平成20年第1回 2月定例会 平成20年第1回2月定例会 釧 路 市 議 会 会 議 録 第 2 日 平成20年3月4日(火曜日)─────────────────────────────────────── 議事日程 午前10時開議日程第1 議案第1号から第57号まで及び報告第1号(
代表質問) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 会議に付した案件1 諸般の報告1 日程第1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 出席議員(34人) 議 長 34番 二 瓶 雄 吉 君 副議長 23番 藤 原 厚 君 1番 笠 井 龍 司 君 2番 菅 野 猛 君 3番 高 橋 一 彦 君 4番 続 木 敏 博 君 5番 上 田 徳 郎 君 6番 黒 木 満 君 7番 草 島 守 之 君 8番 月 田 光 明 君 9番 松 橋 尚 文 君 10番 秋 田 慎 一 君 11番 曽我部 元 親 君 12番 松 永 征 明 君 13番 逢 坂 和 子 君 14番 戸 田 悟 君 15番 本 城 洋 君 16番 鶴 間 秀 典 君 17番 土 岐 政 人 君 18番 大 森 昌 子 君 19番 上 口 智 也 君 20番 畑 中 優 周 君 21番 山 崎 晃 君 22番 西 直 行 君 24番 宮 下 健 吉 君 25番 梅 津 則 行 君 26番 石 川 明 美 君 27番 村 上 和 繁 君 28番 宮 田 団 君 29番 酒 巻 勝 美 君 30番 佐 藤 勝 秋 君 31番 渡 辺 慶 藏 君 32番 藤 原 勝 子 君 33番 千 葉 光 雄 君
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 出席を求めた者 休会前に同じ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本会議場に出席した者 休会前に同じ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議会事務局職員 休会前に同じ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 午前10時00分開議
△開議宣告
○議長(二瓶雄吉君) 皆さんおはようございます。 出席議員が定足数に達しておりますので、休会前に引き続き会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(二瓶雄吉君) 事務局長に諸般の報告をさせます。
◎議会事務局長(袖中居廣志君) 報告をいたします。 ただいまの出席議員は34人であります。 次に、本日の議事日程は日程第1 議案第1号から第57号まで及び報告第1号であります。 以上で報告を終わります。
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△日程第1 議案第1号ほか上程(代表質問)
○議長(二瓶雄吉君) 日程第1、議案第1号から第57号まで及び報告第1号を一括議題とし、これに対する質疑並びに市政方針及び教育行政方針に対する各派代表質問を行います。 なお、質問は既に確認されております各会派への割り当て時間及びあらかじめ定められました順序により、これを許します。 最初に、
くしろ自民クラブ代表、5番上田徳郎議員の発言を許します。 5番上田徳郎議員。
◆5番(上田徳郎君) (登壇・拍手)私はくしろ自民クラブを代表いたしまして、市政方針、教育行政方針並びに平成20年度予算案について、提案と意見を交えながら質問をさせていただきます。 私
たちくしろ自民クラブは、市議会議員としての自覚と責任を認識し、あすの釧路を担う子供たちのためにも、このまちに生まれ、このまちに住んでよかったと言われる元気な釧路を実現するための礎となり、伊東市政をがっちり支え、真のチーム釧路として将来の大釧路圏建設に向けてのまちづくりに、人の心を大切にし、全力で、そして誠実に進めていくことを誓うものであります。 それでは、順次質問項目に従って質問をさせていただきます。 新総合計画についてであります。 新総合計画に当たり、ショッキングな事例を紹介します。前の
鳥取県知事片山善博氏は「鳥取県に長期総合計画は存在しません。総合計画があること自体が害になって、現場主義を邪魔している」と言ってもいます。その理由は、新規のハード事業が中心となり、県民の満足度などの指標は入っていないし、既存の施設や事業に県民が利便性を感じているかどうかが県政の相当部分を占めるが、それが反映されない指標にどれほどの意味があるのか。毎年の予算をしっかりつくることが一番重要です。従来はある程度華やかな計画をつくろうとすると、人口も財政も減りますではできませんから、どうしも人口も財政も伸びますという基礎条件から間違った計画をつくることとなり、意味がない。一たんつくって事業を列記すると、それが既定の方針、金科玉条になって民意とのずれが生じる。紙に書いたことがひとり歩きするよりは、常に不断の政策判断、決定するプロセスが大事で、それこそが地方自治の本質だと片山前鳥取県知事の県政運営の考え方でもあります。 地方自治法が全国の市町村自治体に総合計画をつくることを義務づけたのは昭和44年で、釧路市の第1次総合計画は昭和38年に策定していましたから、全国的にも早く着手しております。合併前の第6次総合計画が終了し、このたび新釧路市となって最初の新総合計画となります。 冒頭に片山前鳥取県知事の事例を取り上げましたが、翻って釧路市の新総合計画を見てみますと、10年後の人口想定数値を16万人弱と明確にした指標に基づいたことがポイントとなっていますし、論議も呼ぶことにもなっています。しかし、現在から10年後を見るわけですから、想定人口には一定の理解はできますし、現実味があると認識もしております。コンパクトなまちづくりは、一方では過疎化や限界集落の危険性もはらむこととなります。ハード事業として目立つものはなく、行政としての目的を明確にし、住民、市民に対してどのようなまちを一緒につくっていきますか、どのように考えていますか、そのための行政の施策はこのようにありますというような市民自立に向けた目的重視計画となっていることも特徴だと思います。 10年スパンで大枠の基本構想、基本計画を組み立て、ローリング方式で考え直し、かつ3年ごとの見直しをしながらまちづくりを進める新総合計画と受けとめてもおります。 新総合計画に華やかさはないと報道されておりますが、現状認識として当然であり、何よりも財政再建を優先しているまちであります。 いずれにしても、社会も経済もすべての環境が
加速度的スピードになり、変化し、瞬時の判断は重要となります。市民本位のいつでもフレックス対応できる新総合計画につきまして、鳥取県の例とともに、まず市長の見解を求めるものであります。 同時に、伊東市長には市政運営におきましても、財政再建が最優先されておりますが、やはりトップリーダーとして市民やボランティアのやる気や、あすの釧路を担う子供、孫たちへの希望と夢をいつも語り続けてほしいと願うところでもあります。もちろん、我々市民の代表も一緒にあすの釧路の夢を語り継ぐ活動を展開していくことはもちろんのことであります。 また、私は総合計画は釧路市地域のみの計画ではありますが、そのバックグラウンドには常に根室圏を含めた考え方を持っていることが10年後、20年後の大釧路圏建設には大切なことと考えております。 北方領土問題はもちろんのこと、市長再選問題やラムサール条約の締約国としての責務をかんがみたならば、根室圏のことは釧路のこととして市民への周知や広域連携を図るべきと思いますので、伊東市長の大釧路圏建設構想の展開をお伺いいたします。 次に、新年度予算案について質問させていただきます。 これまでの構造改革を進める中で、地域間格差の問題が生じ、福田内閣は自立と共生の理念に基づき、新たな視点で地方財政対策のための財源を充実することを最大のポイントとしました。 具体的には、地域間の税源偏在の是正に対応し、法人事業税の一部分離をし、地方法人特別税及び
地方法人特別譲与税の創設により、地方への財源対策とし、特別枠の
地方再生対策費として4,000億円を地方財政計画に計上されました。地方交付税の算定により、この対策費は市町村、特に財政状況の厳しい地域へ重点的に配分されるものとなっており、市町村へは2,500億円が配分されるとお聞きしておりますが、釧路市としてはこの試算はどのようになるのか。また、地方交付税は総額15兆4,000億円で、前年度比2,000億円の増額、さらに地方税、地方交付税、
臨時財政対策債等を合わせた一般財源の総額も前年度比7,000億円の増額となっております。この結果の釧路市としての市税、地方交付税など一般財源は前年と比較してどのような影響となるのかお答えください。 釧路市の予算案の一般会計は951億円と前年比マイナス1.5%で14億円の減、企業会計を含む当初予算は1,755億円で6%、112億円の減の緊縮予算を組みました。特に歳出の中でも職員費は前年比3.1%減の144億8,280万円とし、支出の抑制には目いっぱいの努力が感じられます。市長の歳入歳出対策と新年度予算に対する、まず見解を求めるものであります。 総務省は
自治体財政健全化法の新法を2008年度決算から適用し、その指標は財政4指標と呼ばれる
連結実質赤字比率、
実質公債費比率、実質赤字比率、将来負担比率であり、一つでも基準を超えると早期健全化団体や財政再生団体となります。総務省は多額の初期投資が必要な会計には、赤字を控除する検討に入り、病院事業会計については2004年から2006年度の3年間に増加した不良債務は地方債への置きかえを認める方針と言われますが、この仕組みを利用した場合、
市立釧路総合病院の不良債務約20億円を地方債を置きかえることにより、釧路市の
連結実質赤字比率はどのように好転されるのかお答えください。 また、財政4指標の基準は乗り越えることができるのかもお答えください。 経常一般財源が扶助費や人件費、公債費などの固定費に充てられた割合を示す経常収支比率は2006年度で94.7%となり、固定費が依然として財政を圧迫していますが、改善はどのように進めるつもりか、
実質公債費比率は2006年度決算で17%となっており、18%を超えると地方債の発行に国の許可が必要となりますが、財政運営の見通しについてお答えください。 新年度予算案からも伊東市長の並々ならぬ財政健全化に対する不退転の決意を読み取ることができます。一般会計では、本年度40億円と言われた財源不足を、本年度予算案では19億円にまで圧縮し、行財政改革による効果額も16億円にまで積み上げたのは大変評価できます。しかし、交付税の増額は不安定要素があり、今後将来に向けての地方自治体の財政的自立に即効薬はなく、地方分権による税源移譲も約束されない中、どのようなかじ取りと考えられるのか見解を求めます。 また、全体予算の中で起債のうちでも特に有利とされる合併特例債や過疎債での事業や予算規模と特例債で今後活用できる金額もお示しください。 過疎債も総務省では見直しの論議もされているところであります。2006年度釧路市では4億8,000万円、2007年度3億8,000万円を
道路下水道整備事業などに活用されてきましたが、今後の使い道はどのように考えているのかお示しください。 公共事業予算については、国全体の公共投資が年々抑制される中、市内の経済活動にも影響が大きくなる中、総合体育館、病院の改築、
阿寒湖温泉多目的施設など、釧路市としては真に必要な事業を行う中で、従来から一定程度の確保はなされていることも事実であります。しかし、平成20年度の公共事業予算は13億円ほど減少しております。その要因と公共事業の今後の確保対策と地元発注について市長の見解を求めるものであります。 新年度予算案策定に当たり、伊東市長にとりまして緊縮財政の中での予算編成となり、苦心の跡が多くの施策の中に見えるものであります。社会的弱者と言われる障害者福祉行政や教育予算にも十分配慮され、あすの釧路を担う子供たちにも希望となることと思いますし、評価ができるものであります。 次に、行財政改革についてであります。
分権型社会システムの転換が求められる今日、人口減少時代の到来、住民ニーズの高度化、多様化など、社会経済情勢の変化に適切に対応することが求められております。また、我が国の行財政を取り巻く環境は依然として極めて厳しく、国、地方を問わず行財政改革の推進は必要となります。平成14年度伊東市長就任以来、5年3カ月が経過し、重要政策課題との位置づけから、行財政改革は手を緩めることなく、着実に実行に移され、職員の協力のもと、大きな成果を残していることに評価をしたいと思います。 平成18年9月に策定した行政改革大綱の基本理念に基づき、実質2年目を迎えた活力創生釧路市集中改革プラン及び釧路市定員適正化計画の確実な実行により、平成20年度の行財政改革の効果額は一般会計ベースで事務事業の見直し等により約6億5,000万円、総人件費の抑制で約8億300万円、職員定数の見直しで約1億円、その他の見直しで約4,600万円となり、合計では約16億円にまで積み上げました。全会計での行財政改革の見直し効果額は約20億1,400万円となり、財政健全化に向けスピードアップを図っております。職員定数でも、アウトソーシングの推進などにより、74人の削減により平成15年から平成20年度までの6年間で319人の定数削減を断行したこととなり、評価できます。しかし、さらなる行財政改革は次年度以降にも目標数値を示しながら臨まなければならず、伊東市長の不退転の決意をまずお聞きするところであります。
自治体財政健全化法では、2008年度決算から関連する企業会計や公社の
連結実質赤字比率を重視し、30%を超えると財政再生団体となることから、2010年の
経営健全化計画の期間内に一定のめどをつけなければなりません。 総務省の支援策のもと、健全化を図っていますが、魚揚場会計、釧路振興公社の債務解消も段階的に進めていかなければなりません。先送りをしない伊東市長のもと、市長就任以前から積み残しとなっている不良債務にも手をつけなければなりません。今後の進め方と債務解消計画をお示しください。 次に、
ネーミングライツについて質問をさせていただきます。 行財政改革は歳出の削減やカットだけではありません。歳入の確保策として企業に
ネーミングライツ、施設命名権を売却し、広告収入とする事業について提案させていただきます。 歳入確保事業としては、市でも現在封筒やホームページのバナー広告など、広告収入対策を実施中でありますが、施設命名権の売却はこうした広告事業強化の一環となり、市は歳入を確保し、企業側には会社名や商品を宣伝できるメリットがあります。我が会派は仙台市を視察し、横浜市の状況を聞き、スポーツ施設への広告導入をつぶさに研修し、歳入を図る事業として導入を図るべき提言をしてきたところでもあります。道内では札幌市でも新年度から札幌市民ホールを初めての
ネーミングライツ施設に決めました。釧路市の対象施設では、例えば9月オープンの総合体育館や湿原展望台、阿寒湖畔の多目的施設などは釧路湿原の中にあり、環境や健康、
スポーツイメージとして企業も魅力だと思います。集客力、PR効果の高い施設への
ネーミングライツ事業へ乗り出すべきと考えますので、見解を伺います。 次に、移動市長室の設置についてであります。 市民と協働するまちづくりの推進のためには、行政のみでは対応できない課題の増加などにこたえていくためにも、市民と行政が対等の立場でまちづくりを進めていかなければなりません。合併後の阿寒・音別地区との住民同士の一体感の醸成は何よりも大切なことであり、これまでも各種大会やイベントなど、共通した醸成感を図ってきましたが、同時に職員の一体感も大切であります。伊東市長には新たに移動市長室を阿寒・音別両行政センターへ設置することを提案いたします。 定期的に市長が両地区へ出向き、職員や市民との意見交換会などを実施し、直接対話の機会、つまりフェース・ツー・フェースの状態をつくることにより、合併後のより一体化した釧路市をつくることになります。情報だけであれば、広報くしろ、暮らしのガイド、
コミュニティー放送、ホームページなどや市政懇談会、市長へのポスト、インターネット、
パブリックコメントなど、多くの意見や要望は把握することができると思います。しかし、何よりも市長の顔を見て話し合うことがまちづくりには欠かせないと考えますので、移動市長室の新設を求め、答弁をお伺いいたします。 組織改革案についてであります。 2006年度新設された土木港湾部を道路河川部と港湾空港部に分離再編され、
ガントリークレーン設置や港湾部門の強化、空港の国際化と釧路市の将来に向けてのグローバル化においても、港湾空港部は重要となりますが、2年という短期間での分離再編する市長のまず決断をお聞かせください。 また、水産農林部は農林課を
阿寒行政センターへ、部長席は水産課へ設置されるようですが、
阿寒行政センターへも部長席を設け、安心できる体制をつくるべきと考えます。 また、音別の農林には
音別農林振興担当を新設し、担当主幹を置くことは阿寒・音別両地区にも配慮された行革として評価いたします。しかし、勤務体系の異動や分散によって市民へのデメリットはないのかお答えください。 教育委員会の組織改革であります。 生涯学習部の所管であります生涯学習や文化・スポーツなどの部門を市長部局に移し、教育委員会は学校教育に特化すべきとする組織改革案であります。 平成16年、
地方分権改革推進会議は、
教育委員会制度については教育の政治的中立性を確保しつつ、地域の実情に応じて自治体の判断で選択可能な制度とすべきである。特に生涯学習、社会教育、文化・スポーツに関する権限については、自治体がこれらの担当部局が自由に選択、調整ができるようにすることが必要であるとする意見書を当時の小泉総理大臣に提出しております。ことしの4月からは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、文化・スポーツの事務を首長が担当できることとなり、制度環境は整ったものでもあります。 島根県出雲市の例を取り上げさせていただきますと、平成13年から既に実施しております。当時の出雲市の事業目的を見てみますと、不登校、いじめなど、学校教育をめぐる問題が多発したことから、児童・生徒の健全育成と学力を身につけさせることで教育委員会が本来の仕事である学校教育問題に専念できる体制をつくり、一方市長部局においては子供たちを守り育てる支援体制をつくることにし、学校と教育委員会とのコミュニケーションを密にすることが重要としております。結果、市民ニーズを受けとめ、積極的な施策の展開を図ることができていることも報告されております。 また、出雲市の例ではありませんが、子育て支援としてこども保健部の保育園を教育委員会に委任し、一つの部署で幼稚園と保育園を一体的に担えることとし、その理由は近年幼稚園においては保育園的機能を求められ、逆に保育園では教育的機能が求められる傾向があり、それぞれの求められる機能が接近してきている時代背景もあります。文科省、厚労省の所管の違いではありますが、地方自治の分権にもそぐわない、市民に年齢での区別は理解しにくい面もあります。そこで、平成19年4月にこども保健部が一体的に担い、組織変更していますが、例えば
幼児教育振興計画は市と教育委員会となっていて、作成は教育委員会です。教育委員会としての幼保一体化の情勢についての考え方、また生涯学習部の一般部局への異動と保育園、子育て支援を教育委員会へ移行することも検討してはと考えますが、見解を求めます。 環境政策について質問をさせていただきます。 洞爺湖サミットと森林環境税についてであります。
北海道洞爺湖サミットは7月7日、胆振管内洞爺湖町で開催され、観光や食に関する経済効果、そして各地域ブランドを世界に発信しようと、道内自治体でも
売り込み競争激化の様相を報道で知ることができます。地域としては、北方領土問題も重要課題として世界に発信のチャンスでもあります。しかし、このサミットの最大のテーマは地球温暖化であります。 1997年、京都議定書が採択された内容は、各国が一体となって地球温暖化に立ち向かおうと先進国に温室効果ガスの削減を義務づけた5年間の始まりの年でもあります。しかし、京都議定書で削減義務を負っている国の総排出量は全世界の30%でしかありません。温暖化対策で大きな欠陥を有しているのは、世界最大の排出国であるアメリカは2001年に議定書から離脱し、アメリカを抜き、世界一の排出国になった中国や排出量5位のインドは途上国として削減義務を免除されております。温暖化の影響は、気温が上がるにつれ干ばつによる農業被害や水不足、海面上昇による洪水、感染症の蔓延など、世界各地で現実問題として報道されております。 京都議定書の対象期間が始まったばかりですが、2012年の対象期間が終わった後の温暖化対策も言われております。ルールづくりが今から大切であり、まず重要なのはアメリカ、中国、インドなど、すべての主要排出国が参加する枠組みにすることと、途上国も応分の責任を負うことが必要となり、ホスト国である日本のリーダーシップと調整力も問われるサミットとなります。 さて、そのような中、道は地球温暖化防止に向けた森林整備の財政問題で森林環境税を導入し、
温室効果ガス削減義務の6%のうち、森林吸収により3.8%削減の計画を持っております。我が会派におきましても、森林整備保全の促進は政策提言させていただき、阿寒・音別との合併効果を生かす絶好の機会とも考えております。合併した釧路市は国、道、市有林と民有林を合わせた森林面積が10万870ヘクタールで、釧路市の面積の約74%を占めております。内訳は、阿寒町6万1,913ヘクタール、音別町3万3,605ヘクタールで、阿寒・音別両地域で94.7%を占めております。豊かな自然環境を形成するとともに、大切な林業資源でもあります。 森林環境税が導入された場合、道民1人当たり500円の納税ともお聞きしますが、森林の保全整備への税収配分を受けることになりますし、事業展開も計画されますことから、釧路市としても対応でき得る体制を今から考え、環境都市釧路の創造を目指すべきと考えますので、見解を求めます。 20世紀を代表するアメリカの
評論家ウォルター・リップマンは、「高齢者は自分はその下で憩うことのない木を植える」との言葉を残し、その時代に生きる者の幸せだけではなくて、次世代を担う子や孫の幸せな環境を視野に入れなければならないと感じるものでもあります。 ニュージーランドでは、観光客が苗木を買って植林を進める事業を行っています。旅人の木という取り組みで、旅行客が自分の国に帰った後でも、インターネットで木がどこに植えられ、どの程度育っているのかといった情報をいつでも確認できるということで、再びその地を訪れる旅行者も少なくないとお聞きします。発想の原点は、飛行機や車両使用の観光旅行は、一面においては地球温暖化を進めていることになりますが、その分を植林により埋め合わせしようということから始まっているようであります。 釧路市においても、観光客誘致活動と同時に、市内企業やクラブ、町内会などあらゆる分野からの記念事業で植林希望が出ていることも知らされております。その都度、場所選定に困惑されてるとお聞きします。例えばくしろの森やふるさとの森として動物園や春採湖、武佐の森など考えられていますが、環境自然保護の具体的メッセージを発信する意味でも、観光客と市民が一体となり、一つの場所の森づくりを進めるべきと考えますので、見解を求めます。 続きまして、オーストラリア姉妹湿地公式訪問、(仮称)国際湿地環境保全研究センター設置についてであります。 昨年11月2日から釧路湿原国立公園指定20周年記念事業として、オーストラリア姉妹湿地公式訪問団の一員として我が会派は参加し、地球温暖化時代の中で湿地の保全とワイズユースの活動は地球や地域を守ることとなり、地球規模での環境保全に寄与し、次の世代にも確実に受け継がれるよう努力することが我々大人としての責務であると認識する重要な視察となりました。さきにも述べました
北海道洞爺湖サミットがそのコンセプトの一つとして、環境との共生があり、オーストラリア姉妹湿地のハンター河口湿地での研究関係者やボランティア市民との交流は大変有意義でもありました。 伊東市長はニューカッスル市を訪問した際、環境関連学科や日本語学科も有するオーストラリアの名門校であるニューカッスル大学と釧路公立大学との間で学生、学術交流を含む大学提携協議の橋渡し役をされ、今後の展開が期待されているところでもあります。総合計画では将来都市像として、環境・交流都市釧路を標榜しており、環境を重視しながら、内外の人々が行き交い、交流し合う、生き生きとした都市を目指すとしております。そこで、釧路公立大学に国際的な湿地環境保全の研究センターを新たに設置する提案であります。 ラムサール条約登録湿地の釧路湿原は、豊かな自然環境に恵まれた地域特性を有し、自然環境保全などの国際交流も推進されています。釧路公立大学は釧路管内の市町村を構成団体とする地域に根差した大学でもあります。この構成市町村の多くには、釧路や霧多布の湿地など、湿地は管内自治体にとりましての共通のアイデンティティーでもあります。地域で活動される湿地に関係する皆様にとりましても、研究センターが公立大学に設置されますと、湿地の保全、相談など、ワイズユースの活動拠点となります。この湿地の研究センターに釧路市の環境政策課の釧路国際ウエットランドセンターの事務局を併設することになりますと、一体的でボランティアの方々も含む地域住民にとりましても立ち寄りやすいものとなり、身近な湿地の研究センターになると考えます。 地球温暖化により環境問題が世界のメーンテーマとなる中、洞爺湖サミットが開催される年を契機として、釧路公立大学に国際的な湿地環境保全の研究センターが設置されることにより、オーストラリアとの姉妹湿地交流は一つの窓口となり、厚みが増すことは確実であります。公立大学に現在の地域経済研究センターとともに、新たに国際湿地環境保全研究センターの地域経済と環境の二枚看板となる研究センターの設置は、釧路市の将来と公立大学の将来をかんがみましても、環境観光交流都市としても一歩も二歩もランクアップされたまちづくりと考えます。公立大学は市町村一部事務組合での運営ですが、伊東市長は管理者であり、リードする立場でもありますので、積極的な答弁を求めます。 次に、観光交流の振興についてであります。 国土交通省は観光振興部局を統合した観光庁を新設する方針を決め、観光立国の実現に向けた体制を強化し、日本への外国人観光客の誘致と地方の活性化に効果を示す戦略であります。国交省によりますと、2005年度の国内観光消費額は国内総生産GDPの約5%に相当する24兆4,300億円、雇用誘発効果は469万人となりました。ビジットジャパンキャンペーンを展開し、年間約700万人が昨年は835万人でしたが、外国人観光客を2010年度までには1,000万人にふやす目標で、その国内観光消費額は29兆6,600億円になり、雇用誘発効果は528万人にまで膨らむ計画であります。 観光庁設置案は日本を訪れる外国人観光客が主要国に比較して極端に少ない現状があります。世界一の観光大国であるフランスには、日本の10倍以上の年間7,600万人の観光客が訪れている事実には驚きをも感じることになります。日本は世界で32位、アジアでも中国、マレーシア、香港などを下回り、7位にとどまっております。観光先進国のフランスやスペインでは、観光行政を一元化した政府観光局などが早くから海外旅行者の国内誘致に力を入れてきたことが現在につながってもおります。日本もようやくそのことに気がついた観光庁の新設とも考えられます。 海外からの観光客を日本に誘致する上では、北海道が中心的役割を担うことも可能であります。7月の洞爺湖サミットは、北海道を世界に発信する絶好の機会となります。 道によりますと、2006年度に道外から北海道を訪れた観光客は660万人、そのうち外国人観光客は60万人でした。道内経済の低迷が続き、その中で観光客数の8割以上を占める道民の旅行需要が縮小している現在、特に経済効果に影響する宿泊客の動向を見てみますと、道東と道北で大きく落ち込んでいます。道央は旭山動物園効果などで回復傾向にありますが、地域間格差が今後も広がっていきます。釧路・根室は観光客数2.8%減の919万人に対し宿泊客は5.4%減の227万人となり、宿泊客では道内最大の落ち込みとなってもいます。そのような現状を踏まえ、国内外の観光客やエージェントへの積極的なプロモーションの展開と観光拠点の整備として阿寒湖畔に集中することによる世界に通用する観光地を目指す取り組みが必要となっております。 平成19年3月に策定されました釧路市観光振興ビジョンでは、「みんなが担う、みんなが育てる観光のまち・釧路」として、特に厳しい経済環境下において観光は第1次産業とさらなる連携を図ることにより、食を前面に出した21世紀のリーディング産業として、また人口減少社会における地域自立の柱として期待されるところでもあります。目標戦略、具体的施策に向けたシナリオを提示され、これからの釧路市観光振興のための9つの観光戦略も掲載されております。その中でも特に目玉となるのがMICE産業育成戦略と言います。平成5年のラムサール条約第5回締約国会議や平成18年の第1回日中韓観光大臣会合など、世界規模の国際会議を開催してきた実績で、さらなる受け入れ態勢の整備やアフターコンベンションの充実を、9月にはオープンする釧路・根室圏総合体育館も視野に入れたMICE誘致プランの策定も必要であると考えます。その中には道央、道南の修学旅行生への誘致活動もぜひ取り入れ、観光交流の振興を図るべきと考えますので、市長の見解を求めます。 次に、商業政策についてであります。 中心市街地の活性化と中心市街地の活性化基本計画についてであります。 中心市街地の活性化に当たっては、地域内で計画予定される具体的な事業は、一つ一つがばらばらに展開されるのではなく、その事業がハード事業であれソフト事業であれ、各事業主体が一つの目標を持った方向性で取り組めるように釧路市が計画を示すべきではないかと考えております。 このたびの中心市街地活性化基本計画に掲載されています事業のすべてに、国からの補助という支援は受けられないと聞いていますし、それだけに商業者、民間関係者、そして商工会議所などから十分意見や提案を出していただき、知恵と工夫により国からの大きな支援をいただける釧路市にふさわしい事業を構築すべきと考えております。しかし、新しいまちづくり活性化法においても、市の財政状況から見ても、釧路市だけにその期待をかけることにはなりませんし、求めるべきでもないと考えております。では、民間においても商店街においても、行政が何とかしてくださいとの声は発せられますが、中心市街地の活性化に向けた大きな計画や仕掛けは聞こえません。私は中心市街地に新しい風を起こすべく、釧路のまちづくりを積極的に考え、仕掛けをしていく役割を持つ会社が今こそ必要ではないと考えているところでもあります。 そこで、釧路市が新年度設立に向け支援を予定しているまちづくり会社の概略、予定している業務内容など、詳細をまずお示しください。 また、このまちづくり会社は中心市街地活性化の起爆剤となり得るものかについて見解を求めるものであります。 また、これまで商工会議所、商店街、行政、政策都市銀行などが呼びかけて開催された研修セミナーやシンポジウムでは、講師の方が異口同音に述べられますことは、「最後は自立心であり、行動です」と締めくくります。中心市街地の活性化には、そこに関係する人々の自立した考えと自助努力の精神が基本になければならないところでありますが、どのようにこのことを認識されているのか市長の見解を求めます。 また、中心市街地の活性化の方向性はどのような柱を示す予定なのかお示しください。 中心市街地活性化に向けては、伊東市長も頭を悩ませている案件と理解していますが、商業者はもとより、市民や観光客からも随分と寂しい北大通、駅前かいわいを指摘されます。北大通の百貨店や専門店が次々と退店、廃業され続け、イベントやお祭り行事が行われますと、トイレや休憩する場も少なく、市民の不便を感じさせているということも事実であります。