帯広市議会 > 2007-09-28 >
03月13日-06号

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  1. 帯広市議会 2007-09-28
    03月13日-06号


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    平成19年第1回 3月定例会〇議事日程日程 番号事件番号内  容  等第1  会議録署名議員の指名について第2議案第3号平成19年度帯広市一般会計予算議案第4号平成19年度帯広市国民健康保険会計予算議案第5号平成19年度帯広市老人保健会計予算議案第6号平成19年度帯広市介護保険会計予算議案第7号平成19年度帯広市中島霊園事業会計予算議案第8号平成19年度帯広市簡易水道事業会計予算議案第9号平成19年度帯広市農村下水道事業会計予算議案第10号平成19年度帯広市ばんえい競馬会計予算議案第11号平成19年度帯広市駐車場事業会計予算議案第12号平成19年度帯広市空港事業会計予算議案第13号平成19年度帯広市水道事業会計予算議案第14号平成19年度帯広市下水道事業会計予算議案第15号帯広市中小企業振興基本条例制定について議案第16号帯広市ばんえい競馬実施条例制定について議案第17号帯広市ばんえい競馬振興基金条例制定について議案第18号帯広市ばんえい競馬財政調整基金条例制定について議案第19号帯広市事務分掌条例の一部改正について議案第20号帯広市職員定数条例の一部改正について議案第21号帯広市職員給与条例の一部改正について議案第22号帯広市職員の勤務時間等に関する条例の一部改正について議案第23号帯広市職員の分限及び懲戒に関する条例の一部改正について議案第24号帯広市特別会計条例の一部改正について議案第25号帯広市行政財産使用料条例の一部改正について議案第26号帯広市手数料条例の一部改正について議案第27号帯広市シルバーいきいきプラザ条例の一部改正について議案第28号帯広市児童保育センター条例の一部改正について議案第29号帯広市道路占用料徴収条例の一部改正について議案第30号帯広市都市公園条例の一部改正について議案第31号帯広市体育施設条例の一部改正について議案第32号北海道市営競馬組合の解散について議案第33号北海道市営競馬組合の解散に伴う財産処分について議案第34号市道路線の認定について  一般質問について     ──────────────〇会議に付した事件 議事日程に同じ     ──────────────〇出席議員(32人)    1番       熊 木   喬    2番       有 城 正 憲    3番       山 崎   泉    4番       清 水 拓 也    5番       村 田 光 成    6番       大竹口 武 光    7番       後 藤 美智子    8番       北 口 孝 志    9番       市 原 秀 朗    10番       佐々木 とし子    11番       富 井 司 郎    12番       小 森 唯 永    13番       稗 貫 秀 次    14番       渡 辺 和 寛    15番       児 玉 文 雄    16番       大 石 清 一    17番       鳥 越   進    18番       高 佐 芳 宏    19番       村 中 庸 晁    20番       稲 葉 典 昭    21番       荻 原 昭 勝    22番       栗 田 律 子    23番       谷 内 利 夫    24番       佐々木 勇 一    25番       上 野 敏 郎    26番       山 本 日出夫    27番       笹 村 二 朗    28番       石 井 啓 裕    29番       安 田 正 雄    30番       黒 田   弘    31番       野 原 一 登    32番       鈴 木 孝 昌     ──────────────〇欠席議員(0人)     ──────────────〇出席説明員 市長          砂 川 敏 文 助役          道 見 英 徳 助役          河 合 正 廣 公営企業管理者     遠 山 真 一 教育長         安 達   伸 代表監査委員      黒 田 義 直 企画部長        本 迫   哲 総務部長        佐 藤 秀 樹 財政部長        佐 藤 好 則 市民部長        藤 田 満 雄 緑化環境部長      北 川 誠 司 保健福祉部長      竹 川 信 一 商工観光部長      松 山   豊 農務部長        西 田   譲 都市開発部長      星   哲 博 建設部長        橋 本   聰 上下水道部長      山 内 利 美 学校教育部長      山 本 雅 雄 生涯学習部長      敷 本 澄 雄 選挙管理委員会事務局長 松 田 吉 正 監査委員事務局長    荒 岡 健 司 農業委員会事務局長   小 川 博 史 消防長         塚 田   潔 教育委員会委員長    舩 津 龍之輔 選挙管理委員会委員長  田 中 鐵 雄 農業委員会会長職務代理者吉 田 信 代     ──────────────〇事務局出席職員 事務局長        須 賀 重 雄 書記          斉 藤 達 也 書記          藤 川   研 書記          佐久間 一 紀 書記          本 江 宏 子 書記          相 澤   充 書記          石 津 邦 久 書記          森 川 芳 浩 書記          島 田 敏 之     ~~~~~~~~~~~~         午前10時0分開議 ○野原一登副議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ~~~~~~~~~~~~ ○野原一登副議長 ここで諸般の報告をさせます。 ◎須賀重雄事務局長 報告いたします。 本日の出席議員は、ただいまのところ31人であります。 次に、本日の議事日程でございますが、お手元に配付の議事日程表第6号により御了承いただきたいと存じます。 報告は以上でございます。     ~~~~~~~~~~~~ ○野原一登副議長 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、5番村田光成議員及び6番大竹口武光議員を指名いたします。     ~~~~~~~~~~~~ ○野原一登副議長 日程第2、議案第3号平成19年度帯広市一般会計予算外32件を一括して議題といたします。 これから昨日に引き続き、議案に対する大綱質疑並びに一般質問を行います。 通告がございますので、順次発言を許します。 初めに、鳥越進議員に発言を許します。 17番鳥越進議員、登壇願います。   〔17番鳥越進議員・登壇・拍手〕 ◆17番(鳥越進議員) おはようございます。 私にとって今議会が3期12年の議員活動における最後の舞台になります。このことを心に刻み、質問に入りたいと思います。 それでは、通告に従い、市長の政治姿勢と市政執行方針について伺います。 市長には今議会冒頭、市政執行方針を表明され、あわせて全会計で1,401億円余の当初予算案を提案されましたが、そこには帯広市のトップリーダーとしての強い決意、情熱、説得力を全く感じられない空虚で抽象的表現に終始したものでありました。その代表例は、連続12年間にわたり多額の欠損金を出して解散する競馬組合の清算金、本市負担分の現在確定分だけでも10億4,000万円と、今後の最終清算でさらに数億円が必要と想定されておりますことを考えれば、責任論は後でも、まずは冒頭において正式に市民に釈明するのが常道であり、人間砂川敏文市長のとるべき道ではなかったのかと見解を伺うものであります。 第2ステージでありました岩見沢市との2市開催協議破綻によって一時は全面廃止の危機にあった同事業は、北海道の開拓とともにあった馬文化をなくすな、また世界で唯一のばんえい競馬の継続を、はたまた競馬関係者生活圏確保のためにも帯広市単独開催をとの熱烈な声と関係者の多額な寄附などを受ける中、民間事業者との協力関係で単独開催となりましたこの事業は新たな火種を抱えたことにもなりましたが、全国的にも大きな関心を呼び話題となりましたことは帯広の歴史上最大級のものでありました。新生帯広ばんえい競馬の未来に大きな希望と可能性とエールを授かったと言えます。今後に帯広市は主催者としての責任を確立し、関係者の協力のもと健全経営を図り、長期にわたってこの事業が開催されますよう要望するものであります。 次に、屋内スケートリンク建設について伺います。 市立病院建設は市財政上懸念があるとして当選した砂川市長には、今度はSS建設は財政上懸念があるとして、19年度事業予算が計上されている今も反対の声は少なくないのであります。長野市のエムウェーブに次いで国内2場目となるこの施設は、全国的に見ても注目度の高い施設であります。しかし、国及び道からの補助額が明らかでない今日、異論があることは当然であります。市財政の圧迫の懸念を減らす努力を一層進めるとともに、市民理解をより広くより深くする努力も、事務方任せではなく市長御自身の情熱と誠意ある対応を期待してやまないのであります。 次に、市長の給与関係について触れたいと思います。 市長の場合、平成7年に103万円でありましたものが平成15年には臨時的処置として97万9,000円、17年にはさらに92万7,000円、そして18年4月からは87万5,500円と3回にわたって引き下げを行ってきております。これは報酬等審議会等の答申を受けて実施しているものもあり、市長の地位と職責を考えれば決して高額と言えないものと認識しているのでありますが、しかし市長が昨年4月に受けた退職金2,472万円の計算の基礎となる月額給料は現に受けていた額ではなく引き下げ前の額であったことを市長は承知しておられたのでしょうか。これによって市長の受取額は100万円程度多くなったのであります。 当時といいましても昨年の4月、当時の小泉総理が経済財政諮問会議で、知事や市長の退職金は高過ぎる、私も退職金は要らないから知事や市長もあきらめたらどうかと提案し、ニュース等を通して全国に発信されましたが、これらについての感想があれば伺いたいと思います。 次に、行財政改革と職員給与についてであります。 今や全国自治体における事務事業、財政構造の変革は待ったなしの状況にあります。帯広市におきます行財政改革の取組みは、砂川市政下にあって成果を上げたものも少なくないのであります。代表的なものは平原学園東明寮の民間移譲やごみ収集、除排雪、保育所、公の施設の民間委託や指定管理者制度導入などなどでありましょう。これは公共が行うことがいかにコスト高になるかということの裏返しでもあります。また、行政体はコスト意識が低く、コストに対する責任体制を導入しにくい一面を内包し、財政負担を重くする宿命があります。そこに、低能率高コストの直営ではなく、民間でできることは民間に転換する必要性が生じるのであります。 さて、平成19年度予算案において職員給与費は全会計で131億6,000万円であり、嘱託職員及び臨時職員を加えた人件費総額は150億円でありますが、この中には数々の不適切な諸手当が含まれており、結果として市財政に重荷を負わせ、かつ行政不信と社会的不公平をもたらしていることを指摘せざるを得ません。ただ、現在基本給の臨時措置として17年度2%、18年度にはさらに2.5%を追加し引き下げていることについては評価しておりますが、次の3点について伺いたいと思います。 その1は55歳昇給停止の件であります。 国は既に、高水準にある国家公務員の55歳昇給停止を平成17年度より実施しております。帯広市においても17年度実施としておりましたが、18年度においても実施されておらないのであります。どうなっているのかを伺いたいのであります。 その2は管理職手当についてであります。 帯広市の管理職職員は平成18年度当初で256人、道内でもトップを競う比率であります。予算額も1億8,000万円に上がっております。今日的状況からすれば、管理職の人数及び手当額の大幅な削減をすべきと思うのであります。 次に、退職手当について伺います。 帯広市は大量退職時代を迎えて支給すべき退職手当の財源に苦慮して、財政負担の平準化を図るとして、向こう10年間にわたり各年度10億円を超える額を退職手当債なる市債、いわゆる借金をして利息を払って対応するとして、今議会に18年度分7億8,000万円が提案されているのであります。制度の活用とはいえ、本来避けなければならないものであります。まさに市財政の逼迫度、硬直化を表象する政策の選択であります。 ちなみに本年度退職手当の総額は20億5,000万円、うち定年退職者の最高額は約3,000万円、平均で2,611万円と聞くのであります。他方、民間における退職手当の実態は、北海道経営者協会加盟100社の平均で、大学卒で1,425万円、高校卒では1,390万円と、ちょうど2分の1程度なのであります。ましてや帯広市内の優良企業、有名企業にあっても推して知るべしであります。 これらのことを考えますとき、官民格差、不公平感の強い退職手当を現行のまま保存し、借金までして支給することの妥当性は崩壊していると言わなければなりません。また、地方公務員法第14条は、社会一般の情勢に適応するように随時適当な処置を講じることを原則とすることを規定し、これらの観点からしても早期に退職手当は見直すべきものと思いますが、市長の見解を伺い、1回目の質問といたします。 ○野原一登副議長 砂川市長、登壇願います。   〔砂川敏文市長・登壇〕 ◎砂川敏文市長 おはようございます。 鳥越議員の御質問中、初めにばんえい競馬についてお答えいたします。 北海道市営競馬組合によりますばんえい競馬につきましては、レジャーの多様化や長期的な景気の低迷、ファン層の高齢化などの環境変化から、地方競馬市場シェアも下落傾向をたどっておりまして、年々売り上げが減少する状況になったものであります。このため、平成17年2月に構成4市と競馬組合作業チームを編成しまして、ばんえい競馬経営再建5カ年計画を策定して経営安定化を図ってまいりましたが、効果的な改革策とはならず、結果として経営破綻を招き債務を負うに至りましたことは、副管理者の一人としてその責任を重く受けてとめているところであります。 地方競馬を取り巻く環境は依然として厳しいものがありますものの、今後は民間企業との連携のもと、市民の皆さんや全国のファンの皆さん、競馬関係者や地元の企業などに御支援、御協力をいただきながら、多くの皆さんに親しまれるよう、世界で唯一のばんえい競馬を引き続き開催してまいりたいと考えているところであります。 次に、屋内スピードスケート場の整備についてお答えいたします。 スピードスケートは、帯広、十勝の自然環境や気候風土に根差した北国の冬のスポーツ文化として地域が誇る財産であります。現在のリンクは老朽化やフロンガスの問題から早期に改修を進める必要がありまして、改修に当たりましては屋内化を図るということで競技力の向上が見込まれますとともに、冬季スポーツの拠点施設として地域発展の基盤となるものと考えております。 整備に係る支援につきましては、国の補助が当初私どもの想定を上回る見込みになったことに加えまして、北海道とのこれまでの協議などから、道の支援につきましても見通しは確かなものと考えております。引き続き協議を重ねていく考えであります。 また、これまでも議会での論議やまちづくり懇談会などさまざまな機会を通じて市民の皆さんとの情報の共有化に努めてきたところでありますが、今後とも積極的な情報提供に努めてまいる考えであります。 次に、私も含めた特別職の退職手当算定基礎額についてでございますが、退職手当につきましては平成15年1月からは準本則の引き下げ額を適用していることは承知をしているところであります。また、現在の特別職の退職手当につきましては、条例等に基づいた基礎額と支給率に応じ、任期ごとに支給をしているところでありますことから、適正なものと判断しております。 小泉前総理の発言についてでありますが、真意のほどは定かではございませんが、退職手当につきましても給与と同じく社会経済情勢などに応じて的確に見直されていくべきものと認識をいたしております。 ほかの件につきましては、説明員よりお答えいたします。 ○野原一登副議長 佐藤秀樹総務部長。 ◎佐藤秀樹総務部長 御質問中、給与関係についてお答えいたします。 まず、55歳昇給停止についてお答え申し上げますが、当該制度につきましては国の2年おくれで導入する形で国に準じたものでございますが、平成19年度には給与構造改革を導入いたしますことから、勤務実績反映の精神に基づき、制度として55歳昇給停止が解かれることになるものでございます。 次に、管理職手当についてお答え申し上げます。 まず、管理職の配置におきましては、それぞれの自治体における行政課題あるいは組織形態に応じてなされるべきものでございまして、本市におきましても同様の考え方に基づきまして配置しておりますけれども、今後とも的確な配置に努めてまいりたいと考えております。 管理職手当につきましては、厳しい財政状況や地域の経済雇用環境の中で行財政改革によりまして平成15年4月から額の削減等を実施してきておりまして、さらに第二次の行財政改革におきまして当分の間5%の削減としております。また、平成17年度、18年度の2カ年にわたりまして本給の臨時引き下げ、さらには平成19年度以降につきましては給与構造改革の導入による本則の4.8%を引き下げ、さらに市の独自縮減措置ということで役職加算の凍結とともに当該手当の5%削減を継続し、総人件費の抑制に努めてまいります。 