市民が愛着を持って自発的に活用できる場としての役割を持たそうということでございまして,いろんな発想で建設局としましては,これを活性化していきたいというふうに考えております。  ソフトの部分では,6月にアーバンピクニックというのを開催いたしまして,その中ではアウトドアライブラリーということで,カフェがあって,本棚があって,そこでじっくりと本を読めるというような取り組み,それから神戸で生産されたものを買い,食べることができるファーマーズマーケット,こういったことを実質やっておりまして,また,第2弾を10月3日からやっておるところでございます。  また,芝生化の実験を今行っておりまして,そういうイベントがある中でどういった芝生が適しているか,これもいろいろやりながら活性化の取り組みとあわせてハード面での工夫もやってまいりたいというふうに考えております。 37 ◯分科員(光田あまね) ありがとうございます。福岡では国家戦略特区に認定されたことによる道路占用の規制緩和を活用し,ことし3月,きらめき通りにて第2回ストリートパーティーが開催されました。こちらは3日間で動員数13万5,000人,第2回では1日で5万人とまちの活性化に大きく寄与をしています。  光のミュージアムが開催されているフラワーロードと,芸術・ファッション・スポーツの発祥地である東遊園地でコラボし,神戸のアーティスト,市内の商店街,飲食店等とで定期的にイベントを開催するなど,人を呼び込む拠点になる可能性が十分にあると考えられます。  こちらは,ドイツでのクリスマスマーケットで使用されている屋台です。国内ではスカイツリーのソラマチ,グランフロント大阪と既に取り入れている都市もあります。ドイツでは,クリスマスの4週間前の日曜日から使用されますが,神戸では木組みの基礎とでデコレーション部分は取り外し可能にし,イベントの趣旨やそのシーズンにあわせたデコレーションを飾りつけることにするなど,使い回しができるようにすればいいのではないかとも思います。  市が主となって既存の業者さんと調節しながら市が保管するこのような屋台をイベントごとに市民に貸し出す等,官民一体となって活用していくのはいかがでしょうか。 38 ◯末永建設局長 市民が神戸の顔というふうに誇れるように進めてまいりたいと思っておりますが,ただ,公園でございますので,多くの方が利用していただくということなんで,独占的な利用とか営利を目的のみとするというようなことはよくよく検討しながら,委員の御指摘のような市民が神戸の顔と誇れるような公園に目指してまいりたいというふうに思っております。 39 ◯主査(新原秀人) 光田委員,時間ですので。 40 ◯分科員(光田あまね) ありがとうございました。 41 ◯主査(新原秀人) 光田委員,お疲れさまでした。  次に,川原田委員,発言席へどうぞ。 42 ◯分科員(川原田弘子) それでは,早速質問させていただきます。  まず,土砂災害と六甲山について質問いたします。  ことし,台風でまた被害がありまして,六甲山の中の道路とかが被害が大きい状況でした。表六甲は今まだこのヘアピンのところが一方通行であって,それで,西六甲は六甲山牧場から森林植物園までが全面的な通行どめ,それから小部明石線はこのトンネルのところが今も片側通行となっておりまして,先日見てまいりました。六甲山牧場のところに自転車の人が行こうとして自転車もとめられていたりしましたので,これはことし起きたことですので,早い復旧を要望だけしておきます。  ことしはそういう状況でしたけれども,昨年度も大きな台風被害がありました。これで台風被害におきまして,神戸市は関係する土木や地質学,災害の専門家などを招いて土砂災害対策有識者会議を開催をされて提言をいただいております。この提言の中で砂防ダムであるとか,グリーンベルトの事業なんかはそういう基礎的なことや危機管理室的な避難をどうするかといったことに加えて,山岳部の道路の排水対策,山岳部の道路には側溝がないところが多いということですけれども,この側溝を設置をして,沢筋に水を逃がしてやるような,そんなことが必要であるということがまず提言されています。  そして間伐や林相転換を行うこと,それから危険木対策を行うことが必要と言われておりますが,この提言を受けて,これをどのように展開されようとしているのか,実際にもう進んでいるのか,まず伺います。  それから3点目なんですけれども,六甲山のその通行どめの状況を見に行って,六甲山を見てみたんですけれども,表六甲のほうはナラ枯れが余り見られない感じだったんですが,裏六甲のほうはそういう枯れているところもあるんじゃないかなというふうに思いました。  それで,六甲山の砂防事務所が昨年の台風被害の後に空撮を行って,被害の状況を空から確認をしています。これは砂防事務所が確認をしている状況で,被害の箇所は多いものは1,000平米以上のところが40カ所ぐらいあるんですけども,有野町だとか灘区なんかも含まれていまして,このように赤いところが土砂崩れが起きています。  これを縮尺を合わせて六甲山の誰が持っているかというものと重ねてみますと,黄色い部分が民有林なんですけれども,裏六甲のあたりに当たりますが,これを重ねてみると,こんな感じになりまして,大体この民有林を中心に被害が大きくなっているんじゃないかなというふうに思いました。ですから,今までの計画もグリーンベルトとかということを言われますけども,グリーンベルトは表六甲の一部だけになるので,民有林も含めて災害対策を行っていく必要があると思うんですけども,その点について伺います。  それから4点目としまして,毎年台風が起きると災害対策で避難準備を勧告したりするんですけれども,その対象となるイエローゾーンと呼ばれるところと,実際に被害が起きたところと照合されたりしているのかなと。垂水でも,ことし塩屋でありましたが,そこはちょっと黄色く塗られてないところだったりしたので,そういう照合をどうされているのかというのをまず伺います。  それから,ちょっと下水道に移りまして,下水道事業につきましては,バイオガスなどで循環型社会を目指していろんなことをされているんですけれども,その中でグリーン・スイーツプロジェクトというのがあります。グリーン・スイーツは六甲山の間伐材とか食品工場の廃棄物を汚泥にまぜて発酵を促進させたり効率よくしたりする,で,産業廃棄物をなくしてエネルギーを取り出すというものです。それから神戸ハーベストというものもあって,下水処理の廃棄汚泥からリンを取り出して,それを肥料に使うというもので,ことしの春に肥料がもうできましたという報道を見たんですけれども,こうしたことについて,効果と,それから今後の方向性についてまず伺います。  それからもう1つは,下水道の省エネ対策なんですけれども,下水道は,これはロタリアという原生動物ですけれども,こういうものを巨大なプールでたくさん飼うために,すごい空気を入れないといけないので,これは余り注目されてないんですけれども,電力の消費量では莫大な消費量になっています。これについて24年,25年の2年間で民間企業と協働で省エネの試験をされたということなんですけども,この結果を受けて26年度何らかの対策をされたのか,これからしようとしているのか伺います。 43 ◯末永建設局長 私のほうから土砂災害の対策の有識者会議の提言の中で,山麓部の道路排水の件について,それと循環型エネルギーの活用についての2点について,御答弁させていただきます。  まずは,六甲山については,神戸市内でも観光あるいは市民生活の上からアクセスを確保するということは非常に重要なことというふうに考えておりまして,我々もできるだけ御不便をおかけしないようにやっていきたいというふうに思っております。  最近は本当に気象特性が変化しておりまして,いわゆる強雨という,時間にしますと70ミリ以上の雨が降るというような,そういったことが頻発をしておりまして,本市では昨年8月に,こういった六甲山におきまして,その雨によりまして災害が発生したわけでございますし,広島市ではああいう大規模な土砂災害が発生したということで,危機管理室,消防,建設が合同で土砂災害の対策有識者会議を開催して,そこで災害を防止するためにいろんな施策が検討されたわけでございます。  その中で,取りまとめられた提言におきまして,委員御指摘のように,山麓あるいは山腹の道路の排水対策というのが非常に重要だというふうに言われておりまして,特に六甲山というのは崩れやすい六甲花崗岩が風化した真砂土が一緒に流れると土砂災害になるというようなことでございますので,その点は非常に重要だよと御指摘を受けております。特に,表六甲ドライブウェイ,それから神戸三田線で昨年度に大規模な道路崩壊が起こったわけでございますが,この点についても本当に通行どめを余儀なくされ,市民の皆様に大変御不便をおかけしたわけでございますが,この原因をよくよく分析しますと,やはり山からの雨水が道路に集中して,神戸三田線でいきますと,川側に流れたとか,そういったことで道路の下のり面や石積みが侵食したことも一因ではないだろうかいうことでございます。  こういったことの提言を踏まえまして,表六甲ドライブウェイの災害復旧に際しましては,路肩に側溝を新設しております。やはり高いところから低いところに水がストレートに流れてまいりますので,その危険なところについては全部点検をいたしまして,緊急調査も実施いたしまして,雨水の集中により災害の危険性のある箇所に道路排水を今後順次整備していこうというふうに考えております。裏六甲ドライブウェイ,それから,明石神戸宝塚線についても,今同様の検討を行っていく予定でございます。  今後は,のり面の構造縁による恒久的な対策とともに,これはもう水との戦いだと思っておりまして,きっちりと排水処理の考え方を見直しながら,水を集中させることなく分散していくということで速やかに道路外へ放流させる,そういったことで災害の発生を未然に防止するように今後とも精力的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  それから2点目でございますが,循環型エネルギーへの活用ということでございます。非常に下水に関しては貴重な資産といいますか,資源が眠っているということで,幅広い研究あるいは実証実験が進んでいるわけでございますが,この有効活用を図っていくということについては,地球温暖化の防止ということ,それから資源循環の観点から非常に大切な視点だというふうに思っております。  これを実現するために,最新の処理技術を導入した御指摘のような2つのプロジェクトを国の下水道革新的技術実証事業として実施しております。平成23年度から実施しておりますグリーン・スイーツプロジェクトにつきましては,地域で発生するスイーツなどの食品系バイオマスを年間約800トン受け入れまして,地産地消のエネルギーとしまして,都市ガスあるいは自動車燃料として有効に活用しているところでございます。  東灘処理場では,平成26年度に年間3,000世帯相当の都市ガス,それから延べ1万台の自動車燃料として供給をしているところでございます。  現時点では,設備もまだ新しいということで採算性がとれている段階でございます。新技術を導入した設備でございますので,今後,事業の方向性についてはこの実証実験を数年間実施しながら,あり方を十分に検討してまいりたいというふうに思っております。  それから,平成24年度から実施しておりますハーベストプロジェクト,このプロジェクトで開発した配合肥料というものをスイートコーンの試験栽培に使っております。非常に収穫状況も良好でございまして,高い評価を受けておるところでございます。これは,引き続き生産者の協力を得ながら,農作物の栽培時期に合わせて,例えばキャベツでありますとかレタス,ブロッコリー等でその結果を見ながら,肥料としてどこまで活用できるのか,事業の効果とか採算性を検証してまいりたいというふうに考えております。  今後の方向性として,平成27年度に下水道法が改正になりまして,下水汚泥の燃料とか肥料としての再生利用が努力義務として規定されております。その必要性が高まっておりますので,今後も国や民間企業と,これは連携をしながら,下水道から生まれるエネルギーや資源の活用に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 44 ◯畑建設局担当局長 私のほうから下水道の新技術の活用について御答弁させていただきます。  下水で実施いたしました共同研究が,先ほど御指摘いただきましたように,微生物の増殖のために下水に空気を吹き込む装置──散気装置と申しますが,それがいかに効率的に空気が水の中に溶け込むかというような共同研究でございます。  使用する電力は処理場全体の3割ぐらいをその空気を吹き込むために使っておりますので,その研究を進めることで下水処理の省エネルギー化が図れるというふうに考えております。  24年度,25年度に実施いたしました共同研究ですが,空気を吹き込むときの圧力の損失をできるだけ小さくして,細かい泡を吹き込ませるというような省エネの検証でございます。  1年間を通じて実験いたしました結果でございますが,その装置を使いますと,電力について約40%の削減ができるというふうに結果を得ております。ただ現在は,ほかのメーカーも同じように高効率の散気装置を製造しております。我々のほうは施設の散気装置の新設の際,もしくは古くなってやりかえる際に,その装置の性能についても他のメーカーのものも含めて十分評価して採用していきたいというふうに考えております。  下水道は先ほど局長からも答弁いたしましたように,地球温暖化防止,省エネ,この辺が重要でございますので,今後も新技術を積極的に導入してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 45 ◯林建設局防災部長 私からは残りの問いにお答えさせていただきます。  まず,有識者会議で林相転換や危険木の伐採,そのような中で森林整備をどういうふうに行っていくのかという御質問でございます。  六甲山は,現在同林齢でありますとか,同樹種の森林が多くなってございまして,災害防止機能の低下が懸念されているところです。このため,戦略を策定し進めていくということでございますが,六甲山の森林はスギやヒノキの人工林と,それからコナラやカシなどの広葉樹林に大きく分けられます。この人工林につきましては,これまで育成を中心に整備を進めてまいりましたが,ここ10年は間伐を実施しているということです。  戦略では,これに加えまして,六甲山の大部分を占める広葉樹林の整備にも取り組むということとされています。この広葉樹林でございますけども,多様な樹種で構成をされておりまして,人工林のように整備手法というものがまだ確立されていないということです。そこで,モデル整備として,平成24年度から約46ヘクタールの森林整備を実施し,その結果のモニタリング調査を行っておるところです。例えば,新神戸駅北側で実施しました森林整備につきましては,植生あるいはその土砂の流出状況といったものを調査をしております。これらのモニタリング結果をもとに有識者を交えた森林整備に関する研究会におきまして,林相転換あるいは危険木の伐採といったものを含めました整備手法を今検討をしておるというところでございます。  今後,研究会の成果を踏まえまして,森林整備手法を確立するとともに,六甲山ブランドの形成につながる発生材の活用を進めるということで,効果的な森林整備に取り組んでいきたいと思っております。  それから,また,私有林の整備が必要ではないかと──ナラ枯れも踏まえてということで御指摘がございました。  六甲山系は約9,000ヘクタールございますけども,約半分は私有林ということで,昨年の台風11号では御指摘のとおり六甲山系北側や六甲山上での私有林で被害を受けております。森林整備の土砂災害対策のためには公有林だけでなく,この私有林を含めた整備の実施が必要となっております。  これまで,この私有林の整備につきましては,大規模所有者らと協議・検討を行っておりまして,まずは,この私有林のうち着手しやすい人工林において整備を進めてまいりました。具体的には,北区有野町の私有林約75ヘクタールで県民緑税事業を導入して,危険木対策や渓流対策としての整備を実施しております。また,森林の公益機能の向上のために,所有者みずからがこの森林整備を行うという者に対しましては,国・県の補助制度に加えまして市も支援するという制度を今年度から導入をしております。その制度を適用しまして,北区有野町で間伐約5ヘクタールを実施する予定でございます。このほか,地域住民や市民ボランティアあるいは企業による市民参加型の整備についても推進をしていきたいと思っております。  また,コナラなどが被害を受けていますナラ枯れでございますけども,昨年度まで主に六甲山系の南側で発生をしておりました。私有林内では2カ所・5本でございましたけども,全て伐採,薬剤処理済みでございます。しかし,今年度は六甲山系の北側を含めまして市内の7カ所の私有林で発生をしております。  このような森林病害虫の対策につきましても,私有林に関与していく必要があるというふうに考えております。引き続き県・市と所有者とで対応方法について協議をし,防除に努めてまいりたいと思います。  現在,兵庫県からは緑税事業第2期の検証を踏まえまして,今後の六甲山の大部分を占めるこの広葉樹林の対応を緑税を使って進めていくというふうに聞いておりまして,私有林整備が促進されるものと期待をしております。引き続き災害に強い森林にするために,県民緑税事業を初めとするさまざまな制度を活用しながら私有林の整備に力を入れてまいりたいと思っております。  それからまた,今年の7月の災害がイエローゾーン内で起こったのを照合してるのかというような御指摘がございました。これについては,今現在,我々が特に民地なんですけども,被害を受けているところ42カ所というふうに把握してございますけども,そのうちこのイエローゾーン内で該当するところを一応見ております。イエローゾーンは御存じのように土石流なり急傾斜なり地すべりとございますけども,該当するのは今回の場合は急傾斜のみかなと思っていまして,ゾーン内で小規模の擁壁が崩れた場合でも一応崩れたということをカウントするということにいたしますと,11カ所でございました。割合にすると約4分の1程度になるということです。これについては,我々も非常に関心を持ってまして,今後の防災対策を立案する上でも非常に参考になるということですので,もう少し精査なり研究なりをしながら生かしていきたいというふうに考えております。  以上です。 46 ◯分科員(川原田弘子) ありがとうございます。それでは,再質問をさせていただきます。  六甲山のことでいろいろと説明をしていただきました。排水対策をもう既にされていて,表六甲はもう終わっているということなんですかね。 47 ◯末永建設局長 昨年被災しました箇所におきましては,排水溝を処置しております。その後に現地のほうを確認いたしまして,数カ所,もうちょっと設けたほうがいいだろうということについては,今後実施をする予定でございます。 48 ◯分科員(川原田弘子) そしたら,このヘアピンのところ,こことかはそういう対象外だったんですか。 49 ◯末永建設局長 実は,ヘアピンに行くまでに数カ所水を横に出したほうがいいんではないかという箇所を把握しておりますので,現地の状況に応じまして効果的な配置になるように実施してまいりたいというふうに考えております。 50 ◯分科員(川原田弘子) きょうの局長からの決算の御説明でも,昨年の災害で5億5,000万円ぐらい災害復旧でされてますけども,補正予算ではその倍ぐらいとられていると思いますので,今,工事なかなかしにくい──人件費も上がってしにくいかもわからないんですけども,早目に側溝をやるというので効果があるということがわかっていれば,今後もそれは早くやっていただいて,来年の台風に備えて,ことしもまだ台風来るかもわかりませんので,お願いをいたしますが,どうでしょうか。 51 ◯末永建設局長 今御指摘のとおりでございまして,事前にできるだけ早く実施をしてまいりたいということでございます。これはもう原因がはっきりしておりますので,これについては適切な予算措置といいますか,今御指摘のような予算も利用しまして,できるだけ早くやっていきたいと思っております。 52 ◯分科員(川原田弘子) わかりました,ありがとうございます。それで,有識者会議を開いた値打ちがまた出てくると思います。  それから,この間伐なんですけれども,私たち,ことしに岡山の真庭に視察に行ってきました。真庭市はバイオマス利用で全国から視察に来られるようなところなんですけれども,バイオマスですごく間伐材を利用するために,普通に林業をやってますから,ちゃんとした木を出すついでに,その枝とかも一緒に出してくださいねということで,その枝を買い取るためのお金を払って出して,それを利用するということをやっています。だから,それを買い取るためのお金の値段と,バイオマスで利用して発電をして得られる値段とのいろんな折り合いとかがあると思うんですけども,本業の林業があって,その本来の間伐材を出して,それを柱に使ったりするというのがあるので,そういうのも成り立っていると思いますが,六甲山では,林業というのは今もうなくなってしまっているので,こういうことを続けていくためにも,新しい神戸型の林業をどうするかということを一緒に考えていかないといけないと思うんですけども,その点についていかがでしょうか。 53 ◯林建設局防災部長 真庭市は真庭市の特徴があって,それを生かすのはいいこと,確かにそのとおりでございまして,神戸でもそういう活用についてできればいいなと思います。