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  1. 帯広市議会 2021-03-08
    03月09日-04号


    取得元: 帯広市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    令和 3年第2回 3月定例会〇議事日程日程 番号事件番号内  容  等第1  会議録署名議員の指名について第2議案第4号令和3年度帯広市一般会計予算議案第5号令和3年度帯広市国民健康保険会計予算議案第6号令和3年度帯広市後期高齢者医療会計予算議案第7号令和3年度帯広市介護保険会計予算議案第8号令和3年度帯広市中島霊園事業会計予算議案第9号令和3年度帯広市ばんえい競馬会計予算議案第10号令和3年度帯広市駐車場事業会計予算議案第11号令和3年度帯広市水道事業会計予算議案第12号令和3年度帯広市下水道事業会計予算議案第13号帯広市特別会計条例の一部改正について議案第14号帯広市手数料条例の一部改正について議案第15号帯広市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部改正について議案第16号帯広市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部改正について議案第17号帯広市指定介護予防支援等の事業の人員及び運営等に関する基準を定める条例の一部改正について議案第18号帯広市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営等に関する基準を定める条例の一部改正について議案第19号帯広市介護保険条例の一部改正について議案第20号帯広市国民健康保険条例の一部改正について議案第21号帯広市公園条例の一部改正について議案第22号帯広市体育施設条例の一部改正について議案第23号市道路線の認定について議案第34号令和3年度帯広市一般会計補正予算(第1号)     一般質問について     ──────────────〇会議に付した事件 議事日程に同じ     ──────────────〇出席議員(29人)    1番       石 橋 勝 美    2番       佐々木 直 美    3番       椎 名   成    4番       上 野 庸 介    5番       林   佳奈子    6番       小 椋 則 幸    7番       鬼 塚 英 喜    8番       大 平 亮 介    9番       菊 地 ル ツ    10番       大 林 愛 慶    11番       清 水 隆 吉    12番       今 野 祐 子    13番       藤 澤 昌 隆    14番       大和田 三 朗    15番       木 幡 裕 之    16番       石 井 宏 治    17番       西 本 嘉 伸    18番       杉 野 智 美    19番       楢 山 直 義    20番       鈴 木 正 孝    21番       稗 貫 秀 次    22番       小 森 唯 永    23番       大竹口 武 光    24番       大 塚   徹    25番       横 山 明 美    26番       佐々木 勇 一    27番       稲 葉 典 昭    28番       鈴 木 仁 志    29番       有 城 正 憲     ──────────────〇欠席議員(0人)     ──────────────〇出席説明員 市長          米 沢 則 寿 副市長         前 田 正 明 副市長         田 中 敬 二 公営企業管理者     中 野 雅 弘 教育長         池 原 佳 一 代表監査委員      川 端 洋 之 政策推進部長      関 口 俊 彦 総務部長        廣 瀬   智 職員監         河 原 康 博 市民福祉部長      下 野 一 人 市民福祉部参事     五十嵐 ゆかり 市民福祉部参事     橋 向 弘 泰 経済部参事       礒 野 照 弘 農政部長        池 守 康 浩 都市環境部長・新総体整備推進室参事             和 田 亮 一 都市環境部参事     小 野 真 悟 上下水道部長      倉 口 雅 充 学校教育部長      広 瀬 容 孝 学校教育部参事     村 松 正 仁 生涯学習部長      井 上   猛 選挙管理委員会事務局長 野 原 隆 美 監査委員事務局長    都 鳥 真 之 農業委員会事務局長   河 本 伸 一 選挙管理委員会委員長  織 田 雅 徳 農業委員会会長     中 谷 敏 明     ──────────────〇事務局出席職員 事務局長        小 池 晃 一 書記          森 川 芳 浩 書記          澤 口 智 邦 書記          西 端 大 輔 書記          津 田 真 希 書記          鈴 木 秀 平 書記          高 橋   均 書記          蓑 島 優 貴     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~         午前10時0分開議 ○有城正憲議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○有城正憲議長 ここで事務局長に本日の議事日程などについて報告をさせます。 ◎小池晃一事務局長 報告いたします。 本日の出席議員は29人全員であります。 次に、本日の議事日程でありますが、お手元に配付の議事日程表(第4号)により御了承いただきたいと思います。 報告は以上であります。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○有城正憲議長 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、1番石橋勝美議員及び2番佐々木直美議員を指名いたします。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○有城正憲議長 日程第2、議案第4号令和3年度帯広市一般会計予算ほか21件を一括して議題といたします。 これから議案に対する大綱質疑並びに一般質問を行います。 初めに、佐々木直美議員から発言の通告があります。 2番佐々木直美議員、登壇願います。   〔2番佐々木直美議員・登壇・拍手〕 ◆2番(佐々木直美議員) 皆様、おはようございます。一般質問初日1人目の登壇となります。どうぞよろしくお願いいたします。 通告に従いまして、私からは地方自治について、地方創生について、地方創生臨時交付金についての3点についてお伺いいたします。 地方自治は二元代表制ですので、行政側の長である総理大臣を選ぶことができない国政より、住民の意見を反映させやすく、さらに地方自治法の改定以降、地域住民の利益を第一に考える政治体制となり、民主主義における理想的な政治体制にとても近いと言われています。 民主主義の定義は、人民が主権を持ち、自らの手で自らのために政治を行う立場で、自らの自由と平等を保障するということです。イギリスの法学歴史学者であり、政治家でもあるジェームズ・ブライス氏は、地方自治こそ民主主義の基盤であり、また地方自治への参加を通じて住民が民主主義の在り方を学ぶ、民主主義の学校であると定義しました。 米沢市長は、2010年、市民の支持を得て市長に当選してから3期、市政を執り行ってきました。その3期目も、はや1年余りを残すところとなりました。ここ帯広は市長が生まれ育ったふるさとでもあります。ふるさとの未来をつくる自治運営については、ひとしおの思いをお持ちのことと思います。 そこでまず、市長に地方自治を進める上での思い、市民意見を反映した地方自治に対する認識を伺います。 2点目として、地方創生についてです。 地方創生は、東京圏への人口の過度な集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保し、将来にわたって活力ある日本社会を維持することを目的としています。帯広市も国の方針に沿い、昨年2月に2期目となる帯広市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しました。策定の趣旨として、人口減少に伴う地域経済の縮小やコミュニティの活力低下などの課題に対応し、持続可能な地域づくりを図るためと、その目的を示しています。 市は、これまで市長が掲げるフードバレー政策を推進する中で、若者の夢をかなえ、新たな仕事を創発する、併せて地域外との交流により人材を育成することで、経済の活性化、若者の定着などを図ってきました。同時に、農業振興、福祉政策、まちなか活性化事業、経済対策など、様々な事業を展開したことにより、他地域の人口減少が加速する中、帯広市は人口減少にブレーキをかけられたものと感じています。 コロナ禍で暗いニュースが続く中、今年1月の帯広市が道内第5の人口規模の都市になるということは、地域住民にとって久々の明るい話題となりました。 一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大により地域の実情が大きく変化し、市の強みを生かした総合戦略の推進に大きな影響を与えているのではないでしょうか。それについて、市はどう認識し、今後どのような考え方で総合戦略を推進していくのか、お伺いいたします。 3点目として、地方創生臨時交付金についてです。 今回の第3次補正で、帯広市には約6億9,000万円の交付がなされました。飲食店への経営継続、小規模事業者の事業継続などに対するスピード感を要する事業において、今議会に間に合わせるよう素早い対応を取っていただいたことを評価いたします。 今回提案された事業は5事業、予算額として約2億7,750万円となっています。補正予算についての説明では、残りの約4億円の予算については、状況を見ながら随時適切な事業を発動していくというお話でした。これからの感染状況においても、不測の事態を否定することができない事情も理解できますが、今回の新型コロナウイルス対策の予算措置と実施時期の基準があれば伺い、1回目の質問といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 おはようございます。 佐々木直美議員の御質問中、地方自治についてお答えいたします。 お話のあったジェームズ・ブライスの言葉は、自らの地域の問題について我が事と捉えて政治に参加し、自分たちで決めたことを守っていく、これを実践できるのが身近な自治体であるとの考えから、地方自治を民主主義の学校と表現したものと認識しております。 地方自治を進めていく上では、市が多くの声に耳を傾け、まちづくりの方向性について市民と共通の認識に立ちながら、適時的確な施策を立案し、議会議論と市民との対話などを通して、その意図を丁寧に説明することで、互いの信頼を高めていくことが大切であると考えております。 帯広市では、これまで記者会見の定例化や動画配信、幅広い世代との市民トークなどの様々な広報広聴活動に取り組んでまいりました。感染症により対話事業の制限を受けた今年度におきましても、20回を超える記者会見の開催やSNSを活用したメッセージの発信等を通じ、感染症対策などについて市民の皆さんとの情報共有に努めてまいりました。また、市内の飲食業や保健医療に関わる方々などと、感染拡大の防止と経済活動の両立について意見交換を行ってきたところであります。 今日よりも明日はきっとよくなる、幼い頃に日々友達と交わしていた、手を伸ばせば触れ合える距離の小さな約束です。今も大切にしている、私のふるさとへの思いであります。 今後も市民の皆さんの知恵と力を集めて、地域の意思と責任に基づく自主自立のまちづくりを進め、誰もが明日への希望を持って暮らし続けられる地域社会の実現につなげてまいります。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 関口俊彦政策推進部長。 ◎関口俊彦政策推進部長 御質問中、初めに総合戦略についてお答えいたします。 仕事と人の好循環により、まちの活性化を図る総合戦略につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞や、十勝・帯広への人の移動の抑制などに伴い、その推進に様々な影響が生じているものと認識いたしております。 感染症の拡大は、先を見通すことは困難であります。今後も情勢の変化を見極めつつ、毎年度の数値目標やKPIの進捗状況などの評価をしっかりと行い、取組みの改善を図りながら、4つの基本目標に基づく総合戦略の効果的な推進につなげていく考えであります。 次に、新型コロナウイルス対策への予算措置についてお答えいたします。 感染拡大防止と社会経済活動の両立、新しい生活様式への対応も意識しながら、これまでも休業協力支援金の独自給付やセーフティネット資金の拡充、プレミアム付商品券の発行、GIGAスクール構想の推進のほか、様々な対策予算を感染拡大の状況等に応じて計上してきたところであります。 国の3次補正予算で措置されました3次分の臨時交付金につきましても、令和3年度中の感染症対策の財源として活用、検討していく必要があると考えております。感染症への対応は、長期化することも想定されます。今後もワクチン接種や地域の状況、また国、北海道の動きなどを踏まえ、対応を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 答弁ありがとうございました。 それでは、1つ目の地方自治についてからお伺いいたします。 2000年の地方分権一括法の施行により、地方自治体やその地域に住む住民の権利として、地方自治に関する保障の整備が整いました。地方自治は、住民自治と団体自治の2つに区分されます。 市長は、地方自治はその地域社会の住民の意思によって行われるべきという住民自治の下に選出され、地方自治は国から独立した地域社会自らの団体によって行われるべきという団体自治の下に帯広市の行政を執行してきました。 地域住民の意思や希望に添い執行することが、地方自治ということになっておりますが、それを推進する上では、先ほど市長からのお話にもあったように、住民意向の把握、地域事情の集約が欠かせません。 そこで、市の市民の意見掌握に関わるこれまでのヒアリングの取組み、それをする上での留意点についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 関口政策推進部長。 ◎関口俊彦政策推進部長 帯広市では、これまで各種アンケート調査やワークショップ、審議会、委員会の開催、パブリックコメントのほか、市民トークなどの対話事業や市長への手紙などを活用した広聴事業を実施してきております。 実施に当たりましては、対象者を中高生まで拡大したアンケート調査の実施など、幅広い参加機会の提供や、SNSを活用したパブリックコメントの周知など、市民が意見を提出しやすい環境づくりに努めてきているところであります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 広報活動につきましては、広報おびひろをはじめ、ホームページのリニューアルやSNSの活用、記者会見の実施など、積極的な発信に努めていることは評価いたします。しかし、広聴に関しては、平時と異なるこのような状況下、さらなる強化が必要となります。 このコロナ禍において、行政に対して伝えたい思いを抱えている方が大勢いる一方、直接的な意見交換の場が失われ、私たち議員の元にも、いつにも増して様々な御意見が寄せられています。コロナ禍における2020年度、これまで市民から寄せられた要望書の件数と内容についてはどのようになっているのか、お伺いいたします。 ○有城正憲議長 関口政策推進部長。 ◎関口俊彦政策推進部長 令和2年度におけます要望書の受理件数は、2月末時点で59件、前年度の53件から6件の増加となっております。 内容といたしましては、道路整備や交通安全施設等の設置といった生活環境の改善のほか、医療、福祉や産業、教育に関するものなど、様々な分野に及んでおります。 さらに、今年度は生活支援や経済支援、積極的な情報発信など、新型コロナウイルス感染症の対応に関連する要望が26件となっておりまして、全体の半数近くを占めている状況にございます。 以上でございます。
    有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 約半数が新型コロナウイルスに関する要望書ということでありました。それには多くの賛同署名が添えられていたと記憶しております。要請者や賛同者の要望に関する背景の調査やヒアリングなど、今、地域の中で何が起こっているのかをつぶさに確認する必要があります。要望書にあることは一部のことであり、表に出てこない、声にならない課題があるからです。 近年、国民生活や意識の多様化が進み、加えて経済格差が課題となっています。帯広の約16万8,000人の市民、約8万世帯においても、それぞれの不都合と要望があります。それをマクロで捉え、より多くの市民の要望をかなえ、その推進により地域全体の向上につなげていくのが行政の役目であり、それは総合計画に基づいて執行されます。 全国に先駆けて昭和34年に策定された帯広市総合計画は、昨年2月、第七期となり、市は計画に基づき、これまで順調にまちづくりを進めてきました。その七期計画の序論では、総合計画の考え方として、市民と市がまちづくりの方向性について共通の認識に立ち、それぞれの役割を担いながら、複雑・多様化する地域課題に取り組み、住みよい地域社会を実現するための協働の指針として策定するものとしています。 第七期計画は、市長が就任してから初めて策定に取り組んだ総合計画であり、市民生活の安心・安全と夢をかなえるための方向性が示されています。 しかし、この七期総合計画の策定と時を同じくして新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、計画のベースとなる地域事情が大きく変わりました。総合計画に示されるビジョンを達成するためには、新型コロナウイルス感染症の拡大で受けた大きな打撃を、まずリカバーする必要があります。 市の施策は、総合計画に基づいて進められています。第一次推進計画は2022年度からの3年間ですが、毎年度改訂されることになっています。今回市が改訂した第一次推進計画においては491の事務事業が位置づけられていますが、新型コロナウイルスによる影響をどのように計画に盛り込んだかが見えにくいと感じます。 第七期総合計画は、複雑・多様化する地域課題に取り組み、住みよい地域社会を実現するための協働の指針ということになっております。施策の推進に当たっては、市民の共感を得られるよう、より分かりやすい情報発信を行っていくことが必要であると思いますが、見解をお伺いします。 ○有城正憲議長 関口政策推進部長。 ◎関口俊彦政策推進部長 市民とともにまちづくりを進める上では、市民生活やまちづくりに必要となる情報を適時適切かつ分かりやすい形で市民に提供し、市民との情報の共有を図ることが重要であると認識いたしております。 推進計画の改訂に当たりましては、予算編成と一体的に行っておりまして、新型コロナウイルス感染症への対応につきましても、予算編成を通して情報の発信を行ってきたところであります。 今後も情報の内容や性格、そして提供手段の特性などを踏まえ、様々な提供方法の工夫を行いながら、より効果的な情報発信に努めていく考えであります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) ただいま予算編成と一体としてというお話でありました。国から地方創生臨時交付金の使途などについては、議会での議論を経て執行される際、その都度必要な発信に努めていただいていることは理解しています。 また、報道機関からも、市民が注視する行政の対応について毎回大きく取り上げていただき、支援を必要とする市民や事業者のもとへ一定程度の情報は届いていると感じているところです。 しかし、毎年度更新される推進計画に、これまでにないほど大きな打撃を与えた新型コロナウイルスからの立ち直りに対する期待が見えづらいということも事実です。地域内での影響を各事業ごとにどのように受け止めているのか、次年度どのように対応していくのか、それが示されて初めて評価と改善ということになります。 行政の事業は、推進計画に従って行われるものですので、特にこのように地域事情に大きな変化があったときには、行政運営の中でどこに課題を持ったのか、影響を大きく受けた事業については市民が理解できる形で示す必要があると感じます。このことにつきましては、ぜひ今後の検討課題としていただくことを要望いたします。 2000年の分権改革において、国と自治体の役割について規定がなされ、中央政府と地方政府という形が確立してきました。それにより国は自治体に対して、住民に近い行政は自治体に任せて、自治体が自主性や自立性を発揮できることができるように配慮することが求められています。その中での大まかな役割の分担として、国は主に国際社会における国家としての存立に関わる事項、また全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動、もしくは地方自治に関する基本的事項などを、広域の地方公共団体としての都道府県の役割としては、国や市町村に関する連絡調整に関するもの、またその規模または性質において一般の市町村が処理することが適当ではないと認められるものなどを、そして市町村の役割としては、生活していく上で身近な行政サービスの提供に関すること、地域の実情に合った事業の実施に関すること、国、都道府県、市町村が実施する全施策の成果把握に関することなどとしています。 新型コロナウイルス感染症につきましては、幅広い政策分野においてきめ細やかな対応が求められるため、役割分担につきましては、国、都道府県、市町村が担うガイドラインが示されています。具体的にはどのようになっているのか、改めてお伺いします。 ○有城正憲議長 五十嵐ゆかり市民福祉部参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部参事 新型インフルエンザ等対策ガイドラインにおいて、感染症の発生状況や変化を継続的に調査、把握するサーベイランスや水際対策、蔓延防止、医療提供体制等に関しましては、国及び都道府県の要請に応じ、市町村は適宜協力を行うこととされております。 また、住民対象の予防接種に係る体制整備や住民への生活支援、埋葬、火葬等に係る業務は、市町村の役割とされております。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 感染症予防に関する施策の大半は国及び都道府県にあるということは厚生労働省の文書にも明記されており、市町村の役割としては、国及び都道府県等の要請に応じ適宜協力、また地域の実情に応じた調査観察の実施、これにとどまります。追加事案があるのは、ただいまお話のあったようにワクチン接種対応、死亡時の埋葬対応、蔓延防止として個人における対策の普及など、ごく一部に限定されております。このような中央集権的なスキームの中では、住民意見を反映する地方自治は発動することができません。 しかし、新型コロナウイルス対策は国が前面に立っているように見えますけれども、感染するのは一人ひとりの住民であり、発生する現場は個々の地域です。したがって、感染症対策では個々の地域に住む個人、家族、そして企業などがその主体となります。また、地域の実情を把握し、個々の主体では解決できない地域共通の問題を、公権力や財源を用いて解決できる主体は市区町村や都道府県であり、国としては海外からの感染水際対策の強化や外交的対応、ワクチン手配とともに、本来地方自治体の施策を行財政の両面から支える役割を持つべきではないかと私は感じています。 全国の状況を踏まえて、新型コロナウイルス対策の方針を出す国の動きが地域の実情に合わず、その決定や通知を待つ市に対して、経済支援などの対応の遅さを指摘する声が多くあります。その行為に対する認識と対応を伺います。 ○有城正憲議長 田中敬二副市長。 ◎田中敬二副市長 市としましては、これまでコロナ禍における経済対策として事業継続を支援する融資制度の拡充をはじめ、新規創業者支援金や持続化補助金の上乗せ補助、雇用を守るための雇用調整助成金等促進支援金、さらには消費を喚起するためのプレミアム付商品券や宿泊助成など、地域の状況、国、北海道の動向を踏まえながら実施してきたところであります。 今般、国の第3次臨時交付金の上限額も示されました。国や北海道の動きも見えてきましたことから、地元事業者の置かれてる状況を考慮し、市として必要な経済対策に係る予算を提案したところであります。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 自治体で十分な自主財源が確保できる不交付団体では、独自の裁量で支援金、協力金などを支払うことができます。また、人口規模の小さな町村においては、対象事業者の分母が小さいことから小回りのきく対応ができるところです。 先日の代表質問においても、財政調整基金からの繰り出しは除雪対応などの兼ね合いから難しいというお話がありました。帯広市の歳出においては、毎年度高齢化などに伴う扶助費などの義務的経費が拡大し、政策予算が確保しづらい状況があります。 新型コロナウイルス対策は、臨時交付金の交付金額を確認し、国や道の支援策を勘案し、制度の不足分を地域事情に合わせて支援していくということになるのは必然かなと私は感じております。 ただいまの答弁は、そのような中で時期を逃さずというお話であったと思います。行政の財政はなかなか理解しにくいものですが、帯広市の発行する台所事情は中学生にも理解できるようにと作られたもので、非常に分かりやすい構成になっています。このような状況を共有できるよう、日頃から市民の皆様の目に触れる機会をつくっていただきたいと思います。 本来、地方自治を支える住民意思の表明は、選挙によって示されます。地方自治は、あくまで住民主体で推進されるものですが、その意思を表明すべき選挙の投票率の低下に拍車がかかっています。2010年の帯広市長選挙が57.5%であったのに対し、2018年の同市長選挙は44.8%、2011年の帯広市議会議員選挙が51.6%であったのに対し、2019年の同市議会選挙は49.4%と、近年は50%を切る傾向にあります。 私も以前、議会で主権者教育について議論させていただきましたし、他の議員からも多数投票率向上に向けた質疑、提案がなされています。また、明推協の皆様や選挙管理委員会による啓発活動も行われています。 しかし、この全国的な傾向である投票率の低下は、各地で様々な対応が取られる中、改善の傾向が見られません。この傾向と要因をどのように分析しているのか伺います。 ○有城正憲議長 野原隆美選挙管理委員会局長。 ◎野原隆美選挙管理委員会事務局長 投票率につきましては、選挙の種類や社会情勢など、様々な要因が総合的に影響するものでありますが、全国的に低下傾向であり、帯広市においても同様の傾向にあります。 