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平成29年第二部決算特別委員会−10月11日-03号
平成29年第一部決算特別委員会-10月11日-03号

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  1. 札幌市議会 2017-10-11
    平成29年第一部決算特別委員会-10月11日-03号


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    平成29年第一部決算特別委員会-10月11日-03号平成29年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第3号)               平成29年(2017年)10月11日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  しのだ 江里子      副委員長   伴   良 隆     委   員  三 上 洋 右      委   員  宮 村 素 子     委   員  勝 木 勇 人      委   員  こんどう 和雄     委   員  長 内 直 也      委   員  よこやま 峰子     委   員  こじま ゆ み      委   員  飯 島 弘 之     委   員  阿部 ひであき      委   員  村 松 叶 啓     委   員  村 山 拓 司      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  ふじわら 広昭     委   員  桑 原   透      委   員  長谷川   衛     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  林   清 治     委   員  松 原 淳 二      委   員  かんの 太 一     委   員  涌 井 国 夫      委   員  國 安 政 典     委   員  好 井 七 海      委   員  小 口 智 久     委   員  前 川 隆 史      委   員  伊 藤 理智子
        委   員  太 田 秀 子      委   員  池 田 由 美     委   員  堀 川 素 人      委   員  石 川 佐和子     委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○しのだ江里子 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中総務局関係分及び第12款 職員費 第1項 職員費について、一括して質疑を行います。 ◆かんの太一 委員  私からは、新たな市政情報提供システム構築事業と広報さっぽろのリニューアルについて伺います。  平成28年予算特別委員会で、我が会派において、新たな市政情報提供システム、具体的には広報さっぽろに掲載されているお知らせ情報地上デジタルテレビのデータ放送及びスマートフォンアプリで配信する事業について質問を行いました。これに関連して、これからの広報さっぽろのあり方についても質問し、平成28年10月からの地デジ、スマホアプリによるお知らせ情報の配信開始から約1年6カ月の周知期間を置いた後、広報さっぽろの紙面は、お知らせのページを縮減し、特集記事中心の構成にするなどのリニューアルを行う予定との答弁があったところです。  現在、地デジ、スマホアプリによるお知らせ情報の配信開始から約1年が経過し、平成30年5月に予定されている広報さっぽろのリニューアルまで、残すところ、約半年となりました。具体的なリニューアルの内容については、イベント情報をお知らせのページに掲載しないことによりページ数を削減する一方で、特集・企画記事を充実し、全ページカラーにすることが予定されており、市民に本市の取り組みや課題などを伝える重要な広報媒体である広報さっぽろが今まさに大きく変わろうとしています。中でも、イベント情報が削減されることについては、そのかわりの手段となる地デジ、スマホアプリによるお知らせ情報の配信とあわせて、広く市民に知っていただかなければならないと考えます。  そこで、質問ですが、地デジ、スマホアプリの配信と広報さっぽろのリニューアルの認知度向上に向けて、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、お伺いします。 ◎青山 広報部長  地デジ、スマホアプリの配信と広報さっぽろのリニューアルの認知度向上に向けたこれまでの取り組みについてお答えいたします。  いずれの周知につきましても、地デジ、スマホアプリの配信開始後の昨年11月から、広報さっぽろにおいて、毎月、記事掲載を行っており、最新の平成29年10月号では巻頭2ページの特集を行ったところです。また、札幌市公式ホームページ、ツイッター、フェイスブックなどの電子媒体の活用、区役所などの公共施設でのポスター掲示やチラシの配架、各種イベントでのチラシ配布、それから、各世帯に配付されているフリーペーパーへの記事掲載などを行うとともに、出前講座でも周知を図っております。  さらに、地デジでお知らせ情報を配信しております札幌テレビ放送、STVにおきましてテレビ・ラジオCMを放送しておりますほか、毎週水曜日の情報更新に合わせまして、同局のテレビ番組、どさんこワイド内でも紹介されております。そのほか、地デジ利用者への周知を想定し、10月4日に北海道新聞のテレビ欄に広告を掲載するなど、認知度向上に向けて取り組んでいるところでございます。 ◆かんの太一 委員  ただいまの答弁の中で、昨年11月から、毎月、広報さっぽろで記事を掲載しているとか、直近の10月に特集の記事を組まれている、また、テレビのどさんこワイドや新聞などでも周知を図っているということでした。私も実際に地デジ、スマホアプリお知らせ情報を利用しましたが、特に、地デジのデータ放送は、dボタンを押すことで、主な施設、趣味、教養といったジャンルなど、広報さっぽろの紙面と同じ分類でお知らせ情報を入手することができ、これまで紙面を読んでいる方には使いやすいものとなっていると感じました。また、紙面に比べて、より詳細な情報を週1回の更新でよりタイムリーに入手できるほか、知っておくと便利な市の窓口などの情報をいつでも見ることができるなど、なかなかつくり込まれているといった感じがしたところであり、地デジ、スマホアプリでの情報配信により大いに利便性が向上するものと思います。  しかし、せっかくの便利なツールも認知されていなければ意味がないし、まだまだ市民に浸透しているとは言えないと思います。例えば、ごみの有料化の際の環境局の取り組みが参考になると思いますが、周知のために局を挙げて行動し、約半年間で排出ルールの説明会は2,692回開催し、各町内会などにかなりきめ細かく対応したと聞いています。有料化というお金にかかわる案件であり、全く同じ対応とはいかないまでも、今回の新たな市政情報システムの構築と広報さっぽろのリニューアルに際しても市民理解を高めることが必要ですが、これまでの周知期間を振り返ると、広報部としての取り組みが不十分であると感じているところであり、よりスピーディーに行動すべきと考えます。また、広報さっぽろを読んでいる方は、年齢層が高くなるにつれて多くなっており、高齢の方の中には、地デジやスマホなどのデジタル機器が苦手な方もいらっしゃることから、こういった方々に対しては特に丁寧な対応を行うべきと考えます。  そこで、質問いたしますが、今後のさらなる認知度向上について、特に高齢の方への対応も含めて、どのような取り組みを行っていくつもりか、伺います。  また、これらの取り組みを行っても、なお地デジ、スマホアプリを利用することが難しいという方に対して、どのような対応を考えているのか、あわせてお伺いします。 ◎青山 広報部長  高齢の方への対応も含めた今後のさらなる認知度向上の取り組み、そして、取り組みを行っても、なお地デジ、スマホアプリを利用することが難しい方への対応についてお答えいたします。  広報さっぽろでの特集記事掲載など、今月はさらに周知を強化しておりますが、これに合わせまして、広報さっぽろリニューアルの内容をよりわかりやすく書いたポスター、チラシを作成いたしました。これらをできるだけたくさんの方に見ていただけますよう、これまで以上に多くの場所、イベントでの掲示、配布をしてまいります。  また、地デジ、スマホアプリの使い方や広報さっぽろのリニューアルについてしっかりと理解していただくため、直接説明し、疑問にお答えすることができる出前講座により一層力を入れてまいりたいと考えております。既に、町内会や地域の団体を対象に出前講座を開催してきておりますが、これに加えまして、特に高齢の方への対応として、現在、札幌市老人クラブ連合会のご協力をいただき、老人クラブでの開催をお願いしているところでございます。講座の中では、参加者のご意見を伺うこともしっかり行ってまいりたいと考えております。  今後も、高齢の方を含め、多くの方に広報さっぽろのリニューアルと、地デジ、スマホアプリによるお知らせ情報の配信について知っていただき、そして利用していただけますよう最大限の努力をしてまいります。  その上で、なおデジタル機器が苦手で地デジ、スマホアプリを利用することが難しい方や、テレビやスマホがない方に対しましては、広報さっぽろのリニューアルに合わせまして、イベント情報をまとめた印刷物を区役所や、そのほか、市民の皆様により近い便利な場所に配架させていただく予定をしております。さらに、各世帯に配付されているフリーペーパー等お知らせ情報の一部を掲載してもらうなど、デジタル媒体以外での手段でも情報を入手していただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆かんの太一 委員  最後に、要望ですが、私も、他の政令指定都市が発行する広報誌に一通り目を通しましたけれども、他都市ではタブロイド版など簡易なものが多い中、本市の広報誌はじっくり読むために保管しやすい冊子形式でページ数も多いなど、これまで丁寧な情報発信を行ってきました。これまで培ったこの歴史は、大変すばらしいことだと思います。  その一方で、情報提供手段が多様化する時代の変遷に合わせて、情報発信の方法も変えていく必要があり、紙面の印刷にかかる費用など、縮減できるところは縮減し、合理化を図るべきことも理解できます。  このような意味から、今回の広報さっぽろのリニューアル及び新たな市政情報提供システム構築事業については、一定の評価をするところです。デジタルと紙がそれぞれを補完しながら、今までと同様にこれからも市民に必要な情報を届け、今後も、広報さっぽろのリニューアル及び新たな市政情報提供システム構築事業の丁寧な周知に最大限の努力をしていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆池田由美 委員  私からは、指定管理者制度について質問いたします。  ことし第1回定例会での我が党の代表質問において、不安定な立場、低賃金を余儀なくされている労働者がふえていることに対しての雇用問題の質問に、市長は、「このような方が増加をしていくということは望ましくないものと認識をしております。」「正規雇用に向けた就労支援ということを一層進めるとともに、賃金水準の向上につながるよう、札幌市の経済の活性化を図っていくことで市民が安心して暮らせるまちの実現に努めてまいりたい」と述べております。  資料を見ますと、2016年度、本市では、423施設が指定管理者制度により管理運営され、3,682人が働いています。そのうち、正規職員は1,229人、非正規雇用は2,453人となっております。賃金を見ますと、正規職員の時給は平均で1,465円、1日8時間20日の勤務としておおよそ月額23万円、非正規では時給945円でおよそ月額15万円、ここから税などが引かれるとしたら非常に厳しい実態ではないのかと思います。さらに、指定期間が終了するたび更新となる不安定な雇用が続くわけです。  そこで、質問ですが、2018年度、平成30年度の一斉更新を機に、指定期間を4年から5年としていきますが、5年に延ばした理由について、最初に伺います。 ◎山田 改革推進室長  指定期間を4年から5年にしたことについての理由といった趣旨のご質問だと思います。  指定期間の設定に当たりましては、長期、短期それぞれの利点とか、他都市の状況などを総合的に勘案し、検討してきたものでございます。長期の利点といたしましては、指定管理者のノウハウの蓄積による良好なサービスが提供できる、投下資本を回収しやすい、さらには、人材の確保や育成がしやすくなり、労働者の熟練度も増し、ひいては、安定した雇用を生み出していくことが期待できるなどといったことが挙げられます。一方、短期の利点といたしましては、新規参入の機会を確保する、それから、市民ニーズや物価変動など、社会情勢の変化に応じた施設運営とかサービスの見直しが柔軟に行いやすいなどといったことが挙げられます。  また、他都市の状況といたしましては、制度導入当初は、多くが3年または4年としておりました。しかし、指定期間は全国的に見直されてきており、現在は6割以上が5年としているところでございます。  このような状況を踏まえまして、来年度、平成30年度に迎える一斉更新を機に、原則、指定期間を4年から5年としたところでございます。 ◆池田由美 委員  理由の中に、雇用の安定という視点もあるということで、重要なことだなというふうに感じて聞いておりました。  しかし、雇用が5年になっても、指定期間が過ぎたら、この先も働いていけるかどうかという不安はつきまとっていきます。公募の指定管理施設では、指定管理者がかわることで、再雇用されたとしてもまた新人扱いとなり、有給休暇の取得条件などの処遇がまた一からスタートするなど、雇用の不安や低賃金となる構造は変わっていかないというふうに考えます。  指定管理者制度は、指定期間が5年に延びたとしても同じ不安がつきまとうことになることについて、どのように認識されているのか、伺います。 ◎山田 改革推進室長  指定期間が5年に延びても、必ずしも雇用の安定化につながらないのではないかといったご質問でございます。  雇用の安定化を図ることは、良質なサービスの提供、ひいては指定管理者制度の目的の一つである市民サービスの向上につながるものであり、私どもといたしましても、十分にその重要性を認識しているところでございます。一方、制度上、一定期間ごとに指定更新を行うものでありますことから、指定管理者が職員を雇用する際、その業務内容によりましては非正規職員として採用する傾向にあることも、また事実と認識しております。  こうしたことから、指定管理者の提案内容に、例えば更新前の管理者が雇用している労働者を継続雇用する取り組み、それから、非正規職員から正規職員への転換に向けた方針とその取り組みの提示がある場合には選定の際に高く評価するといったような措置をしておりまして、指定管理施設における安定的な雇用をできるだけ促してきたところでございます。また、公募による選定において、指定管理期間中に良好な管理運営を行った管理者が継続して応募してきた場合には一定の加点を行うといった措置も講じており、管理運営の継続性を高める取り組みによって雇用の安定化の効果といったことも期待しているところでございます。  また、このほか、指定期間中におきまして、毎年度、施設所管部局による業務検査を実施しております。労働関係法令の遵守状況について確認を行い、必要に応じて指導をしており、今後も、こういった取り組みを通じて適切な管理運営を促し、より一層、労働環境の維持・向上を図るよう制度を運用してまいりたいと考えております。 ◆池田由美 委員  さまざまな雇用安定への努力ということ、それから、雇用の安定が市民へのサービスの向上につながるので、やはり重要だと感じているというお話も今の答弁の中にありました。しかし、指定期間のある指定管理者制度の仕組みの中での雇用の安定というのは、やはり厳しいものだなということを今感じております。  本市は、児童会館や養護老人ホームなど、人とかかわる仕事で信頼関係の構築や専門性の積み重ねといった継続性が必要である施設については非公募とされています。しかし、非公募と言っても、指定期間の4年、来年度からは5年となっていきますが、そのときには非公募になるのかどうか、審査することになるのではないかと思いますので、そこで働く人にとってはやはり不安があるのだと思います。  本市は、継続性の確保が特に重要な施設や、施設の性質から一定の関与を必要とする施設など、公募にすることで施設の設置目的や制度目的の実現が損なわれるケースについては非公募とするとしております。指定管理施設での仕事は、そもそも本市の仕事ですから、本市の責任で変えていくことができる制度だと考えます。働く市民の雇用の安定、そして賃金の引き上げなどを図って、市民サービスの向上のために制度の見直しを進めるべきだと考えます。  また、先ほどもお話ししましたけれども、せめて、既に非公募とされている専門性や人との信頼関係の構築が必要な福祉施設は、本市の直営としていくことも検討すべきだというふうに考えますがいかがか、伺います。 ◎山田 改革推進室長  せめて、福祉施設などのように非公募にしている施設は直営にするべきではないかといった趣旨のご質問だと思います。  指定管理者制度は、市民サービスの向上と効率的な施設運営を図ることを目的としており、そこに民間事業者などの力を生かしていくといった趣旨のものでございまして、施設管理の一手法としては有用ではないかと考えております。これまでも、利用者アンケートなどの結果からもおおむね市民の皆様の満足を得られる評価となっているのではないかと認識しておりますが、指定管理施設における労働環境につきましては、先ほども答弁いたしましたように、今後も、指定管理者によるさまざまな工夫が盛り込まれた提案内容を評価することで、できる限り安定的な雇用を促してまいりたいと考えております。さらに、施設の機能とか位置づけを総合的に勘案し、指定管理者制度の検証といったこともしていくとともに、これらの取り組みを通じて、適切な運営を促し、より一層、良好な施設サービスの提供に向けた取り組みを進め、あわせて、労働環境の維持・向上を図るよう制度を運用してまいりたい、このように考えております。 ◆池田由美 委員  指定管理者制度の有用性といった答弁を聞きました。  しかし、指定管理者制度では、これから先、指定管理期間を5年とか7年に幾ら延ばしたとしても、雇用されている事業所では1年契約であったり、3年更新だったり、そういった雇用契約の中で、雇用の安定というところでは、やはり非常に難しい現実が目の前にあるのではないかなというふうに感じています。国の官から民への路線に基づいて、公の施設を全面的に民間市場に開放し、企業参入を可能にしてきたことが、低賃金と雇用の不安定など働く人へのしわ寄せとなってきていると考えます。こういった指定管理者制度は廃止して根本から制度を見直していく、市民の望む雇用の安定と施設のサービスの向上の願いに応えていくべきと申し上げて、質問を終わります。 ◆堀川素人 委員  私からは、ことしの2月20日に内部告発があったことについてです。  これは、消防局に対する内部告発であります。今、札幌市には公益通報制度がありますが、最近ではどこでも内部告発とは言わないで公益通報と言っているみたいです。なぜそういうふうにかえて言っているかといえば、内部告発というのは、組織に対する裏切りというようなイメージがついて回り、誰が内部告発をした人間かということにすぐに注目が行ってしまって通報者が守られない危険性があるので、今では札幌市でも公益通報制度と言っているみたいです。  こういう中で、ことしの2月20日に、札幌市の人事課に匿名で告発がなされております。札幌市は、ことしの3月末まで、匿名の公益通報については受け付けないというのが基本でした。ところが、4月1日から、公益通報制度による告発というのでしょうか、これを受け付けるというふうに変わっています。  まず、2月20日にあった件というのはどういうことかといいますと、23日の消防局のときにまた話すことになろうかと思いますが、消火施設・設備に関する6カ月とか1年に1回の報告に対して、特例を設けて、優良な維持管理をしている建物の権限者には、3年間、報告を猶予しますよと。法定で6カ月とか1年と決まっている検査を行うわけですが、優良な消防施設の維持管理をしているところには3年という特例を与えているわけですね。そして、この特例を与えるには要件があって、幾つかの要件に当てはまるものについては申請によって特例を認めます、こういうふうになっております。  ところが、札幌市の児童会館は、その要件に合わないのに特例を適用して3年の報告義務でいいとしている、こういうふうにしているのは法律に違反しています、このままでいいのでしょうかと。ほかの民間に対しては大変厳しい。民間といいますか、札幌市以外のそういう建物に対しては、要件に該当しなければ特例を取り消しているのに、札幌市の施設である児童会館は違反があるのに特例を認めている、こういう不公平な扱いでいいのかというのがこの告発の内容でございます。  そこでまず、一つは、これは2月20日ですから、札幌市としては、匿名通報については受け付けられないというものが、なぜこの4月から認められるに至ったのか、その理由をお答え願います。 ◎中川 行政部長  今、委員からのお尋ねは、なぜ4月から匿名の告発も受け付けるようになったのかというお話でございます。  国も同様に公益通報の制度を設けていますが、そのガイドラインにおいて、4月から匿名のものも受け付ける取り扱いにするということが2月の時点でわかっておりました。そこで、4月以降、受けるのであれば、今、受けても同様の処理をすべきではないのかということで、私どもは、そのようにアドバイスをし、そういう取り扱いをしたということでございます。 ◆堀川素人 委員  今、国のほうでもやるからと。札幌市の答えは、どうも、国がこうであるから、札幌市はそれに右へ倣えしてやりますと。この場合ばかりではなくて、いろいろな場面でこういう答えがありますけれども、札幌市として匿名の公益通報を認めるに至った理由は何でしょうか。 ◎中川 行政部長  札幌市として認めるに至ったのはなぜかということでございます。  先ほどと同様のお答えになりますが、もともと実名による通報を原則とするという扱いは国及び他の自治体でも同じでございました。ただ、国における検討があって、民間事業所向けガイドラインも平成28年12月に改正され、平成29年3月の国の行政機関向けガイドラインの改正を受け、29年7月の地方公共団体向けガイドラインの策定の中で匿名通報に関する規定が設けられております。そういう方向性がわかっておりましたので、どちらにせよ、近い将来、匿名のものを受けることになると考えまして、匿名のものも受け付けたということでございます。 ◆堀川素人 委員  国でも、匿名のものも受け付けると。これはもう当然のことで、内部告発または公益通報というのは、2000年か、その前あたりから大変注目されていました。あれは2002年でしたか、一年の間に活躍した人間をアメリカのマスコミが表彰するパーソン・オブ・ザ・イヤーという制度がありますが、その年は、内部告発をした3人の女性がパーソン・オブ・ザ・イヤーで表彰されて大変注目されました。  内部通報というのは、国家犯罪でもそうですが、本来は隠し通すような本当に大事な部分を内部で隠しておいたならば、やはり、よりよい社会に発展しないであろうと。こういう中で、今では、公の利益につながることについては、どうぞ、告発をして世の中に知らせてください、それが世の中のためにつながることである、こういう認識ができ上がって、内部告発制度、公益通報制度が少しずつ整ってきている状態です。率直に言いますと、僕は、札幌市でこの4月から匿名でもいいと受け付けるのは遅過ぎたなと思っておりまして、大変歓迎しております。  実は、内部通報者というのは、皆さんもご存じのように、内部にいる人間が通報するわけですから、これがわかればある意味で大変つらい立場になります。しかし、これが公益に合致していたならば、その人がつらい立場にならないようにという中で、今、制度が整えられつつありまして、今言いましたように、札幌市でもこの4月から匿名でよしとしなければならぬということになりました。  そういう中で、2月20日に告発がありました。では、どう処理をしたかといいますと、この通報は、まず人事課に入りました。そして、人事課のほうでは4日後にコンプライアンス担当のほうに回して、相談して、4月から匿名も受け付けることになっているから内部通報として扱おうという合意を得ました。そういうふうにしてコンプライアンスの担当係が担当するわけですが、この後、人事課による調査により一定の事実は確認されたが、事実関係の詳細は消防局に確認しなければならないため、消防局の職員課に通報内容を伝達し、その後、調査を依頼した、こうあるわけです。  これは、消防局で起こった問題です。それを消防局に通報したならば、通報者の関係が明らかになる可能性が極めて高い。そうであるならば、それをしっかりと調査しないうちに、詳細はということで消防局に渡してしまうのは、これで本当にいいんでしょうかというのが次の質問です。いかがでしょうか。 ◎中川 行政部長  まず、公益通報の窓口は、それぞれの任命権者の服務担当の部署でありますので、本来的には消防局の職員課が扱う案件かと思います。ただ、委員がおっしゃられたように、今回の件については、消防局に言うと通報元が特定されかねないというご本人のご希望もあって、一旦、人事課のほうで扱うことになりました。  人事課のほうでは、まず、該当する事実があるか、ないか、これについて確認しました。ただ、中身としては消防法令にかかわる問題でもありましたので、さらなる調査をしようというときには人事課だけではなかなか難しいこともあって、消防局の職員課と協力して調査を進めることといたしました。ただ、ご本人も懸念されているように、通報者が特定されないよう十分に配慮をする必要がありますので、消防局に確認する際には、通報内容を要約した文書を改めてつくり、その上で調査を依頼しております。  私どもも、公益通報制度を所管している立場から、通報への対応方法は、関係課と協議を行って適切な調査が行われるよう関与してきたものでございます。 ◆堀川素人 委員  僕の調査の中では、およそ、これは、すぐに消防局のほうに渡されて、消防局の査察規制課に報告を求めているんですね。それは、もう少し事実関係を詳しく知って、ここに問題があるぞと、少なくともそれぐらいは押さえる。より詳細にということだったら、それをやってから、消防局のほうにこういう要約内容の通報があったと具体的に聞ける状態にしてから聞くようにする。というよりも、これはどうなんだ、あれはどうなんだと、今まで調べたこととしっかりと照らし合わせながら聞くような調査でなければ、これでは中身を全部教えたのと同じではないか、こういうふうに思います。  そこで、どこまで調べて、どこにどういうふうに渡すのかという基準は札幌市にありますか。 ◎中川 行政部長  基準という形では、特にございません。 ◆堀川素人 委員 基準がなくてやっていたというのは、今までの調査の中で明らかです。これは、きちっと基準を持ってやらなければ、あなた方の腹づもりだけでやる問題じゃないですよ。こういう基準に基づいて、例えば、ここまでは人事課の仕事、これから先はコンプライアンス推進担当係が手続として進めますよと。こういうことを明らかにしなければ、内部でいろいろ話し合っているうちに全てが相手に筒抜けです。僕がこの調査を始めて、消防局のほうにこういう書類が欲しいんだけれどもと言ったら、この内部告発の中に書かれている内容が全部そろって僕のところに提出されました。そこまで言わないのに、なぜ、これが提出されるのか。そう考えたならば、この情報が既に消防局のほうに伝わって、全部、整理されてこの書類になって届いた、そういう状態なんですよ。  これでは、告発した人は、この間、危険におびえながらどんなに心細かったか。それはそうですよ。消防の人方というのは千何百人もいるわけです。1,800人いるはずです。そういう中で、自分が勇気を持って言ったことが、これほど乱暴に扱われて、きっと今も本当に肝を冷やすような思いでいると思うんです。ただ、その後、そこに行き着くような犯人捜しがなされている様子がないので、今は、少しはほっとしておりますけれども、これからはわからないという状態です。こういうことというのは今後もあるし、また、正しくなければそういう告発がどんどん出てくるような環境を整えなければならぬ、こういうふうに思っています。  次に、コンプライアンス委員会が8月10日に開かれました。ホームページを見せてもらいましたら、この件については、違法な状態ではないようなことがホームページの一番初めに載っておりました。でも、本当にそうなのか、どうか。このコンプライアンス委員会がどう調査したのか。僕から言わせるならば、ほとんど調査しないで、違法状態がない、こう言っている。これに費やした時間はおよそ30分ですよ。消防局に説明させて、何をどう確認したのかわからぬ、30分の中で。事実関係を本当に確認したのか。しかも、説明した人間は消防局の人間ですよ。何事でも、問題があるんじゃないかと指摘されたら、その問題を起こした部署というか、人間は、そうじゃありません、していませんと言うのが当たり前ですよ。そういう信頼性のない証言しか聞いていなくて、これで調査したことになりますか、どう思いますか。 ◎中川 行政部長  調査をしたのかというようなご質問であります。  実際には、今回のコンプライアンス委員会の審議については、内部告発の対象となっている事実について、違法、不当な点があるのかどうなのか、まず、消防局のほうから制度の説明をしていただきました。そして、コンプライアンス委員会は委員5名、法律学の大学教授2名と弁護士3名で構成しておりますが、その委員に実際にその説明を聞いていただいて、何度か質問がなされ、審議する中で、最終的には、違法あるいは不当といった点はないけれども、改善すべき点が幾つかあって、その指摘がなされたという流れで行われたものでございます。 ◆堀川素人 委員  もうちょっと具体的に言いますと、消防法第17条の3の3には、点検をしなければならぬと、それから、施行規則の中に1年以内とあるわけです。そこで、この間、1年というのはいつを指すのか、起算日はいつなのか、周期はいつなのかと、消防のOBにも、それから法律の専門家と言われる弁護士にも、僕はずっと聞いてまいりました。1年と言うのだから、当然、1年以内じゃないですかと。こういうふうに解釈される問題ですよ。  それから、市内部の法制課においても、コンプライアンス推進担当係においても、これは、昭和50年に変わった決まりとは違うので、消防局の解釈はおかしいんじゃないか、だから、もう一回、消防局のほうで国に確認したらどうか、こういう話が出る、そして、いろいろ聞く。そうしなければならない案件が、たったの30分で、説明したのは問題が指摘されている消防局です。そこから話を聞いて、そして、事実関係はそれ以上深く調べないうちに、問題はないんじゃないか、こう決めるコンプライアンス委員会は甚だいいかげんじゃないか、こう言いたいですね。この人方には、1日に1万2,500円の報酬が出るわけですよ。それが高いか安いかは別ですよ。市民が期待しているものは何なのか。内部だけでやったならば、なかなか出てこない問題もあるでしょう。事実関係というのは一つしかない。その一つを見きわめて、どう対処しなければならぬかということについて、最終的に第三者機関を使ってやるわけですよ。その第三者機関が、一方の問題を起こした当事者の話だけを聞いて、しかも、その説明も入れて30分で終わるようなことで、何を調べているんですか。何を調べたのか。何を根拠にして違法性がないと言うのか。  これについて、あなた方は、それを取りまとめてホームページに掲載する人間として、そのような調査だけでホームページに載せていいものなんですか。考え方を聞きたい。 ◎中川 行政部長  コンプライアンス委員による審議は、きちっとなされていると思っております。ですから、それについて、その結果をホームページに載せているということでございます。 ◆堀川素人 委員  札幌市でも、東京の消防庁に出かけていって確認をしなければならない問題なんですよ。我々はこういう解釈をしたんだけれども、どうなんだ、こういうふうにして聞きに行かなければならぬ問題です。僕も行ってきましたよ。  それほどの問題です。30分しかない中で結論を出せる問題なのか。それをしっかりやったと。あなたにすれば、しっかりやったと言わざるを得ない。でも、市民は不審に思うわけですよ。そんなに簡単に決められるのか、何を根拠にしているんだと。  ほかの政令指定都市はこういうふうにして消防法第17条の3の3を運用しているんですと言っているので、全部調べました。全て、札幌の解釈とは違うんですよ。全て違うんですよ。こういうことが、消防局からコンプライアンス委員会に説明されているんですよ。  二十幾つ調べました。僕が調べたというよりも、僕自身が誘導して答えを聞くようなことをしちゃならぬと思って、第三者に調べていただきました。19の政令指定都市、それから、北海道の都市の中では3都市を調べた。そうしたら、消防局で持っている結果と違うじゃないですか。ここの消防局ですよ。ここの消防局が持っているもの、調べたと言っていたものと違うじゃないですか。そういう問題もはらんでいる。  僕は、まだそれについて最終的な点検をしていません。僕の調べたのと札幌市で調べたものは、どこにどういう違いがあって結果としてこんなに違うのか。これは、点検してみなければなりません。それから、東京の消防庁の考えについても、改めてきちっとしなければならぬと思っています。できるならば、23日までに調べ上げられたらいいなと思っています。  つまり、コンプライアンス委員会というのは、そういう大きな問題をはらんでいるものを30分間で片づけて結論を出した。僕は、きっと告発者は大変真面目な人だと思うんですよ。今まで、普通なら1年ずつのものが3年に1回でいいですという特定認定が取り消されたところが、僕への報告ではほかに7件あります。その中に道の施設もあります。道の施設は、防火管理者がかわったのにその報告をしていないという理由で取り消しなんですよ。それくらいこの特例認定というのは厳しいというのか、当たり前の要件なんでしょうけれども、そういう要件が決められていて、それに達していなければ取り消されます。そうするならば、札幌市の児童会館も取り消されて当然じゃないだろうかと。  実際にどのぐらいの期間があったかといったら、1年ずつ報告しなければならぬのに、1年4カ月です。4カ月も過ぎて報告がなされております。それが初めてわかって、じゃ、これをどう乗り切ったらいいかということで、暦年暦日という法律の大原則を曲げて年度にかえて読んで、何とかしてこれを通過させようとしたのが今回の件であろうか、今のところはこう思っています。  そのことについては、また、23日に消防局の委員会質疑の中でもう少し深くやりたいと思っていますが、とにかく、言えることは、この大事な問題が、30分の時間でもってコンプライアンス委員会で決着がついているということです。そのことが不思議でならぬということを申し上げて、質問を終わります。 ◆村山拓司 委員  私からは、姉妹都市を活用した国際理解事業についてと市政情報提供システム構築事業と広報さっぽろのリニューアルについて伺います。  まず最初に、広報さっぽろのリニューアルについてですが、新たな市政情報提供システム構築事業は、近年のパソコンやスマートフォンなど、情報提供手段が多様化している環境に対応するため、地デジ、アプリを使用してより効果的な形で市政情報を発信する事業であります。情報化社会のさらなる進展を見据えた先駆的な取り組みの一つであり、紙媒体からデジタル媒体への移行による紙の削減は、単なる経費節減にとどまらず、CO2削減など環境負荷を低減する取り組みとしても評価させていただいています。また、広報さっぽろが月1回の発行で掲載スペースも限られているのに比べて、地デジ、スマホアプリは、ともに週1回の更新で、よりタイムリーな情報をより詳細に掲載できるなど、本事業は、市民の利便性を高めるものであると認識しています。さらに、このほかにも、地デジ、スマホの特性などを生かしたそれぞれ便利な機能もあるのではないかと思います。  そこで、お伺いしますが、地デジ、スマホアプリを市民にどのように使用していただきたいと考えているのか、伺います。 ◎青山 広報部長  地デジ、スマホアプリを市民にどのように使ってほしいと考えているかとのご質問でございます。  まず、地デジですが、地上デジタルテレビが普及率の非常に高い媒体であり、データ放送の操作も簡単なボタン操作でできるものであることから、お子様から高齢の方まで多くの皆様に気軽に利用していただけるものであると考えております。また、地デジだけの機能である申し込み不要のイベントを1週間ごとにまとめたイベントカレンダー機能や、初開催のイベントなど、特にごらんいただきたい情報を集めた注目情報機能なども搭載しております。テレビを見ながらリモコン操作でさまざまな市政情報、イベント情報をごらんになれるこれらの機能を、ぜひ活用していただきたいと考えております。  次に、スマートフォンは年々普及率が高まっており、専用アプリのⅰさっぽろは、携帯性にすぐれ、いつでも情報にアクセスできる上、スマホならではの機能が充実しております。例えば、日付やキーワードによる検索、画面から直接申し込みや問い合わせができる機能、あらかじめお住まいの区や気になる施設などを登録すると、それに応じた情報をマイニュース、マイエリアに表示する機能など、より便利な使い方が可能となっております。  これらを生活スタイルや場面に応じて活用していただき、市政情報、イベント情報などをこれまで以上に手軽に入手することで毎日の生活に役立てていただきたいと考えているところでございます。 ◆村山拓司 委員  地デジ、スマホアプリは、それぞれに便利な機能があって、市民の利便性を高めることはわかりました。広報さっぽろも、リニューアルにより、お知らせページにイベント情報が掲載されなくなることから、平成30年5月以降は、イベント情報を地デジ、スマホアプリで入手することとなります。地デジ、スマホアプリは、使い方がわかれば非常に便利なものであります。しかしながら、先ほどの質疑で広く市民に周知することは理解したところですが、今回のリニューアルで最も影響を受けるのは、これまで広報さっぽろの紙面で情報を入手していた方々であり、そういった人たちに対してこそ、操作の仕方や使い勝手のよさについてしっかりと伝えていく必要があると考えます。  そこで、お伺いしますが、これまで広報さっぽろの紙面でイベント情報を入手してきた方々に対して、地デジ、スマホアプリの操作の仕方や使い勝手のよさの周知についてどのように取り組んでいるのか、伺います。
