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03月06日-02号

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  1. 釧路市議会 2006-03-06
    03月06日-02号


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    平成18年第1回 2月定例会               平成18年第1回2月定例会          釧 路 市 議 会 会 議 録  第 2 日               平成18年3月6日(月曜日)─────────────────────────────────────── 議事日程  午前10時開議日程第1 議案第69号及び第70号(提案説明)日程第2 議案第1号から第67号まで、第69号及び第70号並びに報告第1号から第4号まで(代表質問) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 会議に付した案件1 諸般の報告1 日程第11 日程第2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 出席議員(52人)   議 長 37番  草 島 守 之 君   副議長 28番  上 口 智 也 君       1番  山 崎 征 勝 君       2番  松 岡 尚 幸 君       3番  溝 口   精 君       4番  吉 田 守 人 君       5番  粟 野 二 郎 君       6番  長 村 武 祠 君       7番  松 橋 主 幸 君       8番  戸 田   悟 君       9番  畑 中 優 周 君       10番  山 崎   晃 君       11番  土 岐 政 人 君       12番  西   直 行 君       13番  花 井 紀 明 君       14番  藤 原   厚 君       15番  曽我部 元 親 君       16番  松 永 征 明 君       17番  筥 嵜 昌 晴 君       18番  山 田 忠 孝 君       19番  北 村   剛 君       20番  鶴 間 秀 典 君       22番  菅 野   猛 君       23番  高 橋 一 彦 君       24番  鈴 木 義 澄 君       25番  続 木 敏 博 君       26番  逢 坂 和 子 君       27番  月 田 光 明 君       29番  上 田 徳 郎 君       30番  中 村 正 嗣 君       31番  黒 木   満 君       32番  梅 津 則 行 君       33番  淀 川 了 一 君       34番  宮 下 健 吉 君       35番  吾 妻   巖 君       36番  高 橋 宏 政 君       38番  岸 山 敏 安 君       39番  大 森 昌 子 君       40番  松 永 俊 雄 君       42番  本 城   洋 君       43番  杉 山 範 雄 君       44番  井 上 清 勝 君       45番  細 野   勝 君       46番  佐々木 勇 一 君       47番  田 井 博 行 君       48番  石 川 明 美 君       49番  宮 田   団 君       50番  酒 巻 勝 美 君       51番  佐 藤 勝 秋 君       52番  渡 辺 慶 蔵 君       53番  千 葉 光 雄 君       54番  二 瓶 雄 吉 君 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 欠席議員(1人)       41番  小 山 昭 二 君 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 出席を求めた者 休会前に同じ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本会議場に出席した者 休会前に同じ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議会事務局職員 休会前に同じ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  午前10時00分開議 △開議宣告 ○議長(草島守之君) 皆さんおはようございます。 出席議員が定足数に達しておりますので、休会前に引き続き会議を開きます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △諸般の報告 ○議長(草島守之君) 事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎議会事務局長(藤原昭二君) 報告をいたします。 ただいまの出席議員は52人であります。 市長から本日付で、議案第69号平成17年度釧路市一般会計補正予算及び議案第70号釧路市介護保険条例の一部を改正する条例の追加提出がありましたので、お手元に配付いたしました。 次に、本日の議事日程は日程第1 議案第69号及び第70号日程第2 議案第1号から第67号まで、第69号及び第70号並びに報告第1号から第4号までであります。 以上で報告を終わります。  ────────────────────  〔朗読せざるも掲載〕   2月定例市議会議案件名(追加分) 議案番号   件       名議案第69号 平成17年度釧路市一般会計補正予算議案第70号 釧路市介護保険条例の一部を改正する条例 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △日程第1 議案第69号ほか上程 ○議長(草島守之君) 日程第1、議案第69号及び第70号を一括議題といたします。  ──────────────────── △提案説明 ○議長(草島守之君) 提案理由の説明を求めます。 折原副市長。 ◎副市長(折原勝君) (登壇)本日、議案第69号及び議案第70号を追加提案させていただきました。 初めに、議案第69号平成17年度一般会計補正予算でありますが、国の補正予算に伴い実施事業費の内示がありましたことから、追加補正するものであります。 第3款民生費につきまして、第2老人福祉センター(清風荘)のアスベスト除去に係る老人福祉センター費315万円、(仮称)釧路西部地区保育所建設費補助金7,240万2,000円を追加し、特定財源として国及び道補助金、市債合わせて7,546万8,000円を見込み計上いたしました。 第11款教育費では、小中学校合わせて15校のアスベスト除去に係る学校教育施設石綿対策事業費9億3,232万円、鳥取西小学校大規模改造費4億4,135万2,000円を追加し、特定財源として国庫補助金及び市債合わせて13億6,174万円を見込み計上いたしました。 第13款公債費では、追加補正予算に係る一般財源相当額の減債基金繰入金1,201万6,000円を財源補正いたしました。 歳入においては、特定財源といたしまして、国及び道補助金4億8,130万8,000円、基金繰入金1,201万6,000円、市債9億5,590万円、合わせて14億4,922万4,000円を見込み計上いたしました。 この補正により、一般会計の歳入歳出予算の総額は714億3,336万9,000円となります。 次に、国の繰越承認を得て実施する繰越明許費でありますが、追加提案の事業は全額翌年度に繰り越すこととしております。 債務負担行為の補正では、(仮称)釧路西部地区保育所建設協力費といたしまして、平成18年度から平成38年度までの期間、6,712万3,000円に割増金を加えた額として追加するものであります。 次に、議案第70号釧路市介護保険条例の一部を改正する条例でありますが、第3期介護保険事業計画の策定及び介護保険法等の一部改正に伴い、保険料率について改定、見直しを行うとともに、税制改正により影響を受ける被保険者の保険料率の特例を設けるなど所要の改正をいたしたく、本案を提出するものであります。 よろしくご審議の上、原案どおりご承認くださいますようお願い申し上げます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △日程第2 議案第1号ほか上程(代表質問) ○議長(草島守之君) 日程第2、議案第1号から第67号まで、第69号及び第70号並びに報告第1号から第4号までを一括議題とし、これに対する質疑並びに市政方針及び教育行政方針に対する各派代表質問を行います。 質問は、既に確認されております1会派70分の割り当て時間並びにあらかじめ定められました順序により、これを許します。 最初に、くしろ自民クラブ代表、30番中村正嗣議員の発言を許します。 30番中村正嗣議員。 ◆30番(中村正嗣君) (登壇・拍手)おはようございます。 3市町が合併して最初の新釧路市の予算議会に、名誉あるトップバッターでくしろ自民クラブを代表して質問する機会を得て、心より喜んでいます。1番を引いてくれた同僚議員に感謝しつつ、順次市政全般について質問してまいります。 2005年は、我が国にとって、日本の総人口が近代に入ってから初めて減少に転じた年として、忘れることのできない年となるでしょう。2005年の国勢調査の人口速報値によると、10月1日現在の日本の総人口は1億2,775万6,815人で、2004年10月時点の推計人口と比較し約1万9,000人減少しました。さきに発表された人口動態統計では、2005年に初めて出生数が死亡数を下回る自然減となっており、外国人の流入なども加味した国勢調査も減少に転じたことから、人口減社会が到来したことが確認されました。このことはゆゆしき大問題です。今まで多くの自治体が人口増を前提としたまちづくりをしてきました。もちろん、大都市及びその周辺部を除くと多くの自治体は、既にかなり前から過疎化しているのが現状でした。ですが、日本の人口が総体として増加している間は全体のパイがふえているわけですから、それらの地域は、自治体経営に努力の足りない、いわば都市間競争に破れた、今はやりの言葉で言うなら負け組と位置づけされ、もっとまちづくりに知恵を絞るべきだなどと評されていたものです。しかし、この総人口が増加するという大前提が崩れた今となれば、一部の大都市を除き、すべての自治体が人口減少を前提としたまちづくりを考えなければならない事態に至りました。このことは、ある意味では、日本の近代のスタートに当たる明治以来の日本のまちづくりのパラダイムの大転換を迫るものとなるのではないでしょうか。 我が北海道においても、人口減少による自治体財政の逼迫は深刻の度を深めており、羅臼町ではことしの冬より、まちが道路の雪かきをする基準を厳しくしました。昨シーズンまでは、町道に雪が10センチ積もれば除雪車が出動していたところを、今シーズンからは15センチ以上に引き上げられました。ふくらはぎに届くくらい積もらないと除雪車はやってこないのです。夕張市は、これ以上の公共下水道の整備は難しいと宣言しました。市民の3分の2に当たる約9,000人は、未整備地域に取り残されるのです。赤平市は、周辺部の古い家を壊し、中心部に建て直す集約建て替えに乗り出しました。住民を中心部に集めないと、行政の手が届かなくなるのです。 また、北海道庁においても、財政再建団体転落を回避し道財政を立て直すため、道職員の給与の10%削減、人員の30%削減と大なたを振るわなければならないほどの状態に追い込まれています。道民サービスが低下するなど、道民へのしわ寄せは避けられない状況です。 本州では、もっと極端な例も見られます。長野県の人口1,000人余りの大滝村では、バブル期の過剰投資で膨らんだ村営スキー場の長期債務の借金返済の重荷のために周辺町村から合併を拒否され、2010年にも財政再建団体に転落します。そのため、2015年度までの10年間で職員を50人から25人に半減して、人件費を6割、扶助費を3割削減、道路や公園などの整備費に充てる普通建設事業費に至っては、2008年度から毎年ゼロとする状況です。 多くの自治体で、人口が減少し、税収が減ることにより、公共サービスの維持が困難となりつつあるのです。このまま推移するならば、地方の未来は限りなく暗いものとなってしまうおそれがあります。この悪循環を何とか断ち切る方策はないのか、この課題がこの二、三年来私を悩ませてきました。豊かな緑と共生するまちという解決策のイメージは浮かぶのですが、なかなか具体的な方法を見出せないでいたとき、日本経済新聞であるセミナーを案内するコラムを見かけました。それは、このようなものです。 「お手本というのは、実に意外なところにあるものらしい。少子・高齢化、人口減に悩む日本の地方都市にとって、何と旧東ドイツの都市が今進めているまちづくりシュリンキング・ポリシー(縮合政策)がヒントになるかもしれないという。旧東独の多くの都市は、西側への移住と出生率の低下で急速に人口が減り、高齢化している。ポーランド国境オーダー川沿いのフランクフルト・アン・デル・オーデルは、市制750年の歴史あるまち。それが、1990年には8万7,000人いた住民が現在では6万5,000人。10年後には、さらに1万人以上が減る見通し。しかも、中心市街の集合住宅はあきだらけで、自然豊かな環境を求めて郊外の一戸建てへと移り住む人々が目立つ。同市は、集合住宅撤去後の広大な土地を緑地や森林、市場など自然と暮らしの再生の場として活用する。人口減を必然と受けとめ、逆にそれを都市再生の好機として前向きにまちづくりに取り組む。歴史も風土も違う旧東独の都市再生は、そのまま日本にモデルとはなり得ないが、量的拡大と膨張に決別し、縮小を覚悟した上で質の高いまちを目指すという発想は、参考になる」。 このコラムに触発されて、私は、昨年11月17日、東京都千駄ケ谷の津田ホールで開催された財団法人日本生態系協会主催、全国知事会、全国市長会、全国町村会、環境省、国土交通省、農林水産省などが後援の「新時代へ向かう世界、たたずむ日本新しい政策シュリンキング・ポリシー・縮合政策」というセミナーに参加しました。フランクフルト・オーデル市のパッツェルト市長が基調講演、多治見市の西寺市長、滋賀県の國松知事などが講演され、大変有意義な内容でした。このセミナーの基調を流れるテーマは、要約すると次のようになると思います。 私たちの国日本は、人口増加に伴って開発を進め、世界有数の物のあふれた豊かさを手に入れました。その一方で、犯罪がふえ、自殺者が増加し、経済界でも、スポーツ界でも、お笑いなどタレントの世界でも、大金を手にした者が成功者という心の貧しい国になってしまったようです。しかし、2005年を境に人口減少社会を迎えます。この未曾有の事態を、日本を世界が注目する美しい国へとつくり変える絶好のチャンスとして活用し、新しい時代の持続可能な国づくり、まちづくりへと方向転換し、国際社会をリードしていくべきである。そのために縮合政策こそ、その根幹を担う政策と言えるものである。人口が減少する分、際限なく広がってしまったまちを整備してむだを省き、維持管理費の少ない、自然と共存する共存主義社会とも言うべき美しいまちへ再構築していく。こうした政策を進めていくならば、時間と空間、そしてお金のかからない生活の質──クオリティ・オブ・ライフ──の高い魅力的なまちが広がっていくのです。 近年、ドイツでは、日本より一足早く人口減少社会を迎えています。しかし、こうした状況を悲観することなく絶好のチャンスととらえ、シュリンキング・ポリシーに基づいた、ゆとりあるまちづくりが進められています。都市部では、住宅の修築や解体に伴いあいた空間を自然に戻し、自然と共存することで安全と美しさとゆとりを取り戻しています。その結果、まちは質の高い魅力的な空間へと生まれ変わりつつあります。私たちの国日本も、私たち世代だけの豊かさを求めるのではなく、子供たちや将来世代のことも考えた国づくり、まちづくりをしていくことが求められているというのが要旨だろうと思います。 2005年からの人口減少を転換点として、50年先、100年先の人口が激減していく時代を見据えて、国やまちはしっかりとしたグランドデザイン、長期ビジョンを定めることが必要です。こうしたグランドデザインを定めるに当たって、進むべき方向を誤らないための戦略の一つが縮合政策です。これは、人口が減ったため、不必要に広がってしまったまちを整理整とんして、むだを省き、新しいまちに組み立て直していくための政策です。 例えば、既存の中心市街地の中にも、自然を再生させ、自然と共生する美しいまちをつくり、生活の質を高め、郊外へと流出していた人々を市街地へと呼び戻すことで、道路や上下水道などの公共投資を効率よく行うことができます。人口が減っていく社会においても、私たち1人当たりの国民所得は、余り減少しないのではないかと言われています。このことは、今後も私たちの所得は現在の水準をおおむね維持できることを意味しており、技術が進歩し労働生産性が上がることを考えれば、労働時間を短縮でき、余暇にたくさんの時間を使うことができるようになります。時間にゆとりのある暮らしができるようになるのです。また、人口が減っていく状況においては、住宅など人が利用する場所を効率的に配置していくことで、自然や憩いの場といったゆとりの空間をふやしていくことができます。その結果、家の周りで子供たちが自然体験をしたり、憩いの場を身近に確保できるなど、空間にもゆとりが生まれます。家の周りの空間にゆとりができると、精神的にも落ちつき、生活の質も高まります。拡大成長を目指す社会では、たくさんの物やサービスをお金で買うことで豊かさを実感しています。しかし、人口が減り、経済が縮小していく社会においては、豊かさに対する人々の価値観が大きく変わっていくことでしょう。時間と空間にゆとりが生まれ、人々が今までより、ゆったりのびのび暮らす社会では、物やサービスの量を競うのではなく生活の質を高めることが、豊かさの指標として重視されます。 生活の質の高いまちのイメージは、例えば、車中心の生活を見直し、自然あふれる近くの公園まで徒歩や自転車で出かけていって、のんびりと余暇を楽しんだり、コミュニティ単位で人々が助け合ったり、まちの中でもきれいな空気を吸ったり、おいしい水を飲んだりできるまちです。縮合政策の先にやってくる社会は、買いたい物やサービスに対する過度の欲求の少ない、お金のかからない、安心できる社会なのです。このような安らかな未来が、縮合政策──シュリンキング・ポリシーを確実に実行することで可能であるならば、私はこのような未来を実現したいと思います。もちろん、戦後、日本社会の価値観の大転換が求められているわけで、一朝一夕で実現できるとは思いません。しかしながら、政府においても、少子・高齢化社会に備え、まちの中心部に、住宅、病院、商業施設を集約するコンパクトシティ構想を打ち出しました。時代は着実にこの方向に小さな歩みを始めています。釧路市の今後の10年間を見通した新たな総合計画を策定する上でも、欠くことのできない視点の一つであると思います。伊東市長の見解を求めます。 無論、私は、日本の少子化の進行をこのまま放置しておいてもよいと考えているものではありません。子供をふやすためには、政治においても、小出しの政策ばかりではなく、若い夫婦の、子供を持つことによる金銭的な負担を抜本的に補てんする対策を講ずるべきだと考えますし、人々には、子供は社会の宝であり、子供を産み育てている若い親たちを、みんなで支えていこうという意識を再び持っていただくことも大切であると考えています。しかし、ここまで少子化が進むと、万が一出生数が劇的に向上したとしても、数十年単位では、人口が回復に転じることは困難であると言われています。これを人口減少のモメンタム──惰性あるいは慣性というそうです。しかも、高齢化社会について調査研究している社団法人エージング総合研究センターは、2月3日、日本の少子化が政府見通しを大きく上回るペースで進むとの推計をまとめ、晩婚化の進展などを反映し、一人の女性が生涯に産む子供の平均数を示す合計特殊出生率は、2004年の1.29から2020年には1.16に低下する。この傾向が続くと、2050年の日本の人口は8,800万人と、今より約30%減少する。2004年に過去最低となった出生率は今後も下げどまらず、2015年には1.2を割り込み、2020年まで落ち込みは続き1.16になるとの予測を出しました。それだけに、特に地方においては、将来とも人口減少を前提としたまちづくりを考えなければなりません。 また、セミナーで講演を聞いて、フランクフルト・オーデル市の緑と共生した縮合政策には学ぶべき点がたくさんありますが、社会主義体制で建設した中心市街地の100万戸にも及ぶ集合住宅が空き家となり、その処理に迫られ、その解体に伴う空きスペースをいかに活用すべきかという旧東ドイツの都市の状況と、中心市街地のほとんどのスペースが民有地であり、その買い取りでもしない限り、民有地には行政が樹木の一本すら植えることのできない日本の都市の現状には、余りにも違いがあり過ぎ、単純には参考にすることができないのはもちろんです。しかしながら、釧路駅から釧路川までの中心市街地だけを見ても、空き地や空き店舗、または少しでも固定資産税の足しにしようという青空駐車場がこの10年間で激増し、まとまりのない歯の欠けたような町並みが続き、およそ19万都市の中心部とは思えない寂しい状態を呈しているのも、また歴然とした事実です。 では、どうしたら、豊かな木々の緑の中にビルが点々と建ち並ぶ、というような美しい町並みを実現することができるのでしょうか。そのための一例を挙げるなら、まず初めに、中心市街地をターゲットにして民有地を買収することなど無理な話ですから、人々が直接目にすることのできる街路に面した空き地や青空駐車場を対象に、所有者がその敷地の全部または一部に木や花などを植栽し、緑の憩いのスペースをつくった場合、そのスペース部分の固定資産税を免除または大幅にカットするというアイデアなどはどうでしょうか。できれば園芸種ばかりでなく鳥や昆虫のため、ビオトープ的発想でシラカバなど、釧路の気候、環境に適した緑化をしてもらえるならば最高です。本州方面では、東京や横浜など多くの自治体で、ヒートアイランド現象を緩和するため、屋上や道路に面した場所を緑化した場合、助成金を支給しているようです。このように都市の緑化は、ヒートアイランド対策ばかりではなく地球温暖化対策で二酸化炭素を少しでも抑制すること、人々に潤いといやしの場を与える上からも重要性を増しています。その点、空き地はもとより、さほど利用頻度がない殺風景な青空駐車場を緑のスペースに転換してもらえるならば、都心部に緑豊かなエリアがあちこちにあらわれ、都市景観は大きく変わり、まちのイメージも一新すると思います。もちろん新しく建物を建てたり、駐車場として全面利用することとなったときは、もとの固定資産税に戻すという条件つきです。固定資産税の減収にはなりますが、市が助成金を出したり、中心市街地に新たに公園をつくったり管理する経費のことを考えると、緑あふれる都心部をつくる、他に誇れる美しいまちをつくるという点では、一考の余地があるのではないでしょうか、答弁を求めます。 もちろん、これは一つのアイデアにすぎません。しかし、いろいろな手法を活用し、人口規模に合わせてダウンサイジングして、人々が気軽に交流できる、まとまりのあるまちをつくる。豊かな緑と共生し、北海道の気候風土と調和した美しいまちを築き上げていく縮合政策、シュリンキング・ポリシーコンパクトシティ構想、いろいろな呼び名がありますが、このような都市の方向性こそ、21世紀、次の世代に責任を持たなければならない我々に課せられた一つの政策命題ではないでしょうか。改めて伊東市長の見解を伺いたいと思います。 では、これからは、くしろ自民クラブの平成18年度政策要望に沿って、順次質問してまいります。 最初に、重点要望事項の1番の阿寒・音別地区の重点整備、住民意識の一体化の醸成についてです。 先ほど触れた昨年──2005年は、釧路市にとっては一転、難産の阿寒・音別町との3市町合併が成就し、晴れて10月11日、新生釧路市が誕生した輝かしい年として記憶されることでしょう。伊東市長は新釧路市の初代市長に就任後、いや就任前から、阿寒・音別それぞれ町内に異論がある中、また6市町村合併から3町村が離脱したにもかかわらず、最終的に釧路市との合併を選択してくれた両町の住民が、合併して本当によかったと感じてもらえる新市づくりを目指したいと常日ごろ言われています。 そこで、新年度に向けてどのような気持ちで臨まれているのか、まずお尋ねします。 次に、我が会派において、両地区の要望として列記した項目、阿寒地区においては、足湯・外湯の整備など阿寒湖温泉活性化事業、阿寒湖畔整備事業の促進、マリモ展示観察センターの改修、公立病院の機能連携と将来は市立総合病院の分院化、雌阿寒岳火山防災体制の整備、小中学校の校舎整備の促進、音別地区では、特別養護老人ホーム機能を含む多機能施設の整備、西の玄関口整備、国道38号線沿道の景観整備、音別駅前広場づくり事業、消防庁舎とコミュニティセンターの建設、学校間交流事業、体験学習施設「こころみ」の利用促進、以上であります。項目の中には、新年度予算で計上されたものも多いようですけれども、それぞれについて具体的にどのように進めるつもりなのか、お答え願います。 重点要望事項の2番は、炭鉱技術移転計画の延長です。 事業は、日本が長年積み重ねてきた炭鉱に関するノウハウを海外の炭鉱技術者に伝えようというもので、採炭や保安の技術指導から、炭鉱管理策や生産性向上策なども教えるものです。国内最後の炭鉱、釧路炭鉱と長崎市の旧池島炭鉱の2カ所を研修所に使い、数週間から半年程度講義や実習を行います。 2005年度までに、中国、ベトナム、インドネシアの3カ国の炭鉱技術者延べ1,089人が受講しました。受講生らは帰国後、日本で学んだ坑内保安技術などをもとに安全な採鉱技術導入に携わっています。中でも中国は、急激な経済発展に伴うエネルギー源として、石炭の需要が大幅に増加しています。保安などの管理・技術改善が追いつかないこともあり、炭鉱事故が続発、毎年数千人規模の死者が出ています。中国政府は、1月初め日本政府に文書を送り、日中双方はこれまで成功した合作経験をベースに、引き続き事業を実施することが必要かつタイムリーだと事業継続を強く要望してきました。このように炭鉱事故が多発している中国などからの継続を望む声が強く、悪化が懸念されている日中関係修復の一助にしたいとの考えと、一方、日本国内でも研修施設が完全閉鎖されると、雇用面などで影響が出るため、釧路市など地元自治体が事業継続を求めていることなどもあり、政府は1月16日、国内に残された実際の炭鉱を使って海外の炭鉱技術者に技術を伝える炭鉱技術海外移転事業(2002年度から2006年度まで)を2007年度以降も延長する方針を固めたとのことです。また、翌1月17日には経済産業省石炭課が、釧路コールマインで実施されている国の炭鉱技術移転5カ年計画の最終年度となる2006年度予算内示で、満額40億円が認められたと明らかにしました。5カ年計画の事業費は、石油及びエネルギー需要構造高度化対策特別会計から支出されており、特別会計は歳出削減のため厳しい見直しが進められています。その中で、2005年度39億8,000万円に続き、満額が認められたことは、国の炭鉱技術移転事業への評価が背景にあるものと見られているとの報道が相次ぎ、2007年度以降の事業継続には明るい兆しも見えますが、市として把握している今後の見通し、炭価動向、ユーザー確保対策など、継続に向けた取り組みについてお聞きします。 重点要望事項の3番は、釧路根室圏総合体育館の早期完成です。 伊東市長の大英断で、財政が窮迫している北海道にいつまでも道立体育館の建設を要望していても、百年河清を待つがごとくで実現の見込みは立たない。それならば国の都市公園整備事業による半額補助の制度を活用できる間に、釧路・根室地元が主体となって体育館をつくろうとの発想で取り組んだ総合体育館が、いよいよ新年度から着工されることになり、心から喜んでいます。平成18年度から4カ年の継続事業で、平成21年に完成とのことです。市民からの釧路根室圏総合体育館建設基金協賛会への寄附も、わずか1年足らずで9,500万円を超えるなど予想以上たくさん寄せられ、市民も一日も早いオープンを期待していることと思います。 そこで質問ですが、体育館の全体像はどのようになるのかについて、まず建物本体の完成は何年何月ごろ、本体のオープンはいつごろなのか、外回りの完成は何年何月ごろ、すべての供用開始は最終的にはいつごろになるのか、現時点での見込みで構わないので、お答えください。 また、事業費総体が、40億円と言われていた当初予想よりふえ47億8,000万円と予定されているようですが、金額が増加したのはどの部分でふえたのでしょうか、答弁願います。 次に、合併特例債の活用の見通しと、当初の道立での建設を断念という経緯もあり、懸案の北海道からの助成について、釧路市の実質負担額の2分の1程度を起債の償還期間に合わせて補助との考えも示されているようですが、金額を含め、どのような見通しになっているのか、お尋ねします。 また、道の助成が最初釧路市が見込んでいた額よりも少ないとしても、事業に大きな支障は出ないのかについてもお答え願います。 また、市民からの善意の寄附金はどのように使われるつもりなのか、御答弁ください。 重点要望事項の4番は、北海道横断自動車道(本別-釧路間)の早期完成です。 これまた伊東市長の英断で、民営化される中、見通しのつきにくい日本道路公団による事業継続から、採算性の低い区間は、地元負担を伴うが税金でつくり、無料開放という新直轄方式での建設に転換し、既に予算も順調につき、早期の供用開始を期待していたところです。しかし、昨年11月に道路関係4公団民営化論において、未整備路線のあり方が再び問われたり、ことし2月7日開催の国土開発幹線自動車道建設会議では、新直轄方式の高速道路を北海道縦貫道(七飯-大沼間)など7区間123キロメートルを新たにつくることを決定しましたが、北海道縦貫道(士別-名寄間)、北海道横断道(足寄-北見間)の一部など、68キロメートルは当面着工しないものとされ、また道路特定財源を道路建設だけではなく、一般財源化して他の用途にも転用しようとの小泉総理の方針もあり、工事のおくれが懸念されるなど、先行きに若干暗い影が差してき出してきたように感じます。市としての情報収集、見通し、対策などはどうなっているのか、お聞きします。 重点要望事項の最後5番は、釧路空港国際化の推進です。 釧路空港は、釧路市沿岸部特有の濃霧で、視界が悪くても着陸できる高性能計器着陸装置のカテゴリーⅢAを1995年から設置していますが、さらにワンランク上の性能を誇るカテゴリーⅢBが成田空港、熊本空港とともに本年4月より導入され、安全性が一層高まることとなりました。カテゴリーⅢBは、滑走路指定がⅢAの200メートル以上に対し、50メートル以上で着陸できる上、ⅢAが滑走路と接してからパイロットの操縦を必要としているのに対し、ⅢBは接してから1,600メートルも機体を誘導できることから、パイロットの安心感も高まり、しかも整備費用はかからないという朗報が飛び込んできました。釧路空港の安全性が日本を代表する国際空港である成田空港並みに高まることは、国際化を進める上でセールスポイントとなるのかもしれません。 釧路空港の2005年1月から12月までの1年間の乗降客数は、前年を2万8,573人上回る95万2,254人となり、2003年の記録97万9,014人に次ぐ過去2番目の実績を達成しました。昨年7月の知床の世界自然遺産登録指定の効果からか、JAL、ANAとも東京便が好調で、両社合わせて前年を3万人以上も上回ったのが最大の要素です。加えて、台湾を中心とした国際チャーター便も過去最高の307便を記録し、前年を1万3,493人上回る4万8,240人が利用し、釧路空港の乗降客数を伸ばしました。 また、国際チャーター便は、1月以降も昨年並みの運航が予定されており、さらなる増便も期待されています。国際チャーター便の利用増加は予想以上で、うれしい限りですが、国際チャーター便が運航するときは、空港の中待合室がかなり手狭となり、このように毎日のように就航する状況が続くのならば、何らかの対策を考える必要があるのではないでしょうか。既存の空港ビルの有効活用、増床を含め、現時点で何か考えているのか、お尋ねします。 また、今は大きなクレームはないようですが、税関・出入国管理・検疫、いわゆるCIQ体制の充実も大きな課題だと思います。成田、関西、中部、名古屋、羽田の各空港を除く地方空港と港で2004年に入国した外国人の数は、2001年の1.4倍の約128万人、うち北海道での入国者は約27万人で、2001年の2.4倍と急激に伸びています。札幌入管によると、2000年ごろから外国人観光客がふえ始め、最近は夏や2月の雪まつりだけではなく年じゅう訪れており、一番多い台湾からが5割から6割を占め、韓国、中国と続いている。全国のチャーター便の6割が北海道に集中しているが、海外からの定期便がない釧路、旭川、帯広の各空港には入国審査官が常駐していない。しかし、この3空港へのチャーター便は、2000年に48便だったのが2004年には464便、2005年にはさらに増加している。3空港には、チャーター便が来るたび、札幌入管を中心に道内5カ所の出張所から審査官をやりくりしており、足りないときは成田空港からも応援を派遣してもらっている状況である。法務省は、新年度北海道管内を中心に審査応援班として10人以上の入国審査官を増員する計画のようですが、釧路市としては、CIQ体制の充実にどのように取り組もうとしているのか、お聞きします。 最後に、このような問題への大きな解決策の一方法は、釧路空港を国際空港として開港することだと思います。空港を国際空港として開港するためには、国際定期便の就航が不可欠です。しかし、国内もそうですが、過当競争もあり、原油高の影響もあり、国際的にも航空会社の経営は厳しさを増しています。このような中、手軽に増・減便できるチャーター便と違い、週一、二便であれ国際定期便を就航させるというのは、厳しい要請になるとは思いますが、一面、現在の航空行政は撤退についても比較的自由度が増しています。我々くしろ自民クラブも、中華航空へのお礼の気持ちを込めて参加しましたが、今回の台湾チャーター便による観光プロモーションで、伊東市長は台湾の航空会社などに、チャーター便振り替えでの国際定期便の就航を働きかけてみられたのでしょうか。また、今後、働きかけをなされるつもりか、また、国際化のための方策などについて答弁願います。 次は、産業再生の1番、地場資源活用による新産業創出です。 この課題は、言うはやすく行うはかたしの典型のようなものです。阿寒地区では、エゾシカを捕獲しての養鹿事業は着実に成果をあらわしつつあり、網走の捕鯨業者である下道水産による鯨の解体加工場、釧路オートリサイクルによる廃自動車リサイクル工場が稼働し、地元釧路厚生社の事業系食品廃棄物の再処理施設が建設中など、小さな芽も出ているようです。伊東市長は、この課題にも積極的に取り組んでおられます。現状と今後の展望についてお聞きします。 産業再生の2番は、1次産業の後継者対策、特に農業ではグリーンツーリズム、食糧・飼料生産基盤の強化、林業では地場材の利用促進、地材地消、水産業では栽培漁業推進、資源管理型漁業の取り組み強化などを挙げています。それぞれの1次産業の基盤強化を進めることが根本的な後継者対策になるとの考えから例示しました。後継者対策と農林水産業、それぞれ挙げた項目について、市の対策についてお答え願います。 産業再生の3番は、ITビジネスの拠点形成の推進です。 釧路市にとっても、地場企業、外来企業を含め、小さな流れですが、新しい動きが見られます。この問題についてもどのように推進されるか、考えをお聞きします。 産業再生の最後4番は、観光、滞在体験型、グルメ観光の創出、祭りの一体化、地域再生計画です。 伊東市長は合併により、阿寒湖畔は釧路市の一部となり、観光のポテンシャルが今まで以上に高まったことから、いよいよ観光を真の第4の産業に育てるとの決意で、盛りだくさんのメニューを用意しているようです。また、本年6月道内で開催される日本と中国、韓国の観光担当大臣会議の誘致にも、新しいことに果敢にチャレンジするという持ち前の行動力で真っ先に名乗りを上げ、北海道運輸局や国土交通省にも強力な要請活動を展開されました。結果はどうあれ、このような積極的な姿勢こそ、お祭り的な盛り上げこそ必要な観光振興には欠くことのできないものと評価します。 