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09月25日-04号

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  1. 帯広市議会 2018-09-20
    09月25日-04号


    取得元: 帯広市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    平成30年第4回 9月定例会〇議事日程日程 番号事件番号内  容  等第1  会議録署名議員の指名について第2議案第79号平成29年度帯広市一般会計歳入歳出決算認定について議案第80号平成29年度帯広市国民健康保険会計歳入歳出決算認定について議案第81号平成29年度帯広市後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定について議案第82号平成29年度帯広市介護保険会計歳入歳出決算認定について議案第83号平成29年度帯広市中島霊園事業会計歳入歳出決算認定について議案第84号平成29年度帯広市簡易水道事業会計歳入歳出決算認定について議案第85号平成29年度帯広市農村下水道事業会計歳入歳出決算認定について議案第86号平成29年度帯広市ばんえい競馬会計歳入歳出決算認定について議案第87号平成29年度帯広市駐車場事業会計歳入歳出決算認定について議案第88号平成29年度帯広市空港事業会計歳入歳出決算認定について議案第89号平成29年度帯広市水道事業会計剰余金の処分及び決算認定について議案第90号平成29年度帯広市下水道事業会計剰余金の処分及び決算認定について報告第10号平成29年度帯広市水道事業会計継続費の精算報告について報告第11号帯広市健全化判断比率及び資金不足比率の報告について     一般質問について     ──────────────〇会議に付した事件 議事日程に同じ     ──────────────〇出席議員(29人)    1番       石 橋 勝 美    2番       岡 坂 忠 志    3番       佐々木 直 美    4番       清 水 隆 吉    5番       石 井 宏 治    6番       木 幡 裕 之    7番       大和田 三 朗    8番       西 本 嘉 伸    9番       渡 辺 喜代美    10番       播 磨 和 宏    11番       菊 地 ル ツ    12番       大 林 愛 慶    13番       楢 山 直 義    14番       鈴 木 正 孝    15番       今 野 祐 子    16番       藤 澤 昌 隆    17番       熊 木   喬    18番       大 塚   徹    19番       横 山 明 美    20番       杉 野 智 美    21番       鈴 木 仁 志    22番       稗 貫 秀 次    23番       大竹口 武 光    24番       村 田 光 成    25番       有 城 正 憲    26番       富 井 司 郎    27番       稲 葉 典 昭    28番       佐々木 勇 一    29番       大 石 清 一     ──────────────〇欠席議員(0人)     ──────────────〇出席説明員 市長          米 沢 則 寿 副市長         前 田 正 明 副市長         田 中 敬 二 公営企業管理者     阿 部 信 一 教育長         嶋 崎 隆 則 代表監査委員      林   伸 英 政策推進部長      池 原 佳 一 政策室長        中 里 嘉 之 広報秘書担当部長    関 口 俊 彦 総務部長        廣 瀬   智 市民活動部長      野 原 隆 美 市民環境部長      川 端 洋 之 保健福祉部長      堀 田 真樹子 こども未来部長     広 瀬 容 孝 商工観光部長      相 澤   充 農政部長        池 守 康 浩 産業連携室長      植 松 秀 訓 都市建設部長・新総体整備推進室参事             泉   和 知 上下水道部長      寺 嶋 義 信 学校教育部長      中 野 雅 弘 学校指導担当部長    村 松 正 仁 生涯学習部長      草 森 紳 治 選挙管理委員会事務局長 槇   勝 行 監査委員事務局長    都 鳥 真 之 農業委員会事務局長   河 本 伸 一 選挙管理委員会委員長職務代理者             渡 邊 勝 利 農業委員会会長職務代理者             中 村 正 信     ──────────────〇事務局出席職員 事務局長        山 上 俊 司 書記          滝 沢   仁 書記          佐 藤   淳 書記          田 中   彰 書記          西 端 大 輔 書記          小 原 啓 佑 書記          高 橋   均 書記          蓑 島 優 貴     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~         午前10時0分開議 ○大石清一議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○大石清一議長 ここで事務局長に本日の議事日程などについて報告させます。 ◎山上俊司事務局長 報告いたします。 本日の出席議員は29人全員であります。 次に、本日の議事日程でありますが、お手元に配付の議事日程表第4号により御了承いただきたいと思います。 報告は以上であります。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○大石清一議長 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、26番富井司郎議員及び27番稲葉典昭議員を指名いたします。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○大石清一議長 日程第2、議案第79号平成29年度帯広市一般会計歳入歳出決算認定について外14件を一括して議題といたします。 これから9月20日に引き続き議案に対する大綱質疑並びに一般質問を行います。 初めに、有城正憲議員から発言の通告があります。 25番有城正憲議員、登壇願います。   〔25番有城正憲議員・登壇・拍手〕 ◆25番(有城正憲議員) おはようございます。 朝晩めっきり寒くなってまいりました。このたびの胆振東部地震において亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された地域の皆さんにお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興を願うところであります。地震による停電では、産業に大きな影響を与えております。農業では、停電で搾乳ができないことや流通の混乱、保冷や保管における鮮度保持など、多くの問題が発生しました。一日も早く影響がなくなり、平常の状態に回復することを期待をいたします。 天災は忘れたころにやってくるとの言葉は、定説では科学者であり随筆家の寺田寅彦の言葉だとされています。寺田寅彦は、研究者として火災や地震などの災害に関心を持っていましたが、1923年の関東大震災発生後はそれまで以上に深い関心を示すようになったようであります。こういう災害を防ぐには、人間がもう少し過去の記録を忘れないように努力するよりほかにはないと言ったほか、その後何度も天災の被害を忘れることの危険性を訴え続けたとされています。これらの話はもう既に100年近く前にさかのぼるものですが、現在も何も変わることなく、全国各地ではこの言葉を使って災害に対する備えを呼びかけております。 さて、偶然なのでしょうか、先日の広報おびひろ8月号に「進んでいますか?災害への備え」と題して帯広市の防災への心構えが掲載されました。最近続く自然災害に関連し、帯広市に起こる自然災害として、1つ目は地震、2つ目は風水害、3つ目は雪害・暴風雪を紹介しており、いざというときの備えを呼びかけています。限られた紙面ではありながら、非常持ち出し品のリストなども掲載されております。また、冬の防災に関しては1月号に詳しく掲載するとなっており、冬ならではの特別な対策が周知されるようであります。 帯広市の防災担当は総務部に属していますが、この担当者は何がいつ起こるかわからないものに対して市民の生活を守るため、さまざまな備え、対応を真剣に考えていると思います。安全で安心な生活が当たり前のときにもしもの備えを訴え続けるのは、非常に地味ですが、最も重要な役割なのであります。しかし、防災の備えが完全であるならば、何も起こらなくても当たり前なので、この仕事に対する熱意や姿勢を誰も褒めてくれないのではないかと思います。今回の胆振東部地震での対応に、停電などの関連対策、突発的な不発弾処理など、緊急の対応が続いております。私としては、地味な仕事でありながら真剣に取り組んでいる職員に感謝したいと思うとともに、これからも帯広市民の安全を守るために、地域防災にますます頑張っていただきたいと心から願っております。防災は私の所属委員会の所管であります。これ以上は申し上げませんが、中国の書経にある備えあれば憂いなしの言葉、つまり準備が整っていれば、どんなことが起きても案ずることはないという言葉を忘れずに、仕事に励んでいただきたいと思います。 さて、広報の中に記された災害に関して、農業分野では特に風水害に悩まされてきた歴史があります。一時の急激な暴風雨でなくても、冷涼の中で何日も降り続く雨がもたらした冷湿害において歴史的な不作となった年も数多くあります。十勝総合振興局のコラムに、「冷湿害と凶作」というのがあります。ここには十勝の開拓の歴史は水害、冷害、湿害との戦いでもありました。また、冷湿害は、開拓期だけではなく、戦後においても甚大な被害をもたらしていますと書かれております。その中では戦後2つの冷害について取り上げられていますが、昭和31年の冷害については、大正2年、1913年以来の非常にまれな災害となったと書かれており、農山漁村の深刻な生活難によって人身売買が各地で起こり、道は人身売買対策要綱を制定し、その防止に努めたとも書かれております。 また、東京オリンピックの年ですが、昭和39年の冷害については、十勝にとっては戦後最悪といわれる大冷害で、高度経済成長という時代背景にあって、離農がふえた結果、農地の集積が急速に進んだため、1戸当たりの面積が急激に拡大をいたしました。 私のほんの隣の町内会も20戸近くありましたが、町内部落そろってこの当時離農いたしました。そして、私も土地拡大をできたわけでございます。面積拡大に伴う労働力不足を補うために、トラクターが急速に普及する要因になったとともに、この冷害を契機に十勝農業の体質改善に向けて、合理的な輪作体系の確立、地力対策、畜産振興などが打ち出されました。冷湿害によって農業の生産改善が一気に進んだという皮肉な結果になったわけであります。私たちの農家の仲間で同期である時田則雄さんの歌に「離農せしおまえの家をくべながら冬越す窓に花咲かせをり」というものがありますが、その当時に離農していった仲間への無念の思いとともに、おまえの分まで頑張るぞと言いながら春を待っている、せつなくも力強い農家の姿を想像させられます。 話を戻しますが、さきの7月24日に帯広開発建設部から、2016年夏の台風による河川氾濫で土砂流出などの被害を受けた管内の農地290.2ヘクタールについて、復旧が完了したと発表されました。国や道の河川工事で掘削した土を農地の復旧に充てたものですが、1年7カ月にわたり64万立方メートルの土が提供されており、ダンプトラック約12万台に相当するとされております。帯広の60ヘクタールの農地復旧は昨年度に完了していましたが、十勝の農業関係者にとっては大変ありがたいことであります。膨大な量の土を融通していただき、無事復旧できたことに対し、関係者の皆さんに深く感謝を申し上げたいと思います。 それでは、質問に入ります。 十勝の開拓の歴史は、水害、冷害、湿害との戦いでもあったとされ、農業と災害の密接な関係が何回も繰り返されてきました。今回2016年の夏の台風による河川の氾濫で土砂流出などの被害を受けた市内や管内の農地について、復旧が完了したと発表されましたが、歴史的な経過を踏まえた中で帯広市としての災害農地復旧への思いと今後の支援などに関しての考え方について、市長にお伺いをいたします。 次に、農林水産省が8月8日に、日本の食料自給率が38%で、前年度から横ばいであったとする内容を発表しました。十勝の農業は日本を代表する畑作、酪農地帯と言われていますが、その中心にあってフードバレー構想を牽引し、旗を振る帯広市は、我が国の食料自給に関してどのようなお考えなのか、お伺いをいたします。 次に、現状ではさまざまな国際的な動きが加速していますが、十勝・帯広の農業もその中に巻き込まれています。帯広市が現状で把握し承知している内容でよいので、TPPに関する状況、日本とEU間のEPAの状況及び日本とアメリカ間のFTAの状況などについてそれぞれお伺いをいたしまして、第1回目の質問といたします。 ○大石清一議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 おはようございます。 有城議員の御質問中、被災農地の復旧支援についてお答えいたします。 農業を基幹産業とする十勝・帯広においては、排水改良等の事業や作物の栽培に適した土壌の改良などの農業基盤整備を通じて、経営規模の拡大や生産性の向上が図られていくことが地域経済の持続的発展の上で重要であります。しかしながら、一昨年の大型台風に伴う河川の氾濫により農地の土壌が大規模に流出し、長年にわたり築き上げてきた生産基盤が一瞬で失われるなど、甚大な被害に見舞われたところであります。 帯広市では、これまで関係団体等と連携しながら、被災農地に対して河川掘削土の搬入や土壌改良を行うなどの復旧支援に取り組んでまいりました。工事が完了した農地においては、作付が再開され、収穫ができる状態に戻りつつあるものの、一部で農作物の生育不良が見られるなど、被災前の状態にまで回復するには長い時間を要するものと認識しているところであります。 今後とも被災された農業者の御意見を十分にお聞きしながら、国や北海道、関係団体等と連携し、被災農地の生育や土壌の状態などを把握し、収量回復に向けた土づくりへの支援などを継続的に行うことで、安心して営農を続けられる環境づくりを進めてまいります。 私からは以上であります。 ○大石清一議長 池守康浩農政部長。 ◎池守康浩農政部長 御質問中、初めに食料自給率についてお答えいたします。 第六期帯広市総合計画では、食料自給率とともに農業生産額の増加を目標に掲げ、生産基盤の整備や担い手の育成確保などの取組みを進めているところであります。市内の食料自給率は、品種改良や営農技術の向上により増加傾向にあるものの、目標を下回って推移しておりますが、農業生産額については畜産物価格の上昇などにより、目標を上回る高い水準で推移しているところであります。 本市の農業は、畑作4品を基本にこれまで食料自給率の向上に寄与してまいりましたが、我が国の食料自給については、人口減少や高齢化の進行により今後も減少が続くものと考えられますことから、国内外の需要を見据えた対応が必要と考えております。このため今後も消費者が求める安全・安心で良質な農畜産物の生産に努めながら、日本を代表する食料基地として我が国の食料自給に貢献していく視点を持ちつつ、国内外の食料需要を見据えた作物等の生産に取り組み、地域農業の振興を図っていくことが重要であると考えているところであります。 次に、TPP等の状況でございますが、TPPにつきましてはことし3月、米国を除く参加11カ国がチリのサンティエゴでTPP11への署名を行い、新協定の内容が確定したところでございます。このため国内では、6月にTPP11の承認案、関連法案が成立し、政省令の改正を経て、7月6日に承認手続を終えているところであります。現時点で国内手続を終えている国は、メキシコ、日本、シンガポールの3カ国となり、来年早々にも発効する見込みとされております。また、TPP11には、タイ、コロンビア、韓国、イギリスなどが新規加入に関心を示していると報道されているところでございます。 次に、日本とEU間のEPAにつきましては、ことし7月17日に両首脳が東京で署名を行い、協定内容が確定したことから、今後首脳間で早期発効へ協力していくことを確認しております。国内の承認手続につきましては、政府が秋の臨時国会に協定の承認案と関連法案を提出する方針となっており、日EUは来年春までの発効を目指しているとされております。 次に、日米の貿易協議につきましては、昨日両国首脳が夕食会において、通商、投資、貿易について議論しており、本日両政府は新たな枠組みの貿易協議、いわゆるFFRの第2回会合を行い、協議結果を踏まえ、26日には日米首脳会談において通商問題を議論することとなっておりますが、アメリカのトランプ大統領は貿易協議に関し、貿易赤字解消や2国間の自由貿易協定の交渉の具体化を迫り、今後の交渉で進展がなければ、自動車への追加関税など報復措置をとる可能性も示唆していると報道されているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 有城議員。 ◆25番(有城正憲議員) それでは、済みません。座らせていただいたまま質問させていただきます。 それぞれの御答弁ありがとうございます。 市長からの答弁をまとめてみますと、今後とも被災農地の土づくりに対する継続的な支援はもとより、国や道、関係団体と一体となって生産基盤の強化に取り組み、地域の基幹産業である農業の持続的な発展を目指していくとの力強い御答弁をいただきました。縄文時代のように、農耕をしないで自然の恵みだけで生きていくことはできません。農業は歴史的な視点との戦いの中で成長してきましたが、土がなければ作物は育ちませんし、人がいなければ栽培管理はできません。 私は3月の議会でも申し上げましたが、基幹産業の農業は作物がただ育つだけではなく、農家が作物生育の状況をコントロールして、その育つ環境をつくっているということであります。そのためにも農地の保全や基盤の強化、整備が最も重要になりますので、基幹産業である農業を守るため、市長を先頭に十分な支援を望むところであります。 それでは、質問の順番を変えまして、食料の自給及び国際的な農業交渉から再質問をいたします。 自給率が38%にとどまっている件に関しては、今後も食料基地として食料自給率に貢献していく視点を持ちつつも、国内外の食料需要を見据えた作物等の生産により地域農業の振興を図っていくことが重要だとしていますが、答弁にありました国内外の食料需要を見据えた作物とは何を指しているのか、お伺いをいたします。 ○大石清一議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 十勝・帯広では、これまでナガイモが海外へ販路を拡大したことにより、豊作時の国内市場価格を安定させ、収入の安定を図ってきたところであります。こうした取組みにより、品種改良等により増産した場合にも安定した収益を得る体制が構築されているところであります。 今後も国内のみならず、人口増加や経済成長とともに、日本食ブームなどにより食料需要の拡大が見込まれる海外を見据えた農畜産物の生産を行う必要があると考えているところでございます。 ○大石清一議長 有城議員。 ◆25番(有城正憲議員) 自給率はカロリーで計算されています。先ほどの答弁では、市内の食料自給率は目標を下回っているが、農業産出額は目標を上回っているとのことでした。小麦、大豆を初めバレイショ、てん菜のカロリーは比較的に高く、収益性の高い野菜は一般的にカロリーが低いのです。この矛盾をどう考えるのか、お伺いをいたします。 ○大石清一議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 十勝・帯広の農業は、カロリーの高いバレイショ、てん菜、小麦、豆類の畑作4品による輪作体系を基本に収量の増加に取り組むとともに、ナガイモや大根などの高収益作物の生産を行うことにより持続的な成長を続けており、こうした農業者の努力により自給率の向上や生産額の増加が図られるものと考えているところでございます。
