北見市議会 > 2010-06-05 >
12月08日-03号

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  1. 北見市議会 2010-06-05
    12月08日-03号


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    最終取得日: 2022-12-03
    平成22年第6回12月定例会〇議事日程日程 番号事件番号内  容  等第1  会議録署名議員の指名について第2議案第 114号平成22年度帯広市一般会計補正予算(第7号)議案第 115号平成22年度帯広市ばんえい競馬会計補正予算(第4号)議案第 116号平成22年度帯広市空港事業会計補正予算(第4号)議案第 117号外国の地方公共団体の機関等に派遣される帯広市職員の処遇等に関する条例の一部改正について  一般質問について     ──────────────〇会議に付した事件 議事日程に同じ     ──────────────〇出席議員(30人)    1番       大 塚   徹    2番       清 水 拓 也    3番       編 田 照 茂    4番       横 山 明 美    5番       藤 澤 昌 隆    6番       神 谷 博 之    7番       渡 辺 和 寛    8番       富 井 司 郎    9番       鈴 木 仁 志    10番       稲 場 千 鶴    11番       村 田 光 成    12番       稗 貫 秀 次    14番       有 城 正 憲    15番       大竹口 武 光    16番       後 藤 美智子    17番       山 崎   泉    18番       北 口 孝 志    19番       市 原 秀 朗    20番       佐々木 とし子    21番       佐々木 勇 一    22番       鈴 木 孝 昌    23番       栗 田 律 子    24番       小 森 唯 永    25番       大 石 清 一    27番       谷 内 利 夫    28番       高 佐 芳 宏    29番       野 原 一 登    30番       稲 葉 典 昭    31番       安 田 正 雄    32番       石 井 啓 裕     ──────────────〇欠席議員(2人)    13番       山 田 驎太郎    26番       荻 原 昭 勝     ──────────────〇出席説明員 市長          米 沢 則 寿 副市長         本 迫   哲 副市長         嶋 野 幸 也 公営企業管理者     山 本 雅 雄 教育長         八 鍬 祐 子 代表監査委員      須 賀 重 雄 政策推進部長      伊 藤 修 一 政策室長        阿 部 信 一 総務部長        西 田   譲 市民活動部長      井 上 憲 二 市民環境部長・環境モデル都市推進室長中島地区振興室長             佐 藤 秀 樹 保健福祉部長      細 野 正 弘 こども未来部長     嶋 崎 隆 則 商工観光部長      鈴 木 新 一 農政部長        米 倉   進 産業連携室長      前 田 正 明 都市建設部長      伊 藤 邦 俊 上下水道部長      飯 田   勇 学校教育部長      須 貝 栄 一 生涯学習部長・スポーツ振興室長             小 笹 勅 雄 監査委員事務局長    竹 下 達 也 消防長         福 田   茂 教育委員会委員長    田 中 厚 一     ──────────────〇事務局出席職員 事務局長        斉 藤 達 也 書記          柴 田   裕 書記          相 澤   充 書記          石 井 健 一 書記          泉   義 徳 書記          島 田 敏 之 書記          澤 沼 克 也 書記          嵯 峨 秀 一     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~         午前10時0分開議 ○石井啓裕議長 これから本日の会議を開きます。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○石井啓裕議長 ここで事務局長に本日の議事日程などについて報告させます。 ◎斉藤達也事務局長 報告いたします。 本日の出席議員は、30人であります。欠席の通告は、13番山田驎太郎議員、26番荻原昭勝議員からございました。 次に、本日の議事日程でございますが、お手元に配付の議事日程表第3号により御了承いただきたいと存じます。 報告は以上でございます。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○石井啓裕議長 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、3番編田照茂議員及び4番横山明美議員を指名いたします。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○石井啓裕議長 日程第2、議案第114号平成22年度帯広市一般会計補正予算(第7号)外4件を一括して議題といたします。 これから昨日に引き続き議案に対する大綱質疑並びに一般質問を行います。 初めに、稗貫秀次議員から発言の通告があります。 12番稗貫秀次議員、登壇願います。   〔12番稗貫秀次議員・登壇・拍手〕 ◆12番(稗貫秀次議員) おはようございます。 一般質問2日目の最初に登壇をさせていただきました。私にとって米沢市長が就任以来、初めての一般質問になります。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、通告に従いまして大きく生物多様性について、高齢者の福祉について、この2点について御質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、生物の多様性についてでございます。 私たちの住むこの地球は、絶妙なバランスの上に成り立っております。動物、植物、昆虫、微生物、水、土、大気、それぞれがかかわり合い支え合って一つの系を形づくっておりますが、私たち人間はこの系のどこに位置しているのでしょう。究極の自然環境保護策は、地球上から人間がいなくなることと言われると笑うに笑えませんが、人間も地球の生態系の一員であり、その頂点に君臨しているとも言われております。しかし、私たち人間は地球とのつき合い方を随分と踏み外してしまったようです。 さて、本年は国連が定めた国際生物多様性年に当たり、10月には名古屋市において第10回の締約国会議(COP10)が開催されました。この会議では、多様な生き物やその生息環境を守り、その恵みを将来にわたって利用することを目標に、遺伝資源の利用から生ずる利益を公正かつ衡平に配分することが主に話し合われました。また、他の視点として掲げられた地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全することも重要な課題として取り上げられました。 生物多様性という言葉自体は、私自身余り聞きなれない言葉でしたが、簡単に言うと多くの種類の生き物がいること、それらがつながり合って生態系の豊かさやバランスが保たれていること、また過去から未来へと遺伝子の多様さが伝えられていることということだそうです。つまり種の多様性、生態系の多様性、遺伝子の多様性という3つのレベルでの多様性があると言われております。このことは過去から当たり前のこととして考えられてきましたが、今では多様性が深刻な状況に至っているとの見解がなされております。 地球上では、未知のものを含め3,000万種とも言われる多種多様な生き物が支え合ったり競い合ったりしながら生態系を形づくってきましたが、人間による開発や乱獲、外来生物、環境汚染などによって、1年間に実に約4万種が絶滅していると言われております。 そこで、国は生物の多様性の保全及び持続可能な利用についての基本原則を明らかにして、その方向性を示し、関連する施策を総合的かつ計画的に推進するため、平成20年6月に生物多様性基本法を制定し、その中に地方公共団体の責務と施策についてうたっておりますが、生物多様性についての本市の認識と取組み状況についてお伺いいたします。 次に、高齢者の福祉についてお伺いいたします。 国立社会保障・人口問題研究所の統計によりますと、今から30年後の2040年に日本は高齢者人口のピークを迎えるそうです。現在、本市の高齢化率は平成21年度に22%を超え、超高齢化社会を迎えております。あわせて、団塊の世代の方々の大量退職が始まっており、今後ますます高齢化率が高まっていくことが想定されております。また、核家族化が一層進み、ひとり暮らしの高齢者の増加も避けられない状況となっております。さらに、人口構成を見てもわかるとおり、団塊の世代の次の年代層の人数が低いことで、高齢化の進展に伴い担税力のある年代が少ないということになります。これらの状況を見据えて、安心して暮らせる老後を実現するために、長期の展望に立った各種施策を実行していくことがますます重要になっていると思います。 少し発想を転換してみると、団塊の世代の大量退職は地域への人材の大量定着の機会としてとらえることもでき、元気な高齢者が集まって高齢者福祉を支援するというように、地域の人材を生かして創意工夫しながら、厳しい財政状況の中でも本当に必要なサービスは切り捨てることなく拡充していくことを行政として先頭に立って進めていくべきと思いますが、本市の高齢者福祉の現状と展望についてお伺いいたします。 以上、1回目の質問といたします。 ○石井啓裕議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 おはようございます。 稗貫議員の御質問中、生物多様性につきましてお答えいたします。 私たち人類は、地球上のさまざまな生物と共存し、その生物の多様性がもたらす恵みを享受することにより、生存しているものと認識しております。しかしながら、近年人間が行う開発行為による生物種の絶滅などにより、こうした生物の多様性が深刻な危機に直面しており、生物がそれぞれの種にふさわしい環境で生き続け、健全な生態系が持続されるように、人間の活動自体を自然と調和させることが求められております。 こうした中、国際的には生物多様性条約が発効されるなどのルールづくりが進んでおります。また、我が国では平成20年6月に生物多様性基本法が施行され、さらに本年7月には法に基づく北海道の地域戦略として、北海道生物多様性保全計画が策定されたところであります。 帯広市では、これまでも環境基本計画などに基づき、市民や事業者、NPOなどとの連携を図りながら、良好な自然環境の保全に努めてまいりました。今後とも人間社会と豊かな自然が共存していくため、先達から受け継いだ自然や資源を大切にする伝統的な知恵や自然観に学びながら、関連法令や北海道の計画を踏まえ、環境基本計画に基づく取組みや自然環境保全地区の指定などを通して、生き物たちの豊かな生息環境づくりを進めていきたいと考えております。 ほかの件につきましては、説明員よりお答えいたします。 ○石井啓裕議長 細野正弘保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 高齢者福祉についてお答えをいたします。 我が国では、急速な少子・高齢化の進行や雇用形態の不安定化、地域コミュニティの脆弱化が進んできております。特に、高齢者を取り巻く環境は、高齢化と相まって高齢者単身世帯高齢者夫婦世帯の増加や景気の低迷による経済的な不安、家族関係や近隣関係の希薄化などによりまして、高齢者が家族や地域とのつながりを持たないで社会的孤立に陥りやすい状況にあり、高齢者が安心して日常生活を送ることができる社会にすることが大きな課題となってきております。 本市も同様の傾向にございまして、特に本市の高齢化の進行を見ますと、平成12年以降急速に進んでおり、当時14.8%だった高齢化率は平成21年度末では22.1%と4.5人に1人が65歳以上となり、今後もますます高齢化が進むものと考えており、高齢者を地域で支える体制の構築が求められてきております。そのため高齢者の視点に立ち、高齢者の生きがいづくりや健康づくりを推進するほか、介護予防や、たとえ介護が必要な状態になった場合でも、それぞれの状態に応じた適切なサービスを提供できる体制づくりを図るとともに、ひとり暮らし高齢者の見守りや孤立死防止など、地域住民や関係団体、行政が協働し、高齢者を地域で支える仕組みづくりを構築し、高齢者が住みなれた家庭や地域で安心して暮らし続けられるよう、高齢者福祉施策を総合的に推進することが重要であると考えているところでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) それでは、生物の多様性についてからお伺いしたいと思います。 まず、十勝・帯広における外来生物の現状と対策についてであります。 外来生物といいましても、動物であったり魚類であったり昆虫であったり植物であったりということで、その種類と防除対策はいろいろあるかと思います。人為的理由で国内に持ち込まれ、野放しにされる外来生物の影響が叫ばれて久しいわけでございますが、事態の深刻さがようやく認識されてきております。対策が講じられるようになってきてから、ここに実際にあった事例について報告したいと思います。 ある学校で、ザリガニの勉強をした小学生が1人1匹ずつザリガニをもらい、家で飼い始めた。ところが、飼い切れなくなり先生に相談したところ、自然に戻してあげましょうという指導を受けたそうです。近くの川に放し、その行き先を見守っていたそうでありますが、そのザリガニはアメリカザリガニというザリガニでした。小学生も先生も、生き物の命の大切さを思って善意から放流を行ったということでありますけれども、このような何げない行動が生態系の破壊につながるわけでございます。全国こういった状況がいろいろと発生しているんじゃないかというふうに思うわけでございますが、国内における在来種を脅かす外来生物たちの種類と防除対策について本市の見解をお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 佐藤秀樹市民環境部長。 ◎佐藤秀樹市民環境部長 国内におきます外来生物の関係でございますけれども、平成4年のブラジルで開催されました地球サミットにおきまして、生物の多様性に関する条約による締約国の措置として、生態系、生息地もしくは種を脅かす外来種の導入を防止し、またはそのような外来種を制御し、もしくは撲滅することが定められております。 これを受け、国におきましては平成17年、特定外来生物による生態系等にかかわる被害の防止に関する法律、いわゆる外来生物法により、哺乳類21種、魚類13種、昆虫類8種、植物12種など合計97種の生物種が特定外来生物に指定されております。国は、この外来生物法により、特定外来生物被害防止基本方針を策定しておりまして、既に定着し被害を及ぼしております特定外来生物につきましては、被害の程度と必要性に応じて、生態系からの完全排除、封じ込め等の防除を計画的かつ順応的に実施するとしております。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) 国の状況についてはわかりました。 では次に、北海道及び十勝・帯広における外来生物の実態と防除対策について伺いたいと思います。 実際にどのような生物が生息して、どのような防除対策がとられているんでしょうか。 ○石井啓裕議長 佐藤市民環境部長。 ◎佐藤秀樹市民環境部長 まず、北海道ではペットの放棄や水面への密放流により、生態系への影響や農作物の被害をもたらすなど外来生物が問題化したため、対策の基礎資料として平成16年に外来生物リスト、いわゆるブルーリストを作成しております。 このうち緊急に防除対策が必要な種としてリストに記載されておりますのは、アライグマ、ミンク、ブラウントラウト、ブルーギル、セイヨウオオマルハナバチウチダザリガニの6種でございまして、十勝管内ではブルーギルを除く5種が確認をされております。北海道は、外来生物法に基づく防除実施計画によりまして、セイヨウオオマルハナバチとアライグマについて防除を実施しております。 平成21年度の十勝管内の防除実績でございますけれども、アライグマにつきましては十勝西部を中心に44頭が捕獲されております。このほかウチダザリガニの防除が自治体や民間企業、一般市民も参加して実施されているところでございます。 以上でございます。
    ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) 本市の状況、十勝の状況についてはわかりました。時々新聞を見ると、然別湖で子供たちと一緒にウチダザリガニを防除しているという姿も報道されております。そういった意味で、私が子供のころにはニホンザリガニという小さ目のザリガニが主に地域にいたザリガニでありまして、大人になってからオンネトーというところで、すごい大きなザリガニを見た記憶がありまして、わ、こんなザリガニがいるんだなあというふうにそのときは思ってたんですが、それが後になってアメリカから持ち込まれたウチダザリガニということがわかったわけでございます。 それでは、帰化生物の種類と認識について、また外来生物との違いについてお伺いしたいと思います。 地球規模で人や物が行き来するようになれば、外国からの動植物の流入は避けがたい問題になります。今や道端に咲く草花の多くは帰化植物であるという現実、放流事業が盛んに行われ、川で釣りをすれば比較的簡単に釣れる魚のニジマスも帰化淡水魚だと思います。 北海道は、開拓以来、積極的に外国産の動植物を移入し、利用してきた土地であります。在来種の存在を脅かし、本来の自然を損なうとして問題になっている帰化生物ですが、言葉だけを聞くと、有名な外国人のスポーツ選手が日本に帰化したというように比較的すんなりと受け入れられる帰化という言葉でありますけれども、帰化生物の種類と認識について、また外来生物との違いについてお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 佐藤市民環境部長。 ◎佐藤秀樹市民環境部長 帰化生物と外来生物の関係でございますけれども、まずこの帰化生物につきましては、人間が意識するかしないにかかわらず、本来の自生地以外から持ち込まれたものでございまして、国内でも本州から持ち込まれたものは北海道においては帰化生物となるものでございます。また、明治時代以前に日本に定着したと考えられる植物を区別する場合もあるようでございます。外来生物が外国から持ち込まれ、野生状態であるかどうかは問わないのに対しまして、帰化生物は持ち込んだ個体同士が繁殖し、野生状態で確認されるように至ったものをいうものでございます。 帰化生物の種類につきましては、地域においても異なることや、例えば歴史的に見ますとモンシロチョウなども帰化生物に入りまして、帯広・十勝においても多様なものがございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。 この部分については要望ということでお聞かせいただきたいわけでありますけれども、野生状態で定着してしまったものの中には、例えば我々の身近に見られるセイヨウタンポポも含まれると思いますが、今さらこれを駆逐するというのはほとんど不可能に近いと思います。 例えば、むかわ町の例でありますが、むかわ町の牧草地だったところですとか河原に沿った部分は完全にセイヨウタンポポに占領されてしまって、町は今では逆手をとってタンポポでまちおこしをしようというたんぽぽのまち宣言をして、タンポポの景色を内外に宣伝するという段階になったそうであります。本市としても、帰化生物の種類によっては、まちおこしにつながるような方策を考えてみてもよいのではないかと思いますので、御検討いただきたいと思います。 次に、外来生物の現状と対策については理解しましたけれども、一方でさまざまな要因によって危機的状況に陥っている種もあると言われている十勝・帯広における主な在来種の現状と今後についてお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 佐藤市民環境部長。 ◎佐藤秀樹市民環境部長 在来種の現状でございますけれども、十勝管内は高山から海岸湿原まで北海道のほとんどの生物種が生息をいたしております。その中におきまして、帯広市の特徴といたしましては、平野部に生育するカシワ林でありますが、平野部は土地利用が進みまして自然環境が分断、縮小し、帯広市街地とその周辺では林地の割合は4%という状況でございまして、草原環境の減少も指摘をされているところでございます。 その結果、すべての生物が分断、孤立化の影響を受けておりまして、エゾユキウサギやシマリス等の動物、オオアカゲラ、シマアオジ、オオタカやフクロウ類等の鳥類、オオバナノエンレイソウなどの他家受粉の植物、ニホンザリガニや多くの魚類、すべての両生類や爬虫類が大きな悪影響を受けているものと思われます。今後、平野部からシマリスや両生類、とりわけニホンアマガエルが見つけられにくくなる傾向にもございます。 このほか全国的にも珍しいコアカゲラの生息地が限定的になったり、ニホンザリガニの個体群が消滅に近い状態になる可能性が高いほか、北海道大学のオオバナノエンレイソウの研究では、林のふちでは若い個体が見られませんことから、現在の個体の寿命が尽きた時点で林のふちでは消え、群落が小さくなるものと考えられております。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) ただいまの御答弁で、多くの十勝の生物が悪影響を受けているということでございますが、それを受けて本市としては例えばどのような保護対策を行っているんでしょうか。 ○石井啓裕議長 佐藤市民環境部長。 ◎佐藤秀樹市民環境部長 在来種の保護の関係でございますけれども、公共のいわゆる道路工事等の場合につきましては、エゾサンショウウオの産卵場所やニホンザリガニの生息地など新たに整備をいたしまして移動させるなど、その保護に努めているところでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。 次に、野生生物の事故とその対策についてお伺いしたいと思います。 交通事故、建造物への衝突事故、誤飲など野生生物が遭遇する事故がふえております。建造物や道路によるものから人の無自覚な行動によるものまで、さまざまな原因によって発生する事故、それは野生生物と人間が多くの接点を持っている証拠でもあります。わかる範囲内で結構でございますので、事故の件数と対策についてお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 佐藤市民環境部長。 ◎佐藤秀樹市民環境部長 野生生物の事故の関係でございますけれども、野生生物の事故につきましては、百年記念館のほか帯広畜産大学と十勝総合振興局で、それぞれ事故を記録いたしております。 2002年の帯広畜産大学の研究発表では、1996年4月から1998年3月までの2年間で、北海道東部において鳥類を除く哺乳類455件、爬虫類17件、両生類1,051件の事故が確認されたとの報告がございます。 対策といたしましては、帯広市として過去に道路を横断するリスの橋2カ所、モモンガの橋2カ所を設置してまいりました。今後におきましては、担当部局とも連携をとりながら、事故防止の対策を検討していくことも必要であるものと考えているところでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) これも要望ということでとどめておきますが、事故の件数と対策の例については理解いたしました。報告されたもの以外にも多数の事故が発生していると考えられます。事故の内容も多岐にわたり、農薬や鉛による中毒、交通事故、激突、釣り具による事故などが上げられ、その対策も広範かつ複雑であり、すべてを対策することは不可能に近いのではないかと思いますが、専門家の意見も十分に取り入れながら、事故に遭遇する生物が少しでも減少するように対策を講じられることを要望しておきたいと思います。 さて、不幸にも事故に遭った生物を助けるための取組みも必要だと考えますけれども、一般に野生動物の救護というと、狭い意味では傷病を負った動物をどうやって救うかに絞られるわけでありますが、本市としてはおびひろ動物園を活用した傷病鳥獣の受け入れも行っていると聞いております。その状況についてお伺いいたします。 また、受け入れできる動物とできない動物について、市民に対しても周知すべきと思いますが、現状ではどのように対処しているんでしょうか。 ○石井啓裕議長 小笹生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 動物園での傷病鳥獣の受け入れの状況等についてでありますが、おびひろ動物園では生物多様性の確保を目的に、北海道の実は委託事業ではありますけれども、けがや病気の野生鳥獣の保護、受け入れを行っているところでありまして、昨年度、動物園に持ち込まれた傷病鳥獣は全体で93点、そのうち野生に復帰させたものが13点、動物園で飼育のものが17点でありますが、残念ながら死亡したものが59点などとなっております。 次に、保護対象鳥獣、いわゆる受け入れられる動物でありますけれども、北海道に生息する鳥類または哺乳類に属する野生鳥獣であって、負傷や疾病等によりまして自力で生息できないものとなっております。したがいまして、北海道に本来生息しない外来種や有害性の高いカラス、ドバトやスズメ、さらにはキツネ、シカなどは保護対象外の鳥獣となっております。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。 それでは次に、ヒグマ・エゾシカ対策、共存のためにすべきことということでお伺いしたいと思います。 本年は、猛暑の影響で極端なえさ不足になり、夏から秋にかけて全国的に、これは道外についてはツキノワグマということでございますが、クマがえさを探して人里に出没し、人身事故に至ったというニュースが報道されておりました。 また、ことしの6月5日には、同僚の佐々木勇一議員の地元である広野町の雑木林で、山菜とりをしていた音更町内の女性がヒグマに襲われ、不幸にも命を落とすという痛ましい事故も発生しております。 一方、エゾシカにおいては近年爆発的に増加しており、森林や貴重な植物、さらには農作物被害が後を絶たない状況とお聞きいたしておりますが、本市における農作物の被害状況とその対策、またヒグマとの人身事故を防止するための取組みについてお伺いいたしたいと思います。 ○石井啓裕議長 米倉進農政部長。 ◎米倉進農政部長 ヒグマ、エゾシカの農作物被害の被害防止の取組みにつきまして、農政部所管分をお答えいたします。 帯広市の農作物被害は、8割がエゾシカとヒグマによるものでございます。その被害額は、平成15年では638万7,000円でございます。平成21年では1,106万5,000円でございます。年々増加の傾向となってございます。 このような状況を踏まえまして、帯広市では鳥獣被害防止総合対策事業を実施しており、この中で銃器による捕獲や狩猟者への免許取得助成、電気さくや箱穴などの設置を進め、農作物被害の防止に取り組んでおります。 また、エゾシカやヒグマが出没した場合は、市や近隣農家、駐在所、猟友会、十勝総合振興局、農業関係団体と連携を図り、被害や事故の防止に努めておるとこでございます。 このように人と野生動物との適正な距離を保ちながら、捕獲による農産物の被害の防止などに進めているとこでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。 それでは、ちょっとこれも要望ということでございますけども、最近新聞報道で伝えられた2点の問題について御報告したいと思います。 まず、10月29日の道内紙でありましたけれども、ちょうど見出しが「生物多様性に影響」という大きな見出しがついておりましたので、ちょっと興味を持って読んでみたわけでございますが、編集委員の報道によりますと、道内で推定64万頭のエゾシカが生物多様性の脅威を与えているということでございます。2009年度の道内のシカによる農林業被害は50億8,000万円、ですけれども、これはあくまでも農作物が中心ということで、天然の動植物など生物多様性への影響は金額に換算しにくいために、ここの数字には含まれてないということでありますから、実際はもっともっと大きな被害になっているということでございます。 また、森林への被害、これについては道東を中心に全道に広がっているということでございまして、森林が荒らされれば、そこに生息する昆虫、小動物などへの影響も懸念されるところでございます。 また、エゾシカが近年爆発的にふえた理由としては、草地開発や森林伐採で生息に適した土地がふえ、また温暖化で冬の自然死が減ったことなどが背景にあるというふうに言われております。そういった意味では、人の責任でふえて生物多様性にも悪影響を及ぼしている以上、人為的に駆除して頭数を管理する必要があるということでございます。近年は、ハンターも高齢化によりまして減っているということで、しとめたシカの運搬ですとか、ハンターを支える仕組みも必要だ。あわせて、わなの開発も急務だということでございます。 米沢市長がフードバレー構想を掲げているということでございまして、そういった意味ではシカ肉というものは、まあ肉だけじゃなくて皮も含めてではありますけれども、ビジネス価値が高いものだというふうに思います。全道各地でいろいろな試みが今されておりますけれども、本市としてもフードバレーというフードという字は、私は英語のフードというものだけじゃなくて、その土地の風土、風の土と書く風土ですね、これも含んでいるというふうに思います。そういった意味で、ぜひこの十勝のフードバレー構想の中にエゾシカ肉の活用も盛り込んでいただけるような対策をしていただきたいなと思います。これが生物多様性条約の目的にも十分かなうものだと思いますので、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。 それから、もう一点でございますが、12月4日の道内紙でありますが、シカ衝突に年4億円超ということでございます。これは道東管内でのシカと衝突による車両事故が急増しているということで、保険の支払い額が実にことし1年間で1,000件、4億円を超えるとの試算が出ているわけでございます。未加入の方の事故も含めると、実際の件数や損害額は2倍以上になるんじゃないかということでございまして、これも大きな脅威ということで、今後の問題になるわけでございます。車両もそうでありますが、人間の貴重なとうとい命を奪うことにもなりかねませんので、ぜひそういった部分の対策も念頭に入れて進めていくべきだと思います。 次に、ヒグマ対策でございますけれども、北海道として生息実態調査などを行っていると聞いておりますけれども、いまだに人身事故対策を含めて何一つ有効な共存策を打ち出していないとの指摘もあります。 北海道野生動物研究所の門崎允昭所長さんは、人とクマは互いにすみ分けて共存すべきで、それにはクマに生息地を保障し、頭数はその中で自然の摂理に任せる生息域管理法という方法で行うべきとの指摘をされております。本市としても、身近な場所での人身事故を契機に、近隣の町村とも連携しながら独自の対策を立ててもよいのではないかと思いますので、ぜひ前向きな御検討をお願いしたいと思います。 それでは次に、環境問題とえさやり行為についてお尋ねしたいと思います。 野生生物へのえさやり行為については、賛否両論の意見があると思います。肯定する人は、人間は愛護精神を持って野生生物に接するべきで、開発行為などでえさ場を失った動物たちを助けてあげるべきだという意見、また否定する人は、野生生物には畏敬の念を持って自然な状態で接するべきで、えさを上げるのは人間のエゴだという意見、こういった2つの意見に分かれると思いますが、本市の見解をお伺いいたします。 ○石井啓裕議長 佐藤市民環境部長。 ◎佐藤秀樹市民環境部長 この環境問題とえさやりの行為の関係でございますけれども、野生動物が密集定着化することによりまして、医学的に野生動物同士の感染症リスクを増大させると言われております。上川地方におきましては、2005年から2006年にかけて、ネズミチフス菌によりまして1,500羽のスズメが大量死したという報告がございますほか、十勝地方におきましても2003年から2004年の冬に、えさ台で死亡したスズメの報告が多数されております。このように、えさやりは希少種を維持し、生物に親しみを持てる一方で、感染症などの危険性を増大させるほか、カモ類に対する繁殖妨害や生物分布の異常など、野生生物によります地域の自然環境の評価や再生の障害になるものと考えております。 したがいまして、今後少なくとも公園や河川などの公的空間におきましては、生態学的、獣医学的見地からの検討や一定の制約が必要と考えておりまして、関係機関とも協議をしながら市民の理解を得てまいりたいと、このように考えているところでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) 私も、ただいまの答弁のとおりだと思っております。 そこで、ここからは意見ということでございますが、無秩序で過度なえさやり行為は野生生物の生息環境を悪化させることになると思います。以前、緑ヶ丘公園の十勝池の水鳥に市民がえさを与えた結果、年間300キロ以上ものパンやお菓子が投入され、池の中に泥状の残渣物が大量に集積してアオコが発生するなど、著しい水質悪化に悩まされたことがありました。一つひとつの行為が小さくても、不特定多数の人が次々と繰り返しえさをやる場合、トータルでかなりの規模となるわけであります。 例えば、タンチョウヅルに給餌をしているのだから、マガモにえづけをして何が悪いと言う人もいると思いますが、えさやり行為をすべて同じ尺度で善悪を判断する必要はないと思います。たとえ判定したとしても、直ちに統一見解として社会全体に受け入れられることは不可能だと思います。まずは、明らかに悪影響となりそうな行為に注意の目を向けていくことが必要だと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。 次に、水辺の楽校、川の生物を活用した学習状況についてお尋ねしたいと思います。 川は、森と海をつなぐ仲人だと言われております。また、豊かな森の恵みを運ぶ血管とも言われております。水辺はさまざまな生き物との出会いの場所であり、自然を学ぶ上でなくてはならない身近な存在だと思います。私の生まれ育った地域にも、自然の豊かな川がありました。物心つくころから毎日のように川に出かけては、魚をとったり釣りをしたりカエルをつかまえたり、当たり前のことのように生活の一部として接してまいりました。この議場にいる多くの皆さんも同じように川に親しんできたのではないかと思います。しかし、今どきの子供たちは、親や学校からは川は危険な場所、近づいてはいけない場所と言われていると聞くとき、もっと川に親しんで川の楽しさや恐ろしさを肌で感じ取る教育をすべきではないかと思います。 そこで、お伺いいたしますが、子供たちにとってのさまざまな川の生物とのかかわりや、その学習効果についてどのような認識をお持ちでしょうか。 また、小河川を利用した環境教育の支援として、現在水辺の楽校という学習カリキュラムが組まれているとお聞きしておりますが、市内校の参加状況と学習の現状と内容についてお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝栄一学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 学校教育におけます生き物とのかかわりということでございますけれども、学校教育におきまして生き物とのかかわりにつきましては、命の大切さですとか環境保全にかかわる意識など、児童・生徒の豊かな心の育成や地球市民としての意識を育てる視点からも大切なものであると認識してございます。 小・中学校の学習の状況についてでございますけれども、現在小学校3校が学校単位で水辺の楽校へ参加してございます。水生昆虫の採集ですとか観察、それから水質調査や川流れ体験を通しまして、楽しさや危険を学ぶなど、さまざまな体験学習を行っているところでございます。 また、学年単位等で水辺の楽校や、そのほかの河川に生息する生き物などを活用した学習を行っている学校は小学校で12校、中学校で3校ございます。 その主な学習内容は、採取した魚の体のつくりの学習や河原の石を使った美術作品の作製、さらには河川のごみ拾いを行い環境教育につなげるなど、それぞれ各学校が工夫をして取り組んでいるところでございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。 ここも要望にとどめておきますけれども、今それぞれ小学校で12校、中学校で3校が川を使った学習をしているということでございますが、もう少しふやしていってもいいのかなあというふうに思います。すべての学校でこういった貴重な体験ができるように、ぜひ要望しておきたいと思います。 学校の中では学べない人間教育ですとか人生の中で必要最低限な道徳、どんな苦労にも耐えられるための忍耐力と知恵、そして何よりも命の大切さと自然の恵みを学ぶための子供を育てる川の役割というのをいま一度認識していただきたいと思います。 次に、帯広の森の動植物の現状と調査研究、活動状況についてでありますが、帯広の森は本市の基本政策である環境共生都市に位置づけられた都市公園であります。当時の吉村市長がドイツ・ウイーンの森から着想したもので、市街地の拡大を抑える緑の城壁として1975年から2004年まで54樹種、約23万本が植樹されてまいりました。現在は用地買収も終わり、2004年の第30回の大規模な植樹祭を最後に、本格的な管理と利活用の時代に入ったわけでありますけれども、樹木と同時に動植物の基礎的な調査研究を盛んに行って、もっとたくさんの知見を社会に広めることが必要だと思いますが、現状認識と調査研究、活動状況についてお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 伊藤邦俊都市建設部長。 ◎伊藤邦俊都市建設部長 帯広の森の動植物の現状といたしましては、帯広の森は植樹を始めてから30年以上が過ぎ、樹木も大きく成長し、非常に森らしくなってまいりました。草花についても、ベニバナ、イチヤクソウなど多くの植物も見られるようになってきております。また、その中においてオオアワダチソウなどの外来種の繁殖も確認されております。 動物につきましては、エゾリス、モモンガなどの小動物が定着し、猛禽類も確認されるようになってきております。 次に、調査関係につきましては、動植物の現状を把握するため、植生調査を平成5年より帯広畜産大学で、小動物調査につきましては平成元年から森づくり活動団体にそれぞれ委託調査を行っております。 また、平成21年から日本自然保護協会の事業として、森づくり活動団体が独自に動植物の調査を実施しております。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。 それでは、またこれも要望になりますけれども、動植物ですとか森林再生、利活用など調査テーマはたくさんあると思います。研究助成や委託などを活用しながら、調査研究の機会をふやすことはまだまだあると思いますし、幸いにも本年、森の拠点施設として、はぐくーむというすばらしい館ができましたので、森を育てる各種団体と連携のもとに、環境モデル都市の象徴として全国に発信できる都市公園となるように念願しております。 次に、おびひろ動物園における生物多様性の現状と取組みについてお伺いしたいと思います。 今年度のおびひろ動物園の入園者数は21年ぶりに16万人を超えて、17万人を目指して今月の4日に冬期営業も始まったわけでありますけれども、生物の多様性について考えるには地元では一番の施設であると思います。生物多様性に対する動物園の役割と現状の取組み状況についてお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 小笹勅雄生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 生物多様性に関する現状と対策でありますが、動物園はたくさんの生き物と出会える場というだけではなくて、希少な生き物を絶滅から救う、いわゆる種の保存という役割も担っておりますことから、これまでも生物多様性を支えるさまざまな活動に取り組んできているところであります。 その中でも、ことし2月には北海道内の4つの動物園が協力し合いまして、絶滅危惧種とされておりますホッキョクグマの繁殖を促進しようということで、個体の移動、交換を実施したところであります。まだ繁殖の結果は出ておりませんが、期待を込めて見守っているところであります。 また、野生のシマフクロウを動物園に移管、繁殖をさせ、個体数を増加させようということで、現在関係機関との意見交換も行われているところであります。 そのほか日ごろから入園者の皆様にはスポットガイドや説明パネルなど活用しながら、環境保護や生物多様性のことにつきまして説明をし、呼びかけを行っているところであります。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。 それでは、動物園を活用した地元生物の展示と調査研究についてお伺いしたいと思います。 北方圏の動物園として地元に生息している身近な動物についても展示して、各種調査研究をすべきと思いますが、現状の取組み状況についてお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 小笹生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 地元生物の展示等のお話がございました。 動物園では、地元の動物といたしましてキタキツネやエゾタヌキ、エゾリス、エゾシカなどを展示いたしております。 また、最近の調査研究といたしましては、帯広畜産大学との共同研究でありますけれども、エゾシカの避妊に関する研究を昨年から継続して実施しているところであります。 以上であります。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。 これは生物多様性の最後の質問というか、要望でとどめたいと思いますけれども、今御答弁のあったエゾシカの避妊ワクチンの開発については、先ほども質問しましたエゾシカとの共存のためにもしっかりと調査研究されて、一日も早く個体管理に応用できるように念願しておきたいと思います。 ここで、旭山動物園が取り組んでいる保全医学的救護について説明させていただきたいと思います。 動物園は、老若男女を問わず自然に関心のない人も集う最も身近な自然の玄関口であるために、その可能性を発揮して社会貢献し得るとの見地から始めた取組みだそうです。 具体的には、1986年から自然界に返せなかった傷病野生動物について一般に公開するという取組みであります。身近な自然環境に生息している野生動物の形態や行動を間近で観察して楽しんでもらうのに加えて、救護原因や人間とのあつれきなどを解説して、人と野生生物のかかわりについて考える場をつくって、臭い物にふたをするのではなく、真実を包み隠さずそのまま表に発信することが必要とのことであります。展示個体の中には、片目や片翼のフクロウもおり、動物の姿のそれ自体が自然界からのメッセージであり、来園者に彼らが発するメッセージを感じてもらって考えてもらい、そして行動するというふうに導いていくのだそうです。ぜひおびひろ動物園でも取り組んでいただきたいと思います。 最後に、もう一つ要望させていただきますが、余りお金をかけないで取り組めると思いますが、十勝の自然をコンパクトに再現した展示コーナーをつくっていただけないかということでございます。それは動物に限らず、魚類であったり昆虫であったり植物であったり、最近ではなかなか見ることのできなくなった地元生物を動物園の中に再現してほしいということであります。子供たちに対して自分たちの身近なところで共存している生物をしっかりと見詰めてほしいということで、ぜひ前向きに取り組んでいただけますことを強く要望しておきたいと思います。 次に、福祉のほう、高齢者の福祉についてお伺いしたいと思います。 ひとり暮らしや健康に不安のある高齢者へのサービスについてであります。 急速に進む高齢化に対する本市の認識と課題についてはわかりました。全国的に高齢化が進展して核家族化が進むに伴って、ひとり暮らしの高齢者がふえているわけですが、実際に本市のひとり暮らしの高齢者の人口推移と、あわせて性別割合についてお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 ひとり暮らし高齢者の人口の推移及び性別割合につきましては、各年度の住民基本台帳上の数字でお答えいたしますと、平成19年度9,324人で男性が24.6%、女性が75.4%、平成20年度では9,934人で割合は前年度と同じ男性は24.6%、女性は75.4%、平成21年度では1万479人で男性が24.7%、女性は75.3%となってございます。 いずれにいたしましても、年々ひとり暮らし高齢者は増加の傾向となっておるところでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。 右肩上がりでひとり暮らしの高齢者がふえているということであります。また、男性の実に3倍という圧倒的な女性のひとり暮らしの現実が浮き彫りになっております。 次に、ひとり暮らし高齢者の増加、家族や地域社会とのつながりの希薄化などによる孤立死が社会問題化しておりますが、本市の孤立死の実態についてお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 孤立死の定義でございますが、北海道では地域との接触のないひとり暮らしなどの方で、だれにもみとられることなく、当人の住居内で突発的な疾病等により亡くなっているような方としているところでございます。 この考え方に基づきました本市の孤立死の件数でございますが、平成19年度で7人、平成20年度で9名、平成21年度で12名となったところでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。 孤立死の状況も若干ではありますけれども、増加傾向にあることがわかりました。本市としては、ひとり暮らしや健康に不安のある高齢者に対して、少しでも孤立死を迎えることなく安心して暮らせる各種サービスを提供していると思いますが、その内容と利用者数についてお伺いいたします。 また、登録しているひとり暮らし高齢者の年代別人員についても、参考までにお聞かせいただきたいと思います。 ○石井啓裕議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 ひとり暮らしや健康に不安のある高齢者へのサービス内容と21年度の実績で申し上げますと、急病などの緊急時に対応いたします緊急通報システムにつきましては、794台設置しているところでございます。 また、乳酸菌飲料の週3回配布により安否を確認いたします、ひとり暮らし高齢者訪問活動事業の利用者数は1,104名でございます。 自立生活の助長、心身機能の維持を図るための配食サービスの利用者数は697名、除雪、草刈りなどの高齢者在宅生活援助サービスの利用者数は65名となったところでございます。 このほかにも生活相談員によりますひとり暮らし登録者の家庭訪問、あるいは老人クラブでの友愛訪問活動、民生委員の訪問など、地域の関係団体との連携を図りながら取り組んできているところでございます。 また、ひとり暮らし高齢者の登録者数は、平成21年度末で2,241名となってございまして、そのうち60歳代が102名、70歳代が994名、80歳代が1,028名、90歳代以上が117名となったところでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) 各種サービスが充実した内容になっていることがわかりました。 また、実際に登録している高齢者の方は全体の2割余りしかいないということは、行政の力をかりなくても元気に暮らしているひとり暮らしの高齢者がたくさんいるのだと思いました。一概には言えませんけれども、十勝はパークゴルフなどを通じて健康管理をされている高齢者もたくさんいるのかなあというふうに個人的には想像しておりますが、実際にはどうなんでしょうか。また、いずれの機会にお聞きしたいと思います。 次に、急病による救急通報システムの利用者より救急の通報があった場合についてでありますが、救急隊員と民生委員や関係者との連携についてはどのようになっているのでしょうか。 ○石井啓裕議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 緊急通報システムにつきましては、まず利用者から安全センターに通報が入った場合は、安全センターにおいて救急搬送が必要と判断した場合におきましては地元の消防署へ救急出動の要請を行いますとともに、あらかじめ登録されてございます身内あるいは民生委員にも連絡し、ともに現場に行きまして状況の確認を行うという形をとってございます。 今後とも、地域の実情に詳しい民生委員との情報を共有する中で、ひとり暮らし高齢者の見守り支援を行ってまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。 