委 員 太 田 秀 子 委 員 池 田 由 美
委 員 堀 川 素 人 委 員 石 川 佐和子
委 員 中 山 真 一
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開 議 午後1時
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○しのだ江里子 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
それでは、議事に入ります。
最初に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中
総務局関係分及び第12款 職員費 第1項 職員費について、一括して質疑を行います。
◆かんの太一 委員 私からは、新たな
市政情報提供システム構築事業と広報さっぽろの
リニューアルについて伺います。
平成28年
予算特別委員会で、我が会派において、新たな
市政情報提供システム、具体的には広報さっぽろに掲載されている
お知らせ情報を
地上デジタルテレビのデータ放送及びスマートフォンアプリで配信する事業について質問を行いました。これに関連して、これからの広報さっぽろのあり方についても質問し、平成28年10月からの地デジ、
スマホアプリによる
お知らせ情報の配信開始から約1年6カ月の周知期間を置いた後、広報さっぽろの紙面は、お知らせのページを縮減し、
特集記事中心の構成にするなどの
リニューアルを行う予定との答弁があったところです。
現在、地デジ、
スマホアプリによる
お知らせ情報の配信開始から約1年が経過し、平成30年5月に予定されている広報さっぽろの
リニューアルまで、残すところ、約半年となりました。具体的な
リニューアルの内容については、
イベント情報をお知らせのページに掲載しないことによりページ数を削減する一方で、特集・企画記事を充実し、全ページカラーにすることが予定されており、市民に本市の取り組みや課題などを伝える重要な広報媒体である広報さっぽろが今まさに大きく変わろうとしています。中でも、
イベント情報が削減されることについては、そのかわりの手段となる地デジ、
スマホアプリによる
お知らせ情報の配信とあわせて、広く市民に知っていただかなければならないと考えます。
そこで、質問ですが、地デジ、
スマホアプリの配信と広報さっぽろの
リニューアルの認知度向上に向けて、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、お伺いします。
◎青山 広報部長 地デジ、
スマホアプリの配信と広報さっぽろの
リニューアルの認知度向上に向けたこれまでの取り組みについてお答えいたします。
いずれの周知につきましても、地デジ、
スマホアプリの配信開始後の昨年11月から、広報さっぽろにおいて、毎月、記事掲載を行っており、最新の平成29年10月号では巻頭2ページの特集を行ったところです。また、札幌市
公式ホームページ、ツイッター、
フェイスブックなどの電子媒体の活用、区役所などの公共施設でのポスター掲示やチラシの配架、
各種イベントでのチラシ配布、それから、各世帯に配付されている
フリーペーパーへの記事掲載などを行うとともに、出前講座でも周知を図っております。
さらに、地デジで
お知らせ情報を配信しております札幌テレビ放送、STVにおきましてテレビ・ラジオCMを放送しておりますほか、毎週水曜日の情報更新に合わせまして、同局のテレビ番組、どさんこワイド内でも紹介されております。そのほか、
地デジ利用者への周知を想定し、10月4日に北海道新聞のテレビ欄に広告を掲載するなど、認知度向上に向けて取り組んでいるところでございます。
◆かんの太一 委員 ただいまの答弁の中で、昨年11月から、毎月、広報さっぽろで記事を掲載しているとか、直近の10月に特集の記事を組まれている、また、テレビのどさんこワイドや新聞などでも周知を図っているということでした。私も実際に地デジ、
スマホアプリで
お知らせ情報を利用しましたが、特に、地デジのデータ放送は、dボタンを押すことで、主な施設、趣味、教養といったジャンルなど、広報さっぽろの紙面と同じ分類で
お知らせ情報を入手することができ、これまで紙面を読んでいる方には使いやすいものとなっていると感じました。また、紙面に比べて、より詳細な情報を週1回の更新でよりタイムリーに入手できるほか、知っておくと便利な市の窓口などの情報をいつでも見ることができるなど、なかなかつくり込まれているといった感じがしたところであり、地デジ、
スマホアプリでの情報配信により大いに利便性が向上するものと思います。
しかし、せっかくの便利なツールも認知されていなければ意味がないし、まだまだ市民に浸透しているとは言えないと思います。例えば、ごみの有料化の際の環境局の取り組みが参考になると思いますが、周知のために局を挙げて行動し、約半年間で排出ルールの説明会は2,692回開催し、各町内会などにかなりきめ細かく対応したと聞いています。有料化というお金にかかわる案件であり、全く同じ対応とはいかないまでも、今回の新たな
市政情報システムの構築と広報さっぽろの
リニューアルに際しても市民理解を高めることが必要ですが、これまでの周知期間を振り返ると、広報部としての取り組みが不十分であると感じているところであり、よりスピーディーに行動すべきと考えます。また、広報さっぽろを読んでいる方は、年齢層が高くなるにつれて多くなっており、高齢の方の中には、地デジやスマホなどの
デジタル機器が苦手な方もいらっしゃることから、こういった方々に対しては特に丁寧な対応を行うべきと考えます。
そこで、質問いたしますが、今後のさらなる認知度向上について、特に高齢の方への対応も含めて、どのような取り組みを行っていくつもりか、伺います。
また、これらの取り組みを行っても、なお地デジ、
スマホアプリを利用することが難しいという方に対して、どのような対応を考えているのか、あわせてお伺いします。
◎青山 広報部長 高齢の方への対応も含めた今後のさらなる認知度向上の取り組み、そして、取り組みを行っても、なお地デジ、
スマホアプリを利用することが難しい方への対応についてお答えいたします。
広報さっぽろでの
特集記事掲載など、今月はさらに周知を強化しておりますが、これに合わせまして、広報さっぽ
ろリニューアルの内容をよりわかりやすく書いたポスター、チラシを作成いたしました。これらをできるだけたくさんの方に見ていただけますよう、これまで以上に多くの場所、イベントでの掲示、配布をしてまいります。
