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09月15日-04号

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  1. 函館市議会 2022-09-15
    09月15日-04号


    取得元: 函館市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-23
    令和 4年第3回 9月定例会           令和4年第3回函館市議会定例会会議録 第4号  令和4年9月15日(木曜日)             午前10時00分開議                             午後 5時04分閉会========================================〇議事日程日程第1 一般質問──────────────────────〇本日の会議に付した事件 議事日程と同じ──────────────────────〇出席議員(26人)        1番 浜 野 幸 子        2番 吉 田 崇 仁        3番 工 藤 恵 美        4番 遠 山 俊 一        5番 金 澤 浩 幸        6番 茂 木   修        7番 松 宮 健 治        9番 工 藤   篤       10番 市 戸 ゆたか       11番 富 山 悦 子       12番 板 倉 一 幸       13番 小 山 直 子       14番 斉 藤 佐知子       15番 福 島 恭 二       16番 藤 井 辰 吉       17番 出 村 ゆかり       18番 山 口 勝 彦       19番 中 山   治       20番 池 亀 睦 子       21番 小 林 芳 幸       22番 荒 木 明 美       23番 紺 谷 克 孝       24番 島   昌 之       25番 日 角 邦 夫       26番 見 付 宗 弥       27番 道 畑 克 雄──────────────────────〇欠席議員(1人)        8番 小野沢 猛 史──────────────────────〇説明員    市長     工 藤 壽 樹    副市長    谷 口   諭    副市長    平 井 尚 子    企画部長   柏   弘 樹    総務部長   小山内 千 晴    市民部長   佐 藤 聖智子    保健福祉部長 佐 藤   任    経済部長   小 林 利 行    農林水産部長 松 浦 眞 人    土木部長   山 本 寛 人    都市建設部長 佐賀井   学    教育長    辻   俊 行    教育委員会生涯学習部長           川 村 真 一    教育委員会学校教育部長           小笠原   学    企業局長   田 畑 浩 文    企業局管理部長           万 丈   忍    企業局上下水道部長           伊 藤 正 樹──────────────────────〇事務局出席職員    事務局長   手 塚 祐 一    事務局次長  宮 田   至    議事調査課長 米 谷 公 伸======================          午前10時00分開議 ○議長(浜野幸子) おはようございます。 ただいまから本日の会議を開きます。────────────────────── ○議長(浜野幸子) 日程第1 一般質問を行います。 発言の通告がありますので、順次これを許します。4番 遠山 俊一議員。  (遠山 俊一議員質問席へ着席)(拍手) ◆(遠山俊一議員) おはようございます。市政クラブの遠山でございます。 大綱1点、持続可能な漁業の未来について、市長にお伺いしたいと思います。 まず、魚介類の自給率向上についてお伺いします。国連は5月、ロシアによるウクライナ侵攻のため、今後何か月かするうちに、世界的な食料不足が発生するおそれがあると警告しました。日本の食料自給率は38%と低く、多くを海外に依存している一方、万が一、台湾有事など日本周辺で軍事的な紛争が生じシーレーンが破壊されると食料危機に陥る可能性があります。しかも、自由民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値の共有や、平和と安定、安全を脅かすような国に多くの食料を依存している現状に改めて食料安全保障の重要性を痛感いたします。 水産庁は2021年度の水産基本計画で、2032年度の食用魚介類の自給率目標を重量ベースで現在の57%から94%に引き上げる方針を示しました。しかし函館市の漁業生産は、水産概要によりますと平成23年から減少傾向が続いています。水産都市函館として、国が示した魚介類の自給率94%の目標に向け、漁業生産の向上にどのように取り組んでいくのか、お考えをお伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 魚介類の生産量の向上に向けた取組についてのお尋ねですが、本市におきましては近年、スルメイカやサケ、コンブなど、主要な魚種で漁獲不振が続き、令和2年度の水揚げ高は4万4,000トンと10年前の平成22年度から36%減少しており、一部ブリやイワシなど暖かい海の魚が漁獲されているものの、天然資源の減少は今後も続くことが予測されているところです。 こうしたことから、本市におきましては、コンブの藻場再生や、ウニ、アワビの放流事業などの天然資源の確保対策のほか、今年度からはコンブの増殖試験や、キングサーモンの完全養殖に向けた取組を進めているところであり、加えて今後におきましては、ウニやナマコなど、新たな養殖事業にも取り組むなど、魚介類の生産量の向上に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) ありがとうございます。 続きまして、漁業協同組合の体質の強化についてお伺いします。 ただいま漁業生産の向上に積極的に取り組むという御答弁を頂きましたが、実現に向けては漁業協同組合が大きな役割を果たします。北海道の水産白書によりますと、令和2年度、全道の漁協の46%に当たる32漁協が、事業利益で事業管理費を賄い切れない、いわゆる赤字経営になっているといいます。函館市における漁協の実態はどのようになっているのか、お聞きします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 漁業協同組合の経営状況についてのお尋ねですが、市内5つの漁業協同組合につきましては、いずれの組合も漁獲高は年々減少している状況となっており、これまでも経費の節減など、自助努力により経営の改善に努めているところですが、令和2年度決算において、事業管理費が事業利益を超過する、いわゆる赤字経営の組合は3団体となっております。また、そのうち事業外収益などを加味した上で最終的に赤字となった組合は1団体となっております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 大変厳しい経営状況にあるようですが、2018年に行われた漁業センサスの調査で経営体、いわゆる漁家などの後継者の調査が行われていて、後継者がいると答えたのは1,280経営体のうち271経営体で、21%にとどまっています。この調査は函館、根崎、宇賀、銭亀沢、石崎というように、市内19の漁業地区別の後継者も調べられていて、これを函館市にある5つの漁協に当てはめていくと、函館市漁協は現在の138から18になり、銭亀沢漁協は58から3、戸井漁協は208から25、えさん漁協は285から61、南かやべ漁協は591から164になります。将来的には漁業協同組合の存続すら危ぶまれることになりますが、この調査結果をどのように認識し、危機的な状況を漁協と共有できているのかどうか、お伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 漁業センサス調査の受け止めについてのお尋ねですが、国においては5年に1回、漁業の生産構造や実態を総合的に把握することを目的として漁業センサス調査を実施しておりますが、漁業後継者の将来予測などの調査結果については市としても把握しているところであり、将来の組合員数の減少による危機的な状況についても漁業協同組合と共有しているところです。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) ありがとうございます。 成功事例としてよく引き合いに出される猿払村では、昭和24年の漁協発足当時、400人程度いた組合員がホタテの乱獲などによる資源の枯渇で20年ほどで76人と大幅に減少しています。そこで取った政策の計画的なホタテ稚貝の大規模放流はよく知られています。注目すべきは資源回復後、ホタテ漁業共同企業体という共同の生産従事と分配の計画に基づく事業主体をつくり出したことにあり、平成29年には813万円の所得で全国3位になり、現在の組合員数は258人に回復しています。このような事例を承知しているのであるならば、漁業生産を維持し組合経営を安定させるために、将来を見据え、それぞれの漁協の実情に応じた生産・販売体制の確立が必要と思うが、考えをお伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 漁業協同組合の生産・販売体制についてのお尋ねですが、猿払村のホタテ事業の取組につきましては、ホタテの乱獲など、資源の枯渇による水揚げ高の激減とともに組合員数も大幅に減少した中にあって、漁業協同組合をはじめ漁業者一人一人の危機感から、共同生産と分配を基本とした新たな事業主体をつくり出し、その結果、漁業者の所得が向上し、組合員数も回復した事例として承知しているところであります。 本市においても、ウニやアワビ、ナマコの採取で一部共同採捕が実施されておりますが、今後組合員数の減少とともに水揚げ高も同様に減少していくことが想定されるところです。 一方で、組合員が少なくなることにより、空いた前浜を活用した共同での養殖など、新たな漁業の展開なども可能となるものと考えておりますことから、今後の生産・販売体制について、漁業協同組合と協議しながら必要な支援に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) ありがとうございます。 国は漁協の取組を後押しするために、漁業協同組合制度の見直しを行い、水産業協同組合法に漁業者の所得向上に最大限の配慮をしなければならないと明記し、漁協の理事に販売のプロ、いわゆる販売の専門能力を有する人材を1名以上登用することを義務づけました。漁協の販売事業の強化は重要で、多様化する流通の仕組みに柔軟に対応し、漁業者が水揚げした漁獲物の価格の向上を図るなど、漁業者の所得向上に直結しています。この分野に販売のプロの登用を義務づけられたことは大いに期待するところですが、一方で職員からの登用も認められています。市の漁協で外部からの専門知識を持った販売員を登用したところは何漁協あるのか、お聞きします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 漁業協同組合の理事への人材登用についてのお尋ねですが、水産業協同組合法が平成30年12月に一部改正され、「理事のうち一人以上は、水産物の販売若しくはこれに関連する事業又は法人の経営に関し実践的な能力を有する者でなければならない。」といった規定が盛り込まれたところです。なお、その人材は職員や組合員からの登用も認められており、市内5つの漁業協同組合では全てが内部登用している状況となっているところであり、遠山議員御質問の、外部から専門知識を有する人材を理事に登用した事例はありません。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 分かりました。 市が取り組んでいる地方大学・地域産業創生交付金事業の資料の中に、地域の課題として北大水産学部卒業生の地域企業への就職が少ないとあります。また、未来大学、函館高専、函館大学と連携して付加価値の高い一次産業やマーケティング、起業等を担う人材を輩出すると記されています。 現在、これらの大学の卒業生が地元の漁協にどれほど就職しているのか、お聞きします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 市内大学卒業生の地元漁協への就職状況についてのお尋ねですが、市内5つの漁業協同組合へ聞き取りしたところ、現在函館高専の卒業生が1名、函館大学の卒業生が2名就職しておりますが、北海道大学とはこだて未来大学の卒業生はいないとのことであります。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) もう少し多いかと思っていましたが、意外な結果であります。 今、海外では和食ブームもあり一流のレストランでコンブが人気を集めています。最上級品とされる函館マコンブや中国・香港市場で高値で取引されている北海道のナマコ、将来的にはキングサーモンも含め海外市場に目を向けたマーケティング戦略が必要になると思われます。そのためにも、地方大学・地域産業創生交付金事業で育成された専門知識を持った人材が漁協職員として採用され、漁業者の減少時代に対応した漁業生産の増大対策や、海外に目を向けたマーケティング戦略などの分野で活躍し、漁協の体質の強化、活性化が図られるような政策を市として推進できないか、お伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 専門知識を持った人材の漁協職員としての活用についてのお尋ねですが、地方大学・地域産業創生交付金事業人材育成事業計画では、北海道大学の水産学、はこだて未来大学の情報学、函館大学の経済学、函館高専の工学など、地域の高等教育機関が連携し、横断的な幅広いスキルや知見を有し、地域水産業の振興に資する専門人材の育成を推進することとし、海外の水産学の専門知識を擁する教授を講師として招聘するなど、学生のレベルアップの向上に努めることとしております。 こうした人材が将来漁業協同組合へ就職することは、それまで蓄積した知識を活用し現場経験を重ねることで、漁業生産の増大対策など新たな取組への展開や、コンブなど将来的に海外に目を向けたマーケティングにおいて、漁業者と業界団体等の仲介役として大きな役割が期待されるところでありますことから、市としても交付金事業を活用し、漁業協同組合などとも連携しながら専門人材の活用など、様々な取組について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) ありがとうございます。 積極的に取り組む考えがあることを示していただきました。成果を期待するところであります。 次に、定置網の改良についてお伺いします。 平成29年の南茅部の定置網漁業では、この年の9月下旬から10月上旬にかけて集中的に小型マグロが漁獲され、割当量を大きく超過してしまいました。そのため南かやべ漁協の定置網では、網に入ったクロマグロを平成30年には約3万匹、平成31年には約12万匹を放流し、当然一緒に入った魚も放流することになり、大きな損失になっています。 平成30年第2回定例会で定置網の混獲回避、漁獲の抑制のための漁具、いわゆる網の改良対策について質問しました。その後、漁具の改良はどのように進み、混獲防止に活用されているのかどうか、お伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) マグロの混獲回避に対する市の取組についてのお尋ねですが、本市におきましては、これまでも民間企業や大学などによる定置網の改良状況の把握に努めてきたところでありますが、現在のところ、本市の定置網の生産規模や構造、漁獲される魚の種類などに適した技術の開発には至っていないことを確認しているところです。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 網の改良は進んでいないようですが、日本経済新聞によりますと、青森県深浦町の漁業会社では、東京海洋大学、水産研究・教育機構、青森県産業技術センターと共同で研究を行い、小型クロマグロは表層を遊泳することが確認されたことから、表層部にカーテン網を設置して、網の中を回遊しながら比較的短期間で定置網から出ていく、効果的に逃がす漁法を開発しています。網の改良は漁獲枠を守るために有効な手段であり、漁業者の負担が軽減され、持続可能な資源の維持につながります。市として調査を行い参考にする考えはないか、お伺いします。
    農林水産部長(松浦眞人) 定置網の混獲回避に対する新たな取組についてのお尋ねですが、青森県深浦町の民間会社では、定置網を製造する製網会社や大学などが協力し、小型クロマグロのみを網の外へ放出するスクリーンや、表層を遊泳するクロマグロをすくいとるカーテン網などの開発を進めており、昨年度実証試験を終え、今年度から実用化していくとお聞きしております。こうした取組は本市の定置網の参考となるものと考えておりますことから、今後も情報収集に努め、有用な情報については漁業協同組合等へ提供してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 京都府の農林水産技術センター海洋センターはのれん網という漁法を開発し、定置網に一緒に入ったイワシとブリを漁獲し、マグロを放流することに成功した事例があるなど、定置網の改良が進んでいる地域があります。北海道大謀網の発祥の地である函館市において、その取組が遅れていると言わざるを得ません。積極的な対策を期待いたします。 次に、漁業者の所得向上対策についてお伺いします。 2018年度漁業センサスの参考資料で、函館市の平成30年の漁業就業者数、船外機船の数でいずれも全国1位になっております。この船外機船は経営体の64.7%を占めるコンブ漁業者のコンブ漁に利用され、一方でその収入を補完するウニ、アワビ、ナマコ漁などにも使われ、それらは重要な収入源になっております。市が行う魚類等養殖推進事業の中に、キングサーモンの完全養殖のほかにウニやアワビ、ナマコの養殖事業も含まれています。どのような取組が行われているのか、お伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 魚類以外の養殖の検討状況についてのお尋ねですが、市では10年後の本市の漁業を見据えた取組として、天然資源に依存しない安定した漁業を目指すためキングサーモンに着目し、昨年度より試験研究を開始したところです。また、今後におきましては、ウニやアワビ、ナマコの養殖にも取り組むことを考えており、中でもウニの養殖については昨年、本市で開発に協力した、北海道大学と民間企業で研究するウニの餌を利用した試験の結果が良好であったことなどから、積極的に進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 毎年資源増大・有効利用対策事業が行われています。令和2年度のデータで、ウニの放流個数がナマコの24倍、放流金額でも6倍であるにもかかわらず、漁業者1人当たりの平均生産金額はウニが約57万5,000円、ナマコが約56万7,000円とほぼ同額になっています。北海道の水産白書を見ますと、ナマコの種苗放流が平成29年から令和2年までの4年間で約2.5倍に伸びています。漁業者の所得向上に向けて、ナマコの放流個数を増やす考えはないか、お伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) ナマコの種苗放流についてのお尋ねですが、本市のナマコの種苗放流につきましては、漁業協同組合が主体となって、平成27年度に16万個を放流して以降放流個数を増やし、令和2年度では約1.5倍に当たる26万5,000個を放流しているところであります。また、生産量につきましても、平成27年度は97トンであったのに対し、種苗放流数の増加とともに生産量も増加し、令和2年度では150トンまで増加しております。 海外で人気のある北海道産ナマコについては需要の増加から価格が高騰しており、今後もこうした傾向は続くものと考えられるところであり、市といたしましては、ナマコの放流事業については引き続き支援していくこととしておりますが、放流個数をさらに増やすなど、事業の拡大につきましてはおのおのの漁業協同組合の判断もありますことから、組合とも協議してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 北海道沿岸のナマコはその特徴から最上級品として輸出され、中国や香港市場における価格の急騰を受け、平成16年に45トン、18億円であったものが、令和3年には616トン、87億円と大きく増加し、ホタテに次ぐ輸出品になっています。放流個数の増加に期待しております。 次に、ウニの放流事業についてお伺いします。 平成29年第2回定例会で次のような質問をしました。北海道水産試験場が海底にウニよけフェンスを設置し、フェンス内のキタムラサキウニを全て除去したところ、1年後にフェンス内にコンブの群落が形成された。この調査結果を踏まえ、管内海域におけるウニの食害について質問をしましたが、ウニの食害はないとの御答弁でした。現在もそのような認識でいるかどうか、お伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) ウニの食害についてのお尋ねですが、平成28年の爆弾低気圧に伴うしけにより大量の天然コンブが流出して以降、いまだ天然コンブの資源は回復できない状況となっておりますが、その要因として、沿岸親潮の流入量が弱まり、コンブが発芽する時期に海水温が高かったことからウニの活動が抑制されず、発芽したばかりのコンブの芽がウニに食べられている可能性が指摘されております。 市といたしましては、これまで様々な試験研究機関の研究成果や漁業者の意見等をお聞きした中で、天然コンブ資源が回復できない要因の1つにウニによる食害があるものと認識しているところでございます。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) ウニによる食害があるということを今御答弁していただきました。天然コンブの不作の要因を、平成28年の爆弾低気圧によるところが大きいとしています。当時漁業者は、海が真っ白になっていると証言しています。海藻が全て抜け落ちて砂漠化していることの証言なのでしょうが、この何もない海に次の年も前年度と同様の500万個を超える稚ウニを放流し、その後も放流事業は続いています。 私はこの間、ウニの種苗放流個数天然コンブ資源が回復するまでは縮小するべきと主張してきましたが、ついにと言っていいのか、戸井地区で天然コンブへの食害が懸念されることからという理由で、ウニの駆除事業が行われました。駆除されたウニは一般廃棄物として有料で処理されます。この事業の効果をどのように認識しているか、また、この事業はいつまで続くのか、お伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 戸井地区で実施されたウニ駆除事業についてのお尋ねですが、戸井地区では釜谷地区から小安地区の間で海藻が繁茂していた天然漁場に大量のウニが確認されたことを受け、令和2年度から漁業協同組合が主体となり試験的にウニ駆除を実施しているところです。約2年にわたり駆除した後の本年3月の状況では、天然漁場に生息するウニの数が減少し、若干ではあるものの1年生のコンブの繁茂が確認されており、ウニ駆除については、天然コンブ資源の回復に一定の効果があるものと考えております。また、戸井漁業協同組合では、3年目となる今年度までの取組の結果を検証し、今後の事業の在り方を検討したいとのことであります。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 令和3年の3月予算特別委員会で、浜中町の散布漁協が、前浜のコンブを餌に与えた籠での養殖ウニが味がよく、函館市でキロ950円のときに5,000円から6,000円で売れたこと、神恵内村では磯焼けで身入れの悪いウニを籠に入れて、やはりコンブを餌に蓄養し、端境期に冬ウニとして旬である夏の2倍の価格で売れたことを紹介しました。 函館市は餌となるコンブは豊富にあるのだから、ウニ駆除をするくらいなら籠に入れて蓄養することで、天然コンブへの被害が軽減されウニも高値で売れる。一石二鳥ではないかと提案をしましたが、当時前向きな答弁があったと記憶しています。その後、ウニの蓄養事業はどのように進んでいるのか、お伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) ウニの蓄養事業についてのお尋ねですが、先ほども御答弁いたしましたが、本市においては令和3年度に北海道大学と民間企業が研究するウニの餌の開発に協力する形でウニの蓄養試験に取り組んでいるほか、現在では漁協青年部が主体となって漁港内の水域を活用した蓄養試験に取り組んでいるところです。 ウニについては比較的高値で取引されるもので、漁業者の所得の向上につながるものであり、また高齢であっても採取が可能な漁法であることから、市としても身入りの悪いウニに海藻粉末を配合した餌とコンブをそれぞれ与え、陸上水槽と海中につるした籠で試験的に飼育し、採算性等の課題を検証した上でウニの蓄養を全市的な取組につなげてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) ただいまウニの蓄養を全市的な取組にしたいという答弁がありました。漁業者の所得の向上が図られるよう期待いたします。 次に、ナマコの密漁対策についてお伺いします。 ここに小学館発行の「サカナとヤクザ」という本があります。密漁がいかに巧妙に行われ暴力団の資金源になっているか、裏にある流通の仕組みなど、著者も仲間ではないかと思われるほど詳しく書かれていて、少し紹介しますと、密漁天国北海道にウニを専業とするチームはもはやなく、ウニ、カニ、アワビを駆逐し、密漁改革を起こしたのがナマコであること。暴力団の潜水密漁の発祥は道南の函館市と言われ、大小10から15程度の密漁チームが存在すること。また、道警の認定で北海道には70近くの密漁チームがあり、夏と冬50日稼働し、1日最大500トンから1万トン密漁する。1年間の密漁は、漁業者が行う正規の漁獲量と同程度あるだろうと記されています。高値で取引されるから暴力団も狙うのでしょうが、暴力団の資金源になっていると思われるナマコの密漁の実態を市として把握しているか、被害の状況等も含めてお聞きします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) ナマコ密漁の実態についてのお尋ねですが、北海道がまとめた資料によると、本市のナマコの密漁被害は平成30年度と令和3年度にそれぞれ1件確認されており、令和3年度は390キログラムの被害が報告されておりますが、これは北海道警察と函館海上保安部が摘発した事案であり、摘発されずに逃げられてしまったケースなども漁協から情報が寄せられていることから、実際の被害はこれより多いことが分かっております。また、函館市内を含め道南で発生している密漁の多くは一般市民による遊泳中の採取や釣りなどによる密漁事案が多く、反社会勢力による組織的な密漁事案については少ないものと認識しておりますが、実態については把握できていないのが現状です。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 実態については把握できていないとの御答弁でした。 檜山管内で密漁が横行し、ナマコの生産量が平成21年に137トンあったものが10年で67トンにほぼ半減していて、漁業関係者は密漁が影響しているのではと述べています。