根室市議会 > 2005-06-21 >
06月21日-01号

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  1. 根室市議会 2005-06-21
    06月21日-01号


    取得元: 根室市議会公式サイト
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    平成17年  6月定例会(第2回)     平成17年第2回根室市議会定例会会議録           第  1  号     平成17年6月21日(火曜日)午前10時0分開会〇議事日程 日程第1 会期の決定 日程第2 議案第42号(前回より継続) 日程第3 一般質問〇出席議員(21名)  22番   議   長   嶋 津 隆 之 君  7番   副 議 長   熊 谷 雅 史 君  1番   議   員   鈴 木 一 彦 君  2番     〃     高 本 みさ子 君  3番     〃     神   忠 志 君  4番     〃     下 川 靖 男 君  6番     〃     千 葉 智 人 君  8番     〃     波 多 雄 志 君  9番     〃     五十嵐   寛 君  10番     〃     久保田   陽 君  12番     〃     浜 辺 洋 一 君  13番     〃     中 林   直 君  14番     〃     藤 根 元 吉 君  16番     〃     澤 崎 文 剛 君  17番     〃     佐 藤 敏 三 君  18番     〃     滑 川 義 幸 君  19番     〃     遠 藤 輝 宣 君  20番     〃     永 洞   均 君  21番     〃     飛 島 照 義 君  23番     〃     田 塚 不二男 君  24番     〃     竹 内 正 利 君〇出席を求めた者  市        長   藤 原   弘 君  教 育 委 員 会委員長   前 田   康 君  代 表 監 査 委 員   宮 野 洋 志 君  農 業 委 員 会 会 長   野 村 忠 雄 君  選挙管理委員会委員長   高 村 靖 徳 君〇委任を受けた説明員  助        役   長谷川 俊 輔 君  収    入    役   小 形 峯 雄 君  総  務  部  長   伊 藤   司 君  北 方 領 土 担当参事   石 垣 雅 敏 君  企 画 振 興 部 長   庭 崎   誠 君  保 健 福 祉 部 長   谷 村 秀 昭 君  水 産 経 済 部 長   新 濱   悟 君  建 設 水 道 部 長   小田嶋 英 男 君  病 院  事  務 長   嶋 倉 博 義 君  消    防    長   竹 原 賢一郎 君  総  務  課  長   今 井 泰 和 君  情 報 管 理 課 長   竹 脇 秀 斗 君  市 民 環 境 課 長   野 田   敏 君  北 方 領 土 対策室長   丸 山 一 之 君  北方四島交流センター館長 高 橋   稔 君  病 院 建 設 準備室長   中 川   悟 君  企 画 政 策 室 長   島 谷   満 君  財  政  課  長   堀 合 康 文 君  税  務  課  長   島 野 治 人 君  社 会 保 育 課 長   熊 谷   勉 君  福祉課長(兼)老人福祉センター館長(兼)児童デイサービスセンター館長               芦 崎 信 二 君  保  健  課  長   冨 永   進 君  介 護 保 険 課 長   吉 本 恭 郎 君  水 産 港 湾 課 長   佐 田 正 蔵 君  水 産 研 究 所 次 長   博 田   功 君  水産加工振興センター所長 鈴 木 義 克 君  農林課長(兼)春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター館長               二 瓶 哲 雄 君  商 工 観 光 課 長   高 島 成 司 君  都 市 整 備 課 長   鎌 重 清 二 君  用  地  主  幹   笹 谷 廣 明 君  建 築 住 宅 課 長   谷地中 義 幸 君  建築住宅課主幹(兼)病院建設準備室主幹               田 沢 修 三 君  営業課長(兼)下水道課長  鵜ノ澤   馨 君  施設課長(兼)下水道主幹  初 井 一 彦 君  浄  水  場  長   畠 山 義 治 君  会  計  課  長   細 井 芳 夫 君  病 院 事務局総務課長   長谷川 時 寛 君  病院事務局医事課長(兼)病院事務局医療情報室長               本 田 俊 治 君  消 防 本 部 次 長   武 田 静 夫 君  消 防 本 部 総務課長   佐 藤 達 雄 君  消 防 本 部 警防課長   加 藤 義 則 君  消 防 署 副 署 長   織 田 勝 洋 君  消 防 署 副 署 長   宗 像   淳 君  消 防 署 救 急 主 幹   佐 野 一 雄 君  総  務  係  長   岩 山 幸 三 君  教    育    長   渡 辺 好 之 君  教  育  部  長   平 松 利 英 君  学  務  課  長   成 田 勝 典 君  社 会 教 育 課 長   西 村   快 君  社 会 体 育 課 長   重 永   猛 君  総 合 文 化 会 館 長   菊 地 幹 夫 君  図  書  館  長   村 田 裕 治 君  勤労青少年ホーム館長   北 谷 英 俊 君  監 査 委 員 事務局長   後 藤 勝 之 君  農 業 委員会事務局長   二 瓶 哲 雄 君  選挙管理委員会事務局長  竹 脇 秀 斗 君〇出席事務局職員  議 会 事 務 局 長   奥 田 誠 二 君  議 会 事 務 局 次 長   垣 通 鎮 夫 君  議会事務局議会総務係長  後 藤 幸 雄 君  事 務 局  書  記   佐々木 有希乃 君  事 務 局  書  記   野 村 大 明 君──────────────────────── ○議長(嶋津隆之君)  おはようございます。 開会の前に、去る5月25日、東京都で開催されました全国市議会議長会第81回定期総会において、議員15年以上の議員に対する一般表彰が全国市議会議長会会長より授与されておりますので、伝達をいたします。 それでは、事務局長から受賞者のお名前を読み上げますので、受賞者は順次前で表彰状を受賞してください。 ◎議会事務局長(奥田誠二君)  それでは、ただいまから受賞者のお名前を読み上げます。 全国市議会議長会表彰、議員15年以上一般表彰を行います。 熊谷雅史議員。 ○議長(嶋津隆之君)         表 彰 状    根 室 市   熊谷雅史殿   あなたは市議会議員として15年市政の振興に努められ、その功績は著しいものがありますので、第81回定期総会に当たり、本会表彰規程により表彰いたします。   平成17年5月25日   全国市議会議長会会長 国松 誠 代読です。おめでとうございます。(拍手) ◎議会事務局長(奥田誠二君)  同じく議員15年以上一般表彰。 澤崎文剛議員。 ○議長(嶋津隆之君)         表 彰 状    根 室 市   澤崎文剛殿   あなたは市議会議員として15年市政の振興に努められ、その功績は著しいものがありますので、第81回定期総会に当たり、本会表彰規程により表彰いたします。   平成17年5月25日   全国市議会議長会会長 国松 誠 代読です。おめでとうございます。(拍手) ◎議会事務局長(奥田誠二君)  以上でございます。 ○議長(嶋津隆之君)  以上をもちまして、表彰状の伝達を終わります。 ただいまから平成17年第2回根室市議会定例会を開会いたします。 本日の会議を開きます。 初めに、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に1番鈴木一彦君、16番澤崎文剛君、18番滑川義幸君を指名いたします。 ここで事務局長から諸般の報告をさせます。 ◎議会事務局長(奥田誠二君)  おはようございます。 御報告申し上げます。 初めに、会議の出席状況でありますが、ただいまの出席は21名であります。 本日の議事日程及び諸般の報告は、お手元に御配付のとおりでありますので、朗読を省略いたします。 なお、市長より追加議案の提案が1件ございましたので、お手元に御配付いたしました。 以上で報告を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  議事に入る前に、議会運営委員長から発言の申し出がありますので、これを許可いたします。 滑川義幸君。 滑川君。 ◆(滑川義幸君)  おはようございます。 議長のお許しをいただきましたので、私から本定例会の議会運営にかかわる申し合わせ事項について簡潔に御報告申し上げます。 初めに、本定例会に伴う一般質問は11名であります。 また、本定例会に付議された議件は前回より継続審議1件を含め28件であり、議件を審議する日程についてはお手元に御配付の会議日程に従って取り進めるものとし、会期は本日から6月24日までの4日間とすべきことに意見の一致を見たところであります。 次に、議案の審議方法について申し上げます。 まず、補正予算と補正予算にかかわる報告については、先例に従い、11名の議員で構成する予算審査特別委員会を設置し、付託の上審査をするものとし、また条例及び単行議案については、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託することに決定したところであります。 更に、人事案件及び意見書案については、先例に従い、最終日の本会議での審議とすることで意見の一致を見たところであります。 なお、最終日の本会議は、特別委員会の審査などのため、午後4時30分に繰り下げて開会することを申し合わせたところであります。 以上をもちまして私の報告といたします。 ○議長(嶋津隆之君)  次に、助役から発言の申し出がありますので、これを許可いたします。 長谷川助役。 ◎助役(長谷川俊輔君)  おはようございます。 議長のお許しをいただきましたので、平成16年度各会計の決算概要について、お手元にお配りの資料に基づき、御報告を申し上げます。 なお、最終予算額、執行率を省略し、決算額のみを御説明申し上げます。 まず初めに、一般会計でありますが、歳入決算額が169億9,003万2,000円、歳出決算額は169億5,963万7,000円でありまして、港湾施設災害復旧事業繰越予算充当財源3,000円を差し引いた3,039万2,000円が歳計剰余金となったものであります。 特に、市税の徴収率におきましては、前年度の95.0%から0.4%ポイント増の95.4%となりまして、前年度同様に全道1位になる見通しとなっております。 また、決算規模につきましては、前年の173億7,093万円に対し、2.5%減の169億円台となったものであります。 次に、市民交通の傷害共済会計でありますが、歳入決算額が1,094万8,000円、歳出決算額が997万6,000円で、差し引き97万2,000円の歳計剰余金を条例に基づき共済基金に積み立て処理を行ったものであります。 次に、国民健康保険特別会計でありますが、歳入決算額が38億8,853万9,000円、歳出決算額は38億832万3,000円で、差し引き8,021万6,000円の歳計剰余金は平成17年度に繰り越しをするものであります。 歳出における前年度繰越充用金を除いた実質単年度収支は、2億1,759万7,000円の単年度黒字決算となったものであります。 このことから、昭和55年度に発生いたしました累計赤字は25年間で解消したものであります。 次に、老人保健特別会計でありますが、歳入決算額が29億4,628万1,000円、歳出決算額は29億5,581万8,000円で、差し引き953万7,000円の赤字決算となったため、不足する額については翌年度からの繰上充用により措置したものであります。 老人医療対象人員につきましては、平均受給者3,817人で3.7%減、医療費の支給額は29億2,088万3,000円で1.6%の減となったものであります。 次に、土地取得並びに汚水処理の各会計でありますが、いずれも事業費にかかわる歳入の不足額につきましては、一般会計繰入金をもって収支均衡を図ったものであります。 次に、農業用水事業特別会計でありますが、歳入決算額が6,179万5,000円、歳出決算額は5,458万円で、差し引き721万5,000円の歳計余剰金を平成17年度に繰り越しをいたすものであります。 次に、介護保険特別会計でありますが、歳入決算額が11億706万4,000円、歳出決算額が11億25万6,000円で、差し引き680万8,000円の歳計余剰金を平成17年度へ繰り越しを行うものであります。 続きまして、企業会計につきまして御説明申し上げます。 まず、港湾事業会計でありますが、収益的収入の決算額は1億9,700万7,000円、収益的支出の決算額は2億1,119万9,000円で、差し引き1,419万2,000円の赤字となったのであります。 一方、資本的収支資金不足額6,689万9,000円につきましては、過年度分損益勘定留保資金等で補てんをしたものであります。 次に、水道事業会計でありますが、収益的収入の決算額は8億4,892万1,000円、収益的支出の決算額は8億1,303万4,000円で、差し引き3,588万7,000円の黒字決算となったものであります。 一方、資本的収支資金不足額2億9,063万3,000円につきましては、過年度分損益勘定留保資金等で補てんをしたものであります。 次は下水道事業会計であります。収益的収入の決算額は9億4,105万9,000円、収益的支出の決算額は8億218万2,000円で、差し引き1億3,887万7,000円の黒字決算となったのであります。 一方、資本的収支資金不足額5億4,714万円につきましては、当年度分損益勘定留保資金等で補てんをしたものであります。 以上の結果、年度末における不良債務が2億635万5,000円となったものであります。 最後に、病院事業会計でありますが、収益的収入の決算額は39億7,240万2,000円、収益的支出の決算額は40億1,443万9,000円で、差し引き4,203万7,000円の赤字となったものであります。 一方、資本的収支資金不足額1,736万2,000円につきましては、当年度分損益勘定留保資金等で補てんをしたものであります。 主な内容といたしましては、収益的収入では、外来患者が増となったものの入院患者及び患者1人当たりの入院単価の減などにより、前年度に比べ収入減となっております。 収益的支出では、給与費の減や給食業務の全面委託などにより、前年度に比べ支出減となったものであります。 以上の結果、年度末の不良債務額が5億6,078万2,000円となったものでございます。 以上をもちまして平成16年度各会計決算勘定につきましての報告を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  ただいまから議事に入ります。 それでは、日程第1、会期の決定について議題といたします。 お諮りいたします。 この定例会の会期を本日から6月24日までの4日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(嶋津隆之君)  御異議なしと認めます。 したがって、会期は本日から6月24日までの4日間と決定をいたしました。 次に、日程第2、議案第42号根室市総合計画基本構想の策定について議題といたします。 本案については、さきの第1回定例会において、根室市総合計画審査特別委員会に審査付託され、閉会中の継続審査に付されたものであります。 ここで根室市総合計画審査特別委員会委員長より審査の経過及び結果について報告を求めます。 遠藤輝宣君。 遠藤君。 ◆(遠藤輝宣君)  おはようございます。 私は、根室市総合計画審査特別委員会の委員長といたしまして、ただいま議題となりました議件の本特別委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本委員会は、御承知のとおり、去る平成17年第1回定例会において11名の委員をもって設置されました特別委員会であります。付託されました議件の内容は、当市の21世紀初頭の未来を築くためのまちづくりの指針として、平成17年度から平成26年度までを期間とする根室市総合計画の基本構想であります。 本委員会の審議は、4月15日、5月9日、10日、23日、31日、6月6日の合計6回にわたり会議を開き、審査の終了を見たところであります。 審査の中で特に論議の対象となりました主な事項について申し上げます。 第1章「はじめに」の中では、時代の潮流とまちづくりの基本課題の項目、少子・高齢化対策の予算と計画との整合性、北方領土問題にかかわる影響、根室市の位置づけ、第七期総合計画の検証、基本課題を踏まえたまちづくりのイメージ、まちづくりに参加する市民へ協力を求めていく行政としての受け入れ体制、市民のまちづくりへのかかわり、人口問題、産業構造に関する課題、市職員の意識改革と求められる改革などについての考え方等々であります。 次に、第2章「基本構想」の中では、協働に対する市民の意識・認識の向上の取り組み、市民参加のまちづくり推進の方法、女性の雇用の充実について、購買力流出対策具体的計画、就業環境の充実を図るための環境づくり、10年後の根室の都市像、商店街振興などの具体策、産業振興にかかわる庁内の協働、まちづくりの基本目標、土地利用にかかわる漁村の環境、まちづくりにおけるコミュニティー形成、根室物産の安全・安心の取り組みの推進と宣伝、想定人口による影響、水産業の振興と対ロ民間漁業関係、協働のまちづくり、人口減少に対する政策、想定人口に至った背景、想定人口と病院建設計画における人口推計との整合性、保育所民営化におけるリスク、障害児の放課後対策、幼稚園教育や保護者支援の今後の見通し、知的障害、学習障害などにかかわる連携、道州制導入にかかわる庁内議論、変化に対応できる効率よい都市づくりの推進、小・中学校適正配置計画の取り組み、北方領土問題の教科書への記述を含めた教育、北特法の改正と地域振興策の国への要請、特区構想などの国への要請、国際交流の推進、第七期総合計画の先送り事業や調整事業の第八期への反映、合併浄化槽の今後の整備方法の検討、根室経済の経済振興、総合計画の推進における施策の充実と連携などについての考え方等々であります。 次に、第3章「協働リーディングプラン」の中では、協働リーディングプランの推進方法、根室ブランドを活かしたまちづくりの推進、加工品などの商品化に向けた取り組み、総合計画全体にわたる施策の重点性の明確化、それぞれの分野における協働の概念、健康づくりにおけるスポーツ健康都市宣言による施策も関連づける取り組み、市立病院と民間病院との協働の推進と施設充実の見通し、協働の概念で北方領土返還運動を推進するための具体的な方向性、国際漁業交渉へのかかわり、協働の推進に伴う行政として市民に求めていくことの明確化、林業振興に係る民間労働者の確保などの具体的な方向性、ロシア・サハリン州との関係の総合計画における位置づけの検討、多額な負担が伴う事業の慎重な推進、10年間のまちづくりにおけるハード面の整備、評価を踏まえた事業の実施、協働のまちづくりの推進に伴う体制、根室ブランド確立に向けた企業連携に伴う責任の所在などについての考え方等々であります。 なお、詳細な報告については、後日の会議録をもって報告とすることにして、割愛させていただきます。 質疑終了後、採決の結果、起立多数により、原案のとおり可決すべきことに決定したところであります。 以上をもちまして私の報告といたします。 ○議長(嶋津隆之君)  ただいまの委員長報告に対して御発言ありませんか。     (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(嶋津隆之君)  別に御発言もなければ、本案については起立により採決を行います。 本案について原案のとおり可決することに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 ○議長(嶋津隆之君)  起立多数であります。 したがって、本案については原案のとおり可決されました。 次に、日程第3、一般質問を行います。 市政全般について質問の通告がありますので、順次質問を許します。 初めに、4番下川靖男君。 ◆(下川靖男君)  通告に従いまして、藤原市長に対し、現在、根室市の抱える行政課題のうち、2点について質問を行います。 まず1つは、新根室病院建設にかかわる幾つかの問題についてであります。 私は、これまで病院建設等特別委員として、新病院建設についての問題点の指摘を含む数々の意見を申し上げ、審議に参加してきたところでありますが、なお解明したい幾つかの点を踏まえ、市民に対する私自身の説明責任をしっかり果たすためにも、任期最後の機会に3点についてただしたいと思います。 市民は、今、市立病院を一刻も早く建てかえてほしいという要望、期待とともに、財政難の中、本当に大丈夫なのかという不安と危惧を抱くという複雑な状況の中にいます。