また、地デジ、
スマホアプリの使い方や広報さっぽろの
リニューアルについてしっかりと理解していただくため、直接説明し、疑問にお答えすることができる出前講座により一層力を入れてまいりたいと考えております。既に、町内会や地域の団体を対象に出前講座を開催してきておりますが、これに加えまして、特に高齢の方への対応として、現在、札幌市
老人クラブ連合会のご協力をいただき、老人クラブでの開催をお願いしているところでございます。講座の中では、参加者のご意見を伺うこともしっかり行ってまいりたいと考えております。
今後も、高齢の方を含め、多くの方に広報さっぽろの
リニューアルと、地デジ、
スマホアプリによる
お知らせ情報の配信について知っていただき、そして利用していただけますよう最大限の努力をしてまいります。
その上で、なお
デジタル機器が苦手で地デジ、
スマホアプリを利用することが難しい方や、テレビやスマホがない方に対しましては、広報さっぽろの
リニューアルに合わせまして、
イベント情報をまとめた印刷物を区役所や、そのほか、市民の皆様により近い便利な場所に配架させていただく予定をしております。さらに、各世帯に配付されている
フリーペーパー等に
お知らせ情報の一部を掲載してもらうなど、
デジタル媒体以外での手段でも情報を入手していただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
◆かんの太一 委員 最後に、要望ですが、私も、他の
政令指定都市が発行する広報誌に一通り目を通しましたけれども、他都市ではタブロイド版など簡易なものが多い中、本市の広報誌はじっくり読むために保管しやすい冊子形式でページ数も多いなど、これまで丁寧な情報発信を行ってきました。これまで培ったこの歴史は、大変すばらしいことだと思います。
その一方で、
情報提供手段が多様化する時代の変遷に合わせて、情報発信の方法も変えていく必要があり、紙面の印刷にかかる費用など、縮減できるところは縮減し、合理化を図るべきことも理解できます。
このような意味から、今回の広報さっぽろの
リニューアル及び新たな
市政情報提供システム構築事業については、一定の評価をするところです。デジタルと紙がそれぞれを補完しながら、今までと同様にこれからも市民に必要な情報を届け、今後も、広報さっぽろの
リニューアル及び新たな
市政情報提供システム構築事業の丁寧な周知に最大限の努力をしていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆池田由美 委員 私からは、
指定管理者制度について質問いたします。
ことし第1回定例会での我が党の代表質問において、不安定な立場、低賃金を余儀なくされている労働者がふえていることに対しての雇用問題の質問に、市長は、「このような方が増加をしていくということは望ましくないものと認識をしております。」「正規雇用に向けた就労支援ということを一層進めるとともに、賃金水準の向上につながるよう、札幌市の経済の活性化を図っていくことで市民が安心して暮らせるまちの実現に努めてまいりたい」と述べております。
資料を見ますと、2016年度、本市では、423施設が
指定管理者制度により管理運営され、3,682人が働いています。そのうち、正規職員は1,229人、非正規雇用は2,453人となっております。賃金を見ますと、正規職員の時給は平均で1,465円、1日8時間20日の勤務としておおよそ月額23万円、非正規では時給945円でおよそ月額15万円、ここから税などが引かれるとしたら非常に厳しい実態ではないのかと思います。さらに、指定期間が終了するたび更新となる不安定な雇用が続くわけです。
そこで、質問ですが、2018年度、平成30年度の一斉更新を機に、指定期間を4年から5年としていきますが、5年に延ばした理由について、最初に伺います。
◎山田
改革推進室長 指定期間を4年から5年にしたことについての理由といった趣旨のご質問だと思います。
指定期間の設定に当たりましては、長期、短期それぞれの利点とか、他都市の状況などを総合的に勘案し、検討してきたものでございます。長期の利点といたしましては、指定管理者のノウハウの蓄積による良好なサービスが提供できる、投下資本を回収しやすい、さらには、人材の確保や育成がしやすくなり、労働者の熟練度も増し、ひいては、安定した雇用を生み出していくことが期待できるなどといったことが挙げられます。一方、短期の利点といたしましては、新規参入の機会を確保する、それから、市民ニーズや物価変動など、社会情勢の変化に応じた施設運営とかサービスの見直しが柔軟に行いやすいなどといったことが挙げられます。
また、他都市の状況といたしましては、制度導入当初は、多くが3年または4年としておりました。しかし、指定期間は全国的に見直されてきており、現在は6割以上が5年としているところでございます。
このような状況を踏まえまして、来年度、平成30年度に迎える一斉更新を機に、原則、指定期間を4年から5年としたところでございます。
◆池田由美 委員 理由の中に、雇用の安定という視点もあるということで、重要なことだなというふうに感じて聞いておりました。
しかし、雇用が5年になっても、指定期間が過ぎたら、この先も働いていけるかどうかという不安はつきまとっていきます。公募の
指定管理施設では、指定管理者がかわることで、再雇用されたとしてもまた新人扱いとなり、有給休暇の取得条件などの処遇がまた一からスタートするなど、雇用の不安や低賃金となる構造は変わっていかないというふうに考えます。
指定管理者制度は、指定期間が5年に延びたとしても同じ不安がつきまとうことになることについて、どのように認識されているのか、伺います。
◎山田
改革推進室長 指定期間が5年に延びても、必ずしも雇用の安定化につながらないのではないかといったご質問でございます。
雇用の安定化を図ることは、良質なサービスの提供、ひいては
指定管理者制度の目的の一つである
市民サービスの向上につながるものであり、私どもといたしましても、十分にその重要性を認識しているところでございます。一方、制度上、
一定期間ごとに指定更新を行うものでありますことから、指定管理者が職員を雇用する際、その業務内容によりましては非正規職員として採用する傾向にあることも、また事実と認識しております。