そのような中、帯広の百貨店が3月1日に初めての釧路発着の無料送迎バスを運行し、当初の予定人数の3倍を超える350人の予約があり、バス10台での日帰り買い物ツアーの報道がなされ、百貨店の存在の大きさを再確認することとなりました。丸井今井退店時からの帯広や札幌への購買は市民の既定の事実でしたが、現実に人数などが発表されると、驚きとなります。経済的流出は私の試算でありますが、2,000万円から3,500万円と推定されます。この結果を踏まえて、帯広百貨店の釧路からのバス運行の継続も視野に検討するようであります。市民の百貨店志向をどのようにとらえ、新しい買い手が決まった丸井今井跡対策はどのように具体化されるのか見解を求めます。 また、このピンチをチャンスに置きかえる知恵はないでしょうか。釧路市の水産業、お魚は味覚と新鮮さにかけては私は世界一とも思っていますが、例えばイベントやOh!!さかなまつりの行事に逆に帯広や北見からのお客様を呼び込む仕掛けを提案したいと思いますが、見解をお伺いするものであります。 次に、駅周辺再整備についてであります。 駅の高架化か橋上化で論議されてきた駅の問題は、一たんフリーズとする伊東市長の政治判断により、一定の結論は出ました。しかし、東北海道の拠点都市の顔にふさわしい交通結節点機能としても、駅前整備は必要であります。都市計画マスタープランや緑の基本計画の見直しとともに、今後の再整備計画をお答えください。 また、観光物産情報センターにつきましても、観光案内拠点としての駅の拠点性を勘案した立地で、駅周辺での検討を進めていましたが、駅がフリーズとなったことで、具体的に結論を出す時期に来ていると思いますので、明確な答弁を求めます。 続きまして、農業の振興についてであります。 農業の振興については、新釧路市の1次産業から3次産業まで後継者対策、つまり担い手対策が最重要の課題となっていることから、1点に絞って質問をいたします。 日本の農業政策は農業者の減少や高齢化、耕作放棄地の増加、さらにはWTOやEPA交渉など、農業環境が国際化問題となる中、農業経営に意欲と能力のあるあすの農業をつくる担い手の確保を最も重要な政策課題としてきたところであります。これまで日本の農業生産を支えていた昭和一けた世代の引退が現実となる中で、今や担い手の確保、育成は待ったなしの喫緊の状況となっております。 平成17年度農業センサスによると、全国の農家戸数は平成12年の233万7,000戸から平成17年には196万3,000戸へと5年間で16%、37万4,000戸も減少しており、これに伴って日本の農業生産も大きく下降線をたどっております。しかも、農業従事者の6割が65歳以上であり、農業労働の主力は高齢者によって支えられている現状も浮かび上がっております。 一方で、フランスやイタリア、スペインなどEU農業諸国では、45歳未満の青壮年が農業労働者の30から40%を占めていて、日本とは実に対象的でうらやましい限りでもあります。 このような状況を踏まえて、国では平成17年3月、新たな食料・農業・農村基本計画を策定し、次代を担う担い手確保に向け、集中的、重点的に実施するようですが、地域にとりましても持続可能な農業地域、集落を構築する上で重要な問題でもあります。 食糧自給率低下の原因は、担い手確保との闘いとも言えます。国は食糧自給率を39%から平成27年度には45%にまで引き上げたいとする目標も絵にかいたもちに終わりかねません。また、現在の世界的な食糧資源の争奪戦の中、食糧の多くを海外に依存する日本にとって国の存立にもかかわる事態と言えます。 合併によって基幹産業の一つの柱となった釧路農業も国の状況と同じ、いやもっと厳しい状況にあると言えます。といいますのも、釧路市の農家戸数は平成12年には325戸でしたが、平成17年には269戸へと5年間で全国平均を上回る17%も減少しています。 昨年、市長が出席して阿寒・音別地区で開かれた農業団体との懇談会でも、この問題が緊急な課題として取り上げられたとお聞きしております。そのような中、昨年6月に農協の組織を超えて、釧路・阿寒・音別の3地区を統合した後継者対策の組織が伊東市長を会長に、阿寒・丹頂農協の両組合長を副会長に、そして地域農業者の参加を得て設置された報道を目にしました。釧路農業にとっても大いに期待するとともに、拍手を送りたいと思う反面、問題はこれからの活動内容であります。これまで消費者の食品購買には、低価格志向があり、国産食品での代替えが難しい状況でしたが、冷凍ギョウザ事件を契機に、食の安全・安心の観点から地産地消が一番であり、多少高くても国産食品にシフトする動きも強まっております。今こそ意欲とやる気のある担い手を確保し、釧路農業の基盤を盤石にする絶好のチャンスであると考えますので、市長の決意を伺いたいと思います。 次に、水産業の振興についてであります。 1月5日早朝7時、厳しい寒さの中、副港市場で初競り式が行われ、昨年の水揚げ量が50年ぶりに11万トンを割る10万6,000トンとなったことを知らされ、驚きを覚えました。かつて釧路港の水揚げ量は69年から9年連続、79年からは13年連続で日本一を記録し、87年の133万トンをピークに下落が続いています。下落している原因は、外来船にあります。釧路港の水揚げ量に占める外来船の比率は、水揚げ日本一を誇った当時は80%前後でしたが、2006年は約40%にとどまり、水揚げ額の比率も63%から31%へと低下しております。伊東市長をトップとして水揚げ量増加を目指し、毎年関連団体とともに本州各地で外来船の誘致活動もしております。これまでも副港の水産センターに無料のシャワー設置や貸し自転車など、利便性にも配慮してきましたが、一向に右肩上がりにはなりません。誘致活動にも新しい支援が必要なんでしょうか。総合計画には「水産資源の適切な管理や増養殖事業に取り組み、持続可能な漁業を推進します」とあります。ロシアとの交渉で、漁獲量割り当て量が確保されることも重要となりますが、市長は水産業が地域経済を安定的に支えていき、持続するにはこれからどのように考えていこうとしているのか市長の見解を求めます。 次に、くじらのまちづくりについてであります。 昨年の代表質問におきましても、私は水産振興の部門でクジラの釧路港における歴史や鯨類捕獲調査の継続や捕鯨基地化への取り組みを提言いたしました。全国規模のクジラに関する会議の開催についても、鯨フォーラムとして、第1回が宮城県石巻市、第2回の今年度は長崎の新上五島町となり、釧路市での開催は来年の第3回が内定されていることもお聞きしておりますが、他都市との違いや釧路らしさの特色を持った開催となることを要望しますが、鯨フォーラムの釧路大会に対する市長の見解を求めます。 くじらのまちづくりという観点から、釧路沖の調査捕鯨で捕獲されるミンククジラを原料にして大和煮の缶詰をニチロ釧路工場で製造していましたが、昨年6月で生産を終了しました。その後の報道で、道東でクジラの缶詰が生産されなくなるのを惜しみ、根室の業者が製造に乗り出すことになり、この4月ごろには製造販売する予定とお聞きしております。クジラの食文化普及にはくしろ鯨ブランド研究会や市内飲食業界のくじらまつりなど展開されてもいます。釧路市業界としても、水産振興センターや工業技術センターなどとの連携で、真の釧路ブランドとしての釧路鯨の缶詰製造の研究をすべきと思いますので、見解を求めます。 次に、千代ノ浦マリンパークについてであります。 千代ノ浦マリンパークは、議案第38号で提案され、漁港施設と一体化した中で整備を図り、漁業と市民との触れ合いの場として平成8年度から整備が進められ、途中平成15年、十勝沖地震の影響を受け、完成がおくれたものの、昨年11月に竣工し、ことしの6月をめどに全面供用開始することとなりました。しかし、当初の構想では、マリンパークと防波堤を結ぶ千代ノ浦ブリッジやマリンパーク中央部には大規模な運河と休憩施設、釣り護岸を取り巻くようにバーべキューガーデンを配置し、その対面にはアスレチックガーデンと河口体験施設を整備するなど、建設費も多大ですが、多くの市民が訪れるような夢あふれる計画だったと思います。しかし、竣工したマリンパークを夏も、そして最近も見に行きましたら、バーべキュー施設、トイレ、擬岩山など水路、多目的に使える運動広場が整備されただけで、当初計画と比較すると施設全体がコンパクトに縮小整備され、これからの季節に合った緑も見られません。道路上からマリンパークを見ても、楽しくなるような風景ではなく、果たして多くの市民が利用するか心配でありますが、当初計画と大きな隔たりが生じた要因はどこにあったのかお答えください。 道の予算とのリンクの関係も理解していますが、利用するのは市民であります。また、当初計画から物販施設については市漁協と市東部漁協がそれぞれ施設を建設し、しゅんの魚介類を市民や観光客に販売する計画でしたが、厳しい経済状況では出店は難しいと思います。しかし、せっかく完成したマリンパークをにぎわいと潤いあふれるゾーンとするためには、飲食・物販施設の整備は進めるべきと考えます。漁協には出店を引き続き働きかける一方で、民間企業や団体などを対象に公募し、出店を促すべきと考えますので、千代ノ浦マリンパークに対する市長の見解を求めます。 次に、港湾空港行政について質問させていただきます。 平成8年策定されました港湾計画も、新港湾計画策定へ本年度から貨物動向、経済状況、東北海道の拠点港としての食糧供給基地や釧路管内等の後背地からの多様な要請など、港湾は観光の一翼を担うなど、世界に開かれた釧路港としての調査研究し、平成23年までの4年間で長期構想検討委員会などで協議、あるべき姿をマスタープラン化していくことになります。来年は釧路港開港110年となる記念すべき年であります。道内他都市の港湾にも遜色がない道東の物流拠点港として、西港区第3埠頭に設置するガントリークレーンの導入は釧路港の重要港湾としての機能性が最大限発揮されることと期待されます。 また、昨年12月9日、観光国際交流センターにおいて釧路港東港区耐震旅客船ターミナルの着工式典が行われました。水深を深くするためのしゅんせつ工事が始まり、完成は2010年と予定され、地震多発地域に住む市民としても震度6から7が発生しても破壊されない耐震機能や、災害時は避難や緊急物資の輸送の玄関口となり、平時には大型旅客船の停泊岸壁になるとお聞きしておりますが、2010年完成後の大型旅客船誘致活動を拡大する施策を今から考えるべきと思いますので、見解を求めます。 また、釧路市経済の重要な役割を果たすことになる貨物取扱量強化のポートセールス活動を積極的に推進する決意をお聞かせください。 釧路港の利用促進と国際化については、我が会派の重点要望事項でありまして、このたびの組織機構改革にて港湾とともに国へのインパクトを重視することの必要性から、港湾空港部の新部長とともに港湾空港振興課の課長を専任で配置することに伊東市長の港湾空港にかける熱い思いを察するところですが、新年度の予算ヒアリングにおいても、継続事業のみで空港の国際化への意気込みが感じられませんでした。国際空港の指定には、航空会社が国際定期路線を運航することが条件となっており、釧路空港には現在台湾や韓国からの海外チャーター便が就航しておりますが、国際定期路線が就航することになりますと、国際空港として国内外に認められることとなり、地域の発展や観光交流にも弾みがつくと考えます。 道内の国際空港としては、新千歳、函館、旭川の3空港しかない地理的問題や、道東への海外観光客を受け入れるのに適した観光資源や自然環境の資産を持っていると思います。釧路市には港湾施設があるため、海のCIQ体制が充実しておりますが、国際定期便を積極的に誘致するには、空のCIQ体制の充実や空港施設の整備、外国人観光客の受け入れ態勢を充実させる必要があると考えますので、国や道への要請を含め、積極的に活動すべきと思いますので、見解をお聞かせください。 また、市民生活として釧路空港の利用に対し、不都合、ふぐあいを感じている利用客が多く見られます。他の地方空港と比較しても、国の管理の弊害なのか、有料駐車場や航空運賃の地域間格差を強いられております。市民サービス促進のためからも、国や国内航空会社への交渉や要請活動を官民協働で強力に進めるべきと思いますので、見解を求めます。 道路行政について質問をさせていただきます。 高速道路の本別-釧路間は2005年着工以来4年目を迎えました。総事業費1,760億円の進捗状況を見てみますと、2005年度96億2,000万円、2006年度168億2,000万円、2007年度207億円に達し、合計641億4,000万円が投入され、約36%まで進捗しております。トンネルが多く、掘削工事も大変ですが、医療や災害、観光、産業、生活にとって地方には必要不可欠とも言える事業であります。完成開通の予定は平成20年代後半とも言われていますが、道路特定財源での暫定税率の撤廃の動きなど、目が離せない状況でもあります。道路特定財源はご承知のとおり使い道を道路整備に限っている財源で、自動車のガソリン税、揮発税や軽油引取税などから年間約5兆6,000億円の税収で、2005年度ベースで道は約863億円、道内市町村は約610億円の税収を得ていることになります。しかし、この暫定税率が全廃されますと、道の試算では道の税収は約388億円、道内市町村は約287億円減少するとしております。また、揮発油税、ガソリン税には地方に配分される地方道路整備臨時交付金がありますが、これも一緒に廃止されてしまいますと、北海道で約512億円、市町村で約374億円と減少幅が拡大し、釧路市では7億1,000万円、釧路・根室管内では24億円にも達することとなります。予算提案中ではありますが、そうなると組み直しも視野に入れなければならない状況になります。地域経済や災害時の対応、救急医療や安全性には現在工事中の北海道横断自動車道本別-釧路間の早期開通を求めている市民としても、暫定税率は何としても維持していかなければなりません。国の道路予算は全額を道路特定財源でやりくりをしているのに対し、地方の道路事業は道路特定財源では足りず、一般財源や地方債による借金を充てているのが実情であります。 道路整備の水準を維持しようとすれば、一般財源で賄われている福祉分野や教育分野などへの影響が懸念されます。将来のまちづくりを考えたならば、25円のガソリンの値上げは目先の論議となり、大きな視野に立っての判断が必要であると思いますので、市長の道路特定財源の暫定税率撤廃の見解と横断自動車道本別-釧路間の整備についての見解を求めます。 続いて、市民生活に大事な生活道路について質問をいたします。 道路特定財源が全廃された場合の釧路市民の生活道路としての影響度として考えますと、完成目標年次が平成24年度の旭橋通や今後予定される緑ケ岡若草通の整備計画はどのようになるのか、また今後の生活道路計画の影響をお示しください。 次に、水道行政について質問させていただきます。 昨年秋、国連がオーストラリアで開催され、水問題が取り上げられました。これまでの世界は石炭を石油が代替えし、石油をガスが代替えしました。しかし、水の代替えになる資源はありません。会議では、水は「青い石油」と表現され、資源としての重要性がクローズアップされました。日本の水資源も豊富に見えますが、1人当たりの雨量は干ばつに悩んでいるオーストラリアより少なく、世界でも20世紀は石油争奪の時代で、21世紀は水の世紀、つまり水問題が最重要視されようとしております。限りのある石油よりも水が貴重となる時代はすぐそこに見えていると思います。これまでもこれからも釧路市の水道行政において、手間暇をかけた水道水は限りのある資源として市民に安全で安心・安定した身近な水を今後の釧路市の将来を考え、どう確保、維持していこうとしているのか、まず市長の見解を求めるものであります。 昭和2年、釧路地域での給水開始以来、大きな事故もなく、増大する水需要や釧路町水供給に対応する整備拡充を進め、給水普及率は99.9%に達し、市民に安全で良質な水道水を供給するため、一貫した水質管理が求められています。しかし、拡張から維持管理時代へ移行する現在、多くの水道施設の老朽化が進み、施設の効率的な管理と計画的更新、耐震施設づくりなどが必要との総合計画でもあります。そのような中で、愛国浄水場は昭和33年に建築され、築後50年を経過し、老朽化が進み、耐震基準調査実施の結果、コンクリート自体の劣化はなかったものの、基礎地盤やコンクリート構造物の地震時における耐力不足により莫大な補強費用が必要であることがわかりました。そのため、改めて愛国浄水場の将来の検討として、水道専門コンサルタントに業務委託し、将来にわたって市民や釧路町民に安全・安心の水道水を安定的に供給するために3つの案が検討されているとお聞きしております。 第1案は、愛国浄水場を耐震補強や改修等により延命化させる案で、第2案は現在の浄水場敷地内での部分的建てかえのスクラップ・アンド・ビルド方式により機能を回復する案、第3案は全く別の場所に土地を購入し、新築する案の3案であります。いずれの案も事業費はコンサルタントで試算中とのことであります。しかし、いずれも事業費の増大と水道料金への対応策など、浄水場の更新については建設と同時に維持管理も大事なことから、最近では北見市や白糠町での水道事故もあり、市民も愛国浄水場の将来を心配することとなります。浄水場はあと10年はもつと言われておりますが、市民のライフラインへの重要性をかんがみましても、早急に検討、審議しなければなりません、地震災害はいつ来るか予測できないわけですから。将来方向を含めた愛国浄水場に対する見解を求めます。 同時に、3案の検討結果後の建設に当たって、市独自施行やPFIなどの事業方式も考えられますが、答弁を求めます。 福祉行政について質問をします。 障がい者福祉の充実についてであります。 障害者自立支援法は障がいを持つ方々が地域においても、それぞれの能力を生かし、自立して生活していくことを目標としており、施行から間もなく2年が経過しようとしております。この間、制度が抱えるさまざまな問題点について、障がい者や関係者などから改善を求める強い声が上がっておりましたが、国の対策により制度的には一応安定状況になったと認識もしております。釧路市では利用者負担軽減策として、他都市に例を見ない工賃確保対策事業を独自に実施するなど、心の通った福祉施策を推進していることは昨年の代表質問でも私は述べさせていただきました。新年度には合併後の枠組みの中で初めて作成した障害者福祉計画、ハートフルプランがスタートしますが、計画の中でも障害福祉サービスや相談支援体制の充実はもとより、障がい者雇用や社会参加の促進など、広範囲にわたり細やかな配慮がなされております。真にハートフルの名にふさわしい内容になっており、障がいを持つ人に住みよいまちは、すべての人にとって住みよいまちという伊東市長の一貫した政治姿勢としての信念が十分に反映された計画であると評価しているところであります。 さて、障害者自立支援法のもと、釧路市においては平成21年度から障がい者の地域移行が本格化すると言われております。申し上げるまでもなく、障がい者の地域における自立した暮らしのためには、住まいの確保と経済的基盤の確立が最も重要な課題であり、障がいを持つ方々や家族の不安は解消できるのか、まずこの点について市長の認識をお伺いいたします。 地域における住まいの障害者福祉サービスとしては、グループホームまたはケアホームにおける支援となりますが、住まいの確保の見通しはどうなっているんでしょうか。また、精神障がい者の方はアパートなどでのひとり暮らしを希望される傾向が強く、多くの場合、入居に際しての契約協議が難航しがちというのも現実であります。こうしたケースに市はどのように対応していくのかお答えください。 次に、地域での生活を支える経済的基盤の確立については、ハローワーク釧路の資料によりますと、釧路公共職業安定所管内における障がい者の実雇用率は昨年6月1日現在で法定雇用率の1.8%に満たない1.62%で、法定雇用率を達成している企業は対象企業92社中45社の48.9%と、障がい者にとって働く場はまだまだ厳しい状況が続いております。障害者雇用促進法による義務を負う企業と義務を負わない企業に対しての障がい者雇用の働きかけも重要であります。障がい者が授産訓練等を通じて得ている工賃を増額するための取り組みは重要で、国は新年度から5年間の時限措置として就労支援の事業者や重度障がい者多数雇用事業所など、障がい者の働く場に対する発注を増加させた企業を税制面で優遇する発注促進税制を創設しました。釧路市としても、税制優遇措置とともに、工賃確保増額を図る独自の取り組みを進めるべきと考えますが、見解を求めます。 また、障がい者の地域移行が円滑に進むためには、相談支援体制の強化は不可欠であります。個々のケースがあり、一律ではできず、施設、事業所と市の密接な連携が大変重要となります。市としてはどのような対策を考えているのかお示しください。 最後の質問になりますが、障がい者に対する市職員採用計画をお聞かせください。 次に、地域医療についてであります。 だれでも安心できる医療体制の充実は、市民にとりましてこのまちに住み続ける最重要の施策でもあります。釧路市のみの問題ではなく、全国の自治体の医師不足や医師確保は喫緊の処理する課題ともなっております。昨年12月6日、
市立釧路総合病院の竣工式が行われ、釧路・根室圏の地方センター病院としてスタートしました。しかし、全国的な自治体病院の医師不足の中、1月から2月にかけて連続的にショッキングなニュースが道内を駆けめぐりました。市立病院からの循環器科医師の不在化、北見赤十字病院の内科医6人全員退職、道立紋別病院の内科医4人退職、帯広市では協会病院、第一病院の整形外科医の引き揚げ、そして釧路市赤十字病院では産婦人科2人がやめる事態になっております。釧路市立病院はその後、労災病院と医師会病院の循環器科医師を集約し、過重労働回避での一応の連携体制を組み固めることで報道がありました。しかし、他の病院は休止や休診することになっております。こうした相次ぐ地方病院の勤務医の減少は、病院医療の崩壊とともに最終的には地域医療の崩壊を招き、地域が崩壊することとなります。 2月20日、釧路市医師会が中心となって開催した市民フォーラム「釧路の新しい救急医療」と題し、救急医療の再構築に向けたパネルディスカッションを興味深く拝聴し、4月からスタートします釧路市夜間急病センターは万一医師確保ができなくても、勤務医と開業医の協力により、夜7時から翌朝7時までの診療時間体制を発表され、市民も安堵されましたが、いつまでも医師確保ができない状態が続くことによる医師疲弊は夜間急病センター自体の将来も不安視されることとなります。OECD経済協力開発機構に加盟する30カ国のGDPに対する日本の医療費の割合では8%で22番目、人口1,000人当たりの医師数も1,000人に2人で27番目と低位にランクされてもいます。日本全体では毎年3,500人から4,000人の医師が増加し、大都市に集中する現状や、大学医局制度の崩壊、勤務医の疲弊と開業、手術後の訴訟問題など、医師不足の原因は理解できるものですが、根本的原因は国の医療制度にもあることも事実であります。 医師会でのフォーラムでも、低い医療費政策とまだまだ人口当たりに少ない医師政策で全国一律安全で安心な医療体制ができるわけがないことや、すぐに解決する手段の難しさを述べられておりました。 このような現状を把握された中で、伊東市長を先頭に医師確保のため、全国を走り回っておりますが、医師不足とこの救急医療に対しての市長の見解をまず求めるものであります。 道と道教委は道立高校の6校程度を指定し、道内で地域医療に携わる人材を育て、高校生の医学部受験を支援する地域医療を支える人づくりプロジェクトなど、2009年度にも各校に特別コースを設ける方針を示し、旭川医大では特別北海道枠をつくり、地域枠推薦入試制度を10人から50人へ大幅に拡大し、卒業生の半数が道内で研修、勤務することとし、医療過疎の解消に役立たせようとする将来構想もあります。国立大学では全国初となる取り組みで、道民としても大歓迎ですが、こちらも成果が出てくるのは10年先と言えます。このような長期的施策の中で、釧路地域にとっても関心のある高校医学部コースでは、釧路地域からの指定校として釧路湖陵高校が決まりましたが、本格実施する来年度を踏まえてわかる範囲での内容をお答えください。 教育行政について質問させていただきます。 教育先進国と言われますフィンランドは、OECD、経済協力開発機構の国際学習到達度調査、PISAと言います。57カ国、地域が参加した2006年は科学的応用力が第1位、読解力、数学的応用力が2位で、トップレベルを世界で維持しております。フィンランドの教育では、教師の力が大きく問われ、教師になるには大学院を卒業して修士号を取得することが義務づけられております。教師の多くは教職以外の仕事を経験していて、中には喫茶店経営などの副業を持つ人もいるようであります。豊富な社会経験が授業にもよい影響をもたらすという考えであります。学校は楽しく生きるすべを学ぶ場所と考えられ、塾や予備校はありません。教科書を読んで覚えることが多い日本とは考え方や価値観が違い、自分で学んで考えることがフィンランドの教育と言われます。 文部科学省は教育基本法の改正後、初めての新学習指導要領案を公表しました。小学校は2011年度、中学校は2012年度から完全実施されます。学習内容を約30%も減らしたゆとり教育からの脱皮で、生きる力の育成は従来の理念として変えず、授業時間、学習内容をふやす。43年ぶりの実施となった全国学力テストの結果は、活用する力に課題を残し、自分で考え、学ぶ姿勢を身につけさせていくことが大切であります。まさにさきに述べましたフィンランドの教育であります。教育長には、まず新学習指導要領案についての見解を求めます。 同時に、教育行政方針で教育長は、家庭や地域に信頼させるためには、教師力の向上が不可欠であると述べられました。しかし、2月22日、札幌市の教育委員会が発表した教育職員の勤務実態調査では、精神的な負担を感じる業務では、保護者、PTA対応が59.6%で突出しており、生徒の個別指導が32%、校内での会議、打ち合わせ等が21.8%となっております。また、学校行事、クラブ活動などの時間外勤務等は教員1人当たり月平均71.7時間に上っていることもわかり、札幌市教委は対策検討に入るようであります。長時間勤務の実態は、文科省の調査で判明していますが、教員が何に精神的な負担を感じているかが明らかになった調査は貴重であります。学校に理不尽な要求をするモンスターペアレントと呼ばれる親の存在を指摘する意見もあったようであります。年齢的段階調査ではないので一概には言えませんが、ある種地域医療に携わる勤務医とも共通する認識を持ちました。このような実態が続きますと、医師と同様に教師の確保も不安となってくるんではないでしょうか。フィンランドのように、教師になる前に一定期間の就職や体験学習が必要とも考えます。教育長の教師力の向上についての見解を求めるものであります。 次に、健やかな体の育成において、子供たちの体力不足、運動能力の低下によりさまざまな健康問題が発生し、体力の源である食の正しい知識と食習慣を育成する栄養教諭を効果的に活用した食に関する指導体制の充実は重要であります。 道教委は1月23日公表した道学校改善プランで、学力向上策の一つとして、早寝、早起き、朝御飯など、生活リズムを整えることが学力向上となり、健康な生活となるプランを盛り込んでいます。そのような中、学校給食に中国の冷凍ギョウザが使われ、市民や父兄の方々からも多くの問い合わせをいただきましたが、釧路市では問題もなく、その後の中国製冷凍食品も控えているとお聞きしております。しかし、学校給食における中国製などの輸入冷凍食品は急速に浸透していまして、文科省の発表した調査によりますと、最近の3カ月間だけでも全国の国公私立約4万1,500校のうち、579校の給食で中国の天洋食品でつくられた製品が使われていました。しかも、調理食数が多くなるセンター方式の方が冷凍食品を使う比率が高いと文科省は見ております。しかし、現場としても地産地消の観点からも、地元産や国産の食材を使いたい。でも、食糧自給率39%の日本でそれが可能なのかと自問していることも事実であります。 安全で安心な食材を安定的に供給するには、給食費の値上げに踏み切らざるを得ない状況とも思います。乳価の値上げ、小麦価格の上昇で、札幌市においても新年度から5年ぶりの値上げが実施されるようであります。登別市は値上げが決定しており、道教委も値上げの動きが広がる可能性があると見て、給食費の動向調査の検討に入りました。釧路市学校給食についても、食材の値上がり、輸入食品の取り扱いなどから考えても、給食費の値上げは検討しなければならないと考えますので、答弁を求めます。 スポーツ振興についてであります。 いよいよ9月27日、釧路・根室地域の住民が心から待ち望んでいた総合体育館湿原の風アリーナ釧路がオープンし、道内では札幌市のきたえーるに次ぐ大きさで、完成後に開催される全道、全国、国際大会の件数や経済効果は市民への期待が幾重にも広がっているところであります。環境に配慮された施設で、アスリートが汗や涙とともに感動体験できる湿原展望室は全国でも例がないオンリーワンであります。9月オープンを前に、伊東市長のこれまでの大きな決断や実行力が大規模運動公園内でのスポーツ施設建設となりました。この経過を踏まえ、感慨もひとしおであると思いますが、市長の今の心境をお伺いいたします。 また、スポーツ大会の誘致や合宿などによる競技スポーツの振興と同時に、MICE活動による大規模な会議やイベントの誘致による観光産業にも発展させる交流人口の促進が必要となります。体育館オープン時からの予定はスポーツ大会が主流となっていますが、MICEでの会議や音楽、イベント、相撲巡業などへのアプローチはどのように行おうと考えているのかお示しください。 釧路湿原国際市民マラソンについての質問をいたします。 2月17日、東京マラソンは北京五輪の男子マラソン選考会を兼ね、東京都庁前をスタートに約3万2,000人の市民ランナーが国内外のトップ選手とともに走る国内最大規模の大会となり、石原慎太郎都知事は「東京が一体化した」と表現しました。沿道には226万人の観衆が集まり、声援を送り、都心の交通規制は最長6時間20分に及びましたが、大きな混乱もなく、完走率は97.8%のすばらしい大会となりました。昨年第1回の反省を踏まえ、ボランティアや食糧など、すべてに改良を重ねたことも報道されました。一方、釧路市釧路湿原マラソンは第30回を機に30キロを新設し、翌年には30キロウオーキング種目を新設し、出場者も年々増加傾向にはあります。 そこで、提案しますのは、釧路湿原を背景とした環境、観光、健康、交流をキーワードとした大規模な国際的市民フルマラソン大会への拡大であります。拡大となると、すぐ問題に上がるのは警備体制やコース設定となりますが、冒頭に述べました東京マラソンや札幌マラソンなど、大都市でできることが地方都市でできない理由にはなりません。国立公園の釧路湿原の風を受けながら走るマラソンは国際マラソンとしても魅力のある、他都市大会にはない特色あるオンリーワンの大会となります。大都市で味わうことのできない湿原での環境健康マラソン大会での道産食材の販売、大規模な前夜祭、有名なアスリートによる指導教室などのイベント同時開催も視野に入れた国際的市民フルマラソンへの拡大を考えるべきと思いますので、見解を求めます。 CO2削減効果としての釧路湿原を世界に売り込む絶好の機会となり得ることと思います。また、東京マラソンが新設されたことで、東京国際女子マラソンが中止となり、次の計画を模索していることもお聞きしております。東京国際女子マラソンが釧路湿原国際女子マラソンとなり得るため、誘致活動することも大切と考えますので、見解を求めます。 次に、北方領土返還運動の推進についてであります。 昨年8月9日、生涯学習センターにおいて北方領土返還要求運動指導者研修会が開催され、私も参加しました。