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  1. 神戸市議会 2012-03-07
    開催日:2012-03-07 平成24年予算特別委員会第3分科会〔24年度予算〕(交通局) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時1分開会) ◯主査(藤本浩二) おはようございます。ただいまから予算特別委員会第3分科会を開会いたします。  なお,午後2時より神戸市建築審査会が開かれるため,高山委員が中座されますので,ご了承願います。 (交通局) 2 ◯主査(藤本浩二) それでは,日程によりまして,交通局関係の審査を行います。  当局におかれては,簡明な説明をお願いします。  それでは,当局の説明を求めます。  局長,着席されたままで結構です。 3 ◯吉武交通局長 おはようございます。それでは,交通局関係議案2件,予算第20号議案平成24年度神戸市自動車事業会計予算及び予算第21号議案平成24年度神戸市高速鉄道事業会計予算並びに報告1件につきまして,一括してご説明申し上げます。  お手元の平成24年度予算説明書の1ページをお開き願います。  我が国の景気は,東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあり,先行きについても電力供給の制約などに加え,雇用情勢の悪化が強く懸念され,厳しい経営状況にある自動車事業,高速鉄道事業の財政に一層深刻な影響を与えております。自動車事業会計においては,平成18年度から5年続けて単年度黒字を達成したものの,依然として11億に及ぶ累積資金不足を抱えております。また,高速鉄道事業会計においても,資本費負担などにより多額の累積欠損金,累積資金不足を抱えていることに加え,いまだ単年度収支を賄うことができない状況にあります。  さらに,日々の資金繰りでは金融機関から多額の一時借り入れでしのがざるを得ないという危機的な状況が続いております。  このような中で迎える平成24年度は,神戸市営交通事業経営計画2015に掲げた目標達成に向けて着実に取り組み,改善型地方公営企業として断固たる経営改善を図るとともに,市民サービスの向上に取り組んでいく必要があります。そのため,平成24年度は安全で安心な市民の足の確保などの取り組みを積極的に展開しながら,あらゆる経営努力を行い,さらなる経営改善の推進に取り組んでまいります。  各事業の平成24年度予算の概要でございます。初めに,自動車事業会計の予算の内容につきましてご説明申し上げます。  4ページをお開き願います。  1業務の予定量でございます。平成24年度の運転計画としまして,1日平均の欄でございますが,乗車人員は19万785人,乗車料収入3,163万円,運転走行キロ5万438キロメートルなどを予定しております。また,(2)建設改良事業の概要としまして,バス車両購入費として8億5,100万円を計上し,これに建物建設工事などを合わせまして10億1,700万円を予定しております。  5ページをごらんください。  2収入支出一覧でございますが,上段に収益的収入及び支出を,下段に資本的収入及び支出を掲げております。なお,当年度純損益は中ほどの欄外,注書きにございますように2億9,900万円の純損失を計上しております。  6ページをお開き願います。
     3予算実施計画でございます。収益的収入といたしまして,第1項営業収益では,第1目運輸収入から第3目運輸雑収入までを合わせまして118億5,900万円を,第2項営業外収益では,第1目受取利息及配当金から第5目雑収入までを合わせまして12億8,600万円をそれぞれ計上し,自動車事業収益合計で131億4,600万円を計上しております。  7ページをごらんください。  収益的支出でございます。第1項営業費用では,第1目建物保存費から第6目減価償却費までを合わせまして129億5,900万円を,第2項営業外費用では,第1目支払利息及企業債諸費から第3目雑支出までを合わせまして2億8,800万円を,さらに第3項特別損失では,第1目その他損失として神戸航空交通ターミナル株式会社の特別清算に伴う特別損失として1億1,000万円を計上し,これらに第3項予備費5,000万円を加えました自動車事業費合計で134億700万円を計上しております。  8ページをお開き願います。  資本的収入でございます。第1項企業債では9億1,900万円を計上し,これに第2項補助金から第4項雑収入までを合わせました資本的収入合計で10億1,500万円を計上しております。  9ページをごらんください。  資本的支出でございます。第1項建設改良費では10億1,700万円を計上し,これに第2項企業債償還金から第5項予備費までを合わせました資本費支出合計で23億4,100万円を計上しております。  10ページをお開き願います。  4債務負担行為でございます。24年度は自動車事業修繕につきまして,25年度までの期間に3,000万円を,自動車事業建設につきまして25年度までの期間に1億5,000万円を計上しております。5企業債では起債の目的,限度額などを,6一時借入金ではその限度額45億円を,7他会計からの補助金ではその合計額12億6,100万円を,8棚卸資産の購入限度額ではその限度額1億円をそれぞれ計上しております。  続きまして,高速鉄道事業会計の予算の内容につきましてご説明申し上げます。  12ページをお開き願います。  1業務の予定量でございます。24年度の運転計画としまして,1日平均の欄でございますが,乗車人員は29万6,900人,乗車料収入5,056万円,運転走行キロ5万3,143キロメートルなどを予定しております。また,(2)建設改良事業の概要としまして,高速鉄道事業駅舎等改修工事などで38億8,500万円を計上し,これに付帯事業建設を合わせまして40億6,000万円を予定しております。  13ページをごらんください。  2収入支出一覧でございますが,上段に収益的収入及び支出を,下段に資本的収入及び支出を掲げております。なお,当年度純損益は中ほどの欄外,注書きにございますように,西神・山手線で42億3,000万円の純利益を,海岸線で60億9,400万円の純損失をそれぞれ計上し,全線合計では18億6,300万円の純損失を計上しております。  14ページをお開き願います。  3予算実施計画でございます。収益的収入といたしまして,第1項営業収益では,第1目運輸収入から第4目付帯事業収入までを合わせまして208億4,200万円を,第2項営業外収益では,第1目受取利息及配当金から第4目雑収入までを合わせまして15億4,300万円を計上し,高速鉄道事業収益合計で223億8,600万円を計上しております。  15ページをごらんください。  収益的支出でございます。第1項営業費用では,第1目線路保存費から第8目減価償却費までを合わせまして191億6,400万円を,第2項営業外費用では第1目支払利息及企業債諸費から第4目雑支出までを合わせまして50億300万円をそれぞれ計上し,これらに第3項予備費5,000万円を加えました高速鉄道事業費合計で242億1,700万円を計上しております。  16ページをお開き願います。  資本的収入でございます。第1項企業債では69億9,800万円を計上し,これに第2項出資金から第6項雑収入までを合わせました資本的収入合計で101億9,700万円を計上しております。  17ページをごらんください。  資本的支出でございます。第1項建設改良費では40億6,000万円を計上し,これに第2項企業債償還金から第6項予備費までを合わせました資本的支出合計で180億4,500万円を計上しております。  18ページをお開き願います。  4債務負担行為でございます。24年度は高速鉄道事業建設につきまして26年度までの期間に15億円を計上しております。5企業債では起債の目的,限度額などを,6一時借入金はその限度額250億円を,7他会計からの出資金では7億7,700万円を,8他会計からの補助金では36億9,600万円を,9棚卸資産の購入限度額ではその限度額2億円をそれぞれ計上しております。  次に,自動車事業及び高速鉄道事業の主要事業でございます。  20ページをお開き願います。  1.乗客案内表示装置のLED化といたしまして,列車運行情報・サービス情報・災害情報を迅速に伝えるため,西神・山手線のホーム及びコンコースにある乗客案内表示装置を従来のあんどん式からLED式に整備・改良してまいります。2.バスIC定期券の発売といたしまして,平成26年3月のサービス開始に向け,市バスのICカードサービスの充実を図るため,現在未実施であるバスIC定期券サービスを提供するとともに,市バス・地下鉄の連絡定期券サービスのIC化も同時に取り組み,利便性の向上を図ってまいります。3.地下鉄におけるICカードの全国相互利用対応といたしまして,PiTaPaを含む全国11事業者が1枚のカードで各サービスエリア内の公共交通機関を利用できる全国相互利用サービスを平成25年春に実施することに伴い,地下鉄の改札機などのシステム改修を行ってまいります。4.需要に応じた路線・ダイヤの設定・見直しといたしまして,バス路線に対する市民要望にこたえ,路線の延伸やバス停の新設などを実施してまいります。5.高齢者などの利用に配慮した駅トイレの整備といたしまして,駅のトイレを高齢者や外国人の方にも利用しやすくするため,一部を洋式化するとともに,より衛生的にご利用いただけるよう,床タイルの整備を行ってまいります。6.人と環境に優しい市バスの導入といたしまして,ユニバーサル社会の実現に向けてすべての人が乗りおりしやすい低床バスの導入を推進し,市バス低床化100%を達成いたします。なお,低床バスの導入に当たりましては,環境対策などの観点から,NOX及びPMの排出量が従前の車両に比べて極めて少ない環境性能にすぐれたディーゼルバスを導入してまいります。7.停留所における点字ブロック設置の推進といたしまして,市バス低床化100%による乗車口の中扉化に伴い,点字ブロックの設置位置の改修に積極的に取り組んでまいります。8.駅施設のユニバーサル対応の推進といたしまして,目の不自由な方の安全を確保するため,点字ブロックJIS規格化を推進してまいります。また,オストメイトの方が安心して外出できるよう,身障者対応トイレオストメイト対応設備を整備してまいります。9.大河ドラマ「平清盛」との連携といたしまして,関連施設であるドラマ館・歴史館の共通入場券を含む,「KOBE de 清盛」1dayパスの発売や,ラリーイベントなどを実施してまいります。  続きまして,報告事項についてご説明申し上げます。  25ページをお開き願います。  東灘区・長田区・須磨区・西区との区局連携予算についてでございます。バスマップの作成といたしまして,81万5,000円を計上しております。  以上,予算第20号議案及び予算第21号議案並びに報告1件につきまして,一括ご説明申し上げました。何とぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。 4 ◯主査(藤本浩二) 当局の説明は終わりました。  引き続いて順位により質疑を行います。  なお,委員会運営の効率化のため,当局におかれては簡明な答弁に努めるとともに,適当なものについては担当部課長からも答弁されるよう,この際,特に申し上げておきます。  また,質疑者が要望にとどめた項目についてはコメントを要しませんので,念のため申し添えておきます。  また,委員各位におかれては,質疑の要点をおまとめの上,簡明にお願いいたします。  それでは,大野委員,どうぞ。 5 ◯分科員(大野 一) おはようございます。よろしくお願いします。非常に予算説明をお聞きしまして残念に思っておりまして,赤字の予算が久しぶりに出てきたということでございます。これだけはしばらく大丈夫なん違うかなと実は思ってたんですけども,乗客がかなり減ってきているということで,予算の立て方として実績をベースにして予算を立てるというルールに従ってやっておられるから,仕方がないのかもわかりませんけれども,とは言ってもやっぱり赤字になったわけですから,非常に残念だなと。これで5年間ですね,黒字が続いたんですね。せっかく黒字が続いて,いろいろご努力をいただいて,数字を拾い上げていきますと8営業所のうち5営業所が民間に委託された。それをベースにして453人の職員の方々が市長部局へ配置転換をした。それと同時に不補充をしておりますから,合計すると600人ぐらいは削減をされているというようなことですし,また新規採用については20%の給与を──テーブルそのものを見直したものを採用していただいてますからということで,これほどの合理化なり経費節減なりを努力してやっていただいたから,何とかなるんかなと思っていたんですけども,残念な結果やということでありまして。この赤字の予算を立てざるを得なくなったというところは,いろいろ事情はおありなんでしょうけども,経費の節減がもうひとつ足りないんではないか。あるいは,予算のベースですから,予算に向けて経費節減をする努力をもう一層しなきゃいかんのじゃないかなというような気がしてるんですけれども,具体的にどんな経費節減をこの予算に盛り込んでいただいたのかということをベースにして,トータル的に赤字予算についてどんな見解をお持ちなのかということを,まずお伺いをいたしておきます。  それと,2つ目はその問題の運転手の給料の問題であります。  100数十億の売り上げで100億以上があれですか,人件費なんですか,これは。ということですから,もう本当に労働集約型産業でありますから,運転手さんの給料によって左右がされるというのは当然のことでありますが,この運転手さんの給料で大阪市が──できるとは思いませんけれども,40%をカットをするというようなことがマスコミをにぎわしておりますし,神戸の方ではそれに先駆けて,先ほど申し上げたような運転手さんのカットというのをやりましたけれども,まだまだ20%ダウンでも民間に比べると高いんではないかという声が──これは言いたくはなかったんですけれども,赤字の予算ということもありますから言わざるを得ないということで申し上げるんですけれども,平均しますと恐らく神戸市バスの運転手さんが,もとの100%の分が大分残ってますからね,そういう意味では750か800か──800まではいかないかな,ちょっとその辺はわからないです──750か800万ぐらいいってるでしょう。それに比べると民間のバスが,大手の民間バスでも600いかないんじゃないでしょうかね,多分。中低,あるいは田舎の方の──そこらと比べるのはいかんのかもわかりませんけども,もうちょっと安くなるんじゃないかと思うんですね。そういう意味では200万,300万の差がやっぱりあるわけですけれども。この300万円の差,本当にだれもが聞いて納得がいくような神戸市バスの運転手さんの給料なのかなと。代表質問でもちょっと申し上げたんですけれども,例えば同じ公務員でも警察官の給料は高いよとか,消防職員の給料は高いよとか,そういうことは余り聞いたことないですね。同じ労務職というわけじゃないんでしょうけども,労務職にもそういうことを言われます。やっぱり同一の仕事をしていると,やっぱり民間との比較ということになると,この差がすごい大きくなってくるんですけどね,これはどうしても市民の側に説得をする力が我々もなくって,非常にもう言われっ放しという状態になってますね。市バスの運転手さんの給料は高いん違うのと言われたら,もうそれ以上は何も言えないというのが我々の今の状態でありますので,そういう意味で局長として,今現状の700万,800万の平均の給料というものに対して,民間と比較した場合に200~300万高いということに対してはどのようにお考えなのか。また,8掛けをしていくということで,80%をこれからやるということでありますけれども,これで2割カットになるんですけれども,2割カットになっていって人数が大分,徐々にふえていくんでしょうけども,それでもやっぱりまだ高いということが言われるんじゃないかなというふうに思ってまして,いわゆる運転手さんの給料のあり方ですね,これをどう考えていらっしゃるのかということをお伺いをしたいと思います。  以上です。 6 ◯吉武交通局長 24年度の予算が赤字予算になったことについてということでございます。  冒頭,乗車人員のお話がございました。市バスの乗車人員,過去から振り返ってまいりますと,昭和46年のときに1日当たり39万2,000人,これがピークでございました。それ以降,年度によって増減はあるものの,モータリゼーションの進展,あるいは最近の少子・高齢社会の進行などの影響によりまして,大きく見るとずっと減少を続けてきていると。平成22年度の決算でまいりますと,1日当たり19万4,000人ということで,先ほどの46年度の数字に比べますと,ちょうど2分の1の状態になってきたということでございます。今後もその少子・超高齢化というものはますます進行していくと見込まれますので,さらに本市においても人口減少というのが近く予測されてまいります。そういったことからいきますと,市バスの乗車人員というのは減少傾向になるものというふうに考えてございます。そういった中で,平成24年度の予算で乗車人員を見込んでいくということでございますけども,やはりそういった最近の動向から,22年度の決算に比べまして減少するものというふうに見込んでございます。  そこで,その経営の効率化のご指摘もございました。経営計画2015を立てまして,経営改善の取り組みをスタートさせたわけでございますけれども,経営の効率化として経営計画の中では業務量の見直し,あるいは嘱託職員の活用,こういったことで自動車事業・高速鉄道事業を合わせて職員定数10%削減を実施するということにいたしております。また,総人件費の抑制及び1人当たり人件費の削減を図るために時間外勤務手当削減等による給与水準引き下げ,効率的な勤務体制及び本庁の間接部門での事務事業の見直しに取り組んでいくと,こういった形で経営計画2015にうたってございます。また,あわせまして車両の方につきましても,最新排ガス規制に適合するバス車両について,更新期間を現在の12年から大幅に期間延長して,計画的に更新していきたいというふうに思ってございます。  24年度の経営改善の取り組みというご指摘でございます。24年度予算案での経営改善の取り組みといたしましては,これまでにも市バス営業所の管理委託などによりまして,先生申されましたとおり自動車事業での職員定数といいますのは,平成15年の1,187人から,この平成23年には531人ということで,656人の削減,率でいきますと55%の削減ということを実施してまいりました。これに平成24年度予算では,直営営業所から一定の便数を委託営業所に移す市バス路線の委託拡大によりまして,バスの職員定数を59人さらに削減するということで,対前年度予算比で4億7,900万円の人件費の削減をするということをしてございます。  また一方で,やはり収入増・乗客減に対応していくということで,乗客増対策ということで収益力の向上のためにその工夫を行っていく必要がございます。利便性の向上であるとか,乗客増対策の観点から,平成24年度予算案に盛り込んでいるものといたしまして,先ほど少しご説明いたしましたバスのIC定期券の発売などに向けた取り組みであるとか,あるいは市バス路線について新たな住宅団地の開発,道路施設等の周辺状況の変化に対応した新たな需要を取り込んでいきたい。あるいは,大河ドラマ「平清盛」の関係で,特に兵庫区・長田区・須磨区,このあたりを中心に点在しております平家ゆかりの史跡観光を市バスでめぐるモデルコースの紹介とか,バス停において街路マップを掲示して,周辺史跡の紹介を行うなど,観光客へのPRを図って乗客増に何とかつなげていきたいというふうに思っております。  自動車事業では,こういった人件費など費用の削減の一方で,乗客数の減少による減収によりまして,ご指摘のように経常損益では2億円の赤字,それに神戸航空交通ターミナル株式会社の特別清算に伴う特別損失があるために,純損益を合わせまして3億円の赤字ということになると見込んでございます。これに対しまして,予算に盛り込みました取り組みについて,これは着実に実施するとともに,予算を執行する段階でさらに経営改善,あるいは経費削減などの見直しを行っていくことで,経常損益については何とか黒字を確保するように最大限の努力を行っていきたいというふうに思います。経営計画に掲げました財政目標・重点施策を早期かつ着実に実現をさせて,改善型地方公営企業として安定した経営を維持しながら,市民の信頼と期待にこたえられるように取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。  私の方からは以上でございます。 7 ◯小林交通局次長 私の方から,給料のあり方というご質問がございましたので,お答えをさせていただきます。  神戸市バスでございますけど,先ほどからのお話がありますように,平成15年当時単年度で28億円の赤字決算がございましたし,その当時,300億近い資金不足がございましたので,経営状況については危機的な状況ということがございました。それをまず何としても立て直すことが必要ということと,もう1点,市民の足を確保していかないといけないと,これがございましたので,優先的に選んだのが市バス営業所の委託化というお話でございまして,お話がございましたように8カ所のうち5カ所を民間事業に委託をさせていただき,それから一部,路線移譲もさせていただきました。それによりまして配置転換もさせていただきましたが,一部では新規採用の凍結をして,大幅な職員削減を行ってきたというのが1点ございます。こういった取り組みをしていきましたので,5年連続の単年度黒字ということは達成できたということでございまして,やり方としては,まず総人件費の削減に力を注いだということでございまして,このやり方については今も踏襲してやっていくことには間違ってないものと考えてございます。  一方で,総人件費の削減を優先していっていきましたので,20年度以降20%カットという新規採用も行いましたが,やはり一部では採用の抑制もございまして人員不足というのを解消するまでには至らなかったというような原因が起きました。その関係で,従来いる職員にとっても時間外勤務──超過勤務が非常に多くなって,超過勤務で人員の部分を対応せざるを得ないという状況になってございますので,人件費は高い,これも要因の1つとなってございます。その結果,ご指摘のありますように民間事業者,それから他都市に比べても高い水準になってしまったということでございます。24年度予算,先ほど厳しい赤字予算というお話もございましたが,業務量でありますとか,定数の削減,これにはもちろん取り組むということで,超勤がふえないように,時間外勤務がふえないような業務の効率化,業務量の見直しを進めて24年度予算を取り組んでまいりました。  肝心の給与水準というお話がございましたので,その中で我々としてももちろん1人当たり人件費の引き下げというのは行っていく必要があるということで,まずは神戸市行財政改革の2015年,これに基づきまして,今現行計画してございます政令市中位,この程度になるように削減を図っていきたいと考えてございます。先生ご指摘の神戸市の職員,市バスの平均本俸が──年収が800万程度と今なってございます。政令市の平均が720万ということですので,まずはこの10%削減できるように,720万円,政令市中位程度を目指して精力的に取り組んでいきたいと考えてございます。  以上です。 8 ◯分科員(大野 一) まず,人件費の方からいきます。ということは,旧来から残っている運転手さんたちの給料の平均が今800万というやつを720万にとりあえず,今交渉を既にやってらっしゃるのか,そういうふうな動きを実際にやられるおつもりなのか。5年前にこれでやりましょういうて,言葉は悪いですけど,手打ちをしたわけですよね。それをまた5年たって赤字になって大変やからということで,またそれ800万いうて約束しとったけど,申しわけないけど,また政令指定都市並みにやらなあかんので720万にしまっせと。それでよろしいなというような話を今しておられるのかどうかですね。それが1つ。  それと,事前の勉強で,もう民間委託という──麻薬みたいな話ですけども,民間委託民間委託って言ってたんですれど,もう民間委託はこれ以上しないというふうになってますんでね。その辺で,いわゆる人件費ということでは,今やっぱり800は高いんで720ぐらいにしたいと。それについて交渉しますという──その部分でやるというのは1つやということですね。  あともうちょっと経営の問題に絡んでくるんでしょうけども,超勤が非常に多くなっていると。それは過渡期ですから,変化をしているときには当然,超勤なんかもふえてきて,無理も言わなあかんということなんでしょうけども。これは2年目はちょっとこれは許されないことですよね。ダイヤも見ながら,その辺は効率的に,まさしくここに座ってらっしゃる方々が能力を試されるような時期なんですから,超勤が多くなってしまったんで総人件費が上がりましたよというようなレベルでは,話にならないと思うんですけれども,その辺は効率的に業務を見直して云々という,超勤をなくしていくという──具体的にどんなところを工夫をしていこうとしてらっしゃるのか。  それと,ちょっと経営の問題なんですけども,公営企業ですから当然,一番大事なのは私の考えは収益だと思っています。赤字になっては絶対にいかんというふうに頭の中では思ってるんですが,局長もそれが最優先やというふうに思ってらっしゃると思うんですが,それはいかがかということ。それと,当然,公共輸送機関でありますから,どうしても普通のものよりもやっぱり安全でありますとか,乗客に対しては安心でありますとか,そういうたぐいのものは十分に注意をしなきゃいかん。JRでああいう大きな問題が起こって,公共輸送機関というのは何やというのを改めて考えましたけれども,そういう意味では,安全・安心というものを大事にしなきゃいけないんですけども,どうも今の設備のいろんな更新とかサービスのアップとかいうのを見てると,安全・安心ではない,いわゆる営業活動みたいな乗客をふやさなあかんというレベルがすごい多くて,安全・安心という最低限度のところを守ればええはずやなんけども,それに上乗せしてやってるんではないかなという気がする。要は,乗客増というのを余りにも意識をし過ぎて,肝心かなめのもの以外のことをたくさんやって経費を使ってるんじゃないかなという危惧を僕はしてます。そういう意味で,その辺のバランスみたいなものですね。赤字になってしまってて,経費を節減せないかん,運転手さんの経費は節減できない,そしたらサービス向上の分をちょっと,例えばLEDにしたとか──これはバスと違うかわからんけども,バスの停留所をきれいにしたとか,いろんな経費に使ってらっしゃると思うんですけども。どうもそういうものって,本来赤字でどうしようもないときに,ちょっとストップしようかという気持ちがなかったらいかんのちゃうかというふうに思っているんですが,その辺のことをお聞きします。  