ただ,六甲山の場合,やっぱり搬出方法にコストがかかるという話もございますし,それから自由に切るといいましょうか,伐採も森林整備のための──保全のための伐採でございますし,発生材を活用しようという意味での伐採ではございませんので,量的にも限度があるといった制約の中でどういった活用ができるかというのを検討していく必要があるということでございます。まさに,そうおっしゃるとおりだと思います。  それにつきましては,いろんな取り組みを今までやっておるわけでございますけども,まだこの市場性があるような,そういう事業展開には至っていないということでございます。この点につきましては,いろいろ検討しているところでございますが,引き続き検討を深めていく必要があろうかというふうには思っておるところです。  以上です。 54 ◯分科員(川原田弘子) 林業といってもいろいろもっと広く,昔は六甲山でも有野のほうで炭焼きをしたり,それからマツタケをとって,それを生業にするようなことがずっと盛んだったというふうなことも森林整備戦略の中に書いてありましたけれども,それを今やれというのは難しいかもわからないですけど,都会だからこそ,今のブームとして山が好きな人もふえてきていますし,そういうことを利用したり,スローライフとかがはやっていたりもするので,そういうことを活用した六甲山とか,神戸型の林業をどうしていくかということを県民緑税が活用できるということがわかれば,ある程度規模とかも考えたこともできると思いますので──それはもう,ちょっと要望にとめさせていただきます。  それから,イエローゾーンの話で42カ所のうち11カ所だけということは,あとは黄色くなかったということだと思うんですけれども。 55 ◯林建設局防災部長 ええ,残りにつきましては,ですからイエローゾーンの区域外であったということでございます。 56 ◯分科員(川原田弘子) ということは,避難準備の勧告をしたりしても,いまいちちょっと黄色く塗られたところだけが逃げないといけないという意識になかなかならないので,もう少しそういうことを──県がやっているんだとは思いますけれども,建設局でもそういうのを治験を何かデータとか突き合わせたら見えてくることもあるかもしれないですから,研究をしていただきたいと思います。  それから,有識者会議をやって,その結論として,排水口とかグリーンベルトや砂防ダムをもっと熱心にやっていくべきだということがあったんですけど,もう少し踏み込んで,これから本当にゲリラ豪雨であったり土砂災害であったり,それから長い時間雨が降って,ことしの川の災害のようなこともありますから,有識者会議をもう1度別の視点で災害に備える本当にハード的にどうするかと──水をどうするかというような有識者会議を開いたらどうかなと思うんですけども,いかがでしょうか。 57 ◯末永建設局長 本当に御指摘のとおりでございまして,この最近の気象状況とか新たな知見が有識者の方々に蓄積されていると思いますので,そういったことをどんどん我々行政のほうで活用していくというのは非常に大事な視点だというふうに考えております。  昨年8月の台風11号の最大時間雨量は88ミリでございます。本年の7月の台風11号では,今,長時間降雨とおっしゃいましたが,24時間で497ミリという非常に長い雨が継続するということでございまして,もう本当にこれは記録的な大雨でございます。幸いなことに人命が損なわれるようなことに至らなかったわけでございますが,これは我々しっかりと取り組んでいかなければならないというふうに思っておりますので,今後の防災対策,特にハード面で考えるときに,3点考えておりまして,1つは,やはり最新のシミュレーション技術が発達しておりますので,そういった近年の降雨特性に応じた浸水想定区域の検証にももう1回取り組んでみたいと──取り組んでいかなければならないのではないかというふうに考えております。  それから,先ほどイエローゾーンの話がございましたが,レッドゾーンの指定が今後県のほうで進められていきます。神戸市も共同で参画してやっていこうと思っておりますが,この指定された区域におきまして,その危険度の評価,そういったこともハード整備につなげていけるように計画を県とともに検討していきたいということでございます。  それからもう1つ,土砂災害に関して申しますと,神戸市の土砂災害予測システムの活用ということを考えておりまして,地形あるいは地盤,降雨の状況をもとに10メーターメッシュで斜面の崩壊予測のシミュレーション,これを行いまして,危険度が高い箇所を予測していくということを今考えておりまして,県とともに今年度構築を進めておるところでございます。来年度は庁内で運用を開始したいと。やはり実際の降雨による検証──被害が過去に起こったとこの検証なども行いまして,モデルの精度をやはり上げていく必要があるということで,行政内部でこれはしっかりとしたものをまずつくることで,市民の生命・財産を守るようなところにつなげていければというふうに考えております。  いずれにしましても,この有識者会議,専門家,日本のエキスパートが来ていただいておりますので,こういった面でしっかりと連携をしながら,最新の知見を生かしたシミュレーション,それから有識者会議,こういったことを今後とも進めながらしっかりとハード対策の推進をしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 58 ◯分科員(川原田弘子) ありがとうございます。初めて何か100点以上の答弁をいただいたんじゃないかなと思いまして,今までずっと水のシミュレーションを考えて,どっかに水を調整池とかをつくらないといけない必要があるんじゃないかとか,そういうことをもう1回見直したほうがいいんじゃないかとずっと言ってきたんですけども,河川対策は100年に1度のとかという,そういうことでいつもかわされていたんですけど,そういう前向きな検討をしていただいていくということでよろしくお願いをいたします。  次に下水のほうですけれども,まずはそのグリーン・スイーツとかハーベストのほうは,何年かやらないと効率も含めていいか悪いかというのはなかなか言えなくて,今もずっと続けておられるというようなことだと思うんですけれども,法律もできて,本当に活用をしていかないといけなくなると,それなりに予算もついてくると思いますので,これは続けて実施をしていっていただきたいというふうに思います。  もし,そのリンを取り出してスイートコーンができたのであれば,そういったことは市民にとてもわかりやすいので,東遊園地で何かやるときにそういうことをお披露目会みたいなものをするとか,そんなことをまた検討していただきたいなというふうに思います。これはもう要望にしておきます。  それから,省エネの検証のほうですけれども,下水処理場の3割の電力を使うエアレーションで40%削減するということは,12%,1割強の省エネができるということなので非常に大きいと思うんですけれども,これ他メーカーも効率がいいのをやっているから,その実験をやったところと,すぐそこといくということもいかないというような,そういうことかなとも思うんですけれども,大体いつごろに導入とかを考えられているんでしょうか。 59 ◯畑建設局担当局長 いつごろに導入と申しますのは,各処理場にはその散気装置というのが東灘処理場から玉津処理場までいっぱいございます。この辺が何年につけた散気装置かということを全部履歴をとっておりまして,その傷みぐあいを見て毎年のように改築・更新をしております。具体的にはまた来年度予算でも改築・更新を予定しておるところがございますので,そのときに今回の実験の成果と他のメーカーの性能,その辺を照査して採用するということを毎年繰り返しておるという,そういう状況でございます。 60 ◯分科員(川原田弘子) なんかでも,私,いつも省エネ,エアレーションしないといけないというふうに質問しているんですけども,研究してますというような答弁しかもらってないんですけど,今回初めて4割削減してますというような,で,一部する古くなったものの更新とかをされてるということだと思うんですけれども,古くならなくても,1割ももし削減できるんだったら,思い切ってかえる部分も出てきてもいいと思うんですけども,いかがでしょうか。 61 ◯畑建設局担当局長 確かに共同実験した結果でふぐあいいうんですか,ちょっと使い物にはならないなというケースも過去にはございました。ただ,全般的にはその小さな気泡にするというような主流がございまして,それはどんどん新技術として取り入れております。  それで,もう1つ何やったっけ……。 62 ◯分科員(川原田弘子) 早目にかえてもいいんじゃないかと。 63 ◯畑建設局担当局長 ああ,済みません。散気装置は,通常やっぱり20年から30年ぐらいの耐用年数を考えております。ということは,やっぱりかなりの投資をしますので,つけて何年間かはその減価償却という措置をしてますので,それが余り新しいと,その特別の損失がまた出てしまいます。ですから,完全にその耐用年数が過ぎるまでというんではございませんが,その古くなりぐあいと,その省エネの効果,この辺をてんびんにかけて余りにも調子の悪い──調子の悪いというんですか,効率の悪いものは早目に取りかえる,ある程度いいものは若干長期に使うという,そういうような対策をとっております。 64 ◯分科員(川原田弘子) はい,わかりました。省エネは多少それで損が出ても,後で電気の消費が少なければというような考え方で,これからもやっていっていただきたいと思います。  それからもう1点ですけれども,例えば垂水の処理場では,下水の処理水を海水に戻す前に,ノリの養殖の関係とかもあって広大な池で温度を下げて放水をしているんですけれども,そんな池をつくって温度を下げないといけないぐらいの温度差があるのであれば,その温度差を使って熱を利用して暖房やそういうことをやっていくようなことは考えられないんでしょうか──熱利用。 65 ◯畑建設局担当局長 垂水の下水処理のなぎさの池というのでございますが,これは修景というようなことと,それと海水に戻す前に温度を下げるという2つの目的で平成26年の4月から供用開始しております。確かに下水から温度を回収してということは,空気に比べて下水のほうは冬に温かくて,夏に空気よりも温度が低いと,こういう点で有利ではございます。ただ,その熱利用をヒートポンプなりでやりますときには,かなりの設備投資と維持管理費が伴いますので,今現在,垂水の処理場では熱は結構バイオガス発電のほうで豊富にあるという状況にございますので,その利用先が処理場近辺で確保できるかどうかというようなところが一番大きな課題かなあというふうに考えておりますので,そのあたりを慎重に検討する必要があると思っております。 66 ◯分科員(川原田弘子) ありがとうございます。いろいろとまた問題もあるかと思いますけれども,そういう視点で,もし利用できるものがあれば利用していくようなことを今後も考えていっていただきたいと思います。  終わります。 67 ◯主査(新原秀人) 川原田委員,お疲れさまでした。  委員の皆様に申し上げます。  午前中の審査はこの程度にとどめ,この際,暫時休憩いたします。午後0時45分より再開いたします。  お疲れさまでした。
      (午前11時44分休憩)   (午後0時45再開) 68 ◯主査(新原秀人) ただいまから決算特別委員会第2分科会を再開いたします。  午前中に引き続き,建設局に対する質疑を続行いたします。  なお,川内委員より体調不良により早退する旨の届け出がありましたので,御報告申し上げておきます。  それでは,浜崎委員。 69 ◯分科員(浜崎為司) それでは,午後1番,早速質問させていただきます。  まず,午前中の質問の中にたくさん同じ趣旨の質問が入っておったと思いますが,私の思いの質問とちょっと違いますので,そのつもりでお尋ねをいたします。  私の質問の基本的な趣旨は,市民生活の安全・安心を守っていくために行政サービスはどうあるべきなのかという質問であります。  建設局におかれましては,特に市民生活の安全・安心のためにインフラに係る構築物でありますが,橋梁や道路に係る構築物については長寿命化修繕計画等の計画的な修繕に努められておられるということはよく承知しております。それは高く評価しておるわけでございますが,そこで,今後の取り組みですが,高度経済成長時代に建設された橋梁やトンネル,これが大量に更新時期を迎えておるわけであります。道路法改正に伴い点検については5年ごとの近接目視が義務づけられておると聞いております。そこで,いわば寿命が来ておる橋梁についての取り組みについてお尋ねをいたしたいと思います。  まず,橋梁の長寿命化の点検については,事前防災という考えのもとに,国費がつくようになっておると聞いております。どのようにこの国費を活用なさっておるのか,お尋ねをいたしたいと思います。  そこで,具体的にこの質問を申し上げたいと思いますが,午前にもありましたが,本年の4月に有馬温泉に向かう道路橋梁──中橋が突如崩壊をいたしました。阪神高速道路北神戸線の有馬口を出て,有馬温泉に向かう道路であります。この道路の補修完成が事故から4カ月半経過した8月25日でありました。有馬温泉は神戸のブランドを掲げる代表的な観光地であります。道路が通行どめとなっていた期間は,まさにゴールデンウイークや夏休みという観光地にとっては1年で最も大切な時期でありました。地元の観光協会の皆さんに聞きますと,他府県などから来る宿泊客などは阪神高速道路の西宮山口インターを経由して訪れられます。つまりこの道路は通らないで大きな影響はなかったんですが,神戸市内を初め一般道でお越しのお客さんには大変大きな影響を与えたということであります。迂回路がわかりにくいという理由で苦情を多く伺ったとか,ひどい交通渋滞や道に迷ったということから,有馬温泉へたどり着かずに訪問を諦めたという地元経済にとっても大きな損失であったと聞いております。  このような橋梁は1度通行ができなくなると,市民生活の経済活動に非常に大きな影響を与えかねないわけであります。重要なインフラであります。そこで数点お聞きしたいと思います。  崩落後の対応について,今後の中橋の崩落について,建設局は道路管理者であり,安全な道路を構築することが使命であると認識していますが,あらゆる方法の中から最善の対策を実施したのか,仮設の橋梁による代替道路の建設など早期解決には他の方法もあったかと思われますが,観光地のことをどのように受けとめられ対応されたのか,局長の御見識をお聞きしたいと思います。  次に,橋梁の点検・補修についてであります。  常々,私は先ほど申し上げたように,高度経済成長時代につくった寿命が来た橋梁ですね,特に橋梁ですが,点検や補修の取り組みについてお聞きしたいと思います。  市においても,橋梁について,先ほど来申し上げておりますように,長寿命化修繕計画を策定し補修を進めているとのことであります。この崩落は防げたのではないか,これまでの橋梁の点検や補修についてどのような評価をしているのか。また,今後橋梁の防災にどのように取り組んでいかれるのか,御見解をお聞きしたいと思います。  とりあえず橋梁,いわば長寿命化についての質問はこれだけです。どうしましょう,もう全部申し上げてからにしましょうか。はい,では続けてまいります。  土砂災害対策のことでありますけれども,去年,広島でのあの土砂災害,非常に──テレビの報道でございますが,目の前にあのような形で悲惨な思いがいたしました。実は,六甲山というのは,まさに同じ状況の山であろうと私は思います。あの現場の状況を見て,地形とか,また土壌が我が六甲山に非常によく似ておるということで,井戸知事さんにもそのことも申し上げました。井戸さんも同じことを思っておったという意見を持っておりました。風化した花崗岩であり,地形的にもよく似た状況であったと思います。  そこで,土砂災害対策についてでありますが,頻発する災害に対応するためには,もう1度新たな視点で防災施設を検証し,市民の安全を守る施設整備が必要であると考えます。また,長田区の高取山においてもグリーンベルト事業で現在工事が進められているものを見ることができます。今,いつ始まって,いつ終わるのか,何ができるのか,広報もされておりません。市民を守るための取り組みであるにもかかわらず,地域住民にも知らされていないという感じがいたします。グリーンベルト事業の進捗状況や,これと連動した県や市の取り組みについての現状と今後の予定をお聞きしたいと思います。また,このような状況は地域の住民にどのように周知しているのか,あわせてお聞きしておきたいと思います。  次に,土砂災害特別警戒区域の指定についてであります。  土砂災害特別警戒区域,いわゆるレッドゾーンについては県が中心となり,指定についても調査を進めていくとのことであります。土砂災害から市民の命を守るためにも,市民にその危険性を正しく認識していただく必要があります。そのためにもレッドゾーンの指定を進めることも重要であります。他方,レッドゾーンに指定されれば,土地利用に制限がかかることから,市民は不安を感じることも確かであります。今後県がレッドゾーンの指定を進める中で,県任せではなく,神戸市も協力して取り組んでいく必要があると思いますが,市はどのような取り組みを行うのか,見解をお聞きしたいと思います。  土砂災害は,以上であります。  次に,六甲山の間伐材を利用した取り組みについてであります。  午前の委員の質問にもありましたように,神戸の六甲山──この神戸の特色はやはり六甲山の魅力が挙げられます。先ほどの話のように,災害という面で言えば危険な面もありますが,市街地の後背にある緑は市民に潤いを与えてくれる大変貴重な存在であります。六甲山の緑を次世代へ引き継いでいくためには森林の維持管理,整備が欠かせないということであります……。  失礼しました。委員長,済みません。  どこまで読んだかわからへんようになった。  広報こうべ10月号で,久元市長は木質バイオマスの活用について書かれておりました。こうした間伐材の利用を六甲山に係る人材の育成も含めたさまざまな施策とあわせて大きな計画の中で実施していくことが考えられます。  そこで,まず間伐材について,現在,市はどのように活用を行っているのか,また,森林を整備していく担い手の育成についてどのような取り組みを行っておるのか,そして,持続的に森林の整備を実施していくためには,公共事業だけでなく民間のその活力を発揮させることも必要であります。例えば木質バイオマスのエネルギー利用など,近年注目が集まっているところであります。こういった利用を行う民間事業者が事業を行える環境を整えていくことも必要であると考えますが,当局の御見解をお尋ねしたいと思います。(発言する者あり)  ようしゃべるなあ,よう聞こえるねん。  次に,広域幹線ネットワークの構築について。  大阪湾岸道路西伸部の整備の早期実現にあわせ,湾岸道路に接続していく神戸西部の道路整備を促進することが湾岸道路の整備効果を最大限発揮していく上で不可欠であります。そのためには神戸西バイパスの残りの区間についても整備を実施することが必要である。以前から計画されているものの,平成17年の道路関係の公団の民営化に事業スキームが変わり,現在は国の直轄事業として整備が進められているため,なかなか進捗していないのが現状であります。利用者に負担を求める有料道路の方式を活用し,早期に広域幹線ネットワークを構築し,渋滞緩和や経済活動の活性化等の効果がより大きくしていくべきだと考えます。そこで当局の過去の答弁では,国やNEXCO西日本への要望を実施していくとのことでありますが,現状はどうなっているのか,現時点での当局の評価と早期実現に向けた今後の取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。  それから,下水は1問しか用意しておりません,老朽管渠の更新についてであります。  4,000キロ以上ある下水道の管渠は,その多くが高度経済成長期に布設され,今後集中的に更新時期を迎えます。老朽化対策が大きな課題となっている今日,ライニング等の管更生も行いながら,改築・更新を進めていくということでありますが,さらに集中的に改築・更新を進めていくべきではないかと,改めて下水管の改築・更新をどのような姿勢で臨んでいくのか,お尋ねいたします。  以上です。 70 ◯末永建設局長 建設局の所管するインフラにつきまして,安全・安心の観点から御質問をいただいております。  私のほうからは,4点,御答弁をさせていただきます。  まず土砂災害対策のグリーンベルト事業,それからレッドゾーンの指定,それと広域幹線ネットワークの構築について,あと,老朽管渠の更新について御答弁を申し上げます。  最初に,土砂災害対策のうちグリーンベルト事業への取り組みでございますけれども,先ほど委員のほうからお話ございましたように,土砂災害の有識者会議におきましても,広島のああいった事例が神戸で起こっても全くおかしくないという御指摘をいただいております。六甲山系では,阪神大水害の翌年,昭和14年から75年以上にわたり国直轄で土砂災害対策が行われておりまして,県事業も含めまして神戸市域で570基の砂防堰堤が整備されているところでございます。近年,土砂災害が非常に頻発しているということで,国土交通省も六甲山系の対策に重点を置いておりまして,砂防堰堤を新設するという仕事に加えまして,現行の基準に合わせて既存の堰堤の補強を進めるなどの対策を強化しているところでございます。  一方で,阪神・淡路大震災後に六甲山系南山麓の斜面を公有地化した上で整備していくということで,六甲山系グリーンベルト整備事業という事業が国・県によって進められておりまして,震災後20年の間に1,229ヘクタールという面積の山麓部分の公有地化が進んでおりまして,工事化した後に斜面補強あるいは樹林整備が着実に実施されているところでございます。  