札幌市議会 2023-10-24
令和 5年第一部決算特別委員会−10月24日-08号
令和 5年第一部
決算特別委員会−10月24日-08号令和 5年第一部
決算特別委員会
札幌市議会第一部
決算特別委員会記録(第8号)
令和5年(2023年)10月24日(火曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 33名(欠は欠席者)
委 員 長 松 原 淳 二 副委員長 藤 田 稔 人
委 員 三 上 洋 右 委 員 鈴 木 健 雄
委 員 五十嵐 徳 美 委 員 長 内 直 也
委 員 細 川 正 人 委 員 よこやま 峰子
委 員 佐々木 みつこ 委 員 北 村 光一郎
委 員 小 竹 ともこ 委 員 中 川 賢 一
委 員 山 田 洋 聡 委 員 山 田 一 郎
委 員 ふじわら 広昭 委 員 しのだ 江里子
委 員 村 上 ゆうこ 委 員 かんの 太 一
委 員 あおい ひろみ 委 員 水 上 美 華
委 員 篠 原 すみれ 委 員 定 森 光
欠 委 員 國 安 政 典 委 員 福 田 浩太郎
委 員 前 川 隆 史 委 員 竹 内 孝 代
委 員 森 山 由美子 委 員 小 形 香 織
委 員 佐 藤 綾 委 員 田 中 啓 介
委 員 丸 岡 守 幸 委 員 坂元 みちたか
委 員 荒 井 勇 雄 委 員 米 倉 みな子
――
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開 議 午後1時
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○松原淳二 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、國安委員からは欠席する旨、わたなべ委員からは前川委員と、池田委員からは佐藤委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。
それでは、第8款 教育費 第1項
教育委員会費から第9項 学校整備費まで及び第11款 職員費 第1項 職員費中関係分について、一括して質疑を行います。
◆
森山由美子 委員 私からは、
オンラインを活用した不
登校児童生徒への支援について、子どもの読書活動の推進についての2項目の質問をいたします。
まず最初に、
オンラインを活用した不
登校児童生徒への支援について質問をいたします。
先日公表されました令和4年度児童生徒の問題行動・不
登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の結果によりますと、全国の小・中学校における不
登校児童生徒数は約29万9,000人で過去最多となり、札幌市についても4,836人と全国と同様に過去最多となったとのことです。不登校によって、
子どもたちが学びの機会にアクセスできなくなることや、人との関わりが希薄になり将来の社会的な自立が困難になることは、
子どもたちの未来を考えると大きな課題であると考えます。
このように、近年、全国的に不
登校児童生徒数が急増する傾向にある状況を受けて、本年3月には文部科学省が不登校対策を取りまとめた、いわゆる
COCOLOプランを発表し、各自治体に通知をしております。
このプランは、不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整える、心の小さなSOSを見逃さず、チーム学校で支援する、学校の風土の見える化を通して、学校をみんなが安心して学べる場所にする、の三つの柱から成っており、本年、我が会派の第2回
定例会代表質問でも
COCOLOプランについて取り上げ、不登校対策について、本市における取組を推進するよう提言をしたところです。
そうした中、我が会派では、これまでも、不登校のお子さんを持つ保護者等からたくさんのお声をいただいており、様々な理由により不登校となった児童生徒がそれぞれの状況に応じて教育機会の確保がなされるよう、議会議論も重ねてまいりました。
そこで、最初の質問ですが、不登校支援を進める上で、
教育委員会として
COCOLOプランをどのように受け止めているのか、伺います。
◎廣川
児童生徒担当部長 不登校支援を進める上での
COCOLOプランの受け止めについてでございますが、
教育委員会では、子どもを取り巻く生活や環境が大きく変化をする中、複雑化、多様化する
子どもたちの困りや悩みに丁寧に向き合っていくためには、学校だけではなく、様々な外部の人たちと連携をすることがますます重要であると認識しております。
COCOLOプランは、誰一人取り残されない学びを保障するため、学校、地域、家庭、関係機関等が連携をしながら、
子どもたちのためにそれぞれの役割を果たすことが必要と示されておりまして、本市のこれまでの取組と方向性は同じであると考えております。
特に、不登校支援につきましては、以前から
相談支援パートナーを学校に配置をしたり、あるいは、学校以外の学びの場である
教育支援センターの支援強化の取組を進めたりするなど、子どもが学びたいと思ったときにいつでも学べる環境の充実に努めてきたところです。
◆
森山由美子 委員
COCOLOプランに関する
教育委員会の受け止めについては理解をいたしました。
先ほども触れましたが、我が会派では、不
登校児童生徒への支援について、これまで様々な角度から取り上げ、昨年からは
オンラインを活用した不
登校児童生徒への支援について議論をしてまいりました。
先日、熊本市が取り組んでいる
フレンドリーオンラインという
オンラインを活用した不
登校児童生徒への支援の様子を視察してまいりました。これは、学校につながることが難しい子どもを対象として、
学習アプリすららや
動画コンテンツを活用した取組であり、毎日の決められたプログラムによる支援で効果を上げているとのことでした。
また、東京都においても、
バーチャル・ラーニング・プラットフォームという仮想空間を用いた不登校支援を開始し、全国でも1人1台の
タブレット端末を活用した取組が少しずつ広がりを見せているところです。
また、札幌市においても、今年度から、学校以外の学びの場の一つである
教育支援センターに新しく
オンラインコースを立ち上げ、試行実施を始めたということを聞き、先日、興味深く実際の支援の様子を見させていただきました。そこでは、学校や
教育支援センターに通うことが難しい不登校の小・中学生が、1人1台端末を活用し、自宅にいながらにして、週2回程度、ちえりあにいる指導員の方とコミュニケーションを取ったり、学習に取り組んだりしておりました。
熊本市の
フレンドリーオンラインも、本市の
教育支援センターオンラインコースも、先ほどの
COCOLOプランにおいて目指す姿の一つとして掲げられている、学校に来られなくても
オンライン等で授業や支援につながることができるという
目標そのものであり、重要な取組であると考えます。
そこで、質問ですが、
教育支援センターオンラインコースにおける支援の現状と成果について伺います。
◎廣川
児童生徒担当部長 教育支援センターオンラインコースにおける支援の現状と成果についてでございますが、各学校では1人1台端末を活用して
オンラインで授業配信などを行っておりますが、
教育支援センターに
オンライン環境を整備することで、こうした取組への参加も難しい不登校の児童生徒が、
ドリルパーク等の
学習アプリを活用しながら、自宅で学習できるようになったところです。
その結果、これまで全く登校できていなかった子どもが、ビデオ通話やチャットによる会話を通じて、
教育支援センターのスタッフと一緒に学習に取り組めるようになったという成果が見られたところです。
また、
オンライン上での関わりを通して、元気を回復してきた子どもが登校につながるなどの成果も見られ、
教育支援センターの
オンライン支援は、これまで学びの場につながらなかった不
登校児童生徒への新たな方策として効果があると考えているところでございます。
◆
森山由美子 委員
教育支援センターオンラインコースの支援の現状についてお聞きをし、やはり、不
登校児童生徒にとって
オンラインを活用した支援は有効であると考えます。
オンラインコースでの支援の様子を実際に見せていただいたときの感想を述べますと、小学生に対しても、中学生に対しても、指導員の方が、画面越しであるにもかかわらず、子どもの心の状況に丁寧に寄り添いながら優しく接していた姿がとても印象に残っており、
オンラインによる支援の必要性や有効性をより一層感じました。
特に、学校に行きたい、友達とも接したい、勉強したいと望むものの、なかなかその一歩を踏み出せずにいる子どもにとっては、今後ますます支援のニーズが高まり、さらなる活用の促進が求められてくるのではないかというふうに考えます。
しかし、それと同時に、不
登校児童生徒の状況や望まれる支援の内容も様々であることから、
オンラインによる支援の取組が進むに従って見えてくる新しい課題もあるのではないかとも考えます。
そこで、質問ですが、
オンラインを活用した不
登校児童生徒への支援の課題と今後について伺います。
◎廣川
児童生徒担当部長 オンラインを活用した不
登校児童生徒への支援の課題と今後についてでございますが、不
登校児童生徒に対しては、直接学校が行う支援、それから、
教育支援センターでの支援、そして、今回の
オンライン支援を、その時々の子どもの気持ちに寄り添いながら柔軟に選択をしたり組み合わせたりできるよう、丁寧に対応していくことが必要であると考えております。
また、現在の
オンライン支援は、不
登校児童生徒と
教育支援センターのスタッフとの一対一の個別学習が中心ですが、次のステップとして、
子ども同士が
オンライン上で学び合うことで、楽しさを実感し、学ぶ意欲を継続していけるような工夫も必要であると考えております。
今後は、教室に近い雰囲気で
子ども同士が関わり合える仮想空間、いわゆるメタバースの導入を検討するほか、
オンラインでつながった
子どもたちが直接交流できる機会を創出し、子ども一人一人が、自分が大切にされていると実感できる新たな学びの場の一層の充実に取り組んでまいります。
◆
森山由美子 委員 最後に、要望ですが、
オンラインを活用した不
登校児童生徒への支援は、直接的に関わる支援とは異なり、場所や空間の制限が少ないことから、工夫次第では
子どもたちの様々な困りに対応できる可能性があるようにも思っております。
例えば、
オンラインコースの試行実施で得られた支援のノウハウを特別な
教育的支援を必要とする児童生徒への対応にも生かしてみることなどが考えられます。
また、質疑でも触れましたが、東京都では、仮想空間での不登校支援として
バーチャル・ラーニング・プラットフォームという取組を始めたところですので、今後も、他都市の先進事例を参考にするなどして、本市における不
登校児童生徒への支援のさらなる充実に取り組むことを要望いたしまして、この質問を終わります。
次に、子どもの読書活動の推進について質問をいたします。
人は自分自身とは違う人との切磋琢磨や様々な経験の中で日々成長していくものと思いますが、人生の時間には限りがあります。その中で、良書に触れることは、本を開くだけで自分とは違う人生にたくさん出会うことができ、特に若いときには、精神の豊かな滋養になり、人生の財産になると考えます。
私も
高校教師時代は、国語科だったため、折に触れ、読む力、国語の力は、これからの
子どもたちの生きる力になるとの思いで、
子どもたちに良書に触れることを機会あるごとに心がけ、話をしてまいりました。
私は、令和の
日本型学校教育が示す全ての
子どもたちの可能性を引き出す個別、最適な学びと協働的な学びの実現には、読書は欠かせないものであると考えており、札幌市の学校教育における読書に関する取組に注目をしてきました。
この考えの下、先日、第3回定例議会における代表質問において、札幌市の学校教育における読書の充実について質問をし、教育長から、
学校図書館に加え、1人1台端末も活用しながら様々な読書活動に取り組むとの答弁がありました。
1人1台端末は、国の
GIGAスクール構想に基づき、札幌市においては、令和3年度に全ての小・中学校に配備され、今では身近な文房具のように日常生活において日々活用していると聞いております。
必要な情報を幅広く集めて分析をしたり、他者と意見を共有することが容易に行えたりする1人1台端末のよさは、読書活動においても発揮されるものと期待をしているところです。
そこで、質問でありますが、読書活動における1人1台端末の活用についてどのように取り組んでいくのか、伺います。
◎長谷川
学校教育部長 読書活動における1人1台端末の活用についてお答えいたします。
現在、学校では、子どもが1人1台端末を使用し、推薦図書や
学校図書館の
イベント情報等を広く把握したり、ウェブ上の資料や新聞データの記事等をいち早く得たりすることが容易にできる環境になっております。
さらに、
教育委員会におきましては、子どもが読んだ本の情報を蓄積し、その履歴を振り返ることなどを通して、自らの興味や関心を広げていけるような端末の活用も考えているところでございます。
今後は、こうした取組を生かした読書活動について、モデル校で実践的な研究を進めるなど、1人1台端末を効果的に活用しながら、子どもの主体性を引き出す読書活動の取組を推進してまいりたいと考えております。
◆
森山由美子 委員 子どもの主体的な読書活動を目指し、1人1台端末を活用することでその可能性を広げていきたいという
教育委員会の姿勢に共感をしました。答弁いただいた取組を着実に進めていただきたいというふうに思います。
一方、子どもが生涯にわたって読書に親しんでいけるようにするためには、子どもの主体性を引き出すだけではなく、読書を通してさらに学びを深めていく機会や活動を意図的に生み出していくことが重要だと考えます。
そこで、質問ですが、子どもが学びを深めるために今後の読書活動をどのように進めていくのか、伺います。
◎長谷川
学校教育部長 今後の読書活動についてでございますが、子どもが学びを深めるためには、調べたことを基に自分の考えを表現したり、本の魅力を発信して感想を伝え合ったりする読書活動に取り組み、他者との関わりの中で見方や考え方を広げ、改めて自らの考えをまとめていくことが欠かせないものと認識しております。
今後は、こうした読書活動と子どもが様々な活動を自ら企画運営する取組でありますさっぽろっ子自治的な活動を関連づけることで、学びをさらに深められるよう取組を進めていくことが重要と考えております。
教育委員会といたしましては、引き続き、読書を生涯にわたる学びの基盤として位置づけ、全ての
子どもたちが、読書に親しみ、自らの学びや成長を実感できるよう、読書活動を一層充実してまいる所存でございます。
◆
森山由美子 委員 今回、読書活動における1人1台端末の活用や今後の読書活動の推進について質問をいたしましたが、答弁いただいた内容とともに、私は、これからの時代にあっても、
子どもたちが実際に本を手に取り、そのぬくもりを感じながら心を豊かにしていく情操教育の視点を大切にした読書活動も推進していただきたいと願っております。
旅に行くには時間もお金も必要で、たくさんの様々な人に出会うことも難しいですが、誰もがどの子も本を開けば未来が開けます。その意味からも、今後も
学校図書館自体のなお一層の充実も図られることも併せて求めます。
札幌市の全ての
子どもたちが、人との出会い、そして、良書との出会いを大切にし、生涯にわたって読書に親しみ、豊かな人生を切り開いていけるようになることを大いに期待し、これで私の質問を終わります。
◆小形香織 委員 今、読書活動の推進ということで質疑がございましたけれども、私も、
学校図書館への司書の配置について質問したいと思います。
今、部長からのご答弁や質疑も聞いておりまして、やはり、生きていくために読書は欠かせないものだと思っております。とりわけ、子ども期というのは、言葉を学んだり、感性を磨いたり、表現力を高めたり、あるいは想像力を高めていく、豊かにしていくという大事な活動でありまして、自立した人間として社会で生きていく基礎的な力をつけていくために欠かせないものだと私も思っております。