また、道の水産関係者は、資源がある北海道に拠点を移す密漁者が増えているのではとも述べています。 放置しておくとナマコ資源が枯渇してしまうおそれがあります。どのような対策が取られているのか、お聞きします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 密漁防止の取組についてのお尋ねですが、一般市民の遊泳中や釣りによる密漁事案につきましてはその理由として、ウニやアワビなどの魚介類を獲ること自体が密漁に当たることを知らない場合が多いことなどから、北海道ぎょれん函館支店を事務局として、管内の各漁業協同組合及び自治体を構成員とした渡島管内密漁防止等対策協議会を設立し、密漁防止の啓発活動などを行っているところであります。 また、反社会勢力などによる組織的な密漁事案につきましては、各漁業協同組合がウニやアワビの価格が高くなる年末などに自発的に海岸線の夜回りを行っており、また北海道警察と函館海上保安部が連携し、不審車両の特定を行っているほか、通報を受けてから迅速な取締りができる体制を構築しているところです。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 令和2年12月に恵山町集落の海岸で密漁が疑われる車が停まっているとの情報で警察官が駆けつけ、ウエットスーツを着た男ら数人と、ワゴン車の中に船外機のついたゴムボートがあったが海産物が見つからず、摘発に至っていません。このことから、摘発される密漁は氷山の一角と見られ根深いものがあります。 青森県の陸奥湾ではナマコの密漁を防ぐため、人工知能──AIを使ったり、大型ドローンを使って監視するシステムを導入しています。北海道の増毛町、泊村、岩内町では、海中音響センサーで昼夜を問わず不審船やダイバーの侵入を検知、通報するシステムを導入しています。公金を使い投入しているナマコ資源増大事業が暴力団の資金源になっている一方で、漁業者の大切な資源、漁獲を減らす状況を防がなければなりません。このような監視システムの研究、導入を検討する考えはないか、お伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 密漁システムの導入についてのお尋ねですが、遠山議員御指摘の密漁を検知するシステムにつきましては、実際に開発した企業にも相談しているところですが、本市の海岸線が約120キロメートルに及ぶことや、その大半が住家がない、もしくは少ない地域となっていること、また、函館山周辺や日浦岬、恵山岬、銚子岬など、人の目の届かない死角となる海域が多数あることなどから、システムにかかる費用や設置条件などの課題が多く、本市沿岸での運用はなかなか難しいものと考えております。しかしながら本市といたしましても、大切な資源を密漁という違法行為から守らなければならないものと考えており、まずは北海道警察や海上保安部、北海道等と連携しながら取締りを強化することで密漁事案の減少に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) ただいま、本市は人目の届かない死角となる海域が多数あることから運用が難しいとの御答弁でしたが、だからこそ監視システムの導入が必要と思われます。暴力団の資金源を断たなければなりません。さらなる検討を期待いたします。 次に、キングサーモンの完全養殖事業についてお伺いします。 サケは日本人1人当たりの魚種別購入量、好きな魚共に1位で、国内の市場は10万トンあると言われています。しかし、生食用の多くがノルウェーやチリから輸入されています。市場的には大いに魅力のある魚種であり、養殖事業の成功を願うものであります。現時点のキングサーモンの飼育状況はどのようになっているか、お聞きします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) キングサーモンの飼育状況についてのお尋ねですが、キングサーモンの完全養殖事業につきましては、令和3年度から取り組んでいるところであり、現在は北海道大学が所有する人工魚と南茅部地区で入手した天然魚を水槽で飼育しながら、生態の把握や水温等の飼育環境の調整など、今後養殖事業に必要となるデータの収集のほか、遺伝資源の保存技術の研究などに努めているところです。また、水槽の維持管理につきましては、函館国際水産・海洋都市推進機構へ委託しているところですが、本年7月には、成熟した天然魚から確保した卵と凍結保存した精子により人工授精の試みに初めて成功し、順調に生育すると9月中にはふ化する予定となっております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 天然魚からの人工授精に初めて成功し、9月中旬にはふ化する予定との答弁がありました。この成功例は全国で初めてのことなのだと思います。順調に試験事業が進んでいることに期待を膨らませているところであります。 頂いた資料に完全養殖のイメージ図があり、親魚から採卵し、ふ化させて仔魚、稚魚、幼魚、親魚となって出荷されますが、この間、陸上で淡水飼育する期間と海面で飼育する期間はそれぞれどれくらいを要するのか、また最終的に出荷まで何年を要するのか、お伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) キングサーモンの完全養殖の工程についてのお尋ねですが、キングサーモンの完全養殖は国内初を目指した取組であり、確立したデータを有していないことから、現在国内で事業化が進んでいるトラウトサーモンの事例で申し上げますと、受精卵を確保した後、ふ化させた稚魚を陸上で飼育し、海面養殖ができるまで成長するのに22か月程度、その後、海面で飼育し出荷できるまで7か月程度要するとのことであり、この工程をキングサーモンの養殖に重ね合わせますと、本年秋頃に人工授精しふ化することができた場合、約2年間陸上で飼育し、令和6年──2024年秋頃には500グラムから800グラム程度の養殖用の種苗を出荷、その後海面養殖に移行し、令和7年──2025年の6月頃には成魚として出荷することを想定しており、ふ化してから成魚として出荷するまでには約3年を要するものと考えております。 なお、道内他都市においてはサーモン類の陸上養殖の試験研究も進められているところでありまして、本市が取り組んでいるキングサーモンの養殖についても陸上養殖についての情報の収集に努めるなど、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 令和7年の6月頃に出荷を想定しているとの御答弁でした。大変楽しみにしております。 北海道のサケの回帰率は、2000年代前半に6,000万尾を超えていたものが、地球温暖化の影響が出始める2004年をピークに減少し、2020年に約1,800万尾となっています。4月に資料配付があり、生けすの設置海域を海水温が適温であることなどから大森浜を選定したとありました。調査期間が昨年の11月17日から今年1月25日までの水温の低い冬の時期の2か月でした。キングサーモンの飼育は、適温は18度前後と認識しているが、この時期の大森浜は17.6度でした。しかも、網の深さが8メートルしかないのに15メートルの深さの水温を測っていて、当然水温は低くなります。この調査結果をどのように判断したのか、また、今後夏場の海水温上昇時の調査を行う必要があると思うが、どのように考えているか、お聞きします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 本市沿岸における海水温についてのお尋ねですが、本市沿岸の海水温につきましては、昨年度の事前調査で市内沿岸4地点で昨年11月から約2か月間、流向、流速の調査と併せて水温も測定した結果、いずれの地点も適水温域の3度から21度の範囲内であったことから海面養殖は可能と判断したところであります。なお、遠山議員御指摘の夏場の海水温調査につきましては、生けすの耐久度調査を進める中で、8月の水温測定を始めているところであります。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 大森浜に設置予定の生けすについては、早くから浮沈式で大きさなども示されていました。しかし、先ほど御答弁のトラウトサーモンの事例ではありましたが、約2年間の飼育を要する陸上での淡水飼育の施設については全く触れられていません。現在は研究段階ですから、国際水産・海洋総合研究センターの水槽を利用しているようですが、本格的な生産を行う段階になったときに陸上に専用の施設が必要になると思うが、どのように考えているのか、お聞かせください。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 陸上の飼育施設の整備についてのお尋ねですが、サーモン養殖の事業化を進めていく上では種苗の管理、中間育成、海面養殖までが一連の工程となるものであり、このうち中間育成施設については、河川敷や海岸付近への整備のほか、近年では人工水をろ過し、全ての工程を遠隔操作で行うことができるRASシステムも普及しているところです。 本市といたしましては、今後、関係機関とも連携し、またサーモン養殖事業の専門家などの意見もお聞きしながら、施設の整備の手法や場所、規模などについて検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 陸上の施設については今後の検討課題になっているようですが、キングサーモン完全養殖技術研究費として地方大学・地域産業創生交付金が原則5年間交付され、事業費が約12億円、そのうち交付金は約8億円、市の負担金が約4億円になっています。令和8年が交付金の最終年になりますが、全体スケジュールでは令和10年まで実証試験が続きます。今後、飼育施設の整備も必要となりますが、残りの期間も交付金の交付を受けることができるのかどうか、お伺いします。 ◎農林水産部長(松浦眞人) 交付金事業における財源についてのお尋ねですが、国の地方大学・地域産業創生交付金制度要綱では、交付金の期間については原則5か年度以内とされておりますが、国費を投入することにより地域の産業創生、雇用創出が図られるなど、既存の計画以上の拡大などが期待できると認められた場合には、9か年度以内まで交付が可能となっております。 なお、具体的には事業開始後4年度目にそれまでの取組状況が良好なものについて、6年目以降の交付金の支援継続申請が可能とされており、申請後、有識者から成る国の評価委員会の審査を経て決定されることになっております。 以上でございます。 ◆(遠山俊一議員) 取組状況が良好なものについて、支援継続の申請が可能との御答弁でした。6年目以降の交付が認められるよう期待するところであります。 一通り御答弁を頂きましたが、先ほど事例に出しました猿払村は、令和2年の高齢化率が全道で下から2番目の24.1%、合計特殊出生率は2.24と全国の平均1.34を大きく上回っていて、四、五人の子供がいる家庭も珍しくないといいます。この子供の中から将来を担う漁業者が生まれてくるのでしょう。冒頭の自給率向上への取組でマグロやブリへの言及はありませんでしたが、コンブ藻場の再生、ウニ、アワビ、ナマコの放流、養殖事業、キングサーモンの完全養殖に取り組む決意を答弁していただきました。豊かな海、資源があるところには若者が定着します。函館市の海は大きな可能性を秘めています。持続可能な漁業のまちになるよう期待をして質問を終わります。 ○議長(浜野幸子) これで、遠山 俊一議員の一般質問は終わりました。 次に、25番 日角 邦夫議員。  (日角 邦夫議員質問席へ着席)(拍手) ◆(日角邦夫議員) おはようございます。民主・市民ネットの日角でございます。 大綱2点、市長に質問していきたいと思います。 まず1点目ですけども、並行在来線についてということで、ここ二、三日4者協議ということで新聞をにぎわしていますけれども、まずその前ということで、北海道新幹線並行在来線対策協議会の第9回の渡島ブロック会議が先月31日、約1年半──1年7か月ぶりですか──で開催されました。先行で協議された後志ブロックについては、今年の3月に長万部・小樽間をバス転換という方向性が確認されております。今回開催された第9回の渡島ブロック、その会議の内容について、まずはお伺いいたします。 ◎企画部長(柏弘樹) 渡島ブロック会議の内容についてのお尋ねであります。 去る8月31日に開催されました北海道新幹線並行在来線対策協議会第9回渡島ブロック会議におきましては、令和12年度の北海道新幹線札幌延伸に伴い経営分離される函館線──函館・長万部間に関しまして、令和3年4月の前回会議で報告された旅客流動調査・将来需要予測・収支予測調査の結果を、JR北海道から提供された情報などに基づき、事務局である北海道が初期投資や運行経費などを精査した結果について報告を受けまして、その後、各首長が意見交換を行ったところであります。その中で、本市からは経営分離同意の際の条件である、はこだてライナーの維持存続について申し上げたところであります。 以上です。 ◆(日角邦夫議員) 分かりました。 昨年4月の渡島ブロック協議会で報告されたJRからいただいた旅客流動調査・将来需要予測・収支予測ということで、かなり列車に関しては圧縮された中身が──具体的な数字は言いませんけども──中身が出ていたというふうに思います。それに合わせて初期投資だとか運行経費などを精査し、圧縮した資産収支が報告されたと。市としては、経営分離の条件であるはこだてライナーの維持存続について、そのことにきちんと話を申し上げたということですね。 次ですけども、渡島ブロック会議で提出された資料を見ました。資料では3つの案として、全線鉄路で維持した場合、それから全線バス転換した場合、函館・新函館北斗間を鉄路とした場合──新函館北斗以北をバス転換した場合の収支予測調査結果も示されていますが、市としてはどの案が適正というふうに考えるか、お伺いします。 ◎企画部長(柏弘樹) 会議で示された3つの案に関する市の認識についてのお尋ねであります。 渡島ブロック会議では、日角議員御指摘の3つの案について精査結果が報告されたところでありますが、判断材料としては一層の精査が必要であるとの意見が複数の自治体からあり、現時点では判断する状況には至っていないと考えております。 今後さらなる精査が行われ、会議の場で検討が進められてまいりますが、本市といたしましてははこだてライナーの存続は最重要課題であるとの認識は一貫しておりますので、はこだてライナー存続の実現に向け、引き続き会議に臨んでまいりたいと考えているところであります。 以上です。 ◆(日角邦夫議員) 出されたばかりなので、判断材料としてはすぐにはならないし、さらに精査が必要であると。今の段階で判断する状況ではないと。同じですけれども、市としては最重要課題であるはこだてライナーの存続に向け、今後の会議に臨んでいくということですね。 次ですけれども、発表された試算ではJR貨物からの線路使用料を加えての収支試算となっているんですけれども、線路使用料の原資ということでは貨物調整金なんですけども、貨物調整金制度は2030年度に見直しがされることになっているんですけども、これらの認識についてお伺いいたします。 ◎企画部長(柏弘樹) 貨物調整金制度の見直しに関する認識についてのお尋ねであります。 線路使用料はJR貨物が第三セクター鉄道保有の線路上を走行することで当該鉄道事業者に対し支払われるもので、鉄道事業者にとっては経営上欠かすことのできない安定的な収入源となっているところであります。また、JR貨物が負担する線路使用料につきましては、鉄道・運輸機構による貨物調整金が大きな原資となっておりますが、この貨物調整金制度は現在整備中の新幹線が全線開業予定の令和12年度までに見直しを行うことが平成27年1月の政府・与党申合せにおいて確認されております。 このたびの試算に当たりまして、現時点では国から制度見直しの方向性が示されていないため、現行制度が存続することを前提としておりまして、市といたしましても第三セクター鉄道事業者の経営に大きな影響を及ぼすものでありますことから、制度の見直しに当たっては現行と同水準の線路使用料が確保されることが望ましいものと考えております。 以上です。 ◆(日角邦夫議員) 貨物調整金については、並行在来線の管理する路線にJR貨物列車が運行した場合に、JR貨物が維持会社に支払うと限定されているものになるんですけれども、線路使用料の原資として国がJR貨物会社に支援をする仕組みだということなんですね。 次ですけれども、貨物調整金を財源として線路使用料が現在並行在来線維持の第三セクター会社に支払われています。その線路使用料が道南いさりび鉄道やいわて銀河鉄道など、鉄道事業者の鉄道事業収入に占める割合について、お伺いしたいです。 ◎企画部長(柏弘樹) 第三セクター鉄道事業者の収入における線路使用料の割合についてのお尋ねであります。 令和3年度決算で申し上げますと、道南いさりび鉄道株式会社では線路使用料が鉄道事業収入の9割以上を、また、IGRいわて銀河鉄道株式会社でも鉄道事業収入の6割以上を占めており、JR貨物から第三セクター鉄道事業者に支払われる線路使用料は鉄道事業者にとっては経営上欠かすことのできない安定的な収入源となっているところであります。 以上です。 ◆(日角邦夫議員) 鉄道事業者にとっては経営上欠かすことのできない安定した収入源と、全くそのとおりでありますけれども、同じく貨物調整金が財源となる線路使用料、支払いの会社に九州の肥薩おれんじ鉄道があります。そこでは10年間の線路使用料を保証するということで、毎年2億8,000万円を支払われているということなんです。それから、しなの鉄道も鉄道事業収入の半分を占めると。答弁にもありましたけれども、いさりび鉄道においては9割近く、そのほとんどは線路の維持、あそこは電車線区ですから、割高というよりもその分は全部線路使用料を拠出するということなので、決して潤うということじゃなくて、それだけの仕事量がありますよ、それだけの要因を抱えていますよということだというふうに思うんです。 次ですけれども、函館・新函館北斗間の試算ですが、函館・五稜郭間は貨物列車が運行していません。線路使用料の対象でもありません。今回の収支予測調査結果にはこれらを前提の下で線路使用料が算定されているのか、お伺いをしたい。 ◎企画部長(柏弘樹) 線路使用料収入の算定方法についてのお尋ねであります。 今回の試算では、JR貨物が走行していない函館・五稜郭間を除いた、五稜郭・長万部間、あるいは五稜郭・新函館北斗間における旅客と貨物の経費負担率を用いた上で、各区間における線路使用料が算定されているところであります。 以上です。 ◆(日角邦夫議員) 函館・五稜郭間については貨物運行の実績がないので算定の対象ではないということで。貨物線の維持については旅客の議論のどうしても後回しというか、今回のブロック会議でもそうなんですけれども、旅客が決着というか旅客が先行した議論経過になっていると。線路使用料については試算収支の対象とするというふうに思うんですけれども、貨物路線が残るか残らないかまだはっきりしていない──どうせいこうせいというふうに言われていないのに、五稜郭・長万部間の線路使用料について算出をしていると。貨物線路保存の意思も見せないで線路使用料だけを当てにするものというふうに私は思うんですけども、ちょっといかがなものかと、これあんだこんだに言っても仕方ないので、私としてはそういうふうに思うんです。 知事においては国が決めることと、国が中心となって決めること、それ言っていることは分かるんですけども、はっきり言ってどこの知事なんだと、北海道をどうしたいんだと、貨物路線をどうするんだと、本当に聞いてみたいなというふうに思います。 次ですけれども、試算収支ですが、札幌開業後に首都圏からの新幹線が新函館北斗駅に何本停車するのかが未定になっています。北海道新幹線札幌開業後の新幹線は、現在の函館から札幌の特急の北斗号の役目を務めることになります。道内観光の拠点でもあります函館です。北海道新幹線の目玉でもある速達性、東京から札幌までの時間短縮を追及すれば新函館北斗駅が通過駅になるという状況はないとはいえないというふうに思っております。東京・札幌間をノンストップも考えられることですし、新函館北斗駅への停車はどのくらいを想定しているのか、その上での試算なのか、お伺いしたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) 試算における新函館北斗駅での停車本数の想定についてのお尋ねであります。 今回の試算では、あくまでもJR北海道の現状のデータを基に、札幌延伸後における特急列車からはこだてライナー等への利用者の転移や将来推計人口などを見込んだ上で収支を予測したものでありまして、具体的に新函館北斗駅に新幹線が停車する本数を定めた上での試算は行われていないところであります。 以上です。 ◆(日角邦夫議員) まだ具体的なもの──うわさすら出ていないですよね。分かります。 次ですけれども、JR北海道、2011年ですけれども、市からの回答として3項目あります。新幹線新函館北斗開業時において、函館・新函館北斗間の利便性の高いアクセス列車の運行をする。もう一つは同区間の電化です。3つ目には、札幌開業後には第三セクターからの運行委託を受ける用意があるというふうな文書であります。 また道からは、第三セクターの設立運営における道の役割として、道が主体となって協議の場を設置し国の支援を要請しながら開業の準備を進めるとして、第三セクターの設立運営に主体的な役割を担う北海道として最大限の対応をするというふうにあるんですけども、JR、さらには道なんですけれども、道のほう、これ守られているのか、お伺いしたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) 経営分離同意の際の北海道からの文書に対する認識についてのお尋ねであります。 はこだてライナー区間に関わりましては、平成23年の経営分離への同意の際、北海道からの文書、新函館・現函館間の鉄道運行等に関する基本的事項によりまして、第三セクターの設立・運営における北海道の役割や第三セクターに対するJR北海道の支援・協力の方向について、その考え方が示されていることを踏まえまして、これまでも北海道とは当時の経過はもとより、その内容について確認しながら協議を進めてきたところであります。 渡島ブロック会議では、現在全体議論に係る検討資料についての精査作業を進めているところでありますが、今後は線区の特性に応じた地域ごとの個別協議の実施についても想定されておりますことから、はこだてライナー区間に係る個別協議の際には北海道が主体となって議論を進めていくものと考えております。 以上です。 ◆(日角邦夫議員) 函館・新函館北斗間を運行するはこだてライナーの区間については、今後個別協議が想定されると。道が主体となって議論を進めていくというふうに考えている。ぜひともそうなるよう、道並びに関係する自治体と議論を進めていっていただきたいなというふうに思っております。 もう1つ目ですけど、函館・新函館北斗間の鉄路の維持は当然であるというふうに私は考えています。この間の市のはこだてライナーの位置づけを考えれば全線バス転換の議論は不要と考えています。全線鉄路、函館・新函館北斗間を鉄路で維持した場合、その運営会社として現在の道南いさりび鉄道が担う可能性はあるのか、お伺いしたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) 第三セクター鉄道の運営主体についてのお尋ねであります。 北海道新幹線札幌延伸時にJR北海道から経営分離される函館線は、道南いさりび鉄道株式会社が運行いたします五稜郭・木古内間と五稜郭駅において接続されておりますことから、同社による運営の可能性につきましても運営主体の検討を進めていく上での選択肢の一つとなり得るものと考えております。 一方で、道南いさりび鉄道線は全て気動車での運行でありまして、はこだてライナーが運行する函館・新函館北斗間では電車が運行しており、運行状況に違いがあるなどの検討課題もあるものと認識しており、こうしたことを踏まえた上で運営主体の検討がなされていくものと考えております。 以上です。 ◆(日角邦夫議員) 道南いさりび鉄道が担うのも選択肢の一つということですね。 私から言うのもあれですけども、ほとんどの運転士さんは電気の免許も持っていますし、指令員にもいさりびからの社員が行っていますから、そんなに難しいものではないなというふうに考えているんですけど、いずれにしても選択肢の一つということですよね。 次ですけれども、今月──9月23日に西九州新幹線武雄温泉・長崎間が開業します。それに伴い並行在来線である肥前山口・諫早間が同時に開業します。この区間は、JR九州と佐賀県、長崎県が上下分離方式の導入を申し入れ、今年1月31日に国交省から許可をされています。長崎県、佐賀県からなる佐賀・長崎鉄道管理センターが第三種の鉄道事業者として施設と用地を保有し、JR九州が第二種鉄道事業者として開業から23年間、限定つきではありますけれども運行を継続するというふうになっています。 先ほどの質問でも触れましたが、JR北海道の文書では、札幌開業後には第三セクターからの運行委託を受ける用意があるというふうにもなっています。函館・新函館北斗間に限ってですが、上下分離を前提とした上の部分の運行委託というふうに受け止めているんですけれども、市のほうの認識をお伺いいたします。 ◎企画部長(柏弘樹) JR北海道への運行委託についてのお尋ねであります。 西九州新幹線長崎ルートにつきましては、沿線自治体から経営分離への反対があったという経緯の中で、JR九州において並行在来線区間は経営分離をせず、上下分離方式による運行を維持することとなったものであります。函館・新函館北斗間につきましては、本市が平成23年に経営分離に同意し、その際JR北海道から、当該区間に関わり札幌開業後においてもアクセス列車の効率的な運行及び利便性が損なわれることのないよう、第三セクターからアクセス列車の運行委託を受ける用意があるとの文書を頂いたものでありまして、これは上下分離を前提としたものではなく、JR北海道が経営分離したものを第三セクターの保有とし、その上でJR北海道は車両の運行について委託を受ける考えがあるというものと認識をしているところであります。 以上です。 ◆(日角邦夫議員) それが上下分離でないのかなというふうに、私は認識しているんですけれども、同じようなことが後志ブロックの第11回の会議録──去年の12月27日ですよね。会議にJRの社員を招いて、その中でのお話なんですけども、JRのほうからは──長い文書をかいつまんで言いますと──必要な経費を御負担していただくなど前提ということではありますけども、運行委託について検討する用意があると。同じような──口頭なんですけれども──ということが出ているんですけども、改めて、今の線区をどう残すのかと、具体的に本当に残すとなれば上下分離の議論はやはり考え方をきちんとしたほうがいいと思うんです、ということであります。 次ですけれども、在来線最後の質問になりますけれども、マスコミとかでもいろいろ出ていますけれども、国交省は経営分離される函館・長万部間の貨物輸送を確保するために、JR北海道、JR貨物そして道との4者会談の場を設置するというような報道が今日の新聞にも出ていましたけれども、協議会──渡島ブロック会議の議論に影響が出るのか出ないのか、お聞きしたいと思います。 ◎企画部長(柏弘樹) 貨物路線維持に向けた協議の場の設置に伴う影響についてのお尋ねであります。 先日、JR北海道から経営分離される函館線──函館・長万部間について、旅客が廃止となった場合においても貨物路線として維持するため、国土交通省において、北海道やJR貨物、JR北海道との4者協議の場を設けるとの報道がありましたが、この報道によりますと、当該4者協議については沿線自治体による旅客路線の存廃についての方向性が固まり次第詳細について議論するということでありまして、まずは渡島ブロック会議での議論が先行する形になりますので、今後のブロック会議での議論には直接の影響はないものと認識しているところでありますが、本日、一部ではブロック会議と同時並行で進めることも視野に入れるとの報道もありますことから、今後情報収集に努め、その影響について見極めてまいりたいと考えております。 