平成27年度は,国が市内10カ所の斜面対策工事と樹林整備を予定しているところでございます。また,県のほうでも中央区で言いますと,中尾谷ブロックで用地取得あるいは樹林整備を予定しているところでございます。私どもの局におきましても,市有林の危険渓流15カ所につまして調査を行いまして,危険な箇所については小規模ではありますが,谷どめ工の設置など必要な対策の計画を今後していきたいというふうに思っております。  個々の事業に際しましては,地域へ事業調整あるいは事業説明といったことにつきましては,国・県が個々にやっておりますが,私どもとしましても事業が円滑に進むように地域の要望に関する連絡調整なども含めまして,国・県との積極的な連携に努めてまいりたい,これは継続してまいりたいというふうに思っております。  また,広報活動で言いますと,毎年6月に毎年土砂災害の防止月間というのがございまして,その街頭のキャンペーン,それからまた6月28日,ことしにつきましてはグリーンベルト事業の20年間の取り組みを発信する機会として,六甲山サミットということを開催しておりまして,市民への広報にも取り組んでいるところでございます。  いずれにしても,今の施設についての検証,それからハード対策の推進を引き続き国・県に要望してまいりたいというふうに思っております。  御指摘の長田区の高取山のお話をいただいております。もう1度国土交通省のほうにはその広報のやり方等について課題がないかどうか,我々のほうからも申し入れをしたいというふうに思っておりますし,ちょっと国・県,それから市ということで事業主体が分かれているということで,少し地域のほうからわかりにくいなといった御指摘もいただいておりますので,これは我々自治体の役割として,土砂災害に対する意識啓発でありますとか,地域への周知も含めまして努力をしてまいりたいというふうに考えております。  続きまして,レッドゾーンの指定でございます。  現在,土砂災害の警戒区域ということで,特別警戒区域は現在指定されております土砂災害警戒区域──イエローゾーンの中から土砂災害が発生したときに住民に著しい危害が生じるおそれのある区域として指定されるものでございます。これは,地域の危険性を正しく認識するということで,早期の指定が必要であるというふうに我々も考えておるところでございます。  指定の進め方でございますが,現在,神戸市におきましては,兵庫県によりますレッドゾーンの指定はなされておりません。県はおおむね5年程度でレッドゾーンの指定に向けた基礎調査を完了するということを目標にしております。今年度後半から順次調査に着手いたしまして,指定を進める予定というふうに聞いております。現在,調査箇所の選定あるいは地域住民への説明方法などにつきまして,建設局といたしましても県と調整を進めているところでございます。  指定の具体的な手順としましては,あらかじめイエローゾーン内の住民の方々に調査をしますよということをお知らせをします。そして調査後にその結果を説明した上でレッドソーンが指定されるということになる,そういう予定でございます。  指定されますと,一定土地利用につきまして規制がなされることになりまして,まずその1つ目としましては,住宅地の分譲あるいは学校・医療施設等の特定開発行為につきまして県の許可が必要になると。それから2つ目は,やはり土砂が崩壊したときに,衝撃がかなり生じるということで,構造が安全であるかどうかということを建築確認の際になされるということで,居室を有する建築物の新築・改築時にそういった審査がなされるということでございます。  御指摘のように地域住民の方がいろいろこれ心配なさらないように,レッドゾーンの趣旨でありますとか,基礎調査の方法とか結果,それから先ほど申し上げたような規制の内容,それからその中で移転される場合は支援制度なんかもございまして,こういったことについては県とともに丁寧に対応していきたいというふうに思っておりますし,今後,土砂災害防止法の趣旨からいいますと,早期にレッドゾーンの指定が必要であると,これはもう住民の生命を守ることが一番の目的でございますので,そういった視点から重要だというふうに考えております。  こういったことにつきまして,市の広報紙あるいはホームページ,そういったことを通しましてしっかりと情報提供,広報活動をしてまいりたいというふうに思っております。指定が円滑に進むように積極的に神戸市としても支援・協力をしてまいりたいというふうに考えております。  3点目でございますが,広域幹線道路ネットワークの構築,特に神戸西バイパスの区間ということでございまして,非常にこの神戸西バイパスというのは神戸市の西部の人・物の交流を支える広域幹線道路でございます。平成10年4月に本市関連道路が供用したときに,全長12.5キロのうち垂水ジャンクションから永井谷ジャンクションまでの東区間5.6キロが供用しております。  御指摘のように,旧日本道路公団によりまして有料道路事業として整備がなされてきております。現在,残りの永井谷ジャンクションから石ケ谷ジャンクションまでの西区間6.9キロについて,国土交通省の直轄事業ということで進められておるところでございます。これにつきましては,神戸市も費用の3分の1を負担しております。  現在事業が進められているわけでございますが,既に供用した区間からいいますと,もう10数年放置されているということで,用地取得した部分がフェンスに囲われまして放置されているということで,市民の方,地域の方から一体どうなるんだという声もいただいております。そしてまた,残事業費が約500億円ということで,国の予算が毎年3億円ぐらいでございますんで本当に見通しが立っていない状況でございますので,これまで我々のほうは早期に整備効果を発揮させるということが大事だということで,有料道路制度を活用することが不可欠ですよということを申し上げてきております。そういうことで有料道路の事業化に向けましては,昨年度より国土交通省,それからNEXCO西日本,兵庫県と議論を進めておりまして,しっかりと議論をしているところでございますが,その中での課題といたしましては,料金のあり方,いわゆる高速道路の料金のあり方と整備財源の確保,この2点について課題が挙がっておるところでございます。  高速道路の料金のあり方につきましては,他の全国の高速道路もそうでございますが,国土交通省の方針といたしまして,距離に応じた料金をとるということが妥当だということで,対距離料金制に移行することが基本的には示されておりまして,このことから神戸西バイパスの整備に伴って,第二神明道路も対距離料金に見直され整備財源を確保されるという方向で進むものというふうに見込まれておりまして,神戸市といたしましても,このような方向でやはり進めるべきではないかというふうに考えておりまして,今積極的に議論に参加しているところでございます。  また,料金見直しに当たりましては,現行均一料金でございまして,これは距離に応じて距離の長いほうが料金が上がるわけでございますが,利用者にとって短区間の値下げ,あるいは環境に配慮した料金,これをいかにすべきかということで柔軟な対応を議論の中では求めているところでございます。  今後,市会を初め早期事業化に対する期待の大きさを実感しておりまして,有料道路制度による早期事業化を目指して頑張っていきたいというふうに考えております。  最後に,下水道の老朽管渠の更新について御答弁申し上げます。  汚水管渠の改築・更新の基本計画の中で,市内にあります約4,000キロの汚水管のうち,いわゆる鉄筋コンクリート管約2,500キロメーターにつきましては,耐用年数が最大80年と見込みまして,耐用年数以内に改築を行うという汚水管渠の改築・更新基本計画を平成22年度に策定いたしております。管渠の劣化の進みぐあい,あるいは重要度を考慮した上で,年ごとの事業量の平準化を図りながら,平成23年度から50年間で約3,000億円の事業費で計画的に改築・更新事業を進めてまいりたいということにしております。これまでに三宮・元町・兵庫駅周辺を中心に約200キロの改築が完了しております。  現在,最新の調査結果を反映いたしまして,今後優先的に改築工事を行うべき地域を選定した平成28年度からの次期5カ年の実施計画を策定しているところでございます。さらに,事業をより効率的・効果的に実施するために,日常の維持管理で把握したふぐあいを生じているようなところのデータを蓄積して解析するシステムの構築もあわせて進めておるところでございます。  いずれにしても,今後の対応といたしまして,平成28年度からは老朽化の進行に着実に対応するために,年間の事業量を現在の約25キロから約45キロに加速していきたいというふうに思っております。それに要する財源を確保するために国への要望活動も強化しているところでございます。また,こういった仕事をやっていただく民間企業に対しまして,今後ふえていく事業量を公表して必要な準備,あるいは必要な機材購入,あるいは人材の確保を促していきたいということで,業界の育成も進めてまいりたいというふうに思っております。  陥没とか,そういったことが起こらないように,市民生活を支える下水道管渠を健全に維持していくため,最大限に努力してまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。 71 ◯林建設局防災部長 私のほうからは間伐材についてお答えさせていただきたいと思います。  六甲山の森林整備戦略では,委員の御指摘の森林の維持管理を進めるために,総合的な施策でございまして,森林発生材の活用や人材の育成についても整備とあわせて取り組みを進めておるところでございます。  発生材の活用につきましては,平成24年度からさまざまな観点で検討を進めてまいりました。六甲山は林業を主体とする森林ではございません。森林の保全のためにとった木を小規模でも有効に幅広く活用していくことを検討しているところです。  具体的には,現地での土どめ利用に加えまして,下水のバイオマスでの試験利用,あるいは六甲山の中でのまきボイラー,ストーブ設置の検討の試み,昨年度では間伐材を活用したベンチや木工製品の試作などでございます。また,今年度では,神戸市公園緑化協会と連携をしまして,民間事業者や市民と一緒に木材の活用方法を考える取り組みを始めたところでございます。また,このような取り組みを市民にアピールするために,木工製品に六甲山の間伐材であるということを示すマークをつけるというようなこともやってございます。  発生材の活用に向けまして,いろいろ試行をしているところではございますけども,引き続き民間事業者等と連携をしながら,六甲山ブランドの形成につながるデザイン性の高い製品の開発など,今後の検討を進めてまいりたいと思います。  それから,担い手の育成についてでございますけども,六甲山は林業主体の森林ではないということで,専門の事業者やあるいは森林組合が存在しません。そのため,建設局では森林整備に必要な技能を習得し,森林ボランティアとして活動してもらうための「こうべ森の学校」を平成15年度から実施をしております。平成26年度では延べ約2,500名の参加を得ておるところでございます。また,森林整備戦略の作成に当たりまして,事業者の育成を目的に市内の造園業者等78社の参加のもとで,森林整備作業の講習会を開催しております。このほか兵庫県立大学の私有林に関する調査あるいは体験学習など,大学と積極的に連携をし,若い世代が六甲山にかかわる機会の創出にも努めておるところでございます。引き続き市民ボランティア,市内造園業者及び大学連携等によりまして,六甲山の森林を整備していく担い手の育成に努めてまいりたいと思います。  さらに,民間事業者の活用についてでございますけども,御指摘のとおり木質バイオマスが注目されているのはそのとおりでございまして,岡山県の真庭市でございますとか,県下でも朝来市などでも取り組みが始まっているというところでございます。建設局では,まきボイラー,ストーブといったこの小規模な木質バイオマス活用の実現の可能性など,六甲山の特色に合った発生材の活用方法について,関係局と連携をして検討は進めております。  今後,新たな活用方法を開発するために,林業,製材業,あるいは木質バイオマス事業者,木工デザイナーなど,事業者の方々に事業の可能性や事業を行いやすい環境など,ヒアリングを始めていくということも重要であると考えてございます。そのような結果も踏まえまして,六甲山にふさわしい発生材の活用方法について,関係部局と連携し検討を進めていきたいというふうに考えております。  以上です。 72 ◯油井建設局道路部長 私のほうからは,橋梁の長寿命化修繕計画について回答させていただきます。  4月4日に発生しました宝塚唐櫃線の中橋の損傷によりまして,阪神高速の北神戸線の有馬口ランプから有馬温泉方面に向かう区間が8月25日まで通行どめになりました。委員からお話がありましたように,市民の安全・安心を守っていくのが建設局の大きな役割だと思っておりますが,4カ月にわたりまして御不便をおかけしたことについて,まことに申しわけなく思っておるところでございます。  宝塚唐櫃線につきましては,有馬温泉の主要なアクセス道路でございまして,早期に復旧することによって観光への影響を最小限に抑える必要があるというふうに考えております。  現地は山と川に挟まれておりまして,片一方が急峻な山,片一方が川という状況の中で,早期復旧に向け,いろんな工法について検討して,工期を短縮するようなさまざまな検討を実施させていただきました。具体的に言いますと,仮橋橋梁の設置でございますけれども,現場の条件によりまして工事が大規模になると。また,この周辺が土地の所有者が民有地ということで,その土地の所有者の了解に時間を要するということが見込まれましたことから,仮橋については困難と判断しました。次に,復旧工法の検討に当たっては,もともと橋梁でしたから,橋梁形式に復旧するということでいきますと,橋の橋台からつくって上部工かけるということで1年ぐらいかかるということで工程を出しまして,やっぱりそれだけの工程がかかりますので,大幅な工期短縮が図れるボックスカルバートという,コンクリートのロの字した構造物でいくということで,工法を採用いたしました。採用に当たっては,プレキャスト製品を使用できないかどうか,全国のさまざまな民間事業者に確認を行ったんですけれども,現場の条件に見合うようなものがなかったということで,最も工期が短縮する現場地の復旧工法を採用してございます。  観光に与える影響をやはり建設局としても最小限にするために,通行どめの発生直後より有馬温泉観光協会には小まめに情報を提供しまして──若干市内の観光客が混乱したという話もございましたけれども,観光客が混乱しないような丁寧な対応を観光協会のほうでは実施していただいたというふうに聞いてございます。  建設局では,有馬温泉へスムーズにアクセスできるように,例えば道路沿いに周辺道路への迂回の看板であるとかホームページでも出してましたし,また誘導員を適宜配置したりして対応させていただきました。また,委員の御紹介もありましたけど,北神戸線においては有馬温泉へは西宮山口南出口へということの横断幕であるとか路側ラジオ等を用いて案内を実施しまして,これらのことにより観光地への影響を極力配慮させていただいたということで──最善の対策を実施したのかということでございますけれども,建設局としてはいろんな観点から検討しまして,最善の策は実施させていただいたかなというふうに考えているところでございます。  次に,橋梁の長寿命化計画ですけれども,建設局が管理している橋梁については全体で2,150橋ございまして,平成20年に橋梁の長寿命化修繕計画を策定して,予算の平準化とコスト縮減を図っておりまして,第1期が平成20年から平成24年,この間に約14橋の補修を完了しています。この結果,早急にかけかえや大規模修繕が必要となったような主要幹線道路の橋梁の補修が完了したということで,現在は平成25年に策定しました第2期計画に基づいて平成25年よりまた5カ年で長寿命化計画を作成して,それに基づいて補修を進めているところでございます。  中橋につきまして崩落をしたということで,長寿命化計画についての点検をしておったんですけども,中橋についても平成23年1月に点検を実施しておりましたけれども,その時点では大きな損傷が確認されていなかったという状況でございます。ただ,中橋については,建設年次が昭和33年ということで非常に古い橋でございまして,また橋台が河川の石積みの護岸の上に乗っているというような簡易な構造物でありまして,昨年の8月など近年の集中豪雨で河川護岸が徐々に洗掘をされていって,その結果,橋が損傷に至ってしまったという状況だというふうに考えてございます。  そういった中で,点検に対してやはり今まで予防保全の考え方に基づいて計画的に修繕を実施してきたということからすると,中橋の話はございますけれども,トータル長寿命化計画については有益であったというふうに認識してますが,中橋のような橋梁が神戸市内,ほかにもございますので,そういったことが起こらないように同様の橋梁109橋について緊急調査を実施して安全を確認しているというところでございます。  今後,やっぱり橋梁の構造特性──先ほど言いましたような護岸の上に単に乗っているような,そういったいろんな構造特性にあわせた点検を行っていく必要があるというふうに考えてございます。橋梁については委員からの御紹介もございましたけれども,道路法の改正によって平成26年度から近接目視の点検という格好になってまして,定期点検が義務化をされております。この点検方法では打音調査を併用してございまして,それらを併用することによって構造特性に応じた部材の細かい損傷が確認するということができるようになってございます。建設局では,法改正が平成26年度からなんですけども,それより1年早く先行的に平成25年度より順次近接目視点検を実施しておりまして,主要幹線道路については平成28年度中に,その他の道路については平成30年度中に完了する予定でございます。  これらの点検結果に応じて,随時緊急補修や計画の更新,また適切な維持管理,補修を行っていきたいと考えてございますが,委員からお話ありましたように,この事前防災の例えば補修であるとか近接目視点検については国費の導入が可能ですので,極力国費を導入して計画的にこれらの点検・補修を進めてまいって,市民の安全安心の確保に努めてまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 73 ◯分科員(浜崎為司) 大変橋梁といってもいろんな種類があるんですね。それぞれの特性があるみたいで,そういった数ある中でのそれぞれの安全性を考えんといかんというのは,本当によくわかりました。  今の計画的に2,150の橋を29年度までに完了するというお言葉を信じたいと思います。ただ,今の情勢からいいますと,何がどんなことで橋梁が落ちるということになるかはわかりませんが,これも皆さんの御努力で防がんといかんと思いますんで,ひとつ今後とも鋭意努力をしていただきたいと思います。  それから,土砂災害でございますが,昭和13年,そして昭和42年,六甲山の特性の鉄砲水が出たんですね。このせいで各河川が氾濫し,市街地が土砂に埋まったという我々経験を持っておるわけでございまして,もちろん私は13年は知りません,42年はまだ学生になったとこなんで,覚えております。ですから,この六甲山というのはいつ荒れるやわかりません。いつ荒れるかわからないものを抱えて,建設局の皆さんは日夜頑張っていただいとうわけですけども,どうも今の話を聞いておりますと,計画計画と言って計画倒れになっておるんと違うかなと。結局,お金がないということに対しての言いわけになってしまいますね。国の予算はどうか,これはもちろん国の予算でカバーしてもらわんといかんわけですから,よくわかります。しかし,その年数の年度計画を着実にやっていくというのが我々の努力の成果だと思うんで,できるだけそういう国も頼りにせんといけませんが,鋭意我々の市の中で解決せんといかん問題がたくさんあるんじゃないかなと思うんですね。  そこで,山が荒れますと,海が疲弊します。これはもう当たり前の話で何も神戸だけの話ではありません。ただ,神戸の特性は山が近くにあって,急峻な山なんですね,で,海へ流れてしまう。途中の平野というのがないわけで,そういう中でいかにこの六甲山の緑を,まあ言うたら養っていくのかということが大きな課題ではないかなと思うんですね。  先ほど来の御説明にありましたように,六甲山の緑の保全といいますと,どうも今お聞きしておりますと,言うちゃ悪いけどちゃちなんですね。思いませんか。バイオで何とか,そんなん初めから分かっとう話でね,太陽光を使った発電,これもはっきり言ってなかなかそんなに期待を持てる電源ではないです。やっぱりそういう中での今開発している下水も組んでバイオ燃料をつくっていくということに関しての間伐材のチップとか,もっともっと大々的に,まきストーブでどやという話やなしに,本当の意味での発電にそれを活用できるような発想ができないのかということを思われるかどうか,そのお尋ねをしておきたいと思います。 74 ◯林建設局防災部長 我々も六甲山のこの間伐材の利用というのは非常に重要なファクターだと思っています。こういうものが活用できればその収益をまた森林整備に還元することもできますし,環境にも貢献できるということがあるでしょうし,またそういうものがなりわいとなれば,市内の事業者みたいなものを育て,雇用も創出する。要するに波及効果が大きいものだと思ってまして,間伐材の活用──発生材の活用は非常にそういう意味では重要なテーマだなとは思っています。  