平成27年 6月定例月議会 平成27年根室市議会6月定
例月議会会議録 第 1 号 平成27年6月23日(火曜日)午前10時0分開会〇議事日程 日程第1 一般質問〇出席議員(17名) 12番 議 長 田 塚 不二男 君 4番 副 議 長 小 沼 ゆ み 君 1番 議 員 鈴 木 一 彦 君 2番 〃 橋 本 竜 一 君 3番 〃 神 忠 志 君 5番 〃 工 藤 勝 代 君 6番 〃 波 多 雄 志 君 7番 〃 千 葉 智 人 君 8番 〃 足 立 計 昌 君 10番 〃 本 田 俊 治 君 11番 〃 五十嵐 寛 君 13番 〃 佐 藤 敏 三 君 14番 〃 永 洞 均 君 15番 〃 滑 川 義 幸 君 16番 〃 久保田 陽 君 17番 〃 遠 藤 輝 宣 君 18番 〃 壷 田 重 夫 君〇欠席議員(1名) 9番 〃 北 川 實 君〇出席を求めた者 市 長 長谷川 俊 輔 君 教 育 委 員 会委員長 松 下 洋一郎 君 代 表 監 査 委 員 中 本 明 君 農 業 委 員 会 会 長 佐 藤 幸 男 君
選挙管理委員会委員長 水 見 信 一 君〇委任を受けた説明員 副 市 長 石 垣 雅 敏 君 病 院 事 業 管 理 者 東 浦 勝 浩 君 総 合 政 策 部 長 藤 田 隆 人 君 総 務 部 長 佐 田 正 蔵 君 市 民 福 祉 部 長 高 橋 雅 典 君 水 産 経 済 部 長 野 田 敏 君 建 設 水 道 部 長 星 山 祐 二 君 会 計 管 理 者 布 川 克 巳 君 病 院 事 務 長 竹 本 勝 哉 君 消 防 長 宗 像 淳 君 総 合 政 策 室 長 金 田 真 司 君
少子化対策推進室長 中 谷 泰 輝 君 総 務 課 長 石 橋 直 巳 君
北方領土対策課長(兼)北方四島交流センター副館長 織 田 敏 史 君 情 報 管 理 課 長 三 浦 良 和 君 財 政 課 長 大 島 裕 司 君 税 務 課 長 五十嵐 仁 君 市 民 環 境 課 長 西 田 悟 君
こども子育て課長(兼)児童相談室長 森 谷 広 幸 君 社会福祉課長(兼)法人監査室長 島 田 輝 雅 君 介 護 福 祉 課 長 藤 澤 進 司 君 保 健 課 長 鈴 木 俊 浩 君
水産港湾課長(兼)
水産加工振興センター所長 園 田 達 弥 君 水 産 研 究 所 次 長 相 川 公 洋 君 農林課長(兼)
春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター館長 泉 博 文 君 商 工 観 光 課 長 飯 島 拓 也 君 都 市 整 備 課 長 万 丈 勝 則 君 都 市 整 備 主 幹 加 島 亮 君 建 築 住 宅 課 長 平 川 浩 嗣 君 上 下 水 道 課 長 中 村 健 悦 君 上 下 水 道 施設課長 飯 澤 祐 二 君 浄 水 場 長 薦 田 秀 範 君 会 計 課 長
会計管理者事務取扱 病院事務局次長(兼)管理課長 斉 藤 貴 志 君
病院事務局医師招へい主幹 加美山 勝 政 君 病 院
事務局医事課長 鈴 木 康 哲 君
病院事務局地域医療連携室長 川 端 徹 君 消防本部次長(兼)消防署長 鈴 木 敏 一 君 消 防 本 部 総務課長 新 山 伊都夫 君 消 防 本 部 警防課長 小 松 幸 浩 君 消 防 署 副 署 長 二 平 淳 一 君 消 防 署 消 防 課 長 新 濱 睦 弘 君 消 防
署救急通信課長 大 友 光 浩 君 総 務 課 総 務 主 査 伊 東 英 輔 君 教 育 長 寺 脇 文 康 君 教 育 部 長 今 井 泰 和 君 教 育 総 務 課 長 齋 藤 博 士 君
社会教育課長(兼)
別当賀夢原館館長(兼)歴史と自然の資料館館長(兼)
総合文化会館館長(兼)公民館館長 谷 口 博 之 君 社 会 体 育 課 長 浦 崎 文 敏 君 図 書 館 館 長 松 永 伊知子 君 監 査 委 員 事務局長 杉 本 茂 雄 君 農 業
委員会事務局長 泉 博 文 君
選挙管理委員会事務局長 三 浦 良 和 君〇
出席事務局職員 議 会 事 務 局 長 垣 通 鎮 夫 君 議 会 事 務 局 次 長 池 端 昭 一 君
議会事務局議会総務主査 小 野 み さ 君 議 会
事務局議会担当 宮 崎 留理子 君 議 会
事務局議会担当 田 邊 剛 士 君────────────────────────
○議長(田塚不二男君) おはようございます。 ただいまから平成27年根室市議会6月定例月議会を開きます。 今定例月議会の議会期間は、本日から6月26日までの4日間といたします。 これより本日の会議を開きます。 はじめに、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員に、7番千葉智人君、13番佐藤敏三君を指名いたします。 ここで、事務局長から諸般の報告をさせます。
◎
議会事務局長(垣通鎮夫君) おはようございます。 御報告申し上げます。 はじめに、会議の出席状況でありますが、ただいまの出席は17名であります。欠席は1名であります。 欠席のうちで欠席する旨届け出のありました議員は北川議員です。 本日の議事日程並びに諸般の報告は、お手元に御配付のとおりでありますので、朗読を省略いたします。 以上で報告を終わります。
○議長(田塚不二男君) 議事に入る前に、
議会運営委員長から発言の申し出がありますので、これを許可いたします。
議会運営委員長佐藤敏三君。 佐藤君。
◆(佐藤敏三君) おはようございます。 議長のお許しをいただきましたので、私から本定例月議会の議会運営にかかわる
申し合わせ事項について簡潔に御報告申し上げます。 はじめに、本定例月議会に伴う一般質問は8名であります。 また、本定例月議会に付託された議件は、市長提出の15件であり、議件を審議する日程については、お手元に御配付の会議日程に従って取り進めるものとし、議会期間は本日6月23日から6月26日までの4日間とすべきことに意見の一致を見たところであります。 次に、議案の審議方法について申し上げます。 補正予算については、先例に従い、9名の委員で構成する
予算審査特別委員会を設置し、付託の上、審査するものとし、また条例及び単行事件については、それぞれの所管する常任委員会に審査を付託することに決定したところであります。 また、意見書案については、先例に従い、最終日の本会議での審議とすることで意見の一致を見たところであります。 なお、本定例月議会の最終日6月26日の本会議は、議事の都合により午後5時に繰り下げて開くことで申し合わせたところであります。 以上をもちまして私の報告といたします。
○議長(田塚不二男君) 次に、市長から行政報告について発言の申し出がありますので、これを許可いたします。 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) おはようございます。 議長のお許しをいただきましたので、去る6月10日と11日、ロシア200海里水域におけるサケ・
マス流し網漁業の長期的・安定的な継続と、日ロサケ・マス基本交渉における強力な漁業外交の展開について要請を行ってまいりましたので、その概要について報告いたします。 昨年12月に
ロシア連邦議会に提出されたロシア水域における
流し網漁禁止法案は、本年4月24日に国家院、下院の第1読会において可決され、6月9日より第2読会、第3読会の審議が行われるとの情報がもたらされたところであります。 この法案が成立した場合には、ロシア200海里水域での日本船による流し網漁業が継続できなくなることが危惧されるほか、水産加工、運輸、製函、石油、船舶資材など水産関連産業にも甚大な影響が及び、水産業を基幹産業とする当市にとりましてまさに存亡も危ぶまれる重大な問題となるものであります。 一方、本年のロシア200海里
水域分日ロサケ・
マス漁業交渉は、開始が大幅におくれ、5月14日から開始されたにもかかわらず、ロシア側から厳しい操業条件が示されたことにより交渉が難航し、これ以上の長期化は避けなければならない状況となっていたところであります。 サケ・
マス流し網漁業は、当市における春から初夏にかけての主要漁業として地域経済の中核を担う大変重要な漁業であり、本漁業交渉の結果が当市に与える影響は非常に大きなものがあります。 こうしたことから、
安倍総理大臣の外交日程等も勘案し、帰国後速やかに
総理官邸を軸とした要請活動を展開すべく、道知事、道議会、釧路市、厚岸町、浜中町など関係自治体、市・町議会、漁協、水産協会、商工会議所、商工会、漁業団体ほかに呼びかけ、サケ・
マス流し網漁業の長期的・安定的な継続を求める要望団を結成するとともに、平成15年に組織したロシア200海里内サケ・
マス流し網漁業根室市対策本部の連名によりまして総勢39名の大要望団で、
総理官邸、農林水産省、外務省、
道内選出国会議員、衆参各議院の
農林水産委員長及び理事ほかに向け、サケ・
マス流し網漁業に関する要請を行ったものであります。
総理官邸につきましては、
地元選出国会議員を通じて上京間際まで調整を続けましたが、国会開会中の重要法案審議への対応等のため、
安倍総理大臣へ直接要請することはかなわなかったものであります。 一方、農林水産省においては
林農林水産大臣と
佐藤農林水産大臣政務官に対し、外務省においては城内外務副大臣に対し直接要請する機会を得まして、地域の窮状を強く訴えたところであり、それぞれより重大な問題と捉えており、これまでも国としてさまざまな働きかけを行ってきたが、引き続き粘り強く取り組んでいく旨の回答をいただいたところであります。 このほか、
安倍内閣総理大臣、岸田外務大臣の各秘書官、更には
森元内閣総理大臣の秘書へ事務局より要請書を手交したものであります。 こうした要請を行っていた最中の6月10日、ロシア水域における
流し網漁業禁止法案が
ロシア連邦議会の下院を通過したとの情報がもたらされたところであります。 更に、6月17日には4週間に及んだ本年のロシア200海里
水域分日ロサケ・
マス漁業交渉がようやく妥結したとの情報がもたらされたものの、その妥結内容は
漁獲割り当て量が前年に対し7割減、更には中型船が出漁を断念せざるを得ない事態に至ってもあり、このことは大変遺憾であるとともに、強い憤りを感じるところであります。 現在
ロシア連邦議会における
流し網漁業禁止法案は、あした6月24日にも上院での採決が行われるとの一部報道があり、可決された場合には残すところ
プーチン大統領の署名に委ねられるという最終局面に来ております。 予断を許さない状況の中、道との連携により、6月15日
総理官邸での
北方領土返還促進に関する政府要請の場において高橋知事より
安倍内閣総理大臣に直接地域の窮状を訴えていただくとともに、北海道の総意としてこの問題に取り組んでいただきたいとの発言をされたところ、
安倍総理大臣からは、ロシアにしっかり訴えたいとの返答をいただいたところであります。 市といたしましては、今後とも外務省、水産庁、道、更には関係団体との連絡を密にし、細やかな情報収集に努めながらその動向を注視するとともに、状況に応じてサケ・
マス流し網漁業根室市対策本部の本部員会議に諮り、的確な対応に努めてまいります。
○議長(田塚不二男君) 次に、副市長から発言の申し出がありますので、これを許可いたします。 石垣副市長。
◎副市長(石垣雅敏君) おはようございます。 議長のお許しをいただきましたので、お手元の資料により平成26年度各会計の決算概要について報告いたします。 なお、最終予算額及び執行率を省略し、決算額のみ申し上げます。 はじめに、一般会計でありますが、歳入決算額が178億6,052万2,000円、歳出決算額は177億4,541万2,000円で、
歳入歳出差し引き1億1,511万円を平成27年度に繰り越したものでありますが、このうち8,288万8,000円は繰越明許費への充当財源であり、これを差し引いた3,222万2,000円が決算剰余金となるものであります。また、市民税、固定資産税などの市税収納額は29億6,086万8,000円であります。なお、決算規模につきましては、前年度対比15億6,755万7,000円、9.7%の増となっております。 次に、特別会計の
交通共済会計でありますが、歳入が787万円、歳出は528万2,000円で、差し引き258万8,000円については条例に基づき共済基金に積み立てしたものであります。
国民健康保険会計は、歳入が41億3,546万2,000円、歳出は41億3,314万円で、差し引き232万2,000円を繰り越したものであります。 汚水処理会計は、歳入が2,795万3,000円、歳出は2,746万4,000円で、差し引き48万9,000円を繰り越したものであります。 農業用水会計は、歳入が5,444万3,000円、歳出は5,348万5,000円で、差し引き95万8,000円を繰り越したものであります。
介護保険会計は、歳入が17億5,178万8,000円、歳出は17億4,450万6,000円で、差し引き728万2,000円を繰り越したものであります。
後期高齢者医療会計は、歳入が3億7,125万8,000円、歳出は3億6,937万3,000円で、差し引き188万5,000円を繰り越したものであります。 次に、企業会計の港湾会計でありますが、収益的収入は2億4,001万8,000円、支出は4億191万6,000円で、
差し引き不足額は1億6,189万8,000円であり、資本的収支の資金不足額は6,916万円であります。 次に、水道会計の収益的収入は8億3,741万2,000円、支出は9億6,111万2,000円で、
差し引き不足額は1億2,370万円であり、資本的収支の資金不足額は3億8,278万6,000円であります。 次に、下水道会計の収益的収入は8億997万3,000円、支出は8億2,269万6,000円で、
差し引き不足額は1,272万3,000円であり、資本的収支の資金不足額は2億5,302万2,000円であります。 最後に、病院会計でありますが、収益的収入は46億8,063万2,000円、支出は60億8,725万5,000円で、
差し引き不足額は14億662万3,000円であり、資本的収支の資金不足額は4億4,583万6,000円であります。 なお、企業会計における資本的収支の資金不足額はいずれも
損益勘定留保資金等で補填をしたものであります。 また、全ての企業会計において収益的収支に不足を生じておりますが、その主な要因としては、平成26年度予算により
退職給付金引当金の計上を義務化など、昭和41年以来の
地方公営企業会計制度の大幅な改正によるものであります。 以上で平成26年度各
会計決算概要の報告を終わります。
○議長(田塚不二男君) ただいまから議事に入ります。 日程第1、一般質問を行います。 市政全般について質問の通告がありますので、順次質問を許します。 はじめに、1番鈴木一彦君。 鈴木君。
◆(鈴木一彦君) おはようございます。 それでは、通告に基づきまして一般質問を行います。 はじめに、いわゆる
マイナンバー制度について市長に質問いたします。 社会保障や税の個人情報を国が一元的に管理する
マイナンバー制度の本格運用が目前に迫っています。そうした中、
日本年金機構は1日、年金の個人情報を管理しているシステムが
ウイルスメールによる不正アクセスを受け、加入者の指名や年金番号など約125万件に上る個人情報が流出したと発表しました。きのう22日には、流出した個人情報は47都道府県の101万4,653人分に上ると発表したところであります。 公的年金の個人情報の大量流出は、公的機関の
個人情報管理の脆弱性と絶対安全などないことを示しており、10月に番号通知を開始する
マイナンバー制度の前提が崩れていることを浮き彫りにしていると言えます。
マイナンバー制度は、今回流出した年金情報を含む社会保障と税などの膨大な個人情報を行政が一元的に把握、活用するもので、10月に個人、法人に番号通知を行い、来年1月から番号利用、カード交付を行い利用を始める計画になっておりますが、安倍政権はまだ施行前であるにもかかわらず国民の預貯金や
健康診断情報など民間機関が扱う情報にも拡大する法案の今国会での成立を狙っております。 更に、カルテやレセプトなどの医療情報、戸籍や旅券、自動車登録など次々と拡大する方針を打ち出しております。 情報管理には4つのリスクがあると指摘されております。 1つ目は、100%情報漏えいを防ぐ完全なシステムの構築は不可能であるということ。 2つ目は、意図的に情報を盗み、売る人間がいるということ。 3つ目は、一度漏れた情報は流通、売買され取り返しがつかなくなるということ。 4つ目は、情報は蓄積されるほど利用価値が高まり、攻撃されやすくなるということです。
マイナンバー制度には、この4つのリスクを高める可能性があると言えます。 私ども日本共産党は、
マイナンバー制度が税金や社会保険料などの徴収強化を狙うものであると指摘をしておりますが、今回
日本年金機構の情報流出が明らかになったことにより、この制度が一たび情報流出すればはかり知れない被害を招く
致命的欠陥制度であることも指摘しなければなりません。この制度の実施を中止、撤回し、個人情報の分散化と徹底した
個人情報保護こそ必要であると考えます。情報流出の可能性がある
マイナンバー制度に対しては、市民の大切な個人情報を守る立場にある市長として反対すべきではないでしょうか。市長の見解をお聞きいたします。 次に、国道44号線のあり方について市長にお聞きをいたします。 国道44号線に関しては、現在穂香-温根沼間の
根室高規格道路、温根沼以西、温根沼より西の防雪、根室市内においては大きくこの2件の工事が行われていると認識をしております。 さて、当市は他の近隣自治体とともに、いわゆる
釧根トライアングル構想に基づき国等に国道44号線全体の高規格化、高速道路化を求めていると認識しております。しかし、44号線の根室市内分、
温根沼-厚床間につきましては言うまでもなく、シマフクロウをはじめとする野鳥や貴重な動植物が生息する森林、草原、湿地などが広がり、一たび高速道路、高規格道路建設という大規模な工事が行われれば、それらの貴重な自然に対して大変大きな負荷がかかり多大な影響を及ぼす可能性が非常に高いのではないでしょうか。 第9期の根室市総合計画では、野鳥をはじめとする貴重な自然を根室の魅力と位置づけており、まちづくりに活かすことがうたわれております。そうであれば、貴重な自然を保護することにこそ力を入れるべきであり、自然破壊の可能性が高い大規模開発は行うべきではないと考えるものであります。 流通や救急車両などの課題につきましては、少なくとも
温根沼-厚床間では現道の改良、すなわち追い越し車線の設置、エゾシカ対策の拡充、防雪対策の拡充などで対応し、高規格化のような自然環境に大きな負荷をかける大規模な工事は行うべきではないと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。 最後に、教育にかかわる諸課題であります。 1点目、
総合教育会議について、市長と教育長にお聞きいたします。
地方教育行政法の改定により、根室市において初の
総合教育会議が開かれ、教育大綱が決定されました。教育行政の方針、方向性はこれまで首長から独立した住民の代表から成る合議体の教育委員会で決定され、教育の中立性、独立性が保たれていたと認識しております。それが今回
地方教育行政法の改定によって教育大綱の策定や新教育長の直接任命、罷免など首長の教育に対する権限が拡大され、言ってみれば教育への直接介入が可能になりました。 しかし、私は学校教育、社会教育の区別なく教育の中立性は常に保たれるべきであり、教育の内容については教育委員会が主体となって決定すべきではないかと考えるものであります。 この法律の改定によって、市長には教育に対する新しい権限と任務が課せられたことになったと言えます。
総合教育会議のもとで長谷川市長は教育内容に今後積極的にかかわろうという考えがあるのかどうか、あるいはこの法律の改定によってもこれまでどおり教育委員会の主体性、独立性を尊重していくのか、見解をお伺いいたします。 また、教育長は、改定された法律のもとで
総合教育会議の中で教育の中立性をどのように保たれようとしているのか、見解をお聞きいたします。 2点目、
小中一貫教育について、教育長にお聞きいたします。 学校教育法が改定され、
小中一貫教育が制度化されました。根室市におきましても、いわゆる小・中併置というあり方が導入されるときには
小中一貫教育のメリット、すなわち小学校段階から中学校での学習内容に触れることによって学力の向上につながることなどが強調され、
海星小・中学校では、試験的に実施されているとお聞きをしております。 しかし、
小中一貫教育につきましてはデメリットも指摘されているところであります。文部科学省の調査では、
小学校高学年の
リーダーシップ育成に問題があること、小・中間の乗り入れ授業などで教職員に負担が生じるなど問題点が指摘をされております。 また、私は小中一貫のもとに学校統廃合が促進されていく可能性も否定できないのではないかと考えております。教育長は、
小中一貫教育において、先ほど述べましたデメリット、つまり一貫校では
小学校高学年の
リーダーシップ育成に問題があること、教職員の負担がふえることについてどのような見解を持っておられるのか、お聞きをいたします。 また、本当に子供たちの学力の向上や教育の充実を図ろうとするのであれば、私は
小中一貫教育よりも35人学級の推進を求めていくべきだと考えますが、このことにつきましても、教育長の見解をお聞きし、壇上からの質問を終わります。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 鈴木議員の一般質問にお答えをいたします。 まずはじめに、
マイナンバー制度の導入についてでありますが、
マイナンバー制度で利用を予定している個人情報の管理は、市民が危惧している特定の機関に情報を集約して行う一元管理方式ではなく、国の機関や地方自治体等がそれぞれ加入する分散管理方式を採用するのでありますので、
マイナンバーからその個人に関する全ての情報を引き出すことはできない仕組みとなっております。 また、平成29年7月から始まる地方公共団体や国による本格的な情報連携については、
マイナンバーを用いて行うのではなく、その都度生成する符号を用い、更に情報連携する個人情報には高度な暗号化が施されているため、外部からの解読は困難であるとされております。 一方、国は先般年金情報が流出したことにより、この事案を検証して再発防止策を講じる考えであり、また年金分野での
マイナンバーの導入時期を見直す可能性を示唆いたしましたが、
マイナンバー制度導入のスケジュールについては変更する考えはないと発表したところであります。 いずれにしましても、市民の個人情報は確実に保護されなければならないものであり、年金情報の流出問題を受けて、既に全国知事会及び全国市長会が本制度について改めて確実なセキュリティー対策を講じ、予定どおり実施するよう国に対し要請等を行ったところであります。 したがいまして、当市といたしましても、全国知事会等の要請の趣旨を踏まえ、法に規制された期限までに作業を進め適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、国道44号線のあり方についてでありますが、現在北海道横断自動車道につきましては、道央圏から十勝圏、そして釧路市までの開通が目前に迫っており、釧路-根室間の高速道路の整備が現実のものとなってきているところであります。 現在事業中であります穂香-温根沼間の根室道路につきましては、先般事業主体の北海道開発局より平成31年度の開通予定が示されたところであります。 一方、冬期間の地吹雪による視程障害対策及び交通事故の低減を図るため、
温根沼-厚床間において実施されております根室防雪事業につきましては、あくまでも現道の改良であり、自動車専用道路とは異なるので、高速走行に適した安全性の確保はされておりません。 このことから、安全性、定時性、快適性にすぐれ、農水産物の付加価値化や販路の拡大、更には緊急医療並びに災害時の代替ルートが確保される自動車専用道路の早期整備は不可欠なものでありますが、恵まれた自然環境を活かした当市の振興、発展につきましても同時に努めなければならないものと考えております。 いずれにいたしましても、北海道横断自動車道根室-釧路間については、整備手法としての現道活用等も含め計画ルートは示されていない現状でありますが、今後のルートの選定におきましては法に基づく環境アセスメントをはじめ、自然環境への影響を考慮されたものになるように事業の実現に向け市としても取り組んでまいります。 最後に、
総合教育会議についてであります。
総合教育会議は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が一部改正されたことに伴い、首長と教育委員会は対等な執行機関として
総合教育会議という公開の場で協議、調整を行い、調整がついた事項についてはその結果を尊重して事務を執行することとなったものであります。 この
総合教育会議は、首長と教育委員会で構成され、大綱の策定や教育の条件整備など重点的に講ずべき施策、緊急の場合に講ずるべき措置について協議、調整を行うものであり、両者が教育政策の方向性を共有し一致して執行に当たることができるものであります。 教育行政の推進に当たっては、引き続き教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しながら、最終的な執行機関である教育委員会と充分に連携し取り進めてまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(田塚不二男君) 寺脇教育長。
◎教育長(寺脇文康君) おはようございます。 鈴木議員の一般質問にお答えいたします。 はじめに、教育の中立性の確保についてでございますが、教育委員会制度につきましては昭和23年に委員公選制のもとで発足した後、昭和31年に委員任命制に全面改正され、今日に至るまで一貫して政治的中立性と教育行政の継続性、安定性の確保の原則のもとで地方公共団体における教育行政の担い手としての役割を果たしてきたところであり、本年4月1日から施行された新制度におきましても引き続きこの政治的中立性と教育行政の継続性、安定性を確保しながら、更に行政における責任の明確化、迅速な危機管理、首長との連携強化など、これまで課題とされてきた点につきまして改善が図られたものと認識しております。 したがいまして、このたび設置されました