バスの車体そのものは,たしか償却は一般会計から出てると思うんですね。そうすると,普通一般的には非常に経営がしんどくなってくると,資本費の車体の部分はできるだけ前のやつを使って節約していこうというのが普通の感覚なんですが,この交通局のバスの事業の場合には,バス代は全部償却が一般会計から出ますから,何ぼ節約しても効果が上がらへんわけですね。ここのPLに対してはね。それはどうも──前から僕はおかしいなと思ってたんですけども,どうもこれはあかんのんちゃうかというふうに思う。これ,ちょっと今の問題は1つ置いときますと。それと同時に福祉路線ですね,いわゆる。もう赤字でたまらんので,もうこれはやめたいと,普通はやめるべきものやというやつを,福祉的な目的,地域的な目的,あるいは公共的な目的というたぐいの言葉で濁らせて,そしてそれを続けざるを得ないということで続けてます,というのが今のバスの実態であります。物すごく利用客が減ってるけども,過去もう40年間これやってますから続けますよということになってるんでしょうけども,これこそまさしく一般会計から見ないかんわけですね。今はそれが全くざるになってて,車両費は一般会計から見ましょうと,福祉路線やそんなんは全部交通局で任せるからやってよという,補助の部分と赤字の部分とが全然違うところで話が行われるから,これおかしい話になるんで。1つ1つの路線をきちっと皆さん方,性格がわかって,どういうものがあって利用客数もわかっているわけです,歴史的な経緯,地域的な経緯,いろんなことがわかっているわけですから,それぞれにおいてやっぱり赤字になる要素というのが決まっているわけですね。その部分を,やっぱり一般会計から補助をしてもらうと。それで,赤字で本当に苦しい,経費を抑えなあかんというときには,あなた方がやる,いわゆる車体の節約とかそんなんは,まともにPLにばんと利益として上がってくるんや。車体の節約をする,我慢して2年間,3年間余分に運転をしたら,その車体の償却が減っていくから,当然これは利益に上がるわけですから,そういうスタイルの本来の姿に戻すべきやというふうに,いつも僕はバスの事業を見て思ってるんですけども,そんな議論は局内なり,あるいは市長部局というか,理財というか,そんなところとの議論の中で行われないんでしょうか。とりあえずお聞きします。 9 ◯吉武交通局長 まず,経営のバランスということのご指摘というふうに思います。例えば,あくまでも企業ということで,黒字を収益──採算というものを最優先に考えていくのか,あるいは公営ということで安全・安心,その他のことにウエートを置いていくのか,大変難しいご指摘でございます。まさに常にこのバランスをどう考えていくのかというのが,公営企業の管理者として一番問われているところでございます。正直,そのときそのときで右左に私自身も揺らぐときがございます。ただ,やはり当然のことながら,最低限の安全・安心というのは,これは最も大切だということにつきましては,交通事業者である限り,まずこれはやっていかなければならないと。その上で採算性はやはりとっていかないといけないという順番になります。  そこで各論で,例えば先生がおっしゃられるように,さらなるサービスというようなものを,その赤字の状態でやっていくのが妥当かどうかということです。ご指摘のように,そこは私といたしましては,やはり基本は安全・安心の最低限のものを守りながら採算性を持っていく。そこで,先ほどご指摘のあったサービスの向上策といったものというのは,結局,採算性をとるために徹底した経費の削減と,あとやはり収益の増というのも一方で図っていかなければならない。収益の増に,短期的ではなくても長期的にでもプラスになるものということを──やはりこれ採算性もにらみながらなんですけれども,そういう意味でのプラスサービスというものを,やっぱりやっていかなければならないというふうに思ってます。ただ,原則論はそう言いましても,例えば先ほど申し上げたオストメイト対応のトイレをしていくのがいいのかどうか,今の観点でいくと,少し違ってくるかもしれません。そのときそのとき求められる水準というのをどう考えていくのか大変難しいんですけど,ただ先ほどのトイレの話でもそうなんですけども,基本的にトイレの老朽化の改修のときに,老朽してるんで改修しなければいけない,そのときにあわせてやるというような形で,先ほどのLEDの表示の方も,あんどん式の表示機が古くなって取りかえなければならないと。取りかえなければならないときに,あわせてこういう形で情報を入れていく。やはり,そういうバランスのとり方が多分必要なのかなと。そういうものがなくて,ひたすら赤字なのにプラスのサービスでレベルの高いものを持っていくというのは,やはり先生のご指摘のとおり,それは違うのかなというふうに思います。  あと一般会計の負担のご指摘でございます。これも非常に難しい本質論のご指摘でございまして,個人的には先生のおっしゃる意見に,私,すぐ賛成してしまうんですが,これはやっぱりちょっと管理者の立場としては,あんまりそういうことを言ってはいけないんだろうなと思います。基本的にといいますのは,公営の市バスとして,今うちがやってる形というのは,当然のことながら赤字路線の方がはるかに多い。黒字路線の方が数としては少ない。ただ,その黒字路線で生み出した黒字を,トータルで賄って,トータルの路線のネットワークを組み立ててるということで,少し変な議論になってしまうんですけども,例えばうちが民間のバス事業者として──仮にですけども,赤字の分の路線だけ赤字の補てんを市から仮にしてもらうとしますと,要は黒字の分だけは,皆会社の利益として残っていく,それが正しいのかどうかというと,非常に難しいところだと思います。トータルとしてその会社としてやっていかなければならないというのは,民間でも基本的には同じことなのかもしれません。そういったことで,路線ごとに税をつぎ込んでいくという形というのは,現実論からすると,なかなか難しい点が多分にあるんだろうと私は思っています。  あと,車両の話も先生のご指摘のとおりなんですけど,実は例の基準外繰り出しの見直しということで,実は見直しの対象に当たっておりまして,既に100%の補助でなくなってきております,一般会計の負担が。交通局負担も出てきております。そういった意味でいきますと,これを長期化するというのは,交通局自身のPLに若干のプラスになっていくというのは言えます。それ以上に,やはりさらなる見直しを求められておりますので,やはり一般会計の方から,そういった面からも,バスの車両,今まで12年ということで──排ガス規制の関係から12年で必ず更新しなければならなかったものを,すべて適合車になってまいりましたから,延ばしていくということができる状態になっております。そういったことで延ばしていくことによって,一般会計の負担と交通局自身の負担との削減に寄与できるというふうに思ってございます。  それからあと超勤の削減の話。具体的にどうしていくんだということと,民間委託の話と相まっての話なんですけども,実はこれまでも1人当たり人件費の削減ということで,超過勤務手当を何とか少なくしていかなければならないということで取り組んできたわけですけども,結局,先ほども少し次長の話がありましたように,どうしても我々としては総人件費の削減,具体的な形で人数をとにかく減らしていくというのが,経営的にはこっちの効果が高いんで,これをとにかくどうしても,人員を落とす方が,言うたら業務量を減らすよりも余計に落としていく,そういう形で進んできてしまいました。要は何のことかというと,民間に対して委託料をもっともっとふやして仕事を出すという,このコストが要りますので,それからそういう形を今までとってきたと。24年度は,やはりこれではいけないということで,今回,予算でバス路線につきまして,バス路線を民間に動かしていくということを予算に経費として盛り込ませていただいてます。これである程度──先ほど次長が少し申し上げました,超勤で対応しなければいけない分の業務についても,今回,動かさせていただいております。そういったことで,何とか超過勤務手当の削減をしていきたいということで,これを予算をお認めいただきますと,そういった形で組合とも話をしていき,超過勤務手当をとにかくまず削減していくということでやりたいということでございます。 10 ◯小林交通局次長 人件費について補足説明をさせていただきますけど,局長言いましたように,本俸プラス──もう手当はほとんど超過勤務手当以外ございませんので,本俸の削減というよりは,まずは超過勤務というのが削減をまず目指していくということと,それプラス,ダイヤの効率化でありますとか,無駄のないように,その他いろんなことも含めまして,組合といいますか,現場の職員の中でも無駄がないように,いろんなお話を今進めてございます。その中で,何としても1割程度は──高いというのが現実にありますので,少しずつでも,スピード感を持って早いこと減らしていきたいということで,今年度やりたいと思ってございます。  以上です。 11 ◯分科員(大野 一) 運転手さんの人件費というか経費は,これからも隣町もあんなにわあわあやってますから,皆さんもかなり問題意識を持っておられるでしょうし,組合側もかなり問題意識を持っていると思いますので,ここでとやかくあんまり言う必要はないんかもわかりません。今,ちょっと聞いてて思ったのは,やっぱり赤字路線というものに対しての考え方なんですね。例えば,東灘の南北路線,あれ各区南北路線をつけさせられたんでしょうね,こちらサイドからするとつけさせられた。我々は要求をしたんですけども。我々が要望して,交通局が嫌々──嫌々と言うたら言葉は悪いですが,つけさせられたと。でまあ赤字なんですね。いろいろ工夫して,運転手さんを民間の人にやったりとか,バスを計画してあれしたりとか,いろいろやってられるんでしょうけども。ああいうものはまさしく区役所とか市民参画局とか,いわゆる市長部局からやらざるを得ません,政治的な判断ですとか,そういう言葉でここへ持ってくる。そのときに何も言わなかったんでしょうね,恐らく。今みたいにざるですね,今,局長の答弁のとおりね,ざるなんですよね。ほんまにそんなんでええんかなと常に思ってましてね。どうも局長はそんなにあれじゃないんですけども,交通局に来られてから,どうも答弁がクリアにならないといいますか,やっぱりその辺の部分がね,赤字は赤字なんです,これはもう政治的に,赤字の路線ですけどやってるんですわというて,はっきりと言えない立場にあるんでしょうね。それがやっぱり経営として問題なん違うかと。今言う順番があります,収益が一番大事です,安全・安心が大事です,公共的な目的で弱者に対しての足が必要です,いろいろ並べます。いろいろ価値観を並べた中で,一番大事なのが収益なんですよということを,管理者自身がそういう仕組みをつくらないと,ちょっとやっぱりいつまでたってもこんな空論みたいな話になってくるんではないか。ここの部隊は,もう政治的な配慮とか,地域的な配慮とか,そういうのはええと。とにかく稼げるところは稼いでくる,どこでもいいんです,市長であろうが,区役所であろうが,地域社会であろうが,稼げるところからは稼いでくるんやというぐらいの徹底したところね。何かもう神戸市の市バスやから,公共のバスやから言うこときかなあかんとかいうことがないように,もう徹底をするというぐらいの覚悟を持ってやっていただかなきゃいかんのちゃうかなというふうに思っておりますので,答弁はもう結構でございます。ありがとうございました。 12 ◯主査(藤本浩二) ご苦労さまでした。  次に,平木委員,発言席へどうぞ。 13 ◯分科員(平木博美) それでは,市民生活に密着した事業ということで,日々展開されております交通局に対して,数点お伺いをいたします。  まず1番には,収入増対策についてです。  平成24年度の予算を拝見しますと,自動車事業・高速鉄道事業ともに乗客数が減り,その影響で前年度に比べて収入減となっています。地下鉄の海岸線は,開業以来毎年乗客がふえているものの,そのふえ方はわずかであり,今後も順調に乗客数が伸びていくという保障はありません。また,西神・山手線と市バスは減少傾向が続いています。少子・超高齢化社会に向かい,今後,通勤・通学客数がふえると期待することは大変難しく,今後も乗客料収入減の傾向が続いていくのではないかと思います。駅ナカビジネスの推進など,さまざまに収入をふやす努力をしておられると思いますけれども,バス・地下鉄の厳しい経営状況を抜本的に解決するためには,駅ナカビジネスの取り組みだけでは限界があり,根本的に乗客数をふやすということが最も重要であると考えますけれども,難しい課題だろうと思いますが,どのように乗客増を図っていくのか,交通局としての見解をまずお伺いをしたいと思います。  次に,改善型地方公営企業としての存在意義についてお伺いをしたいと思います。  公共交通を担う交通局は,改善型地方公営企業としてこれまでにも経営改善の努力を重ねてきていらっしゃることは評価をしておりますが,経営計画2015の中でも,民営化ではなく,改善型地方公営企業として市民サービスの向上に取り組むとうたっております。しかしながら,大阪市営地下鉄や市バスの民営化問題,姫路市や明石市での市バスの民間移譲の決定など,各都市とも公営企業として事業を継続していく難しさに直面しているのが現実だと思います。神戸市の交通事業審議会の答申の中にもありましたように,改善型地方公営企業として事業継続していくためには,あらゆる経営改善を行うことが必須条件だと考えます。市民の足の確保を第一義に経営努力をしている交通局として,どのように今後さらなる経営改善に取り組んでいかれるのか,お考えをお聞かせいただきたいと思います。  3番目に,地下鉄の設備更新についてお伺いをいたします。  西神・山手線は,昭和52年,1977年の開業で,ことし開業35年になります。車両の寿命は40年と伺っておりますので,そろそろ設備の更新を視野に入れて,計画的に進めていかなくてはいけない時期が来ています。港湾交通委員会の中で,国家予算要望についての報告を受けました。現在の車両の設備更新には,平成50年までに西神・山手線で約1,000億,海岸線は300億が必要であると試算されておりました。また,車両更新だけでなく随時,駅や変電所の設備更新も継続していかなければなりません。安全確保のために設備更新は必ず継続実施していかなければならないものですが,国の補助金は建設するときにはあっても,この設備更新には受けることができず,市からの出資を除く8割が交通局の負担となると伺っています。経営計画2015の中では,地下鉄施設・設備などの計画的更新・改修により,長寿命化,設備投資の平準化を図ることで,10%の経費節減を行うとあります。今後の地下鉄事業会計の負担軽減,さらには一般会計の負担軽減を図るためにも,国への要望はもちろんのこと,交通局でも施設・設備更新についてできる限り経費節減に努めるべきだと考えますので,ご見解をお伺いしたいと思います。  先日,私,大阪市営地下鉄の長堀鶴見緑地線と今里筋線に乗る機会がありました。乗ろうとして大変驚いたのは,車両は大変小さいのですけれども,車両と駅のホームの段差が全くなく,その車両とホームのすき間もほとんどないということでした。なさ過ぎて,いつもの入り口の乗る感覚と狂って戸惑ったほどでした。今後,新車両に更新をしていく際には,このようなホームと車両の段差のないタイプの車両,あるいはエコ車両というようなものも考えなければいけないのではないかと思います。できる限りの経費節減というのは必要ですけれども,今里筋線というのは大変新しい線だと聞いておりますので,他事業者がこのように導入してきている最新車両についても,バリアフリーであったり,省エネ,エコの観点から調査・研究をして,導入を検討していくべきであると考えますが,いかがでしょうか。それにあわせてホームの改良も必要になるかもしれません。今里筋線のその車両がそのまま持ってこれる,こちらの線路ではないということも重々承知をしておりますけれども,その経費を考えていく中で,最新車両が経費節減ができている部分もあると思いますので,経費の削減を図りながら,段差解消などバリアフリーにも資するような工事をやっていくという方向性で検討することができないものでしょうか。また,新車両を導入する時期にあわせて,長年私たち議会の中からも提案が出ております,ホームの安全さくの設置についても,あわせて検討すべきだと思いますけれどもいかがでしょうか,交通局のご見解をお伺いいたします。  次に,総合交通体系の整備についてお伺いをいたします。  平成22年度の決算特別委員会で,我が会派から公共交通のあり方について,交通局も主体的に公共交通のあり方を検討すべきと指摘をしたところ,企画調整局や都市計画総局が中心的役割を果たしていくべきであるというご答弁をいただきました。平成24年度には神戸市総合交通計画を策定するために,市民や交通事業者なども交えた委員会を立ち上げると伺っています。総合交通体系の整備には,これまでの市バス・地下鉄の運営のノウハウを持ち,市民や利用者に直接かかわっている立場である交通局が,主体的に計画策定にかかわっていくべきであると思いますけれども,交通局として神戸市の総合交通計画はどうあるべきだと考えておられるのか,お伺いをしたいと思います。  最後に,市バス運転手のサービスやマナーの向上についてお伺いをいたします。  市民の足である市バスは,乗客と運転手がとても近い関係にあり,サービスやマナーがよいと,乗客も乗るたびにありがたいという気持ちになるものです。サービスやマナーの質の向上は,乗客増につながる大切な要因だと言っても過言ではありません。バスとタクシーは少し違うかもしれませんが,タクシーでサービスを売り物にしているタクシー会社が人気があることも,こういうことに起因しているのではないかと思います。市バス営業所委託に関する評価委員会の報告書によりますと,各委託営業所について多角的な観点で委託事業者の評価がされており,その評価結果をもとに今後も引き続き改善を必要とする点が報告をされておりました。交通局として各委託事業者が,乗客に対してより質の高いサービスを提供できるよう,管理していただきたいということはもちろんのことです。しかし,この報告の中ではそれに加えて,交通局として委託事業所の評価にとどまらず,評価の視点・方法を直営営業所でも活用されるよう望みたいとあえて書かれております。市民にとっての市バスは,直営・委託営業所の区別なく,神戸市のマークをつけた市バスです。委託営業所のみならず,直営営業所についてもこういった評価の視点を活用して,交通局全体としてサービスやマナー向上に努めるとともに,さらなる安全運行に取り組んでいくべきだと考えます。直営営業所が率先して接客応対や社内アナウンスなどのサービス向上,快適な乗り心地の提供に努めることで,委託営業所も含めた交通局全体の底上げになると考えます。ご見解をお伺いしたいと思います。  以上,よろしくお願いいたします。 14 ◯吉武交通局長 まず,乗客増対策につきまして,ご答弁させていただきます。  先ほども少し申し上げましたけれども,現在,少子・超高齢化が進行していくということで,公共交通機関全般,公営に限らずすべての公共交通機関というのが非常に経営は苦しんでおるというのが,今の日本の実態ではないかというふうに思います。特に地方においてはその波がどんどん起きております。地方のバス路線が次々廃止されておりますし,地方鉄道についても消えていく路線が次々出てきておると。ただ,今までが特に私ども都市圏では,まだそれほどの影響が出てないということで,これまで何とか微減というような形で済んだわけですけども,やはり神戸市においても将来の人口減少が予測されるということで,やはり基本的にはもう私自身が局内で言っておるんですけども,乗客というのはもう必ず減るという前提で経営をやるしかないんだと。右肩下がりの収入の中で生き残っていく,そういう経営構造にしないともうだめだという前提で言っておるわけですけども。そういった意味で,絶え間ないコスト削減というのは,ずっと続けていかなければならないというふうに思ってます。その一方で,やはり根底であります収入の減少というのを,何とか減少を少なくしていく,それでまた新たな需要の取りこぼしというのは必ずあると思いますので,そのあたりについての乗客確保対策というのは,やはり重要なことだというふうに思ってございます。  そういった格好で,今,その乗客増対策として考えておりますものを,少し既存のお客様への対応の関係と,新しい需要の確保というふうに分けてみますと,既存のお客様への対応の関係では,やはりこれも先生ご指摘のありましたような基本はサービスとマナーというのは,これは当然向上させていかないと,お客さん離れにつながってまいります。当然やっていくという上で,高齢者がやはりこれからは公共交通のメーンのお客様になっていくわけです。高齢者等に優しいバリアフリー化というのも,やはり進めていかなければいけないということで,神戸市バスの方では,バリアフリーの対応の車両──ノンステップとワンステップと両方ございますけれども,この更新を順次進めてきまして,本年度末で95%で,24年度の予算でお認めいただきますと,24年度の末には100%,全車バリアフリー適合車が達成することができます。やはりこういったことを続けていく,あるいは少し先ほどトイレの話を申し上げましたけど,地下鉄につきまして老朽改修しなければならないトイレ,順次改修を行ってますけれども,そのトイレについてはユニバーサルデザインの考え方を取り入れた,だれでもトイレという形での改修というのを行っていく,そういった取り組みをやっていく必要があると思います。  あと,利便性の向上を図っていくということは当然必要なんですけども,やはりメーンにしておりますICカード,せっかく存在しますICカードの利用促進を,利用推進を図っていくというのが必要でございます。全国の交通系のICカードが,全国の相互利用を拡大するということが,全国の11ブロックあります業界の中で,25年の春にやろうという方向で決まってございます。これに対応していくために,駅の機器等の改修をやって,これに対応できるようにしていくとともに,今まで課題でございましたバスの定期券,このIC化が今までできなかったわけですけども,何とか,まだPiTaPaの世界ではバスの定期券というのはないんですけども,何とかIC化に──神戸市独自の取り組みということになりますが──取り組んでいこうということで,IC化にも取り組んでいきたいというふうに思っています。  もう1つは新たな需要に対する確保というようなことでございます。やっぱりこういう鉄道関係でいきますと,やはり民間の鉄道にいきますと,やっぱり新しい需要確保というのは,今一番極端なディベロッパー事業をやる,それで大きなショッピングをつくっていく,そういった非常に大規模なことということもされるわけですが,やはり私どもとしては,なかなかそこまで大きな運輸事業以外の事業ということをやるのは限界がございます。そういったことから,そういう1つで大きな需要増というのは,ちょっとなかなか図られないわけですけども,1つ1つ小さな施策であっても,さまざまなものを積み重ねていくということで対応していく,それはそれで非常に重要なことかなというふうに私は認識をしております。バス路線でいきますと,やはり需要を的確に判断しながら,その路線やダイヤの設定の見直しをやっていくというようなことは,これは当然のことですし,それから特に今力を入れておりますのは企画乗車券の販売の促進ということで,それもできれば沿線の観光施設であるとか,沿線の商店街なんかと連携した形の企画乗車券の発売ということで,単に単純な公共交通機関を移動手段としてということだけではなしに,何かお得感といいますか,そういった目的をプラスアルファすることによって,これまでご利用されてないお客様の利用機会の創出といったものが,図っていけないかというふうに思ってございます。その他,敬老パスも含めますと,ICカードを活用しましたエコショッピングを今やってございます,こういった取り組みであるとか,やはり地元と協力しながらのイベントの開催みたいなことも進めていく必要がございますし,それから神戸市の交通局の独自のやり方としましては,モビリティー・マネジメントを推進しておりますけれども,こういったことによって新規の利用客の掘り起こし,こういったことをやっていきたいというふうに思います。こういった取り組みを積み重ねていくことで,非常に厳しい環境下ですけども,1人でも多くのお客様にご利用いただけるようにやっていきたいというふうに思ってございます。  それから2点目,改善型公営企業としての経営改善の取り組みでございます。  先生もご指摘のように,交通事業審議会の答申で,あらゆる経営改善を怠らないという,進めていくという前提で改善型公営企業として今現在やっていくべしという答申をいただいておるわけでございます。当然の前提条件,あらゆる経営改善の取り組みというものは前提条件での改善型の公営企業だという認識のもとで,取り組んでいかなければならないのはご指摘のとおりでございます。今現在,市バスと地下鉄のご利用客を合わせますと約50万人ということで,市内の公共交通機関の乗車人員の大体3割ぐらいのウエートになっております。そういったウエートのほかに,やはり公営ということで早くからユニバーサル社会に対応した取り組みというものを進めてまいったわけですけれども,エレベーター・エスカレーターから始まって,そういった取り組みを進めていくのと同時に,地球温暖化防止の取り組みもやはり率先して進めてきたわけでございます。こういった形で,公営企業として一定の先導的な役割を果たすことができてきたわけですけども,今後もあらゆる経営改善の努力をしながら,その改善型の公営企業として存続することによって,こういった役割を積極的に果たしていきたいというふうに思ってます。そのために,まずは平成16年から始まったレボリューション2004,それから19年から始まりましたステップ・アッププラン,この2つの経営計画の中で,自動車でまいりますと市バス営業所の管理委託を進めていく,高速鉄道でいきますと駅業務の委託化を進めていく,こういった取り組みをやってきたわけでございます。そういった結果,自動車事業ではこういった改革を始める前の平成15年度では28億円の赤字であったものが,何とかそれ以降18年度から22年度まで5年連続の黒字を確保することができ,課題でありました累積欠損金も交通事業基金を取り崩すことによって解消をすることができたわけでございます。高速鉄道事業では,その同じ平成15年度のときには74億円の赤字でございました,当時。それをこういった取り組みの中で,何とか平成22年度には──まだ赤字ではございますけど6億円ということで,初めての一けたあたりなんですけど,ここまで何とか縮小さすことができたわけでございます。  少し経費的にいきますと,自動車事業でいきますと自動車事業は労働集約型産業なんで,人件費の割合が必然的に高いんですけども,15年度では自動車事業の人件費が140億円でございました。