次に、退職手当についてお答えいたします。 本市の退職手当制度は国に準拠したものでございまして、退職時の基本給を基礎に勤続年数に応じた支給となっております。新年度におきましては、給与構造改革の導入により地域給の反映、年功的な給与上昇の抑制や勤務実績の反映を目的の柱といたしまして見直しを実施いたしてまいります。このことによりまして、御指摘ございました民間との比較におきましては、退職手当の基礎額となる基本給が地域給に見直されますことから、より適正化が図られるものというふうに考えております。 以上でございます。 ○野原一登副議長 17番鳥越進議員。 ◆17番(鳥越進議員) 2回目の質問は意見、要望として申し上げ、特に答弁を求めるものではありません。 ばんえい競馬赤字清算に関する市長の責任は、不作為責任であります。すなわち、なすべきことをなさずして事態を悪化させた責任であります。これらのことから、賠償責任はないんでありますね。いわゆる政治責任でありましょうか。まずは本議会冒頭においてタイムリーに、かつ謙虚に釈明すべきではなかったのかと、このように求めたものであります。 屋内スケート場問題では、1問目で申し上げましたように既に事業予算が本議会に提出されております。財政を憂う市民の声や事業の優先度などから、今もって深刻な対立関係にあることは極めて好ましからざる状況であり、換言すれば信頼度の希薄の結果であります。市長の誠意ある対応を願いたいと思っているのであります。 次に、給与関係、給与は本来職務と能力、責任に応じたものであるべきで、ただ引き下げればよいという意味でこれまで指摘したものではありません。しかし、これまでにも是正措置を講じてきたものもありますが、小幅だったり先送りされてきたものは枚挙にいとまがないのであります。平成19年度予算案によっても、正職員平均給与は1人当たり約900万円になりますが、市内民間の社員では半額程度でありましょうか。退職金についても前段で指摘しましたが、道内優良企業でも平均1,400万円、帯広市職員は2,600万円と、約1.9倍の現実に驚くとともに、その退職金を支給する財源がないからといって借金をして利息を払って対応する、この矛盾を私は感ずるのであります。 今後、自治体の財政運営は一層厳しさを増すものと覚悟せねばなりませんときであります。退職金手当についても、その適正化に向けて19年度からでもすぐ手をつける努力をされるよう求めるのであります。 今、心ある市民は市財政のあしたを憂い、注目しております。市長を初め幹部職員の皆さんみずからの懐ぐあいを気にしながら取組むようでは成果は上げられず、市民の信頼も得られないでありましょう。行革は、行政経費の縮減のほかに信頼の確保も命題であります。行革の確かな道筋をつけて、確かな結果を積み上げて、未来に夢と希望の持てるまちづくりに挑戦する力を蓄えるとともに、財政的にも安心なまち帯広、そして日本の快適都市帯広を目指して頑張っていただきたいものと願う一人であります。 以上で私の質問は終わらせていただき、最後に、冒頭で申し上げましたとおり今期を持って引退することにいたしましたので、御礼のごあいさつを申し述べさせていただきます。 顧みて、私の3期12年の出発点は、還暦も過ぎた平成7年の高橋幹夫市長の2期目のときでありました。当時は文化ホールの契約に関する疑念や安定利用に対する所有者との争いや北愛国開発にかかわる問題で、議会も行政も揺れていたときでありました。また、既に行政改革に取組んでおりましたが、給与問題は国庫準拠、錦の御旗として全国的な護送船団と言われておりました時代背景もあって、著しい不適切な部分ですら労使交渉不調として先送りされていたものでした。以来私は、市役所が、そして議会が善良なる市民各位から信頼され敬愛されるためには、給与問題を含めた内部改革改善こそが急務であり市長の主要な職務であるとして、一貫して一般質問のたびごとに議論してまいりましたことから、市長を初め職員の皆さんには大変不快な思いや天敵のごとく思われた方も少なくないなあと察するところであります。しかし、議場における質問は本日が最後であります。本日を含めて失礼の段は平に御容赦いただきたいと、かように思うところであります。 最後になりましたが、市長を初め理事者、職員の方はもとより、議員の皆様には長年にわたり御芳情を賜り、充実した議会活動を終えることができましたことに心より厚く御礼申し上げ、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手) ○野原一登副議長 鳥越進議員、ありがとうございました。 砂川市長。 ◎砂川敏文市長 答弁は要らないというお話でございましたけども、私から一言。 鳥越議員におかれましては今期限りで御勇退ということでお聞きをいたしました。この間3期12年の長きにわたりまして議会で御活躍をいただきました。特に行財政改革の推進につきましては、議員との間での数々の論議が思い出されるわけであります。行財政改革というものは、長期的な展望に立って、時代の変化に市の行政の執行のあり方を適応させていくというためのものでございます。自治体が将来のために前に進むために実施をしていくという視点につきましては議員と同じ考え方でありまして、議論を通しまして何よりも大切なことの一つであります職員の意識改革にもつながったのではないかなというふうに考えてございます。 また、緑化政策や商店街の振興などにつきましても、御自身の経験を踏まえまして貴重な御提言をいただきましたこと多々ございました。改めて感謝の意を表しますとともに、今後とも市政に対しまして貴重な御提言等々、別の立場からいただきますようお願い申し上げまして、一言のごあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございます。 ○野原一登副議長 ありがとうございました。 以上で鳥越進議員の発言は終了いたしました。 次に、北口孝志議員に発言を許します。 8番北口孝志議員、登壇願います。   〔8番北口孝志議員・登壇・拍手〕 ◆8番(北口孝志議員) それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。 昨年2006年7月、世界貿易機関WTOは、多角的貿易交渉の主要国6カ国の非公式閣僚会議の中で決裂をし、交渉の無期限凍結が決定いたしました。交渉凍結に至った対立の構図は三すくみと表現されました。これは輸入品に高い関税をかけることで国内の農業を守っている日本や欧州連合、EUでありますが、農業輸出国である米国、豪州、ブラジルが求める関税削減に抵抗、一方英国も国内の農家を多額の補助金に頼り、EU、ブラジルから大幅な削減を迫られておりました。自動車や電気機器、鉄鋼などの鉱工業製品分野では、高関税で国内産業を守っているブラジル、インドなどの開発途上国に対し、先進国が一致して関税削減を求めていたのであります。この農産品の関税、農業補助金、鉱工業製品の関税の3つの削減分野をめぐる対立が解消できなかったことが交渉凍結の最大の要因とされています。 世界貿易機関は1995年1月発足し、2006年9月末現在149の国と地域が加盟しており、前身は1947年に発足したガット、関税と貿易に関する一般協定であります。世界大恐慌により主要国が保護貿易主義に走ったために第二次世界大戦を招いた反省により結ばれたもので、戦後の自由貿易体制のよりどころとされてきました。これに対し、自由貿易協定FTAは、特定の国や地域の間で物品やサービス貿易の障壁を削減、撤廃する協定であります。また、経済連携協定EPAは、貿易やサービスの自由化だけでなく知的財産、制度や人の移動、投資ルール、経済協力など、FTAよりも幅広い分野で共通のルールを定めるのが特徴であります。 日本政府が締結を進めているのはEPAで、既にシンガポール、メキシコ、マレーシア、フィリピンの4カ国と締結が完了し、タイ、チリ、インドネシアの3カ国とは大筋で合意をしております。このほかに東アジアEPA構想というものがあり、ASEANの10カ国と日中韓、インド、豪州、ニュージーランドの計16カ国でEPAを結ぶ構想があります。経済産業省は2006年4月、関係省庁に根回しをせずに提案し、物議を醸しましたが、関係諸国の経済大臣とは民間レベルでの研究会を発足させることで合意をしております。しかしながら、農林水産省の当然の反発に加え、仲間外れにされた米国は不快感を示しております。現在日本の農業を揺るがしている、いや、北海道農業を、十勝農業を揺るがしているオーストラリアとのEPA交渉は、このような過程があって今行われております。日豪経済連携交渉は、米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖など日本農業と競合する品目の割合が高く、日本の経済社会に甚大な打撃を与えることが予想されております。 この3日、音更町のアグリアリーナに全十勝の農業者、そして商工業者、労働界団体、消費者団体の方々など3,000名の方々が集まり、日豪経済連携協定に対して食料と地域の将来を考える十勝大会が開催され、私も参加させていただきました。主催者あいさつの後、各界代表による意見表明があり、来賓として参加していただきました中川義雄参議院議員及び中川昭一政調会長の発言に会場は波を打ったように静まり、参加者が聞き入っていたことは、この国際交渉がいかに重大で深刻な関心事かを参加者が共有しているあらわれと身をもって感じた次第であります。 中川政調会長は、WTOや豪州とのEPA交渉の実情を説明され、この十勝大会の一番の重要性はWTOで、守るべき最低ラインを改めて確認することだと言われ、大変厳しい交渉だが、きょう集まった皆さんや日本じゅうの皆さんのような人たちが全力を挙げて政府を応援していくことが最も強力な力になると発言されました。しかし、政府には、中国などの経済発展により豪州からの鉄鉱石、石炭、レアメタルなどの鉱物資源が入ってこなくなることを恐れている工業界を初めとする財界からは、市場開放を求める強大な圧力を受けているのも事実であります。先進国最低の自給率40%は、それだけ日本は農畜産物の市場開放が進んだあらわれと思っております。 そして、ことしより始まった品目的横断所得政策はWTOの取り決めに沿ったものの、輸入品に対する迎合を意味し、国際交渉を難しくするものであると私は思っております。折しもオーストラリアのハワード首相はこの11日より4日間の日程で来日されていますが、この意味はどんなところにあるのでしょうか。不安が募るところであります。 今から107年前、札幌農学校出身の新渡戸稲造は、世界的ベストセラー「武士道」を書きました。その最終章で、彼は日本人が開国した真の理由について触れております。富国強兵は後から考えられた手段であって決して目的ではない、欧米列強から見下され支配されるような劣等国だけにはなりたくない、民族の強い自尊心、いわゆる武士道こそが明治の日本がみずからグローバル化を選んだ最大の理由だと書いておられます。今私たちにそのような高邁な理想はあるのでしょうか。もはや地方に住む我々にとっても、経済の世界規模での動きをいち早くキャッチして対応しなければならない時代に入ったと言えるのではないでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 農畜産物、工業製品、サービス、投資、人の移動などの国際的動きが知られているところでありますが、この動き、いわゆるグローバル化の進展をどのように今後なっていくのか予測されているのか、市長にお伺いをいたします。 また現在、国は基本計画の中において食料の自給率40%を45%に引き上げることを目標にして農政を進めておりますが、市長はこの目標が達成されるか、どのように達成されるか、お伺いをいたします。 また、現在の国の農政においてどのようにあるべきか考えておられるのか、所見についてもお伺いをいたします。 次に、農村の振興についてお伺いをいたします。 ことしは、帯広市に川西村、大正村が合併をいたしまして、昭和32年でありますが、以来50年が経過する節目の年を迎えております。帯広市史をひもといてみますと、川西村が大正村から分村独立したのは大正13年2月であります。既にそのころから当時の帯広町への合併説が一部にあり、その後公式に、あるいは私的に川西の一部を帯広市に合併する話し合いは何回も繰り返され、戦後もまたそれを反復してとどまることを知らなかったと帯広市史には載っております。戦後川西村は、合併の話し合いが調う昭和31年9月までに、帯広市の編入の住民運動を初めとして、合併をめぐって村長と議会の対立から村長不信任と村議会解散など、農協、農民同盟、村民同志会などの組織も巻き込み激しい論議が行われたわけでありますが、双方ともに住民福祉の増進を図り文化的生活を目指したもので、その内容は現在でも十分通じるものがあります。当時は戦後の混乱期であり、交通の手段もこれとなかった時代にこのような高邁な論議が行われたことに、また先人の見識の高さに敬意を表するものであります。 一方対照的に、大正村の合併問題は帯広、川西にとっては意表をつくものでありましたが、大正にとってはむしろ必然的な経過がありました。昭和31年9月28日、調査研究を進めていた中札内村との合併を大正村村議会は決定いたしましたが、中札内村はこれを拒否、たまたま翌29日、帯広市と川西村の議会が合併を決議したことを知り、急遽帯広市との合併の機運が高まったものであります。概略でありますが、こうして帯広市、川西村、大正村の合併が行われ、住民の創意工夫によって、また行政の協力を得ながらそれぞれの地域でまちづくりが進められ、今日を迎えております。 この間、昭和36年、農業基本法が制定されたのに伴い農業も大きく発展し、大正地域においても学校、保育所の改築、市営住宅、病院、消防出張所、各コミュニティセンター、健康センター、道路、上下水道など、まちとして必要な基盤整備がなされ、さらに特別養護老人ホームなど多くの福祉施設の配置がなされてきました。しかし、合併当時は5,800人余りを数えた人口も、近年横ばいが続いているとはいうものの、現在は3,500人前後に減少し、市街地集落より商店が減り続けております。以前のにぎわいを思うとき、さみしい限りであります。 そこで、市の農村市街地や集落における振興策及び定住に関して基本的な考え方をまずお伺いいたします。 また、観光拠点及び地域住民の交流の場所として愛国、大正、幸福の各ふれあい広場が設けられていますが、現在までの利活用状況についてもお伺いいたします。 特に、高齢者の貴重な足として大正乗り合いタクシーがスタートして3年が経過しようとしておりますが、その実績についてもお伺いをいたします。 次に、僻地保育所と学童保育についてお伺いしますが、僻地保育所については平成17年に保育協会の解散に伴って、保育所としては市内初の指定管理者制度が導入され、2年が経過しようとしております。内容に応じて保育時間の延長や1、2歳児の入所ができることになったなど、親にとって好ましく改善されたわけでありますが、これまでの児童数の推移あるいは職員の配置状況についてお伺いいたします。 また、7カ所の保育所は施設の老朽化が目立ってきたところであると聞いておりますが、各施設の建設時期をお知らせください。 さらに、今年度平成18年度4月から、地域の親の強い要望によって農村部初の大正児童保育センターが大正小学校内に設置されましたが、これも好評であり、19年度は入所児童数が増加していると聞いておりますが、この状況についてお伺いをいたします。 以上、質問申し上げ、1問目とさせていただきます。 ○野原一登副議長 砂川敏文市長、登壇願います。   〔砂川敏文市長・登壇〕 ◎砂川敏文市長 北口議員の御質問中、グローバル化についての対応についてお答えいたします。 高度情報通信技術の進展や輸送ネットワークの整備などによりまして、国境を越えて人、物、金あるいは情報などが移動が盛んになって、活発になってきております。そうしたグローバル化の進展によりまして、我が国の経済はもとより国民生活に大きくかかわるものでありまして、グローバル化の中で世界経済の発展に貢献していくということが重要になっていると思います。一方で農畜産物に関する関税撤廃の動向など、我が国の農業、さらには食料の安定供給の確保に重大な影響を及ぼすことも危惧されますことから、こうした課題への対応が求められるものと考えております。 我が国の食料自給率の低下は国民の食生活の変化が一つの大きな要因と考えておりますけれども、食料自給率の向上には国や自治体、農業者や農業団体、さらには消費者など、関係するすべての人々が連携して取組む必要があります。帯広市といたしましては安全安心な農畜産物の生産振興を図りますとともに、食生活の見直しや地産地消、食育など、生産、消費の両面からの取組みを推進することが食料自給率の向上につながっていくものと考えております。 国の農政についてでありますが、農業は国民の大切な食料を供給するだけではなく、国土の保全や水源の涵養、文化の伝承などの多面的な機能を担っているものでありますことから、その持続的な発展につながる農政の確立が必要であると考えているところであります。 次に、農村地域の振興についてでありますけども、現代社会はゆとりや安らぎ、さらには心の豊かさということがより求められてきております。農村におきますすぐれた自然環境や景観あるいは農業体験などを通し、都市との交流を広げて、農業、農村の持つこうした多面的な機能を貴重な財産として守り育て、全国に発信していくことによりまして、都市と農村の相互の理解が深まり、農村の活性化につながっていくものと考えているところであります。 また、農村部の人口はコミュニティの維持を初め地域の活力に大きく影響するものでありますことから、農業に従事される方のみならず、豊かな自然や田園環境などを求めて農村部に居住を希望する人たちの定住を促進するため、安心して生活できる環境整備や特徴を生かした魅力づくりを地域とともに進めることが重要であると考えているところであります。 農村は人と人とのつながりや活動が盛んな地域であります。今後とも地域の創意工夫によりまして、農業、農村の持つ資源や力を最大限に生かしますとともに、地域の皆さんはもとより関係機関や団体などとの連携を図りながら農村地域の振興に努めていくことが大切であると考えているところであります。 ほかの件につきましては、説明員よりお答えいたします。