そこで質問ですが、阿寒町と合併したことによって、新生釧路市は市内に阿寒国立公園と釧路湿原国立公園、2つの国立公園を持つ、全国的にも極めて珍しい、まさに観光都市となるわけです。それだけに、市役所内の組織においても姿勢を示さなければならないものと考えます。今回、音別、阿寒両町と合併したことにより、農林業のウエートが大いに高まったことで、経済水産部から農林水産部が独立しましたが、観光は、もちろん経済効果の面でも大きいものですが、都市のイメージアップという側面も持っています。それだけに分離した経済部を経済観光部と、観光の文字を入れることによって、経済面ばかりでなく、名実ともに第4の基幹産業として対外的にアピールできる体制が整うのではないでしょうか、市長の見解を求めたいと思います。 最後に、観光、祭り振興全般の今後の方向性についても、ご答弁を願います。 次は、市役所再生、財政再生の1番で、アウトソーシングの強力推進です。 伊東市長は、ごみの有料化に伴いごみ収集の全面民間委託、市立総合病院の患者給食一部民間委託、市立保育園の民間移管など、歴代の市長が、市の厳しい財政状況を考えると、その必要性については痛感しながらも、なかなか手がつけられないでいたこれらの課題についても積極的に挑戦し、大きな一歩を歩み出したことは大いに評価できるものです。「民間にできることは民間で」を基本方針で進められる今後の民間委託など、アウトソーシングの実施計画についてお尋ねします。 市役所再生、財政再生の2番は、小さな市役所づくりです。 具体的には、職員定数のスリム化、嘱託・臨時職員の活用、給与の見直し、人事交流の促進を挙げています。もちろん今までの見直しで、随分釧路市役所はスリム化しています。しかし、国の財政再建による地方交付税、各種補助金削減の大きな流れ、大幅な人口減による市税収入の減少を考えるとき、職員には大変な負担を強いることになりますが、さらなる小さな市役所づくりは、住民サービスの水準を少しでも長く維持するためにも欠くことのできないものです。この点、我々議会も例外ではなく、職員とともに小さな市議会づくりにもっと努力しなければなりません。今後の小さな市役所づくりに向けた検討についてお答えください。 市役所再生、財政再生の最後3番は、職員の意識改革です。 アウトソーシングの推進であれ、小さな市役所づくりであれ、少子・高齢化の深刻化という日本の社会が置かれている現状を見るとき、総論としては、多くの職員がその必要性について理解していることでしょう。しかし、各論のそれぞれの職場、仕事がスリム化されることとなると、話は若干違ってきます。自分のしてきた仕事に対する誇り、その存在意義への問いかけ、職場の職員数が減少することによる仕事の負荷、士気の低下によるモラルダウンなど、抵抗が噴出するのも事実であります。一面、理解できないことではありません。けれども、職員のために、釧路市役所があるのではありません。市民のために全体の奉仕者として、我々議員も職員も存在しているのです。多くの疑問、悩みはありますが、厳しい時代に向かうに当たり、いかに住民サービスの水準を維持すべきかを大命題に仕事を遂行しなければなりません。職員意識をいかに醸成していこうとしているのか、お聞きします。 一般要望事項に移りますが、1番は、三位一体改革推進による「地域間財政力格差拡大」への確実な対応です。先ほど述べたように国の財政再建による地方交付税、各種補助金の削減はドラスチックな展開を見せております。竹中総務相が新設した地方分権21世紀ビジョン懇談会は、1月12日初会合を開き、地方交付税の抜本的な見直しに着手しました。10年後の地方財政の具体像を描いた上で、実現に向け、地方交付税の配分方式の透明化や自治体の破綻法制の導入などを検討することで一致したとのことです。総務省は人口減少社会の中で、コミュニティや日本経済全体がどう変化するかに目くばせしながら議論する必要があると強調、大都市や過疎地など異なる複数のケースを想定して議論を進める考え方を示しました。が、2006年度の地財計画の規模83兆1,800億円、地方交付税は14兆5,500億円と、国の一般会計歳出79兆6,800億円の18.3%に上り、これをどのように絞り込めるかが財政再建のかぎを握るとの考えのもと、基本的には地方交付税の圧縮を目指すことになるのは必定であります。確かに地方への税源の移譲もなされるわけですが、東京都や大阪市、名古屋市のように、人口も事業所も集中している大都市圏の自治体は、税源の移譲の方が多くなるケースもあります。しかし、ローカルを中心にほとんどの自治体は収入が激減し、それこそ財政再建団体になってしまいます。しかも、この懇談会は自治体の破綻・再建法制の導入を検討することとなっています。今でも類似の制度はあるのですが、負債を算定する基準が甘いこともあって適用例が少ないため、例えば借金負担の重い自治体を破綻認定し、財政再建の優先を義務づける。交付税を減らす一方で、コスト削減や増税などを迫り、半ば強制的に自治体の自主権を奪うなどが検討されているようです。 総務省には、厳格な認定基準を導入し、自治体財政の健全化による国からの自立を進める意向があると見られています。このような方法で結論が出されるならば大変なことです。市はどのような見通しを持ち、どのように対応しようとしているのか、お尋ねします。 一般要望事項の2番は、鯨類捕獲調査の継続と鯨によるまちづくり推進です。 調査捕鯨も、1年ごと、隔年から毎年実施となり、新年度にはミンククジラの骨格標本も制作委託されるようです。釧路市といえば、サンマ、シシャモ、毛ガニなどがすぐイメージされますが、新たに鯨も加わり、さらに水産都市釧路のセールスポイントがふえることは大歓迎です。今後どのような取り組みをなさるのか、お聞きします。 一般要望事項の3番は、危機管理体制の確立と防災体制の整備・強化です。 ここに耐震バースの整備も挙げています。 残念ながら、釧路市は地震多発地帯で、津波の危険性がある地域も、沿岸部を中心に大きな面積を占めています。そこで、危機管理体制、防災体制の重要性は、他の地域よりもより一層大きなものがあります。釧路開発建設部の釧路港津波対策検討会で、釧路市沿岸から沖合の海底に、東側は興津小学校付近から、西側は白糠町庶路川河口付近に至る大きな谷があり、これによって津波は両側に分かれ、500年周期の大地震による約10メートルにも及ぶ大津波の際などにも威力が軽減されるようだとの明るい見通しも報告されましたが、500年間隔の地震による大津波対策は、国レベルではいざ知らず、釧路市レベルでは現実的には難しいと思われますが、見解を求めます。 一方、2月17日開催の政府の中央防災会議においては、房総半島東方沖から択捉島東方沖を震源とする日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の防災対策推進地域に釧路市も指定され、迅速な津波情報の提供、寒冷地ゆえのアクセス道路の除雪体制、避難所の暖房設備の整備などの推進が明記されましたが、市としてどのように対応するつもりか、考えを聞きたいと思います。 また、釧路市は、漁船や自動車などの漂流物の流出を防ぐ津波スクリーンというか、津波バリアというのか、その設置を新年度、早速国土交通省に国の直轄事業として要望していますが、その効果と今後の整備計画をお示しください。 郵船クルーズが、今春から就航する国内最大級の大型豪華客船「飛鳥Ⅱ」を7月22日から10月23日にかけて5回入港させるなど、2006年度のクルーズ入港予定は、パシフィックビーナスや例年寄港している「にっぽん丸」を含めると10そうを超える見込みで、クルーズ寄港地としての釧路港のポテンシャルが高まることは、観光振興の面からも大歓迎です。それゆえ、地震の際の海の救援物資搬送拠点としての機能と旅客船ターミナルの機能を兼ねた耐震バースの整備こそ、防災、観光の両面から一日も早い実現が望まれています。整備計画についての答弁を求めます。 一般要望事項の4番は、釧路港の物流拠点化推進です。 特定重要港湾としての機能充実、食糧備蓄基地構想も項目と挙げています。西港後背地では、西港第4埠頭の一層の活用を図るために、第4埠頭と国道38号線の交通アクセスを分断しているJR根室本線を、鉄道高架2.2キロメートルとする事業も昨年より始まりました。今後の港湾の整備方針についてお尋ねします。 一般要望事項の5番は、中心市街地活性化です。 具体には、民間借り上げ公営住宅、空き店舗、空き地対策、MOO再開発、鉄道高架事業及び駅前再開発と盛りだくさんの項目を挙げています。どれも重要な問題です。 国では、大型店の出店を規制していた大規模小売店舗法、いわゆる大店法を廃止した際、中心市街地のてこ入れをねらって改正都市計画法、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法のいわゆるまちづくり三法を1998年に制定しました。しかし、結果的には郊外への大型店の出店規制を緩和することにつながり、ショッピングモールなどの大型商業施設が郊外を中心に急激にふえ続けました。経済産業省によると、都道府県への届け出が必要な1,000平方メートル以上の店舗は、2004年に1万7,000店と、1994年に比べ5割強ふえています。全小売店の平均売り場面積も、10年間で4割強広くなっております。一方、中心市街地を育ててきた個人経営の店舗は減っています。売り場面積50平方メートル未満の小売店は、1994年の約82万店から2004年──10年後ですが──には約58万店まで減少しています。全小売店に占める割合も55%から47%に低下しています。このため、政府・与党はこれ以上の中心市街地の衰退を食いとめるため、床面積1万平方メートル超えの大型店の郊外出店を規制し、大型店の出店を基本的に商業地、近隣商業地、準工業地域の一部の3地域に限定する改正案を今通常国会に提出、2007年にも施行される見通しです。これまで原則自由だった工場跡地などへの出店が制限されるようになります。また、福祉施設など公的施設の郊外立地にも歯どめがかけられることとなります。こうなると現金なもので、郊外に自由に店がつくれない事態となり、駅前立地の古い店舗は貴重な資産に変わった。いわば既得権益を持つチェーンをM&A──企業の合併・買収──をするのは、成長への早道と打ち明ける大手スーパーの幹部もいるそうです。 イトーヨーカ堂でも、昨年9月策定した不振が続く総合スーパーてこ入れに向け、全国180店のうち、不採算店を2009年2月末までに30店閉鎖する計画を見直し、本年2月末までに8店を閉鎖するが、それ以降の計画は一たん白紙に戻し、最終的な閉鎖店舗を20店程度に圧縮するとのことです。北海道においても、2009年閉鎖候補だった苫小牧店の存続が決まりました。これも法改正によって出店が大幅に規制されることにより、店舗を既存店として残して活用する必要性が高まったと判断されたものです。もちろん大都市部と中心市街地の衰退が著しい地方とでは一緒になりませんが、丸井今井の今後、旧長崎屋の店舗充実、MOO再開発など,風向きが変わる可能性も出てきたのではないでしょうか。期待したいと思います。 残念なことに、過日、中心市街地のキー店舗である丸井今井の8月20日閉店が正式に決定しました。予想されていたこととはいえ、閉店が現実化すると、地域の地盤沈下、雇用問題、空き店舗対策、地代等の開示など、非常に多くの問題が表面化しています。大型店立地においては、近隣町村との同意が必要との認識を道も持ってもらうことも含め、丸井今井店舗活用に向けた市の現時点での対策についてお聞きします。 また、鉄道高架問題についても、HBCの日曜6時半からの「夢の扉」に、JR北海道の線路でも一般道路でも走行できるDMV──デュアル・モード・ビークル──の開発が技術的な問題をクリアしつつあり、近い将来、道内のローカル線を走る可能性が高まったとのテレビ報道がありました。見られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。この放映と地元選出の代議士の提案もあり、釧路駅を北中跨線橋の帯広寄りに新たに造成し、「スーパーおおぞら」を含めた釧路-札幌間はここを起点に運行し、旭跨線橋の根室寄りに小規模な新釧路駅をつくり、釧路駅と新釧路駅の間及び釧路-根室間、釧路-網走間は、列車本数が少ないのでDMVで運行するというアイデアが取りざたされています。そうなれば根室方面からなどは、車両をおりることなく直接市立病院など大病院にも行くことができることが可能となり、お年寄りの利便性が高まるとの意見もあります。また、釧路駅と新釧路駅は線路が不要となり、一般道になることから、橋北地区と鉄北地区はまさに一体化して、それこそ自由に行き来できるようになります。鉄道高架事業と比較しても費用が大幅に減ることは明らかで、新交通システムをいち早く導入したまちとして視察が殺到するのではないでしょうか。JR北海道の技術的な裏づけもあるわけですから、夢物語として一笑に付すのではなく、まじめに検討する必要があるのではないでしょうか。 鉄道高架事業は、経済界を含め、市民の関心の高い問題です。2月10日には釧路市と釧路商工会議所の主催で、「釧路駅周辺まちづくりシンポジウム」も開催されました。伊東市長は、鉄道高架あるいは橋上駅化、または第3の方法のDMVの導入であれ、本年9月か10月には市としての一定の考えを打ち出したいと表明されています。4つの項目と丸井今井対策を含む中心市街地活性化について、それぞれの方向性を含め答弁願います。 一般要望事項の6番は、少子化対策です。ここでは、養育費負担の軽減策、幼・保一元化が項目として挙がっています。 少子化対策は、基本的には国が責任を持って早急にすべき課題ですが、自治体においても、急いでできるところから始めなければならない重要な問題です。新年度は、旧釧路市地区の市立の全保育園で保育時間が延長されるほか、乳児を対象とした無料の健康診断も従来の1回から2回にふえるなど、厳しい財政状況にもかかわらず子育て支援が拡充することは、高く評価するものです。そのほか、少子化への市の取り組みについてお聞きします。 一般要望事項の7番は、高齢者福祉の充実です。 余りにも急激な高齢化の進展のため、医療においても、介護においても、また福祉でも、その費用を財政で支え切れなくなり、個人負担の増加、制度の見直し、給付水準の引き下げがメジロ押しの状態です。私も団塊世代の一番最後として、これから老いと正面から向かい合わなければならない者として、前の世代を見るときはうらやましくもあり、後ろの世代を眺めるとき、まだ恵まれている方かなと妙に納得するというのが正直な感想です。しかし、このようなことではいけないのです。次から来る世代に負担の先送りするのではなく、すべての世代が公平感を持てる持続可能な制度で、高齢者福祉を充実していくことが求められます。市としての見解を求めます。 一般要望事項の8番は、統合学校跡地の計画的活用です。 弥生中学校の跡地利用は決まったようですが、残念ながら、人口のドーナツ化現象で統合しなければならない旭小学校、駒場小学校、東栄小学校、柏木小学校などの敷地は、市内中心部に多く存在しています。この活用は、ダウンサイジングしなければやっていけなくなる可能性の大きい釧路市にとって、一面、貴重な財産とも言えます。緑と共生するまちづくりという視点から、ビオトープ的な緑の森公園整備を含め、活用法についてご答弁願います。 一般要望事項の9番は、地産地消の推進です。 現在、地元スーパーの協力なども得て、くしろサラダ倶楽部など、いろいろな動きが出てきています。しかし、阿寒、音別が合併して、さらに農産物を中心に地場産品がふえたのですから、地域経済活性化のためにも、もっとこのような活動を拡大しなければならないと思います。市役所、支庁などの行政機関の食堂でも、農産物、水産物など地元産品を、季節にもよりますが、原則として使うなど、努力できることはまだまだあるはずです。また、産品ばかりではなく、あらゆる業種で地元企業を利用することが、人口が減少し経済のパイが小さくなる中で、地域にお金を循環させ経済を活気づけるために、より重要になります。市の地産地消、地元企業支援の対策をお聞きします。 一般要望事項の10番は、北方領土の早期返還です。 ロシア・プーチン大統領の日本訪問で、北方領土問題に少しでも進展をとの我々地元の期待は、またしても何の成果も出せずに終わりました。今回の訪問も次々に引き延ばし、領土問題を風化させようとのロシアの術中にはまり、経済交流と人道援助だけ一方的に提供させられることとなった外務省の戦略のなさには、地元として、正直怒りすら感じます。 北村根室商工会議所会頭が、私見ではありますが、当面、歯舞、色丹二島の段階的返還論を打ち出しました。地元根室経済界の、このままでは100年たっても二島すら転換されないのではないかといういら立ちにも似た気持ちのあらわれなのでしょう。藤原根室市長は政府の方針を盾に、二島返還論にはくみしていないようです。しかし、政府も既に四島一括返還は気にしておらず、本当に四島一括返還で展望が開けるのか根室市とじっくり意見交換し、地元の声を中央に届けることも必要かと思います。残りの国後、択捉二島の扱いは、どちらの国にとっても都合のよい解釈のできるあいまいな形のままロシアの実効支配が続き、将来の懸案として残されても、二島でも返還されるならば経済水域は広がり、安全操業実現など、漁業者を含め、根室市、ひいては釧路市にとってもプラスとなるのではないでしょうか。国家の主権という根本的な課題も絡みデリケートな問題ですが、答えることのできる範囲で答弁願います。 一般要望事項の11番は、DMEの官民活用です。 国家的プロジェクトであり、釧路の実証プラントにおける実験で、技術的めども立ったように聞いていますが、しかし商業プラントを建設しようとするなら、輸送コストなど採算面を考えると国内での立地は難しく、プラントは海外の資源産出国につくらなければ、事業として成り立たないということが明らかになってきました。そのような状況を考え、釧路市における事業は困難と判断し、質問を割愛させていただきます。 一般要望事項の最後12番は、陸上自衛隊釧路駐屯地の現状維持存続です。 帯広の師団は第5旅団となり、規模が大幅に縮減されましたが、釧路駐屯地は、定数こそ一定規模削減されましたが、充足率の関係もあり、比較的小幅な減少にとどまったことは、釧路町ばかりでなく釧路市にとっても、人口面でも経済効果の観点からも、正直ほっとしたところです。しかし、ロシアの脅威がソ連時代と比べると現時点では減じ、それに対し北朝鮮の予測しがたい指導者の行動、経済力の発展とともに、それ以上の伸び率で18年間にもわたり2けた増を続け、急速に増大する中国の軍事力を見るとき、両国ともに非常に反日的側面が強く、西日本の守りをより強化しなければならないことは十分理解できるところであります。しかし、今でも日本の周辺でアメリカをも破壊できるほどの量の長距離大陸間核弾道弾を含め、空母なども所持し、最大の近代的軍事力を持つのはロシアであり、北の備えの重要性は、ロシアの経済復興が著しいことからも明らかです。そのこともあり、市はこれからの第27普通科連隊釧路駐屯地の現状維持存続に、今まで以上の努力を傾けるべきと思いますが、見解を求めます。 これでくしろ自民クラブの要望事項に関する質問は終わりますが、最近の市政の課題について、3つ4つ質問させていただきます。 最初は、釧路町への分水料金の件です。 釧路町への給水・分水による収入が、釧路市水道収入約40億円の1割近い4億円前後を占め、もし町が独自水源を確保し、釧路町からの給水・分水を断ってきた場合、コストは4,000万円程度しか減らず、3億6,000万円ほどの減収になるとのことです。しかも、町の独自水源の確保は十分に可能であり、浄水場も二十数億円と、釧路町にとっては巨費ですが、町が毎年水道事業会計につぎ込んでいる額を考えると、十分可能な金額とのことです。もしこのような事態に至るならば、単純に考えると、釧路市民には1割近い値上げをお願いしなければならなくなり、釧路町民にとっても人口が減少に転じた中、大きな借金を抱えることとなり、しかも給水料金は釧路市より高くなる可能性が高いなど、両住民にとってデメリットの方が多い結果となりかねません。 このような中で、伊東市長が分水区域の将来的な給水区域化、分水料金の1立方メートル当たり224円の単価を190円に、34円引き下げるということを苦渋の思いで決断されたことは、近隣町村との協調関係を維持し、両住民にとってよりメリットの多い選択肢として、我がくしろ自民クラブとしては評価するものであります。 そこで質問ですが、分水区域の将来的な給水区域化ということになると、釧路町の水道管、水道施設などの移管が課題となってきます。相手のある交渉事ですから、こちらの思惑どおり100%通らないのかもしれませんが、釧路市の基本的な交渉スタンスについて確認しておきたいと思います。答弁願います。 また、昆布森地区など分水区域でない地区の取り扱いはどのような考えで、町と話し合うつもりなのかもお聞きします。 最近、子供を襲う卑劣で悲惨な事件が多発しています。学校及び通学路の安全対策が緊急の課題となっているのではないでしょうか。 このような中で、釧路市は不審者対策として、新年度市内の全小中学校と幼稚園計約50校に、各教室の非常ボタンと職員室、警備会社をつなぐ緊急時自動通報システムを導入する方針とのことです。カメラ付インターホン、電子錠なども全校一斉に整備し、子供たちの安全確保を重点施策とされたことは、このようなシステムを全小中学校に導入するのは、道内自治体では極めてまれとのことでもあり、釧路市の子供の安全に対する機敏な取り組みとして高く評価するものです。そこで、その詳しい内容について答弁願います。 これに加え、若干安全確保のためのアイデアがあるので、述べたいと思います。 1つは、学校用務員の活用です。学校用務員は全校に配置されていますが、子供の安全確保は、教師、用務員を問わず共通の使命だと思います。そこで、用務員の人たちに簡単な護身術の講習を行い、ガードマンのような制服を貸与し、こん棒なども携行し、定期的に校内外を巡回してもらい、不審者に対する牽制効果をねらうこと。 2つ目は、教師の協力です。小学校低学年の児童が下校する際は、教師にもやはり事前に簡単な護身術の講習を受けてもらい、授業のある教師を除き、ほかの業務を後回しにしてでも、手分けして子供の下校に付き添うことです。 昨日──3月5日に、寿小学校校区の頓化地区の住民を中心に、各団体を網羅して子供たちの登下校時に合わせたパトロールなどの活動を目指す「愛と幸せのネットワーク」の設立総会が開かれ、私も参加してまいりました。寿小学校の生徒からのシンボルマークの募集をして、このような旗、これを300本つくって事業所の前なんかに立てて、何か危ないときには子供さんはそこに飛び込んでもらうと。そのほか、こういうワッペン、それからマークをつけた黄色いジャンパーなども、みずからお金を出し合って作成し、子供や老人を含め、安全な地域づくりにかける皆さんの熱意には、正直頭の下がる思いがしました。 しかし、同席した警察、市役所関係者の意見では、日常生活の中での見守り以上のものを期待するのであれば、長続きは難しいのではないかとの意見もありました。地域の人々ばかりに期待するのではなく、学校の教師、用務員なども一体となった安全確保に対する取り組みが不可欠と考えます。制度上のこともあり、難しい面はあると思いますが、答弁を求めます。 また、日本の安全神話が崩れ、幼い子供の登下校時の事件の頻発を見るとき、幼稚園、小学校における、希望する者全員を対象としたスクールバスの導入も真剣に検討すべき時期ではないでしょうか。民間のバス会社なども活用し、費用は希望する家庭に負担してもらうことを原則とするなら、スクールバスの早期の運行は可能ではないでしょうか、お答えください。 あわせて、警察との今まで以上の緊密な連携・連絡体制の整備、警戒の要請なども重要ですし、また警備会社と契約を結び、毎日ルートを変えて各校を巡回してもらうことなども、比較的費用が少なく、効果が期待できるのではないかとも考えます。あわせて答弁願います。 次の質問は、釧路土地開発公社の処理問題です。 この問題も、伊東市長の物事を決して先送りしない、多くの困難があっても、解決しなければならない課題は、チャンスをつかんで機敏に対応するという強い信念があらわれており、いかにも市長らしい決断だと思います。 我がくしろ自民クラブとしては、総務省が2006年度から2010年度に限って認める支援措置を設けたこの時期に、45億円もの巨費のかかる難しい判断ですが、市長の決断を高く評価したいと思います。このことは将来の歴史が、あのとき債務軽減に踏み切ってよかったと評価すると信じています。 そこで質問ですが、土地開発公社の経営健全化のスキーム、タイムスケジュール、実質的な釧路市の負担額などについて答弁願います。また、残された魚揚場事業会計、釧路振興公社の2つの債務解消については、現時点ではどのように考えているのか、お聞きします。 いよいよ最後の質問となりますが、釧釧合併から6市町村合併への移行、そして3町村の離脱と、合併というものが成就するというのは、全国各地の合併の破綻例を見るまでもなく大変難しいものだなというのが、議員として9年間合併にかかわった者の一人として偽らざる考えです。しかしながら、質問の中でも触れたように、国の財政再建に伴う地方交付税、各種補助金の削減のペースを見るとき、合併により優遇策のある新生釧路市としては厳しい財政状況が予想されるわけです。ましてや、自立を選択した3町村ばかりでなく釧路管内の他町でも、将来とも本当に単独でやっていけるのでしょうか、大いに疑問が残ります。もちろん我々議員も、市長初め市職員も、それぞれ異論のある中、合併を選択してくれた釧路市、阿寒町、音別町、3市町の住民が合併してよかったと思えるまちをつくることが使命であり、新市民の不利益になるようなことは、避けなければならないのは当然の理です。 しかし一方、釧路市は釧路管内をリードしていかなければならない中核都市でもあります。あくまでもクラスター分析結果をもとにした、市町村の意向などを排除した道の組み合わせ基準ではありますが、釧路管内は一つの市が望ましいとのことです。釧路管内の他町村が財政破綻のおそれ、または破綻し、国や道が釧路市との合併を要請した場合どのようにするつもりなのか、もちろん一定の支援策が前提であり、新釧路市の住民の判断も大きな要素ですが、その時点で伊東市長がもし首長でいたと仮定した場合、市長は他町村との合併についてどのような判断をお持ちなのか、現時点におけるお気持ちで結構なのでお聞きし、くしろ自民クラブの代表質問をすべて終わります。 ○議長(草島守之君) 理事者の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(伊東良孝君) (登壇)おはようございます。 くしろ自民クラブ、中村正嗣議員の代表質問に、順次お答えをしてまいります。 多岐にわたりましてご質問をいただいたところでございますが、1番最初、都市政策の方向性、いわゆるシュリンキング・ポリシーあるいは縮合政策、コンパクトシティ構想というお話でございました。 大変有意義な、そしてまたすばらしい具体的事例を織り込んでのご質問をいただいたところでございますが、まずコンパクトシティ構想であります。 現在、全国の都市部におきまして、住宅地や商業地が市街地周辺部に拡大する、いわゆるドーナツ化が進んでおります。こうしたことから、各地におきましては無秩序な市街地の拡散を防ぐことによりまして、中心市街地の活性化を図るとともに既存の社会資本を有効活用し、郊外への新規の公共投資の抑制を図る取り組みが模索されてきているところであります。 釧路市におきましても、効率的な都市運営を図るために市街地を拡大するのではなく、現在の都市基盤の集積を有効に活用したまちづくりを進めていくことが重要であると、このように考えております。 合併によりまして、市域が大きく広がることになりましたが、それぞれの地域における利便性の向上とコストのかからないまちづくりを進めることを大切な視点として、総合計画の策定を進めてまいりたいと考えております。 また、シュリンキング政策についてでありますけども、ドイツのフランクフルト・アン・デア・オーデル市の緑と共存する縮合政策は学ぶべき点が多いと、こういうお話でございました。 緑あふれる都心部をつくる、他に誇れる美しいまちをつくるという目標を持ち、都市景観の視点から中心市街地の活性化を考えることは極めて重要なことであります。そのためには都市景観法などに基づく規制や誘導、あるいは土地所有者等に対する何らかの財政的な支援策が有効な手段であると考えております。ただ、ご提案いただきましたように、固定資産税の免除につきましては、これは法的な根拠を今持たない現状でありまして、税の基本であります公正・適正の原則の例外とはなり得ないものであります。ご指摘のような縮小を前提とする都市政策、都市計画のあり方は、今後のまちづくりにおきまして検討課題とすべきものであると思っております。総合計画の策定、あるいは釧路駅周辺整備の問題への対応などの中で十分に研究し、参考とさせていただきたいと考えております。 次に、阿寒・音別地区の重点整備、住民意識の一体化ということでございますが、両町住民に合併してよかったと思われるまちづくりをせよと、こういうことであります。新年度予算の編成に当たりましては、新市としての一体的な発展や住民意識の一体感の醸成のために、真に必要な事業を予算化することができたと思っております。今後におきましても、未曾有の厳しい財政状況の中ではありますが、施策の選択・集中化・重点化を図りながら、この両地区住民の皆様の長年にわたるご要望に可能な限りこたえ得るよう意を用いてまいりたいと考えております。 また、両地区の重点整備をどのように進めるのかということでございますが、阿寒湖温泉多目的センターの整備、あるいは阿寒中学校の改築、音別地区消防庁舎・コミュニティセンターの建設等につきましては、新年度の予算化を図ったところであります。このほかにも阿寒湖温泉活性化事業など、NPO法人との連携協力のもと取り組みを進める事業もございます。また、音別地区におきまして強い要望のあります特別養護老人ホームにつきましては、第3期介護保険事業計画に位置づけをいたしたところでございます。今後におきましては、事業の必要性や緊急性などを見きわめ、短期的に実施するもの、中・長期的に進めるもの、また民間活力の活用を図るものなど事業の区分を明確にしながら取り組んでまいりたいと考えております。 公立病院の機能連携、そしてまた市立病院の分院化でありますが、病院の役割といたしまして、釧路の総合病院は、主に高度医療、救急医療を中心とした急性期医療を担い、阿寒病院及び音別診療所は、外来ではかかりつけ医療を中心とした一次医療、入院では療養型医療を中心とした慢性期医療を担っております。市立病院の分院化につきましては、3市町合併協議の場におきましても、事業会計の調整、医療機能の整備や医師給与の是正など、調整すべき課題となっておりましたが、分院化に向けての大きな課題は医師確保が前提にあります。医師の確保は、医師の臨床研修制度の実施によりまして極めて難しい状況にあります。釧路病院では、これまで北海道大学、札幌医科大学、旭川医科大学から医師の派遣を比較的容易に受けておりましたが、臨床研修制度の実施によりまして、この3大学に入局する医師が減少し、当該大学自体が医師不足となっていることから、派遣は極めて難しい状況となっております。したがいまして、医師確保へつながるさまざまな施策の展開や道内の3大学のみならず、幅広く医師確保に努めてまいります。 機能連携につきましては、それぞれの機能を生かしつつ、今後も患者紹介や阿寒病院、音別診療所に、十分満足できる回数ではございませんが、診療応援の医師派遣を継続してまいりたいと考えております。 また、釧路病院、阿寒病院、音別診療所の事務長会議を設置いたしまして、それぞれの状況把握と考え方の整理などにより、より円滑な連携の構築に努めているところでもございます。 次に、炭鉱技術移転5カ年計画であります。 この事業の継続の見通しについてのお尋ねでありますが、去る1月13日、公明党の冬柴鉄三幹事長が釧路コールマイン株式会社を視察し、炭鉱技術海外移転事業に対する高い評価をいただいたところであります。さらに2月14日には、松あきら経済産業副大臣を初め、資源エネルギー庁、NEDO、JCOALなど、関係者14名が釧路コールマイン株式会社の視察のために来釧したことから、私どもの市議会議長を初め関係市議会議員の皆様とともに、炭鉱技術海外移転事業の平成19年度以降の継続実施につきまして要請を行ったところであります。私からの要請に対しまして、松あきら経済産業副大臣並びに小平信因資源エネルギー庁長官から前向きなコメントをいただいたところであります。採炭事業の採算性やユーザー確保などの課題も指摘されておりますが、私といたしましては事業の継続に向け大きな手ごたえを感じたところであります。 また、今後の炭価動向、あるいはユーザー確保対策など、継続に向けた取り組みについてでありますが、近年、中国を初めとする新興経済国におきまして石炭需要が急増する一方、オーストラリア等の石炭輸出国において港湾等のインフラ整備問題が表面化し、一時的に石炭の需給バランスが崩れたところであります。このため、炭価は一昨年から急騰しておりましたが、ことしに入りましてから、やや下がりぎみとなっておりまして、この傾向は今後も続くものと予測をされております。 こうした状況を踏まえ、釧路コールマイン株式会社では、海外炭との競合可能な炭価を実現するため、さらなるコスト削減に努めておりますが、その中で輸送コストが大きなウエートを占めております。市といたしましては、輸送コストの削減につながる道内電力会社、あるいは地元製紙工場への納入につきまして、北海道と連携しながら、協力しながら働きかけてまいりたいと考えております。 次に、釧路根室圏総合体育館についてのお尋ねでございます。 体育館の全体像はどのようになっているかというお尋ねでありますが、現在実施設計を行っておりますが、施設の概要といたしましては、メーンアリーナ、サブアリーナのほか、柔道などに利用できる多目的室やトレーニングルームなどで構成し、全道・全国規模の大会が可能な施設となっております。このうち、メーンアリーナは現在の厚生年金会館のアリーナの約2.5倍の広さがあり、バスケットボールコートを3面、ハンドボールコートでは2面が配置できるようになっております。また、観客席は固定席で1,500席、正面にステージも備え、大規模な会議やイベントなどにも対応できる計画となっております。また、4階の部分は展望室となっておりまして、後背地に釧路湿原が広がるわけでございまして、その大パノラマが展望できることとなっております。 また、隣接する湿原側には自然ふれあい広場を整備するなど、自然と一体となった総合的な健康づくりやスポーツの振興が図られる施設を目指しております。また、災害時におきましては住民の避難場所として、また救援物資の供給や中継等の拠点施設として、公園と一体となった防災機能を有する施設としているところでございます。 建物本体の完成年月はいつかということでございますが、この総合体育館は平成18年度から3カ年で建設をし、オープンは平成20年の秋、この本体のオープンを予定しております。また、外回りの完成年月でありますが、アプローチ園路や広場、駐車場等の体育館周辺の整備につきましては、体育館のオープンに合わせて、おおむねの整備を平成20年秋まで行うこととしておりますが、一部、先ほど述べました自然ふれあい広場との関係もございまして、外回り全体の完成は平成21年11月を予定いたしております。すべての供用開始ということでございますが、体育館の供用開始につきましては平成20年の秋、自然ふれあい広場などなどにつきましては平成22年の秋となる見込みでございます。 総合体育館の総体事業費が、当初の40億円よりふえまして47億8,000万円になった内訳ということでありますが、総事業費の47億8,000万円は、体育館本体の建設費は42億円であります。このほか、体育館周辺の整備、広場の整備や駐車場の整備費及び体育館内の競技備品など5億8,000万円を別途含めたものであります。当初は、体育館本体の建設費といたしまして40億円を見込んでおりましたが、今年度実施をいたしましたボーリング調査の結果、支持層が深さ50メートルであることが判明をいたしました。当初の予定はそれよりずっと浅かったのでありますが、長いくいが必要になったことによりまして、基礎くいの工事費約2億円が増加したものでございます。 また、総合体育館建設の財源見通しでありますが、合併特例債につきましては、平成17年度予算の実施設計から充当すべく起債申請をしておりまして、間もなく内示をいただけるものと思っております。