22年度決算でいきますと52億円ということで,高速鉄道でいきますと──こちらは資本費の負担が大きい逆の事業でございますけども,やはりこちらでも人件費は平成15年度の76億円から,平成22年度には56億円と,このような削減を行ってきたわけでございます。こういったことで,バスでいきますと市バスの営業所管理委託などによって大幅な収支改善を図ることができて,乗車人員が減少傾向にある中でも,何とか市バス路線を維持できてきたというふうに思っております。24年度予算では,さらに今の直営営業所から一定の便数を委託営業所に移すという,そういった形での市バス路線の委託の拡大を行うことにしております。これを着実にやっていきたいというふうに思います。これからも乗車人員はますます減少していくと思います。経営計画2015に掲げました財政目標・重点施策,これを早期に実現していくということが必要であるということでございます。あらゆる経営改善努力をしながら,改善型の地方公営企業として,もっと安定した経営を維持したいと思ってございます。  それから,総合交通計画に対して交通局として主体的にかかわっていくべきというご指摘でございます。  神戸市の総合交通計画,23年3月に策定されました都市計画のマスタープランに定めます施策方針を具現化するということで,今,都市計画総局が中心となって策定をするということになってございまして,24年度には市民や交通事業者なども交えた委員会を立ち上げられて,公共交通と歩行者・自転車・自動車などがバランスよく組み合わされた交通体系,それから地域ごとの特性を踏まえた交通政策,それから市民・事業者・行政の役割分担,こういったものについて検討するということになってございます。交通局といたしましても,先ほど3割のシェアを公共交通の中に持っているというふうに申し上げましたけれども,当然のことながら,シェアの大きい交通事業者として,この総合交通計画の中に計画策定で入っていくわけでございますけれども,基本的な考え方としては,やはりまず総合交通体系というものは,やはり交通局としての必要なものではないかというふうに思ってます。そういった中で,全市的な公共交通のネットワークを確保していくためには,やはり3割のシェアを持っているということでございますけれども,他の鉄道や,当然のことながら他のバス事業者との役割の分担というのは,やはりきちんとしながらも連携し,トータルとしてやはり市民サービスの向上を図っていく必要があると思っておりますし,また一番切実に思っておりますのは,人口減少の局面を迎えていくわけですから,まず維持・存続というもの,公共交通の維持・存続というのがこれから一番大事なテーマだと思っておりますし,やはりそのあたりのことは総合交通計画の中できちんと考えてほしい。今まで大都市では何とかやってこれましたから,若干,大都市では危機感に乏しいというふうに思っているんですけども,やはりそういった考え方を,1つ大きな課題として考えていただく必要があるというふうに思ってます。そういった意味からいきますと,やはり公共交通の利用促進というようなことを,1つ大きな中心に考えてもらうという必要があるというふうに思っておりまして,そういった観点で,この計画の策定の中で積極的にかかわっていって,主張もしていきたいというふうに思ってます。  あとは,それぞれの地域ごとの特性を踏まえた,その地域のニーズに応じた交通政策という2つ目の課題でまいりますと,私ども自身も,最近切実に思っておりますのは,やはり地域ごとにどういったものがふさわしいかという議論というのはやっていかなければならない。既存の交通事業者では対応できない問題というのはどんどん出てきておりますので,そういった形で地域ごとに,地域の方も入っていただいて,どんな交通手段というのを考えていくべきか。こういった議論をこの場でなされるべきだというふうに思っています。そういった総合交通計画になっていきますように,交通局としてもこれまでのノウハウとか経験を生かして,積極的に参加して,意見を述べさせていただきたいというふうに思ってございます。  私の方からは以上でございます。 15 ◯新屋交通局自動車部長 私の方から,市バスのサービスの向上について,ご回答申し上げます。  初めに先生の方からお話のあった評価委員会について,若干ちょっとご説明させていただきたいんですけれども,神戸市交通局市バス営業所管理の受委託に係る評価委員会という長い名前ですが,平成17年に委託事業者の事業運営につきまして,安全・安定運行,それからサービス水準,経済性の観点,この3つの観点から検証・評価を行うために,学識経験者・地域代表者,それから利用者などを構成員として設置したものでございます。その初めての報告書の中で,この受委託に関する評価を一時的なものにすることなく,恒常的なものとして絶えず改善・改良を重ねていくことが必要というご意見が付されました。これを受けまして交通局の方では,平成20年度に改めて神戸市交通局市バス営業所管理の受委託に関する評価委員会を常設の委員会として設置いたしまして,その後,3回の報告がなされました。3回目はついこの間でございますけれども,そのほかに評価項目の充実なども図られまして,例えば環境保全についてどうなのかとか,あるいは年度ごとに重点評価項目を定めて見てみましょうというようなことでございます。  私ども交通局直営営業所は3営業所でございますけれども,サービスという点では安全にお客様を目的地にお送りするということが一番重要なサービスだと思っております。この安全運行のための取り組みにつきましても,これまで3営業所においてもさまざまな乗務員の研修であるとか,それから指導・研修等充実を図ってきたところでございますけれども,これまでの評価委員会の中でも,各事業者の指導の仕方ですね──乗務員への指導の仕方,それから取り組みについていろいろと教えていただくこともございましたし,またそのやり方についての評価委員さんの評価みたいなものも学ばせていただきました。これから私ども直営3営業所についても,こういったほかの委託営業所のやり方,あるいはそれに対する評価委員さんのご指摘とかを参考にしながら,さらにサービス・マナーの向上とか,安全推進の取り組みに取り入れてまいりたいと思っているところでございます。  具体的な取り組みを少し申し上げますと,評価委員会で委託営業所,実際にバスに乗ってみてどうかというふうな評価もするんですけれども──添乗調査と言いますけれども,この添乗調査につきましては,直営営業所につきましても従来から自動車部の管理職が,大体年3回,時期を決めて,7月・11月・2月ぐらいにですね,1人当たり10回は乗りなさいよというふうなことを決めて,評価項目を定めまして,それぞれの運転士さんの運転操作であるとか接客の様子を,乗務実態を調査して,必要な指導というものを行っているところでございます。今回の評価委員会,3回目の評価委員会の中では,やっぱり路線の様子によって運転士さんの様子も変わってくるだろうと。だから,路線の特性というものをあらかじめ知った上で,やっぱり添乗調査をすべきではないかとか,あるいは時間帯ですね,すいてる時間帯,それから込んでる時間帯では運転も多少違うだろうから,そういったこともやっぱり評価するときには大切ですねというふうなご意見もございましたので,我々も来年度から直営の営業所の添乗調査についても,随意にというんじゃなくって,ある程度,目標を決めた添乗調査をしていきたいなというふうに考えております。  それから,安全対策会議というのを私どもも持っておりますけれども,平成18年10月ですけれども,運輸安全一括法──法律改正がございまして,運輸安全マネジメント制度が発足しました。これは,JRの福知山線の事故を受けて,やっぱり事故防止については事業者が全体的現場だけじゃなくって,経営も含めて安全に取り組むべきであるという点から,そういった運輸安全マネジメント制度というのができたんですけれども,交通局におきましてもそれを受けまして安全管理推進委員会というのを設置しまして,これまで5年間取り組んできたところでございますけれども,この委員会活動をもっと充実させるために,安全管理推進委員会自体ももっと委託営業所の所長さんなんかを含めた,現場実態をよく知った人間だけが集まった安全対策会議というものを持ってきて,具体的な安全対策というものを日々検討すると,毎月1回開催しております。こういった会議の運営もしながら取り組んでいるところでございます。  それから,次に運転士さんの接客サービスの向上についてですね。お客様の声を生かしたサービスの向上という観点から,市バスでは──ご存じかと思いますけれども──お客様の声ハガキというものをバスの中に設置しております。年間に2,000枚ぐらいいただきます。お客様の声,積極的に収集しておりますけれども,これ以外にも営業所とかお客様サービスコーナー,あるいは交通局,それから総合コールセンターへの電話であるとか,最近はメールがたくさん来ますけれども。あるいは市長への手紙,あるいは自治会や婦人会からのご意見,さまざまなチャンネルを通じていろいろなご要望あるいは苦情,お褒めもいただきます,そういったご意見を承っておりますけれども,こういう承ったご意見につきましては,例えば運転が悪いとか,接客態度がよくないとかいうのも残念ながらございます。こういったものについては営業所を通じまして,直接──名前が書いてある場合は当該乗務員に伝えて指導もしておりますし,お褒めなんかいただきましたら,やっぱりそれも本人に伝えて励みにしていただくと。本人だけじゃなくて,やっぱりそういったものを,場合によっては回覧であるとか,営業所の掲示板に張るなどして,ほかの乗務員への意識啓発にも活用させていただいているということはございます。これからもお客様のご意見を積極的に収集して,それに乗務員に対する指導・研修に役立てて,サービス向上に努めてまいりたいと思っております。  評価委員会ではさまざまな立場の委員さんがおられまして,活発な議論が交わされています。評価委員会の枠を越えたご意見もたくさん賜っているところでございますけれども,今回も指摘がありましたように,市バス全体として,直営営業所も含めてサービス向上,安全の取り組みをしていただきたいということもいただいてますので,交通局としましては,今後も評価委員会で評価の視点,私どもではなかなか思いつかなかったような新たな視点とか手法などもご意見いただいてますので,そういったものを活用して,交通局全体の底上げを図ってまいりたいと思っております。
     以上でございます。 16 ◯吉田交通局高速鉄道部長 それでは,私の方から地下鉄の設備更新についてご説明させていただきます。  まず,設備更新についてでございますけれども,地下鉄の西神・山手線につきましては,先生ご指摘のように,昭和52年3月,名谷から新長田間の営業を開始して,現在35年を経過してございます。また全線開通から25年を経過しておるというところでございます。この間,施設や設備等の老朽化に対応しまして,さまざまな更新工事を実施してきてございます。また,地下鉄海岸線につきましても,平成13年7月に開業開始しましたので,現在10年ということで,今後10年後ぐらいには更新工事を始めていくというふうな時期に来てございます。  平成20年度から50年度までの長期更新計画というのが現在ございますけれども,この間の更新費用としまして,約1,300億円というのを見込んでございます。この費用につきましては,国の補助制度がございますけれども,地下高速鉄道整備事業費補助という補助制度がございますが,これには基本的に該当しないということで,神戸市からの出資を除きました約8割が交通局の負担になるというところでございます。  そういった関係で更新費用の削減というのは非常に重要になってきますけれども,これまで西神・山手線につきましてもバリアフリー新法ですとか,神戸市の耐震改修計画等の考え方も取り入れながら,さまざまな更新工事あるいは省エネ等の導入を進めてきたところでございます。こういった更新につきましては,幾つかの観点から取り組んできてございます。1つが設備の統合化をするというふうなことでございます。それから,次の観点が耐用年数を見直したり,延命化を図るといったことでございます。それから,3点目として更新内容自体を見直していくというふうなことでございます。こういった取り組みをしてございますが,例えば統合化による更新といったことでは,これまでも開業当初の変電所──名谷・妙法寺にございましたけれども,更新する際には名谷1つに統合化するといったような試みをしてございます。また,電気室ですね,各駅にあります電気室につきましても,例えば新長田では3カ所ございましたけれども,それを更新時期には1カ所にするといったような取り組みもしてございます。こういったことも今後も引き続きやっていきたいというふうに考えてございます。  次に,耐用年数の見直し,あるいは設備の延命化というふうなことでございますが,信号・通信設備ですとか,エレベーター・エスカレーター・空調設備,さまざまなものがございますけれども,オーバーホールなどの保守を適切に実施することによりまして,耐用年数を延長し,初期費用だけでなくランニングコストも含めたライフサイクルコスト,これの軽減化を図っていくというふうなことを私たちやってございます。また,更新内容自体を見直すというふうなことでは,例えば先ほどお話がありましたけれども,車両につきましては現在耐用年数40年というふうに見込んでございますけれども,新造車への更新するときには例えば汎用品を使うとか,標準仕様を細工するというふうなことによって,車両の購入費自体を削減するといったこと,また,それにあわせて省メンテナンス・省エネルギーの機器を採用していくといったことも検討しておるところでございます。また駅舎施設につきましては,耐久性の高い材料を使ったり,省エネ機器を使うといったことを現在考えてございます。また,駅の券売機あるいは改札機につきましては,これまでも台数については適正な台数に見直しをしてきておりますけれども,現在,IC化が進展しているということもございますので,コストが安価なIC専用の機器を導入していくといったことも考えているところでございます。今後も国に対して補助対象の拡大あるいは新設を積極的に要望していきたいというふうに考えてございます。さらに,更新につきましては安全確保を最優先にしながら,乗客サービスの向上も図るといったこと,さらに投資の平準化,更新手法,耐用年数の見直しなどを行うことによって,更新費用自体だけではなくランニングコストを含めましたライフサイクルコストの削減に努めていきたいというふうに考えてございます。  次に,ホームとの段差の関係でございますけれども,ホームと車両の段差につきましては,以前は普通鉄道構造規則という法律がございまして,これによりますと車両の床面はホームよりも低くなってはならないという法律がございました。これは平成14年に段差解消の目的で改正が行われまして,現在では逆段差,すなわち車両の床面がホームより少し,20ミリまでは下がっていいという法律に改正されましたので,平成18年に開業いたしました先生ご指摘の大阪市の今里筋線につきましては,段差が約20ミリまで解消されてきているというふうに聞いてございます。神戸市の場合,法改正以前に開業しましたので,西神・山手線で現在70ミリの段差でございます。また,海岸線は50ミリというふうな段差になってございますけれども,この辺の解消につきましては,既存車両での解消というのは構造上非常に難しいということでございます。また,ホームの高さを上げるというふうなことも考えられるんですが,これにつきましても非常に困難であるということでございますので,新車への更新時期には,少しでも段差を解消していきたいというふうに考えてございます。なお,すき間につきましては,西神・山手線,海岸線ともに,今里筋線と同じ約65ミリというふうになってございます。  そのほかにソフト面の対応というのも非常に大事だというふうに考えておりまして,例えば目の不自由なお客様あるいは車いすのお客様が来られた際には,駅の係員が積極的にお声がけをしております。そして,必要があればホームに誘導したり,列車への乗車の介助を行っておるところでございます。  また,更新時における最新技術の導入につきましてですが,現在もさまざまな取り組みを行ってございます。例えば駅舎設備につきましては,老朽化の更新にあわせまして高効率型の照明といった省エネの機器を導入したりしてございますし,またLED照明につきましても,部分的に導入をしておるところでございます。車両につきましては,先ほども話がございましたが,耐用年数40年というふうに見ておりますけれども,新造車への更新の際にはさまざまな取り組みをしていきたいというふうに考えております。例えば,先ほども話がございましたホームの段差の解消ですとか運行情報ですね,文字で表示します案内表示機の設置,あるいはこれも今後の検討になるんですけれども,LEDの客室灯あるいは効率のいいモーターを採用するとか,そういったこともいろいろ検討しておりまして,今後も事業者ですとかメーカー等の情報を得ながら,新技術を積極的に導入していきたいというふうに考えてございます。  次に,ホームさくへの取り組みでございますけれども,可動式のホームさくを設置するためには,ホームさくの本体の設置以外に全線で信号の改修,あるいは車両の改造が必要になってまいります。西神・山手線で約124億円の更新費用を見込んでおりまして,そのうち補助対象外の車両関係の費用が約半分を占めておるというふうなところでございます。このため,現在の交通局の財政状況では,直ちに可動式ホームさくを設置することは難しいというふうに考えてございますけれども,現在の補助制度では対象外になっております車両の改造費用ですとか,更新費用につきましても,補助対象にしてもらうよう国に積極的に働きかけておりますけれども,引き続きそういった取り組みをしていきたいというふうに考えてございます。また,新車購入する際には,ホームさくに対応可能な車両とすることによりまして,トータルとしての費用が軽減できないか検討してまいりたいというふうに考えてございます。平成20年に──すいません,平成24年度以降の車両あるいは設備更新の中期更新計画を策定しておるんですけれども,その中で,事業の優先順位もいろいろ整理しながら,また国の方も現在,ホームドアのコスト削減ということで,いろんな研究開発をしてございますので,そういったような動向も見ながら,引き続き設置の検討を続けていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 17 ◯分科員(平木博美) ありがとうございました。少し時間がありますので,まとめながら質問を幾つかだけ再質問させていただきたいと思います。  収入増対策,改善型地方公営企業としての存在意義については,先ほどの大野委員の質問もありましたし,同じことが悩みの種としてあるかと思いますけれども,もうとにかく全力を挙げて,しっかりと経営改善に取り組んでいっていただくことで,市民の足を守っていただくという姿勢は崩さないで,収益あるでしょうけれども,収益を確保しながら市民の足をなくさないということで頑張っていただきたいと思います。これについては,もう要望にしておきます。  総合交通体系の整備については,積極的にかかわっていってほしいという思いがあります。というのは,交通の現場にいるのは交通局の皆さんじゃないかなという思いで言っている話でございますので,もちろんかかわっていくし,積極的にこれからかかわっていきますというような局長のお話もありましたので,そのようにしていただきたいと思うんですけれども,これについてはちょっと1つ,再質問をさせていただきたいと思っていることがあります。  というのは,この間,金沢に行ったときに,金沢のJRの駅──多分最近改修されたかと思うんです,とてもきれいになって明るくなって,JRの駅をおりるとすぐにバスのターミナルがあって,それで目的地への──私らは観光客で行くわけですけど,観光客が目的地に行くのに,あっ,何や,バスに乗ったら行けるんやなということでよくわかる表示があり,ワンコインバス──観光客用だと思いますが,市民の方も乗ってらっしゃるふうでありました。非常にわかりやすい路線図と,ここのバス停で次の別のラインにも乗りかえられるよという案内が駅にもある,バス停にもあるので,どこへ行ってもそれで動くことができました。非常によく観光客──いわゆる初めてそこに来た人に対しても親切でよくわかるルートやなと思いました。こういう工夫は神戸で絶対できるのになと,しかもワンコインバスで100円でした。赤字かもしれません,でも非常にコンパクトなバスでしたけれども,あちらこちらに中心部とそれからそこから出ている,こういう円形にというか,ルートがうまく重なっていて,それが調べてみるとどうも1社でやっているわけではない,2社の人たちが協力をして運行ルートをきちっと網の目のように張りめぐらせているという,いい例を見せていただいたなと思ったんですけど,神戸市もそういうことができないかなと思っています。神戸市は例えば観光客用といいますと,すぐ思いつく神戸のシティー・ループがあって,初乗り250円,1日650円ですけれども,観光客の方を案内するときには,あのスタイルもいいですし,私もよく使います。でも,例えばシティー・ループに市民の人が乗ってもいいわけですよね。北野の方に住んでいる人なんか乗ったらいいんじゃないかなと思うんですけど,何か観光客用みたいで乗りにくいというような話があります。それと,250円で普通の市バスより高い。例えば,今例を申し上げました北野なんていうのは,非常に観光客の方が多くて,シティー・ループでも駅から北野に向けては利用客が多いんです,その後減るんですけどね,がくっと減ってしまってますけれども。だけど,例えばシティー・ループはシティー・ループとしてぐるっと都心部を回る長い路線として置いといた以外に,シティー・ループでも一番込んでいる北野の方面に向かって,ワンコインバスみたいなのを別に走らせる,それでそれはもう三宮駅でくるくる回るような短い路線として考えるというようなことを──シティー・ループをやってらっしゃるのは交通局じゃなくて関連の会社でありますが,直ではありませんけども,そういう例えば提案を交通局が,この路線はこうやから,こういう路線が必要なんじゃないかというようなことを提案していくのは交通局ではないかと思うので,総合交通体系をつくっていく中で,都心の私車両ですか,バスであったり公共交通機関で都心は動いてください,一般の人の車はなるべく入ってこないでくださいというようなことをもしも考えるんであれば,いろんな提案を交通局が率先してやってほしいなと思うんです。  例えば,この間の,今回打ち出されてます摩耶ケーブルの再生に当たってのモデルで動くバスも,交通局の方が提案されたことではなくて,都市計画の方が摩耶ケーブルの存続に絡んでバスを提案し,そして──神姫さんでしたか,阪急さんでしたか,どっかでやっていただくことでモデル実施をしてみると,こういうのは交通局が一生懸命やってほしいなと思うんですけど。提案型,例えば私たちの会派の中から本会議で質問したときにも,地域のコミュニティバスなんてこれから要るでしょう,市民のニーズに合わせたバスの路線を考えてもらったらどうですかと言ったら答弁は,地域の声が盛り上がったら考えますという答えしか返ってこない。じゃなくて,地域の声を引き上げて,提案型で路線を──長大路線をやってくれという意味ではなくて,生活密着型路線を交通局が,日ごろ乗ってらっしゃる現場の運転手さんたちの声も聞きながら,提案するぐらいのことがあってほしいなと思いますので,この1点は質問をさせていただきたいと思います。  地下鉄の設備更新,時間がなくなりましたので再質問はいたしませんが,いろんな経営・省エネのことも含めて,設備のお金もいろんなとこでセーブを考えながら,検討していただきたいと思います。ホームさく,高いのも聞いてわかっていますが,東京に行っても,とうとう山手線にまでつき始めました。地下鉄はどんどん整備されているなと思ったら,JRの山手線にもつき始めた。というのは,やっぱり事故が多いからではないかなと思います。乗降客数はJRの山手線とこちらの電車は違うかもしれませんが,経費はかかるかもしれませんけれども,安全を確保しようということにおいては,その視点は忘れないで検討に加えておいていただきたいなと要望をしておきます。  もう1つの再質問はサービス・マナーの向上です。うちは家族で首都圏に住んでる時期が長かったので,神戸の方へ戻ってきたときに,うちの子供たちが一斉に言ったことが,バスの運転手さんの応対が声が,お声かけがすごい気持ちよくて,ええね,神戸はと言ったんですけど,調べてみたら私鉄のバスだったんです。神戸市バスじゃないんです。それで,あら残念と今になって思い出してみると私鉄のバスでした。すごく思っているのが,皆さん,マイクつけてらっしゃいますよね。マイクがあるということは,録音されているテープが流れるだけではなくて,そこの交通状況のことであるとかを踏まえて,ちょっと揺れますよ,ちょっと今から運転がずれますということだとか,坂道なので今から上りますというようなことが一言二言あったら随分違うと思うし,逆に運転手さんの決まりきったあれでね,車が動いている間は席を立たないでくださいと一応おっしゃるんですけど,神戸の人はみんな,何かせっかちなのか何か立たれるんですね。お年寄りは特に出るときに待たせたらいけないと思うんだと思うんですけど,停留所にとまられる前に立たれます。見ててむちゃくちゃ危ないんですね。やっぱりそこでブレーキがかかるわけですから,体のバランスが。私らでも,うっとなることがあるわけですから,運転が荒くなくても安全という意味では心配があるんですけれども,皆さんあそこで立たれるんで,例えば車が動いている間は席を立たないでくださいというのではなくて,停留所に着いてバスがとまってから立ってください,安全確認してから立ってくださいねって,生の声で運転手さんが言いはったら,慌てないでいいですよ,ちょっと待ってますから大丈夫ですよって言われたら,乗客もそういう気持ちになるし,いわゆるおりない人であっても,あっそうやな,安全確保してからおばあちゃん立ってねって思えるし,待ってもらった人は,ありがとうと思って,お互いに声かけながら,ありがとうっておりられると思うんです。そういうのって,やっぱり親切やわっていうことになると思うんで,実際に運転手さんたちの研修とか頻度を重ねてやっていってほしいと思うんですけど,いかがでしょうか。  それと,よく中央区では交通事情もあると思うんですけど,市バスが信号無視してるとかいって市民の方からご連絡をいただきます。市バスの安全運転については,これも研修についてしっかり入れていただきたいと思いますが,アナウンスの気持ちのいい乗り心地というのが,接客であったり,安全な乗り心地のいいバスであったり,その研修についてどうしていかれるおつもりがあるのかだけ,短くて結構ですので,その2点だけ教えてください。 18 ◯吉武交通局長 まず,金沢のバスのことでございます。ご指摘のありましたような観光客にわかりやすい案内表示みたいなことにつきましては,よく勉強して,我々も見習うべきとこは見習っていきたいというふうに思います。  