    ○野原一登副議長 竹川信一保健福祉部長。 ◎竹川信一保健福祉部長 ただいまの御質問中、僻地保育所、児童保育センターに関する部分についてお答えをいたします。 まず、僻地保育所の入所児童数につきましては、平成17年度217名、18年度218名、19年度213名と、ほぼ横ばいとなっております。このうち1、2歳児は17年度45名、18年度46名、19年度49名となっております。 次に、運営をお願いしている指定管理者の職員の配置状況につきましては、各年度とも川西地区の所長2名、大正地区の所長1名の3名を含め、30名の職員体制を基本に、必要に応じ低年齢児担当や障害児担当のパート職員を配置しております。 次に、各施設の設置年度につきましては、古い順に昭和54年に川西保育所、56年には大正のことぶき保育所、清川保育所、57年に広野保育所、58年に上帯広保育所、平成に入りましてからは平成3年に富士保育所、同7年に愛国保育所をそれぞれ竣工しております。 次に、今年度から設置いたしました大正児童保育センターにつきましては、昨年4月1日に19名の入所でスタートしております。その後、農繁期での増減はございますが、20名前後で推移しておりましたが、本年4月の入所予定児童数は新1年生の希望が多く、38名となっております。学校内ということで、児童の増に対し、本市が間に入りまして委託事業者と学校との調整を十分に図り、児童が安心して通所できるよう対応してまいりたいというふうに考えております。 私からは以上でございます。 ○野原一登副議長 松山豊商工観光部長。 ◎松山豊商工観光部長 御質問中、ふれあい広場の利活用状況と乗り合いタクシーの利用実績につきましてお答えいたしたいと存じます。 初めに、ふれあい広場の利活用状況についてでございます。 昭和62年2月の旧国鉄広尾線廃止後、ことしで20年を迎えました愛国、大正、幸福の各駅周辺は、観光拠点及び地域住民の触れ合いの場としてそれぞれ広場の整備を進めてきているところでございます。 愛国につきましては、現在平成20年度の完成を目指し整備を進めてございますが、新年度には、一昨年整備いたしましたひまわり畑や本年度整備いたしました朝市スペースが新たな観光資源になると考えているところであります。 大正につきましては、平成12年度にログハウスのカニの家を新築し、平成13年度の供用開始以降延べ9,700人の旅行者が利用しております。また、来場者が1万人を超えます大正メークインまつりあるいは勤労者フェスティバル、地域交流感謝祭、サンキューフェスタなど、イベント広場としても多くの方々に利用されてございます。 幸福につきましては、平成14年度からハッピーセレモニーが行われ、これまで管外客を中心に1,451組のカップルがセレモニーを行っております。また近年、台湾など外国人観光客の観光ルートにもなっており、日本人のみならず多くの観光客が訪れております。 次に、乗り合いタクシーの利用実績についてであります。 大正地区の乗り合いタクシーにつきましては、地域の不採算路線にかわり、地域住民が使いやすい公共交通の形態につきましてさまざまな角度から調査検討し、地域特性や利用者ニーズの視点から、登録した利用者が事前予約により利用できる乗り合いタクシーの導入を進めてまいりました。導入に先立ち、平成15年度には実証実験運行を実施し、地域に定着が図られましたことから、平成16年4月から本格的に移行しております。この間、利用者の需要にこたえ、たび重なる運行改善を進めており、昨年10月にはこれまでの地域内運行に加え、市内乗り入れを実施するなどの効果もあり、2月末現在で利用登録者数は445名、平成18年度の利用者数は今年度2月末現在で3,622名となり、平成16年同期比約1.6倍の利用者増となっております。 以上であります。 ○野原一登副議長 8番北口孝志議員。 ◆8番(北口孝志議員) それぞれ御答弁ありがとうございます。 今農村を歩くと、重い空気に包まれております。一つには、その名前と裏腹に今までの所得が目減りすることが明らかになった品目横断的経営安定対策が始まったからであります。もう一つは、日豪経済連携協定の交渉の行方によって、余りにも大きい甚大な影響を帯広の農業に与えようとしているからであります。 私がこのような経験をするのは2回目であります。平成5年、時の細川内閣は、今まで米は一粒たりとも輸入しないとの3回の国会決議を押し切って、ミニマムアクセス米を輸入すると年の暮れに発表いたしました。今、国民の大半はすっかり忘れておられると思いますが、この年は日本じゅうが大冷害の影響を受け、米の不作が決定的となり、中国やタイなどの東南アジアから輸入をしなければ食べる米の不足を解消できないという大騒動が起こりました。 当然のごとく我々帯広農業も冷害の大きな打撃を受け、年の暮れから離農者が続出し、多くの農地が売りに出されました。しかし、今まで意欲を持って営農に取組んでいた周辺の農業者も、先行きの不透明さから農地の買い入れに難色を示し、売買の話し合いは難航いたしました。農地の売買はその農事組合の一大事であります。農地を売りに出す農業者のこれからの生活も考えなければならないし、買ってもらう農業者の今後の経営も考えなければならない、農事組合の役員さん方は一冬かけて幾度も会合を開くなどあちこち駆けずり回り、すべての売買が調ったとき春先を迎えておりました。私はあのときの農村の空気の暗さが脳裏に焼きついて離れないのであります。 先ほど市長からグローバル化について、食料の自給率について、国の農政について御答弁をいただきました。豪州とのEPA交渉は外の圧力と言われておりますが、今やトヨタ、ホンダ、日産を初め、東芝、ナショナル、ソニー、NECなどに象徴される日本の多国籍企業はグローバル化の潮流の中で世界じゅうを席巻しております。そして、自分たちの保身のために政府に圧力をかけ、農業をこの潮流に差し出そうとしている内圧に加担しているのが今日の姿であると私は思います。 今グローバル化の波はそれぞれの国の国境を乗り越えることによって世界じゅうの農業が苦悩しております。アメリカ、EUの農業さえもです。特にアフリカの開発途上国のほとんどにEUからの農畜産物が流入をし、今まであった生産性も割と低い農業に対して壊滅的な打撃を与え、貧困に拍車をかけ、農地が荒廃しているとテレビで報道しておりました。なぜアメリカの国々は関税をかけて国内農業を守ろうとしなかったのか。それは、EUはアフリカ諸国に経済援助を与えており、関税をかければこの援助の打ち切りを示す外交政策をとっているからであります。しかしながら、テレビを見ても新聞を見ても本を読んでも、私の知る限りにおいてこのグローバル化の流れはとまらず、ますます進展し加速するというのが一般的な見方です。 では、帯広、十勝の農業はどうなるのか。アフリカ農業の道をたどるのでしょうか。そのような中で、北海道の農業は手足を縛られている感があります。牛乳は今年度全国で198万トンという限度数量で枠がはめられており、ビートにおいては全道で64万トンという枠があります。このほかに小麦、バレイショ、小豆、サイトウ、大豆には指標面積という枠が課せられております。特に牛乳とビートは各自農家の持ち分が決められており、これをオーバーすればその分はただ同然の価格になるペナルティーがあります。さらに、これに農家が当然やらなければならない輪作を守るというおきてがあります。 このような状況の中において、このたびの品目横断的経営安定対策の導入というさらに大きな枠がはめられたのであります。これは小麦、てん菜、でん粉バレイショ、大豆の4品目について、平成16年度より18年の3カ年の平均の収入を今後保障していくというものであります。これには農業者からも十勝管内町村長からも異論の多くが出されております。その一番大きなものは、ビートの算定のあり方にあります。平成18年度のビートは大不作で、十勝の共済金の支払い高は16億7,500万円余りとなり、史上2位となったところでありますが、生産量及び品質も加味される制度であるため例年より低い反収実績となってしまい、低い水準として今後の保障となってしまうからであります。 今日までの農業が発展してきた要因は、10アール当たりの収量をいかに上げるかという努力であり、それがまた励みとなり、次の目標に向かって今日を築き上げてきました。それがこのたびの安定対策では、基準より増収をしてもわずかな収入としかならず、不満の残る要因であります。食料基地と言われている北海道の農業がこのような状況になっている現在において、生産の現場にいる者として自給率向上など全くあり得ないことと肌身で感じるのであります。現に全国の農業算出額は、平成12年度で9兆2,500億円余りであったものが現在は8兆5,000億円と言われており、自給率の実際は40%を切ったと私は考えております。 新しく就任された松岡農林大臣は、今後日本の農畜産物の海外輸出を1兆円規模に拡大すると言明されました。そのほか、現在帯広において盛んにバイオ燃料の研究開発も進められておりますが、この2つの国策に、以前から私は何か釈然としないものを感じておりました。確かに帯広の農業において長いもなどの海外輸出は大きな成果をおさめているところであり、ここ2年は価格の低迷をしているとはいうものの、重要な輸出産業と認識しているところであります。私が現在の国の農政の疑念を持っていることは、農水省の基本的な考え方の中に、国産農畜産物と海外の輸入品との品質、特に安全性において何の疑いもなく同一の見方をしているのではないかということであります。 医食同源、私もこの考え方を推進しなければならないと思っております。だからこそ、日本の農業は全農畜産物に生産の履歴を保障するトレーサビリティを苦労しながら実施しており、それは日本の国民の健康を守るため行っているのであります。輸入される小麦には、虫とカビを防止するために必ずポストハーベストが使われているのは余りにも有名であります。輸出国においてトレーサビリティを実施している国はあるのでしょうか。自給率40%の食料において、国の農政の毅然とした基本姿勢を私は心から求めたいと願っております。 日豪の経済連携協定に見られるようなグローバル化は今後ますます進展すると思いますし、お話を申し上げたように、これからの農業は停滞することが予想されております。しかしながら、そのようなことがあってはならないことであります。 そこで、再度市長にお伺いをいたします。 地産地消の考え方は今後ますます重要になってくると思いますが、帯広市内はもちろんのこと、全国レベルまでの展開が輸入品に対抗する手段と思いますが、市長は今後どのような視点で対応されようとしているのか、お伺いをいたします。 国の予算では、地産地消に7億9,000万円ほどが計上されておりますが、市においてこれらを含め具体策があればお伺いしたいと思います。 また、市内のあるスーパーは、本州の大都市圏へ地元の農畜産物の売り込みを既に行っているとお聞きしましたが、エコーファーマーの商品に人気があるそうであります。この認定状況についてお伺いをいたします。 十勝産小麦の消費については、学校給食、また市内において実際にパン屋さんなどで使用されておりますが、小麦の製粉工場の設置が望まれております。地産地消を確かなものにするため施設の新設が望まれており、取組みの考え方を改めてお伺いをいたします。 次に、農村地域の振興についてであります。 基本的な考え方はわかりました。農村市街地や集落にも空き地や空き家があり、これらの有効利用が今後大きな課題になると私は思います。特に大正地域には福祉施設が多くあるわけでありますが、職員の皆様のほとんどが通勤をしているというのが実態であります。地域の住民の協力と民間の力をかりながら住宅建設などをして、定住促進を図っていっていただきたいと思います。その考え方についてお伺いをいたします。 帯広市内の中心市街地には、新しく中心市街地活性化基本計画に見られるようにダイナミックな動きがありますが、郊外商店街の活性化には余り有効な対策は行われていないような印象を受けておりますが、農村市街地を含め、郊外商店街についてどのように考えておられるのか、今後の方向性についてお伺いをいたします。 大正乗り合いタクシーについての御答弁もいただきました。事業者及び行政の協力のおかげで好成績を上げていることがわかりました。今後とも研究を重ね、サービス向上を図られることをお願いいたします。 次に、各ふれあい広場の件でありますが、それぞれ特徴を持った利用がされておりますが、帯広市の重要な観光施設であり、市民の憩いの場所でもあります。今後の利活用の考え方と方向性についてお伺いをいたします。 次に、保育所関係についてお伺いをいたします。 僻地保育所の施設は老朽化してると聞いておりますが、18年度補正予算で僻地保育所の改修費を計上いたしました。その後の状況はどのようになったかをお伺いいたします。 また、1、2歳児の多いことが御答弁でわかりました。農村部においても父母の要望がこれほどあったのかと驚いているところでありますが、それでは今後の児童人口について推計があればお知らせをください。 また、学童保育については学校の放課後を子供たちが安心して過ごすことができる環境であるため、希望が多いわけでありますが、今後入所率が高まっていくものと思いますが、大正小学校以外での整備について年次計画があればお知らせをいただきたいと思います。 以上申し上げまして、2問目とさせていただきます。 ○野原一登副議長 砂川敏文市長。 ◎砂川敏文市長 地産地消の取組みについてでございますけれども、農業を守って、そして農業、農村を持続的に、かつ安定的に発展させていくためには、消費者の信頼確保に向けた安全安心な農畜産物の生産振興ということとともに、農業への理解を深めるための食育や地産地消の推進が重要であると考えているところであります。こうしたことから、帯広市におきましては食の安全安心推進プランを策定しまして、その中で地産地消の推進を位置づけ、さまざまな施策を展開しているところであります。 平成19年度につきましては、昨年も市民の皆さんに大変好評でありました帯広大朝市を競馬場と帯広のまちなか歩行者天国の2会場に拡大をしていくほか、地場産小麦の利用拡大や地場農産物の小規模加工の推進などの事業を実施してまいりたいと考えているところであります。 ○野原一登副議長 竹川信一保健福祉部長。 ◎竹川信一保健福祉部長 御質問中、僻地保育所等に関する部分についてお答えをいたします。 初めに、今年度補正予算による僻地保育所の維持補修の状況でございますが、指定管理者と打ち合わせを行いながら、ことぶき、川西、富士、広野、愛国の各保育所の屋根の修繕や広野保育所のフェンスの補修を実施してきております。 次に、農村部の児童数につきましては、本年4月には213名が保育所に入所申し込みをされておりますが、その背景となる農村部全体の児童人口は245名と推計しております。今後におきましては、平成20年度では222名、21年度には201名と減少していくという推計をしております。 次に、児童保育センターの設置計画でありますが、19年度には川西小学校内に児童保育センターを設置する予定でございます。他の小学校区につきましても、本市子どもプランに基づきまして平成21年度まで設置をしていきたいというふうに考えております。 私からは以上でございます。 ○野原一登副議長 松山豊商工観光部長。 ◎松山豊商工観光部長 御質問中、十勝産小麦の製粉工場についてお答えをさせていただきたいと思います。 小麦の製粉工場につきましては、十勝産小麦によるパンですとかピザ、さらにはラーメンなどの取組みに注目が集まるなど、地産地消の機運が高まってきております。十勝の代表的な農産物でございます小麦の高付加価値化向上が期待できますことから、設置の可能性につきまして研究会を設けるなど、検討していきたいと考えております。 次に、郊外商店街の活性化とふれあい広場についてお答えを申し上げたいと存じます。 初めに、郊外商店街の活性化策についてでありますが、御承知のとおり郊外に形成されております商店街は6商店街がございます。これら商店街組織では、それぞれの地域に根差した商店街として地域特性を生かした商業活動を行っているものと認識しておりますが、やはり近年の厳しい経営環境の中にありまして大変な御苦労を強いられているものと推察いたしております。こうした中、商店街の束ね役でございます帯広市商店街振興組合連合会では、商店街の自慢の商品やサービスなどを消費者にアピールするため、一店一品発掘事業を計画しております。一方では、昨年実施いたしました帯広まちなか歩行者天国のさらなる発展を目指し、郊外商店街と連携という視点を加味したイベントについても開催に向けた検討を行ってると伺っております。 元来、商いの原点というのは事業者個々の自助努力が基本であり、そうした個々人の活力が商店街全体に波及していくものと考えておりますので、意欲を持った取組みを期待するものでございます。今後は中心市街地の商店街活性化はもとより、郊外商店街の振興を見据えた歩行者天国の有効活用を市民の皆様とともに進めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、中心市街地も郊外も同様に、地域全体が活性化することが不可欠であります。各商店街が共同で取組む事業に対しましては、我々はともに汗を流しながら積極推進をしてまいりたいというぐあいに考えております。 