これは私の意見、要望ということでとどめておきますけれども、実際に私の町内会で以前にあった事例でありますけれども、たまたま早朝未明に救急車が町内のほうに来ていただいて、どうしたのかなあと思っていると、裏のおひとり暮らしの男性のお年寄りのところに緊急搬送ということで通報があったということでございましたが、救急隊員がなかなか家に入れないということで外で騒いでいるのがわかりましたので、うちの家内が対応したところ、かぎのある場所がわからないかということで聞かれて、多分物置のあそこにあるんじゃないかということを言ったところ、やはりそこにあって、中にすぐ入れたということでありますけれども、ふだんから町内会と独居のひとり暮らしのお年寄りとの連携というのは、しっかりと行政としても間に立って音頭をとって情報交換をしておくべきだと思います。 それから、その方は不幸にも亡くなったわけでありますけれども、その後のフォローがされてないということも後から発覚したわけでありまして、地域の民生委員の方がそこのお宅を訪ねても、なかなかお会いできないということで、死亡したことが役所のほうから民生委員のほうに連絡が入ってなかったということで、そういった連携も不備な点も浮き彫りになっておりますんで、ぜひそういったことのないようにしっかりと連携をとられるように今後の課題としていただきたいと思います。 次に、茨城県の取手市でございますけれども、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯に、在宅介護支援センターに委託して週に一、二回の頻度で電話をかけて様子をうかがい、必要時には訪問するあんしんコールというサービスを実施してるわけでありますが、本市の月に1回の電話では足りないと思いますので、同じようなサービスを導入してはいかがでしょうかということをお聞きしたいと思います。 ○石井啓裕議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 本市では、健康に不安のあるおひとり暮らしの高齢者、あるいは高齢世帯に緊急通報システムを設置し、月1回、電話による近況や健康状態の確認のため、お元気コールを実施しております。さらに、乳酸菌飲料配布や配食サービス、各種訪問活動などを通じて安否の確認を実施してきているところでございます。 御提言のありました件につきましては、その事業内容等を調査し、参考にさせていただきたいというふうに思ってございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) わかりました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、高齢者の方を地域で見守るためにということでお伺いしたいと思います。 1問目でもお話ししましたが、団塊の世代の方々の大量退職が始まっております。これらの方々を活用した高齢者の社会参加への考え方についてお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 本格的な高齢社会の到来を迎えまして、だれもが健康で生きがいのある高齢期を送れるよう、明るく活力に満ちた高齢社会の確立が必要であります。そのため、高齢者も社会を構成する重要な一員として各種活動に参加できるよう、社会参加の取組みを推進することが必要であると考えてございます。 特に、平成21年には全国で団塊の世代の665万人の方が60歳を超え、仕事を引退し、生活の中心を職場から地域に移す方が急増いたしました。今まで仕事を通じて得てきた充実感あるいは達成感を、今後はボランティアあるいはNPOなどの地域活動から得ようとするケースもふえてきてございます。地域社会におけます新しい自己実現の場としてのその活躍を期待しているとこでございます。 いずれにいたしましても、地域社会の希薄化、孤立化が進む社会において、行政と地域が一体となって、交流、協働、支え合うことの重要性を確認し合いながら進めていくことが大切というふうに考えてございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 稗貫議員。 ◆12番(稗貫秀次議員) ちょっと時間が少なくなってきましたので、これ以降はすべて要望ということでお聞きいただきたいと思います。 今お話しのとおり、団塊の世代の方々の大量退職ということは、帯広市役所でも例外ではないと思います。現役のときから、退職後はしっかりと地域活動に参加してもらえるようにお願いしておくべきだと思いますので、周知徹底について要望しておきたいと思います。 高齢化については、いや応なしに進んでいきます。ひとり暮らしの高齢者はますますふえていくわけでございますので、生きがいを持って暮らしていくために、積極的に地域や社会に出ていくべきだと思います。そこで、ひとり暮らしの高齢者を見守るための充実したサービスも必要不可欠だと思いますので、ぜひそういった対策もよろしくお願いしたいと思います。 それから、東京の大田区では、高齢者が外出先で突然倒れるなど身元が確認できない状況で救急搬送された際に、迅速に住所、氏名、連絡先などの確認が行われるように、SOSみまーもキーホルダー登録システムという制度を導入しております。資料については事前にお渡ししておりますので、本市でもぜひ検討して導入していただきたいと思います。 最後に、取手市では高齢者用に特集を組んだ情報誌を配布しております。年に一回こういったものも帯広市としてもぜひ取り組んでいただいて、高齢者が安心して生き生きと生活できる環境づくりをぜひ進めていただきたいということを申し上げて、私のすべての質問を終わらせていただきます。 ○石井啓裕議長 以上で稗貫秀次議員の発言は終わりました。 次に、市原秀朗議員から発言の通告があります。 19番市原秀朗議員、登壇願います。   〔19番市原秀朗議員・登壇・拍手〕 ◆19番(市原秀朗議員) おはようございます。 おはようございますという時間だったかどうかわかりませんけれども、きょう12月8日は日本が真珠湾に奇襲攻撃をかけて69年目になります。真珠湾攻撃のおよそ2時間前、マレー半島に日本軍が上陸をし、アメリカ、イギリス、オランダなどに宣戦布告をしていくという、それからのあの戦争の中で、このアジア・太平洋地域だけでも2,000万人を超えるとも言われております。そしてまた、日本でも一般国民を含めて310万人の人々が犠牲となった戦争、その悲惨な戦争の結果として、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こらないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定するという新しい憲法ができたわけでございます。そしてまた、その憲法のもとに、住民自治を高らかにうたった地方自治法が施行されたわけでございます。人が輝く、未来に続くおびひろ、それはまさに平和でなければ実現をしないことでございます。私は、これから市長の公約でもございます未来に投資するまちづくり、そしてもう一つは新しい都市経営と市民参加についてお尋ねをいたしたいと思います。 国も、そして都道府県も市町村も帯広市においても、あらゆるコミュニティも組織も人の集まりでございます。その人の集まりでどのように発展していくのか、あるいは持続し続けるのか、あるいは衰退するのか、まさに人によってその将来が決まると思います。そういう意味からは、その地域なり組織なりの人づくりということは極めて大事なことだと思っております。 市長は、未来に向けたまちづくりの柱は地域における人づくりとして、このように高らかにうたってるわけでございます。そこで、地域における人づくりについての基本認識をまずお聞きをいたしたいと思います。 また、これまで帯広市における地域での人づくりの状況についても、いかがだったかをお聞きをするとこでございます。 子供たちが健やかに成長をするその支えとなり、そしてまた多くの市民個々がさまざまな可能性を伸ばす、あるいは市民が心身ともに健康で豊かな人生を送る。そのために行政がさまざまな場づくりをいたしているわけでございます。帯広市もさまざまな多様な施設を設置、運営をしております。こうした福祉や教育関連施設の中には既に耐用年数切れもあるなど老朽化も激しく、耐震診断や耐震対策が必要なものも多いと伺っております。いわゆる施設の更新あるいは改築時期を迎えつつある状況にあるかと思いますが、これからどのように対応するのか、基本認識についてお聞きをするとこでございます。 帯広市では、長年体育関係の人々の強い要望で、そしてまた最優先課題でもありました総合体育館については、幅広い人々が幅広い活動の場としてもまた重宝していたもんだと思っております。長年のこうした課題でもあり、第六期総合計画、そして市長の公約であります総合体育館の改築への取組みはどのような状況にあるのかをお聞きをするとこでございます。 新しい都市経営と市民参加についてでございます。 そもそも国政は国民の厳粛なる信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民が享受する。これは憲法前文でございますけども、そうした中で地方自治法も同じトーンの中で進められてきているかと思います。しかしながら、国政から地方自治体まで、政治あるいは行政機関あるいは行政執行はだれのためにあるんだろうか。主権者たる国民や市民が実感しがたい状況にあることもまた現実であろうかと思います。 そこで、市政でも市民と市役所、行政、市政との信頼関係をいかに構築するかが肝要だと思います。中には、漠然とした不安だとか誤解もあるかもしれませんが、市役所あるいは職員、そしてまた私ども議会や議員も同様であるかもしれませんけれども、行政執行に対する市民の目は、国民の目は厳しいものがあると思っております。さまざまな行政課題を執行するのに、市民との信頼関係、相互信頼は不可欠であるというぐあいにも思います。そこで、就任7カ月、米沢市長の現状認識と私流に言うならば市役所文化、市政文化の改革に対する認識をお伺いするとこでございます。 まちづくりや、あるいは市政というのは、決して私は特別なものだとは思っておりません。自治とは、そこに暮らす市民、住民、言うならば市井の人々がみずから住む地域をおさめることというぐあいに認識をしております。人口規模が拡大する中で、直接民主主義がなかなか行き届かない。そこで、市民から負託をされた市長あるいは議会議員、そしてまた具体的事務執行を行う市職員、そうした形の中でのいわゆる間接民主主義が今行われていると思っております。 しかしながら、可能な限り直接かかわることがこれまた重要だというぐあいに思っております。いわゆるお任せ、丸投げでは民主主義は育たないというぐあいに私自身は思っております。そこで、住民自治と新しい公共に対する基本的認識をお伺いし、1回目の質問とさせていただきます。 ○石井啓裕議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 市原議員の御質問中、初めに人づくりにつきましてお答えいたします。 自主自律の地域経営を行っていく上では、人、物、金、そして情報などの経営資源を有効に活用していく必要がございます。とりわけ人づくりは地域の持続的な発展に欠くことのできないまちづくりの基本となるものであり、将来を見据えつつ、多様化する地域課題に対応していくためには、次代を担う子供たちの教育の充実はもとより、産業経済、環境、文化スポーツなどさまざまな分野において人材を育てていく必要があるものと考えております。 帯広市では、これまでも社会の変化に対応した教育の充実や学びを通したまちづくりへの参加促進を初め、農業や商工業の分野における担い手の育成などを通しまして、地域を支える人づくりに取り組んでまいりました。さらに、東京帯広会や関西帯広会など地元出身者や観光大使との連携などによりまして、さまざまな人材を活用したまちづくりについても進めてきているとこでございます。 今後とも、人づくりは未来への投資であるとの考えのもと、活力ある地域社会を担う人材の育成や地域外で帯広・十勝を応援していただける人材のネットワーク化などに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、市役所改革についてお答えいたします。 言うまでもなく、行政組織である市役所の使命は市民福祉の向上であり、行政の担い手である市職員は、このことを常に自覚した上で、慣例にとらわれない柔軟な発想と新たな都市経営の視点に立って、満足度の高い行政サービスを提供していかなければならないものと考えております。 私は、市長に就任して以来、市民対話の推進、そして積極的な情報提供などを通しまして、市民の皆さんとの信頼関係の強化に努めてきたところでありまして、今後もこうした取組みを積み重ねながら、市民と行政がともに力を合わせる協働のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。 次に、住民自治と新しい公共についてお答えいたします。 地域主権型社会を確立していくためには、地域の意思と責任に基づき、主体的にまちづくりを進める自治の理念が一層重要になってまいります。そのためには、市民一人ひとりがみずからのまちをみずからがつくるという意識を持って、まちづくりに積極的にかかわっていただくことが何よりも重要であり、高齢者を初め若者や女性など幅広い層の市民がまちづくりの担い手として、個性や能力を発揮できる環境づくりが必要であると考えているところであります。 ほかの件につきましては、説明員からお答えをいたします。 ○石井啓裕議長 西田譲総務部長。 ◎西田譲総務部長 市有施設の全体に係る施設の老朽化に対します考え方についての御質問がございましたので、私のほうからお答えをいたします。 お話のとおり、福祉関連あるいは教育関連の施設につきましては、今後建てかえ、あるいは修繕など維持補修費の増大が予想されるところでございます。このため財政負担の平準化や軽減の観点からも、施設の長寿命化を図る必要があると考えております。 今後、公共施設の改修などのハード事業につきましては、公共施設の建築保全システムを活用し、施設の状況を把握するほか、緊急度なども総合的に判断し、維持管理を図っていかなければならないものと認識をしているとこでございます。 ○石井啓裕議長 小笹勅雄生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 御質問中、総合体育館の改築への取組み状況につきまして私から御答弁いたします。 昭和47年10月に供用開始いたしました総合体育館につきましては、御案内のように老朽化が進んでおりまして、私どもといたしましても早期の建てかえを目指してはおりますけれども、他の公共施設との兼ね合いもあり、具体的な取組みに至っていないのが現状であります。 しかしながら、競技団体からもかねてから建てかえを求める声がありますし、また第六期総合計画あるいは教育基本計画におきましても、総合体育館の改築を位置づけておりますことから、今後位置や建設手法、財源等、諸般の課題を整理していく必要があるものと認識しております。したがいまして、できるだけ早い時期から先進事例などの調査や関係団体との協議等に取り組んでまいりたいと考えております。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) それぞれありがとうございました。 未来に投資するまちづくり、人づくり、まさに人づくりはまちづくりの基本であると、同じ私自身もその認識をしております。そしてまた、その人づくりのために投資をするということ、これは非常に大切なことだというぐあいに思っております。 今回、具体的なことで若干公約にもかかわって、何点か、お話を聞かせていただきたいと思います。 学校教育の関係でございます。 現在、北海道教育委員会では、平成16年から特定の学年について独自の35人学級を実施をしてきております。現在のその少人数指導の成果と課題、それからさらには市長公約の中でも、習熟度を高める少人数指導の充実ということでうたっておりますが、具体的な内容と今後の進め方についてお聞きをしたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝栄一学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 少人数教育の関係でございます。 現在、帯広市におきましては、小学校1、2年生と中学校1年生におきまして、ただいまお話しありましたとおり、北海道教育委員会の少人数学級実践研究事業による35人学級を実施しているところでございますが、小学校の入学期における学校生活への適応をスムーズにするとともに、中学校1年生では思春期の子供たちが新たな学校生活へ適応しやすくするなどの教育的効果があるものと考えてございます。 学校における学習は、大きな集団で行うことで効果があるものと少人数で行うことで効果があるものなど多様でございます。目的に応じた集団規模で学習することが望ましいと考えているところでございます。特に、基礎、基本の習熟など確かな学力の定着のためには、きめ細やかな指導が可能な少人数による指導が効果的であると認識しているところでございます。 現在、国では段階的に35人学級への移行を進める計画がございますけれども、今後はその動向を見定めながら、少人数指導のあり方を工夫してまいりたいと考えているところでございます。そのために個々の学校が取り組んでおります少人数指導の成果やアイデアなどを交流し合う協議会を今年度中に立ち上げまして、来年度からその成果を各学校に配布するなど、少人数指導の充実に努めてまいりたいと考えてございます。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) けさの道内紙に、OECDが2009年の国際学習到達度調査というのを行った結果が出ておりました。やや改善されてるというような分もありますけれども、中をよくよく見てみると、社会生活に支障が出るおそれがあると言われている下位層、ここの分については極めて割合がやはり高いまま、他の国に関してもかなりの差が出てる分が現実にあると。もちろんこの調査だけがすべてではございませんけれども、やはりこうしたことから、個々の子供たちの状況に即した指導というのが非常に大事かなと、全体的な底上げをしていくということが社会の将来的なことを含めて大事なことだと思いますので、ぜひこの習熟度を高める少人数指導の充実ということで、国や道との具体的な施策もあるかもしれませんけども、今お話しのあったようなことで、ぜひより充実したものにしていっていただきたいということだけを申し上げておきたいと思います。 さて、人づくりということからすると、地域の産業興し、市長の唱えられていますフードバレーとかち構想の推進ということからは、この産業部門での人材育成というのは極めて大事かなと思っております。そこで、現状の取組み状況と成果だとか課題についてどのように認識されているか、お聞きをしたいと思います。 ○石井啓裕議長 鈴木新一商工観光部長。 ◎鈴木新一商工観光部長 今、人口減少の社会の中にありまして、地域産業を担う人材の育成あるいは人材の確保は、今まで以上に重要な課題であると認識しております。本市におきましては、これまで商工観光振興基金を活用しました人材派遣事業を初め、物づくりを中心としたゼミナールやセミナーの実施、さらには帯広商工会議所や十勝圏振興機構等の関係機関を初め、帯広畜産大学などと連携したさまざまな人材育成事業に取り組んできたところであります。また、帯広職業能力開発センターの整備等を通じて、建設関連産業の現場を担う技能士や技術者の養成を図ってきたところであります。 今後の課題につきましては、地域産業にとって優位性のある食と農業の関連産業を担う人材育成の仕組みをさらに充実していく必要があると考えているところであります。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) 平成20年8月に提言を受けて、21年2月から今具体的に取組みをしております産業振興ビジョンという中でも、この人材育成ということでのことが具体的に示されておりますけれども、この産業振興ビジョンでの人材育成とのかかわり、位置づけについても、もう少しお話を聞きたいと思います。 ○石井啓裕議長 鈴木商工観光部長。 ◎鈴木新一商工観光部長 お話ありました帯広市産業振興ビジョンにおきましては、産業人、担い手の育成を施策の基本方向に位置づけておりまして、人材育成は重点プロジェクトの一つであります。 昨年、帯広市中小企業研修連携会議を設置し、地域の産学官や関係機関が横断的な連携を強化し、総合的、効果的な人材育成を推進するため、研修事業等に関する情報の一元化などを進めているところでございます。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) 説明のように、産業部門での人づくりというのは、さまざまな形で現在も取組みがされておりますけども、私は中・長期的にはフードバレーとかち推進の一翼を担う担い手、あるいは地域経済の発展の担い手ともなる若手の企業人育成のため、いわゆる経営者層向けの事業の充実強化ということをさらに図っていくべきではないかというぐあいに思っております。 市長公約の中にございます十勝未来塾創設ということでございますけども、とりわけ専門的あるいは実践的な経営者向けで、しかも継続をして学ぶことができる、そういう仕組みというのが大事だというぐあいに思ってます。とりわけ次代を担う経営者層の発掘、起業だとか創業支援、そうしたことを含めて、ネットワーク化も含めたものを目指していってみてはいかがかというぐあいに思いますけれども、いかがでしょうか。 ○石井啓裕議長 鈴木商工観光部長。 ◎鈴木新一商工観光部長 人材育成事業につきましては、市や経済団体などさまざまな関係機関等が多種多様なメニューで取り組んできておりまして、本市においても創業や新しい事業を目指す方々のために創業・起業支援フェアを開催し、この事業を通して金融機関等の連携を仰ぎながら、支援施策の説明会や個別相談会を実施してまいりました。 本年度は、同フェアに参加して実際に創業された方を講師に招き、制度活用などの体験談を交えて講演いただくとともに、その内容をDVDに録画し、図書館での貸し出し体制も整備するなど、若手経営者などの育成と人的ネットワーク化に向けて取組みを進めているところであります。 今後、十勝未来塾の実施手法等について検討を進める上で、創業・起業支援の観点から、人材育成とネットワーク化も念頭に入れながら取り組んでいきたいと考えております。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) さまざまな行政だけでなくて、行政だけではまたできないことでもありますし、多くの関係する団体などがこれまでもいろんな努力をされてきております。そういう分でいうと、この未来塾ということについては、やっぱり十分熟度を高めて、じっくりと長続きして発展していけれるような、そういう取組みをぜひお願いをしたいということで、こういうことがフードバレーとかち構想を推進していくエンジンになっていってもらいたいなと、そんな思いでぜひ取り組んでいただきたいというぐあいに思います。 この帯広・十勝の中でのいろんなさまざまな活動も極めて大事ですけれども、地域の活性化あるいは企業誘致というようなことを考えると、先ほど申し上げました市の産業ビジョンでも振興ビジョンでも提示されておりますけれども、地域外からの応援というか、そういう部分ていうのも極めて大切かなというぐあいに思ってます。それで、これまでの取組みの状況、そしてそれとのかかわりで公約の中で帯広・十勝の応援団ネットワーク構想ということで示しているんですが、今後どのようにこれを展開しようとしているのか、お聞きをいたしたいと思います。 ○石井啓裕議長 鈴木商工観光部長。 ◎鈴木新一商工観光部長 お話ございました十勝応援団のネットワーク化につきましては、帯広市産業振興ビジョンの中でも重点プロジェクトの展開事業の一つとして位置づけをしております。これまで東京帯広会あるいは関西帯広会を初め、出先帯広東京会のメンバーなどとのつながりを深めながら、本年度から地元の産業情報の提供を開始したところでございます。 また、帯広市初め十勝管内7市町で構成いたします帯広・十勝地域産業活性化協議会を通じて、帯広畜産大学等道内大学の出身者が役員となっている企業リストを作成するなど、帯広・十勝出身の若手人材の発掘等に着手したところでございます。 今後、ふるさとの魅力を幅広く情報発信する中で、帯広・十勝にゆかりのある方々から地域産業に有益な情報を提供していただけるよう、具体的なネットワークの構築手法について検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) ぜひこのフードバレーとかち構想を推進していくためにも、内外からしっかりと支えていただける、あるいは応援していただける、そういう体制をぜひ戦略的に取り組んでいただければというぐあいに思っております。 施設の関係に移りたいと思います。 長寿命化を図っていく、あるいは保全システムなどを活用していくというようなことなどもお話がございました。総合体育館については、体育施設の中では最も実は古いんですね。築38年でございます。今できるだけ早い段階から調査や関係機関との協議なんかも進めていきたいというお話でございました。 六期総が終わる平成でいうと31年なんですね。今の1回目の答弁からすると、かなりそう簡単にすぐ具体化するのは難しいのかなというぐあいに思いますけども、仮に六期総の最終年度ということになると、築47年か8年になるということになりますが、冒頭にお話ししたように、この総合体育館というのは関係する団体の最優先課題として随分早くから市に対する要望というのが上がっていたんですが、なぜこんなに結果的に遅くなってしまったんでしょうか。