あと,路線の問題ですけれども,実はシティー・ループの経営が厳しくなったときに,ちょうど21年のときであったと思います,路線の見直しをどうするかという議論を行いまして,先生のご指摘のような北と南に分けて別々というのも検討したことがございました。結局,そのときの何だかんだ議論をしたんですけども,結論からいきますと,やっぱり神戸に来られている観光客の皆さんは,北野から要は海の方に結ぶ交通機関がないというのを,やっぱりつないでいくというのがシティー・ループの大事な役割かなと。なおかつそれが結局,シティー・ループに乗られるということで一周りできるということが,かえってお客さんの利便になるかなということで,そういった形で今の路線の形になりました。そういったことで,あとそれはそれで別に短いのというお話なんですけど,なかなか経営的には目いっぱいのところで今やっておりまして,なかなか今やっているものとプラスというのが,なかなかそこまでの余裕がないというのが今の実情でございます。ただ,いろいろと…… 19 ◯主査(藤本浩二) 時間が来ましたので。 20 ◯吉武交通局長 すいません,総合交通計画の中でいろんな議論が起こってまいりますので,その中でもそんな議論というのは起こってくると思いますので,対応していきたいというふうに思います。  以上でございます。 21 ◯主査(藤本浩二) ご苦労さまでした。  委員の皆様に申し上げます。  午前中の審査はこの程度にとどめ,この際,暫時休憩いたします。  午後12時50分より再開いたします。   (午前11時49分休憩)   (午後0時53分再開) 22 ◯主査(藤本浩二) それでは,ただいまから予算特別委員会第3分科会を再開いたします。  午前中に引き続き,交通局に対する質疑を続行いたします。  それでは,むらの委員,どうぞ。 23 ◯分科員(むらの誠一) それでは,ちょっとおくれて始まりましたけど,早速質疑に入らせていただきたいと思います。  当初,私,これは質問するつもりはなかったんですけれども,今朝,私のメールに市民の方からちょっとそれを交通局に,委員会で取り上げてほしいというふうにメールが来ましたもので,ちょっとご紹介します。三宮駅での喫煙実態について。これ,そのまま読みます。大阪市交通局で駅構内の喫煙が問題となっていますが,同じく神戸市営地下鉄でも日常的に喫煙が確認されています。駅構内での喫煙は固く禁止されているにもかかわらず,三宮駅西口の旧サービスセンター跡で職員が勤務時間中に喫煙しております。勤務時間中であることはもとより,そもそも論として許されるのでしょうか。このほかの駅でも構内で職員による喫煙が蔓延しています。どうか取り上げてくださいというふうに来てたんですね。当然,だから私も確認もできてませんから,実態はどうなっているかわかりませんので,ぜひこの辺は調べていただいて,もし問題があるようなことがあるんであれば,適切に対応していただきたいということを,まず要望しておきたいと思います。  それでは,早速質問に入ります。まず,少しちょっと午前中の質疑でもありましたが,市バスの営業所の管理委託について質問いたします。  現在,神戸市バスは8営業所のうち5営業所を管理委託しています。これまで管理委託による財政効果額は合計で24億円,単純に平均すると1営業所を管理委託すると5億円弱の効果があることになります。自動車事業の経営状況が厳しいというのは,もうよく午前中の質疑でもそうですし,今回,赤字ということですけれども,財政効果の大きい管理委託を積極的に推進し,残り3営業所についても委託を進めていくべきではないか。国土交通省が定める,いわゆる委託比率の上限である路線長の3分の2までの委託を進めるべきではないかということを,まずお聞きしたいと思います。順番にいきますので,まずこれをお答えください。 24 ◯吉武交通局長 営業所の管理委託のことでございます。  午前中にもご答弁申し上げたとおり,現在8営業所のうち5営業所を委託をしておるということでございます。当時,委託を行うに当たりまして,職員の市長部局への配置転換あるいは希望退職を実施をいたして,また19年度までは新規採用を凍結するというような形で656人の削減をなされたわけでございます。先生ご指摘の委託の比率のことでございます。2つの指標がございますけれども,より実態をあらわしていると考えられます車両数で見ますと,平成23年度で63%という状況でございます。現在,管理委託を導入している東京都を含みます大都市の公益事業者の中では最も高い委託比率になってございます。こういった取り組みで,何とか15年度の決算で28億の赤字であったものを,何とか18年度に単年度黒字に転換することができて,5年で単年度黒字が確保できたというふうなことでございます。ただ,やはり先生のご指摘のように,今後さらに厳しい状況というのが見込まれます。さらなる経営改善を実施していかなければならないということでございます。  その取り組みということで,24年度の予算案では新規採用を抑制して嘱託職員等の活用も行いながら,職員定数59人を削減するということで,手法といたしましては直営営業所から一定の便数を委託営業所に移すという,市バス路線の委託拡大ということを行うということで考えておりまして,これを着実に実施していきたいというふうに思っております。これを実施いたしますと,ご指摘の国土交通省の定める委託比率でいきますと,路線長または車両数が基準になっております。これがリミットになっていますけれども,先ほど申し上げた車両数の方の数値でいきますと,23年度の63%から68%程度にこれによって拡大することになると思います。指標のことでございますけれども,2つの指標──路線長または車両数で,いずれかが基本は2分の1以内ということで,例外的にその後の通達で,例外的に3分の2まで可能ということでございます。先ほど申し上げた車両数でない方の路線長の数字でいきますと,先ほど24年度の予算のとおり実行したときに68までと申し上げた分でいきますと,路線長でいきますと委託率46%という状態でございます。そういったことで,これからどちらかがその以内であればいいということでございますので,この委託比率の問題ということでいきますと,あとしばらくこの委託の比率の範囲内ではやっていけるというふうに思っております。そういった形で,まずはこの一定の便数を委託営業所に移す,市バス路線の拡大という手法を今後も24年度で取り組みますけれども,やはり経営計画の財政目標を達成するためには,経営計画で書いております職員定数を10%削減するということを明記しております。これを実現していくためには,今後もやはり可能な限り市バス路線の委託拡大というのを実施していく必要があるというふうに思ってございます。  以上でございます。 25 ◯分科員(むらの誠一) 先ほど,局長の答弁で,基本的には2分の1,例外的には3分の2ということで。ただ,この2分の1までというのは,もう既に労使で合意がなされているというふうに聞いております。まだ,この3分の2──これ最大の3分の2までは労使の合意がなされてない。ただ,労使の合意がなされれば可能だということだというふうに思いますけれども,先ほど答弁がありましたけれども,路線長でいくと,まだこの労使の交渉がなされている範囲内で現在46%ですから,まだ残り4%,単純に考えてもあると。この4%の分を──先ほど答弁でもありましたけれども,引き続き,委託の営業所を丸々1営業所をやって,この46%が何%になるのかというのは,ちょっと私,試算しておりませんけれども,丸々1営業所ができないにしても,先ほどおっしゃった路線の委託拡大等で対応していただいて,少なくとも今,合意の範囲内で精いっぱい,目いっぱいやっていただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。これは要望にしておきます。  それで,あわせて質問したいんですけれども,先ほど路線の委託の拡大ということがありましたが,個別路線の民間移譲というのは考えられないのかということをお聞きしたい。例えば,午前中のご答弁を聞いておりますと,福祉路線というか,いろんな地域の要望等があって赤字の路線がある。この赤字の路線というのは──私は委員長のときにもちょっと言いましたけれども,一定のやはり基準を設けて撤退というのも積極的にやっていかなかったら,潜在的に残っている,潜在的に地域にある需要というものを,新たに路線として引くことができないと。だから,やはり一定の赤字路線というのは,明確に基準を決めて撤退をやっていく必要があるということを申し上げたんですが,それはちょっときょう置いときましてね,いわゆる午前中の局長の答弁では,赤字の路線を黒字で埋めていってますよということなんだけれども,いわゆるとんとんの路線ですね,赤ではないけれども,いわゆるとんとん。とんとんの路線を民間に移譲してはどうかと。これ,民間では──午前中の質疑でもそうですけれども,人件費が全然違いますから,例えば今800万で720万ぐらいまでしていきますというような話があったけれども,民間が600万ぐらいですか。そうすると,交通局ではとんとんの路線であっても,民間に移譲すれば,恐らく民間では人件費の差が出てきますから黒字にはなるんじゃないか。それだけではない,経営の効率化というのか。そうすると,とんとんですから,黒字路線がすごくドル箱路線が民間なんかに移譲してしまうと赤字を埋めることができませんけれども,いわゆるとんとんの路線というものを民間にどんどん移譲していけば,局長が午前中おっしゃってた,人を減らしていくことが一番というようなこともありましたけれども,人を減らしていって,また退職者不補充で,その辺でやりくりやっていけるんではないかなというふうに思うんですが,それについていかがかお聞きします。 26 ◯吉武交通局長 路線ごとの民間移譲についてどうかというご指摘でございます。  路線の民間への移譲につきまして,平成16年と,それから平成17年──平成16年のときは六甲山上のバスを民間移譲いたしまして,平成17年のときには西神の5路線について民間移譲いたしました。基本的にはそのエリアを主に管轄されているバス事業者さん──しっかりしたバス事業者さんがおられる地域であるということで,民間さんにお任せすることによって,より効率性が発揮できるということで,この2地区については当時,民間移譲をさせていただきました。それ以降は基本的にトータルの現行の市バス路線の地域,トータルを何とか維持していけないかということで,各市にも先駆けて大がかりな民間への委託という形で,神戸市としては取り組んでまいりました。  これを進めていった中で,先ほどのお話になりますけれども,18年度から22年度までは何とかとんとんといいますか,黒字でいけたということでございます。ですから,先生のご指摘のような──私が申し上げた件でもありますけれども,トータルとして今の路線を維持できたということでございます。ただ,これから将来のことを考えてまいりますと,非常に厳しい路線バスの世界としては,非常にますます厳しくなっていく,乗客数は確実に減っていくのは間違いないわけで,この方式でいつまで頑張り切れるか。もちろん先ほど申し上げたとおり,路線ごとの委託の拡大は,着実にやっていかなければならないと思ってます。当面はこれで何とか頑張っていきたいと思っているんですけれども,ただ,やはり民間への移譲というようなことというものは全然念頭になく,とにかくもう路線の移譲,路線の委託の方でだけ進むんだという考え方では,難しい時代というのが間もなく来ると考えられます。そういったことで,今後の考え方としては,やはり先生のご指摘のようなことも含めて念頭に置きながら,考えていかなければいけないんだろうなというふうに思ってます。  1点だけ,これ細かい話で恐縮なんですけれども,先生のご質問のご趣旨と違わないんですけど,運行のコストの話でいきますと,先ほど申し上げたとおり,ほぼ3分の2は民間に委託してより実態をあらわしており,先ほどの人件費の単価差みたいな,ああいうコスト差というのは,それほどございません。ただ,うちの方が安いかと言われると,そうでもないというとこはございますけど,それほど非常に大きな運行のコスト差があるというふうには認識をしておりません。繰り返しになりますけれども,そういった民間への路線の移譲ということ,念頭には置いとかなければいけない課題だというふうに思っております。ただ,今,進んでいくのは,今決めておりますバス路線の委託の拡大という方法で,何とかあとしばらく頑張ってみたいというふうに思ってございます。 27 ◯分科員(むらの誠一) わかりました。繰り返しになりますけれども,例外的に3分の2までということもありますので,この辺についても労使でしっかりと話を進めていただいて,2分の1を超えて3分の1の方も頑張っていただけたらというふうに思いますので,よろしくお願いします。  次に,労働組合との交渉の公開について質問します。  これは,本会議でもみんなの党さんからも質問がありましたけれども,我が会派も以前,取り組ませていただいて,現在,市労連がホームページ上に公表しているということなんですけれども。今は市労連だけの交渉で,単位組合が全く交渉されていないということで,交通局は事業管理者の判断で公表することが決定できるということですけれども,この交通局の労使交渉の議事録のアップをやるべきではないかということを思いますけれども,いかがでしょうか。これをお願いします。 28 ◯吉武交通局長 労働組合との交渉の公開ということでございます。  これも先生もご承知のとおりのことでございますけれども,神戸市といたしましては,労働条件について市民のご理解を得るということのために,神戸市の労働組合連合会──市労連と呼んでおりますけども,これを労使交渉の交渉項目等をホームページ上で公表しておるのが現状でございます。これはもう大多数の政令市が組合との交渉を非公開としている中で,大阪市と仙台市と神戸市,3市ですけれども公表をしているということで努めてきたというふうに理解をしております。  私どもの神戸交通労組の件でございます。この市労連の中には,私どもの神戸交通労組も含まれております。そういったことで,基本的に給与等の勤務条件については,市労連の交渉の中で決定されてございます。そのためにこれまで局独自の公表というのは行ってきておりません。ただ,ご指摘を踏まえまして,局独自の交渉について,今まで先ほどの市労連の公表の形でよしというふうに労使でも思っておりました。ただ,ご指摘を踏まえまして,局独自の公表についてどうするのか,やはり,そういったことをこれから考えていく必要があるというふうに認識をしております。やはり,このような労働条件の決定の過程の公表の件について,率直な意見交換を妨げるというような観点をおっしゃる方もございます。こんなことも踏まえながら,交通局といたしましても,国とか他都市の取り組み状況を参考にしながら,慎重にという言葉がついてしまいますけれども,検討はやはり進めていきたいというふうに思っております。  以上でございます。 29 ◯分科員(むらの誠一) これについては行財政局にも,また別のところで我が会派としても取り組みたいと思います。いわゆる市職もそうですし,それぞれの単位組合で,わかりやすくきちっと議事録をアップしていただきたいということは,取り組んでまいりたいと思いますけれども,私も港湾交通委員長時代に労働組合,交通局の皆さん方ともいろんな意見交換をしたことがありますけれども,至って本当にまともで,しっかりした組合ですから,十分そういったきょうの局長の答弁がありましたけれども,話をしていただければ,きちっとした交渉ができるんではないかと私は思っておりますので,ぜひ組合との交渉をやっていただきたいなというふうに思います。これも要望で終わります。  次に,交通振興との随意契約についてお伺いしたいと思います。  駅ナカビジネスというような形でも出てきましたけれども,交通局では駅施設や局所有の土地を使ってさまざまな収益事業を行っております。その管理などを行う事業者を選定する際,一般競争入札をせずに外郭団体である交通振興に任せている場合が多いと。先日,駅売店については,民間事業者の公募を行って事業者が決まったというふうにお知らせいただいておりますけれども,ほかにコインロッカーや広告・駅ビルなどについても,一般競争入札を実施して,競争原理を働かせるべきではないかというふうに考えますけれども,いかがでしょうか。 30 ◯小林交通局次長 交通振興の関係でございますが,附帯事業と申してございますけれども,車両内でありますとか車両基地・駅舎・営業所等での作業,それと駅の構内,特殊な場所への店舗展開,駅と一体または駅上部等に位置してる関係がございまして,駅業務と一体として管理する必要が多くあったということで,附帯事業を行うことは交通局が出資をして設立をいたしました神戸交通振興が今行ってございます。具体的には交通局が主として企画立案を行ってございまして,交通振興が日々の管理等の運営業務を行うということで,両者で役割分担をしてございまして,1つは交通局の業務省力化・効率化という面でも大きく役立っているところでございます。他の民間事業者の交通事業者におきましても,同様に鉄道のインフラ整備をした事業者,こういったところが附帯事業を行う関連会社を設立して,それぞれの会社が役割分担をし,グループ全体で収益を図っているというのが通常でございます。  数点,先生のご指摘がございました点です。ただ,昨今,外郭団体の設立当初の趣旨が薄れてきておりますので,外郭団体を取り巻く環境というのは大きく変化していることも事実でございます。我々としても認識をしてございまして,交通振興さんとまず役割分担を見直していくという必要が生じてまいります。昨年になりますが,全市的な観点もございましたが,交通局において駅構内の自動販売機,これは入札をしました。今年度に入りまして売店運営事業を公募の上,決定をして,民間事業者に移管をいたしました。あと,まだできておりません。広告業務でありますが業務用のポスターの着脱業務というのがあるんですが,過渡的にといいますか,来年度の委託については今年度,他の民間事業者にお願いをしまして,交通振興を入れて見積もり合わせをいたしました。結果は交通振興の委託という結果になりましたが,こういったことで一歩進めてございます。  それから,もう1点,駅ビルの業務でございますが,これについてもテナントの更新とか,いろいろございますけれども,交通振興以外の他の事業者に現在ヒアリングとか意見交換をして,交通局として収益率が上がるとか,そういったことがないか,現状では模索をしている段階でございます。  それからもう1点,コインロッカー等の業務でございますけど,昭和52年,市営地下鉄の開業当初から現在の設置管理事業者が行ってきてございます。当時の事業選定ということを言われますが,今お願いをしてます設置事業者,限定的といいましょうか,ほとんど他に業者がなかったということで,現在の事業者に決定をいたしております。関西一円の公設・民設といいますか,公民問わず,ほとんどがこの業者が今行っているという状況になってございます。この業者で今お願いをしてございますが,料率についても他の公営の事業者と比較しても大幅に低いということも今のところございませんし,サービス面としても劣っているとは考えておりません。全駅,海岸線にもコインロッカーもサービス提供していただいて,非常に有利に,我々としても有利なメリットがある設置をしていただいてございます。ただし,ほかいろいろ管理業者なり,従来からお聞きをしてますと,ほかの設置業者等もございますので,幅広くご提案なりをお受けして,メリットがあるということであれば,この事業についても競争性に合致すれば検討はしてみたいと思ってございます。  以上でございます。 31 ◯分科員(むらの誠一) 個別にどうのこうの言いませんけれども,とにかく交通局としては,できるだけありとあらゆるところを使って収益を上げていただきたい。今まで,探せばほかにもいろいろあるのかもしれませんけれども,いわゆる随意契約ということがないように,なかなかやっぱり一般の企業とか一般の方というのは,その辺が見えにくいというとこがありますよね。どういうものがどこがやっているのか,どういう経緯かということがありますので,広く一般にして,競争性を働かせて収益を上げていく努力を引き続き続けていただきたいということを,これも要望して次に進みたいと思います。  次は,まだ時間がありそうなのでゆっくりいきたいと思いますけども,バス停の設置についてお伺いしたいと思います。  地域福祉センターや病院,福祉施設など,特に高齢者が多く訪れる施設は市内各地にあります。しかしながら,こういった施設の付近をバス路線が走っているにもかかわらず,バス停が近くにないというところが多く見受けられます。神戸市内はもう言うまでもなく坂が多く,また高齢者にとってはわずかな距離でも離れたバス停から歩くのは非常に大変なんですね。我々では余り感じませんけれども,お年寄りは家に帰るのでも,途中でベンチに座って休憩をしたりというようなことがありますけれどもね。例えば,須磨区若草町にある若草地域福祉センターが,前をバスが通っているにもかかわらず,最寄のバス停が坂の下にあって,少し離れているため,地域の高齢者からはバス停をセンターの前に設置してほしいというような声もよく聞きます。このように,高齢者などの市民の声を踏まえて,地域福祉センター等の施設ですね,高齢者がよく使うような施設──先ほど申し上げた病院,そういったものを含めて,できる限りそういった施設にバス停を近づける,バス停をそういったところに設置できるように考えていくべきではないのかということをお聞きしたいと思います。 32 ◯新屋交通局自動車部長 私の方から,バス停の設置についてお答えさせていただきます。  全国的に少子・高齢化が進んでおりまして,神戸市もその例外ではございません。昭和45年,私がまだ子供のころですけども,その当時,高齢者の割合は9.1%ということでございました。現在が23%。平成27年の──これ神戸市の数字ではございませんけれども,全国の高齢化率は26.9%,このように急速に高齢化が進んでいく中で地域の福祉活動とか,あるいは交流の場所としての地域福祉センター,あるいは病院などの利用者もどんどんふえていくものと予想されます。それらの福祉施設などへの移動手段として,市バスに対する期待もどんどん大きくなっていくんではないかというふうに考えております。  交通局におきましては,だんだんふえてこられました高齢者の利便性の確保ということで,新たな乗客需要への対応ということで,これまで道路事情等によって大型バスが運行できなかった地域がございましたけれども,こういったところでも福祉・環境・まちづくりの観点から,区役所・病院・商店街等を結ぶ路線として,小型・中型バスを利用して地域密着型バス路線として,平成12年から順次運行しております。現在では8路線開設して,地域の方々の利便性の向上を図っているところでございます。そのほかの路線におきましても,地域福祉センターや病院,あるいは福祉施設の付近に,できる限り市バス路線の設定,あるいは停留所を設置してございます。これは,実際利用される方からの要望もたくさん受け付けているところでございます。最近の例でいいますと,平成19年,112系統におきまして地域福祉センター下という停留所を設置いたしましたし,平成22年4月には北区の藤原台におきましても,地域福祉センターの前にバス停を設置したという例もございます。  これまでバス停でございますけれども,現在750カ所ぐらいあります。上り下りを合わせますと1,500カ所ぐらいになりますけれども,基本的には大体300メートルから500メートルぐらいの間隔というのを基本としています。ところが,先ほど先生から申されましたように,この300メートル,平坦な地であればともかく,坂道・階段を使ってということになりますと,高齢者にとっては非常にしんどい場面もあろうかと思いますので,我々としましては,もう少し柔軟な考え方に立ちまして,道路状況──先ほど申しました坂道の状況とか,あるいはそのあたりにお住まいの方々の構成,あるいは福祉施設の配置状況等によりまして,たとえ短い間隔であっても,可能な限り──バス停をつくるに当たりましてはいろいろと立地条件がございますので,どこでもというわけにはいかないんですけれども,可能な限りバス停設置を検討するなど,高齢者の方がより利用しやすい市バスの実現に向けて努力してまいりたいと考えております。 33 ◯分科員(むらの誠一) 前向きなというか,基本的には,私,以前本会議でも指摘したことがあるんですけれども,特にこの地域福祉センターというのは神戸市としては保健福祉局がやってますけれども,お年寄りのみならず地域団体すべての団体が,そこでいろんな地域の活動の拠点として使ってました。やはり,そこに対する動線というのは,これはもう本来,神戸市ですね,責任を持たないといけないというふうに思ってます。ただ,先ほども答弁あったけれどもハード面ですね,どうしてもそこにバスが入らない,乗り入れができないというようなこともありますけれども,できるだけ一番いいのは各地域福祉センターに,何々地域福祉センター前というものがあれば──もう議員も皆知ってると思いますけれども,給食サービスをやったり,喫茶をやったりとやってますからね,ぜひ新たにすべてそこに乗り入れろというふうに言ってるわけではなくて,とにかく今,走ってる中でそういう工夫ができれば,より高齢者の方々の利便性が増すのではないか,市民サービスの向上につながっていくんじゃないかというふうに思いますから,ぜひ積極的に取り組んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。これも要望です。  最後に,つり革を──これ地下鉄ですけれども,つり革を使った広告,つり革オーナー制についてお伺いをします。  交通局では,収入増の取り組みとして,バス・地下鉄車内における広告,これらに取り組んでおられます。ただ,最近はあきが目立ちます。全国的に見ると,つり革を使った広告を導入している事業者ほか,いわゆるつり革オーナー制というようなものを導入して,安価な金額で個人や企業などがメッセージを掲載できるといった取り組みを行っています。これによって収入増──乗客増というか,収入増にはつながらないようです。実費負担というか,それにそれなりのお金がかかるみたいですから,とんとんぐらいなんですかね。ただ,やはり自分がそこにPRをしたり,メッセージをしたりとすると,まず話題にもなるし,活性化には少なくともつながっていく。マイナスにはならないということですね。大体,この1年間──このオーナー制ですね,1年間5,000円ぐらい,これが大体全国共通してるんじゃないかなというふうに,ざっと調べたんですが,そんな感じでしたけれども。交通局もこのつり革を使った話題づくり,乗客増づくりというか,そういったものを考えてみてはいかがかというふうに思いますけれども,いかがでしょうか。これは,私は特に神戸では最近やったらポートタワーなんかが積極的にやってますけれども,プロポーズの日といいますか,告白をしたり,そういう──神戸はウエディングのまちというのを推進してるし,ウエディング業界も,神戸ウエディング会議というものをやって,神戸市も応援をしています。