次に、ふれあい広場についてであります。 それぞれのふれあい広場におきましては、愛国におきましては交通博物館、大正はイベント広場、幸福は大型バスにも対応した駐車場やトイレをそろえた道の駅的な鉄道公園といった特徴を持っております。 新年度、愛国地域においては朝市スペースを活用した農産物の販売などを計画されてる予定と伺っており、市においては幸福駅の気動車の塗装や駐車場を含めた周辺の環境整備を要請しております。また、大正地区におきましては現在地区の振興計画の策定作業が行われており、今後は各ふれあい広場の特徴を生かし、農村景観や農産物、地域の食といった地元にある資源と関連づけた利活用について、地域の方々と一体となりまして取り組み、地域振興に努めてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○野原一登副議長 西田譲農務部長。 ◎西田譲農務部長 地産地消の御質問中、エコファーマーの認定状況についてお答えいたします。 持続性の高い農業生産方式の導入に関する法律に基づいておりますエコファーマーの認定状況につきましては、平成18年度までにバレイショ、長いも、ゴボウ、メロン、カボチャの5品目31戸が認定されているところであります。今後ともエコファーマー及び北海道のYES!cleanの認証農家の拡大に努め、本市のクリーン農業の推進を図ってまいりたいと考えております。 ○野原一登副議長 8番北口孝志議員。 ◆8番(北口孝志議員) 御答弁ありがとうございます。 3回目は要望とさせていただきます。 まず、前後しますが、農村地域の振興についてであります。 農村部においても児童数が減少傾向にあるとのことでございます。学校、保育所は何といっても地域の核であります。短絡的に統合や廃止をしていくことは、人口の減少や活力の減退につながってまいります。しかしながら、保育所のさらなる充実が求められており、児童保育センターと学校の連携などで総合的な考え方で計画をつくっていく必要と考えておりますので、その点をよろしくお願いをいたします。 僻地保育所についてでありますが、市内初の指定管理者制度の導入は保育時間の拡大や1、2歳児保育には大変よいことで、父母の要望に沿ったものであり、さらに専任の所長が常駐していることは子供、職員の管理面で充実が図られ、よかったと心から私も思っております。しかしながら、計画が実施までの期間が短かったために、十分な検討がなされないまま踏み切った印象が残ります。保育協会時代には父母がそれぞれの保育所を運営していたところでありますが、当初は父母と法人との間で十分な意思の疎通ができ上がらないままスタートしたことがまず第1点挙げられます。 2点目は、施設面において1、2歳児について専用の部屋がないまま受け入れを開始したことであります。また、施設の老朽化のため、屋根の雨漏り、トイレなどに問題があったほか、遊具においても古くなり、園児がとげが刺さるのを防止するためにガムテープで補修するなど改修が必要でありましたが、御答弁がありましたように解消されつつありますので、引き続き充実に努められますようお願いをいたします。 僻地保育所は認可外保育所のため、職員の配置や施設の基準が認可保育所に比べ恵まれていないことが挙げられます。加えて、パート職員についても帯広市内から来てもらわなければならず、遠距離のため、その時間だけという確保が難しいことであります。帯広市内と僻地保育所に保育の質の差が生じてくるおそれがありますので、改善を要望いたします。 4点目は指定管理者制度そのものについてでありますが、市と業者の契約は5年間ということですので、理論的にはたびたび業者が入れかわる可能性があるということであります。これでは保育の一貫性が欠け、父母と職員とに連帯感が欠如してまいります。農村部においても認可並みの体制で保育を受けたいというのは当然の願いであります。人間を育てていく施設に指定管理者制度はなじまないのではないかと私は思うところであります。この制度の見直しの検討をお願いしたいと思います。 次に、農村市街地及び集落への定住促進について、空き地、空き家の調査をしていただき、商工会、町内会などの協力を得ながら入居者への情報を発信すべきと考えております。その点よろしくお願いをいたします。 以前にも申し上げましたが、現在景観のよい里山に居住を希望し、住んでおられる方々も数多いわけでありますが、そのような場所が農村の中に点在をしております。周辺農地への悪影響を与えかねないところもあり、今後の行政コストもかさんでくると思いますので、庁内では検討されていると伺っておりますが、早急なルールづくりを改めてお願いを申し上げます。 申し上げましたように、ことしは合併50年を迎えております。今議会には大正、川西両地区の記念の地域振興策に対する補助金の予算案が提出されております。大正地域にあっては、連合町内会が主体となって昨年春先より協議が幾度となくされ、まとめ上げたものであります。この中には、地域のさらなる発展を願う振興計画策定委員会が3年をかけ計画を樹立した2つの案も入っております。これとはまた別に、地域内には花を植えるなど環境美化に対する実績もあります。ここに来てまだまだ芽の段階と言えるかもしれませんが、地域はみずからの手でつくるという住民自治の考え方が形となってあらわれてきていることに心強いものを感じる次第であります。このことは小森唯永議員、清水拓也議員の御協力によるところが大きいわけであり、感謝を申し上げます。市におかれましても、各種事業がスムーズに進行されますよう、お力添えをお願いをいたします。 次に、帯広市のグローバル化への対応についてであります。 一昨日の農業新聞に、オーストラリアとのEPA交渉は4月23日より開催されることが決まったと報じておりました。交渉の期限は設けていないが、7月の参議院選挙が終わった早い段階で山場を迎えることが予想されるとありました。そうなることは、農業にとって悪い結果が待っているということであります。オーストラリアの農業の平均面積3,300ヘクタール、日本の帯広の農業の平均面積約30ヘクタール、どうやって対抗していくのか、だれもが答えを出さないでおります。しかし、悲観論者が天体の神秘を解明したことはないし、地図にない土地を発見したこともないし、人間の精神に新しい地平を切り開いたこともないとヘレン・ケラーは書いております。ノルマンディー上陸作戦の指揮をとり、後の大統領になったドワイト・アイゼンハワーは、あけすけにこう語っております。悲観論で勝てた戦いはない。どうも私たちは柔軟な考え方を持たなければならないときを迎えているようであります。 私は農業を継いでから40年が経過しようとしております。馬による畜力時代からトラクターによる機械化農業へと著しい変化を経験した世代であります。近ごろの消費の動向、以前と比べると特徴があるということが強くこのごろ感じております。それは消費が細かくなったとも言えるし、反面個性的になったとも言える現象でございます。例えば私の若いころは乗用車は日産ブルーバードとセドリック、トヨタはカローラとクラウンしかなかったわけでありますが、今は名前のわからない車が何十種類もまちを走っております。以前の住宅は、家族は居間に全員おりましたが、今は2世代、3世代住宅とかで、それぞれの夫婦が部屋に閉じこもっております。我々が使うポテートハーベスターでさえ、経営に合わせて一台一台違うものを使っております。旅行でも、以前は団体旅行でありましたが、今は二、三人のグループのお客さんが多いと言われております。電話は以前は家に1台であり、家に帰ってから使っておりましたが、今や家族全員が持ち歩きながら使っております。しかも、歩きながら使っております。恐らくこの議場に持ち込まれている携帯電話は全く同じ型のものは一台もないと思います。また、コンビニエンスストアは3,000種類以上の商品を店に並べ、24時間若者の来るのを待っております。今、世の中に起こっているこのようなさまざまな現象が正しいとするならば、農業における商品もこのような売り方が重要になってくるのではないかと私は考えております。 今日までの人類の富に関して3つに分けられる考え方があります。人類がこの地上に登場して種をまくことを覚え、家畜を養うことを知り、農業が始まったわけであります。農業という第1の波がゆっくりと全世界各地に広まって、農業文明と呼ばれるものが生まれたわけであります。この波は長い時間続いたわけであります。17世紀後半に起こった産業革命は、あらゆるものが大規模化し、大量生産、大衆教育、マスメディア、大衆文化などを生み出しました。工業経済は拡大し続け、農業で暮らしていた祖先が想像すらできなかったほどの豊かな富を生み出すことになりました。これが第2の富の波であります。現在における姿であります。これら工業化社会から経済中心主義が生まれ、文化、宗教、芸術は二次的な重要性しか持っておらず、すべてが経済が決定しております。ところが、最新の新しい富の波は、現在まさに爆発的に広まっているのであります。この第3の波の大勢は、サービス、試行、実験など知識が中心となり、工業社会のすべての原則に挑戦しているわけであります。第3の波の革命的な富では知識の重要性が高まっていく、この結果経済は大きなシステムの一部というもとの地位に戻り、かわってよかれあしかれ文化、宗教、倫理などが舞台の中央に戻ってくるという考え方であります。これは社会学者アルビン・トフラーとハイジ・トフラーの富の考え方であります。 知識時代の始まりの現象はあらわれております。例えばニセコ町のまちづくり基本条例、また栗山町の議会基本条例が発表されると、行政や議会関係者の多くの人々が観光地ではないそれぞれのまちへ視察に押し寄せたのは知識の集約の結果であり、寡少ではありますが地域の経済に貢献したはずであります。また、動物の習性をたくみに利用して展示するという知識は、旭川動物園にあのようなにぎわいをもたらしたのであります。また、私たちはもし医者にがんを宣告されれば、一瞬でその不安から逃れるためにお医者さん並みのがんの知識を持つようになると思います。最近の医療過誤による訴訟の多発は、患者が医療情報を習得しやすくなったあらわれであります。多い少ないはあるにしても、これらの事象は知識が経済を引っ張ったことのあらわれであります。 トフラーは言います。第1の波の農民が今の農具を使って生み出せる土地生産物は限度がある。第2の波の機械的な大規模農業でも、環境に打撃を与えることなく生産できる量には限度がある。環境修復費用を考慮すると、生産性はそれほど高くない。だが、第3の波の知識に基づく農業であれば、生産できる量は事実上全く限度がない。だからこそ、人類が土地を耕すようになってから最大の変化が今始まろうとしていると言えるのである。農村が外部から豊富な知識を吸収できるようにすることが何より重要である。農民がこれまでなら無関心だと思えた事項を知る必要に迫られる。だから、インターネット、携帯電話、テレビ電話、これらの後継技術は、農業の歴史を通じてくわやすきが不可欠であったように、将来の農業に不可欠なものになるだろう。グローバル化の大きな波にさらに洗われようとしている農業に身を置く私にとって、トフラーのこのような考え方は暗やみに一筋の光を見出した思いがいたします。 知識の時代が到来するということであれば、シンクタンク的市役所の役割は今後ますます重要性が高まってくると思います。農業にとっても、今後は農業情報のみならず他産業の販売面など、情報は農業側にとって貴重なものでありますし、そのほかにも教育福祉についても食という部分だけとっても重要であり、市の役割は大きいわけであります。市の役割について何より大事なことは、市内にある巨大な2つの農協とさらに融合することにおいて農政を推進していただくことにあります。農協における販売の現場は実に厳しいものがあります。市長におかれても職員の皆様におかれても、なお一層現場に足を運んでいただき、時期におくれないよう情報を交換して、さらに進展する農業に対応することをお願いをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手) ○野原一登副議長 以上でグローバルな北口孝志議員の発言は終了いたしました。 暫時休憩いたします。 再開は午後1時といたします。         午前11時47分休憩         ────────         午後1時0分再開 ○鈴木孝昌議長 再開いたします。 次に、黒田弘議員に発言を許します。 30番黒田弘議員、登壇願います。   〔30番黒田弘議員・登壇・拍手〕 ◆30番(黒田弘議員) それでは、質問に入ります。 初めに、市長の政治姿勢であります。 それの要旨を申し上げますと、市長の政治姿勢では帯広市、十勝の10年先はどう見られていますか。どんなかじ取りをしようとされていますか。 その2は、市長の軸足は私流に言わせていただきますと、市民、常に市民、どこまでも市民と思います。市民を思うとき、時の問題に対して間髪入れずして物申してはどうかということであります。例えば、女性は子供を産む機械、こんな論がありました。市政執行では、防災と耐震構造は命をキーワードに密接不可分にあります。制度改正を働きかけるなどしながら、対応の心構えが必要ではないかと申し上げるところであります。 ばんえい競馬では砂川市長が騎手となり、馬遺産、文化、観光などを大義に、そりに荷物を載せて、立ちはだかる障害を乗り越えようと引き出される公算大となりました。これには経過があり、失敗するなと激励する次第であります。このとき万が一のことがあれば、騎手の人は職を落とす気持ちを持たなければいけないほど大きな問題だと思います。決意はいかがでしょうか。 予算では、今回のスピードスケート場にかかわる予算計上は財政法に照らして首がかしがりますが、こんなことを問おうとするものであります。 政治姿勢からお尋ねいたします。 その1であります。市長、私は市長にこれまで市長像として説得力を持ちなさい、迫力を持ちなさい、行動力を持ちなさいと言ってきました。別に、市長たる者は先見性、時代を読むに敏であってほしい、対話、差別なく話を聞くように心がけてほしい、庶民感覚、同じ目線、腹ばいの赤ちゃんをあやす母は腹ばいになってあやすということがありますように意識してほしい、意欲、情熱、決断、根性をかけて事に当たってほしいなど言ってきました。市長となられて9年、ここはどうだったでしょうか。答えは、それなりにやったと答えられることと想定いたします。私は、果たしてと疑問を投げかけるところであります。 言いたいことは、首長はまちづくりの彫刻家であり、市民に感動を与える作品づくりであります。言葉をかえて言えば、哲学の披露であります。お断りしておきますが、まちづくりには時代背景があり一様には考えられず、ハード、ソフトの選択もあります。共通することは、施策がどう住民の心をとらえるかが評価の起点であります。市長、帯広、十勝はこれからどう変わると見ていますか。 換言しますと、社会変化の仮想であります。これから先10年、だれも確証はないと思います。でも、今持っている情報で想定することはあながち無意味ではないと思いますし、それを発信することは市長の仕事にあると思います。先見性は夢に結ばることだと思っています。例として、帯広-釧路間に道東道が完成し、キロ数は同じでもスピードアップされ便利になるのではないだろうか、十勝は食料基地、小麦、これはエネルギーにかわるのではないだろうか、中心市街地に高層住宅マンションが林立し老人の元気な姿が台頭するのではないだろうか、大樹町から宇宙に行く誘い合いになるのではないだろうか、自動車産業が変化し十勝港が移出港になるのではないだろうか、などなど挙げる次第です。これを一つの情報としてとらまえるならば、生かすか殺すかの判断は為政者であり、判断次第では為政者としてかなえの軽重が問われるところであります。まちづくりは市民、常に市民、どこまでも市民、これは私の持論であります。これを根底に置くとき、市長9年の経験で帯広、十勝10年先をどう見ていますか、お聞かせいただければ幸いです。 次に、申すに及ばず、議員と市長には大きな権限の差があります。市長の権限行為には敏捷性が必要だと思います。議長にはようやく議会を招集する能力が与えられました。市長の発言は重く、識見が求められるものであります。市長、制度改革を提言する内容のものを時の話題、帯広市長発で積極的にやられてはどうですか。態度で示されてはどうですか。着想次第では、身近なテーマは山ほどあると思います。市長となられて9年、これはおれが発信したものと胸を張ってオリジナリティーな件名がありましたら御紹介をいただきたいと思います。 残念ながら、特徴的な事柄は私には見当たらないのでありますが、全道市長会を通じてとか全国市長会を通じてとか、俗に言うみんなで渡ればの方式と私は見ています。例えば思いつくままにとっさに挙げて、5つ6つ私が想定したことを申し上げてみたいと思います。地域における雇用就職の対応は拡充すべき、介護保険制度これでよいのか、生活保護制度これでよいのか、女性は産む機械、自然災害による被害を支援する制度の充実などなど挙げるところであります。若干補足の説明を行いますので、問いの趣旨深めていただきたいと思います。 初めに、自然災害の件でありますが、市長は主要な施策で安心安全都市を柱立てています。17万人をだれもが安心して安全に暮らせる地域社会の実現を言っています。これにはだれも異存はありません。でも、不足を感じるのです。病気に例えれば、予防の域から治療の域に不足を感ずるのであります。阪神・淡路に学んだことを生かす努力の不足を感じます。災害は意地が悪いので、日時の予告はありません。形態もまちまちであります。私は被災者生活再建保護法を一例にしますが、この改正が声高に求められていることを記憶しております。もし市長が防災重視と言うならば、この点の意見反映は平常時からやるべきだと思います。このことに対する私の思いは次のようなものであることを申し添え、考えをお聞きするものであります。 