なお、現在ブロック会議で協議が進められている区間の貨物輸送が維持されることで第三セクターの線路使用料の確保にもつながりますことから、今後も国等の動向は注視してまいりたいと考えております。 以上です。 ◆(日角邦夫議員) 直接は影響ないということだけれども、同時進行でやるということでは私としては大変な影響があるのでないかなと。ここ二、三日の新聞を見ても、ブロック会議の結論が出てから議論するから大丈夫だとなってみたり、今回は同時並行でということで、それも貨物線を残すことが前提に的な報道がされていますから、そういう意味では関係する自治体にも私はかなりの影響はある──喜んでいる自治体もあるようですから。そういうふうに受け止めます。 正直私もその議論を進めていき、ぜひとも貨物路線を残していくべきだというふうに考えています。線路使用料の問題だけでなく、JR貨物の機関区──五稜郭機関区って函館市内にありますよね。本当に要衝です。また、貨物専用線になるかもしれませんけれども、それが残ると、函館、大沼、森、八雲、長万部それぞれに職場ができるということになるんですよね、それを管理する。その人数を考えると結構な人数だというふうに思いますし、貨物線を使用して四季島のような高級リゾートが本州から入ってくることもできると思いますし、道南の本当に観光の要所でもあります大沼までの臨時ですか──そういうことも考えられると思うんです。主体は誰であるかというのはまたあれなんですけども、そういうことを、これからの展望なんかも含めれば本当に貨物線、ぜひとも残していかなければならないものだなというふうに思います。 以上でこの項目については終わります。ありがとうございました。 次、2点目、民生委員・児童委員についてお伺いしていきます。 地域福祉の担い手として、住民個々の相談事や生活課題の解決に当たるとともに、地域共生社会の実現に向けてその重要性はますます高いものだというふうに思っております。地域福祉拠点を取り組むに当たっても、民生委員の確保、充実は重要なものだというふうに考えております。今年は3年ごとの全国の民生委員の──正確には民生委員・児童委員なんですけれども、ちょっと民生委員ということで──一斉改選を迎えています。私も5月31日の市の主催の一斉改選の説明会に参加させてもらいました。 地域の役割として候補者を探し、推薦準備委員会を開催し、候補者を選任し、そしてそれを市の推薦会ですか──推薦するというふうになっています。地域とは町会のことであります。 説明会では参加者から、民生委員を見つけることが難しい、大変苦労しているというような発言がありました。欠員補充は大変だ、改選で全員が再任者でほっとしている、でも次回が心配だという声も聞いております。実際、私も欠員補充ではなかなか見つからないのが現状であります。他の町会長からも同様の話を伺っております。年金支給年齢の引上げ、高齢者雇用安定法の施行により、男女を問わず就労を継続する高齢者も増えています。成り手不足、民生委員の高齢化も進んでいます。そして町会加入率の低下、共働き、奉仕を嫌うなど、社会の状況も変わってきています。 そこで質問ですが、民生委員の改選について、今年は3年ごとの改選期を迎えましたが、市の民生委員・児童委員の定数、現在の充足率や国や道との比較、主任児童委員の充足率についてお伺いします。また、改選期の新任予定者の方についてもお伺いしたいと思います。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 民生委員・児童委員の定数充足率等についてのお尋ねでございます。 本市における民生委員・児童委員の状況といたしましては、令和4年8月末現在、定数710人に対し委嘱数は694人、充足率は97.7%となっており、国や北海道との比較につきましては、直近で比較が可能な令和2年度末時点で申し上げますと、函館市は98.9%であり、国の96.3%、北海道の96.9%と比べて高い水準となっております。次に主任児童委員につきましては、令和4年8月末現在で、定数60人に対して委嘱数は58人、充足率は96.7%となっております。また、本年12月の一斉改選では、定数710人に対し約2割の150人程度を新任の民生委員・児童委員として委嘱する予定となっております。 以上でございます。 ◆(日角邦夫議員) 分かりました。 今年8月では定数710名に対して委嘱数は694名、充足率は97.7%と昨年の数字でいえば道や国よりも充足率は高い水準であると。今年の改選では710名に対し150名で、全体の2割ということで新任者としてなっています。全国では新任は31%という数字が出ていますけども、函館市においては20%ということで、新任を迎える方が少ないのかなと。その分再任者が多いということでありまして、年齢構成を見ても9割近くは60歳以上、それも70歳が半分を占めているということで、今後の改選が年齢を問わず新任者が増えてくるのかなというふうにも考えています。 次ですけれども、現在の民生委員・児童委員の平均年齢と、年齢別の人数と男女比をお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 民生委員・児童委員の平均年齢等についてのお尋ねでございます。 本市における民生委員・児童委員の平均年齢等につきましては、令和4年8月末現在、平均年齢は68歳で、年代別では694人のうち50代以下が98人で14.1%、60代が230人で33.2%、70代が359人で51.7%、80代が7人で1.0%となっており、性別では男性が232人で33.4%、女性が462人で66.6%となっております。 以上でございます。 ◆(日角邦夫議員) 分かりました。全国でも平均が66.8歳ということでは、大体同じような数字なのかなと。ただ、全国と比べると高齢化が見られるということですね。男女比率については同じような数字であるけれども、若干女性の比率が高いということです。 次ですけれども、他都市においては、民生委員に対して補佐とか協力だとかする民生委員協力委員制度や、自治体が直接候補者を募集するなどして欠員解消策の取組をしているところがあります。市としての欠員解消に向けた取組や今後の考えなどについて、お伺いいたします。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 欠員解消の取組についてのお尋ねでございますが、本市の民生委員・児童委員につきましては、現在16人の欠員が生じており、人材確保のため市民ホールにおけるパネル展やリーフレットによる周知のほか、退職した函館市職員に対し活動を紹介し、民生委員・児童委員に就任していただけるよう働きかけを行ってきたところでございます。 また、他都市におきましては、民生委員・児童委員活動の支援を行う民生委員協力員の配置や、行政が直接候補者の募集を行うなどの取組事例もありますことから、本市といたしましてもこういった取組を参考にしながら、人材確保につながる新たな取組について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(日角邦夫議員) 民生委員協力員については制度を設けている自治体があります。民生委員の補佐、協力をするということで、民生委員の負担軽減でもあり、直接的な欠員対策にもなるのではないかなというふうに思っています。函館市においてはそれはないんですけれども、在宅福祉委員会というのがあるんですけれども、そこは本当に目の見える範囲というか、御近所の高齢者の皆さんを安否確認、見守るということなんですけれども、そういう取組もしていますので、それをもっと大きく、さらに充実した中身にしていくことも大事なのではないかなというふうに思います。 次ですけれども、推薦準備会についてお伺いいたします。 地域の民生委員の推薦組織として推薦準備会があります。再任者の再任確認、そして新任者候補を探し、声をかけ、了承を得れば推薦準備会を招集し、市の推薦会に推薦状を提出するというふうになっています。 質問ですけれども、説明会には推薦準備会の委員長も招集されましたが、ほとんどが町会長や自治会長のように私は思えました。推薦準備会の構成と委員長についてお伺いをしたいと思います。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 推薦準備会の委員構成についてのお尋ねでございます。 民生委員・児童委員の選任にあたっては、地域の実情に精通した候補者の推薦を円滑に行うため、民生委員推薦準備会設置要綱に基づき、原則として町単位に民生委員推薦準備会を設置しており、その委員構成につきましては、町会・自治会の代表者や各地域における福祉、青少年分野等の関係者のほか、民生委員・児童委員などで構成されております。 推薦準備会の委員長につきましては、委員の互選により定めることとしておりますが、多くの推薦準備会におきまして町会等の代表者が委員長に就任されているところであります。 以上でございます。 ◆(日角邦夫議員) そうなんですよね。構成員は福祉や教育の関係者、民生委員のOBというふうに言われますけれども、ほとんどの場合は町会ないし自治会の役員で占められているというのが現状だというふうに思います。私のところもいっとき校長先生に入ってもらったんですけど、2年ごとに代わるということで、改選ごとに代わるということで、はっきり言って地域に根差していない──というと怒られるかもしれないけど──状況なんです。 次なんですけどれも、候補者選びで推薦準備会自体が本当に大変苦労しているというふうに聞いているんですが、市はこのことについてどのように認識しているのか、お伺いいたします。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 推薦準備会での候補者確保についてのお尋ねでございますが、民生委員・児童委員につきましては、地域の身近な相談役として活動していただいておりますことから、社会奉仕の精神に富み、社会福祉活動に理解と熱意があり、地域の実情をよく知っているだけでなく、地域の住民が気軽に相談に行けるような方が望ましいと考えております。このため、地域の適任者に関する情報が豊富な町会・自治会の関係者を中心とした推薦準備会においてこれまで候補者を推薦していただいておりますが、町会等の会員数が年々減少する中、引き受けていただける候補者を確保することが難しくなってきているというお話をお聞きしているところでございます。 以上でございます。 ◆(日角邦夫議員) ありがとうございます。 地域の適任者に関する情報が豊富でということで町会なり自治会の方がということなんだけど、実情を知るからこそ大変な思いをしているということなんですよね。 民生委員の成り手不足に関するいろいろな資料を見ていました。充足率を上げるために推薦準備会を活用するというふうな記載がありまして、私としてはちょっと腹立たしく、ボランティアなんです、活用するなんて言わないでほしいということです。一緒に探すために共同で進めるといえばいいんですけれども、そういう記載なので、ちょっと受け止めが違うのではないかなと。決して函館ではないんですけど、そういうのもありました。 次ですけれども、民生委員の成り手不足ということでは全国的にも問題になっており、先ほどの答弁でも、充足率からいけば全国や道よりは高い数値が出ていますけれども、欠員状態には変わりありませんし、年齢構成を見ても、今後もこの高い充足率で推移されるというふうには思いませんので、その辺について、市としてこの現状をどのように捉えているのか、お伺いいたします。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 民生委員・児童委員の成り手不足の現状などについてのお尋ねでございます。 民生委員・児童委員につきましては、高齢者の就業率が上昇傾向にあること、また、共働き世帯の増加や家族の介護などの理由で時間的余裕がない方が増えていることなどにより、適任者を探すことが困難となってきているほか、業務の負担感などを理由に定年前に退任する方もおり、成り手不足が全国的に課題となっております。本市におきましても、近年改選時点で定員が充足しない状況が続いておりますことから、新たな人材の確保は大きな課題であると認識しております。 以上でございます。 ◆(日角邦夫議員) 先ほども言いましたけど、充足率でいえば若干高いというふうに思っていますけれども、欠員分の世帯の割当てなど、個々の民生委員の受持ち世帯が多くなり負担が増えると、増えた分を行政が担うというふうにはなっていませんから、それぞれの地区の協議会が負担を分け、受け持つというふうになって、負担増というのが現状だというふうに思っています。民生委員・児童委員の欠員に伴い他の委員への負担が多くなるというふうに考えています。市の認識をお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 欠員に伴う他の委員への負担についてのお尋ねでございます。 民生委員・児童委員に欠員が生じた場合には、当該地区内の他の委員でその業務を分担して対応していただいているところであり、1人当たりの担当範囲が広がることにより、他の委員への負担が大きくなる場合があるものと認識してございますが、民生委員・児童委員は地域住民の身近な相談相手として重要な役割を果たしておりますことから、できるだけ地域住民への影響が生じないよう、民生児童委員協議会の御協力により、業務負担を分散させながら対応していただいているところでございます。 以上でございます。 ◆(日角邦夫議員) 先ほども言いましたけれども、推薦準備委員会での項で答弁がありましたが、町会加入率の低下だとか会員自体の高齢化、そういう中で町会役員や町会員を中心とする推薦準備会での候補者確保も町会員が対象というふうにならざるを得ません。町会を中心とする準備会自体のありようも検討すべきではないかなというふうに考えています。町会を中心とした準備会の候補者確保は取組の難しさを逆に露呈しているものだと考えますが、その辺の市の認識をお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 推薦準備会における候補者の確保に関わるお尋ねでございます。 町会等を中心とした推薦準備会におきましては、町会加入率の低下や町会加入者の高齢化などにより、候補者の確保に苦慮しているケースがあるものと認識しておりますことから、本市といたしましてもこれまで町会等の関係者からの御相談に応じまして、市が把握している適任者に関する情報を御提供するなど、推薦準備会の負担軽減が図られるよう協力させていただいているところでございます。 今後におきましても、町会等や民生児童委員協議会と連携し、各種団体や関係機関等に候補者の掘り起こしについて働きかけるなど、新たな人材の発掘に向け取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(日角邦夫議員) 分かりました。 自治体によってはICTを活用して民生委員の活動の負担軽減を図っていると。保護司の情報誌も見たんですけども、保護司のほうもICTを活用した取組をしているというふうにやっているんですけれども、市としてICTの活用についてどのようにお考えなのか、伺います。 ◎保健福祉部長(佐藤任) ICTを活用した民生委員・児童委員の活動についてのお尋ねでございます。 民生委員・児童委員活動におけるICTの活用につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により対面での会議や訪問などの活動が制限されたことなどをきっかけに、オンラインでの会議や研修など、ICTを活用した活動が全国的に少しずつ広がっているところでございます。本市といたしましても民生委員・児童委員活動におけるICTの活用は負担軽減につながる面があるものと認識してございますが、その一方でその導入や運用にかかる経費が多額になることや、委員に機器の操作方法を習得していただく必要があることなど様々な課題もありますことから、他都市の状況も参考にしながら引き続き検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(日角邦夫議員) 機械ですから、それに関わる経費は付き物ですけれども、民生委員の負担軽減ということはぜひとも考えていただきたいなというふうに思っています。 町会役員もそうですが、民生委員の皆さんも様々な役員を兼務されています。保護司だとか交通指導員だとか補導員、それから福祉委員、学校運営委員、赤十字奉仕団、また各種街頭募金の参加、国勢調査では必ず名前を連ねてもらっているということなんですけれども、これらを担いながらそれぞれの会議や研修会にも参加せざるをというか、しているのが現状なんです。その辺を含めて、ぜひとも民生委員の負担軽減、さらには次回に向けて、まだ今は選考中でありますから、ぜひともよりよい体制を取っていただきたいなということを述べまして、私からの質問は終わります。 ○議長(浜野幸子) これで、日角 邦夫議員の一般質問は終わりました。 ここで再開予定を午後1時とし、休憩いたします。          午前11時35分休憩  ======================          午後 1時00分再開 ○副議長(道畑克雄) これより会議を再開いたします。 休憩前の議事を継続し、一般質問を続けます。7番 松宮 健治議員。  (松宮 健治議員質問席へ着席)(拍手) ◆(松宮健治議員) 公明党の松宮 健治でございます。 さきに通告のとおり、大綱3点にわたりまして、市長並びに教育長に質問させていただきます。 今年の春──3月頃だったと思いますが、何人かの市民の方と懇談の機会がありました。その中で、雪解けの3月になると道路の舗装整備を見かけるようになりますけれども、年度末の予算消化のためにやっているのではないかという、真面目な顔で率直な質問をいただきました。このような質問というのは何度かよくいただくものなんですけれども、まさか予算消化のための道路工事と思っておりませんが、改めまして、函館市の市道の舗装整備の施工時期や年度末における工事の実態についてはどうなっているのか、お聞きしたいと思います。 ◎土木部長(山本寛人) 市道の舗装整備の施工時期などについてのお尋ねでございます。 市道の舗装整備につきましては、道路交通の安全確保や利便性向上を主な目的として、未舗装道路や路面の摩耗、損傷が著しい道路などを対象に実施しており、工事を行う際には、工事時期が年間を通して集中しないよう平準化する取組を行いながら計画的に実施し、施工条件のいい年内の完成に努めているところでございます。 しかしながら、一部の工事におきましては、工期を長く取らざるを得ないものや施工時期の制約があるなどの理由から、やむを得ず年度末に行う工事が年に数件ございます。令和3年度の実績で申しますと、舗装工事36件のうち3件の工期が年度末になったところでございます。 以上でございます。 ◆(松宮健治議員) 今、土木部長のほうから、時期が重ならないように、集中しないで平準化する取組を日頃から行っていると。そして、施工条件のよい年内の完成に努めていると答弁ありましたのでそれを信じたいと思いますし、この旨は指摘をされた市民の方にぜひ伝えたいと思っております。 昨年度の実績では36件の舗装工事のうち3件だけが残念ながら年度末になったということでございますので、そういう意味では思ったより多くはないなという実感でございます。 続きまして、私もしょっちゅう市内を歩いたり車で通ったりするんですが、時々見かける光景の中に、せっかく道路を掘り返して道路整備が終わった後に、多分ガス管だとかそういう類いの占用工事が入っている場面に出くわします。正直いって、歩道を掘り返して直したにもかかわらず凸凹になって歩きにくいなと。市民にとってよくないなと思っておりました。なるべく無駄を省いて効率よく一括して施工することはできないのかと思っておりますが、この点についてはどうでしょうか。 ◎土木部長(山本寛人) 占用工事の効率化についてのお尋ねでございます。 道路の掘削を伴う占用工事につきましては、主にガス、上下水道などの公益事業者が実施するものでありますが、各占有者に対しましては、占用工事の際に他の工事と調整を図るよう指導しており、また道路の不経済な損傷などの防止を図ることを目的として、道路管理者及び公益事業者等で構成する函館地方道路工事等調整連絡協議会を毎年3月に開催し、道路整備や占用工事に係るおのおのの事業計画について情報共有を行い、占用工事の効率化に努めているところであります。 占用工事の効率化は、円滑な交通の確保や事故の防止だけでなく、道路構造の保全を図る上でも重要なことから、今後におきましても占用者に対し適切な指導を行うとともに、各関係機関と緊密な連携を図りながら、長期的な事業計画の調整につきましても進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(松宮健治議員) 市としてはしっかり調整をして進めているということでございます。 ガス管は民間企業でございますけれども、上下水道は企業局の所管でございますので、これはしっかり日常的に緊密に連携をぜひ取っていただきたいと思っております。 長期的な事業計画の調整というのもこれも長い目で見るととても大事なことだと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思っております。 3点目なんですが、多くの市民の方々からあるいは町会の関係者の方々から、市の道路ではない──いわゆる私道で砂利道が多いと、雨なんか降った後、あるいは雪解けの後はかなり凸凹になって大変困るという相談をたくさん受けることがあります。地域はなかなか特定できませんが、私がよく歩く地域は函館市の古い地域でございますので、やはり砂利の道が多いなというふうに率直に思っております。この砂利道は市の道路ではないけど何とかならないのかと、舗装できないんでしょうかという切実な声、要望をたくさんいただきます。改めまして、私道を舗装整備する手順について──その手順と方針についてお知らせいただきたいと思います。 ◎土木部長(山本寛人) 私道を舗装整備する際の手順などについてのお尋ねでございます。 私道につきましては、公共的な利用価値が高く一定の道路幅があるなど、市道の認定基準を満たすものは、所有者から寄附を受け、市道として認定した上で市が整備することとしております。また、市道の認定基準に満たない私道につきましても、一定の条件を満たすものにつきましては、函館市私道簡易舗装整備要綱により、町会等からの申請に基づき、現地の調査等を行った上で市が簡易的な舗装を行っているところであります。 そのほか市として寄附を受けることが難しい事案や簡易舗装の条件を満たすことが難しい事案につきましても、所有者や町会等に対する協力や技術的な助言等も行っておりまして、今後におきましても地域住民の生活環境の向上や利便性向上に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(松宮健治議員) 今の土木部長の御答弁の中で3段階あると。市道に該当するものは問題ないとしても、市道の認定基準を満たさないけれども私道簡易舗装整備要綱に関わるものに関しては何とか舗装までできると。ここはやっぱり町会が中心となってたくさん要望が出てくるということだと思います。ただ、なかなかその基準に満たない道路も現実函館市内は多いように思います。 これは都市建設部の考え方と重なってくると思うんですけど、長い目で立地適正化計画なんかを推進していくに当たって、まちなか居住を進めるに当たりまして、やっぱり道路がきちんとなっているかどうかとのは結構生活に直結するものですから、土木部としては未舗装の砂利道が多いところは掌握していると思いますので、何とか地元の方々、町会にアプローチしていただいて、住みよい生活道路になることを強く要望したいと思っております。 以上で、この点に関しては終わります。 続きまして、生活保護と福祉拠点の推進について、何点か伺いたいと思います。 これも春の市民との懇談のときに直球で出てきたことなんですが、いわゆる生活保護の不正受給が見受けられますと、どうなっているんですかという指摘を受けました。私自身これまでに生活保護についての相談を数多く承ってまいりましたし、その中で、言うまでもなく相談した方々は生活保護の受給の基準に十分該当している方々がほとんどでございました。だから、私のほうからは生活保護の申請を勧めた方も実際いらっしゃいましたし、それでよかったかなと思っております。 その一方で、生活保護の不正受給を指摘する市民の声がやはりあることは承知しておりますし、また地域の中に入っていくとそういう質問も受けるわけですが、このような不正受給が疑われるケースの情報提供については、市としてはどのように対応しているのでしょうか。また、改めて生活保護制度の理解を促進するための取組について伺いたいと思います。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 生活保護の不正受給への対応や制度理解の促進についてのお尋ねでございます。 不正受給の情報提供につきましては、その内容を精査の上、不正及び不適正な受給が疑われる事案について、ケースワーカーと不正受給担当が連携して調査を行い、調査の結果、改善を必要とする場合には助言や指導、指示を通じて生活保護制度の適正実施に努めているところでございます。 また、本制度につきましては、これまで市のホームページや面接相談の際に使用する保護のしおりを用いて説明させていただいているところでありますが、情報提供される市民の中には、本制度への理解不足から不正受給と考える方も一定程度認められますことから、引き続き懇切丁寧な説明に努めるとともに、関係機関や福祉拠点とも連携しながら、制度全般につきまして市民の幅広い理解が得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(松宮健治議員) 今、保健福祉部長の御答弁の中で、まずはケースワーカーと不正受給担当者が連携して対応するということでございました。それで、実は生活保護の相談、受給している方からの苦情というか要望を受ける中で、やはり担当するケースワーカーの方とのコミュニケーションがうまく取れていない事例がまま見受けられます。この件に関しては、その都度担当のほうには連絡をしているつもりでございますけれども、やはり実際生活保護受給者への関わり方、あるいは接し方によって、少しでも不正受給という行為が防げるのではないかと私は思っておりますので、ぜひそういう点も検討願いたいと思っております。 それから、市のホームページはよくできていると思いますけども、本当にそこをきちんと精査して指摘する人は、実は意外と少ない場合が多いように思いますし、保護のしおりを熟読して指摘する人も、実は少ないと思っております。だから、こういう質問をすると、当然ホームページでそういう話をしているし、こういうしおりもつくっていますよなんですが、現実は指摘する人ってそこまでは実際行っていないんです。だから、そういう意味では市民が一番見ている広報は何だろうと思ったときに、やっぱり皆さん紙ベースの市政はこだてを一番見ているのかなと思っておりますし、そこに──1回ではなかなか生活保護のことはできませんけども──コラムとかシリーズなんかで分かりやすく載せるとかという工夫もぜひ必要かなと思っておりますので、当然聞かれたら懇切丁寧にやるかと思いますが、一工夫、二工夫をぜひやっていただきたいと思ってございます。 それで、これに関してはまだ質問は切りがないわけで角度を変えまして、今年の4月から福祉拠点の取組が始まりました。先日、公明党の函館市議団4人で福祉拠点の1つがあります地域包括支援センター亀田を視察させていただきました。 