公益財団法人明るい選挙推進協会で実施しました、2019年平成31年の統一地方選挙時の意識調査のうち、投票を棄権した理由、複数回答ということですが、その回答では、選挙にあまり関心がなかったから、37.9%、候補者がよく分からなかったから、25.8%、仕事があったから、23.8%、選挙によって政治はよくならないと思ったから、17.9%、適当な候補者がいなかったから、16.6%などで、選挙に関心がない、候補者が分からないとの回答が上位にあり、帯広市においても同様の傾向にあるものと捉えております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 有権者が政治に対する関心を保ち、主権者としての意識を持つためには、その政治に対する一定の理解と信頼が必要です。誰しも、信頼もしていないし、理解もしていない事柄に対しては、積極的に行動を起こすものではありません。 しかし、マスコミの報道を見ると、国の現状や、とりわけ一部の国会議員などの不祥事が国民の不信感を招き、それが全体的な政治不信につながっています。 また、低投票率の要因について、ある報道機関のアンケートでは、投票しても政治は変わらないからという回答が多く、国民意識が反映されづらい、また対応が目に見えにくいことも大きな要因の一つではないかと考えます。 複合的に様々な要素が絡み合った上での低投票率ですが、政治に対する期待感の低下も大きな要因の一つであると考えることができます。そういった意味からは、投票率は政治評価のバロメーターでもあり、私も市議の一人として、改めて襟を正さなくてはいけないと感じております。 そこで伺いますが、帯広市において有権者が政治に対する関心を保ち、主権者としての意識を持つための取組み、これはどのようなものがあるのか、お伺いいたします。 ○有城正憲議長 野原選挙管理委員会局長。 ◎野原隆美選挙管理委員会事務局長 帯広市明るい選挙推進協議会と連携しまして、有権者の投票意識の高揚に向け、これまで街頭啓発や選挙周知などに取り組んできております。 また、特に若い世代の投票率が低いことから、小・中、高等学校等で選挙出前講座を行っております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 選挙出前講座の内容について、もう少し詳しく説明をお願いいたします。 また、効果についてはどのように認識しているのかもお尋ねします。 ○有城正憲議長 野原選挙管理委員会局長。 ◎野原隆美選挙管理委員会事務局長 将来の有権者であります子供たちの選挙に参加する意識の芽生えや、高揚を目的といたしまして、平成22年度より実施しております。特に今年度からは、帯広市教育委員会のおびひろ市民学と連携しまして、昨年度より19校増の23校で実施したところであります。 その際実施したアンケートでは、簡単に投票できた、票を数える機械がすごい、投票用紙が開く、破れないといった意見のほかに、自分たちのことを決める人だからいい人を選びたい、深く関係していると感じた、若者は投票することが大切なことに気づけた、今まで選挙のことを何とも思わなかったけど、ちょっと考えてみようと思った、18歳になったら投票に行こうと思うなどの意見を多くの児童・生徒からいただいているところであり、主権者意識の醸成につながっているものと捉えております。 次年度につきましては、今年度よりさらに多い28校で実施する、そういうような予定になっているところであります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) おびひろ市民学は、十勝・帯広のヒト・モノ・コトを地域の大人とともに学び、これからの社会や地域づくりを共に進めることができるように、小・中9年間を通じて子供たちを育てていく取組みであり、自らが社会の一員であるという意識を醸成することはとても大切です。 そして、御答弁にあった選挙出前講座は、自分たちの暮らしと選挙が関係していること、投票行為が自分たちの意思を反映した未来につながっていることを知る意義のある啓発の取組みであり、今後においても市教委としっかりと連携をとりながら、継続して実施してほしいと思います。 また、18歳選挙が実施され、若者の低投票率が課題となっていることから、高等学校などに向けた実施もさらに推進していただきたいと思います。 地方自治を進める上では、住民の主権者としての自覚と行政の信頼が大きな推進力になります。先ほど政治に対する期待感の低下という話をさせていただきました。何より大切なことは、行政と市民との信頼関係です。 このたびは感染拡大を防ぐために、自粛生活が余儀なくされました。市民の皆様の懸命な行動や、行政の努力により、市内の感染状況は改善の方向に向かっていますが、1年間にわたり地域間の往来が止まったことにより、観光事業者が大きな打撃を受けました。 また、受診控えにより医療機関も病院経営に影響を被り、飲食店に至っては事業継続が困難な状況から廃業に至ったところもあります。そして、非正規雇用者の離職が拡大しました。この影響は、今や様々な業種に波及していますし、それに対する支援策も十分とは言えません。このようなときにこそ、基礎自治体としての素早い対応が必要であり、市民の目は行政の動きに注目しています。どのようなときにも増して、今こそ行政と市民が協働し、地域力の回復に取り組むときであり、言い換えれば市民の要望に沿った地域社会の立て直しなくして行政の信頼は得られないのではないかと考えております。 続いて、地方創生について伺います。 十勝は、広大な平地と肥沃な土壌、豊かな自然に恵まれ、依田勉三率いる晩成社が不屈の精神で切り開いた地域であり、その精神はこれまでの経済活動にも引き継がれているものと感じます。 しかし、2020年、これから帯広の強みを生かし、新たなビジョンを乗せていくべき地域の社会基盤が、新型コロナウイルスの影響で大きく崩れることになりました。 先ほどの答弁でも、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞や十勝・帯広への人の移動の抑制などに伴い、総合戦略の推進に様々な影響が出ているというお話でした。地方創生の取組みを進める上では、今はまず新型コロナウイルスで疲弊した地域力を回復させることが最優先となります。 そこで、今年度の新型コロナウイルス感染症拡大によりどのような影響があったのか、また本議会で次年度の予算が提案されましたが、この課題解決のため、どのような施策に重点を置こうとしているのかをお伺いします。 ○有城正憲議長 関口政策推進部長。 ◎関口俊彦政策推進部長 新年度予算の重点のお話がございました。 感染症の拡大により、十勝・帯広におきましても個人消費や観光事業などが落ち込んでおりますほか、市民生活をはじめ、様々な分野に影響が及んでいるものと認識いたしております。経済活動の停滞に伴い、市税の減収などの影響が生じている状況にあります。 こうした中、令和3年度予算は、感染症の影響への対応も意識しながら、地域経済、人、まちの3つの重点を設定し、国の15か月予算の考え方を踏まえ、令和2年度補正予算と一体的に編成してまいりました。 具体的に、地域経済では、食や農をはじめとした地域の強みや魅力を生かしながら、変化に対応し持続可能な経済をつくる視点で、また人はまちの活力を高めていくため、地域を支え、前向きで挑戦的な人を作る視点で、まちは感染症対策をはじめ、災害対策や福祉施策の推進を通して、日常を安心して過ごせるまちをつくる視点で、国の臨時交付金を活用した感染症対策関連予算を含め、それぞれ計上したところでございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 新型コロナウイルス感染症による被害は、医療、経済、教育、市民生活など幅広い分野に及び、その影響の大きさからは災害や有事に匹敵するとも言われています。 行政として、この状況をリカバーすることは、そのスピード感と対応のテクニックにおいて、ある意味人口減少を止めることより大きな力が求められているのではないかと感じております。 今年度当初に実施された庁内組織再編は、連携力と対応力の強化を目的としており、大きく変化する社会情勢に柔軟に対応するため、これまでにない新たな事案の発生についても、その都度横串を差しながら、多角的に対応するということであり、時代に合った改革だと感じております。まさに、このような不測の事態において効力を発揮すべき体制であると思います。 市は新型コロナウイルス対応として、帯広市新型コロナウイルス感染症対策本部会議、また新型コロナワクチン接種推進室などを設置して対応に当たってきましたが、この組織再編はコロナ禍においてどのように機能してきたのか、また課題があればお伺いいたします。 ○有城正憲議長 河原康博職員監。 ◎河原康博職員監 組織再編に当たりましては、1つに、基本的に部の枠組みを大きくし、組織のスケールメリットをより生かしやすくすることを念頭に置いて実施したところです。これによりまして複数の部署にまたがる事案などへの柔軟な対応が可能となり、特別定額給付金の支給やワクチン接種の推進など、コロナ禍から市民生活を守る上で、急を要する事業につきましても部内や全庁的な応援体制をスムーズに構築することができたと考えております。 現時点におきまして、組織再編後に大きな課題は生じてないと認識しておりますが、社会経済環境の変化に対応した効果的な市政運営を図るため、今後につきましても、適宜組織の在り方を点検し、必要に応じて柔軟に対応していく考えであります。 以上です。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 誰かの困難を救おうとするとき、その困難の度合いに応じて助ける側にも応分の力が要求されます。感染状況は小康状態が続いていますが、まだ先を見通すことができません。さらに、この影響から立ち直るための対策はこれからが本番です。長期にわたり、医療、経済、市民生活に対して、平時と違う行政側の対応が続きました。この1年間、新型コロナウイルス対応に追われた市民福祉部、経済部をはじめ、多くの職員が休日返上、長時間労働で対応に当たられる姿を見てきました。職員の皆様は疲弊していないでしょうか。これからの再興に向けた余力は残っているのでしょうか。昨年2月末からこれまでの職員の残業時間と前年比について伺います。 ○有城正憲議長 河原職員監。 ◎河原康博職員監 昨年の2月から4月、この期間にかけましては総合計画や分野計画の改定のほか、組織再編に伴う引っ越し作業などのため、全庁的に時間外勤務が増加傾向で推移しておりました。 また、新型コロナウイルス感染症への対応という部分に関しましては、様々な臨時的な業務が生じており、代表的なところでは、先ほどお話しした特別定額給付金の給付事務、ワクチン接種の準備、対策本部に関する業務などがあり、昨年2月から今年の4月までで、これらに従事した時間外勤務につきましては5,446時間となっております。 こうした新型コロナウイルス対応という面のほか、臨時的な業務が増加している一方で、コロナ禍によって予定していた事業が取りやめとなったことなどによりまして、例年に比べ時間外勤務が減少した部署もあり、時間外勤務全体で見ますと、ほぼ前年並みの時間数で推移してるところです。 以上です。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) ただいまの答弁では、各部署により作業量が減少したところ、拡大したところがあり、抱える課題が様々であったことをうかがい知ることができます。また、全体的な残業時間からは、その詳細は明らかになっていません。しかし、各地の自治体現場からは、新型コロナウイルス対策に従事する現場の激化する人員不足により、過重労働、長時間労働が蔓延する報告が上がっております。 兵庫県と神戸市の新型コロナウイルス対策に従事した管理職を除く職員700人のうち、過労死ラインの月80時間の残業を超えた職員は、3月、4月時点で延べ109人に及んでいます。最多は246時間で、この職員は翌月も残業207時間、2か月間休みがゼロということでした。職場が崩壊寸前の状況下で、使命感だけでぎりぎりのところで持ちこたえているというお話を聞きます。 先ほどの答弁では、新型コロナウイルス対応に当たった職員の残業時間は延べ5,446時間ということでしたが、帯広市における新型コロナウイルス対策のための臨時的な業務の概要と、それに取り組んだ職員の状況について、改めてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 河原職員監。 ◎河原康博職員監 特別定額給付金の給付を行った際には、8名の職員が本来の業務を離れて給付業務に従事をし、そのほかにも延べ1,000人以上の職員が平日の日中、あるいは時間外のほか、土曜日、日曜日も含め給付業務の応援を行っておりまして、最も繁忙となった5月下旬から6月上旬にかけましては、1日に50人以上の応援があったところです。 以上です。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 現場の大変さについては、職員の疲弊状況などをお聞きすることがあります。先が見えない新型コロナウイルスの状況ですし、これからも、長期戦を視野に入れる必要があります。 今後の新型コロナウイルス対策についての体制整備の考え方について伺います。 ○有城正憲議長 河原職員監。 ◎河原康博職員監 答弁、一部重複いたしますが、コロナ禍において臨時的な業務が増加した部署と減少した部署がありますことから、こうした全庁的な業務の状況を踏まえた上で、新型コロナワクチン接種業務に関する職員の応援体制を構築するなど、効果的、効率的な組織運営を図っているところであります。 また、新型コロナウイルス対応に係る臨時的な業務に対応するため、期限を定めて正職員として任用する任期つき採用職員や、非常勤職員となりますが会計年度任用職員などにつきましても適材適所で配置を進め、この難局を何とか乗り切っていきたいと考えております。 以上です。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 今回の国の第3次補正予算では、地方創生臨時交付金が1兆5,000億円、追加で計上されました。対象事業としては、新型コロナウイルスの感染拡大の防止及び感染拡大の影響を受けている地域経済や、住民生活の支援などを通じた地方創生に資する事業に自由度高く活用することが可能とされています。 しかし、市職員などの地方公共団体職員の残業などに係る人件費は、対象外経費として上げられております。しかし地域内の雇用対策の観点から、新型コロナウイルス感染症対応のための体制拡充や雇い止め、または内定取消しに遭った方たちの一時的な雇用などに必要となるものを除くとされています。 横浜市は、新型コロナウイルス感染症の影響で失職したり、採用内定が取り消されたりした市民を、会計年度任用職員として50人程度雇用しています。 また、福井県では、県と県内の鯖江市、越前市、敦賀市、小浜市と大学が一体となって、アルバイト先を失ったり、保護者の収入が減少して経済的に困窮している県内学生と県出身の学生らに向けて、学生版ニューディールと位置づけ、6月中旬時点で171人を定額給付金受付や放課後児童クラブの運営補助などの業務でアルバイトとして雇用しました。 新型コロナウイルスの状況下では、どうしてもノウハウを持つ特定の職員に負担が偏る側面もあるとは思いますが、可能な限りその偏りを是正しなければ、継続的な対応体制をつくることはできません。組織再編の趣旨を生かし、十分な体制で対応できるよう、また地域内の雇用対策に資するためにも、行政側のマンパワーの拡充を図っていただくことを要望いたします。 最後に、地方創生臨時交付金について伺います。 今回の地方創生臨時交付金の使途については3つの意図があり、これを同時に遂行していく必要があります。1つは、感染拡大の防止、1つは新型コロナウイルスからの地域力の回復、もう一つはアフターコロナで求められる社会整備です。 感染拡大の防止については、ワクチン接種の普及もありますが、引き続き地域の皆様に十分な感染防止に努めていただかなくてはいけません。 地域力の回復については、打撃を受けた事業者への損失補填や離職者への雇用体制、労働時間が削減され、収入が減少した世帯の助成などです。ここは早急に必要とされる方に届けなければいけません。 一方、アフターコロナで求められる社会整備については、長い自粛生活や新たな働き方の普及などで住民の生活様式や意識に加え、社会構造すら変わる新たな局面がこれから待ち受けています。それに伴い、今回新型コロナウイルスの直撃産業となった事業所では、今までと違う新たなニーズに合った営業スタイルへの転換が求められます。 今回提案された市場開拓・販路拡大推進費は、まさにその取組みを支援するものと思います。事業者の立ち直りを支援するとともに、同時にその後もしっかりと運営していけるよう、次のステップに向けて、情報提供や支援をする必要があります。 市は、イノベーション・プログラムなどで若者の新規創業人材育成に取り組んできました。しかし、新型コロナウイルス収束後を見据えると、地域経済をこれまでつくり上げてきた既存の事業所に対しても、この目まぐるしい社会の変化に適応するため、持続可能な事業転換のきっかけをつくることや、その取組みを積極的に強化していくことが求められてくるはずです。 これは、まさに活力低下などの課題に対応し、持続可能な地域づくりを図るという、地方創生の趣旨に沿った対応であると考えます。そのためには地域事業者との一層の連携や信頼関係の構築が求められます。それを得るための今後の取組みについてお伺いします。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 国では、今後業態変換や事業の多角化といった取組みに対して支援するという方向性を打ち出しております。 市としては、こうした方針を踏まえ、地域の事業者に対して支援制度などのきめ細やかな情報提供に努めるとともに、専門的知見を有する関係機関、あるいは団体とともに一層連携しながら、事業者の取組みへの支援について検討を深めてまいります。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) これまで市が取り組んできたイノベーション・プログラムでは、若者の事業構想を聞き取り、方向性に共感するグループを作り、その中でビジネスプランをブラッシュアップする。また、そこに外部からの情報を入れることでモチベーションを高め、さらに産学官金でのバックアップを行いながら起業につなげる、こういったきめ細やかな育成手法を取っています。 町村から参加した方からは、このような事業を展開する帯広市が羨ましいという言葉をいただきました。何かを成し遂げたかということではなく、一体感を持ってどのように取り組んできたかという結果が生む信頼関係ではないかと感じます。 アフターコロナのスタートラインに立ったとき、この苦境を乗り越えて市民と行政との間に新型コロナウイルス発生以前よりも強い絆が生まれ、信頼関係が深まるよう心がけながら職務に当たられることを期待しまして、私からの質問を終わります。 ○有城正憲議長 以上で佐々木直美議員の発言は終わりました。 次に、木幡裕之議員から発言の通告があります。 15番木幡裕之議員、登壇願います。   〔15番木幡裕之議員・登壇・拍手〕 ◆15番(木幡裕之議員) 皆様、おはようございます。 通告に従いまして、3点について順次質問をさせていただきます。 まず1点目は、2019年12月初旬、中国の湖北省武漢で最初に確認された新型コロナウイルスの感染者が発症したとされてから、世界各地に新型コロナウイルス感染症の猛威が拡大し、1年が経過したこの3月で、世界中で1億1,000万人の方が感染し、推定259万人の方が亡くなられたと言われております。 国内においては、3月8日現在約44万人の感染者と8,300人の方が亡くなられ、北海道において、昨年1月に初めて感染者が発生して以降、札幌圏を中心に現在まで約1万9,000人の感染者と693人の亡くなられた方の報告がされております。 帯広市においては、昨年7月に市内で初の感染者が発生したと聞いておりますが、単発発生の小康状態を保っていたところ、11月9日の飲食店からの発生によるクラスター認定となるなど、年を超えて感染報告は続きました。2月10日を境に感染報告がなくなり、収束の気配が漂い始め、2月23日までの間、感染報告がなくなり、安堵していたところです。 2月24日、突如として十勝管内で発生がありクラスター認定がされました。市内からも感染者が発生いたしました。現在十勝管内で787人の感染者が報告され、3月8日までに市内においては215名の感染報告がされております。また、3月に入り、新たに市内施設においての多数の感染者が発生し、クラスターの報告が出ております。 私の身近なところでも感染者のお話をお聞きし、耳にするのが、陽性中においては微熱程度だが、匂い、味が分からなくなったと聞いております。また、退院してからの生活において、匂いや味については徐々に戻ってきたが、発熱、頭痛、だるさ、記憶系の問題を口にする知人がおります。報道などでは、脱毛、倦怠感、息切れ、思考力の低下、気の落ち込みなどが報告されております。 東京都渋谷区の医師によりますと、患者の多くは40代で、10代や30代も増えてきて、若い方が多くなってきていると述べております。特に新型コロナウイルス感染時の重症度と後遺症の重症度とは全く一致しないことと、軽症や無症状だったのに後遺症の発症が発生してることに注意勧告をしております。 世界の論文では、後遺症と見られる状況は、女性、高齢者、肥満度が高い、感染時に多くの症状を訴えていた人に多く見られるとのことです。 そこでお尋ねいたします。 帯広市として、新型コロナウイルス感染症に感染し、回復後に起こると言われている後遺症の捉え方についてお伺いいたします。 2点目は、高齢者福祉についての質問になります。 現在我が国は国民の4人に1人が65歳以上という超高齢社会を迎えており、今後も速いスピードで高齢者人口が増加し、社人研において、2035年には3人に1人が、2060年には2.5人に1人が65歳以上となることが推定されております。 一方で、少子化の進行はもとより、地域社会の機能や世帯構成が大きく変化する中で、高齢者介護、福祉の在り方が大きな課題と言われております。 昭和45年に高齢化率が7%を超え、平成6年には14%を超えるなど、急速に高齢化が進展する中で、認知症高齢者の増加、核家族化の進行や家族の介護機能の低下により、高齢者の介護が社会の重要な課題となりました。 帯広市において、米沢市長は令和3年度市政執行方針で、高齢者の介護予防や認知症予防を進めるほか、介護保険施設において感染症の拡大を防止する装置の設置支援、障害のある人やその家族に対する相談支援体制の充実を図ることと、後期高齢者の脳ドック定員の拡充やケアプランの点検等を通じた介護給付費の適正化により、国民健康保険制度や介護保険制度の持続的な運営に努めると方針を出されております。 本市は、今年度から第八期高齢者保健福祉計画・介護保険事業が新たな3年間となり、令和5年度までの計画が策定されることから、第七期計画に沿って進めてきた取組みの成果と見えてきた課題を踏まえ、令和3年度より始まる第八期計画における展望と、力を入れたのはどのようなところなのかをお伺いいたします。 3点目は、本年は東日本大震災から10年目の節目となる年です。いまだ捜索作業が行われて、その痛手はまだまだ癒えてないのが実情です。2月17日に、東松島市の会社の敷地内より、10年目にして御遺体が確認されたと報道がありました。いまだ2,529名の方が行方不明者となっております。ここに改めて哀悼の意を表します。 帯広・十勝においての災害は、地震、大雪による交通網の麻痺、大雨による浸水害などがあり、先日2日の大雪においては、3年前の交通麻痺を思い起こされました。今まで様々な災害対策の質問をいたし、お答えをいただいておりますが、今回の一般質問において、聞き慣れてないと思いますが、事前復興についての質問をいたします。 北海道が平成30年2月に公表した平成28年度地震被害想定調査があります。震度7の地震が冬の夕方に発生した場合を想定して、約3万人の方が避難されると想定されております。 同じく平成28年度に、国土交通省において復興事前準備の取組み状況に関するアンケート調査を全国1,659団体を対象に行い、1,148団体からの回答が得られ、結果では、復興事前準備に対する認識について、非常に重要であるが14.4%、重要である、42.7%を合わせると57.1%の団体が復興事前準備を重要であると認識しているとデータが出ております。 しかし一方で、復興事前準備の実施の状況について、十分できているが0.4%、ある程度できているが4.6%との回答があった地方自治体は5.0%にとどまっています。その理由として、他業務の負担が大きく、検討時間が確保できていない、60%、具体的な対策イメージがつかめず、何をすればよいか分からない、37.2%、他の業務に比べて取組みの優先順位が低い、32.2%となっておりました。 昨年、総務部に危機対策課が新設され、活発に対策に動かれていることは承知しております。大きな災害が起き、救命対策等があり、避難所開設があり、ハードな時間となりますが、その次に復興対策に移ることが流れとなっております。想定される災害について、避難所の充実や資機材、防災食の準備など、多岐にわたると考えられます。その中で、今回は事前復興の捉え方と国や道からの指示について質問いたし、1回目の質問といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 木幡議員の御質問中、高齢者福祉についてお答えいたします。 我が国は、世界的に例を見ない速さで高齢化が進行しており、誰もが生涯にわたり安心して生活できるよう、地域全体で高齢者を支える仕組みづくりが求められています。こうした中、国は地域の特性に応じ、医療や介護などのサービスを切れ目なく一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を進めています。 帯広市では、これまで介護サービス等の安定的な提供はもとより、高齢者の自立した生活を支援するため、地域包括支援センターの相談体制の充実や、在宅医療と介護の連携体制の整備などに取り組んでまいりました。その結果、全国と比較して、介護の重度化が抑制されているなどの成果につながっているものと認識しております。 今後、高齢者人口がピークを迎える2040年に向け、支援を必要とする高齢者の増加が見込まれます。多様化するニーズを的確に捉えながら、健康づくりや介護予防、地域の実情に応じた医療や介護などのサービスをより包括的に提供していく必要があると考えております。 このため、来年度から始まる第八期計画では、介護予防や地域の支え合い、認知症施策の推進などを通し、高齢者一人ひとりが住み慣れた地域で生き生きと充実した生活を営むことができる社会の実現を目指してまいります。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 五十嵐ゆかり市民福祉部参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部参事 御質問中、新型コロナウイルス感染症の後遺症についてお答えいたします。 