藤原市長には、この市民の期待と不安にしっかり応えることが強く求められているのではないでしょうか。 第1に、建設財源、すなわち90%を起債に依存をする償還財源をどう捻出するかという課題です。 現在、新病院建設の起債許可条件として、第5次経営健全化計画を遂行中でありますが、これまでの議論は、どちらかというと現行経営健全化計画の問題を中心に行われてきたものと私は認識をしております。大事なことは、09年度、平成21年度以降の、すなわち現行経営健全化計画終了後の新病院の経営収支がどのようになるのか、償還にたえ得る経営となるのかどうかが重要であります。 同時に、その計画がもう一つの起債許可の条件となることの認識を私は持っておりますが、いかがでしょうか。だとすれば、もっと踏み込んだ議論とともに、市民に対しその展望を具体的に示す必要があるものと考えます。21年度以降も現行の経営手法を続けたならば、確実に赤字がふえ、その赤字を一般会計で負担できなければ、新たな不良債務を発生させることになります。これはどうしても避けなければなりません。 そこで、こうすれば償還財源を生み出すことができるという新病院の増収、増益構想を持つことの必要性を訴えたいと思います。何よりも、償還財源は、一般会計負担分を除き、新病院の経営によって生み出さなければならないからであります。一般的に言えば、21年度以降の病院経営の収支バランスをどのようにとるのかということにつきますが、新病院は療養型病床の導入、人口の社会的減少の要素など、現状とは幾つかの異なる条件のもとでの経営を余儀なくされます。 こうした予測される状況に見合った経営構想が求められている中、充分な吟味と説明がなされてきたとは言えないと考えます。議論も不充分でした。さきの特別委員会でこれらの点をただしましたが、残念ながらお答えをいただけませんでした。 そこで、この機会に明確にしていただくよう見解を伺うものであります。 御承知のように、導入する療養型病床と一般病床では、入院単価に違いが出てきます。療養型は一般病床と比べて単価が低く、対応策を講じなければ療養型病床分だけ赤字となるわけであります。したがって、基準看護、人件費問題にもこれまでとは違った、異なった対応が必要となります。 療養型にどういう措置をもって臨むかは極めて重要な問題で、そこが明確になっていないのではないでしょうか。単純に収支バランスがとれるかどうかではなく、そこでどのような医療が行われるのかという実態とオーバーラップした計画見通しが重要と考えるものであります。 また、将来的にも、人口減が続くことが確実な状況のもと、果たして計画どおり病床利用率が確保できるのか、更に医師をはじめとする医療スタッフの確保に見通しが立つのかどうか。特に、医師充足率をめぐっても医療法の改悪が進む中、極めて厳しい問題の解決が迫られていると考えます。これらをどうクリアしようとしているのか、お答えいただきたいと思います。 同時に、市立病院の増収、増益構想は、基本設計の中間報告と直接的には関連させずにつくり上げる性質のものであります。こうした観点での財源確保策でなければ、数字上だけのつじつまを合わせた計画とならざるを得ないと考えますが、市長の見解を伺うものであります。 病院問題の最後は、市民に対する情報の提供と市民合意及び着工年度の問題です。 新市立病院は、市民の税金で建てられ、償還財源を生み出すのも市民であり、建てられた病院は市民の財産であります。しかも、この事業は規模においても数十年に一度の大事業であり、市民への充分な情報の提供と選択権を保障することが求められます。現在のスケジュールでは、秋に予定される基本設計の中間報告を待たなければ正確な建設費と財源裏づけを持った全体像が示されません。しかも、それがどれだけ市民を納得させるものなのかどうかは、提出されてみなければわからないものであります。市民が納得し合意できる条件としては、余りにも時間がなさ過ぎるのではないでしょうか。着工年度とのかかわりでどのような見解をお持ちか、伺いたいのであります。 大きな質問の2つ目は、市の財政運営についてであります。 1点目は、将来のまちづくり構想、新総合計画と市財政の見通しについてであります。 本定例会で新しい総合計画が採決に付され、ただいま決定したところであります。この計画策定までのプロセスにおいて、市民の発想、意見の重視やこれまでの右肩上がりの計画構想から身の丈に合ったまちづくりへと軌道を修正している点に評価すべきところがあります。同時に、身の丈に合ったまちづくりとは、根室の特色をどのように生かし、どういう手順で実現しようとしていくのか、厳しい財政下であればあるほど、めり張りを持った分野別施策構想の位置づけが求められるのではないでしょうか。 特別委員会でも活発な議論が行われたところでありますが、私は改めて新総合計画を実効あるものとするため、財政との整合性をどのようにとらえているのか、お尋ねをいたしたいと思います。 次に、各年度の予算編成のあり方について、藤原市長の見解を伺いたいと思います。 ゼロ年度の国の三位一体改革による地方交付税の大幅削減の影響を受けた根室市の財政運営は、かつてない厳しい対応を迫られるものとなりました。以来、予算編成における経常歳出における完全割り当て方式を導入し、枠配分方式と相まった予算編成の手法が用いられました。 私は、この手法の善悪を論じるというよりも、結果としてどのような問題が起きるかという実態論で検証し、改善すべきところは改善するという姿勢で臨むべきとの意見を持っているものであります。 17年度予算で見ると、教育費が大幅に削減されたのが特徴と言えるものでした。この現象を見るとき、根室の将来のまちづくりの理念はどこに置かれているのかという疑問を持たざるを得ません。まちづくりの基本は、人づくりにあります。理念や施策をないがしろにしかねない現行予算編成の手法について見直し、検討されるよう強く求め、壇上からの質問を終わります。
    ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  おはようございます。 このたび全国市議会議長会より、議員15年以上一般表彰をお受けになり、ただいま伝達されました熊谷副議長、澤崎議員には、今日まで市政の発展に御尽力されました。その御功労と御功績に対しまして、心から敬意と感謝を申し上げます。今後とも、根室市勢の振興、発展のために御活躍されますことを心から御祈念申し上げます。おめでとうございます。 それでは、答弁に移ります。 まず最初は、新病院建設における起債許可条件等についてでありますが、新病院の建設につきましては、多額の事業費を必要とすることから、この財源の大部分を起債に求めることとなります。この起債申請に際しましては、現在進めております第5次病院経営健全化計画の着実な遂行とあわせ、新病院の建設事業計画に基づく開設後における起債の償還計画等を反映させた長期的収支見通しの作成が必要とされるところであります。 その収支見通しをもとにした健全化計画の変更計画とあわせ、国等の承認等を得る必要があります。起債の償還計画には、建設コスト及び財源措置の影響が多大でありますことから、基本設計を進める中で、プロポーザル方式の利点を充分に活用し、独立行政法人国立病院機構の病院建築標準仕様書などをはじめ多角的な視点から検討を行い、建設事業費の圧縮を図る一方、国や道への支援要請など、あらゆる手段を講じて財源確保に努め、償還額の縮減を図るとともに、新病院開院後においては、医療機能の充実による病床利用率の向上、推進等に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、療養型病床が経営面に及ぼす影響等についてでありますが、御指摘のとおり、療養型病床は一般病床と比べまして1人当たりの入院単価は低くなるところでありますが、地域における療養施設が不足している現状及び市民ニーズの高いこと等とあわせて、新病院建設による施設、設備の充実により総体的な病床の利用率の向上が図られると考えているところであります。 また、療養型病床については、新たに看護補助者が必要となりますが、資格要件を必要としていないため、確保が容易であることや看護体制基準の違いから経費の抑制も図られると考えております。 次に、新病院における病床利用率の動向についてでありますが、新病院の病床数については、入院患者の将来推計や患者の高齢化などを勘案し、病院内の医師などによる院内プロジェクトによる検討、市議会特別委員会や整備市民委員会の審議を踏まえ、地域センター病院としての要件であります病床をおおむね200床以上の規模としたところであります。 御指摘のとおり、近年においては人口が低減傾向にあり、それに伴う病床利用率への影響も懸念されるところでありますが、高齢化社会の進展や生活習慣病等の社会的疾病が増加傾向にあるのも事実であり、新病院におきましては、機能の充実をはじめ的確な治療計画等により、効率的な病床運用を図り、病床利用率の向上に努めることとしております。 次に、医師などの医療スタッフ確保と医師の充足率についてでありますが、現在の病院は旭川医科大学及び北海道大学医学部からの派遣医師により、平成17年4月1日現在、常勤医師18名、非常勤医師4名の22名体制で診療を行っております。診療体制の充実につきましては、これまで私や病院長が医師派遣大学に直接出向き、学長や教授に対しまして非常勤医師の常勤化や派遣医師の増員などについて要請を行ってきているところであります。 その結果、関係大学の御協力もあり、皮膚科医師の常勤化が実現するなど、成果があらわれてきている現状であります。今後におきましても、新病院建設への第一歩となる基本計画が成案化しましたことから、これを契機に関係大学に対し医師派遣について引き続き強く要請し、医師の確保を図り、医師の充足率の向上に努めてまいりたいと考えております。 次に、新病院における増収、増益構想についてでありますが、新病院開院後の収支見通しにつきましては、今後の基本設計を進める中において、ことしの秋ごろをめどに、現段階より精度の高い建設事業計画に基づき、新病院建設にかかわる収支見通しを立てる考えでおり、この収支見通し等を受け、新たに第5次病院経営健全化計画の変更計画を策定し、国や道と協議を進めることとしております。 この新病院建設にかかわる健全化計画の策定に当たっては、一般会計との整合性を図ることはもちろんのこと、現在の経営健全化計画における収支の確保対策としての外来予約制や院外処方の拡大、短期派遣医師の常勤化など、増収対策を踏襲しながら、新病院建設の基本計画に掲げているとおり、患者サービス向上を主眼に置いた病院機能の充実とあわせて、市民ニーズを見据えた施設の改善等を図り、病床利用率の向上やSPD管理部門、いわゆる院内物流管理の拡張による経費節減等、多角的な側面から検討を加え、増収、増益に努める考えでおります。 次に、新病院の着工時期についてでありますが、御承知のとおり、現在の市立病院は築46年から35年経過し、老朽化、狭隘化が著しく、また数度にわたる増築により動線が複雑化するなど、診療に来られる市民や医療スタッフに過度の精神的、肉体的な負担を強いている状況にあります。 一方、本年3月に政府の地震調査委員会から発表された地震度予測地図によると、今後30年以内に震度6弱以上の地震が発生する率について、根室市は全国で4番目となっており、地域災害医療センターを担っている市立根室病院にとっては大きな課題となっております。 このような状況の中、これらの課題を一日でも早く解消し、良質で安定的な医療を確保、提供するとともに、体制整備を図ることは、市民の安全を守り、安心を提供するという地方公共団体の使命との認識を持ち、これまでも市民アンケートを実施するとともに、市議会特別委員会や整備市民委員会等の御意見をいただきながら、基本構想、基本計画の策定に取り組んでまいりました。また、私自身も、各種会議の場において市の考え方を説明してきたほか、市のホームページや広報紙を活用し、市民への情報提供に努めてきたところであります。 今後も、病院建設に対する市民の方々の一層の理解を深めていただけるよう、可能な限り情報提供を行いながら平成18年度の着工に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、新総合計画の実効性確保と財政との整合性についてでありますが、第八期の総合計画の策定に当たりましては、当市の厳しい財政状況に加え、さらなる三位一体の改革の影響が危惧されるなど、過去に例を見ない策定環境下での取り組みとなったものであります。 しかし、総合計画は、今後のまちづくりを進めるための指針を示すものであり、その実効性の確保を図るための実施計画につきましては、昨年度試行的に導入しました行政評価の手法等も取り入れながら、初年度から5カ年の前期計画を本年度に提示し、前期終了年度であります平成21年度に後期計画を策定することとしております。 いずれにいたしましても、総合計画の着実な推進を図るためには、財源的な裏づけが重要となりますことから、財政再建計画並びに毎年度策定する財政収支試算との整合性を充分に図りながら、計画の実効性が確保されるよう努めてまいりたいと考えております。 終わりに、今後の予算編成のあり方についてでありますが、議員御承知のとおり、当市の財政状況は、市税収入額の大幅減少や三位一体改革の影響等により、極めて厳しい財政運営を余儀なくされているところであります。 このような状況の中、平成16年度予算編成から、経常歳出において完全割り当て方式を導入し、この2年間で約4億1,000万円の財政的な効果を上げているところであります。導入から2年が経過し、一部の事務事業において効果的な経費配分についての意見が出されているところであります。このため、本年5月、助役を座長とした予算編成手法検討プロジェクトを各部代表の課長職で立ち上げ、完全割り当て方式の検証、経常歳出の抑制、事務事業の全般的な見直し、財源確保、その他財政運営全般について検討しているところであり、平成18年度の予算編成に当たってはこのプロジェクトにおける完全割り当て方式等の検証結果を踏まえ、編成作業を進めていく考えであります。 以上であります。 ○議長(嶋津隆之君)  下川君。 ◆(下川靖男君)  お答えいただきましたので、改めて自席から何点かにわたってお尋ねをしたいと思うんです。 償還財源の問題なんでありますが、新しい病院の収支問題というのは、起債の償還計画などを反映させた長期的収支見通しという形で言われておりますけれども、これがもう一つの起債許可の条件だと。だとすれば、今の経営健全化ともう一つの新しい収支見通し、この2つがちゃんと示されなければならなかったんですが、今の第5次の経営健全化計画というのは今明らかになっておりますからいいんですが、将来本当に償還財源を生み出すことができるかどうかというのは大事な問題なんですね。 これまでの御答弁では、正確で具体的な建設費が出されない現状では、償還計画全体を出すわけにいかなという、そういう意味では理解できるんですが、問題はこの中間報告と同時に出される変更計画というものが、本当に今のあるいは新しい病院の経営の実態を反映をした説得力あるものなのかどうか、そこが争われることになるんだと思うんで、その点ではどういう見解をお持ちなのか、改めて伺っておきたいと思います。 それから、病床利用率の向上の問題については、人口が将来これから減っていく。日本の人口全体も2007年をピークに減るという状況でありますけれども、人口減が必ず患者減につながるというものではありませんけども、しかし大きな要素だというふうに考えるんですね。これを医療機能の充実というだけでクリアできるかどうかというふうになれば、それだけではなくて市立病院の患者対応を含めたメンタルな面での信頼を高めるということが非常に大事だというふうに思いますので、これは御答弁は要りませんけども、ぜひその面で努力をしていただきたいということであります。 それから、増収、増益対策についてでありますけど、療養型病床を導入すると、これにどう対応するかという点では、御答弁にある観点での議論は、私は不充分であったというふうな認識に立っております。 医師確保については、これは計画としてはあるんですね。ですから、その計画を確保するようにしていくということなんですが、問題は国の基準があるんですね、充足率というのは。今、70%台の充足率だというふうに認識をしております。これが今80%に改悪をされようという動きも実際あるわけで、そうなりますとペナルティーの対象になります。実際、医師を確保して収支バランスをとろうと思っても、その国の基準に対応した形で充足率を高めなければ、赤字の要因になるということを訴えたいと思うんですね。 この厳しい動きがある中での対応が求められているんだということを私は改めてそのお考えについてお尋ねをしたいと、こう思うんで。 それから、着工時期についてなんでありますが、市長が言われましたように、今の病院が数次にわたって、古い部分では築45年、新しいところでも36年という経緯があるんですが、私自身も老朽化しているということについては充分に承知をしております。 その地震の対応についても、これは異論ありません。このことを言われますと、私も質問に自信がなくなるんですが、しかし市長も充分に研究されたと思うんですが、市立根室病院をめぐっては過去幾多の困難に直面をしてきた歴史を持っています。医師の引き揚げの問題やら、あるいは診療科目の縮小の問題が突然出てきたというような問題などなどがあります。これは市民への充分な情報の提供に欠けて、行政がひとり歩きをした弊害も要因としてあったというふうに私は認識をしております。 それだけに、市民に対しては納得していただける時間的な保障というものが必要だというふうに実は考えているんですね。この点について、いま一度御答弁をお願いしたいと、こう思います。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  下川議員の再度の御質問にお答え申し上げます。 まず最初は、病院経営健全化の変更計画についてでありますが、変更計画につきましては、基本設計における現段階より精度の高い建設事業計画並びに現状の病院を取り巻く運営状況などを充分に踏まえ、入院患者等の推計や経費面などにおいて多角的な側面から検討した収支見通し等をもとに策定し、国や道と協議を進めることとしております。 次に、医師の充足率についてでありますが、医療法で定めております医師や看護要員の標準配置数を大きく下回り、その充足率が低い医療機関に対しては、入院基本料等の診療報酬の減額措置などが行われることとなっており、医師不足に悩んでおります道内の公的医療機関にとっては大きな課題となっているところであります。 下川議員からお話のありました医師の充足率の改正については、現在のところ具体的な情報は入ってきておりませんが、市立根室病院が参加しております全国自治体病院協議会としては、国に対し、医師確保の困難な僻地などの病院における医師配置基準の緩和が行われたが、今後更に地域の医療の実情を踏まえ、配置基準を抜本的に見直すよう要望しているところであります。 配置基準の見直しにつきましては、これからの病院経営に大きく影響を及ぼすことから、今後とも国の動きを注視し、その情報の収集に努めるとともに、引き続き関係大学などに対し医師派遣について強く要請することにより、医師の確保を図り、医師の充足率の向上に努めてまいりたいと考えております。 次に、新病院の着工時期についてでありますが、私といたしましては、市民のために一日でも早く市立根室病院を建設するという強い決意を持って、これまで取り組みを進めてまいりました。このことは、これまでも議会をはじめあらゆる場において再三申し上げてまいりました。本年度は基本設計を進めていくわけでありますが、これからも新病院建設に対する市民の一層の理解を深めていただきますよう、あらゆる広報媒体や各種会議の場を活用するなど、機会あるごとに情報提供を行いながら、平成18年度の着工に向け努力してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  下川君。 ◆(下川靖男君)  再質問に対する御答弁いただきました。最後に、私の意見、要望も含めて申し上げさせていただきたいと、こう思う。 償還財源及び増収、増益対策についてでありますけど、新しい病院の収支見通しという点では、答弁にあったとおりだというふうに思います。しかし、現時点でそれを裏づけるものはまだないということを指摘しなければなりません。国、道への支援、医療機能の充実ということを上げますが、そういうことを掲げているんですが、それだけで収支バランスの見通しというものにはならないということを実は指摘をしたところであります。 実際、療養型40床にかかわる対応策は、今議会の先ほどの答弁まで基本的に示されませんでした。それは、新たな条件のもとでの増収、増益構想として示されるべきものであって、建設費とは直接連動しないものです。 医師と医療スタッフの確保については、先般内科の医師の減による補正を余儀なくされました。私は、医師確保に対する藤原市長はじめ病院長、幹部職員の皆さんの努力を多とするものでありますが、取り巻く状況が厳しくなっているだけに、増収対策の面からしっかりと位置づけていただきたいと、こう思う。 日本共産党は、こうした一連の重要問題についての解明がなされず、基本計画として承認することには反対をしたわけであります。 それから、予算編成の問題についてであります。 