    ○大石清一議長 有城議員。 ◆25番(有城正憲議員) あえて再度確認しますが、今後大根のようにカロリーの少ないヘルシーな野菜を高収益作物として次々と生産振興していっても、カロリーベースの食料自給率に貢献できるという考え方なのか、再度お伺いをいたします。 ○大石清一議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 高収益作物の生産を輪作体系に取り組むことにより、輪作する各作物の作付間隔があくこととなり、作物の病害等のリスクが低減されることにより経営の安定化につながるとともに、各作物の収量の増加による自給率の向上にも一定程度貢献するものと考えているところでございます。 ○大石清一議長 有城議員。 ◆25番(有城正憲議員) いろいろ答弁をいただきましたが、今の答弁は、農業改良普及センターなどに確認した統一的な見解なのでしょうか、ちょっと疑問な気もいたします。なぜならと言いますと、農協においても計画をつくるときに、農協組合長会で十勝で収益性の高いものの生産力をどうやって高めるかということでございまして、自給率を何ぼまで向上させるためだということは今はもう議論してないんですね。このためいろいろな高収益の野菜がどんどんどんどん取り入れられてきてるのが現状でございます。確かに作付間隔が長くなると、病害虫などのリスクは少なくなります。これは間違いありません。収量はふえますが、高収益作物として野菜などが入れば、一般的にカロリーの少ない作物なので、カロリーによる自給率に本当に貢献するのでしょうか。農業改良普及センターに確認されたほうがよいと思いますが、確認後に説明をお願いいたします。 さて、帯広市農業・農村基本計画には、市内食料自給率を含めて幾つかの計画の指標を持っています。現在新たな帯広市農業・農村基本計画の策定準備に入っていると思いますが、その指標に対する基本的な考え方についてお伺いをいたします。 ○大石清一議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 第五期帯広市農業・農村基本計画の指標につきましては、本市の農業農村に関する課題を踏まえ、計画の実現のために設定しているところであります。新たな帯広市農業・農村基本計画の策定に当たっては、本市の農業者や関係団体等から御意見をいただくとともに、社会経済情勢の変化や地域農業の成長の可能性などを踏まえながら、今後の農業振興の方向性を検討し、食料自給率を初めとした現計画の指標を検討した上で新たな計画の指標を設定してまいりたいと考えているところでございます。 ○大石清一議長 有城議員。 ◆25番(有城正憲議員) 少し議論がかみ合っていないような、少しですよ、気がします。 まず、日本の農業行政は食料自給率を上げようとの考えが根本にあります。決して間違ってはおりません。そのような中、これからの農業については、農作業の機械化や技術の開発などで、今まで栽培が難しかった収益性の高い農作物が重点作物になったり、集約化と効率化を進めることで海外への展開ができる農作物の開発の可能性もあります。この場合の作物については、自給率に貢献する高カロリーではない作物の培養も考えられます。つまりカロリーの高い作物は、必ずしも収益性が高いとは言い切れません。歴史的に積み上げてきた輪作体系を否定するつもりは全くありませんが、カロリーによる自給率を基本に厳格に対応していると、野菜など高収益作物への展開や外国への輸出展開に有利な作物などの振興に矛盾が生じないか、心配なのであります。 自給率をカロリーベースで計算すると必要なエネルギーはあらわせますが、野菜などの品目が反映されにくくなります。帯広市においても平成30年度の総合計画の施策評価表による報告では、実績値に対する考え方として、市内食料自給率が目標を下回ったのはカロリー換算の高い小麦の作付面積が減少したことが要因だと、みずから書き込んで説明をしていることをお忘れなのでしょうか。作物が低カロリーのものにかわって自給率の数字が下がったということは、カロリーの高い作物を植えつけないと自給率は上昇しないということであります。 帯広市の農政部は、カロリーが高くて十分に収益の上がる作物がこれからも次々に延々と開発されるとお考えなのでしょうか、私は疑問を感じるところであります。できるだけ競争力のある分野に切り込んでいくためにも、農業・農村基本計画において目標としているカロリーベースの自給率に関する視点を十分に議論する必要があると思います。 また、私が以前に質問しましたが、温室効果ガス排出削減量など、目標に対する進行状況が農政部の手元で具体的に計算できず、確認の難しい指標などについても今後十分に議論していく必要があることを指摘しておきます。 次に、国際的な農業交渉の関係ですが、TPPを離れたアメリカが日米2国間の自由貿易協定、つまりFTA協定を狙っていると思われます。けさのニュースでも、米国がけさから会談を持つと言っておりましたけども、これが米国の都合により今夜から協議を持つそうであります。日本も妥協して2国間交渉に臨むとニュースで発表されました。 私が一番心配するのは、TPPでアメリカが入って決めた枠がそのまま残っているんです。これアメリカの分だけを削除されていないんです。それでアメリカとFTAを結んだ場合に、牛肉でも豚肉でも農産品はそれに上乗せされちゃうんです。そうすると農業は大打撃を受けるということでありますんで、これは農業対策をしっかりしてもらわなけりゃ大変な形になると思っております。この点について市はどう考えてるのか、お伺いをいたします。 ○大石清一議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 TPP11や日EU・EPAについては、農業への影響に対する不安や懸念がいまだ払拭されていないことから、本市では国に対し、引き続き丁寧な説明や万全な国内対策を講じるよう求めているところであります。 国会におきましても6月28日、TPP11協定の関連法案の採択に当たり、参議院内閣委員会が採択した附帯決議にはTPPに対する国民の不安、懸念を払拭するため、情報をわかりやすく整理して丁寧に説明することや、国内対策に係る取組みの周知を図ることなどを明記しているところであります。 また、附帯決議には、アメリカとの経済対話等においてTPPの合意水準を上回るアメリカからの要求は断固として拒絶し、我が国の国益に反するような行為は決して行わないことを盛り込んでおり、日米の新貿易協議においてTPPの合意水準を上回る要求は断固拒絶するよう政府に求めているところであります。 本市といたしましては、十勝・帯広の農業を守るため、日米の新貿易協議において、これまで以上の情報を認めることのないよう要請してまいります。 ○大石清一議長 有城議員。 ◆25番(有城正憲議員) 先ほどの1回目の答弁も含めて、市の対応や考え方を明確に示していただきました。池守部長の答弁に、本当に農業者も力強く期待をいたしておりますんで、よろしくお願いをいたします。 農業は、地元十勝・帯広の基幹産業であります。今後の国際的な農業交渉の動向は全く予断を許さないところですが、農畜産品を工業製品と同格に扱うこと自体が問題でありますので、ぜひ国に強く要望していただきたいと思っております。 帯広市は、この点を十分に理解し、風化しつつありますが、平成25年に市役所に掲げ、全国紙でも取り上げられ、有名になったTPP交渉参加断固反対帯広市の旗を忘れずに、市長を先頭に農業関係団体と一体となって、地域農業を守るための行動を継続していただきたいと強く要望をいたします。この点は要望にとどめますが、新たに農政部に異動した職員には、この行動は何なのかを再確認させるためにも、職員研修などをしっかりと行っていただきたいと部長にお願いをいたします。 次に、農業生産基盤の維持についてですが、今後は関係機関と一体となって被災農地の土づくりを行うとの答弁でしたが、全ての被災農地の土づくりにおける関係団体との連携はどのようになってるのか、具体的にお伺いをいたします。 ○大石清一議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 北海道が中心となり、昨年立ち上げております十勝復旧農地土づくり支援プロジェクトにおきましては、台風被害のあった地域の農協や自治体などの関係団体と連携し、これまで長年かけて農業者の努力により土づくりを行ってきた耕作地へ近づけるため、施肥管理などの土づくりの営農指導を、輪作体系にあわせ、4年間をめどとして継続的に農家個々に行っているところでございます。 ○大石清一議長 有城議員。 ◆25番(有城正憲議員) 外見上の農地修復だけではないとの動きは理解をいたしました。 一昨年の台風では、戸蔦別川の決壊により農地が甚大な被害を受けましたが、明渠についても多くの被害を受けたところであります。明渠の被害を軽減するためには、日ごろから適切な維持管理に努める必要があると思いますが、現在明渠排水施設の維持管理体制はどのようになっているのか、お伺いをいたします。 ○大石清一議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 道営事業により整備された明渠排水施設につきましては、土地改良区に財産が引き継がれ、土地改良区が維持管理を行っております。また、国営事業により整備されました明渠排水施設につきましても、国から管理委託を受け、土地改良区が維持管理を行っているところでございます。 このほか多面的機能支払交付金事業を活用している地域では、地域の共同活動により明渠排水施設の保全管理のため、泥上げや雑木処理などを実施しているところでございます。 ○大石清一議長 有城議員。 ◆25番(有城正憲議員) 道営や国営による整備施設の維持管理の関係はわかりましたが、農村部では明渠と市の河川が複雑に入り組んでいる場所があると聞いています。この場合は管理主体が違うことになりますが、どのような維持管理体制になっているのか、また経費についてもお伺いをいたします。 ○大石清一議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 明渠排水施設の維持管理につきましては土地改良区が行っているところでありますが、河川の維持管理につきましては、河川法により区分されており、それぞれ国、北海道、帯広市が河川管理者となっております。農村部においては、明渠や河川の管理が複雑に入り組んでいる地域もありますが、各管理主体が連携を図りながら維持管理を行っているところでございます。 土地改良区においては、明渠排水施設の維持管理経費として草刈りなどを行う明渠愛護組合に対する報償費のほか、泥上げや雑木処理に必要な機械の賃借料や工事請負費を負担しているところでございます。 ○大石清一議長 有城議員。 ◆25番(有城正憲議員) 答弁にありましたが、土地改良区は基盤整備の維持に重要な役割を担っています。同時に、農家が地域ごとに組織し、農地維持や施設の長寿命化に取り組む多面的機能支払の組織からも事務委託を受けています。この地域活動については、6月の定例会で西本議員に指摘されましたが、支払交付金の単価が道の半額であり、帯広市は全道でもまれな扱いであります。そして、今までに同僚の議員が何回聞いても、半額にしている計算の根拠が示されません。標準額より8,000万円以上も減らしておきながら、やる仕事や事務処理は半分でよいわけではないと思います。そのような中、市は前回の定例会で西本議員が地域の要望や制度の重要性を再認識するように要望されています。そもそも半額交付は理解できず、全く納得できないものであります。私としては、指導、助言レベルではなく、事務処理などについても具体的に工夫し、支援すべきものと思うのですが、お考えをお伺いいたします。 ○大石清一議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 帯広市に対しまして多面的機能支払交付金事業に取り組んでいる地域や同事業の実施を検討している地域からは、事務負担の軽減や交付単価の見直しが求められておりますことから、活動組織の代表者で構成している帯広市多面的機能支払交付金事業協議会と協議を進めているところでございます。 また、多面的機能支払交付金事業によりまして農村地域の資源を適切に保全するため、現在実施地区や活動内容の拡大等による効果を検証する作業を進めているところでございます。交付金単価や事務負担の軽減につきましては、これまで多くの地域からいただいております御意見を重く受けとめ、議論を進めてまいります。 ○大石清一議長 有城議員。 ◆25番(有城正憲議員) ただいま交付金単価や事務負担の軽減については、これまで多くの地域からいただいている意見を重く受けとめ、議論を進めると答弁をいただきました。本日は地域の農家を代表する皆さんも傍聴に来ています。今の答弁は非常に重く受けとめていただきたいと思います。 6月の定例会で西本議員の質問に対し、農政部長は多面的機能支払交付金事業の未実施区域を対象とした説明会を開催し、実施区域の拡大に努めると答弁しておりますが、一方で市は指導助言を行う立場で介入しないことを明言しました。また、7月の産経委員会では、同じく佐々木副議長に対して、地域からもさまざまな意見をもらっているので、内部でしっかり議論して検討したいとも答弁しております。この答弁では、市役所内部だけで何を議論し、検討するのかと思ってしまいます。 先ほど多くの地域からいただいている意見を重く受けとめ、議論するとのことで、地域要望に触れられましたので少しは進んでいるような気もいたしますが、議論するとの説明だけでは、市役所が本気で解決に向けて進めていく思いがあるのか、よくわかりませんと言わざるを得ません。 北海道内の多面的機能支払交付金制度を活用している市町村数は、平成30年3月31日現在149市町村であり、参加率は83%となっています。帯広市の場合は、多面的機能支払交付金制度を活用し、活動している組織は大正地区が3組織、川西地区は5組織の合計8組織であります。活動面積は合計で1万1,780ヘクタールとなっており、帯広市全体の農地を占める割合の約52%であります。多面的機能支払交付金の負担割合については、国が50%、道と市がそれぞれ25%であり、市内8組織の平成29年度の交付額は国が4,287万円、道と市がそれぞれ2,143万5,000円の負担となっています。 北海道における畑の10アール当たりの交付単価は、多面的機能を支える共同活動は1,000円、地域資源の質的向上を図る共同活動費が480円、合わせて1,480円ですが、帯広市では北海道単価の2分の1の10アール当たり740円だけを交付しているのであります。 本市と同様に、北海道の交付単価と異なる単価を用いてる市町村は森町と清水町の2町だけでございます。いずれも本市と同様に活動を実施しており、森町は1,280円、清水町は1,110円を交付していますが、帯広市のように半額でないので、まだ帯広市よりはましであります。北海道の多面的機能支払交付金制度を活用している149市町村の中で、交付単価740円は最下位であります。 いろいろ私も言っておりますが、なぜ強いことを言えるかといったら、幸い私を含めて農村議員全員がこの制度に参加しておりませんので、あのやろう、金もうけのために言ってるんだなと思われたら困りますんで、私は人のためにやるんだよと、農業のためにやるんだよということで力を込めてやらせていただいております。 そして、実施面積が、音更が1万8,816ヘクタール、幕別が1万4,660ヘクタール、芽室町が1万3,380ヘクタールとなり、一番低い芽室町でも実施率は63%となっており、帯広市よりも11%高くなっております。いずれの例でも帯広市の実施面積を上回っていて、この全てで基本交付単価の1,480円が支払われています。 帯広市は、多面的機能の保全に向けた交付金制度が始まった平成19年度から、10年間以上も最低単価740円ですよ、考えられません。このような全道ただ1カ所だけの屈辱的な扱いは、早急に改善されなければなりません。 それだけでなく、帯広市の負担割合は、25%のうち21%に交付税措置がとられ、実質4%の負担であります。これは交付税に名前は書いていないと思われる方もおいでになりますが、この事業に対しての交付税は総務省できちっと計算されているということを、私は会って直接聞いてまいりましたので、安心していただきたいと思います。 平成29年度の多面的機能支払交付金の実質負担額は、基本交付単価の740円で約342万円です。146市町村の基本交付単価の1,480円にしていただいた場合は、約680万円の実質負担額で約1億7,000万円以上の多面的機能支払交付金事業ができるのであります。この質問は私で3人目になりますが、何を難しく考えているのか、全く理解できません。真剣に取り組んでいただきたいと思います。 部長に強いことを言っておりますけども、部長もね、なりたてでこういうことを言って本当に申しわけないなと思っておりますけども、ずっと歴代何をやってたのかと私は強く言いたいと思っております。今の部長は本当に前向きに考えていただいているんでありがたいと思って、感謝も申し上げております。 市の考えている計画の上に多面的機能支払交付金事業の地域の増加が実現すると、農業農村の有する多面的機能が今後とも広範囲に適切に維持、発揮されることになります。直接的な基盤整備とともに、地域における多面的機能を支える共同活動の連動がますます重要になっています。農政部は、土地改良区や多面的機能支払の活動団体などと十分な協議のもと、生産基盤の維持に努めていただきたいと思います。 今回の私の質問は、農業振興についての一本でした。農業は、農業生産基盤の維持を図ることで、国の示した食料の自給率を目標にしながら食料生産を確保できるのであり、また国際的な農業交渉にも立ち向かっていくことで、農業を基盤とする地域経済が守られることを確認しました。異質なように見えるそれぞれの項目が密接に関係して、地域経済の根幹である農業が成り立っているのであります。 今後、新たな農業・農村基本計画の策定に向かいますが、帯広市として新しい視点を持ちながら、地域農業を守るため、農業者はもとより農協や各関係団体と十分な協議をしながら進めていただきますようお願いし、私の全ての質問を終わります。ありがとうございます。 ○大石清一議長 以上で有城正憲議員の発言は終わりました。 次に、渡辺喜代美議員から発言の通告があります。 9番渡辺喜代美議員、登壇願います。   〔9番渡辺喜代美議員・登壇・拍手〕 ◆9番(渡辺喜代美議員) 皆様、おはようございます。 通告に従いまして、順次質問をさせていただきたいと思います。 平成30年も残すところあと3カ月余りとなりました。振り返りますと、今年度は想定外の自然災害が日本列島を襲い、そのたびごとに報道されるニュースを通して被害に遭われた地域、住民の皆さんの安寧を祈るとともに、それぞれの立場で一体何ができるのか、いま一度防災のあり方について考えるきっかけとなりました。 帯広市におきましても、ことしの3月、大雪の1週間後に記録的な大雨による融雪と洪水、9月6日、胆振東部地震による北海道全域にわたる大停電、災害は忘れるどころか、毎年のように発生している現実で、市民生活を取り巻くさまざまな課題が広域化し、一つの自治体だけで解決することが困難になっています。さきに述べました胆振東部地震による停電でも、広域連携の重要性について再認識、痛感したところでございます。 そこで、今回は平成22年度より帯広市が進めている定住自立圏について質問させていただきたいと存じます。 帯広市は、平成22年12月、十勝の中心的な役割を果たす市として全力で取り組むと宣言をいたしました。翌年、帯広市は十勝18町村とそれぞれに定住自立圏形成協定を平成23年7月に交わしています。その内容としては、生活機能の強化、結びつきやネットワークの強化、圏域マネジメントの強化に係る分野の3点でございます。 定住自立圏構想は、従来の広域行政圏にかわり導入されたもので、その背景には人口減少や少子・高齢化の進行など、市町村合併に伴う広域行政を取り巻く状況の激変に伴い、都道府県知事が圏域を制定し、行政機能の分担を推進してきた広域行政圏施策は、当初の役割を終えたとされた点が上げられています。 これまで帯広市は、2期にわたる定住自立圏の取組みを通し、圏域の中心市として役割を果たしてきましたが、急速な人口減少や少子・高齢化などの課題が複雑化する中、改めて中心市としての立ち位置や役割を考えなくてはならない時期に来ていると感じています。 そこで、3期目の共生ビジョンの策定時期を迎えるに当たって、今後の広域連携の方向性について伺いたいと思います。特に十勝定住自立圏共生ビジョンの中で、医療分野については救急医療体制等の確保、地域医療体制の充実が、また防災分野については地域防災体制の構築が取組み項目となっています。定住自立圏構想に取り組んだ当時、8年前と比較をいたしますと、十勝管内、帯広市を含めた19市町村の医療と防災を取り巻く環境は著しく変化し、地域ニーズはより具体的になっていると思われます。 そこで、最初にそれぞれの取組み実績、進捗状況についてどのようになっているか、伺いたいと思います。 さらに、十勝定住自立圏共生ビジョンには、圏域のマネジメント能力の強化に係る政策分野のデータ分析として圏域レベルのデータ集積、活用が位置づけられています。未来の十勝を創造していくためにも大変重要であると考えられるこの圏域レベルのデータ集積の現状について伺い、1問目の質問とさせていただきます。 ○大石清一議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 渡辺議員の御質問中、広域連携についてお答えいたします。 人口減少、少子・高齢化の進行や超長寿社会の到来、第四次産業革命の進展など、地域を取り巻く環境が構造的に変化する中、行政サービスの持続的な提供や安全・安心な生活環境の確保などを図る上で、個々の自治体の努力はもとより、広域連携の重要性が増してきております。こうした状況の中、帯広市は広域行政体である北海道の役割を踏まえつつ、圏域の中心市として、産業経済、保健・医療・福祉、教育、公共交通などの幅広い都市機能を生かしながら、管内18町村と力を合わせ、十勝全体の発展に取り組んでいくことが求められているところであります。 十勝・帯広では、これまで一部事務組合方式による事務の共同処理のほか、定住自立圏の取組みなどを通し、子供からお年寄りまで、誰もが住みたい、住み続けたいと思える地域づくりを進めてきております。歴史的、社会経済的に形づくられてきた十勝の強い結束力のもと、地域経済の活性化や定住環境の充実に取り組んできたことで圏域全体の活力は徐々に高まり、道内他地域と比べ、堅調な人口推移を続けているところであります。 今後とも厳しさを増す環境変化を踏まえ、十勝・帯広の持続的発展に向け、さまざまな都市機能の確保と管内の連携強化に取り組み、自立自走の基盤づくりを進めてまいります。 私からは以上であります。 ○大石清一議長 堀田真樹子保健福祉部長。 ◎堀田真樹子保健福祉部長 御質問中、十勝定住自立圏形成協定における医療分野の取組みについてお答えいたします。 初めに、救急医療体制につきましては、体制を確保するため、十勝圏域唯一の3次救急医療機関であります帯広厚生病院に対しまして、救命救急センターや周産期医療等を含む不採算部門にかかわる経費について、十勝全市町村で運営費補助を行ってきております。 また、救命救急センターにおける軽症患者の利用について、各市町村において1次救急医療機関の周知啓発を行うことにより、軽症者の利用割合が平成25年度の69.6%から、平成29年度には65.2%に減少しており、救命救急センターの適正利用が進んできているものと考えております。 次に、地域医療体制の充実につきましては、医療従事者の確保が課題となっておりますが、このうち看護師確保につきましては、十勝全市町村で構成いたします十勝圏複合事務組合で帯広高等看護学院を設置、運営するほか、市内3校の看護学校卒業生のうち、毎年60名程度が十勝管内に就職しており、一定程度人材確保は進んでいるものと考えております。 