    ◎青山 広報部長  これまで広報さっぽろの紙面でイベント情報を入手していた方々に対する周知の取り組みについてお答えいたします。  これまで広報さっぽろの紙面でイベント情報を入手してきた方々に対する最も効果的な周知の方法は、やはり、広報さっぽろであると考えております。このため、地デジ、スマホアプリによるお知らせ配信の開始に合わせまして、広報さっぽろの平成28年11月号で操作方法や便利な機能などについて特集を行ったのを初めとして、毎月、記事掲載を行っております。また、最新号の平成29年10月号でも改めて特集を行い、初めての方にも迷わず利用していただけるよう、操作の手順を簡単にわかりやすく掲載したところでございます。また、記事が多くの方の目にとまるよう、これまで前半ページと後半ページで交互に掲載してきたところですが、今後はイベント情報が掲載されているお知らせページの中に掲載するなど、イベント情報を見ている方により認知していただけるよう工夫してまいりたいと考えております。 ◆村山拓司 委員  広報さっぽろを活用して周知を図っていることはわかりました。できるだけ多くの方に地デジ、スマホアプリを利用してイベント情報をごらんいただけるよう、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、広報さっぽろのリニューアルについてですが、全ページをカラー化して特集・企画記事を充実するとのことでありましたが、広報さっぽろがこれまで以上に魅力アップするものと思います。  そこで、質問しますけれども、具体的な企画はこれから検討を進めていくことと思いますが、特集・企画記事の充実についてどのような方向性で行っていくのか、伺います。 ◎青山 広報部長  特集・企画記事の充実をどのような方向性で行っていくのかとのご質問でございます。  今回のリニューアルでは、イベント情報の削減により、広報誌全体のページを縮減する一方で、特集・企画記事のページ数はふやすことを予定しております。広報さっぽろは、市の取り組みや課題を情報共有し、市民の皆様のまちづくりへの積極的な参加を促す問題提起型の広報を目指しておりますが、その役割を担うページが特集・企画ページでございます。市民ニーズの多様化に伴いまして、札幌市を取り巻くさまざまな課題の解決に向けて、今後ますます市民参加での議論の重要性が増してくる中、その議論の土台となり、議論を活性化する材料、選択肢を提供するため、今回、特集・企画記事を充実することといたしました。特集・企画記事に充てるページ数が多くなることにより、これまでよりも詳しく深く掘り下げた内容の記事となることはもちろん、読みやすいレイアウトを工夫することも可能となります。また、全ページをカラーとすることで、写真やイラストなどもさらに見やすくし、内容が伝わりやすい紙面にしてまいりたいと考えております。 ◆村山拓司 委員  市民に市の取り組みや課題を知っていただき、市政への参加を促すことはもちろん重要でありますが、札幌をもっとよく知るためのツールになってほしいと思います。例えば、10区の歴史や、札幌に住んでいてもなかなか行ったことのない場所の紹介などを通して札幌をもっとよく知っていただき、実際に足を運んでもらうきっかけとなる企画などもあればいいと思います。時代の流れに即してデジタル媒体と紙面とを一体的に展開する大幅なリニューアルでありますので、この機会を捉えて、これまで以上に市民が考えて楽しめる紙面構成になるよう取り組んでいただきたいと思います。  続いて、姉妹都市を活用した国際理解事業についてであります。  札幌市では、国際化が進展する中にあって、広い視野とともに、異文化に対する理解や異なる文化を持つ人々とともに協調して生きていく態度などを育むことは、極めて重要だと思います。また、世界から投資や人材などを呼び込み、国際都市としての活力を高めていくためには、市民一人一人が国際社会の多元的な価値観を尊重していく姿勢が欠かせないと思います。  国際部では、これまでも、こうした政策課題を認識し、多彩な国際交流・国際理解事業を実施しているとお聞きしております。例えば、過去には、姉妹都市から大学生を招き、市内の大学生らがともに学び合う学生国際合宿セミナーを実施した実績もあります。当時、この事業に参加された方の話を伺いますと、このセミナーが国際社会に目を向ける大きなきっかけとなったということであり、札幌市国際戦略プランに掲げる国際人材の育成に資する事業であったと思います。  そこで、質問ですが、学生国際合宿セミナーは、どのようなプログラムを持った事業であり、どれだけの学生が参加したのか、事業の概要と実績についてお伺いいたします。 ◎富田 国際部長  学生国際合宿セミナーの事業概要、それから、参加実績についてお答えいたします。  学生国際合宿セミナーは、姉妹・友好都市と札幌の大学生が合宿形式でともに学び、議論することを通じまして多元的な価値観を身につけ、もって、札幌の将来を担う国際的な人材を育成することを目的に、平成23年度から26年度にかけまして実施した事業でございます。  その内容でございますが、参加者が文化や観光などまちづくりに関するテーマについてグループワークを通じて学び、将来に向けた提言を行うほか、児童会館を訪問したり、あるいはホームステイを行うなど市民との交流も盛り込んでおりました。また、毎年の事業でございますが、札幌圏の複数の大学に加え、内外の国際交流関係団体とか在札外国公館と積極的に連携しながら企画、実施し、4年間で135名の参加実績がございました。 ◆村山拓司 委員  複数の大学と連携して姉妹都市との関係を活用したスキームということで、工夫に富んでおり、市内、海外の学生の国際的な視座の形成や多元的な価値観の尊重に大いに寄与した事業だと思います。  近年では、札幌に多くの外国人観光客が訪れているほか、北海道大学を中心に、海外からの留学生も参加し、冬季アジア大会や国際会議の開催など、国際都市としての存在感も増し、活力も高まっております。札幌を訪れ、また暮らす外国人がふえている中、国際理解や多文化共生といったことを単なる知識として知っているにとどめず、体験的な事業などを通じてより実践的な態度や視座の獲得につなげていくことが求められます。  そこで、質問ですが、札幌市の現状や国際情勢などに照らし、改めて、市民の国際理解を深めていくことの意義をどのように認め、どのような取り組みをしているのか、基本的な認識と現在の取り組みについて伺います。 ◎富田 国際部長  市民の国際理解を深めていくことの基本的な認識、それから、現在の取り組みについてお答えいたします。  いわゆる国際理解事業は、海外との交流などを通じまして市民の知見を広げ、多様性を尊重する精神を涵養するもので、国際社会でさまざまに活躍する人材の育成を図る上で必要不可欠と認識しております。とりわけ、今日、経済のグローバル化を背景にしました内向き傾向の顕在化や、環境問題といった地球規模の課題の深刻化などが言われる中、相互尊重や国際協調の精神を育む国際理解の重要性が増しております。  そのような認識のもと、現在は、例えばアメリカ・ポートランド市の高校生との相互交流事業への支援や、市内の小・中学校への国際交流員の派遣など、実体験として異文化に触れる取り組みを行っております。こうした取り組みを通じまして、感受性豊かな青少年を中心に、異文化への興味・関心を高めるとともに、互いの違いも尊重し、国際社会と協調しながら札幌の未来を切り開く人材の育成に努めているものでございます。 ◆村山拓司 委員  国際社会から知見や活力を得て、国際社会と協調しながら未来を切り開く人材を育成していく上でも、市民の国際理解を深めていくことが必要という見解は理解しますし、これに資する取り組みを期待するところでもあります。  さきに一例として挙げた学生国際合宿セミナーは、姉妹都市の大学から学生を招いた事業でしたが、札幌市にとって、姉妹都市との関係は、長年の交流が培った友好と信頼のあかしであり、財産であると思います。こうした姉妹都市との関係を市民の国際理解を深める機会として活用していくことで、国際人材の育成に資するのみならず、両市の間にさらなる友好と信頼が生まれ、多分野にわたる交流や協力の機会が開けてくると思います。  そこで、質問ですが、姉妹都市との関係といった札幌市にとっての財産を今後どのような方向性を持って活用していくか、基本的な考えを伺います。 ◎富田 国際部長  姉妹都市との関係といった財産を今後どのように活用していくかということでございます。  札幌市といたしましては、姉妹・友好都市との間で培った確かな信頼関係と幅広いネットワークを活用しながら、市民の友好親善、あるいは国際理解の推進、国際人材の育成に取り組んでまいりました。ドイツ・ミュンヘン市との姉妹都市提携45周年を迎えましたことしも、札幌国際プラザによります市民訪問団の派遣や、市内の小・中学校や国際交流団体も参加した受け入れ行事の実施など、広く市民の友好意識を高めるきっかけづくりに努めているものでございます。  今後は、それぞれの姉妹都市が持つ産業や文化、芸術などの強みや特性に応じて交流をより緊密化していくとともに、姉妹提携を結んでいる学校や団体に限らず、さまざまな主体の姉妹・友好都市への関心を高め、多彩な分野における民間の交流を促進してまいりたい、このように考えてございます。 ◆村山拓司 委員 市民の国際理解を深めていくことも、姉妹都市の各都市との友好親善を深めていくことも、いずれも札幌のまちの活力と魅力の向上に向けて必要なことであると思います。姉妹都市との関係は札幌市にとって長い時間をかけて築き上げてきた財産でありますから、これを有効に活用して、国際人材の育成や多彩な分野での交流促進に努めていただくことを求めて、質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、札幌市本庁舎に設置している外調機及び空調機とそのフィルターの仕様と納入品の乖離について質問いたします。  札幌市の本庁舎は、地下2階地上19階建ての建物で、この建物には、以下四つのエリアに分けて外調機、空調機が設置されております。まず、地下2階から地上3階まで、そして地上4階から地上15階まで、さらに地上16階から地上18階まで、そして地上19階にそれぞれこうした専用の設備が設置されております。このフィルターの関係につきましては、大きく分けてメーンフィルターとプレフィルターに区分され、現在、本庁舎では、こうした設備に対して合計363枚のフィルターが設置されております。こうしたフィルターの契約は、購入金額が30万円以上は一般競争入札で、管財部が発注部局から依頼を受けて入札し、30万円未満は見積もり合わせで、使用する部局が発注を行うことになっております。  私は、今回、質問するに当たり、ことし9月と今月、それぞれ1回ずつ合計2回、地下2階の外調機及び空調機の視察、調査をしてまいりました。外調機には、いわゆる外から空気を取り入れて、フィルターなどでごみとかちりなどを取り除いて、きれいになった空気をさらに次の空調機に送り込んでいく役割がありまして、その外調機の中には、先ほど申し上げたようにプレフィルターとメーンフィルターがあります。私は、2回ほど現場を訪れて、庁舎管理課や委託を受けている事業者の皆様の立ち会いのもとにこのプレフィルターやメーンフィルターを確認してまいりましたが、私が見た限りでは、プレフィルターは真っ黒で極めて汚れていたという感じを持っています。また、メーンフィルターもかなり汚れが目立っておりました。  そこで、2点質問いたします。  1点目の質問は、この間、庁舎管理課からは、地上1階部分からの外気の取り込みは月に1回程度、あとは、外調機のドアをあけたりして地下2階の機械室の空気を取り入れて空調機のほうに送り込んでいるというか、空調機が引っ張り込んで、さらに空気をきれいにして各部屋に送っているというような趣旨の説明を受けております。外気をほとんど取り入れていない状況の中で、2年はたっておりますけれども、なぜプレフィルターとメーンフィルターは先ほど申し上げたような極めて汚れている状況なのか、その理由について伺いたいと思います。  2点目の質問は、庁舎管理課から提出いただきました外調機にかかわる3台の空調機のデータを見ますと、地上1階から3階まで対応する空調機と地下事務室に対応する空調機、そして、地下の食堂に対応する空調機の三つがあり、それぞれ性能は別々になっております。そちらから提出していただいたデータを見ますと、フィルターについては、この2年くらいの間に、地下の事務室は3回、そして地上1階から3階の職員の皆さんが執務している部屋は2回、交換しているわけであります。外調機の一番汚い空気を吸い込むところのフィルターは、もう2年も交換しておりません。ですから、かなり汚れております。そこを取りかえないのに、そこから少しきれいな空気が送り込まれる次の段階の二つの空調機は、なぜ2回から3回もフィルターを交換しているのか、まず、2点について伺います。 ◎中川 行政部長  まず、1点目のご質問でございますが、プレフィルター、メーンフィルターが汚れているということで、その理由は何かというお話でございました。  これまでの議会でご審議いただいてお答えしている部分もあるかと思いますが、私どもは、フィルターについては必ずしも年数で交換するということではなくて、メーンフィルターの前後の圧力をマノメーターで測定して使えるか使えないかを判断しておりました。基本的には、その数値で交換をしてまいりましたので、目視による見た目というか、それは判断の基準には多く入っておりませんでした。したがいまして、今、見た目は汚れている状態になっていますが、機能としては果たせるのだとは思いますので、それなりに長く使ってきたということだと思います。  それから、2点目の交換の回数のことですが、今のように、はかった上で使えるか使えないかを判断しておりますけれども、その場所によって空気の汚れぐあいとか風の強さといったものが違っているため、交換する時期にはばらつきが出てくるのかなというふうに思っている次第でございます。 ◆ふじわら広昭 委員  1番目の答えとしては、機能は果たしているのではないか、また、フィルターについても交換時期のばらつきがあるのではないかということでした。  一般論としては、そういうことを言えるのかもしれません。しかし、庁舎管理課からの説明では、数分間程度だと思いますが、月に1回、外の空気を思いっ切り吸い込んでいる以外は、よほどのことがない限りは外からの空気は取り込んでいないと。じゃ、どういうふうにしているのかと聞いたら、先ほども申し上げたように、外調機に人がしゃがんで入れるぐらいのドアがあって、そこをあけて機械室の中にある空気を取り入れているということでした。また、ほかには地下の市長などの公用車があるところからも空気が入ってくる状況になっています。  そういう中で、使えるのかもしれませんが、見た目は黒くなっています。そして、毎日、外から空気を取り込んでいるわけではありませんから、カタログどおりのデータにはならないかもしれません。マノメーターも調べましたが、2年前に取りかえたときのメーターの差圧は25と資料に記載されておりますけれども、2年たった直近のものでは70という差圧が資料に示されております。これは、機械のメーターで300が目いっぱい使えるということでありますが、地下では240ぐらいになると交換するということでした。  それでは、部長の答弁からいくと、今のフィルターは、あと何年、どのくらいの期間、交換しなくても使えるのか、この点についてお答え願いたいと思います。 ◎中川 行政部長  今の委員のご指摘では、25だったものが70になっているということだとすれば、カタログなどの仕様でも、今後、1年ごとに数値は倍に上がっていくと見られておりますので、今、70だと1年後が140、その次は280というふうに数値が上がっていくと思われます。限界が大体300と言われていて、250ぐらいに達すると交換するという運用の仕方をしておりますので、あと2年、長くもたせてぎりぎり3年となりますけれども、数値的に言えば2年が適当なのかなというふうに考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  あと2年ぐらいは使えるのではないかということでございますが、先日、私が地下2階を訪れて説明を受けたときに、外調機のフィルターのごみを掃除機で吸い取って長もちさせると言っておりました。仮に大きな葉っぱがあればとらなければなりませんし、大切に使うことは確かに大事です。しかし、目に見えない小さなほこりやいろんなものがありますから、やはり、商品の性能からいって、そうしたものを掃除機で吸い取っていてフィルターの機能を正確に判断できるのか、今はそういったことを把握できないような状況になっているということが一つあります。それから、メーンフィルターもプレフィルターも、いずれもガラス繊維のものです。電子顕微鏡で見なければわからないぐらいの細かい織り込みになっていて、そのガラス繊維に絡めてちりやほこりをとっているわけですから、掃除機でそれを吸い取って処理するなんていうことはもってのほかです。  いずれにしても、あと2年も使えるということではなくて、やはり、目視も含めてきちっと対応すべきであります。これは、食堂を利用している不特定多数の市民、それから、2階、3階で仕事をしている市の職員、あるいは、さまざまな部署に訪れる市民などの健康管理にもはね返ってくる問題であります。ですから、ぜひとも、2年と言わず、議論が終わった後、部長もお忙しいと思いますが、もう一度、地下2階のフィルターの汚れ度合いを見ていただきたいと思います。そして、現在、差圧計が70しか行っていないから、140、280までまだ2年はもつという考えではなくて、現実をしっかり把握して対応していただきたいと思います。  それでは、本題の問題について質問したいと思います。  2015年、平成27年8月24日に告示をされて、同年8月27日の16時21分に開札された今回の札幌市役所地下2階に設置されている外調機のフィルターの仕様書の大きなポイントは、エアリークを生じないという構造であることが明記されております。  そこで、2点質問いたします。  質問の1点目は、今回、なぜエアリークが生じないことを仕様書の条件にしたのか、伺います。  質問の2点目は、エアリークを生じないということは具体的にどういうことなのか、わかりやすく説明していただきたいと思います。 ◎中川 行政部長  エアリークが生じない仕様にしたのはなぜかというご質問でございます。  エアリーク、つまり、フィルターからの空気漏れが起きますと、フィルターを通らない空気が入ってくることになりますので、室内の執務環境を適切に保つことが困難になることが想定されます。