北見市議会 > 2022-06-17 >
06月20日-03号

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  1. 北見市議会 2022-06-17
    06月20日-03号


    取得元: 北見市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-03
    令和 4年第4回 6月定例会〇議事日程日程 番号事件番号内  容  等第1  会議録署名議員の指名について第2  令和4年度市政執行方針に対する質疑並びに一般質問について     ──────────────〇会議に付した事件 議事日程に同じ     ──────────────〇出席議員(29人)    1番       石 橋 勝 美    2番       佐々木 直 美    3番       椎 名   成    4番       上 野 庸 介    5番       林   佳奈子    6番       小 椋 則 幸    7番       鬼 塚 英 喜    8番       大 平 亮 介    9番       菊 地 ル ツ    10番       大 林 愛 慶    11番       清 水 隆 吉    12番       今 野 祐 子    13番       藤 澤 昌 隆    14番       大和田 三 朗    15番       木 幡 裕 之    16番       石 井 宏 治    17番       西 本 嘉 伸    18番       杉 野 智 美    19番       楢 山 直 義    20番       鈴 木 正 孝    21番       稗 貫 秀 次    22番       清 水 誠 一    23番       大竹口 武 光    24番       大 塚   徹    25番       横 山 明 美    26番       佐々木 勇 一    27番       稲 葉 典 昭    28番       鈴 木 仁 志    29番       有 城 正 憲     ──────────────〇欠席議員(0人)     ──────────────〇出席説明員 市長          米 沢 則 寿 副市長         前 田 正 明 副市長         田 中 敬 二 公営企業管理者     中 野 雅 弘 教育長         池 原 佳 一 代表監査委員      川 端 洋 之 政策推進部長      関 口 俊 彦 総務部長        廣 瀬   智 市民福祉部長      下 野 一 人 都市環境部長      和 田 亮 一 上下水道部長      倉 口 雅 充 学校教育部長      広 瀬 容 孝 生涯学習部長      井 上   猛 監査委員事務局長    河 本 伸 一     ──────────────〇事務局出席職員 事務局長        小 池 晃 一 書記          木 下 忠 実 書記          澤 口 智 邦 書記          西 端 大 輔 書記          鈴 木 秀 平 書記          石 山 亮 太 書記          蓑 島 優 貴 書記          橋 場 大 地     ~~~~~~~~~~~~         午前10時0分開議 ○有城正憲議長 ただいまから、本日の会議を開きます。     ~~~~~~~~~~~~有城正憲議長 ここで、事務局長に本日の議事日程などについて報告させます。 ◎小池晃一事務局長 報告いたします。 本日の出席議員は29人全員であります。 次に、本日の議事日程でありますが、お手元に配付の議事日程表第3号により御了承いただきたいと思います。 報告は以上であります。     ~~~~~~~~~~~~有城正憲議長 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、25番横山明美議員及び26番佐々木勇一議員を指名いたします。     ~~~~~~~~~~~~有城正憲議長 日程第2、6月17日に引き続き令和4年度市政執行方針に対する質疑並びに一般質問についてを議題といたします。 初めに、藤澤昌隆議員から発言の通告があります。 13番藤澤昌隆議員、登壇願います。   〔13番藤澤昌隆議員・登壇・拍手〕 ◆13番(藤澤昌隆議員) おはようございます。 通告に従いまして順次質問させていただきます。 公明党会派を代表いたしまして、市長の市政執行方針に対しまして代表質問をさせていただきます。 まず、4期目の御当選おめでとうございます。いよいよ市長の4期目の挑戦が始まりました。時代はコロナ禍と少子・高齢化による人口減少と、さらにはロシアによるウクライナ侵略戦争、それに伴った燃油高騰や物価高騰など、ますます厳しい時代に突入いたしました。いかに域内の経済を立て直し、困窮する市民生活を支え、バスやタクシー、トラックなどの運輸業や落ち込んだ観光業など、経済の立て直しは急務であります。 一方で、デジタルやカーボンなど取り組まなければならない課題もあり、市はこれらをどのように取り組んでいくのか、そして病んだ経済をどのように立て直し、力強い産業や新たな起業をどのように見いだしていくのか、極めて重要であります。 そこで伺います。 市長は、公約新しい未来をつくるの柱の4つめで、新型コロナウイルス感染症から市民の生命と暮らし、地域経済を守りますと掲げました。市長は、3期12年間の成果をどのように評価し次へのステップを踏もうとしているのか、また次の4年間の課題は何なのか、伺います。 市長は、記者会見の中で、全ての市民の幸せを基本といたしまして、また全ての公約の実現に向けてと冒頭話されました。新しい時代に向けて、市長はどのように施策を展開し取り組まれていくのか市民にしっかりと伝えるべきであると考えますが、併せて伺います。 平和について伺います。 まず、ロシアの侵略戦争により亡くなられた方々と避難されている方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、心からお悔やみを申し上げます。 ロシアによるウクライナへの非道な侵略を強く非難するとともに、国においては国際法に基づき、国際社会と連携を強くして一刻も早い停戦を求めてもらいたいと思います。 戦後生まれでこの日本で平和に暮らしていた我々が、まさか侵略戦争という現実を目の当たりにするとは誰が想像したでしょうか。戦争は起こしてはならないし、してはならない。唯一の被爆国である我が国が、21世紀の現代において核の使用も辞さないとのロシアの言動に、ウクライナ侵略戦争が隣国のこととは済まされない事態に危機感を感じているのは決して私だけではないと思います。 歴史をひもとけば、帝国主義が巻き起こった時代は、1870年の列強諸国の植民地獲得競争から1945年の大日本帝国の敗戦までと言われております。まさに日本もその渦中で帝国主義を貫き通しました。 しかし、戦後、帝国主義は終わったかのように見えましたが、完全に姿を消したわけではなく、領土の拡張、拡大や国民の意思統一といった特徴は今も根強く残っており、今回のロシアによるウクライナ侵略はまさにその名残を現実に肌で感じている次第であります。 核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずといった非核三原則は、日本の安全保障の骨格です。そのおかげで日本が軍事大国にならず、平和国家の道を歩む中で重要な役割を果たしてきました。 国会議事録に初めて非核三原則という言葉が載ったのは、1967年12月、公明党の衆議院代表質問でした。その後、沖縄返還前の1971年に大激論になったのが、沖縄から核兵器撤去、再持込みの拒否、米軍基地の縮小でありました。 しかし、日米同盟の不備欠陥から国会では紛糾、当時社会党、共産党が本会議のボイコットで議論から逃避する中、公明党は出席を決断し、協定に反対を貫きつつも自民党との厳しい交渉で最大限の譲歩を引き出し、非核三原則を盛り込んだ同協定の附帯決議を実現いたしました。これに対し、当時の佐藤栄作首相は、厳粛に遵守すると明言され、1972年の沖縄返還の際に日本全土に非核の平和原則が適用されることとなりました。 もし当時公明党も本会議ボイコットの行動を取っていれば、強行採決の中で非核三原則は守られなかったということになります。私たち公明党が、平和の党、公明党として胸を張って言える原点がここにあります。 昨年、帯広市では、核兵器廃絶平和都市宣言から30周年を迎え、実行委員による記念誌も発行いたしました。平和を願う思いは世界中同じであり、誰もが得られる権利であります。この混沌とした世界情勢の中にあって、改めて市長の核廃絶に対する思い、また平和に対する思いをお聞かせください。 ウィズコロナにおける感染症と経済対策について伺います。 今新型コロナウイルス感染症は、全国的には下火になりつつありますが、この4月、5月と十勝における新規の感染者は高止まりの状態でありました。 毎週月曜日に発表される十勝の1週間ごとの感染者数は、5月22日の週で794人、次の週は610人、そして552人と、徐々にその数を減らし、帯広の感染者数もそれに伴い、368人、292人、233人と、こちらも減ってきておりますが、毎日報告される数字を見ますと、なかなか減らないなというのが実感ではないでしょうか。 全国的にまん延防止等重点措置が解除となり人の往来が多くなる中、本市におきましても、まちなかのにぎわいは少しずつ戻りつつありますが、今後はいかに感染予防をしながら経済を回し日常を取り戻していくかであります。 さらには、そこに追い打ちをかけるように燃油高騰、物価高騰がトリプルパンチのように降りかかってきました。新型コロナウイルスで落ち込んだ経済を立て直そうと思った矢先のロシアによるウクライナ侵攻は、その余力をつける間もなく大きなダメージを受けております。 我が公明党会派は、5月25日、燃油高騰、物価高騰における地方創生臨時交付金の有効活用を訴え、子育て世帯の支援や水道料金など公共料金の負担軽減、また地域公共交通やトラックやタクシーなどの事業継続のための経営支援など、6項目にわたり要望書を提出したところであります。 さて、感染症対策ですが、ウイルスは新型コロナウイルスが毒性の強いデルタ株から感染力の強いオミクロン株に移行していったように、重篤化は減少しつつありますが、軽症で広く感染力の強いものが残る傾向にあります。現段階でも、感染予防対策は、マスク、手指消毒、そしてワクチンの三種の神器が確実であります。しかし、そこまでやっても十勝においてはこの4月、5月の新規感染者数は高止まりの状態でありました。 今、感染力の強いオミクロン株に対して3回目接種が有効と知りつつも、3回目をちゅうちょしている市民も少なくありません。 新型コロナウイルス感染症の規制が全て解除となり流動人口も増える中で、今後の帯広市の感染予防対策はどのように取り組んでいくのか、伺います。 また、新規感染者がゼロにならない中で、無症状や軽症の陽性者または濃厚接触者はほとんどが自宅待機、自宅療養となっています。全体的に落ち着きを取り戻しつつありますが、議会の中でも問題視されました自宅療養者への食料の配給がいつまでたっても来ない、連絡もないということが起こっております。 1か所の保健所で賄うには許容範囲を超えてしまった状況は、今はどうなったのでしょうか。市と保健所の連携の下、速やかに配給物を届けなければならないという課題はどのようになったのか、併せてお答えください。 4回目のワクチンについても伺います。 3回目の接種から5か月経過した人で、60歳以上もしくは18歳から59歳までの基礎疾患のある方が優先的に対象となっています。帯広市で対象者はおよそ7万人、スケジュールを確認しましたところ、6月17日から順次ワクチン3回目を接種してから5か月を経過した人へ接種券を発送、そして今日からでありましょうか、20日から接種を開始しますが、準備には怠りないでしょうか。 60歳以上の接種券の発送は問題ないと思いますが、18歳から59歳までの基礎疾患がある方の接種に関してはどうしても手挙げ方式となるので、その周知が難しいと思います。感染予防、そして重篤化を防ぐためにも、ワクチン接種は現段階においても有効な手段であります。4回目接種の取組みについて伺います。 経済対策について伺います。 今議会において、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を使っての補正予算が組まれました。この予算は機動的、効率的に使うべきであります。 今回補正予算の金額は、一般会計、企業会計合わせて11億1,630万円、うち新型コロナウイルス対策費用は6億8,000万円余りとなっております。特に国において、コロナ禍における原油価格、物価高騰対応分の1兆円の新たな枠組みがつくられていますので、生活者や事業者をより支援していく取組みをどう展開していくのか、市民も注目をしております。 内閣府地方創生推進室の説明の中で、真に生活に困ってる人への支援措置の強化がうたわれており、申請のないことを理由に受給できない世帯に対しプッシュ型で給付をするという積極的な取組みも推奨されています。 そこで伺います。 市長は、一昨年来コロナ禍における市民生活や飲食店業、中小零細企業などつぶさに見てこられたと思います。そして、そこに様々な施策を打ち予算づけをしてまいりましたが、この2年に及ぶコロナ禍の状況は本当に景気も経済も病んでしまいました。その施策が手元になかなか届かない、もっと支援をという声も数多くあったことも事実だと思います。本市は、このたびの地方創生臨時交付金を活用するに当たり、もっときめ細かな配慮をという声も多い中、どのような予算組みをされたのか。そして何に重点を置き、広く行き届く取組みをしているのか、生活者支援事業者支援の2項目について、その考え方と取組み方をお答えください。 さらに伺います。 新型コロナウイルス関連の予算の大半がプレミアム商品券の事業であります。特に疲弊する飲食店への応援として飲食店用のプレミアム商品券は、前回よりも多く発行するということを伺っております。これらの事業は、病んだ経済に活力を生む消費喚起の観点から、ちゅうちょなく取り組むべき事業だと思います。 その反面、市民の中には、その商品券すら買うことが難しい市民も多くいるということを忘れないでいただきたい。我が会派には、商品券はよいけれども、その商品券を買う余裕がないとの相談も受けているところであります。経済を回し、かつ市民の生活をも守らなければならない状況を市長はどのように考えますか。御所見を伺います。 食で価値をつくるまちについて伺います。 市長就任以来3期12年、フードバレーを展開してきました。フードバレーは農林漁業を成長産業にし、食の価値を創出し、とかちのかちを売り込むという、3つの柱の下、展開されたものと認識をしております。 そしてもう一つは、十勝・イノベーションエコシステムで見られるような人材育成、起業創出の成果は着実に実っているものと思います。十勝の資源を生かし、そしてあらゆる人との出会いの中で新しい人脈や発想が生み出され、そういう積み重ねが相乗効果をなしてさらなるステップに進んでいくのだろうと思います。 私は、新たな人材育成や掘り起こしを進める十勝・イノベーションエコシステムに物すごく期待をするとともに、起業、創業した人材が帯広の地元に残って活躍されることを心から願っております。 市長は、広報6月のコラムにフードバレーとかちの副題としてニューステージという言葉を使いました。また、市政執行方針演説の中でもニューステージという言葉を使っていますが、市民からは、フードバレーが見えないとの声も聞きます。つまりニューステージと言っても、その成果が市民に実感されなければそれは単なる継続にすぎません。 そこで伺います。 フードバレー12年間の中で、私たち議員は事あるごとに報告は受けておりますが、市民にとって一番身近なフードバレーの成果とは何なのか、お答えください。 その上で、次のフードバレーの取組みに新しいアイデア、発想はあるのでしょうか。そして、市長の言うニューステージとはどういう展開なのか。この12年間の成果と次の4年間の取組みについて伺います。 農業政策について伺います。 令和3年度の十勝管内農協取扱高は3,735億円、前年比108%の増となりました。耕種部門1,484億円、前年比113%、畜産部門2,251億円、前年比105%と、当初目標としていた3,500億円という目標を前倒しして大きく超えたと伺っております。 その反面、コロナ禍による飲食店の休業や観光産業の停滞で作物や生乳などが行き場を失って大変な状況であったこと、本当に農家さんには頭の下がる思いであります。 さらに、追い打ちをかけるように、燃油の高騰とロシアによる戦争の影響で、新聞にも報道されましたが、ホクレンの話では主要化学肥料について平均78.5%値上げをすることを発表しました。生産現場では、燃油価格の高騰やほかの生産資材も高止まりしている中で営農に欠かせない肥料価格の高騰が重なる、国際流通の中での話なのでやむを得ないが、何とかしてほしいとの声があちらこちらで上がっています。そして、この影響が野菜や乳製品などの価格として跳ね返ってくることは必至です。 市長は、この現状を少しでも緩和するため、市としてできることはないのか、市長の認識と対策について伺います。 化学肥料についても伺います。 3月議会の一般質問でも行いましたが、日本はリンやカリウムのように100%輸入に頼っている肥料もあります。みどりの食料システム戦略では、輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量を2050年までに30%低減することを目標に掲げています。しかし、このような肥料の価格が78%の値上げ、全農は6月から10月に販売する肥料の価格を最大94%値上げするとの報道もあります。 大規模農業の十勝において非常に厳しい状況でありますが、目標を前倒しして化学肥料を有機肥料に徐々に展開していく、また化学肥料の割合を低減していく、またデジタル技術を駆使した効率のよい肥料散布を推奨するなどの思い切った施策が必要ではないかと考えますが、市長の御所見を伺います。 今十勝の高速道路の計画は、まず大樹-広尾間の工事が決定し、さらには足寄-陸別間の工事も凍結解除となり、いよいよ物流の未来が明けてまいりました。このことは観光にも大きな影響を与えます。 2030年、北海道新幹線が札幌まで延伸するに当たり、新幹線の本数が増えると貨物の本数が減るという課題がありました。そうなると、大量輸送で十勝からの作物が新鮮なうちに本州に行き届かないということになります。そこで、公明党としても、道議会、また国会議員と連携をし、第2青函トンネルの建設を訴え議論を深めているところであります。 市長は、市政執行方針の中で、食料の備蓄、加工、物流の拠点の実現に向けて検討すると言われました。道東道、道東釧路や北見から札幌方面に向かう、道南道央から道東へ向かう、その結節点となるのは十勝・帯広であります。そう考えますと、帯広が物流拠点にという考え方は理にかなった考え方であります。改めて物流拠点に向けた考えをお聞きいたします。 また、ある方から、北海道は食料基地とは言うけれども食料生産が主だ、そこに加工、貯蔵があって初めて食料基地になるとのお話をお聞きしました。なるほどと思ったわけでありますが、十勝・帯広における6次産業はまだまだ弱いのではないかと思いますが、6次産業に向けた市長のお考えもお聞きいたします。 十勝・イノベーションエコシステムは、非常に順調に進んでいると考えられます。企業においては、人は要であり、全ては人で決まります。人は石垣、人は城とは武田節の一節でありますが、その意味合いは、人心こそ強固な城以上の価値があり、人があっても心が離れてしまえば何にもならないという意味ですが、人材は企業にとっても重要な要であります。 十勝・イノベーションエコシステム推進計画を見ますと、地域の現状を分析する中では事業者数及び従業員数は増加傾向にあるものの、創業比率は全国、全道を下回る傾向にあると分析しており、その要因としてロールモデルの成功事例の少なさ、支援人材の不足、またチャレンジ人材を継続的、持続的にサポートできない体制があると分析しております。その解決策として、この十勝・イノベーションエコシステムの事業を展開しているものと理解をいたします。 市長は、この人材育成の発掘、十勝における起業、創業の後押しを4期目、どのような展開を考えているのか、お考えをお聞かせください。 また、このプログラムが始まってから7年間で参加人数は延べ542人、発表された事業構想数57件、うち事業化件数は19件となっています。この評価についても伺います。 次に、森と公園に暮らすまちについて伺います。 