以上でございます。 ○大石清一議長 廣瀬智総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 御質問中、十勝定住自立圏形成協定における防災の分野につきましてお答えをいたします。 地域防災体制の構築につきましては、十勝圏域の防災力の向上を図るため、大規模災害の発生時におけます災害備蓄品や避難施設の提供、職員の派遣など、相互応援体制を整備いたしますほか、平時から広報、通信体制の充実や自主防災組織の育成、民間企業などとの防災協定の締結などに取り組むこととしてございます。 このうち相互応援体制の整備につきましては、平成27年に北海道と道内各市町村との間で相互応援協定を締結してございまして、さらに北海道市長会及び町村会におきまして職員派遣に係る取り扱いを定めておりますことから、災害時の相互応援はこれらの枠組みにより行うこととしてございます。 次に、進捗状況につきましては、それぞれの自治体の取組みによりまして自主防災組織が31組織増加したほか、災害備蓄品などの充実を図っておりまして、圏域としての防災力向上につながっていると考えているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 中里嘉之政策室長。 ◎中里嘉之政策室長 圏域レベルのデータについてお答えいたします。 国が提供しております国勢調査、住民基本台帳等のデータや地域経済に関するさまざまなビッグデータを地図やグラフ等で見える化した地域経済分析システムなどによりまして、この地域の産業の強みや人の流れ、市町村間の人口の状況などにつきまして、把握、分析しているところであります。これまで十勝管内の社会動態や自然動態の推移、年齢区分別の人口の割合、さらには道内の圏域ごとの人口動態等を用いて分析を行ってきたところであります。 以上でございます。 ○大石清一議長 渡辺議員。 ◆9番(渡辺喜代美議員) それぞれに御答弁ありがとうございました。今までの広域連携の取組みについて理解を深めるところでございます。 それでは最初に、定住自立圏における生活機能の強化に係る政策分野として、まず医療について伺ってまいりたいと存じます。 このたびの胆振東部地震に伴う大規模停電により、各医療機関も大変な御苦労の中、診療に当たっていただいたと伺っているところでございますが、緊急時の医療体制について、具体的にどのような影響があったのか、伺いたいと思います。 ○大石清一議長 堀田保健福祉部長。 ◎堀田真樹子保健福祉部長 このたびの地震、停電により、医療機器が使用できなくなるほか、電話やメール等連絡手段が途絶え、病院間の連絡、情報共有が非常に困難となり、患者に対しても円滑に情報発信ができず、診療の可否を連絡する手段も確保できない状況や、腎臓病の患者にとって命に直結する人工透析について、十勝管内をブロック分けし、協力体制を整えておりましたが、緊急連絡網がうまく機能しなかったとも伺っております。こうしたことから、複数の連絡手段の構築、関係機関との情報共有、情報発信などについて、課題が浮き彫りになったと捉えております。 以上でございます。 ○大石清一議長 渡辺議員。 ◆9番(渡辺喜代美議員) ありがとうございます。 関係機関の連絡体制、情報の共有化等に支障が出たということでございますが、二次医療圏と三次医療圏が同一であるこの十勝地域においては、安定した救急医療の提供を行うために、各管内の町村との一層の協力、連携が必要であると考えます。市の認識と今後の取組みについて伺いたいと思います。 ○大石清一議長 堀田保健福祉部長。 ◎堀田真樹子保健福祉部長 地域住民が安心して受けられる医療環境づくりのためには、北海道、管内町村や医師会及び関係機関との連携が大変重要と認識しており、今回の経験を踏まえ、災害時であっても安定した救急医療体制が維持できるよう、十勝定住自立圏などの広域連携の機会も捉えながら、課題解決に向け、関係機関などと協力を図ってまいります。 以上でございます。 ○大石清一議長 渡辺議員。 ◆9番(渡辺喜代美議員) ありがとうございます。 平成28年度より総務省は、各圏域に対してそれぞれの施策や事業に応じて成果指標を設定するよう要請されていると伺っています。医療に関しましては、災害医療、救急医療体制、へき地保健医療対策など、具体的に北海道が方針を示していますので、十勝総合振興局担当部局とまた医師会、19市町村医療関係者と十分な協議を重ね、定住自立圏中心市として帯広市がどのような役割を果たすべきか、具体的にその内容を示していただきますよう要望申し上げたいと思います。 特にこの災害時におきましては、北海道内でも帯広市における災害時における医療派遣チームDMATが平成22年、帯広厚生病院内の救命救急センタースタッフによって誕生しており、災害訓練を通して災害に対する危機意識の向上を努めているとのことです。限られた地域の医療スタッフが効率よく医療活動を進めていく上でも、ドクターヘリの配置が必要だと考えます。 平成28年度の救命救急センターの実績を見ますと、ヘリコプターの利用状況は受け入れが11件、搬出件数が5件、この数字を多いととるのか、少ないととるか、これは専門家の意見を必要とするところではありますが、管内の医師が不足している町村の住民の命を守るためにも、広域で活動しています救急車の出動実態とあわせてその役割を再認識し、今後の構想を検討していただきたいと思います。 次に、防災について質問させていただきたいと思います。 共生ビジョンにおいては、防災の相互応援体制を構築していく上でどのような課題があると考えているのか、伺いたいと思います。 ○大石清一議長 廣瀬総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 圏域における防災力向上を図るためには、災害が発生する前の事前の備えや災害発生時における対応につきましてのさまざまな課題などの共通認識、情報の共有が重要と考えているところでございます。 例えば事前の備えといたしましては、住民の皆さんへの意識啓発や自主防災活動の活性化、要援護者支援制度の促進、行政側のハザードマップの作成や防災無線の整備など、また災害が発生したときには、避難勧告など発令のタイミングや住民周知の方法、避難所の運営などが共通の課題と認識してございまして、これらに対する取組みなどの情報を共有化することが、防災力の向上につながるものと考えているところでございます。 なお、大規模な災害になるほど圏域内の自治体も同時に被災をする可能性がございますので、圏域内の職員の相互応援などをどのように整理していくかが課題と考えているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 渡辺議員。 ◆9番(渡辺喜代美議員) ありがとうございます。 先週9月19日の地元紙に、管内の市町村における防災担当職員を応援する内容として、振興局が物資支援システムとして、物資供給車と災害弱者のニーズをつなぐための情報をネットワークし、命と暮らしを守る体制を構築されると掲載されていました。 先ほどの御答弁の中でも述べられておりましたが、十勝圏の防災力の向上を図るためには、多くの住民の協力も欠かすことができないと改めて認識をしたところでございます。それぞれに行政の立場で果たさなければならない役割があると思いますが、現時点で中心市帯広市として期待されている役割について、どのように捉えているのか、伺いたいと思います。 ○大石清一議長 廣瀬総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 昨今全国におきまして、広域的な避難が必要となるような大規模災害がふえており、この十勝地域におきましても、一昨年の台風災害を経験しまして、一つの市町村の範囲を超えた住民避難や災害対応の可能性が高まってきていると考えてございます。 こうした中、帯広市は中心市として平時から北海道や他町村との情報共有に取り組んでございまして、例えば本年6月には、一昨年の台風災害対応などにおける諸課題につきまして共通認識を持つため、近隣自治体との会合を行い、意見交換を行ったところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 渡辺議員。 ◆9番(渡辺喜代美議員) ありがとうございます。 多くの課題を解決する上でも、圏域内の細やかな情報を共有していくことは大変重要であると思いますし、担当者の顔の見える関係を構築していくことも重要だと認識するところでございます。今後、次期の共生ビジョンの策定に向けて、防災についてどのように考え取り組んでいるのか、その方向性について伺いたいと思います。 ○大石清一議長 廣瀬総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 今後大規模災害の発生が懸念されていることを踏まえまして、圏域内市町村の共通課題に対する情報の共有を図ること、また災害発生時におきましては、北海道とも連携しながら圏域内の速やかな相互応援体制の構築が図られますよう、平時から取り組んでまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 渡辺議員。 ◆9番(渡辺喜代美議員) ありがとうございます。 定住自立圏構想の生活機能の強化を図るために、防災に関する複数の分野についてデータ利活用型ICTスマートシティの構築を推進したり、命と暮らしを守るインフラ再構築、または生活空間の安全確保を実現するための整備計画に基づく取組みについて、政策目的実現のための基幹的な社会資本整備事業のほか、関連する社会資本整備等への総合的、一体的な支援について検討いただき、さらに十勝が安心・安全な地域となりますよう御検討いただきたいと思います。 先日、帯広市内では、帯広市が実施した地域防災訓練のほか、民間企業が市民参加型の大規模な防災展を企画され、行政も民間もそれぞれの立場で防災訓練の場を市民とともに共有している、このことは大変有意義なことであると考えます。 来月10月13、14日の2日間にわたりまして、第3回ぼうさいこくたい2018、これは防災推進国民議会という名でございますが、東京ビッグサイトと東京臨海広域防災公園のそなエリアで「大規模災害に備える~みんなの連携の輪を地域で強くする~」をテーマ、「自助、共助」、「多様な主体の連携」及び「地域における防災力の向上」を促進するため、大きな大会を開催するという情報を受けているところでございます。こちらのほうは、内閣府、防災推進協議会、防災推進国民会議で構成する実行委員会が主催のイベントでございますが、この今紹介したイベントなどを参考に、毎年帯広市が実施する防災イベントに加えまして、視点を広げた広域の十勝圏防災イベントを企画し、管内の住民のための新たな地域防災体制づくりを検討してみてはいかがでしょうか。 また、現在帯広市ポロシリキャンプ場の指定管理者である株式会社スノーピークさんは、アウトドア技術の経験を災害時に活用しようと、生きる力を生むキャンプイベントを平成27年3月、仙台市で国連防災世界会議が開催された際に、東北大学自然災害科学国際研究所の皆さんとともに実施をされたという記録があります。その経験と考え方は、キャンパーのみならず、行政の防災担当者の多くの皆さんから支持を受けているということでございます。アウトドアの専門家としての経験を持つ民間の力と行政の力、そして地域に暮らす若者の知恵をコーディネートされ、防災に強い、魅力ある定住自立圏の協定に基づく取組みを検討していただきたいと思います。 最後に、圏域マネジメント能力の強化に係る政策分野のデータ分析について伺いたいと思います。 定住自立圏では、広域行政圏と比較しますと、圏域マネジメントの主体として構成市町村によって設立される広域行政機構ではなく、中心市がそのイニシアチブを発揮することを重視しているのが特徴的な点であると言われています。 そこで、帯広市として、これまで圏域レベルのデータ活用による人口の分析結果はどのようであったのか、伺いたいと思います。 ○大石清一議長 中里政策室長。 ◎中里嘉之政策室長 平成22年と27年の国勢調査を用いた分析では、十勝の人口は札幌市、東京圏などへの流出や自然動態のマイナスにより減少傾向にありますが、この5年間の減少率はマイナス1.5%と、道内で唯一増加した石狩を除き、最も低くなっております。また、この5年間の20代の人口移動を見ますと、道内の多くの地域で転出超過となる中、十勝管内のほぼ全ての市町村で転入超過となっておりまして、20代の転入超過が最も多いのが十勝となっているのが特徴となっております。 また、国立社会保障・人口問題研究所が行った2045年の将来推計人口を分析いたしますと、十勝の人口減少率はマイナス20.3%となっておりますが、これは道内では石狩に次いで低く、他地域に比べ堅調に推移する見込みとなっております。しかしながら、十勝管内の7つの自治体におきましては、人口が半分程度まで減少し、十勝圏の80%以上の人口が帯広市と近隣3町村に集中することが見込まれているところであります。 以上でございます。 ○大石清一議長 渡辺議員。 ◆9番(渡辺喜代美議員) ありがとうございます。 今お答えいただきました見解から、人口動態の特徴を踏まえ、圏域としてどのような定住対策に取り組んでいくのか、伺いたいと思います。 ○大石清一議長 中里政策室長。 ◎中里嘉之政策室長 これまでフードバレーとかちを初め、定住自立圏の協定項目に位置づけられたさまざまな分野における取組みを十勝圏全体で進めてきていることが、地域の活力を向上させ、堅調な人口の推移や若者の流入という動きになったと認識しております。 今後におきましても新たな仕事づくりや交流人口の拡大、安心して暮らせる生活基盤の強化などを進め、十勝・帯広への人の流れの創出に向けて取り組んでまいりたいと考えているところであります。 以上でございます。 ○大石清一議長 渡辺議員。 ◆9番(渡辺喜代美議員) ありがとうございます。 お答えの中にもございましたが、新たな仕事づくりの事業として、帯広市は十勝・イノベーション・エコシステムなどに取り組まれ、フードバレーとかち応援企業数や十勝産機能性素材を生かした新商品開発数、それから十勝管内の企業立地件数の実績向上を目指していらっしゃると思います。その成果が数年後に実績として数字で示されてくるのはもちろん、地域の中にその効果が反映されてくることに期待をしたいと思います。これまでに実施されていた施策を数字にあらわして、その数字を客観的にどのように読み込んでいくのか、改めてこのデータ分析のこれまでの活用状況と課題について伺いたいと思います。 ○大石清一議長 中里政策室長。 ◎中里嘉之政策室長 各種データや分析結果につきましては、定住自立圏の幹事会やビジョン懇談会を通じて、管内市町村はもとより、十勝総合振興局や定住自立圏形成協定に関連する各分野の代表者などにこうした状況を報告し、共有を図っているところであります。 課題といたしましては、ビッグデータの活用により、さまざまな情報を把握することができるようになった一方で、こうしたデータの数値の動きにある背景などを分析するために、さらにさまざまな調査、聞き取りを合わせて実施し、総合的に分析していかなければならないことと認識しているところであります。 以上でございます。 ○大石清一議長 渡辺議員。 ◆9番(渡辺喜代美議員) ありがとうございます。 地域の現状をさまざまな数字で明らかにしていくことは大変重要であると考えます。この数字が未来の十勝を示唆しているとのことですから、定住自立圏共生ビジョン懇談会の委員の皆様、皆様の仕事は大変責任重大でもありますし、それぞれの見解も違い、熱い議論が交わされていることと推察申し上げるところです。 そこで、今後のデータ分析の展望について伺いたいと思います。 ○大石清一議長 中里政策室長。 ◎中里嘉之政策室長 地域の経済や人口などの現状や特性などにつきましては、今後さらに調査分析を行い、今年度までに一定の取りまとめを行う考えであります。こうした取組みを通じまして、十勝の強みや弱みを的確に把握しながら、これまでの定住自立圏の取組みの評価、検証を行い、次期の共生ビジョンの策定などに活用してまいりたいと考えているところであります。 以上でございます。 ○大石清一議長 渡辺議員。 ◆9番(渡辺喜代美議員) ありがとうございます。 定住自立圏の中心市には、大規模商業、娯楽機能、中核的な医療機能、各種の生活関連サービス機能など、行政機能、民間機能を問わず、生活に必要な都市機能について既に一定の集積があり、みずからの住民のみならず、周辺町村の住民もその機能を活用しているような都市機能がスピルオーバーしている都市であることが必要と示されています。 今回の質問を通して、定住自立圏を具体的に運営していくには、他町村との柔軟な連携と個々の自立性を認めながら、それぞれの地域での自治の可能性を高め、豊かにすることが定住自立圏の原点であると理解をしたところでございます。 1986年、NHK帯広放送局50周年を記念して、「十勝ステーツフェア」と題して十勝管内の町村が参加したイベントが開催され、全国に放映されました。このイベント名は、当時東京の外信部から帯広局に転勤してきたプロデューサーが、「十勝はまるでアメリカのようです。19市町村はそれぞれ個性的で、アメリカで言う州のような存在だと思います。帯広放送局は、この19市町村の皆さんに支えられて50周年を迎えたわけです。そのお礼のイベントですから、十勝ステーツフェア、これでどうですか」と発言されたことから命名をされ、その様子が全国に放映されました。全国的に1村1品が叫ばれている中、当時まちづくりでよく耳にした言葉が、十勝は一つ、後に十勝ブランド、このコピーでございます。いずれも十勝を創造するメッセージ性の強いコピーであると思います。 1992年には、明治乳業帯広工場で製造されたスライスチーズのCM、所ジョージさんが歌った「明治とかちっち」は十勝を全国的に知らしめたコピーとして記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。 平成26年3月の定住自立圏構想の今後のあり方に関する研究会の報告書に、定住自立圏構想に取り組んでいる地域の現地調査結果が掲載されています。その中でなるほどと思いましたのが、取組みの普及啓発と題して、住民にはこの定住自立圏自体のことが余り知られていない、広域連携で十分という風潮もあるので、今までの広域連携とは異なる点、新規にできることを強調していく必要があると掲載されていました。現在私たちが最も目に、耳にしているコピーは、3期目を迎えた米沢市長が掲げるフードバレーとかち、このフードバレーとかちの取組みが着実に成果を発揮し、十勝住民の理解を深め、十勝・帯広の未来がよりすばらしい地域となるよう、第3期十勝定住自立圏共生ビジョンが示されることに期待をしたいと思います。 地域を取り巻く課題がますます広域化する中で、行政サービスの持続的な提供ということに加え、地域のブランディングやマネジメントという観点からも、広域連携の中心市として、帯広市の役割はさらに重要なものになっていくものと考えます。帯広市の弱みは一体どのようなものなのでしょうか。10代の人口流出を最小限にするためには、何が一体必要なのでしょうか。一般質問の中でも何度か取り上げられていましたが、高等教育の場が不足しているために、やむなく他都市に居住の場を移しているのが実態ではないでしょうか。少子・高齢化、人口減少に伴う数々の課題は、日本のみならず、先進国においても直面している課題です。この課題に正面から取り組もうとする定住自立圏構想は、世界的にも先進的モデルを示すものになると考えられます。広域連携の意義と定住自立圏の推進について、未来の十勝・帯広を見据え、しっかりと考え、備えていく必要があると思います。 中心市が発信し、18町村と連携しながら、地域を創造する定住自立圏構想、民間のことではございますが、明治乳業の歴史の中では、明治乳業がアメリカの食品メーカー、ボーデン社と契約が切れたことで、スライスチーズを十勝・帯広工場で製造し、所ジョージがみずからCMを考案したと記されています。一人の発想を形にすることは簡単なことではありませんが、この定住自立圏構想を展開していくためにも、民間のモデルを参考に市長が現在発信しているメッセージを形にしていくことが重要であると考えます。 最後に、市の見解を伺い、全ての質問を終わりたいと思います。 ○大石清一議長 池原佳一政策推進部長。 ◎池原佳一政策推進部長 定住自立圏の推進によりまして、フードバレーとかちの取組みなど、共生ビジョンに掲げた事項が着実に進んでおりますほか、管内の連携機運が高まり、消防の広域化や高度な医療の充実、地方創生に向けたとかち・イノベーション・プログラムやアウトドアDMOなど、新たな広域連携にもつながってきております。今後も複雑多様化するさまざまな課題に対し、圏域が力を合わせ、効果的な取組みを進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○大石清一議長 以上で渡辺喜代美議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。         午前11時31分休憩         ────────         午後1時0分再開 ○大石清一議長 再開いたします。 次に、石橋勝美議員から発言の通告があります。 1番石橋勝美議員、登壇願います。   〔1番石橋勝美議員・登壇・拍手〕 ◆1番(石橋勝美議員) 帯広市の保育の取組みと若者の地域参加への取組みの2点について伺います。 平成30年度の市長の市政執行方針に、人に優しいおびひろとあります。その中で市長は、昨年の地区懇談会で子育て世代の方から、「一人で悩むこともあるけど、これからはもう少し相談します」という声を直接聞かれ、行政に対する期待の大きさを改めて実感し、そうした思いも込めて、安心して子供を産み育てることができる仕組みの構築を進めていく方針を掲げておられます。 共働き家庭の増加や核家族化の進行などに伴い、保育需要はますます高まっていると考えます。実際に帯広市に定住を考える際、子育て支援がほかの自治体と比べ、どれくらいなされているかを参考にする人も多いのではないでしょうか。