総合教育会議において市長と教育施策の方向性を共有しながら、両者の協議、調整のもと一致して教育行政の執行に当たることが可能となったところでありますが、最終的な執行権限は引き続き教育委員会に留保されているところであり、また委員会は多数決で意思決定を行うという仕組みや教育長以外は非常勤の委員で教育の専門家ではない一般の住民の意向を教育行政に反映する、いわゆるレイマンコントロールの考え方なども継承されておりますことから、今後ともこのたびの制度改正の趣旨を念頭に置きながら、根室市の次代を担う子供たちが伸び伸びと健やかに、そしてたくましく成長していける環境をつくっていくため、私ども教育委員会が執行機関として教育行政を着実に担ってまいりたいと考えております。 次に、
小中一貫教育についてでありますが、
小中一貫教育は中学校進学時に新しい環境での学習や生活へ移行する段階で生ずる諸問題、いわゆる中1ギャップの解消が期待されるなど、学力の向上や豊かな人間性、社会性を育む有効な方法の一つであると考えております。 しかし、一方では国の中央教育審議会での指摘のとおり、
小学校高学年におけるリーダーシップの育成や教職員の負担増等が課題として掲げられているところであり、その対応策として当市の実施校においても児童会活動や総合的な学習の時間等において
小学校高学年がリーダーシップを発揮する機会を充実させる、あるいは小学校で授業を行う中学校教員の担当授業時数について特定の教員に負担が集中しないようにするなどの配慮に努めているところであり、今後とも学校と連携を図りながら充分な対応を図ってまいりたいと考えております。 最後に、35人学級の推進についてでありますが、小・中学校における少人数学級につきましては、児童・生徒の生活及び学習の両面において子供の個性に応じたきめ細かな指導ができるなど大きな効果があらわれていることから、これまでも北海道都市教育委員会連絡協議会及び北海道都市教育長会の連名で北海道教育委員会に対しまして小学校第1、第2学年及び中学校第1学年において実施している35人以下学級を堅持するとともに、実施していない他の学年にも拡充することを強く要望しているところであります。 教育委員会といたしましては、子供たち一人ひとりに質の高い教育を提供するためには少人数学級の推進が更に必要であると認識しており、今後とも引き続き国、道へ要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(田塚不二男君) 鈴木君。
◆(鈴木一彦君) 御答弁をいただきましたので、自席から再度質問をさせていただきます。 まず、
マイナンバー制度についてであります。
マイナンバー制度につきまして、市長と私の考え方は根本的に違うなというふうにお答えを聞いて改めて思いました。市長はつまり、御答弁にもありましたように、分散管理方式ですとか、高度な暗号化が施されるといったことを上げて、セキュリティー的には大丈夫だろうという判断で法に規定された期限までに作業を進め適切に対応していくということであります。 しかし、今までのさまざまな例からもいいましても、100%安全なシステムというのはなかなか難しいのではないかというふうに思っております。アメリカの軍の施設ですとか、そういったところにも攻撃がかけられて情報が盗まれる、IT企業にもそういったことが行われているということは報道等で皆さん御承知のとおりであります。どうしてもそのシステムの安全セキュリティーの構築と、それからそれを破っていく犯罪者のハッキングといいますか、そういったものはどうしてもイタチごっこになっていって、必ずその対応策は出るんですけれども、またそれを上回るハッキングというのが繰り返されているというのが今の現状ではないでしょうか。 そうしたことを考えるときに、こうしたシステムに個人情報が委ねられる、そして更に言いますと、これは公共機関の問題だけではないんですよね。いわゆる民間の企業にも従業員の個人情報の管理が求められているわけであります。一定程度の大企業等であれば、さまざまな行政並みのセキュリティー管理等も可能になるかとは思うんですけれども、これは一般的な中小零細企業にも求められている問題でありますから、そうしたことを考えると本当に個人情報が、市長言われるように、しっかりと守られるのかということについては甚だ疑問なわけであります。その点も踏まえて、改めましてこの制度に対する安全性について市長の見解を改めてお伺いしたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 総務部長。
◎総務部長(佐田正蔵君)
マイナンバー制度に係るシステムの安全性についてでございますが、今回導入する
マイナンバー関連のシステムは先進国で後発の導入でありますが、これは諸外国で発生したさまざまな問題点を踏まえた上でのシステムであり、制度面とともに現時点において安全な仕組みが構築されていると国は説明しております。 しかし、高度な技術を用いて安全性を高めた構築したシステムであってもそれを上回る技術が登場し、更にそれに対応する技術の構築が繰り返されているのも事実であります。 また、さきの年金情報の流出問題は、運用上あってはならない人為的要因によるものと説明されております。したがいまして、実際の運用におきましては、安全を脅かす要素を100%完全に排除することは非常に難しいところでありますが、セキュリティー対策については人為的な運用面においては
マイナンバー制度の規律の遵守と適切な運用管理の徹底はもちろんのこと、システム面における課題については市長会を通じるなどして速やかに国に改善を求めてまいりたいと考えております。
○議長(田塚不二男君) 鈴木君。
◆(鈴木一彦君) 行政側としては、そういった答弁お答えにならざるを得ないというふうに思います。 ただ、やはり指摘しなければならないのは、今部長さんの御答弁にもありましたとおり、仮にシステムのほうをセキュリティーを構築してそれを上回るハッキング等が出るまでの期間、ある程度のセキュリティー、安全性が保障されたとしても、機械上はそうであっても、今部長さんが御答弁されたとおり、まさにそのシステムを扱う人間の問題というものもあるわけですよね。そうしたことも踏まえ、もう一点指摘をさせていただきますと、今回の年金の個人情報の流出に当たっては、それらを情報を違法に盗み取ったものだけではなくて、いわゆる詐欺集団といいますか、おれおれ詐欺ですとか、そういったものの口実にもされるわけですよね。そういった危険性もあるということであります。そうしたことも考えていくと、やはり非常に危険な制度といいますか、システムでありますし、私どもはこれはいずれはこのまま進んでいくと国家が国民を管理するツールになってしまうということも危惧するところでございます。 更に言わせていただければ、これ国民や市民の側から出てきたシステムじゃないですよね。国民、市民が番号でぜひ管理してくださいって言っているものではない。どちらかというと、利便性については行政側にあって、市民には先ほどメリットはない、説明によれば窓口1カ所で全て対応できるというようなことも言われてはおりますが、その程度だというふうに思うんです。 そういうふうに考えると、一たび情報の流出という非常に危険なリスクがある、あるいは犯罪に利用されるというリスクがある、こうした制度につきまして、壇上でも述べたとおり、一つの自治体でどうこうできる問題ではありませんけれども、市長という立場におきまして私は反対すべきだというふうには改めて指摘はさせていただきます。御答弁はこれ以上恐らく変わることはないというふうに思いますが、ちょっと時間の関係もありますので、また1つずつ質問は進めさせていただきます。 44号線の関係でございます。 これもちょっと
マイナンバーとは違うんですけれども、やはり私と市長の考えでは大きな隔たりがあるのかなあというふうには思っております。 御答弁の中でも、恵まれた自然環境を活かすということにも触れられておりましたけれども、果たしてこれと高規格化、高速化というのが本当に両立するのかというのは非常に疑問を持つものであります。 正直申し上げまして、いわゆる温根沼から厚床までの間というのはどうなるかというのはまだ一切何もない段階ですので、この段階ではちょっとなかなか議論はしづらいんですけれども、しかしこの高速道路ですとか、そういった開発というのは見え始めるともう後戻りできないような状況には大体置かれてしまうんですよね。ですから、今根室市も予算を持って国等に要請しているわけでありますけれども、そういったことも含めて本当にそれでいいのかということはこの時点で議論しておくのも大切なことだというふうに思うわけです。 環境アセスメント等にも触れておりまして、可能性としては非常に低いとは思いますが、将来的にもしかしたら非常に負荷の少ない環境に優しい工法というのがもしかしたら確立されるかもしれませんが、それは非常に可能性は少ないだろうというふうに思います。 市長、環境アセスメントや自然環境への影響を考慮するというふうにおっしゃっておりましたけれども、今後この
温根沼-厚床間の国道44号線についてさまざま進展した際に、例えば野鳥の専門家ですとか、自然保護の関係者等から非常に懸念される、このままでは根室の自然が大変危険になりますよというような見解、意見が出たときには思い切ったルートの変更ですとか、更には計画の中止そのものも含めて検討するといったお考えがあるのかどうかについてお聞きをしておきたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) ルート変更が例えば環境問題で出てきた場合ルート変更の要請はあり得るのかという話ですが、先ほど御答弁いたしましたとおり、実は根室道路も最初のルートから変わっております。それはやはり野鳥の会とか環境問題の方の意見を取り入れてルート変更をしたという前例がございます。したがって、温根沼から厚床間のルートについてまだ示されていない状況でありますし、我々も先般また開発局と協議したんですが、まだルートは出せないと、出せないというか、確定してないということがありまして、そういう環境問題も含めて今協議しているということだと思います。 それで、いわゆる防雪道路ですね、44号線の防雪道路と併合といいますか、重なる部分があるのかというような問い合わせもしました。当然そういうことも考えられるということなんですが、しかしながら重なった場合、国道44号線は自動車専用道路と重なってしまうわけで、そんなことはあり得るかということなんですが、そういうことも含めてかなり湿地帯が多いもんですからお金がかかるということも考えて、そういう部分も頭の中に入れておかなきゃなんないというような回答であります。 いずれにしても、鈴木議員がおっしゃるように、環境問題で相当な影響があるという場合は、当然市としても国に対し意見を申し、その変更を検討していただきたいということは当然考えているところであります。
○議長(田塚不二男君) 鈴木君。
◆(鈴木一彦君) 今の現状ではちょっと議論を進めづらいという部分あるんですけども、いずれにいたしましても
温根沼-厚床間というのは44号線全体ですね、根室・釧路という全体から見ると5分の1程度でしょうかね、ちょっと正確にはわかりませんけれども、それ仮に、仮にですよ、仮に釧路から厚床までいわゆる高規格道路交通高速化になった、あるいはルートが確定したというふうになれば、44号線全体では圧倒的に時間の短縮ですとか、そういうものは確保されるんだろうなあというふうに私自身は思います。そういうことも全体のバランス等も考えながらこういうことは進めていくべきだというふうに思いますし、ぜひ自然保護の関係者等の意見も尊重していただきたい。 また、いずれにしてもこれは大変大きな、実際に工事が始まってしまえばもうあれなんですけども、始まる前の構想が見えてきた段階ではかなりまちの意見を大きく分けるような大変大きな問題になるというふうに思います。 お隣の浜中町では庁舎の移転問題でまちが二分されたという状況もありましたが、根室市におきましてはいずれにいたしましても多くの市民の皆さんが合意できるような、そうした手法をとるということがなおまず第1に重要なことだというふうに思います。 この問題につきましては、また改めて更に情報等が入ったら見解等を担当部署にもお聞きをしていきたいというふうに思います。 それから、
総合教育会議の関係でございます。 御答弁をお聞きしている限り、長谷川市長は非常にさまざまな意見に耳を傾けられて市政を執行しているというふうに思っております。恐らく教育委員会との関係も新聞報道にもありましたとおり、根室市は非常に市長部局と教育委員会の関係は良好だということも言われておりました。ただ、長谷川市長が今後未来永劫市長を続けられるわけではないわけですよね。いずれは誰かほかの人が市長、市政執行をされるということになります。 今回の法律改定、趣旨はさまざま教育長も市長も述べられたとおりなんですけれども、非常に首長に大きなアドバンテージがあるというふうに思うんです。その教育大綱にいたしましても、最終的には市長が首を縦に振らないとこれは成立しないわけですよね。新教育長に対しましても、任命権、罷免権があるということは、極端な言い方をいたしますと、自分の意に沿わない教育長は罷免できる、自分のイエスマンを任命することができるということも可能なわけです。そうしますと、可能性としては首長、市長がいわゆる教育大綱、それから教育の内容についてもかなり踏み込むことができてしまうんですね、実際問題。その点も踏まえて今後の教育行政のかかわりについて、内容変わらないかもしれませんけれども、再度改めて市長の見解をお聞きしておきたいというふうに思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 教育行政等の私の考え方についてでありますが、先ほど教育長の答弁にありましたとおり、今回の法改正においても首長に管理執行する権限を与えるものではなくて、最終的な執行権限は従来どおり教育委員会にあると、これがそういうふうになっております。 また、大綱の策定などを協議する
総合教育会議には、首長または教育委員会が特に必要と判断した事項について協議、調整を行うもので、特に政治的中立性の要請が高い事項については協議議題とすべきではないと、そういうふうにされているところであります。 先ほども御答弁申し上げましたが、教育行政の推進に当たっては引き続き教育の政治的中立性、継続性、安定性を尊重するとともに、教育委員会と充分連携し、教育政策の方向性を共有しながら進めてまいりたいと考えております。
○議長(田塚不二男君) 鈴木君。
◆(鈴木一彦君) 私自身は、こうやって法律は変わりましたけれども、あくまでも市長と教育長、教育委員会は対等であるべきだというふうに考えております。 でも、言うまでもなく予算編成権というのは今までも、それからこれからも市長、市長部局にあるわけですけれども、教育内容につきましてはやはり教育委員会がしっかりとそういう根室市の子供たちへの教育あるいは社会教育等を現状を踏まえた上で計画を立て施行していくということがやはりこの法律のもとでも望ましいというふうに思っております。 こんなことを言うと怒られるかもしれませんけれども、市長が今後任期を終えて新しい市長にかわるときには、ぜひ今の長谷川市長のお考えをしっかりと引き継いでいっていただきたいというふうに思っております。
小中一貫教育の問題について改めて教育長にお伺いいたします。 今回この一貫教育についても制度化されたということでございます。さまざま国会でも議論があったようでございますが、私はこの小学校6年、中学校3年という戦後70年続いてきたこの制度がどうだったのかという検証が本当に充分に行われたのかというのは非常に疑問に思っております。 中1ギャップのことについても触れられておりましたけれども、確かに中1ギャップの解消というのは必要だというふうに思うんです。しかし、私は、小学校を卒業する、中学校に入学するという子供たちの気持ちの変わり方というのは、これは非常に大きい部分があるのかなと。中学生ということで大人の一歩を踏み出すということは非常に意義的にも重要だというふうに思っております。 根室市の場合は、光洋中学校は現在花咲港小と成央小学校2校が、子供たちは成央小学校にかわるんですが、それ以外は皆さん同じ小学校、同じ中学校って顔ぶれは変わらないんですよね。私の子供もそういう道を歩んできたんですけども、それでもやはり小学校から中学校へというのは非常にこれ一つのイベントといいますか、子供たちにとっても大変大きな出来事なんですよね。そういう意味でも、今回この制度化された小中一貫については、私個人的には疑問があります。 また一方、壇上でも若干触れさせていただきましたけれども、この小中一貫という名のもとに学校の統廃合適正化ですか、適正配置ですか、そういったものが例えば父母の説明の際に小中一貫でこういうふうになるんだよということが強調されて統廃合が進展していくということに私は危惧を覚えるわけでございます。 当然今後市街地の学校において学校のあり方はどうあるかというのはよきにつけ悪きにつけ当然議論の俎上に上がってくるわけですけども、その際にはそういう学校の適正配置、統廃合の問題と小中一貫ということは分けてきちんと考えていく必要があるというふうに私は思うんですけども、この点について教育長の見解をお聞きしておきたいというふうに思います。
○議長(田塚不二男君) 寺脇教育長。
◎教育長(寺脇文康君)
小中一貫教育と、それから適正配置計画とのかかわりにつきましての再質問にお答え申し上げます。 現在教育委員会では、児童・生徒数、さらなる減少あるいは学校施設の老朽化など、そういった要因から今年度中に新たな適正配置計画の策定予定しているところでございますけれど、こうした将来的な適正配置の進展にかかわらず、当市におきましては従来から市街地の小・中学校におきましても中学校教諭の専門性を取り上げた小学校での教科指導とか、あるいは教員の相互訪問による授業参加など、小・中連携を深めているところでございます。 先ほどもありましたが、国では
小中一貫教育にはプラスの面、それからマイナスの面と両面あることが指摘されておりますが、当市におきましては根室市確かな学力向上に関する取り組み方針、こういったものにもその推進を掲げているところでございまして、今後とも学校と連携しながら、プラスの面につきましてはその効果を更に追求して、またマイナスの面につきましては、これも先ほど御答弁申し上げましたが、その軽減、解消を図りながら充分な対応を続けてまいりたいと、そのように考えているところでございます。 以上でございます。
○議長(田塚不二男君) 鈴木君。
◆(鈴木一彦君) 小学校、中学校の連携につきましては、私は否定するもんではありません。今小中一貫等がこれほど騒がれる前にも市内で充分行われてきたというふうに認識をしております。 ただ、今回制度化されたことにつきましては、いろんな自治体といいますか、それぞれの教育委員会におきまして選択肢が広がっておりますよね。いわゆる小学校、中学校というこの制度のほかに義務教育学校でしたか、そういったものも認められるということで、これなんかでいきますと、例えば学年の分け方なんかにも柔軟性というか、かなり広い選択肢があるということで、そうなりますと、先ほど私が言った小学校卒業、中学校入学ということもだんだんあやふやになっていくような気がいたします。 更に言わせていただければ、義務教育の中で小学校、中学校ということと義務教育学校というまた違うそういう制度に、制度としては同じかもしれませんけれども、そういう学校ができるということについて憲法で保障された教育の機会均等の問題ということもあるかとは思いますので、この点についてはちょっと今回通告もいたしておりませんので、また次の機会に議論をさせていただきたいというふうに思います。 いずれにしても、小中一貫、今後進めていくという方針を持たれておるようでありますけれども、そのあり方については充分議論をして、議会側とも議論を深めていって慎重にしていっていただきたいということを申し上げて終わりにいたします。
○議長(田塚不二男君) 次に、2番橋本竜一君。 橋本君。
◆(橋本竜一君) それでは、通告に基づき一般質問を行います。 まず、大きな項目1、高齢者介護に関する問題について伺います。 今年度から第6期の根室市高齢者保健福祉計画、根室市介護保険事業計画がスタートいたしました。これは大まかな目標設定がされている計画で、どちらかというと基本計画のような形に近いものと考えられます。したがって、それぞれの項目について具体化を進めるには関係団体はもちろんのこと市民とも一緒に考え協議し、課題を共有化して対策として具体化していく、目標実現に向けて一緒に取り組んでいく姿勢が改めて重要になっていることを示したつくりになっているものと私は捉えております。 今回に限らず最大のテーマは、言うまでもなく高齢社会です。高齢社会とは、多死、つまり人が多く死ぬ社会です。当然ながら、高齢者人口は将来的に頭打ちになって減少してまいります。これは介護を必要とする人はこれから少なくなるからよかったねという意味ではありません。高齢者人口の減少を上回るスピードで生産年齢人口が下回る場合に、今まで以上に少ない人口で高齢者をはじめとして、日常生活上何らかの支援を必要とされる方々とともに、安心して暮らしていくための地域社会をどうつくっていくのかという課題であります。そうした観点から、以下2点について伺います。 (1)従業者(専門職)の確保について。 福祉分野の最も重要な基盤は人です。要介護者数の増加に伴いこの数年の間に根室市でも事業所数や入所定員数などの増加が図られてきました。しかし、そのサービスを担う人材の確保はこれまで困難な状況が続いております。 現在の正確なデータを持ってはおりませんが、少し前の国勢調査では、医療・福祉という大分類で比較すると、2005年は983人の産業別就業人口があったのに対し2010年は1,031人となっております。医療・福祉全体の数字でございます。市内の人口が減っている中でこの分野は若干ですが、伸びを示しております。伸びを示しておりますが、恐らく市内の介護業種への就業者数そのものはふえてはいるんですが、必要とする求人数はそれを上回るスピードで伸びているため、慢性的な人手不足が解消できない状況にあるのではないかと想像できます。 あわせて、今年度の介護報酬の大幅なマイナス改定により、事業者によっては年間で数千万円単位の減収が見込まれており、仮に法人がその収益減を吸収できなければ最終的にそのしわ寄せは労働者、従業員に及びます。これまで指摘されてきた低賃金、重労働の状況にますます拍車がかかります。 こうした状況を踏まえた中で、今後の高齢社会に対応する体制を整えていくためには、介護の現場で働く人々が安定的に就労できる、つまり将来に希望が持てる就労環境をどのように整えていくのか課題があると考えております。 介護の第6期計画では、介護サービスは人が支えるサービスであり、多様なニーズに対応できるよう介護事業者の資質向上に努めるとともに、介護に携わる人材確保に向け事業者と協力し重点課題として取り組みますと記載されておりますが、改めて市内各施設等がどのような状況になっているのか伺います。 (2)根室市の介護予防の取り組みについて。 介護保険の第1号被保険者の保険料は、今年度から全国平均で月額標準5,514円となることが厚労省から発表されました。前の3年間、つまり2012年から14年の保険料に比べて10.9%の増加でございます。 以前NHKでこのニュースを取り上げたときに、保険料が高くなって生活が苦しいという高齢者の声が紹介されておりましたが、その後に介護保険に詳しい専門家として登場したある大学の先生は、介護保険料が上がることは悪いことじゃない、それだけサービスがふえたということだ、これ以上介護保険料が高くならないように住民が介護保険を使わせないようにすることがこれからの自治体の仕事だという趣旨のコメントを述べておりました。それを聞いて私は一瞬愕然としました。しかし、そのコメントを好意的に解釈をすれば、医療や介護でも本来は使わずに頼らずに生活できればそれにこしたことはありません。ぐあいが悪いのを我慢するという意味ではなく、なるべく病気にならないように、なるべく介護を必要としない自立した生活を長く続けられるように、つまり予防が大事という、皆さんよく御承知の観点でございます。 介護保険では、2006年から本格的に介護予防の概念を制度として取り入れ始めました。しかし、これはおおむね失敗に終わりました。特に要介護のハイリスク対象者をスクリーニングし、短期間に介入する方法論をとったいわゆる2次予防は、この根室市でもそうですが、全国的にこのプログラムに参加する利用者がほとんどいない状況でした。失敗の理由はさまざま指摘をされておりますが、大きくはこれまでのアプローチは高齢者の運動機能や栄養状態、認知機能など心身の機能を改善することだけを目的としていたために充分な効果を発揮できなかったと言われております。 これまでの失敗を踏まえ、厚労省は今年度からいわゆる新しい介護予防事業をスタートさせました。その中には、全国の先進的な取り組みを踏まえた新しい概念が幾つか取り入れられていることと思います。大きな方向性としては、前段も述べました第6期計画で記載されておりますが、今後どういった形でこれらを進めていこうとされておられるのか、市の見解を伺います。 次に、大きな項目2、成年後見に関する制度の普及について伺います。 (1)市民後見人について。 これまで何度か一般質問でこの問題について取り上げております。昨年度北海道と根室市は、道内の権利擁護体制の構築を目指し市民後見人養成研修を実施されておられます。この講座では、成年後見制度を取り巻く状況として、例えば認知症と診断されている方は2012年度時点では全国で462万人、北海道で14万人おられるそうですが、その一方で成年後見を利用されている方は18万人もいないことが紹介されていました。さまざまな消費者被害、振り込め詐欺に代表される特殊詐欺被害などへの対策はもちろんのこと、銀行預金口座取引や社会保険、不動産売買などの契約、そして何より介護保険導入から15年経過する現在まで日本社会では曖昧に取り扱われてきた介護や障がい福祉サービスの利用に関する契約の問題、これらの問題について成年後見制度の重要性がますます高まってきているということであります。 しかしながら、従来成年後見人等の主な担い手であったお子さんなどの親族や弁護士、司法書士といった専門職だけでは今後制度を普及していくに当たって物理的な数量の面で賄い切れるはずもなく、被後見人とその被後見人が居住する地域をよく知っている市民後見人の役割が大切であるということでございました。市として市民後見人養成研修を実施した中で改めてこれら制度普及の取り組みと状況と制度の今後の課題について市の見解を伺います。 