この内示があれば、平成18年度以降の建設費につきましても継続事業として取り扱っていただけるものと考えております。 北海道の財政支援につきましては、合併特例債の充当残分、すなわち起債対象経費の5%と実質的な地元負担となる起債の元利償還の30%の2分の1を、北海道が新制度を創設して負担するスキームが決定をいたしております。金額につきましては、起債対象経費の5%部分が1億1,200万円、実質的な地元負担となる起債の元利償還分が3億6,900万円の合計4億8,100万円になるものと、これは道がご負担いただく分であります。この金額は、市が当初予定をしておりました額を下回っておりますが、これは北海道及び釧路市の厳しい財政事情から、双方の負担を最小化すべきとの判断のもとに、市として合併特例債を最大限に活用することとしたことによるものであります。総合体育館の建設費につきましては、この考え方に基づき予算化させていただいておりますので、道の財政支援額が市の当初要望を下回ることによる事業推進への影響はございません。 また、市民からの寄附についてのお尋ねでございますが、昨年1月に「建設基金協賛会」が設立されて以来、多くの市民や企業、団体から現在まで205件、約9,580万円もの協賛をいただいているところでございます。関係者の皆様のご努力、そしてまたご協力に厚くお礼を申し上げたいと思う次第であります。 この寄附金につきましては、先ほど申し上げましたが、各種競技備品の整備などに有効に活用させていただきまして、全道・全国大会の開催にも支障のないように努めてまいりたいと考えているところであります。 次に、北海道横断自動車道(本別-釧路間)の早期完成についてのお尋ねであります。 道路特定財源の問題も若干絡むわけでありますが、本別から釧路間の高速道路整備につきましては、道路特定財源を原資とする国費で建設する新直轄方式として平成16年度に工事着手をされまして、平成17年度工事につきましては、橋梁やトンネルなど構造物建設工事が順次発注をされております。道路特定財源につきましては、財政構造改革の一環として一般財源化への見直し方針が政府より示されております。この制度見直しが実施された場合、高速道路はもとより、さまざまな道路整備の進捗に影響を与えるのではないかと危惧をいたしております。道内には新直轄方式で整備する路線が、この本別-釧路間を除き3路線ありますが、先月──2月開催の国土開発幹線自動車道建設会議では、委員から、必要な道路はコスト削減をしつつスピードアップしてつくるべきとの附帯意見が示されたこともあり、既に着工している本線につきましては今後とも工事が順調に推移するものと考えております。 道路行政を取り巻く環境は非常に厳しいものとなっておりますが、地方の高速道路の整備につきましてはまだまだ不十分であり、引き続き沿線自治体と連携・協力を図りながら、国を初めとする関係機関に本地域における高速道路の必要性や効果などを説明し、予算の重点的かつ計画的な確保に向け、要望活動を展開してまいりたいと考えております。 次に、釧路空港国際化の推進についてでありますが、現在の空港ビルは、平成8年に年間利用客160万人に対応すべく建設されたものであります。昨年における利用者は約96万人と、計画とはまだ開きがありますが、テロ対策等の警備強化、海外チャーター便の増便により、離発着機がふくそうする時間帯におきましては混雑する状況になっております。こうした中、入管・税関職員の増によりCIQ体制が充実されまして、海外チャーター便における出入国時間の短縮が図られ、また、本年1月よりエックス線検査場の増設等によりまして問題解消に努めているところでございます。 なお、空港ビルの整備につきましては、国際空港化への推移を見きわめた中で必要な検討を加えてまいりたいと考えております。 また、CIQ体制の充実への取り組みというお尋ねでありますが、これまでも、この釧路空港の利用促進と国際化を図るため、国へ要請を続けてきたところであります。その効果といたしまして、平成16年に植物検疫、さらに平成17年に動物検疫飛行場の指定を受けまして、また人員配置につきましても、釧路税関支署において、平成15年度、平成16年度に各1名ずつの増員、平成17年度には2名のさらなる増員、合計4名がこの3年で増員されておりまして、入管釧路出張所におきましても、平成16年度に1名が増員をされたところであります。加えて、これまで入管釧路出張所の管轄エリアでありました帯広空港が、札幌入管の管轄となったことから、海外チャーター便の受け入れ体制強化につながっておりまして、出入国に要する時間もそれぞれ45分程度と、国際空港並みとなったところであります。 今後におきましても、人、動物、植物にかかわる検疫体制の充実も重要であり、さらなる機能充実に向け、国に要請を行ってまいりたいと考えております。 また、国際化のための方策でありますが、国際空港の指定につきましては、今議員ご指摘のとおり、航空会社が国際定期路線を運航することが条件となっております。このため、これまでも機会あるごとに台湾のみならず、韓国、香港の航空会社に対し定期路線の運航を要請してきているところでもございます。航空会社からは前向きに検討するとの回答を得ているところでありますが、採算性を考慮すると、現在厳しい状況にあると言わざるを得ません。採算性確保のためには利用客の増大が必要不可欠であり、観光PRのみならず、韓国における音楽団体の演奏会や台湾の中高生を招聘して地元学生との交流を図り、また今回の台湾におけるビジネスマッチング協会の観光物産展など、文化、経済交流にも力を注いでいるところであります。 一方、私どもといたしましては、広い北海道におきまして、国際空港は道央、道南の新千歳、函館の2空港しかないという地理的な問題、加えて近年増加している道東への海外観光客の入り込み状況を勘案していただき、海のCIQ体制が整備されており、国の管理空港としての重要な使命を担っているこの釧路空港が、国際空港に指定されるべく要請を行っているところであります。今後におきましても、地域の特殊性を強く訴えることが肝要であり、また、海外チャーター便の誘致・運航をふやすことが国際定期路線就航につながるものと考えておりまして、釧路空港国際化に向け活動を展開してまいる所存であります。 次に、産業再生に関連して、地場資源活用による新産業創出についてであります。 新産業の創出は、地域の特色を生かす技術や経営ノウハウ、挑戦する企業や人材など、さまざまな要素が必要であり、一朝一夕にできるものではなく、息の長い取り組みが必要と考えております。議員ご指摘のとおり、少しずつではありますが、地域企業の努力によりまして、芽が出始めていると受けとめております。さらに、地域の産業廃棄物の処理・リサイクル、水産系未利用資源有効活用の検討など、新たな動きや阿寒地区におけるエゾシカ、ダチョウを活用した事業の進展も見られるところであります。市といたしましては、新年度に地域の金融機関、商工会議所と連携し、新たな挑戦をする企業のサポート体制をつくるとともに、今後とも産業再生指針で重点として位置づけられている食・環境・観光分野を中心に、事業化の取り組みをしっかり支援してまいりたいと考えております。 次に、1次産業の後継者対策についてでありますが、1次産業における就労者につきましては、年々減少傾向にある上に高齢化が進むなど、後継者対策は重要かつ喫緊の課題と認識をいたしております。後継者の確保・育成には、働く者にとって充実感や満足感を感じられる、より魅力のある産業に育てる必要があるとともに、安全で安心できる労働環境の整備や安定的な収入の確保など、さまざまな要素があるものと考えております。市といたしましても、議員ご指摘の取り組みが後継者確保には重要であると認識しておりまして、今後関係機関と連携を図りながら各施策に取り組んでまいりたいと考えております。 今後におきましても、市内各地区にある宿泊型体験施設などを活用した農業体験交流事業の推進、あるいは国や道の補助制度を有効に活用した安定的な食糧供給基盤の整備、学校施設等への地元産木材の使用、また水産物の増養殖事業などへ取り組むなど、1次産業の魅力アップに各種施策を展開してまいりたいと考えております。 先日、小学校で、漁業者による出前事業を実施いたしましたが、子供たちに基幹産業への理解を深めるよい機会になったものと認識しておりまして、後継者育成の一方策として、今後ともこのような活動についても支援してまいりたいと考えております。 ITビジネスの拠点形成の推進でありますが、昨年4月、地元IT企業を中心とした「釧路ITクラスター推進協会」が発足し、人材育成やシステム開発に取り組むとともに、データセンター及びデータ入力関連ビジネスの事業化などの新たなITビジネスの検討を進めております。また、昨年8月には、携帯電話向けソフトウエア開発を手がけるIT企業が釧路に進出したところでもあります。これらの動きは、札幌に比べるとまだ小さな流れではありますが、市といたしましては、ITビジネスの拠点形成の推進につながるような釧路ITクラスター推進協会を中心とした連携の取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。 産業再生の中の、いわゆる経済部の分割再編等々の提案であります。 経済部を、経済観光部にしてはどうかというお話でございます。観光振興に積極的に取り組み、そしてまた国内はもとより、国際的にも釧路地域の知名度をアップさせていくことは、地域経済への寄与が極めて高くなっていくものと考えておりまして、私といたしましても観光を第4の産業と位置づけ、釧路のPRに力を注いでいるところであります。一方、新産業を創出する、また商業の振興を図る、また雇用対策の充実等々につきましても、新生釧路市の発展を力強く支える上で、市政運営の大きな柱になっておりますことから、観光という特定の分野を抽出することなく、大きな意味での組織として経済部としたところでございますので、ご理解をいただきたいと思います。 また、観光、祭り振興の今後の方向性でありますが、観光振興につきましては、市政方針でも申し上げましたように、釧路湿原、阿寒、知床の3つの国立公園、さらには世界自然遺産、ラムサール条約登録湿地群といった道東の豊かな自然環境を視野に入れながら、世界に通用する観光地を目指す取り組みを積極的に推進してまいります。そのために、新市の観光の方向性を明らかにすべく観光振興ビジョンを策定する一方で、ターゲットを絞りながら国内外の観光客やエージェントへの積極的なプロモーションを展開するとともに、阿寒湖畔を初めとする観光拠点の整備を進めてまいりたいと考えております。 祭りの振興につきましては、観光客の誘致にもつながりますことから、釧路、阿寒、音別の各地区におけるイベントの連携や、あるいはスタッフの交流を図るなど、全市一体となった取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、アウトソーシングの強力な推進ということで、今後の民間委託などアウトソーシングの実施計画について聞きたいというお尋ねであります。 行財政改革の推進に当たりましては、民間でできるものは民間にゆだねるとのことを基本理念といたしまして、これまでも可燃・不燃ごみの全面民間委託化や市立保育園の民間移管など、外部化の推進を図ってきたところであります。行政のスリム化を図る上で民間委託等の推進は重要課題の一つであり、現業部門はもとより、電算業務を初めとした事務事業につきまして聖域を設けることなく、今後とも外部化を強力に推進していくため、アウトソーシング推進に関する指針を明確に打ち出してまいりたいと考えております。 また、今後の小さな市役所づくりに向けた検討について聞きたいというご質問でございますが、厳しい財政環境が続く中、ご指摘のとおり限られた財源と人材で、住民ニーズに考慮しながら質の高いサービスをより効率的に市民に提供することが、行政運営に課せられた大きな課題であると認識をいたしております。今後とも、市民の理解が得られるよう組織機構の見直しや職員定数の適正管理に努め、あわせて外部化の推進などによる事務事業の見直しにより、スリムで効率的な小さな市役所づくりに向けた行財政改革を実施してまいります。 厳しい時代に住民サービスの維持を大命題に仕事を遂行していくよう、職員意識をいかに醸成していこうとするのかというお尋ねであります。 行政運営に当たりましては、職員一人一人がこの厳しい状況をしっかりと受けとめて共通認識に立つ中で、市民の目線で業務を執行していく姿勢が必要であります。このことを肝に銘じつつ、職員個々の柔軟な発想が政策形成に生かされるような職場づくりに心がけることが肝要であり、そのことが職員意識の醸成となり、ひいては市役所再生につながるものと考えております。 地域間財政力格差拡大への対応についてということでございます。 政府の地方分権21世紀ビジョン懇談会ということで、相当厳しいお話が出ているところでもあります。これは竹中総務大臣が、今後の地方分権に向けての抜本的な改革案を議論するための組織でございまして、この地方分権21世紀ビジョン懇談会の検討内容は、地方の自由度拡大のための改革、地方の責任の明確化のための改革などであります。その中でも10年先の地方分権ビジョンを描くための検討課題では、国から地方に権限や税財源の移譲を進めた上で、地方債を自治体の判断と責任で自由に発行できるように見直すと同時に、それに対する責任の明確化という観点から破綻法制についても検討をされております。これは、一定程度以上の赤字を抱える団体につきましては、現行の財政再建団体制度より厳しく、首長ら執行部の経営責任を問い、第三者機関が資産と負債の整理に当たるという内容であります。 いずれにいたしましても、中期的な財政ビジョンでは、国と地方の役割分担を明確にした上で、行政サービスの水準確保のための財源保障機能や地域間の税収格差など財政力の弱い団体に配慮する財政調整機能の維持など、バランスのとれた改革が必要不可欠であります。今後の地方分権21世紀ビジョン懇談会の検討内容の動向を注視しながら、地方の住民に不利となる改革には、地方六団体等を通じまして意見を申し述べていきたいと考えております。 次に、くじらのまちづくり推進事業の今後の取り組みでありますが、鯨類捕獲調査につきましては、平成16年度より、それまでの隔年実施から毎年実施されることになり、捕獲枠も60頭に広げられたところであります。この調査によりまして、地域には新鮮な副産物である鯨肉が流通し、市民が食する機会もふえてきております。市といたしましては、これを契機に、今年度関係機関とともに「釧路くじら協議会」を設立し、持続的捕鯨の再開や鯨食文化普及に向けた各種事業を積極的に進めてきているところであります。また、民間では、水産加工会社などによる「くしろ鯨ブランド研究会」が設立され、釧路初の鯨加工品開発に取り組むなど、まさに官民一体となって鯨を核としたまちづくりを展開いたしております。 今後におきましても、鯨類捕獲調査に協力していくことはもちろん、釧路くじら協議会やくしろ鯨ブランド研究会と連携を図りながら、普及啓発イベントの開催や鯨関係資料の整備拡充、鯨食文化普及のための学校給食や鯨料理試食会などを開催して市民意識の高揚を図るとともに、機会をとらえ、道内外に向けて「くじらの街くしろ」を情報発信していくなど、鯨によるまちづくりを今後も積極的に推進してまいります。 次に、防災対策の中で大津波対策についてであります。 中央防災会議から示されました500年間隔地震に伴う大津波への対策につきましては、市町村レベルにおける防潮堤などのハード面の対策は、経費等で困難が伴うと判断をいたしております。市といたしましては、人的被害ゼロを目指して避難体制の整備強化など、ソフト面の対策を中心に取り組みを進めてまいりたいと考えております。 また、防災推進地域に指定後の対応についてでありますが、特別措置法に基づく防災対策推進地域に釧路地域が指定されたことから、新年度、市といたしましては対策の指針となる防災対策推進計画を策定することといたしております。ご指摘のありました迅速な津波情報の提供などにつきましては、人的被害の抑制に結びつきますことから、防災行政無線の拡充、デジタル化を進めるとともに、厳寒期における避難路確保のための路面対策を推進し、避難施設の設備充実につきましても、既に自家発電装置、暖房機器の優先調達の民間協定など対策を講じてきております。今後とも、取り組みを進めてまいりたいと考えております。あわせて、津波ハザードマップを改定して市民周知を行い、防災意識の啓蒙につきましても取り組んでまいりたいと考えております。 次に、津波スクリーンについてでありますが、大規模地震による津波が発生した場合におきまして、津波の力により押し流された小型船、車両等が背後の当市を襲い甚大な被害をもたらす可能性がありますことから、その被害を最小限にすることが必要となってまいります。 津波スクリーンは、漂流物を水際で食いとめ、港湾背後圏の民家等への被災軽減や、あるいは避難時間の確保を図るものであります。このため、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策大綱に基づく防災対策推進地域として指定されましたことを踏まえ、釧路港が全国で初めてとなる津波スクリーンを国直轄事業として整備していただくべく、平成18年度に予算要求をいたしているところであります。整備箇所は、津波の影響が大きいことが想定される港湾背後に住宅が隣接している東港区南地区2カ所を予定いたしております。 今後の津波スクリーンの整備につきましては、被災の影響、整備の優先性などを考慮し、国を初めとする関係機関と協議を進めてまいりたいと考えております。 次に、耐震旅客船岸壁の整備計画についてでありますが、大規模地震に対応し、市民の安全と安心の確保と国内外から多くの旅客船による観光客を迎えるにふさわしい環境整備が求められているところであります。同時に2つのことをやりたいと、こう思いまして、耐震強化と旅客船対応の機能を持った国内最大級の旅客船「飛鳥Ⅱ」が係留できる水深マイナス9メートル、延長310メートルの耐震旅客船岸壁を、釧路川右岸の釧路フィッシャーマンズワーフ下流側に隣接した位置に計画をしたところであります。整備につきましては、ご指摘のとおり、防災と観光の両面での一日も早い整備を目指す観点から、去る2月15日に開催されました釧路市地方港湾審議会で港湾計画の変更を行い、平成18年度から調査に着手できるよう国に対し要請を行っているところであります。 なお、完成につきましては国の予算のあり方や工事の進捗にもよりますが、平成22年度の完成を目標に関係機関と協議を進めてまいりたいと考えております。 次に、釧路港の物流拠点化推進についてでありますが、釧路港では西港区第4埠頭を平成14年に供用開始するなど、物流機能強化を図ってまいりました。また、一層の物流機能の強化に向け、現在西港区西側から国道38号線にアクセスする新たなルートの整備に取り組んでおります。去る1月本格的に着手をいたしましたJRの高架事業及び都市側の道路整備などと連携いたしまして、平成20年度の供用を目指しているところであります。これによりまして円滑な交通が確保でき、物流の効率化が進み、さらなる活用につながるものと期待をいたしております。 今後の港湾整備につきましては、東北海道の物流拠点港として円滑な臨港交通体系の形成、防災拠点機能の確保、港湾における諸活動の安全を確保する防波堤の整備など、費用対効果を十分に検証した施設整備を進めてまいりたいと考えております。 次に、中心市街地活性化の方向性についてでございます。 中心市街地活性化の方向性につきましては、釧路市中心市街地活性化基本計画に目標とすべき中心市街地の将来像といたしまして、1つには、中心市街地は、そこに行けば何かしらすることが見つかる場所であり、かつ精神的にも充足感が得られる場所となることが望ましく、郊外とは異なるグレードの高い市街地である必要があると。しかも、誇りを持って釧路の顔であると言えるような、就労、交流、文化、買い物、飲食、娯楽、住居等のすべてにわたった都市的生活の拠点地区となるよう望みたいと、このように記載されてございます。その将来像に向けて取り組むべきと、こうなってございます。 ご指摘の項目につきまして、順次お答えしてまいりたいと思いますが、まず、大型店立地に関する広域調整についてでありますが、これにつきましては国のまちづくり三法の見直しの一環といたしまして、大型店の新規立地について周辺自治体の意見を聞くことや、広域調整の仕組み創設を盛り込んだ都市計画法改正案が、現在、来年度中の施行を目指し国会の場で審議をされているところであります。また、北海道におきましても、大型店の郊外への出店を規制し、中心地への立地を促す方策を、ガイドライン方式により今秋にもまとめることといたしております。市といたしましては、大型店舗出店につきまして、北海道による広域調整が必要であるとの立場から、昨年11月に開催されました中心市街地活性化に向けた意見交換会において発言をしているところでありますが、今後も機会あるごとに発言をしてまいりたいと考えております。 丸井今井店舗の活用の対策についてでありますが、丸井今井釧路店の店舗につきましては、撤退後も引き続き商業施設として活用されることが望ましいと考え、株式会社北海道丸井今井に対して、後継テナントの確保や不動産の取り扱いについて最大限の配慮を求めているところでもあります。今後につきましても、同様に株式会社北海道丸井今井に対し対応を求めてまいりたいと考えております。 また、これまで存続要請のため控えておりました北海道丸井今井釧路店に係る情報収集を行い、新たな出店者に対する経済界の誘致活動をサポートしてまいりたいと考えております。さらにまた、丸井今井釧路店撤退の影響をできるだけ緩和することなどを目的に、釧路商工会議所が設置をいたしました釧路市都心部対策協議会と連携をしてまいりたいと考えております。 次に、鉄道高架事業及び駅前再開発についてのお尋ねでありますが、釧路駅周辺まちづくりにつきましては、昨年5月に釧路駅周辺まちづくり検討委員会により、まちづくりビジョンなどからなる提言をいただきました。また先月、市民に広く駅周辺のまちづくりに関心を持っていただき、官民協働によるまちづくりの必要性をご理解をいただくため、市と商工会議所の主催による「釧路駅周辺まちづくりシンポジウム」を開催したところであります。現在、まちづくりや交通ネットワーク上からも望ましいと考えられる鉄道高架の可能性について、これを最優先に検討を行っているところであります。ことしの秋ごろには、提言書のビジョンに基づき、駅周辺のみならず中心市街地における釧路市にふさわしいグランドデザインを描き、事業費の算定や費用対効果を検討し、事業手法の方向性を示したいと考えております。 また、現在JRにおいて実用化に向けて研究段階でありますデュアル・モード・ビークル──DMVにつきましては、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。 少子化対策でありますが、市の取り組みについてということでございますが、国内の人口が減少する時代を迎えて、少子化対策がますます重要性を増してきていることから、本市におきましても、子供関連施策を重要な政策の柱として積極的な予算化を図ったところであります。 子育て家庭の経済的支援を目的に支給している児童手当につきましては、今回の法改正により支給年齢の拡大と所得制限の緩和を行い、支給対象者の拡大を図ります。また、国民健康保険加入者への出産育児一時金は、10月から現行「30万円」を「35万円」に増額し、経済的な負担軽減に努めることといたしております。 また、乳幼児をお持ちの家庭に対する支援としては、子供の健やかな成長を促進するため、9ないし10カ月児健診を新設したほか、春採保育園の民間移管に伴いゼロ歳児からの乳幼児保育や、地域子育て支援事業として少子化・核家族化の中での育児への不安や孤独な育児を強いられてきた家庭に対する相談支援機能の充実を図ってまいります。 仕事と子育ての両立を支援する取り組みといたしましては、釧路地区での公立保育園の延長保育及び音別地区での保育時間の延長を実施するほか、小学校低学年の児童が授業終了後から親が帰宅するまでの時間帯を、安全な環境で見守り健全に育成する放課後児童クラブを新陽小学校に開設いたします。さらに、育児に関する相互援助活動を行うファミリーサポートセンター事業の阿寒・音別地区への拡大や、子育て支援ボランティア組織であります「せわずき・せわやき隊」の活動支援により、地域住民による主体的な子育て支援活動の充実を図ってまいります。 今後とも、平成16年度に策定いたしました次世代育成支援対策地域行動計画に基づき、本市における少子化対策及び子育て支援の取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。 高齢者福祉の充実に向けた持続可能な制度についてでありますが、今回の介護保険の制度改革は、今後、団塊の世代が高齢期を迎え、さらに加速する我が国の超高齢化社会を支える制度として、いかに持続可能なものとしていくかという長期的な視点から、在宅と施設の利用者負担の公平化を初め、介護予防重視型システムへの転換による介護給付費等の抑制のほか、第1号被保険者の負担割合の変更などの見直しが行われ、世代間の負担の公平についても考慮した制度設計の見直しであると理解をしているところであります。 また、被保険者と保険給付を受けられる者の範囲につきましても、改正介護保険法の附則におきまして、社会保障に関する制度全般についての一体的な見直しとあわせ検討し、平成21年度をめどに所要の措置を講ずると定められたところであり、今後さらに国における検討が進められるものと考えております。 また、ご質問にございました高齢者福祉の問題は、だれもが避けて通ることのできない国民共通の問題であります。したがいまして、国民の協働の理念に基づき、高齢者を社会全体で支えるさまざまな仕組みにおきまして、世代間相互の共通理解の醸成と負担の公平性の確保という視点は非常に大切なことであり、その必要性は、今後さらに高まると認識をいたしているところであります。 次に、市内中心部の学校跡地の活用についてでありますが、学校跡地利用の基本的方向性につきましては、昨年6月に実施をいたしました庁内の要望調査や庁外から寄せられた利用要望をもとに、小中学校統合後跡地利用検討会議におきまして議論を重ねてきたところであります。このたび、各校利用の基本的な方向性について考え方を取りまとめたところでありますが、その中で、旭小学校につきましては、住宅、複合施設など民間による開発。駒場小学校につきましては、天然ガス転換事務に係る事業所として釧路ガス株式会社の暫定利用を2年程度認め、その後の利用は引き続き検討する。東栄小学校につきましては、福祉及び子育て関連施設の集約と消防分団庁舎に活用する。次に、柏木小学校につきましては、校舎の一体的な利用の観点や立地条件などから、今後引き続き検討することとしております。 多くが、基本的な方向性を取りまとめた段階でありまして、ご提言のような、生き物が生息する緑の空間づくりなどの個別の活用策の研究や、補助金及び起債償還の調整など、課題がまだございますので、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。 市の地産地消の推進、地元企業支援の方策でありますが、ご指摘のとおり、地域内で資金を循環させ、地域経済の活性化を図る上で、地場産品や地元企業の利用促進は重要なことと認識をいたしております。このことから、平成16年度に生産者、流通、販売業者、支援団体など17団体と市の連携によりまして、「地産地消くしろネットワーク」を設置し、地場産品情報の発信、地産地消の普及促進に関する事業に取り組んでいるところであり、新年度におきましても推進体制拡充、販売促進などの事業の拡大に努めることといたしております。また、市といたしましても、地元事業者の公共施設修繕工事への参加機会を拡大する制度の創設、地元事業者による地域材活用の学校机・いすの導入、あるいは学校給食への地元食材の利用拡大などに取り組んでおり、今後とも庁内の意識を高め、より一層地産地消の取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、北方領土の早期返還についてのお尋ねでございますが、北方領土返還運動につきましては、市といたしましても、社団法人北方領土復帰期成同盟釧路支部や商工会議所、青年会議所と連携し、署名活動や各種返還運動に取り組んでいるところであります。北方領土の問題は、国家の主権にかかわる外交上の重要課題でございますので、今後とも国や道並びに復帰期成同盟と連携を図り、早期返還に向けての運動を展開してまいりたいと考えております。 次に、陸上自衛隊釧路駐屯地の現状維持存続についてでありますが、この存続問題につきましては、平成16年12月に防衛庁が防衛計画の大綱を見直した際にも、釧路管内町村とともに開発期成会として現状維持存続を強く要望し、ほぼ現状維持が図られているところであります。釧路駐屯地は北方警備を重要な任務としつつ、緊急時の防災対応や地域イベントへの参加協力などを通じまして、地域住民と強い信頼関係を築いているところでもあります。今後とも、情報収集に努めるとともに管内町村とも連携を図りつつ、期成会の要請行動など、さまざまな機会をとらえまして、陸上自衛隊第5旅団第27普通科連隊釧路駐屯地の存続運動を展開してまいりたいと考えております。 次に、釧路町への分水問題でありますが、釧路町との水道問題につきましては、これまでの議会でのご議論とご意見を踏まえ、改めて市と町の今後の水道事業のあり方について検討を行い、釧路町の分水区域について、将来的に市の給水施設に移行することとし、その間の経過措置として、分水料金を本年4月から190円に引き下げる、このことを方針として固め、新年度の水道事業会計予算案に分水料金の引き下げを計上したところであります。 ご質問いただきました給水区域化に際しての釧路町の水道施設の移管につきまして、市の基本的なスタンスでありますが、釧路町の分水区域の水道施設等の事業資産につきましては、分水区域が市の水道事業の認可区域に編入され、一体的な事業体となりますので、市の水道事業への移管が必要となります。この移管に当たりましては、過去の給水区域化のときと同様に、残存価格などで買い取るのではなく無償譲渡による移管になると考えております。ただ、その際に、移管を受けた施設の起債残高の負担が課題となることから、これが想定されますが、具体的な経費負担の協議につきましては、本定例会で関連議案等の承認をいただいた後に釧路町と協議を行うこととなりますので、市といたしましては、これまでの経過や現行の給水区域の費用負担をベースにおいて、町との協議を進めてまいりたいと考えております。 分水区域以外の昆布森地区などへの取り扱いについてでありますが、これまでの釧路町との協議におきましては、分水区域の給水区域化につきまして協議をしてきております。したがいまして、現在4つの簡易水道事業により、約3,400人の皆様には、水道水を供給しております分水区域以外の地域の給水区域化につきましては、現時点では対象といたしておりません。しかし、今後、釧路町と協議を進めていく中で、仮に簡易水道地区について給水区域化の申し入れがあった場合には、町の水道施設の現況と市の供給能力面での課題を検証するとともに、経費負担の問題や市の水道事業経営への影響など総合的な側面から慎重な検討を行い、協議をする事柄であると考えております。 次に、土地開発公社の経営健全化についてでありますが、公社が市の先行取得依頼に基づき取得したものの、この事業計画の変更などにより保有を続けている土地につきまして、市が再取得することで経営の健全化を図るものであり、総務省の支援策が示されたのを機会に実施するものであります。 経営健全化計画では、港湾整備事業などで約11億5,000万円、民間等への処分対象及び処分困難地などで約17億円、供用済み用地で約2億円、将来への事業化が見込める用地を対象に用地特別会計で取得する用地などで約13億5,000万円を計画的に市が再取得することといたしております。また、金融機関からの長期借入利息が簿価上昇の大きな要因であることから、平成19年度以降、計画期間内に市が再取得を計画している土地の簿価に相当する約42億円の資金を起債により確保し、計画期間内に限り公社に対して無利子貸し付けを行って、金融機関からの一部借入金を返済させ、再取得する土地の簿価の抑制を図ることといたしております。 なお、公社の市への返済は、市へ処分した保有地の代金により返済し、市はこれによって起債を償還する仕組みとなっております。 経営健全化計画の期間は、平成18年度から平成22年度までの5カ年間であり、国費補助などを除く釧路市の実質的な負担額につきましては、計画の最終年度までに約42億円となる見込みであります。 次に、魚揚場会計、釧路振興公社の債務解消ということでございますが、魚揚場事業会計につきましては、水揚げ量の減少から事業収入の減少が続き、収支不足が拡大しており、一般会計からの貸付金により対応しております。釧路振興公社におきましては、地価の下落が続く中で実勢価格と簿価の差、いわゆる含み損の発生が経営上の大きな課題となっております。このような状況をいつまでも放置することはできないものと考えておりますが、まずは土地開発公社の経営状況の健全化を優先して取り組むこととし、魚揚場事業会計、振興公社につきましては、その後、段階的に対処してまいりたいと考えております。 最後に、他町村との合併についてのお尋ねであります。 新生釧路市のまちづくりは、今まさに緒についたところであります。まずは地域産業の振興、地域文化と人材の育成を図りながら3つの地域の個性を生かし、早急に一つの地域として一体感をつくり上げていくことが最優先の課題であると考えております。 ご指摘のとおり、釧路市は、将来にわたって中核都市としての役割を担っていくことになりますが、近隣町村とは、行政、経済、福祉などさまざまな分野におきまして、広域連携をより一層深めていくことが大事なことと考えております。さらなる合併ということでありますが、市民や関係町村の住民の皆さんの考えを尊重しながら協力関係を継続していく中で、そのような状況が生まれた場合には検討をしたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(草島守之君) 教育長。 ◎教育長(上原丈和君) (登壇)私からは、教育に関するご質問についてお答えをさせていただきます。 最初に、阿寒・音別地区の重点整備、住民意識の一体感の醸成の中で2点お答えをいたします。 1点目は、小中学校の校舎整備の促進についてでありますが、現在、国の制度を活用し、阿寒・音別地区を含め、昭和56年以前に建設されました市内22校を対象に耐震化優先度調査を実施しており、この結果として、どの学校から耐震化を優先すべきかの順位が示されることとなります。今後はこの調査結果を踏まえ、児童・生徒数の動向や地域事情等を総合的に勘案しながら、改築・改造等を検討していきたいと考えております。 なお阿寒地区の念願、悲願でありました阿寒中学校の改築につきましては、平成19年度改築着手を目指した関係予算を計上させていただいたところであります。 次に、体験学習施設「こころみ」の利用促進についてですが、新年度から初めての試みとして、施設の前の芝のグラウンドを有効に活用するため、少年用のサッカーゴールを設置し、市内の少年サッカーチームへのスポーツ合宿などを呼びかけるほか、体育館を利用したスポーツ活動や各種体験メニューを市内学校関係者への周知を初め、スポーツや文化、各サークル等の団体へのPRに努めてまいりたいと考えております。 なお、教育委員会事業でありますジュニアリーダー楽習塾、釧路管内冒険キャンプ等、子供たちの各種交流体験事業の利用に努めるとともに、多くの皆様に施設を知っていただく、また、利用していただくために、蕗紙づくりやそば打ち等の無料体験会やアンケートの実施を通して利用者ニーズの把握に努め、各種体験メニュー開発やサービスの向上を図ってまいりたいと考えております。 次に、学校及び通学路の安全対策についてお答えをさせていただきます。 最初に、緊急時自動通報システムの詳しい内容についてのご質問でございます。 第1に、不審者の校舎侵入を阻止する目的から、職員玄関に電子錠とモニター付インターホンを設置し、来訪者の要件等確認の上、職員室から遠隔操作により電子錠を開錠し校舎内に入っていただく、また出ていただくことといたします。第2に、万が一不審者が侵入した場合、児童・生徒を安全に避難させ、迅速に警察へ通報する目的から、2ないし3教室間隔で緊急通報押しボタンを設置いたします。このボタンを押すことにより職員室に非常通報が入り、どこで押したかが表示されます。通報を受けた教職員が現場に急行し、緊急事態であるか、また誤報であるかを確認の上、必要な措置を講ずるための職員室とトランシーバーで連絡を取るというようなことを行います。その間、警備会社にも自動的に通報されており、必要に応じ警察にも通報されることになっております。ただし、阿寒地区は警備委託をしていないため、阿寒教育事務所につなぐ予定であります。 学校及び通学路の安全対策の2点目は、安全確保のためのアイデア、これをいただきました。 教職員の護身術等の講習につきましては、教育研究センターの研修講座や、各学校ごとに釧路警察署と連携して防犯教室を開催し、避難方法など子供の回避能力の育成、教職員の不審者への対処法などの講習を行っており、今後も関係機関と協力しながら継続してまいりたいと考えております。 ご提言の用務員の校内巡視につきましては、子供たちの安全のために現在も定期的に実施しており、今後も継続することとしております。ガードマンのような制服やこん棒の携行などにつきましては、用務員の業務が校内の清掃やグラウンドの草刈りなどの作業が中心になることから、なかなか難しいものがあると考えております。 また、児童・生徒の登下校時の安全確保につきましては、各学校で地域との連携で進めておりますが、地域の方々や保護者と教職員が一緒に登下校時の見守りや安全指導に当たるなど、協力体制は大きく広がってきていると認識しております。また、状況によっては教職員が引率して集団下校を行ったり校区を巡視するなど、学校との安全対策にも全力で取り組んでおります。 安全対策の3点目は、スクールバスの導入についてのご質問でございます。 児童・生徒の登校・下校時におけるスクールバスの導入は、安全の確保として大変有効な手段の一つであると認識しております。しかしながら、導入に当たりましては、各学校での通学路と安全経路の関係や必要台数の検討、また保護者の経費負担のほか、公共路線バスを有する民間バス会社の対応の問題など、さまざまな課題もありますことから大変難しいものがあると思います。他都市の状況や国の動向も踏まえ、研究してまいりたいと考えております。 警察との連携につきましては、現在も事件事故の発生時には緊密な連絡体制のもと、教育委員会から学校や児童館、保育園、幼稚園など関係団体に迅速な伝達の対応をしており、今後もさらに連携を含めた体制づくりを検討してまいりたいと考えております。 また、警備会社による巡回も有効な手段と認識しておりますが、学校と地域住民や関係機関、関係団体との相互連携のもと、地域の子供は地域で守るといった意識を深める中で、現在、各学校区で地域住民の自主防犯安全パトロール隊の結成などが着実に広がりを見せております。また、郵便局や民間会社などでも、保有車両に防犯ステッカーを掲示しながら自主的に啓発運動に参加している例なども増加してきております。 教育委員会といたしましては、子供が安心して学べる安全対策を最重要課題としてとらえ、新年度の予算措置も含めて、全力で取り組んでまいります。 私からは以上でございます。 ○議長(草島守之君) 再開を午後1時30分とし、暫時休憩いたします。             午後0時21分休憩 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  午後1時30分再開 ○議長(草島守之君) 再開いたします。 次に、市政クラブ代表、33番淀川了一議員の発言を許します。 33番淀川了一議員。