札幌市の
教育ビジョンである自立した札幌人、これを育てていくための具体的な施策の一つとして読書が掲げられておりまして、札幌らしい特色を生かした学習活動の三つの核の一つとしても位置づけられております。
子どもの読書活動を推進するために、
学校図書館は、
読書センター、
学習センター、
情報センターの三つの機能を果たすものでありますので、さらに充実させていくことが必要だと考えております。
学校図書館に関連しては、私はこれまで議会で何度か取り上げてまいりました。2003年のときには、学校に図書館が整備されていない五つの学校への整備を求めて、これが改善されてまいりました。2004年、2006年のときには、司書教諭の配置が義務づけられていない11学級以下の学校への司書教諭の配置や、専門家として学校司書を配置することを求める質問を重ねてまいりました。司書教諭が読書活動の目標や授業での調べ学習の研究などを進め、そのための図書館環境の整備やご家庭あるいは公立図書館などとの連携を考える、こうしたことと同時並行で専任の学校司書が本などの発注や配架、それから、
図書館情報の発信など図書館全体の整備を進め、司書教諭と連携しながらより豊かな読書環境を築く、この役割は子どもの読書活動を推進する上で重要だと考えるからでございます。
本市は、2013年度に初めて中学校に専任の司書を配置し、2014年に
学校図書館法が改正され、専任司書の配置が努力義務となったこともありまして、2019年度に、ようやく全ての中学校に専任の司書を配置いたしました。
そこでまず、伺いたいのですが、中学校に配置された学校司書の現状はどのようになっているのか、伺います。
◎長谷川
学校教育部長 中学校に配置している学校司書の現状についてでございますが、中学校に配置した学校司書は、
司書教諭等と連携し、高い専門性を発揮しながら、読書の推進や
学習支援等の充実に取り組んでおりまして、現在は89名が全ての中学校の
学校図書館運営を支えております。
◆小形香織 委員 もう少し詳しくお聞きしたいのですけれども、その89名の学校司書が配置されて、その専門性が発揮されているということを今ご答弁いただきましたけれども、その専門性の発揮というのはどのような形で現れているでしょうか。
◎長谷川
学校教育部長 専門性の発揮ということでございますけれども、中学校に配置されております学校司書につきましては、昼休みや放課後等の本の貸出し機会が増えるということに加えまして、授業中の図書館の活用について支援をしておりますので、
学習センターとしての機能ということでも非常に専門性を発揮しているというふうに認識しております。
◆小形香織 委員
子どもたちの読書活動がより活発になるように、具体的には貸出しの機会が増えているという形でも現れておられるということでありました。
中学生になりますと、図書館の本の貸出しの業務だとか、新しい本の
お知らせニュースの発行、あるいは、どこに本を配置したらいいかなどの研究など、小学生よりも図書館の運営により自主的に、活発に関わる時期でもあるかと思います。
具体的な取組として、札幌市のホームページでも、中学校の中に図書局がつくられて、放送局と連携してお勧めの本をお昼の校内放送で流しているとか、全校の
生徒アンケートで学校の図書館に求めることを聞いて、それに応えられる図書館にしていこうなど、積極的な様子が報告されております。
また、
新型コロナウイルスの感染が拡大して学校に集まりづらい時期でも、学校の司書がいることで、感染対策を十分に取りながら、図書館を閉館せずに開館し続けて、
子どもたちが使いたいときにそれに応えられるような努力をしていたというお話も私は直接お聞きしております。
学校図書館の本が管理され、使いたいときにいつでも使える環境にするために、学校司書が果たす役割は大変大きいものでありますし、また、現在、ICT活用が進められて、1人1台端末などがスタートして、デジタル、インターネットによる多様な資料を活用するなど、学校の教育における情報をめぐる環境も大きく変わっていると思います。その年齢にふさわしい情報の使い方、図書館の活用の仕方など、社会環境に合わせた
学校図書館の役割を鑑みると、全ての学校に司書配置が求められているのではないかと私は思います。
そこで、伺いますが、小学校にも学校司書を配置するべきだと考えますがいかがか、伺います。
◎長谷川
学校教育部長 小学校への学校司書の配置についてでございますが、現在、小学校の
学校図書館におきましては、開放司書や
学校図書館ボランティアをはじめとする多くの保護者や地域の方々が関わり、効果的な読書活動に向けて取組を進めていただいているところでございます。
こうした現状を踏まえまして、小学校への学校司書の配置につきましては、今後も引き続き慎重に検討してまいりたいと考えております。
◆小形香織 委員 本当に小学校で開放司書などが頑張っておられるというのは、私もPTA活動を通してよく実感しております。同時に、ここに
ボランティアだけではなくて専門の形で司書を配置していくことが大事なのではないでしょうか。
札幌市が調査しております札幌市児童生徒の実態に関する基礎調査の令和2年度の報告書によりますと、あなたは1か月に何冊ぐらい本を読みますかという問いに対して、ゼロ冊と答えた児童が小学校5年生で11.1%となりました。平成23年度、2011年度の調査のときは7.5%でしたので、ゼロ冊という子どもが年々増えております。これは、小学5年生だけではなくて、中学2年生も、高校2年生も同様の傾向であるということが報告されております。
やはり、子どもが読書に親しむ機会を増やすためには、
学校図書館の役割は大事ですし、小学校の
学校図書館への司書の配置というのは急がれる課題だというふうに思います。
冒頭に述べましたように、生きるための基礎として読書活動は大変大事なものでありますので、前向きに検討され、予算をつけるなど一歩前進されることを求めまして、私の質問を終わります。
◆荒井勇雄 委員 私からは、学校給食費の公会計に関しまして、何点かお伺いしたいと思います。
札幌市における学校給食につきましては、昨年度までは各学校が保護者や教職員から給食費を徴収し、食材を提供する学校独自の会計で運営されてきましたが、本年度から、給食費を市の予算に計上するとともに、学校ではなく
教育委員会で直接徴収管理を行う公会計制度に移行しております。その背景としまして、文部科学省からの通知を受けての学校における働き方改革の推進、言い換えれば、教職員の業務負担の軽減ということが第一にあり、このほかに、市の予算に編入することによる安定的な給食の提供、さらには、給食費の口座振替に係る保護者の利便性の向上ということが挙げられております。
このうち、給食費の徴収管理を学校から
教育委員会に移行する際の業務に関しまして気になった点がありますので、指摘を交えつつ、質問をさせていただきます。
今年6月に
教育委員会の保健給食課から、学校給食費のお知らせということで、学校給食費納付額決定通知書が各保護者宛てに送付されております。
そこで、質問です。
そのお知らせを受けてから、保護者から誤った住所が書いてあるといった苦情が寄せられたと聞いておりますが、そのような事実があったのでしょうか。
そしてまた、事実とすれば、返却数など件数がどれくらいあったのかについても併せてお願いいたします。
◎池田 学校施設担当部長 給食費の公会計化に伴います保護者への通知についてのご質問でございました。
教育委員会からは、約13万件を超える給食費の通知を送付したのに対しまして、宛名不明等で返却されたものが656件で、全体の0.5%ありました。
委員がご質問の件につきましては、返戻された通知を学校から児童生徒を通して渡した際に保護者から指摘があったものでございます。
◆荒井勇雄 委員 宛名不明などの返却数は、小学校で438件、中学校で218件、合わせて656件ということです。小・中学校約300校のうち、203校で発生したことですので、私としましては、ちょっと驚いた次第でございます。ですが、年度初めには各学校で児童生徒の住所を含む実態調査を行っているとお伺いしておりますので、そんなに間違いが生じることはないと思うのですが、年度途中で転居したり、家族の形態が変わったりすることもあり得ますが、それについては、学校への届出がなかったり、遅れたりすることはあっても、僅かではないでしょうか。
私のところに寄せられました苦情では、元主人の名前が記載されていたというのがありましたが、その家庭では、中学校に入ってから元主人の名前を一度も出したことなどはないのになぜ中学校が知っているのか、甚だ疑問だと話しておりました。離婚やDVなど、ご家庭によっては様々な理由で自分や子どもの居場所を知られたくないという人もおりますので、保護者の実際の情報については、相違がないよう、十分に注意しなければならないと思います。
そこで、お伺いいたします。
教育委員会では、学校給食費のお知らせの通知を作成するに当たって、保護者の情報をどのように把握していたのか、子どもの在学中に家庭環境の変化があった際も含めましてお聞かせください。
◎池田 学校施設担当部長 保護者情報の把握についてということでございます。
保護者の情報につきましては、家庭環境の変化等も含めまして学校のほうで把握しておりまして、その情報を学校と
教育委員会が使用するシステムにおいて連携して必要な情報を共有しております。
◆荒井勇雄 委員 個人データが小学校から中学校へと保護者の同意もなく移行されているとすると、時の経過とともにデータの内容と実態とに食い違いが生じ、データの正確性に問題が生じることとなるほか、一体どこまで移行されるのか、高校に進学すると高校まで移行されることもあり得るのか、保護者の不安は募るばかりだとお伺いしております。
そこで、次の質問ですが、
教育委員会で管理しているデータはどこまで移行されることとなっているのでしょうか。そして、もし保護者などから情報の開示請求があった場合、それに応じる体制になっているかどうかについて、併せてお伺いいたします。
◎池田 学校施設担当部長 個人データの取扱いについてのご質問でございました。
教育委員会において管理しておりますデータにつきましては、小学校から中学校へ引き継いでおります。また、情報の開示請求があった際には、個人情報の保護に関する法律に基づいて適切に応じる体制となっております。
◆荒井勇雄 委員 保護者からは、学校給食費のお知らせが発送された後の対応について、こんな苦情も寄せられました。
それは、郵便局から返送された、宛てどころに尋ねがありませんと押印された封筒に、学校側が住所変更後は区役所に転居届を提出してくださいという内容の紙を貼り付け、それをそのまま生徒に持たせたというケースがあり、その封筒を受け取った保護者は、住所は変わっていないのに、一方的に区役所に変更届を出すようにというのはどういうことだろうかと、半ば怒っていたということでございます。
そこで、お伺いいたしますが、返送されてきた封筒に、学校側として、住所変更後は区役所に転居届を提出してくださいという趣旨の紙を貼り付け、それを
子どもたちに持たせていたということを、
教育委員会としてどのようにお考えなのか、お聞かせください。
◎池田 学校施設担当部長 今回の住所変更等への対応についてでございますが、
教育委員会に返却されました通知を、学校を通じまして保護者に渡す際に、システムに搭載されている内容と実際の情報等の再確認が足りておらず、配慮が十分ではなかったものと認識しております。
◆荒井勇雄 委員 今後の対策についてですが、このたびの事例は、公会計化の初年度において発生したものであります。我が会派では、さきの代表質問でも述べましたように、学校給食費の無償化を求めておりますが、保護者の負担が継続されていくのだとすれば、今後も
教育委員会から保護者への通知が継続されていくものだと考えます。
そこで、お伺いいたしますが、
教育委員会では、給食費納付額決定通知書の返却等をなくしていくために、今後どのような対策を講じていくのか、お示しください。
◎池田 学校施設担当部長 今後の対策についてのご質問でございます。
給食費の通知につきましては、全世帯に5月と2月の年2回を予定しておりますため、今年度については、
教育委員会と学校で保護者からの住所等の届出とシステムに入力されている情報が一致されているのかを確認しながら、2月に向けて準備を進めているところでございます。
今後も引き続き、学校としっかり連携を図りながら、正しい情報に基づき適正な管理に努めてまいります。
◆荒井勇雄 委員 今回、この事案に関しましては、私は、7月に受けまして、近藤課長をはじめ
教育委員会の方々と、今回なぜこのような事案が起こってしまったのかということを、綿密に、度々話し合う機会がありました。
また、私の知り合いの先生にも、このような通知がなかったのか、実際に現場ではどうだったのかということをお伺いさせていただきました。
率直なところ、住所などの確認作業は、
教育委員会から来たので、通知を行おうと何度か試みて、実際は行ったのですけれども、保護者からの返却がなかったり、本来、そもそもの業務が大変忙し過ぎて、何度も徹底することができなかったというお声を現場の教職員からいただきました。
本来、公会計制度の導入が教員の方々の業務負担の軽減を目指していることを主眼としているのでしたら、
教育委員会として、データの更新を含む徴収管理を徹底していただきたいと思いますし、今後、宛名不明等の封筒の返却によって保護者や児童生徒の方々に無用な心配を与えぬよう、引き続き
教育委員会としてぜひとも頑張っていただきたいと思います。
札幌市の教育をよりよくしていきたいと私も同じように考えておりますので、今回を踏まえまして、ぜひ業務改善という面で強く要望を申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
◆山田一郎 委員 私からは、学校施設のエアコン整備について、また、部活動の地域移行についての2点質問いたします。
秋元市長は、先月、2027年度までの5年間、新たな中期実施計画、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2023(案)の中で、全ての市立学校の普通教室へのエアコンの整備を柱とした学校施設冷房設備整備事業を公表いたしました。
今後、全ての学校に順次エアコンが整備されていくこととなり、この決断は大いに評価したいと思います。
一方、アクションプラン2023(案)の公表に先立って、
教育委員会は、新改築校については、工事に併せてエアコンを整備していく方針としており、私の地元である東区の明園小学校をはじめ、最近改築に着工した学校については、改築に併せてエアコンが整備されることになりました。
一方、現在改築中の西区山の手小学校については、既に令和4年度から改築工事に着手しており、工事に併せたエアコン整備は難しいと聞いておりましたが、このたび公表されたアクションプラン案により、スピード感を持ってエアコンを整備していくこととしたため、山の手小学校についても、改築工事の中でエアコンを整備することとなりました。
この夏の猛暑を受け、保護者などから非常に強い要望もあり、改築工事の中でエアコンが整備されることは大変喜ばしいことですが、一方、改築中の学校であっても、エアコンを整備するためには電気容量の増強が必要となり、工期にも大きな影響を及ぼすことになると思われます。
そこでまず、質問ですが、エアコン整備を併せて行うことにより、山の手小学校の改築の工期や
子どもたちの教育環境にどのような影響があるのか、伺います。
◎池田 学校施設担当部長 山の手小学校の改築の工期及び教育環境への影響についてでございます。
山の手小学校の改築につきましては、当初、今年度末の竣工を予定しておりましたが、エアコン整備を併せて行うために、現在、設計の見直しを行っているところでございます。
現時点におきまして、改築の工期は5か月程度延長すると見込んでおりまして、新しい校舎につきましては、来年の夏休み明けからの供用開始を予定しております。
山の手小学校につきましては、屋内運動場の改築は行わないため、入学式や卒業式といった学校行事への影響は最小限にとどまりますけれども、
