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令和 6年大都市税財政制度・DX推進調査特別委員会−02月15日-記録

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  1. 札幌市議会 2024-02-15
    令和 6年大都市税財政制度・DX推進調査特別委員会−02月15日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 6年大都市税財政制度DX推進調査特別委員会−02月15日-記録令和 6年大都市税財政制度DX推進調査特別委員会            札幌市議会大都市税財政制度DX推進調査特別委員会記録            令和6年2月15日(木曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時     ―――――――――――――― ○松井隆文 委員長  ただいまから、大都市税財政制度DX推進調査特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、川田委員からは、欠席する旨、届出がありました。  それでは、議事に入ります。  次期札幌ICT活用戦略策定方向性についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎浅村 デジタル戦略推進局長  本日は、令和6年度末で計画期間が終了いたします札幌ICT活用戦略の改定に向けまして、次期戦略策定方向性についてご説明をさせていただきます。  詳しい内容につきましては、スマートシティ推進部長の渋谷からご説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  次期札幌ICT活用戦略策定方向性について、資料に沿ってご説明をさせていただきます。  それでは、左上に次期札幌ICT活用戦略策定方向性についてと記載している資料に沿ってご説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、資料の1ページ目でございます。  この戦略策定の目的とスケジュールについてですが、平成29年に札幌ICT活用戦略策定し、令和2年に官民データ活用推進基本法に基づく札幌官民データ活用推進計画として同戦略を改定しております。  また、デジタル改革関連法案の成立を踏まえ、令和3年12月には、この戦略を補強するものとして札幌DX推進方針策定いたしました。現行の札幌ICT活用戦略2020の計画期間令和6年度末をもって終了いたしますので、第2次戦略ビジョン及びアクションプラン2023が作成されたことを踏まえ、札幌のまちが社会の変化に柔軟に対応しながら持続可能なサービスを提供し続け、住民福祉を維持・向上させていくことを目的に、来年度、改定作業を進める予定であります。  一番下の策定スケジュールをご覧ください。  令和6年4月以降、各種調査有識者会議庁内議論を進め、改めてこの調査特別委員会でご審議をいただき、パブリックコメントなどを経て策定してまいりたいと考えております。  次に、2ページ目をご覧ください。
     次期戦略位置づけ計画期間ですが、現行の戦略位置づけを踏襲いたしまして、あらゆる分野活用されるというICTの特性を踏まえ、各個別計画に横断的に位置する計画として位置づけます。  計画期間は、アクションプラン2023の計画期間に合わせ、令和9年度までの4年間としたいと考えております。  次に、3ページ目から7ページ目までは現状についてまとめたものとなりますので、ポイントのみご説明をいたします。  まず、右下の図をご覧ください。  環境の変化として、この戦略においても、人口減少、特に生産年齢人口の減少が著しいということに着目して、行政サービス生産性を大幅に向上させていく必要があると考えております。  次に、5ページ目をご覧ください。  市民意識ですが、左下の図は、第2次戦略ビジョン策定する際に実施した市民アンケート調査の結果です。  コロナ禍キャッシュレスリモートワークが大きく広がり、移動・交通分野産業観光分野ではデジタル化が進んだと感じている一方で、建設・除排雪分野行政分野ではデジタル化が進んでいないと感じているという結果が出ています。  また、その右の図になりますが、行政手続で改善すべき点としては、窓口のワンストップ化や窓口の分かりやすさ、申請書記入負担軽減などに関するニーズが高く、これらについては、オンライン化も含め、ICT活用が特に求められる部分であると考えております。  6ページ目と7ページ目は、札幌DX推進方針取組状況についてまとめたものでありますので、説明は割愛させていただきまして、8ページ目をご覧いただきたいと思います。  デジタル社会形成に向けた社会的な動向を踏まえ、次期戦略では市民と共有できる分かりやすいデータICT活用ビジョンを決定するとともに、これを実現するためのICT活用基本原則を定めます。  また、持続可能かつ質の高いデジタルサービスを提供し、市民生活の質の向上を実現していくための視点を定めてまいりたいと考えております。  