    ◆33番(淀川了一君) (登壇・拍手)3市町合併後の新たな議会におけます初登壇ということになります。大勢の議員各位を前に多少緊張いたしておりますけども、一生懸命努めてまいりたいと思います。 それでは、市政クラブを代表しまして、平成18年度の市政方針並びに教育行政方針につきまして、私なりの意見を交えながら市長並びに教育長のお考えをお聞きしてまいりたいと考えております。何とぞ前向きかつ心のこもったご答弁をお願い申し上げる次第でございます。 さて、新釧路市の誕生から5カ月ほどが立ちまして、今日まで行政も議会運営も、まずまず順調に推移しているのではないかと私自身感じておるところでございます。 合併後初の予算議会となるわけですが、次年度の新たな体制による議会へ円滑に引き継ぐための大事な年となりますので、私自身も今まで以上に緊張感を保ちつつ、誠意を持って議会活動にしっかりと取り組むべく決意を新たにしているところでございます。我が会派としても、責任ある与党、確かな与党会派として、時には協調し、またある時には激論を交わしながら、議員としての職務を全うしてまいりたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げる次第でございます。 それでは、順次質問をしてまいりたいと思います。 まず初めに、新年度の市政執行に当たりましての市長の基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。 昨年3月末、総務省の推計によりますと、ことしの3月末時点での全国の市町村の数は1,822になるとしております。7年前には3,232あった市町村が1,410も減ることになるわけでありまして、実に44%の減となります。中でも町村の数は60%減と、2,500の町村が一挙に1,000に激減すると推計されておりまして、合併の勢いは、この先もしばらく続くことは明らかであります。 さて、我が国の人口がいよいよ減少に転じ始めました。現在の人口がおおよそ1億2,700万人余りですが、2050年には1億人、2100年にはおよそ6,400万人と推定されております。この人口の減少は、少子化が最大の要因と言われております。晩婚化、非婚化、未婚化の傾向は、男女を問わず顕著になっておりまして、その背景としては、子供の教育費や育児費の負担、保育制度の未整備や子育てに対する不安、環境汚染の問題、政治不信、経済や生活全般にわたる不透明感など、多岐にわたると考えられております。 少子化問題に関連する次世代育成支援対策や男女共同参画社会の構築については後ほど触れさせていただきますが、当市にとりましても全く無縁でないこの少子化問題ですが、この現状についての市長のご認識はいかがなものでしょうか。また、当市としても少子・高齢社会に対応した、あるいはマッチしたまちづくりを考えていかなければなりませんが、市長としての基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。 さて、その土地が本来持っている潜在能力を「地域力」と言われております。地域力は、どんな土地にもあり、他の地域にはない魅力とかすぐれたものが必ずあると言われます。世界に誇る何か、日本を代表するような何かがなかったとしても、その地域が本来持っている自然や資源を発見し伸ばしていくならば、その地域の大きな飛躍につながっていきます。それが地域力と言われております。幸い当市には、世界や日本有数の自然や資源など地域力を発揮できる素質は、どこの地域にも負けないほどございます。しかも、合併して、さらにその力は強固になったと言えます。新年度を迎えるに当たり、豊富な地域力を有する新生釧路市のまちづくりに向けた市長の決意を改めてお聞かせいただきたいと思います。 市役所を企業に例えますと、市長は社長で、職員は従業員であります。市民は、市に出資している株主であると言えます。企業の業績が悪ければ事業を縮小し、場合によっては給与を下げざるを得ません。株主たる市民へのサービスの低下もやむを得ないと思います。しかし、毎年我慢ばかりでは、従業員のやる気は失せ、株主の不満は募るばかりであります。我慢や忍耐が、次年度の期待と希望につながらなければ信頼関係は崩れてしまいます。リーダーシップとは、部下を管理することではなく、指導力、統率力のことであります。発想を豊かに持ち、部下の能力を存分に引き出すことに意を用いて市政執行に当たっていただきますことを念願いたします。 都市機能整備について、5点にわたりお伺いします。 最初は、釧路駅周辺のまちづくりについてであります。 駅周辺の将来ビジョンを検討する釧路駅周辺まちづくり検討委員会による釧路駅周辺まちづくりに関する提言書の提出を受けまして、新年度には、いよいよ基本構想の調査・検討に着手されることになりました。去る2月10日には観光交流国際センターを会場にシンポジウムが開催され、鉄道高架の是非を含めた駅周辺のまちづくりに対するパネラーのそれぞれの思いが熱く語られ、興味深く聞き入っておりました。さまざまな意見や提言を受けて、基本構想を練る市としましては大変な重荷を背負うことになるわけでありますが、しかし、じっくり腰を据えて取りかかるほど余裕のある時間が残されているとはとても考えられません。しかし、そうした切迫した状況にある中ではありますが、とかく中心的な話題になっている鉄道の高架化あるいは駅舎の橋上化については、事業費がどのくらいの規模で、そのうち当市の負担、いわゆる市民負担は幾らぐらいになるのか、負担しただけの効果が果たしてあるのかぐらいは、市民に対してきちんと周知する機会を持つべきでありましょう。また、駅の左右に位置する跨線橋のかけ替えの時期についても明らかにしておくべきであります。 基本構想の検討の際には、30年、50年先の釧路のまちのイメージを描いておくことも重要であります。なぜなら、駅をまちの顔と位置づけているのであれば、駅周辺に隣接する地域は心臓部であり、手足であります。駅は、これらの機能にふさわしい顔でなければならないと考えます。景観が損なわれず、まちとの一体感が感じられること、自然豊かなまちにマッチしていること、だれにでも使い勝手のよいこと、地産地消が生かされていることなどに配慮した整備がなされることに、私は大きな期待をしているのであります。市長のご認識はいかがなものでありましょうか、お聞かせをいただきたいと思います。 次に、空き店舗問題についてお伺いします。 市のメーンストリートであります北大通地区の空き店舗数は、平成16年度調査では40店舗と伺っております。ここ二、三年では、大きな変化は見受けられませんが、見方を変えますと、市街地の空洞化が依然として改善されていないということであります。新年度においても、引き続き空き店舗活用事業や中心市街地活性化対策に取り組むことになっておりますが、メーンストリートのにぎわい創出の抜本的な施策とは、残念ながらなっていないと思われます。まず、この点について市長はどのようなご認識をお持ちでしょうか。 毎年のように、市内の商店街の実態調査を実施されておりますが、この調査結果を踏まえて、その後の事業展開にどのように生かしてこられたのか、成果を含めてお示しをいただきたいと思います。 シャッターをおろしている店舗には、それぞれの事情があると思われます。そのような中で、北大通地区に昔のにぎわいをこれからも求めていくのか、新たなまちづくりを考えていくべきなのか、非常に悩ましい問題であると考えますが、市長はどのように考えておられますか、お聞かせをいただきたいと思います。 にぎわっていた中心市街地の商店街が寂れていたりシャッターがおりているのは、何も当市に限ったことではなく、全国的な流れとなっております。郊外大型店の影響で中心市街地の空洞化対策として、主に週末に歩行者天国が復活したまちがあると某紙に掲載されていました。「防犯対策や中心地の窮状を打開するために警察も商店も協力」という内容であります。これまでの議会においても、中心市街地の活性化策やにぎわいを取り戻す観点から、歩行者天国の議論がなされてきましたが、年数回の当市を代表するイベント以外については、さまざまな事情から実現が困難な状況でありました。もちろん、警察当局や商店街の協力がなければ実現不可能でありますが、社会実験としてやってみてはいかがでしょうか。その結果を見た上で、実施すべきかどうかを判断すればよいと考えます。最初から困難と決めつけてしまうのか、やってみなければ次のステップに進めないのは明らかであります。前向きな取り組みを求めておきたいと思います。 コンパクトシティについてお尋ねをします。 コンパクトシティの概念は、一般的には商店や公共施設の中心街への集積を意味しており、従来の拡張型都市設計では、マイカーを利用できない高齢者や障がい者も暮らしにくく、生活コストが余分にかかり、環境にも悪影響を与えるとされています。まちのコンパクト化とにぎわい回復の一体的な推進を図るためには、自治体首長の指導力、商店、地主、住民の合意形成がかぎであると言われます。 コンパクトシティの考え方は、都市の規模や人口あるいは産業構造などにより異なりますので、明確な都市形態を定めることは大変困難なことに違いありません。大型商業施設の撤退が決定的となり、ますます中心市街地の疲弊に拍車がかかる一方で、都心部における定住促進により、にぎわいの創出、コミュニティの形成を図ろうとしておりますが、衰退する中心市街地との整合性をどのように図ろうとなされるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 歩行者ネットワークシステムの充実についてお聞きをいたします。 中心市街地の回遊性を高めるために、冬期間における歩行者空間の快適性の確保やバリアフリーなどに配慮した整備の充実を図らなければなりませんが、釧路駅周辺、幸町シビックコア地区、北大通周辺、フィッシャーマンズワーフ地区を結ぶ当市のセンターゾーンは、残念ながら回遊性を備えた面的な整備が進んでいるとは思えません。MOOのリニューアル、客船バースの着工など、川筋の整備も着々と進む中で快適性を有した歩行者空間の早急の整備は、中心市街地ににぎわいを取り戻す意味からも、まことに重要であります。市長のご認識と今後の整備に対するお考えをお聞かせください。 次に、経済産業振興について2点お伺いします。 最初は、森林セラピーへの取り組みについてであります。 この件につきましては、我が市政クラブとしても、新産業の創出及び地場産業振興策の強化を図る観点から新年度の重要課題と位置づけております。森林の持ついやし効果を人々の健康増進に生かし、現代のストレス社会における心と体の健康増進に有効とされる森林セラピーは、全国的な注目を浴びており、静かなブームさえ巻き起こしております。森林浴という言葉は20年ほど前からありましたが、医学的な解明や研究が本格的に着手されたのは、ほんの数年前ということですから、歴史的にはまだ浅いわけであります。しかし、いやしの森づくりは、今や急速に全国的な広がりを見せている状況にもございます。 平成16年3月に、民間主導で産・学・官連携により森林セラピー研究会が発足し、これまで森林セラピー効果の実証研究やセミナーの普及活動に取り組んできており、現在は森林セラピー基地やウオーキングロードの認定作業を進めているところでございます。道内でも、高齢者や障がいのある方々を対象としたプログラムの開発、高血圧改善の実証研究、温泉浴と森林浴を組み合わせた長期滞在事業への取り組み、保健師や福祉関係者を森のセラピストとして育成する事業など、広範囲にわたる事業が展開されており、今やこの森林セラピーは、新たな産業として成長していく可能性を十分秘めていると高い評価を得ているところであります。 平成17年1月に公表されました森林セラピー基地構想には、全国から27件の応募がありまして、道内では、唯一、釧路市内の企業が所有している鶴居村の山林が基地の指定を目指しております。市は、新年度、観光振興策の新規事業として森林セラピーモデルツアーの実施に対し予算を計上したところでありますが、我が会派としては今後の事業展開に大きな期待を寄せているところであります。折しも先月半ば、コアかがやきを会場に「森林セラピーと里山づくり」と題した講演会が開催されました。会場あふれんばかりの多くの方が参加されており、森林セラピーに対する関心の高さを示しておりました。 これらの経過を踏まえ、以下、今後の市としての取り組みについて3点お伺いします。 1点目は、新年度予算の具体的な内容をお示しください。また、次年度以降の計画あるいは構想などがあれば、あわせてお願いをいたします。 2点目は、阿寒地区、音別地区の豊かな森林や地形などを生かし、森林浴と温泉浴とをセットにするなど、新たなメニューづくりに着手すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、利用増に対するためのマンパワーの充実は欠かすことができないと思います。多種多様なニーズに合った人材の登用を図るべきと考えますが、ご認識のほどはいかがでしょうか。 3点目は、森林セラピーは、温泉セラピーとともに長期滞在型観光の目玉商品であると同時に、子供たちの学びと遊びの格好の教育施設であり、障がいを持った方々の社会復帰のためのリハビリテーションの場でもあります。さらには心身のいやしの空間であり、生活習慣病の改善を図る療養の場と位置づけることもできます。まさに滞在型観光の目玉商品として、あるいは環境教育教材として、健康、療養、機能回復のリハビリのフィールドとして、さまざまな分野において応用できる可能性を秘めていると考えられます。市としても、観光事業としてのみならず、地元の豊かな自然を生かした新たな産業として取り組みを強化すべきと考えますが、市長のご認識はいかがなものでしょうか。 その際、産・学・官による共同の取り組み方もありますし、あるいは女性の視点を生かしたり、団塊の世代の意見を取り入れるなど、とにかく利用者の側に立って、さまざまな角度から研究を進めていくべきであります。新たな産業としての可能性、経済効果、今後の取り組みについて市長の前向きなご答弁を求めます。 経済産業振興の2つ目は、MOOの再生計画についてでありますが、このことにつきましては、昨年9月に提出されました再生市民委員会の提言書を参考にさせていただきながら、以下お伺いしていきます。 MOOの再生こそが、中心市街地のにぎわい創出のかぎを握る。この提言書には、長時間にわたり真摯な議論を重ねてこられました委員各位、そして貴重なご意見やご提言を寄せられました市民お一人お一人のそんな熱い思いが込められております。私も、都心部のにぎわい復活は、釧路のシンボルゾーンとだれもが認めるこのフィッシャーマンズワーフMOOの再生にかかっていると率直に思っております。今年度中に策定されるはずの市のリニューアルプランの中身が明らかになっておりませんが、当然、再生委員会のご提言なり市民のご意見が、これから明らかになるであろうリニューアルプランに十分反映されているに違いないと確信をしておりますが、まず、この点について明らかにしていただきたいと思います。 提言書では、河畔開発公社の筆頭株主は釧路市、すなわち市民が株主であるという意識を持って経営に当たるべきとの指摘をしておりますが、換言すれば、出資者であるところの株主、すなわち市民を大切にすることを心がけて商売をしてくださいということではないでしょうか。やる気さえあれば、お金をかけずにすぐにでも実行できることかと思いますが、市長はどのように考えておられますでしょうか。 さて、市民から寄せられたたくさんの貴重なご意見ですが、応募方法には、名前、住所、電話番号、意見内容ということになっておりました。男女の区別は、名前からほぼ判断できますが、なぜ年齢や職業の記載を求めていないのかがわかりません。プラン策定の際に欠かすことができない条件かと思います。私は名前と住所だけでは、利用者の求めているものがプランに反映されるかどうか、正直疑問に感じておりますので、明快なご答弁を求めておきます。今後において、市民意見を募集する機会がありましたら、その辺も勘案しながら取り組んでいただければと思いますが、いかがでしょうか。 このたびの市民の方々からの意見には、食に対するものも少なくありませんでした。人々のニーズは多種多様にわたっておりますので、メニューづくりには大変な苦労が伴うと思いますが、しかし、選択肢は絶えず利用者側にあるとすれば、やはり顧客の満足度を高めることを最優先に考えなければならないと思います。市長は、店の経営者ではありませんが、店舗やメニューのリニューアルに際してのMOOの最高責任者としての意欲なり、意気込みをお持ちかと思いますので、ぜひお聞かせいただきたいと思います。 次、生活環境整備について3点にわたりお伺いいたします。 1点目は、幹線道路の整備についてであります。 長年にわたり、地域住民の懸案になっております旭橋通の拡幅整備の見通しについてお伺いします。 本路線は、橋南東部地区と都心を結ぶ通勤通学、あるいは経済活動を維持していく上で大変利便性が高く、公共交通機関の往来を初めとして交通量も多い路線であります。しかしながら、路線の一部は、主要な路線としては道路幅が狭隘の上、歩道も未整備となっております。これまで長年の間、ドライバーや歩行者、近隣住民にとりましては、絶えず事故の危険が伴う道路状態にさらされていたと言っても過言ではありません。この路線を取り巻く一帯には学校や病院、住宅が集中していることからも、安全な交通体系の整備を図らなければならない重点地区と、私自身強く認識しているところであります。これまでの間、地域住民からも、車道の拡幅、歩道の確保など、早急な整備を強く要望してきましたが、財源問題やら整備上さまざまな高いハードルもあり、遅々としてその整備が進んでいないのが実態でありました。このような状況のもと、昨年には測量調査、概略設計に着手され、拡幅整備への動きがようやく出てきたことはまことに喜ばしいことであります。今後の事業採択に向けて、引き続き粘り強い要望活動を展開していただきますようお願いをするとともに、現段階における整備計画について、わかる範囲で結構ですので、明らかにしていただきたいと思います。 2点目は、除排雪体制についてであります。 ブロック別の除雪体制が本格的にスタートして2年目を迎えました。シーズンが終わったわけではありませんので、この場では除排雪全般についてお聞きすることは避けますが、ちょっと気のついた点だけを指摘させていただきます。 2月には、ほとんど除雪を伴う降雪はなかったと記憶をいたしております。もちろん除雪の出動もないわけでありますが、車道の路肩といいますか、縁石部分といいましょうか、除雪した雪の固まりがややしばらく残った状態が、全市の幹線道路で頻繁に見受けられました。渋滞とまではいかなくても、実に走りづらい道路状態にありまして、ドライバーにとりまして、新雪時よりもスリップを起こしやすい危険な状態にあるわけであります。すべてが除排雪体制の不備とは申しませんが、降雪時のみならず、凍結時や融雪時の除排雪にも十分意を用いていただきたいと思います。あわせて、道路状況を随時把握するためのパトロール体制の強化を求めておきたいと思います。 3点目は、公園整備についてお伺いいたします。 地域住民が待望しておりました総合体育館の建設がいよいよ新年度から始まります。その総合体育館の陰にひっそりと隠れてしまいました緑ケ岡公園構想について、改めて着工のめどなどについてお伺いをいたします。 この公園建設構想は、地域住民の長年にわたる強い要望もありまして、ゴルフ場跡地にパークゴルフ場を含む公園として整備することになりました。しかし、平成14年にはワークショップの開催や基本構想の検討など、整備に向け本格的な動きが出てきたやさきに総合体育館の建設事業へのシフトによりまして、緑ケ岡の公園整備はとんざし、今日に至っております。事業の再開につきましては、総合体育館が完成する平成20年以降と伺っておりますが、現段階での建設スケジュールをお示しください。加えて、地域住民の願いをお酌み取りいただき、一刻も早い着手を要望いたします。市長の温情あふれるお答えを期待いたします。 次に、次世代育成支援事業について、児童の安心・安全確保の観点でお伺いをいたします。 全国的に児童虐待の痛ましい事件が、相変わらず後を絶ちません。そのような状況の中、一昨年10月から改正児童虐待防止法が施行されました。これによりますと、通告する国民の義務が拡大され、国や地方自治体の責務や役割も一層明確になりました。これらのことが反映してか、全国的に虐待やいじめの届け出や相談件数が増加傾向にあると言われておりますが、法の改正後、釧路市の実態はどのようになっているのか、まず初めにお伺いをいたします。あわせて、その内容について特徴的なもので結構ですので、差し支えない範囲でお示しをいただければと思います。 また、これらの相談や支援を担当する児童福祉士の数が全国的に不足しており、急増する相談に対応し切れないことが指摘されておりますが、当市としては充足された状態となっているのか、お聞かせください。 法の改正によりまして、北海道の管轄でございます児童相談所の責務や役割も一層重くなっておるとお聞きをいたしております。増加する相談件数に対して、人員の不足が指摘されているようでありますが、市の方で実態を把握しておりましたら、お示しをいただきますようお願いをいたします。 また、警察への援助要請を義務づけておりますが、最悪の事態を避ける上からも、状況により警察の介入もやむを得ないものと考えます。当市では、既に児童虐待防止ネットワークを設置し、各関係機関と密接な連携を深めながら、虐待の未然防止、早期発見、迅速な対策に努めてこられたと考えますが、合併後は守備範囲も大変広くなりますので、きめ細かな対応に若干の不安を抱かざるを得ません。合併後の新たな取り組み、改善について市の考えを求めておきます。 次に、子供への暴力防止に関する教育プログラム、いわゆるCAPといいますが、このCAPを実践している市民グループの活動を紹介しながら、お伺いいたします。 このプログラムは、いじめ、痴漢、誘拐、虐待、性暴力といったさまざまな暴力に対して、子供自身が自分を守るために何ができるかを、子供はもちろんでありますが、親、教職員、地域の人々に実践活動を通して学んでいただくものであります。 子供が心配でも、一日じゅうそばにいて守ることはできない。しかし、何かあったときに、子供がどう対処できるかを知らせておくことはできます。子供は無力で何もできないのではなく、子供自身が自分を守ろうという力を持っているとした上で、暴力から自分を守るための知識や技術を身につけてもらうための実践活動であります。これには大人と子供のプログラムがありまして、就学前の子供から、親、教職員、地域の人など、広い範囲で実践活動をしておりまして、行政の支援を受けている地区もあるとお聞きをしております。 当地域では、釧路市内はもとより、道東地区を舞台に幅広い活動を展開しており、教育関係や地域住民が取り組んでいる暴力防止活動や防犯活動に大きな成果をもたらしておりますが、当市としてのこれまでの実践経過、今後の計画についてお示しをいただきたいと思います。 さて、新年度の市政方針によりますと、子供関連施策の重点的推進を図るべく、新年度に保健福祉部の分割再編により、「こども保健部」を新設いたしました。庁内における窓口を明確にし、事業の総合的な調整を図りながら、子育て支援事業に取り組むと述べておられます。我が会派としても、福祉行政窓口の見直しについては新年度の政策要望項目に掲げておりますので、中身について確認をしておきたいのですが、窓口の明確化とは、受け付けだけの業務に限定したものなのか、あるいは相談機能を有しているのか、肝心な部分ですので、明快にお答えください。 また、事業の総合的な調整を図りながらとは、各部にわたる子供関連施策の集約を意図した表現と理解してよいのかどうか、わかりやすくお示しください。 子供の登下校時における事件や事故、車上ねらいやコンビニ強盗、空き巣、悪質商法、振り込め詐欺など、地域を取り巻く犯罪が凶悪化、多様化している中で、地域ぐるみの防犯活動が各地で展開されております。当市においても、地域住民を主体とする防犯ボランティアが、登下校時の児童の安全や地域の治安維持のための活動を行っており、その数は実に21団体に及んでいると伺っております。日夜をたがわず地域ぐるみでの自主的な活動には、頭の下がる思いがいたしております。 犯罪者が嫌がるのは、地域住民の視線であると言われております。とりわけ子供の登下校時に、町内会や地域住民の方が戸外にいるだけで、犯罪者の出没防止に大きな役割を果たすとされております。 平成19年度、平成20年度には、次の学校統廃合が予定されております。子供の通学距離・時間が長くなり、登下校時の心配は募るばかりであります。登下校時の安全対策に十分過ぎるということはありません。新年度に当たり、子供の登下校時の安全確保に対する行政としての重点施策などありましたら、お示しください。 学校サイドの対策について、お聞きをいたします。 午前中のくしろ自民クラブの中村議員の質問も出ておりましたが、新年度、不審者の侵入を防止するため、電子ロック、防犯カメラ、緊急通報システムなど、ハード面の整備が市立の幼稚園・小学校にて実施されます。子供を預かる学校側はもとより、親御さんにとりましても、ちょっと一安心といったところでありましょう。しかしながら、先ほど述べましたように、安全対策に十分過ぎるということはありません。ハード面に万全な対策を講じたとしても、子供や先生に身の危険を感じるような事件や事故に遭遇しないと断言はできません。予算の関係もあり、すぐ実現可能とはなりませんが、私は、警備・防犯の専門会社からの人材派遣も行く行く必要ではないのかと思っております。実際のところ、児童が犠牲になった学校では導入している例もございます。学校のこととはいえ、先生方に危機管理まで担わせるのは、精神的にも大変な負担になると思われます。国や道との整合性も図っていかなければなりませんが、全国的にも共通する重要課題であると考えます。他の自治体との連携や情報を交わしながら、本腰を入れて要請行動を起こすべきと考えますので、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 徹底した防犯教育も必要だと感じます。危険な場所はどこか、不審者とはどんな人物なのか、大人と子供では危険な場所のとらえ方や不審者のイメージは違うかもしれません。危険箇所につきましても、ワークショップや現場のチェックなどにより、大人と子供の認識の溝やずれの修復を図っておかなければなりません。そのためにも、子供と大人が同じテーブルで認識を共有することが望ましいと考えます。行政としましては、学校教育、地域との関連もありますので、市長と教育長にそれぞれご答弁を求めておきます。 次に、生涯学習につきまして2点お伺いします。 最初は、小中学校の統合後の利活用についてであります。 先ほど市長も答弁されておりましたので、ちょっと重複するかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。 このほど市では、統合の対象とされる各校の利用に関する基本的な方向性をまとめられました。それによりますと、子育てや福祉関連、地域の消防拠点として、あるいは民間への賃貸や開発など地域の実態に即した内容となっております。平成20年度に統合が予定されております柏木小学校につきましては、校舎の一体的な利用の観点や立地条件などから、引き続き検討を進めることとしております。その数、数百種類とも言われております動植物が生息する春採湖周辺ですが、その湖畔に立地する本校は、これらの豊富な自然を教材として、これまで熱心な教育活動に取り組んでこられ、その様子は、しばしばマスメディアにも紹介されておりますことはご承知のとおりであります。統合によりまして、長年にわたり春採湖とともに歩んできた小学校としての使命は、残念ながら幕を閉じることになりますが、環境学習のフィールドが消滅したわけでは決してありません。豊かな自然や文化財に恵まれている春採湖かいわいは、多くの市民や観光客が訪れ、散策やジョギングを楽しみ、あるいは学習の場として人気の高いスポットになっております。したがいまして、これからも生涯学習の拠点として、訪れる人々が憩える水辺空間として、だれにでも利用可能な多目的施設として引き継いでいかなければならないと考えます。市長には環境保全の観点で、教育長には生涯学習の観点で、それぞれご見解を賜りたいと思います。 次に、男女共同参画社会構築についてお尋ねをいたします。 内閣府は去る1月24日、地方自治体の男女共同参画の進みぐあいに関する調査結果を発表しました。それによりますと、昨年4月時点で課長級以上の女性管理職が一人もいない市区町村、全体の33.9%に当たる819もあります。また、女性の管理職がいる自治体における女性管理職に占める割合、これは前年比わずか0.2ポイントふえておりますが、7.8%にとどまっている状況であります。政府は、管理職など指導的地位にある女性の割合を、2020年までに官民を通じて30%へ引き上げる目標を掲げており、内閣府も、首長のイニシアチブが重要だとして女性登用を促す考えでおります。 一方、国会議員に占める女性比率は、衆議院で44人と過去最高になってはいるものの、スウェーデンやノルウェーの例を挙げ、まだ非常に低いと内閣府が判断しております。また、地方議会の女性議員数は、平成16年末で4,635人おりまして、議員総数に占める割合は8.1%と、毎年わずかながらふえているものの、議会に占める女性の割合はまだまだ低い状況にあります。このことから、しっかりした男女共同参画社会を形成していく上でも、あらゆる場面での女性の比率向上を図らなければならないことを、今述べました数字からも実感する次第であります。 さて、男女平等の理念に基づき、男女共同参画社会の実現を図ることを目指した「くしろ男女共同参画プラン」は平成9年度に策定され、平成18年度には予定の10カ年の期間を終えることになります。この間、平成12年と平成17年に、それぞれ市民1,300人ほどを対象に男女平等に関する意識調査を実施したところであります。平成19年度以降の新たなプラン作成に当たりましては、平成17年に実施された意識調査の結果を踏まえて、総合計画に歩調を合わせながら平成19年度に策定し、平成20年度スタートで計画していると伺っております。 そこで、以上の経過を踏まえながら、何点かに絞ってお尋ねをいたします。 平成9年度の調査では、行政の分野において審議会などにおける女性委員の占める割合は16.1%という結果になっております。この数字を低いと指摘した上で目標値を30%とし、女性のいない審議会などの解消と女性の登用促進に努めるとしております。その後、平成16年に修正を加えたプランにおいては、女性の比率に改善は見られますが、最終年次の平成18年度末までには、目標値の達成は果たして可能なのか、その見通しについてお伺いをいたします。 また、施策の対象の半分を女性が占めているにもかかわらず、審議会などにおける女性委員の占める割合は低いと指摘をしておりますが、人材の育成や審議会などへの女性の登用、参加機会の拡大など、これまでの取り組みを検証した上で新たなプランに確実に反映されるよう求めたいと考えます。 2点目は、シンポジウムや講演会の時間帯への工夫について申し述べます。 例えば、子育てや男女共同参画関係などのシンポジウムなどは、最初から職を持たない女性を対象にしているせいか、平日の、しかも日中に開催されることが多く、当然勤務している者にとっては出席しづらい時間帯に設定されております。無理からぬ事由もあるとは思いますが、家事・育児問題に対する男性の関心を高める上で、シンポジウムや講演会などの日程に工夫を求めておきたいと思います。また、企業や団体にも積極的なアプローチを行い、幅広く参加を促す努力をしなければならないと考えますので、あわせてご答弁をお願いいたします。 今さら申し上げるほどではありませんが、ジェンダーとは、男は仕事、女は家庭といった社会的に、文化的につくられた性差をいうのでありますが、仮に男性は仕事で参加は無理と企画の段階から考えておられるようであれば、それこそジェンダーそのものの考え方ではないでしょうか。そのようなことは毛頭ないと思いますが、あらゆる分野の方々が参画できるような企画の立案を検討されては、いかがでしょうか。 さて、3点目は、平成17年7月に実施された意識調査でありますが、この時点では既に合併が決まっておりましたので、本来であれば、阿寒地区、音別地区を含めて調査を行い、新釧路市としての正確なデータをとり、新たなプランの策定に入るのが筋であると考えます。阿寒地区、音別地区が調査の対象から外れたこの辺の経緯について、まずお聞かせいただきたいと思います。 新たなプラン策定には、当然、阿寒地区、音別地区のデータが加わりますが、両地区の調査はいつ実施されようとしているのか、明らかにしていただきたいと思います。 4点目は、男女共同参画に関する条例制定についてであります。 男女共同参画に関する条例を制定している市や区は203団体で、制定率が26.6%となっております。これは平成17年4月1日現在、対象が762市区が対象となっております。