また、ろ材とその取りつけ枠などにすき間が生じて、入ってくる空気の一部がフィルターを通さずに流出側に直接出ないようにと考えまして、仕様にその旨をうたっているということでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  フィルターを設置している枠やフィルターの間から空気が漏れないようにするため、エアリークを生じないことを仕様条件にしたということであります。  それでは、今回納品されているフィルターについては、エアリークを生じないということを具体的にどのようなことで確認したのか、改めて伺います。 ◎中川 行政部長  どのように確認したのかということでございます。  まず、仕様書どおりのものが納められているかどうか、それが、一つであります。  納品されたフィルターにつきましては、一般社団法人公共建築協会の評価書で、国土交通省大臣官房官庁営繕部監修の公共建築工事標準仕様書に適合する評価を得ており、納品検査報告書でその仕様にうたっているJIS比色法換算90%以上となっておりますことや、粒子捕集率のデータが本市が求めている性能を十分に担保できているフィルターを使用しているものであり、さらに、ろ材と外枠が接着されていることが確認できることから、エアリーク、空気漏れがない構造であると判断いたしました。また、実際にそのフィルターを使っておりますが、室内の執務環境については、2カ月に1遍、測定しておりますけれども、フィルターの取りかえ前とその後で特段の問題を生じておりませんので、機能は十分に果たしているというふうに認識しているところであります。 ◆ふじわら広昭 委員  部長からは、仕様書どおりのものが納められている、あるいは、公的機関の評価書に基づいた資料も提出されている、そして、接着されて空気漏れをしないことも確認できているということでありました。  部長の答弁の中で間違っているのは、比色法という表現をされましたけれども、これは、空気漏れをしていないことではありません。フィルターがいかにしてちりやほこりをとることができるか、ごみの捕集率が90%以上というものであって、空気漏れがないことを示すものではないことを指摘しておきたいと思います。  また、接着しているということですが、今回納品された商品はEP-90-F GOの接着というものですけれども、そのカタログを出していただきたいと思います。いかがでしょうか。 ◎中川 行政部長  これにつきましては、カタログモデルではなく、私どもが出している仕様書に合わせて、恐らく既製品をベースに特注したものかと思われます。したがいまして、実際にカタログに出ているものはないということであります。 ◆ふじわら広昭 委員  カタログがないということで済まされないと思います。それでは、後ほど、公的機関による具体的な品質結果の書類も確認させていただきますけれども、一般常識的に見て、部長の言われるような受注生産になったとしても、あるいは、余り取引がなく生産数量が少ないからといって、メーカーがそうしたカタログをつくらないようなことはあり得ません。そうしたことからいきますと、庁舎管理課において、これが本当にエアリークしない、市が設定した仕様条件のものなのかということを確認するのは、極めて不十分ではないかと思います。  例えば、そちらから資料をいただきましたが、今回、15枚のフィルターが納品されております。その中で、一番多いフィルターは、頭の番号は省略しますが、1753から1761まで9枚納められております。そして、メーカーの検査成績表を見ますと、1753という番号のフィルターを使って、今、部長が問題ないと言った検査をし、それによって大丈夫ですということを示しております。つまり、検査に使って汚れた1753のフィルターも含めて、1753から1761までの9枚が納入されております。一般的に、商品は通し番号で管理していますから、1753で試験をしたら、次の番号から始まる9枚を納品するのが当然のことです。  そういうことについて、チェック体制のときに疑問を生じなかったのか、このことについてどう思うのか、明らかにしていただきたいと思います。 ◎中川 行政部長  フィルター検査について、実際に納品された品物と同じシリアル番号のものを使って検査したという形の成績表が出ているため、要するに、検査が終わった後の汚れたものが納品されたのではないかというようなお話かと思います。  これにつきましては、確かに、その番号のものを検査したというふうに見える検査成績表になっておりますけれども、メーカーその他に確認した結果、全く同じ形式のフィルターをピックアップした上で検査をしたものであると伺っております。ですから、検査したものを新品として納品したものではないというふうに伺っております。 ◆ふじわら広昭 委員  それは、メーカーが独自に測定した成績表ですが、部長も先ほど答弁されているように、公的機関に届け出たものの検査書類が必要なわけですね。今、部長が答弁したような趣旨のメーカーで試験をした資料は、庁舎管理課に全ての資料を下さいと言いましたので、私の手元にもあります。  私は、第三者機関によってこれは国の基準におさまっている製品ですということを証明するもの、いわゆる成績表を出していただきたいと求めているわけです。それは、あるのか、ないのか、明らかにしていただきたいと思います。 ◎中川 行政部長  公的機関によって検査結果を証明するものがあるかということでございます。  手元には、同じタイプと思われる検査の評価書がございます。これは一般社団法人公共建築協会が証明していて、有効期間は平成26年4月1日から29年3月31日までの評価書でございますので、第三者機関で性能を証明されていると考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  そちらからいただいた資料を見ますと、先ほど申し上げたように、EP-90-F GOについては合っているんですけれども、実際に納入されているのはEP-90-F GO接着型というものです。この評価書、そちらにもある公的機関の評価書は、このペーパーにある二十数種類のものを対象に間違いありませんということを示しているのであって、市が発注した接着型の形式はここのどこにも出てこないんです。  それでもってそうした品質が管理できるというのは、私は非常に不思議でならないのですが、その辺をどのように考えているのか、改めて伺いたいと思います。 ◎中川 行政部長  このカタログないしその評価書で出ているタイプというのは、ろ材と枠が分離している形式で、枠を外し、ろ材だけを入れかえて、中身を取りかえることによって長く使えるタイプがこの評価書になっていて、それがカタログにも出ているものだというふうに思います。  実際に庁舎管理課に納められたものにつきましては、ろ材と枠が最初から接着されているタイプのもの、交換型ではなく、枠ごと取りかえるタイプであります。その違いは、枠がくっついているか、それとも交換型かという部分だけで、ろ材そのものについては全く同じもの、形式も最初は同じ形になっている、そういうふうに認識しておりますので、納められているものについても問題ないというふうに考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  部長の言っていることは、おかしいと思いますよ。  例えばの話でいきますと、市が仕様書でハイブリッド車を求めているのに、実際に入ってきたのは一般的なガソリン車だった、こういうことなんですよ。ただ、部長が言うように、中身交換型と接着剤で枠が接着されているものとでは、多少データが違うんですよ。その多少が許されるのかどうなのかというのは、やはり総務局行政部庁舎管理課の資質の問題なんですよ。  それでは、お伺いしますけれども、仕様書の項目に試験結果報告書の提出とあります。具体的には、受注者、メーカーは、契約締結後、速やかに第三者機関が試験を行った試験結果報告書、または一般社団法人公共建築協会発行の評価書及び性能一覧表を下記の担当者へ提出することと記載しておりますけれども、この資料は、提出されたのか、あるのかどうなのか、どのような資料が提出されたのか、あるのであれば具体的に明らかにしていただきたいと思います。 ◎中川 行政部長  試験結果の提出についてでございます。  その仕様のとおり、契約締結後、速やかにフィルターの試験結果を提出することとなっておりますので、実際に提出していただいたと聞いております。ただ、その後、出される納品の報告書にも同じような試験結果が表記されていたことから、納品検査が終了した後で、当初いただいている試験結果については処分したと聞いておりまして、現在、手元にはございません。この扱いが適当かと言われれば、やはり、保管しておかなければいけないということでございます。今後は、これらの書類もきちんと保管するようにしていきたいと思っております。 ◆ふじわら広昭 委員  きょうは藤江代表監査委員も来ておりますけれども、今、部長が認めたとおり、これは、やはり、最低5年とか何年間か、監査の対象になろうとなるまいと保管をしておかなければなりません。最終的に納入される現品の報告書と同じものだからといって、契約締結後に出される品質確認書を破棄していいなんていうことはどこにも書いていない。どこかで議論されていることと同じようなことを庁舎管理課はやっているわけであります。そういうものは提出されたけれども、ないということは、本当に確認したのか、本当にそうしたものが出されているのかということが非常に疑わしいということを指摘しておかなければなりません。  恐れ入りますが、突然の質問で恐縮ですけれども、藤江代表監査委員にお尋ねします。  こうした原局の取り扱いについて、これから詳しく調べなければお答えできないところもあると思いますが、契約直後に出された資料が報告書とほぼ同じだから廃棄していいんだという考え方について、監査事務局としてはどう思っているのか、伺いたいと思います。 ◎藤江 代表監査委員  監査委員の監査で実地検査をやっておりますので、その内容につきましては、事務局のほうから答えさせていただきたいと思います。 ◎岩井 監査事務局次長  ただいまご質疑がございました契約の関係でございますけれども、本年4月に行政部の定期監査を行いました際に、当該購入手続に係る関係書類等の確認を行ったところでございます。また、この際、監査事務局の職員2名が行政部庁舎管理課職員の立ち会いのもと、本庁舎地下2階の機械室に入り、該当する箇所におきまして確認作業を行ったところでございます。報告によりますと、ただいま委員からご指摘がありましたように、書類上、表記の不統一等の問題といいますか、それが見受けられましたけれども、通常の定期監査の中で指摘するような事項については見受けられなかったという報告を受けているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  私が指摘したようなことは見受けられたけれども、余り大きな問題ではないと。しかし、こういう小さな問題を見逃しておくと、やはり大きな問題が生じて、大きな事件になるわけであります。  さらに、庁舎管理の状況について確認していきたいと思いますが、製品の納品時の検査は、札幌市物品・役務契約等事務取扱要領と契約事務ハンドブック1(物品等・管理編)に基づいて行われることになっておりますけれども、今回の検査・チェック体制は、これに基づいて具体的にどんな手順で検査しているのか、伺います。 ◎中川 行政部長  検査の体制についてでございますが、今、委員がおっしゃったとおり、その取扱要領によって実施しております。検査体制は、物品検査員は庁舎管理課の管理係長、立会人は施設係長で実施し、納品されたものの形状、寸法、数量は仕様書どおりかどうかを確認して、品質については納品報告書において確認しているというやり方で行っております。 ◆ふじわら広昭 委員  しかし、そちらからいただいた資料を詳しくチェックしましたら、検査は納入日である平成27年9月29日火曜日に実施して、合格したという処理をしています。しかし、そちらから提出いただいた最終的な納品報告書、現品と一緒に提出する納品報告書は、同じ9月の翌日の30日水曜日に提出されています。提出されていないもの、あるいはされていたけれども、どこかに問題があったのかわかりませんが、そうした正確な報告書が出されていないのに、何で29日にこれは仕様書に合ったものだということが確認できるのか、この点について伺いたいと思います。 ◎中川 行政部長  今ご指摘の件ですが、まず、平成27年9月29日に納品された際の納品検査時には、空調フィルターは納品されたのですけれども、品物の名前などを記載した一覧表がないなど書類の不備に気がついて、翌日に再提出をさせたものと聞いております。本来であれば、書類が整った時点である9月30日に検査をまたやり直すべきところでしたが、検査を先に行った後に書類の整備は1日後に行ったと聞いております。 ◆ふじわら広昭 委員  いわゆるずさんな処理をしているということですね。先ほど申し上げた札幌市の取扱要領やハンドブックに基づいた取り扱いをしていないということが、今、明らかになったわけですよ。私は、それを許せない問題だというふうに思うんですよね。やはり、29日に合格の判断をしておいて、次の日に報告書だけを黙って継ぎ足したのか、新しいものを全て入れかえたのかわからないけど、私はそういう体質が問題だと言っているわけです。そこは、しっかり改善していただきたいと思います。部長、よろしいですか。  最後の質問項目に移りますが、札幌市は、エアリークをしないために、空気漏れしないために、そうした対策を行ってくださいということを求めたわけですが、メーカーから出された品質証明書の主要部品の項目を見ますと、シール材としてポリエチレンスポンジとホットメルトを使用していますが、この二つの材料はどういうものなのか、わかりやすく説明していただきたいと思います。 ◎中川 行政部長  材質については、私は詳しくはわかりません。 ◆ふじわら広昭 委員  発注したのは行政部庁舎管理課で、後ろに担当者がいるんですから、わからないということはないので、わかる人がいたら答えてください。答えられないなら、答えがわかるまで休憩してもいいですよ。 ◎中川 行政部長  申しわけございません。わかる資料がございません。 ◆ふじわら広昭 委員  発注したところでシール材の二つのものを確認していないということは、提出を求めた資料の中でも、これはどういうものなのかということをきちっと把握していないということですよね。  私が調べた限りでは、ポリエチレンスポンジは接着ではなくて密着に使うもの、そして、ホットメルトというのは接着剤ですから、これは、今回納入されたフィルターのところに使われていると思います。しかし、私は、現地で2回見て、フィルターを確認させてもらったり、いろんなところで調査をして、写真も撮らせていただきました。そうしたことを踏まえると、これは四隅全部を接着していないのではないかと思われます。スポンジは接着剤みたいなものできちんと枠に接着されますが、スポンジとフィルターの間は接着するものがないので、そこから空気が漏れる場合があります。ですから、上下2カ所しか接着していない、あるいは左右2カ所しか接着していない、あるいは、そのどちらかにスポンジを埋め込んでそうした対策を行っているものだというふうに思います。  部長は、シール材がどういう材質かわからないから、答えてくださいと言ってもできないと思いますが、こういう材質が使われているということについてはどうですか、きちっと追跡調査をして、後日、報告することを約束してもらえますか。 ◎中川 行政部長  お調べして、ご報告いたしたいと思います。 ◆ふじわら広昭 委員  質問はこれで終わりますけれども、仕様書と納品されたもの、納品される過程、最終段階においても、札幌市のチェック体制は極めて不十分、不適切だと言わざるを得ません。貴重な税金を使って購入しているわけですから、今後は、ぜひとも、そのようなことがないようにしっかりと気をつけて仕様書を作成し、入札していただきたい。同時に、今後の入札の条件においても、エアリークをしないということはいいことですから、今回指摘されたからといって、もとに戻すようなことはしないでいただきたいと思います。  いずれにしても、札幌市の発注した物品の仕様書と納められているものに大きな乖離がある、そのことを指摘して、質問を終わります。 ○しのだ江里子 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