外務省欧州局ロシア課飯島泰雅課長補佐が「ロシアの向かうところ」と題し、講演を行い現在のロシアは石油や天然ガスの資源により急速な経済発展が繰り広げられており、アメリカ、西ヨーロッパとの対抗戦略やロシア人の論理を世界に押しつける現状や、軍の数では日本の4倍、企業ではトヨタ、日産、いすゞなど自動車産業が中心にロシアへ進出活動している中、北方領土返還に向けての今後の対ロシア戦略として日本のとるべきはロシアになくて日本にあるすぐれた技術、例えば新幹線技術やナノテクなどを示し、お互いが有利な状況に持っていく経済戦略も必要とした返還運動に示唆され、何よりもまずロシアを知ることが大事との講演でありました。 我が自民党は2月7日を「北方領土の日」として、全国的に北方領土返還運動の大会を開催し、釧路市におきましては2月11日の建国記念日に合わせ毎年市民の皆さんに日本の固有の領土である北方領土問題に対して理解と周知を図っているところでもあります。そんな中、けさの新聞では任期満了に伴い行われたロシア大統領選はメドベージェフ氏が当選を決めたということであります。領土問題が進まないこの中、昨年12月21日、森喜朗元首相はロシアのプーチン元大統領との会談において、北方領土の四島返還を目指す基本姿勢を堅持しながらも、小泉、安倍政権での四島一括の帰属確認での方針では交渉は前に進まないとの判断で、歯舞、色丹両島の引き渡し方針を明記した1956年の日ソ共同宣言と1993年の四島の帰属問題を解決する基本方針を示した東京宣言の双方を基盤とする2001年のイルクーツク声明に立ち返り、平和条約交渉の打開を図るツー・プラス・ツーの並行協議段階に向けた行動をとり、プーチン大統領も賛意を示したようであります。北方領土問題は、国家の主権に係る外交上の重要課題でもあります。 根室市は隣まちであり、一緒に早期返還運動を展開しなければなりません。しかし、今日まで釧路市民による啓発活動はJCなどの青年活動による署名活動で盛り上がり見ているとは感じられません。 1月28日、根室市では根室支庁存続を求める根室市連絡協議会での総決起大会で、道の行財政改革における支庁再編再編プランによる現在の14支庁のうち、総合的機能を維持する9つの総合振興局と行政機能を縮小する5つの振興局に再編する計画案で、根室支庁を振興局に縮小することに位置づけられたことに対する総決起大会であり、縮小されることになりますと、根室市での北方領土返還運動も対ロシア戦略としてロシアの思いどおりになる不安もあるようであります。釧路と根室は地域的特性や水産業においても共通認識の持てる地域であり、今後一層連携強化を図っていかなければなりません。釧路市としても根室市との一体的北方領土早期返還運動を進め、国、道への要望も同じ意思で連携する運動を拡大すべきであります。伊東市長の北方領土早期返還運動に対する見解を求めます。 7月には洞爺湖サミットが開催され、環境問題とともに北方領土に対する各国の取材も活況を呈していることが報道され、うれしい限りであります。しかし、北方領土問題に対する国民の理解や認識も薄く、地元の根室市中学校でも「国後島」と漢字を書くことができる生徒は40%とお聞きします。私は学校教科書の小中学校社会科での掲載と同時に、教師にも北方領土問題を理解する研修が必要と思いますので、教育長からの見解を求めるものであります。 最後の質問になります。伊東市長に対して質問をしたい。今までも質問しているほとんどが伊東市長に対するものでありますが、伊東市長就任以来5年3カ月という、この現実、そして伊東市長が道議から市長になられ、そしてその釧路市の箱、それがパンドラの箱だったのか、あけてみるとMOOを初め本当にいろいろな財政の問題が浮かび上がり、そういった中でこの5年3カ月を経過した今のまず心境をお伺いしたいというふうに思います。 同時に、伊東市長においては、また我々釧路市民においても、来年は市長選挙でもあります。また、国政選挙も来年はあるんでないかと、またもし何か大きな事が起こりますと、ことし国政の選挙も行われるかもわかりません。(「間違いないです」と呼ぶ者あり)そんな状況を踏まえながら、市長にはぜひこの地元から代表として国政に出てほしいという反面、釧路市民は今財政を立て直すのは伊東市長しかないんだという声も聞くのは事実であります。そういう中で今の伊東市長の心境をお伺いしたいというふうに思うところであります。 そしてまた、市長はさきの選挙におきまして、「新生釧路市創造宣言」という、こういうカタログといいますか、リーフレットをおつくりになりました。このリーフレットの中、三十数目の項目があります。これを1つずつ全部点検をさせていただきました。市長にとっては市民に対する政権公約、マニフェストとも言われるこのリーフレットであります。この中で2つだけ、全部が手をつけ、また完成をなし得たものもありますが、2つだけがまだなし得ておりません。その1つは、顔づくりプロジェクトの中の「パステルタウンの全天候型広場を推進します」、アーケードをつくるというふうに言われました。しかし、これは私はそのときの丸井今井の跡のキュートさんがそれはつくってほしくないと、要らないと言ったもんですからつくらないというふうになっとった。しかし、現在丸井今井さん跡が札幌市の業者が買い取ったという情報を聞く中で、今度その業者があそこにまたパステルタウンにアーケードが欲しいよといった場合にはつくることになるんでしょうか、それもお聞きしたいというふうに思います。 同時に、もう一つであります。ここにおける、阿寒地区におけるマリモ展示観察センターの改修、これが手つかずであります。まだ任期は残してますから、できてないっちゅうことでありませんけど、今の時点での話であります。マリモ展示観察センターも、あの島のところにあって、なかなか行ってみても動きがなく、そして老朽化した施設ということ、と同時に国立公園の中にありますから、そういういろいろな建設に対する案件もあるんでしょうけども、あそこもやはり阿寒湖畔を世界的な観光客の誘致活動の場所というふうに指定するんであれば、やはり私はああいうところの改修またはどんなような状態に持っていくのか、そのことをお聞きして、私のくしろ自民クラブを代表しての質問にかえさせていただきます。(拍手)
○議長(二瓶雄吉君) 理事者の答弁を求めます。 市長。
◎市長(伊東良孝君) (登壇)くしろ自民クラブ上田徳郎議員の代表質問にお答えしてまいりますが、ちょうど1時間半、90分にわたりまして市政各般にわたり多岐にわたってのご質問をいただきました。順次、私からご答弁をさせていただきますが、答弁もまた相当数の時間がかかるかと、こう思いますので、お許しをいただきたいと思います。 まず一番最初、総合計画にかかわりまして、片山前鳥取知事の言を引用されましてのご質問であります。市民本位のフレックスに対応できる総合計画についてということでございますが、まちづくりの指針となる総合計画はご質問にありますとおり、まちの将来像を明らかにするとともに、将来像を達成するための方策を示すことによりまして、市民と行政が共通の目標を持ってまちづくりを進めることを目的といたしております。 ご提案をさせていただいておりますこの総合計画では、社会状況の変化に迅速に対応するため、長期にわたる事業の固定化の要因となる総合計画への事業の掲載を行わず、各分野での目的と取り組みの方向を定めた目的型の計画としたところでございます。その上で、計画の実施段階におきまして、行政評価により目的の達成状況の確認を行いながら、予算編成や実施計画のローリング作業を通しまして具体的な事業内容を検討することといたしております。 こうしたことによりまして、社会経済のグローバル化や少子・高齢化の進行、あるいはライフスタイルの多様化などに伴う社会状況の変化や新たな市民ニーズに柔軟に対応した戦略的、重点的なまちづくりを進めていけるものと、こう思っております。 事例としてご紹介をされました鳥取県では、ハード事業を列挙した従来型の総合計画はつくらず、おおむね10年後の目標、道しるべとなる将来ビジョンを策定中と聞いております。この将来ビジョンは中・長期的な課題や目指すべき姿の共通認識をつくり上げ、その実現に向けた方策を明らかにするものとなっておりまして、釧路市の総合計画の考え方と非常に似ているのではないかと、私は感じているとこでございます。 次に、根室圏を含めた広域連携、大釧路圏建設構想の見解ということでございますが、合併等によります市町村区域の広域化が進みますとともに、交通網の整備などによりまして経済社会生活圏の広域化が進んでおり、このような中、基礎自治体であります市町村の行政基盤の強化と、これを補完する広域行政の推進が一層強く求められております。根室圏を含めた広域連携につきましては、釧路根室圏が一体となり取り組んだ総合体育館湿原の風アリーナ釧路の建設や、医療関係では新年度から2次救急医療体制におきまして、釧路・根室管内の市町村からも負担金を拠出していただき、この体制を維持するなど、これまでも連携を図ってきているところであります。 道州制や支庁制度改革の今後の動向や国道44号線中標津道路などのインフラ整備の状況などによりまして、釧路・根室圏も大きく変化することが予想されることから、今後とも地域の中核都市として北方領土返還運動など必要な案件につきましては、根室圏も含め関係市町村と協議しながら広域連携について検討してまいりたいと考えております。 次に、新年度予算に関係いたしまして、普通交付税に特別枠として配分される地方再生対策費の試算額についてお尋ねでありますが、この地方再生対策費は地方税偏在是正による財源を活用いたしまして、地方と都市がともに支え合う共生の考え方のもと、地方が自主的、主体的に行う活性化施策に必要な経費を普通交付税の特別枠として確保したものであり、市町村、特に財政の厳しい地域に重点的に配分すると、このようにされております。 市町村分2,500億円でありますが、これは人口要素と面積要素を基本として算定され、このうちの9割、2,250億円は人口要素を基本として算定されます。また、人口規模のコストや第1次産業就労者、高齢者人口の比率等を反映するものでありまして、残りの1割、250億円は耕地及び林野面積により算定されることとなっております。 また、合併市町村につきましては、旧市町村単位で算定した額を合算することとされておりまして、今年度創設されますこの
地方再生対策費につきましては、総務省によりますと、釧路市への配分額は3億8,900万円と試算をされているところでございます。 国の地方財政対策に伴う釧路市の市税、地方交付税など一般財源の影響についてでありますが、国の地方財政対策におきましては、臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税総額を約4,000億円増額し、総額で58兆2,393億円とし、平成15年以来初めての増額となっております。 また、地方税、地方交付税、地方譲与税等の一般財源総額も前年度対比1.1%、7,000億円の増となり、平成19年度をさらに上回る増額を図ることといたしております。 市税につきましては、全国ベースでの市町村税の伸び率は0.5%増と見込まれておりますが、釧路市におきましては、地域経済の低迷から納税義務者数の減少、給与所得の減や法人収益の悪化などによる市民税の減収、また喫煙人口の減少に伴う市たばこ税の落ち込みの影響などから、合計では229億4,600万円と見込んだ結果、前年度比マイナス1.2%、2億8,700万円の減となっております。 普通交付税につきましては、平成19年度におきまして過年度の錯誤分の精算2億2,500万円がありましたことや、個人の市民税の過大算定などで約9億円、市税における全国ベースでの伸び率との差額2億5,000万円のほか、
地方再生対策費3億8,900万円などを加えまして217億円と見込んだ結果、地方財政計画の伸び率1.3%を上回る前年度比3.3%、7億円の増となったところであります。 そのほか、地方譲与税、臨時財政対策等の一般財源につきましては、平成19年度決算見込みに対し地方財政計画の伸び率等を勘案し、それぞれ計上したとこであります。 その結果、歳入の一般財源総額では約516億7,000万円となり、前年度当初予算の約513億6,000万円に対しまして0.6%、3億1,000万円の増としたところであります。 次に、市長の歳入歳出対策と新年度予算に対する見解についてということでお尋ねでございますが、平成20年度の予算編成に当たりましては、新総合計画の将来都市像を念頭に置き、市民が安心して暮らせる魅力あるまちづくりを推進することを意識するとともに、財政健全化についても意を用いたところであります。具体的には、集中改革プランによる人件費などの内部管理経費の削減や、事務事業の見直しなどにより、歳出総額を抑制する一方で、土地などの市有財産の売却促進、収納対策の強化、広告事業の継続など、歳入の確保対策も強化することといたしております。 その結果、予算総額を抑制しながらも各会計や公社の健全化に必要な予算を確保するとともに、地域経済の振興に資する施策や市民の安心・安全を守る事業につきましても予算化したところであります。 次に、
市立釧路総合病院の不良債務約20億円を地方債に置きかえた場合の影響についてのお尋ねでありましたが、平成20年度の地方債計画におきまして、公立病院特例債が創設されております。この概要といたしましては、病院事業におきまして医師不足などにより経営状況が悪化し、不良債務が増加している団体などを対象に過去の不良債務を長期債務に振りかえるため、平成20年度に限り特例債を発行できることとしたものであります。 平成20年度の病院事業会計予算におきましては、この特例債の借り入れに伴う一時借入金返済額を20億2,900万円計上しておりますことから、この一時借入金の返済により不良債務が同額減少することとなります。
連結実質赤字比率は、現段階では計算できませんが、不良債務が減ることの影響は平成19年度の標準財政規模に臨時財政対策債を加えた額、約472億3,000万円に対する割合が、この20億2,900万円は4.3%となりますことから、
連結実質赤字比率を4.3ポイント低下させることになると、このように思うところであります。 次に、財政4指標の基準を上回ることはないのかというお尋ねでありますが、昨年12月28日に地方公共団体の財政の健全化に関する法律施行令によりまして、4指標の健全化等の基準が示されております。 この中で、連結赤字比率と将来負担比率につきましては、算出の基礎となる不良債務から除く解消可能資金不足額の計算方法の詳細などが示されておりませんことから、現段階で算出することはできませんので、この点につきましてはご理解をいただきたいと思います。 実質赤字比率につきましては、普通会計では平成18年度が黒字決算となりましたことから、プラス0.3%、平成19年度におきましても普通交付税が予算を大きく下回りましたが、予算執行による経費節減や減債基金の活用などにより、今後大きな情勢の変化がない限り収支の均衡は図られるものと見込まれ、赤字になる可能性は低いものと考えております。 また、
実質公債費比率につきましては、平成18年度決算における3カ年平均は17%となっており、平成19年度では分母となります標準財政規模が約13億円減少する影響などから、若干上昇するものと見込まれておりますが、いずれにいたしましても、この2つの指標におきましては、現状におきまして総務省の基準を下回る状況となっております。 また、経常収支比率が高い、どのように改善するのかということでありますが、平成18年度決算における経常収支比率は94.7%と高い割合になっておりまして、義務的経費の割合が高まり、自由に使える一般財源に余裕がないことを示しております。特に平成17年度決算と比較いたしますと、人件費の割合は下がっておりますので、扶助費、拠出金の割合が上がっておりますが、総体では0.4ポイントの改善となっております。 今後におきましても、人件費ではアウトソーシングを含めた定数削減、返す以上に借りないことによる公債費の圧縮など、集中改革プランの確実な取り組みにより財政の健全化を図ることで経常収支比率を改善していきたいと考えております。 次に、
実質公債費比率を適正な水準にするための財政運営の見通しについてということでございますが、この
実質公債費比率の算出は、大まかに申し上げますと、分子は公債費等に充当される一般財源となり、分母につきましては地方公共団体の経常的な一般財源の規模を示す標準財政規模に臨時財政対策債を加えた額となります。 また、分母、分子ともにこの交付税に算入される元利償還金が除かれる仕組みとなっておりますことから、合併特例債など交付税措置のある有利な起債をできる限り活用することも
実質公債費比率を下げることになるわけであります。 今後におきましては、事業の厳選に意を用い、起債の発行額の抑制に努めるとともに、合併特例債や過疎債など交付税措置のある有利な起債の活用などによりまして、
実質公債費比率が18%を超えないようにすることを財政運営の基本の一つとして取り組んでまいりたいと考えております。 次に、地方交付税の増額は不安定要素であり、財政的自立に向けての対応が求められるがということでございます。これにつきましては、釧路市におきましてこれまでの地方交付税の減少によりまして、行財政改革の効果額が飲み込まれてしまい、なお不足する厳しい財政状況を強いられてきております。 まずは、標準的な行政サービスを住民に提供できるよう、その財源を保障し、地域間の格差を是正する上からも、税源移譲の早期実現や地方交付税の財源保障、財源調整の両機能の強化を国に対して強く要望していく必要があるものと考えております。 その一方で、財政健全化法が平成20年度決算から適用されることから、企業会計、公社の経営健全化に必要な措置を講ずるなど、財政の健全化を最優先しながら、地域振興に資する事業や市民の安心・安全を守る事業に配慮したところであります。 今後におきましても、財政的自立に向けまして市役所のさらなるスリム化、歳出構造の徹底した見直しを図りながら、しっかりとした財政基盤を確立していかなければならないと考えております。 また、合併特例債での事業や、あるいは過疎債での事業、今後活用できる金額を示してほしいというご質問でございましたが、合併特例債及び過疎債につきましては、非常に有利な起債でありますことから、申請段階で可能性のあるものは幅広に積極的に活用を図りたいと考えております。 合併特例債の平成20年度事業としては、継続事業の総合体育館で約9億1,000万円、耐震旅客船岸壁で約3億8,000万円、愛国浄水場浄水汚泥処理施設で3億2,000万円、
阿寒湖温泉多目的施設で約3億9,000万円、防災行政無線固定系で約1億4,000万円、市庁舎の耐震改修で約1億3,000万円などを予定しており、現時点で合併特例債の建設事業分、約227億円のうち、今後活用できる金額は約123億円となっております。 過疎債での事業や予算規模と今後の使い道についてというご質問でありますが、過疎債の活用を予定しております平成20年度の主な事業といたしましては、リバーサイド整備推進事業で約2,000万円、市道整備事業で約8,800万円、簡易水道整備事業で約8,900万円、下水道整備事業で約1,500万円などであります。 過疎法は平成21年度末までの時限立法でありますが、平成21年度はリバーサイド整備推進事業や市道整備事業、阿寒・音別地区の簡易水道整備事業や下水道整備事業、医療機器の整備などでの活用を予定いたしております。 平成22年度以降も過疎債の活用ができるよう国にこの延長を要望していかなければならないものと考えているところであります。 公共事業の予算についてお尋ねをいただいたとこであります。 今後の確保対策と地元発注についてということでのご見解でありますが、平成20年度予算の発表時に示しました公共事業予算の金額につきましては、発注ベースとしておりますため、例えば大型事業であります
阿寒湖温泉多目的施設約9億8,000万円、また市営住宅の緑ケ岡D棟約7億7,000万円は前年度の予算に全額算入されております。そのため、平成20年度につきましては、これらに匹敵する事業がないことから、全会計の発注ベースでは前年度比約13億4,000万円の減となったところであります。 なお、継続費となっております大型事業を年度別の支出ベースに置きかえた場合には、昨年とほぼ同額となっております。 また、市の建設事業ではございませんが、実質の建設工事として借り上げ公営住宅の建設費約9億3,000万円がこれに準ずる形としてあるかと思います。 今後の公共事業の確保対策と地元発注についてでありますが、この公共事業につきましては、東北海道の中核都市としての基盤整備である総合体育館の建設、耐震旅客船岸壁の着工、市立釧路病院の増改築工事、夜間急病センターの設置など、順調に推進をしてきているとこであります。 また、音別消防支所、コミュニティーセンターの建設、阿寒中学校の改築、
阿寒湖温泉多目的施設の建設など、合併地域の一体感醸成のための施設整備も順調に進められてきているところであります。 そのため、今後は市営住宅や学校の改築、市有施設の耐震改修工事、そして道路の維持補修、市有施設の修繕などに力点を置き、引き続き真に必要な公共事業を実施してまいりたいと考えております。 また、公共事業発注に当たりましては、地域振興の観点から、地元でできるものは地元でとの方針でこれまでどおり進めてまいります。今後とも参加資格要件の設定におきまして、地域要件などを付して地元企業の育成に資する形での適正発注に努めてまいりたいと考えております。 次に、行財政改革の推進の中でさらなる行財政改革は次年度以降にも目標数値を示しながら臨まなければならず、市長の不退転の決意を示してほしいと、こういうお話でございましたが、私は市長に就任以来、行財政改革の実施を最重要の政策課題と位置づけをいたしまして、着実に推進をしてきたつもりでございます。 職員定数の適正化のお話もございましたが、平成15年度から平成20年度までのこれまでの6年間で319人の定数削減を実施をいたしたところであります。さらなる改革の推進を深めるため、平成18年9月には新たな行政改革大綱を策定し、その基本理念に基づき活力創生釧路市集中改革プラン及び定員適正化計画もあわせて策定をいたしたところであります。 集中改革プランでは、未曾有の財政危機からの脱却を図ることを目的に、事務事業の見直しや総人件費の抑制等におきしまして一般財源ベースで50億円の目標額を設定し、平成19年度において約30億円、平成20年度におきましては、約16億円の効果額を生み出したところであります。しかしながら、議員ご指摘のとおり地方自治体を取り巻く財政環境は依然厳しいものであり、今後とも財政健全化に向けた取り組みは必要不可欠であると認識をいたしております。今後もさらなる事務事業の見直しや職員定数の適正化を図るなど、行財政改革の推進に当たりましては、意を強く持ち、不退転の決意で臨む所存でございます。 さて、魚揚場会計あるいは釧路振興公社の債務解消の進め方について、非常に重たい借金がずっとあるわけでございます。この魚揚場事業会計などの企業会計の不良債務、また土地開発公社などの第三セクターの経営健全化への取り組みは、財政健全化法にかかわる4つの指標のうち、
連結実質赤字比率、将来負担比率にかかわってくるものであります。
連結実質赤字比率の対象となります魚揚場会計の平成18年度決算における不良債務は、約32億7,000万円となっておりまして、平成18年度におきまして使用料の増額、経費の削減などの見直しとともに一般会計からの繰入金を増額する
経営健全化計画を策定したところであります。 魚揚場会計の不良債務の解消には、平成19年度以降、一般会計からの繰出金を1億6,500万円を充てることといたしており、不良債務の解消には長期間を要することとなりますが、着実に解消してまいりたいと考えております。 また、将来負担比率の対象となります振興公社の経営健全化に向けての取り組みでありますが、土地が積極的に売却できるよう、土地処分に係ります売却損失分に対する補助金を平成19年度から措置しており、平成20年度予算におきましては約4,600万円を計上いたしております。 また、自然環境保全用地として振興公社が保有する音羽の土地を平成19年度から4カ年で計画的に取得することといたしております。今後具体的な健全化の検討を行い、土地開発公社の健全化計画が終了いたします平成23年度以降に本格的にこの振興公社分に着手してまいりたいと考えております。 次に、施設命名権、
ネーミングライツ事業への取り組みについてであります。 この
ネーミングライツを含めた広告事業の取り組みにつきましては、歳入の確保策として有効であり、平成19年度より広報誌への掲載を初めホームページのバナー、各種封筒、ごみクリーンカレンダーなど庁内各課において活用可能な媒体に積極的に広告掲載を図ってまいりました。一昨年秋には市の観光施設のこの
ネーミングライツについて企業に内々お話をいたしましたが、なかなかいい反応は得られなかったという状況であります。 また、全国の代表的な事例を見てみますと、横浜、千葉、仙台、神戸などいずれもが政令指定都市であり、対象となるスタジアムもJリーグ、プロ野球を初め年間を通じ常時数万人の規模の興業が開催されており、企業のPR効果という点では当市とは大きな違いがあるのも実態でございます。しかしながら、この施設命名権、
ネーミングライツは企業の地域貢献という側面もありますことから、今後施設に関連する企業等に対しましてPRを行うなど、努力をしてまいりたいと考えております。 次に、阿寒・音別町の行政センターに移動市長室を設置して地域住民や行政センター職員と直接対話する機会をつくってはどうかというご提案であります。合併後、阿寒・音別町の地区住民と一体感の醸成を図ることは、私も大切であると認識しておりまして、これまでイベントや会議等で阿寒・音別地区に出向く際には、地域の実情をより細やかに把握する機会ととらえ、地域団体や行政センター職員との直接対話をし、出されました意見などを行政運営に反映させてきたところであります。 ご提言の移動市長室につきましては、定期的に一定期間出向くことは難しい面がありますが、日程の許す範囲で両センターに出向き、地域住民、諸団体の方々、あるいはまた行政センター職員と直接対話する機会の拡大に今後も努めてまいりたいと考えているとこでございます。 次に、組織機構改革に伴いまして、土木港湾部を2年という短期間で道路河川部、そして港湾空港部と分離再編することについてということのお尋ねでございました。 土木港湾部につきましては、2年前土木関連業務の連携をより一層図り、組織の機動性や効率性を確保しようという観点から、当時の都市建設部と港湾部を統合再編いたしました。今回の分割再編につきましては、もとに戻すという考え方ではなくて、一般道路と港湾道路においての協力体制の道筋がついたことなど、一定の成果があったことを踏まえ、耐震旅客船ターミナルの着工整備、ガントリークレーンの整備、島防波堤や新西防波堤の整備、また新しい港湾計画の改定、また釧路空港国際化の推進などにおいての新たな課題に対応するため、また国等の関係機関への陳情に対する強い意志をあらわすことなどから、発展的に土木港湾部から港湾空港部門を独立させ、新たに港湾空港部とする必要があると判断に至ったところであります。 次に、農林課の執務場所が阿寒町行政センターになるがということで、部長席を阿寒町行政センターにも設けるなど、安心できる体制をつくるべきというお話でございました。また、阿寒・音別両地区に配慮した行革として評価するが、勤務体系の異動や分散によって市民へのデメリットはないのかというご懸念のお話でもありますが、この農林業につきましては、合併を契機にその重要性が一段と高まったところであり、釧路市全体で行政運営を担う必要があるとの認識から、今回の組織機構の再編におきまして、水産農林部農林課に3地区の農林部門を集約し、組織強化を図ったところであります。この組織再編により、農林課の執務場所は音別地区の担当を除き、阿寒町行政センターになりますが、旧釧路市の農業従事者は山花地区に集中しており、阿寒地区の農業従事者ともども迅速な行政サービスの提供がなされるものと考えております。 議員からご提言いただきました水産農林部長席についてでありますが、水産も含めた第1次産業の総括的な担当部長でありますことから、水産課のほか、阿寒町行政センターにも設置することは農林部門を強化する今回の組織再編の観点からも必要であると認識をいたしております。 次に、森林環境税についてのお尋ねでありますが、近年温室効果ガスの削減や水源の涵養、国土の保全など、森林の持つ多様な公益的機能を維持増進する取り組みが強く求められておりますが、長年にわたる林業の厳しい経営環境から、干ばつや植林などの整備が困難な森林が増加いたしております。このため、全国で新たな森林環境政策を推進するための財源確保として、森林環境税が23県、ことしの4月から6県導入予定でございますが、23県で導入され効果を上げているとこであります。全国森林の25%を占める地球温暖化防止をテーマとする