都市計画総局なんかも夜景がきれいかな──ここでプロポーズしてくださいとか,告白をしてくださいと,昔やったらかぎをかけるようなとこもありました。そういうプロポーズの車両みたいなものをつくってね,それで告白をするとか。家族に対してでもいいですよ,いつもありがとうとか,結婚記念日とか──年間大体5,000円,この設定はもうそちらにお任せしますけれども,ぜひそういうような──それに限定しませんが,つり革を使った,何かそういった取り組みというものが考えられないかということを,お聞かせいただきたいと思います。 34 ◯小林交通局次長 広告のお話でございます。ご指摘がありましたように,非常に厳しい状況というのは委員ご指摘のとおりでございまして,インターネット等がございますので,そういった広告形態が変わってきているというのもございますし,景気の低迷でありますとか,東日本大震災の影響等ございます。我々としても,収入増ということでいろんな観点から行っているのは間違いございませんが,広告主さんのニーズに合ったキャンペーンなりを展開していく必要があると考えてございます。  先生の方から2点お話がございました。1点のつり革広告──全般的なお話ですが,つり革広告につきましては,神戸市交通局では今,対応はしてございません。ただし,過去に2つの会社から,つり革広告はどうでしょうかという問い合わせはありました。ただ,向こうの方も料金提示等もなく,具体的協議まで至らず実現できなかったというのが実情でございます。我々としては,そういったこともやっていきたいと思っておりますが,今お話があった分については協議まではできなかったということでございます。  このつり革広告でございますけど,他社で広告として販売しているところがございますので,例えば全編成──これが一番望ましいと思いますが,販売していくのがいいのか,1編成ごとにしたらいいのか,ばら売りがいいのか,いろんな方法がございますので,具体的な販売とか,広告料金等,これまだ具体化してございませんけども,他社の事例も参考にしながら,神戸市がお願いをしてます指定広告代理店ともよく協議をして,実現に向けていろいろ検討なり研究をしていきたいと思ってございます。  それからもう1点,つり革オーナー制度でございます。福岡県の平成筑豊鉄道,存じ上げてますのは,あと山形県の山形鉄道,こちらで実施をされているということでございます。先生おっしゃったように5,000円,1年間ということで,個人のつり革ができるというようなお話です。企業でもいいというようなお話も聞いてございますので,事例の中ではお名前でありますとか企業名,それからPR,おっしゃっていただいたようなメッセージ,これを掲載をしていくということだとお聞きをしてございます。今,神戸市,もちろんこれもやってございませんので,話題づくりという点で,大変ユニークなものと私も思ってございます。おっしゃったように大幅な収入増というのは期待はできないかもしれませんが,多くの方が参加をいただきますと,ご指摘にありました乗客増にはつながるんではないかなと思ってございます。  もう1点,その中でプロポーズの日というお話もありましたので,これも毎月第1日曜日,19時59分からポートタワーで光の演出をされているということで,プロポーズのお手伝いをしようと仕掛けをしているということで,神戸ウエディング会議が主催をしてやっておられるというのをお聞きをしてございます。そのつり革オーナー制度とこのプロポーズがございますので,乗客増,話題づくりということで,例えば非常に乗客増対策ということでご意見もございます海岸線の中で活性化対策として,そういった観点からできないかと。例えば連携もできないかどうか,そういったことで一度検討をしてみたいと思ってございます。  以上です。 35 ◯分科員(むらの誠一) 今のつり革の話ですけども,私が見たのも高校生かな。高校生とか,安価ですからね,年間5,000円ですから,仲のいい友達同士で写真を撮って5,000円,やってる子供たちもいました。それから,例えば何年卒とか,同窓会であったりとか,卒業記念にそういうことをやったりというのもありました。だから,割といろいろ発想によっては楽しい。だから,企業とか大人だけではなくて,割と高校生とか大学生なんかも気軽に何かそういうことをやれるようなものを考えていただいたらどうかなと。ちょっとこの委員会に先駆けて,私も交通局の職員の方といろいろと話をしてた中に,こんな話はどうやろうかというような話もしてたんですね。告白とかプロポーズとか。でも,汚いつり革で告白されても嫌やわという女性の職員がいました。ああ,なるほどなと。やっぱり女性の発想というのはすごいなと思いました。だから,やっぱりそれであれば,よくポートタワーなんかもプロポーズや告白するのに,多分,貸し切りというか,そのときだけ何かお金を払ってやる,たしかそんなことがあったと思います。だから,告白するときにつり革ごと買ってもらうというか,メッセージね。そうすると,告白してもらうごとにつり革が新しくなる。つり革がどれぐらいするのかわかりませんけれども,例えばそういうようなことも含めてね,ぜひ,すべてとは言わないけれども,女性職員の登用というのも,これ本会議でもだれか言っておりましたけれども,局の中の女性の方,余りきょうは少ないですけど,課長だけかな。ぜひ,女性の発想を取り入れて,何かおもしろい取り組みを考えていただきたいということを要望して,時間が余りましたけれども,これで終わりたいと思います。  以上です。 36 ◯主査(藤本浩二) ご苦労さまでした。  次に,軒原委員,発言席へどうぞ。 37 ◯分科員(軒原順子) よろしくお願いいたします。初めに,地下鉄駅の安全・安心についてお伺いいたします。  神戸市内の自動車等保有台数は増加傾向が続いていましたけれども,平成20年から減少しております。今後,超高齢化や地球保全への深まる関心の中で,公共交通の果たす役割はますます大きくなっていくものと考えられます。午前中,また今も質疑の中で,高速鉄道事業会計も大変厳しいものがありますけれども,地下鉄駅の安心・安全の観点から,3点お伺いいたします。  1点目は,地下鉄の各駅ホームにはベンチが設置をされていますが,高齢者から不満の声をよくお聞きします。具体的には,ベンチの数が少ない,またホームの端にしか設置をされていないなどです。高齢者にとって使いやすいベンチとなるよう,位置を変えたり,また設置数をふやしたりできないか,お伺いしたいと思います。  2点目に,新長田駅で西神・山手線から海岸線に乗りかえる場合,階段を上るしかなく,車いすの方のために昇降機が設置をされていますけれども,大変使いづらいため,実際に使っている方はほとんどおられません。そのため,エレベーターを使用し,改札を一たん出てから海岸線に乗りかえる方もおられるとお聞きしました。当初からこのような構造になっておりますので,設計上,どうしようもない事情があったのでしょうか。大規模な改修は無理だとしても,少しでも改善を図り,高齢者や障害者の方にとって乗りかえのしやすい駅にすべきと考えますが,いかがでしょうか。  3点目に,平成24年度予算では,防犯カメラを増設するとのことでありますが,駅によってはいまだに死角があり,不安を感じるという声をお聞きします。例えば上沢駅では駅から地上へ出る階段付近などに防犯カメラが幾つかは設置されておりますが,防犯カメラがないところもあり,特に階段部分は夜になると人通りも少なく死角になるため,非常に危険だと感じます。平成24年度と25年度にかけて防犯カメラを増設するとの予定で,上沢駅では平成25年度になるとのことでありますが,利用客の安全性の観点から,少しでも早く設置できないかお伺いいたします。  次に,モビリティー・マネジメントの取り組みについてお伺いします。  少子・超高齢化社会の進展による乗客の減少傾向を少しでも回復させるため,また地球温暖化の抑制のために,公共交通機関の利用を促す取り組みは大変重要なことだと考えます。交通局でも平成19年度から取り組みを始めているとのことでありますが,これまでのこのモビリティー・マネジメントの取り組み状況と,その成果についてお伺いします。また,平成24年度も含めて,今後の取り組みをどのように進めていくのかお伺いいたします。  次に,先ほどもありましたけれども,市バスのダイヤ見直しについてお伺いいたします。  自動車事業会計においては,平成18年度から5年続けて単年度黒字を達成したにもかかわらず,24年度予算では乗客数の減少が見込まれ,赤字予算となっていることは大変に残念に思います。急速な少子・超高齢化の進行,長引く景気の悪化等,さまざまな原因が考えられると思います。厳しい経営状況の中ではありますが,だれもが利用しやすく安全で安心な市民の足としての役割を果たしていくことが大事だと考えます。市バスについては,日ごろより利用者の皆様から,便数をふやしてほしい,路線を変更してほしい,運行時間を延長してほしい等の声がよく聞かれます。平成24年度予算では,17系統の増便が予定されていると伺いました。17系統につきましては,長田区の二葉町・駒ケ林町付近の住民から,長田区役所へ行くためこのバスを利用される方が多いのですが,本数が少なく不便であるとの声をよくお聞きします。また,最近では二葉町にあります地域人材支援センターでの行事がふえておりまして,長田区北部からこのバスを利用される方も多くなっております。今回の増便で少しでも利便性が向上することを期待します。そこで,計画されている増便の本数や時間帯についてお伺いします。  次に,地下鉄海岸線の乗客増対策についてお伺いします。  地下鉄海岸線の乗客増対策として,沿線地域へのイベントの誘致が考えられます。特にホームズスタジアム神戸でのイベント開催は,地下鉄海岸線を多くの方が利用していただけるよい機会だと思います。交通局は受け身になるのではなく,乗客増対策としてイベント誘致を関係各局や関係機関等へ積極的に働きかけるべきと考えますが,ご見解をお伺いいたします。  以上,よろしくお願いいたします。 38 ◯吉武交通局長 まず,モビリティー・マネジメントの取り組みについてお答えさせていただきます。  ご指摘のありましたように,神戸市の交通局では地球温暖化抑制のために,過度なマイカー利用から公共交通機関の利用への転換を図りますモビリティー・マネジメントに平成19年度より取り組んでございます。モビリティー・マネジメントの一番基本の取り組みといたしましては,地下鉄の沿線の企業さんに私どもの職員が訪問させていただいて,通勤での公共交通機関の利用の促進ということについて働きかけをさせていただくと。それとともに,従業員の方々に対して,通勤に対する意識調査アンケートみたいなもの,そういうものをとらせていただいて,ねらいは啓発,要は公共交通機関を使うということが地球に優しい行動であるという啓発を兼ねた形でアンケート調査をさせていただく,これが基本の取り組みでございます。こういった取り組みをやってる中で,マイカー通勤者──あっ,すいません,その上でさらにマイカーを現に使っておられる方に対しましては──そういうふうにお答えがあった方には,実際に公共交通機関を使われる場合にどういう経路で,どういう所要時間がかかって,なおかつ料金はこのぐらいかかりますよという情報提供をさせていただいて,公共交通への利用転換を促していくと,こういうような形で基本の形をセットで組ませていただいております。これが基本なんですけども,こういう地球温暖化抑制という理性に訴えていくという考え方だけでなくて,やはり何かお得になるとか,楽しいといったようなこともやっていく必要があると思います。当然,利便性を向上させる取り組みというのもあわせてやっていくことが,公共交通への転換を図っていくために必要ということで,いろんな取り組みをさせていただいております。  例えば,バスの乗りかえ案内の情報板である駅バスビジョンというものを──西神中央駅のところ,改札を出たところに置かせていただいているんですけれども,もちろんうちのバスだけでなしに神姫バスさんも,すべてのバスが次,どこそこ行きのが何分に出るという表示が出る装置でございますけど,これを駅に設置させていただくとか,あるいはバス路線のわかりますバスマップ,これはすべてのバス会社さんが,うちのバスということではご利用者さんにとって何の意味もありませんので,各社さんのバス路線の全部入ったバスマップをつくっていく,さらには沿線の店舗さんなんかと連携して,沿線の店舗でこんな魅力的なお店がある,レトロっぽいお店があるというような情報をあわせたような沿線マップみたいなのをつくっていく,そんないろんな取り組みをあわせまして,公共交通への利用転換に取り組んでいるというのが現状でございます。  成果についてどうかというお尋ねでございます。先ほどのアンケートの調査を行いました結果,やはりアンケート調査していきますと,これからは少しマイカー利用を控えようというお答えをいただいた方とか,あるいは実際にもう公共交通機関を使う日数がふえましたよというような回答もいただいております。そういった面では,モビリティー・マネジメントの効果が少なくとも上がっているとは感じております。特にその中でも企業さん自身──従業員さんということでなしに企業さん自身の環境意識も少し高まった事例もございます。現実にある大手企業の事業所では,その取り組みにあわせてマイカー通勤を禁止された事業者さんもございます。また別の企業では,毎月20日のノーマイカーデーに賛同していただいて,その日は公共交通機関で来なさいという,実施されておる企業さんもございます。ただ,やはり事例としては一部ではございます。ただ,そういう実例は出てきております。  これからの取り組みでございますけれども,今,西神工業団地とか海岸線沿線の大手企業さんに訪問をさせていただいております。その上で通勤交通の現状とか,公共交通の転換の考え方とか,そういったアンケートを実施中なんですけれども,こういった取り組み,なかなかぽんと,先ほどの事例みたいにわかった,マイカー通勤禁止というような,そんな話が続々と起こっているわけではないんですけれども,これはやはりこういったこというのは手間はやはり少しかかりますけれども,趣旨からして,やはり重要なことだというふうに私は思っております。そういったことなので,粘り強くこれからも続けて,新しい企業さんにお伺いさせていただいて,取り組みをさせていただきたいと思います。あわせまして先ほど申し上げた,例えば駅バスビジョン,うまく国庫補助みたいなんがとれましたら,さらなる設置みたいなんもやっていきとうございますし,バスマップも好評でございますので,もっと使いやすいように,いろんなご意見を聞きながら,よりいいものにしていきたいと思ってます。あと,交通のICカードを利用しましたエコショッピングというのを今やっておりますけれども,商店街さんにも呼びかけて,こういったエコショッピングというのも広げていけたらなというふうに思っております。なかなかモビリティー・マネジメントをやって,すぐにこんだけ乗客数がどんとふえましたと,なかなかあらわれてくるもんじゃないというのは,やはり基本的な趣旨からする地球温暖化の抑制の一番の取り組みは,やっぱり公共交通機関にかわっていただくという,やはりこれが,その趣旨として非常に重要なことだというふうに思ってますので,引き続き,地道ではございますけども,息長く取り組みとしては拡大させていただきたいというふうには思ってございます。
     それから,海岸線の乗客増対策としての,特にホームズスタジアムのイベントの誘致の取り組みでございます。  ホームズスタジアムのイベントの開催は,先生ご指摘のとおりでございまして,やはり競合する公共交通機関としては,バスと和田岬線がございますけど,和田岬線は休みの日は走ってませんし,昼間も走ってませんから,基本的に鉄道としては海岸線のみ。あと競合するのは市バスだけですので,これも自分ところの公共交通機関ですので,あとはマイカーとのなんですけど,やはりあそこのイベントが開催されて,参加されたお客さんの,私どもの交通機関ご利用の率というのは非常に高いですから,一番重要な場所だというふうに思っております。そんなことで,局としてはこのスタジアムの運営会社と日ごろからかなり密接に情報の共有をしておりまして,連携も密にして,かなり親しい関係をつくらせていただいております。そんなことでいろんなイベントの実施とか誘致活動,一緒になってさせていただいているところでございます。幸いにもこの3月にJリーグが,それから4月から女子サッカーのなでしこリーグが開幕するんですけれども,両方ともですけど,Jリーグについてはヴィッセル神戸の主催ゲームが去年よりも2試合ふえるというふうにお聞きしております。2試合ふえて19試合。それから,なでしこリーグも1試合多い6試合開催されるというふうに聞いてございます。これ以外にも女子サッカーについては3月15日に,INAC神戸が出場します日韓の女子リーグのチャンピオンシップが開かれるということでございますし,4月5日にはなでしこジャパン対ブラジル代表の国際親善試合,こういったものが開催されます。また,それ以外にもラグビーのトップリーグ,こっちの方はまだ決まってませんけど,今年度4試合が開催されましたけど,来シーズンに向けて,何とか試合数をふやしてほしいということで,スタジアムさんと一緒になって取り組んでございます。こういったスポーツイベント以外にも,スタジアム会社の方では,例えばウイング寄席というような落語の催しであるとか,それから演歌歌手さんが出演される演歌祭りとか,こういったこともされておられます。来年度も開催されることになっています。交通局としては,これらのPRは全面的にさせていただいて,もちろん海岸線の増発であるとか,あるいは駅からの誘導であるとかについて,スタジアムの会社さんと一緒になって協力しながら,イベントの開催に取り組んでおるというとこでございます。  あと,それ以外のスタジアムの会社さん以外のことでもありますと,昨年度に──これは私どもの関係ですけども,スルッとKANSAIがバス祭りというのをやっておりました。当番制──当番制という言い方はおかしいですね,毎年違う場所で開催されているんですけど,このときは神戸ということだったんで,ホームズスタジアムでやっていただきました。これ,かなり3万人ぐらいお越しいただいた催しなんですけども。こういったことについても,やっぱり交通局としてもできることというのが結構あるなということで,これは今年度は小さな話ですけれども,スタジアムさんでスポーツ体験イベントでウイングスポーツチャレンジパークというのをされているんですけども,このときに私どもの市バスの円滑な運行をPRします,すいすいキャンペーンをタイアップでさせていただきました。あとは企画調整局に働きかけまして,例のKOBEデザインの日の記念イベント,海岸線沿線一帯でやっていただきましたけども,ホームズスタジアムでもアースデイ神戸2011秋を開催していただきました。こんなことで,どちらにしてもやっぱりホームズスタジアムというせっかくの施設でございます。やはり,もちろん私どもとしては海岸線の沿線のプロジェクトが進捗していくというのは願いでございますけど,もう既に数ある立派な施設を,より利用していただけるような,そういう取り組みが乗客増には必要だというふうに思ってますので,こういったイベントの開催についても,やはり今まで以上に積極的に動いていきたいというふうに思っております。  以上でございます。 39 ◯新屋交通局自動車部長 私の方から,17系統の増便に関してご答弁申し上げます。  17系統は,平成10年に開設されました。それまであった旧101系統という路線をかえてつくった分でございまして,駒ケ林公園からしあわせの村に行くということで,当初20.5往復から始まりました。その後,平成18年には住宅団地──ひよどり台南町づくりですけども,団地の開発にあわせまして,少し路線が変わりましたのと,それから平成21年4月には山下町──西代のところですね,跨線橋のところ,少し路線が変わりまして,山下町の方が利用しやすいようにしました。この17系統については,運行開始後,少しずつ増便を繰り返してきております。最初が12年ですけれども,ダイヤ改正を実施しました。それから,平成17年,それから18年,1往復ずつとか1.5往復ずつとか,少しずつ変えておりまして,現在は24往復にしております。利用状況につきましては,通勤・通学利用の方が全体の約4割,それから買い物・通院の方が約3割と,神戸市全体の路線全体で見ますと,やや通勤・通学のお客さんが少なくて,買い物・通院の方がやや多いかなという──平均的ではありますけれども,そういった路線でございます。それから,利用者──ちょっと13キロを超える,結構私どもの神戸市バスの路線でしたら長い路線なんですけれども,長田区から北区までということで,利用者の方につきましては丸山の西部の方,あるいはひよどり台付近の方が長田神社,あるいは地下鉄長田駅・新長田方面への通勤・通学・買い物の利用が主要なお客様でございます。その次が,各バス停からしあわせの村方面に向かうバスの利用が多くなっております。路線全体では,大体毎年少しずつお客さんがふえていっているというような状況でございまして,実は昨年10月に,また新たに市バス交通調査というものを行いました。これについては,結果が出ておりませんけれども,この結果を見て,それから日々の運行状況の様子なんかを見ながら,運行本数や時間帯の関連については,どこにふやせば一番いいのかというふうなことを考えながら,これから考えていきたいと思っています。冒頭申し上げましたように,17系統は少しずつ増便してきたところでございますので,今回,そんなにたくさん一遍に何便も,10便もということではございません。いずれにしましても,今後ちょっとお客様のご様子なんかを見ながら,決定してまいりたいと思っております。  以上でございます。 40 ◯吉田交通局高速鉄道部長 それでは,私の方からベンチの増設等につきまして説明させていただきます。  まず,ベンチの増設についてでございますけれども,地下鉄ではお客様の安全確保及びお客様の利便性ですとかサービス向上のためにいろいろ努めておりますけれども,開業以来,ホームでは電車待ちのお客様のためにベンチを設置してきてございます。ホームとコンコース両方ありますが,主にホーム階にベンチを設置してきたところでございます。現在,西神・山手線16駅ございますけれども,ホーム階にある153脚,それからコンコース階には16脚を設置してございます。また,海岸線は10駅ございますけれども,ホーム階に24脚,それからコンコース階には4脚を設置してございます。脚でございますので駅によって異なりますけれども,大体1脚3人ないし4人がけになっております。  ベンチ設置に当たっての考え方でございますけれども,駅構内には階段ですとかエスカレーター・エレベーター,また消火栓等いろいろございます。どうしてもベンチを設置できる場所が限られているというのが現状でございます。それと,ホーム階につきましては,ラッシュ時に電車を待つお客様が支障にならないようにということも考える必要がございますし,コンコース階におきましても,改札を出入りするお客様に支障のないような形が必要になってまいります。特に海岸線につきましては,ホームの幅が狭い,また客車も4両ということで短くなってございますので,かつ海岸線は島式ホームが多うございます。対面式のホームですと,壁にベンチを設置できるんですけれども,島式ホームですとなかなか難しいというふうなこともございます。また,ホームの中央にはエレベーターですとか,あと電話機・機械室,それから時刻表,こういったものが設置されておりますので,なかなか車いすの利用者の動線を確保したり,いろんな面でホーム階に設置することが難しいということで,やむを得ずホームの端に設置しているという場合が多うございます。そういったことで,お客様の安全確保の観点から,通行の支障になる位置への移設ですとか増設は難しいというふうに考えてございます。ただ,これまでもお客様サービス向上の観点から,いろいろやってきておりまして,これまでにベンチにつきましても増設をしております。例えば平成22年度には3脚,それから23年度も1脚増設してございます。設置につきましてはいろいろ設置条件による制約もございますけれども,増設を検討していきたいというふうに考えております。  それから,新長田駅での乗りかえについてでございますけれども,海岸線の建設時の経緯がございまして,海岸線の新長田の建設に当たりましては,2つの観点から決めたということでございます。1つはJRあるいは地下鉄西神・山手線の連絡のしやすいこと,次に,海岸線は非常に建設費が高くなりましたけれども,建設費を少しでも抑制する,こういったことを考えながら実際の位置を決定してきたというところでございます。西神・山手線の新長田駅と海岸線の新長田駅,こちらの連絡距離を短くするためには,一番望ましいのは海岸線の新長田駅をJRの真下にすることが最も近いということになるんですけれども,そういったことを考慮しますと,工事をする場合にJRが当然通っておりますので,その基礎のすぐ近くに,広く深く掘るというふうなことになってまいります。その結果,構造が非常に複雑になる,また施工も難しくなる。JRにも運行に支障を及ぼす可能性があるといったようなことがございますので,結果的に建設費が膨大になるということが懸念されました。そういったこともございまして,経路としましては,西神・山手線の新長田駅とジョイプラザですね,こちらの間に既に通路がございましたので,その通路を一部活用することで建設費の節減を図ったということでございます。  そういったような経緯でございますけれども,海岸線の新長田駅と西神・山手線の新長田駅,こちらの乗りかえを少しでも便利にしたいというようなこともございまして,2通りの経路を設けたところでございます。1つが改札外の連絡通路ということで,ご指摘もございましたけれども,こちらの方はエレベーター・エスカレーターを利用していただくということでございます。それと,改札内通路ということで,こちらの方はどうしても既にある西神・山手線の駅を使うということで,階段の幅員を十分確保できないというふうなこともございましたので,エレベーターですとかエスカレーターを併設することができませんでした。やむを得ず車いす用の階段昇降機と言われるものを設置して,トータルとして2つの経路を確保したというふうなところでございます。ただ,改札内の連絡通路につきましては,昇降機の利用に当たりまして移動時間がどうしてもかかってしまうということ,あるいは利用する際には,利用する方がインターホンで駅員を呼んでいただく等,何分いろいろ不便だというふうなこともございますので,そういう支障はございますけれども,残念ながら現状以上の改善というのはなかなか難しいというのが現在の状況でございます。そういったこともございまして,乗りかえにつきましては,より利便性が高いエレベーターあるいはエスカレーターを設置しております改札外の連絡通路,これを利用していただきたいということで,新長田の乗りかえ乗車券ですとか,磁気カードあるいはICカードを利用された場合には,改札外を通って乗り継ぎできるというようなシステムを開業当初から設けてございます。