        ――――――――――――――       休 憩 午後2時54分       再 開 午後3時15分     ―――――――――――――― ○伴良隆 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆石川佐和子 委員  私からは、マイナンバー制度に関連いたしまして、マイナポータルと情報連携について伺います。  マイナポータルとは、マイナンバー制度の運用に伴って、政府が中心となって運営しているインターネット上でのサービスということで、総務省によりますと、国や地方公共団体、医療保険者などの行政機関などが自分のマイナンバーを含む個人情報をやりとりした履歴や、自治体に保有されている個人情報自体を確認できる仕組みであり、さらには、官民でのオンラインサービスとしてさまざまなサービスを受け取れるようになるというふうな予定も聞いております。  私は、ことしの第1定の予算特別委員会におきまして、提供されるサービスがふえることは市民の利便性の向上に聞こえますが、実際にマイナポータルを利用するに当たっては、2種類の暗証番号の設定などの登録手続が必要で、そうした作業が難しいと訴える声も聞いており、また、マイナンバーを読み取るカードリーダーを購入するには2,000円~3,000円の費用がかかることもあって、誰もが利用しやすいとは限らないと指摘いたしました。  国におきましては、本年7月18日からマイナポータルの運用を始めております。国の機関や自治体間等での個人情報の情報連携の履歴等を個人が自宅のパソコンなどで確認できるようになったということであります。  そこで、1点伺いますが、パソコン等を所有していない市民の利便性を確保するためには、マイナポータルの端末を市役所などへ設置すると聞いておりましたけれども、いつから、どのように利用が開始されているのか、伺います。 ◎宇都宮 情報システム部長  マイナポータルの専用端末の設置についてでございます。  札幌市では、パソコン等を持っていない方でも、マイナンバーカードをお持ちであれば、税や介護などの自己情報や他機関から照会された情報連携の履歴をみずから確認できるようにするために、区役所等に国から配付された専用端末を設置することとしたところでございます。具体的には、10月2日に全ての区役所の総務企画課、戸籍住民課、保健福祉課と市税事務所の市民税課に各1台設置しているところでございます。この専用端末の利用を希望される方は、それぞれの窓口にお越しいただければ、随時、利用することができます。  なお、このことにつきましては、広報さっぽろ10月号でもお知らせしているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  各区役所に3台、市税事務所に1台国からのパソコンが設置されて、自宅にパソコンがない方の情報へのアクセスを確保しているという状況を確認いたしましたが、国の機関や自治体などでの個人情報の連携は7月18日から開始されている一方で、今、ご答弁がありましたように、区役所などへの公的なマイナポータルの専用端末の設置は10月からということです。  この間、マイナンバー制度を運用するために、国においては莫大な税金を投入し、制度を運用してきておりますが、最も重要な個人情報保護の観点から、誰もがインターネット環境にあるとは言えない中、個人情報の利用履歴の情報開示がインターネット上で3カ月間はできていなかったという状況があったことから、私は、そうしたやり方、すなわち情報連携は早急に行うべきではないと考えるところです。  そこで、質問ですが、総務省は、情報連携による情報開示の手段としてマイナポータルを宣伝してきました。しかし、マイナポータルを開始したときにインターネット上での市民への情報開示の公的な手段が確保できていなかったことは問題であると考えますが、札幌市の認識を伺います。 ◎宇都宮 情報システム部長  市民への情報開示手段の確保についてでございます。  当初、情報連携が開始される7月から専用端末を利用することができるように準備を進めていたところですが、国の調達事務のおくれにより、専用端末の配付がおくれました。しかしながら、自己情報や情報連携の履歴を確認する方法につきましては、マイナンバーカードをお持ちでない方の場合と同様に、書面で開示請求することもできますし、直接、事務の所管課に問い合わせていただければお知らせすることもできますので、情報開示の手段は確保できていたと認識しているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  そうした手続による情報開示、要するに情報連携を確認するやり方は確保できていたのだというご認識ですが、国はそもそもマイナポータルというものが情報連携の履歴確認に大きな役割を果たすということを再三言っていたわけですから、それが十分にできていなかったことは、私は、札幌市として、市民の情報をしっかり守る上で大きな問題にするべきだと考えます。国は、マイナンバーカードの利用の浸透を図るためにマイナポータルを前のめりになって進めておりますけれども、国からのマイナポータル端末の配付がおくれたことを市民の個人情報保護の観点からもっと問題視すべきであり、国に対し、札幌市として声を出していくべきだというふうに考えます。  また、マイナポータルの使い勝手についてですが、総務省のホームページでマイナポータルを説明しているページが多々ありますけれども、先ほども申し上げましたように、アカウントの設定とか暗証番号の設定など、情報を確認するためのアクセスの方法は複雑で難しいというふうに私も感じております。  そこで、質問いたしますが、区役所などへ設置されたマイナポータルの端末を利用する方の中には情報機器の操作になれていない方もいると思われますが、そうした情報弱者への配慮としてはどのように対応なさるお考えか、伺います。 ◎宇都宮 情報システム部長  端末利用における情報弱者への配慮についてでございます。  パソコンなどの操作になれていない方にとりましては、マイナポータルの操作が難しいと感じる方もいるのではないかと考えているところでございます。マイナポータルの操作性は、パソコンやスマートフォンなどを使ったことのある方であれば直感的に操作できる仕組みになっているところではございますが、区役所などでは、操作が難しいと感じる方の手助けになるように、専用端末を設置しているところに操作マニュアルを備えております。また、必要に応じて職員にお問い合わせいただければ、操作手順などをお手伝いするようにしているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  続いて、情報連携について伺います。  DVやストーカー行為、児童虐待の加害者が被害者の住所を調べて危害を加えるという事件がたびたび起きております。これを防ぐために、自治体では、被害者世帯の住民票の写しの交付や住民基本台帳の閲覧を制限する支援措置を行っていると聞いております。番号法の第22条によりますと、情報連携において、法律で情報連携が規定された事務で情報照会を受けた場合、必ず情報提供することが義務づけられており、自治体が支援措置を行っていたとしても、情報連携先の他の機関から情報が漏れる危険性があることが指摘されております。また、DV加害者が被害者のマイナンバーカードを所持して何らかの手段で暗証番号がわかってしまうと、マイナポータルによって被害者の住所などの動静がわかってしまうことも大きく危惧されております。  そこで、伺いますが、情報連携において、DVやストーカーの被害に遭っている方の情報が加害者に漏れないようにするためにどのような対応をしておられるのか、伺います。 ◎宇都宮 情報システム部長  DVやストーカー被害に遭っている方の情報漏えいにつきましては、あってはならないことと認識しているところでございます。  ご質問のDVやストーカー被害に遭っている方の情報の取り扱いについてでございますが、これまでも、被害に遭っている方から届け出を受けた際には、その都度、住民記録、税、保健福祉などの各業務間で情報を共有し、加害者に情報を開示しないよう取り扱っているところでございます。  マイナンバーのシステムにおきましても、同様に取り扱うこととしており、例えば加害者が被害者のマイナンバーカードを利用してマイナポータルにアクセスしたとしても、関係情報はシステム的にロックされ、見ることができない仕組みとなっております。また、マイナンバーカードの不正使用を防止するため、本人の申請によりカードの利用を停止することができる仕組みとなっております。その窓口は、国が用意しており、365日24時間、フリーダイヤルで受け付けているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  情報連携に当たっては、札幌市の既存システムにつないで情報連携を行う市の中間サーバーにそうしたロックをかけるといいますか、わからないようにする仕組みがあらかじめ備わっているとも聞いておりますし、情報照会があっても、それを提供しないような機能が備わっているというふうに聞いており、そうしたシステムをあらかじめ導入したということであります。  しかし、国が都道府県のマイナンバーの担当者に宛てて、DV・虐待等被害者に係る不開示コード等の設定に関する基本的な対応等についてという正式な事務連絡を送付したのは7月13日付のことで、情報連携開始の7月18日の直前のことであります。また、その後の8月9日には、不開示措置等の周知について関係機関に依頼文を送付しております。  このように情報連携の直前や直後に次々と通知を自治体に送りつけて指示をするという進め方は、私は、自治体に対する本当に無責任なやり方だと思っております。本当にDV等の被害者を守るための対応が各機関で十分に行われるのか、仮に被害者の情報が加害者に漏えいした場合、命にかかわることもあるわけですから、被害者の情報が加害者に漏えいすることなく守られるのか、強く懸念するところです。この点から言いましても、マイナンバー制度における情報連携による情報漏えいのリスクははかり知れないということを申し上げておきます。  もう一つ質問いたしますが、自治体が独自に条例で利用する事務において、住民税や固定資産税、たばこ税などの地方税関係情報におきましては、地方税法第22条で行政には守秘義務が課されていることから、情報連携の際には本人の同意が必要となっております。  そこで、伺いますが、地方税情報の情報連携が運用されるに当たりまして、どのように対応しているのか、伺います。  また、仮に情報連携による情報漏えいを懸念する個人が情報連携を拒否した場合に、拒否した個人及び自治体への不都合は起きるのかどうか、伺います。 ◎宇都宮 情報システム部長  独自利用事務での地方税関係情報の連携についてでございます。  札幌市の独自利用事務のうち、税情報を連携するのは、障害者総合支援法による地域生活支援事業の実施など八つの事務でございます。この場合、税情報については、地方税法に基づき、守秘義務が課せられているため、国の法令等に基づき、本人の同意が必要とされているところでございます。したがいまして、これらの事務を実施するに当たっては、本人から同意書を提出いただくよう準備を進めているところでございます。  また、本人から同意を拒否された際の対応についてでございますが、本人に所得証明書等の書類の添付をしてもらうことになります。手続の流れとしては、これまでと変わりませんので、本人にも自治体にも不都合はございません。 ◆石川佐和子 委員  この間、情報連携におけるさまざまな危険性といいますか、リスクについて質問させていただきました。  要望になりますが、マイナポータルでは、国税庁のe-Taxとの認証連携が2017年1月から既に開始されているということであります。e-Taxというのは、申告や納税などの国税に関する各種手続がインターネットを利用して自宅で行えるものです。  東京都では、インターネット上で都税を納められる公式サイトに不正アクセスがあり、利用者のクレジットカード情報67万6,290件が外部流出したおそれがあるとの報道が、ことし、2017年3月にありました。このサイトは4月に再開しておりましたが、調査の結果、不正に情報が取得されたことが判明したそうです。  今、日本が進めようとしている情報提供ネットワークシステムは、世界に例を見ない仕組みと聞いており、1億人を超える人口規模でこのような巨大で複雑なシステムを運用している国はなく、情報漏えいなど何が起きるかわからないというふうに言われています。  情報連携の直前に、会計検査院の調査により、番号法で定められた事務のうち情報連携できない情報があることが明らかになったなど、システムの改修もたびたび起こっています。システムのトラブルによってマイナンバーカードの交付が大混乱したことも記憶に新しいことです。個人情報の流出の危険性は利用範囲を広げるほど高くなり、札幌市のマイナンバーカードの交付率が8.23%と全国平均よりも低いことは、市民がこの制度に対して不信感と不安を感じているからにほかならないというふうに私は考えます。こうした危険性を伴うマイナンバー制度を進めるべきではないということを申し上げて、私の質問を終わります。 ◆中山真一 委員  先ほども、ほかの委員から、書類が適切に管理されていないのではないかという質疑がありましたけれども、私は、行政の信頼性や透明性をいかに高めていくかという観点から、大きく2点、札幌市における公文書の管理についてと職員に対する働きかけの記録制度について伺います。  まずは、公文書の管理について伺います。  昨年の東京都の豊洲市場の問題に始まり、その後も、財務省、防衛省、文科省など国においても、行政の文書管理のあり方について疑念を抱かせる事例が相次ぎました。国会において、文書は捨てた、記憶にない、確認ができないとする省庁幹部の対応に、多くの国民から不信の目が注がれました。本来であれば公文書として管理されるべき文書が、個人的なメモとされたり、軽易なものとして短期間で廃棄されたのではないか、また、制度自体、行政側が恣意的に運用できる仕組みになっているのではないか、これらの点が問題となりました。  こうした一連の報道に接し、市民の間でも、札幌市の文書の扱いはどうなっているのか、国と同じことが起きる可能性はないのかという懸念の声を耳にいたします。特に、札幌市はオリンピック・パラリンピック招致を目指しております。これまで以上に、市政運営に対して日本中から多くの目が向けられることとなります。成功のためには、市民や国民からの信頼が欠かせません。長野冬季オリンピックにおいては、長野県が招致関係の文書を大量に焼却したとして大きな問題となったことがありました。札幌市としては、長野や国の事例を他山の石とし、文書管理に対する信頼性を高めるための不断の改善の取り組みが必要であります。  本市においては、札幌市公文書管理条例が制定されております。第1条で、公文書は市民の知る権利を具体化するために必要な市民共有の財産と位置づけております。公文書は、行政の説明責任を全うするために必要不可欠なものであり、恣意的な判断によって個人的なメモであるとされたり短期間で廃棄されるなど、あってはならないことであります。  中でも、国の事例などを見ますと、紙の文書の扱いは仕組みが一定程度整えられているものの、電子文書やメールなどいわゆる電子情報の取り扱いのルールが不明確ではないかと思われます。公文書について、条例第2条では、職員が職務上作成または取得した文書であって、組織的に用いるものと定義しております。この場合、電子文書やメールなどが組織で共有している共用サーバーに保存されていたり、複数の職員で共用されている場合は、公文書としての扱いはある程度明確であると思います。一方で、職員が業務上使用している職務用のパソコンのみに保存している電子文書や、職員が1対1でやりとりをしているメールはどうなっているのか、公文書としての扱いをめぐって恣意的な運用がなされる可能性があるのではないか。国においてもこの点が問題となっておりました。  そこで、伺います。  札幌市において、職務用のパソコンにのみ保存している電子文書や1対1でやりとりしたメールが公文書に当たるかどうか、伺います。 ◎中川 行政部長  まず、職務用のパソコンに保存している電子文書や電子メールなどが公文書に該当するかどうかということでございます。  今の委員のご質問にありましたとおり、公文書管理条例で定められております公文書の定義として、職員が職務上作成、取得した文書、図画、写真及び電磁的記録であって、組織的に用いるものとして保有しているものと定義されております。したがいまして、文書がこの定義に該当するかどうかで判断することになります。ご質問の電子文書などについても、例えば組織的に用いられていなければ公文書には該当しないと考えております。 ◆中山真一 委員  今、中川部長のお答えにもありましたけれども、職務上使用、作成等をしているということと、いわゆる組織的に共用されているかどうかというところが定義として一つの要件になっていて、その中でルールを持って取り扱われているということだと思います。ルールを持って取り扱うことは当然のことだと理解しておりますし、ルールを持って取り扱っておられたのは国も同じであります。  問題は、恣意的な運用がなされる余地が大きいという点であります。例えば、市民感覚では、職務上、組織的に用いられると思えるような文書も、行政側の都合で公文書ではないと言い切れてしまいます。そもそも、職員が職務時間中に職務用のメールを使って作成した電子文書やメールを公文書ではないと言い切ることができるのか、その点に疑問を感じます。職員には、職務専念義務があります。使用しているのは職務用のパソコンであり、メールアドレスは職務用のアドレスです。業務以外では使用されていないはずであります。条例の趣旨に照らしても、公文書にしないものは最小限と解されるべきと考えます。  そこで、伺います。  勤務時間中に職務用のパソコンを使って作成した電子文書や電子メールは全て公文書だと考えますけれども、見解を伺います。 ◎中川 行政部長  先ほどもご答弁申し上げましたが、公文書かどうかの区別は、公文書の定義に該当するかどうかで判断することになります。例えば職員個人の便宜のために作成した文書や作成途中の文書などは、組織的に用いられておらず、実態として公文書には該当しないと考えます。したがいまして、職員が作成したことだけをもって全てが公文書になるとは考えてございません。 ◆中山真一 委員  今、公文書の定義として、例えば個人の便宜で作成したもの、また、作成途中の文書は実態として全てが公文書にならないということでした。しかし、その状態ですと、公文書の線引きが曖昧となり、恣意的な運用の余地が大きいと考えます。国の事案においても、作成した本人の意識としては行政文書のつもりではなかったとの説明がなされ、それ以上、説明責任が果たされることはありませんでした。  一連の問題を受け、国においては、文書管理のあり方について見直しを進めております。そこでは、電子文書について、管理責任者が関与して保存場所を明確にするといったことなどの方策が取りまとめられております。具体的には、電子文書の保存について共有フォルダー等に保存する際は、文書管理者による確認を行うことであったり、個人的な参考資料等については当該職員のみがアクセス可能な個人フォルダーに置くことを徹底することなどが方策として示されております。  そこで、伺います。  札幌市においても、電子文書が恣意的に取り扱われることのないよう、国の見直し等を参考にしながら公文書管理の仕組みを整えるべきと考えますけれども、見解を伺います。 ◎中川 行政部長  札幌市では、電子文書の管理も含めて適正な公文書管理の徹底を図るため、公文書の管理に関するガイドラインを策定いたしまして、公文書の具体例や管理方法などについて明示しております。このほか、毎年、1,500人以上の職員を対象に文書管理研修を実施したり、公文書の統一的な取り扱いの周知徹底に努めております。また、公文書の管理体制としましては、各課の課長を文書管理責任者として、係長や担当による事務処理をチェックする体制を整えております。  しかし、今回の委員のご質問にもありました国の一連の事案も踏まえまして、札幌市においても、電子文書の取り扱いなど、より適切な管理のあり方を整理していくことは重要と認識しております。現在、国では、文書管理ルールの見直しを進めていることから、その動向なども参考に、本市でも検討を行っていきたいと考えております。 ◆中山真一 委員 今、部長のご答弁もありましたが、国の見直しの動向を見ながらということだと思いますけれども、ぜひ、市民に疑念を抱かれることのないように、より一層、適正な管理の仕組みをご検討いただきたいと思います。  次に、1年未満で廃棄される公文書の管理について伺います。  国の一連の問題では、1年未満で廃棄される随時廃棄文書の取り扱いも問題視されました。保存期間1年未満の文書だったから廃棄した、ルールにのっとった範囲の判断で問題ないとの説明がなされ、それ以上の説明責任が果たされることはありませんでした。1年未満での廃棄の判断が恣意的になされると、札幌市においても、国で起きたように重要な意思決定過程の文書が短期間で廃棄され、意思決定に係る責任の所在などを市民が検証できなくなるおそれがあります。加えて、たとえ文書が残っていたとしても、行政側の都合で文書は廃棄したと言い切ることができてしまいます。  そこで、伺います。  札幌市において、1年未満で随時廃棄する文書に該当するかどうかは、誰の責任において、どのように判断されているのか、伺います。 ◎中川 行政部長  本市では、公文書管理条例及び規則に基づきまして、公文書は、おおむね事業ごとに簿冊にまとめて、原則1年以上、保存することとしております。このため、随時廃棄となる文書は軽易な文書であり、具体的には庁外からの案内文書や庶務的な連絡文書などで、1年以上保存する必要のないものが対象となります。  