    ○石井啓裕議長 小笹生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 総合体育館の改築に関するお尋ねであります。 私どもといたしましては、早期の建てかえを目指しまして、これまでも内部検討を行ってきた経緯は、経過はございますが、先ほども申し上げましたとおり、建設手法ですとか財源の問題、さらには他の施設との関係もありまして、結果として先送りと申しますか、優先順位が変わりまして改築時期がおくれてしまったと、こういった事実であります。 ただ、御承知のように第六期総合計画あるいは教育基本計画、さらには市長公約にも総合体育館の改築が位置づけられておりますことから、この計画期間内の実現に向けて取組みを進めてまいりたいと、このように考えております。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) 他の施設との関係もあり、もう言わなくてもわかると思いますけれども、屋内スピードスケート場、突如と浮上し、築でいうと総合体育館の半分程度だったんですけども、先にやってしまったということですね。体育関係者の皆さん方の要望は、一貫して総合体育館の改築だったんですね。しかも、その体育館というのは、ただ単に体育関係者だけじゃなくて、さまざまなことに活用ができる。これはよそのそういう施設見たらわかるんです。いわゆるコンベンション機能というのをして、いろんな大会、体育関係に限らない大会だとか催し物やれるということでの非常に多種多様な活用ができる施設だったんですけども、まあそういうことだったんですね。 しつこく言ってまいりましたけども、結果的に先送りになってしまって、今のお話からすると、期間内の実現に向けてですから、最悪ですと先ほど申し上げたように築四十七、八年という前提で現行の施設をもしかしたら使い続けなきゃならないのかもしれないということですね。財源的にはますます厳しくなってきてるんじゃないかというぐあいに私自身は思いますし、そういう分でいうと非常にこの事態、懸念をいたしております。公約に上げていただいておりますけれども、本当に大丈夫だろうかという気は正直言ってするとこでございます。 この改築に当たっては、とにかくできるだけ早い時期ということを言いましたけれども、とにかく早い段階から具体的な検討をぜひ進めてもらいたいと。そのときには、機能だとかということもありますけども、利用のしやすさ、今、森にほとんどの体育施設が行っちゃって、交通資材なんかを含めると非常に難しいと、さまざまな層の人方が利用するにはかなり限定的になってしまっているということもございますので、高齢の方も、あるいは児童・生徒でも、あるいは障害をお持ちになっている方でも比較的利用しやすいやっぱり場所ということも考えていかなきゃならんと思いますし、あるいは建設手法だとか、それからある部分でいうと一番ネックになると思います財源ですね、こういうことも早い段階から市民からもいろんな意見を求める中で、共通認識の上に立った進め方をぜひしてもらいたいというぐあいに思いますが、いかがでしょうか。 ○石井啓裕議長 小笹生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 取組みの進め方についてでありますが、総合体育館の改築の具体化に当たりましては、競技団体に限らず利用者の皆様を初め、できるだけ多くの方々から御意見をいただくとともに、よりよい施設とするため関係する情報を公開し、市民の皆様の御理解をいただきながら進めてまいりたいと考えております。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) ぜひそうしてください。要望は、間違いなく非常に広範の人方からもありますけれども、屋内スピードスケート場の二の舞にならないように、しっかりと市民全体のコンセンサスを得る中で進めていっていただきたいなというぐあいに思っております。 学校教育施設などを除いて、保全システムだとか長寿命化と言いながらも、福祉施設だとか社会教育施設など、これ全部で107施設ほどたしかあるかと思いますが、その中で築30年を超える建物は30以上もう既にあるんですね。六期総の期間中ということを加えると40ほどになる。全部合わせると70施設以上が実はこの六期総の期間中に超えるということで、さらに旧耐震基準、これとの関係からすると、40を超す施設が実は対象になっているというぐあいに聞いております。 いずれも、帯広市民にしてみれば非常に大切な施設ということではありますけれども、これから施設の設置目的、それに照らしながら利用形態、利用実態、それから維持管理経費の状況だとか、そしてまた今の人口構成、これから先の人口構成も一定程度勘案しながら、さらには帯広市の発展状況だとか財政状況、そういうことを踏まえながら長期的な展望に立った施設そのもののありよう、あり方、それから運営管理方法など、そういうことも含めて、今あるからそのまま建てかえするとかなんとかということに限らないで、検討をする必要があるんじゃないかなというぐあいに思いますけれども、いかがでしょうか。 ○石井啓裕議長 伊藤修一政策推進部長。 ◎伊藤修一政策推進部長 私のほうから、全体の関係があるものですから、総括的に御答弁をさせていただきたいというふうに思います。 これまで整備をしてきましたコミュニティセンター、さらには体育施設等々、これらの公共施設が今後改修や建てかえの時期を迎えますことから、今議員からお話がありました諸条件を十分に考慮をし、長期的展望に立って社会環境の変化に対応した社会基盤のストックの活用、さらには長寿命化などを図るとともに、計画的に施設の管理や整備を行っていく必要があるというふうに考えているところでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) 十分、先ほど申し上げました数字からしても、この短期間の中で、とりわけ運動施設群については一気にずうっとつくっていった。コミセンもそうですね。それがだんだんだんだん言うならば一般的な寿命を迎えつつあるということも現実でございますので、この辺はやはり十分分析をする中で、場合によっては大胆な発想の切りかえ、そういうことも必要になってくるんでないかなというぐあいに思ってます。 ちょっと余分なこともしれませんけども、屋内スピードスケート場についても、前回利用実態なんかもいろいろと聞かせていただきましたけども、これからも地元の利用というのはそんなに伸びないんであれば、やっぱり相手が受け入れてくれるかどうかわかりません。国への移管なんていうことも、きちんと求めていくということも一つの選択肢かなというぐあいに思っておりますので、いろんなことを考えながら、ぜひ先々持続できるような形の中で考えていただきたいというぐあいに思っております。 新しい都市経営と市民参加についてでございます。 新しい公共と幅広い世代の市民参加ということで少し先にやらせていただきたいと思います。 新しい公共、なかなかどういうぐあいに定義づければいいのか、いろんな議論があろうかと思いますけれども、地方自治に対する認識は同感でございます。そこで、公約の中でもございます高齢者による新しい公共への参画の仕組みづくりとありますけれども、これ具体的にどのように進めようとされているのか、お聞きをいたしたいと思います。 ○石井啓裕議長 井上憲二市民活動部長。 ◎井上憲二市民活動部長 新しい公共への参画の仕組みづくりでございますが、今後増加いたします高齢世代が仕事や趣味、社会活動に意欲を持って臨み、これまで培った幅広い知識や経験を生かし、地域活動やまちづくりの人材、担い手として活動、活躍する場を設けていくことが市民参加による協働のまちづくりを進めていく上でも重要と考えているところでございます。 仕組みづくりに当たりましては、現在高齢者が活動しております老人クラブあるいは高齢者学級、シルバー人材センターなど既存の事業の充実とともに、新たに参画が可能な公共の分野や事業、参加しやすい方法やきっかけづくりなどを含めて検討していくことが必要であると考えております。 今後、庁内におきまして検討作業を進めていくとともに、広報紙等による高齢者の活動や事業の紹介、参加意識を高める啓発など、環境づくりを進めていきたいと考えているとこでございます。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) そうですね、これは高齢者も皆さんもそうですけども、市民参画といったときに、行政の肩がわりという観点ではなくて、それぞれの分野の市民がみずからまちづくりにかかわれる場づくりということが大切だと思っておりますので、ぜひ具体的な仕組みづくりの中では、そういう観点で組み立てていっていただきたいというぐあいに思っております。 それから、今行政にかかわる、あるいはこの地域の地域づくりにかかわっている世代、いずれ皆さんずっと年が上がっていくわけですね。ですから、未来に続くということは、子供たちや若者たち、その人方がどれだけこの地域づくりに関心を持ってかかわるかという、そういうことが非常に大事かと思っております。 まさに未来に続くおびひろ実現のためには、若者たちの社会参加ということをどうやって具体化していくかということでございますが、公約の中でもそういうことを触れておりますけれども、現状認識と今後の取組みの考え方についてお聞きをいたしたいと思います。 ○石井啓裕議長 嶋崎隆則こども未来部長。 ◎嶋崎隆則こども未来部長 若者の社会参加の現状認識と今後の取組みについてでございますが、青少年の社会参加支援の取組みにつきましては、ジュニアリーダーの養成やボランティア活動への支援などを行っているところでございます。しかしながら、ライフスタイルの多様化や人間関係の希薄化などを背景といたしまして青年団体活動が衰退しつつあり、若者の社会参加の機会は減少しているものと認識しております。 こういった環境の中、子供時代から地域での身近な体験活動を重ねるとともに、多様で自主的な活動を幅広く展開する若者たちの存在は、今後のまちづくりにとりまして大変重要であると考えております。こうしたことから、青少年育成団体などとの連携のもと、青年団体、大学生、高校生など若者の自由な発想によるまちづくりへの継続的な活動を促すとともに、若者が率直な意見を表明できる機会の充実を図るなど、若者がまちづくりに参画できる仕組みづくりを進めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) ぜひ継続していく、つながっていく、そうしたことのためにも、この若者の社会参加ということについてしっかりと取り組んでもらいたいというぐあいに思います。 世の中の半分以上が実は女性なんですね。半分じゃなくて半分以上ですね。そういう部分からすると、女性の存在というのをなくして地域づくりというのはできないというぐあいに思ってます。しかし、いい悪いは別にして、長く男中心社会が続いてきておりまして、男女共同参画ということに関しても、いろんな試みをされてきておりますが、市長自身が公約の中でも、あえて「推進」と掲げているということは、そこに市長の思いが示されてるんだなというぐあいに思っております。 そこで、第二次の男女共同参画プランがスタートいたしましたけども、一次を終えた中での課題と今後のまちづくりにおける基本的な認識、具体的な取組みについてお伺いをいたしたいと思います。 ○石井啓裕議長 井上市民活動部長。 ◎井上憲二市民活動部長 男女共同参画でございますが、平成13年度に第一次男女共同参画プランを策定し、各種施策に取り組んできたところでございます。男女共同参画に関する意識は徐々に浸透してきているものの、性別による固定的性別役割分担意識や、これを反映した社会慣行などが依然として残っていると考えております。一人ひとりの人権が尊重され、ともに生きることのできる男女共同参画社会づくりを進めるためには、男女平等や女性の人権尊重などについて実効性のある各施策や取組みを着実に行い、市民や事業所などに考え方の浸透を図り、理解をしていただくことが重要と考えてございます。 そのため市民や関係団体で構成されます帯広市男女共同参画推進市民会議などを通して、各関係団体等にプランの理解や周知を図っていくとともに、男女共同参画に関するセミナーや各種講座などのあらゆる場を活用して発信し、男女共同参画について市民の理解促進に努めてまいりたいと考えているとこでございます。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) 今答弁ございましたけれども、まさにこれは男性とか女性という性別ということではなくて、人としてということをしっかり踏まえていかなきゃならんと思いますし、これは意識を変えていくということは、常に発信し続けてないとなかなか実効が上がっていかないということがあろうかと思いますので、ぜひこれは人としてという観点での意識づけをぜひやり続けていただきたいなというぐあいに思います。 市役所文化ということでございます。市行政、認識についてはいろいろ市長から直接いろんなお話聞かせていただきまして、全くそのとおりだと思いますし、とりわけトップの存在というのは極めて大きいかと思います。ですから、市長自身がそのことを常に発信をし続けていく。その中で徐々に変わっていくんじゃないかなというぐあいに思います。私自身も、このことについては極めて大きく期待もしておりますし、ただいかに具現化させていくかということがなかなかと大変かなというぐあいに思っているとこでございます。 こうした市役所文化の改革といいますか、これについては従来型の行財政改革のような手法ではなくて、やっぱり市長が公約で掲げたように、特に行政事務にかかわる職員の意識改革、そしてその意識を変えた中での具体的な取組み、そこんとこが大事かなというぐあいに思ってます。7カ月、一生懸命市長、いろんな場面の中でおやりになってきているということを聞いておりますけど、その成果はなかなかすぐは出てこないんではないかというぐあいに思いますけれども、市長就任後みずから積極的にさまざまな形で職員との対話だとか研修にかかわっているというぐあいに聞いておりますけども、市長の思い、この間行ってきた内容と目的、そしてまた職員の反応はいかがだったか、お聞きをしたいと思います。 ○石井啓裕議長 西田総務部長。 ◎西田譲総務部長 市職員の意識改革と、それと市長がかかわってきた研修についてのお話がございました。 最初に、職員の意識改革につきましては、職員一人ひとりが能力を高め、そして成長していくことが重要な課題であるととらえてございます。地域主権やさまざまな制度改正など、変革の時代に求められる職員像を人材育成基本方針に定めるとともに、これを具体化するために職員研修を初めといたします21の取組み項目を人材育成推進プランに位置づけをしまして、取組みを進めているところでございます。 本年4月、米沢市長が就任して以来、さまざまな場面を通じまして職員の仕事に対する取組み姿勢等につきまして、市長みずからの考えを直接職員に伝えていただいております。先日も多くの職員が参加する中で、モチベーションの向上に関する自己啓発を目的とした研修の機会を設けてきてございます。これまで市長が直接かかわった職員研修につきましては、約500名の職員が参加をしてございます。職員の反応につきましては、研修後のアンケート結果あるいは日常業務の中から、市長の思いがしっかり届いているものと認識をしているとこでございます。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) ぜひこの雰囲気というか、これを持続していただきたいなというぐあいに思ってます。 今がそうだということを私言っているわけではございません。やや一般的なこと、それからかつていうことも含めて、いわゆるお役所仕事と言われていることからの脱却ということが大事かなというぐあいに思ってます。民間企業の中では、クレームは宝の山というぐあいに言い方をする場合もありますけども、市民からの苦情だとか要望の中、その中にいろんなことがあるんじゃないかなというぐあいに思ってます。ですから、職員みずからその課題を見出す感性を磨く。そしてまた、それを解決する道筋をつける、そうした癖づけといいますか、それから仕事のやり方、このことについても、このやり方で本当にいいんだろうかという常に検証するという意識を持って仕事に臨む。それから、仕事そのものについても、予算がついたからこれやったらこれで終わりじゃなくて、やっぱりこの仕事がどうなのかという検証をするという癖づけ、職員が市民福祉の増進のための担い手だという感性を高めるというか磨くというか、そのことが極めて私は大事かなと思っております。 市長自身が選挙戦を通じて、市役所を働く集団にするという強い決意、このことに関しては市民は非常に期待もしておりますし、正直言ってうまくいくかなあという心配もしながらも、注目度は極めて高いというぐあいに思っております。市長は市民との信頼関係を深めるために、職員に対して十の敵などを引用しながら、職員の仕事に対する心構えだとか組織のあり方などについてもお話をそれぞれされているというぐあいに聞いておりますが、今後職員のやる気をどのように引き出そうとしているのか、お聞きをいたしたいと思います。 ○石井啓裕議長 西田総務部長。 ◎西田譲総務部長 市民ニーズが高度化、多様化する中におきまして、私ども職員にとりましては市民の皆さんと情報を共有しながら共通の認識に立つことはもとより、信頼をより深めながらサービスの提供に努めていくことがますます重要になってくるものと考えてございます。 そのためには行政を担う職員一人ひとりの育成に向けまして、引き続き人材育成推進プランの取組みを進めてまいりたいと思ってございます。 また、今後の職員研修におきましては、特別職や部長職にも研修講師として積極的に参加をしていただき、市役所全体の取組みとして職員のやる気あるいは気づきを引き出していく、そういったより効果的な研修を行っていきたいと考えてございます。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) 先日終了しました市長と語ろう「夢かなうまちおびひろ」、私も全部は行けれませんでしたけども、可能な限り参加をさせていただいて、市長のお話、そしてまた市民のいろんな思い、一緒に聞かせていただきました。 この市長と語ろうということを通じて、市長自身も市民の思いとの間に、まだ埋めていかなければならない溝だとか、それから縮めなければならない距離というものも感じたんではないかなというぐあいにお見受けをいたしたとこでございます。今後、今申し上げたその溝だとか距離をどう解消していくのか、これ大切なことだと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。 ○石井啓裕議長 米沢市長。 ◎米沢則寿市長 市民の皆さんとの対話を進めることを目的といたしまして実施した地区懇談会、多くの皆様から直接まちづくりに関します思いですとか御意見、これをいただくことができました。私にとりまして大変有意義な機会であったというふうに感じております。この場をおかりいたしまして、お忙しい中、足を運んでいただきました市民の皆様に心からお礼を申し上げたいと、またいただいた貴重な御意見、今後の市政運営の参考とさせていただきたいと考えております。 今後とも、こうした機会をより充実させていきたいなと、市民の皆さんの声を直接お聞きしたいとの思いをしっかり受けとめていくということともに、私といいますか、市の考え方につきましても適切に皆さんにお伝えしていくと、そういう中で市民の皆さんとの信頼関係ができ上がっていくと、その上でまちづくりを進めていくことが非常に大切だということを改めて感じておりまして、またこれからもその考え方で進めていきたいなというふうに考えております。 ○石井啓裕議長 市原議員。 ◆19番(市原秀朗議員) 私も期待をいたしております。 とにかく市民もやはり率直に誠実にお互いがやりとりをできる。そしてまた、市長も職員も、もしかすると私ども議員もそうですけれども、同じ土俵の上でやはり話をするということが大切ではないかなというぐあいに思っております。 とりわけ市民から見ると、やっぱり先ほどちょっとお話をしましたけども、一つの固定観念というのがあると思うんですね、行政だとかそういうことに対して。そういうことを少しでも取り除いていこうという努力をぜひお願いをしたいなと。これは我々自身もそうなんですけれども、常にやっぱりこういう場にかかわる人方は弱い立場の人、なかなか発言できない人、声の小さい人、そういう人方の立場に寄り添った形の中で物を考えていくということが大事ではないかなというぐあいに思っております。 そういう意味で、市長とそれから市の職員の皆さんが目的だとか思いを一つにして市民との情報の共有化、これしっかりやっていくことが信頼関係づくりの近道かなと、同じフィールドの上で話をしていくという、そのことがお互いが心の中を開けてやっていけるというぐあいに思っております。そういう意味で、本当の行政と市民との信頼関係ができて初めて真の意味での市民が主役のまちづくり、市民が具体的に肩がわりじゃなくて、みずからつくっていくという地方自治、住民自治という、そういうことにつながるんじゃないかなというぐあいに思っております。 職員の皆さん方も私いろんなお話をしましたけれども、市長自身がお話をしているように、ぞくぞくわくわくする仕事をする、そのことが市民にどれだけ喜んでいただけるか、そのことに満足をする。そしてまた、その新たな仕事に対する意欲を燃やしていくということに私はなろうかと思うんですね。ただ単にしりをたたくだけでは、そうはならないというぐあいに思いますので、まさに自発的にそういう思いになった中で初めて仕事をする。職員になられた皆さん方も、入ったときいろんな思いがあって、希望を持って職員になられたとすれば、ぜひぞくぞくわくわくする仕事をすることによって達成感を得ていただければ、お互いにいいんじゃないかなということを申し上げて、今回の質問終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○石井啓裕議長 以上で市原秀朗議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。 再開を13時10分、午後1時10分といたします。         午後0時2分休憩         ────────         午後1時10分再開 ○石井啓裕議長 再開いたします。 次に、藤澤昌隆議員から発言の通告があります。 5番藤澤昌隆議員、登壇願います。   〔5番藤澤昌隆議員・登壇・拍手〕 ◆5番(藤澤昌隆議員) それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。 まず1項目めに、小・中学校における文化芸術の取組みについて、2項目めに歴史文化遺跡について質問をしたいと思います。 昨年11月に、内閣府は文化に関する世論調査を行いました。そして、ことしの1月にその調査報告が発表されております。その中で、文化芸術振興のために国に力を入れてほしい課題として上げられているのが子供たちの文化芸術体験の充実で48.6%を占めました。次いで、文化芸術を支える人材育成44.2%と続くわけであります。 2007年2月に、文化芸術の振興に関する基本的な方針が閣議決定され、日本も文化芸術で国づくりを進める文化芸術立国を目指しておりますが、国民の多くは次世代を担う子供の文化芸術活動に力を入れることが我が国が文化芸術振興のために最も必要であるとの認識に重きを置いているのではないでしょうか。 前述の内閣府の世論調査をさらに細かく見ますと、何が文化芸術振興に重要であるかとの問いに、学校における講演など鑑賞体験を充実させることが58.3%で最も多く、第2位がホール、芸術や美術、美術館、博物館などの地域の文化施設における子供向け鑑賞機会や学習機会を充実させるが49.5%で、その差は9ポイントも上回っております。この結果を見ても、より多くの子供が文化芸術体験を享受するためには、学校でいかに文化芸術に触れる機会をふやすかということが大変重要であります。しかし、9月の決算委員会で文化振興にかかわる部分で、小・中学校における芸術鑑賞は、各学校、学年に十分に行き届いているかとの質問に十分ではないと、このような答弁が返ってまいりました。 そこで、お尋ねいたします。 子供のころから大きな喜びや感動を与えてあげることは、教育の基本の一つであります。本市の教育基本計画の中で、文化芸術振興に対する取組みはどのような位置づけになっているのか。