北海道洞爺湖サミットの開催地でもある本道でも、森林整備の立ちおくれが目立つことから、現在新たな財源確保に向けて北海道において検討が進められているとこであります。当市も行政面積の74%を森林が占めており、森林整備は喫緊の課題と認識しておりますので、北海道の具体的な検討結果を待って、市としての体制も含めて検討をしてまいりたいと考えております。 次に、観光客と市民が一体となった森づくりについてでありますが、毎年大規模運動公園におきまして市民植樹祭を実施し、市民の森づくりを進めてきております。また、市民団体や企業の記念植樹につきましても、柳橋公園や鳥取10号公園などで行われており、多くの方々に緑化推進にご協力をいただいているとこであります。 さて、ご提案の緑化にかかわる地域の諸活動を観光につなげていく取り組みについてでありますが、緑化の推進に加えて地域情報の発信、観光振興、環境という点からも、これは有効な手段と考えるとこであります。しかしながら、現在場所の選定やその広さ、あるいは植栽時期などの課題、制約が相当ありまして、これらに対する需要の把握や既存事業との連携も含めて、その可能性を今後探ってまいりたいと考えております。 次に、オーストラリア姉妹湿地訪問に関係して、釧路公立大学に国際的な湿地環境保全研究センターの設置をしてはどうかというご提言でありました。 地球温暖化時代にありまして、この環境問題は国際性と地域性をあわせ持ったものであり、釧路湿原等の湿地の保全とワイズユースの活動は地域や地球を守っていく大事な課題であります。このような中、本年1月に出されました釧路公立大学の中・長期構想委員会の答申の中でも、釧路地域の特性や地域ニーズを受けた環境分野の研究センターの可能性も模索し、個性ある教育内容の一資源とする方向性も視野に入れる必要性が触れられているとこであります。 地域に貢献するという使命を持つ釧路公立大学におきまして、地域経済と環境の二枚看板の研究センターを持つことは、大学自体はもちろんのこと、環境・交流都市を目指す釧路市や地域にとりましても有意義なものになると考えております。そのため、議員のご提言もあり、国際的な湿地環境保全の研究センターの可能性につきましては、大学内部での協議や構成町村などとも相談しながら検討をしてまいりたいと考えております。 次に、MICE誘致の策定についてであります。MICEのこのマイスでありますが、この頭文字につきましては、Mがミーティング、Iがインセンティブ、Cはコンベンション、Eはイベントやエキシビション、いわゆる会合あるいはインセンティブ、報奨や動機づけ、そしてコンベンション、大会、会議あるいはイベント、エキシビション、品評会、博覧会という意味でありまして、このMICEを核として観光振興ビジョン策定を今回したところであります。また、MICE産業を育成しようということでもございました。 このMICE産業育成戦略における現在までの取り組みにつきましては、釧路市行政職員を対象としたMICE勉強会、MICE関係者を対象としたシンポジウムの開催、MICE関連産業の実態や実績を把握するなど、釧路地域内での意識と情報の共有をこれまでも図ってきたところであります。 この取り組みにつきましては、釧路市観光振興ビジョンの短期重点プロジェクトに位置づけられておりまして、今後MICE市場を把握していく中で、順次MICE誘致計画の策定やアフターMICEの充実に取り組んでまいりたいと考えております。 今後の取り組みについてでありますが、受け入れ態勢の整備を図るべく、地域内の観光協会や観光関係者を中心に、仮称でありますが、釧路MICE検討会議を立ち上げ、調査・誘致支援事業を柱として運営を進める予定でおります。また、新年度には北海道コンベンション誘致推進協議会に釧路市として加入し、MICE誘致体制の土台をつくります。MICEは地域の個性に合わせたいわば釧路らしいMICEの育成が重要と考えられております。このため、冷涼な気候や冬季スポーツなどを生かした釧路ならではのMICEの分野でありますスポーツ大会との連携を初め、今後もスポーツ課や施設管理課とも連携をとりまして、施設目的や機能に沿った総合体育館の活用も含めた活用策をPRしてまいりたいと考えております。 また、MICEと修学旅行誘致についてでありますが、修学旅行の誘致につきましては、これまで釧路市及び釧路湿原周辺も含めた修学旅行プログラム紹介を主な内容とする釧路湿原で学ぶ新しい修学旅行の手引きを作成し、道内、道外の教育旅行代理店や、実績や要望のある小学校、中学校、高校、合わせて約1,000カ所にこの関連資料とともに毎年送付をいたしております。また、観光団体や宿泊施設の誘致活動でも、活用をされているところであります。 MICEの中で道央、道南の修学旅行誘致も行ってはとのご提言でありますが、MICEは企業旅行や会議、イベント、大会等を新たな視点で地域の関連産業に波及効果をもたらす交流産業育成の視点で実施するものでありまして、従来から誘致活動のノウハウがあります、ある程度確立しております修学旅行とは若干趣の異なる活動になるものと考えております。 ただ、アフターMICEの充実における体験プログラムの開発など、共通する課題もあり、連動性を意識して双方の効果的な誘致につなげてまいりたいと考えております。 議員ご指摘の道央・道南圏の修学旅行誘致では、これまで中学校の誘致の可能性について調査検討も行ってまいりました。現在のところ、実績はわずかでありますが、来釧した札幌の中学校からの意向調査では、道央、道南の中学校は東北地方をメーンとした地域学習が主となっておりまして、同じ北海道内で道東地方を選択するには、道東ならでは学習要素のアピールが相当必要というご指摘もいただいているとこでございます。引き続き道央・道南圏からの修学旅行誘致の可能性も追求してまいりたいと考えております。 次に、商業政策、中心市街地活性化基本計画に関連して、まちづくり会社の概略、予定している業務内容の詳細等についてというお尋ねであります。 まちづくり会社につきましては、地域開発のプロデューサーとして地域開発やまちづくりに関する総合的な企画立案とその調整の役割を期待しているところであります。 具体的な設立に向けましては、釧路商工会議所が中心になって呼びかけていただくこととしておりますが、まず設立時の出資金として総額1,000万円を目標に釧路市のほか、釧路商工会議所、釧路市商店街振興組合連合会等の団体や関連企業などに出資を募ることとなっております。 会社の運営体制といたしましては、役員体制等の詳細は出資者の動向により今後検討されることとなっておりますが、まちづくりに専念するタウンマネジャーにつきましては、配置する方向で商工会議所と協議いたしております。 まちづくり会社の業務内容といたしましては、当面商工会議所から中心市街地の低未利用地の地権者調査などの委託を受けることを予定し、タウンマネジャーにつきましては別途中心市街地活性化協議会から業務受託を予定しているところであります。 さらに、商店街などが行う事業のマネジメントやコーディネートを行うとともに、中心市街地の活性化を協議する場となります中心市街地活性化協議会では商工会議所とともに協議をリードする役割が求められております。 いずれにいたしましても、これまで市や商工会議所などでは限界がありました各種権利者との調整などを行う機関ができることになると考えておりますので、まちづくり会社の設立は今後のまちづくりに大きな力になることを期待をいたしております。 商業者の自助努力に関する認識についてということでございますが、中心市街地を活性化するためには、そこに住む人、そこで事業活動を行う人がまずもってその地域に愛着を感じることが大切でありますとともに、市民が中心市街地の存在を共有できる喜びが必要であると思います。その中でとりわけ商業者の立場から、中心市街地にお客を呼ぶことを考えた場合、自助努力の精神が大切であることは上田議員と認識を同じくするものであります。 これまで市といたしましては、日ごろから取り組んでおります商業者の活動を取りまとめの上、釧路市商店街振興組合連合会を経由して紹介するとともに、商店街に対しましては、商店街パワーアップ事業として自主的な取り組みを支援してきております。また、若手商業者との意見交換におきましても、行政に期待すること、みずからが取り組まなければならないことなどをワークショップによって確認するなど、意識改革を求めているところであり、今日北大通の青年会でかわら版が作成されていることなどは、小さな活動ではありますが、今後に期待できる取り組みであるととらえております。 商業者が自発的活動を起こすよう、今後も啓発と支援について取り組んでまいりたいと考えております。 中心市街地の方向性について聞きたいと、どのような柱を示す予定なのかということでございますが、中心市街地の活性化につきましては、行政と民間が一体となって取り組むことを基本として計画の策定に当たっております。その中で、中心市街地を活性化させる方向性といたしましては、都心部の現況とこれまでの歴史、そして自然の魅力などを総合的に考え合わせて多様な顧客ニーズに対応できる魅力と活力ある商店街の形成、2番目といたしまして、都心の便利さといやし空間の整備により、自然との一体感を堪能できるまちなか居住の促進、3つ目といたしまして豊かな自然環境と恵まれた食材を生かしたまちなか観光の推進などを柱として進めてまいりたいと考えております。 なお、中心市街地活性化協議会の場でいただく幅広い意見などを踏まえて、その方向性を確認してまいりたいと考えております。 次に、丸井今井跡対策をどのようにするのかについてでありますが、旧丸井今井釧路店の後継店舗につきましては、一昨年、北海道丸井今井株式会社から株式会社ノースキャピタルに所有権が移り、株式会社ノースキャピタルの委託を受けた株式会社アラがその店舗誘致に努めてきたところであります。 釧路市におきましては、市民が望む大型店のできる限り早期の出店を期待し、大規模な出店者への助成額を増額するとともに、にぎわいを創出する店舗所有者に対する助成を追加してきたところであります。 また、周辺の空き店舗に出店する事業者がふえることに備えまして、チャレンジストア事業の予算を用意するなど、商業者の出店しやすい環境づくりに努めてまいりました。そのような中、株式会社リフレックスからこの2月に施設を買い取ったと経済部に説明があったところであります。 株式会社リフレックスは、まだ具体的な構想を固めていないため、店舗の構成等については明らかにしておりませんでしたが、年内オープンに向けてこれからしっかり釧路市と協議をしてまいりたいと、このように伝えてきたところであります。つきましては、これまで構築した支援を継続するとともに、株式会社リフレックスに対し、市民の皆さんが望む商業施設として早期に開店するよう要請をしてまいりたいと考えております。 次に、Oh!!さかなまつりなどのイベントの集客について、帯広や北見から客を呼び込めないかということでございます。 このOh!!さかなまつりを含む大漁どんぱくでは、マスコミでの告知効果もあり、昨年は札幌・旭川方面から288名のツアー参加者があり、徐々に増加の傾向にあります。また、年末に釧路市物産協会が主催している物産祭りでは、市内での新聞告知やインターネットを活用してのPRのほか、昨年の暮れには岩見沢市のご厚意によりまして特産品の無料配布を加えるなど、催事の充実に努めているところであります。 昨年、Oh!!さかなまつりで実施したアンケートの結果では、帯広や北見方面のほか、遠くは群馬県や神奈川県からも来場者がありましたが、それぞれのイベントでさらに集客が図られるよう魅力を高めながら関係機関と連携し、帯広・北見方面へのPRに努めてまいりたいと考えております。 次に、駅周辺再整備についてでありますが、これにつきましては昨年の12月定例会におきまして、厳しい財政状況の中、現段階での大規模な社会基盤整備を伴う事業化が極めて難しいと申し上げたところであります。しかしながら、議員ご指摘のとおり駅周辺再整備は交通結節点機能の強化のみならず、東北海道の経済・行政・商業・医療・文化機能などを担う地方拠点都市として発展するために重要な取り組みと認識をいたしております。 このようなことから、今後におきましては財政の健全化を一層推進し、長期的な取り組みとして大規模事業に関するさらなる検討を行うとともに、短期的な取り組みとして都市計画マスタープランや中心市街地活性化基本計画との整合性を図りながら、必要な施設整備や既存施設の有効活用など、ソフト事業に対しても検討してまいりたいと考えております。 また、観光物産情報センターについてでありますが、これにつきましては平成12年度策定の釧路市中心市街地活性化プロジェクトに位置づけられて、空きビル活用策として検討され、さらに釧路駅の高架化、橋上化計画にあわせて再度立地を検討されてまいりましたが、いずれも実現せず、今日に至っております。 市といたしましては、交通拠点における観光物産情報の提供体制の充実は必要性が高いものと考えており、新市建設計画の実施計画に盛り込んだところであります。 今後の取り組みといたしましては、新たな中心市街地活性化基本計画の事業に位置づけ、駅周辺において具体化に向けた検討を今後進めてまいりたいと考えております。 次に、農業の担い手対策についてであります。 全国的に農業者の高齢化や離農が進む中、釧路の農業にとりましても、意欲とやる気のある担い手の育成確保は喫緊の課題であると強く認識いたしております。このため、昨年7月、農業後継者の育成確保に取り組むため、農業5団体の代表者と市などで構成をいたします釧路市農業担い手育成推進協議会が設置をされまして、私が会長に就任したところであります。 今年度は釧路農業を紹介するホームページの開設、新規就農フェアへ参加するとともに、農業団体と連携して農業経営の省力化と新規就農者への負担軽減を図るため、TMRセンター、これは牛の給食センターでありますが、この建設や農業経営への法人化の導入、農業研修センターの設置などの取り組みも推進しているとこであります。 このたびの合併によりまして、新市の農業産出額は75億円と大きく広がり、市の基幹産業の一つに位置づけられておりますことから、同協議会活動を通じ、担い手対策のより一層の推進を図ってまいります。 次に、水産振興策についてでありますが、水産業が地域経済を安定的に支えていくためには、中・長期的視点に立ち、総合計画に示した各種施策を着実に展開して、漁業生産の向上と水産加工業の振興を図っていく必要があります。しかしながら、今水産業は世界的な水産物需要の高まりや、国内での魚離れなど、流通消費を含めた需給をめぐり環境が大きく変化してきております。また、近年燃油価格の高騰や地球温暖化の影響など、将来予測が困難な問題に直面をいたしております。刻々と変化する状況に対応しながらも、増養殖事業の促進、外来船誘致など水揚げの確保、漁獲物の高付加価値化やブランド化、また韓国、台湾あるいは中国など海外市場の開拓、水産加工では新製品開発や高次加工への支援などを通じて地域水産業を基幹産業として維持発展させていきたいと考えているところでございます。 鯨フォーラムの釧路開催についてのお尋ねでありますが、来年開催する鯨フォーラムは全国に釧路市をPRできる絶好の機会ととらえており、釧路の地域特性を生かした企画を組み立て、大きく展開することが成功のかぎを握っております。 釧路市では来年9月に予定をしておりますフォーラムでありますが、初めて調査捕鯨期間中に開催するという特徴を最大限に生かしながら、これまで蓄積してまいりました地域の鯨文化や鯨食文化をさらに発展させ、関係業界、教育機関、飲食、歓楽街、経済界、文化団体などと協力連携しながら、多くの人が参加できるイベントにしてまいりたいと考えております。 また、道内の捕鯨にかかわる関係自治体や試験研究機関などとの連携も視野に入れ、クジラを通して、見る、食べる、学ぶ、遊ぶ、交流することができる企画を立案し、くじらの街くしろを全国にこの機会にPRしたいと考えております。 次に、クジラの缶詰の製造研究についてでありますが、鯨缶詰につきましては、世界的な反捕鯨運動の高まりから大手水産会社が一昨年から昨年にかけて相次いで取りやめておりまして、釧路市内で製造していた工場も諸般の事情から昨年6月で生産を打ち切っております。これはクジラの缶詰を製造する会社の製品は一切欧米では不買運動を起こされて買われなくなるということで、売れなくなるということでありまして、こういった事情から大手水産会社が一斉に手を引いている現状にあります。 缶詰の製造ラインは釧路地域に2工場ありますが、缶詰製造は装置産業と言われるように、ラインを新設するには多額の投資を必要とするものであります。水産加工振興センターには缶詰製造に必要な機器類がそろっておりますが、実験規模でありまして、企業からの研究依頼がありましたら技術指導などで随時対応している程度でございまして、本格的な缶詰製造というのはなかなか現段階では難しいものと考えているとこでございます。 次に、千代ノ浦マリンパークについてでございますが、当初計画との隔たりがあるのではないかというお話でございましたが、平成8年度のこの当初計画の段階では14億円強の事業費を見込み、グレードの高い施設配置を予定しておりましたが、市の財政状況が悪化し、平成13年度に全体計画を見直し、最終的には総事業費を約6億5,000万円に圧縮せざるを得なかった状況であります。 当初計画と比較して施設規模はコンパクトになりましたが、海と漁業との触れ合いの場という基本コンセプトは維持しており、それを生かすためには、にぎわいを生み、彩りを与える仕掛けを組み立て、多くの市民や観光客に足を運んでいただけるよう努めてまいりたいと考えております。 また、この飲食・物販施設でありますが、当初計画では関係漁協が物販施設の建設を予定しておりましたが、漁協経営を取り巻く状況や現下の経済情勢から建設には至っておりません。しかし、マリンパーク全体の活用と利用する市民や観光客の利便性を考えた場合、物販ゾーンの機能を充実させることは必要であり、漁協はもとより民間企業や団体なども含め意欲ある事業者を対象に公募することを検討してまいりたいと考えております。 次に、港湾空港行政についてでありますが、大型旅客船誘致活動の拡大施策についてということであります。 大型旅客船の誘致につきましては、数年先の運航スケジュールがこれから決まることから、平成22年完成予定の耐震旅客船ターミナルを契機に、国内の船会社やエージェントに対する要請活動を行ってまいりたいと考えております。 海外につきましては、外国人観光客がクルーズ船で釧路を訪れ、釧路湿原や阿寒の自然の中で楽しむエコツアーの人気が高まっておりますが、私も昨年オーストラリアの姉妹湿地を訪問した折に、少人数のグループによる探検旅行を専門とする現地の旅客クルーズ観光あっせん会社でありますが、ここを訪ねてまいりました。そのかいありまして、ことし7月には海外から観光客が航空機で釧路入りをし、釧路の自然を楽しんだ後、釧路港を出発し、カムチャッカに向かう自然体験型のクルーズを運航していただけることになりました。釧路港は北米大陸に最も近い港という地の利を生かして、釧路を核にしたアラスカクルーズやカムチャッカ、サハリンクルーズなど外国客船によるクルーズの誘致にも今後取り組んでまいりたいと考えております。 これまでもマイアミに本社がある海外クルーズ会社のキーパーソンを釧路に招聘し、大型客船寄港の要請を行っており、ことしはアジアを拠点にクルーズを展開する船主に対するプロモーションを行う予定であります。 次に、貨物取扱量強化のポートセールス活動についてでありますが、釧路港の貨物取扱量は基幹産業の構造的変化や平成19年の釧路-東京間の航路休止などに伴い、伸び悩み傾向が続いておりましたが、東北海道における今後拠点性を高め、地域経済活動の活性化につなげるため、貨物取扱量の増加は極めて重要な課題であると認識をいたしております。このため、新年度におきまして、全国輸出入コンテナ貨物流動調査を国と共同で実施し、東北海道を含めた外貿コンテナ貨物の流動状況を把握することにより、外貿コンテナの量的、質的変化に対応した的確なポートセールスにこれをつなげていく考えであります。 さらに、釧路港利用整備促進協議会の中に、早期の情報収集などを目的とした港湾関係団体などから成る専門部会を設置し、取扱貨物量を確保する各種施策に資するため、荷主等に対しヒアリングなどによる調査分析を行ってまいります。 これまで釧路港湾協会と連携して行ってまいりました道内荷主や東京、大阪のセミナーの開催などのポートセールスとあわせ、新年度に予定されているこれらの施策を生かした取り組みを進め、より実効性のあるポートセールス等を展開していく考えでございます。 国際空港に向けた国際定期路線の受け入れ態勢についてのお尋ねでございますが、釧路空港への海外航空便につきましては、現在のところ台湾や韓国からのチャーター便が就航しております。特に昨年7月から8月にかけて韓国のチャーター便につきましては、18便運航されておりますが、乗降者数で4,617人と過去最高になり、搭乗率も92%となっております。大韓航空の関係者にお聞きしましたところ、昨年海外で大韓航空が運航したすべてのチャーター便の中で釧路便が一番高い搭乗率を記録したとのことであります。韓国に皆さんの釧路方面への人気の高さを改めて私どもも認識したところであります。この人気の高いチャーター便の実績を積み重ねていくことが、地域の悲願であります定期便の就航する国際空港につながるものと考えております。 CIQにつきましては、現在のチャーター便への受け入れ態勢が整っているものの、定期便就航を踏まえ、さらなる充実を関係官庁や国土交通省へ積極的に要請をしてまいりたいと思います。 また、空港施設の整備や外国人観光客の受け入れ態勢の充実につきましては、定期路線開設を視野に置きながら、その時期や内容につきまして関係機関や団体と協議を重ねてまいりたいと考えております。 次に、空港駐車場料金と運賃の地域格差についてのお尋ねであります。 不都合を感じていると、こういうお話でございますが、釧路空港の駐車場は国が管理する他の空港と同様に、財団法人釧路環境整備協会により運営されておりますが、空港利用を促進するためにも料金の値下げにつきましては、これまでも協会に対し重ねて要請してきたところであります。その結果といたしまして、釧路空港駐車場の料金は空港環境整備協会が運営する全国の空港の中で大分空港に次いで低い料金体系となっているほか、プリペイドカードによる割引や課金時間体系の見直しも行っていただいております。今後も空港利用の促進の観点から、駐車場利用者の負担軽減が必要と考えますので、商工会議所初め民間と連携し、引き続き要請をしてまいります。 また一方、この駐車場の拡張整備、あるいは空港ビル周辺のあの野生動物のモニュメント、あるいは釧路市の消防本部に対する消防車や救急車の高率補助など、この空港環境整備協会から受けているメリットも大きなものになっていることを、またご理解をいただきたいと、このように思う次第でもございます。 次に、航空運賃の地域間格差につきましては、同じ距離の南と比べて北海道の運賃は割高になっております。この南北間格差の原因はいろいろ考えられますが、地域によりまして他の交通機関との競合により料金が設定されている場合もあるなど、南北それぞれの路線ごとに料金格差があるのが現状であります。私もエアラインに対して要請を行ってきておりますが、国土交通省の白書の中で、国も北海道方面の運賃の値下げについて、航空運賃問題の適正化に取り組むとの姿勢を示しておりますので、この釧路空港への割高運賃の解消に向けて官民が協力し、エアラインに是正を要請してまいりたいと考えております。 次に、横断自動車道本別-釧路間の整備についてであります。 当地域において長年の懸案でございましたこの北海道横断自動車道本別-釧路間は、関係皆様方の力強い要望活動が実り、平成17年3月に工事着手をいたしました。平成19年度の本路線予算は207億円が配分され、高速道路が早期ネットワーク化を掲げる国の方針に基づきまして、重点かつ効果的な整備が進められてきております。 本路線は経済活動圏の拡大や、人や文化交流の促進、あるいは災害時における代替路線の確保を初め、地域が発展し、次代につなげる重要な社会インフラとなります。このため、整備に必要となる道路予算が今後も安定的に確保され、平成20年代後半とする供用開始が一年でも早められるよう、引き続き関係機関に対して強く要望してまいりたいと考えております。 道路特定財源の暫定税率撤廃に対する見解についてのお尋ねでありますが、道路特定財源は道路整備の着実な推進とその財源を安定的に確保するため創設され、受益者負担の考え方に基づき、自動車利用者の方々がその利用に応じて負担をする制度であります。また、立ちおくれております道路整備を積極的に推進するため、本来の税率をガソリン税で2倍にし、重量税で約2.5倍まで引き上げる暫定税率とし、この道路特定財源により規格の高い高速道路から市町村道に至る道路整備が進められてまいりました。しかしながら、当地域で進められている北海道横断自動車道本別-釧路間が建設途上にあるなど、地方の高速道路や幹線道路はいまだに十分な水準に達しているとは言えない状況であります。道路特定財源の暫定税率が廃止となれば、国の道路財源はほぼ半減する中、現国道の維持管理予算を優先させなければならないわけでありまして、このため新規や継続事業の予算は大きく圧縮されることになり、この結果、北海道横断自動車道本別-釧路間の建設進捗や供用開始が大きく遅延するものと推察されるとこであります。 原油高騰によるガソリン等の値上がりは、市民生活やさまざまな分野に影響を与えておりますが、将来のまちづくりと当地域の持続的な発展に寄与する社会インフラを確かなものにするため、当面はこの道路特定財源の暫定税率を堅持し、必要とする道路整備を優先すべきと私どもは考えております。 旭橋通や緑ケ岡若草通の整備計画と今後の生活道路計画の影響についてであります。 当市における旭橋通や緑ケ岡若草通を初めとする主要な幹線道路によるネットワークの形成は、経済活動や市民生活に欠かすことができないものであり、通常での補助事業採択が非常に難しい中、これらの整備に当たりましては、道路特定財源税制の体系をなしている地方道路整備臨時交付金事業の採択を受けて行うこととしているところであります。 したがいまして、現在行われております国会での議論を注視しているとこでありますが、仮に6割の交付金を受け取ることができるこの制度が廃止された場合には、平成20年度の予算案において交付金1億4,400万円、これは事業費ベースで2億4,100万円でありますが、またこれと同時に現時点での平成20年度から平成29年度までの10カ年の幹線道路等の整備計画におきましては、交付金約33億4,000万円、事業費ベースで約55億6,000万円でありますが、この財源不足を生じることになるものと想定しているとこであります。 このようなことから、この制度が廃止になれば、今後計画されている幹線道路の新設はもとより、事業着手中の旭橋通や音別幹線、さらには緑ケ岡若草通などの事業の整備財源の変更とあわせ、事業の着手や期間の延伸などを改めて検討することが必要となり、今後の道路整備に深刻な影響を及ぼすことになるものと考えております。 次に、水道行政であります。限りある水資源への認識と将来にわたる安定的な水道水の供給についてでありますが、ご質問いただきましたとおり、人口の急激な増加や社会の進展に伴い、多くの国で水不足が発生しており、21世紀はまさに水の世紀と言われ、世界的に飲料水や農業用水、工業用水など、この水問題が一層深刻化することが懸念されております。 国内におきましても、東京以南では夏になると渇水により水道の給水制限が行われるなど、水不足が発生しておりますが、幸い釧路市の水源は釧路川の表流水を初め、阿寒・音別地区とも水量が豊富で、恵まれた水環境にあります。しかしながら、水は限りある資源であり、環境の変化が水質に敏感に影響を及ぼすものであります。このことから、今後とも流域の自治体や農業、漁業団体などの皆様とともに水源環境の保全に取り組み、水資源を大切に守り、水利用を進めていかなければならないと考えております。 また、水道は給水開始から長い歴史を重ねており、水道資産の老朽化や耐震化という課題を抱えております。このことから、将来にわたり安心・安全・安定した水道水を確保し、提供するためには、これらの浄水施設や管路について実態を把握し、優先度、緊急度を見きわめながら施設の更新や再構築を計画的に進めていくことが重要であると認識いたしております。 将来方向を含めた愛国浄水場に対する見解についてであります。 愛国浄水場の各施設につきましては、平成17年度、平成18年度の耐震調査の結果、コンクリート自体の劣化はなかったものの、耐震強度不足が判明し、多額の補強費用を要することとなりました。そこで、将来展望を見据えた今後のあり方を総合的に検討する必要があると考え、現在ご案内の3案について専門のコンサルタントに調査を委託して検討を行っているところであります。 将来方向を検討するに当たりましては、第1には再構築する浄水場は現在の愛国浄水場と同様に釧路地区の唯一の浄水場となるものであり、安心・安全・安定したライフラインの提供を持続的に担う基幹施設として確実な機能と装備を備えるものであること、第2には現在の愛国浄水場で水道水をつくりながらの再構築となりますことから、断水などのリスクを回避できる方法であること、第3には将来の水質変化や国の水質基準の動向などを踏まえ、浄水方式の選定については現在の急速ろ過方式を継続する案のほか、最新の技術や高度浄水処理としての膜ろ過方式や粒状活性炭方式など幅広く検討することなどを基本に置いて現在調査検討を行っているところであります。 次に、建設に当たりましてPFIなどの事業方式の検討についてでありますが、水道事業におきますPFIの導入につきましては、事故の際の責任の所在などの問題があり、これまで東京都水道局金町浄水場の常用発電施設や千葉県水道局江戸川浄水場の排水処理施設建設など、一部の施設の活用にとどまっている現状にありますが、最近では松山市のように更新事業の資金課題は自治体で行い、工事の設計施工と浄水場の運転管理は民間企業で行うというDBO方式などの事例も出てきております。 愛国浄水場の更新事業につきましては、将来方向が決まった後に具体的に事業手法や維持管理方法などを検討する中で、PFIなどの民間活用の導入可能性も含め十分に検討してまいりたいと考えております。 次に、障がい者福祉の充実についてでありますが、障がい者の地域移行に係る住まいの確保についてであります。 ご指摘のとおり、本市における障がい者の地域移行は平成21年度から本格化する見込みであり、その受け皿としてはグループホームやケアホームが主体となるものであります。平成19年3月策定の釧路市障害者福祉計画におきましては、平成23年度末までに入所施設から地域生活に移行する人数を86人と設定したところであります。また、長期入院中の精神障がい者の地域移行につきましては、北海道の調査結果を受けて75人と認定しており、合わせて161人の方々が地域生活に移行すると見込んだところであります。 障害福祉計画の策定時点では、市が共同生活援助、いわゆるグループホームの支援を行っている障がい者数は111名でありましたが、計画ではケアホームも合わせて259名分をプラスし、平成23年度までの必要見込み量を370名分と設定をいたしました。この数字は平成18年5月時点における市内の社会福祉法人等の事業計画数値をもとに算定したものでありますが、養護学校の新卒者や家族からの独立などを考慮しても十分に充足できる水準となっております。 精神障がいの方々に対する支援につきましては、釧路市独自の事業として住宅入居等支援事業、これは居住サポート事業といいますが、これを立ち上げ、入居に際しての相談、入居後の支援、家主さんとの調整などの対応を相談支援事業者への委託により実施しているとこであります。 地域生活の受け皿といたしましては、社会福祉法人等がアパートを借り上げ、独居形式のグループホーム運営を行っている事例や、民間経営による食事つき下宿など、さまざまな形態がございますので、今後におきましてはこうした情報の提供にも努めてまいりたいと考えております。 障がい者の地域移行に係る経済的基盤の確立についてというお尋ねでありますが、ご指摘のとおり障がい者が地域で安定した生活を送るためには、障害基礎年金、特別障害者手当等の公的収入のほか、工賃などの就労収入の確保が大変重要な課題であると認識いたしております。 平成21年度から障がい者の地域移行が本格的に始まり、障がい者の工賃確保がより一層重要となってまいりますので、障がい者の就労及び工賃引き上げのための対策として、新年度から就労支援強化事業に取り組むことといたしました。 この事業は、就労促進貢献企業認定制度の創設、また福祉的就労と企業ニーズのマッチング事業、また障害者雇用促進セミナー、次に福祉的就労事業研究会の4本柱で構成をいたしております。 このうち、就労促進貢献企業認定制度は、障がい者の雇用推進や工賃引き上げへの貢献度を評価し、市の物品契約に係る指名業者の選定に際し、認定企業を優先する仕組みであります。平成21年度からの実施を予定しておりますが、国の発注促進税制と相まって効果を発揮するよう取り組んでまいりたいと考えております。 制度的には障がい者雇用につきまして、法律上の義務がある企業には法定雇用率以上の雇用を求め、義務のない企業には雇用人数のほか、就労支援の事業所等に対する業務発注、授産製品等の購入や原材料購入時の値引き等も貢献度として評価するなどの配慮を行う考えであります。 次に、その相談支援体制の強化についてでありますが、ご指摘のとおりこの障害者自立支援法の重要な柱である相談支援体制の充実強化は、障がい者の地域移行を推進する上で極めて重要な課題であります。釧路市といたしましては、昨年8月に釧路市障がい者自立支援連絡会議を設置し、相談支援部会から具体的な取り組みを始めたところであります。この相談支援部会は月1度以上の頻度で会議を重ねてきており、個別ケースのケアマネジメントや困難事例の検討などを中心に活動しているとこであります。 また、10月にはサービス提供事業所を中心とした生活支援部会を立ち上げ、事業所間あるいは相談支援部会との密接な連携を図っているところであります。 この生活支援部会には、さらに下部組織として訪問系サービス、日中活動系サービス、居住サービスの3つの小部会を置き、さまざまなサービスを組み合わせた利用のための連絡調整を行っております。 自立支援連絡会議は、釧路市障がい者福祉計画、ハートフルプランの9つの体系に対応する施策を推進するため、計画の体系ごとの部会設置を予定しております。各分野ごとに必要に応じて随時部会を立ち上げていき、このネットワークの活用を図りながら、万全な相談支援体制を確立したいと考えているとこでございます。 障がい者に対する市職員採用計画について聞きたいということでございますが、釧路市では法定雇用率をしっかり確保していくとの観点から、平成16年度に初めて障がい者を対象とした市職員採用試験を実施し、その後実施した平成19年度と合わせて計7名の職員を新規に採用してきたところであります。今後も退職者の推移を見ながら、法定雇用率をしっかり確保していくため、計画的に障がい者の採用を続けてまいりたいと考えております。 次に、地域医療についてのお尋ねでございました。