市長は、市政執行方針の演説の2つ目、森と公園に暮らすまちの中で緑ヶ丘公園の魅力向上と少年院跡地の土地利用を相互に関連づけて検討するとしました。少年院が閉庁となった跡地利用は、2年前から我が会派として真っ先に訴えてきたところであり、まちづくりの観点から帯広市にとって次の50年の帯広のまちの形をつくる非常に重要な政策であり、事業であり、場所であると考えます。 私は、かねてから帯広のまちづくりの方向は田園都市であったものに、これからは教育という新たな方向性を付加させた田園文教都市構想にと提案をいたしました。その文教都市構想にふさわしい場所と広さを兼ね備えているのが、少年院跡地であります。 さらに言うならば、新しいまちづくりや再開発は、古いものを壊し新しいものをつくりますが、少年院跡地はほぼ更地に近い状態となりますので、ゼロから帯広の未来のまちを創造しながら、そして斬新でかつ大胆な計画が立てられるという点で非常に好条件であり、今は全国どこを探してもこのような土地はないのではないでしょうか。 当初は、畜産大学を含む北海道国立大学機構の設立に伴い、少年院跡地を大学のサテライトや研究機関などの誘致にと提案をさせていただきました。国立大学機構もどういう形になるのかも分からない中での発案でありましたので、私の中でも多少無理があったのではないかと思うところもありますが、しかしまちづくりの観点から、それが大学であれ、専門学校であれ、研究機関であれ、文教都市構想は持続可能なまちづくりのモデルになると考えます。 人生百年時代、学びは一生できるものであります。帯広のまちづくりの最初の100年は近代田園都市、そして、次の100年を田園文教都市として展開していくことを改めて提案をいたします。 真っ白いキャンバスに何を描くのか、帯広市民も非常に注目をしているところであり、ここは市長のリーダーシップの見せどころだと思います。市長の言われた緑ヶ丘公園の魅力向上と少年院跡地の土地利用を相互に関連づけて検討するといった構想とはどういうものなのか、お答え願います。 また、帯広の森についても触れております。 帯広の森は、総面積406.5ヘクタール、幅550メートル、延長は11キロにも及ぶ人工の森です。その構想は、当時吉村市長時代近代的田園都市まちづくりに端を発し、昭和44年に訪れたオーストリアのウィーンの森に感銘を受け、帯広にもこれをモデルとした森をつくろうと考えたことがきっかけでありました。その後、帯広の森と街を創るグリーンプランが昭和45年に発表、そして帯広の森造成計画が策定され、昭和50年6月1日、記念すべき第1回帯広の森市民植樹祭が行われております。植樹祭は30回を数え、延べ14万8,000人、23万本の木が植えられました。そして、いよいよ再来年の令和6年には、第1回の植樹祭から50年目の節目を迎えます。 帯広の森は、植樹から育成期を経て、今は森林形成期に入っております。そして、今は指定管理者が帯広の森を管理し、そして多くのボランティア団体が市民協働の下、森の育成に携わっていただいております。今や市民の憩いの場となっている帯広の森、市民協働でつくられたまれに見る人工の森、帯広の森を市長は今後どのように醸成し利活用していくのか、市長のお考えをお聞かせください。 環境・デジタルで輝くまちについても伺います。 本年2月に閣議決定しましたみどりの食料システム戦略ですが、3月の一般質問でも初めて取り上げましたが、極めて内容が幅広く、そして深い内容でもあります。改めて質問したいと思います。 政府は、本年2月に自然環境に配慮した農林水産業の推進を目指してみどりの食料システム法案を閣議決定いたしました。その内容は多岐にわたり、2050年度までに化学農薬の使用量を50%減らす、自然に負荷をかけない有機農業に換えていく、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けスマート農林水産業によるゼロエミッション化、地産地消型エネルギーシステムの構築、農地、森林、海洋における炭素の長期大貯蔵など、ありとあらゆるイノベーションが求められます。 今回の補正予算には、みどりの食料システム戦略の補助金を用いて、バイオマス地産地消推進事業費として120万円の実証実験費用が計上されました。メタン発酵消化液の地域内利用促進のための実証実験に対する支援としていますが、みどりの食料システム戦略の入り口としてはよいと思いますが、予算的にも、また規模的も小さいと感じます。本市は今後どのような取組みをしていくのでしょうか、市長の考えをお伺いいたします。 ゼロカーボンについても伺います。 令和2年10月26日、菅前総理の所信表明演説で、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことと宣言いたしました。 先ほどのみどりの食料システム戦略に見られるように、単に我慢をしてCO2を削減するのではなく、社会経済を大きく転換し、投資を促し、生産性を向上させ、産業構造の大転換と力強い成長を生み出すものになる、つまりカーボンニュートラルは、単にCO2をゼロにすることが目標ではなく、産業構造の大転換と力強い成長を生み出すことが最大の目的であると言われています。 このゼロカーボンの事業、施策は、大きなプロジェクトだと思います。今議会でゼロカーボン宣言したことは評価をいたしますが、道内では道と63市町村、十勝管内では鹿追、足寄など7町村がゼロカーボン宣言をしております。早くから環境モデル都市を宣言しバイオマス都市を宣言している本市は、令和2年の国による宣言に即呼応すべきであり、出遅れた感は否めません。しかし、宣言をした以上は環境モデル都市に恥じない取組みを期待するものであります。 そこで伺います。 市長は、帯広市のカーボンニュートラル、2050年カーボンゼロをどのように取り組むのでしょうか。 さきにも述べましたが、本補正予算にあるメタン発酵消化液の地域内利用促進はカーボンニュートラルの取組みの取っかかりとしては理解しますが、ゼロカーボンを推し進めるには全然物足りません。国が示したみどりの食料システム戦略構想を大胆かつ着実に進めなければ、その実現は難しいと思います。市長の御所見を伺います。 デジタル田園都市についても伺います。 デジタル田園都市構想とは、岸田首相が発表したデジタル実装を通じて地方が抱える課題を解決し、誰一人取り残されず、全ての人がデジタルのメリットを享受できる心豊かな暮らしを実現する構想であります。 デジタルの力を前面に活用し、地域の個性と豊かさを生かしつつ、都市部に負けない生産性、利便性を兼ね備え、心豊かな暮らし、ウエルビーイングと持続可能な環境、社会、経済、サスティナビリティの実現を目指すとしています。 そして、政府は、今後地方創生関係交付金などによる分野横断的な支援を通じ、デジタル化を活用して地域の課題解決に取り組む自治体の数を2024年度までに1,000団体に展開する計画であります。 さて、本市では、行政サービスにおいては、マイナンバーカードの推進により行政手続の簡素化や利便性の向上、教育現場では、GIGAスクール構想により教育現場におけるWi-Fiインフラの整備、1人1台のパソコンの貸与、コロナ禍の影響で接触を避けるオンライン授業の展開など、国の施策によって進んできたものもありますが、岸田首相はさらなる展開をデジタル田園都市構想という形で進めようとしております。 そして、市長は、市政執行方針演説の中で、行政におけるデジタル技術の活用、新しい移動サービスの実証、実装や学校教育現場においては多彩な授業づくりをと言われました。この言葉の中には、誰一人取り残されず全ての人が享受できるというきめ細かな取組みが見えてきません。改めて市長の環境・デジタルで輝くまちで目指そうとしているものは何か、お尋ねいたします。 観光行政について伺います。 観光立国推進基本法が施行されたのは平成19年1月、そして観光立国の実現に関する基本的な計画として平成29年に観光立国推進基本計画が閣議決定されました。そして、国を挙げて観光に力を入れ、外国人旅行者を2020年には4,000万人、2030年には6,000万人の目標を立て、その推進は目をみはる勢いで進み、2019年には3,188万人の外国人訪問という過去最高の実績をつくりました。 しかし、2020年、世界中に広まった新型コロナウイルスで、世界中で移動の禁止が始まり、2020年の訪日外国人は411万人まで激減、翌2021年にはさらに24万人まで減り、日本で外国の旅行者はほとんど見られなくなり今に至っています。 しかし、そんな状況も、今年に入り世界の感染状況が少しずつ下降線をたどり、日本においても目に見えて新規感染者数の数字が下り始めました。その状況下で、政府は外国人旅行者の規制を緩和、6月1日から、その数を2万人に、その後3万人にまで緩和を発表しました。今後インバウンドは徐々に回復してくると思いますが、十勝・帯広がその恩恵を受けるのはまだ先の話になるかもしれませんが、特に地方都市はまず国内旅行に目を向けて、足元からしっかりと取り組んでいかなければなりません。 そこで、本市における観光政策について伺います。 札幌においては、多少の規制はあるもののよさこいソーラン祭りが行われました。本市においても、今まで中止をしてきた祭り等のイベントを再開する運びとなっております。また、勝毎の花火大会も、感染拡大を考慮しての開催となるようであります。 さて、いよいよ日高山脈襟裳国定公園の国立公園化に向けた現地視察が始まりました。国立公園化ともなれば、国内最大規模の面積を誇る国立公園が誕生します。トカプチ400も認定されました。総合計画では、アウトドアの聖地にするという大きな施策を掲げていますが、大自然の空間を生かした観光は今後北海道観光の目玉になることは間違いありません。徐々に人の流れが戻ってくると思いますが、コロナ後の観光ということを考えると、今までの積み重ねではなく、新たな帯広の観光の魅力の発信が必要だと考えます。つまり新しい観光のグランドデザインを考えるべきではないかと思いますが、御所見を伺います。 保健福祉行政について伺います。 年を重ねるごとに心配になってくるのが、健康と介護のことです。人間、どんなに健康で病気一つしないとはいえ、年にはかないません。また、体の衰えと同時に認知機能の低下も心配の絶えない問題であります。 核家族化で年老いた夫婦の老老介護や認認介護と言われるようになり、そのための介護保険なんだよと言われても、現実の生活環境と介護認定のギャップがあり、そういう相談を受けることも少なからずあります。 以前に祖母の介護をしているお孫さんが介護疲れの果てに祖母を殺してしまったという痛ましい事件がありました。介護保険を使ってサービスを受ければいいのにと一方で思っていても、そのサービスをどのように、どうしたら受けられるのか、知らない人も数多くおります。 介護される側の制度は、介護保険や各自治体の施策によって充実してきておりますが、その介護をしている身内や家族の側、いわゆるケアラー支援は十分とは言い難いところがあります。 特に今問題となっているのは、ヤングケアラーであります。ヤングケアラーの定義は、ケアラーのうち18歳未満の者を言いますが、そもそも本来大人が担うべき家事や家族のケアを日常的に行っていることにより、本来社会が守るべき子供の権利が守られていない可能性があり、しかしながら本来プライベートな問題であること、さらには本人や家族に自覚がないことなどから、支援が必要であっても表面化しにくい構造となっております。今、日本の社会構造や家族構成が大きく変化する中で、国も地方も福祉行政が速い時代の流れに追いついていないのが実態ではないでしょうか。 市長は、総合計画を着実に推進を図ると言っております。ケアラー支援という言葉は古くて新しい言葉ではありますが、ヤングケアラーは、今まであったけれども表面化しにくい見えなかったものであります。ケアラー支援の充実を図ることで、支える側と支えられる側のバランスが取れ、日常生活においては安心して地域で生活を営むことができると考えます。 第七期総合計画で施策3の地域福祉の推進は、ヤングケアラーも含むケアラー支援を重点に置くことが最も重要だと考えますが、市長の見解を伺います。 アピアランスケアについても伺います。 帯広市がん対策推進条例が施行されて丸3年、幾度となくその間もがん対策について質疑を行ってまいりました。がんは2人に1人が罹患し、3人に1人ががんで亡くなると言われておりますが、早期発見、早期治療により、また日進月歩の医学の進歩でがんが死に至る病気ではなくなってきました。 しかし、その抗がん剤による治療は、一時的に免疫力が低下し、体力や気力も減退する壮絶な病との闘いであります。そして、そのような抗がん剤治療が終わった後のがんに負けないという気持ちを保つことは、本人にとって本当に大変なことであります。その支えの一つとなるのがアピアランスケア、外見ケアであります。 がん治療で行われる抗がん剤治療では、その副作用によって様々ではありますが、真っ先に挙げられるのが脱毛、そして吐き気、嘔吐、食欲不振の順に挙げられます。特に脱毛はほとんどの人に出る症状で、抗がん剤投与から二、三週間ほどで徐々に抜け始めます。そして、抗がん剤治療が終わった後に毛が生え替わるまでに半年、1年とかかるわけであります。 改めて、帯広市がん対策推進条例第12条には、がん患者等の療養生活の維持や社会生活上の不安等の軽減に資するため、緩和ケア、就労等に関する適切な情報提供その他の必要な施策を講ずるよう努めるものとすると書かれております。私は、本市がこのがん対策推進条例の精神にのっとり、市民ががんになっても安心して暮らし、また仕事ができる環境を進んでつくるべきと考えます。 がんの手術や治療後の生存率は格段と高くなってきました。アピアランスケアは、その人の生きがいを生み、前向きになり、病気に立ち向かう勇気が湧いてきます。社会生活の促進、そして療養生活の質の向上、これこそが、前文に書かれている、がんにならない、がんに負けない、がんになっても尊厳をもって安心して暮らしていけるものと確信しています。 改めて、アピアランスケアに対する助成制度、帯広市がん対策推進条例にのっとって検討すべきと考えますが、市長の考えをお伺いし、1回目の質問といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 おはようございます。 藤澤議員の代表質問中、初めに政治姿勢についてお答えいたします。 3期12年にわたり管内町村とともに十勝・帯広の地域資源を生かした新たな価値の創出や魅力の発信に取り組んできたことで、新たな仕事や域外からの投資、多くの挑戦や人の流れが生まれるなど、地域経済の活力が高まってきていると感じております。 また、教育や福祉、子育て支援の充実など総合的にまちづくりに取り組んできたことで、人口は堅調に推移し、地域の発展基盤は厚みを増してきていると考えております。 これからのまちづくりには、コロナ後を見据えた新しい未来をつくっていくという難しいかじ取りが求められています。こうした時代だからこそ、これまで積み上げてきたまちづくりの基盤の上に将来発展につながる新しい種をまき、十勝・帯広の明るい未来づくりに取り組んでいくことが必要であると考えております。 公約をはじめとする様々な取組みは、行政だけで実現できるものだけではありません。今後、市民や企業、関係団体の皆さんの理解と協力をいただきながらまちづくりを進めてまいります。 次に、核兵器廃絶平和都市宣言についてお答えいたします。 ロシアによる、ウクライナ侵略は、国際法に違反する主権侵害、人権侵害であり、食料やエネルギーを含む世界の安全保障の重大な脅威となっています。国際情勢は、ますます不透明感を増しており、私たちは多くの人と連帯し、核兵器のない平和な世界の実現に向け弛まずに取り組み続けなければならないと考えているところであります。 帯広市は、核兵器廃絶平和都市を宣言して以来、30年の長きにわたり戦争の記憶を継承し、平和に対する意識の涵養に取り組んできております。広島、長崎の惨禍を繰り返すことなく、平和で安全な社会を次世代に引き継いでいくため、今後とも市民や関係団体と手を携え幅広い取組みを着実に進めてまいります。 次に、感染症対策についてお答えいたします。 帯広市では、これまで医師会等の関係機関の協力の下、基本的な感染予防対策の周知啓発のほか、ワクチンの効果や接種後の副反応などに関する正しい情報、知識の周知を行いながら、接種体制の整備を図ってきたところであります。 また、4回目となるワクチン接種については、重症化予防を目的として、3回目接種から5か月を経過した方のうち60歳以上の方及び18歳から59歳までの基礎疾患を有する方などを対象に本日から予約の受付を始め、6月27日から市内の46医療機関で接種を進めていくものであります。 今後も市民一人ひとりが気を緩めることなく感染予防対策に継続して取り組むことが重要であり、引き続き市民の皆さんに正しい情報を提供しながらワクチン接種への積極的な検討を働きかけるなど、感染予防対策に着実に取り組んでまいります。 自宅療養者への対策についてでありますが、新型コロナウイルスに感染し自宅療養している方々への生活支援物資の配達については、現在地域の感染状況が落ち着きを見せていることから遅れは生じていないと伺っております。 感染拡大期には、配達に遅れが生じていたことから、保健所と協議を行い、本年4月下旬から北海道の生活支援物資を帯広市保健福祉センターに備蓄し、保健所からの要請を受けて市が配達を代行する体制を構築したところであります。今後も保健所と連携しながら、感染状況に応じた体制整備に取り組んでまいります。 次に、経済対策についてお答えいたします。 長引く感染症の拡大や物価高騰の影響などにより市民や事業者などから様々な要望が寄せられています。 新型コロナウイルス感染症への対応では、地域経済や市民生活に今何が必要かという視点を持ち、国、道の動きなどを総合的に勘案した上で、感染拡大防止対策や医療提供体制の確保、経済回復に向けた事業者支援などに取り組むことが重要であると考えております。今後も市議会をはじめ関係機関などの御意見等も踏まえ、適時必要な取組みを進めていく考えであります。 次に、困窮者支援についてお答えいたします。 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている生活困窮者や事業者に対しては、国の各種資金支援制度が実施されており、帯広市ではその利用促進に向け、丁寧な情報提供に努めてきたところであります。 こうした中、長期にわたり感染拡大の影響を受けている地域経済の回復を図るため、消費を喚起するプレミアム付商品券事業に係る関連予算を提案いたしたところであります。 今後も地域の実情やワクチン接種の状況、国、北海道の動きや役割、市民生活などへの影響を踏まえ、コロナ後の未来を見据えながら必要な対策を総合的に検討してまいります。 次に、フードバレーとかちのこれまでの成果についてお答えいたします。 地域経済の持続的な発展に向けては、地域の優位性や魅力を最大限に生かした産業振興を図っていくことで、雇用の確保、拡大や市民所得の向上につなげていく必要があると考えております。 これまでフードバレーとかちを旗印にオール十勝で農業の成長産業化や食の高付加価値化などに取り組んできたことで、新設会社数の増加、有効求人倍率の上昇、市税収入の増加傾向にも結びついています。 また、地域資源を生かした加工食品の開発や体験型観光のメニュー化が進むなど、新しい商品、サービスの形として市民の皆さんの目に触れる機会が増えてきていると認識しております。 次に、フードバレーとかちのニューステージについてお答えいたします。 人が生きていく上で必要な食は、私たちの健康を支え日々の生活に彩りを与えるものであります。食を生産する農業は、人間にとって不可欠なものであり、基本価値としての農業の存在がこの地の大きな強みとなっております。 加えて、十勝の豊かな食を育む農業は、地球規模の課題である食料の安全保障や環境問題とも大きく関わりを持つなど、食は世界共通のキーワードであり、私たちの生活においても様々な分野に深く関連を有しています。 今後は3期12年の取組みを基盤に、この地の強みである食をまちづくりの真ん中に置き、国や北海道の動きとも連動を図りながら、産業振興はもとより教育や環境など地域や市民の暮らしに新しい価値をつくり出してまいる考えであります。 次に、農業施策についてお答えいたします。 今般の生産資材等の価格高騰は、十勝・帯広の農業経営にも影響を与えています。国では、価格の急騰が見込まれる肥料の安定調達などの対策を進めているほか、北海道においても肥料購入補助などの対策を検討しているとお聞きしております。 帯広市では、これまで環境保全型農業の普及に向け、国の事業を活用しながら堆肥利用や減肥、減農薬の取組みを進めてきております。今後もこうした取組みを通して、海外情勢の変化の影響を受けにくい足腰の強い生産体制を構築していく考えであります。 次に、みどりの食料システム戦略についてお答えいたします。 