子どもたちの仮設校舎での生活が長くなりますことから、移動式エアコンを早めに早期導入するなど暑さ対策を講じますとともに、保護者や地域の皆様に対しまして丁寧に説明をしていきたいと考えております。
◆山田一郎 委員 今、山の手小学校では改築の工期が約5か月程度延長となるということでしたが、仮校舎での生活も延びることになります。新しい校舎に最初からエアコンが整備されることは、
子どもたちや保護者にとっての願いであり、仮校舎での生活が多少延びることについても十分に理解していただけると感じております。
教育委員会には、少しでも早く改築が終わるように頑張っていただきたいと思います。
次に、冒頭でも申し上げましたが、アクションプラン2023(案)で掲げられた学校施設冷房設備整備事業についてでございます。
約6,000室の普通教室等へのエアコン整備となりますと、機器を一度に調達することは難しく、また、電気容量の増強工事を受託できる業者にも限りがあることから、
教育委員会では、単年度ではなく、令和7年度から9年度までの3年間で全校の整備を完了する計画としております。
今回の事業は規模が大きなものであり、学校によってエアコン整備に早い遅いが生じてしまうことは多少やむを得ないとは考えるものの、やはり、子どもや保護者たちにとっては、自分たちの学校にいつエアコンが整備されるのか、これは本当に大きな関心になると思います。
そこで、質問ですが、
教育委員会は今後3年間で段階的整備をどのように進めていくか、伺います。
◎池田 学校施設担当部長 エアコンの段階的整備の進め方についてでございます。
エアコンの整備につきましては、例えば、給食室などは、調理設備の配管が複雑に天井に入り込んでおりましたり、普通教室でありましても、外壁の構造が学校によって様々でありますことから、工事の難易度が学校によって大きく異なります。
教育委員会といたしましては、スピード感を持って事業を進めることを第一に考えておりまして、まず、初年度は、学校の諸条件を踏まえまして、比較的短期間で整備を終えられる学校から着手していく考えでございます。同時に、工事の難易度が高くなる学校の課題を整理いたしました上で準備を進めまして、令和9年度までの整備完了に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えております。
◆山田一郎 委員 今の答弁にもありましたが、学校により整備の難易度が異なり、調査や検討に時間を要する学校もあるというところから、個々の学校の状況を踏まえて、着工できる、短期間で整備できるところからというご答弁でございました。
ただ一方で、転落防止のために窓が全開とならない措置が施されている近年の新改築校や児童生徒が多い大規模校については、ほかの学校よりも校舎内の暑さが厳しいのではないかと思われ、そのような学校については極力整備を早めていただくなど、柔軟に対応していただくことをお願いします。
最後に1点、今回はエアコンの話でありますので、私からも要望をさせていただきます。
今回の学校施設のエアコン整備では、3年間で全校の整備を完了することと計画しておりますが、これはもちろん普通教室のみであり、特別室や体育館は含まれておりません。特に、体育館につきましては、私も、地元の小学生から、夏でも体育館で思いっ切り遊びたい、動き回りたいと切実な声も届いております。もちろん、前提条件として、3年間で普通教室にエアコンの設備、これは重要な喫緊の課題ではありますが、その際に、電気容量の調査ですとか、先ほどの私の質問でも何回か出てきましたが、そういったものもあります。もちろん、体育館の電気容量の調査までできるか、難しい部分があるかもしれませんが、今、ガスヒートポンプ形式であれば、電気容量を使わずに体育館にエアコンを設置できる方法というものも今はございます。
令和5年7月28日に発表されました国土強靱化年次計画2023においても、自立分散型エネルギーの有用性が記述され、自家発電設備、GHP空調設備の導入という文言が記載されております。これは、
子どもたちの体育館での熱中症対策はもちろんでありますが、非常時でも電力を使わない方法ですので、災害時に体育館が避難所になった場合にも使える方法であり、暑さ対策と、危機管理の部分でも有用性があると考えております。
現在、これについては国からの補助がございますが、国からの補助も期限ですとか時限があるものですので、機会を逸することなく検討いただくように要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、部活動の地域移行について質問いたします。
我が会派は、少子化の中でも将来にわたって地域で子どもがスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことのできる機会の確保のため、部活動の地域移行は大変重要な課題であると認識しております。
部活動の地域移行は、学校の教育環境だけでなく、地域社会全体に影響を与える大きな課題であり、私は、
子どもたちに多様な活動への参加を通じて学びや成長する機会を提供することが非常に重要だと考え、また、地域社会や民間企業の協力を得て、
子どもたちの活動機会を拡大できるよう、今後、方針を決めていかなければいけない時期に来ていると考えております。
令和3年第2回定例会では、我が会派の藤田議員から、部活動改革の今後の施策の方向性について質問し、教育長からは、休日の部活動の指導と運営を民間事業者に委託するモデル事業を実施するとのお答えをいただいております。
そこでまず、この答弁を踏まえ質問ですが、その後のモデル事業の実施状況についてお伺いいたします。
◎長谷川
学校教育部長 その後のモデル事業の実施状況についてでございますが、令和3年度からの2年間、スポーツ庁のモデル事業として、陸上部やサッカー部など中学校の運動部活動を対象に休日の活動を民間企業に委託し、専門的な指導者等を派遣する取組を実施いたしました。
モデル事業は、生徒にとっては専門的な指導を受けることで練習が充実したものになったこと、教員にとっては休日の部活動従事が不要となることで負担軽減につながるなどの成果が見られ、参加者や関係者からの一定の評価を得ているところでございます。
一方で、モデル事業での取組を持続可能なものにするためには、参加費用の保護者負担の在り方や指導者、活動場所の確保等、整理すべき課題も見えてきたところでございます。
◆山田一郎 委員 ただいまの答弁からも、この2年間でモデル事業に取り組み、陸上部、サッカー部等、様々な成果も出てきた一方で、課題も見えてきたというところでございました。
子どもたちが地域の中で様々なスポーツや文化芸術活動に参加することの重要性、教育環境の向上、地域と学校が連携し、
子どもたち一人一人の可能性が豊かに伸びる環境づくりは、生徒や保護者の満足度向上にもつながると私は考えております。
我が会派は、こうした動きと並行して、令和5年第1回定例会の代表質問において小須田議員から、地域において子どもがスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会の確保と部活動の地域移行に向けた市長と教育長の認識について質問いたしまして、教育長からは、実態調査を行うなど、生徒、保護者の部活動に対する思いを受け止めつつ、市長部局や関係団体と連携の下、
子どもたち一人一人の多様なニーズに応じたスポーツ・文化芸術の体験機会の創出に向けて検討を進めていくと答弁をいただき、また、市長からは、将来にわたって子どもがスポーツ・文化芸術活動に親しむことができる環境を確保するため、
教育委員会や関係部局、関係団体から成る協議の場を設置し、検討を深めていくというお答えをいただいているところであります。
そこで、質問ですが、これらの答弁を踏まえ、部活動の地域移行に向けた実態調査の実施状況及び協議の場の設置状況について伺います。
◎長谷川
学校教育部長 部活動の地域移行に向けた実態調査の実施状況及び協議の場の設置状況についてお答えいたします。
まず、実態調査につきましては、今年7月に中学校教職員と小学校3年生から中学校3年生までの児童生徒及びその保護者を対象に、部活動の地域移行に関するアンケートを実施いたしました。
アンケートの結果からは、カーリングやダンス、プログラミングなど、従来の部活動にはない種目も含め、様々な活動に興味を持っていることや、一つの種目に限らず幅広い活動を体験したい子どもが多くいることが分かりました。
また、大会やコンクールでの優勝を目標とする子どもだけではなく、勝ち負けにこだわらず試合や仲間との活動を楽しみたいと思う子どもも多いことなど、子どものスポーツ・文化芸術活動に関するニーズが多様化していることがうかがえたところではあります。
協議の場につきましては、地域の有識者やスポーツ・文化芸術団体関係者等の意見を聴取する場として検討委員会を立ち上げまして、第1回目を8月に開催したところでございます。
◆山田一郎 委員 今の答弁でも触れられたアンケート結果についてですが、これは私も確認いたしまして、特に、小学生の保護者を対象としたアンケートからは、
子どもたちのスポーツや文化芸術に対する家庭の経済的な負担の実態が浮き彫りになっております。
小学生の習い事には月2万円近く支出している家庭も多い一方で、お子さんが中学生になって部活動地域移行後のスポーツ・文化芸術活動にはどのぐらい負担できるのかという質問には、3,000円から5,000円程度と答える保護者が多いなど、小学生と中学生でスポーツ・文化芸術活動にかける費用負担に対する認識には大きな隔たりがあることがうかがえます。
これは、小学生のときは少年団やクラブチームに一定の月謝を払っていた家庭でも、中学生になれば部活動に入って非常に安い部費で活動することができたという従来の部活動文化が影響しているものではないかと考えます。
中学生の保護者対象アンケートからも、部活動にかかる1か月当たりの費用は1,000円未満が最も多く、次に多いのが3,000円未満という結果であり、実際に中学校の部活動が非常に安価な費用負担で行われていることが見てとれます。
しかしながら、これまでこのような部活動が継続することができたのも、教員による献身的な勤務の上に成り立ってきたものと言えるものであり、札幌の
子どもたちに持続可能な形で充実したスポーツ・文化芸術活動を提供していくためには、開催方法や費用負担の在り方も含めた検討も必要であると考えます。
こうした状況を鑑み、札幌の
子どもたちがこれからも健全な環境でスポーツや文化芸術に親しめるよう、持続可能なシステムの確立が急務であると考えます。
そこで、こうしたアンケート結果を踏まえた上で質問ですが、部活動の地域移行に向けた今後の具体的な取組について伺います。
◎長谷川
学校教育部長 部活動の地域移行に向けた今後の具体的な取組についてでございますが、今年の10月から新たにスポーツ庁の委託を受けまして、アンケートの結果でもニーズの高かったバドミントンを対象種目として、地域スポーツ活動のモデル事業を始めたところでございます。
本モデル事業は、学校単位で教育活動の一環として行う従来の部活動とは異なる形といたしまして、市内全域の中学校から参加者を募り、会場となる市立高校の生徒と中学生が合同で活動する練習会として実施しております。
こうした取組を通しまして、指導者や会場の確保、参加に係る費用負担等の課題について検証するとともに、アンケート結果や検討委員会の意見等を踏まえながら、地域と連携・協働した新たな活動の機会創出など、札幌らしい部活動の在り方について検討を進めてまいりたいと考えております。
◆山田一郎 委員 今の答弁では、まさにこの10月から新たなモデル事業に取り組み始めたというところでありました。
アンケートを見たところ、札幌もそうですが、バドミントンが全国的に人気だということで、今回はバドミントンで始めるということでありました。その進捗状況や成果についても注目していきたいと思っております。
私は、将来的に、地域のスポーツ・文化芸術活動を持続可能なものにしていくためには、部活動の運営を従来の教員の善意に頼っていた生徒、保護者の認識を変えていく必要があると考えており、部活動の地域移行に向けては、プロスポーツチームや民間事業者なども受皿として想定されることから、札幌市のスポーツ産業や文化芸術団体の活性化につながることが期待できます。
指導者の確保につきましては、もちろん従来どおりに指導したい学校の先生に関しましては、これまで同様に大切にしていただきたいと思い、また、地域の方々の協力や民間企業の参入など様々なケースが考えられますが、いずれにせよ、受益者負担の考え方を明確にしなければ優秀な指導者の確保にはつながらないと思います。
モデル事業においては、費用負担の在り方についてもしっかり検証を進めつつ、関係団体と連携しながら、これからの
子どもたちの体験機会が持続可能かつ、より充実したものとなるよう、札幌市における新たなスポーツ・文化芸術環境の整備に向けた検討を進めていただきたいと考えております。
部活動環境の改善は緊急を要する課題であり、各関係各所の協力の下、迅速な対応を求めております。
子どもたちによりよい未来のために取り組んでいただくよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。
◆ふじわら広昭 委員 私は、2項目質問をします。
1項目めは教員の採用について、2項目めは札幌市青少年科学館のリニューアルについてです。
初めは、1項目めの教員採用についてです。
質問の1点目は、中学校・高等学校教諭区分の実施状況についてです。
私は、市立高校教員の採用に関して、より適した人材を確保するため、北海道
教育委員会との共同登録からの採用ではなく、市独自に採用するよう求めてきました。
その結果、札幌市
教育委員会は、2021年度実施の教員採用選考検査から、新たに試行として、中学校・高等学校教諭区分を設けました。
昨年度の
決算特別委員会において、2021年度に実施した教員採用選考検査において、同区分から12名が市立高校へ配属となり、また、昨年度実施した同検査においては、同区分に593名が志願したとの答弁がありました。
そこで、質問ですが、昨年度の中学校・高等学校教諭区分からの市立高校への配属人数と今年度の同区分の志願状況について、まず伺います。
◎佐藤 教職員担当部長 中学校・高等学校教諭区分の実施状況についてでございますが、昨年度実施いたしました教員採用選考検査における中学校・高等学校教諭区分から、今年4月に市立高校へ配属になった者は13人で、昨年と同様、必要な人員が確保できているところでございます。
また、今年度実施した検査における中学校・高等学校教諭区分の志願者は、昨年度から24名減の569人で、このうち、市立高校への配属を優先して希望する者はおよそ2割となっております。
◆ふじわら広昭 委員 質問の2点目は、専門性を有する高校教諭の確保についてです。
中学校・高等学校教諭区分を受検するには、高等学校教諭の免許に加え、中学校教諭の免許も要件とされており、保有免許が高校教諭のみの場合は受検することができません。
現在在籍している市立高校教諭、年齢構成では50代、60代が多い状況にあることから、今後10年程度の間に経験豊富で高い専門性を有する教員が数多く退職することが見込まれます。質の高い教育を安定して実施するためには、教科の専門的研究を重ねた人材も有用と考えますが、そのような学生は、教員養成大学や教育学部以外に在籍し、高校教諭免許のみ取得する場合も考えられます。
したがって、中学校教諭の免許を必要とする中学校・高等学校教諭区分のみでは高い専門性を有する人材の確保に課題があると考えられることから、より適切な人材の安定的な確保に向け、採用検査区分を見直すべきと考えます。
そこで、質問ですが、市立高校教諭の採用において、高い専門性を有する優秀な人材をどのように確保していく考えか、伺います。
また、より適切な人材の確保に向け、札幌市独自に高等学校教諭を採用する考えはないのか、併せて伺います。
◎佐藤 教職員担当部長 専門性を有する高校教諭の確保についてでございますが、市立高校の教諭には、高い教科の専門性に加えまして、強い使命感、倫理感などの教員としての資質、また、札幌市の特色ある教育への理解等も求められているところでございます。