また、学校行事の中で子供たちが舞台芸術に触れられる教育行政の中の事業は、子供向け鑑賞機会提供事業、そして文化庁が選定する巡回講演事業の2つであります。これらの事業の目的は何か、またその事業の評価、そして学校の現場の声はどうなのか、お尋ねいたします。 次に、歴史文化遺跡について伺います。 帯広市内の遺跡群は、八千代遺跡や宮本遺跡、大正遺跡など、市内59カ所の遺跡が確認されており、十勝管内では1,000カ所以上の存在が確認されております。その59カ所の遺跡から発見された出土品は、現在百年記念館や埋蔵文化センターに常設、保管されております。 さて、昨今歴史の教科書から縄文という記述がなくなったという話を伺いました。1998年のゆとり教育という流れの中で教科書改訂に当たり、日本史は弥生時代の米づくりを中心としたところから歴史が教えられるようになり、2002年から旧石器時代や縄文文化の記述がなくなったとされております。しかし、2008年の教科書改訂でまた見直しがあり、来年の教科書からは縄文の記述が復活するようであり、改めて縄文文化が見直されているようであります。 その背景には、北海道北東北を中心とした縄文遺跡群、北海道、青森、秋田、岩手の4道県に日本最大級の縄文集落遺跡である青森の三内丸山遺跡を初め、北海道には伊達市の北黄金貝塚など縄文遺跡の宝庫となっておりますが、2009年1月5日に世界遺産候補として暫定一覧表に記載され、5年後の平成27年、2015年に登録を目指しているということもあり、これらも一つの要因ではないかと考えられます。 いずれにしましても、縄文遺跡が北海道北東北を中心に見直される中で、帯広の59カ所の遺跡群も旧石器時代から縄文時代を中心とした遺跡であることには間違いなく、およそ1万年続いた縄文文化の高い精神性はアイヌ文化へと受け継がれているとの見方が多くの考古学者の考えであります。そして、歴史的に見ても、また考古学的に見ても大変貴重で質の高い土器や石器が、そして歴史的にも貴重なものがここ帯広でも出土しているわけであります。 11月22、23日と私は伊達市に行ってまいりました。そして、伊達市噴火湾文化研究所を訪れ、縄文文化のことや北黄金貝塚の遺跡見学など有意義な時間を過ごさせていただきました。北海道には、伊達市の北黄金貝塚、洞爺湖の入江・高砂貝塚、そして森町の鷲ノ木遺跡、また函館の大船遺跡が北海道の貴重な縄文文化遺跡群として世界遺産の登録に今現在上がっている箇所でありますが、この勉強会で説明をしていただいた伊達市噴火湾文化研究所の大島直行所長からこんな話を伺ったわけでございます。 伊達の貝塚も貴重な遺跡ではありますが、帯広も北海道にとっては学術的にも貴重な遺跡が出ているんですよ。特に、大正遺跡は希少価値が高いという話であります。この一言が今回一般質問で取り上げるきっかけとなったわけでありますが、十勝・帯広の歴史は依田勉三、また開拓農民の開拓の歴史からというのが定番でありますが、しかしそれ以前にはアイヌの歴史があり、そのアイヌ文化の歴史の源は縄文文化がおよそ1万年も続き、アイヌに引き継がれているという広大な歴史が帯広・十勝にはあるんだということに私たちは気づかなければなりません。 そこで、質問をいたします。 まず初めに、帯広市の歴史認識について伺います。 数十年にわたる遺跡発掘による調査において、さまざまな貴重なデータが帯広市にも蓄積されているわけでありますが、それらは知的財産であり、そのまま知的観光資源ともなり得る財産であります。これらの知的財産、知的観光資源は、これからの帯広のまちづくりにも大いに活用できるものと思われます。それらを踏まえた帯広市の歴史認識と、その歴史を踏まえたまちづくりに対する市長の考えをお伺いいたします。 そして、その貴重な遺跡発掘物とはどういうものなのか伺いまして、1回目の質問とさせていただきます。 ○石井啓裕議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 藤澤議員の御質問中、歴史文化遺跡にかかわります御質問にお答えいたします。 帯広市におきましては、道内で最も古い時代であるおよそ2万5,000年前の旧石器時代の遺跡が発見されており、人がこの地に住み始めたのは、ほぼこの時期と推定されているところであります。また、市内には広い範囲で遺跡が分布しており、遺跡から出土する土器や石器などは文化遺産としての価値が高く、その保全や展示を通じて先人の暮らしの様子や文化に思いをはせることは、まちの歴史を学ぶ上でも大変意義深いことであると考えております。 こうした古代からアイヌ文化期を経て、晩成社を初めとした民間開拓団による開拓から今日に至るまで、積雪寒冷地という厳しい自然環境の中にあっても、この地においては連綿と人々の生活が営まれてきました。原生林が生い茂っていた大地は、先人たちの幾多の努力により豊かな耕地へと姿を変え、安全で良質な農産物を供給する国内有数の大規模畑作地帯にまで発展するとともに、十勝の中核都市として都市機能の集積が図られてまいりました。 特に、開拓を通じて培われた先人たちの挑戦する意欲や困難に立ち向かう勇気、互いに協力しながら取り組む結束力は、未来を切り開くベンチャースピリッツとして今日のまちづくりを進める私たちの中にも、いまだ息づいているものと思っております。 私といたしましては、こうした先人たちから続く財産や精神をしっかりと受け継ぎ、未来に向かってまちづくりに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ほかの件につきましては、説明員よりお答えいたします。 ○石井啓裕議長 小笹勅雄生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 藤澤議員の御質問中、教育現場における文化振興についてお答えいたします。 初めに、教育基本計画における芸術文化振興の取組みについてお答えいたします。 芸術文化振興の取組みにつきましては、市民が生涯にわたり、ゆとりや潤いを実感して生活することができるよう、次代を担う人づくりを基本目標とし、この中で豊かな情操の育成と生きがいづくりに位置づけて取り組むことといたしております。 次に、子供向けの鑑賞事業につきましては、子供たちに良質な芸術文化に触れる機会を提供し、子供たちの豊かな感性や想像力をはぐくむことを目的に実施しておりますことから、子供たちの芸術文化への関心と文化活動への参加意欲の向上が図られているものと考えております。 また、文化庁が選定する巡回講演事業において、日本の踊りを鑑賞いたしました学校では、舞台芸術への関心を高めることができた。あるいは、日本の文化に親しみ、理解を深めることができたとの評価を受けているところでもあります。 さらに、劇団四季によります公演を鑑賞した子供たちからは、全力の演技に感動した。あるいは、ミュージカルのことをもっと知りたい。あるいは、ダンスがすばらしく見とれたとの感想が寄せられております。 続きまして、遺跡や発掘物についてお答えいたします。 帯広市では、これまでにおよそ30カ所の遺跡の発掘調査を手がけてまいりました。すべての遺跡がこの地での人の生活を私たちに伝える大変貴重なものでありますが、その中でも特に大正3遺跡のときは、約1万2,000年前のものでありまして、道内では最も古い土器が出土しております。 また、若葉の森遺跡では約2万5,000年前のもので、道内の石器類としては最も古いステージのものが発掘されております。 さらに、八千代A遺跡で発見された遺跡や土器、さらに石器類などは、約8,000年前のものとしては珍しい規模の集落遺跡などが発見されております。 以上であります。 ○石井啓裕議長 藤澤議員。 ◆5番(藤澤昌隆議員) それぞれ御答弁ありがとうございました。 まず初めに、小・中学校における文化芸術の取組みについて一問一答させていただきます。 先ほど劇団四季のお話もございましたが、平成22年度の劇団四季の公演、これ小学校5、6年生で1,312人の鑑賞があります、教師も含まれておりますけれども。また、劇団風の子の公演は、広野、川西、清川小学校で220人、邦楽の公演は五中で450人の鑑賞と、またオフブロードウエーミュージカル、川西中学校、清川中学校と、ただこれには江陵高校や幕別高校、コア専門学校も一緒に鑑賞しておりますけれども、このデータを見ても、子供たちという部分で見ますと、子供たちにおける芸術鑑賞の機会っていうのは極めて少ないのではないかと思うわけですけれども、この状況をどのように見ておられるのか、お答えください。 ○石井啓裕議長 小笹生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 子供たちが芸術鑑賞できる機会についてお答えいたします。 子供たちが芸術文化に触れる機会といたしましては、小・中学校単位では小・中学生のための札響コンサートや劇団四季によります公演を行ってきております。このほか親子で参加できる事業といたしまして、プダペスト祝祭管弦楽団演奏会など、すぐれた国内外の芸術文化事業や小曽根真ジャズピアノリサイタルなど、多くの市民が気軽に楽しめる事業などを行ってきております。 また、今年度は多くの子供たちが参加する市民手づくりの市民バレー公演を関係機関や団体と連携し、来る12月11日、12日の開催に向けて現在準備を進めておりまして、新たな感動や喜びを与え、地域の文化の振興が図られるものと考えているところであります。 ○石井啓裕議長 藤澤議員。 ◆5番(藤澤昌隆議員) 生涯学習部としてのこの事業の考え方はよくわかりました。 それでは、学校単位で見るとどうなのかという問題であります。 文化課が小・中学校教育にかかわる文化振興に関する予算は十分ではないと、私が質問して聞いた9月の決算委員会の答弁でございましたけれども、学校で文化芸術に触れる機会をふやすということは、より多くの子供が文化芸術体験を享受するためにも大変重要であると、先ほども申しましたけども、このように私は思っております。 新潟市が行った本物の舞台芸術鑑賞事業の中で、この事業の効果をこのように述べております。音楽や演劇の内容に感銘を受け、自分の考えを深め、自己の生き方に生かそうとするなど、豊かな心の育成において大きな役割を担っている。また、美しいものに感動する育成、夢や希望を持って生きる態度の育成など、自己の生き方を考えさせる大切な機会となっている。また、この事業をきっかけに、新潟市の主催するジュニアオーケストラ、ジュニア合唱団等に入団したり市の主催する演劇やミュージカルに参加するなど、みずから音楽や演劇を愛好しようとする児童・生徒がふえていると、このような評価を実はしております。 私も小・中学校において生の芸術に触れるということは、子供たちの情操教育にも大きな影響があると思っております。その子供たちに直接触れる機会をふやす、これが一番大事だということを訴えさせていただいているわけですけれども、来年度子供たちにより多くの舞台や演奏を聞かせるために学校単位でのこういう機会をふやし、そのためにも教育に関する文化振興の予算、これも増額すべきと、このように考えますが、市の見解を伺います。 ○石井啓裕議長 須貝栄一学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 ただいま学校単位の演劇鑑賞の機会の増というお話しございました。ただいまお話しあったとおり、帯広市の学校における演劇鑑賞の機会、これにつきましては、かつてに比べると少なくなってきているということは事実として認識しているところでございます。 ただ、現在も各学校におきましては、自校の教育課程に基づきながら、児童・生徒が直接文化芸術に触れることができる機会を設定するように努力をしているところでもございます。 また、教育委員会といたしましても、教育的に価値のある作品展示ですとか芸術鑑賞の機会、これらの提供など申し入れがあった際には積極的に取り組んでいくように努めているところでございます。 今後とも、こういう部分については取組みを一層強めてまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 藤澤議員。 ◆5番(藤澤昌隆議員) 例えば、主に子供の子供芸術文化鑑賞開催事業、これを調べましたところ、平成22年、569万円で3事業、平成21年、753万円、4事業、平成20年、545万円、3事業、平成19年、485万円で4事業、おおむね500万円から700万円ぐらいの予算の中で、その事業数は3つか4つということであります。 もう一つ、もうちょっと詳しく見てみますと、この事業、比較的小学校の高学年には芸術鑑賞の機会が多いように思われる中で、低学年には学校行事で見るというよりは、先ほどもありました親と子のというか、そういう親と一緒に学校の授業外で公演を見るというものが多いように思われます。そういうような文化課として生涯学習部として総体としてやる事業ですから、そういうやり方もあると思いますけれども、できればやはり学校に通っている時間帯で芸術鑑賞をするということが一人も漏れなく鑑賞体験ができると思います。その認識を伺いたいと思います。 子供のころからやっぱり多種多様な文化芸術に親しむということは、これは本当に大事なことなので、そのことを御答弁願いたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 お話しございましたとおり、小・中学校のころからこういう演劇等の鑑賞をする機会を持つというのは非常に大切だというふうに考えてございます。 そうした中で、学校での取組みについてでございますけれども、かつて多くの学校では劇団を招いたりしての観劇の時間ですとか、大学サークル等の演劇、それから音楽鑑賞の時間を確保いたしまして、子供たちが直接芸術文化に触れられる機会を提供してございました。このことは、子供たちにとって大変意義のあることだったというふうに認識してございます。 一方、今日学校におきましては、週休2日制の授業の中で教科などの教授時間を確保するために行事を厳選したり、朝の時間ですとか休み時間の持ち方などを含めまして、学校の教育活動全体の時間の工夫をしているというところも現状としてございます。 そのようなことから、行事などに使います時間の確保が難しくなっているという現状もございますが、ただいまの議員のお話の部分も含めまして、今後十分検討してまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 藤澤議員。 ◆5番(藤澤昌隆議員) 今、部長のほうから、学校の教育活動全体の時間の工夫をしている。そのような中で時間の確保が難しくなっていると、そういう御答弁もありました。 私が、ある小学校ですけれども聞きましたけれども、札幌の劇団が学校巡業で演劇を見ていただけませんかと、そういう問い合わせが直接小学校とかにも行くそうであります。でも、結果的には見せたくても予算がない。時間は、要するに学校の先生としてはそういう機会を設けたいと思ってるんですけれども、予算がないからできないと、これが現実だと思います。私は、そういう時間ではなくて、結果的には予算の問題じゃないかなと、このように受けとめているわけなんですね。 例えば、例えばというか、平成22年度、これは教育委員会で教育に関する事務の管理及び執行状況の点検評価に関する報告書、これ各議員に配られておりますけれども、この中身を見ますと、豊かな情操の育成と生きがいづくりについてという部分で、このような課題と方向性の部分でこのように書かれてます。鑑賞事業については、事業件数の減少により入場者数が目標を大きく下回っていると、そのことから入場者数を増加させていく必要があると、このようにこれ評価の中に書いております。これは生涯学習部としては総体としての芸術鑑賞だと思いますけれども、先ほども言っておられました芸術鑑賞、この鑑賞事業が総体として減ってるんだということを教育委員会でも課題として出しているわけです。その傍らで、学校にはこうやって学校において演劇を見ませんかと、見ませんかと来てるのに、予算がなくて見せられないという現実もございます。理事者の方が一生懸命こうやって検討し、課題を上げておりますけども、現場は現場でやりたいという思いがある。ここに乖離が実は生じているんではないかなと思っているんですね。 今後、この後、実は遺跡文化についても質問をしますけれども、文化とか芸術とか、そういうものになぜ予算がつかないんだろうということでございます。先ほど午前中にも、あ、きのうかな、教育にはこれ惜しまずに予算を使ってほしいというある議員からの御意見もございました。国においては、例えば日本芸能実演家団体協議会、これは芸能文化に対する予算が事業仕分けで削られて、この協会長である野村万作さんとか中村紘子さんが、この芸術予算をふやしてくれという署名運動を行うと言ってるんです。それがまさか教育の現場、このささいなところまでも来ているのかなと、こういうふうに私は見てるわけなんですね。そのことについてどのようにお考えか、ちょっとお聞かせください。 ○石井啓裕議長 八鍬祐子教育長。 ◎八鍬祐子教育長 ただいま文化振興にかかわる教育予算のことでるるお話しいただきました。 御案内のとおり、生涯にわたりまして、ゆとりや潤いを実感できる生活が望まれている中、豊かな情操を培うことは大変重要なことと認識してございます。特に、小・中学生の多感な時期に、直接すぐれた芸術や文化に触れることは、次代を担う子供たちの成長に大変意義のあることと考えておりまして、これまでもすぐれた国内外の芸術文化に触れ合える事業などに種々取り組んできたところでございます。 予算の課題もございますが、今後も関係機関や団体とも連携しながら、学校教育、生涯学習の両面におきまして、子供も大人もすぐれた芸術や文化に触れられる機会をできるだけ多く提供してまいりたいと考えてございます。 ○石井啓裕議長 藤澤議員。 ◆5番(藤澤昌隆議員) 今、教育長からお話しも御答弁ございました。本当に芸術文化に関して取り組んで、予算だとか取り組んでいただきたいと思います。 最後は要望といたしますけれども、この10月、11月に、前回の議会でも申しましたけれども、世界的なオカリナ奏者の方がミニコンサートを行ってます。明星小学校では大沢聡さん、そして大空小学校では活力ある学校づくり推進事業によって、本谷美加子さんを呼んでのこのミニコンサートを行っております。私は双方に学校の先生、教頭先生から直接その子供たちの反応を聞かせていただきました。 大空小学校では、元気をもらった、夢を持つことができたと。本谷美加子さんは大空小学校の卒業生ということもあって、昔の話をしながら演奏したそうであります。そのことによって子供たちは夢を持つことができたと、じかの声でございます。 また、明星小学校では、学級通信の中で、〇〇ね、感動してすごく泣いたんだよ、私も泣いた、おれもと何人の子供が目を潤ませていましたと。教室は感動の余韻でいっぱいでした。おれもこんなすごい人になりたいと握手してもらった手で自分の頭や顔、体をさわっていました。そんな姿に私はジーンときてしまいました。何かを見て感動する、何かを聞いて感動するって、とてもすてきですばらしいことですよねと、これは無垢な子供たちの生の声であります。 芸術鑑賞というのは、もちろんいろんなところで見ることも大事ですけれども、学校という場でみんなが見れる。そしてまた、その演奏家と子供たちの距離っていうのは、こんなに近いことはないんですね。その子供たちがその演奏を聞いて涙をするということが今のこういう社会の中であったでしょうか、あるでしょうか。なかなかないですよね。ですから、私は学校単位でこういう場をどんどんふやしていただきたいと、このように思いますし、また予算の関係もございますけれども、やはり子供たちには本当の感動だとか本当の喜びを与えるものは、こういう芸術鑑賞が一番ではないかなと、このように思いますので、しっかりと取り組んでいただくことを強く要望いたします。 次に、歴史文化遺産について質問をいたします。 百年記念館の常設展示室と埋蔵文化センターについて伺います。 常設展示室は、第一展示室、第二展示室と分かれております。主に第一展示室は、晩成社が入植した開拓の歴史、十勝の暮らしぶり、また農業の様子や十勝の自然、第二展示室で旧石器時代からの歴史展示とアイヌの歴史というふうになっております。そして、分室においては埋蔵文化センターがありますが、遺跡物の保存ということをやってるわけですね。 その利用の数字を見ると、常設展示室はおおよそ1万5,000人から6,000人、1万五、六千人見ておられますけれども、埋蔵文化センター、これは300人なんですね。この利用状況の差っていうのが非常にあると。そこで、この百年記念館と埋蔵文化センターのすみ分けについて、なぜこの利用が大きくなるのかということを伺いたい。 また、学芸員の活動状況についてもお聞かせください。 ○石井啓裕議長 小笹生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 百年記念館と埋蔵文化財センターの利用状況の件でお答えいたします。 御存じのように百年記念館は昭和57年10月に、博物館機能と創造活動センター機能をあわせ持った十勝圏の広域複合施設として開館し、毎年約10万人を超える利用がございますが、このうち常設展示室につきましては年間約1万5,000人の方に観覧いただいております。 また、埋蔵文化財センターにつきましては、収蔵する遺跡関係の資料の効果的な収蔵活用と発掘調査事業に対応することを目的に、実は平成17年に百年記念館の分館として設置したところであります。年間の利用者は一般入館者で約300人、資料調査、研修などで約40件程度の利用があり、埋蔵文化財に関する照会などで約50件程度の利用となっております。 なお、施設のすみ分けのお話がございました。遺跡関係や出土物等について、より深く専門的に関係資料をごらんになりたい方などに対しましては、埋蔵文化財センターの展示をごらんいただくよう案内をしているところであります。 また、利用状況の乖離でありますけれども、埋蔵文化財センターが市街地から遠隔地であることや見学スペースなど施設の構造上の問題のほか、収蔵内容も専門的であることなどが考えられますが、周知等が十分とは言えない部分もありますことから、より一層の情報発信、PRに努めてまいりたいと考えております。 次に、学芸員の活動状況でありますが、現在百年記念館には5名の学芸員が在籍しております。内訳といたしましては、考古学、歴史、民俗、生活などの人文系を担当する者が3名、自然系を担当する者が2名となっております。各学芸員は、それぞれの専門分野に関する調査研究や普及事業を初め、博物館全体の資料の収集、保管、講座や講演会の開催、さらには各種展示などを行っているところであります。 ○石井啓裕議長 藤澤議員。 ◆5番(藤澤昌隆議員) それでは次に、出土した遺跡物について伺います。 百年記念館の常設展示室、ここには32個体の土器と数百点近くの細石刃、石器が展示されております。しかし、過去に遺跡発掘で出てきた埋蔵品というのは既に100万点に及ぶと、このように伺っているわけでございます。それらの遺跡のほとんどは人目に触れずに、多くは埋蔵文化センターにあるわけでありますけれども、これだけ貴重な帯広から出土した土器、石器が貴重なものを、このままの展示の仕方でいいのかどうか、このことを伺いたいと思います。 改めて教科書にも縄文という記述が復活するわけであります。遺跡を広く公開して、特に小・中学校の歴史の勉強にさらなる深みのある見学学習するためにも、また一般公開ができる展示をもう少し工夫をして考えるべきじゃないかと、このように思いますけれども、御答弁願います。 ○石井啓裕議長 小笹生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 遺跡物についてでありますけれども、現在埋蔵文化財センターでは、お話しのように約100万点を超える資料を収蔵しておりまして、遺跡物すべてを展示することは大変難しい状況にありますが、実は平成24年の開拓130年には、記念事業として発掘された遺物などの収蔵資料を展示し、特別企画展の開催も考えておりまして、多くの方々に2万5,000年前からの帯広・十勝の歴史を知っていただきたいと考えているとこであります。 今後とも収蔵しております資料等につきましては、効果的な活用方法ですとか公開の方法など広く周知できるよう検討してまいりたいと考えております。 ○石井啓裕議長 藤澤議員。 ◆5番(藤澤昌隆議員) 埋蔵文化センターにも行かせていただきまして、北澤学芸員さんのお話なんかも聞かせていただきました。1万3,000年前の土器は、北海道では最古と言われております。また、土偶、これは大正8遺跡から約6,000年前の土偶が出ていると、これが最古のビーナスじゃないかと言われておりますね。こういうものは実は、もちろん埋蔵文化センターに行けば見られますけれども、こういう貴重なものがどちらかというと多くの市民は知りません。こういう部分をどう周知をし、この展示の仕方を考えていくかということは、先ほども申しましたまさに知的観光資源なわけであります。 そして、これらの貴重な遺跡の現状ですけれども、今の常設展示室では手狭になっていると、このように思います。あの狭いスペースに約30個体と数百点の石器、しかし埋蔵文化センターに行けば、まだまだ100万点近い、しかも最古のビーナス、6,000年前の土偶は埋蔵文化センターにございます。 