ただ,この間伐に際して出る量というのはやっぱり限りがあるということが1点,それからやっぱり地形が急峻ですので,出すのにコストがかかるという制限がどうしてもかかりますので,そういった枠の中で今申し上げたような形をどう実現するかというのが非常に難しい課題だというふうに思っています。そのためにいろいろトライはしているわけでございますけども,視点としてはそういうものを持ちながら,どういうことができるかどうかというのはやはりもう少し検討を進めていくなり──各局と連携しながらですけれども──いうことが必要かなというふうには思ってございます。  以上です。 75 ◯分科員(浜崎為司) 言わんとするところはよくわかるんですけども,何分にも六甲全体を見てるんかなという思いが私はするんですね。結局,林さん,防災面での発想をよくなさると思うんですね。しかし,それではせっかくのこの六甲山を本当に生かし切れてるんかなと。  実は,私ね,あるひょんなことで知り合った業者がおります。私は知らなかったんですが,兵庫県の中でも森林組合のない都市,もちろん神戸もですけども,組合に入っていないところが多いんですね。芦屋もしかりですし,西宮も,奥の三田ですか,あっちにも森林組合がないんですが。僕もええそうかなっていう思いがいたしました。ということは,森林組合要らないんですかね,こういう町なかのその山というのは。私はそうやないと思うんですね。やっぱり森林組合があり,森を育てるという気構えがその行政とのコラボレーションにかかわってくるんと違うかなと,私はそう思います。農業に対してはすごく皆さん理解を持って,農業の取り組みをやっておるわけですが,山に対してはそんな思いが余り見られない。  あんまり個人名を言うちゃいかんので言いませんが,三代ほど前の消防局長さん,ボランティアでね──今さっき言うたように,ボランティアで間伐材の伐採に行きよりましたよ。私,よう存じ上げてます。でもやっぱりね,ボランティアでそんな山を守りできますか。私はそれが不思議なんです。  170年ほど前に,神戸港が開港する前に,六甲山いうのははげ山だったんですね。何でやいうたら,まきをとる山でしたから,全部まきをとられてしまったと。そこで,いろんな災害,山津波が起こりよったわけですから,この歴史をちゃんと踏まえた対策を早くやっていただけないかなというのが,きょうの私の質問の趣旨なんで,間伐材については植林も大切なんですよ,間伐材だけ切り出して持ってこなきゃいけないという話ではないんですよね。植林をするとなったら,何が要ります。やっぱり獣害なんかも考えなあかんわけですね。獣害は私とこ関係ないんですと,産振局ですというようなお答えが出てくると,私にとったら何を考えとんかなと,六甲山というのはまさに神戸の財産ですよ。産振局に獣害なりを任せておったんではこの山もたないと思いますね。  それと,もう1つは,松くい虫とかナラ枯れなんかの木材の被害,これもやっぱり山全体から見ると大変疲弊した山なんですね。これを防いでいくというのは何やいうたら,まさに緑を保つために間伐をちゃんとして,きれいな山をつくっていかなければいけない,というところに早く手がけていただけないかなと,私はそう思います。間伐材は簡単に切れます,しかし,持ち出してくるのは林道が要るんですよ。やっぱり皆さんの仕事なんです。林道をつくるのはどこですか,建設局でしょう。堰堤つくるんもそうでしょう。だから,いろんな意味で,まさに建設局がこの六甲山と取っ組み合いをせんといかん場面がたくさん出てくると思うんですね。大きな災害が起こる前に,何とか早いことそれと取り組んでいただいて,今後ともそういったすばらしい山にしていただきたいと思います。  それと,広域幹線ネットワークなんですが,先ほど御説明の中にございました。有料道路の手法はいろいろとあると。しかし,有料道路をやるについては,いろいろと他に及ぼす影響というのを考えられておるんだろうと思います。しかし,道路というのはやっぱり利用者が負担するべきですよ,僕は基本的にはそうやと思います。そういう意味では,道路網をつくる上に国の予算もさることながら,皆さんに──通行する車の所有者に負担を応分にしていただくという考え方を持っていただかんと,決してこの事業は早く前倒しでできないと思います。さっきお聞きしておりますと,何ぼ,5,000億,何ぼやったかな,何億言うたかな。(「500」の声あり)
     500,国からの毎年の予算が3億,そんなんで何年かかりまんのん。それでは済まんですわ。やっぱりね,我々は早くから湾岸線西伸線を早くやってほしいと。これやったって一緒なんですよ,西バイパスが整備されてこんことには,本当の意味でのネットワークができ上がらんわけですから。おかげさまでほぼ湾岸線についてはめどが立ちそうです,まだ立ってませんよ,まだ国はなかなかしぶとい,神戸市が幾ら持つんやというような話がまだ出ようわけですから,そういった中でやっぱりネットワークを整備していく上では,西バイの有料化,シームレス化と言うんですか,料金を一律にやっていくという考え方を持っていただかんと,なかなかこの話は進まないんではないかなと思います。  この経済の発展をまさに担っておるのがこの広域幹線ネットワークということでありますので,ここにひとつどういうお考えなんか,もう1度お尋ねをしたいと思います。 76 ◯末永建設局長 神戸西バイパスにつきましては,本線部分,いわゆる高架部分が有料道路事業としていわゆる高速道路として機能すると。その横には側道ということで,今無料の道路が横を走っております。各地区にインターができますので,高速の高架部分に乗りおりできる部分ができますので,沿道サービスも非常に広がるんではないかと。そういう意味では,有料道路と無料道路があわせてでき上がる形になっていくのではないかなというふうに──そういったところを目指すために利用者の方には応分の距離に応じた負担ということが必要ではないだろうかということでございます。  シームレスというお話をいただきましたが,今,料金体系が国土交通省のほうではシームレス,いわゆる継ぎ目のない,各管理者ごとにいわゆる料金の格差がないような形で料金施策を統一するというような方向にございまして,首都圏と阪神圏でいきますと,首都圏につきまして先ごろニュース報道もございましたけれども,距離料金に応じて各管理者,特にNEXCO系の道路,それから首都高速道路,こういった料金体系をシームレスにするということで距離料金が示されたところでございます。そういった方向で首都圏のほうが1年早いわけでございますが,首都圏が28年4月1日から導入されると。それから阪神圏については29年度当初の料金体系になるというようなことでございまして,我々も国と地方の検討会という場がございまして,いろいろ議論をさせていただいてますので,そういった中でこの実現に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えております。 77 ◯分科員(浜崎為司) ありがとうございます。ほんわかと前が見えたような御答弁をいただけたと思います。  最後に,下水のことについて,もう1つお尋ねをしたいと思います。  下水道の普及については,神戸は普及が早かったですね。なぜこれできたんかといいますと,そのころの市長さん,また先輩の議員が思い切った手を打ったんですね。何や言うたら,借金したんですよ,起債で工事をやっていったということを私は聞いております。  そこで,こういった大規模な一遍にやりかえていかなければいけない──さっき局長の話でしたか,70年がコンクリート管の寿命ですか。いや,ちょっと僕,70年と聞こえたんで,思うんですけど,大体コンクリートなんていうのは50年が限度ではなかろうかなと思うんですね。先ほどから橋梁の話にしましても,経済成長の激しいときに,ああいうコンクリートづくりのいろんなものをつくったわけで,それがいよいよ今寿命が来とるわけで,この下水にしてもそうだと思います。それから,計画の上でいろいろと年次計画を立ててやっていかれようとしとるんでしょうけども,やっぱり何というたって予算の話ですから,その辺の思い切った手を打つのか打たないのかというのをお尋ねしたいと思います。 78 ◯畑建設局担当局長 先ほど局長のほうから御答弁させていただきましたのは,70年ではなしに80年──最大80年は持つだろうということで80年以内にやりかえれば,下水の機能はきっちり維持できるというふうに考えています。  ただ,昭和40年代に宮崎市政でそのとき一気にやったんですが,年間に200キロを超えるような量をそのときにたった7年でやってますので,それを今一気に改築・更新することは非常に財政的な負担になります。ですから,それを平準化して,80年以内に全部やってしまおうという計画を立案させていただいております。  ただ,当時,起債でやりましたんですが,今は起債だけでやるということは考えてません。やはり最大限国の補助の制度を活用いたしましてやっていく,市民負担をできるだけ抑えてやっていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 79 ◯分科員(浜崎為司) いやいやありがとうございます。実は,私も同じ思いをしております。やっぱりね,あのころの社会情勢がその起債を許したんだろうと思いますよ,でしょう。全くない──完備してない,普及していない下水道を一気にやり上げんと,いわば不公平です。どこに住んどったって,市民は市民ですから。その考えからいうと何区におったって,同じ文化的な生活を営めるというのが大事なことなんで思い切ってやれた──その時代の市民感覚から言うたらやれたんだろうと思います。でも,今はそんな必要ありません。すばらしい皆さんの英知を結集して,年次計画を立ててやっていっていただけたら,それには市民の,まあ言うたら,不都合が起こらないということで,それが前提のもとに私は言っておりますんで,どうぞこれからも御協力いただけたらと思います。どうぞよろしく,終わります。 80 ◯主査(新原秀人) 浜崎委員,お疲れさまでした。  次に,大澤委員,発言席へどうぞ。 81 ◯分科員(大澤和士) それでは,公明党,大澤でございます。よろしくお願いします。  質問に入らせていただく前に,建設局の皆様には常日ごろから市民の安心・安全,そして生命と財産を守り,まちの魅力アップに取り組んでいただいております。道路あるいは橋梁,公園や歩道の整備,また防犯灯,道路ミラーの設置,さらに防災・減災のための取り組みでは道路ののり面,擁壁のがけ崩れ対策,あるいは二級河川等の沿道沿いの空洞調査,さまざま市民生活に密着した取り組みをしていただいております。これも待ったなしの緊急事態にも現場第一で本当に迅速かつ的確な対応をしていただいております。局長初め特に各建設事務所長,担当課長,係長さんには心から改めて感謝を申し上げまして敬意を表したいと存じます。前置きはこれくらいにいたしまして質問に入らせていただきます。  まず,防災部の仕事の成果についてお伺いをしたいと思います。  昨年度の決算特別委員会で我が会派より防災にかかわる部署を1つの組織として位置づけをして,常日ごろから災害を意識できるような体制づくりについて提案をさせていただきました。当局においても検討がなされ,平成27年度から建設局に新たに防災部が設けられました。これは近年の自然災害が予想をはるかに超える被害をもたらしている現状を鑑みて,予防対策の強化を図るという位置づけもあり,市の決断を高く評価をしておるところであります。  このような中,平成27年7月の台風11号では,昨年と同様,六甲山の表六甲ドライブウェイ及びその周辺でのり面の崩壊事故が発生をいたしております。昨年の台風11号と比較すれば,それほど大きな被害ではなかったということでありますが,防災部設立半年での台風被害に対して新たな組織がどのように機能し,思いどおりの対応を図られたかどうかという点について,局長の評価をまずお伺いしたいと思います。 82 ◯末永建設局長 防災部につきましては,27年4月から発足をさせていただきました。役割といたしましては,局内での防災対策及び事業の総括的な推進,それから国・県の防災部署との連絡あるいは調整でございます。治山・治水あるいは砂防,それから宅地の安全対策,そして六甲山の保全などハード施策の推進を目的に発足したわけでございます。  本年7月の台風11号による有事の対応,それから防災部がなかった昨年8月,同じ台風11号でございますが,これと比較いたしまして,3点の効果があったんではないかというふうに思っております。まず1点目が防災課と各建設事務所との間──これ水環センターも含むんですが──の間で被害情報が錯綜することなく集約することができたと。そして,市民に通行どめなどの情報を迅速に発信できたのではないかというふうに思っております。  それから2点目が国や県の防災部署との連携によりまして,山腹の崩壊など市民からの通報に対しまして,これらの機関へ機動的な出動あるいは対策を要請することができたんではないかと思っております。  3点目が山地や宅地など,さまざまな被害の復旧方針を決定する際に防災部が総合的な視点で対応し,復旧に素早く着手することができたということで,防災部の組織化によりましてスピーディーな指示伝達,あるいは情報共有,それから意思決定ができて,いわゆる防災対応能力が高まったという点で一定の成果が得られたというふうに考えております。 83 ◯分科員(大澤和士) まさに災害対策に必要なスピードという点,それから情報の共有,さらには意思決定という本当に災害時の一番重要な課題に対応できているということで,大変よかったなと思います。  また,防災部の組織の役割として2つあると聞いております。1つは,有事の際の総合的な対策を行うことであり,もう1つは,未然に事故を防ぐ取り組みというところを強化するということであります。  そこで,事故の未然防止対策についてお伺いしたいと思いますが,道路の陥没あるいは街路樹の根上がり等々で走行中の車両に損傷を与えたり,また歩道の段差によって通行人の人々が転倒したり,そういったことの事故が頻発しておりまして謝罪・補償金の支払いが後を絶たないというふうに聞いております。市民が一歩外出すれば公園,道路,そして河川,山などそれぞれの多くの公の資産の所管が建設局であるということでありますので,事故を全くなくすということは不可能であると思いますが,少しでも多くの事故を防ぐという防災課をつくられたということでありますので,やはりその成果が求められるのではないかと思います。この点についても組織を設けて半年が経過したということで,その取り組みについての成果もお伺いをしたいと思います。 84 ◯末永建設局長 御指摘のように,未然にそういう施設に起因するような事故を防止するという非常に大事な視点でございまして,いわゆる施設に起因して管理瑕庇を問われるようなことがあったらいかんということで,常日ごろから我々肝に銘じているわけでございます。  従来から建設事務所など各職場が予防措置を講じております。それに加えまして,今年度から防災部が総括的な立場から予防策を強化しております。具体的には建設局の職員約1,100名ございますが,道路部に所属しておっても平日,休日問わず,管理する施設,例えば公園の施設でたまたま行ったところで,これちょっと悪いなあといったふぐあいを発見したら担当部署にすぐ通報するといった職員エブリデーチェックと呼んでおりますが,そういった発見,通報,そしてそれが未然に事故防止につながるような取り組みの強化をしているところでございます。  また,先ほどもございましたが,いろいろ道路・橋梁が傷んでいるというようなことで,事故発生したということであれば,一斉に点検を指示するとか,あるいは職員への研修の充実といったことをやっておりまして,管理瑕疵の低減に少しでも寄与できるように──つなげるように頑張っておるところでございます。  以上でございます。 85 ◯分科員(大澤和士) まさに今,職員の皆さんがエブリデーチェックということで頑張っていただいているということですが,冒頭にも申し上げましたけれども,市民からいろんなそういう危険な箇所の状況が相談として上がってくるわけですけれども,本当に迅速な的確な対応をしていただいておりますので,その点もこれからもしっかりと取り組みをしていただきたいと思っております。  次なんですが,防災・減災の取り組みということで,先ほども申し上げました7月の台風11号,市内各地で大きな被害を及ぼしましたけれども,今回の補正予算でその復旧に18.5億円,そして昨年も災害復旧のために12億円を要しております。このような状況の中で,市民の安全を守るために,また限られた財源をより有効に活用するために,このような頻発する自然災害に対する対応について,よりよい対策を──施策を講じていく必要があると思います。  そこで2点お伺いしたいんですが,道路ののり面崩壊時の対応についてであります。  道路ののり面の崩落時の復旧については,のり面が民間所有の場合,復旧は所有者が行うというのが原則となります。しかし,復旧には膨大な費用がかかるために復旧が進まない,こういうケースもあります。一方,民間所有であった道路ののり面崩落時に神戸市が所有者から土地を寄附受けをして,復旧を行ったケースもあると聞いております。このように民間所有ののり面崩落時の対応基準については,明確でないというのが現状ではないでしょうか。ということで,まず,民間所有ののり面崩落時の対応基準というものを明らかにしていただきたい。その上で民間所有ののり面崩落について,神戸市が復旧の工事を行うことのできる制度として運用をしていただきたいということで考えますが,いかがでしょうかという点。  それから,もし神戸市が復旧工事をすることができないということの判断をされるのであれば,その判断の理由について明らかにしていただきたいと思います。  以上です。 86 ◯末永建設局長 非常に最近の気象特性の変化に伴いまして,道路の──強雨が発生したことによりまして,我々が所有する敷地内,あるいはそれが民地のほうに及んで被害が増大するといった事例,例えば先ほどお話ございましたように排水の問題でそういったことが助長されると,そういったケースもございます。  御指摘のように,所有者がお持ちの土地については基本的にはその所有される方が復旧を行っていただくというふうに考えております。しかしながら,道路というのやはり公共性もございます。例えばそこが通れなければ非常に市民生活に甚大な影響が及ぶといった場合もあります。道路の安全な通行を確保するというような観点からいいますと,民地であっても土地を所有される方と協議の上,復旧を行うケースがありまして,復旧については大きくは応急の仮復旧,それから本復旧といったことがあるというふうに思っております。  応急の仮復旧につきましては,被災直後に早急に車両や歩行者の通行を確保するという意味で道路上に堆積した土砂を除却したり,あるいは土のうや仮の矢板を仮設的に設置すると,そういった応急的な対応があるというふうに思っておりまして,これについてはやはり積極的に民地から流れてきた部分についても撤去をして通れるようにするというようなことになるかというふうに思っております。  そして本復旧についてでございますが,やはりその箇所ごとに土地の所有形態,権利関係もさまざまでありますし,箇所ごとの道路に接する条件等も違います。したがいまして,一律的な対応基準を設けてこうだということで対応することは適切ではないんじゃないかというふうには思っておりますが,しかしながら,1つは対応の基準というより目安といいますか,そういった観点からいいますと,雨が降って再度道路に被害が及ぶというような想定される箇所であること,あるいは今買収といった話がございましたが,やはり工事をすることについて所有者の方が施工承諾を得られるといったようなこと,それからまた将来もその部分を道路の区域として管理するということが望ましいといいますか,道路の区域に編入することができるといったことが条件といいますか,1つの基準といいますか,そういったことをクリアできれば,いろいろさまざま条件はございますが,本復旧工事を実施することができるんではないかなというふうに考えております。  また,道路管理者以外の復旧方法等もございまして,道路管理者として復旧ができない場合──対応が難しいといった場合には,県の砂防事業あるいは急傾斜地事業,それから治山事業,こういう単独事業もいろいろあります。個人の方々の負担が極力少なくなるような形で実施できるものもございますので,そういったことを積極的に働きかけておりますので,そういったことを利用していただく,あるいは民間宅地の復旧に向けて融資制度を御紹介すると,それぞれの現場に対応したような対応方法といったようなことがあるかというふうに考えております。  以上でございます。 87 ◯分科員(大澤和士) かつて阪神・淡路大震災のときに,20カ所を超える民有地の公道のり面が崩壊をしました。これを市が復旧した実績があります。阪神・淡路大震災の復興の記録によると,民有地たる公道のり面を市に寄附する,すなわち公共帰属を前提に当時2億円を超える公費を充てて工事をしております。このことをここでお尋ねするのは,阪神・淡路大震災のような大規模あるいは激甚災害でなくとも,近年の台風等の集中豪雨などでも市内各地で土砂崩れを起こすケースが発生をしております。  先日の他会派の代表質問の中でも同様の質疑がありまして,その際,鳥居副市長は民有地であれば原則所有権者本人が復旧するものであるという御答弁がありました。確かに私有財産制度からすれば個人の財産を公費で復旧することはできない。しかし,復旧費用が個人の負担能力を超える場合に,単に公的融資制度──先ほど県の制度,急傾斜地崩落対策事業とか砂防事業とかおっしゃいましたけれども,さらにそういう単に公的融資制度の対応ということでは,震災を経験した神戸市自治体として工夫が足らないのではないかと考えますが,いかがでしょうか。 