そこでまず、資料の下段の次期戦略ビジョンでございますが、ICT活用して何を実現したいのか、市民企業などと共有できる将来のありたい姿を来年度の議論の中で定めていきたいと考えております。  次に、9ページ目をご覧ください。  ICT活用を進めるときの基本原則ですが、この後にご説明いたします五つの視点も含めまして、現時点ではあくまでも案としておりますので、これをたたき台として来年度の議論の中で決定していく考えであります。  真ん中にあります三つの基本原則の案については、法律や国の重点計画の内容と、これまでICT活用戦略DX推進方針に沿って取組を進めてきました中で見えてきた視点を踏まえたものであります。  次の10ページ目から13ページ目までは、持続可能かつ質の高い行政デジタルサービスを提供するための視点でございますが、視点1から3は、行政、官ということで、視点4と5につきましては、官、民の両方の視点となります。  10ページ目の一つ目視点として、BPRの徹底を記載しております。  行政デジタル改革を進める際にICTはあくまでも道具でありまして、導入すれば何かが決定する、解決するというわけではございません。業務フローを整理することや不要な作業をやめるなど、業務プロセスを再検討、BPRすることが重要であるということを意識づけしていくために設定するものでございます。  二つ目視点は、クラウド・バイ・デフォルト原則の徹底です。  行政情報システムの整備を迅速かつ柔軟に進めるため、クラウドサービスの利用を第1候補として検討するものということでございます。  11ページをご覧ください。  三つ目視点は、行政手続におけるオンライン化の徹底です。  マイナンバーカードの保有率が7割を超えていることを踏まえ、国のデジタル社会の実現に向けた重点計画に基づく手続をはじめ、住民の利便性向上業務効率化に向けた効果の高い手続、あるいは、ワンストップ化につながるような手続についてオンライン化を徹底していくというものでございます。  12ページをご覧ください。  四つ目視点は、データ利活用の徹底です。  これまで、分野組織ごとデジタル化スリム化を進めてきましたが、持続可能かつ質の高いサービスを提供していくためには、分野組織を超えて課題やデータを共有、シェアリングすることなど、新たな視点効率化価値提供が必要であることを官、民において意識して実践していくためのものでございます。  13ページをご覧ください。  最後の五つ目デジタル人材の積極的な育成確保です。  生成AIのような新しい技術が登場するなど、デジタル技術の進展は今後も進むと考えておりますが、デジタル人材は全国的に不足しているため、職員デジタルスキルの向上や外部専門人材活用、さらには官民連携推進など、様々な観点からデジタル人材育成確保を進める必要があるというものでございます。  14ページは、アクションプラン2023のスマートプロジェクト1のまとめでありますので、説明は割愛させていただき、15ページをご覧ください。  最後に、次期戦略推進体制リーディングプロジェクトについてですが、推進体制については、資料の左下の図にあるとおり、札幌DX推進方針に基づき設置されましたDX推進本部会議及びデジタル改革推進チームデジタルCoEという庁内横断体制を軸に進めていきたいと考えております。  また、これまでの分野ごと情報化スリム化から一歩進め、組織間の課題やデータのシェアリングを図り、人口減少社会においても持続可能かつ質の高いデジタルサービスを構築するためのリーディングプロジェクトを設定し、重点的に取り組んでまいりたいと考えております。  右下の表は、現時点における案ではありますが、まず、行政手続高度化として、市民サービスの最前線である区役所等業務の改革について、リソースを分散して投入するのではなく、例えば、モデル区、モデル業務を定め、デジタルCoEにおいて、関係部局チームとなって主体的に取組を進めていくことを考えています。  その次のスマートシティ推進については、デジタル田園都市国家構想交付金活用し、データ連携活用して新たな市民サービスの提供を進めていくことを考えています。  次のベース・レジストリの推進については、16ページの用語集に記載をしておりますが、行政または民間におけるサービス共通基盤として利活用すべき、または利活用可能なデータのことでございまして、例えば、都市計画住居表示、道路、固定資産税評価など、地理情報にひもづけて整理、共有できるデータを有効に活用していくことを考えています。  そして、これらの取組を進めるには、データ利活用を前提とした行政サービス高度化に向けたデジタル環境整備が必要となります。  そのために、住民情報をしっかりと保護しながら、インターネットサービスを柔軟に利用するための新たなネットワークの構築やデータ共有を可能とするツールの導入、また、それを使いこなすための職員育成、さらには自治体情報システム標準化についても、オンライン申請推進データ利活用業務プロセスの再検討に寄与するように進めていく必要があると考えております。 ○松井隆文 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆山田洋聡 委員  私からは、次期札幌ICT活用戦略方向性に関しまして、産業振興の観点とDX推進実効性の観点について、順次質問をいたします。  この戦略の中では、生産年齢人口が将来的に大きく減少することや行政デジタル化が遅れている現状を踏まえて、行政DXに力を入れていくということを大きな方向性として打ち出していることは、とてもすばらしいことだというふうに思います。  しかしながら、現在の札幌ICT活用戦略2020において強く意識されていたICTデータ活用による既存企業競争力向上ICT産業の振興を図るとともに、新規ビジネスの創出や札幌への企業誘致・立地を促進するということについては、令和3年12月に策定した札幌DX推進方針においても、地域のデジタル改革として位置づけられていたものの、産業振興の側面を改めて意識するべきというふうに考えます。  今回説明のありました戦略策定方向性につきましては、リーディングプロジェクトとしてスマートシティ推進位置づけられているものの、産業分野取組が弱いと感じており、極端な例かもしれませんが、行政や先進的なデジタルサービスをつくり出すぐらいの意気込みがあってもいいのではないかというふうに考えております。  そこで、質問ですが、次期札幌ICT活用戦略において、地域のデジタル改革、特に産業振興の観点についてどのように考えていくつもりか、伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  産業振興の観点では、社会経済情勢変化に応じ、市内経済全体でデジタル化への対応を促進するため、スマートシティを実現することとともに、デジタル技術活用による地域産業生産性向上競争力の強化を図っていくことが重要であると考えております。  スマートシティ推進では、官民データ連携基盤活用することにより、スタートアップをはじめとした企業が新たなサービスを創出できるよう取り組んでまいります。  また、現在策定している第2次札幌産業振興ビジョンとの整合性を図り、データセンター半導体関連産業の集積など、北海道、札幌を取り巻く経済環境変化を踏まえたIT産業振興施策について、この戦略の中に位置づけてまいりたいと考えております。 ◆山田洋聡 委員  ICT活用によりまして、地域経済生産性向上活性化を進めていくことは極めて重要な観点だというふうに考えますので、産業振興ビジョンとの連携も意識して、市内企業に力強い方向性を打ち出せるよう検討を進めていただきたいと思います。  次に、DX推進実効性について伺います。  計画的に事業などを進めるために戦略策定は必要でありますが、戦略策定すること自体が目的ではもちろんなく、肝心なのは、策定後、いかにDXを実効的に進められるかという点だと思います。市民や原局からのDXに関するニーズを踏まえまして、DXを効果的に進めるためには体制の強化が必須であり、これまでのデジタル戦略推進局体制では到底難しいと言わざるを得ません。  令和5年第3回定例会決算特別委員会におきまして、私からDX推進について質問させていただいたところ、専門人材確保のために任期付職員を採用する旨の答弁がありました。戦略策定と並行し、来年度からは任期付職員も含めた体制DXを進めていくものと伺っておりますが、単に専門人材を入れたというだけでは実効性に疑問が残るところであり、効果的に進めるための工夫も必要と考えます。  そこで、質問ですが、任期付職員の採用に向けた現在の状況について、また、効果的にDXを進めていくため、何らかの工夫を考えているのかを伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  任期付職員の現在の状況と効果的にDXを進めていくための工夫についてお答えいたします。  任期付職員につきましては、来年度から、課長職1名、係長職2名を任用するため、昨年11月に募集を開始いたしました。  応募者の総数は92名、このうち、課長職係長職候補者として、合わせて6名が1次選考の書類審査、2次選考のビデオ面接を通過し、現在、最終面接による選考過程に入っているところであります。  2次選考までの合格者は、いずれもIT関連のコンサルティングやシステム開発の経験を持つ方であり、さらに、課長職候補者については、組織マネジメントに携わったことがある方であります。  次に、効果的にDXを進めていくための工夫についてですが、副市長をトップとするDX推進本部会議デジタル施策を評価し、マネジメントする権限を持つなど、トップダウン機能の強化を検討してまいりたいと考えております。  さらに、現在選考を進めている専門人材などを中心に、DXを牽引する庁内横断的なデジタル改革推進チームデジタルCoE体制を十分に活用しながら取り組んでまいりたいと考えております。 ◆山田洋聡 委員  戦略策定から速やかにDX化を完了させることが重要というふうに考えます。スピード感を持って進めるためには、先ほど答弁にもございましたが、より機能的な組織と都度の意思決定をその場で実行できる権限、そして、予算が必要です。  札幌市全体のDX化が進むことで産業活性化されるほか、市役所業務も劇的に効率化、簡略化されることが期待されます。