このため、札幌市においては、令和3年度より新たに中学校・高等学校教諭区分を設け、優秀な人材の確保に取り組んでいるほか、従来から設けております高等学校教諭免許のみで受検可能な高等学校教諭区分も併用しているところでございます。
今後も、教員の退職見込み等の状況を正確に見極めながら、両区分の効果的な活用により、引き続き多様な人材の中から札幌市が求める優秀な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 今の答弁では、市立高校の採用についても併用しているということでありますけれども、この間、質疑をしてきた観点からいきますと、道教委で採用した方を札幌市が採用しているという形だと思うのです。
札幌市は、先ほどから質問、指摘をしてきましたように、中学校と高校の教諭の免許を持っている方のみを採用しているかと思います。そして、高校の先生の免許しか持っていない方については、北海道
教育委員会が選考検査をした合格者の中から札幌市は採用しているのだというふうに思うわけであります。
先ほどの部長の答弁にありましたように、市立高校の教員は、高い専門性だけではなくて、使命感や倫理感など札幌市の教育方針に理解を示した人が必要だということであれば、私は、北海道
教育委員会の検査に合格した人を採用するのではなくて、この間、申し上げておりますように、札幌市独自の採用試験を実施すべきだというふうに考えております。
札幌市は、先ほど申し上げてきた中学・高校枠の導入について、政令指定都市の中では最後のほうに導入したというふうに理解をしているわけでありますけれども、現在、全国の政令指定都市は20都市ありますけれども、教員の採用選考検査を行うのは教職員課だというふうに私は理解をしております。
私は、この20都市の
教育委員会の教職員課の人数を各政令指定都市ごとに調査をしてまいりましたけれども、合計で853名おります。札幌市は、教職員課に、多少の出入りがあるかもしれませんけれども、現在は43名いらっしゃると思うわけでありますが、これを20都市で割り返しますと、858は42.9人と、ほぼ札幌市と同じ43名近くの教職員課の人数が平均となるわけであります。
そういう意味では、全ての都市で独自の採用を行っているわけではありませんけれども、札幌市の教職員課としても、全国政令指定都市の平均的な人数がいるということは、こうした選考検査を十分にできる人数が確保されているというふうに私は理解をしているところであります。
そういう意味で、要望をしておきますけれども、こうした独自の採用試験は
教育委員会だけの聖域ではないというふうに私は考えておりますので、ぜひとも議会やそうした市民などの声をしっかり受け止めて、できるだけ早い時期に札幌市独自の市立高校教員の採用を実現できることを求めておきたいというふうに思います。
質問の3点目は、教員採用選考検査受検者の増加のための取組についてであります。
専門性の高い教員を確保するためには、札幌市独自の採用検査を行うことに加えて、教員採用選考検査の受検者を増やすための取組も重要だと考えております。
教員採用選考検査の倍率に着目しますと、中学校・高等学校教諭区分では、一定程度高い倍率を維持しているという状況にありますが、小学校・幼稚園教諭や特別支援学校教諭などを含めた札幌市全体では3.2倍となっており、これは昨年度の3.7倍から低下しています。
文部科学省としても、全国的な課題として受け止め、教員採用選考検査の早期化や複数回の実施を含む改善の在り方などについて、今後の改善の方向性を提示しています。
そこで、質問ですが、札幌市としては、教員採用選考検査受検者の増加のためにどのような取組を行うのかについて伺いたいと思います。
◎佐藤 教職員担当部長 教員採用選考検査受検者の増加のための取組についてでございますが、札幌市の教育の充実には質の高い教員人材が不可欠でありまして、人材確保に向けたさらなる努力、取組が必要と認識しております。
そこで、教員志望者の早期確保に努めるため、本年、今年12月に大学3年生等を対象に、令和7年度教員採用選考検査の一部を前倒しして実施することといたしました。
この合格者につきましては、令和7年度検査の一部が免除され、面接準備等に専念できるほか、不合格であっても例年実施される採用検査に再度出願できる仕組みとしております。
今後も、受検者の増加、さらには質の高い教員人材の確保に向け、従来の方法にとらわれず、様々な工夫、改善に努めてまいりたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 要望を申し上げて、次の質問に移りますけれども、そちらから提出いただきました市立高等学校の正職員の職員数、今年の4月時点でありますけれども、各教科で409名の正職員がいらっしゃいます。その中で、50代が130名、60代が92名という形で、222名が409名の半分強を占めているわけであります。今後、定年延長によって少しずつ定年が延びていきますけれども、市立高校の教員の採用については、全体の希望する方の人数はまだまだそう多くはないと思うわけであります。そういう意味では、今後、50代、60代の方が退職していくに当たって新たな補充をする際には、同じようなことを行っていけば、またいずれ、近い将来、偏った年代構成になりますので、ぜひともその辺の配慮をしっかりしていただきたいというふうに考えております。
二つ目の要望としましては、先ほどの答弁もありました教員採用選考検査の志願倍率が低下する中、大学3年生をターゲットとした教員採用選考検査の前倒しは教員志願者の確保に一定の効果が期待でき、ぜひとも、一人でも多くの方に受検をしていただき、質の高い人材の確保につながることを求めておきます。
とりわけ、市立高校では、高い専門性を有する人材を継続して確保することが求められており、高等学校教諭免許しか持っていない志願者の中にも、高い専門性を有し、札幌の特色ある教育への理解度が高い方が多く存在すると思われるため、より適切な人材の確保に向け、札幌市独自の高校教諭の採用検査区分を早期に設けるべきことを強く求めておきます。
次は、2項目めの札幌市青少年科学館のリニューアルについてです。
質問の1点目は、科学館のリニューアルコンセプト及びメイン展示についてです。
私は、これまで、予算及び
決算特別委員会で青少年科学館の課題を取り上げてきました。
札幌市青少年科学館は、科学及び科学技術に関する知識の普及啓発を通じて、創造性豊かな青少年の育成を図ることを目的として設置され、博物館法に基づき登録された社会教育施設であり、就学前児童から小・中学生、若者、親子連れに至るまで幅広い世代に愛され、利用されている施設です。また、学校教育の実践の場としても活用されているほか、市外からの児童生徒の就学旅行の目的地の一つとなるなど、設置目的を十分に達成し、現在では、札幌市にとって欠くことのできない重要な教育施設となっています。
青少年科学館は、設置された1981年から既に40年以上が経過しており、途中、1996年度に増床工事を行うなどはしているものの、基本的に展示物は継続利用されているため、老朽化が著しく、市民アンケートの結果においても、新しい展示品が少ない、施設が古く感じるといった声が多く寄せられていました。
このような状況を受け、
教育委員会では、大規模リニューアルのため、昨年8月下旬から科学館を休館しています。現在製作している新しい展示物などについても、同科学館がこれまで蓄積したソフト・ハード両面のノウハウや実績を生かし、
子どもたちに様々な気づきや体験を与えるため、より魅力あるものに生まれ変わることを期待しています。
そこで、質問ですが、科学館展示物のリニューアルについて、どのようなコンセプトや方針に基づいて行っているのか、また、科学館展示物の中で、特にメインの展示はどのようなものを計画しているのか、まず、伺います。
◎木村 生涯学習部長 科学館展示物のリニューアルのコンセプト及びメインの展示についてお答えいたします。
科学館展示物のリニューアルに当たりましては、知っているつもりでいた身の回りの世界や当たり前に思っていた事象を科学的視点で捉え直し、これまでとは違った見方で発見したり、考えたりする力を育むことを狙いとしているところでございます。
展示物の数としては、休館前の実動展示数とほぼ同じ130点を確保し、その内容を刷新して、エリアも分かりやすく整理することにより、一層充実させたものとなっております。
次に、メインとなる展示についてですが、北方圏の科学館として、特徴あるエリアである雪、氷エリアに設置するスノードームシアター及び低温プレイグラウンドが挙げられます。
スノードームシアターは、直径5メートルの大型ドームの内部に投影される雪の結晶が自分の動きに合わせて変化する展示物で、低温プレイグラウンドは、マイナス30度の環境の中で、低温下ならではの現象を実験や実演を通して学ぶことができる展示物でございます。
いずれの展示物も、来館者の体験を通しまして、雪や氷などに関して楽しみながら理解を深めることができるものでございます。
◆ふじわら広昭 委員 質問の2点目は、展示物作成の際の科学的知見や専門機関との協力などについてです。
今の答弁では、科学館では、展示物を通して科学的な視点で身の回りを改めて捉えてもらうきっかけにするという役割を担っているとのことでありましたけれども、現在、展示物製作に当たっては、民間企業に設計も含めて委託をしていると説明を受けています。一方、科学館の役割を果たすにおいては、正確な情報提供や、科学的に正しい知見に基づいての展示物作成といった視点を欠かすことはできません。そのことを踏まえると、業者に委託するだけではなく、大学などの専門機関などとの協力も欠かせないのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、科学館展示物などの製作に当たって、科学的に正しい知見や正確な情報はどのような方法で反映させてきたのか、伺います。
また、専門機関などの協力は得られていたのか、併せて伺いたいと思います。
◎木村 生涯学習部長 展示物製作の際の科学的知見や専門機関の協力等についてお答えいたします。科学的に正しい知見や正確な情報を展示物に反映させることは大変重要なことと認識しております。
大学からは、主に北海道大学の研究者より、雪・氷エリアのほか、複数の展示エリアについて監修と展示素材の提供をいただいております。このほか、札幌管区気象台や北海道赤十字血液センターなど、様々な専門機関、企業等からも、それぞれの専門分野に関係の深いエリアについてご協力をいただいているところでございます。
さらに、青少年科学館の名誉館長である元宇宙飛行士の山崎直子さんからもご助言等をいただくなど、多くの方々のご協力を得ながらリニューアルを進めております。
◆ふじわら広昭 委員 質問の3点目は、プラネタリウムの年間パスポートの導入についてです。
以前のプラネタリウムは、耐用年数まで若干あるものの、故障が多く、来館した子どもや保護者、一般市民から、星を見ることができず残念だったとの声が、地域を回っていると、多数寄せられました。
私どもの会派は、教育長はもとより、市長にもこの実情を伝え、早急に機器全体の更新を求め、現在、一度に1億個の星が投影できる国内でも数少ない機種が7年前に設置され、リニューアルオープンした年は年間約40万人が訪れました。
リニューアル後の科学館運営に関して気になっているのは、大人気のプラネタリウムについてです。私は、プラネタリウムの年間パスポートの導入について、これまで、予算及び
決算特別委員会で継続的に導入を求めてきました。
2020年の予算特別委員会における私の質問に対し、当時の生涯学習部長からは、リニューアル時の集客効果を高めていくことを勘案し、リニューアルオープンに合わせて導入したいとの答弁がありました。
現在、工事の間、1年7か月近く休館している青少年科学館に対する市民の期待感は今までになく大きなものになっていると考えると、オープン時には多くの市民が科学館に訪れると思います。そうなると、受付などでの混雑が予想され、せっかく年間パスポートを購入しても、混雑に巻き込まれてしまい、パスポートが使えないということになってしまわないか、危惧するところであります。
そこで、質問ですが、年間パスポートについて、これまでどのような検討をしてきたのか、進捗状況を伺います。
また、プラネタリウムの年間パスポートの購入、利用に当たっては、何らかの対策が不可欠ではないかと思いますが、リニューアルオープン時における年間パスポートの購入、利用に係る混雑対策についてどのように検討しているのか、併せて伺います。
◎木村 生涯学習部長 プラネタリウムの年間パスポートの導入についてお答えいたします。
市民サービスの向上とより多くの方にご利用いただくことを目的として、来春の科学館再開時に合わせまして、プラネタリウム年間パスポートを導入することとし、限られた座席の中でどのように円滑な運用を行っていくかにつきまして検討を行ってきたところでございます。
その検討の中で、年間パスポートの販売と座席の予約を
オンラインに限定することを考えており、これにより、年間パスポート利用者が入館の待機列に並ぶことなく、直接プラネタリウムに入場できるようになることから、混雑対策として一定の効果があると見込んでおります。
展示物の大規模リニューアルに加えまして、人気の高いプラネタリウムにも年間パスポートを導入することから、これまで以上に、青少年科学館の魅力を向上させ、市民により愛される科学館となるよう努めてまいります。
◆ふじわら広昭 委員 引き続き、今後も青少年科学館の課題について予算及び
決算特別委員会で取り上げていきたいと思いますけれども、5点の要望を申し上げまして、質問を終わります。
1点目は、更新計画も順調に進んでいるとのことで少し安心をしましたが、今後も、科学館の展示物更新に関してソフト事業面での充実も検討すべきと申し上げておきます。
2点目は、生まれ変わった科学館に対する
子どもたちをはじめ市民の期待も大きいので、山崎直子名誉館長にもご協力をいただき、イベントを行うなど、この機会を最大限に生かすことを求めておきます。
3点目は、リニューアルオープン時においては大変混雑することが容易に想定できますので、不測の事態が起きることも想定の上、十分余裕をもって準備し、無事に再開館ができるよう検討すべきです。
4点目は、プラネタリウムの年間パスポートの導入については、リニューアルオープンに合わせて導入するとの判断に対して評価をしますけれども、販売価格については、ぜひ市民にとって利用しやすい価格になるよう検討を求めておきます。
最後の5点目は、混雑対応のため、プラネタリウムの年間パスポートを
オンラインに限って販売するという対策を行うことはある程度やむを得ないと思いますが、デジタルディバイドという言葉に代表されるように、スマホなどの操作が不得意な市民も一定数存在するため、プラネタリウムの年間パスポートの運用に際しては、市民の声にしっかりと耳を傾け丁寧に説明するなどのフォローを心がけるよう求めて、質問を終わります。
◆竹内孝代 委員 私からは、札幌市の国際理解教育について、学校における暑さ対策について、2項目質問をさせていただきます。
初めに、札幌市の国際理解教育についてお聞きしたいと思います。
札幌市は、第2次まちづくり戦略ビジョンで、多様性と包摂性のある世界都市を目指すというふうに掲げられております。
現在、札幌市の外国人の住民の方の数は、10年前から比べて1.9倍の1万7,368人となっております。また、令和7年には、千歳市にラピダスという大規模な半導体工場ができることから、今後ますます外国人の住民の方が増加されるといったことも予想されております。
さらに、今年4月には札幌市でG7環境大臣会合という大きな国際会議が行われるなど、まさしく札幌が世界都市として大きな役割を担うまちであるというふうに認識をしております。
こうした世界都市札幌に住む
子どもたちにとりまして、国際理解教育、とりわけ、実際に外国の方と直接触れ合う国際交流の機会を充実させることは大変重要であるというふうに思っております。