伊達市や森町のように遺跡調査をした場所がそのまま見学できるような場所というのは帯広市にはもちろんございませんけれども、このように発掘した土器や石器、これは非常に貴重なものでありますし、多くの人に観光客に見せることは可能であります。ばんえい競馬場や幸福駅などとあわせて、帯広の土器、石器の展示場なども多くの人が来れるような整備、これが必要だと思います。きちっと整備をすれば、この百年記念館も新たな観光施設になると思いますけれども、市の御所見を伺います。 ○石井啓裕議長 小笹生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 ただいま観光資源あるいは常設展示室のお話がございました。 遺跡、出土品に限らず、百年記念館で収蔵しております資料等は、御案内のとおり帯広・十勝の貴重な財産でありますし、教育関係のみならず観光資源としての活用も視野に入れた取組みの必要もあると考えておりますことから、帯広市はもとよりでありますけれども、管内町村との連携強化を図りながら、利用促進に取り組んでまいりたいと考えております。 また、展示室の関係も整備の関係もお話しございました。この件につきましては、第六期総合計画の後期になりますけども、あるいは教育基本計画の中で施設の充実に向けて検討してまいりたいと、このように考えております。 ○石井啓裕議長 藤澤議員。 ◆5番(藤澤昌隆議員) ありがとうございます。 今、百年記念館のリニューアルの話が六期総合計画の後期という御答弁をいただきました。 今回、この文化的な価値のある土器、石器についてでありますけれども、先日百年記念館改めて行って常設展示室を見てきて、その後2階にも行ったわけであります。そこのときに、今回実は館についての質問は避けさせていただこうと思いましたけれども、雨漏りの応急処置で2階、ブルーシートが一面に張ってありました。そういう対処を実はしておりました。これが帯広市が開拓の歴史、アイヌ、そして先人の旧石器土器を展示する館でございます。あの状態では決してお客さん来てくださいと呼べるような状態ではないわけですね。しかし、展示してあるものは、すばらしい貴重なものが展示してあるということであります。少なくとも帯広・十勝のこの歴史の一端を担う百年記念館、19市町村の子供たちもまた見に来ます。そしてまた、私の構想としては観光客もそこに呼びたい、そのような思いもございます。 今、六期総の後期ということもございましたけれども、できれば開拓130年、130周年ですか、に合わせた改修をやっぱり早期にこれは行うべきではないかと、このように思いますけれども、御意見を伺います。 ○石井啓裕議長 小笹生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 ただいま早期の改修とのお話がございました。 施設の改修等につきましては、これまでも財政担当部と協議を行いながら、計画的に修繕等の改修を実施しているところでありますが、実は大規模な改修等につきましては、これ繰り返しになりますが、第六期総合計画に実は適切な管理運営や改修などを進めることといたしておりますことから、関係部とも協議を行いながら今後とも取り組んでまいりたいと考えておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。 ○石井啓裕議長 藤澤議員。 ◆5番(藤澤昌隆議員) わかりました。 ぜひとも百年記念館の改修もしっかりと、これは単なる館の改修ではなくて、この縄文石器、土器、これをいかに帯広の財産として広く展示をし、これは北海道にとってすごい財産なんだと、すごい遺跡なんだということが発信できるものが帯広にはあるんです。あるのにできないという現状が、これはまあ御理解いたします。いろいろなね、で御理解いたしますけれども、私はこの知的観光資源、知的財産、まさに観光資源になり得るものと、この位置づけで次回のときはしっかりと商観部の部長と議論をしたい。観光に関してこの部分議論をしたいなと思っております。 12月4日、東北新幹線開通いたしました。ニュースでも青森県民の喜ぶ声が聞こえております。そして、観光地も集客に躍起になっております。その中に日本最大級の縄文遺跡三内丸山遺跡があり、東北新幹線の開業でにわかに縄文遺跡が脚光を浴びることとなりました。また、この場所では新たな取組みやイベントも行うそうでございます。 冒頭申しましたけれども、北海道北東北の縄文遺跡群が世界遺産の暫定一覧に残り、また教科書にも縄文の記述が復活するという話であります。帯広から出土している縄文遺跡も非常に貴重で価値のあるものが出土していると、このような御答弁もございました。 伊達市噴火湾研究所の所長の大島所長は、これらの縄文文化と、それを引き継いだアイヌ文化を知的観光資源、このように位置づけております。アイヌ文化までこれは知的観光資源だと、このように位置づけておりますけれども、私もこの意見に大賛成であります。そうしますと、百年記念館は帯広・十勝の歴史を伝える大事な大切な観光施設でございます。旧石器から縄文時代にかけての貴重な土器や石器の常設展示のあり方、そしてそれを展示する百年記念館の整備と埋蔵文化センターの役割とこのあり方、これを先ほど開拓130周年ということを言っておりましたけども、少なくともこれまでにはその方向性、青写真から青写真を一歩進めた整備計画をしっかりと進めていただきたい、このことを強く要望いたしまして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。 ○石井啓裕議長 以上で藤澤昌隆議員の発言は終わりました。 次に、神谷博之議員から発言の通告があります。 6番神谷博之議員、登壇願います。   〔6番神谷博之議員・登壇・拍手〕 ◆6番(神谷博之議員) 今春、春の当選以来、初めての一般質問でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 通告に従いまして、順次質問をさせていただきたいと思います。 我が国は、これまで若い世代の勤勉かつ豊富な労働力を背景に、高い技術力と効率的な生産力によって経済を支えてきたと言えます。しかし、少子・高齢化による本格的な人口減少時代とともに、経済を支える生産労働人口の減少が深刻な問題になってきております。こうした傾向は、特に地方において深刻な状況にあります。 本年9月の厚生労働省人口動態統計によりますと、平成21年の出生率は107万35人で前年よりも2万1,121人減少し、人口1,000人当たりの出生率は8.5と、前年の8.7よりも0.2ポイント下回る結果となっております。出生数と死亡数の差である自然増減数は7万1,830人の減で、自然増減数、率とも3年連続マイナスとなっております。今後、仮に出生率の回復が見られたとしても、数十年間の人口は減り続けると予想されており、帯広市におきましても平成13年以降、毎年のように人口が減少し続けてきている現状にあります。 さきの調査では、帯広市の人口はここ8月から11月までの4カ月間は前年同月比で若干の人口増が続いていたようですが、昨年までプラスであり続けていた自然動態は、死亡数増と出生数減から、ことし初めてマイナスに転じる可能性があるとのことで、これまでの社会動態での検証に加えて、自然動態のマイナスへの転換によって、帯広市の人口減少が加速していく危険もあると思います。 さて、帯広市第六期総合計画では、将来人口想定を17万人として本年度よりスタートしておりますが、目標人口と大きく差がある中で、今後帯広市として人口減少時代に対応し、持続的なまちづくりにしっかりと対策を講じていくことが必要であると思います。こうした環境の中で、米沢市長は地域の成長戦略としての産業政策を柱とするフードバレーとかちのまちづくりを進め、地域経済の活性化、企業集積、雇用創出など地域を元気にしながら、まちづくり全体に波及させるとしておりますが、人口対策という視点も忘れてはいけないと思います。 そこで、人口対策の視点による取組みについて何点かお聞きしますが、これからの人口減少時代のまちづくりに対する基本的な考えについて市長のお考えをお伺いいたします。 次に、公営住宅についてお伺いいたします。 公営住宅につきましては、再三にわたり多くの議員の方々から取り上げられております。公営住宅法第1条にもあるとおり、国や地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足る住宅を整備し、これを住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸しすることにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与するためにあるものであります。 しかし、過日、全国紙の報道によりますと、新規の住宅建設がほとんど行われない中、高齢者や景気低迷で所得が減った人たちの入居希望者が急増し、国土交通省によると入居待ちが全国で少なくとも69万人に達し、入居倍率は全国平均で約8.6倍になっているとのことであります。 また、入居待ちがふえる要因の一つとして、退居までの居住期間に制限がなく、公営住宅に入居できる所得の上限を超えても、自治体による明け渡しや退居要求を無視して居座る入居者が少なくないことを上げているほか、日本住宅会議理事長である神戸大学教授の指摘によると、憲法で保障する文化的で最低限の生活を送れるようにするためにも、公的な住宅政策の充実は急務だとのコメントが掲載されておりました。 そこで、お伺いいたします。 帯広市の公営住宅においても入居倍率は高倍率の状況にあると認識しておりますが、近年の入居倍率の推移とその要因についてどのように分析をしているのか、お聞きいたします。 また、帯広市では住宅を取り巻く時代の変化や国の政策動向、多様化する市民ニーズに対応した住宅政策を総合的、体系的に推進するための計画として、住宅マスタープランⅡを平成15年度に策定し、平成20年度に中間見直しを行っており、その基本的理念は人と環境にやさしい良質な居住環境の形成を目指して、民間活力のストック資産を生かした地域づくりと聞いております。帯広住宅マスタープランⅡにおける市営住宅の整備方針について、改めてその内容をお伺いいたします。 最後に、スポーツ振興についてお伺いいたします。 昨年9月オープンした帯広の森スピードスケート場では、本年1月、アジア距離別選手権大会、世界スプリント選手権大会という国際大会が相次いで開催されました。2大会が連続で開催されたことから、継続して滞在された関係者も多く、宿泊、食事、交通費など経済波及効果も2億円から3億円とも聞いております。そして、今週末からいよいよスピードスケートのワールドカップが開催されます。 さきの報道では、前売り券も好調に販売されているとのことです。国際大会が帯広市で開催されるということは、過日米沢市長が中国へトップ営業に行かれましたが、地元にいながら帯広市を国の内外にセールスできる、こんな絶好な機会はないのではないでしょうか。 今般のワールドカップの開催に当たり、選手、役員、関係者はもとより、来帯される方々に対し、帯広のアピールをどのように取り組んでいくのかお伺いし、1回目の質問とさせていただきます。 ○石井啓裕議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 神谷議員の御質問中、人口減少時代のまちづくりにつきましてお答えいたします。 我が国は、少子・高齢化の進行とともに、今後人口減少が急速に進んでいくことが見込まれております。人口減少は、労働力人口の減少や国内市場の縮小など、国内経済に影響を及ぼすことが懸念されており、特に今後大幅な人口減少が予想される地方圏にとって、その影響は大きいものと認識しております。また、人口は都市の規模や地域活力などを示す基本的な指標の一つであり、将来のまちづくりを考える上で重要な視点であるとも考えております。 これからの人口減少社会においては、地域が将来にわたり持続可能な社会を形成していくためには、これまで蓄積してきた社会資本ストックを有効に活用しながら、中心市街地の活性化や周辺市街地の住民の利便性向上を図るなど、都市の機能性や効率性を高めていくことが重要であると考えております。 また、広域的な視点を持ち、オール十勝でだれもが安心して暮らすことのできる魅力ある地域づくりを進め、定住促進を図っていくことが必要であると考えております。そのためには、帯広市と十勝の町村がスクラムを組み、十勝のスケールメリットやブランド力、そしてそれぞれの地域特性や地域資源を最大限に生かしながら、地域産業政策としてのフードバレーとかちを推進するとともに、相互の連携と役割分担によって圏域全体の活性化と魅力向上を図るまちづくりを進めていく必要があるものと考えております。 ほかの件につきましては、説明員よりお答えいたします。 ○石井啓裕議長 伊藤邦俊都市建設部長。 ◎伊藤邦俊都市建設部長 御質問中、公営住宅についてお答えいたします。 平成19年度から平成21年までの3カ年の市営住宅の応募倍率につきましては、15倍前後で推移しております。 その要因として、過去3年間、新規建設の市営住宅がないことにより、既存ストックの退居に伴う募集が主体となり、年間の供給戸数が100戸から120戸の範囲で推移している状況に加え、住民の高齢化に伴い、ユニバーサルデザイン仕様でエレベーターつきの市営住宅に応募が多く、また近年の社会経済状況等から高倍率になっているものと考えております。 次に、今後の市営住宅の整備方針につきましては、帯広市住宅マスタープランⅡにおいて、高齢者、障害者及び子育て世帯などの真に住宅に困窮する低所得者に対して、良好な居住環境を備えた住宅を整備する住宅セーフティーネットとしての役割を果たすこととしております。 そうした役割を果たすために、一定戸数の市営住宅を確保する必要がありますが、民間借家においてはかなりの戸数の空き家があることから、民間借家市場にも配慮し、帯広市住宅マスタープランⅡの計画期間である平成25年度まで3,000戸の管理戸数を維持することといたしました。 具体的には、帯広市が直接整備するのは、土地取得の必要がない建てかえに限定することとし、既存市営住宅については改善事業や計画的修繕による適切な維持管理により、耐用年数まで活用する方向で進めていくことといたしました。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 小笹勅雄生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 それでは、私からは今般本市で開催されますワールドカップスピードスケート競技会における本市のアピール活動の状況についてお答えいたします。 ワールドカップにおけるアピール活動につきましては、本年1月に本市で開催されました2つの国際大会と同様、選手、役員への飲食提供の場面におきまして、地域農家の方々の御協力によります豚汁の提供、さらには地元菓子店の御協力をいただきスイーツの提供など、地場の食をアピールする取組みのほか、観光パンフレットなどを配布することといたしております。 また、今ワールドカップにおける初の取組みといたしまして、地元飲食店からの御協力をいただき、選手、役員が宿泊するホテル周辺の案内マップを掲載したパンフレットを配布いたします。地元飲食店では、ワールドカップ向け特別メニューを用意していただけるなど、地域としてもアピールする取組みを進めていただいているところであります。 ○石井啓裕議長 神谷議員。 ◆6番(神谷博之議員) それぞれ御答弁をいただきありがとうございます。 それでは、人口対策から順次質問させていただきたいと思います。 最初に、人口対策でありますけれども、先般帯広市で行った周辺3町の転出・転入者を対象にしたアンケートでございます。アンケート調査の結果を拝見させていただきました、報告ですけれども。 転出・転入先を決める判断として、都市的機能に魅力を感じて転入してきている人は、若い人を含めて非常に多いというのが特徴にあったかと思います。 一方で、転出者は、転居先を決める際、一度帯広市内で住宅を探すんですけれども、なかなか条件が合わなくて、その条件が合わない理由として、やはり一番には価格の面が非常に大きかったと思います。その次に、周辺環境のことだとか子育ての環境だとか、そういう形で段階をつけていろいろ探されていらっしゃるような、そんな感じを受けました。 こうした転入、転出の特徴など、アンケートの結果を踏まえて、帯広市としてこれからの定住対策、交流人口の拡大に向けてどのような対策を講じていくのか、その考え方をお伺いいたします。 ○石井啓裕議長 阿部信一政策室長。 ◎阿部信一政策室長 今回実施いたしました転出入に係るアンケート調査でございますが、昨年1年間、帯広市と音更町、芽室町、幕別町の3町との間の転入、転出いたしました1,080世帯を対象にいたしまして、転居に当たっての理由、あるいは重視した条件などを把握するため調査をしたところでございます。 このアンケートの結果の報告書につきましては、議会を初め市ホームページにおいて公表させていただいているところでございます。 人口対策につきましては、昨年11月、帯広市人口問題対策会議の報告書の中でも、住まい、子育て、働く場、魅力のあるまちの4つの視点で総合的、戦略的に取り組んでいくことなど、人口対策の方向性を示させていただいたところでございます。今回のアンケート調査結果の特徴あるいはその傾向などを見ましても、この4つの視点での取組みの必要性について再認識したものでございます。 本アンケートにつきましては、今後帯広市人口問題対策会議内に設置しております各部会において、さらなる分析検討を重ねていくほか、庁内各部署においても既存事業あるいは新規事業などの検討を行う際に基礎資料として活用しながら、今後その地域の産業振興策でありますフードバレーとかちの推進、あるいは居住環境の充実、子育て支援、都市のまちづくりなど、総合的な取組みによって定住対策や交流人口の拡大を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 神谷議員。 ◆6番(神谷博之議員) やはり人口対策には、これだっていう決定打が恐らくないんだろうと私は思っております。今御答弁をいただきましたように、やっぱり総合的な判断の中また政策の中から、的確に方策を見つけていく必要があるんだろうというふうに思います。 また、そのアンケートの中で、やはりどうしても転出した人の理由として、公共サービスの内容よりは、やはり価格というものが第一にとられていらっしゃいます。その一方で、住まいに関する情報提供不足、またPR不足、それと行政のかかわり不足というものがあったんではないのかというふうに思っております。 住まいの情報、私も拝見させていただきました。住宅を取得する際の助成制度など、きめ細かな情報が記載されておりますが、これはこの情報というのは当然公的に出しておりますので、公的な情報がすべてではないかなというふうに思っております。やはり住民が新たに住宅を探す際に、不動産情報、分譲住宅情報などもっともっと提供できる情報を積極的に配信してもいいんではないのかなというふうに思っておりますけれども、そのあたりの情報のお考え方はいかがでございますか。 ○石井啓裕議長 伊藤都市建設部長。 ◎伊藤邦俊都市建設部長 定住政策における情報提供につきましては、住まいに関するさまざまな情報提供を行う目的で、本年の11月15日から住まいの情報窓口を本庁6階に開設いたしました。窓口では、住宅を建てる際の各種支援制度の案内を初め、住宅をお探しの方には、帯広市のホームページからリンクされた民間の賃貸住宅や分譲宅地情報など提供を行っております。 今後の情報提供につきましては、窓口業務を通して多様な市民ニーズの把握に努めるとともに、関係機関の協力を得ながら、より一層の充実を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 神谷議員。 ◆6番(神谷博之議員) あそこのまちに住みたいとか働きたいと思えるようなまちづくり、定住移住対策、交流人口ですか、これの拡大においても、まちの魅力というのは非常に大きな視点ではないのかなというふうに思います。 アンケート結果でも、都市的機能の魅力を感じながら転入してきた方も多いことから、やはり帯広市の魅力をもっともっと出していくことが必要ではないのかなというふうに思います。 帯広市のまちなか居住について、なかなか進んでないような感じもいたしますけれども、現在のまちなか居住の現状はどのようになっているのか。また、ここ数年の推移と増減の傾向、今後の計画を含めた見通しについてもお伺いいたします。 ○石井啓裕議長 鈴木新一商工観光部長。 ◎鈴木新一商工観光部長 まちなか居住の現状と今後の見通しについてお答えをいたします。 中心部の居住人口につきましては、昭和30年以降は市街地の拡大に合わせて減少してまいりましたが、平成12年を境に民間分譲マンションの建設や借り上げ公営住宅事業などによりまして増加に転じております。しかし、市の総人口の減少とともに、近年は世帯数は維持しているものの、居住人口は若干減少しております。 中心市街地活性化基本計画では、中心部の居住の増加を図る民間の事業者に対して支援を行うこととなっておりますが、厳しい経済情勢などから、いずれの事業も当初計画どおり進んでいない状況であります。しかし、中心市街地活性化のためには、居住人口の増加が必要でありまして、今後とも計画に位置づけた事業の推進を支援していきたいと考えております。 ○石井啓裕議長 神谷議員。 ◆6番(神谷博之議員) まちなか居住の現状についてはわかりました。 都市機能の既存のストックを有効に活用しながら、まちの中に多くの人が住んでもらうことも大切だと私は思います。その結果として、にぎわいも生まれ、新たな需要創出や定住対策にもつながっていくものと思います。 今、計画上、目標設定もあるようですけれども、目標とは大きく今かけ離れているということでお話がございました。原因の分析また戦略をもって人口の対策の視点を組み入れながら、しっかりと対応していっていただきたいというふうに思います。 今後、市としてそれらの実態を踏まえて、どのような対応、対策を講じていこうとされていらっしゃるのか、お伺いいたします。 ○石井啓裕議長 鈴木商工観光部長。