栽培体系の変更は、生産量の減少につながる可能性もあることから、国が戦略に掲げる目標の実現には生産者をはじめ農業関連機関などと丁寧に協議を進め、十分な検証と理解を得ながら取り組んでいく必要があると認識しております。 当面は、これまで取り組んでいる減肥、減農薬などの取組みを着実に広めていくことが重要と考えております。同時に、新たな技術や機械などの開発動向を注視し、当地の栽培体系に適合するものを見定めながら導入を検討していくことも必要であると考えております。 次に、物流拠点構想についてお答えいたします。 十勝・帯広は、道東自動車道や帯広・広尾自動車道の延伸など広域交通ネットワークの充実により東北海道における物流をはじめ、新たなビジネスや交流などの拠点として発展の可能性が広がってきていると感じているところであります。 地域の優位性である食と農業に備蓄、加工、物流拠点の機能が加わることで、これまで進めてきたフードバレーとかちの取組みが深化し、さらなる地域の発展につながるものと考えております。 次に、6次産業化についてお答えいたします。 帯広市では、意欲のある農業者による6次産業化の取組み支援に加え、国の制度を活用しながらナガイモ冷凍とろろ製造工場や海外輸出に対応した屠畜場の整備支援を通し域内加工を進めるなど、地場産農畜産物の付加価値向上を図ってきたところであります。 今後も地域の基幹産業である農業と、加工、販売、飲食など関連産業の結びつきを一層深め、新たな仕事づくりや地域の稼ぐ力の向上につなげてまいります。 次に、起業、創業の取組みについてお答えいたします。 地域産業の持続的な発展に向け地域の強みを生かした魅力ある仕事づくりを進めるため、とかち・イノベーション・プログラムや事業創発拠点LANDの整備を通じて起業、創業を志す人材の発掘や育成など総合的に取組みを進めてきています。これまでに多くの事業構想が生まれ、事業化、法人化も進み、起業、創業を志す人材のコミュニティー形成にもつながってきています。 また、十勝発の取組みとして、沖縄や新潟、山陰地域での同様のプログラム展開に波及するなど、仕組みの新しさやその実績が国からも評価をいただいているところであります。 こうした取組みから生み出された人材を活用し、また現役世代が学び高め合うことのできる環境づくりも併せて進めるなど、今後もさらなる事業化の促進に向け事業創発の支援を行っていく考えであります。 次に、緑ヶ丘公園少年院跡地についてお答えいたします。 帯広市は、公園をはじめ緑が充実しており、市民が憩い交流する場所として利活用を進めることにより、市民が心豊かに暮らせる魅力あるまちづくりにつなげていきたいと考えております。 少年院跡地は、今後のまちづくりを進めていく上で重要な土地と認識しており、隣接する緑ヶ丘公園と関連づけて様々な可能性を検討していくことが緑ヶ丘公園エリア全体の価値や魅力の向上につながるものと考えているところであります。 次に、帯広の森についてお答えいたします。 百年の大計により森づくりに取り組んでいる帯広の森は、令和6年に造成開始から50年を迎えます。この間、多くの市民に植樹や育樹活動に関わっていただき、帯広市のシンボルとなる魅力ある空間が形成され、豊かな植生環境と多様な生き物が共存する自然豊かな森へと成長を続けています。 また、市民が心身ともに健康で豊かに過ごせる空間として、散策や多様な競技レベルに応じた各種スポーツでの利用に加え、小・中学校の教育の場など様々な形で利用されております。 帯広の森の次なる50年に向け、緑豊かな潤いと安らぎの空間を守り育みながら、森の植生や環境に配慮しつつ園路などの基盤整備に取り組むほか、市民の皆さんが日常的に森と親しみ様々な形で利用していただける環境づくりを進めてまいります。 次に、エネルギー施策についてお答えいたします。 家畜排せつ物などのバイオマスの活用は、脱炭素社会の実現に向けて重要な取組みであり、農業生産コストの縮減にもつながるものと認識しております。 このたび予算提案いたしました実証事業以外にも、現在バイオガスプラントの建設に向けた動きが見られるなど、家畜排せつ物のエネルギー利用と肥料利用の取組みが徐々に進められつつあります。 引き続きこうした取組みの支援のほか、生産者や農業団体、関係機関等と連携しながらバイオマスの利活用促進を図ってまいります。 次に、ゼロカーボンの取組みについてお答えいたします。 ゼロカーボンの推進に当たっては、再生可能エネルギーの導入促進や省エネルギーの推進など、より効果的な取組みを幅広い市民、企業などの参画の下、進めていく必要があると認識しております。 帯広市は、これまで環境モデル都市として温室効果ガス排出削減の取組みを進めてきております。こうした実績を基盤に、今年度実施する地域資源などの基礎調査を踏まえて策定する新たな実行計画に基づき、2050年ゼロカーボンの実現に向けた取組みを進めていく考えであります。現行の環境モデル都市行動計画には、多くの農林業分野の取組みが位置づけられており、温室効果ガス排出削減に効果を上げてきております。 新たな実行計画の策定に当たっては、こうした地域特性を十分に踏まえ、国や北海道の計画なども参考にしながら取り組んでまいります。 次に、デジタル田園都市についてお答えいたします。 デジタル技術の活用は、行政はもとより、産業、教育、福祉など幅広い分野で従来の障壁を低減する有効な手段になり得るものであり、より多くの方が利用でき、デジタル化による利便性の向上等を実感していただける取組みが重要であると認識しております。 人間を中心に考えることを基本に市民サービスの向上につながる取組みを進め、市民一人ひとりが住みよく、安心して暮らせるまちづくりにつなげてまいります。 次に、観光政策についてお答えいたします。 新型コロナウイルス感染拡大の影響により人々の価値観が変容する中、観光においては主要観光地や大都市圏を避けた地方の観光地への旅行や個人、少人数の旅行など、密になりにくい旅行形態が好まれる傾向にあります。 今後は、昨年、北海道経済産業局や管内町村とともに策定した十勝アウトドア観光推進プランに基づき、コロナ後を見据え自然と共生する持続的な観光地を目指し、アジアはもとより観光消費額の高いヨーロッパ、北米、オーストラリアの観光客等の新市場開拓に取り組んでまいります。 また、ナショナルサイクルルートの指定や日高山脈襟裳国定公園の国立公園化、アドベンチャートラベルなど観光誘客につながる新たな動きを捉え、地域のDMOや関係団体と連携しながらアウトドア観光の加速化を図ってまいります。 次に、ケアラー支援についてお答えいたします。 介護が必要な家族などを支える、いわゆるケアラーを社会全体で支援していくことが重要であると認識しております。これまでの実態調査や関係団体等との意見交換から、日頃の思いや悩みを気軽に相談できる場所、当事者同士の交流機会などのニーズがあるものと捉えております。 帯広市では、地域ケア会議の開催を通して複合的な課題を抱える介護者やケアラーの心身の負担軽減を図ってきており、今後も関係機関の連携を深め、社会的な孤立を防ぐことで誰もが安心して暮らすことのできるまちづくりにつなげてまいります。 最後に、がん対策についてお答えいたします。 がんになっても個人の尊厳を持って安心して暮らしていくため、治療によって起きた外見の変化に対するケアはもとより、患者への心理的サポートや社会参加への支援が重要と認識しております。 市では、これまでパネル展や出前健康講座などを通しがん治療に対する理解促進について周知を図ってきたところであります。 今後も、がん患者の思いを酌み取りながら、がん診療連携拠点病院である帯広厚生病院や患者会等と連携し、支援の在り方について検討してまいります。 以上であります。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) それでは、再質問は2点に絞らさせていただきます。 少年院跡地は、まだ国の土地であります。今後その土地を取得するところから始めなければなりません。しかし、単独で土地を買うとなると莫大な費用がかかります。調べますと、帯広市公園条例では、緑ヶ丘公園は帯広の森に次ぐ広い敷地面積を保有する総合公園としての位置づけとなっております。 そこで、少年院跡地を単独で買い取るのではなく、帯広市公園条例を改正し、少年院跡地緑ヶ丘公園を一体として総合公園として位置づけることで国の補助金を使って買い取ることができるのではないかと考えます。市長が、緑ヶ丘公園の魅力向上と少年院跡地の土地利用を相互に関連づけるなら、条例を改正し、この2つを一体として総合公園に位置づけることを提案いたします。 さらに、その上で建築物の老朽化が進んでいる百年記念館、そして児童会館を少年院跡地に移転し、2つ兼ね合わせた(仮称)帯広子供科学館としてリニューアルしてはどうでしょうか。 特に帯広で出土した縄文遺跡は、現在百年記念館に展示してありますが、その魅力と貴重さは本来の10分の1も表現されておりません。アイヌに関わる学術資料もしかりであります。 これからのまちづくりを未来の子供たちの教育、あるいは人生百年時代と言われるような中で生涯学びを求める人たちの生涯学習の拠点として帯広市民の憩いの場となるような計画をぜひ立てていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 それからもう一つ、そのためにもこの計画を専門に考えるプロジェクトチーム、専門部署を設置すべきと考えます。本来、緑ヶ丘公園のよさを残しつつ新たな土地利用の構想と全体観に立ったデザインを、ぜひとも新しい発想をこの若手の職員の英知を集め、専門部署の下で計画をしてはどうかと考えます。改めて市長の見解を伺います。 次に、観光行政であります。 今十勝管内では、ここ数年の間に新しい道の駅があちこちにできております。2017年4月にはピア21しほろが移転リニューアル、2022年6月には道の駅かみしほろ、同年4月にはガーデンスパ十勝川温泉、そして今年4月15日には道の駅おとふけなつぞらのふる里がオープンしました。この4つは、国道241号線沿いであります。そして、南に行きますと、道内でも一二を争うほどの観光客が訪れた道の駅なかさつないがあり、その先には、さらべつ、忠類、コスモール大樹と続きます。この経路は236号線沿いであります。 その南北の結節点になるのが帯広市でありますが、この帯広市には道の駅がありません。全国至るところに設置されているこの道の駅、車で移動する人々に広く利用されており、観光客の立ち寄り拠点として今やなくてはならない存在です。 その道の駅に期待される機能としては、休憩機能、情報発信機能、そして地域やまち同士が連携する地域連携機能です。以前の道の駅の機能は、高速道路のサービスエリアに限りなく近づいていました。高速道路のサービスエリアは、通過客の休憩所にすぎませんでした。しかし、昨今の道の駅は、地域の特色が色濃く出ており、休憩所の範疇を大きく超えた存在となっています。 この点を象徴するのが、地元の農作物の直売、地元の特産品や地元のお菓子屋さん、パン屋さんなどが道の駅で買えることなど、そこには地域の人々が登場し、道の駅に停泊する人との交流が知らないうちに始まっていることなど、地域の人々と他所の人々の交流拠点にもなっております。 先月、私も連休中に音更の道の駅に行ってまいりましたが、人のにぎわいはコロナ前のような物すごいにぎわいを見せておりました。観光地は、観光資源があってこそ観光地であり、観光資源を求めて観光客が訪問してこそ観光地であります。その観光客を誘導する機能を持っているのが道の駅だと考えます。 そこで質問いたします。 道の駅に行こうとすると、この241号線を北上、236号線を南下、その結節点との位置づけの帯広市は単なる通過点になっているのが今の帯広市ではないでしょうか。 私は、今こそ道の駅を帯広市に設置し、本当の結節点として通過する観光客を滞留させる機能が必要だと思います。その場所は、幸福駅のインターチェンジ、愛国、川西インターチェンジを結ぶこの236号線沿いが場所としては最も最適ではないかと考えます。観光のグランドデザインを考えるとき、この道の駅は重要な観光資源として、また観光客を誘導する拠点としても最も重要な施設になります。帯広の道の駅について、市長のお考えをお伺いしたいです。 ○有城正憲議長 米沢市長。 ◎米沢則寿市長 それでは初めに、少年院の跡地利用についてお答えいたします。 近年人口減少や施設の老朽化、さらには新型コロナウイルスの影響による景気停滞など、世の中全体が縮減、縮小していく基調がある中で、少年院跡地の利活用の検討は明るい将来の絵姿をイメージしながら新しくまちの形をつくり上げていく取組みであります。 少年院跡地は、十勝・帯広の豊かなライフスタイルを象徴するエリアとして次世代に引き継いでいくべき土地であると認識をしており、ただいま議員からいただいた御提案をはじめ様々な可能性があると考えております。 また、当該土地は、これも御指摘ございました、国有地でありまして、国有財産の処分の手続の中に帯広市の意向を反映していくという、これまで経験したことのない手続を経ることにもなります。したがいまして、利活用の方向性の検討に当たりましては、国有財産処分の基本的な仕組みをしっかりと確認しながら、まちづくり全体の中で幅広く検討していく必要があると考えております。 今後、庁内一丸となって取り組んでまいりたいと思っております。 最後に、道の駅の検討についてであります。 道の駅は、常時利用可能な駐車場やトイレ、食事や土産など物産販売や観光情報の提供利便施設として全国各地で設置されており、十勝管内でも、御指摘のありました、交通量の多い国道沿いを中心に多くの施設が設置をされているところであります。 昨今では、地域の食や魅力の発信拠点となり、旅行の目的地とされていることも多く、十勝管内の観光入り込み客数でも道の駅が上位を占めており、観光誘客につながる有効な施設と認識をしているところであります。 これまでも幸福駅や川西インターチェンジ周辺などでの設置について意見をいただいており、引き続き設置の可能性について慎重に検討していきたいと考えているところであります。 ○有城正憲議長 藤澤昌隆議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) 最後に、意見を述べさせていただきます。 新しい可能性が見えてきた帯広市であります。この数年で帯広市の街並みは大きく変わりました。厚生病院の移転、開発局が合同庁舎となり、帯広警察署、そして総合体育館のリニューアル、そして長年の案件であった西3・9の再開発、そして帯広の義務教育学校の開設、開校など、今私たちはその変化のときにいます。 そして今、今後大いに期待されるのが、少年院跡地の有効利用であります。この広い跡地に今検討しようとしているのは、50年先、100年先の帯広の未来であります。帯広の魅力や活力あふれるまちづくりになるようしっかりと検討していただきたいと思います。 また、道の駅ですが、帯広を中心として近隣町村の道の駅は整備されました。あとは帯広だけであります。道の駅は、人を集める機能があります。結節点であるこの帯広のまちが単なる通過点にならないためには、魅力ある道の駅の存在が必要であります。 ちなみにとかちむらは、観光交流拠点として建てられましたが、あそこはあくまでもばんえい競馬場であって道の駅ではありません。 ますます便利になる高速道路や高規格道路、そして帯広の魅力あるまちづくりがどんどん進んでいく中で、観光という観点から帯広に欠けている点は、観光客の休憩機能を有する場所であります。私は、帯広に道の駅をつくるのに機は熟したと思っております。何事も時を逃しては成就いたしません。 過去の因を知らんと欲せば現在の果を見よ、未来の果を知らんと欲せば現在の因を見よという言葉があります。今の結果は過去の行いにあり、そしてこれからの未来を決するのは今の行動にあるという意味であります。どうか市長におかれましては、次の50年、100年先の帯広のために、今やろうとしてる帯広のまちづくりを機を逃さずに進めていただきたいと思います。 最後に、市長のまちづくりに対する思いをお聞かせいただきまして、質問を終わりたいと思います。 ○有城正憲議長 米沢市長。 ◎米沢則寿市長 これまでもそうでありましたが、一言で言わせていただきますと、一心不乱に取り組んでまいりたいと思っております。 以上です。 ○有城正憲議長 以上で藤澤昌隆議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。         午前11時19分休憩         ────────         午後1時0分再開 ○有城正憲議長 再開いたします。 次に、稲葉典昭議員から発言の通告があります。 27番稲葉典昭議員、登壇願います。   〔27番稲葉典昭議員・登壇・拍手〕
    ◆27番(稲葉典昭議員) 日本共産党帯広市議団を代表し、順次市長の政治姿勢についてただしていきます。 米沢市長4期目がスタートしました。市長は、「過去が現在に影響を与えるように、未来も現在に影響を与える」とニーチェの言葉を引用しました。市長が見る未来とは、今を生きる全ての市民の幸せということでしょうか。その実現のために今何をなすべきか。 今議会に提案された、いわゆる政策予算は11億円余、補正後の一般会計に占める割合は1.29%、その6割は地方創生臨時交付金を活用しています。政策予算と呼ぶにはあまりにも少ない。全ての市民の幸せを実現するためには、知恵と工夫を総結集させる手腕が問われる船出となるのではないでしょうか。 市政執行方針は、新型コロナウイルス感染症から市民の生命と暮らし、地域経済を守ると述べていますが、喫緊の課題であります。 2020年2月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大は、市民生活に大きな影響を及ぼし、日本の社会保障の制度的脆弱さを浮き彫りにしました。 感染拡大の波は2年半にわたり繰り返され、昨年の第5波では感染力の強い変異株デルタ株の影響で入院できる病床が足りなくなり、自宅療養や入院調整中に容体が急変して亡くなる人が続出し、マスコミを通じて医療崩壊が全国の人々を不安に陥れました。 憲法25条は、私たちに健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があることを明記し、この権利を保障する義務を国と地方公共団体に課しています。だから、国と自治体には、コロナ禍から生存権が脅かされ生存の危機に立たされている自宅療養中の新型コロナウイルス感染患者、新型コロナウイルスで失職した生活困窮者、暴力、虐待を受けている女性、子供たちの命と暮らしを守る義務があり、個人の努力ではどうしようもない場合に必要な支援を行うことになります。 これまで緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が繰り返し発出され、期間の延長が何度も行われました。一時的な感染者数の減少、そして宣言措置の解除、再び感染者数の増加、再び宣言措置の発出が繰り返され、宣言措置の効果が薄れてきております。 十勝・帯広の現状もまさにそのとおりとなっています。昨年8月の新規感染者数は600人、10月から12月、3か月で4人、感染が確認された2020年2月から昨年12月までの累計は2,301人でした。今年1月、新規感染者744人、1日平均24人、1月27日にまん延防止等重点措置が発令され、しかし2月さらに増え、新規感染者は3,650人、1日の平均130人、そして21日に再延長、3月は新規3,188人、1日103人で、7日に再々延長され、21日に解除されました。4月は、新規5,742人で、1日191人、5月は新規4,700人で1日152人、この2か月で1万人を超えているんです。まん延防止等重点措置が発令され、延長され、解除されたときの感染者数より4月以降の感染者数が多いのはなぜか。事業者に自粛や行動制限を強いた措置の政策的検証が必要だと思いますが、いかがでしょうか。 第6波のオミクロン株は、子供や若者の感染者が多く、無症状や軽症者が多いと言われています。昨年第5波の医療崩壊での自宅死のレポートのような報道もほとんどやられていません。 厚労省の死亡者の推移を見ますと、昨年1万人の死亡者まで14か月、その後2万人になったのが今年の2月11日、10か月かかりました。そして、3万人になったのは5月13日、3か月間で1万人が亡くなったことになります。 同じく、厚労省の発表で、新型コロナウイルスによる自宅での死亡者は、第3波から第4波で119人、第5波が202人、第6波の3か月間で555人と、倍々と増えています。警察庁の発表はさらに数が多く、第5波367人、6波が954人となっています。 十勝の感染者の療養状況を見ますと、昨年7月以降は国の原則自宅療養の方針が現在まで貫かれております。今年の第6波の状況を見ますと、異次元の感染拡大になりましたが、入院は患者の数%で、9割以上が自宅と施設での療養となっています。 