自然災害によって被災した住宅を再建することは、被災者個人の生活基盤の回復という短絡的なものではなくて、地域コミュニティの維持やまち並み復興など、言うなればまちづくりの復習であり、意味は重いと思います。95年、平成7年の阪神・淡路大震災、その重要性をかいま見ての発言であります。以来今日まで各地での発生の事例を見ますと、異口同音に被災者自治体、関係団体の間から住宅再建支援制度の確立を求める声が強く上げられたのを記憶しています。現行制度では、支援金は片づける経費に使途を限定されており、住宅本体部分の再建には回されないということを切実に訴えていることをテレビで見ました。このほか、上限200万円、年収、年齢の制限が厳しくて使い勝手の悪いことも言われていました。これを見聞きして、被災者の元気回復の意欲を損なうし、地域社会の復興の役立ちを損なっていると思いました。この要件緩和はあらかじめ用意してはばからないと思い、国に働きかける考えはありませんかと問うものであります。 次に、女性は産む機械と某大臣が発言されたことは御承知かと思いますが、あれは東京の人の話程度でしょうか。本人は弁明はしましたが、私は価値観や考え方に問題があると思います。市長の仕事の中で少子化のテーマがあります。帯広に女性はたくさんいらっしゃいます。市長が今後市政を担う識見として、考え方を聞かせてもらいたいと思います。 少し私の私見を言わせていただきますが、日本はたぐいまれなる早さで少子・高齢化が進んでおり、未来を担う人の育ち、はぐくみをどのように応援するのか大きな課題があります。過日、15歳から50歳の女性の数は決まっている、産む機械、装置の数は決まっているので、あとは一人頭で頑張ってもらうしかないという趣旨で某大臣が発言されたことを知りました。瞬時に弁明はされたようでありますが、人が人だけに消えるものではありません。一女性を単に子供を産むための機械ととらえているかのような発言自体が大きな問題があると同時に、そうした発言をする価値観や考え方にも大きな問題があると思います。私の率直な気持ちは、職を辞してもらいたいと思っています。子供を持つ持たないは個人の夫婦の自由であり、政治家がとやかく言う話ではないと思います。言いたいことは、子供を持ちたくとも安心して持つことができない日本の社会に問題があって、政治が果たす役割は子供を育てやすい環境をいかに整備するかであり、そのための予算拡充を図ることが主務大臣の仕事だと思うことを申し添えるのであります。いかがでしょうか、御所見をお聞かせいただければありがたいと思います。 次に、市政執行方針の中からお聞きをいたします。 初めに、ばんえい競馬です。 地域経済の活性化と馬文化の伝承を旨として、帯広単独ということを明確にされました。他議員の問いに答えて、19年開催に見通しが立った由、異存はありません。私も、ノーリスクが確認されればやるべきとの持論を持っていたものであります。市長も言っているように、平成19年は見通しは立った、それ以降には不安を残し、市営競馬構成市に粘り強く働きかけ、物心両面の協力の交渉を続ける旨の答弁もありました。結論から言わせていただきますと、本心、競馬は失敗しなければよいがという願いでいっぱいであります。以下、私なりの危惧を申し上げて問いとするものであります。 実は私には他議員と異なった思いがあります。私は平成4年12月から今日に至るまで、欠ける年なく競馬議会に籍を置かせていただきました。うち、近年2カ年間は議長の職をつかさどるに至りました。顧みますと、競馬組合議会での論議は、競馬はこれでいいのかとの疑問と不安を抱えながらの終始でした。緊張の連続であったことが頭の中をよぎります。底流には何とか存続、継続の模索でした。結果として、4市でのばんえい競馬は幕を閉じるところとなったのであります。経過として再建計画も立てましたが、時代の波に抗しきれず、むなしい結果となりました。時の趨勢もあったとはいえ、うずくものがあります。とわの記憶となった思いであります。形は変わりましたが、帯広市をステージにして、自治体、競馬関係者、民間企業、個人などなどに支えられて競馬が続けられることになったことは安堵であり、続けるからには失敗は許されないということを肝に銘記し直さなければならない思いであります。そのためには周到綿密な計画が求められます。言いたいことは、来年の継続に見通しは立ったとしても、その先のことが海のものとも山のものともわからないでは、競馬総体に不安が飛び散ります。制度的には単年度認可ではありますが、腹構えとしては継続を底流に置かなければならないと思います。もう既に腹構えはあるかと思います。 話は変わりますが、市長、これまで質問された方に責任論が問われ、新生ばんえい競馬が緒についた時点で明確にすると言われました。これは今回の提案の額10億4,000万円、6月補正に計上されるでありましょうX額、これが議決されて、その筋の金庫に帯広市長が支出した瞬間に発生するものであります。6月を待たずして緒につきます。責任を明確にすることは難しいのではないかと思います。不遜な例でありますが、この支出不当と言う人がいて、監査請求をされる方がいるとすれば、支出後1年以内が法の定めであります。言いたいことは、これから先失敗したときの責任は許されず、職を落とす覚悟でないかと覚悟を披瀝することが必要だというふうに思います。責任を求められ、こたえる気持ちはわかりますが、それは、これはこれ、2通りではなくて、それはそれ、これはこれではなくて、競馬総体に対する決意と責任論でないかと思います。 構成市の市長のことはわかりません。10億4,000万円プラスアルファの責任論が問われるかどうかわかりませんが、帯広は継続しようという姿勢は他と違います。特異さがあります。感じでは、旭川の管理者市長は既に退職であります。新しく就任された市長は、率直に言って新しい、真新しい方です。市民はその人に追い求めるかどうか、私にはわかりません。帯広市にあって、高等教育整備基金から一時拝借して、それは財産を売って戻すという急場をしのぐ策には不安があることは、心配としてはよくわかりますし、その発言には傾聴してまいりました。どれほどの自己罰か想定する由もありませんが、政治家として政治と責任は、言えば今回は継続の内容もあり、相対判断とされることはいかがでしょうか。重い判断だと思います。 市長、もうもとに戻ることはできません。最近、全知を挙げてばんえい競馬に知恵を出されています。御苦労さまです。歓迎であります。これがもう少し早く各市が組織を横断、競馬対応をしていたら、今の形と変わったのではないでしょうか。うずくものがあります。過去に、各市1,000万円の話がありました。計画があいまい、努力が足りないと競馬組合に矛を向けた実態はなかったでしょうか。市全協が中に入り、民間を紹介し、新会社が成立いたしました。もとに戻らない話ですが、一部事務組合の開催権を持つ市長と、とるべき協力体制に手薄な面があったと思われるのは私一人でしょうか。 先日の質問で、来年馬券を売って払うからあらかじめ充当する、すなわち繰上充用であります。これを繰り返して緊張感を欠いたのではないかという趣旨の発言、質問がありました。繰り上げの連続は確かに異常だと思います。決算不認定の要素を指摘する動きも協議会でありました。それに該当する内容とはならず、これしかないといった処置であり、また苦悩がよみがえった次第であります。 予算説明についての項を予定しておりましたが、ここで打ち切らせていただきます。2問に移させていただきます。 ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長、登壇願います。   〔砂川敏文市長・登壇〕 ◎砂川敏文市長 黒田議員の御質問にお答えいたします。 国の内外の社会経済状況は常に変化をいたしております。今後、少子・高齢社会、人口が縮小する社会の到来、地方分権改革の進展あるいは経済のグローバル化の進展など、地域を取り巻く変化、そしてまた市民意識の変化などを十分に踏まえて市政を運営していく必要があると思ってございます。これからのまちづくりを進めるに当たりましては、市域の可能性を最大限に引き出し、帯広市が十勝の中核都市としてはもとより、東北海道の中心的な役割を担う都市としてさらに発展していくために、市民の皆さんの知恵と力を結集していくことが必要であると考えております。 例示をいただきました北海道横断自動車道の延伸によりまして、帯広市の持つ交通の拠点性が格段に向上いたしますことから、農業を基幹産業に、関連産業の一層の振興を図りますとともに、新たな付加価値を生み出す産業を創出しながら帯広の潜在的な発展の可能性を生かして個性と魅力のあるまちづくりを進めていくために、市民の皆さんはもとより、地域と一丸となって取組んでまいりたいと考えているところであります。 安全で安心な都市づくりは大変重要な政策課題であります。私たちが日常を暮らす上で、自然災害によります被災はだれもが遭遇する可能性のある極めて不幸な出来事であります。現在、国と都道府県におきまして被災者の生活再建支援の制度化が図られているところでありますが、国民にとりましてより安心できる、かつ使いやすい制度となりますよう、今後とも市長会などを通しまして声を上げていきたいと考えているところであります。 お話にありました女性の出産に関しますさきの大臣発言につきましては、子供が将来の社会の担い手であり、出生数の動向が社会のあり方全般に大きな影響を及ぼす重要な事柄であるとの認識の上に立った発言であるとは思いますが、報道で知る範囲におきましては、幾つかの前置きをした上での発言であったとはいえ、私としては少なからず誤解を生じかねない内容を含んでいると感じているところであり、遺憾であると考えているところであります。 ばんえい競馬につきましては、お話しのように種々の検討、取組みを重ねた末、結果的に解散という事態に至った4市による競馬の轍を踏まないためにも、これまでの経過や課題などを厳しく検証し、今後の帯広市単独開催に最大限生かしていかなければならないと考えております。幸いにして、この世界で唯一のばんえい競馬を存続させるために、競馬関係者の皆さんはもとよりでありますが、市民の皆さんあるいは北海道内外の実に多くの方々から大変温かな御支援、御声援をいただいております。ばんえい競馬を取り巻く環境は厳しいことには変わりはありませんが、こうした期待を受けながら、この単独での開催を、皆さんのお力添えをいただきながら何としても継続開催ができるように全力を注いでまいる覚悟でございます。こうした判断、決断は、私として極めて重いものであると改めて思いをいたしているところであります。 以上であります。 ○鈴木孝昌議長 30番黒田弘議員。 ◆30番(黒田弘議員) 答弁をいただきました。思いは受けとめます。その中に、特に競馬の問題について決断は重いものであるというふうに言われたことは、私の問いに答えた決意だろうと受けとめます。これは政治家同士のニュアンスですから確認ということではありませんけれども、問いに対する答えとして重大な決意を持って答えたというふうに、この場合受けとめさせていただきます。 さて次に、質問を続けさせていただきます。 今回、予算編成で説明がありました。これでいいのかと思うところがあります。スピードスケート場建設にかかわる取り扱いであります。このことに対して多くの人が質問されました。ただ1点、こういう予算は財政法に照らして逸脱していませんか、この疑問をかけるのであります。法の要旨は、定かでない、見通しがないものは組むべきでないと解説しているのであります。いわく、スピードスケート場の道の支援協力の内容が不明のままに、手続的には起債に格好をつけたような形で計上されています。確かに北海道からの経費は計上されていません。しかし、目指すところは59億7,000万円のゴールに向かって、これは今スタートするということであります。今これだけ二分する議論があるときに、私の観測では明るいものがあります、感触が大丈夫ですと、こういうふうに言われるのは私どもとしてはちょっと乱暴ではないでしょうか、こう言いたいのであります。百歩譲って、例えば議会で特別委員会を設けて公式、非公式で道の情報を入手する、そしてあの話を総合すると信じられるな、期待かけれるなということでもあれば結構ですが、今回の場合はあなた方の一方的情報の提供だと私どもは読むのです。 目下、知事選挙の準備中であります。道の予算にはそのにおいも出てこないのであります。当たり前のことです。骨格予算であり、その扱いは常道だと思います。道は帯広市の当初予算に計上することを諭しませんでしたか。6月補正予算に計上したらいかがですかと指導はありませんでしたか。これらが定かになって帯広市が補正予算で計上しても、不都合はないのではないでしょうか。人のことかもしれません。道は新たにサミットに名乗りを上げました。道だってお家の事情はいろいろあると思います。それは我々が心配することではないのでしょうか。道民としては心配があります。ランニングコスト、経費負担は0ではないですか。今回の提案について、市長の神経にさわるかもしれませんが、砂川市長の体質を露呈したと思います。強引のきわみをかいま見るのであります。税財源の変化、ばん馬、退職金の大きい荷物を背負うことになりました。これらは予測にかたい事象の発生であります。こう申し上げて、市長の考え方をお尋ねするものであります。 次は防災と耐震構造であります。 また後でなんて言わずに備えよう、金なんて命に比べりゃ安いもの、いつ来るの今かもしれないそのときが、これは帯広市が防災組織をつくりましょうと呼びかけてる文章の一部です。帯広市の呼びかけで、市内に自主防災組織をつくろうという動きは敬服しています。趣旨に異存はありません。地域の防災訓練を実施するなど啓蒙に努めると市政執行方針では書いています。聞くところによりますと、昨18年4月に日本海溝千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域に十勝全域が指定に入っているのであります。要は十勝全域が危険な地域の自覚が促され、すわ一大事に備えることを言われているのであります。専門家の筋でも、いつ大きな地震が起こるかわからない、早期に備えよう、住民に啓蒙しているのであります。幸いにして、帯広市において大きな地震被害はなかったのは喜びとするところであります。 思えば平成15年には十勝沖地震を経験して、大津や豊頃の道路や海浜に被害をもたらした惨状は記憶に新しいところであります。防災組織の意義は、趣旨は、災害時に素早い安否の確認、避難場所など初動的対応にこたえることと思います。要は、いざというとき力を発揮できる地域ぐるみの体制をつくろうということであります。災害はあらかじめの知らせもなくやってきますので、常に危機と同居であります。厳しく受けとめることが大切だと思います。佐呂間町で竜巻があり、とうとい命が失われました。災害は忘れたころにやってくるとは昔の話となりました。 ところで、避難場所を知らせています。多くは学校であります。消火栓に場所を案内しています。先日代表質問で、学校の耐震調査結果と今後の見通しを問われた方がいます。今の制度を活用し、計画的に長年かけてやるとのことでありました。何とのんきな話ではないかと聞かせていただきました。今の制度を改正を求める取組みが必要だということであります。今の制度に甘んずるということではないのであります。 実はここで田本元帯広市長の登壇を願うのでありますが、昭和49年ごろ人口の張りつきが、民間施工によって大規模な宅造が市内西部で行われました。市内は空洞化ですが、学校の新増設に迫られました。昭和49年当時、小・中学校の校舎及び屋内運動場の永久化はわずか40%、父母の木造校舎改築への要望は極めて大きくありました。新増設に迫られ、加えてどの木造校舎も国の老朽校舎改築基準点に達せず、補助対象にはならず、だからといって市単費でできるわけでもなかったのであります。そこで、市と教育委員会と議会が一体になって知恵を絞り運動を展開し、特に52年、改築基準の特例に関する要望決議をなし、関係機関に送って要望したことを覚えています。参考までに要望の趣旨を紹介しますと、改築基準に厳寒地配慮がなく、全国一律で算定していることは不公平であり問題があると具体的事例を示したのであります。基準の改正を要請したのであります。 こうした帯広の運動が功を奏し、52年10月に至り、国の特例措置として北海道に限って現行の耐力度4,500点を6,000点に、積雪寒冷地分500、景気浮揚分1,000点とするとなったのであります。また、築後30年以上の木造校舎は基準に関係なく改築を認めると変わったのであります。52年、柏小学校、明星小学校の改築に着手し、58年、光南小学校まで毎年2校程度の改築がなったのであります。この結果、改築率は平成2年5月で94%となったのであります。田本市長の教育施設充実の実績は高く評価されるに至ったのであります。この制度改正がなかりせば、このようなことはなかったということであります。こうした学校の積極整備は、厳しい財政のもと、改築事業に財源を要しました。新設校建設の財政措置ができなかったので、市産業開発公社に委託して校舎を建設してもらい、後年次買い取る方法として考え出したのであります。いわゆる債務負担行為の方式がとられたのであります。 帯広、十勝は地震の危険性と同居していると今申し上げました。一例、校舎改築の話を引例しました。要は、工夫をして促進しなければ、学校で人の命に何かあったとき抗弁できないのではないかということであります。いかがでしょうか、お考えがあればお聞きいたします。 次に、市長に物申してもらいたいということの3題目になりますが、生活保護制度についてであります。 政府は経済財政運営と構造改革の観点から生活保護制度を見直し、平成19年度から3年間で15歳以下の母子加算を廃止することを決めました。生活保護制度は日本のすべての社会保障制度における最後のセーフティーネットであり、国が責任を持ってその水準を確保する性格のものと受けとめています。