こうしたことから、指定管理者の提案内容に、例えば更新前の管理者が雇用している労働者を継続雇用する取り組み、それから、非正規職員から正規職員への転換に向けた方針とその取り組みの提示がある場合には選定の際に高く評価するといったような措置をしておりまして、
指定管理施設における安定的な雇用をできるだけ促してきたところでございます。また、公募による選定において、
指定管理期間中に良好な管理運営を行った管理者が継続して応募してきた場合には一定の加点を行うといった措置も講じており、管理運営の継続性を高める取り組みによって雇用の安定化の効果といったことも期待しているところでございます。
また、このほか、指定期間中におきまして、毎年度、
施設所管部局による業務検査を実施しております。
労働関係法令の遵守状況について確認を行い、必要に応じて指導をしており、今後も、こういった取り組みを通じて適切な管理運営を促し、より一層、労働環境の維持・向上を図るよう制度を運用してまいりたいと考えております。
◆池田由美 委員 さまざまな雇用安定への努力ということ、それから、雇用の安定が市民へのサービスの向上につながるので、やはり重要だと感じているというお話も今の答弁の中にありました。しかし、指定期間のある
指定管理者制度の仕組みの中での雇用の安定というのは、やはり厳しいものだなということを今感じております。
本市は、児童会館や
養護老人ホームなど、人とかかわる仕事で信頼関係の構築や専門性の積み重ねといった継続性が必要である施設については非公募とされています。しかし、非公募と言っても、指定期間の4年、来年度からは5年となっていきますが、そのときには非公募になるのかどうか、審査することになるのではないかと思いますので、そこで働く人にとってはやはり不安があるのだと思います。
本市は、継続性の確保が特に重要な施設や、施設の性質から一定の関与を必要とする施設など、公募にすることで施設の設置目的や制度目的の実現が損なわれるケースについては非公募とするとしております。
指定管理施設での仕事は、そもそも本市の仕事ですから、本市の責任で変えていくことができる制度だと考えます。働く市民の雇用の安定、そして賃金の引き上げなどを図って、
市民サービスの向上のために制度の見直しを進めるべきだと考えます。
また、先ほどもお話ししましたけれども、せめて、既に非公募とされている専門性や人との信頼関係の構築が必要な福祉施設は、本市の直営としていくことも検討すべきだというふうに考えますがいかがか、伺います。
◎山田
改革推進室長 せめて、福祉施設などのように非公募にしている施設は直営にするべきではないかといった趣旨のご質問だと思います。
指定管理者制度は、
市民サービスの向上と効率的な施設運営を図ることを目的としており、そこに民間事業者などの力を生かしていくといった趣旨のものでございまして、施設管理の一手法としては有用ではないかと考えております。これまでも、
利用者アンケートなどの結果からもおおむね市民の皆様の満足を得られる評価となっているのではないかと認識しておりますが、
指定管理施設における労働環境につきましては、先ほども答弁いたしましたように、今後も、指定管理者によるさまざまな工夫が盛り込まれた提案内容を評価することで、できる限り安定的な雇用を促してまいりたいと考えております。さらに、施設の機能とか位置づけを総合的に勘案し、
指定管理者制度の検証といったこともしていくとともに、これらの取り組みを通じて、適切な運営を促し、より一層、良好な
施設サービスの提供に向けた取り組みを進め、あわせて、労働環境の維持・向上を図るよう制度を運用してまいりたい、このように考えております。
◆池田由美 委員
指定管理者制度の有用性といった答弁を聞きました。
しかし、
指定管理者制度では、これから先、
指定管理期間を5年とか7年に幾ら延ばしたとしても、雇用されている事業所では1年契約であったり、3年更新だったり、そういった雇用契約の中で、雇用の安定というところでは、やはり非常に難しい現実が目の前にあるのではないかなというふうに感じています。国の官から民への路線に基づいて、公の施設を全面的に民間市場に開放し、企業参入を可能にしてきたことが、低賃金と雇用の不安定など働く人へのしわ寄せとなってきていると考えます。こういった
指定管理者制度は廃止して根本から制度を見直していく、市民の望む雇用の安定と施設のサービスの向上の願いに応えていくべきと申し上げて、質問を終わります。
◆堀川素人 委員 私からは、ことしの2月20日に内部告発があったことについてです。
これは、消防局に対する内部告発であります。今、札幌市には
公益通報制度がありますが、最近ではどこでも内部告発とは言わないで公益通報と言っているみたいです。なぜそういうふうにかえて言っているかといえば、内部告発というのは、組織に対する裏切りというようなイメージがついて回り、誰が内部告発をした人間かということにすぐに注目が行ってしまって通報者が守られない危険性があるので、今では札幌市でも
公益通報制度と言っているみたいです。
こういう中で、ことしの2月20日に、札幌市の人事課に匿名で告発がなされております。札幌市は、ことしの3月末まで、匿名の公益通報については受け付けないというのが基本でした。ところが、4月1日から、
公益通報制度による告発というのでしょうか、これを受け付けるというふうに変わっています。
まず、2月20日にあった件というのはどういうことかといいますと、23日の消防局のときにまた話すことになろうかと思いますが、消火施設・設備に関する6カ月とか1年に1回の報告に対して、特例を設けて、優良な維持管理をしている建物の権限者には、3年間、報告を猶予しますよと。法定で6カ月とか1年と決まっている検査を行うわけですが、優良な消防施設の維持管理をしているところには3年という特例を与えているわけですね。そして、この特例を与えるには要件があって、幾つかの要件に当てはまるものについては申請によって特例を認めます、こういうふうになっております。
ところが、札幌市の児童会館は、その要件に合わないのに特例を適用して3年の報告義務でいいとしている、こういうふうにしているのは法律に違反しています、このままでいいのでしょうかと。ほかの民間に対しては大変厳しい。民間といいますか、札幌市以外のそういう建物に対しては、要件に該当しなければ特例を取り消しているのに、札幌市の施設である児童会館は違反があるのに特例を認めている、こういう不公平な扱いでいいのかというのがこの告発の内容でございます。