患者数が最大だったのは、5月2日で1,603人、うち入院は59人、宿泊療養17人でした。自宅1,434人、施設61人です。しかし、自宅も施設も療養施設ではありませんから様々な不都合が起きています。家族がいれば家庭内感染が起きますし、独り暮らしでは医療や暮らしが成り立ちません。不安を持ち自宅に置かれている市民に温かい手を差し伸べるのも地方公共団体の責務の一つではないでしょうか。 感染者の持病や障害の有無、アレルギーなど全く考慮しないで一方的に送られてくる感染者向けの段ボール箱の支援物資も、実態に合わせた提供に変えてもいいのではないでしょうか。町村とも連携しサポートセンター的な仕組みをつくり、困り事はありませんかと一声かける安心の仕組みづくりを進めてはいかがでしょうか。 内閣府が発表した2022年の第1四半期の国内総生産GDP速報値は、実質で前期比0.2%、年率換算で1.0%減少しました。まん延防止等重点措置の影響で、内需の柱である個人消費が振るいませんでした。 GDPの水準は、消費税増税が直撃した2019年10月から12月期をなお下回っています。アベノミクスによって弱体化した日本経済は、コロナ前水準を回復している欧米に大きく立ち後れております。内外需とも崩れて、成長要因は見当たらず、日本経済は深刻な状況です。 その上、物価高騰が日本経済を襲っております。欧米ではインフレ進行が懸念されていますが、日本の場合、景気悪化の下での物価高騰というスタグフレーションに陥るおそれがあると心配が高まっております。 円安、物価高騰、個人消費の回復など、根本的な対策が必要になりますが、即効的対策は感染拡大の抑制です。この2年間、感染拡大と景気の波が相関してることは明らかで、感染抑制策が最大の景気対策となります。 新型コロナウイルス感染症の最大の特徴は、無症状や軽症の陽性者が感染を拡大、場合によってはサイレントのスーパースプレッダーになっているということです。無症状の感染者を発見、保護するためには、広範な検査が必要になります。 しかし、十勝の現状を見ると、昨年までの最大感染時期の8月で陽性率が9.8%。しかしオミクロン株に置き換わり爆発的感染拡大が起こった今年を見ると、1月17%、2月40%、3月27%、4月40%、5月30%の陽性率となっています。 厚労省が出す検査体制の指針では、新規感染者の最大値を陽性率10%、つまり国は検査需要を最低でも陽性者の10倍以上が必要としており、十勝ではその4分の1しか検査がやられていない。なぜなのでしょうか。 必要な検査がやられないことによって、無症状の感染者を保護できず、感染拡大を止めることができないばかりでなく、子供たちにも大きな負担がかかっています。 今年に入り、小・中学校の1月から3月の学級閉鎖は249学級で、陽性者502人、4月、5月は、学級閉鎖97学級で陽性者数342人となっています。沖縄県では、昨年春から保育園や学童クラブ、学校などで感染者が一人でも出た場合クラス全員にPCR検査を行ってきました。昨年のデルタ株までは、濃厚接触者以外の陽性率は0.7%でほとんどいませんでした。濃厚接触者でも1.5%にすぎず、結果的には98%は出席停止の必要がなかったことになります。今年1月のオミクロン株の流行になって、濃厚接触者3.4%、その他1.8%、その差は縮小したとの調査結果が公表されております。 陽性者が出たクラス全員のPCR検査を行って、陽性者のみを出席停止とすれば、子供たちへの教育機会を止める必要はなくなるのではないでしょうか。当然保護者の負担も減少することになり、地域社会も円滑に回るようになります。 厚労省の検査体制の指針では、感染拡大を防止する必要がある場合は、地域の店舗、施設などを幅広く検査することが可能、クラスターが生じやすいと認められる場合の地域や集団、組織等に属する者に対し、積極的な検査を実施するようお願いするとして、保健所業務の逼迫を極力回避するため、外部委託の最大限の活用の検討も必要と記しています。 外部委託は、他の自治体でもやられているように、医師会と行政が協力して検査センターを設置して必要な検査を行っている自治体もあります。 全国一広い地域をカバーし、全道で唯一三次医療圏に1か所しかない帯広保健所が業務逼迫で検査ができないのですから、独自に検査センターの設置を行い市民福祉の向上を図るべきではないでしょうか。お聞きをいたします。 新自由主義的経済は、格差と貧困を拡大してきました。コロナ禍は、さらに所得、資産格差を広げました。 内閣府が2月に発表したミニ経済白書2021から2022は、若者の間で格差が拡大していることを指摘しています。ジニ係数を用いた分析では、労働所得の格差が25歳から29歳と30歳から34歳の層で広がっており、その理由について若年男性の非正規雇用比率が上昇しているためとしています。また、低所得世帯を中心に結婚して子供を持つという選択が困難になっているとも述べています。 帯広市はどうなっているでしょうか。事業所雇用実態調査を見ると、非正規雇用が2020年度35%から2021年度42%へと7ポイントも上昇、コロナ禍の中で雇用の不安定化が拡大していることが分かります。 働く貧困層、ワーキングプアとも言われていますが、一般的には年収200万円以下を総称します。しかし、老後の年金を考えると、年収300万円でぎりぎり生活保護水準の年金額、生涯の生活を考えると年収300万円以下をワーキングプアと位置づけ対策すべきという専門家もいます。 帯広市の納税義務者を見てみると、年収200万円以下が19%、300万円以下は40%、給与収入者の4割がワーキングプアということになります。 さらに、ミニ経済白書は、世帯の所得が500万円以下の世帯は子供を持つ割合が大きく低下しており、低所得世帯では結婚や子供を持つという選択が難しくなっていると分析しています。所得300万円以下の世帯の子育て世帯の比率は僅か4%、少子化の要因がここにあります。 帯広市ですが、1997年と比較しますと、年収200万円以下は1.2倍、生活保護世帯は約2倍になっています。新自由主義の下での構造改革が家計の収入を奪い、格差と貧困が拡大していく中での消費税増税、輪をかけたコロナ禍での格差がさらに拡大したのです。 コロナ禍で仕事が減り残業できないとか、客の減少で非正規雇用の出勤が減る、移動自粛と消費低迷で小売業や飲食業、観光などが影響を受け、そこで働く人たちの賃金が減少、休業者が増加し、家計収入が減少、賃金の低迷が消費の低迷を生み、それが賃金を減少させるという悪循環になっているのです。特に物価高騰の波が地域経済と暮らしを直撃しています。 総務省消費者物価指数、4月は前月同月比で都市ガス27.6%、電気25.8%、生鮮魚介16.3%、果物17.6%の値上げ、調査会社の調査で今年の食料品の値上げが1万品目を超えるとの報道もあります。 一方で、働く人の賃金は上がらない、年金は下がる一方、地域経済の現状と市民の暮らしの現状についてお伺いいたします。 また、コロナ禍で苦しむ市民への支援の現状についてお伺いをいたします。 ロシアのウクライナ侵略開始から3か月半が経過し、今なお激しい戦闘が続く下、多くの犠牲者が生まれています。今引き起こされている世界の平和秩序の危機、人道的危機は極めて深刻です。 3月、米沢市長はロシア大使宛てに、貴国がウクライナ侵略に踏み切り核兵器の使用を示唆した一連の行為について厳重に抗議するとした抗議文を送付、帯広市議会も、3月議会の冒頭、ロシアのウクライナ侵略と核兵器の威嚇を非難する決議を全会一致で可決しました。非難決議にあるように、ロシアは即時に攻撃を停止し、ロシア国内に撤収するよう強く求めるものであります。 ロシアの侵略戦争は、国際社会のエネルギーや食料の需給関係を大きく変えました。食料の自給率37%、エネルギーの自給率12%の我が国は、円安と相まって市民の暮らしを直撃しています。人が生きていく上で必要な食料とエネルギーの自給率を高めていくのは、言うまでもなく国家的課題となります。 食と農、環境とエネルギーについて、まちづくりの根幹としてこれまでも議論してまいりました。市長は、ここからの4年間はこれまでの単なる延長ではない、ニューステージに発展させると言いました。どうニューステージに発展させるのでしょうか。お聞きをいたします。 環境問題は、気候危機と呼ぶべき事態が起こっています。地球規模の環境破壊は、人間による生態系への無秩序の進出、熱帯雨林の破壊、地球温暖化、それらによる野生生物の生息域の縮小などによって、人間と動物の距離が縮まり、動物が持っていたウイルスが人間にうつってくる。そのことによって新しい感染症が出現していると言われています。 厚生労働省によると、この30年間で少なくとも30の感染症が新たに出現していると言われています。新しい感染症の要因の一つである地球温暖化は、気候危機という非常事態を起こしています。 国連気候変動に関する政府間パネル、IPCCは、昨年、人間の影響が、大気、海洋、陸域を温暖化させてきたことは疑う余地がないと初めて断定しました。国連IPCCの1.5℃特別報告書を見ると、2030年までに大気中の温室効果ガスの排出を2010年比で45%削減し、2050年までに実質ゼロを達成できないと世界の平均気温の上昇が産業革命前に比較して1.5度まで抑え込むことができないということを明らかにしています。たとえ1.5度に抑えても、洪水のリスクにさらされる人口は今の2倍となり食料生産も減少するなど、人類と地球環境は打撃を受けることになります。これを超える気温上昇は、地球を破局的な事態に陥らせることになると言われています。パリ協定は、それを避けるために1.5度以内に抑えることを目的として、日本を含む196か国が合意して締結いたしました。 気候変動による脅威と被害は、帯広・十勝でも経験したことがない豪雨や台風被害、猛暑など極めて深刻です。昨年の夏も70年ぶりの猛暑に襲われ、この6月は帯広で91年ぶりに13日連続20度未満を記録、日本中で何十年に一度とされる豪雨災害など毎年発生しているのです。 日本は、気候変動の被害を受けやすい国ランキングで2018年に1位になり、その後も4位以内を推移しています。世界気象機関WMOは、8月31日、過去50年間の気象災害についての包括的な報告書を発表。この50年で災害件数は5倍に増加、経済的損失は400兆円超、死者200万人強に上り、気象変動の結果であり、今後さらに深刻化すると警告をしています。 市長もこれまで将来にわたり安全・安心で良好な環境を維持し、次の世代に引き継いでいくことは今を生きる私たちの責務であり、地球温暖化対策は重要な課題と認識しているとの認識も示しています。 世界の国々は、2050年までに大気中の温室効果ガスの排出を実質ゼロを目指した取組みを強めています。日本政府も、2020年に、2050年カーボンゼロを掲げました。政府が、2021年4月に発表した2030年度の削減目標は、2013年度比で46%削減です。これは、2010年比にすると42%減であり、国連が示した2023年までに2010年比45%減という全世界平均より低いものとなっています。 世界の先進国は、EUは55%減、イギリス68%減、バイデン政権になってパリ協定に復帰したアメリカでさえ52%減など、最低でも50%以上、60%台の削減目標を掲げています。先進国には、産業革命以来、CO2を長期に排出してきた責任がありますし、高い技術力と経済力を持っています。日本には、世界平均以上の目標でCO2削減を進める責任があります。 こうした中で、米沢市長は、市政執行方針でゼロカーボン宣言を行いました。帯広市の未来は、今の私たちの取組みにかかっています。 既に世界の平均気温は1.1度から1.2度上昇しており、破局的な気候変動を回避するために取り組む時間は長くありません。10年足らずの間に全世界のCO2排出量を半分近くまで削減できるかどうか、ここに人類の未来がかかっているのです。 帯広市においても、過去100年で約1.9度気温が上昇しているとの資料もあります。世界の平均気温上昇の1.7倍です。人間の影響で上昇した気温は、人間の取組みで削減することができます。脱炭素社会に向けて、多くの環境団体、シンクタンクが2030年度までの目標と計画を示しています。温暖化防止のNGO、NPOや研究者中心のグループのほかにも大企業や産業界、地方自治体などが参加する団体などがあり、政治的、経済的な立場の違いはあってもエネルギー消費を20%から40%削減し、再生可能エネルギーで電力の40%から50%程度を賄えばCO2を50%から60%削減できるという点では共通しています。 昨年の代表質問でゼロカーボンシティ宣言を求めました。市政執行方針にゼロカーボンの実現を目指すと打ち出されたことは感慨深いものがあります。問題は、2030年までの目標である温室効果ガス50%削減は可能かということです。エネルギー消費を4割減らし、再生可能エネルギーで電力の50%を賄えば、50%から60%の削減は可能となります。エネルギーの消費量を減らすことは、CO2排出量を減らす上で決定的です。日本は世界から大きく立ち後れており、大規模な省エネを進める条件は大いにあります。 省エネは、企業でも家庭でも多くは3年から4年で、長いものでも10年で投資した費用の回収ができ、その後はエネルギー消費減による節約効果が続きます。省エネは、我慢や重荷ではなく、企業にとってはコスト削減のための投資であり、家計にとっても負担減になるのです。 家計の省エネの具体例や省エネコスト減の具体例を広報で特集を組み、市民にお知らせするなどの工夫と周知が必要ではないでしょうか。 日本の再生可能エネルギーの潜在量は、政府の試算でも現在の国内の電力需要の5倍です。再生可能エネルギーによる電力を2030年までに50%、現在の2.5倍、2050年までに100%にすることは十分に可能です。 昨年の日本の再生可能エネルギーの比率は22%、ドイツ48%、スペイン44%、イギリス43%、カリフォルニア州53%などと比較しても大きく立ち後れ、中国の29%にも抜かれました。 世界では、グローバル企業を中心に自社製品やサービスの提供をはじめ、事業を100%再生可能エネルギーで行うというRE100の運動が広がっています。再エネの導入が後れれば、世界市場で競うことも製品を輸出することもできなくなってしまいます。この面からも再エネへの大転換は急務となっているのです。 基幹産業農業が地域経済を牽引していますが、十勝型GAPなど十勝ブランドが付加価値を高めるように、農業生産や加工に係るエネルギーを再エネで賄うことでブランド力をさらにアップすることになるのではないでしょうか。 再生可能エネルギーそのものの資源価値とともに、十勝ブランドを高める価値としての再エネの活用も行動計画の指標に入れること、このことも必要だと考えます。 省エネはコスト削減のための投資と申し上げましたが、脱炭素化、省エネルギーと再生可能エネルギーの推進は生活水準の悪化や耐乏生活を強いるものでも、経済の悪化や停滞をもたらすものでもありません。それどころか、新しい雇用を創出し、地域経済を活性化し、新たな技術の開発など持続可能な成長の大きな可能性を持っています。 ある研究グループの試算では、2030年までにエネルギー需要を約40%削減する省エネと再生可能エネルギーで電力の44%を賄うエネルギー転換を実施すれば、年間254万人の雇用が新たに創出され、エネルギー転換で影響を受ける産業分野の雇用者20万人をはるかに上回ります。投資額は、2030年までの累計で202兆円となり、GDPを205兆円押し上げ、化石燃料の輸入削減額は52兆円になるとされております。 十勝・帯広でエネルギー自給率を食料自給率と同じように1,000%を実現しエネルギーの供給基地とすることができれば、農業の波及効果と同じ3兆円の新たな産業と雇用を生み出すことができます。 自然エネルギーは地域の資源であり、地域で循環させることと、乱開発から環境を守ることを明らかにするために地域エネルギー基本条例を制定し、地域エネルギーの基本的考えを明らかにする必要があると考えます。 さらに、広域連携で十勝エネルギー公社を設立、エネルギーの地域循環の仕組みづくりも2030年を目指しスタートさせてはいかがでしょうか。 地域を取り巻く物理法則から考えるなら、再生可能エネルギーは地産地消こそ理にかなった利用法と言えます。言い換えれば、全体として21世紀の課題は、自然を征服するというアプローチから自然とどう共生し、寄り添いながらその恵みを分けてもらうのかというアプローチへ移行できるかだと言えます。自然と現代社会との関係性を再構築する必要があるということであります。 こうした観点から、グリーンリカバリーが世界的規模での大きな課題となっているのです。本気で2050年にCO2排出量を実質ゼロ、これを目指すなら、コロナ前に戻る従来型の経済対策ではなく、省エネ、再エネの推進を軸としたグリーンリカバリーこそ進む道だと思っています。 市長の気候危機打開、環境とまちづくりについての構想、思いについてお聞きするものでございます。 市長は、未来のまちの姿を、ここに暮らす誰もが十勝・帯広の有する資源を大切にし、明るい未来を信じて夢や希望を持って暮らすことができるまちと言いました。一人ひとりの市民の尊厳を大切にするということでしょうか。 日本は、各国の男女平等の達成度を示すジェンダーギャップ指数2021で156か国中120位と、先進国として異常な低位を続けています。コロナ危機を経て、ジェンダー平等を求める国民の声は劇的に高まり、わきまえない、もう黙らないと急速に広がった女性たちの声が響き始めました。帯広でも、フラワーデモが行われたり、生理の貧困が議論されるようになり、改善への一歩が始まっています。 男女の賃金格差は、年間240万円、生涯賃金、年金も含めると1億円の格差とも言われています。帯広市でも、事業所雇用実態調査を見ると、女性の非正規雇用率が60%と男性の倍以上となっており、賃金の平等は平等社会をつくる上での土台中の土台となります。賃金格差の解消は、消費購買力を高め、地域経済の好転に寄与することは間違いありません。 同時に、ジェンダー平等を目指すことは、女性の人権の確立や社会的公正にとどまらず、経済を成長させることも明らかになってきています。 ジェンダーギャップ指数で、12年連続1位の国はアイスランドです。国土面積は北海道より少し大きいくらいの小さな国のアイスランドがジェンダーギャップ指数で1位になるまでに長い道のりがあったとNHKの報道番組ハートネットTV世界でもっとも男女平等な国は取り上げました。 2017年、8年ぶりに女性首相に就任したカトリーン・ヤコブスドッティル首相は、今年1月、NHKのクローズアップ現代+でインタビューに答える形で、アイスランドは労働市場において女性の参加率が世界的に見ても最も高い国の一つです。そのことが、経済にとって非常に有益だと証明されています。女性が提供できるリソースを使わないということは、社会にとって損なのです。女性が労働市場に参加していなければ、彼女たちが提供できる多くのもの、その全てを市場は失ってしまいます。言い換えれば、男女が平等に働く環境になければその社会は持っている資源を十分に活用し切れていないということなのです。ジェンダー平等とは、正しいことであり、公正なことだと思います。ですから、よりよい社会、よりよい経済は正しいことを行った結果の副産物なのですと述べておりました。 ジェンダーギャップ指数は4項目、政治、経済、教育、健康から成っており、女性の経済活動への参加指数も日本はG7最下位です。この指数が高いほど1人当たりのGDPも高くなる相関性も明らかになっています。女性の経済活動への参加機会が日本の1.3倍のノルウェーは1人当たりのGDPは日本の1.6倍、アメリカは1.25倍で、1人当たりGDP1.5倍、ドイツは女性の経済活動への参加1.22倍で1人当たりGDP1.3倍となっています。 国際社会で証明済みの男女格差の是正が経済成長の推進力になるという証明を、帯広でも検証してみようではありませんか。お聞きをいたします。 岸田首相は、地域政策についてデジタル田園都市国家構想を打ち出し、地方創生という言葉はほとんど使わなくなりました。 かつて宏池会の大平正芳首相のとき、50年前の1971年ですが、田園都市構想を掲げましたが、列島改造論の対極に地方の時代を位置づけた発想とデジタル偏重とは本末転倒とならないか危惧するものであります。帯広市は、総合計画で田園都市を掲げたのは1959年ですから、田園都市を掲げたまちづくりの歴史が違います。 地方創生は、人口減少に伴う消滅可能性都市を具体的に名指しするなどした増田レポートを前提にし、2014年度後半から東京一極集中の是正、少子化ストップなどを掲げて取り組まれましたが、完全に失敗に終わっています。東京をはじめとした首都圏、北海道では札幌圏は、軒並み地方創生期間の人口増加率は高くなり、出生率はさらに下がっているのです。本来、失敗の原因を分析し次の施策を打つべきですが、デジタル田園都市国家構想にその形跡はありません。