行政効率化が進むと、仕事にゆとりが生まれまして、マンパワーを必要な業務にもっともっとより集中させるということができるようになりますので、さらに札幌市のまちづくりが前に進み、市民の豊かさにつながる好循環を生み出すことができると考えます。  これまでの組織体制の常識を超えてスマートな札幌のまちを実現するためにも、権限を持ち、DXに関する予算や人員を動かせる仕組みをつくることを提言させていただきまして、私からの質問を終わります。 ◆定森光 委員  私からは、次期札幌ICT活用戦略方向性について、人材育成視点オープンイノベーション位置づけた狙いと札幌DXラボについて伺います。  DXは、デジタル活用により組織の変革につながるような新たなサービスの創出に取り組んでいくものと認識しており、これを実現するためには、外部との連携を積極的に行うことで組織内のイノベーションを促進していくオープンイノベーションの手法が有効であると、かねてより注目をしているところであります。  戦略策定方向性にて持続可能かつ質の高いデジタルサービスを提供するための視点五つ目に、組織専門性を高め新たな技術を積極的に取り入れていくため、この手法を活用していくことが位置づけられております。  もともと、この手法は社会情勢技術動向などの外部環境変化が速い事態において、民間スピード感を持って製品開発等を行うために活用されてきたものであります。  一方、行政を取り巻く外部環境市民ニーズ変化も非常に速くなってきており、これに対応し住民の満足度を向上させていくためには、行政においても変化に対応できる柔軟性が求められております。  このような背景もあって、オープンイノベーション活用を重視しているものと考えますが、これを成功するための鍵は人材であるとも言われており、実際に業務を担当する現場の人材育成が欠かせないと考えます。  そこで、質問ですが、デジタル人材の積極的な育成確保視点において、オープンイノベーション推進位置づけた狙いについて伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  デジタル人材育成確保視点において、オープンイノベーション推進位置づけた狙いについてお答えをいたします。  社会情勢変化スピード感を持って対応していくためには、オープンイノベーション官民連携を積極的に進めることができる人材を庁内において育成していくことが必要であると考えております。  そのため、業務上、ICT企業などとの関わりが少ない部局でも、官民連携による協働する機会が持てるように、民間企業からDX推進に関する提案を受け付け、各部局とのコーディネートを行う札幌DXラボを設置したところであります。  こうした取組を通じて、職員が外部から新たな知見や技術を取り入れ、これまでにない発想で変革に挑戦するなど、オープンイノベーションを実現できる人材育成することを狙いとしております。 ◆定森光 委員  オープンイノベーション位置づけた狙いとして、官民連携推進、そして、変革を担う人材の側面があるということを、今、答弁いただきました。  次に、先ほどもお話した五つ目視点において、オープンイノベーション推進する官民連携取組として記載されている札幌DXラボについて伺います。  この札幌DXラボは、昨年9月8日に開設し、随時、民間からのDXに関する実証実験提案を受け付けているものと認識しております。  ウェブの特設ページを拝見しますと、現時点提案を受け付けたタイトルと社名が公表されており、交通分野や教育・保育、健康、環境や行政窓口など、いろいろな多岐にわたる分野において民間から提案されているということで、大変興味深いものであります。  そこで、質問ですが、このDXラボのこれまでの取組状況と評価、また、今後の取組方向性について伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  DXラボのこれまでの取組状況と評価、今後の取組方向性についてお答えいたします。  DXラボは、開設から12月末までの期間に、7社11件の提案を受け、そのうち10件を採択、5件は所管部局実証実験に向けた協議を進めているところであります。  具体的には、AIによる自動入力活用して窓口業務効率化を図るものや、官民が保有するデータ活用して市内交通量の分析、予測を試みるものなど、いずれも各部局が新たな取組に挑戦できるきっかけとなるものと評価をしております。  今後は、官民連携による社会課題の解決に向け、より多くの民間提案を受けられるよう、ウェブページでの連携事例の紹介や民間イベントにおける積極的な情報発信など普及啓発に努め、DX推進を図ってまいりたいと考えております。 ◆定森光 委員  既に、民間企業から7社11件、そして、そのうち5件で既に実証実験が始まっているということでありました。  DX推進民間提案制度は、ほかの自治体でも取り組んでいるというふうに聞いておりますが、中には、なかなか民間から提案が少ないという自治体も聞いております。事業の開始から半年でこうした実績が出ているということは評価できると思っております。  今後も、民間からの提案が継続するよう、市内の中小企業も含めた幅広い企業DXラボ認知度が高まっていくよう、さらなる周知を求めていきたいと思います。  