札幌市議会 2023-10-12
令和 5年第一部決算特別委員会−10月12日-04号
令和 5年第一部
決算特別委員会−10月12日-04号令和 5年第一部
決算特別委員会
札幌市議会第一部
決算特別委員会記録(第4号)
令和5年(2023年)10月12日(木曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 34名
委 員 長 松 原 淳 二 副委員長 藤 田 稔 人
委 員 三 上 洋 右 委 員 鈴 木 健 雄
委 員 五十嵐 徳 美 委 員 長 内 直 也
委 員 細 川 正 人 委 員 よこやま 峰子
委 員 佐々木 みつこ 委 員 北 村 光一郎
委 員 小 竹 ともこ 委 員 中 川 賢 一
委 員 山 田 洋 聡 委 員 山 田 一 郎
委 員 ふじわら 広昭 委 員 しのだ 江里子
委 員 村 上 ゆうこ 委 員 かんの 太 一
委 員 あおい ひろみ 委 員 水 上 美 華
委 員 篠 原 すみれ 委 員 定 森 光
委 員 國 安 政 典 委 員 福 田 浩太郎
委 員 わたなべ 泰行 委 員 竹 内 孝 代
委 員 前 川 隆 史 委 員 小 形 香 織
委 員 池 田 由 美 委 員 田 中 啓 介
委 員 丸 岡 守 幸 委 員 坂元 みちたか
委 員 荒 井 勇 雄 委 員 米 倉 みな子
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開 議 午前10時
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○松原淳二 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、細川委員からは遅参する旨、森山委員からは前川委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中関係分の質疑を行います。
◆竹内孝代 委員 おはようございます。
私からは、
大学連携推進強化事業についてと
地域交流拠点の
まちづくりについて、2項目質問をさせていただきます。
初めに、
大学連携推進強化事業についてお聞きをいたします。
我が会派は、かねてより大学を起点とした
まちづくりに高い関心を寄せており、これまで、丸山委員を中心に、新札幌の再整備に向けては、
大学等教育機関の誘致の提案など、大学連携については質疑で何度も取り上げ、推進をしてきたところでございます。
そうした中、
新さっぽろ地区では、2021年4月、札幌学院大学の新
札幌キャンパスが開設をされ、若い人の往来が増えたことで、まちに新たな活気が生まれてきております。今年3月には、新札幌の商業施設内に有名なカフェがオープンするなど、こうした動きが連綿と生まれ、地区に人を引きつけるきっかけにもなっているというふうに聞いております。また、近隣の店舗には、アルバイトなどで働く学生も多いことから、まち全体の若返りが図られているというふうに感じております。
最近では、地域の町内会と学生との交流のきっかけとなる、そうした行事なども企画されるようになり、様々な波及効果が生まれております。例えば、先月9月に開催をされました札幌市
総合防災訓練に参加をさせていただきましたけれども、今回は大学との連携による新たな防災活動も展開されており、若者が
まちづくりに貢献をされている活躍をうれしく思っております。
こうした状況の中、札幌市では、大学等の
教育研究機関が集積しているという強みを生かして、大学の知見や学生の活力などを活用した
まちづくりを進めるべく、今年度から
大学連携強化推進事業を展開し始めたところと認識をしております。
そこでまず、1点目の質問ですが、当該事業について、今年度は大学や学生によってどのような取組が展開されようとしているのか、現在の状況を伺います。
◎加茂
政策企画部長 大学や学生が実施する取組の状況についてでございますが、大学を起点とする
まちづくりを促進するため、大学が
民間企業等と連携して行う
地域課題解決の取組でありますとか、学生団体が地域団体と連携して行う
まちづくり活動などに対する補助制度を創設したところでございます。
今年度、大学と
民間企業等との連携の事業では、まず、創成東地区で展開される
エリアマネジメント人材を育成する取組、それから、清田区では災害時でも食を楽しめる機会の提供を通じて地域の防災力を高める取組といった、大学の知見や資源を生かした取組が実施される予定でございます。
また、学生団体による
まちづくり活動の部分につきましては、マルシェや子ども食堂の運営で地域のにぎわいを創出する取組のほか、協力雇用主との
トークセッションを通じて元受刑者の社会復帰を支える在り方を考える取組など、学生らしい意欲にあふれた取組が実施される予定でございます。
なお、学生団体には地域で活動する十分なノウハウがない場合がございますので、豊富な
まちづくり経験を有する
アドバイザーからサポートを受けられる体制を整えているところでございます。
◆竹内孝代 委員 補助制度を創設されたということで、様々な取組がされていくということと、ノウハウがないということもあって、
アドバイザーのことも今ご答弁がありました。本当に、行政単独では手の届かないようなこうした
まちづくりの領域に、大学の知見や
学生ならではの視点、こうした生かされた取組が組み込まれていると思います。札幌の
まちづくりがさらに厚みを増していくのではないかというふうに期待をしております。ぜひとも、伴走型により、これらの活動をしっかりとご支援していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
この事業は、
ふるさと納税によります寄附を原資とした事業であるというふうに認識をしております。つまり、端的に言いますと、寄附が入ってこなければ、事業展開が厳しくなるものでもあります。次年度も、大学や学生による主体的な取組のさらなる広がりが期待される中、この事業の規模に見合う寄附が集まっていくのかどうか、心配をしております。
そこで、質問でありますけれども、当該事業に係る
ふるさと納税による現時点の寄附の状況とそれを踏まえた次年度の事業への展望について伺います。
◎加茂
政策企画部長 ふるさと納税による寄附の状況、それから、来年度、次年度への展望でございます。
積極的な寄附の呼びかけを行っておりまして、今年度は8月末時点で既に昨年を上回る約2,700万円の寄附をいただいておりまして、年末に向けて、さらに多くの寄附が寄せられるというふうに見込んでおるところでございます。
現時点では順調に財源を確保できつつある状況でございますけれども、補助制度について、今年度、補助金を活用して取組を実施する大学や学生からも意見を伺いまして、より一層、大学の高度な知見を活用しやすくなるよう、また、活動実態に照らして利用しやすくなるよう、次年度に向けて、さらによりよい補助制度になるように検討してまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 積極的な呼びかけをしていただいて、昨年を上回るような状況であり、次年度に向けては順調に寄附が集まっているということであります。大学や学生に寄り添った事業展開が図られる状況というふうに確認をさせていただきました。
少子高齢化で全国的に若者が減っていく、そうした時代にありまして、大学を起点とした
まちづくりというのは、まちの活気を維持・拡大するために大変重要なことと考えております。引き続き、寄附の獲得にも力を入れていただきたいと思っております。また、今、答弁では、さらに利用しやすい、よい制度としていきたいということでありますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
そのためにも、この事業に対しては、より多くの方に関心を持っていただいて、参画者を増やし、取組のボリュームを増やして、まち全体を盛り上げていく、そうしたことが必要かと思います。今年度展開されます
プロジェクトの好事例などを広く効果的にPRしていく、そうしたことが必要かと思います。
そこで、質問ですが、当該事業を通じて、今年度に実施される大学や学生による取組成果を今後どのように情報発信していく考えなのか、伺います。
◎加茂
政策企画部長 この取組成果の情報発信についてでございますが、この事業に関心を持つ人を増やしまして、寄附を継続的に持続的に呼び込むためには、委員がご指摘のとおり、取組成果を積極的にPRして、賛同、そして、共感を集めるということが重要であるというふうに認識をしております。この取組成果を
ホームページ等で公表する予定でございますが、その際には、取組を実施した大学や学生の声を盛り込むなど、多くの方々の目に留まるような魅力的な内容としていきたいと思っておりますし、また、この
ホームページへのアクセスを誘導する工夫など、効果的に情報を発信してまいりたいと考えております。
加えて、学生団体による
まちづくり活動については、事業に参画した学生によるSNSを活用したPRであったり、また、一般の市民の方も参加できる成果報告会、これを来年の3月に実施する予定でございます。学生の生の声をお届けするなど、より多くの方々に情報が届く手法を検討してまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 取組の成果を発信して、より多くの方の賛同を得ていく、そういったことが重要であると。また、学生自身がSNSで発信してPRをしてくれるというのは、大変心強いことかと思います。
私たちは、若者から逆に学ばせていただくことが大変多いというふうに思っております。ぜひとも、学生のご意見、また、ご要望なども聞いていただいて、事業に反映していただくよう求めまして、この質問を終わります。
次に、
地域交流拠点の
まちづくりについて質問をいたします。
札幌市では、第2次札幌市
都市計画マスタープランにおきまして、地域の豊かな生活を支える中心的な役割を担う拠点として、市内17か所を
地域交流拠点に位置づけております。これまで質疑で何度も取り上げてまいりましたが、
地域交流拠点清田については、令和3年2月に
地域交流拠点清田の
拠点機能向上に向けた官民連携による
まちづくりの基本的な考え方が策定されました。この基本的な考え方では、
清田区役所周辺の現状と課題として、きよた
マルシェときよフェスなどの地域のにぎわいを創出するイベントを開催しているが、恒常的なにぎわいの創出には至っていないというふうにされております。この点に関しましては、公共施設が集積する
清田区役所周辺では、特に休日、閉庁日のにぎわいの創出に課題があるというふうに認識をしております。
そのような状況を改善するために、
清田区役所周辺においては、多様な都市機能の集積や、にぎわい、交流が生まれる場の創出、
公共交通機能の向上を目指すことが示されたところであります。これを受けて、令和3年から令和4年にかけては、
地域交流拠点清田の機能向上に向けた調査検討が実施されました。
令和3年、1,500人の区民を対象とするアンケートを実施し、地域住民、地元企業の方々に参加をいただきましたワークショップ、これが開催され、機能向上に資するハード整備、また、ソフト的な取組など、広く意見を集めてまいりました。そして、令和4年、集めた意見を踏まえて、秋には、地元農産物やスイーツを販売するマルシェを9日間にわたり連続開催し、冬には、
雪あかりカフェと題して、スノーキャンドルの制作、展示やコンサートを実施するなど、
清田区役所の閉庁日も含めた恒常的なにぎわいの創出に向けた実証実験、これが取り組まれたところであります。
そして、これまで粘り強く区民の声を届けてまいりました結果、昨年の代表質問の答弁で示していただきました
清田区民センターの移転については、いよいよ今年度から
清田区民センター移転・整備事業として開始されるというふうに認識をしております。
この約3年間にわたる清田区の
地域交流拠点についての取組につきましては、まだまだ区民の期待に応えられていない部分もあります。本来でありますと、地下鉄の延伸、これを多くの方が望んでいるところでございますので、こうしたことにはまだまだ届いておりませんけれども、まずはできることから着実に取り組む姿勢、これについては一定の評価をしております。今回は、
決算特別委員会になりますので、特に昨年度の取組に関して質問をさせていただきます。
まず、質問ですけれども、令和4年度に実施をいたしました
地域交流拠点清田の機能向上に向けた調査検討の成果、これについてお答えいただきたいと思います。
◎山内
プロジェクト担当部長 地域交流拠点清田の機能向上に向けた令和4年度の事業成果、これについてお答えいたします。
昨年度の事業は、
清田区役所周辺の恒常的な交流、にぎわいの創出に向けて、ソフト・ハード、それから、
マネジメント、それぞれの観点から、拠点形成に必要な機能を検証するために行ったものでございます。
秋のマルシェでは、1日当たり150人から360人の来場があり、平日及び休日の来場者数には大きな差は見られず、恒常的な人の往来が確認できたところでございます。冬の
雪あかりカフェでは、来場者は200人を超え、常時、40人から70人の方がイベントを楽しむなど、冬期間の休日でも常に人が滞在する状況が確認できました。また、それぞれの会場において
来場者アンケートを実施したところ、
イベント自体の満足度は高かった一方で、天候に左右されず、快適に休憩できる空間を求める声などが寄せられたところでございます。
これらの実証実験で得られた恒常的なにぎわいを創出するための知見について、地域と
清田区役所が連携して行う取組ですとか、
清田区民センター移転整備の検討などに生かしてまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 恒常的なにぎわいに向けて、ハード面、ソフト面、両面で考えていただいたということでありますが、令和4年度の今お話がありました成果については、今後の区役所への
区民センターの移転整備の検討に生かしていくということであります。天候に左右されない空間が必要というご答弁もありましたので、ぜひとも、魅力的な空間となるように進めていただきたいというふうに思います。
続いて、この
地域交流拠点清田の取組について、今後の全市的な取組に生かせないかというような観点から質問をさせていただきたいと思います。
昨年10月に策定をされました第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョンでは、
地域交流拠点の目指す姿を、快適な交流、また、滞留空間や歩きたくなる空間が形成され、様々な活動が行われているとしております。市内各地の
地域交流拠点には、
清田区役所に隣接する
市民交流広場のような公共的な広場や、民間開発などにより整備された公開空地などがあるものの、あまり利用されておらず、ビジョンで定める目指す姿からは乖離しているように感じております。
先ほど答弁もいただきましたけれども、実証実験で、広場を活用した
オープンカフェ、マルシェ、また、
雪あかりイベント、こうした実施によって恒常的な人の往来がつくり出せるといったこと、また、天候に左右されない快適な休憩のスペースが求められているといったことにつきましては、本当に、清田区のみならず、全市への展開もぜひ考えていただきたいなという観点かと思います。今後の公共広場、また、公開空地等の積極的な利活用のヒントになるのではないかなというふうに考えております。
そこで、質問ですが、この約2年にわたる調査検討の成果や
地域交流拠点清田の取組を、今後、全市的に生かしていくべきかなというふうに思っておりますけれども、どのようにお考えか、伺います。
◎山内
プロジェクト担当部長 地域交流拠点清田の取組の全市への波及についてお答えいたします。
今回の実証実験を通して、
地域交流拠点において市民が交流、滞留するための空間の形成には、行政の取組だけではなく、地域や企業との協働の必要性を改めて認識したところでございます。そのためにも、清田区での実証実験で得た知見を踏まえて、行政と地域、企業が、ハード面のみならず、ソフト面での
まちづくりの方向性を共有するための指針として、仮称ではございますが、歩きたくなる
まちづくりガイドラインを策定し、それぞれの役割を果たしていくことが重要と考えております。
この
ガイドラインに基づき、各
地域交流拠点において、居心地がよく歩きたくなる、あるいは、滞留したくなる
空間づくりに官民が連携して取り組んでまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 (仮称)歩きたくなる