最後に、大きな項目3、地方創生と自治体財政の課題について伺います。 (1)財政健全化計画と骨太の方針について。 政府は、2020年度までに基礎的財政収支を黒字化させるという目標に向けて財政健全化のための計画を今月中に取りまとめるとしております。 経済財政運営と改革の基本方針2015(仮称)の骨子案が6月10日に、そして素案が昨日6月22日の経済財政諮問会議に提示されました。その内容として、中間評価年度の2018年度には基礎的財政収支赤字を対GDP比で現在の3.3%から1%に縮小することを目標にしております。このいわゆる骨太の方針2015の素案では、歳出削減の中で特に重視されているのが社会保障と地方行財政の改革についてであります。まち・ひと・しごとの創生と地域の好循環を支える地域の活性化を重点課題の一つに掲げる一方で、医療・介護・年金にわたる社会保障給付の抑制と国民負担増で国民の実質的な収入を削減することは地域経済や財政にも影響を与える問題ではないかと心配をしております。 また、地方行財政改革では、素案では地域の活性化と頑張る地方を支援する仕組みの充実、国と地方で基調をあわせた歳出改革効率化、地方自治体の経営資源の有効活用、そして地方交付税制度の改革に取り組むとされております。素案ではこのように非常にわかりにくい表現の仕方をしておりますので、骨太の方針素案に先立って示された総務省の資料などを参考にすると、地方行政サービス改革、これはつまり民営化を進めることなどとあわせて歳出の重点化、効率化が求められその成果が基準財政需要額の算定に反映される、交付税については危機対応モードから平時モードに切りかえる、今年度から歳出特別枠の削減と引きかえに計上されてまいりましたまち・ひと・しごと創生事業費には地域活性化などの取り組みの成果が一層反映される、広域連携の推進を交付税に反映されるなど、今後は国の方針が色濃く反映された政策に誘導される方向に進められていくのではないかと懸念しております。 対ロシア漁業問題の影響が不安視される根室市においても、仮に国の言う人口増減率や若者就業率など生活指標が悪化したとしてもそれは地域の頑張りが足りないからだと突きつけられ、地方交付税まで削減されることにつながりかねません。 また、まち・ひと・しごとの財源とされる新型交付金の詳細は、まだ明らかになっていないものと思いますが、いずれにしろ前述のように交付税が削減され、その上仮に財務省の財政制度審議会による建議が求めるように、既存の交付金や補助金のスクラップ・アンド・ビルドで新型交付金の財源をつくるようであれば、各自治体は地方版総合戦略にうまく適合できた事業意外に割り当てる財源の確保が非常に厳しくなってくるのではないでしょうか。 現在国が指し示す財政健全化が地方自治体財政と住民の生活に対しどのような影響があると考えられるか、また国は地方創生を推し進めようとしておりますが、そうした方向性の財政健全化計画が本当の意味で地域の活性化や地方の人口減少対策につながるものと考えられるのか、あわせて市長の見解を伺います。 以上で壇上からの質問を終わります。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 橋本議員の一般質問にお答えいたします。 まずはじめに、介護職員の状況についてでありますが、現在根室市内において介護サービスを提供する事業所は、デイサービス7事業所、訪問介護3事業所、グループホーム2事業所、特別養護老人ホーム1事業所、介護老人保健施設1事業所等、全部で12種類31事業所あり、介護職や看護職など多くの職種が業務に従事しております。 市では、地域包括ケアシステム構築のため、ことし5月にこれらの介護事業所に対し事業所の現状をはじめ介護体制を含む課題等18項目に及ぶアンケート調査を実施したところであり、その調査結果での各事業所の介護職員数では、正規職員が248名、非正規職員が224名、合計472名、介護に直接かかわる職種別人員人数では、介護職218名、看護職61名、訪問介護職59名等となっております。この中で職員が不足している事業所は7カ所で、その内訳は介護職17名、看護職4名、事務職1名であり、更には職員の退職補充が容易でないと回答した事業所は13カ所あるなど、多くの事業所において必要な職員の確保に苦慮している実態にあると考えているところであります。 次に、介護予防の取り組みについてでありますが、国は介護保険制度により、介護認定されていない高齢者を対象とした1次予防事業と2次予防事業を一般介護予防事業に移行し、高齢者を年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく、機能回復訓練等のアプローチに加え、生活環境の改善や生きがいなどを高齢者が役割を持って生活できる地域の実現を目指し新しい総合事業として位置づけされたところであります。 当市における介護予防事業では、元気な高齢者を対象とした1次予防事業では、生きがい講座や生活管理、栄養管理指導、認知症の早期発見に向けた啓発事業を実施しており、更には要介護状態になるリスクの高い方を対象とした2次予防事業では、予防のための運動機能の向上等のプログラムによるおたっしゃ教室などを実施して予防事業を推進しているところであります。 今後の一般介護予防事業につきましては、平成29年度より介護予防・日常生活支援総合事業の実施とあわせ、地域が主体となる取り組みなど多様なサービスの提供体制の構築が重要であることから、関係事業所等と充分に協議を重ね、新しい介護予防事業を構築し取り組んでまいりたいと考えております。 次に、市民後見人についてでありますが、市民後見人制度は高齢化が加速する中で成年後見制度の新たな担い手として、これまでの弁護士や司法書士、社会福祉士といった専門職に加え、高齢者が生活する地域で市民による後見人を家庭裁判所が選任するもので、平成24年度から市民後見人の育成及び活用を講じることが市町村の努力義務となっているものであります。 こうしたことから、市では昨年度に北海道との共催により市民後見人養成講座を実施し、29名の候補者を養成したところであり、成年後見制度の利用支援では市長による裁判所への申し立てをはじめ、後見人報酬の助成などにより制度の利用促進に努めているところであります。 しかし、権利擁護事業や成年後見制度等の利用に当たっては、制度利用にかかわる金銭的負担や更には代理による契約行為や財産管理への抵抗感などの理由によってその制度が充分に利用されていないという課題があると認識をいたしております。 このことから、制度の内容や金銭的負担の一部を助成する利用支援事業の周知を図るとともに、昨年度実施した養成講座修了者に対するフォローアップ研修の実施等、さらなる制度の理解と利用促進について北海道や関係団体と連携し取り組んでまいります。 次に、自治体財政にかかわる国の財政健全化の方向に対する見解についてであります。 安倍首相を議長とする政府の経済財政諮問会議においては、今月10日、(仮称)経済財政運営と改革の基本方針2015、いわゆる骨太の方針の骨子案を示しており、その中で経済再生なくして財政健全化なしを基本方針として、平成32年度基礎的財政収支の黒字化に向けた(仮称)経済財政再生計画を策定することとしております。また、計画に盛り込む歳出改革として、医療・介護提供体制の適正化などの社会保障分野と頑張る地方が報われる仕組みづくりなどの地方財政分野に重点が置かれており、特に地方の固有財源である地方交付税についてリーマン・ショック直後の危機対応モードから平時モードへの転換の方向性も含めて議論の行方を注視しているところであります。 国としても債務残高が国内総生産の2倍程度に達する極めて厳しい状況の中、経済再生とともに財政の健全化が喫緊の課題であり、その必要性については理解する側面もありますが、地方創生を通じて地域の活性化を図らなければならない現時点において、当市に限らずとりわけ過疎地域に重要度が高い地方交付税制度の改革については、継続的、安定的に住民サービスを提供できる仕組みが前提であるべきものと考えております。 こうした状況を踏まえ、今後とも医療・介護等の社会保障、施設の老朽化や防災・減災対策を含めた社会資本整備、人口動態に応じた対応などさまざまな分野の財政需要について、単独事業も含め的確に反映の上必要な地方交付税総額を確保するとともに、交付税が持つ財源調整、財源保障の両機能を強化するよう、引き続き北海道市長会等と連携して国に強く要請してまいります。 最後に、国の財政健全化と地方創生に対する見解についてであります。 先般総務大臣と地方六団体の会合に続き国と地方の協議の場が設けられ、先ほど申し上げました骨太の方針に基づく財政健全化の方向性などについて協議されたものと承知しておりますが、その中でも国はことしを地方創生元年と位置づけ、その取り組みを加速させることを強調しているところであります。 また、いわゆる新型交付金については、当市においても本年3月に予算措置した地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金のうち、地方創生先行型の延長として平成28年度以降地方版総合戦略に基づく施策の具現化に自由度が高い財源になるものと承知しております。 更に、今年度の地方財政計画に1兆円が計上されたまち・ひと・しごと創生事業費については、地方の実情に応じたきめ細かな施策を可能にする観点から重点化されたものと捉えておりますが、来月上旬にも算定結果が示されることから、その内容を充分検証した上で積極的に地方創生への取り組みを推進するためにも事業費の拡充を求めていく考えであります。 いずれにいたしましても、地方創生の呼び水としては、新型交付金が重要な役割を担うことになりますが、本格的な事業実施に際しても、また自治体としての基盤を強化していく上でもまずは地方交付税の確保、拡充が極めて重要であると考えております。 以上であります。
○議長(田塚不二男君) 橋本君。
◆(橋本竜一君) ちょっと時間の都合上再質問の順番を入れかえさせていただきたいと思います。 まず、地方創生と自治体財政の課題についての部分なんですが、市長の答弁を一言で表現すると交付税が大事だよということをお答えになられたんだろうというふうにして思います。国の今の動きを見ていると、2020年、早い段階でプライマリーバランス黒字化を目指して財政再建を進めますよということと、あと一連の地方創生という関連については、最初何か矛盾しているんではないかと私は思ったんですが、よくよく考えると基本的には同じ思想というか、同じベクトルにある考え方なんだろうというふうにして思っています。 実際のところ国の方向性というのは、交付税については市長が御答弁されたような交付税自体が持つ財源調整や財源保障の両機能を強化していきましょうというような方向性には決してなってはおりませんし、これからもそうするつもりはないというのが国のメッセージとしては読み取れます、きのうの素案を見てもインセンティブ改革進めるわけですから。 一方、その地方創生というのが目指していくのは、いわゆるこれは皆さん共通の認識だと思いますが、全国一律に底上げしていきますよということでは間違いなく国際的な経済競争力向上のために、その名目的に地域の独自性を掲げながら政府の意図する方向性にその地域政策を誘導していくと。地域間の競争をあおって行政コストがかかるばかりの不効率な過疎地域については、結果として自己責任として切り捨てられると、そういう社会であろうというふうにして思います。 こういう国づくりのあり方がいいか悪いかというのは、国民一人ひとりが捉えていく問題であろうというふうにして思います。それが当然だと考える方もおられるでしょうし、いやいややっぱり国土を荒廃させない、しっかり守っていくためには里山の再生こそ必要だという考え方もさまざまあります。 いずれにしろ、そういう中で国が今進んでいる方向性を考えたときに、地方交付税を拡充していってくださいというふうにして今までどおりのやり方で求めていくということが果たして国との議論が本当にこれからかみ合うんだろうかという気はいたします。 しっかりとこの地域の社会、継続的に運営していきながらやっぱり活性化していく、そのために必要な財政運営のあり方やそのための地方と国との関係はどうあるべきかというものを改めて、各地域でしっかりと解明した中で地方歳出のための財源や制度を国に求めていくということが、地方から声を上げていくということが必要なのではないかというふうにして思います。 これは私の意見ではありますが、もし市長等々何か御報告、考えありましたらお答えいただいて次に進みたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 国の動向に関しまして、骨太の方針についてはきのうその素案が示され、地方税や地方交付税などの自治体が自由に使える一般財源総額については、平成30年度まで本年度の地方財政計画と同水準、61.5兆円を確保することが盛り込まれたものの、国と基調をあわせて歳出抑制が求められる内容となっております。 一方、地方創生に係る新型交付金については、総額が幾らで財源はどこから捻出されるのかといったことも含めて現時点において詳細は不明でありますが、財政健全化を推進する上でも地域活性化の取り組みが重点化されているものと捉えております。 いずれにしても、地方創生に係る財源について最大限の確保に努めるとともに、先ほど申し上げたとおり、地方全体の活性化に資する観点からも交付税についてはさまざまな財政需要が的確に反映された総額の確保と財源調整及び財源保障機能を強化するよう、引き続き国に市長会等を通じ強く要請してまいります。
○議長(田塚不二男君) 橋本君。
◆(橋本竜一君) とりあえず、わかりました。この問題については、また今後もさまざま交付税の改革等々も含めて新しい情報が出てくると思いますので、その都度やっぱり内容をしっかりと精査していく対応が求められているんだろうというふうにして思います。 次の問題について進みたいと思いますが、一番最初に戻って、いわゆる介護の従事者(専門職)の確保の問題でございます。 先般6月4日に新聞報道でされましたいわゆる日本創成会議の東京圏高齢化危機回避戦略と言われるものでございます。中身は詳しく触れません。触れませんが、いわゆる根室の2次医療圏で急性期の医療密度が1位という最低ランクに低いランクづけされたと、かつ2040年の介護ベッド準備率、これがマイナス63%ということで下から2番目のランクにと、そういう試算が仮に正しいとすれば、2040年には介護施設の入所を希望する人の4割弱、約37%が入れませんよという数値でございます。ただ、その最大限のマックスに向けてこれからじゃんじゃんとその入所施設をふやすことができるのかということを考えると、恐らく難しいです。難しいというか、現実的ではないのかなと思います。やっぱり介護保険財政が持たないということもあるんですけれども、何よりこれだけ社会保障がどんどんどんどん改悪されていく中で施設拡充というのは本当に事業者側ももちません。そういう状況でございます。じゃあ、その施設でなかったら一体そういう施設に入れない方々はどうやって支えていくのということがいわゆる地域包括ケアの考え方なんだろうというふうにして認識しております。 すいません、少しちょっと脱線したんですが、以前からこの首都圏、特に東京じゃなくて、特に東京の周辺ですね、3県、埼玉、神奈川、千葉、この3県の高齢化が東京のベッドタウンでしたから、高齢化が問題であるということは政府は問題視をして述べておりました。さきの地域包括ケアというのも、もともとこういう地域を支えるための考えられた構想でございます。じゃあ一方、東京はそういう問題なんだけど、じゃあ地方のほうはこれってどういう影響を受けるのかというと、当然ながらそういう大都市圏に専門家、人材が集積されてしまうということでございます。今でさえただで足りないのにますます人材の確保は厳しくなっていく、困難になっていくというのがこの東京圏に波及する問題です。 何も東京だけではありません。札幌、さっきの日本創成会議の資料でいうと、現時点2015年までは介護ベッドの準備率等々はまだいいんですけれども、これが2040年になるとマイナス65%ということで根室より悪い数字が出されています。札幌に行って帰ってこないという状況になるのかなというふうにして思います。やっぱりそのために今から一つ一つしっかりと手を打っていく必要があるのかなというふうにして考えております。そのためには、当然よそから人を呼んでくるというのは大きな方針でございますが、ただ大学もない専門学校もないというこの根室市において、全く縁もゆかりもないこの地域にこの介護の分野で人が来るかというと、非常に厳しいと思います。 なぜならその介護というのは、単純に技術の提供をするだけじゃなくてその人の生活を支えるその地域の暮らしぶりをよく知っているというところも大きく反映されるものですから、そうなってくるとやはりこれまで生まれ育った地域に将来的に帰ってこられる体制づくりや仕事を長く続けられるための体制づくりというものをしっかりと官民協力してつくり上げていく必要があるのかなというふうにして思っております。 例えば、その奨学資金の貸し付けの問題、この対象を拡充していくこと等とさまざまな対策を積極的に踏んでいく必要があるというふうにしておりますが、その点についての見解を伺います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 介護職員に対する修学資金についてでありますが、現在当市においては地域医療を担う人材の確保、充実に資することを目的として看護師や医療技術者等を対象に修学資金の貸し付けを行っており、貸し付け者には地域の医療・介護の将来を見据え、介護施設の就職した場合にも返済の猶予や免除を行い必要な人材の確保に取り組んでおります。 先ほどお答えしました介護事業所アンケート調査では、介護職の不足が17名であるとの結果でありますが、介護職には複数の資格があり、事業所が必要とする人材について更に詳細を調査し、修学資金の有効性なども含め検討してまいります。
○議長(田塚不二男君) 橋本君。
◆(橋本竜一君) ぜひ御検討をお願いしたいと思います。 それと、関連した質問なんですが、もう一つ特に足りないというか、厳しいのがいわゆる市内の居宅介護支援事業所でございます。いわゆるケアマネージャーさんですね、これ登録者数、つまり資格を持っている人自体の数は結構ふえてきているんですが、実際の稼働している人たちはそれほどでもないということですね。第6期の将来推計を参考にすれば、認定者数の増は軽度者、要支援から要介護2ぐらいまでの中軽度がやっぱり多く伸びてきているわけで、この伸びに対応するだけのケアマネージャーの配置というものは一つ大きな課題になってくるのかなあというふうにして思います。この点をどういうふうに把握されているのかをひとつ伺っておきたいということと、あとあわせまして、将来的に新しい総合事業で予防給付だとかがどうなってくるのかということもあるんですが、地域包括支援センターですよね、その設立した平成18年のときには要介護認定者って838人だったんです。そのうちの要支援が198人、それが平成26年度では要介護認定者が1,348人、うち要支援が456人ということで、特に要支援のところでは倍以上にふえているという状況でございます。 じゃあ、この間包括支援センターの体制はどれぐらい強化されてきたんですかという話だというふうにして思います。もともと65歳以上の人口規模や、いわゆる細長いこの面積上から考えていても1カ所の包括支援センターという体制では限界がある地域なのかなというふうにしては思っておりますが、やはり具体的にはしかも3月定例月議会のときに更に足立議員が詳しく指摘をしておりましたが、今後ますますいろいろな役割がどんどんどんどん包括というところが担ってくると、そうした部分に、もちろん資質向上もそうなんですけれども、純粋にマンパワーとしてこれしっかりと確保を進めていかなければならない問題だというふうにして思っておりますので、ちょっと改めてこの部分について見解を伺っておきたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 市民福祉部長。
◎市民福祉部長(高橋雅典君) 介護専門員等の状況についてのお尋ねでございます。 介護事業者アンケート調査では、各事業所に現在12名の介護支援専門員が在籍し、ケアプランの作成の業務に当たっているところでございます。このうち小規模多機能居宅介護事業所に設置のケアプラン作成部門においては、介護専門員の退職等により一部業務が休止している状況にあるということも今回の調査で承知をいたしたところでございます。 また、地域包括支援センターの体制についてでございますが、現在支援専門員3名、保健師1名、社会福祉主事1名の5名体制で業務に当たっておりますが、事案によっては保険課、更には市立根室病院の地域医療連携室などと連携し対応に当たっているところでございます。 今後ケアシステムを構築する中で、その中枢となるセンター機能の充実を図ることは大変重要であるというふうに考えてございますが、こうしたことから必要な人材確保とさらなる連携強化などについて庁内はもとより、関係団体などとも協議を行い体制強化を図ってまいりたい、そのように事務を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(田塚不二男君) 橋本君。
◆(橋本竜一君) ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 これは意見のみではございますが、またその専門職のいわゆる確保という部分では、もちろんこの業界に限らずさまざまな業界において共通だと思いますが、この働きながら資格を取るとか、試験を受けるだとか、研修を受けるとかということがやっぱり釧路に行かなければならない、帯広に行かなければならない、札幌に行かなければならない、それだけで条件不利的な地域でございます、言うまでもありません。やっぱりこうした中でそういう専門職の方々の定着を図っていくというのは、一般的なやり方だとなかなか難しいという点があります。改めてやっぱり先ほどアンケート調査の話もされておられましたので、事業者の方々としっかりとどういう方策があるかという部分を協議をして進めていっていただきたいなというふうにして思いますし、あともう一つ、この介護分野での医療職、看護師さん等々の配置の問題、これは非常に厳しい状況でございます。先ほど4名でしたっけ、不足のところでもいただきましたが、やっぱりもともと根室の場合、こういう看護師さんの配置が充分でないために入所施設等々の医療行為というものがかなり制限されて、そこに入られる方々も制限を受けてきたという状況に加えて、近年ますますその兆候が拍車がかかってきております。入所についても当然厳しい状況でございますし、働いてらっしゃる方々の高齢化という問題もあります。介護のこの現場に医療職が入るということはある意味病院よりも難しい側面が多々あります。そこで何でもかんでもというか、専門的な判断を中心的に求められるということもありますし、給与面が保障されないということもありますし、そうした部分も含めてなかなか事業者だけで頑張ってくださいねということではちょっと厳しいのかなというふうにして思いますので、あわせてこういう問題について一緒に協議をしていただきたいというふうにして思っております。これは意見のみ述べさせていただきます。 ちょっと時間がありませんので、続いて介護予防の取り組みについて述べさせていただきまして質問させていただきます。 厚労省が地域づくりによる介護予防という観点について新たに出してきております。これはいろいろな意図とかもあって全て賛成ということではないんですが、非常に大事な観点だというふうにしては思っております。さまざま先進的なモデルケース等々が紹介をされておりますが、やっぱり根室市としてもこういう何よりも行政主体ではなくて住民主体という取り組みをどういうふうに整えていくのかということがやっぱり大きな課題として取り組んでいかなければならないというふうにして思います。 根室の場合、ボランティア団体なりNPOなりがなかなか育ってこない、住民の運動が育ってこないという問題はあったんですけれども、でも例えばことし社会体育の主催で市民の方々34名でしたか、いわゆるふまねっとのサポーター資格を取ったそうでございます。そういった方々はせっかくなので情報交換などを目的とした会なんかも立ち上げてやっていきたいということでされておられるようでございます。 じゃあ、そういう方々が各地域、町内会等々に散らばって活躍していただける環境はどうやってつくっていくのか、具体的に言うとじゃあどこの場所でやっていくんだとか、あれふまねっとやるのに結構いいお値段しますから、じゃあそういう用具はどうしていくのかと、あるいはそういった場所をつくったとしてそこに近所の住民の方々を呼び込んでいくにはどういうふうにしていったらいいのかということを、主体は住民ですから住民の皆さんが中心となって考えていくんですけれども、やはりそこに対して行政は何らかの形で支援、サポートが必要なんだというふうにして思います。それがやっぱり行政と住民との協働の取り組みだというふうにして思いますので、これは今一つの例として申し上げましたけれども、こういった構想を一つ一つこの地域ではこうする、あそこの地域ではこうするという計画を立てていくという取り組みが今後必要になってくるというふうにして思っております。見解を伺って終わります。
○議長(田塚不二男君) 市民福祉部長。
◎市民福祉部長(高橋雅典君) 介護予防事業における地域とのかかわり合いについてのお尋ねでございますが、一般介護予防事業は高齢者の生活機能の向上や社会参加などを図り、生きがいのある生活の実現を目指すこととされており、そのためには居場所づくりや社会活動の参加への機会づくりを図るとともに、地域住民の見守りや支え合いなどの互助の組織化など地域の取り組みの視点が大変重要であるというふうに考えてございます。 このため、介護予防事業にかかわってのさまざまな取り組みを推進していくためには、地域包括支援センターが中心となり、ただいま橋本議員のほうからも御紹介ございました社会体育課の事業など、そうした関係部局や団体などとも連携する中で出前講座をはじめモデル地域の設定など、今後地域の支え合いの醸成を図られる事務事業の勧めを考えているところでございます。
○議長(田塚不二男君) 次に、3番神忠志君。 神君。
◆(神忠志君) 通告に基づき一般質問を行います。 質問の第1は、地域経済問題であります。 その1は、サケ・