そこでまず、1点目の質問ですが、現在の札幌市の学校における国際交流について伺います。
◎長谷川
学校教育部長 現在の札幌市の学校における国際交流についてお答えいたします。
国際理解教育を推進するためには、一人一人の子どもが、自国の伝統と文化を大切にしながら、世界の人々と多様な生活や文化を理解し合うことができるよう、体験的な活動をはじめとした国際交流の経験を積むことが重要と認識しております。
教育委員会といたしましては、姉妹都市の学校との
オンライン交流や札幌在住の外国人留学生との国際交流の場を設けるとともに、全ての学校において、外国語指導助手、いわゆるALTと、
子どもたちが授業だけではなく、日常の様々な場面でコミュニケーションを図る取組の充実に努めております。
また、今年度は、国際バカロレアを取り入れている開成中等教育学校の生徒がG7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合の地元レセプションで各国の大臣を英語で出迎えるなど、日頃の成果を発揮したところでございます。
◆竹内孝代 委員 重要であるという認識、また、日常の学校生活の中で取り入れられていること、また、今、開成中等教育学校の生徒がG7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合の地元レセプションで各国の大臣を英語でお出迎えをした、ご活躍いただいた、そういう大役を務めたということでもありました。
ただいま答弁でお話が出ました国際バカロレアでございますけれども、8月に文教委員会の視察で広島県を訪れまして、大崎上島にあります叡知学園という国際バカロレアの認定を受けている中高一貫校の取組について学ばせていただきました。
国際バカロレアは、多様な文化の理解、そして、尊重の精神を通じて、よりよい、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としたものであります。また、海外でも活躍ができる人材を教育していくというプログラムでもありまして、大学入学資格としても認められていることから、海外に進学できるという特色もございます。
平成27年度に開校しました本市の開成中等教育学校においても、平成29年3月に公立の中等教育学校では国内で初めて国際バカロレアの認定校となり、先進的な取組であるとして、多くの自治体が視察に訪れておられたというふうに聞いてもおります。
先ほどご紹介しました叡知学園も開成中等教育学校を視察され、参考にした上で、平成31年4月に開校したというふうに伺いました。
国際バカロレアの認定を受けるとともに、現在、全寮制で海外からの留学生を受け入れるなど、島にある学校ならではの特徴的な取組を行っている、また、今後卒業されていく生徒のご活躍も期待しているといったお話も聞き、大変示唆に富むお話を伺ってきたところであります。
本市の開成中等教育学校におきましては、開校から既に3期の卒業生を輩出されております。この国際バカロレアの取組を通しまして、海外進学を含めた様々な成果も出ているものと思われます。
一方で、開成中等教育学校が取り組んでこられましたこの国際バカロレアの精神にのっとった海外との交流等が、コロナ禍によって途絶えてしまったのではないかと心配もしております。
そこで、2点目の質問ですが、開成中等教育学校における国際バカロレアの成果及び国際交流の状況について伺います。
◎長谷川
学校教育部長 開成中等教育学校における国際バカロレアの成果及び国際交流の状況についてでございますが、国際バカロレアの特色である課題探究的な学習は、主体的に探究する柔軟な思考力と多様な価値観を認め合う考え方を身につけることができる内容となっておりまして、海外の大学に進学した生徒におきましても、大学生活の中で生かされているという話を聞いております。
国際交流の状況といたしましては、今年度、コロナ禍で中断されていた科学技術分野の青少年国際交流事業であるさくらサイエンスプログラムを4年ぶりに行い、ベトナムやタイなどの生徒と科学をテーマとした国際交流を再開しているところでございます。
また、海外への修学旅行やスーパーサイエンスハイスクールの取組など、学校として国際交流の機会を複数提供しているほか、今年度はこれまでに30名以上の生徒が自主的に海外への留学や研修に参加しており、積極的に海外と交流しようとする姿勢が育まれております。
◆竹内孝代 委員 柔軟な思考力、多様な価値観を学ぶことができるということ、また、海外に進学をして活躍している生徒のことですとか、今、様々な取組についても答弁をいただきました。国際バカロレアを導入した成果というものが出ているというふうに感じております。
また、コロナでほかの国の方々との交流が途絶えてしまっているのではないかというふうに危惧しておりましたけれども、今、再開した取組もあるというふうに伺いまして、安心をしております。
今後もぜひ、開成中等教育学校の国際バカロレアの取組を充実をしていただきたいというふうに思っております。
また、開成中等教育学校で行われているような、今、お話がありました、本当にすばらしい教育だと思いますが、他の国の人々と触れ合う取組というものは、国際的な視野をはじめ様々な価値観を学ぶことができる、こうしたことに加えまして、英語など学んだことを生かすことができる場でもあります。生徒の今後の人生にも本当にいい影響を与えていくことが期待をされると思っております。
そこで、3点目の質問ですが、開成中等教育学校のような学びを市立高校全体に広げ、国際理解教育の取組をぜひ進めていただきたいと考えますがいかがか、伺います。
◎長谷川
学校教育部長 札幌市立高校全体の国際理解教育の取組についてというご質問でございますが、市立高校全体の取組といたしましては、今年度、姉妹都市であるポートランドのグラント高校との交流が4年ぶりに再開し、7月には、来札したグラント高校の生徒と大通高校等の生徒が交流を深めたところでございます。
また、昨年度、数理データサイエンス科を新たに設置した旭丘高校が今年度からスーパーサイエンスハイスクールに指定され、開成中等教育学校と合同でタイとの交流事業に参加することを予定しております。
教育委員会といたしましては、こうした市立高校における海外との交流等を通しまして、世界の人々との多様な生活や文化を理解し尊重する資質や能力を伸ばし、国際的な視野を持って活躍できる生徒の育成に一層努めてまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 一層努めていくということであります。
このバカロレア校である開成中等教育学校での取組が、さらに市内の他の学校にも広がりを見せていることも分かりましたし、また、他の市立高校でも海外とのそうした交流も再開されつつあるということも伺ったり、新たに計画されているというお話も伺いました。
教育委員会といたしましても、海外との交流については重要と捉えていただいているものだというふうに認識しております。
ぜひ、今後も、生徒が国際的な視野で学び続ける、また、将来的には世界都市札幌を支える人材となるよう、海外との国際交流の取組の充実に努めていただきたいと申し上げまして、この質問を終わります。
次に、学校における暑さ対策についてお聞きいたします。
今年の夏は、札幌においても最高気温36度を超えるなど、これまで経験したことのないような記録的な暑さとなりまして、この議会の中でも様々な議論もされてきているというふうに思っております。熱中症による救急搬送の急増、また、市民生活にも大きな影響があったところであります。
学校現場も苛酷な状況となりました。
我が会派にも、市民の皆様、また、学校現場からも様々なお声が寄せられ、学校の暑さ対策について、ハード・ソフト両面から質問をさせていただきたいと思っております。
まず、ハード面についてでありますけれども、秋元市長は、先月、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2023(案)の中で、子どもが夏季期間においても安全かつ快適に学ぶことができる環境を確保するための新たな取組として、学校施設冷房設備整備事業を掲げられました。この事業は、令和9年度までに市立幼稚園、学校の普通教室等へのルームエアコン整備をはじめとしたこれまでの学校の暑さ対策から大きく踏み込んだものになると承知をしております。
我が会派は、これまで、学校現場のお声を踏まえた効果的な暑さ対策の必要性について繰り返し質疑を行ってまいりました。
令和4年第2回定例市議会代表質問では、エアコン整備を先送りすることはもう限界に来ていることから、改めて幼稚園、学校の暑さ対策の認識について質問をさせていただきます。
教育長からは、既存施設における電気容量などの課題も考慮して、暑さ対策を強化していく旨の答弁をいただいたところでございました。
また、本年8月29日には、秋元市長に対しまして、会派が記録的な猛暑に対応するための緊急要望を行いました。その中で、特に学校については、エアコンの常設導入に向けた検討を早期に行うよう求めさせていただき、今回のアクションプランに掲げられた暑さ対策は、我が会派がこれまで要望してきたことが実を結ぶものであるというふうに評価をしているところでございます。
一方で、これまでの夏の暑さ対策としては、移動式エアコンの導入について、森山委員を中心に議会で何度も取り上げ、
教育委員会としても積極的、計画的に導入を進められてきたというふうに認識をしておりますが、保護者からは、自分の子どもが通う学校には移動式エアコンが導入されないけれども、いつ導入されるのかといった声も寄せられていたところであります。
そこで、質問ですが、
教育委員会は、移動式エアコンの導入状況についてどのように考えておられるのか、また、これまで導入してきた移動式エアコンをどう評価をされているのか、改めて伺います。
◎池田 学校施設担当部長 移動式エアコンの導入状況及びその評価についてでございます。
移動式エアコンにつきましては、工事がなく容易に設置できますことから、令和2年度から、各学校の要望を受けながら、
教育委員会が購入費用の一部を負担した上で導入を進めてきたところでございます。
各学校におきましては、移動式エアコンを含めまして、扇風機や遮熱カーテンなどを組み合わせながら、それぞれ効果的な暑さ対策を行っておりまして、それらのうち、移動式エアコンにつきましては、普通教室の約3割で導入されてきたものでございます。
移動式エアコンの評価につきましては、例年の夏の暑さであれば、室温を一定程度低下させる能力がありまして、熱中症予防にも一定の効果があるものと考えております。
◆竹内孝代 委員 工事もなく、本当に容易に配置ができるということで、令和2年度から学校の要望を受けて配置をしてきた、
教育委員会もその費用も出しながら学校と協力し合って進めてきたということでありますし、これまでの暑さであれば十分効果もあったというふうに答弁がありました。
また、来年度からは、ぜひとも、この常設エアコンの予定もありますが、それまでの間、
教育委員会にはこの普通教室等でエアコンが整備されるまでの間の大事な緊急的な対応として、引き続きこの移動式エアコンの導入が考えられていると思いますので、ぜひとも計画的に進めていただきたいと思っております。
現在、3割の学校で配置ということですので、あと7割、早急にお願いを申し上げます。
次に、普通教室等に令和9年度までに整備をしていく常設のエアコンについてお聞きいたします。
この事業は、今年の猛暑を経験して、市民も大変大きな期待と関心を持っている事業でもあります。一般家庭にも普及するルームエアコンの設置ということでもありますので、比較的短期間での整備が可能なのではと考える保護者も多く、実際、私のところにもそのような声が寄せられました。
しかし、全ての市立幼稚園、学校の普通教室等約6,000室へのエアコン整備となると、電気容量の改修も必要であり、また、全体としても非常に規模が大きく、難しい工事になるのではないかと考えております。
また、エアコン整備は教室内での工事が主となりますので、学校運営に支障がないように、夏休み、冬休みといった長期休業期間中の工事が本来は基本となると思いますけれども、施工業者側の体制確保も課題であります。
本事業は、その担い手となる施工業者の協力なくして実現は困難でありますけれども、道内の建設業界における技術者不足は深刻であります。結果として、長期休業期間以外にも工事を行う必要が生じるということになれば、学校運営を含めて様々な課題が出てくるのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、
教育委員会は、様々な課題が想定される中で、各学校へのエアコン整備をどのように進めていこうと考えておられるのか伺います。
◎池田 学校施設担当部長 様々な課題が想定される中でのエアコンの整備の進め方ということでございました。
エアコン整備につきましては、対象となる教室数が多く、また、各学校の設備や構造によりましても難易度が大きく変わってくるなど、容易な事業とはならないものと考えております。
また、委員がご指摘のとおり、施工業者の確保には特に重要な課題があると考えておりますことから、入札不調のリスクを軽減するためにも、学校休業期間に限定することなく、年間を通して工事を行う必要があると認識しております。
一方で、そうした場合には、一時的に教室の移動が必要となりますほか、給食室での調理が困難になりますなど、教育活動にも大きな影響が生じてくることも想定されます。
教育委員会といたしましては、様々な課題はありますけれども、エアコン整備は迅速に取り組むべき事業と考えておりますことから、学校と連携協力を密に図りますとともに、保護者の皆様の理解を得ながら、着実に進めてまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 容易な事業ではないけれども、迅速に、また、理解を得ながらしっかり取り組んでいきたいということであります。
この工事に伴って、学校にも大きな負担が生じることになります。
教育委員会には、ぜひとも学校関係者、そして、保護者からの理解、協力を得られますよう、丁寧に取り組んでいただきたいというふうにまとめさせていただきます。
また、本事業の実施に当たりましては、先ほど申し上げましたように施工業者の確保が最も重要だと考えられております。
従来の手法に限定しないで、設計と工事の一体発注などにより入札不調の
リスク低減を図るなど、着実に事業推進に取り組んでいただくことを併せて求めさせていただきます。
次に、ソフト面についてお聞きいたします。
この夏は小学校の2学期が始まった8月21日の週も例年にない猛暑が続き、学校によっては一部下校を繰り上げたり、休校したりしたところもあります。
こうした対応は、子どもの熱中症を予防する観点から、各学校において判断したものと聞いておりますが、エアコンがない家庭への帰宅、また、暑い時間帯での下校となるなど、単に下校を繰り上げたとしても、必ずしも子どもの安全を確保できる対応にはならないのではないかとも考えております。
そうしたことを踏まえますと、猛暑の際に子どもが安全に過ごすためには、学校の中での対策はもとより、下校後の安全も考慮した上で、様々な対応を進めることが重要だと考えます。
そこで、質問ですが、猛暑における子どもの安全確保について、具体的にどのような対応をされたのか伺います。
◎長谷川
学校教育部長 猛暑における子どもの安全確保に関する具体的な対応についてお答えいたします。
教育委員会といたしましては、熱中症警戒アラートの発表が予想されるたびに、全園・学校が迅速かつ適切に対応できるよう、対策の留意点を共有いたしまして、熱中症事故の未然防止に努めたところでございます。
具体的には、警戒アラート発表時の体育や部活動等の原則中止、
オンラインを活用した始業式等の工夫に加えまして、通気性のよい服装や、適切な水分補給、冷却用具の使用等について一層柔軟に対応するなどいたしまして、子どもの安全を確保したところであります。
また、教職員による通学路の見守りはもとより、各学校を通じて、スクールガードに下校時の見守りを依頼したり、放課後に児童会館を利用する場合も学校と同様の対応がなされるよう、子ども未来局とも連携を図ったりするなど対策を進めてまいりました。
