帯広市議会 > 2011-06-18 >
10月04日-05号

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  1. 帯広市議会 2011-06-18
    10月04日-05号


    取得元: 帯広市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    平成23年第5回 9月定例会〇議事日程日程 番号事件番号内  容  等第1  会議録署名議員の指名について第2議案第 101号平成22年度帯広市一般会計歳入歳出決算認定について議案第 102号平成22年度帯広市国民健康保険会計歳入歳出決算認定について議案第 103号平成22年度帯広市老人保健会計歳入歳出決算認定について議案第 104号平成22年度帯広市後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定について議案第 105号平成22年度帯広市介護保険会計歳入歳出決算認定について議案第 106号平成22年度帯広市中島霊園事業会計歳入歳出決算認定について議案第 107号平成22年度帯広市簡易水道事業会計歳入歳出決算認定について議案第 108号平成22年度帯広市農村下水道事業会計歳入歳出決算認定について議案第 109号平成22年度帯広市ばんえい競馬会計歳入歳出決算認定について議案第 110号平成22年度帯広市駐車場事業会計歳入歳出決算認定について議案第 111号平成22年度帯広市空港事業会計歳入歳出決算認定について議案第 112号平成22年度帯広市水道事業会計決算認定について議案第 113号平成22年度帯広市下水道事業会計決算認定について報告第 15号平成22年度帯広市一般会計継続費の精算報告について報告第 16号平成22年度帯広市下水道事業会計継続費の精算報告について報告第 17号帯広市健全化判断比率及び資金不足比率の報告について      一般質問について     ──────────────〇会議に付した事件 議事日程に同じ     ──────────────〇出席議員(32人)    1番       菊 地 ル ツ    2番       大 林 愛 慶    3番       山 田 驎太郎    4番       鈴 木 正 孝    5番       中 村 朋 子    6番       今 野 祐 子    7番       熊 木   喬    8番       編 田 照 茂    9番       大 塚   徹    10番       杉 野 智 美    11番       楢 山 直 義    12番       稲 場 千 鶴    13番       高 田 雪 子    14番       小 森 唯 永    15番       藤 澤 昌 隆    16番       大竹口 武 光    17番       横 山 明 美    18番       清 水 拓 也    19番       村 田 光 成    20番       佐々木 とし子    21番       鈴 木 仁 志    22番       北 口 孝 志    23番       有 城 正 憲    24番       稗 貫 秀 次    25番       石 井 啓 裕    26番       大 石 清 一    27番       富 井 司 郎    28番       渡 辺 和 寛    29番       上 野 敏 郎    30番       稲 葉 典 昭    31番       佐々木 勇 一    32番       野 原 一 登     ──────────────〇欠席議員(0人)     ──────────────〇出席説明員 市長          米 沢 則 寿 副市長         本 迫   哲 副市長         嶋 野 幸 也 公営企業管理者     山 本 雅 雄 教育長         八 鍬 祐 子 代表監査委員      須 賀 重 雄 政策推進部長      伊 藤 修 一 政策室長        山 崎 雅 市 総務部長        前 田 正 明 市民活動部長      合 田 隆 司 市民環境部長環境モデル都市推進室長中島地区振興室長             原   孝 則 保健福祉部長      細 野 正 弘 こども未来部長     嶋 崎 隆 則 商工観光部長      阿 部 信 一 農政部長        米 倉   進 産業連携室長      安 達 康 博 上下水道部長      飯 田   勇 学校教育部長      須 貝 栄 一 生涯学習部長・スポーツ振興室長             小 笹 勅 雄 選挙管理委員会事務局長 中 田 信 次 監査委員事務局長    竹 下 達 也 農業委員会事務局長   高 嶋 宏 一 消防長         福 田   茂 教育委員会委員長    田 中 厚 一 選挙管理委員会委員長職務代理者             杉 山 敦 子 農業委員会会長     松 浦 典 明     ──────────────〇事務局出席職員 事務局長        斉 藤 達 也 書記          柴 田   裕 書記          高 橋 靖 博 書記          石 井 健 一 書記          泉   義 徳 書記          澤 沼 克 也 書記          田 中   彰 書記          嵯 峨 秀 一     ~~~~~~~~~~~~         午前10時0分開議 ○野原一登議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ~~~~~~~~~~~~ ○野原一登議長 ここで事務局長に本日の議事日程などについて報告させます。 ◎斉藤達也事務局長 報告いたします。 本日の出席議員は32人全員であります。 次に、本日の議事日程でございますが、お手元に配付の議事日程表第5号により御了承いただきたいと存じます。 報告は以上でございます。     ~~~~~~~~~~~~ ○野原一登議長 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、23番有城正憲議員及び24番稗貫秀次議員を指名いたします。     ~~~~~~~~~~~~ ○野原一登議長 日程第2、議案第101号平成22年度帯広市一般会計歳入歳出決算認定について外16件を一括して議題といたします。 これから昨日に引き続き議案に対する大綱質疑並びに一般質問を行います。 初めに、上野敏郎議員から発言の通告があります。 29番上野敏郎議員、登壇願います。   〔29番上野敏郎議員・登壇・拍手〕 ◆29番(上野敏郎議員) 質問させていただきます。 米沢市長は、食の産学官連携を強化し、フードバレーとかち構想を推進しますと市民と十勝住民に約束をしております。この1年と半年、その実現のためにまずは導入的フードバレーとかちを住民に関心を持っていただくよう努力してまいりましたことは私も認識をしております。しかしながら、一方で私はそのフードバレーとかちあるいはフードバレーとかち構想の理論に接するとき、いささか市長の思い、ねらいと、市民のあるいは十勝住民の期待には乖離を感じるのであります。それは、食と農業を柱とした地域産業政策、それがフードバレーとかちだとしながら、政策の中身が見えてこないことにある種のいら立ちを感じるのだと私は思うからであります。今の時代、選挙の公約、マニフェストに対して市民は明確な数値目標、この目標達成に至る工程表を求めているのであります。私は、その日が一日も早いことを希望しながら、次の質問をいたします。 まず、まちづくりのバイブルとも言える第六期帯広市総合計画が米沢市長公約を実現していく上でどのような位置づけとなるのか、そしてどのような役割を担うと考えているかについて答弁を求めるものであります。 次に、総合計画と市長公約に関するこれまでの市長答弁を議事録で拝見した上で2つ目の質問をさせていただきます。 平成10年4月、米沢市長の前の市長であります砂川市長が誕生いたしました。そのときの総合計画は、平成元年に策定した第四期帯広市総合計画でありました。この計画は、期間を平成元年度から12年度までとしていたのであります。1年前倒しで見直し、検討され、第五期帯広市総合計画がつくられたのであります。なぜこのような事態が生じたのでありましょうか。行政サイドは、社会経済情勢の変化などに対応するためと説明しているようでありますが、私は市長交代による新しい公約の取り扱いもこの大きな要因であったと思うのであります。米沢市長は、第六期帯広市総合計画の中で公約の大黒柱とも言えるフードバレーとかちに関する政策等々を実現すると言っているわけであります。砂川市政と米沢市政との違いを市長御自身がどう判断されていますかとお尋ねするものであります。 以上、最初の質問といたします。 ○野原一登議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 おはようございます。 上野議員の御質問中、初めに総合計画の位置づけについて、そして役割についてお答えいたします。 第六期帯広市総合計画は、分権時代におけます地域の主体性に基づく帯広市のまちづくりの方向性を総合的に示すものであります。また、行政と市民との協働による自主自律のまちづくりを進めるための指針としての性格を有するもので、多くの市民の皆さんが参画し、策定の過程を議会と共有しながらつくり上げてきたものであると認識しております。総合計画は、各分野において計画を策定する際の基本となる最上位の計画の位置づけであり、地域の創意工夫により、個性と魅力あるまちづくりを進める上で重要な役割を果たすものと考えております。 次に、砂川市政との違いについてでございますが、砂川前市長は、昨年の4月まで3期12年にわたって帯広市の発展のために御尽力されました。第六期帯広市総合計画の策定後、私が市政のバトンを受け継いだものでありますが、総合計画に基づきまちづくりを進めていくという立場に差異はないものと考えております。今後につきましても、行政の継続性が損なわれることのないよう第六期帯広市総合計画との整合性を図りながら、公約の実現を通じて「夢かなうまちおびひろ」をつくり上げていく考えであります。 以上であります。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) 市長から答弁いただきました。ありがとうございます。 総合計画というのは、この議場の中でも何度も語られておりますけども、昭和34年の吉村市政から始まりまして、いわば帯広の行政執行、まちづくりの代表的なシンボリックなもんだという認識を持っておりますが、現在の今の市長の御答弁の中には非常に紳士的な総合計画に対する見解だと思います。私とは若干違うわけであります。 私は、総合計画というのは、まちづくりの憲法と、そう言いかえてもいいぐらいだと思いますけれども、だからといって変えてはいけないということではないんだと思うんです。砂川市政の話をさせていただきました。高橋市政から砂川市政にかわるときに、あのときに行政サイドから私自身がなぜその役割が私に回ってきたのかわかりませんけども、砂川市長の公約の説明を求められたのであります。相当大きな気概が当時の総合計画と新しく市長になられた砂川市長との間にはあったからこそ、そういう説明が必要だったのではないかと、私ばかりじゃないと思うんですけども、何人かから聞いておるんだと思うんですね。そういう意味で、総合計画は時の市長のまちづくりの意思というものが反映されていくべきだというふうに私は思います。そういう意味で、新しいセンセーショナルな言葉をもってして市長になられた米沢市長は、そのまま第六期総合計画のままでいくということに対して私は違和感を覚えておりますということをまず表明させてもらいます。 次の質問に入らせてもらいます。 また、鈴木孝昌さんのお話で恐縮でございます。平成22年6月18日、今は亡き鈴木孝昌議員は、この本会議場において、これからの政策の推進に当たっては総合計画をまちづくりの基軸にとらまえて、内外の諸情勢やまちづくりの継続などを踏まえながら一歩一歩着実に取り組むと米沢市長は述べていますが、市長の進める政策推進計画と第六期帯広市総合計画との整合性についてお伺いするものでありますと質問しているわけであります。この質問に対して、市長は、今年度からスタートした第六期帯広市総合計画の方向性と同一基調でございます、総合計画の着実な推進を通してその実現を図っていきたいと考えておりますと答弁しているのであります。また、同じ趣旨の別の議員の質問に対しても、市長は、第六期帯広市総合計画の基本構想や基本計画におきましては、フードバレーとかちという言葉は使われてはおりませんけども、総合計画の方向性と同一基調にあると考えておりますと、そう答弁しているのであります。 この2つの答弁から、私は、砂川市長のもとでつくられた第六期帯広市総合計画はそれを確実に実行し、形にしていくことが米沢市長が掲げるフードバレーとかち構想の実現につながると、そう理解してしまうのであります。先ほど若干市長の御答弁がありましたけども、私は市長の思い、真意はきっと違うだろうと、そう思っているわけであります。もう一度確認させてください。第六期帯広市総合計画とフードバレーとかち構想は、同じものであると理解してよろしいか、御答弁をお願いします。 ○野原一登議長 米沢則寿市長。 ◎米沢則寿市長 お答えいたします。 フードバレーとかちは、食と農業という地域の強みに着目しまして、その強みを最大限に生かして地域の産業政策をつくり上げていこうと、つまり地域の産業政策としての考え方を総称したものでございます。 今回の第六期総の基本構想に掲げます都市像でございますが、人と環境にやさしい活力ある田園都市おびひろこうございまして、私も昨年の選挙のときに六期総読ませていただきました。その中で、私、もう皆さん御案内のように、パラシュート候補とまで言われるぐらいずうっとここに離れてた人間でございますので、六期総読ませていただきました。大変すばらしい基本構想ができ上がってるなというふうに思った次第でございます。私自身離れていたことを別に理由にするわけでもございませんけれども、皆さんが長年長い時間をかけて議会も入ってつくられてきたこの構想、大変立派なものだと思いましたし、私の不勉強さから見ても、逆に不勉強であったがゆえにかもしれませんが、このとおりだなというふうに思ったところであります。 唯一感じましたのは、活力ある田園都市おびひろとなっておりますが、この活力ある田園都市おびひろの活力はどのようにしてつくっていくのかなというところでございました。やはり産業を発展させ、企業の収益を上げ、雇用をつくっていくっていうところが大切なんだろうなというふうに思いました。私も、これまでのキャリアから考えまして、ここの部分に私が一番私のこれまでやってきたことでお役に立てる部分があるんではないかと、かように考えたわけでございます。そういう面で、この地域産業の発展というところをどのようにしていくかというところで、この産業政策の旗としてフードバレーとかちという言葉を立てようというふうに考えたわけでございます。 もう一言言わせていただきますと、やはり基本構想でございますんで、中でどうやっていくかという部分に非常に重点を置いた書かれ方をされてるなと思いました。外から来たものですから、外にどう見えるのか、この六期総が外に対してどう開いてくんだろうかというところについても気になったところでございまして、そこについて外にも内にも産業政策考えていく上での一つの旗を立てるべきではないかと考えまして、産業政策としての考え方を総称する言葉、フードバレーとかちというものを掲げたというところでございます。そういう面で、御質問の趣旨に沿っているかどうかあれですが、六期総の考え方等々に私、現状でございますけれども、ここまで何ら違和感を感じておりませんし、逆にそれをできるだけ、先ほど申しましたけれども、継続性と、行政の継続性ということを考えますと、きちんとやっていくことかなと。冒頭の御質問にもございましたけども、10年を少し時間短くして第五期は終わったという感じがございましたが、恐らく環境もあったと思いますけれども、多分最終的に短くなったんだろうと。1年目、2年目で10年のやつを8年とか1年繰り上げるとかっていうふうになってたのかなってのは、そりゃ私存じ上げませんけれども、今の私はとにかくこの六期総をきちんとやり上げていくのが私の何よりの仕事だというふうに認識してるとこでございます。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) 今、市長から六期総に対する御感想、それとその作成に至るまでの市長なりの御見解をいただきましたけれども、何度も申し上げますけども、総合計画をつくるときには市の理事者はもちろんであります、職員の皆さん、議会、そして市民の皆さん、総力で相当の時間と労力を使ってつくり上げるもんであります。それだけに、極めて常に生きた総合計画というのは、私は必要なんだと思いますし、ある意味において時の市長がその考え方が組み入れることができないんだとすれば、それはそれで修正を加えていいもんだというふうに私は考えるわけであります。まだ若干市長とは見解を異にするわけでありますが。 昨日、フードバレーの先進地、先輩格に当たります富士宮のお話がございました。私は、先日、富士宮市を訪ねてまいりまして、なぜその富士宮でのフードバレーが立ち上がってきたのかということを調査してまいりました。図書館に行って、古い新聞をひっくり返すわけでありますけども、御存じのように、平成16年、前の市長さんがフードバレー構想というよりも食を中心にしてまちづくりしていこうという考え方を示します。それが富士宮のフードバレーというふうになっていくわけでありますけども、16年の話であります。そして、18年に富士宮は第4次富士宮総合計画をつくるものでございます。この総合計画は、帯広市のものとは違っているわけであります。 この122ページでありますけども、これはチャートというのかちょっとわかりませんが、私どもの総合計画の中には都市像という形で文章として都市像が出てまいります。富士宮は、これがそうなんでありますけども、富士山の自然に抱かれた やさしく元気なまちというふうに18年に変えるわけであります。その前は何と言っておったかというになりますと、富士山の自然を守り安らぎと活力にみちた国際文化都市という都市像を持っておりました。小室市長は、それを、都市像も変えたわけであります。そして、驚くことに、食でまちをつくっていくんだというふうになるわけでありますから、そのすぐ下に、下にといいますか、この表で言いますと隣なんですけども、食という言葉を持ってきます。食の次に土地利用っていう言葉を持ってきます。そして、その次に私どもがやっております手法であります例えば環境経済、健康福祉、教育文化といった個別施策を当てはめていくわけであります。そういう意味で、私は一つの市長のまちづくりの哲学というものがこういう総合計画にあらわれてきていいんだと、こういうふうに思うんでありますが、現在市長は砂川市長と同じ考えであるというふうに言うのでありますが、それはそれとして受けとめておきたいと思います。 それでは、もう一度、しつこいようですけども、お聞きいたしますけども、「夢かなうまちおびひろ」、フードバレーとかち、そして今産業政策としてのフードバレーとかちというにおっしゃいました。それ自体が、私は人と環境にやさしい活力ある田園都市おびひろという言葉でくくっていけるもんだろうかということを私は考えるわけであります。第六期帯広市総合計画の議論をするときのことを私は思い出すのでありますが、市長の例えば平成23年度市政方針の中で、中国を初めとするアジア諸国というふうにアジアという言葉がよく出てまいると私は印象を受けているわけでありますが、少なくとも第六期の総合計画の議論の中には、東北海道、北北海道という拠点という意味合いのことは多く書かれておりました。そして、グローバルな社会というような言い方もされておりましたけども、特定の地域を上げて、そしてアジアの集積都市をつくろうじゃないかというような議論はなかったように思うわけであります。その意味において、私は都市像というものが違ってきてもいいのだと、違ってくるべきだと、こういうふうに思うのでありますけども、それでもやはりその第六期の中において市長のお考え、アジアに向かっていこうとするその産業政策、それが御旗なんだと言っているその考え方、それが先ほど言いました議論の経過、私の言い方が間違っているかもしれません、とらえ方が間違っているかもしれませんけど、いや、アジアがあったんだと、世界があったんだという方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそうとらえておりますけども、そのアジアに向かっていこうというものと、北北海道、東北海道というものに対してチャンピオンのまち帯広をつくっていこうとしたその考え方と、同じ都市像ということでよろしいんでしょうか。 ○野原一登議長 米沢市長。 ◎米沢則寿市長 私は、その同様だといいますか、同一線上にあるものだという認識をしております。 先ほどグローバルという言葉を引用していただきましたけれども、これから産業政策と申しましたけれども、十勝の商品をどちらのほうに向けて販売をしていくのかということも含めて考えるときに、やはりグローバルなスタンダードを意識しないわけには。これはまいりません。東それから北北海道だけで売れるものというものではなくて、やはりこれからは大きな視点に立っていかなくちゃいけないだろうと、そういう中でこれから大きく拡大していくであろう東アジアのマーケットというものを先において考えることで何ら私は矛盾はないというふうに考えておりまして、六期総の考え方の延長でこれからも進めていけるんではないかなというふうに考えております。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) これは、市長と私の見解の違いということでありますけども、これだけはこれからも私考えてまいりますが、先ほどの富士宮であります。逆ならわかるんです。富士宮は、国際文化都市という言葉を使っておりました。その「国際文化都市」っていう言葉を取って、そして焼きそばで勝負と、こういうような私がそういうイメージを持つんですね。そこに富士宮のしたたかさがあるのではないかと、私はこれからのまちづくりにそのしたたかさが必要になってくると思うもんですから、総合計画、そして都市像について市長の御見解を求めたところであります。 現在の六期総のままで進んでいくんだということでありますけども、それではその中について私が疑問に思ってる点を1つ上げさせてもらいます。 大学構想であります。この6月議会で大学問題に対する質問を編田議員がやっております。質問は、これからどうなっていくのかということはというふうに記憶しておりますけども、市長の答弁は、これまでの公私協力方式による大学誘致などの取組みから方針転換し、ここが大事でありますが、方針転換し、これからのまちづくりと連動させ、時代の変化に柔軟に対応しながら、今この地域にある帯広畜産大学を核に段階的に高等教育機関の整備を進めていくと答弁しているわけであります。そして、このことは、2月の総務文教委員会、そして3月議会を経て平成23年5月30日に開催した十勝大学設置促進期成会の総会で承認をいただいたとも述べているわけであります。この方針転換の流れは、急であると考えとります。9月16日地元新聞は、高等教育基金条例改正検討の報道であります。どんどん帯広畜産大学にシフトする高等教育環境の整備に走り出したと私は思えてならないわけであります。 そこで、総合計画に話を戻させてもらいますけども、現在の六期総の基本計画には、平成31年には新しい大学を1つつくるという目標値を明記しているのであります。この新しい大学づくりは、どうなるのでありましょうか。御答弁をお願いします。
    ○野原一登議長 山崎雅市政策室長。 ◎山崎雅市政策室長 新たな大学の方向性につきましては、今、議員のほうからお話があったとおりでございます。 今後、前期、中期、後期というふうに段階的に取り組みを進めるものではございますが、最終目標はあくまでも大学、大学院の設置を目指すものでございます。現行の基本計画の成果指標として設定をしております新たな大学等の設置数1校と、その目標につきましては、整合がとれているものと考えてございます。 以上であります。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) 果たしてそうでしょうか。大学問題、ずうっと取り組んでまいりました。なかなか成果が出てきません。途中で方向転換をしたほうがいいのじゃないかと、何度も何度も迷ってきたテーマであります。そのときには、私は総合計画等の手直しというものが必要なんだろうと思いながら議員活動を続けてまいりました。市長は、六期総を堅持していくというわけであります。そして、畜産大学に、フードバレー構想を推進するためには畜大の力、能力というものは大きな要素を持っておりますから、当然そういう流れに行くんだろうと、それは容認できるわけであります。しかしながら、この財政厳しいときに、基金の30億円、まだばんえい競馬に貸し出した基金がすべて戻ってきているわけではないわけでありますけども、この30億円、これで大学問題に取り組んできたまちであります。30億円てお金は大金ではありますけれども、畜産大学を支援していく、そのために基金条例を変えていく、一方で、今答弁でありましたように、新しい大学構想はきちっと31年までやっていくんだと、こんな手品みたいなことができるんでしょうか。資金はどうするんですか。 ○野原一登議長 山崎政策室長。 ◎山崎雅市政策室長 帯広市の高等教育整備基金についてでございますが、これは帯広市の高等教育整備に充てることを目的といたしまして平成3年3月に設置したものでございます。市費による積み立てと市民や企業の皆様からの寄付によりまして平成18年度には目標額であります30億円に到達したところでございます。 これからの高等教育整備基金につきましては、段階的な高等教育の充実、整備における基金活用の考え方や使途など、今後議会や十勝大学設置促進期成会などの御議論をいただきながら整理をしていくというふうに考えてございまして、今現在で方向性が固まってるというものではございません。 以上でございます。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) おかしな答弁だと思います。 報道でありますから発信元がわかりませんし正確かわかりませんが、9月16日の地元紙は、新大学整備基金使途拡大へと大きな見出しを打って、帯畜大拡充活用視野と、こういうふうに言うているわけであります。ですから、そのまま受けとめれば、30億円の基金を畜産大学に使っていくということであります。一方で、新しい大学をつくっていくということも要るわけでありますから、この畜大にシフトしていくのは高等教育機関の整備というものに対してはプラスワンの発想だというふうに考えれば、それでいいのでありますけども、それではなぜ促進期成会の規約を変えていくんですか。 私は、ここに当時総会で配布された資料5というものを見てお話をするわけでありますけども、ここには注釈が書いてありませんからわかりませんが、例えば第1条、本会は十勝大学設置促進期成会と称するというとこの十勝大学設置促進期成会というとこに下線が引いております。その下線は、隣に新たな方向性に伴う見直しというコーナーがありますから、この名称を見直すんだと言っているんだと思います。第2条、公立公設民営等の手法により、十勝に新たな大学の早期実現を図ること、これも下線であります。第3条、大学設置というのが3カ所出てまいりますけども、それへも下線を引いているわけであります。この部分を見直すんだとするならば、この十勝大学設置促進期成会は解散するか大学を設置しない、そういうような方向性に向かっていくということをこの規約改正の検討は物語っているんじゃないでしょうか。御答弁願います。 ○野原一登議長 山崎政策室長。 ◎山崎雅市政策室長 今現行の期成会の目的につきましては、公立公設民営等の手法により、十勝に新たな大学の早期実現を図ることを目的というふうにされてございます。