また、DXラボによって、市の職員業務負担の軽減、そして、事業の効果が高まっていくという業務改善の成果、これもしっかり職員に通知するということが重要であると考えます。  DXラボを通じて外部の力もうまく取り入れることで行政サービスが向上していくことを実感し、取り組んでいく人材が育っていくことを期待しておりますので、DXラボの成果を内部にもしっかり情報共有していただくことを求めて、私からの質問を終えたいと思います。 ◆小口智久 委員  私からは、次期札幌ICT活用戦略方向性人材育成の観点から2点伺います。  初めに、デジタル人材育成確保を打ち出した理由について伺います。  昨今は、生成AIなどが登場し、デジタル技術の進展は目覚ましく、今後はさらなる演算処理高速化により、技術ブレークスルーが生じると言われております。  例えば、素因数分解を使った暗号技術個人情報の保護などに使われ、おなじみのディープラーニングなどでは機械学習が進化していくだろうと。また、水道、下水道や都市エネルギーなどで使われる流体力学熱伝導解析、そして、土木等構造力学、交通の最適化などの線形連立方程式関係、さらに、お金の流れを解析する金融の分野ものづくりでは量子シミュレーションなど、その分野は多岐にわたります。  また、ソフトウエアハードウエア関係性については、完全にそれぞれが独立しているわけではなく、ソフトウエアの演算において、ハードウエアには方式ごとに癖があるため得意、不得意があることにも留意する必要がございます。  さらに、ハードウエアも従来型のコンピューターから量子コンピューターへの動きがあるように、時代に合わせて変化を遂げるデジタル技術に追従できる人材育成は非常に大切なことでございます。  一方、デジタル技術市役所内に展開するには、市役所内の業務内容に精通することも必要であり、一朝一夕にできることではないと考えます。  このような状況から、人材育成確保の困難さは容易に想像できますが、これに対処するために、職員デジタル知識の向上や外部専門人材活用することを検討していくとの話であり、今まで委託業務が中心となって進められていたDX方向性を大きく変えるものと認識をしております。  よって、今後、DXを進めるに当たり、職員には、頭で考え実行し、技術動向を読みながら、行政デジタル改革に向け継続して努力し、市民の皆様の利便性向上につながるよう尽力いただけるよう要望いたします。  そこで、質問ですが、デジタル人材育成確保という視点を掲げるなど、新たに人に着目した方向性を打ち出しておりますが、改めてその理由を伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  新たに人に着目した理由についてお答えいたします。  社会的なインフラとして生活に浸透しているデジタル技術活用してDXを実現するためには、日々進化する技術動向を捉えながら、職員が考え抜いて変革の歩みを進めていくことが重要であると考えております。  このため、業務の課題を見つけ出し解決策を考える能力や、デジタルを使いこなすための知識を高めるなど、デジタルを使う側の職員の成長が必要であると考え、この戦略において新たにデジタル人材育成確保という方向性を打ち出したいと考えたところでございます。 ◆小口智久 委員  ぜひ頑張っていただきたいと思います。
     人材確保、そして、継続的な育成ということで、長時間がかかるかと思いますが、取り組んでいただきたいと思います。  次に、デジタル人材としての職員育成取組について伺います。  人材育成確保と同時並行して、DXに取り組む職員を支える仕組みも必要不可欠であると考えます。  デジタル戦略推進局では、令和5年度からデジタル関連の基礎知識や活用事例を学ぶデジタルリテラシー研修を実施しており、50名の定員に対して各局から約2倍の応募があったと伺っております。  こうしたことから、多くの職員が現状の業務の変革を考え、大きく業務改革が進んでいくのではないかと期待するところでございます。しかしながら、職員育成市民のためとの納得と共感の上から取り組むことが重要であり、DXも試行錯誤を繰り返しながら、実現に向けて継続的に取り組むことが必要不可欠であると考えます。  そこで、質問ですが、令和5年度に実施したデジタルリテラシー研修の内容と、この戦略計画期間における人材育成をどのように進めていくのか、考えを伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  デジタルリテラシー研修の内容と計画期間における人材育成の進め方についてお答えをいたします。  今年度のデジタルリテラシー研修では、デジタル知識活用事例を学習するほか、参加者が現在の担当している業務の改善案を考えるグループワークを実施したところでございます。  ここでは、20年後の未来の業務がどのようになっているかを設定し、その実現に向けた業務改革を考えていくデザイン思考により、創造的なアイディアを出すという手法を用いたところでございます。  今後は、こうした基礎的な内容に加え、デジタル技術活用しながら業務変革を実践していくような応用的な内容を取り入れるなど、研修の質の向上を検討してまいります。  