まちづくりガイドラインを策定されるということでありますけれども、このたび取り上げました
地域交流拠点清田の機能向上に向けた調査検討というのは、様々な観点からの検証を踏まえて進めてこられたというふうに思っております。ぜひとも、清田区の
まちづくりはもとより、全市的な、本当にいろいろなところに生かしていただけるようになると、本当にありがたいなというふうに思っております。ぜひとも、この事業の企画にこれまで積極的に参画をしていただいた地域の団体、企業、市民の方々の声を大切にしていただいたこうした企画でございますので、今後、全市的な展開をまた検討される場合は、ぜひとも、地元の皆様のご意見をよくお聞きになっていただいて、進めていただきたいというふうに求めておきます。
また、ぜひとも、今後、清田の
地域交流拠点の
まちづくりについては、引き続き進めてまいる事業かというふうに思っております。その中では、ぜひとも、地元の声を大事にしていただきたいということと併せまして、例えば、この事業に毎回中心的な存在の一つとなって参画をしてくださっているのが、私の母校でもあるんですが、国際大学がございます。こちらの教授、学生の皆さんが毎回様々なイベントに積極的に参加をされ、本当に様々なお手伝いをいただいております。このたびも、お会いをさせていただいたときにたくさんのご意見をいただきました。特に、教授と学生でこれまで行ってきた清田区のイベントの
アンケート調査を実施してきておりまして、ゼミでこの結果を検証していきたいと、そして、このアンケート結果を検証したことをぜひとも今後の清田区の
まちづくりに役立てていただきたいといった声をいただきました。
札幌市と国際大学は、連携の協定も締結されております。市長と大学長との意見交換の場に同席させていただいたときにも感じたのですが、学生が、地域のために、社会のためにと活動する高い志、また、その強い思いをぜひとも大切に受け止めていただいて、その貴重な声を
まちづくりに反映していただきたいと最後に申し上げまして、質問を終わります。
◆丸岡守幸 委員 さきの代表質問では、個人による
ふるさと納税について質問させていただきましたが、今日は、企業版の
ふるさと納税について質問させていただきます。
この
企業版ふるさと納税は、国が認定した
地方公共団体の
地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合に、法人住民税や法人事業税、法人税から税額控除される仕組みとなっていると伺っております。損金算入による軽減効果と併せて、税額控除により最大で寄附額の約9割が軽減されますので、例えば、企業が1,000万円寄附したとしますと、最大で約900万円の法人関係税が軽減されるという、企業にとっては大変魅力のある制度だと伺っております。ただし、
個人版ふるさと納税とは違いまして、返礼品はご法度になっております。
そこで、質問でございますが、札幌市における
企業版ふるさと納税では、寄附の対象事業をどのように設定しているのか、伺います。
◎加茂
政策企画部長 企業版ふるさと納税に関する
寄附対象事業の設定の考え方についてでございますが、札幌市では、
人口減少緩和策をまとめたさっぽ
ろ未来創生プランに掲げております、質の高い雇用創出と魅力的な
都市づくり、それから、結婚・出産・子育てを支える環境づくり、この大きく二つの分野について、
企業版ふるさと納税の対象事業として、国の認定を受けているところでございます。
寄附の募集に当たりましては、寄附者となる企業が具体的なイメージを持つことができるよう、詳細な
寄附募集事業を提示しておりまして、障がいのある方への支援でありますとか、大学の活動を応援する
プロジェクト、PMFなどのイベントへの支援のほか、保育士など、人材不足の職種をはじめとした中小企業等へ就職した新卒者に対する
奨学金返還支援、こういったものを掲げておるところでございます。
◆丸岡守幸 委員 寄附の対象事業は、障がいのある方の支援をはじめ、
大学応援プロジェクト、PMFの支援など、幅広く設定しているとのことでございます。
そこで、2点目の質問ですが、札幌市としての寄附の実績はどのようになっているのか、また、ほかの自治体、特に
政令指定都市における
企業版ふるさと納税の状況はどうなっているのか、併せて伺います。
◎加茂
政策企画部長 札幌市でありますとか、それから、ほかの自治体の寄附の実績についてでございますが、
企業版ふるさと納税の税額控除等が拡充をされました令和2年度から令和4年度までの3年間における札幌市の
寄附受入れ実績は、約2億1,000万円となっております。特に、
新型コロナウイルス感染症対策支援基金やNo Mapsの支援事業へ多くの寄附をいただいたところでございます。
一方、他の
政令指定都市では、例えば、福岡市では
世界水泳選手権開催でありますとか、広島市では新
サッカースタジアム建設など、世間の関心を引く大型事業を掲げて寄附を募集した都市において、単年度で数億円規模の多額の寄附を集めているところでございます。
これら、他自治体の取組も参考にしながら、札幌市におきましても寄附受入額のさらなる増額を目指してまいりたいと考えております。
◆丸岡守幸 委員 ただいまの答弁をお聞きしておりますと、福岡市のように、
世界水泳選手権2022福岡大会への寄附によって大幅に寄附額が伸びたところもありますが、寄附実績を上げているほかの自治体では、様々な工夫を凝らしているように思われます。
そこで、札幌市でも、もっと企業が注目するような、もっと応援してもらえるようなメニューを寄附の対象事業に加えていくということを検討してみてはいかがでしょうか。
今、札幌市の大きな課題の一つは、プロ野球の
北海道日本ハムファイターズ球団が本拠地を
札幌ドームから北広島市のエスコンフィールドに移転したことによる
札幌ドームの活用促進策と
札幌ドームを運営する
株式会社札幌ドームの経営問題でございます。さきの代表質問の中でも述べさせていただきましたが、全天候型の施設である
札幌ドームは、今年、そこで
ワールドカップフランス大会に向けて、ラグビーの日本代表戦が行われました。その際に、あのサモアのチームから、すばらしい施設だと、このドームをそのままサモアに持って帰りたいというふうに絶賛されたほどの施設なのでございます。そこで、提案ではございますが、
企業版ふるさと納税の
寄附対象事業に、
札幌ドームの支援、応援といったメニューを加えるのも一つの方法ではないかと思われます。
そこで、質問でございますが、札幌市における
企業版ふるさと納税を活用した寄附の拡大に向けては、積極的に企業へアプローチしていく必要があると考えます。このたび公表されました
アクションプラン2023(案)においても、この制度の認知度向上の取組や積極的な営業活動等を実施するというふうにしておりますが、
寄附対象事業をどのように組み立てていくかを含めまして、今後の企業向けの戦略を伺います。
◎加茂
政策企画部長 寄附拡大に向けた今後の戦略についてでございますが、
企業版ふるさと納税の寄附受入れ拡大に向けて、今年度から、ノウハウを有する業者に委託を行いながら企業への情報提供を強化しているところでございます。
具体的には、
寄附募集事業ごとに寄附に関心を示していただけそうな企業をリストアップいたしまして、ダイレクトメールの発送でありますとか、電話または訪問による新規開拓などを幅広く展開するとともに、今後は、札幌市側の窓口となります
まちづくり政策局の職員でありますとか、個別の対象事業を所管する担当職員が直接お願いする機会というのも設けていく予定でございます。
来年度以降も、今年度の実績や他の自治体の事例などを踏まえながら、
寄附募集事業の拡充を含め、札幌市を応援したいと思っていただける企業をより一層増やす方策について検討を進めまして、寄附受入れ拡大に向けた取組をさらに推進してまいりたいと考えております。
◆丸岡守幸 委員 同じ
ふるさと納税でも、令和4年度の札幌市における個人版の
ふるさと納税の寄附額は14億7,000万円に達しております。それに比べて、企業版の
ふるさと納税の寄附額は、制度が始まって間もないとはいえ、ほかの
政令指定都市と比べても少な過ぎるように思われます。
先ほど申し上げましたように、
アクションプラン2023(案)の中では、この
企業版ふるさと納税の2027年における寄附の累計目標額が1億円に設定されております。私は、この金額を見たときに、1億円というのはあまりにも目標値としては低い額でありますので毎年1億円なのかなと思いまして、担当課の方に確認させていただきましたところ、2023年から2027年までの5年間の累計で1億円ということでありました。今後、内閣府において税額控除の取扱いについての制度変更の可能性がありますので、目標値を低めに設定しているということでございましたが、やはり、
企業版ふるさと納税と銘打っている割には目標金額が若干少ないように思われます。
アクションプラン2023(案)における
個人版ふるさと納税の2027年における寄附額は50億円に設定されております。したがいまして、
企業版ふるさと納税にしても、5年間で10億円とまでは言わないにしましても、対象事業の魅力アップとその制度の利点をもっともっと企業に伝えていくことで、数字が上積みになっていくことを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
◆わたなべ泰行 委員 私からは、ポップカルチャーを活用した
まちづくりの具体的な取組について、3点質問をいたします。
さきの第3回定例市議会の代表質問におきまして、我が会派より、なぜ札幌市でポップカルチャーを活用した
まちづくりを進めるのかとの質問に、秋元市長からは、漫画をはじめとするポップカルチャーが札幌市において新たな
まちづくりの可能性を有している、漫画やアニメ等を通じて、札幌、北海道の魅力発信、市民の社会的課題の理解促進、地域経済の活性化などを実現する本市独自の事業スキームを検討するとの答弁がございました。
そこで、1点目の質問ですが、今年度は、漫画等を活用した企画展示を開催すると聞いておりますが、具体的にどのような取組を予定しているのかを伺います。
◎淺野
プロジェクト担当部長 今年度の具体的な取組内容についてお答えをいたします。
昨年度に実施した調査の結果を受け、札幌市にもたらす経済的効果等の調査・分析を行うことを目的として、今年度は二つの企画展を実施することを予定しております。
一つ目は、漫画を活用した取組として、令和6年3月9日から3月24日までの16日間の期間で、中央区にあります東1丁目劇場を会場に北海道マンガミュージアム構想発起人代表と副代表を務め、学生時代を札幌で過ごした大和和紀氏と山岸凉子氏の漫画作品に焦点を当てた企画展を予定しております。
二つ目は、漫画以外のポップカルチャーを活用した取組として、令和6年2月3日から2月14日までの12日間の期間で、西区宮の沢にあります白い恋人パークを会場に、物のけや妖怪をテーマとしたポップカルチャーに焦点を当てた企画展を予定しております。
◆わたなべ泰行 委員 ただいまの答弁で、今年度、二つの企画展を開催されるということが分かりました。
2点目の質問は、今年度、なぜ二つに分けて企画展を行うこととしたのか、なぜ漫画作品と物のけ、妖怪を扱うこととしたのかを伺います。
◎淺野
プロジェクト担当部長 二つに分けて企画展を実施する理由と、それから、漫画作品と物のけ、妖怪を扱うことにした理由についてお答えをいたします。
ポップカルチャーには多様な分野が含まれる中、取組を進めていく上では、人それぞれが興味を引かれる分野は様々であり、調査目的や対象に応じて内容が異なるものと認識しております。今年度は、一つは市民を中心、もう一つは海外からの観光客をターゲットとして調査研究を進めたく、二つの企画展を開催することにしております。
企画内容については、札幌、北海道は、多くの漫画家が輩出しており、その漫画家の有志の方々から協力の申出をいただいている、そういったアドバンテージが本市にあることを生かして、まずは漫画作品の企画展を行うこととしております。
また、全国事例を幾つかヒアリングする中で、海外の観光客に対しては、古来から伝わる日本らしい文化、例えば、妖怪などが現代風にアレンジされたコンテンツは魅力的に映ることが分かったため、今回は、物のけ、妖怪をテーマに展開することとしております。
◆わたなべ泰行 委員 2月は、白い恋人パークで、物のけ、妖怪というのは海外からの観光客をターゲットにしたと。3月の東1丁目劇場では、市民を中心にした漫画ファンにターゲットを定めた企画展の内容で開催をしていくということが分かりました。
ポップカルチャーは、大衆向けの文化全般で、漫画、アニメ、映画、ゲーム、ライトノベル、ポピュラー音楽、また、テレビなど、様々なものが含まれているところでございますが、そういった中でも、札幌市においては、ただいま答弁がございましたように、札幌・北海道ゆかりの漫画家の有志の方々からの協力の申出をいただいているアドバンテージを生かしということがあったことからも、まずは漫画からスタートするということが分かりました。
この北海道のアドバンテージ、これについて、先日、私は大手出版社で漫画部門を役員として総括されていた方とお会いする機会がございました。この方は、日本漫画文化の推進に貢献をされてきていて、現在も漫画文化を支援する活動を行っております。その方からは、全国的に見ても、漫画家同士が協力し合う地域は非常に珍しい、また、北海道には、アニメや実写映画となった北海道が舞台の「君に届け」の作者、椎名軽穂さんのように、今現在活躍している少女漫画家がとても多いとの特色がある、北海道の漫画のアドバンテージは非常に高いというお話を伺いました。私は、改めて、北海道、そして、札幌市には潜在的に文化の力があるな、こういうことを認識させていただきました。
さて、私は、今回の質問をするに当たり、改めて漫画の持つ力を再確認させていただきました。例えば、漫画には、文化芸術的な価値だけにはとどまらず、様々な分野の入門書や啓発素材として活用されるなど、分かりやすく伝える力があり、学びの推進になります。また、漫画を読んだことをきっかけに勇気づけられた、自身の悩みに向き合えるようになったなどという話も聞いたことがあり、人の気持ちを後押ししたり、悩みを解決するような力もあると考えております。さらには、漫画は訴求力が高いので、札幌や北海道を舞台とした数多くの作品を見て、改めて、札幌、北海道の魅力に気がつく方も増えることと思います。まずは、様々な可能性を秘めた漫画に、そして、それ以外も含めたポップカルチャーを活用した今後の展開に期待をしております。
最後の質問ですが、今年度はターゲットを分けて調査研究を進めるために二つの企画展を行う予定ということは分かりましたが、今回の二つの企画展を通してどのようなことを調査するのかを伺います。
◎淺野
プロジェクト担当部長 どのような調査を実施していくかについてお答えいたします。
まず、3月の漫画作品をテーマとした企画展では、展覧会に加え、グッズ販売やトークショーなどの開催を通じ、市民を中心とした漫画ファンの期待度やニーズの把握のほか、経済的効果についても調査・分析を行う予定でございます。
あともう一つ、2月の物のけや妖怪をテーマにした企画展では、観光客のポップカルチャーへの関心度や札幌市にもたらす経済的効果に関する調査のほか、民間と連携する上での最適な事業スキームについても検証してまいりたいと考えております。
◆わたなべ泰行 委員 今の答弁では、2月と3月の企画展で、狙いを定めた経済的な波及効果であったり、市民の期待度やニーズ、こういったことの把握をしていく、こういう狙いを定めた調査を行うとの答弁でございました。
ポップカルチャーは、本当に幅広くて、様々な可能性があると思います。しかし、それゆえに、その可能性をどう生かすかで、狙いの効果を得られるのかどうか、大きく結果が異なるといった可能性もあります。本市は、ポップカルチャーを生かした
まちづくりとして、初音ミクとのコラボなどを行ってまいりましたけれども、さらに、市政の課題解決のために活用していくということなので、しっかりと狙いを定めて検証を行うことは大変重要な取組だと考えております。
どうか、今年度の二つの企画展は、質の高い内容にすることと、多くの方が来場していただけることに尽力をしていただき、今後の展開につながっていくためにも、調査研究にしっかりと取り組むことを求めまして、私の質問を終わります。
◆荒井勇雄 委員 私からは、北海道医療大学の移転に関連をして、2点質問をさせていただきたいと思います。
先月末に当別町に本拠を構える北海道医療大学を運営する学校法人東日本学園がキャンパスを北広島市の北海道ボールパークFビレッジ内に移転をする方針を正式に決めたとの報道があり、そして、一昨日10日、学校法人とファイターズスポーツ&エンターテイメント、FSE社でございますね、それに北広島市の三者で移転に関する基本合意がなされたとのことであります。