そうした観点から、経済財政運営や構造改革の一環として生活保護制度の縮小を図る方向性をもって変更することは、制度の本旨を受け入れるものではないということであります。とりわけ、就労支援を行ってもなお雇用状況が改善しない母子世帯について、母子加算を廃止することは、そうした方々に市民の生活を脅かす結果となることを危惧するものであります。政府に対して、憲法に記された健康で文化的な最低生活を営めることを基本とし、社会保障全般の整合性を十分に勘案した水準を保つ制度としていくように首長として意見物申す考えはないか、お尋ねをするものでございます。 次に、介護保険制度の改正についてであります。 少子・高齢化の進展、家族像の変容が進む中で、介護保険は介護を必要とする者だけではなくて高齢者を支える家族や地域にとってもますます重要な制度となっています。そうした中で、改正介護保険法により介護予防に重点が置かれ、軽度の要介護のサービス給付内容が再編され、食費や光熱水費、居住費が自己負担とされたのであります。この保険を持続可能とすることは、これから迎える超高齢化社会において国民が安心安定して暮らすことを営むには欠かせないものでありますが、サービス水準を低下させ、新たな自己負担の導入によって介護保険が使いづらくなってまいります。介護保険制度の趣旨を大きく損ねることを危惧するものであります。したがって、介護保険の信頼を高めることは肝要であります。かく申し上げ、答弁いただければありがたいと思います。 次に、障害福祉制度の充実であります。 昨年の4月から障害者自立支援法が施行されました。これまでの支援費制度から障害者施設が大きく転換しました。法によって支援費の制度のもとでたびたび生じた財源不足が解消され、国と道の負担が義務化されたこと、支援費制度の枠外に置かれていた精神障害を利用者の対象とすることになった一方で、障害者がサービス利用に応じて利用料を負担する定率1割負担、応益負担が導入されたことによって、利用料の負担が困難な障害者にとっては、施設から地域へ、自立から社会参加へをキーワードに広がりつつあった障害者福祉が大きく後退し、障害当事者やその家族が困窮する事態が顕在化しているのであります。限定された者ではなく、みずからの責めの有無にかかわらず、だれもが障害を担う可能性があります。社会全体の安定に寄与し、暮らしの安心の確立に通ずるものであります。障害者福祉充実のために、次のような実施が必要でないかと思い、申し添えるのであります。 その1は障害児、障害者福祉サービスにかかわるサービスの定率1割負担の凍結、障害児、障害者福祉サービスを維持するための必要な支援を行うこと、重度の障害を持ち長時間サービスを重要とする者についてはサービスを十分に確保するとともに、必要に応じて国の財政支援を図ること、自立支援医療については一定所得以上の世帯に対しても月額上限を設けるなど、さらなる負担軽減処置を含め制度のあり方見直すようにすること、こんなことを国に物申すお考えはないか、お尋ねするものでございます。 ばんえい競馬のことにつきましては、次の項に譲らせていただきます。 以上で2問目の質問とさせていただきます。 ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長。 ◎砂川敏文市長 屋内スピードスケート場の予算計上についてでありますけれども、現時点におきましては、国の補助がこれまでの概算要望及び国の予算内示などにおける協議の段階から、当初の私どもが想定していた額を大幅に上回る見込みにあります。また、北海道からの支援につきましては、帯広市の計画に支障のないよう引き続き協議をしていくということになっておりまして、統一地方選挙後に明らかにするということでありますので、北海道の当初予算への計上が見送られてるところでございます。 なお、この事業にかかわります帯広市の予算の計上に当たりましては、工事に期間を要することや、各種大会や夏場の合宿などの誘致が見込めることなど利用者ニーズを考慮し、平成21年夏ごろの完成を目指しましてできるだけ早い時期に完成を図るべく当初予算に計上をしたものでございます。 それから、防災の関係のお話がございました。市政執行方針でも申し述べさせていただきましたように、災害の発生時におきまして地域社会や近隣住民の助け合いの心、そしてコミュニティの支え合いというのが極めて大切でございます。防災の基本は、まず自分の命は自分で守る、そして自分たちの地域は自分たちで守るということにあろうと思いますが、そういう意味で自助、互助、それから公の公助、この3つががっちりとかみ合ったときに最大の効果が得られ、被害を最少にとどめることができるものと考えております。阪神・淡路の大震災のときにおきましても、救助された人が当然たくさんいましたけれども、そのうち実に96%の人々が自助あるいは互助という形で救助が行われているということがありました。こういうことを見ましても、地域の自発的な防災活動がいかに大切であるかをうかがい知ることができるわけでございます。こうしたことから、現在地域の皆様方には積極的に自主防災組織の結成をお願いをしております。地域防災力の向上を進めるために、自主防災組織を全市的に整備をしていきたいと考えて進めているところであります。 また、学校施設の耐震化につきましては、学校の施設は児童・生徒が一日の大半の時間を過ごす大切な学習生活の場でありますことから、地震発生時に生徒・児童の生命の安全を確保することはもちろんのこと、被災後の教育活動などを早期に再開を可能とするために、また災害発生時の避難場所として、さらには復興の拠点としての役割も果たしますことから、十分な耐震性を持たせて整備をすることが重要であると考えております。学校施設の耐震化につきましては、今後耐震診断の結果も大きな判断材料としまして、耐震補強も含めて改築あるいは改修の事業を進めてまいりますが、児童・生徒はもとより、市民の安全、生命を守るという観点から緊急度、必要度は高いものと考えております。 国への文教施設の耐震化促進施策の要望につきましては、市長会や都市教育委員会連絡協議会、教育委員会の集まりでありますけども、これを通しまして働きかけをしまして、少しでも早く耐震化を実施できるよう今後も最大限の努力をしてまいります。 次に、生活保護制度につきましてお話がございましたが、この制度につきましては国民の健康で文化的な最低限度の生活を保障する最後のよりどころとしての役割を担っていることはお話のとおりであります。このことから、全国市長会、全国知事会では、国民の勤労をたっとぶ自助自立の精神に基づいて新たなセーフティーネットの提案をしているところでありますので、国の検討動向を注目してまいりたいと考えております。 なお、母子加算の廃止のお話がございましたが、これにつきましては一般母子世帯の消費水準あるいは消費実態との比較検証を行い、公平性を図る観点から見直しが行われたところでございます。 次に、障害者福祉サービスのお話でございますが、1割負担という応益負担等の導入があったわけでありますけども、国におきましてはこの障害者自立支援法の円滑施行のための特別対策が実施をされておりますけれども、そしてまた帯広市としても市独自の特別措置をとってるところでありますが、今後も国の動向の推移等を見守りまして、必要があれば全道市長会などを通じて国に対して制度改善や負担軽減策の充実を求めていきたいと考えてございます。 介護保険のお話もございました。介護保険につきましても、この介護保険の基本理念であります自立支援という観点からサービス内容、マネジメント体制あるいは在宅と施設との利用者負担の公平性等々から見直しが行われたところであります。いずれにいたしましても、超高齢社会を目前にしまして、医療保険制度を含め社会保障制度が公的なセーフティーネットとしてきちんと十分に機能を果たし続けるよう、市としても必要に応じ要望あるいは要請を行っていく必要があると考えております。 以上であります。 ○鈴木孝昌議長 30番黒田弘議員。 ◆30番(黒田弘議員) 3問目は、結論から申し上げますとばんえい競馬に対する私の思い、こう受けとめていただいても結構です。もしそのことについてこの際一言言っておこうかなというのがあれば、それはお答えいただいて結構です。その後には、私は今回の議会で終わりますので、所感とお礼のごあいさつを含めて述べていきたいというふうに思います。 ばんえい競馬についてでありますが、ばんえい競馬の熱意が盛り上がりました。率直に言ってびっくりしました。新聞などで、道内紙、地元紙は毎日連続で報道であります。このマスコミが関心を高めることに一役買っていると思います。改めて驚嘆しました。水をかける発言になるかもしれませんが、祭りの後の静けさがないだろうか、こう心配もするところであります。 実は、ささいな経験でありますが、帯広で正月競馬が計画されました。正月に果たしてファンは来るのだろうか、慎重論と、勇気を持ってやらなければだめですという待望論が二分されました。このことを記憶しています。結果は実行でした。やってみた結果、正月元旦の元日の盛況はすさまじいものがありました。次に期待がかかったのであります。実は、翌年の正月は平常時に戻りました。置きかえるに、平成19年度は期待、成功は見込めるかもしれませんが、次年度以降はどうなるんかということは率直な不安があります。これをして、私流の言い方で祭りの後の静けさはないだろうかと表現させていただいた次第であります。やるからには不安の克服に努力することが最大の姿勢であります。以下、既に心配事は整理済みかと思いますが、老婆心ながら申し上げますので参考にしてください。 帯広ステージは初めての経験です。通年の開催です。四季を通じて帯広です。これまでは冬場だけでした。通年となりますと、今までのイメージと変わります。例えばヘビーファンとライトファンをどうとらまえるかということであります。ヘビーファンとは、ばん馬が好きで好きで、どこまで行ってもついていくという方を指すのであります。ライトファンというのは、ちょっと行ってみるか程度のことであります。帯広市単独開催となったとき、この分析と対応は大事だと思いますから、統計のとり方に配慮されてはいかがでしょうか。 コースはこれまでの4会場とは特異さを持っています。帯広は第2障害を越えて長いコースでした。馬はならせばよいが、ファンの目は馬の特異さを見抜きます。 不評をつくらないことへの配慮も必要です。悪臭発生に対する懸念が特別委員会で問われました。心配ないとの答えでありました。結構なことだと思います。ただ、未経験なこととしては、幅25メートル、延長200メートルは砂漠地帯であります。これまで夏場は使わずに鎮静化しておりました。今後は攪拌します。微粒の砂であります。夏の高温と風が吹けば舞い上がります。その場合、散水が想定されますが、これはまたコースに差がつけば勝敗に影響することであり、難しい対応です。この点はあらかじめ考えておくべきことと警鐘乱打をさせていただきます。 競馬を運営するには、主催者が直でないと担えないところがあります。そのポジションは10以上あると思います。これは複数単務でこれまで対応しています。経費を安くすることを旨として人を減らし、かけ持ちを多くすれば、万が一事故になったときは経営の本体を揺るがすことになります。 馬文化を強調されています。馬は官民一体で築いた王国です。農耕が主力、軍馬の育成も行っています。記録では、アイヌ民族に馬に相当する固有名詞はないのであります。明治18年には晩成社に6頭入り、翌年十勝で初めてプラウに農耕馬、その後本別では軍馬補充部とか十勝畜牧場が開設されて、十勝は官民一体の馬産振興によって日本一の馬産王国を築いた経緯があります。馬文化と言うならば、もっと広範な意味で用いる言葉でないかと思います。こんなキャッチフレーズを耳にします。馬文化日高、馬を知る人、馬と人間の歴史として広く知られています。ここならではの馬文化は単なる馬文化といっては誤解がされます。このことから見習うことは、もっと広範な用い方には留意すべきだと思います。馬を誇る帯広づくり、こう言えるのかもしれません。 この馬を誇りとすることしの接点は、動物園のありように変化をもたらすべきでないかと思います。動物園にポニーしかおりません。今帯広が馬というものを象徴し特徴を出したいとするならば、動物園にこれが馬ですというものをやっぱり置くべきだと思います。いつかも言ったことがありますが、冬そりを引かせて運動するそれを見たときに、馬になじむでありましょうし、動物園を知るだろうと思います。 話は変わりますが、馬を臨時嘱託員にという言葉があります。私はなじめない言葉であります。このことはどういうことでこういうことになったのか、もしユーモラスで説得の手段に使うとするならば、もっと表現が別にあったはずです。臨時嘱託職員、人と何ら表現が変わりません。どこで見分けるんでしょうか。馬を臨時職、私はこの言葉についてなじめないのであります。かたくなでしょうか、無理解でしょうか。 新たな支援策を協議を続けます。私の認識する支援とは、帯広市の特別会計に益をもたらす協力の可否が判断基準であります。5,000万円の継続期待が、継続と思っていましたが、私の認識不足で、これは白紙だったという結論づけられてるように認識しました。これは明確に路線変更し、これからは具体性を求める指針に切りかえるべきだと思いました。これは私の認識を変えるところであります。 以上でこのばんえい競馬について終わらせていただきます。 それでは最後に、所感とお礼を述べさせていただきます。 今議会は私にとりまして最終章であります。継続36年を顧みて、所感とお礼で結ばせていただきます。 私のごとき者が9期36年市議を務めさせていただきました。率直に言って、もったいないことと感謝させていただきます。1967年、昭和42年、初陣を飾らせていただきました。40年の星霜を数えるに至りました。この間を顧みますと、あまたのことが脳裏によぎります。じくじたるものがあります。今きょう私の胸に佩用しておりますバッジは、40年前につけていただいたものであります。あえてつけて登壇させていただきました。私にとりましては記念品であり、宝物であり、披露もしたかったのであります。 初陣を飾ったとき地元の新聞の見出しは、職員転じて議員となるでありました。特異な見方をされたことが印象に残っています。自来今日まで、たすきを10回かけさせていただきました。相撲の星取りで言えば、10戦9勝1敗が戦績であります。勝ち星の中身としてはアップダウンを重ねてきました。アップダウンの中には1987年、昭和62年のこと、今から20年前のことですが、記録に残る支持4,112.70をいただきました。この前の年が苦杯をなめただけに、喜びは声涙下るものがありました。勝手な言い方でありますが、このときの数、記録は今日に至っても最高の座を占めており、無上の光栄を感じております。私の戦績は10戦と申し上げました。前期勇退されました柴田政邦様は10戦全勝であり、スキーのジャンプ流に言えば最長不倒距離の保持者であります。尊敬を申し添える次第であります。時の変遷を感じます。 初めてバッジをつけていただいたとき、地方自治を住民の手にがスローガンでした。茶の間と市政を結ぶ黒田弘がキャッチフレーズでした。言うにやすく行うのはかたいものがありました。2000年、平成12年、地方分権一括法ができて、住民自治の尊厳が一歩身近に寄り、前進を喜びました。茶の間と市政を結ぶ観点では、難しい言葉を抜きにしてユーモラスさに配慮して、住民とのきずなの醸成に努めてきました。そして、文字による住民とのコミュニティづくりには、チャンネル96のネーミングをつけて関心を引きつける工夫もしました。初め、キーナンバー96は苦労が連想され違和感もありましたが、親しまれるところとなり、今日ではプロ野球選手の背番号や高校生のアイスホッケーの選手の背番号、そして自動車のナンバープレートで見かけるとき、おれが元祖とキーナンバーににんまりするものがあります。 記憶に残ることがあります。市立病院改築、図書館改築、中札内村との合併を論議するため、特別委員会に扱いが付託されました。特徴的に記憶に残っています。3件いずれも玉虫色の決着でありました。 首長さんは4人に御縁をいただきました。故吉村博さん、田本憲吾さん、高橋幹夫さん、砂川敏文さんでありました。それぞれ像が頭の中をよぎります。吉村さん、緑の工場公園、帯広の森、川西、大正との合併など、近代的田園都市を標榜し、近代的都市づくりの骨格をなしたことを思います。田本さん、老朽校舎の建てかえ、北海道の特性を加味した制度を当時文部省に認めさせ、市内の建てかえを促進したことはあっぱれと存じます。アグリポリス論で中核都市の基盤づくりをなしました。高橋さん、ゴルフ場をつくることを拒み、環境基本条例を制定しました。ハードからソフトに転ずる市政の走りであります。新しい田園都市を目指して環境自治体の基盤づくりを確かなものにされました。そして、砂川さん、15年12月12日、問責決議を提出した経緯はありますが、ユニバーサルデザインとか新世紀を開く田園都市あるいは行革、まちづくりの基本条例、これらを挙げることができると思います。それぞれ一騎当千の名士、個性を持って市政執行に当たられました。 4人共通して使われた言葉があります。種をまいて芽が出て育った、これを収穫する、この言葉でした。1人は実りてなおと言った方もいらっしゃいました。4市長の個性は手法にもあらわれていたことが脳裏にこびりついています。市長各位には補助職員が多くいらっしゃいました。その方にもいろいろな知恵をつけられたことは感謝のきわみであります。市民は良質なサービスを無限大に求めています。それにこたえることは無理です。でも、前向きな姿勢を堅持して仕事に励んでいただき、敬意を表しています。 これは私の感じでありますが、仕事に向かう姿から次のようなことが障害になることが懸念され、管理職の人方は水切り役をして職員の引き立てに尽力してもらいたい、配慮してもらいたいということがあります。