昨年の期成会での理事会で新たな大学の取組みにかかわるさまざまな論議の中で、取組み方針の転換に伴い、期成会の目的、名称などについて早期の見直しが必要である旨の御意見をいただいてきてございました。また、本年5月開催の理事会並びに総会におきましても、新たな大学の方針転換に伴い、大学設置促進期成会のあり方についての検討の必要性について御確認をいただいたところでございます。 ただ、やはり大学の取組みを前進させていくためには、今後も地域の取組みとして各分野の民間団体や有識者の参加のもと、さまざまな御意見や御議論をいただくというふうなことが必要であるというふうに考えてございます。こうした考えのもと、今後期成会のあり方の検討につきましては、期成会はもとよりでございますが、議会での御議論をいただきながら検討を進めてまいりたいというふうに考えてるところでございます。 以上です。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) 大事なとこです。 先ほど編田議員に対する答弁の中で、大学誘致などの取組みから方針転換をするんだという市長答弁であります。そうしますと、そのことを大学の誘致ということをしない方針にしたのだから、この促進期成会の名称、そして大学設置という言葉を変えていくというんでしょうか。帯広市立大学をつくるという発想もその視野に入るという意味での今の御答弁でございますか。 ○野原一登議長 山崎政策室長。 ◎山崎雅市政策室長 やはり設置促進期成会というと、その目の前に建設がありきということを前提に進める期成会ということでございまして、今回の前期、中期、後期というふうに段階的に整備を進める中で、その今回の期成会、この協議会、どういう名称になるかまだ決まってございませんが、この取組みの進みぐあいとともにその名称、組織も変えていってはどうかと、そういった意味でございます。決してその最終目標であるそれをあきらめたということではございません。御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) 理解できませんが、理解できませんけれども、しりつぼみになっていくという印象を受けるんです。ですから、私は言わせてもらいました。目の前にある大学問題、ずうっとあったんですよ。昔は、この十勝っていう名称ではなくて、帯広っていう名称だったわけですよ、高橋市長時代ですよね、しかし帯広という名称だけでは十勝的広がりを持ってこないからということで、わざわざ十勝という名前をつけたわけであります。具体的な目の前に何々学校法人ときちっとプランニングができてどうのこうの、そしてすぐに着手できるような、そういうような具体像があったでしょうか。確かに、大谷短大との話は少し明らかになっていた時期もあったかもしれませんけども、しかしまだあやふやな時代であったわけであります。そこで、大学に対する十勝の意思をその中に結集しようという意味合いもあってこの促進期成会が今日まで続いてきたと私は思うのでございまして、この下線については、私は総務文教委員でありますから、その委員会においてもう少し詳しくお聞きする機会をいただきたいと思います。 次の質問に移らせていただきます。 フードバレーとかち、農業を成長産業にするということでございます。この展開法則があるわけでございます。この農業を成長産業にすると、大賛成でございますけども、我が十勝農業、この地域経済を引っ張ってく牽引力、今立派に果たしているわけであります。その農業をさらに成長産業にするということは、一体どういうことを想定しているのか、具体的な説明が市民は待っている、十勝住民も待っていると思います。例えば、現状の耕作面積をふやすということなのか、専業農家の数をふやすことなのか、農業産出額、食料自給率を上げるということなのか、付加価値をつけた農産物の出荷額、それを大幅に増大していくということなのか、数値をもって成長産業という農業をお示し願いたいと思います。 ○野原一登議長 米倉進農政部長。 ◎米倉進農政部長 農業を成長産業にするという項目でございますが、農業は十勝・帯広の基幹産業としまして地域の産業、経済と密接なかかわりを形成しております。十勝には、食品加工業を初めとする農業関連企業や大学試験研究機関などが多く集積しているところであります。また同時に、我が国の食料供給基地としまして食料自給率の向上、食料の安定供給に大きく貢献しているところでございます。こうした十勝・帯広における農業の優位性を生かしまして、さらに農業の生産性、付加価値の向上などを図り、地域経済を牽引するたくましい魅力ある産業としていくことと考えております。フードバレーとかちとしての十勝全体の数値目標はございませんけれども、本市で言いますと、第六期総合計画及び第5期農業・農村基本計画におきまして平成31年度の農業算出額の目標数値280億円としてるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) 今説明があったんですけども、数値においては280億円という数字が出てまいりました。そうしますと、六期総の中で掲げている目標値、269.9億円の農業産出額を280億円にすることが農業を成長産業にするということであるというふうに理解してよろしいかどうかということも後ほど答弁願いたいと思いますけども、いずれにしても世界は動いているわけであります。いいときばかりはありません。十勝農業といえども、四方八方盤石だというものでもありません。さまざまな敵が攻めてくるわけであります。 そういう意味で、今お話もあったかと思いますけども、十勝農業に対する見解、十勝農業の強い点、弱い点というものをどのように捉えているのか、先ほどの数値の問題も含めて御答弁をお願いしたいと思います。 ○野原一登議長 米倉農政部長。 ◎米倉進農政部長 今ほど農業算出額として帯広市の分としてお答えしたとこでありますけれども、十勝全体としてこのような数字を持っているところは農協の集合体であります農協連、その中にJAネットワークっていうのがあるんですけど、十勝管内で2,500億円、2,500億円を達成したいと、こういう目標を持っております。24農協の目標として持っているところでございます。農業を前面に出して話しますときには、この数字のほかには、いろいろと担い手の育成とか協働でやるようなことが書かれておりますけれど、数値目標としてあるのはこの1点と私は思っております。 次に、強み、弱みということでございましょうけども、十勝農業の強み、約26万ヘクタールの耕地面積、1戸当たり平均40ヘクタールという経営耕地面積持っております。EU諸国並みの大規模経営を生産基盤としておりまして、小麦、てん菜などの畑作物、牛肉、生乳、肉牛など、国民への食料供給にとって重要な農畜産物が生産されているというところでありますが、我が国における食料自給率の向上等、国土保全に大きく貢献している、我が国の食料生産基地としての重要な役割を担っている、このようなところが強みではないかと思っております。一方、十勝農業の弱みといいますか、十勝農業の主要な農畜産物でございますけれども、原料供給型の生産工場となっております。経済のグローバル化の進展に伴いまして、輸入農畜産物との競合、バッティングするものが多数でありまして、市場競争の激化、価格の低迷が懸念されているというところ、弱みであると、私どものほうではつかんでいるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) ありがとうございました。 農業は、大事な我がまちの産業であります。そういう意味で、成長産業ももちろんその方向性で努力していかなければなりません。しかしながら、今の強い点、弱い点というものをよく考えていただいて、弱い面が強さに変わっていく、そういう農業政策をぜひとも打ち上げていただきたいとお願いをする次第であります。 しかしながら、さまざまな農業を取り巻く難問は出てきているわけであります。例えば、フードバレーの中にも出てまいりますけども、十勝の魅力を売り込むんだという項目でありますが、これはやはり観光ばかりではありません、いわゆる販路の拡大策というような面において私は強化な対策が打って出てくるであろうというふうに期待をするわけでありますが、最近、これは日経新聞でありますけども、農業法人の販売、仲介という記事がございました。これには、大手の業者が外食産業などに参入してくるということであります。この十勝においても、また全国的に見ても、例えば株式会社等々大きな会社が農業に参入するというようなこともそう珍しいことではなくなっているように思いますが、この異業種、異業種がいわばその販売促進という面での業務提携で終わっていればいいのでありますけども、直接農地を求めて、この十勝で農業という産業を興したいとした場合に、どうしても農地が必要になってくるわけであります。民間が農地を求めてくる、それは当然農業生産法人というような形をとってくるんでありましょうけども、そういう形で農地を求めてきた場合にどのような対応になるか、農業委員会の見解をお聞きしたいと思います。 ○野原一登議長 高嶋宏一農業委員会事務局長。 ◎高嶋宏一農業委員会事務局長 私のほうから一般企業の農業経営の参入についてお答えをさせていただきます。 平成21年の農地法の改正により、一般企業の農業経営の参入が緩和されておりますけれども、この場合、農地を取得することは認められてはおりません。賃貸に限定されているわけでございます。農地を取得するには、農地法の制限があり、一般企業が取得することはできない規定となっておりますけれども、会社法及び農業協同組合法に基づく農業生産法人を設立し、法人も構成員となることで取得が可能となるものでございます。なお、取得に当たりましては、許可制となっていることから、農地の効率的な利用、地域との調和などなど、許可要件をクリアする必要がございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) ありがとうございました。 農地の取得というのは、そう簡単ではない、しかし農地を利用することは道はあるんだというふうな、賃貸等々で農地の利用はできるっていうことでありますが、まずは十勝農業が盤石でなきゃならない。現在、一生懸命働いている農業者の皆さんが安心してみずからの仕事を継続できる体制が大事でありますから、その辺に配慮をしてもらいながら、なおかつ販路拡大には大いに大手の力をかしてもらうというような、そういう策をぜひともつくっていただきたいものだというに思います。 次に、TPPの問題であります。 これが大手の土地取得よりも大きな問題になっているんだと思いますけども、市長初めこのTPPの問題は大変大きな影響をこの十勝農業にもたらすとして反対運動を続けているわけでありますけども、反対をすればそのとおりになるというような状況にはないというふうに思います。今の民主党政権、野田総理もそうであります、そしてまた先日の玄葉外務大臣の発言もそうでありますし、昨日の、これは朝日新聞でありますけども、経産省、まず交渉し判断という大きな見出しであります。こういう現政権のTPPの取組み状況について、市長はどのような見解を今お持ちかということをお聞きしたいと思います。 ○野原一登議長 米倉農政部長。 ◎米倉進農政部長 現政権のTPPへの動きということでございます。 国におきましては、昨年11月に閣議決定しました包括的経済連携に関する基本方針、これに基づきまして関係国との協議を開始するとともに、食と農林漁業の再生実現本部を設置して農林漁業の強化策について検討を進めているところでございます。しかし、東日本大震災の影響を受けまして本年5月に閣議決定しました政策推進方針では、交渉参加の判断時期については総合的に検討するとしております。また、8月に示された食と農林漁業の再生実現会議の中間報告におきましても、強い農業づくりに向けた新たな工程を日本再生全体のスケジュールや復旧、復興の進行状況を踏まえて検討するとしているところであります。 9月2日に組閣された野田内閣、現政権でございますけれども、現段階において具体的な方向性は示されていませんけど、首相の所信表明は今月21、さらに先ほどのお話ありましたけども、21日は日米首脳会談でございますけど、TPPへの交渉参加にはできるだけ早期に結論を出すとされております。今後ですけども、11月にAPECを控えておりまして、方向性が今月中にも出されるんではないかという報道もあります。今後も、国の動きを十分注視しながら対応する必要があると考えているところでございます。 いずれにいたしましても、すべての品目で完全撤廃を目指すTPPにつきましては、農業だけではなくて十勝・帯広の産業、経済に大きな甚大な影響を及ぼすことから、地域を挙げて反対していくところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) TPPの問題は、一地方自治体の中で懸命に努力しても、その限界があるわけであります。どうしても中央政府、あと中央政治のかかわりが強くなってくるわけでありますが、とにかく十勝農業を守るんだという立場から懸命な努力を市長にはお願いしておきたいと思います。 時間が7分でございますが、次に市長はオール十勝という言葉をお使いになってフードバレーとかち政策を推進しようと思っているわけでありますが、このオール十勝という言葉は、いわゆる吉村市政時代からずうっと使われてきております。このオール十勝についてお聞きしたいわけであります。 私は、長い間この議会の中で発言の場をいただきましてオール十勝、十勝は一つという言葉を使ってきて、そうありたい、あるべきだと思いつつも、なかなか難しいもんだなということを何度も何度も経験しているわけであります。しぶといんです、この言葉は。私は、オール十勝という言葉に置きかえてしまうから物事が前に進んでいかない、みんな上手にその言葉を使っているのではないかと、安全地域に行きたいというときにオール十勝、十勝は一つという言葉に、それを使って逃げていると、またはよけてるというふうに感じてならないわけであります。 例えば、まだ結論出ておりませんけども、広域消防なんかもそのたぐいにならなきゃいいかなあと、こう思いつつ、市長にお聞きするわけでありますけども、市長は就任当時の報道でありますけども、地元新聞社のフードバレーとかち構想に同質問を受けまして、オール十勝で取り組むということを前提にしていながら、いただいた4年間の任期の中で実施、実現に初日から行動してまいりますというふうに取り組みたいと強調されておりました、新聞記事によればですね。これは、オール十勝というものをイメージして、そしてフードバレーとかちを促進していくんだと、そして4年間の任期の中で一定の実現という言葉を使っておりましたから、一定の形をそこにつくっていくんだというようなことをおっしゃりたいと私は受けとめたわけでありますが、その当時、市長の言うオール十勝の考え方、そしてそこで言われたフードバレーの実施、実現というものがどのような意味を持つのか、御説明を願いたいと思います。 ○野原一登議長 米沢市長。 ◎米沢則寿市長 私も、昨年こちらに戻りましてから、オール十勝という言葉と、それからスクラム十勝という言葉もいろんなところで伺いました。そういう中で、フードバレーとかちという言葉を改めて使わせていただいたというところであります。やはり十勝圏全体でこれからその視点で物を考えていくということが大切だということで、フードバレーとかちというふうにお話をしたわけでございますが、その気持ちは全くみじんも変わっておりません。それで、先ほどのお話のように、もしかするとその言葉に逃げ込んでしまうんじゃないかという御指摘でございますけれども、逃げ込まないように今やっているところであります。 御案内だと思いますが、7月7日に定住自立圏のサイニングセレモニーがございました。あれは、もう御案内と思いますが、一つひとつの市と帯広市が中心地として契約を結ばせていただいたもの、ただ先ほどお話出たような広域の話ですね、そういうものが重なってるところもございますけれども、とにかくそれぞれのところとやっていくよと、十勝の中で帯広は中心地になるよと宣言をしたわけであります。宣言に当たっては、皆様の御了解もいただきましたけども、そういうまず意思表示をはっきりいたしました。逃げ込むためにフードバレーとかちを使っている気は全くございませんで、それで皆さんにもサインをいただきました。その後、間髪を置かずといいますか、フードバレー推進協議会というものも同様な考え方のもとでつくっております。とにかく動かしていきたいというふうに思っております。いわゆる当事者意識を持っていただくためにどういう仕掛けをしてったらいいのかということを考えて、随分時間かかりましたけど、1年かかりましたけれども、まずそこまで来たということであります。それは、やはり十勝全体でしっかりとやっていくことが我々の権益にかなうという確信を持ってるからであります。 以上です。 ○野原一登議長 上野議員。 ◆29番(上野敏郎議員) ありがとうございました。 オール十勝、合併論で言えば十勝1市論というものもありました。さまざまな声が、この帯広市または町村等々から出てまいりますけど、なかなかまとまらないということも事実であります。 最後に、私は自分の経験、未熟な経験でありますけども、オール十勝という言葉、そのことも大事にしながら、違う切り口というものも大事ではなかろうかと思っているわけであります。教えられたことがございます。平成7年3月でございますけども、この議場におきまして勇退を決意されておられた山本忠次議員が31番の議席から当時の高橋市長に対して質問をするわけであります。それは、オール十勝じゃなくて1市3町の合併を主張するわけであります。そして、機能分担という言葉を使いました。芽室町は38号線をつなぐ帯広と芽室町の工場工業機構を持つんだと、音更は教育文化機構を持つ、幕別は住宅エリアとしてつくっていく、帯広は十勝の物資の集散基地として機能していくんだと、こういうのが山本忠次さんの機能分担によるまず十勝の中核を大きくしていくと、そのことが上り線、広尾線、下り線といった十勝全体をエリアに広げていくんだという、そのいわば十勝は一つとするオール十勝に対する山の登り方の違う手法を示されたと思うんでありますが、高橋市長の答弁は極めて紳士的であったと記憶しております。踏み込んだ答弁ではなかったというふうに思いますけども、今オール十勝で御努力なさっている市長はこの山本忠次さんの質問を今私が同じようにした場合に、どのように御答弁なさいますか。 ○野原一登議長 上野議員、時間ですが、この答えは違うところで聞いてください。(上野敏郎議員「答弁だけ聞けるんですよね」と呼ぶ)普通はだめです。(上野敏郎議員「聞けない、聞けない」と呼ぶ)答弁も含めてでございます。(上野敏郎議員「はいはいはい」と呼ぶ)いいですか。答弁も含めての時間です。 以上で上野敏郎議員の発言は終わりました。 次に、稲場千鶴議員から発言の通告があります。 12番稲場千鶴議員、登壇願います。   〔12番稲場千鶴議員・登壇・拍手〕 ◆12番(稲場千鶴議員) 通告に従いまして順次質問をしてまいります。 高齢者介護についてお伺いいたします。 人生80歳時代を迎え、我が国の平均寿命は世界でも最高水準となっており、今や高齢期をだれもが迎える時代になっております。2015年には団塊の世代が高齢者への仲間入りが始まり、今後も高齢化が進んでまいりますが、高齢者になってからの人生も長く、その長い高齢期にどのように過ごすのかは個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題になっております。 厚生労働省にかかわる高齢者介護研究会では、2015年に向けて高齢者の尊厳を支えるケアの確立が高齢者介護の中核になっております。そのような中で、介護する側から見ますと、介護保険制度が進み、デイサービスの送迎車や訪問サービスの車をよく見るようになり、また家族が寝たきり老人や認知症を持つ老人の介護から今まで以上に開放されるなど、要介護者が支えてきた家族の介護負担は軽減してるように感じますが、お母様たちからは依然として介護は重荷でストレスが大きいという内容のお話をたくさん聞いております。 今後、在宅介護が進んでいく中で、家族への精神的な支えがさらに必要になってまいります。また、介護される高齢者から見ますと、デイサービスでは事業所のスケジュールに合わせた利用であり、またホームヘルプであれば、あらかじめの計画に基づいた介護や家事をこなしていくのが普通になっており、施設サービスに至っては、施設にすべてを任せてしまい、ケアのすべてを行ってくれますが、それは本当に利用する高齢者が求めている介護かは疑問が残ります。自宅や地域で暮らしを続けたいという願う要介護者高齢者には、安心して過ごせる見守り体制や必要な在宅サービスの拡充が必要であり、たとえ施設に入所したとしても、そこが第2の自宅と思えるような生活環境と一人ひとりが大切にされるケアが望まれます。介護される本人をしっかりと支援できるかを検証しながら改善を図ることが、尊厳を保つ介護に結びつくことになります。 私も、介護を担う女性として、多くの女性や直接高齢者からのお話をお聞きしますが、高齢者が一番心配してることは、医療費が高い、年とともに体が動かない、認知症になるかもしれない、家族介護で負担をかけ申しわけない、介護施設に簡単には入れないということです。特に、自分の介護で家族に負担をかけたくないという思いは、施設を利用するというあらわれでもあり、本人の要望に合った介護サービスの提供は本当に重要になってまいります。これからの高齢化社会は、認知症を伴う高齢者が増加してきますので、介護する側の労働力の負担軽減や経済的な支援などとともに、認知症になっても当たり前に暮らしていくことのできる地域社会の確立と高齢者一人ひとりの尊厳の保持にかかわる介護を帯広市の実情に合った施策を積極的に進めることが望まれます。これからの高齢者介護は、日常生活における身体的な自立支援だけではなく、精神的な自立支援を含めた介護が必要であり、身体的、そして精神的な支えが高齢者の尊厳を保つケアにつながっていくと思っております。私たちは、人生の最期まで人間個人として尊重され、そして自分らしく暮らしていくことを望んでいますが、介護が必要となった場合でも、また認知症を伴ったとしても、人間個人として理解されたいという思いは同じではないでしょうか。高齢化社会を迎え、ひとり世帯、2人世帯の高齢者の増加で、そしてそれに伴い認知症を伴う高齢者の増加が見込まれております。現代社会が抱える高齢化社会の現状と課題と認識についてお伺いいたします。また、尊厳を支える介護を次期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画にどのように位置づけていくのか、お伺いいたします。 災害支援体制の整備についてお伺いいたします。 3月11日、観測史上最大のマグニチュード9.0の大震災が東日本を襲いました。北海道から東北まで広大な範囲に被害が及び、死者、行方不明者は約2万人になり、多くのライフラインが寸断され、6カ月以上たった現在も約8万3,000人の方たちが避難生活をしており、夏の猛暑や豪雨にも見舞われ、長期間に及ぶ避難生活になっております。このような状況の中で、福島の原子力発電所の事故に伴い、復興支援対策がおくれております。今まで日本では経験したことのない原子力発電所の大事故は、大量の死の灰の影響で政府の対応を含め支援対策を極めて難しくしてるのが現状です。 被災地で避難生活を送るお年寄りがストレスや睡眠不足による高血圧や免疫力低下などが引き金になり、脳血栓や心筋梗塞などの病気で避難所で死亡するケースも多く、特に大震災のあった3月には寒さを伴う避難生活で280人を超える高齢者が亡くなったという報道もありました。当初は、避難所に十分な水や食べ物が行き渡らず、またトイレが不十分なため、飲食物を控え、寝たきりになる人もいました。避難生活では、温かいものが食べられず、洗濯もできずに着がえが不足する、もちろん入浴やシャワーは使えないなど、大きな災害での避難所生活は衛生面などにも大きな課題を抱えました。特に、長期間の避難生活を送っている方たちの健康と心のケアにしっかり取り組んでいかなければなりません。 道内紙に柳田邦男さんの「脱想定外の具体策を」という見出しの記事がありました。たとえ発生する可能性が低いとしても、重大な被害が生じるおそれのある事故や災害については国や企業は想定外とせずに対策を推進すべきだ、さらに万が一発生した際にはどう対応すべきかを考えておく必要がある、情報発信については迅速、正確、わかりやすい、日ごろからの啓発活動が綿密に行われること、この4つが必要だと考えていると述べております。私も全く同感です。やはりトップにいる人たちの組織が安全だと言い切ることは危険だということがよくわかりましたが、このことを理解するために余りにも大きなリスクを負う結果になりました。私たちは、常に市民に対して安全な環境づくりに最大限努力を払わなければなりません。東日本大震災、そしてそれに伴う原発事故で日本のリーダーたちからは想定外という言葉を幾度となく耳にいたしました。市長にお伺いいたしますが、フードバレーとかちを推進していくためにはすべてにおいて安全・安心が大きなキーワードになると思います。帯広市のトップリーダーとして想定外という言葉の持つ意味と認識についてお伺いいたします。 帯広市も、65歳以上の高齢者が3万5,000人を突破し、高齢化社会に突入してきました。大きな災害時には、高齢者に限らず、障害を持つ方、子供や妊婦さんなど、支援対策が重要になってまいります。災害時要援護者対策を進める上で、阪神・淡路大震災や新潟中越地震の教訓から、関係部局との連携が不十分で要援護者や避難支援者への避難勧告などの伝達体制が十分に整備されていないこと、個人情報への意識の高まりに伴い、要援護者情報の共有化が進んでおらず、災害発生時に情報の活用が困難なこと、要援護者の避難支援が定められていないなど、避難行動支援計画と体制が具体化されていないことが大きな反省点として明記されております。大きな災害に備えて要援護者対策を早急に具体化しなければなりませんが、その後の帯広市における災害時要援護者支援計画と支援体制の進捗状況についてお伺いいたしまして、1回目の質問を終わります。 ○野原一登議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 稲場千鶴議員の御質問中、災害におけるリーダーとしての認識などについてお答えいたします。 本年7月に東日本大震災の被災地に赴きまして、その惨状を目の当たりにしたほか、現地の首長の皆さんをお会いし、いろいろなお話をお聞きいたしました。改めて地域社会における安全・安心の確保の重要性を痛切に感じたところであります。 帯広市におきましては、防災対策を進める上で災害の規模や被害の想定は必要でありますことから、帯広市地域防災計画において一定の想定をいたしまして必要となる対策を定めているところです。災害の状況すべてをあらかじめ想定することは大きな困難性を伴うものですけれども、安全・安心を確保するためにはあらゆる事態を想定して対処できるように備えておく必要があります。また、今回の震災や原発事故による地場産業への甚大な被害を踏まえますと、農業を基幹産業とする十勝・帯広としましては、これまで信頼を積み重ねてきた十勝のブランド力を一瞬にして失うことのないように、農業・農村の基盤整備や風評被害への対策も日ごろから強く意識しながら取り組んでいく必要があります。自治体の長としましては、災害などのあらゆる被害につきまして想定外を想定することが極めて重要であると考えております。こうしたことを常に念頭に置きながら、災害対策はもとより市政運営全般に当たっていかなければならないと認識を新たにしているところであります。 ほかの件につきましては、説明員よりお答えいたします。 ○野原一登議長 前田総務部長。 ◎前田正明総務部長 御質問中、災害時要援護者対策についてお答えをいたします。 本市では、昨年2月に帯広避難支援プランを作成をいたしまして、優先把握対象者として8,096名の方に登録の意向の調査を実施をいたしました。そのうち5,317名の方から回答いただきまして、さらに回答いただけなかった2,779名の方に対しまして地域の民生児童委員の方々の御協力をいただきながら意向把握に努めました結果、これまで全体で3,637名の方に登録をいただいてございます。 