また,その辺を周知するために,西神・山手線の新長田駅ホームの東側・西側にもありますけれども,階段が2つございますが,そちら付近に車いすの利用の方を対象にしまして案内表示をしてございます。また,連絡通路のところも案内表示をしておるというふうなところでございます。また,車いすなどを利用されるお客様が改札を通られる際には,駅員がお声がけをするなりいたしまして,例えば乗降介助をする,そういった工夫もしているところでございます。今後とも乗りかえのしやすい案内サインを実施するなどを図りまして,高齢者ですとか,体の不自由な方がより便利に乗り継ぎができるように考えてございます。  それから,防犯カメラの設置についてでございますけれども,駅構内の防犯監視カメラでございますけれども,これはテロですとか犯罪の防止,またこれらの事象が発生した場合の記録という観点で設置しておるところでございます。西神・山手線につきましては平成22年度まで,改札口ですとか券売機の付近にまず整備をしてまいりまして,さらに死角改善を図るために,23年度から25年度までの3年間かけて整備計画を立ててございます。こちらの方は死角の改善ということで,基本的には駅務室で目視あるいはカメラを通して駅構内が見渡せるようにというふうな規模で設置をしたものでございます。また,海岸線に設置しているカメラでございますが,こちらの方も平成13年に開業して10年ほどたってございますので,順次更新を図っているところでございます。現在立てております整備計画でございますけれども,例えば電車の始発駅,そういった駅であるかどうか,それから乗降客の多い駅か少ない駅か,それから事件,トラブルが多いか少ないか,そういったような観点ですとか,あるいはイベントが開催されているかとか,出入り口が多いかとか,死角があるかどうか等をいろいろ勘案しながら,優先順位をつけて整備計画を立ててきておりまして,平成24年度,来年度につきましては,三宮,県庁前,大倉山,この3駅に防犯カメラ設置を予定しております。また,海岸線につきましてはハーバーランド,みなと元町,三宮・花時計前,この3駅を整備する予定でございます。ご要望の上沢駅でございますけれども,平成25年度に設置する計画でございます。この駅も他駅と同様,死角になるところもございますけれども,平成25年度の計画年度に少しでも早い時期に実施できないか検討してまいりたいと考えているところでございます。  以上です。 41 ◯分科員(軒原順子) ありがとうございます。初めに,地下鉄駅のベンチ等ですけれども,本当にこれから高齢者の方もどんどんふえてきますし,本当に高齢者の方が利用しやすい,そういう観点から,またよろしくお願いしたいと思います。午前中もありましたけれども,防護さく等も含めて,本当に駅の安心・安全にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  上沢駅も通路が,西の方ですか,すごく長くて,怖いというのを感じる方がたくさんいらっしゃるというふうにお聞きしておりますので,早い段階でよろしくお願いしたいと思います。  市バスの17系統の件ですけれども,またこれにつきましてもできるだけ利用者の皆さんのニーズにこたえられるように,またこれからよろしくお願いしたいと思います。ある方が──各区ともそうかもわからないんですけれども,長田区にしても南北の交通がないのでということで,これはバスにおきましても採算性と公共性と,本当に両面を考えていかなければいけないんですけれども,バスにつきましても高齢者の方が利用しやすい,そういうバスを目指して,よろしくお願いしたいと思います。  モビリティー・マネジメントの件ですけれども,私もプログラムに参加された方のお声を見させていただきまして,平日は無理でも休日は公共交通機関を使うようになったとか,子供と一緒に公共交通機関を利用した場合に,バス内とか電車内で親子の会話もふえたとか,また子供が切符をこんなに喜んで持つんだということがわかったとか,そんな声もありましたし,またCO2削減ということで,環境面でも大きな影響があります。そればかりではなくて,不況で経済面でも車の利用や所持等,カーシェアリングとか,そういったことについても考えるいい機会になりましたという,そういうお声もありました。私も先日,私と地球の環境展というのが行われておりまして,そこでドイツのフライブルク市の脱マイカーの取り組みが紹介をされていたんですけれども,1970年代にドイツのフライブルク市では,近郊のまちに原子力発電所の建設計画が持ち上がって,市民の反対運動が起こったそうです。それとともにエネルギー大量消費の生活を見直そうと,そういう意識が高まっていった。そんな矢先に市民に愛されている近郊の黒い森という森があるそうなんですけれども,その森が枯れ始めるという事件が起きたそうです。さらにまちのゴシック建築や彫刻にも黒ずんでもろくなる被害が発生をした。これらは排気ガスや酸性雨による被害であったそうなんですけども。そこで,市内から自動車の排気ガスをなくそうと総合交通システムの見直しに着手をされたそうです。1984年には,市内への自動車の乗り入れ制限を開始をして,自動車制限による不便さを補完するために公共交通を拡充し,安価で便利な地球環境定期券というのが生まれたそうです。これは17の交通企業が経営する鉄道・路面電車・バスの90路線で使用できるもので,だれでも買うことができて,無記名券は他人にも貸すことができて,日曜・祭日には1枚で大人2人,子供4人が使えるもので,1カ月間の価格が約5,300円ということで乗り放題となっています。これをそのまま神戸に当てはめるということはできませんけれども,市民の環境意識を高めて,ふだんの生活を,暮らしを振り返ってみる,考えてみるということは本当に大事なことだなということを私も感じました。自分たちの行動が環境を守ることに伝わる,自分たちにできることから,身近なとこから始めようという,そういう取り組みというのはこのモビリティー・マネジメントの取り組みを見たときに,本当に先ほども粘り強くとありましたけれども,本当に地道ではありますけれども,そういう意識改革を取り組んでいくということは大事なことであるなということを感じます。それで,これはもう交通局だけのテーマではなくて,本当にもう大変大きなテーマでありますので,他の関係機関にも働きかけて取り組んでいくべきではないかなというふうに考えますが,いかがでしょうか。  それと,地下鉄海岸線のホームズスタジアムの件ですけれども,ちょうど私もことし成人式の日に海岸線に乗っておりまして,本当にそのときはスーツ姿と晴れ着姿の若者が超満員で,駅のあちこちで皆さんが固まって待ち合わせをされている姿に,本当にいいなというのを感じたんですけれども。これからまたさまざまなイベント等にも,しっかりと充実も含めてよろしくお願いしたいと思います。今,「平清盛」展が開催中でありますけれども,ハーバーランド駅と中央市場駅前の案内アナウンスが電車に乗っていると流れるんですけども,清盛隊の声で,神戸・清盛隊の棟梁の平 清盛でございます,ドラマ館にお越しの方は次でおおりくださいと,歴史館にお越しの方は次でおおりくださいってアナウンスが流れるんですね。みんな,えっという感じで,あれっていう耳を傾けているんですけども,すごくいいアイデアだなということを感じたんです。本当に「KOBE de 清盛」をしっかりと盛り上げていくためというか,本当に海岸線から「KOBE de 清盛」を盛り上げていくという意味においても,1年はあっという間に終わってしまいますので,1カ月,目標を決めて取り組んでいくぐらいの,それぐらいの勢いで取り組んでいただけたらどうかなと思うんですけども,この点をお伺いしたいと思います。 42 ◯吉武交通局長 まず,モビリティー・マネジメント,評価していただいてまして,本当ありがとうございます。他の機関にも積極的に働きかけるべきということでございます。ご指摘のとおり,やっていきたいというふうに思います。今現在でまいりますと,このモビリティー・マネジメントをするために,実は促進協議会というようなものが設けられています。ちょっと大層な名前なんですけど,神戸市における低炭素社会実現に向けた公共交通利用促進協議会という組織を,これをベースにしてやってございます。21年度と22年度にこういうのを設置しておるんですけども,学者の先生のほかに企業さん,住民,NPOの方,それから神姫バスさんにも入っていただいておるんですけど,あとオブザーバーとして国でいきますと近畿運輸局,あるいは環境省の近畿地方環境事務所であるとか,兵庫県警さん,それから神戸市は環境局・産業振興局・都市計画局・みなと総局・企画調整局など入っていただいて,事務局は私どもがしていくような形なんですけども,こういった取り組みもやってまいりました。やはり,関係機関へ積極的に働きかけていくということは重要なことですし,そもそも交通事業者がこのモビリティー・マネジメントをやっているというのは,そもそもそれ自身が非常に珍しいということで,国交省さんからも言われておりますけれども,やはり関係機関の働きかけというのは重要なことなので,しっかりやっていきたいというふうに思います。  それから,清盛でございます。ご指摘のとおり,特に地下鉄海岸線の乗客増対策としては,非常に重要なことというふうに思ってございます。大まかに分けて清盛関連でいきますと,2つに分けて今考えております。1つは,やはりよそからのお客様に来ていただくというのは何よりも大事なんで,そのためにはよそでのPRというものが重要でございます。そのために私どもでできる一番のことというのは,関西のほかの民鉄さんと一緒になって企画乗車券の発売をしますと,それぞれの駅や車両の中で広告が載っていきます。そういったことで,「KOBE de 清盛」1dayパスというものを皆さん一緒にやりませんかということで,関西の私鉄の大手5社全部と,それから大阪市の交通局さん,このあたりと一緒になって,この切符の発売をしております。そういったことでよその鉄道にも,「KOBE de 清盛1dayパス」の広告が出て,それぞれの会社さんで販売促進をしていただくということでPRをして,お役に立っているというふうに思っています。そのほか,清盛の関係でのいろいろな企画乗車券を発売をしていくというようなことと,もう1つは神戸にお越しいただいた方に対するおもてなしという,ウエルカムをあらわしていくということで,これは少しいろいろ出てきて恐縮なんですけど,例えば地下鉄の各駅とか電車の中に,今,テレビの方の「平清盛」のポスター,NHKさんのポスターをNHKと共同でつくって掲出させていただいております。主な駅ではウエルカム看板であるとか,ドラマ館・歴史館のところでは両館への誘導の案内表示板であるとか,あるいは最寄駅は清盛の史跡マップみたいなものも駅に張り出させていただいております。あと,これから春の行楽シーズンということでございます。それなんで3月17日から西神・山手線の車両の1編成と,それから市バスの2両につきましてラッピングを,清盛のラッピングを──清盛隊がメーンですけども,ラッピングさせていただいて,あるいはほかのものにつきましてはヘッドマーク,平 清盛の関係のヘッドマークをつけた電車を走らせたりというようなことであります。そういった形で基本的によそからのお客さんに対して,よそでのPRのための企画乗車券,それから,来ていただいたウエルカムをあらわすもの,それにつけ加えて3つ目としては,さらにイベントをやっていきたいということで,スルッとKANSAIさんの方でも検討されておりますので,一緒になってイベントもやっていけたらというふうに思っております。  以上でございます。 43 ◯分科員(軒原順子) 何とか1年間頑張っていきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 44 ◯主査(藤本浩二) ご苦労さまでした。  この際,約20分間休憩いたします。  午後2時40分より再開いたします。   (午後2時19分休憩)   (午後2時42分再開) 45 ◯主査(藤本浩二) ただいまから予算特別委員会第3分科会を再開いたします。  休憩前に引き続き,交通局に対する質疑を続行いたします。  それでは,松本のり子委員。 46 ◯分科員(松本のり子) それでは,3点質問します。  まず,その1点目,公共交通のあり方についてです。  平成24年度中に都市計画総局が中心となって,総合交通計画を策定いたします。これは,六甲山上の観光や山ろく部ではJRの新駅開通にあわせたバス路線について,また都心ウオーターフロントでの巡回バス路線などの対策が上げられています。総合交通計画と言いながら,摩耶ケーブル対策や六甲山頂の観光対策程度です。本来,高齢者・障害者など幅広い人たちが利用できるバスのあり方,またバス空白地への対応策について検討するべきものだと思います。市内全域の状況を把握しているのは都市計画局よりも,やはり交通局です。交通局が総合交通計画にかかわって,バスの空白地の多い西区や北区,東灘区の北部など,また狭い道でコミュニティバスすら通れない垂水の塩屋地域や,また須磨区の禅昌寺地域,こういった運行困難地域の解消に向けた提案を行うべきだと思います。これについては,午前中は局長は総合交通計画についてはどんどんと意見を言っていきたい,このようにおっしゃっていましたが,都市計画総局の方は,この交通計画の体系そのものは交通局と一緒につくらないと,都計だけでつくっていくんだ,そういったことを言っております。ならば,こういった先ほど言いました山ろく部とか六甲山のバス路線程度に終わってしまいますので,ぜひ総合交通計画の体系そのものから交通局がしっかりと入って,先ほど言いました運行困難地域の解消に向けた取り組みを行い,これを総合交通計画にきちんと位置づけるべきであると思いますが,いかがでしょうか。  そして,次にこの公共交通である市バスの路線を変更する場合は,地域の声をしっかりと聞くということが大切です。昨年10月に兵庫区から西市民病院経由で板宿を通り須磨まで行く8系統は,一部の住民への説明をしただけで路線が変更されました。そのために住民の方たちから,乗り継ぎが必要になった,西市民病院に行けなくなったなど,多数苦情が寄せられています。このたび,近隣の18の自治会長名で局長に,もとに戻してほしいと要望が出されました。8系統の再検討をしていただき,どのような路線が求められているのか,住民と話し合うべきであると思いますが,いかがでしょうか。まずこの点についてお聞きします。 47 ◯吉武交通局長 総合交通計画でございます。総合交通計画の策定に当たって,24年度から始まるわけですけれども,1つは市民と私ども交通事業者,そういったものを踏まえた委員会を都計さんが立ち上げられて行うということで,1つは公共交通と歩行者・自転車・自動車等がバランスよく組み合わされた交通体系をどうしていくのか。それから,地域ごとにその特性を踏まえた交通施策をどうするのか。市民・事業者・行政の役割分担,そういったことを検討するということになってございます。先生,ちょっと先ほどご指摘のありました件については,多分,先ほどの地域ごとの特性を踏まえた交通施策の検討の中で,先行して都心ウオーターフロントの地域を,都心ウオーターフロント総合交通委員会で検討をされている中で,そういった議論が出ている分だろうと思います。24年度から始まる分といたしましては,こういった形で進んでいくということで,交通局といたしまして,もちろん総合交通体系はまず必要であるという認識はもちろん持ってございます。ただ,これから神戸のまちづくりの中で,その公共交通に求められる役割というのはより高くなっていくというふうに理解をしております。もちろん市バス・地下鉄が30%のシェアを持っていると申し上げましたけれども,そういった立場から,総合交通計画の策定については積極的に参加をさせていただいて,意見もどんどん申し上げさせていただきたいというふうに思います。これまでも少し申し上げましたけれども,いろんな意見を申し上げる中で,やはり1つは持続可能な,何とかこれから人口減少社会が進展していくということで,既存の公共交通機関の維持・存続ということに十分配慮していただいて,そういったものの利活用,新しいものをつくるだけでなしに,既存の公共交通機関の利活用を進めていただくというような主張も,少し余談ですけれども,させていただきたいなというふうに思っております。  先生ご指摘の地域の足の確保について,交通局の考え方をもっと積極的にというご指摘でございます。地域の足の確保について,神戸の市内におきましても,地域によっては住民の方々の高齢化が進んできたことで,今まででしたら道路条件の制約があって,狭いといった制約があって路線バスが運行されていなかった地域とか,基本的に別にバスなんか来ていらないよと,マイカーでいいんだからというような地域もございました。そういった移動手段の確保が,今現在高齢化が進むことによって課題になっている地域が出てきているということについては,十分認識をしております。交通局として,そういった問題に対応するために,これまで地域密着型バス路線ということで,中型もしくは小型のバスで対応していくという方針で努めてまいりました。そういったことで,交通局として可能な限りの対応はやはりしてきたつもりでございます。もちろんその他の民間バス事業者と役割分担というのは前提でございますけども,そういった形で市民の足の確保に努めてまいりました。  しかしながら,地域で今多いのは,ご指摘のような道路条件で,例えば小型・中型のバスでも入れないような地域はもちろんございます。別に市バスでなくても,他の路線バスでも運行できないような地域もございます。こういった地域について,地域の特性とかニーズに応じて,その路線バス以外にどのような移動手段がふさわしいのかという議論について,やはりしていかなければならない時代になっているというふうに思います。今度の総合交通計画の中で,そういった議論をしっかりやっていかなければいけないというふうに思ってます。地域,それから行政,それから私ども交通事業者,そういったものが役割分担しながら検討していかざるを得ないという,そういうことだというふうに思っております。  もう少し申し上げさせていただきますと,さらに従前の路線バス以外に乗り物として,地域が主体的に運行するマイクロバスであるとか,乗り合いタクシーであるとか,あるいは自家用車による有償運送制度の活用とか,そういったものも公共交通でございます。そういった公共交通で対応をするようなもの,あるいはもうさらにいきまして地域の状況によりましては,地域ボランティアによる助け合い,そういったもので対応していくような,そういう地域力を活用するような方法,こういったことも課題になってくると思います。総合交通計画の中で,こういったことを含めて幅広く検討するべきということが望ましいというふうに思っています。もちろん交通局として,路線バスの運行のノウハウについて必要なものについては,可能な限りの努力をさせていただいて,総合交通計画の中で積極的に参画していきたいというふうに思っております。  私の方からは以上でございます。 48 ◯新屋交通局自動車部長 私の方から,8系統の路線の変更について述べさせていただきます。  8系統におきましては,兵庫駅前を起終点として,地下鉄長田駅前,板宿を経由して,須磨・鷹取町との間を循環運行,28循環運行しておりました。西部市街地の東西交通アクセスとして利用されておりましたけれども,路線が極めて長大,18キロメートルございました。運行効率が非常に悪くて,収支も非常に厳しい状況が続いておりました。ちなみに平成22年度,営業係数247,収支差が9,100万円でありました。また,一方,本年5月7日──ゴールデンウイーク明けでございますけれども,須磨区役所の板宿移転が予定されていることから,昨年の10月1日に需要が比較的多い板宿以西のほか,板宿から鷹取町のみの循環運行に路線を短絡するとともに,以前よりバス運行の要望の強かった高松線──これまでは高松線を走るバスはなかったんですが──高松線より駒ケ林方面を運行するルートと,国道2号経由して板宿に至るコースの2ルートの路線変更をして,運行効率の改善と須磨区・長田区の南部地域の方々の利便性の向上を図るものでございます。  8系統の変更によりまして,これまで8系統に乗っておられた方の中には,乗りかえなければいけなくなったという方は当然おられるんですけれども,そのために113系統の路線変更,あるいは4系統の一部路線変更,あるいは81系統の路線の延伸などを実施することで,代替策も講じてきたところでございます。路線変更に当たりましては,8系統を中心とした各系統の変更に伴って影響のありそうな地域について,昨年の6月ぐらいから各区役所とも連携しながら,自治会とか婦人会などの地元地域団体の関係者へのご説明を,路線変更の日まで行ってまいりました。しかしながら,変更開始後,路線変更によって乗りかえが必要になって不便になったという意見もいただいております。具体的に言いますと,月見山駅付近から鷹取団地前行きとか,須磨水族園付近から鷹取団地前付近でございますけれども,特に多かったのが8系統による西市民病院へのアクセスがなくなったとのお問い合わせが多くございましたけれども,13系統や81系統の路線変更あるいは延伸によって,代替手段をご利用いただける場合も多くございまして,ご説明させていただいたことでご理解いただいた事例もたくさんございました。また,板宿駅における乗車方法がわかりにくいというお問い合わせも多かったんですけれども,須磨区役所の移転が5月に予定されておりますけれども,バス路線の変更を10月に行って,地域の利用者の方々への周知を図って,新たな路線になじんでいただけるものと考えて,今,実施しているところでございます。今後とも利用者の方々にはお問い合わせを丁寧にこたえてまいりたいと思っております。  今回の路線変更ですけれども,市バス事業を今後も継続的に運営していくための経営改善策だと私どもは考えておりまして,その趣旨とか,8系統廃止に対する可能な限りの代替措置も講じていくこととしております。利用者の方々に対してもそのことを,機会あるごとに丁寧にご説明しまして,理解を得ていく必要があると思っております。新たな移動手段であるとか,バス停に関するお問い合わせにつきましても,できるだけ詳しく説明をさせていただくように努めますし,移転後の区役所内にもバス停の案内掲示など,案内表示の方法についてもできるだけ努力してまいりたいと思っております。バス路線につきましては,一度変更したらもう二度と変えませんということはございません。8系統は長い歴史がございますが,何度にもわたっていろんな変更をしてきております。引き続きお客様の動向を注視しながら,バスのダイヤの編成に反映していきたいと考えております。  以上でございます。 49 ◯分科員(松本のり子) まず8系統ですが,これは要望にいたしますが,理解もしていただいている部分もあるとおっしゃいましたけれども,近隣の18の自治会長名で,このたび要望が出されたということは,決して十分な理解がされていないということなんですね。そういう意味では,局長も住民の方のお話を聞いたと聞いておりますが,しっかりとやはり再検討を住民の方たちと一緒にしていっていただきたいということを,もうこれは要望だけにいたします。  先ほどの総合交通計画,しっかりと最初から入っていただきたいという私の質問でしたが,体系をつくることは必要だと局長もおっしゃいました。しかし,今,体系ができつつあるのは,本当に六甲山の上と都心ウオーターフロントと,あと山ろく部,新駅ができたらどうしようかという,それだけでは局長が午前中にご説明されました,この予算説明書の頭に,ちゃんと最初に,少子・高齢化に向けてこれからは公共交通機関が大変重要になってくると,福祉や健康を守り,住みよい環境をつくっていかなきゃいけないんだと,これが交通局の果たす使命だということを,この予算編成方針に書かれているんですね。そういったことでいきますと,この都計が今つくろうとしている体系そのものは,十分これにこたえられるものではないと言わざるを得ません。  そこでお聞きしますが,また一方で交通局はコミュニティバスを21年度よりももっと5%ふやしていこうと,これからこの地域密着型バス路線が必要なんだというふうにおっしゃってますよね。空白バスというのは交通体系には,都計の言う交通計画には入ってません。そこで,空白バス路線──空白地域のバスの場合,国が出してます地域公共交通確保維持改善事業費補助金交付というのが,そういう制度があると。これは,他都市にまたがれば補助金がおりますと。ですから,例えば西区の方が三木の方にバスを走らせたら,15人以上乗ったら補助金出ると書いてるんですね。あるいは,北区の北部から三田に行くバスを走らせたら,またできると。そういった意味で,空白地域のコミュニティバスを走らせていくということは十分可能だし,そして国の補助があるものはどんどん使って,そういった方向の議論も都計の方に意見を言うために,今の都計がつくっている体系に空白地域とか,今おっしゃった運行できないバス路線,塩屋地域とか禅昌寺地域,そういったところを盛り込むように努力をされるのかどうか,ちょっと簡単にすいません,お答えください。 50 ◯吉武交通局長 これから総合交通計画についての委員会が立ち上がり,議論がされていくわけですけど,どういうふうに詳細に進んでいくかというのは承知はしておらないんですけども,先生のご指摘のように,これからの地域,今までバス路線が走っていない地域についての,どんなふうに対応していくべきかというのは,やはり地域ごとの交通施策を考えていく中で,前提条件としては,やはり高齢化社会を前提として,どうしていくのかというのを検討していく必要があると私は思ってますし,そういうふうに申し上げたいというふうに思います。ただ,多分そういうふうに私は進んでいくものというふうに思ってございます。今後順番にそれぞれの地域での議論というのが進んでいくと思います。ご指摘の垂水地域の議論とか,そういうふうに進んでいくのではないかというふうに思っております。どちらにしても先ほど冒頭申し上げたような視点で,交通局としては申し上げていきたいというふうに思ってます。  ちょっと余談ですけども,国の補助制度の活用のお話がございました。現在,企画の方がこの補助制度について所管しておりまして,そういった面について国の制度,県の制度,補助制度みたいなのがございます。そういった取り扱いも現在なされていることについては,なされておるというのが実態でございます。  以上でございます。 51 ◯分科員(松本のり子) 福祉と健康を守り,住みよい環境をつくっていくという交通局の使命で,企画が国の地域公共交通確保維持改善事業の,企画が使っているというんでは,やっぱり困るんですよ。交通局が企画任せじゃなしに,空白地域まで含めて,神戸市内全体をきちんと網羅なさっているのはこの交通局ですから。都計がどういうふうに今しようとしているかというのは承知してないとおっしゃってました。承知していないからこそ,空白地域とか狭いところのは入ってないんです,体系には。