完全割り当て方式と枠配分方式についてでありますが、行政と政策課題が見えなくなるという、そういう問題を指摘をしたいと思います。完全割り当て方式や枠配分方式は、予算の一律削減の印象を与え、予算の平均的削減は特徴のない総花的な行政施策とならざるを得ません。根室のまちづくりをこうするというインパクトがなくなってしまうのではないでしょうか。市民の目線での事業の取捨選択に努められるよう切に要望して、私の最後の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(嶋津隆之君)  次に、1番鈴木一彦君。 鈴木君。 ◆(鈴木一彦君)  通告に従いまして、一般質問を行います。 質問の大きな1点目は、根室の貴重な自然を生かしたまちづくりについてであります。 当市は、タンチョウ、シマフクロウなど数多くの野鳥をはじめ動植物や昆虫など、大変貴重な自然を有しています。自然を生かしたまちづくりについては、市長もこれまで積極的に推進してきましたし、私たちも機会あるごとに様々な提案を行ってまいりました。 今、かねてからの念願でありました野付、風蓮、春国岱のラムサール条約登録が目前に迫っているときに、改めてこの問題を取り上げ、市長の見解をお伺いするものであります。 初めに、ラムサール条約登録とまちづくりについてでありますが、新聞等でも報道されておりましたが、野付、風蓮、春国岱のラムサール条約登録に向けての見通しについて、最初にお伺いいたします。 それを踏まえた上で、ラムサール条約をまちづくりにどのように生かすのか、具体的な取り組みについてお聞きします。 本年11月8日から15日にかけて、アフリカ・ウガンダの首都カンパラにおいて、ラムサール条約第9回締約国会議が行われます。私は、この会議において、野付、風蓮、春国岱が登録されることを確信しております。市長も同じ気持ちだろうと思います。 自然を生かした観光を進めていく上で、当然ラムサール条約登録を大いにアピールし活用する取り組みが必要であると考えますが、その点についてお伺いいたします。 同時に、貴重な自然を守るための取り組みも重要です。特に、ラムサール条約登録によって根室を訪れる人がふえることが予想されます。そうしたときに、自然保護の取り組みが不充分であれば、せっかくの貴重な観光資源が失われてしまうことにもなりかねません。ラムサール条約登録後には、今以上の自然保護対策が求められると考えますが、その取り組みについてお伺いいたします。 次に、「高規格道路・根室道路」と自然保護についてであります。 この問題についても、私自身初当選後の平成13年の第3回定例会と15年の第3回定例会の一般質問で取り上げておりますし、予算委員会等でもたびたび議論してまいりました。 先日、私は北海道開発局の職員から、根室道路について平成17年度に着工したいという言葉を聞きました。高規格道路建設に疑問を持っている多くの市民にとって重大な状況にあると考え、改めてお伺いするものであります。 初めに、平成17年度着工ということについて現状はどのようになっているのか、お知らせ願います。 次に、本年度以降の計画と自然環境への影響についてであります。 穂香-温根沼間はすぐにでも着工するかもしれないという状況でありますが、温根沼以降のルートは未定と聞いています。もし市の方で何らかの情報をつかんでおれば教えていただきたいと思いますが、御存じのとおり、温根沼以降にはシマフクロウが生息する森が広がっています。シマフクロウ以外の貴重な動植物も数多く生息することから、温根沼以降の高規格道路の実現は困難なのではないでしょうか。 仮に百歩譲ってルートが確定したとしても、それから工事完了までどのくらいの年月を要するのか、更に厚床から釧路までとなればどうなのか。このように考えたときに、たった7キロメートルそこそこの高規格道路・根室道路に一体どれほどの効果があるのでしょうか。急いで建設する意義がどこにあるのでしょうか。まさに、不要不急の事業であると言わざるを得ません。工事によって貴重な自然が失われる可能性は極めて高いと思います。であれば、高規格道路よりも、現在の国道44号線の改良、すなわち拡幅、線形改良、譲り車線の設置などを行うべきであると考えますが、市長の見解をお伺いいたします。 質問の大きな2点目は、「住基ネット」導入の評価についてであります。 住民基本台帳ネットワークシステム、いわゆる住基ネットが2003年8月に本格稼働してから、間もなく2年がたとうとしています。総務省は、ペーパーレスなどで行政の効率化と住民サービスの向上につながると強調していましたが、自治体が発行する住民基本台帳カード、住基カードの交付率は全国で0.43%、道内で0.35%にとどまっています。 また、導入前から不安視されていたプライバシー権の侵害については、先日、金沢地裁が住基ネットは住民が自己情報を自分でコントロールする権利を侵害しており、プライバシーの保護を保障した憲法13条に違反するという画期的な判決を下しました。名古屋地裁は、逆にプライバシー侵害を容易に引き起こす危険なシステムとは認められないと請求を却下しました。しかし、この判決が出たからといって、違憲判断にまで踏み込んだ金沢地裁の判決の重要性に何ら変わりはありません。 これらの状況を踏まえ、また当市の現状も踏まえた上で、現在市長が住基ネット導入に対してどのような評価をしているのかお伺いいたします。 私は、現状を見るならば、住基ネットが市民の利便に役立っているとは思えません。また、交付率の低さから、市民も住基ネットにメリットがないと判断したのではないかと思います。一方で、ほとんど利用のない住基ネットの運用のために機械の保守管理等に費用がかかっているという現実があります。当市の大変厳しい財政状況の中で、市民にほとんど利用されず、費用だけがかかり、更にはプライバシー権を侵害するおそれのある住基ネットについては、電子自治体構想が圧倒的な市民合意を取りつけ、セキュリティーも向上して大きく前進し、個人情報に関する法律等が更に整備されるまで、市長はその運用を停止する判断を下すべきだと考えますが、見解をお聞かせください。 質問の大きな3番目、教育問題について教育長にお伺いいたします。 初めに、教育の機会均等についてであります。 今年度、当市の奨学資金の貸付制度が改定され、新規貸し付け分と入学準備金が半減されてしまいました。長引く不況の中でこのような措置がとられてしまっては、経済的な理由で進学をあきらめてしまう状況を生み出しかねません。もちろん、長い間、我が国の奨学金制度を支えてきた日本育英会を廃止し、世界一高い大学の授業料を一向に改善しようとしない国の責任は極めて重大です。 しかし、逆にこういうときだからそこ、自治体が独自に行っている奨学金、奨学資金制度等がますます重要になってくるのではないでしょうか。にもかかわらず、当市においては、前段述べましたとおり、新規貸し付け分、入学準備金が半減されたのであります。このことは、憲法、教育基本法でうたわれている教育の機会均等に反するものと考えますが、教育長の見解を求めます。 次に、学校の安全管理についてですが、私はこの問題について2つの側面から考えてみたいと思います。 1つは、文字どおり児童・生徒の心身を守ることについて、もう一つは、児童・生徒の個人情報を安全に管理することについてであります。 まず、児童・生徒の心身を守ることについてでありますが、一つには、不審者から児童・生徒を守るための取り組みが求められています。当市においては、市内の鉄鋼業者さんの協力により、さすまたが比較的低価格で各校に設置され、教職員が訓練に当たっているということを聞いております。非常に重要な取り組みであると評価いたしますが、同時にそれだけで充分なのかという疑問も持たざるを得ません。カメラやアラーム等の設備、学校警備員等の人的対応について、どのように取り組まれているのか、お聞かせください。 また、校内だけではなく、登下校時の安全対策も重要です。これについては、学校・家庭・地域、そして行政が一体となった取り組みが必要と考えますが、どのように行われているのかお伺いいたします。 一方で、長崎での女児殺傷事件や三重県の高校での爆破事件など、不審者ではなく、大変残念ながら子供が加害者になってしまうという本来あってはならない事件も現実として起きております。こうした事件が起きないための取り組みも求められています。 結局のところは、子供たちに命の大切さを教え、しっかりと理解してもらう取り組みが重要であろうと思いますが、教育長の見解を求めます。 次に、児童・生徒の個人情報の管理についてであります。 児童・生徒の成績や名簿などの個人情報については、教師が個人のパソコンで管理しているのが現状ではないでしょうか。そのような中、ちょっとした不注意によってパソコンが盗まれてしまうなどの事件も起きています。児童・生徒の個人情報の管理について、どのように取り組んでいるのかお伺いします。 最後に、特別支援教育についてであります。 平成19年度からの完全実施が予定されている特別支援教育のあり方について、教育委員会の基本的な考え方をお聞きします。 文部科学省が、特別支援教育をスタートさせる方向を打ち出した背景の一つには、特別な支援の制度が確立していなかったLDやADHD、高機能自閉症などの子供たちの問題が学校現場で表面化し、抜本的な対応を求める父母や教職員の切実な要求がありました。こうした子供たちを支援することは重要であります。 一方で、特別支援教育の対象となる子供たちが従来の約5倍となるにもかかわらず、国の予算や人員配置について不明瞭な点が多く、父母や教育現場から不安の声も上がっています。 すなわち、特別支援教室に専任の教員は配置されるのか、特別支援教育コーディネーターの配置については専任となるのか学級担任等との兼任なのか、身辺自立の困難な子供への介助員の配置は可能なのかといった、本当に切実な声であります。 先ほども述べましたが、これまで支援制度が確立していなかったLD、ADHDなどの子供への対応が明確になった以上、さらなる教育条件の充実が求められておりますし、現に管内においても独自の取り組みを行っている学校もあると聞いておりますが、教育長の見解をお伺いし、壇上からの質問を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  鈴木議員の御質問にお答え申し上げます。 初めに、ラムサール条約登録に向けての見通しについてでありますが、野付、風蓮、春国岱が国際的にも重要な湿地であることを認識し、これまで関係する2町長との協議をはじめ、漁業協同組合や猟友会、自然保護団体とも協議を重ね、更に環境省、自然環境局に直接要請するなど、ラムサール条約湿地の登録を目指してまいりました。更に、地元住民などの合意がおおむね図られたとの判断から、5月9日に、東北海道地区自然保護事務所長並びに根室支庁長立会のもと、2町長との登録実現を目指した意思確認の調印式を行い、環境省に対して地元の熱い思いを伝えたところであります。 その結果、5月20日に、環境省のラムサール条約湿地検討会が開催され、野付、風蓮、春国岱を含む全国で20カ所の湿地をラムサール条約に登録する方針として公式に表明されたところであります。 今後は、鳥獣保護法に基づく猟友会や自然保護団体等の利害関係人に対する環境省主催の公聴会の開催や地元自治体への正式協議を経て、9月末の中央環境審議会に諮問された後、本年11月にアフリカ・ウガンダの首都カンパラで開催されるラムサール条約第9回締約国会議において登録が実現されるよう、強く期待しております。 次に、ラムサール条約登録と自然を生かした観光振興についてでありますが、当市にはすぐれた観光資源が多く、中でも野付、風蓮道立自然光園内にある春国岱は、変化に富んだ地形と植生を基盤に約300種の野鳥が生息する貴重な地域であります。しかし、一般的にはその認知度が低いことなどから、今後、PR活動や観光情報などの充実を図っていく必要があります。本年のラムサール条約登録で価値ある湿地として国際的に認められるまたとないチャンスであり、更に7月に予定の知床半島の世界自然遺産登録と相まって、広域観光化に努めるべきと考えております。 また、近年の特徴として、当市の自然を生かした観光としては、例えばフットパスツアーや酪農体験、カヌーによる川下りなど、体験型観光を目的とする観光ツアーも確実にふえております。 市といたしましては、これらに対応する広域観光ルートづくりやイギリスからのバードウオッチングツアーなど滞在型観光の取り組みを進めるとともに、観光客の国際化への対応についても、英語、ロシア語による観光情報を海外に向けて発信するなど、積極的に対応してまいりたいと考えております。 なお、本年8月にイギリスのロンドンで開催されるバードフェアには、当地域からも参加する方向で現在準備を進めているところであります。 今後におきましても、ラムサール条約登録地の利点を最大限に活用し、当地域における産業観光の推進を図るとともに、当市を訪れた観光客が満足し、再び訪問したい気持ちになるような観光地づくりに努めてまいります。 次に、ラムサール条約登録後の自然を守る取り組みについてでありますが、当市の貴重な自然環境を守り、自然と共生する社会の実現は重要な課題の一つであると考えております。ラムサール条約は締約国に対し、自国の法律に基づいた湿地の保全や管理を求めているものであり、このことからも、登録後は国として、野付、風蓮、春国岱の湿地の保全や管理体制の強化を図ると伺っております。 市といたしましても、今後とも一層の自然環境保全に対する市民意識の高揚を図るとともに、関係機関、団体と連携し、自然保護活動を積極的に推進してまいりたいと考えております。 次に、高規格道路・根室道路の現状についてでありますが、北海道開発局では、根室道路の穂香から温根沼までの7.1キロメートルの区間について、平成10年度に環境影響評価、いわゆる環境アセスメントが終了し、翌平成11年度に事業着手の指定をしたところであります。その後、根室側の穂香から幌茂尻までの3.5キロメートルの区間について、用地買収や埋蔵文化財の発掘調査等が行われており、その間の用地取得につきましては、現在約8割に達していると伺っております。 しかし、当区域内においてタンチョウの営巣や作地の問題から、平成12年度に自然保護団体から申し入れがあり、現在も協議を継続している状況にありますが、北海道開発局では、平成17年度に、できれば工事着手したいとの意向を示しております。 なお、具体的な時期、工事内容等につきましては、現在のところ明らかになっていない状況にあります。 次に、温根沼以降の計画と自然環境への影響についてでありますが、根室道路の温根沼から厚床までの計画につきましては、現段階で具体化しておらず、その計画ルートは示されていない状況にあります。一方、自然環境への影響等については、これまでも事業実施に当たって計画路線や周辺の自然環境の把握に努め、貴重な動植物に及ぼす影響を極力低減するため、適切な保全措置を講ずると伺っております。 また、高規格道路よりも国道44号を改良すべきとの議員の御意見でありますが、国道44号につきましては、これまでも安全性の確保を主体に必要な対策が講じられておりますが、現国道の改良だけでは市民や産業界が強く求める走行時間の短縮をはじめ、高速性、安全性、定時性の確保に限界があります。また、高規格道路の整備については、地域の状況に応じた柔軟な整備手法も検討されていると聞いております。 いずれにいたしましても、私は北海道横断自動車道根室線が整備されることで、釧根地方の交通環境が改善されるとともに、その沿線並びに圏域の活性化に大きく寄与するものと考えておりますので、今後とも国との連携により自然環境の保全、保護に努めるとともに、早期着工について引き続き国に要請してまいりたいと考えております。 次に、住基ネットの導入の評価についてでありますが、平成14年8月にスタートいたしました住民基本台帳ネットワークシステムの第1次サービスでは、各種行政機関への申請や届け出に住民票の写しが不要になったほか、年金の現況届等も不要となるなど、住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るものであります。 更に、平成15年8月から、第2次サービスとして住民基本台帳カードの交付が開始され、住民票の写しの広域交付や転入、転出手続の簡素化、公的な証明書としての使用が可能となり、市といたしましても広報紙等を通じ、その内容について市民周知に努めてきたところであります。 なお、現時点での住民基本台帳カードの利用できる行政サービスが限られているところから、本年3月末現在の交付率は全国平均では0.43%、全道平均では0.35%、当市においても0.35%と低く、住民の利用が少ない現況にあります。 しかし、住民基本台帳ネットワークシステムは、住民基本台帳のネットワーク化により、住民サービスの向上や行政事務の効率化を目指す電子政府、電子自治体の基盤となるものであり、電子申請など今後想定される行政手続の一層のオンライン化を進めるためにも必要不可欠であります。また、平成16年3月に策定いたしました根室市地域情報化計画においても、国の情報化施策に呼応した取り組みの一つとして位置づけておりますことから、今後も適切な管理運営とあわせ、財政状況をにらみながら、図書館の利用カードや公共施設の予約等、各種行政サービスの充実について検討してまいりたいと考えております。 なお、以前にも御答弁申し上げたとおり、万が一不正なアクセスによる漏えい等の緊急事態が発生した場合には、ネットの切断や本システムからの一時的な離脱も含め、適切な対応を図ってまいります。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  渡辺教育長。 ◎教育長(渡辺好之君)  鈴木議員の御質問にお答えいたします。 初めに、教育の機会均等についてでありますが、憲法第26条においては教育を受ける権利、また教育基本法第3条では教育の機会均等について規定されております。当市におきましても、法律の趣旨に基づき、学校運営に努めているところであります。 お尋ねのありました奨学資金の貸付制度につきましては、学業成績が優秀であって経済的理由により修学が困難な方に対し、修学資金及び入学準備金を貸し付けするものであります。 今年度におきましては、社会経済状況などから、制度内容の一部見直しを行い、新規分については従来の2分の1と縮減したところであります。鈴木議員も御承知のとおり、当市の財政状況は大変逼迫しており、このような社会経済状況においては、場合によっては教育の根幹は変えない中で柔軟な対応も必要との判断に立ったものでありますので、御理解いただきたいと思います。 貸付制度でありますことから、当然償還が発生すること、また他の制度など必要とする条件により選択することとなるわけですが、私は今後もこの制度は継続していかなければならないと考えておりますし、他の制度の希望があった場合には情報提供するなど、今後、鈴木議員の御指摘を踏まえ、教育の低下につながらないよう、可能な限り対応してまいりたいと考えております。 次に、学校の安全管理についてでありますが、即今子供たちを取り巻く環境は、誘拐や虐待、暴力などによりとうとい命が奪われるという異常な事件や事故が繰り返し発生しており、後を絶ちません。教育を預かる立場といたしまして、まことに憂慮にたえない思いであります。 初めに、不審者から児童・生徒を守るための取り組みでありますが、当市におきましては、幸いにもこのような事例はありませんが、最近不審者からの呼びかけが市内でたびたび発生しております。このため、各学校では文部科学省で定めました学校への不審者侵入の機器管理マニュアルを参考に、各学校の実情に合った対応をしているところであります。 各学校での取り組みは、登校後は児童・生徒玄関を施錠し、来校者の窓口を職員玄関に一本化しての確認、リボンの着用、さすまたの配置、校舎内外の定期的な巡視、また最近は警察署と連携し教職員による防犯訓練も積極的に実施しております。更には、本年度市長部局と連携し、青色回転灯車両によるパトロールや先日寄贈いただきましたカラーボールの配置など、できる限り子供たちの安全に配慮してまいりたいと考えております。 しかし、鈴木議員お話しのとおり、子供たちの安全対策につきましては、学校だけの対応では困難であります。登校時においては、交通安全指導員の方々から子供たちに指導していただくなど、地域と一体となった取り組みが必要なことであります。 このため、万一の際の安全対策といたしまして、市内関係機関で組織している子供110番の家との連携、また管内1市4町での情報交換、市内幼稚園、高等学校への情報提供など、官民挙げて児童・生徒の安全確保に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、子供たちに命の大切さを教える取り組みであります。 私は、本年度の教育行政方針の中にも位置づけておりますが、心豊かな人間性や社会性は、基本的な正義感と倫理観、公共心や他人を思いやる心を育てることが極めて重要との認識から、自然体験学習やボランティア活動、子供会、野球大会、子供百人一首、根室自然教室など、地域と一体となり人権教育、人間尊重教育、道徳教育の充実に努めているものであります。 また、最近、命の尊さや他人を思いやる心の希薄化が大きな社会問題となっております。このため、命の尊さや人権を尊重する指導や運動に親しむ習慣を育て、優しさや充実感を味わうことのできる指導など、教育現場はもとより関係機関、団体等の指導、協力を得ながら取り組んでいるところであります。 