そこでまず、一つは、これは2月20日ですから、札幌市としては、匿名通報については受け付けられないというものが、なぜこの4月から認められるに至ったのか、その理由をお答え願います。
◎中川 行政部長 今、委員からのお尋ねは、なぜ4月から匿名の告発も受け付けるようになったのかというお話でございます。
国も同様に公益通報の制度を設けていますが、その
ガイドラインにおいて、4月から匿名のものも受け付ける取り扱いにするということが2月の時点でわかっておりました。そこで、4月以降、受けるのであれば、今、受けても同様の処理をすべきではないのかということで、私どもは、そのようにアドバイスをし、そういう取り扱いをしたということでございます。
◆堀川素人 委員 今、国のほうでもやるからと。札幌市の答えは、どうも、国がこうであるから、札幌市はそれに右へ倣えしてやりますと。この場合ばかりではなくて、いろいろな場面でこういう答えがありますけれども、札幌市として匿名の公益通報を認めるに至った理由は何でしょうか。
◎中川 行政部長 札幌市として認めるに至ったのはなぜかということでございます。
先ほどと同様のお答えになりますが、もともと実名による通報を原則とするという扱いは国及び他の自治体でも同じでございました。ただ、国における検討があって、
民間事業所向けの
ガイドラインも平成28年12月に改正され、平成29年3月の国の
行政機関向けガイドラインの改正を受け、29年7月の
地方公共団体向けガイドラインの策定の中で匿名通報に関する規定が設けられております。そういう方向性がわかっておりましたので、どちらにせよ、近い将来、匿名のものを受けることになると考えまして、匿名のものも受け付けたということでございます。
◆堀川素人 委員 国でも、匿名のものも受け付けると。これはもう当然のことで、内部告発または公益通報というのは、2000年か、その前あたりから大変注目されていました。あれは2002年でしたか、一年の間に活躍した人間をアメリカのマスコミが表彰する
パーソン・オブ・ザ・イヤーという制度がありますが、その年は、内部告発をした3人の女性が
パーソン・オブ・ザ・イヤーで表彰されて大変注目されました。
内部通報というのは、国家犯罪でもそうですが、本来は隠し通すような本当に大事な部分を内部で隠しておいたならば、やはり、よりよい社会に発展しないであろうと。こういう中で、今では、公の利益につながることについては、どうぞ、告発をして世の中に知らせてください、それが世の中のためにつながることである、こういう認識ができ上がって、内部告発制度、
公益通報制度が少しずつ整ってきている状態です。率直に言いますと、僕は、札幌市でこの4月から匿名でもいいと受け付けるのは遅過ぎたなと思っておりまして、大変歓迎しております。
実は、内部通報者というのは、皆さんもご存じのように、内部にいる人間が通報するわけですから、これがわかればある意味で大変つらい立場になります。しかし、これが公益に合致していたならば、その人がつらい立場にならないようにという中で、今、制度が整えられつつありまして、今言いましたように、札幌市でもこの4月から匿名でよしとしなければならぬということになりました。
そういう中で、2月20日に告発がありました。では、どう処理をしたかといいますと、この通報は、まず人事課に入りました。そして、人事課のほうでは4日後にコンプライアンス担当のほうに回して、相談して、4月から匿名も受け付けることになっているから内部通報として扱おうという合意を得ました。そういうふうにしてコンプライアンスの担当係が担当するわけですが、この後、人事課による調査により一定の事実は確認されたが、事実関係の詳細は消防局に確認しなければならないため、消防局の職員課に通報内容を伝達し、その後、調査を依頼した、こうあるわけです。
これは、消防局で起こった問題です。それを消防局に通報したならば、通報者の関係が明らかになる可能性が極めて高い。そうであるならば、それをしっかりと調査しないうちに、詳細はということで消防局に渡してしまうのは、これで本当にいいんでしょうかというのが次の質問です。いかがでしょうか。
◎中川 行政部長 まず、公益通報の窓口は、それぞれの任命権者の服務担当の部署でありますので、本来的には消防局の職員課が扱う案件かと思います。ただ、委員がおっしゃられたように、今回の件については、消防局に言うと通報元が特定されかねないというご本人のご希望もあって、一旦、人事課のほうで扱うことになりました。
人事課のほうでは、まず、該当する事実があるか、ないか、これについて確認しました。ただ、中身としては消防法令にかかわる問題でもありましたので、さらなる調査をしようというときには人事課だけではなかなか難しいこともあって、消防局の職員課と協力して調査を進めることといたしました。ただ、ご本人も懸念されているように、通報者が特定されないよう十分に配慮をする必要がありますので、消防局に確認する際には、通報内容を要約した文書を改めてつくり、その上で調査を依頼しております。
私どもも、
公益通報制度を所管している立場から、通報への対応方法は、関係課と協議を行って適切な調査が行われるよう関与してきたものでございます。
◆堀川素人 委員 僕の調査の中では、およそ、これは、すぐに消防局のほうに渡されて、消防局の査察規制課に報告を求めているんですね。それは、もう少し事実関係を詳しく知って、ここに問題があるぞと、少なくともそれぐらいは押さえる。より詳細にということだったら、それをやってから、消防局のほうにこういう要約内容の通報があったと具体的に聞ける状態にしてから聞くようにする。というよりも、これはどうなんだ、あれはどうなんだと、今まで調べたこととしっかりと照らし合わせながら聞くような調査でなければ、これでは中身を全部教えたのと同じではないか、こういうふうに思います。
そこで、どこまで調べて、どこにどういうふうに渡すのかという基準は札幌市にありますか。
◎中川 行政部長 基準という形では、特にございません。
◆堀川素人 委員 基準がなくてやっていたというのは、今までの調査の中で明らかです。これは、きちっと基準を持ってやらなければ、あなた方の腹づもりだけでやる問題じゃないですよ。こういう基準に基づいて、例えば、ここまでは人事課の仕事、これから先はコンプライアンス推進担当係が手続として進めますよと。こういうことを明らかにしなければ、内部でいろいろ話し合っているうちに全てが相手に筒抜けです。僕がこの調査を始めて、消防局のほうにこういう書類が欲しいんだけれどもと言ったら、この内部告発の中に書かれている内容が全部そろって僕のところに提出されました。そこまで言わないのに、なぜ、これが提出されるのか。そう考えたならば、この情報が既に消防局のほうに伝わって、全部、整理されてこの書類になって届いた、そういう状態なんですよ。