次代を担う子供の健やかな成長は親の願いであり、保育の果たす役割は大きいと考えます。 待機児童を抱える保護者が発したと思われる2016年の新語、流行語にノミネートされ、世間をにぎわせた「保育園落ちた日本死ね」の言葉は、まだ記憶に新しい。あれから2年が過ぎ、待機児童数は厚生労働省によると、ことし4月1日時点で4年ぶりに減少し、10年ぶりに2万人を下回ったものの、待機児童の解消にはまだまだほど遠い状況だと思われます。 13歳のハローワーク公式サイト2017年の人気職種ランキングトップテンでは、保育士が7位にランクイン。しかし、実際の保育現場では、給与と労働環境のバランスがとれていないことから、資格を持っていても保育士を選ばない、あるいは選んでも離職していく人が少なからずいる現状を聞いています。こうした給与、労働環境の双方の問題を、今後は国とともに自治体も検証していく必要があるのではと考えます。 そこでまずは、帯広市の保育の取組みについて、市長の認識を伺います。 次に、若者の地域参加について伺います。 人と人とのつながりにより形成されるコミュニティは、かつては日常の困り事の解決や御近所同士の親睦など、常に顔が見える関係を有する地縁的なつながりの中で形成されていました。しかし、近年における社会環境や住民意識の変化により、地縁的なつながりを志向しない住民が増加しており、その傾向は特に若者において顕著になっていると感じています。 一方で、居住する地域に立脚するのではなく、NPOやサークルなど、目的別に多種多様なコミュニティをつくり、市内のさまざまな場所、場面で活動を展開する若者も存在しています。そういった活動が地域課題の解決やまちの活性化に貢献するのではと考えます。 これまで地域活性化に向けた動きについては質問してきましたが、今回は若者の地域参加という視点から聞いていきます。 まず、市の地域活性化の取組みについて確認したい。 以上を最初の質問といたします。 ○大石清一議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 石橋議員の御質問中、保育についてお答えいたします。 少子化や核家族化の進行、地域における人間関係の希薄化、働き方の多様化や共働き世帯の増加などに伴い、子育てを取り巻く環境は大きく変化し、保育の需要は増加傾向にあります。こうした状況にあって、仕事と子育ての両立や子供たちの健やかな成長を支えるためには、豊かな感性や好奇心、思考力が養われ、生涯にわたる生きる力の基礎が培われる乳幼児期の特性を踏まえつつ、保育の質の確保や保育サービスの安定的な提供を図ることが重要であると考えております。 帯広市では、これまでおびひろこども未来プランなどに基づき、保育所における低年齢児の受け入れ枠の拡大や延長保育、休日保育などの多様なサービスの提供、認定こども園への整備支援、ファミリーサポートセンター事業などにより、働きながら安心して子育てができる環境づくりを進めてきております。また、保育関係機関における職員の研修、交流を通じた保育の質の向上や、潜在保育士の復職支援などによる人材確保にも取り組んでいるところであります。 今後とも国の制度改革の動向などを踏まえつつ、多様化する子育て家庭のニーズを見きわめながら、地域や関係機関などと連携し、子供の成長段階に応じたきめ細やかな支援に取り組み、安心して子供を産み育てられる地域社会づくりを進めてまいります。 私からは以上であります。 ○大石清一議長 野原隆美市民活動部長。 ◎野原隆美市民活動部長 若者の地域参加について答弁いたします。 市民の生活様式や価値観が多様化している今日におきましては、若い世代も含め、幅広い世代や企業、NPOなど、多様な主体がまちづくりに参加することは、多角的なアプローチによる地域課題の解決やまちの活性化につながるものと考えております。そのため帯広市では、市民提案による協働のまちづくりへの支援として、市民団体等が行政と協働して実施します市民生活の向上や、地域の活性化、地域課題の解決に資する活動に対する支援事業を実施しているところでございます。 今後とも市民の皆さんの知恵と力を生かした協働のまちづくりを進めるため、市と活動団体との連携強化、支援事業を活用した市民協働の活動事例の積極的な発信に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) ありがとうございました。 それぞれ御答弁いただいたので、順に質問していきます。 市の認識は確認いたしました。帯広市における保育の現状と取組みについて、具体的に伺いたいと思います。 まず、市内にある認可保育所数と入所児童数の3年間の推移について教えてください。 ○大石清一議長 広瀬容孝こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 市内の認可保育所数でございますが、小規模保育事業所及び事業所内保育事業所の各1施設を加えまして、平成28年度から平成30年度の3年間とも28施設となっております。また、28施設全体での入所児童数につきましては、各年度4月1日現在におきまして、平成28年度は2,575人、29年度は2,601人、30年度が2,620人と、ここ数年増加傾向にあるところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) わかりました。 多くの子供たちが入所し、増加傾向であることは理解いたしました。しかし一方で、認可保育所に入所することができない児童もいると聞いております。 そこで、帯広市における待機児童と私的待機児童の定義について確認したいと思います。また、待機児童と私的待機児童の現状についてを伺います。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 待機児童及び私的待機児童の定義でございますが、待機児童とは、保育の必要性が認定されているにもかかわらず、いずれの認可保育所にもあきがなく、入所ができない児童のことを言います。一方、自宅や職場の近くにあるなどの理由から特定の保育所等を希望し、その保育所のあきを待つ潜在的な待機児童をいわゆる私的待機児童と定義しております。 次に、待機児童及び私的待機児童の現状でございますが、本年9月1日時点では待機児童は4名、そのうち3歳未満の低年齢児につきましては3人となっております。また、私的待機児童は140人で、そのうち低年齢児が9割を占める状況にあるところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 現状についてわかりました。 では、待機児童や私的待機児童がいる要因はどのように捉えているのでしょうか。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 就学前児童の総数はふえていない状況でございますが、子育て世帯におけます共働き世帯の増加や育児休業からの早期の職場復帰などにより、特に低年齢児の保育需要が高まっていることが主な要因と捉えているところでございます。 ○大石清一議長 石橋議員。
    ◆1番(石橋勝美議員) では、待機児童の解消に向けて、帯広市としてこれまでどのような取組みを行ってきたのでしょうか。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 帯広市におけますこれまでの取組みといたしましては、平成27年度に新たに小規模保育事業所及び事業所内保育事業所が各1施設開設され、平成28年度には幼稚園4園が認定こども園へ移行するなど、民間法人と協力しながら入所児童数の拡充に努めてきたところでございます。 加えまして、老朽化した認可保育所2施設の改築に伴い、平成30年度、31年度に定員を各30名ふやす取組みも進めてきているところでございます。また、待機児童対策事業としまして、認可保育所にあきがなく、入所することができない児童が一定の基準を満たします認可外保育所等を利用する場合、認可保育所の保育料と利用する施設の保育料との差額を補助する取組みも進めてきているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) わかりました。 市の取組みに加え、保育の受け皿の一つである企業主導型保育事業所の設置が進んでいるようですが、その現状と今後の見込みについても聞かせてください。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 企業主導型保育事業所は、平成28年度に国において創設された制度に基づく保育施設でございます。その企業の従業員などの子供の利用に加え、地域の子供も利用できる地域枠を設定することが可能であり、子育て家庭の従業員などの仕事と子育ての両立に資する保育施設として位置づけられております。 地域枠を設けております企業主導型保育事業所は、平成30年4月時点で4施設が運営を始めており、今後2施設が開設される見込みと伺っております。 また、企業主導型保育事業所の地域枠につきましては、本市の待機児童対策の受け入れ先としても御協力をいただいているところであります。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 待機児童解消に向けて施設の定員をふやしてきたことはわかりました。しかし、保育の受け皿をふやそうと新たな保育施設が整備されても、それに見合った保育士の数がいないとうまく機能しないと思います。受け皿をふやすことも大事でありますが、保育施設で働く保育士の確保も大変重要であると考えております。 そこで、帯広市における保育士の配置基準について伺いたいと思います。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 国の基準により定められました北海道児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例に基づき、入所児童の年齢や人数に応じた保育従事者の配置基準が定められているところでございますが、この基準は確保されている状況を確認しているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 帯広市は確保されているとのことでございました。 しかし、厚生労働省によれば、平成28年度の保育士の有効求人倍率は2.34倍、東京都では5.68倍にもなっていました。にもかかわらず、全国では保育士が不足している。帯広市においても公立保育所の臨時職員を募集するが、応募がないという春先の新聞報道もありました。帯広市も保育士確保は難しい状況なのかなと伺っております。 そこで、現場の声として、私立保育所から保育士が足りないといった相談を受けたことがないのでしょうか。また、保育士確保に向けた帯広市の取組みについて伺います。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 私立保育所、保育園からは、保育士の募集にはハローワークに加え、新聞広告やホームページなどのさまざまな広告媒体を活用しておりますが、募集枠に対しまして応募は少ない状況にあるなどの声を伺っており、保育士の確保は公立、私立を問わず重要な取組みの一つと認識しているところでございます。 帯広市の保育士確保の取組みとしましては、保育士の資格はありますが、現在保育士として働いていない、いわゆる潜在保育士の復職セミナーを昨年初めて開催いたしました。その中で保育所等の運営法人による職場説明会を開催し、16名のセミナー参加者のうち、9名が就労につながったところでございます。 また、今年度から保育士のお子さんを優先的に保育所に入所できる制度を設けたことで、保育士の就労を通じました入所児童数の増にも取り組んでいるところでございます。 このほか民間企業が主催いたします高校生向けの企業説明会への参加や、高校生や短大生に保育の状況を紹介するための出前講座の実施、そのほかひとり親家庭の父や母を対象とした高等職業訓練給付金制度の活用によりまして、保育士を職業として選択する機会の提供にも努めているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 取組みについて確認いたしました。 取組みといえば、例えばなんですけども、札幌市では平成28年10月31日に、札幌市保育士・保育所支援センターを開設しております。これは保育士に特化した職業訓練や相談対応、潜在保育士の掘り起こしの活動を行っているのですが、帯広市ではこのような取組みを行うことについてはどう考えておりますでしょうか。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 帯広市におきましては、現在札幌市のような専門センターによって取組みを行う考えはございませんが、先ほど答弁いたしました潜在保育士の職場復帰セミナーにおいて、公立保育所での保育体験を実施し、保育現場での勤務経験が少ないなどの参加者を、少しでも安心して職場復帰できる機会の提供に努めているところでございます。 各保育施設におきましては、勤務経験が少ないなどと心配する保育士に対しまして、保育体制や勤務時間を調整するなどの配慮を行っており、今後も保育士が安心して働き続けられる職場環境づくりに取り組んでいく考えでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) では、潜在保育士の発掘について伺いたいと思います。 潜在保育士とは、現時点までに保育士として勤めたことがない人、あるいは勤めたことはあるが、現時点で勤めていない人を指しますが、保育士を確保する上で、この潜在保育士は欠かせないと思います。保育士登録者数から勤務者数を差し引いたものがそれに該当するわけですが、その数は全国で約80万人いるとのこと。先ほど職場復帰セミナーに16名の参加があったとお話がありましたが、帯広市における潜在保育士はどの程度いると見込んでセミナーを開催したのでしょうか。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 北海道から平成28年6月に公表されました北海道保育士実態調査結果報告書によりますと、平成15年から27年度までに北海道で登録されている保育士は5万4,746名に対し、平成26年度におけます道内の常勤保育士は1万681人であり、およそ8割の方が保育士登録をしているものの常勤保育士としては勤めていない状況でございます。 こうした全道的な状況から、帯広市におきましても一定程度の潜在保育士はいるものと判断し、職場復帰セミナーを開催したところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) わかりました。 厚生労働省で保育士確保プランが平成27年に発表され、保育士確保についてさまざま取組みが進められていたと思います。保育士が確保された後、離職させないことが必要と考えております。保育士不足の原因の一端は、離職率の高さではないかとも言われている。厚生労働省の「保育士~出入の状況~」では、離職率は10.3%とありました。その理由としては、東京都保育士実態調査報告書にある現場の保育士に施設のどこを改善してほしいかというアンケートによると、多かったのが給与、賞与等の改善、次に職員数の増員、そして事務、雑務の軽減でありました。職員数の増員や事務、雑務の軽減については、人がいればカバーできる問題であると考えます。しかし、先ほど伺ったように、保育士の求職が少ない中で、増員という点はかなり難しいのかなと、掘り起こしと同時に離職を防ぐことも大事であると考えます。 そこで、給与、賞与等の改善についてですが、保育士の処遇について市が取り組んでいることはあるのか、伺います。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 国においては、質の高い保育を安定的に提供していくために、保育士の確保や離職防止は重要な課題であることから、保育士の処遇改善制度を設けております。処遇改善に係ります加算措置は、平成25年度から実施されていますが、29年度からは技能や経験を積んだ職員に対するさらなる処遇改善制度も創設され、本市におきましても当制度を活用しながら、保育士の処遇改善に取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 2017年度から職員の月給2%アップやキャリアアップ研修の創設による新しい役職、副主任保育士、専門リーダー、職務分野別リーダーの設置の取組みで、処遇は改善されてはいます。しかし、改善はすれど、保育士不足の解消には至ってはいません。現職の保育士にとっては魅力的な政策でありますが、これから保育士を考える人にとってみればどうでしょうか。この政策がどれだけの魅力として映るのでしょうか。ほかにも保育士にとって、保育ニーズが多様化する中で、処遇だけでなく、さまざまな悩みがあると思います。 そこで、次は保育士の勤務する職場環境について伺いたいと思います。市は現状をどのように認識しておりますでしょうか。また、現状を把握する取組みは行われているのか、お聞きします。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 職場環境につきましては、各運営法人が保育基準に基づく適切な人数、配置のもとで対応されているものと認識しておりますが、近年支援が必要な児童の保育のほか、アレルギーや多様化する保育ニーズへの対応などにより、保育士に求められるスキルも高まるとともに、業務量も増加傾向にありますことから、保育士の負担感も増しているものと認識しております。 現状把握につきましては、認可保育所の認可者であります北海道が行います定期査察に市の職員も同行し、保育現場の状況把握に努めているところでございます。 以上であります。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 定期的に査察することで現場の環境を把握し、必要であれば改善を促すような取組みはとても大事であると思います。現場を見に行き、職員の働き振りを直に見ることは、今後の保育の質を向上させるために必要なことと思う。 保育の質とは、子供たちが心身とも満たされ、豊かに生きていくことを支える環境や経験と定義されています。その側面には、志向性の質、構造の質、教育の概念と実践、過程の質、過去から現在という意味の過程の質、実施運営の質、子供の成果の質の6つに捉えることができます。こうした定義はあるものの、環境によってはさまざまであり、その取組み方には違いがあるとは思っています。何より大事なのは、通わせている子供や保護者にとって居心地のよい、安心していられる場所であること。 そこで、保育の質について帯広市は何か取り組んでいるのかをお聞きします。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 教育・保育施設におきまして、日々保育の質の向上に取り組んでいるものと認識しておりますが、帯広市全体の保育の質の向上を目的に、公立保育所の地域担当保育士が市内の教育・保育施設を訪問し、保育に関する相談や情報交換などを継続して行っております。このほか幼稚園や認定こども園、認可保育所や認可外保育所などの関係施設と連携しながら、教育、保育に携わる職員を対象とした合同の研修会や実践交流会の開催にも取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 自治体によっては、処遇に付与する形で取り組んでいる地域もあります。東京都では住宅支援制度、船橋市では保育士養成就学資金貸付制度、横浜市や福岡市では勤続年数に応じて給与手当の増額、沖縄県では非正規から正規雇用になった場合の補助など、さまざま取組みが付与する形で行われています。財源の問題もあるので簡単にはいかないと思いますが、国からの動きを待つのではなく、自治体から動いていくのも検討していただきたいと願います。これにはいきなり大きな動きでなくても、少しでもこうした動きがあれば、職場環境もよい方向に進んでいくのではないかなと考えているところです。今後の保育士の処遇改善や人材確保に向けた市の考えについて伺います。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 国の制度などを活用しながら、保育事業者によります保育士の処遇改善の取組みを後押しするとともに、保育施設などとの連携のもと、さまざまな機会を通じて保育士の仕事や現状などについてわかりやすい情報提供に努め、保育士の人材確保に取り組んでまいる考えでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 保育士という仕事は、預かった子供を単に安全に見守るだけでなく、市長のお言葉にもあったように、生涯にわたる生きる力の基礎を培う、重大な責任を伴う仕事であります。しかしながら、全産業から見ても決して高くない平均年収や業務量の多さなどから、保育士を希望する人が減少しているのが現実ではないかと思います。 先ほど保育士の人材確保に取り組むため、わかりやすい情報提供に努めるとありました。保育士確保に向けた取組みとして、保育士の必要性に関する広報活動を徹底することは有効であると思います。しかし、ただ伝えるのではなく、何か魅力的な手法を考えていかなければならないのかなと。メディアを通して苛酷な部分がクローズアップされる傾向があるので、保育のすばらしさを伝えることが大事なのかなと思っております。 また、環境変化については、例えば男性保育士をふやすことも一つの方法だと思っております。男性、女性の持つ、それぞれのよさが保育に生かせるのではないか、また待機児童問題は保育士の数をふやせば解決するという簡単な問題ではありません。しかし、保育ニーズの課題を少しずつクリアしていくことで、きっとゼロにできる日が必ず来ると信じています。保育士不足が解消し、子育て支援が充実する、子供を安心して預けられる、親が安心して思うとおり働くことができるという流れができれば、結果定住につながっていく。 2045年、北海道の市町村将来推計ランキングにおいて、帯広市は人口増減率はマイナス11.6%程度と、ほかの自治体に比べ少ないことが予想されています。