次に、児童・生徒の個人情報の管理についてでありますが、近年ITの普及に伴い児童・生徒の成績や名簿などの個人情報がパソコン管理されておりますが、データが盗難に遭うなど、その管理のあり方が問題となっております。 当市におきましても、同様のデータ管理をしておりますが、この適正な管理については毎月の校長会議や教頭会議、また市内20校の先生方で組織しております根室市情報教育推進委員会の中で、また現在小・中学校における児童・生徒の個人情報の適正な取り扱いの確保に関する指針を策定しており、今後さらなる指導の徹底をしてまいりたいと考えております。 次に、特別支援教育のあり方についてでありますが、国におきましては特別支援教育のあり方について、障害の程度に応じた特別の場で指導を行う特殊教育から、通常の学級に在籍しながら、必要な時間のみ特別支援教室の場で、障害がある児童・生徒一人一人の教育ニーズに応じて適切な教育支援を行う特別支援教育へ転換することとしております。 しかしながら、特別支援教育の具体的な内容につきましては、現在のところ示されてはおりませんが、実施に当たりましては全職員の共通理解と支援体制の確立を図りながら、教育の低下を招かないよう総合的な見地から取り組む必要があると考えております。 また、特別支援教室の教員やコーディネーターの配置についてでありますが、先ほども申し上げましたとおり、具体的には示されておりませんが、特別支援教室には、従来同様、障害の種類ごとに設置されるべきと考えておりまし、担当する教員についても、現場の実態からいたしまして必要な定数が割り当てられるべきと考えております。 コーディネーターにつきましては、各学校において支援を必要とする児童・生徒の個別の支援計画の策定、医療機関や保護者との連携を図るという重要な位置づけがされております。しかし、コーディネーターの配置につきましては、現在のところ、現行の定数の中で行うと聞いております。 介助員の配置につきましては、普通学級に比べ一人の教員が担当する児童・生徒数が少ないことから、特別の事情がない限り配置は困難と考えております。 次に、LD、学習障害、ADHD、注意欠陥多動性障害などの発達障害の児童・生徒への対応でありますが、その実態の把握は大変難しく、一般的には通常学級に在籍する児童・生徒の6%程度と言われております。 現時点では、普通学級で勉強しておりますが、日ごろからきめ細かな観察が必要と考えております。また、発達障害の専門家による講演会を開催し、教職員などに対し、発達障害を正しく理解し、対応する方法を学ぶ機会を設けるなど、今後も教員研修の充実に努めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、新たな制度である特別支援教育の実施に当たりましては、先ほども申し上げましたとおり、全教職員の共通理解や支援体制の確立、教員の配置など、総合的な見地から取り組まなければならないものと考えております。 ○議長(嶋津隆之君)  鈴木君。 ◆(鈴木一彦君)  御答弁をいただきましたので、自席から何点かにわたってお聞きをいたします。 まず、根室の貴重な自然を生かしたまちづくりについてでありますけれども、私どもは、根室の自然というのは、例えば知床のようなだれもが見ても感動する、本当に雄大な自然、山並みが連なって滝が直接海に落ちるという、大変すばらしい、ああいう自然とはちょっと違うのではないかなというふうには判断をしております。特に、春国岱というのは、そうしたなかなか雄大な自然というような特徴は実はないんですね。まさに貴重な自然であって、そのこと自体が大切なんだろうというふうに思うんです。 ラムサール条約が登録されることによりまして、観光客の方がもちろんふえると思います。そういった一般の観光客、もちろん大切にお迎えしておもてなしをする必要があると思います。市長が先ほど述べられていましたとおりの取り組みが行われるべきだと思います。その一方で、私は、こうした一般の方だけではなく、いわゆる研究者ですとかバードウオッチングの愛好者といった専門家、そうした専門家を対象に様々な宣伝、アプローチを広げていくことも重要ではないかなというふうに考えております。 専門家というのは、一般の観光客よりもやはり何回も当地に足を運んでくる可能性というのは私は非常に大きいと思うんですね。そうした面から、ホームページなんかも活用して、野鳥の会の方々とも協力しながら、ちょっと言葉は適切ではないかもしれませんが、そういったマニアックな層を対象にした取り組みも重要になってくるのではないかと考えますが、この点について、もし市長のお考えがあればお聞きをしたいと思います。 高規格道路の問題でありますけれども、これは市長は北海道横断自動車道が整備されるということを前提にしておりますので、その時点でもう私たちと認識が違ってきているんです。根室から札幌やその他の都市まできっちりと高速道路、自動車専用道路がつながるというふうな前提でもってお話をされていると思うんですけれども、私は先ほども述べましたとおり、釧路まではどうかわかりませんが釧路から東、特に厚床-温根沼間については、先ほども述べましたとおり、高規格道路の建設というのは非常に難しいんじゃないかというふうに考えております。何代か前の国土交通大臣が北海道の高規格道路は地下道がいいんじゃないかというようなことも言っておりましたけれども、そうしたことであればまた話は別ですが、余りにも実現不可能な考え方であります。 そうしたときに、この穂香-温根沼間の7キロ、7.1キロですけども7キロといたします。これを高規格高速道路の制限時速である時速100キロで走った場合、4分12秒なんですね、単純に計算すると。しかし、当然一般道から高規格道路、一般道60キロの走行から高規格道路に入る、そしてまた速度を落として一般道に戻るわけですから、もっともっと時間がかかるわけですよ。一方、7キロを普通の制限速度で走れば7分です。そうなると、本当にこれは大差ないんですね。一体どれだけの効果があるのかということであります。 今、根室市の生活道路の整備が遅々として進まない状況の中で、100億円もかかるような立派な高規格道路7キロがぽつんとできるということ、これは国の事業と、それから根室市の今の道路行政という問題、全く別な問題でありますけれども、市民の感情からしてみるとどういうことなんだというふうに思うわけですよ。そうしたことからも、やはりこうした不要不急の事業については見直す、百歩譲っても温根沼以降のルートについて明確にしていく。根室市としても積極的な調査を行うなどの取り組みが必要ではないかというふうに思いますが、お考えがありましたら、改めてお伺いしたいと思います。 次に、住基ネットの関係でありますけれども、今市長、現職の市長というお立場ですから、今係争中の裁判についてはなかなかコメント、評価ができないんだろうというふうに思うんです。ただ、金沢地裁の井戸謙一裁判長は、個人情報に住民票コードがつけられれば、多面的な情報が瞬時に集められ、住民が行政の前で丸裸にされると指摘しております。その上で、住基ネットの目的は住民の便益と行政事務の効率化だとし、プライバシー権と住民の便益のどちらを優先させて選択するかは、各個人が自らの意思で決定すべきで、行政が便益の方が価値が高いと押しつけることはできないというふうにその判決の中で述べております。私、これは非常に重要な点だと思います。 これまでは、住所、氏名、生年月日、性別、いわゆる4情報についてはだれもが閲覧できる。今でもそうですけども、閲覧できる状況でありますけれども、だんだん時代が変わってきて、これらの情報についてもできれば伏せておきたいというふうに考える人も実際今はふえてきているという状況でありますから、今後、住基ネットの運用については、その点をしっかり念頭に入れていただきたいというふうに要望いたします。 市長も壇上でおっしゃっていましたとおり、緊急な事態なれば切断、離脱も当然行うということでありますから、そのことについては尊重いたします。 また、住基ネットの費用対効果等については、また今後予算委員会等で質疑させていただきます。 教育問題についてであります。 まず、教育の機会均等の関係でありますけれども、先ほど教育長は、教育の根幹は変えないで柔軟な対応もというふうに答弁の中でおっしゃっておりましたけれども、私に言わせれば、今回の措置は教育の根幹を変える強硬な対応というふうに言わざるを得ません。 当市の場合は、教育長もおっしゃっていたとおり、この制度、貸付制度でありますから、一生懸命勉強して大学を出て就職した後は返ってくるお金なんですね。ですから、私は、その他のお金とは違って返ってくるお金でありますから、減らす必要は全くないというふうに思うんです。改めて、このことについては見直しを強く求めるものであります。 学校の安全対策についてであります。 教職員はそれぞれ専門の仕事を持っているので、いざというときの対応については、なかなかどうしてもおくれてしまうおそれがあるのではないかというふうに思います。そのためにも、求められるのは教育活動と一体となった子供の安全確保のための専門職員としての学校警備員の配置が必要ではないでしょうか。 当然、市は財政的に厳しい状況でありますから、国や道に積極的に要請をすることも必要ではないかと考えますが、その点について教育長のお考えをお聞きしたいと思います。 また、命の大切さの問題でありますけれども、教育長がおっしゃいました取り組みというのはもちろん大変重要な取り組みでありますけれども、余りにも基本的だというふうに思うんですね。今、例えば長崎の女児殺傷事件については、例えばインターネット上のチャットが問題になっておりました。また、三重県の高校生の爆破事件、これはインターネットで爆弾のつくり方を調べたといいますか、そういった状況であります。こうした、今最近の子供たちとインターネット、IT社会との関係について、本当に深い分析が今必要なのではないかというふうに考えます。そうした取り組みも、ぜひ先ほどの基本的な取り組みとは別に入れていただきたいというふうに思います。 また、児童・生徒の個人情報の保護については、1つには、教師の仕事の過重負担という側面があって、学校内でやり切れなかった仕事をどうしても家庭に持ち帰ってしまうという問題があると思います。ここを改善しない限り、抜本的な解決というのはないとは思うんですが、当面個人情報についてはパソコンのハードディスクに保存するようなことはしないで、フロッピーディスクですとかCD等にパスワードをつけて記録して、施錠して保管すると。どうしても、持ち出すときには肌身離さず持ち歩くなど、徹底する必要があるのではないかというふうに私は考えます。 個人情報の適正な取り扱いの確保に関する指針等、今策定中ということでありますので、その点ぜひ、当然今私の言ったようなレベルのことは考えられておりますので、改めてお願いしたいと思います。子供の個人情報の流出が大変悲惨な事件へつながる可能性もありますので、ぜひ気をつけてやっていただきたいというふうに思います。 最後に、特別支援教育の関係でありますが、教育長の御答弁を聞く限り、文部省から具体的な内容が示されない限り、動きようがないというふうにも私は聞こえてしまうんです。それでは、やはり遅いと思うんですね。大体の方向性が今出てきている現在、根室としてもそれに向けた事前の取り組みといいますか、そういったものが重要になってくると思うんですけれども、そのことについてどのようにお考えになっているのかをお聞きしたいと思います。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  鈴木議員の再度の御質問にお答え申し上げます。 まず、ラムサール条約登録予定地の風蓮、春国岱の観光振興に関しまして、もっと研究者あるいはバードウオッチング等の専門家的な人たちを呼ぶべきではないかと、誘致すべきではないかと、PRをもっともっとやった方がいいというような御提言でございますが、いろいろの考え方があると思いますが、私も、春国岱のあの貴重な野鳥の巣というのはやはり日本国内でも特筆すべきものというふうに評価しているわけでありまして、議員御承知のとおり、先ほどもイギリスのバードフェアに根室の関係者を派遣したいというようなお話をしましたが、先般、私のところに来ましたANAの観光会社の人たち、イギリスのバードウオッチャーという人たちは、いろいろ調べたけど根室のそういったことがやはり際立っていると言うんですね。 したがって、イギリスに物すごいそういった人たちがいるんですが、非常に特徴的に金持ちだということなんですね。富裕層だと。そして、バードウオッチング一筋、温泉等は要りませんと、そしてよいホテルとかは要りませんと、そして願わくば、一番望むのはやはり珍しい鳥、そういった鳥を見たいと、これだけですと。したがって、大人数では来ませんけれども、滞在型のそういった観光客、今後大いに有望であるというふうな話も聞きまして、私はこれはやっぱり継続的にリピーターを確保するために必要な運動をやらなかったんだなということで、今回の8月のイギリスのバードフェアに、ぜひ根室の、例えばホテル業界とかハイヤー業界とか、そういった人たちを派遣したいということで、今立案中でございます。 次が、道路の関係についてでありますが、これは先ほど鈴木議員がお話しされたとおり、北海道横断道路ということで、高規格道路を私たちはできる限りつくりたいという立場でございまして、先ほどからお話ししているようにいろいろの課題がありますけれども、道路の高速性、安全性、そして定時性を確保する上から、私たちはこうした高規格道路の建設が、整備が必要であるということから進めているわけでございます。 なお、先ほど答弁の中で、具体的な整備に当たっては、その地域の状況に応じた柔軟な整備手法を検討されておるということは申し上げましたが、もう少し詳しくお話ししますと、すべての高規格道路を片道2車線、全線で4車線、ぴゅっと通していくということは、今考えなくてもいいんではないかと。その場所場所によって、そういった、先ほど議員がお話しされたとおり、譲り線とかいろいろな関係あると思いますけれども、そういったことで柔軟にそういった点を検討すべきであると。これについてはもう既に開発も考えておりますし、私もそういった方向でやってほしいというようなこともお願いしているところでございます。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  渡辺教育長。 ◎教育長(渡辺好之君)  鈴木議員の再度の質問にお答えしたいと思います。 学校の安全管理についてでありますが、当市の学校施設につきましては、都市と異なり壁や塀で囲まれておらず、開放型となっております。したがいまして、警備員の配置や機械類で対応は大変難しい施設環境となっておりますことから、先ほど申し上げましたとおり、現状の施設でできる限り、子供たちの安全について3者連携しながら万全を尽くしてまいりたいと考えております。 次に、特別支援教育への取り組みについてでありますが、現在のところ、具体的な内容は示されておりませんが、子供のきめ細かな観察や専門家による講習会の開催、研修会など、学ぶ機会に努めてまいりたいと考えております。新たな制度でありますことから、教職員の共通認識の中で取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解お願いしたいと思います。 ○議長(嶋津隆之君)  鈴木君。 ◆(鈴木一彦君)  学校警備員の関係についてはわかりました。 最後に、時間もありませんので、私、先ほどちょっと言い漏れた点なんですけども、意見を述べさせていただきます。 私自身は、本来学校というものは地域社会に開かれたものであるべきだというふうに考えております。そうした中で、一つの取り組みとして、例えば校庭に花壇をつくり地域の住民に開放することで、多くの大人が常に見守っているという環境をつくっていくということも必要なのではないかというふうに考えておりますので、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。 終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  昼食のため午後1時まで休憩いたします。         午前11時54分 休憩         午後1時0分 開議 ○議長(嶋津隆之君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、10番久保田陽君。 久保田君。 ◆(久保田陽君)  通告に基づき一般質問させていただきます。 私は、平成13年の初当選以来、一般質問を通じて数々の質疑を藤原市長に対して行ってまいりました。とりわけ、病院問題をはじめ行財政問題、それにかかわって産業振興対策問題と、質問の多くはこの3項目が中心となったと思います。 任期最後となる本定例会は、藤原市長に公式的に質問する節目の機会であることから、一部数字の確認もさせていただきますが、ここでは藤原市長の思いと考え方の方向を率直にお聞かせいただきたいと考えております。 質問の最初は、根室市の産業振興計画についてであります。 根室市の財政状況は、国の三位一体改革や行財政改革のおくれなどにより、以来、極めて厳しい財政状況が続く中、根室市の基幹産業である対ロ漁業の不安定さが重なるなど、経済状況も等しく悪化の歩みをやめません。 特に、過去3年間のロシア200海里内サケ・マス流し網漁は、ロシア側の手続のおくれにより出漁のおくれを招きました。そのことは、市経済への影響は大変大きなものとなりましたが、本年は5月の出漁が実現でき、多少なり安堵しているものと思われます。しかし、相変わらず人口の減少は引き続いており、消費購買力にも影響を及ぼしております。また、道の高齢化率の試算では、根室市は2030年には30%ないし40%の高齢化率になると示されるなど、少子・高齢化も拍車をかけるなど、要因が上げられると推測されます。 このような影響を受けることで、市税収入は平成6年から14年の30億円台を境に、15年から急速に減少を続け、ことし、今年度予算においては26億円台を試算している現況にあります。このまま税収の減少が続くことは、根室市の歳入不足の額がますます厳しい環境に置かれると推測されます。言うまでもなく、このような状況が更に悪化をたどることは、根室市が財政破綻へと追い込まれることになります。 根室市の財政破綻は、市民サービスの低下などにとどまらないもっと大きな影響が考えられます。それは根室市の産業構造そのものにも大きな損害をもたらすものと考えるわけであります。1つ例をとると、根室市が単独並びに国、道からの基幹産業への支援費も現在の規模の保障すらないと仮定をいたします。このことは根室市の基幹産業全般にわたって産業振興資金が投入されている以上、それらの資金が減額されることは、まさしく根室市の産業存続にもかかわってくる相当なダメージを受けることとなると思われます。 今まさに、このような時期に突入しようとする危機感の中、行政としてはどの方向に何を優先させ、市経済の低迷を食いとめていくことで財政力を高めていくなどの方向性を打ち立てなくてはならないと考えます。 行政のリーダーとして、迅速な実行力と慣例にとらわれない発想などが必要になると考えます。3月に今期17年度の予算編成を終了いたしましたが、特に産業振興対策についてどこまで重要性を考えているのか、市税減少の要因と17年度予算編成にかかわる産業振興対策をどう考えているのか、市長にお伺いいたします。 行政の役割と経済効果を考えるとき、行政ができ得る最大の産業振興効果は、産業振興の効果に期待した支援費の実行あるいは支援のための事業補助費の捻出が最大と思われております。いかに、産業振興策が直接効果に結び、税収入にはね返ってくることを期待するものであればよいのですが、現実、振興策に対しては行政として支援策の制約の壁は超えられないでいるものと言えます。 このように市税の減少が著しい中、地域経済対策を図る上で、庁内の産業プロジェクトで検討していくとされておりますが、その対策の重要さを思うとき、進捗度を早急にしなければならないと考えることから、4月から6月の進捗状況と同時に、行政の果たす役割をどのように考えているのかをお聞きいたします。 また、それは横断的要素をもって取り組むとしていることから、その役割は現在の内部組織と合致しているのか、加えて、今後どう対応されていくのか、お聞きをいたします。 また、根室市は財政再建途中であることから、今後の振興策はその財源を使って効果的に振り分けられていくのか、貴重な財源をいかに重点的に配分され、その効果をねらえるのかは重要な方向と考えます。 今後、産業振興対策を図る上で、事業の選択も視野に入れなければならないと考えたとき、投資効果も含め、どのような産業振興対策を考えているのか、お聞きをいたします。 質問の2点目は、現在の財政状況から見た新病院建設についてであります。 去る5月をもって病院特別委員会は一たん休会され、今後基本計画に入ることを承認されました。私は、そのことはすべてが基本計画に入ることを承認した意味ではなく、基本設計に入って、10月でなければ病院の償還計画が示されないことが、できないとされることから、その償還計画の協議を進めることができないのであれば、その際承認をせざるを得ないといったことが大きな理由となる。その意味から、私自身承認をしたと考えております。 