私は福祉拠点整備の推進については、いろいろ各委員会とか議会質問で何度も取り上げさせていただいておりましたし、ぜひうまくいくよう望んでおりますけれども、実際この亀田に行きまして、入った雰囲気ですとか明るさですとか、職員の雰囲気は大変よかったと肌で感じました。10か所あるわけですから、ほかの9か所もそのようであると私は思っておりますけれども、改めて福祉拠点の現状における課題、たくさんあるかと思います。さらに充実させていくための今後の取組についてお知らせください。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 福祉拠点の課題と今後の取組についてのお尋ねでございます。 福祉拠点につきましては、本年4月の開設以降、機能拡充した自立相談支援機関業務における相談件数が増加しており、その内容につきましても、これまでは住居確保給付金に関する相談が多くを占めておりましたが、ひきこもり支援、就労支援、疾病に関するものなど、様々な相談内容に広がってきております。 一方で、圏域によっては利用者がまだ少ない地域もあることから、関係機関とのさらなる連携と地域への浸透が各福祉拠点に共通する課題であると捉えております。 今後の取組といたしましては、ひきこもり支援など、きめ細やかな配慮や長期的な関わりが必要な相談が増加していることから、相談者に寄り添った伴走型の支援をさらに推進するとともに、困り事を抱えていても自ら相談することが困難な方などが1人でも多く福祉拠点につながるよう、併設している集いの場なども活用しながら地域に浸透させる取組を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(松宮健治議員) 今、部長のほうから相談件数が増加していると。視察した亀田でも日を追うごとに相談件数は伸びているという、高く評価できる報告もいただいたところで、これはよかったと思っております。内容も、ひきこもり支援、就労支援、疾病に関してもさらに増えてきたということも評価したいと思っています。 ただ、地域によっては相談件数がなかなか伸び悩んでいるところもあると今課題を示されましたけれども、やっぱりこれは、広報も大事なんですが──広報は市もやるべきですが、最後はやはり相談した方がここはよかったと、ここに行けば解決できるよという口コミが私はこういうのはとっても大事だと思っていますし、そういう意味では町会への支援、あるいは民生委員からのアプローチもとても大事になってくると思いますし、場合によっては学校関係者、いろんなところに関わっているかと思いますが、ぜひそういうところと連携を取っていただければと思っています。 今後、伴走型の支援をさらに推進したいとありましたので、これももっともだと思いますし、これもぜひやってほしいと思うんですが、それで何点か指摘したいことがありまして、亀田に行ったら福祉拠点として地域包括支援センターは生まれ変わりますという市のチラシがありまして、なかなかよくできていると思います、まとまっていると思いました。ただ、前から気になっているキャッチフレーズが1つありまして、「きいてみようまずは相談「包括」へ」と。「きいてみようまずは相談」までいいんですが、「包括」という言葉だけ聞いて分かる人はまずほとんどいないだろうと思います。ただ、ここを見ると地域包括支援センターのことなんだなとは分かりますけど、包括という言葉の持っている意味がかなり一くくりというか一まとめにしてという意味だと思いますが、みんながみんな耳で聞いて、ぴんとくる人はそんなにいないだろうと思います。どうしても行政用語なのでしようがないんでしょうけど、こういうところの一ひねり、一工夫も必要だろうと思っています。地域福祉拠点ですから、やっぱりそれぞれ10か所の地域につながっていくのが一番大事だと思いますけれども、ただ、いつもこういうチラシが家庭に常備されていて電話できるならいいんでしょうけど、またホームページを見てすぐアクセスできる人ばかりとは限らないので、できればフリーダイヤルで、そこにかければどこかにつながるという、あるいはここに行ったらどうですかと、そこで相談を受けるような工夫も必要かなと思った次第ですし、あるいは今、若い世代だとSNSの世界でございますので、二次元バーコードを添付してLINEでつながるとかということも大事かと思いますので、これはこれでいい出来なんですが、一工夫、二工夫バージョンアップをぜひしていただきたいと思っています。 最近読んだある新聞のコラムの中で伴走ということについての話がありました。非常にいたく感動いたしました。紹介させていただきます。「「伴走」という言葉が教育、医療、福祉などさまざまな分野で着目されている。同じ歩幅で進み、力を合わせて課題や困難に挑む。そうした関わりが豊かな人間関係を育み、最高の支援につながる」「──人を大切に──それは、高いところから何かを授けるといったことではない。どんな人とも同じ目線に立って語り合い、共に成長していく「心の絆」を結ぶことである。」なかなか鋭い指摘だと思っております。ともすると市役所というのは、人によっては敷居が高いところなんです。特に生活保護の相談をする方と接していて分かることは、どうしても市役所って目に見えない高い壁みたいなところがあって、もっというと受給者の方でさえケースワーカーの方と気軽になかなか連携を取っていないという実態が実はあります。そういう意味では伴走型支援というのは、支援する方のアプローチはどうあるべきかということを今後とも、不断に検討をぜひしていただきたいと思っておりまして、この項は終わりたいと思います。 では最後に、部活動の外部委託について、いわゆる部活動の地域移行について伺います。何度か代表質問等も含めて質問してきたことですが、今、大分課題とか方向性が見えてきましたので、改めて質問させていただいてもと思っております。 現在教員の働き方改革の一環として、公立中学校における部活動の地域移行が論議されておりますけれども、6月にはスポーツ庁、8月には文化庁の有識者会議が、部活動の担い手を教員から地域人材に移行すると提言しております。まあ文科省としては明確な方向転換なわけですね。 まずスポーツ庁の提言によると、運動部については2023年度──来年度から2025年度の3年間を改革集中期間に位置づけ、自治体などに対し、まずは休日の部活動から段階的に地域の民間事業者などのスポーツ団体等に移行するように求めています。また、吹奏楽部などの公立中学校の文化部活動の地域移行に関する文化庁の提言では、運動部と同様に来年度から改革集中期間と位置づけ、2025年度末までの3年間で休日の部活動を学校から地域の民間事業者などに移行するとしています。3年間で何とか道筋を敷くけど──ちょっと私は暴論かと思っておりますけれども──そういう方針が出されました。 まず最初に、私自身も中学校の現場に身を置いた中で、部活動というのは、人によっては非常に楽しいものだったが私にとっては楽しいとは一概に言えないものでした。どう見ても私は運動の専門家ではありませんし専攻は国語でしたので、国語の授業に関しては大変だったけど楽しかったという覚えがあります。ただ、放課後の部活動でテニスをやれだとかあるいはバレーボールをやれとか、全く専門外のことを要求されても無理だなというのは正直なところでしたし、子供たちにはいい思いをさせられなかったなと反省もしておりますけれども、部活動の地域移行あるいは外部委託ということについては私はそのとおり、ぜひ推進すべきだと評価しております。 改めて、市教委として、部活動の地域移行に関わる国の動向についてどのように捉えていられるのか、お聞きしたいと思います。 ◎教育委員会学校教育部長(小笠原学) 国の動向についてのお尋ねでございます。 国においては、持続可能な部活動と教員の負担軽減を実現するため、令和2年9月の学校の働き方改革を踏まえた部活動についてにより、令和5年度以降、段階的に休日の部活動を地域に移行する方針を示したところでございます。 また、本年6月には運動部活動、8月には文化部活動に関し、有識者会議による提言の中において、令和5年度から令和7年度末の3年間において、休日の部活動から段階的に地域移行すること。平日の部活動についても地域の実情に応じて、できるところから取り組むこと。地域におけるスポーツ及び文化芸術に親しむ機会を確保し、生徒の多様なニーズに合った活動機会の充実に取り組むこと。地域の関係団体と学校との連携・協働を推進することが求められ、今後、この内容を踏まえた改定ガイドラインが示されるとともに、地方公共団体には具体的な取組やスケジュール等を定めた推進計画の策定が求められる予定となっているところでございます。 以上でございます。 ◆(松宮健治議員) 部活動と教育課程とか学習指導要領のことは多分教育長も御存じかと思いますけど、ちょっと調べてみてみると結構たくさんの矛盾をはらんでいるなと私は改めて思っております。学習指導要領は、学校で何を教え何を指導すべきかということをきちんと書いているものでございますけど、部活動については実は教育課程の範疇外なんです。だから、ある意味では生徒にとっては自分がやりたいものを選択する、やる権利もあるし、やらない権利もあると。だから、学校では校長が先生方に部活動をやりなさいとか顧問をやれというふうに命令は出せないわけですよね。でも、結果として多くの先生方は子供たちのためと思ってある意味ではほとんど無償で──ボランティアで部活動の顧問をしてきたと私は承知しております。それを今変えようとしているわけですが、かなり大きな考え方の転換なんです。 全国町村教育長会の会長の二見さんという教育長が──広島のある町の教育長さんですが、こういうふうに指摘しています。スポーツや文化を通して道徳心を育み、精神も鍛える日本型の部活動から、西洋型のクラブ活動に近い形へ転換するのだから非常に大きな変革だと指摘されています。全くそのとおりですよね。実際、そうはいうものの現場で本当にできるのかと、教育長ですから、行政の方ですから、分かっていますよね。 もう一つ、こういうことを考えていくと、ある意味では今なぜ部活動が地域移行になるかということは、働き方改革の中でずっと指摘してきたことですし、そういう意味では、それは時代の趨勢だろうと私は思っております。国としてはようやく重い腰を上げたんだろうと思いますが、3年間というのはかなり私はむちゃだと思っておりますけれども、ただ、それはそれとして、函館の子供たちのこと、あるいは先生方のことも含めて学校教育をよくするためにも、ぜひ函館市としては──教育委員会としては先取りして取り組んでいただきたいと思っております。 この3年間で地域移行を進めようということなんですが、教育委員会としては部活動の地域移行に当たってはどのような課題があると捉えていますでしょうか。 ◎教育委員会学校教育部長(小笠原学) 部活動の地域移行の課題についてのお尋ねでございます。 部活動の地域移行に当たっては、学校に代わって実施主体となり生徒を受け入れる組織・団体の確保や体制の整備、指導者の確保及び養成や研修の実施、生徒や保護者、教職員の理解、活動場所の確保や利用ルール等の整備、保護者の費用負担など様々な課題があると捉えております。このため、今後の国や北海道の動向はもとより、地域部活動に先導的に取り組んでいる地域の状況も踏まえながら、実施主体、構築方法、活動場所、教員の関わり方、さらには新たな財政負担が生じる可能性など本市で地域部活動を実施する場合の課題の把握、検証を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(松宮健治議員) 今、学校教育部長が指摘された項目が5点ほどありますけれども、一つ一つは結構大変だと私は正直言って思っております。例えば保護者の費用負担についてもやはり、本当にどこまで費用負担ができるのかということもありますし、あるいは活動場所をどうするのかと。今までは学校に丸投げしてれば、先生方がいて場所があって保護者も安心ということだったわけです。でも実態は、先生方のボランティアで何とか部活動が成立してきたと。でも子供たちも減ってくる、当然先生方も減ってくる、学校もどんどん統合されていくということを考えたときに、今までどおりいかないというのは自明のことなんですが、その受皿としてのスポーツ団体だとか支援の組織があるのかとなると、これも結構、函館市だからまだあるかもしれませんが、小さな町、村に行ったらゼロに近いのではないかなと私は思っております。課題は本当にありますので、この3年間で道筋をつけるということはかなり、かなり大変だと私も承知しておりますが、ぜひ進めていただきたいと思っております。 それで、特に部活動について、名古屋大学大学院の内田 良准教授という方なんですが──部活動に関しての様々なコメント、書籍も出されておりますけれども──何が課題かということをずばり指摘しています。 一番の問題は、自主的活動であるがゆえに活動が過熱しがちという点だと。学習指導要領の中の教育課程に明確に位置づけられていれば、時間だとかあるいは先生方の配置だとか、もっと言うとそれに伴う予算というのがきちんとあるわけですが、教育課程外なので──ここは私は文科省のずるいところだと思っていますけど──お金はつかない、人も出さない、地域で考えて学校で何とかしろという、こういうふうなことなんです。当然そうなると先生方の中には一生懸命やる人と、そこそこの人と、それに対しての先生方の評価、子供たちの評価、保護者の評価も出てくるわけですが、加熱すると歯止めがかからないまま活動内容が巨大化し、人材、場所、賃金などが足りないという状況が生じてきたというのが現状です。 足りなくなった部分を補うため部活動を担当する教員の負担はずっと増え続けてきたし、この5、6年、活動の改革が声高に叫ばれるようになったのはその背景が長時間労働問題にある。部活動は長時間労働の大きな要因であると鋭く指摘されております。 あと、まだたくさんあるわけですが、様々な課題がある、乗り越えなくちゃいけないことも様々あると思いますけれども、改めてここで教育長の部活動の地域移行に対する決意というか、思いというか、様々な指摘もあろうかと思いますので、率直に伺いたいと思います。 ◎教育長(辻俊行) 部活動の地域移行についてのお尋ねでございますが、教育委員会といたしましては、部活動の地域移行は教員の負担軽減を図ることはもとより、少子化の中にあっても将来的に持続可能で生徒にとって望ましい部活動の環境を構築する観点からも大変重要なことと捉えており、本年7月に部活動の地域移行に関する検討を行うためのワーキンググループを立ち上げて検討を進めているところでございます。 今後は、地域の関係団体等から意見聴取を実施するなど連携を十分に図りながら、国から示される予定のガイドラインに基づき、本市の実情に応じた望ましい部活動の在り方について検討を重ねていく考えでございます。 教員の働き方改革につきましては、本市においては平成29年に基本的な考え方をまとめて──相当な分量だったんですけれども、1つずつ取り組んできました。ただ、中でも部活動は相当に準備が必要だということで、言わば最後に残った1つの課題という認識をしているところです。 議員から御指摘がありましたように、部活動は日本独特の取組であると考えます。諸外国の方が日本の教育事情を視察に来られたときに驚くことが幾つかあって、その中の1つが部活動だと思っています。ほかには例えばみんなで一緒に給食を食べる姿だとか、自分たちが使った場所を掃除することだとか、それから昨日の質問にもありましたけれども、登下校に関して学校の管理下であるという考えに基づいて安全を確保する考え方だとか、こういったことは日本独特の教育事情であると思います。であるがゆえに相当長い年月にわたって積み重ねられてきた実践ですので、これを変えていくというのは本当に大変なことだと、これもまた議員御指摘のとおりだと思います。 働き方改革に関しては、名古屋大学の内田先生が随分いろんなことを述べておられまして、私たち教育委員会も注目していますし、先生から学んでいることも多くあります。 新型コロナウイルス感染症の中ではありましたけれども、働き方改革に関する講演会を本市のために開催していただいたこともあります。内田先生の御提言なども参考にしながら進めてまいりたいと思いますし、また、渡島管内の教育長が集まる会議においても、これらの取組については随分課題が多いという認識で一致しています。その中の幾つかを挙げますと、例えばクラブスポーツというような取組になりますと、1つのまち単独で子供が所属しているということは考えづらいわけですね。例えば函館市内のクラブには函館の子供もいれば北斗の子供も七飯の子供も、随分遠くから八雲の子供や松前の子供が来たりする場合もあるわけですね。こうした形になっているところをどうするのかとか、それから小さなまちの教育長さんの悩みとしては、受皿そのものが準備できないというお悩みもあります。それから子供たちの側に立ちますと、学校でやっているから参加しているのであって、そのように例えばお金がかかるとか、どこか遠くにいかなければならないというふうになったときに、自分の家の状況ではなかなか部活動に参加できないのではないかというふうに考える場合もあるのではないかなといったようなことで、課題山積だと思っています。 部活動を学校から離すということについてはおおむね皆さんに理解されるとは思いますし、それから離れていったときの姿もイメージとしては大体こんな感じになるのかなというのはあると思うんですけど、具体に課題を解決していくというのは相当大変だろうというふうに思っていますので、しっかり準備をして進めてまいりたいと思っています。 なお、最後ですが、松宮議員が苦手意識を持ちながらテニスの指導をされていた姿は、議員は御自身では子供にいい思いをさせられなかったというふうに先ほどおっしゃられていましたが、周りの先生方もそれから子供たちも、そんなに得意ではないのに一生懸命面倒を見てくれてとても感謝していましたから、そういった教育的な効果はあったのではないかなというふうに感じています。 以上でございます。 ◆(松宮健治議員) 最後、でもただやっぱり子供たちは結構シビアなもので、頑張っている姿は認めていながらやっぱり子供たち正直なんですよね。やっぱりいい環境で子供たちも自分の力を伸ばしたいと。そういう意味では今の部活動に限界があるということは教育長も承知していると思いますので、ぜひこれは教育委員会だけではなくて、市全体として函館の子供たちの教育を考えたときに、具体的には人材を発掘していく、あるいは財政的な支援をしていくということが一番大きいかと思いますけれども、保護者も財政的な負担がそんなに増えないのであれば反対しないと思いますので、極端にお金がかかってしまうとなると市民は引いてしまいますので、そういう意味では、ぜひ市としても財政的な支援、人材的な支援を配慮していただくことを要望いたしましてこの質問を終わります。 ありがとうございました。 ○副議長(道畑克雄) これで、松宮 健治議員の一般質問は終わりました。 次に、23番 紺谷 克孝議員。  (紺谷 克孝議員質問席へ着席)(拍手) ◆(紺谷克孝議員) 日本共産党の紺谷 克孝でございます。 通告に従い、大綱3点にわたり市長に質問いたします。 大綱1点目は函館市の平和への取り組みについてです。 最新のウクライナ情勢、ロシア軍の侵攻、そして台湾情勢、さらにロシア軍の日本近海での動きなど、ヨーロッパのみならず東アジアでも国際緊張が高まっています。そうした中で戦争反対、平和を望む運動を大きく広く進めることが世界的にも緊急の課題になっています。函館市として平和への取組をどのように行っているのか、お聞きします。 ◎総務部長(小山内千晴) 平和の取組についてのお尋ねでございます。 本市におきましては、昭和59年──1984年に核兵器廃絶平和都市宣言を行い、以来、原爆の恐ろしさや悲惨さ、平和の尊さを正しく後世に語り継ぐため、主に次代を担う子供たちを対象とした取組を実施しているところでありまして、主な取組といたしましては、市内中学生が長崎市で開催される平和祈念式典に参列する平和大使の派遣、本庁舎の1階市民ホールでの原爆パネル展の開催、日本非核宣言自治体協議会から長崎市の大学生などを派遣していただき、市内中学生を対象に平和についての講話を行う平和公開授業のほか、平和首長会議の取組の一つであります核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動を行うなど、各種事業を実施しているところでございます。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 答弁では、市の取組としては核兵器廃絶の取組が中心だということです。第二次世界大戦で米軍の攻撃により多くの人命が函館でも奪われています。二度と戦争を起こさない、起こさせない、後世にその悲劇を伝えるという点では、函館市の取組はこの間ほとんどなかったに等しいという御答弁ではないかと思います。 函館市と津軽海峡を挟みツインシティでもある青森市の平和の取組を紹介いたします。 青森市は昭和20年7月28日の空襲によって、多くの犠牲者を出しています。市として悲惨な戦争を忘れず、後世に語り伝え、二度と戦争の惨禍を繰り返さないことを誓い、7月28日を平和の日とした青森市平和の日条例を制定しています。そして、毎年7月28日の平和の日前後に様々な平和の施策を民間の組織と協力して推進をしています。このような条例までも制定し、平和への取組を進めている青森市について市長はどのように認識されているか、お聞かせください。 ◎総務部長(小山内千晴) 青森市の取組に対しましての認識についてのお尋ねでございます。 青森市におきましては、昭和20年──1945年7月28日の青森空襲により多くの貴い命が奪われたことを受けまして、次世代に平和の大切さを継承していくため、7月28日を平和の日とし事業を実施することを規定した条例を平成28年3月に制定したものであり、青森空襲資料の常設展示や平和マップの作成のほか、青森市平和祈念式典の開催などの事業を実施しており、平和意識の高揚を図っているものと認識してございます。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 市長は青森市の平和の取組についてきちんと認識されているというふうに思います。そういう答弁でした。 青森市では、7月28日を中心に様々な平和への取組が実施されていますが、今答弁にあったその一つに青森市平和マップの取組があります。紹介すると、マップは青森市の総務課・青森市民図書館歴史資料室の発行で、今日は資料として皆さんに配付していますが、御覧になっていただければ、市内にある12か所の平和・慰霊のモニュメントなどが写真入りでマップに掲載されています。答弁にもあったとおり、毎年7月28日には青森市主催の平和祈念式典が開催されています。現在は新型コロナウイルス感染症の感染拡大で遺族関係者のみで開催されていますが、通常であれば平和のコンサートや平和大使壮行会なども同時に行われています。また、青森空襲を記録する会が市の庁舎前や青森港の青函連絡船戦災の碑の前で戦災犠牲者の追悼、平和祈念の集いを開催しています。 次に、戦争による被害状況ですが、青森市は昭和20年7月28日の空襲ではB29の攻撃により1,000人を超える市民が犠牲となっています。また、青函連絡船への攻撃によっても多くの命が奪われています。青森市役所前に建立されている空襲・戦災都市青森の碑には、氏名がまだ明らかになってはいないが青函連絡船や港湾施設、鉄道、飛行場などが攻撃を受け、1,191名が犠牲になったと記されています。 函館市の戦争による被害はどのようになっていますか。 ◎総務部長(小山内千晴) 太平洋戦争におけます函館市への被害ということでのお尋ねだと思います。 函館市史によりますと、昭和20年──1945年7月14日から15日にかけまして行われたアメリカ海軍機動部隊による爆撃、いわゆる函館空襲によりまして、当時運航していた青函連絡船12隻、このうち10隻が沈没、座礁炎上し、2隻が損傷したほか、現在の弥生町周辺で火災が発生、延焼し、約400戸の家屋が罹災するなど、海上と陸上で多数の死者が出たところでございます。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 答弁では函館市史からの引用がありましたが、その市史では、米軍の4空母から飛び立った戦闘機により79名の住民が犠牲となったとされています。攻撃を受けた青函連絡船373名が犠牲となったと記されています。しかし、今の答弁でも正確な犠牲者がきちんと調べられていない結果、海上と陸上で多数の死者を出したという答弁になっています。 函館市は、青森市と比較しても正確な戦争による被害者数を調査していない、記録がないということだと思います。改めて、戦災で貴い命を奪われた市民の正確な調査を市が率先して行うことを要望しておきたいと思います。 次に、青函連絡船が米軍によって攻撃され多くの人命が奪われた事実に対して、青森港に係留されている連絡船八甲田丸の前には、戦後60年を節目として、2005年7月14日に青函連絡船戦災の碑が建立されています。 函館市は同様に、青函連絡船摩周丸が函館港に係留されていますが、そうした碑は見当たりません。市として検討に値すると思いますが、お考えをお聞かせください。 ◎総務部長(小山内千晴) 青函連絡船が受けた被害を後世に伝える石碑についてのお尋ねでございます。 青森市におきましては、青函連絡船が被害を受けてから60年目に当たる平成17年──2005年7月14日に、青森港にあります八甲田丸の近くに青函連絡船戦災の碑を建立していることは承知してございます。 本市におきましては、昭和28年──953年8月に函館空襲により殉職した乗員を慰霊するため、国鉄の職員等で結成されました青函連絡船殉職者顕彰会が函館山登山道入り口付近に石碑を建立しているところでございますが、市といたしましては、今後におきましても、青函連絡船が受けた被害も含めまして、戦争の悲惨さを後世に伝えるための取組について引き続き検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 今答弁にあった函館山登山道入り口の碑は、青函連絡船殉職者の碑であり、戦災を受けて犠牲となった人たちを慰霊する単独の碑ではありません。青森の青函連絡船戦災の碑に書かれている文章の中には、攻撃によって全滅した連絡船の名前や犠牲者数の記録もあり、その中には函館船員養成所大沼分所の生徒14名──年齢は14歳から15歳──の子供たちも犠牲になり、悲しみを一層大きくしたと記されています。 函館地域での犠牲者についても青森の碑に詳細に記載されています。青森市任せでなくて、そうした歴史的な事実をきちんと函館市も残すべきだというふうに思います。ぜひ検討していただきたいと思います。 青森には、広さが3ヘクタールの近隣公園である平和公園があります。公園の広さは函館公園より一回り小さな公園ですが、公園の入り口には青森市の平和都市宣言と平和公園となった経過が分かる2つの碑があります。青森の平和都市宣言では、「将来ともに非核三原則が遵守され、あらゆる国の核兵器の廃絶と軍備縮小を切望し、ここに平和都市となることを宣言します」となっています。 函館には平和と名がつく公園は一つもありません。私は函館公園を市民の平和を願うシンボルとして通称平和公園にと思いますが、見解をお聞かせください。 ◎総務部長(小山内千晴) 平和を願うシンボルについてのお尋ねでございます。 青森市におきましては、昭和54年──1979年4月、青森空襲の際に多くの市民が避難したとされます旧浦町駅跡地に整備された平和公園がございますが、函館公園につきましては太平洋戦争による被害との関連が確認できませんので、平和を願うシンボルとして位置づけることは考えていないところでございます。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 考えはないという非常に冷たい答弁ですが、札幌にも平和公園はあります。旭川市にも平和通買物公園があります。それぞれ旧陸軍の名がつく場所を平和公園としています。どこの都市でも平和のシンボルとしての平和公園があります。ぜひ今後も平和を願うシンボルとして、平和公園を検討していただくことを要望しておきたいと思います。 私は、20世紀が戦争に明け暮れた100年だったので21世紀は平和な100年になるだろうと予想していましたが、現実はウクライナでのロシアの侵攻があり、また東アジアでも緊張が高まっています。国は緊迫した国際情勢の打開のために、軍備を拡張する方向で解決しようとしています。こういう緊迫した情勢だからこそ、一層平和を願う取組が大事だと思います。 平和を願い、広げる取組を今後も詰めていく考えがあるのか、お聞きします。 ◎総務部長(小山内千晴) 平和意識の高揚を図る取組についてのお尋ねでございます。 本市といたしましては、平和の取組として、これまで原爆を中心にいろいろ取組を進めてまいりましたが、平和意識の高揚を図ることが重要と考えておりますことから、今後におきましては、これまでの取組に加えまして、函館空襲があったという歴史や多くの人々の命が失われたという事実などを後世に伝えるためにはどのような取組が効果的であるかを検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