マス流し網漁業禁止をめぐる諸問題について伺います。 サケ・マス流し網禁止問題についての情勢といいますか、あるいは情報については多くの市民の皆さんが既に御存じでありますので、私はこの場合前置きをせずに端的に伺ってまいりたいと思います。 1つは、6月10日、11日になってようやく長谷川市長を先頭とする根室市をはじめとする関係自治体あるいは自治体の首長、議長、漁協関係者、各経済団体の代表がサケ・
マス流し網漁業の長期的、安定的な継続を求める要請団を結成して国に要請活動を展開いたしました。多くの市民の皆さんはなぜこの時期になってからの要請なのか、あるいはなぜもっと早く行けなかったのか等々の疑問の声が大変多く出され、私自身もその矢面に立たされた一人であります。市長がこの時期を選択し要請するに至った判断、あるいはその基準となったものは何だったのか、これがまさに地域の存亡にかかわる重大な問題であるだけに市長は市民に対して明確な説明をする責任があると考えます。市長の見解を求めるものであります。 2つ目には、国に対して言うべきことを主張する市長自身の政治姿勢の問題について伺います。 根室市は1市4町という根室管内の行政上の諸課題を調整したりまとめたりするリーダーとして、また北隣協でも中心的な役割を常に担ってきました。とりわけ根室市は戦後70年という長きにわたり北方領土の返還運動に取り組む原点の地の市長として日本の中でも歴史的に特別重要な役割と位置にある首長だと考えています。このような特別の位置に置かれている市長だからこそ、地域経済あるいは地域の崩壊と言うべきこの危機に直面している問題、ロシア海域でもサケ・マス問題でももっと強力に国に働きかける、あるいは国に対して発言をする積極的な政治姿勢が必要であったのではないかと考えます。 更に、北海道がこの問題で真剣な取り組みを行ったと言えるのかどうか、また道と市の連携がどうであったのか、見解を伺います。 3は、ロシア側はあす24日にも上院での審議と大統領決裁という最終段階に入ってきていると言われています。2016年からの
流し網漁業禁止法案を成立させない可能性というのはまさに
プーチン大統領の拒否権しか残されていないという環境にあります。そのためには、安倍首相の大統領への直接の訴えが唯一残された可能性でありますが、市行政として最後まで諦めないでわずかな可能性に向けた行政努力を行うのかどうか、市長の見解を伺うものであります。 地域問題の第2は、それらとの関連で緊急経済対策について伺います。 1つは、ロシア海域のサケ・マス漁業禁止問題の影響についてであります。 この問題での影響額は、いわゆる根室から釧路地域にかけて道東全体で250億円と言われておりますが、根室市はその8割が影響があると試算があると聞いています。こうした金額だけではなくて、根室市全体でどのような影響が出ると捉えられているのか、見解を伺います。 冬のタラ漁も大変厳しい状態で操業が行われました。これに追い打ちをかける今回のサケ・マスを取り巻く環境、ロシア海域のサケ・マス漁業も交渉結果は小型船だけで漁獲量が7割減の妥結となりました。実体経済への影響はこの数値をはるかに上回る深刻なものと考えています。このことにより中型漁船や水産加工業をはじめ、運輸などの関連産業全体への経済打撃とその波及は非常に幅の裾野の広がりをあるものと危惧するものであります。当面、地域経済危機に対する緊急経済対策を国、道に求めるべきと考えます。その緊急経済対策についての考え方を伺います。 3は、漁業、水産加工業への振興対策について伺います。 1つは、ロシア海域の流し網漁業が現実のものになれば漁業振興対策として何が必要になるのか早急に考え方を煮詰める作業が出てまいります。その作業をどのような視点で行うのか、見解を伺います。 2つ目には、これまで根室市の地域経済は従来の漁獲循環により500億円程度の水産加工製品を出荷し、仕事と雇用を維持し地域社会を維持してまいりました。今後もそのような生産の維持のためには、原魚確保をどうするのかという大きな課題を抱えます。ことしは沿岸水産資源を利用してきた中小加工業者の中でも、なかんずく家族経営などの小規模業者は大手加工業者の原魚不足で沿岸資源がその人たちによって使われるために、小規模企業者は大変その原魚の確保に困難を来しているというのが実態であります。地域全体の原魚確保のためにもその対策をどうするのか、見解を求めるものであります。 4つ目は、地域振興対策とその財源確保について伺います。 1つは、これまでの根室市の経済循環を支えてきたのは言うまでもなく漁業分野でのタラ、サケ・マス、サンマという漁業の年間サイクルがあったわけであります。その一つであるサケ・マス流し網漁が崩壊すれば、前提としてきた地域経済対策を大きく見直す作業が緊急に求められますが、その課題についてどのように取り組むのか伺います。 2つ目は、地域経済振興策は緊急的な対策と抜本的な対策とが必要になると思います。いずれにせよ、北特法の基金活用のあり方を含めて、いわゆる緊急あるいは抜本的な対策にしろその財源をどうしていくのか、国や道に強く要請していくことが必要となりますが、こうした課題に市長自身がどう対応されるのか、伺うものであります。 大科目の第2の質問は、いわゆる安保法制問題と地方自治のあり方について伺います。 第2次世界大戦後、世界の国々では大戦の悲劇を踏まえ軍国主義をすえなかった憲法を改めて捉え直す動きが起こったと言われています。 その結果、日本では、1つは憲法を制定する権利を持った国民が統治権力によるいわゆる権力の濫用を防ぐ仕組みをつくること、2つ目には基本的人権尊重の徹底、3つ目には戦争は立憲主義の敵という考え方から平和国家への志向を現憲法に明記するなどの原則が強調されて現在の憲法が制定されています。この憲法に基づく政治行政の推進こそ立憲主義そのものであります。今国会に提出されている、いわゆる安保法制と言われる10の法案と国際協力法等に関する法案が現在国会で審議中で、この審議の中で大きな問題となっている集団的自衛権についてでありますが、憲法調査会に参考人招致された与党と野党推薦の3人の学者がいずれも憲法違反との見解を明確にしました。また、昨日の集団的自衛権に関する議論の中でも、元法制局の各長官もこれを違反と述べております。 あわせて、憲法99条は、天皇はもちろん国務大臣、国会議員、裁判官やその他の公務員には憲法遵守義務が定められています。長谷川市長自身、この安保法制についてどんな考えを持っておられるのか、見解を伺うものであります。 また、憲法9条は、平和主義の基本が定められており、日本は戦争をしない国としての国家のあり方を今日まで明確にしてきました。きょうはくしくも沖縄慰霊の日であります。こういうことを踏まえて、もしこのような法案によって戦争する国へ転換するとすれば、地方自治のあり方にまで大きな問題が提示されることは必至だと考えます。安保法制についての市長の考え方を伺います。 質問の大項目の最後は、文化財の保護の諸問題について伺います。 1つは、戦争遺産の保全のあり方について質問いたします。 根室市には多くの戦争遺産が残されています。しかし、その戦争遺産は戦後70年経過し、市民の記憶の中から忘れ去られようとしており、同時にその遺産には早急に記録を残し保全を急がなければならないものも存在しています。こうした状況にある戦争遺産について市長部局としてどう対応するのか、また教育委員会としてどうそれらの問題に取り組んでいくおつもりなのか、御答弁をお願いを申し上げます。 2つ目は、ユルリ・モユルリ島の保護のあり方について質問いたします。 ユルリ島には半野生馬となっている馬が現在5頭残されていると言われています。道内出身の著名な写真家である岡田敦氏は、宮崎県都井岬の野生馬の命の営みを追い続け写真に記録していますが、同時にユルリ島の半野生馬にも関心を持ち写真による記録を今も撮り続けています。半野生馬、特に平たんな島で厳しい冬場も生き抜くという生命の尊い営みとそれがつくり出したユルリ島の自然環境との関係を貴重なものとして、この島での馬の存在の大きさを重視しているようであります。馬主に今後この馬たちが生きられるような問題について呼びかけをしていると聞いています。しかし、馬主の方々は個人的には馬を管理できる環境にはないというのが実態であります。馬は戦後昆布生産やすぐれた種牡馬、いわゆる種馬生産のために60年ほど前から島に持ち込まれたという背景と歴史がありますが、現在ユルリ・モユルリ島が道の天然記念物となっていることなどのことから、本来両島全体の保護と保全のあり方をどうすべきかという議論が大いに必要であろうかと考えます。教育委員会の考え方をお尋ねするものであります。 最後に、埋蔵文化財の保護とその対応について伺います。 根室市の埋蔵文化財は、全道的にも有数の数を誇っております。その年代も縄文期からアイヌ文化期と幅が広く、貴重な文化財が土地の開発等による環境変化を受けずに現存していることから、その保護のあり方について早急に方針化することが求められていると思われます。埋蔵文化財の保護と保全には多くの予算が伴う問題でありますが、今後の取り組みについて、あるいは対策について見解を伺い、壇上からの質問を終わります。
○議長(田塚不二男君) 昼食のため、午後1時15分まで休憩いたします。 午後零時3分 休憩 午後1時15分 開議
○議長(田塚不二男君) それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 神議員の一般質問にお答えをいたします。 はじめに、サケ・マス流し網漁の要請時期の判断についてでありますが、この問題に関するこれまでの当市の要請行動としましては、私と議長が3月5日に水産庁、6日に外務省へ直接出向いて要請を行いましたが、帰省後担当課に対して、釧路市、厚岸町など関連自治体と連絡をとり一体となった中央要請に向けいつでも動き出せる環境をつくっておくよう指示を出していたところであります。 更には、外務省、水産庁からの情報収集に努めるとともに、漁協をはじめとする関係団体との連絡調整を密に行い要請行動のタイミングを模索していたところであります。 こうした中、4月13日には市内4漁協、水産協会、商工会議所、市によるロシア200海里内サケ・
マス流し網漁業根室市対策本部のコアメンバー会議を開催し、今後の対応について協議した結果、本年の漁業交渉を最優先とし、その妥結後に流し網漁業の存続に向けた中央要請行動などの対応をしていくという基本姿勢を確認したものであります。 このコア会議のこの一定の確認をした背景には、毎日のように外務省、水産庁への情報収集をもう一遍求める中でも、やはり国のほうでも今年度の27年度に200海里内サケ・マス流し網交渉の早期妥結が最優先ということで、知事も文書要請をいたしましたが、その辺については国としてはちょっとという感じでありました。そういうことも総合してこのメンバー会議で静観した国の方針にも、今は一番大事な時期なんで静観したほうがいいんではないかという判断に至ったということであります。 しかしながら、本年の交渉開始が大幅におくれたことに加え、ロシア側より厳しい操業条件が示され交渉が難航、長期化したところであり、その後の交渉経過やロシア連邦会議の審議スケジュール、更には総理の外交日程等さまざまな状況を勘案した結果、この時期を逃すと大統領署名を得て禁止法案が成立に至るおそれがあったことから、対策本部の本部員会議による決定をもちまして今回の要請日程を決断させたものであります。 次に、国への働きかけと北海道との連携についてでありますが、3月の水産庁、外務省への要請において当市の窮状を伝えるとともに、万が一流し網漁業禁止措置が我が国にも及んだ場合、当市経済の衰退、人口減少の加速化に加え北方領土返還要求の原点の地としての活動も立ち往かなくなる旨を強く訴えたところであります。 また、北海道は、今年2月に高橋知事からフョードロフロシア連邦農業大臣へ流し網漁業の継続を求める書簡を送付するなどいち早く行動を起こしており、その後も在札幌ロシア総領事への書簡手交、農林水産大臣への要請、更には知事と道議会議長の連名でサハリン州知事と州議会議長への書簡を送付するなど積極的に働きかけを行ってきたものであります。 更には、機会あるごとにロシア国内の情報提供に加え、担当職員を通じ水産庁に対し地域の切実な声を届けていただいたほか、この問題は重大と捉え、道としてもその解決を強く要請したいとのことから、このたびの中央要請におきましても水産局長が同行し要所において地域の後押しとなる発言をいただいたところであります。 こうした中、先ほど行政報告いたしましたとおり、
総理官邸での
北方領土返還促進に関する政府要請の場において、私からも総理に直接要望されるよう知事に強く働きかけ、高橋知事より
安倍総理大臣に対し直接サケ・
マス流し網漁業の継続を求める発言をしていただき、安倍総理からもロシアにしっかり伝えたいとの返答を得たところであります。 次に、
安倍内閣総理大臣の直接対応に向けた取り組みについてでありますが、まずは6月15日の高橋知事からの口頭要請に安倍総理が応えたことを受け、その後日本政府としてどのような働きかけが行われているのか、またあしたにも採択が行われるとの一部報道のありました
ロシア連邦議会の上院における採決に関する内容も含めまして外務省、水産庁からの情報収集に努めてまいります。 ロシア水域におけるサケ・
マス流し網漁業は、日ソ漁業協力協定に基づき日ロ両国の漁業分野における友好のあかしとして長年にわたり受け継がれてきたものであり、漁業の分野における互恵的協力を発展させるというこの漁業協定の基本的な精神を尊重し、今後ともしっかり継続させていくことが最も重要であると認識をいたしております。 こうしたことから、私は大統領署名の前に安倍総理との面会が可能であれば、直接お会いをして本協定の持つ重要性とその堅持について、更には地域の置かれた厳しい現状について訴えることを視野に入れ、その動向を注視しながら調整を進めてまいりたいと考えております。 次に、流し網漁業禁止による当市への影響についてでありますが、行政報告においても述べましたとおり、ロシアにおいて流し網禁止法案が成立した場合には、ロシア200海里水域での日本船による流し網漁業が継続できなくなることが危惧されているほか、関連産業にも甚大な影響が及び、水産業を基幹産業とする当市にとりまして、まさに存亡も危ぶまれる重大な問題となるものであります。 このたび大地みらい信用金庫との連携により、根室市、釧路市、厚岸町における経済影響調査を実施したところ、平成26年度対比で約251億円の影響額と試算をしたところであります。このうち、当根室市が占める割合が約8割となっておりますことから、約200億円が当市に及ぶ影響額と捉えております。 ただし、この試算につきましては、ロシア200海里サケ・
マス流し網漁業の平成26年度実績であります。38隻の操業船が皆減した場合の影響額のみであり、サケ・マス漁業終了後、夏から秋にかけてのサンマ、冬場のタラと、乗組員を確保しながら継続してきた通年操業のサイクルが崩れることになりますと、その影響額は更に拡大するものと想定されるほか、先行きの不安感からさらなる人口減につながるなど、試算いたしました金額だけではなく、市全体にさまざまな影響が及ぶおそれがあるものと懸念しているところであります。 次に、緊急経済対策についてでありますが、議員御質問のとおり、ロシア200海里水域でのタラ底はえなわ漁の早期切り上げに続き、春の主力魚種であるサケ・マス流し網漁の大幅な
漁獲割り当て量の減少による市内経済への影響は、漁業水産加工業はもとより、関連産業も含め地域全体にわたり極めて大きなものになると大変憂慮しているところであります。 このような中、喫緊の対策として、昨日市内金融機関に対し円滑な融資の実行等について要請をしてきたところであり、今後におきましても関係団体で構成するロシア200海里内サケ・
マス流し網漁業根室市対策本部を中心としてさまざまな角度から各種要望内容を検討し、あらゆる機会を通じて国や北海道に対し支援を要請してまいります。 次に、漁業対策についてでありますが、仮に来年以降のサケ・
マス流し網漁業が禁止された場合には、その影響が直ちに発生するため、速やかな対策が必要になるものと考えております。 本漁業は、春から初夏にかけてのこの時期に当市漁船漁業の先陣を切る重要な漁業でありますことから、今後新たな漁業の展開を視野に入れながら国際漁業環境の変化による影響を最小限にとどめ、強固で持続可能な漁業構造を目指していく必要があるものと考えております。 一方で、昨年度策定しました沿岸漁業振興計画に基づき漁業者並びに関係団体との連携のもと、適切な資源管理やつくり育てる漁業をはじめとした各種施策を計画的かつ積極的に推進する必要もあるものと考えております。 いずれにいたしましても、当市が全国屈指の水産都市として、将来にわたり漁業を柱として地域経済が発展していけるよう必要に応じて国や道の指導を仰ぎながら、サケ・
マス流し網漁業での根室市対策本部を中心に漁協や業界団体等の連携のもと充分な協議を重ねその対応を図っていかなければならないものと考えております。 次に、原魚確保対策についてであります。 当市におきましては、平成13年より実施しております水産加工業調査によりますと、平成26年度出荷額は457億円となっておりますが、一部未回答があることから総体の出荷額は500億円を超えているのは明らかであり、基幹産業である水産加工業の当市経済における位置づけは大変重要となっております。 今後における原魚確保対策としましては、新たなルートの開拓や輸入、移入により根室に原魚を集める仕組みづくりについて検討するとともに、当市における水産加工業の現状が塩蔵や冷凍など1次加工品の製造が主体となっておりますことから、国の水産加工業経営改善支援事業等の活用を図り、国産加工原料の加工支援を受けながら高次加工への転換を図り、付加価値の向上につなげていくことも今後重要になってくるものと考えております。 更に、こうした課題につきましても、サケ・
マス流し網漁業根室市対策本部において水産協会をはじめとした関係団体の皆さんと検討を進め、それぞれの役割や分担を明確にしながら加工原魚の安定確保に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、地域経済振興対策についてでありますが、このたびのロシア200海里水域におけるサケ・
マス流し網漁業を取り巻く諸問題を受けまして、関連業界においても独自の影響額調査を行っているほか、大地みらい信用金庫においては対策チームが設置され、より詳細な影響調査を進めていると伺っております。 そのため、こうした情報を対策本部内で共有し分析を進めるほか、今後国や道も指導、助言もいただき、新たな漁業の展開を視野に入れながら沿岸漁業振興計画に基づく各種施策を計画的かつ積極的に推進し、漁業のみならずその効果が加工・流通などの関連産業にも広く波及する強固で持続可能な漁業構造の構築を目指してまいります。 更に、基幹産業の構造変化に対応すべく根室市全体の産業の方向性やあり方について市全体で検討を行うなど、これからの地域経済の振興に努めてまいります。 次に、地域振興の財源対策についてでありますが、まずは当市が北方領土問題を抱えながらも返還要求運動原点の地として全国の先頭に立ち70年に及ぶ返還運動を支えてきたにもかかわらず、国際漁業の環境変化に翻弄され続けてきたこの歴史と特殊性を改めて強く訴え、国、道へ財源措置を求めていく必要があるものと考えております。 更に、抜本的な振興対策を進めるに当たっては、相当の財源が必要となることから、北特法に基づく財源措置が当市にとって最も有効と考えるところでありますが、現行においては法の趣旨や財源規模からも充分とは言えないものでありますことから、この実現に向け管内4町の理解を得ながら適宜要請していくことも必要になるものと考えております。 これまで御答弁申し上げましたとおり、当市が強固で持続可能な漁業構造を構築し地域振興を図るためには、こうした財源確保に向けた課題につきまして今後対策本部において検討を進めることはもとより、国や道、更には関係自治体の連絡調整を密に行うほか、全国屈指の水産都市として果たしてきた役割をしっかり訴え、財源対策を強く求めてまいります。 次は、安保法制の問題と地方自治のあり方についてであります。 安保法制につきましては、我が国及び国際社会の平和と安全のための切れ目のない体制を整備することを目的とした国際平和支援法案と自衛隊法など10件の法律を一括改正する平和安全法制整備法案から成る我が国の安保政策上歴史的な転換につながる極めて重要な法案であると認識しております。 集団的自衛権において限定的な行使を可能にすることなどを柱としたこの安保関連2法案につきましては、現在国政の場において審議中であり、私といたしましては慎重かつ充分な議論が尽くされるべきと考えております。 また、法治国家としても憲法に基づく法整備と行政執行が行われるべきと考えており、地方自治の立場からも今後の動向に注視するとともに、市政を預かる者として憲法を遵守する精神を基本に据えて、平和で豊かな市民生活を営むことのできる市政の執行に最大限努めてまいりたいと考えております。 最後に、戦争遺産の保全についてでありますが、当市は昭和20年7月14日からの2日間にわたる大空襲により多くの命が奪われ、市街地の大部分を焼失する大きな被害を受けたところでありますが、先人の尊い犠牲とたゆまぬ努力により復興を遂げ、今日の平和と繁栄があることを私たちは決して忘れてはなりません。 そして、安心して暮らせるまちづくりの基本は平和にあり、戦争という過ちを二度と繰り返さないためにも戦争の悲劇や先人の苦労を後世に伝えていく必要があり、現在鳴海公園敷地内に根室市平和祈念碑の建立を進めているところであります。 戦後70年という歳月が流れ、戦争を体験した世代は年々減り戦争や空襲の記憶が薄れつつある中で、当市に残された戦争遺産についても時の経過とともに風化が進んでいるところであります。これらの当時を物語る貴重な戦争遺産は、戦争の事実を後世に伝えていく上で重要な史跡であると認識しており、その保全などにつきましては他市の事例等を調査研究するとともに、教育委員会とも連携しながら検討を進めてまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(田塚不二男君) 寺脇教育長。
◎教育長(寺脇文康君) 神議員の一般質問にお答えいたします。 はじめに、戦争遺産の保全のあり方についてでありますが、当市には太平洋沿岸沿いに構築された陸軍のトーチカの一部や牧の内地区の海軍飛行場跡などの関連施設が比較的良好な形で残っており、これまで民間団体や市民有志の手で実態調査が進められ、その成果は歴史と自然の資料館発行の紀要等で紹介されているところでございます。 しかしながら、戦時中の詳細な資料は当市には現存しておらず、また先日の戦争史跡の見学会で飛行場滑走路跡から足跡が新たに発見されているという例もあり、全容解明には更に相当の調査と時間が必要と考えております。 このようなことから、教育委員会といたしましても、こうした重要な戦争遺産を歴史の証人として次の世代に正確に伝えることができるようその実態把握に努め、今後の適切な保全のあり方について検討してまいりたいと考えております。 次に、ユルリ・モユルリ島の保護についてでありますが、御承知のとおり、ユルリ・モユルリ島は海鳥の繁殖地として天然記念物に指定されております。また、ユルリ島において半野生化した馬はかつて同島で行われていた昆布生産やその後の馬産という人の営みの中で移入されたものであり、生産者が高齢化し後継者がいないことから、平成18年を最後に繁殖としての馬産活動が終了し、当時14頭の馬が残り、現在では5頭の馬が生息しているところと伺っております。 冒頭で申し上げましたとおり、モユルリ島の全部とユルリ島の一部は海鳥保護の観点から北海道の天然記念物に指定されたものであり、また当教育委員会では現在地権者である落石漁業協同組合及び北海道から委任を受け上陸の許認可を担当しているところでありますが、議員御指摘の野生化した馬も含め今後とも両島の天然記念物指定の趣旨に沿いながら、環境省や北海道、落石漁業協同組合等と今後の保護のあり方について協議してまいりたいと考えております。 最後に、埋蔵文化財の保護とその対応についてでありますが、現在市内には道内でも5番目に多い306カ所の埋蔵文化財が確認されており、これらは当市の地域資源として大変重要でありますことから、その保護と活用につきましては、今後とも積極的に取り組んでいく必要があるものと承知しております。 なお、埋蔵文化財の保護、保存等につきましては、北海道教育委員会の指導のもと管理や情報共有がなされており、あわせて当教育委員会が中心となり分布調査や測量調査を随時行いながら調査研究に努めているところであります。 こうした中、国におきましては地方公共団体に対しまして地域内の文化財を総合的に把握の上、保護計画を策定するなどして文化遺産を地域の宝として次世代に継承し、交流人口の拡大と地域活性化の推進につなげていくことを提言しており、当市におきましても埋蔵文化財を含めた文化財全般の包括的な保護や活用を目指し、今後更に地域の文化財の幅広い把握や総合的な活用の必要性、重要性につきまして説明しながら必要な予算の確保に努め、埋蔵文化財の適正な保護を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(田塚不二男君) 神君。
◆(神忠志君) 再質問でありますけれども、ちょっと聞き逃したのかなというふうに思っておりますが、いわゆるサケ・マス流し網禁止問題をめぐる諸問題の中の3つ目の問題、つまりあすにもロシアの上院で可決され、場合によっては即日
プーチン大統領のサインが行われるかもしれないという大変時間のない中での話ですが、そうなった場合だと手の打ちようがないんですが、いわゆる上院で可決をし大統領サインまで2週間だというふうに聞いていますが、そういう時間のない中で最後まで諦めないで対応するのかということについて御答弁いただいたのかどうか、ちょっとそこのところが聞き漏らしたのか、抜けていたのか、そこの確認をして再質問に入りたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 再質問にお答えします。 答弁書は答弁したつもりでありまして、その答弁内容ですが、内閣総理大臣への直接対応に向けた努力についての答弁内容で、最終的には私は大統領署名の前に安倍総理との面会が可能であれば直接お会いして、本協定の持つ重要性とその堅持について更に地域の置かれた厳しい現状について訴えることも視野に入れ、その動向を注視しながら調整を進めてまいりたいと考えておりますという答弁をいたしました。
○議長(田塚不二男君) 神君。