後遺症についての調査研究は、国において進められており、国立国際医療研究センターの聞き取り調査では、63人の患者中、後遺症を認めたのは48人、76%で、主な症状は、せき、呼吸困難、倦怠感、味覚嗅覚障害などであります。 しかしながら、現時点では疫学調査が不足しているため、それぞれの症状と因果関係は不明であると言われております。後遺症がどのようなメカニズムで起きているのかは未解明であることもあり、現状確立された治療法がないものと認識しております。 以上であります。 ○有城正憲議長 廣瀬智総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 御質問中、防災対策の部分につきましてお答えをいたします。 事前復興につきましては、平時から災害が発生した際を想定いたしまして、どのような被害が発生しても対応できるよう、復興に資する体制、それから手順、訓練などのソフト的対策を事前に準備する復興事前準備の取組みに加えまして、被災後の復興事業の困難さを考え、事前に復興まちづくりを実現し、災害に強いまちにするということとされてございます。 国からは、被災後の復興には被害を最小限にする、被害を出さないという防災・減災対策と並行いたしまして、市町村が復興事前準備に取り組むために、平成30年に復興まちづくりのための事前準備ガイドラインが示されているところでございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) それぞれ御答弁ありがとうございます。 市長答弁をいただきましたが、通告どおり、後遺症の対応と対策についてから、2回目の質問をさせていただきます。 約7割の方が何らかの体調不良を感じているとのことですが、本市の後遺症についての認識としては未解明と捉えましたが、医師会と後遺症の考え方について情報交換をされてるのかをお伺いいたします。 ○有城正憲議長 五十嵐福祉部参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部参事 後遺症について、医師会との情報交換は行ってはおりませんが、医療の現場の状況等、情報収集に努めてまいりたいと思います。 以上であります。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 情報収集となると、帯広市がどこまでできるのか分かりませんが、保健所との連帯が必要となります。積極的な収集をするに当たり、帯広市において後遺症に対応した窓口やコールセンターについてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 五十嵐福祉部参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部参事 コールセンターでは、主にワクチンの問合せなどを受けることになっております。後遺症については、新型コロナウイルスに関する健康相談の中で対応しており、後遺症ではないかという相談も寄せられてるところであります。 今後も後遺症を含め、心配な症状などに対して相談対応をしてまいります。 以上であります。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 回復者の中にも何かしら体調の異常を感じてるということですが、後遺症問題に対して踏み込んだ取組みをお願いいたします。 次に、十勝管内において発熱外来を行っていただいている医療機関で、新型コロナウイルス感染症の後遺症に悩んでいる方々が受診できる外来はあるのか、お伺いいたします。 ○有城正憲議長 五十嵐福祉部参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部参事 受診につきましては、発熱外来を開設している医療機関に限らず、心配な症状がある場合には、かかりつけ医や症状によって各診療科目を選択し、受診することになると考えております。 以上であります。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 今後、後遺症に苦しむ人が発生したときの配慮について、本市としてはどのような考えをお持ちなのか、お伺いいたします。 ○有城正憲議長 五十嵐福祉部参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部参事 心配な症状や不安な気持ちに対して、体調確認や受診の必要性、対応方法の情報提供など相談対応し、必要な関係機関につないでまいりたいと考えております。 以上であります。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 意見となりますが、今回の質問を通じて、後遺症についての認知度はまだまだで謎なことだらけです。無症状者でも後から後遺症が出たとの事例があることから、追跡調査の必要性についての検討をお願いするのと、新型コロナウイルスに後遺症があるということが広く知られてないために精神的なダメージを抱えてしまうことになり、抑鬱や精神障害の発症につながると言われております。管内の新たなクラスターの発生や、今後のワクチン接種の準備などで忙殺されている状況ですが、回復後に襲われる後遺症の対応について注意を払っていただきたいと思います。このことをお願いして、質問を終わります。 続きまして、高齢者福祉の2回目の質問になります。 先ほどの米沢市長の答弁により、第七期との違いと意気込みが分かりました。また、介護予防や地域の支え合い、認知症施策などに力を入れていくことと理解いたしました。 それでは、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の施策は、介護保険サービスに関わるものと地域の支え合いや社会参加など市民参画に関わるものの柱に大きく分けて考えられるのではないかと思います。それぞれにおける現状についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野一人市民福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 まず、介護保険サービスの現状についてでありますが、高齢者人口の増加によりまして、サービス利用者や介護給付費が増加してきてるほか、介護サービスを提供します介護人材の確保が難しくなってきてる状況であります。 次に、地域での支え合いや社会参加についてでありますが、高齢となりましても健康づくりや趣味の活動のほか、ボランティアや就労など、様々な形で社会参加を継続されてる方が多くいる一方で、市が実施しましたアンケート調査結果からは、地域での活動に参加してない方もおり、個々の状態に応じました地域活動への参加を促していく必要があると捉えております。 また、互助によります生活支援の担い手養成のほか、全ての日常生活圏域におきまして、身近な生活課題やその解決策につきまして地域で話し合う協議体が開催されてきておりまして、その協議体を開催する中で活動の創出につながるなど、支え合いの体制が少しずつ構築されてきているところであります。 以上であります。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) それぞれの現状について分かりました。 それでは、課題と言っている中で、現状の帯広市の特別養護老人ホームの待機者は、令和2年度6月で609人になってることをお聞きしております。待機者の現状と入所に関する希望について、どのように捉えているのかをお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野市民福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 特別養護老人ホームの待機者数についてでありますが、これまで計画的に施設整備を進めてきたことにより、待機者は減少してきております。 また、待機者のうち、約7割の方が6か月以内に入所を希望してる状況でありますが、実際に入所の順番が来ましても入所を保留する人がおり、その割合が年々高くなってきているところであります。 以上であります。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 待機者が減少傾向にあるとのことですが、本市の取組みが成果を上げてきていることと考えますが、実際に入所の順番が来ても入所を保留する人の割合が高くなってきていると答弁されましたが、その理由についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 入所を保留する主な理由につきましては、在宅での介護をもう少し継続したい、グループホームなど現在入所している施設で安定した生活ができている、入院中で退院の見込みが立たないなどを施設より伺っております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 私の親のときもそうでしたが、そのときのタイミングが非常に重要となり、お願いしたいときに空きがなく、何度も問い合わせることがしづらいのも事実です。施設からの連絡を辛抱強く待つしかないのが現状です。そこを何とかお願いできる仕組みがあるとうれしいので、御努力をお願いいたします。 次に、2040年から2045年がピークとなる高齢者人口を見据え、施設整備及び介護従事者の育成についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 施設整備につきましては、第八期計画期間中では既存の高齢者向け住宅などからグループホームや介護付有料老人ホームへの用途変更による施設整備を進めることにより、介護サービスの提供量の確保を図ってまいります。 また、介護人材の育成につきましては、介護に関する理解促進やスキルアップに向けた取組みを進めるほか、ICTの活用による書類作成等の事務的負担を軽減するなど、職員の介護職場への定着を図る取組みを進めてまいります。 以上であります。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 感染症や自然災害が発生した場合であっても、介護サービスが安定的、継続的に提供されることが重要であることから、介護施設事業所における事業継続計画、BCPの作成指導についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 橋向弘泰市民福祉部参事。 ◎橋向弘泰市民福祉部参事 業務継続計画につきましては、介護保険制度に関わる令和3年度の改正におきまして、感染症及び災害の発生時における業務継続に向けた取組み強化を図るため、3年の経過措置の中で全ての介護サービス事業所に対し、計画の策定が義務づけられたところであります。 帯広市におきましては、これまで市内事業所を対象に感染症発生時の対応などに関わる研修会等を実施してまいりました。今後、事業所自らが研修やシミュレーション訓練などを計画し、実施していくことが求められますことから、必要な取組みが適時適切に進められるよう、帯広市といたしましても分かりやすい情報提供などに努めつつ、実地指導等の機会を通じて、取組みの進捗確認とともに、必要な助言、指導を行っていく考えであります。 以上であります。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 介護保険制度が今後も安定的に継続していくために、自立支援、介護予防など、地域包括ケアシステムの推進や介護サービス提供量の確保は重要であると考えます。しかしもう一つ、サービスを利用する際の利用者側が負担できるかという視点も必要であると考えます。 先ほど質問した介護保険施設についても、収入の少ない人は負担感が大きくなるのではないか、また少ない年金で入所できるのかという不安もあるのではないか、施設利用料金等について、利用者負担軽減と情報周知について、市の考え方をお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 第八期計画策定に当たりまして実施いたしました介護サービスのアンケート調査におきまして、介護サービスの未利用者に対する調査につきましては、介護サービスを利用していない理由としまして、利用料の負担が重荷と回答している方が9%と一定程度いることから、市としましても課題として捉えているところでございます。 そうしたことから、低所得者に対する利用料の軽減につきましては、国の利用料や食費、居住費の負担軽減のほか、帯広市が独自に国の利用料軽減の対象者を拡充してきております。 また、グループホームや介護付有料老人ホームの運営事業者に対しましても、低所得者でも入居可能となるよう、段階的な料金設定につきまして働きかけを行ってきております。 次に、利用者負担軽減などの周知につきましては、広報おびひろや介護保険のパンフレットへの記載、市の出前講座のほか、ケアマネジャーに対しまして被保険者への情報提供をするよう要請をしてきております。 今後におきましても、介護サービスにおける情報等につきましては、ケアマネジャーや地域包括支援センターなどと連携を図りながら、丁寧な情報提供に努めてまいりたいと考えてございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 答弁をいただいた課題と働きかけ、そして周知について今後ともよろしくお願いいたします。 質問の最後となりますが、2020年度改正、2021年度4月施行では、8050問題に代表されるように、地域の問題が複雑化、複合化する中、高齢者、障害者、子供、生活困窮者などの相談窓口を一本化することで、より包括的な支援を可能にしようとしています。 ただし、具体的にどのような事業を展開するのかは市町村に判断が委ねられており、実効性を持たせることができるのかどうか、曖昧な点の多い施策となっているとお聞きしましたが、本市の見解をお伺いいたします。
    有城正憲議長 橋向福祉部参事。 ◎橋向弘泰市民福祉部参事 各種相談への対応といたしましては、これまで庁内の担当部署と関係機関が連携を図りながら、様々な相談に対応してきてございます。その中で既存のサービスだけでは対応できない、いわゆる制度のはざまの相談、そして複合的な困り事を抱える方の相談も増えてきてございます。 今後こうした問題に対応するため、包括的に支援するための体制づくりが求められてるものと捉えております。このため、本計画の上位計画となります第三期帯広市地域福祉計画では、施策の体系に包括的な連携体制の確立を位置づけており、複数の部署が関わる事案に対し、庁内連携のもと、円滑に対応するための手法の検討も開始したところであります。 今後こうした複雑かつ複合化した相談事、そして課題等については、地域の団体や支援関係者とも共有し、その対応策を協議するなど、連携を深めながら、より実効性のある体制づくりを進めていく考えであります。 以上であります。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 意見となりますが、厚生労働省の推計によりますと、2025年には必要な介護人材253万人に対して37万7,000人が不足するとされております。取りも直さず、その要因としてICTの活用が遅れているために、現場への負担を軽減できず、また薄給が追い打ちもかけて、2017年度の離職率が16%に達してたとのデータもあります。 産経新聞北海道版によりますと、札幌のある事業所ではケアプランを作成するシステムを2021年に導入し、きめ細かいプランを作成し、これまでの7時間から12時間程度の作業が大幅に省力化しているとのことです。この新システム導入で、定員88名の施設の場合、年間140時間の削減をすることができるとなっております。今後ICT化の整備が介護職員の負担の軽減につながり、働く環境整備と細かい介護サービスにつながることを願いまして、この質問を終わります。 続きまして、防災対策について2回目の質問に入ります。 事前復興について、国からガイドラインが示されていることは理解いたしました。また、災害発生時に、速やかに避難所開設等が行われ、被災者に寄り添った支援体制の構築に努めていただけることは、今までの質問で理解いたします。その後のプランをどう描くのかが復興再建の鍵となるのではないでしょうか。 そこで、事前復興を考えた上での帯広市の考え方についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 廣瀬総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 本市の防災に関する基本的な事項を定めております帯広市地域防災計画におきましては、災害復旧や復興につきまして、迅速かつ円滑に行うために必要な備えを行うという記載がございますが、お話の事前復興に関して具体的に定めてるものはございません。したがいまして、国のガイドラインに示された事前準備への対応を行っていないという状況でございます。 一方、近年全国で想定を超える災害が発生しておりまして、様々な自然災害リスクを事前に防ぐという必要性はますます高まっておりますことから、発災前からの平時の備えを中心に、ハード、ソフトの両面の施策を総合的に取りまとめました帯広市強靱化計画を今年度中に策定するところでございます。 強靱化計画は、災害に強いまちづくりという点では事前復興の考え方とも共通してございまして、この計画に基づき施策を推進することによりまして、被害を最小限に抑え、速やかに回復できる強靱な地域社会の実現に向けて取り組んでいく考えでございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 事前復興の考え方として、5つの項目について考えられております。 体制、復興を進めるに当たり、どのような体制でどの部署が主体となって進めていくのかを明確に決めている。 手順、どのような時期にどのような対応が生じるのかを把握、整理し、どのような手順で実行していくのか。 訓練、職員が市街地復興への理解と知見を得るため、復興訓練を行う必要があるのではないか。 基礎データ、どのような基礎データがあるのかを確認し、まちの課題を分析する必要性と、不足データの追加と充実、継続的な更新等、基礎データを整備していくこと。 目標、被害想定とまちの課題を基に、被災後の復興まちづくりの目標と実行方針の検討となっており、事前復興の考え方として、令和元年6月に全国の1,788の自治体を対象に調査をして、1,713の自治体からの回答がありました。体制について、29%、手順について、19%、訓練について、5%、基礎データについて、5%、目標についても5%となっております。 都道府県別に見ますと、東北、東京、四国、静岡県、和歌山県の体制づくりが進んでいます。首都直下型地震や南海トラフ地震の地域に当たります。このことからも、千島海溝地震の可能性が高い帯広市もその対応が迫られると考えます。 次に、避難所における備蓄品について、これまでの自然災害が発生した場合の備えに加え、感染症への備えが必要となってきております。そうした備蓄品の充実も進めてきていると思いますが、備蓄品全体の整備状況についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 廣瀬総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 避難所におけます備蓄品のうち、感染症対策用のマスク、手指消毒用アルコールなどにつきましては、予定していた数量を確保したところでございます。 また、備蓄品につきましては、これまでも備蓄基準を定めまして整備を進めてきたところでございますが、今年度被害想定の見直しに伴いまして備蓄基準の見直しも行いましたことから、今後新たな基準に基づき、複数年度にわたりまして整備を行っていく考えでございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 万が一、大規模災害が発生して、全国から様々な支援、支援品が届くと想定し、その支援品を集積、管理するための対応についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 廣瀬総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 災害時におけます支援物資の集積場所につきましては、帯広地方卸売市場株式会社様と倉庫の利用等に関する協定を締結いたしまして、確保を図っているところでございます。 国などから支援物資が届いた際には、この協定に基づきまして集積場所として施設を利用させていただくとともに、管理運営も行っていただくと考えてございます。 なお、支援物資の集積場所につきましては、複数箇所を確保していくということが必要と考えてございまして、今後他の自治体の状況等を調査研究していく考えでございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 今般の新型コロナウイルス感染症関連において、避難所における感染対策として備蓄する物品等について、専門的な意見などを反映してきたのかをお伺いいたします。 ○有城正憲議長 廣瀬総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 避難所におけます感染症対策として備蓄する物品などにつきましては、マスクの使用や手指消毒用アルコールの濃度をなどにつきまして、また感染症に対する有効性などを庁内の保健部門など関係部署と協議をしながら、必要な物品等の備蓄を進めているところでございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 次に、災害が起きると上下水道が分断されるが、そこで上下水道事業継続計画(BCP)についてお伺いいたします。 近年、豪雨や台風により大規模水害が発生しているほか、最近では先月福岡県沖を震源とする地震があり、最大震度6強を観測するなど、特に地震の発生リスクも年々上昇傾向にあると感じています。 このような状況を踏まえ、上下水道部では災害時における優先対応業務などを時系列にまとめた上下水道事業継続計画、BCPを平成28年度に策定したと聞いておりますが、改めて当該計画の策定趣旨についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 倉口雅充上下水道部長。 ◎倉口雅充上下水道部長 業務継続計画につきましては、大きな災害や事故などにより被害を受けても重要な業務を中断させないことや、中断したとしても、可能な限り短期間で業務を再開できるようにするための行動計画であります。 上下水道事業の業務継続計画につきましては、上下水道施設が市民生活にとって重要なライフラインの一つであり、災害時においてもその機能を維持、または早期に回復することが必要不可欠であることを踏まえて策定したものであります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 災害時においては、水道の断水等では給水車などによる対応となる一方、下水道の場合はこのような代替手段が確保しにくいことから、地震時に壊れない耐震性能も求められます。帯広市の下水道施設は、どれくらいの地震を想定して整備を行っているのかを伺うのと、耐震性は確保されているかを併せてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 倉口上下水道部長。 ◎倉口雅充上下水道部長 下水道管につきましては、地震の揺れや液状化現象による管の破損、マンホールの飛び出し等の被害があっても汚水を流すことができる必要最低限の下水道機能の維持が求められております。 国では、阪神・淡路大震災や東日本大震災などを踏まえ、下水道施設について震度6強相当を基にした耐震基準が示されており、帯広市においてもこの基準に基づき整備を進めてきているところであります。 また、帯広市では平成26年度に下水道管の耐震診断及び液状化判定を実施し、全ての下水道管について、現行の耐震基準に適合していることが確認されております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 帯広市の下水道設備については、震度6強の地震を想定した整備をしており、耐震性能も有しているとの答弁でありますが、一般的に大地震が発生した場合における下水道施設の被害とその対応方法についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 倉口上下水道部長。 ◎倉口雅充上下水道部長 大規模な地震が発生した場合、一般的な下水道施設の被害といたしましては、管やマンホールの接合部分の破損、管のたわみ、それらをはじめ、地盤や地下水位の状況によっては液状化による管やマンホールの浮き上がりなどの被害が想定されているところであります。 こうした被害により管路内に土砂などが流入し、管が閉塞するなど、下水道機能が停止することが予想されます。そのため帯広市の下水道業務継続計画では、こうした被害が発生した場合にはマンホールなどから汚水があふれないように吸引車などでくみ取る対応をはじめ、仮設ポンプや仮配管、これを配置することによりまして下水の流下機能を確保することとしております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 先般、地元紙に帯広川下水処理場の汚水処理機能を十勝川浄化センターへ統合するとの記事が掲載されていましたが、今後統合後における災害時の対応などについて、下水道BCPに反映することも必要であると考えますが、帯広市の考え方についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 倉口上下水道部長。 ◎倉口雅充上下水道部長 帯広川下水終末処理場と十勝川浄化センターとの汚水処理施設の統合により、十勝川浄化センターへ汚水を送るポンプや圧送管などが新設されるほか、帯広川下水終末処理場につきましても合流区域の雨水処理機能が残されるため、こうした変更点を踏まえ、現在の下水道業務継続計画について、災害時の対応など必要な見直しを検討していきたいと考えております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 木幡議員。 ◆15番(木幡裕之議員) 最後、意見となりますが、市民の生活の利便性から、施設の統合や新設により変化していくことはよいことだと思います。それに伴い、上下水道事業継続計画、BCPが改定されていくことは大切なことと捉えます。防災対策に係る事前費用はなかなか計上されにくく、災害復興費用は潤沢に予算立てられる傾向があります。復興費用で訳の分からないものが作られたりすることが全国に往々にして見受けられます。 今回の事前復興は、港町や首都圏では進んでおりますが、内陸地や災害の被害が過去に少ない地域では進んでいないのが実情です。しかし、奥尻、神戸、東北、胆振と、今まで災害の少ない地域に一たび災害が起きると壊滅的な被害となることは皆さんも理解していただけると思います。本当に必要なものが迅速に設置され、災害後の帯広のまちづくりにつながる復興計画の立案を災害前に用意することが、想定外をなくすことにつながります。そのことは政治の役目と思っております。事前復興計画の必要性を要望して、私から全ての質問を終わります。 ○有城正憲議長 以上で木幡裕之議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。         午前11時35分休憩         ────────         午後1時0分再開 ○有城正憲議長 再開いたします。 次に、西本嘉伸議員から発言の通告があります。 17番西本嘉伸議員、登壇願います。   〔17番西本嘉伸議員・登壇・拍手〕 ◆17番(西本嘉伸議員) それでは、通告に従いまして順次質問させていただきます。 私からは、2点質問させていただきます。 最初に、帯広市の文化遺産保護の現状と課題についてでございます。 文化遺産というと、テレビ番組での映像に表れる寺院や世界的に有名な建造物や遺跡などを思い浮かべがちですが、言語、音楽、舞踏、手工芸、祝祭など、無形の文化遺産は各国、各民族にとって精神文化の象徴であり、同時に人類共通の貴重な財産です。 グローバリゼーションの進展に伴い、国際社会において文化の多様性の尊重、認識について、近年活発に議論されています。特に各民族の文化的な同一性の根源をなす無形文化遺産の保存、振興の重要性が世界的に注目されています。 無形の伝統文化は、一度失われてしまえば二度と取り戻すことはできません。アフリカでは、老人が1人死ぬことは図書館が1つ焼失することに値すると言われています。近年、伝統技芸保持者の高齢化及び継承者の不足などにより消滅の危機に瀕している無形文化遺産が少なくなく、その保存、振興の緊急性が極めて高い状態となっています。国内においても状況は同じ方向にあると感じております。このような状況においても、歴史や文化を後世に残し、引き継いでいくことが現在を生きる私たちの使命であり、存在価値であるとも言えます。 昨年からのコロナ禍のもと、十勝・帯広の歴史に触れる書籍が昨年発刊されました。市内の書店に平積みされ、多くの方が触れたと思うのが乃南アサさんの著作「チーム・オベリベリ」です。私も発刊後、早い時期に購入していましたが、なかなか手が伸びず、やっと昨年の暮れに読み、フィクションではありますが、主人公の渡辺カネと晩成社による帯広の開拓、アイヌの人の知恵を借りながらのきれいごとでは済まされない生きざま、開拓の歴史、先人の苦労が凝縮された物語でありました。 ここで私ごとですが、私の先祖の話に触れさせていただきます。 我が家の先祖のことで史実と違うかもしれませんが、記録としては残っております。父方の先祖は、広島県世羅郡広定村字7、現在の三次市に当たります。先祖代々稲作づくりを営み、明治の初め、当時の政府の方針により氏を名乗ることになり、各自希望の氏をつけることが許され、西本の家は西の山の麓にあったから西本とつけられたと記録されています。また、現在でも北海道に渡る前に養子に出した子孫が代々墓を守ってくれており、遠く離れた十勝平野に、血縁関係はあるとはいえ、ただただ感謝にたえません。 話は戻りますが、その後、その筋の許可を得て、広島でたばこ製造工場を建設し、数年経過、この頃北海道開発のために移住民の募集が大々的に宣伝され、北海道には立木がふんだんにあり、土地もどこでももらえるとの好条件に魅力を感じ、隣近所の希望五、六人を誘い、木びきのこ1丁を持って来道、大津から川を上り札内へ入植、晩成社から遅れること約15年、明治32年のことでした。晩成社の記録にも、明治30年頃から多くの移民が殺到とも記録されています。 その後、住宅の火災により明治32年に豊頃、明治40年に上札内に移転、現在の大正地域には大正8年に移転したとを書き残されています。また、お寺さんやそれぞれの手に職を持った人たちと入植したとの話も伝え聞いており、真実が不明な点もあります。 このような状況の中、広報おびひろ1月号掲載の新春対談未来を信じる帯広~はじまりのはじまり~では、「チーム・オベリベリ」の著者乃南アサさんと米沢市長の対談が掲載されていました。約140年前に大津から川を上り、原野であった帯広の開拓の歴史から、市長として何を思い、現在のコロナ禍の状況と今後の帯広をどのように導こうとするのか、お伺いをします。 次に、物流の現状について伺いたいと思います。 現在でもコロナ禍による影響が続いており、早く収束を願うところです。また、ありふれた日常のありがたさ、大切さを改めて感じてるところです。 昨年の今頃は、中国やEU諸国からの物流が滞り、製造業を中心として影響が顕著に表れ、今や必需品となった不織布マスクなどが調達できない状況は記憶に新しいところです。世界のグローバル化により、資材の調達、製造、組立てが一体どこの国で行われてるのか、想像がつかないのが現代の物流の状況です。 国際的な状況の中、日本国内においても物流の状況は都市部への一極化、地方の過疎化が着実に進行しています。輸送コストの上昇や事業者の人員不足など、物流を取り巻く状況が厳しさを増す中で、地方都市帯広としての物流、流通を維持していくためには、まず北海道特有の物流の状況と課題を踏まえておく必要があります。 北海道には、基幹産業の農産輸送など、季節による輸送量の問題を抱えています。例えば、野菜などの葉物は冬場の4か月ぐらいは荷がほとんどない、出回らない状態。繁忙期を基準にトラックや倉庫、人員を確保するのは当然効率的ではありません。また、牛乳を運ぶタンクローリーは牛乳しか積めず、牛乳専用車となり、水やほかのものを積むことはできません。帰りは荷物のない、俗に言う片荷状態となります。これが北海道特有の状況ともいえます。 物流は、人々が生きていく上でライフラインであり、運転するドライバーはエッセンシャルワーカーでもあります。今後の先行きを考慮すると、気になる点も出てきます。 そこでお伺いしますが、帯広市における物流の重要性について、どのような認識を持っているのかをお聞きし、1回目の質問といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 西本議員の御質問中、帯広市の文化とまちづくりについてお答えします。 十勝・帯広には、アイヌの人たちが暮らす地に、明治16年にくわを入れた晩成社をはじめ、全国各地から開拓移民が入植し、厳しい自然環境と向き合いながら開拓を進めてきた歴史があります。苦難と挑戦の連続であった暮らしの中で、農作物の収穫を祝うお祭りや行事などは日々の生活に潤いを与え、明日への活力や希望につながっていたのではないかと思います。 開拓の労働力として人々と苦楽を共にしてきた農耕馬は、その力を試すお祭りばん馬を経て、ばんえい競馬に発展し、開拓の歴史を伝える文化として継承され、現在では観光振興や地域活性化に欠くことのできない大きな役割を果たしています。長い時間を経て形づくられてきた地域に根差す文化は、郷土への愛着や誇りを培いながら、今日の帯広の発展を支えてきたものであります。今後も将来の発展を支える活力の源として後世へ継承していくことで、この地の持続的な発展につなげてまいる考えであります。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 和田亮一都市環境部長。 ◎和田亮一都市環境部長・新総体整備推進室参事 御質問中、物流についてお答えいたします。 物流は、輸送や保管、流通加工などのソフトと、道路や鉄道、港湾など、ハードが一体となることで機能が発揮され、産業や市民生活を支える重要な社会インフラであると考えております。道央圏やオホーツク圏、釧路圏との高速交通ネットワークの充実などによりまして、十勝・帯広は東北海道における物流やビジネス、交流などの拠点としての機能が高まりつつある状況にあります。このため産業などの振興に寄与しているものと考えているところでございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) それぞれ答弁ありがとうございました。 それでは、順に質問させていただきたいと思います。 まず、アイヌ文化の継承と保全ということでお伺いさせていただきます。 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶという有名なことわざがあります。歴史を経て、なお残された言葉、長い間人々に語り継がれた言葉は、我が身を立ち止まったり、振り返ったときに、人生の指針となったり、生きる判断材料や、時として反面教師となり、ふだん何げない日常を送っている私たちにも、少なからず心の指針となっていると思います。 帯広の開拓の歴史は、アイヌ民族の歴史から学んだ知恵や手助けにより開拓が進んできました。帯広の開拓の歴史におけるアイヌの存在と、時を経た現在における歴史、文化の継承と理解促進の責務があると考えますが、市の認識と取組みについてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 井上猛生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 帯広市では、平成7年、全国の市町村に先んじて、帯広市ウタリ総合福祉推進計画を策定いたしまして、平成17年には帯広市アイヌ施策推進計画と名称を改め、総合的な施策を進めてまいりました。令和2年度に策定いたしました帯広市第三期アイヌ施策推進計画では、アイヌ民族への理解促進を基本方向の一つに位置づけており、それに基づく取組みを進めているところでございます。 令和2年度からは、国の交付金を活用した情報発信事業も行っておりまして、新年度令和3年度におきましては百年記念館の常設展示室デジタルコンテンツ制作など、緑ヶ丘公園の社会教育施設連携によるアイヌ文化ふれあいゾーンの形成事業を予定しているところでございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 帯広市第三期アイヌ施策推進計画に基づいて、交付金などを活用しながら事業を予定しているとのことで、取組みについては理解をいたしました。 先住民族アイヌの多様な文化の継承と復興は重要であります。アイヌの伝統芸能は、儀礼や遊び、仕事、育児など、祈りや暮らしの中でカムイとともに存在するために演じられてきました。アイヌの古式舞踊は、昭和57年に国の重要無形民俗文化財に指定されており、その継承をカムイトウウポポ保存会が担っています。帯広市における保存会の現在の活動状況についてお伺いをします。併せてカムイトウウポポ保存会に対する市の支援の取組みについてもお伺いいたします。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 カムイトウウポポ保存会は、昭和30年頃活動を始められました十勝アイヌウポポ愛好会、これを前身といたしまして、昭和39年に現在の名称に変更されております。令和元年度の会員数でございますが48名、公演回数は32回と把握しているところでございます。 保存会に対する支援につきましては、平成15年度より帯広市文化財保護条例に基づき、事業費の補助を行っておりまして、令和3年度では24万円の予算を計上してるところでございます。公演のあっせんや準備などの協力についても、併せて機会あるごとに行ってきたところでございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 保存会に対する支援は帯広市の文化財保護条例に基づいているということで、内容は理解をするところであります。今後とも長期的な支援についてお願いをしたいと考えております。 次に、お伺いをいたします。 平成31年度には、アイヌ新法が成立するなど、近年は国や道がアイヌ文化の継承と復興に力を注いでいます。令和2年には、国が主導し、白老町に民族共生象徴空間としてウポポイが、コロナ禍の中で延期はあったものの7月にオープンし、節目の年となりました。国立アイヌ民族博物館やアイヌの歌、踊り、語りなどを体験できる交流ホールも併設し、アイヌ文化の理解促進に関する取組みは、ウポポイが今後軸になってくると考えられ、今後に期待をしてるところでありますが、ウポポイと帯広市のつながりや相互連携の取組みについてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 民族共生象徴空間ウポポイでございますが、アイヌ文化の復興と発展のための拠点となるナショナルセンターでして、主に国立アイヌ民族博物館と国立民族共生公園で構成されております。設立の準備段階から帯広百年記念館の学芸員でございました調査官をはじめ、帯広市出身のアイヌの方が実際に参画されまして、現在も活躍されているところでございます。 ウポポイと帯広市の連携につきましては、オープン前から道内の研究者や博物館関係者によります国立アイヌ民族博物館ネットワーク協議会設立準備委員会が組織されまして、連携の在り方が検討されてきておりますが、こちらに帯広百年記念館の職員も委員として携わってきております。本格的な相互連携事業については、令和3年度以降に実施していく予定となっております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) ただいまの答弁にありましたけど、帯広市のつながり、学芸員さん、またアイヌの方が行っておられるということで、今後また相互連携事業についてもよろしくお願いしたいと思います。 それでは、この点について、意見として申し上げたいなと思います。 アイヌ文化の継承と保全ということでお伺いしたわけですけども、アイヌの人々は古くから北海道を中心に居住し、樺太や現在のロシア領のほかの少数民族ともつながり、それぞれの文化、様式を形成してきました。また、長い歴史の中で、熊の霊送り儀式に象徴される世界観やアイヌなどの文化的特色を育み、独自の言語であるアイヌ語を現代まで保持しています。 先ほども触れましたけれども、帯広のくわ入れはアイヌの人々との知見と助けと協力があってこそ、世代を引き継ぎ、現在の帯広の発展の礎ともなっていると思います。しかしながら、全国的に見ると、アイヌの歴史や文化について、国民的な理解は残念ながらまだ深まっていないと考えております。アイヌの人々の民族としての誇りが尊重できる地域づくりのためにも、帯広市のさらなる支援と情報発信をより一層努めていただくことをお願いして、この質問については終わりたいと思います。 次にお伺いをいたします。 アイヌの歴史認識や文化の継承について伺ってまいりましたが、帯広市にはほかにも歴史的価値の存在や、守っていかなければならない文化財や遺跡の出土品などが所在していますが、帯広市における国や道の指定も含めた文化財の指定、登録状況についてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 帯広市には、アイヌ古式舞踊のほか、旧双葉幼稚園園舎、北海道八千代A遺跡出土品などの国指定文化財が5件、宮本商産旧本社ビルが該当する国登録文化財が1件、大正のカシワ林など道指定文化財が3件、市指定文化財が8件所在するほか、埋蔵文化財包蔵地、こちらが63か所登載されてるところでございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) ただいま答弁にあったんですけれど、国の指定文化財が5件、国の登録文化財が1件、道の指定が3件、市の指定文化財が8件、また埋蔵文化財包蔵地が63か所ということで、現在の登録状況については理解をいたしました。また、今後も文化財の保護や歴史価値を有するものは後世に伝えていかなければならないと思っております。 市内には、今お話ししたような指定文化財以外にも民俗、芸能、伝承に関わる取組みがあると思います。その一つとしてお話をさせていただきますけれども、私の住む大正地域においては、昭和の初期から受け継がれている宮神楽があります。過去を遡る話となりますが、小樽から雅楽と舞が伝えられ、現代に至っています。 当時管内においても雅楽を奏でる奏者はおらず、当時の大正村在住者で共有し合い、帯広神社などに教え伝え、十勝に広がりを見たと聞き及んでいます。また、帯広市図書館には、昭和47年頃、宮神楽の映像保存のために撮影されたビデオもあり、エンドロールには教育委員会の名前も記されており、当時から宮神楽の重要性の認識を持ち合わせていたと理解をしているところであります。 地元では、帯広市における文化財の指定を願う声があります。無形文化財は伝承者がいないと途切れてしまい、継続することは多大な労力と情熱が必要不可欠です。また、大正地域にはもう一つ、昭和4年に作られた、通称お地蔵さんが帯広空港に行く途中の交差点に鎮座、地域住民の協力により風雪にも耐え、保存状態もよく、現存しています。33体が並び、札幌軟石で作られ、1体当たり設立時20円とも500円とも聞いたことがありますが、当時紙幣がお金として出回っておらず、苦労したこと、畑1個分、現在の5ヘクタールもしくは10ヘクタールの土地とお地蔵さん一体が同じ価格であったこと、現在で考えれば考えられないぐらいの建設費であり、先人の思いに心が動かされます。 余談になりますが、当初から今日まで毎年7月15日に祭典を行っています。昭和30年代には舞台を作り、演芸や市街地からの楽団を迎え、学校も休みとなり、当時の盛大なお祭りでもありました。大正地区も、他町村でも昔からの農耕馬に感謝する馬頭観音慰霊祭も同じ7月15日に執り行っておりますが、晩成社の開拓記念日も7月15日であります。偶然であるのか、晩成社の開拓記念日に合わせたのか、史実に表すものは確認できていません。 そこでお伺いするわけですけれども、帯広市における文化財の指定の基準や指定の進め方、基本的な考え方についてお尋ねをします。 また、それを踏まえて、地域住民の願いに応え、宮神楽保存会による大正宮神楽が市の文化財に指定される可能性があるものか、その将来性についてお聞かせ願いたいと思います。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 帯広市の文化財指定の基準、進め方でございます。 国または道の指定するものを除きまして、市にとって特に文化的な価値が高いものを指定するものでございまして、所有者や占有者などの同意を得ること、無形文化財の場合は、保持者または保持団体の認定が必要となります。さらに、指定や認定に当たりましては、文化財審議委員会の意見をあらかじめ聞くこととしております。 お話のございました大正宮神楽でございますが、昭和21年に大正神社のほうに伝わり、その後昭和28年に現在の大正宮神楽保存会の前身となる協賛会が設立され、以来今日まで継承されてきたと伺ってございます。その経緯からすれば、地域への文化的な貢献度は大きいと思われます。 なお、お聞きしたところによりますと、無形文化財として価値評価を判断する調査研究、こちらのほうが行われていないということもございまして、直ちに指定の段階へ移行するということは手続上難しい状況にございますけれども、今後評価が定まっていきますとともに、文化財としての価値が広く理解されることになれば、指定に向けて可能になるということも認識してございます。 以上です。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 冒頭に話したとおり、大正地区に70年以上伝わる宮神楽についてお伺いしたわけなんですけども、当時協賛会が設立され、伝統芸能として舞と雅楽を代々受け継いできています。地域資源として貴重であり、文化財としての価値を広く市民に理解してもらいたいと、現在の協賛会や地域の方々は切望をしています。このような民俗芸能は、後継者や伝承者の協力と地道な活動の上に成り立っています。今後指定に向けた理解促進や地域資源としての魅力発信に御協力を切にお願いをしたいと思います。 次にお伺いをしたいと思います。 政府は、本年2月5日、無形文化財と無形民俗文化財の登録制度を新設する文化財保護法改正案を閣議決定しています。これまでの指定制度より基準を緩和し、継続が危ぶまれる地域の郷土料理や祭りなどを幅広く保護することが狙いです。今、国会での成立は確実と思われています。 文化庁は郷土料理のほか、祭りや雅楽などの民俗芸能、茶道、華道の登録を想定し、首相が施政方針演説でユネスコの無形文化遺産登録を目指すと言及した日本酒や焼酎づくりも対象となる報道がされています。具体的には法案成立後になりますが、本市としても情報収集や先を見通した取組みを検討すべきと考えますが、帯広市の所見をお伺いいたします。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 国の文化財の登録制度の改正の動きにつきましては、指定よりも緩やかな保護措置にとどめることで幅広く保存活用を図ろうとするもので、既に有形文化財や天然記念物には設定されておりますが、無形文化財、無形民俗文化財については未設定のままであったものでございます。 このような取組みに当たっては、国の文化審議会の企画調査会、こちらのほうにおいても未指定の文化財を含めた調査や候補の把握が不可欠とされておりますので、まずは市内にどのような帯広市ならではの文化的資源、こういったものがあるのかといった把握に努めることが必要であると考えてございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) ぜひ帯広ならではの文化的所産の把握に努めていただきたいと考えます。 様々な社会環境の変化は、帯広市においても例外ではありません。文化財の維持管理は基本的に所有者が行うものと認識していますが、特に無形文化財については過疎化や高齢化など、社会状況の変化により、その継承が大きな課題となると言われています。そうした課題に対しての取組みも必要となってくると考えますが、市の認識をお伺いいたします。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 今回の無形文化財と無形民俗文化財の登録制度、こちらについての背景として、コロナ禍によって継承活動に影響が生じるといった議論から生まれたものと認識しているところでございます。ただ、こういったものに登録をするだけで即効性のある解決策になるのかについては、現段階ではまだ不透明でございますので、個別の事例に即した取組みが必要と認識してるところでございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) ただいまの答弁がありましたように、状況については理解をするところでございます。 次にお伺いをいたします。 文化財保護の所有者や継承者に関わる課題について触れてきましたが、文化の継承は地域の歴史や存在価値を示してくれる貴重な財産であると思っています。文化財の指定の有無にかかわらず、地域資源として守ることは地域に住む者の責務でもあります。 一方で、市民や文化財を身近に感じる機会を増やす取組みも重要となってきます。そのためには、市の支援もある程度必要ではないかと考えますが、本市の見解についてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 文化財の理解促進に関しましては、市の事業においても様々な場面で取り組んできたところでございます。 昨年3月に策定いたしました帯広市教育基本計画では、ふるさとの伝統文化に対する誇りと愛着を育むために、文化財を通じた多様な学習機会を提供することなどを位置づけてございます。 個別の支援に関しましては、公開でありますとか、公演の際に周知活動などの協力をしているほか、国や道の補助制度、企業助成等々の紹介や相談なども随時行っているところでございます。 支援の在り方につきましては、文化財それぞれに異なる課題や特徴がございますので、個別の事情に合わせて対応することが必要であると認識しております。状況に応じ、所有者、継承者との話合いの場を持ちながら、適切な対応に努めてまいりたいと考えてございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 適切な対応に努めてまいりたいということでございますので、よろしくお願いをしたいと思います。 文化財などの歴史的価値は、後世に判断を任さなければならないと思いますが、未来に向かって、現在でも価値のありそうなものは守り、保存していかなければならないと考えますが、本市における考え方についてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 基本的に文化財は先人から受け継がれ、歴史的、伝統的価値から評価された文化的な資源であるとも認識してございます。 国の保存活用に関する考え方が、先ほどのお話にもありましたように、裾野を広げていくという方向になっておりますことから、そういった動向も見据えながら、具体的にどういったものがその対象として想定されてくるのか、個別に対応を考えていくことになると考えてございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 今答弁をいただいたんですけども、続いて関連してお聞きしていくんですけど、歴史的な価値ということでお聞きをしたいと思うんですけど、例えば現在売上げが好調なばんえい競馬においても、帯広の開拓と馬の存在は切り離すことができません。 帯広の開拓は農耕馬とともに歩んできました。競馬場の所有者である十勝農協連も、農耕馬の関わりからスタートした歴史があります。現在厩舎の建て替えが計画的に進められて、現在22棟が建て替えを待っている状況であります。歴史的価値を見いだせるなら、一部でも保存することが必要であると思いますし、一方で映像媒体などによる保存などの方策もあり得ると思います。また、ほかに認識されていない重要な歴史的価値の存在もあり得ます。ばんえい競馬を例に挙げました。 そこでお伺いするんですけど、観光と歴史的資産、文化財は密接につながると認識しているところですが、このことについて基本的な考え方や取組みについてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 礒野照弘経済部参事。 ◎礒野照弘経済部参事 旅行の個人化とニーズの多様化が進む中で、地域の歴史や文化、風土などは地域を理解できる重要な観光資源であると認識しており、帯広市ではこれまでもばんえい競馬を含めた馬文化や市内の文化財や歴史的建造物などを観光パンフレットに掲載するなど、情報発信を行っております。 また、今年度より国の交付金を活用し、アイヌ伝統舞踊の観光コンテンツ化事業を実施しており、帯広カムイトウウポポ保存会のアイヌ古式舞踊等の認知度向上と観光コンテンツ化に向けた取組みを始めたところであります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 観光資源としての歴史文化の関わりについてお伺いいたしました。国の交付金を利用して取組みを始めたということで、今後の展開に期待をしたいと思います。 次にお伺いをさせていただきます。 生物多様性の保全ということでお伺いしていくんですけども、文化財の保護と並行して野鳥や天然記念物など、近年では道東地域に生息するタンチョウなども帯広市周辺地域にまで生息エリアを広げており、近い将来、帯広の空に姿を見ることができるかもしれません。 このようなことからも、多様な動植物が生息するための自然環境を守り、帯広市の生物多様性を保全することが重要と考えますが、生物多様性に対する市の認識と本市における取組みの現状についてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 小野真悟都市環境部参事。 ◎小野真悟都市環境部参事 私どもの暮らしにつきましては、生物多様性を基盤といたします生態系から得られる恵みであります清澄で豊かな水や良質な農産物を生産する土壌など、豊かな自然環境に支えられております。 