    ◆(紺谷克孝議員) 残念ながら函館市の取組は今までも非常に不十分だと、現時点でもあまり真剣に取り組む姿勢を感じ取ることができません。 戦災を伝え続けている民間団体、市民などもおられます。その方たちと懇談し協議するなどして、市としても積極的に戦災の記録を調べ、明らかにして、そして正確な記録を後世に継承していくことを通じて、今後平和の取組を強めていただくことを強く要望しておきたいと思います。 それでは、大綱2点目の大間原発と国の原子力政策について質問いたします。 ロシアのウクライナ侵攻が始まってから7か月になろうとしています。ウクライナの多くの国民はこの侵略戦争によって毎日のように多数の犠牲者を出しています。直ちにロシアは国連憲章、国際法を遵守して戦争を中止すべきと考えています。同時にウクライナは原子力発電量世界第7位の原発大国で、特に南部にあるザポリージャ原発はヨーロッパ最大級の原発です。そのザポリージャ原発がロシア軍により占拠され、電源が喪失するなど危機的状況となり、IAEAが派遣される事態となっています。福島第一原発のように自然災害による事故と同時に、戦争、人災による原発事故の危険性が改めて認識される状況になっています。 大間原発を建設させない裁判を進めている市長としては、ウクライナのこのような原発の危機的状況をどのように認識されているか、お聞かせください。 ◎総務部長(小山内千晴) 原発の危険性についてのお尋ねでございます。 福島第一原発事故に見られますように、一たび原子力発電所で事故が発生した場合には、周辺自治体も含めまして壊滅的な状況になることは明らかでありまして、さらに大間原発につきましては、毒性が強く制御が難しいことが指摘されておりますフルMOXでの世界初の商業炉であることから、事故が起きた際の影響は非常に大きなものになるものと認識してございます。 また、ロシアのウクライナ侵攻における原発をめぐる攻防によりまして、外部からの攻撃にも脆弱であることが露呈したほか、特に大間原発につきましては国際海峡である津軽海峡に面していることからテロの標的にもなりやすいことなど、原発そのものが抱える潜在的な危険性を改めて認識したところでありまして、裁判の場においてもその旨を訴えているところでございます。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 答弁にあったとおり、原発そのものが自然災害ばかりか、人災による危機が常に危惧されるということが、今のウクライナへのロシア軍侵攻によって事実でもって証明されたというふうに思います。 ウクライナにはザポリージャ原発とは別にチェルノブイリの原発もあります。このチェルノブイリについてもロシア軍が一時占拠したということが伝えられています。占拠したロシア軍の車両の通行によって、地上に積もっていた放射能が再び空中にまき散らされると。さらには占拠したロシアの兵士が被爆して病院に運ばれるという大変な事態になったということも報道されています。 市が訴えている大間原発訴訟は、今年で8年目となっています。現時点でその差止め訴訟はどのような状況になっているのか。また、今後の裁判の見通しについてお聞きします。 ◎総務部長(小山内千晴) 大間原発訴訟の審理状況と今後の見通しについてのお尋ねでございます。 大間原発訴訟につきましては、平成26年4月の提訴以来、これまで27回の口頭弁論が行われ、本市は地震などの自然災害による危険性やテロによる危険性のほか、避難の困難性、自治体の同意権など具体的な主張を展開してきたところでございますが、これに対しまして国は、テロ対策に関する国の規制内容や国際原子力機関──IAEAの基準、避難計画の法令上の位置づけを説明するなどの反論にとどまっているところでございます。 今後におきましても、原発の危険性のみならず、自治体の同意権や避難計画の位置づけなどについて自治体としてさらに主張してまいりたいと考えておりますし、国の反論も大半がこれからになってくるものと思われますことから、さらに時間を要するものと考えております。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 市の訴訟の現況は分かりましたが、電源開発は、原子力規制委員会の新規制基準の適合審査が遅れていることを理由に、大間原発の運転開始予定をさらに2年延ばして、2030年以降に延期するという発表をしています。審査会の審議でも大間原発の敷地内にある地層に活断層が存在するかどうかが今問題となっています。北大の小野 有五名誉教授は、誰が見ても明らかに典型的な活断層が存在すると述べています。そのことが規制委員会の審査でも、また控訴審でも真剣に議論されるかどうかが今、焦点となっています。敷地内に活断層が存在するということが明らかになれば、そのことだけで大間の原発の建設はできないという結論になります。 そういう点で、今、活断層が存在するかどうかというのは大きな焦点になっているというふうに思います。原発の危機がさらに明らかになっている状況下、直ちに建設を中止することは函館市民の総意だと思います。函館市民が中心となり、大間原発の差止めを求めている、いわゆる住民訴訟の控訴審は札幌高裁で2023年3月7日に第9回口頭弁論が行われることとなっています。この住民訴訟は近々結審するのではないかと、そして判決が出されるのではないかということが言われ始めています。市が進めている東京地裁での裁判にもこの判決結果が大きく影響することは間違いありません。2つの裁判がそれぞれ勝利するように、市民とともに力を尽くしたいというふうに思います。 次に、大間原発差止め訴訟の勝利を願う多くの人たちから、ふるさと納税も含めて裁判継続のために寄附が寄せられています。 質問しますが、現状では基金がどのような状況になっていますか。また、基金をどのように活用しようとしているのか、お聞かせください。 ◎総務部長(小山内千晴) 大間原発訴訟基金の状況とその活用についてのお尋ねでございます。 大間原発訴訟基金につきましては、提訴以来、多くの方々から御賛同いただきまして、これまでにお寄せいただいたふるさと納税を含む寄附金等──約2億2,000万円になりますが──を積み立てており、令和4月3月31日時点で基金の残高は約1億8,000万円となっております。 活用につきましては、弁護士費用などの訴訟費用に充てさせていただいておりますほか、資料として議会の皆様にも配付させていただきましたが、提訴から5年が経過した令和元年に市民説明会を開催しておりまして、その中では訴訟の審理状況などについて説明させていただいたところでありますが、ロシアによるウクライナ侵攻による原発の危険性について関心が高まっておりますし、前回の説明会から3年近く経過したこともありまして、来月10月2日、日曜日に改めて市民説明会を開催する予定であり、これまでの経緯や最新の審理状況などについて、市弁護団の弁護士のほうから説明させていただくこととしてございます。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 10月2日の日曜日に基金を活用して、第2回目になると思いますが市民説明会を開催するという答弁でした。 第1回には多くの方が参加されて、当時、海渡弁護士だったと思いますが、分かりやすい説明で大変成果があった説明会だというふうに思っています。 市内では、大間原発建設中止を求める団体が3年ぶりに市電を走らせ、改めて市民にアピールする活動に着手しています。また、市民団体は毎月集会やパレードを行い、市民、観光客などに大間原発建設を許さないアピールを行っています。函館市も2度目となる説明会を開催し、また宣伝なども具体化して、1億8,000万円の基金の有効活用をぜひ進めていただくことを要望しておきたいと思います。 次に、政府は逼迫する電力不足を理由に、2022年の夏以降、これまで再稼働していた原発10基に加え、新たに7基の原発を再稼働させると述べています。さらに、原子力発電所の運転期間の延長、そして今まで新増設については想定していないと、この方針を180度転換して、次世代革新炉建設などによる新増設を検討しているという危険な道を歩もうとしています。市長として今回の政府の原発政策大転換をどのように認識されているか、お聞きします。 ◎市長(工藤壽樹) 紺谷議員から、先般の岸田総理の原発の新増設についての発言についてお尋ねがあったわけであります。 国としてなのか、政府としてなのかというよりも私自身はどうもテレビとかで見ていると、岸田総理がという感じを受けたところであります。 先般の記者会見でも申し上げたんですが、これまで福島第一原発の事故以降、歴代内閣が再稼働はともかく原発の新増設については極めて慎重に対応してきたというふうに考えているところであります。そういう中で何の議論もなく唐突に出てきたという感じで、私はその真意について計りかねているところがあります。確かに今、原油高だとかエネルギーの問題がありますけれども、原発が新増設できるまでにはゼロからスタートして20年以上かかるわけで、今のこの状態に間に合うわけがない中で、何でこういう問題が出てきたのかなというふうに、率直に言って理解に苦しんでいるところであります。 福島第一原発の後処理が全く進んでいない状況にあります。燃料デブリの取り出しもできていない、あるいは汚染水の処理も全然進んでいないという中で、しかも核廃棄物──放射性の高レベルの廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分場についても全くめども立っていないわけでありますが、そういう中で、こうしたことが突然打ち出されたということについては、私自身は非常に理解し難いものがあります。きちんとした形でもっともっと議論がこれからなされていくんだろうと、私としても注視してまいりたいというふうに考えております。 ◆(紺谷克孝議員) 今、市長の答弁がありましたが、答弁の中では福島第一原発の実態、実情、今なお収拾のつかないそういう状況が続いていると。そして、いわゆる核のごみの処分場さえ決まっていない、このことからも新増設は到底考えられないという答弁だと思います。私も同感でございます。 政府は原発の再稼働、新増設を進めるために、長期化している規制委員会の審査会の効率化を狙っています。こうした政府の動きに対しても、党派を超えて原発をなくすという1点で、裁判でも運動でも必要な行動、手だてを尽くすことが必要でないかというふうに考えています。 以上で2つ目の質問を終わります。 次に、大綱3つ目の銭湯と浴室のない市営住宅について質問いたします。 報道によれば、市内弥生町の銭湯大正湯が8月末で閉店をしました。1世紀以上、長期にわたり地域住民により支えられて経営を継続してきましたが、ろ過装置の故障や燃料代の高騰によって廃業やむなしということです。 西部地域の銭湯──谷地頭の老人福祉センターは現存していますが──最後の銭湯なので、近隣にお風呂難民が多数生まれる可能性があります。市内の銭湯の現状はどのようになっているのか、お聞きします。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 市内の銭湯の現状についてのお尋ねでございます。 函館市公衆浴場法施行条例に規定する普通浴場、いわゆる銭湯につきましては、本年4月現在で市内で19軒が営業しておりますが、平成25年度には26軒が営業しておりましたので、この10年間で7軒の減少となっているところであります。 その理由といたしましては、施設の老朽化や経営者の高齢化、後継者の不在などによる廃業となっておりまして、現在営業している銭湯におきましても同様の問題を抱えているところが多く、平成28年度以降は新たな開業もございませんことから、今後もこのような傾向が続いていくものと考えております。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 今の答弁では、市内の銭湯は19軒で、10年間に7軒の減少、廃業があったということです。8月末に大正湯が廃業しましたので現状は18軒ということになると思います。年度末で湯川団地内の銭湯も廃業の危険性があるということで、今年度中には17軒になる可能性もあります。原因は施設の老朽化、経営者の高齢化、後継者の不在という答弁でしたが、大正湯は1日の入浴者数が30人程度と激減していたと聞いています。 それでは、市内全体に18軒ある銭湯の経営状態をどのように認識されているか、お聞きします。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 銭湯の経営状態の認識についてのお尋ねでございます。 銭湯を取り巻く状況といたしましては、各家庭での風呂の普及や人口減少などによる利用者の減少に加えまして、燃料代の高騰や老朽化した設備の改修に多額な費用がかかることから、厳しい経営環境にあるものと考えているほか、経営者の高齢化や後継者の不在などにより持続的な経営が難しいケースもあるものと認識しております。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 答弁でも、どの銭湯も経営が大変厳しいという答弁で、持続的な経営がなかなか難しいと。その結果、10年間に7軒──今回で8軒目ですけど──7軒、8軒も銭湯が廃業せざるを得なくなったということであります。 北海道と函館市は、厳しい経営状態にある銭湯に対して、どのような支援を行っているかをお聞きします。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 銭湯に対する支援についてのお尋ねでございます。 本市では、銭湯経営の安定化に向けた支援といたしまして、函館市公衆浴場経営安定化事業補助金として燃料費の支援を行っており、利用者数が一定数を下回る銭湯に対し、補助対象経費160万円を上限に補助を行っているところであります。 また、風呂釜やバーナー、煙突など、設備の改修等に対する北海道の補助事業に上乗せする形で、函館市公衆浴場設備整備事業補助金として、北海道の補助額と同額を補助しているところであります。さらにこれらに加えて、上下水道料金を一般より低く設定していることや、固定資産税の減免といった対応も行っているところでございます。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 函館市の支援策は、燃料費などの補助に上限160万円を設けて行っている。 また、風呂釜、バーナー、ろ過器や煙突などの設備に対する支援も行っているという答弁でした。 補助金の交付要綱では、風呂釜、バーナー、ろ過器、煙突などは1件につき100万円程度の補助金を出しているというふうになっています。 この5年間に実際に函館市公衆浴場経営安定化事業補助金が出された実績を調べますと、平成29年にはお風呂が23か所あったと、その当時。それで、補助を受けたのは2件で80万円。平成30年度は風呂が22か所で補助が2件で80万円。令和元年では風呂が21か所あって、そして補助が2件、トータルで71万円の補助。令和2年度は19か所で2件、77万円。令和3年ではお風呂の数が19か所で補助が3件で101万円。これが燃料費の支援の実績。 それから、先ほど言いました設備整備の風呂釜やバーナー、ろ過器、煙突などの補助金は5年間で1件だけ。平成30年度で14万4,000円ということで、これは北海道の補助に同額の上乗せですから、北海道を合わせると28万8,000円という補助になるということだと思います。 この実績を見ると、どの銭湯も経営が大変なのに支援策が行き届いていないのではないかと。支援を受けるためには、北海道基準をクリアしなければならない。その基準とは、北海道が算出した平均的な1日の入浴者数、その基準入浴客数以下でなければ補助の対象にならないというふうになっています。 令和3年度の北海道の基準は、1日の入浴者数は88.3人となっています。従って89人以上入浴者が1日にいるところは全て補助が受けられないと。最初の条件で資格がないというふうになるわけです。 廃止を予定している上湯川の銭湯は、かつては入浴者は100人以上いて黒字だったと。100人以下になると赤字だというふうに発言しています。また、大正湯は先ほども言いましたけど、1日の入浴者数は30人程度というふうに述べています。入浴者が激減して基準からどんどん引き下がったところで支援を受けられるという条件では、あまりにも遅過ぎるのではないか。また、30日以上休んでいては対象にならないなどの様々な条件もほかにあります。 実績があまりにも少な過ぎる。役に立たない支援策になっているのではないかというふうに思います。 公衆浴場の確保のための特別措置法が、昭和56年──1981年に制定されています。40年以上前に成立した法律です。このいわゆる確保法は第三条で、「国及び地方公共団体は、公衆浴場の経営の安定を図る等必要な措置を講ずることにより、住民の公衆浴場の利用の機会の確保に努めなければならない」というふうになっています。市の要綱は、必要な措置を講ずることになっていないのではないかというふうに思います。この法律の趣旨に合った基準要綱になっているかが今問われているんじゃないかというふうに思います。 この10年間だけでなくて、市内の銭湯は減り続けています。この減少に対して、市が有効な支援策を実施していないということになります。 西部地域では大正湯の廃止によって、お風呂のない家屋が非常に多いという中でお風呂難民が生まれる可能性があります。湯川団地の市営住宅は1,136戸があり、団地内の銭湯は1日約60人から70人の住民が利用しています。銭湯の経営難に有効な支援策、銭湯の経営を守る支援策を、例えば温泉の銭湯と沸かし湯の銭湯では燃料費に大きな差がある。この差を考慮して支援策を決めるとか、様々なもっと経営者の要望に届くような、そういう支援策が必要だと、改めて実情を把握して早急に検討していただくことを要望しておきたいと思います。 次に、民間の介護施設を希望すれば入浴できるという事例があるとお聞きしています。実態についてお聞きします。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 民間施設の入浴設備の地域開放についてのお尋ねでございます。 民間介護施設などにおける入浴設備の地域開放につきましては、銭湯の廃業に伴う地域の要望などを受け、入浴設備を有する市内の通所介護事業所において現在、中央部地区と西部地区にそれぞれ1か所開設されております。その運営に当たりましては、公衆浴場法に抵触しないことが前提となりますことから、利用対象者を施設近隣に居住し、要介護、要支援の認定を受けていない高齢者などに限定し、介護施設周辺500メートル以内に銭湯がないことや施設業務時間外で実施することなどの条件の下、無料で実施されております。 なお、現在西部地区の施設につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で地域開放を休止しているとお聞きしてございます。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 2か所あるうち、現在新型コロナウイルス感染症の影響で休止しているが、平常時では2か所の開放施設で実施されているということです。私も実情は詳細に知り得ませんが、望まれる制度であれば、お風呂難民を解消する1つの方法としてもっと推奨し拡大すべきだというふうに思います。確保法の観点からも、市として実態を調べ──民間の中での事業だということは分かりますが──市としても推奨すべきだというふうに思います。ぜひ調査して検討していただきたいと思います。 次に、浴室のない市営住宅の実情について、どのようになっているか、お聞きします。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 浴室がない市営住宅についてのお尋ねでございますが、本市の市営住宅は令和4年8月末現在で75団地、5,892戸ありますが、このうち浴室が整備されていない市営住宅は昭和40年代に建てられた団地が多く、現在建設中の大川団地に移転集約されます松川団地、田家B団地、中道2丁目団地、港3丁目改良団地の4団地320戸を除きますと、21団地1,801戸となっております。なお、浴室が整備されていない団地の入居者につきましては、近隣の銭湯や自家用車で他の公衆浴場、また、デイサービスセンターなどの福祉施設を利用しているとお聞きしております。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 答弁では、5,892戸の市営住宅中、風呂のない市営住宅は1,801戸なので、約30%の市営住宅に風呂の設備がないということです。現状では30%もの市営住宅に風呂設備がないということは、大変深刻な問題だというふうに思います。 昭和40年代に建てられた住宅が多いという答弁でしたが、50年を経過した建物ということになります。実際に、そうした市営住宅をいつまでも放置することはできないというのが大きな問題点としてあります。 先ほどの答弁では、大川団地には、浴室のない古い市営住宅──松川団地、田家B団地、中道2丁目団地、港3丁目改良団地の4団地の320戸が移転するという話でした。今ある大川団地を6個造れば、それが一挙に全部解消するということです。これが一番いい解決法だというふうに私は思いますが、現在の市の対策としてどのような考えがあるか、お聞きします。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 浴室がない市営住宅における市の対策についてのお尋ねでございます。 浴室が整備されていない市営住宅に入居されている方のうち、市の特別な措置として、病気や加齢などにより日常生活に制限を受けるようになった方につきましては、医師の診断書の提出などにより、浴室が設置されている他の市営住宅への住み替えを承認しているところであります。また、現在策定を進めている次期長寿命化計画の中におきましても、団地の規模や耐用年限、入居状況、コストなどを勘案し、団地の移転集約などを含め、様々な入浴環境の確保の方策についても検討しているところでございます。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 風呂のある他の市営住宅に住み替えるという、それも一つの方法だというふうに思います。 2023年度──来年度は、10年を経過した函館市住宅マスタープラン、函館市公営住宅長寿命化計画の更新の年となっています。計画の中では、やはり全体として30%あるお風呂のない市営住宅をどのように解決していくかという方法を、ぜひ明確に計画の中で記していただきたいということを要望しておきたいと思います。 差し迫っている問題として、湯川団地内にある銭湯の経営者が廃止の意向を示しています。昨日も質問がありましたが、現在、そのお風呂には、1日60人から70人の住民の方が利用されています。現在の実情と市の具体的な対策をお聞きします。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 湯川団地の銭湯が廃業になった場合の市の対策についてのお尋ねでございます。 当該銭湯の営業に関わっては、経営者から体力的な不安要素のほか、施設の老朽化による経費の増加や継承者問題などの理由により、近いうちに廃業したいという意向が示されているところでございますが、現在も湯川団地の多くの入居者が当該銭湯を利用している状況にあることや、最寄りの銭湯までは2キロ以上離れていること、こういったことなどを考慮しますと、今後も、湯川団地入居者の入浴環境を確保していく必要があるものと考えております。 このことにつきましては、この間、住民から問合せをいただいておりますが、必要に応じて管理人などへ利用状況を確認しながら、市としてどのような対応が可能なのか、関係部局とも連携を図り、効率的、効果的な方法について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(紺谷克孝議員) 対策として、効率的、効果的な方法を考えるという答弁でした。なかなか抽象的でよく分からない方法なんですけれど、確かに、後継者の育成など困難な課題です。 しかし、一つは、先ほど議論した銭湯に対する有効な支援策、銭湯経営者の望む支援策を早急に検討して、現在ある銭湯が継続できる支援策をぜひ実施していただきたいというふうに思います。仮にやむなく経営廃止となった場合には、具体策として例えば、居住地から近くの銭湯への専用の車両を配置するとか、さらには、お風呂のないそういう湯川団地に、せめてシャワーだけでも設置するなどなど、知恵を出せば、たくさんの手段はあるというふうに思います。 ぜひ、有効な対策を前向きに検討していただくということを最後に要望しておきまして、若干時間は残りましたけど、以上で終わらせたいと思います。 ○副議長(道畑克雄) これで、紺谷 克孝議員の一般質問は終わりました。 ここで、再開予定を午後3時10分とし休憩いたします。          午後 2時33分休憩  ======================          午後 3時10分再開 ○議長(浜野幸子) これより会議を再開いたします。 休憩前の議事を継続し、一般質問を続けます。19番 中山 治議員。  (中山 治議員質問席へ着席)(拍手) ◆(中山治議員) 市政クラブの中山 治でございます。 本日、傍聴にお越しいただきました皆様、誠にありがとうございます。 それでは、通告のとおり、市長並びに教育長、企業局長に大綱5点、順次質問させていただきます。 まず、1点目でございますが、町会活動についてということで、持続可能な町会運営の在り方について御質問させていただきます。 現在、各町会では、高齢化や担い手不足など様々な課題を抱えておりますが、昨今の町会加入率の低下による町会費の減少、また、会館を自己所有している町会では、以前に比べて冠婚葬祭などの利用がほとんどなくなりまして、会館の使用料収入も見込めないことから、会館維持が困難な状況にあると、そのような相談を受けております。 まずは、お聞きいたします。 本市におかれまして、町会館を自己所有している町会は何町会あるのか。また、所有していない町会はどのくらいあるのか。そして、所有していない町会はこれまでどのように活動されているのか、お聞きいたします。 ◎市民部長(佐藤聖智子) 町会館の所有状況などについてのお尋ねでございますが、東部4支所管内につきましては、そのほとんどが市が所有する地域会館などを使用しておりますので、それらを除いた旧市内の149町会で申し上げますと、町会館を自己所有している町会は102町会、所有していない町会は47町会となっております。 所有していない町会におきましては、役員会や総会、行事などを開催する際には、近隣町会の会館や団地の集会所、公共施設などを使用しているほか、会長の自宅や事務所として借り上げている賃貸物件を使用していると伺っております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 102町会が自己所有されており、47町会が所有されていないということで理解しました。 