プランにおきましては、要援護者に対しましては各連合町内会を基本単位として個別計画作成協議会を設置をいたしまして、具体的な支援計画を作成することになります。現在、モデル地区として取り組んでいただいてございます大空、むつみの各連合町内会がこの協議会を設置をいたしまして、2つの地区合計の登録者といたしまして196名の方々の個別計画の作成を現在終えているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 高齢者介護についてお答えをいたします。 我が国の65歳以上の高齢化率は、平成22年10月1日現在で23.1%、そのうち75歳以上の高齢者は11.2%となりまして、本格的な高齢社会を迎えたところでございます。帯広市におきます高齢化率につきましても、全国平均よりやや低い状況にはございますが、おおむね国と同様の傾向を示しているところでございます。 高齢化の進行に伴い、認知症高齢者やひとり暮らし高齢者が増加する中で、介護を必要とする多くの高齢者は、できるだけ住みなれた地域や家庭で尊厳を保ち、自分らしく自立した生活を送れるよう希望しており、こうした方々を地域でどのように支えていくのかが大きな課題であると認識してるところでございます。 第五期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定におきましても、こうした課題を解決するため、介護予防、医療、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの実現が重要と考えており、現在地域ニーズ調査の取りまとめ分析を行っておりますが、日常生活圏域におきます地域課題やニーズ等を的確に把握しながら認知症支援策の充実や医療との連携、さらには高齢者にふさわしい多様な住まいの整備、生活支援サービスの充実などを重点項目として位置づけてまいりたいというふうに考えてるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 高齢化の進行に伴い、認知症高齢者やひとり暮らし高齢者が増加する中で、介護を必要とする多くの高齢者はできるだけ住みなれた地域や家庭で自立した生活が送れるよう希望しており、こうした方々を地域でどのように支えていくのかが大きな課題であるということは間違いありません。住みなれた地域や家庭で元気で自立した生活を送ることはますます大切になりますが、現状の中で閉じこもりがちなひとり暮らしの老人の生きがいづくり支援や健康管理など、居宅訪問や生活指導、相談などの状況と実績についてお伺いいたします。 また、高齢者が住みなれた家族や地域で安心して暮らし続ける地域支援体制づくりや地域福祉活動を具体的にどのように進められているのかについてお伺いいたします。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 本市のひとり暮らし高齢者の登録者数は、平成23年3月末現在で2,268人となっており、市の生活相談員によります訪問活動を平成22年度で延べ4,083回実施したところでございます。あとは、老人クラブによります友愛活動によります訪問活動を平成22年で延べ1万1,758回実施してきているところでもございます。 地域におきます認知症の方やその家族の方への支援といたしましては、帯広市と4つの地域包括支援センターにおきまして地域の方々で組織いたしますボランティアの方々の協働によります認知症家族の集いでございます茶話会を実施してきてるところでもございます。また、ひとり暮らしの高齢者の方々を対象といたしまして食事の提供、さらには交流する機会でもございますいきいき交流会を開催し、その中で生活相談員が相談に応じるなど、地域において高齢者が安心して生活が続けれるよう支援に努めてきてるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 居宅介護を進めていく上で相談体制を充実させていくということはわかりましたが、私は特別養護老人ホームを整備していくことは必要だと考えております。 平成18年の総務省家計調査からの資料ですけれども、高齢無職世帯の家計は夫婦の平均収入月額22万5,000円に対し支出が27万5,000円で、5万4,000円の赤字になっております。また、年金でひとり暮らしの平均収入は月額12万3,000円に対し支出が15万円で、2万7,000円の赤字になっております。不足分は、貯蓄を取り崩すなど、何らかの対応が必要になってまいります。有料老人施設は高額で入ることができず、仕事をやめ、在宅介護をしてるというお話や仕事を続けるために施設を利用したいと思っても、入所待ちが多く利用できないというお話を御家族から聞いております。 第四期高齢者保健福祉計画・介護保険計画では、小規模特別老人ホームが数カ所整備され、老人保健施設や有料老人ホームがふえてはおりますけれども、介護保険施設のうち特別養護老人ホームの入所申し込みの状況と待機場所についてお伺いいたします。また、負担額の少ない特別養護老人ホームは必要になりますが、第五期高齢者保健福祉計画・介護保険計画の中で施設整備をどのように考えてるのかについてお伺いいたします。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 特別養護老人ホームの入所申し込み状況につきましては、ことし6月末時点で1,030人となり、前回調査の昨年6月から152人の増加となったところでございます。このうち緊急性をあらわす入所希望時期では、1,030人のうち他の介護保険施設であります介護老人保健施設あるいは介護療養型医療施設に入所されている方を除きます830人のうち要介護3以上で6カ月以内に入所希望されてる方は311名というふうに押さえてるところでございます。 第五期計画におきます介護基盤の整備に当たりましては、地域密着型の小規模特別養護老人ホームや居住系サービスでございます認知症グループホームあるいは介護つき有料老人ホームなど、入所申し込み状況と多様化するニーズを十分勘案した中で負担と給付のバランスをとりながら現在検討を進めてるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 入所希望者が前回調査に比べて152名も増加し、要介護3以上の高齢者の6カ月以内入所希望が311人ということですが、一日も早い対応ができるように、また介護される方、介護する方の負担を少しでも軽減されるように対応していただきたいというふうに思います。 また、介護保険施設や介護療養型医療施設へ入所して、特別老人ホームへ入所を希望してる方も多くいるわけですけれども、治療を終えた高齢者は必要に応じて老人保健施設に入りますし、長期の治療と療養が必要な高齢者もたくさんいますので、介護型療養病床はまだ必要な状況になっております。しかし、長期治療が必要な高齢者が増大していて医療保険が危機的な状況に陥るために、国の施策として介護保険サービスの移行を進め、介護療養病床を2012年までに廃止することを決めておりますけれども、帯広市の介護療養病床の廃止状況についてお伺いしたいと思います。また、その後の介護保険の適用病床の転換の状況と介護老人保健施設の整備についてお伺いいたします。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 介護療養病床の状況でございますが、2012年、平成24年度以降の介護療養病床の新設は認められないものの、廃止につきましては平成30年3月末まで6年間延長されたところでございます。それまでに医療療養病床への転換あるいは介護老人保健施設等への転換が必要となってまいります。帯広市におきます介護療養病床数は、平成18年5月で92床でございましたが、現在は78床となっているところでございます。 また、介護療養病床の受け皿となります介護老人保健施設につきましては、現在100床の整備を進めているところであり、この施設も含めまして454床の整備となるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 療養病床の廃止は、2018年3月末というはっきりした方向性が示されましたが、現在療養病床で治療を受けてる方たちに不利益が生じないよう最善の配慮をしていただきたいと思います。 そして、介護保険が伴う施設がふえると、介護保険料の負担も大きくなってまいります。国の介護保険が始まった年から2009年末までに介護報酬の架空請求や水増し請求で市区町村が返還を求めた金額は98億円になっており、そのうち10億円以上が回収できないということがことしの2月にわかり、2009年度内に介護報酬の不正請求などで行政処分を受けた事業所は150以上になってるという報道もありました。こうした事態にならないためにも、保険者である帯広市としても、北海道ともよく連携を図りながら介護サービス事業の矯正、指導、監督を徹底していただき、利用者本位の介護サービスの質の向上と給付適正化に努めていただきたいというふうに思います。 次に、ショートステイの対応についてお伺いいたします。 昨年の質問で、家族が急病になったときや冠婚葬祭などの対応について一定程度のサービス提供は可能であり、デイサービスやショートステイ、さらには小規模多機能型介護のサービスを組み合わせることにより、家族が何らかの理由で介護できない場合にも、その対応は可能であるという答弁をいただいておりますけれども、支援者からショートステイについてはあきがなく思うように使えず、利用者のニーズに対応できない状況というふうにお聞きいたしました。 ショートステイが利用しづらい理由と利用状況についてお伺いしたいと思います。また、今後のショートステイの整備についてもお伺いいたします。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 市内事業所のショートステイは、現在103床整備してございまして、年間の平均利用率は8割強という状況でございます。年間を通じて常に満杯の状態ではないものの、利用したい日時に必ずしも利用できないということもありますことから、昨年、来年の3月開設を目指して現在整備中でございます小規模特別養護老人ホームに新たに17床のショートステイを増設する予定でございます。 ショートステイの今後の整備につきましては、小規模特別養護老人ホームなどの整備にあわせまして、その数の確保に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 介護家族の中でも、寝たきり老人や障害を抱える方の介護は、休まる暇もなく、ストレスを感じながら生活をしてるというのが現実になっています。在宅介護を進めていく中には、レスパイトケア、家族の休息の充実が一番望まれることであり、中でも気楽にショートステイの活用がレスパイトケアにつながるというふうに思っております。整備を充実させていただきたいのです。今後、在宅介護家庭にも老人が老人を介護するということもふえますし、介護による共倒れの防止や介護疲れから来る自殺者を決して出してはいけない取組みが負担軽減、レスパイトケアによる支援になるんだというふうに思います。 帯広市では、介護者の心身のリフレッシュを目的に家庭介護者リフレッシュ事業を実施しておりますが、その内容と実績と利用状況の推移についてお伺いしたいと思います。また、第五期高齢者保健福祉計画・介護保険計画の中にレスパイトケアを明確に示していただきたいんですが、見解についてお伺いいたします。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 65歳以上の要介護認定者を介護してございます家族介護者の労をねぎらうために、一時的に介護から離れ、情報交換等を行う機会を提供する目的で、家族介護リフレッシュ事業を実施してございまして、平成22年度につきましては年4回、参加人数は45名でございました。 第五期計画の策定に当たりまして、要介護、要支援認定者を対象にアンケート調査を実施いたしました。その結果、家族の介護負担を軽減するための施策の充実を求める声が最も多く寄せられておりますことから、今後も家族介護者の負担軽減、レスパイトケアの施策を充実させていく必要があるというふうに考えてるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 答弁についてはわかりました。 次に、介護度が要支援の高齢者の自立に向けた介護予防事業が進められたことにより、介護認定から外され、介護度が低くなった方たちも多くいらっしゃるというふうに思います。介護認定は、本人が申請後、定められた項目に沿って審査を受けますが、例えば初期の認知症は外見から見ると身体的機能や感情がしっかりしてることが多いのですが、自尊心や羞恥心、それに心の葛藤から生じる周囲の摩擦が多くあり、家族にとって共同生活は難しい場合もございますが、審査を受けるとき、他人に理解されにくいのが初期の認知症です。身体的ケアでは対処できないために、介護度が軽く、十分な介護サービスが提供されないこともございます。国の方針として、要支援に係る介護費を重度介護者へ提供していくという考えもあるようですが、今後の介護認定と介護度が軽減された高齢者の対応についてお伺いいたしたいと思います。初期の認知症を抱える在宅介護の家族の負担をどのように認識してるのかについてもお伺いいたします。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 要支援者に対する介護予防サービスや配食、見守りなどの事業を総合的に提供する日常生活支援総合事業が創設されてございますが、制度の詳細等につきましてはまだ国から示されておりませんことから、今後この動向を見ながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。 また、認知症を支える在宅介護の家族が抱えるストレスは、大変大きく、精神的な負担や経済的負担、さらには高齢者の方にとりましては体力的負担も大きいというふうに認識してるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 介護する家族の負担は非常に大きく、高齢者の方では体力的な負担が大きいと認識してるという答弁がございました。介護される側と介護する家族へきめ細かい支援を行うためにも、介護する家族への具体的な実態調査を考えていくことはないでしょうか、お伺いしたいと思います。また、高齢者の自立に向け、関係機関と連携を図りながら住宅や交通や買い物など生活全般にかかわる高齢者の支援ネットワークをつくり、生活全般の不安解消に向けて取組みが必要だというふうに思いますが、見解についてお伺いいたします。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 22年度におきまして65歳以上の世帯でいずれかが要支援、要介護認定を受けております高齢者世帯910世帯を対象といたしまして訪問による実態の調査を行ったところでございます。その結果といたしまして、在宅生活を継続したいという希望が多い中で、自分の体力が続かないことへの不安を感じている方が多くいるという結果が出たところでございます。今後とも、地域包括支援センターを初め、民生委員あるいは老人クラブの友愛活動、さらには町内会など、地域住民と行政が協働した見守りや支援体制に努めていく必要があると考えてございます。 きめ細かなニーズにも対応できるようそれぞれの方々のネットワークをつくりながら地域での支え合い体制の構築に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えてるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 答弁ありがとうございます。 ひとり世帯、2人世帯の高齢者の増加に伴い、老人が老人を介護する、認知症の方が認知症を介護するという方が増加する中で、高齢者を取り巻く環境が厳しさを増していく中で地域で自分らしく生活できる環境整備が重要になります。介護が必要になったとしても、互いに気楽に助け合うことができる地域社会や、先ほども言いましたけれども、病院や通院や買い物など、生活全般に係る不安をいつも抱えているのが高齢者の生活の実態でございます。高齢者の方たちが帯広市で老後を過ごせてよかったと思っていただけるように地域ネットワークづくりを期待いたしまして、高齢者の介護については質問を終わりたいと思います。 次に、要援護者対策計画についてお伺いいたします。 災害時要援護者の優先把握対象者は8,096名に対し登録希望者が3,637名というふうになっておりますが、少ない理由についてお伺いいたしたいと思います。また、大空、むつみ連合町内会で既に個別計画を策定しておりますが、策定に当たっての問題についてお伺いいたします。今後、連合町内会単位で個別計画を作成するということになりますけれども、連合町内会によっては自主防災組織が結成されてないところもありますが、あくまでも連合町内会単位で個別計画を策定していくんでしょうか、お伺いしたいと思います。 ○野原一登議長 前田総務部長。 ◎前田正明総務部長 まず、1点目の要援護者の登録を希望されない理由でございます。 要援護者の方々の近隣に今御親族の方が住んでおられまして、支援の心配がないということ、あるいはみずから避難が可能で、支援は必要がないという方、さらには自分の情報が他人に漏れることは困るといったようなことの回答が多くいただいてございます。 次に、個別計画策定の問題点でございますけれども、地域での支援体制づくりを進める上で、町内会への未加入者の対応、高齢者が多いといったような問題がいろいろございます。要援護者に対します支援を地域のコミュニティの問題として取り組んでいただくことで、私どもこれらの課題は何とか乗り越えていけるものと考えているところでございます。 また、個別計画作成協議会を組織する単位でございますが、やはり円滑な避難を推進する上で、その受け皿となります地域の自主防災組織の設立が前提になるものと考えております。現在、自主防災組織の組織率は、全市で70%強ではございますけれども、さらに組織化を促進しながら、あくまで連合町内会の単位を基本といたしました市内33地区における協議会の設立に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) プライバシーの問題や町内会の未加入、町内会組織のない地区や支援者の確保など、困難の課題があることはわかります。しかし、受け皿となる組織がなければ、支援という編み目から漏れ、支援が届かないことになりますが、その考え方についてお伺いいたします。また、市全体の個別計画作成は、全体の何割まで進んでいるんでしょうか、具体的な内容についてお伺いいたします。また、東日本大震災や今回の台風による水害など、災害に対する市民の関心が高まってる今こそ、登録希望が出されていない優先把握対象者や個別計画の作成を計画をするよい機会だというふうに思いますが、取組みについてもお伺いいたします。 ○野原一登議長 前田総務部長。 ◎前田正明総務部長 要援護者の避難支援体制づくり、それから自主防災づくりにおきましても、市民の皆さんが自助あるいは互助の重要性を御理解をいただきまして、それぞれが当事者となって主体的に取り組んでいただくことが必要であると考えております。 また、全市における個別計画の作成の進捗状況についてでございますが、現在のところ、連合町内会数で申し上げれば1割弱ということでとどまってございますけれども、今般の大震災を契機といたしまして私ども市に対しまして出前講座あるいは防災の講話などの申し込みも増加をいたしております。市民の皆さんの防災に関する関心は確実に高まってきているというふうに受けとめてございまして、事業推進にこれを結びつけていきたいというふうに努めてまいりたいと考えております。 なお、登録者以外の方で支援を必要とされる方々に対しましては、引き続き広報紙やパンフレットで周知を図りますとともに、町内会や民生委員、児童委員の方々の御協力もいただきながら、地域と連携をし、さらなる働きかけを実施し、登録を何とか促進してまいりたいと考えております。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 個別計画作成の進捗率は1割にも満たないという答弁がございました。連合町内会が33地区ございますから、今モデル地区をやってるのがむつみと大空ですので、個別計画の作成で1年近くかかってるわけですから、完了までに何年かかるんだろうというふうに思ってしまいます。 市民の要援護者への理解がなければ、避難支援プランは進められませんので、市民の協力と理解が必要になります。今後、順次協議会を設置し、個別計画作成を進めていくわけですけれども、時期的な目標についてお伺いいたします。また、個人情報の意識の高まりに伴い要援護者情報の共有化が難しい中で、災害発生時に向け、情報の活用をどのように進めていくのかについてもお伺いいたします。 ○野原一登議長 前田総務部長。 ◎前田正明総務部長 要援護者の支援体制づくりのためには、個別計画、これを早急に進めていく必要がございます。お話にもございましたように、そのためには市民の方々の理解が何よりも重要でございます。連合町内会の自主的な取組みといったものを主体にいたしておりますことから、現状におきましてはこの協議会結成の時期的な目標をお示しするということはなかなか難しいと考えております。私どもといたしましては、この現在進めておりますモデル地区での先行的な取組みの経験の蓄積といったものも十分生かしながら、全市における早期の体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 また、要援護者の登録情報の活用につきましては、地域の地図のシステムと何とか連動した形で要援護者の登録情報を迅速に提供できるシステムの必要性があるということを地域の住民の方々から御意見も寄せられております。私ども、現在そういった方向で検討を進めさせていただいてるところでございます。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 要援護者の登録の活用についてはわかりました。 避難情報が出たとき、視聴覚や肢体が不自由な方などは、避難にかかわる情報などを受けることが困難な場合もございます。また、その情報に対してすぐに対応できないことも考えられますが、災害時に要援護者や避難支援者の避難勧告などの伝達方法と支援者の役割と必要な人数についてお伺いしたいと思います。また、要援護者の中には、精神障害福祉手帳や療育手帳の交付を受けている方もいらっしゃいますが、災害時にはパニックに陥りやすく、専門職の対応が必要になりますが、その対応についてもお伺いしたいと思います。 ○野原一登議長 前田総務部長。 ◎前田正明総務部長 要援護者の方への避難勧告等の情報につきましては、地域の支援者から直接お伝えをいただくということになります。地域支援者に対しましては、報道機関あるいは広報、市のホームページから情報を提供させていただくことを想定をいたしておりますが、より確実にお伝えをさせていただくために、携帯電話のメールでの一斉送信など、より実効性の高い方法も検討していく必要があると考えております。 また、地域の支援者は、避難所まで要援護者の方を同行し、あるいはその移動の介助を行っていただくと、さらに要援護者のそれぞれの状況に応じた支援を行っていただくことになりますことから、一律にその地域支援者の必要な人数というものを定められるものではないというふうに考えております。 さらに、専門的な知識あるいは特別の配慮が必要な要援護者の方への対応といたしましては、それぞれ通院されております医療機関などのソーシャルワーカーやケアマネジャーと相談をさせていただいて、助言や指導を受けながら、その対応を進めてまいる考えであります。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 要援護者1人に複数の地域支援者となりますと、一律に何人と言えないかもしれませんけれども、現状では3,637名の登録者に対して複数の地域支援者をどう確保していくかが大きな課題だというふうに考えます。 大規模災害においては、避難生活が長期にわたることが考えられますが、避難所での生活が困難な方の対応として、福祉避難所の設置や医療機関との連携についての考え方についてお伺いしたいと思います。また、社会福祉施設などとの協定を検討されているというお話を聞いておりますが、締結の時期についてもお伺いいたします。 ○野原一登議長 前田総務部長。 ◎前田正明総務部長 避難所に指定いたしております施設は、要援護者の長期的な避難生活を想定したものでは必ずしもございません。また、ケアのためのマンパワーの確保も難しい面があるということは否めないというふうに思っております。現在、市では要援護者の方々が必要なケアを受けられる市内の社会福祉施設の横断的な組織でございます帯広市社会福祉施設連絡協議会と協定を締結することで、基本的な御了解をいただいているところでございます。 また、要援護者の避難収容が円滑になされるために、モデル地区におきまして社会福祉施設との連携の仕組みづくりの検討を進めておりまして、より実効性のある協定としてまいりたいと考えております。なお、締結の時期についてでございますけれども、協定の相手方でございます連絡協議会との具体的な協議、検討作業を終えた時点で速やかに行いたいと考えておりまして、本年度中に何とか行いたいというふうに考えております。 また、医療機関や介護医療施設につきましても、空き室の提供や介護ヘルパー等の支援、協力の可能性について協議をしてまいりたいと考えております。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 優先把握対象者は8,000人以上もいるわけですから、避難所では要援護者のケアのためのマンパワーの確保が難しいということはわかりました。社会福祉施設でも、受け入れ人数に限界があり、要援護者の人たちは避難所や社会福祉施設にも入れないなど、どこへも行き場のない人たちが出てくるんではないでしょうか。福祉避難所としての役割を担ってもらうためにも、市内の社会福祉施設などとの協定を考えるという御答弁がございましたけれども、介護や介護のノウハウのある民間の介護事業者をすべて対象として検討し、締結をしていく必要があるんではないかというふうに思うんですが、見解についてお伺いいたします。 ○野原一登議長 前田総務部長。 ◎前田正明総務部長 大規模な災害の発生時におきましては、市内の施設で十分収容し切れないということも想定をいたした場合、市内のみならず市外等の避難収容の検討の必要性もございます。要援護者の方々の心情あるいはその精神保健面などの面も考慮いたしまして、私も極力市内及び近郊の施設を中心に今考えているところでございます。 なお、要援護者支援にかかわるマンパワーの確保は、喫緊の課題でもございますことから、まずは介護事業者との協力、連携、並びにその協定締結の可能性について協議、検討を進めてまいりたいと考えております。 ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) 要援護者にとって、やっぱり地域や周辺に福祉避難所が必ず必要になってまいりますので、早急に取り組んでいただきたいなあというふうに思います。 福祉避難所や医療機関との連携について答弁をいただきましたが、現役を退いた方の中にも、医療や福祉関係に資格を持ってる方も多くいらっしゃいますので、その方々との経験や技術を生かす必要があるというふうに考えますが、御答弁願います。 ○野原一登議長 前田総務部長。 ◎前田正明総務部長 医療や福祉分野でのお仕事に従事された経験をお持ちの有資格者の方、こういった方々のお力を災害時におけるボランティア支援活動といったような形で御協力いただくというのは、災害時においては大きな役割を期待できるものと考えております。そのような経験者の方々と効果的な連携を図りますためには、災害時における連携体制の検討が必要になるというふうに考えておりまして、今後の防災計画の見直しにおきましてボランティア活動全般との連携のあり方の中で検討してまいりたいと考えております。