88 ◯末永建設局長 本当に民有地の災害復旧なりといいますと,やはり応急仮復旧は別にしまして,その民地の所有者の方が直していただくということが基本になろうかというふうに思っております。ただ,阪神・淡路大震災のときのように想定を超えると言ったら支障かあるかもわかりませんが,非常に甚大な被害があるといったようなことがあれば──あればというか,そういったケースの場合にはやはり通常の方法で設計してきちっとしたものをつくっているにもかかわらず,それを超えるような力が作用して壊れたといったようなケースの場合は,そういったことを幅広く御支援いただくことについて,あるいは公金投入について御理解が得られるんではないかというふうに思っておりますが,現時点でそれをどういうふうに拡大したらいいのかということについては,まずは,所有者の方々が基本的に直していただくような方向が今の段階では最適ではないのかなというふうに思っております。 89 ◯分科員(大澤和士) 先ほど阪神・淡路大震災の例を挙げましたけれども,詳しくお伺いすると特例中の特例だということで,公共帰属を前提に民有地ののり面を公費復旧するという制度は本来ないということでありますけれども,しかし,阪神・淡路大震災のときの実績といいますか,前例があるということであります。かといって,民有地たる公道のり面が崩落したからといってすぐに公費復旧せよというのも確かに問題があると思います。しかしながら,災害時の特例措置ということではなくて,その都度その都度の補正予算で対応するということではなくて,一般施策としての対応でこの問題を解決すべきであると,そういうように考えますけれども,再度お伺いしたいと思います。 90 ◯末永建設局長 今年度から私道舗装助成制度に加えまして,いわゆる財産形成につながるということではございませんが,私どもの道路において道路上に他の民地の方の土砂が流れてきたというようなケースにつきましては,公的に助成をするという制度を導入したところでございまして,今の現時点で先ほど申し上げたような我々がとっている民地に対する復旧の目安以外,あるいは他事業の活用,それから,それをさらに拡大していくということについては大きなテーマではございますし,私もそこまで踏み込んでやりたい気持ちはあるんですが,現時点ではちょっとなかなか難しいのではないかなというふうに考えております。 91 ◯分科員(大澤和士) しつこいようですが──そろそろ次の質問にいきたいと思うんですけれども,現時点でそのような対策が必要な箇所が市内にどれぐらいあるか,そういう調査をされておりますでしょうか。 92 ◯末永建設局長 今回の台風11号の被災を見ますと,42件ほど民有宅地で被害が生じたということで,そのうちおおむねそういった方向で復旧が進んでいる中で2件ほど──これは民間の宅地の話でございますので,2件ほど所有者が住んでいらっしゃらないということで,復旧がまだちょっと進んでないということでございますが,全体的にいいますと,この現時点で顕著に問題が発生しているようなのり面はないんではないかというふうに思っております。 93 ◯分科員(大澤和士) ここでちょっと1つ御提案させていただきたいんですけれども,市内の公道に民有地のり面を有している,そういう箇所の悉皆調査をすべきではないかと思います。  その上で,所有者に対して,まず崩壊した場合はみずからの負担で復旧すべきことの周知をまず徹底して行っていただくということと,所有者から申し出があれば,そののり面の寄附を受けること。しかしながら,その所有者が寄附する意思があっても,境界の争い,相続の争いで分筆登記がすぐさまできない,そういったいろんな問題があろうかと思います。そういったケースについて一定の公費助成の検討をすることも含めて,そういう明確なルールを一定設けるべきではないかと思いますが,最後,この点だけお伺いしたいと思います。 94 ◯末永建設局長 先ほど2件と申しましたが,所有者の明確な復旧意思を確認できてないものが2件ということでございます。今,民地の方のそういう意思を確認していくということでございますが,我々道路防災事業というのを取り組んでおりまして,斜面で一定危ないところについては,どういうところが危ないかということを従来から調査してきておりますので,全数調査というのはなかなか難しい状況にございますので,そういった危険な崖地,のり面について,民地があってそういった所有者の権利関係がある程度つかめるような範囲の中から委員御指摘のような対応ができるかどうかを少し検討させていただきたいというふうに考えております。 95 ◯分科員(大澤和士) それでは次に行きますが,準用河川の改修も今回補正予算で対応されていると思いますけれども,その災害が起こるたびに事後対応をしておるというのが現状ではないかという点を指摘をさせていただきたいと思います。  横浜市では,河川カルテを作成をして保全計画に従って河川改修を行っておるようであります。神戸市においてもそのような計画的な準用河川等の改修,維持管理に取り組む必要があるのではないか,事後対応から予防保全へと方向転換をすることで災害時の被害の軽減,護岸等河川管理施設の長寿命化,予算の平準化を目指すべきであると考えますが,この点についてはいかがでしょうか。 96 ◯林建設局防災部長 本市では,準用河川・普通河川,約443キロを管理しております。河川に係る事業としましては,流下能力を強化する河川の改修,それからパトロール等に基づく補修やしゅんせつなどの維持管理及び被災をした場合の災害復旧というふうに3つに分かれるということでございます。  まず,この河川の改修についてでございます。  準用河川は30年確率,普通河川は10年確率の降雨を整備目標としてございます。平成26年度末の進捗率でございますけども,要改修河川の約8割となっております。残る2割の未改修河川に対しては優先順位を定めて計画的に改修を実施しておるところでございます。  それから,維持管理についてでございます。  河川改修には一定の期間を要するということから,近年の豪雨に対応するためには維持管理がますます重要となってきております。平成27年度からは主要道路や人家などが隣接する区間などを対象にしまして,5年で一巡する点検を始めたところです。これは今後継続して実施をしていきたいというふうに考えてございます。初回点検後,御指摘のような横浜市の保全計画など他都市の事例も参考にしながら予防保全及び経費の平準化の観点を踏まえた維持管理計画を策定していく予定でございます。今後とも引き続き未改修河川の改修を進めるとともに,計画的な維持管理を行うことで河川災害の軽減,施設の長寿命化,予算の平準化を図っていきたいというふうに考えてございます。 97 ◯分科員(大澤和士) 今の点につましては,冒頭申し上げました河川の沿道の空洞化等の事故も垂水では山田川でありましたけれども,そういったことも含めてしっかりと予防保全に努めていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。  それでは次に行きますが,垂水の商大線の2号線の道路改良事業の進捗についてお伺いしたいと思います。  一番南側の商大線の2号線の接続部分につきまして,非常に危険な道路であるということの認識はいただいていると思います。死亡事故も何件も発生をし,そしてマリンピア,アジュールへのお客さんの増加によりまして,歩行者が本当に危ない状況であります。6月の企業建設委員会でも局長から,地域の声を聞いて事業化を進めてほしいということでお願いをしてきましたけれども,取り組むという御答弁をいただきました。しかしながら,この部分は昔からずっと問題になっておりますけれども,天神川の上に建物が建っておって,それがのかないことにはどうしようもないということで,この担当としては下水道が担当しておると。あと,道路の安全については垂水建設ということなんですが,あと,JRのガード下の駐輪場の問題もありまして,さまざまな課題を抱えているんですけれども,それぞれの部署がそれぞれの立場で対応はしていただいているんですけれども,統一したそういう対応ができていないというのが現状ではないかと思います。  地権者の交渉もありますし,さまざま複雑な状況になっておるのはわかっておりますけれども,全体としてあそこをどうするのかということがなかなか見えてこないということであります。何回も申し上げて恐縮ではございますが,それに向けて局内でしっかりとプロジェクトを組んで計画を推進していただきたいということをお願いしておりますが,この点についてお伺いをいたします。 98 ◯末永建設局長 今御指摘ございましたように,国道2号から鉄道高架下まで80メーター区間というのは南行きが2車線,北行きが1車線,3車線の車線構成になっているということと,歩道につきましても歩行者が非常に多いにもかかわらず,高架下は歩道が狭く,高架下南側については歩道がないというような状況になってございます。  改良計画でございますが,この区間については西側に約2メートル拡幅をしてまいりたいということでございます。そして,両側に歩道を整備する計画としていきたいというふうに思っております。具体的には高架下南側は天神川雨水幹線にふたがけをするということで歩道にしたいと。それから,今御指摘ございましたように鉄道高架下というのは現在駐輪場の空間となっておりますので,この部分を少し整理をいたしまして歩道を整備したいというふうに考えております。  課題につきましては,今現在,雨水幹線上部にあります建物の撤去,それから駐輪場の再設置に向けた調整を行うことが必要であるというふうに考えておりまして,役割分担については,委員御指摘のように,雨水幹線の上部の建物撤去については下水道部で担当したいということ,それから道路形態の見直しと駐輪場の再設置については道路部で担当して,連携してやりたいというふうに思っております。  現在の進捗状況でございますが,現在の状況としては,現存する7件の建物のうち4件につきましては,建物所有者がこの平成28年3月末をめどに撤去するということで関係者から聞いておるところでございます。残る3件については所有者が不明ということでございますが,今現在,その特定に下水道部として鋭意取り組んでいるところでございます。  今年度,改良計画をより詳細に具体的に策定するために測量・設計に着手をしたいというふうに考えております。現地は歩行者が非常に多く,死亡事故も過去発生しているということで,地元の皆様あるいは警察等の関係機関の意見を聞きながら,この計画を早期に具体化して,できるだけ早く整備ができるようにプロジェクトチームで頑張ってまいりたいというふうに思っております。 99 ◯分科員(大澤和士) 最後に,局長おっしゃっていただきましたけど,地元の意見をどのように反映していくのかということについて,下水,それから道路部の連携ということのお話ありましたけども,そこにひとつ,地域の御意見,地元の自治会あるいはさまざまな団体がありますけれども,やはりいろんな意見を聞いてほしいと思います。ぜひその点もお願いをしておきたいと思います。  それと次に行きますが,さらに商大線のことで申しわけないんですけども,高丸インターの接続部分ですね,商大筋がもう私が子供のころからずっと危険な状態で,やっと買収が進み整備され,拡幅され,2号線との接続,今の先ほどの部分が未完成でありますが,さらに高丸インターのところが──もう本当にこんなこと言いたくないんですけれども,欠陥道路だと言われて,私も情けない思いがするんですけれども,あそこの渋滞は本当にもう大変な状況になっております。それは御認識いただいて,地元からも要望が上がり,局としても何とかしないかんということで検討を始めていただいておりますけれども,渋滞対策,交差点の改良について,今の進捗状況についてお伺いしたいと思います。 100 ◯油井建設局道路部長 商大線の高丸インター周辺についてでございますけれども,委員からも話ありましたけれども,もう状況については平成19年3月に街路事業で事業をやりまして今の現在の形態になってございますが,周辺の開発の影響もございまして交通が集中して,特に土・日の渋滞──垂水方面から来る車,舞子台のほうから来る車が合流して,それから高丸インターのほうに行く,また学園のほうに行くと,そういった車が特に渋滞をしているということは十分認識してございます。このために複数の信号機の連動であるとか,現示のパターンを変えるなど──例えばパターンを変えて信号現示そのものを見直すということで,警察とも連携して行ってきましたけども,根本的な解決には至っていなくて,今も渋滞が激しいということは十分認識してございます。  この問題への対応としまして交通シミュレーションを行いまして,効果的な対策案の検討を行ってまいりました。この結果,交差点付近の北行きの車線につきまして,現況は1車線でございますが,それを2車線に拡幅する,西側に拡幅するということで,交差点を通過する時間を短縮できて,渋滞の問題が改善するんではないかというふうに考えてございます。現在の交差点の周辺の拡幅部におきまして,地権者に事業の説明を行いまして,用地買収の交渉に着手をしたところでございます。事業を進めていこうとしますと,やっぱりその地権者の協力が必要不可欠でございますので,御理解が得られるよう鋭意努力して早期渋滞解消が図れるよう取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 101 ◯分科員(大澤和士) 1車線拡幅という計画で何とか渋滞解消をということで,大変地元の皆さんもようやく道筋が見えてきたということで大いに期待をしておるんですけど,なかなか進捗をしていないということの今の御答弁ですね。地権者があるので──相手があるので,なかなか難しいということはわかるんですが,何とか早く進めていただきたいということなんですが,当然地権者との交渉というと,そんなに簡単な話ではないと思うんですね。当然ながら,条件もさまざま出てきますし,そこで今実際に商売をされている方もいらっしゃるわけですから,今どの部署がどういう対応をそれぞれされているのか,お聞かせいただけますか。 102 ◯油井建設局道路部長 実際用地交渉等については垂水建設事務所のほうで実施をさせていただいております。確かに現時点では難航しているところもございますけれども,やはりその用地買収というのはなかなかすぐにはできないということを我々も過去から経験しておりますので,粘り強く垂水建設がやってますけども,道路部も一緒になって何とか早くそこの事業が進むように取り組んでまいりたいというふうに思っております。 103 ◯分科員(大澤和士) しつこいようで申しわけないんですけども,用地交渉を垂水建設事務所がされているということなんですが,本来,建設事務所の皆さんというのは,もう技術集団といいますか,この道路の拡幅の地図を持ってこういう計画で広げたいんですと,そういう説明に行かれているんじゃないかと思うんですね。それは用地交渉とは違うと思います。事業の説明に行かれているけれども,技術的な話ではなくて,やはり何とかしたいという情熱と市民の声を受けて早く事業化をしたいという,そしてその責任と権限を持った方が用地買収の交渉をするという,そういう非常に重要な役割なんですけども,その辺は垂水建設事務所ではなかなか進まないのではないかと思うんですが,いかがでしょうか。 104 ◯末永建設局長 道路事業,それから街路事業,街路事業は従来都市計画総局でやっていた事業がございまして,若干ちょっとやり方が違う部分は残ってはおるんですが,基本的には建設事務所の技術職員が用地の専門家と一緒になって技術屋のほうで事業説明をしながら,用地の単価でありますとか,例えば地図訂正があれば,こういうふうにして解決しましょうとか,あるいは全体的に面的にこういうふうな形で進めたほうがいいよとか,さまざまな観点から連携をしながら進めているということがございます。もちろん用地職員あるいは技術職員の力量にもよりますが,こういった非常に道路ができ上がったところでさらに用地買収をするというようなところは非常にやはり難しい面もありますので,こういったところにつきましては,用地のベテラン職員なりをもう1度垂水事務所のほうと連携をきちっとできるように配置がえができるか──対応ができるか,その辺はしっかりと検討して,できるだけ早く用地が取得できるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。 105 ◯分科員(大澤和士) 市長に行ってくれとは言いませんけれども,本当に地権者の方に何とかお願いしたいと,どんな条件でも出すとは言えませんが,それなりのやっぱり覚悟を持って事に当たっていただかないと──一旦完成したものの拡幅は難しいとおっしゃいますけどね,さっきも言いましたけど,本当に地元では何やこれはと,欠陥道路違うんかと言われて,私もえらい責められて何とも情けない思いですね。そういう現状があるということで,本当に何とか早く局長行ってお願いしていただけるかどうか知りませんけども,そこまでやっぱり覚悟を決めてやってもらわなかったらね,これまたね,5年,10年過ぎるんですよ,これ。あっという間に2年,3年過ぎて,5年,10年過ぎて,いまだに渋滞が続いていると,そういう情けないことはもうやめにしていただきたいと思いますので,お願いします。  それでは次の質問に入ります。  先ほども若干ありましたけれども,ノエビアスタジアムの芝生の管理についてであります。  当初,画期的な技術と設備によって世界一の芝と言われた昔の御崎公園球技場の跡を引き継いでノエビアスタジアムが完成をしたわけでありますけれども,1つの特徴であります開閉型の全天候型のそういうスタジアムということで,その構造から日照が足りない,あるいは風が通らないということで芝生の育成が困難な状況になっておるということで,長年課題として芝生の改良が言われてきたわけでありますけれども,事ここに至って,本当にヴィッセル神戸の関係者あるいは選手のほうから,このままではもうホームのスタジアムを変えないといけないと,もうユニバーに行こかというようなそういう状況になって初めて市長も英断をされて,芝生の張りかえをするということを御決断をされたんですけれども,今回のこの英断については高く評価をいたしますけれども,これまでの芝の状況を改善するためにさまざま取り組んでこられたと思いますが,これまでの総括をきっちりやっていただきたいと思います。当時の事業者が努力をして何とかしたいということで取り組んでこられたことはわかりますけれども,ここで市税を投じて芝を張りかえるということについての理解を得るためにも,やはり市民にきちっと説明をしていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 106 ◯井川建設局公園部長 ノエビアスタジアムの芝につきましては,この9月にも3分の1ほど張りかえをいたしましたが,全面張りかえに至っておりませんので,まだよくなったというような形にはなっておりません。  これまでJリーグの公式戦開催のたびに行われるまちコミッショナーによるピッチの評価で,ほぼ10年連続で試合開催には支障がない全面良芝の評価を受けてきておりました。本年もその評価を維持しようとしておりましたんですが,この春先から梅雨どきにかけての日照の不足と,その上に夏の間の記録的な高温日が連続したため,例年以上に芝生が衰退してしまいました。そこで,来期については前回の全面張りかえ,これも10年前ですけども,そこから期間が経過していたことも考慮しまして,2回の全面張りかえを実施してピッチコンディションの向上を図ることといたしております。  ノエビアスタジアムは,平成14年にサッカーワールドカップの開催に合わせて施設の建設と運営を一括して行う公設民活方式で整備された球技専用スタジアムでございまして,この契約によりまして平成29年度末まで現在の運営会社が運営を行うこととなっております。  その芝生管理における技術水準におきまして,客観的な評価を得るため,このたびJリーグから試合会場を公式に評価する専門家──これは日本サッカー協会の施設委員でございますが──を派遣していただいたところでございます。その専門家の評価結果といたしまして,まず1つは,スタジアムごとに条件が異なりますので,それぞれの施設に合ったノウハウの蓄積が重要でございまして,これまでのノウハウを今後も十分に生かしていくべきであるという点,それともう1つは,他のスタジアムで実績を上げている設備や技術の導入により一層の改善を目指すべきであると,こういうことが指摘されております。  現在,そのほかの芝生の専門家からもさらに幅広くさまざまな意見を聞きまして,新たな施設改良も含めまして,ノエビアスタジアムに最適な方法を探っているところでございます。  芝生を張りかえた後の管理が非常に重要であるとの委員の御指摘は私どもも全く同様の思いでございまして,これまでの単なる延長線上にならないように,より高い管理水準を目指してまいりたいというふうに考えております。 107 ◯分科員(大澤和士) 今御答弁いただいたとおりで,私も何とか今までの実績,ノウハウの蓄積,それは大事だとは思いますけれども,やはりこれまで取り組んでこられてうまくいかなかったという結果でありますので,この延長でいくと,また同じことの繰り返しにならないかということを危惧するわけで,他のスタジアム,豊田スタジアムとかいろいろ芝の張りかえとかの専門業者もいろいろ調べますと,やはりいろんなノウハウを持った──別のノウハウを持ったそういう業者もありますので,今の運営会社の29年度まで運営するというそれにこだわらずにやはり思い切ってやったほうがいいんじゃないかと思うんですね。  あと,構造上の問題があると思うんですけれども,いっそのこと,もう可撓性のあるパネルに変えるとか──天井部分とか,横の部分とか。お金はかかるとは思いますけれども,そういったこともあわせて御検討いただければありがたいなと,これはもう要望にしておきたいと思います。  最後に質問──少々時間がありますので,ドッグランの設置についてお伺いしたいと思います。  公園におけるドッグランの設置ということでたくさん御要望をいただいております。公園の施設としてドッグランが適切であるかどうかという法的な問題もあったわけでありますが,現在は各都市が積極的にドッグランの設置を進めております。市が管理するドッグランの整備も全国的には実施をされておりますので,神戸市としてもそういう取り組みをしてほしいとお願いをしておるわけでありますけれども,公園の管理は建設局でありまして,動物愛護とか,そういう飼い方,しつけの問題はまた別の局になるわけですけれども,建設局におかれては,場所を提供して,そういう管理をしないといけないということで,トラブルが発生するということについて,非常に消極的であるというふうに思っております。  今,公園の使い方として,やはりそういうドッグランということが東京でもかなり検討されて実施をされておりまして,各東京の区でも実施されております。その点について,建設局の御方針をちょっとお伺いしたいと思います。 108 ◯主査(新原秀人) 簡明にお願いします。 109 ◯井川建設局公園部長 公園でのドッグランの設置はいろいろ課題もございまして,ある程度の規模があるということ,においや騒音,違法駐車,近隣への影響が大きいということで近隣住民や公園利用者の理解が要るということ,それから狂犬病等のワクチン接種の確認や犬同士のトラブル回避ということで,運営に関して一定の専門的な知識やノウハウを持った受け皿となる団体が存在することということで,こういう条件を満たす公園として平成25年から指定管理者の提案によって北神戸田園スポーツ公園で登録制のドッグランを初めております。  今後ともこのような条件に適合した公園で運営団体に申し入れがあれば,当初は社会実験としてでも受け入れていきたいと,このように考えております。 110 ◯分科員(大澤和士) 六甲アイランドのみなと総局の土地でも実際に実施されておりますし,今回,垂水の健康公園で社会実験として取り組みをしていただこうということでお願いをしておりますけれども,ぜひ積極的にこれからもドッグランの設置について検討をいただけたらありがたいと思っております。  時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。 111 ◯主査(新原秀人) 大澤委員,お疲れさまでした。  この際,約20分休憩いたします。午後3時ちょうどより再開いたします。  お疲れさまでした。