この数字が多いか少ないかは人それぞれで、受け取り方が違いますが、私は意外と多くの自治体が、男女共同参画の形成や女性に関する施策に対して積極的に取り組んでいると感じたのであります。当釧路市では、これまでも議会で議論されてきた経過はありますが、残念ながら条例の制定までには至っておりません。男女共同参画社会の形成に対するこれまでの市の取り組みや、長年にわたる女性の各分野における目覚ましい活動実績などにかんがみ、また少子・高齢化や情報化のさらなる進展、環境保全、健康や食糧問題などなど山積する懸案事項に対して、男女が問題意識を共有して一体となって取り組んでいく上でも、条例の制定は欠かせないものと認識いたします。前向きなご検討を求めたいと思います。 最後でございますが、平成18年度の行財政改革について、港湾部の統合再編について、この1点に絞ってお伺いをいたします。 行財政改革の一環として、このほど港湾部が都市建設部と統合し、土木港湾部としての統合再編案が提案されました。組織のスリム化、ほかの部との職員数のバランス、あるいは道路整備、河川管理など、重複する業務の一元化などが統合に至った経過とお聞きをしております。私は、統合再編に至ったこれらの事由に一つ一つ異論を唱えるつもりはありませんし、効率的・効果的な行政運営の観点からすれば、一般論としては至極当然のことであると理解をせざるを得ないのかもしれません。しかし、これまでの港湾部が歩んできた長い歴史を振り返ったときに、釧路港の実質的な港湾管理者として地域経済に果たしてきた役割はまことに大きなものがあり、行財政改革の一環とはいえ、私自身は、もろ手を挙げて賛成とは言いがたい心境におかれているのであります。 釧路港が、小樽港や室蘭港とともに普通貿易港に指定され開港したのが明治32年、今から107年も前のことでございます。その後、幾多の変遷をたどりながら、我が国有数の国際貿易港として飛躍的な発展を遂げたのであります。昭和30年から昭和40年代にかけて、北米やヨーロッパ向けに合板や水産缶詰が盛んに輸出された時代が続き、外国貿易の確固たる基盤を築きました。ニューオリンズ港との姉妹港提携や外貿コンテナ船の誘致など、港湾部の存在があったからこそ、釧路港が国際貿易港として盤石な地位を築けたものと確信をいたします。 特筆すべきは、米国を代表するニューオリンズ港との姉妹港提携であります。米国の一国一港との原則に基づき、日本におけるニューオリンズ港との姉妹港は唯一釧路港が指名されたのであります。すなわち、釧路港が姉妹港提携するにふさわしい国際港として評価された結果であると言えましょう。このような輝かしい歴史と実績を、今後もさらにさらに積み重ねていかなければなりません。 港湾部の統合が、今後のポートセールスや港湾整備に係る国や道への要望活動に支障を来さないのか、心配は尽きることがありません。東港の耐震機能を備えた旅客船バースの整備、西港においては機能の強化を図るために外貿コンテナー用のガントリークレーンの設置要望、西港区臨海道路の整備、船舶の航行上の安全対策、もちろん空港整備についても国際化やチャーター便の誘致促進など、今後において取り組むべき課題は山積しております。とりわけ特定重要港湾への昇格問題は、当市の最重要課題であります。港湾や空港を利用される方々は、安全、迅速、確実なサービスを絶えず求めておりますし、それに伴いまして港間の競争は、ますます激しさを増すことが予測されます。来年度には、当市において日本港湾協会の総会も計画されております。港湾や空港の整備に関する国への要請活動もますますふえるでありましょう。そのような意味合いからも、港湾部の統合は、単に庁内の行財政改革の問題にとどまらず、地域経済の浮沈にも影響を及ぼす重要な問題であると指摘せざるを得ません。 港湾部の統合再編につきましては、以上の観点から、ぜひとも再考を求めたいと強く要望いたします。市長のご認識とお考えをお聞かせください。 以上で市政クラブの代表質問といたします。 ○議長(草島守之君) 理事者の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(伊東良孝君) (登壇)市政クラブの淀川了一議員の代表質問にお答えしてまいります。 まずもって、多岐にわたり、ご提言を踏まえて貴重なお話をいただきました。これからもまた肝に銘じていくところでございます。 さて、市政方針にかかわって、少子化の現状に対する認識についてご質問がございました。 釧路市の合計特殊出生率は、全国平均を下回る、現在1.26でありまして、15歳未満の子供が市の人口に占める割合も年々減少傾向にあります。晩婚化、未婚化や、あるいは育児にかかる経済的な負担など、少子化の要因とされる社会的な背景は、釧路市におきましても同様と言えるわけであります。 少子化の進行は、子供や社会にとりまして深刻な影響を及ぼすことから、本市にとっても重要な課題ととらえております。このため、次世代育成支援対策地域行動計画におきましては、次世代を担う子供たちの幸せを願い、市民が協働して育む明るいまちを基本理念と定め、子供の視点、子育て家庭の視点、社会全体での子育て時代の親づくりの視点から計画を推進することといたしております。 一方、高齢化の急速な進行は、社会や経済、地域の持続可能性を基盤から揺るがし、経済的基盤の脆弱化や社会保障における若年層の負担の増大、地域社会の活力の低下など、深刻な問題を引き起こすことが懸念されております。このため、社会全体で高齢者を支えるための基盤づくり、高齢者が生き生きと生活できる仕組みづくりとネットワークが極めて重要になってくると考えております。 今後、少子・高齢化社会に対応したまちづくりを積極的に進めていかなければならないと考えているところでございます。 次に、地域力についてでございます。 釧路市は、阿寒、釧路湿原という2つの国立公園、そして天然記念物でございます、世界ブランドと言えるタンチョウ、マリモ、これを有する国内屈指の自然の宝庫であり、一流の国際観光都市となる素養を持っております。また、この豊かな自然がもたらす多様な資源、あるいは合併をよって厚みを増した産業、優秀な技術力、豊富な人材、充実した社会資本など、まさに議員ご指摘のとおり、どこにも負けない地域力を有しているものと考えております。これからのまちづくりにおきましては、潜在能力として存在する豊富な地域力を顕在化させるための施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。 次に、指導力、統率力を持って、発想豊かに部下の能力を存分に引き出すことに意を用いて市政執行を行えということでございます。 市政執行に当たりましては、私の方針、考え方と職員一人一人の思いが一つになることが、特にこの厳しい財政状況下では大切なことと認識をいたしております。いかなる場面におきましても、双方の共通認識のもと、市民の目線で業務を執行していくことが強く求められ、結果、そのことが市民の共感と信頼を得られることにつながると考えております。 今後とも、職員に対する指導力とともに信頼感を強めることが、職員の士気の高揚となり、政策形成に生かされ、職員意識の醸成ともなり、市民が真に求める行政運営の執行が可能になると考えております。 次に、都市機能整備に関しまして、釧路駅周辺まちづくりについてでありますが、駅周辺の再整備におきましては、市を初め行政主導だけでは、まちづくり効果を向上させることは非常に難しく、これは商業者を初め、市民との協働によるまちづくりが必要不可欠であります。そのようなことから、ご指摘のように、市民に対して事業費や市民負担、事業効果等の情報公開や意見集約を実施し、また、旭跨線橋や北中跨線橋のかけ替えの見通しについて明確にしていく必要があろうかと思います。基本構想を検討するに当たり、駅周辺は、今後とも釧路市の顔として拠点性の極めて高い地域であり、中心市街地に与える影響は大きく、長期展望に立ち、景観などさまざまな視点から、しっかりとした中心部のグランドデザインを描き、検討する必要があると考えております。 また、空き店舗活用事業や中心市街地活性化対策についてでありますが、商店街エリアにおける空き店舗、空き地の状況につきましては、ご指摘のとおり、退店・廃業などによって増加の傾向が続いております。とりわけ中心市街地におきましては、大型空き店舗の増加、建物の取り壊しやその跡地の駐車場利用、さらには店舗の住居化など、さまざまな形で建物や土地の利用状況が変化してきております。そのような状況の中で、中心市街地活性化対策として取り組んでおります補助制度や融資制度につきましては、活用いただいている事業者や商店街の皆様に大変喜ばれているところであり、効果的な事業と認識をいたしているところでございます。 また、商店街実態調査の活用についてでありますが、これは商店街等の現況把握、商業施策立案のための情報収集、商店街に提供可能なデータベースの構築等を目的として、釧路商工会議所、釧路まちづくり支援センターと共同しながら毎年実施しており、報告書は大きく分けて商店街の組織調査と空き店舗・空き地調査の二本立てとなっております。この調査結果につきましては、商業施策の構築、または改正について検討していくための基礎的なデータとして活用し、これまで平成11年度のチャレンジストア事業、都心部にぎわい創出推進事業、地域密着型サービス推進事業の創設、平成12年度には空き店舗活用事業資金の創設、平成15年度は大型空き店舗等活用支援事業の創設のほか、平成16年度には大型空き店舗等活用支援事業の改正や商店街パワーアップ事業への補助制度の改変など、商店街等の魅力アップや商業力の向上を推進する施策づくりに機能してきたものと考えております。 また、北大通地区のまちづくりの今後についてのお尋ねでありますが、どのように考えているのかというご質問でございますが、釧路の顔であります釧路駅周辺地区から幣舞橋にかけての一帯の地域は、釧路市のシンボルゾーンでありますことから、これからも都市機能の集積をもたらすまちづくりが必要であると考えております。つきましては、釧路駅周辺を含む中心市街地のグランドデザインを早急に描き、これをもとに回遊性があり、かつ時代の要請に応じた居住、商業、サービス、観光などの都心機能を有する魅力のある中心市街地にしなければならないと考えております。 また、空洞化対策としての歩行者天国の取り組みについてでありますが、中心市街地の空洞化対策として歩行者天国の実施ということでありますけども、高い公共性がない状況における公道使用につきましては、警察との協議の中では極めて困難であるとの認識を示されております。また、集客を図るためには、道路開放だけではなく、集客性を持ったイベントを並行して実施することが不可欠であると思います。 昨年、港まつりにおきましては、恒例の歩行者天国のほか、新たな取り組みとして、霧フェスティバルとの連携の中で北大通の国道使用を行い、駅前から幣舞橋に至る北大通の一体的道路開放がなされました。また、くしろ大漁どんぱくにおきましても国際交流センター前道路を初めて開放いたしました。その結果、開放された道路は多数の市民によってにぎわい、イベントそのものも大きな成功をおさめたところであります。このように、イベントに附帯する道路開放を一歩一歩進めていくことで、イベント自体の盛り上がりを生むとともに、中心市街地の活性化につながっていくものと考えております。 コンパクトシティについてでありますが、これまで都市の成長・拡大に対応した市街地整備を行ってまいりましたが、今日の少子・高齢化社会や環境問題、経済状況の変化する中、市街地の拡大は行わず、社会基盤整備としてのストックを活用しながら効率的な都市経営を行うことと認識をいたしております。そのようなことから、市といたしましては、既に社会基盤整備は整っており、さまざまな都市機能の集積が図られている中心市街地におきまして都心部の定住促進に向けた借り上げ公営住宅の推進やリバーサイドの整備、MOO周辺のリニューアル整備、さらには駅周辺の再構築を図ってまいりたいと考えております。 また、歩行者ネットワークシステムについてでありますけども、現在、釧路市の中心市街地におきましては、釧路川リバーサイド整備やフィッシャーマンズワーフ地区整備、幸町シビックコア地区などにおいて拠点性を高めるための事業を推進しているところであります。これら各拠点ゾーンを結ぶ歩行者ネットワークの充実は、地区ごとのにぎわいのみならず、中心市街地全体のにぎわいの創出にとって欠かせないものであると認識をいたしております。今後、都心部におきまして、各地区の特性を生かし、回遊性の向上を目指した魅力ある歩行者空間の整備、さらに冬期間も考慮した歩行者に優しいバリアフリー事業の推進などを図ってまいりたいと考えております。 次に、新年度における森林セラピーモデルツアーの予算内容等についてでありますが、新年度における森林セラピーモデルツアーにつきましては、森林浴を核として、これに国立公園の見学、釧路のグルメ体験、温泉リラクゼーション、カヌー体験や産業観光など、多数のメニューを組み合わせた健康増進モデルツアーを市民・団体に実施していただくものであります。森林浴メニューにつきましては、阿寒のトドマツ原生林での森林浴ウオークと釧路湿原において湿地の花を観察しながらのウォーキングを予定しており、ツアーの結果を見ながら、森林セラピーの観光メニューとしての可能性を検討にいたしてまいります。平成19年度以降につきましては、平成18年度の結果を検証した上で、音別をも含めて、モデルコースの検討などの観光資源化に向けた取り組みを想定いたしております。 また、森林浴におけるメニューづくりと人材の確保についてでありますが、ご指摘のとおり、阿寒や音別にはすばらしい森林資源があり、これらを観光資源として活用することは重要であると考えております。また、議員にお示しいただきました森林浴と温泉浴との組み合わせなど、森林浴を他の観光資源と連携させる中で、さらなる魅力を引き出せるものと思っております。しかしながら、観光を目的とした事業化には、主体となる事業者が必要であることから、どのような事業主体との組み合わせが可能なのかを今後検討してまいります。また、事業の具体化のためには、専門知識やノウハウを持った観光事業者や市民活動団体との緊密な連携により、多様化する観光客のニーズに対応していくことが肝要と考えております。 森林セラピーの新たな産業としての可能性、経済効果、今後の取り組みについてでありますが、この可能性につきましては、森林セラピー研究会においてさまざまな効能の検証や普及啓発を行っているところであり、市としても関心を持って、その活動内容や研究成果を注目していきたいと思っております。今後は、健康や学習など多様な観光ニーズにこたえ得る観光資源としての森林セラピーへの取り組みを進めていきたいと考えており、そのためにも、まずは新年度に行う森林セラピーモデルツアーの検証が重要であると考えております。 次に、MOO再生計画に係るリニューアルプランの内容についてであります。 昨年9月28日に再生市民委員会よりご提言をいただき、この間、再生のためのリニューアルプラン策定を進めているところであります。 できる事業は速やかに実施するため、本プランにおける骨格事業につきましては、国の都市再生整備計画によるまちづくり交付金により進めることが、財源対策上からも得策であると判断し、現在、申請・協議を終え、採択通知を待っているところであります。 リニューアルプランの具体的内容につきましては、採択の見通しがつき次第、議員各位に明示してまいりますが、その骨格事業は、委員会のご提言に基づき、観光をテーマとしたにぎわいの創出を図るため、市として、景観上すぐれた建物の保存と防災対応、バリアフリー化など、基盤整備をしっかり行うことと観光によるまちづくりを進めるため、霧、夕日、河川など、立地特性を生かした既存スペースの改築を行うことといたしております。 また、市民と来訪者の交流促進を図る施策といたしましては、公共スペースを確保した上で、新市の水産物、農産物など地域特産品を頒布するコーナーや都市観光をテーマとしたガイダンス機能の設置、くじらのまちづくりを初め、水産都市釧路の情報発信を行う取り組みを市民協働により、来訪者に喜ばれるテーマで展開してまいります。さらに、少子・高齢社会を念頭に、市民・来訪者が訪れるに当たり最良な環境づくりを図るため、交通アクセスにつきましても、社会実験などを通じて試行してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、リニューアルプランを絵にかいたもちとしないよう早期に事業実施するため、財源対策もあわせて進めておりますことから、計画明示の時期にご理解をいただきたいと存じます。なお、採択通知は、3月中にもいただけるものと考えております。 MOO再生の姿勢についてあります。 やる気さえあれば、お金をかけずに、すぐでも実行できると思うがということでございますが、平成17年4月1日よりフィッシャーマンズワーフMOOが公共施設となったことで、市民の求める利活用方策を伺う一方で、この間、河畔開発公社としてすぐにできることは取り組む姿勢で、市民へのサービスに努めているところであります。 MOOのにぎわいづくりに資する事業につきましては、昨年より施設の無休化や営業時間の拡大、専用駐車場の30分無料化、駐車場精算機の更新を行うとともに、旅客ターミナルの照明改良や、各入り口の名称化や、各店舗を紹介するサインの作成など、経費を余りかけずにできることから、MOOが担う公共サービスの向上に至るまで取り組んできているところであります。また、このほか、地元協同組合との連携によりフィッシャーマンズワーフカードを発行し、湿原保全の社会貢献にも関与を図っております。さらに、経営上では、公社自主事業の不採算部門を縮小するなど、過渡的な状況にありますが、できることは最善をもって取り組んでいるところであります。 市民意見をいただくに際し、年齢、職業の記載をというお話でございます。 MOO再生市民意見募集につきましては、MOO再生市民委員会からの議論の一部を参考事例として示した上で、市民からMOO活性策を募集したものであります。平成17年8月9日から8月26日までの18日間に、ご意見が59件寄せられました。長文のご意見も多く、中には原稿用紙換算で30枚もの投稿もありました。これらのご意見は、MOO再生市民委員会の意見に反映されております。 MOO再生市民意見募集につきましては、委員会の主要な提言に対する市民の意見を期待しており、募集要領そのものも市民委員会の意見に基づいて構成しており、住所と氏名、電話番号に限って個人特性を記載いただいたのは、提言書をお送りするこちら側の必要があったためであります。今後とも、意見募集やアンケート募集の実施に際して、記載いただく個人特性の範囲につきましては、調査目的に応じて適切な項目を判断してまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。 次に、食を通じた顧客満足についてでございます。 提言書に一定掲載されております市民よりちょうだいしました意見総数352件のうち、実に52件、15%が食に関する内容であり、改めて市民の食に対する関心の高さがうかがわれます。個々の店舗経営に関するメニュー開発までの関与はなかなか難しいものの、地域ブランドとしての食をテーマとしたMOOとしての取り組みは重要であり、市民委員会からは、浜料理など地域魚食文化の振興が求められております。 魚食文化の振興につきましては、MOOならではの立地特性を生かした岸壁炉端での情報発信や、本年1月に開催いたしました食の魅力アップ事業による季節の魚、タラによる浜料理やエゾシカ料理の情報発信などを、MOOを食のステージと見立てた試行事業にも取り組んでいるところであります。今後におきましては、公社の事業展開として食の発信に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、生活環境整備に関連して、幹線道路の整備、旭橋通の整備計画についてであります。 旭橋通につきましては、都市計画上、市内中心部と緑ケ岡、武佐地区を結ぶ重要な幹線道路であり、また教育施設や医療機関が集積する地区のため、道路利用者の安全確保や交通渋滞の緩和から早期の道路整備が必要な路線と、私も強く認識しているところであります。したがいまして、この事業につきましては平成19年度には着手できるよう、北海道と連携を図りながら事業化に向けて取り組みを行ってきておりまして、平成17年度におきましては測量調査及び概略設計を行い、平成18年度は工法検討など事業化に向けて準備を進めることといたしております。今後も、国の道路予算の情勢変化など見きわめも必要となりますが、平成19年度の事業着手に向けて鋭意進めてまいりたいと考えております。 次に、除排雪体制についてでありますが、平成16年度より取り組んでおります新除雪体制につきましては、市民の皆様のご理解とご協力をいただきながら迅速な対応に努め、市民生活や交通安全の確保を図ってきたところであります。また、除雪時、除雪作業終了後におきましても、路面状況の点検を行うとともに、住民要望も含め、車道幅員の確保や見通しの悪い交差点の雪山除去、また特に車両が集中する路線に対し排雪を行ってきたところであります。さらに幹線道路におきましては、除雪後時間の経過とともに、雪出しや解け出した雪の固まりなど、路面状況の変化により交通に支障となる場合につきましては、これまでも対応してきたところでありますが、議員のご指摘の点を踏まえ、今後一層パトールの強化を図り、路面状況を的確に把握するとともに、排雪などを実施し、交通安全の確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、緑ケ岡公園の整備についてであります。 (仮称)緑ケ岡公園の整備につきましては、平成14年度にワークショップにより基本構想を策定し、平成15年度は現況調査を実施したところでございますが、その後、国の都市公園整備の補助制度が大きく変わったため、補助事業で整備をするためには緑化重点地区計画、この策定が必要になったところであります。このため、平成16年度はこの緑化重点地区計画を策定し、(仮称)緑ケ岡公園を都心部緑ケ岡緑化重点地区へ位置づけをしたところであります。今後におきましては、公園区域の都市計画決定などの手続を経て、平成20年度に基本設計を行い、平成21年度から補助事業を導入し、実施設計と整備に着手したいと考えております。 次世代育成支援事業に関連して、全国的な傾向としての虐待やいじめの届け出、相談件数が増加傾向にあるがと、法改正後の釧路市の実態はどうなっているのかというお尋ねであります。 一昨年10月の改正児童虐待防止法の施行に続き、昨年4月には児童福祉法も改正されたところでありますが、虐待を受けている子供を初めとする要保護児童の早期発見や適切な保護を図るために、既に設置しております釧路市家庭福祉推進連絡協議会に要保護児童地域対策協議会を併置し、児童相談所や教育委員会など関係機関と連携を密にしながら、児童虐待問題に対応をしているところであります。 釧路市の児童虐待の実態といたしましては、関係機関による児童虐待を扱ったケース検討会議の開催件数は1月末で67件となっており、前年度の53件を上回っております。開催件数の約7割が子育て環境が劣悪な養育放棄や養育困難のケアが実態となっておりますが、年々地域の方々の児童虐待に対する関心が高まったことから、潜在化されていた養育放棄や養育困難な問題が表面化されてきた結果と思われるわけであります。 児童福祉士の数の充足についてでありますが、児童福祉法の中では、児童相談所に配置しなければならない児童福祉士についての規定はありますが、市町村には児童福祉士の配置は義務づけられておりません。現在、児童家庭課には、同様の機能を果たすケースワーカー職が3名配置されておりますが、平成18年度にはケースワーカー職1名を増員することといたしており、増加する相談や支援体制の充実に努めてまいりたいと考えております。 児童相談所の人員体制につきましては、これにつきましては、北海道では児童相談所の強化の一環として、平成13年より職員の増配置を進め、児童福祉士については国の基準を満たしていると聞いております。当市を担当しております釧路児童相談所におきましては、児童虐待防止法が施行された翌年の平成13年度には、児童福祉士は、それまでの4名体制から1名増となり、さらに現在は7名体制となっております。 合併後の新たな取り組み、改善についてでありますが、旧釧路市では既に釧路市家庭福祉推進連絡協議会を設置し、関係機関や団体と連携を図りながら児童虐待等の要保護児童問題に対応しておりますが、阿寒・音別の行政センターにつきましても、釧路市家庭福祉推進連絡協議会と連動し、それぞれの地域で要保護児童の早期発見や防止・擁護活動を行うための「家庭福祉推進ネットワーク会議」を平成17年度内に設置することとしており、今後も関係機関や団体、地域の方々と連携を強化しながら取り組んでまいりたいと思います。 次に、子供への暴力防止に関する教育プログラム──CAPについてでありますが、今後の計画ということでありますが、このCAPとは、子供が自分自身を大切にして生きていくための人権意識を育てるとともに、子供たちがいじめや誘拐やさまざまな暴力から自分を守るために何ができるかを伝える教育プログラムであると伺っております。これまで、家庭教育学級や健全育成連絡会議の講座として開催実績があります。子供がみずからの力でいじめや暴力から身を守ることは大事なことであり、子供安全対策の実践事例として関係機関・団体への周知に努めたいと思います。また、実施団体であります「くしろCAPをすすめる会」は、DV問題や要保護児童に関する競合機関である釧路市家庭福祉推進連絡協議会の構成団体でもありまして、今後とも十分連携を図ってまいりたいと考えております。 次に、こども保健部の新設に関して、窓口の明確化及び事業の総合的な調整についてというご質問でありますが、少子化、核家族化による社会の変化に伴い、子供に関する要望や相談は複雑多岐にわたっておりますことから、こども保健部の設置により、子供をめぐる各種相談等の窓口の明確化を図るものであります。ただし、相談内容によりましては、専門的・個別的なものもありますことから、こども保健部所管以外のものにつきましては、従来どおり関係部署との連携のもとで対処することになるものと考えております。 子育て支援に関する各事業の展開につきましては、平成16年度に策定いたしました次世代育成支援対策地域行動計画に基づき、個別施策については各セクションが事業実施に当たりますが、事業が効果的に実施されるよう、必要に応じ部門間の調整と相互連携を図りながら、こども保健部が進行管理を行うことになると考えております。 また、子供の安全対策についてでありますが、各地で子供を巻き込んだ事件や事故の報道を目にするたびに非常に痛ましく、残念に思っております。市では、釧路市市民生活の安全に関する条例に基づき、釧路市連合町内会や防犯協会など25の関係機関による釧路市生活安全推進協議会を平成17年3月に立ち上げ、市民の安全で安心な暮らしづくりを進めるため、積極的に情報交換や啓発活動を行っており、市の公用車による「110番協力車」のステッカーの取り組み、あるいは青色防犯灯──青パトの普及・PRを行っております。一方、地域では、町内会やPTA、学校、職域による自主防犯パトロール隊が組織され、熱心に地域活動に取り組んでいただいております。また、防犯協会ではこれに連動し、ジャンパーや腕章の貸し出しも行っております。 幼稚園や小中学校の登下校時における安全の確保は、警察や教育関係者だけではなく社会全体で取り組まなければならない重要な課題と痛感しており、教育委員会や小中学校校長会など子供に関する機関や連合町内会、老人クラブ連合会など地域活動にかかわる機関、あるいは消費者協会や防犯協会など市民生活の保護にかかわる機関、さらに釧路警察署などと一丸となって、地域の安全・安心を確立するための抑止対策を引き続き実施してまいります。 また、警備・防犯専門会社からの人材派遣も必要ではないかと。また、他の自治体と連携し要請行動を起こすべきではないかというお話でございます。 児童・生徒の安全対策は、最重要課題と認識しております。新年度には、電子錠、緊急通報システムなどの整備を予定しておりますが、これに加えて、先ほども申し上げましたように、学校関係者、PTA、地域住民の連携協力を得ながら、学校の安全対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 議員ご指摘の警備防犯専門会社からの人材派遣に対する国や道への要請行動につきましては、教育委員会と連携しながら、他の自治体と情報交換を密にしてまいりたいと考えております。 次に、小中学校の統合後の跡地利用についてでありますが、柏木小学校につきましてお尋ねであります。 柏木小学校の跡地利用につきましては、校舎の一体的な利用の観点や立地条件などから、引き続き検討を進めることといたしております。柏木小学校では、現状におきましても、春採湖の豊かな自然環境に恵まれた立地条件を生かして、環境教育のモデル的な取り組みが行われているところであります。跡利用の具体的な検討におきましても、環境保全や自然保護の普及啓発の拠点としての利活用という観点は大変重要であると認識いたしております。この跡利用につきましては、ご提言の趣旨も念頭に置きながら、市民要望、施設全体の一体的な利用、そのほか他の公共利用目的、周辺公共施設との機能分担、交通アクセスや周辺環境といった立地条件、さらには法的あるいは財政的側面など総合的な検討を行い、結論を出してまいりたいと考えております。 次に、審議会等で女性委員の割合の目標値30%達成の見込みというご質問でありますが、各種審議会等への委員の委嘱に当たりましては、男女共同参画プラン初年度の平成9年に18%だった女性委員の割合を、平成18年度末までに30%にするとの目標を掲げ、女性登用の促進に努めてきたところであります。合併に伴い、各種審議会自体を新市において新たに設置する必要があり、それに伴い、委員につきましてもすべて新たに委嘱することとなったわけでありますが、本年3月1日時点では、新たに設置することとされた64の審議会等のうち、39の審議会等で委員の委嘱を終えております。委嘱済み委員総数714名中、女性委員は169名と23.67%の割合となっており、合併前の釧路市における22.25%は上回っている状況ではありますが、まだ若干足りないところであります。今後、残る3割ほどの審議会の委員を随時に委嘱することになりますが、平成18年度末にプランの目標値である30%を達成できるよう、引き続き女性委員の登用を積極的に進めてまいりたいと考えております。 最後に、港湾部の統合再編について、再考を要望されたところでございますが、港湾部が所管をしております釧路港と釧路空港につきましては、ともに東北海道の玄関口として、ご指摘のとおり、極めて重要な役割を果たしてきたところであります。歴代の市長も港湾管理者として、市政の重要懸案事項としての強い意思で港湾整備に取り組んできたことが東北海道経済全体の発展に寄与し、釧路市の3大基幹産業を力強く支えてきたことは、言うまでもない事実であると受けとめております。 議員ご指摘のご心配の点も、港湾行政に対する強い思いからとご推察いたしますし、私も意をともにするところであります。今回の土木港湾部への統合再編は、今までにも増して関連する業務の連携により組織の機動性を発揮するため、発展的に組織を再編するものであります。私自身も、今後とも意を新たに釧路港発展のために積極的に取り組んでまいる所存でございますので、どうぞ土木港湾部へのご理解をお願い申し上げる次第でございます。 私からは以上でございます。 ○議長(草島守之君) 教育長。 ◎教育長(上原丈和君) (登壇)私からは、教育問題についてお答えをさせていただきます。 最初に、登下校時の安全対策についてでございます。 近年、全国各地で子供を巻き込んだ悲惨な事件・事故が多発し、子供の登下校時の安全確保が大きな問題となっております。教育委員会では、子供の安全確保を最重要課題と認識し、新年度も重点を置いて具体の取り組みを進める考えでおります。 具体の取り組みの1点目は、ご質問にもございましたが、地域住民の視線ということは大変重要なことでございます。PTAや地域、関係機関、連合町内会、釧路市生活安全推進協議会などと連携を深め、地域が一体となって子供の登下校の安全を見守る協力体制を強化していく考えでございます。 2点目は、警察など関係機関との連携を一層推進し、学校への迅速な情報提供を行い、子供たちへの指導や家庭への情報発信が適切に行われるようにしてまいります。 3点目としましては、子供が不審者への適切な対応ができるように、危険回避能力を身につけるための防犯教室などの開催を、今年度に引き続き支援をいたします。 4点目としては、平成18年度も子供たちへの防犯ブザーの配布を引き続き実施するとともに、防犯ボランティアの方々につけていただく腕章や帽子などを整備することとしております。 次に、徹底した防犯教育ということでございます。 児童・生徒にかかわる凶悪犯罪がふえている現在、大人も子供も同じ目線で地域を見直し、不審者への対応を再確認することは大変重要なことと考えます。釧路市は、北海道の通達に基づき、全小中学校に通学路の安全点検に関する通知を出し、学校単位で通学路の点検に取り組んでおります。平成17年度は、「こども110番の家」のリーフレットを全小中学生に配布し、不審者に遭遇したときの「こども110番の家」の活用や、通学路を保護者と一緒に確認し、危険箇所や110番の家を地図にまとめるなどの取り組みを啓発してまいりました。 また、各学校において、保護者と子供が一緒に校区の安全マップを作成したり、地域安全ボランティアの全校児童・生徒への紹介、顔写真入り校区マップの作成など、子供たちと地域の大人が触れ合いながら安全への認識を深める取り組みを進めており、これら市内の実践事例を各学校に紹介しております。平成18年度もこうした取り組みをさらに充実・継続し、子供の目線を重視した安全教育に力を入れてまいります。 次に、統合後の柏木小学校の利活用について、生涯学習の観点での考えられる利用についてのご質問でございます。 柏木小学校につきましては、平成20年度に日進、東栄の2校との統合を予定しておりますが、統合後の空き校舎の活用方法について、全市を挙げて検討しているところでございます。 生涯学習の観点で考えられる利用はどうかということでございますが、春採湖を含む周辺のロケーションを生かしながら、生涯学習利用施設のみならず、健康志向の高まりの中、ウオーキングやジョギングなど、生涯スポーツ施設としての活用なども考えられるというふうに思うところでございます。だれにでも利用可能な多目的施設とのご提言の趣旨も踏まえ、市長部局とも連携の上、活用策を検討してまいりたいと考えております。 次に、男女共同参画社会の構築についてお答えをさせていただきます。 女性登用、女性参加機会拡大の新プランへの反映についてですが、平成9年のプラン策定に当たり、行政分野への女性登用、女性参加機会の拡大につきましては、登用率を10年間で30%とする唯一の目標値を設定し、プランの目標にもあります政策方針決定の場への女性参画の促進について、庁内関係会議を通じ、公募制の拡大を含め女性委員の拡大に努めてきたところです。また、女性団体活動の中に、市政やまちづくりへの関心を高めるための学習の場を設けることや、人材育成を目的とした道外研修派遣など、女性の積極参加への取り組みを進めてまいりましたので、地域で活躍する女性が確かにふえていることを実感しております。 新しいプラン策定に向けましても、ご指摘の女性の参画機会拡大について確実に反映されるよう、今後設置予定のプラン推進懇話会にも引き継いでまいりたいと考えております。 次に、男性の参加を促すための講演会等開催日程の工夫についてですが、男女共同参画に関連する講座や講演会につきましては、ご指摘のように日中の開催が多く、確かに男性の参加が少ないと聞いております。講演会や講座の開催につきましても、幅広く多くの市民の参加をいただくために、関係団体との共同開催や、庁内関係課、関係機関との連携での取り組みを進めているため、休日や夜間の開催が難しい面もありますが、関係機関等のご理解もいただきながら、開催日程の工夫や男性の参加を進めるよう働きかけたいと考えております。 なお、企業・団体への参加促進についてですが、企業・団体への参加呼びかけにつきましては、これまでも改正男女雇用機会均等法やセクシュアルハラスメント、育児・介護休業法の説明会等、企業・団体からの参加をいただいております。今後も関係機関・団体と連携し、企業・団体への積極参加を促してまいりたいと考えております。 