それでは、現在、市から会館の修繕費等の補助はいただいておりますけれども、町会運営を存続させるために、今後、合併等も考えられるかなと。やむなく会館を解体しなければならない場合の支援や、また、固定経費として負担となっている会館の借地料等に対する支援など、会館に関する補助制度の充実を図ることも今後必要ではないかなと思っておりますが、お考えのほうよろしくお願いいたします。 ◎市民部長(佐藤聖智子) 会館に関する支援制度の充実についてのお尋ねでございますが、町会が自己所有する会館につきましては、以前に比べ冠婚葬祭などの利用がほとんどなく、使用料収入が減少するなど、会館の維持に要する経費が町会の負担になっているものと考えております。 市では、町会活性化に向けた基本的な方向性に基づく取組を推進しつつ、役員の高齢化や担い手不足など町会維持に関する課題が深刻化していることから、持続可能な町会運営に向けた取組を検討するため、町会関係者、学識経験者など8名の委員で組織する持続可能な町会運営に関する検討委員会を7月に設置したところでございます。 現在、この検討委員会では、町会の業務や組織のスリム化などに向けた様々な御意見を基に議論しているところでございますが、今後、会館に関する支援策につきましても、この検討委員会で御協議いただくとともに、町会連合会の御意見も伺いながら、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 分かりました。ぜひとも、前向きに検討していただきたいなと思います。 それでは、現在、町会運営が困難になっており、合併を検討している町会はあるのか。また、合併を検討している町会に対して、市はどのように今後対応していこうとしているのか、お聞きいたします。 ◎市民部長(佐藤聖智子) 合併を検討している町会及び市の対応についてのお尋ねでございますが、現在、町会連合会に対しまして、町会運営が困難な状況にあると相談している町会は5件あると伺っておりまして、その中で、合併を検討している1町会につきましては、今年度の町会活性化モデル事業として、市と町会連合会が合意形成のプロセスや財産管理の実務などについて助言を行いながら合併協議を進めているところでございまして、このモデル事業の実施結果を参考に、町会連合会と協力して、合併に向けた手順や留意事項などを追記し、町会運営標準マニュアルの改定も行う予定でございます。 地域住民が自主的に組織して活動する町会の合併は地域にとっても大きな問題でございまして、持続可能な町会運営に関する検討委員会におきましても御協議いただいているところでございますので、どのような対応が可能か、検討委員会での御議論や町会連合会の御意見も伺いながら、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 分かりました。今の御答弁では、運営が困難な町会が5件あり、その中で合併を検討しているのが1町会あるということでございます。 この先5年後、10年後を見据えたときに、合併せざるを得ないという町会も出てくるのではないかと私は感じております。そのような事態になっても対応していただけるように、今からマニュアルの改定や、また合併に伴う補助制度に関しても検討いただきたいなと思っております。 それでは、今、御答弁ございましたが、この7月、8月に開催されました持続可能な町会運営に関する検討委員会でございますが、こちらのほうではどのような意見が出されているのか、お聞きいたします。 ◎市民部長(佐藤聖智子) 持続可能な町会運営に関する検討委員会についてのお尋ねでございますが、持続可能な町会運営に関する検討委員会は、これまで2回開催されておりまして、持続可能な町会運営の方法として、町会業務や組織のスリム化、近隣町会との合併、町会の役割の見直しなど、様々な御意見をいただいているところでございまして、その中で、業務及び組織のスリム化や若い世代の参加促進には町会自らの意識改革が必要となること、また、担い手づくりには、町会活動といった漠然としたものではなくて、手伝ってほしい具体的な業務の提示が必要などといった御意見も出されているところでございます。 今後におきましては、持続可能な町会運営に向けた支援などについて検討を進めていただく予定となっております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 分かりました。御答弁で今ございましたけれども、業務及び組織のスリム化ということも検討されているということでございます。 現在、町会の業務の中では、毎月回覧板というものがございます。回覧板の回付は班長や町会役員の負担が大きくて、担い手不足の一因ともなっております。 今後も地域において町会や市政等に関する情報を共有していくためには、このたび開設されました市の公式LINEの活用も含めて、回覧板のデジタル化を促進することはできないか、お考えをお聞かせください。 ◎市民部長(佐藤聖智子) 回覧板のデジタル化の促進についてのお尋ねでございますが、多くの町会において活用している回覧板の回付につきましては、役員の高齢化や担い手不足などにより、その負担が年々大きくなっているというふうに伺っております。 他都市の自治会などにおきましては、スマートフォン向けアプリや、LINEを活用した回覧板のデジタル化の取組が増えてきているところでございまして、市といたしましても、国全体でデジタル化が進められる中、町会のICT化の推進は重要なことと考えております。 今後、回覧板のデジタル化を含め、町会のICT化の推進について、町会連合会と情報共有を図り、協議を進めてまいりたいと考えております。 また、市の公式LINEと町会の回覧板との連携などその活用についてなんですが、その活用が可能かどうかなどについては、関係部局と協議をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 分かりました。 私の所属する町会でございますけれども、班長等が本当に高齢化によりまして、回覧板の回付ができないと。現在、役員等が時間を見つけて手分けして回っているという状態でございます。本当に負担を強いられている状況にあるんですけれども、そこで、デジタル回覧板ができたら、負担軽減につながるのではないかなと、そのように今現在、議論しているところでございます。 市といたしましても、モデル的にでも前向きに検討していただきたいなと思います。 また、活性化を図るために、買物難民等を支援するために、現在、うちの町会では無印良品の移動販売等を毎月行っておりまして、また、子供を持つ親御さんをターゲットにするキッズバザーなどを本年度は企画・開催させていただきました。そこでは数名の入会にもつながりました。工夫をして何とか町会を存続させるために努力しているんですけれども、しかしながら、アイデア等は持ちながらも財政面で実行に移せないという状況もございます。ほかにそのような町会もあるのではないかなと思っておりますが、町会が自ら発案して、若い世代が町会活動に関わってもらうための新たな取組を促進するために、インセンティブとなるような補助制度を創設することはできないかなと思っているんですけれども、お考えをお聞かせください。 ◎市民部長(佐藤聖智子) インセンティブとなるような町会に関する補助制度の創設についてのお尋ねでございますが、かつては活発でありました町会活動が、加入者の減少や担い手不足などにより停滞している状況にありますことを踏まえ、市では町会活性化の取組を促進するため、町会連合会と連携し、令和3年度から町会が課題解決のために行う主体的な取組を人的、そして財政的に支援する町会活性化モデル事業を実施しているところでございます。 中山議員御提案の、アイデアはあるがなかなか財政的に厳しくて事業が実施できないという声は確かに私どももお聞きしておりますので、町会活性化モデル事業との兼ね合いもございますが、町会の将来を見据えた新たな取組を促進するための支援策について、町会連合会や、今設置しております検討委員会の御意見も伺いながら、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) ありがとうございます。前向きな御答弁をいただいたかなと思っております。ぜひとも本市といたしましても、町会の将来を見据えた取組や支援を御検討いただきたいと、そのことを要望させていただきます。 それでは次に、自主防犯パトロールについて、順次質問をさせていただきます。市内の一部の町会では、地域の防犯活動の一環といたしまして、青色回転灯を装備した車による防犯パトロールを行っております。その経緯も含め、市の認識についてお伺いさせていただきます。 ◎市民部長(佐藤聖智子) 青色回転灯を装備した車による防犯パトロール、いわゆる青色防犯パトロールについてのお尋ねでございますが、青色防犯パトロールにつきましては、平成16年から運用が開始された自主防犯パトロールでございまして、本市では平成17年に大川町会が最初に開始したと伺っております。 市といたしましては、青色防犯パトロールの活動は、地域住民による犯罪の抑止や、子供の登下校時の見守り、地域住民の防犯意識の高揚につながるなど地域の安全・安心につながる重要な活動であると認識しているところでございます。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 分かりました。 それでは、次に、令和3年度の青色防犯パトロールを実施している町会の数と、そして全体の稼働台数、また、車両1台の最多実施回数というのはどのようになっているか、お伺いさせていただきます。 ◎市民部長(佐藤聖智子) 青色防犯パトロールの実施状況についてのお尋ねでございますが、市におきましては、町会における青色防犯パトロールを促進することを目的に地域安全安心促進交付金を交付しておりまして、交付金の令和3年度の実績で申し上げますと、交付団体数は35町会で57台の車両が稼働しており、その中で最も回数が多い町会では、1台で314回のパトロールを実施していたところでございます。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 今、御答弁ございましたが、市内35町会、57台が稼働されておると。最も多い町会で314回ということでございますので、1年間ほぼ毎日パトロールを実施されているのかなと思っております。実施されている方は、地域の子供たちの見守りや、犯罪抑止のために日々努力をされております。 平成22年から青色防犯パトロールを実施している町会に対しまして、地域安心安全促進交付金が年間1台当たり5,000円交付されております。また、こちらは10年以上も経過しておりますことから、今後増額するなど見直す必要があるのではないかと感じているのですけれども、御見解をお願いいたします。 ◎市民部長(佐藤聖智子) 地域安全安心促進交付金の見直しについてのお尋ねでございます。 この交付金につきましては、平成22年度の制度創設以来、1台当たり5,000円を交付しておりますが、町会からは、高齢化などにより成り手が不足している中、青色防犯パトロールを維持することが難しいといった声も寄せられておりますことから、見直しについて、実施町会の活動状況などを踏まえるとともに、町会連合会や函館中央地区防犯協会、函館西防犯協会の御意見なども伺いながら、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 現在、燃料のガソリン等も高騰しております。年間5,000円ということでございます。月に換算しますと500円以下ということでございます。パトロールやられている方は、決してお金のために行っているわけではございませんけれども、各町会で防犯パトロールを維持していくためにも、ぜひとも配慮していただきたいなと、そのようにお願いさせていただきます。 それでは、この項を終わらせていただきます。 続きまして、大綱2点目に移ります。 民生委員・児童委員について、順次質問いたします。 本日も同僚議員のほうからも御質問ございましたので、なるべく重複しないように質問させていただきます。 改めて、民生委員・児童委員の活動に対する市の認識と期待する役割についてお伺いさせていただきます。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 民生委員・児童委員の活動と期待する役割についてのお尋ねでございます。 民生委員・児童委員の活動につきましては、地域の高齢者等への訪問による安否確認や、地域の方々からの様々な相談対応など地域住民の見守り役として、幅広い役割を担っていただいております。 しかしながら、近年、少子高齢化や人口減少が急速に進展し、地域のつながりの希薄化が進むなど、社会環境が大きく変化する中で、単身高齢者世帯の増加や、ひきこもりなどによる社会的孤立の問題など地域課題はより複合化、複雑化しておりますことから、地域の方々が抱える様々な課題の身近な相談先として、困り事がある人に寄り添い必要な支援へとつなぐ民生委員・児童委員の役割が一層重要なものとなっていると認識しております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 現在、住民の抱える課題というのが本当に複雑化、多様化しておりまして、民生委員に寄せられる相談内容も、困難度が高くなっていると聞いております。困難なケースでも、民生委員1人で抱え込まないように、市や専門機関がサポートすること、地域における民生委員の支援体制を強化することが重要だと考えております。 そこで、民生委員・児童委員は、その活動の中で、市や関係機関とどのように連携されているのか、お伺いさせていただきます。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 民生委員・児童委員と市や関係機関との連携についてのお尋ねでございます。 民生委員・児童委員は、地域の高齢者が健康で安心して暮らせるように、地域包括支援センターと連携し、相談対応や見守りなどの支援を行うほか、生活困窮者等に対しては、福祉事務所と連携し、必要な支援につなげるなど地域住民の様々な課題を解決するため、市の関係部局と連携しながら活動を行っていただいております。 また、本年4月に地域包括支援センターの機能を拡充し、高齢者だけではなく、全世代を対象とした暮らしの中の様々な困り事に対する地域の身近な相談窓口として福祉拠点を開設したところであり、今後におきましては、これらの福祉拠点を活用しながら、自ら支援につながることのできない人の発見や、その支援の充実に向け、民生委員・児童委員との連携をさらに深めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 今、御答弁ございましたとおり、10か所の地域包括支援センター、こちらの役割というのが本当に重要になってくるのかなと思っております。 また、先ほども同僚議員の質問にもございましたけれども、民生委員の成り手不足や補充についても、地域の町会長さん含め、町会役員の中でも課題となっておりまして、私も準備委員会に今回携わらせていただいておりますけれども、候補者の確保に本当に苦労しておりまして、また、欠員が生じるなど、定数の充足が本当に難しい状況にあります。 そこで、定数の根拠と定数に対する今後の考え方についてお伺いさせていただきます。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 民生委員・児童委員の定数についてのお尋ねでございます。 民生委員・児童委員につきましては、函館市民生委員定数条例によりその定数を710人と定めております。この定数は、厚生労働省が定める中核市及び人口10万人以上の市においては170から360までの間の世帯数ごとに1人を配置するという基準に基づき、本市の各地区の人口分布など、地域の実情を踏まえ算出しております。 しかしながら近年、新たな人材の確保が困難となってきていることから、市といたしましても、候補者を確保するための取組を引き続き進めるとともに、各地区の民生児童委員協議会からの御意見をいただきながら、定数の見直しについても検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 平成27年の条例制定時の710人という定数から変わっていないということでございますけれども、今後は御高齢の方の多い地域ですとか、そういったところも調査していただいたりして、地域情勢を鑑みながら、適正な定数の見直しも御検討いただきたいなと思っております。 また、民生委員・児童委員の活動は様々な面で負担が大きいと思われますが、その負担軽減策と支援について市はどのように考えているか、お伺いさせていただきます。 ◎保健福祉部長(佐藤任) 民生委員・児童委員の負担の軽減と支援についてのお尋ねでございます。 民生委員・児童委員の活動におきましては、対処が困難な相談などにも対応する場合がありますことから、委員が1人で抱え込んでしまうことがないよう、市の関係部局や専門機関が共に連携を図りながら対応しているところでございます。 また、これに加えまして、本年4月に開設した福祉拠点において、専門スタッフと民生委員・児童委員の連携強化を図り、支援が必要な方々への対応を行うこととしているほか、民生委員・児童委員に対する支援強化として、活動の諸経費に充てる活動費につきましても、年額7万5,204円から、8万5,200円に増額したところでございます。 今後におきましても、安心して活動に従事していただけるよう、民生委員・児童委員の御意見等も伺いながら、活動しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 民生委員は地域福祉のつなぎ役として、地域の訪問や相談支援だけではなく、地域福祉活動、町会のお手伝い、各種会議・会合などへの参加と、非常に多忙で負担感が増してきていると思います。 また、活動に必要な経費は支給されておりますけれども、上限があり、熱心に活動されている方ほど手弁当になりかねません。 このような状況から、民生委員になることを尻込みしている方もいらっしゃいます。ぜひとも、民生委員として活動したいという方を増やしていただいて、また無理なく続けられる仕組みをつくっていただきたいなと思います。 そして、地域で地道に活動されている民生委員の方に寄り添った支援を、今後もよろしくお願いしたいと思います。 それでは、この項を終わらせていただきます。 続きまして、大綱3点目に移ります。 避難所についてお聞きいたします。 このたび、8月8日におおよそ2万人に避難指示が出されまして、統計開始以来最も多い雨量が観測され、市においても河川の氾濫や道路の破損、浸水などの多大な被害があり、自然災害の恐ろしさを私もまざまざと感じたところでございます。 まずは、避難所の指定に当たっての基本的な考え方をお伺いいたします。 ◎総務部長(小山内千晴) 避難所指定の基本的な考え方についてのお尋ねでございます。 避難所につきましては、国におきまして、居住者等が災害から命を守るために緊急的に避難する施設、または場所を指定緊急避難場所として指定するものとしており、また、避難した居住者等が災害の危険がなくなるまで一定期間滞在し、または災害により自宅へ戻れなくなった居住者等が一時的に滞在する施設を指定避難所として指定するものとしてございます。 本市におきましては、耐震性や立地の危険性などの法令基準のほか、地域住民にその存在が知られており、開設を迅速に行うことができる施設や場所を指定緊急避難場所として指定しているところであり、備蓄品の保管や速やかな物資の搬出入ができる学校施設や公共施設を指定避難所として指定しているところでございます。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 今、御答弁いただきましたが、指定避難所として学校施設や公共施設を指定しているということでございます。地域によっては、学校の統廃合によりまして避難所も廃止されることなど、近くの避難場所が廃止された地域の住民からは、特に高齢者は避難が難しくなったとの声を聞いておりますが、いわゆる避難所が空白になっているという地帯だと思います。市としてはどのように考えているのか、お聞かせください。 ◎総務部長(小山内千晴) 近隣の避難場所が廃止された場合の対応、認識ということでのお尋ねでございます。 本市の避難場所につきましては、小中学校を中心に指定しており、学校の統廃合などによりまして最寄りの避難場所が廃止された場合には、新たな避難場所までの距離が遠くなる地域もございます。 市といたしましては、今後、先ほど御答弁申し上げました法令基準などを踏まえた上で、学校や市の施設以外の施設につきましても、新たな避難場所として指定してまいりたいと考えておりますし、自身の安全確保のために、災害時には近くの安全な建物や安全な場所にある親戚や知人宅等へ避難することなどにつきましても、市民へ周知を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 今、御答弁がございましたけれども、学校が廃止されたところは避難所までの距離が遠くなる地域もあるということでございます。その遠くなった距離を、1人で住んでいる方とか、そういう高齢者の方は果たして避難できるでしょうか。 学校が廃止されて3年もたっている地域もありますが、それは地域の実情を調査されて、そして、地域住民に対して、避難場所の確保、避難所の周知とか、避難誘導の周知等をこれまでされてきたのか、その辺をお聞きしたいと思います。 ◎総務部長(小山内千晴) 避難場所及び避難行動についての市民と市の関わりについてのお尋ねでございます。 これまで、いろんな機会を通じて市民周知に努めてきたところでありますが、避難場所の総数につきましては、当然、避難者の数をクリアしておりますけれども、各地域ごとに見ますと、当然、遠いですとか、近くには避難者の数を確保できるような場所もないという実情もございます。 これは、今まで一定程度周知はしてきていますけれども、今後におきましては、もっときめ細かく地域住民に寄り添った形で、避難方法ですとかその方ごと──障がい者の方とか高齢者の方がおりますので、実情に合った形で、いわゆる避難するためのマイ・タイムラインといいますか、どう行って逃げたらいいか、市が主体的に関わって取り組んでいきたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 今、御答弁ございましたけれども、統廃合になって、学校が廃止された地域の町会の方からのお話でございました。実際、どこに避難をしていいのか、どのように避難を誘導していいのか分からない、どうしたらいいんだという声がございました。実際、学校が廃止された地域の声をしっかり聞いていただきたいなと思いますし、また、案でございますけれども、そういう地域にはアンケート等で不安なことを聞くなど、そういうのも工夫してやっていただきたいなとそのように思っております。 平成25年から、東日本大震災の教訓といたしまして、障がい者、高齢者、妊産婦等への情報提供が避難等の様々な場面で不十分であったということを受けて、避難行動要支援者名簿の作成が市町村でも義務化されました。 また、令和3年5月に災害対策基本法が改正されまして、市町村に個別避難計画の作成が努力義務化されました。市でも本年7月に見直すということでございましたが、災害時において、高齢者など避難が難しい方への避難対策として、市ではこれまで避難行動要支援者名簿を作成の上、町会へ提供しているということでございます。 また、このたび災害対策基本法の改正を受けて市が作成することになる個別避難計画について、今後、町会等へはどのように周知を図っていくのか、お伺いさせていただきます。 ◎総務部長(小山内千晴) 避難行動要支援対策についてのお尋ねでございます。 本市におきましては、これまで避難行動要支援者名簿を作成しまして、個別避難計画の作成などへの支援することに同意していただきました町会などへ提供してきたところでございますが、今後におきましては、市が主体となって町会等の協力もいただきながら、個別避難計画を作成するなどの取組を進めてまいりたいと考えておりまして、町会などへの周知につきましては、これまで、個別避難計画の内容や作成方法について、函館市町会連合会や民生児童委員連合会事務局などへ説明を行ってきておりますが、今後におきましては、各町会や福祉事業者などへも具体的な説明をしながら周知を図った上で取組を進めてまいりたいと考えているところであります。 ◆(中山治議員) 今、御答弁ございましたけれども、これまでも避難名簿を作成して、支援することに同意した町会等へ提供してきたという御答弁でございます。 現在まで何町会が同意されてきたのか。また、私の調べでは、平成27年に避難行動要支援者支援制度の説明会を市でやっていますけれども、その間から現在まで、支援を受け入れてくれた町会に対して、支援方法などの教育はされてきたのでしょうか。 ある町会から、今年度も名簿と趣旨文等は渡されたが、どこに避難させ、どのように避難誘導したらよいのか、そのような説明もないと聞いております。これまでの対応についてお伺いさせていただきます。 ◎総務部長(小山内千晴) 避難行動要支援対策に関わって町会への周知・説明についてのお尋ねでございます。 令和4年度時点では、同意していただいた町会等につきましては、57団体に名簿提供してきてございます。当初、名簿作成を始めたときには、ある程度、トータル的に説明した上で、趣旨を御説明してまいりました。毎年、毎年、名簿は更新した上で、同意していただいた町会のほうに提供しておりますが、今、多分、町会さんのほうで役員が変わられたり、市としても一からきちんと説明できているかというと、そこはちょっと我々も反省点がございます。改めて、災害対策基本法が改正されて、市の努力義務とはっきり位置づけられたことから、今後は毎年名簿提供する際にもきちんと制度の説明をした上で、名簿の管理ですとか町会の役割ですとか、その辺は説明してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) これまでは、そういった周知等も──説明会や指導等はそこまでやられてこなかったというところはあるのかなと思います。しかしながら、今の御答弁でございましたけれども、これから個別避難計画の内容を作成していくということで、作成方法等は、町会連合会や民生児童委員連合会事務局ですか、そちらのほうには説明されているということでございますけれども、受入れをしてくれた町会などへの周知というところが本当に一番大事になってくると思います。いつまでに行う予定でいるのか、今後のスケジュール、大体のめどを教えていただきたいなと思います。 ◎総務部長(小山内千晴) 町会への周知のスケジュールということでのお尋ねでございます。 今年の7月に市の基本的な考え方を定めております函館市避難行動支援計画を改正したばかりでございまして、今、一部町会をモデルケース的に町会さんや福祉事業者と協議しながら、個別避難計画の作成に着手したところでございます。東部4支所ですとか、高齢者だとか逃げづらい、避難しづらい場所だとかございますので、まずそちらのほうから着手しようかなと思っていますし、基本的には、来年度からは地域を広げながら拡大していきたいと思っておりますので、全町会なり全地域にきちんと説明できるのは、基本的にはできる限り早く、来年度か再来年度中ぐらいまでには全て網羅していきたいなというふうに考えておりますが、今、ちょっと着手したばかりで、どのぐらいの時間がかかるのかという具体的なスケジュールを定めておりませんので、もう少し時間をいただいた上で、できるだけ早期に進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 町会の方からは、今回の災害を受けまして、やっぱり不安だという声を聞いております。災害はいつ起こるか分かりませんし、そのためにも早急に対応していただきたいと思います。 