◆竹内孝代 委員 各学校の判断で対応を進めてこられたと、様々な対応であったということも分かります。また、他部局と連携しながら進めてきたというお話でありました。
一方で、全市320校近くある学校において、今回の猛暑で繰り上げ下校したのは延べ120校、休校措置を取ったのは延べ5校であったと承知をしております。
また、水分の補給、冷却用具の持ち込み、使用等については、学校によって対応に差があったという話を聞いております。
学校や地域によって状況が異なりますので、各学校での判断となっている現状は理解をしておりますものの、子どもの命を守るためには、
教育委員会として一定の根拠に基づき、全市一斉に指示を出すことも必要なのではないかと考えているところであります。
先ほど述べました、8月に我が会派が市長に緊急要望した項目の中には、各学校が適切な判断をしやすいよう、
教育委員会としてガイドラインを示す必要性も提言させていただいたところでございます。
今後も、気候変動による気温の上昇、猛暑の到来は想定されますので、今夏の教訓を踏まえて、来年の夏に向けて、ぜひとも暑さ対策に向けた準備を確実に進めていただきたいと考えております。
そこで、質問ですが、来年の暑さ対策についてどのように進めようとしているのか、伺います。
◎長谷川
学校教育部長 来年の暑さ対策についてでございますが、熱中症事故を防止するためには、学校が、子どもが自ら体調管理等を行うことができるよう発達の段階に応じて計画的に指導するとともに、子どもや地域の実態を踏まえ主体的に対策を講じていくことが重要であると認識しております。
来年度に向けましては、学校が
教育委員会からの通知内容や自校での今年度の経験を生かし、学校安全計画や、いわゆる危機管理マニュアルの見直しを図るなど、暑さ対策に万全を期すことができるよう、
教育委員会からも働きかけてまいります。
また、特に中学校より短い設定となっております小学校の夏休み期間につきましては、様々な教育課題を勘案しながら、小学校の管理職と現在相談を進めているところでございます。
教育委員会といたしましては、エアコン設置等の施設の改善に加え、学校運営や教育的配慮に関する暑さ対策を確実に進め、子どもが安全に安心して学ぶことができるよう努めてまいる所存でございます。
◆竹内孝代 委員 今夏の猛暑を教訓として、学校での安全計画、危機管理マニュアル等の見直しを図って、しっかり来年に向けて準備していくということであります。
近年の夏の暑さというのは、これまでとは違ってきておりまして、道内においても学校における暑さ対策というのは急務であります。北海道、また道内の各自治体においても、その対応について議論がされているというふうに聞いております。このたび、本市がいち早く決定いたしました常設のエアコン導入、また、今ご答弁いただいたような各学校における危機管理マニュアル等の見直し、こうしたことについては、会派として高く評価をさせていただきます。また、道内の各自治体にも波及していく取組であるというふうに思っております。
今後も、道都札幌の牽引力を期待している声も伺っておりますので、引き続きのご対応をよろしくお願いいたします。
このたびの常設エアコン整備は、
子どもたちや教職員の皆さんにとって待ちに待ったものでありますが、設置にはややしばらく時間がかかります。そのため、移動式エアコンを配置することはもちろんでありますけれども、このたび取り上げましたソフト面における熱中症対策についてもしっかりと取り組んでいただくよう求めまして、全ての質問を終わります。
◆佐藤綾 委員 私からは、学校規模適正化による学校統廃合に関わり、住民説明会と学校配置検討委員会について質問をいたします。
本市は、2004年に中央区で小学校4校を1校に統合したことをはじめとして、学校規模適正化という統廃合を進めてきました。2007年には、札幌市立小・中学校の適正規模及び適正配置方針を策定し、小規模校を対象に隣接する学校を選定し、第1次プランでは厚別区、白石区、南区で10校、第2次プランでは南区、厚別区で9校を対象として進め、11校、なくなりました。
ところが、
子どもたちは、自分が通っている学校が廃校になるとは知らず、ある日新聞報道で知りショックを受ける、地元の住民の方も同様に知らなかったということに学校をなくさないでほしいという陳情が市民から提出されるということが繰り返されてきました。
我が党は、住民に説明がないままに進められた経緯を指摘し、住民合意がない下で強行すべきではないこと、丁寧な説明を行い、住民の理解、合意が得られなければ撤回し、検討し直すことを繰り返し質問し、求めてまいりました。
しかし、本市は、2018年に見直した札幌市立小中学校の学校規模の適正化に関する基本方針で、さらに統廃合を加速化していくために、小学校12学級未満、中学校6学級未満となる市内の学校全てを対象校にして、プランの選定によらず、校区の隣接を求める条件を排除して、統廃合対象を拡大すると変更しました。
2021年10月には、各区において統廃合を予定する学校を定め、地域連合町内会やPTA役員などに説明を行い、現在、東区で4校、豊平区で5校、南区で5校を対象として、昨年11月から2月にかけ、対象地域で住民向けの説明会としてオープンハウスを実施いたしました。
まず、この3区で開催されたオープンハウスによる住民説明会についてお聞きいたします。
東区、豊平区、南区で各2か所、計6か所で、地域の会館などを利用し、おおむね1か所につき日曜の10時から4時までと、金曜または月曜の夕方4時から8時までの2日間、あるいは土曜、日曜の10時から4時の2日間という日程でオープンハウスを開催しました。それぞれの会場の参加者は30人から72人、6会場の合計は297人でした。
パネルが10枚ほどあって、内容は主に少子化により学校の小規模化が進んでいること、小規模な学校のメリットと課題がそれぞれ書かれており、これまで統廃合した学校の紹介などもされております。参加者は、パネルを見て回り、常駐する
教育委員会の職員が個別の質問に答えるという形式でした。
そこで、お聞きいたしますが、オープンハウスに参加した方へアンケートを行っております。アンケートには、簡単な設問のほかに自由記載欄がありました。そこには、どのような意見、感想が寄せられたのか、具体的な内容をお聞きいたします。
◎池田 学校施設担当部長 住民説明会に寄せられました具体的な意見の内容についてということでございました。
これまで、六つの地区で住民説明会を開催いたしまして、様々なご意見をいただいたところでございます。その中では、低学年の子が重たい荷物を持って遠くまで通学するのは負担が大きいですとか、小規模校にも利点を感じるとのご意見の一方で、小規模校だと社会性を育む機会が限られるので統合には賛成、教職員の負担と児童の教育機会を適正にするため、学校の統合は必要等のご意見等をいただいたところでございます。
◆佐藤綾 委員 私も、この自由記載がニュースのほうにありましたので、見させていただきましたけれども、小規模のデメリットをどうカバーしていくのか考えたほうがよい、統合より存続を図ってほしい、小規模であることを生かすべきと、はっきりと統廃合には否定的な意見というふうな書き方が多かった一方で、統廃合には賛成という意見も同じくらい見られます。ただ、これは、クラス数が増えるほうがよいと思う、義務教育学校に魅力があるという積極的な意見もありますけれども、児童数が減っているので仕方がない、少子化の流れから仕方がないが、統廃合をするなら、冬場の安全や除雪の人員、予算を増やしてほしいですとか、ただいまご答弁にありましたように、通学距離のこと、そういう心配の声がありまして、一番多かったのは、賛成、反対ではなくて、学校、学区を見直すこととか、学校がなくなるのは寂しい、また、検討をきちんとしてほしい、そういう意見でした。
また、アンケートには、小規模校にどのようなイメージがありますかという設問で、複数を選択して回答するものがありました。
それぞれのアンケートの集計結果を見ますと、パネルの中で小規模校のメリットとして示されたイメージ、先生が一人一人の状況を把握しやすいがどこの会場でも最も多く、7割から9割、全体の平均では78%でした。
ほかに、異学年交流ができるは平均で55%、意見や感想を発表できる機会が多くなるは49%、運動場や体育館、特別教室が余裕を持って使えるは52%と、メリットのイメージが多く寄せられました。
一方、パネルで課題と書かれたデメリットと言えるイメージとしての設問で、人間関係が固定化しやすいが各会場の集計では3割台から6割台で、平均で45.5%、多様な意見に触れる機会が少なくなるは22%、社会性や協調性を伸ばす機会が限られるは18%、運動会や学習発表会など学校行事で種目や演目が限られるは21.5%と、小規模校のイメージはよい面、メリット面のほうが高い結果となっております。
そこで、質問いたしますけれども、アンケートの結果や自由記載の感想などからは、小規模校のメリットが大きい、小規模校のよさを生かしてほしいという声や、通学距離が遠くなると子どもへの負担増や安全での心配の意見のほうが多いと読み取れますが、受け止めをお聞きいたします。
◎池田 学校施設担当部長 説明会で寄せられました意見の受け止めについてということでございます。
アンケート等におきましては、様々な立場から、適正規模化についての賛成、反対といった意見にとどまらず、これからの地域や学校の在り方についての意見もいただいたところでございます。
オープンハウス型の住民説明会では、来場者のご意見やご質問に対しまして、職員が一対一で丁寧に説明をしておりまして、学校適正規模化の目的や各地区において
教育委員会がお示しいたしました取組の内容につきましては、おおむねご理解をいただけたものと認識しております。
◆佐藤綾 委員 今、丁寧に説明をして、ご来場いただいた方にご理解いただいたということでありましたけれども、そうしたご理解をいただいたからこそ、少子化だからしようがないという声が多くなったのではないかというふうに私は感じております。
保護者にとっては、
子どもたちの安全が一番であり、事故などの懸念がないにこしたことはありませんし、子どもにとっても長い距離の通学は大変苦痛です。また、小規模校と言われる11クラス以下の小学校に実際に通学している児童の保護者は、小規模ならではのよさを感じている方も多いのではないでしょうか。逆に、小規模で問題と感じている面はどういうところかなど、当事者の実感を伴う意見は大いに聞くべきではないかというふうにも思っております。
そこで、アンケートの意見の中には、説明会に関しての記述も見られました。
当事者となる各学校の保護者、住民には、詳細な経緯を知らせていただきたい、説明会がオープンハウスだけでは駄目だと思う、回数や方法もさらにご検討ください、統合ありきで進めずいろいろな意見を聞き、じっくり取り組んでいただきたい、ほかに方法はなかったのかと思う、小学校の統合は大きな問題なので、もっと広く周知し、ほかの方法で開催してほしいなどの意見が寄せられていました。
2校区から3校区にわたる広い地域で、会場が1か所では遠い、日程が合わないなどで参加できない、しにくい状況もあったのではないかと感じますし、対象とされた学校の先生や児童生徒、PTA役員以外の保護者にも直接意見を聞く機会がないままでした。
そこで、質問いたしますが、現在、各地域で検討委員会が開催されているところですが、検討委員は地域住民の一部の方たちです。委員会へ地域住民の意見を反映させるためにも、今からでも対象の学校の先生や児童生徒、保護者も含め、住民からの意見を丁寧に聞く取組の必要があるのではないかと考えますがいかがか、伺います。
◎池田 学校施設担当部長 住民から意見を伺う取組についてというご質問でございました。
現在、地域、保護者の代表の方や学校関係者による学校配置検討委員会で議論を重ねていただいており、その内容につきましては、委員にもご紹介いただきましたけれども、ニュースレターといたしまして、地域の皆様や保護者の方に配布いたしますとともに、ホームページでも公開しているものでございます。
そのニュースレターを公開する際には、市民の皆様からもメールなどで広くご意見をいただける仕組みを整えておりまして、寄せられたご意見につきましては検討委員会でもお知らせすることとして現在進めております。
◆佐藤綾 委員 ニュースレターを配布しておりまして、これについては、地域にお知らせするという意味で大変いいと思うのです。ただ、中身については、検討委員会でどういう議論をされたかという中身です。オープンハウスのパネルでの説明では、学校が廃校の案である町内会の場合、避難所が町内からなくなってしまう可能性や、まちづくりセンターや児童会館等が集約され、遠くなる地域住民が利用するには不便になること、また、子育て中や子どもを持つ予定の若い世代がどこに住むか、家を建てるかなどの決定には、学校からの距離は大きな問題であり、学校がなくなると若い世代がいなくなる、入ってこなくなるという地域コミュニティーへの影響もあり、地域にとっては大きな問題となると思いますが、こうした点の記載はありません。
これまでの学校統廃合では、住民に説明がないまま、小規模校検討委員会が行われ、検討委員会が開かれると、統廃合をどうやって行うか、進める検討しかしませんので、後から住民が知り、どんなに反対しても、検討委員会で取り入れられるということはありませんでした。これは、住民を置き去りに進めてきたと言わざるを得ないことです。
今回も、住民に知らされずに検討委員会の設置が決まっています。住民説明会であるオープンハウスも、検討委員会の設置が決まってから実施をしているのです。本来はまず、地域住民がどう考えているか、保護者や先生、児童がどう思っているかよく聞いて、その上で検討委員会を設置するかどうか、地域の町内会や学校PTAなどに諮るということが必要だったのではないのでしょうか。
今、検討委員会が開催されているところですけれども、まだ3回程度ですから、広く住民の声を酌み上げて検討委員の皆さんに提供することが検討自体にとっても有意義だと思います。ぜひ住民の声を広く聞いていただきたいと申し上げます。
次に、学校配置検討委員会の主に南区の取組について質問いたします。
オープンハウスで説明会を開催後、地域の町内会やPTA役員などが委員となり開催する学校配置検討委員会が始まりました。東区、豊平区では、小学校2校を1校に、または3校を2校にするという案で進めていますが、南区では2校を1校にという藤野地区のほか、藻岩・南沢地区では、小学校2校、中学校1校を統廃合し、中学校の校舎を使い義務教育学校とする案です。
そこで、質問いたします。
南区の藻岩・南沢地区の取組では、南の沢小学校、藻岩南小学校、南が丘中学校の統廃合案とした理由について伺います。
◎池田 学校施設担当部長 藻岩・南沢地区における対象校の考え方についてでございます。
学校規模の適正化を検討する際には、小学校であれば、隣接した校区の小学校だけではなく、進学する中学校も含めて取組案を検討しているところでございます。
藻岩南小学校の小規模化による南の沢小学校との統合を検討する中で、それぞれの通学区域がおおむね南が丘中学校の通学区域と同一となりますことから、南が丘中学校も含めた2小1中を対象とした取組案等を提示したところでございます。
◆佐藤綾 委員 南が丘中学校の区域は、小学校2校が中学校に進学することになるので、区域が一致するというのはそのとおりなのです。
教育委員会による2027年度までの推計では、南の沢小学校は13クラスを維持、南が丘中学校も9クラスを維持する予測となっており、小規模校ではありません。藻岩南小が6クラスですが、児童数は微増するという推計になっております。この3校を統合するとなると、6年生までで15クラス、義務教育学校になると、7年生以上は9クラスで、合わせると24クラスになります。児童数の変化によって、それ以上にならないとも限りません。義務教育学校とはいえ、小規模校を減らす代わりに規模の大きい学校を増やすことにならないでしょうか。