医師不足と救急医療に対する市長の見解についてということでございますが、近年地方におけるこの医療環境は、釧路市においての小児科、産婦人科の集約化や市立病院の循環器内科の減員に伴う集約化、北見赤十字病院や道立紋別病院に見られる相次ぐ医師の退職など、非常に厳しい状況にあると認識しており、国や北海道に対し医師確保対策の充実についての要望を行っているところであります。 また、このような医師不足は救急医療体制にも影響し、釧路市においてはこれまで中心的役割を担っておりました釧路市医師会病院が医師の減少により当番日数を削減せざるを得なくなり、救急医療体制の見直しを迫られる状況となったことはご承知のとおりであります。しかしながら、市民が安心して生活するためには、地域医療を守り、救急医療を維持していくことが必要不可欠でありますことから、釧路市医師会と協力し、初期救急医療を担う施設として釧路市夜間急病センターを4月に開設するに至ったところであり、診療に当たる開業医、勤務医皆様の負担軽減を図るためにも、今後とも医師会と協力をしながら常勤医の確保に努めてまいりたいと考えております。 また、一方では地域医療を守り、救急医療を維持させていくためには、市民の理解と協力も不可欠であり、日中忙しくて受診できないなどの理由で夜間や休日など通常の診療時間外に受診することを控えるなど、救急医療のルールについての啓発も引き続き行ってまいりたいと考えております。 次に、スポーツ振興の観点から、湿原の風アリーナ釧路、総合体育館の9月27日のオープンを前に心境を聞きたいと、こういうお話でございますが、ご指摘のとおり本施設は、釧路・根室地域のスポーツ競技者及び関係者にとりまして待望の施設として当地域のスポーツ振興に大きく寄与するものと確信いたしておりますが、これは私が道議会議員時代からの大きな課題でもありました。とりわけ市長就任後におきまして、道立総合体育館誘致を断念し、釧路市が主体となり都市公園整備事業による釧根地域総合体育館建設に方向転換したことは、当時一大決意であり、今まさに実現するのを目前にし、感無量の思いがいたしております。ご協力、ご支援いただいた関係者の皆様に深く感謝申し上げる次第でございます。 先般、工事現場に行きまして施設規模の大きさや展望ラウンジからの釧路湿原の眺望のすばらしさを実感してまいりました。全国、全道から大会に来られる多くの選手団、応援団の皆様にきっとすばらしい湿原風景を見せることができる、味わっていただくことができると、このように期待しているところでございます。 今、9月末のオープンを心待ちにしており、完成後、多くの市民や子供たち、そして施設を利用される方々の笑顔や歓声が待ち遠しい限りであります。 こけら落としのイベントや主な開催大会を示してほしいということでございますが、9月27日のオープン式当日は、全日本クラスの体操選手によります模範演技とジュニア体操教室を計画いたしております。現在、釧路体操連盟や北海道体操連盟を通じて日本体操協会と調整いたしております。また、その後になりますが、実業団NEC女子バレーボールチームによる強化合宿と紅白試合やバレーボール教室等を通じて市民との交流を行う予定となっております。 また、このほかにも主な開催大会といたしましては、全国大会が10月10日開催の第27回全日本ジュニアバドミントン選手権大会を初め、第45回全日本トランポリン選手権大会、第7回全日本9人制バレーボールオールスターズフェスティバル大会が予定されております。 全道大会では、北海道卓球選手権大会を初めバスケットボール競技、ハンドボール競技、ソフトテニス競技、少年柔道競技などが予定をされているとこでございます。 次に、MICEでの会議や音楽イベント、相撲巡業などのアプローチということでございますが、この体育館はスポーツ競技を中心とした施設ではありますが、そのほかに集会や研修会、講演会、式典等の催事を含め多目的な利用が可能な施設であります。2階観客席と1階フロアを合わせると約4,000人を収容できる大きな施設であります。 なお、ステージも用意されているとこでありますが、本格的なお芝居や歌謡ショーなどを行うには奥行きが狭く、ステージ幕類等も限られておりますことと、照明設備の面から、これは特設ステージを持ち込まない限りなかなか難しいもんだと考えております。 なお、相撲に関しましては、土俵の設置が可能な設計となっておりまして、巡業の候補地として前向きなお話も寄せられているとこであります。 そのほか、個別的ではありますが、全国大会の開催や全国的イベントの情報や相談も寄せられており、今後指定管理者とお互いに情報を共有しながら、全国に向けて積極的なPRを展開してまいりたいと考えております。 次に、北方領土返還の推進についてであります。 根室市は北方領土返還運動の原点の地として、全国の先頭に立って各種啓発活動や世論の喚起を高揚を図るため、粘り強い運動を展開しております。釧路市も北方領土復帰期成同盟釧路地方支部や、千島歯舞諸島居住者連盟釧路支部と協力し、昨年は北方領土返還要求指導者研修会を開催するとともに、世論喚起の拡大を図るため、氷まつりなど各種イベント時には北方領土の早期返還を求める署名活動を行い、毎年1万人以上の署名をいただいております。 釧路市と根室市が一体となって北方領土返還運動に取り組むことは、国の強力な外交交渉を支える環境づくりのためにも大切なことであります。 今後は北方領土復帰期成同盟釧路地方支部や根室市などと相談し、両市が連携して北方領土返還運動に対する世論喚起の拡大に努めるよう、各種啓発事業を検討するとともに、国、道への要望につきましても話し合いをしてまいりたいと考えております。 最後に、5年3カ月たったその心境ということでございますが、就任以来、厳しい財政状況がずっと続いているわけであります。また、地方の財政健全化法がこの平成20年から適用されるということでありまして、ひたすら釧路の財政の健全化、そして人口が減少をする中、地域で若い人たちが働く場所の確保が何とかできないかという、産業振興に苦慮しているとこでもございます。少しずつプロテオグリカンにしてもLEDにしても、新しい芽は出つつあると思いますし、また一方IT産業などなども進出が続いているとこでもありまして、若い人材がこの釧路の地で働くことができる、そして住むことができるというまちづくりができればという一心でございます。 また、国政選挙のお話が出ましたけども、国政選挙は国政選挙でおやりになりたい方がやればいい話でございまして、私は財政の立て直しというお話しいただきましたけども、釧路市が極めて厳しい状況にある中でございまして、市長として2年前に立候補し、新市の初代市長にさせていただいたわけでありますので、釧路市長として全力を挙げて今後取り組んでまいりたいと考えているとこであります。 また、市長選挙のときのパンフレットの中に、未達成の部分が2点あったというご指摘でありました。アーケードにつきましては、当時まだ丸井今井釧路店が撤退するというお話がなくて、あのパステルタウンを中心にしてもう少しにぎわいの創出ができないかという思いから、雨でも雪でもイベントができる、あるいは憩うことのできるT字形というか、ちょうどパステルタウンとTの字で交差するような丸井今井からちょうKOM、あるいはパステルパークの裏までつながるようなものはどうだろうかという思いをしたことは事実でございました。ただ、株式会社アラの社長にそのお話をいたしましたら、今全天候型のいわゆる商店街の屋根を逆に取り払うという動きもあるんだよというお話から、もう一度その辺はお考えになったがいいと、自分は賛成しないという、そんなお話をいただいたとこでございまして、アーケードについてはもう少し慎重に検討する必要があるなと思っているとこでもあります。ただ、全国各地見ますと、そのアーケード街が非常に活性化の中心になっているところもしばしば紹介されているわけでございまして、これもう少し全国の事例を見てみなきゃわからないなと思うとこでもあります。 また、阿寒湖のマリモ観察展示施設でありますけども、チュウルイ島に行きましてあの施設を見たときに、非常に違和感のある部分がございました。また、遊覧船に乗ってはるばる行った観光客の皆さんをお迎えする施設としてはいささかそぐわない部分、あるいはまた足らざる部分があったので、あれを建てかえができるもんならしたいなという思いをしたとこでございますが、その天然記念物たるマリモの取り扱いに非常に難しい部分がありまして、環境省などなどの規制も多く、現施設を大胆に改築するというのはなかなか難しい状況でありますので、これも現在マリモの再生事業という形の取り組みも一方で計画をされているわけでありますので、これらとあわせて本当にあのすばらしいマリモの見せ方、あるいは天然のマリモの水槽だけを見るのでは何にもおもしろくないわけでありまして、逆にバーチャルで映像でマリモの生態や、あるいはまた大きさや、いろんなものを感ずることのできるようなことなども考えて、いずれにしても将来的には阿寒湖畔の整備とあわせて展示施設の改造、改築が必要ではないかと、このように私は考えているとこでもございます。 数々のご提言、ご指摘ありがとうございました。(拍手)
○議長(二瓶雄吉君) 教育長。
◎教育長(林正昭君) (登壇)私からは教育行政に関するご質問にご答弁申し上げます。 最初に、行財政改革に関して2点ご答弁申し上げます。 1点目は、生涯学習や文化・スポーツ部門の市長部局への移行についてとのご質問でございますが、議員ご例示の出雲市では、平成13年度から教育委員会の生涯学習部門を市長部局に移行し、補助執行させており、教育委員会と市長部局との連携を図りながらきめ細かな対応ができるように努めているとのことであります。 また、平成20年4月施行の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正に伴い、文化・スポーツに関する事務をこれまでの委任や補助執行によらず、条例化することにより、最初から首長の権限として担うことが可能になるなど、教育委員会と首長との間における役割分担のさらなる柔軟化が図られようとしていることも認識をしております。 釧路市では、学校教育と社会教育が一体となって教育に取り組んでいく学社融合による生涯学習社会の実現を目指すために、平成10年に市長部局の生涯学習推進部を教育委員会の社会教育部と統合再編し、現在の生涯学習部と学校教育部の2部体制としたところであります。この体制のもと、これまで学校開放による地域スポーツ活動や総合的な学習の時間における社会教育施設と連携した自発的な学習など、両部の機能の融合により高い教育効果をもたらしているところであります。 このように、長年にわたり教育委員会が果たしてきた役割、蓄積は大きく、今後も学社融合を基本姿勢に、これまで以上に学校教育部と生涯学習部が連携強化を図っていくことが重要でありますことからも、生涯学習部の市長部局への移行につきましては慎重な判断が必要であると、このように考えております。 2つ目は、幼保一元化の醸成と保育園子育て支援を教育委員会へ移行することについてのご質問でございますが、教育委員会から市長部局への幼稚園の移行につきましては、行政側の所管部署を市民から見てわかりやすい形に一元化し、窓口や受益者サービスの効率化を図るため、市長部局に業務移行したものであります。しかしながら、幼児教育の施行については、合併によりこれまでの市立幼稚園に阿寒・音別地区の公立幼稚園も含めて見直す必要が生じたことに加え、就学前の子供たちの育ちを踏まえた幼児期の教育をどう振興していくかについての計画づくりが求められたところであります。 このようなことから、教育委員会が事務局の代表となり、こども保健部などとともに幼稚園、保育園の関係者などによる策定協議会を立ち上げ、
幼児教育振興計画の策定に当たったところであります。 また、この計画の中で教育委員会は、幼児が幼稚園、保育園等の幼児教育から小学校教育へスムーズに適応できるように教育の連続性を考えた教育及びそのための研修などを担い、幼保連携など、幼保一元化の醸成につきましては、幼稚園、保育園を所管しております市長部局が担うものと、このように考えております。 いずれにいたしましても、今後とも市長部局と教育委員会が互いに連携調整し合いながら機能分担し、効率的、効果的な業務運営を図っていきたいと考えております。 次に、地域医療に関する高校医学部コースについて、その内容をとのご質問でございますが、北海道教育委員会の平成20年度教育行政執行方針によりますと、重点施策の展開の中で医進類型を設置する高校を指定することが述べられております。また、道においては道内の深刻な医師不足の状況を打開すべく、新年度から医育大学入学者、臨床研修医等を対象とした奨学金制度創設を検討するとともに、医進類型を設置する高校の指定につきましては、近々道教委において地域医療を担う人づくりプロジェクト事業案に係る検討状況に説明と協議を予定校の関係者を集め開催する予定と伺っております。 このプロジェクト事業案では、1つは医進類型指定校の配置、2つ目は地域医療体験事業の実施、3つ目はメディカルキャンプセミナーの実施などを行い、地域医療を支える人材の育成を図ることを目的としていると、このように聞いております。 いずれにいたしましても、このような取り組みがなされるとすれば、釧路市域にとっても喜ばしいことであると考えております。 次に、新学習指導要領案についての見解をとのご質問でございますが、新学習指導要領案についてでありますが、去る2月15日、文部科学省は新しい学習指導要領の案を公表いたしました。新しい学習指導要領の案では、確かな学力や豊かな人間性、健康、体力などの生きる力を育てるという現行学習指導要領の理念を継承するものとなっております。継承される背景には、社会の変化に対応するための能力が求められる時代にこそこの生きる力が必要であることや、国内外の学力調査などから生きる力で重視している思考力、判断力、表現力に課題が見られたことなどがありました。このようなことから、これからの子供たちに生きる力を身につけさせるための今回の学習指導要領案は極めて適切なものであると、このように考えております。 次に、教師力の向上についての見解をというご質問でございます。 いつの時代におきましても、未来を担うのは子供たちであり、生き生きといろいろなことに挑戦し続けるエネルギーを持った子供を育てることは家庭や地域の負託にこたえることでもあります。 このような子供の生きる力をはぐくむためには、まず教師一人一人が教職に対する使命感や子供への深い愛情を持ち、専門家としての確かな力量を備えた教師力の向上に努めることが重要であります。そのため、教職員の負担に配慮しつつ、他業種などの社会体験研修や体験活動を含めた初任者研修など、各種研修会への積極的な参加を呼びかけるなどして、教師力の向上に努めているところであります。 次に、給食費の改定につきまして、給食費の値上げを検討すべきとのご提言でございますが、学校給食費は主食、牛乳、副食から構成されておりまして、平成13年度に改定以来7年を経過いたしております。この間におきましても、主食や牛乳などの価格の変動はありましたが、献立の工夫や競争入札による適正な価格の推進によりまして、据え置いてきたところであります。しかしながら、平成20年度からは地産地消の方針のもと、パンの原料であります小麦を外国産から道内産小麦に変更したことによる単価の改定と牛乳の値上げが見込まれております。また、副食についてもうどんやラーメンなどの原料となります外国産の小麦の価格が高騰していること、生乳の値上げによりバターや調理用牛乳の価格も改定されること、またご指摘の中国産の冷凍食品についても、保護者に不安を与えることのないよう使用を自粛するなど、安全な食材を確保することは重要な課題であると考えております。これらの諸事情を勘案し、安全で安心な学校給食を児童・生徒に提供するためには、給食費の改定が必要であると考えており、このほど学校給食に関する重要事項を審議いたします釧路市学校給食審議会に諮問し、改定が必要である旨の答申を受けたところであります。 この答申の内容でありますが、釧路地区の給食費では1食当たり小学校では6円、中学校では7円の改定額となっております。また、阿寒・音別地区では1食当たり小学校では4円、中学校では5円の改定額になっております。 今回の改定により、未納額がふえる危惧もありますけれども、文書や電話による催告や繰り返しの家庭訪問、また法的措置を実施するなど、支払っている方との不公平を是正するためにも、引き続き未納対策の強化に努めてまいりたいと考えております。 なお、悪質な滞納者に対しましては、給与の差し押さえを視野に入れた支払い督促を簡易裁判所に申し立てたところであります。 次に、釧路湿原マラソンを国際的市民フルマラソンへというご質問でございますが、釧路市主催の釧路湿原健康マラソン大会は、昭和48年の第1回大会から市民の健康づくりを目的に開催してきておりまして、多くの市民が参加する道内でも屈指の歴史ある大会であります。また、市民ランナーの走力や技術力の向上などを背景に長距離への挑戦に関心が高まり、ハーフマラソン以上の長距離種目の新設を求める要望にこたえ、平成14年度の第30回大会より30キロ種目を新設し、開催日を10月から7月に移行し、釧路湿原マラソンとして現在に至っております。30キロ種目は全国的に有名な東京都の青梅マラソンや道内では稚内市での日本最北端平和マラソンなど、全国でも数カ所ほどの開催であり、貴重な種目であります。さらに、9月に行われるフルマラソンの北海道マラソンに向けたステップとしても定着しておりまして、アンケート調査でも多くの支持をいただいているところであります。 釧路湿原マラソンの30キロ種目にさらに多くのランナーに参加していただき、青梅マラソンに匹敵する大会を目指しているところでもあります。 なお、フルマラソンの導入につきましては、新たなコース設定やコース規制の時間延長、給水場などの増設に伴うスタッフの確保や経費の増加など、解決しなければならない課題も数多くありますが、議員のご提言も踏まえ、今後の研究課題としてまいりたいと考えております。 次に、東京国際女子マラソンの誘致活動についてのご質問でございます。 日本陸上競技連盟と朝日新聞社、テレビ朝日が主催する東京国際女子マラソンは、本年11月16日開催の第30回記念大会をもって幕を閉じると伺っております。東京マラソンの新設による東京都心部での交通規制の面から実施することが困難になったとのことでございます。世界各国の女子のエリート選手を中心とした東京国際女子マラソン大会でありますので、当然ながらフルマラソンコースの確保と日本陸上競技連盟公認コースでの実施が前提となりますことから、釧路湿原マラソンコースの堤防敷地の利用は認められないこととなり、大幅なコースの見直しが必要となります。したがいまして、議員ご提言の東京国際女子マラソンの誘致活動につきましては、現状では難しいものと考えているところでございますので、何とぞご理解をお願いしたいと思います。 次に、北方領土問題についてのご質問でございますが、北方領土問題の教科書への掲載と教員の研修についてでありますが、北方領土は我が国の領土を知る上で極めて重要であり、学習指導要領において我が国固有の領土であることや、我が国の要求をめぐる問題について指導するよう定められております。このため、小学校社会科や中学校社会科の地理、歴史、公民各分野の教科書において北方領土に関することが記載されているところであります。また、北方領土について子供に指導する教師の研修が必要でありますことから、初任者研修、5年目や10年目の教員を対象とした経験者研修の中で北方領土の教育用資料や手引きなどを用いながら理解を深めるとともに、指導のあり方などについて研修をしているところであります。 私からは以上でございます。
○議長(二瓶雄吉君) 再開を午後2時30分とし、暫時休憩いたします。 午後1時23分休憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 午後2時30分再開
○議長(二瓶雄吉君) 再開いたします。 次に、市民連合議員団代表、31番渡辺慶藏議員の発言を許します。 31番渡辺慶藏議員。
◆31番(渡辺慶藏君) (登壇・拍手)それでは、市民連合議員団を代表いたしまして、新年度の市政方針、教育行政方針並びに予算案について提案を交え、さらに意見を付して質問をしていきたいと思います。 この間の政治の動向を分析しますと、改革、改革と叫び続けた小泉改革の5年間と、続く安倍内閣が一体何をもたらしたでしょうか。一言で言えば、あらゆる分野での格差の拡大と言っても過言ではありません。それは生活の格差であり、地域間格差であり、そして経済力や財政力の格差が今大きくのしかかってきているのであります。生活の格差であれば、お金に全く困らない豊かな暮らしをしている人もいれば、毎日の生活が苦しく、あすへの夢や希望を持てない人たちが本当に多いということであります。北海道の中でも、この釧根、釧路は失業率が最も高く、パート、フリーター、契約社員など、身分が不安定な層が急激にふえ続けている現状にあります。若い人たちがこの釧路で生まれ、釧路で育ち、釧路で働き続け、家庭を持ち、子供を育て、生涯釧路で住み続けるためにも、働く場所をしっかりと確保することが釧路の未来を築くために極めて重要な課題ではないでしょうか。 また、高齢者の皆さんの生活実態は、この5年間の中で最悪の状況になってきていると言わざるを得ません。実際に高齢者の皆さんの行事に出て必ず耳にすることは、我々年寄りをこれ以上いじめないでくれ、年金収入が減り、本当に生活が苦しくなっている。少々体が悪くても病院代が高く、病院にも行けないという声であります。ことしの元旦から飛び込んできたニュースも、89歳のお年寄りが孤独死をするという衝撃的なニュースを初め、高齢者の孤独死を伝えるニュースが二、三日続いたのを思い出すわけであります。 また、最近次のようなデータも発表されました。都市再生機構が管理運営する住宅で、平成18年度1年間の孤独死は517人で、7年前と比較し25倍にもなったとのデータであります。医療費の負担を初め税金、介護保険などが重くのしかかり、加えてガソリン、灯油などが大幅に値上げとなり、食料品、雑貨類なども次々と値上げをし、家計を直撃し、大変な思いで毎日年金暮らしをしなければならない状況に置かれているわけであります。 私は、昨今の生活実態はあらゆる階層で生活格差が広がり始めているとの認識を強く持っていますが、市長は生活格差についてどのような見解を持たれているのか明らかにしていただきたいと思います。 次に、地域間格差についてでありますが、地方財政や経済、雇用、生活など、あらゆる面において地域間格差が拡大していると思うわけであります。とりわけ、自治体財政は三位一体の改革により地方交付税などの減額により極めて厳しい財政運営を強いられ、このことが地域経済にも大きな影響をもたらしているわけであります。例えば公共事業の減少や職員の給与削減が何年も続いているということは、消費活動が大きく冷え込むことに直結をしているわけであります。このことが地域の景気の低迷に少なからず影響していると言わざるを得ませんし、農業や漁業や商業など、それぞれの経営も大変厳しい状況にあります。市長は地域間格差や自治体の財政力格差についてどのように認識されているのかお答えいただきたいと思います。 次に、3市町合併から既に3年目に入りましたが、この間、阿寒・音別両地域の課題解決に努力をしてきたわけでありますが、このことにより両地域の皆さんは飛び地合併を初め合併による不安が解消され、徐々にではありますが、一体感も醸成されてきているものと思います。市長は合併後約2年半を振り返ってどのような思いを抱かれているのかお答えいただきたいと思います。 また、新市の初代市長としての任期は残り1年半余りありますが、残された任期の中で解決しなければならないこと、特に新釧路市が抱えている重要課題は何か明らかにしていただきたいと思います。 次に、平和行政について、市長の基本的認識について質問したいと思います。 私は、現在の憲法は平和憲法という認識を持っております。そのゆえんは、憲法第9条で明確に戦争放棄をうたっているということであります。憲法をめぐり改憲、護憲を初めさまざまな角度から議論がされてきていますが、私はどのような議論があっても構いませんが、日本の平和、釧路の平和を守るためにも戦争放棄を明確にうたった9条をしっかり堅持しなければならないと強く認識するところであります。 また、釧路は非核平和都市宣言というすばらしい宣言をし、毎年広島、長崎に市民を派遣するなど、さまざまな平和に関する事業を具体的に取り組まれていることについて高く評価をするところであります。継続は力ですから、今後も積極的に取り組まれることを強く求めるものであります。 そこで、質問でありますが、現在の憲法、平和、戦争、非核都市宣言について市長の見解を明らかにしていただきたいと思います。 先月、沖縄に住む14歳の少女が米海兵隊に暴行されるという事件が発生しました。13年前の平成7年にも同じ沖縄で12歳の小学生が暴行を受け、当時政治的にも社会的にも大問題となったことはまだ記憶に新しいところであります。たび重なる暴行事件や犯罪を許すわけにはいきません。市民連合議員団として厳しく抗議するものであります。 そこで、北海道における最近の米海兵隊の動きを注視しますと、矢臼別での米海兵隊の実弾演習が繰り返し行われたり、昨年は釧路空港に緊急性が何もないのに米軍機がおり立ち、市長は抗議の表明をしましたが、今度は釧路港に米軍高速輸送船が入港したわけであります。道内でも小樽港、石狩新港、函館港、室蘭港などに米艦船が頻繁に寄港しているわけであります。また、北海道の空の玄関である千歳空港を米空軍戦闘機の訓練基地として使用することが明らかとなり、2月下旬にはFA18戦闘機の訓練が実施されました。私はこのような米軍の一連の動きが、北海道がまさに米軍基地化となっていくんではないかと大変危険性と危機感を強く抱いていますが、市長は今回沖縄で発生した事件を初め最近の北海道における米軍の動向についてどのような認識を持たれているのかお答えいただきたいと思います。 また、先ほども触れました米海兵隊の高速輸送船が釧路港に寄港した問題についてであります。 当初予定されていた日に入港せず、期日変更の事前通知もない突然の入港は、釧路市や日本を無視をし、米海兵隊の勝手気ままな横暴であり、断じて許すわけにはいきません。今回の事態は民間の船舶の安全を脅かし、釧路港は危険な港という悪いイメージを高めることになったのではないでしょうか。市は今回の事態に対し、外務省や防衛省にどのような対応をしたのか明らかにしていただきたいと思います。 また、市長は釧路港の安全や平和を守る使命を果たさなければなりません。港湾管理者として米海兵隊の艦船が二度と寄港しないよう態度を表明すべきと思いますが、市長の見解を求めるものであります。 次に、基幹産業について、基本認識について質問いたします。 今日までの釧路の発展を支えてきたのは、いわゆる三大基幹産業と言われてきました水産、石炭、パルプの産業でありました。しかしながら、この三大基幹産業のうち、石炭は太平洋炭鉱が閉山した後、稼行炭鉱として存続できたものの、生産規模は大きく縮小せざるを得なくなり、将来見通しは大変厳しいものがありますが、石炭技術高度化事業の発展を期さなければなりません。水産業はかつては水揚げ100万トンを超えていた時代もありましたが、現在はこの数年10万トンから13万トン規模に落ち込み、増養殖事業やくじらのまちづくりなどを目指し取り組んでいるものの、水産が置かれている状況もまた大変厳しいものがありますが、重要な基幹産業として育てなければなりません。パルプの二大製紙工場は釧路経済を支える極めて重要な役割を果たされているわけであります。合併してから農林業が加わり、釧路の産業に厚みを加えるようになったわけでありますが、今特に問われているのは観光と港湾の位置づけではないでしょうか。私は観光と港湾はこれからの釧路の発展に欠かすことのできない重要な産業であり、しっかりと力を入れて育てなければならないと思いますが、市長の見解を求めるものであります。 次に、最近の道の動きについて1点質問いたします。 道は昨年11月に新たに支庁制度改革案を示しました。それは従来までは北海道を6圏域に分け支庁制度を改革しようというものでしたが、新たに出された案は、現行の14支庁体制を9つの総合振興局と5つの振興局に再編するというものであります。釧路や十勝は総合振興局ですが、根室は振興局となり、職員配置など大幅縮小するとの考えのようであります。 これに対して、根室管内1市4町初め振興局となる地域の市町村は猛烈に反発をし、反対運動を強めていますし、道内町村会も強く反発をし、再検討を求めているのが現状であります。このような道が示した新たな支庁制度改革案について市長はどう受けとめられているのか見解を求めるものであります。 次に、新年度からスタートいたします新総合計画について質問をいたします。 新総合計画を策定するに当たり、市民参加の総合計画づくりとして、市民の皆さん100人を超えるメンバーで委員会を発足させ、市民の皆さんの知恵や発想、夢や希望などを出し合い、多くの意見を集約することができました。参加された市民の皆さんに深く感謝をするところであります。しかしながら、昨年12月に基本構想及び基本計画案が出されましたが、一言で言えば、従前からの総合計画をただ継続したもので、新釧路市の力強い発展にかける気概や熱意が伝わってこないのであります。地元紙に寄せられた市民の声を一部紹介しますと、「総体的に未来に向かうまちづくりへの力強さと躍動感が感じられない。主要事業の目標値もあいまいで、新規性と具体策にも欠けている」と、このように厳しく指摘されております。私自身この記事を読み、まさしく同感とうなずいたところであります。閉会中に開催された財政経済常任委員会においてさまざまな課題について議論されましたが、理事者及び市長と議論がなかなかかみ合わないまま終わっておりますので、改めて何点かについて質問したいと思います。 最初に、釧路市の将来に向けた都市像であります。 “自然とまちの魅力が賑わいを創り 活力みなぎる環境・交流都市「釧路」”とメーンキャッチフレーズを定め、5項目の基本目標を掲げているわけであります。未来に向かっての釧路のまちづくり、それは環境・交流都市を目指すということであります。環境を掲げたことは、まさしく時代にふさわしく、とりわけことしは世界主要国首脳会議が北海道で開催をされ、テーマも地球温暖化対策ということのようでありますから、この点では評価できるわけでありますし、環境を重視したまちづくりに邁進しなければなりません。しかしながら、新年度予算を見る限り、環境の面では環がまち釧路プロジェクトなど、一部新規事業は見られますが、新年度予算の中で環境・交流都市を目指す目玉的予算措置としては弱いのではないでしょうか、新総合計画元年、環境・交流都市元年にかける市長の決意や施策について明らかにしていただきたいと思います。 2点目は、環境の定義は大変幅広いということであります。地球温暖化対策という地球規模での取り組みもあれば、湿原の保全を初めとした自然環境保護、廃食油リサイクルからストップアイドリング、レジ袋問題、ごみゼロや資源のリサイクル、クリーンエネルギー、そしてマリモ再生事業などなど環境問題やその対策は大小合わせて数え切れないほどであります。私は全国に誇れる環境のまち釧路、釧路に行けば、さすが環境のまちだとだれをもうならせる環境のまち釧路を目指すべきではないかと思うわけであります。まちぐるみで、市民ぐるみで環境都市釧路をつくるんだとの思いがいま一つ伝わってきませんので、この点について市長の見解を求めるものであります。 次に、交流都市について質問いたします。 交流都市と聞いたときに、交流都市ってどういうまちづくりを目指すべきなのか、何か余りにも漠然としてよくわからなかったものでありますから、友人にも聞いてみました。そうしますと、答えは人と人が交流を深め合うことではないのか。要は交流会を開くまちづくりではないのか、こういう市民の声でありました。私は辞書を開き、改めて交流について調べました。どの辞典もどの辞典も、交流とは違った系統のものが互いに行き来すること、あるいは互いに交わることとありました。この交流都市として目指すべきまちづくりとは、具体的にどのような取り組みをすることなのか明らかにしていただきたいと思います。 