次に、新プラン策定のための市民意識調査の阿寒・音別地区の実施についてでございます。 男女平等に関する市民意識実態調査につきましては、法務省の人権啓発活動地方委託事業の一環として北海道が実施する地域人権啓発活性化事業の委託を受け、実施をいたしました。事業の実施は、平成17年度に旧釧路市に対し決定されたものでありましたことから、合併予定を考慮しての拡大調査を実施することは困難でありました。しかしながら、市民意識調査は、くしろ男女共同参画プラン、これは平成20年度から平成29年度を予定してございますが、この策定や施策等の参考となる大変貴重な資料でありますことは、議員ご指摘のとおりであります。したがいまして、阿寒・音別地区の調査につきましても、平成18年度の次期プラン推進懇話会の中で調査内容等を検討し、実施できるよう努めてまいりたいと思っております。 男女共同参画に関する条例制定の件についてでございます。 くしろ男女共同参画プランは、平成9年度に男女平等とお互いの人権を尊重し合い、男女があらゆる分野において平等な立場で参画し、ともに責任を担う社会の実現を目指すために策定され、平成18年度で最終年度を迎えます。 21世紀のまちづくりに、男女共同参画社会の実現は欠くことのできない課題と認識しており、平成18年度から策定予定の新くしろ男女共同参画プランにおいて設置するプラン推進懇話会での討議を進め、その中でご提案の条例制定につきましても、課題の一つとして検討していきたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(草島守之君) 33番淀川了一議員。 ◆33番(淀川了一君) (登壇)2点お伺いをいたします。 都市機能整備の中の歩行者天国なんですけども、まちが寂れて、じゃ、そのままでいいのかと言ったら、決してそんなことはなく、各地でもやっぱりいろんな取り組みをしている中で歩行者天国の復活という、そういうことをやっている都市が結構ありまして、その例を一々この場では出しませんけれども、やっぱりその中で地域のいわゆる商店街の人たちだとか、あるいは警察の協力もかなりいただいているということなんです。 今までも釧路でやるに当たって、どうしても高いハードルがあるということなんですけれども、まちがこのままだったら、もうそれはそれでいいんですけれども、やっぱりみんな思っているのは、この北大通、何かにぎわいを求めるためにどうしたらいいんだろうという、そういう思いが強いものですから、高いハードルをクリアするために何ができるかという、そこの段階で既に難しいからだめだということになっちゃうと、これはもうどんなことしてもやっぱり復活はなかなか難しいんじゃないかと私は思っております。 大きいところでは、東京の銀座だとか、あるいは横浜中華街だとかという、余り釧路とは比較にならないぐらい大きなまちですから、比較にはならないんですけれども、でも松山市だとか、あるいは十和田市だとか金沢、これも大きいまちだといえば、大きいまちかもしれないですね。でも、大きなまちでもそういう苦労がやっぱりあるんですよ、商店街で。ですから釧路もまだまだ検討して、何か方策を見出すようなことができないのかなということでの提案をさせていただきました。これについて、もう一度ご答弁をお願いしたいと思います。 それから、港湾部、やはりそういうお答えは想定しておりましたけれども、先ほどの私の話の中でも小樽とか室蘭というのは、実は港湾部ということで、まだしっかりと部として存在をしております。しかも、先ほどの話の中でも、開港したのも、同時に釧路も開港している。これだけ長い歴史の中で、小樽も室蘭もやっぱり頑張っているんです。恐らくは行革の中でそういうようなお話も出てきたと思うんですけども、やっぱりそれは今までの長い歴史、それからやってきた実績なんかを見たときに、単に行革だけで統合ということに、果たしてなるのかなと思うわけであります。 しかも、たまたまこれ、恐らく同僚の続木議員もこれに関する質問をするというふうに私聞いたものですから、ぜひぜひやってもらいたいんですが、(笑声)じゃ、組織もこれ集約するんでしょうか。さっきの答弁では、機動力を発揮して云々という答弁がありましたけれども、機動性ですかね。でも、西港の港湾部の庁舎は多分残ると思うんですよ。私もそういうふうに聞いておりました。そしたら、組織の統合と言っても結局はあそこに、港湾部の最前線をあそこに置くということは、いわゆるこれは行革の部分じゃなくて単なる数合わせでやっているのかなという、そういう感じもちょっとしたものですから、明快にちょっともう一度聞いておきたいと思います。行政改革であれば組織も一本化して、そして河川の問題だとか道路問題も、やっぱり人心も集約してやるべきだと、それであれば私も納得しないわけでもありませんけれども、決してそういうふうにはなってないなということがあるもんですから、ぜひお願いをしたいと思います。 終わります。 ○議長(草島守之君) 市長。 ◎市長(伊東良孝君) (登壇)淀川議員の再度のご質問にお答えしてまいります。 都市機能に関しまして、歩行者天国、再度検討できないかというお話でございます。 私も過日、東京銀座の歩行者天国、歩いてみたところでありますが、釧路市の北大通とは大分条件が違うのではないかという感じがいたしております。先ほどから申し上げましたように、大きなイベントに関しての歩行者天国は、恐らく成り立つのではないかなと思いますが、駅前から例えば十字街まで、あの通りを何もイベントのやっていないときに交通どめにして歩行者天国ですという話になりましても、なかなか歩いていただける、あるいは遊んでいただける方々というのは少ないのではないかなという思いをいたしているところであります。逆に道道、国道ではなくて、市の管理する市道上でもう少し限定的な幅の狭い部分においての特定の曜日、あるいは期間などに限って、その地域の商店街が一緒になってそこを盛り上げるということであれば、これは可能ではないかというふうに思うところでありまして、やはりどうしても集客するためのイベントと歩行者天国というのは、連動するのではないかという私どもの考え方でございますので、商業者の皆様方と、またこれはご協議をさせていただきたいと、このように思うところであります。 次に、港湾部の件でありますけれども、ご案内のとおり港湾部、機能を損なわせるものでもございませんし、港湾に関して、あるいは空港に関して、釧路の重要な施設であり、今後の産業を支える施設であることは先ほども申し上げたとおりでございます。ただ、一つの部として25名という極めて小さな所帯になっておりまして、一方では数百名という部がこれありということもございまして、その仕事内容も共通する部分などが都市建設部とあることから、これを土木港湾部として機能性を高めるということになっております。組織的には、参事がここにつくわけでありますが、課長職兼務の参事職で、人員は1名減の予定になっております。しかし、土木を専門とするところとの統合により、これらの機能につきましては何ら損なわれることがないというふうに確信をしておりまして、さらには逆に、臨港道路等々のふくそうする事業も今まであったものでありますから、こういったことから考えますと機能性は向上するのではないかと、このように考えているところでございますので、どうぞ基本的重要度というのは、何ら変わることはないわけでありますので、ご理解をいただきたいというふうに思う次第であります。 ○議長(草島守之君) 再開を午後3時40分とし、暫時休憩いたします。             午後3時24分休憩 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  午後3時40分再開 ○副議長(上口智也君) 再開をいたします。 次に、市民連合議員団代表、53番千葉光雄議員の発言を許します。 53番千葉光雄議員。 ◆53番(千葉光雄君) (登壇・拍手)私は、市民連合議員団を代表して、市政方針、教育行政方針並びに平成18年度予算案について、意見を交えながら質問してまいります。 さて、本定例会は、合併後初めて市長並びに教育長の方針が示され、その考えを具現化するための本格予算が提案されております。その意味では、新釧路市として事実上のスタートを切る合併元年の定例会でありまして、新たな歴史の始まりを強く感じているところであります。したがって、私ども市民連合議員団は新釧路市の議員としての責任を再認識して、市民の皆さんの生活向上、元気な地域の実現のために、全力を尽くす決意を、まずもって申し上げておきたいと思います。 質問に入ります前に、一言申し上げます。 このたび、イタリアのトリノで行われた冬季オリンピックにおいて、釧路市立星園高校出身の岡崎朋美選手が、スピードスケート女子500メートルで堂々の4位に入賞いたしました。長野で銅メダル、ソルトレークシティで6位と、3大会連続の入賞でありまして、その頑張りに心から祝福の拍手を送りたいと思います。 また、昨日、日本製紙クレインズが、アイスホッケー全日本選手権で優勝されました。創部60年にして初めての優勝という快挙でありまして、これもまた市民の皆さんとともに、お祝いを申し上げたいと思います。 さらに、青陵中学校の赤神選手が、スピードスケートのオリンピックオーバルファイナル国際競技会に日本代表として、これまでの実力が認められて出場することになりました。 これらの選手あるいはチームの活躍は、氷都くしろの誇りでありまして、スケート選手を目指す子供たちにとっても格好の目標となるものと思いますし、今後も後に続く選手が育つことを強く期待するものであります。 それでは、以下質問に入ります。 まず、新市を取り巻く環境を見てみますと、人口の減少、支店・営業所など出先機関の撤退、丸井今井の撤退、水産物の水揚げ減少、商業部門での外来企業の進出等々、地域経済の縮小に歯どめがかからない状況が続いております。また、時代の潮流は、少子・高齢社会の急速な進展、地球規模でのグローバル化の進展、地方分権と三位一体改革による交付税や補助金の減少、地域間の格差拡大など、市政方針でも書かれているように地方自治体にとって苦難のときであります。そして、まさにこのような厳しい状況の中、新釧路市が船出をするわけであります。私たちは、将来に向けて共通の認識を持つことができるよう、新市の進路や目標についてしっかり議論をしてまいりたいと考えております。 以下、そのような立場で質問いたしてまいります。 最初に、基本的な市政運営について、幾つかお聞きをいたします。 第1に、新しい釧路市の可能性や将来像についてであります。 合併によって誕生した新市は、産業面では、旧釧路市の水産、石炭、製紙、阿寒・音別の農業、さらに音別の食品、医薬品工場、あるいはそれぞれの地域の特性を生かした観光が挙げられるわけであります。また、2つの国立公園を有した自然に恵まれている一方で、利活用の難しい広大な面積、あるいは音別地区が飛び地という特徴もあります。このような状況を背景に、伊東市長は初代市長として、このまちの可能性をどうとらえ、どのような夢と希望を持って将来像を描かれているのか、合併元年のスタートに当たり、改めて見解を求めておきたいと思います。 第2に、経済活動と自治体のかかわりについてであります。 経済活動は、各企業や個人がどれだけ知恵を出し、努力をするのか、それぞれの責任において営まれるものと思います。しかし、我がまちでは、この知恵と努力を行政に頼るという体質がこれまで強かったように思います。最近、幾つかの新たな胎動も感じられるところでありますが、特に中心街に代表される商業者の奮起を期待するものであります。 そこで、お聞きをいたしますが、やる気のある企業や人物がどんどんあらわれ、これを行政が側面から支援していくことがあるべき姿だと思いますけれども、経済活動と行政のかかわりについて、さらにやる気のある企業や人物を育てる行政のサポートについて、市長の見解を求めるものであります。 第3に、議案第21号で提案された組織の見直しについてであります。 端的に申し上げますと、どのような目的で見直されたのか、あるいは目的が達成されているのか、理解するのに苦労しているところであります。 こども保健部は、少子化、子育てが大きな課題だということは理解をいたしますが、課のあり方、他部署との関連など、子供に関する業務の効率化や実効性をどこまで検討されたのか、経済部は農林水産業を分離したのであれば、経済部というのはどうかと思いますし、観光を重視して、例えば商工観光部などの意気込みが欲しいと思うところであります。都市建設部の統合先は、業務内容から住宅都市部が適当ではないかと思うところであります。それぞれの分離統合の目的と機能面の実効性について明らかにしていただきたいと思います。 次に、財政問題あるいは行財政改革についてお伺いをいたします。 合併初年度の平成18年度予算案は、市長の決意があらわれたものとなっておりまして、阿寒・音別地域にも十分配慮がなされ、両地域の皆さんにも納得していただける内容になったと思っております。しかし、一般会計で1,150億円規模となり、前年度比10.5%、約110億円という大幅の増となった予算案は、50億9,300万円という、かつてないほどの巨額な財源不足を生むことともなりまして、赤字団体転落の一歩手前の状況とも言えるのではないかと思います。 そこで、まず新市における財政の現状認識について市長の見解を求めるものであります。 次に、財源不足に対する対策あるいは手法についてであります。 これまでも、取り崩せるものはほとんど取り崩し、借りられるものは何でも借りるなど、ありとあらゆる対策を行ってきたのであります。今回、特に懸念されるのは、禁断の手法である繰出金の貸付金化を新たに9億8,000万円も行ったことであります。これにより、平成18年度予算における特別会計への貸付金は20億円ふえ、総額約151億円に膨らむこととなりました。非常に憂慮すべきことであります。ストレートに言えば、事実上、粉飾状態にあると言っても過言ではないと思うのでありますけれども、市長としてどのようにとらえておられるのか、見解を求めるものであります。 さて、来年度以降の地方財政をめぐる状況は、より一層厳しくなることが予測をされ、合併後の釧路市にとっても好転する要素は、現在のところないと言わなければなりません。税制改正による市民負担増により、市民税は約5億2,000万円増となったものの、固定資産税、都市計画税は合わせて約12億3,000万円の減収と、予測をしていた以上の影響がありまして、交付税も4億2,500万円の減収が次年度のベースとなるわけでありますので、多くの新規事業に着手したことを考え合わせますと、平成19年度の財源不足額は、このままでは50億円を大きく上回ることが懸念されますが、市長はどのように考えておられるのか、お聞きをいたします。 次に、合併前に示されました新市財政計画では、合併によるスケールメリットを十分に生かして平成22年度の単年度黒字化を想定しております。しかし、このままでは大きな狂いを生じるのではないかと思われますが、見通しをお示しいただきたいと思います。 さて、この合併の大きな目的でもあります財政再建は、いずれにしても、このままでは非常に厳しいことになることは明らかであります。したがって、今後、行財政改革により一層の努力が求められることはもちろんのことでありますが、財源確保にどのように取り組むのかが非常に大きな問題であります。市長は、市政方針において、行財政改革大綱を定め、この個別計画として定員適正化計画及びアウトソーシング推進に関する指針を策定する。さらに、これらを柱として、維新計画ともいうべき、活力創生釧路市集中改革プランを策定するとしておりますが、具体的にどのようなことなのか、特に行財政改革大綱と活力創生釧路市集中改革プランとの関連、あるいは整合性について明らかにしていただきたいと思います。 また、危機感を持って、職員給与削減の新たな取り組みとともに総人件費の削減を断行すると、特に強調されておりますが、この点についての見解もあわせてお伺いをいたします。 次は、土地開発公社の問題についてであります。 私ども会派としても、このまま放置しておくと簿価だけが膨らみ、より厳しい事態を招くことを危惧いたしまして、市長としての前向きな判断と対応を求めてまいりました。その意味では、総務省の支援制度を活用した土地開発公社経営健全化への対応は、市長としての大きな英断として評価したいと考えております。しかし、公社経営健全化へのスキームを見ると、一方で危惧されることは、釧路市財政へ与える大きな影響であります。1つは、土地開発公社への42億3,000万円の無償貸与のほかに、今後5年間で総額45億円の財源を釧路市独自で、市債と一般財源で手当てしなければなりません。加えて、現時点で簿価で買い上げた土地の売却、有効活用のめどが全く不透明であることであります。まず、このような状況を十分に理解しつつも、市長として今回の決断に至った経過、あるいは今後の見通しを含め見解を求めるところであります。 さて、今後、釧路市が簿価で買い上げた土地を、官民を問わず売却していくに当たりまして、取引価格との差が市としての負担となりまして、売れば売るほど財政に与える影響が大きくなることになります。 そこで、昨年の代表質問で提起したことでありますが、今後、売却を積極的に進める方針として、売却した土地の有効活用が図られること、あるいは市民、地元事業者、市にとって総合的・長期的に見てプラスとなることなどの視点を持つべきと考えます。このような方針、視点についての見解と、活用や売却が非常に難しい残地などの処理をどうなさるのか、あわせてお聞きいたしたいと思います。 さらに、同じ問題を抱える振興公社の経営健全化について、市長の見解をお示しいただきたいと思います。 次は、中心市街地の活性化対策についてであります。 平成12年に釧路市中心市街地活性化基本計画を策定し、中心街、都心部のにぎわい、あるいは魅力づくりに向けて、行政、会議所、振興会を初め、関係団体がチャレンジショップ事業やパワーアップ事業など、さまざまなプロジェクトを展開してまいりました。しかし、相変わらず空き店舗や空きビルが目立ち、活性化やにぎわいとはほど遠い現状にあると言わざるを得ません。このような中で、丸井今井釧路店の撤退問題が昨年急浮上し、市長初め、経済界、市民団体、議会が一丸となって存続の取り組みを展開してきたところであります。しかし、2月15日に撤退が発表されたことにより、中心街──都心部から百貨店が消えてしまうことになりまして、その影響ははかり知れないものがあると思うのであります。 また、立体駐車場のパステルパークは、市も、国も、財政支援をして建設した駐車場でありまして、7割から8割が丸井今井のお客さんということでありますから、この存続・維持も大変厳しくなるものと思います。このように、丸井今井の撤退問題の影響は、釧路経済、市民生活に大きな打撃となるのは必死であります。市として、この問題をどう受けとめ、今後どのように取り組むのか、明らかにしていただきたいと思います。 次に、国の動きと活性化基本計画の見直しについてであります。 政府は、2月6日の閣議において、中心市街地のにぎわい回復を目的に、まちづくり三法のうち、都市計画法改正案と中心市街地活性化法改正案を決定し、今国会に提出し、早期の成立を目指すとされております。また、内閣に中心市街地活性化本部を設置し、市町村が策定する基本計画を認定し、都市機能の集約と中心街のにぎわい回復を一体的に進めるため、意欲的な地域に対し支援策を集中するとのことであります。したがって、市として国の動きを素早く把握し、市の中心市街地活性化基本計画を抜本的に見直すべきと考えますが、市長の見解をお聞きいたします。 次に、釧路駅周辺の再開発についてであります。 この課題は、まさしく釧路の顔づくりの事業でありまして、釧路駅周辺から北大通、MOO、あるいは末広かいわいへと続くにぎわい活性化と大変深いかかわりのある事業であります。市長は、昨年12月の議会において駅周辺の再開発の方式として、約340億円かかると言われる鉄道高架事業と約220億円と言われる橋上駅化事業のどちらかを選択するか、ことしの秋にその判断を行うと明言されております。 そこで、市長がこの判断をする場合の判断基準を明らかにしていただきたいと思います。また、市長がこのいずれかを判断した以降、具体的にどのような取り組みとなるのか、明らかにしていただきたいと思います。 駅周辺再開発問題の最後に、新年度予算に駅周辺整備基本構想の調査検討として2,176万円が計上されております。担当部の説明では、コンサルタント会社への委託費ということであります。市民委員会の皆さんが議論を積み上げてきた立派な提言集が示されたわけでありますので、これをもとに市長が一定の判断をすることは、可能ではないかというふうに思うわけですが、見解をお聞きいたします。 次に、MOOの再生について質問をいたします。 平成元年に華々しくオープンをしてから18年目を迎えたMOOは、この間、3回の再生計画を経て今日に至っております。入館者はピーク時に230万人だったものが、今では半減以下の90万人台、テナントも83店舗あったものが今は三十数店舗、もちろん売り上げも半減状態となっており、瀕死の重体と言っても過言ではないかと思います。この間、MOOに対して市としての財政支援額は、平成6年から平成17年までの11年間で42億9,000万円にも達しております。42億9,000万円の財政規模となりますと、総合体育館の建設とやや同額であります。市民の血税がMOO関連にこれだけ投入されていることを考えますと、どうしたら魅力のある、にぎわいのあるMOOに再生できるのか、早急な対策を講じなければならないと思います。 昨年、MOO再生市民委員会の皆さんが、真剣にかつ長時間費やしてまとめた約40項目の提言をしっかり受けとめ、具体化しなければならないと思いますが、市長の決意とMOO再生への具体的計画を明らかにしていただきたいと思います。 次に、観光産業についてお伺いをいたします。 市長は、就任以来、観光を釧路の基幹産業として育てるべく、戦略を持って取り組むことを明言してまいりました。組織改編による観光振興室の立ち上げと観光振興メニューの多様化、そして観光プロモーションなどに対するみずから積極的なトップセールスの実施など、観光振興にかける市長の意欲と姿勢には、率直に評価をいたすところであります。 ただ、その一方で、私どもは、これからの釧路観光を考えた場合、戦略的にはどうしても体系的な観光ビジョンとアクションプログラムの策定が重要であることを、これまでも再三にわたって訴え、その実現を強く求めてまいりました。その意味で、新年度、公立大学地域経済研究センターと共同で観光振興ビジョンの策定を決断されたことは、大変結構なことであります。ただ、問題はその中身でありまして、観光立国釧路に欠くことのできない観光振興ビジョンについて、市長は一体どのように思い描いておられるのか、また、具体化についてどのように考えておられるのか、あわせてお聞きをしたいと思います。 さて、昨年、知床が世界遺産に登録されたことで観光客が増加をし、そのよい影響が釧路市内や阿寒湖など、道東各地域に及んでおります。また、昨年の合併によって釧路市は2つの国立公園を抱える、全国でも有数の観光都市となったわけであります。合併による新たな観光戦略、方針のもとで、今後ますます比重の高まりが予想されます広域観光をどのように進めていくのか、非常に重要であります。 そこで、観光協会についても、合併後の機能分担と体制強化を図ること、さらにこれまで以上に求められるホスピタリティ運動の啓蒙促進など、全市的な観光推進体制の一体化が大事ではないかと思いますが、戦略的な釧路観光に対する市長の見解をお示しいただきたいと思います。 あわせて、かねてより懸案の観光物産情報センターについてでありますが、新年度、阿寒湖畔には位置づけされますが、市中心部についての見通しやめどについて明らかにしていただきたいと思います。 次に、地産地消についてお聞きをいたします。 一昨年10月、「地産地消くしろネットワーク」が結成をされ、市としての推進体制がつくられました。最近は、特に地元食材を利用したさまざまな取り組みが目につくなど、地産地消に対する関心も高まりを見せてきております。地産地消の釧路経済にもたらす波及効果の大きさを考えるときに、きめ細かで総合的な推進体制の構築が不可欠であります。 そこで、阿寒、音別も釧路市となった今日、より全市的な推進体制と取り組みが重要であると思うわけでありますが、新年度の具体策を含め、市長の見解をお聞きしたいと思います。 私どもは、昨年、阿寒、音別の農畜産物や特産品を含めて、地元食材を学校給食や保育園、病院など、市の公共施設での積極的な利活用を強く求めてまいりました。地元食材の利活用を通じた子供たちへの食育や市民への啓蒙促進を図る上でも、まず行政が率先して地産地消推進運動の先頭に立つべきであります。公共施設における地元食材の利活用の具体策についてどのように考えておられるのか、お聞きをいたすところであります。 次は、水産問題についてであります。 水産は今日の釧路発展の礎を築き、長年にわたって釧路経済を支えてきた基幹産業でありまして、これからも釧路の産業の柱であることは間違いないわけであります。しかし、その水産の水揚げ量は、昨年11万トンにまで落ち込む状況となっております。かつては13年連続の水揚げ日本一を記録し、ピーク時には133万トンの水揚げ量を誇るなど、水産王国釧路の衰退が際立つ事態となっております。 国内外の漁場環境の変化や乱獲による漁業資源の枯渇など、その要因や背景についてはいろいろと挙げることができます。しかし、今求められるのは、厳しい現実を踏まえて、今後いかに事態の打開を図っていくかであります。周知のように、平成10年に、当事者である水産業界の皆さんが「釧路市水産業発展ビジョン」を策定し、水産業界各分野における現状と問題点を整理して、難局を乗り越えるべく今日まで取り組みを行ってきておりますが、現状、どのようになっているのか検証すべきと考えております。また、ビジョンでは、行政に対する提言もなされておりますが、行政として、これまでどのようにサポートしてきたのか、明らかにしていただきたいと思います。 さて、市長は、これまでも釧路水産の再生を明言してまいりました。水産を取り巻く状況が一段と厳しさを増している今こそ、再生に向けたプログラムを示す必要があると思いますけれども、水産釧路のグランドデザインについて市長はどのように考えているのか、見解を求めるものであります。 次に、釧路地域新マリノベーション構想についてであります。 ポスト北洋漁業の切り札として、昭和62年にスタートしたプロジェクトでありますが、途中、計画の見直しなどもありまして、既に19年が経過いたしております。これまでの北洋漁業依存体質から脱却をした漁業生産や、資源の増養殖を柱として、さらには高付加価値型生産体制への移行を目指した水産加工業の推進など、新マリノベーション構想は計画期間を平成6年度から平成17年度までとして、それぞれ達成目標を設定して今日まで進められてまいりました。水産釧路活性化の起爆剤として期待されてきたプロジェクトでありますので、計画年次を終えるに当たって、これまでの投資額とその実績、さらには新年度移行の計画や見通しについて見解をお聞きするものであります。 次に、農業政策についてお伺いをいたします。 旧阿寒町・音別町との合併によりまして、農業生産額は旧釧路市の4.4倍となる80億円前後となりまして、新生釧路市を支える新たな基幹産業として重要な役割を担うことになったわけであります。生産都市釧路として、産業構造の厚みを増したことは合併による効果でありまして、さらに農業振興を積極的に推進しなければならないと思います。 市は、水産農林部を新設し、新たな基幹産業としての位置づけがなされました。そこで、魅力と活力のある農業振興について、市長はどのような展望を持たれているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。 また、今後の農業の施策と事業推進は、これまでの食料・農業・農村基本法による基本構想から一歩踏み込んだ行動展開が必要であります。私ども会派としても、東北海道の拠点港湾を有し、食糧基地を目指す釧路市としてしっかりとした農業政策を持ち、農業全体の生産性をより高め、消費者への安心・安全の提供・確立を目標とした施策を展開すべきと一貫して主張してきたところであります。 そこで、点から面への取り組みとして、酪農、野菜農家などへの施設環境整備、食の安全に対する支援策、地産地消と地域ブランドの確立、後継者問題の担い手対策など、市としての総合的な農業振興計画の策定について、農協や関係機関などとの連携により、新年度から着手すべきと考えますが、市長の見解を求めるものであります。 次に、後継者問題の具体的な取り組みについてお伺いをいたします。 この問題は、各地区が抱えてきた課題でありまして、農業関係者を初め関係団体から、合併後の新市において新たな対応に期待が寄せられております。 新年度における後継者対策は、継続事業である担い手確保対策事業の50万円だけであります。基幹産業としての農業振興基盤強化の視点からも、農業の担い手対策はこれまで以上に大変重要な課題であります。市として、今後の後継者問題についてどのように考えておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。 また、農業の中心であります酪農担い手対策について、本格的に取り組もうとするのであれば、先進地の事例を参考にすべきと思います。同じ釧根地域の別海町では、国、道の各農業関係機関、各地区農協などで構成をいたします運営協議会により、牧場、研修センター、宿舎施設などを完備した酪農研修牧場制度に取り組んでおります。研修終了後の新規就農や酪農経営の受け入れ体制、資金面も含めた各種支援制度や農場リースの提供などによりまして、制度開始から6年間の間に28人の後継者を生み出す成果を上げております。市としても、国、道、関係機関等との連携を図り、中・長期的な視野に立った担い手対策を目的とした研修制度の導入について、新年度から検討すべきと考えますが、市長の前向きな見解を求めるものであります。 いま一つは、後継者不足に伴う遊休農地などの拡大防止を目的とした農業経営基盤促進法が昨年9月に改正をされ、一般企業が農地のリースにより農業への参入が可能となっております。この場合、窓口は市町村または農地保有合理化法人とされておりますが、市としてはどのように対応されるのか、また、農業関係者などからは、一般企業の参入について不安と期待が交差している声を聞きますが、市長としてこの法改正についてどのような見解を持たれ、さらに今後の農業振興の視点から、どう生かされるのか、見解を求めるものであります。 次は、森林・林業についてであります。 3市町合併により、新市の総面積の74%が森林面積で占めることになりました。森林・林業は、新市にとって極めて重要な基幹産業として位置づけなければなりません。したがって、新市にふさわしい林業振興基本計画を策定をし、しっかりとした森林・林業施策を計画的に進める必要があります。この点について基本的な認識と、当面、森林・林業対策として取り組まなければならない重点課題は何かを明らかにしていただきたいと思います。 次に、木の地産地消、地元産材の積極的な活用についてであります。 これまでの取り組みとして、学校や公住などの公共施設における木の活用や、小中学校の机、いすなどに間伐材の活用を進めてまいりました。また、新年度の事業では、阿寒中学校、音別消防署とコミセン、そして総合体育館や公住の建設が予算化されております。これらの建設に当たり、地元産材をより積極的に活用すべきと考えます。また、木育活動の推進、エゾシカ被害対策について、今後の具体的な取り組みを明らかにしていただきたいと思います。 次に、石炭問題についてでありますが、さきの会派の質疑と重複をいたしますので、割愛をいたします。 次に、港湾行政についてお聞きをいたします。 道東の物流の拠点港として発展し続けてきた釧路港は、釧路市の将来を見据えた場合、その役割は極めて重要であると考えるわけであります。この間、港湾計画を基軸に西港の建設を促進し、第4埠頭の完成、マイナス14メートルバース、24時間フルオープン体制の確立、動物検疫所の設置、さらには韓国釜山港との外貿コンテナ船の就航、国交省による高度利用推進港湾の選定など、国内・国際的にも重要な役割を果たしてまいりました。昨年、大型旅客船「飛鳥」の船内で開催された港シンポジウムにおいても、釧路港は、未来に向けて極めて魅力的な港であると高く評価されておりました。 さて、2月19日から、港湾協会の皆さんがポートセールスとして、香港、シンガポール、マレーシアを訪問されました。東南アジア諸国との貿易航路の開拓は極めて重要な取り組みと考えますが、今回の3カ国訪問の成果、感触、さらに今後の取り組みについてお聞きをいたします。 加えて、釧路港の後背地であります北網、十勝、根室圏域のポートセールスを、なお一層強力に取り組まなければならないと思いますが、見解をお聞きいたすところであります。 また、港湾機能の充実についてでありますが、特定重要港湾昇格について、また外貿コンテナ船週1便から2便就航について、どのように取り組むのか、見解をお示しいただきたいと思います。 さらに、現在ジブクレーンで対応しておりますが、これからの釧路港のセールスポイントでもある高機能性・高速性をアピールするには、ガントリークレーンの導入が急務と考えますが、この点についても市長の見解を求めるものであります。 次に、福祉行政についてお伺いいたします。 最初に、高齢者福祉について、認知症高齢者への施策についてお伺いをいたします。 今、高齢者福祉を考えるときに、認知症高齢者の急増に伴うさまざまな問題への対応が重要な課題となっております。また、64歳未満の若年性認知症の問題も顕在化してまいっております。 認知症高齢者が増加する中、グループホームのニーズが高まり、全国的に認知症高齢者のグループホームが急増いたしました。しかし一方で、介護職員の専門性や資質が追いつかず、また過酷な労働実態により、悲惨な事件が多数発生をし、深刻な問題となっております。 さらに、ことし1月には長崎県大村市の認知症高齢者グループホームで、7人が火災により死亡するという痛ましい事故もありました。釧路市では23カ所のグループホームが設置をされ、新年度からは、管轄が道から市に移譲されるわけでありますが、このような全国的な問題や災害などを受け、釧路市ではどのような対策が講じられているのか、また問題点をどのように把握されているのか、お伺いをいたします。 次に、障がい者福祉についてであります。 障害者自立支援法が、紆余曲折の末、昨年成立をいたしました。障がい者福祉のあり方が、措置から契約へ移行した支援費制度が開始されてから3年足らずでの大きな見直しでありまして、利用者、事業者ともに戸惑いがあります。 この法律の成立によりまして、障害者福祉サービスにかかる費用の負担が国に義務づけられたこと、身体知的、精神の3障がいのばらばらの制度体系が一元化されること、障害程度区分などにおける手続や基準の透明化・明確化が図られること、あるいは就労支援の強化がうたわれていることなど、その意義は大きいものがあります。しかし一方で、定率負担導入による負担増のため、今利用しているサービスの利用を控えたり、自立と社会参加が後退しかねない可能性を含んでおります。実際に通院を控える、薬を減らす、また作業所で働いている方は、働くために利用料を払うことになるなら退所するというような声が多数寄せられております。 そこで伺いますが、市として、このような障がい者の声をどのように受けとめられておられるのか、また、ことし4月から障害者自立支援法が施行されるに当たり、釧路市においては問題がないのか、見解をお聞きするものであります。 福祉行政の最後は、福祉施設の集約化についてであります。 旭町の総合福祉センターは築25年、川北にある身体障害者福祉センターは築32年、桜ヶ岡の療育センターは築26年が経過し、それぞれに修繕が必要となっておりますし、いずれは建て替えということになると思います。また、旭町の総合福祉センターは駐車スペースが狭く、路上駐車について近所からの苦情が絶えないと聞いております。したがって、利用者の利便性やそれぞれの維持管理費の軽減を考え、これらを1カ所に集約して、文字どおり総合福祉センターを設置すべきと考えております。そして、その場所については、釧路市の中心部に位置しております旭小学校の統合後の校舎を活用することが最適と考えておりますが、見解を求めるものであります。 次に、防災対策についてお聞きをいたします。 安心・安全に暮らせるまちづくりは、市民生活の基盤をなすものでありまして、自治体の大事な役割の一つであります。