その予想を現実にするためには、保育サービスの充実とあわせて保育環境の充実を強く考えていただきたいと願います。保育を受ける子供たちと保護者、そして保育を提供する保育士双方が、ともに健やかに笑顔あふれる保育環境の向上に向けた帯広市の今後の取組みに期待したいと思っております。 次に、若者の地域参加の取組みについての質問に移らせていただきます。 先ほどの答弁で、市民提案による協働のまちづくりへの支援として支援事業を実施しているとのことだが、具体的にはどのような市民活動に対し、支援を実施してるのか、伺います。 ○大石清一議長 野原隆美市民活動部長。 ◎野原隆美市民活動部長 市では、市民のアイデアをまちづくりに生かしていくために、市民提案協働型のまちづくり支援事業、いわゆる「Mottoおび広がるプロジェクト」を実施しており、平成30年度は10団体が取り組むまちづくり活動に対し、支援を実施しております。 具体的な活動のうち、特に若い世代が事業主体や事業対象としてかかわっているものといたしましては、子供から大人までの多世代での遊びなどを通じ、地域ぐるみで子育てできる社会づくりという事業やカーリングやアイスホッケーなど、帯広らしいウインタースポーツの普及に向けた取組み、また高齢者の健康や地域コミュニティの形成に向けた歌と音楽を使用した健康教室の開催などとなってございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 市民の中には、地域のために活動したいという熱い思いを抱えていても、具体的にはどうしていいかわからないなどの理由により、具体的なアクションに結びつかない場合もあると思うんです。そういった市民の思いを拾い上げるための市の取組みについて伺います。 ○大石清一議長 野原市民活動部長。 ◎野原隆美市民活動部長 市では、藤丸の8階の市民活動情報室に、市民活動に精通しました専門のアドバイザーを配置し、市民活動団体の設立や運営に関するさまざまな相談に対応しております。 また、ことしの3月には、平成15年に策定しました市民協働指針を再構成し、市民協働の実践に必要な情報をきめ細かく、またよりわかりやすく伝えられるよう、市民協働のまちづくり、協働連携ハンドブックを作成し、ホームページで公表するなどの取組みを行っているところでございます。 さらに、市民協働によるまちづくりが市民にとって身近な取組みであると感じていただけるよう、さまざまな取組みにつきましてホームページへの掲載、市民ホールでのパネル展示、また報道機関による特集記事の掲載など、具体的な協働事例を広く発信、周知しているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 藤丸に設置している市民活動情報室について、具体的な活動内容と実績についてお聞かせください。 ○大石清一議長 野原市民活動部長。 ◎野原隆美市民活動部長 市民活動情報室では、市民が取り組むNPOなどの公益的な市民活動に関し、団体の設立の登記、法人化に関する手続、財務や生活活動資金の獲得など、運営に関する事項などについて、みずからも市民活動を実践している専門のアドバイザーが広く相談に応じているところでございます。 平成29年度では、NPO法人やボランティア団体からの組織運営やイベント実施に関する相談など、644件の利用となってございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 活動内容について伺いました。 次に、町内会の話に移ります。 町内会の役員の方たちに話を伺うと、若い世代の町内会離れが進んでいるという話をよく聞きます。町内会は御近所同士の身近なコミュニティであり、例えば子供の見守りや子供会活動、災害時の助け合いなどは、若い人にとってもメリットがあるものと考えております。 そこで、若者の町内会加入を促進するための取組みについて伺います。 ○大石清一議長 野原市民活動部長。 ◎野原隆美市民活動部長 若者を含めまして、町内会未加入者の中には、町内会の役割や活動そのものがわからず、入会する意義を見出せないと感じている方々がいるものとも考えております。そのため町内会に対する理解を図ることを目的として、町内会の活動が市民の皆さんの生活に密接にかかわり、役立っていること、町内会のさまざまな活動についてわかりやすくまとめました町内会加入促進チラシをこの5月に作成しまして、転入者やまた家を新築した市民の方に配布しておりますほか、町内会長や宅建業協会を通じまして、地域の未加入者や共同住宅の入居者へ配布するなど、加入の促進に取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 町内会の加入促進の取組みについて伺いましたが、実際は町内会会長や役員が動きたくても動けていないのが現状ではないかなと思うんです。特に未加入の若者に対しては、どう接していけばよいかわからないという不安があると思います。にもかかわらず、加入促進をお願いしますと言われても、動けるわけがない。加入の案内に行きたくても、会えたところで、どう話を切り出していいものか、どうせ断られるんじゃないかと、そういう不安や悩みを抱えて動けていないのが現状だと思うんです。そういった町内会は恐らくたくさんあると思います。このように行政側が促しても現場で活動する市民が動けない状況がある中で、そのような課題に対する市の取組みについて伺います。 ○大石清一議長 野原市民活動部長。 ◎野原隆美市民活動部長 加入率の低下や役員のなり手不足を初め、町内会が抱える課題の解決に向け、平成26年度に帯広市町内会連合会が町内会の活性化マニュアルを策定し、各町内会へ配布しているところであります。 この中では、加入の勧誘をするに当たって訪問前に用意すべき資料、それから訪問時の説明のポイント、町内会に関するさまざまなQアンドAなどを掲載し、町内会の役員等の皆さんの活動の参考としていただいているところでございます。主に新しく町内会長となった方を対象としました研修会や地域の方との意見交換などを通じ、本マニュアルの活用を呼びかけてございます。そのほか民間企業等との連携などについても研究し、加入促進に向けて活動がしやすいよう取り組んでいきたく考えております。 以上でございます。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) わかりました。 マニュアル等をつくりながら、加入促進を図っているとのことでしたが、提案であるんですけども、未加入の方を訪問する際、特に若い世代の未加入者に対しては、町内会長や役員の方に加えて未加入者と同じ世代の加入者も一緒に訪問するべきだと思うんです。同世代からだと、受ける印象が全く違ってくるんじゃないかと思います。町内会をより身近に感じていただき、加入促進に結びつくなどの効果が期待できるのではないか。例えば町内会に加入している市の職員さんがいたとして、その町内会において実践してみてはどうかなと。うまくいき、そういった先例ができれば、今後の勧誘活動に当たって加入している若者と同伴での加入、もし地域にいなければ市の職員が赴いて、そこの役員さんと一緒に勧誘を行う。こうしたことも参考にしていただきたいと思っております。 さて、地域において人と人とのかかわりの基盤をなす活動には、町内会のほかにも生涯学習推進委員会やPTA、おやじの会、子供の居場所づくりなど、さまざまな団体が活動しています。特に子供がかかわるPTAは、地域参加に触れる機会として最も身近な存在であるのかなと。PTAの活動には、自分自身も今かかわっておりますが、三、四十代の子育て世代が学校内外の環境整備や各種レクリエーション、研修会、講習会の開催など、活発に活動しています。こうした若い世代のいるPTAと連携しながら活動している団体も多々あると思うんですが、特に市内26小学校区の全地区に設置されている生涯学習推進委員会はどのような取組みを行っているのか、伺います。 ○大石清一議長 草森紳治生涯学習部長。 ◎草森紳治生涯学習部長 生涯学習推進委員会では、市内の全小学校区におきまして、子供から大人まで、幅広い世代を対象にボランティアによる学習活動を行っております。ふれあいコンサートの開催やこどもまつりなど、地域に根差した学習や交流機会を提供することによりまして、市民が地域の魅力や課題について理解を深め、地域活動への参加意識の向上を初め、住みよい地域のコミュニティづくりにつながる取組みを進めております。 こうした事業を進めるに当たりましては、町内会やPTAなどの地域関係団体とも連携をしながら取り組んでいる一方で、推進委員が町内会の活動やPTAの行事へも参加するなど、相互に協力をしながら活動を行っております。 以上であります。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) 先日、北栄小学校の北栄こどもまつりでも大変お世話になったところであります。PTAと連携したさまざまな取組みが地域で行われていることはわかりました。若い世代が中心となっているPTAと連携して活動することによる効果については、どのように考えているんでしょうか。 ○大石清一議長 草森生涯学習部長。 ◎草森紳治生涯学習部長 生涯学習推進委員会におきましては、役員の固定化や担い手不足などの課題がある中、地域で行事を開催する際には、単独でイベントを開催するよりも、PTAや学校、町内会などと一緒に連携をして活動することによりまして、幅広い世代の参加を得て、世代間の交流を深めているところであります。PTA活動の主体となっている世代層の皆さんは、子育てや仕事などもある中で、こうした生涯学習の取組みを通じまして地域とのかかわりを身近に感じ、地域活動へ参加するきっかけにもつながっているものと考えております。 以上であります。 ○大石清一議長 石橋議員。 ◆1番(石橋勝美議員) わかりました。 最後になります。 若者の地域参加が拡大していけば、帯広市のよいところと悪いところを若者の視点で見つけることができ、将来において何が必要なのかが見えてくると思います。このようなきっかけにより、市政やまちづくりに関心が生まれてくるのではないでしょうか。 9月6日に起こった胆振東部地震によって、帯広市も停電に見舞われました。このときから市民の防災意識は相当高まったと思われます。今なら、町内会への勧誘なら断るが、防災での地域参加なら興味があるという若者もいるのではないでしょうか。そこから地域とかかわっていき、共助の重要性を理解することで、行く行くは町内会への加入にもつながると思います。 地域とのかかわりが重要とわかれば、PTAや市民協働の取組みもより活発になっていく、これまでの答弁で、地域においてはさまざまな団体が活動していることから、若い世代のいる団体と連携した取組みを進めることで、若い世代が地域活動に参加する糸口が見つかるのでないかと思います。 今後の帯広市の取組みに期待し、全ての質問を終わります。 ○大石清一議長 以上で石橋勝美議員の発言は終わりました。 次に、今野祐子議員から発言の通告があります。 15番今野祐子議員、登壇願います。   〔15番今野祐子議員・登壇・拍手〕 ◆15番(今野祐子議員) 初めに、胆振地方を震源とする震災で亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。 それでは、通告に従いまして順次質問させていただきます。 初めに、ひとり親家庭について、寡夫控除の現状と課題。 寡夫控除とは、離婚や死別によるひとり親世帯などが受けられる所得控除の一つで、戦争で夫を失った妻を支えるため、1951年に創設されました。所得税や住民税が低く抑えられるほか、課税額に基づいて算定される保育料なども軽減されます。 これまで子供の親が結婚しているかどうかによって、生まれた子供が差別されることは許されるものではないとして、寡夫控除みなし適用の要望を進めてまいりました。また、国レベルでは税制面での不公平の解消に向け、2018年度与党税制改正大綱で未婚のひとり親世帯に対する寡夫控除適用について、2019年度税制改正において検討し、結論を得るとの記述がなされたところです。 帯広市における寡夫控除の現状についてお伺いいたします。 この質問の中で寡夫とは、婦人も夫も含めて寡夫としてお話をさせていただきます。 次に、健康推進の風疹対策について。 国立感染症研究所は、9月11日、ことしの風疹の患者が9月2日までの推計で362人になったと発表され、既に昨年1年間の4倍近くに達しています。2013年には、国内で感染者が1万7,000人近い大流行が起き、その後減少傾向となっていましたが、ことしの7月以降、首都圏を中心に流行が始まり、感染が拡大し、2013年以来の大流行のおそれが出てきました。この勢いが続くと、2020年の東京五輪・パラリンピックへの影響も懸念されております。 患者さんは大半が成人で、特に30代以上の男性が多いとされていますが、妊娠中の女性がかかると、赤ちゃんが難聴、心疾患などの病気、先天性風疹症候群になる可能性があります。9月2日までの推計で、道内の患者数は7人、十勝管内帯広市ではゼロ人と聞いておりますが、風疹のほかにもはしかや日本脳炎など、重度の後遺症が残るおそれのある感染症もありますので、市民の健康を守るためには感染症への対策も重要であると考えますが、本市における感染症対策の基本的な考え方についてお伺いいたします。 次に、乳幼児健診についてでありますが、安心して子供を産み育てられる環境づくりのためには、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を行う中で、相談体制や子供の健康を守る取組みなども充実していく必要があるのではないかと思います。病気の早期発見と早期対応のために、乳幼児健診は大変重要と思います。 そこで、乳幼児健診の目的と役割についてお伺いいたします。 次に、教育環境の充実、重いかばん対策について。 最近の報道によりますと、今の子供たちが学校へ行く際のかばんが大変重く、健康面や安全面からよくないといった話題を多く目にします。文部科学省から9月6日、全国の教育委員会などに対し、一部の教科書を教室に置いて帰る、いわゆる置き勉を認めるなどの対策を検討するよう通知しました。子供の背負う教科書などの荷物はどれぐらい重いのか、その実態を調べると、ランドセルの重さは小学校1年生から3年生まで、最高が9.7キログラム、平均は7.7キロで、体重が20キロにも満たない低学年の子供の通学が苦行になっている実態がわかりました。私が小・中学校のときと比べますと、半世紀前ですが、確かに当時の教科書は現在の教科書と比べると小さく、また紙の質も薄かったように思いますし、それほど重くて大変だったと感じることもなかったように思います。 今、教科書も当時より大きくなったと聞いていますし、その教科書に対応するようにランドセルも大きくなったと聞いております。子供の教科書などの学習用具は年々工夫され、より見やすく、よりカラフルになってきて、子供たちは楽しく学べそうですが、柔道整復師の指摘によりますと、健康への影響として背骨の関節の変形のおそれもあるとして、まず背骨がゆがむ側わん症が考えられ、日常的に子供の体に過度な負担がかかることで神経を圧迫し、ヘルニアの症状が出る可能性もあり、関節が未発達のため、下半身の関節が変形する可能性を懸念しています。 市の教育委員会としても、このような実態から子供たちの身体的な負担を軽減するために、学校に勉強道具を置いていくなどの対応がとられると聞いています。私の経験では、基本的に教科書類は毎日自宅へ持ち帰るように先生から言われた記憶がありますが、このことについて現在の帯広市の具体的な取組み状況についてお伺いいたします。 次に、通学路対策について、6月に発生した大阪北部を震源とする地震により、小学校のブロック塀が倒壊し、下敷きになった女児が死亡するという非常に痛ましい事故がありました。また、9月6日には、北海道初の震度7の地震が発生し、厚真町を初め、甚大な被害を受け、帯広市も震度4でした。ここ十勝は全国的に見ても地震の発生頻度が高く、平成15年の十勝沖地震や平成23年の東日本大震災による本市への被害についても強く記憶に残っています。そうした中、通学路におけるブロック塀の安全について報道され、全国的にクローズアップされました。 本市においては、ブロック塀の倒壊による事故等はこれまで発生していないものと認識しておりますが、安全点検の対応について、帯広市の状況をお伺いいたします。 次に、空調対策について、ことしの夏は災害級の猛暑とも言われ、学校でも熱中症による事故が多数発生しています。本市においても30度を超える日が続き、このような気象状況の中で、政府においても学校の熱中症対策は緊急の課題であり、冷房の設置を支援していくとの報道がありました。学校における空調設備について、文部科学省ではどのような取組みがされたのか、また本市の設置状況についてお伺いし、1回目の質問といたします。 ○大石清一議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 今野議員の御質問中、感染症対策についてお答えいたします。 生涯にわたり健やかで安心した生活を送ることは全ての人の願いであり、地域医療体制の充実や食習慣、運動習慣等に関する普及啓発、疾病予防の推進などを通し、健康に暮らせる環境づくりに取り組んでいくことが重要であります。 とりわけ人々の健康を初め、経済、社会にも大きな影響を及ぼす感染症対策は、グローバル化の進展に伴う国境を越えた感染の拡大や新種の病原体の発生、結核の再流行といったさまざまなリスクを踏まえ、社会を挙げて着実に進めていくことが求められているところであります。 北海道では、広域的、専門的な立場から、科学的知見に基づく調査研究や病原体等の検査の実施、危険性が高い感染症が発生した場合における体制整備などが進められております。帯広市においては、北海道や医師会等と連携し、市民に対する正しい知識の普及に加え、予防のためのうがい、手洗い、マスクの着用や、感染が疑われる場合の速やかな医療機関への受診など、感染症にかからない、うつさないための啓発活動を行っております。また、風疹など各種疾病に係る予防接種の推進のほか、新型インフルエンザ発生時における行動計画の策定などにも取り組んできているところであります。 今後とも関係機関と力を合わせ、地域全体で感染症の発生予防や蔓延防止などに取り組み、誰もが健康で安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。 私からは以上であります。 ○大石清一議長 広瀬容孝こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 御質問中、寡夫控除の現状並びに乳幼児健診の目的と役割についてお答えいたします。 最初に、寡夫控除の現状についてお答えいたします。 所得税法及び地方税法におけます所得控除には、死別や離婚に伴うひとり親に対する寡夫控除はありますが、未婚のひとり親については所得控除の対象とはなっておりません。平成29年度個人住民税の課税におきまして、納税義務者約8万1,000人のうち、寡夫控除を申告している方は約1,700人おり、寡夫控除の申告数は増加傾向になっております。 次に、乳幼児健診の目的と役割についてお答えいたします。 乳幼児健診は、母子保健法第12条及び第13条に基づきまして、心身の成長段階にある乳幼児の疾病や発育、発達の面において異常を早期に発見し、適切な指導を行うことにより、心身の健やかな発達を促すことを目的に、帯広市も実施しているところでございます。 近年、子育て世代を取り巻く環境は、核家族化の進行、地域とのつながりの希薄化などにより、支援が必要な家庭がふえる中、大きく変化しております。乳幼児健診は、疾病の早期発見とともに、保護者が気軽に子育てについて相談をする場として期待されているところも大きくなっていると考えているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 村松正仁学校指導担当部長。 ◎村松正仁学校指導担当部長 御質問中、小・中学校のかばんにかかわる対応についてお答えをいたします。 教科書の大型化と過度な重さの御指摘につきましては、子供たちの成長や発育への影響が全国的にも大きな問題として指摘をされているところでございます。一部の学校では、子供たちに対しまして持ち帰る教科書やワークブック、その他の学習用具などを選別させたり、学校が一定の基準を示すケースもございます。また、子供たち自身が家庭学習の計画を立てて、持ち帰りを判断するケースを許可するなどの場合もございます。さらに、これまでも取り組んでいる絵の具セットや習字セットなど、特別な学習用具を適時学校へ置いて帰るなど、通学時の児童・生徒の負担緩和への取組みが広がってきていると認識をしております。 以上であります。 ○大石清一議長 中野雅弘学校教育部長。 ◎中野雅弘学校教育部長 教育環境の充実のうち、私から通学路の安全対策と空調対策についてお答えをいたします。 初めに、通学路におけるブロック塀等の安全点検の対応についてお答えをいたします。 ことし6月に発生いたしました大阪北部を震源とする地震により、通学路上にある学校プールのブロック塀が倒壊して、女子児童が亡くなるという事故を受けまして、6月20日付で文部科学省から学校敷地内にあるブロック塀等の点検の実施及び通学路において児童・生徒が自分の判断で身を守れるよう、各学校で指導を徹底するように通知があったところでございます。 これを受けまして、教育委員会といたしましても、通学路において児童・生徒が危険を回避できるよう、指導の徹底について、市立の小・中、高校全41校に通知をしたところでございます。その後、7月20日付で北海道教育委員会より、通学路における安全確保について、防災、防犯、交通安全の3つの観点から安全点検及び安全対策を講じるように通知がございましたので、本市では小・中学校及び南商業高校に対しまして、この3つの観点で通学路等の安全点検を実施するとともに、ブロック塀も含めた危険箇所及び合同点検が必要な箇所について報告するように指示をしたものでございます。 各学校から報告を受けた危険箇所につきましては、市、学校、保護者、警察、道路管理者ほか関係機関などで構成いたします帯広市通学路安全対策連絡協議会において情報を共有するとともに、合同点検が必要な箇所等について確認をしたところでございます。 