      (午後2時39分休憩)   (午後3時0分再開) 112 ◯主査(新原秀人) ただいまから決算特別委員会第2分科会を再開いたします。  休憩前に引き続き,建設局に対する質疑を続行いたします。  それでは,山本じゅんじ委員。 113 ◯分科員(山本じゅんじ) それでは,質問させていただきます。  初めに,次期アクアプランについてお聞きいたします。  現在,次期アクアプラン2020について検討が進められております。本会議で次期プランにつきましては指摘いたしましたが,次期行財政計画では,行革案の例示として下水について包括的委託について記載がされております。上水道とともに下水道は生きるために欠かすことのできないインフラであり,安易に民間委託を進めるべきではないと考えますが,見解をお聞きいたします。  1問1答でお願いします。 114 ◯畑建設局担当局長 下水道は市民生活の安全・安心を支える重要なインフラでございまして,下水道サービスを安定的かつ確実に市民に提供することは,市の基本的な役割であるというふうに考えております。  そのため,施設を健全な状態に維持管理し,台風等の非常時にも適切に運転管理を行うこと,市の責任としてそのノウハウや技術力を蓄積・継承することが重要であるというふうに考えます。  ただ一方,行財政改革の取り組みも重要でございまして,特に下水道事業は地方公営企業として健全で安定した運営を行うための経営の効率化が必要でございます。  このため,民間事業者でできること,さらにその民間事業者に委ねたほうがより効果のあることについては,積極的に民間活力を導入すべきというふうに考えております。  そのため本市では,規模が小規模で処理が比較的安定に行うことができ,かつ浸水に対するリスクの少ないポートアイランドの下水処理場や鈴蘭台下水処理場,さらに六甲アイランドにございます汚泥処理施設の東部スラッジセンターにつきましては,包括的な民間委託を行っております。  一方,下水の処理水量が非常に多く,雨水ポンプ場を多数抱えておりまして,その市民生活とか社会経済活動に与える影響が大きい3つの基幹処理場──東灘処理場・西部処理場・垂水処理場におきましては,部分的な民間委託を進めております。  今後は,まずは市民生活の安全・安心を守るということ,さらに危機管理を最優先に考えまして,かつ経営の効率化や公民の役割分担の観点を加え十分に検討した上で民間活力の導入を進めていきたいと,このように考えております。  以上でございます。 115 ◯分科員(山本じゅんじ) 今回の行革の素案の案,これにはさらに民間委託を広げようという方向が示されていると先ほど答弁されたとおりだと思うんですが,一方で,上下水道審議会の専門部会,公表されているものを見ますと,具体的な内容や方向性については言及されてはいないようですけれども,ちょっと視点を変えて国の方向を見ると,民間活力の積極的な導入を推奨しているわけですね。こうなると,さらにこれから神戸市の方向もどんどん進んでいくんじゃないかと,そういう危惧が出てくるんですけれども,やっぱり非常に大事な問題ですので,しっかり直営でやっていくんだということをスタンスとして持っていただきたいと思うんですけども,その辺いかがでしょうか。 116 ◯畑建設局担当局長 下水道の場合は,資源の有効活用というような新しい分野ですとか,それから省エネ,それから省資源というような,そういう分野で非常に民間とタイアップしたような事業が今進んでおりまして,そういうあたりにつきましては民間の活力を最大限に利用してというようなことが国のほうでもうたわれております。  そういう面におきまして,神戸市のほうでも先ほどもございました民間との共同研究ですとか,そういうふうな取り組みをどんどん進めていっております。そういう民間の活力を最大限利用するところ,それから民間にノウハウのあるところ,これにつきましては特にやっぱり民間の力を我々神戸市のほうが取り入れて,より効率的──要するに経営をできるだけ健全化するという取り組みは引き続き進めていきたいというふうに考えております。  ただ,市役所全体としましての行革の取り組みというのも我々地方公営企業ではございますが,それも当然尊重して,市役所全体の流れにも沿ったような取り組みは必要であるというふうに考えております。  ただ,施設が老朽化した処理場を民間に任せてしまった場合に,その施設の老朽化しているがゆえの瑕疵いうんですか,その辺の責任分担というようなことが,施設が古い政令市では非常に大きな問題となってきております。ですから,比較的新しいところの民間委託はどんどん──新しい都市は結構民間の活力を使っておるんですが,古い施設についてはそのあたりを十分慎重に検討する必要があるというようなところも神戸市は抱えております。  いろいろ申しましたが,結局は本当にそういう新しい技術──民間が有する有利なところ,それと我々が抱える現状,この辺を総合的に勘案しまして検討していきたいというふうに考えます。  以上でございます。 117 ◯分科員(山本じゅんじ) おっしゃっていることはわかるんですが,国交省の資料で,新しい時代の下水道政策のあり方についてという答申が出されています,御存じだと思いますが。ここでは,積極的に民間活力を導入すると,そういう方向で位置づけられております。その中でちょっと気になることがありまして,やっぱり──これだけはないんですけれども,他のいろんな方針の中で,民の知見を引き出すと今おっしゃられたことですね。それから,公的サービスの産業化ということまで言われているわけですね。特に,人口20万人以上の地方公共団体はPPP・PFI手法導入を優先的に促すと,こんなことまで書かれているわけですね。ですから,こういう方向が今どんどん進められようと。資料の中にはコンセッションということまで具体的に書かれているわけですね。ですから,本当に今おっしゃられた答弁のような方向ではなくて,もっと違うところ,産業化というところまで話が国のほうでは進んでいるということで,すごく危惧をしているわけです。それにはやはり本当に生命インフラの1つと私は思っているんですけど,そういうことにはやっぱり乗らないで,本当にきちんと必要な住民のためのインフラだということを位置づけて,スタンスとして臨んでいただきたいというふうに思います。  この質問は終わりますけれども,先ほどの質疑の中でもどっかありましたけれども,ニュータウン建設だとか市の都市計画,そういったこととも密接に絡み合って事業がどんどん展開されてきたわけですし,それに伴って老朽化が進んでいるということになりますと,やっぱり今後の負担区分のあり方ということも考えていく必要があるんじゃないかなと思うんですよね。つまり,市の施策によって管路がずっと延びていったと,それについて維持費や,それから更新費用がかかるということであれば,市からもう少しちゃんとそれに応じた費用を持ってくるというようなことも今後の検討課題として考えていただきたいというふうに思います。  やっぱりこの行革は確かに必要ですけれども,本当に市民の生活にとってプラスになるような行革にしていただきたいということを要望しておきます。  それでは2点目の質問に行きます。  土砂災害対策について,お聞きいたします。  先ほども少し質疑がありましたけれども,ちょっとかぶる面があるかもしれませんので,そこは御容赦願いたいと思います。  近年,都市部で特に短時間に記録的な降雨に起因する水害や土砂災害など大きな被害が多発をしております。とりわけ昨年からことしにかけても台風・集中豪雨,これに起因する大規模な災害が後を絶たず,神戸市としても具体的な対策が求められていると思います。  特に,擁壁・崖の崩落など,民有地での被害も最近特に多くなっていますけれども,民有地での被害というのは個人の責任において対処しなければなりません。被害に遭っても経済的な事情からなかなか復旧が進まない状況も生じています。擁壁やがけの崩落などを予防して,また2次災害を防止するためにも,独自の支援策を講じるべきと考えますが,いかがでしょうか。 118 ◯末永建設局長 本年7月の台風11号,それから昨年にも少し起こりましたけども,本年につきましては市内で42件の民有宅地で被害が生じております。これは現在,所有者自身等によりまして復旧が進んでいる状況でございます。民有宅地におきましては,隣接する第三者の家屋への影響があるものについては,現時点で6件認識しておりますが,応急対応を含めまして復旧が進みつつございます。これら6件につきましては,老朽化が進んでいることに加えまして,いわゆる宅地造成等規制法の構造基準に合致してないといった擁壁の崩壊でございまして,このうち,先ほどもちょっと答弁させていただきましたが,所有者の明確な復旧意思を確認できていないものが2件ほどございますが,今現在,各建設事務所により復旧を促しておるところでございます。  基本的には,今委員から御指摘がございましたように,宅地の所有者等について,宅地に災害が生じないように,常時安全な状態に維持するように努めるべきということで宅地造成等規制法等に責務が定められているところでございますので,所有者の適切な維持管理が大事だというふうに考えております。  ただ,やはり災害時に市民の方が自分の擁壁は大丈夫かといろいろ御指摘といいますか,不安の声が寄せられることが去年からことしにかけてございます。そういった技術的な判断が難しいといった場合には,建設局の建設事務所の職員が出向きまして,水抜きの状況とか土砂が流れ出てないかとか,さまざまなアドバイスを行う,そういった方法で支援を行っているところでございます。 119 ◯分科員(山本じゅんじ) 私の知っている被害のところでも,確かに建設事務所の職員が来ていただいてアドバイスはしていただいたんですね。ただ,結局その修繕とか復旧していくのは個人の責任になってしまうということで,ずっとあれから2カ月,3カ月放置されたままなんですね。しかもその擁壁崩落しまして,それ多分,今おっしゃられたように宅地造成法の基準に合致してないような気もするんですが,ちょっとそこまで調べてませんけど崩落したままで,隣の家に石が飛び込んで壊れたままになっていると。そのままになっているんですね。結局,他人の財産にまで被害を与えているという──ちょっと言い方悪いんですけど,そういう状況になってて,本当に本人が意図しないところでいろんな被害が生まれているという状況なんですね。  やっぱり一定年数のたったまちというのは,先ほどおっしゃられたように宅地造成法の基準に合致してないものも当然あると思いますし,特に震災で影響を余り受けなかった地域もあるわけで,その影響を受けなかったところが,その後いろんな被害が出てきているという部分もやっぱり側面としてあると思うんですよね。そうすると,じゃあ,例えば歩いてみますと,擁壁が膨らんでいたりするんですよね。そうすると,いつ崩落するかわからないという状況もあったりしますし,そのまま放置しておくと,ガラガラといくことだって十分あり得るわけですよね。  実際に調べていただきたいんですけど,特に宅地造成法以前の建築物・構造物がどれぐらいあるのか,やっぱりそういうことを判断した上で本当に支援が必要やというような判断であれば,具体的にちゃんと対策としてとっていく必要があるんじゃないかなと,私思っているんですね,今の現状を見ながら。  やっぱり今,私,局長に申し上げたいのは,そういう調査を──先ほどもありましたが,調査をきちんとした上で,どれぐらいの費用が必要で,どういった対策が必要なのか,ちょっと判断していく必要があるんじゃないかなと私思うんですけども,いかがでしょうか。 120 ◯末永建設局長 まず,今回被災をした事例を見ると,先ほど申しましたように,宅地造成の基準に合致してなかったものだということでございますし,老朽化の度合いというのは,やはり通常の維持管理の中で所有者の方があらかじめ壊れる前に適切に維持管理をしていただくということが原則になっておると思います。  もう1点,調査の話でございますが,阪神・淡路大震災以降,やはり危険な擁壁については我々も一定監視を続けておりまして,そういった中で適切にそれぞれの擁壁につきまして,処置がなされていっているというふうに考えております。  大規模に民有宅地を現時点で調査すべきかということについては,ちょっと私は消極的な今考え方を持っております。 121 ◯分科員(山本じゅんじ) 調査の件についてはちょっと後で触れますけれども,実際にそこにお住まいの方で,自分とこの擁壁が大丈夫なのかどうかと,本当に日ごろから意識されている方がどれだけいらっしゃるのかなというのはちょっと疑問に感じるんですけども,やっぱりよほど意識しておかないと,基準に合致しているのかどうなのか,安全性がどうなのかというのはなかなか難しいことではないのかなと私は思います。  それで,ちょっと1つ例に──本会議のときの質疑でも少し出てきたんですが,他都市の状況ですね,横浜市の状況について少し触れておきたいと思うんですが,崩落した擁壁だけじゃなくて,崩落しないように予防的観点で直接支援を行っているんですね。2つの仕組みがあって,1つは建築基準法に適合するように工事をするということを目的としたものと──もちろん崩落した崖を直す工事というのも対象なんですが,もう1つは,建築基準法には適合しないけれども,減災,火災から減らすということを目的としたものということで,2つあります。法律の基準よりも低くして高さ2メートルと,こういう基準をつくって防災・減災の支援を行うためのメニューもつくっているようなんですね。それで,直接予算も組んでということなんですが,横浜の事例は丘陵地が多いということで被害を軽減させるということを目的にしているようですけども,神戸市は丘陵地っていうよりも山裾に住宅が広がって起伏も非常に多いと,こういう地形にありますから,神戸市こそ本当にこういった制度というのは必要なんじゃないかと思いますけども,局長,いかがでしょうか。 122 ◯末永建設局長 擁壁のいわゆる助成制度ですね,事前を含めた,あるいは事後の措置,こういったことの助成制度について我々も調査をしております。約20の都市におきまして宅地擁壁の災害復旧に関する助成制度を運用していることは承知しております。  しかしながら,先ほどの質疑でもございましたけども,道路事業あるいは急傾斜地崩壊対策事業,それから県単独補助治山事業,それぞれの政策を活用することにより,道路に近接している上のり面の擁壁のことであれば,先ほど申しましたような条件の中で復旧をしたり,そういった対応をいろいろ進めているところでございますし,これらの施策を含めてもなお復旧に至らないものにつきましては,宅地造成等規制法で所有者等に宅地の保全義務が課されていることを踏まえますと,現時点で我々が持っております融資制度等もございますので,あらかじめそういう制度を活用していただいて,できるだけ日ごろから──なかなか心情的には経済的に余裕がないということは私も理解はしておりますが,あらかじめの措置をぜひ予防保全という形で擁壁についてもしていただくように,民民の間で,そういう生命・財産にかかわるようなことがないように,あらかじめの措置をお願いしたいというふうに思っております。 123 ◯分科員(山本じゅんじ) 個人の負担ということは非常に重くのしかかってくるわけですし,私の知っている事例でも,土地の所有者,それから家屋の所有者ということが複雑に絡み合って,責任の範囲がどこまで及ぶのかというのは非常に複雑な事情があって,なかなか進まないという事例もあります。  ですから,もう少しその辺をはっきりさせていただいた上で対処していかないと,一番ネックになるのはやっぱり費用をどういうふうに持っていくかということがネックになっていますから,少しでもその費用が助成でもされれば,ちょっとでも進むようになっていくというふうに私は思います。  横浜市の関係なんですが,27年度,減災工事だけで4,000万円の予算が計上されております。これは100万円と想定して40件の申し込みを想定しているようなんですけど,防災工事は20数件程度ですね。ですから,400万円最大ということを考えると,もうちょっと全容はきちっと聞かないといけませんが,単純に考えると1億円を超えるぐらいの予算が組まれているんじゃないかなというふうに思います。この財源はどこかと。国の社会資本整備総合交付金ですね,これが充当されていると,2分の1はね。そういうふうに聞いているんですけれども,この資金ですね,これまでの補助金と違って随分自由度がきくようです。予算特別委員会,この3月ですね,私有財産に対する公的資金の投入になってくると,他の事例や趣旨・目的,どういうふうにして今後そういうふうな助成が必要なのかと,そういうことも含めて慎重に分析し研究していきたいというふうに答えられておりますが,結局,これはこの答弁の後,具体的に検討されて,そういう今の答弁になっているのかどうか,ちょっとそこをお聞きしたいんです。 124 ◯末永建設局長 今年度,私道助成の制度を一部拡大いたしまして,要するに私道であっても民有地の土砂が崩れてきたときに,その土砂の撤去費用の一部を市として負担する,応急仮復旧の費用を助成させていただくと,そういう制度をつくっておるわけでございまして,私どもも先ほどの予算特別委員会の質疑の内容も十分踏まえまして,それから他都市の事例も踏まえまして,先ほども申し上げたように,現時点での被災状況から見まして,私有財産に公的な資金を現時点で投入するような──非常に厳しい話ではございますけれども,状況,必然的理由が現時点ではないのではないかなというふうに考えております。 125 ◯主査(新原秀人) ありがとうございます。 126 ◯分科員(山本じゅんじ) 必然的な理由がないというふうにおっしゃったんですけど,やっぱり最近の出てくる被害,特に先ほどから申し上げております宅地造成法の規制に乗らない規格外のそういうところについては実際に被害が出て,また今後も起きかねない状況になっているので,その実態がもう少しはっきりわかれば,必然性というのはちゃんと出てくると思うんですよね。ですから,実態調査をきちんとした上で判断をしてほしいということを申し上げているんですね。  なかなかおっしゃっているように,私有財産の形成ですかね,そういう形になりますので,全国的な合意になっているかというと,そうは確かになってないと思います。ですが,こういう事業というのは,本当に,先ほど来申し上げておりますように,住んでいる人の財産を守るというだけではなくて,その近隣とかその地域の安全性と財産を守るという意味で言うと,非常に公益性も高い事業だと私思うんですね。そういう観点で私はこの質問をさせていただいているんですが,ぜひこの事業を真剣に検討していただきたいんですよ。やっぱりこれから本当に必要になってくると思いますし,具体的に調査を進めていくと,そしたらこれだけのものがやっぱり広がっていると。そうすると,これだけの被害が出そうやという,やっぱり判断がある程度できると思うんですよね。