しかし、それ以前、新病院建設を承認されていく上で最も重要な点は、現在においてもいかに病院会計が独自に経営環境を充分改善されていくのかが大きな進展事項であると考えます。 改めて、第5次病院経営健全化計画による不良債務の解消と単年度収支均衡を計画どおり図られているのか、お伺いをいたします。 加えて、平成16年決算状況を踏まえ、その収支予測を伺ってまいります。 具体的に申し上げますと、16年度病院会計の決算状況と不良債務解消についての状況はどのようにとらえているのか、また一般会計の繰入金の状況と今後の病院会計の見通しについてはどのようにとらえているのか、お聞かせ願います。 質問の最後は、平成18年度新病院建設着工を目標に掲げ、計画を進めておりますが、計画どおり、18年着工を目前に数々の難題を超えなければなりません。それらの業務を遂行する上で、最高責任者の市長として来年度着工後の責任についてどのように考えているのか、率直にお聞きをし、壇上からの質問を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  久保田議員の御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、市税減少の要因と本年度予算の中での産業振興対策についてでありますが、水産業を基幹産業とする当市は、漁業生産の変動があらゆる関連産業に影響を及ぼし、たび重なる国際漁業規制の強化などにより、市中経済は低迷の域を脱し得ない状況にあります。こうしたことから、当市の市税収入は平成5年度の33億2,000万円をピークに、以降年々減少している状況で、あわせて漁業生産額も平成11年の379億4,300万円が水揚げの最高額でありましたが、魚価安や日ロ地先沖合漁業にマダラの漁獲割当量の削減などの影響から、漁業生産額の落ち込みに比例し、平成16年度の市税収入は27億円まで落ち込み、各税目の減少の要因となったところであります。 このことから、本年度につきましても、基幹産業振興を最重点課題と位置づけし、漁業につきましては根室ブランドの確立に向けた取り組みとして、地域HACCP化の推進をはじめ、各種種苗放流や移植事業、漁場確保などの沿岸資源増大対策に努めるとともに、ハナサキガニ放流用種苗生産の量産化をスタートさせ、実用段階へ着手する運びとなっております。 また、農業振興は、酪農ヘルパーやコントラクター事業推進のほか、自然と環境に調和したクリーン農業にも取り組んでまいります。 また、観光振興は、経済の活性化に大きく寄与することから、地域食材を活用した食と観光の一元化を図るとともに、ITを活用し、自然、歴史、文化など地域の魅力の情報発信に努め、また体験観光に取り組む団体などを積極的に支援してまいりたいと考えております。 今後におきましても、既存産業の一層の推進を図るとともに、地域特性や地場産業との関連性を生かした新産業の支援にも努めてまいります。 次に、地域経済対策にかかわる行政の役割についてでありますが、地域経済対策としての産業振興を図るには、従来それぞれの所管で実施してきた産業振興対策から、異業種間の連携による総合的な地域産業の活性化に取り組むことが重要と考えております。 このことから、他地域との競争力や差別化を推進するため、本年4月に水産経済部内に産業活性化プロジェクトを発足し、水産経済部長がプロジェクトの会務を代表し、各課長職及び係長職から成る15名の職員で構成しているものであります。 プロジェクトが行う今年度の業務は、根室ブランドの確立と知的財産権の調査研究をテーマとしていることから、商標登録をするための地場産品の選定や根室ブランド商品のリストアップなどを行い、今後どのように付加価値を高めていくか、現在議論を進めているところであります。 また、1次、2次、3次産業の相互連携により、地域の産業戦略を意識した(仮称)産業活性化推進協議会の設立に向けて、構成メンバーの選定などを進めているところであります。 市といたしましては、根室ブランドの創出や高付加価値製品の研究開発など、業界と一体となった取り組みを進めるとともに、地域経済の活性化を図るための活動に対し、積極的に支援してまいります。 次に、財政再建計画途中においての産業振興対策についてでありますが、財政再建期間中は、投資的経費全般にわたり事業の見直しを行い、緊急性、必要性など優先度の高い事業に絞り込むことで、新規市債発行額を8億円以内に抑制することとしております。 こうした限られた予算の中にあっても、根室の経済発展は何よりも安定した漁業生産が確保されることが第一と考えており、基幹産業である水産業を軸に産業振興を推進することが重要と考えております。 このことから、先ほどお話ししましたとおり、漁業や農業、観光産業など、それぞれの産業が抱える課題を解決していくことが地域経済の発展につながるとの考えから、積極的に取り組んでいるところであります。 また、産業振興にかかわる事業の選択は、総合的判断に基づいて行っておりますが、特に投資的効果が期待されます地域HACCP化の取り組みを強化し、根室ブランドの確立による消費拡大やあらゆる流通チャンネルを活用した地場産品の販路拡大、開拓などを促進してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、大変厳しい財政状況での産業振興対策でありますが、各事業の検証を行い、議論を深めながら、戦略に沿った地域振興策を行ってまいりたいと考えております。 次に、市立根室病院に関する平成16年度当初予算対比の決算状況についてでありますが、平成16年度決算につきましては、病院事業収益39億6,700万円、病院事業費用40億900万円で、4,200万円の純損失を生じたところであります。 不良債務解消につきましては、一般会計繰入金1億1,000万円、病院会計独自解消額3,000万円で、1億4,000万円を解消し、年度末の不良債務額が5億6,000万円となったところであります。また、一般会計繰入金につきましては7億6,000万円となり、当初予算対比で1億7,100万円の増となったところであります。 この主な要因といたしましては、収益面において、平成15年度3名体制でありました消化器系内科医師が平成16年4月に1名減員となったことによる内科の入院患者の減や、麻酔科医師の短期派遣が継続となったため手術日が限定されることなどにより、入院収益が減少したところであります。 また、外来収益につきましては、患者数の増に伴い増収となり、この結果、医業収益では当初予算対比で8,700万円の減となったところであります。一方、費用面においては、給与費で給料の一律7%削減や給食業務の民間委託などを実施しましたが、麻酔科医師や内科医師など単期派遣医師の派遣日数の増により報酬が増となったところであります。 材料費では、院外処方率の減により、投薬薬品などが増となり、経費では給食材料費を含む給食業務の民間委託化による増や短期出張医師にかかわる旅費などが増となり、この結果、医業費用では当初予算対比で7,900万円の増となったところであります。 次に、今後の病院事業会計の収支見通しについてでありますが、経営健全化計画の基本目標の一つであります収入確保とコストの削減を引き続き講じてまいりたいと考えております。特に、入院、外来収益の増収を図るためには、医師の安定的確保による診療体制の充実が最も重要であると考えており、これまで私や病院長が医師派遣大学であります旭川医科大学、北海道大学医学部の学長や教授と面談願い、医師の確保などについて強力に要請を行ってきているところであります。 なお、旭川医科大学内科学第3講座により消化器系内科医師を現時点で、本年7月から9月までの3カ月間につきましては、各1カ月単位で1名派遣願い、更に10月からは1名を常勤配置する旨のお話をいただいているところであります。 いずれにいたしましても、診療体制の充実に努め、入院患者及び外来患者の拡大を図り、医業収益の確保を図ることやコスト削減対策として薬品費及び診療材料費につきましては、価格情報による単価の抑制や採用品目数の絞り込みに努めることなどが病院事業会計の経営健全化につながるものと考えております。 今後とも、医師を中心に全職員が一丸となって効率的、効果的な病院運営を推進し、不良債務の解消と収支均衡を目指して、平成20年度までの経営健全化計画を着実に実行してまいりたいと考えております。 終わりに、新病院建設に対する市長の責任についてでありますが、私は市長に就任以来、新病院の建設を市政の最重要課題と位置づけ、市民の健康を守るため、良質な医療を提供し、市民に愛される病院、市民が安心して暮らせ心の支えとなる病院の基本理念のもと、一日でも早く老朽化している病院を新築し、快適な環境を提供しなければならないとの強い決意をもって取り組みを進めてまいりました。 これまで、平成15年度に市立根室病院新築基本構想を策定し、昨年12月の用地選定をはじめ基本構想をより具体化した基本計画を先般成案化したところであります。また、本年度においては、基本計画を具現化する基本設計に入ることとしております。 私といたしましては、良質で安定的な医療の確保、提供は、市民の安全を守り、安心を提供するという地方公共団体としての基本的な責務と使命であるとの認識に立ち、市政の先頭に立つ者として市民の理解と協力をいただくとともに、市民の代表である議員の皆様と手を携えながら、平成18年度における新病院建設の着工に向けて引き続き最大限努力してまいりたいと考えております。 また、病院の建設には多くの課題を抱えておりますが、当市の厳しい財政状況を踏まえ、後年度の負担を軽減するために、今後とも多角的視点から検討を行い、事業費の圧縮を図るとともに、国や道への支援要請などあらゆる手段を講じて財源の確保を行うことを至上命題として取り組み、病院建設を実現してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  久保田君。 ◆(久保田陽君)  何点か、自席の方から再度質問をさせていただきます。 16年度決算が冒頭助役の方から御説明ありましたとおり、今振り返りますと、非常に努力の跡は見られるというふうに思うんですけれども、1つだけ、昨年の16年4月に内科医1名がそこでいなくなるというんでしょうか、欠員を設けているわけなんですね。そこで功を奏して、産科が5月、皮膚科のお医者さんが4月からということで、常勤になられたということは会計上非常にいい、功を奏したというふうなところだと思うんです。 先ほど下川さんの方から医師確保についての御質問等々あったと思います。それについては、一端、触れませんけれども、本来の会計の流れとしては、万が一内科医のお医者さんが欠員をして4月、5月の常勤化がならなかった場合、当然ならなかった目的で行ったわけですから、非常に厳しい決算を迎えたんだろうという予測はあるんです。その中で、たまたま、市長の努力もあったんでしょうし、要望もあって、医大とのお話し合いの中で産科と皮膚科のお医者さんが来られたということは、非常に会計上プラスになったということは言えると思うんです。 今後、さっきの医者確保の問題じゃないんでしょうけども、お医者さんが1人欠員することによって1億3,000万円等々のお金が減額されると、単純に言うとです。そんなような状況下が、非常に怖いわけです。そういった意味で、今後医師確保という非常に大きな課題だとは思うんですけども、それぞれ努力をされてそこは御要望というか当然の話なんでしょうけども、会計に損害を与えない状況で進んでほしいなということが一端あります。 そこで、医師確保についてお聞きをしようと思ったんですが、冒頭、下川議員の方からお話があって説明を受けられたので、その点は割愛させていただきたいというふうに思います。 質問がちょっと前後になりましたけれども、産業振興策に対して、冒頭申し上げましたとおり、行政の役割というのは非常に難しい局面に来たんだろうなというふうに思ってます。つまり、根室市の産業振興を考えるときに、少なくとも対ロ漁業の問題、それが一番大きな課題だろうということは思うんです。それのことによって、国、道の支援補助金をいただきながら漁場改良あるいはそういった資金を提供しながら支援をしているわけであります。沿岸振興策についても当然であります。漁業の基幹産業の根幹である支援費というものは、どうしてもそこに依存せざるを得ない、こういう状況下にあると思うんです。 その中で、これは後ほど神議員の方から北特法の説明が、質問もありますから、それに対しては触れませんけれども、そういう一つの大きな課題をもって接していかなければ対応ができてこないんではないだろうかということを思うわけであります。 そういった意味で、行政の役割というものはある意味では支援のあり方というその枠を超えた中で、昨日というか一昨日、17日の道新に掲載されておりましたけれども、道が取引を支援しようというようなところが道新に出ておりました。これを原課の方でお聞きをしますと、地元の製造業者に大手の納品先を紹介して道が取引を支援するんだというような内容の見出しだったんですが、よくよく聞けば、これはあくまでも技術をその中心に、例えば車屋さんの部品が道でつくれないのか、道内の企業でつくれないんだろうかというような、ある意味ではそのカバーをしていく。そのための専門チームを例えば道立工業試験場だったり中小企業の金融公庫の担当者で構成をしていると。それらを専門チームとして1年間無料でその企業に配置をし、例えば何かの部品であれば、こういった部品をつくれないだろうかというようなマニュアル化を継続するというような流れだったと思うんです。 ただ、この流れというのは、あくまでも道は中心にやってますけれども、根室市の置かれる産業構造を振り返ったときに、なかなかそこに適用できる環境下にはないだろうというふうに思うんです。 そうしますと、今後自治体が積極的にその取引の支援ということをかんがみたときに、何かしらそこまで踏み込んでできないだろうかというところがあると思うんです。これは今後のプロジェクトチームの一つの考え方にも一つできてくるんだろうというふうに思うんですけれども、先ほど冒頭にお話をさせていただきましたけれども、今の内部的な組織のあり方というのをプロジェクトを組んでやりましょうという中で、その内部組織が今それで足りるんだろうか。つまり、水経部だけでその用を足せるんだろうかと。あくまでも、4月から6月の内外のスパンです。ただ、それだけのスパンの中で内部的な組織がそこで進むべきことができるのかどうかということが1つと、今後、その組織をどうやってしていくのかというところが非常に大切になってくるだろうというふうに思うんです。 この辺について、改めて内部組織についてのあり方ということについてお伺いをしたいと思います。 もう一点は、今大きくは対ロ漁業のお話をしましたけれども、行政の役割としては支援のあり方ということで、いわゆる産業対策というのは市長の御答弁にありました根室のブランド化をしていくんだと、いわゆるブランドをしていって、それをどう活用するのかというような、そういった御答弁だったと思うんです。 ブランド化ブランド化というのは非常に難しい範疇だと思うんですね。今、HACCP等々しかり、そこから見据えてブランド化というのは進んでいこうという、そういった現下の流れも聞いておりますけれども、そのブランド化というのが、私個人としては、ブランドというのは根室しかないものをブランドではないかというのは1つ言えると思うんです。サンマがだめだと言うんではなくて。もう一つ、根室でなくてはできないというものは、少なくとも地場産品として、それはハナサキガニというふうな一つのテーマができると思うんですね。 それ以上詳しくはここでは申し上げられません。時間上、申し上げられませんが、いわゆるブランドをどうやってつくっていくかというのがある意味では新しいテーマではないかというふうに思うんです。それらを含めて、プロジェクトの中でおおよそ体制づくりをしてもまれるというふうに思うんですけども、ぜひその辺も課題として取り上げていただければなと。これは要望と言ってしまえば限りがありませんけども、そういった考えもぜひ一つのプロジェクトチームの中で考えていただければなというふうに思うんです。 行政の役割というのは、何回も言うようですけども、なかなか垣根が超えられないというのがあるんです。要するに、支援という、支援費だけのもの、補助費というもの、ですからそこをどうやってくぐり抜けていくかというのが非常に大切になろうというふうに思うんです。そのことが今の道のたまたまの例かもしれませんけども、この辺をまた議論していただければなというふうに思うんです。 質問は前後いたしますけれども、18年着工の市立根室病院なんですけども、市長の答弁の中には少なくとも着工までのプロセスについてのお話だったろうというふうに思うんです。当然、建設を見越しての今の御努力をされているという範疇だというふうにあると思うんです。私がお聞きするのは、大変僭越な質問になるかもしれませんが、やはり18年着工ということは少なくても着工と開院というのは、病院があるわけですね。開院というまでに、市長がそこで責任を果たしていくのかどうかと、非常に大きな問題だろうというふうに思うんです。 着工の計画をして、その後またそこまでの責任をそこでストップさせるのかということにはならないだろうというふうには思うんですけれども、改めて市長の開院までの責任ということを踏み込んで考えた場合に、どのような市長の立場としてお考えなのか、お伺いをしたいというふうに思います。答えられる時期というものはあるというふうに思うんですけれども、非常に難しいところだというふうに思います。現実、着工しているわけではありませんので、まず着工後に目安がついた後にはそれなりの答えは出てくると思うんですけども、冒頭申し上げましたとおりに、市長の思いということのたけをぶつけていただければというふうに、冒頭申し上げたとおり、率直にお話をしていただければなというふうに思います。 再質については以上、再質を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  久保田議員の再度の御質問にお答え申し上げます。 まず最初に、6月17日報道されました企業間ビジネスマッチングについてでございますが、先ほど議員が御指摘のとおり、内容的に、よく読んでみますと、当市においては加工組み立て型産業であります機械類とか、金属関係などに該当する中小企業がないわけですから、企業間ビジネスマッチング促進事業といいますか、こうした事業にはなじまないと思いますが、市においては幸い水産加工業という基幹産業がございます。そうした基幹産業、水産加工業に対しまして、製品開発とか技術指導、販路拡大などに対しまして、今までも当市の水産加工振興センターで支援しているところでありますが、特に民間企業が新商品開発のための設備を準備するまでの間、技術指導等も含めまして、振興センターを利用し商品化に取り組んでいるわけでございまして、今後におきましてもこうした形態を踏襲しながら、地域特性に合った企業を可能な限り支援してまいりたいと、そういうふうに考えております。 次に、水産経済部内に組織します産業活性化プロジェクトについてのお尋ねでありますが、このプロジェクトは、先ほどもお答え申し上げましたとおり、従来の縦割りの所管ごとの産業振興対策をお互いに相互連携を図るということで、総合的な地域産業活性化に取り組もうとするものであります。また同時に、1次、2次、3次産業の民間の委員を主体といたしました産業活性化推進協議会、これは仮称でありますけれども、そういった協議会を設立いたしまして、プロジェクトとこの協議会についてもお互いに連携をしながら産業活性化に取り組んでいこうというものであります。 御提言ありました根室のブランド化についても、当然そうした中で協議されてくるものと思います。 議員より御指摘の大きな視点に立った組織を考える必要性につきましては、今後、実際にこの組織を運営していく中で、必要性があればその都度広く他の部署の職員が加わって協議していくということでいきたいと考えております。 今後、どのような組織体制がよいのか、既存のプロジェクトを進める中で研究、検討してまいりたいと考えております。 次に、私の責任といいますか、新病院建設を進める市長として、18年度の建設着工はもちろんであるが着工後の市長の責任、これはどうなのかというようなことだと思いますけども、私は根室市民がこの地域におきまして安心して暮らせるために、一日も早く老朽化している市立病院を建設したいと、そうした一念でこれまでも取り組んでまいりました。これからも、18年度における着工を目指して最大限努力してまいりたい。そうした中で、市長の責任を果たしたいというふうに思っております。 私からお話しするまでもございませんが、地方自治法の第147条及び第48条に規定されているとおり、地方公共団体の長は、地方公共団体を統括し、これを代表し、地方公共団体の事務を管理し、執行することになっておりまして、しかも同法第138条の2では、これらの事務を自らの判断と責任において誠実に管理し執行する義務を負うということになっております。 したがいまして、私は市長といたしまして、任期中、ただいまお話しした地方自治法の趣旨、規定に基づきまして全力を尽くして市長の職務を全うしてまいります。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  久保田君。 ◆(久保田陽君)  御答弁ありがとうございました。 