帯広市では、第三期帯広市環境基本計画に基づき、特定外来生物対策や市内の優れた自然を活用した体験学習、生物多様性に関する情報発信、自然環境に配慮した工事等の実施など、生物多様性の保全に向けた取組みを進めてきてございます。 こうした取組みによりまして、生物の多様性を維持するとともに、そこから得られます生物多様性の恵みを次の世代に引き継いでいきたいと、このように考えております。 以上です。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 生物多様性を保全するには、生物たちが暮らすある程度の大きさを持ったエリアを保全することが重要と考えますが、帯広市における保全地区の現状についてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 小野都市環境部参事。 ◎小野真悟都市環境部参事 本市一体はカシワやヤチダモなどの落葉広葉樹を中心とした原生林で覆われておりましたが、開拓とともに森林が宅地や農地に変わってきましたことから、多くの生き物たちが暮らす一定の広さのある森林などの緑を保全する取組みを進めてまいりました。 市内には、環境緑地等保護地区や帯広市自然環境保全地区など、北海道の条例や市条例に基づき指定をされました22の地区等におけます自然環境の保全措置によりまして、多様な動植物が生息するための良好な環境を維持しているほか、市街地には帯広の森をはじめとした公園、農村地区の防風林、山間地区の日高山脈の森林などの豊かな自然がございます。 今後も帯広市自然環境保全地区の監視など、生物多様性を支える森林などの自然環境を保全する取組みを進めてまいります。 以上です。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) この点については意見として述べさせていただきたいと思います。 市内には、環境緑地等保全保護地区や帯広市自然環境保全地区など、市街地には帯広の森をはじめとした公園、農村地区には防風林や山間地区の日高山脈の森林など、豊かな自然が存在しています。また、帯広市の市街地を取り巻く農村地区には、食料を生産、供給するだけではなく、その生産活動を通じて国土の保全、水源の涵養、生物多様性の保全、良好な景観の形成、文化の継承など、多面的な機能を有しています。 こうした豊かな自然環境に恵まれた農業農村での多面的な機能は、長い年月をかけて脈々と形づくられるものでありますが、市内の森林などの自然環境の保全も、同じように長年にわたる地道な保全の取組みが重要となります。将来につなげるためにも、市内の生物多様性を保全するため、継続した取組みをお願いするものであります。 次にお伺いをしたいと思います。 次は、帯広市における物流の現状と次世代物流システムの構築ということでお伺いをさせていただきたいと思います。 まず、農産品の物流状況ということでお伺いをさせていただきたいと思います。 帯広市における基幹産業の農産物を例に、物流についてお伺いをしたいと思います。 十勝・帯広の主要農産物は、バレイショ、小麦、てん菜、豆類、野菜類の長いも、大根など、生産量の多い農作物です。例えばバレイショは、生食用、加工用としてポテトチップス、でん粉製品などになります。輸送手段の一例として、小麦は乾燥調製され、広尾にあるサイロに保管され、十勝港から本州に運ばれています。その間に長いも、大根、乳製品など、それぞれの輸送ルート、輸送手段により、主に本州方面に運ばれていますが、帯広の基幹産業である農作物の輸送方法等をどのように把握しているのか、お伺いをいたします。 ○有城正憲議長 池守康浩農政部長。 ◎池守康浩農政部長 当地の農畜産物輸送は、主にホクレンや農協が荷主となっており、輸送手段は鮮度や量、輸送先までの距離、コストなどを勘案して決められております。 道外への主な輸送方法は、トラックで道内の港に運ばれ、フェリーや貨物船で本州に移出されております。バレイショはトラックにより10トン単位で目的地へ輸送されているほか、長いも、大根など生鮮野菜は、鮮度維持のため、冷蔵設備を整えたトラックを利用して輸送されております。また、鮮度等の影響を受けにくい品目や比較的小さいロットの場合などに鉄道輸送を活用しているところでございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 次にお伺いしますけれども、帯広の主力農産品である長いもは、海外に輸出され、広く消費されていますが、どのような輸送方法やルートで輸出されてるかについてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 長いもの輸出につきましては、当地からトラックで苫小牧港へ輸送した後、フェリーで横浜や東京の港を経由し、主な輸出先となる台湾へ、またアメリカについては主たる消費地である東海岸に直接輸送されるルートや、西海岸からトラックで東海岸地域へ輸送されるルートもございます。 輸送ルート等は、販売先の貿易会社が出港時間や料金、受注内容の状況などに応じて利用する船舶などを選択していると伺っているところでございます。 ○有城正憲議長 西本議員。
    ◆17番(西本嘉伸議員) 帯広の強みである農業の競争力強化、農業者の所得向上には、物流の安定的な確保やコストの削減が必要となります。現状の農産品物流は切迫しており、生産者が思うように運べない、小ロットじゃ物流費が高くなるなどが指摘されています。農産品の流通は、生産構造や品目の特性、消費者ニーズに対応していかなければなりませんが、このような状況を踏まえ、当地の物流に関する課題についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 流通の課題につきましては、収穫期などに貨物の取扱いが集中するため季節変動が大きいことや、農畜産物の往路に対し、復路に積む荷物が少ない、いわゆる片荷輸送が起きているほか、小ロット輸送となる農産物などにおいて物流コストが高くなるなどの課題があるものと捉えているところでございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 今、部長から答弁があったんですけれど、季節変動、物流コストなどの課題があるということで、私も同じだと考えております。 そこで、また次にお伺いしたいと思います。 次に、物流の輸送手段ということをお伺いするんですけれども、輸送手段としては様々な手段、方法があると思います。JR貨物による輸送では、帯広からは西帯広の貨物駅から積込み、本州方面へ、平成30年度の実績で、十勝管内からの荷物となりますが、5トンコンテナ7万個強、約36万トン、そのうちバレイショ、砂糖、野菜、豆類で24万トン、約7割が農産物であるということであります。 また、帯広からは鉄路で東室蘭、函館、青函トンネルを通って、関東圏には太平洋ルート、関西圏には日本海ルートで向かっております。首都圏の貨物輸送の北の玄関である隅田川駅には、最速でも約21時間をかけて到着し、多方面に配送されています。およそ1日当たりの発着列車は39本で、そのうち11本が道内からの便となってるのが現状であります。 現在、安定的な輸送になっているJR貨物ですが、今後輸送される物流課題も抱えています。また、その他の輸送手段としては空と海があると考えますが、そこでお伺いするんですけども、鉄道輸送、航空輸送、海上輸送のメリットとデメリットについてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 鉄道輸送は、全国のネットワークがあり、時間、価格、量のバランスもよく、十勝における農産物の輸送方法の一つとなっております。一方、先ほどもお答えさせていただきましたが、貨物量の変動や片荷輸送の課題もあるものと捉えているところでございます。 航空輸送は、短時間で運搬できるメリットはあるもののコストが高く、また機材の関係から、とかち帯広空港からの通年でのコンテナ利用ができないことから利用が少ない状況にあります。 海上輸送は、一度に多くの貨物を運搬できる一方、他の輸送手段より時間がかかるとともに、急な増便が難しいことから、小麦など日もちする農産品や木材などの定期的な運搬に利用されているところでございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 今、輸送手段としてということでお伺いしたんですけど、次に輸送距離の問題としてお聞きをいたします。 現在JAなどでも輸送業務はぎりぎりの状態で、台風や事故などがあれば即座に輸送が止まり、市場への供給ができなくなります。また、近年では運行管理などの要件により、複数箇所での荷下ろしができず、中央卸売市場だけ、地方の市場に潤沢に物を下ろせない状況も近年の問題であります。 先ほども触れましたが、北海道特有の問題とされるのが輸送距離の問題であります。日本各地との距離と時間で比較すると、東京卸売市場まで、帯広から約1,300キロ、約22時間、青森から700キロ、10時間、高知から800キロ、12時間、宮崎から1,400キロ、19時間ですが、宮崎は陸路での輸送が可能で、輸送手段としては選択肢は北海道より恵まれてるのが現状であります。 このような地理的距離の環境下における帯広市の物流の状況と交通ネットワークも気になるところでありますが、北海道内、十勝管内における貨物輸送量と輸送方法についてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 平成30年度の北海道全体の貨物輸送量は約4億5,200万トンで、そのうち道内輸送が9割、道外輸送が1割となっているところでございます。また、十勝全体の貨物輸送量は約5,200万トンで、管内輸送が7割、管外輸送が3割となっております。輸送方法につきましては、道内輸送のほとんどがトラックによるものとなってございます。 一方、道外での輸送は、北海道全体で見ますと貨物船によるものは9割となっておりますが、十勝につきましては貨物船が6割、JR貨物が4割となっているところでございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 今答弁あったんですけど、道内と十勝管内の輸送比率は大体9対1、十勝全体では管内が7割、他地域と道外合わせて3割、また道内のほとんどがトラック輸送であること、また道外の貨物船が道全体で9割、十勝においては貨物船が6割、JR貨物が4割ということで、道内と管内のおよその物流の構図がイメージできるのではないかと考えております。 次にお伺いをいたします。 東日本大震災などをきっかけに、自然災害による物流網の寸断がサプライチェーンと地域経済に与える影響が大きいことが明らかになりました。まだ記憶に新しいところでは、平成28年8月の台風被害です。大正中島地区でも戸蔦別川の氾濫、札内川の堤防決壊はもとより、幹線道路の被災により道央圏との交通網が遮断され、通行可能は高速道路だけの状態が長期に及びました。その後、円滑な輸送を確保するための取組みや長期的なビジョンが必要とされてきました。 今後も自然災害などにより地域物流網が影響を受けることが予想されますが、本市としてどのような対応をしてきたのか、お伺いをいたします。 ○有城正憲議長 和田環境部長。 ◎和田亮一都市環境部長・新総体整備推進室参事 国におきましては、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策に基づきまして、令和3年度より高規格道路未整備区間の解消や4車線化、高規格道路と一般国道とのダブルネットワーク化など、道路ネットワークの機能を強化し、生産地から物流拠点への確実な輸送を実現する強靱な道路ネットワークの構築を進めることとしております。こうした機会を捉えまして、国に対しまして道路インフラの整備促進を要望してまいります。 また、企業が自然災害等に遭った場合、資産の損害を最小限にとどめ、早期復旧を図るため、国は事業者に対しまして事業継続計画の策定を促しているところでございます。帯広市といたしましても、これまで事業者向けのセミナーや出前講座の開催により情報提供などを行ってきておりますが、今後もこうした取組みを通じまして、事業者の計画策定への支援を進めてまいります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 今の答弁にもありましたが、国により令和3年度より高規格道路未整備区間の解消や4車線化、高規格道路と一般国道とのダブルネットワーク化など、道路ネットワークの機能強化を行うということがありました。 また、3月5日には地元紙で道東道の清水-トマム間の20.9キロのうち、約3.2キロが暫定2車線区間の4車線化に向け、事業許可が下りる見込みとの報道もあり、災害リスクの軽減やライフラインの厚みを増すことにもつながると期待をできるところでございます。 また、昨日稗貫議員が代表質問でも触れていましたが、広尾までの高規格道路の延伸と早期着工に向け、要請活動など、オール十勝で今まで以上に進めていただきたいということをお願いしたいと思います。 次にお伺いさせていただきます。 労働環境改善のため、2019年に働き方改革関連法案が施行され、今まで以上の規制により労働環境の改善が求められています。 このような背景の中、2024年4月からトラック輸送を含めた自動車運転業務の時間外労働上限規制が設けられます。このようなことから、一層ドライバーの不足が予想されますが、認識と今後の影響についてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 田中敬二副市長。 ◎田中敬二副市長 働き方改革関連法の施行によりまして、労働時間の短縮や有給休暇取得などの取組みが進み、労働者にとりましては働きやすい環境が整備されるものと考えております。 一方で、ドライバー不足が顕在化する中、今後企業は上限規制に対応していく必要があります。このため全日本トラック協会では、業界の魅力向上、人手不足対策に向けたアクションプランを策定し、業界としての取組みを始めております。 また、企業にとりまして一定の負担が生じることになりますが、取組みが進むことで生産性や人材の定着率の向上が期待できるものと考えております。 以上です。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 今もお話ししましたけども、労働基準法の改正により2024年以降ドライバーの時間外労働の上限規制、いわゆる2024年問題とも表現されておりますが、この点が大変問題なっていくのかなと思っております。 ホクレンの調べによると、2030年には全国のトラックドライバーの数が全体で6%減少し、農畜産物を輸送する大型トラックでは18%も減少すると聞いているところであります。また、このようなドライバーが不足するだけでなく、働き方改革で労働時間も削減されていくということで、今後の労働力不足に拍車がかかることが予想されています。 管内の製糖工場でも、秋の輸送繁忙期には道内各地、函館からも応援を受けていますが、今後の輸送体制に強い危機感を持っており、本市においても状況の深刻さに対する理解を深めていただきたいと思います。 次にお伺いしたいと思います。 北海道の主要な流通団地は、札幌のような大都市圏や地方都市及び近郊に位置した高規格幹線道路のインターチェンジや港湾、鉄道貨物駅へのアクセスしやすい場所に立地されていますが、帯広市物資流通業務団地の状況についてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 いわゆる流通団地は、昭和50年度より分譲を開始し、総面積28ヘクタール、現在約70社が入居しております。運送業や配送センターなどが集積しており、近年では食品卸の全国大手企業が各種機能を統合したセンターを新たに建設稼働させるなど、地域の物流拠点としての役割を果たしております。 以上であります。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 次にお伺いをしたいと思います。 現状での物流システムは様々な要因もありますが、近年道央札幌圏への物流の一極化が進んでいます。荷受けとなる問屋さんの数も落ち込んでいます。これの意味するところは、地域の人が地域の物も食べられない、手に入れるものがなくなっているということであります。 今までは、地域の問屋さんが地元の商品を仕入れて地元に卸していました。今、帯広で食品を取り扱う店を個人で立ち上げようとしても、品物を仕入れる先がないのが現実です。これが合理化、一極化で、例えば帯広や釧路で作った商品を一度札幌に運んで、倉庫で仕分け、また帯広市に運ぶということが実際に起きています。 新たな取組みとして、共同集荷、共同配送の在り方が問われていますが、このような状況の中、現在調整が進んでる西19条北工業団地も物流拠点の整備という方向性を持っていたと認識していますが、立地する物流業者への支援について、市の考え方についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 西19条北工業団地は、国道や高速道路のインターチェンジ、JR貨物駅のアクセスがよく、札幌方面と釧路北見方面への物流の中継地として適した立地条件にあります。 また、とかち帯広空港や十勝港へのアクセスも容易となっております。このため、当工業団地は昨年度から順次分譲を開始しておりますが、物流業者からの引き合いも多い状況にあります。今後も工業用地の供給のほか、企業立地促進条例などの制度も活用しながら、物流業者の取組みを支援してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 今後とも手厚い支援をお願いしたいなと思います。 次にお伺いしたいと思います。 現在、名寄市において新たな物流システムを、名寄地域連携物流システム検討協議会が取り入れようと動き出しています。名寄市は北海道開発局が進める北海道型地域構造の保持・形成の地域の一つとなっています。テストモデルであり、社会実験の段階ではありませんが、道の駅を使った物流システムの先行事例と感じております。帯広市においても取り組むべきと考えますが、市の受け止め方についてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 地方の物流システムには、担い手不足や過疎化による集配送効率の低下などの課題があるものと認識をしております。 お話の事例は、共同出荷、共同配送により、こうした課題を解決しようとする試みであり、今後の取組みの参考とさせていただきます。 以上であります。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 名寄市の新たな取組みについてお伺いをしました。 人口規模では、ほぼ名寄市は幕別町と同等で、周辺町村の社会インフラと環境は違って、帯広市と異なるということは重々承知してるんですけれども、取り組むべき課題、方向性は一致してると考えます。今後検討する課題としていただきたいということを重ねて要望したいと思います。 次にお伺いをいたします。 最近、地元紙に道内におけるトラック輸送に向けた取組みの検討が掲載されました。北見地区から室蘭地域への水産品などの輸送に関し、帯広地域を中継拠点とする中継輸送構想が検討されているということでありました。取組み方は違いますが、先ほどの名寄の取組みと基本的に通じる方向性であると考えております。 帯広市による直営のロジスティック部門を立ち上げるぐらいの意気込みにより、物流業界を取り巻く大きな変化に対応することが必要であり、さらなる地域発展につながると思います。 現在、物流業界を取り巻く環境が大きく変化する中、地域物流の在り方について分析、検討することが必要ではないかと強く考えておりますが、市の見解についてお伺いをいたします。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 帯広では、これまでも物流に関するセミナーの開催でありますとか、小口物流システムの試験実施などを取り組んできております。 一方で、物流システムは、お話にもありましたけれども、広域にまたがるものでありまして、圏域を構成する市町村が連携しながら分析、検討することが効果的と考えております。 このため、今後定住自立圏の枠組みなどを活用しながら、十勝・帯広の物流の現状や課題などについて、管内町村と意見交換を行っていく考えであります。 以上であります。 ○有城正憲議長 西本議員。 ◆17番(西本嘉伸議員) 最後に、意見として述べさせていただきたいと思います。 今回物流に関わって農産品を例にそれぞれお聞きいたしましたが、農産品以外の物資についても同じ状況下にあると思います。現在抱えている問題、今後予想される問題としても触れましたが、今後JR問題として新幹線札幌延伸に伴う青函トンネルの共用問題、さらに並行在来線の問題、また直接帯広には関わりませんが、単線維持困難路線問題、次に物流会社の事業撤退、縮小の問題、後継者不足、車両更新費用の増嵩、そしてドライバー不足です。これらの解決には、次世代の物流の在り方を考えなければなりません。 物流は、経済団体の営みといってしまえばそのとおりかもしれませんが、今後行政とも連携し、物流改革として将来に向けた対応を構築しなければ、運賃さえ上げれば何とかなるというような時代では今後はありません。 また、広い視野と広域的な立地条件、戦略などを合わせ、今後の帯広の物流の在り方についての将来像を描くことお願いし、全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○有城正憲議長 以上で西本嘉伸議員の発言は終わりました。 次に、大和田三朗議員から発言の通告があります。 14番大和田三朗議員、登壇願います。   〔14番大和田三朗議員・登壇・拍手〕 ◆14番(大和田三朗議員) 皆様、お疲れさまでございます。本日もよろしくお願いいたします。 本日は、通告に従いまして、コロナ禍における帯広市の財政運営についての質問を1点、もう一点として学校教育についての質問を1点行いたいと思っております。 まず、1点目ですけれども、昨年来1年以上にわたるコロナ禍において、日本国内では感染拡大防止の徹底のため、3密を避けるテレワーク、人の移動の制限、飲食店の時短営業、各種イベントの中止、延期など、現在も続いておりますし、緊急事態宣言は東京圏を除き解除の方向でありますけれども、まだまだ感染拡大防止は継続が必要と考えるところです。 海外では、感染力が強いとされる変異ウイルスの拡大が続いていると報道されております。国内でも、変異ウイルスの感染が確認されたとの報道もあり、北海道札幌でも変異ウイルスの感染が確認されたと、これも報道されているところで、今後の情勢に注意が必要と思います。 一時的に新型コロナウイルス感染が落ち着いた昨年の秋には、政府が行った観光業を支援し、経済活動を活性化するために行われたGoToキャンペーンは、その効果が調査検討されている段階ですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の原因とされ、現在は中止されている現状です。観光業界、飲食業界などには甚大な経済的影響が続いております。 コロナ禍で、帯広でも昨年来、各種イベントは軒並み中止や延期、とかち帯広空港の減便は現在も続いており、JAL、エア・ドゥとも1日1便、または2便の運航ということです。さらに搭乗率もあまり低くないと伺っているところです。 当然観光客の入り込みもあまり期待できない状態で、帯広市内の観光に関わる業界の皆様は経済的に甚大な影響が出ていると伺っているところです。中には店を閉める選択をされた方、閉店を検討されている方、精神的にも経済的にも悩み苦しんでいる方など、多くの方々から我慢の限界との声を伺っているところです。 今回の令和3年度の補正予算で、飲食業から求められておりました帯広市からの経済的支援に対し、飲食業経営継続支援事業として感染症の影響を最も受けている飲食業に対して、経営継続に向けて臨時的に市内の飲食業の約120店に、1店舗当たり20万円の支援金、総額2億4,000万円余りが地方創生臨時交付金を活用して支給される予定です。 困窮されている飲食店の方々には、待ちに待った支援金で大変歓迎される取組みと思いますが、もう少し早い段階での対策が必要ではなかったと考えるところですし、さらに飲食業に関連する職業、お酒を卸している酒屋さんですとか、人の移動が減って多大な影響が出ているタクシー業界など運輸業界、そちらにも支援を検討するべきではないかと考えるところです。 長く続くコロナ禍の影響で、多くの業種で仕事が減り、その結果、帯広市内の経済活動が停滞し、日本国内もですけれど、それに伴い税収が減少するものと当然考えます。経済活動による所得に対して税額、税率が決まりますので、経済活動の停滞と相対的に税収が減少になることは十分予想されます。 令和2年度は、コロナ禍の影響で経済活動が停滞したことにより、所得税はコロナ禍の直接の影響を受けての減収ですが、市道民税は令和元年度中の所得に対する税金ですので、直接的には影響を受けていないと考えております。 新型コロナウイルスの感染により事業等における収入に相当の減少があった方は、令和2年2月1日から令和3年2月1日までに納付期限が到来する市民税を対象として、納期限から1年以内の期間に限り市税の徴収の猶予を受けることができました。税金の支払い猶予などにより、市道民税が減少しているものと考えます。 しかしながら、令和3年度の帯広市の予算を拝見すると、1.8%プラスの総予算が組まれております。内容を見ますと、令和3年度予算において市税収入は前年比で約11億円の減少となっております。令和2年度補正予算において減収補填債、特別減収対策債、猶予特例債といった感染症の影響による減収を補填するための特例的な起債の発行が計上されております。 起債のうち、国で補填される起債もありますけれども、それ以外の起債の償還は次年度以降の帯広市の負担になる起債もあるとお聞きしております。 財政支出が限られる中、社会的課題を効果的に解決するためには、より高い成果が見込まれる革新的な民間サービスを選択し、成果志向の支払いを行うことが求められると考えるところです。 今後の帯広市の将来の財政運営を考慮して、今回ソーシャル・インパクト・ボンドの導入について質問させていただきますけれども、あまり聞き慣れないと思いますので若干説明させていただきます。 ソーシャル・インパクト・ボンドは、民間の活力を社会的課題の解決に活用するため、民間の資金を呼び込んで成果報酬制の委託事業を実施する新たな社会的インパクト投資、ソーシャル・インパクト・ボンドですから、社会的な衝撃のある投資という意味です。 ソーシャル・インパクト・ボンドは、行政の成果連動型支払い契約。行政があって、業者があって、市民がいて、普通は行政からその業者に委託して市民にサービスを提供する、これは普通ですけれども、それを下の市民にどういうふうに効果があったかと、成果を判別してから行政がそこの業者にお金を払うというシステム、成果連動型ですね。 ただ、それだと実際には効果が出るのに時間がかかる、年数がかかるんです。それで、業者がそこまで耐えられないとなると、民間の資金をここの業者のところに入れて、ここにいろいろ間に入るんですけど、それでその業者はサービスを提供して、その成果を何年か追ってもらって、行政からお金をもらう。