ですから,個人の責任に任せないで,本当に公益的な観点でこの事業を検討して取り組んでいただきたいということを改めて要望させていただいて,次の質問に移ります。  次は,似たような問題なんですけど,宅地開発規制についてお聞きをいたします。  土砂災害を防止していくためには,既存の住宅地だけでなくて,あらかじめ災害の発生が予想されるエリアに対する宅地開発や構造物設置などに対して不適切な土地利用が行われないように規制をしていくということが大事ではないかなと考えております。地形や地質,地盤,こういった自然的な条件を考慮して適正に土地利用をするための制度的な規制について,検討していくべきときではないかと思いますが,いかがでしょうか。 127 ◯林建設局防災部長 不適切な土地について開発を抑制すべきだという御意見でございます。我々もそういうふうには考えてございまして,今,具体的には県のほうは土砂災害特別区域の指定を今後していこうというふうになってございます。この中では土地への規制がかかるということでございますので,こういった点を踏まえると,こういう規制によって土地の規制が進むということですので,そういうことを通じて規制のあり方ってのを考えていくというふうになると思います。 128 ◯分科員(山本じゅんじ) それを待っているとなかなかあかんということなんですね。特に,今現在,宅地,大規模,小規模にかかわらず山裾に住宅地ができる場合,当然イエローゾーンにかかっている部分もあります。そのイエローゾーンがこれまでの質疑で言いますと,7割から8割レッドゾーンに変わるかもしれないということがこれまでの議論にありましたが,もしそこに家を建ててレッドゾーンに変わりましたというようなことになると,もう目も当てられない事態になってしまうわけですよね。本当に財産権の制限ということになってきますから,非常にそこは問題だろうと。やっぱり市民の財産を守ると,命を守るという観点で言えば,たとえイエローゾーンであっても一定の規制はきちんとかけておくべきではないかなと,今あるものに加えてですよ,かけておくべきではないのかなということが1つあります。  もう1つは,ちょっと具体的な場所は言いませんけれども,地すべりの地域ですね,それに隣り合ったところが造成されるという場合もあります。ですから,そういったことで,やっぱり潜在的な危険性というのが含まれている状況の中で,果たしてそこに一応法律でとめられないからと,許可しないといけないからということだけで果たしてそれを許可していい──宅地造成だとか,そういうのを認めていいのかということなんですけれども,今私が申し上げましたことで答弁いただきたいと思います。 129 ◯林建設局防災部長 都市計画法では許可開発制度にございます。ここで規定される許可基準に違反していない場合は,これはやっぱり許可をしなければいけないということになってございます。この基準では,開発区域内に地すべり防止区域でありますとか,あるいは急傾斜地の崩壊危険区域,それから今後指定を予定しております土砂災害特別警戒区域,こういった区域につきましては開発行為を行うのに適当でないと考えられる区域ということで開発不適地とされるわけでございまして,原則として開発地には含まないということが定められておるわけでございます。しかし,これらの開発不適地が隣接地にあるだけの場合,あるいはイエローゾーンの中ということでございますけども,こういった部分がこの開発区域に含まれる場合などについては,その開発許可制度の規制というのは今のところできないということです。ただ,所管部局において各法に基づく指導なり許可は行うということになってございますということですが,こういった場合に,開発区域の中の災害の危険性いうのがあるわけでございますので,開発事業者に区域内の状況を正確に理解した上でみずから判断できるように適切な情報の提供でありますとか,注意喚起を行っておるということでございます。  以上です。 130 ◯分科員(山本じゅんじ) 結局,今の法律の範疇ではあかんということはでけへんと。それぞれ個別の対策を求めていくということになると思うんですが,ただ,その時々の知見というか,工学技術が土台にあって,それで安全対策ということをされるものだと思うんですね。結局,新たな問題が出てきた場合に,果たして,じゃあ,その段階での技術が対応できるかというと,なかなかそうはいかへんと私は思います。ですから,やっぱりその地域といいますか,その土地の持っている固有の環境ってあると思うんですね。Aという場所とBという場所とは当然いろんな成り立ちが違ってたりしますので,同じ条件でというわけではないと思います。ですから,そういう固有の自然条件についての特性を防災面からちゃんと評価をするということが大事ではないかなと思います。  そういう考え方というのが今,法の中には余り備わってないのではないかというふうに私は思うんですね。特に,やっぱり何度も言いますけども,禁止はできないとか制限はできないというふうにおっしゃられるんですが,結局そのことで災害に対する危険性を増幅させていくことになっているんじゃないかと,蓄積をずっとしてきたと。それが最近のあちこちで起こっている災害の原因にもなっているんじゃないかというふうに思うんですね。ですから,実際の状況に応じて対応していくと,評価をしながらやっていくという仕組みが必要ではないかと思いますけども,いかがでしょうか。 131 ◯林建設局防災部長 ですから,イエローゾーンの中でと,例えばの話がございました。これは1つ例で申し上げますけども,イエローゾーンは土砂災害のおそれがある区域ということで──これは県が指定するわけですけど,地形上の条件から判断します。例えば急傾斜地でございましたら,崖の高さが5メーター以上で角度が30度以上の部分で背後地に一定のエリアをとった部分ということで,結局,土地利用でありますとか,あるいは対策の有無というのはしんしゃくされずに,一応この地形の条件からのみ危険性を指摘しているということで,目的は何かといいますと,警戒避難体制をつくるということで,この範囲にある人はやはりおそれがあると,万が一のときに崩れることがあるかもしれないので,そのときは避難してくださいよということをお知らせするためのイエローゾーンということですので,土地利用を直接その上でかけるということではございません。その意味では,むしろ委員の御指摘の固有の状況ですか,環境を踏まえて防災対策を考えなあかんということはそのとおりでして,まさに冒頭申し上げましたけども,レッドゾーン,これにつきましてはやはり地形の条件だけでなくて,地質でありますとか,あるいは対策の有無とか,やはり個々の場所に応じた検討をして,調査をして,その上でレッドゾーンに指定していくと。指定された暁には必要な土地利用規制がかかるということですので,これは開発の抑止につながる──高い抑止効果があると私は思ってますので,そういった作業を鋭意進めていくというのが目下の目標かなというふうに思っています。 132 ◯分科員(山本じゅんじ) 今避難ということをおっしゃられましたけども,結局,家を置いて逃げてくださいよという話ですよね。つまりそういうところに──危険性の高い地域に家がなければ,そういうことにはならないと思いますし,やっぱりそういう法律で決まっているからやむを得ないのかもしれないんですけどね,災害対策基本法でどう書かれているかというと,国土並びに国民の生命・身体及び財産を災害から保護すると。これ国土──地域の土地ですね,それから国民って,これ市民と置きかえるということになると,本当にそのまま神戸市に適用できる話ではないかなというふうに思うんですね。ですから,こういった観点で考えていけば,もっとこの災害対策基本法の趣旨というのをしっかり踏まえた対応と──一歩踏み込んだ対応というのが求められているんじゃないかなと思います。  この質問もう終わりますけども,今,国交省の方針で,これ2013年ですかね,防災・減災に資する国土強靱化基本法というのができてますけども,これは未然防止策のうち,経済効果に直結する事業だけが国のてこ入れで進められると。平たく言うと,そういうような内容のものだというふうに私は受けとめているんですが,やっぱりこういう考え方でいくと,ちょっとなかなか災害対策基本法の方針から少しずれてしまうんじゃないかなと私は思っているんです。ですから,やはりそうではなくて,本当に市民の生命,それから財産を守っていくと。これは本当にその個人の問題ではなくて,その周囲にも影響していくという公益的な観点でしっかりと,先ほどの個人の所有地の支援策と同じ考え方で対応をしていただきたいというふうに要望しておきます。  それから,最後になりますけれども,須磨多聞線の問題についてお聞きいたします。  現在,計画をされております須磨多聞線については,須磨区南部と,それから垂水区北部や西区方面を結ぶネットワークを形成する大事な道路だということにされています。来年度以降には本格的に着工しようと今準備を進められているようですが,今年度は説明会や都市計画変更の手続,ワークショップなどが既に実施をされております。しかし,須磨多聞線については,住民合意が得られるという現状には今のところ全くありません。そのような現状の中で,建設を進めるというのは余りにも住民不在だと言わざるを得ないわけです。あくまでも建設にこだわった前のめりの姿勢というのは改めるべきではないでしょうか。住民不在の道路建設は中止すべきと考えますが,いかがでしょうか。 133 ◯油井建設局道路部長 委員,お話もございましたけど,須磨多聞線については,須磨区南部と垂水区北部,西区方面を結ぶ非常に重要な主要幹線道路として位置づけておりまして,このうち未整備になっている西須磨工区の整備によりまして,周辺の道路の渋滞緩和であるとか,沿道環境の改善が図られるといった効果,それと災害時の避難路や緊急輸送道路としての役割などが期待されているわけでございます。  現在,道路建設自体に反対の方もいらっしゃいます。自治会も反対ということは承知してございますけれども,用地買収をさせていただいたとき,また,道路予定地の沿道の方々を含め,早期整備を望む声もいただいているところでございます。引き続き御理解,御協力が得られるようにいろんな機会を通じてやらなあかんというふうに思ってございますけれども,やはり須磨多聞線については,周辺道路の交通混雑の緩和と,また,多くの地権者の御協力を得て大部分の用地を買収を終えているというところでございますので,早期に整備を進めていきたいというふうに考えてございます。 134 ◯分科員(山本じゅんじ) 売られた方,それから残っている方,それぞれあるのは当然なわけですけれども,今おっしゃられたように売られた方もありますけど,今残って自分たちの住環境を守りたいというふうにおっしゃられている方もおられますので,やっぱりそういう中で地元での意見がいろいろあるということを認識していただきたいというふうに思います。  それで,簡単にお答えいただきたいんですが,今,現に困っている問題というのは,左岸線の渋滞の問題だろうというふうに思うんですが,この須磨多聞線をつくって,どれぐらいこの左岸線に影響が出るのか,もしつくらなかったらどれぐらいか,これについて端的にお答えください。 135 ◯油井建設局道路部長 確認でございますが,左岸線というのは天井川左岸線ということでよろしいでしょうか。現在,須磨多聞線はございませんので,今かなり垂水区方面とか西区方面からの交通が天井川左岸線のほうに流れてございます。須磨多聞線をつくりますと,今の予測ですけども,現況は天井川左岸線については2万台という交通量が流れておるわけですけれども,将来須磨多聞線をつくるということになりますと,天井川左岸線については1日の交通量約1万2,000台ということで予測をしてございます。 136 ◯分科員(山本じゅんじ) そうしましたら,多聞線が現状で2万台,それからつくったら1万2,000に減るということですね。そしたら,須磨多聞線はどれぐらいの車が通ると予測されておりますか。 137 ◯油井建設局道路部長 須磨多聞線につきましては,予測した結果,1日に大体須磨多聞線も1万2,000台というぐらいの予測をしてございます。 138 ◯分科員(山本じゅんじ) どちらも1万2,000台ということなんですが,実際に,じゃあその2つを合わせると交通量はふえてますよね。ですから,結局つくったことによって周辺からの車も呼び込んでしまう可能性があるということは,数年前の質疑の中でも指摘をしたというふうに記憶をしております。  実際に,神戸市のほうで公開している資料を見ますと,つくってもつくらなくてもその数の違いというのは4,000台ぐらいしか実際には変わらないと,そういうふうにあったと思うんですね,たしか環境影響評価の中で出てたと思うんですが。結局その一番の原因の1つというのが,踏切ですね,天井川左岸線の。その踏切が非常に大きなネックとなって,特にこれ1度おりたらなかなか遮断機が上がらない状況が続きますから,場合によっては電車が3台も4台も通ってからでないとあかないということもあったりして,それが非常に大きなネックになっていると。これはそこだけではなくて,東須磨駅の西側の踏切でも同じような状況なんですけど,時には南北の信号まで延びているということもあると,そういう実態があるわけですね。ただ,この踏切が原因ということであれば,この踏切を高架にして越えるという選択肢はないのか,それはきちんと検討されたのかどうか,そこをお聞きしたいんですが。 139 ◯油井建設局道路部長 踏切の検討ということは,天井川左岸線の立体の検討ということでございますね。もともと須磨多聞線自身がそういう山陽電鉄を立体交差してやっていくという計画をしてございまして,用地買収もしていよいよ工事に入るような段階に入ってございます。天井川左岸線については,横に川が流れて,さらにその上に阪神高速道路があるということでございまして,今の道路の幅員の中で工事をすることは──立体交差することはできません。そういう検討はしてございます。実際しようとしますと,やはり東側のほうに拡幅をしてやっていくということになるんですけれども,それには当然用地買収が必要ですし,ただ,一旦そこで工事をしようとしますと,今,天井川左岸線のところに2万台ぐらいの交通が流れています。立体化の工事をそこでしようとすると,その交通を全てとめて工事をしていかなあかんということで,現実問題としてその天井川左岸線のところを立体交差しようとすると,かなり周辺に大きな影響が出るということと,やはり追加の用地買収をして多額の費用をかけてやっていかなあかんと。そういうことからすると,須磨多聞線がちょうど離宮の交差点から真っすぐ抜けるような計画になってございますので,同じ立体交差するんであれば,そこで立体交差したほうがいいというふうに考えてございます。 140 ◯分科員(山本じゅんじ) 検討されていると──代替案らしきものはね,検討されていると。東側に道路を通すというか,そういうような形で1回は検討されたということでいいんですか,ちょっと確認をしますけど。 141 ◯油井建設局道路部長 検討といいましても,実際に具体的な図面を書いてということではなくって,それなりの過去の立体計画としますと,大体立体交差にはこれぐらいの道路の幅員が要ると。当然沿道利用をされている方もいらっしゃいますし,歩道も当然要りますので,そういったことからすると東側に拡幅せなあかんと。そういった粗い検討をさせていただいたということでございます。 142 ◯分科員(山本じゅんじ) それは4車線で検討したのか,それとも2車線で検討したのか,どちらですか。 143 ◯油井建設局道路部長 今の現況はほぼ4車線ということでして,2万台交通が流れてますので,もしそこで立体交差をして完結させるということであれば4車線が必要ということで,4車線で検討してございます。 144 ◯分科員(山本じゅんじ) 2万台の検討ということなんですけど,では,先ほどの環境影響評価で1万2,000台に減ると,こういう結果になったんですが,じゃあ,この1万2,000台を通すのに4車線である必要はあるのかどうか,そこは検討されましたか。 145 ◯油井建設局道路部長 今の御質問,もともと須磨多聞線をつくるんじゃなくって,天井川左岸線を立体交差して解決はできないかというふうなことで質問として受け取って回答しましたけれども,須磨多聞線ができたときには須磨多聞線のほうに一定の交通が分散しますので,そのときには天井川左岸線のほうに1万2,000台ということです。須磨多聞線がないというときには現況と同じ交通が流れるということで,須磨多聞線がないときには2万台という前提で検討しているということでございます。 146 ◯分科員(山本じゅんじ) ただ,今回環境影響評価をやって1万2,000台まで減るということになりました。この1万2,000台ということだけじゃなくて,地元の方からも代替案としてこういう意見はどうかということで多分出てきていると思うんですね。地元というか,住民の方の中からそういう意見が出てきていると思うんです。  今,これまでずっと地元との間で膠着状態というのか,余り意見が合わなくてなかなか着工できないという状況というのは,やはり道路建設ありきということで話を持っていかれているから,そういう話になっているんじゃないかと思うんですね。今の段階で住民の方からもかわりの案が出てきている,こんなんどうですかというのが出てきていると私聞いてますけど,やっぱりいろいろ聞いていけば,いろんな案が出てきているんですよね。それを道路建設ありきだということで進めていくと,そういう意見まで否定をしてしまうと──可能性まで否定してしまうとことになるんじゃないかと思うんですけども,そういう意見っていうのはどうして受けとめてもらえないんでしょうか。 147 ◯油井建設局道路部長 先ほども言いましたけれども,須磨多聞線をつくらずに天井川左岸線を立体交差をしようとしますと,今の状況でいくと追加の買収が必要ですし,今の状況の中で工事をしようとすると,繰り返しになりますけれども,天井川左岸線をとめないと工事ができないということでございますので,現実的にそこでの──須磨多聞線がないという前提での天井川左岸線の立体交差は現実的にはないというふうに考えてございますので,やはり今の計画からすると,離宮までは須磨多聞線はできていますから,離宮から真っすぐ行って中央幹線になるということで,都市の骨格として過去から計画決定して須磨多聞線をやってきてございますし,それで用地買収にも協力していただいて今がございますので,須磨多聞線の整備を進めていきたいというふうに考えてございます。 148 ◯分科員(山本じゅんじ) やっぱり地元の意見ということを大前提でもありますし,この間震災の後,3路線が計画をされて,2路線は地元と合意をしてきちっといい形でつくられたというようなことにもなってますからね,この須磨多聞線が非常に大きなネックだということなんですが,先日,2回ワークショップ──ちょっと話変えましてね,2回ワークショップに参加をさせていただいたんですが,特に2回目,大事な問題が出されておりました。もうこれまでずっと議論になったり意見として出ていた問題なんですけど,改めて出されまして注目したんですけれども,離宮前の交差点ですね,この離宮前交差点が非常に大きなネックになるのは当然のことだと思いますし,この交差点がスムーズに通行できるようにならなければ,この須磨多聞線の目的というのは果たすことができないと思うんですが,この離宮前の交差点についてはどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか,端的にお答えください。 149 ◯油井建設局道路部長 現在の離宮前の交差点につきましては,変則の5差路というような格好になってございます。須磨多聞線ができたときには,そういう変則の交差点が解消できるように検討を進めたいというふうに考えてございます。 150 ◯分科員(山本じゅんじ) その解消案ですね,それがまだ現実には出てこないし,まだどうしましょうという住民の方からの意見が出てきているという状況だったというふうに私は認識してるんですね。この須磨多聞線の端っこといいますか,その離宮前交差点の部分ですね,ここがきちんとスムーズに動くことができなければ,今度は逆に北行きの車がそこを先頭にずるずるっと渋滞する可能性があるという点も指摘をされているんですね。私はそれはそのとおりだなというふうに思ったんですが,特に周辺一帯の交通量というのがふえるというふうに予測をされているわけですし,やっぱりここの部分は本当にきちんと解消しなければ,さらに負荷がこの地域に与えられることになると思うんですね。ですから,こういう指摘というのがちゃんと話し合いを行っていく中で出てきたという問題がありますし,また,話し合いをずっと続けていけばいろんな可能性が出てくるというふうに思うんですね。ですから,一回どうでしょうね,本当にその道路建設を前提に話を進めるというんではなくて,やっぱりこれまでせっかく2路線は住民合意で進めてきたわけですから,ここも住民合意という感じでね,ちゃんとゼロベースから話し合ったらどうでしょう。 151 ◯油井建設局道路部長 西の3線につきましては震災後事業に入ってまして,委員御指摘のとおり,須磨多聞線以外の中央幹線・千森線につきましては,地域の方と話し合って,今の現状で整備が終わっています。その当時は,道路が反対というか,結局,地域とは整備の内容について──2車線についていろいろ議論をさせていただいたということで,道路をつくることを地域の方もそれを認めて,そうしたらどんな整備が必要かということでやって,今の現状になっています。