地方創生の地域政策に基づいて、帯広市の人口ビジョンも総合戦略もつくられているわけであり、しっかりと地に足をつけて人口対策を進めるべきと思います。 市長は、豊かな自然環境を保全し、デジタル技術や情報通信技術を活用しながら利便性の高い住みよいまちづくりを進め、都市としての価値を高めていくと述べました。 経済や社会のデジタル化の進展は、人々に快適で便利な暮らしをもたらす一方で、あらゆる個人情報を国や企業が掌握し、国民が常時監視され誘導されるという超監視社会を招くおそれがあります。デジタル化が進んでいく社会において、国家と資本による国民監視からプライバシーと人権を守り、超監視社会を止めるにはどうすればいいでしょうか。 国連のプライバシー権に関する特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏は、監視システムに対する保護装置として、1つに監視システムを規律する法律の設置、法の支配、2つに、市民を対象とする場合は独立機関の許可を必要とする、独立機関による承認、3つに、大量、無差別監視の禁止、監視手法の限定、4つに、対象者への監視の通知、事後の検証など具体的要件の設定、そして5つに、透明性の確保と情報公開、この5点を上げており、今後の取組みを考える上で大いに参考になります。 昨年5月、デジタル改革関連法が成立し、地方自治体にどういう影響があるのか、昨年7月の総務委員会から何度かただしてまいりました。個人の財産である個人情報が、個人情報保護関連3法の統合の中でどのように守られるのかということです。 来年5月までに法整備することになっていますが、昨年の質疑の際には制度設計について今後研究していくとのことであり、今年の課題となっております。 昨年9月から、デジタル社会形成基本法が施行、一昨年12月末にデジタル・ガバメント実行計画が閣議決定され、同時に自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画の策定、5か年計画で推進となっております。 進めるに当たって、推進する組織、全庁的なマネジメント体制の構築が求められており、CIO、CIO補佐官などの配置について外部からの登用問題についても議論してまいりました。外部登用者と利益相反や地公法の服務規程の適用など指摘もしてまいりました。 企業からの派遣を考える場合、1つに、政策の中枢を担う幹部は任期の定めがない常勤職員を配置すべき、2つには、職員が自らチェックし検証や改善できる体制を確保すること、3つには、デジタル技術に精通する職員は専門職として採用し、中・長期的な視点に立って育成することが今後必要になってくるということ、4つには、やむを得なく外部から人を入れる場合でも地公法の服務規程を全面規定すべきということを念頭に置いた配置をすべきと申し上げておきます。 地方公共団体情報システムの標準化に関する法律は、17の標準化の業務指定があり、自治体が独自に持っている住民サービスが標準化の中で排除されるのではないかとの心配があります。独自の住民サービスが実施できる標準化基準を作成するとか、自治体が自由にカスタマイズできる権利を国が認めるなど、仕組みを構築することが必要です。 さらに、行政手続のオンライン化についても、戸籍法とか住民基本台帳法で一定の規制がかかっており、公権力に当たる事務は地方公務員自らが行わなければならないとなっています。窓口の無人化で、窓口を単なる自動販売機にしてはなりません。 この間行われたモデルプロジェクトを見ますと、時間の短縮ばかりを追求すれば不正チェック機能が大幅に低下するおそれが指摘されています。何よりも窓口業務を担当する職員の仕事は、住民とのやり取りを通じて生活難などのサインをキャッチし、行政の側から住民に支援の手を差し伸べるセーフティネットの役割を果たすと位置づけている自治体もあります。 住民との直接のやり取りを積み重ねることで、住民の暮らしの実態であるとか、要求であるとか、ニーズであるとか、じかに把握することができ、住民本位の政策を企画できる能力や感性を身につけられるようになっていく、こうした役割が窓口にはある、こうした議論もしてきました。 自治体デジタル・トランスフォーメーションを進める上での課題山積であります。情報集積と個人情報保護、本人以外からの情報収集、目的外利用の原則禁止など、デジタル化から個人情報を守るための優れた個人情報保護条例の改正を求めておきます。 デジタル田園都市おびひろと市長は言います。田園都市は、帯広市における歴代の都市像であり、デジ田構想とは異質のものと思っています。デジタル化の危うさへの対応も含めて考えを伺い、1問目といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 稲葉議員の代表質問中、初めに新型コロナウイルス感染症対策についてお答えいたします。 これまで政府を中心に国民の生命と健康を守ることを最優先に感染拡大の防止と社会経済活動の両立に向け、緊急事態宣言等に基づく外出の自粛や休業要請など様々な対策が講じられてきました。 しかしながら、変異株の出現などによる感染再拡大に加え、本年3月のまん延防止等重点措置期間の終了後は若年層を中心として家庭内での感染が広がるなど、感染症への対応が長期化しております。 今般国は、感染症対策の検証を行う有識者会議の提言を踏まえ、次の感染症危機に備えるための対応の方向性を取りまとめたところであります。 帯広市といたしましても、国の動向を注視しながら、これらの提言等を今後の感染症対策に生かしてまいりたいと考えております。 自宅療養者への支援については、これまで管内19市町村の連携の下、保健所へ保健師を派遣し、自宅療養者の健康観察や相談対応などを行ってきております。 また、保健所の要請に応じて事前に市が生活物資をストックするなど、物資が届かず困っている方への支援体制を整えてきております。 今後も保健所と連携、協議しながら、自宅療養者の不安の解消に向けた取組みを進めてまいります。 検査体制についてでありますが、十勝では重症化リスクが高い患者などを迅速かつ的確な医療につなげるため、国の指針に基づき医療機関や介護福祉施設等に重点を置き検査が実施されているものと捉えております。 感染拡大を抑制するためには、検査体制の整備や感染者の入院調整、宿泊、自宅療養への対応を担う北海道と、ワクチンの接種体制の構築や感染対策への支援などを実施する市が、それぞれの役割を果たしながら対策を進めていくことが重要であると考えております。 今後も北海道に対し感染状況に応じた検査の拡充を求めていくほか、引き続き関係機関などと連携を図りながら感染対策に取り組んでまいります。 次に、地域経済と市民への支援の現状についてお答えいたします。 帯広財務事務所の発表によりますと、十勝・帯広の地域経済は持ち直しの動きが見られるものの、新型コロナウイルス感染症の影響から個人消費や観光需要の回復が遅れるなど一部で厳しい状況にあり、先行きについても感染拡大や物価高などによる影響に注意が必要とされております。 市民や事業所への支援状況については、感染症が流行して以降、帯広市にはこれまでに市民や事業者の皆さんから約2万4,000件の相談が寄せられており、相談内容に応じた支援制度を紹介し、その利用を促してまいりました。 また、市税や保険料、水道料金などの徴収猶予、減免については、全体で約2,200件、約4億6,000万円となっているほか、緊急小口資金、総合支援資金については約15億8,000万円が貸付けされている状況にあります。 次に、フードバレーとかちのニューステージについてお答えいたします。 感染症の流行に伴い人の命や健康の大切さが再認識されており、今後これまで積み重ねてきたまちづくりを基盤に十勝・帯広の最大の強みである食をまちづくりの真ん中に置き、産業はもとより教育、都市環境など幅広い分野で地域や市民の暮らしに新しい価値をつくっていきたいと考えております。 市民の皆さんをはじめ多くの方々の共感、協力、そして前向きな思いを原動力としながら、着実に取組みを進めてまいります。 次に、環境政策についてお答えいたします。 帯広市は、環境モデル都市に選定されて以来、中・長期的な目標を見据え、行動計画などに基づき取組みを進めてきております。とりわけこの地域に優位性のあるバイオマスや太陽光などの再生可能エネルギーの活用により、温室効果ガスの削減はもとより、関連産業の創出による地域経済の循環の促進にもつながってきているものと認識しております。 地球温暖化対策は、経済成長の制約やコスト要因といった従来の考え方から、経済社会の成長の機会と捉える時代となってきています。コロナ後を見据え、経済と温室効果ガス排出量削減の取組みが両立する持続可能なまちづくりを進めていく必要があるものと考えております。 次に、女性活躍についてお答えいたします。 昭和の時代に形づくられた各種制度や男女間の賃金格差を含む労働慣行、固定的な性別、役割、分担意識などにより我が国の男女共同参画は諸外国に比べて後れているとされています。 このため国では、男女間の賃金格差への対応のほか、男性の育児休業取得の推進、経済分野における女性役員比率の向上などを通し、女性の経済的自立や男性の家庭、地域社会における活躍、女性登用の促進に重点的に取り組むこととしています。 帯広市では、これまでも育児休業の取得推進など女性の働きやすい環境づくりをはじめ、高齢者や障害者など多様な人材の就業機会の提供に取り組んできております。今後もこうした取組みを通し、誰もが働きやすい環境づくりを進め地域経済の発展につなげてまいります。 最後に、デジタル田園都市おびひろについてお答えいたします。 国のデジタル田園都市国家構想は、デジタル技術の活用により都市の利便性と地方の豊かさの融合を目指すものであると捉えておりまして、この点で帯広市の目指す方向性と大きく変わるものではないと認識しております。 デジタル化に当たりましては、市民の皆さんがサービスの向上を実感できるよう情報セキュリティーなどの課題も踏まえ、人を中心に人に寄り添うという考え方を基本として取り組んでまいります。 以上であります。 ○有城正憲議長 稲葉典昭議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) 新型コロナウイルスの感染症ですけども、国の検証結果を今後の対策に活用していくということでした。15日に公表された政府の有識者会議の報告書を見ますと、僅か1か月足らずで作った検証であり、岸田首相は報告を受けたその日に対策を発表しており、とても練り上げたとは言い難いものになっております。 次の流行や感染症に備えるには、徹底的な検証を踏まえる必要があります。しかし、安倍政権下での小・中、高校の一斉休校やアベノマスクの配布、菅政権下での東京オリンピック開催やGoToトラベル事業など、賛否が分かれた政策の妥当性や意思決定過程について、さらに飲食店に対する営業制限が効果があったのかどうかについての検証がなされておりません。 帯広市とすれば、国の政策の下で、市民生活や地域経済、子供たちがどのような影響を受けたのか、他の方法はなかったのかも含め独自の検証も必要と考えております。 大学や民間の研究所が様々な角度から研究を行っております。国内の知見を結集するということが、いまだにやられていないのが残念です。 まん延防止等重点措置は、緊急事態宣言の前段階措置として昨年2月に新設、3月から適用、政府はこの間、適用や拡大、解除を繰り返してきました。 十勝でも、直近では、先ほど述べたように、1月に適用し、2月、3月、延長、感染者数は適用時に比べても激増、そして3月には解除してるわけですが、4月、5月と措置期間を大きく超える感染拡大、まん延防止等重点措置の効果があったのかと多くの市民から疑問の声が上がっているのです。 この間、共同通信がまん延防止等重点措置について都道府県調査を行い、34府県72%が見直すべきと考えていることが分かりました。さらに、飲食店中心の対策から、高齢者、教育関連施設への対策強化へ転換すべき、これが半数を超えているのです。 帯広市の実態を見ますと、感染者数は2万人を超えていますが、1月1日の感染者数は2,301人でしたから、大半が今年になってからで、オミクロン株の爆発的な感染力が感染者を飛躍的に増加させたのが分かります。 累積感染者数を見ますと、市民の7.4%になります。市役所の職員は8.7%、小・中学校の児童・生徒で7.6%、認可保育所の園児は実に17.2%となっており、都道府県からの対策転換の要望、これは十勝・帯広でも必要と考えられます。 死亡者の拡大テンポが3倍ほどに上っているという数値の紹介もしました。 東京大学の仲田准教授らの分析によりますと、重症化率と致死率の数値がオミクロン株への変異で逆転した、こういった報告もあります。自治医大の讃井副センター長は、新型コロナウイルス症状は軽くても感染の影響で持病が悪化して生命の危機に陥る高齢者が目立つと説明しています。 コロナ禍の影響の調査も様々行われています。 厚生労働省研究班の調査で、入院した人の約10%は退院から1年たった時点でも後遺症を抱え込んでいる可能性があるとしています。主な症状を見ますと、筋力低下7.4%、呼吸困難4.4%、だるさ3.5%等で、複数の症状を訴える人も見られたそうです。報道では、軽症や無症状でも後遺症が発症し、若い人でも大学を中退したり離職したりと大きな影響も報じられています。 山形県が、コロナ後遺症について初調査を行いました。山形県の累積感染者数は3万人弱、十勝より少し多い程度です。県内で後遺症を訴えた全体の7割を20代から50代の現役世代が占め、症状が半年以上継続したという回答も3割。後遺症は感染時の症状の軽重にかかわらず発症し、特に女性は軽症者で多く見られたと分析しています。今後の対応についても、後遺症に苦しむ方が円滑に相談や受診できる体制の構築に取り組みたいとしています。 帯広市民の影響はどうなっているのでしょうか。実態調査等対策が必要ではないでしょうか。 長引くコロナ禍で、学校生活への不安を感じて不登校になる小・中学生が増え、道内では2020年度に30日以上登校しなかった不登校の小・中学生は過去最多の8,873人、コロナ禍前の2018年度対比で4割増加したと大きく報道されております。 帯広市の状況を調べてみますと、小学校で96人、2018年度比で178%、中学校で136人、同じく121%、さらに暫定値ですが、2021年度、小学校105人で194%、中学校は182人で164%とさらに増えています。 さらに、国立成育医療研究センターの調査ですが、子供の生活や健康に与える影響について、郵送とインターネットでの調査を行い、子供と保護者5,400人から回答を得たそうです。その結果、郵送では小学の5、6年生の9%、中学生の13%、そしてインターネットでは、小学校高学年5、6年生に13%、中学生の22%に中等度以上の鬱症状が見られたとのことです。 同センターの森崎研究部長は、コロナ禍の長期化でストレスが高い状態が続き、保護者も余裕がない可能性があると指摘し、必要と感じたら保護者はためらわず相談や受診をさせてほしいと強調しております。 教育長、コロナ禍の中で子供たちに深刻な問題が発生しています。専門家は、学校と家庭だけで解決を目指すだけでなく外部の協力も必要とし、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つスクールソーシャルワーカーの活用が必要と指摘もしています。 帯広市では、現在2名配置で増やしていないと承知していますが、不登校の子供への支援が浅く薄くなってしまうと懸念も寄せられています。具体的な対応も求めたいと思いますが、いかがでしょうか。お聞きをするものでございます。 市民の状況、実態を把握する全国の調査や調査結果から、市民や子供たちの現状に思いをはせ、必要な対策を専門家の意見も聞きながら、単独でも行わなければならないことはやらなければならないと思います。強く求めておきたいと思います。 昨年までの感染状況と今年の状況は全く違います。無症状者、軽症者が多いのに検査をしないということは、無症状の陽性者が感染源になっているわけで、陰性者と分けなければ感染を止めることができないのは明らかです。体制に合わせて検査縮小を行うのではなく、感染拡大に合わせた検査体制の構築を強く求めておきます。 人口当たりの保健師数が多い都道府県は、新型コロナウイルス感染症にかかる人の割合が低くなる、こうしたことが認められたと奈良県立医科大学の研究チームが先ほど発表いたしました。 研究チームは、人口10万人当たりの保健師数と新型コロナウイルス感染症の罹患率との関連性について検討、全ての変異型において人口当たりの保健師数が少ない都道府県で罹患率が高かったことが判明、研究チームは保健師による積極的疫学調査がクラスターの早期発見、早期対応を可能にし、感染拡大防止に寄与した可能性がある。保健師の数を増やすことは、国内の新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めるのに役立つ可能性を示唆したと述べております。 また、京都大学の西浦教授のチーム、新型コロナウイルスの変異株の中で流行に大きな影響を与えるウイルスは今後も数年に一度の割合で出現するとの試算を発表しました。さらに、感染者数が世界で爆発的に増えると確率がさらに高くなる、そういったことも注意が必要と述べ、今後の体制の在り方に生かす必要があると考えます。 北海道の三次医療圏で10万人当たりの看護師数が最も少なく、そして唯一保健所が1か所しかない、全国広い管轄面積を持つ帯広保健所です。 十勝の感染者の状況を見ると、5月から今日までの7週間で10万人当たりの陽性者数を見ますと、18の圏域で札幌を抑えて1位になったのが2回、2位が2回と、道内で感染拡大が最も高い地域になっています。 そうしたことから、三次医療圏では、十勝にもオホーツクや釧路・根室圏と同数の3か所の保健所は必要ではないかと思います。今後の感染症対策も視野に、北海道に増強の申出も行うべきではないでしょうか。 コロナ禍で様々な困難を抱える市民や事業者からの相談は、2万4,000件を超えると答弁がありました。市税や、保険料、料金の猶予減免が2,200件、4億6,000万円、個人向けの緊急小口資金などは15億8,000万円を超える実績とのことであります。 コロナ禍で収入が激減した世帯への緊急小口資金、総合支援資金は困窮する家計を助けましたが、住民税非課税者以外は返済が始まります。4月までで返済が難しく自己破産や債務整理の手続をした利用者が、全国で少なくても5,000人、返済困難な金額は20億円との報道もありました。今後ますます増えるでしょうし、全国の比率で推測すると、帯広でも数百人規模になると考えられます。 事業者についても、東京リサーチの集計で、新型コロナウイルス関連経営破綻、これは3月に月間の最高を更新、その後の円安による資材高騰が経営難に拍車をかけ、切迫した事態になっています。 全国商工団体連合会の緊急アンケートを見ますと、仕入れ値が2割以上上がっていると答えたのが50%、価格に転嫁できていると答えたのが21%、対策に直接支援と既往債務の返済凍結、10年間元利返済不要の追加融資など具体的な要望も行われていました。市としてできる対応を求めておきたいと思いますが、いかがでしょうか。 2050年ゼロカーボンの実現を目指す取組みですが、これまでの質疑で、行動計画の目標変更について今年度調査を行い、来年度から新たな計画のスタートを目指すとのことでございました。 目標設定では、地方自治体は公共施設、公共事業、自治体業務でどれだけCO2を削減できるかなど、自らの脱炭素に向けた目標と計画、そして区域内の脱炭素の目標と計画を策定することとなります。 日本の再生可能エネルギーの潜在量は、政府の試算でも、現在の国内の電力需要の5倍と試算され、北海道電力の試算でも、道内の電力需要510万キロワットに対し自然エネルギーの電力の潜在力は609万キロワットとなっています。この潜在力をどう具現化するかが計画に求められております。日本の再エネの比率は22%、2030年に向けた指標でもスペイン74%、ドイツ65%、ニューヨーク州でも70%となっています。 RE100の運動についても提起しました。道内のエネルギー需要が大きいのは、運輸と家庭、そして農業生産です。この分野をどのエネルギーで賄っていくのか、農業生産における再生可能エネルギーの導入も新しい産業をつくり出していきます。農業生産や加工に係るエネルギーを再エネで賄うことでブランド力をさらにアップすることになるのです。 新中間処理施設整備についてです。 これまでごみは燃やすのではなく資源化を、十勝中からごみを集めて燃やすという計画には賛成できない、中間処理施設は現在地周辺が最適地、広い十勝に1か所の処理場では万が一の事態に対応できない、建設ありきではなく慎重な検討をと議論もしてきました。 さらに、十勝圏複合事務組合の議会が二元代表制で担保された自治の民主主義が担保されていない、構成が負担に見合ったものになっていないなど、機構改善への提言も行ってまいりました。 