    ○野原一登議長 稲場千鶴議員。 ◆12番(稲場千鶴議員) ありがとうございます。 大きな災害がいつ起こるかわかりません。防災の基本は、自分の命は自分で守る自助の精神、そして地域の安全は地域で守るという共助の精神が一番大切になります。要援護者本人を含め、家族や市民の皆さん一人ひとりがふだんからの防災に対する意識を持ち、取り組むことが必要ですが、いざというときに帯広市が私たちを守ってくれるという取組みが大きな安心感につながり、私たちのふだんからの防災への意識の向上につながってきます。帯広市避難支援プランに沿って、安心して支え合える地域づくりが市内全域に一刻も早くできるよう要望いたしまして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。 ○野原一登議長 以上で稲場千鶴議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。 再開を午後1時0分といたします。         午前11時58分休憩         ────────         午後1時0分再開 ○野原一登議長 再開いたします。 次に、佐々木とし子議員から発言の通告があります。 20番佐々木とし子議員、登壇願います。   〔20番佐々木とし子議員・登壇・拍手〕 ◆20番(佐々木とし子議員) 通告に従い質問させていただきます。 初めに、税と社会保障の一体改革と市民の暮らしについてです。 政府・与党社会保障改革検討本部は、6月30日、社会保障税一体改革成案及び社会保障税番号大綱を決定しました。また、政府は、7月29日、東日本大震災からの復興基本法を決定しました。社会保障税一体改革成案は、冒頭でこの改革の実現のためは立場を超えた幅広い議論の上に立った国民の理解と協力が必要であり、本成案をもって野党各党に社会保障改革のための協議を提案し、参加を呼びかけると述べました。そして、税制抜本改革については、平成21年度税制改正法附則104条第3項及び平成22年度、23年度税制改正大綱で示された改革の方向性に沿って検討を進めるとしております。附則104条は、当時与党であった自民・公明両党が2009年3月27日に成立させた法です。消費税を含む税制を、抜本的な改革を行うため、平成23年度までに必要な法則上の措置を講ずるものとするとしており、消費税増税と法人税減税、庶民増税の議論が大手を振って行われる大もとになっていると言えます。成案は、東日本大震災の後に公表されたこともあり、震災にかかわる内容がさまざまな項目で追加され、その中でも無視できないものが被災地、被災者に寄せられた多くの支援を逆手にとって共助や連帯を強調し、それらを社会保障の新たな理念として導入しようとしてる動きが強まっていることです。 社会保障税一体改革の基本的姿では、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点などから、社会保障給付に要する公費負担の費用は消費税収を主要な財源として確保するとし、消費税収については従来の高齢者3経費、年金、医療、介護を基本としつつ、年金、医療、介護、少子化に要る費用、社会保障4経費に充当する分野を広げるとともに、消費税を原則として社会保障の目的税とすることを法律上、会計上も明記することも含め、区分経費を徹底するなど、使途を明確にするとしています。 そして、社会保障の基礎に見合った安定財源の確保に向け、まずは2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%にまで引き上げ、当面の社会保障改革にかかわる安定財源を確保すると、消費税増税を明記しています。成案では、社会保障給付の費用は消費税で賄う、つまり消費税以外の税収は基本的には充当しない、基本的には消費税収の枠内でやるということが提起されております。社会保障の拡充を図るには、消費税率を引き上げなければならず、消費税率の引き上げを拒めば社会保障の拡充を断念せざるを得ない、目的税化という選択は社会保障制度の安定、強化への道ではありません。憲法第14条は、法のもとの平等を規定しており、中小企業と大企業、庶民と資産家、国家と国民の間など、すべて平等な権利義務関係、法関係としてとらえています。税負担における平等原則が応能負担原則です。応能負担原則は、経済的な負担能力に応じて税負担をするという税負担における納税者の権利、原則です。 そこで、伺います。 消費税の持つ逆進性が社会保障の財源にふさわしくないことは明確であり、消費税収の枠内で社会保障の費用を賄う方式をとる目的税化はまさに地獄への道と考えますが、市長の見解をお聞かせください。 次に、介護保険について伺います。 改定介護保険法は、6月15日に成立いたしました。国会審議は、衆議院で10時間の質疑と参考人の意見聴取、参議院では8時間弱という短時間でした。施行後11年を経た介護保険制度は、保険あって介護なしの言葉に象徴されるように、高過ぎる保険料、利用料負担、深刻な施設不足、実態を反映しない介護認定や利用制限額によって利用できる介護が制限されるなど、多くの問題が噴出しております。今回の改定は、こうした問題の解決には手をつけず、新たな給付抑制策を盛り込むなど、利用者、家族に重大な影響を与えるものです。改正法は、団塊の世代が後期高齢期に達し、日本社会の高齢化がピークを迎える2025年に向けて医療、介護予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの実現に向けた取組みを進めることを前面に掲げました。柱は、1、医療と介護の連帯の強化など、2、介護人材の確保と要請、3、高齢者の住まいの整備など、4、認知症対策の推進、5、保険者による主体的な取組みの強化、6、保険料の上昇緩和の6点となっております。 そこで、伺います。 今回の改正は、現行制度をめぐるさまざまな困難の根本的打開に踏み込むものではなく、そればかりか給付の重点化、効率化の一層の推進によって利用者、介護現場に新たな混乱を強いることになるのではないでしょうか。市の介護保険11年を経ての検証と改正法に対する認識をお聞かせください。 次に、国民皆保険制度の根幹、国民健康保険制度の充実について伺います。 国民健康保険法は、1959年、憲法第25条の理念に基づいて新法として施行されました。その第1条、目的では、この法律は国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保険の向上に寄与することを目的とするとうたい、日本の長寿社会を支えてきた国民皆保険制度、それを下支えしてきたのが国民健康保険制度です。帯広市の現状は、全世帯の33%、約2万7,000世帯が加入し、60歳以上が加入者の約44%を占め、年所得200万円以下が89%、1997年と2010年を比較すると、加入世帯の平均所得は197万円から122万円、約4割も減少、滞納世帯は約4,600世帯から6,000世帯へ1.3倍にふえ、加入世帯の20%に上っております。国保の加入者は、自営業者、農漁業従事者、退職してそれまでの被用者保険を脱退した人、無職者やその家族、パートやアルバイトなどの非正規労働者、その他から成っていますが、近年この加入世帯の無職者の構成比率が上昇しています。全国で経済的な理由で医療機関への受診がおくれ、結果として死亡に至ったと考えられる事例が発生しており、国保滞納などによって無保険、短期証、資格証明書となり、病状が悪化したと考えれるとの調査結果も出されております。国民の健康を守るはずの制度が国民の命を切り捨てる結果となっていることは、保険証さえあればいつでもどこでも気軽に医療機関にかかれるとした皆保険体制が既に崩壊していることを示しております。 そこで、伺います。 国民健康保険制度は、国民皆保険制度を支える制度的基盤であり、医療のセーフティーネットです。この本来の機能が果たせなくなっている現状について、どのような認識を持っているか、お聞かせください。また、帯広市における資格証、短期証の発行状況と無保険者の実態について伺いまして、1回目の質問といたします。 ○野原一登議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 佐々木とし子議員の御質問中、社会保障と税の一体改革についてお答えいたします。 現在、国と地方を取り巻く財政状況は、長引くデフレ、そして景気低迷などにより、大変厳しい状況にあります。また、世界に類を見ない早さで高齢化が進む我が国におきましては、今後さらに社会保障関連の費用がふえていくことが予想されておりますことから、社会保障制度のあり方とともに社会保障を支える税制全体の議論がこれからますます活発化してくるものと考えております。 こうした中、本年7月に閣議報告された社会保障税一体改革成案におきましては、社会保障の機能強化と持続可能性の確保を図るため、社会保障と税の一体改革を行うことにより、給付と負担のバランスを前提とした納得感のある社会保障体制を目指すこととしております。御質問の社会保障にかかわる安定的財源確保のための消費税の見直しにつきましては、この成案をもとに社会保障改革との整合性にも配慮しつつ、税制全般にわたる検討が本格的に進められることとされております。私といたしましては、こうした消費税を含む税制の抜本的な改革に向けては、デフレからの脱却と経済の活性化が必要であると思っておりまして、今後の検討の行方を注視してまいりたいと考えているところであります。 いずれにいたしましても、社会保障と税の一体改革は、国民生活に大きな影響を及ぼすものでありますことから、制度設計に当たりましては我が国の将来を展望した中で国民の理解が得られるよう、国政の場におきます幅広い議論はもとより、私ども地方とも真摯に協議をしながら慎重に進めていただきたいと考えているところであります。 ほかの件につきましては、説明員からお答えいたします。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 御質問中、国民保険制度についてお答えをいたします。 国民健康保険を含む国民皆保険は、国民の安心した生活を守るため、今後も堅持されていくものと考えています。国民健康保険は、加入者に占める低所得者や高齢者の割合が多く、所得水準が他の医療保険に比べ低いなど、構造的な問題を抱え、困難な状況にございます。その解決には、多くを制度改正に待たなければなりませんが、保険者として帯広市も安定的な運営に努めてきているところでございます。今後とも経済的理由で国民健康保険が使えなくなることがないよう、被保険者に対する減免制度の周知徹底など、きめ細かな対応を行ってまいりたいと考えてるところでございます。 次に、資格証等の状況でございますが、本年8月末現在でお答えをさせていただきます。 資格証につきましては14世帯18人、短期証につきましては2,030世帯、3,625人にそれぞれ発行しているところでございます。 なお、無保険者の実態についての御質問がございましたが、現行制度では国民全員がいずれかの健康保険に加入する仕組みになっていますが、無保険者を網羅的に把握できる仕組みになってございません。私ども窓口の手続等で無保険状態を知り得ることはございますが、現状では無保険者の実態について把握できてない状況でございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 介護保険の改善についてお答えいたします。 介護保険制度は、我が国の急速な高齢化により、これまでの老人福祉と老人保健の両制度が再編され、社会全体で高齢者の介護を支える仕組みといたしまして平成12年度にスタートし、幾度かの改正を経ながら11年を経過したところでございます。本格的な高齢社会を迎える今日において、介護保険制度は高齢者などにとりまして暮らしを支えるなくてはならない社会保障として定着してきているものと認識してございます。その一方で、介護サービス利用の大幅な伸びに伴い、介護費用が急速に増大するとともに、在宅での生活が難しい要介護度の重い高齢者の方々の場合は介護する家族の方の負担が重くなってきているなどの課題も指摘されてるところでございます。 こうしたことから、国におきましては将来にわたって安定的な制度を持続可能なものとするため、給付と負担のバランスについて長期的な視点で議論を重ねてきており、今回の改正につきましては将来の地域包括ケアシステムの実現を図るための地域の実情に応じた介護サービスの提供体制づくりに向けた第一歩であると受けとめているとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 初めに、税と社会保障の一体改革について伺いたいと思います。 先ほど市長は、社会保障と税の一体改革は立場を超えた幅広い議論の上に立った国民の理解と協力が必要と、また地方財政にも厳しい影響をもたらす、国と地方が十分に意見交換し、双方の役割を明確にすることが重要だと、このように述べられました。今市民の暮らしはどうなっているか。十勝の公共事業は、98年の2,100億円をピークに、昨年度は史上最低の703億円、今年度第1・四半期は最悪の昨年度からさらにマイナス26.5%、住宅着工件数も96年の4,027戸から昨年度は1,527戸、今年度第1・四半期はさらにマイナス3.6%と3分の1になるなど、一層厳しさが増しております。2011年8月の雇用有効求人倍率は0.59%と、求職人数が6,222人に対し求人数が3,670人、求職者のうち44歳以下の働き盛りが3,968人、64%を占めています。1997年と2010年度を比較すると、この13年間で有効求人倍率が0.68から0.59へ落ち込み、生活保護世帯は1,834世帯から3,471世帯へ1.9%、教育扶助、就学援助は12.7%から25.9%へ2倍、4人に1人の児童・生徒が受けている状況にあります。低所得者ほど負担率の重い消費税を主財源に据えることは、能力に応じて負担し、必要に応じて給付するという社会保障の原則から外れ、貧困と格差を一層拡大させることになるのではないでしょうか。 そこで、伺いたいと思いますが、市民の暮らしがこれだけ厳しい現実にあることを市長はどのように認識されているでしょうか。社会保障と税の一体改革は、市民の暮らしにどのような影響を及ぼすと考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。 また、消費税が増税されれば、過去に経験したように、国民の消費が落ち込み、東日本大震災による被災地域を初め帯広の地域経済も大打撃を受けることになります。弱い者にしわ寄せする消費税は、社会保障財源として最もふさわしくないと思います。市民の暮らしや家計、地域経済を守るために、消費税の増税をきっぱりやめるよう市長は国に対して意見を述べることが大切であるというふうに思います。これについていかがでしょうか。 ○野原一登議長 嶋野副市長。 ◎嶋野幸也副市長 社会保障と税の一体改革に関します市民の暮らしへの影響についてのお尋ねでございますけれども、お話の社会保障と税の一体改革につきましては、まず社会保障に関します個別分野の具体的内容が現時点では明らかになっておりません。また、一方の財源につきましても、消費税だけでなく税制全般にわたります抜本的な見直しの検討が本格的に進められるところと認識しているところでございます。したがいまして、この改革に伴います市民の暮らしへの影響ということに関しましては、現時点では具体的にお答えできる状況にございませんけれども、今後の国におけます議論の中では給付と負担のバランスや税の再配分に加えまして低所得者層への配慮、さらには我が国の経済全体に与える影響など、幅広く議論をする必要があるものと考えているところでございます。 それからもう一点、社会保障と税の一体改革に関しまして地方としてどのような声を上げていくのかということでございますけれども、まずこの改革全体を通した議論の視点といたしましては、給付と負担の両面におきまして世代間、さらには世代内の公平感や国民の納得感など、何よりも国民の視点に立ったものでなければならないものと考えております。 また、税制面の議論につきましては、消費税だけでなく東日本大震災に対応する復興財源も含めた抜本的な議論になるものととらえているところでございますし、あわせてこの改革が我が国の経済成長を好循環に導くものでなければならないものと考えております。私ども地方におきましても、社会保障関連の経費につきましてはこれまでも大きな負担をしてまいりましたし、今後も少子・高齢化が進むことなどを考えますと、社会保障にかかわります財政需要はさらに増大してくることが見込まれますことから、地方に対する安定的な財源確保は必要不可欠なことと考えております。今後、この改革につきましては、国と地方の協議の場において真摯に協議されることとなっておりますことから、私どもといたしましても地方六団体と連携する中で、ただいま申し上げましたような考え方、意見を国に届けてまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上であります。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) いろいろ国での議論も今進んでいるところでありますけれども、いずれにしてもこれだけ低所得者に対して重い税負担というのが市民の暮らしを大変な状況に追い込むということになりますので、そういう立場からしっかりと国に対しても意見を述べていただきたいということを求めまして、これについては終わりたいと思います。 次に、国民皆保険制度の根幹、国民健康保険について伺いたいと思います。 加入者に占める低所得者、そして高齢者の割合が非常に多い、また所得水準がほかの医療保険に比べて低い、こういう構造的な問題を抱え、困難な状況にあると、こういうお答えもございました。 国民健康保険の困難の大もとがどこにあるのか、それは国の予算削減であると言っても過言ではないと思います。1945年には、定率国庫負担が医療費の45%だったものが、給付費の50%に変わったことで、実質国庫負担は45%から38.5%に削減となりました。さらに、1980年代から1990年代にかけて事務費の国庫負担の廃止、保険料減額措置に対する国庫補助の廃止、助産費補助金の削減などが推し進められ、2007年度には国庫負担が25%まで落ち込んだことになります。それに加えて、北海道からの独自支出金の廃止、子供の医療費無料化など、地方自治体が単独で取り組んでいる施策等へのさまざまなペナルティーが科せられております。 そこで、伺いますが、国民健康保険の安定した運営のために何が必要と認識されているでしょうか。国庫負担金のあり方、北海道の支援、またペナルティーなどへの考え方について伺いたいと思います。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 高齢化の進展に伴いまして、各医療保険制度は非常に厳しい財政状況に置かれていると認識してます。とりわけ国民健康保険は、加入者に低所得者とか高齢者の割合が著しく増加して、所得水準が被用者保険に比べて低いなど、構造的な問題を抱えてございます。このような状況の中にございまして、国保の安定運営のためには、国及び道の支出金の確保と景気回復などによります市民の安定的な雇用、収入の確保が必要と考えてるところでございます。また、保険者として医療適正化に寄与する保健事業などの展開や負担の公平の観点から収納率向上に努めていかなければならないと考えているところでございます。また、国庫負担や道の支援策にあり方につきましては、国保の低所得者や高齢者の割合が大きい、いわゆる構造的問題に重点化した議論が必要であると考えているところでございます。 さらに、ペナルティーのお話もございました。乳幼児医療助成など地方単独の医療給付事業を実施した場合に、助成をすることで医療機関の受診が多くなり、結果として医療費の総額がふえるとして、その助成割合に応じて国庫支出金等が減額されている状況にございます。これは、国に先んじての施策であると考えてございまして、こういったペナルティー減額を廃止すべきものであると考えてるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 今国庫負担や道の支援策については、国保の低所得者ですとか高齢者の割合が多いという問題、こういうことに重点化した議論が必要だということがありました。また、そのペナルティーについては、廃止すべきだという今お話がありました。 平成22年度の重度医療、そしてひとり親医療、乳幼児医療に対するペナルティーとして、帯広市では約4,900万円程度の影響が出ているという推計があると聞いておりますが、このペナルティーについては廃止すべきとの考えが示されましたが、これについて廃止を強く求めるということでの行動は具体的にとられているんでしょうか。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 この地方単独事業につきましては、北海道の医療給付事業に市町村が参画する形で実施をしていますことから、市町村国保が受けることになりますペナルティーの一部を北海道が過去補てんをしていたということでございます。三位一体の改革で国の調整交付金が北海道の調整交付金に振りかえられ、北海道も総合的に市町村支援を行うことになりましたことから、平成17年度の激変緩和を経て平成18年度から廃止となってるところでございます。このペナルティーにつきましては、北海道市長会、全国市長会を通じまして国に対して廃止を求める要請も行ってきてるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 廃止を求める要請をしてるということでありました。 社会保障制度は、構造改革によって削減、そして破壊され、格差と貧困を拡大する一因となっているわけですが、中でも医療保険、医療保障制度は、相次ぐ改悪で受診ができなくなって亡くなるという例も多発しております。全日本民医連がことし3月に発表した調査では、2010年の1年間で経済的事由による手おくれ死亡したと考えられる事例、つまりお金がなくて受診をためらったあげく死に至った事例報告は71例に上ります。2009年の同調査との比較でも、件数は大幅に増加しております。71事例のうち国保短期証、資格証明書、無保険事例が42例、国保、協会けんぽ、後期医療の正規保険事例が29例だったとされております。約8割が50代から60代の男性、また無職の方は6割を超えていました。死亡原因の6割弱は悪性腫瘍であり、これは一般的な死亡原因と変わりませんが、自覚症状がありながら放置あるいは治療中断の結果、死亡に至ったとされております。特に、正規の保険証を所持しながら病院にかかれず死亡に至った事例は、窓口負担の重さが原因と考えられております。 帯広市では、資格証が14世帯18人に、短期証が2,030世帯3,625人に発行されているとのことでありました。子供の生活困窮者には資格証の発行や短期証のとめ置きは慎重にすべきであり、正規の保険証を手元に速やかに届けることが必要であると思います。 そこで、伺いますが、資格証、保険短期証の窓口とめ置きは今ないんでしょうか。それと、子供の短期保険証の発行状況はどうなっているでしょうか。また、無保険者の実態については把握できないという先ほどお話がありましたけれども、帯広市における受診抑制など、手おくれの実態、このようなものについてはどのように認識されているか、伺いたいと思います。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 まず、窓口のとめ置きとのお話でございました。 短期証の目的につきましては、納税者との接触の機会を持ちましてその状況を把握することで、きめ細かな対応を行い、納付につなげていきたいと考えてるものでございまして発行してるわけでございますが、そういった短期証が手元にない状態が続くというのは本意ではございません。平成22年12月の厚生労働省通知を踏まえまして、保険証が手元に渡らない期間が一定期間内になるように努めてきてるとこでございます。 続きまして、子供の短期証発行の状況でございます。 親の保険料の納付状態に関係なく、18歳以下の子供に対しましては保険証が切れ目なく渡る仕組みになってございまして、短期証、資格証を交付されている世帯でも18歳以下の子供にはこれまで有効期間が6カ月の短期証を継続して送付してまいりました。また、本年9月の保険証一斉更新時から有効期間を1年間の通常の保険証に切りかえて送付するよう運用を改めているとこでございます。 また、受診抑制の話もございました。経済的な理由のために医療機関を受診することができず、手おくれになることが国民皆保険を実現してる我が国におきましてあってはならないことだというふうに考えてございます。一部報道等にあることは承知してるとこでございますが、帯広市の受診抑制の実態については把握をしてないとこでございます。また、資格証におきましては、そういった実際に病気で病院にかからなければならないと、そういうな状況の場合につきましては短期証に切りかえてるというような措置もこの間とってきてるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) その受診抑制などの実態については、報道等では聞いているけれども、帯広の実態はつかめていないというなことでありました。資格証、短期証の一定期間のというお話ありましたけれども、現状とめ置きがされてるのかどうかということをまず1点、再度お聞きしたいと思います。 それと、子供の保険証については、この間国のいろいろ動向もあり、帯広市も18歳以下の子供については短期証ということで対応していたと聞いておりますが、今の御答弁では18歳以下の子供に対し6カ月の短期証だったものをことし9月から1年間の正規の保険証を交付したという今お話がありました。これについては、私どもも繰り返し求めてきたところでありますが、子供さんに対してはそういう対応、当然だというふうに思います。改めて資格証、短期証の窓口とめ置きの今の到達っていうか、現状について伺っておきたいと思います。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 まず、資格証については、窓口とめ置きということは基本的にないと認識をしてございます。短期証でございますけども、平成22年12月の厚労省通知を踏まえまして一定期間となるように心がけてるということは先ほどお答えをさせていただきました。実際の実務といたしましては、短期証の有効期限が切れる1カ月ほど前に納付相談に来庁するような通知を出してございます。通知を出した後、おおむね2カ月間程度は納付相談に来られる方が多いということを踏まえまして、要は有効期限の開始から1カ月間程度はそういう相談を待つというような状況がございます。その後、送付のための事務手続をいたしまして、都合1.5カ月、1カ月半ほどが市のほうに残る期間というふうに考えてございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) これについては、直ちにとめ置きをせず届けていただくということに努めていただきたいと求めておきたいと思います。 それから次に、自治体による保険証のとめ置きと、それから首切りや事業主の保険料逃れで無保険になってる人を合計すると日本における事実上の無保険者は100万人以上に上ると予想されております。NHKの調査でも、2006年から2007年の2年間に全国の救急告示病院1,000施設だけで475人が無保険、資格証のため、命を落としております。まさに、国民皆保険を根底から掘り崩す事態となっております。 私ども日本共産党の十勝地方議員団で、昨年11月にハローワーク帯広前でアンケート調査を行いましたけれども、79人の方から直接お話を伺い、20代から40代までが6割を占め、無保険の方も7人、8.9%いらっしゃいました。全員失業中の方でした。保険料が高い、医療費負担が重いという声がたくさん寄せられました。帯広市が発行している国民健康保険のしおり、これですね、これの第1ページ、開いたらすぐですね、1ページのところに、「国民健康保険には職場の健康保険などに加入していない方(生活保護を受けてる人を除く)は必ず加入しなければなりません、健康だから保険は必要ないなどの理由で国保に加入しないということはできません」と、このように太字でアンダーラインを引いて書かれているんですね。