◆(神忠志君) このサケ・マスの流し網問題をめぐる問題、これは業界内の問題等々もありなかなか公式な席でさまざまなところを全て明らかにできない多くの問題を抱えているということは充分承知をしております。同時に、市長自身の胸の中には相当な危機感をお持ちだろうというふうには思います。しかし、実際御答弁いただいて率直に申し上げますと、御答弁の内容が一般論で終始をしていないのかという危惧を感じています。つまり私たちの地域の最大の危機とも言える、戦後最大の危機とも言えるこの流し網禁止問題だというふうに捉えています。200海里という問題については何とか乗り越えてまいりましたが、それ以来の最大の危機に直面していて、地域経済の問題ではなくて地域社会そのものが大きく崩れていく要素を持った内容ではないかと。そういうことからすれば、市長の御答弁の中にそうした緊迫感、危機感が率直に言って感じられないというのが私の感想であります。 10日、11日の要請の後、市長が疲れ切った顔で記者会見のようなことに応じておりましたが、それを見ていた市民から私も言われたんですが、これだけの大きな問題に怒りも迫力もないのではないかということを市民の1人ではなくて何人かの皆さんから私自身指摘を受けました。そういうことを最初に申し上げて具体的な問題に入っていきたいと思います。 いわゆる10日、11日の要請にこの時期に至った判断について御答弁いただきました。コアメンバーによる会議によって本年度の漁業交渉を最優先すると、こうしたのは4月の中ですよね。それから、要請に移ったのは約2カ月後ですよ。どうしてこういう判断になってしまったのかということについてやっぱり市民に対して明確な説明をする必要があるのではないかというふうに考えますが、まずその点についてお答えいただきたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 全てを私お話しするといろいろ差し支える面もありますが、あのコアメンバー、いわゆる本部会議を開催する前にも主要な関係団体と毎日のように情報を交換し、市がとるべき行動について協議をしております。 それと、市からもそうですが、業界からも水産庁を中心に外務省あるいは他の地元選出の国会議員とか、関係の国会議員にもかなり毎日のように情報収集と今後の考え方についての指導をアドバイスを受けていまして、その時点でやはり東京あるいは国会議員、ちょっとこちらのコアメンバーとの間、それと私との関係でとにかくロシア200海里内のサケ・マス交渉をとにかくまずそれが最初だと、それでなければ、それが一番大事なんだという認識は全て一致しておりまして、先ほどもちょっとお話ししましたが、知事がちょっとまだ国でやればちょっと勇み足というような言い方をしていましたが、動いたときがありまして、それが動いたときに即地元は動かないでほしいと、我々で今収集すると。要するに、サケ・マス流し網交渉が決まらないと現地が危機突破大会を開くとかという相談もしました。それも根室市が1市だけで危機突破したって、大会を開いたって、逆にロシアが刺激するんではないかという指導を受けています。 それと、根室市だけで行動をするのは、やはりこれからのことを考えるとあくまでもこれ日本の問題であると。漁業の、水産業の全国的な問題だという捉え方のように思ってもらうために根室市単独のことは避けていただきたいという、そういう趣旨の3月ごろから指導を受けていまして、それで今回のように釧路とか厚岸とか浜中も入れた行動をしたところであります。 我々はもっと言うと、東北のサケ・マス漁船あるいは北陸のもあるんだということも国のほうにそれを入れたほうがいいかとかの指導を仰ぎましたが、そこまでは今回は漁船がいるというだけで主要産地にもなっていないんでというような指導も受けて今回こういうふうに、結果的に言えば行動がおくれたというのはこれは否めないと思います。
○議長(田塚不二男君) 神君。
◆(神忠志君) そこが非常に大事なところではないかというふうに思っています。本当に知事の行動が勇み足だったのかどうかという問題です。そういう国の判断、国というのはどこなのかという問題ですよ。水産庁なのか、外務省なのかという、あるいは官邸なのかという判断です。 私は3月31日に審議官が来られていろいろ御説明あったときに、審議官に申し上げましたのは、いわゆるこの問題はロシア200海里のサケ・マス流し網問題というのは水産だとか漁業行政上のテクニックのあれこれを超えた問題だと。まさに裏にあるのは政治的な問題、国家主権にかかわる非常に重要な問題だということで審議官に私の考え方も申し上げました。私はこのときに水産庁が相当頑張っても非常にロシアが提起している問題、あるいはロシア側がこの時点でロシア200海里の交渉日程さえも明らかにしていないという状況のもとでは本当に厳しい状況があったのではないかというふうに思っています。知事のそういう行動が軽率で勇み足だということで、国からそういう指導と申しますか、そういうものがあったと、地元も動けないという状況が長く続いていたんですけども、このときまだ本当に市長としてどういう判断をされるのかというのは非常に重要な問題だと私は考えています。国が、国がというのは、私はこの場合水産庁と外務省に絞っていますが、そういう判断でいたことについて、私はこういう本当に特殊な地域ですよね。中間ラインという事実上の国境が設定されて、この行き先のない、しかも70年間にわたって北方領土返還運動を叫び続けたこの地の首長であるからこそ市長のリーダーシップが問われた問題ではないかと思うんです。私は市長にさまざまな形で必要なときにこの地の領土返還運動の原点の地の市長として適切なアナウンスを道や国に向かってしてほしいということをいろいろな場面で申し上げてまいりました。 それから、行動は公式にある行動とそうでない行動が求められるのではないかと。その後さまざまな新聞報道があって、私たち常任委員会の委員長、副委員長、特別委員会の委員長、副委員長4人で、4月16、17日に道内選出の国会議員の皆さんにお願いに行ったときに強く感じたのは、もう与党議員の皆さんから最初に口に出されたのは代替漁業の問題でありました。このときに4人とも共通して感じたのは、もう水産庁がやる交渉の範囲を超えている問題が背景にあるのではないかと。つまり首相官邸が、官邸周辺がこの問題についてどんな認識でいるのか、そこのところをきっちり伝えない限り、この問題について打開の方向が出ない問題ではないかというふうに感じていました。 ついこの間G7がありました。G7に出席するに当たって安倍首相は、我々から言わせればもう決定的な問題となるようなウクライナ訪問を行ってからG7に出席しました。この前のタイミングでそうであれば我々のこういう地方自治体からウクライナに行かないでくれということはできないかもしれませんが、ウクライナに行く、訪問することの意味については首相自身に充分伝える必要があったのではないかと。ウクライナへ行くのであれば、ロシアに行って
プーチン大統領に直接会ってこの問題を直接安倍首相から訴える必要のある問題ではなかったのかという感じを、結果論ですが、受けています。そういう判断をやっぱり市長としてされて、公式ではないにしても、何らかの形で直接総理大臣に訴えるということが私は求められたのではないかというふうに思っています。それはこういうところの、日本で言えば一番東の端の自治体、小さな2万7,000人しかいない自治体の首長でありますけれども、先ほど申し上げたように、市長自身はやっぱり根室市が果たしてきた領土返還運動の原点の地としての歴史的に、しかも重要な役割を担ってきた市長であるだけに、私は国家主権のかかわる問題が背景にあるだけに、市長はそれだけの首相に対して物を言う資格のある市長だというふうに思っているんですよ。そういうやっぱりリーダーシップというものをしっかり発揮すべきではないかというふうに思います。 時間があれですんで、これはこれで訴えさせていただきたいと思います。 ただ、やっぱり市長自身が一度もこの問題で、この問題を中心に置いて訴えてはいないんですよ。開発期成会だったり北方領土の問題であったり、その一つとして訴えているという状況があるだけに、首相自身がこの問題についてどれほど重要な認識を持ったのかということについて私は疑問に思っています。 更に、緊急対策の問題について、時間がありませんので、お話しさせていただきたいと思いますが、やっぱり市長が市内を回って企業対策なんかについて市中の金融機関にお願いをしたということでありますが、これは次の展望のある問題であれば市長のやられた行動というのは有効だと思いますが、あすの展望のないものについて金融対策では充分乗り切れないのではないかと。つまり当面急ぐべきことは、漁業者や乗組員への緊急対策、言ってみれば、この漁業そのものの性格の問題がありますので、それが正しく言えないんですが、救済措置的なものをしっかり求めるべきだというふうに思います。それから、関連産業への救済措置も求めないと地域の経済が持たない状況まで来ていますので、その点についてもお答えをいただきたいというふうに思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 昨日ですか、市内の銀行に要請したのは、今年度の緊急対策ということでお願いに上がりまして、信金あたりはもう既に中・長期的なものも考えていますということはいただきましたが、当面今年度の緊急対策について要請をしてきたということであります。 今年度の流し網の交渉は一応妥結したわけでありますが、内容からすれば、本当に大変な内容でありましたんで、当然今度の対策会議で交渉問題も含め、これは漁業者だけでなくて水産加工も関連産業もほとんどがその対策会議にメンバー入っておりますので、それらの検討を今もう既にお願いしていまして、それができ次第当然国、道に要請に行く手はずになっております。 先ほど内閣総理大臣に我々も実は39名の要請団をつくっていったときも、内閣総理大臣に会えるということで、総理大臣は10名以内にして選抜してほしいまで言われまして、なかなか難しかったんですが、10名の選抜をして待機しておりました。本当に当日になってからやっぱり、まだ1人じゃなくて4カ所から5カ所ぐらいから攻めていただきました。省庁からも攻めていただきましたし、業界通の議員からも攻めていただきましたし、地元の選出の議員さんからも攻めてもらいましたが、結果的には安保法制の国会もありました。それと、帰ってきた次の日ということもあって実現しなかったところであります。 この総理にお願いするというのは、今この法案があしたで可決される、2週間以内ということを考えれば本当に早急に行かなきゃなんないところでありまして、今議会開会中ですが、終わったらすぐ今道にも再度知事には行ってほしいと。今回は必要であれば釧路、厚岸だけでなく遠くのほうも含めてもっともっと大きな要請団にしたいという話もしていまして、道は今検討していただいていますが、きょうまでの感触でやっぱり1回知事が総理が受けましたんで、口頭で、要請。同じものを2度は受けられないという、今時点ではそうだというふうに聞いていますが、いろんな窓口を使ってぜひもう一度しっかりと要請をしたいと思っています。 というのは、北方領土問題解決も含めてことしの秋までにはプーチンが来日するという、その意欲は
プーチン大統領弱まってないという、総理も言っていましたし、まだまだチャンスはあると思っています。そういうふうに捉えていますんで、そこら辺を重点的にこれからも皆さんと協議しながら取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(田塚不二男君) 神君。
◆(神忠志君) この問題、本当に諦めないで首相自身に訴えて、この地域の対ロ漁業の権益を守ることがいかに重要かということについて充分首相自身に理解していただくことが必要だと思っています。それは本当に私はふだんから申し上げておりますが、隣の別海、中標津より人口減になったときに北方領土返還運動を本当に旗を高々と上げてやることができるのかどうかという、まさに国家主権にかかわる問題も背景にあるだけに、ぜひ諦めないで訴えていただきたいし、そのことは来年の日本200海里のサケ・マス問題がどうなっていくのかという不安もあります。それから、冬に始まるタラ漁の問題がどうなるか、あるいは地先沖協定の問題がどうなるのか、日ロの関係は平和条約が結ばれない中で漁業問題こそが日ソ、日ロの友好関係を築き上げ、この地で言えば反ソ感情だったり反ロシア感情が必ずしも大きくならない、その背景にはやっぱりそういう漁業による親善関係、友好関係が、信頼関係が確立されていたからだと思うんですね。そのことをやっぱり首相自身にわかってもらって全力を挙げて事に当たってもらうように、残されたチャンスは少ないかもしれませんが、全力を挙げてお願いをしたいということと、あとは今後の対策の問題ですが、漁業の対策の問題、水産加工をはじめとする関連産業の対策の問題、サケ・マス関連による対策の問題と、もしサケ・マスがだめになって、いわゆる漁業の循環が絶たれて地域経済の問題が出てきたときに、私は総合計画の産業部分の問題については、これ見直しをせざるを得ないような問題まで含まれていると、つまり抜本的な地域経済振興対策についてやり直さなければならない問題を抱えているというふうに思いますので、そうなってくると、私は水産経済部だけでいいのかと、庁内のプロジェクトを立ち上げて地域の経済、市民の暮らしと雇用を守るためのものをしっかり腰据えてやる必要があるんではないかというふうに思いますが、その点お答えをいただいて、時間がなくなりましたので終わりたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) まさにこのサケ・マスの沖獲りがもう既に神議員も審議官との懇談の席に入っておりましたんで、代替の協議と協議の関係もちらっと話に出ていますし、私も漁業関係者からも具体的にいろいろ出ていますが、これはあくまでも試案でありまして、これからじっくりと協議し、代替協議をはじめいろんな対策について訴えていきたいと思います。 もちろんこれがだめだった場合、今までも本当に過去の日ロ関係による大幅な漁業規制というのは4度か5度行われていまして、それなりに国は成功例も余り対策がしっかりしてなかった部分はありますが、そういうのに対策をとっていただいて、やっぱり100%戻ったものは一つもありませんが、どんどんどんどん下がってきて今日に至るということでありまして、このサケ・マスがもしだめになった場合、本当に相当な代替の対策がなければ当然総合計画の見直しを図らなきゃならないと思っていますし、決して水産あるいは水産経済部だけの問題でないと考えていまして、全庁的な対策本部のプロジェクトの設置については早急に対応してまいりたいと考えています。
○議長(田塚不二男君) 次に、18番壷田重夫君。 壷田君。
◆(壷田重夫君) 通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。 地方都市の現状は、急激に進む人口減、労働力不足、1次産業を中心とした後継者問題、医療環境の悪化、流通や消費経済にかかわる著しい変化などとても厳しい状況にございます。まさしく日本の社会的、経済的なバランスの変化が地方自治体を直撃しているかのような様相を呈しております。 現在国は地方創生という観点からさまざまな地域活性化プログラムを打ち出していますが、歴史的にもふるさと創生をうたってきたこの種の事業の効果は思わしくなく、地方分権とは言いながらもその実態は中央集権的な様相を拭い切れず、アベノミクスなる国の経済政策も地方の浸透にはほど遠いものがあります。地方都市から見ればアベノリスクと言ったほうが的確なようにも思えます。 こうした地域における諸事情を背負って地方自治体に求められる使命は大きく、それだけにこれまでの流れだけでは地方創生事業が有効な地域振興策とはならないように思います。これら事業が市民がその成果を見て喜びを感じられるような結果となることを願い、以下御質問をさせていただきます。 最初に、国が提唱する地域活性化策はどのような基本的方針に基づくものなのか、市長の認識をお伺いいたします。 次に、これら地域活性化プログラムの内容についてお伺いいたします。 また、国が提唱する地域活性化プログラムについて市はどのように対応しているのか、市長の所見をお伺いします。 また、こうした地域活性化プログラムの中には、地域間、自治体間の競争力が求められる案件も多いように思います。競争原理とは、従来の自治体経営に民間の企業や事業経営ほどには登場しなかったことで、どちらかといえば行政の不得意分野ではないかと考えます。地域間競争の第一歩は、独自に周囲に勝つこと、つまり発展的な闘いをすることであると思いますが、地域間競争を取り巻く自治体の現状について市長の認識をお伺いいたします。 更に、自治体の独自性が色濃く反映される地域間競争型の事業に関しては、マスコミにも取り上げられるような新鮮さを感じさせる魅力や話題性が必要と思いますが、他市の状況などを踏まえ市長の見解をお伺いいたします。 次に、根室市における地域間競争型事業の取り組み事例、必ずしも地方創生プログラムの事業ばかりではありませんが、例を挙げれば、プレミアム付商品券発行事業、外来船誘致及び乗組員による経済効果誘発促進事業、通年型体験観光事業者支援事業、ふるさと納税推進事業、移住促進事業、海外との経済交流の促進というところかと思います。その内容と現状の認識についてお伺いいたします。 こうした事業は、特に競争力、発信力が求められる事業であり、目に見える経済効果、相乗効果の追求が必要と思います。現在までのところ、手応えのある効果が得られているとは思いがたく、それぞれが全道何位の位置づけにあるかなど、その経済効果や費用対効果、継続性なども含め、更にはそれぞれの事業の競争力、発信力の強化の必要性とその方策について市長の所見をお伺いいたします。 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 壷田議員の一般質問にお答えをいたします。 はじめに、地方創生についてでありますが、国は地方から大都市への人口流出が一層進行している現状を踏まえ、このまま地方が弱体化すれば人材流入が続いてきた大都市もいずれは衰退することが必至であると強い危機感を新たにしております。 このため、国は東京一極集中の是正など、東京圏への転入超過の解消を当面の目標としており、地方創生の推進に当たってはこれらの観点から人口や経済、地域社会の課題に対して一体的に取り組む方針であるものと認識をいたしております。 次に、地方創生に関する政策の内容についてでありますが、人口減少は日本経済全体において消費市場の規模の縮小だけでなく深刻な人手不足を生み出し、結果的に生産力の縮小を迫られる状況が生じ、とりわけ地方においては経済の縮小が人口減少を更に加速させるものと指摘をされております。 このため、国の政策プランは、5年間で地方に30万人の若い世代の安定した雇用を創出することや、正規雇用者の水準向上など地域産業の競争力強化の取り組みとあわせ、実績のある職業人材を地方へ還流する考えを示しております。 加えて、東京圏から地方への転出を4万人に増加させるなど移住促進に向けた環境の整備に取り組むとともに、子育てと就労を両立させる働き方の実現などを計画しており、これらの政策を総合的に推進するものと承知しているところであります。 次に、地方創生に関する市の対応についてであります。 当市においては、全国の地方都市と同様に人口減少が進んでおり、現在の趨勢や本市独自の人口推計からもこうした流れは引き続き進行するものと考えております。このため、市では地域の特性や資源を活かした産業の振興、医療、福祉サービスの確保、少子化対策の推進などさまざまな対応を総合的に進めているところであり、加えて現在根室市人口ビジョン並びに根室市創生総合戦略の策定を進めているところであります。 本年度は、国の地方創生交付金を活用し、外来漁船の誘致促進や体験型観光事業者への支援、ふるさと納税を通じた産品の普及宣伝など地域産業の競争力強化の取り組みとあわせ、移住交流の促進や子育て環境の充実などに努めており、引き続き地方創生に対応した取り組みを計画的に推進してまいります。 次に、地域間競争を取り巻く現状についてでありますが、地域間競争は自治体間の政策形成やまちづくりといった政策レベルの競争関係であり、昨今地方における市町村間の競争は国の地方創生などの流れから一層際立っているものと認識しております。 本市が他の地域にも増して競争力を高めていくためには、民間との活動から学ぶ要素は大いに取り組むとともに、中・長期の視点に立った人材育成も必要であることから、今後さまざまな方法や機会を捉えてその向上に努めてまいりたいと考えております。 次に、地域間競争に関する他市町村の取り組みについてであります。 行政事務の中でも公共施設の整備や運営、観光振興などの政策分野においては各自治体の独自性が顕著にあらわれる傾向にあり、近年これらを総括してシティープロモーションという概念から地域の売り込みや知名度向上に取り組む自治体がふえているものと承知しております。 市といたしましては、こうした他地域の取り組みなども参考にしながらまち本来の魅力を検証するという基本に立ち返るとともに、施策の独創性について総合的な観点から検討し、全国への発進力向上や他地域との競争力強化につなげてまいりたいと考えております。 次に、根室市における地域間競争型事業の取り組み事例の内容と経済効果や費用対効果についてでありますが、プレミアム付商品券発行事業は国の地域住民生活等緊急支援のための交付金、地域消費喚起・生活支援型事業を活用したものであり、全国の自治体の97%に当たる1,709市町村と30都道府県が計画し、当市においては4月25日に販売を開始し、6月10日時点で販売総額3億1,200万円の約74%に当たる2億3,000万円が既に利用されているところであります。 本事業は、昨年末の爆弾低気圧による高潮被害や年明け後のたび重なる低気圧による悪天候、更にはたら底はえ縄漁の早期引き上げなどが基幹産業である漁業はもとより関連産業も含め地域経済に大きな影響を及ぼしている現状を踏まえ、域内の消費喚起による市中経済の活性化に資することを目的として実施したところであります。 なお、このプレミアム振興券は、以前に2度実施しておりますが、商工会議所あるいは商店街連合会、各商店街も非常にこのプレミアム振興券の継続、実施については市に毎年のように要請がありまして、国のほうに何度も要請した結果、なかなか根室市単独あるいは北方領土絡みだけでは難しいということで2年ほど中断しておりましたが、今回この国の政策によって復活したという内容でございます。 なお、その経済効果等につきましては、8月末の商品券利用期限後に消費者アンケートや商品券取扱店からの意見の聞き取りを行い、消費喚起効果を測定するとともに、他都市における多様な事例の把握に努め事業の検証を行うこととしております。 次に、外来漁船誘致及び乗組員による経済効果誘発促進事業についてでありますが、本事業は外来漁船の誘致拡大に向けた新たな事業としまして、市と漁協によるトップセールス、更には外来漁船員限定の市内銭湯無料入浴券とワンドリンクサービス券をつづり込んだ入港記念歓迎マップの作成と配布により市街地区への誘引による交流人口の拡大を図るとともに、地域経済活性化につなげることを目的として取り組むものであります。 当市の水揚げに占める外来漁船の割合は、数量で約4割、金額で約3割となっており、地域経済に果たす外来漁船の役割は大きなものがあります。 本事業における重要業績評価指標KPIは、新規外来漁船を年間2隻増加させることを目指しており、1隻当たりの水揚げ金額が平均2,800万円と試算しておりますことから、市場取扱手数料や水産加工による付加価値等、更には乗組員による市中での消費等も踏まえます大きな経済効果が見込めるものと考えております。 外来漁船誘致につきましては、サケ・
マス流し網漁業をはじめとした対ロ漁業環境の厳しい現状を踏まえますと、今後ますます重要な取り組みになってくるものと考えますことから、地域の優位性を高めるための地域ホスピタリティの要請もあわせましてさらなる外来漁船の受け入れ環境向上に努めてまいります。 次に、通年型体験観光事業者支援事業についてであります。 観光振興における経済効果は、交流人口の中でも宿泊を伴うものが最も大きく、平成25年度の北海道内の市町村におけるビジネス目的等を含めた観光入り込み客数に対する宿泊客数の割合は、奥尻町が97.5%と最も多く、次いで函館市が63.2%、稚内市が62.7%となっております。温泉資源を持たない当市は16.5%と全道179市町村のうち40位前後に位置しております。この割合を高めることが必要なことから、1季集中の通過型観光から一年を通じた滞在型観光への転換を促進するために地方創生先行型事業を活用し、新たな体験観光メニューの造成や既存の観光メニューの強化及び充実化に取り組む事業者に対し、人件費を補助する制度を設けたものであります。 現在クルーズ体験と根室の名産品づくり体験の2事業者に対する支援を決定したところでありますが、今後も地域の資源や特性を活かした取り組みを継続的に支援し、体験観光メニューの多様化と充実を図り、通年滞在型観光を推進してまいりたいと考えております。 次に、ふるさと納税推進事業についてでありますが、北海道全体におけるふるさと納税は実績が公表されている平成25年度では、件数にして約4万8,000件、寄付金額にして約14億9,700万円であり、寄付件数に占める各市町村の割合は、上士幌町が27.6%と最も多く、次いで浦幌町の10.0%、栗山町の9.1%、当麻町の7.9%、紋別市の7.7%となっております。その一方で本市の実績は、占有率0.07%と低く、充分な成果には至っていないものと認識しております。 こうした現状を踏まえ、本年6月から広報宣伝手法の見直しやインターネットを利用したクレジットカードによる収納、寄付者への返礼品贈呈など本市へのふるさと納税への促進に向けた対応を鋭意取り進めているところであります。 寄付金額は、平成20年に寄付条例を制定して以来平成26年末までの7年間で累計9,394万7,000円の受納実績となっておりますが、寄付金による行政サービスの実施効果はもとより、今後は返礼品贈呈に伴う産品の消費拡大効果などが見込まれるところであり、より一層市中経済の活性化につながるよう努めてまいります。 次に、移住促進事業についてでありますが、北海道全体における長期滞在者は、平成26年度実績で滞在日数にして延べ6万6,592日間であり、全道に占める各市町村の割合は、釧路市が13.2%と最も多く、次いで浦河町の5.4%、ニセコ町の5.3%、美瑛町の4.3%、栗山町の3.7%となっております。 本市の実績は、占有率1.2%と低い結果となっていることから、従来の団塊世代をターゲットにした長期滞在の促進に加え、この5年間で累計15人の完全移住の実績がある若い世代の移住促進策について現在調査検討を進めているところであります。 経済効果等を誘発するためには、経済的かつ生産的な視点も取り入れながら産業を担う人材の移住促進や、これを受け入れる民間企業の雇用促進も必要であることから、今後とも各種促進制度の創設など多角的な視野を持って事業を展開してまいりたいと考えております。 最後に、輸出促進支援事業についてであります。 水産物の海外輸出は、国内市場が縮小傾向にある中、成長著しいアジア各国に向けた官民共同の取り組みであり、市内水産業における生産力の向上を図るという観点から国内での消費拡大と同様に有益な施策の一つとしてこの5年間推進してきたところであります。 目標に掲げた当初計画は、おおむね順調に進捗しており、基本となる官民での国内市場への危機感の共有化、海外取引や輸出に関するノウハウの蓄積、更には技術移転協力の関係強化などの段階を経て現在取り組みの安定化を目指した拡大期へと移行しております。 その一方で、企業における輸出実績は、円高環境下での他国企業との競争激化などから直接貿易に限定した場合、この5年間の輸出額は累計で約2億円にとどまっており、結果としてその経済波及効果は限定的であったものと認識しており、課題として受けとめているところであります。 なお、事業の継続性については、中・長期の展望として基本となる水産物の消費拡大という観点から、国内での消費拡大の取り組みと統合するなど、一体的かつ効率的な推進体制の構築に向けた見直しを改めて検討する必要があると考えております。 以上であります。