いち早くゼロカーボン宣言をし、脱炭素先行地域に指定された鹿追町では、生ごみをバイオマス処理し焼却しません。十勝全域で生ごみの処理などを再検討し、燃やさない、分別して資源化するごみ行政を再構築することによって、十勝脱炭素地域化で温室効果ガスの発生抑制につながるのではないでしょうか。 改めて新中間処理施設の再検討を求めておきます。 市長は、経済の回復と温室効果ガス排出量削減の取組みを両立して環境と経済の好循環による持続可能なまちづくりを進めると答弁されましたが、まさにそのことが気候危機打開への国際的な取組みと軌を一にする十勝のポテンシャルを高める方向だと考えます。 人を大事にする、人に優しいまちづくりですが、ジェンダー平等について、男女間賃金格差への対応、男性の育児休業取得の推進及び働き方改革、経済分野における女性役員比率の向上など取り組んでいるとの答弁がありました。 生涯の男女の賃金格差1億円との話もさせていただきました。男女格差の是正が、経済成長の推進力との観点から進める必要があります。何ができるか、何から始めるかということです。 帯広市のジェンダー平等の取組みは、男女間の賃金格差はありませんから、男性の育児休業取得の推進及び働き方改革、そして女性の役職者の比率の向上ということになります。 同時に、帯広市が発注する工事や委託事業、指定管理業務などの積算は、男女を理由とした賃金格差はありません。 しかし、発注先の雇用実態はどうでしょうか。事業所雇用実態調査を見ると、全ての業種で男女格差があります。男女同額で積算した予定価格が執行されるとき格差が生じていたとすれば、その差額はどうなったのでしょうか。本来支払われるべき労賃が利益になっていたとしたら、業務上横領とでも言うべき事態ではないでしょうか。 帯広市が行う工事や委託先の実態調査、この項目にジェンダー平等の項目も入れて調査を行ってはいかがでしょうか。まずは実態を知る必要があります。 デジタル化の促進について懸念される事柄を述べさせてもらいました。市長からは、セキュリティーをはじめとした課題は認識しながら、人を中心に人に寄り添うデジタル化という考えを基本に市民がサービス向上を実感できるように努めていくと答弁がありました。自治体のデジタル化は、持続可能な住民の生活保障や自治をデジタル技術とネットワークを利用してより豊かなものにとするという趣旨で、地方自治デジタルプラスであると考えます。 情報システム間を連携するプラットフォームは、住民が自治の担い手として自治体に対して意見や苦情を述べたり、住民の間で提案を組織したり、そのために必要となる情報を提供したりする機能も実装すべきでしょう。そうした観点からすれば、窓口も住民の多様なニーズを反映すべく対面窓口の高機能化につなげていくべきでしょう。 また、個人情報保護では、住民の自己情報コントロール権を確立するために、自治体は自己情報が行政機関等匿名情報として提供されているか否かを市民が知ることができるようにし、本人の意思により提供を停止できる仕組みを設けることができるようにすることが必要と考えます。 個人情報は、基本的人権であり、その保護と市民福祉の向上を一体のものとして進めることを改めて求めて、2問目といたします。 ○有城正憲議長 米沢市長。 ◎米沢則寿市長 それでは初めに、保健所体制の強化についてお答えします。 帯広市は、これまで市民の日常生活と健康を守るため保健所や医療機関などと連携協力しながら感染拡大防止に向けた取組みを進めてきております。 中でも保健所は、感染症対策の中核をなす重要な役割を担っていることから、その機能が効果的に発揮されるように、引き続き国や北海道に対して人員や連絡体制の強化などについて要望してまいりたいと考えております。 次に、事業者等への相談対応についてでありますが、市の経営相談窓口に寄せられました融資をはじめとする事業者からの様々な相談につきましては、金融機関や経済団体等と連携し対応してきているところであります。今後も地域の経済状況を踏まえ、関係機関と情報共有を図りながら丁寧に対応してまいります。 また、緊急小口資金等の返済など様々な困り事を抱えている方に対しましては、帯広市社会福祉協議会をはじめ関係機関等とも連携しながら相談、対応に努めてまいります。 最後に、賃金の実態把握についてお答えいたします。 帯広市が毎年実施している事業所雇用実態調査では、男女別の平均賃金などを調査しておりますが、業種や年代における男女差については正確な把握が難しい状況にあります。今後は、分析手法の検討や調査票の改善などによりこうした実態の把握に努め、女性が働きやすい環境づくりにつなげてまいります。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 池原佳一教育長。 ◎池原佳一教育長 不登校児童・生徒への対応についてお答えいたします。 帯広市においては、スクールソーシャルワーカーの2名以外にもこころの教室相談員が6名、家庭訪問相談員が6名、教育相談センターの相談員が1名の配置に加え、今年度については大空学園義務教育学校の開校に伴い、新たに専属の教育相談員を1名配置しております。 また、今年度は、道教委が派遣する公認心理師等の資格を持つスクールカウンセラーを1名増員し、6名体制とした合計22名が学校のニーズ等にきめ細かく対応しているところであります。 不登校への対応に限ったことではありませんけれども、日頃から子供たちの小さな変化にどう大人が気づいていくか、早く気づいて早期に対応するということが重要なことでないかと思ってございます。 この2年間、子供たちは多くの制約の中で学校生活を送ってきております。表面上は明るく元気で、そして落ち着きのあるように見えますけれども、内面的にはそれぞれ様々に不安や悩みを抱えているんではないかとも思ってます。時として自分自身が気づいてないストレスも抱えながら学校生活を送ってるんではないか、むしろそういうことが個々に、子供たちそれぞれに必ずあるというような前提の下に、学校教職員は子供たちの内面に向き合っていかなきゃならんということを常日頃から学校現場に対して伝えてまいりました。 先ほど専門職員の配置について御答弁させていただきましたけども、体制は整ったとしても、子供たちの変化に気づくのが遅くなった場合については、その後の課題解決にも困難を要するということが多くなってくると思ってます。加えて、子供たちのSOSをどう大人が受け取っていくかということも大きな課題だと思ってます。 先般、生理の関係で中学校2校にアンケートを取りました。その中で悩みについて相談できていないと答えた生徒が3名いらっしゃいました。ここが大きな課題の一つではないかと思っています。相談しやすいということは、言うことは簡単ですけども、その子供たちが誰かに相談しようという、ふと思いをめぐらせるような、そういう環境づくりが必要だと思いますし、その中には日頃からの大人と子供のつながりといいますか、信頼関係をきちっと築けるようなつながりを大事にしていかなきゃならんとも思ってます。 いずれにいたしましても、大人が子供たちの内面にきちっと向き合いながら、そして専門職も含めて組織全体として大人が子供たちに寄り添っていくということが重要でありまして、今後もそういった気持ちを持ちながら学校教育を進めていきたいと思ってございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 稲葉典昭議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) 3回目の質問をさせていただきます。 市長の市長選政策のタイトルですけども、新しい未来をつくるでした。未来を切り開くために教育は最もも重要だと思っています。教育は経済成長や企業のために行うものではありません。教育は誰もが一度の人生をよりよく生きられるように、人格を形成し、学力を身につけてもらうために行うものだと思っております。教育は権利であり、そして経済的理由で教育が制限されることなどあってはなりません。貧富の差に関係なく意欲のある優秀な人材をたくさん育てることが重要です。教育に競争原理を持ち込み、人を切り捨てていくのではなく、一人ひとりを大事にして可能性を引き出す教育こそ、長い目で見れば日本や地域の未来を切り開き経済成長にもつながっていきます。 最も重要な教育の現場で、コロナ禍から起きる学校現場での子供の様々な問題、課題についても提起もさせていただきました。教育長の思いも聞かせていただきました。一人ひとりの子供たちの実情に寄り添った、そうした支援を引き続きお願いしておきたいと思います。 新しい未来をつくるのは、ジェンダー平等による女性が提供するリソースの活用によって実現すると、先ほども申し上げました。女性の社会参加とジェンダー平等の進んだ国ほど、1人当たりGDPは高くなっている、これも先ほど述べました。 ゴールドマン・サックス証券のレポートが最近出ておりますが、2017年時点の女性の就業率67%が男性就業率83%と同レベルまで上昇したと仮定した場合、日本の就業者数は約580万人増加すると、そしてGDPは10%押し上げられると、こうした試算が出されております。これに加えて、男女の労働時間の格差が改善すれば、最終的にGDPを15%も押し上げる可能性がある、こうした試算が出されております。 もう一つ、政策投資銀行ですけども、2018年に国内の製造業約400社が過去25年間に得た約100万件の特許、これを調査したそうです。特許資産の経済効果、これは男女の混合チームのほうが男性だけの場合に比べて1.54倍高かったと、こういう調査結果を発表しています。この投資銀行では、女性が加わることで多様性が高まり発想力が豊かになる、男性も刺激を受けてより成果を出そうとすると指摘をしています。ジェンダー平等の推進は、様々な角度から経済にもプラスになることが分かります。 全ての市民の幸せになる経済とは何でしょうか。先ほど紹介したジェンダー平等世界一のアイスランドでは、経済的な成功だけでは社会の成功は図れない、社会や環境についても考慮しなくてはならないと言い、幸福経済と呼んでいます。経済成長が達成できても、人々が不幸であれば社会は成功したと言えるでしょうか。アイスランドでは、社会、環境、経済、全ての分野で幸福指標を明らかにしています。そこには、男女間の平等だけでなく、人口全体の平等もあり、労働時間を短縮して私生活と仕事のバランスを取るなど、包括的なビジョンを持った取組みを進めているのです。 国連でも、世界幸福度ランキングというのを出していますけども、アイスランドが4位に対して、2021年度は日本は56位となっています。人々が生きる上で幸福感や生活満足度は重要ですし、それは収入が増えるだけでなく、あらゆる格差がない社会を実現することにつながるのではないでしょうか。 幸福経済と全ての市民の幸せ、市長の思いをお聞きして、私の質問を全て終わります。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長。 ◎米沢則寿市長 今お話ございましたけれども、近年経済的な価値に加えて、健康や環境、自然、そして人との関わりなど、人間の生き方そのものに関わる価値の大切さというものが再認識されてきていると思います。これがまた、感染症の拡大でその傾向は急速に強まってきたとも感じております。 ビジネスにおきましても、体の健康はもちろんのこと、心も、そして社会的にも充実した生き方を示すウエルビーイングという単語なり考え方、こういうことが今広がっているという認識をしております。 これまで我々が大切にしてきた食という単語をよく私使いますけれども、この価値の向上と今後の在り方ということについて考えるときに、今申しましたウエルビーイングですとか、考え方の変換ということが今非常に求められてるんではないかなと感じております。 十勝・帯広、緑豊かな自然を持っています。そして、広大な大地の中で生み出される食、これからはそれを中心に置いて生き方や、それからまちづくりそのものを考えていくというのも、今申し上げたコンテクストと一緒の考え方であります。 今回、未来のつくり方3.0という形で公約をお示しいたしましたけれども、食の価値自体はもとよりでありますけれども、高付加価値な新しい仕事をつくっていくこと、それからそこに生きる市民の生活の質そのものの向上に資する、そういう新しい価値を生み出していけるのがこの地域ではないかと思っておりまして、それがこれまで産業政策を中心に皆さんにも御理解いただいてきたフードバレーとかちという旗が新しいステージにという、私、単語を使いましたけれども、それは今申し上げたような形で産業政策からまちづくり、地域づくりそのものの旗にこれは昇華していかなければいけないんだろうな。そうすることで、ここに住む全ての市民の皆さんの幸せというものに方向づけができるんではないだろうか、そのように感じているところであります。 先ほども藤澤議員にもお答えいたしましたけれども、そういう状況の中で帯広、そして十勝が置かれている今の環境、午前中の質疑でもありましたけれども、緑ということ、公園、それから食、もういろんなことがフォローの風が今吹いてると思っております。そういう面で午前中最後に端的にお答えさせていただきましたけれども、これまで同様に、一心不乱にあおあお ひろびろ いきいき 未来を信じる帯広づくりのために頑張ってまいりたいと考えております。 以上です。 ○有城正憲議長 以上で稲葉典昭議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。         午後2時21分休憩         ────────         午後2時40分再開 ○有城正憲議長 再開いたします。 次に、稗貫秀次議員から発言の通告があります。 21番稗貫秀次議員、登壇願います。   〔21番稗貫秀次議員・登壇・拍手〕 ◆21番(稗貫秀次議員) 稲葉議員に継続しながらすぐ質問できると思っておりましたが、議長から休憩を入れられましたので出ばなをくじかれましたが、気を取り直して質問させていただきたいと思います。 苫小牧市の岩倉市長が5期目の当選を果たされたというニュースを本日、拝見しました。5期目、長いなと私は感じたわけでありますけれども、そういった意味で米沢市長は4期目ということでまだまだしっかりと働いていただけるという、そう私個人的には思っておりますんで、先ほどおっしゃられた一心不乱に市政運営に当たっていただければと思います。 それでは、通告に従いまして開政会を代表して大きく5つの項目について質問させていただきます。 代表質問も私で最後となりまして、項目によっては既に質疑がなされた部分もございますので、重複しない範囲で順次伺ってまいります。 まず初めに、真の地域共生社会の実現に向けてであります。 御存じのとおり、我が国の高齢化率は世界で最も高く、28.4%が65歳以上の高齢者となっております。これまで国は介護保険に関する充実を図ってきており、市町村及び都道府県は団塊の世代が75歳以上となる2025年、令和7年に向け、地域包括ケアシステムの構築を推進してきたところであり、平成29年には地域共生社会の実現や高齢者の自立支援と重度化防止など、一層の見直しが行われてきたところであります。 2025年、さらには高齢者の人口がピークを迎える2040年、令和22年の双方を念頭に、高齢者人口や介護サービスのニーズを中・長期に見据え、高齢者一人ひとりが住み慣れた地域で健康で生き生きと充実した生活を営むことができる社会の構築を基本理念に、本市では第八期帯広市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画が策定されております。 少子・高齢化の進行及び人口減少社会の到来で様々な問題や課題がある中、本市においても高齢者世帯や独居世帯の増加に加え、地域交流が希薄で困り事を抱えても相談につながらないなど、社会的に孤立しがちな世帯が増えているという現実があります。 地域包括支援センターの周知度が、残念ながらいまだに低いということも大きな課題の一つだと考えますが、それでも相談件数は増加し、その内容は複合化し困難なケースが増えております。 成年後見支援センターみまもーるにおいても、成年後見は知っていても、みまもーるの存在自体が周知されていない現実もあります。 また、法人後見の受任件数は、平成26年度の4件から平成30年度は約13倍の51件に増加し、同様にその内容は複合化し困難なケースが増えております。一方で、市民後見人養成研修の参加人数は、減少しているとお聞きしております。 さらには、町内会加入率の低下や役員の高齢化、固定化、民生委員の不足など、地域活動の担い手確保も重要な課題であると思います。 そこで、地域包括支援センターの周知度の低さについて、また社会的に孤立しがちな世帯等の増加への対応及び地域活動の担い手確保について、どのように考えておられるのか、現状認識についてお伺いいたします。 次に、成年後見についてですが、成年後見支援センター等で扱う事案において、高齢者や障害福祉、介護保険、生活保護等、各分野を横断するような複合的な問題を抱える事例や、制度的なサービスだけでは対応できないような困難なケースが増えております。相談内容の多様化、複合化、制度のはざまの見えないニーズ等々、これらに対応できる相談支援体制の構築が求められていますが、まず現状の支援体制についての認識と、併せて市民後見人養成研修の現状と課題についてお伺いいたします。 次に、帯広市の歴史文化のまちづくりについてお伺いいたします。 本年、帯広市は開拓140年を迎え、米沢市長は4期目のスタートに当たり未来に向かって新しい種をまくと表明しております。その種は、帯広140年の歴史を踏み固めた土地にまかれるものでなければなりません。強い十勝農業の背景には、土壌改良、土壌整備の努力の積み重ねがあり、まちづくりも全く同じであります。そこで、市長は帯広の140年をどのように捉えているのか、その認識についてお伺いいたします。 今から4年前、北海道は命名150年を迎えましたが、太政官布告により蝦夷地から名称が変わり、現在の北海道が誕生したのは明治2年8月15日であります。 本年、開拓140年を迎える帯広の開拓元年は、1883年、明治16年の依田勉三率いる晩成社のオベリベリ入地にあります。 北海道の誕生は、明治2年8月15日でありますが、では帯広市の誕生はいつと捉えているのかについてお伺いいたします。 次に、晩成社の史実をどのように残してきたかについてお尋ねいたします。 本市には多くの資料がありますが、客観的史実に基づく記録は多くないと認識しております。多くの資料は、表現や内容も難解な原書であり、これでは市民が140年の足跡に触れることができず、先人の労苦に報いるという市長の考え方にもつながらないのではと思います。できるだけ市民が興味を示し分かるような記録の残し方を行政が研究し、市民に分かりやすい形で提供すべきと考えますが、市長の認識をお伺いします。 帯広市には、重要文化財に指定された旧双葉幼稚園園舎や登録文化財に認定された宮本商産旧本社ビルなどのほかにも、帯広の歴史を語る古い建物が幾つも残されております。道内を代表する古建築の専門家の方々からは、それらについても高い評価を受けているところでございます。これらの建物の保存、活用を進めることが魅力あるまちづくりにつながると思っております。そのためにも、帯広市も歴史文化を生かしたまちづくりを進めるための基本計画を策定する必要があると考えますが、市長の認識についてお伺いします。 次に、カーボンニュートラル実現に向けた取組みについてであります。 環境モデル都市は、都市、地域の固有の条件や課題を前提とした地球温暖化対策の具体的な提案を提出し、温室効果ガス排出の大幅な削減など低炭素社会の実現に向けて高い目標を掲げて先駆的な取組みにチャレンジするものとして位置づけられた国の取組みであります。 帯広市は、平成20年7月に他の自治体に先駆けて一次選定されました。以降、本市は環境モデル都市として地域特性を生かし、低炭素型の地域モデルを構築し、地球環境負荷の低減と地域の持続的発展の両立を目指して温室効果ガス排出削減の取組みを進めてまいりましたが、これまでの取組みの成果についてお伺いいたします。 また、市長は、令和4年度の市政執行方針の中で2050年ゼロカーボンを目指すことを明言されましたが、今後の取組みについて、これまでの環境モデル都市行動計画の取組みとどのような違いがあるのかについてもお考えをお伺いいたしたいと思います。 次に、帯広市の道路行政についてであります。 近年、全国的な少子・高齢化に伴い、帯広市も人口の減少が始まっております。このような状況下、今後市街地の拡大や新しい道路網の整備は難しく、コンパクトシティを進めていく必要があることは、私の過去の質疑の中で何度も申し述べてまいりました。今は、道路を造る時代から維持管理していく時代となってきていることは、社会インフラシステムとして全国共通の認識だと考えます。 