しかし、現実にはこの帯広でも無保険の方が存在しているということで、そこで伺いたいと思うんですけれども、国民健康保険制度の根幹、市民の受療権を保障するために無保険の実態調査は必要不可欠であるというふうに考えますけれども、この取組みについて伺いたいと思います。また、非自発的失業者に対する所得割の減額の制度が始まっておりますけれども、この取組みについてもお聞かせいただきたいと思います。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 私ども、国保の加入手続に来られる方で、長い期間保険に入っていない状態の方がいらっしゃると、いわゆるその無保険状態の市民がいるということについては否定できない状況でございまして、大変危惧をしてるとこでございます。ただ、無保険者を網羅的に把握できる仕組みがないということから、こうした市民に個別に対応するということはなかなか難しいことであろうとも考えてます。このため、年に1度、市道民税の特別徴収を実施してる事業所に対しまして退職後の国民健康保険等への切りかえ指導についての依頼文書を送付し、退職者に対し退職後は社会保険の任意継続でありますとか、任意継続か国民健康への加入か、家族の健康保険の被扶養者になるかを選択するなどの説明をするようお願いをしてるとこでございます。また、失業した市民を対象に、健康保険の手続、国保料の軽減と減免、一部負担金の減免を案内した1枚物のチラシを作成いたしまして、ハローワークの協力を得てハローワーク窓口で配布をしてるとこでございます。 非自発的失業者の軽減につきましては、前年所得を100分の30とみなしまして保険料を計算する法定軽減と独自減免を判定するものでございまして、これまで681人が申請をしているとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 無保険者の実態把握については、なかなか個別の把握は困難だという今お話がありました。しかし、この帯広にもこの件の市民の存在するということは否定できないということで、危惧しているという今お話がありました。 それで、非自発的失業者の軽減については、681人の方が今申請してるということでしたが、これについても私どものアンケート調査もありましたが、ハローワークのほうにいろいろ失業されている方々への周知のためのチラシを活用してだとか、いろんな取組みをしてるという今お話がありましたが、さらなる周知に努めていただきたいということを求めておきたいと思います。 次に、生活困窮者の窓口負担軽減、国保法第44条の制度の活用について伺いたいと思いますが、完納要件の撤廃など、ことし1月から市の要綱が改訂されました。一部負担金減免の状況と周知の取組みについて伺いたいと思います。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 災害ですとか失業などによりまして一時的に収入減となり、医療機関窓口での一部負担金の支払いが困難と認める場合の一部負担金減免制度につきましては、それまでの要綱を今お話しのとおり見直しまして、本年平成23年度の1月から実施をしてるとこでございます。 これは、医療機関窓口での医療費の患者負担分の不払い問題と近年の景気の低迷、雇用情勢の悪化などを背景として国が新たな基準を示し、市町村に早急な制度化と医療機関及び福祉部門との連携強化のもとでの運用を求めたことが発端となってございます。この周知につきましては、市のホームページのほか、随時広報に掲載していますとともに、6月の当初納付書の発行時、9月の保険証一斉更新時にチラシや冊子により全世帯に案内をしてるとこでございます。また、この一部負担金減免制度につきましては、医師会、歯科医師会、薬剤師会を通じまして市内の医療機関等にお知らせをしているほか、各病院のソーシャルワーカーあてにもお知らせをしまして、医療機関、特に無料低額診療を実施している医療機関との連携を図りながら、福祉部門とも連携して運用をしてございます。このほか、ハローワーク窓口のチラシ配布をお願いしてるほか、保険料の納付相談時には個々の状況に応じまして案内をしてるとこでございます。これまでの実施状況でございますが、相談につきましては15件ございました。このうち申請をいただいたのが6件、このうち4件が該当してるという状況でございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) ことし1月からこのように要綱が改訂されて、減免適用条件に今まで保険料を完納しているということがあったんですが、これが撤廃されたことで15件の相談があり、4件が該当になったということでした。しかし、この要件が緩和されたものの、この該当になってるのが一時的な所得激減などというような制約もあるということから、恒常的な低所得者の方々、こういう方々も対象にすべきだというふうに考えますけれども、これについてはいかがでしょうか。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 恒常的な低所得者も対象にしてはどうかというお話でございます。 生活保護基準と同程度の収入で頑張っておられる世帯がいらっしゃるということについては、私どもも承知してございますけども、そういった恒常的な低所得者に一部負担の減免制度を運用すること自体が、今の医療保険制度では想定していないということでございまして、こうした方には他の施策で対応すべきものではないかというふうに考えてございます。このため、医療機関や福祉部門との連携強化のもとで一部負担金の減免制度を運用してるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) さらなるこの制度については医療機関ですとか福祉部門との連携強化も図りながら取り組んでいただきたいと思います。 それで次に、先ほども言いましたこのしおりなんですけれども、医療費がどんどんふえているということで、医療費の節約に御協力をというなこともこの中に書いてあります。医療費の増を抑えるためには、健診の受診率を高めること、病気の早期発見、早期治療、そしてジェネリック、後発医薬品の使用推進の取組みが重要であると、ここにも書いてあるわけなんですが、それでジェネリック医薬品の活用の状況について伺いたいと思います。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 ジェネリック医薬品、後発医薬品につきましては、医療費抑制の観点からも使用を私どもも推進してるとこでございますが、帯広市におきまして国保での後発薬品の使用状況については把握はできてございません。国におきましては、患者負担の軽減、医療保険財政の改善の観点から、平成24年度までに数量シェアを30%以上にする数値目標を設定してございます。ちなみに、昨年22年度の11月現在でございますが、全国ではそのシェアが22.6%、北海道では23.9%というふうに聞いてるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) その2008年の診療報酬改定では、さらなるジェネリック医薬品の使用促進のために処方せん様式と療養担当規則の改定が行われました。日本調剤が2008年7月に実施した調査では、応需した処方せんの約4割にジェネリックへの使用不可のサインがあったと報じました。その後、日本薬剤師会の調査でも同様の結果となっております。ジェネリック医薬品の使用促進は、患者負担軽減につながるだけでなく、日本の医療費を削減することにもつながっていきます。ジェネリック医薬品の価格は、新薬の約2割から7割に設定されていると聞いております。 そこで、伺いたいんですが、新薬に依存しない、試され済みの医薬品を活用した安全・安心・安価な薬物療法の推進を図ることが国保の医療費削減にも大きな役割を果たすことになります。市として積極的な推進を図るよう求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 議員お話しのとおり、このジェネリック医薬品の活用というのは、本人負担の軽減、医療費軽減全体に役立つものと考えてございまして、先ほども御提示いただきました市の国保のしおりにもそういったことを掲載させていただいてございます。今後につきましては、今現在の先発、新薬ですね、新薬とそのジェネリック医薬品との差額通知を、実施済みの団体からそういったことをやることによって効果があるというような情報も得ていますことから、ことしの市でやってございます人間ドック、脳ドックの受診者のうち、6月、7月の間で高血圧ですとか糖尿病のいずれかを治療中の市民に対しまして、手作業でございますが、集計した差額通知を試行すべく、現在準備を進めてるとこでございます。また、通知方法でありますとか、効果などを検証するために、来年度に一定の疾病、一定の金額に該当する市民を対象に、差額通知をするための検討を現在進めてるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) ジェネリック医薬品についての新たな市として取組みを進めていくという、新たな効果ですとかいろいろ検証する取組みを進めていくということでありました。そういう意味では、このしおり、私も国民健康保険の加入者なんですが、一番後ろにジェネリック医薬品を希望しますというようなこういうカードもついておりまして、やはりこういう患者負担軽減とともに、医療費総体の軽減という点からも、新たな来年度取組みもされるということでありますので、さらに市民への周知に努めていただきたいというふうに思います。 時間もだんだん押してまいりましたが、この国保はとにかく、先ほど言いましたように、高くて払えない、そして資格証、短期証などの制裁措置、そして滞納、滞納処分というふうな仕組みになっておりまして、とりわけこの帯広市では平成22年度滞納処分件数が平成17年と21年度の5年間の比較で34件の増だったわけですけれども、平成22年度1,395件ということで、722件もふえているということで、預貯金の差し押さえも833件に、前年比5.8倍にもなってるということで、非常にその滞納処分の差し押さえなどの取組みも強化されているという実態になっております。そういうことから、私はこの国民健康保険が、先ほどからいろいろ申し上げてきましたように、国保料そのものがその市民の担税力を超えるものになってると、低所得者への手厚い対策こそが今求められている中で、さまざまな制裁措置のほうが今強化されてきてるという状況にあるわけなんですが、私は今この国保料を引き下げる、大変厳しい状況にある市民の皆様方にそういう市としての対策をとることが必要だというふうに考えますが、その辺の考え方について伺っておきたいと思います。 ○野原一登議長 嶋野副市長。 ◎嶋野幸也副市長 国保料を引き下げるために対策を講じるべきという御提言でございます。 私どもも国保の加入者の多くが所得が低い方あるいは病気がちな高齢者の方が多いということで、保険料の支払い能力において大変厳しい状況にあることは十分認識しているところでございます。また、その一方で、国民健康保険、この医療制度の財政基盤そのものが構造的に脆弱な構造を抱えているといったことも実態でございます。こうした問題の解決というのは、一地方自治体で対応していくにはおのずと限界がございますことから、国におきます制度の抜本的な改正によって対応していくことが必要であるものと考えるとこでございます。 こうした中、先般、現行の市町村国保が抱えます構造的問題と対策について国と地方の協議の場で議論が開始されたところでございまして、帯広市といたしましては今後のこの協議の動向を注視いたしますとともに、全国市長会などを通じまして制度の抜本的な見直しや国保の財政基盤強化などにつきまして国などへ引き続き要望をしてまいりたいと考えております。また、今後も可能な限り国保加入者の負担増を抑えることを基本にしつつも、国保を必要とする方々が安心して医療機関を受診できますよう、各種保険事業の実施やあるいは収納対策などにも力を入れながら、国保の安定的な運営に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 市民の支払い能力は大変厳しいという、そこの認識は本当にそのように示されましたけれども、国にも働きかけていくということでありますが、既に道内では旭川や釧路市など、全国でも保険料の引き下げに踏み出しているという自治体も生まれてきております。市として、市民の受療権を守るためにも施策の充実を図ることを強く求めておきたいと思います。 次に、介護保険について伺いたいと思いますが、介護予防日常生活支援総合事業について伺いたいと思うんですが、11年を経過した介護保険制度について、定着してきてる一方、利用の伸びによる介護費用の増大、在宅介護の家族負担など、課題についていろいろ認識も示されました。今回の法の改正では、要支援と認定された人を介護保険給付から除外できる仕組みが導入されました。この介護予防、日常生活支援総合事業は、要支援の生活に必要なサービスを奪うことになるのではないかという危惧が指摘されております。総合事業は、介護保険の支給サービスではないので、その人員や設備、そして運営基準も極めてあいまいなものとなっております。また、財源も保険給付でなく、地域支援事業に位置づけられているため、安上がりで極めて不十分なサービス内容になる可能性も高いとされております。現在は、要介護認定で要支援1、要支援2と認定されても、要介護1から5の人と同じように在宅サービスを利用することができます。ところが、総合事業が導入されると、要支援の人は介護保険給付のヘルパーやデイサービスの利用をするのか総合事業を利用するのかを自分で決めることができなくなります。受給者を侵害することになるとの議論から、国会での附帯決議で「本人の意向を最大限尊重しつつ」という文言が入りました。 そこで、伺いたいと思いますが、地域支援事業は現在給付費総額の3%以内とされ、厚生労働省は現行の上限が基本となるとしておりますけれども、帯広市においては平成22年度の地域支援事業費の比率はどのようになっているでしょうか。また、要支援者への介護サービスの比率は6月の議会で私お聞きしたときに平成21年度5.9%という答弁がありました。22年度の決算が終わったわけですが、22年度決算ではどのようになっているでしょうか。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 22年度の要支援者にかかわります給付費でございますけども、6.5%となったところでございます。また、22年度の地域支援事業費は2億3,362万5,000円で、割合は2.53%となっていございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 要支援と認定された人を総合事業に移すかどうか、地域包括支援センターがケアマネジメントを行い、判断することになると、そのように言われております。総合事業を行う地域支援事業は、その事業費が給付の3%以内、先ほど今お聞きしましたら、平成22年度の決算では市の地域支援事業は2.53%ということでありましたから、3%以内というふうになると、あと0.47、金額にして4,300万円ほどの財源しか残っていないのかなというふうに思いました。 そこで、第五期の計画に向けて、市の家族介護の実態や高齢者ひとり暮らし、夫婦2人暮らしの増加という中で、地域包括支援センターの担う役割が非常に重要になっていると考えますが、現状と課題、そして財源面でも、先ほど言いましたように、非常に大きな壁があるというふうに思いますが、市として課題や認識についてどのように考えられているんでしょうか。伺いたいと思います。 ○野原一登議長 現状と課題。 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 現段階で日常生活支援総合事業の導入の件でございますけれども、国が示しております地域支援事業の上限額は、現行お話がございましたように、全体では3%と、その内訳といたしましては総合事業では2%、総合事業以外では2%というふうに示されてございます。この上限率につきましては、国は今後予算編成の中で検討するというふうに示されてるとこでございまして、現段階では詳細な基準等が示されておりませんことから、帯広市といたしましてはこの動向を注視しているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) 6月の議会の質問では、私の質問に細野部長は軽度者への支援は今後も必要というふうにお答えになりました。この地域支援事業については、実施を決めるのもサービスを決めるのも自治体と、市町村の役割がこれまで以上に重要になってくるわけでありますけれども、この高齢者の生きる基礎を奪う介護の取り上げにならないよう、日常生活支援事業の実施、これについては実施しないということを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。同時に、第五期は来年4月からのスタートですから、もうあと半年しかありません。いろいろまた国の詳細が示されていないという現状もある中で、道内では既に旭川や北広島など、もう実施しないということを既に表明してる自治体も生まれてきております。このあたりのことも意見として述べさせていただき、この実施については私は実施すべきではないというふうに思っておりますが、これについて伺っておきたいと思います。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 介護予防日常生活支援総合事業によります介護保険外のサービスにつきましては、本市においても既に地域支援事業あるいは市の単独事業として実施してきてるところでございます。 現在、介護予防とか日常生活支援総合事業につきましては、国から詳細な基準が示されてございませんので、今後明らかになった時点で地域全体で高齢者の生活を支える仕組みづくりを充実していくと、そういう視点に立って介護予防の重要性を考慮しつつ、総合的に判断していきたいというふうに考えてございます。 以上です。 ○野原一登議長 佐々木とし子議員。 ◆20番(佐々木とし子議員) これについては、今まだ国が具体的な方向が見えてきてないということもありますけれども、私は実施をしないということで、一定の時期の判断が出るというふうに思っておりますが、そういうことを求めておきたいと思います。 もう1分になってしまったんですが、最後に、きのう大塚議員も質問されておりましたが、やはり次の保険料がどうなるのかというのは非常に市民の大変不安なところであります。財政安定化基金、全国で2,850億円、北海道では149億円の基金があるということで、帯広市が北海道に拠出してるのが1億2,300万円、第四期の帯広市の今基金残高が4億3,600万円というような状況にあるということをお聞きしております。これは、すべて高齢者から集められた介護保険料であります。そういう点からも、ぜひともこういう基金の活用も含めて来年度の第五期からの介護保険料の抑制、これについては十分なそういう方向で取り組んでいただきたいということを求めておきたいと思います。同時に、介護保険料の新たな設定の段階ですとか、あと軽減策の充実について最後に伺いまして、終わりたいと思います。 ○野原一登議長 細野保健福祉部長。 ◎細野正弘保健福祉部長 現在、保険料の算定の作業をしてるとこでございまして、保険料の抑制に向けましては現在帯広市で設置してございます介護給付費準備基金の取り崩しに当たっての検討、さらには北海道が設置してございます財産安定化基金の取り崩しを求めてきているとこでございます。また、保険料の段階別を細分化するということで、新たに新第3段階の保険料について新たに設定することができてございます。きめ細かい保険料の負担の設定する上においては一定の効果があるというに考えてございますので、今後保険料の設定をする段階で検討してまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 時間です。 以上で佐々木とし子議員の発言は終わりました。 次に、大石清一議員から発言の通告があります。 26番大石清一議員、登壇願います。   〔26番大石清一議員・登壇・拍手〕 ◆26番(大石清一議員) 一般質問も4日目ということになりまして、私の前にこれまで17名の方が登壇をされました。したがって、なるべく重複は避けて質問したいと思いますけれども、一部重複する点があることをお許しをいただいて、通告に従い質問に入らせていただきたいと思います。 2006年12月に採択された国連障害者の権利条約に日本も翌2007年9月28日に国連において署名をいたしました。それから4年の月日がたとうとしております。日本の障害者施策も、少しずつではありますが、変化し、そのスピードは、遅いとは思いますが、前進をしていっていると思っております。しかし、根本的なところで私も含めさまざまな障害を持っておられる方々へどのように対応してよいのかわからない、わかっていない人が多いのも事実ではないでしょうか。ノーマライゼーション、バリアフリーと言葉では理解ができても、実際に行動することの難しさ、私はそこに体験があったり交流があったり子供のころからの教育が大切であると思っております。 権利条約の第24条、教育の条項には、さまざまな視点から教育の取組み方や進め方など、教育のあり方そのものが提起されております。しかし、帯広市の教育行政の取組みを見たとき、確かに帯広市は社会情勢の変化に伴い、教育をめぐるさまざまな課題に対応するため、教育全般にわたる総合的な取組みが必要として、平成22年3月に帯広市教育基本計画を策定し、多くの人々が考え方を共有し、相互に協力しながら帯広らしい教育を進め、新しい時代を切り開く人づくり、地域づくりを図ることを目指し、事業を進められておりますが、その中身を拝見しましたが、障害児教育についての記述を余り見つけることができませんでした。教育基本計画では、人権、福祉、男女共同参画に関する教育、学習活動の推進のところで、障害や障害のある人について正しい理解やノーマライゼーションの考え方などについて理解を促進するため、出前教室やイベントなどを通じた意識啓発を進めるほか、障害のある人と地域住民が交流する機会を提供するとの記述があるだけで、さらには本年の教育行政執行方針でも、子供たちの健やかな発達を支援するため、特別支援学級を拡充するとともに、支援員を引き続き配置しますとあるだけであります。 そこで、お伺いいたします。 帯広市は、教育行政において障害児教育をどのように位置づけしておられるのか、またその課題について御答弁お願いします。帯広市は、私もこれまでに機会をとらえて要望させていただいておりますが、特別支援学級の自校方式化を進められておりますが、現状の課題について御答弁を求めます。あわせて、本市における発達障害の疑いのある児童・生徒数とそのうち読み書きに困難があると思われる児童・生徒数について御答弁をお願いをいたします。 次に、ごみ対策と環境問題についてお伺いさせていただきます。 高度経済成長時代、消費は美徳との言葉がもてはやされました。その言葉に象徴されるように、まちには物があふれ、人々は消費を拡大、使い捨てなる言葉が当たり前のように使われておりました。過剰な生産と過剰な消費、その結果、私たちはこれまでに経験したことのない地球規模のさまざまな問題や環境の変化に対応し切れない状況に直面し、やっと問題意識を持ち始め、環境問題に取り組み始めたところであります。 9月25日、世界的な行動の女性ワンガリ・マータイ博士が死去されました。皆様も御承知のとおり、グリーンベルト運動を創設し、「もったいない」という日本語と日本の文化を世界に広めてくれた方であります。大変に残念な思いであります。平成20年6月、宇都宮市で開催されたもったいない全国大会のことが思い出されます。この大会にマータイ博士が出席され、「美しい地球を未来の子供たちへ」と題した基調講演をされ、その中で単に3つのR、すなわちリデュース、リユース、リサイクルだけでなく、もったいないというすばらしい概念に気づくことが大切であるとの言葉と「ハチドリのひとしずく」のお話が忘れられません。人々は、温暖化で国自体がなくなるかもしれない南太平洋の島国ツバル国や溶け続ける氷河や北極の氷などの現実に直面し、限りある資源の有効活用や温暖化対策などから循環型社会構築の必要性、重要性をだれもが話す時代になってきたと思いますが、循環型社会の構築に向けての市長の基本的な認識についてお伺いをいたします。 次に、帯広市は、廃棄物処理法の第6条第1項の規定により、区域内の一般廃棄物、ごみ及び生活排水の処理に関する計画を定めなければならないことから、平成22年に平成31年までの10年間の計画として循環型社会の形成を目指し、市民、事業者、行政の3者が協働して、さらなるごみの減量、資源化、そして環境負荷の少ない持続可能な都市を目指すために一般廃棄物処理基本計画を策定されました。この一般廃棄物処理基本計画は、ごみ処理基本計画と生活排水処理基本計画がありますが、今回はごみ処理基本計画についてお伺いをいたします。 一般廃棄物の総排出量や1人1日当たりの排出量は減少傾向にあると伺っておりますが、スタートして間もないところですが、本計画の進捗状況についてお伺いをいたします。 最後に、公営住宅政策についてお伺いをいたします。 帯広市は、これまでも住宅を取り巻く時代の変化や国、道などの政策動向、そして多様化する市民ニーズに対応した住宅政策を総合的に推進するためとして、平成7年度に帯広市住宅マスタープランを、さらには平成15年度に帯広市住宅マスタープランⅡを作成するなどして住宅政策を推進してこられました。この住宅マスタープランⅡは、平成16年度から25年度までの10カ年計画ですが、平成20年度に中間見直しが行われましたが、見直しから3年目を迎えますが、基本目標として掲げられた3つの目標、すなわち1つにすべての人が安全で安心して暮らせる住環境づくり、2つに都市、地域政策と一体となった住環境づくり、3つに環境に調和し、環境負荷を低減する住環境づくりと、本プランの総体的な達成状況はいかがでしょうか。また、25年度に向けての達成見込みについてもお伺いしたいと思います。あわせて、公営住宅政策における課題についても御答弁等を求めまして、1回目の質問とさせていただきます。 ○野原一登議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 大石議員の御質問中、循環型社会の構築についてお答えいたします。 大量生産、大量消費、大量廃棄によります経済活動は、私たちの生活に物質的な豊かさや便利さをもたらしましたが、こうした経済構造や生活様式が原因となりまして、環境への負荷の増大や資源の枯渇などの問題が生じております。ごみの発生は、人間が生活し活動する上で避けることはできませんが、ごみを適正に処理し、リサイクルを進めることなどによりまして環境への負荷を低減し、資源を有効に活用する持続可能な循環型社会を形成していくことが重要であります。 帯広市におきましては、平成22年3月にごみの減量やリサイクル、適正処理のための基本方針であります帯広市ごみ処理基本計画を策定いたしまして、循環型社会の形成に向けた自然と共生するまちづくりを基本理念にごみの発生抑制や再使用、再資源化の促進のほか、環境への負荷が少ない適正処理の促進などに取り組んできております。私は、これらの施策を効果的に推進するためには、行政と市民、事業者がそれぞれの役割と責任を担いながら協働により取り組むことが大切であると考えております。帯広市といたしましては、今後ともごみの発生抑制や分別、リサイクル、排出ルールなどに関する情報を発信し、周知啓発に努めるとともに、資源集団回収やレジ袋の削減など、市民や事業者の皆さんの御協力をいただきながらごみの減量に取り組み、循環型の地域社会づくりを進めてまいりたいと考えております。 ほかの件につきましては、説明員よりお答えいたします。 ○野原一登議長 本迫哲副市長。 ◎本迫哲副市長 私から、初めに住宅マスタプランⅡにおけます公営住宅政策の達成状況及び達成見込みについてお答えいたします。 帯広市住宅マスタープランⅡは、議員のお話にもありました3つの基本目標を達成するために11の展開方向と43の主要施策を位置づけております。