なかなか今、法規的なものを出されると、それ以上言える立場ではないのかというふうに思うんですけども、いずれにしましても市民が望む声というのは、非常に18年着工後も含めて安全な、安心な病院を建設して、ある意味では開院に向けての責任を果たしていただきたいという思いは非常に強いと思います。 それが、今まで藤原市長がやられた努力というのは、そう簡単にはなかなか他人では、だれか簡単にはいくような話にはならないと私は思うんです。そういった意味から、ぜひ今までの培われた御努力の中を踏み越えて、更にその開院までのぜひ努力をしていただきたいということを思います。 結論めいた話でございますけども、ちょっと先ほど言い忘れたんですが、産業振興に対しての話なんですけども、先ほど根室ブランドというふうなお話をさせていただきました。その中で、根室ブランドの中の話をさせていただくと、今これから求められるというのは少なくとも多角的な見方、つまり観光と食材とそれをどう根室ブランドに対して統一的に仕組みをつくっていくかということが非常に大切になってくるんだと思うんです。 それをどう売り込むのかというようなプロポーザルが必要だと。まさに、病院じゃないでしょうけども、プロポーザル方式だと思うんです。ですから、そういった意味で、あくまでも観光と食材とブランドを一元化しながら、どうやって旅行会社等々にアプローチをしていくのかというような課題が、ある意味では求められているのだろうというふうに思うんです。 そういった意味で、これは御答弁いただけなくても結構ですけれども、そういった会議の中でその方向も含めて立ち上げていかなければならないんではないかというふうに思うんです。 これは今経済状況、単純に申し上げましたとおりに、5億円の税収減になっていますね。この環境下というのは、ますます続くことは本当に大変な状況になるんですね。これはその市の財政状況だけではなくて、市経済状況も大変な状況になるんです。そうしたときに、市民というようなところのエリアを超えて、業界というふうなところ、企業というような存続まで出てくると思うんです。そうなったときに、ますます経済的な低迷に拍車をかけるようなことにならないように、できればその対策を講じるためにはいろんな施策が必要だということを先ほど申し上げましたけれども、少なくとも、一つの事業に対して集中をもって、投資的効果も含めてその資金を導入していくということが大切だろうというふうに思うんです。 そういった意味で、どうか早急に、そしてなおかつ慎重に、そして大胆に行動し、そして全課を挙げて、ぜひその所管となる部分については、産業振興策について取り組んでいただければ幸いだというふうに思うんです。これをしなければ、根室市としては、先ほど冒頭きついことでおっしゃって、仮想的なものと言いましたけれども、仮想ではなくなる状態だということは、これは理事者が本当に腹をくくってわかっていると、御存じだというふうに私は思います。 そういった意味で、財政状況だけでなくて経済環境も含めて、どうか経済界とのマッチングも含めて、ぜひ努力をしていただきたいと思います。 終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  では次に、3番神忠志君。 ◆(神忠志君)  通告に従い一般質問を行います。 質問の第1は、「領土問題」についてであります。 ロシア大統領の05年春先の来日が、昨年末から報道されながら、2島か4島かという両国政府の領土問題解決への基本姿勢に一致が見られないまま、来日の日程が定まらない状態が続いてきました。しかし、このたびロシアを訪問していた森前首相との6月14日の会談で、プーチンロシア大統領の来日の日程が、11月半ば前後になされることがロシア側からようやく表明されました。これまで、ロシア政府筋は昨年末から再三にわたり、歯舞、色丹2島返還のメッセージを日本に送り続け、日本側があくまでも4島の帰属を主張すると、あたかも領土問題は解決済みなどと日本側に揺さぶりをかける外交姿勢を鮮明にしてきました。 この間、半年以上も、根室市民はロシア側からのその時々の情報に振り回されるとともに、ますます深刻の度を深める地域経済の中で、何としても領土問題の前進で町が生きていける展望をと願ってきたわけであります。 とりわけ、この春先、日本200海里内のサケ・マス漁、貝殻コンブ漁などの極端な不漁やカレイなどの沿岸資源の減少による漁業不振は、直接根室市経済に重大な影響を及ぼしています。緑町中心商店街も、今後とも、しにせの商店の閉店が依然としてちまたで話題になるなど、地元経済の極度の疲弊は、領土返還運動のあり方をめぐって論議が一層活発となりつつあります。 その結果、市民のかなり多数意見として、早期の2島返還を求める声、意見が更に強く聞かれる現状となっています。特に、先ほど述べましたように、日本200海里サケ・マス漁、貝殻コンブ漁や沿岸漁業が2島返還によって多くの部分が解決されることから、漁業者ばかりではなく経済活動に携わっている市民の間からは2島返還が痛切な叫びとさえなっています。 藤原市長は、この現実をどうとらえて地元市長としてどう対応しようとしているのか、見解を伺います。 歯舞、色丹島及び国後、択捉島などの帰属問題が解決し、平和条約が締結できる条件のもとで、2島返還がされれば、市民だれもが歓迎するところであります。しかし、森前首相との会談でロシア側が来日の日程を合意した背景には、森前首相が1956年の日ソ共同宣言の重要性を認めた人物の一人であることを認識しており、2島返還にロシア側があくまでもこだわる可能性が大きく、日ロ間の溝を埋める外交交渉は今後とも難航が充分に予想されています。 地元市長としての藤原市長がこれまでの方針を堅持して、政府の外交方針をあくまでも後押しをするということであれば、それも政治姿勢の一つだと考えます。しかし、そのとき、もし11月のプーチン大統領来日によって領土問題の前進が図られず、日本政府が4島の帰属を今後とも確固として主張し続けるのであれば、領土問題解決に長期的な戦略が必要だということを意味するものであります。 そうであるならば、市長が地元自治体と元島民などへの抜本的な対策を国が示すことを確固として求めることは必要でないかと思います。そうでなければ、領土返還運動の機運を高めるどころか、領土返還を求める声は今後大きく後退することは必至です。地元市長として、抜本的な対策と責任を国が果たすように強く求めるべき時期に来ていると考えます。市長の見解を伺うものであります。 更に、「北特法」改正問題については、真に法の趣旨が生かされる財政的な保障が必要であり、7条などの補助率の改正を強く求めながら運動を強化することが必要です。しかし同時に、この法自体が議員立法であることから来る限界性をしっかりと見きわめることも重要です。戦後60年経過してもなお解決の展望が見出せない領土問題は、島を失った結果こうむっている根室地域の損害を補償する地域の振興策を政府自らが責任を果たす、(仮称)北方領土隣接地域振興法のような法律を創設をする必要があると思います。政府に明確に求める時期に来ていると考えます。市長の見解を求めるものであります。 次に、漁業問題であります。 対ロ漁業交渉は、貝殻コンブ漁業協定、ロシア200海里内のサケ・マス漁業協定など、根室にとってはいずれも重要な漁業協定が民間交渉にゆだねられています。地先沖合漁業協定でさえも、ロシア200海里内操業などは細部が民間交渉の対象とされています。そのため、これまで幾度となく漁期が切迫する中で、ロシア側からいわゆる無理難題を押しつけられ、結果的にそれをのまざるを得ない交渉となってきました。対ロ漁業が不安定なものになっている要因の一つである。 ことしは、地元の強い要望や参議院沖北委員会での論議もあり、国会が、民間交渉にも政府がきちんと責任を果たすべきとの要請がなされたことなどなどから、貝殻コンブ漁業協定、ロシア200海里内のサケ・マス漁業協定とも、比較的スムーズな交渉が実現したと言われています。しかし、依然としてロシア側が、国際的に見て不条理とも言える理由で交渉が大幅におくれるケースがあります。対ロ漁業の本格的な趣旨をロシア側に認識させ、国際的な道理と条理に沿った漁業交渉となるよう、強く政府に求めるべきであると考えます。市長の御意見を伺うものであります。 最後に、領土問題が未解決のもとで、日ロ関係、とりわけ根室とロシアとの両国関係を支える重要課題が対ロ漁業問題であります。そのことをロシア側に明確にメッセージとして伝えることが必要です。まさに、根室地域の抱える対ロ漁業問題は、島の帰属問題、いわゆる括弧つき国境問題との立場を基本に、日本政府が対ロ外交に望むよう、改めて政府に要求すべきと考えますが、市長の見解を伺い、壇上からの質問を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  神議員の御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、北方領土返還運動についての対応でありますが、我が国の北方領土問題の基本は、4島の帰属を解決して平和条約を締結するという方針のもと、ロシアに対しては1991年以降、4島への日本の主権が確認されれば、実際の返還の時期、対応及び条件については柔軟に対応するとの考えに立っており、昨年9月北方領土視察のため当市を訪問した小泉総理自らが改めて根室地域住民にもこの基本的考えについて説明されたところであります。 国においては、我が国固有の領土である北方領土の返還のため、様々な外交努力を続けており、平和条約締結問題については、本年5月の日ロ外相会談においても、これまでの外交交渉で積み上げられた93年の東京宣言や2003年の日ロ行動計画などの成果を確認しております。 これは東西冷戦の終えん後、日ロ相互の信頼関係に基づいた領土問題解決への歩みであり、本年プーチン大統領の訪日を控え、外交上の様々な駆け引きの発言やアプローチであると思慮しております。 本年11月に予定されております日ロ主脳会談では、昨年末、ラブロフ外相やプーチン大統領から、日ロ平和条約締結は56年日ソ共同宣言に基づくとした発言後の初めての平和条約締結に関する首脳会談であり、これまで着実に積み上げてきた外交努力の上に立ち、領土問題解決の具体的前進を期待するものであります。今後の返還運動については、政府の外交方針のもとに、これを後押しすることが本旨であり、特に本年は日ロ通好条約締結150年の大きな節目の年となっておりますことから、このときこそ北方領土返還要求運動原点の地ならではの責務を担い、国民世論結集の先頭に立って返還運動を推進してまいります。 次に、元島民への支援策や地域対策についてでありますが、当地域は北方領土問題の未解決であることに伴う経済的損失により、その望ましい地域社会の発展を著しく阻害されているという特殊な事情のもとに置かれている地域であります。また、元島民の残置財産や財産権の不行使、旧漁業権などの諸権利に対する補償について関係団体とともに要請を続けておりますが、現状では戦後補償にかかわる問題としてハードルも高く、進展が見られていない状況にあります。 しかし、本問題はいずれも内政措置として解決が図れる問題であり、今後とも千島連盟や北方地域漁業権補償推進委員会との連携を図りながら、国に対し当地域の特殊性を訴えるとともに、元島民や隣接地域への支援策の推進や地域振興対策について引き続き求めてまいりたいと考えております。 次に、「北特法」改正と議員が話されております「地域振興法」についてでありますが、北方領土問題の解決のための特別措置に関する法律、いわゆる北特法につきましては、昭和57年8月に議員立法として制定されたことは御承知のとおりであります。本法律は、制定から22年が経過し、その間、規定されているもろもろの優遇措置は充分に効果が得られていない状況が続いており、基金の運用果実についても近年の低金利から当初想定の3割に満たないものとなっており、各種関連事業も縮小せざるを得ない状況にあります。 また、同じく領土問題に起因する沖縄の振興法に比較して、沖縄自体の振興と北方領土の隣接地域として概念の違いはありますものの、補助率や制度の面からも大きく見劣りしている状況にあります。このことから、実効ある北特法として特に第7条の特別の助成と第10条の北方領土隣接地域振興等基金について、市議会の皆様とともに所要の改正要望を続けてきたところであります。衆参の国会議員や各政党においては、当地域が置かれている経済状況や1市4町の厳しい財政状況について御賢察をいただき、その改正の必要性についても理解を示されておりますが、国の財政上の問題や他の制度との均衡等から、改正には至っていない状況であります。 一方、これまでの要請により、平成15年には隣接地域に対し、内閣府の特別啓発事業費2,100万円、昨年は国土交通省の北方領土隣接地域振興等事業推進費補助金1億円が予算化されたところであります。私は、北特法について、北方領土隣接地域の振興を図るとした基本理念はすぐれたものであり、現状は本法律の改正を働きかけることが実効性につながるものと考えております。 特に、本年11月には日ロ首脳会談が予定されており、その結果も見きわめながら強力な北特法改正の要望活動を推進するとともに、これまで措置された制度の更なる充実も訴えてまいりたいと考えております。 次に、漁業交渉の現状と政府の責任のあり方についてでありますが、本年の対ロ民間漁業交渉を見ますと、貝殻島コンブ採取漁業につきましては、本年5月4日に交渉が開始され、6日に議定書調印、19日には操業指示書を受領し、一連の手続が円滑にとり行われ、去る6月6日には一斉出漁が実現されたところであります。 一方、ロシア200海里内サケ・マス流し網漁業におきましては、4月11日に交渉が開始され、4月28日には基本合意に達しましたが、ロシア国内におけるTAC決定の内部手続の遅滞等により交渉が長期化したことから、早急なTAC承認について政府問題に発展し、活発な漁業外交が繰り広げられたところであり、結果として議定書調印後の翌日には操業許可書が交付され、3年ぶりに5月中での全船出漁となったものであります。 市といたしましても、対ロ民間交渉、とりわけロシア200海里内サケ・マス流し網漁業につきましては、あらゆる機会を通じ、早期交渉の開始や許可書発給の迅速化、更には国の積極的支援と関与を要望してきたところであります。 私は、本年2月の参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会の意見陳述の中で、今後の対ロ民間漁業交渉のあり方として、交渉時には日本政府の職員が同席し、例えばロシア側から理不尽な提案があった場合、軌道修正するような、そういったいわゆるオブザーバー的役割を担っていただきたいと訴えたところであります。本年の交渉では、水産庁、駐ロ日本大使館並びに北海道から、それぞれ担当職員が交渉に同席し、交渉の局面で適切なアドバイスをしたことにより、ロシア側に対し政府間交渉の延長線上に位置づけられているとの意識づけがされたと伺っております。 このことは、市議会の議論を経て、私が外務省、水産庁に申し入れた結果と思料されるものであり、今後とも国や道職員のアドバイザーとしての参加を継続されるよう引き続き要請してまいりたいと考えております。 次に、終わりに、対ロ漁業の今後の方向についてでありますが、当市の水産業においてはロシア水域での漁業生産やロシアからの輸入水産物に大きく依存した構造となっており、その取り扱い金額は全体の約6割を占めておりますことから、当市の経済はロシアとの密接な関係なくして発展は望めない状況となっております。 私は、当市漁業の問題を解決するためには北方領土問題の解決が第一と考えておりますが、北方領土問題が未解決であることに起因する特殊な状況に置かれている海域での操業を余儀なくされている状況を踏まえ、強力な漁業外交のもとに、対ロ漁業を今後とも永続的に維持、発展させていくことが不可欠であり、このことなくして根室の将来は成り立たないものであると訴えてきたところであります。 今後とも、国の責任において、ロシアとの長期かつ安定的な漁業関係の構築とその維持発展のため、漁業外交の推進に努めていただくよう要請してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  神君。 ◆(神忠志君)  再質問いたします。 領土問題、対ロ漁業問題とは別な形で、根室が独自に自立をしていく道は、それはそれできちんとして探っていかなければならない、真剣に探っていかなければならない問題だと思います。しかし、領土問題にしろ対ロ漁業問題にしろ、これは戦後の政府の責任にかかわる問題でありますから、当然そういう問題についてはきっちりしたことを政府や道にも申し上げていかなければならないのではないかと思います。 それで最初に、領土問題に入る前に一言だけ触れておきたいと思いますが、私たちの党の見解や私個人の考え方ですが、領土交渉の中で、歯舞、色丹というのは、国境確定では全くないと。ロシア、ソ連、ロシア側が間違って不当に支配をしている問題ですから、これは当然、いってみれば、言葉は悪いですが、のしをつけて返していただく、こういう性質のもんであると。私は、これは、そこからは私自身の考え方ですが、歯舞、色丹が返ってきて初めて、両国間の領土交渉というのが本格的に成立するというふうに私自身は常日ごろ考えています。 ただ、ここで2島か4島かという問題について論ずるつもりはありません。しかし、経済の状況が疲弊というんですか、本当にひどい状態です。ですから、2島返還ということを相当数が求めているのも現実です。こういう声に対して、地元自治体としてどう対応するのか。これも、対応の仕方はいろいろあると思いますよ。これもしっかりした考え方を持って対応していくことが必要ではないかなというふうに考えています。 いずれにしても、交渉事項ですから、絶対こうなるということは言い切れないと思いますが、2島が返る可能性というのは、万分の1なり万万分の1と言えば1億分の1になるんでしょうか、そういう確率で当然あるだろうと思います。 そのときに、残りの島々の問題をどうするのか、あるいは2島返ってきた場合の根室の地域的な振興や2島のいわゆる括弧つきでありますが、開発問題をどうするのか、こういう問題が出てくるだろうというふうに思います。 しかし、今、市長が壇上での質問にお答えいただいたように、基本的な日本政府の立場が変わらないとすれば、領土交渉というのは非常に大きな暗礁に乗り上げざるを得ない。つまり、領土問題が一歩も前進をしないという状況の可能性が非常に多いものだというふうに思うんです。 そのときに、依然としてその4島の帰属あるいは4島の主権ということで、両国が対立をして領土交渉が物別れに終わるという結果になったときに、私は今後の領土交渉というのは本当に相当な長期的な戦略を立て直さざるを得ないんだというふうに思うんです。壇上でも申し上げましたが、そのときには領土返還運動の問題というのは、声というのは本当に急激に萎んでいく可能性も大いに残されているだろうというふうに思います。ですから、道として、あるいは国としての責任を本当に明確にしていただきたいなというふうに感じています。 実は、6月2日、3日、様々な地域の要求を抱えて道の本庁に要請行動をしてまいりました。その折にたまたま山本副知事とお会いしました。そのとき、ちょうど知事が前の日にビザなしから帰られた日程でありましたから、知事とお会いすることができませんでしたけども、私は、その中で強く申し上げたのは、根室が抱えているいわゆる北方領土という地域の中で、面積で言えば何%になるんでしょうか。全体の3%かそこらになるんでしょうか。人口で言えば1万7,000住んでいた、その全体の人口に比べて歯舞諸島に住んでいたのは五千数百という状況だと思います。 だから、圧倒的多数は根室の行政区でないところの地域の問題を根室市は過去において、現在までお金も人も時間も費やして頑張ってきたと。これは根室が先頭になって領土返還運動を訴えてきた自負は持っているけれども、私は根室がやるべき課題ではないと、根室だけが。北海道が位置づけていただいて、熱心にやってほしいと。そんなときに、わずか80万円の島民の皆さんに対する島民の会への補助を打ち切るだとかいうことがあってはならないんだと。もっとその意味について深くとらえて、位置づけてほしいということを申し上げましたが、私は今後とも道の動きというのは心配されるというふうに思うんです。 例えばこのニホロの問題でも、指定管理者制度に移行する、あるいはそれに近い形に移行する、今ニホロにかけている予算を大幅削減するということも、財政再建の中で考えられているようであります。同時に、根室北方基金特別融資、これが平成14年に20億円のうち16億円引き揚げられる。残り4億円しかありません。地元の金融機関である大地みらいに3億2,000万円ぐらいかな、預託をしている。これも来年度引き揚げるということすら考えの中にはあるようであります。 こうなれば、一体道の北方領土問題の位置づけはどうなっているのかと。何のために知事が自らビザなしに行かれたのかということを疑わざるを得ない状況でありますし、ましてや国が、先ほど申し上げましたように、4島の帰属、4島の主権問題を主張するという確固とした立場を今後とも領土外交の姿勢の中で貫いて、たまたまそれが領土の前進が図られないのであれば、最初に申し上げましたように、根室地域に対する考え方を抜本的に改めてもらわなければ、領土返還運動にも重大な影響を及ぼすんだということをはっきりと国に申し上げる時期に来ているのではないかというふうに考えます。 