○議長(田塚不二男君) 壷田君。
◆(壷田重夫君) 御丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございました。 再質問をさせていただきたいと思います。 地域間競争というのは、市民や根室を訪れる交流人口、また全ての産業者に至るまでその価値観を掘り起こすこと、そのものではないのでしょうか。 その価値観や幅広い人々のニーズに対応して将来に向けての展望、継続性など地域の魅力をつくっていくことこそ地域間競争にほかならないと思っております。 この地域間競争誘発型事業というふうに呼んでますが、私はちょっと呼んでたんですけど、大きく分けると3つの種類があると思います。1つは、移住・定住ですとかふるさと納税のように、全国的に事業のフレームが投げかけられているものであります。2つ目には、例えば根室の場合は外来船誘致ですとか、誘致促進のように全国的ではないにしても地域の産物や産業に結びつきながら対抗軸を持つ他地域との競争がある事業、そして3つ目というのは、観光のように、従来のより継続して競争原理を広い範囲から必要とする事業であろうかなと思っております。 いずれの事業におきましても、経営効率の悪い事業は市民から見ますと税金の無駄遣いという評価を受けることになります。1つ目の種類に属する移住・定住事業につきましては、費用対効果に対する真剣な取り組みと秀逸なアイデアが必要であると思います。あるものをいかに利用して事業を実施するかということではなくて、この事業本来の目的に目を向けるべきではないかなと思うところでありまして、真に来根者が求めているものは何なのか、それに対して私たちが提供できるものは何なのか、そうした検証なくして利用者から満足をいただける事業には育っていかないものと思います。 根室を称して、よく市長も言われることですが、古い歴史と豊かな自然という言葉がございます。その意味では、本州の中でも特に根室市から見て観光客とか交流人口のターゲットですか、最も大きなターゲットになるのは東京だと思いますけども、東京にも北海道にまさる古い歴史も豊かな自然も存在していると思います。珸瑤瑁や光洋町でお試し暮らしの施設がございますが、あの手の施設からは到底そうしたものを感じることができませんし、利用者が感動できるような体験をさせることを目標に根室の意外な魅力ですとか、体験天国のようないろんな豊富な体験要素があるというようなことを提供して魅力あふれた事業として発展しない限りどこまで行っても費用対効果に追いつくものではないと考えます。 また、実際事業名としては移住・定住となっておりますけども、現実の移住・定住は、先ほど市長の御答弁にもちょっと触れられておりましたけど、産業や職業と結びつかなければ難しいことで、この事業の現実はむしろ交流人口の増加促進ということになるのではないかと思います。このことからしても、根室のような消費地としての色映えが薄くて、中核都市のクラスの人口を有さない土地柄で、交流人口だけから消費経済への影響を含めて費用対効果をはじき出すことは至難のわざであると考えます。 本来の移住・定住については、更にターゲットを絞り込んで、例えば医療従事者などを迎える適切な姿勢を示した事業に育てていくなどのそうした積極的な工夫が必要かと思います。まずはお考えをお聞きしたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 移住促進事業の方向性についてのお尋ねでありますが、移住向上の促進につきましては、担当セクションにおいてもその成果等について課題認識が共有されており、現在完全移住の実績がある若い世代をターゲットとした事業展開に関し検討を指示しているところであります。 また、第9期根室市総合計画では、年間10人の移住者受け入れを目標に掲げるとともに、都市部に暮らす青年層を対象として求人情報の提供をはじめ、就労や住環境に関する支援措置など具体的な方策をお示ししているところでもあります。 地方創生を踏まえますと、全国各地においてさらなる移住者の獲得競争が予測されることから、不特定多数ではなく、対象を絞るなどの戦略が重要と考えており、本市が求める移住者像の提案、いわゆる逆指名による情報発信を含め、多角的に検討してまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(田塚不二男君) 壷田君。
◆(壷田重夫君) すいません、一問一答式になってからいろいろやり方を考えたら再質問が9本ぐらいございまして、申しわけないんですが、次に移らせていただきます。 プレミアム振興券のことです。 先ほど市長からも2年前にやったときに成果などのお話をいただきました。ただ、競争ということで申し上げますと、仁木町を除く178市町村が実施をしたと。したか、これからしようとしていると思うんですけども、これじゃ全くほとんど全てのまちが同じ事業を行っているわけでして、競争原理からの地域活性化策ということにはちょっと当たらなくなってきたのかなと。 効果として言えば、3,000円分の減税が行われたと同じような効果しかなかったんじゃないかなという気もいたします。現に商業者の方からちらっとお聞きした話では、根室の場合今回大手の企業にかなり流れているということであります。もともと根室の方は割かし中標津とか釧路に買い物に行かれる傾向が強いんですけど、そういう意味ではそれに近い商品ということが、そのニーズがそういうところに偏っているのかもしれません。そういう意味で、市長がこの件についてどのように認識しているかとちょっとだけお伺いしたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) プレミアム振興券についてでありますが、当市におけるプレミアム付商品券発行は、従前から商工会議所より強い要望がありまして、よく漁業とか農業は手厚い国のいろんな補助があるけども商工業はないんだと、それで商工業へ対してはこのプレミアム振興券が過去あって非常に商店街の人たちも喜んでいるんで、北方領土問題で返ってくるまで毎年行ってほしいという要請を受けて、実はこのプレミアム振興券は総務省が担当しておりまして、何度も商工会議所会頭とあるいは関係者と要請に行ったんですが、なかなか一地区で実施するのは難しいという回答でありまして実現していませんでしたが、多分に消費喚起というよりも商業者の支援といいますか、救援といいますか、そういう面も実はあるところでありまして、根室の場合は特に3割ということで、ほとんどの市が2割なんですが、非常に好評を博しているというふうに捉えております。 こうした春先からのサケ・マス漁の日本200海里内の不漁ですね、ことしの場合は、ロシア200海里内における中型船の出漁断念などもある中、8月までに少なくとも、先ほど言いましたが、3億1,000万円の消費が発生することが、これは地域経済において一定の効果を発揮していると考えております。商工会議所も予想以上の使い方だと、大変喜んでいるという話も聞いております。 今後の施策の展開に当たりましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、8月末の商品券利用期限後に他都市における多様な事例の把握も含めた事業の検証を行いますことから、これらを踏まえ地域の実情に合ったよりよい事業を検討してまいりたいと考えております。
○議長(田塚不二男君) 壷田君。
◆(壷田重夫君) ありがとうございます。 じゃあ次に、先ほど申し上げた3つのパターンのうちの2つ目についてです。 この事業は特にベトナム事業について触れさせていただきますけども、これに関しましては市長が情熱を持って今まで続けてこられたということで、若干失礼な表現もあるかもしれませんが、毎年1,000万円内外の予算をかけて実施してきたというイメージがございます。それに対して効果はどうだったのかと。 サンマの流通について、この5年間新たな展開やそれに向けての流れも見えなかったというふうに私は考えておりました。特に目に見える効果やビジョンを具体的には感じることができないままに推移をしてきたんじゃないのかなと。このことが何で水産経済部の事業としてより専門的な業界の広い環境の中で行われていなかったのか、どうして総合政策部の所管だったのかということに関してもいまだに理解ができないままであります。海外輸出は決して新たな産業の流れではなくて、従来から行われてきたことだと思います。民間の流通事業の流れというのは、水が高いほうから低いほうへ流れるという、そんなものが基本になるわけでございまして、そこから見てもこの流れに、この件については流れの向きの前に新たな流れをつくろうとしたという部分に少し無理があったんじゃないかなと、ましてや直接貿易ですか、この直接貿易を実現されたということに関しては敬意を表しますけども、その必要性がどんなふうに今後に影響してきたのか、今後どのように展開をしようとされているのかをお伺いしたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) ベトナムへの輸出促進支援事業の今後の展開についてでありますが、本事業につきましてはこの5年間の実績や市内水産業における将来性という観点から、民間事業者の方々と協議を重ねた結果、水産加工業者を中心あるいは漁協も事業の継続、今のこの協議会をそのまんま存続してほしいという事業継続という方針を先般決定したところであります。 市といたしましては、こうした結果を尊重する一方で中・長期の展望としては基本となる産品の消費拡大という観点に立って、水産経済部の所管する事務事業に統合するなど費用面からの効率性についてもあわせて検討する必要があると考えております。 先般この間促進協議会の席でも、水産加工業者からいつまでも市役所に頼っていたらだめだと、自立しなきゃという発言もかなり出ておりましたので、そのような方向で更に皆さんが努力するということを確認されたところであります。 また、海外との経済交流は産品の輸出にとどまらず、人的交流の側面もありますので、これらの分野ごとに検討の場を設けるなど、中・長期の展望を協議してまいりたいと考えております。 一応5年間である程度サイクルはできたと、しかしながら今壷田議員おっしゃるように、本当の意味での貿易といいますか、プラスになっていないという側面もございますんで、これはどうしてもサンマ中心でありますんで、その年の魚価あるいは漁獲高によってかなり好不調が決まっていくというような側面もありますんで、更に関係者と協議をして中・長期展望を、すなわち本当に意味での市の企業にとってプラスになるような面まで底上げしてまいりたいと考えております。
○議長(田塚不二男君) 壷田君。
◆(壷田重夫君) 今までの御努力に報いる意味でもぜひいい形で今後推移していただけることを願っております。 さて、最近サケ・マス漁で暗い影を落としている漁船漁業でございますけども、外来船の誘致についてお尋ねさせていただきます。 この外来船の誘致でも大きな効果を得るためには、そのメニューというか、センスとかアイデアが求められるんじゃないかと思います。船員の方からよく聞く話では、根室の港は決してその評判がいいとか入りたいという港ではないと、ただ救われているのは地の利からの道東の中で比較的魚価が高いということだということでありまして、外来船に対する有形無形のサービスというのは他地域でもやっていることですので、それに負けないようなやっぱりサービスを進めていっていただきたいと思いますけども、これが決めわざになって入港という形はなかなか望めないもんだと思います。人間関係というか、政治力というんですか、政治家の政治力じゃなくておのおのの政治力、人間関係なんかを中心にしていくとか、あともう一つ心配しておりますのは、タラから始まってサケ・マスへとこの漁業環境に押し寄せている厳しい現実がサンマ漁にどんなように影響しているんだろうと。つまり荷揚げ制限のこともありましたしいろんなことありまして、その都度影響を受けてしまう事業だと思いますので、そうした外来船誘致の作戦にいろんな影響がことしは出てくる年かもしれないと、そんなことを心配をしているものでありまして、さらなる競争力とか発進力をどのように強化しようと考えておられるかをお尋ねさせていただきたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 外来船漁業誘致については、今壷田議員御指摘のとおりであります。我々も外来船誘致で東北とか北陸に5回から6回行っていますが、大抵あちらから要請あるのは同じでありまして、根室花咲港の場合はやっぱり場所がいいという、それとサンマの半分以上が花咲港に水揚げされるということで全国の価格形成が花咲港で決まっているということもありまして、確かに高い、全国的にも高い魚価を保っているということも非常にプラスに運んでいると思っております。 しかしながら、反面漁船員から見ると、花咲港は市街地から遠くて、かつては飲食業とか、あるいは風呂屋もあったんですが、最近は廃業しているということで、それに対する要望が非常に強いんです。それとあと、氷の関係、それから荷揚げするときの速度の遅さ、それが毎年のように指摘されていまして、その指摘されている一つがやっぱり漁船員のそういう親睦といいますか、休む環境にないということがよく指摘されていまして、それらを受けて関係者がこのような提案をして銭湯無料入浴券、あるいはワンドリンクサービス券ですか、こういう問題今回行ったということでございます。 しかし、今後のロシア水域のそういう不安感が広がる中で花咲港に安定的に水揚げしていただくためには、関係者一丸となって外来漁船員の皆さんとの良好な関係を築いていくことは大変重要であると考えております。 また、オール根室体制で組織しておりますねむろ水産物普及推進協議会の取り組みを推進することにより、根室産水産物の認知度向上やブランド力の強化、更には産地の競争力や魚価の向上が図られ、外来漁船がこぞって水揚げをする環境づくりにつながるものと考えるところであります。 更に、今後の外来船誘致におきましては、花咲港に入港することが楽しみになるような人と人との結びつきを大切にした受け入れ環境の醸成につきましても、関係者と協議を重ねてその方向で取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(田塚不二男君) 壷田君。
◆(壷田重夫君) ありがとうございます。 次に、先ほど言った3つのパターンのうちの3つ目でございます。 最も象徴的なのは観光ということになるのかと思いません。思いますが、最近の根室の観光業の状態というのは、これ惨たんたるものだなあというふうな認識をしております。現在支援されている2事業についても、一般の観光客からいいますと、マニアック過ぎるように見えて入り口が上がりにくいというふうな意見が出ているようであります。観光のジャンルではほかにこれといった明るい材料が見当たらないのも現実だと思いますし、報道によれば、ことしのゴールデンウイークにかけて、昨年からのこの1年間、周辺観光地の入り込みが増加する中で根室だけは低調に推移していたというふうにも言われておりまして、これが現実のことだと思います。 これらの事業がより発展するように人件費補助以外に、これらといいますのが、先ほど言った2事業ですね、人件費補助以外にも考えられることはないのかということをまずお尋ねしたいと思います。 それから、この2つの事業者に支援しているということについてですが、その支援効果と、支援することが悪いという意味じゃなくて、支援効果と事業自体の実績、課題についてはどのように認識してらっしゃるかをお伺いいたします。 また、観光客の激減、観光物産の消費低迷、入り込み数調査の不明確さ、観光客とビジネス客の分布などのリサーチ不足などを克服して観光客のニーズに応えた観光都市づくりが必要だと思います。 以上、各点について市長のお考えをお聞きしたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 水産経済部長。
◎水産経済部長(野田敏君) まず、通年型体験観光事業者の支援事業についてでありますけれども、現在今回想定をしております落石のクルーズ体験につきましては、平成22年度から事業をしておりまして、現在のコースの設定につきましては、今回が約2時間半ぐらいかかるということで若干長目の設定になってございます。このため、今の観光客のニーズに合わせました多様なメニューということでより一層の利用者増を図るということでもう少し短時間のコース設定、これを試験的に運行いたしまして、参加された利用者のニーズを探りながら本運航につなげてまいりたいというふうに考えております。 また、名産品づくり体験は、現在根室を代表するお菓子でありますオランダ煎餅の歴史だとか製法、これをガイドさんがお客様にレクチャー、丁寧にレクチャーをしまして御自身で手焼き体験を行うという、これは全く新しい取り組みでございまして、現在計画では年間450人程度の利用を見込む計画となっております。 また、これら体験メニューに期待する効果ということでございますけれども、体験メニューということで利用者をまずふやしたいと。 更には、先ほど市長が答弁しましたとおり、根室には温泉がございません。少しでも根室にいていただく、いわゆる滞留、滞在の時間を長くすることによって最大の効果であります宿泊に誘引をするということでございます。これら事業につきましては、本年度の実績を踏まえまして課題を分析をいたしまして初期投資、更には今後PR活動などなど、人件費以外に対する支援につきましても検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(田塚不二男君) 壷田君。
◆(壷田重夫君) 先ほど私の質問の中で、入り込み数調査のことをちらっと触れました。余りこのことで深くやる気はないんですけども、分析されるという今のお答えですけど、その入り込み数が正しくないところでどうやって分析するんだろうなというふうに思います。 まず、第1に一番難しいと思う点ですけども、まず16.5%が何か宿泊しているというような話をお聞きしました。だけど、そんなに多いかなと、16.5%。これには聞いてみるとビジネス客が入っている、含まれているというふうに言われました。ところが、ビジネス客と観光客と基本的には全然性格の違うものだと思うんですね。そうしたものが一つになったままで分析調査をかけるということ自体は大変これ違和感を感じるんですね。 また、温泉のこともちょっと出ましたけども、御理解いただけると思いますけど、現に温泉があればいいというもんじゃありませんで、温泉あれば当然温泉まちが必要になるわけですし、現に日本中の今温泉地皆さん大変苦労してらっしゃいますよね。それだけお客様のニーズが変わってきたんだなというふうなことを最近強く感じるような気がいたします。 それから、経済効果として宿泊したお客様の数を考えての経済効果というものを考えるケースがどうもこのまちでは多いようなんですけども、実際には一番多いのは素通りのお客様だと思うんですよ。お金を落とさないというか、そうした方にお金を落としてもらうような政策というのをやっていくというのが一番大事なのかなと。このまちでどこに行けば何ができるかという観光客の素朴な疑問というのはとてもよく、私も20年以上観光事業をやっていましたんでわかるんですけども、素朴な疑問だと思います。 それから、観光行政を推進する立場の中では、例えばリピーター率ですね、こうしたものの調査も必要だと思います。あと、最盛期の宿泊施設におけるオーバーフロー率ですか、泊まれなかった人ですね、それから宿泊数のうちの、先ほど言ったビジネスとの比率ですか、そうしたものの検証から始まってそういうなものがとても大事だなと思います。 そして、私が議員になったころに第3の産業を観光と位置づけるという答弁をいただいたもんでした。もう二十数年前のことですけども、あのころはバブル時代の、バブル景気の時代で確かに今より数倍のって言っていいぐらいの観光客が根室を訪れていました。あのころの答弁にも滞在型観光を目指すんだとなっていましたけど、現実は目指しただけで的確なアクションはされなかったように認識しております。今でも相変わらず滞在型観光を目指すというふうなことを言って何も起きてないような気がするんですね。なかなか難しいと思うんですよね。根室というところで観光事業をやるということ自体、そんなに優秀な観光地だとも私思えませんし、そういうことの中では、先ほど言ったその制度に乗っていただいている2つの事業者なんかの補助ですか、大変いいことだと思いますし、やはり観光をなりわいとする方々をいかに支援していくかに、それがないと産業が成り立っていかないと私は思いますので、その辺のことも今後の課題として要望させていただきたいと思います。 それから、ことしもうすぐ、本当にもうすぐって言っちゃあ変ですけど、観光シーズンが近づいてまいります。最近では8月、9月が観光最盛期だなという気がしております。9月は特に皆さんの御努力でイベント、サンマ祭りだのカニ祭りだのいろいろ、そんなこともあってかなぜか8月、9月が大変ガスも晴れていていいのかもしれません。 民間事業者にとっては、この短いシーズンに少しでもお金を稼ぎたいというのが本音のところだと思います。そこで、これからもできる振興策、ことしに間に合う振興策として御提言させていただきたいんですが、現在のインフォメーションセンターですね、あのインフォメーションセンターのせっかくあるものだからそれを否定するもんじゃありません。だけど、バスで来る、電車で来るという人が今そんなにいない時代に、あのターミナルでそれをどんな、迎える可能性ってどのくらいあるんだろうかと。ましてや、国道から入って駐車場がないところでわざわざ車からおりて行くんでしょうかねという感じでとても私としてはあり方として変だなと思っております。 それであれば、利用者の多いスワンのほうにもインフォメーションセンターを設置することが観光客に対するより積極的なサービスになるような気がしております。稼働率的にもそうすればかなりふえるんじゃないかなあと。少しでも大きなチャンネルで発信していくこと、これが当然の摂理だと思うのですが、その辺について市長のお考えはいかがでしょうか、お伺いいたします。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) スワン44におきましては、観光スポットや観光イベント、更には宿泊施設や飲食店の案内、窓口での問い合わせ対応などの観光案内を行っておりますが、団体から個人への旅行形態の変化や、ホームページやSNSなどからの情報収集が主流となっている現状から、これらを踏まえたきめ細やかな情報提供が必要と私も考えております。 このため、提言のありましたスワン44への観光インフォメーションセンター設置につきましては、現地での案内機能充実の観点から有効な取り組みであると考えますので、関係団体と協議してまいります。
○議長(田塚不二男君) 壷田君。
◆(壷田重夫君) すいません、ありがとうございます。積極的な御答弁というふうに受け取らせていただきましたけども、もしやっていただけるもんであれば、何とか少しでもことしのシーズンに間に合うようなことも考えていただきたいというふうに思います。 それから、次の質問なんですけども、地域の活性化と報道との関係ですね。つまり地域間競争型事業では、報道の影響というのはとても顕著にあらわれると思います。テレビの旅番組を見ていて感じたことなんですけども、北海道における旅番組で根室は素通りされているということを感じます。 先日も羅臼を取り上げた後で次の舞台は厚岸というのを見てとても残念に思いました。私自身の前身がテレビマンだったことからどうしてもそうしたことが気になってしまいます。根室は特徴がつかみにくいというか、広いニーズに対応しにくいといいますか、受ける要素が提供しづらいまちかなと思います。そうした環境を変えていくこと自体が観光振興であり、またお客様のニーズを理解してそのアピールをすることが観光振興策だと考えております。 答弁の中で、競争力とか発進力の強化については余りお聞きできなかったような気がいたしますが、再度お聞きできればと思います。 それからあと、観光に絡んでもう一度先ほどのプレミアム振興券の問題に戻らせていただきたいんですけども、全道の市町村のうちで1つを除いて全てが計画、実施するという結果になった今回のプレミアム振興券、競争の原理が働かなかったということは置いといて、仁木町は仁木町でそれなりにマルシェをやったということで効果もあったのかなと思います。最近といってもこの1週間の間に発表された札幌市のプレミアム付旅行券、それからきのうのニュースで話題になっておりました北海道のどさんこ旅行券などがいずれも観光のテーマになっておりました。域外からの外貨獲得を目的として、更には閑散期の売上向上を狙った工夫がされておられました。今後こうしたことも含めてよく他地域の例を研究されてこの事業の発展にも努めていっていただきたいと思います。 簡単に言えばあれですよね、札幌の観光に道内の人を呼ぶ、それから札幌の人を道内の観光にと言いながら全部9月から2月の間に使ってもらう振興券だと。いわゆる閑散期という意味でとても大事な政策だなというふうに思っております。そのことについて、そうしたアイデアの蓄積などについて御答弁いただければと思います。