もらったお金は、そのお金を借りたところに返すというようなシステムになります。 2010年にイギリスで始まっておりまして、普通に成果連動型支払い契約ではサービス提供者が提供するサービスの成果に応じて行政が報酬を支払います。 一般的に、サービスの成果はサービスを提供してすぐ出るものではないので、一定期間、数年たってから出ることが多いので、行政がサービスの成果を測定し、支払うまでに時間がかかります。しかし、サービス提供者はなかなかお金がないとか、NPOとかが多いもんですから、そのためにサービス提供者に資金提供をする方がいて、それがまとめたのをソーシャル・インパクト・ボンドとなっております。もちろん成果の測定は、専門的かつ客観的に判別する必要があるため、独立した評価機関等が必要になってくるんですけれども、またそのほかにも中間支援組織というのも必要なんですけれども、その辺難しいのでちょっとはしょりますけれども、結構行われてきております、ヨーロッパあたりでは結構。世界では2018年現在で25か国、108の案件が始まってて、欧米を中心に結構行われてます。ネットに出ております。 日本においても少子・高齢化や社会保障費の増大に加えて、毎日のように報道される様々な社会的課題が顕在化しており、財政支出が限られる中、社会的課題を効果的に解決するためには、より高い成果が見込まれる革新的民間サービスを選択して、成果志向の支払いを行うことが求められると思っております。 最近、日本国内では少しずつコロナ禍が落ち着き始めていると感じるところですけれども、まだまだ油断できない状況ですが、コロナ禍前のように経済活動が回復するにはもう少し時間が必要と感じております。今後の行政運営には、歳入歳出のバランスが重要と考えるところです。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、市民生活や地域経済のみならず、自治体税制にも及んでいると考えます。令和3年においても基幹収入である市税等の減収が見込まれ、厳しい状況と認識しておりますけれども、コロナ禍においてどのように財政運営を行っているのか、まず伺います。 続きまして、学校教育についてお聞きします。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、およそ2か月に及んだ子供が登校しない臨時休校、再開後も学校の新しい生活様式に基づく学校生活や失われた授業数の回復、各種行事の縮小、延期など、学校現場では様々な対応に追われる1年だったと思います。コロナ禍により、子供たちにはメンタルヘルスに及ぼす影響も懸念されますし、多忙を極める教職員、ストレスやメンタルヘルスも、それもすごく心配なところです。後回しになった学校行事や運動会、修学旅行、入学式、卒業式をどうするのか、さらにはGIGAスクール構想に関する準備や研修会など、昨年当初に計画していた学校経営と異なり、試行錯誤の連続だったと思います。教職員の御苦労には心より感謝するところです。 現在の学校現場では、先が見えない状況の中で新年度を迎えることを余儀なくされており、不安を感じつつも試行錯誤し、乗り切っていくことが精いっぱいの状況ではないでしょうか。通常でも現在の学校現場では教職員が大変忙しいとお聞きしております。教材研究、生徒指導、部活動指導もありますし、校務処理、保護者対応、多くの業務が教職員の方々の多くに負担になっていると思っております。 今月、3月は校長が学校評価や業務評価、各校務分掌などの評価が行われておりまして、総括されている時期と聞いております。4月、来月から新しいスタートです。通常でも多忙の学校現場において、さらに現在のコロナ禍における校内での感染防止対策など、教職員は多くの対応の増加に苦慮されていると考えるのは私だけでしょうか。 現在の教職員の負担を軽減するために、外部人材を学校現場に活用することは、多忙を極める教職員の業務の負担軽減につながるのではないかと考えます。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、図らずも例えばテレワーク、ウェブ会議、遠隔診療などのように、世の中全体にデジタル化、オンライン化が多く促進することになったと考えております。昨年までは現実的ではなかったウェブによる会議が現在は普通に行われ、個人的にですけれども、札幌への出張も全部ウェブ、講習会も全部ウェブ、一つもなくなってしまいまして、移動もなくなりましたけれども、ちょっと寂しく感じているところではあります。 学校教育においても、GIGAスクール構想により1人1台端末化となり、来年度からは大きく子供たちの授業が変化するものと考えております。このような時代の流れにあり、ICTの活用は必要なことではありますが、様々な専門的な立場の方々に子供たちが学ぶ機会を大切にしてほしいと考えております。 そこで、まずは外部人材の学校教育への活用など、帯広市が目指していく学校教育についてどのように考えているのか伺って、1問目といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 大和田議員の御質問中、財政運営についてお答えします。 人口減少、少子・高齢化の進行に伴う社会保障関係費の増加などを背景として、地方財政を取り巻く環境は厳しい状況にあると認識しております。 帯広市でも経常収支比率が高い水準で推移し、財政の弾力性が低い状況が続いているほか、自主財源比率が5割を下回り、国の影響を受けやすい財政構造となっています。 また、感染症の影響により、経済活動の停滞に伴う企業や個人の収入の減少などにより市税等の減収が見込まれるほか、国からの譲与税、交付金などの減収も懸念され、予断を許さない財政状況にあると認識しております。 こうした状況下においても、財政を健全に維持していくためには、地域の強みや魅力を生かした産業振興や雇用の創出などの取組みを通して、地域の稼ぐ力を高めていくことが重要であると考えております。 また、今般の感染症への対応については、国の臨時交付金なども活用し、地域の実情や国、北海道の動きを踏まえ、中・長期的な視点を持ちながら、感染拡大の状況等に応じた対策を講じてきたところであります。 今後も総合計画の着実な推進と健全な財政運営に努めながら、誰もが安心して暮らし続けることができる、活力あるまちづくりを進めてまいる考えであります。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 村松正仁学校教育部参事。 ◎村松正仁学校教育部参事 御質問中、学校教育についてお答えをいたします。 現在学校教育におきましては、グローバル化や高度情報化の発展など、社会が大きく変化をしていることから、複雑で予測困難な時代においても自ら主体的に考え、自立していくことのできる人づくりが求められております。 このような中、GIGAスクール構想による効果的なICTの活用が図られ、子供たちの学びは変化をしていきますが、これまでのように学びを学校だけにとどめるのではなく、地域や外部の方との対話を通して学びを深めていくことが重要と考えております。 今後はICTを活用した個別最適な学びと多様な人々との協働的な学びを創造できる学校教育を目指してまいります。 以上であります。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) それぞれ御答弁ありがとうございます。 それでは、2回目の質問に移らさせていただきます。まず、帯広市の財政のことについてお聞きします。 新型コロナウイルス感染拡大後の市税減収に対する現状認識課題について、まず伺いたいと思うんですが、令和3年度予算において市税収入は前年度比で約11億円の減少となっております。227.4億円、これが216.4億円ということでマイナス4.8%ですね。感染症の影響による経済活動の落ち込み等が要因と考えられますけれども、どのように捉えているのか伺います。 ○有城正憲議長 関口俊彦政策推進部長。 ◎関口俊彦政策推進部長 新型コロナウイルス感染症の拡大などによります経済活動の影響によりまして、令和2年中の個人収入や法人収入が減少している状況にあります。これらを課税客体としております令和3年度の個人市民税、法人市民税において影響が生じるものと捉えているところであります。 また、税制改正によります法人市民税法人税割の税率引下げのほか、固定資産税の評価替え、そして感染症対策として行われます課税標準の軽減措置などによる影響も見込まれるところであります。これらを考慮した結果、令和3年度の予算の市税は、前年度比4.8%の減少となったものであります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) 市税が確かに減っていると、11億円、4.8%減ということでございますが、令和2年度の補正予算において、減収補填債、特別減収対策債、猶予特例債といった、感染症の影響による減収を補填するための特例的な起債を計上しておりますけれども、それぞれの償還に関する年限や利率、財源について伺います。 ○有城正憲議長 関口政策推進部長。 ◎関口俊彦政策推進部長 それぞれ起債目的や借入先などによりまして償還年限や利率は異なりますが、減収補填債は20年を償還年限として、利率は0.03%から0.09%と見込んでおりまして、償還額の75%以上が今後交付税により措置されることとなっております。 特別減収対策債につきましては、10年を償還年限として、利率は0.3%程度と見込んでおりますが、償還に係る財源、財政措置はございません。 次に、猶予特例債につきましては、地方税等の猶予措置が1年間でありますことから、令和3年度に令和2年度分の猶予相当額が収納される想定のもと、1年を償還年限といたしまして、利率は0.004%程度と見込んでおります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) まず、減収補填債ですけれど、これは交付税措置がされるということで、これは大丈夫なのかなと私的には思っておりますが、特別減収対策債、これ10年償還で0.3%、これ結構でかいかなと私的には判断していますが、一番心配しているのはその下の猶予特例債です。令和3年度に入ってくる予定ということですけど、実際税金を払えるかどうかって、また別個の問題で、経済活動がうまくいってないと、税金って、市民税って結構でかいので、払えない方もいらっしゃるんじゃないかなと思って、これがまたその後どうなるのか、ちょっと心配しているところではございます。 これらの起債は、令和2年度における自治体の市税等の減収に対する補填措置でありますけれども、令和3年度においても活用できるものなのか、お聞かせください。 ○有城正憲議長 関口政策推進部長。 ◎関口俊彦政策推進部長 減収補填債につきましては、法人市民税法人税割等の従来の対象税目分は条件に該当した場合には活用できるものと考えておりますが、地方消費税交付金等の新たに追加された税目分は令和2年度限りの措置とされております。また、特別減収対策債、そして猶予特例債につきましては、令和2年度及び令和3年度に限り活用できるものと示されているところであります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) これらの起債を発行することで、次年度以降に負担が生じることとなりますけれども、発行に際しての考え方をお聞かせください。 ○有城正憲議長 関口政策推進部長。 ◎関口俊彦政策推進部長 いずれの起債も次年度以降の償還が必要となりますことから、発行に当たりましては令和2年度歳入歳出の決算見込みの状況や、後年時の償還に係る交付税措置の有無などを勘案し、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) そうですね、交付税等の措置を考えないといけないと思います。 市税等の大幅な減収が見込まれる中、令和2年度の財政運営はかなり厳しい状況であると推察をいたします。さらに、令和3年度はさらに税収が落ち込むことが想定されているが、一方で一般会計の予算規模は縮小ではなくて過去最大ということになっておりますけれども、その理由についてお聞かせください。 ○有城正憲議長 関口政策推進部長。 ◎関口俊彦政策推進部長 令和3年度の一般会計予算につきましては、前年度対比で約15億4,000万円、1.8%の増となっております。空港運営の民間委託に伴い、令和3年度より空港事業会計を廃止いたしまして、今後の空港管理に要する経費を一般会計で計上したことにより、前年度対比で約5億円増加したほか、猶予特例債の償還費用が約4億円、ふるさと納税返礼品等の経費、大空地区義務教育学校整備費、退職手当が合わせて約7億円増加したことが要因となり、結果として過去最大規模となったものであります。 これらの要因を除きますと、実質的には令和2年度予算と同等程度となりますが、各施策の着実な推進に必要な経費を確保することができたものと考えているところであります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) 分かりました。 空港会計が一般会計に計上で5億円ということで、結構大きいですね。また、猶予特例債でも4億円ということですから、合わせますと結構な金額になっているということで、過去最大になったという認識で了解いたしました。 続きまして、ソーシャル・インパクト・ボンドの導入についてということで、若干先ほども説明させていただきましたけれども、基本的には官民連携の一種の手法でございます。通常の行政サービスは、入札を行って、その対価を行政が事業者に支払って、事業者が住民に行政サービスを提供する。だけど、ソーシャル・インパクト・ボンドの場合は官民連携して、こちらに民間の資金が入るというのが一番でかい話でございます。 こちら、もともとイギリスで、導入された制度ですけれども、今後の行政サービスを提供するに当たりまして、賢明な支出を検討する必要があると考えて、官民一体を図り、日本でも導入が行われてる新しい制度でございます。 今回、ソーシャル・インパクト・ボンドについて質問させていただいているのは、過日、新聞の記事で愛知県豊田市が介護予防にこのソーシャル・インパクト・ボンドを導入してやるという記事が出てまして、令和3年度から開始すると伺っております。5年の期間ですね。それで、ソーシャル・インパクト・ボンドを介護予防に使うという記事がすごく気になったんですけど、それで最初分からなくて調べました。 そうすると、内閣府であったり、厚労省であったり、経産省であったりが、それぞれソーシャル・インパクト・ボンドというものについて言及しておりまして、経産省が健康寿命を延伸するための健康寿命延伸産業創出推進事業の実証実験を2016年から行っておりました。神戸市では、糖尿病重症化予防、八王子市は大腸がんの検診率向上、これ神戸市でも糖尿病重症化予防の概要が、健康寿命の延伸で糖尿病性腎症の重症化予防ということになっております。事業目的が、糖尿病腎症のステージの進行を抑えて、人工透析への移行を予防するとされておりました。人工透析をされますと、当然医療費がばんと上がりますので、それを防止したいというのが分かりやすかったなと思って。事業内容もいろいろございますけれども、保健指導はするんですけれど、保健指導プログラムの修了率とか、生活習慣の改善率とかをそれぞれで成果指標として、その成果指標が出されたら神戸市が委託料を払うという形でございます。 事業期間は2017年7月から、去年の3月で終わっております。成果がこちらにも出てますけども、最終成果でありますけども、腎機能低下抑制率は32.9%で、目標の80%以上は達成できなかったということですけれども、その分減額されて委託料が払われてると書いてございます。 帯広市は、糖尿病の予備群がとても多いというデータが示されておりますので、大変興味深い調査だなと感じたところです。コロナ禍の収束が見通せない現状ですけれども、税収の減収が予想される中、民間のノウハウや資金を活用したソーシャル・インパクト・ボンドを導入することにより、行政コストの削減が可能ではないかと考えますけれども、帯広市における導入の考え方について伺います。 ○有城正憲議長 廣瀬智総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 ソーシャル・インパクト・ボンドにつきましては、お話しありましたとおり、経済産業省が主にヘルスケア分野における導入を推進していることなどを背景といたしまして、導入に取り組む自治体も出てきているところでございますが、まだ全国的にも事例が少なく、本市におきましても官民連携の一手法として注視してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) 新しい制度ですので、一応この制度をやりますと、民間の資金が入るって、持ち出しが減ってくるというのが私的にいいところだなと思って今回質問させていただいておりますけれども、帯広市の今後の財政運営については、いろいろ考えるところがございますが、基本新型コロナウイルスが落ち着かないとどうしようもないと思っております。日本国内では、今年の夏の東京オリンピック2020の開催が注目の集まるところですけれども、今月末にも外国人を入れるとか入れないとか、開催する、どうするんだというのがいろいろ決まると思いますけれども、オリンピックでも入場者の入場料で900億円を見込んでるという報道もございました。開催、延期、中止、どうなるか全然分かりませんけども、それによって安全性だったり、経済性だったり、税だったり、いろんなところに影響が出てくると考えるところです。そんな中で、民間活力を利用したソーシャル・インパクト・ボンドは一つの方法として検討するには値すると思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 官と民の連携ということについては、一部事務組合で新中間処理施設くりりんセンターの基本構想の検討の中ででも、自治体が進めてきた行政改革の流れや国に対するPFI、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の推進を踏まえて、公設公営の方針ではなくて、公民連携、PPP、それを方式として、DBO方式とか、BTO方式による事業方式を検討していると厚生委員会で伺っております。このBTO方式は、ほとんど民間に丸投げみたいな形のイメージですけど、これも私的にはいいのかなと思って考えているところです。 今後の行政運営には、バリュー・フォー・マネー、VFMですね、バリュー・フォー・マネーによる経済的評価が重要になってくると考えますので、調査検討のほうをよろしくお願いいたします。 しかし、現状では新型コロナウイルスの感染拡大、まだワクチンもそんなに進んでおりませんけれども、3密を避けること、消毒、マスクが基本です。ワクチンが接種されて集団免疫が獲得されれば、私的にはすごくいいことだと思っておりますけれども、新型コロナウイルスというのは正式名称でいうとSARS-CoV-2って言いまして、すごく小っちゃいものでございます。よく大きさとか出てますけれども、0.1マイクロメートル、1マイクロメートルが1000分の1ミリですので、1万分の1ミリぐらいの大きさです。0.1マイクロメートルのウイルスに対して、マスクの穴がもっと大きいからきかないといって、公然とマスクをしない方も中には今いらっしゃってるんですけど、新型コロナウイルスのSARS-CoV-2は単体でこの辺に浮遊してるもんではないので、何かにくっついて浮遊するもんでございますので、何かにくっついてる場合は大体3マイクロメートルか、5マイクロメートルぐらいの大きさになりますから、マスクって非常に効果的だと思っております。 また、いろんなマスクの実証実験がございますので、そのデータを見ても、ほかの人にうつさないようにする、クラスターにならないようにするためにも、マスクの着用を皆さんにお願いしながら、ワクチン接種が進むのを待ちたいと思っているところでございます。 この質問は以上とさせていただきます。 続きまして、学校教育のほうの質問の2回目とさせていただきます。 外部人材の投入の考え方について伺いたいと思っております。 外部人材を活用した授業は、専門的な立場の方に専門的な話を聞くことができて、これからの時代においても大変価値ある学びであると考えております。帯広市の外部人材を活用した授業について、現状を伺います。 ○有城正憲議長 村松学校教育部参事。 ◎村松正仁学校教育部参事 外部人材を活用した授業につきましては、主に総合的な学習の時間など、学校ごとに必要に応じて関係機関に依頼をし、学びを深めるために行われている状況でございます。 とりわけ今年度からは、小・中学校においておびひろ市民学が始まり、発達の段階に応じた単元を体系的に計画的に位置づけ、義務教育9年間を通した学びを進めております。 おびひろ市民学の中では、学校だけで学びを閉じずに、手話出前講座や認知症サポーター養成講座、JICAや帯広市役所関係課の職員による講座など、多くの外部人材の協力を得て、学びを現在深めているところでございます。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) ありがとうございます。 外部人材については、各学校でも活用しているということが理解できました。学校のカリキュラムもありますので、目的に応じた人材の活用が必要と考えておりますけれども、今後ともぜひ積極的に活用していただきたいと思います。 例えばコロナ禍でなかなか厳しいかもしれませんけれども、医療関係者であったりとか、私みたいに歯科医師であったり、歯科衛生士であったり、管理栄養士であったり、この辺も今食育推進条例のこともやっておりますけれども、子供たちに学ぶ機会をよく提供していただければと思います。 本市において、外部人材の活用をさらに広げる考えはあるのか伺います。 ○有城正憲議長 村松学校教育部参事。 ◎村松正仁学校教育部参事 各学校の教科や総合的な学習の時間などの年間指導計画につきましては、学校が主体的に作成をし、実施するものであります。外部人材につきましても、子供たちの学びを深めるために、各学校が教育課程全体を考えながら効果的に活用しております。 教育委員会といたしましては、おびひろ市民学での外部人材の活用をはじめ、その他の様々な外部人材についての情報を提供するなど、今後も各学校の教育活動をしっかりと支援してまいります。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) ありがとうございます。 先ほど伺いましたように、先生以外の講師の方が専門的な立場から子供たちの指導に加わっていただくことの教育的効果が高いことは分かります。 そこで、来年度から始まるGIGAスクール構想の実現に当たっての子供たちに1人1台端末を整備し、授業で使用するに当たり、これまで経験がない先生たちに大きな負担になることが予想されます。各学校及び教職員の負担軽減のためにも、何らかの支援体制を構築する必要があると思いますけれども、どのような取組みを予定しているのか伺います。 また、支援に当たって外部人材を活用する予定があるのか伺います。 ○有城正憲議長 村松学校教育部参事。 ◎村松正仁学校教育部参事 GIGAスクール構想の実現に当たりましては、1人1台端末の整備や校内無線LAN環境の構築など、教育用ICT環境の整備に取り組んでいるところでございます。 新年度以降、これらを活用した教育を円滑に実施していくためには、学校現場に対する支援が必要であると認識をしております。 令和2年度中の取組みでは、おびGIGA先生応援プログラムとして研修動画の作成と配信、1人1台端末の操作体験を実施したほか、グーグル社がクロームブックを導入した地方自治体を対象に実施をします端末やアプリの操作研修会などを開催し、教職員の習熟の機会を確保してきたところであります。 新年度におきましては、ICT教育環境運用支援事業といたしまして、1人1台端末をはじめとしたICT機器の保守管理やクラウド利用のためのアカウント管理に係る支援を民間業者に委託をしますほか、おびGIGA支援員派遣事業といたしまして、外部人材を活用した教職員のICTを活用した指導力向上のための巡回指導を予定しているところでございます。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) GIGAスクール構想の実現に関する全てのことを多忙な教職員の先生たちにお願いするよりも、外部人材を活用することが効果的、効率的な運営につながると思っております。ICT教育環境運用支援事業、おびGIGA支援員派遣事業、それぞれにどのような人材が加わり、事業を進めるのか伺います。 ○有城正憲議長 村松学校教育部参事。 ◎村松正仁学校教育部参事 ICT教育環境運用支援事業、これにつきましては民間業者に業務委託をし、ICT機器のトラブルやパスワードの失念などの問合せに対応するためのヘルプデスクを設置いたします。トラブルへの対処法につきましては、遠隔操作や学校に出向いて対応することを現在想定をしております。 おびGIGA支援員派遣事業につきましては、現在学校のホームページの更新に係る支援を担っている情報教育専門員の活動量を増やし、情報教育専門員が各学校を巡回し、支援をすることによって、ICT機器やアプリを効果的に活用した授業づくりの支援を行うものであります。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) なかなか複雑ですね。若い人はついていけるかもしれないけれど、年寄りの先生は大変だなと思うんです。 この2つの事業により、先生たちを支援することは理解いたしますけれども、その中でも先生たちが1人1台端末の環境を効果的に授業に生かすためには、おびGIGA支援員の役割が重要だと考えます。予算を見ると、予算額が126万円とされておりました。この金額で十分な支援が行えるのか、非常に不安を感じるところですが、どの程度支援を予定しているのか伺います。 ○有城正憲議長 村松学校教育部参事。 ◎村松正仁学校教育部参事 おびGIGA支援員につきましては、地域で様々な場面においてICT活用に係る指導や支援を実践されている方を現在想定をしております。 おびGIGA支援員についての活動量といたしましては、各学校を年4回巡回支援するほか、オンラインによる適時支援を年100時間程度予定してるところでございます。 実地における支援は、各学校を年4回を予定してるわけですけれども、学校における支援内容を教育研究所のホームページに掲載をし、全校でその情報を共有して活用することで、より効果的、効率的な支援体制を構築していく予定であります。 また、学校教育指導課と教育研究所の指導主事を各学校のニーズに応じて年間を通して派遣をし、教育活動や授業におけるICT機器の効果的な活用につきまして、指導、助言を図ってまいりたいと考えております。 または、教育研究所が主催をします研修講座で複数回関連する講座を設定することで、教職員のICT活用指導力の向上を図ってまいりたいと考えております。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) 各学校を年4回の巡回ということで、本当に先ほどもちょっと言いましたけど、若い先生は多分大丈夫だと思うんですけど、ベテランの先生ですね、私らの年代の先生は多分大変だろうなと思うんですけど、より丁寧に対応いただいて、せっかくICTを活用するので、コンピューター1人1台入るのに使えなければ意味がございませんので、できるだけ手厚く御指導と体制のほうをよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、コロナ禍の影響で会社に出社せずに在宅で仕事、テレワークを行う方が増えていると今報道されております。それに伴いまして、会社が副業を容認する動きが広がっておりまして、実際に副業を行う方が増加してると報道されております。 過日、企業に勤めながら副業として学校などの教育現場の講師をする副業講師が出てきたという報道がございました。他県の私立高校では、課外授業の担当者を副業講師に限定して採用活動を行い、多くの募集者が集まり、効果が出ていると出ておりました。 帯広南商業高校においては、オリンピック入賞経験者を教員に任用しているほか、キャリア教育として地元企業で働く市民を招き学習するなど、学校教育現場に多様な経験を有する人材の活用が進んでいると聞いておりますけれども、キャリア教育のこれまでの実施状況について伺います。併せて副業講師の登用実績についてもお聞かせください。 ○有城正憲議長 広瀬容孝学校教育部長。 ◎広瀬容孝学校教育部長 帯広南商業高校のキャリア教育におけます外部人材の活用では、卒業生から就労体験を聞く先輩訪問、外部講師による講座としては地域の企業から講師を招いて、職業に対する考え方や実務経験などを聞くビジネス基礎講座、ビジネスマナー講演会を開催しております。 外部講師の掘り起こしにつきましては、学校進路部が培ってきた人的ネットワークや卒業生のボランティアにより行われてきており、企業等に勤めながら副業で講師をしている方に限定した募集の実績はございません。 以上です。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) ありがとうございます。 兼業ですが、副業として非常勤で勤務する方法はあると思いますけれども、これに対する考え方をお聞かせください。 ○有城正憲議長 広瀬学校教育部長。 ◎広瀬容孝学校教育部長 兼業、副業として非常勤で勤務する方法としては、特別非常勤講師制度を活用することが考えられます。しかしながら、多様な経験を有する外部人材を掘り起こすこと、これを選定する作業、また副業講師を受け入れる学校の教師との連携、予算の確保など、多くの課題があるものと考えているところです。 ○有城正憲議長 大和田議員。 ◆14番(大和田三朗議員) ちなみにこの新聞報道では業者が絡んでいたりしているわけで、結構帯広ではなかなか難しいかもしれませんけれども、実際私も某中学校に来て、未来創造授業ってやったことありますけど、あのときはボランティアですけれど、一応いろんなところの意見を聞けるようにしながら、人脈だけではなくて、いろんなネットワークを活用いただければと思います。 報道でも持続可能な副業講師の登用を続けるためには、報酬の仕組みをどう根づかせるか、また公立学校には予算の制約も課題の一つと上げられるなど、多くの課題があるとされておりました。今後どのように取り組むのか、お聞かせください。 ○有城正憲議長 広瀬学校教育部長。 ◎広瀬容孝学校教育部長 副業講師の登用など、学校以外の勤務経験や専門的知識を有する外部人材が学校現場に参画できる環境の整備については、現在国において研究が進められております。これらの動きを注視しつつ、全国的な実施状況や課題、教育効果の把握などに努めてまいりたいと考えております。 ○有城正憲議長 大和田議員。