それで、あと具体的な問題に入ってきますが、先に簡単なものから触れておきますけども、いわゆる後継者対策問題で北対協の資金融資などが大変低金利の中で使いづらいものになっているとか、あるいは元島民の後継者が1人しか認められていないために、利用が不充分だとか、そういう問題もあろうかと思いますので、死後の継承とか、そういう問題についてもっと柔軟に対応できるように求めていくべきではないかというのが1つ。 それからもう一つは、北特法問題でありますが、02年に沖縄の新沖縄振興法が上程になって、その後可決をされて、実際に動いています。その沖縄振興法は今までの振興法よりもより幅の広いものに広げて、いわゆる財務省が補助金問題にメスを入れたもんですから、そういう点では交付金化の問題も視野に入れたものになっていると聞いていますが、私も7条、10条の改正を要求することは当然のことだとも思いますが、現時点の中で財務省が骨太方針の中でも明らかにしている補助金の大幅削減ということも考えられるわけですから、当然、交付金化へ軸足を移す運動を含めてやっていかなければならないのではないかというふうに考えます。 行く行くは、抜本的な沖縄振興法のようなものを視野に入れた地域振興法、隣接地域振興法というものが抜本的に強化されなければ、根室は生きていけない事態になるのではないかというふうに考えます。 あと、漁業問題でありますけども、私は、特に対ロ漁業交渉の中でロシア側に日本政府がはっきり求めてほしいことがあります。それは、いろいろやってきても、その担当の責任者なり議長さんなりがかわると、かわった途端に方針が180度転換するということがたびたび起きて、根室の漁民は煮え湯を飲まされる思いをしてきました。 ロシアが本当に、EU加盟も視野に入れた動きをしているようでありますが、いわゆる先進国として一定の国際的な地位を占めるのであれば、ロシア政府は政府の方針を継続性を持ってきちんと対応してほしいということを日本政府がはっきりと要求すべきではないのかというふうに思います。 実は、このたびの、ことしのロシア200海里内のサケ・マス交渉においても、いわゆる04年に出漁しなかったその船に対する協力金の未払いということで交渉が延ばされる状況となりましたが、そういうことがあってはならないというふうに思います。03年、実は全鮭連の2隻が軽易な違反を犯したということで、1つはロシア200海里のショートカットと、もう一つは日誌の不実記載だったそうですが、不実記載の際もロシアのオブザーバーが乗船していての話ですよね。何のためのオブザーバーかということになるわけです。しかも、04年の年末にカレルスキーという議長さんだと思いますが、日本の水産庁と間に、03年に起きた違反が非常に軽微な違反なので非常に軽い罰金というんですか、課徴金というんですか、そういうものを行って平和的に解決しようという話がほぼ合意をしていたと。それが議長さんがかわった途端に、何で1億550万円という形になって出てくるのか。それは本当に納得できない問題です。 確かに、契約の結び方に多少の問題があって、それを理由にしてやられたので、今後はそういう契約の条項についても細部にわたってやるそうで、改善するそうでありますけども、そういうことがありますから、ロシア側に、ロシア政府の確認した方針はだれがかわろうと継続性を持ってやってほしいと、国際的な不条理が通るようなことにならないでやってほしいということをはっきりと申し上げることが必要ではないかというふうに思います。 それから、何度も言っているんですが、対ロ漁業の問題で、前にも申し上げましたが、少なくとも向こうは歯舞、色丹については日本のものですよと。1956年の日ソ共同宣言で平和条約どうのこうのと言っている背景には、そこは日本のものだという認識だと思うんですね。そうすれば、少なくともその周辺の操業についてはロシアの権益よりも日本の権益が絶対的に優先させられるべきなんですね。そういう大義をもう少し日本政府がロシアとの交渉の中でぶつけてほしいということを申し上げる必要があるのではないかというふうに強く感じています。 それがされると、貝殻コンブ漁の協力金なんかは必要がなくなるということも考えられますし、ことしのように貝殻コンブ漁が非常に不漁であれば、水晶や近くの勇留、秋勇留まで出かけていって操業も可能になるというような展望が開かれるわけですから、あえて私は、領土問題が解決しなくても、漁業問題に関してはそのロシア側の立場ということを逆手にとって日本が堂々と主張していく内容のものではないかなというふうなことを常日ごろ漁民の皆さんからいろいろな声を聞いて感じているところを申し上げました。 以上、再質問であります。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  神議員の再度の御質問にお答え申し上げます。 最初に、もっと根室市は政府に対して北方領土が未帰還のためにこうむっている不利益を訴え、手厚い措置をしていただくべきでないかというようなお話でありますが、先ほどお答えしたとおり、私は今回の11月の両首脳の会談に強く期待しているところでございますが、しかし先ほどもお答えしたとおり、その結果も見きわめながらというお答えを申し上げましたが、私たちが期待したような結果にならなかった場合は、強力な北特法改正等の要望活動を推進するというような気持ちを持ってお答えしたところでございます。 次に、元居住者に対する貸付対象者等の問題についてでありますが、国においては、御承知のとおり、昭和36年から現在の北対協、北方領土問題対策協会を通じまして10億円を原資として低利の貸付融資制度をもって元島民の生活安定を図ってきているところであります。平成8年の一部法律改正によりまして、生前継承が認められましたが、現行制度は子または孫であってもこれらの中に融資資格者がいる場合または元居住者が継承手続をしないうちに死亡した場合においては、その継承は認められないというような制度になっております。 このことから、千島連盟としては、これまで生前継承対象者の要件緩和、死亡継承措置の拡大、融資資格継承者の範囲拡大、この3点について要望してきているところであります。 私といたしましても、元居住者の実態等を踏まえまして、元居住者及び後継者の生活の安定を図るという法の趣旨が生かされた制度となるよう、関係団体とも協力しながら要請してまいりたいと考えております。 次に、沖縄振興法と北特法についてでありますが、昭和47年1月1日、沖縄の本土復帰に伴いまして、沖縄の特殊事情にかんがみまして、総合的な沖縄振興開発計画を策定し、沖縄の振興開発を図り、もって住民生活安定や福祉向上等に資することを目的に、沖縄振興開発特別措置法が制定されたところであります。 この法律に基づきまして、数次にわたっての振興開発計画による施策の推進が行われまして、近年では平成14年4月1日、本土復帰30周年に当たって、更なる自立的発展と豊かな住民生活を実現させるために新たに制定されました沖縄振興特別措置法による地域振興策が推進されてまいりました。 また、このたびの三位一体の改革の推進の中でも、平成17年度以降の交付金化に伴う一部を改正する法律によりまして、沖縄の特別措置が、これは守られております。 その一部改正の概要は、補助金の交付金化と補助金の廃止による新たな交付金制度の創設で、沖縄に不利益にならないよう、配慮するというものであります。沖縄振興特別措置法の場合は、開発振興する地域が他国に占有された地域そのものでありまして、私たちのような隣接地域としての根室管内とは異なる部分もありますが、領土問題が原因での経済的損失とその望ましい地域社会の発展を著しく阻害されている特殊な状況では同じようなものであるというふうに私は考えております。 このようなことから、北特法の改正要望に当たりましては、沖縄振興特別措置法も見据えながら実効ある優遇措置としての位置づけを要請してまいりたいと考えております。 次に、対ロ漁業の関係についてでありますが、国際的不条理に対しましてはもっと鋭く政府に迫るべきというような御指摘でございますが、本年のロシア200海里内サケ・マス流し網漁業交渉において、平成15年の操業の際に発生いたしました違反船に対する罰金の取り扱いが課題となっていたことに、私も大変心配しておりましたが、最終的には所属サケ・マス漁業団体の責任においてそれを支払うという決断をされたものでございます。 ロシア200海里内サケ・マス漁業を例にとりまして、若干ロシア側の機構、ロシアのTAC、交渉の仕組み等、一般的になじみないと思いますんで、私の方から若干時間をおかりしてお話しいたしたいと思いますが、まず現在ロシアでは、TAC、漁獲可能量の決定はブローニアと、ブニロという全ロシア漁業海洋学研究所という研究機関がまず原案をつくりますね。そして、連邦漁業庁で大枠を定めます。これは国内枠、外国枠、おのおのですね。この連邦漁業庁、これはロシア農水省の外局です。ロシア農業省というのがあって、その中に連邦漁業庁というのがある。ここで大枠を決めまして、地域別あるいは魚種別のTACのこういった大枠を決めます。そして、このロシア農業省の、一方内局であります連邦漁業政策局というのがあるんですね。こっちは漁業庁、こっちは漁業政策局というのが内局にありまして、そこに送ってこの漁業政策局では関係省庁と合意をして、これでいいのかどうかということで合意を経て最終的に決定すると。そして、これを首相府に上げるんですね。今、フラトコフという首相ですけれども。 今回の交渉がなぜおくれたのかと。皆さん御承知のとおり、さっきお答えしたように、4月の末には既に両国の民間交渉でありまして、合意に達していたんですね。肝心のところで何でおくれたんだと。これは、やはり今私がお話しした首相府の首相のサインがされなかったため、延々とモスクワで待っていたというのが実態ですね。交渉というのは、皆さん御承知のとおり、操業条件とかTACの割り当て、入漁料、こういった基本事項を決めるんですけれども、両代表で交渉し決定した後に議定書というのを取り交わすということですね。ただ、今回の相手方の、ロシア200海里内の相手方の団長は、皆さんもお会いしていると思いますけど、昔択捉にいたポドリャンて、クリルの地区長だった人ですね。あの人が今連邦漁業庁の副長官をやっているということで、あの人があの団長と。そして、どういう人が相手方で出席しているのかというと、交渉に、これは国境警備局の国家海洋監督局、コストガードですね、そして農業省の動植物衛生監督庁と、また私がさっき言ったTACを決める漁業政策局、またロシアの大使館職員と、そして私たちが一番わからないというのが、この国営魚類資源というこの会社の人が国営企業とみなされておる国家魚類資源と、こういう人たちが参加しているんですね。 日本側は、御承知のとおり、大水の今回専務になりました石原顧問が代表で、そして4つの全鮭連、北友、北洋、道鮭連と、この4団体の代表が行っているということなんですが、そうしたことで最終的には首相がサインしたんで急転直下、ばたばたと次の日に議定書といいいますか、5月24日に議定書が取り交わされて、そして翌日にはもう許可書が出たと、普通は3日ぐらいかかるんですけど、直ちに出たと。 この間、私たちも中林議員と、また業界とともに東京に行きましていろいろ折衝したというようなことですけれども、そしてこの議定書が取り交わされると、直ちに先ほど言った国家魚類資源という、そこと契約書が取り交わされるわけですね。そして、今度はその後に許可書の申請が、先ほど私が言った農業省の動植物衛生監督庁に許可申請されるというような非常に複雑な関係です。 先ほど、神議員がお話しされた違反船の拿捕、これについては、これは先ほど私がお話しした国境警備局、この関係の問題です。国境警備局、国家海洋監督局と、ここが、ですから農業省と関係ないんですね、船を捕まえる方は。ここがやっているというようなことでございます。 いずれにいたしましても、こういった組織でございますが、戻りますけれども、先ほど神議員がお話しされたサケ・マス船2隻の操業違反内容や罰金については、私はその内容は詳しく承知しておりませんが、例えば昨年ロシア政府旧国家漁業委員会と旧漁業省が統合し、新たに今私が話した農業省漁業局、こういった新設がなされたんですが、そうしたことがその背景にあるや、あるかもしれないと思います。私としては、大変遺憾なことであると思いますんで、今後外交の場において正されるべきであるというふうに考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  神君。 ◆(神忠志君)  ロシア国内の機構、仕組みについて詳しく御解説をいただきましてありがとうございます。 それはともあれ、そういうことを求めているんではないんですね。要するに、わかりやすい国際条理に基づいてやってくれということでありますから、ぜひそのことを政府にもしっかりと伝えてほしいと。政府自らが求めるべきですね。やっぱり、きちんとした責任のある立場の人が出てきて、そこできちんと決まるという状況をロシア側が国内の機構としてきちんとした機構をやっぱりやらないと、そういう複雑な状況のもとでいろいろ見解も違ったりすれば、国際的なお互いの交渉というのは、何を根拠に、何を頼りにしてやればいいのかということになりますから。私も、そういうことをお聞きしようと思ったんではなくて、領土問題、いわゆる主権の問題だということでありますから、確かに沖縄振興法との関係で、置かれている状況が、必ずしも同じではないというふうに思いますが、しかし主権が著しく侵されたという状況については何ら変わらないものだというふうに考えます。 そういう点で、市長もお答えをいただいたように、沖縄振興法の持っている、私たちが沖縄振興法の中で大いに生かすべきところを生かして、ぜひ北特法の改正の問題やそれにとどまらない新しい地域振興法の問題について、視野にしっかり入れてやっていくことが重要ではないかということを申し上げまして、終わりたいと思います。 ○議長(嶋津隆之君)  2時50分まで休憩いたします。         午後2時35分 休憩         午後2時50分 開議 ○議長(嶋津隆之君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、2番高本みさ子君。 高本君。 ◆(高本みさ子君)  通告に基づいて一般質問を行います。 質問の第1は、少子化対策について。 さきに公表された厚生労働省の2004年人口動態統計によりますと、一人の女性が生涯に産む子供の平均数、いわゆる合計特殊出生率は1.29と過去最低を記録しています。北海道は全国平均を更に下回って1.19で、根室市は平成15年度において、全道、全国を上回って1.59とはなっていますが、少子化には変わりはありません。もとより、子供を産む産まないは、個人の自由な選択にゆだねられるべきものであることは言うまでもありません。しかし、問題は、出産や子育ての環境が整っていないために産み育てることができない状態になっていることです。 未婚化、晩婚化、晩産化の要因は様々ありますが、その一つは雇用形態の悪化にあります。若者の長時間過密労働、フリーターと呼ばれる不安定な労働などです。正社員に比べ年収が3分の1に過ぎないフリーターの増大が、内閣府の少子化社会白書でも、結婚に対してマイナスへ作用していると述べていることです。フリーターの7割の人たちは正社員になることを希望しています。この希望を生かすことこそ、少子化に歯どめをかける道で、政治の責任ではないでしょうか。 2つ目は、子育てや教育にお金がかかり過ぎることも要因です。子育て支援策として、負担軽減の抜本的な強化が図られる必要があります。市長は、今日の出生率低下の要因についてどう認識されているのか、初めに伺います。 次に、ことし3月に策定された次世代育成支援行動計画についてですが、この内容は根室市の今後10年間の子育て支援のあり方を指し示すものであるはずです。今日の深刻な少子化傾向に歯どめをかけ、安心して子供を産み育てられる環境づくりは重要な課題です。行動計画に示された7つの施策目標を確実に推進するために、具体的手だてを明確にして取り組むべきと考えますが、市長の見解を伺います。 一方、行動計画の実施施策に保育サービスの充実を掲げながら、保育所の民営化を打ち出したことは、保育の公的責任の放棄につながり、少子化対策に逆行するものと考えますが、市長の見解を伺います。 質問の第2は、高齢者福祉について。 介護保険制度の見直しに当たっての問題点はこれまでも指摘してまいりました。制度の持続性や財政の論理ばかりが全面に出て、発足当初言われていた介護の社会化とかサービスの選択は、何ら解消されないというのが実際です。だからこそ、国立長寿医療センターの調査結果でも、老後に不安を感じ人が83%にも及び、その中でも寝たきりや認知症になって介護が必要となることに対しての不安が78%にも及んでいるのです。安心できる介護への改善こそが今求められているのではないでしょうか。 そこで伺います。 その1点目は、介護施設の入所待機者の解消です。 現在、介護施設に入所を希望しても、入所できない実態にあります。この解消策について伺います。 2点目は、この10月から介護施設入所者は、食費や居住費、いわゆるホテルコストとして全額自己負担とすることになります。現在、保険料第3段階の本人非課税の人は自己負担する額に上限はなく、施設との契約で決める仕組みとなります。厚生労働省の試算でも、入所者1人当たり年間34万7,000円もの負担増となるとされています。厚生労働省は、本人の手元に1万円ほど残るよう設定したなどとひどい説明をしています。このホテルコスト徴収に対して、市長はどんな所見をお持ちか伺います。 3点目は、低所得者に対する軽減策です。現在、保険料については、第1段階の老齢福祉年金受給者のみで、その対象者は平成16年度でわずかに9人です。利用料については、非課税世帯に対して訪問介護利用者のみ3%負担としています。平成16年度実績で、訪問介護を利用している人の52.4%の人がこの軽減策対象者になっています。この人たちがデイサービスなどその他の在宅サービスを併用していることは、大いに予想されるところです。訪問介護のみならず、低所得者対策をほかの在宅サービスにも拡充すべきです。しかも、基金積立額は制度開始以来毎年ふえ続け、平成16年度末で2億5,700万円にも上っています。安心して介護サービスが受けられるよう減免制度の拡充を図って還元すべきと考えますが、市長の見解を伺います。 質問の第3は障害者対策について。 障害者や障害者世帯は、多くの場合、その介護のために世帯収入が制限され、また障害ゆえに外出経費など特別な経費がかかり、大きな負担となっています。また、成人障害者の多くは、障害が重ければ重いほど、働く機会が少なく、その収入は障害年金に頼らざるを得ません。障害者とその家族は、経済的にも肉体的、精神的にも大きな負担を負っているというのが実態ではないでしょうか。 市長は、障害者とその家族の置かれている生活実態についてどう認識されているのか伺います。 2月10日、急遽国会に提出された障害者自立支援法案は、これまでの制度の全面改定とも言うべきものです。2003年4月から、新たな制度として支援費制度がスタートしたばかりですが、施行後2年でまた新たな制度へ移行しようとしているのです。 厚生労働省は、この改革に当たって、1つ、障害者福祉サービスの一元化、2つ、障害者がもっと働ける社会に、3つ、地域の限られた社会資源の活用、4つ、公平なサービス利用のための手続や基準の透明、明確化、5つ、増大する福祉サービス等の費用をみんなで負担し支え合う仕組みのこの5点を挙げています。障害者やその家族など関係者が強く願っていた身体、知的、精神の3障害の一元化が図られることとなりましたが、最大の問題点は大幅な負担増を求めるというところにあります。 これまで、障害者施策では所得に応じて負担する応能負担でしたが、これを応益負担とし、施設利用者についても食費、光熱費などを自己負担とするものです。医療費も、これまで育成医療、更生医療、精神障害者通院公費負担として、公費の医療保障がなされていましたが、今度は技術支援医療として一本化され、原則1割の定率負担が導入されることになります。確かに、低所得者対策も打ち出されてはありますが、その収入基準は同一生計の収入で認定するというものです。ただでさえ不安定な収入と障害ゆえの特別な経費負担を家族に大きく依存しているもとで、収入も初めから世帯を想定する仕組みでは、二重に家族責任の転嫁を進めるものであり、まさに自立支援とは無縁のものと言わなければなりません。 そこで、市長は、今回の障害者の自立支援法案の内容とその問題点はどこにあると考えられているのか、見解を伺います。 あわせて、障害者の生活実態に照らして、自己負担の増に対する見直しには反対の声を上げるべきだと考えますが、伺います。 更に、今回の改革によって、障害施策の実施主体がこれまで各種福祉法によって都道府県と市町村に分かれていたものが、市町村に一元化されることとなりました。その実施に当たっては、障害者計画の策定が義務づけられました。策定に当たっては、必要量やサービス内容へのニーズを充分に把握し、住民の福祉の増進を図るという地方自治の本旨に基づいた計画が必要だと考えますが、どう策定しようとしているのか伺って壇上からの質問を終わります。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  高本議員の御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、出生率低下の要因についてでありますが、様々な考え方が示されている中で、次の5項目が主なものと考えております。 