1つは、仕事の中身を習得することはもちろんですが、人間関係を結ぶ力、トラブルに対応する力、ストレスをため込まない力など身につけるようにしていただきたいと思います。これは本人の意欲や姿勢次第と存じますが、上司としての指導にあることも多分と思います。ひたむきの努力、一生懸命な姿はだれもが見ています。それでも克服できない3つの力、ぜひ生産の原点に大事ですから、励ましてやっていただきたいと思うところです。反面、迷ったとき、苦しんだとき、相談できる人、指針にできる人を自分で確保、常備しておくことも本人のためでないかと促す次第であります。これをメンタルと呼ぶ人もいますが、意識せず無意識のうちにだれかを何かを頼りにして、経験した人は少なくないと思います。職員の皆さん、まちづくりは市民、常に市民、どこまでも市民、この信頼はこれまでもこれからも持ち続けてください。職員の皆さん、本当にありがとうございました。 引退となりました。体力ではまだ余裕、自信はありますが、余力を残しての引退もまたあすにつながるものがあると思います。引退後の人生観、人生訓は、日々に感謝し、あすに光明であります。これは平穏な生活に感謝することであります。そして、不測の事態に向き合う日となりますが、生きてこそと思い、生き延びることを考えています。要は、感謝の心を忘れずに、支配欲、名誉欲、金銭欲、邪心を持つことを戒め、生きていくことであります。 これが最後です。人の夢と書いてはかないと読みます。私の夢は政治を変えることであり、この道約40年、いささかでも変わったことを確信できるのであります。正夢となりました。満腔の喜びであります。ここに至るまでお世話になりました議員諸公、理事者各位、議場外の御一同様、本当にありがとうございました。 私は野に下りますが、約40年間の体臭は簡単に消えないかと思います。ざれるなと言われるかもしれませんが、なぞかけ問答まがいで恐縮ですが、次のようなことを言い続けさせていただきます。市長さん、市議さんとかけて何と解く、日本舞踊と解く、その心は、努力次第で「しせい」がよくなる。落ちないでしょうか。 以上を申し上げ、36年間2カ所の議場に残した軌跡がだれかに認められ、市政の話題に引例されることがあるとすれば、とわの名誉と存じます。 以上、私の発言のすべては終止符、ピリオドを打たせていただきます。御一同様、本当にありがとうございました。(拍手)(「黒田さん、36年間ありがとう」と呼ぶ者あり) ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長。 ◎砂川敏文市長 ばんえい競馬のお話がございました。単独開催に関しましてさまざまな留意すべき事項などなどにつきまして、また十勝におきます馬の歴史、文化の視点に関するお話もいただきました。本当にありがとうございます。ばんえい競馬を帯広市単独で開催する、しかも帯広競馬場での通年開催ということになりますことから、ただいまお伺いいたしました点なども十分踏まえながら進んでいきたいと思ってます。一方でナイター競馬の実施とか、あるいはさまざまな振興策にも取り組みましてファンの拡大にも努めますとともに、市民の皆さん、関係者、そして多くのファンの皆さんに支持をいただけるような形で力を合わせて通年開催を盛り上げていくことが必要であると考えているところであります。 先ほど、リッキー君ですけども、リッキー号ですけども、嘱託職員ということで採用するという話でありました。黒田さんのお眼鏡にはかなわなかったようでありますけども、これもばんえい競馬に対する、あるいは馬に対する市民の皆さんの関心を持続させ、あるいはさらに高めるためにこういうことも必要かなということで対応しております。リッキー君には今後ばんえい競馬の広報あるいは市民と子供たちと馬の触れ合いの現場等々で活躍をしていただければというふうに思っているわけであります。いずれにいたしましても、お話しありましたようにこの関心の高まりをしっかり受けとめながら、継続開催に全力を挙げていく考えでございます。 さて、黒田議員から実に36年間にも及びます議員活動のエッセンスといいますか、帯広のまちづくりの歴史についてお話をお伺いしたところであります。初当選が昭和42年ということでございます。実は私が香川県から帯広畜産大学に入学してきましたのが昭和41年であります。ほぼ同時期ということになりますが、その時期以来黒田議員の在任期間は、ちょうど帯広のまちが青年期から成人期を経て徐々に成熟へと向かう、そういう時期に重なるんではないかなというふうに思うわけであります。昭和40年代、帯広市が躍動感にあふれ、これは日本国じゅうそういうことが言えたかもしれませんが、特に帯広市が躍動感にあふれて発展の基盤づくりの歴史を刻んできた時代、こういう時代を議員として活動されてきたことになります。心から敬意を表したいと思います。 先ほど、地方自治を住民の手にということをスローガンにして、お茶の間と市政を結ぶ、これをキャッチフレーズに活動されてきたというお話がございました。私は就任以来9年が過ぎるわけでありますけども、黒田議員がお住まいの広陵連合町内会にも何回かお邪魔したこともございますが、向陵連町を中心に地域の皆さんと地道な活動を展開している場面を何度か拝見させていただきました。地域と一体となった取組みは帯広市が目指しております協働のまちづくりのあるべき姿であるというふうにも感じてございます。今日、地方分権が大きな政策課題というふうになってございますが、みずからの手でみずからのまちづくりを進めるということ、つまり市民の自治、本来の意味での市民自治を先取りした活動をされてきたということに関しましては、草の根民主主義、グラスルーツそのものであると敬服をしているところであります。 また、市の職員に対しても厳しい中にも常に温かな視線を注いでおられるということにつきましても、私も強く黒田議員の目を感じてございます。私としても感謝の気持ちを持ってきたところであります。これからの時代は社会経済環境の変化や価値観の多様化がさらに進みます。行政に対する要望あるいは需要、ニーズなどについても実に複雑多岐にわたるということでございます。自治体職員が市民とともに歩むためには、先ほどもあったように3つの力を身につけていかなければならない、お話のとおりだというふうに思ってございます。 黒田議員、9期に及んだ活動に今期限りで終止符を打たれるということであります。この議会で黒田節を聞くことができなくなりますのは若干残念な気持ちがするところでもあります。輝かしい活動の歴史の一幕はおろされるわけでありますけども、長年培ってこられた英知をさらに発揮していただいて、今後も帯広市のまちづくりに御支援、また御協力を賜りますようお願いを申し上げまして、9期36年の議員活動に対するお礼とはなむけとさせていただきたいと思います。長い間大変お疲れさまでございました。ありがとうございました。(黒田弘議員「ありがとうございました」と呼ぶ)(拍手) ○鈴木孝昌議長 以上で黒田弘議員の発言は終了いたしました。 暫時休憩いたします。 再開は2時30分といたします。         午後2時13分休憩         ────────         午後2時30分再開 ○鈴木孝昌議長 再開いたします。 次に、山本日出夫議員に発言を許します。 26番山本日出夫議員、登壇願います。   〔26番山本日出夫議員・登壇・拍手〕 ◆26番(山本日出夫議員) 本日は第18次市議会の一般質問最終の、そしてまた本議会の一般質問の最後の質問をさせていただきますことを最高の栄誉として、今壇上に立ちて感無量でございます。 振り返れば24年前、昭和58年4月の地方統一選に初当選して以来6期24年間、田本市長、高橋市長、そして砂川市長とともに帯広のまちづくりに、そして市民の福祉向上にともに汗を流して本日に至りました。今期で後進に道を譲り勇退をするに当たりまして、議長にお許しをいただいて少しく24年間を振り返らせていただきたいと思います。 私が初当選した昭和58年当時の行政課題は、国も地方におきましても高齢化、情報化、そして国際化の三本柱をどう対応し、またどう進展させていくかということが最大の課題でございました。取組む課題が明確なことがあったことで、私も一議員として真っ正面からこの問題に取組んでまいりました。 高齢化におきましては、田本市長時代に来るべき帯広の高齢化対策を今から対応すべきだと提言いたしまして、全国に先駆けて平成元年に現在の企画、当時は市民公室でございましたけども、高齢化社会対策室を設置することができました。このことは帯広の高齢化対策に寄与することができたというふうに回想してるとこでございます。 情報化問題では、現庁舎建設時の基本設計時に、未来の通信であります光ファイバーの計画が入っておりませんでした。私は新庁舎建設にはぜひとも未来の光ファイバーを導入すべきだということを議会で訴えて、本庁舎に光ファイバーが導入される一助を果たすことができました。また、市民の利便性では、高齢者が、また共稼ぎの勤労者が職場の近隣で手短に手続ができるようにと提言し、現在では帯広駅、川西、大正、また8カ所のコミュニティセンターで戸籍、住民票、印鑑証明など、この手続を全国に先駆け可能とすることができました。 国際化におきましては、日本は古代の国家統一のころ以来一貫して文明を受け続けた日本文化の源であります。隣国の中国との友好交流をと、田本市長、高橋市長に数回にわたり質問し、このことは非常に時間を要しましたが、平成12年11月17日に砂川市長により中国遼寧省朝陽市との友好都市を結ぶ一助を果たすことができました。 その他さまざまな諸問題を議会で取り上げてまいりましたけれども、多少なりとも帯広のまちづくりに、また市民の負託にこたえ、汗を流した24年間であったと回想しているところでございます。これらさまざま実現できましたのも、ひとえに24年間公私ともに温かく私を支え、御指導をいただいた団体、後援会の皆様、そして真摯に本当に真剣に応援していただいた市民の皆さん、議会代々の議長を初め、今退職を迎えており議場におります緑化環境部北川誠司部長、監査事務局長荒岡健司事務局長、上下水道部長山内利美部長ほか退職される職員を初め、現在の職員の皆さんがあってのことであり、心より厚く御礼を申し上げる次第であります。ありがとうございました。(拍手) さて、このたび議員として最後の一般質問に当たり、議題を帯広の今後の政治課題とさせていただきました。また、課題の冒頭に、帯広の指導者、トップリーダーである市長の政治姿勢とさせていただいたところでございます。 今では分権型社会、地方の時代と言われ、都市間競争の時代でございます。地方自治は地域にある資源、財産を有効に活用して、さまざまな取組みが求められる時代でございます。今議会におきまして、ばんえい競馬屋内スピードスケート場建設が大きな課題として取り上げられまして、議会論議されてまいりました。私は、2事業は見方を変えれば、屋内スピードスケート場建設は北国北海道のインタースポーツのメッカ、いわゆるあこがれのまちとして、また負を負う危険、これありますけれども、世界で唯一北海道の遺産、そして遺産でありますこの取組みは、新生競馬の単独開催の大きな事業の取組みは、私は北海道の全国の注目の的であり、今地方自治の中にあって大げさに言えば輝いているのではないかと思うわけでございます。 帯広はまず大きな課題を英断を持って決断いたしました。特に市長を先頭として、今後の事業推進に当たっては油断なく、そして職員そろっていわゆる総力戦で取組んでいただきたいと申し上げる次第であります。 それでは、通告してあります市長の政治姿勢についてお伺いいたします。 これは2つに分けさせていただきました。1つは、市長個人のいわゆる政治姿勢についてであります。 まず、端的に申し上げますけども、市長は職員を信じろということであります。市長の周辺には優秀な職員が本当におります。石垣のようにしております。市長が決断し、そして市長から命がなされれば、職員は頑張って必ず結果を出すと私は思っております。その一例として、このたびの新生ばんえい競馬単独開催の取組みに見られますように、市長が決断さえすれば、苦労はさまざまあったと思いますけれども、端的で短時間で、要するにそして短期間でさまざまな障害を乗り切り、帯広単独開催の体制を整えたではありませんか。ゆえに市長に申し上げますけれども、どうか自己の殻に閉じこもるなということであります。そして、よろいを取り除いて、職員とともに諸課題を本当に話し合って取組んでいただきたいというふうに思います。 次に、市長は市民に、職員に納得させ、確信を与え、心を開き合える対話を求めるものであります。また、言葉で、しぐさで人々に伝わる心の対話、いわゆる体刺激を市長に求めたいと思います。 それでは、次に入ってまいります。お役所用語と片仮名の排除でございます。 新年度から帯広市まちづくり基本条例を基本に、これから自主自立のまちづくりが開始されてまいります。いわゆる今後、この4月、統一地方選挙が終わりましたら、第六期総合計画、新たな総合計画の策定に入っていくというふうに思います。私はこの際、高齢者の皆さんが積極的にこの第六期総合計画、新総合計画に参加していただくために、お役所用語、片仮名用語を排除していくべきだというふうに思います。市長の御所見をお伺いするものであります。 次に、新たな大学問題であります。 この問題につきましては、今期で勇退する村中議員がおはことして取組んできたものでございます。私はこの新しい大学につきましては、率直に申し上げて仕切り直しすべきではないかというふうに御提言申し上げる次第でございます。市長の任期22年4月でございます。この第五期総合計画が22年3月でございます。新しい総合計画が22年4月からスタートしてまいります。さまざま論議がありましたばんえい競馬への借り入れ、高等教育機関からの借り入れもありまして、私はこの返済はどうしても5年はかかるであろうというふうに私自身は思っているとこでございます。今後策定してまいります新総合計画、いわゆるまちづくり基本条例は市民が主体の条例であります。どうか市民の方々の御意見をもう一度聞いて、市民の意見を優先させて、そして新たな大学を再構築してはどうかというふうに申し上げておきます。 次に、市町村合併について申し上げます。 冒頭に申し上げますけども、市町村合併は必要不可欠だというふうに思っております。私は、できれば私のこの残された任期の間に合併問題は一つの目安がつけばなというふうに思っていたところでございます。どうか帯広の指導者であります砂川市長、リーダーシップを発揮して、そして粘り強い対話に努めて、この市町村合併に全力を傾け、そして実現に向け行動を起こしていただきたいというふうに思います。 そこで、帯広は十勝町村会が描いた十勝地区一市構想のグランドデザイン、いわゆる大規模の下へといいますか、その構想に賛同して、はや1年数カ月がたっております。この構想の研究場をつくろうとしておりますけども、現在どのようになってるのかを市長にお伺いしておきたいというふうに思います。 私は高橋市長時代から、この帯広圏の3町、いわゆる帯広圏で合併を進めるべきだというふうに提言してまいりました。そして、まず十勝圏で力をつけてから十勝市構想に入るべきだというふうに思っていたわけでありますけども、砂川市長がいわゆる町村会の方から受けて十勝グランドデザインの構想に賛同しているわけでありますから、どうか全力を挙げてこの問題に取組んでいただきたいというふうに思っています。 次に、職員の意識改革についてであります。 職員の特別表彰、いわゆる昨年提言いたしまして、3月5日に平成18年度職員特別表彰が行われたそうであります。今回1団体、そして4人の個人の職員が表彰を受けたそうでございますけども、どうか1,500人の職員がこの表彰を本当に目指して頑張っていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。 次に、市民が求める市役所をぜひとも実現させていただきたいというふうに思うわけであります。私はこの間、この24年の間、全国の他都市の市役所を随分訪れさせていただきました。その際、廊下ですれ違う市の職員が、おはようございます、こんにちは、いらっしゃいませという声を本当に聞いてまいりました。時には、時の市役所では、清掃の婦人がおはようございます、いらっしゃいませという声をかけていただきました。市長と一度我が市のことを話したことがありますけども、我が市ではその傾向が見られないということであります。今後この新しい機構改革の中で、このあいさつの励行についてはしていくべきではないかというふうに思っております。 随分と時間がかかりました。このつもりはなかったんでありますけども、この後2問目で健全な財政運営、そして等々、ちょっと質問延ばさせていただきたいというふうに思います。これだけちょっと述べさせてください。原稿に基づかないで、ちょっと大分入れてしまいましたので、時間がなくなってしまいました。2問目にちょっと利用させていただいて、この件は質問させていただきたいと思います。 ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長、登壇願います。   〔砂川敏文市長・登壇〕 ◎砂川敏文市長 ただいま山本議員から今後の政治課題ということでいろいろ御質問がございましたし、また山本議員のいろいろな思い、見識等も御披露いただきました。順序が不同になるかもしれませんが、お答えをさせていただきます。 合併の話もございました。日本の地方自治の制度ということが今大きく変わろうとしている段階にあろうというふうに思ってございます。明治11年、地方税規則などのいわゆる地方三新法が制定され、これが地方自治の始まりと言われているわけでありますけども、明治時代、この当時は中央が地方を統治する、まさに中央集権型の制度であります。自治とは名ばかりで、今日の地方分権とはほど遠いものであったというふうに思います。