    ◆14番(大和田三朗議員) ありがとうございます。 それであと、最後意見のほうで終わらせてもらいたいと思いますけれども、今回学校教育について質問させていただきましたけれども、私個人は小・中、高校と大学と通わせていただいて勉強しましたけれども、その間は全部紙の教科書でございました。当然ですね。市長も当然紙の教科書だったと思います。 ただ、学校教育はそのときの社会情勢で時勢に寄ったり、変化していく生き物のようなものと個人的には捉えております。 ICTの活用は、避けて通れない時代状況と思いますし、ただ、でも教えるのも人間だし、学ぶのも人間でございます。学ぶ生徒は基本的に学ぶ先生をあまり選べませんので、そういう場合、外部の人材であったり、外部の副業講師だったりを登用することによって、数多くの新しい学ぶ機会を保持できると思っております。 目まぐるしいスピードでICTが進む現在、教職員もそうですけども、児童・生徒もお互いに大変苦労を強いられる時代を迎えていると感じております。コロナ禍の時代だからこそ、教職員にも、児童・生徒にも、外部講師、副業講師などはこれからの時代には不可欠な存在ではないかと考えるところです。 以前に、千代田区の区立の麹町中学校の校長の工藤勇一先生の本を読みまして、学校の「当たり前」をやめた。という本です。生徒も教師も変わるという本でございました。公立学校の改革ですから、読んでてすごく面白かった本でございますけれども、当たり前のことをそのまま続けるというんじゃなくて、この新型コロナウイルスの時代には新しく改革していくとかいろいろ考えなければいけない時代だと思っているところです。 先ほど1問目の質問でも、財政の在り方も質問させていただきましたけれども、新しいコロナの時代にはいろんなことを考えていかないといけないかと思いますけれども、なかなか難しい問題だと思いますけれども、御検討いただければと思い、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○有城正憲議長 以上で大和田三朗議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。         午後2時48分休憩         ────────         午後3時10分再開 ○有城正憲議長 再開いたします。 次に、上野庸介議員から発言の通告があります。 4番上野庸介議員、登壇願います。   〔4番上野庸介議員・登壇・拍手〕 ◆4番(上野庸介議員) 通告に従い、順次質問をいたします。 最初は、「歴史を大切にしたまちづくり」についてです。 先日の市政執行方針において、市長は信なくば立たずという孔子の言葉を引用されました。政治を行う上で大切なものとは何かをテーマにした、弟子である子貢とのやり取りの中にある、この民信なくば立たずは論語に収録されています。この論語は、日本でも飛鳥時代には既に伝来されていたとされ、それ以降、平安貴族、戦国時代の武将たちが好んで読んだそうです。この論語を日常生活や仕事に応用し、成功を収めたのが2024年度から新しい一万円札に描かれる渋沢栄一です。 近代日本経済の父とも言われる渋沢栄一は、その生涯で約500もの企業に関わったとされ、そのうちの一つが清水町に設立された十勝開墾合資会社であることは皆さんも御存じと思います。渋沢栄一も、明治41年8月に会社関係者と家族とともに清水町を訪れています。このときの娘さんの日記には、清水町がたいそう気に入ったことが記されているそうです。 新一万円札の決定に加え、NHK大河ドラマの放映も重なり、清水町ではここ数年、渋沢ゆかりの地を紹介するパンフレットの作成や史跡看板の更新、新設、さらには渋沢生誕の地である深谷市、終えんの地である東京都北区との連携も構想していると聞きます。まちの歴史をいま一度振り返り、それを受け継いでいくという清水町の歴史を大切にしたまちづくりの姿勢を強く感じています。 帯広市は、間もなく開拓140年を迎えます。以前は開基という言葉を使っていましたが、それを開拓という言葉に改めたことが示すように、晩成社以前にもアイヌ民族の生活がこの地で営まれ、それよりももっと前には縄文人の生活があったことも分かっています。今を生きる私たちは、こうした悠久の歴史に思いをはせ、敬意を払いながら、未来を生きる未来の十勝人にこの地域の歴史と文化を受け継ぐための今のまちづくりを託されていると考えます。 そこで伺います。 この地の歴史、あるいは培われてきた文化を、帯広市はまちづくりにどのように生かしてきたのか、そして今後どのように生かしていくのか、基本的な姿勢をお尋ねします。 次に、中小企業振興策について質問いたします。 いわゆる新しい生活様式が政府の専門家会議から示されたのは昨年の5月でした。身体的距離の確保、マスク着用、手洗いうがいなどを基本とし、あわせて新しい生活様式の実践例として、買物では通販の利用、計画を立てて素早く済ます。娯楽、スポーツでは、公園はすいた時間、場所を選ぶ。歌や応援は十分な距離かオンライン。食事においては、大皿は避けて、料理は個々に。料理に集中、おしゃべりは控え目に。そして、働き方ではテレワーク、会議はオンライン、オフィスは広々など、事細かに示されました。 しばらくの間の感染防止策ならまだしも、それを生活様式とは若干大げさなのではないかと私自身そのとき感じたのを覚えていますが、その考えは甘かったのかなと、今では考えております。 新型コロナウイルス感染症が社会や経済に影響を与えていく過程では、この国の経済システムが有してきた不合理性や非効率性が浮き彫りになりました。新しい生活様式で示されたものの中には、そのような不合理や非効率性を克服するものがありますから、それらは今後の生活様式として残り続ける。つまり新しい生活様式の一部は当たり前の生活様式として定着するものがあると考えています。 生活様式が変われば、人々の動きも変化します。経済のエンジンは人の動きであることを踏まえれば、人の動きの変化に合わせ、経済政策もまた変化しなければなりません。 帯広市の経済活動を担うのは、多くの中小企業、小規模事業者です。つまり経済政策の変化とは、帯広市の場合、中小企業振興策の変化であると考えます。 そこでまず、コロナ禍を踏まえた中小企業振興策について、帯広市の基本的な考え方を伺い、それぞれの1問目といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 上野議員の御質問中、中小企業振興についてお答えいたします。 人口減少、少子・高齢化や経済のグローバル化などに伴い社会経済が大きく変化する中、中小企業は国内市場の縮小や競争の激化、人手不足などの課題に直面しています。 また、昨年来の新型コロナウイルス感染拡大により、飲食店や観光業などでは売上げが減少するなど、厳しい経営環境下に置かれています。こうした環境変化の中にあっても、持続的で活力ある地域づくりを進めるために、地域企業の大多数を占める中小企業の振興を図り、働く場の確保や新たな価値の創出につなげていくことが、なお重要であると認識しております。 帯広市では、これまで中小企業振興基本条例や産業振興ビジョンに基づき、制度融資や人材育成などによる経営基盤の強化のほか、食や農業など地域の特性や資源を生かした物づくり支援、事業創発の促進といった中小企業への支援を総合的に進めてきております。 また、感染症の流行により影響を受けた事業者に対し、当面の緊急対応としてセーフティネット資金などを通じた事業の継続支援や、プレミアム付商品券などによる消費喚起策を実施してきたところであります。 国は、ポストコロナを見据え、業態転換や事業の多角化など、中小企業の事業再構築を推進する方針を示しています。これらも踏まえながら、今後も様々な支援制度を通し、地元中小企業のより一層の経営基盤の強化を促進し、地域経済の持続的な発展につなげてまいります。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 井上猛生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 御質問中、歴史を大切にしたまちづくりについてお答えいたします。 まちづくりに歴史を取り入れる視点や手法は多岐にわたるだけではなく、時代に応じた認識に違いがございまして、現在の認識で一概に評価することは難しいものと考えてございます。 帯広市のこれまでのまちづくりを振り返りますと、例えばばんえい競馬につきましては、他の開催地が撤退を決める中、馬文化の継承も考慮し、その運営の継続に努めてきたことや、旧広尾線などの鉄道の敷地の一部を公園として整備し、当時を想像できる工夫をするなど、その時々の制約はございますが、可能な範囲で歴史を踏まえたまちづくりを行ってきているものと認識しております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 市長から御答弁をいただいた中小企業振興から先に質問してもよろしいですか。 それでは、中小企業振興策から質問を続けます。 基本的な考え方を伺いました。これまでずっと取り組んできたところに、この1年コロナ禍でしたから、国や道、そして市もいわゆる緊急対応策が多かったのが令和2年度だったと思います。 この緊急対応策の意味というのは今を救うというものでして、また今を救うためのものなんですけども、延長線上には苦しい中小企業に何とか事業継続をしていただいて、その後もまた再び地域経済を支える存在になってほしいという行政の思いもあったと認識しております。 今後、行政として考えなければならないのは、地域経済の立て直し、場合によっては作り直しと考えています。ただ、そうはいっても帯広市の場合、農業を軸とする産業構造の大枠はそう変わるものではないと思います。 そこで、帯広市の産業構造に目を向けてみたいのですが、産業振興ビジョンにもあるとおり、第2次産業に弱さや課題が見られます。 そこで、第2次産業分野に対するこれまでの取組みと今後の対策についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 田中敬二副市長。 ◎田中敬二副市長 帯広における平成27年、ちょっと古いんですけれども、全産業の付加価値額は総額で5,749億円で、第1次産業から第3次産業にかけて大きくなっております。全国と比較いたしますと、第1次産業は2倍となっておりますけれども、第2次産業は3分の1であります。一方で、伸びしろがあるとも考えております。 実際に第2次産業の付加価値額は、平成22年、687億円から平成27年には826億円となりまして、約140億円増加をしております。これまでも帯広市では、製造業に対し、工場の新設等に係る補助でありますとか、生産性向上を目的として導入した設備に係る固定資産税の免除、あるいは新商品の開発支援などを行ってきております。 今後もこうした支援制度を通じまして、地元製造業の生産性の向上や高付加価値化の取組みを支援していく考えであります。 以上であります。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) ありがとうございます。 平成22年から平成27年までの間に140億円増加してるということですので、一定の成果は出ているということだと思います。もちろん第2次産業にどんどん投資をしていけば、どんどん発展するという時代ではないと思うんです。ただ、第1次産業という、ほかの地にはない強みをぜひ生かしていただきたいと思っています。 そしてまた、今回のコロナ禍というのはグローバルサプライチェーンというのが寸断されて、日本国内のサプライチェーンの弱さが浮き彫りになったとも思います。例えば半導体や医療物資などがそうなんですけれども、恐らく今後は国内で生産拠点の分散化が検討されていくんだろうなと思います。ただ、国内生産というのは価格の問題が出てくるので、恐らく国が主導していくことだと思うんですけども、こういった生産性の拠点が分散されていくことは、地域産業にとっては振興策につながると思いますので、アンテナを張っていただきたいとお願いをいたします。 帯広市の産業振興の特徴的な取組みの一つが、平成27年から実施しているとかち・イノベーション・プログラムと思います。これまでの実績等々は、様々な方々が質問されて、私も様々耳にしておりますが、この取組みというのはチャレンジを支援するという帯広市の基本的な姿勢が一番表れているものだと思っています。ただ、参加者の固定などの課題が出てきてるという指摘もあるように聞きます。 それでは、今後こうした課題に対してどのように対応していくのか伺います。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 参加者がプログラムを通じて起業・創業の意欲を高め、事業化を成し遂げる過程を見える化することで、起業・創業をより身近に感じてもらうことが重要であると考えております。このため事業創発拠点でありますランドや交流イベントである十勝ドリームマップ会議なども活用しながら、起業・創業を志す方々のコミュニティづくりを進めております。 また、今年度はコロナ禍ということもありまして、密を避ける必要があることから、オンライン会議の導入など、新たな取組みを行っており、このことが小さな子供さんのいる方も参加しやすくなるなどの効果もあったところであります。今後も実施方法などを工夫することで、プログラムの参加者の裾野を広げてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 多くの方々に参加していただけるプログラムになっていただきたいと思います。 最近、このイノベーション・プログラムの質問を私もさせていただくことがあるし、いろんな方々がされるんですけれども、そのときに創業・起業という言葉がすごくたくさん出てくるような気がします。もちろんそれを目的としていると思うんですけれども、イノベーションというのは必ずしも起業・創業だけではないのではないかなと思います。 これから既存の事業者も、この後に質問をしていきますが、業態転換や事業再構築が求められる時代に入ってきますから、そうしたものを目指す方、つまり現在事業をされている方にも広く参加できるようなプログラムになっていただきたいと思うんです。 ただ、応募要件には、企業経営者、後継者、新事業開発担当者、個人事業主、そして起業希望者等となってますから、そもそも起業・創業だけが目的とするものではないんだろうと思うんですけど、実際にセッションが始まるのがたしか平日3時とかなので、そうした時間の工夫は必要かなと思いますが、意欲のある様々な分野、様々な立場の方々が集うものにしていっていただきたいと思います。 このほかにも地域の創業を支援するものとして、管内の市町村や商工団体、あるいは金融機関などの集まりであるとかち創業支援ネットワーク会議というものがあったり、あと今日の朝刊でしたけれども、上士幌ではまちづくり会社が創業・起業を応援しているという記事がありました。したがって、十勝・帯広というのは企業や創業に対してしっかりとした支援が行われているということは理解します。 事業というのは、起こせば継続することが求められます。当然事業者はそれを目指すわけですが、そこで事業継続という点において、市はどのような支援を行っていらっしゃるか、また事業継続の最大の課題というのは、後継者不足等々の問題の解決、いわゆる事業継承、事業承継というものです。事業継続、事業承継に対する市の取組みも併せて伺います。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 帯広市では、事業継続の支援として中小企業振興融資制度による低利融資のほか、帯広商工会議所と連携をいたしまして、会議所内に中小企業相談所を設けまして、中小企業の経営改善でありますとか、人材育成などの促進を行っております。 また、事業継承には専門的な知識も必要なことから、相談内容に応じまして、金融機関あるいは支援機関等を案内するなどの側面支援を行っているほか、制度融資におきましても事業を継承する者に対する融資要件の拡大などの支援を行っているところであります。 以上であります。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 事業継続の支援の基本が、金融機関の紹介だったり融資というのは、当然順調ならばもちろんそれでいいと思うんです。ただ、コロナ禍というのは、この様々な分野の事業継続というものを危うくして、そしてその対策として、昨年来一番代表的なのは持続化給付金ですとか、そういった各種緊急措置があったと思うんです。ただ、こうした緊急措置というのも何度も何度も続くわけがないと、そのように私は考えてます。 国も、令和2年度第3次補正予算の中で中小企業等事業再構築促進事業を新設したように、いわゆる緊急措置を何度も何度も打つという体制から、コロナ禍を見据えた取組みを行う事業者への支援へと方針を転換したように、私には国の方針がそう見えるんです。これについての市の見解を伺います。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 今おっしゃった、国の中小企業等事業再構築促進事業は、ポストコロナ、ウィズコロナ時代の社会経済の変化に対応するため、業態の転換、事業業種転換、事業再編など、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することを目的としております。また、国の審議会においても同様の方向性が示されているところであります。 こうした国の動向なども踏まえながら、今後地元中小企業の振興を図っていく必要があるものと考えております。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 事業再構築促進事業というのは、予算規模1兆1,485億円です。その規模からも、国が進もうとしている方向性を感じ取ることができると思ってます。 同じような趣旨と思われるのが、小規模事業者持続化補助金です。これはPRチラシの作成であったり、店舗改装、あるいは販路拡大などに新たに取り組む小規模事業者を支援する制度です。この制度の市内事業者の利用状況についてお尋ねします。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 窓口の帯広商工会議所によりますと、今年度の小規模事業者持続化補助金は、現時点で111件の申請に対しまして、63件が採択されております。コロナ禍により地元事業者の関心が高まっていることを背景に、例年の2倍以上の申請を受け付けていると伺っております。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 例年の2倍以上ということで、非常に申請件数も多くなってるということだと思います。 この持続化補助金というのは、何も去年始まったものではなくて、平成26年から始まっていました。それは一般型と言われるものですが、令和2年度、つまり今年度ですね、もう終わってしまったんですけども、コロナ特別対応型というものが加わって、一気に認知度が高まったと思います。 コロナ特別対応型というのはなくなりましたが、来年度からは低感染リスク型ビジネス枠というものが新設されて、そこに対して今回帯広市は補正予算で上乗せ支援をしていると思います。つまりポストコロナを踏まえた、新たなビジネスやサービス、生産プロセス等の取組みに対する帯広市の支援をしたいという思いがそこにあると思います。 今回の帯広市の事業総額は1,100万円です。どのような効果を期待しているか伺います。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 市内の事業者の約7割を占める小規模事業者は、地域経済の重要な担い手でありますけれども、経営体力が不安定なものも多く、コロナ禍の影響を受けやすい状況にあるものと考えております。このため帯広市の上乗せ補助によりまして、自己負担が軽減されることで事業の活用が進み、コロナ後の社会経済の状況などを踏まえた取組みが促進され、地元事業者の事業再建、持続的発展につながるものと考えております。 以上であります。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 上乗せ補助によって、4分の1の自己負担が6分の1になるとか、そういうことだと思います。 この上乗せ支援というものは、実は昨年の6月の補正でも小規模事業者持続化補助金に対して行っている。これは、昨年はいろんな自治体が取り組まれていたと思うんです。そんなに多くもないけども、でも珍しくはなかったと思います、持続化補助金に対する上乗せは。ただ、新年度もこの上乗せ支援に取り組む自治体というのは、調べた限りではあまりないように思います。つまりこの部分というのは、帯広ならではの支援だと思うんですよね。帯広ならではの支援だからこそ、多くの事業者に知っていただいて、この補助金にチャレンジをしていただきたいと思います。 ただ、どうしても補助金というのは、知ってる人は知っているというものになりがちで、何度も同じ人が別の補助金を申請していくというものになりがちだと思うんですけれども、やっぱりこの1年間というのは、日本人全員がまず定額給付金から始まって、いろんな補助金だとか、支援金だとか、助成金というものに触れた1年だったと思うんです。 したがって、そういうものがあるということが補助金というものに対する認知度は上がっているので、この流れをどんどん継続していって、やっぱり必要な人にはそのような情報が届くようなことを考えていただきたい。つまり帯広市のこうした取組みの認知度を高める工夫というのも、一つの中小企業支援策だと思うんですよね。誰もがこうした情報にたどり着ける方法や、事業者が気軽に相談できる体制というものが必要だと考えますが、市の見解を伺います。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 事業者が活用できる補助金等の情報につきましては、市のホームページに随時掲載しているほか、メールマガジン等による情報発信を行うことで、事業者への周知を図っております。 これに加えまして、帯広市の融資等の相談窓口におきましては、これは以前から他の制度もそうでありますけれども、職員が経営相談などの対応も行っておりまして、相談者の業種や相談内容に応じて補助金の活用に関する案内も随時行っております。 以上であります。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 昨日の地元紙にホームページのことが載ってました。非常にいい取組みだと思います。経産省だけじゃなくて、いろんなものを紹介していただきたいと思います。 市からの情報ということで言えば、以前一般質問で広報おびひろの話をしたときに、やっぱりプッシュ型の情報提供を目指さなければいけないという点では意見が一致したと思うんですよね。 行政というのは、どうしても申請主義であって、そこを何とか乗り越えなければいけないということは行政の課題なわけですが、これを実際にLINEを活用した、あなたが使える制度お知らせサービスというものを千葉市の熊谷市長、今知事選に出られてる人ですけども、彼が取り組みました。今年からやってます。これは、子育て支援を中心にしたものなんです。 先ほど帯広のLINEも、設定していくと子育て支援だとか、ごみですとか、そうした情報が届くようにはなっていました。なっていたけれども、経済情報というのがやっぱりなかったと思うんです。欲しい情報を届けることができる、そのツールとしてはとても便利だなと思いましたんで、子育て支援等々だけじゃなくて、こうした経済情報というか、そういう中小企業支援策が欲しい人にはそこに届くような仕組みを考えていただきたいなと思います。 帯広市の中小企業支援策というのは、起業・創業への取組みであったり、今お話をしましたコロナ禍における持続化補助金の上乗せですとか、あるいはちょうど5月ぐらいだったと思いますけれども、新規創業者向けの帯広版の持続化給付金と言えるようなものですとか、チャレンジを支援するというものが最大の特徴なんだと思います。 