○議長(田塚不二男君) 水産経済部長。
◎水産経済部長(野田敏君) まず、観光分野におけるいわゆる地域間競争力の向上、それから発信力の向上をという御提言と御意見に対する部分でございますけれども、確かに現在観光で訪れる方のそのほとんどが事前にウエブ上の情報、更にはスマートフォン、それからSNSということで、事前に相当に細かく情報をリサーチをして食べるものであったり見るものであったり、あと根室で言えばいわゆるチャシ跡の部分も相当数そういうような情報から関心を持たれて訪れているということを我々も感じておりますので、インバウンド対策も含めてそこは今後御提言のとおり充実強化を図っていかなければならないと思っております。 また、これまでは根室十景を中心とした景観、それからすぐれた水産資源ということで味をテーマに、これはもちろん大きな我々の観光資源の柱としてこれからも大事にしていきますけども、非常に最近では、先ほど出ました戦争の遺産であるとか、歴史遺産であるとか、非常に観光資源が多様化になってきておりますので、ここはきめ細かに対応してまいりたいというふうに思っております。 それから、いわゆるプレミアム商品券等で、逆に旅行券という形で観光客を誘引をしているということ、私どもも北海道、それから札幌市のケースを承知しておりまして、北海道のほうはまだ詳細、手法についてはこれからというところもありますけれども、確かにいわゆる閑散期にお客さんを誘導する方法としては一定程度有効なのかなと。それから、1つのところではなくて、地方に分散をさせるということでも一定程度の効果はあると思います。これについては、私どもも今後また商品券等々の部分があるかどうかはちょっと今のところ不明でありますけれども、そういうものの活用についてはしっかり研究していかなければならないと思っております。 ただ、ことし我々の商品券の部分につきましては、先ほど市長から答弁をしましたとおり、昨年の災害の影響、それからタラ漁等の早期切り上げによる市中経済が非常に低迷をしたということで、少しでもこの厳しい期間にお金が回る枠組みということで今回の部分になりましたんで、また状況が変わっていけばいろんな使い方が考えられると思いますので、そこはしっかり御提言の内容を受けとめながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○議長(田塚不二男君) 壷田君。
◆(壷田重夫君) わかりました。 本日御質問した各事業については、残念なことにどの事業も余り思わしい結果が得られてないように思います。先ほど市長から御答弁いただきました占有率の問題ですとか、そういうのから見てそういうふうな判断をしなきゃいけないんですけども、これから先何とかそれを挽回してやっていくということが必要だと思います。 特に、自治体では基幹産業の振興だとか大きな事業が数多くある中で、こうした事業というのは地域の個性を色濃く出しながら、また各事業にわたってその成果を上げていくことが市民の誇れるまちをつくる上でも地域振興上も大切なことかと思います。 観光や移住・定住促進など、取り組みにはいずれも何かアイデア不足かなということも感じますし、全国的な発信力に欠ける面もあると思いますが、例えば競争力や発進力の強化のためにプロフェッショナルな知識の活用というのもこれから必要なんじゃないかなと。それに加えて、市長の判断力とかリーダーシップがなくてはならないんじゃないかなと思います。そうしたことを総合的に市長のお考えがあれば、御答弁をいただきたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) ただいま再質問のありました市の事業に関してのアイデア発信力についてでありますが、市といたしましては、地域の可能性を引き出すためにその時々の新たな地域課題に対応しながら地域の振興に努めてきたところであります。 このような中、観光や移住促進などの事業についてはいわゆるアイデア不足などと御指摘がありますので、さまざまな方法や機会を捉えてその向上に努めるとともに、民間等の専門家の意見を取り込むなど事業の展開方法等について創意工夫を重ねてまいりたいと考えております。 それと、専門家の活用とリーダーシップについてでありますが、私はまちの魅力は宣伝力を引き出すことが本市の活性化には何よりも重要であると考えております。そのためには、市政方針で申し上げましたとおり、経験豊かな人材、若さあふれる人材、そして変革へのエネルギーを持った市民が一丸となってまちを盛り立てていくことが大切であります。今後も市中経済は厳しい情勢が予測されておりますが、これらを乗り越えていくためにも各種事業の推進に当たっては、有識者などの幅広い御意見などを充分伺いながら見直しや改善という一連のサイクルを重ね、より一層魅力あるものにしてまいりたいと考えております。
○議長(田塚不二男君) 壷田君。
◆(壷田重夫君) すいません、ありがとうございました。ちょっとヒアリングのときと少し順序変わっちゃったりして大変御迷惑をおかけしましたけど、野田部長が大変的確にフォローされまして、そうしたチームワークでより頑張って市政執行をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
○議長(田塚不二男君) 午後3時30分まで休憩いたします。 午後3時7分 休憩 午後3時30分 開議
○議長(田塚不二男君) それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、10番本田俊治君。 本田君。
◆(本田俊治君) 通告に基づきまして一般質問を行います。 はじめに、市立根室病院の経営改革と医療安全推進対策等への取り組みについて伺います。 5月緊急議会におきまして、東浦病院長の事業管理者就任の挨拶をお聞きし、私ども議会も、そして市民も病院が取り組むさまざまな改革に協力、時には参加し、市民一丸となり協働の姿勢を持って愛され心の支えとなる病院づくりにしていかなければならないと強く感じたところであります。 市民参加、協働の姿勢で取り組む病院づくりを進めるためには、情報発信、情報の共有が重要なキーワードとなります。病院が自ら積極的に伝える作業ももちろん必要ですが、議会においてもさまざまな視点から病院が直面している課題等について議論を深め、市民に伝える役割があるものと思います。そのような視点から質問させていただきたいと思います。 質問の1点目は、新公立病院改革ガイドラインと病院経営改革への取り組みについてであります。 本議会にも平成26年度の最終予算案の報告が上程されているところであり、平成26年度の決算も固まっていると思いますので、本年4月からの公営企業法全部適用移行を踏まえ、また病院の経営改革を進めるという視点から平成26年度の経営状況をどのように分析され、経営上の問題点、課題をどのように捉えておられるのか伺います。 また、取り組まれている経営改革の内容と取り組み状況についてもあわせてお伺いいたします。 次に、本年3月31日付で新公立病院改革ガイドラインが示されましたので、新ガイドラインをどのように分析されているのか、現行ガイドラインとの比較も含め所見を伺います。 また、現在進めている病院改革とどのようにリンケージをとり、どのような視点を重視しながら新しい改革プランを策定するのか、今後の策定作業スケジュールを含めお伺いいたします。 次に、国が進める医療制度改革、地域医療構想、医療介護総合確保推進法と新改革プランの整合性についてお伺いいたします。 これまでも何度も述べてまいりましたが、国が進めようとするこの医療制度改革を地域の目線で分析し、根室市の実態に照らし合わせ、地域としての明確な目標設定を持って医療から介護に至るトータルプランづくりが必要です。そのプランの中で市立病院の担うべき役割と機能を明確にすべきであり、そのことを踏まえた病院改革であり、新たな改革案でなければならないと考えます。 3月定例月議会の一般質問でも地域医療のあるべき姿を示さずに市立病院の経営改革を進めるのは危険であると指摘させていただきましたが、新ガイドラインが示されましたので、この点も踏まえ改めて市長のお考えをお伺いいたします。 質問の2点目は、医療安全推進対策への取り組みについてであります。 平成24年10月に院内の医療事故の防止と医療安全確保対策を目的に新たに医療安全部が設置され、医療事故防止や医療事故発生時の対応、院内感染防止などを担う医療安全推進室に医療安全管理の資格を有する看護師が配置されています。この資格を有した看護師が退職されたと聞いておりますが、現行どのような体制となっているのか、また組織立ち上げ後、どのような改善作業が進められてきたのか、効果分析等もされていると思いますので、お考えを伺います。 また、本年3月ノロウイルスによる院内感染が発生し入院患者の制限が必要となり、結果予算上想定していた患者数が見込めず収益減になり、そういった患者情報の報告がありましたが、医療安全対策の視点から捉えたときに、3月の院内感染についてどのような院内対応がとられたのか、またその結果についてはどのような形で情報の開示が行われるのか、現行の公表ルールと医療安全対策上の感染症対策への取り組み状況についてお伺いいたします。 次に、診療情報の提供と患者権利章典の制定について伺います。 市立病院には、医師、看護師、その他医療従事者等の医療情報の提供に関する指針が定められておりますが、この指針については患者、家族等に対してどのように説明をされているのか、また診療記録の開示請求に関する手続等のルールも定められておりますが、現在の利用状況がどのようになっているのかお伺いいたします。 病院の質問の最後は、患者権利章典の制定についてであります。 本年度地域医療を守るための条例の制定に向け準備が進められていると思います。市民に愛され心の支えとなる病院づくりは、冒頭でも述べましたが、病院、地域、市民が一丸となり協働の姿勢を持って進めるべき課題であり、この条例の制定は起爆剤の一つになるものと考えます。 市立病院においては、病院基本理念の実現を目指し、朝の朝礼、市民公開講座や出前講座等の開催等、さまざまな取り組みが始まっております。このような患者サービスの向上を目指す取り組みや市立病院が提供する医療を市民に伝え理解していただく取り組みは患者家族の信頼関係をより深め、相互理解の関係づくりにとって重要であると考えます。公営企業法の全部適用に移行したこの期に、また地域医療を守るための条例の制定にあわせて病院における患者の基本的な権利や責務を明確にし、あわせて病院職員のさらなる意識改革を図り、患者が医療に主体的に参加していけるような支援することを定める患者権利章典として定め、病院改革の柱として取り組まれてはいかがでしょうか。市長の見解を伺います。 次に、地方創生とICT(地域情報化)の推進についてお伺いいたします。 1点目は、新たな地域情報化計画策定の進捗状況についてであります。 昨年の10月定例月議会において、会派の代表質問でも取り上げさせていただいたテーマであります。その際、新たな計画の策定が必要であり、総合計画と整合性を図りつつ、計画期間を5年程度として市民、企業、団体等の意見を反映させ、27年度中の策定を目指し、現在策定に向け準備を進めているという現在進行形の御答弁でしたが、実態としましては現時点でほとんど準備も行われておらず、計画策定作業のスキームすらいまだに固まっていないという状況であり、取り組み姿勢に疑問を感じております。 また、進化、発展のサイクルの早いICT分野の計画については、さまざま進行中の行政計画の中でも特にPDCAサイクルにのっとり、適時的確な見きわめによる時点修正と新たな計画展開の必要ですが、そのことがこれまで全く行われてきていないという現状も危惧しなければならないと考えます。 ICTの分野に関しましては、自治体間で温度差もありますので根室市の現状を全否定するものではありませんが、行政が抱える諸課題の一つとしてどのような優先順位としてこの分野を行政運営執行に活かすのか、市長のスタンス、姿勢をお聞きしたいと思います。 はじめに、この10年間根室市として計画推進をどのように評価分析されているのか、また課題抽出をされているのか伺いたいと思います。 これらについては、職員の利用を中心とする行政情報システムと市民が利活用できる地域情報化システム、その2点についてお考えを伺いたいと思います。 次に、新たな計画の策定施策についてでありますが、現時点までどのような取り組みをされてきたのか、また本年度中の計画策定を目指すということでしたが、今後どのような手順で計画策定を行うのか、計画に市民、企業団体等の意見をどのように取り入れていくのか等、計画策定作業の具体的な方針について、昨年10月以降の経過も踏まえ改めて市長のお考えを伺います。 2点目は、地域創生に貢献するICTの活用の検討の必要性についてであります。 本年度は地域創生元年とし、まち・ひと・しごと創生会議の基本政策検討チームの報告書や今後5カ年の政策目標や施策の基本的方向性、具体的施策をまとめたまち・ひと・しごと創生総合戦略を見ましても、ICTの利活用に関する利活用をし、地域の活性化は政策パッケージの一つに位置づけられており、更には各政策パッケージの達成手段としてICTの活用が必要とされています。 具体的事例としまして、ICTと高速ネットワークを活用したサテライトオフィスやテレワーク、お隣の別海町さんではマイクロソフト社のテレワークセンター、誘致計画の話が実現に向けて今進んでおりますが、こういったような取り組み、更には地方大学の活性化策としてのICTの活用、そうした遠隔教育、観光の分野では外国人旅行者の要望が強く、その外国人の情報発信力をも活かした地方の魅力や観光資源を情報発信するWi-Fiの整備と情報発信機能の強化、防災拠点の公衆無線環境の整備等々が示されております。ICTの充実により、地方にいても都市部と同様の仕事ができる環境、都市部と同様のサービスを受けることのできる環境、更にはどんな田舎でも訪れた方々がいつでもどこでも情報の発信ができる環境等が可能になります。 ICTは、基本的には政策実現の一つの手段であり、政策の主役ではありませんが、政策や事業のプランニングの中にICTを組み込むと、その仕組みづくりをもって地方創生に貢献できる可能性があるものと考えます。 そこで、今後策定予定の我が市の新しい地域情報化計画の策定に当たっては、ぜひ地方創生に貢献するICTの活用策を一つのキーワードとして作業を進めていただきたいと考えます。地方創生に貢献できるICTの活用策の検討の必要性という視点から市長のお考えをお伺いいたします。 この質問の終わりは、ICT担当部門の強化充実の必要性についてであります。 行政情報システムは、各種業務の効率化を支えるいわば裏方、黒子的役割で、その効果を説明、表現することは難しいところでありますが、今やシステムがダウンすれば業務は停止してしまうほど行政事務の中枢を支える仕組みとなっております。また、その業務量も膨大なものとなっております。 更に、ICTが加速的に進む中で、行政サービスの新たな提供手段、双方向性を活かしたコミュニケーションツールとして医療・保健・福祉、教育、防災、観光、産業振興等、さまざまな業務、市民サービスにICTを利活用する取り組みを行政情報システムの守備範囲となってきております。 現在の組織機構では、全市的なICTの利活用までコーディネートできるような体制にはないと考えます。ICTを所管する部門は進歩の速い業界の動きに敏感であり、常に市民、地域目線に立って調査研究、利活用の可能性の追求に努める等、アンテナを高くチャレンジ精神旺盛に、更には真摯に向かっていくような作業が必要であると考えます。そのための人材育成、人員配置が急務の課題と考えます。 そこで、各行政分野の振興推進、機能強化充実のための組織や仕組みづくり、行政と市民をつなぐコミュニケーション手段の構築、更には前述の地方創生の手段として多角的視点からICTの利活用をリードする組織としてICT担当部門の強化充実を図る必要性があると考えますが、市長の見解をお伺いいたします。 次に、移住政策と空き家対策についてお伺いいたします。 移住政策については、平成24年度に根室市移住交流協議会を設立し、移住体験モニターツアー、プロモーション事業、移住アドバイザーの設置、移住フェアの参加、体験住宅の整備等々が行われておりますが、制度スタートから4年、ことしは地方創生元年の年であります。まち・ひと・しごと創生総合戦略の枠組みの中で特色のある根室市らしい移住政策の展開が必要であると考えます。 初期段階では、団塊世代をターゲットとした取り組みが中心であったと認識しておりますが、この滞在型の短期永住に加え、地域の活性化や産業の振興の担い手となる若い世代、更にはキャリア世代を含め長期移住定住政策への取り組みが重要ではないでしょうか。 そこで、これまでの取り組みをどのように評価され課題抽出をされているのか、更には今度の移住政策にどのような根室市らしい特色を持たせ取り組んでいくのか、市長のお考えをお伺いいたします。 質問の終わりは、空き家対策についてであります。 昨年11月に空き家等対策に関する特別措置法、いわゆる空き家対策法が公布されております。その目的は、適切な管理が行われていない空き家等が防災、防火、あるいは衛生、景観の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体または財産を保護すること、その生活環境の保全を図り、あわせて空き家等の活用を促進するということが目的とされております。根室として現時点で空き家の実態把握はどのような状況にあるのか、また空き家対策の課題をどのように捉えているのか、新制度に対する考え方も含め市長のお考えをお伺いいたします。 また、空き家対策を進めていく上で行政がその実態把握をする作業が必要であり、空き家対策法にも努力義務として掲げられている空き家等に関するデータベースの整備、それらを活かした情報提供のできる体制整備をするべきだと考えます。 更には、空き家等の利活用、リユースについても行政が主体となり取り組むことが重要であると考えますが、市長のお考えをお伺いし、壇上からの質問とさせていただきます。
○議長(田塚不二男君) あらかじめ時間を延長いたします。 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 本田議員の一般質問にお答えいたします。 まずはじめに、市立病院における経営状況と改革の取り組みについてであります。 平成26年の経営状況につきましては、入院外来収益では、手術件数や外来患者数の増加などにより前年度と比較し2億円を超える増収となったところであります。一方、費用につきましては、人件費や各種委託料など施設整備の維持管理経費、医療機器にかかわる企業債の償還経費など、新病院移転に伴う経費の増加もあわせ固定経費の割合が依然として高い状況にあり、結果平成26年度においては収支均衡を図るための補助金として病院会計の資金不足を補うため約5億9,000万円の繰り入れを行ったものであり、これらの解消は喫緊の課題であると考えております。 このことから、地方公営企業法の全部適用の移行を機に、現在病院事業管理者のもと院内にプロジェクトを設置し、収益向上と費用抑制に向けた取り組みや費用対効果の検証、更には体制の充実と職員の意識改革など、医師をはじめ看護師、医療技術者、事務職員が一丸となって病院改革に向けた取り組みを行っているところであります。 次に、新公立病院改革プランへの対応等についてでありますが、本年3月に総務省より示されました新公立病院改革ガイドラインにおける新たな改革プランにつきましては、都道府県が策定する地域医療構想の策定状況を踏まえつつ、平成27年度または平成28年度中に策定することとし、その対象期間は平成32年度までとされております。 また、新改革プランでは、前回のプランに位置づけされていた経営効率化、再編ネットワーク化、経営形態見直しの3項目に新たに地域医療構想を踏まえた役割の明確化が加えられたところであり、これまで取り組んだ項目について検証を行うとともに、市立病院が地域において果たすべき役割を視野に入れたプランの策定が必要であると考えております。 一方、北海道においては、必要病床数の調整など各地域において議論を行った上で、平成28年2月を目途に地域医療構想を策定する予定と伺っておりますが、その動向と内容を充分注視するとともに、院内のプロジェクトで取り組んでいる病院改革を進めながらできる限り早期に新改革プランを策定してまいりたいと考えております。 次に、改革プランでの地域における市立病院の役割等についてであります。 平成26年に公布された医療介護総合確保推進法につきましては、効率的かつ質の高い医療提供体制と地域包括ケアシステムの構築を目的としており、地域医療構想はこの中で医療計画の一部として位置づけられ、地域における将来の医療提供体制の形を定めるものとされております。 先ほど御答弁いたしましたが、新改革プランでは地域医療構想を踏まえた役割の明確化が位置づけされており、市内唯一の急性期病院としての役割はもとより、今後更に高齢化の進行が見込まれる中、医療と介護の連携は不可欠であることから、地域包括ケア病床や在宅医療など市立病院が将来にわたり地域において果たすべき役割について院内のプロジェクトにおいて検討を進め、新プランに反映させてまいりたいと考えております。 次に、市立病院における医療安全部の体制等についてであります。 医療安全部は、平成24年10月に院内の医療事故の防止と医療の安全確保を目的に新設され、医療安全対策の徹底や事故発生時、調査の対応などを担っており、現在の体制は医療安全部長をはじめ医療安全推進室長と係員8名で兼務により配置しております。 医療安全推進室につきましては、これまで医療事故調査委員会や医療安全対策委員会、院内感染対策委員会などの中心的な役割を担いながら、医療事故等の原因分析及び究明や再発防止策等に向けた行動指針マニュアル等の改善を進めてきたところであり、今後も引き続き安全管理体制の強化と組織の充実を図ってまいります。 次に、ノロウイルスによる院内感染への対応についてであります。 本年3月19日に市立病院で発生したノロウイルスによる院内感染は、3階病棟において2名が陽性と確認され、更に2名の患者が下痢や嘔吐の症状を訴えたことから、速やかに根室保健所へ報告したところであり、その後入院患者や職員合わせて14名から同じ症状の訴えがあり、うち4名が陽性と確認されたところであります。 院内での感染症対策につきましては、医療安全対策室が所管する院内感染対策委員会が中心となって、保健所による指導とあわせて院内の当院のマニュアルに基づき、疑いのある患者と同室だった患者に対し別病室への移動や検査の実施、3階病棟への入院の制限、面会の禁止のほか、発生状況の院内掲示を行うなど、迅速かつ的確な対応に努めたところであります。 3月30日は、感染者の回復を全て確認するとともに、新たな発生報告も確認されなかったことから終息宣言を行い、規制の解除をしたところであります。 市民への公表につきましては、今回の院内感染は病院の過失は認められないため、市立根室病院医療事故等公表基準に基づき公表しないものでありますが、このような事例については先進事例も参考にしながら今後検討してまいります。 次に、診療状況の提供に関する説明についてでありますが、平成17年に個人情報の保護に関する法律が施行されたことから、当院でも同年に市立病院における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン及び診療情報の提供等に関する指針を制定し、個人情報の適正な管理に努めているところであり、これに基づき患者や家族からの診療情報等の開示請求に対する取り扱いについては院内掲示や入院時のしおりなどで説明しているところであります。 平成26年度の開示請求の件数につきましては7件の請求があり、全てを開示したところでありますが、今後も積極的な診療情報を提供することにより、患者や家族とのよりよい信頼関係を構築することに努めてまいります。 次に、市立病院における患者権利章典の制定についてでありますが、近年医療に関する情報の普及や自ら治療方針の決定を望む患者がふえてきたことなど、医療機関と患者との関係は著しく変化しており、全国の多数の病院において患者の権利を明確にする動きが活発になっていると承知をしております。 市立病院では、市民の健康を守るため、良質な医療を提供し市民に愛される病院、市民が安心して暮らせ心の支えとなる病院を基本理念として、これまで診療の提供はもとより市民公開講座など各種の取り組みを行ってきたところであり、今後におきましても患者との信頼関係の醸成を図ることが重要であると認識をしております。 現在病院事業管理者のもと、院内のプロジェクトにおいて院内解決に向けた取り組みを進めているところでありますが、患者の権利や責務に関する対応等についてもこの中で議論を進めてまいりたいと考えております。 次は、旧地域情報化計画推進の評価と新たな計画策定の進捗状況についてであります。 平成16年度から11年計画で策定しました旧地域情報化計画につきましては、計画に基づき実施した主なものといたしまして、行政情報関係では戸籍管理システムの構築、地域情報関係では郊外地区への光ファイバー網の敷設など、また計画はなかったものとして、市税納入の利便性を高めるためのコンビニ納付システム等を構築したところであります。 一方、各種申請のオンライン化など、計画に盛り込まれながら実現できなかった業務やシステムについては、現在策定中である計画に反映していきたいと考えているところであります。 次に、新計画の進捗状況につきましては、国策として推進している