次に、空調設備の設置状況等についてお答えをいたします。 ことしの猛暑による熱中症事故もございましたことから、文部科学省では緊急に小・中学校の空調設備設置状況調査を実施するとともに、補助要望調査を行い、調査結果を受けて、来年度の予算の概算要求がなされたところでございます。この調査で報告いたしました本市の学校施設における空調設備の設置状況は、普通教室と特別教室を合わせて小学校では6校21教室に、また中学校では2校2教室に設置をしてございます。 設置している主な教室といたしましては、教室の前に屋外プールが以前あったことによりまして、外気温が高温となる普通教室のほか、体温調整が困難な児童・生徒がおります特別支援学級、またコンピューター室などの特別教室などでございます。また、今回の調査の対象外ではございましたが、小学校2校における保健室等、南商業高校のサーバー室にも設置をしてございます。 以上であります。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) それぞれ御答弁ありがとうございます。順次質問させていただきます。 寡夫控除の現状についてはわかりました。 厚生労働省の2016年度、全国ひとり親世帯等調査によれば、母子世帯全体に占める未婚のシングルマザーの割合は8.7%と過去最高となり、死別による母子世帯の8.0を上回っており、なおも増加傾向にあるとのことです。未婚のひとり親世帯は、税控除ばかりではなく、各種行政サービスにおいても恩恵が得られないという課題がありました。 帯広市においても、平成28年4月からみなし適用が可能になったと認識しているところですが、このみなし適用の現状と平成29年度における帯広市のひとり親世帯と、そのうち未婚のひとり親世帯数は何件あるのか、お伺いいたします。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 未婚のひとり親世帯につきましては、婚姻歴の有無によって利用する行政サービスの負担に差が生じておりますことから、認可保育所の保育料や住宅使用料など7事業におきまして、平成28年4月より寡夫控除のみなし適用を実施しているところでございます。 そのうち住宅使用料につきましては、平成28年10月から国土交通省が定めます公営住宅法施行令の改正により、家賃算定の基礎となる収入の計算におきまして寡夫控除のみなし適用が実施されているところでございます。 次に、ひとり親世帯数につきましては、児童扶養手当を受給されている世帯数でお答えさせていただきますが、平成29年度末時点で母子家庭、父子家庭を合わせたひとり親家庭の世帯数は2,182世帯、そのうち未婚のひとり親世帯は257世帯と把握しているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 ひとり親世帯数2,182世帯のうち、未婚のひとり親世帯は257世帯とのことでした。これまで帯広市を含めた一部自治体で未婚のひとり親に対する保育料の軽減等の寡夫控除のみなし適用が実施されてきましたが、このたび国において政令が改正され、自治体が提供する福祉サービスの一部においてみなし適用が可能になったと認識しておりますが、帯広市の状況についてお伺いいたします。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 平成28年4月28日に参議院厚生労働委員会で決議されました児童扶養手当法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を踏まえた寡夫控除のみなし適用については、制度ごとに政令や通知の改正が行われる旨の通知がなされ、実施時期は6月から9月を予定されています。まだ改正されていない制度におきましても、9月中には通知があるものと考えております。 帯広市におきましても、国の改正に基づき、適宜要綱改正等を進め、保育所における利用料負担額や児童手当の手当額を決定する場合など、寡夫控除のみなし適用を行ってまいる考えでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 寡夫控除のみなし適用が実施されることについて、周知方法はどのように行っていくのか、お伺いいたします。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 寡夫控除のみなし適用を実施する際には、市ホームページや広報おびひろによります情報提供を検討しておりますほか、寡夫控除のみなし適用により利用料などの負担が軽減される方を把握できる場合につきましては、個別に通知するなど、漏れのないように周知に努めていく考えでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) しっかりと周知していただいていくということですが、寡夫控除のみなし適用をすることで恩恵を受けられる市民の方に必要な情報が届くようにお願いいたします。 また、ひとり親家庭の家計の収入のばらつきを抑え、計画的に使いやすくし、安定を図るという点では、児童扶養手当の支払い方法の検討についても、先ほどの附帯決議にあったかと思いますが、児童扶養手当の支給方法変更の概要及び市の考え方についてお伺いいたします。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 児童扶養手当は、児童扶養手当法が平成30年6月に一部改正されましたことから、これまで4カ月ごとの年3回の支給が、来年11月分から2カ月ごとの年6回の支給に変更となります。寡夫控除のみなし適用や児童扶養手当の支給回数の変更は、ひとり親家庭の家計の安定が図られますことから、本市においても着実に進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) 意見としまして、支給世帯の収入のばらつきを抑え、計画的に使用しやすくするため、2019年11月から2カ月ごと、年6回払いに細分化されるとのことでした。市は該当する家庭が漏れなく申請できるよう、しっかりフォローしていただきたいと思います。 次に、風疹対策について。 先ほどお話ししましたが、風疹で最も懸念されるのは妊婦さんへの感染です。妊娠初期にかかると、難聴や白内障、心臓病などの障害が出る先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があります。前回の流行時には45人の報告があり、このうち11人が亡くなるという深刻な影響が出ています。感染予防は重要と考えますが、今後風疹の流行を防ぐために、具体的にどのような手だてが必要なのか、お伺いいたします。 ○大石清一議長 堀田真樹子保健福祉部長。 ◎堀田真樹子保健福祉部長 このたびの風疹流行の兆候により、厚生労働省は8月中旬に予防接種の徹底などについて通知を発出しておりますが、幼児期には定期予防接種を定められた時期に2回接種し、免疫をつけておくことが重要であります。 また、十分な免疫を獲得していない大人につきましては、個々に予防接種を受けていただくことによりまして、地域全体の風疹の流行を防ぐことにつながるものと考えております。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。
    ◆15番(今野祐子議員) 幼児期に2回接種し、免疫をつけるということが重要ですね。十分な免疫を持っているかどうかを知るためにはどうしたらよいのか、また北海道では風疹抗体検査の助成を行っていると聞いていますが、その内容についてお伺いいたします。 ○大石清一議長 堀田保健福祉部長。 ◎堀田真樹子保健福祉部長 風疹に対する免疫の有無を知るためには風疹抗体検査を実施する必要がありまして、内科や産婦人科などの医療機関において検査を実施しております。また、北海道が行う風疹抗体検査事業の内容は、妊娠中の風疹罹患による先天性風疹症候群の発生を予防するための対策として、妊娠を希望する出産経験のない女性など、一定の条件に該当する方に対して風疹抗体検査の費用助成を行うというものでありまして、帯広市もホームページ等により周知を行っているところであります。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 先ほど御答弁にあったように、子供のときの定期予防接種が重要と考えますが、現在の風疹の定期予防接種の対象者と接種率についてお伺いいたします。 ○大石清一議長 堀田保健福祉部長。 ◎堀田真樹子保健福祉部長 風疹の定期予防接種ですが、第1期は1歳児を対象に、また第2期は小学校入学前の年長のときに、麻疹風疹混合ワクチンを接種するようになっております。 また、接種率につきましては、平成29年度接種率は第1期は93.1%、第2期は91.8%となっております。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) 1期目は1歳児、2期目が就学前とのことでした。接種率についてもわかりました。 次に、予防接種の大切さを周知することは重要と考えますが、どのように周知を行っているのか、お伺いいたします。 ○大石清一議長 堀田保健福祉部長。 ◎堀田真樹子保健福祉部長 周知につきましては、母子健康手帳を交付する際に、健康づくりガイドなど予防接種に関するリーフレットを配布しているほか、保健師、助産師、または保育士が生後1カ月から3カ月の間に実施します赤ちゃん訪問の機会を活用いたしまして、予防接種の重要性を説明しております。 また、保健福祉センターの母性相談室での相談や電話相談、乳幼児健診の際に未接種者に対して接種勧奨を行っております。このほか広報や本市のホームページなどで感染症の基本的な知識を掲載しているほか、第2期予防接種の対象である年長児には個別の通知も行っております。 また、感染症流行の兆しがあった場合には、SNSにより周知するなど、状況に合わせた情報発信を行っております。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 要望といたしまして、報道によりますと先天性風疹症候群に感染した横浜市の女性会社員29歳は、難聴と白内障、緑内障を患い、目の手術を今も繰り返しています。防ぐ手だてがあるのだから、自分のように風疹で苦労をしてほしくないと、ツイッターで毎日自分の経験を伝え、ワクチン接種を力を込めて呼びかけています。帯広市は、現在発症数はゼロですが、先天性風疹症候群にかからないように、緊張感を持って対応をお願いいたします。 次に、乳幼児健診の現状と課題について。 帯広市における乳幼児健診の対象月齢と健診内容、昨年度の受診率と健診の内容はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 帯広市では、5カ月児健診、1歳6カ月健診、3歳児健診は集団検診において、また10カ月児健診は医療機関による個別健診において実施しております。 健診の内容につきましては、問診、相談、計測、医師による診察のほか、5カ月児健診ではBCG接種、1歳6カ月児と3歳児では歯科健診もあわせて実施しております。また、3歳児健診では尿検査なども行っているところでございます。 次に、受診率についてですが、29年度で申し上げますと、5カ月児健診では99.6%、10カ月児では95.2%、1歳6カ月児では95.7%、3歳児では96.0%となっております。健診の御案内につきましては、対象者に対しまして郵送で個別通知しておりますほか、広報おびひろや市ホームページ、健康づくりガイドなども活用し、周知に努めているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。丁寧な健診が行われていることがわかります。 集団検診で乳幼児健診を受診された方のうち、精密検診が必要な方へはどのように対応しているのか、また精密検診の対象者及び受診者数、また精密検診の受診結果についてお伺いいたします。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 精密検診が必要となった乳幼児の保護者の方へは、医師が所見を記載した精密検診受診票を発行し、医療機関への個別受診を進めております。 平成29年度の集団検診受診者3,790人のうち、精密検診対象者は89人となっており、そのうち76人が受診をしております。精密検診を受診した結果、医療が必要な方は12人、経過観察の方が42人となっているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 乳幼児健診を受診しない、精密検診が必要となっても受診しない、このようなことが成長に応じた発育や発達面の確認や病気の早期発見につながらなかったり、相談できず不安を抱えてしまう場合もあることなどが課題と捉えます。帯広市では、乳幼児健診未受診者、精密検診未受診者への対応はどのようにされているのか、お伺いいたします。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 乳幼児健診を受診されていない保護者の方には、郵送で個別に御案内しているほか、電話や訪問等で健診受診を、また精密検診を受診されていない保護者の方に対しましても電話等で受診を勧奨しているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 次に、小児がんの一つに網膜芽細胞腫という目のがんがあります。網膜芽細胞腫は、早期発見が重要であり、患者さんの95%は5歳までに発見されていますが、発見がおくれるとがんが脳に転移して、最悪の場合、死に至ることがあります。発症は出生時1万5,000人から2万人に一人の割合と少なく、親が赤ちゃんの目の異常に気づいても、速やかに医療機関を受診されないことがあります。網膜に腫瘍ができると視力が低下しますが、乳幼児はまだ物が見える見えないという症状がよくわからず、その症状を伝えられないことから、発見されたときには進行している場合も少なくありません。ある程度進行すると、光が腫瘍に反射して、夜の猫の目のように白く光って見えたり、左右の眼球の向きが合っていない状態になったりします。そのほか、まぶたの腫れが見られることもあります。こうした症状に家族が気づいて受診する場合が多く、95%が5歳までに診断されます。早く治療が行われれば命にかかわることは少なく、治癒させることができます。 そこで、乳幼児健診ではどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 乳幼児健診におきまして、目の病気につきましては母子健康手帳の保護者の記録や問診、診察などを通じて確認しております。 また、網膜芽細胞腫に関連する項目については、母子健康手帳の生後6カ月から7カ月ごろの保護者の記録や、3歳児健診の問診票で黒目の中央が白っぽく見えるか、こういった項目についての内容も踏まえまして、医師による診察を実施しているところでございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 早期発見であれば、抗がん剤治療等によって眼球摘出を免れる場合があります。網膜芽細胞腫は、ある程度進行すると白色瞳孔や斜視の症状があらわれます。これらを乳幼児健診でチェックできれば、早期発見につなげることができます。網膜芽細胞腫の早期発見のため、問診票など、保護者のチェックだけでなく、医師の診察の所見欄にも白色瞳孔を加えてみてはどうでしょうか。今後の対応について考えをお伺いいたします。 ○大石清一議長 広瀬こども未来部長。 ◎広瀬容孝こども未来部長 乳幼児健診時の白色瞳孔の確認につきましては、今後より適切な方法や時期などについて小児科医師と相談していくとともに、市ホームページ等で保護者の方へ病気の早期発見などについての情報提供にもあわせて努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 要望といたしまして、乳幼児健診の項目は市町村が指定することができることから、網膜芽細胞腫の早期発見のため、帯広市でもぜひ取り組んでいただきたいと思います。 次に、教育環境の通学路の安全について。 ブロック塀等については、建築基準法施行令により、塀の高さ、控え壁や基礎、鉄筋の有無など、細かく基準が設定されているものと伺っています。建築士などの専門家でない者が、しかも一般の住宅等の壁も含め、どのように点検するのか、各学校における通学路のブロック塀の点検の方法についてお伺いします。 ○大石清一議長 中野学校教育部長。 ◎中野雅弘学校教育部長 各学校が実施いたしました通学路の安全点検につきましては、文科省や道からの通知等も踏まえまして、目視により行うことを基本として、教育委員会が作成した通学路点検時のチェックリストを活用して行うこととしております。 ブロック塀については、著しいひび割れ、破損、または傾斜が生じているもの、あるいは2メートルを越えるような高さのものの有無について点検するように依頼をしたところでございます。 以上です。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) 点検方法についてはわかりました。 各学校が行う通学路の安全点検では、やはり目視でわかる範囲で確認するということですが、今回の安全点検の結果、市内小・中学校の通学路で危険なブロック塀などはどれくらいあったのか、お伺いいたします。 ○大石清一議長 中野学校教育部長。 ◎中野雅弘学校教育部長 今回の点検では、著しいひび割れ、破損、または傾斜が生じているもの、あるいは2メートルを越えるようなブロック塀につきましては、全体で4カ所の報告があったところでございます。 以上です。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) 各学校の通学路上で著しい劣化や身長を越えるようなブロック塀を確認できたのは、4カ所あったということですが、各学校での安全点検での結果を踏まえ、今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。 ○大石清一議長 中野学校教育部長。 ◎中野雅弘学校教育部長 ブロック塀も含めまして報告のあった危険箇所につきましては、必要に応じて合同点検を実施しながら、帯広市通学路安全対策連絡協議会で対策を検討し、担当部署や関係機関等に対応を依頼していきますほか、各学校で作成しております通学路マップにも記載するなどいたしまして、児童・生徒や保護者に対して注意喚起を図っていく予定でございます。 以上です。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) 意見といたしまして、各学校の通学路上のブロック塀等が建築基準法に適合するか否かの判断までは、各学校における安全点検では技術的にも手法的にも現実的に難しいということがわかりました。ブロック塀はもとより、各学校から御報告される危険箇所等について、その内容に応じて担当部署や関係機関に確実に引き継ぎ、適切に対応していくことが重要です。 昭和53年、1978年に発生した宮城県沖地震での犠牲者28人のうち、64%に当たる18人がブロック塀などの倒壊で亡くなるという痛ましい事故を受けて、昭和56年に建築基準法が改正され、建物の耐震化とともにブロック塀などの耐震化基準も強化されました。しかしながら、その後も大きな地震が発生するたび、ブロック塀の倒壊を報道等で目にしました。 先ほども触れましたが、昭和53年の宮城県沖地震から40年も過ぎた今でも倒壊の危険のあるブロック塀が学校施設に放置されている可能性があることから、今回の点検を徹底してお願いし、子供たちが安全に通学できるよう取り組んでいただき、今こそ求められる命を守る国づくりをぜひお願いしたいと思います。 次に、重いかばん対策について。 本定例会の中でも大和田議員のほうから、通学かばんの重さについて質問があったところです。私も実際に持ったことがありますが、中学校ではかばんの重さが10キロ以上になることもあり、勉強道具と部活動の持ち物等も合わせるとさらに重くなり、思っていた以上に大変なことです。健康面で発育途中の子供たちの負担は大丈夫かと思ってしまうほどです。その一方で、私は子供たちの学習を考えたとき、学校での勉強はもちろんですが、予習や復習、さらに先生から出された宿題など、家庭で勉強をしっかりすることも大切なことだと思います。 教育委員会のホームページで見てみますと、去年行われた全国学力・学習状況調査の結果が載っていました。それによりますと、帯広の子供たちは1日当たり1時間以上の勉強をする児童・生徒の割合が全国より少ないとの報告がありました。仮に教科書を学校へ置いていくことを当たり前にしてしまったら、当然家で勉強する道具がないわけですから、家庭での勉強時間がさらに少なくなるかもしれません。すると学力は低くくなります。こんな心配もいたします。今言いましたように、単純なことではないと思いますが、このことについて見解をお伺いいたします。 ○大石清一議長 村松学校指導担当部長。 ◎村松正仁学校指導担当部長 子供たちの学力向上につきましては、学校での授業の質の向上と家庭での学習が重要だと考えております。平成29年度の全国学力・学習状況調査の本市の結果によりますと、家庭の学習に学習塾など自宅外での学習を加えた、いわゆる学校外で1時間以上学習する児童・生徒数の数につきましては全国平均を下回っておりますが、自宅で取り組む宿題や予習、復習などにかける時間に限りますと、全国平均を上回っている状況にございます。 また、子供自身の判断による教科書類の持ち帰りや、置いていく学習道具を決める際には、教職員の指導のもとに進めることが大切でありますことから、各学校では家庭での学習時間が単に軽減されたり、家庭学習に支障が出たりしないよう留意しているところでございます。 以上です。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 教科書を学校へ置いて帰った場合でも、家庭で勉強する時間がしっかりとれて、学力低下の懸念がなくなるのであれば、成長過程にある子供たちの健康面から考えますと、いわゆる置き勉の取組みは進めていくべきだと思います。