こうした研修を積み重ねていくことにより、庁内におけるDX推進のリーダーを数多く養成するほか、簡易なシステムの内製化ができる知識の習得を促していくなど、より高度なデジタル人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  非常に期待をするところでございます。ぜひ頑張っていただきたいと思います。  今後、生産年齢人口の減少により業務委託ができなくなる時代が到来しても、行政サービスの質は維持をしていかなければなりません。  DXによる行政効率化は喫緊の課題であり、その役割はいや増して大きくなるに当たり、職員の皆様には、市民の安全・安心の暮らしを守るためとの目的意識を持ち、DXの研鑽に励み、牽引していただくことを要望いたします。  その際には、資格の取得など、目標を掲げ、自力で考える人を一人でも多く育成するよう投資することも必要と考えます。  人材育成は時間がかかるため、遠回りのように思う方がいるかもしれませんが、青色発光ダイオードでノーベル賞を受賞した中村教授は、ライバルの一流企業や大学が外部委託を活用して実験を進めていることに対し、外部委託すると時間ばかりがかかる、私は委託せずに自前で実験を繰り返したことでいち早く青色発光ダイオードを発明できたと申しておりました。  札幌市も中村教授に倣い、目的達成のために必要な努力と準備を怠らない執念を持ち、若手を中心に人材育成に努めていただくよう要望し、私の質問を終わります。 ◆吉岡弘子 委員  私からも、次期札幌ICT活用戦略方向性について2点質問いたします。  資料の9ページのICT活用基本原則には、3点の基本原則が示されています。  その1点目として、市民(利用者)目線で考えるとありますが、その考え方について具体的にお伺いいたします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  基本原則として、市民(利用者)目線で考えるということを記載しております。具体的にどのようなことか、どのように考えるのかということでございます。  DX推進するに当たっては、誰もが利便性を享受できるよう進めていく必要があると同時に、安全・安心にサービスを利用できるよう、併せて考えていく必要があると考えております。  そのため、行政手続オンライン化などの市民ニーズに対応するとともに、窓口の混雑緩和などをはじめ、対面でのサービスを希望される市民利便性向上にも取り組んでいく考えでございます。  また、デジタルに不慣れな方への配慮や情報セキュリティーの強化については、DX推進する上で欠かせない取組として、この戦略の中に位置づけてまいりたいと考えております。 ◆吉岡弘子 委員  2021年の第2回市民意識調査のオンライン化に関する考え方の項目の回答では、推進してもよいが慎重に進めるべきである、これが40.7%、現状で十分である、これが9%と、両方を合わせると半分の方が慎重という回答です。その理由には、セキュリティーや個人情報漏えい等の心配など、様々な理由があると考えます。慎重に、現状でよいという声が半数あるわけですから、その理由が明らかとなるような今後の意識調査にしていただくよう求めます。  次に、アナログ規制について伺います。  10ページからは、持続可能かつ質の高い行政デジタルサービスを提供するための視点として、五つの視点が書かれてあります。  そこで、質問ですけれども、視点1のBPR、業務改革の徹底には、市民や事業者の立場に立ち利便性向上を追求するため、アナログ規制の改革も含めて最適な手続や業務フローを実装しますとあります。アナログ規制の改革とは具体的にどういうことなのか、伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  資料10ページの利便性向上を追求するためにアナログ規制の改革も含めてと記載をさせていただいています。  具体的にどのような内容であるかということについてお答えをさせていただきます。  アナログ規制の改革とは、デジタル技術の登場以前に確立された法令等のうち、書面や対面といったアナログ手法を前提としていることによって、デジタルで完結させることの妨げとなっているような規制の点検、見直しを進めるものでございます。  具体的には、地方公共団体において、国から示されたマニュアルを参考に、条例などを対象として、目視、実地監査、対面講習、書面提示などを指定する規制等の点検、見直しを検討するものでございます。 ◆吉岡弘子 委員  ただいまお答えにありました7項目には、目視規制、実地監査規制、定期検査・点検規制、常駐・専任規制、対面講習規制、書面提示規制、往訪閲覧規制があります。その中の常駐・専任規制の緩和の項目で、政府は、介護事業所などの管理者が常駐でなくてテレワークでもよい、専任でなくてもよいとしています。  資料には、業務改革の徹底と書かれております。七つのアナログ規制が市民の日常生活にとても影響するものですから、十分な議論をしていただくことを求めまして、質問を終わります。 ○松井隆文 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後1時42分...