国では、降雨時の走行性や維持補修、耐久性を考え耐水性舗装や高品質舗装の施工も行っていると聞くわけですが、そこで今後の市道における効果的な維持管理の考え方についてお伺いしたいと思います。 次に、アフターコロナの観光行政についてです。 世界経済フォーラムが発表した2021年の旅行・観光競争力レポートによりますと、交通インフラの利便性や自然、文化といった観光資源の豊富さなどが高く評価され日本が初めて首位になったそうであります。 我が国の観光は、コロナ以前においてはインバウンドの急速な拡大に牽引される形で国内の旅行消費額も増加してまいりました。一方で、有名観光地以外の地方部への観光客の伸びは相対的に小さい傾向にあり、また国内旅行市場が団体旅行から個人、少人数旅行にシフトする中、対応の後れが観光地全体に影響を及ぼすケースが生じるなどの課題を抱えております。 このような状況の中、帯広市における観光を取り巻く現状と課題についてお伺いいたしたいと思います。 以上を申し上げ、1回目の質問とさせていただきます。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 稗貫議員の代表質問中、初めに高齢者施策についてお答えいたします。 孤立しやすい高齢者世帯等に対しては、地域福祉に関わる機関、団体等がそれぞれの特性を生かした総合的な支援が重要であります。このため、民生委員・児童委員、町内会など、地域とのつながりが強い様々な団体の活動を促進しながら担い手の確保を図り、地域包括支援センターなどの関係機関と連携を進めていく必要があると考えております。 次に、成年後見制度についてお答えいたします。 帯広市成年後見支援センターみまもーるでは、5名の職員及び65名の法人後見支援員による成年後見制度に関する相談対応や手続の支援に取り組んでおります。また、制度の周知啓発や市民後見人の養成を行うなど判断能力に自信のない方の生活を支援する役割を担っております。 近年、後見支援へのニーズが高まり、市民後見人の増員が急務となる中、市民後見人養成研修の受講者数は減少傾向にあることから、制度に対する関心を高め受講につなげていくことが重要と考えております。 次に、帯広市開拓140年についてお答えいたします。 屯田兵による開拓が主流の北海道にあって民間開拓団によって進められた帯広市の歴史は、先人による挑戦と努力、そして英知の積み重ねによってつくられてきたと考えております。 鉄道の開通や市制の施行、川西村、大正村との合併など、まちが発展を続けていく過程では冷害や地震、貿易の自由化など多くの困難があったと認識しております。困難に遭っても決して諦めず、明日を信じて乗り越えてきた先人たちの前向きな思いが、今日の帯広を築いてきたと考えております。 今後も、これまでの歴史に学び、開拓者精神を継承しながら未来に向けて新たな種をまくことで十勝・帯広の持続的な発展につなげてまいります。 また、自治体の誕生日、スタートした日をいつとするかについては様々な考え方があり、帯広市として特定の日を定めてはおりません。 なお、本年迎えている帯広市開拓140年・市制施行90年については、それぞれ晩成社が入植した明治16年、市制が施行され、帯広町から帯広市となった昭和8年を起点としております。 次に、ゼロカーボンについてお答えいたします。 帯広市は、環境モデル都市行動計画に基づき再生可能エネルギーの導入促進をはじめ、家庭における省エネの促進や公共施設の省エネ化などにより温室効果ガスの排出削減に取り組んでまいりました。こうした地域を挙げて積み重ねてきた取組みにより、令和元年度以降の温室効果ガス削減量は目標値を超える実績となっています。 環境モデル都市行動計画と今後取り組むゼロカーボンの取組みは、共に温室効果ガス排出削減を目的としており、目指す方向性は同じであると考えております。 一方で、その目標水準については、環境モデル都市行動計画が2050年までに2000年比で50%以上削減を目指している一方、ゼロカーボンでは2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すものとなります。極めて高い目標となりますことから、実現に向けた具体的な取組みは異なってくるものと考えております。 次に、道路行政についてお答えいたします。 帯広市は、これまで市街地の拡大に伴い、市民生活の安全や利便性の向上、そして地域経済の発展基盤として道路の整備を進めてきました。国道や道道をはじめ、骨格となる幹線交通網がほぼ出来上がりつつありますことから、今後は都市計画道路や通学路などの整備を進めながら、予防保全の視点を持って維持補修など市道の適切な管理を進めることが重要と考えております。 最後に、観光についてお答えいたします。 帯広市では、これまで体験、滞在型観光を推進するため、雄大な自然や豊かな食などを生かした観光コンテンツの開発やサイクルツーリズムの推進などに取り組んできました。感染症の拡大により観光客数が大きく減少する一方で、豊かな自然が評価され、アウトドア活動への注目も高まっている状況にあります。 今後は、コロナ後を見据え、観光地としての認知度の向上や長期滞在に向けた取組みが一層重要になるものと考えております。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 池原佳一教育長。 ◎池原佳一教育長 御質問中、初めに晩成社の史実の残し方についてお答えいたします。 晩成社の関係者が残した記録については、これまでも幾人かの郷土史家によって整理され、書物としてまとめられており、小学生の副読本などはそれを基にして平易な文書で書き直されたものであります。元の記録に近い形で市民に提供することも、帯広の歴史への関心をいざない、理解を深める方法の一つではありますが、市民にさらに分かりやすく記録を提供する手法の研究は必要と考えております。 次に、歴史文化を生かしたまちづくりにつきましては、歴史的価値の高い建物と周辺の市街地とが一体となって形成された良好な市街地環境を維持向上していくことを目指す考え方であると認識しております。 このような取組みについて、国は歴史的風致の維持及び向上に関する法律、いわゆる歴史まちづくり法を制定し支援しております。 この取組みについては、多方面から様々な御協力をいただきつつ、主な構成要素となる古い建物や街並みなどの歴史的評価を市民に定着させていくことが必要であり、帯広市としては策定の段階にいまだ至っていないと判断しております。 帯広市といたしましては、歴史遺産を生かした郷土の理解促進の効果的な手法を見極めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 稗貫秀次議員。 ◆21番(稗貫秀次議員) それぞれ御答弁いただきましたので、2回目の質問に入らせていただきます。 まず初めに、真の地域共生社会の実現に向けてであります。 社会的に孤立しがちな高齢者世帯等への対応の考え方については、全くそのとおりと考えているところであります。帯広市と認識を同じくするものであります。 昨年の代表質問で、人生100年時代に向けた自治体の取組みについて述べさせていただきました。存命してるが疾患を抱えて日常生活に支障を来している高齢者が増えているという現状、幾ら平均寿命が延びても健康寿命が延びなければ生きがいの創出にはつながらないわけであります。 さて、ここで大切になってくるのは、総合的に支援するために今後具体的にどのように進めていくのかということであります。 これまでに介護保険制度の中での地域包括ケアの体制づくりなどに取り組まれたことがあり、現在の状況があるわけであります。今後帯広市が目指している方策、展望についてお聞かせください。 今後、我が国では、高齢化に伴い認知症も増加し、成年後見が必要な人もますます増加することが見込まれております。帯広市は、比較的早期に成年後見支援センターを立ち上げ後見制度に対応してきたと思っておりますが、しかし設立時点と比較し、相談や対応件数も増えているのではないかと思うわけですが、みまもーるの体制としては当時からほぼ変わっていないのではないかと思うところであります。 今後増加する後見に対応するためにも、市民後見人の養成が必要不可欠であるという認識があるとのことですが、養成研修の受講者の減少傾向にある原因をどのように捉えているかについてお伺いいたします。 また、その原因を踏まえ、市民後見人養成講習の参加者並びに市民後見人を増やしていくための今後の方策、展望についてもお伺いいたします。 次に、帯広市の歴史文化のまちづくりについてであります。 開拓140年をどう捉えるかとする質問に対する御答弁は、おおむね民間人による開拓を特徴とするこれまでの歴史を大切にしながら、そこに流れる開拓者精神を継承しつつ、さらにそこに新しい種をまきながら十勝・帯広を持続的に発展させていきたいとする内容であったと受け止めました。 そこで、さらに質問するのでありますが、帯広の発展の歴史を振り返るとき、開墾の功績と同じくらい評価をしなければならない史実として現在の帯広刑務所の前身である十勝監獄の開庁があります。 明治28年4月に十勝監獄の前身となる北海道集治監十勝分監が開庁されましたが、ここに収容される約1,000人を超える囚人による人的、物的要素は、その後の帯広の発展に大きな貢献をもたらしてきたと思うところであります。 この十勝監獄から始まる帯広刑務所の歴史と帯広開拓140年の関係をどう考えるか、市長の認識についてお伺いいたします。 開拓140年に関わりその帯広の誕生日はいつかと質問しました。答弁は、晩成社が入植したのは明治16年であり、帯広が町から市になったのは昭和8年であるとの内容でありました。 私の質問は、帯広の誕生日はいつかというものであります。帯広が、市制をしいたのは昭和8年4月1日であります。だから、その意味では帯広市の誕生は4月1日ということになるわけです。ならば、帯広開拓140年とするその始まりは、明治16年は分かりますが、明治16年の何月何日であったかが分かりません。 帯広市は、松崎町と開拓姉妹都市を締結しております。その締結日は昭和53年5月20日であり、締結に至るまで様々な経緯があったと思いますが、その中身について時系列で答弁を求めたいと思います。 晩成社の史実をどう残してきたかとする質問の答弁は、郷土史家の書物として整理されまとめられているとのことでしたが、記録を整理して市民に伝えている、郷土史家の研究にも諸説に分かれるものがあり、例えば依田勉三が飼育していた豚の搬入元についてでありますが、2説あります。1説は本州から運んできた、もう一説は釧路から運んできたとあり、意見の一致を見ていない。そうした不明瞭な部分について、小学生が副読本の授業で質問したとするならば学校の先生はどう答えるべきなのか。先人の記録をどう残すのかに関わることと思いますが、考え方をお伺いいたします。 次に、歴史文化のまちづくりについてですが、古い建物などに歴史的価値を見いだし評価を定着させる等のプロセスを進めるために、帯広市は具体的にどのような方法で行うのか。また、今後歴史文化を生かしたまちづくりの主役となりそうな建物を、例えば登録文化財にしようとするに当たり市は支援する考えはあるのかについてお伺いいたします。 次に、カーボンニュートラル実現に向けた取組みの2問目でございます。 カーボンニュートラルを目指すとなれば、新たにハードルを上げた計画を策定して取組みを進めなければならないと考えますが、具体的にどのような取組みを進めていくのか、また十勝管内の自治体とはどのように連携していくのか、市の認識についてお伺いいたします。 次に、帯広市の道路行政についてであります。 道路を維持していくには大変な労力が必要であると思いますけれども、最近一部の自治体で導入されているLINEを活用した道路損傷通報システムは、市民からの画像を添付した通報により道路の損傷が速やかに確認できるとのことであります。以前の質疑の中でも、芽室町の取組みを紹介し導入について提言させていただきましたが、通報システムを利用することにより円滑な道路の補修につながると考えますが、導入に向けた本市の考え方についてお伺いいたします。 次に、除雪に関してですが、今年の大雪の対応では大変御苦労されたことと思います。除雪や排雪、拡幅作業は市民の生活にも大変大きな影響を及ぼすため、速やかな対応が必要であると考えます。 今年から新たな試みとして、通学路の積雪については学校敷地へ排雪したとお聞きしましたが、その後の検証と今後の考え方についてお伺いいたします。 このほか除雪を取り巻く環境は、人件費や油脂類の上昇などから年々厳しくなっており、除雪に参加する事業者の減少につながっていると聞いております。過去には、帯広市の除雪を担っている帯広市除雪安全連絡協議会から除雪費の増額に対する要望書が提出されておりましたが、その後の対策、対応についてお伺いいたします。 最後に、アフターコロナの観光行政について伺います。 第七期総合計画において、アウトドアの聖地にするとの施策を示されておりますが、アウトドア観光の振興に向け、DMOであるデスティネーション十勝とともにどのように取り組んでいくのかについてお伺いいたします。 次に、おびひろ平原まつりが3年ぶりに開催されるわけでありますが、いつもと違い新型コロナウイルス対策やにぎわいづくりなど課題も多くあると思います。 帯広のまつり推進に関わる今年度の考え方について伺い、2回目の質問とさせていただきます。 ○有城正憲議長 米沢市長。 ◎米沢則寿市長 初めに、高齢者施策についてお答えいたします。 我が国は、高齢者を含め地域住民等が支え合い、一人ひとりの暮らしと生きがい、地域を共につくる地域共生社会の実現を目指しています。帯広市でも、その実現を目指し、様々な分野で関係機関や地域の人たちと協議を重ねているところであり、今後も支援を必要とする人が身近な人とのつながりや支え合いの下、社会から孤立せず安心して生き生きと暮らすことのできるまちづくりを進めてまいります。 次に、成年後見人についてお答えいたします。 市民後見人養成研修の受講者の減少は、今後の市民後見を担う若い世代に対し市民後見人の制度や役割、やりがいなどが十分に伝えられていないことなどが要因の一つと考えております。 今後は、企業や団体等にも働きかけ、出前講座等を通して若い世代を含め幅広く市民後見人への関心を持っていただけるよう周知啓発の強化に努めながら、成年後見制度を支える体制づくりを進めてまいります。 次に、十勝監獄についてお答えいたします。 十勝監獄は、開拓140年の歴史の中で監獄の設置から後の監獄用地の解放に至るまで、まちづくりと深く関わりがあったと認識しております。 特に広大な農地の開墾、道路や橋、小学校などの公共施設の建設、農機具から日用雑貨の製造など、開拓期における市街地の急速な発展に大きな役割を果たしたと考えております。 松崎町との開拓姉妹都市締結に至るまでの経緯につきましては、昭和52年7月に当時の田本市長一行が依田勉三の遺品や資料等の調査のため松崎町を訪問し、双方が懇談したことで友好交流の機運が急速に高まり、同年10月27日に帯広市一行が松崎町を訪問し、締結に関する具体的な検討が行われました。その後、12月に双方の議会において開拓姉妹都市締結を議決し、昭和53年5月20日の締結調印式に至ったものであります。 次に、ゼロカーボンについてお答えいたします。 新たな計画の策定に向けては、環境モデル都市として積み上げてきた実績を基盤に、今年度実施する基礎調査を踏まえ、来年度に新たな実行計画を策定し、温室効果ガス削減に向けた取組みを推進してまいります。 管内自治体とは、これまでも十勝定住自立圏共生ビジョンに基づき連携してきておりまして、2050年ゼロカーボンに向けても情報共有や勉強会の開催などの取組みを積み重ねてまいります。 次に、道路行政についてお答えいたします。 市民からの通報システムについてでありますが、効率的な道路の維持管理の視点から、ICTの活用も視野に効果的な方法や体制を幅広く検討してまいります。 学校敷地への排雪につきましては、歩道幅の確保や交差点での雪山の解消につながり、児童・生徒の安全確保の上で一定の効果があったと考えており、今後も継続していく考えであります。 帯広市除雪安全連絡協議会からの要望に対しましては、これまで継続して意見交換を行い、令和2年度には固定経費となる車両リース料の増額を行っております。 今後も持続可能な除雪体制の構築に向け、協議会と意見交換を行いながら安全・安心な冬道の確保に努めてまいります。 次に、アウトドア観光についてお答えいたします。 帯広市では、デスティネーション十勝と連携し、ポロシリ地区でのアウトドアコンテンツの開発のほか、企業の研修と組み合わせたビジネスキャンプ等のアウトドア商品の開発、キャンプ場へのWi-Fi設備整備といったワーケーションの環境づくりを進めてまいりました。 今後も、ナショナルサイクルルートトカプチ400の受入れ環境の充実などアウトドア観光の推進を図りながら、十勝の強みである食や世界で唯一のばんえい競馬、そしてアウトドアを組み合わせた体験コンテンツの開発を進め、十勝・帯広が旅の目的地となるよう取り組んでまいります。 最後に、おびひろ平原まつりについてお答えいたします。 おびひろ平原まつりを安全・安心に開催するため、実行委員会で感染症対策の内容を検討しているところであります。 また、これまでの3日間から2日間の開催とし、イベントの集約による切れ目のないにぎわいの創出や多くの市民が気楽に楽しめる参加体験型のイベントの充実等が検討されております。 帯広市といたしましても、多くの市民や子供たちの楽しい夏の思い出となるようにしっかりと準備を進めていく考えであります。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 池原教育長。 ◎池原佳一教育長 御質問中、初めに郷土史の伝え方についてお答えいたします。 副読本から出てくる小学生の疑問などで諸説ある場合、その確認が困難である場合には諸説あるものとして伝えることが適切であると考えております。 次に、文化財の支援についてお答えいたします。 これまで帯広市では、建築士会の方々とともに教育委員会が歴史的価値の高い建物を調査し「おびひろの古建築」として刊行した経緯があります。 今年度は、周年に合わせ文化財審議委員の御助言をいただきながら文化財マップを作成する予定であり、関係者の御協力を得ながら調査や周知に取り組んでいくことが歴史文化を生かすまちづくりにもつながるものと考えております。 また、文化財制度が適用できる環境が十分に整っていると判断できる歴史的価値の高い建物については、これまでも支援を一部で行っており、今後も個別の案件に応じて対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 稗貫議員。 ◆21番(稗貫秀次議員) それぞれ御答弁いただきましたので、3回目は主に意見、要望を述べさせていただきたいと思います。 観光の部分だけ質問を担保させていただきたいと思います。 まず初めに、真の地域共生社会の実現に向けてであります。 2020年の時点で成年後見制度を利用している人は全国で約23万人にすぎず、潜在的な後見ニーズ、判断能力が不十分と見られる人の総計、推計およそ1,000万人とのことでありますが、その僅か2%満たしているにすぎません。今後認知症高齢者等がますます増加し、後見人の需要も一層高まっていくことが見込まれる中、親族や専門職に加えて新たな後見の担い手として市民後見人のさらなる活用はやはり大いに期待されるところであります。 振り返ると、これまで後見制度及び市民後見人の一層の普及と推進を図っていくためには制度的な整備が進められてまいりました。2001年から成年後見制度利用支援事業を開始され、公的な助成が行えるようになり、2012年に老人福祉法が改正施行され、市町村は市民後見人の育成及び活用を図ることが努力義務化されました。並行して、厚労省は2011年から市民後見人推進事業を開始し、2015年からその後継事業として権利擁護人材育成事業を始めることにより、地方自治体による市民後見人の養成やその支援団体の整備を支援してきた経緯があるわけであります。 このような状況の中、2016年4月に成年後見制度利用促進法が成立し、それに基づいて2017年3月、成年後見制度利用促進基本計画が制定されましたが、この法律は後見制度の運用の改善や市民後見人の育成などを通じて低迷している成年後見制度の利用の一層の促進を図るものでありました。 市民後見とは、地域における一般の市民同士が困ったときはお互い助け合いの精神に基づき地域の社会的弱者等を支援する活動の一つであります。仮に親族後見が家族愛、専門職後見人が職業倫理とするならば、市民後見人は地域的共助の精神ということが言えるのではないでしょうか。 今、国家財政や社会保障費の逼迫など厳しい社会状況に対応していくためにも、地域の人々が地域的共助の精神に基づいて互いに助け合うことができる社会をつくっていくことは重要であります。