災害は、様々な要因が考えられると思いますけれども、市の役割といたしまして、災害が起こったときに、地域で生活される方が何を心配されているのかということを事前に把握していただきたい。そして、不安の解決につながる防災整備や日々の訓練、情報伝達というのをやっていただきたいなと思います。 また、防災対策の在り方もそれぞれ異なり、いつ起こるか分からない自然災害におきまして、町会単位としてはどう対策を取っていいのか、講じたらいいのか、対応していけばよいのかという不安の声を聞いております。 基本的には災害に対しては、自分たちの地域は自分たちで守るという地域ぐるみの防災対策が重要だとは思っておりますけれども、ただただお願い事というんですか、何でもかんでも町会に任せっきりというんですか、そういうのをしてほしくないなと思っております。もし協力をお願いするのならば、そのような防災面、様々な面においても、課題、不安事にしっかり耳を傾けて、丁寧に対応していただきたいなと思っております。 そして、これまでの質問とも関連してきますけれども、高齢化、役員の担い手不足、加入率の低下など、本当に町会運営は非常に困難な状況にあると、これまでも訴えさせていただきました。 現在、市民部のほうでは、町会業務のスリム化等検討しているということでございますけれども、実際には、町会に対して民生委員の確保の協力や避難支援の協力のお願いなど、市からの要望も多岐にわたっているように私は感じております。それらが町会の負担になりまして、担い手不足の一因になっているとも感じております。 今後は、総合的に市全体を通して町会の負担を緩和できるように、関係部局とも連携して分析していただいて、必要な支援を丁寧に行っていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 それでは、この項を終わらせていただきます。 それでは次に、大綱4点目に移らせていただきます。 大雨対策についてお聞きいたします。 先般、8月の大雨当日に谷地頭地区の住民の方から、建物内に浸水しており、すぐに見にきてほしいと連絡を受け、私は現地に行きました。 2年前の大雨のときにも、谷地頭地区は道路が冠水いたしまして、建物内への雨水流入による被害がございました。改めて、先般──8月8日の大雨に伴う谷地頭地区における状況について、お伺いさせていただきます。 ◎企業局上下水道部長(伊藤正樹) 谷地頭地区の被害状況についてのお尋ねです。 企業局において聞き取り調査を行い確認したところ、道路冠水は発生しなかったものの、函館地方気象台の観測史上最大となる非常に激しい降雨により、店舗や車庫など道路と床面が同じ高さとなっている建物内への雨水の流入、及び建物内の排水設備から下水が逆流した被害がそれぞれ4件、公道上の汚水ますからの溢水が3か所発生したことを確認しております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 私も現地のほうに行きまして確認させていただきましたが、このたび道路冠水はなかったものの、商店街等の店舗内で床上が完全に冠水していたという状況でございました。 今回、建物内の排水設備からの下水の逆流や、汚水ますの溢水があったとのことでございますが、その原因についてお伺いさせていただきます。 ◎企業局上下水道部長(伊藤正樹) 下水の逆流や、溢水が発生した原因についてのお尋ねです。 谷地頭地区の下水道は、雨水と汚水をそれぞれ別々の管により排除する分流式となっており、設計上は汚水管は雨水の流入を見込んでいないことから、汚水管は雨水管に比べ、管径は小さなものとなっております。 今回の下水の逆流などが発生した原因につきましては、老朽化したコンクリート製汚水ますの接合部や水密性の低いマンホール蓋から雨水が汚水管に流入し、汚水管が満水となったことにより、谷地頭電停交差点付近の低地において、一部の店舗内の床排水口から下水の逆流や、公道上の汚水ますから溢水が発生したものと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 原因については分かりました。 それでは、谷地頭地区におきまして、これまでも大雨による浸水など被害がございましたけれども、企業局として、これまでどのような対応を行ってこられたか。また、今後はどのような改善対策を考えているのか、お伺いさせていただきます。 ◎企業局上下水道部長(伊藤正樹) 大雨に対するこれまでの対応と今後の改善対策についてのお尋ねです。 谷地頭地区における浸水対策といたしましては、住吉ポンプ場の雨水ポンプ能力の増強を行うとともに、道路面から谷地頭電停交差点への雨水の流入を防ぐための横断グレーチングの設置や雨水管の整備などを進めてきたところであり、今年度は、近年増加傾向にある突発的な大雨に対応するため、施設の運転管理の拠点である南部下水終末処理場において、住吉ポンプ場の雨水ポンプを遠隔操作するための設備工事を実施しているほか、大雨が予想される場合には、巡回パトロールの実施や、必要に応じて土のうの設置を行っているところであります。 下水の逆流や汚水ますからの溢水対策といたしましては、宅地内において雨水を汚水管へ接続している誤接続の調査を行い、173個の誤接続箇所を確認したことから、その解消に向けた取組を進め、現時点において22戸まで減少したほか、昨年度からは、7年間の計画で汚水ますをコンクリート製から水密性の高い塩化ビニル製のものへ、マンホール蓋も水密性の高いものに交換しており、今年度末でそれぞれ100か所、令和9年度末ではそれぞれ350か所程度を交換する予定としております。 また、今回下水の逆流が発生した建物については、汚水ますに逆流を防止する設備を設置するなど、今後も引き続き、これらの溢水対策を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 御答弁いただきました。ありがとうございます。 2年前の大雨災害のときからも、企業局や土木部の方、また、ポンプ場の方も含めて、地域住民からの意見を吸い上げていただきました。これまで、対応していただきまして、その結果、非常に改善されているのではないかと感じております。地域住民の方からも声を聞いております。今回の大雨により、さらなる原因が分かったということで、改善を期待させていただきます。引き続き溢水対策を効果的に進めていただくことをお願い申し上げます。 それでは、最後の項に移らせていただきます。 安全な学校施設についてということでお聞きいたします。 これから冬のシーズンを迎えるに当たりまして、函館市では学校施設の老朽化したボイラー方式の暖房を優先的に改修工事を行っております。 その中で、現在学校の暖房設備で、オイルサーバー設置されていなくて、灯油を手動で補充するいわゆるポット式ストーブの学校があると思います。 そちらは何校あるのか、お聞きいたします。 ◎教育委員会生涯学習部長(川村真一) オイルサーバーが設置されていない学校についてのお尋ねでございます。 函館市立の学校数につきましては、小学校38校、中学校19校、義務教育学校1校、高等学校1校、幼稚園が1園となっており、その主な暖房設備の種類といたしましては、ガスや灯油のFF方式、蒸気や温水のボイラー方式、灯油のポット式ストーブとなっております。そのうち、灯油のポット式ストーブの小学校6校及び中学校1校につきましては、灯油配管、オイルサーバー等の設備が設置されておらず、手動で補充しているところでございます。 以上でございます。 ◆(中山治議員) ポット式ストーブ、小学校6校、中学校1校ということでございます。外づけの灯油タンクではなく、室内タンクからの給油ということで、常時ポリタンクをストックしなければならないと思います。これまで学校の管理状況を聞きたいんですが、灯油の入ったポリタンクは現状で何個学校に保管されていまして、保管方法は安全が保たれているのか、また、消防法などの関係法令に適合しているのか、お伺いいたします。 ◎教育委員会生涯学習部長(川村真一) 灯油の保管方法についてのお尋ねでございます。 灯油の入ったポリタンクは、学校内の各階の物置や、屋外の物置の数か所に分散し、保管しているところでございますが、本年8月31日に現地を確認したところ、数か所の保管場所で、函館市火災予防条例が定める数量を超えていたことから、速やかに学校と協議し、適切な保管数量等に改善したところでございます。 この不適切な状況につきましては、学校の防火管理者の灯油の保管数量等に対する認識が薄かったこと、また、防火管理者を選任し、防火管理上必要な業務を行わせる学校の管理権原者であります教育委員会が、学校の灯油の管理状況を把握していなかったことがその要因でございますので、教育委員会と当該学校それぞれが反省いたしまして、適切な保管状況を維持するためのルールづくりを進めることにしたところでございます。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 規定の数量超えられていたということで、実際にお聞きしますと、10個ぐらいだということでございます。私が確認させていただいた中で、80個ぐらいあったものですから──中には空のやつがあるということで聞いておりますけれども──火災予防条例の数量を超えていたということで、ポリタンクは完全に密閉されるものではなくて、気化して悪臭を充満させて子供たちの身体にも影響を与えかねません。私も現地を確認させていただきましたが、保管場所は強烈な灯油の臭いがしておりました。保管庫の隣には教室もございますし、子供たちを預かる学校施設において、万が一そこに引火するようなことがあれば、本当に子供たちの命に関わる大惨事につながっていくと思います。何かあってからでは本当に遅いと思いますし、これまでも何年もこの状態で学校、教育委員会はちょっと気にされていなかったのかなと今回思いました。これまで、実際に消防のチェックというのはされているのでしょうか。 ◎教育委員会生涯学習部長(川村真一) 灯油の保管数量につきましては、消防本部への届出が必要になっておりまして、学校も教育委員会のほうも、消防本部のほうに届出を行っていなかったことから、消防本部のほうでも把握はしていなかったというところでございます。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 分かりました。今後、リスク回避をするためにも早急に灯油タンクの設置等、オイルサーバー工事も進めていただきたいなと思っておるんですけれども、現在、これからの改修計画というのはどのようになっているか、お聞きいたします。 ◎教育委員会生涯学習部長(川村真一) 暖房設備の改修計画についてのお尋ねでございます。 学校施設の改修工事は、校舎の外壁や屋根、受変電設備、暖房設備などを限られた予算の中で緊急性や重要性を考慮し、計画的に進めております。 このうち暖房設備につきましては、故障によって学校全体の暖房が停止し、学校活動への影響が大きいボイラー方式の暖房で、耐用年数が超過し、老朽化が著しいボイラーを使用している学校を優先してきたところでございますが、このようなボイラーの改修は令和5年度で終える見込みでございますので、オイルサーバー等が設置されていない学校も含めた中で、学校施設の老朽化の状況等を考慮し、改修工事を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆(中山治議員) 分かりました。ぜひとも優先的にまた考慮していただきたいなと思います。これから冬に入ります。また灯油を多く使用する時期にもなります。保管量もまた増えるのではないかなと懸念しておりますので、再度学校側への安全確保と周知徹底、そして教育委員会としても責任を持った管理体制を講じていただきたいと、そのことをお願い申し上げまして、終わらせていただきます。 ○議長(浜野幸子) これで、中山 治議員の一般質問は終わりました。 次に、12番 板倉 一幸議員。  (板倉 一幸議員質問席へ着席)(拍手) ◆(板倉一幸議員) 民主・市民ネットの板倉でございます。 それでは、質問させていただきますが、まず、コロナ禍における原油価格・物価高騰等緊急支援対策について、お伺いしたいと思います。 長引く新型コロナウイルス感染症の影響で、市民生活や事業経営などに大きな影響がもたらされている中で、物価の高騰がさらに追い打ちをかけて──国民的問題でもありますが──市民は本当に厳しい生活を余儀なくされていると。市でもこの間、市民や事業者への支援を行ってまいりましたが、改めて現況と今後の支援策やその在り方について、お尋ねしたいと思います。 初めに、物価高騰の現況と市民への影響について、どのように認識をしているのか、そうした認識に対して、どのような対策や支援策を取ってきたのかお尋ねいたします。 ◎副市長(谷口諭) 物価高騰に対する認識、それからその支援策についてのお尋ねでございます。 長期化しているコロナ禍におきまして、ロシアのウクライナへの侵攻や、急速に進んでいる円安などの影響により、灯油やガソリンなどの石油製品価格の上昇が続いているほか、電気料や食料品などについては、今後も値上げが想定されており、こういった原油価格や物価の高騰が続いている状況は、本市の地域経済、それから市民生活へ大きな影響を与えているものと認識しております。 このようなことから、コロナ禍における原油価格・物価高騰等対策につきまして、本年の5月に当面の対策としまして、子育て世帯や市民税非課税世帯への支援策に加え、事業者への支援策をお示しし、実施してきたところでありますが、物価高騰等による市民生活などへの影響につきましては、今後も厳しい状況が続くものと思われますので、市としてさらなる支援と、負担軽減策が必要と考え、8月に水道基本料金の免除など、追加の対策についてお示ししたところであります。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) 大きくくくってお答えいただくと、そういうことだというふうに思います。個別の課題でいきますと、函館は水産ですとか、あるいは観光ですとか、そういった基幹産業のまちでありますから、事業者にとって、原油高、物価高騰、大変厳しい状況だというふうに思いますので、この点については、しっかり取り組みいただきたいとお願いしておきます。 次に、支援策ですが、現金支給というのは効果的であるというふうには思いますが、こうした対策や支援策はどのような効果があったのか、また、市の支援策は十分だったのか、このことについて、どう考えているでしょうか。 ◎副市長(谷口諭) 支援策についての現時点の効果などについてのお尋ねでございますけれども、本年5月にお示ししました物価高騰等緊急支援対策では、国が全国的に取り組みます子育て世帯や、市民税非課税世帯への特別給付金の支給に加え、本市独自の支援として、国の制度の対象とならない世帯に対する緊急給付金の支給や、市内大学生等への生活支援、学校等給食食材購入費の支援、さらには、市内全事業者への緊急支援金の給付や、宿泊料金等助成──はこだて割につきまして、予算の議決をいただき、現在実施しているところであります。 子育て世帯や、市民税非課税世帯への給付金及び事業者への緊急支援金につきましては、申請を受け付けた後、随時支給が進んでいるところでありまして、また、市内大学生等への生活支援や、学校等給食食材購入費の支援につきましても、各学校等において事業実施に向けて着手している状況であり、これらの各事業は物価高騰等に対する負担軽減に寄与しているものと考えております。 市の支援策は十分なのかということでありますけれども、物価高騰等につきましては今後も厳しい状況が続くと予測されますことから、状況に応じた対策を取っていく必要があるものと認識しております。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) 子育て世帯ですとか、市民税の非課税世帯への支援、加えて大学生、学校給食への支援、こういうものも行ってきたということです。 原油高、円高、これは市民生活を本当に圧迫しておりますから、市長も食材ですとか、あるいは生活用品ですとか、お買物に出かけることがあるというふうに思っておりますけれども、本当に値上がりが家計を圧迫している、悲鳴を上げているというふうに思います。 なかなか1自治体で解決できることではないと思いますので、その辺のところは、市長会などを通じて、国にしっかりした対策を求めていってほしいと思います。 もう一つ考えていただきたいのは、物価高──市民の全てが苦しめられているということで、市民全員にと言わなくても、非課税世帯を少し上回るような世帯、非課税世帯の今の平均的世帯の収入は、多分200万円前後だと思いますけれども、ネットで函館市の平均年収というのが出ていまして、函館の平均年収297万円、全国ランキングで716位と出ておりましたけれども、所得の低い方が多いということで、低所得者の間でも不公平感が高まっている。そういった声が出ていると──これは市のほうもお聞きになっているとは思いますけれども──こうした低所得者への支援、こういったものは対象の拡大を少しすべきだと思いますけれども、何かお考えはあるでしょうか。 ◎副市長(谷口諭) 非課税世帯とならない低所得世帯への支援ということのお尋ねですけれども、本市ではこれまで、国の制度に基づきまして、臨時特別給付金の支給など、市民税非課税世帯への支援を行ってきたところでありますけれども、物価高騰等につきましては、先ほども申し上げましたとおり、多くの方々へ影響を与えているものと認識しておりますことから、このたび、幅広い市民の皆様に対して支援を行き届かせるという目的から、水道の基本料金を免除することとしたものであります。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) それでいいのかと思いますけれども、水道のことは後ほどまた触れさせていただきますが、十分か、不十分かといえば、まだまだ検討の余地が残っているなというふうに思います。 今議会で議決された事業も含めて、今後、実施予定の事業について、まず、規模についてですけれども、8月25日に発表された緊急支援対策ですけれども、総額25億8,805万円、こういうふうに発表されたわけですけれども、そのうち、はこだて割の6億7,000万円というのは6月補正で発表されているわけですから、正確には19億1,805万円ということになるんではないだろうか。併せて後ほどまた申し上げますけれども、提案していない、議決していない議案も含まれているわけですから、大きく見せて、対策をあたかも実施するというふうな発表をするというのはいかがかというふうに私は思いますけれども、そのことについてどうお考えでしょうか。 ◎副市長(谷口諭) 対策総額などについてのお尋ねですけれども、これまで当面の対策としまして、子育て世帯や市民税非課税世帯の支援に加え、事業者への支援を6月定例会で議決いただき、実施しているところであります。 この物価高騰等につきましては、暖房の使用が増える冬季にかけて家計への負担が増大するということが想定されますことから、さらなる支援、家計・家庭への負担軽減策が必要と、そういう考えに至ったものであります。 このたびの対策につきましては、これから取り組む対策の全体像を分かりやすく見て、そして理解していただくために、一つには9月定例会で対応する事業、一つには予算計上済みで今後実施する事業、それから年内の補正で対応する予定事業というものを緊急支援対策の一つのパッケージとしてお示ししたところであります。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) そうであるならば、先ほど申し上げましたけれども──戻って恐縮ですが──市民への支援、もう少し幅広く行うというような考えがあってもいいのではないかというふうに思います。 全体像の見せ方の問題については、また後ほど取り上げたいと思いますので、次に移らせていただきたいと思います。 個別の支援策が今回も発表されておりますけれども、そのことについて幾つかお尋ねしたいというふうに思います。 初めに、物価高騰対策として、水道料金の免除ということが発表されましたが、水道料金の免除をするということにした理由は何でしょうか。 ◎副市長(谷口諭) 水道基本料金の免除を実施する理由ということのお尋ねですけれども、このたびの水道基本料金の免除は、コロナ禍における原油価格・物価高騰等へのこれまでの当面の対策として、子育て世帯や市民税非課税世帯への支援に加え、事業者への支援を実施してきているところでありますが、現状及び今後の見通しから、さらなる支援と負担軽減策が必要と考えまして、庁内で議論を行い、幅広い市民の皆様に対して、支援を行き届かせるそういう観点・目的から、水道基本料金の4か月分を免除することとしたところであります。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) なぜ、水道料金なのかと。これは、どこかの自治体が水道料金の免除を言い出してというのか、やり始めてというのか、それ以降、各自治体ともそれに倣ってやり始めているのではないかというふうに思われるわけですけれども。しかし、自治体によってはいろいろと知恵を絞っているというようなことだというふうに思います。 函館市の場合、13ミリメートルから300ミリメートルまで水道の家庭用の口径というのはあるわけですけれども、全てでなくても結構です。主な口径で結構ですから、口径ごとの契約件数と額についてお知らせいただきたいと思います。 ◎企業局管理部長(万丈忍) 水道基本料金の免除対象の契約件数と金額についてのお尋ねでございます。 家庭用水道メーターの主な口径について申し上げますと、契約件数につきましては、13ミリメートルが約2万8,000件、20ミリメートルが約8万9,000件、25ミリメートルが約2,700件。また、金額につきましては、13ミリメートルが約8,800万円、20ミリメートルが約4億3,260万円、25ミリメートルが約1,980万円を見込んでおります。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 13ミリメートルが2万8,000件、20ミリメートルが8万9,000件、25ミリメートルが2,700件と、ほぼこれで家庭用の契約件数というか、網羅されているというふうに思います。 金額も13ミリメートルが8,800万円、20ミリメートルが4億3,260万円、25ミリメートルが1,980万円ということですから、ちょっと計算してみたんですけれども、そうすると、件数でいくと13ミリメートルから25ミリメートルまで足すと11万9,700件ということになりますし、金額にすると13ミリメートルから25ミリメートルまでで、5億4,040万円ということになるでしょうか。割り算すると、平均で4,514円というようなことになるというふうに思います。中には2世帯で1つの契約というのもあるでしょうから、1世帯当たりにすると、もっと低くなるというふうに思うのですが、企業局に先にお聞きしておきますが、企業局としてさらに何か支援を行うというようなことは考えはあるんでしょうか。 ◎企業局管理部長(万丈忍) 企業局としての支援策についてのお尋ねでございます。 物価高騰等により影響を受けている使用者の皆さんにとりまして、水道料金を免除することは、企業局として考え得る支援策の一つと思われますが、一方では、今後の水道事業経営に影響を及ぼすことも考えられます。 人口減少などに伴い水道料金収入が減少している中、市民の皆様に安全で良質な水を安定的に供給していくためには、今後の水道事業の健全な経営を続けていくのことが必要であると考えています。 企業局としての独自の支援策につきましては、予定していないところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 企業局は独立採算でもありますから、企業局自体としての支援策は予定はしていないということです。 先ほど計算して申し上げましたけれども、そうすると、全市民的に支援するということで水道料金の基本料金を免除するということにしたということで、13ミリメートルの基本料金781円、20ミリメートルの基本料金は1,221円ということですから、それぞれ4か月分を掛けると、市民への支援策ということになるというふうに思います。ただ、平均すると、先ほど申し上げたように4,514円ということですから、支援金額ということを考えると、もう少し支援があってもいいのではないだろうかというふうに思いますが、この点について、金額的なものについて、何かお考えがありますか。 ◎副市長(谷口諭) 今の水道基本料金の免除に関わっての御質問ですけれども、各家庭におきましては、特にこれから冬になりますと、暖房のための灯油、それから電気の使用料が増えることとなります。そのことは、光熱水費全般の負担が増してまいりますことから、少しでも各家庭における光熱水費の負担軽減を図るということで、冬季期間となります関係で、4か月ということを免除したものでありますので、御理解をいただきたいと思います。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) 分かりましたというか、その答弁についてお聞きいたしました。 次に、教育委員会についてお聞きしたいというふうに思いますが、長引くコロナ禍で、学校現場でもいろいろ大変な厳しい環境の中で、教育ですとか、あるいは、生活状況の把握ですとか、こういったことも行われてきたというふうに思いますが、教育委員会として、主に経済的な教育支援、こういうものについては行われてきたのか、その評価を含めて、聞かせていただきたいと思います。 ◎教育委員会学校教育部長(小笠原学) コロナ禍における教育支援についてのお尋ねでございますが、教育委員会ではこれまでも、経済的理由によって就学困難と認められる児童生徒の保護者を支援する就学援助制度の対象者の拡充や、認定基準額の算定基礎としている生活保護基準が引き下げられた際にも影響が生じないよう、認定基準額を見直すなど、児童生徒が安心して学べるよう支援に努めてきたところでございます。 コロナ禍におきましても、世帯収入が減少し、国民年金や国民健康保険制度において、保険料の免除・減免などの臨時特例を受けた保護者を就学援助の対象者として認定しているほか、学校給食食材の物価高騰に対する支援として、市が設置する幼稚園、小学校、中学校及び義務教育学校を対象に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した給食食材購入費の支援を2学期から開始したところでございます。 これらの支援内容につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化や、原油価格・物価高騰などに直面する保護者の一助になっているものと考えております。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 分かりました。引き続き子供たちの教育環境の確保、そういった点に努力いただきたいというふうに思います。 次に、子供の医療費無料化についてですが、あらかじめ申し上げておきたいと思いますが、子供の医療費の完全無料化──制限の廃止ですとか、あるいは、高校生までの無料化ですとか、こういったことについては、この間も会派で政策予算要求もさせていただいてまいりました。議会での議論もしてまいりました。無料化にもちろん反対するものではありませんし、遅いくらいだという思いを持っているというようなことは申し上げておきたいというふうに思います。 その上で、なぜ今回物価高騰対策として、今、子供の医療費の無料化について打ち出されたのか、お聞きしたいと思います。 ◎副市長(谷口諭) なぜ医療助成の拡充を物価高騰対策として提案したのかということですけれども、子供、独り親家庭等医療助成の拡充につきましては、医療費を市として助成することによりまして、コロナ禍における物価高騰等の影響を受けている子育て世帯の負担軽減を図るために、今回物価高騰等対策の1つとしてお示ししたところであります。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) そうすると、これからの事業というか、特に次年度になるわけですけれども、年内に予算化するというようなことを補正予算時の記者会見で発表されたというようなことはあったんでしょうか。