これでは、告発した人は、この間、危険におびえながらどんなに心細かったか。それはそうですよ。消防の人方というのは千何百人もいるわけです。1,800人いるはずです。そういう中で、自分が勇気を持って言ったことが、これほど乱暴に扱われて、きっと今も本当に肝を冷やすような思いでいると思うんです。ただ、その後、そこに行き着くような犯人捜しがなされている様子がないので、今は、少しはほっとしておりますけれども、これからはわからないという状態です。こういうことというのは今後もあるし、また、正しくなければそういう告発がどんどん出てくるような環境を整えなければならぬ、こういうふうに思っています。
次に、コンプライアンス委員会が8月10日に開かれました。ホームページを見せてもらいましたら、この件については、違法な状態ではないようなことがホームページの一番初めに載っておりました。でも、本当にそうなのか、どうか。このコンプライアンス委員会がどう調査したのか。僕から言わせるならば、ほとんど調査しないで、違法状態がない、こう言っている。これに費やした時間はおよそ30分ですよ。消防局に説明させて、何をどう確認したのかわからぬ、30分の中で。事実関係を本当に確認したのか。しかも、説明した人間は消防局の人間ですよ。何事でも、問題があるんじゃないかと指摘されたら、その問題を起こした部署というか、人間は、そうじゃありません、していませんと言うのが当たり前ですよ。そういう信頼性のない証言しか聞いていなくて、これで調査したことになりますか、どう思いますか。
◎中川 行政部長 調査をしたのかというようなご質問であります。
実際には、今回のコンプライアンス委員会の審議については、内部告発の対象となっている事実について、違法、不当な点があるのかどうなのか、まず、消防局のほうから制度の説明をしていただきました。そして、コンプライアンス委員会は委員5名、法律学の大学教授2名と弁護士3名で構成しておりますが、その委員に実際にその説明を聞いていただいて、何度か質問がなされ、審議する中で、最終的には、違法あるいは不当といった点はないけれども、改善すべき点が幾つかあって、その指摘がなされたという流れで行われたものでございます。
◆堀川素人 委員 もうちょっと具体的に言いますと、消防法第17条の3の3には、点検をしなければならぬと、それから、施行規則の中に1年以内とあるわけです。そこで、この間、1年というのはいつを指すのか、起算日はいつなのか、周期はいつなのかと、消防のOBにも、それから法律の専門家と言われる弁護士にも、僕はずっと聞いてまいりました。1年と言うのだから、当然、1年以内じゃないですかと。こういうふうに解釈される問題ですよ。
それから、市内部の法制課においても、コンプライアンス推進担当係においても、これは、昭和50年に変わった決まりとは違うので、消防局の解釈はおかしいんじゃないか、だから、もう一回、消防局のほうで国に確認したらどうか、こういう話が出る、そして、いろいろ聞く。そうしなければならない案件が、たったの30分で、説明したのは問題が指摘されている消防局です。そこから話を聞いて、そして、事実関係はそれ以上深く調べないうちに、問題はないんじゃないか、こう決めるコンプライアンス委員会は甚だいいかげんじゃないか、こう言いたいですね。この人方には、1日に1万2,500円の報酬が出るわけですよ。それが高いか安いかは別ですよ。市民が期待しているものは何なのか。内部だけでやったならば、なかなか出てこない問題もあるでしょう。事実関係というのは一つしかない。その一つを見きわめて、どう対処しなければならぬかということについて、最終的に第三者機関を使ってやるわけですよ。その第三者機関が、一方の問題を起こした当事者の話だけを聞いて、しかも、その説明も入れて30分で終わるようなことで、何を調べているんですか。何を調べたのか。何を根拠にして違法性がないと言うのか。
これについて、あなた方は、それを取りまとめてホームページに掲載する人間として、そのような調査だけでホームページに載せていいものなんですか。考え方を聞きたい。
◎中川 行政部長 コンプライアンス委員による審議は、きちっとなされていると思っております。ですから、それについて、その結果をホームページに載せているということでございます。
◆堀川素人 委員 札幌市でも、東京の消防庁に出かけていって確認をしなければならない問題なんですよ。我々はこういう解釈をしたんだけれども、どうなんだ、こういうふうにして聞きに行かなければならぬ問題です。僕も行ってきましたよ。
それほどの問題です。30分しかない中で結論を出せる問題なのか。それをしっかりやったと。あなたにすれば、しっかりやったと言わざるを得ない。でも、市民は不審に思うわけですよ。そんなに簡単に決められるのか、何を根拠にしているんだと。
ほかの
政令指定都市はこういうふうにして消防法第17条の3の3を運用しているんですと言っているので、全部調べました。全て、札幌の解釈とは違うんですよ。全て違うんですよ。こういうことが、消防局からコンプライアンス委員会に説明されているんですよ。
二十幾つ調べました。僕が調べたというよりも、僕自身が誘導して答えを聞くようなことをしちゃならぬと思って、第三者に調べていただきました。19の
政令指定都市、それから、北海道の都市の中では3都市を調べた。そうしたら、消防局で持っている結果と違うじゃないですか。ここの消防局ですよ。ここの消防局が持っているもの、調べたと言っていたものと違うじゃないですか。そういう問題もはらんでいる。
僕は、まだそれについて最終的な点検をしていません。僕の調べたのと札幌市で調べたものは、どこにどういう違いがあって結果としてこんなに違うのか。これは、点検してみなければなりません。それから、東京の消防庁の考えについても、改めてきちっとしなければならぬと思っています。できるならば、23日までに調べ上げられたらいいなと思っています。