4点目は、人口関連指標で明らかにした10年後の市の人口を16万人と想定し、交流人口を合わせて17万人のまちづくりとした点であります。このことについても特別委員会で議論されましたが、要は人口減に対する危機感が全く伝わってこないということです。そしてまた、人口減とならないための諸施策や具体的取り組み、その強い決意が何も見えてこないのであります。多くの市民の皆さんは少しでも人口減少傾向に歯どめをかけてほしいとの思いが大変強いと思います。現在の19万人から16万人に減少するということは、根室市規模のまちが消えてしまうということであります。企業活動をしている人たちからは、今の釧路には明るい材料がない。せめて人口減に歯どめをかけるための取り組みをしてもらいたいとの声を強く聞くわけであります。こういう厳しいときだからこそ、市長の持ち前のリーダーシップと実行力、行動力を存分に発揮すべきではないでしょうか。市長の考え方を明らかにしていただきたいと思います。 5点目は、基本構想、基本計画でいずれも最後に記されている近隣自治体との広域連携と圏域をリードする中核都市プランについて質問いたします。 釧路市はまさしく釧路管内にあっても釧根においても名実ともに中核都市であることは間違いありませんし、これからも大きな役割を果たしていかなければなりません。基本計画の中で有機的な一体性を高め、地域力を高めるとありますが、今後10年間の総合計画の中に具体的に位置づける中核都市プランとは何か明らかにしていただきたいと思います。 また、総合計画の中で新たなる合併についてはないものと判断できますが、市長は将来的合併構想をお持ちかどうかお答えいただきたいと思います。 次に、釧路湿原の保全と森づくりについてであります。 昨年は釧路湿原が国立公園に指定されて20周年という節目の年ということもあり、市政方針では釧路湿原に関して4行ほど述べられておりましたが、今回の市政方針では釧路湿原という言葉自体が完全に消えてしまっているのであります。一言も出てきません。これは一体どういうことなのでしょうか。ラムサール条約締約国会議では、昨年はオーストラリア、ことしは韓国と国際会議に参加するのはよしとしますが、肝心のおひざ元の釧路湿原の保全に対する思いが何も伝わってこない市政方針は大変物足りないものがありますので、改めて釧路湿原の保全に対する今後の取り組みについて明らかにしていただきたいと思います。 先月中旬ですが、道が主催した森林の保全と活用方策に関する会議が開かれ、その中心的テーマは北海道から始める新たな森林環境政策の展開でした。二酸化炭素吸収機能をいかにして向上させるのか、また土砂流出の防止や水資源の保全などの機能を高めるためにも、森づくりを中心とした活動を強化するということであります。具体的には人工林の間伐、無立木地への植栽、道民1人30本、5年間で1,000万本の植樹運動、森林ボランティア活動の促進などが主な取り組みとなっています。釧根管内各地から参加された方々から活発な意見が次々と出されました。特に河川周辺の森づくり活動として、弟子屈からは釧路川の水質保全の取り組みとして、無立木地を対象とした両サイド100メートルの範囲に森づくり植樹活動、別海町では西別川河畔林整備を平成6年から魚をはぐくむ植樹活動として両岸50メートルに植樹する取り組みを10年間で3億円かけ実施をし、成果を上げている。厚岸からは別寒辺牛川両岸30メートルを森林と環境、カキやアサリなどの漁業を結びつけた河畔林植樹活動の取り組みが報告されていました。また、釧路湿原の保全運動を取り組んでいるNPO法人トラストサルン釧路の代表からは、釧路湿原の乾燥化が進む中、湿原の危機を訴えながら、無立木地に植樹しようと、この4年間で種から育てたアオダモやハルニレなど10種類ぐらいの苗を3万3,000本育ててきており、ことしから毎年3,000本ずつ釧路湿原に植樹を開始したいということであります。 また、トラストサルンの代表は、湿原周辺での伐採が進み、そのための作業道がつくられ、このことが湿原の乾燥化につながったり、土砂の流出に拍車をかけ、湿原の破壊が進んでいると強調していましたし、植樹活動の緊急性や植樹の際のボランティアなどについて訴えておりました。まさしく釧路湿原は危機的状況にあると言わざるを得ません。それはさかのぼれば、昭和22年から昭和52年までの30年間はほぼ変化はありませんでした。昭和52年から平成15年までの26年間は土砂の流入、開発などの産業活動や人間生活の影響などにより湿原が20%も減少したということであります。このため、国、関係自治体、NPOや専門家により釧路湿原新再生協議会が設立され、平成17年に構想が策定され、具体的な再生事業がスタートしたわけであります。再生事業は始まったばかりで、30年かかるか50年かかるかわからないぐらいの長期戦となると思います。しかし、この取り組みには知床の大自然を守る運動を取り組んできた斜里町の知床100平方メートル運動に学ぶ必要もあります。最初はさまざまなトラブルもありましたけども、当時の斜里町長が全国に呼びかけて土地保全・森林再生事業を取り組み、30年間で運動の参加者が4万9,000人、寄附金総額は5億2,253万円も集約されたということで、平成9年からはまた新たな取り組みが行われており、その後さらに約1万5,000人が運動に参加をし、1億8,500万円もの寄附が寄せられております。私は釧路湿原の保全や再生事業は知床100平方メートル運動に大いに学び、教訓とすべきではないかと強く思うわけであります。環境・交流都市釧路のまちづくりの一環として、釧路湿原を守り、再生するための植樹活動について全国に参加を呼びかけ、釧路に来ていただき、そして交流を深めるイベントも開催するとか、まさしく環境・交流都市を地でいくような大がかりな取り組みも検討すべきではないでしょうか。孫子の代まですばらしい釧路湿原というかけがえのない財産をしっかり残していくという義務が私たちにあります。100年先を見据えた森づくり、釧路湿原の保全とあわせた仮称ではありますけども、環境・交流都市記念の森を目指した前向きな検討を強く求めるものであります。 次に、財政問題、行財政改革についてお伺いいたします。 平成20年度一般会計当初予算案は951億円で、前年度比14億円の減となりましたが、市税収入が前年度比2億8,700万円も減少となる中で、地方交付税が9億4,000万円も増収となったことは、当初交付税と特例交付金で約11億円の減を見込まざるを得なかった状況からして、まさに予想もできなかった恵みの雨によって大いに救われたものと考えます。このことは昨年の参議院選挙の与・野党逆転の思わぬ効果とも言えるわけですが、しかし釧路市財政にとっては一時的なものでしかないことは明らかであります。地財計画によると、このたびの地方交付税の増額の主な要因は、交付税特別会計の借入金の平成20年度償還分約6,450億円を平成26年度以降に繰り延べたことにより生み出されたもので、必ずや後年度に大きな反動となって釧路市財政に影響を及ぼすものと見なければならないと考えますが、まずこの点について市長の見解を明らかにしていただきたいと思います。 さて、当初集中改革プランでの収支不足を約24億円とし、その後病院健全化への対応で約5億円、交付税と特例交付金の減で約11億円の変動要素を見込み、平成20年度の収支不足を約40億円と修正しましたが、しかしこの試算には既に退職手当債と行財政改革等推進債の借り入れを歳入に見込んでいることから、実際の財源不足額は約54億円となるのであります。したがって、本来であればこの約54億円を平成20年度の財源不足額とすべきであり、財源対策のための起債を最初から見込んで約40億円の財源不足とすることは誤解を生みやすく、不適切ではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。 また、修正後、収支不足の内容と平成20年度予算案を詳細に検討すれば、やはり交付税と特例交付金が合わせて約19億5,000万円も当初の想定を上回り、一般財源で約16億円もの効果を生んでいることが今回の予算編成における非常に大きなプラス要素であることは間違いのない事実であります。もし仮に当初予想どおりの交付税であったならば、平成20年度予算編成はより大変厳しい事態になっていたであろうことは間違いありません。このことは釧路市財政の実態が昨年の予測を上回るほどより悪化していることを示していることになると考えますが、市としての率直な見解とその要因を明らかにしていただきたいのであります。 次に、約19億円の財源対策を見てみると、自前で手当てできたのは減債基金2億円のみで、さらに特定目的基金への返済を繰り延べして、新たに2億9,000万円を借り入れ、退職手当債と行政改革等推進債の借り入れで約14億2,000万円となっております。これで減債基金はゼロとなり、平成20年度の補正財源などについては平成19年度決算剰余金でどの程度積めるかのみであります。 また、財源対策としてこれまで各種基金から借り入れた額は約66億円に上り、計画的に返済していくどころか、現在では全く返せるめどは立たない状況にあります。しかし、特定目的基金などはやはり苦しくても計画的に返済していく必要があると考えますが、今後どのように対応していくのか明らかにしていただきたいと思います。 次に、集中改革プラン見直しによる約16億円の中で、内部管理経費などの見直しで約5億3,000万円を見込んでおりますが、平成19年度決算ベースをもとにさらに削減した内容とのことであり、これまでもかなり無理をして削れるだけ削ってきただけに、本当にこれで業務に支障は出ないのか危惧するところであります。 また、これだけ踏み込んだ削減を行ったことで、平成20年度の決算剰余金はほとんど見込めなくなるんではないかと考えます。このことは平成21年度の補正財源や平成22年度の財源対策にも大きく影響することになると思われますが、見解を明らかにしていただきたいと思います。 さて、職員の協力のもとに給与の独自削減などで約8億円、定数の削減では全会計で74名の大幅な財源に踏み切ったのですが、仕事量全体からすれば、職員一人一人への負担はかなり重くなっていることは紛れもない事実であります。このことは非常に危険な要素を多分に含んでいると同時に、職員の士気や意欲にもかかわる重要な問題であります。これまでも求めてきたとおり、市長自身が先頭に立っていかにして職員の心をつかみ、ともに汗をかき、市役所が一丸となって諸課題の解決に取り組む体制を築くかが非常に重要であると考えますが、今後の取り組みについて明らかにしていただきたいのであります。 次に、これまでも我が会派として釧路市財政のあるべき姿について、釧路市の財政運営、財政規模は身の丈に合ったものなのか、いま一度真摯に考えるべきであること、また歳入に見合った歳出とするために財政構造の抜本的見直しが必要であることを強く指摘してきました。 このたび、平成20年度を初年度とした総合計画に収入に見合った支出にしていく必要性が初めて盛り込まれたことは評価したいと考えますが、現実問題としてその言葉と財政の実態には大きな乖離があることは事実であり、具体的にどのように取り組んでいくのかは具体性に欠けていると言わなければなりません。したがって、今後この厳しい課題にどのような英知を持って取り組んでいくのか、市長の決意と具体的な取り組みについて明らかにしていただきたいと思います。 次は、組織の再編問題について質問したいと思います。 私は、市役所組織というのは、釧路市の発展といかにして市民の皆さんのお役に立つか、市民生活を守るために市民サービスを初め、いかにして市民のために働くかということを念頭に置いた効率的な組織でなければなりませんし、そういう組織改正をしなければならないと思うわけであります。2年前も土木港湾部やこども保健部などをめぐって、我が会派としてその問題点を指摘し、意見を主張しましたが、その意見を取り入れてもらえませんでした。また、企画財政部に対しては一貫して切り離すよう求めてきておりますが、特に今回の組織再編とかかわりのある土木港湾部については強くその問題点を指摘しました。昨年の12月議会において委員会や市長総括において、港湾部は独立した部とし、より機能性を高めた部とすべきと強く主張したところであります。しかし、市長も部長も土木と港湾は業務上密接な関係があるとの答弁で、現行の土木港湾部を見直すとか、検討するとの答弁は一切ありませんでした。それからわずか1カ月ほどで、港湾空港部を独立した部とし、土木は道路河川部とするとのニュースが飛び込んできました。私はこのときに議会議論とは一体何なのかと強く思ったところであります。 そこで、質問でありますが、港湾空港部を新設することは評価をいたします。しかし、道路河川をなぜ部として残さなければならないのか大変疑問なのであります。行財政改革を積極的に取り組んでいる市長として、道路河川の事業について、住宅都市部を含めて再編を検討すべきではなかったのではないでしょうか。道路河川をあえて部とした理由、根拠について明確にお答えいただきたいと思います。 次に、中心市街地の活性化についてであります。 まず初めに、中心市街地の活性化を考える上で重要な課題の一つであります撤退した丸井今井跡の商業施設としての再開問題はどのようになっているんでしょうか。撤退後1年半が経過したわけですが、最近になり所有者がかわるなど、新たな動きも出てきてるようであります。中心街の衰退が進む中で一日も早い商業施設の再開が強く望まれていますが、現時点でどのような状況になっているのでしょうか。また、今後の見通しについても明らかにしていただきたいと思います。 さて、釧路市は中心市街地活性化法の改正に基づき、国の認定を受けるべく、平成21年度から向こう5年間の新たな中心市街地の活性化基本計画を新年度中に策定し、国に申請する予定となっております。駅前から幣舞橋までの中心市街地の再整備と活性化は平成18年7月、釧路管内を対象に北海道新聞が実施をいたしました世論調査の結果が示すように、88%の人が北大通の活性化に行政と民間の取り組み強化が必要と答えるなど、釧路市としての今後のまちの顔づくりとなる大変重要な懸案課題であります。しかしながら、釧路市が何度となく策定をしてきた商業近代化計画を初め、平成12年に現在の中心市街地活性化基本計画が策定され、今日まで進められてきましたが、残念ながら活性化やにぎわいの創出という具体的な成果が得られず、空き店舗、空きビルによるシャッター通りに歯どめがかけれないのが現状であります。私ども会派として、これまでの代表質問の中でも、従来の取り組みの延長線ではなく、新たな発想と手法が必要であることを指摘するとともに、基本計画の抜本的な見直しも求めてきたのであります。 さらには、大型スーパーや大型量販店などの郊外店舗の進出が目立ち始め、中心市街地の空洞化に強い危機感を持ち、民間主導や官民連携など、やる気と行動力によって都心部の再生と活気を取り戻す試みをしている地方都市もふえていることから、全国の先進地の事例に学び、参考にすべきとも提言をしてきたところであります。よって、新たな中心市街地の活性化基本計画は、行政の自己満足ではなく、これまでの取り組みを教訓に実効性のあるものとするためにも、しっかりとした検証と先進地の調査研究が十分になされなければなりません。これまでの準備期間においてどのように取り組まれ、新年度における基本計画の策定を取りまとめようとされるのか市長の見解を求めるものであります。 また、新たな基本計画のベースとなっている、その理念は豊かな緑と水辺を生かし、潤いとにぎわいにあふれる都市空間の創造として描かれたグランドデザインであります。画一的な単なる整備計画ではなく、都市機能の集積を基本としながらも、釧路の個性を印象づけるまちづくり、人が集う環境と空間づくり、釧路のまちに欠けている文化と芸術にあふれたまちづくりなどがこれからの中心街の再生に必要だと考えます。 市長としてこのグランドデザインに込められた釧路市のシンボルゾーンとしての町並みを具体的にどのようにイメージされているのか、お答えいただきたいと思います。 次は、観光行政についてであります。 市長もご承知のように、国や道における観光推進計画は、国は観光立国推進基本計画として、道は新しい北海道観光の国づくり行動計画として、いずれも平成24年までを計画期間として取り組んでいるところであります。特に国においては、この秋より新たに観光庁を立ち上げ、今後は観光政策の一元化はもとより、観光立国推進に向けた計画や取り組みに一層弾みがつくものと思われますし、観光立国を目指す釧路市にとりましても、大いに歓迎、そして期待が寄せられるところであります。しかしながら、先日の市政方針を聞いておりますと、胸に響くものがなく、観光振興にかける思いが全く伝わってこなかったのと、昨年の市政方針と比較すると、半分の記述となっており、市長の心境に何か変化があるのか気になるところであります。 さて、我が釧路市も観光振興ビジョンが策定され、10年計画として、昨年より計画実施に入ってはや1年が経過しようとしています。「観光を釧路市のリーディング産業とすべく戦略を持って取り組む」と明言してきた市長の意欲と熱意が、観光振興ビジョンに示されたと思うわけでありますが、この計画、まだ緒についたばかりとはいえ、この1年間の取り組み、実績と課題について果たしてどうであったのか、市長の率直な認識についてお聞かせいただきたいと思います。 私どもは、これまでも観光にかける市長の積極的な取り組み姿勢について、率直に評価をしてまいりました。同時に、釧路観光の戦略的展開に当たっては、観光関連当事者はもとより、行政、観光協会など、従来の観光推進体制のあり方、手段、方法について、検証、見直しをし、ホスピタリティーなど市民意識の高揚を図る中で、釧路市挙げての取り組みをすべきでないかとかねてから市長に訴え、提言もしてまいりました。また、沖縄や高山市などの例を挙げ、観光先進地にも学ぶべきではと申し上げてきたところであります。ちなみに、高山市の場合、平成13年の観光客入り込みが321万人でしたが、合併で奥飛騨温泉郷などの新たな観光資源を有することになり、昨年は420万人になったとのことであります。そして、驚くのは、昨年高山市が訪れた観光客に対して、満足度調査を実施したところ、96%の方が「満足している」と回答、加えて76%の、それも中高年の方がリピーターになっているという結果が出たということであります。私どもは、以前にも修学旅行、新婚旅行、家族旅行、熟年旅行と、高山には4回訪れるというお話をしましたが、まさにそれを裏づける結果になっているという印象を持ったところであります。 一方、我が釧路市はどうなっているでしょうか。観光政策の基礎的データとも言える満足度調査を実施すべきと考えますが、明らかにしていただきたいと思います。 ここに、飛騨高山の多言語のガイドマップがあります。そしてまた、指と音でたどる飛騨高山観光マップという、障がい者の方が観光できるマップもいただいてきております。外国人観光客数も高山の場合、平成18年には10万人を超えて、昨年4月フランス・ミシュラン社発行の「旅行ガイド日本版」ぜひ訪れたい名所全国8カ所のうち一つに選ばれております。まことにうらやましいところでありますが、しかし一方では、多種多様な努力もされております。インターネットによる多言語情報発信、8カ国語の外国人観光客向けパンフレットの作成、案内標識、表示も4カ国語対応など、きめ細かな取り組みがされております。市長もこれまで、台湾、韓国、中国など、アジアに対する情報発信、プロモーションに取り組んできておりますが、市としても観光の国際化に対応したきめ細かな対応、取り組みが求められると思いますが、お答えいただきたいと思います。 市長もご承知と思いますが、高山市は全国に先駆けてユニバーサルデザイン、バリアフリー観光に取り組んでおります。障がいを持った方も、安全・安心・快適な観光を楽しめるようなさまざまな工夫、取り組みがされています。平成8年から障がい者モニターツアーが行われ、これまで19回、400人近い方が参加され、その方々の意見を参考に、市の施策に反映しているということであります。その窓口が東京事務所で、所長は元JTBの職員で、観光のプロということであります。したがって、高山市の東京事務所の場合、他と違って東京で高山の観光を専門に考え、取り組む、いわばシンクタンクであり、前線基地として機能しているとのことであります。高山に限らず、最近は自治体や観光協会などで優秀な人材を公募し、観光に活路を生み出そうとするところが出てきております。道内でも、函館市では、4月に新設予定のコンベンション推進課の課長を募集することを決めましたし、知床斜里町観光協会の専務理事も、先ごろ公募で選ばれたとのことであります。しかも、驚いたことに、新しく知床斜里観光協会の役員になったのは、釧路市音別行政センターの職員でありました。市長は、ご存じだったでしょうか。 観光立国釧路を目指していくためには、観光先進地の事例に学び、かつ追いつき追い越せの気概と、打てば響くきめ細かな釧路市挙げての取り組みがなされなければ、道は険しいのではないでしょうか。市長は、就任早々、組織改編で、観光振興室を立ち上げました。しかし、現状は市長の意図する方向で順調に推移しているでしょうか。釧路観光の将来を見据え、観光の戦略展開を目指す市長の決意を内外に示す意味でも、この際、公募を含めた優秀な人材の確保や観光協会のあり方について、抜本的な改善を図るとともに、新たに観光部を立ち上げるべきと思いますが、市長の見解を求めるものであります。 次に、水産問題について質問いたします。 水産都市釧路は、130万トンの水揚げを誇り、13年連続日本一の地位を築いてきましたが、平成19年は約10万トンまで減少しました。しかし、水産業は大変すそ野の広い産業であり、基幹産業の一つであることは変わりありません。資源の減少や漁業規制など、厳しい状況の中でありますが、漁業を守り、加工を含めた水産業の発展を図るために積極的な市の取り組みが求められていると思います。 そこでまず1点は、ブランド化と水産加工振興センターの機能充実についてであります。 総合計画では、水産加工振興センターを核とした高付加価値化の取り組み、あるいは地域一体となったブランド化の取り組みに努めるとあります。 そこで、水産加工振興センターに求められる機能、さらにその要望に対応する体制について、現状をどのように認識されているのか。また、水産加工振興センターの機能充実や体制強化を図るための具体的な方策について明らかにしていただきたいと思います。 また、高付加価値を実現するための地域一体となったブランド化の確立についても、具体的な取り組みについてお答えいただきたいと思います。 次に、港湾行政について何点か質問いたします。 この間、釧路港は、釧路市の発展に果たしてきた役割は極めて重要であり、経済や雇用を初めとした波及効果は多大なものがあるのは、ご承知のとおりであります。先日、釧路税関支署がまとめた平成19年の釧路港の外国貿易統計によりますと、釧路港の輸出貿易額は、平成9年以降右肩上がりが続き、輸出額は16年ぶり、輸入額も10年ぶりの高水準を記録したというほど、順調な伸びを示しております。また、コンテナの取扱本数も、輸出入合わせて1万3,637本となり、前年比43%も増加をし、外貿定期航路就航以来最高の取扱量となったということであります。したがって、さきに議会に示された港湾協会の情報や製紙会社2社を初めとした各企業の今後の動向を見る限り、外貿コンテナは、輸出入ともに右肩上がりとなっていくものと確信をするところであります。 そこで、釧路港の機能を高め、ポートセールスの大きな力となるガントリークレーンについて質問いたします。 昨年9月以降12月議会にかけて、ガントリークレーン建設をめぐりさまざまな議論がありましたが、結果として、平成19年度後半から平成21年度にかけて3カ年計画で建設することになりました。ガントリークレーンが供用開始されるということは、釧路港の荷役機能がスピードアップされ、極めて重要なセールスポイントとなりますので、平成21年度の早期完成に向けて強力に取り組まれることを強く期待するところでありますが、新年度における具体的な取り組みについて明らかにしていただきたいと思います。 次に、昨年9月、D紙に「十勝港に飼料基地」との記事がありました。その記事によると、丸紅など5社が十勝港に配合飼料製造コンビナートを建設、平成23年4月から製造開始という内容であります。この記事は、現在釧路港を利用している日清丸紅飼料を初め数社が十勝港に切りかえる、変更する可能性が大となり、釧路港に与える影響も大きなものがあると思いますので、この動きについてどの程度把握されているのか。また、具体的に今後どう対応しているのか、明らかにしていただきたいと思います。 次に、今までもそうでしたが、これからも港間競争が激化するものと思います。特に、規制緩和するにつれ、この動きはなお一層拍車をかけるものと思いますが、いずれにしても港間競争に打ち勝つ取り組みも推進しなければなりません。釧路港を道東の物流拠点港としてさらなる発展を期すために、釧路圏のみならず根室圏、北網圏、十勝圏の農業、漁業を初めとしたさまざまな業界、荷主団体に今まで以上の積極的なポートセールスが求められているのではないでしょうか。昨年は、港湾担当参事も参加をし、初めて中国を訪問、ポートセールスをしてきましたが、新年度において国内外のポートセールスをどう取り組むのか明らかにしていただきたいと思います。 次に、新年度の新たな取り組みとして、釧路港利用整備促進協議会に特別専門部会を設置することにしていますが、この部会の具体的役割や目的についてお答えいただきたいと思います。 次に、国は新たな港湾計画を平成20年度に策定をし、平成21年度から本格スタートさせる動きとなっているようでありますが、この国の新たな港湾計画に釧路港についての要望をどの程度盛り込むことができるのか、極めて重要な取り組みではないでしょうか。また、市が新年度から策定に取り組む新港湾計画ですが、今後具体的にはどのようなスケジュールでどのような体制を持って策定していくのか。新港湾計画が何年度からスタートさせるのか、明らかにしていただきたいと思います。 次に、障がい者福祉についてでありますが、この障がい者福祉については、午前中の上田議員と重複いたしますので、一部質問をしていきたいと思います。 特に、障がい者福祉の中で、障がい者の雇用のなお一層の取り組み強化を強く求めるものであります。また、市として障がい者雇用促進のために専任の雇用支援ワーカーの配置をすることが求められておりますが、ぜひともこの雇用支援ワーカーの配置について前向きな答弁をいただきたいと思います。 次に、医療・市立病院についてお伺いいたします。 医療を取り巻く状況は、臨床研修必修化に伴い、医師の都市部への集中が進み、地方の医師不足が深刻化したこと、診療報酬の削減が続き、病院経営が悪化したこと、平成15年度から平成17年度に不良債務が400億円以上急増したことなどから、総務省が公立病院改革ガイドラインを提示をし、公立病院の経営健全化に乗り出すこととなりました。それを受けて、市も平成19年度から5カ年で経営効率化や一般財源からの繰り入れを行い、病院経営の健全化、黒字転換を図る
経営健全化計画を策定し、提出いたしました。しかしながら、総務省の公立病院改革ガイドラインの内容は、病床利用率が過去3年間で70%未満の場合は、病床数削減や診療所への転換など抜本改革を進める。また、近隣病院との機能重複を避け、統合・再編を行う。地方独立行政法人化、指定管理者制度、民間譲渡など、経営形態の見直しを行うなど、行政面積が広大で過疎地も多い北海道の地域医療が崩壊しかねない。ひいては、地域の崩壊にもつながる内容となっております。公的医療は、民間が担い切れない不採算医療をカバーするという、自治体病院の役割を明確にし、市場経済では賄えない社会的な安心と安全の基盤をつくるという使命を担っております。本来、医療は安全保障、社会保障という概念で、国に対し公立病院への財政支援や改革の抜本的見直しを求めるべきと思いますが、見解を明らかにしていただきたいと思います。 次に、釧路阿寒市立病院の経営状況ですが、新年度当初で約27億円の不良債務を抱え、一般会計からは約18億円繰り入れを行うこととなっております。平成18年度決算に対しても、監査委員から、「経営の改善に努めるとともに、医師の安定確保、他の医療機関との連携、患者利便性の向上、医療機能の充実を図る努力を望む」との意見がありましたが、今後どのように進めていかれるのでしょうか、明らかにしていただきたいと思います。 昨年から大きな問題となっておりました市立釧路病院の循環器内科の医師確保については、市内の病院の協力と自助努力もあって、新年度からは例年どおりの診療ができるようになりました。しかし、依然として地方の医師不足は常態化し、過重労働も大きな課題であります。北海道内の医師図を見ましても、札幌圏に全道の医師の約半分が集中しており、地域偏在が著しくなっております。殊に、産婦人科、小児科の医師不足は、かなり以前より全国的な問題として取り上げられてきており、道内においても同様の状態にあります。市立釧路病院では、特に不足状態ではないと聞いておりますが、市内にお産できる病院が2カ所に激減したことにより、市立釧路病院の産科の役割が今まで以上に大きくなりました。医師数は変わらなくても、患者数はふえているのが現状であります。現在の産科医療について、既に医師の自己犠牲的、献身的努力では解決できないところに近づいており、現在の周産期医療レベルを維持するには、国、社会のサポートが必要との現場の声もあります。また、新医師確保総合対策では、女性医師の支援や助産師の活用が求められております。現在、女性医師がふえている中で、出産、育児などの理由で職を離れる場合も多いと言われております。市立病院の女性医師や助産師が働きやすい環境整備をするため、今後どう取り組まれるのか。また、助産師の活用の取り組みについてお答えいただきたいと思います。 あわせて、産婦人科を含めた市立病院全体における医師の安定確保に向けての見解を明らかにしていただきたいと思います。 また、昨年より、釧路病院は7対1看護の体制になり、それに伴って歳入増を見込んでおりますが、患者数の変動によっては維持が難しくなります。阿寒病院、音別診療所も含め、看護師の確保に向けての見解もお聞かせいただきたいと思います。 医療の最後は、夜間急病センターについてであります。 待望の夜間急病センターが新年度より開設されるわけですが、センターの成功が釧路の地域医療全体にかかわる大変重要な施設であります。医師、看護師の確保は、指定管理者が行うことになっておりますが、現時点で医師3名、看護師6名の定員には達していないと聞いております。開設まで1カ月を切ってしまいましたが、確保に向けた市としての取り組みについて明らかにしていただきたいと思います。 次に、教育行政についてであります。 1点目は、教育長の教育行政に対する基本的な姿勢についてお伺いをいたします。 新年度における教育行政方針の「はじめに」の中で、平成18年12月に改正された教育基本法について、新しい時代にふさわしい教育再生の第一歩を踏み出したとの考え方が示されております。この改正法は、「公共の精神をとうとび、国を愛する態度を養う」とする愛国心教育をめぐってさまざまな議論がありましたが、個人の尊厳より、戦前回帰を思わせる国家主義的な統制教育の懸念が強かっただけに、各報道機関の世論調査でも、多くの国民が時間をかけて慎重な審議を求めていたのであります。しかしながら、当時の安倍首相は、こうした世論を無視し、改正の説明責任を十分に果たさないまま拙速に強行採決した改正法なのであります。このような経緯で改正された教育基本法が、「新しい時代にふさわしい教育再生の第一歩」と本当に認識されているのでしょうか。公平・公正な立場から、教育行政を執行する責任者の姿勢として疑問を感じるのであります。教育長としてどのような考えからこのような表現をされたのか、率直な見解を求めるものであります。 2点目は、信頼される学校づくりの推進について質問いたします。 教育行政方針育成改良の推進項目の一つであります信頼される学校づくりの方針を要約しますと、「家庭や地域に開かれた学校づくりを推進するために、管理職のリーダーシップによる効率的な学校組織を支援します」とあります。