この分野においては、チャレンジを応援するという点においては、他の自治体よりも前を走ってきたんだと思うんです。ただ、事業再構築促進事業など、国も今後こうしたチャレンジを積極的に応援するとなった以上、ほかの自治体もそれに倣った中小企業振興策を取ってくると思います。せっかく前を走ってる帯広市は、今の中小企業振興策をただ継続されるだけではなくて、何か新しいアイデアを打ち出していただきたい、チャレンジを応援する帯広市の独自性をさらに強めていただきたいと思うわけです。 中小企業、小規模事業者にとって優しいまちであるということは、今日のニュースでまた釧路の人口を超えたと出てましたけども、道東の拠点都市になっていく上でも非常に重要であると考えます。 先ほど持続化補助金の利用状況を伺いました。現時点において採択されなかった方が例年よりも多いということが分かります。 今後中小企業、小規模事業者を取り巻く環境が変化する中で、こういった事業者の様々なチャレンジが増えていくことは予想されます。国あるいは道の補助金申請が増えれば、採択される事業者も増えるでしょうが、採択されない事業者も増えます。そのチャレンジしていくという意欲は、帯広・十勝の経済にとっては活力なんだと思います。そうした意欲というものに帯広市はどう応えていくのか、これが帯広市の今後の中小企業支援策の一つの大きなテーマであると考えます。 帯広市として、こうした様々なチャレンジを支援していく姿勢を示すこと、つまり帯広市の独自策を示していくことが重要ではないかと思いますが、市の見解を伺います。 ○有城正憲議長 田中副市長。 ◎田中敬二副市長 これまでも人材育成において、食や農業の分野で、将来地域を牽引していく人材の育成を目指しまして、帯広畜産大学と連携した講座を開設をしております。延べ500人を超える修了生の中には、十勝産の原料で健康に配慮したお菓子を開発し、北のハイグレード商品に認定された事業者でありますとか、ハマナスを使用した化粧品開発で国内外に販路を拡大した事業者など、様々な分野で活躍する人材が生まれてきております。 中小企業を取り巻く環境は、コロナ禍のみならず、国内市場の縮小や人手不足など、厳しさを増しており、こうした環境の変化に対し、地元事業者も適応していくことが求められております。 帯広市といたしましても、今後も関係機関と連携しながら、日々の活動の中で地元事業者が行う様々な挑戦を支援していく考えであります。また、その前に検討をというお話しのありました、より経済等の情報が事業者に届く仕組みを検討してはどうかという御提案をいただきました。この検討も深めてまいります。 以上であります。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) ありがとうございました。 日常にある小さな挑戦を応援する帯広市であっていただきたいと願います。 コロナ禍というのは、日本経済が大きく変わると考えてます。例えば、新型コロナウイルス以前から東京一極集中というのは問題になっていたものの、その解決の糸口というのはなかなか見えなかったんです。しかし、新型コロナウイルスをきっかけに、地方移住ですとか、ワーケーションだとか、サテライトオフィスとか、以前よりももっと現実味を持って考えられようになりました。 もともと新型コロナウイルスの前から東京の経済成長率というのは、実は都道府県別で見てもワーストテンぐらいなんです。そんなに高くないんです。上位は、茨城や山形といった農業を主産業とするところです。そういうことからも考えると、東京から地方へという動きは一気に加速してくだろうと思います。 残念ながら、北海道の経済成長率はそんなに高くない。でも、十勝総合振興局で見ると堅調なんですよね。だから、十勝というものが注目されると思うし、注目されなければいけないと。最新のデータは平成29年なので、平成28年の台風で落ち込んで、その後の平成29年の復興とかで上がってますから、参考程度にすぎませんけども、それでも高い、堅調に推移してると考えます。 日本経済の成長の源というのは、コロナ前もコロナ後もローカル経済圏であったと思います。だから、地方創生が叫ばれてきたはずです。そして、地方創生はコロナ禍で衰退するのではなくて、コロナ禍後にこそ大きな役割が期待されています。つまり十勝経済というのは、日本経済の成長の一端を担っていると、帯広の中小企業、小規模事業者が何とか新型コロナウイルスを乗り越えて、意欲的に経済活動をし続けるために、帯広市独自の具体的な支援策が今後速やかに出されることを期待して、この質問を終えます。 さて、中小企業振興策が、帯広の姿勢がよく見えるなという一方で、私にはあまり何も見えないのが、この「歴史を大切にしたまちづくり」です。 冒頭で答弁をいただきました。少しずつ詳しく質問していきたいと思うんですが、まず今回「歴史を大切にしたまちづくり」という部分にかぎ括弧をつけさせていただきました。これは、私が別に言ってるんじゃないんです。帯広市が、帯広市環境基本計画の中に記されていた、帯広市自身の言葉です。こうしたものが使われていたんですが、今回の環境基本計画にはなくなりました。 そして、歴史に基づくまちづくり、大切にしたまちづくりというのは、教育基本計画を中心に展開する。だから、生涯学習部から答弁をいただいてると思うんですけども、ただ歴史というのは教育、学びの観点も確かにあるとは思いますが、学びだけではないと思うんですよね。例えば日常生活であったり、観光と関わる、食文化から見れば農業とも関わる、そうした幅広いものと歴史は関わりがあるわけですが、まず確認したいのは、この環境基本計画からこの言葉がなくなった、つまり取組みとしてなくなったことに何か意味があるのかどうか、お伺いします。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 第三期環境基本計画では、歴史は自然とともに育まれたものという考えから、それまであった歴史を大切にしたまちづくりについては、自然共生社会の形成の取組みに包含させているものと捉えてございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 目には見えないけど、まだあるんだということだと思うんです。 そして、もう一つ確認させてください。 歴史に関する部分が、生涯学習部は文化課から百年記念館に担当が移っています。それはつまり歴史を大切にしたまちづくりをより力強く推し進めていくという趣旨でよろしいですか。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 文化財の保護と百年記念館が行ってる業務というのは、非常に親和性があるという判断で、このたび組織機構改革の中でその業務が移行していったものと捉えてございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 分かりました。それでは、それを踏まえて質問を続けます。 冒頭、壇上で縄文人の話をしました。今北海道では縄文文化の世界遺産登録を一生懸命進めてるところだと思います。世界遺産となった際は、帯広市の縄文遺跡、あるいは出土品なども、こうした世界遺産となった記念とリンクさせて、何か活用できないのかなと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 まず、北海道・北東北の縄文文化遺跡群についてでございますけども、御存じかと思いますが、北東北3県と道南地方及び千歳市の遺跡で構成されてございまして、積極的に世界遺産の登録を目指して活動を行ってると伺ってございます。 帯広市におきましても、道内最古級の旧石器遺跡や縄文集落遺跡などが幾つかございまして、ただこれらは現在、当時の姿をとどめていないという状況でございまして、世界遺産登録に参入できないという状況にあります。 今後正式にこちらのほうが登録された場合には、帯広市としてもどういった連携的な取組みが可能なのか、情報収集を行っていきたいと考えてございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) どこの遺産も当時の姿はとどめてないです。遺跡として存在していないだけ、見えるようにはなってないということです。 百年記念館では、2007年に文化庁の主催で発掘された日本列島2007という大きな展覧会、巡回展があったと思うんですよね。その縄文版みたいなものをやはりぜひ世界遺産登録を機に、帯広にも縄文文化があるわけですから、取り組んでいただきたいと思います。 先ほど文化財の話が出てきました。歴史を大切にするまちづくりには、文化財を大切にするということも含まれていると思います。帯広市の考える文化財の保護とはどのようなものでしょうか。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 文化財を含めた文化資源の保護につきましては、第二期帯広市教育基本計画で位置づけてございます。こちらに位置づけていることによりまして、生涯学習の推進に当たっては、不可欠な取組みであると認識してございます。 その取組みにつきましては、文化資源の所有者である市民主体の取組みを促すとともに、市民との連携が大切であると認識してございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 生涯学習の推進に当たってというところだけではないというのが考えなんですよね、文化財というのは。それだけではないはずだということなんですけれども、質問を進めます。 八千代A遺跡出土品や旧双葉幼稚園園舎は、国の指定文化財です。一方で宮本商産旧本社ビルというのは国の登録文化財です。指定と登録の違いは何でしょうか。また、国や道の指定文化財と市の指定文化財の違いというものもお伺いしておきます。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 国の指定文化財は、文化財の中で特に重要なものを永久的に保護する、こういったことを目的としたもので、手厚い保護措置がある一方で強い規制が伴うものでございます。 また、登録文化財につきましては、それ以外のもので保護並びに活用の措置を必要とするものを対象としてございまして、指定に比べ規制はやや緩やかになっているところでございます。 市の指定文化財につきましては、市域内にある文化財のうち、国や道の指定文化財以外の文化財を対象としたものでございます。 指定に当たりましては、帯広市文化財保護条例に即し、市にとって特に文化的価値が高いものを指定できると定めておりまして、規制や保護措置の内容については、おおむね道の条例に準じているような状況でございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 2010年に登録文化財になったのが旧双葉幼稚園園舎です。2017年に指定文化財になりました。その指定前から様々な保存活用の議論があったわけですけども、指定前も指定後も、保存活用に関して市が積極的に関与していないように見えるわけです。市が直接支援できない理由というのは何なのかをまずお伺いしたい。 そして、先ほどの答弁で、国の指定文化財というのは、文化財の中でも重要なものを永久的に保護することを目的としているとありました。その永久的な保護の責任を担うのは誰なんでしょうか。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 国指定の重要文化財でございます旧双葉幼稚園舎、こちらにつきましては、文化財保護法に則した取扱いが必要となってございまして、保存活用に当たっては所有者の意向を優先して行うこととなってございます。 ですが、現在のところ、所有者からの具体的な保存活用の意向は示されてございませんので、直接的な支援策を検討する状況にはなく、推移しているところでございます。 国の指定文化財は、国が文化財保護法にのっとり、所有者の同意の上で指定するものでございますことから、保護に関する判断は国が行うことになります。また、指定文化財の管理責任の義務は、所有者が担うというふうな形になってございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 保護に関する判断は国が行うということですが、もう少し分かりやすい形でお伺いしたいんですが、例えば旧双葉幼稚園園舎がもうもたないと、倒れそうだと、倒壊してしまうおそれが非常に高くなってきたというとき、いよいよのときは国が保存するんでしょうか、倒壊するためのそれを避ける工事のようなものを国が行うということでよろしいですか。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 仮にそうした状況が発生したということを確認した場合には、国に報告をいたしまして、適切な応急措置が行われるものと理解してございます。 その際には、国からの相応な支援、こちらがあると理解してございまして、国が、所有者で適切な修理が実行不能であると判断した際には、管理を担う団体となるように自治体に指示などが来るものと理解してございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) まず、分かりました。 旧双葉幼稚園園舎というのは、長きにわたり幼児教育の現場でした。双葉幼稚園に対してどのような認識をお持ちか、幼児教育の担当部署である市民福祉部に伺います。 ○有城正憲議長 下野一人市民福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 双葉幼稚園は、明治44年に帯広初の幼稚園として創設されて以来、乳幼児期におけます人格形成の基礎を培う重要な役割を果たしてきており、子供たちの健やかな成長に大きく寄与してこられたものと認識しております。 双葉幼稚園をはじめ、これまでの幼児教育に携わる先人の方々の功績は、今なお十勝・帯広の幼児教育・保育の現場に連綿と受け継がれ、幼児教育・保育の質の向上につながっているものと捉えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) ありがとうございます。 1月の建設文教委員会において、帯広市にとって双葉幼稚園はどのような存在なのかという質問をしました。その際、百年記念館の館長の答弁だったと思いますが、まず十勝において一番最初に重要文化財になったということを捉えると非常に誇らしいことは確かだという、このような指定物件が出てきたということはそれなりに歴史が作られてきたということ、そしてそのような観点からあの建物を考えていくべきと、どう考えていくべきというところまでは何も出てこなかったという趣旨の答弁でした。 文化財として誇らしい存在であって、十勝・帯広の子供たちの健やかな成長に大きく寄与してきた存在である双葉幼稚園、旧園舎なんだと思います。こうした存在に対して、帯広市は何もできないのかな、何かしなければいけないのではないかなとやはり感じるわけです。だけども、国の指定文化財ですから、基本的には国のものだということなんだと思います。 ただ、先ほど市の支援がないのはなぜかという質問に対して答弁は、所有者から保存活用に当たっての具体的な意向が示されていないため、直接的な支援を検討する状況にはないという答えでした。ならば、所有者から保存活用に当たっての具体的な意向が示されたとするならば、直接的な支援を検討する余地はあると捉えられるんですけども、それでよろしいですか。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 仮に所有者から、この園舎をこうしたいというような御相談があった場合には、当然国の補助金等々を活用して行っていくことになると思います。ただ、じゃあ国と所有者だけがそれを負担すればいいのかということではなくて、園舎の指定のときに市のほうも同意書という形で出しておりますので、市が何らかの形で関わっていくということは考えられます。 以上です。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 今日はそこまで聞ければ十分です。ありがとうございました。 文化財というものは、建物だけではなく、無形文化というものがあります。先ほど西本議員の御質問にもありましたが、私はひとつ食文化についてお伺いしたいと思います。 国の令和3年度の予算では、食文化あふれる国・日本プロジェクトというものがありました。食文化ストーリー創出・発信モデル事業をはじめとする2億4,100万円の予算化、啓蒙、普及啓発活動が中心なんですけれども、予算化されていて、自治体の食文化への取組みを支援する制度です。 農林水産省のホームページには、北海道の食文化を紹介するページがありますが、そこには十勝開拓者の命をつないだ豚肉食文化として養豚の歴史とともに豚丼が紹介されています。つまり国は、この豚丼を十勝のストーリー性ある食文化として捉えてるということだと思うんです。 今回の文化庁のこうしたプロジェクトが始まる。帯広の豚肉の食文化を、文化庁のこの事業を活用して取り組まれてはいかがでしょうか、お伺いします。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 今お話しのございました文化庁の事業でございますけれども、市の食文化に係る取組みといたしまして、このような仕組みを利用し、地域資源としてPRをしていく上で効果的な方法にはなり得ると考えてございます。 一方で、文化財といいますか、文化的な価値を高めることが必要となってくるということも考えられますので、その根拠となる、しっかりとした歴史的評価をしていくことが不可欠でもあると考えてございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 文化財として豚丼を考えていかなければ食文化にならないのかなというような気もするんですけど、文化財っていろんな捉え方があるので、多分そこの認識の違いなんだろうと思いますけれども、食文化というのは恐らく自分から積極的に私たちのまちの食文化はこれですと言わないことには、誰かが教えてくれるものではないと思うんですよね。 食文化というのは、外に広めることによって知ってもらうと、私たちは当然分かっているけども、外の人に知ってもらうことによって観光につながったり、十勝のPRになったりということだと思うんです。 ちょっと時間がないので馬文化の質問は飛ばしますけども、先ほど馬文化というものが出てきました。馬文化というのは、どちらかというとこれは教育なんだと思います。ほとんどの子供たちは、僕も今47歳ですけども、私の小さい頃ですら、馬が畑を耕していたなんていうのは見たことないです。つまりこれは教育的な要素として、馬文化を継承していくためには、それは生涯学習部の仕事なんだろうと思いますけども、例えば食文化ということであれば、観光ということになってくるような気がするんです。 したがって、もう最後に質問しますが、やっぱりグランドデザインを描いていかなきゃいけないと思うわけです。まちの歴史がよく見える形にしていかなければいけないわけですが、見える化で一番分かりやすいのは市史なんです。まちづくりの歴史はやっぱり帯広市史をちゃんと整理することだと思うんですけれども、市史はまず昭和51年、開基90年のときにできて、次100年でできて、その次が、このときに開拓となって120年でできました。間もなく140年になります。今後帯広市の市史の発行時期等々、発行時期の考え方及び発行に向けた現在の状況について伺います。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 お話の帯広市史につきましては、今百年記念館のほうにおきまして、前回の発行以降、年度ごとの出来事をまとめた年史報告書を作成し、次の発行に備えているところでございます。 次回の発行時期につきましては、これまで節目の年に発行してきたことなどを踏まえ、大きな節目となる開拓150年、市制施行100年を意識して検討していく考えでございます。 以上です。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 結構先の話だなと思いました。 しっかり準備していただきたいし、平成16年からの年史報告書だけを足すような形ではなくて、歴史を振り返って書き足す部分は書き足していただきたいなと、晩成社が目指した開拓の規模というのはどれぐらいだったのかとか、十勝監獄というものが帯広市の歴史にどのような影響をもたらしたのか、十勝監獄との取引を考えて商売というのが成り立っていった、そういった商店がたくさんあるはずなんです。学校もそうです。帯広小学校は、帯広の一番最初の小学校は、十勝監獄の職員の子供が通うことが多かった。だから作らなければいけなくなったと思います。そうした史実で足りない部分というものがやっぱりたくさんありますから、市民に読まれるような市史を目指していただきたいと思います。 やっぱり帯広市の歴史を大切にしたまちづくりというのは、実は結構単発で終わってきたと思うんです。例えばばんえい競馬を残すときに馬文化を、ちょっと名前を忘れましたけども、馬文化に関する計画書を出していて、2年間の、それで活性化させますという計画書が出ている。でも、それっきりで馬文化の計画書というのはたしかないはずなんです。 今回のいろいろ考えて、なぜ帯広の歴史、歴史を大切にするまちづくりも環境基本計画に行ってみたり、教育基本計画に行ってみたり、総合計画にももちろんエッセンスは入ってるって思いますけども、なかなか見えない。やっぱりきっちりとした、誰もが共有できるようなものが必要なのではないかと、それに基づいて市役所として全ての部局がまちづくりを行っていくと、何か共有するものが必要なのではないかと考えます。 近年、国は社会構造や価値観の変化から、地域においては、文化財をその周辺環境をも含めて総合的に保存、活用していく必要性があるとの認識のもと、市町村に歴史文化基本構想というものを作成を期待していると思います。これに関する市の見解を伺います。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 歴史文化基本構想につきましては、種類や特徴の異なる個々の文化財だけではなく、それを取り巻く自然環境、景観、人々の活動などに加え、文化財を維持継承するための技術、歴史資料や伝承なども含めた、要は文化財を核に地域の歴史を丸ごと保存活用するためのマスタープランとされてございます。北海道では、小樽市や江差町、比較的歴史の深いところが策定していると承知してございます。 先ほども申し上げましたけど、文化財の保護活用については帯広市教育基本計画に位置づけてきてはございますけども、今回お話のありました国の構想にあるような施策の体系化については、これまで取り組んではございません。 ただ、文化財等の歴史に係る資源の包括的な活用につなげていくこと自体は非常に有効な手段であると考えてございますので、他の自治体の事例を研究してまいりたいと考えてございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 取り組んでいないことは分かってるんです。文化庁というのは、例えば文化の政策、計画だとか、そういうものを比較的、努力義務のような形で自治体に対して示してると思います。この歴史文化基本構想というのもそうですし、あるいは最近北海道は文化財保存活用大綱というものを作りました。これは市町村も同じような計画を作ってくださいと、応援しますよという道の支援が見えるんですけども、札幌は北海道が作るよりも前に作ってました。あるいは、文化芸術の分野でいえば、文化芸術推進計画というものも努力義務的に市町村は作るべきだというふうな話があると思うんです。 いずれにしても、帯広市が歴史を大切にしたまちづくりをこれから積極的に進めていくためには、教育分野だけではなくて、様々な施策が絡むものにしていかなければいけないと思います。したがって、基本計画だとか、計画というものが重いのであれば、動物園の魅力アップの方針というものを作ったように、誰もが共有できるような一つの考え方を示したものを作らなければいけないのではないかと思いますが、こうした取組みについて市の見解を伺います。 ○有城正憲議長 井上生涯学習部長。 ◎井上猛生涯学習部長 文化財保存活用地域計画につきましては、先ほどお話がありましたように、歴史文化基本構想を実行的に発展させたもので、中身については非常に似通ったものとなってございます。市町村がよりアクションプランとして策定するように、国が位置づけているものでございます。 計画認定が受けれれば国庫補助事業による補助率加算、優遇措置などの特例措置が講じられるとされてございますけれども、計画の策定に当たっては、それに先立つ取組みとして、生涯学習部としては、まず市内にある文化財、またはその候補、そういったのも改めてリストアップし、その内容評価についての把握をしていくことが必要であると考えてございます。 こういった文化資源があるということを前提に、いろいろな各部署と協議をしていくことによって、文化財を保存活用していく地域というまちづくりを進めていく必要はあると思いますが、これから歴史的、文化的資源を総合的に整理していく中で判断してまいりたいと考えてございます。 ○有城正憲議長 上野議員。 ◆4番(上野庸介議員) 国が定めた計画というものがやっぱり重いのであれば、重いというか、やっぱりそれは大変なんだと思うんです、認められなければいけないですからね、優先順位もあるでしょうけども。 ただ、やっぱり歴史を大切にしたまちづくりというのは帯広市が掲げてきたことですから、そこは共有して各部署でまちづくりを進めていただきたいなと思います。 中小企業振興策でチャレンジを支援する帯広市の姿勢について触れました。これも開拓から始まった帯広の歴史や風土を受け継ぐものだと思うんです。つまり歴史は、まちづくりの根底に目に見えない形であるものなのかもしれません。ただ、それを将来にわたって受け継いでいくためには、行政と市民との間にその基本姿勢をしっかりと共有していかなければいけないと思ってます。開拓から数えても、帯広の歴史は140年弱です。日本の他の地域よりも、長さの面では見劣りするかもしれない。しかし、たったこの140年の歴史がまちづくりにどう関係してきたことをしっかりと説明できないまちが、150年や200年も積み重なったときに歴史を大切にしているまちになっているとはとても思えないんです。歴史を残していく力というものが、今のこの140年弱の帯広には求められてると思います。 かつて、環境基本計画の中に記されていた歴史を大切にしたまちづくりというこの文言は消えてしまったわけですけども、その精神は消さずに、そして帯広として新しい形を示していただきたい、市民と共有できるような方針をつくっていただきたいとお願いして、私の質問を終えます。ありがとうございました。 ○有城正憲議長 以上で上野庸介議員の発言は終わりました。 ここでお諮りいたします。 本日の会議はこの程度とし、散会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○有城正憲議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 本日はこれをもちまして散会いたします。         午後4時9分散会...