北海道医療大学は、当別のキャンパスだけでなく、札幌市内の北区あいの里にも北海道医療大学札幌あいの里キャンパスを持ち、同じ場所に北海道医療大学病院も存在をしております。特に、北海道医療大学病院は、開院から約20年間、地域に根差した医療機関として存在しておりますので、仮に移転された場合、大きな影響があるものと考えられます。
私も、地域の方々から、キャンパスはもちろん、医療機関がなくなってしまうことの心配をする声を聞いておりますので、札幌市としても、何かしらの対応が必要と考えております。
この北海道医療大学の北広島市への移転について、秋元市長は、今月3日の記者会見の場で、大学のほうからは話は全く聞いておりません、情報収集という意味で大学のほうといろいろお話をしていく予定ではおりますけれども、地域にも丁寧に説明をしていただくことを要求していきたいと述べております。
そこで、質問ですが、今後、札幌市として北区あいの里にある北海道医療大学のキャンパスと大学病院の移転問題にどのように対処されようとしているのか、お伺いいたします。
◎山内
プロジェクト担当部長 北海道医療大学移転に関する札幌市の対処についてお答えいたします。
移転する施設や機能の詳細については、関係者間で協議中であるとのことですので、今後も継続して情報収集に努めてまいりたいと思います。
仮に移転するとなった場合には、あいの里キャンパスと大学病院が立地する敷地は、あいの里のまちの中心核に位置しており、生活利便施設の誘導を図るべき地区となっていることから、土地利用の空白期間が極力短くなるように学校法人に対してしっかり働きかけてまいりたいと思います。
◆荒井勇雄 委員 このたびの大学の移転問題ですが、報道によりますと、1年ほど前からボールパークを運営するファイターズスポーツ&エンターテイメント社が学校法人側に働きかけて、一昨日の10日に基本合意に至ったということであります。学校法人側としても、冬の期間、JR学園都市線が度々運休することや、学生数の減少が続いていることから、この働きかけは言わば渡りに船ということだったかもしれません。ただ、その一方で、人口1万6,000人ほどの当別町にとって、今現在、約800人から900人ほどの医療大の学生が町内に在住しているということでございますが、その若者が異動される懸念や、地域のコンビニ等での貴重な働き手となっていることを考えますと、町内に実際に激震が走ったことは間違いないと思われます。
その観点からしますと、人口197万人を擁する札幌市にとっても、北区あいの里地区からキャンパスや大学病院がなくなってしまうということは、決して小さな問題ではないと考えられるのであります。ボールパークを運営するFSE社は、キャンパスなどの移転で新たな
まちづくりに取り組むとしておりますが、当別町のまちはどうなってもいいのか、あいの里のことなど、気にも留めていないのかと言わざるを得ません。
札幌ドームから日本ハムファイターズが去ってしまいました。そして、今回は北海道医療大学のあいの里キャンパスと大学病院が北広島に移転をしようとしております。あまりにも札幌市がファイターズ関連の会社に翻弄されているような気がしてなりませんが、実際に札幌市としてはどのような思いであるのか、率直なお答えを聞かせていただきたいと思います。
◎山内
プロジェクト担当部長 札幌市の率直な思いということでございますけれども、あいの里キャンパスと大学病院の移転については、学校法人側にも様々な事情があって、今回の協定締結に至ったと認識しております。
地域の方々からは、医療サービスの低下を懸念する声も聞かれているところでございまして、移転の詳細については関係者間で協議中であるということでございますが、今後も、継続して情報収集に努めてまいるとともに、協議の過程においては、適宜、地域への丁寧な説明を求めてまいりたいと思います。
◆荒井勇雄 委員 先ほど丸岡委員からも
札幌ドームの件に関してもありましたが、私も、今回、選挙を通じて多くの市民の方々からいろいろご意見を頂戴している限りであります。実際に、
札幌ドームの移転、また、今回の医療大学の移転に関しまして、実際のまちの声からは、秋元市長の失策ではないかというようなお声をいただいております。しかしながら、私、このお仕事をさせていただくに当たりまして、市の担当の方々から、いろいろ当時の状況、交渉事の内容をお伺いした限りでありますと、札幌市の失策だけではなく、ファイターズ側からもかなり強い要求があったと認識をしております。
やはり、市民の皆様は、なかなか白黒はっきりさせて色をつけたいというような状況が続いておりますが、札幌市としても交渉をしっかり頑張ったという点で、秋元市長がしっかり取り組んだという点が、今回、マスコミの皆様がいらっしゃらないので、なかなか残念ではございますが、市民の皆様にご理解いただけるように取り組んだという点を、ぜひとも市民の皆さんによりご理解いただきたいと私は思いまして、今回の件に関しましても、市民の皆様により深い説明が必要ではないかということを申し添えまして、私の質問を終わらせていただきます。
○松原淳二 委員長 以上で、第1項 総務管理費中関係分の質疑を終了いたします。
次に、第6款 土木費 第4項 都市計画費、第5項 都市開発費中関係分及び令和4年度札幌市土地区画整理会計歳入歳出決算のうち関係分について、一括して質疑を行います。
◆水上美華 委員 私からは、大きく2点、1点目に札幌市公共交通協議会について、2点目に丘珠空港の将来像の策定及び実現に向けた取組について質問をさせていただきたいと思います。
初めに、札幌市公共交通協議会について質問いたします。
現在、全国的にバスの運転手不足が深刻化しており、日本バス協会の調査によりますと、2023年度は、全国で12万1,000人のバスの運転手が必要なところ、1万人が不足しているというところであります。また、先日、大阪府で路線バスの事業者が運転手不足や売上げ低下等を要因とする事業廃止を決定したというニュースが大きく報道されました。大都市圏であっても、路線バス事業の運営が厳しい状況にあるということを痛感させられたところであります。
本市においても、新型コロナウイルス感染症の拡大により減少したバスの乗客数はいまだに回復しておらず、また、運転手不足に起因するバスの減便も行われております。このような状況から、バスネットワークが担う役割を今後どのように維持していくかについて、交通事業者、利用者団体、有識者等のメンバーから成る札幌市公共交通協議会において議論がなされているものと理解はしております。
協議会で議論を進めるに当たっては、専門的な知見を持つ委員の意見はもちろんのこと、公共交通を利用されている方の意見が非常に重要であることから、私ども会派では、2023年第1回定例会において、実際にバスを利用している市民の声を幅広く把握し、協議会での議論に反映していくべきと主張し、本市の考えを質問いたしました。それに対し、本市からは、幅広く市民の声を把握する必要があると認識しており、公共交通の課題を整理した段階において、パブリックコメントと同様の手法で、広く市民の意見や情報を募りたいとの答弁があったところでございます。
そこで、質問ですが、その後、市民意見の募集をどのように実施し、どのような意見が寄せられたのか、お伺いいたします。
◎和田 公共交通担当部長 市民意見の募集方法と意見の内容についてお答えいたします。
市民意見の募集に当たりましては、自由回答形式の調査用紙を、市有施設はもとより、路線バスや路面電車の車内にも配架し、利用者からの意見も集められるよう努めるとともに、
ホームページや電子メールでも受け付けた結果、今年4月下旬からの約1か月間で1,000件を超える意見をいただいたところでございます。
市民意見の内容といたしましては、バスの運行便数や路線に関するものが最も多く、例えばですが、減便による利便性低下への不満や、増便や現状維持の要望などがありまして、近年のバスの減便が利用者に大きな影響を与えていると改めて認識したところでございます。
そのほかにも、行政による事業者支援の必要性、運転手の待遇改善、待合環境の整備、運行情報の提供、割引等の利用促進策といった様々な視点からのご意見をいただいておりまして、今後の取組の参考にしたいと考えているところでございます。
◆水上美華 委員 意見の募集に当たっては、実際の利用者の回答を得られるように実施してきたというところでございました。パブリックコメントの用紙を配布する際は、大体、市有施設等が中心になると思いますが、今回の意見募集においては、その趣旨を踏まえて、事業者とも協力して、路面電車、さらには、バスの車内等への配布もされたところであり、より多くの利用者からの意見が集約できるよう工夫を凝らした点については、大変評価するところでございます。
寄せられた回答では、運行便数や路線に関するものが最も多かったというところでありましたが、これを事業者だけで解決することはなかなか難しい状況になりつつあり、このことが行政による事業者への支援を求める声につながっているものと考えます。
生活バスの路線維持に対する支援については、現在、国及び各自治体において補助制度という形で実施されていると承知しております。今年の3月の9日に開催されました第2回札幌市公共交通協議会の説明資料のほうを見ますと、本市からの市内バス路線に対する補助金は、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年度には約6.6億円だったものが2022年度には約26億円とおおよそ4倍になっているというところでございます。
そこで、質問ですが、このバス路線維持に関する補助制度の内容はどのようなものであったのか、また、なぜ金額がここまで大きくなってきたのか、お伺いいたします。
◎和田 公共交通担当部長 バス路線維持に関する補助制度の内容と、そして、補助金増額の理由についてお答えいたします。
市内を運行するバス路線には収支が黒字の路線と赤字の路線がございますが、現在の補助制度は赤字となった路線の運行経費に対する補助を行っているものでございまして、過去に市営バスから各事業者へ移行した路線と、もともとバス事業者が運行している路線のどちらも補助対象となっているところでございます。
市営バスから移行した路線は、その経緯を踏まえまして、赤字額を上限とした補助を実施している一方で、もともとバス事業者が運行している路線に対しましては、国の基準を用いておりまして、赤字額に比べて補助金の規模が一定程度抑えられる制度としているところでございます。
次に、昨年度の補助金についてでございますが、補助金の算定対象となる令和3年度におきましては、コロナ禍により乗客数が大幅に減少したことに伴い、路線バスの収支が極端に悪化し、既存の補助を実施してもなお、事業運営に支障を来す状況となったことから、一時的な措置として、要件緩和等により補助を拡大したことによるものでございます。
◆水上美華 委員 赤字となった運行系統の運行経費に関する補助を行っており、新型コロナウイルス感染症の影響により補助額が大きくなったということでありました。
補助額の算定におきましては、旧市営バス路線とそうでない路線に対して異なる方法としているということでありましたが、旧市営バスから民間事業者への路線移行は2003年度末に完了しておりまして、約20年が経過をしております。この間、見直しはされておりません。現在は、利用者の生活様式やバス事業者の経営状況など、当時と大きく社会情勢が変化しており、現在の補助制度が時代にそぐわなくなってきているのではないかと考えるところでございます。
そこで、質問ですが、本市では、バス路線維持の補助制度についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎和田 公共交通担当部長 バス路線維持の補助制度に対する札幌市の考えについてお答えさせていただきます。
路線バスの乗客数は、今年度に入りましてもコロナ禍以前の令和元年度に比べて15%程度少ないまま推移しておりまして、バス事業者による経営努力が行われているものの、今後、乗客数がコロナ禍以前の水準まで戻ることは難しく、バス路線維持の補助制度の前提となる社会情勢が大きく変化していると考えているところでございます。
このような状況におきまして、委員がご指摘のとおり、バス路線の維持に関する補助制度がコロナ禍以前の経営環境に基づくものになっていることにつきまして、現状に合わないものになってきている可能性があると考えているところでございます。
こうしたことから、バス運行を取り巻く環境が大変厳しい中でも市民の生活交通を確保するために、バス路線維持に対する補助制度の見直しについて今後検討を進めるとともに、国の補助制度につきましても拡充の要望を行うなど、様々な面から取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆水上美華 委員 現行の支援が現状に合わないものになってきているというふうに認識されているということでございました。補助制度の在り方について今後検討し、支援を進めるということも確認いたしましたので、しっかり進めていただきたいと思います。
本市には、路線バスが唯一の公共交通であるという地域が幾つもあります。市民意見の回答のとおり、路線バスの減便や廃止などによる影響については、通院や必要な買物のために免許を返納したくても手放せない高齢者や、通勤のため、運行時間の拡大や最終便の繰下げを望まれる市民など、多くの声が私ども会派の議員の元にも寄せられているところでございます。現在、持続可能な公共交通ネットワークの構築の指針となる札幌市地域公共交通計画の策定に向け、札幌市公共交通協議会で議論中でありますので、市民意見と事業者の意見をしっかり反映し、補助制度の拡充を検討していただきたいと思います。
また、来年4月から、運転手の労働時間の上限規制や勤務間インターバルが適用され、運転手不足がますます深刻化することが懸念されるいわゆる2024年問題が迫る中、日本バス協会の試算では、2030年には3万6,000人のバスの運転手不足が全国で予測されており、その対策が急務でございます。現在試行中で好評を大変得ておりますデマンド交通なども、運転手が確保できなければ、持続可能とはなりません。バス路線維持のための補助制度の拡充はもとより、本市として、運転手確保に向けた事業者の待遇改善や新規雇用、運転手育成の支援について、国への要望も含め、しっかり検討することを要望させていただきます。
あわせて、バス事業者においては、燃料費が大幅に高騰しておりまして、運行や運営の維持に大変苦慮していると聞いております。これにつきましては、早急に緊急支援や補助金の支給、さらには、市も含めて恒久的な対策を講じることを要望いたしまして、この質問については終わらせていただきます。
次に、丘珠空港の将来像の策定及び実現に向けた取組について伺います。
本市は、今年7月に開催された総合交通政策調査特別委員会において、丘珠空港の将来像の実現に向けた機能強化の柱となる滑走路延伸について、最短と考えられる2030年供用開始を目指すことを報告し、8月には、国土交通省及び防衛省へ早期事業化などについて要望が行われたところであります。
事業の早期実現については、空港周辺の連合町内会から成る丘珠空港周辺地域連絡協議会においても期待する声があったと伺っており、地域の声を踏まえて、スピード感を持って、取組を進められている点については、一定の評価ができると考えております。
その一方で、私ども会派には、商業施設の設置や産業誘致など、空港周辺の
まちづくりやにぎわいの創出に期待する声も寄せられておりまして、今後は、このような空港周辺の取組についても、空港の機能強化と同様にスピード感を持って進めていただきたいと考えております。
そこで、質問ですが、空港周辺の
まちづくりについて、丘珠空港の将来像の策定過程において市民からどのような意見が寄せられていたのか、お伺いいたします。
◎奥木 空港活用推進室長 空港周辺の
まちづくりに関する市民からのご意見についてお答えをいたします。
令和4年8月から9月にかけて実施しました丘珠空港の将来像(案)に対するパブリックコメントでは、地域のにぎわいや活性化などについて、205件のご意見が寄せられたところであります。
このうち、具体的な施設や機能として最も多かったのは、遊具を残してほしい、また、さらなる緑地の拡充をすべきといった丘珠空港緑地の維持や充実に関するご意見でございました。次いで多かったのが、食事や買物ができる場所があるとよいといった、空港及び周辺への商業機能の拡充に関するご意見でありました。