    ◎鈴木新一商工観光部長 中心市街地活性化基本計画において、まちなか居住は定住にもつながる施策の柱であります。計画では目標を設定しておりますが、その達成に向けては新たな居住施設の整備とともに、既存ストックの活用も重要と考えております。 先月、まちなか居住等に関する総合案内を目的に中活事業にも位置づけておりますまちなか居住等総合案内窓口を藤丸8階の市民活動交流センター内に開設いたしました。NPO法人に運営を委託して相談員を配置し、まちなかに定住したい、住みかえをしたい、まちなかで開業したいなどの相談あるいは情報の発信などにより、まちなか居住の増加につなげていきたいと考えております。 ○石井啓裕議長 神谷議員。 ◆6番(神谷博之議員) まちなか居住をふやすことについて、つなげていっていただきたいというふうに思いますけれども、今帯広のまちの中いろんなマンションが建っております。私も、いや、あのマンションだったら住んでみたいなっていうすばらしい分譲マンションだとか賃貸マンションがあります。そのマンションの入居率はどのような実態になっているのか、把握していらっしゃいますでしょうか、お伺いいたします。 ○石井啓裕議長 鈴木商工観光部長。 ◎鈴木新一商工観光部長 入居率の数字については把握しておりませんけども、先ほど申し上げたまちなか居住等総合案内窓口におきまして運営を担うNPOのネットワークを生かしながら、空き室状況などを把握し、情報提供してまいりたいというふうに考えてございます。 ○石井啓裕議長 神谷議員。 ◆6番(神谷博之議員) 実態は把握してないということでございます。 実は、私も先般ある協会のほうに、どんな状況になっているのか、差し支えなければ教えていただきたいということでお尋ねしたんですけれども、なかなか今そういう情報は出てこないというのような状況でありました。 しかし、何年か前に帯広のまちなかの分譲住宅ですか、これはやっぱり1,000件以上空き家の状態があったような、そんなデータも実はちょっと残っておりました。今後いろいろ市の中でそういう分譲住宅ですとか賃貸マンションの情報を当然これから住まいの情報として提供していくわけですから、ある程度のそういう情報もつかみながら対応されていったらいいのではないかなというふうに私は思います。 帯広市民の方からいろんなニーズがあれば、そうしたものをやっぱりふやしながら工夫されていくのが必要であると思いますし、とにかく空き家をなくすということが私は一番大事だと思っておりますので、先ほども言いましたけれども、とにかく情報の発信、これを十分にやっていっていただきたいというふうに思います。 帯広の中に本当に住んでみたいなと、帯広に行ってみたいなと思ってもらえるようなまちづくり、これをより一層一丸となってやっていっていただきたいというふうに思います。これによって人口対策は終わらさせていただきます。 次に、公営住宅についてお伺いさせていただきます。 ずっと私もせんだって9月の議会もお聞きいたしておりました。前段でお話を申しましたが、この公営住宅いろんな方からいろいろ御質問をされておるやに思います。 公営住宅の目的、これは住宅に困窮する低所得者に対して安い家賃で賃貸することだと思います。公営住宅の応募倍率は過去3年間15倍前後ということでありますけれども、住宅困窮者とはとてもじゃないけど言えないと言われるような方々が100人程度いらっしゃるんではないかなというふうに思いますけれども、私はこれはちょっとおかしいのかなというふうに思っております。本当に住宅に困窮されている方は、高齢者であり障害者であり子育て世帯の方々だと私は認識しております。そのような世帯の市営住宅の入居率、本来の市営住宅に入らなければならない方々の入居率、これはどのようになっているのか、お伺いをいたします。 ○石井啓裕議長 伊藤都市建設部長。 ◎伊藤邦俊都市建設部長 高齢者などの入居状況につきましては、平成22年1月末現在で市営住宅入居者2,702世帯のうち高齢者世帯が1,047世帯、障害者世帯が317世帯、子育て世帯が433世帯、合計で1,797世帯となっております。これらの世帯が全体の約3分の2を占めております。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 神谷議員。 ◆6番(神谷博之議員) 市営住宅に入居されている方が約3分の2が高齢者、障害者、子育て世帯ということでございます。 当然、市営住宅へのニーズが多いわけですよね、皆さんからのね。それらの住宅困窮者に対する具体的な対応として、市としてどのように考えられていらっしゃるのか、お尋ねいたします。 ○石井啓裕議長 伊藤都市建設部長。 ◎伊藤邦俊都市建設部長 住宅困窮世帯の具体的な対応といたしましては、80戸の特定目的住宅を管理して、高齢者、障害者及び子育て世帯などの住宅困窮者を対象に募集しております。 また、これらの世帯に対して抽せん番号の加算により、通常の応募者より当選の確率が高くなるよう配慮もしております。 さらに、母子、父子、障害者及び多子世帯に対して、年間10戸程度、一般の募集枠とは別に優遇世帯向け住宅として募集しているなどの優遇措置を講じております。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 神谷議員。 ◆6番(神谷博之議員) わかりました。 帯広市のマスタープランⅡの中間見直しと前後して、国のほうでは平成18年に国民の住生活の安定確保や向上を目的とした住生活基本法を制定し、平成19年に低所得者のほか高齢者、障害者、子育て世帯への住宅困窮者への賃貸住宅供給を目指す、長いんです、住宅困窮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律というのがありますけれども、いわゆるこれは簡単に言えば住宅セーフティーネットなんです。 また、平成21年度に高齢者の居住安定確保などを目指す高齢者の居住の安定確保に関する法律、いわゆる高齢者住まいの法などが改正されております。これはやはり住宅困窮者への安定的な供給、この制度の見直ししかないこの制度でありますが、こうした困窮者の方々について対応について、帯広ではユニバーサルデザインの住宅の整備を進めている。また、母子世帯、父子世帯、障害者、多子世帯に対して、今御説明にありました抽せんの当選率を広げている方法もとっていらっしゃるということであります。 実は、私の周りにも、そのような困窮世帯に該当する方々がいらっしゃいます。顔を見るたびに、自分とこで何年も何回も申し込み出してんだけど当たんないんだ、何とかしてくれという実はお話がありますけれども、それはできませんということしかお答えはできません。本当に公営住宅に入れる方に抽せんというだけでは本来いいのかなということを私は疑問に思っております。 全国の市町村の中でも、やはり困窮者の方々への市営住宅の提供ということは非常にいろいろ問題があるようにお伺いしておりますし、またそれぞれ地域、地域においていろんな方法をとっておられるところもございます。過去に帯広市においても、また抽せんとは別の方法でもやられてたということをお伺いをいたしました。いろんなことを参考に、この市営住宅の取組みについて考えていただければいいなというふうに思います。 公営住宅に申し込みができるのは、月額所得が15万8,000円というふうに私は聞いておりますけれども、月に本当に10万円あるかないかという世帯の方もいらっしゃいます。市としても大変厳しい状況下であると思いますけれども、本当に一世帯でも多く入居できるようなさらなる方策を講じていただきたいというふうに私から要望いたします。 続きまして、民間活力の活用でございますけれども、年々やはり景気の低迷とともに住宅困窮者がふえてまいります。現在3,000戸の市営住宅では、とてもじゃないけど間に合わないとは思いますけれども、住宅マスタープランⅡにおいて、住宅の新規整備は民活を採用する方針であるということも書いてございました。民間活力の活用、これまで借り上げ公営住宅による整備を進めてこられたかと思いますけれども、住宅マスタープランⅡでは、地域優良賃貸住宅を主体として検討を進めているように思います。市営住宅を補完する民間活力の活用について、さらなる具体的な計画がございましたらお聞かせをいただき、公営住宅の私の質問は終わりたいと思います。 ○石井啓裕議長 伊藤都市建設部長。 ◎伊藤邦俊都市建設部長 地域優良賃貸住宅の関係につきましては、今後国の動向を見きわめながら、高齢者型及び子育て世帯向けの一般型の地域優良賃貸住宅制度について、帯広市住宅マスタープランⅡの計画期間である平成25年度までに北海道が整備したふるさと館26戸を含め、100戸程度整備することを目標としております。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 神谷議員。 ◆6番(神谷博之議員) 最後になりますけれども、スポーツ振興についてお伺いをさせていただきます。 大会の受け皿となるスケート連盟の関係者のみならず、けさの報道でも出ておりましたけれども、先ほどお話がございました地元の飲食店の参加が広まっているとのことでございます。本当にすばらしいことだと私は思います。 しかし、地域を挙げて帯広・十勝をアピールするには、ちょっと地元の盛り上がりが寂しいような実は気がいたしております。海外からの選手役員、応援団を受け入れることを意識してるんであれば、例えばきょうの新聞では飲食店でもメニューもちょっと横文字にするという記事が出ておりましたけれども、やはり飲食店のメニューですとか、それは最低限必要な私はことではないのかなというふうに思っております。 また、トイレ標示ですとか、あと店舗、ホテル、この標示、横文字の標示っていうのがなかなか目につかないんですけれども、ワールドカップをやるんだぞと言ってるんであれば、そういう標示が目についてもおかしくはないのかなというふうに私は思います。 また、大会についてのこれは応援の仕方でございますけれども、やはりスケートというのは記録が一番です。やはり選手の中には、周囲の応援の仕方によって記録が出せる選手、またそれによってへこんでしまう選手、いろいろおりますけれども、やはりそういう応援の環境というのも私は必要ではないのかなというふうに思っております。 そういった各国選手団に心に残るような、いや、帯広でワールドカップが本当にあって自分はよかったなあっていう、そういう雰囲気づくりが必要だと思いますけれども、いかがですか。 ○石井啓裕議長 小笹生涯学習部長。 ◎小笹勅雄生涯学習部長 ワールドカップスピードスケート競技会の歓迎盛り上げの取組みの件でございます。 まず、看板等の英語表記につきましては、先ごろ開催されました帯広市スポーツ合宿大会誘致推進実行委員会の運営委員会におきましても実は話題となったところであります。当該委員会には、実は商業関係者、旅館、ホテル、さらにはバス、タクシー等の関係団体も構成員となっていただいておりますことから、これらを通じまして各店舗等に御協力を呼びかけてまいりたいと考えております。 また、競技における選手への応援でありますが、今回のワールドカップに出場する日本選手の顔写真とプロフィール、さらに海外の有力選手を紹介した手づくりのかわら版を配布するとともに、応援を盛り上げるための各種応援グッズを販売することといたしております。 実は、ことしの1月に本市で開催されました国際大会におきまして、帯広・十勝の人たちは応援マナーが大変よいと、実は主催者であります国際スケート連盟から評価をいただいておりますこともございますので、今大会におきましても、よりよい応援がなされますよう私どもも声をかけてまいりたいと考えております。 ○石井啓裕議長 神谷議員。 ◆6番(神谷博之議員) 国際大会を誘致するということで、やはり一番受け入れ態勢が重要だと思います。海外から来られる方々を歓迎するわけですから、いわゆるホスピタリティー、これの充実するきっかけづくりになるのではないかなというふうに私は思います。 これまで海外と言われますと、台湾、中国からのチャーター便がぱっと思いつきますけれども、空港ではそれこそ中国語の表記が上げられてたり、いろんなパンフレットも中国語と英語ということで書かれておりました。しかし、今回のスケート大会というのは、やはり普通の観光で来られる方とまた若干違いまして、そこに何日間か滞在しながら自分たちの事前の大会の練習をしたりするわけですから、やはりその中で市民と直接より密接にお会いする機会があるんではないのかなというふうに思います。ホテルに泊まりながら食事は、それこそどっか中心街の居酒屋さんに行ってみようですとか、帯広のお土産屋さんにちょっと足を運んでみようですとか、そういうコミュニケーションがどんどんどんどん地域の人たちと生まれてくるわけです。そういう本当に選手と間近に触れ合った人たちが会場に行って、その選手を皆さん応援されるんですね。だから、そういう点からもちょっとチャーター便の観光客の接し方とは違うんだろうというふうに私も思います。本当にそういう海外からのお客様に恥じないような、そういう受け入れ態勢をきっちりと整えていっていただきたいなというふうに思います。 また、来年度は世界ジュニア選手権が帯広で開催されると聞いておりますけれども、それ以降の国際大会、何か予定が入っているのか。 また、先般の報道では、冬季アジア大会が札幌とともにこの帯広市で開催されるという、されるという記事が載っておりました。市として冬季アジア大会を含めて、国際大会の誘致へのお考え方をお聞かせいただければと思います。 ○石井啓裕議長 八鍬教育長。 ◎八鍬祐子教育長 御案内のとおり、冬季オリンピックのアジア版でございます冬季アジア大会の日本開催が2017年に予定されておりまして、現在札幌市と帯広市での開催について、日本オリンピック委員会において検討されている段階というふうに伺ってございます。近々同委員会の役員の方が来庁される予定でございまして、その際にもう少し具体的なお話を伺えるものと思ってございます。その上で、札幌市の状況も踏まえながら、帯広市といたしましても判断してまいりたいと思います。 また、今後の各種国際大会の誘致に関してでございますけれども、地元の子供たちに夢や希望を与えてくれるとともに、地域の国際性を高めるきっかけ、あるいは帯広・十勝を海外にアピールするきっかけとなりますことから、スケート連盟等関係競技団体と協議、連携をしながら、今後も積極的に受け入れてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 神谷議員。 ◆6番(神谷博之議員) ありがとうございました。 私、初めての一般質問ということで今回取り組まさせていただきました。非常に緊張の中で、ちょっと足が震えるような緊張感を覚えておりますけれども、今回人口また公営住宅また国際大会と3点お伺いをさせていただきました。帯広は、市民と協働のまちづくりを進めている帯広市でございます。より一層市民の皆さん方にわかりやすい、そして行政としてさらなる積極性を持った政策の取組みに進んでいっていただきたいということを私はお願いを申し上げさせていただきます。 これで私のすべての質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。 ○石井啓裕議長 御苦労さまでした。 以上で神谷博之議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。 再開を15時10分、午後3時10分といたします。         午後2時47分休憩         ────────         午後3時10分再開 ○石井啓裕議長 再開いたします。 次に、佐々木とし子議員から発言の通告があります。 20番佐々木とし子議員、登壇願います。   〔20番佐々木とし子議員・登壇・拍手〕 ◆20番(佐々木とし子議員) きょう12月8日は、69年前、太平洋戦争が始まった日です。あの戦争でたくさんのとうとい命が奪われました。日本国憲法9条を持つ国として平和のとうとさを改めてかみしめ、犠牲となられた方々に心から哀悼の意をささげるものです。 通告に従いまして質問をいたします。 きのうの質問と若干重複するところがあることを前もって御了承いただきたいと思います。 初めに、TPPについて市長の政治姿勢を問うものです。 政府は11月9日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について関係国との協議を開始すると明記した包括的経済連携に関する基本方針を閣議決定いたしました。TPPは関税を原則撤廃し、農産物の輸入完全自由化を進めるものであり、日本の農業と地域経済に深刻な打撃となります。農業分野の関税を完全に撤廃すれば、日本の食料自給率は14%まで低下し、米の自給率は1割以下になってしまいます。TPPへの参加は、おいしい日本のお米を食べたいという消費者の願いにも反し、国民の食と安全と安定的な食料供給を大きく脅かします。農産物の関税撤廃は、世界の趨勢どころか、農産物輸出国であっても農産物の平均関税率はEU20%、アルゼンチン33%、ブラジル35%などと高く、アメリカも乳製品や砂糖の輸入規制を続けております。日本は既に平均12%まで関税を下げており、農業について鎖国どころか世界で最も開かれた国の一つになっております。地球規模での食料不足が大問題になっているときに、輸入依存をさらに強め、豊かな発展の潜在力を持っている日本農業を無理やりつぶすなどというのは亡国の政治と言うほかありません。 被害は農業と食料の問題にとどまりません。産業経済省は、TPPに参加しない場合の雇用減を81万人としておりますが、農水省は参加した場合の雇用減を農業やその他のその関連産業などを合わせて340万人と不参加の4倍以上にもなるとしております。北海道庁は、道経済が2.1兆円に上る損失をこうむるとしておりますが、その7割は農業以外の関連産業と地域経済の損失です。TPPへの参加は、日本農業を破壊するだけでなく、疲弊している地域経済の破壊を進め、雇用破壊を進めるものにほかなりません。 日本経団連などは、乗りおくれるななどとあおり立てておりますが、その恩恵を享受するのは、自動車、電気などの一部輸出大企業だけです。一部の輸出大企業のために日本農業を破壊し、国民生活に多大な犠牲を負わせることなど断じて許されません。 政府は、国内環境を早急に整備し、関係国との協議を開始する方針を確認し、来年6月にはTPP参加について決定すると表明するなど、その動きは急です。11月28日には、十勝で4,000人規模のTPPから食卓と地域社会を守る十勝集会が開かれ、帯広市議会でも本議会初日に国民の食料と我が国の農業を守るためのTPPへの参加に反対する意見書が全会一致で可決されました。 そこで、市長に伺います。 TPPへの日本の参加について市長の見解をお聞かせください。 また、TPPによる帯広・十勝への影響についても伺います。 次に、学校図書館の充実について伺います。 学校図書館は、児童・生徒の創造力を培い、学習に対する興味、関心などを呼び起こし、豊かな心をはぐくむ自由な読書活動や読書指導の場である読書センターとしての機能と児童・生徒の自発的、自主的な学習活動を支援し、教育課程の展開に寄与する学習情報センターとしての機能を果たし、学校教育の中核的な役割を担うことが期待されています。 文部科学省は、このような位置づけをもって平成19年度から平成23年度までを期間とする新たな学校図書館図書整備計画を策定しました。古くなった図書等の更新を行いつつ約2,600万冊を整備、5年間で総額約1,000億円の地方交付税措置が講じられました。平成10年から18年までも図書整備計画による地方交付税措置が実施されてまいりましたが、このような国の学校図書館整備充実に対する取組みについて、まず市の認識をお聞かせいただきたいと思います。 1953年に制定された学校図書館法第5条に、司書教諭の必置条項があるにもかかわらず、附則第2項に当分の間、司書教諭を置かないことができると緩和条項がついておりました。1999年に、44年を経て附則の一部を改正し、12学級以上には司書教諭を置くことになりました。しかし、学校図書館法の言う司書教諭は、司書教諭の講習を修了した教諭に発令される充て職であり、ほとんどの学校では専任ではないため、学校図書館の経営に当たるには困難な状況にあることが実態と聞いております。 図書館は知の宝庫であり、安らぎと交流、情報発信の場です。中学生の約7割、高校生の約6割が小学生のうちに携帯やパソコンでインターネットを使い始め、中学生の7人に1人、高校生の4人に1人、大学生の40%がネット上の書き込みを信じているという調査があります。このようなネット社会だからこそ、子供たちにメディアを批判的に読み解き活用するメディアリテラシーをどうつけていくかが21世紀の大きな課題でもあります。メディアリテラシーの観点から、今子供たちに求められているのは、さまざまなメディアの特徴を知る、情報を比較し分析する、裏をとる、他人との情報交換、相互批判、議論、創造力、社会的関心、視野の広さ、調べたことをまとめる、自分の意見を文章化し発信するなどの力をつけることです。今こそ本を読み活用することの意義が大いに語られなければなりません。 帯広市では、平成22年から平成26年度まで5年間の第2期帯広市子どもの読書活動推進計画が策定され、学校図書館の図書資料の整備充実に努めるとともに、図書館や学校図書館運営委員会等と連携、協力による児童・生徒の読書指導の充実に努めますと明記されております。 そこで、伺います。 帯広市における児童・生徒の読書に対する現状についてお聞かせください。 また、学校図書館の果たすべき役割について市の認識を伺いまして、1回目の質問といたします。 ○石井啓裕議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 佐々木とし子議員の御質問中、TPPについてお答えいたします。 政府は本年11月、アジア・太平洋地域における主要貿易と自由化レベルが高い包括的な経済連携を進めるためTPPについての関係国との協議を開始し、来年6月ごろをめどに交渉参加の是非を判断すると表明しております。すべての品目について関税撤廃を原則とするTPPが仮に締結された場合、農業を基幹産業とする十勝・帯広においては、世界各国からの安価な農畜産物の輸入により、関連産業を初め壊滅的な打撃を受けることが想定され、地域経済の基盤が崩壊しかねない事態を招くものと大変危惧しているところであります。 また、市民にとりましては、関税の撤廃により安価な食料品などを購入できる可能性が高くなる一方で、海外からの輸入に全面的に依存することが想定され、異常気象などにより世界の穀物生産地域で凶作が発生した場合には、食料品の輸出制限が行われることも想定されますことから、食料の安定供給の観点からも懸念が指摘されるところであります。 さらには、海外からの輸入食料品の増加により、食の安全性の確保といった視点についても心配されているところであります。 私は、去る11月28日、農業関係団体のみならず、消費者団体や労働団体の方々などの多数参加のもとに実施されましたTPPから食卓と地域社会を守る十勝大会に参加し、私も反対の意見表明をさせていただきました。行政といたしましても、さまざまな視点からこの問題をとらえ、帯広・十勝の住民が安心して生活することができるよう、TPP交渉への参加に対し、地域が一丸となって反対してまいりたいと考えております。 ほかの件に関しましては、説明員よりお答えいたします。 ○石井啓裕議長 米倉進農政部長。 ◎米倉進農政部長 御質問のうち、帯広・十勝への影響額についてお答えいたします。 TPPが締結された場合の十勝管内への影響額につきましては、十勝振興局が試算をしております。既に報道もされております。内訳としましては、農業算出額として1,382億円、関連産業を含めた地域全体の影響額は5,037億円と試算されております。また、雇用への影響額では、4万人と試算されております。 帯広市の影響額につきましては、さきに市長が答弁しておりますけれども、北海道が試算した生産量減少率をそのまま使用した場合、6品目について積算したところ、151億円の減少となりました。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 須貝栄一学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 御質問中、学校図書館についてお答えいたします。 学校におきます日常の読書指導につきましては、国語科や学習活動を中心に、全教育活動で関連を持たせて行われてございます。特に、朝の読書につきましては、1日の始まりの落ちついた時間の創造や豊かな情操を養う効果が期待できることから、市内小・中学校全校で工夫をした取組みを行っているところでございます。 このほか図書委員等が中心となった取組みや読書習慣の設定など、学校独自の取組みも行っているところでございます。 また、学校図書館は自由に読書に親しみ心をはぐくむ心のオアシスといたしましての役割を果たすとともに、教科や総合的な学習の時間等におけます調べのための、議員もお話のございました学習情報センターといたしまして役割を果たしているものというふうに考えてございます。 あとあわせまして、国の図書館の蔵書の交付税の需要額の算定処置、この部分についての考えなんですけれども、今後につきましても、そういう需要額策定ということは、こちらのほうも十分踏まえて、財源措置もございますが、全体の財政的な部分も含めて対応をさせていただいているところでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) それでは、TPPについて再質問をしたいと思います。 私は、TPPへの参加で食の安心・安全がどうなるかと、そういう視点からお尋ねしていきたいというふうに思います。 十勝への影響の総額では5,037億円、雇用が4万人、帯広市の農業算出額では、小麦、甜菜、デン粉原料用バレイショ、酪農、肉用牛、豚、この6品目で151億円の影響が出ると、そういうことでありました。国においては、林産、水産も含めると食料自給率が40%から13%に下がると、こういう試算がされております。十勝を初め道内の多くの市町村は、農林漁業を中心に運送業、卸売、小売業、製造業など関連産業が地域経済を支えているという状況にあります。地域社会が崩壊しかねない、そういう危機に直面することになると思われます。 市長は、TPPへの参加には反対と明快に答弁されました。私は、農林水産業、地域経済、関連産業、雇用などへの影響と同時に、消費者である市民の立場から考えますと、外国に食料の8割以上を依存する、そういう国になってしまったら、食の安全・安心は守られるのか、それが一番、私は最も心配している一人でもあります。 例えば、内閣官房が10月27日に発表した資料も、米国から牛肉や非関税障壁などへの対応を求められる可能性を上げています。BSEの安全対策がない米国産牛肉の輸入制限の撤廃を求められることも予想されます。 そこで、伺いたいと思いますが、TPPへの参加は食の安心・安全を求める消費者にどのような影響を及ぼすことになるでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 ○石井啓裕議長 米倉農政部長。 ◎米倉進農政部長 食の安心・安全を求める消費者にどのような影響があるかという質問でございます。 輸入農畜産物の中でも代表的な例として牛肉の輸入措置がございます。これは関税にかかわらない次元のものでございまして、BSE問題により食品安全委員会が平成17年12月28日に、米国及びカナダ産の牛肉等に係る食品健康影響調査、これを行いまして牛全頭の部分から特定危険部位を除去されていること、また20カ月齢以下の牛由来であることなどを前提として牛肉の輸入規制を行っているものでございます。 もし非関税障壁が撤廃された場合、こういうものが入ってくるかということでございます。