つまり、コンプライアンス委員会というのは、そういう大きな問題をはらんでいるものを30分間で片づけて結論を出した。僕は、きっと告発者は大変真面目な人だと思うんですよ。今まで、普通なら1年ずつのものが3年に1回でいいですという特定認定が取り消されたところが、僕への報告ではほかに7件あります。その中に道の施設もあります。道の施設は、防火管理者がかわったのにその報告をしていないという理由で取り消しなんですよ。それくらいこの特例認定というのは厳しいというのか、当たり前の要件なんでしょうけれども、そういう要件が決められていて、それに達していなければ取り消されます。そうするならば、札幌市の児童会館も取り消されて当然じゃないだろうかと。
実際にどのぐらいの期間があったかといったら、1年ずつ報告しなければならぬのに、1年4カ月です。4カ月も過ぎて報告がなされております。それが初めてわかって、じゃ、これをどう乗り切ったらいいかということで、暦年暦日という法律の大原則を曲げて年度にかえて読んで、何とかしてこれを通過させようとしたのが今回の件であろうか、今のところはこう思っています。
そのことについては、また、23日に消防局の委員会質疑の中でもう少し深くやりたいと思っていますが、とにかく、言えることは、この大事な問題が、30分の時間でもってコンプライアンス委員会で決着がついているということです。そのことが不思議でならぬということを申し上げて、質問を終わります。
◆村山拓司 委員 私からは、姉妹都市を活用した国際理解事業についてと
市政情報提供システム構築事業と広報さっぽろの
リニューアルについて伺います。
まず最初に、広報さっぽろの
リニューアルについてですが、新たな
市政情報提供システム構築事業は、近年のパソコンやスマートフォンなど、
情報提供手段が多様化している環境に対応するため、地デジ、アプリを使用してより効果的な形で市政情報を発信する事業であります。情報化社会のさらなる進展を見据えた先駆的な取り組みの一つであり、紙媒体から
デジタル媒体への移行による紙の削減は、単なる経費節減にとどまらず、CO2削減など環境負荷を低減する取り組みとしても評価させていただいています。また、広報さっぽろが月1回の発行で掲載スペースも限られているのに比べて、地デジ、
スマホアプリは、ともに週1回の更新で、よりタイムリーな情報をより詳細に掲載できるなど、本事業は、市民の利便性を高めるものであると認識しています。さらに、このほかにも、地デジ、スマホの特性などを生かしたそれぞれ便利な機能もあるのではないかと思います。
そこで、お伺いしますが、地デジ、
スマホアプリを市民にどのように使用していただきたいと考えているのか、伺います。
◎青山 広報部長 地デジ、
スマホアプリを市民にどのように使ってほしいと考えているかとのご質問でございます。
まず、地デジですが、
地上デジタルテレビが普及率の非常に高い媒体であり、データ放送の操作も簡単なボタン操作でできるものであることから、お子様から高齢の方まで多くの皆様に気軽に利用していただけるものであると考えております。また、地デジだけの機能である申し込み不要のイベントを1週間ごとにまとめたイベントカレンダー機能や、初開催のイベントなど、特にごらんいただきたい情報を集めた注目情報機能なども搭載しております。テレビを見ながらリモコン操作でさまざまな市政情報、
イベント情報をごらんになれるこれらの機能を、ぜひ活用していただきたいと考えております。
次に、スマートフォンは年々普及率が高まっており、専用アプリのⅰさっぽろは、携帯性にすぐれ、いつでも情報にアクセスできる上、スマホならではの機能が充実しております。例えば、日付やキーワードによる検索、画面から直接申し込みや問い合わせができる機能、あらかじめお住まいの区や気になる施設などを登録すると、それに応じた情報をマイニュース、マイエリアに表示する機能など、より便利な使い方が可能となっております。
これらを生活スタイルや場面に応じて活用していただき、市政情報、
イベント情報などをこれまで以上に手軽に入手することで毎日の生活に役立てていただきたいと考えているところでございます。
◆村山拓司 委員 地デジ、
スマホアプリは、それぞれに便利な機能があって、市民の利便性を高めることはわかりました。広報さっぽろも、
リニューアルにより、お知らせページに
イベント情報が掲載されなくなることから、平成30年5月以降は、
イベント情報を地デジ、
スマホアプリで入手することとなります。地デジ、
スマホアプリは、使い方がわかれば非常に便利なものであります。しかしながら、先ほどの質疑で広く市民に周知することは理解したところですが、今回の
リニューアルで最も影響を受けるのは、これまで広報さっぽろの紙面で情報を入手していた方々であり、そういった人たちに対してこそ、操作の仕方や使い勝手のよさについてしっかりと伝えていく必要があると考えます。
そこで、お伺いしますが、これまで広報さっぽろの紙面で
イベント情報を入手してきた方々に対して、地デジ、
スマホアプリの操作の仕方や使い勝手のよさの周知についてどのように取り組んでいるのか、伺います。
◆松原淳二 委員 今、検討している状況についてはわかりました。
今、さまざまな技術が開発されておりますので、特に電源が自動的に入るという仕組みですが、省電力化であったり、ボタン電池などの小さなものでもいい状況になっていることを踏まえると、電源をオフからオンに切りかえなくても、常時電源が入っているもので情報が伝わる方法もあろうかと思います。こういった今の仕組みをうまく活用すると、より安価で持ち運びに便利なものもできてくると思っています。また、機能や情報を絞ることによっても、さまざまな開発ができると思っています。今の防災ラジオですと、ラジオの情報も入ってくるという利点はありますが、その機能を少しそぐことでより安価なものになるかと思います。
しかしながら、地震など自然災害は、いつ、何どき、発生してもおかしくない状況にあります。再び市民の不安の声が高まる前に、何らかの措置が必要だと思います。市民の安全・安心な暮らしを守るために、そして、今、携帯電話を持たずに不安な思いをしている市民の方々に対して、緊急情報などの伝達手段を用意することは不可欠だと考えます。せっかく導入するからには、情報伝達手段として十分役に立ち、また、有効性や費用対効果といったことも慎重に判断しつつ、できるだけ早急に検討を進めていただくことを求めて、私の質問を終わります。
◆村山拓司 委員 私から、北海道・札幌市合同防災訓練について質問させていただきます。
九州地方に甚大な被害をもたらした昨年の熊本地震では、県と市町村の情報共有がうまく図れず、支援物資の輸送に混乱が生じ、また、避難所開設から一定期間経過後は地域住民が避難所の運営を担うべきところですが、地域住民による自主運営へスムーズな移行ができなかったなど、さまざまな課題が浮き彫りとなりました。