◆水上美華 委員 にぎわい創出の意見の中では、具体的な施設や機能として最も多かったのは緑地の維持や充実に関する意見であり、次いで、空港及び周辺への商業機能の拡充に関する意見であったということであります。
空港周辺におけるにぎわいづくりや緑地の維持などは、今後、方向性をしっかりと議論していくことはもちろんですが、特に、地域住民の意見はもとより、にぎわいの創出に向けては幅広い市民の意見も取り入れていく必要があると考えます。
本市は、今後の市民意見の把握について、今年7月に開催された総合交通政策調査特別委員会において、私ども会派の質問に対し、アンケートやワークショップ、オープンハウス方式での説明、意見収集の機会を設ける予定との答弁があったところであります。
そこで、質問ですが、今後の市民意見の把握について、いつ、どのように進めていくのか、お伺いいたします。
◎奥木 空港活用推進室長 今後の市民意見の把握につきましてお答えをいたします。
空港周辺の地域のにぎわい創出や活性化を進めるに当たっては、丘珠空港の機能強化に関する検討の進捗状況などを積極的に情報発信しながら、市民の意見やニーズを多様な手法で幅広く把握していくことが重要と認識しております。
まず、アンケートにつきましては、緑地や空港の利用状況や今後の求める機能について把握をするため、8月に丘珠空港周辺地域連絡協議会の構成地域にお住まいの皆様から無作為抽出した1,500名に調査票を送付し、現在、集計、分析を行っているところでございます。
また、ワークショップにつきましては、あさって10月14日、15日の2日間、同じく地域連絡協議会の構成地域から公募した30人ずつ、計60人の参加者によって丘珠空港ターミナルビルと丘珠空港緑地を実際に見ていただいた後、その活用方法や、整備に当たって望まれる機能等についての意見交換を行うこととしております。
さらに、オープンハウス方式の意見交換会につきましては、丘珠空港の将来像全般をテーマとしまして、人の往来が多い都心部や、北区、東区の商業施設等にブースを設け、事前申込み不要で気軽に立ち寄って意見交換ができる形で年内に実施したいと考えております。
◆水上美華 委員 アンケートのほうはもう取組が始まっていて、ワークショップやオープンハウスについては今年中に取り組まれるということは理解いたしました。空港周辺の
まちづくりに関する市民の意見の把握については、今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
ただ一方で、これまでの意見の中には、丘珠空港緑地の維持や充実に関する意見も寄せられているとのことですが、これは今後の空港整備が緑地に影響を与えることを懸念する市民が多いことを示しているものと推察するところであります。丘珠空港緑地は、騒音等の緩衝機能のほか、市民にとっての憩いの場ともなっておりまして、空港整備後においてもこれらの機能が維持されていくことが望ましいと考えております。
そこで、質問ですが、今後の空港整備が丘珠空港緑地へ与える影響について、どのように認識し、また、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎奥木 空港活用推進室長 今後の空港整備が丘珠空港緑地へ与える影響についてお答えをいたします。
滑走路延伸等の空港整備により、丘珠空港緑地の一部が空港用地に転用され、面積が減ることが想定されますが、緑地が持つ航空機騒音の緩衝機能と遊具やランニングコースといったレクリエーション機能は維持していくことが重要と認識しております。
今年度は、アンケートやワークショップ等で寄せられる市民のご意見や他都市の事例等を踏まえまして、緑地の機能を維持しつつ、市民の交流促進や集客性の向上など、空港周辺の新たなにぎわい創出につながる緑地活用について検討していきたいと考えております。
引き続き、市民のご意見、ニーズや、国による空港機能強化の検討状況等を踏まえまして、緑地の在り方を検討してまいります。
◆水上美華 委員 緑地の機能を維持しながら、緑地を活用したにぎわい創出の可能性について検証していくということでありました。緑地の維持・充実は、多くの市民が期待していることでもありますので、引き続き、市民の意見を踏まえながら取組を進めていただきたいと思います。
現在、丘珠空港の将来像は、1年前倒しで進められていますが、空港周辺の
まちづくりやにぎわいの創出など、数多くの期待が寄せられている一方で、もちろん課題も多くあることも承知しております。今後、就航路線が拡大した際に、また利用したいと思われる空港を目指していくためには、何はともあれ、ターミナルビル内の大規模な改修や、また、空港へのアクセスについての問題など、先ほど公共交通の質問をさせていただきましたが、バス便の充実一つを取っても、運転手不足というところで路線バスの減便が起きている現状でありますので、様々課題があると思います。第一義的には、まずは空港の機能強化に寄与する取組を優先して進めていただきたいと思います。
また、少し話は変わりますが、現在、経済観光局経済戦略推進部のほうで、市内における新たな工業団地造成の可能性を把握するため、市内企業の工業系土地利用ニーズや工業団地造成場所の適地などについて調査を行う予定もあると伺っております。今後のこの丘珠空港周辺の取組を進めるに当たっては、ぜひ、
まちづくりという観点で、丘珠空港周辺の地域住民の市民意見はもちろんのこと、あらゆる面からのにぎわい創出のニーズを調査して、経済戦略推進部のほか、都市計画部や総合交通計画部など、
まちづくりに関連する庁内の様々な部署と連携を図りながら取組を進めていただくことを要望いたします。
丘珠空港の将来像の実現に向けては、滑走路の延伸が早期に事業化されることと同時に、今後、人口減少局面を迎える本市の将来を見据えつつ、にぎわいの創出はもちろん、緑地機能の維持、そして、2次交通確保の問題と、課題は山積しておりますが、また、どれも一筋縄ではいかないとは思いますが、今後の取組に大いに期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
◆わたなべ泰行 委員 私からは、デマンド交通実証実験について、3点質問をいたします。
我が国においては、世界に類を見ない、人口減少、少子高齢化を経験しつつあり、この傾向は少なくても今後20年以上続くと見込まれております。本市も例外ではなく、団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年には、高齢化率が約40%に達し、後期高齢者も2020年比で約1.5倍になる見込みと札幌市高齢者支援計画2021において示されております。
先ほど水上委員からもありましたが、現在、全国各地で、運転手不足を原因とした路線バスの減便や廃止が行われ、バスネットワークの維持が深刻な課題となっている中で、市民の足を守っていくためには、超高齢化社会に突入していることを踏まえると、高齢者に寄り添ったデマンド交通のようなドア・ツー・ドアに近い移動手段の必要性がより求められてくると考えております。
そうした中、札幌市では、手稲区と南区で二つのデマンド交通実証実験が行われております。我が会派も、地域の足をしっかりと守っていくための取組として注目をしてきたところでございます。
そこで、1点目の質問ですが、改めての確認も含めて伺いますけれども、二つのデマンド交通実証実験について、取組内容の違いとこれらの取組を通じた札幌市の狙いを伺います。
◎和田 公共交通担当部長 二つの実証実験の取組内容の違いと、そして、この取組を通じた札幌市の狙いについてお答えさせていただきます。
手稲区におけるデマンド交通実証実験は、路線バスの撤退を受けまして、市民生活への影響や代替交通導入の必要性などを検証するために、札幌市が主体となって行っている取組でございます。
一方、南区におけるデマンド交通実証実験につきましては、バス事業者が既存の路線をデマンド交通に転換しながら、利便性向上や運行効率を図ることで生活交通の維持を目指す取組に対して、札幌市が支援するものでございます。
今後につきましては、バス利用者の減少やバス運転手の不足が見込まれる中、これらの実証実験で得られた知見を生かしながら、札幌市の公共交通ネットワークを維持していくための方策を検討してまいりたいと考えております。
◆わたなべ泰行 委員 ただいまの答弁で、二つの実証実験、ここに至った経緯、また、市の関わりというのは異なっているわけではございますけれども、しかしながら、市としては、札幌市の公共交通、この生活交通ですね、これはもう将来にわたって維持するんだ、こういった思いで、市民生活に直結するミッションのためにそれぞれの実証実験に取り組んでいるんだというふうに私は理解をいたしました。
さて、先行して実施をされている手稲区における実証実験は、最大2年間を予定している中、間もなく開始から1年がたちます。
そこで、2点目の質問ですが、手稲区デマンド交通について、利用状況や札幌市としての中間総括を伺います。
◎和田 公共交通担当部長 手稲区デマンド交通の利用状況と中間総括についてお答えいたします。
今年9月末の時点で776人が会員登録する中、1日当たりの平均利用人数は約40人で、開始当初から3割程度伸びている状況となっておりますが、これは、地域住民へのアンケートを踏まえて、利用ニーズの高いエリアの停留所を途中追加した取組などが功を奏したと考えてございます。
また、利用状況を分析いたしましたところ、特に買物や通院のための移動手段として高齢者に多く利用されているほか、どの時間帯も満遍なく利用があり、小型車両の導入により、効率的かつ機動的な運行ができつつあると考えてございます。
現在は実証実験の2年目に入ったところでありまして、引き続き、地域の声をしっかりと聞き、運行状況の検証を重ねながら、必要に応じた見直しを行い、地域の実情に応じた生活交通となるよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
◆わたなべ泰行 委員 この手稲区の実証実験につきましては、途中で様々な取組を入れてきた、こうした努力をしてきた結果、会員登録数、利用の人数が順調に伸びてきている、そして、現在では地域住民の日常生活には欠かせない移動手段となりつつあるというふうに認識をいたしました。今後も、こうした地域の声をしっかりと受け止めていただきながら、地域に根差した、やはり、持続可能な生活交通となるように、運行計画の改善、利用促進に努めていただくことを求めます。
次に、南区におけるデマンド交通実証実験について伺います。
こちらは、本年9月1日に運行を開始したばかりですが、市内10区の中でも高齢化率が高い南区における初のデマンド交通ということで注目をしております。手稲区の実証運行と同様に多くの方に利用されるよう、我が会派としても状況を確認していきたいと考えております。
そこで、最後の質問ですが、南区のデマンド交通について、現時点での課題と今後の対策について伺います。
◎和田 公共交通担当部長 南区デマンド交通の現時点での課題と今後の対策についてお答えいたします。
導入から約1か月となる今年9月末の時点では、高齢者を中心に226人が会員登録しておりますが、直近では1日当たり10名程度の利用にとどまっているほか、利用が午前中に集中し、午後は運行に余裕がある状況となってございます。運行開始から間もない状況ではあるものの、デマンド交通に転換する前の路線バスと比較しても利用は少なく、今後は、周知不足を解消するなど、一層の利用促進が必要であると認識しているところでございます。
こうした中、バス事業者におきましては、町内会におけるチラシの回覧や、児童会館における子育て世代への案内など、幅広い世代へのPR活動を検討しているところでございます。このため、札幌市といたしましても、子育てサロンをはじめとした、地域住民の皆様が集まる場でバス事業者がPRできるような情報を提供するなど、バス事業者の取組をしっかりと支援してまいりたいと考えているところでございます。
◆わたなべ泰行 委員 循環バスのときより利用がまだまだ少ないという状況が分かりました。ただ、利用者の多くは高齢者ということもありまして、デマンド交通の利便性、これは理解をしていても、新たな利用方法に慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。先行事例であります手稲区の実証実験で得られた利用促進に関わるノウハウを活用して、バス事業者と一緒になって粘り強く利用促進を図っていくことを求めます。私も、しっかりと、地元に戻りましたら、利用者が増えるようにPR活動も頑張っていきたいと思います。
そして、現在の運転手不足等により、バス路線の中には、今後、減便やバス停の廃止となる地域もあって、対象の区では地域への説明を行っていると伺っております。まずは、手稲区と南区における両方の実証実験を成功させて、市民の足をしっかりと維持していくよう、新たな地域におけるデマンド交通運行の検討を開始していくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆坂元みちたか 委員 私からは、1点だけ、札幌駅周辺再開発における工事のふくそうへの対応について質問をいたします。
ふくそうというのは、ちょっと聞き慣れない言葉でございますが、何かが1か所に集中して、混雑、混乱する状況のことであります。札幌駅周辺では、2030年度の北海道新幹線札幌延伸に向けて、新幹線関連工事のほか、北5西1・西2地区及び北4西3地区市街地再開発事業、都心アクセス道路など、大規模な事業がめじろ押しで進められております。最近では、北5西1・西2地区市街地再開発事業に伴って、8月の末にエスタが閉店となり、また、バスターミナルにおいても、9月の末に閉鎖となり、仮設バス停の運用が開始されたところであります。
今後、これらの事業の進捗により、同時期に大規模工事が進められることに伴って、道路の渋滞など、交通状況に混乱が生じることが懸念されます。基本的には、それぞれの事業者や施工者が対策を講じるものではありますが、札幌の中心部で多くの工事がふくそうするため、それぞれの事業者の対応だけでは十分ではないと考えます。
そこで、質問ですが、令和4年度予算の概要によれば、工事工程の調整、検討を行うこととなっておりますが、これは具体的にどのような内容か、伺います。
◎山田 札幌駅交流拠点推進担当部長 札幌駅周辺における工事工程の調整、検討に関する具体的な内容についてお答えいたします。
札幌駅周辺における各事業のふくそうに伴う交通状況の混乱により、市民や観光客など、来訪者の利便性が極力損なわれないよう対策を講じることは重要と考えております。そのためには、事業間の連携を図る場を提供するとともに、工事の工程や交通規制情報、車両経路などを共有することが効果的であることから、各事業の関係者により構成される札幌駅周辺工事間情報共有会議を令和4年12月に立ち上げたところでございます。
この情報共有会議につきましては、北海道新幹線札幌延伸事業、北5西1・西2地区及び北4西3地区市街地再開発事業、都心アクセス道路事業など、現在8事業が参加しており、これまでに4回開催しているところでございます。今後も、各事業の完了まで継続する予定となっているところでございます。
◆坂元みちたか 委員 もう既に複数回の会議が行われているということを聞きまして、少し安心しているところでございます。事業間の連携を進めていくこと、承知をいたしました。本当にありがとうございます。
今回、私がこの事案を質問いたしましたのは、ふくそうの観点だけでは実はございません。我が会派の考え方には、無駄をなくすことこそが最善というものがございます。無駄をなくすことが、効率を上げ、仕事の総量を減らし、働き方が楽になり、資金の節約ができ、新しい財源をつくり出すことができる、そういう考え方であります。
札幌駅周辺については、道都札幌の玄関口として多くの人が集まる、言わば札幌の顔であります。交通状況に大きな混乱を生じさせないよう、そして、ここの地域は、やはり、札幌市民の皆様の目につきやすい場所であります。目につくということは、いらいらとか不満もたまりやすいところでございます。引き続き、しっかりと関係者間で調整を進めていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆山田洋聡 委員 私からは、路線バスの諸課題について質問させていただきます。
札幌市では、高齢者、障がい者等、誰もが安全に安心して快適に移動できるバリアフリー環境の整備に取り組むことを目的に、令和4年6月に札幌市バリアフリー基本構想2022を策定しております。