今のこの社会を何とか維持していくためには、地域における市民の相互支援に基づく共生社会をこれからしっかりとつくっていく必要があります。 市民後見は、この地域的共助を実践する社会活動の一つであり、このような活動を通じて人々の社会意識の向上や社会活動の実践を促し、もって厳しい状況下であっても希望ある社会の形成を目指すということが言えるのであります。つまり市民後見人の養成は、地域的共助に基づく共生社会の創出のまさに一翼を担うものと言えるのではないでしょうか。 歳をとることの意味や高齢社会の在り方を探求する学問であるジェロントロジーを基礎に、高齢者や障害のある方々等々のお金、人間関係、後見に関する個別相談などに本人主義の原則にのっとってしっかり寄り添って対応できる支援センターを目指していただきたいと思います。 そして、学びを通してそれぞれの立場や地域で皆が納得して幸せになれるよう動いていただくことで、新しい後見の価値を創造していけるような養成研修になるよう、その在り方についていま一度しっかり取り組んでいただきますことを切に要望いたします。 話は変わりますが、先頃テスラの創業者である世界最大の資産を保有するアメリカの実業家イーロン・マスク氏が、日本は消滅の危機にあるという趣旨の発言をツイッターに投稿しニュースとなっておりました。昨年、日本の人口が過去最大の64万人も減少したことを根拠にした発言であります。 2050年の日本の推計人口は9,200万人と、現在からさらに27%も減少し、世界最大の減少比率になることが危惧されております。 また、それ以上に心配されているのは、工業社会から情報社会への転換に日本の社会や国民が対応できていないことだと言われております。 米沢市長は、帯広市の高齢者のネット利用状況を把握されていますでしょうか。 内閣府の高齢社会白書によりますと、日本の高齢者は情報機器の必要性は感じているものの、使い方が分からないので面倒だと思っている割合が世界的に多い国と記述されておりました。 市政執行方針でも述べられているとおり、デジタル技術や情報通信技術を活用しながら利便性の高い住みよいまちづくりを進めるためにも、高齢者が安全に使えるネット環境を提供することは生きがいの創出とともに認知症の予防にも寄与すると思いますので、市との情報のやり取りを含めて高齢者もしっかりとこのデジタルに向き合っていける、そんな取組みに期待したいと思っております。 次に、帯広市の歴史文化のまちづくりについてであります。 開拓140年に関わって先人の労苦にどう応えようとするのかを幾つかの事例を挙げながら質問してまいりました。率直に言って、答弁の内容は従前と変わらないとの印象であります。少なくとも松崎町との姉妹都市締結の経過についての質問は初めてであったと思いますが、その答弁は抽象的との感想を持ったところであります。 松崎町との開拓姉妹都市締結は、帯広市から田本市長一行が松崎町を訪問したことが始まりであり、帯広市の意思があったから実現したものであります。 また、帯広市は、当初7月16日に姉妹都市の締結を望んでいたと理解していますが、なぜその日としたのか理由があったと考えます。 それともう一つ、自治体の誕生日についてなんですが、様々であるとの御答弁がありました。十勝管内19市町村の中で始まりがいつかを語るとき、その起点日を明らかにしていないのは珍しいのでございます。珍しい中に帯広市も入っているわけでありまして、様々だとする答弁には再調査を求めておきたいと思います。 十勝管内の町村においては、戸長役場の設置日をまちの始まりの起点としているわけであります。帯広市の戸長役場設置は、明治26年6月17日であります。しかし、帯広市は、戸長役場の設置日ではなく、晩成社に関わる明治16年を起点にしてきたわけであります。このことに異論はありません。 異論はありませんが、7月16日の諸説ある中で開拓姉妹都市を結ぶに当たり、帯広市が7月16日にこだわった理由と事実を記録に残す意味からも、いま一度問い直していただきたいと思います。 いずれにしても、本年は開拓140年という節目の年に当たります。そんな貴重な年の市長は、米沢則寿市長であります。ぜひ一つしかない史実を諸説のまま先送りしないよう強く要望しておきます。 次に、歴史文化のまちづくりについてですが、古い建物や街並みなどの歴史的評価を市民に定着させたり、歴史遺産を生かした郷土の理解促進のためにも、生活の中の景色に溶け込む文化財や身近な古建築等で帯広の近代の歴史を学ぶ機会を学校教育の場でぜひ創出していただきたいと思います。 令和4年度の帯広市教育基本計画の基本理念の冒頭に、ふるさとの風土に学び云々とあります。小・中学校の総合学習の時間などで教職員共に学び、基本目標の2に掲げる、生涯にわたり学び活躍できる人づくりをさらに推進していただきたいと思うものであります。 本年度に文化財マップを作成する予定とのことでありますが、帯広市の古建造物を見ると、国指定の文化財や登録文化財は旧双葉幼稚園園舎と宮本商産旧本社ビルだけです。北海道指定の文化財はゼロ、帯広市指定の文化財も十勝監獄石油庫だけにとどまり、今のところ計3件しかありません。 このような状況下での文化財マップの作成には、対象物が少な過ぎてかなりの労を要すると考えますが、文化財に固執することなく、広い視野で帯広の歴史を刻んできた街並みや建造物などを再評価し、マップづくりに生かしていただきたいと思うところであります。 また、これまで帯広市は、建築士会と歴史的価値の高い建築物を調査しと御答弁がありましたが、現在はその調査も行われておらず、歴史的建造物の所在を確認する上でも今後ぜひその共同調査の再開を検討していただきたいと思うわけであります。 聞くところによりますと、この古建築調査には帯広工業高校の建築科の生徒も参加し、学校では学べない実測の方法や作図、建築の見方や形になっていく経緯なども現場で学ぶことができると、教育関係者からも再開を要望する声が聞かれるとのことであります。 教育の観点からも重要なことと考えますので、ぜひ前向きに復活に向け関係機関と調整いただきたいことを要望したいと思います。 次に、カーボンニュートラル実現に向けた取組みについてであります。 ゼロカーボンと環境モデル都市の行動計画の違いについては、目的は同じであってもハードルの高さは全く違うと思います。片や50%だったものをゼロパーセントにするわけですから、並大抵のことでは達成不可能だと言わざるを得ません。あと30年足らずで目的を達成させるためには、国を挙げて様々な生活様式の変更が求められると思います。 そこで、我々が身近に取り組めることの一つとして、運輸部門の化石燃料から電気エネルギーへのシフトが考えられます。具体的に言いますと、EV電気自動車化については世界的な潮流となっており、近い将来に必ずガソリンから電気や水素へのクリーンエネルギーを使った自動車が100%導入されるものと思われます。 現状では、価格や充電網の整備など課題もありますが、価格については現在国からの補助金が活用できること、充電網については現在ぱらぱらできてはおりますけれども、今後大手石油元売会社が全国のガソリンスタンドに急速充電器を迅速に設置することを表明しており、心配なく移行できると考えます。 以前、帯広市役所の職員の方から聞いた話ですが、初期の一昔前のEVカーで公務のために芽室町に行ったということでございます。その際、冬期間ということもあったんでしょうが、行った先で充電が切れて帰ってこられなくなったと、笑うに笑えない話を聞いたことがあります。 しかしながら、現在はEVカーの性能も格段に進歩しておりまして、一度の充電で帯広-札幌間の往復も可能となってきていると聞いております。 また、災害時の停電の際には、避難場所の電気を数日間賄えるだけの能力を持っていることも報告されております。 先般、帯広市と電力会社が防災協定の締結式を5月30日に行いました。その中で、締結式の終了後に市職員の方含めてこのEVカーの防災対策としてのデモンストレーション、車を持ち込んで帯広市役所の前庭で実践をしたわけであります。議会からは小椋議員が出られておりましたし、本当に簡単に給電できるという、そんな実感もいただいたと思います。 その中で、市役所の担当の方からは、防災に係る人間全員がEVから電力供給できるように訓練していきたいと、引き続き連携をお願いしたいというお話があったそうでございます。そういった部分も含めまして、まさに一石二鳥、ゼロカーボンと災害時の活用にうってつけの取組みになると思います。 現在、十勝地方において十勝総合振興局などと民間企業が共同で次世代自動車を十勝地域で普及させるため、十勝次世代自動車研究会が発足いたしました。 この取組みは、防災用途も含めた次世代自動車の活用法や普及への課題と解決策を官民一体で議論し、その成果を管内の住民や企業に発信し、次世代自動車の導入機運を醸成していく、そういったことを目的としております。帯広市としても、積極的に参加していただくことを要望したいと思います。 現在、帯広市の公用車につきましては、251台あるそうでございます。そのうちハイブリッド車が18台、EV車が3台となっており、圧倒的にガソリン車が多いわけであります。少なくとも当面は避難場所の数だけEV自動車を導入することを求めておきたいと思います。 今後ゼロカーボンに向けて実行計画が策定されるとのことですが、次世代自動車の導入に向けてスピード感を持って取り組まれることを要望いたします。 次に、ゼロカーボンを目指すのであれば電力事業、発電事業についても触れなければなりません。 電気需要によるCO2の排出量、これは日本全体の産業の約4割を占めているということでございます。資料によりますと、約39%が電気事業含むエネルギーの部門でございます。産業部門が25%、運輸部門が18%、業務その他部門が6%、家庭部門が5%、その他7%ということで、約4割が電力でございます。電気は基本的にクリーンエネルギーということでございますが、電気を起こすための発電に使うエネルギーが化石燃料では元も子もないわけであります。 そういった部分で、その数字的なものもちょっと押さえてみましたけれども、全体の中で電力のこのCO2の排出量、石炭火力、石油火力、天然ガス火力、そういったもので全体の約96%のCO2の排出でございます。それ以外、太陽光であったり、風力、原子力、地熱、水力とありますけども、この5つの発電方法はほとんどCO2を排出しないということあります。ですから、今後の課題は、火力発電所の存廃だと考えるわけでございます。ゼロカーボンを目指すのであれば、老朽化した火力発電所の廃止は避けて通れないのであります。 現状で、日本の電力は足りている、停電することはないと一部の学識経験者やマスコミ関係者は言っておりましたけれども、これは大きな間違いであります。 今年の3月16日に発生した福島県沖地震の影響により、東北エリア、東京エリアの火力発電所が一部停止したことで、国は電力需給ひっ迫警報を初めて発令しました。今回のような自然災害などの不測の事態が発生すると、停電の危険が背中合わせだということを我々は認識しなければなりません。 ここ道内においても、胆振東部地震により道内全域が数日間にわたって停電したことは記憶に新しいところであります。電力需給逼迫やエネルギー価格高騰に直面することで、多くの国民がエネルギー安全保障を現実的な危機感を持って受け止めていると思います。 日本は、資源小国であり、問題が顕在化してから危機感を持つのでは遅過ぎるのであります。今あるエネルギーのインフラや技術は、非常事態に備えて石油危機の頃から何十年もかけて蓄積してきたものであります。石油危機が起きる以前から開発を始めていた原子力、石油に代わる燃料の石炭や天然ガス、太陽光などの再生可能エネルギーや省エネ技術の普及など、あらゆる方面で知恵を絞ってきた結果、電気はあるのが当たり前のものになりました。 しかし、その後、福島第一原子力発電所の事故が起きて、原子力のリスクが強く意識されるようになったり気候変動問題への意識が高まったりする中で、相対的に安定供給が失われることへの危機感が低下したのも事実であります。エネルギーを考える上で重要なのはバランスであり、一つの問題だけに意識が偏ることは避けなければなりません。 具体的には、安定供給、経済合理性、環境適合性の全てに意識を置く必要があります。現在はウクライナ危機もあって安全保障が強調されておりますけれども、それで気候変動対策をおろそかにしていいということにはなりません。 電力需給逼迫は様々な要因が関係しておりますが、東日本大震災以降、原子力発電所の長期停止が続いていること、再エネの急速な普及や気候変動問題により火力発電の採算性が悪化し、老朽発電所の廃止や新設計画の撤回が相次いだことなどによって電源の容量全体が不足に陥ったことが背景にあります。 現状での対策としては、大型蓄電池のなるべく早い早期技術開発、それから定められたプロセスにのっとって審査され安全性が確認された原子力発電所の再稼働しかないと思っております。ぜひ皆さんにはそのことを御理解していただきたいということを心から願って、この項目の意見、要望とさせていただきます。 次に、帯広市の道路行政についてであります。 それぞれ御答弁いただきました。特に、除雪の問題につきましては、他の議員からも再三にわたり質疑がなされておりましたので、理事者の皆さんも肝に銘じて今後の対応に当たられることと思いますけれども、市政執行方針でも触れられている、中心街などにおいて高齢者や障害者をはじめ誰もがまちを楽しむことができる歩ける空間づくり、これについて一言申し述べさせていただきたいと思います。 今年の1月の豪雪は、一度に多くの積雪が重なった結果であることは理解しております。除雪と排雪の連動をしっかりと行うことで、こういったものにも対応できると思います。 また、帯広市の玄関口である帯広駅周辺の除雪の対応についても、多くの苦情が寄せられておりました。JRとの区割りがあると聞いておりますけれども、双方が連携して早期に除雪に当たられるよう協議していただきたいと思います。 玄関口で雪をこいで歩くような状況がしばらく続くとなると、観光客を含めて帯広市のイメージが本当に悪くなると思いますんで、ぜひそういったことに耳を傾けていただきたいと思います。 また、通学路の除雪についても、多くの市民から危険性を指摘されております。関係者の連携をより一層深めていただきたいと思います。 ここで、私が事業者と意見交換をした際に聞き取りをした内容を若干お話ししたいと思います。 現在の除雪業者を取り巻く環境でありますけれども、平成15年に帯広市全体で除雪業者が75社ありましたけども、令和3年には52社に減少しております。実に3分の2の事業者で、同じ道路距離数を除雪しているということでございます。 そういった中で、オペレーターや機械不足、除雪に関わる時間が20年前の1.5倍になってるということで、本当に困っているという、そういう切実な要望がなされております。 あと、苦情から見えてくる問題点についてもお話がありました。新雪除雪については、国道の除雪規定というのは5センチから10センチ以上になった場合の規定があります。道道は10センチ以上の降雪、それに対して帯広市市道は15センチ以上の降雪にならないと除雪に入らないということであります。 そういった中で、事業者の方は、あっちは除雪してるのにうちの前は入ってないという苦情、こんなことも多く寄せられていて対応に時間を要している、こんなお話もありました。 そういった部分、除雪回数が増えても業者の減少防止にもつながると思いますんで、この規定を見直しするべきだということを申し述べさせていただきたいと思います。 また、もう少し早いタイミングで除雪を開始したいという声も寄せられております。最終的には、道路維持課とセンターと協議してデータを見ながら判断してるということでございますけれども、路面状況、その地域によっても降雪の多さが違ってくる思います。そういった意味では、除雪センターはブロック制ですから、そのブロックごとに現地の状況を見ながら判断をしてほしい、こういったことをぜひお願いしたいと思っております。 あと、最終的に二次除雪の問題でございます。 危険箇所の除去要望を出しても決定が遅いというお話であります。7ブロックからの要望を取りまとめて、予算額を道路維持課が財政に交渉してから金額が決まって優先順位をつけるということで、1週間ぐらいかかることもあるそうであります。各センターに二次除雪に係る予算をあらかじめ振り分けていただければ、センターの判断で迅速な対応ができるということもおっしゃっておりました。ただし、予算の範囲内ということ、これは逸脱することがないようにできるということでございます。 そういった意味で、通学路の排雪、拡幅除雪、路面整正に対して交差点排雪の施工が少なく感じるということで、予算の関係で優先順位が決まってるということでございます。ですから、最終的に交差点の排雪まで予算が回ってこない。なので、交差点の排雪化がされないことによる交通事故の誘発であったり、市民の苦情が多くなるんだと、こんなこともお話しされておりました。 こういったことを含めて、今後検討の点に取り上げていただきたいと思います。 最後に、アフターコロナの観光行政についてもう一問お聞きしたいと思います。 今年のおびひろ平原まつりにつきましては、現行の3日間開催から2日間開催としてイベントを集約されるとの御答弁がありました。おびひろ平原まつりの中心となる催しは、夢降夜と平原太鼓まつり、そして盆踊りとなります。 その中でも盆踊りにつきましては、平原まつりになくてはならない催しと考えますけれども、長引くコロナ禍にあって今年度どのように開催するのか、準備の状況も含めお伺いしたいと思います。 ○有城正憲議長 米沢市長。 ◎米沢則寿市長 おびひろ平原まつりについてお答えいたします。 おびひろ平原まつりの盆踊りは、十勝で最大規模であります。お祭りを盛り上げるおはやしや参加団体が創意工夫を凝らしました踊りや山車など、平原まつりの中で最も盛り上がる催しであると認識をしております。 現在実行委員会におきまして、前回の参加団体へ意向調査を実施しております。いただいた意見を参考にしながら、盆踊りの開催方法等を検討をしているところであります。 現状は以上であります。 ○有城正憲議長 稗貫議員。 ◆21番(稗貫秀次議員) 分かりました。 このお祭りについては、推進委員会の総会が5月30日に行われたということでございまして、その中でも平原まつりの会期は8月14日から15日、2日間ですと。今まで主催者であったエヌシーおびひろ、十勝毎日新聞社が主催を離れたということで、平原まつり実行委員会にて運営を行うということで、初めての経験になると思います。 そういった意味で、昨今のコロナ禍の中にあって過去30団体ぐらい出ていた盆踊りがかなり参加団体が減るんじゃないかと、そんな話も聞こえてきてるわけでございます。今市長のお話ありましたとおり、事前アンケートを参加団体に送って、その集約が間もなくされると思っておりますけれども、そういった中で参加団体が少なくなると祭り自体が、本当に盆踊りのやる意味というのも含めて考えなければならないと思いますので、ぜひ経済部、観光の皆さんにおいてはコンベンションセンター、それから今委託を受けた東洋さんですか、そういったところを実行委員会と協力しながら参加団体の協力依頼に取り組んでいただきたいと思います。この分は要望にさせていただきます。 また、先ほど来ほかの議員の方からも、今後の観光行政の中で新しい取組み、メニューを考えていくべきだということもあったと思います。 そういった中では、EVカーのお話もしましたけれども、十勝ならではということで、管内の温泉地をそのEVカーを使って、レンタカーでもいいんですけども、周遊していただいて、ポイントラリーの形にして自然環境と観光地を散策していただく、そんなメニューにも取り組んでみてはいかがと思いますし、また大樹町では今ロケットがかなり脚光を浴びております。そういった意味で、EVカーを使ってロケットを見に行こうだとか、いろんな案が、プランが出てくると思いますんで、ぜひ関係者の皆さんの協力の下、十勝の観光を盛り上げていただくために一致団結して対応していただきたいと、このことを申し上げまして、私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○有城正憲議長 以上で稗貫秀次議員の発言は終わりました。 これをもちまして令和4年度市政執行方針に対する質疑並びに一般質問を終わります。 以上で本日の日程は全部終わりました。 ここでお諮りいたします。 本会議は議事の都合により、明日21日は休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○有城正憲議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 したがって、次回の本会議は6月22日午前10時に開きます。 本日はこれをもちまして散会いたします。         午後3時47分散会...