プランニングの中にはね,プランの中には。そのことについては,これは入れるということを,都計ときっちりとお話をされる,今してもらわないとプランができてしまったらどうしようもないんです。プランに基づいてずっと順々に,このプランに基づいて話がされますのでね。だから,そのプランの中に入れ込んでほしいんです。もうそれだけ一言だけお答えください。 52 ◯吉武交通局長 申し上げたように,そういった問題について,この場で議論されるべきという主張はさせていただきたいというふうに思います。 53 ◯分科員(松本のり子) ぜひ都計とお話をしていただくことを求めます。  次に,神戸市交通振興株式会社の職員賃金の改善についてお聞きします。  平成17年から交通局が市バス運営の管理委託を行い,魚崎営業所は交通振興に決定しました。5年ごとの委託期間のために,1年契約で運転手は5年あるいは65歳までというものでしたが,私たち会派も議会があるたびに,この振興の雇用の安定化を求め続けてまいりました。ようやく1年契約の更新ではありますが,65歳まで雇用継続が認められ,また本当にわずかだけの定期昇給も可能な給与制度となりました。しかし,給料の手取り額というのは平均で17万円程度です。行財政局はこのたび,指定管理者制度を一部見直して,8年間同じ施設に運営を任せるということができるということを決めました。今後も各部局から指定管理者制度についてはしっかりと声を聞き改定していきたいと,このように言っております。他都市を見ても札幌などでは,166施設は非公募になっています。名古屋でも10年間という期間で任せる施設もあります。全国で期間を延ばし始めています。今,全国で非正規の正規化が言われています。運転士のモチベーションを上げて,より安全運転で乗客サービス水準の維持や向上が図れるようにするために,5年の管理委託を改めて運転士が正社員として働けるように求めますが,いかがでしょうか。 54 ◯小林交通局次長 私の方からお答えさせていただきます。  交通振興の嘱託社員の雇用でございますが,交通振興にとりましても民間で社会経験を習熟した技能を有する高齢者等を中心に,嘱託職員・社員として採用し,コストの削減なり乗客サービスの向上に努めるということで,技術的には他の民間事業者にも負けないよう,競争力ということで向上を図ってございます。市バスの管理委託は原則5年ということで,これは国交省の基準で5年というのが決められておりますので,それをちょっと延ばすことは今のところ制度上難しいと,困難でございます。引き続き受託していくためには,提案競技において受託事業者と引き受けてもらえるようにしていかないと崩れてしまうということもございますので,バスの管理委託につきまして22年度で満了を迎えまして,昨年2回目の提案競技をいたしまして,実際,有馬営業所は交通振興から阪急バスに変更になったと,こんな事例もございます。現在受託事業者でありましても,次回の提案競技で引き続き受託できない可能性もあるということで,特に神戸交通振興,自主事業が小さいということもございまして,この委託の魚崎営業所の受け皿となるというのは難しいという状況でございますので,嘱託社員を正規化していく,これは非常に難しい状況であると聞いてございます。  先生のお話がございましたように,23年度から1年契約,5年または65歳というのを5年までという上限を廃止をいたしまして,65歳を上限として雇用継続できるよう変更したとお聞きをしてございます。今少し言われましたように,定期的な昇給制度を設けておりますとか,一定期間勤務した社員には,退職時に功労金も支給をするということでありましたり,ほかにも新たな制度を設けるとお聞きをしておりますので,社員のモチベーションということでも向上を図っているとお聞きをしてございます。いずれにいたしましても交通振興の職員の雇用形態・配置・給与水準,これは労働基準法などの関係法令を遵守していくことは当然でございますが,これを前提に交通振興の経営方針のもとで決定する事項であると考えてございます。 55 ◯分科員(松本のり子) 尼崎の交通振興さんが,非正規で募集しても正規雇用にどんどんしていってるんですね,半分以上がもう正規雇用なんですよ。どうして正規雇用にしていくのかということをお話をお伺いしましたら,今,運転士を募集するときに,ほかの民間バスも正規雇用,正社員でとなってますよね,結構私もそれを見るんですけども。ですから,そういった中で,いい人を雇おうと思えば,やはり正社員で募集しないと,なかなかいい人が来ない。正社員になれますよということをきちんと明記しないと来ないんだということをおっしゃってましたし,また実際,非正規の方と正規とを比べましたら,全然運転士さんのモチベーションが違ってきて,本当にいいお仕事を,非正規でも頑張ってはるけども,もっとやっぱりモチベーションが違ったら,全体的に違ってくると思います。そういった方向をも察知して,尼崎の方は非正規で入っても,すぐ試験を受けて正規にしていくと。大阪も交通振興さんはそのように正規をどんどん今,非正規やけれどもいい人は正規にしていっているということで,今,本当にそれが流れになっていると思うんですね。  ここの神戸の交通振興は自主事業が小さいとか,あと先ほど5年の約束やということでおっしゃってましたけれども,だったらその5年を取っ払ったら,きちんと正社員として,5年を取っ払うということも可能だと思うんですよ。でもって,もう1つ,自主事業があれだから非正規なんだと言いますけれども,交通振興さんの幹部職員,例えば市のOBが社長さんですけれども,やっぱり年収──市のOBさんですよ,OBさんですけれども,何か700万以上もらってるし,監査役も市のOBで,週に2日ほど勤務ですけれども300万近くいただいてるしというところでは,その交通振興の,まずとりあえずすぐできることは,一定の少ない自主事業が小さいと,そしたらその少ない中で配分を,私はOBの人に何で700万以上出てね,何で朝から晩まで神経を,ハンドルに全部の神経を集中させて,本当に頑張っている方が手取りで17万かというのが,もう本当に納得できないんですよね。じゃあ,まずこの幹部職員,そのOBの方たちの給与の体系を変えていくということは可能なのかどうか,取締役もいらっしゃるのでお聞きします。 56 ◯吉武交通局長 交通振興の社長の報酬,あるいは監査役の報酬というお話でございました。私の方で,その額が妥当かどうかと非常に言いにくいんですけども,一般的に行われている市のOBの報酬基準にのっとった額だというふうに思っております。  そして,バスの運転士のお話でございます。先生のご指摘はございますんですけども,基本的に交通振興のバスの運転士,考え方としては社会経験のある高齢者の方々を雇用するという考え方になっております。そんな形で平均年齢が54~55歳というふうになっております。その要素が若干ございます。基本は,やはり先生ご自身もおっしゃられたように,自主事業としてはポートアイランド営業所にあります10数名の業務ぐらいしか,交通振興がそれぞれで自主事業を持っておりません。それに対して受託しておる魚崎営業所が大体100数十名の規模でございます。そういったことで,なかなか,もしも受託事業がだめなときに自主事業でカバーできるという規模でないということで,現在のような雇用状況になっているというふうに理解しております。そのあたりご理解いただければというふうに思います。 57 ◯分科員(松本のり子) OBの給与は,市のOBは市の全部,外郭団体に行ってるOBが同じような形態で報酬をしてるんだというふうなことを,今おっしゃったかと思うんです。だから,今,取締役の交通局長の吉武局長だけ,この場で決められないと,これはもう市で決めてることなんやということなんですよね。だったら,市で交通局としてちゃんと安全・安心で,そしてモチベーションが上がるような,そういった運行・運転を交通振興にもっともっときちんと考えるべきだと思うんです。例えばポートアイランドの営業所,シティー・ループとか山手線とか走ってますよね──ここ赤字になってますが。シティー・ループはそもそも神戸市の観光のために,市バスが走らせなきゃいけないと思うんですね,観光で走ってますから。だけどもこれはもう,どうせ赤字路線だからということでしょうか,交通振興に,おまえここやれというふうに投げ捨ててますよね。山手線だって,かつては長大路線でしたよね。それをぱっぱっと切って,そして交通振興にかわりで山手線を走らせてるというところでは,本当に汚いところ──汚いじゃないな,大変なところを弱い人たちに押しつけてするという,その姿勢は,私はやはり市民も納得いくものじゃないと思うんです。ですから,ぜひこれは──あっ,そうそう,そういう意味では,1つ聞こうと思っていたのが,シティー・ループは神戸市の観光ですから,もっと観光だから産振局から補助をもらって,交通振興の中を豊かにしていくべきだと思うんですね。補助というのは,アクセスなんかみなとから山のように補助をもらってますから,十分可能だと思うんですが,こういったことを要望を出されたことはありますか。 58 ◯小林交通局次長 すいません,シティー・ループにつきましては,もともと観光事業でやっておったんですが,市の事務事業の見直しもありまして,平成14年ごろだと思いますけど,交通振興にお引き取りをしまして,現在の予算の中でということで,交通振興の自主事業ということで見直しをして,今やっているという状況です。  以上です。 59 ◯分科員(松本のり子) 今やってるって,もともとは神戸市の観光ということ,神戸市の方でやってたということなんで,やっぱりそれを押しつけられているとしか思えません。ですから,ぜひほかの,全国で今,非正規から正規化ということで,ほかの民間バスさんも正社員募集というところで,もう1度繰り返しますけれども,モチベーションが上がるとか,あるいはいい人材を雇いたいという,その方向をしっかりと考えていただきたいということを申し上げて次に行きます。  最後ですが,地下鉄の転落防止さくを設置ということです。  ホームからの転落事故に対する安全対策について,国交省がホームドアの整備促進等に関する検討会を昨年23年8月に中間取りまとめを公表いたしました。それによりますと,1日当たり平均的な利用者数が3,000人以上の駅は原則としてすべてにバリアフリー──ホームドアなどの設置で視覚障害者の転倒防止整備を求めています。きょうも,けさの新聞で埼玉の川越の駅で視覚障害者の方が亡くなられたということでは,これは本当に全国の鉄道事業者が考えなきゃいけないことだと思います。いつも交通局は,山手線は124億円必要だと,古くなった車両を更新するときに,これはつける予定だと。海岸線は17億円かかるために,今の厳しい財政状況ではなかなかホームさくはつけられないというようなご答弁でした。しかし,昨年夏の中間取りまとめを見ますと,鉄道事業者は転落防止さくの進め方に関する計画については,きちんと毎年毎年,事業年度の終了後に計画報告書を記載して,公表しなさいとなってます。ですから,今度公表しなきゃいけないので,このホームさくについては計画的にどのように,もう具体的にどのようになさるのか,特に海岸線は何らお答えいただいておりませんので,お答えください。 60 ◯吉田交通局高速鉄道部長 それでは,ホームさくにつきましてお答えいたします。  ご指摘のように転落事故が発生してございまして,平成23年度12月末までで12件発生してございます,これは西神・山手線,海岸線を含めてでございます。そのうち8件が酔客による転落というふうなことでございます。幸い,この2年間,目の不自由な方の転落事故というのは発生してございません。  ご指摘のようにホームさくにつきましては,平成13年の国からの通達ですとか,平成18年のバリアフリー新法によって定められてきたというふうなところでございますが,西神・山手線,海岸線ともに条件には該当しないということで,設置については義務づけはされていないというところでございます。そういった中で,これまで交通局としましてさまざまな対策を講じてきたというところでございます。開業当初からホーム下には待機スペースを設置してきました。また,視覚障害者の転落防止のために,内方線つき点状ブロックと呼ばれるものを,21年7月までに設置完了してございます。また,列車非常停止装置──緊急時にホームでボタンを押すというものでございますが,こういったものも平成22年12月に設置を完了してきたところでございます。この列車非常停止装置につきましては,平成23年度,先ほど申しました12件中6件で使われているということで,お客様の被害防止に,被害の軽減に効果があったというふうに考えているところでございます。  先ほどご指摘ございましたけれども,国交省では昨年,ホームドアの整備促進等に関する検討会というのを設置いたしまして,中間取りまとめを8月に発表してございます。この中で,利用者数が1日当たり1万人以上の駅につきましては,内方線つき点状ブロックの整備を行うとしてございます。これにつきましてはすべての駅で設置完了してございます。また,利用者数10万人以上の駅につきましては,可動式のホームさく,または内方線つきJIS規格対応の点状ブロックの整備を行うというふうにしてございまして,私ども10万人以上の駅は三宮駅がございますが,三宮駅につきましてはJIS規格対応の内方線つき点状ブロックを設置済みでございます。可動式のホームさくにつきましては,他都市で整備が進められてきたということで十分認識してございます。神戸市としましても,これまで検討してきたところでございますけれども,可動式ホームさくの設置,それから信号システム改修などに非常にお金がかかるということで,特に車両の改造が必要で補助対象外というふうなところもございまして,西神・山手線で124億,海岸線で17億の費用が必要ということで,直ちに設置することは難しいというふうに考えているところでございます。  この中間取りまとめでは,もう1点ハード面の整備以外にソフト面についても対策が不可欠であるというふうなことが触れられております。そういったこともあって,国におきましても鉄道利用マナーUPキャンペーンというのを昨年からいろいろとやられておるというふうなことで,対策を推進することにより,転落事故防止に取り組んでおるというふうに聞いてございます。神戸市におきましても,全駅で朝ラッシュ時には駅係員によるホームの安全確認を行っておりますし,注意喚起文の掲示,また案内放送の実施をすることによって,お客様に対して注意喚起を行っているところでございます。また,目の不自由な方が来られた際には,駅係員がお声がけをし,必要であればホームへの誘導ですとか,列車への乗降介助を行っているところでございます。こういったソフト面の取り組みも積極的に進めているところでございます。ただ,可動式のホームさくの設置につきましては,当然,安全確保の観点から設置が望ましいというふうに考えてございます。しかしながら,現行の補助制度では対象外となっております車体の改造ですとか更新費用を補助対象とすることなどを,引き続き国に要望していきたいというふうに考えてございます。また,平成24年度以降の車両ですとか施設の中期更新計画というものを立てる予定でございますが,その中で事業の優先順位を整理するとともに,現在,国が行っておりますホームドアのコスト低減の研究開発ですとかメーカーの動向なども見ながら,先ほど言いました西神・山手線の設置,海岸線の設置,それから三宮駅等への単独の設置も含めて検討を続けてまいりたいと思っております。 61 ◯分科員(松本のり子) 1万人とか10万人とかいろいろおっしゃいましたけれども,この23年8月からは3,000人以上の駅で,ちゃんとホームドア,可動式ホームさくをつけなさいと,このように取りまとめで決まったんですよ。そこをきちんと見ないと,けさのような新聞が,また神戸でも起こるかもわからないので,もうこれ計画はどうなってますかと聞いたことについては,余りはっきりお答えがございませんでしたけれども,引き続き,じゃあまた常任委員会などでやっていきたいと思います。  終わります。 62 ◯主査(藤本浩二) ご苦労さまでした。  次に,池本委員,発言席へどうぞ。 63 ◯分科員(池本 真) よろしくお願いします。質問ですが,経営計画2015で収支改善を目指して頑張っておられますが,現状,目標には達成し切れていないと思います。以前,基金を取り崩して累積資金不足を縮小をして頑張っていますけれども,次の基金はない状態で赤字が続けば,累積資金不足は増加していくので,このままでは近々経営健全化団体に転落してしまうのではないかと危惧しております。例えば,平成24年度は自動車事業で3億円の黒字,1日当たり19万3,000人の乗車人員を見込んでいますけれども,24年度予算は3億の赤字,19万人の乗車人員ということになっています。計画上と現実ということでずれが出てくるのはしょうがないとは思うんですけれども,やはりこの財政目標を達成するには今の計画を──方向性はいいと思うんですけれども,やはりもう1度再検討をして,ちょっとしっかりと考えていかなくてはいけないのではないかと思いますが,いかがでしょうか。  次に,人件費や超過勤務手当についてです。  人件費について,また午前中の大野委員や皆さんの質疑の中でも,超過勤務手当というのが出てきていましたが,交通局では市バス運転士の新規採用職員のみ基本給20%削減をしているとのことですけれども,現在,大阪市でも赤字で民間より高い給与はどうかということで,40%基本給削減の方針を示して今やっておられるようですけれども,神戸も民間並みの給与まで引き下げを考えるべきではないでしょうか。神戸市の実際もらっている給与の平均,市バスの給与平均800万円のうち,超過勤務手当というのは実際平均にどれくらいもらっているのかをお聞きします。午前中,これより前の質疑の中で10%削減していきたいということでしたけれども,この10%削減というのは基本給ではなく超過勤務手当を減らして,平均の分を下げるという意味でしょうか,質問いたします。  以上です。 64 ◯吉武交通局長 経営計画の見直しのご指摘でございます。  経営計画で収支見通しを当初,まず改善前の収支見通しを立てましたけれども,経営改善を行わなければ自動車事業では平成25年度から赤字に転落して,平成27年度には単年度収支が6億円の赤字,累積資金不足額が結果23億円になるということで,経営健全化団体に転落するということで,経営計画の2015では,この平成27年度までに毎年努力をして,累積資金不足額を縮小させるということを財政目標にするという組み立てでございました。先生ご指摘のように24年度予算案で3億円の赤字で,累積資金不足額が13億円となる見込みという予算になっております。そういった意味からいきますと,経営計画で見込んでおるよりも悪化をした24年度の予算の見込みになっているのはご指摘のとおりでございます。そういった意味からいきますと,このまま同じような形でずるずるいけば,これは間違いなしに経営健全化団体に転落をしていくということで,これは何としても避けていかなければならないということでございます。  そのためにまずなんですけれども,24年度予算が赤字予算ということで組ませていただいて,特別損失も含めて3億の赤ということでございますけれども,要するに予算でもともと想定してます取り組みについては,これはもちろん着実に実施していくんですけれども,予算を執行する段階で,やはりさらなる経営改善というのを,執行の段階でもしっかりやっていかなければならない。その上で,何とか純損益,先ほどの特別損失を含んだ純損益の黒というのまでは無理なんですけれども,経常損益については何とか黒字を達成していく,そんな取り組みをやっていかなければいけないというふうに思います。そのために最大限の努力を行っていきたいと思います。経常損益を何とか改善さすことができますと,累積資金不足額の悪化というのは食いとめられますので,まずはやはり24年度,そういう取り組みをして,何とか経常損益については黒字を確保していく,そういう形の努力をやっていきたいというふうに思っております。  もちろんその結果,例えば24年度決算が当初の予算のような大きな赤字ができて,累積資金不足額がふえていく,そういった結果が出ていきますと,当然のことながら先生のご指摘のように,やはりもともと立てた経営計画自身をローリングして見直さなければ,当然いけないというふうに思っています。まずは今年度,何とかその努力をして,経常損益について何とか黒字確保できるように,まずは努力をさせていただけたらというふうに思っております。  私の方からは以上でございます。 65 ◯小林交通局次長 人件費の方につきまして,私の方からお答えさせていただきます。  午前中800万平均というお話をさせていただきまして,そのうち超過勤務手当が140万円ございます。もちろん休日給等もございますので,それも含めてということでございます。見直しはどうやって進めていくんだというお話ですが,基本的な本俸というよりは,その前に超過勤務を引き下げということで今考えてございます。超過勤務等の削減によって給与水準を引き下げていくということでございます。それについて補足させていただきますけど,午前中もお話をさせていただきましたように,総人件費が非常に高かったということで,委託によってまず人件費を減らしていって経営改善を図っていくのがまず前提でございます。単純に人件費を減らしていってバスの路線を廃止したり,縮小をするんじゃなくて,市民の足を確保していくのを大前提に委託をしてきたということもございますので,今そういうやり方でしてございました。その結果,20%の──新規採用の職員を採用してございますけども,20%カットしてございますが,まだまだ全職員の10分の1程度しか職員数はおりませんので,全体的には高くなっているということと,人員不足というのが従来から総人件費の関係でございますので,超勤が非常に高いということで,1人当たりが多くなったと,それをまずは解消させていただくということで,超過勤務手当の縮減によって総人件費の引き下げを最終的にしていきたいということでございます。  以上です。 66 ◯分科員(池本 真) 再質問させていただきます。  まず,計画の方ですけれども,人口はこれから減少していくだろうという見込みがあり,原油高から燃料費もやはりちょっと割高なままでしょうし,乗客増に関してはイベントでということで,ちょうど平成24年度は「平清盛」というビッグイベントがあるので,乗客はふえる見込みだとは思うんですけれども,以前も局は違うんですけど話したんですけども,イベントというのはどうしても栄養ドリンクのようなもので,一時はぐっと上がるんですけれども,切れるとやはり難しいというとこもあるので,イベント頼みで乗客も安定してふえていかないというところもあるかという意味では,今後の展望としても楽観視しにくい状況ではないかと思うんですね。  そういった中で,なかなか経営改善が難しい中,局長も午前中おっしゃったと思うんですけども,事業の中でやはり人件費のウエートが非常に大きいのが自動車事業だということでは,経営改善ということでは,やはりこの人件費にメスを入れないと,なかなか抜本的な改革というのは難しいんじゃないかと思うわけで,そういう意味でも民間の運転士さんも,市バス運転士さんと業務内容がほとんど変わらない中で安全を保ちながら運行しているわけですので,厳しい経営状況をかんがみれば,官民格差が200万円以上あるような状況では,なかなか市民としては,赤字なのに何でだろうというような理解もしにくい状況なのかなと。やはり,ここで大事なのは,給与を下げることが一番の目的ではないのは重々承知でして,第一には,やはり経営健全化団体に転落するのを防ぐということが第一の目標だと思うんですけれども,そこを防ぐためには,やはり人件費のところに踏み込まなくてはいけないのではないかと。それを交通事業管理者の判断として,引き下げということを実行すべきではないでしょうか,お聞きしたいと思います。  次に,人件費ですけれども,超過勤務のふえた理由が新規採用を一時凍結していたときの人員不足から来るものであるというふうなお話ですけれども,そのときのところから今,運営,運行している中で,超過勤務というのは必要最小限のところでコストの管理というのも努めておられると思うんですけれども,この必要最小限の超過勤務というのを,これからさらに減らしていきますと,効率化して何とかしていきますというところの方向性だと思うんですけれども,実際,マンパワーは足りるのかなと。超過勤務してカバーしていた分を減らしてマンパワーは足りるんですかと。路線運行は可能なんですかということをお聞きしたいのが1点。  そして,総人件費圧縮のために,新規採用者だけが基本給の本俸20%減というところでやっているんですけれども,どうしても若手に苦労させているイメージがあるんですね。同じ職場で,同じ労働をしながら賃金だけ20%違うと,これは何で20%違うやと,同じことやってるやんみたいな,そういうやる気やチームワークにも影響してくると思うんですね。ここの辺も,ちょっと20%削減対象外の人にも協力をしてもらって,自動車事業全体としてこの人件費というのを考えるということはいかがかなと思います。  以上です。 67 ◯吉武交通局長 まず,24年度,先ほども申し上げましたように執行段階で,さらに経営改善の取り組み,経費の節減,あらゆる手段を尽くして何とか経常損益については黒字の確保に努めていきたいというふうに思っています。もう少し長期的な話でまいりますと,先生のご指摘のように,大幅な経営改善というのをどういうふうにやっていくかということですけれども──ちょっと話が長くなって恐縮ですけども,もともと大幅な経費削減をどうやっていくかということで,神戸市は他都市に進んで,やはり営業所の委託という方法をとっていくというのが,最も収支向上によいのではないかということで,当時,28億円の赤字があったということであったものを,その手法,随分思い切って,市長部局にも随分たくさんの者を転任いただいたわけですけれども,そういった形でやらせていただいて,何とか18年度からは収支としては,何とかわずかですけども黒字がとれるところまで来たと。これから経営計画ではどのように進めていくのかということですけれども,やはり基本的には委託の拡大を進めていくというのは,やはり一番大きな効果があるということで,引き続きそれを拡大していくという路線を選択しております。そういったことで,24年度でもバス路線を民間の委託事業者の方に移していくということで,59名の削減をし,4億強の人件費の削減を図っており,そういう形でやっていこうとしております。基本的に今の段階では,委託の拡大という路線としては基本的に進めていきたいと。これが一番,現在のところよい方法ではないかと思っております。その中で,次長の方から少し簡単にご説明申し上げましたけども,そういう取り組みの中で,どうしても人の数を減らしていくということで私ども進めてまいりました。どうしても事業を業務委託の量を,委託業者を大幅にふやす,これはコストがかかります。やはりトータルとしては,業務を委託する以上に人の削減をやってしまうというのが,結果としては収支改善効果というのが高いということでやってきたわけですけど,24年度はそのあたりにも配慮して,ある程度の業務量は今回移させていただいたということです。そういう意味でいきますと,超過勤務手当の縮減を図っていく手だてができたということでございます。  そういったことで,残っております1人当たり人件費についても削減を図っていきたいと。目標としては,まず行財政改善2015にもありますように,政令市の中位を目指していく。それが単純平均でいきますと720万円ぐらいということで,まず720万円を目標にする。その手段として,まず今取りかかろうとしているのは,先ほどの超過勤務の削減というのをなんとかやっていきたいと。そういうような形で進めていきたいと思ってございます。何とぞご理解いただけたらというふうに思っております。 68 ◯小林交通局次長 路線維持が可能かというお話がございましたが,超勤を削減する人の話でございますけれども,一部超過勤務の削減によって,もちろん直営のダイヤが減っていきますので,それは民間のバス会社の方に路線の拡大をして,直営で減った分は民間バス会社に委託をやって路線を維持していく,総量としてバスの路線のトータルを減らすということではございません。