こうした中で、先月公表されました第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2023(案)において、誰もが利用しやすい公共交通の実現に向けて、バス事業者へのノンステップバス導入に係る支援を掲げております。ノンステップバスは、乗降口に段差がなく、お年寄りや小さな子どもでも簡単に乗り降りができるだけではなく、床が低いため、スロープを設置しても、段差のあるワンステップバスより傾斜が緩く、車椅子の方の乗り降りも容易になっているのが特徴であります。
このため、札幌市では、ノンステップバスを普及するため、バス事業者への補助事業を実施していると認識しております。しかしながら、車椅子で利用しやすいノンステップバスが利用者の利用したい便に配車されるとは限りませんし、バス事業者の
ホームページでは、確実に配車するためにはバス事業者への事前連絡が必要となっております。
バス事業者が柔軟にバスの車両を組み替えて利便性を図っているのは感謝するところではありますが、一部の市民からは、事前連絡では使い勝手が悪いという意見があったほか、車椅子で乗車する際の運転手の対応についての声も聞こえておりまして、公共交通として利用者が利用したいと思えるような、行政と事業者が一体となったさらなる工夫に取り組む必要があると感じております。
そこで、質問ですが、札幌市では、バス事業者のバリアフリーに関する取組をどう認識して、ノンステップバスの導入支援をどのように進めていくのかを伺います。
◎和田 公共交通担当部長 バス事業者のバリアフリーに関する取組と札幌市のノンステップバス導入支援についてお答えいたします。
バス事業者では、障がいのある方などへの介助や車椅子利用時のスロープ設置といった実務研修はもとより、運転手自らが、おもりや特殊眼鏡を装着し、不自由な状況を疑似体験する研修も実施しておりまして、相手の立場を理解する意識の醸成にも取り組んでいただいていると認識してございます。
また、ノンステップバスの導入に当たりましては、札幌市においてバス事業者に対して購入費用の補助制度を設けておりまして、引き続き、こうした支援制度をご活用いただきながら、現在46%となっている導入率を令和9年度までに65%に引き上げることを目指し、利用者の満足度向上を図る考えでございます。
いずれにいたしましても、札幌市では、公共交通におけるバリアフリーの推進は重要なテーマと認識しておりまして、今後も、バス事業者などと連携しながら、誰もが利用しやすい環境づくりを着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆山田洋聡 委員 導入率を令和9年度までには65%まで引き上げるというお話、または、バス事業者独自に研修を行って、技術向上と意識向上を図っているということを理解いたしました。
ノンステップバスの導入拡大についてしっかりと進めていただきたいというところではありますが、誰もが利用しやすい公共交通の実現という観点では、ノンステップバスの導入率はもちろんのことではありますが、そもそも、先ほどから出ております運行している路線バスの便数を十分に確保するということが非常に重要と考えております。しかし、残念ながら、昨今、バスの運転手不足に起因する路線バスの減便については、報道で頻繁に目にするというようになってしまいました。
令和5年1月に設置されました札幌市公共交通協議会の資料によりますと、札幌市内のバス事業者の運転手数は、平成29年度には1,962人だったものが令和3年度には1,810人と、4年間で152人減少しており、同じ期間で便数は9,909便から8,400便と、1,509便、約15%も減少しております。
減便が続く中で、この12月から大規模な減便が実施されるということも伺っており、市民生活への影響に大変な危惧をしております。清田区は、その最たる例だというふうに私自身は認識しております。新たな公共交通システムや地下鉄延伸など、バスの話だけではなく、総合的な対応策を進めることは急務というふうに考えております。
そこで、質問ですが、札幌市はこの運転手不足及びバスの減便についてどのように認識をしているのか、伺います。
◎和田 公共交通担当部長 運転手不足やバス減便に対する認識についてお答えいたします。
運転手不足に起因する路線バスの減便が全国的な問題となっている中、市内バス事業者におきましては、運転手の高齢化が進む一方で新規採用は思うように進んでいないことから、今後も運転手不足の解消は難しいと想定されているところでございます。そのため、路線バスの減便はもとより、路線廃止も発生してきており、委員がご指摘のとおり、この冬の大幅な減便など、今後も極めて深刻な状況が続くと考えられますことから、今後は、路線バスのみならず、地下鉄やJR、デマンド交通などを含めた公共交通ネットワーク全体の問題として取り組んでいく必要があると認識しているところでございます。
現在、札幌市公共交通協議会におきまして、その在り方についても議論を行っているところでございまして、市民の生活交通の確保という観点から、札幌市と交通事業者が一体となり、スピード感を持って対応してまいりたいと考えているところでございます。
◆山田洋聡 委員 私自身も、現場のバスドライバーに直接ヒアリングをしてまいりまして、昨今の運転手不足の中で、バス路線を維持するために本当に一生懸命勤務されているということが分かりました。一人一人、業務のしわ寄せということが痛切にその声として上がっており、従来は、早番、日勤、遅番みたいなシフトの中で動いていたものが、今は人手不足によってそうではなくなっていると、非常に現場では苦労しているということを本当に生の声として聞いてまいりましたので、本件は本当に重要な問題として認識をしているところであります。
人材不足は、このバスだけではなく、幅広い業種において課題となっているところでありますが、なかなかすぐに解決するものではないということは認識しております。そのような中で、公共交通ネットワークをどのように持続可能なものとしていくのか、札幌市公共交通協議会で議論が行われているということで認識をいたしました。
そこで、質問ですが、協議会では運転手不足への対策としてどのような議論が行われているのか、伺います。
◎和田 公共交通担当部長 札幌市公共交通協議会における運転手不足への対策に関する議論についてお答えいたします。
協議会におきましては、運転手不足への対策といたしまして、公共交通ネットワークを維持するための効率的なバス運行の在り方や、運転手の確保に向けた方策などについて議論されているところでございます。
効率的な運行につきましては、例えば、近くを運行している複数の路線を幹線に集約する、あるいは、郊外から都心まで運行している便を地下鉄駅までの運行に変え、走行距離を短くするといった手法などが考えられているところでございます。
また、運転手の確保に当たりましては、新規雇用に向けたPRや育成環境の充実に加え、賃金や労働環境等の待遇改善が重要であり、この実現のためには運賃改定による収支改善が必要である、こういった意見なども出されているところでございます。
今後は、こうした意見を踏まえながら、市民の生活交通を確保していくため、引き続き、協議会において公共交通の在り方に関する議論をしっかりと進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆山田洋聡 委員 現在、都心部では、新たな公共交通システムとして、交通に関する新たな技術の活用などが検討されており、今後の技術開発やその採用動向などにより、これからどのような交通事情になっていくのかということは未知数なところもあるものの、今現在、必死で市民の足として奮起いただいている現場の運転手の皆さんが気持ちよく働けるような環境が様々な余裕を生み出すというふうに思います。それがさらなる安全につながり、利用者の皆さんも気持ちよく利用することができるというふうに考えております。
そのためにも、行政と事業者のお互いの可能性を模索して、工夫を続けるということが大切だというふうに考えております。本当に重要な取組が何なのか、諦めずに追求し続けることを求めまして、私の質問を終わります。
◆定森光 委員 私からは、琴似本通地区の地区計画について質問をいたします。
地域交流拠点である西区琴似では、今、多くの建物が更新時期を迎えており、JR琴似駅や地下鉄琴似駅、これらをつなぐ琴似・栄町通周辺のまち並みが大きく変わろうとしております。建物更新が進むことは、地域に新たな活気が生み出される可能性がある一方で、店舗などの商業施設が集合住宅に建て替わることによって、まちを歩く人が減り、人が集まる交流場所が失われるなどの懸念が生じます。
そうした中で、本市は、昨年12月に琴似・栄町通沿道を主な対象地域とした琴似本通地区地区計画を策定し、広い歩行空間や広場、ガラス張りの店舗などの
地域交流拠点としての琴似にふさわしいにぎわいの創出を図る建築行為には容積率を緩和するということを定めました。
地区計画は、建築物の用途や高さの規制緩和などの個別のルールを地区ごとに定めることができるものであり、地域の
まちづくりへの思いを具体的な形にする手段でもあります。将来どのようなまちにしていきたいのか、こうしたまちの将来像がなくては、この地区計画のルールを決めることはできません。
一方で、地区計画で定めるまちの将来像が地域住民の思いとしっかり重なれば、ルールの実効性が高まり、そして、地域住民の主体的な
まちづくりを促進することへとつながっていきます。だからこそ、この地区計画策定には、地域との丁寧な話合いを重ねることが重要であると考えます。
そこで、質問ですが、琴似本通地区地区計画の策定において、どのように地域の方々と話合いを行ってきたのか、また、その中で出された地域の意見をどのように反映したのかを伺います。
◎長谷川 都市計画部長 琴似本通地区地区計画の策定の経緯についてお答えいたします。
琴似本通地区地区計画については、2020年度、令和2年度から連合町内会や商店街振興組合などの方々との勉強会を行うなど、意見交換を重ねながら策定してきたところであります。その中で、琴似・栄町通沿道に建物の1階に店舗がないマンションの立地が進んでいることから、商店街としての連続性やにぎわいの減少が懸念されるとの意見が出されたところです。
そこで、地区計画の目標や方針として、建物低層部に商業施設などのにぎわい機能の導入や、歩行空間や憩いの場となるオープンスペースの創出を促すことなどを定め、地域の方々や土地所有者へ説明会や広報誌などの配付を行い、内容をしっかり共有しながら進めてきたところであります。
現在、地区計画を活用した開発の届出が1件あり、1階に商業施設が入るほか、歩道沿い空地や広場などのオープンスペースが整備される予定となっております。
◆定森光 委員 ただいまの答弁では、商店街の連続性が失われるという地域からの懸念の声を受けて計画も策定されたということでした。2020年度から地域住民との意見交換を重ねているということですから、2年、策定までかけたということです。こうした話合いの中で、参加した地域住民にとっては、この地区計画が、行政だけが一方的に定めたものではなく、自分たちでも定めたものという実感につながったと考えております。
先ほどの答弁で、既に容積率緩和の建設1件の届出があったということです。今後、この地区計画に沿った
まちづくりが、行政と民間事業者のみならず、地域住民も一緒になって進んでいくことを期待したいと思います。
さて、開発時期というのは、どうしても建物を所有している人及び開発する事業者に委ねられることになります。その結果、計画の効果が現れるまでは非常に長い時間がかかるものだと認識しております。このため、地域と長い時間をかけて共有した
まちづくりの目標や方針などが今後の開発までの間には希薄化してしまって、地区計画策定の効果というものが半減してしまうことが懸念され、札幌市が地域へ継続的な周知を図っていく必要があると思います。そのような周知活動を行うことで、建物所有者や開発事業者が建物の低層部に商業施設などのにぎわいを入れていくことや、歩行空間や憩いの場となるオープンスペースの創出などを検討していくことになり、様々な
まちづくり活動にもつながっていくものと思います。
そこで、質問ですが、地区計画が効果的に活用されるために、今後、札幌市としてどのように周知を行う予定なのか、伺います。
◎長谷川 都市計画部長 地区計画策定後の周知についてお答えいたします。
地区計画策定後においても、地域や事業者などが地区計画で示された
まちづくりの目標や方針などを共有し、地域の魅力向上に資する開発や活動が促進されていくことが重要であると認識しております。
そこで、地区計画で示した
まちづくりの目標や方針、また、容積率の緩和の考え方などを分かりやすく解説した「琴似」
まちづくりガイドラインを今年2月に作成し、広報に努めているところであります。
今後は、さらにその効果を高めるために「琴似」
まちづくりガイドラインの概要をまとめたパンフレットを作成し、
まちづくりセンターや商店街振興組合などとも連携しながら、地域に広く周知していく予定であります。
◆定森光 委員 ただいまの答弁で、2月に
ガイドラインを策定し、周知をしているということでした。まだまだ地域住民への周知は十分行き届いていないと思いますので、
まちづくりセンターと協力した地域の周知活動が一過性のものにならないよう、連携して継続していただきたいと思います。
また、地域の新たな課題やニーズによっては、このルールは見直しの必要性が出てくると思います。こうした見直しの声が地域住民からもしっかり上がってくるように、地区計画が地域住民主体によるものということも併せて周知をお願いしたいと思います。
また、地区計画によって
まちづくりが活発になっていくためには、計画策定時には、関わった町内会さん、商店街組合、飲食店組合などの地域住民のみならず、琴似周辺にはたくさんの
まちづくりに関わる団体や市民がおりますので、こうした方々にも周知をしていただくことを要望して、私からの質問を終えたいと思います。
○松原淳二 委員長 ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午前11時40分
再 開 午後1時
――――――――――――――
○藤田稔人 副委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆前川隆史 委員 私からは、丘珠空港の機能強化、そして、中島公園駅周辺地区の
まちづくりについて、2点お伺いをしたいと思います。
まず、丘珠空港の機能強化として、丘珠空港ターミナルビルの拡張に向けた取組についてお伺いをいたします。
今年7月31日に開催された総合交通政策調査特別委員会において、札幌市は滑走路延伸の2030年供用開始を国に要望するとの説明があり、8月31日に、国交省、防衛省に対して、札幌市、道、経済団体連名で要望したと承知しております。
この件については、我が公明党会派といたしましても、観光やビジネスのほか、冬期間でも医療用ジェット機を受け入れられるなど、医療、防災という機能面も含めて、歓迎すべきものと思っているところでございます。
その上で、我が会派からは、滑走路延伸に合わせて旅客数が伸びるのであれば、当然、空港ターミナルビルも同様に機能強化が必須であると委員会質疑の中で指摘をさせていただいたところでございます。これに対して、札幌市は、空港ターミナルビルの拡張は、国によるターミナルエリアの施設規模検討調査を踏まえて、国や関係機関等と協議を進めていくといたしまして、また、ターミナルビルにどのような機能を持たせるのかにつきましては、地域の意見を把握しながら検討を進めていきたい、このような答弁があったところでございます。
滑走路延伸の2030年供用開始を要望し、目指すとなると、約7年後には空港ターミナルの機能強化も終えていることになります。札幌市は、丘珠空港の将来像に滑走路延伸後の旅客数を100万人程度と想定しております。現空港ターミナルビルが38万5,000人程度を想定した規模であることを踏まえますと、2倍以上の床面積拡充が必要と考えられます。
そのような中、丘珠空港の敷地は限られ、国による配置計画を踏まえて協議を進めるとしておりますが、今般、早期実現、年次目標を決めたのであれば、必要となるターミナル規模を早急に検討し、国や関係機関に要望していくなど、拡張用地の確保を目指して積極的な展開が必要であると考えます。
そこで、伺いますが、札幌市は、丘珠空港ターミナルビルの拡張に伴い、年次目標に合わせて空港施設の配置検討を加速させ、関係機関との協議も進めていく必要があると考えますが、札幌市はどのように考えているのか、伺います。
◎奥木 空港活用推進室長 ターミナルビルの拡張に向けた取組についてお答えをいたします。
丘珠空港ターミナルビルにつきましては、滑走路延伸後に旅客数100万人程度に対応できる空港となるよう、他空港の事例も参考に、現状の床面積を約2倍強まで拡張する必要があると認識しております。