このことから、平成29年第1回定例市議会の代表質問において、熊本地震を教訓とした災害対応について私から質問したところ、災害時の物流における運送業者など民間企業と防災関係機関との役割分担の確認や、住民参加の避難所運営訓練の実施による自主運営の検証などを目的として、北海道と札幌市における合同防災訓練の実施を検討しているとの答弁を受けたところであります。
この訓練は、前期と後期に分かれており、前期は、8月から9月にかけて、住民参加による避難所運営訓練を中心として実施し、後期は、10月下旬に、物資輸送及び救出、救護など防災関係機関による連携訓練を実施する予定と伺っております。このように、北海道と札幌市が相互に連携し、地域住民も交えた訓練を実施することは、災害対応力の向上という点でも大変意義のあることであり、さまざまな災害に的確に対応し、被害を最小限にとどめるためには、こうした訓練を通じて北海道と札幌市、そして地域が一層の連携を深めていく必要があると考えます。
現在のところ、合同防災訓練は、前期の訓練が終了した段階であり、後期の訓練がこれから控えているため、全体の総括は全て終了した後に行うと思いますが、まず、住民参加の訓練が前期で終了したことを踏まえて、北海道と合同で実施した住民参加の訓練の具体的な内容及びその成果について伺います。
◎小田原 危機管理対策部長 北海道との合同で行った住民参加訓練の内容とその成果についてでございます。
訓練は、市内の小学校4校を会場に実施いたしました。まず、西区の発寒東小学校では、札幌市総合防災訓練の一環として、地域住民のほか、北海道職員、札幌市と災害時の協定を締結している企業の従業員が参加し、避難所の運営や支援物資の受け入れ訓練などを実施いたしました。次に、東区の栄緑小学校では、毎年、地域住民が主体で防災訓練を行っておりますが、ことしは、例年の10倍ほどの地域住民が参加したことに加えまして、自衛隊も参加し、協力し合って炊き出し訓練などを行いました。また、白石区の北郷小学校と中央区の緑丘小学校では、宿泊を伴う訓練を実施いたしました。北郷小学校では、一日防災学校として、終日、防災教育を実施し、これまでに例のない取り組みだったため、他の学校の教員が視察に訪れたりしておりました。さらに、児童の防災授業が終了した後には、利尻町や標津町など道内の他市町村から参加した40名以上の職員が宿泊訓練を行いました。緑丘小学校では、発災直後の避難所を想定し、札幌市職員、北海道職員、他市町村の職員と地域住民が協力して避難所の開設、運営を行うとともに、約70名の地域住民が宿泊訓練を実施いたしました。
今回の訓練の成果についてでございますが、参加した住民のアンケートの結果を見ますと、訓練が防災意識の向上に役立ったとの意見や、実際の避難所生活を体験することにより心構えができたという意見を多くいただきました。また、他市町村の職員からは、今回のような実践的な訓練は、地元の市町村ではこれまで経験したことがなく、非常に役に立ったという意見を多数いただきました。災害時の避難所運営に直結する実践的な訓練を実施したことで、自治体職員と地域住民の双方で防災対応力及び防災意識の向上につながったことが今回の訓練の成果と考えております。
◆村山拓司 委員 ただいまの答弁にもありましたが、私の地元であります西区の消防学校及び発寒東小学校で先月の1日に行われた札幌市総合防災訓練に私も出席させていただき、発寒東小学校の避難所運営訓練では、参加した児童や地域住民が実際に避難所の開設、運営を体験したところであります。
これまでの防災訓練は、地域住民の参加は救出、救護や応急手当ての体験が中心となっており、これはこれで非常に貴重なものではありますが、住民同士が協力して避難所運営を行ったり、学校の体育館で備蓄品の寝袋で寝たり、非常食だけで一日を過ごしてみるなど、そうした苛酷な避難所生活を多くの方に体験してもらうことが、防災意識のさらなる向上につながるものと考えます。このような実践的な訓練は、地域によって独自に取り組んでいるところもありますが、札幌市が主体となって実施することは余り例がなく、今回は、北海道との合同防災訓練であったことから、こうした一歩踏み込んだ内容の訓練が実施されたものと認識しております。
参加した地域住民からは、見るだけでなく、体験することにより得られるものがたくさんあったとの声や、実際に体験することで災害を自分のことと考えることで意識が高まったなどの声を発寒東小学校でも聞いております。こうした訓練は、参加した地域住民にとって貴重な機会である一方で、避難所の運営というものに地域住民がふだんから触れる機会が少ないことのあらわれでもあると感じました。大規模災害の発生から一定の期間が経過した後は地域住民が避難所運営を担うことを踏まえると、このたびの訓練のように、実際の避難所運営を想定して、そこに携われるような機会をこれまで以上にふやしていく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、避難所運営訓練といった地域住民が参加できる実践的な訓練をこれまで以上に実施することについて、どのようにお考えか、伺います。
◎小田原 危機管理対策部長 住民が参加する訓練の実施についてでございます。
委員のご指摘のとおり、札幌市が行ってきた防災訓練は、関係機関や団体との連携訓練が中心でありました。そのため、地域住民が実践的な体験をできる訓練は余り行っていなかった状況にあります。しかしながら、地域住民が実践的な訓練に参加し、体験することが防災意識の向上や災害対応力の強化には効果的であるということは、今回の訓練でも明らかとなったところでございます。そのため、今後行う訓練では、住民参加による実践的な訓練の機会をふやすことを検討してまいります。
◆村山拓司 委員 大規模な災害が発生した際に、避難所は地域住民の安全と生活環境の確保を図るために非常に重要なものであり、その運営は地域住民の力なくして成り立たないと思います。一人でも多くの地域住民が訓練などに参加し、災害時に必要な行動を体験しておくことが、いざというときの円滑な避難所運営につながります。今後、体験するための機会を少しでも多く提供するためにも、しっかりと検討を行っていただくとともに、災害に強いまちづくりに向けた取り組みを積極的に推進していただくことを要望して、質問を終わります。
◆石川佐和子 委員 私からは、指定緊急避難場所の認知度について伺います。