1点目は、女性の結婚年齢が高くなったり結婚しない人がふえている、いわゆる晩婚化、未婚化の進行であります。2点目は、子供よりも自分や夫婦の生活を大切にするライフスタイルの変化、3点目は、核家族化などによる子育てを手助けする人や相談相手の不足、4点目は、働く女性の出産や子育てへの不安、5点目は、子育てや教育にかかわる経済的負担などが主な要点であると認識しております。 次に、次世代育成支援対策行動計画における施策の具体的な手だて、実施時期等についてでありますが、行動計画の策定に当たりましては、全庁的な組織であります策定委員会のほか、市内の子育て関係者や一般公募市民で組織します策定協議会を設置し、委員皆様の御意見などをもとに計画づくりを進めてきたところであります。 本年2月に計画の策定を終了し、市民の皆様には3月発行の広報ねむろでその概要をお知らせしたところであります。本計画は、子供への支援の視点など4つの基本的視点と地域における子育て支援など7つの施策目標及び22の実施施策を掲げ、総合的かつ計画的に推進していくこととしております。 施策の具体的手だてにつきましては、保育サービスの充実など実施施策ごとに現状と課題を明示し、これに対する今後の取り組みを具体的に掲げており、また実施時期につきましても、計画の前期5カ年間における目標を設定し、この実現に向けて努力していくこととしているものであります。 次に、保育所の民営化についてでありますが、近年の核家族化の進行や共働き家庭の一般化、ライフスタイルの変化などから、子育てを取り巻く環境が大きく変化してきております。また、国の三位一体改革による公立保育所補助金の一般財源化や施設の老朽化、一時保育、休日保育など、新たな保育サービスの提供、子育てに不安を持つ保護者に対する支援対策など、多くの課題があります。 更に、平成17年度当初における市立保育所の入所率は83.5%と前年度と比較して約10%減少しており、今後ますます少子化が進行する中で、大幅な定員割れも予想されていることから、保育所の統廃合や民営化についても検討しているものであります。 民営化についてでありますが、現行制度では民営化されても市が民間保育所に対して管理監督の責任を負う立場にあることは変わらず、また民営化することにより、一時保育など新たな保育ニーズに応える可能性が高くなるものと考えております。 次に、介護保険施設への入所待機者解消のための方策についてでありますが、現在、老人保健施設への待機者は8名、療養型医療施設への待機者は4名おりますが、この2施設につきましては施設の形態あるいは利用者の状況等から比較的早い時期に入所できると考えております。 特別養護老人ホームにつきましては、待機者が20名おり、そのうち7名は在宅で待機しておりますが、入所者が長期化する傾向から、待機者の希望どおりに入所できない状況にあります。この解消策といたしましては、根室支庁管内を老人福祉圏域として定員数が定められていることから、この増員について今後とも北海道に対し要請してまいりたいと考えております。 また、希望する施設をいつまでも利用できることが最も望ましいことではありますが、施設を利用できるまでの間、ホームヘルプサービスやショートステイなど在宅サービスの活用について、待機者の御理解と御協力を得ながら対応してまいりたいと考えております。 次に、介護保険3施設等の居住費及び食費の有料化についてでありますが、厚生労働省が特別養護老人ホームをモデルとして示した標準的負担例をもとに、根室市の特別養護老人ホームに入所している50人の方の平成15年の収入額で負担額を試算した結果、負担増となる方が8人、負担減となる方が18人との分析をしたところであります。 なお、残りの24人の方々につきましては、介護保険法の施行前より入所していた方々であり、費用額が施行前より負担増とならない経過措置が5年間延長された方々であります。今後、各施設において、居住者及び食費が設定されますが、負担増となる入居者は、一定以上の収入がある方で、なおかつ年金収入を上回る費用とはならないよう設定されるものであります。 次に、軽減対策の拡充についてでありますが、現在、市が独自に実施しております軽減対策といたしましては、生活困窮者を中心とした保険料の減免と訪問介護を利用している市民税非課税世帯の方の利用料を3%に軽減しております。 御質問ありました介護保険事業運営基金を活用した負担軽減の拡充につきましては、負担の公平性や制度を健全に運営する観点から、慎重に検討していかなければならないものと考えております。 次に、障害者とその家族の生活実態に対する認識についてでありますが、障害のある方々の生活実態というのは、障害の種類、障害の程度、就労の有無、家族の状況等により差異はありますが、障害のある方々とその家族は、療育、教育、就労、日中活動の場の確保、所得保障の問題など、生活を営む上で様々なハンディがあり、それに伴って精神的、経済的負担を強いられていると認識しております。 そのため、市では障害者とその家族の経済的負担軽減のため、他市町村の障害者施設利用者とその保護者に対し、帰省、訪問旅費の支給、重度肢体不自由者等の方々には外出支援のためのハイヤー券の助成、また障害のある方々の自立や家族介護の負担軽減のため、ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイ、訪問入浴サービスなどの在宅サービスの提供、更に障害ある方々の多様な働き方を可能にするため、公共職業安定所と連携した雇用の促進、福祉的就労の場として資源再生センターや共同作業所への支援に努めているところであります。 次に、障害者自立支援法についてでありますが、平成15年度から導入された障害者福祉サービスの支援費制度が、利用の大幅な伸びで財政的に不安定となったことから、将来にわたって安定した財政基盤を確立することが必要となり、見直しが行われたものと承知しております。 ただいま議員が詳しくお話しされましたが、法案の大きなポイントの1点目は、身体障害、知的障害、精神障害など、障害のある種類ごとになっている現行の障害者福祉サービスが一元化され、これまでの保護を中心としたサービスから障害者の自立を支援するサービス、自立訓練や就労支援への転換を図るものであります。 2点目は、利用者負担がこれまでの応能負担からサービス利用料の1割を負担する定率、いわゆる応益負担となるものであります。 国会の審議では、サービスの一元化が図られたことを高く評価する意見がある反面、負担増によるサービス利用の手控えや負担の上限額が本人の収入だけでなく、世帯単位の収入で決められる利用者負担のあり方について議論されているところであります。 次に、法案に対する見解についてでありますが、障害者自立支援法案は、現在、国会で審議中であります。これまでも、全道、全国市長会を通じ、障害者福祉施策の充実に向けて要望してまいりましたが、今後国から示される詳しい内容を待って判断し、対応してまいりたいと考えております。 終わりに、障害者福祉計画の策定についてでありますが、高齢化の急速な進展などにより、障害のある人の増加や障害の重度重複化が進む一方、ノーマライゼーション理念が徐々に浸透する中で障害者の自立や社会参加の意識も高まり、住みなれた地域での生活を望む人がふえてきております。こうしたことから、障害のある人が地域社会の一員として様々な社会活動に参加でき、自立した生活ができるよう、総合的かつ効果的なサービスを提供する必要があります。 このため、3年を1期とし、必要なサービス量を見込んだ障害者福祉計画を平成18年度中に策定することとしているものでありますが、既に資料収集などの作業を進めているところであります。 計画は、障害者の現状を的確に把握するとともに、関係団体、専門家などの幅広い意見を反映しながら策定してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  高本君。 ◆(高本みさ子君)  御答弁をいただきましたので、自席から再質問をさせていただきます。 市長さん、人はだれもが老いを迎えますね。これは避けて通れない宿命です。だから、だれもが安心して老後を送りたいというふうに願っているんですね。それから、障害者は、障害を持って生まれたくて生まれたわけではありませんし、障害を持ちたくて持ったわけでもありません。しかも、人は生きていく上で、生活していく上で、いつ障害を持つかわからない、こんな状態ですね。 私は、お年寄りや障害者や子供たちが安心して住み続けられる町がすべての人が安心して住める町だと、こう思っています。そうした点で、幾つかの点について伺いたいというふうに思います。 1つは、少子化対策についてです。 出生率の1.32ショックが覚めやらないうちに、また1.29まで下がってしまいました。子供を産み育てやすい環境づくりというのは、緊急の重要な課題だというふうに思うんです。私、機会がありまして、奈良女子大の中山先生の講演を聞く機会がありましたけれども、中山先生は、今少子化対策を抜本的に強化しなければ手おくれになる、こういうふうに警告をしておりました。そういう意味では、この策定された次世代育成支援行動計画、この7つの施策目標を具体的に推進するということが求められているんだというふうに思います。 しかし、具体的に進めることが、少子化対策、次世代育成支援に逆行するものも含まれていると言わなければなりません。それは、壇上でも申し上げましたけれども、保育所の統廃合、民営化を打ち出していることですね。私が言うまでもなく、保育所というのは父母の働く権利を保障する、子供の発達権を、成長権を保障する、こういう両側面を持っていて、これを公的に保障しなければならないものですね。 児童福祉法では、市町村は児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う、こういうふうにうたっているわけですけれども、民営化というのは保育から行政が手を引くということですね。市町村の子供たちを健やかに成長する責任を放棄するというのが、民営化の打ち出しですね。しかも、先ほど市長の答弁の中で、民営化することにより一時保育など新たな保育ニーズに応える可能性が高くなるという答弁がありましたけれども、その根拠は一体どこにあるんですか。民営化すれば、市民が望むニーズに応えることができるという、その根拠はどこにあるのか、明確にお答えをいただきたいというふうに思います。 一部のベビーホテルや劣悪な認可外保育所で、死亡事故など重大な事故が各地で起きていることもありますね。しかも、企業の論理として、利益がなければ撤退するということは、これはある得ることですね。民営化すれば新たな保育ニーズに応えられる、こんな御答弁でしたが、どこに根拠があるのか改めて伺いたいと思います。 2点目は、介護保険制度についてです。 介護施設、とりわけ特別養護老人ホームの入所待機者は、制度発足以来、恒常化していますね。介護保険制度の創設に当たってサービスを選択できる。だから、保険料の負担もしていただくと。こういう大宣伝がされたわけですけれども、実際には選択できない、こんな事態が制度発足以来続いているわけです。 市長は、これまでも、特別養護老人ホームの増床は根室支庁管内を老人福祉圏域として定員数が定められているから、困難だと答弁してきました。今回の答弁も、同じです。 実は、先ほど神議員さんの方から御紹介ありましたように、このさきの6月2日、3日、全道の日本共産党の議員が集まって道庁交渉を行いました。この特別養護老人ホームの待機者解消のために、私どもは特養ホームなどの入所定員規制をやめ、地域の実情に合った定員総数にするよう求めました。その道の回答が、特別養護老人ホームなど介護施設については、市町村が見込んだサービス量を圏域ごとに積み上げて必要入所定員総数を定めているものであり、市町村は地域の実情などを充分勘案して必要なサービス量を見込んでいるものと認識していると、こういう回答でした。 つまり、定員総数は、市町村が見込んだものだと、こういうふうに道は言っているんです。市は、福祉圏域で定員数が定められているから増床は困難だと。ここに大きな開きがありますね。この開きについて、御説明をいただきたいというふうに思います。 更に、先ほど市長さんの答弁の中で、希望するサービスが利用できるのは望ましいけれども、施設を利用できるまで在宅サービスの活用でと答弁されました。ホームヘルプサービスやデイサービスを利用したとしても、在宅では家族介護に頼らざるを得ない実態になりますね。 お年寄りの皆さんは、住みなれた土地、住みなれた家で一生を送りたいというふうに願っています。家族の方もできることならこのお年寄りの望みをかなえたいというふうに思っているんですけれども、しかしそれができないから入所を希望しているわけですね。家族の皆さんは仕事を制限して介護に当たる、あるいは老老介護で心身ともに疲れ果てる。こんな事態を強要するものだというふうに言わざるを得ない。基盤整備のおくれが、介護保険制度の本旨である介護の社会化、サービスの選択、これから大きくかけ離れたものになっているというふうに指摘せざるを得ないというふうに思います。 次に、障害者対策についてですが、私は壇上で障害者自立支援法案の問題点がどこにあるかと、市長は考えられているのか伺いました。しかし、この法案に問題点はないというふうに考えられているのかどうかわかりませんが、明確な市長の見解は聞かれませんでした。障害者とその家族の置かれている実態が本当にわかっているのだろうかというふうに疑わざるを得ない状況です。 壇上でも申し上げましたけれども、この法案の最も重大な問題点は、これまで障害者施策で維持されてきた応能負担を応益負担にかえる、そして障害者に大きな負担を求める、大きな負担を強いる、ここにあるんです。応益負担ですけれども、障害者の支援というのはマイナスからの支援、これがなければ生活できない、こういう支援であって、応益などというものではありませんね。 確かに、低所得者のための上限設定や激変緩和措置が考えられているようではありますけれども、障害が重くて多くの支援を必要とする障害者ほど、大幅な自己負担を強いられることに変わりはありません。国民年金基礎年金受給者、1級で年額100万円、2級で80万円です。月額2級では6万6,000円です。多くの障害者がこの障害基礎年金のみの収入、こういう実態です。こうした中で、財布の中身と相談しながらサービスを選ぶ、こんな事態になる。これが応益という形で負担を求めていく。こんな理不尽なやり方ないと思うんです。 医療費も原則1割負担になりますね。しかも、ことし10月からの実施です。これもまたお金がなければ命を削る、こんな事態につながるものだと言わなければならないのです。障害者の置かれている実態を無視して、公平論だけを振りかざして更に負担を強いることは絶対にあってはならないことだというふうに思います。 国会で今審議中でありますけれども、それを見守るだけでは、見守っているだけでは、根室市の障害者を守ることはできない。今声を上げなければならないというふうに私は思います。改めて、この法案に対する市長の見解を伺いたいと思います。 ○議長(嶋津隆之君)  藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  高本議員の再度の御質問にお答え申し上げます。 まず最初は、出生率低下についての解消策についてのお尋ねでありますが、当市の場合は、子育てへの不安や相談相手の不足などについて親と子が気軽に集い交流する場として、集いの広場事業を平成18年度中に開設するというような具体例を持っているところでございますが、様々な要因がございます。行動計画に掲げている施策を総合的かつ計画的に推進してまいる考えであります。 次に、保育所の民営化についてでありますが、一時保育など新たな保育サービスの提供が求められておりますので、民営化することによりニーズに応えられる可能性が高くなるものと私は考えております。民営化されても、市が市立保育所に対して管理監督の立場にあることは変わらないわけでございます。また、民間保育園でも一時保育など新たな保育サービスの実施について検討していきたいとの考えが現に示されているわけでございます。 市では、今月10日に民間保育園、幼稚園と第1回目の協議を行いまして、当市の少子化の現状などやそれぞれが抱えております問題点などを協議したところでございます。今後も引き続き協議を行い、よい方向が見出せるよう、あらゆる確度から検討してまいりたいと考えております。 次に、介護保険施設への入所についてでありますが、先ほどもお答えいたしましたが、当市の実態からお答えしたわけでありますが、老人保健施設並びに療養型医療施設につきましては、比較的早い時期に入所できるというような状況でございますが、特別養護老人ホーム、特養ホームにつきましては待機者がかなりおり、そしてその待機者が長期化するという傾向等から、待機者が希望どおりに入所できないというような状況にあることは間違いない事実であります。 その解消策としては、先ほどもお答えしましたが、当根室支庁管内を老人保健福祉圏域として、定員、定数制が定められておりますから、この増員について道に対して要請してまいるという考えであります。 また、希望する施設をいつでも利用できることが最も望ましい、これは間違いないことでありますが、施設を利用できるまでの間、在宅サービスの活用等について待機者の御理解と御協力を得ながら対応してまいりたいと、そのように考えております。 また、障害者自立支援法についてのお尋ねでありますが、先ほどもお答え申し上げましたように、この法案は現在国会で審議中であります。この法案の大きなポイントの一つであります制度の統合化と支援の個別化は、ノーマライゼーションの理念に通じるものであり、高く評価されておりますが、一方ではただいま議員が指摘のとおり、応益負担の導入による費用の1割負担、1割自己負担や家族にも及ぶ負担が国会でも議論の的になっているところであります。 増大する福祉サービスの費用を利用者全体で負担し支え合う仕組みをつくるというのが、国の考え方でありますが、負担増で利用を手控えるというケースが増加するとすれば、自立の助長につながらないなど、法改正本来の趣旨が損なわれる心配はあると思います。 いずれにいたしましても、この法案は、先ほどからお話ししているように、現在国会で審議中であり、詳細は法案成立後に示されるということであります。また、家族負担の免除など一部軌道の修正が行われるというような報道もされておりますので、今後示される詳しい内容等を待って判断し対応してまいります。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  高本君。 ◆(高本みさ子君)  時間がありませんから、1点だけお聞きをしたいと思うんですが、障害者自立支援法案、先ほども言いましたけれども、確かに今国会で審議中です。だけれども、今根室市の障害者の皆さんの生活実態をよく認識していただいているならば、この法案がこのまま通ったら大変なことになるということをぜひ感じていただいて、このときだからこそ、今声を上げていかなければならないというふうに私は思っているんです。 何よりも、この法案、今もう参議院で審議中ですけれども、制度移行は2006年4月からの実施ですけれども、その一部であります利用における定率負担、それから食費などの自己負担、これは医療関係ではこの10月から始まるんですね。福祉サービスは2006年1月から既に実施をされると、スタートすると、こういう状況で、急遽国会に提出したということもあって、障害者やその家族に充分この内容が知らされていない、その中身が全く知らされていない。こんな問題もあるわけです。 だからこそ、やっぱり今障害者の置かれている実態からして、障害者の生活を守る、障害者の自立を本当に支援していく、こういう立場に立って、今審議されているこの法案に対してきちっと問題点を指摘していく、声を上げていくべきだというふうに私は思います。 改めてこの点について伺います。 ○議長(嶋津隆之君)  暫時休憩します。         午後3時39分 休憩         午後3時39分 開議 ○議長(嶋津隆之君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 藤原市長。 ◎市長(藤原弘君)  高本議員の再々の御質問にお答え申し上げます。 先ほどもお答え申し上げましたとおり、障害者自立支援法案については、現在国会で審議中でありますので、詳細は法案成立後に示されるということでありますので、その結果と内容等を待って判断し、対応してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(嶋津隆之君)  以上で本日の議事日程はすべて終了いたしました。 明日は引き続き午前10時から本会議を開きますので、定刻までに御参集をお願いいたします。 本日はこれをもちまして散会いたします。 御苦労さまでした。         午後3時40分 散会    上記会議の記録に相違ないことを証し、ここに署名する。       平成17年6月21日           議  長 嶋 津 隆 之           署名議員 鈴 木 一 彦             〃   澤 崎 文 剛             〃   滑 川 義 幸...