なお、随時廃棄の判断につきましては、文書管理責任者である課長の管理監督のもとに行うこととしております。 ◆中山真一 委員  札幌市においては、基本的には1年以上の保存期間を設定しており、本当に軽易な案内等の文書のみが随時廃棄の簿冊として管理されているというお話でした。  先ほどの国による文書管理の見直しにおいては、保存期間1年未満の文書の取り扱いについても議論の対象となっております。そこでは、1年未満で廃棄してよい文書の類型や基準を明確化するとともに、その基準を公表すること、加えて、新たに発生した業務などで基準が明示されていないものについては、廃棄の際、管理者が厳正に確認するとともに、その廃棄の記録を残すことなどが示されております。札幌市においても、少なくとも国で進められている範囲の仕組みの見直しは行う必要があると考えます。  そこで、伺います。  保存期間1年未満の随時廃棄の文書について、恣意的な運用を防ぐためにも、国のように廃棄基準の明示、管理責任者の徹底した関与など、より適正な運用がなされる仕組みを検討すべきと考えますけれども、ご見解を伺います。 ◎中川 行政部長  先ほどもご答弁申し上げましたとおり、札幌市では、ガイドラインや研修などを通じて公文書管理のルールの周知を図るとともに、文書管理責任者の管理監督のもと、適切な公文書管理の確保に努めているところであります。  しかしながら、公文書管理のあり方の整理は重要なことと認識しておりますことから、随時廃棄文書につきましても、先ほどご質問のあった電子文書と同様、国の動向なども参考に、より適切な取り扱いとなるように検討を行っていきたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今のお話しでは、随時廃棄文書に関しても、国の動向を見ながらしっかりと見直し、改善も含めて検討していただけるということでありました。  条例第1条にもありますとおり、公文書は市民の財産であります。本来、文書は廃棄せず、本当に軽微なものを除いて全て保存されるべきであり、電子化が進んだことによってそれが可能となっております。今後、業務のICT化に伴い、ますます電子化が進みます。電子情報は、紙と比べて保存や整理が容易であります。保存スペースの問題もほぼなくなり、今後、クラウド化が進めば、保存の容量はほぼ無限に近づきます。電子化されていれば、検索することで簡単に文書を取り出すこともできます。国の事例を教訓に、文書管理制度のより一層の改善に努めていただきたいと思います。  続きまして、職員に対する働きかけの記録制度について伺います。  東京都や国の一連の問題に関しては、行政への不当な働きかけの部分も大きな争点となりました。いずれも、職員以外の者からの働きかけによって行政がゆがめられたのではないか、この点が焦点となりました。その中で、課題として浮かび上がったのは、そうした働きかけがあった際の記録とその管理の問題であります。働きかけを記録し、それを開示する制度が機能していれば、行政の意思決定の公正さに対する信頼性がここまで揺らぐことはなかったと考えます。  札幌市においては、市民の声を聞く課などの広聴部門において、市民からのさまざまな要望等を記録し、その結果も含め、内容を市民に公表しております。一方で、そうした広聴部門を通らずに、市民や事業者などから、直接、事務事業を所管する部署に要求等がなされる場合もあります。職務を遂行する上で市民の意見を反映することはもちろん大切でありますけれども、いわゆる口ききのように市民から誤解を受けるようなことは、当然、あってはなりません。中には、職員に対して違法、不当な行為を求めるものも含まれる可能性があり、職員は、そうした要求に対して毅然とした対応が求められます。  そこで、伺います。  広聴部門を通らずに、直接、各担当部署に要求等があった際、それは記録され、集約されているのか、伺います。  また、違法、不当な要求等については、どれぐらいの件数があり、具体的にどのような内容のものがあったか、伺います。 ◎中川 行政部長  職員に対する要求等の記録の有無についてのご質問でございます。  広聴部門以外にも、各担当部署に対して市民の方々からダイレクトにさまざまな要望等が寄せられておりますけれども、個々の内容に応じてその部署において記録をとっておりまして、それを全市的に集約することはしておりません。違法、不当な要求等があった場合には、職員に対する不当要求行為等があった場合の対応方法を定めた不当要求行為等に関する対策要綱に基づきまして、総務局に報告することになっております。  その報告件数は、過去5年度分で見ますと、平成24年度が4件、25年度が9件、26年度が1件、27年度が3件、28年度が8件であり、本年度は現時点で1件という状況でございます。これらは、全て市民の方々からのものでございますが、内容といたしましては、例えば、法令違反等がないにもかかわらず、事業者に対して執拗に指導を求めるもの、あるいは福祉施設の設置認可を取り消すよう求めるものなどがございました。 ◆中山真一 委員  今お答えいただいたように、全てを記録しているわけではないけれども、違法、不当な要求等は総務局に報告することになっていて、その件数は決して多くはないが、毎年度、何かしら発生していることがわかりました。  こうした違法、不当な要求に対して、職員が毅然とした対応をとることは当然ですけれども、その内容や、それに対してどのような対応をしたのかは、市民に見えるものとはなっておりません。不正をなくすための有効な手段の一つが情報の公開です。個人の特定につながる情報は公表できないにしても、事案の概要を公表することで行政の透明性は高まり、市民の目による検証も可能となります。加えて、内容が公表されることによって、不当要求をする側に対しても一定の牽制効果もあります。現に記録制度を設けている16の政令市のうち、既に7市がホームページ等で内容を公表する制度を設けております。  そこで、伺います。  本市においても、報告を受けた要求の概要やその対応結果について公表すべきと考えますけれども、見解を伺います。 ◎中川 行政部長  要望等の公表についてでございます。  不当要求行為に関しましては、対応に非常に慎重さが求められ、その内容を公表することによる影響もさまざま考えられるところでございます。ただ、市政に対する信頼を確保する観点からは、一定程度、その概要を公表することは意義のあることだと考えられますので、例えば、対応が終了した案件につきましては公表を行うなど、その方法も含めて検討してまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今、部長の答弁がありましたが、公開するに当たってはいろいろと配慮しなければいけないものとかデメリット等もありますので、そこは、当然、考慮に入れた上ですけれども、対応が終了して一定の期間がたったものに関しては公表する対応を検討していきたいというお話がありましたので、ぜひ、公表する方向で早急に進めていただければなと思います。  さて、今の議論は、違法、不当な要求に関するものでしたけれども、ほかの自治体では、違法、不当といった要件を設けずに、働きかけがあった場合の記録を義務づけ、その概要等を公表しているところも少なくありません。既に、20政令市中10市で、違法、不当な働きかけに限らず、全ての働きかけを記録する制度が設けられております。記録に関し、違法、不当なものに限るという要件を設けることは、職員に違法、不当な判断を委ねることになります。その場合、働きかけが適切に記録されない可能性が生じます。働きかけを受けた職員が受ける精神的な圧力を考慮した場合、違法、不当な働きかけと判断できるものであっても、あえてこれを記録しないという事態が生じることは容易に想定できます。  不正を防止するという観点からも、全てを記録、公表することで、不当な要求かどうかも含め、内容を市民が検証できるようにすることが大切であります。行政の透明性を確保し、市民の信頼を得るためにも、いわゆる公的な会議等の公の場で行われるものや、軽易な情報提供程度のものを除き、職員に直接働きかけがあった場合に、それを記録し、公表する制度が必要だと考えます。  そこで、伺います。  他の多くの政令市のように、札幌市においても、違法、不当なものに限定せず、職員に対する働きかけや要求を記録、公表する制度を導入すべきと考えますけれども、ご見解を伺います。
    ◎中川 行政部長  ご質問にありました違法、不当の判断につきましては、これまでも弁護士等に相談するなどして適切に記録して対応を行ってきたものと考えております。違法、不当の要件を設けずに要望等を記録、公表する制度につきましては、職員の事務負担や事務事業の執行に与える影響など、その効果も含めて見きわめる必要があると考えております。  いずれにしても、適正な行政運営を確保する観点からは、今後、何ができるのか、他都市の状況も参考にしながらさらに調査研究を進めてまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員 今、事務負担の問題等があるというお答えがありましたけれども、それは、当然、やらない時点よりは発生しますので、その辺も考えていかなければいけないと思いますし、また、事務負担に対する効果を考えてというお話もありました。しかし、既に多くの他都市では導入されておりますので、ほかの多くの政令市にできて、なぜ札幌市でできないのかという点は疑問が残ります。  知る権利は、民主主義の根幹であり、他市に比べて明らかに劣っているのは市民にとって大変残念なことであると率直に申し上げておきます。今の事務負担の問題は、他の自治体も同じであります。それでも、他の自治体においては、行政の責任として全てを記録しております。職員の事務負担の問題も、ICT化によって工夫の余地は大きいと考えます。記録に残すということは、情報公開の基本であります。記録に残さないということは、現在及び将来の市民に対する説明責任を放棄することになります。札幌市の市民に対する姿勢、情報公開への意識が問われております。いわゆる働きかけを隠そうとするのか、市民に情報を開示し、透明性を高めていくのか、この点が問われていると思います。  本市は、オリンピック・パラリンピック招致を目指しております。公正な行政運営を行うことは当然のことでありますが、あらぬ誤解や疑念を抱かれないよう、一層、行政運営の透明性を高めていくことが必要だと考えます。早急に制度の改善を進めていただくことを最後にお願いしまして、私の質問を終わります。 ○伴良隆 副委員長  以上で、第1項 総務管理費中総務局関係分等の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後4時       再 開 午後4時2分     ―――――――――――――― ○しのだ江里子 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を行います。 ◆好井七海 委員  私からは、災害対応力の強化、中でも、災害対応の中心となる市役所組織の課題改善への取り組みについて、少し掘り下げて質問させていただきます。  私は、さきの代表質問において、過去の災害事例から見出された新たな課題として、職員用の食料や簡易トイレの確保、職員の参集、発災時の職員への連絡、家族の安否確認といった課題を指摘し、これらに対応するための災害対応力の強化についても質問を行いました。その際、町田副市長からは、危機マネジメントシステムを運用させ、全ての局・区において、自立的に危機対応力の向上に取り組むとの答弁があったところであります。  私は、災害時の対応を的確かつ迅速に進めるためには、災害発生時においても、市役所の組織が市長を頂点とするマネジメント体制により十分に機能していなければならず、仮に札幌市が被災した場合においても、それが目に見える形で動くことが被災後の復旧、復興には必要不可欠なものと考えております。そのためには、平時より備えを怠らず、繰り返し訓練を行うなどにより、災害時でも体制はしっかりとれることを確認しておくことが、市民に大きな安全・安心を与えるものと確信しているところであります。  他都市で発生した災害では、例えば、本年7月に福岡県朝倉市などで大きな被害があった九州北部豪雨が記憶に新しいですが、この際は、急激な雨量の増加に気象台も対応できず、気象情報などの発表が実況雨量より遅いタイミングとなり、その結果、自治体の側も気象警報等に基づいた避難勧告などの発令が後手に回ったという事例もあります。このような事態になった場合には、まさに自治体の組織として、また、職員の個々のスキルとしての危機対応力が必要であることを改めて実感したところであり、札幌市としても危機対応力の維持・向上が必要であると考えているところであります。  そこで、質問ですが、危機マネジメントシステムの仕組みについて、札幌市職員の危機対応力の向上も含めて、いま一度、詳しくお伺いいたします。 ◎小田原 危機管理対策部長  危機マネジメントシステムの仕組みについてでございます。  札幌市では、自然災害などから市民の身体・生命・財産の安全確保を図るため、全庁的な危機対応力の向上及び計画的な体制の整備を掲げた危機管理基本指針を定めております。危機マネジメントシステムは、この指針の中で定められており、このシステムの運用により、市役所全組織の危機対応力の向上を目指すものでございます。具体的には、各年度で設定する課題項目を各局・区が自立的に取り組み、その後に評価を行い、改善を図っていくというPDCAのサイクルを継続することでレベルアップを図っていくものでございます。  本年度に設定いたしました課題は、各局・区が必須で実施する重点項目として1項目、各局・区が主体性を持って選択し、実施する年度目標として11項目を設定しているところでございます。さらに、各局・区が必要と判断した独自の取り組み項目も設定できることとしております。これらの取り組みの実施と訓練を通じて検証を繰り返していくことで、危機対応力の向上が図られていくものと考えております。 ◆好井七海 委員  まず、危機対応力という点においては、以前、気象台との連携強化も求めましたが、職員の気象に関する理解とスキルの向上を図っていただきたいと思います。そして、危機マネジメントシステムの仕組みについては、ただいまの説明で理解いたしました。  次に、各局・区単位で実際に行う取り組みについても確認させていただきたいと思います。  今の答弁では、各年度で設定する課題については、重点目標、年度目標、さらには各局・区が定める独自の項目があるとの説明がありました。さきの代表質問における町田副市長からの答弁でも、市内部における課題の例示がありましたが、課題は多岐にわたることから、私も、幅広い視点が非常に重要と考えているところであり、各局・区において積極的な取り組みを期待するところで、どのような目標設定がなされているのか、気になるところであります。  そこで、質問ですが、各局・区が本年度に行う取り組みとは具体的にどのような内容なのか、お伺いいたします。 ◎小田原 危機管理対策部長  各局・区の本年度の具体的な取り組み内容についてでございます。  重点目標は、平成27年度に策定いたしました札幌市業務継続計画に定めている行動手順書の整理としております。この手順書は、災害が発生した際に実施すべき優先度の高い業務に必要となる職員の数や体制などを定めたもので、その内容の点検や改善を図るものでございます。  また、年度目標につきましては、11項目から、職員の参集先の確認、参集時の留意事項の徹底、職員及び家族の安全確保に関する教育、啓発、風水害時における職員の配備体制、業務の整理など、過去の災害対応や訓練などによって見出された課題を中心に設定しており、各局・区はこの中から4項目以上を選択しております。  これらに加え、災害対応マニュアルの見直しや新たな訓練の実施など、過半数の17局・区で独自取り組み項目を設定しているところでございます。 ◆好井七海 委員  危機マネジメントシステムの具体的な取り組み内容について伺いました。今、例示のあった取り組み項目の中には、例えば、職員の参集先の確認、参集時の留意事項の徹底、職員及び家族の安全確保に関する教育、啓発の項目もありましたが、これらは、私がさきの代表質問で例示として挙げた事項に関するものであり、職員の士気を維持していく上でも大事な視点であると思います。私は、災害対応の最前線で働くこととなる市職員の役割が大変重要と考えており、具体的な危機マネジメントシステムの取り組み項目の中身についても、改めて確認させていただきたいと思います。  そこで、質問ですが、例えば、先ほど例示のあった本年度の取り組み項目として設定されている職員の参集先の確認、参集時の留意事項の徹底については、どのような取り組み内容を想定して設定したものであるのか、伺います。 ◎小田原 危機管理対策部長  取り組み項目の職員の参集先の確認、参集時の留意事項の徹底の取り組み内容についてでございます。  札幌市では、休日や夜間などの勤務時間外に震度6弱以上の地震が観測された場合、特別動員体制としまして、職員は自動的に指定された避難所か最寄りの区役所または所属職場に参集することとしておりますが、この体制は、人事異動や転居等により、毎年、指定の見直しをしていることから、災害時に遺漏がないように凡事徹底を図るものでございます。また、参集時の留意事項の徹底につきましては、タクシーチケットの使用方法や、食料や飲料水といった参集時の持ち物などの留意事項の周知を徹底させることとしたものであります。  こういった取り組みにより、各局・区において職員が迅速かつ確実に参集し、業務に専念できる体制を確立することを想定して設定したものであります。 ◆好井七海 委員  最後に、要望になりますが、今の答弁にありました職員の参集に関する事項は非常に大事な観点なので、各職場でしっかりと取り組みがなされるよう、私からもお願いさせていただきます。  また、災害対応力の強化については、繰り返し継続していくことに意味がありますので、これをしっかり運用していくことで、今後も積極的に課題解決を図っていただきたいと思います。災害発生時、または災害発生のおそれがある場合には、職員の初動態勢が極めて重要なことは言うまでもありませんので、それを円滑に機能させるためには、こうしたシステムの運用や訓練の実施等により、平時より職員の危機対応力の向上を図ることが最も重要であると考えます。これらの総合的な取り組みにより、市民の安全・安心につなげていただくよう不断の積み重ねをお願いし、私からの質問を終わります。 ◆伊藤理智子 委員  私からは、本市の地域防災計画原子力災害対策編にかかわる課題について質問させていただきます。  この間、全国では、地球温暖化などにより、経験したことがない新たな災害の脅威が広がっており、本市の地域防災計画原子力災害対策編で、泊原発の放射能漏れと自然災害を想定した最悪の事態が起こったときの対策を検討することが求められていると考えます。  ことしの7月、甚大な被害となった九州北部豪雨は、積乱雲が一直線に連なる線状降水帯によって発生したと言われています。