マイナンバー制度導入にかかわる作業等により大きくおくれが生じておりますが、現在は情報化に関する現状の把握と課題の分析及び各種情報の収集等を行っており、少しでも策定作業のおくれを解消するよう努めているところであります。 今後の策定手順及びスケジュールにつきましては、情報管理部門において地域情報に関する将来目指すべき市の姿とその実現のための基本方針を策定し、また個別計画については庁内各部署の意見を取り入れ、これらをもとに作成した素案を最終的にパブリックコメントの手続を経て、本年度中の完成を目指し取り進めてまいります。 新たな計画における地方創生に貢献するICT活用策の必要性についてでありますが、総務省は魅力ある地方を創生し、地方への人の流れをつくるためにはICT情報推進技術は必要不可欠であるとし、サテライトオフィスやテレワークの導入及びWi-Fiの整備等、地方創生に貢献するICT活用策の検討が重要であると提言しているところであります。全ての地域でICTの恩恵が受けられ、都市との地域間格差がなくなることによって地方での在宅勤務形態であるテレワークなどが可能となり、地方への人や仕事の流れが創出されるものと考えておりますので、ICTは地方を活性化させるツールの一つであると認識しております。 本年度中に策定することとしている新たな地域情報化計画にもICTの活用が必要と認識しておりますので、総務省の提言をはじめ、国の機関が関係する研究会等の報告書の内容を充分に調査研究し、時代の流れに乗りおくれることなく、また当市の将来に希望が持てる計画にしたいと考えております。 情報管理部門の強化充実についてでありますが、行政情報システムの利活用の目的については議員御指摘のとおりであり、加えてこれから地方創生の手段の一つとして多角的視点からICT利活用の調査研究が必要であると考えるところであります。 情報管理部門が担う業務は、非常に多岐にわたり専門性も高く業務内容も刻一刻と変化しており、職員に求められる技術や能力は年々高まっているものと認識をいたしているところであります。 情報管理部門の強化充実については、過去に5次にわたる行財政改革によりさまざまな事務事業の見直しに加え、組織のスリム化と定員の適正化を図ってきたところであり、今後につきましても今年度からスタートいたしました第6次行財政改革プランに基づき職員の意欲向上とスキルアップを図るための講習会等の参加、また全職員を対象とした情報通信セミナーの開催など関係部署との情報連携を更に強化することにより、ICTを活用した地方創生の調査研究を進め、新たに策定する地域情報化計画の推進に対応してまいりたいと考えております。 次に、移住交流の促進におけるこれまでの取り組みについてであります。 地方では少子・高齢化の進行に伴い労働力の流出や営業所の撤退など、今後も人口や経済面で厳しい状況が見込まれる一方、団塊世代の大量退職や心のゆとりを求めるライフスタイルの変化などにより、昨今地方移住への関心が全国的に高まりを見せております。 市といたしましては、こうした観点を踏まえ、この5年間第8期総合計画における後期計画の重点事業として移住交流の促進に取り組んできたところであり、指針となる根室市移住交流促進方針に基づきワンストップ相談窓口の設置をはじめ、空き教員住宅を活用した体験住宅の整備、空き家バンク制度の運用、移住アドバイザー設置など情報発信力の強化と受け入れ体制の整備を図ってきたところであります。 加えて、官民で構成する協議会を組織し、モニターツアーや首都圏でのプロモーション活動を展開してきたところであります。これらの活動の結果、相談窓口の利用者は延べ84件を数え、また団塊世代を中心とした長期滞在者は滞在日数にして延べ1,039日間となり、加えて先月までに30代の若い方々など15人の移住者を当市に迎え入れたところであります。 次に、移住向上の促進に関しての課題と今後の取り組みについてでありますが、市といたしましてはこの5年間の実績を踏まえ、より一層の移住促進を図る上で根本的には団塊世代における医療、介護環境や若い世代における教育、子育て環境にそれぞれ課題があると受けとめております。 また、当面の課題としては、競争力や情報発信力の強化を図る必要があると考えており、現在移住アドバイザーの助言、協力に加え、地域おこし協力隊によるSNSを活用した情報発信などについて検討を進めているところであります。 今後の事業推進に当たっては、これまでの移住交流の取り組みをしっかりと地域の振興につなげるためにも、従来の団塊世代を中心とする長期滞在の促進に加えて新たに産業を担う人材の移住促進やこれを受け入れる民間企業の雇用促進も必要であると考えておりますことから、各種促進制度の創設など多角的な視野を持って事業展開してまいりたいと考えております。 次に、空き家の状況と空き家対策の課題についてであります。 近年人口減少や高齢化の進展などに伴い、全国的に空き家等の問題が顕在化する中で、当市においても空き家等の件数が増加傾向にあり、相談等もふえている状況にあります。 当市の空き家の状況といたしましては、総務省実施の平成25年度住宅・土地統計調査によると、総住宅数1万1,510戸に対し空き家数は1,350戸、率にしますと11.7%となっており、毎年消防本部で実施している市街地を中心とした調査では、平成26年の空き家数として703件を把握しているところであります。 空き家等の適切な管理は、第一義的には所有者等の責任において行われるべきものと考えておりますが、市として空き家対策を進めていく上では、推進体制の整備、空き家等を発生させない取り組みや利活用の促進のほか、老朽危険家屋等への対応が課題であると考えております。 最後に、空き家対策に関する体制整備と空き家の利活用についてでありますが、全国的に空き家等の問題が顕在化する中、先月26日には空家等対策の推進に関する特別措置法が全面施行となり、市の役割として空き家等対策の実施体制の整備や対策計画の作成により行政としての基本姿勢を示しつつ、活用方策についてもあわせて検討することとされております。 空き家対策の推進に当たっては、空き家の所在や状態の実態把握並びに所有者等を特定し空き家情報として集約、管理するとともに、庁内関係部局での情報共有を図りながら具体的な施策等の検討を進める必要があると考えております。 このことから、特別措置法の趣旨を踏まえ、増加抑制策、支援策、更には利活用策の検討など当市における空き家対策の総合的かつ計画的な実施に向けた取り組みを進め、第9期総合計画に掲げる安全・安心な住環境の整備を図ってまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(田塚不二男君) 本田君。
◆(本田俊治君) 御答弁をいただきましたので、自席から再質問あるいは意見を述べさせていただきたいと思います。 まず、病院の問題ですが、経営状況等についてもお話を聞きましたし、決算の内容についてはこの後決算審査等で深く協議できると思いますのでそこは飛ばしまして、全体の動きとして少しお話をしたいなと思っております。 昨年から院内プロジェクトでいろいろな経営改革を進めているというお話で、今回も御答弁の中で収益の向上あるいは経費の抑制に向けた取り組み、費用対効果の検証ですとか、体制の充実、職員の意識改革等に取り組んでいるというお話あったんですが、具体的にどういう目標設定をしながらどういう効果目標を立てて取り組んでいるのかとか、そういったところはなかなかよく見えてきません。 また、そのプロジェクトでの取り組みについては、どういった形でその成果を公表していくのかというところも見えてきておりませんので、実際にこれから新たな改革プランをつくるというのはわかるんですが、現状並行して今取り組んでいるその内容についてももう少し詳しくお聞きしておきたいなと思いますので、現時点で具体的にこのプロジェクトでどのようなものをやっているか、あるいは今の段階でどういった効果測定をされていて、どんな形で情報をオープンにしていくんだという、そういった視点から考え方を聞いておきたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 病院事務長。
◎病院事務長(竹本勝哉君) プロジェクトの具体的実施項目等についてでございます。 市立病院の院内プロジェクトにつきましては、これまで地方公営企業法の全部適用への移行に当たりまして病院のあり方ですとか、移行後を見据えた経営改善の取り組みなどについて検討を行ってきたところであります。 本年度につきましては、全適移行後を機としまして院内プロジェクトを経営改革に係る戦略的プロジェクトと薬剤師、看護師及び医療技術者確保対策プロジェクトの2つに再構築しまして、その推進に努めることとしたものであります。 先ほど市長から御答弁いたしました取り組みの具体的な検討内容といたしましては、1つ目には収益向上と費用抑制では診療報酬請求の検証、あるいは医療技術部門における増収の取り組み、診療材料費や管理経費の削減の取り組みなどの検討、2つ目としまして、費用対効果の検証では、費用抑制とも重複する点もありますが、経営状況の分析を踏まえた効率的、効果的な体制の整備、設備投資などの検討、3つ目といたしましては、体制の充実では、安定した診療体制の構築に向けました医師、看護師、薬剤師、医療技術者の確保などの検討、4つ目としましては、職員の意識改革としまして、厳しい経営状況の認識のもと先進事例等の収集、あるいは患者サービスへの意識改革などの検討を行うものとしたところであります。 具体的な効果目標につきましては、現在プロジェクトがスタートしたばかりでありますので、今後検討を進める中において具体的な目標値の設定もあわせて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(田塚不二男君) 本田君。
◆(本田俊治君) それ始まったばっかりということですから、これ以上中身を聞くのもどうかなと思いますが、やっぱりしっかりとした数値目標を持つというところが非常に大事になってくると思いますので、当然同時進行で、先ほども質問しましたけども、新しい改革プランづくりが入ってくると思いますので、そういった中にしっかり目標数値を設定していただいて従来以上にしっかりと、いわゆる検証作業をやりながら結果の報告等はしていただきたいなと、そういうルーチンがしっかりしてくることで一緒に協議検討ができるんじゃないかなというふうに思います。 そういった中で、その新しいガイドラインなんですが、今回病院の改革等の整合性をとりながらやっていくような項目が盛り込まれましたが、地域医療のあるべき姿については北海道は来年の2月ぐらいまでじゃないと方向性出せないという中で、それまで新しいガイドライン、いわゆる改革プランを病院として待つのか、それとも今こういった経営状況の中で先行して取り組むと、取り組んだ中でそういう項目が定められた時点でまた見直すという手法がいろいろあると思うんですけども、現時点でどのような考えをお持ちになって取り組もうとされているか聞いておきたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 病院事務長。
◎病院事務長(竹本勝哉君) 新改革プランの策定時期といいますか、道の策定する医療構想との兼ね合いでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、市立病院の厳しい経営状況を踏まえまして新改革プランにつきましては、ただいまありました道の地域医療構想に先行しまして、できるだけ早い時期に策定してまいりたいというふうに考えております。 なお、新プランにつきましては、地域医療構想を踏まえるものとなっております。先ほども市長からもありましたとおり、そういう形となっておりますことから、道の示す方向性などを注視しながら策定作業を進めてまいりますが、先行したことによって計画対計画のそごが生じるような場合につきましては、プランの変更などによって対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(田塚不二男君) 本田君。
◆(本田俊治君) 私ももともとここ直近ではやっぱりよく知っているのは、この地域のあるべき医療の姿をしっかり抑えること、これは病院だけの問題ではなくて市全体の課題として、医療、更には介護まで含めた全体のトータルの仕組みをちゃんと整理して、その中にやっぱり市立病院がどんな役割を担うかというところを決めるところが本当は一番優先順位は高いんじゃないかなと思うんですよね。 ですから、病院の内部的な改革もしつつ、そういった地域全体のことを考えるという二方向から攻めなきゃいけないんですが、やっぱり今の状況で相当経営状況が悪くて一般会計からの繰り出しが18億円近くなっているという状況を考えれば、まず今やられている院内のプロジェクトの中で先行して市独自の改革プランを早急に立てて数値目標を持って順番にできるところから改革をしていくという作業をやっていただきたいなと思います。それに、いわゆる北海道から示される地域のあるべき姿、ここも当然病院も一緒に検討する場面だと思うんですけども、そういったものが入ってきたときに全体として更に動かすという作業が必要になると思っています。そういう手順でいいのかなと思います。 ただ、そういった中でも、体制的なことも検討するということで、医師、看護師あるいは医療従事者の対策もプロジェクトをかけるということですけども、そこにはやっぱり制度の動きをしっかり捉えて、今地域に求められている医療、これから10年先どんな医療の方向性を市立病院が目指さなければいけないかという方向性が出てこないと体制については整備がつかないと思うんですね。 そういった中で、例えば昨年の診療報酬の改定の中で地域包括ケア病棟の評価が新たに盛り込まれましたよね。これは国が目指すこれからの医療の方向性の中でやっぱり地域の中で、いわゆる高度医療だけではなくて、担うべき医療のあり方として地域にそういった例えば療養病床がない部分ではそこをカバーする仕組みだったりとか、それをしっかり持ちなさいという中でもう評価もされています。ですから、本来であれば去年の段階から地域包括ケア病棟のあり方については検討して、そこに必要な人材配置をどうするかというところまで、本来であればもう既に議論してなきゃいけないと思うんですよ。診療報酬の改定は2年に1回ですから、もう半分以上過ぎちゃっています。ですから、その中でこういった部分の議論が現在どうなっているのかなというのは非常に疑問に思うところですが、これまでの取り組みの中でこういった包括ケア病棟について、いわゆる先を見据えながら病院の中でどのような議論を今されているのかという点も少し聞いておきたいなと思います。
○議長(田塚不二男君) 長谷川市長。
◎市長(長谷川俊輔君) 平成26年度の診療報酬改定で新設されました地域包括ケア病棟は、急性期治療を経過し症状が安定した患者さんに対して在宅や介護施設への復帰支援に向けた医療や支援を担う病棟であります。 当院といたしましても、社会情勢や地域のニーズを踏まえ地域包括ケアの必要性を考えているところであり、診療報酬をはじめ体制や機能充実など地域包括ケア病棟の導入に伴う収支の影響等を踏まえ、病床数のあり方などさまざまなシミュレーションを図りながら今後戦略的なプロジェクトで議論を重ね検討してまいりたいと考えております。
○議長(田塚不二男君) 本田君。
◆(本田俊治君) 今も申しましたけども、ここの部分が例えば理学療法士ですとか作業療法士をどういった形で配置するとか、今はまだひょっとすると求めれば人材が来てくれるのかもしれませんけど、いろんな地域がもう奪い合いになるような状況ですから、やっぱり地域がしっかりとしたプランを持って戦略的に人員確保もしなければいけないという部分だと思いますので、ぜひしっかりとした取り組みをやっていただきたいなと思いますんで、よろしくお願いいたします。 次に、院内感染のところ、状況をお聞きしてルールもよくわかったんですが、公表基準の中で過失がない医療事故については公表しなくていいという、こういうルールでやっているんですけども、ただよく市の持っている基準を読んでいくと、公表することによって事故発生の防止や再発防止につながると判断できたり、あるいは社会的影響を考慮したときに公表が妥当だというものについては公表するんだとか、患者さんの権利を守るといいますか、そういった趣旨からオープンにできるものはオープンにしましょうという発想で多分制度がつくられておりますので、ここは過失がないからではなく、それは一つのルールですけども、物によってはやっぱり検証を終えた時点で当然そこで不審に思った患者さんもいると思いますので、何らかの形で周知するなり、あるいは患者家族に対して説明するというしっかりしたルールを持って取り組んでいただければならないかなと思います。答弁にあったように、先進事例も確認していただくということですので、ぜひあくまでも患者本位の医療という視点に立ったときにどうあるべきかというところでその公表基準のあり方についてもしっかり一つ一つの事例に検証していただいて、そういったスタンスで公表していただきたいなと、ここはお願いだけしておきたいと思います。 あと、1点提案させていただきました患者権利章典ですけども、これはもう早い時期からいろんな団体が取り組んでいて、病院を視察させていただくと入り口に必ず患者の権利という掲示があるんですね。それを見てきて、そんなに難しいことじゃないからぜひやってほしいという思いで提案をしたんですが、ただ今回いろいろ調べてみますと、やっぱりやる段階で病院内の意識改革の道具としてこういうものをベースにして患者様に対してどういった考えで病院は取り組むんだ、職員はどうやって意識改革をするんだという、そこをしっかり検討した上で私もつくるべきだと思いますので、ぜひいろんな情報を、ネットでも出てきますし、私なんかも今回東京都の資料をちょっと読ませていただいて、こういうことをぜひやったほうがいいなという思いで質問させていただいたんですが、今がちょうどいいチャンスだという考え方を読みましたんで、とにかく何かやるときにイノベーションが必要なタイミングで必要なものを提供するというやり方が私は大事だと思いますので、今回これから調査検討という話でしたが、ぜひ実現に向けて一日も早く患者様のことについて病院はこういう考えだというものをオープンにできるような取り組みをしていただきたいなと、ここは要望しておきたいと思います。 次に、情報化の関係なんですが、正直申し上げまして何度も質問してきているんですが、なかなか組織的にこの部分が、やっぱり難しいのかなという、本当に変化が早くてついていくのは大変ですから、非常に厳しくてなかなか上手に取り組めてないんだなと。結果、もう11年間同じ計画というか、11年前の計画と今では全く違う状況になっているんですけども、それを変えれないできた、あるいは検証がほとんどできてない。質疑をさせていただいても、どんなことできたんですかって言ってもなかなか効果が表に出てきていない状況ですね。ですから、早急に新しいプランづくりをしていただきたいんですが、そういった中でやっぱり私が気になったのは市民の声をどうやって反映させるんだというところで答弁はパブリックコメントでいいよみたいな感じですけども、ここまでおくれたとあれば総合計画の考え方もしっかり整理していただいて、そういうアイデアを持った方たちの意見を取り入れて根室らしいオリジナリティーのある計画をしっかりつくって運用したほうがいいと思うんですよね。そういった目線でそういった市民あるいは企業等の意見をどうやって集約するかという部分でもう一度お伺いしておきたいなと思います。
○議長(田塚不二男君) 総務部長。
◎総務部長(佐田正蔵君) 地域情報化計画の策定についてでありますが、新しい地域情報化計画の策定に当たりましては、情報管理部門が中心となって素案を策定した後、庁内各部署において意見を多く取り入れ、その後第9期の総合計画の基本理念であります協働のまちづくりの推進の観点からも幅広く市民や、企業などの個人、団体から成る市民委員会等を組織して、その中で充分に意見交換をして、最終的にパブリックコメントを経て計画策定したいと考えております。
○議長(田塚不二男君) 本田君。
◆(本田俊治君) 組織づくりもしていただけるということです。ぜひやはり皆さんの声が反映されるような仕組みをつくっていただきたい。 あと、地方創生との関係もやっぱり読めば読むほどこういった新しい、こういう根室のような遠隔地というか、中央から離れたところにとっては距離を詰める道具として利活用できるんじゃないかと。やっぱりこれまで半島全域に光ファイバーも設置していますから、そういったものを外に出してしっかりPRして、お隣の別海町さんがどうやってマイクロソフトさんとああいう形で今テレワークを進めているか、もうぜひ調査していただいて、この地域でも何らかの形で新しい産業、あるいは若い人たちが興味のあるような業務としてこのICTの利活用という部分を活用していく必要性が僕はあると思っておりますので、やはり調査研究をしっかりやっていただきたいなと、ここは要望しておきたいと思いますので。 あと、体制のことなんですが、現行の情報管理課というのは、これ庁内の情報管理をするところがメーンでやってきた部分ですから、今やろうとしているコミュニケーションツールだったりSNSという部分についてまで今の体制に求めることはかなり厳しいんじゃないかなと。 もっと言うと、やっぱり全市的にかかわるICTですから、企画部門が一緒になって必要性をどんどんどんどん埋め込んでいくと、今持っている総合計画にどこに埋めれるのかなということをしっかりチェックしてトータルで方向性を示すようなやり方が必要だと思うんですよね。そういった意味では、御答弁の中では特に組織体制をどうするということではなくて、研修の充実を図りたいというところで終わっていますけども、私はやっぱりこの分野に関してしっかりとしたノウハウを組織として蓄積しなければいけませんし、なければ外部の力もかりて勉強させていただいて仕組みをしっかりつくるという作業の必要になってくると思いますので、体制強化充実というのは非常に重要だと思います。その点についても、再度考え方をお聞きしておきたいなと思います。
○議長(田塚不二男君) 総務部長。
◎総務部長(佐田正蔵君) ICTの担当部門の強化充実についてでありますが、ICTの活用につきましては、議員御指摘のとおり、多岐にわたるものと認識しております。ICTの活用に必要なインターネットの環境整備等については情報管理部門が担っており、加えて地方創生に貢献するICTの活用、この施策立案につきましては企画部門とも充分連携し、また個別事業につきましては担当する部署ともより一層の情報連携を強化を図ることで当市の地域情報化の充実が図られるというふうに考えております。
○議長(田塚不二男君) 本田君。
◆(本田俊治君) ぜひそのような取り組みをしていただきたいですし、組織のこともしっかり御検討していただきたいなと要望しておきたいと思います。 あと、時間がありませんので、移住政策、先ほど壷田議員がかなり詳しく論議しましたので、御答弁はほぼそういった内容を踏まえたものと受け取りました。 ただ、中でプロモーション活動とかSNSを活用して情報提供体制の充実が必要だというお話がありましたので、その点私もやっぱり特色を持った取り組みが必要だというふうに思いますので、現時点でそういった分野の取り扱いについてはどのような方針を持って取り組もうと思われているのかお聞きしておきたいと思います。
○議長(田塚不二男君) 総合政策部長。
◎総合政策部長(藤田隆人君) 移住交流の促進に関する情報発信といったことだと考えますけども、現在市といたしましては移住情報の発信に当たって対象となる世代別に応じた手法はもとより、その内容等についてもそれぞれの世代、それからニーズに合わせた対応が重要であるというふうに認識しておりまして、現在それを具体化すべく検討を進めているところでございます。 今後は、これまでも行ってきた移住アドバイザーの助言ですね、それとの協力に加えまして、東京圏から移住された、先般移住されてきた地域おこし協力隊の2人の女性隊員の視点も取り入れながらSNSをはじめ機関紙などを活用した情報発信、これを計画的に推進していく考えでございます。 また、昨今の地方創生、これを考えますと、全国各地においてさらなる移住者の獲得競争、これが予測されますので、その戦略づくりについても多角的に検討していきたいというふうに考えてございます。
○議長(田塚不二男君) 本田君。
◆(本田俊治君) ぜひよろしくお願いしたいと思います。 最後に、空き家対策なんですけど、非常に空き家が多いというのわかりましたんで、これをどうしていくかというところが非常に重要な課題だということは私も認識しました。 そういった中で、公共機関、北海道ですとか、そういった部分でも空き家になっている部分が結構ありまして、そういったものも本来は含めてどういった形で利活用できるかというのを考えなければいけないですし、なぜやるかという部分を、例えば1点目としてはちょっとベトナム人の研修生がここに来ていますけども、そこの人数も当初16名だったのが今130名を超えているとか、そういった部分に対しても、市長がトップセールスでやってきているような事業ですから、住環境の充実を目指してあげる、あるいは標津町のような鮭バイのような繁忙期にそういった建物があってそういうところで居住できるとか、やっぱり住環境の充実というのは非常に重要なキーワードだと思いますので、その移住政策といった切り口と同様にそういった部分を検討すべきだと思います。 そして、やっぱりそのための空き家の管理について行政が中心となって整理したものを持って計画的に制度設計をしながら、根室市はこういったことをやるんだということをPRすることも非常に重要だと思いますので、そういった視点から今後考えられる、今お持ちになっているお考えについて聞いて終わりたいなと思います。
○議長(田塚不二男君) 総合政策部長。
◎総合政策部長(藤田隆人君) 移住交流促進に関する、要は空き家等の利活用の部分を含めてと思うんですけども、まず先ほども市長から御答弁申し上げましたとおり、これからは団塊の世代を対象に加えて一歩進んだ形で、要は若い世代の方々、産業を担う方々の移住を進めるといった形を加えて検討する必要が今後あるのかなというふうに考えてございます。 そのためには、やはり住環境といった部分で移住を促進するに当たってそういったものが用意されてないとなかなか根室に来れないといった環境になるところがございます。そういった関係から、これまでも空き家バンクといった形で運用させていただいていますけども、なかなかあるんですが成約には至ってないといったこともございます。 ですが、こういった空き家バンクもこれからも運用していかなければならないと考えてございまして、いかにどのような形で実効性が上がるかといった側面も踏まえながらこの空き家バンク制度について検討しつつ、それと移住促進をさせる制度、移住者に対する支援も含めてなんですが、住環境も含めましてそういった制度どのようなものがあるか、そういったものも検討して多角的な視点からそういったものをトータル的に検討していかなければならないなというふうには考えてございます。
○議長(田塚不二男君) 以上で本日の議事日程は全て終了いたしました。 あすは引き続き午前10時から本会議を開きますので、定刻までに御参集をお願いします。 本日はこれをもちまして散会いたします。 御苦労さまでした。 午後4時31分 散会 上記会議の記録に相違ないことを証し、ここに署名する。 平成27年6月23日 議 長 田 塚 不二男 署名議員 千 葉 智 人 〃 佐 藤 敏 三...