一方で、拡張に当たりましては、建物の高さ制限や定期便の運航に対応しながらの工事を行うなどの条件があり、隣接する敷地等への拡張が必須でありますことから、早急に国と協議していく必要があると考えております。
札幌市としましては、札幌丘珠空港ビル株式会社や航空会社と連携・協議して必要規模を整理し、現在、国が行っているターミナルエリアの施設規模検討調査と並行して協議を進めてまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 現行のターミナルビルよりも2倍規模の施設が必要であると現時点では想定しているということでございますし、敷地もやっぱり広げていかなきゃいけないということで、いろいろと協議を進めていくということでございました。
次に、丘珠空港ターミナルビルの機能強化に係る札幌市の役割についてお伺いしたいと思います。
丘珠空港ターミナルビルは、丘珠空港ビル株式会社が設置・運営をしております。その意味では、今後のターミナルビルの拡張も、同社が主体的に行うことと認識をしております。ただ一方で、空港は公共交通の一翼を担っておりまして、また、子どもたちの視察等も受け入れるなど、地域の交流拠点となる施設であることから、公共的な役割も担っているところでございます。さらには、災害時の代替輸送など、医療、防災という観点など様々な機能を今後も維持していくことが求められると思います。
そこで、伺いますが、現状、丘珠空港ターミナルビルの機能強化に当たっては、丘珠空港ビル株式会社と札幌市はどのような役割分担をしていくお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
◎奥木 空港活用推進室長 ターミナルビルの機能強化に係る札幌市の役割についてお答えいたします。
丘珠空港の将来像では、道内外と路線を結ぶ空港という機能のほかに、医療や防災といった機能面も掲げていることを踏まえまして、空港利用者の利便性や災害時対応のスペースなど、札幌市としても空港ターミナルビルの在り方に関与していきたいと考えております。
また、丘珠空港が市民の皆様にとって魅力ある場所となるよう、札幌市としては、空港ターミナルビルに対する地域からの意見は重要と考えておりまして、札幌丘珠空港ビル株式会社と連携し、こうした意見聴取などに取り組んでいく考えでございます。
◆前川隆史 委員 最後に、今後の空港ターミナルビルの運営についてお聞きしたいと思います。
丘珠空港ビル株式会社の運営実績は、これまでの経緯を見れば確認できるところでございますが、このたびの拡張規模を実現していく、その上では組織体制の強化も必要になるかと思います。また、札幌市はターミナル機能について市民の意見を伺って検討するとしておりますが、これも札幌市と同社がしっかりと連携をして迅速に取り組まなければ、滑走路延伸のタイミングに間に合わないのではないかと、このように懸念もするところでございます。さらに、今般の建設資材の高騰、人員不足なども考えますと、同社の経営体制で、しっかりと設計し、拡張費用を確保できるのか、札幌市は地元自治体及び同社の筆頭株主としてしっかり関与をしていく必要があるかとも思います。
一方で、全国の空港運営を見ますと、国は、経済財政運営と改革の基本方針等に基づきまして、原則、全ての空港をコンセッション化、つまり、民間による滑走路と空港ビルの一体管理を促進しているところでもございます。丘珠空港は、共用空港であるため、民間による一体経営となる場合に着陸料が入らないなどの課題もありますが、いずれにしても、今後の空港の運営体制の強化については様々な選択肢があり、早急に検討した上で、この空港ターミナルビルの拡張に取り組む体制を構築していくことが必要でございます。
そこで、伺いますが、札幌市は、丘珠空港ターミナルビルの運営についてより体制強化が求められると思いますが、どのように認識をしていて、どのような取組を考えているのか、お伺いいたします。
◎奥木 空港活用推進室長 今後のターミナルビルの運営についてお答えいたします。
丘珠空港ターミナルビルにつきましては、滑走路延伸等に伴う発着便数及び旅客数の増加によって、施設規模も拡大し、今後はこれらに応じた人員体制及び運営資金の確保等が重要と考えております。
このことから、札幌市としましては、滑走路延伸等の機能強化に併せて、空港運営体制の強化も必要と認識しておりまして、他空港の事例等を調査し、計画的な人員体制の強化やテナント誘致による増収、空港使用料の導入など、今後の空港運営について、国や札幌丘珠空港ビル株式会社等と検討してまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 しっかり運営体制を強化していく、そういった決意が示されたところでございます。現時点では、あんまり細かいことはなかなか言いづらい雰囲気もあるかと思いますけれども、しっかり、この滑走路延伸に伴って丘珠空港の機能強化を、
まちづくりや経済の活性化、防災、減災などにその効果を速やかに波及させていくための準備をしっかり整えていっていただきたいなと思います。
また、将来の空港運営につきましては、道内のほかの空港との一体運営ですとか、はたまた、海外資本との連携ももしかしたらあるかもしれません。ともあれ、ギアを上げて取組を進めていただきますよう求めまして、この質問を終わりたいと思います。
次に、中島公園駅周辺地区の
まちづくりについて伺いたいと思います。
我が会派では、中島公園とその周辺について、緑豊かな空間や文化施設など様々な資源が存在し、ポテンシャルが高く、また、最近ではホテルやオフィスの建設なども計画されておりまして、発展の余地があると、都心部の貴重な地域であると認識しておりまして、様々な機会を通じて質問を重ねてまいりました。
この地域については、現在、策定に向け、検討中の第2次
まちづくり戦略ビジョン(戦略編)で新たに高次機能交流拠点として位置づけられる予定でございます。また、建設局においても、都心のみどりづくり方針の策定に向け、検討中であることから、6月の建設委員会では、私も、委員の一人として、中島公園の魅力アップに向けた機能強化の方策ですとか、公園周辺との連携について質問を行ったところでございまして、今後の展開に非常に期待をしているところでございます。
一方で、こうした取組に先行しまして、令和3年11月、
まちづくり政策局では、中島公園の北側を対象区域として、中島公園駅周辺地区
まちづくり基本構想を策定しております。新MICE施設の整備を見据えて、民間開発を誘導する考え方や、地区内のエリアごとの
まちづくりの方向性について取りまとめたものであると思います。
新MICE施設は、事業の実施が延期され、現在は再検討中でございますが、周辺では民間開発も進んでいる状況でございます。再検討の結果を待たずに、
まちづくりの具体的な取組を進めていくことが非常に重要かと思っております。札幌市としてもそうした認識かと思いますけれども、令和4年度に基本構想を受けた調査業務を実施したと伺っております。
そこで、最初に伺いますが、令和4年度に実施した中島公園駅周辺地区現況等調査業務の目的と内容、そして、その結果についてお伺いしたいと思います。
◎稲垣 都心
まちづくり推進室長 中島公園駅周辺地区の
まちづくりに関しまして、令和4年度に実施した調査業務についてお答えいたします。
まず、調査の目的と内容でございますが、この調査は、基本構想で設定したエリアごとの特徴を踏まえた民間開発の誘導方策や、誰もが快適にまち歩きを楽しむための回遊性向上策を具体化するための基礎資料を得ることを目的に実施したものでございます。
内容といたしましては、回遊性を把握するために、札幌駅前通、菊水・旭山公園通及び鴨々川の沿道を対象といたしまして、建物の1階部分の路面店などの立地状況と、それらと歩道や川との接し方などを調査するとともに、他の都市におけます水辺空間を生かした取組事例について調査をいたしました。
次に、その調査の結果でございますが、回遊性の調査では、駅前通以外はまち歩きを楽しめるにぎわい用途の立地が少なく、特に鴨々川の沿道では、川に背を向けた建物により、無機質な空間となっている事例があることを把握いたしました。
また、他都市の事例調査におきましては、東京都渋谷区におきまして、川沿いに遊歩道と広場を整備してマルシェを実施している例などを確認したところでございます。
◆前川隆史 委員 札幌にはなかなか少ない、水辺とまちの融合した、まず、にぎわいづくりですとか、魅力あふれるそういった空間形成というものを志向した、そういった調査であり、また、そういった結果も得られたのかなというふうに思います。
現在、札幌駅ですとか、大通の開発に目が向けられておりますけれども、札幌市から今のご答弁にあったような調査結果を踏まえましても、中島公園駅周辺地区は、駅前通を基軸とした都心の
まちづくりにおいて、南端の起点として非常に重要な場所でございまして、集中して取り組むことが重要じゃないかなと思っております。
例えば、都心の創成川より東側のほうは、以前は注目度が低かったものの、地元の地域の皆様との協働で、地域の特徴をしっかり捉えた
まちづくりを重点的に行って、今やいわゆる創成イーストとして非常に注目をされております。こうした新しい
まちづくりもたくさん見受けられるようになってきております。
中島公園駅周辺地区も、基本構想やその後の調査に基づきまして、エリアごとの特徴をしっかり捉えて、地域課題の解決とさらなる魅力向上に向けて、行政と地域がしっかり連携を図りながら、丁寧に取組を推進していくことが必要かと思います。
そこで、伺いますが、昨年度実施した調査の結果を踏まえて、今後はどのような取組を行っていくお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
◎稲垣 都心
まちづくり推進室長 昨年度の調査結果を踏まえ、今後どのように取り組むのかとのお尋ねでございます。
調査結果を踏まえまして、地区の回遊性を高める民間開発やにぎわいづくりの取組等を効果的に誘導するために、今後はエリア別の
ガイドラインを策定する予定でございます。そのため、まずは、地権者やテナントへの意向調査等によりまして、建て替えや改修の可能性を把握しますとともに、
まちづくりに関わる地域の方々との意見交換などによりまして、地域の魅力を高めるイベントの実施などについても検討してまいります。
こうした検討を経て、実効性のある
ガイドラインを策定し、ハード・ソフト両面から官民連携で取組を展開していくことによりまして、将来的には、今後整備予定の新MICE施設に訪れる方々も含め、誰もが快適にまち歩きを楽しめる地区となるよう取り組んでいきたいと考えております。
◆前川隆史 委員 エリア別に
ガイドラインをしっかり作成しながら、地域の皆さんとの協働で将来の新MICE施設の建設を見据えた魅力ある地域にしていきたいということだったと思います。しっかり、地域の皆さんの理解の下、実効性のあるすばらしい
ガイドラインとなるように取り組んでいただきたいと思います。
また、この
ガイドラインの策定に当たりましては、ぜひ、建設局ですとか、経済観光局とも横連携をしっかり図っていただきながら進めていただきたいと思います。
また、スケジュールについて、あまり具体的な言及はございませんでしたけれども、新MICE施設の再検討の状況がなかなか見通せないことを踏まえますと、致し方ないなというふうに思うところもございます。
ともあれ、都心の
まちづくりの中で一番新しい可能性が秘められているのがこの中島公園駅周辺地区だと思いますので、しっかりと取り組んでいただきますことをお願いして、質問を終わります。
◆中川賢一 委員 今ほど前川委員のほうからも丘珠空港の機能強化に関していろいろと問題提起があったところでございますけれども、私のほうからも、丘珠空港の将来を見据えて、ビジネスジェットの利用の拡大について、何点かお伺いをしていきたいと思います。
今年になりましてから、新型コロナウイルス感染症の制約等々も緩和されまして、最近は、まちを歩いておりましても、外国人を含む観光客の方々が随分と増えてきているなというふうに実感をするところでございます。
今後、我が国の人口減少が必至であります中、地域の活力を維持・向上させていくためには、観光をはじめとしました流動人口がもたらす需要というものを効果的に取り込んで、そして、拡大をさせていくということが非常に重要でありまして、札幌、北海道が持っている食や自然などの観光資源を生かして誘客を促進していくほか、ビジネスなどの往来を促進し、消費の拡大を図っていくことが求められているというふうに考えます。
そのためには、広域交通拠点であります、そして、札幌の空の玄関口でもある丘珠空港が今後果たすべき役割ということは極めて大きいということは言うまでもございませんし、定期航空路線の拡充はもちろんのこと、ビジネスジェットの受入れ体制というものを整え、富裕層を含む国内外からの誘客に力を入れていくことが、札幌、北海道の活力を向上させ、ひいては、丘珠空港の将来像を実現していく上でも、極めて効果的、重要であるというふうに考えます。
今年の第2回定例市議会の代表質問におきまして、私のほうからビジネスジェットの利用拡大に向けた取組について質問をさせていただきましたところ、まずは、ビジネス、観光分野などにおける利用のニーズの調査を行っていくというようなお考えを秋元市長からご答弁いただいたところでございます。
そこでまず、お伺いいたしますが、丘珠空港におけるビジネスジェットの利用拡大に向けて、札幌市はどのような調査を行い、現状、どのような結果が得られているのか、お伺いをしたいと思います。
◎奥木 空港活用推進室長 ビジネスジェットの利用拡大に向けた調査についてお答えをいたします。
現在、ビジネスジェットの利用ニーズや、丘珠空港に求められる施設、機能等を把握するため、日本ビジネス航空協会をはじめ、道内外の旅行代理店やビジネスジェット運航事業者などにヒアリング調査を実施しております。
ここまでのヒアリングでは、国内におけるビジネスジェットの利用は増加傾向にあり、特に海外からの観光需要を中心に今後の利用ニーズが見込まれるとの傾向が確認できたところでございます。
また、丘珠空港に求められる施設や機能としましては、ビジネスジェットに車から直接乗り込めるような専用の動線や駐機スポットの増設などが挙げられているところであります。
◆中川賢一 委員 ビジネスジェットに関する調査の進捗状況、そして、今後、何が必要になってくるのかという点につきまして確認をさせていただきました。
丘珠空港でのこの利用を増やしていくためには、もちろん、使いやすい施設、体制というものを整えていくことが先決でございまして、さきに8月にも国に要望を行ったところでありますけれども、札幌市としましても、引き続き、調査検討を行い、必要な整備につなげていっていただきたいなというふうに望むところでございます。
私は、先日、このビジネスジェットに関しまして、大分空港にありますホンダジェットの格納庫、整備場、トレーニング・センターなどといったものを視察させていただきました。ホンダジェットは、機体が小さいながらも、機内が比較的広くて、駐機スペースが少ない丘珠空港においても十分に活用ができるというふうに考えておりまして、また、近年、世界的にも販売台数を伸ばしているというふうに伺ってございます。
視察の中では、本田航空から、北海道は、面積が広大で、定期便が就航していない空港間での移動の手段として、富裕層をはじめとするビジネス、観光面での活用というものは大変期待されるのではないかというような見解を示していただきました。そして、あわせて、ビジネスジェット、小さい飛行機でありましても、航空機である以上、厳格な点検、パイロットの育成などといったことをしっかり整えていくことが必要であるというふうなご教示も頂戴をいたしました。
このようなビジネスジェットの拠点となっていくためには、もちろん、その地域に一定の需要が見込める必要というものはございますし、また、札幌、北海道の豊富な観光資源等々を考えますと、ビジネスジェットの事業者に対する誘致と利用促進に向けた整備というものにしっかりと取り組んでいくことで、丘珠空港の機能強化を図っていけるものではないかというふうに考えます。
そこで、次の質問でございますが、ビジネスジェットの環境整備だけではなく、運航事業者に対して丘珠空港の活用を働きかけていくといったことも必要になってくると考えますが、札幌市としてのご認識をお伺いしたいと思います。
◎奥木 空港活用推進室長 運航事業者への働きかけについてお答えをいたします。
ビジネスジェットの利用拡大に向けましては、ビジネスジェットの運航事業者にとっても利用しやすい空港にしていくことが重要と認識しております。