児童数が減って、小規模校が増えている、小規模校は問題だと定義し統廃合に取り組んでいますが、逆に大規模な学校となると、先生が児童生徒を把握しにくくなることや、一人一人の発表や活躍する機会が少なくなる、異学年交流が少なくなる、校舎やグラウンドの1人当たり面積が狭くなる、特別教室やプール、体育館など、割当てが少なく利用がしにくくなるなど、デメリット、課題となる面も多くなります。
また、南が丘中学校を校舎とする統合案には問題が山積しております。
南が丘中学校までは、山坂があり、勾配もきつく、小さい児童には大変負担である、通学距離が2キロ以上となりバス通学となる、グラウンドが狭いのではないかなどが懸念されております。
検討会での協議の経過が検討委員会ニュースで公表されておりますが、それを見ますと、まず、通学について、当初、既存の路線バスに乗り、一旦降りて、また違う場所に乗り換えるという案が出されました。
この際、子どもの負担になると大きな反対の声が出され、スクールバスの導入について
教育委員会で検討することとなりました。
そこで、質問いたしますが、同じ地域でも距離の関係でバスに乗れない子どもも出るなど、2キロ未満でも小学生にとって長距離となる徒歩通学は負担であることや、無理にバスを出すくらいならば歩いて通える距離にある小学校を残すべきとの意見も出されていますが、どう受け止めておられるのか、伺います。
◎池田 学校施設担当部長 藻岩・南沢地区の通学についてのご質問でございました。
検討委員会におきまして、学校適正規模化に向けて議論を進めている中で、やはり通学安全について委員の皆様から多くのご意見をいただいているところでございますけれども、これにつきましては、現在、検討委員会で検討中でございますので、今後さらに議論を深めていきたいというふうに考えております。
◆佐藤綾 委員 スクールバスの検討がこれからされるということなのですけれども、スクールバスだとしても、児童会館で放課後を過ごす場合、保護者が迎えに行くしかなくなり、車が使えないと困難であったり、運動会や参観、懇談会など、保護者が学校へ行くときに車は使えませんので、遠くなることは児童だけの問題でもありません。除雪面や道路の拡幅の要望、交通事故の懸念のほか、通学途中の地域に熊が出ることなどへの心配も出されています。
東区、豊平区でも、共通の問題は通学面です。特に、冬場の除雪が至らないことと、長距離での負担、交通事故、犯罪に巻き込まれる可能性が増えるおそれが出されております。こうした点は、危険であるなら統廃合をしないで、近くの学校を残す選択もあり得ることですし、
子どもたちのためにも重要なことだと、私も小学生の子どもを持つ身として思っております。
検討の内容を地域にお知らせしている学校配置検討委員会ニュースには、検討委員会の中で
教育委員会が検討委員の質問に答え、
教育委員会の案を検討の結果、小規模化により生じる課題を解決することが著しく難しいとなった場合、その旨を意見として出していただくとの記載がありました。
そこで、質問いたしますが、学校配置検討委員会における様々な検討の結果、統廃合を見送るという意見が提出された場合、
教育委員会としてその意見を尊重すべきと考えますがいかがか、伺います。
◎池田 学校施設担当部長 検討委員会における意見についてでございますが、各地区の検討委員会におきましては、委員の皆様には適正規模化の目的に基づいた議論をしていただいておりまして、
教育委員会といたしましても、引き続き、
子どもたちにとってよりよい教育環境を整えるためにしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えております。
◆佐藤綾 委員 私は、これまでも代表質問や委員会で、住民意見を尊重されるのかと何度もお聞きしてまいりました。
子どもたちの環境を第一義的に考えるというご答弁も何度もいただいてまいりましたが、第一義的に、大事な子どもの教育について何が大事かということをしっかりと議論し直す必要があると思っております。
住民自治を進めるというのは、住民のことは住民が決める、住民の声を聞いて生かすことにほかならないのではないかと思います。ですから、学校統廃合を前提としての進め方ではなく、住民に周知し、広く意見を聞き、住民と合意の上で検討し、決定することが必要だと、住民の声をしっかりと反映されることを尊重することを求めまして、私の質問を終わります。
◆坂元みちたか 委員 私からは、プールの解体費の分野から2点質問をいたします。
札幌市の児童生徒数は、1970年代から急増して、1985年ごろにピークを迎えており、それに対応するよう学校が建設され、現在、300を超える市立の学校がございます。学校の施設は、学習指導要領上、必要な授業を行うことを前提としており、校舎外にも施設を整備してきました。大きな校舎外施設としては、これまで、小学校であれば1校に対して1個のプール、中学校ならば1校に対して一つの武道場というように、個々の学校においてしっかりと施設整備を行ってきたわけです。
私は、これまで行われてきました学校整備は大きく評価をしたいと思っております。しかし一方で、我々は常に未来を見据えていかねばなりません。誠に残念なことではありますけれども、小・中学校の児童生徒数はピーク時の20万人から約13万人に減少いたしました。少子化も全く止まる気配がありません。札幌市の合計特殊出生率は、下落を続け、現在は約1です。これは、20ある政令市の中でワーストワンであります。1という数字が意味するのはどういうことかといいますと、既に少なくなってしまった若者層のさらに半分程度しか
子どもたちは生まれてこないということを示しています。
少子化に歯止めがかからない現在、これまでのように、一つ一つの学校に全ての施設整備を整えておく必要があるのだろうか、本日はそういう観点から質問をさせていただきます。
教育委員会の令和4年度決算において、学校解体費として約5,400万円が計上されており、その内訳は、学校プールに係る工事及び実施設計の費用となっています。
現在、市立小学校や義務教育学校の前期課程の198校で水泳授業が行われておりますが、プール施設についても、
子どもたちが安全に授業を行うことができるようにするためには、適切な老朽化対策が必要となります。
そこで、一つ目の質問です。
市立小学校のプールの建設や維持管理には、通常どの程度の費用がかかっているのか、伺います。
◎池田 学校施設担当部長 小学校のプールの建設及び維持管理のための費用についてというご質問でございました。
学校のプールにつきましては、消毒に塩素を用いることから校舎や屋内運動場に比べまして劣化が早く、10年から20年ごとの修繕を行った上で、耐用年数を40年程度と見込みまして、これまで整備を進めてきたところでございます。
プールの建設費につきましては、1校当たり約1億8,000万円、水道代や清掃費、修繕費等の40年間の維持管理費につきましては、約1億4,000万円、合計で3億2,000万円となりまして、これを1年当たりに換算いたしますと、約800万円の経費を要していることになります。
◆坂元みちたか 委員 今の答弁にあったとおり、市立小学校のプールは、建設にも維持管理にも多額の費用が必要となることが大変よく分かりました。また一方で、費用以外にも、水泳授業が実施される期間は、水温や塩素濃度の測定などの水質検査やプールサイドの床やコースロープの点検など、管理責任を全うするためには、行わなければならない日常的な作業の負担、プールがあることで発生する見えない負担、これがプールを管理する教職員にとって相当なものであると聞いております。
小学校のプール使用は、夏期のごく限られた期間のみであります。費用対効果の面や現場にいらっしゃる教職員の負担を考えたとき、必ずしも全部の小学校にプールが設置される必要はなく、市内にある公共プールや民間企業の運営しているプールを活用した水泳授業を積極的に行っていくべきではないだろうか、私はかねてからそう考えておりました。
この点を
教育委員会に伺ったところ、もう既に、現在、プールを使用できない学校については、市内の公共プールを利用した水泳授業に取り組んでいると聞きました。
そこで、二つ目の質問です。
公共プールなどを利用した水泳授業の実施状況及びその評価について伺います。
◎池田 学校施設担当部長 公共プール等を利用した水泳授業の実施状況及びその評価についてということでございます。
改築工事の影響や施設の老朽化などによりプールを使用できない小学校につきまして、令和5年度には12校が公共プールや民間プールを利用した水泳授業を行っております。
公共プール等の利用につきましては、受入れ可能な施設が限られていることや、移動手段として利用いたしますバスの確保が難しいことなどの課題もありますが、学校からは、教職員の負担が軽減された、専門スタッフによるきめの細かい授業を受けられたなどの声があり、保護者や
子どもたちからもおおむね好評の声をいただいているところでございます。
教育委員会といたしましては、公共プール等を利用した水泳授業につきましては、
子どもたちの声も大切にしながら、これまでの実施状況も踏まえ、引き続き安定して実施できるよう検討してまいりたいと考えております。
◆坂元みちたか 委員 今、答弁があったとおり、受け入れてもらえる公共プールの問題とか、いろいろな問題も内包されているということを承知いたしました。
特に、昨今、いろいろなところで、人の移動にバスを使うものに関しては、バスの運転手さんが大変不足しているということで、臨機応変な、人の移動をすることが大変ということもあるかと思います。
一方、公共プールなどを利用しました水泳の授業については、確実に現場の教職員の負担軽減につながることでもあり、コストの削減効果も大きいです。
我が会派は、現状を見直して、やめるものはやめ、効率を上げ、コストを削減し、新たな予算を生み出し、そしてまた、職員の皆様の仕事を楽にしていこうという立場であります。
教育委員会には、現在の取組を通し、課題を検証し、引き続き公共プールを利用した水泳授業の拡大に向けた検討を進めていただくよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。
◆山田洋聡 委員 私からは、コミュニティ・スクールについて伺います。
第3回定例会におきまして、地域学校協働活動ということで代表質問をさせていただきまして、ご答弁としましては、策定中の第2期札幌市教育振興基本計画の中で、主要な取組としてコミュニティ・スクールと地域学校協働活動の二つを主軸に挙げるということでご答弁をいただいた中で、コミュニティ・スクールについて伺うという流れでございます。
子どもたちを取り巻く環境や学校の課題としましては、複雑化、多様化するというこの現代におきまして、学校と地域が一体となって
子どもたちを育む、地域とともにある学校への転換を図ることが重要であります。
国におきましては、学校や地域の関係者などで構成される学校運営協議会を設置した学校、いわゆるコミュニティ・スクールを導入するというような働きかけをしており、令和4年第3回定例会におきまして、我が会派の藤田議員からコミュニティ・スクールの導入について質問をさせていただいたところ、教育長からは、札幌らしいコミュニティ・スクールを導入するという旨のご答弁がありました。
その後、令和4年12月から令和5年7月にかけて、大学教授などの学識経験者、PTA、連合町内会の会長や高校生など多様な方々によって構成された札幌らしいコミュニティ・スクールの在り方検討委員会が実施され、5回にわたり検討がなされたと伺っております。
在り方検討委員会には、様々な立場の方が参加していることから、多様な視点を持って検討を行うことができる非常に貴重な機会になったのではないかというふうに思います。
また、検討委員会のメンバーには高校生も入っており、大人が子どもの声を直接聞きながら検討を深めたということは、子どもにとっての魅力的なコミュニティ・スクールの導入を図るという点で、
教育委員会の皆様の取組の姿勢を感じたところであります。
そこで、質問ですが、在り方検討委員会におきましてどのように検討を進めてきたのかを伺います。
◎長谷川
学校教育部長 在り方検討委員会においてどのように検討を進めてきたかについてお答えいたします。
在り方検討委員会では、まず初めに、札幌市としてのコミュニティ・スクールの狙いを明確にするとともに、先進的な取組を行っている他都市への視察も行い、認識の共有を図りました。
その後、札幌らしいコミュニティ・スクールの在り方についての検討に当たりましては、コミュニティ・スクールの活動を進める上で特徴的な手法である熟慮と議論を重ね共通認識、課題解決を図る熟議を積極的に活用しながら話合いを進めていただきました。
最終的には、在り方検討委員会から、子どもを主語にとの視点を持ちながらコミュニティ・スクールを導入し、子どもを中心に据えて学校と地域をつなげていくことが重要となるというご意見をいただいたところでございます。
◆山田洋聡 委員 在り方検討委員会でいただいた子どもを中心に据えながらというご意見は、全ての人が子どもや子育て中の方々を応援するという社会全体の意識改革を進めるため、こども家庭庁が推進するこどもまんなか社会の実現と方向性が一致するものであり、実現のためにも、今後、具体性を示していただきたいというふうに思うところであります。
札幌市は、今回のご意見を踏まえ、学校運営協議会と設置した札幌らしいコミュニティ・スクールの導入を早急に進める必要があると考えます。
そこで、質問ですが、在り方検討委員会の検討を踏まえた札幌らしいコミュニティ・スクールとは具体的にどのような枠組みなのかを伺います。
◎長谷川
学校教育部長 札幌らしいコミュニティ・スクールの枠組みについてということでございますが、今回の在り方検討委員会のご意見を受けまして、未来を担う
子どもたちの成長を支えるためには、大人だけで議論をするのではなく、子どもの思いを受け止めながら、学校や家庭、地域が相互に連携協力することが重要であると改めて認識したところでございます。
このことを踏まえまして、現在、札幌市の学校で取組を進めております
子どもたちがよりよい学校づくりに向け主体的に活動するさっぽろっ子自治的な活動と学校運営協議会をつなげる仕組みを検討しているところであります。
また、地域ぐるみで義務教育9年間の子どもの育ちや学びを継続的に支えるため、札幌市が推進する小中一貫した教育と一体的に取り組むことといたしまして、中学校区を基本単位とした枠組みで学校運営協議会を導入したいと考えております。
◆山田洋聡 委員 さっぽろっ子自治的な活動は、子どもの主体性、社会性や協調性を育む上で非常に重要なものであり、市民の皆様の協力を得ながら進めていくということで、さらに効果的になることが期待できます。
また、中学校区を基本単位とすることは、学校、家庭、地域の多様で幅広い関係者が義務教育9年間を連続して途切れることなく子どもと歩むことが可能になると考えます。
一方で、札幌らしいコミュニティ・スクールは、多様で幅広い関係者の協力を得ていく必要があることから、全市一斉に導入するのはなかなか難しいものというふうに思います。したがって、今後、コミュニティ・スクールの導入を円滑に進めていくためには、その過程やスケジュールが重要になるのではないかというふうに考えます。
そこで、質問ですが、今後、札幌らしいコミュニティ・スクールをどのようなスケジュールで導入していくのかを伺います。
◎長谷川
学校教育部長 今後の導入スケジュールについてお答えいたします。
現在、全ての学校が札幌らしいコミュニティ・スクールについての理解と認識を深め、家庭や地域と円滑に連携を進められるよう、教職員向けの研修や動画配信等に取り組んでいるところでございます。
また、今年度中にはコミュニティ・スクール導入に必要となる
教育委員会規則を制定するとともに、地域や保護者の理解が深まるよう周知を行うなど、学校運営協議会を導入するための体制整備を進めてまいります。
令和6年度からは、今年度実施しているモデル校の取組状況も踏まえまして、順次、コミュニティ・スクールを導入するとともに、導入校の先進的な取組事例を他校でも生かしながら、札幌らしいコミュニティ・スクールを展開してまいる所存でございます。