しかしながら、化学的に評価を行い、輸入規制をしているものまで撤廃される可能性があるとすることであれば、消費者の安全性を確保できない可能性を危惧するとこでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 暮らしの安全を目指す市民ネットワークの高谷順子代表は、アメリカ産牛肉はBSEの安全対策が不十分な点では大きな問題があります。感染の原因物質となる牛の肉骨粉が今も大っぴらに流通しています。BSEの牛が野放しになっていると考えるべきです。日本のような全頭検査もしていませんし、安全管理体制もずさんです。今は20カ月までの若い牛というのが日本への輸出条件です。これが取り払われると、BSEの危険性が高まる高齢牛も日本に入ることになります。危険だからといって食べないようにと思っても、ミンチの肉や加工品には表示がなく、カレーやクリームシチューなどのエキスや牛丼に使われたら、消費者には見分けがつきません。日本がTPPに参加するとなると、アメリカは当然非関税障壁として撤廃せよと言うでしょうと問題点を指摘しております。 膨大な輸入食品のうち、港や空港で検査されるのは10%にすぎません。輸入食品の水際での検査率を引き上げることや厳格な検疫、検査の実施、原産国表示の徹底など、食の安全をめぐる問題は山積したままです。中国製ギョーザ中毒事件を初め輸入食品からの残留農薬の検出、消費者には見えないままでの遺伝子組み換え食品の横行など、食の安全・安心を揺るがすような事件が次々と起こっています。日本で許可されている食品添加物だけでおよそ1,500種類ほどあり、これは食品の輸入量がふえたことに正比例しています。 そこで、伺いたいと思いますが、TPPへの参加によって輸入食品がさらにふえることにより、日本人の食生活、健康への影響についてはどのような認識を持っているでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 ○石井啓裕議長 米倉農政部長。 ◎米倉進農政部長 海外から農産物を輸入する場合には、植物防疫法によって植物検査を行い、病害虫のチェックを行っております。これは農林水産省でございます。また、食品は食品衛生法によりまして食品衛生監視を行いまして、残留農薬、食品添加物などのチェックを行う体制となっております。これは厚生労働省。 しかしながら、このチェック体制をすり抜けて中国製ギョーザ中毒事件などが発生する、こういうことがございましたので、不安は払拭できないのが現状でございます。 一方、国内の農産物の生産では、トレーサビリティなどの取組みや出荷前に残留農薬検査を行うなど、そういうことを行いまして出荷しております。安全対策に取り組んでいるとこでございます。 TPPが締結されるような事態となれば、海外から安い農畜産物が大量に輸入され、コストをかけて安全性を確保してきた国内農業の安全・安心に向けた取組みが今後継続できるかどうか、危惧されるとこでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 安い農産物を輸入すればいいと、こういうふうに言う方もおりますけれども、本当にそれで大丈夫なのかということです。 今でも地球上には食料不足で死んでいる人たちがいます。国連食糧農業機関(FAO)は、10億人を超えている飢餓人口を半分に減らそうと各国に食料増産を呼びかけております。しかも、地球温暖化の影響で世界規模での食料不足が危惧されます。気温上昇により21世紀中に人口密度の高い地域で、人類がかつて経験したことのない深刻な干ばつの危機に見舞われる可能性も報告されております。このような状況で食料を輸入に頼る危険性を考えなければなりません。世界に対する責任としても、食料自給率の向上に努力して当たり前の時代です。自国の食料のあり方は、その国で決めるという食料主権、関税など国境措置の維持強化、価格保障などの農業政策を自主的に決定する権利を保障する応益ルールこそが日本にも国際社会にも求められております。 そこで、伺いたいと思いますが、今世界では食料主権を求める流れが広がっております。TPPへの参加は、この流れと食料自給率向上に真っ向から逆行するものと思います。見解をお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 米倉農政部長。 ◎米倉進農政部長 食料主権の尊重と食料自給率の関係でございます。 食料主権の考え方は、国連におきまして各国政府に対し、食料に対する権利を尊重し、保護し、履行するよう勧告しているものでございます。このようなことから、農林水産省は自給率を平成32年度に熱供給ベースで50%まで引き上げることを目標としているのでございます。 仮にTPPが実現された場合は、自給率は40%から13%に低下するとの農林水産省の試算もございます。世界の食料自給をめぐる現状を見た場合、中・長期的に世界の穀物自給が逼迫していく中、国の安全保障のかなめとなる食料自給率の向上は重要だと考えています。 こういう状況から、食料主権の考え方は、まさに国家の食料安全保障のかなめと言える考え方であります。食料自給率の低下を招くTPPへの参加は、消費者の視点からも不安をあおる政策となるので反対を求めていくものでございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 今、食料主権の考え方は、国家の食料安全保障のかなめ、食料自給率の低下を招き、消費者の視点からも不安をあおるTPPへの参加に反対を求めていくと、そういう考え方が今示されました。 日本は、26年前の1984年から既に世界一の農産物純輸入国となっています。農水省の海外食料自給レポート2009、ことしの3月に発表されたものですけれども、これによりますと米国など特定国への依存度が高いと問題点が指摘されています。また、輸入に多くを依存している我が国の食料供給は、国際需要の変動や輸入先国の輸出政策の影響を受けやすいと、このような警告もしております。日本農業と地域経済、国民生活を土台から破壊するTPP参加に断固反対し、食料主権を保障する貿易のルールを目指す、こういう国民的な協働が今求められていると思います。市長は、その先頭に立って奮闘されることを期待するとともに、私どももその立場で奮闘する決意を述べまして、TPPについての質問は終わりたいと思います。 次に、学校図書館の充実について伺っていきたいと思います。 初めに、学校図書館資料の整備について伺いたいと思うわけですけれども、学校図書館の貸し出しの冊数、蔵書数について現状を伺いたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 学校図書の貸出冊数と蔵書数についてでございます。 平成21年度におきます1人当たりの学校図書の貸出冊数につきましては、小学校が9.5冊、中学校が2.4冊の状況でございます。 また、平成21年度末の蔵書数につきましては、小・中学校合わせて26万4,541冊で、国の図書標準冊数37万3,320冊の70.9%となってございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 今、貸出数では平成21年度、小学校9.5、中学校2.4ていうことでしたけれども、私のこの間のちょっと調査によりますと、平成17年、小学校で8.4冊、平成18年、9.9冊、19年、9.1冊、20年が10.4冊ということで、この5年間の推移を見ますと、小学校ではほぼ横ばい、中学校が平成17年、1.7、平成18年、1.5、平成19年、1.6、平成20年、1.9ということで、中学校は小学生の2割ということになっております。1人当たりの蔵書数は、平成21年度、小学校で17.6冊、中学校で28.1冊と、このようになっているというふうに認識をしているんですが、この学校図書館での貸出数について、こういう状況で推移していることについての認識、課題、今後の取組みについてどのようにされているのか、伺いたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 学校図書の1人当たりの年間貸出冊数につきましては、第六期帯広市総合計画の最終年におきまして、小学校11.8冊、中学校2.4冊を目標としてございます。 平成21年度末の実績では、中学校は目標に近づいてございますけれども、小学校におきましては目標達成に向け、今後さらに学校図書館活性化支援事業の実施ですとか市立図書館との連携などによりまして、子供たちの読書環境の整備を行ってまいりたいというふうに考えてございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 先ほど蔵書数、済みません、蔵書数について聞いたんですが、平成21年度末で26万1,541冊ということで、国の図書標準数37万3,320冊、この70.9%の整備率ということでありました。 そこで、私1回目の質問でも伺ったんですが、国が何回かにわたってこの学校図書館の図書整備拡充ということの必要性も認めて、新たな5カ年計画もつくって、そして交付税措置も行っているということなんですが、この学校図書交付税措置の額と実際にこの帯広市が学校図書館の図書整備のために支出している額がどういうふうになっているのか、伺いたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 平成21年度の部分でお答えをさせていただきますけれども、平成21年度におきます学校図書交付税需要額は、小・中学校合わせまして4,030万1,000円となってございます。 また、図書購入予算額につきましては、寄附分を除きまして816万円でございます。 なお、支出額につきましては、815万7,000円となってございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 今伺いますと、平成21年度で交付税が4,030万1,000円ということで、支出は815万7,000円、実際に図書購入に使われたのがこの交付税の中の20%というのが実態だと思います。 それで、先ほど貸出数でもちょっと触れましたが、この5年間の交付税と決算額について状況を見ますと、その交付税に対する決算額がどういう比率になっているかということだけ述べますと、17年が42%、18年が35.5%、19年が25.7%、20年度が24.8、そして21年度が20.2%というふうになっていますよね。年々この国の新たなそういう取組みが決められているにもかかわらず、帯広市の学校図書整備にかける決算額の推移を見ますと、その比率は年々減ってきているということで、学校図書交付税が図書整備には実際には使われていないという実態になっているんだというふうに私は認識しているんですが、私ども共産党市議団でも繰り返しこの問題についてはただしてまいりましたが、平成19年までに国の標準冊数の75%を目標にするということを繰り返し言ってきて、その後平成20年6月の議会で私が質問をいたしましたが、そのときには平成23年度までに75%を目標にその整備を進めていくと、こういう答弁がありました。 そこで、伺いたいんですけれども、平成23年度に、これは来年度になりますよね、図書整備を国の標準冊数75%に達成させるということを議会で答弁されたということは、市民に約束したというふうになると私は認識しているんですが、この整備計画の達成についてお聞かせいただきたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 整備計画、75%の達成の考え方でございます。 学校図書館におきます蔵書冊数につきましては、平成10年度から平成14年度までの計画におきまして、国の図書標準冊数60%を達成し、その後平成15年度から平成19年度までの新たな整備計画を立てまして75%を目標としたところでございます。 この計画につきましては、その後4年間延長いたしまして、先ほどお話しございました平成23年度の目標達成に向けまして努力をしているという現状がございます。 ただ、この部分については、厳しい財政状況もございまして、なかなか23年度達成に向けては厳しい情勢ではあるというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 平成10年度から14年度まで5年間の計画で、この間の整備率、この5年間で私ちょっと調べてみたんですが、5年間で12.2%ふやして、このときの国の標準冊数の60%は達成しているわけですね。しかし、平成15年度から昨年の21年度までの期間かかってやっと70.9%、来年が平成23年度ということで75%を目標に努力しているというけれども、なかなか厳しいんだ、難しいというような今お話がありました。 この間、平成15年からずっと9年近くかかっても60%から75%になかなか到達できていないということなんですが、その要因がどこにあるのか、伺いたいと思いますのと、あと来年75%に達成するということを繰り返し言ってきたんですが、じゃ75%にするためには何冊の蔵書、何冊、幾らの予算があれば、この目標を達成できるのか、それを伺いたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 これまでの整備の部分でございますけれども、今お話しのとおり国のほうでの交付税の需要額の中に図書購入費入ってございます。 ただ、こうした中で学校教育だけ見ても、教育環境の整備ですとか特別支援教育の充実、こういうものも含めたさまざまな事業を充実してきているところでございます。こういう部分の財源も含めまして図書館の購入費もトータルで考えさせていただいたと、こういう部分も一つの大きな要因になっているんではないかというふうに考えているところでございます。 あと一つ御質問ございました23年度目標に到達するには幾らかかって何冊かということでございますが、今後必要な冊数は約1万9,500冊と考えてございます。 予算額といたしましては2,346万円というふうに推計してございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) この図書整備のための交付税措置については、これはどこの自治体もこの国の方針を受けて整備に努力されているわけですが、やはり帯広の20%台っていう財源の措置っていうのは、十勝管内の自治体との比較を見ましても極端に低いですよね。ですから、この国の一つはその5カ年計画、1回目で聞きましたけれども、この学校図書館の位置づけ、子供たちの読書活動の推進、5カ年計画というものの位置づけに対するやはり認識、どれだけの重要性を持ってこれに取り組んでいくのかということがやはり前提になければ、この整備は進んでいかないだろうなというふうにも思うわけなんですが、改めて今いろいろトータルで学校教育の他のさまざまな事業の予算にも振り分けているんだというようなお話だったと思うんですが、この学校図書館の整備、国の方針も受けた子供たちの読書活動の推進、その位置づけということから考えて、国の方針、新たな5カ年計画の年度が23年度で終わるわけですけれども、それについての再度考え方というものはお聞きしておきたいというふうに思います。 それから、今1万9,500冊、2,346万円の財源があれば達成できるということでありました。平成21年度の交付税措置額だけで単純に言いますと、約4,000万円の交付税措置があるわけですから、この判断でその中からこれだけの予算を振り向ければ75%の達成は可能だということも言えるんだろうというふうに思うわけなんですが、今お聞きした先ほどの件についてもう一度お答えをいただきたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 図書館の整備につきましては、お話しのとおり蔵書数ということも非常に重要な部分だというふうに考えてございます。そうした中で今後も整備率の向上、これは目指してまいりたいと思います。 また、図書館の活性化支援事業ですとか、先ほどもお話しさせていただきました市立図書館との連携、こういう部分も含めながら、子供たちの読書機会をふやすという努力もしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) その帯広市の整備状況で新たな整備計画の状況について言いますと、平成15年から19年までの5年間、ここからですよね、75%を目指したと思うんですけれども、この5年間では4.5%の増と、さらにその後4年延長して平成19年から23年までですか、延長しておりますけれども、この19年から21年までの3年間に限っては、わずか3.1%しか整備率が上がっていないということでありますから、私はやはりこの75%という目標は掲げたけれども、実際には絵にかいたもちになっているということで、この交付税措置の7割も8割も図書購入費には充てていないという、こういうことがなかなか目標をずるずると達成できないということが続いている要因になっているのではないかというふうに思います。 私は、国も挙げてこれだけ重視している学校図書館の整備、子供たち、市の児童・生徒の豊かな成長のために非常に私は重要なことだと思いますし、わずか5年間で13%ぐらい引き上げて6割まで達成した、そういう取組みもされていながら、それ以降遅々として進んでいないということでありますから、私はこの国の財源措置、文部科学省の目指している方向に沿って、この学校図書館の図書の整備については、ぜひ来年度、平成23年度の予算編成の中で国の標準冊数の75%を目指していただくように強く求めておきたいと思います。 次に、司書教諭と学校司書の配置について伺いたいと思います。 2009年4月に、文部科学省が発表した学校図書館の現状に関する調査結果、2008年5月の調査分によりますと、全国の小・中高等学校における司書教諭の発令と学校司書の配置状況は、12学級以上で平均97.9%、11学級以下の学校では発令率は22.2%となっているということでした。帯広市の現状についてまず伺いたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 司書教諭の帯広市の現状でございますが、司書教諭につきましては、平成15年度の学校図書館法の一部改正によりまして、12学級以上の学校に配置することとなってございます。市内におきましては、現在小学校18校、中学校9校の27校が該当し、それぞれの学校で併任発令しているところでございます。 なお、現在帯広市におきましては、図書館法におきます司書資格を持った司書の配置につきましては行ってございません。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 司書教諭の配置は、12学級以上の小学校で18校、中学校で9校と合わせて27校ということで配置されていると聞いておりますけれども、11学級以下の小学校8校、中学校6校、合わせて14校には配置されていないということになるんだと思います。 さきにも述べましたけれども、今配置されている司書教諭が専門職として学校図書館にかかわれるという、そういう実態にあるのかどうか、それについて伺いたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 司書教諭につきましては、専任職として配置されておりません。それぞれ学級担任ですとか各教科の授業を受け持ちながら司書教諭の兼務発令を受けているところでございます。 司書教諭の職務のみに専念する状況にはないというふうに認識してございます。 以上でございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 自治体の財政難、定員抑制という大変厳しい状況下の中でも、熊本市、東京三鷹市、狛江市、あと石川県の白山市、大阪府豊中市など、全国さまざまな自治体で全小・中学校への学校司書配置も前進してきているということも聞いております。専任専門の司書が配置されている学校図書館では、貸し出し、予約、資料相談などの図書館サービスが常時受けられる。子供たちは昼休み、放課後はもちろん、始業前や10分間休憩にも図書館にやってくる。学校司書は求められた資料、本などは草の根を分けても探し出し提供するという姿勢で、公共図書館や他施設とも連携して、子供たちの読みたい、知りたいをサポートしている。 文部科学省は1998年の中央教育審議会答申以降、学校図書館法改正により発令された充て職司書教諭を支援する存在として図書館ボランティアを位置づけ、活用を促してまいりました。しかし、ボランティアの方々が学校図書館で生かされるのは専任専門の職員がいてこそではないでしょうか。学校図書館において専門的職務を日常的に担い得る学校司書の配置が必要と思いますが、考えをお聞きしたいと思います。 また、学校図書館にかかわるボランティアの方々が果たしている役割と今後の取組みについてもお伺いしたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 専任司書の配置につきましては、子供たちの読書指導や主体的な学習を支援するとともに、指導事例等に関する情報収集や各教員への情報提供を行う上からも配置が望ましいというふうに認識してございます。 また、各学校におきましては、専門員のほかPTAを含む地域のボランティアや教職員で構成されました学校図書館運営委員会が組織され、学校図書館活性化支援事業を実施する中でボランティアの方々の協力を得まして、学校図書館業務の運営ですとか図書館行事の企画、実施などを行っているところでございます。 今後も専門員やボランティアの資質向上を図るほか、市立図書館と連携し、研修などを充実させてまいりたいというふうに考えてございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 平成20年6月議会に私が質問したんですけれども、司書教諭の専任化が望ましい、学校図書館の重要性にかんがみ、授業の軽減を図った司書教諭の配置だけでなく、専任の配置ができるよう道教委に粘り強く要望していくと、こういう答弁があのときあったわけなんですが、その後の取組みについてはどのようになっているのか、伺っておきたいと思います。 また、図書館との連携は、子供の読書推進のためにも大きな役割を果たしていると思いますけれども、現状と課題についてはどういうふうに認識しておられるのか、伺っておきたいと思います。 ○石井啓裕議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 司書教諭の専任化につきましては、これまでも北海道都市教育委員会連絡協議会を通じまして、北海道教育委員会へ要望してきているところでございます。 また、北海道教育委員会から国に対します予算要望におきましても、学校図書館機能充実のための司書教諭の定数配置を要望しているというところでございます。今後もこうした要望活動を関係機関と連携のもと、粘り強く継続してまいりたいというふうに考えてございます。 また、市立図書館との連携につきましては、学校図書館の活性化を図るため、従来行ってございますブッククール便やビッグナウマン便によります絵本や児童本の大量一括貸し出しを受けることや学校図書館クリニックによりまして、子供たちが利用はやすい環境に改善する試みなどを推進するほか、市立図書館で更新します読書コンクールで使用された課題図書ですとか児童本などを希望する学校に配布するリユース事業の活用を各学校に周知してまいりたいというふうに考えてございます。 ○石井啓裕議長 佐々木議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) その学校図書館の機能の活用や子供たちにメディアを批判的に読み解く力をつけるためにも、学校司書配置の推進は緊急な課題であるというふうに思っております。 繰り返し道教委にも求めていっているということでありましたが、司書教諭と学校司書のお互いの専門性を生かした共同によって、より豊かな学校図書館づくりに取り組むべきであるというふうに思います。 市内の小学校8校、中学校6校には、司書教諭も現在配置されていないということであります。今後、先ほどの答弁では専門員やボランティアの資質向上を図っていくということでありましたけれども、平成21年の学校図書館運営委員会の専門員の方々については、現在39人、小学校2校、中学校2校にはそういう学校図書館運営委員会の専門員の方も配置されていない状況にあるということもお聞きしております。 子供たちの豊かな成長のためには、さまざまなことを道教委に求めると同時に、本当に学校図書館が変わった、活気づいたと言われるような、本当に子供たちにとって、そういう重要な役割を果たす図書館となるような充実を強く求めておきたいというふうに思います。 同時に、市の図書館との連携、充実についても求めまして、私の質問を終わりたいと思います。 ○石井啓裕議長 以上で佐々木とし子議員の発言は終わりました。 ここでお諮りいたします。 本日の会議はこの程度とし、散会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○石井啓裕議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 本日はこれをもちまして散会いたします。         午後4時5分散会...