この43の主要施策のうち、公営住宅政策にかかわる施策につきましては、老朽化した公営住宅の建てかえや改修のほか、高齢者などに対応した公営住宅の整備などによりましておおむね順調に進んでいるものと認識をいたしております。なお、今後残りの計画期間の中で主要施策のさらなる推進を図りまして計画に掲げる目標の達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、公営住宅政策における課題についてのお尋ねでございますが、帯広市では総合計画及び住宅マスタープランⅡに基づきまして順次老朽化した公営住宅の建てかえや全面改修事業などを行ってきております。これらの事業は、現在公営住宅にお住まいの方の住みかえのために実施するものでございまして、一方公募をいたします住宅は主に既存住宅で退去者があった場合に入居者の募集をいたしますことから、必ずしも入居希望者に対します新規の募集枠が提供できていないということが課題であるというふうに認識しております。 以上でございます。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 御質問中、ごみ処理基本計画の進捗状況についてお答えをいたします。 本計画は、平成22年度から31年度までの10年間を計画期間としてございます。計画では、1人1日当たりのごみ排出量、リサイクル率、最終処分量の3つの数値目標を設定してございます。また、計画の目標年度につきましては、大きく前期、後期、5年ごとに分けて設定してございまして、前期は平成26年度、後期は平成31年度としてございます。おのおのの目標値につきましては、1人1日当たりのごみ排出量の前期目標が786グラム、最終目標が702グラム、リサイクル率につきましては前期目標が35%、最終目標が40%、最終処分量につきましては前期目標が6,600トン、最終目標が5,400トンとしてございます。毎年度の目標値を設定をしてるものではないことから、進捗率について関連のことのお答えが難しい状況にはございますが、前期の目標値を単年度ごとに割り返して計算をいたしますと、1人1日当たりのごみ排出量の平成22年度目標値が883グラムに対しまして実績が942グラム、同様にリサイクル率につきましては30%の目標に対しまして26.5%、同じく最終処分量につきましては7,560トンの目標に対しまして7,962トンとなってございまして、いずれも目標を下回り、厳しい状況にあるものと認識をしてございます。 ごみの減量やリサイクル率の向上につきましては、毎年度ひとしく進捗をしていくということは難しく考えてございまして、それぞれの施策を講じながら段階的に進展していくものでございますが、今後とも計画に定めました基本方針に基づきながら取組みを進めてまいりたいと考えてるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 八鍬教育長。 ◎八鍬祐子教育長 私のほうからは、障害児教育について御答弁を申し上げます。 障害のある人が自立し、より一層社会に参加していくためには、できるだけ早い時期から発達支援を行いますとともに、一人ひとりの教育的ニーズをしっかりと把握し、適切な支援や指導を行うことが大変重要であると認識してございます。 本市におきましては、これまでも保護者に対し十分な情報の提供に努めながら、きめ細やかな教育相談に努めますとともに、保護者の意向を尊重しながら児童・生徒の早期療育に取り組んでまいりましたほか、特別支援学級の設置や支援員の配置、教員研修の充実などに努めてきたところでございます。特別支援教育を進めるためには、担当する教員や支援員の資質向上のための研修や学校全体で情報を共有し、児童・生徒をサポートしていく体制の充実が必要となってございます。また、教員の配置につきましては、個々の教育のニーズに的確に対応するため、北海道都市教育委員会連絡協議会を通じまして今後も加配措置等を引き続き要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野原一登議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 私のほうから、初めに特別支援学級の自校化方式の課題についてお答え申し上げます。 平成19年4月に現在の特別支援教育がスタートしたところでございますが、本市におきましては学校、保護者からのニーズの高い情緒学級の自校方式を進めてきており、対象児童の入学に合わせて設置している農村部を除き市街地の小・中学校すべてに設置を完了したところでございます。また、知的学級、肢体不自由児学級につきましては、情緒学級よりも対象人数が少なく、通常学級との交流ができる機会も多くございませんことから、集団生活を通じて社会生活を身につけられるよう、これまで拠点校方式をとってきたところでございますが、知的学級の対象児童が増加傾向にありますことから、在籍する対象児童・生徒の状況を見ながら新たに知的学級を設置するなどの対応をとってきてございます。今後は、自校化に向けた対応も必要というふうに考えてございます。自校化に向けましては、現在の知的学級設置校に学級数が増加することで、支援体制に支障が生ずることのないように、近隣の学校を優先に知的学級を設置する中で段階的に設置を進める必要があるというふうに考えてございます。 次に、本市における発達障害の疑いのある児童・生徒についてでございますが、平成14年度に文部科学省が実施いたしました全国実態調査におきましては、小・中学校の通常学級に特別な教育的支援を要する児童・生徒が約6.3%在籍している可能性が示されてるという報告がございました。本市におきましては、平成22年度、学校から日常の観察を通しまして発達障害の疑いがあると報告がありました児童・生徒数は、小・中学校合わせて全体の約2%、270名程度となってございます。また、そのうち読み書きに困難があることにより、学習障害と思われる児童・生徒数につきましては50名程度となってございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) 御答弁ありがとうございました。 それではまず、障害児教育における現状と課題、こちらのほうから進めさせていただきたいと思います。 障害児教育についての位置づけや現状については、一応理解をいたしましたけれども、では具体的な取組みについてちょっと何点かお伺いしてまいりたいと思います。 基本計画の中で、人権、福祉、男女共同参画に関する学習の推進というふうにありましたけれども、ここで言われるこの福祉に関する教育、学習活動について、学校現場における具体的な取組みについてお伺いしたいと思います。 ○野原一登議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 各学校におきましては、学習指導要領に基づきまして主に社会科の授業において福祉に関する学習を行ってございますが、多くの学校におきましては総合的な学習の時間におきまして福祉をテーマにアイマスク体験や車いす体験などの体験的な活動を含めた学習を行ってございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) わかりました。 いわゆる身体的な体験を通すと、これは大変重要なことだというふうに思います。以前も、私の同僚議員が視野を狭くする眼鏡を紙でつくったものを出しておりましたけれども、そういったことは大変重要なことではないかなというに思いますけれども、私はできる限りやっぱりともに学ぶことがまた重要ではないかなというふうに思っております。 帯広市は、現在情緒学級を自校方式ということで進めてきましたけれども、この通常学級といわゆる交流学習を行っている情緒学級の運営上の問題点、課題についてお伺いしたいというふうに思いますが。 ○野原一登議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 情緒学級につきましては、児童・生徒の状況に応じて通常学級との交流学習を多く取り入れてる場合がございます。通常学級に情緒学級の児童・生徒が加わることにより、学級の定員を超える場合がありますことから、学校の状況に応じまして補助員を配置するなどの対応をとってございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) そうなんですね。御答弁にあったとおり、学級の定員の考え方、私はここに問題があるというふうに思っています。いわゆる支援教室に通っている子供さんの人数、これは基本的に通常学級で定員に含まないと、これは本当におかしいというふうに思ってるんですね。このことは、以前にも別なところでやらせていただきましたんで御答弁は要りませんけれども、ぜひともこれは北海道のほうにも改善を求めていただければなと、やはり同じその地域へ通ってる子供さんなんですから、支援教育のほうの子供さんの数を、普通学級にも出てるわけですから、そちらの人数に入れないっていうのは、これおかしなことだというふうに思いますのでね。これは、ぜひとも求めていっていただきたいというふうに思います。 今議会でも学校現場のさまざまな問題や課題などについて議論があったところでありますけれども、これまでもマスコミ報道などでも取り上げられてきた課題でありますけれども、発達障害やその疑いのある生徒さんが近年ふえてきてるというふうに伺っておりますが、そのような子供さんたちに対する教育委員会の対応についてお伺いしたいというふうに思います。 ○野原一登議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 発達障害の疑いのございます児童・生徒につきましては、学校内の就学指導委員会等で実態把握を行いまして、家庭と連携して個別の指導を進めるよう配慮をするとともに、特別支援教育補助員が学習の補助を行うなど、きめ細やかな指導に努めてるところでございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) 確かに、その実態把握ってのは大変難しいところだと思うんですね。そこで、家庭との連携と、実はここに大きな課題があるというふうに思っとります。いわゆる一口に発達障害と言っても、さまざまな、お一人おひとり状態が違うというふうに言われています。ADHDですとかLD、ディスレクシアと、これはよく聞く言葉だと思うんですけれども、ほかにも軽度発達遅滞、発達性読み書き障害などとさまざまなその子供さんたちの度合いによっていろんな症状の違いがあります。その判断は大変だと思いますけれども、先ほど御答弁の中にも、それから以前の他の議員の質問の中にも、先生方の研修も今進められてるということでございますので、そのことについては今回は触れませんけれども、対応をぜひともお願いしたいというふうに思っております。 そこで、具体的なそういう障害をお持ちの子供さんたちの対応ということで、デイジー教科書についてお伺いしたいと思います。これは、昨年9月、私の同僚の大竹口議員も取り上げて質問を行いましたが、そのときの答弁では一定の効果が期待できるものと認識しているが、文部科学省の調査研究結果を見きわめながら調査、検討を進めてまいりたいという御答弁でございましたけれども、このほど文部科学省で最終報告が出されました。こういうことを受けて、これをごらんになられてどのような認識を持っておられるのか、お伺いしたいと思います。 ○野原一登議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 発達障害などに対応することができるデイジー教科書の活用につきましては、教材の整備やソフトの充実、機器操作の習熟、また家庭の理解度など、諸課題はございますが、読むことに困難のある児童・生徒に対しましては、お話にございました最終報告書にもございますが、学習意欲の向上、それから自尊意識の回復など、教育上の効果が期待できるものというふうに考えてございます。 ○野原一登議長 大石議員。
    ◆26番(大石清一議員) 教育上の効果は認識いただけたということでございました。 文部科学省最終報告書でも、本年8月にまとめられましたけれども、この日本障害者リハビリテーション協会情報センターのこれは実際にこれを活用した事例報告なども出されております。これによりますと、小学校5年生の男の子のケースですけども、これまでは本読みは平仮名だけであってもすべて拾い読みだった、それから目線がちょっと外れたらどこを読んでいるのかわからなくなる、一度わからなくなると、もとに戻れない、内容理解も乏しく、先生の説明も質問も余りわからないという子供さんが、このデイジー教科書を使ったことで、デイジーで学習した文章はすらすらと読むようになり、文章の理解も進んだ、大嫌いだった国語が嫌いでなくなった、それから、ママ、学校で先生が読んでいるところがわかるようになったよとうれしそうに報告をしてくれたと、そのデイジーの学習を始めてから、目線を外してもまたどこを読んでいるのか探し出せるようになった、振り仮名を振る作業が必要なくなったというふうに、実際その報告されてんですね。この中にもいっぱい実践例ということで、実際にこの学校で使った先生の実践報告です。こういうものが出されております。やはり私たちも、一般にテレビを見てて、特にバラエティー番組等で映像と言葉だけが流れてくるとなかなか印象に残りませんけども、テロップが流れると、その話してる内容ですとか、その意味ってのはストレートで入ってくる、ここに大きな僕は違いがあるというふうに思ってるんですね。ですから、このさらに本年8月にも改正障害者基本法が施行されました。これは、我が党の主張によって、国及び地方公共団体は障害者の教育に関し調査及び研究並びに人材の確保及び資質の向上、適切な教材等の提供、学校施設の整備、その他の環境の整備を促進しなければならないことというふうに規定されました。この障害のある子供さんたちにとって私はこのデイジー教科書っていうのはあったほうがいいというものではなくて、ほかの子供さんたちと同じように教科書が読めるようになるために私はなくてはならない教材だというふうに思っとります。積極的な活用を図っていってはいかがかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○野原一登議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 デイジー教科書についてでございますが、デイジー教科書のようなICT機器を利用した教育につきましては、今後も活用が進んでいくというふうに考えてございます。 ただ、従来の読む活動や書く活動は、最も重要な学習の基本でございますことから、今後も学校教育で培う生きる力の育成の基本として欠かせないものというふうに考えてございます。デイジー教科書につきましては、特別支援を必要とします児童・生徒が学習する際の支援ツールといたしまして一定の効果が期待できますことから、現在小学校2校、中学校2校の特別支援学級におきましてモデル的に活用を進めてございまして、今後も調査研究を続けてまいりたいと考えてございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) ありがとうございます。 モデル的に今活用を始めたと、大変喜ばしいことでございますから、一歩前進というふうに評価をしたいと思いますけれども、小学校2校、中学校2校ということでは、残りの小学校23校、中学校9校がまだ未実施ということですけれども、今後の計画についてございましたら御答弁お願いしたいと思います。 ○野原一登議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 今後の計画でございますけども、現在先ほど御答弁させていただきました小学校2校、中学校2校でモデル的に活用を進めてございますけれども、その結果を十分検証しながら今後の取組みを検討してまいりたいと考えてございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) わかりました。 結果を検証してということでございますけれども、文部科学省は2020年までにこのデイジー教科書にとどまらず、正規の教科書としてすべての小・中学校に配備するというふうに伺っております。そのためにも、このデジタルテレビですとか、いわゆる電子黒板、この導入も不可欠であると思いますけども、これらの整備についての御所見をお伺いしたいと思います。 ○野原一登議長 須貝学校教育部長。 ◎須貝栄一学校教育部長 ICTを活用した教育につきましては、児童・生徒の学力向上を図る上で有効であると考えてございます。一昨年度、本市におきましては、大型デジタルテレビを全小・中学校に配置いたしますとともに、コンピューター室におけますパソコン1人1台化や校内LAN設置のほか、貸出用電子黒板を整備してきてございます。また、各学校におきましては、インターネット配信されておりますデジタル教材などを活用した学習が行われておりますが、今後もデジタル教科書などの活用に当たりましては国の動向などを見定めながらICT機器の有効活用を図ってまいりたいと考えてございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) わかりました。 今回障害児教育の現状と課題、そしてマルチメディア、デイジー教科書、電子黒板などについてお聞きをいたしましたけれども、私は対応は本当に遅いというふうに思っとります。確かに、電子黒板などの導入に関しましては、今の政府の事業仕分けという中で、これは予算が大分削られましたので、各学校でその電子黒板の配置ってのはできなかった。こういう事情もあることはわかりますけれども、そのような中でも進めている自治体は数多くあります。ぜひとも市の積極的な対応を求めておきたいというふうに思います。 それから、最後にこれ1つ提案でございますけれども、これは学校教育部というだけではないかというふうに思いますが、今回の質問通告で私は障害児教育ということで、この「害」の字を漢字ではなくて平仮名であえて出させていただきました。今回、言葉ですのでわかりませんけれども、私の原稿はすべて「害」という字、漢字ではなくて平仮名でやらせていただいております。これは、ある障害者の方から、私たちは害ではないと、確かにそういう不自由なところはあるけれども、この「害」という字を使われると、いかにも私たちが害のように感じるという話がありました。私は、一人ひとりの個性と言いながら、その漢字の「害」という字を使うということは、確かに法的な問題等もあって、すべてが一遍に変えることは難しいかというふうに思いますけれども、それ以外のところで私はそういう取組みが必要ではないかなというふうに思いますけれども、これについての御所見を、教育委員会でも市長部局のほうでも結構でございますので、御答弁をお願いできればというふうに思います。 ○野原一登議長 八鍬教育長。 ◎八鍬祐子教育長 ただいまの障害教育との観点から、障害の「害」という字でのお話ございました。確かに、文字を見ているのと聞いてるのとではなかなかわからない点もございますけれども、今お話しされた方々のお気持ちというのは十分御理解できます。今、議員お話ありましたように、法令用語等の関係等もございますので、こういった文字につきましては全庁的な中で整理してきているつもりでございますけれども、お話のありましたことを十分踏まえながら今後庁内の中でも話し合ってみたいと思います。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) ぜひともよろしくお願いをしたいというふうに思います。 今、パソコンでも、「しょうがい」ってやりますと漢字と平仮名と両方出てまいります。ですから、そういう意味では、法的な部分は法令用語の中ではなかなか難しいところがあるかと思いますけれども、例えばホームページ開いたときでも、その「害」という字が漢字なのか平仮名なのか、これで随分印象も違ってくると思いますので、これは学校教育部だけに限らず、市長部局のほうもぜひ前向きに取り組んでいただきたいというふうに思います。 それじゃあ、ごみ対策と環境問題について質問させていただきたいと思います。 循環型社会形成に向けて基本認識とごみ処理基本計画における現状についてはわかりました。単年度ごとの目標設定はしていないということでしたけれども、割り返したところ、いずれも下回ってるということで御答弁でした。始まったばかりでございますので、これからの取組みをしっかりと見守っていきたいというふうに思っとりますけれども、帯広市は現在分別収集計画を策定して、容器包装廃棄物の3Rを推進しておりますけれども、事業推進における課題、問題点などについてございましたら答弁をお願いしたいと思います。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 分別収集計画は、容器包装廃棄物の排出量の見込みや排出の抑制を促進する方策等について定めてるものでございます。過剰包装の抑制やマイバッグ等の促進等の方策により、容器包装廃棄物の抑制を図ってるとこでございまして、市内スーパーと協定を締結して、レジ袋の削減などの取組みも行ってきてるとこでございます。 本計画の推進に当たりましては、ごみを出さないライフスタイルの転換が最も重要と認識してございまして、市民の皆様に向けましての啓発活動や子供のころからの環境教育などの施策を進めてるとこでございます。また、せっかく市民の皆様が分別していただいた容器包装廃棄物が汚れなどの理由からリサイクルできず、資源残渣として処理されるケースもありますことから、排出ルールなどにつきまして、さらなる市民の皆様に向けての周知が必要と考えてるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) ごみを出さないライフスタイルの転換という御答弁がありましたけれども、実際なかなか難しいところかなというふうに思いますが、御答弁にもありましたけど、排出ルールなどの周知徹底ということがございました。容器包装廃棄物は資源として無料で収集しておりますけれども、他のごみなどの混入などにより収集できないケースってのはこれ1日にどのぐらいあるんでしょうか。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 容器包装廃棄物、これに限った形での調査っていうのは私ども実施をしていませんが、ごみ及び資源全体につきまして昨年度平成22年度に行いました適正分別率の調査におきましては、91.6%が適正であったという結果が出てございます。そういった意味からは、他のごみが混入してる割合というのは、8.4%程度と推測をしてるとこでございます。また、指導を要するごみステーションの割合につきましては、市内約8,004カ所のごみステーションのうち3.5%程度となってございまして、多くの市民の皆様がしっかりと排出マナーを守っていただきながらごみステーションを管理していただいてるというふうに考えてるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) 本当に多くの市民の皆さんの御協力をいただいてるということはわかりました。しかし、混入割合が8.4%、この数字、高いか低いかといろいろ議論のあるとこだと思いますけれども、私は決して低い数字ではないというふうに思っとります。指導を要するステーションも3.5%、少ないように感じますけれども、数にしますと約300カ所ということになります。そういう意味からいくと、その収集できない場合、その町内会でだれが出したものかわからないと、そのためにごみステーションに置いたままになるケースが結構多いんですけれども、対応はどのようにされてますか。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 他のごみが混入してるなどの理由によりまして収集できないごみにつきましては、収集できない理由がわかるように指導のシールを貼付しまして、排出者みずからに適正に排出していただくよう注意を促してるとこでございます。また、指導員による違反ごみ調査を実施してるとともに、排出者が特定できた場合につきましては直接排出者に指導を行ってるとこでございます。 なお、一定期間が経過しても出し直さない場合につきましては、市において処理をしてるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) わかりました。 その収集できないごみについては、指導シールで注意を促しているという御答弁でしたけれども、その指導シールの添付状況とその効果について御答弁をお願いします。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 違反ごみに張ってます指導のシールにつきましては、使用しています指定袋の間違いをお知らせする青色のシール、排出しているごみの分別間違いをお知らせするオレンジのシール、排出日の間違いをお知らせする赤シールなどを使ってるとこでございます。 昨年度の実績でお答えをしますと、資源の収集時における指導シールの張っている状況としましては、約24万枚、1日当たりにしますと900枚程度というふうになってございます。そのうち、ごみや資源の混入等につきましては、1日当たりおおよそ650枚程度となってございます。また、毎年5回ほど指導シールの効果を確認する調査を行ってございますが、平成22年度の調査では7割を超える違反ごみが出し直されてございまして、一定の効果があるものと認識をしてるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) 現状はわかりました。 ただ、結構出したまんまになってるもんですから、町内会の方が結構その後整理をされて出し直しをしてるというケースもありますので、今後しっかり啓発活動への取組みを求めておきたいというふうに思います。 次に、近年ごみの関係でカラスなどによるごみの飛散等の被害が多くなってるように思います。さらには、記憶に新しいところでグリーンパークの芝生が、これごみではありませんけど、カラスによっての被害があったというふうなことも聞いておりますけれども、いわゆるこの市民生活や環境への影響について、その認識をお伺いしたいと思います。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 カラス等によりますごみの飛散につきましては、市民の皆さんからも多くの御相談をいただいてございまして、そういった状況もふえてるというふうに考えてございます。ごみの飛散する状況につきましては、市民の衛生環境に悪影響を与えてるものでございまして、その対策につきましては重要な課題であると認識をしてるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) 私は、以前にも質問したことがあるんですけれども、この生ごみのいわゆる燃やすごみの対応ということで、今ステーション方式で野積みになってますけれども、ネットをかけると言いながらもかからないところがあったり、カラスによって引き出されたりということもあって、これは例えばゲージを設置しての対策っていうのは必要なんではないかと思いますけども、いかがでしょう。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 カラス対策等々につきまして、そのゲージっていうお話でございます。 ごみステーションにおきましてゲージやボックス、こういったものを利用することによってカラスの被害防止に向けた一つの対策というようなことについてはあるんだろうというふうに考えてございますが、今現在は常設されるボックスにつきまして排出日以外でもごみを出すというような影響でございますとか、すべての町内会にそういった用地を確保することが難しいなどのことを考えまして、ネットの利用を推進してきてるとこでございます。 しかしながら、先般私どもでもこのカラス被害につきましてはきちっとした対策をとっていかなきゃならないという認識もございまして、こういった防止の取組みをやってございます先進地を視察してきてございます。