ここで、特にお聞きしたいことは、管理職のリーダーシップによる効率的な学校組織とはどのような意味合いなんでしょうか、教育長の見解をお示しいただきたいのであります。 また、開かれた学校づくりを進めるためには、管理職と教職員の連携が大切であり、学校組織の内部連携なしに地域と家庭との連携はあり得ないと思いますが、あわせて答弁を求めるものであります。 3点目は、学力の向上について質問いたします。 市政方針を読みますと、学校教育の充実の中で、「43年ぶりとなる昨年実施した全国学力・学習状況調査の結果を受けて、学校改善プランを作成し、学力の向上に努める」とされておりますけれども、教育行政方針の中では、学校改善プランの作成について具体的に何も言及されておりません。教育サイドとして、学校改善プランを作成するのかどうか、まずはこの点について教育長としての考え方を明らかにしていただきたいと思います。 4点目は、小学校で平成23年度、中学校では平成24年度の実施予定となっております文科省が本年2月15日に公表した学習指導要領の改訂案についてであります。 今回の改訂案の特徴として、小学校では算数、理科、国語を中心に、高学年で初めて必修化する英語も含め、年間で278時間がふえ、中学校でも同様な必修教科を中心に105時間をふやす修正がされております。これまでの国内外の学力調査による学力の低下に歯どめがかからない不安から、10年前の改訂で導入された総合的な学習の時間を、小中学校とも3割程度削減をし、授業時間数の大幅な増加がされているのであります。つまり、前回の改訂で推し進めてきたゆとり教育の支えとして、総合的な学習の時間を活用した生きる力をはぐくむ理念からは大きく転換され、学習時間と学習内容の増加による学力強化が前面に打ち出されたのであります。また一方では、理念としての生きる力は残されましたが、確かな学力の育成を優先するために、ゆとり教育から詰め込み教育への逆行との指摘もされておりますが、教育長の見解を求めるものであります。 さて、教員の皆さんは現状においても学習指導の研究時間など思うようにとれない状況にあり、学校現場は多忙をきわめております。子供たちを取り巻く社会環境が著しく変化をしている今日において、学習指導要領の改訂後に授業時間数や指導内容がふえることによって、教員の皆さんが子供たちと向き合う時間の確保が今まで以上に難しくなると危惧をするものであります。教職員定数や学校環境などの改善も求められるものと考えますが、どのように受けとめられているのか、お答えいただきたいと思います。 もう一つの特徴として、これまでの指導要領との大きな違いは、国を愛する態度を養うために、すべての教科において道徳教育の強調を鮮明に打ち出すなど、公共の精神を掲げた改正教育基本法が色濃く反映されていることであります。そもそも愛国心は、個々人の精神と心の問題であり、押しつけ的に画一化された道徳の解釈で子供たちの内心まで入り込んだ指導をすること自体に、大きな問題があります。文科省は、「人の心は数値でははかれない」として、道徳教育を評価の伴う教科としては見送りをいたしましたが、規範意識を強調する余り、愛国心を学ぶ態度を評価しようとする印象をぬぐい切れないのであります。教育長としての率直な見解を求めるものであります。 教育行政の最後は、学校給食と食育についてお伺いいたします。 近年、子供が豊かで健康な生活を送るために、安心・安全な地元産の食材を活用した学校給食は、大変な食育の場となっており、それぞれの地域において地産地消の視点からも、積極的に取り入れる傾向となっております。市の場合、地元食材の魚を中心に、9月から11月にかけて、月1回をふるさと教育として実施していますが、年間3回だけの取り組みでは、十分とは言えないのであります。食材を大量に確保しなければならない問題もありますが、阿寒、音別との合併により、基幹産業としての農業もあるわけですから、野菜なども含め、地産地消と食育の学校給食を積極的に推進すべきであります。 そこで、何点か質問したいと思いますが、1つはふるさと教育の回数を大幅にふやすことを前向きに検討すべきであり、また日常的にも地元食材の活用をできるだけ取り入れるべきですが、お答えいただきたいのであります。 あわせて、釧路市を主体とする管内地域の地産地消、広い意味では道民としての道内の地産地消もあるわけですから、食材の確保にも幅が広がるのではないでしょうか。地産地消の範囲というものをどのように考えているのか、見解を求めるものであります。 2つ目は、食育と農業体験を通じた食農教育を取り入れる地域がふえる傾向にあります。子供たち自身が食材の大切さと地域の文化を知り、そのことによって給食の食べ残しが減少する成果もあらわれているとのことであります。市教委としても、他市の実施状況を参考にしながら、食農教育の導入に向けた前向きな検討をすべきでありますが、お答えをいただきたいと思います。 3点目は、これらの取り組みを総体的に取りまとめた市としての学校給食と食育の推進計画を作成し、市としての目標と目的を持ち、食育の推進性を示すべきでありますが、教育長の見解を求めるものであります。 次は、男女平等参画社会の実現についてであります。 男女平等参画社会が実現される社会は、男性と女性の人権があらゆる分野において平等に尊重される社会であります。釧路市におきましても、釧路男女平等参画プランのもとに、「全庁的に男女平等参画の理念実現のための取り組みを進める」となっております。平成17年に釧路市が公表した男女平等に関する市民意識調査報告書によると、「あなたは男女の地位は平等になっていると思いますか」という設問に対して、「平等になっているとは思わない」という答えが75%となっているのであります。また、平成18年に、男女雇用機会均等法が改正されていますが、このときには、間接差別が大きな問題となりました。間接差別とは、例えば体力を募集や採用の条件にするとか、転勤を昇進の条件にする、あるいは正規社員と非正規社員の賃金格差などでありますが、表向きは平等のように見えますが、実際には男女どちらかの負担となる規程や慣行で、合理性や正当性のないものであります。 さて、道内35市のうち、札幌市を初め7つの市が男女平等基本条例を制定して、男女がともに人権を尊重される社会の実現化に取り組んでおります。申し上げるまでもなく、こうした条例の制定は、市民意識の向上に大きな役割を果たすものであります。したがって、市民意識の向上を図るためにも、釧路市も基本条例を制定すべきと考えますが、答弁を求めるものであります。 2点目は、女性が働きやすい環境の整備についてであります。 男女雇用機会均等法や育児・介護休業法など、制度上の整備は進められてきておりますが、制度の活用は十分とは言えないのが現状であります。市内の企業が女性派遣社員を必要としている理由でありますが、その多くは人件費が割安になるため、正規職員の雇用を抑えることができるため、弾力的な雇用が可能になるためなどであります。 そこで、男女平等参画プランにおける庁内各部の役割を見ますと、男女がともに働くための環境づくり、多様な働き方を可能にする環境づくりなど、労働に関する事項は経済部が所管することになっているはずですが、新年度の経済部の主要事業には見当たらないのであります。したがって、市としてどのように考え、取り組もうとしているのかについて明らかにしていただきたいのであります。 以上で1回目の質問といたします。
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△時間の延長
○議長(二瓶雄吉君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長します。
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○議長(二瓶雄吉君) 理事者の答弁を求めます。 市長。
◎市長(伊東良孝君) (登壇)市民連合議員団の渡辺慶藏議員の代表質問にお答えをしてまいります。 まず初めに、生活格差・地域格差・自治体の財政格差、特にまずは生活格差について市長の見解をということでございます。 戦後の復興期、高度経済成長期からその後の安定成長期という道筋を経て豊かになってまいりました日本では、これまで長い間、「1億総中流社会」と、こう言われておりました。その後、高度成長から低成長への変化、IT化、グローバル化、さらにはバブル崩壊による長期不況の影響などによりまして、経済構造が大きく変化し、企業の年功序列制度の見直しや給与抑制や採用の抑制、人員削減が行われ、パート、アルバイトやフリーターなどの非正規雇用者が増大してきたことにより、所得格差が生じ、生活格差につながったものと認識いたしております。また、これまでの社会システムは、戦後の持続的な人口増加と高い経済成長を前提として構築してきたものであり、少子・高齢化の進行や人口減少社会の到来を見据え、国におきましては、将来にわたり持続可能な社会システムを構築するための構造改革を推進してきたところであり、これも要因の一つとなっていると考えております。 また、地域間格差や実際の財政力格差についての認識についてのお尋ねでありますが、これにつきましては、三位一体改革により国の財政再建が優先され、地域間の財政力格差を是正し、地方公共団体が必要最低限の行政サービスを実施するための税源であります地方交付税が大幅に削減されたこと、公共事業が縮減されたこと、景気回復が大都市圏などの一部地域に偏っていることなどが格差を生じさせた大きな要因であると考えております。 これまで国が行ってまいりました三位一体改革などの構造改革につきましては、次の世代に対する過大な負担を残さないために必要不可欠な取り組みであり、地方にとりましても、市民生活にとりましても、痛みを伴っている厳しいものと実感をいたしております。今後も人口減少や少子・高齢化が進み、現在の世代よりも将来の世代に重い負担がかかることは明らかであり、一層の行財政のスリム化を図ることを第一としながら、将来に向けた仕組みづくりが必要であると思っておりますが、高齢者や障がい者などの生活弱者、そして地方にも配慮しながら、国の財政再建を推進していただきたいと、このように考えております。 合併後約2年半を振り返りどのような思いを抱いているかということでございますが、平成17年10月の合併から早いもので2年半が経過いたしましたが、合併をなし遂げた地域の皆様の熱い思いをしっかり受けとめ、初代市長としての重責を果たしてきたところであります。この間、総合体育館の建設、耐震旅客船岸壁の着港、市立釧路病院の増改築工事、夜間急病センターの設置など、東北海道の中核都市としての基盤整備を順調に実施してまいりました。また、音別消防支署、コミュニティーセンターの建設、阿寒中学校の改築、
阿寒湖温泉多目的施設の建設など、合併地域の一体感醸成のための施設整備も順調に進めてきたところであります。私にとりましては、まさしく光陰矢のごとしの2年半でありましたが、東北海道の中核都市としての基盤整備、合併地域の一体感の醸成などにつきましては、一定の成果は得られてきたものと考えているところであります。 残された任期の中で解決しなければならない重要課題とは何かというお尋ねでありますが、人口減少社会の到来や少子・高齢化が進行する中、持続的に発展する釧路市を築くためには、しっかりとした財政基盤を確立し、地域経済を振興することが重要であると考えております。そのために解決しなければならない重要な課題は、財政の健全化と既存産業の再生、新たな産業の創出、企業誘致などであると思っております。これらにつきましては、一朝一夕での解決は難しい課題ではありますが、残された任期の中で精いっぱいの努力をしてまいりたいと考えております。 次に、憲法、平和、戦争、核兵器廃絶平和都市宣言について、私の見解をということでございます。 市役所1階のロビー、ここの階段の上がり口には、日本国憲法の前文を記載したボードが置かれております。その前文には、「日本国民は、恒久の平和を念願し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、国家の名誉にかけ、全力を挙げてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」とうたわれております。このことは、日本国民のひとしい願いであり、私も日本国民として日本国憲法を遵守すべきものと考えているとこであります。また、広域合併により誕生いたしました新生釧路市では、平成18年8月15日、市民の総意によりまして、核兵器廃絶平和都市宣言を行いました。この宣言に基づき、郷土の美しい自然と豊かな文化を守り、平和な未来を子供たちに引き継ぐため、市民とともに核兵器の廃絶と戦争の根絶を訴えてまいりたいと考えております。 平和行政に関連いたしまして、北海道における米軍の動向の認識についてでありますが、まず米海兵隊員によります沖縄での事件は、極めて不幸なことであり、強い憤りを覚えるとともに、厳正なる対処と規律の保持がされるよう望むものであります。 次に、在日米軍の道内での訓練などの安全保障に関する問題につきましては、国の基本的な政策にかかわることでありまして、国の責任において対処されるべきものと承知しているとこでありますが、矢臼別演習場における実弾射撃訓練や米軍戦闘機訓練の千歳基地移転に関しましては、それぞれ地元の意向が最大限尊重されるべきものと考えております。今後の道内での米軍の動向につきましては、私ども承知しておりませんが、新たな個々の事案につきましては、地元の意向が十分踏まえられ、事故や事件など起きないよう、適切に対応されるべきものと考えております。 今回の釧路港への米軍輸送船の入港に際しての対応でありますが、このたびのこの米艦船の釧路港への入港は、釧路港長であります海上保安部長からの日米地位協定に基づく事前通告があった予定日違いの入港でありまして、同岸壁に他の船舶の係留がないことから、港湾機能上支障は生じなかったものの、港湾機能の確保の観点から、米艦船の入港は事前に正規な通知がなされるべきものと認識をいたしております。このため、港湾管理者として、2月25日に釧路港長、海上保安部長でありますが。ここに対し、事前に入港通知がなされるなど適切な対応について強い要請をいたしたところであります。また、本件につきましては、外務省から米国に対しまして入港変更等の場合も海上保安庁を通じて通告するなど、正式な手続をとるよう申し入れを行ったところであります。北海道は、外務省地位協定室に対し、港湾関係者等への混乱を招くことから、米軍に対し、手続の遵守と適切な情報提供などを徹底させるよう強く要請したところであります。 米艦船の寄港についてでありますが、日米地位協定に基づく米艦船等の寄港につきましては、港湾管理者として港湾法並びに釧路市港湾施設管理条例等に基づき、港湾施設における他の船舶の係留や荷役状況など、港湾の安全及び港湾機能上支障がないことを確認の上、判断することとなっております。 次に、基幹産業としての観光と港湾の位置づけについてであります。 地域の発展を支えてきた産業の中には、港湾の機能向上がなければ縮小あるいは存続が危ぶまれる製造業などの港湾に依存した産業や港湾の物流機能がなければ成り立たない海運業、港運業など、地域の経済活動と港湾が密接に関連していることは、ご指摘のとおりであります。釧路市におきましても、地域の発展を支えてきたこの水産、紙パルプ、石炭の基幹産業を初め、地域に立地する多くの企業が港湾に依存し、関連しており、地域の経済活動の活性化に果たしてきた港湾の役割は大変大きいものがあると考えております。 基幹産業としての観光の位置づけでありますが、合併を経て新生釧路市は、戦略的な観光産業振興の指針として、釧路市観光振興ビジョンを策定し、観光産業を基幹産業に位置づけ、その振興を図っているところであります。観光振興ビジョンは、産・学・官・民全体での取り組み指針でありますが、行政計画としても釧路市総合計画の実施計画に位置づけ、総合計画体系に観光振興ビジョンを反映させてまいります。釧路市経済を支える基幹産業は、国際流通港湾である釧路港に支えられて発展してまいりました。しかし、近年、物流機能のみならず、釧路川の河口に開かれた景観の魅力を生かしたウオーターフロント開発やリバーサイド整備による観光開発が進み、また大型旅客船クルーズ誘致や大漁どんぱく、霧フェスティバル、港まつりなどのイベントの交流舞台としても、港は釧路市民のシンボルとなっております。これからの観光都市釧路を支えていく大きな力であることは、言うまでもありません。合併をきっかけに、これまでの地域資源の魅力をさらに観光振興に生かしながら、その効果を釧路市全体で共有し、観光産業を基幹産業として新生釧路市に根づかせ、持続可能な自立型の地域経済を目指していきたいと考えております。 次に、支庁制度改革案についての見解であります。 この改革案であります新しい支庁の姿(案)においては、新たに設置される予定の9つの総合振興局は、広域行政機能と住民に身近な行政機能を所管し、旧支庁所在地には総合振興局の出先機関としての振興局が置かれ、振興局の職員数は現行のおおむね6割程度の配置になるという内容であります。9つの総合振興局、5つの振興局ということでございます。特に、支庁所在地から振興局へ移行することが示されているこの5つの自治体や地域にとりましては、地域住民の利便性の後退や地域経済の減退に直結する問題であり、地域振興策がしっかりと示されることが大切であると考えております。この支庁制度改革は、現在進められている道州制や市町村への権限移譲の動向、そして市町村合併問題の進展状況などと大きくかかわってくるものと認識いたしております。長年の道政の課題であるこの支庁のあり方に踏み込むことは、勇気ある改革であると思っておりますが、これまで以上に直接道民の中へ入り込んで徹底的な議論を尽くすことが、まずは必要であると考えております。 総合計画元年、環境・交流都市元年にかける決意や施策についてということでございますが、これからの10年間のまちづくりを考えたとき、市民生活に不可欠な医療や福祉、教育、防災などの分野に着実な取り組みが必要なことはもちろんでありますが、地域の特性を伸ばし、特色ある持続的な発展の基礎を築くことが何よりも重要であると考えております。そうしたことから、釧路市が持っている貴重な自然を切り口として、温暖化防止など、地球環境に関する住民の取り組みの促進や環境に関する国際的な活動への協力など、環境全般に対する施策を進めることが環境に優しいまちとして釧路のイメージアップやブランド化、観光振興につながるものと考えております。また、釧路市は産業、経済、教育、文化、医療などの都市機能や、港湾、空港、道路、鉄道などの物流交通機能が集積しており、釧路の強みとしてさらに伸ばすことにより、住民の暮らしの向上はもとより、観光や産業における交流が促進され、まちに活気が生まれるものと考えております。しかし、こうした目標は、一朝一夕に実現できるものではなく、総合計画の着実な推進によって築き上げていくことができるものであります。こうした中、総合計画のスタートに当たり重視した施策といたしましては、水陸両用車の実証実験やフライフィシングフェスタ阿寒開催への協力など、体験・滞在型観光地としての魅力づくり、またコンベンション誘致などMICE産業の育成、港湾の物流施設の充実などにより、交流都市としての魅力の向上や基盤の強化を図るとともに、環がまち釧路プロジェクトの推進初め、容器包装プラスチックの適正処理などの環境負荷の少ないまちづくりを着実に進めることとしているとこであります。 まちぐるみ、市民ぐるみで環境都市釧路をつくるとの思いについてお尋ねでありますが、環境都市釧路の実現のためには、環境分野の取り組みを進めるだけではなく、まちづくりの各分野において環境を意識した施策展開が必要となってまいります。そうしたことから、ご提案している総合計画におきましては、釧路らしさ創出プランの中に、地球に優しい環境プランを位置づけまして、分野横断的な取り組みを進めることとしております。また、計画の推進に当たりましては、行政のみが取り組みを進めるのではなく、市民や事業者など地域で活動するさまざまな主体の参加が必要と考えていることから、環がまち釧路プロジェクトに取り組み、各主体の環境に対する意識を高めることから始め、実績を積み重ねながら、市民生活や経済活動における地球温暖化対策や生態系の保全への積極的な取り組みを先導していく所存であります。 交流都市を目指した具体的な取り組みについてでありますが、交流都市を都市像に掲げましたのは、端的に申しますと、国内外からの交流人口の増加によるにぎわいの創出や他地域との物流の活発化による産業の振興などを目指したものであります。このための取り組みとして、観光都市としての魅力づくりはもとより、総合体育館、湿原の風アリーナ釧路を初め、MOOや観光国際交流センターなどの交流拠点を活用し、MICE産業の育成を進めてまいります。また、道東の物流拠点である釧路港におけるガントリークレーンや耐震旅客船岸壁の活用、北海道横断自動車道の整備促進など、物流・交通機能の向上を図ってまいります。さらに、高等教育や芸術・文化、医療などの都市機能の充実により、近隣市町村の住民の生活を支え、各地域との交流を促進してまいりたいと考えております。 次に、人口減少への対策と市長のリーダーシップについてということでございますが、10年間において、今後約3万人が減少するという推計には、危機感を持って対処しなければならないと考えております。このことを市民の皆さんと共有し、まちづくりへの一層の協力をいただくために、計画案では、10年後の人口を16万人と明記したところであります。これまでの総合計画は、希望的数字を載せてきたものでありまして、現実とは今まではいささか違ったのではないかと、このように考えているとこであります。計画全体がこの人口減への対応策と考えておりまして、産業再生の取り組みや物流機能の強化、MICE産業の育成などにより、産業振興を図り、雇用を創出すること、子育て支援や医療、教育の充実、また道路や公園の充実により、暮らしの満足度を向上させることなど、すべてが人口減少の抑制につながるものと考えております。このように、釧路市が逆風に耐え、力を蓄える時期に、市長の重責を担う者として、企業誘致を初めとしたさまざまな場面において先頭に立ち、課題の解決に取り組む所存でございます。 中核都市プランについて、総合計画に具体的に位置づける取り組みは何かということでありますが、釧路市は産業、経済、交通、教育、文化、医療などの機能が集積し、地域の生活や経済活動の中心としての役割を担っておりますが、経済活動や住民の生活圏の拡大などにより、広域的な取り組みが不可欠となっており、近隣自治体との連携、協力がまちづくりにはますます重要であると強く認識しております。今後とも、環境、観光、防災、教育などのさまざまな分野において、地域が一体となって共通の課題に対応していくとともに、個々の自治体の特色を生かし、資源を補完し合いながら、地域産業の振興に取り組むなど、地域の可能性を引き出し、総合力の向上を図ってまいりたいと考えております。こうしたことから、広域連携は総合計画のさまざまな分野において取り組むべきものであり、中核都市プランに具体的な事業を例示するのではなく、こうした考えを基本として、各分野において取り組むべきといたしております。 また、将来的な合併構想についてのお尋ねでありますが、釧路市は将来にわたりまして東北海道の中核都市としての役割を担っていくことになるわけでありますが、近隣町村とは、行政、経済、福祉などさまざまな分野におきまして、広域連携を深めていくことが大切であると考えております。現時点で将来的な合併についての構想は特にありませんが、市民や関係町村の住民の皆様の考えを尊重しながら協力関係を継続していく中で、合併という状況が生まれた場合、あるいはその機運が高まった場合、検討してまいりたいと考えております。 市政方針の中で、釧路湿原という言葉が完全に消えている、どういうことかということでありますが、市政方針の中では、釧路湿原やマリモ、タンチョウなどの具体的な名称を挙げて保全や保護については言及しておりませんが、2の新総合計画の推進の中で、「環境においては地球規模の環境問題への対応に取り組むとともに、地球の自然環境の保全や緑あふれるきれいなまちづくりを進めます」と述べたところであります。また、新たな将来都市像を、「自然とまちの魅力が賑わいをつくり、活力にみなぎる環境・交流都市」としているとこでありまして、このフレーズの中に釧路湿原の保全などについてもすべて凝縮されているものであります。 自然再生事業の取り組みについてでありますが、釧路湿原の保全に関し、全国の人々に呼びかけ、参加を求めた知床100平方メートル運動に学ぶべきではないかとのご質問でありますが、ご緒言のとおり、釧路湿原の保全には湿原全体を見渡した施策が求められることから、地域住民、市民団体、専門家、国、道、地方、地元市町村などとの参加により、釧路湿原自然再生協議会が組織されております。当初より参加者それぞれの立場からの意見交換を行い、コンセンサスを得ながら事業を進めるという体制のもとで、持続的な調査研究と優先度に応じた事業の実施、モニタリングが行われているとこであります。 一方、事業予算につきましては、実施主体となる関係機関において予算措置が行われておりますが、各事業は協議会の承認を経た実施計画に基づき実施され、進捗状況やモニタリングの結果も協議会に報告されるため、協議会構成委員全体の意思が事業に反映される仕組みとなっております。また、地域内外の市民団体などの取り組みに対しましても、協議会が広報などの協力を行っているため、全国から多くの関心が寄せられ、事業への参加も広がってきております。釧路市といたしましては、より一層協議会との連携を強めながら、エコツアーや自然観察会などの実施を通じて、市民みずからの参加意識を醸成するための普及啓発を行うとともに、全国の皆様にこの自然再生への理解を得るための情報提供に努めたいと考えております。 次に、(仮称)観光交流都市記念の森の検討についてであります。 議員のご質問にもございますとおり、釧路湿原の保全におきましては、集水域における森林の管理・保全は湿原への流入水の水量・水質を一定程度に保ち、周辺からの土砂の流入を防ぐために大変重要な役割を持っております。釧路湿原自然再生協議会におきましても、森林再生小委員会を中心といたしまして、集水域の調査研究が行われており、現在既に優先度の高い釧路町達古武地域や標茶町の雷別地域において、森林生態系の復元・維持を目指した自然再生事業が実施されているとこであります。先ほどの答弁でも申し上げましたが、この協議会では、湿原全体を見渡し、総合的に判断した上で実施すべき箇所と優先度を見きわめて再生事業を行っておりますことから、森林再生につきましても、この考えに沿って進められていくべきものと考えております。このようなことから、ご提案の森づくりの考え方につきましては、今後協議会の森林再生小委員会などにおきまして、機会をとらえ、紹介・報告をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。 次に、行財政改革、地方交付税増額についての見解ということでのお尋ねであります。 国の地方財政計画では、平成18年度におきまして、交付税特別会計借入金のうち、地方負担分につきましては、これは34兆1,509億円でありますが、平成38年度までの償還計画を策定し、償還を開始したところでありますが、平成19年度の償還予定額5,869億円を平成25年度以降に繰り延べし、また平成20年度の6,456億円を平成26年度以降に繰り延べしたところであります。また、ご紹介ありましたとおりのことでございます。これらは、平成19年度、平成20年度の交付税総額を確保するための措置として行われたもので、こうした措置によりまして、平成19年度、平成20年度の当市の交付税が確保される一方、後年度の財政負担に少なからず影響を与えるものと認識しております。当市といたしましては、こうした措置が今後の交付税に影響を与えることも頭に入れながら、財政の健全化に努力していかなければならないものと考えております。 次に、財源不足のあり方についての見解であります。 昨年の2月定例会におきましてお示しいたしました財政収支試算では、平成20年度には約24億円の収支不足が見込まれるとしておりました。その後、普通交付税の決定や病院事業会計における経営健全化への対応などから約16億円の悪化要素が出てまいりましたことから、不足額を合計約40億円に修正し、集中改革プランの取り組みにより圧縮を図っていくこととしたところであります。この間、収支試算の報告の際には、退職手当債、行政改革等推進債の借り入れを既に見込んだ集計結果である旨の説明をさせていただいております。このことは、以前には赤字となる団体にしか許可されなかった退職手当債が、平成18年度におきまして団塊の世代を迎える中での大量退職者への対応として、10年間に限り借入要件が緩和され、一般的な起債制度となりましたことから、他の起債と同様に収支試算の中で見込むこととしたものであります。 一方、予算編成での財源対策につきましては、時系列での比較をする上で、退職手当債、行政改革等推進債を項目として挙げて、同レベルでの推移が見られるように説明してきたところでございます。しかしながら、議員のご指摘のとおり、誤解を招きやすい部分もありますことから、今後におきましては、財源対策の説明の中で、退職手当債、行政改革推進債を別枠とするなど、表現方法に留意してまいりたいと考えております。 市財政の実態についての率直な見解とその要因についてということでございますが、平成19年度の予算編成では、財源不足は約33億円であり、平成20年度では19億円でありましたことから、約14億円減少したところであります。これは、地方交付税の増などもあり、歳入一般財源の増で約3億1,000万円、職員費の減で約4億7,000万円、集中改革プランの事務事業で約6億8,000万円の内部管理経費の圧縮を図ったことが大きな要因になっていると考えております。しかしながら、平成19年度、平成20年度とも借り入れた基金への返済を繰り延べするなど、健全な財政運営と言いがたい状況もあります。安定した財政運営に向けましては、さらに行財政改革を推し進めていかなければならないものと考えております。 特定目的基金の計画的返済の対応についてでありますが、平成20年度の予算編成におきまして、この借り入れた基金への返済分、国保支払準備基金では2億3,000万円、介護給付費準備基金では1億7,500万円を全額繰り延べし、駐車場整備基金では1億円のうち5,000万円を、合わせて4億5,500万円を繰り延べしております。また、財源対策といたしまして、国保支払準備基金から1億4,000万円、介護給付費準備基金から1億5,000万円を新たに借り入れしたことから、平成20年度末の残高は63億円となる見込みであります。基金への返済は、計画的に行うことが基本でありますが、財源が不足しているため、特別会計等に影響を与えないことを前提に、2年連続で返済を繰り延べせざるを得ない状況となったところであります。今後におきましては、各会計の運営に支障を来さないことや、各基金の活用計画に沿った形での返済計画の作成を行い、しっかりと返済していく必要があると考えております。 平成21年度補正財源や平成22年度の財源対策への影響についてでありますが、本年度の集中改革プランでは、内部管理経費の見直しでは、平成19年度決算ベースをもとに厳しい削減を行ったところであり、平成20年度の予算執行はこれまで以上に余裕がないものになると想定されます。従来から、補正予算の財源につきましては、前年度の繰越金または減債基金に積み立てて対処してきたところであります。今後は、職員が従前にも増して知恵を絞り、執行段階での歳出経費の節減に努めること、また歳入におきましても、税、使用料の収入確保に最大限の努力をするとともに、年度途中においても、国や道の補助金等の導入に意を用いるなどの対応が大切であります。そうした取り組みにより、決算剰余金を生み出し、繰越金の確保、減債基金への積み立てにより、事業の執行に支障を来さないように対処していきたいと考えております。 