さきのヒアリング調査では、運航事業者からの意見として、滑走路の延伸、運航クルー用の執務スペースの確保、それから、冬の期間の駐機に対応するための格納庫の必要性などが挙げられているところであります。
引き続き、運航事業者の意見やニーズの把握を行うとともに、丘珠空港のビジネスジェット利用実績を重ねていく中で、運航事業者に対し、丘珠空港の活用や将来的な事業拠点化などについて働きかけてまいりたいと考えております。
◆中川賢一 委員 その辺の働きかけは、さらに続けていっていただきたいなというふうに思います。
ビジネスジェットを誘致していくに当たりましては、必要な機能整備というものを進めていくということはもちろんでございますけれども、そもそもそれ以前に丘珠空港を使って札幌を訪れるというような理由づけ、そして、訪れたいと思うような目的になるようなことというものをしっかりとつくり上げていって、利用が拡大していくような、そういった背景づけをしていくことが極めて肝要ではないかなというふうに考えます。
例えば、国内で初めてビジネスジェットの専用ターミナルを整備いたしました県営名古屋空港でございますけれども、こちらは、やはり、東海地域で自動車・航空産業などの集積地に近いといったようなことですとか、また、観光面では、徳川ゆかりの地であるというような歴史・文化などをセールスポイントとして利用を延ばしているというように伺ってございます。また、鹿児島空港ですとか、和歌山県の南紀白浜空港では、地元の豊かな食や自然、温泉などといった観光資源を積極的にPRされているようでございます。
このような国内の他の空港の取組等々を拝見しますと、丘珠空港においてビジネスジェットの利用を今後増やしていくためには、札幌や近郊を訪れるビジネス上の必然性や動機、多様な来訪目的などを戦略的に創出し、明確に発信をしていくということが極めて重要と考えます。
そこで、最後の質問となりますけれども、富裕層などのビジネスジェットの利用者層をターゲットとした来訪目的を戦略的に創出していくことの必要性についてどのように認識をされているのか、実際に大分空港のビジネスジェットの関連施設をご覧になられました村瀬局長にその辺りのご見解についてお伺いをしたいと思います。
◎村瀬 都市計画担当局長 ビジネスジェットの利用者層をターゲットとしました来訪目的の創出についてでございます。
消費単価の高い富裕層の利用を増やしていくためには、空港の整備に加え、日常では経験できない食事であるとか、特別な場所の提供など、来訪目的の創出に取り組んでいくことが必要というふうに認識しております。
また、こういった来訪目的の創出は、飲食業や宿泊業など、関連産業の活性化や雇用の創出などの観点からも重要と考えております。
こうしたことから、ビジネスジェットの利用拡大に向け、空港の施設整備と並行しまして、札幌、北海道を訪れたい、滞在したいと思っていただけるような来訪目的の創出についても関係機関と連携して取り組んでまいります。
◆中川賢一 委員 特別な来訪目的というものが極めて重要だという点については、共有いただけたものというふうに受け取らせていただきます。
先日の新聞報道などによりますと、富山県や長野県などにおきまして、ホンダジェットを活用した富裕層向けのテストツアーなどが行われておりまして、参加者からも好評を博しているというように伺ってございます。
国内では、このような富裕層向けの旅行商品の企画ですとか、ビジネスジェットのチャーター事業といったものを行う企業も増えてきているようでございまして、国や道などの関係者はもちろん、旅行代理店や運航事業者ともしっかりと連携をしながら、ビジネスジェットの利用層にふさわしい需要創出を模索し、丘珠空港のビジネスジェットへの道筋をぜひとも開いていただきたいというふうに思います。
また、札幌周辺では、ラピダス社の千歳への進出ですとか、グリーントランスフォーメーション、いわゆるGX、環境投資などといった極めて大きな経済的な動きがにわかに活発化してございます。
こういった千載一遇のビジネスチャンス、産業振興のチャンスというものをしっかりと捉えて、丘珠空港を利用するビジネスパーソンの需要を積極的に創出していくということは当然でございますし、そういった意味では、かねてから我々が主張しております丘珠空港の周辺地域の土地利用の再検討、市街化調整区域の高度活用ですとか、こういったことにつきましても、今日はこの点については具体的にはお伺いしませんけれども、これまでの市のスタンスで、未来の札幌のために本当にいいのかどうか、丘珠空港を中心とした本市の新たな発展の姿を見据えた柔軟かつ多面的な検討を市全体として今後進めていくべきではないかということを強く申し添えまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
◆篠原すみれ 委員 私からは、都心部における荷さばきについて質問いたします。
札幌の都心部には、数多くの大規模商業施設や飲食店、オフィス等が立地していることから、物流事業者らによって、日々、多くの荷物が搬送されております。そのような中、日々、多くの搬送先には、荷さばき車両用の駐車場が確保されていない施設もあり、そうした場合には、荷さばき車両は道路上に駐車せざるを得ません。
都心部の道路のほとんどは駐車禁止となっているため、荷さばき車両については、指定場所に限り、駐車禁止の規制対象から除外される荷さばき緩和区間が設置されております。しかしながら、荷さばき緩和区間に一般車両が駐車している状況も見受けられます。特に、朝8時から9時半の時間帯や夕方6時前後の時間帯は、一般車両が送迎のために駐車していることが非常に多いです。また、一般車両の運転者には、その場所が荷さばき緩和区間であるという認識がない、もしくは、運転席に人が乗っていれば、駐車禁止にならないという間違った認識があるのも現状でございます。
運送事業者からは、本来駐車できるはずの荷さばき車両が駐車できず、大変苦労しているため、荷さばき緩和区間での一般車両の駐車の取締りを強化してほしいという切実な声が寄せられております。
こうした実情の中、最近では、札幌駅周辺の再開発事業に伴い、一般車両用の駐車場が減っております。実際に閉鎖された大規模な駐車場の台数を確認したところ、JRタワーイースト立体駐車場・センター
屋外駐車場のうち、
屋外部分が約330台、エスタ駐車場が約290台、レールパーク札幌が約270台とのことです。これだけの台数の駐車場が閉鎖されたことにより、荷さばき緩和区間を含む道路上に駐車する一般車両はさらに増えることが懸念されます。
加えて、10月1日からは、札幌駅バスターミナルの閉鎖により、路上に仮設バス乗降場、言い換えると、仮設のバス停のことでございますが、荷さばき緩和区間の一部が使用できなくなりました。仮設バス乗降場のバスの発着台数についても確認いたしましたところ、発車台数、到着台数ともに約640台とのことで、それだけ多くの台数のバスが従来とは違う流れで車道を通行するということは明らかです。
これら一般車両の駐車や走行に関する大きな情勢変化の結果、これまで以上に荷さばき作業に支障が出てしまうのではないかと危惧しているところです。違法駐車の削減に向けては、警察において巡回や啓発に取り組んでいることはもちろん理解しておりますが、本市としても、できる限りの対策を積極的に行っていく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、本市では、荷さばき緩和区間の運用について、現状をどのように認識しているのか、伺います。
◎稲垣 都心
まちづくり推進室長 都心部におけます荷さばき緩和区間の運用に関する現状認識についてお答えをいたします。
都心部における荷さばき緩和区間は、札幌市をはじめ、北海道警察、地元関係者などによる調整を経まして平成18年に30か所設置されて以降、平成28年には計43か所にまで増えております。また、当初、最大積載量5トン未満かつ20分以内とされていた利用の条件は、現在では撤廃されているところでございます。
これら緩和区間の設置と利用規制につきましては北海道警察の所管でございますが、札幌市といたしましても、
ホームページでの情報提供や荷さばき中の車両であることを明示するカードの配付に加えまして、必要に応じて緩和区間の路面標示などの対策を実施してきたところでありまして、荷さばき緩和区間の運用環境は徐々に改善してきております。
しかしながら、委員がご指摘のとおり、今月からの仮設バス乗降場の設置に伴い、札幌駅南口周辺の荷さばき緩和区間が4か所減っておりまして、こうした状況の変化に応じた対応を検討していく必要はあると認識しているところでございます。
◆篠原すみれ 委員 ただいま、具体的な数字も含めまして、様々な対策を実施しているということを理解しました。また、状況の変化に応じた対応が必要というご認識があることも伺いました。
一方で、荷さばき緩和区間というもの自体が多くの一般車両の運転手に浸透していないことも大きな問題の一つと考えます。私も、先週、本市の荷さばき場に指定されている場所を車で回ってきたところ、荷さばき場での一般車両の停車が実に多かったです。違法駐車が文字どおり違法であることは理解していても、荷さばき緩和区間が多くの一般車両の運転手に浸透していなければ、目の前の物流トラックが駐車しているのだから、少しくらい自分が止めても大丈夫だろうと思う一般車両の運転手も少なくないと思います。
また、先ほど述べました札幌都心における状況の変化に加えまして、全国的な物流を取り巻く状況として、来年4月からは、トラックドライバーに働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律というものが適用されます。これは、物流産業における多様な働き方の選択の実現を目的としておりますが、同時に時間外労働の上限が年間960時間になるなど、一部のトラックドライバーの労働時間が短くなることも想定される法改正でございます。まさしく物流が停滞しかねない、いわゆる2024年問題に直面しております。市民生活や経済活動への大きな影響が危惧されます。物流業界は、この問題について何年も前から問題提起されていると聞いておりますが、残念ながら適切な対策が講じられておりません。
このような背景からも、荷さばき緩和区間の適正な利用がますます求められる状況であると言えます。そして、一般車両の運転手が荷さばき緩和区間に駐車しないようなルールについて、これまで以上に分かりやすく周知徹底していくことが重要と考えます。
そこで、質問ですが、荷さばき緩和区間の適正な運用や荷さばき環境の改善に向けて、今後、本市としてはどのように対応していくのか、お伺いいたします。
◎稲垣 都心
まちづくり推進室長 荷さばき緩和区間の適正な運用と荷さばき環境の改善に向けた今後の対応についてのお尋ねでございます。
委員がご指摘のとおり、いわゆる2024年問題により、都心部の荷さばき環境は厳しくなることも想定されますことから、札幌市といたしましても、引き続き、北海道警察とも連携しながら、取組を充実させていきたいと考えております。
そのため、具体的には、荷さばき緩和区間におきまして、一般車両のドライバーにルールの遵守を促す表示板を設置するなどの対策を検討してまいります。また、例えば、エリア単位で建物管理者と運送事業者が共同荷さばきの仕組みをつくる取組を支援し、その取組を他のエリアにも展開していくことなどを通じ、都心全体における荷さばき環境の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
◆篠原すみれ 委員 警察との連携や、都心部全体で荷さばきについての周知徹底をされていくということは理解いたしました。
札幌駅周辺の再開発事業に代表されますように、一般車両が駐車できる場所が、この先数年、大きく減少し、今後、都心部における違法駐車の車両の増加が心配されるところです。
これまでも、荷さばきするための場所が都心部には少ないことが物流業界では問題視されておりました。それにもかかわらず、物理的に荷さばきの区間も仮設バス乗降場の設置などによりさらに減少するばかりか、2024年問題も重なります。今月から始まった仮設バス乗降場の設置は、5年間という長期にわたるため、一時的な課題とは言えません。さらには、これからやってくる雪の季節では、路肩の積雪により車線が少なくなり、トラックの移動時間が、冬季は、夏季と比べ、約12時間かかることもあると聞きますので、問題は山積みでございます。
物流業界は、私たちが日常生活を送るために欠かせない仕事であり、その仕事に従事している方は、エッセンシャルワーカーとも言え、経済活動になくてはならない存在です。物流業者の負担がこれ以上増加することがないような対策が必要です。
そのためには、市内中心部に車両を乗り入れる一般ドライバーや市民に対して、駐車禁止の取締りにとどまらず、荷さばき緩和区間の周知が徹底されることが重要であり、具体的な対応策を、先ほどの答弁でもありましたが、より求めます。また、人手不足が慢性化している物流業界が魅力ある業界となるためにも、2024年問題の対策の一つとも言える荷さばき緩和区間に対する確実な取組が必要です。
今後、都心の交通状況をしっかり注視し、新しい荷さばき場の確保も含めて検討していただくことを強く要望し、私の質問を終わります。
◆ふじわら広昭 委員 私は、3項目質問いたします。
1項目めは北5西1・西2地区市街地再開発事業について、2項目めは新たな公共交通システムの検討状況について、3項目めは大通情報ステーションについてです。3項目めについては、市民文化局、そしてまた、経済観光局も関わりがありますので、担当の3人の部長に参考人として理事会の承認を得て来ていただいておりますので、後ほど質問をいたします。
初めは、1項目めの北5西1・西2地区市街地再開発事業についてです。
1点目の質問は、工事費増加への対応についてです。
同事業については、先日、資材高騰や人手不足に伴う人件費の上昇により工事費が増加したことを受け、当初計画を見直す検討に入っているとの報道がありました。加えて、ラピダスの半導体工場が千歳で今年9月から建築工事が始まることにより、建設機械や人手が不足するとの声も聞こえております。
このような状況の中、札幌市内においても既に計画の延期や見直しに至っている
プロジェクトも見受けられており、道都札幌の顔として極めて重要な同事業においても、どの程度影響が及ぶのか、懸念しております。
そこで、質問ですが、工事費増加への対応についての検討を進めているのは事実か、伺います。
また、事実である場合、いつまでに検討を終える予定なのか、併せて、まず伺いたいと思います。
◎山田 札幌駅交流拠点推進担当部長 北5西1・西2地区市街地再開発事業におけます工事費増加への対応についてお答えいたします。
資材高騰や人件費上昇によります工事費の増加につきましては、全国的な課題であると認識しているところであり、本事業におきましても、既に再開発組合において、どのような対応が可能か、検討を進めているところでございます。
また、その検討期間につきましては、現時点で具体的に定めているものではございませんが、事業の進捗に極力影響が及ばないように、できるだけ速やかに検討を終えられるよう進めているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 できるだけ速やかに検討したいということではありましたけれども、本事業については、道都札幌の玄関口にふさわしい機能強化を図るものであることから、事業内容に対する影響についても、先ほど申し上げましたように懸念をしているところであります。
そこで、2点目の質問は、バスターミナルなどの機能強化を図る取組への影響についてです。
同事業は、西1・西2街区1階部分に利便性の高いバスターミナル施設を整備するとともに、バス利用環境を向上させる快適な待合空間の確保や、新幹線をはじめとする各交通施設が相互につながる乗換え動線の整備など、交通結節点の強化を図る計画となっております。あわせて、JR札幌駅南口駅前広場や新幹線改札口と一体となったアトリウム空間の整備のほか、北5条・手稲通沿いの緑と憩いの空間の整備といった人々の交流を促す多様なパブリックスペースの形成など、様々な取組が予定されております。このため、工事費増加への対応の結果、このような札幌駅交流拠点としての機能強化に向けた取組が実現されない、あるいは、取組内容が後退しないか、危惧しております。
そこで、質問ですが、バスターミナルをはじめとする札幌駅交流拠点としての機能強化に向けた各種取組について、工事費増加の影響が生じることがないのか、伺いたいと思います。