また、釧路地域は地震の多発地帯でもありまして、より充実した消防・防災体制の確立が継続的な課題であります。 さて、中央防災会議が先日答申をいたしました日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策大綱では、5つの道県130市町村を、重点的な防災対策が必要な推進地域に指定するということであります。また、指定された自治体は、今後、大綱に基づいて地震対策の推進計画を決めることになると思うわけでありますが、この中で、地震時の大津波に対する視点が加わったことが特徴とも言えると思います。 そこで、質問でありますが、釧路市も地震防災対策推進地域に指定をされますが、推進計画の策定についてはどのように進めていくのか、また、平成18年度の予算項目との関連についてもお伺いをいたします。 2つ目に、大津波の視点から考えますと、現在は市の庁舎に設置をされます災害対策本部のあり方について、代替施設の確保を検討すべきと考えますが、見解をお聞きいたします。 3つ目に、市庁舎の耐震診断に関してでありますが、診断結果についてはどのような見通しを持たれているのか、お聞きをいたします。 また、市庁舎の改築は、耐震性だけではなくて、内部の老朽化・分散している現状など、別の観点でも検討すべきと考えますが、見解を求めるものであります。 最後に、教育行政についてであります。 上原教育長は、教育長として2年目のかじ取りとなるわけでありますが、就任後1年間を振り返り、今日における教育課題は何であると考えておられるのか、あわせて今後の重点課題をどのように位置づけて、教育行政を進めていかれるのか、この際、改めて見解を求めておきたいと思います。 また、子供たちを取り巻くさまざまな課題は、今や学校だけでは解決することが難しい状況にありますが、たくましく生きる力を育むために教育行政が果たす役割はどうあるべきなのか、考え方を示していただきたいと思います。 以下、教育行政にかかわる具体的な課題について、幾つかお聞きをいたしたいと思います。 第1は、子供の安全対策についてであります。 子供たちを取り巻く社会環境は急速に変化をしてきておりまして、近年では、凶悪化する少年犯罪を初め、特に子供の安全を脅かす事件が多発しております。釧路市においても例外ではありません。学校周辺や登下校時に不審者が出没をし、子供を連れ去ろうとする行動や学校におどかしの電話が入るなど、平成14年度から平成16年度までの3年間で136件の不審者情報が寄せられておりまして、年々増加する傾向にあります。教育委員会として、子供たちを取り巻く治安の悪化に伴う事象や事件の多発化する傾向について、どう分析し、どのように認識されておられるのか、教育長の見解を求めるものであります。 また、新年度に取り組む小中学校へのセキュリティ自動通報システムを初めとする安全対策にかかわる施策とあわせて、学校、地域、警察や関係機関、関係団体による子供を危険から守るネットワーク組織の確立が必要ではないかと考えますが、教育長の考え方を明らかにしていただきたいと思います。 第2は、ゆとり教育の見直しについてであります。 国際学力調査の結果により、日本の子供たちの学力低下の現状を踏まえて、文部科学省は、現行の学習指導要領に基づくゆとり教育の見直しについて、新年度から改定作業に着手することになったのであります。その見直しの要点は、特に小学校低学年の基礎学習と基本知識の向上を目的とした学習内容と、授業時間をふやすことになっております。釧路市においても、当初から学力低下が懸念され、これまで議会でも議論されてまいりました。今回の見直しについて、教育長としてどのように受けとめられておられるのか、見解をお聞きするものであります。 また、低学年の学習内容や授業時間がふえることによりまして、現在の学校運営において、今後どのような対応が求められることになるのか、あわせてお聞きをいたします。 第3は、小中学校の学校統合問題についてであります。 この問題については、取り組み当初、さまざまな議論がありましたが、学校のあり方検討委員会の最終報告に基づき、地域、PTAなどの理解・協力によりまして、学校統合と校区調整が今日まで進められてきたところであります。 そこで、計画の最終段階となります小学校7校による3件の統合について、現在の取り組み状況と今後の予定についてお伺いをいたします。 また、この統合計画は、平成17年度までの児童数の推計により最終報告がされたものでありますが、太平洋炭鉱の閉山により、周辺地域の小中学校は児童数の減少が計画当初より上回り、学級編制など学校運営にも影響があらわれてきております。教育委員会としてこうした現状をどのように認識をされ、学校の適正規模、適正配置について、今後どのように対応されるのか、教育長の見解を求めるものであります。 教育行政の最後は、スポーツ振興についてであります。 市民並びに釧根住民にとって、待望の施設であります釧路根室圏総合体育館がいよいよ平成20年秋にオープンをいたします。 そこで、これまで各スポーツ団体から要望の強かった全道・全国大会の開催はもちろんのことでありますが、さらなるスポーツ振興の観点から、バレーボールやバスケットボールなど日本リーグのゲーム招致も視野に入れた積極的な取り組みを展開すべきと考えますが、教育委員会としての考え方をお聞かせいただきたいと思います。 また、釧路町は柔道、北見市はラグビーによる、いずれも国内トップレベルの選手やチームの合宿が定着いたしております。スポーツ都市宣言をしている釧路市としても、総合体育館を中核施設とした合宿の誘致を積極的に展開すべきと考えますが、教育長の見解を求めるものであります。 以上で1回目の質問を終わります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △時間の延長 ○副議長(上口智也君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○副議長(上口智也君) 理事者の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(伊東良孝君) (登壇)市民連合議員団の千葉光雄議員の代表質問にお答えをしてまいります。 まず、市政運営についてでありますが、新市の可能性と将来像についてのお尋ねでございました。 釧路市は、火山、温泉、湿原、森と湖などの変化に富んだ豊かな自然に恵まれており、3つの国立公園、世界自然遺産、国際的にもまれなラムサール条約登録湿地群などの連携の中で、世界に通用する観光地として大きく飛躍する可能性を秘めていると考えております。 また、広大な大地がもたらす質の高い農畜産物、豊饒の海の恵みである新鮮な水産物、さらにはそれらを原材料とする加工食品など、食の安全が重要視される時代にありまして、地域ブランドの発信などの取り組みを通じ、我が国の食糧供給基地としての確固たる地位を築いていく資質を備えていると思っております。 さらに、北米大陸に最も近い重要港湾釧路港の機能拡充を図り、北海道横断自動車道を初めとする高速交通ネットワークの形成を進めることで、東北海道の物流拠点としての大きな役割を担いながら、発展を続けていくことが期待できるものであります。 これまで地域が基幹産業のもとで培ってきた優秀な技術力、3つの地域の歴史と伝統と文化に育まれてきた豊富な人材などを最大限に生かしながら、地域の持続的な発展を力強く支える産業の振興に努めてまいりたいと考えております。 経済活動と行政のかかわりについてでありますが、議員ご指摘のとおり、経済活動は地域の企業や個人が知恵を出し、自己の責任と努力によって営まれるべきものであり、この地域からやる気のある企業や人材が数多く輩出され、行政がこれをサポートしていくことが望ましい姿であると私も考えております。 このため、市といたしましては、地域の企業等との信頼関係を築きながら、新たな取り組みを促す情報の提供に努めるとともに、お互いに切磋琢磨し、思いやアイデアを具現化する連携の場づくりなど環境の整備を進めているところであります。また、意欲を持って新たな取り組みに挑戦する企業や個人に対しましては、関係機関とも連携しながら、しっかりとその状況に応じたサポートをしてまいりたいと存じます。 次に、組織機構の見直しの中で、こども保健部などの部の新設を初め、部の再編目的と機能の実効性についてでありますが、こども保健部につきましては、急速に進む少子化、核家族化の現状にあって、子供に関する施策推進の重要性が増大していることから、子供の窓口を明確化し、庁内各部において取り組んでいる子供施策の調整と連携する機能の発揮を図るものであります。 経済水産部につきましては、合併により農林部門の比重が高まったこともあり、第1次産業の振興を図るべく経済部と水産農林部に分割するものであります。 議員ご指摘の観光振興は、市政運営の大きな柱と位置づけているところでありますが、経済分野におきましては、新産業の創出、あるいは商業の振興、雇用対策なども新生釧路市の発展を力強く支える重要な課題と考えており、これらを総称して、特定の分野を抽出することなく、大きな意味での組織として経済部としたところであります。 都市建設部と港湾部につきましては、土木的業務に共通する事務があり、関連する業務の連携によって機動力の向上と迅速かつ効率的な業務遂行を図るものでありますが、住宅都市部との共通する業務につきましては認識しておりまして、土木維持管理部門の一元化を図る上でも、今後の検討課題としているところであります。 財政状況の現状認識でありますが、平成18年度の地方財政対策では、市町村税の伸びが2.2%、地方交付税はマイナス5.9%、臨時財政対策債はマイナス9.8%とされ、地方の一般財源ベースは、昨年に引き続き確保したとされております。しかしながら、当市におきましては前年予算額に対して、地方交付税では、合併措置分の特殊要素を除きますと8億2,000万円の減、臨時財政対策債では2億1,800万円の減、市税におきましても、固定資産税の評価替えによる大幅な減額の影響を受け約6億6,300万円の減となり、合わせまして約17億円の減収となったところであります。さらに、三位一体の改革では、廃止された国庫補助負担金と移譲される所得譲与税に2億円の乖離が生じており、市の負担増となっております。これらに加え、合併した3市町のもともとの財源不足などもあり、51億円の財源対策を行うこととなったところであります。 行財政改革を議会、市民の皆様や職員の理解をいただきながら推進する中で、それを上回るスピードで構造改革が断行されており、さらに今後、地方交付税の削減も予想されるところであり、釧路市の財政は、近年では最も厳しい状況となっており、非常事態にあるものと認識をいたしております。 特別会計への貸付金をどのようにとらえるかというお話でございますが、平成18年度の特別会計に対する貸付金は約151億円となっております。このうち、財源不足対策として、万やむを得ず予算化させていただいた繰出金の貸付金化は、平成16年度と今年度分を合わせまして約20億円となっており、計画的に返済していくこととしております。この分を除いた企業会計の貸付金の解消は、まずもってその企業会計の努力によるべきものと考えておりまして、経営改善を優先課題として、今後とも取り組んでまいらなければならないものと考えております。 しかしながら、魚揚場事業会計につきましては、使用料収入が減少してきております。貸付金を削減することは、一般会計の厳しい財政状況から見ても、現段階では困難であると言わざるを得ません。新年度からは市の重大な課題であります土地開発公社の経営状況の健全化を優先して取り組むこととし、魚揚場事業会計の貸付金につきましては、その後、段階的に対処してまいりたいと考えております。 平成19年度の財源不足額を含め、今後の財政見通しについてのお尋ねでありますが、本日配付させていただきました新市建設計画第2次実施計画にあります一般会計財政収支試算では、平成19年度が51億5,400万円、平成20年度では52億9,200万円の収支不足が生ずるものと試算されております。また、合併前にお示ししておりました新市財政計画では、合併によります行財政改革の効果額を一定程度見込み、平成22年度には単年度の収支が黒字になるものと推計されておりました。しかしながら、地方財政計画での歳出の削減や地方交付税の減額などが続いており、大変厳しい財政状況となっております。新年度に策定いたします「活力創生釧路市集中改革プラン」は平成18年度から平成22年度までの期間を予定しており、この期間内での単年度黒字を目指すべく職員一人一人が知恵を出し合い、庁内一丸となって努力してまいりたいと考えております。 この活力創生釧路市集中改革プランの策定は、具体的にどのようなことなのかと、また、特に行財政改革大綱との関連、整合性について明らかにせよというご質問でございますが、旧釧路市では、平成8年に行政改革大綱を策定し10年を経過したところでありますが、この間、国の三位一体の改革、公の施設への指定管理者制度の導入など、当時に想定されなかった要素が加わっており、特に合併したことを含め、従来の行政改革大綱を見直し、中・長期の観点から市民の望むまちづくりを実現できる行財政の仕組みづくりを目指して、新市としての行政改革大綱を策定することといたしております。市の財政状況は厳しい状況が続いており、非常事態にあると言っても過言ではありません。活力創生釧路市集中改革プランはこのことを踏まえ、また、国の地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針を受け、平成18年度から平成22年度の5カ年間において、可能な限り数値目標を設定するなど目標を明確にして、研究課題である財政健全化に向けた取り組みを着実に進める計画を策定するものでありますことから、当然、行政改革大綱における基本理念と一致するものとなります。 また、職員の給与削減についての新たな取り組みということでありますが、これにつきましては、平成16年度、平成17年度の2年間にわたり独自削減を実施してきたところであり、これまでの職員の皆様の協力に感謝するものであります。 給与削減は、職員個々の生活設計に多大な影響を及ぼすことは十分に認識しております。しかしながら、依然として続く厳しい財政環境に対処していくためには、さまざまな角度から歳出予算の圧縮を検討していく必要があり、とりわけ総人件費の削減は避けて通れない課題であります。このことから、職員給与削減につきましても、いま一度、職員の理解と協力を得られるよう鋭意努めてまいりたいと考えております。 土地開発公社の健全化の決断に至った経緯、経過等でありますが、土地開発公社の平成16年度末の簿価は約78億3,000万円であり、旧釧路市の平成16年度標準財政規模の19.2%に当たる額であります。これは総務省が示す土地開発公社経営健全化対策措置要綱において、早急に経営の健全化に取り組まなければ、独力では健全化の達成が困難となるおそれがあるとされる第2種公社経営健全化団体に該当するものであり、釧路市の厳しい財政状況を考えると、この問題を将来に先延ばしすることはできないものと判断し、支援措置などが示されたこの機会を好機ととらえ、健全化に取り組む判断に至ったものであります。 経営健全化を進めるに当たりましては、多額の財政負担を伴うものであり、公社からの再取得用地に限らず、市有地の売却などによる財源の確保に努めてまいりたいと考えております。 再取得用地の活用に関する見解を聞きたいということでございますが、市が再取得する土地のうち、宅地や商業、あるいは将来の公共事業用地として活用可能な土地につきましては、経営健全化を推進するための財源確保に努めるのみならず、多角的な視点から、その有効活用について検討を行ってまいりたいと考えております。 また、空港整備関連などの事業残地は、活用や処分が事実上困難なものと考えておりまして、このような土地につきましては、将来的にも市が保有していくこととなるものと考えております。 次に、振興公社の経営健全化への対応についてでありますが、振興公社におきましても、土地開発公社と同様に地価の下落が続く中で含み損が発生し、経営上の大きな課題となっておりますことは、強く認識をいたしております。このような状況をいつまでも放置することはできないものと考えておりますが、2つの公社の健全化を同時に行える財政状況には現在ありませんので、一つ一つ段階的に対処してまいりたいと考えております。 丸井今井撤退の受けとめと今後の取り組みについてであります。 中心市街地の活性化に関してのご質問でありますが、議員がご心配されておりますように、丸井今井釧路店の閉店は、パステルパークを初めとする周辺商業ゾーンはもとより、地域経済全体への波及や雇用、利便性といった市民生活への大きな影響を考えますと、釧路市にとりまして極めて重要な問題であると認識をいたしております。つきましては、丸井今井釧路店撤退の影響をできる限り小さくできるよう、引き続き商業施設として活用されるよう、後継テナントの確保や不動産の取り扱いにつきまして、株式会社北海道丸井今井に配慮を求めるとともに、新たな出店者に対する経済界の誘致活動をサポートし、釧路商工会議所で設置をいたしました釧路市都心部対策協議会と連携し、活動してまいりたいと考えております。 中心市街地活性化基本計画の抜本的見直しについてでありますが、まちづくり三法の見直しにつきましては現在国会の場で審議が行われ、来年度中の施行を目指しているところであります。 中心市街地活性化法改正案の概要は、1つ目といたしまして、都市機能の集約と魅力向上の一体整備の目的化や事業者の責務に関する規定を新設するという基本理念の創設、2つ目に、活性化に意欲的に取り組む市町村を重点的に支援する仕組みに改正するための認定制度の創設、3番目に、基本計画事業の一体的かつ円滑に実施するための中心市街地活性化協議会の創設、4番目に、基本方針案の作成や基本計画の円滑かつ確実な推進をとり行うため内閣への中心市街地活性化本部の設置などとなっております。 中心市街地活性化基本計画を抜本的に見直したらどうかという議員のご指摘でございますが、市といたしましては、今国会で審議が行われておりますこのまちづくり三法見直しや、北海道で現在検討されております(仮称)コンパクトなまちづくりに向けた推進指針などの情報収集に努めるとともに、現在策定作業を進めております釧路市総合計画で位置づけられる施策や事業を点検しながら、対応してまいりたいと考えております。 駅周辺の再開発についての判断基準でありますが、釧路駅周辺の再開発につきましては、現在、鉄道高架事業を最優先に検討を行っているところであります。今後におきましては、早急に中心市街地のグランドデザインを描き、それに伴う面的整備のエリアや土地利用、あるいは交通ネットワークの検討を行い、事業効果を考慮した上で、市民に対し情報公開や意見集約を実施し、事業費や財政負担、市民負担など、総合的に判断してまいりたいと考えております。 なお、その判断以降の取り組みでありますが、駅周辺の再整備における基盤整備の判断を行った後は、引き続き国、北海道、JRなどの関係機関に対し、事業実施に向けた具体の協議を進めてまいりたいと考えております。さらに、面的整備のエリアや具体の整備手法について、地域商業者や地権者、住民の協力を得ながら、都市再生整備計画を策定してまいりたいと考えております。 また、今般、委託料2,176万円が計上されているがということでございますが、これは昨年5月に、釧路駅周辺まちづくり検討委員会から、今後の事業の実施に向けた作業の方向性と駅周辺におけるまちづくりビジョンの提言を受けたところでありまして、これらまちづくりビジョンを具体化し、実効性のある計画を策定するためにも中心市街地のグランドデザインを描き、駅周辺整備における事業効果などを見きわめる上で、都市計画における高度な専門的知識を有するコンサルタントの協力が必要であると考えているところでございます。 次に、MOOの再生策でありますが、具体的計画についてでありますが、再生市民委員会よりご提言をいただいたMOO及び周辺地域と公社の抜本見直しを含めた40項目に及ぶ具体の事業提案に際しまして、私は提言内容を十分に尊重してまいりたいと考えております。その上で、市として取り組むべき建物保全を初めとする基盤整備をしっかり進めるとともに、地域で最もにぎわいを創出する都市交流拠点として来訪者に喜ばれ、市民との交流が拡大する取り組みを積極的に進めるために、新市の水産物、農産物など地域特産品を頒布するコーナーや都市観光をテーマとしたガイダンス機能の設置、くじらのまちづくりを初め、水産都市釧路の情報発信を行う取り組みを市民協働により展開してまいりたいと考えております。 リニューアルプランの実効性を高め、絵にかいたもちとすることのないよう、都市再生整備計画によるまちづくり交付金を活用した事業の実施を前提に進めてまいりますことから、3月中をめどとした採択通知をもってプラン内容を示してまいりたいと考えており、ご理解をいただきたいと存じます。 また、観光振興ビジョンのイメージと具体化についてでありますが、この観光振興ビジョンは合併後の釧路市の観光面における方向性を示すものであり、釧路、阿寒、音別の3地区が一つの自治体になったことにより、おのおのの観光上の強みをどのように組合せ、あるいは役割を分担すべきかを指し示すものと考えており、平成18年度中に策定をいたします。 また、現在の観光情勢を分析し、そこから導き出される方向性に沿った事業例を提示できるような現実的かつ論理的脈絡を持ったビジョンにしていきたいと考えております。ビジョンの具体化に当たりましては、優先度と事業効果を考慮しつつ、毎年の予算編成の中で新規事業の構築や既存事業の再編成などの手法により、実効性を確保してまいりたいと考えております。 合併後の戦略的な観光推進についてでありますが、合併前よりNPO阿寒観光協会まちづくり推進機構、釧路観光協会とともに、新市の観光振興についての議論を深めてまいりました。この中で、新市の観光振興におきましては道東最大の都市機能と阿寒湖温泉という一大温泉地が奥座敷になるとともに、東北海道各地との連携軸に位置する好条件を生かした観光戦略の構築を図ることを確認いたしております。 戦略におきましては、豊かな自然環境を生かした自然体験休養型観光の魅力づくりと、食や産業・文化的魅力及びコンベンション機能を持った都市型観光との連携強化により、観光釧路のブランド力の向上を図り、観光産業の基盤形成を目指すこととしております。 両観光協会は、それぞれの目指す活動内容の理解を深めながら効率的なプロモーション活動の実施や観光事業の連携・PRなど、互いの観光特性を踏まえた上で役割分担や機能分担を図っており、行政は効果的な支援を通し、釧路市全体の観光体制の強化を推進していく所存であります。既に新市の観光コンセプトをあらわしたポスターを制作するとともに、冬季観光キャンペーンでは、イベントや食の連携を図った事業内容を共同でPRするなど、既に合併による新市の魅力拡大につながっているものと考えております。 また、ホスピタリティ運動の啓蒙につきましては、既に釧路地区において、観光団体、経済団体が中心になって進めておりますが、新市が一体的に観光振興を進めていく上で欠くことのできない大切な要素であると認識しており、阿寒地区、音別地区をも加え、市民一丸となった全市的な取り組みとして進めてまいりたいと考えております。 また、市中心部の観光物産情報センターにつきましては、観光物産等の情報提供機能、観光客や市民の交流拠点機能など、総合的な観光案内拠点として、駅の拠点性を勘案した立地を基本的に検討を進めておりました。具体的には、駅前商店街が中心となって旧ラルズプラザの土地建物を取得し、商店街と市が協働して空きビルの解消とにぎわいの創出を図ることを中心市街地活性化基本計画に位置づけたものでありますが、商店街等の取得断念により実現できなかったものであります。 現在、観光物産情報センターの立地におきましては、駅の拠点性を勘案しながら駅周辺地区整備の議論も踏まえ、検討をしてまいりたいと考えております。 地産地消の全市的な推進体制と取り組みの具体策でありますが、ご指摘のとおり地産地消の推進には、全市的な推進体制の整備と地域一体となった取り組みが必要と認識しております。市といたしましては、地域の中核的な役割を担う組織として、生産者、流通・販売業者、支援団体など、管内の17団体と連携し、平成16年度に「地産地消くしろネットワーク」を設置したところであります。 今年度につきましては、地産地消くしろネットワークの活動計画の策定、地産地消開幕宣言、実践団体の活動を紹介するフォーラムの開催、小売店で地元食材をPRする「くしろ食財の日」の実施、地場産品情報を発信するホームページの作成などに取り組んでまいりました。新年度につきましては、阿寒・音別地区への活動の拡大を図りながら、推進体制拡充のための地産地消サポーターの創設、工業製品など食以外の地場産品情報を発信するホームページの作成、くしろ食財の日の実施日数などの拡大など全市的な推進体制を整備するとともに、地域一体となった取り組みを進めてまいりたいと考えております。 公共施設における今後の地産地消の具体策でありますが、ご指摘のとおり、子供たちへの食育や地産地消運動の市民への普及を図る上で、公共施設における地元食材の積極的な利用は大切なことと認識をいたしております。 学校給食におきましては、これまで年3回のふるさと給食を実施するとともに、地元食材の利用拡大に努めておりますが、新年度は魚料理をふやすための調理機器の充実、また、児童が食べやすいように工夫されたメニューの提供、また、地元食材を使った新メニューの研究などに取り組むこととしております。また、保育園や市立病院につきましても、従来から地元食材を多く購入しているところでございます。市といたしましては、今後も地元食材を納入するよう納入業者に要請するとともに、地元食材の積極的な利用の拡大に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、水産業発展ビジョンの検証と行政のサポートについてであります。 釧路市水産業発展ビジョンは、21世紀に船出する水産業界が進む方向を示す羅針盤ともいうべきものであり、限られた水揚げ高の中で、生産から流通・加工及び関連業界に至るまで、いかに高い生産性を実現するかという視点から、発展の方向性や実現のための方策が示されております。これは平成10年に策定されたものでありますが、このビジョンは実施計画のように、いわゆるローリングシステムを取り入れて進行管理するという性質のものではないため、業界におきましても個々の施策については検証しておりませんが、おおむね実施あるいは着手に至っているところであります。 例えば、ビジョンに掲載されている16の重点施策のうち、漁獲物高付加価値化対策の推進につきましては、昆布加工場や生鮮加工施設などが各漁協において既に整備されております。また、漁船鮮度保持機能の整備につきましては、地元の企業におきまして技術開発が進められ、漁船に導入されるなど、個々の進捗状況に違いはあるものの、官民それぞれの役割の中で進められてきております。 市では、これまで水産業振興のために各種施策を講じており、ビジョンで示されている提言では、水産基盤整備など市が直接実施したもののほか、ビジョンに基づく業界からの要望に対しましては財政的な支援を行うなど、各種施策の実施に当たりサポートをしてきたところであります。 水産再生に向けたプログラムと水産釧路のグランドデザインについてということでありますが、国際漁業における規制強化と資源の悪化、輸入水産物の増加による産地価格の低迷、漁業就労者の減少と高齢化、また消費者ニーズの変化など、水産業を取り巻く状況は厳しさを増してきておりますが、本市におきましては、水産業は地域を支えてきた基幹産業であり、水産の浮沈が経済活動の動向に大きくかかわってくると認識をいたしております。 私は、地域振興の源泉は経済活性化にあるととらえており、その核の一つに位置づけているのが水産業の再生であります。水産都市釧路に対する期待とこれから果たすべき役割について考えた場合、資源の回復を図りつつ、質の高い水産物の生産体制を確立し、水産加工業におきましては、高次加工により安全で良質な加工品が生産され、そして水産業を中心に技術革新が進み、これを核に産業集積が図られる水産都市を目指すべきであると考えております。これを実現するためには時代の変化を的確にとらえ、地域にある資源と知恵を活用し、官民が一体となって取り組む必要があります。今申し上げましたことを基本的な考え方に据えて、水産業の振興発展のために力を注いでまいりたいと考えております。 新マリノベーションの検証と今後の見通しについてでありますが、新マリノベーション構想につきましては、沿岸・沖合域の高度利用、水産加工業の体質強化、地域経済の活性化と定住圏機能の充実を大きな柱として平成6年度に策定されております。この構想を受けまして、国や道の補助制度を活用しながら、これまで総事業費208億円、うち市費30億円を投入して水産基盤の整備を行うとともに、増養殖事業や高付加価値化を目指した水産加工業の体質強化に向けた各種施策を展開し、さらには住民憩いの場としてのマリンパーク整備など目標達成に向けて取り組んできたところであります。 施策の中には、水産資源の減少や地域の気象条件、急激な社会経済情勢の変化などにより、やむなく断念せざるを得ない事業があった一方、着実に成果を上げている事業もあります。本構想は、今年度をもって終了いたしますが、今後におきましても、構想に掲げられた理念を引き継いで成果を上げている事業は、引き続き実施しながら、現在国におきまして、本構想を包含した水産基本計画の見直しを行っていることに注視しつつ、新たな計画策定について検討してまいりたいと考えております。 次に、農業問題でありますが、市が目指す魅力と活力ある農業振興についてであります。 既に市政方針で述べましたとおり、産業振興の重要性から経済水産部を経済部と水産農林部に分割再編し、より重点的に振興策を推進する体制を整え、釧路市の経済的基盤の強化を図ってまいります。 本市の農業は、これまで冷涼な気候と泥炭性の土壌などの厳しい自然条件のもと、草地型の酪農を初め、都市近郊野菜栽培や肉用牛経営などを中心に発展してきており、現在の農業生産額は旧市の4.5倍となり、約80億円に上る生産活動が行われております。しかしながら、近年、急激な国際情勢の変化や農産物の輸入自由化などにより、農業経営環境は非常に厳しい状況にあることから、より一層の農業生産基盤の体制づくりを推進することが必要であると考えております。 また、市としての農業振興計画の策定についてでありますが、新生釧路市の新たな魅力ある産業創出として、農畜産業の振興に大きな期待がかかりますことから、議員ご指摘のとおり、農業振興計画に係る総合的な計画の樹立が必要であるとの認識をいたしております。この計画につきましては、新農業基本法の定めるところにより、食糧の安定供給の確保、多面的機能の保全発揮、農業の持続的な発展、また農村の振興、さらに水産業及び林業への配慮などの内容を基本構想として策定することになります。 この基本構想は、現在策定中でありますが、農業協同組合と農業委員会からの意見の聞き取りをし、北海道と協議を行い、同意を得た上で基本構想を定めることになります。その後、この基本構想をもとに、より具体的な方針を定めた釧路地域農業マスタープランを策定することになるわけでありますが、この内容といたしましては、安定的な農業経営を行える認定農業者の育成や安全で安心な農畜産物の生産、生産者の顔が見えるクリーンな農業を行うなどの多種にわたる総合的な事項を掲載した実効性ある計画の内容となっております。 このマスタープランを策定するに当たりましては、市を含めた農業関係の9機関で構成される釧路市農業農村経営生産推進会議での十分な協議を行い、これらの意見を集約した上で新生釧路市の農業振興の基本となる計画が策定されることになります。 次に、後継者問題でありますが、農業従事者の高齢化と後継者不足が懸念される中にありまして、後継者の育成は、農業振興を図る上で重要な問題であると、大きな課題であると認識をいたしております。 後継者対策の取り組みといたしましては、旧釧路市におきましては、新規就農者向け募集案内パンフレットの作成、ホームページの開設、さらには札幌での新規就農相談会への参加、旧阿寒町におきましては、地域独自の農業後継者対策協議会、また旧音別町では、産業後継者対策推進協議会などを設置し、釧路管内を統括する釧路農業後継者対策協議会などの関係機関と連携を取りながら活動を進めてまいりました。 新年度の後継者対策につきましては、今まで実施してきた事業を基本として事業を継続していくとともに、行政や農業関係機関で構成いたします釧路市農業農村経営生産推進会議の中にプロジェクトチームを立ち上げ、新たな後継者対策協議会の設置に向け、前向きに検討していくこととしております。 また、別海町の例を挙げられての研修制度の導入でありますが、ご指摘のとおり、この別海町での酪農研修牧場制度は、新規就農者の受け入れにおきまして有効な手段の一つであると認識をいたしております。 当市におきましても、農業法人による新規就農者の研修を行っておりますが、新年度におきましては、引き続き研修受け入れ農家の発掘や宿泊可能施設の調査などを行う予定であります。 また、別海町の酪農研修牧場制度も参考にしながら、当市に適合した農業研修制度のあり方につきまして、認定農業者や指導農業士、さらには農業関係機関とも協議を行い、研究してまいりたいと考えております。 また、一般企業の農業への参入につきましての見解でありますが、農業経営基盤強化促進法の改正によりまして一般企業の農業への参入ができることとなり、その手続の窓口は、市町村または農地保有合理化法人、これは農業開発公社でありますが、ここが行うこととなっております。この内容は、遊休農地や耕作放棄地が相当程度存在する地域において、市町村が定める農業経営基盤強化促進基本構想というものに基づき、参入できる区域を設定して、農地の有効利用を行うことにより、地域の活性化を図ることを目的としているものであります。 釧路市といたしましては、合併後、農業委員会を通じ遊休農地の実態の把握を行いましたが、この調査におきましては、遊休農地及び耕作放棄地の存在は確認されておりませんでした。 現在、市におきまして遊休農地の取り扱いにつきましては、地域の意欲ある農家への農地利用集積を図ることを基本方針としておりまして、これが農家経営の規模拡大や地域農業の振興につながっておりますことから、今後、遊休農地及び耕作放棄地の発生があった場合におきましても、この方針に基づき対応してまいりたいと考えております。 次に、森林・林業振興についてでありますが、林業振興計画の基本的な考え方と重点課題についてのお尋ねであります。 森林は、国土の保全、水源涵養や地球温暖化防止及び快適な生活環境の保全等の公益に資する機能や林産物の供給など多面的機能を有し、私たちの生活に深くかかわりのある貴重な財産であると認識をいたしております。こうしたことから森林の持つ多面的機能に配慮しつつ、重視すべき機能に応じた森林の整備を総合的に行うことが重要でありまして、1つには、造林事業や間伐などの保育事業、また土砂流出防止などの治山事業、また林道網の整備のほか、市民が自然と親しめる森づくりなどの推進を図ることが必要と考えております。 しかしながら、木材価格の長期低迷と採算性から、林業・木材産業を取り巻く環境はいまだ厳しさが続いておりまして、林業従事者の雇用の場の確保も難しい状況にあることが大きな課題であると認識をいたしております。造林事業や間伐事業を推進し、雇用の場の確保、さらには地元産材の活用に向けた取り組みを進めておりますが、新年度におきましても森林整備地域活動支援交付事業や21世紀北の森づくり推進事業など、国や道の補助制度を活用しながら森林・林業の振興を図ってまいりたいと考えております。 地元産材の積極的な活用についてでありますが、公共施設への機能活用につきましては、これまでも消防法や建築基準法等の制約がある中、学校や児童福祉施設等におきまして、構造材、仕上げ材、いすや机、その他家具等におきましても積極的に活用をしてきたところであります。新年度に予定されております事業につきましても、できる限り地元の木材を利用し、地産地消に努めてまいりたいと考えております。 木育の推進とエゾシカ被害対策についてでありますが、木育の概念は、「木とふれあい、木に学び、木と生きる」と、こういうふうにされておりまして、木を通じて地域社会の形成づくりを行うなど、人と木とのかかわりを大切にする取り組みであります。 