この取組みを進めるためには、各学校に個人ロッカーや棚など、教科書等を収納するスペースが適切に確保されなければならないと考えます。自分の机に入れていくことも考えられますが、それだけでは足りないと思います。 そこで、お伺いしますが、現段階で各学校の教科書等の置き場はどのように確保されているのか、また管理の仕方について各学校でどのような工夫や配慮をされているのか、お伺いいたします。 ○大石清一議長 村松学校指導担当部長。 ◎村松正仁学校指導担当部長 教科書類を学校へ置いて帰る際の個人ロッカーなどにつきましては、各学校によってロッカーの配置状況が若干異なりますため、余裕教室ですとか棚を活用するなど、さまざまな工夫が現在されております。 また、個人の持ち物を学校に置いて帰ることから、互いの持ち物の取り扱いに関するルールや約束事を子供の間で徹底させながら、運用に努めているところでございます。 以上です。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 意見としまして、学校へ教科書などを置いて帰るいわゆる置き勉について質問をしてきましたが、私はこの背景には小学校で英語が導入されたり、道徳が教科化されたりする次の学習指導要領で進められる新たな教育があるためと思います。かばんの重さから健康の心配、そして家庭学習の大切さなどについてやりとりをさせていただきましたが、これは単に子供たちの体の負担軽減にとどまる話ではないということもあります。 AI化を見据えたプログラミング教育、さらには主権者教育等、さまざまな視点で次世代を担う子供たちを育てていく必要があることから、今学習指導要領が変わろうとしています。変化の激しいこれからの時代をたくましく生き抜く子供たちを育むためには、指導内容の増加により教科書等のボリュームがふえる流れを受けとめて、具体的な対応もしていかなければなりません。こうした中においても、子供たちが学校が好き、先生や友達が好き、勉強が好きと感じ、みんなで積極的に活動に取り組んでいく姿勢が見られることは何よりもうれしいことで、明るい未来が期待できるものです。そのためにも通学時のかばんの過度な重さは、学校に向かう気持ちを減退させてしまうことにもつながりかねません。どうか帯広市の子供たちが、どの子も生き生きと学び合いができるような環境整備に取り組んでいただきたいと思います。 次に、空調設備についてお伺いいたします。 同僚の大竹口議員のほうからも委員会で質問があったところです。空調設備は一部の教室で設置されているとのことでありましたが、空調設備以外の暑さ対策として、帯広市ではどのような対応をしているのか、また以前にもミストシャワーの設置について質問しましたが、学校での現在の利用状況についてお伺いいたします。 ○大石清一議長 中野学校教育部長。 ◎中野雅弘学校教育部長 空調設備以外の暑さ対策といたしましては、現在普通教室や保健室に網戸や扇風機の設置を進めてございまして、扇風機につきましては、先日市民団体から御寄附をいただいたこともございまして、全ての小・中学校で普通教室と保健室に1台以上設置することができたところでございます。 また、ミストシャワーにつきましては、小学校2校、中学校2校で児童・生徒の玄関前に設置をしてございまして、気温が高い日の登下校時や昼休みのほか、屋外で活動する際にも利用されているところでございます。 以上です。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 ミストシャワーの設置も小学校が2、中学校が2ということで、なかなか進まないような状況だと思います。扇風機が全ての普通教室に設置されたということですが、大変に感謝いたします。さらに、熱中症対策として空調設備の設置は必要と考えます。市の見解をお伺いいたします。 ○大石清一議長 中野学校教育部長。 ◎中野雅弘学校教育部長 夏場の外気温が高いときに児童・生徒が学習に集中できる環境を整えるための手法の一つといたしまして、空調設備を設置するということは大変有効であろうとは考えてございますが、この空調設備の設置には多額の費用を要するということもまたございますことから、引き続き現在行っております網戸、それから扇風機の設置ということを進めてまいりますほか、個々の学校施設の状況、また国、道の動向なども踏まえながら、空調設備の設置については対応を検討してまいりたいと考えてございます。 以上です。 ○大石清一議長 今野議員。 ◆15番(今野祐子議員) わかりました。 空調設備は多額な費用がかかるということでした。 意見としまして、保健室は体調を崩した生徒さんが来るところです。保健室への冷房設備の設置をぜひ検討していただきたいと思います。また、小・中学校の冷房設備の設置に関しても、リース方式の活用や維持管理費のあり方について、国の補助金の活用を検討していただきたいと思います。 以上で全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○大石清一議長 以上で今野祐子議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。         午後2時33分休憩         ────────         午後3時0分再開 ○大石清一議長 再開いたします。 次に、杉野智美議員から発言の通告があります。 20番杉野智美議員、登壇願います。   〔20番杉野智美議員・登壇・拍手〕 ◆20番(杉野智美議員) 生活保護行政についてお聞きをいたします。 貧困とは何でしょうか、社会活動家の湯浅誠さんは「溜め」という経済的余裕や社会的なつながりをあらわす言葉を用いて貧困を定義しております。例えば大学受験に失敗しても浪人できるし、家族の援助で私立大学に行くこともできる。もし会社が倒産したり、首になっても、貯金があるから大丈夫、貯金がなくなっても実家に帰れば何とかなる。このように何か困ったことが起きても、家族の支えや金銭的な支えによって失敗が許されたり、失敗がそのまま人生の転落の始まりにならない人がいる一方で、経済的に国公立に受からないと行ける大学がない。大学に行けたとしても、奨学金で借金を背負わなければならない。ぎりぎりの生活なので、会社を首になったら貯金もなく、生活できないし、親に頼ることができない。困難に陥ったときに、経済的余裕や、家族や友人の援助、精神的なゆとりや自信という「溜め」があれば困難を乗り越えることができるが、「溜め」がなくなった状態が貧困の状態だと言っております。 同時に、「溜め」が少なくなったときに、教育、雇用、制度などが何らかの形で機能することで貧困は防げるわけですが、その手だてがない、また、行き届かない状態が起こると、自分自身の存在価値を見失い、生きていく力がなくなってしまう、つまり貧困が固定化され、抜け出すことができなくなる状態が生み出されてしまうのです。 国民は憲法第13条で幸福追求の権利を持ち、第25条生存権、第27条労働の権利、第26条教育を受ける権利が、法のもとに平等に保障されると憲法にその権利が記されております。貧困であることは、憲法に記された一つひとつの権利の実現がままならない状態であると言えるのではないでしょうか。貧困についての市の認識をお伺いいたします。 憲法第25条で保障される健康で文化的な最低限度の生活、生存権とは、文字どおり私たち一人ひとりが生きていく権利ですが、単に生存するというだけでなく、社会の一員としての尊厳を持って生活をする権利です。そして、そのために国が社会的使命として必要な制度や施策を整えることを位置づけたものにほかなりません。市民の生存権を守るために、行政、とりわけ地方自治体はどうあるべきでしょうか、お伺いをいたします。 厚生労働省の国民生活基礎調査によりますと、2015年の1世帯当たりの平均所得金額は、約20年間で118万円下がり、545万8,000円に、約半数の世帯が貯蓄なしで暮らし、格差を示すジニ係数は0.570と上昇を続け、日本の所得分配の不平等さが大きいことを示しております。貧困率は15.6%、6.4人に1人、子供の貧困率は13.9%、7人に1人、国民の暮らしが冷え込み、余裕やゆとりのない世帯が増加し、一旦自分や家族に病気や失業、離婚など困難が起これば、たちまち貧困化していく社会が広がっています。 生活保護制度は、その基本原則により、生活費や住宅費、医療費、教育費など8種類の扶助があり、収入が生活保護基準より少なく、資産を活用しても生活できない、働けない、働く場所がない、年金や手当てなど、他の制度を使っても生活保護基準に満たないといった条件を満たしていれば、申請し、制度を活用することができます。生活の困窮が広がり、活用できる社会保障制度が縮小されれば、生活保護を利用する人が増加するのは当然ですし、生活保護利用者数が増加し、国の財政が悪化するからといって、適正化という名のもと、かかる費用を何とか減らすために基準を引き下げることは、あってはならないことです。 しかし、2004年に老齢加算、また翌年2005年には母子加算がそれぞれ3年をかけて大幅に削減、廃止、母子加算につきましては、憲法第25条違反と当事者が声を上げ、裁判と運動が起こり、2009年に復活をしておりますが、その後2013年から3年にわたって、総額で1,000億円、平均では1世帯6.5%、最大で1割もの生活扶助の大幅な引き下げが実施され、さらに2015年には住宅扶助の基準額と冬季加算の引き下げが強行されました。 そして、さらにことしは5年ごとに行う生活扶助基準の見直しの時期に当たることから、厚労省は来月10月から3年間で平均1.8%、最大5%、年額で160億円に及ぶ生活扶助基準の引き下げを実施するとしております。今回の生活扶助基準の引き下げにより、帯広市の生活保護世帯に及ぼす影響を伺います。 これまでの生活保護基準引き下げは、住民税非課税の基準など、市民生活や地域経済に大きな影響を及ぼすことが明らかになってきました。帯広市はこれまで生活保護基準の引き下げを制度に連動させないために、条例の市長が定めるものを活用したり、要綱、規則などを改正して、影響が出ないように対応してきました。特に今回の引き下げでは、児童養育加算を月1万5,000円から1万円に引き下げる、母子加算は月2万1,000円から1万7,000円に、また高校生で月5,150円が定額支給されていた学習支援費が廃止されて、クラブ活動費のみが実費支給されるなど、子供の貧困対策に逆行するものであり、影響が懸念されます。 厚労省は6月19日、生活保護の基準見直しに伴い、他制度に生じる影響についてとの通知を出し、生活水準の低下を招かないよう、地方自治体への周知徹底を含め、万全の措置を講ずることとする参議院厚生労働委員会での附帯決議を採択し適切な判断、対応を求めておりますが、帯広市の対応を伺います。 生活保護制度は、高齢や病気、障害のある社会の中で困難な状況に陥りやすい人を支える大切な制度ですが、お笑い芸人の母親が生活保護を利用していたことなど、そのこと自体は不正でも何でもないにもかかわらず、マスコミなどで生活保護バッシングが起こりました。税金で養ってもらっている、努力しない人が使っているなどのイメージが広がることが、生活保護利用者が生活保護を使っていることを言えなくなったり、恥だと思ってしまったり、それによって社会から孤立してしまうことにもつながってしまいます。帯広市の生活保護の現状についてお伺いいたします。 生活保護利用中は、収入や年金などの収入を必ず申告しなければなりませんが、この無申告や過少申告には悪意を持って意図的に行った生活保護法第78条の不正受給と、単に申告を忘れてしまったり、申告することを知らなかった場合、適用となる法第63条があります。帯広市の法第78条不正受給の内容と金額、それぞれの件数についてお伺いをいたします。 イギリスの貧困研究者ルース・リスター氏は、貧困状態にある人々は参加の同等性を否定されている、その原因は物質的な剥奪状態が生み出されることとあわせて、人権とシティズンシップ、声の欠如であり、相対的な無力さであると述べられております。貧困状態にある人々が置かれている状況は、人権と文化、社会の中での人間関係をなくし、声を出さない、孤立と無力さを生むこと、参加の同等性を否定されるということは、女性差別や障害者差別などの差別と同様の状況を生み出すものではないかと、関心を持ってこの言葉を受けとめました。 2013年に生活困窮者自立支援法が成立して、生活に困窮する人を支援するために自立支援プログラムがスタート、就労と社会的な孤立という2つの側面から総合的に地域で支援する仕組みを整えていくという構想が目的とされるなど、生活保護制度の一つの大きな転換点であったとも言われました。 しかし、事業ごとに必須のものと任意のものに分かれ、また自治体の財政負担が伴うものがあるなど、各自治体で取組みの格差が出たり、社会的な孤立への支援が薄れ、就労支援に特化した制度となるなど、問題点が指摘をされております。自立とは何でしょうか。帯広市の生活保護における自立の基本的な考え方をお伺いいたします。 市の生活困窮者自立支援制度の相談支援事業と住居確保給付金の現状と課題、生活保護者の自立支援事業の現状と課題をお伺いいたします。 行政の各課にも市民の困り事の発見の機会があると考えますが、帯広市自立相談支援センターふらっとの相談件数のうち、市の各課からの相談件数、割合をお伺いするものです。 生活保護を利用する人を支援する役所の担当者がケースワーカーです。申請を受理し、生活保護が必要かどうか調査をし、保護が必要であれば支給を決定します。また、通院、介護の必要性や就労支援が必要かなど、その人の相談を聞きながら、状況に合わせて支援を整えていく役割があります。 生活保護利用者は、高齢者や傷病、障害、母子家庭、失業など、さまざまな困難を抱え、一刻も早い支援が必要な人が多いので、一人ひとりの相談を聞きながら、状況に合わせて必要な支援を迅速に行うことが求められています。大変忙しい仕事です。厚労省は一人のケースワーカーが80世帯を担当することを標準数として定義しておりますが、帯広市の現状はどうでしょうか。市のケースワーカーの配置状況と、標準配置人数との過不足数、また充足率、平均経験年数、1人当たりの担当ケース数を、またケースワーカーの資格について、社会福祉主事、社会福祉士、精神保健福祉士の配置の状況を伺い、1問目の質問といたします。 ○大石清一議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 杉野議員の御質問中、生活保護行政の基本的な考え方についてお答えいたします。 貧困は、経済面、精神面など、視点や立場によりさまざまな捉え方があると考えておりますが、行政としては生活保護などの関連諸制度に基づき、国や都道府県、市町村がそれぞれの役割を果たしながら、社会全体として必要な支援を行っていくことが重要であると認識しております。 とりわけ失業や病気などに伴い、生活困窮に至る人々や、現役世代における生活保護受給者の増加を背景とした制度改正により、自治体においては心身の健康の回復や居住の確保、安定した就労などを総合的に支援し、経済的、社会的な自立を促進していくことが求められているところであります。 帯広市におきましては、一人でも多くの生活保護受給者の自立に向け、就労体験などを通じた社会参加の促進のほか、ハローワークと連携し、一般就労に向けた基礎的な職業スキルの習得などを支援しております。また、生活保護に至る前の生活困窮者に対しては、相談窓口の設置や住居確保給付金の支給、日常生活、社会生活の基礎能力の形成に資する支援などを行ってきているところであります。 今後とも当事者の意思を尊重しつつ、関係機関等と連携した包括的な支援を行い、誰もが住みなれた場所で自立して暮らせる地域社会の実現を図ってまいります。 私からは以上であります。 ○大石清一議長 堀田真樹子保健福祉部長。 ◎堀田真樹子保健福祉部長 御質問中、初めにことし10月から見直しされます生活保護基準の本市における影響についてお答えいたします。 具体的な月額の影響額は、全世帯の平均で514円の減額となっており、また2人世帯以外は全ての世帯で減額となることから、本市においても生活保護受給者へ影響が生じるものと認識をしております。 次に、本市の生活保護の現状についてお答えいたします。 本市におけます生活保護世帯の状況は、全国の傾向と同様に、高齢化や保護受給の経年に伴う高齢者世帯への移行により、高齢者世帯は増加してきておりますが、母子世帯や傷病、障害世帯は減少しております。生活保護世帯減少の要因につきましても、全国的な傾向と同様に、有効求人倍率の改善のほか、平成29年度からの年金受給資格期間の短縮により、年金受給により自立可能となりました高齢者がふえたためと捉えております。 次に、不正受給の件数、金額、内容等についてですが、平成29年度の不正受給は全体で102件、2,817万7,254円となっております。主な理由は、稼働収入の無申告、過少申告が68件、1,789万1,577円、年金の未申告が29件、813万7,132円となっており、件数、金額ともに9割以上を占めております。 次に、実施しております生活困窮者自立支援事業の相談事業と住居確保給付金の現状と課題についてでありますが、まず生活困窮者に対する相談事業ですが、収入、生活費に関する相談が最も多い状況であり、今後は家計相談事業などを充実させ、収支のバランスを管理する生活力が身につくための支援を行っていく必要があると捉えているほか、住居確保給付金については、平成27年度5件、28年度4件、29年度1件と、利用者数は少ない状況でありますが、本事業を必要としている方が潜在しているものと考えており、今後相談事業と一体的に制度を周知することが必要と考えております。 また、生活保護者への自立支援事業の現状と課題についてですが、稼働が可能な就労指導対象者に対しましては、ハローワークで実施しております生活保護受給者等就労自立促進事業への参加を促し、就労先を確保することにより保護からの脱却を目指しておりますが、平成29年度の参加者数は対象者487名中64名となっており、参加率が約13%と低い参加状況となっております。生活保護の長期化は就労意欲が低下する傾向にあるため、これらの方々には繰り返し就労の必要性を説明するとともに、引き続き保護開始後の早期に就労活動の働きかけを行うなど、事業参加数の増加を目指す必要があると考えております。 次に、帯広市自立相談支援センターふらっとへの本市からの相談状況についてお答えいたします。 平成29年度の相談経路についてでありますが、140件の相談のうち、本市からの相談は33件、全体に占める割合は23.6%となっております。なお、そのうち保健福祉部関係は23件となっております。 最後に、本市のケースワーカーの配置状況、平均経験年数、1人当たりの担当ケース数、資格の状況についてお答えいたします。 本市のケースワーカーの標準配置数は48名でありますが、現在35名の配置となっております。充足率は73%、13名の不足となりますが、高齢者世帯を支援いたします地域生活支援員9名を配置をしております。 また、平成30年7月の人事異動後におけますケースワーカーの平均経験年数は2年4カ月、1人当たりの担当ケース数は約110世帯となっております。 資格についてですが、社会福祉主事の有資格者は35名中28名で、80%となっており、社会福祉士、精神保健福祉士の有資格者の配置はございません。 以上でございます。 ○大石清一議長 池原佳一政策推進部長。 ◎池原佳一政策推進部長 御質問中、生活保護基準の見直しに伴う、市の対応についてお答えいたします。 国においては、平成25年8月からの見直しと同様に、生活保護基準の見直しに伴い、他の制度に影響が生じる場合、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を考慮しながら、できる限り影響が及ばないよう対応することを基本としており、地方自治体で独自に実施する事業につきましても、国の対応方針の趣旨を理解した上で判断するように依頼されているところでございます。 今後これらの通知などを踏まえ、今回の生活保護基準の見直しによる具体的な影響などを把握した上で対応してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○大石清一議長 杉野議員。 ◆20番(杉野智美議員) 2回目の質問をいたします。 生活保護基準の引き下げについて、影響なども伺いました。来月10月も目の前ですが、生活保護基準の引き下げが2人世帯以外の全ての世帯で減額になるという、非常に大きな影響があるということでした。10月からのこの引き下げについて、市の対応については今後検討するというか、その影響を見て対応していきたいということで、まだ明確にはなっていないようにもちょっと受け取りましたが、これまで市が対応してきたことはぜひ継承をしていただきたいと改めて申し上げておきたいと思います。 今回の引き下げですが、一般低所得世帯との消費実態との均衡を図るということで、一般世帯の消費が下がればどんどん下がっていくという方式が今回採用されております。一般勤労世帯の消費水準の6割程度を保障することを当面の目標とすべきというのが厚労省の構想の水準にあるわけですが、このことも底なしになる状況であると思います。国も最低生活費算定方式については、今回の改定にあわせて検証手法を開発すると前回方向を示していたにもかかわらず、その方向は曖昧となっていて、中には国の怠慢という声も上げられる、そのような状況もあります。 また、2013年の引き下げは物価下落を理由として引き下げられたわけですが、今回は消費とのバランスを理由としているわけです。物価は、帯広市の状況を見てみましても、灯油、ガソリン、食料品等を含めて、生活必需品は全て軒並み上昇している状況であります。こうした中での引き下げは、これでは健康で文化的な最低限度の生活が守られないのではないかと考えるものです。帯広市として引き下げを直ちに中止をする、最低でも2013年以前の基準に戻すことを求めるべきと考えます。 第78条、不正受給についても状況を伺いました。保護利用者に不正受給の意図があったときに適用となるのが、不正受給の意図があるというところが非常に重要ですが、第78条の適用となります。