そういった中からは、今後の取組みの参考すべき点が多くあったことから、さらなるカラスの被害防止の対策に向けて取組みを進めてまいりたいと考えてるとこでございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) 常設ボックスについてのメリット、デメリットということでお話がありました。 その排出日以外や通りがかりなどにごみを出すとの御答弁でしたけれども、現在もごみステーションにネットを置いて、ごみ置き場だとわかってますので、そんなに大きな差はないのかなあというふうに思います。問題は、今言った用地の確保ということだと思うんですね、ゲージを置くとなれば。 そこで、提案なんですけれども、例えば函館市、それから西東京市、それから昭島市、こういったところが実は戸別収集やってます。ステーション方式ではなくて、自宅の前に自分のごみを出していただいて回収するという方法とってますけれども、この点について帯広市はどう考えますでしょう。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 ごみ排出のそのマナーといいますか、そういったものを市民一人ひとり守っていただくに当たりましては、函館市などで行っています戸別収集方式、これについても一つの方法であるというふうには考えてございます。 その一方の帯広市におきましては、先ほども御答弁させていただきましたが、ごみ資源の9割以上が適正に排出をされている、さらには指導を必要とするステーションについても3.5%程度というような状況もございまして、戸別収集方式、コスト的にも大きく負担がふえるというふうに考えてございまして、現段階において変更する必要性はないものと認識をしてるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) ごみ資源の9割以上が適正に排出されている、指導も少ない、したがってコストをかけて戸別収集する必要はないという御答弁でございましたけれども、いわばそのステーションに出した時点でごみはもう自分のものでなくなるっていう感覚がどうしてもあるというふうに思います。そういったことからも、ごみを出さないライフスタイルの転換という御答弁が先ほどありましたけれども、その点からも私は本当に難しいのかなあというふうに思います。 さらに、大きな問題はカラスなどの被害です。単にこのごみの飛散だけにとどまらないんですね。先ほどグリーンパークの被害等もありましたけれども、農作業等への被害も大きいです。全国で約4万トンというふうに言われてます。その半分以上がカラスの被害だというふうに言われてます。東京都でも、御承知のように、カラス駆除をやりました。平成22年に約1億3,000万円ぐらいの予算をつけて、約9,600羽のカラスを駆除したそうです。ところが、野鳥の会の方に数えていただくと、総数で約1,100羽しか減ってない、1,100羽というのは飛散をして飛んでいる鳥のカウント数からいくと誤差の範囲だって言うんです。ほとんど減ってない。だから、駆除ではなくて、その野鳥の会の方が言われてたのは、やはりえさとなるものを出さないことだというふうに言われてました。たまたまちょっといろいろ調べてみますと、専門家の方にお聞きしますと、体重20グラム強のスズメは1日に約5グラムのえさを食べるそうですけれども、体重が600グラムほどのカラスは50グラムから100グラムのえさを食べるそうであります。しかも、大半の小鳥の多くが寿命は2年から5年なんだそうですけれども、詳しい調査事例はないということでしたけれども、カラスの寿命は10年から20年というふうに考えられてるそうです。少なくともえさとなる生ごみを出さないようにすることが重要ではないのかなというふうに思います。 このようなことから、ルールを徹底を図るということが大事だと思いますけれども、特に町内会未加入の方など、これ回覧等が行き渡らないケースも考えられますので、市民周知をどのように図っていったらいいのか、その考えについてお伺いしたいと思います。 ○野原一登議長 原市民環境部長。 ◎原孝則市民環境部長 議員、今お話をいただきましたとおり、ごみの排出マナーをしっかりと守っていただくことで飛散ごみの多くを防ぐことが可能であるということも考えてございます。そのために、これまでも市民の皆さんに向けまして、さまざまに情報を提供させていただきながら、ごみ出しのルールの周知に努めてまいりました。さらに、子供のころからの取組みが重要と考えてございまして、今年度から小学校向けに体験型の環境学習支援事業も開始したとこでございます。また、お話ございました町内会未加入者の多いアパート、マンション等の共同住宅入居者に対しまして、指導員による夜間指導やチラシ配布などのきめ細かなごみ排出ルールの啓発にも努めてきてるとこでございます。今後につきましても、しっかりと市民の皆様に対しましてごみ出しルール等の啓発に努めますとともに、市民の皆様に御協力をいただきながら、ごみ資源の適正な処理に取り組んでまいりたいと考えてるとこでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) わかりました。 とにかくやはりその市民の方へしっかりと御理解をいただいて、適正に処理されるようにお願いしたいというふうに思います。今回このごみとカラスの問題、そして環境問題というのは、今後もまた機会をとらえて議論をさせていただきたいと思いますけれども、ごみと水はただという時代から、それぞれコストを負担する時代というふうになりました。本当に一人ひとりがどう責任を持つようになれるかが私は大事な話だというふうに思っとります。 冒頭にも引用しましたけども、ワンガリ・マータイさんのその講演で引用した「ハチドリのひとしずく」、これはお話は御存じの方多いと思いますけれども、山火事に遭って、多くの動物がその遠くから見ているだけの状況の中で、ハチドリが小さなくちばしで水をくみ上げて、その火を消しに行く、その姿を通して、自分にできることを最大限やるんだという、お聞きすると、今の清掃事業のほうでもこういった話を子供たちの啓発活動の中で使ってるということでございましたけれども、今後の市の取組みを求めておきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 最後に、住宅政策についてお伺いをしたいというふうに思います。 課題についてはわかりました。限られた管理戸数でございますから、なかなかその新規募集ができないということは理解をいたしますけれども、今の経済状況を考えたとき、公営住宅の需要というのはますます多くなってくるというふうに思います。中でも高齢者世帯や母子世帯、子育て世帯などへの対応が求められるわけでありますけれども、この住宅マスタープランⅡで地域優良賃貸住宅を一般向け、特に子育て世代と高齢者向けに整備をすることとしておりますけれども、現在の整備状況についてお伺いしたいと思います。 ○野原一登議長 本迫副市長。 ◎本迫哲副市長 私からお答えいたしますが、高齢者向けの優良賃貸住宅につきましては、現在までに民間事業者によりまして26戸が整備されております。また、子育て向けの優良賃貸住宅につきましては、今年度から民間事業者が20戸程度を整備する事業を進めているところでございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) 整備状況はわかりました。25年度が最終年度でございますので、ぜひとも急いでいただきたいというふうに思います。 これは、以前にもお伺いしたんですけれども、いわゆる収入超過世帯、この現状とそれらに対する対応についてお伺いしたいと思います。 ○野原一登議長 本迫副市長。 ◎本迫哲副市長 今年度の収入超過世帯は、99世帯となっておりまして、これら世帯には公営住宅法及び帯広市の公営住宅条例によりまして公営住宅の明け渡し努力義務とともに、引き続き入居している場合には割り増しの家賃が課せられることになります。収入超過世帯に対しましては、従前より公営住宅の明け渡し努力義務があることを文書により通知をしてまいりましたが、本年度からは文書による通知に加えまして個別に面談するなどいたしまして公営住宅制度の趣旨を御説明し、住宅の明け渡し指導を強化しているとこでございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) ありがとうございました。 収入超過世帯、昨年度も私同じ質問をしまして、昨年度は超過世帯が94世帯、そして高額所得者が1世帯ということで、今年度はこの高額所得者はおられないようでございますけれども、超過世帯は5世帯の増と、さまざまな課題や法的な問題もありますけれども、いろんな実際にあけていただいた例なんかも聞いてございます。さらなる努力を、対応をお願いしたいというふうに思います。 そこで、子育て世帯や高齢者世帯の優遇入居制度というのがございますけれども、この制度の現状と課題についてお伺いしたいと思います。 ○野原一登議長 本迫副市長。 ◎本迫哲副市長 子育て世帯のうち、母子、父子世帯及び多子世帯並びに高齢者世帯に対しましては、入居の確率を高めるため、抽せん番号の加算などの優遇措置を講じております。しかしながら、優遇措置の対象となる世帯の中でも、なかなか公営住宅に入居できない世帯が多数あるということは認識をいたしているとこでございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) 入居の資料もいただきまして、これなんかを見ますと、それなりの効果も出ているようには思いますけれども、制度の効果としてはいま一つかなあという感もいたします。さらなる制度の充実をお願いしておきたいというふうに思います。 そこで、応募状況で、その高倍率、特に高齢者世帯の倍率が大変高いという状況がございます。住宅マスタープランⅡでは、高倍率化への対応として、入居方法の見直しで、特に低所得者への救済措置に取り組むというふうにありますけれども、具体的な対応についてお伺いをしたいと思います。 ○野原一登議長 時計とめます。ちょっと建設部長の代理なもんですから。         午後2時54分休憩         ────────         午後2時55分再開 ○野原一登議長 再開します。 副市長、どうぞ。 ◎本迫哲副市長 現在、子育て世帯のうち母子、父子世帯及び多子世帯で高倍率の状況の中で、特に真に住宅に困窮する低所得世帯への住宅を提供できるよう公営住宅審議会の御意見も聞きながら、全体のバランスや公平性を確保する中で適切な入居者の選定方法を検討していきたいというふうに考えております。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) ぜひとも目的に沿った募集ができるように対応をお願いしたいというふうに思います。 じゃ、最後に、以前にも質問をいたしましたけれども、いわゆる公営住宅の高齢化というふうなことから含めて、いわゆる地域コミュニティを維持するためにも世代別の入居制度というのが導入を提案をさせていただきました。御答弁では、住宅審議会で検討させていただきますという御答弁でございましたけれども、その後1年たちましたので、どうなったのかということだけお伺いしたいというふうに思います。 ○野原一登議長 副市長。 ◎本迫哲副市長 ことし7月に開催をいたしました公営住宅審議会におきまして入居者が高齢化した公営住宅団地におけるコミュニティの維持を図るため、募集時に新たに若年世帯枠を設ける選考方法について諮問をいたしまして、具体的な検討を行っているとこでございます。 ○野原一登議長 大石議員。 ◆26番(大石清一議員) ありがとうございました。今回都市建設部長があれだということで、副市長に答弁いただいて、なるべく細かい数字は聞かないようにと言われてたんですけれども、申しわけありません。 ともかく公営住宅政策の中で一番大きな課題は、やはりその本当に住宅に困窮している方々にどうその住宅を提供できるのか、そのためにはやはり収入のある程度ある方についてはその公営住宅の意義というものをしっかりと御理解をいただいて、やはりあけていただく、そのことによって本当に低所得者の方含めて住宅困窮の方が入っていくことができるというふうに思うんですね。それをぜひとも努力をしていただきたいということと、それから前にも申しましたけれども、災害ですとかそういういざ緊急避難を要するようなときに、やはり高齢者の方ばかりではなかなか地域として避難をすることも難しいことが予想されますので、やっぱりそういった意味での地域コミュニティ、やはりお聞きしますと、町内会の役員を、この間、ある方のほうに、これは道営住宅でしたけども、お話お伺いに行きましたら、町内会長さん、全部で6つぐらいの役やってらっしゃったんですね。町内会長から班長から会計から、もう広報から何でもやってる、どうしてこんなにやってるんですかって聞いたら、ほかにやる人がいないと、みんな年をとって、動ける自分がやるしかないという話がありました。やはり本当にそういった意味からも世代間交流を図る意味でも、この募集のときにおいてそのことも考慮しながら、今回住宅審議会のほうに諮問していただけたということでございますので、ぜひとも前向きに取り組んでいただくことをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○野原一登議長 以上で大石清一議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。 再開を午後3時20分といたします。         午後2時59分休憩         ────────         午後3時20分再開 ○野原一登議長 再開いたします。 次に、杉野智美議員から発言の通告があります。 10番杉野智美議員、登壇願います。   〔10番杉野智美議員・登壇・拍手〕 ◆10番(杉野智美議員) 通告に基づき、一括方式で質問をさせていただきます。 初めに、帯広の農業に大きな影響を与える2つの問題、TPPと食の安全、放射能汚染について伺います。 先月21日、訪米中だった野田首相は、ニューヨークの国連本部でオバマ米大統領と会談を行い、TPPへの日本の交渉参加について、しっかり議論を積み重ね、できるだけ早い時期に結論を出したいと表明をいたしました。また、11月に開かれるAPEC──アジア太平洋経済協力会議の首脳会議までに決着を目指すという首相の意向も報道されております。TPPは、日本の農林水産業に壊滅的な打撃を与え、食品の安全や医療、金融、公共事業など、国民生活のあらゆる分野に被害をもたらすもので、広範な国民から反対の声が上がっています。オバマ大統領はまた、会談で米国産牛肉に対する日本の輸入制限について進展が必要だと制限の緩和を要求、両首脳は協議を続けていくことで一致したと報じられております。昨年秋のマスコミは、TPPへの早期参加を、日本は乗りおくれるなと大合唱でした。TPPには、カナダや韓国の参加も見込まれる、ここで日本だけが置き去りにされることは避けなければならない、これは朝日新聞の2010年10月5日の社説です。こう書き立て、とにかくTPPに参加せよとせき立てていたのです。 TPPとは何でしょうか、改めて検証してみたいと思います。これは、貿易や投資の枠組みやルールを決めるものだということですが、世界の国々が貿易をする場合、それぞれの自主性、発展速度を尊重する場合は問題がありませんが、アメリカが勝つために貿易ルールを改編していこうというのがこのTPP問題です。もとからあるTPP、P4協定と言われる環大西洋戦略的経済連携協定は、2006年にシンガポール、ブルネイ、ニュージーランド、チリの4カ国が協定を結びました。ブルネイという国は、マレー諸島のブルネオ島にある小さな国です。人口41万人、天然ガスと石油の産出国です。シンガポールは、農業を持たず、中継貿易で支えた人口507万人の都市国家、ニュージーランドは知られるとおり、畜産、酪農品の輸出力の大きい国です。そして、チリは、南アメリカの南部、太平洋側に縦長の国土を持ち、銅、モリブデン、木材チップ、サケ、マスを輸出し、石油、そして石油製品、輸送機器、通信機器、天然ガスを輸入しています。この4カ国は、経済規模をあらわすGDPが小ぶりで、人口も少なく、特に国内市場が小さく、貿易に大きく依存した構造を持つ国々です。農業のある国、ない国、石油や天然ガスの出る国、出ない国など、役割分担をしながら経済連携を図り、関税率の原則撤廃を決めたこともこうした国々の特徴から対等に進められてきた議論の中でつくられたというものです。 しかし、今日本が参加するかどうか問題となっているのは、全く別のものです。新しいTPPは、略称は同じTPPですが、環太平洋連携協定、現在のP4に新たにアメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアの合計9カ国が交渉に参加、もとのTPPは協定の分野はそれほど大きくはありませんが、今回のTPPは医療、環境や労働など、幅広い分野にわたります。 農林水産省が示した品目別の影響試算で帯広の農業に大きくかかわる4品目を見てみますと、小麦は減少率99%で、生産減少額は800億円と言われています。ビートなどの甘味資源作物については、輸入品との品質格差がない、そのために減少率100%、減少額は1,500億円、でん粉、原料用のバレイショもビートと同じく品質格差がなく、100%輸入に置きかわり、生産減少額は200億円に上ると言われております。高級和菓子用を除いて置きかわると言われる小豆、この小豆でさえ71%の減少率で200億円の影響額があると言われている、帯広の農業基盤に大きく影響することは火を見るより明らかです。 帯広市の農業は、帯広のあらましで輪作体系を基本とする畑作と酪農がバランスよく営まれ、大規模で機械化された生産性の高い土地利用型農業が家族経営を主体に展開され、地域の基幹産業であるとともに、日本の食料基地としての役割を持っている。また、その役割は、安全で安心な食料を安定的に供給するとともに、豊かな国土の保全など、農業の多面的機能の発揮や関連産業との連携による高付加価値化や雇用の創出など、地域経済の発展に資するところが期待されていると示され、2010年度からは第5期帯広市農業農村基本計画がスタートしております。平成22年度の作付面積は、2万767.50ヘクタール、帯広市の面積の33.55%、3分の1を占めており、産出額も22年度で268億1,000万円と、ここ10年の推移でも250億円は下回らない、こういう安定的な状況を保っております。6月の私の一般質問への御答弁でも、市長はTPPには地域を挙げて反対すると答えておられますが、地域の意思を国に伝えるために市長は具体的にどのような行動を起こそうとするのか、お考えをお聞きします。 農業ともかかわる食の安全、放射能の問題についてですが、東日本大震災、そして東電福島第一原子力発電所の事故は、いまだに復興、終息のめどすらつかない深刻な事態です。放射線汚染の拡大は、これまでのどの災害とも異なった異質な危険を私たちに突きつけております。福島、茨城、埼玉、東京、神奈川、静岡を初め、宮城、岩手など、250キロを越える範囲にまでその被害が広がっています。こうした地域では、土壌、水道水、そして牧草、農作物、水産物の検査を行い、公表することで、その対策を速やかに行うことが求められているところです。セシウム、ストロンチウム、ウラン、プルトニウムなどの放射線各種は、その半減期が数十年から半永久的なものまであり、事故から25年が経過したチェルノブイリ原発事故では、今でもセシウム137の56%が残っていると報告されております。将来にわたって人間の命と健康を脅かし続ける危険を私たちは今体験しています。個々の人間に対する脅威にとどまらず、人間社会、地域社会そのものを破壊することも原発事故は示しています。チェルノブイリ原発事故では、半径30キロ以内は永久居住禁止区域となっており、福島から県外に避難している方たちへのアンケートでは、帰郷の見通しがない、こう答えた方が87%、家族別居の状況が52%など、生活そのものが破壊される状況にあることが浮かび上がっております。 帯広市のホームページでは、放射線測定情報として空間線量率は十勝総合振興局と十勝川温泉、そして水道水と芽室町の十勝農業試験場での農地土壌について沃素131とセシウム134、137の検査結果を公表しております。また、水産物は、シロサケ、カラフトマス、サンマ、秋サケ、秋サケ魚卵について、北海道のホームページの値を参照して掲載しております。きょうのホームページには、水道水は8月24日の検査結果が、農地検査は9月8日の結果、振興局で測定された空中線量のみが1日3回測定されており、その結果が更新されているようです。低線量被曝の蓄積について、子供への影響が大きいことが警告されています。チェルノブイリでも、25年たった今でも子供のがんの発生が非常に高いというデータがあり、まず正確な情報とその対処法が求められています。食の安心・安全への国民の関心は、この原発事故以来、大きく高まり、食料基地としての帯広の農業への期待も大きくなっています。市民の安全を守るという立場、そして食料基地としての役割を果たすという立場から、放射線測定を道に任せるのではなく、自治体として独自の取組みが必要ではないかと考えますが、市長はこうした状況にどのように対策をお考えなのかをお聞きいたします。 次に、子供の貧困について質問をいたします。 9月21日の新聞に、大変衝撃的な記事が掲載されました。札幌市の16歳の少女が覚せい剤取締法違反の疑いで札幌西署に逮捕されていたことを報道する記事でした。42歳の母親に勧められて覚せい剤を使用したのは、ことしの8月ごろから、さらに取り調べの中で小学校6年生ごろから母親が使う覚せい剤の購入費用などのために売春を命じられていたことを供述、その後の記事では、少女の母親と養父が数年前に覚せい剤使用で逮捕され、道内の児相が少女を一時保護し、児童自立支援施設に入所させ、ことし2月に退所させた後の6月に母親の勧めで覚せい剤を使用したということです。この事件に対しての新聞のコメントで、北大大学院子ども発達臨床研究センターの田中康雄教授は、児相や学校などすべてに少女の異状を見逃した責任がある、十分な検証と再発防止策を講じるべきだと指摘しております。 2010年7月、去年の7月、大変な暑い夏でしたが、大阪のワンルームマンションで置き去りにされた2人の幼児の変わり果てた姿が発見されました。数年前に離婚したという23歳の母親が、風俗店で働きながら子供たちをどこへも預けずに1人で育てていた。6月下旬、2人をマンションに閉じ込めて出かけ、そのまま2人が死んでしまうのを放置した母親は、警察の取り調べに、育児が面倒になったと供述したと報じられました。 こうした母親たちを責めることは簡単ですが、しかしそれだけではこうした事件を未然に防ぐことは困難です。虐待の根っこに貧困があるということをさまざまな研究者が述べています。日本の子供の貧困率を2009年に厚生労働省が初めて発表いたしました。貧困率というのは、すべての国民の年間の可処分所得を上から下まで並べて、その中央に位置する値の半分を貧困ラインと決め、貧困ライン以下の所得の人の割合を出したもので、相対的貧困と言われます。4人家族で年間所得が127万円というのが2006年の貧困ラインでした。このラインの中に子供がどれだけいるかが子供の貧困率です。2006年の日本の子供の貧困率は14.2%、子供7人に1人、30人のクラスなら相対的に貧困な子供が四、五人いるということになります。また、帯広市のゼロ歳から17歳までの人口の総数は2万6,481人ですから、貧困率を掛けると3,760人が貧困ライン以下の子供という数字もあらわれてきます。帯広市民の1人当たりの所得は、10年前の2001年には275万3,000円でしたが、2007年の調査で218万7,000円と、79.4%に落ち込みました。また、納税義務者のうち総所得が200万円以下の市民は2005年3万3,872人から2010年3万8,583人、114%に広がっております。子供の貧困は、子供のいる世帯の貧困問題がベースにあります。しかし、大人の貧困と違って、子供の貧困は人生の初めの時期の貧困体験、この貧困体験が人格形成やその後の人生に大きな影響を与える、総じて悪影響を与える深刻な問題を含んでいるのではないでしょうか。 もう少し帯広の子供たちの状況を見てみましょう。高校進学率は、2010年度98.6%に達し、ここ数年間、98%の後半を推移しております。しかし、帯広市の生活保護世帯の高校進学率を見ると、2010年度では94.50%、4.1%も低い進学率、ここ3年間では2009年度の90.16%が最も低くなっており、全体の進学率を8.64ポイントも下回っていることがわかります。 立教大学の浅井春夫教授は、子供の貧困は、まずその生活基盤である家族の経済的な貧困を土台にしてあらわれ、そして子供の生活必需品や教育関係費の欠乏、そして家族旅行やキャンプなど、子供時代に味わう楽しい経験が奪われていることを指摘しています。また、こうした経済的な貧困の土壌の上に、暴力そして貧困の文化が生まれる構図を解明しております。経済的貧困を土壌にして、貧困の文化、暴力の文化へと連動し、自暴自棄または自己破壊的な行動、暴力的な行動となってあらわれてくることは、私たちの周りに起こるさまざまな子供たちにかかわる事件を通して容易に想像できることではないでしょうか。 2009年7月に、北海道子どもセンターが北海道内の361人の小・中学校教職員から見た子供の置かれている状況についてアンケート調査を行っております。家庭で食事が十分とれていない様子の子供はいますか、こういう設問に39.6%の教師、143名の教師がいると答え、学用品、上履き、体育着、制服等の購入、校外学習費、部活動費等の支払いが困難な子供はいますかという問いに、37.7%がいると答えています。また、養育放棄が心配される子供がいるという設問には、いるという回答が23.8%、本、スポーツ、遊び道具、レジャー等で希望が満たされない様子の子供がいますかという問いに、45.2%の教職員がいると答えております。 国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩さんは、子供期の生活の充足と学力、健康、成長、生活の質、そして将来のさまざまな達成、学歴、就労、所得、結婚などには密接な関係があると述べております。子供の貧困の解決は、子供の成長の権利を保障するための重要な課題であると考えます。子供の貧困に対する市長のお考え、対策について伺い、1回目の質問といたします。 ○野原一登議長 米沢市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 杉野議員の御質問中、子供の貧困についてお答えいたします。 子供の幸せを願い、心身ともに健やかに育てていくことは、子供を持つ親だけではなく社会全体の責任であり、私たち大人が深い愛情を持って子供をはぐくんでいくことが何よりも大切であると考えております。しかしながら、近年我が国では長引く景気の低迷や非正規雇用者の増加に見られる雇用環境の変化などによりまして、家庭を取り巻く環境は厳しさを増しております。こうした経済的な環境の変化が子供の健康や生活習慣、学力や人間関係などにも影響を及ぼし、その後の就職や所得面などで社会的に不利な状況につながり、生活保護の受給に至るなど、いわゆる負の連鎖として顕在化することが強く懸念されております。厚生労働省では、こうした子供を初めとする貧困問題に対応するため、憲法が保障する国民の健康で文化的な最低限度の生活水準、いわゆるナショナルミニマムに関して基準や概念、指標のあり方、そして国と地方の役割などについて検討を行い、昨年6月に中間報告がなされたところであります。 帯広市におきましては、国の動向にも注視しながら、昨年策定いたしましたおびひろこども未来プランに基づき、発達過程に応じた総合的、継続的な支援を行うなど、子供の権利を守る観点から子供を社会全体ではぐくむ環境づくりを進めてまいりたいと考えております。 ほかの件につきましては、説明員よりお答えします。 ○野原一登議長 米倉農政部長。 ◎米倉進農政部長 私のほうから、TPPに対する行動への質問についてお答えいたします。 TPPへの参加によりまして、農業を基幹産業としている帯広・十勝では、農業はもとより関連産業も含めて地域経済に極めて深刻な影響が想定されているとこでございます。これまで、帯広市では北海道市長会や十勝圏活性化推進期成会、農業関係団体などと連携しまして、関係省庁に対して要請活動を行ってきているところでございます。