昨年7月に発生した熊本地震や、また、北海道においても昨年8月に大雨がありました。台風被害により、多くの方が避難生活を送ったことは記憶に新しいところであります。札幌においても、いつ、こういった災害が起きるかわからないわけで、避難場所は地域住民にとって非常に大切なものであるというふうに改めて認識したところです。
2011年の東日本大震災において、津波から避難した住民が、その避難した先の学校やビルで被害に遭ったという大変痛ましいことがありました。これを教訓として、災害の種類ごとに避難場所を指定するよう災害対策基本法が改正され、札幌市においても、2014年7月に指定緊急避難場所の指定を行っております。すなわち、災害においては、洪水、地震、土砂災害などさまざまあり、災害時にはそれぞれの災害に適した避難行動をとることが必要であり、避難場所も種別ごとに決められております。
この指定緊急避難場所がどれくらい市民に認知されているのかということについて、毎年、札幌市で実施している5,000人規模の無作為抽出の市民意識調査の中でアンケートを行っております。この結果は新聞報道でもございましたが、自分が住んでいる地域の指定緊急避難場所を知っている人の割合が59.3%である一方、指定緊急避難場所が災害の種類ごとに指定されていることを知っている人の割合は40.8%でした。昨年度の調査では、災害の種類ごとに指定されていることを知っている人の割合が30.8%でしたので、今年度は10ポイントふえていることにはなります。
そこで、質問ですが、この調査結果で認知度の割合が昨年より10ポイントふえた要因をどのように考えておられるのか、また、この40.8%という数字をどのように受けとめているのか、伺います。
◎小田原 危機管理対策部長 指定緊急避難場所の認知度に関しまして、2点のご質問でございました。
まず、1点目の市民意識調査での認知度が昨年より10ポイントふえた要因についてでございます。
従来、避難場所という名称のみの表示だった標識を、昨年度に、その避難場所がどの災害に対応しているかを示した標識に更新いたしました。新しい標識では、災害の種類を全国的に統一されたピクトグラム、図記号ですが、このピクトグラムで示し、その避難場所が洪水、地震、土砂災害といった災害に対応しているかどうかをマル・バツで表記しております。標識の更新やその際に行った広報などにより、昨年度よりも認知度が高まったものと考えております。
2点目の40.8%という数字をどのように受けとめているかということでございますが、昨年よりも10ポイント上昇はしておりますけれども、まだ半数にも満たない数字でございますから、残念ながら認知度はまだ低いというふうに認識しておりますので、今後もより一層周知に努めてまいりたいと考えております。
◆石川佐和子 委員 今、ご答弁をいただいたようなさまざまな取り組みによって、災害の種類ごとの指定緊急避難場所が指定されていることを知っている人が年々ふえてきていることは理解いたしましたけれども、その認知の割合がまだ4割にとどまっていることから、今後とも、市民への周知について力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
本市では、防災意識、災害への備えについてというアンケートが毎年行われておりますが、災害への備えとして特に何もしていないと答える方は毎年30%ほどおられまして、このことからも、なかなか呼びかけが徹底していないということがうかがわれます。指定緊急避難場所の市民周知においても、時間がかかるというのはそのとおりかもしれませんが、命の確保につながることですから、継続的に周知を進めていくことが大事だと考えます。また、災害はいつ起きるかわからないということがありますから、市民の皆さんにできるだけ早く知っていただくことも大変重要だと考えます。
そこで、質問ですが、指定緊急避難場所の指定から3年が経過しておりますけれども、避難場所の認知度を高めるために、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、また、新たな取り組みなどについて検討しているのか、伺います。
◎小田原 危機管理対策部長 指定緊急避難場所の認知度を高めるためのこれまでの取り組みと今後の新たな取り組みの検討についてでございます。
まず、これまでの取り組みについてでございますが、平成27年4月に、広報さっぽろに全ての指定緊急避難場所の区分を載せた小冊子をとじ込み、全世帯に配付したほか、ホームページにも掲載しております。また、先ほど申し上げました避難場所標識の更新を昨年度に行っております。このほか、各種防災訓練や研修、出前講座など、地域に出向いた際にも周知に努めてまいりました。
次に、新たな取り組みの検討についてでございますが、先ごろ公開いたしました札幌市防災アプリ、愛称はそなえでございますけれども、こちらには災害の種類ごとに避難場所が表示される機能もあり、こういった新しいツールを活用していくことも有効と考えておりますので、さまざまな手段を活用して積極的に周知を行っていきたいと考えております。
◆石川佐和子 委員 最後に、要望を申し上げたいと思います。
私も、新しい札幌市の防災アプリをインストールさせていただきました。こうした新しい取り組みをぜひ多くの市民の方々に知っていただくよう、積極的な取り組みを期待したいと思います。
先ほど申し上げましたアンケート結果で、災害への備えを何もしていないと答えた方々の中では、特に20代の方が半数を占めておりますので、若年層への取り組みにもぜひ力を入れていただきたいと思います。私も、地域の中で防災に関して知りたいというお声を時々伺うことがあり、昨年度、地域の中で危機管理対策室の出前講座をお願いいたしました。やはり、防災の専門家から直接お話を伺うことは大変リアリティーがありますし、会場が小学校でしたので、貯水槽の緊急遮断弁であるとか備蓄物資の保管状況なども身近で確認させていただき、参加者の皆さんからは大変勉強になったという感想もいただきました。
今後も、札幌市の防災情報が市民の皆さんに十分に周知されるよう、出前講座を初め、さまざまな取り組みを積極的に行うことを強く求めて、私の質問を終わります。
○しのだ江里子 委員長 以上で、第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、10月13日金曜日午前10時から、教育委員会関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後5時3分...