それは1つには、届け出または申告について、口頭または文書による指示をしたにもかかわらず、それに応じなかったとき、2つ目に届け出または申告に当たり、明らかに作為を加えたとき、3つ目に実施期間、またはその職員が届け出または申告の内容等の不信について説明等を求めたにもかかわらず、これに応じず、または虚偽の説明を行ったなどの場合とされているもの、このようにされています。 一方で保護費の返還を求める、不正とは違うんだよと生活保護が法で定めている第63条がありますが、第78条とは明確に区別されることが重要です。神奈川県の小田原市のケースワーカーが、保護なめんなと記載されたジャンパーを着用していた事件では、不正を摘発することが第一の目的になっていた可能性がある、このように報告書で指摘をされておりますが、生活保護利用者とケースワーカーの絶対的な立場の違いを理解せず、利用者に十分理解されるような配慮もなしに不正受給の認定を行うことの問題点が、自由法曹団などからも強く指摘をされておりました。 帯広の現状を伺いましたが、年金の未申告が29件、813万7,131円で収入の無申告、過少申告とあわせてほとんどがここに当たるという状況ですが、年金の支払い期間を最低10年にするという年金制度の大きな改革がありました。このために年金の不正受給が増加したということですが、無年金世帯を救済する制度として多くの国民の要請に押されて実現した制度ですし、単に不正受給とされるべきものではありません。申請書の書き方や書類の見方、また申告がないと法的徴収となるなど、丁寧に対応が行われたのでしょうか、また生活保護利用前の分として遡及された年金は返還義務がないと考えますが、そのような措置はとられたのでしょうか、お伺いをいたします。 返還または徴収しなければならない保護費についてですが、最低基準の生活を保障する金額とすることが重要であると思います。決めた返還額を返せなくなって、水道料が払えない、電気代が払えないなどの相談を受けたことがありますが、分納の場合の月々の返還金、返還期間の決定についてどのようなルールがあるでしょうか、お伺いをいたします。 賃貸住宅における火災保険料更新料について、ことし3月の予算審査特別委員会で質疑を行いました。ケースワーカーからの説明もなく、生活保護のしおりでも一時扶助の内容が告知されていない、このような市民の声から質問いたしましたが、賃貸住宅の火災保険料と更新料が必要な人に支払われていない事実、事例があることがわかりました。その直後に、生活保護のしおりに一時扶助というページが加わえられるという、素早い対応があり、これは大変評価をしたいと思っております。 利用者にどのような対応がなされたでしょうか。また、必要な利用者に知らせていなかったものは行政として支給漏れであり、私は遡及されるべきではないかと思いますが、お考えをお聞きいたします。 生活困窮者自立支援法についてですが、制定から3年を迎え、改正生活困窮者自立支援法が30年度にスタートしています。帯広市の取組みの課題として、家計相談事業の充実、住居確保給付金の充実が必要だという御答弁でした。自立について市の考えもお聞きをしましたが、自立とは就労による自立だけではなく、身体や精神の健康を回復して日常生活の自立、そして社会的つながりを回復して社会的自立を当事者の意思を尊重し達成するという、このような御答弁もございました。どこに相談していいのかわからない、仕事や暮らし、お金の相談先であり、支援する人の困り事を相談する場所、また相談に来られなければこちらから出向くことも含めて、行政と設置されたふらっとが市民の生存権のとりでになることがますます求められていると思います。 市の各課からの相談件数は、ふらっとに持ち込まれる相談の23.6%とのことでした。保健福祉部以外は1年に10件でした。滞納や収納のおくれ、相談など、窓口である行政との連携は十分とれているのか、困難を早期に見つけ出すための対応は図られているのか、さらに検証を求めておきたいと思います。 帯広市の事業では、家計相談支援事業の必要性について述べられましたが、他の任意事業である一時生活支援事業について、今後の事業の方向性をお聞きをするものです。 保護課への相談で説明がされております生活保護のしおりというものがあります。市民にとって、生活保護制度の入り口としての役割を持ちます。生活保護制度は、市民の生存権を守る最後のセーフティーネットであり、必要な市民に必要な情報を知らせることが重要な仕事であると考えますが、市の考えをお聞きをいたします。 同時に、生活保護のしおりについては、所有が認められる財産や扶養義務が保護の要件にならないことを明確に記述することが必要ではないかと思います。申請をその場で諦めてしまうような記述は、改善が必要です。また、ホームページでこの生活保護のしおりを公表することも必要と考えますが、見解をお伺いいたします。 ケースワーカーについてです。 漫画ですが、健康で文化的な最低限度の生活、健活と縮めて言われているようですが、ドラマにもなり、新人ケースワーカーの奮闘が多くの人に読まれたり見たりされまして、非常に関心を持たれております。また、小田原市の生活保護ジャンパー事件の検証から、小田原市がどのように改善の取組みを行うのか学び、他人事とは思わない検証が必要であると考えます。複雑で困難を抱える困窮者を専門的知識で支える技術と、困難な現場に向き合うケースワーカーの頑張りが市民の暮らしを守ることにつながる。その一方で、生活保護利用者にとっては、ケースワーカーの助言や言動で心を閉ざし、生活をさらに困難に結びつける事例も発生しています。 生活保護の運用が脆弱であってはなりません。帯広市のケースワーカーの経験年数は2年4カ月、1人当たりの担当ケースは110世帯、有資格者は8割とのことでした。職員配置については、定数の削減を行ってきた中で、厚労省も高齢者世帯などは担当を多くするなど、弾力的配置を認めているわけですが、ことしの夏、札幌で起こった必要な訪問を実施せず、高齢者が熱中症で亡くなるという事件などは、あってはならないことです。 一昨年の福祉事務所人員配置調査では、定数配置で市部と郡部に分けて発表されておりますが、常勤者では定数配置で88.2%が平均でした。帯広市の現状と大きな乖離があると考えます。必要な部署に必要な人を配備するのは、市全体の社会福祉への基本的姿勢をあらわすものであり、改善を求めたいと思いますが、見解をお伺いいたします。 同時に、市のケースワーカーの社会福祉主事の資格保有は8割、さきにも引用した人員配置調査では平均が74.2%ですから、帯広市は上回っているかと思いますが、やはり向上を目指すべきだと思います。同時に社会福祉士は13.5%、精神保健福祉士は、ケースワーカーのうち、2.4%配置がされているという状況でした。この分野でも帯広市の課題が見えているのではないかと思います。社会福祉の国家資格を持つ専門職、社会福祉士、精神保健福祉士の配置も検討されるべきではないでしょうか。このことをお伺いして、2回目の質問といたします。 ○大石清一議長 堀田保健福祉部長。 ◎堀田真樹子保健福祉部長 初めに、資格期間の短縮により年金を受給された方の不正受給についてお答えいたします。 今回の期間短縮に伴う年金の支給に当たりましては、事前に該当者への通知、請求の支援をしてきたほか、あわせまして年金支給開始決定の速やかな報告の必要性についても説明、指導をしてきており、その後の調査等により判明した場合に、不正受給として法の第78条を適用してきているものであります。 また、遡及されました年金は、保護開始後に支給した保護費への法第63条による返還金とされており、返還に当たりましては、生活への影響が生じないよう分納などにより、本人の御意向を尊重しながら決定をしてきております。 次に、賃貸住宅におけます火災保険料の更新の対応についてお答えいたします。 支給につきましては、規則に基づき、適正に実施してきており、また本来経常的最低生活費の範囲内で計画的に順次更新すべきものであるとされておりますことから、遡及は困難と認識をしております。 次に、生活困窮者自立支援事業における任意事業についてお答えいたします。 平成30年6月の生活困窮者自立支援法改正によりまして、自立相談支援事業、就労準備支援事業、家計改善支援事業のこの3つの事業を一体的に行うことが努力義務化されております。本市におきましては、家計改善支援事業以外、既に実施をしてきておりまして、今後は一時生活支援事業とあわせまして、まずはほかの自治体の実施例など、情報収集に努めてまいります。 次に、生活保護のしおりなどによる生活保護制度の周知についてお答えいたします。 生活保護制度が最後のセーフティーネットとしての役割を担っていることを周知していくことは重要であると認識をしております。これまでも法の改正に伴い、適時生活保護のしおりの改定を行ってきておりますほか、ケースワーカーによる家庭訪問等を通じまして、丁寧な説明も行ってきております。 今後におきましては、ホームページでの生活保護制度にかかわる情報提供のあり方についても検討していくほか、現在制度周知のポスターを作成中であり、コミセンや福祉センター、その他関係施設に配布し、さらなる周知を図ってまいります。 最後に、生活保護に係る職員の配置及びその資格者の考え方についてお答えいたします。 ケースワーカーにつきましては、法定数の職員配置に対して不足しておりますが、高齢者世帯とそれ以外の世帯に区分するなどの体制により、生活保護者受給者への支援に努めてきております。また、査察指導員及びケースワーカーに社会福祉主事以外の資格は特に規定はされておりませんが、困難な相談ケース等へは関係機関や関係する施設の福祉専門職員等と連携するなど、適切な支援に向けた対応をしてきているところであります。 今後におきましても査察指導員によるケースワーカーへの指導や研修会への参加、またケース会議などによる事例検討のほか、庁内及び関係機関と連携しながらケースワーカーの資質の向上に努めてまいります。 以上でございます。 ○大石清一議長 杉野議員。 ◆20番(杉野智美議員) 3回目の質問に入ります。 火災保険料更新料の件につきましては、見解がまだ少し違うなって思うところもあるんですが、引き続きいろいろ私も調べて、また取り上げていきたいと思っております。 ポスターや生活保護のしおり、ポスター、きょう間に合ってればよかったんですが、もう少しかかりそうだということで伺っておりますが、やはりたくさんの方たちに、必要とされるところに、しっかりとそういう情報が届くという仕組みでは、ホームページのあり方なども含めて、ぜひ皆さん知恵を出していただいて、御検討をお願いしたいと思います。 第78条の不正受給に基づく徴収と、それから第63条に基づく返還金ということで質問をしてまいりましたが、法の趣旨は明確に違うわけです。第63条の返還金では、ことしの年金制度の改正による遡及分の返還金や生命保険の解約金、交通事故の補償金などのほかに、扶助費算定誤りが発生しているわけです。これは帯広市の第63条の状況を資料でいただいた中に出てきたんですが、法第63条は全額返金するのが原則であるかのように運営はされていますが、法律の規定は実施機関の定める額とされておりますし、過誤支給については過少支給分は全額支給されるべきですし、収入認定とするべきではないとも言われております。 過大支給につきましては、保護費から返還を求めることは最低限度の生活の保障という生活保護法の趣旨に反するということにもなりますから、認められるべきではありません。裁判事例でいろいろと変化が起こってきていますが、それを待つのではなく、市民の暮らしに最も寄り添う生活保護行政として真摯な判断が求められますし、今後検討をしていただきたいと思います。ちょっとごちゃごちゃして言ってしまいましたが、これも今後また取り上げていきたいと思っています。 生活保護法の制定を主導したと言われております小山進次郎さんが、法第78条について制度を揺るがすような悪質な事案に適用することを予定して、法第78条を設定したと述べているんですが、悪質な事案に対し限定的に第78条の適用を検討すべきと、このように言っているわけです。形式的に認定を行うことについては、高校生のアルバイト収入の未申告について、収入状況と申告状況が一致しない場合に、あらかじめ徴収しておいた書面に基づく形式的な故意の認定により、広く第78条を適用するという現状の運用は不当であると、これは横浜地方裁判所でこのような判決も出ております。 帯広市におきましても、数年前までは高校生の未申告のアルバイト収入を第78条適用として全額徴収していたことがありました。現在は高校生向けのわかりやすい資料も作成して、ケースワーカーから丁寧な説明も行われ、第78条の適用はほとんどないとも伺っております。 年金についても、利用者との信頼関係を構築し、丁寧なケースワークを行っていれば、悪質、故意という法第78条の適用になるような事例は非常に少なかったのではないかと考えるものです。検証が必要であると思います。 同様に、分納の場合のルールはないとおっしゃいましたが、最低限度の生活保障のルールは当然考慮されていることを前提としましても、多くの利用者は頑張って払おうとする気持ちから多目の分納を決めたり、また途中で困難になって投げ出すという方もいらっしゃるわけです。どちらもケースワーカーとの信頼関係や日常生活の応援がなければ、払い切れない状況が発生します。払い切れない事例の検証を丁寧に行うと同時に、ケースワーカーの専門性を高め、何より配置増が根本的な解決につながると考えます。 法第78条の適用については、市民の生活保護制度への誤った見方や偏見を生み出す可能性もあり、必要な人に制度が届かない、制度を利用することを恥ずかしく思ったり、隠したりする土壌を生み出している一因であると私は考えます。正しく制度を活用し、一人ひとりの市民の尊厳を守る制度にする努力が必要と考えますが、見解をお伺いいたします。 小田原市のジャンパー事件について検討した報告書、生活保護行政のあり方検討会報告書の結びには、このように記されております。住民福祉の増進を図るという地方自治体の任務を自覚して、法務労働者として住民のためによい仕事がしたいと多くの職員は考えているはずです。しかし、生活に困窮する市民の困難が複雑で多様化する中で、十分な研修もなく、現場に入る中で保護を利用させないようにすることを正義だと考えてしまうことも起こり得るということ、これが小田原市の問題でした。 小田原市は、ジャンパーという明らかな形があるために問題が発覚しましたが、目に見えないジャンパーをまとっている職員はいるのではないかとの見解が示されておりました。目に見えないジャンパーは、保護課のケースワーカーだけの問題ではなく、市全体に問われる問題だと小田原市は取組みを始めたわけですが、帯広市に見えないジャンパーはないと言い切れるでしょうか。生活困窮支援、困り事を抱えて市役所を訪ねる市民、困っていると声を発することができない市民のSOSをたくさんの目でつかみ取っていく仕組み、また困り事を大きくしない取組みなど、これまで帯広市はきづきネットワークなどに生かしてきた経験がありますが、生存権を守る最後のとりでである生活保護が誤った対応や制度の不理解などを起こさないために、人の配置というのはそのかなめの問題であると思います。 ケースワークには、複雑な社会福祉制度全般の知識、生活上の実践的な知識とさまざまな困難を抱えた利用者との人間関係を築く幅広い人間的経験が要求され、あるケースワーカーは、ケースワーカーとして必要な技量や知識を身につけるのに、少なくても5年間程度は必要だとおっしゃっていたことを聞いたことがあります。2年ほどの経験で1人当たりの平均受け持ち数が110件では、個々の利用者の特性を把握したケースワークには限界があります。 農業の専門家、経営の専門家、健康づくりの専門家、まちにはたくさんの専門家が必要なように、健康で文化的な最低限度の生活保障の仕事にも専門家が必要ですから、社会福祉士、精神保健福祉士の配置と、そしてケースワークがゆっくりと行える体制の強化の必要性も述べてまいりました。繰り返しになりますが、ケースワーカーの配置について、現状の検証も行い、改善することを求めたいと思います。 貧困の問題を取り上げたかったのは、貧困が特別なことではなく、人口減少社会にどういう地域づくりを目指すのかを考えるときに、ここで暮らしてよかったなと思えるまちをどうつくるのか、ここにつながるテーマだと考えたからです。貧困やまちづくりの本を読みますと、社会的包摂という言葉に出会います。この重要性について述べる方が最近ふえているように感じております。劇作家で脚本家平田オリザさんの講演を聞く機会がありましたが、平田さんは文化を通じた社会的包摂によって人間が孤立化することを防ぎ、最終的に社会全体が負うリスクを低減することが大切だと述べ、コミュニケーション教育の大切さとまちづくりと文化が大事だと述べられました。 貧困とは何か、市長の見解も伺いましたが、経済的なものだけではなく、社会的なつながりがなくなることによって、健康で文化的な最低限度の生活保障が奪われる状況が起こる、そして湯浅誠さんもおっしゃる、「溜め」が少なくなったら、そのときに制度や教育、社会などから排除されない寛容や包摂がある社会が求められるのではないでしょうか。困ったときに孤立しない、つながり合いの豊かなまち、健康で文化的な最低限度の生活保障を全ての市民に実現することは、これからのまちづくりの中心的な課題ではないかと考えるものですが、いかがでしょうか。 最後にこの見解を伺い、全ての質問といたします。 ○大石清一議長 堀田保健福祉部長。 ◎堀田真樹子保健福祉部長 初めに、生活保護法第78条の運用の考え方についてお答えいたします。 生活保護制度全般につきましては、法に基づきまして適正な運用を行ってきておりますが、生活保護者や生活困窮者等、生活保護を必要とする人に対しまして正しい情報を提供することは重要と認識しております。今後におきましても、さまざまな困難を抱える生活保護者や生活に困窮する市民にとりまして、制度が活用しやすくなるよう相談対応や周知に努めるほか、引き続き法の適正な運用に努めてまいります。 次に、健康で文化的な最低限度の生活保障の実現に向けた体制づくりについてお答えいたします。 生活困窮者が自立していくためには、地域社会への参加や就労等に対し、みずから選択し決定することにより、自信と尊厳の回復をしていくことが大切であると考えております。また、本人の能力やその抱える問題に応じ、経済的な支援のみならず、多方面からのお力を活用した包括的な支援が必要とも認識をしております。 こうしたことから、生活困窮者を初めとするさまざまな市民のお声を聞きながら、地域の住民や保健福祉関係者がお互いに連携、協力しながら、市民が住みなれた地域で自立して生き生きと暮らすことができるように努めていく考えでおります。 以上でございます。 ○大石清一議長 以上で杉野智美議員の発言は終わりました。 これをもちまして議案に対する大綱質疑並びに一般質問を終わります。 ここでお諮りいたします。 ただいま議題となっております議案第79号外13件については、12人の委員をもって構成する決算審査特別委員会を設置し、これに付託の上審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大石清一議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 なお、お諮りいたします。 ただいま設置いたしました決算審査特別委員会の委員に、石橋勝美議員、岡坂忠志議員、佐々木直美議員、清水隆吉議員、鈴木正孝議員、大竹口武光議員、大和田三朗議員、西本嘉伸議員、大塚徹議員、村田光成議員、播磨和宏議員及び稲葉典昭議員、以上12人を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大石清一議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 さらにお諮りいたします。 休会中における特別委員の辞任に伴う補充委員の選任については、適時議長の指名により選任することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大石清一議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 なお、お諮りいたします。 ただいま設置いたしました決算審査特別委員会に地方自治法第98条第1項の規定による書類等の検閲、検査に係る権限を委任いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大石清一議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 正副委員長互選のため、休憩いたします。         午後3時53分休憩         ────────         午後4時4分再開 ○大石清一議長 再開いたします。 ただいまの休憩中に決算審査特別委員会が開催され、委員長に村田光成議員が、また副委員長に佐々木直美議員がそれぞれ互選されておりますので、御報告いたします。 ここで委員長に御挨拶をお願いいたします。 村田光成決算審査特別委員長、登壇願います。   〔村田光成決算審査特別委員長・登壇〕 ◆24番(村田光成議員) ただいま議長の報告がありましたとおり、休憩中に決算審査特別委員会が開催され、私が委員長に、そして副委員長に佐々木委員が互選をされております。 あすから6日間、長い時間でありますけども、議員の皆様、それから理事者の皆様におかれましては、簡潔で、そしてわかりやすい質問、また答弁に努めていただきますようお願いを申し上げ、御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手) ○大石清一議長 以上で本日の日程は全部終わりました。 ここでお諮りいたします。 本会議は委員会審査等の都合により、あす26日から28日まで及び10月1日から4日までを休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大石清一議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。したがって、次回の本会議は10月5日午後1時から開きます。 本日はこれをもちまして散会いたします。         午後4時6分散会...