木や森林による、いわゆる人と自然との共存する社会の形成は、林業振興の観点からも大切なことと考えておりますが、平成17年度に、北海道におきまして国の補助事業を活用し、親子で木のおもちゃに触れ、木のぬくもり、木の可能性を感じてもらう「もりのゆりかご体感事業」が開催され、好評を博したところと聞いております。釧路市といたしましても、木育推進の観点から、まずもって「もりのゆりかご体感事業」を、新年度におきまして当釧路市で開催するよう、北海道へ誘致の要請を行っているところであります。 次に、エゾシカ被害対策についてでありますが、現在、シカさくによる被害防止、銃による捕獲、また阿寒地区は生体の捕獲による取り組みを行っているところでありますが、今後とも、これらの被害防止対策をそれぞれの地域の特性により的確に組み合わせながら、有効なエゾシカ被害の防止対策を推進してまいりたいと考えております。 次に、港湾行政でありますが、東南アジアへのポートセールスの結果についてであります。 このたびの釧路港湾協会におけるポートセールスは、外貿コンテナ航路の新規航路開設も念頭に置き、さらなる釧路港のPRのため、香港を初めとする東南アジアを訪れたものであります。この中で釧路港の立地条件の優位性、港湾機能の向上等について認識を深め、北米航路開設の必要性を強くしたとも聞いております。私どもも、北米航路開設につきましては関係機関と検討を進めてきた経緯がありまして、実現に向け、船会社、荷主等へのポートセールスを含め、取り組んでまいりたいと考えております。 後背地の北網、十勝、根室圏へのポートセールスにつきましては、議員ご提言のとおり、私どもも貨物量確保、あるいは発掘という上で非常に重要と認識しており、これまでも実施してきたところであります。また、本年度におきましては、後背地域の企業の中枢が集中する札幌の本支店にも訪問してきたところであります。今後におきましても、なお一層ポートセールスに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、特定重要港湾昇格に向けての取り組みについてでありますが、これにつきましては、釧路港の背後圏が我が国の食糧供給基地として国民生活を支え、釧路港がその物流拠点として重要な役割を果たしていること、並びにこの指定による物流需要の増大など多くの効果が期待できることから、平成13年度からこの特定重要港湾の指定に向けて取り組んでいるところであります。平成14年には、特定重要港湾の要件とも言える外貿コンテナ定期航路が開設され、平成17年で丸3年を経過したところでございます。この間、取扱貨物も順調にふえ、平成17年の取扱実績はコンテナ換算1万3,192本となっております。しかし、他港にあっては、北米航路など複数の外貿コンテナ定期航路を有しており、それが昇格に当たっての大きな要因となっているところであります。今後も、釧路市重要懸案事項要望や釧路地方総合開発期成会要望におきまして、釧路港湾協会などと官民一体で関係機関へ要望を行うなど、引き続きこの昇格に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 また、外貿コンテナ船の週1便から2便に向けての取り組みでありますが、現在、外貿コンテナ船は、定期便以外にも臨時便が運航されるなど、週2便化へ向けての兆候も見られますが、その一方で、船型が大型化の傾向にありますことから、週2便運航に見合う貨物量の確保が必要となってまいります。このため、先ほど申し上げましたポートセールス活動の強化、道路等のインフラ整備を進め、また週2便運航による利便性向上が貨物量の増大につながることから、船会社にも要請を続けてまいるものであります。 また、ガントリークレーンの早期導入についてでありますが、この荷役設備といたしまして、平成14年からジブクレーンを導入したところでありますが、港湾業界から効率的な荷役作業及び今後のコンテナ取扱量の増加に備えて、ガントリークレーンの設置を要望されております。 私どももガントリークレーンの必要性は十分認識しておりますが、現行の取扱量では採算性に難があるということでございます。 そこで、昨年11月に釧路港湾協会では検討部会を設立し、今後の貨物量の見込み、あるいは設置箇所、整備にかかる経費、採算性等について検討をしてきたところであります。このたび、その報告書が取りまとめられましたので、今後は資金面や運用条件等の詳細について、関係する業界と協議を進め、早期導入に努めてまいりたいと考えているところであります。 次に、認知症高齢者グループホームの事故防止に向けた市の対策と問題把握でありますが、認知症高齢者グループホームは、その利用者が認知症の高齢者でありますことから、そこでのサービスの質と入居者の安全の確保の問題は、極めて重要であると認識をいたしております。 現在、市内の各地域にグループホームの整備が進められておりますが、指導官庁であります北海道が実施する各指定事業所に対する運営指導に当たりましては、市の担当職員を同行させ、運営実態の把握に努めるとともに、北海道とも連携しながら、サービスの質の確保などに向けた助言指導を行っているところであります。 また、市内の認定事業所等において連絡協議会を設立し、介護職員の専門知識の取得や、あるいは、介護技術の向上を目指した研修活動にも計画的に取り組んでおり、市としても情報の提供初め、認知症ケアのレベルアップにつながる活動の支援に努めているところであります。 介護の現場での悲惨な事件や痛ましい事故は決して他人ごとではないと考えているところであり、特に先般の火災事故を契機に、消防庁からの認知症高齢者グループホーム等の防火安全対策に関する通知に基づきまして、釧路市消防本部におきまして立入検査を行い、指導を行ったほか、施設の運営基準におきましても、消防設備その他非常災害に際して必要な設備の設置や、あるいは夜勤体制の義務づけなどの改正が予定されているところであります。新年度よりグループホーム等の地域密着型サービスの指定等の権限が道から市に移譲されますことから、今後とも関係法令に基づき、利用者へのサービスの質と安全が確保されるよう適切な指導に努めてまいりたいと考えております。 次に、障害者自立支援法への対応についてでありますが、定率負担の導入によりサービスの利用を控えるなど、障がい者の不安な声をどのように受けとめているかということでございます。 この利用者の負担の考え方は、増大する福祉サービス等の費用を皆で負担し、支え合う仕組みの強化を目的として、利用したサービスの量や所得に応じた公平な負担や国の財政責任の明確化を図るものであり、さらには今後の障がい者施策の永続的・安定的な枠組みをつくり、なお一層の福祉サービスの提供基盤の充実や環境整備が図られることを目的としていると、私どもも認識しているところであります。 利用者の負担につきましては、所得に応じ月額上限額の設定、さらに個別減免や社会福祉法人軽減制度、補足給付など、きめ細やかな各種軽減措置や経過措置が設けられております。さらに市としては、国の制度に基づく利用者負担の軽減措置のほか、低所得者に対する負担軽減策として、社会福祉法人軽減制度を民間事業者へ拡大する事業や、国民健康保険では精神障がいの医療に対する賦課給付金制度を継続するなど、市独自の事業を実施し、福祉サービスの利用促進を図ってまいりたいと考えております。今後とも、障がい者の方に対し、これら各種軽減措置を含めた制度の周知を図るとともに、障がい者の方のさまざまな相談にも応じるなど、円滑なサービス利用が促進されるよう努めてまいりたいと考えております。 ことし4月から障害者自立支援法が施行されるのに伴い、問題はないかというお尋ねでありますが、この障害者自立支援法は4月から自立支援医療の実施、福祉サービスと自立支援医療の1割負担の導入、10月から新しい福祉サービスの提供という2段階での施行となっております。また、具体的な内容につきましては政省令にゆだねられており、10月施行の新しい福祉サービスの詳細な内容につきましてはまだ示されていないなど、全体像が明確になっていない状況であります。そのため、10月から実施する市町村の地域生活支援事業につきましても、具体的な実施内容等が示されていないところでありますが、今後とも国や道から情報収集に努めながら、できるだけ早く実施内容を検討してまいりたいと考えております。 また、福祉施設の集約化のご提言もございましたが、福祉施設につきましては、それぞれの施設で設置目的がありますことから、利用者や利用形態が異なっておりまして、また各施設の老朽度にも相違があることから、必ずしも改築時期が同一にならないものと考えているところであります。 さらに、障がい児(者)の施設につきましては、性格上、1階部分の面積を最大限に確保しなければならないことや療育センターではグラウンドが必要なことなどから、大きな土地面積が必要であり、また一方、市としては、ご提言の旭小学校につきましては、立地条件等から中心市街地開発用地として利用価値が高いものと判断し、民間による開発を誘導する基本的な方向性で検討しており、福祉施設の集約化についてはなかなか難しいものと考えております。 次に、防災行政でありますが、推進計画策定の進め方、平成18年度予算項目との関連であります。 特別措置法に基づく防災対策推進計画の策定につきましては、今後、中央防災会議から示される基本計画を基本として、釧路市防災会議の審議を経て、平成18年度中に策定することといたしております。また、平成18年度の予算項目との関連につきましては、津波ハザードマップの改定、推進計画も含めた新地域防災計画の策定、津波防災行政無線固定系の整備のための実施設計を行うこととし、これらにかかる経費について予算計上したところであります。 また、災害対策本部の代替施設でありますが、市役所庁舎が災害対策本部にこれまでもなることになっておりましたが、地震または津波の被害を受けた場合の代替施設につきましては、地震被害を受けた場合には、耐震施設であります消防本部庁舎に対策本部を設置することとしておりますが、3メートル以上の大津波の場合には、市役所庁舎も消防本部庁舎も浸水被害を受けることになりますので、今後、早急に生涯学習センターなどを念頭に代替施設を検討してまいりたいと考えております。 最後に、市庁舎の耐震についてでありますが、本市庁舎は、昭和40年11月に竣工以来40年が経過し、この間、震度5以上の地震を7回経験してまいりました。幸い致命的被害を受けることもなく、部分的修復により建物を維持してまいったところであります。今回は、耐震改修促進法により耐震診断を行うものでありますが、建築年次の関係からしますと、診断結果は何らかの対策を必要とするものになろうかと考えております。 市庁舎の老朽化、分散化などの状況からの改築のご質問でありますが、耐震診断を行うということは、その結果にもよりますが、改築には極めて多額の費用を要することもあり、基本的には、現庁舎を改修または補強しながら大切に使っていきたいということでございます。今後とも、さまざまな工夫を重ねながら施設の維持を図るとともに、部署等の分散解消につきましても、組織の再編等とあわせて、市民サービスや事務効率の低下を招かないよう配慮してまいりたいと考えているところであります。 私からは以上でございます。 ○副議長(上口智也君) 教育長。 ◎教育長(上原丈和君) (登壇)私からは、教育に関するご質問についてお答えをさせていただきます。 最初に、今日の教育課題、今後の重点課題についての認識についてでございます。 変化の激しい社会の中で、子供たちが健やかに成長し、夢と希望を持って大きく羽ばたいてくれることが私たちの最終的な願いであります。そのために必要な確かな学力、豊かな人間性、健康と体力という、人として生きる力や社会の変化に対応する力を育成することが重要であると認識をいたしております。そのために平成18年度の教育行政方針の重点として、次の3点を押さえております。 1点目は、知・徳・体をバランスよく育み、ふるさと釧路の未来を担う人づくりを目指した生きる力を育成する学校教育の充実であります。2点目は、学校が本来の役割を果たし、子供たちの夢や希望を育む場として機能する安心して学べる教育環境の整備であります。そして3点目は、市民のだれもが学ぶことを喜び、学びを生きがいとする生涯学習の充実を求めた魅力あふれる生涯学習の充実であります。以上の3点を柱に据えて、だれのための仕事であるかという視点を明確にし、人を大切にするということを大きなテーマとして、具体の効果ある施策をもって、新年度の教育行政を力強く推進していく考えでございます。 次に、たくましく生きる力を育成するために、教育行政が果たす役割についてでございます。 子供たちを取り巻くさまざまな教育課題を解決し、生きる力を育成する教育を推進することは大変重要でございます。特に体験を通して学ぶことが、たくましく生きるための資質を培うために不可欠であることから、ご指摘のように、生きる力を育む教育を学校だけで実現できる状況にはありません。教科や道徳、特別学習、特別活動、総合的な学習など、あらゆる教育活動において、地域の人々と連携することや地域の教育資源を最大限有効に活用することが求められています。そのために、1つとしまして、学社融合・学社協働を基本姿勢に、学校、家庭、地域、そして各関係機関が十分連携を図り、機能的に協働できるシステムづくりを推進してまいります。2点目として、生きる力を育むための各学校における教育活動に対する適切な指導助言に力を入れてまいります。また、3点目としまして、学びの環境整備と基盤整備に努めてまいります。こうした地域が一体となっての取り組みが、現在問題となっている登下校時の学校の安全確保にとっても有効であり、安全で安心して学ぶことができる環境整備に役立つものと考えております。また、こうしたことが、日本の地域が伝統的に持っていた地域力の再生にもつながるものと考えております。 次に、子供たちの安全対策についてです。 治安の悪化に伴う事象や事件の多発化傾向に対する分析と認識についてですが、近年、全国各地で子供たちが巻き込まれる悲惨な事件が多発し、子供の安全確保が大きな課題となっております。このような事件の要因は、社会全体の規範意識の低下、ゲームやメディアによる命を軽く扱う風潮などを初め、日本に古くから伝わる地域の目が働かなくなり、社会として子供たちを犯罪から守ることができなくなっていることや、大人が適切な価値基準を守り精いっぱい生きる姿を子供に示すことが、重要な環境になるとの認識が薄れていることにあると考えております。そのため、開かれた学校づくりを推進し、地域と一体となって子供を育てることを重視した施策を推進するとともに、学校、家庭、地域が一体となった機能的な安全対策を具体化する必要があると認識をしております。 また、未来を担う子供が痛ましい事件、事故にかかわることのないように、命をとうとぶ心や規範意識を醸成して豊かな心を育むことと、みずからの人生を力強く切り開いていくための確かな学力と健やかな体を育成する、信頼される教育をより充実することが重要であると認識をいたしております。 次に、子供の安全対策について、ネットワーク組織の確立についてのお尋ねでございます。 児童・生徒が安全に通学し、安心して学校生活を送るには、学校内における安全体制の確立や設備整備の充実とともに、学校、保護者、警察、町内会など、関係機関や団体が連携した地域ぐるみの安全対策が何よりも重要なものと認識をしております。ご指摘の関係団体などによる子供を危険から守るネットワーク組織につきましては、釧路市市民生活の安全に関する条例に基づき設置されました、同趣旨のネットワークである釧路市民生活安全推進委員会の中で種々情報交換や連携を図っておりますが、さらに構成団体である連合町内会や老人クラブ連合会に、地域での子供たちへの見守りについて個別に協力要請を行うなど、積極的に取り組みをしてきております。 現在、市内小中学校では、町内会、保護者、ボランティア等による自主防犯パトロール隊の結成と活動が活発化してきており、子供を守る地域ぐるみの防犯ネットワークはさらに広がりを見せております。教育委員会といたしましては、この広がりをさらに拡充するため、釧路警察署を初め、関係機関などとより一層の相互連携を深めてまいりたいと考えております。 次に、ゆとり教育につきまして、今回の見直しの動きをどう受けとめているかということでございます。 ご指摘のとおり、文部科学省はさまざまな提言を受け、学習指導要領の見直しの準備を進めている段階であります。その方向性が学力低下論議を踏まえたものであることも認識をしているところです。しかし、確かな学力を育成し、生きる力を育む現行学習指導要領の基本的な考え方は、今後も引き続き重要であるとの基本的な考え方が、文部科学省から示されているところであります。 私といたしましては、国の動向を注視しつつ、教育行政方針でも述べましたとおり、確かな学力の育成については、少人数指導やチームティーチングなどの指導体制を整え、指導の充実を目指す取り組みを一層推進してまいりたいと考えております。 また、低学年の授業時数増加に伴う学校運営上の対応と変化についてですが、授業時数の確保についても盛んに論議をされているところでありますが、文部科学省では、授業時数の量的な側面を教育内容とあわせて検討している段階であります。釧路市におきましては、小中学校どの学年におきましても、授業時数は十分確保されている現状にありますが、今後、国の動向も見据えつつ対応してまいりたいと考えております。 次に、学校統合についてお答えをさせていただきます。2点ご質問をいただきました。 初めに、現在進めております7校3件の統合に係る取り組み状況と今後の予定でございますが、平成19年4月に予定されております。旭、寿小学校及び駒場、新川小学校、また平成20年4月の東栄、柏木、日進小学校の7校3件の統合につきましては、昨年6月に学校、PTA、地域の代表の方々により、それぞれ統合準備協議会を設置し、児童の保護者や教職員、また地域の方々に十分協議をいただきながら、統一へ向け一体となって鋭意準備を進めているところでございます。 これまで、それぞれの協議会では、統合校の校名や通学区域等についてご協議いただき、また校名につきましては、児童、保護者、地域の方はもとより、市外在住の釧路市出身の方などを対象に広く公募いたしまして、旭、寿の統合校につきましては「中央」、駒場、新川は「青葉」、東栄、柏木、日進は「釧路」が、各統合準備協議会での校名案として選考されたところでございます。また、各協議会では、教職員部会、PTA部会を設置し、統合校の教育目標や学校経営方針、さらに統合前の交流計画等につきまして、現在協議が進められているところでございます。 今後の予定でございますが、平成18年度は、平成19年及び平成20年の統合に向けた仕上げの年でございます。校歌や校章の決定、また、統合前の交流計画の策定・実施など、統合へ向けた準備に万全を期してまいります。 次に、太平洋炭鉱の閉山に伴う児童数減少の影響に対する今後の対応についてですが、地域の児童・生徒の減少は、太平洋炭鉱の閉山の影響が大きいと思われます。興津、桜が丘、朝陽の3小学校、また春採、桜が丘の2中学校の状況を見ますと、昨年5月1日現在の児童・生徒数は、学校のあり方検討委員会の最終報告での推計と比較いたしまして、小学校3校で約60名ほど、また中学校2校でも同様に約60名ほど下回っており、閉山による影響も一つの要因にあるものではないかと考えております。また、閉山に伴う炭鉱離職者の方のうち、再就職がかなわない方々もまだ相当数いらっしゃると聞いております。これらの方々の今後の動向によりましては、さらに児童・生徒数が減少することも予想されますことから、これら炭鉱離職者の方々の動向、そして周辺地域の児童・生徒数の推移を注視しながら、今後の方向性について検討してまいりたいと考えております。 次に、スポーツ合宿と全国大会の誘致についてお答えをさせていただきます。 全道・全国大会等の招致につきましては、待望の道内屈指の規模、機能を有する総合体育館が完成・オープンいたしますと、従前、積極的に誘致のできなかった全道・全国大会についても円滑な運営ができるとともに、サブアリーナ、トレーニングルームなど、充実する施設機能からも積極的な招致活動ができるものと考えております。したがいまして、新総合体育館のオープン以降には、全道・全国大会が数多く開催いただけるよう、その招致に向けましては、各競技団体など体育関係皆様と連携を図りながら取り組むとともに、きめ細やかな受け入れ体制の構築に努め、地域のスポーツの振興はもとより、地域活性化にもつなげてまいりたいと考えております。 また、ご提言の日本リーグなど、当地域ではなかなか見ることのできない国内トップレベルのゲームが観戦できる機会につきましても、ぜひ実現していきたいと考えております。また、総合体育館のオープン記念事業の一つとしても開催できるよう招致活動を進めてまいります。 次に、スポーツ合宿の誘致についてですが、釧路市のスポーツ合宿の現状としましては、アイスホッケー競技を初めフィギュアスケートなど、大学・高校の合宿が夏場に集中し、この時期、各屋内リンクともあき時間のない状況となっています。また、陸上競技関係では、夏場の冷涼な気候が好まれまして、市民陸上競技場やロード練習のため、実業団や各地の陸上競技団体などが当市で合宿している状況であります。今後、総合体育館が完成いたしますと、バレーボール、バスケットボールなど、屋内競技についても合宿受け入れが一段と有利になるとともに、競技選手クラスからニーズのありますウエートトレーニング機器を充実するなど、合宿環境の整備を図り、積極的な合宿誘致に取り組んでまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○副議長(上口智也君) 53番千葉光雄議員。 ◆53番(千葉光雄君) (登壇)時間が押しておりますが、2回目の質問をさせていただきます。 それぞれ丁寧な答弁をいただきましたので、項目を絞って再質問いたしたいと思います。 まず、財政あるいは行財政改革でありますが、一体釧路市の財政のあるべき姿とはどのようなものなのか、いま一度真摯に考える必要があるのではないかと思います。ここ数年、人口減は確実に進んでおりますし、市税収入も前年割れが続いておりまして、新市となった釧路市においても、この状況に変化はないと思われます。 また、地方財政計画の見直しは、地方都市にとって非常に厳しいものとなっております。今後も全体的には、地方税の増収分が地方交付税の減額につながっていくことは明らかであります。ここ数年の財政規模や財政運営、また新市としての初年度の予算案ということを勘案しても、市政方針でも触れられております地方財政計画上で、国が想定する地方都市の姿の実現ということから大きな乖離があるものと思います。このような状況にあって、釧路市の財政運営、財政規模は身の丈に合っているのかどうか、市長の見解を求めるものであります。 また、市政方針では、後ほど触れます職員給与削減とアウトソーシングで人件費の抑制が強調されております。しかし、約51億円の財源不足に対して、例えば平成17年度と同様の給与5%カットが行われたとしても、4億円から5億円であります。人件費の抑制だけでは限界があるのであります。したがって、抜本的に財政の考え方を変える必要があると思います。ある意味で、歳入に見合った予算に切り替えなければならないというふうに思います。単年度では非常に無理があろうと思いますが、ソフトランディングを含めて検討に入るべきと考えております。市長の見解をお聞きいたします。 次に、長期貸付金についてでありますが、総額約151億円のうち、これまで政策的繰出金を貸付金処理して財源を捻出した分が約20億円、各種基金からの借り入れ分が46億円、合わせて66億円でありまして、これはできるだけ早期に返していかなければならないものであります。このことだけでも、事の重大性を強く感じるところでありますが、どのように対応されるのか、答弁を求めるものであります。 さて、市政方針で触れられている市長の考える行財政改革は、言いかえれば、民間委託と職員及び職員給与の削減であります。しかし、旧釧路市においては、これまで計画を大きく上回る人員削減を達成してきております。この結果、現状でも、残業や休日出勤、自宅への仕事の持ち帰りが常態化し、職員に過度の負担がかかる職場があることも事実であります。また、予算がつかないために、いわゆるサービス残業が日常化している実態があるとも聞きます。市長としてこのような状況どのようにとらえ、対応しようとしているのか、明らかにしていただきたいと思います。 私どもとしては、まずこのような問題を是正していくことが、職員の理解と協力を得るための大前提ではないかと考えるところであります。また、このような中にあって、職員の削減、職員給与削減が先行することは、職員の士気や意欲にもかかわる重大なことであると考えます。市長として、人心を一つにしてこの難局を乗り切っていかなければならないときに、どれほど職員の心をつかみ、ともに汗をかき、市役所が一丸となって諸課題の解決に取り組む体制をつくろうとされてきたのか、また今後どう取り組むのか、さらには職員の士気を高め、個々人の能力を100%発揮させ、市役所を真に活性化させることが最も重要であるとも考えますが、市長としての真摯な対応とともに見解を求めるものであります。 2つ目に、観光の振興でありますが、ご承知のように、道は既に観光立国宣言をいたしておりまして、食と観光、産消協働を重点政策として事業展開を図っております。出先機関の釧路支庁も、新年度の地域重点政策として食と観光の連携推進を打ち出しております。市は、これまでも道と連携協力をしながら観光推進を図ってきたと思いますが、新年度にどのような有機的連携のもとで食と観光の推進を図っていくのか、明らかにしていただきたいと思います。 さて、先般、地域フォーラムが開催をされ、沖縄でリゾートホテルやゴルフ場などの経営をされている白石武博氏の講演がありました。昨年の福山さんに続いて、沖縄観光ブームの現状についてお話を伺いましたが、これからの釧路観光の振興を図る上で非常に多くの教訓や示唆をいただいたところであります。わけても印象深いのは、観光を単なるブームや一過性に終わらせないために、いろいろと困難に直面しても地域が一体となって、当事者意識を持って取り組んできたことが今日の沖縄観光を支え、数字となってあらわれているということでありました。また、このことが修学旅行やリピーターの増加にもつながっているとのことであります。 観光を基幹産業として育てようとする釧路市にとって、沖縄の事例はうらやましい限りであります。しかし、何よりも大事なことは、観光の先進地に学び、それをいかに今後の釧路観光に取り入れ、生かすかであります。私どもは、以前、岐阜県高山市の例をお話しいたしましたので、市長もご記憶と思いますが、高山市にはリピーターが多いということで、それも4回、最初が修学旅行、2度目が新婚旅行、3度目が家族旅行、4度目が熟年旅行という話であります。沖縄の場合も、そういう傾向が見受けられるということであります。 翻って、我が釧路市の場合はどうでしょうか。世界一級の観光資源と豊富な食材を有しながら、十分に生かされているのかどうか。市長は海外にも通用する観光を強調されておりますが、体系的な観光政策と相まって全市的な当事者意識、つまりホスピタリティをどのように啓蒙、定着させていくのか、さらには地元食材の利活用を通じた地産地消など、新釧路市としての一体的な観光推進体制なくして釧路観光の将来像は描けないものと思います。改めて、市長の観光にかける気概と決意についてお聞きをいたします。 あわせて、これは提案でありますが、観光が釧路経済にもたらす影響額や波及効果について、産業連関表による試算を行ってはどうかということであります。3年前に、公立大学の地域経済研究センターがJTBとの共同研究で、2000年度をベースに観光の地域経済への波及効果をまとめて、結果が明らかにされております。釧根地域に宿泊した観光客の観光消費額、他の産業に及ぼす生産・波及効果、雇用誘発人数など、推計に基づく数値が示されました。しかも、今後の施策と取り組みいかんによっては、観光が地域を支える新たな産業としての可能性と期待が持てると分析されております。それだけに、合併で釧路観光に新たな要素が加わった今日、釧路市独自の試算、数字を市民の前に明らかにすることによって、観光立国釧路に向けた戦略に資するべきと考えますが、市長の見解を求めるものであります。 最後に、意見として申し上げたいと思いますが、組織の見直しについてでありますが、例えば空港の所管を経済部へ移管すること、企画と財政の分離の問題、また環境部内の課・所の整理、こども部と生涯学習部の整理、あるいは阿寒、音別の行政センターと本庁との業務のあり方等々、従来から指摘されていることも含めて、これからの時代に合った市役所の業務と組織のあり方について、行財政改革大綱策定の中で全庁的に掘り下げた検討をされますように、意見として強く申し上げておきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。 ○副議長(上口智也君) 理事者の答弁を求めます。 市長。 ◎市長(伊東良孝君) (登壇)千葉光雄議員の再度のご質問にお答えしてまいります。 財政運営に関連して、財政規模は身の丈に合っているのかと、歳入に見合った予算にすべきだというお話でございます。 政府は、持続可能な財政構造の構築を目指しまして、歳出改革路線、これを堅持強化しており、地方財政計画の規模につきましても、5年連続で縮減をされております。地方交付税は、地方歳出見直しなどによりまして約1兆円削減されたところでありますが、これは毎年1兆円ずつ過去5年間削減されてきているところであります。 これまで釧路市におきましても、行財政改革の重点的な実施、あるいは財政再生プログラムの作成と確実な実行によりまして、主に歳出を中心に削減に取り組んできたところでありますが、残念ながら、市税の減収、あるいは地方交付税の縮減など、一般財源の落ち込みが行財政改革の効果額をのみ込んでしまっていることから、厳しい財政運営が続いているところであります。こうしたことから活力創生釧路市集中改革プランの策定におきましては、平成22年度までの実質的な単年度黒字を目指し、安定的な市民サービスの確保ができるよう財政の健全化を図ってまいりたいと考えております。 歳入に見合った予算ということでありますが、釧路市の場合、現在、今回提案させていただいている平成18年度予算にいたしましても、身の丈を超えて無理をしている予算はないというふうに思っているところでございまして、できる限り市民の要望にこたえ、そしてまた必要な事業を予算化しているということでございます。しかしながら、将来的には、市民の皆様にもご理解をいただきながら、こうした税収減、あるいはまた交付税減に対応した財政運営を心がけていかなければならないと、このように考えているところでございます。 繰出金の貸付金化、各種基金からの借り入れ等についてのお尋ねでありますが、これも今お話しさせていただきましたように、地方交付税あるいは臨時財政対策債の削減に加え、市税が減収になるなど、三位一体改革の影響や地域経済の低迷もありまして、約51億円に及ぶ財源不足が生じたところであります。これらの対応といたしまして、行財政改革推進債等の借り入れに加えまして、特定目的基金からの借り入れ、あるいは特別会計への繰出金の貸付金化により収支を整えざるを得なかったというところでございます。特定目的基金からの借り入れは累積で約46億円、繰出金の貸付金化では、先ほどもご答弁させていただきましたが、累積で約20億円となり、市内部での借り入れは合わせて66億円となっております。これらの基金や特別会計への返済につきましては、既に平成17年度以降におきまして、土地開発基金、国保支払準備基金への償還を始めており、今後におきましても基金や特別会計の運営に支障が出ないことを基本に、長期的なスパンになりますが、返済計画を立て、償還を行ってまいりたいと考えております。 また、人員削減が職員に過度の負担を与えていないかということでございますが、職員の配置、人員につきましては、おのおのの職場での業務内容を十分精査し、職員負担にも配慮しながら対応してきておりますが、市民の期待にこたえるため、職員は意欲的に業務執行しており、私としても、この姿勢に感謝をいたしているところであります。今後も厳しい職員定数の中ではありますが、職員個々が創意工夫しながら、その能力を発揮していただくとともに、各職場が一つの組織として効率的に機能していくことを基本におきまして、定数の配置を検討してまいりたいと考えているところであります。 また、この難局を乗り切るために、職員の心をつかみ、市役所一丸となって取り組む体制づくり、あるいは職員の士気を高める、市役所を真に活性化させることが重要であると。ご提言、全く私も同感でございます。厳しい財政状況のもとにおける行政運営においてこそ、職員と私ども一人一人の思いが一つとなり、厳しい現状をしっかりと受けとめ、市民の目線で業務を執行していくことが市民の共感を得ることができるものと、このように認識をしております。このことが今後の行政運営におきまして、職員の士気の高揚となり、職員個々の柔軟な発想が生まれ、政策形成に生かされることになり、そのことが職員意識の醸成となって、ひいては市役所の活性化につながってまいるものと、このように考えているところであります。 食と観光における道との連携でありますが、釧路市は今年度、北海道の「観光地食の魅力アップモデル事業」の指定を受けまして、阿寒地区におきまして、阿寒地域資源研究会がエゾシカ・ダチョウ料理の開発、釧路地区におきましては、釧路食の魅力アップ研究会が浜料理の発掘・提供方法の研究を行っております。北海道は、新年度予算の主要事業で、エゾシカ肉の商品開発や昆布の普及を新規事業と位置づけております。市といたしましても、これまで釧路市で進められてきました地域の食材を活用したさまざまな研究活動を、道の事業とも連携できるよう協議を進めながら、食の魅力を全国に発信していく体制を充実してまいりたいと考えております。 また、沖縄の例と高山の例とをお示しいただいてのホスピタリティの醸成、新市の一体的な観光体制づくりというご提言でございました。 釧路市では、観光協会やあるいは釧路観光連盟、商工会議所、あるいは釧路空港ビルと組織をいたしました釧路市ホスピタリティ推進会議が核となりまして、これまでさまざまなホスピタリティ事業を進めてきておりますが、このたび、市民参加型の新たなホスピタリティ事業として、関係機関の協力を仰ぎながらオリジナルのタンチョウ折り紙を作成し、市民に紙の折りヅルづくりの協力を呼びかけましたところ、現在まで約180件、約4万羽の制作協力をいただき、大変感激をいたしているところであります。 既にチャーター便利用の海外観光客に配布させていただくとともに、観光案内所やコンベンションなどでの活用も考えており、釧路ならではの市民のホスピタリティが発揮されるものと期待をいたしております。 また、地元食材の利活用におきましても、阿寒地区のエゾシカや釧路地区の鯨や、あるいは海産物を使った浜料理など、市民レベルでの研究活動が活発になっておりまして、地産地消の運動とも連動し、食の分野でも市民みずからが地域の魅力を知り、それを観光客に伝えるホスピタリティの輪が、一歩一歩大きく広がっていることを実感する次第であります。 これからの観光は、既に団体客中心から個人客や小グループに移行しつつありまして、市民と観光客が接する場面が多くなる中で、市民のホスピタリティやガイド力が地域の魅力を伝える大きな役割を担っております。その意味では、私みずからが先頭に立って、地域の魅力を国内外に発信することはもとより、多くの市民の思いをも込めたさまざまなもてなしの形が、釧路観光推進の原動力として、釧路観光の将来を担う支えになると確信をいたしているところでございます。 また、産業連関表に基づく観光産業の独自分析についてでありますが、産業連関表につきましては、現在旧釧路市の平成12年表を、新市全体の分析に使える形に改定する準備を進めているところであります。ご指摘のとおり、釧路市独自の産業連関表による地域経済の分析は大変重要なことであると認識しておりますので、改定版を早期に完成させ、年内をめどに観光産業の分析を行いたいと考えているところでございます。 また、最後のご提言につきましては、しっかりと受けとめて、今後とも私どもも検討させていただきたいと考えているところであります。 以上であります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △散会宣告 ○副議長(上口智也君) 本日はこれをもって散会いたします。             午後6時10分散会 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...