線状降水帯とは、線状に伸びた地域に積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらすことで、規模は幅20から50キロメートル、長さは50から300キロメートルに及ぶ広い範囲で何時間も続くのが特徴です。集中豪雨の6割は、この現象が原因で起きていると言われておりますが、メカニズムはよくわかっておらず、予測は難しいと専門家は指摘しています。2015年の東日本豪雨や前年の広島土砂災害も、線状降水帯によるものでした。四つの条件で発生すると言われていますが、条件がそろっても発生するとは限らず、発生のメカニズムが解明されていないことから、いつ、どこでも起こり得る災害だと言われております。  そこで、泊原発で放射能が漏れたときに、泊から札幌方面に線状降水帯が発生した場合、泊付近で放射性物質を吸収した雲が西風により札幌に連続して強雨を降らせることになると、その大量の雨には放射性物質が含まれることになりますが、こうした複合的な最悪の災害が発生した場合、どのような対策を行うのか、伺いたいと思います。 ◎小田原 危機管理対策部長  泊発電所で事故が発生した際に、線状降水帯が発生し、それが札幌に影響があった場合の対応ということでございます。  国が定めております原子力災害対策指針では、原子力発電所から30キロメートル圏外においては、原子力災害の事前の対策を要する地域とされておりません。札幌市は、泊発電所から40キロメートル以上離れておりますため、そのような被害想定もないことから、対応については検討しておりません。  万が一、ご指摘のような事態になった場合には、原子力災害対策指針に基づき、専門的な知見を有する国や関係機関、事業者などが連携して対応することとなりますので、適時適切な対応が行えるよう国や北海道との連携を図ってまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  現在は、道内で短時間に強い雨が降る頻度が30年前の3倍以上にふえているという状況もありますし、2014年9月に、道内で初めて特別警報が出された道央圏の大雨でも線状降水帯が確認されていることから、今後、北海道や札幌においても線状降水帯による強雨が発生する可能性は考えられることです。そもそも泊原発を再稼働することはあり得ませんが、泊原発が放射能漏れを起こしたときに、線状降水帯による強雨となり、泊から札幌方面に放射性物質を吸収した雨が降った場合を想定した検討は行っていくべきだと考えます。  現在は、地球規模で異常気象による災害が広がっています。ことしの9月7日、アメリカのフロリダ州の電力会社は、超大型のハリケーン、イルマの接近を受けて、州内にある2基の原発を事前に停止しました。いずれも激しい暴風雨が予想される大西洋沿岸地域にある原発です。アメリカでは、時速75マイル、秒速約33.5メートル以上の風が予想される場合は原発を停止することにしているそうです。風によるダメージを懸念しているのではなく、一帯が停電し、冷却を予備のディーゼル発電機に依存する事態に追い込まれる可能性を避けるためで、今までも竜巻や強風、洪水などの自然災害で原発を停止しているのです。  本市においても、気候変動を示す最新データに基づいて実態を把握し、将来に予測される問題を抽出した原子力防災計画が重要であり、泊発電所に関してもこうした検討が必要だと思いますがいかがか、ご見解を伺います。 ◎小田原 危機管理対策部長  最新データに基づいた将来予想される問題を反映した原子力防災計画についての見解ということでございます。  原子力発電所におきましては、安全対策が何よりも重要と認識しております。このため、安全対策におきましては、ご指摘のような新たな気象データなども考慮していく必要があると考えております。国におきましても、こうした新しい知見も考慮しながら、原子力政策を進めていくものと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  日本海側に面している泊原発は、放射能漏れがあった場合、西に流れていく偏西風によって、放射能を含んだ風は札幌に向かってきます。そのため、日本海側の泊原発で福島原発と同規模の事故が起きた場合の被害範囲は、福島の場合よりも格段に広大なものになる可能性があると指摘されております。札幌へ向かう避難経路に西風が直撃してしまうことも予測されます。  こうした可能性について、本市はどのように分析されているのか、伺います。 ◎小田原 危機管理対策部長  冬季において発電施設で事故があった場合の影響についての考えということでございます。  泊発電所で事故が発生し、札幌市も影響がある場合には、先ほどもお答えいたしましたけれども、国や北海道から適切な指示が行われることとなっておりますので、冬季の場合にも同様と考えております。札幌市といたしましては、市民に適切な情報提供などの対応ができるよう、国や北海道と連携を図ってまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  結局、最悪の異常気象が想定される状況となっていても、国が基準を示さなければ、本市では何も手が打てないというのが実態だということです。熊本での地震で連続して震度7以上の揺れが起こったり、線状降水帯による強雨で全国に被害が拡大したり、今までに経験をしたことのない災害が起こっていることから、あらゆる場合を想定していかなければ市民の命と安全は守れません。災害が起こったときに想定外だったということは、今や許されないのです。  福島では、事故から6年以上が経過しているのに、いまだに約6万8,000人の方々が避難を余儀なくされています。なりわいを返せ、地域を返せ、こうした思いで福島原発訴訟が行われておりましたけれども、昨日、10日に福島地裁で国と東電に法的責任があったという判決が下されております。  地球温暖化による新たな自然災害の脅威について、最悪の事態を想定していくべきであること、また、このような想定をしなくても済むように、市民の命と安全を守るために泊原発の再稼働は行うべきではなく、原発ゼロの日本を目指すべきであるということを指摘して、私の質問を終わります。 ◆阿部ひであき 委員  私からは、災害時、特に風水害時における札幌市の警戒態勢について質問いたします。  札幌市では、大雨や洪水などの気象警報が発令された場合に、全庁的な警戒態勢をとると承知しております。これは、市民の安全・安心を守るために必要不可欠な態勢でありますけれども、昨今は大雨の頻度が高まってきており、その降り方も非常に変わってきています。そういうことが実感できることから、警戒態勢を迅速かつ的確にとることが非常に難しくなってきているのではないかと危惧しているところであります。  一例を申し上げますと、先月の23日、土曜日でしたが、大雨洪水警報が出されました。20時48分に大雨警報が、そして、21時52分には洪水警報が発表されて、その後、23時44分に大雨警報解除、日がかわり、1時38分に洪水警報が解除されたところであり、この間、わずか5時間ほどでありました。このとき、私も、気象レーダーの画像を見ておりましたけれども、線状降水帯のような雨雲の動きが見られ、局地的な集中豪雨が生じるのではないかと感じられたところでもあり、実際、市内におきましては、特に私の住む白石区、そして東区で道路冠水、あるいは住宅浸水があったところであります。  警報が発令されるとともに、各職員は、可能な限り速やかに職場に向かっているだろうというふうには思いますけれども、いかに可能な限りといっても、言われてすぐに来られるわけでもないですし、ドラえもんのどこでもドアがあるわけでもありませんから、タイムラグが生じてしまうであろうと思います。また、市民側の目線で普通に見ても、そういう市職員の動き方というのは全く見えない部分があります。先日の大雨のときは土曜日でもありましたから、そうしたところでは非常に見えにくい部分もあったのではないかと思います。  そこでまず、確認のためにお聞きしますけれども、風水害時における札幌市の警戒態勢について、また、先月23日の状況についてもあわせて伺いたいと思います。 ◎小田原 危機管理対策部長  風水害時における札幌市の警戒態勢及び先月、9月23日の状況についてでございます。  大雨や洪水の警報時には、危機管理対策室はもとより、建設局や下水道河川局、各区土木部などインフラ施設を所管する部局や、市民への広報、避難所開設を担当する部局などが中心となって警戒態勢をとることとしております。警戒態勢中は、災害情報、被災状況などについて、防災支援システムなどを活用し、情報共有を図っております。  先月23日におきましても、同様の態勢をとったところでありますが、土曜日の夜間であったことから、20時48分の大雨警報発表を機に、職員は自宅などから各職場に向かい、警戒態勢をとり、情報収集などに努めたところであります。 ◆阿部ひであき 委員  ただいまお答えいただきましたけれども、土曜日、日曜日あるいは夜間であっても、市職員は災害対応に駆けつけるということでありました。今後も、そうした対応をしっかりとしていただきたいなと思うところであります。  ただ、実感としては、9月23日の状況というのは、大雨警報が発令される前に、もう既に異常な雨が降っていたんですね。そうしたことから言うと、場所によっては、その警報が発令された段階でもう既に冠水している地区があったと理解しております。そうすると、大雨警報をもって動くのが適切なのか、それとも、状況を判断して市民からの情報を手に入れてから動くのが適切なのか、この辺が非常に難しいところになるのではないかというふうに思います。  答弁の中で、区土木部と、いわゆる土木センターについて述べられていましたが、その土木センターについて伺いたいと思います。  実は、23日に、市民から私のもとに助けを求める連絡がありました。もう夜も遅かったんですが、自宅に雨水が迫ってきて非常に危険を感じたので、土木センターに連絡した、しかし、誰も電話に出てくれない、このまま放っておいたら大変なことになってしまうけれども、どこに連絡したらいいかわからない、何とかしてほしいといった内容でした。私は、その方にかわって、ここでいいのかなと思いながらも消防、119番にかけさせていただきました。そのときに、火事ですか、けがですかと聞かれたものですから、災害ですかと聞かないのはどうなのか、火事かけがしか受け付けないのかなと単純にちらっと思いましたが、その状況を言って、結局、消防局が消防車を手配してくれました。後ほどそのお宅に確認しに行ったところ、土のうを積んでいってくれたということで、非常に感謝しておりました。  しかしながら、災害時、特に自分の家に危機が迫ってきたときに、消防局に電話をかけるということを知っている市民はどれぐらいいるのかなと、その方からそういう電話が入ってきたときに、自分はたまたまそういうふうに感じました。また、一般の市民であれば、どこにかけたらいいかわからないということがあるのではないかと思います。  確かに、24時間対応可能な消防局が災害対応を担うとすれば大変心強いとは思います。しかし、23日にも、白石区や東区を中心に80件ほどの119番通報があったということでありまして、消防局では、先ほど言ったようにけがか火事かということがありますが、救命救急といった本来の目的がありますから、そうしたことを考えるとこれ以上の連絡のふくそうは避ける必要があるのではないかと私は思っています。そうしたことを考えれば、災害対応の窓口としては、やはり、各区の土木センターが適していると私は思うのです。そして、札幌市のそういった警戒態勢については、例えば大雨や台風が予見される、あるいは予測される場合に、警報の発令を待たずにそうした態勢をとって区内の状況確認や不安にさいなまれる市民への対応を行うべきであると考えます。  そこで、区土木センターの役割について、危機管理対策室ではどのように考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。  また、市役所全体の警戒態勢の早期の立ち上げに向けてどのように取り組んでいくのか、あわせて伺いたいと思います。 ◎小田原 危機管理対策部長  区土木センターの役割と札幌市の警戒態勢の早期の立ち上げについて、2点でございます。  まず、土木センターの役割についてでございますが、道路維持を委託している事業者と協力しながら、例えば、風水害時に道路冠水があれば、雨水ますを確認し、実際に被害が生じた場合には交通規制や速やかな復旧など、被害拡大の防止を行っております。このため、先月23日におきましても、速やかに警戒態勢をとり、区内の道路や河川のパトロールなどによって被害状況を把握し、あわせて、市民からの通報に基づいて必要な措置をとったところであります。区土木センターは、災害等において重要な役割を果たしていると考えているところでございます。  次に、態勢の早期立ち上げに向けた取り組みについてでございます。  私どもも、できるだけ早く態勢を整えることが何よりも大切だと考えておりますことから、これまでも、注意報の段階から、札幌管区気象台から気象の概況を聞き取り、その後の見込みなど、態勢に影響する情報を全庁で共有するなど、早目に行動できるよう心がけてまいりました。  さらに、警報が発表されていないときでも、状況に応じて庁内の防災担当へ緊急連絡を一斉に行い、速やかに態勢を立ち上げるようにしております。加えまして、現在は、気象レーダー画像や、注意報や警報の見込み、さらには、土砂災害の危険度や河川の水位などを自宅でも確認できるようになっておりますことから、休日や夜間などの閉庁時におきましても、危機管理対策室の当番職員が中心となり、気象情報などについて注視しております。 ◆阿部ひであき 委員  ただいまの答弁では、土木センターが災害対応で重要な役割を果たしているということでありますので、そこの思いは私と一緒であると思います。  ただ、今後ますます不確実さを増す災害対応について、一刻も早い初動態勢の設置が必要であります。大雨注意報や大雨警報をただただ待っているだけでは、今回のような雨には対応し切れなかったというのは、やっぱり指摘しなければなりません。ですから、そういうふうに考えると、やはり、市民からの声というか、そうした情報を取り入れる体制もどこかに入れておかなければ、自分のところは雨が降っていなくても、そこだけ物すごく降っているということもあり得ますから、そういう態勢を迅速にとるためにはそうしたところの対応も考えていただき、市民の不安を取り除いていただく必要があるものと考えるところであります。  また、今回の雨であちこちで非常に言われたことは、単純な大雨による被害という部分だけではなかったのですね。大雨で雨水がたまって、何とか防げそうだったんだけれども、車が通ったことによって波が立ってしまい、それが非常に被害を広げたということをあちこちで言われました。そうなってくると、市だけではなくて、道警等々との情報交換や相互の連携もとっていかなければならないのではないのかなと思うのですね。  そのときの状況を見ると、物置自体が浮いてしまうとか、本当にそれぐらいの雨なのです。そういう雨だと、車が通るとどうしても波が立って、車庫とか物置が家にぶつかってくる。また、波が立つことによって、せっかく土のうを積んでも、そこからまた水が入り込んでしまうとか、そういうさまざまなことがあります。そうしたことでは、やはり、警察との連携も視野に入れるべきではないかと思うところであります。  自助、共助の取り組み、その精神の重要性は当然でありますけれども、実際の災害においてはやはり質の高い公助が求められるところであり、これが、平時においても市民の安心につながるものであると考えます。市民の自助の重要性もさることながら、市役所の公助についても、組織力の強化とともに、市民のニーズを的確に捉えた対応を今後も行っていただきたいと思います。あらゆる方向からそうした議論を深めて、こうした災害における情報収集、そして現場対応についてもしっかり前に進めていただきたい、このことを指摘申し上げて、私の質問を終わります。 ◆松原淳二 委員  私からは、携帯電話などを持たない市民への緊急情報等の伝達についてお伺いいたします。  先ほど来、るるお話がございましたが、異常気象などによる自然災害の状況について各委員が述べておられました。市民の多くの皆様からは、危機管理、災害対策といった声が高まっているものと思います。過去の災害においては、避難勧告や気象情報などが住民に対して十分伝わらなかったことや、大雨の際には屋外からの音声が聞こえにくかったことなどが課題として挙げられ、より確実で迅速な情報伝達の取り組みが求められております。先日、北海道上空をミサイルが通過した際には、携帯電話を持たない高齢者のためにサイレンや放送で伝えてほしい、また、スピーカーのついた防災行政無線による周知はしないのかなど、情報伝達に関して改めて不安の声が寄せられており、対応が急がれております。これまでの災害においては、冠水であったり、崖崩れ、降雨状況などにより、限定された地域やエリアに特化した課題も寄せられたと思いますが、今回の件に関して、どの市民、どの国民からもそういった不安の声が寄せられていた状況にあります。  そういった話の中からも、同報系防災行政無線については、主に東海地震や津波などの情報をいち早く伝えることを目的に整備されたことから、札幌市を初め、日本海側や内陸部の都市では導入が進んでいなかった現状にございます。さらに、住宅の高気密性や気象状況によっては音声が伝わりにくいことや、市域が広いため、導入と保守に多額の経費を要することに鑑みれば、札幌市に同報系防災行政無線を導入することは現実的ではないと私は判断するところです。  一方で、国においては、災害情報の伝達手段として、スピーカーのついた同報系防災行政無線や緊急速報メール、コミュニティFMを活用した伝達など、各地域の実情に合った多様な手段を選択、組み合わせることが望ましいとの見解が示されております。  現在、札幌市では、携帯電話やスマートフォンの緊急速報メールに頼っている状況でありますが、携帯電話、スマートフォンの普及率を踏まえると、緊急速報メールは広範囲の市民に伝えることができ、大きな情報伝達手段の柱として捉えることができると考えます。しかし、先ほどの国の方針を考慮すると、複数の伝達手段を用意することも必要かと思います。  そこで、質問ですが、携帯電話、スマートフォンなどを持たない市民への緊急情報などの伝達について、現在、どのような検討を行っているのか、伺います。 ◎小田原 危機管理対策部長  携帯電話を持たない市民への情報伝達に関する検討の状況についてでございます。  現在、防災ラジオと固定電話などへの連絡の主に二つについて検討しております。  防災ラジオにつきましては、電源が入っていない状態でも自動的に起動して情報を受信するもので、280メガヘルツの電波、かつてのポケベル波になりますが、この電波を活用したタイプと、地上アナログ放送終了後に使わなくなった周波数帯を利用したVアラートという放送システムを活用したタイプの二つについて検討しているところでございます。Vアラートは、現在、北海道内での開業準備中であり、具体的な運用時期などの詳細につきましては、まだ判明していないため、既に運用が行われているポケベル波を活用したタイプについての検討を先行しているところでございます。  