     それと,あと新規採用以外の20%の職員云々のお話でございました。もちろん20%給料表をカットした職員とそれ以外の職員とが混在するという状況になってますので,特に20%カットされた若手の職員のモチベーションが下がらないようにというご意見だと思いますが,当然,そういうことにならないように,給与面以外でもいろんな意味において営業所単位でいろいろ工夫もやってございますが,特に20%の職員の採用については,もちろん採用時においてご理解の上,本市に採用されているということもございますし,我々はまだ1割程度というお話もさせていただきましたが,先行的に導入してます他都市──京都・名古屋というのがたくさん先行的に2種類の給料表の適用の都市がありますけれども,お話を聞いてると大きな問題は起きてないということでございますので,そういった意味も含めまして,今のように2つの給料表でやっているというのが実情でございます。  以上です。 69 ◯分科員(池本 真) まず,民間への委託ということで取り組んでいきたいという趣旨ですとか,あと超過勤務手当を減らしても大丈夫であるというお話は理解いたしました。ただ,方向性としては最初も言ったんですけども,いいなとは思うんですけども,やはりそれだけで果たして経営再建団体への転落を防げるかというところが,まだどうしても疑問があるんですね。例えば,23年度にはあり方検討委員会からいろいろと,例えば舞子ビラの事業ですとか,住宅供給公社ですとか,海上アクセスですとか,3つ大きいところのあり方について方向性が示され,市長が決断されて,後の世代に負担を残さないようにというようなことで,大きな変化をしようと,24年度に向かって変わろうとしているわけですけれども,今後,それを避けるというのは前提で進んでいくんですけれども,もし経営の再建団体になったときに,多分検証があると思うんですね。そのときに,今この段階において本当にしっかりと経営努力をしたのかというような視点で,もう1度今現状を考えてみると,例えば舞子ビラの事業ですと神戸マリンホテルズさんがホテル事業を頑張りましたというときに,経営努力で人件費の圧縮も十分したと思いますというような評価があったと思うんですね。片や別のところでは,やったはやったけど人件費圧縮とか,まだちょっとできたんちゃうのぐらいの,何かそういう評価がついてたりするんですね。そういったときに,果たして自動車事業が検証されたときに,民間との格差が200万円以上ある給料をもらっている人が多数いる中で運営を続けて──何年先かわからないですけども,転落したということになったら,これはもう目も当てられない話なんですね。一体,本当にそれは大丈夫なのかなと振り返ったときに,もう1度今この時点で確認をしておきたいのは──取り越し苦労かもしれないんですけれども,例えばこの自動車事業会計の場合,だれが率先して経営再建団体への転落を回避する責任があるのか,イニシアチブをとっていくのかというのをお聞きをしたいなと思います。 70 ◯吉武交通局長 再建団体にならないように指示する者はだれかと,力不足ではございますけども,それは交通事業管理者の役割だというふうに思っています,責任だというふうに思っております。危機感というのは,常にやはり持っていかなければならないと思います。ただ,このやり方で大幅な,非常に大幅な経営改善がこれまでやってこれたという──よその市を例示で出すべきではないんですけれども,大阪市さんは実質45億の赤字です。いろんなやり方の違いがありますから,ただ,やはりうちはそういうやり方でここまでやってこれた。さらにそれはまだ進めていきたいというふうに思っているということです。その方向性でやっていって,それでだめだということになれば,もともとの交通事業審議会の前提は,あらゆる経営改善努力をやった上で公営の企業として存続,改善型の公営企業としてやっていくというというふうになっております。そうしないと壊れますので,一からやりたいと考えていかなければ──そのぐらいの気持ちで考えております。そういった形で取り組んでいきたいと思います。 71 ◯分科員(池本 真) さきに挙げた舞子ビラの事業ですとか,住宅供給公社の件ですとか,報告書を読んでますと,事業としてはやむを得なかった。このところに関しても注意義務的にはしっかりとこなしておると。でも,実質に結果から見ると,市民負担が大量に出てて,でもみんなやむを得なかったから,だれも問題なかってみたいなことになると,どうしても市民感情としても,結果からも,納得しにくい部分が多い結果になってしまっているので,本当にまだこれからのことでわからないんですけれども,ぜひしっかりと経営再建団体化を避けるように頑張っていただけたらと思います。  ごめんなさい,それとまたちょっと──転落とまたちょっと違うんですけど,先ほど人件費の件で,特に給料表がばらばらであっても問題ないということだったんですけれども,やはり若手に負担が寄っているというのは,実際問題あると思うんです。そこでワークシェアリング的に,やはり給与をみんなでそれぞれ多少ずつ減らす人がいても,大体みんな同じような感じでというような方向性というのは検討をされたことがあるのでしょうか,お聞きしたいと思います。 72 ◯小林交通局次長 給与関係でワークシェアリング的にというのはございませんけれども,今回10%程度引き下げていくというのは全職員という意味ですが,そういう意味では若手も,若手以外についても同じ考えでやっていくということです。あるいは,先ほどの再建団体に何としても転落を避けるというような気持ちでやってございます。  以上です。 73 ◯分科員(池本 真) 時間がありますので,高速鉄道事業会計の方に移りたいと思うんですけれども,海岸線のランニング収支というのが,やはり2015の計画の中には出てるかと思います。そこで,やはりこれも目標となるところでは,海岸線のランニング収支は4億円の赤字ではあるんですけれども,実際,24年度予算ではランニング収支は5億円の赤字となっています。ここの部分についての改善の,財政目標を達成するためには,どのくらいの財政効果というか,手だてを考えておられるかお聞きしたいと思います。 74 ◯吉武交通局長 ご指摘のように,今,神戸市の高速鉄道の構造というのは,西神・山手線で黒字を出して,残念ながら海岸線の赤字がそれを上回っている。そのせいでトータル赤字になっているという形でございます。見てみますと,海岸線自身をやっぱり考えてみますと,大幅に乗客増をすぐに得られるというような形ではございませんので,目標値としては何とかランニング収支について収支をできればプラマイゼロになりたいということで,経営計画でも前提に置いております。ただ,経営計画でもごらんになられたとおり,改善後の収支見通しでも海岸線のランニング収支はマイナス2という形で,改善後の見通しでも黒というところまで具体的に各論でできているわけでございません。  もう1回もとに戻ってしまって大変恐縮なんですけれども,やはり今の高速鉄道事業会計の状況を考えますと,やはり基本はトータルの収支で何とかバランスをとっていくというのを目標に置いております。そういった中で,海岸線単独の収支改善だけやなしに,西神・山手線の収支改善というのを,トータルでやはり考えていくべき。それによって高速鉄道事業会計の経営の改善を図っていくという考え方に戻ってしまうんですけど,ただやはり,だから海岸線はほっとってもいいのかというのは,やはりそういうわけにはいきません。ただ,海岸線自身として大幅な経営改善の方策としては,まずもともとワンマンの定員でスタートしています。それから,先ほどバスの方は営業所の委託という形をやっておりましたけれども,駅務業務については全部委託を海岸線はしております。そういった形で,基本的に残っているコストというのは,ほとんど資本費関係です。減価償却費なり建設のために借り入れした利払いでございます。そういった形で,大幅にメスを入れるというものというのは,本来的にはもう国の補助制度の改善みたいなことからスタートしてしまうんですけど,やはりそういう話になってしまうと,やってる事業者自身の,我々自身の努力というものが消えてしまうわけです。そういった形で,とりあえず達成可能な目標としてランニング収支を何とかしていこうと。それをすることによって,全体での資金的な赤というのは避けられるんじゃないかということで,取り組みをしていきたいということで,少しこれまでにもるる,先生からしてみると,非常に細かい話というご指摘になろうかと思うんですけども,やはりイベントの件でも,やはりもともとのパイが小さいですから,西神・山手線におけるイベントのウエートと,やはり海岸線,もとの絶対的なパイが小さいので,やはりこのあたりはしっかりやっていきたいと思います。特にホームズスタジアムの動向というのも,結構,乗客数には影響を及ぼしているのも現実でございます。そういった形で,イベントにつきましても確かに基本的に一過性ではあるんですけれども,それがやはり定着に結びついていくようなものにできるだけなるように,そういった努力もしていきたいというふうに思います。1つ1つ,これ1個やれば,こういうふうに改善するというものはないんですけれども,支出の面でも収入の面でも,やはり60億の赤字を一気に飛ばしてしまうようなことというのを,先ほどの市の補助制度に変更でもない限り無理なんで,1つ1つ細かいですけども,そういうものを取り組んでいきたいというふうに思っております。少し精神的なことばっかりで恐縮ですけれども,そういうふうに思っております。  以上です。 75 ◯分科員(池本 真) 質問としては最後にしたいと思うんですけども,今,海岸線の収支の改善にも民間委託というもので補てんしたり,自動車事業でも民間委託というのに取り組んでて,改善していきたいということですけども,民間委託すると人件費は下がりますけども管理費はふえていきますね。そういう意味では,ちょっとなかなか切り札的にはまだ難しいかなと思ってはいるんですけども,でも頑張っていただけたらと思うんですけども。  そこで,例えばそれはもう,こらあかんなというめどをつけるのって,いつぐらいとかいうのは考えてますか。例えば,23年度の決算とか,24年度の決算とか,ある程度数字が出るじゃないですか。どっか何かそういうふうな試案というのはお持ちですか。 76 ◯吉武交通局長 多分なんですけど,例えば24年度の決算が幾らになればということよりも,やはりもう恒常的に,もうこのぐらい,例えば毎年10億の単年度赤字が続いてしまうよねという状態,そういうものだと思います。やはり,一番控え目に言っちゃいますと,今の経営計画の期間中に,やはりほっとけば経営健全化団体になるという指標になってますから,27年度までの頑張りということになるんですけども,それ以前でも,もう恒常的にもこれ以上大して打つ手はない,それでやはりこんだけの大幅な赤字が出てくる,そういった収支構造になったときに,やはり判断するべきことなんだろうと思います。交通局の人間は,やはりもうおととしの,近くで言っても姫路市,それから間もなくこの週末ですか,明石の交通部も委託になります。全国的にも呉,苫小牧,ほかのところもどんどん消えていってる。それは十分承知をしておるわけで,そういった面で危機意識を持って,職員一丸となって取り組んでいきたいと思います。今,申し上げたような前提のことが起こらないように,まず努力をしていきたいというふうに思っています。 77 ◯分科員(池本 真) すいません,何か取り越し苦労というか,大変失礼なことを申し上げたかもしれませんけども,壁にぶつかりそうになって,ぎりぎりでハンドルを切るよりも,やっぱり,あっ壁やと思った,わかったときから回避行動をとるというのが余裕があっていいかなというふうなところでは思うので,さっき2015の計画では平成27年という1つのゴールがあるわけですけれども,時間としてもぼちぼち迫ってきているというぐらいだと思うので,ぜひ2015の計画の中にもあるんですけども,その公営企業としてはその変化に迅速に適応し,ダイナミックな事業経営のできる公営企業の強みを享受するというような文言もあるように,そのような強みを生かしながら,山場を乗り越えていただけたらなと。やはり,交通事業というのは市民からとっても大切な事業だと思いますし,モビリティー・マネジメントも多分これから重要になってくると思います。山を乗り越えれば,もう次の神戸の顔となる公共交通ということで,またそれぞれ,またもっと先,50年,100年とか,長いスパンでいくと,ハイブリッドバスやCNGバスとかを超えるような,次世代交通みたいなんを交通局が率先して取り入れて,神戸の顔となるような中心部局となるような感じに,中心に,交通というのはなってくるんじゃないかなと思うので,ぜひ頑張っていただけたらと思います。  以上です。 78 ◯主査(藤本浩二) ご苦労さまでした。  次に,あわはら委員,発言席へどうぞ。 79 ◯分科員(あわはら富夫) 何か前者の質問で,ちょっと暗い雰囲気になってしまったんですが,本来,公共交通というのは,午前中にもいろいろ質疑がありましたけれども,むしろ今,追い風が吹いていると思うんですね。例えば,ヨーロッパなんかだったら環境問題を背景にして──きょうもフライブルクの話がありましたけれども,私もフライブルクへ行きました。やっぱり環境問題も1つの出発点になって,それが都市づくりの公共交通の再建を指して進んでいってる。ヨーロッパは,基本的にそういう方向で公共交通を再建させながら,まちを豊かにしていくという方向に大きくかじをとってると思うんですね。私,今回,学生のインターンさんが私のところに来ておられるんですけれど,全国の傾向なんかもいろいろ調べてもらったんです。そうすると,全国的には非常にコミュニティバスがやっぱり広まりましたけれども,どんどんふえてきて,道幅にはこだわらない,しかも坂道でもというふうなことと,例えばバス停でも200メートルおきにバス停を置いて,そのバス停の名称もいろいろ住民の皆さんが参加をして名前を決めたり。そうしながら,バスを自分たちで運行していっているんだという参加意識を持たせていくという。そういうふうにしながら,非常にやっぱり高齢化している今のまちですから,それに福祉という要素をかみ合わせながら,公共交通というものをもう1回復活させていく。そこに公共が加わっていくというやり方がなされているんですけれども,私はそれを公共交通が主導権をとってやれるんじゃないかと。今は市民参加でコミュニティバスという考え方になってますけれども,むしろ公共が前へ出て,市民と一緒になってその知恵を入れて,そして再建をさせていくというふうなことが,むしろ今そういうことが問われている時代ではないかなというふうに思うので,実は交通審議会の答申も,そのことを提起をしているわけです。ただ,残念ながら──私も何回も局長と議論させていただいたけれども,5~6年──局長になってから2年ですけれども,その前の局長ともいろいろ話させていただいて,交通審議会が提起してる,需要を減らすことなく新たな需要の創出に努力することという提起ね。それと,もう1つは社会経済情勢の変革に対応したメッセージを交通局が出すべきではないかというふうな,この2点の問題に対して,やっぱりちゃんとこたえ切れてない。だから,先ほどのような質問になって,いつ店を畳むんやというふうな話になってしまう。しかし,市民からいえば公共交通というものは大切にしたいと思う,そういう追い風があるわけですから,そこに対する,やっぱり局長としての思いとかいうものを,ちょっと最初に述べていただきたい。そうじゃなきゃ,ちょっと質問しにくい雰囲気になりましたので,よろしくお願いします。 80 ◯吉武交通局長 公共交通が今,追い風が吹いているという先生のお考えでございます。それは環境意識の高まりといったことかなというお話だろうと思います。一方で,学生さん方もお調べになったかもしれませんけれども,例えばバスでいきますと全国の数字でいきますと,ピーク時に比べて,今現在のバスの乗車人員というのは4割の状況です。一方で──やはりここが悩ましいところだと思うんですけれども,そのバスの車両数であるとか,そのあたりはそんなに減ってないと。要は何のことかというと,独立採算制が悪くなってしまっている,乗客がひたすら減ってきてしまっている。そんな中で,弱いところから,地方の路線からどんどんなくなっていってるというような状況で,追い風もありますし,ただ背景としては,乗車人員の減というのは全国的に進んでますし,これはもう地方の方が波は激しいですけれども,これから事業の廃止が進んでいく。そういった状況なんだろうと思います。  その上で公共交通をどんなふうにしていくか,ヨーロッパのように基本的にもインフラは公共がやるんだと,もう税金でつくる。運営を公的な事業者あるいは民間の事業者──どちらかというと公的な事業者が多いんですけれども,させるというような形で,ですから料金的にも,あんまり収支という議論もありませんし,料金的にも安いというような形。日本はそういう形でなしに,もともとやはり民間の事業者というのが,鉄道事業者,しっかりした事業者がありましたから,やはりそれで現にやっておられるというわけですから,公営についてもやはり独立採算制でやりなさいという形で,少し根っこが違ってきているところは若干あると思います。  そんな中で,どんなふうに公共交通をこれから考えていかなければならない,これは大変難しいご指摘で,私のレベルではなかなかあれなんですけども。ただ,例えば先生のご指摘のコミュニティバスでも,粗く言うと2つのやり方で,やはり公共団体主体型の,要は市が決めて基本的にも全部経費は市が面倒を見ますよという形でスタートされたとこ,それから地域主導型の両面あると思います。ただ,やはりこれからの状況で,環境問題も高齢化社会の進展もあるんですけど,一方でそれぞれの自治体自身も収入も減ってきたり,いろいろ厳しい中で,どれだけ公費負担として耐えられるかという問題が出てきておるのも,やはり現実かなというふうに思います。そこから先は,私自身も答えがないんですけども,やはりいろんな担い手,ものによって非常に小さな単位のところについては,やはり地域の方々の,その日の利用のあるボランティアの方々の取り組み,それからボリュームによってレベルがどんどん分かれていくものかなと思いますが,ある程度の数量のあるところでしたら,その交通事業者が参加するような形の運営のコミュニティバス,そういったふうにもう少し細かくこれから分類して分けていって,この地域ではどの方式が一番よいのかというのを考えていかなければならない,そんなふうな時代になっているんじゃないかなというふうに思っています。  すいません,ちょっと取りとめのないお答えになってしまいました。 81 ◯分科員(あわはら富夫) 局長は,大体いつもそういう話をされて,多分,認識は同じなんですよ,認識はね。ただ,私がいつも局長に期待してるのは,そのために具体的に今回こういうことをやりたいと思うという話が,いつも聞けないんです。今回ぐらいはそういう話を聞かせてほしいなと思って,予算案を一生懸命見させてもらったんですけれども,またぞろ同じという。私が局長に前々から言わせていただいているのは,前もちょっとイーグルバスのことで,僕ら港湾交通委員会で2年ほど前でしたか,民間でやってる川越のイーグルバスという小さな会社でしたけれども,中小のところに,過疎地なんかに行って,公共もだめだと,国際興業という大手の会社がやってもだめだと。だけれども,この会社が行って,公共からのある程度の応援ももらいながら,GPSとそれから乗客が入ってくる赤外線センサーを駆使して,しかもあるソフトをつくっているんです。どの時期にお客が集中するのか,乗客が集中するかって。その時期にバスの台数を集中させてとか。本当にいろんな工夫,苦労。しかも沿線の地域の住民にアンケート調査をきちっとやって,そして2カ月ぐらいの割にどんどんダイヤを変えたり,路線を少し変更してみたり,結果的に黒字をかち取ると,そういう事例もあるわけです。  だから,そういうことを具体的に,例えば1つの路線,2つの路線というのを1つ事例にとって,私の名称で言えば乗客増路線開拓委員会みたいなものを神戸市として発足をさせると。そして,いろんな知恵・工夫を一回集めてみて,そういう議論をやっぱりやり始めないといけないんじゃないかと。多分,理論的にはほとんど局長と私,見解は一緒なんです。ただ,具体的にそういうことをやらないといけない時期に来たんじゃないかと。それをやらないと人件費削減,それからバス路線をもうちょっと減らしたらどうやとか,委託の量は限界になってるけども,もう少し路線で委託したらどうかと,全部やっぱりそういう議論の方に行って,むしろやっぱり今の追い風をどうやって受けとめるんだという議論の方になかなか行ってないところが,僕は問題やと思います。その一手を打つべきじゃないかというふうに思うんですけど,どうでしょうか。 82 ◯吉武交通局長 すいません,ご指摘のとおり,多分もう頭の中は経営健全化団体をどうやって避けるかというのが,まずすいません,先にありきで,これまでこの5年間,ある程度黒字が何とか続いてこれたという状況の中で,少し先生のおっしゃるようなことをいろいろ考えようとしているわけですけれども,やはりそれ以上に現実には24年度の見込みが赤字ということで,暗い話ばっかりになって大変申しわけないと思います。  イーグルバスの話,ご指摘いただいて,いろいろ研究もさせていただきました。1つ今,私どもで取りかかってるのは,イーグルバスのやり方そのものというよりも,あれを上手に使ってエリアマーケティングの手法を,今ちょっと──もう数年前から少しやりかけているんですけれども,あれをもう少しより価値のあるデータに置きかえてやっていこうとしています。ただ,やはり基本はそのデータというものは検証に使うといいますか,データだけで実際にバスを走らせてみても,絶対にそのとおりにならないし,そのあたりはデータを見ながら,やはりそこにこれまでの経験も踏まえて,これまでの経過も足し込んで考えていかないと。まだ今,完成状態にはまだほど遠いんですけども,やはりそういう取り組みというのは,イーグルバスの事例からしてやっていくべきかなということで,エリアマーケティングの手法の分を,もう少しよいものに進めていく,それでやはりある程度,客観的に,逆に皆さん方にもご説明ができる──何でこれにしたんかというご説明がしやすくなってくる,そういうふうにも思っておりますので,そこらあたりのことを少し前に進めていきたいと思っております。  以上です。 83 ◯分科員(あわはら富夫) 今おっしゃったのは非常に重要なことだと思っているんですけど。イーグルバスの場合は,これ見える化作業というのをやってて,それが今,エリアマーケティングをやられて,ちょっと一歩そういうことはしてるんだよと,初めて私聞かせていただいたんですけれども。そのエリアマーケティングの中で,私ちょっと非常に重要なのは,交通局はえてして乗降客調査というのはよくやるんですけれども,乗ってる人を幾ら調査をしても,まあ言うたら,これから本当は乗りたいと思っているけど,1時間に1本しか走らないから乗れないという人もいらっしゃるわけですよね,まあ言うたら。それとかバス停が非常に場所が遠くて行きづらくて,もうちょっとここにあればと。例えば坂道であれば,例えばここにあればというのを,距離が近くて,そういう本当はいろんな工夫をすれば乗る客になるのに,それがならないままでいる人をつかまえなあかん。交通局はよく乗降客調査をやるんやけども,やっぱりエリア調査というと,地域の中の住民要求をどう酌み取るかというふうなことを,もうちょっと工夫をして考えてほしい。  実は金沢のフラットバス,あれも僕ら見に行きまして,それでずっと乗ったんですけども,あそこの場合は高齢化率を調べたんです。地域の高齢化率をずっと調べているんです。高齢者がたくさん住んでるところを順繰りに回していくと。そのバスが,例えば市場とか病院だとか,それから公の施設へ来るような工夫をしながら回しているんですね。あれも,多分乗降客調査ではなくて,地域の中の必要を求めているだろうという人たちを調査をして,そういうコース設定をしているんです。だから,そういうことをちょっと1つのエリアを設定して考えていただきたいなと。エリアマーケティングの中身がちょっとわからないので,こういう質問で申しわけないんですが,その辺はどうでしょうか。 84 ◯吉武交通局長 まさしく先生のおっしゃられたとおり,やはり乗降客調査というのは,これは絶対的に大事なもんなんですけれども,今走ってないとこをどう考えるかというのは,全く有望で,それのためにどういった手法がいいのかというので,そのエリアマーケティングの手法も使いながら,やっぱり考えていかなければいけない。ただ,だからといってそれはデータのとおりになかなかならない。そういう意味でいうと,やっぱり本当は試行的に走らせてみるという形というのが次に出てくるんだと思うんですけども。やはり,期限をとりあえず決めて,その次に走らせてみるような取り組みも,やっぱり考えていかなければいけないかなと思います。  以上でございます。 85 ◯分科員(あわはら富夫) これからもずっと,ただやっぱり早くそういう方向を出してほしい,見えるように,よろしくお願いいたします。 86 ◯主査(藤本浩二) ご苦労さまでした。  以上で交通局関係の質疑は終了いたしました。  当局,どうもご苦労さまでした。 87 ◯主査(藤本浩二) 以上で,本日の日程は全部終了いたしました。長時間の審査,お疲れさまでした。  次回は,3月9日,午前10時より,28階第4委員会室において,みなと総局関係の審査を行いますので,よろしくお願いいたします。  本日はこれをもって閉会いたします。   (午後4時12分閉会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. 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