次に、市役所が一丸となる体制づくりということで、これが大事だということでございますが、取り組みについて質問であります。 行財政改革によります職員定数の削減、さらには給与の独自削減など、市職員にとりましてもその負担が大きくなっていることは十分に認識しているところであり、そのような中で、市民のために懸命に仕事に取り組んでいる職員に対し、大変に感謝しているとこであります。これら市職員への負担が士気や意欲に影響を与えかねない問題であるとのお話でありましたが、厳しい財政状況の中、市民の期待にこたえていくためには、まさに市役所が一丸となり、職員一人一人がこの難局を乗り切ろうという共通した強い意識を持ち、総力を結集していくことが重要であると考えます。昨年度来の集中改革プランにおいて、市職員にはさまざまな努力や協力をいただいておりますが、引き続き市長、副市長が先頭に立ち、積極的に行動する市政運営に努めるとともに、職員とのコミュニケーションをより一層大切にした体制づくりに努めてまいります。 財政構造の抜本的見直しへの具体的な取り組みについてであります。 平成20年度の国の地財計画では、地域間格差に対する是正措置が盛り込まれたとこでありますが、地域経済の低迷、人口減など、釧路市を取り巻く財政環境はますます厳しくなるものと認識しております。このような中で、財政の健全化を図るために、地域振興のための事業や市民サービスを縮小していけばいいという考え方もありますが、このように厳しい状況の中にありましては、次代に誇りを持って引き継げる釧路市を築くという志を持って一生懸命努力することが大切であると考えております。そのようなことから、平成20年度予算におきまして、企業会計、公社の健全化にもしっかり必要な予算を確保するとともに、地域経済の振興に資する施策につきましては、極力予算化を図ったところであります。今後におきましても、市民サービスを永続的に確保する上からも、集中改革プランの確実な実行を図ることにより、財政の健全化を目指していくことを最重要課題と位置づけているところであります。 次に、組織の再編問題であります。 土木港湾部の分割・再編につきましては、昨年12月議会におきまして渡辺議員からご提言をいただきました。これが大きなきっかけになったのは、間違いないことでございます。港湾部門の独立の必要性につきまして検討を行いました結果、港湾部門における耐震旅客船ターミナルの整備やガントリークレーンの整備などの必要性が増加したこと、また空港部分におきましては、国際チャーター便の誘致や国際定期路線の開設に加え、国内路線の充実強化を図ることが急務であることから、国における関係機関への陳情、要請において、釧路市としての強い意志をあらわす観点から、港湾空港部を独立させたところであります。また一方、道路河川部でありますが、確かに道路部門の2課での組織となることは十分承知しておりますが、当面の間は道路河川部として道路行政をしっかり担っていただきたいと考えております。しかしながら、議員からご提言のありました住宅都市部を含めた中での統合・再編も検討すべきということでありますが、私もこれにつきましては同意見でございますので、近い将来に向けてこの技術部門の全体のあり方を検討していく中で、当然住宅都市部との再編につきましても、考慮する必要性があると、このように認識しておりますので、ご理解をいただきたいと思います。 次に、丸井今井跡について、現時点でどのようになっているかと、またその見通しについてのお尋ねでありますが、旧丸井今井釧路店の後継店舗につきましては、市民が望む大型店が早期に開店されるよう、出店者への助成額を増額するとともに、にぎわいを創出する店舗所有者に対しましても助成を追加するなど、市としての支援措置を整備してきたとこでありますが、残念なことに、事業再開のめどがつかない状況が今日まで続いておりました。このような中で、株式会社リフレックスから、この2月に施設を買い取ったと経済部に説明があったところであります。株式会社リフレックスは、まだ具体的な構想を固めていないため、店舗の構成などにつきましては、明らかにしませんでしたが、年内オープンに向けてこれからしっかり釧路市と協議をしたいと伝えてきたところであります。つきましては、これまで構築してきた支援を継続するとともに、株式会社リフレックスに対しまして、市民の皆さんが望む商業施設として早期に開店していただきますよう要請してまいりたいと考えております。 中心市街地活性化基本計画について、準備期間での取り組みと新年度での取りまとめについてでございます。 新中心市街地活性化基本計画の策定に向けましては、これまで庁内に策定委員会を設置し、検討に入り、市の広報誌やホームページを活用した意見募集や市民1,000人を対象としたアンケート調査を実施するとともに、国の診断、助言事業の支援を受けてまいりました。また、中心市街地の活性化は、商業だけに注目し、達成できるものではありませんので、建設関連の事業所や金融機関等を訪問し、計画策定の考え方や登載事業などの有無につきまして、情報交換させていただくなど、その準備を進めてきたところであります。一方、市民団体や商店街などを対象にいたしまして、釧路商工会議所や釧路市商店街振興組合連合会と協働で、中心市街地活性化に理解を高めていただくための市民セミナーやワークショップを開催したほか、中心市街地活性化協議会をスムーズに立ち上げることができるよう、その準備委員会を設置し、協議をしているところであります。新年度におきましては、平成21年3月の認定を目指して作業を進めることとしておりますが、認定の申請に当たりましては、法の規定で中心市街地活性化協議会の意見を聞くことが要件となっておりますことから、この協議会の意見を踏まえ、計画をまとめてまいりたいと考えております。 なお、中心市街地活性化協議会の設立は、その前提としてまちづくり会社の設立が必要となりますことから、6月くらいをめどに置いているところであります。 釧路のシンボルゾーンとしての町並みをどのようにイメージしているかというお尋ねでありますが、改正中心市街地活性化法に基づき国が定めた基本方針において、活性化された中心市街地には、商業、公共サービスなどの多様な都市機能が集積し、住民や事業者へのまとまった便益を提供できること、多様な都市機能が身近に備わっていることから、高齢者などにも暮らしやすい生活環境を提供できること、公共交通ネットワークの拠点として整備されていることを含め、既存の都市ストックが確保されているとともに、歴史的、文化的背景などと相まって、地域の核としての機能できることなど、6つの点が求められております。さらに、中心市街地活性化の目標として、具体的に高齢者も含めた多くの人にとって暮らしやすい多様な都市機能がコンパクトに集積した歩いて暮らせる生活空間を実現すること、2つ目に、地域住民、事業者の社会的、経済的、文化的活動が活発に行われることにより、より活力のある地域経済社会を確立することの2つを追求すべきとしているのであります。したがいまして、新計画におきましては、中心市街地をまちの顔として長年培われてきました歴史や自然などの魅力を引き出しながら、住まい、都市機能、商業、観光、文化、芸術といったさまざまな機能を総合的に高め、地域住民、さらには観光客にとって郊外にはない優位性をつくることが必要であると考えております。つきましては、具体の計画策定に当たりましては、事業者の持つ実効性及び熟度の高い計画や当面着手できる事業の登載に重点を置いてまいりますが、中心市街地の町並みづくりを検討する基調としてグランドデザインを活用してまいりたいと考えております。 次に、観光振興ビジョンの実績と課題についてでありますが、観光振興ビジョンは、平成19年3月に、釧路と釧路公立大学地域経済研究センターの共同研究プロジェクトとして取り組み、新たな新市の基幹産業として位置づけられた観光産業振興を指針として、目標像を10年後の釧路市に設定して策定されたものであります。前期3年間は、ビジョンをもとに新生釧路市における新たな魅力の認識を市民全体と共有する展開をイメージしております。平成19年度は、フォーラムやシンポジウムでビジョンを広めるとともに、新たな総合計画への位置づけや「阿寒湖温泉再生プラン2010」など、既存計画の中でもビジョンを再整備し、釧路市観光の改革を再認識し、できることから進める部分は実行に移していく流れをつくっております。 市政方針におきまして、観光振興にかける思いが伝わってこないとのご指摘でありますが、さまざまな部門において観光とつながった施策が進められており、観光をかけ橋として一丸となって釧路市市政推進に努力していくため、言葉のみならずトップセールスを通した行動とともに、みんなで担う、みんなが育てる観光を先頭に立って体現してまいりたいと考えております。 観光振興ビジョンは、動き出してまだ1年の取り組みであり、観光産業の育成、観光まちづくり、観光推進システム構築の3つの分野に9つの戦略を持っており、進みぐあいもさまざまであります。戦略の一つでもあります魅力的な地域づくり戦略につきましては、「阿寒湖温泉再生プラン2010」をベースとしたハード、ソフト両面からの熱心な取り組みが実施されており、食の魅力づくり戦略につきましては、釧路市がすぐれた食材の生産地であることを生かして、生産団体と観光団体等の連携によるくじらのまちづくり活動やシシャモのブランド化発信事業が具体的な動きとなっております。 また、人材育成戦略につきましては、市民団体が行う大会や会議におけるおもてなし活動や、市内中高生が道央圏や首都圏で行った地域PR活動、さらに商工会議所が中心となって観光検定策定の準備がなされるなど、ビジョンの目標像であります「みんなが担う、みんなが育てる観光のまち・釧路」は、着実に進んでいるものと実感いたしております。 次に、観光客の満足度調査についてでありますが、観光振興ビジョンにも来訪者の満足度調査の実施は、短期重点施策として位置づけられており、観光産業の経済波及効果調査ともあわせ、基礎データとしての重要性を私も認識をいたしております。これまで「阿寒湖温泉再生プラン2010」や釧路公立大学地域経済研究センターの各種観光調査事業におきまして、おのおのの目的に沿った満足度調査は実施されておりますが、平成20年度におきましては、新市の観光ビジョンの戦略に沿った調査として、
MICE参加者を対象とした満足度調査の実施を予定をいたしているとこであります。特に、この調査は、合併効果を生かした観光まちづくり推進事業である地域再生マネジャー事業の一環として実施を予定しており、釧路市街地と阿寒湖温泉を有機的につなぐコンベンション等、MICE育成の基礎データとしての活用を図っていきたいと考えております。 観光の国際化についてでありますが、国際化への取り組み、対応についてであります。 地域の観光国際化の取り組みは、根室管内も含めた産・官・民連携組織であります釧路空港国際化推進協議会の取り組みとともに、阿寒、釧路の両観光団体が連携した誘致宣伝活動も進められ、これからの国際化に対応した活動が進められております。受け入れ態勢の取り組みとしては、阿寒湖温泉ビジット・ジャパン・キャンペーンサポーターズ(VJCS)と言われますが、このサポーターズが阿寒を訪れた外国人観光客への言葉の支援を通して、旅行サポートと交流促進を図っております。また、観光案内所にも外国語対応体制をとって国際観光振興機構(JNTO)のこのビジット・ジャパン案内書としてホームページなどを通し、世界に紹介されております。さらに、釧路市議会の皆様とともに、国に働きかけて実現の動きにつなげてまいりました台湾との運転免許の自由化につきましても、法制化により実現の運びとなり、観光客のレンタカー利用もことしの夏から本格的な活用がされるものと期待しております。この動きとも連動し、ことしの1月下旬には、釧路・台湾ビジネスマッチング協会と釧路空港国際化推進協議会が共催し、台湾・高雄市の百貨店におきまして、釧路観光物産展を開催し、大変好評を得たところであります。この観光物産展は、一自治体の単独開催としては極めて先進的な催しであり、釧路物産のブランド発信と観光地としての釧路PRを一体化し、台湾の航空会社や旅行代理店へのチャーター便増便要請へつなげるものでありました。この中でも、観光PRはもとより、新たに釧路・阿寒・摩周シーニックバイウェイルートの紹介を通し、道東のドライブ観光の広報宣伝を行ってまいりました。また、協議会では、釧路・根室地域の台湾・香港向けガイドブックを作成しており、今後の観光客誘致に活用してまいりたいと考えております。 さらに、JR北海道も、冬のSL湿原号に、中国語ガイドを添乗させるなどの具体的な動きがあるとともに、北海道では新しい北海道の観光国づくり行動計画に基づき、地域限定の通訳案内士制度の導入を平成20年度から実施予定であり、さきに札幌市と釧路市の2市で行われた講習会には、多くの市民が参加し、観光の国際化における関心の高さと取り組みへの期待を感じさせました。引き続き、釧路市としても国や道とも連携し、国際化への細やかな対応を進めてまいりたいと考えております。 次に、人材確保のあり方と観光部の立ち上げについてのご提言であります。 高山市が全国に先駆けてバリアフリー観光に取り組んだように、釧路市でも観光振興ビジョンに9つの戦略を掲げ、全市一体となり、さらには広域とも連携を図りながら、旺盛なチャレンジ精神と同時に施策を絞り、エネルギーを集中し、地に足のついたきめ細やかな取り組みを持って観光振興に取り組んでいく決意であります。全国各地の観光団体や自治体が民間の専門家や他の地域からの人材公募などを進めている事例を、私も承知しているとこであります。釧路市の観光振興ビジョンにおきましても、定住生活者の視点に加え、観光を初めとした来訪者の視点を加えた観光まちづくりを釧路市観光の改革に掲げており、このたびの新総合計画におきましても、交流人口を加えた計画づくりが今後の釧路市発展の重要な取り組み姿勢となっております。また、その活動を担う人材や組織のあり方につきましても、新たな時代に対応する柔軟さが必要と考えております。 音別の行政センター職員ということでありますが、これは体験施設こころみの嘱託職員でありますが、知床斜里町観光協会に転身したと聞いておりますが、知床に対する深い愛着が応募のきっかけであったと伝え聞いているとこでございます。地域住民が故郷に抱く愛郷の思いとともに、それぞれの地域に愛着を持ってやってくる人々との交流のかけ橋である観光を、地域社会全般にわたる諸活動の活性化の原動力にしなければならないと再認識をしたとこであります。市の観光行政は、平成15年度に組織改革を図り、観光振興室としてこれまで観光資源の掘り起こしや広域観光との連携などを中心に成果を上げてきたと考えております。しかし、合併や観光振興ビジョンの策定などを踏まえ、新市の観光政策を確実に実行していくために、観光関連組織の人材確保等、強化策への努力を促し、行政内部におきましても観光産業育成に関する組織間連携や阿寒、釧路、音別の地域間連携の強化等を目指しながら、厳しい財政状況を踏まえながら、効果的かつ効率的な観光行政推進体制のあり方について研究をしてまいりたいと考えております。 水産加工振興センターに求められる機能、体制についてでありますが、市では総合計画策定に当たり、今後の水産加工振興センターの役割や担うべき機能につきまして、業界との懇談会やアンケート調査を実施し、業界のニーズを把握してきたところであります。この結果、水産加工振興センターは、業界の振興発展に必要な施設であり、期待する機能としては、加工技術や食品分析などの技術力の向上や人材育成、衛生管理体制の整備に対する支援、助言への要望が多くあったところであります。このことから、現状では、業界の皆様から一定の評価をいただいているものと受けとめており、今後とも新製品開発や付加価値の向上、情報の提供などで、業界のニーズに的確にこたえられるよう、職員の知識と技術力のレベルアップを図るとともに、道立釧路水産試験場や工業技術センターを初め、産・学・官のネットワークを大切にしながら、機能の充実強化に努めてまいりたいと考えております。 なお、業界におきましても、水産加工振興センター将来像検討委員会を設け、工業技術センターとの融合を含めた将来像について検討しておりますが、現在も協議中でありますので、この成り行きを見守りたいと考えております。 また、地域一体となったブランド化の確立についてでありますが、近年食の安全・安心や素材のこだわりなど、消費者の嗜好は変化してきており、他の製品との差別化を図る、いわゆるブランド化によって、水産物の付加価値向上と消費拡大を図る動きが各地域で見られるようになってまいりました。このような中、釧路市では、産業再生推進会議の中に、地域ブランド推進委員会を設け、シシャモ、イクラ、トキシラズ、サンマの4品目を選定し、ことしからこの中でもシシャモの地域ブランド化に取り組むことといたしております。ブランド化を進めるには、ブランドの管理体制、他地域との差別化、マーケティングや販売体制、ネーミングなどの関係業界が一丸となって取り組む必要があり、市は業界をまとめる事務局を担い、これを推進してまいります。生産者が価格決定権を獲得して経営の安定化を図るとともに、流通事業者など地域のさまざまな分野に効果を波及させる方策の一つが地域ブランド化であります。基幹産業であります水産業を足腰の強い産業として再生するため、この取り組みを積極的に支援してまいりたいと思います。 次に、港湾行政に関してのガントリークレーンの早期完成に向けた具体的取り組みについてでありますが、ガントリークレーンの制作設置につきましては、平成21年8月末を工期といたしまして、本年2月に契約を締結したところであります。新年度におきましては、受注したメーカーの工場でガントリークレーンの本体制作が行われますが、設置場所となる西港区第3埠頭南側岸壁では、背後のコンテナヤード整備及び改正SOLAS条約に基づく国際埠頭保安対策施設の設置工事を行うことといたしております。 次に、十勝港における配合飼料製造コンビナートが釧路港に与える影響と今後の対応についてであります。 十勝港に建設される配合飼料の製造コンビナートは、平成23年4月から本格稼働し、鶏、豚及び牛用配合飼料を製造する計画であると聞いております。釧路港に与える影響につきましては、十勝港に建設されるコンビナートに立地する飼料工場、日清丸紅飼料工場の小樽工場と日本甜菜製糖の帯広工場を統合して十勝飼料株式会社というものが設立されることになっておりまして、従来から道内の他港で原材料を輸入し、製品を製造しておりますことから、これによる釧路港への重大な大きな影響は少ないものと、こう考えております。しかし、釧路港を利用している飼料工場で生産される一部製品については、十勝港に進出する企業から委託を受けておりますことから、関係機関並びに港湾業界と連携を密にして、進出する企業動向について情報収集に努めてまいりたいと考えております。釧路の飼料工場でこの関連する企業が飼料を釧路で委託生産をしていると、これが十勝に行くかあるいは行かないかというのは、まだわからない段階でございます。今後は、穀物飼料の輸入形態が多様化し、コンテナ化の進展も予想されることから、外貿コンテナ航路を有する釧路港の高い優位性をセールスポイントにし、港湾機能の拡充により競争力を高め、利用拡大を図ってまいりたいと考えております。 新年度の国内外のポートセールスの取り組みについてでありますが、釧路港の利用拡大を目的に、釧路港湾協会と連携し、毎年ポートセールスを実施しておりますが、道内におきましては、札幌、北見、根室、十勝、網走などの農業団体や水産団体に対する会社訪問を行ってきております。また、東京などの首都圏や京阪神地区などの大きなマーケットを抱える地域では、セミナー形式のポートセールスにより、釧路港への貨物の取り扱いの拡大を要請しております。海外では、韓国・釜山を初めシンガポール、香港などの東南アジア地域や経済が急成長を遂げている中国の市場を開拓するため、昨年は上海、大連、天津で貨物の取扱会社を訪問し、釧路港の利用を訴えております。港湾間の競争が激化する中で、ガントリークレーンの導入など、釧路を売り込むチャンスも大きくなってきております。新年度のポートセールスの具体的な内容につきましては、釧路港湾協会と検討中でございますが、道内の荷主に重点を置いたポートセールスを行うとともに、東京など首都圏の荷主や物流業者、港湾関係者を集めたセミナーを開催するに当たり、釧路港利用整備促進協議会の特別専門部会の検討結果も反映させるなど、積極的な活動を行ってまいりたいと考えております。 ただいまお話ししました特別専門部会の役割についてのお尋ねでありますが、この東北海道の拠点港である釧路港におきまして、安定的な貨物量の取り扱いが維持されることは大変重要なことと認識しておりますが、経済活動の変動などにより、釧路港の貨物取扱量はここ数年伸び悩み傾向にあることから、貨物量の安定的な確保を図るため、平成20年に釧路港利用整備促進協議会に港湾関係団体などからなる特別専門部会を設置するものであります。特別専門部会の主な活動内容といたしましては、早期の情報収集や東北海道の荷主等に対するヒアリングなどの調査分析、これらに基づく各種施策の策定等を行い、釧路港湾協会とも連携し、より実効性のあるポートセールスを実施することで、貨物量の増加を図ってまいりたいと考えております。 次に、新港湾計画についてのお尋ねでありますが、国は港湾整備に対するニーズを把握し、引き続き重点化、効率化を進めつつ、真に必要な港湾整備を計画的に進めるため、今後の具体的な港湾整備の姿を示す港湾関係事業の中期計画(仮称)を策定することとしております。この策定に向けまして、現在まで国としては、昨年10月下旬から12月中旬まで、港湾所在地市町村を中心とした首長等から意見聴取を行い、釧路港として現状の課題であります静穏度確保に向けた防波堤の整備などを初めとする施設整備並びに地方の財政負担の軽減について強く要望したところであります。国は、12月に、これら意見聴取の結果を踏まえ、おおむね10年間とするこの計画期間を定めた計画の基本的な事項、港湾を核とした地域の自立、活性化などを定めた主な重点課題などを内容とする骨子案を作成いたしております。この10年というのは、平成20年から平成29年の10年の計画期間であります。今後、国はこの骨子案につきましては、各港湾管理者や管内町村長及び関連企業などから幅広く意見聴取を行い、平成20年度中にこの中期計画を策定する予定としており、東北海道の拠点港湾として、この拠点性の確保に向けた整備などが反映できるよう、引き続き私どもも要望を行っていく考えであります。 一方、釧路港の港湾計画は、平成20年度から現況分析、現状及び将来予想される課題、整備や利用に対する要請、取扱目標規模の想定などを計画レベル、これは10年から15年スパンの短中期的なもの、長期構想レベル、二、三十年かけた長期的なものの視点から検討し、改定に向けた判断材料とする考えでおります。平成21年度以降につきましては、学識経験者、地元経済界、港湾関係者などを含めた長期構想の委員会を立ち上げ、目標年次に対応した港湾計画の基本方針の策定、港湾計画に位置づける施設計画及び土地利用計画を作成するとともに、環境アセスメント調査を実施し、周辺地域に及ぼす影響について、予測評価をすることといたしております。これらの策定作業は、おおむね4年ほどかかる予定であり、現在のところ、平成24年度から新港湾計画をスタートさせたいと考えております。 次に、障がい者雇用促進についてでございます。 就労支援に係る専任の雇用支援ワーカーの配置についてということでございますが、国は地域障害者職業センターに職場適応援助者、いわゆるジョブコーチを配置して支援を実施するとともに、就労支援ノウハウを有する社会福祉法人などや、事業主がみずからジョブコーチを配置し支援する場合に助成金を交付する制度を設けております。この支援ワーカーというのは、このジョブコーチではないかと、このように思うとこでございますが。市内におきましては、北海道の委託を受けましたくしろ・ねむろ障がい者就業・生活支援センターが3名のジョブコーチを配置して、現在まで260名余りの就労支援を実施しており、障がい者が新たに就職する際の支援のみならず、雇用後の職場適用支援も行っております。市といたしましても、国の制度による支援期間満了後の就労相談支援業務をこの同センターに委託するとともに、昨年8月に設置いたしました釧路市障がい者自立・支援連絡会議の雇用・就労部会におきまして、個々のケースについての細やかな対応を図っているところであります。今後におきましても、市の窓口における相談支援はもとより、関係法人や事業所などとの緊密な連携の中で、障がい者の就労支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、公立病院への財政支援と改革ガイドラインの抜本的見直しを求めるべきということでの病院改革のお尋ねでありますが、総務省が公表いたしました公立病院改革ガイドラインは、経営の効率化、再編ネットワーク化、経営形態の見直しの3つの視点からの改革を一体的に推進することを求める大変厳しい内容のものであります。そのため、地方公共団体からは、公立病院の役割の特性、経営効率と地域医療確保の両立について、都市と地方の地域事情の配慮などについての意見を上げており、財政措置につきましても、支援要請を行い、赤字特例債などの措置がなされたところであります。公立病院の改革は、財政健全化法の施行や公立病院改革ガイドラインにより、まさに待ったなしの局面を迎えておりますので、改革計画を策定しながら、地域住民が安心して暮らせる医療を提供できるよう、必要な要望は今後も機会あるごとに関係機関と協力し、行ってまいりたいと考えております。 病院経営と環境整備についてでありますが、市立病院の経営につきましては、患者数の増加を目指しつつ、7対1看護などの各種加算による収入増を図るとともに、材料費や経費などの削減による内部改善のほか、一般会計からの繰入金の支援により収支を整え、平成23年度に不良債務を解消する
経営健全化計画を作成いたしております。このような経営健全化のための経済性、採算性の追求と同時に、今後の病院運営に当たりましては、地域医療における公立病院としての役割を果たすために、医療スタッフの安定的確保や医療機器等の整備、さらには他の医療機関との連携などが重要であり、経営安定化のための改善策を確実に実行しながら、これまで以上に医療機能の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、女性医師や助産婦が働きやすい職場環境づくりと助産師の活用についてのお尋ねでございますが、平成16年度における医師国家試験合格者に占める女性の割合は、全国ベースで33.8%となっております。また、現在、市立病院に勤務している医師73名中、女性医師は11名で、その割合は15%となっており、年々女性医師が増加する傾向にあります。このことから、女性医師や助産師が働きやすい職場環境づくりの一つとして、現在の院内保育所を病院の近隣地への移転・新築とあわせ、さまざまな勤務形態に対応できるよう、保育時間の延長や夜間保育の実施などを検討してまいりたいと考えております。今後も、女性医師などの抱えるさまざまな事情や希望にあわせ、非常勤での勤務など、柔軟な勤務形態への対応、女性医師が子育てと診療を両立できる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 次に、助産師の活用についてのご質問でありますが、市内の産婦人科医は減少の一途で、先日釧路日赤病院の産婦人科で9名の医師のうち2名が3月末で退職し、1名が産休中ということで、平成20年4月以降の診療は3名減員の6名体制になると報道されております。今後、市立病院の産婦人科が果たす役割はますます重要となると同時に、医師の負担が大きくなることが予想されます。このことから、医師と助産師の役割分担を検討するなど、産婦人科医師の負担軽減を図ってまいりたいと考えております。 次に、市立病院全体の医師の安定確保に向けた見解を聞きたいということでございましたが、平成20年4月以降、市立病院で勤務する医師数は74名で、本年度73名と、ほぼ同数でありまして、産婦人科医師につきましても、本年度と同数の4名の体制での診療となります。医師の安定確保に向けての取り組みにつきましては、道内の医育大学医局への派遣要請を行うとともに、財団法人北海道地域医療財団、退官自衛官の募集誌つばさへの医師募集広告の掲載や、民間の医師派遣コンサルタント業者の活用も行っているとこであります。今後も、機会あるごとに医育大学の教授や医療関係者にお会いし、市の医療体制の窮状を訴えるとともに、医師確保に向け全力で取り組んでまいる所存であります。しかしながら、医師不足は全国的な問題でもありますことから、これまでも国や北海道に対し、医師確保対策の要望を行ってまいりましたが、今後も地域の声を国に届けることが必要と認識しているとこであります。 次に、市立釧路病院・阿寒病院・音別診療所の看護師確保対策でありますが、平成18年度の診療報酬の改定によりまして、7対1入院基本料が創設されるなど、手厚い看護に対して診療報酬額が大きく増加することから、全国的に知名度の高い病院や急性期病院などで積極的な看護師確保が行われており、市立病院におきましても、看護師確保に苦慮しているとこでございます。このことから、市立病院におきましては、就学資金制度の継続、採用年齢を40歳未満に緩和することや、看護師の随時募集を行っております。また、仕事で育児が両立できるよう、院内保育所の近隣地への移転・新築とあわせ、勤務形態に合わせた柔軟な保育体制をとってまいりたいと考えております。さらに、臨時看護師の採用に当たりましては、柔軟な勤務時間の設定や待遇面の改善にも取り組んでまいりたいと考えております。 次に、夜間急病センターの医師、看護師の確保に向けた市の取り組みについてでありますが、夜間急病センターは、釧路市における初期救急医療施設といたしまして、釧路市医師会が指定管理者となり、4月より診療を行ってまいりますが、現在釧路市医師会と協力し、開設に向けた準備を鋭意進めているとこであります。ご質問の医師、看護師の確保についてでありますが、常勤医の確保につきましては、医師会と情報を共有し合い、医療機関向けの情報誌やインターネットの求人サイトでの募集案内、コンサルタント会社を通じた医師募集など、医師確保に努めており、現在数件の問い合わせを受け、交渉を続けさせていただいており、そのうちの1人が近々夜間急病センターの視察のために来釧することとなっております。また、看護師につきましては、1月から新聞や広報くしろでの募集案内、さらにはハローワークでの求人を行ったところ、6名の募集に対しまして8名の応募があり、先月19日に面接を行い、予定しておりました看護師6名の確保が決定し、今後研修等を行い、4月の診療開始に向けた準備を行っていくこととなっております。 最後に、私から、男女がともに働くための環境づくりなど、労働に関する事項が見当たらない。釧路市としてどのように考えているのかということであります。 男女共同参画プランについてのお話でございますが、改正男女雇用機会均等法が平成19年4月1日から施行され、性別による差別禁止の範囲が拡大されたところであります。具体的には、女性に対する差別の禁止が改正により、男女双方に対する差別の禁止に拡大され、さらに雇用形態の変更や雇いやめなどに関する内容も追加されたとこであり、この結果として、現在はハローワークの求人においても、性別を理由とする差別が禁止されております。市といたしましては、男女がともに働くための環境づくりに資するため、昨年3月発行の労働ニュースなどにおきまして、改正男女雇用機会均等法の趣旨を周知したところであります。また、総合計画におきましても、労働環境の改善を促進することといたしておりますので、雇用の場におきまして差別が行われないよう、継続して労働ニュースや広報くしろなどを用いた啓発と情報提供に努めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。ありがとうございました。