◆山田洋聡 委員 全国的には6割を超える自治体でコミュニティ・スクールの導入が進んでおります。本市においても、早急に進めることが望ましいと改めて考えることをお伝えさせていただきたいと思います。
そして、短期間でコミュニティ・スクールの導入を進めるに当たりまして、学校運営協議会等にふさわしい人材を確保するということが非常に重要なことだというふうに考えます。
一つの中学校区に小学校が四つや五つ、または、町内会連合会が二つ、三つとまたがっている地域もあるわけで、学校運営協議会等をまとめるだけでも至難の技だというふうに考えます。
先ほどのご答弁で、研修を行っているということもございましたが、学校運営協議会は学校長のリーダーシップが大変重要だと、私もPTAなどの活動を通じてすごく痛感してるところでありますが、学校の管理職の皆様の理解も一層深まるような研修内容を工夫していただきまして、
子どもたちの学びと成長を支えるための地域との真の関係を築けるという枠組みにしていただきたいというふうに思います。
私の娘、長女が19歳なのですけれども、小学校低学年ぐらいから町内会活動になぜか参加するようになりまして、たくさんの大人と関わって、すごくいい成長を遂げてくれたなと親ながら思っているのですけれども、そのようなことを通じ経験してきまして、子ども、学校、地域活動というキーワードに対して、私も本格的に地域活動も10年弱ぐらいさせていただいている中で、コロナ禍と、働き方改革と、すごく関係性が希薄になってきていることをすごく懸念をしていまして、我が子の町内会活動みたいなことを経験したときに、このコミュニティ・スクールという取組というのは、これからの
子どもたちにとって本当に大事なものだというふうに考えておりますので、さっき、全市一丸となるのはなかなか難しいと言っておきながら何なのですけれども、ぜひ一丸となって取り組めるような、そのような取組としていただきたいということを述べさせていただきまして、私の質問を終わります。
◆前川隆史 委員 私からは、札幌市が誇る公立夜間中学、星友館中学校についてお伺いしたいと思います。
公立夜間中学は、義務教育の年齢を超えている方で、様々な事情により中学校を卒業できなかった方、不登校等により中学校で十分に学べなかった方などが、義務教育段階の学習内容を学ぶために設置をされる学校でございます。
直近の国勢調査によりますと、道内の義務教育未修了者の数は全国最多の5万8,000人にも上ることが明らかになっております。北海道で公立夜間中学を求める声が多かったこともうなずけるところでございます。
私も、こうした多くの声を受け止めて、市議会議員になる以前から、公立夜間中学の設置をいろいろな場面で主張してきましたが、長年にわたる多くの方の願いが形になりまして、昨年4月、道内初の公立夜間中学校、星友館中学校が開校いたしました。
私も開校式典に参加させていただきましたが、入学式に臨まれる希望にあふれる新入生の生徒の姿もそうでございますけれども、それまで、公立夜間中学校の開校に向けて長年取り組んでこられた皆さんのほほ笑ましい、また、喜びに満ちあふれたその笑顔に大変感銘いたしまして、今でも記憶に残ってるところでございます。
そして、あれから1年半が経過をいたしました。昨年度末に生徒に対して実施いたしました学校評価アンケートによりますと、星友館中学校の学校運営ですとか教育活動について、安心して学校生活を送ることができているという生徒の割合が95.3%、学校で学ぶことが楽しいという生徒の割合が88.4%と、肯定的な回答が多く、一定の理解と評価を得られている、このように思うところでございます。
しかしながら、生徒の人数や構成などによって学校に求められるニーズなども少しずつ変わるのではないかと推察するところでもございます。
今年の第1回定例会の予算特別委員会で伺った際には、89名の生徒が在籍しているということでございました。現在は、令和5年度の入学者も受け入れて、より多くの生徒が通われていると伺っているところでもございます。
そこでまず、確認も含めて伺いますが、現在の生徒の数、そして、構成状況についてどのような状況になっているのか、お伺いいたします。
◎長谷川
学校教育部長 星友館中学校の生徒の構成状況についてお答えいたします。
星友館中学校は、4月当初の入学だけではなく、10月1日までは、随時、入学が可能となっておりまして、令和5年10月時点の生徒数は108名で、昨年度末の89名からは19名増えているところでございます。
年代は10代から80代まで在籍しておりますが、在籍人数は、20代が最も多く、次いで70代、30代の順になっており、外国をルーツとする方も10名以上在籍しているなど、幅広い年齢構成となっております。
◆前川隆史 委員 昨年、89名から現在は108名で19名の増加ということでございました。また、20代から80代までですか、幅広い生徒がいらっしゃるということでございます。様々な、この学校に期待して学びたいという方の層があるのかなと、こんなふうに思うところでございます。
また、年齢構成ですとか、異なる国の出身の方もたくさんいらっしゃるというふうに承知しております。昨年度と変わらず、幅広い在籍、異なった年齢、また、様々な文化を持つ生徒が一つの学校の中で学ぶことで、刺激となりながら、支え合いながらの教育現場になっているのではないかと思います。
一方で、生徒数が増えたことなどによりまして、当初想定していた状況とは異なってくる部分もあるのではないか、このように思うところでございます。星友館中学校は様々な生徒が通うことから、ニーズに応じて常に変化をし続ける必要があると考えます。
そこで、2点目の質問でございますが、在籍生徒数が増えたことなどによりまして、どのように配慮の充実を図っているのか、お伺いいたします。
◎長谷川
学校教育部長 生徒への配慮の充実についてでございますけれども、星友館中学校の授業は、生徒の理解度や習熟度に応じて学習を進めておりますので、学級ごとではなく、生徒の希望も聞きながら、コースに分かれて実施しております。
コースの設定につきましては毎年見直すこととしており、今年度は、生徒の実態やニーズを踏まえまして、学習内容がやや高度なコースを新たに一つ増やし、6コースにするなどの見直しを行いました。
また、学びに困りのある生徒が安心して授業を受けることができるよう、教員以外の学習サポーターの登録人数を16名から24名に増やすなど、きめ細かな配慮の充実に努めているところでございます。
◆前川隆史 委員 理解度や生徒のニーズを踏まえながら、今年度はやや高度なコースも新設されて、そして、サポーターの数も増やした、このようなお話でございました。
公立夜間中学校につきましては、今年度、4月現在で17都道府県に44校とまだ少なくて、道内については札幌市以外は一校もない状況でございます。全国の夜間中学は分校型や夜間学級のものもございまして、星友館中学校のように単独校として設置している自治体はまだ少ない状況でございます。
先ほど答弁していただきました一人一人のニーズに応じてコースを設定する授業などのノウハウは、全国的にも貴重な、星友館中学独自の情報だとも思います。こうした星友館中学校の先進的な取組は、これから夜間中学校を開校していく自治体にももっと情報として広めていくべきとも考えるところでございます。
そこで、3点目の質問でございますが、星友館中学校の事例についての情報発信や情報共有をどのように進めていくおつもりか、お伺いいたします。
◎長谷川
学校教育部長 星友館中学校についての情報発信や情報共有についてというご質問でございますが、星友館中学校は、北海道で唯一の公立夜間中学校であることから、協定を結んださっぽろ連携中枢都市圏の市町村及び苫小牧市の住民にも学びの場を提供し、情報共有を図っているところでございます。
また、令和5年度は、10月末までに30件の視察を受け入れる予定となっており、開設までの課題やスケジュール、学校運営で得られた知見を自治体や大学関係者へ提供しております。
さらに、星友館中学校の取組につきましては、文部科学省の作成した夜間中学の広報動画でも特集され、意欲的に学んでいる生徒のインタビューの様子などが全国に配信されているところであります。
今後も、星友館中学校の取組の情報発信に努めるとともに、他の自治体の取組についての情報も収集して教育内容に還元するなど、生徒の誰もが安心して学びの主役となれる学校を目指してまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 連携中枢都市圏の範囲に苫小牧市なども加えて、連携しながら取り組んで情報共有もされているということでございます。また、今年度も30件の視察が訪れているということで、教育に滞りが起きないか心配でございますけれども、それだけ全国から注目もされ、高い評価を得られているのではないかと、ぜひ自慢したくなるような答弁でございました。
私も、公立夜間中学校の道内の設置、特に札幌設置に当たりまして、議会議員になる前から、衆議院議員の秘書として仕えた代議士とともにずっと取り組んできましたけれども、国会で行われました公立夜間中学校設置を求めている会に伺いまして、その際に、いわゆる体験発表がされるのですが、そこに出られた高齢の女性の体験発表に大変感銘いたしました。弟を学校に行かせるために、自分は小さいときから親に捨てられて、犠牲になって、ずっとその弟を学校に行かせるために、自分は学校に行けなかったわけですけれども、その方が夜間中学校に出会って、今、本当に人生の喜びを感じている、そういった発表を聞いて、大変感銘したのを覚えております。
その方は、最初は、人生の中で外出するのも嫌だった、買物に行ってもお釣りの計算ができなかった、もう恥ずかしくて、情けなくて、人にも聞けなくて、生きていくのが本当につらかったけれども、今、私は、夜間中学校に通って算数を勉強しているのですということを堂々と語られておりまして、足し算、引き算ができるようになりました、このように語って、一人の方が、本当に人生を諦めていた方が光り輝いて、その方は、高校にも行って、社会にも役立つ人生を歩みたい、このように決意をしておりますと。そのようなお話を聞いたときに、この夜間中学校は絶対にこの北海道に、そして、札幌市に設立しなければいけないと固く決意したことを今でも覚えているところでございます。
どうか、今、先駆的な取組をどんどんされていますけれども、現状に甘んじることなく、さらに全国模範の、そして、道内、旭川市、釧路市、函館市でも公立夜間中学校の設立を今目指して取組が進んでおりますので、どうか応援していただくことも求めまして、私の質問を終わります。
◆田中啓介 委員 私からは、就学援助制度について質問をいたします。
就学援助制度は、小・中学生がいる経済的に困窮している世帯に対して、就学に要する費用を支援する制度でございます。
我が党は、これまで、就学援助制度を全ての子育て家庭へ周知することや、対象世帯の拡大とともに利用する家庭が必要なときに支給されるよう、支給時期を前倒しすることなどを求めてまいりました。
本市
教育委員会は、就学援助制度のお知らせを全ての保護者に配付するようになりました。また、入学準備金の支給時期を入学前に支給するようにもなり、2021年度からは、就学援助の認定期間を10月から翌年の9月に変え、申請時の添付書類を原則不要にし、1世帯で子どもが小学校と中学校別々に通っている場合に別々に申請書を提出していたものを、どちらか1校に提出するだけで済むようにするなど、改善が図られてきております。
本市の就学援助率は、ここ5年間、13%から14%と推移しております。
一つ目の質問は、就学援助の認定要件である所得限度額についてでございます。
就学援助の認定要件の一つである所得要件は、世帯全員の所得合計額を本市が決めた所得限度額以下としております。この所得限度額は、2人世帯は186万円、3人世帯は232万円、4人世帯は252万円と、世帯人数によって違いがございます。確かに、その家庭の家計支出は、世帯人数が多ければ、その分、支出も増えてきます。だから、所得基準額を人数が増えていくことに比例して高く設定しているものだと思います。
これと同時に、子どもの学齢によっても家計支出が増える傾向があると思っております。実際、2022年12月に発表されました文部科学省の子どもの学習費調査の結果によりますと、保護者が支出した1年間の子ども1人当たりの学習費のうち、学校教育費は、小学校が6万5,974円に対し、中学校は2倍以上の13万2,349円です。また、学校外活動費も、小学校が24万7,582円に対し、中学校は約1.5倍の36万8,780円かかっております。
そこで、伺います。
収入が同じ小・中学生のいる世帯であっても、子どもの学齢が高い世帯の経済的負担はより重く、経済的な援助が必要になると思いますが、どうお考えか、伺います。
◎長谷川
学校教育部長 世帯構成に応じた認定基準額の設定についてというご質問でございますけれども、就学援助における認定基準額の設定の在り方につきましては、必要に応じて検討を行ってまいりたいと考えております。
◆田中啓介 委員 ぜひ、世帯人数だけではなくて、子どもの学齢なども考慮した対象の認定にすること、これを検討する必要があるのではないかと申し上げておきます。
次に、就学援助の支給費目の拡大についてです。
支給費目の拡大については、これまで我が党は、生徒会費、PTA会費、クラブ活動費、卒業アルバム代なども支給費目に加えるべきと求めてまいりました。
2017年の就学援助審議会で、当時、就学援助において支給していないクラブ活動費、生徒会費、PTA会費について検討した結果の答申で、全国的に子どもの貧困対策を強化すべきとの認識が広がっていることを踏まえ、就学援助受給世帯の負担軽減のため、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費の追加に努めるべきとし、生徒会費は最優先に追加すべきと答申が出され、本市
教育委員会も、翌年度の2018年度から生徒会費を支給費目に追加しております。
クラブ活動費やPTA会費についても、部活動振興会費相当額を、またPTA会費相当分をそれぞれ支給額とすることが望ましいとしております。
この審議会の答申があった5年前と比べて、今は、コロナ禍や生活に必要なあらゆる物価が高騰している、就学援助受給世帯へ経済的影響がより大きくなってきています。
就学援助受給世帯の負担軽減のために、クラブ活動費、PTA会費、生徒会費の追加に努めるべきという就学援助審議会の答申に対して、このクラブ活動費、PTA会費を支給費目に追加することの必要性について、今、どう検討されているのか、伺います。
◎長谷川
学校教育部長 支給費目の追加についてでございますけれども、支給費目の追加につきましては、社会情勢等を踏まえながら引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。
◆田中啓介 委員 社会情勢を踏まえて、引き続き検討の必要性は感じていることだというふうに思うのですが、重ねて伺います。
このPTA会費、クラブ活動費、また、卒業アルバム代を支給費目に追加した場合、それぞれどれだけの費用が必要なのか伺います。
◎長谷川
学校教育部長 PTA会費等の支給費目の追加に必要な費用についてお答えいたします。
PTA会費につきましては、小・中学校を合わせて約1,840万円、卒業アルバム費が小・中学校を合わせまして約436万円、中学校のクラブ活動費が約421万円、合わせますと約2,700万円の見込みとなります。
◆田中啓介 委員 全部合わせて約2,700万円程度ですから、不用額に収まるぐらいの金額です。
本市
教育委員会は、これまでも就学援助の周知、また支給時期などの改善を図ってきておりますので、さらなる改善で子育て世帯の負担軽減を進めていくよう求めまして、私の質問を終わります。
○松原淳二 委員長 以上で、第1項
教育委員会費等の質疑を終了いたします。
以上をもちまして、議案第1号中関係分の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、10月27日金曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後3時43分...