また、消費者団体や地域の方々などが参加する集会などにおきましても、参加反対の意見表明を行ってきたところであります。今後も、地域の産業、経済を守り、我が国の食料供給基地としての役割を果たしていくため、全道市長会や十勝期成会を通した要請活動はもとより、農業団体を初め、さまざまな関係団体と連携しながら地域が一丸となってTPP交渉への参加反対を訴えてまいります。 また、TPP反対に対する市民意識を高めるため、農業の重要性やTPPによる影響につきましてホームページや広報紙等で周知を図ってまいりたいと思います。 次に、放射線に対する質問でございます。 北海道では、農畜産物の生産環境であります大気、水道水、農地土壌における放射能調査を定期的に実施して、公表しております。こうした測定数値に平常値との変化が見られないことや、放射性物質が検出されていないことから、放射性物質の飛散による影響は認められず、本市で生産されている農畜産物は従前と同様、安全であると考えております。今後も、こうした数値の推移を継続的に監視するとともに、放射能汚染への対応について情報収集に努め、安全な農畜産物の生産振興に努めてまいりたいと考えてるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 杉野議員。 ◆10番(杉野智美議員) ありがとうございました。 TPPから再質問をさせていただきます。 TPP交渉への参加の反対を地域が一丸となってさまざまな発信を行っていくという御答弁を伺いました。おっしゃるように、農業の重要性についても豊かな食の環境づくりとあわせて市民への周知を図ることが重要と考えます。TPPは、物の貿易で例外なき関税撤廃を進めるだけでなく、繰り返しになりますが、食の安全・安心を切り崩し、医療、労働、金融、中小企業、エネルギーなど、国民生活にかかわる広範な分野にかかわり、まさに日本の経済主権を損なうという大問題となります。 2010年12月、日本医師会は、日本政府のTPP参加に関する問題提起、日本医師会の見解を発表しております。まず、安全が最優先されなければならない医療の分野に利潤第一主義が持ち込まれる、アメリカの企業にとってのコスト削減を目的とした医薬品、医療機器の承認期間の短縮などが実施されれば、国民の命や健康よりも企業利益が大事ということが強いられることをこの見解は強く懸念しているものです。とりわけ、東日本大震災で大きな被害を受けた東北の3県、岩手、宮城、福島にとっては、米や牛肉、サケ、マス、また林業など、何にも変えがたい生活のとりでとも言えるすべてがTPPで根こそぎさらなる打撃を受ける、復興の展望が奪われる、未来が見えない状況に陥ってしまいます。JA全中が取り組んでいますTPPへの参加に反対する署名は、全国で大きく広がり、短期間で1,120万を超えたと発表されております。農業政策は、決して農業関係者のみの問題ではなく、何よりも国民全体のおいしく、安く、安全な食料が欲しいという願いにこたえることが基本と言えますし、この震災を通してさらに食の安全・安心への国民の願いが高まってると言えます。 放射線の測定についてですが、今の大気、水道水、農地土壌における測定値が安全であるというお答えで、今後も数値の推移を継続的に監視するということでした。先ほども申しましたが、ホームページに掲載されている日付ですが、水道水が8月24日の検査、それから農地土壌については9月4日という検査結果ですが、少し時間があき過ぎているのではないかというのが率直な思いです。 立命館大学の安斎教授は、今回の原発事故に対する考え方を積極的に発信しておられますが、大変興味深い内容がありますので、少し参考に御紹介をいたします。 福島第一原発には、1号機から6号機までが設置されていましたが、東日本大震災が発生したときに1号機から3号機が運転中、4号機から6号機は停止中でした。地震の揺れを感知した1から3号機には、制御棒が挿入され、核分裂連鎖反応は停止しました。しかし、核燃料棒の中には、運転中に蓄積された膨大な量の放射能が含まれており、これが運転停止後も強烈な放射能を出し続け、そのままではその熱で核燃料を溶融させるおそれがありました。また、4から6号機では、核燃料は原子炉の外の使用済み核燃料貯蔵プールに移されていましたが、使用済み核燃料も冷やし続けないと原子炉内の核燃料と同じ運命をたどる、つまり原子炉の中も核燃料貯蔵プールも常に冷却系が働いて燃料が過熱して損傷することがないように設計がされていた、こういうはずでした。ところが、大地震によって電源が失われ、冷却用のポンプが動かなくなった上に、そのときのために用意してあった非常用発電機の燃料貯蔵タンクが津波で破壊されてしまい、冷やされなくなった核燃料が発熱体となって燃料棒を溶かし、水と反応して水素ガスを発生させ、ついには1、3、4号機で原子炉建屋を吹き飛ばし、2号機では原子炉格納器を破壊、1、2、3号炉、炉心ですが、この炉内の核燃料が、また3、4号炉では使用済み核燃料貯蔵プール内の核燃料が、それぞれ過熱、損傷、破損、溶融するという事態が起こり、1、2、3号炉から沃素換算で37万テラベクレルから63万テラベクレルと大変大量の放射性物質の放出があり、レベル7相当と評価されたものです。 そこで、私たちが取り組むべき放射能対策ですが、過剰に恐れずというのも大切な考え方ですが、事態を軽視せずというのも忘れてはならない重要な視点ではないでしょうか。先ほどの答弁では、北海道で行う調査をこれまでどおり公表していく、今のところ安全と考えているという内容でした。福島原発から放出されたと推定される放射能は、沃素131換算で数京、京という単位ですが、数京ベクレルとされていますが、この数値は周辺地域の汚染状況から逆算されたもので、原発から直接海に漏れたり放出されたりした放射能も考えると、実際の放出量はもっと多かった可能性があるということです。沃素131は、半減期が8日と寿命が短いけれど、時間がたつに従ってセシウム137、半減期30年というような寿命の長い放射性物質だけが土壌などに生き残るようになるので、だんだん減りにくくなると言われております。かなり長期にわたって食品の放射能汚染の監視が必要であることを安斎先生は警告しておられます。 もう一つ、今回の事故の経過で注目しておきたいことがあります。今回のレベル7というのは、深刻な事故と判断される場合の状況です。レベル6が重大事故、そしてさらに深刻で最も重大、8段階に分類された最高の危険度を示すのがこのレベル7、この評価が出されたのは事故から約1カ月もたった4月12日でした。事故当初のレベル3からレベル4になったのは、1週間後の3月18日、一月後にようやくレベル7に変更されたのでした。原子力安全・保安院が、チェルノブイリに比べれば放射能放出量は10分の1程度と説明しても、多くの人々がこの期に及んで、なお事故の深刻さを小さく印象づけようとしてるのではないかと感じたのも、当初からの情報の不適切さが不信感となっていたからではないでしょうか。ふだんから正確な情報を伝え、信頼関係を築くことが、いざというときのメッセージが発信力、信頼性を持つために不可欠ではないかと考えます。いまだかつて世界が経験したことのない福島原発事故の被害がどのように拡大し、どのように終息させていくのか、政府の真剣な対策が急がれますが、自治体として取り組まなければならないことは何でしょうか。 市民の命と暮らしを守るために、とりわけ食の基地としての役割を発信する帯広市として、今の状況よりさらに取り組まなければならないことがあるのではないかと考えます。具体的な取組みとして次の4点を提案させていただきます。1つ、市独自で空中線量を測定する、ポイントを農地、水源地、学校、保育所などとする。2つ目に、水道水、農地の土壌、保育所や学校の土壌調査、そして農作物、学校給食食材など、定期的に検査を公表すること、3つ目に、市独自の安全基準づくりを行う。そして、4つ目、これらを実現するための放射能測定器を導入する、以上4点を提案いたしますが、お考えをお聞きいたします。 次に、子供の貧困についての再質問です。 まさに今日大きな問題になっていますのが、本来あってはならないものである貧困が連鎖されるという状況、こうした貧困の深刻化がさまざまな分野にあらわれているという御認識を市長から答弁をいただきました。今回の質問のためにこども課に資料の協力もいただきました。この資料は、戸籍住民課、総務課、市民税課、工業労政課、健康推進課、保護課、学校教育課、学校教育指導室、子育て支援課、南商業高校、財政課など10を超える部局にまたがったものでした。子供の貧困の解決は、一部の部課一部の予算づけで簡単に解決できるものではありません。だからこそ、市が総力を挙げてこの問題の解決に当たる取組み、担当部課はもちろん、専門家やこうした問題に取り組んでいるNPO、そして市民団体が力を合わせてその調査や対策を市民協働として取り組む機関、子供の貧困をなくす委員会、これを立ち上げることを提案いたしたいと思います。 子供たちの幸せになる権利を定めた子どもの権利条約が国連総会で全会一致で採択されて22年、一般原則として、第2条ではあらゆる差別の禁止、第3条では子供の最善の利益確保、第6条で生命、生存、発達への権利、そして12条、子供の意見尊重、この4つが大きな柱としてうたわれております。日本では、2000年に川崎市子どもの権利に関する条例が日本で初めて制定され、2011年1月現在26自治体、帯広市との姉妹都市、大分市でもことし5月5日こどもの日に施行され、十勝管内では芽室町、幕別町で制定されております。全国から大変評価を受けている例に北海道の奈井江町、人口6,300人の子どもの権利条例があります。 2002年、全国で2番目という早い時期にでき上がったこの権利条例ですが、条例制定に向かった一つのきっかけ、このきっかけは小学校低学年の子供が学校の前にある信号の押しボタンに手が届かない、こういう声が町民から町長さんに寄せられたことでした。これまで町が制定していた青少年健全育成のまち宣言、こういう宣言があったのですが、これは大人からの一方的な願いではないか、子供にとって子供の目線で何が最善の利益なのかを考えるべきだという発想がなかったのではないか、子供をまちの構成員としてとらえ直すことで、子供の目線に立った施策が模索される中、さきに制定されていた川崎市の条例にたどり着いたということです。条例作成のキーワードは、子供をまちづくりのパートナーと考えるということでした。2003年10月、奈井江町では、合併問題の住民投票が行われました。この住民投票に際して、子供投票が行われております。対象は、小学校5年生から18歳、2年間にわたる事前学習、町長と語る会、子供への説明には合併問題を担当する部局、企画部門担当者が学校に出向くなど、子供の関心や理解を深めた上で投票が行われました。子供たちが自分たちの問題として熱心に考えたことによって、周囲の大人にも大きな刺激になり、町民総議論のきっかけとなったと言われております。子供たちが大人以上に熱心に議論したことで、大人の意識が変化していき、子供を重要なまちづくりのパートナーと考えることが定着していったという取組みです。 子供の貧困をなくすという視点で帯広の子供たちの現状を見ていくということが、子供をまちづくりの重要なパートナーとして位置づけることの一歩ではないでしょうか。これまで市が作成し実現に向け力を入れてきたこども未来プラン、第六期総合計画をさらに進めるために、NPOや子供の幸せを考え行動するさまざまな団体、そして専門家や市民が力を合わせる、そしてそのコーディネートに一番ふさわしいのが自治体の仕事です。分野は違いますが、帯広市の中小企業振興基本条例を柱とした中小企業を支援する取組みが大きな成果を上げております。その具体化のために大きな力となっているのが産業振興会議です。産業振興ビジョンの推進のために中小企業者らがみずから手弁当で参加をして、研究や支援の提言を積極的に展開する、こうした独自の大変有意義な取組みから学んでいくべきではないでしょうか。子供の貧困を解決するための調査や研究、施策づくりための提言をこの委員会が中心となって行う、こうした体制をぜひ子供の貧困をなくす力につなげていけないものでしょうか。帯広市が呼びかけ、力を合わせて、子供みんなが幸せになるまちをつくるために、子供の貧困なくす委員会、名称は子供みんなが幸せになる委員会など、みんなで考えるといいと思いますが、まずはつくることを提案いたします。お考えをお聞きいたします。お願いします。 ○野原一登議長 嶋崎こども未来部長。 ◎嶋崎隆則こども未来部長 子供の貧困についてお答えいたします。 子供の貧困につきましては、経済的問題だけではなく、その保護者の生活意識や子育てに関する考え方などによりまして、衣食住を初め健康、発育、教育など、子供の権利あるいは虐待など、その要因や課題が複雑多岐にわたる場合も多いものと考えてるところでございます。こうした問題に対応するためには、私どもこども未来部だけではなく、庁内のさまざま部課などのほか、庁外の関係機関などとの連携が必要になるものと認識しております。 まずは、子供の施策に大きくかかわります庁内12部19課で構成されております帯広市子どもの施策推進委員会や子育て支援に携わる団体などで構成される帯広市健康生活支援審議会児童育成部会あるいは青少年健全育成にかかわる機関や団体などで構成されております帯広市青少年問題協議会などにおきまして意見交換などを重ねていくことが大切であろうと、そんなふうに考えてるところでございます。 以上です。 ○野原一登議長 米倉農政部長。 ◎米倉進農政部長 私のほうから放射能測定に関する部分についてお答えいたします。 現在北海道では全道の振興局が所在する14カ所で大気中の放射線量を測定し、公表しておりますが、十勝では市内東3条南3丁目にあります十勝総合振興局の敷地内において測定されております。また、水道水につきましては、帯広市内の蛇口から、さらに農地土壌につきましては芽室町の十勝農業試験場でサンプルが採取されておりまして、いずれも市内もしくは帯広市近郊で測定されておりますことから、現時点においてはこの測定結果をもちまして市内の安全性が確認できるものと考えているところでございます。 また、学校給食の食材などにつきましては、都道府県や保健所を設置している市及び特別区におきまして市場に流通する食品の検査を行っております。国が定めた暫定基準値を超えるものについては、出荷停止措置がとられておりますことから、安全性が確保されているものと考えているとこでございます。なお、国の暫定基準値でございますけれども、EUとも同基準でありまして、国際的な考え方に基づいておりますことから、安全基準として妥当なものと考えているとこでございます。 なお、放射能による影響でございます。 放射能による影響では、市民全体の安全にかかわるものでありますので、今後の対応につきましては関係部署とも協議しまして検討してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 測定機器の独自のは。部長、測定器の独自は、それは必要ないってこと。推測はされるけどね。 部長。 ◎米倉進農政部長 ただいま申し上げましたけども、測定器の導入でございますが、先ほどお答えしましたけども、放射能の影響、市民全体の安全にかかわるものでありますから、今後の対応の部分でございますけれども、含めまして関係部署とも協議し、検討してまいりたいと考えております。 ○野原一登議長 杉野議員。 ◆10番(杉野智美議員) すぐには導入しないということやその4つの提案に関しても今のところは安全だというお考えだということですが、放射能の対策についての4つの提案ですが、市民は今大変不安な暮らしを送っております。特に子供を育てている方たちにこういう不安が広がっていると考えています。インターネットでは、二、三万円から十数万円までさまざまな種類の測定器が販売されております。私の知人、小学生の子供がいる知人は、7万円の測定器を自分で購入して、そして自分で測定を始めました。学校給食の献立には、産地は表示されておりませんから、メニューに桃と出ていた日には帰ってきた子供に測定器を近づけて、測定値が高くないか確かめたというのです。外に洗濯物は干さなくなった、こういう赤ちゃんを育てるお母さんもいます。自分や子供を守るために、また電力会社や政府が情報を隠しているという疑いから、数万円の測定器を買って、はかり始めるという方は大変ふえている状況ではないでしょうか。 放射能測定の草分け的役割を果たして、元労働安全衛生総合研究所の研究員であられる方で、東海村の原発事故やチェルノブイリの事故の対処として放射能測定にかかわった経験を持つ木村さんという方が雑誌に書いておられました。市民や自治体の自主的な測定について機械に誤差もある、しかし必ず正しい値が出るとは限らなくても、自分の機械で同じ場所を数日間はかったら、こういう数値が出ていたのに急に上がったということを判断する目安、判断の目安にすることが大事だ、このようにおっしゃっています。また、測定についても、地上から1メートルのところと地上から10センチのところ、この2カ所がいいとおっしゃっています。地面に測定器がくっつくと、表面汚染してしまうので、10センチで十分地上の測定ができる。農畜産物の検査は、ベクレルモニターやシンチレーションという小型の分析装置や高性能の各種分析装置など、維持費も含めると1台数千万円と高額ですが、福島などでは市民団体もこの装置を設置する運動が広がっています。帯広は、この問題をどう市民に伝え、どう安心・安全を発信していくのか、それが基準値づくりにあるのではないかと考えます。 東京都練馬区では、ホームページに練馬区の放射線測定における対応基準値の考え方、こういうものを示しています。年間1ミリシーベルトと毎時0.24マイクロシーベルト、これがその基準値であると示しておられます。そして、その根拠として、自然界から受ける放射能と医療用放射能を除き、一般の人の生活モデルから計算式まで示して対応基準値としているわけです。こうした放射能に関する考え方を示すことも市民の不安にこたえることになり、そして保育所や学校など、子供たちの過ごす場所、農地、水の安全性を測定値を示すことで対策がおくれないこと、また信頼が高まるのではないかと考えます。 以上の点から、先ほど申し上げました市独自の空中線量をはかること、水道水、土壌の調査、安全基準づくり、そのための放射能測定器の購入を改めて求めたいと思います。 朝夕冷え込み、実りの秋を迎える十勝です。長雨の被害などもあり、金時、小豆など、豆類の色流れ、発芽など、品質や収量への心配もあり、自然と闘いながら農作業を行う皆さんの御苦労、大変なものであると思います。農業を中心に据えたまちづくり、このまちづくりを帯広から発信していくために、大きな障害となり得るTPPと、そして放射能被害の対策をつくり上げることが自治体としての重要な責務と考えますが、いかがでしょうか。お考えを最後に伺うものです。 子供の貧困の解決のために再々質問を行います。 こども未来部だけでなく、庁内のさまざまな部課や庁外関係機関との連携を図っていくとの重要性を認識されているという御回答だったと思います。大変重要だと考えます。 そこで、お話のありました庁内12部19課で構成されている帯広市子どもの施策推進委員会ですが、こども未来プランづくりに大変力を発揮した委員会です。しかし、このプランができ上がってからは、今開催されていない状況、また帯広市健康生活支援審議会は帯広市健康生活支援審議会条例の施行に基づいてつくられたものでありますが、年に三、四回の開催です。そして、地域福祉計画、けんこう帯広21、障害者計画、障害福祉計画、高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画、アイヌ施策推進計画、これらすべてをこうした多岐にわたる内容を審議するのがこの委員会の役割です。青少年問題協議会、こうもおっしゃったと思います。この会は、市長が会長に当たられているものですが、開催は年1回、こうして見るとおり、それぞれの委員会はそれぞれの目的のためにつくられ、運営されているもので、決して子供の貧困の深刻さを解消するための推進にはならないものではないかと私は考えます。お考えをお聞かせください。 さて、大変つらいことですが、今回の震災では多くの子供たちが命を失っております。宮城県石巻市大川小学校は、東日本大震災の津波で全校児童108人のうち74人の子供が亡くなったり行方不明となっております。 NHKが先日放映した特集番組では、まちに子供たちの姿が見えなくなってしまったかのような寂しさを住民の皆さんが感じていらっしゃる、子供を亡くしてしまった親や家族の悲しみ、そして生き残った子供の親や家族の皆さんも決してうれしいと笑ってはいられない、子供を亡くした家族と生き残った子供の家族とが話もできない、ぎくしゃくした関係、それぞれの苦しみが映し出されておりました。どうして全校児童の7割もの児童が津波にさらわれ、命を失ってしまったのか。取材の中で、地震発生直後、学校の校庭に出た児童と教職員は、迎えに来た保護者への児童の引き渡し、地域の避難所となっている学校にお年寄りなどが避難してきていた、学校の裏にすぐ山があったにもかかわらず、避難場所として選んだのは津波が押し寄せている河川敷、この河川敷を判断しました。地震発生から40分以上が経過した午後3時25分ごろ、ようやく避難を始めたが、その直後に津波が来たということでした。おれは早く山に逃げるべきだと思った、こう話した難を逃れた少年は、そう思ったけれども、みんなで大人が判断する結論をじっと待っていた。大きな揺れや、迎えに来た保護者の津波が来ているという情報などで騒然とする中、恐怖心とともに校庭で待つしかなかったのです。子供を亡くした一人の親御さんの、こんな思いをみんなが引きずることを亡くなった子供たちは望んでいない、こういう呼びかけで、子供を亡くした親も、そうでない親も、つらい思いを持ち合いながら集まり、語り合う会をテレビは映し出しておりました。これ以上学校を責めても、子供たちは帰ってこない、まず何があったのか、その事実を明らかにし、二度とこうしたことが起こらないように力を尽くそう、こう語る姿に私も胸がいっぱいになりました。 震災を機に、私たち大人が求められているのは、今までの考え方や取組み方を大胆に見直し、命を守る取組み、子供たちを守るための取組みを勇気を持って行うことではないかと考えます。子供たちをまちづくりのパートナーにしっかりと据え、子供の命を大人の責任として守る、帯広から子供の貧困をなくすためにこの子供の貧困なくす委員会が大きな力を発揮すると考えますが、改めてお考えを伺って、すべての質問といたします。御答弁をよろしくお願いいたします。 ○野原一登議長 嶋崎こども未来部長。 ◎嶋崎隆則こども未来部長 子供の貧困についてお答えいたします。 貧困問題に限らず、私どもが取り組む子供に関する事業の推進に当たりましては、子供を守り、子育てを支援する取組みというものを根底に据えて進めているところでございます。子供に関する計画策定時などにおきまして子供や若者の意見を聞くなど、パートナーとして施策の反映に努めてるところでもございます。今後も、子供や若者をまちづくりのパートナーとして位置づけまして、意見発表の機会の確保やまちづくりへの参画につなげてまいりたいと考えております。 お尋ねの執行機関の附属機関であります健康生活支援審議会、児童育成部会、また青少年問題協議会、こういったものがあります。子供を取り巻く環境変化や問題、課題、そういったものについてはやはりこの2つの附属機関に御意見をいただくと、そういうふうに考えております。また、庁内に設置しております帯広市子どもの施策推進委員会、こういったもので意見交換などを行ってまいりたい、そのように考えているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 米倉農政部長。 ◎米倉進農政部長 TPPへの対応でございますが、十勝・帯広は、農業を基幹産業としまして食品加工業を初めとする農業関連産業や大学、試験研究機関などが数多く集積しております。我が国の食料供給基地として食料自給率の向上や食料の安全供給に大きく貢献している地域でございます。今後とも十勝・帯広が我が国の食料基地としての役割をしっかり果たすとともに、地域の発展へつなげていくことが重要であります。さらに、十勝農業の優位性を生かしながら生産性の向上や生産基盤の整備、担い手の育成などに取り組みまして、消費者に信頼される安全で品質の高い農畜産物の生産を促進するなど、たくましく魅力ある農業の振興に努めてまいりたいと考えております。このことでTPPに対する対応のきっかけをつくっていきたいと考えております。 次に、放射能への今後の対応でございますけれども、先ほどもお答えいたしましたが、市民全体の安全にかかわるものでありますので、関係部署とも協議しまして検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野原一登議長 以上で杉野智美議員の発言は終わりました。 これをもちまして議案に対する大綱質疑並びに一般質問を終わります。 ここでお諮りをいたします。 ただいま議題となっております議案第101号から議案第113号まで及び報告第15号から報告第17号までにつきましては、13人の委員をもって構成をする決算審査特別委員会を設置し、これに付託の上審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○野原一登議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 なお、お諮りをいたします。 ただいま設置をいたしました決算審査特別委員会の委員に大林愛慶議員、楢山直義議員、北口孝志議員、高田雪子議員、鈴木正孝議員、稗貫秀次議員、今野祐子議員、藤澤昌隆議員、熊木喬議員、編田照茂議員、村田光成議員、富井司郎議員及び稲葉典昭議員、以上13名を指名したいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○野原一登議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 さらに、お諮りをいたします。 休会中における特別委員の辞任に伴う補充委員の選任につきましては、議長の指名により選任することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○野原一登議長 御異議なしと認めますので、そのように決定をいたしました。 なお、お諮りいたします。 ただいま設置をいたしました決算審査特別委員会に地方自治法第98条第1項の規定による書類等の検閲、検査にかかわる権限を委任いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○野原一登議長 御異議なしと認めますので、そのように決定をいたしました。 正副委員長互選のため休憩いたします。         午後4時21分休憩         ────────         午後4時32分再開 ○野原一登議長 再開いたします。 ただいまの休憩中に決算審査特別委員会が開催されまして、委員長に富井司郎議員が、また副委員長に大林愛慶議員がそれぞれ互選されておりますので、これを御報告いたします。 ここで委員長にごあいさつをお願いいたします。 富井司郎決算審査特別委員長、登壇願います。   〔富井司郎決算審査特別委員長・登壇〕 ◆27番(富井司郎議員) ただいまの決算審査特別委員会におきまして私が委員長に、大林愛慶議員が副委員長にそれぞれ指名をいただきました。6日間の決算審査特別委員会でございますが、皆様の22年度決算に対する積極的な審議をお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ○野原一登議長 以上で本日の日程は全部終わりました。 ここでお諮りをいたします。 本会議は、委員会審査等の都合により、10月5日から16日まで休会したいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○野原一登議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。したがって、次回の本会議は10月17日午後1時から開きます。 本日はこれをもちまして散会いたします。         午後4時34分散会...