また、固定電話等への連絡につきましては、コールセンター事業者や電話による情報通知サービスを行っている事業者に対しまして、緊急時の対応が可能かどうかについて確認、調査を行っているところでございます。 ◆松原淳二 委員  携帯電話を持たない市民への情報伝達手段に関するさまざまな可能性について探っているということでございますが、これも、決定には一定程度の時間がかかるのではないかと推察するところであります。先日、市長も、記者会見において、防災ラジオを導入する検討の前段階で、固定電話に連絡するなど、先ほど後段でございましたようなアナログ的な対応ができるかどうかについても時間をかけずに結論を出したいと言及しておりました。できることを早急に検討する必要性については、私も同調するところでございます。  そこで、質問ですが、防災ラジオの導入については一定の時間がかかると思いますが、その前の段階として、より早く実現の可能性があると思われる固定電話への連絡といったアナログ的な対応について、具体的にどのような検討が行われているのか、伺います。 ◎小田原 危機管理対策部長  固定電話への連絡という、いわゆるアナログ的な対応の検討状況についてでございます。  先ほど申し上げましたコールセンター事業者や電話で情報通知サービスを行っている事業者から聞き取りを行っておりますが、いずれの事業者におきましても、所有する回線に限りがあること、また、最終的にはNTTの配線を利用することになることから、一度に大量の情報発信を行うには相当な時間がかかるということでございました。例えば、ある事業者からお聞きしたところでは、5,000件に発信するには約1時間かかるということでございました。このため、この方法を緊急情報伝達手段として活用するには、対象とする方を限定するなどの対応が必要と考えておりますので、引き続き、調査検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆松原淳二 委員  固定電話への連絡といったものは、アナログ的で瞬時にできそうな気がしますけれども、私のもとの職場でございますので、難しいことは十分理解しているつもりです。また、機械的に一斉にかけることが主の目的となりますが、196万人の市民の中で携帯やスマートフォンが普及しているとはいえ、やはり一定程度の人数がいらっしゃると思いますので、当然、回線的にもパンクするであろうことも考えられますし、かなり多くの人海戦術も想定されるなど、アナログ的なものにも幾つかの課題があるのだろうと思います。  そうなると、やはり、防災ラジオの導入について検討を早める必要があるのではないかなと感じるところでございます。ただ、防災ラジオについては、私も少し調べさせていただきましたが、緊急情報を受信した際に自動的に電源が入るメリットがある反面、既に販売されているものは1台当たりの価格が1万円台から5万円台程度ですから、導入経費がかなり高額になることも想定されます。さらに、それなりに大きなもので持ち運びにも不向きなものであると聞いておりますので、当然、外出先での利用も難しいという点が課題になろうかと思います。  そこで、質問ですが、防災ラジオの検討に当たって、価格や機能、大きさなどの観点も考慮する必要があると考えますけれども、この点についてどのようなお考えなのか、お伺いいたします。 ◎小田原 危機管理対策部長  防災ラジオの検討についての考えであります。  現在検討しておりますポケベル波を活用した防災ラジオは、既に自治体でも導入実績がありますが、委員のお話にもありましたように、受信機の価格が1万円以上するほか、情報を発信するためには、市内に基地局の整備をするなどの初期投資も必要となってまいります。しかしながら、ポケベル波は、気密性の高い建物内でも電波が伝わりやすい特性があると言われており、緊急情報の伝達には有効であると考えております。また、携帯電話を持たない方へ情報提供をするには、ご指摘がありましたように、外出時に持ち運べる小型で安価な受信機も必要と考えております。そのため、かつてのポケベルのような受信機の開発が可能かどうかについて事業者に確認をしたところ、技術的には可能だというふうにお聞きしておりますので、今後さらに事業者と協議、調整を進めてまいりたいと考えております。
    ◆松原淳二 委員  今、検討している状況についてはわかりました。  今、さまざまな技術が開発されておりますので、特に電源が自動的に入るという仕組みですが、省電力化であったり、ボタン電池などの小さなものでもいい状況になっていることを踏まえると、電源をオフからオンに切りかえなくても、常時電源が入っているもので情報が伝わる方法もあろうかと思います。こういった今の仕組みをうまく活用すると、より安価で持ち運びに便利なものもできてくると思っています。また、機能や情報を絞ることによっても、さまざまな開発ができると思っています。今の防災ラジオですと、ラジオの情報も入ってくるという利点はありますが、その機能を少しそぐことでより安価なものになるかと思います。  しかしながら、地震など自然災害は、いつ、何どき、発生してもおかしくない状況にあります。再び市民の不安の声が高まる前に、何らかの措置が必要だと思います。市民の安全・安心な暮らしを守るために、そして、今、携帯電話を持たずに不安な思いをしている市民の方々に対して、緊急情報などの伝達手段を用意することは不可欠だと考えます。せっかく導入するからには、情報伝達手段として十分役に立ち、また、有効性や費用対効果といったことも慎重に判断しつつ、できるだけ早急に検討を進めていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆村山拓司 委員  私から、北海道・札幌市合同防災訓練について質問させていただきます。  九州地方に甚大な被害をもたらした昨年の熊本地震では、県と市町村の情報共有がうまく図れず、支援物資の輸送に混乱が生じ、また、避難所開設から一定期間経過後は地域住民が避難所の運営を担うべきところですが、地域住民による自主運営へスムーズな移行ができなかったなど、さまざまな課題が浮き彫りとなりました。  このことから、平成29年第1回定例市議会の代表質問において、熊本地震を教訓とした災害対応について私から質問したところ、災害時の物流における運送業者など民間企業と防災関係機関との役割分担の確認や、住民参加の避難所運営訓練の実施による自主運営の検証などを目的として、北海道と札幌市における合同防災訓練の実施を検討しているとの答弁を受けたところであります。  この訓練は、前期と後期に分かれており、前期は、8月から9月にかけて、住民参加による避難所運営訓練を中心として実施し、後期は、10月下旬に、物資輸送及び救出、救護など防災関係機関による連携訓練を実施する予定と伺っております。このように、北海道と札幌市が相互に連携し、地域住民も交えた訓練を実施することは、災害対応力の向上という点でも大変意義のあることであり、さまざまな災害に的確に対応し、被害を最小限にとどめるためには、こうした訓練を通じて北海道と札幌市、そして地域が一層の連携を深めていく必要があると考えます。  現在のところ、合同防災訓練は、前期の訓練が終了した段階であり、後期の訓練がこれから控えているため、全体の総括は全て終了した後に行うと思いますが、まず、住民参加の訓練が前期で終了したことを踏まえて、北海道と合同で実施した住民参加の訓練の具体的な内容及びその成果について伺います。 ◎小田原 危機管理対策部長  北海道との合同で行った住民参加訓練の内容とその成果についてでございます。  訓練は、市内の小学校4校を会場に実施いたしました。まず、西区の発寒東小学校では、札幌市総合防災訓練の一環として、地域住民のほか、北海道職員、札幌市と災害時の協定を締結している企業の従業員が参加し、避難所の運営や支援物資の受け入れ訓練などを実施いたしました。次に、東区の栄緑小学校では、毎年、地域住民が主体で防災訓練を行っておりますが、ことしは、例年の10倍ほどの地域住民が参加したことに加えまして、自衛隊も参加し、協力し合って炊き出し訓練などを行いました。また、白石区の北郷小学校と中央区の緑丘小学校では、宿泊を伴う訓練を実施いたしました。北郷小学校では、一日防災学校として、終日、防災教育を実施し、これまでに例のない取り組みだったため、他の学校の教員が視察に訪れたりしておりました。さらに、児童の防災授業が終了した後には、利尻町や標津町など道内の他市町村から参加した40名以上の職員が宿泊訓練を行いました。緑丘小学校では、発災直後の避難所を想定し、札幌市職員、北海道職員、他市町村の職員と地域住民が協力して避難所の開設、運営を行うとともに、約70名の地域住民が宿泊訓練を実施いたしました。  今回の訓練の成果についてでございますが、参加した住民のアンケートの結果を見ますと、訓練が防災意識の向上に役立ったとの意見や、実際の避難所生活を体験することにより心構えができたという意見を多くいただきました。また、他市町村の職員からは、今回のような実践的な訓練は、地元の市町村ではこれまで経験したことがなく、非常に役に立ったという意見を多数いただきました。災害時の避難所運営に直結する実践的な訓練を実施したことで、自治体職員と地域住民の双方で防災対応力及び防災意識の向上につながったことが今回の訓練の成果と考えております。 ◆村山拓司 委員  ただいまの答弁にもありましたが、私の地元であります西区の消防学校及び発寒東小学校で先月の1日に行われた札幌市総合防災訓練に私も出席させていただき、発寒東小学校の避難所運営訓練では、参加した児童や地域住民が実際に避難所の開設、運営を体験したところであります。  これまでの防災訓練は、地域住民の参加は救出、救護や応急手当ての体験が中心となっており、これはこれで非常に貴重なものではありますが、住民同士が協力して避難所運営を行ったり、学校の体育館で備蓄品の寝袋で寝たり、非常食だけで一日を過ごしてみるなど、そうした苛酷な避難所生活を多くの方に体験してもらうことが、防災意識のさらなる向上につながるものと考えます。このような実践的な訓練は、地域によって独自に取り組んでいるところもありますが、札幌市が主体となって実施することは余り例がなく、今回は、北海道との合同防災訓練であったことから、こうした一歩踏み込んだ内容の訓練が実施されたものと認識しております。  参加した地域住民からは、見るだけでなく、体験することにより得られるものがたくさんあったとの声や、実際に体験することで災害を自分のことと考えることで意識が高まったなどの声を発寒東小学校でも聞いております。こうした訓練は、参加した地域住民にとって貴重な機会である一方で、避難所の運営というものに地域住民がふだんから触れる機会が少ないことのあらわれでもあると感じました。大規模災害の発生から一定の期間が経過した後は地域住民が避難所運営を担うことを踏まえると、このたびの訓練のように、実際の避難所運営を想定して、そこに携われるような機会をこれまで以上にふやしていく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、避難所運営訓練といった地域住民が参加できる実践的な訓練をこれまで以上に実施することについて、どのようにお考えか、伺います。 ◎小田原 危機管理対策部長  住民が参加する訓練の実施についてでございます。  委員のご指摘のとおり、札幌市が行ってきた防災訓練は、関係機関や団体との連携訓練が中心でありました。そのため、地域住民が実践的な体験をできる訓練は余り行っていなかった状況にあります。しかしながら、地域住民が実践的な訓練に参加し、体験することが防災意識の向上や災害対応力の強化には効果的であるということは、今回の訓練でも明らかとなったところでございます。そのため、今後行う訓練では、住民参加による実践的な訓練の機会をふやすことを検討してまいります。 ◆村山拓司 委員  大規模な災害が発生した際に、避難所は地域住民の安全と生活環境の確保を図るために非常に重要なものであり、その運営は地域住民の力なくして成り立たないと思います。一人でも多くの地域住民が訓練などに参加し、災害時に必要な行動を体験しておくことが、いざというときの円滑な避難所運営につながります。今後、体験するための機会を少しでも多く提供するためにも、しっかりと検討を行っていただくとともに、災害に強いまちづくりに向けた取り組みを積極的に推進していただくことを要望して、質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からは、指定緊急避難場所の認知度について伺います。  昨年7月に発生した熊本地震や、また、北海道においても昨年8月に大雨がありました。台風被害により、多くの方が避難生活を送ったことは記憶に新しいところであります。札幌においても、いつ、こういった災害が起きるかわからないわけで、避難場所は地域住民にとって非常に大切なものであるというふうに改めて認識したところです。  2011年の東日本大震災において、津波から避難した住民が、その避難した先の学校やビルで被害に遭ったという大変痛ましいことがありました。これを教訓として、災害の種類ごとに避難場所を指定するよう災害対策基本法が改正され、札幌市においても、2014年7月に指定緊急避難場所の指定を行っております。すなわち、災害においては、洪水、地震、土砂災害などさまざまあり、災害時にはそれぞれの災害に適した避難行動をとることが必要であり、避難場所も種別ごとに決められております。  この指定緊急避難場所がどれくらい市民に認知されているのかということについて、毎年、札幌市で実施している5,000人規模の無作為抽出の市民意識調査の中でアンケートを行っております。この結果は新聞報道でもございましたが、自分が住んでいる地域の指定緊急避難場所を知っている人の割合が59.3%である一方、指定緊急避難場所が災害の種類ごとに指定されていることを知っている人の割合は40.8%でした。昨年度の調査では、災害の種類ごとに指定されていることを知っている人の割合が30.8%でしたので、今年度は10ポイントふえていることにはなります。  そこで、質問ですが、この調査結果で認知度の割合が昨年より10ポイントふえた要因をどのように考えておられるのか、また、この40.8%という数字をどのように受けとめているのか、伺います。 ◎小田原 危機管理対策部長  指定緊急避難場所の認知度に関しまして、2点のご質問でございました。  まず、1点目の市民意識調査での認知度が昨年より10ポイントふえた要因についてでございます。  従来、避難場所という名称のみの表示だった標識を、昨年度に、その避難場所がどの災害に対応しているかを示した標識に更新いたしました。新しい標識では、災害の種類を全国的に統一されたピクトグラム、図記号ですが、このピクトグラムで示し、その避難場所が洪水、地震、土砂災害といった災害に対応しているかどうかをマル・バツで表記しております。標識の更新やその際に行った広報などにより、昨年度よりも認知度が高まったものと考えております。  2点目の40.8%という数字をどのように受けとめているかということでございますが、昨年よりも10ポイント上昇はしておりますけれども、まだ半数にも満たない数字でございますから、残念ながら認知度はまだ低いというふうに認識しておりますので、今後もより一層周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  今、ご答弁をいただいたようなさまざまな取り組みによって、災害の種類ごとの指定緊急避難場所が指定されていることを知っている人が年々ふえてきていることは理解いたしましたけれども、その認知の割合がまだ4割にとどまっていることから、今後とも、市民への周知について力を入れて取り組んでいただきたいと思います。  本市では、防災意識、災害への備えについてというアンケートが毎年行われておりますが、災害への備えとして特に何もしていないと答える方は毎年30%ほどおられまして、このことからも、なかなか呼びかけが徹底していないということがうかがわれます。指定緊急避難場所の市民周知においても、時間がかかるというのはそのとおりかもしれませんが、命の確保につながることですから、継続的に周知を進めていくことが大事だと考えます。また、災害はいつ起きるかわからないということがありますから、市民の皆さんにできるだけ早く知っていただくことも大変重要だと考えます。  そこで、質問ですが、指定緊急避難場所の指定から3年が経過しておりますけれども、避難場所の認知度を高めるために、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、また、新たな取り組みなどについて検討しているのか、伺います。 ◎小田原 危機管理対策部長  指定緊急避難場所の認知度を高めるためのこれまでの取り組みと今後の新たな取り組みの検討についてでございます。  まず、これまでの取り組みについてでございますが、平成27年4月に、広報さっぽろに全ての指定緊急避難場所の区分を載せた小冊子をとじ込み、全世帯に配付したほか、ホームページにも掲載しております。また、先ほど申し上げました避難場所標識の更新を昨年度に行っております。このほか、各種防災訓練や研修、出前講座など、地域に出向いた際にも周知に努めてまいりました。  次に、新たな取り組みの検討についてでございますが、先ごろ公開いたしました札幌市防災アプリ、愛称はそなえでございますけれども、こちらには災害の種類ごとに避難場所が表示される機能もあり、こういった新しいツールを活用していくことも有効と考えておりますので、さまざまな手段を活用して積極的に周知を行っていきたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  最後に、要望を申し上げたいと思います。  私も、新しい札幌市の防災アプリをインストールさせていただきました。こうした新しい取り組みをぜひ多くの市民の方々に知っていただくよう、積極的な取り組みを期待したいと思います。  先ほど申し上げましたアンケート結果で、災害への備えを何もしていないと答えた方々の中では、特に20代の方が半数を占めておりますので、若年層への取り組みにもぜひ力を入れていただきたいと思います。私も、地域の中で防災に関して知りたいというお声を時々伺うことがあり、昨年度、地域の中で危機管理対策室の出前講座をお願いいたしました。やはり、防災の専門家から直接お話を伺うことは大変リアリティーがありますし、会場が小学校でしたので、貯水槽の緊急遮断弁であるとか備蓄物資の保管状況なども身近で確認させていただき、参加者の皆さんからは大変勉強になったという感想もいただきました。  今後も、札幌市の防災情報が市民の皆さんに十分に周知されるよう、出前講座を初め、さまざまな取り組みを積極的に行うことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○しのだ江里子 委員長  以上で、第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月13日金曜日午前10時から、教育委員会関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後5時3分...