しかしながら、平成12年の地方分権一括法を皮切りにいたしまして分権の流れが加速して、昨年成立しました地方分権改革推進法や道州制特区推進法によりまして、分権改革は新たなステージを迎えたというふうに考えてございます。 明治21年に市町村の数は7万1,314あったと言われております。それが明治の大合併、そして昭和の大合併を経て、昭和36年までに3,472に再編成をされました。さらに現在では、平成の合併を経て今月末には1,804、こういった数字になる見込みというふうに聞いております。十勝では旧合併特例法の期限までに幕別町と忠類村の合併が成立したわけでありますけれども、それ以外の自治体はいろいろ真摯な協議を進めましたけれども、結果的にそれぞれ自立の道を選択して今日に至ってるところであります。 お話のありました十勝町村会の自治のあり方についてのグランドデザインにつきましては、将来の自治のあり方について町村会の皆さんと帯広市が同じ立場で研究をし、議論をしていくということで一致をしてございます。今後この検討作業を進めるに当たりましては、旧合併促進法においてそれぞれ自立を選択した経過もございますことから、現在それぞれ自立の取組みを進めている町村の意思は尊重すべきであるというふうに考えているところでございます。 分権改革におきましては、東京一極集中の是正、そして個性豊かな地域社会の形成あるいは高齢社会への対応などなど、新たな時代の状況と課題にしっかりと対応していかなければならないと認識をしております。そのためには、地域独自の特性や個性を生かして豊かで住みよい地域づくりを進めるということとともに、効果的、効率的な財政運営を図る、そのために行財政基盤の確立はもとより、市町村合併や広域行政など自治のあり方の論議をしていく、そして対応していくことが大変重要になってくるものと考えてるところであります。 また、そうした意味で分権時代、行政運営主体としての市役所におきましては、お話のようにそれぞれ優秀な職員が配置をされております。そうした職員の能力を最大限に発揮してもらう、そして市民福祉の向上に努めるというのが私の責務でもあります。そうした意味も含めまして、市役所におきましては市民福祉の向上のために組織の活性化を図りますとともに、職員一人ひとりが今までの地方自治体の職員としての意識を大きく変えまして、新しい時代の職員像を描く、そういう意識を持ちながら進んでいく必要があります。それを通じて個人職員の能力と意欲の向上に努めるということを念頭に、職員の研修などの充実にも努めていかなければならないというふうに考えてるところであります。 お話ありましたあいさつの件でございますけども、あいさつというのは人と人とのコミュニケーションの始まりでございます。最も基本的なことであります。私どもとしましては、これまでISO9000の取組みなどに加えまして、来庁者に対するあいさつの励行などを徹底して、市民の目線に立ったサービスの提供に心がけてまいりたいと考えております。これもやはり市民の意識を変えていくことの一つの契機になるんではないかなと思ってございます。職員は、多様化し複雑化する市民ニーズを的確に受けとめて、経営感覚、さらには政策能力の向上に努めながら、組織として課題解決に当たっていかなければならないと考えています。 来月4月からは、新しい市役所の組織がスタートいたします。組織体制が変わるわけであります。庁内連携のもと、意欲と意識を高めて、市役所全体として行政のより効果的、効率的な執行に努めていかなければならない、そのように覚悟をしているところであります。さらにまた、地域が将来に向かってみずからの足で確実に歩み続けていくためには、経済基盤としての産業や生活基盤としての文化などの振興、さらにこれを支える人材の育成、そういったことが地域政策の重要な課題でもございます。 大学の話がございましたが、そういった意味で地域の知の拠点であります大学は地域発展への貢献や学習機会を広めますのに大きな力がありますことから、新たな大学の実現は十勝圏全体の課題という認識のもとに今後も精力的に取組んでまいりたいと考えます。 市町村合併、大学問題などいろいろお話をいただきましたが、来年度から策定作業に着手いたします次期の帯広市の次の総合計画、第六期総合計画におきましては、まちづくり基本条例のもとにこうした大きな政策課題に関しまして、議会を初め総合計画策定審議会や、あるいはさらに多くの市民の皆さんの御意見をお聞きしながらしっかりとした論議を行いまして、計画というものの指針としての規範性を保ちつつ、かつ時代の変化に柔軟に対応しながら実効性を確保していく、そうした計画にしていかなければならないと考えております。 また、市民と行政が力を合わせまして、信頼関係のもとにお互いの役割を担いながら協働して目的を達成していくために、総合計画はもとより、市政の執行に当たりましてはやはり市民の皆さんにわかりやすい形で情報提供を行うということが必要であります。そのために極力専門用語とか、あるいは聞きなれない片仮名語などは避けるようにしまして極力わかりやすく表現することや、あるいはやむを得ず使用する場合には解説を加えるなどして、市民の皆さんとの情報共有に努めていく考えでございます。 以上であります。 ○鈴木孝昌議長 26番山本日出夫議員。 ◆26番(山本日出夫議員) 御答弁ありがとうございました。 あいさつの励行につきましては、実は全国歩いて本当にすがすがしいんですよね、職員がね。おはようございますとか、いらっしゃいませという。庁舎が古くても本当に、ああ、ここの市はきちっとしてるな、ここの市の職員は本当に教育されてるなというふうに思ったことが多々あるんです。そのことがありました。 それともう一つは、実はアテネオリンピックで金メダルをとりました室伏広治選手がこう書いてるんですね。ある雑誌にこう書かれてるのを見て、なるほどなというふうに思いましたけれども、金メダルをとっても人間は人間であると。今金メダルをとるよりも、金メダルのように輝く心を持つことの方がとうといと思えるというふうに、実はこう書いてあって、それは何かというと、人間にとって最も大切なのはあいさつなんだという要するにくだりがありまして、その中でそういうふうに書いてあったんですね。なるほどなというふうに思いました。どんなに地位があっても、あいさつができない人だってやっぱりいるんですよ。ですから、ここが要するに金メダルのように輝く心、これを市民の皆さんにやっぱり市の職員は示していただきたいということであります。 次に、このごろ特に感ずるんですけども、庁内の風潮であります。私は田本市長、高橋市長、3代の市長とともに汗を流してきましたけども、非常に今課題を抱えている職員は一生懸命やります。しかし、全庁一丸となってその問題に取組んでいるという姿勢が見えないんです。この風潮は本当に私自身何とかならないのかなというふうに思うところであります。ぜひともこの点についても今後留意していただきたいというふうに思います。 それから、健全な財政運営についてでありますけども、今議会におきましてもさまざま財政論議がございました。私の24年間のこの期間にありましても、田本市長、高橋市長のときも、大型事業が展開されるときには必ず財政論議が出てまいりました。議会で常にこの部分については展開されてきたんですよ。その中で大型事業が事業化されてきてるんですね。ただ、一番感ずることは、今砂川市長の場合、屋内スピードスケート場の建設、ばんえい競馬の単独開催、それから市営競馬の債務、いわゆる赤字の解消、団塊世代の退職金の新たな手法の取組みですね。加えて一番問題なのは、先行きが見えない年々膨らむ社会保障費なんですよ。これが本当に増加していっているわけです。この分から見て、田本市長と高橋市長との違いというのは大きなものがありますし、また取組む事業もそれを上回ってると私は今感じております。ゆえに、それからいわゆる今後の財政運営は大変な時代に入るんではないかなと思いますし、これは少し続くんであろうというふうに思っております。言うまでもなく、健全な財政というのは市民が本当に安心して生活できるサービスを継続していかなければならないんだと。そして、運営に当たっては常に未来を見通すものでなければならないと、見通しながらやっていかなきゃならないんだということですね。いわゆる財政の堅持をきちっとしていっていただきたい。 それから、最後になるんですけども、これは理事者側にも要望しておきたいと思いますけども、市議会の方にもちょっとお願いしたいなあというふうに思ってることがございます。先日、退職者の方と会食をする機会を得ました。その退職者がいわく、自分が一市民となってから、市民はその大型事業の取組みで一段と財政が困窮していくんではないかと非常に心配してる。そこで、議会側も財政の発信を常に発信して、日常的に発信していく責任があるんではないかというお話がございました。その中でさまざま話し合ったわけでありますけども、夕張の財政破綻後、夕張の市民から市議会のチェック機能はどうしてたんだという非常に厳しい追及があったわけであります。また、市民も夕張の財政破綻後、いわゆる財政については非常に敏感になっておりますし、また関心をすごく示してるということであります。夕張の場合、不適切な財政操作があったわけでありますけども、私ども議会側として夕張の破綻に学ぶ教訓は、健全な財政運営を市が行うには市長と議会が共通認識を持って取組むことが必要なんだということを改めて気づかせていただいたというふうに思っております。このようなことから、改選後の次期市議会において議会と理事者が論議検討する場を設けてはと、私は議会側に要望しておきたいというふうに思ってございます。 さまざま言ってまいりました。今話した中の答弁は、よほどのない限りは触れなくても結構だというふうに思っております。 終わりに当たりまして、いよいよという言葉が、市長、ございます。これはもう一度市長に、これは大変失礼でありますけども言わせていただきますけど、いよいよという心構えですべてに市長は取組んでいただきたい。いよいよという言葉には、平らを打ち破って前へ前へと意識的に加速する弾んだ響きがあるわけであります。一日一日、一つひとつの取組みを、漫然とではなくて、帯広の指導者としていよいよの心で力強く、そして帯広が抱える大きな課題に真っ正面から取り組み、そして市長の情熱、意志が待ち望む職員に伝達されて、21世紀の輝く帯広を構築していただきたいと祈っております。 終わりに当たりまして、帯広の限りない発展と、改めて皆様に感謝を申し上げまして、皆々様の御健勝を心から祈りまして、私の議員としての最後の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長。 ◎砂川敏文市長 ただいま山本議員から、市町村合併や将来の自治の形あるいは自治体運営に関する財政問題、そして職員のあり方、さらには行政課題への対応の心構え等々、幅広い観点から議員の経験や知識、見識をもとに大変示唆に富むお話をいただきました。 お話のように、これからの自治体は地方分権のさらなる進展、地方は少子・高齢化や人口の減少過程あるいはグローバル化の進展などなど、これまでの社会を支えてきた仕組みというものがそのままでは機能しなくなるような大変大きな転換期に当たっておると思います。そういう中で地域の知恵が試され、協働の取組みが今まで以上に求められてくるものと思っております。今後におきましても御提言の趣旨を踏まえまして、また参考とさせていただきながら、持続可能な安心安全なまちの形成に、そして将来の帯広の発展のために努めてまいりたいと考えております。 山本議員におかれましては、このたび昭和58年以来6期24年にわたります議員活動から勇退されるというお話であります。それをお聞きしまして大変残念な気持ちでございます。議員在職中、常に帯広の発展を思い、大所高所に立って数々の御意見や御提言を賜りましたことにつきまして厚く御礼を申し上げる次第であります。また、平成11年には初代の佐藤亀太郎さんから数えて第20代の議長の要職につかれております。そして、その手腕を遺憾なく発揮されますとともに、我が国が地方分権へ向けて大きなかじを切った歴史的な時期に、就任1期目の新米市長の私に対しましても数々親身な御指導、御助言をいただきましたこと、大変思い出深いものがございます。 本日御質問いただきました市町村合併問題を初めといたしまして、議員初当選当時からの高齢化あるいは高度情報化、国際化等への対応が今の時代に、今後の時代に不可欠と唱えられてきた議員の見識、先見性には頭が下がる思いでございます。新庁舎への光ファイバーの導入などにも具体的につながってきているというふうに思います。また、印象に残りますのは、朝陽市との国際友好都市のお話がございました。この締結に当たりましては、田本市長、そして高橋市長時代から繰り返し議員はその重要性を訴えられて、その実現に向けまして私と一緒に訪中をいただいたこと、懐かしく鮮明に思い出しております。山本議員には中国の人も大変敬意を表しておりまして、向こうで言う大人という評価でございましょう。そして、それにふさわしい処遇を向こうの方もしていたように思っております。改めて山本議員の人格に敬意を表したいというふうに思ってございます。山本議員のこれらの御提言につきましては、まさに今の我が国、そして自治体の大きな課題になっておりますので、これからも議員の意見等々思い出しながら進めてまいりたいというふうに思ってございます。 そして、その実行の実施の先頭に立つ立場にあります市の職員の皆さんについても意識をきちんと高めてもらう、そしてそのための手段等々をいろいろ御示唆をいただきました。表彰制度のお話もございました。早速市の職員、若い人、女性含めまして、各職場いろいろな努力をしている職員、私ども直接いろいろお会いしてお話を伺って表彰させていただいたところでございます。そういったことを契機に、職員が大いに意欲を持って市民のために頑張っていただける市役所にしたいというふうに思ってございます。 山本議員の御勇退は大変残念な思いでありますけれども、どうか今後ともこれまで同様市政に温かなまなざしを向けていただいて、御支援、御協力いただきますようお願いを申し上げまして、御礼とさせていただきます。24年間お疲れさまでございました。大変ありがとうございました。(拍手) ○鈴木孝昌議長 以上で山本日出夫議員の発言は終了いたしました。 これをもちまして議案に対する大綱質疑並びに一般質問を終了いたします。 ここでお諮りいたします。 ただいま議題となっております議案第3号外31件につきましては、13人の委員をもって構成する予算審査特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○鈴木孝昌議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 なお、お諮りいたします。 ただいま設置いたしました予算審査特別委員会の委員に、熊木喬議員、富井司郎議員、荻原昭勝議員、清水拓也議員、児玉文雄議員、上野敏郎議員、大石清一議員、山本日出夫議員、鳥越進議員、市原秀朗議員、村中庸晁議員、黒田弘議員、佐々木とし子議員、以上13人を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○鈴木孝昌議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 さらに、お諮りいたします。 休会中における議員の辞任に伴う補充委員の選任につきましては、議長の指名により適時選任することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○鈴木孝昌議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 正・副委員長互選のため、暫時休憩いたします。         午後3時13分休憩         ────────         午後3時26分再開 ○鈴木孝昌議長 再開いたします。 ただいまの休憩中に予算審査特別委員会が開催されまして、委員長に山本日出夫議員が、また副委員長に富井司郎議員がそれぞれ互選されておりますので、御報告をいたします。 ここで委員長にごあいさつをお願いいたします。 山本日出夫予算審査特別委員長、登壇願います。   〔山本日出夫予算審査特別委員長・登壇・拍手〕 ◆26番(山本日出夫議員) ただいまの休憩中に予算審査特別委員会が開催されまして、委員長に私山本が、副委員長に富井司郎委員が選任されました。 7日間という長期にわたる審査でございます。4月には統一選がございまして、それに向けて大変お忙しい方もいるというふうに思います。委員が13人という編成になっておりまして、お一人お一人が長時間を使いますと非常な時間を要するということでございます。どうかここのところはお互いに持ちつ持たれつのところでやっていただければ。ただし、真摯な質問をお願いする次第でございます。理事者におきましては簡潔な答弁と、そしてなるべく休憩がないように御努力いただきますよう心からお願い申し上げまして、7日間さまざまお世話になりますけども、どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○鈴木孝昌議長 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 お諮りいたします。 本会議は委員会審査等の都合により、3月14日から3月26日まで休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○鈴木孝昌議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。したがって、次回の本会議は3月27日午後1時から開きます。 本日はこれをもちまして散会いたします。         午後3時29分散会...