    ◎副市長(谷口諭) 年内に予算化することを補正予算時に発表することについてのお尋ねですけれども、これまで、新型コロナウイルス感染症対策など、補正予算編成における記者発表等におきましては、市内外の感染状況、それから国、道の対策に関連するものなど、随時、状況に応じた施策に取り組むために、直近の議会に提出する案件について発表してきたところであります。 今回のコロナ禍における物価高騰等は、先行きが不透明な状況の中、今後も厳しい状況が続くものと予想されておりまして、市といたしましては、切れ目のない負担軽減策を実施していくことが肝要であることと考えまして、市民の皆様が今後に対し抱いている不安といいますか、そういうものを少しでも払拭していただくためにも、分かりやすく緊急支援対策の1つのパッケージとして総合的にお示ししたものであります。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) 今までに、そういったことはなかったというふうに・・・。普通の年なら──そういうこともあるのかどうかちょっと分かりませんが──次年度こうした政策を取り入れるとか、あるいは政策を転換するとか、そういったことについて、準備もあるでしょうから、予算化に向けた作業をしていきたいというようなこともあるかもしれません。それでも、補正予算を出すときのタイミングで、こういうようなことを考えていることをおっしゃるというのが普通だというふうに思うんですが、今回は、来年市長選挙があるわけですから──市長が選挙にお出になるのかならないのか分かりませんけれども──要らぬ憶測を呼ぶのではないかというふうに心配して申し上げているわけですけれども、来年度、その実施をするから補正予算を年内に出すということについては、やっぱりおかしいのではないかというふうに思うんですが、そう思いになりませんか。 ◎副市長(谷口諭) これまでの、市長改選時の当初予算では、原則として新規事業、それから政策的経費は計上せず、行政運営の基本的な経費を中心としたいわゆる骨格予算ということでやっておりますけれども、6月定例会の招集時期、地域経済の状況、あるいは市民サービスの確保とかを総合的に検討しまして、緊急性や継続性のあるものは、政策的経費であっても当初予算に計上してきた実態もあるところであります。 このたびの医療助成の関係につきましては、年内に補正予算、あるいは条例改正案を提出することによりまして、切れ目のない負担軽減策の実施、来年──令和5年の4月からその対象が拡大となるということですので、そういうことを勘案して、市民の負担軽減を図るために、今、そういうふうな形でお示ししたというものであります。 以上です。 ◆(板倉一幸議員) そう言えば反対できないだろみたいなことですけれども、本当に、事業を実施したいという気持ちがこれまでおありになったのか、我々は何度も──ほかの会派の皆さんもそうですけれども──要求してきたというふうに思うんです。しかし残念ながら、それはかなうことなく今日まで来ているわけですから、そういった政策を転換する、政策的なこれは方針であったり、あるいは予算であったり、そういうものだというふうに思うんです。それであるならば、出すというのは、今ではないだろうというふうに思うんですけれども。最近の報道では、いろいろと市長も書かれておりますけれども、近々判断するというようなことをおっしゃっているようですけれども、しかし、出馬しないとしたら、この政策の方向転換は今発表するべきではもちろんないですし、出馬するとしても、今ではないと私は思うんですけれども、市長はどう考えるんですか。 ◎市長(工藤壽樹) 板倉議員からの子供の医療助成に関わっての御質問であります。 先ほど副市長からも答弁しているように、私としては、今後も続くコロナ禍の中での物価高、原油高に対するものを、9月補正予算だけのものを出せば、板倉議員のような方から、たったこれだけかということを言われるのは目に見えているわけでありますから、だから、これからの──12月までのものも含めて、やはり全体像をお示しする。そして、市民の皆さんにも少し安堵感を持ってもらう。そういう趣旨で、今までにパンデミックみたいなものはないわけでありますから、しかも物価高、原油高という異常事態の中でのどういうお示しの仕方をして、市民の皆さんに少しでも安心していただけるかと。多少ですからね、市のできることは。そういう趣旨で、今までにないかもしれないけども、やったということであります。 その中で、医療助成と就学援助につきましては、いみじくも板倉議員がおっしゃったように、議会の議員の皆さんから前進させるべきだという多数の御指摘をこれまでいただいてまいりました。私としても徐々に前進はさせてきたわけであります。この8月に、一部の所得制限はありますけども、中学生まで前進させてきた。その前も2段階やったわけです。就学援助についても1.3倍まで持っていって、今度は1.5倍ということですが、これは、6月補正以前からずっと考えてきたことで、ただ財政がもつのかと。臨時的な、一時的なコロナ禍のもので、国から交付金が来るもの、あるいは財調を使っても、そのときの支援策だけのものであれば、あまり将来的な負担はないんですが、恒常的にやるということになると、これからの財政が大丈夫なのかという見通しがなければ──両方合わせて2億円以上かかるわけですから──その見通しのためには、やっぱり令和3年度の決算の黒字額を見る必要があった。20億円、30億円ということで、これだけあれば、2億円ぐらいのものは飲み込めるんだと。そして財政収支計算も、初めて何もしなくても黒字になりますよという5年間の計画をお示ししているわけです。そういう中での緊急性と併せた判断をさせていただいたと、そういうことでありますので、変な勘ぐりで申し上げられても困るわけであります。 今、非課税世帯──もちろん非課税世帯だけじゃなくて、最近は非課税とそのちょっと上の人たちとで収入が逆転しかねないという議論もありますから、あそこでお示ししたものが全てではなくて、それにこれから12月までの間に、国が今、4,000億円の交付金を増額する。そうすると、また6,000億円の中から函館市への交付金もある。あるいは、非課税世帯に対して、子育て世帯に対して1万円ということであの中にありますから、そうすると非課税世帯にあの中で5億円いくんですけれども、国から1世帯当たり5万円というのが支給されるわけです。その世帯だけにまた1万円上乗せしていいのかという検討もちょっと見直しせざるを得ない部分も出てくるのかなと、そういうことを総合的に判断しながら、臨時会になるかもしれませんし、12月議会になるかもしれませんが、議会にもきちんとした形でできるだけ早くお示しできるように、私としても努めてまいりたいと、そういうふうに考えております。 ◆(板倉一幸議員) 決して勘ぐって申し上げているわけではありませんから。財政法上、骨格予算だとか、政策予算だとかというのは、もちろんありませんけれども、しかし、通常、市長選挙がある年は、骨格予算で新しい市長──現職がそのまま続けられる場合もあるし、市長が代わる場合もあるわけですから、新しい任期が始まる市長が政策的な予算をつけるということで従来からも、現職のときというか、これまでの選挙のときでも、骨格予算、政策予算というふうにしてやられてきたというふうに思うんです。 あまり時間がないんですが、先日どこかの市長選挙で、高校生までの医療費の無料化を公約に掲げた候補が選挙に勝ったというような報道もありました。まさに政策的な予算、これを市長選挙があるその年の、それも暮れに近いというか、年度末に近い、そうした時期にお出しになるというのはいかがかというふうに申し上げているんですよ。だから、そういう考えを撤回をしないというようなことであれば、私どもは、市長選に臨む態度はやっぱり明らかにするべきだというふうに思いますけれども、このことについては、どうお答えになるんでしょうか。 ◎市長(工藤壽樹) 再度のお尋ねであります。 暫定予算というのは、法制度に基づくものでありますが、骨格予算というのは、これは儀礼的なものでありまして、法令に基づくものではないわけであります。予算なり条例の提案権、提出権は首長にあるわけでありまして、そのよしあしを判断されるのが議会ということであります。だから、そこにどういう議案を出していくのかというのは、あるいはどういう予算を編成していくのかというのは首長の権限でありますから、まして、今の医療助成にしても就学援助にしても、新制度ではありません。もう制度としてはあるんです。その拡充を今やるべきだと、この緊急事態の中で、できるだけ早く。そして、負担を少しでも減らす。賛否が分かれるような政策だとか、あるいは全く新しい政策だとか、そういうことであれば、おっしゃる意味は分かりますが、この2つについては、既にずっと長年やってきたものの制度改正的なものであります。しかも賛否が分かれるような問題ではない。その辺御理解いただきたい。 ◆(板倉一幸議員) 最後に申し上げたそういう意味では、市長選に臨む態度は明らかにすべきではないだろうかと。明らかにした上で、こうした予算をやっていくんだと、いきたいんだということを言うべきではないかというふうに申し上げましたが、そのことについては、今の時点で何か発言があるんでしょうか。 ◎市長(工藤壽樹) 板倉議員の御質問に答えて自分の進退を申し上げるつもりは一切ありません。 ◆(板倉一幸議員) 議会としてお聞きをしており、私個人が聞いているわけではないわけですが、いずれ、議案をお出しになるということですから、またそのときに議論させていただきたいと思います。 時間がありませんので、次に移らせていただきたいと思います。 それでは、中心市街地活性化と公共施設の考え方についてですが、あまり時間がなくなってまいりましたので、全ていろいろとお話をすることができないかもしれません。 中心市街地活性化基本計画は平成30年で終了しているわけですが、改めて今、函館市の中心市街地はどうあるべきなのかというふうに考えているのか、お聞きしたいというふうに思います。 ◎経済部長(小林利行) 中心市街地のあるべき姿についてのお尋ねでございます。 平成11年──1999年に策定いたしました函館市中心市街地活性化基本計画におきましては、市街地の整備改善、商業等の活性化の両面から、中心市街地の再生を目指したところでございます。 また、平成25年度から平成29年度を計画期間とした新たな計画におきましては、商業と公共公益との連携によるにぎわいづくり、回遊しやすい環境づくり、まちなか居住の観点から、中心市街地のにぎわいの創出を図ることとしたところでございます。 今後におきましても、平成25年に策定いたしました計画の基本コンセプトであります市民生活と歴史・文化、観光が融合した回遊性の高いまちづくりを継承しながら、市民や観光客など多くの方でにぎわい、地域経済の活性化が図られる函館の顔としてふさわしい中心市街地を目指してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) そうした計画でいろいろと事業を実施されて、1次、2次というふうに中心市街地活性化事業を行ってきたわけですが、その結果の評価については、また別の機会にお聞きさせていただきたいと思います。 そうした中で、先頃、昨年度の中心市街地の空き地・空き店舗等現況調査の結果というものの概要が公表されましたけれども、これについては、どう受け止めているか、お聞かせください。 ◎経済部長(小林利行) 昨年度の中心市街地の現況調査の結果について、どう受け止めているかということでございます。 中心市街地活性化基本計画の計画期間前である平成24年度と昨年度を比較いたしますと、民間投資の活発化などによりまして、空き店舗数は220件から152件、空き地面積は約8,700平方メートルから約6,600平方メートルと、土地の有効活用も図られてきておりますが、一方で、飲食店や小売店などの店舗数につきましては、482件から385件と減少しているほか、人口減少や棒二森屋店の閉店に加え、コロナ禍における外出自粛や観光客の減少により通行量が大幅に減少しているなど、調査結果からも、地域を取り巻く環境は一段と厳しさを増していると受け止めているところでございまして、引き続き、中心市街地活性化に向けた取組が必要なものと認識しているところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 今の御答弁ですと、空き店舗が220件から152件に減少しているということで、店舗が68店舗減少しているわけです。一方、店舗数は482件から385件と、97件がこれも減少しているということで、空き店舗がなくなっているのにもかかわらず店舗数が減少していると。この辺のところはもう少し実態を説明いただければというふうに思います。 ◎経済部長(小林利行) 空き店舗数の減少の要因といいますか、店舗数との減少との兼ね合いでございます。 平成24年度と昨年度の空き店舗数の比較を申し上げますと、先ほど御答弁申し上げたとおり、220件から152件と68件減少しておりますが、その要因の一つといたしましては、長年空き店舗が多く、利活用が進んでいなかった松風町交差点の一角にある3番街区におきまして、民間事業者が建物の老朽化に加え、将来の再整備を見据えて、夜間飲食店や物販店等が入居するビルなどを解体したことによるものとなっているところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) もう一つ、いつも気になることですけれども、空き店舗や空き地は問題ですが、空き地が駐車場になると、土地の有効活用が図られたという評価になるわけですけれども。確かに駐車場は必要ですけれども、空き地が他に転用できなくて駐車場になっていくと。やみくもに駐車場が増えるということは有効活用なのかと、私はいつもそう思っているんですが、活性化になっているわけではないというふうに思いますけれども、このことについて考え方をお伺いしたいと思います。 ◎経済部長(小林利行) 中心市街地の駐車場整備についてのお尋ねでございます。 駅前・大門地区の駐車場箇所数及び収容台数につきましては、平成24年度の211か所4,541台から昨年度は223か所4,561台と、ほぼ横ばいに推移している状況となっておりますが、中心市街地におきまして、自動車は来街手段の一つであるほか、まちなか居住推進のためにも、駐車場は必要な施設であると考えているところでございます。 一方で、必要以上に駐車場が増えることにつきましては、当該地区にとって決して好ましいことではないという認識をしているところでございまして、今後におきましても、中心市街地活性化のための様々な取組を通じ、土地の有効活用の促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 決して好ましいことではないという認識だということです。そのとおりだというふうに思います。駐車場は必要ですから、合理的な配置というのは必要だというふうに思います。しかし、先ほども申し上げましたが、空き地になったから駐車場にというふうなことは、空き地と何ら変わらないというふうに思います。 あるべき姿に対する現在の認識というか、そういうものはよくまだ分かっておりませんけれども、現在の状況を考えて、今後、中心市街地の活性化に向けた基本計画ですとか、あるいは整備計画ですとか、そういったものなどを策定する考えはあるんでしょうか。 ◎経済部長(小林利行) 新たな中心市街地活性化基本計画などの策定についてのお尋ねでございます。 本市の中心市街地は、都市計画上、または産業振興上の観点からも重要な地域でありますことから、まずはその活性化に向けて、平成25年に策定いたしました中心市街地活性化基本計画の基本コンセプト、市民生活と歴史・文化、観光が融合した回遊性の高いまちづくりを継承しながら、立地適正化計画における都市機能誘導策及び居住誘導策を推進するなど、様々な取組を進めてまいりたいと考えておりまして、御質問の新たな計画等の策定につきましては、その時々の課題や状況変化なども捉えまして、適宜判断してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 適宜判断するということは、考えていないということだというふうに思います。ただ、現状の中心市街地、特に駅前・大門地区のことについて今回取り上げさせていただいていますけれども、駅前側から見た駅前・大門地区は、一定程度、旧棒二森屋跡地の再開発がまだ行われていないので空き店舗のままの状態になっているわけですから、少し見栄えというか、そういうものは決してよくないというふうに思いますが、一方、松風町側から見た中心市街地は、やっぱり広大な空き地ばかり──駐車場ばかりといったらいいんでしょうか──そういうことですから、その辺のところは、少し今後どういうふうにしていくのかということを改めて検討していくというようなことは必要だなというふうに思っておりますから、このことについて改めて議論をさせていただきたいというふうに思います。 次に、函館駅前東地区再開発事業についてですが、旧棒二森屋跡地の再開発事業で、民間のノウハウに──事業全体としたら民間でやられているということは分かりますが──しかし、公共施設を置いて、そこに行政が責任を持つということの意義は何なのか、あるいは、地権者、施工者側から何か求められたとして市が反対に中心市街地活性化にとって必要だというふうに考える施設は何なのか、このことについてお伺いしたいと思います。 ◎経済部長(小林利行) 当該再開発事業は、議員御質問のとおり、あくまでも民間が主体となっている事業でございまして、公共施設の整備につきましても、準備組合から設置の要望を受けたところではございますが、市といたしましても、函館駅前東地区──当該地区につきましては、立地適正化計画において、都市機能誘導区域は、福祉、文化・交流、教育などの機能を持つ複合施設の立地が望ましいとされていること、公共交通の結節点に隣接し、広域からの利用が見込まれることといった当該地区の特性を踏まえるとともに、再開発事業により整備される商業施設及び市民広場などとの相乗効果により、駅前・大門地区のにぎわいの創出を図っていくことが必要と考えたところでございまして、再開発ビルに公共施設を整備したいと考えているところでございます。 また、市が整備する公共施設につきましては、中間報告でもお示ししたように、当該地区の特性なども踏まえ、市民が年齢や性別を問わず交流できる公共施設とするほか、観光客も利用できるような施設が望ましいと考えておりますが、引き続き有識者等や議会からの御意見なども参考としながら、検討してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 立地適正化計画などでもそういった複合施設の立地が望ましいとしているというふうにお答えいただいておりますけれども、今日、都市建設部長もいらっしゃいますが、立地適正化計画を議論したときに、都市機能誘導区域内に新たな施設、こういった都市機能を有する施設を持ってくる必要があるのかどうかという議論をしたときに、既にそれぞれ施設が立地している。だから、新たな施設は想定していないというか──建てては駄目だということではないですが──というような議論もたしかあったというふうに私は記憶しているんです。 複合施設が望ましいというお答えですが、にぎわいの創出というのは、改めて目的とするまでもないというふうに思いますけれども、複合施設が望ましいとする理由に、にぎわいの創出がなるのかと、私はそれがそういった理由になるというふうには思えないです。市としてこの地区に公共施設が必要だというふうに考えるのであるならば、こうなる前──旧棒二森屋が閉店する前の時点で──経営危機ですとか、あるいは撤退ですとか、そういった危機が何度かあったわけで、その都度、議会でも議論があったわけですけれども、そういった事態に陥ったときに、行政が一定の責任を果たすということがあってよかったのではないかというふうに思いますけれども、そのことについてどう考えますか。 ◎経済部長(小林利行) 棒二森屋店の経営危機に対する行政の介入という御質問でございます。 中心市街地で営業する店舗におきましては、人口減少に加えまして、インターネット通販の普及や、大型専門店の郊外への立地などの影響によりまして、非常に厳しい経営環境下にあるものと認識しておりますが、行政が特定の店舗にのみ直接的に支援などを行うことは難しいものと考えているところでございます。こうしたことから、これまでキラリス函館の整備によるまちなか居住の推進や、はこだてみらい館、キッズプラザなどの公共施設の設置のほか、イベントの開催や商店街等に対する支援など当該地区のにぎわい創出を図る取組を行っておりまして、こうした取組が地域の店舗などにおける経済活動への支援につながるものと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 棒二森屋が経営危機になったとき、あるいはそういったうわさが出たときですけれども、そういったときに、例えば、公共施設そこに設けられるのか、設けられないのかというのは、今の時点でどうすべきだというようなことを言ってもしようがない話ですけれども、一定の支援なり、あるいは連携なり、そういったものがあってもよかったのではないんだろうかというふうに思います。結局、各店舗、あるいは商業施設がなくなっていって、跡地をどうするか。今度は公共投資──公共的予算をそこにつぎ込むということになるわけですから、そうなる前に、そういったことを手がけていくと、やっていくというようなことが私は必要ではないかというふうに思います。 そういう意味で、例えば、キラリスの3、4階に公共施設があるわけですけれども──今回の公共施設整備は、幾つかの公共施設を再編統合といいますか、そういうふうにするというようなことも言われていたわけですけれども、それとキラリスは再編統合ということではなくて、新たな考えで施設を設置するというふうなことになったわけですが、この2つの違いというのは何かあるのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎経済部長(小林利行) キラリスと棒二森屋跡地の公共施設の考えの違いということでございます。 まず、キラリス函館につきましては、函館駅前若松地区第一種市街地再開発事業におきまして、商業・公共施設・住宅から成る複合ビルとして整備され、3、4階には先端的技術の体験と交流の場を提供するはこだてみらい館と、親子などの交流や子育て支援の場を提供するはこだてキッズプラザを設置し、市民や観光客にも利用していただく有料の施設として運営しているところでございます。 一方、棒二森屋跡地における新たな公共施設につきましては、市民や観光客に限らず、子供から高齢者まで性別を問わず集い交流する施設とし、多世代にわたる方に利用していただこうとする無料の施設としたいと考えているところでございます。 また、公共施設の整備に当たりましては、函館市公共施設等総合管理計画におきまして、今後、人口減少や多くの公共施設が更新時期を迎えることによる更新経費の増加が見込まれることを勘案し、施設保有総量の縮減が必要との考え方が示されておりますことから、役割が重複すると思われる周辺の施設との複合化も検討することとしたところでありますが、まずは、市として新たな公共施設の役割や機能を整理した上で、議会での議論を踏まえるとともに、関係部局とも協議・調整を図りながら、慎重に検討してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 既に出されている資料などでは、統廃合を検討する施設ということで女性センター、谷地頭老人福祉センター、ふらっとDaimon、東川児童館、千歳図書室といった施設名が列挙されているわけですけれども、幾つもの地域にある施設をその地域からなくして統合するというような施設、これは市全体の活性化になるんだろうかと。施設のあった地域から、その利用者を駅前・大門地区に吸収したとしても、それは、駅前・大門はいいのかもしれないけども、もともと施設のあった地域は何も活性化にもならなければ、今まで利用していたそういったものがなくなってしまうというようなことになるわけですから、私は函館市の活性化にならないというふうに思いますが、それはどうお考えになりますか。 ○議長(浜野幸子) あらかじめ、会議時間を延長いたします。 ◎経済部長(小林利行) 統廃合がまちの活性化につながらないのではないかという御指摘でございます。 統合施設を造るといいますか、複合化施設につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおり、あくまでも将来的な財政負担なども考えまして、新たな公共施設を造る際には複合化を検討するという基本方針の下、複合化施設を検討しているところでございまして、地域にそれぞれ単独の施設があるよりは、例えば、公共交通の結節点に集えるより利便性の高いところに施設を造ること自体も、やはりまち自体の活性化、市民の利便性の向上、こういったものにつながるというふうには考えております。 以上でございます。 ◆(板倉一幸議員) 現在、経済建設常任委員会でも、調査事件として調査されていらっしゃるというふうに聞いておりますから、そういった議論も参考にしながら、市民意見もいろいろ出されておりましたから、これからそういったものをどういうふうに整理されていくのか、そういったようなことも含めて、私もさらに議論続けていきたいというふうに思います。 今日はこれで終わらせていただきたいと思います。 最後に、長期未着手都市計画道路についてですが、これまで何度か見直しが行われてまいりましたが、最近では平成21年に最後の見直し方針が作成されたわけですけれども、この方針に基づいて見直しが行われてきたと思いますが、現状どうなっているのか、そして、今後見直しをどうしていくのか、そのことについてお答えいただきたいと思います。 ◎都市建設部長(佐賀井学) 都市計画道路の現状と今後の見直しの進め方についてのお尋ねでございます。 都市計画決定後、30年以上未整備となっている長期未着手都市計画道路につきましては、国の都市計画運用指針において、社会経済情勢の変化により、必要に応じて見直しの検討を行うことと示されており、本市では平成21年4月に長期未着手都市計画道路の見直し方針を策定し、策定した見直し対象路線14路線のうち、これまでに13路線について廃止するなど見直しに取り組んできたところであります。 なお、現在、函館市の都市計画道路は106路線、延長約219キロメートルとなっており、このうち整備済みは76路線、延長が約186キロメートル、整備率が85%となっているところでございます。 見直しの考え方と進め方でございますが、見直し方針策定後、10年経過しているということに加えまして、北海道が本年3月に函館圏の都市交通マスタープランを策定しましたことから、これを踏まえ、現方針で見直し対象としている1路線のほか、国道等の骨格道路や、新外環状道路との連絡道路など、これまで見直し対象外としていた17路線、さらには現時点で30年を経過した新たな未整備道路の6線の計24路線、約27キロを対象に改めて必要性や実現性の検証を行い、都市計画審議会における審議やパブリックコメントなどの手続を実施し、令和6年度中をめどに新たな見直し方針を策定してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(浜野幸子) これで、板倉 一幸議員の一般質問は終わりました。 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。 次の本会議は、明9月16日午前10時から開きますので、御参集ください。 本日はこれをもちまして散会いたします。          午後 5時03分散会...