ただ,須磨多聞線については,ちょうど山陽電鉄の高架でオーバーするということで,それは反対ということで,結局,整備の内容について我々もいろいろ話をしたり,説明したいという思いはあるんですけれども,なかなかそのあたりでかみ合っていかないということでございますけれども,引き続きいろんな機会を通じてやっぱり地域の方に御理解,御協力を得られるよう説明会等で説明をしてまいりたいというふうに思っております。 152 ◯分科員(山本じゅんじ) もう時間がありませんので最後にしますが,本会議でも他会派の方が取り上げてました。3,000を超える署名が提出をされております。ここに書かれているのは,本当に市民の意見をちゃんと聞いてほしいんだという声が書かれておりました。ですから,住民の方の半数が署名に賛同されておられますし,地域によっては7割を超える方が賛同されていると,そういう状況ですからね,もっと本当に市民の声をきちんと聞いて,寄り添って対応していただきたいということを要望して終わります。 153 ◯主査(新原秀人) 山本委員,お疲れさまでした。  次に,岡島委員,発言席へどうぞ。 154 ◯分科員(岡島亮介) 末永局長,余り御面識はなかったんですが,きょうは朝からずっといろんな御意見を聞かせていただいて,本当に真摯に真正面で捉えていただいて,正直なというのか,正確なというのか,真面目に検討をされている姿,発言されている姿に感動を覚えました。建設局の皆さんそうなんですけれども,いろいろと議員の質問を真摯に答えていただいて,まずありがとうございます。  そこで,きょうは,私は河川について2つ申し上げたいんですが,1つは,先月の大雨でも鬼怒川のほうで堤防の決壊がありまして大水になりましたね。大変な惨事でありましたけれども,あれが神戸市にないわけではないんですね。例えば北区もあるだろうし,西区も明石川の流域もあります。台風のたんびに,あるいは大雨のたんびにかなりの増水を見ておるわけで,もしあれが決壊したらどうなるんだろうか,玉津のあたりはもう水浸しになるんと違うかなと,いろいろ心配をするわけです。  何年か前にも矢田市長に直接申し上げたことは,やはり二級河川を管理する県と,それから中・小を抱えておる神戸市と,河川は神戸市が管理するのと県が管理するのとあるわけですけれども,やっぱり県と市が協調して全流域の流水というんですか,そこらを把握した上で,それが30・1対応になるのか,あるいは50・1対応になるのか,そこら辺を県と市でよく協調されて,そして計画をしてほしいと。しゅんせつするのもしゅんせつしてほしいと。でなければ,このごろのように急激な雨が降ると,もう中・小河川のそれに至る支川も,今ずっと全部よく見ると,木が生えておるんです,川の中にね。気がついて要望いただいたとこは,建設局に申し上げて切っていただくんですが,あの支川の木全部切ったら流量がかなり違ってくるん違うかなと思ったりもします。ですから,県・市で今どんなふうな河川の安全対策についてお話をされているのか,防災についてね,それをお伺いをしたいと思います。  それからもう1点は,これ簡単なことなんですが,河川の整備をするときに,魚道をつくりますよね,魚が上がっていくように魚道をつくるんですね。西区の場合もこの湯がありますから,湯のところはどんなふうにされていっているのかわかりませんが,魚道をずっと見てみますと,上のほうの押部谷の住民の方がこの間こんなようにおっしゃったんやね。先生,魚が上がってけえへんのやと,魚が上がってけえへんのは魚道がうまいこといってへんのと違うかという話があって,ずっと見たんですが,さすがにそのとおりですわ。水が流れてないとこに魚道があってね,魚なんか行けませんし,もちろんカニも行けませんし,何も上がっていけません。一回ね,その魚道をもう1度見直していただきたいなというふうに考えているんです。上流のほうに魚がいるもんやと思うとったら,せやなしに,やっぱり遡上していくもんですから,魚も。だから,魚道をしっかりもう1度見詰め直してほしいなと,こういうふうに考えとるんですが,この2つについて御質問。 155 ◯末永建設局長 昨今の本当に異常気象によりまして,その影響が局地化,そして集中化しまして,激甚化しているということで河川防災の重要性を改めて認識しているところでございます。  また,河川につきましては,先ごろ鬼怒川につきまして非常に大きな災害が起こりました。これにつきまして,堤防が破堤をして,そういう被害が及んだということについては,西区で言いますと伊川とか櫨谷川,これは全くそういったことが起こらないという保証はどこにもございません。
     それで,御指摘のとおり,水系で一貫して水の管理をしていくと,これはもう河川の原則でございまして,現在,市内の一級河川,二級河川については兵庫県が管理者となってございます。それにつながる準用河川,普通河川などについては本市が管理しているということで,2者で管理しているところでございます。もっと大きなところで言いますと,一級河川については建設大臣が管理するということで──国土交通省が管理するということで,3者が管理しているということのケースもございますが,兵庫県につきましては2者でやっているところでございます。  二級河川の整備に当たりましては,河川管理者である県が定める河川整備基本方針,あるいは河川整備計画に基づくこととされております。そして,河川整備計画の策定の際には,もちろん我々も参画いたしますし,地域の住民の方々,それから学識経験者の意見を反映させるということになってございます。これらの計画については先ほど申しましたように,準用河川も含めまして各河川の整備水準を10年1であるとか30年1とか,そういったことを整備させること,それから整備の進め方の目安が示されてございます。基本的には下流から整備を進めるということでございます。これによりまして,その水系の目標流量を安全に流下させるということが基本になってございます。  本市におきましては,昭和42年の大水害の後,昭和45年から政令都市が中心となりまして要望活動した結果,都市基盤河川改修事業というのができ上がりまして──昔,都市小河川改修事業と言っておりましたが,今は基盤河川改修事業となっておりますが,これで18河川,70キロを営々と工事をしてきておりまして,これまでに15河川が完了しているところでございます。現在は伊川・櫨谷川・妙法寺川の3河川で整備を進めているということで,82%の進捗率となってございます。  今後の取り組みでございますが,今後,新たに着手いたします二級河川についても河川整備基本方針の策定段階から市として参画したいということと,県と連携をしながら,流域全体の安全確保に努めるということでございます。そしてまた,河川の場合は,先ほど御指摘ございましたように,河川内の樹木ですね,これ非常に勾配がないゆえに土砂もたまりますし,樹木が生育しやすい環境にありまして,これを適切に維持管理をしていくということがポイントでございます。特に準用河川等につきましては,河積が阻害されて流量が2割も3割も障害になっているというようなケースもありますので,これについてはしゅんせつを去年も一生懸命やりました。今後もそういった形で一生懸命やるとともに,県に引き渡した河川等につきましては,県の神戸土木事務所等で適切な維持管理をしていただくように連携をして,随時県のほうで判断をしながら河川管理に努めているということでございます。  以上でございます。 156 ◯林建設局防災部長 櫨谷川での魚道について御指摘いただきました。櫨谷川,伊川につきましては,都市基盤改修事業で今改修を行っているということでございます。改修に当たりましては,河川が本来有している生物の生息環境,あるいは多様な河川計画で保全する多自然川づくりに取り組んでいるところでございます。中でも魚道につきましては,落差工あるいは取水堰など,魚の移動を困難にする障害があるときに設置されるものです。  伊川,櫨谷川の改修でも魚道を整備しているということでございますけども,御指摘のとおり恐らく台風などの出水による土砂の堆積でございますとか,農業用の出水のために一時的に魚が遡上できないような箇所もございます。このような箇所については,早急に土砂の撤去や,あるいは必要時以外には堰板を撤去するよう地元水利組合に依頼をする対応をしていきたいと思います。その他の二級河川につきましては,管理者である県にも適切な維持管理をするよう申し入れたいというふうに思います。  現在では,魚がより上りやすい落差工も整備をしているということでございまして,そういったものを取り入れながら,自然豊かで安全な河川整備に今後とも努めていきたいというふうに考えてございます。 157 ◯分科員(岡島亮介) 魚道は櫨谷川にかかわらず準用河川全部一回見て回るというのか,チェックをしてほしいと,こういうことを1つ要望をしておきたいと思います。  私,櫨谷川と申し上げたんですけど,櫨谷川もそうですし,押部谷の川もそうですし,いろいろ河川を見ると,やっぱり魚道がもうちょっとうまく整備してほしいなとこう感じましたんで,それお願いできますか。 158 ◯林建設局防災部長 現場を確認の上,対応させていただきたいというふうに思います。 159 ◯分科員(岡島亮介) 一番心配するのは明石川・二級河川,いわゆる県が管理している河川,市のほうは先ほどおっしゃられたように,何年かに1回全部──7年に1回ぐらいですか,ずっと改修をやって,1次改修をやり,また2次改修もやっているところももう既にあるわけですけれども,明石川については下流からやっていくのに,JRの橋梁がありましてね,あそこがもう横に延びませんから,下に掘るしか対応ができないいうことで,昔からネックになっとったわけですけど,それを今さらどうするわけにもいかんけれども,下に掘って30・1の対応をしていこうというようなことだろうと思うんですが,しかし,このごろの雨で言うと,やっぱりあそこがネックになるのかなという思いもします。いくら上を整備してもやっぱり先ほど局長おっしゃったように,下から整備しないといけませんので,だから,あれが改修できない限りはひょっとしたら明石川は増水,また氾濫する可能性もなきにしもあらずやなというふうに考えますんで,そこら辺は県のほうがどんなふうに考えておられるのか,これもう10年も20年も前からの話なんですけれども,もう1度──一遍精査をして話してみるべきではないかなと。そのお声がけを一遍局長から県のほうにされてはいかがかなと,こんなことを考えておるんですけど。  ただ,あそこがどうしても流域が悪くなると,伊川から入ってきた水,押部谷から入ってきた明石川からの水,亀池のところで合流してから流れるんですけど,あの玉津大橋なんかもかなり大雨が出たときはもう危険水位を上回ってありますからね。そこで氾濫されると,もう玉津町の王塚台のほうも,こっちの西側のほうも全滅になると私はそう思っとんですけど,そこら辺についての一遍県との調整というのかお話し合いをどうされるおつもりなんか,ちょっと要望でいいんですけれども,お答えをいただきたいと思います。 160 ◯末永建設局長 先ほども申しましたように,河川というのは水系一貫でございますので,明石川の河川の改修状況がどうなっているかをもう1度県とよく確認をしてみたいと思っておりますが,要因としましては,30年1とかそういう確率強度で上から流れてくる水と,あとは高潮である一定の高さ──護岸についても上から流れてくる流量プラス潮の影響である一定の高さを確保する必要がある構造にもなってございますので,そこの辺につきましてどういった形で整備が進むのかということを確認したいというふうに思っておりますが,今手元にある資料では,一番下流端で1,000トンを流すような計画になっておりますが,今委員御指摘のような内容と見比べて,果たしてそこまで可能なんかどうかということがちょっと私自身も不安に思いますので,一度その辺は県のほうに確認をしてみたいというふうに思います。 161 ◯分科員(岡島亮介) どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。 162 ◯主査(新原秀人) 岡島委員,お疲れさまでした。  次に,浦上委員,発言席へどうぞ。 163 ◯分科員(浦上忠文) 質問いたしますけど,その前に新原副委員長にちょっとお礼を申し上げておきたいんですが,28日から5局の審査があって,私でこれで最後になるんですが,8年ぶりに戻ってきてくださった神戸市会で大きい声で元気に委員会を主導され,そして質問者がお礼を言わないかん,ありがとうございますまで答弁者のほうにかわりに言ってくださる,おかげさんで活発な議論をすることができて,さすが衆議院までした人は違うなと改めてお礼を申し上げます。  8月の6日に大野 一議員が亡くなりまして,私も20年間つき合ってきたんですが,ふと思い出したことがありまして,昔一緒に秋田市の大森山動物園というところに視察に行ったことがありまして,ここはビジネス雑誌にも取り上げられたんですが,人口の少ない秋田市の割には,たくさんの方が見物に来られるところで,みんな職員の皆さんが手づくりのポップをいろいろ工夫したり,虎が餌を食べるところがおもしろいというので木にぶら下げたり,いろんな工夫をされてたとこなんですが,そこであるチンパンジー舎の前に,5匹ぐらいのチンパンジーのそれぞれの特徴が書いてあるわけです。一番ボスの人のところに,ふだんはおとなしいが,いざ怒ると手がつけられへんと,こう書いてあったんです。ほなら大野 一君が,これ浦上先生やとこの標識を見ながら言うたわけですね。そこに園長さんが我々11人を連れていったもんですから,そのチンパンジーが怒って,要するにチンパンジーは園長先生が好きやのに,何でこの人10何人も連れてくんねんと。どんどんとたたいてですね,我々のほうにうわっと走ってきて,間に水路がありますよね,水路の水を私らにうわっとかけようとしたんです。僕ら大野君らがうわっと逃げたら,そのチンパンジーが横にふっとこうしたんです。だから,かけるぞと見せかけて,いろとるわけですよね,私たちをね。  そのときに思い出したのは,王子動物園の孤独癖のあるチンパンジーがおって,やぐらの上に上がって海を見るのが好きやというチンパンジーがおったんですが,あのチンパンジーは今でも元気かということをきのうの晩ちょっと思ってたんですが,質問は,ジャイアントパンダをまたしばらくの間借りれるということを鳥居副市長達が行かれたり,あるいはアミメキリンが入ったり,あるいはあの仲の悪いシロクマは元気かとか,雌のほうに餌をやったら怒るという雄がおったと思うが,あれ王子動物園のことやったと思うんですが,いろんなとこを見てるから違うかもしれませんが,その辺の王子動物園の現況はどうかというところと,それと,よく観光の問題のときに話題になりますが,神戸にお客さんが来たら,どこへ連れて行ったらあかんということをよくいろんな人が言われるんですが,皆さんは御存じやと思いますが,あの王子動物園というのは,日本中でも──1番は旭川の旭山動物園,それから上野動物園,定番の多摩自然動物園,それに次ぐぐらいの,新幹線から近くて,パンダもおりますし,コアラもおる,本当にすばらしい観光資源なんですが,もっともっと活用してはどうかと思うんですが,私の質問はいつも動物園長さんにポイントを絞って質問するんでありますが,きょうも園長さん,ひとつよろしくお願い申し上げますということでございます。 164 ◯末永建設局長 私のほうから観光資源との活用という側面を御答弁させていただきますが,本当に王子動物園の貴重な資源を有効に活用していくということで考えておりまして,さまざまなPR活動を行っております。ことしの4月には神戸空港に大型広告看板を設置いたしまして,遠方からの観光客の方に王子動物園の周知に努めたところでございますし,4月の夜桜通り抜け,あるいは8月のトワイライトZOOの開園延長の際には,市内各所にポスターを掲示するとともに,JR三ノ宮駅に電子広告を出しまして入園者のアップを図ったところでございます。  それぞれ時々のタイムリーな動物の話題,それからイベント情報など,またホームページの職員のブログなどにも掲載しまして迅速な発信に努めておるところでございます。  今後とも,こういった広告宣伝について,より広範に,より多くの方に情報発信ができるように努めてまいりたいと思っております。 165 ◯高井建設局王子動物園長 いろいろありがとうございます。王子動物園の最近の動きとかちょっとトピックをお話させていただきたいと思いますが,皆さんは御存じのように,ジャイアントパンダについては7月が期限でしたんですけれども,何とか積極的に中国側と話を進めまして,7月13日に鳥居副市長が北京のほうで調印ができました。非常にパンダはもう中国に帰ってしまうんじゃないかという心配の声もいろいろあったんですけれども,5年間は延長ということで多くのパンダファン等来園者の方は安心して喜んでいただいている状況でございます。  それから,トピックとしましては,マサイキリンからアミメキリンのほうに変更をこれからさせていただく予定をしているんですが,まず姫路セントラルパークのほうから雄のキリンが来まして,今現在,マサイキリンとアミメキリンの両方が見れるのは王子動物園だけということになっております。将来的に,ことしじゅうに海外のほうから雄を導入して,日本で少なくなってきているキリンの繁殖に努めたいというふうに考えてございます。  それから,非常に王子動物園は出産も順調にラッシュになってまして,これは昨年の6月ですが,17年ぶりにコアラの赤ちゃんが2頭誕生して,今元気に育っております。コアラはだんだんどこの動物園も少なくなってきましたんで,王子でどんどんふやして,全国にも発信していきたいというふうに考えております。  それから,これはアムールヒョウの赤ちゃんですけども,野生ではもう50頭ぐらいしかいないという非常に希少な動物で,これも6月に出産をしまして,現在すくすく育っております。今後もどんどん繁殖させていきたいと考えております。  レッサーパンダは,実に25年ぶりに7月にかわいい赤ちゃんが生まれまして,これはちょっと3カ月ぐらいはまだ公開できないので,もうそろそろ公開時期ということで,皆さん待ち望んでもらっておるところでございます。  ゴリラにつきましては,非常に動物園で希少になってますので,繁殖に挑戦をしているところなんですが,残念ながら雌に先立って雄を福岡動物園へ移動させましたけれども,ちょっと死亡したという悲しいこともございました。  今後は,やはり国際動物交流を推進していきたいということで,来年65周年を迎えますので,種の保存の意味から新しい血を入れるということと,来園者に喜ばれるような動物園を目指すために中国の天津動物園であるとか,ラトビアのリガ動物園などとの国際交流も推進して,これから動物園を発展させていきたいと,そのように考えております。  以上でございます。 166 ◯分科員(浦上忠文) 今,また私も知らなかったことをいろいろ教えていただいたんですが,そのことを少なくとも20人ぐらいの人に知っていただきたくて,きょうこう質問をして,皆さんまたどっかへ行って,王子動物園が元気にやっていることを広告してくれると思うんです。  局長ね,この動物園長は本当におもしろくてユーモアのある人で,私よう知ってまんねん。そういうふうにええことを一生懸命やっているということが本当に市民にというか,全国的に,全世界的に知られてないということが残念なんですよ。動物園も近所のお母さん方に言うても,あるいは小学生や幼稚園の人が行くとこでしょうと言う人もおれば,何言うてんの,あれ全国的に,世界的にも代表的なデートコースになっているような動物園もあるのよと,こういう話もよく聞くんですが,もう少し視野を広くして,もっともっとたくさんの人に親しまれるというか,もっと動物園というだけやなしに,ほかのアミューズやいろんなものにかわるほど,そういうとこの研究もして,もう少しどっと人が来るようにPRされてはどうかと思うんですが,ひとつ覚悟のほどをどちらかどうぞ。 167 ◯高井建設局王子動物園長 委員がおっしゃられるように,これからはもっとPRが必要かなと思っています。ジャインアントパンダとコアラが見れる日本で唯一の動物園というのは非常に売りにしているんですが,上野とかアドベンチャーに比べたらなかなかパンダが神戸におるということを知らない方もたくさんおられますので,これからはいろいろマスコミ等も活用して,いろんなところでいろんな情報発信をしていきたいと。その1つとして,我々職員がいろいろブログを今ホームページに書かせてもらっております。細かな身近な最新の情報をできるだけ広い方に見ていただこうということで,頑張っている1つだと思います。 168 ◯分科員(浦上忠文) 動物好きの方のブログなんかを見てますと,新幹線の駅から近いということが一番のメリットやということを言ってる方もいらっしゃいますので,さまざまな角度から動物園頑張ってください。  これで終わります。ありがとうございました。 169 ◯主査(新原秀人) 浦上委員,お疲れさまでした。  以上で,建設局関係の質疑は終了いたしました。  当局どうもお疲れさまでした。 170 ◯主査(新原秀人) 以上で,本日の日程は全部終了いたしました。  長時間の審査,お疲れさまでした。  委員の皆様に申し上げます。  当分科会の審査は本日をもって終了いたします。  本日までの間,当分科会の運営に格段の御協力をいただき,本当にありがとうございました。  なお,来る13日から委員会審査に入りますが,13日は市長,副市長等に対する総括質疑を午前10時より議場において行いますので,よろしくお願いいたします。  本日はこれをもって閉会いたします。  どうもありがとうございました。   (午後4時17分閉会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. 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