◎山田 札幌駅交流拠点推進担当部長 バスターミナルをはじめとする札幌駅交流拠点としての機能強化を図る取組への影響についてお答えいたします。
当地区におきましては、令和元年に札幌駅交流拠点北5西1・西2地区再開発基本構想を策定し、再開発に合わせて、札幌駅交流拠点としての機能強化を図る取組を位置づけております。
具体的には、質の高いオープンスペースの整備等による道都札幌の玄関口にふさわしい新たなシンボル空間の創出のほか、バスターミナルの再整備や円滑な乗換え動線の整備等によります交通結節点としての機能強化などを目指すこととしております。
これらの取組については、本事業の根幹となるものでございますので、工事費が増加した場合におきましても、当初計画どおりに整備を行うことを前提で検討を進めていく考えでございます。
◆ふじわら広昭 委員 当初の計画どおり進めていきたいという答弁でありましたので、ぜひ実現が可能となるよう、今後一層の期待をしているところであります。
要望を2点申し上げて、次の質問に移ります。
1点目は、本事業については道都札幌の玄関口として極めて重要な
プロジェクトであることから、基本構想に掲げる取組の実現に向けてしっかりと進めていただきたい。
2点目は、2022年の
決算特別委員会において、私は建設発生土に関して質問をしましたが、同事業については、約30万立米の建設発生土が生じ、そのうち約2割の約6万立米を処分地に搬出する計画となっておりますが、この6万立米というのは10トンダンプに換算して約1万台もの土の量になることから、適切な処理を行うよう求めてきました。今後、事業の進展に伴い、具体的な施工計画を作成していくことになると思いますが、この建設発生土の適切な処理が行われるよう、引き続き、工事施工者に対してしっかり指導していくことを強く求めておきます。
次は、2項目めの新たな公共交通システムの検討状況についてです。
1点目の質問は、検討状況についてです。
2023年6月に行われました札幌市議会の議案審査特別委員会において、私は、路面電車延伸に代わって検討中のレールや架線のない新たな公共交通システムについて、その導入の目的や検討の進め方、2024年度と2025年度に予定の社会実験に向けて持ち合わせるべき視点などについて指摘をし、様々な角度から検証して検討を進めることを強く求めてきたところであります。その際の答弁では、新たな公共交通システムの検討に当たり、様々な観点から議論を進める必要があることから、国などの行政機関や有識者などで構成される会議体を設置し、検討を進める考えが示されました。今年度に入り、これまで、国などの行政機関との会議が3回開催され、また、有識者との会議が1回開催されております。
札幌市が検討する新たな公共交通システムについては、連節車両も視野に入れられており、連節車両は、大変、運行が難しいことから、他都市の先行事例や海外事例など、現地を実際に見て参考にしながら、具体的な判断と最終判断をするべきと考えております。
そこで、質問ですが、新たな公共交通システムの検討状況について伺います。
◎和田 公共交通担当部長 新たな公共交通システムの検討状況についてお答えいたします。
新たな公共交通システムの検討に当たりましては、国等の関係機関による検討会と学識経験者などによる研究会を組織しており、これらの会議の中で、2030年度に目指すべき姿や社会実験での検証内容について、各委員と意見交換を行っているところでございます。
また、委員がご指摘のとおり、検討の質を高めるためには、他都市の導入事例を参考にすべきであると考えておりまして、これまで、横浜市や新潟市、福岡市、富山市などに伺い、自治体や運行事業者へヒアリングをしたほか、フランスのメス市などの視察も行ったところでございます。
特に、フランス視察において見られました国内事例と異なる点につきましては、一つは車両のデザインでありまして、フロントデザインや大きな車窓など、まちの魅力を高める工夫がなされていた点でございます。また、二つ目は運行環境やサービスでございまして、キャッシュレスを取り入れながら、誰にでも使いやすい料金体系を導入するなど、利用者視点を重視したものになっていた点でございます。
今後につきましては、引き続き、国内外の先進事例を参考にしつつ、定期的に検討会等を開催し、関係者の意見や知見を踏まえながら、スピード感を持って、検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 国内の4都市やフランスなども視察調査をしてきた、今後もそうした取組を行っていきたいということでありますけれども、2点目の質問は、新たな公共交通システムの検討における議論についてです。
検討に際して、他都市の事例などを実際に見て、感じて、参考にしながら最終的に判断をすべきというふうに思うわけでありますけれども、今後も、広い視野を持って、具体的な検討と判断をすべきと思います。
検討会などの開催に当たり、様々な立場から意見が交わされていることと思います。当初、事務局である札幌市が想定していた内容に対して、新たな視点や提案など様々な意見などを受け、検討が進んでいるものと想定されます。
そこで、質問ですが、新たな公共交通システムの検討会や研究会においてどのような意見が出され、札幌市としてどのようなことを今後の課題として認識しているのか、伺いたいと思います。
◎和田 公共交通担当部長 新たな公共交通システムの検討会における議論についてお答えいたします。
検討会では、札幌市の案として、本格運行時の目指すべき姿や、主要な検討項目である運行車両やルート、実験時に検証すべき内容等の考え方をご説明し、委員と意見交換を実施しているところでございます。委員からは、例えば、水素燃料車両を災害時の非常用電源として活用することや、車両や停留所などを総合的にデザインするトータルデザインの必要性など、新たな視点の意見も受けているところでございます。
札幌市では、これらの検討会における意見につきまして、検討すべき課題として認識しておりまして、今後、開催される検討会等において、これらの視点でもしっかりと議論を進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 3点目の質問は、社会実験に向けた検討の進捗状況についてです。
2023年6月に行われました札幌市議会の議案審査特別委員会において、私は、要望事項として3点、1点目に、札幌の冬を前提とした様々な課題の検討、解決を図ること、2点目に、車両及び安全対策として、連節バスや水素動力源のバスを使用した実験は、納入までに要する長い期間を踏まえて既存のバスの活用も検討すること、そして、連節バスの運転は訓練が必要であることから、運行委託先の判断を早く行うこと、3点目に、運行ルートについては、市民生活と観光客の需要や利便性を踏まえ、ルートや乗降場を選定すること、以上3点を要望したところであります。現在は、原局において、次年度の社会実験に関する予算要求に向けて準備を進めていることと思います。
そこで、質問ですが、社会実験に向けてどのような検討を進めているのか、伺います。
◎和田 公共交通担当部長 社会実験に向けた検討の進捗状況についてお答えいたします。
今後実施予定の社会実験におきましては、整備の効果や運行の課題をしっかりと検証するため、まずは、社会実験の実施内容として、運行車両やルート、決済方法等について整理している状況でございます。
社会実験は、実験時の再開発の進捗状況や技術開発など、本格運行時とは状況が異なり、実施できる項目は限られているものの、可能な限り、本格運行を想定して実施する必要があると認識してございます。また、社会実験は、2年目には冬の期間に行うことで、積雪寒冷地特有の課題を把握することも重要な視点であると認識してございます。
今後は、これらの視点を踏まえながら、検討会と研究会でより具体的な議論を重ね、検証内容や課題を整理した上で、今年度内に社会実験の計画を取りまとめていきたいという考えでございます。
◆ふじわら広昭 委員 今後、社会実験をしていくことではあるんですけれども、先ほど申し上げた3点の私の要望というのは、まだまだ解決がされてきていないということになります。
そこで、先ほどの海外なども視察をした、あるいは、国内のほうも視察をしてきたということなんですけれども、札幌市としては、この間、議会に示してきたように、いわゆるレールというようなものの新しい交通システムではなくて、この間、いろいろな資料で示してきたタイヤ、バスなどを中心として、動力を取る架線とか、そうしたないものを前提にしているという考えに変わりはないのか。私もいろいろ調べてはきたんですけれども、ヨーロッパ、フランスなどでは、札幌市が目指そうとしているような、バスに似たようなタイプのタイヤで走る車両については、その都市によって異なりますけれども、専用のそうした道路を造って、そこを走っていくというような取組をしている都市もあるというふうに思うわけでありますけれども、改めて、今まで議会に示してきたことと変わりがないのか。
例えば、私も、議会の中で、今から15年以上前ですけれども、トヨタのテストコースで、当時として、道路の上に誘導していくセンサーを発する、そうしたバスの試乗なども行ってきましたけれども、やはり、積雪寒冷地の中では、そうしたものはなかなか難しい状況であるわけでありますけれども、改めて、その辺の考え方を確認させていただきたいと思います。
◎和田 公共交通担当部長 今後の取組の考え方についてでございますけれども、これまでお示ししてきた事柄と内容につきまして、詳しく現在検討している状況でございますが、今のところ、軌道なしで、環境配慮型の車両を使いながら、札幌の魅力を高める取組としていくという考えには変わりはございません。
今後さらに検討を深めまして、運行環境なども含めて、どういう形が札幌市にとってよいのか、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 要望を申し上げて、3項目めの質問に移りたいと思います。
要望としましては、前回も申し上げましたけれども、水素バスのエンジンの開発は、国内でも連節車両のエンジンはまだ十分に開発されておりません。通常、この札幌市内でも走っている長さ12メートル以内の路線バスなどについては、水素エンジンの開発がある程度されて、東京都などでも一部導入はされておりますけれども、12メートル、プラス6メートルの連節バスについての水素エンジンの開発のめどはまだ立っていないと思うんですね。これが本当に2030年までに解決できるのかということも何とも言えない状況であります。そういう意味では、ぜひ、この交通、新しいシステムについては、2030年にあまりこだわることなく、しっかりとした検証をして最終判断をしていくべきだということを申し上げておきたいと思います。
二つ目には、やはり、もし、来年は夏、再来年は冬をするという答弁でありましたけれども、これは、どこに運転業務を担ってもらえるのかということを早く示さないと、全く協力していただけないのか、あるいは、この程度なら協力いただけるということもなかなか判断がつかないというふうに思います。
また、今後の課題でありますけれども、3点目としましては、これを本格運行したときには、どこが経営の事業主体になるのかということが問われてくるわけであります。路面電車は上下分離をしましたけれども、国の法律を活用してその承認をしてもらわなければできないわけで、こうしたバス的な車両は道路運送法でありますけれども、軌道については、部長は先ほどの答弁でそうしたものは今考えていないということですから、軌道法の関係はないんですけれども、道路運送法に基づく上下分離の場合、札幌市のどこが事業主体になっていくのかということもしっかり今から検討しておかなければいけない課題だと思うし、次回の質問のときには、そうしたことも、どのように検討されているのか、確認をしたいと思いますので、具体的な検討を進めていただきたいというふうに思います。
次は、3項目めの大通情報ステーションについて質問をいたします。
2022年の8月3日の本市の行政評価委員会外部評価ヒアリングが開催をされておりまして、これから申し上げる大通情報ステーションについても、その対象となって、ヒアリングでの質問に対する回答などが行われてきているわけであります。それを受けて、札幌市は、大通の情報ステーションを廃止するということを前提にして、そこに情報の端末機や、また、アイヌのPRコーナーなどもつくりたいということが議会も総務委員会で報告事項として説明を受けているわけであります。
私は、今後の取組を進めていく上では、まず、行政評価委員会でどのような質問があって、どのような回答、説明をしてきたのかということは、大変重要に今後なると思いますので、確認の意味でそうしたことを取り上げていきたいと思います。
質問の1点目は、初めは行政評価委員会からの評価項目や指摘事項について質問をし、その後、(仮称)大通観光案内・アイヌ文化PRコーナーの設置について、分けて質問をいたします。
質問の1点目は、大通情報ステーションの
ホームページのアクセスと同ステーションの利用者についてです。
行政評価委員会のヒアリングで、同委員から、実際にアクセスしてみると、つながるまで1分弱かかったり、情報がほとんど入っていないものがあると指摘をされております。また、大通情報ステーションの利用者数が結構多いという感じで書かれているが、同ステーションに情報を取りに来ているような人がどれくらいいるのか、口コミを見てもあまり書かれていないと指摘されております。
そこで、質問ですが、
まちづくり政策局はこれに対してどのような回答をしたのか、まず伺いたいと思います。
◎稲垣 都心
まちづくり推進室長 令和4年に実施されました大通情報ステーションに関する行政評価委員会のヒアリングで、
ホームページ、そして、利用者の実態に関する質問にどう回答したかとのお尋ねでございました。
このヒアリングにおきまして、まず、
ホームページにつきましては、ページが表示されるまでの時間、そして、情報の掲載量について質問がございました。これに対し、表示までの時間については、抜本的解決にはシステム改修が必要となることと、指摘を踏まえ、改善措置を検討していきたい旨を回答しております。
また、情報の掲載量に関しましては、ヒアリングに先立つ文書質問に対しての回答として、コロナ禍の影響でイベント掲載数が少なくなっていたことと、一部イベントについて掲載すべきページを誤っていたものの、既に改善済みである旨を回答しております。
次に、利用者の実態についてでございますが、通りがかりではなく、わざわざ訪れる人がどれくらいいるかや、来場者のカウント方法についての質問がございました。これに対しまして、わざわざ来場したかどうかの把握は難しいものの、道案内であれば、通りがかりの人が多いと感じていることと、来場者数は窓口スタッフがカウントしていることを回答しております。
◆ふじわら広昭 委員 アクセスに時間がかかるという答弁がありましたけれども、原因はいろいろあると思います。その一つとして、委託業者がサーバーに入っている数か月前のデータを適切に除去していない場合も想定されるわけでありますので、今後確認をしていただくように求めておきたいというふうに思います。
また、利用者数についても答弁がありましたけれども、例えば、札幌市が現在3年度契約をしております大通情報ステーション運営業務の仕様書の(3)のオの(エ)に、対応情報の記録を取るようにというところがあります。そこには、来場者数、時間ごとの性別、外国人別、おおよその年齢層別の来場者数、そして、観光、文化、ショッピング、道案内などの問合せ件数、そしてまた、チラシなどの印刷物の持込み件数、そうしたものが、毎日作成をして月末締めで
まちづくり政策局に提出することになっているんですよね。ですから、そういう資料が、私も毎月そちらからいただいておりますけれども、そうした資料をしっかり分析していけば、行政評価委員会の皆さんに適切なやっぱりお答えができたと思うんですよね。
やはり、ここ数年は新型コロナウイルス感染症で利用者は少ないわけでありますけれども、これは昨年を含めて、行政評価委員会は新型コロナウイルス感染症のために評価委員会を行っておりませんけれども、その以前からのものを含めた複数年の行政評価委員会であるわけですから、やはり、昨年度だけじゃなくて、以前の委託事業者がやっていたときの数なども含めて、しっかりと対応すべきでなかったのかということをまず指摘して、次の質問に移りたいと思います。
質問の2点目は、大通情報ステーションの各事業における活動及び成果指標は設定していたのか、伺います。
行政評価委員会でもこうしたことが指摘されているわけでありますけれども、設定していなかった場合、その理由について伺いたいと思います。
◎柏原 市民文化局文化部長 文化部におきます大通情報ステーションにおける活動指標及び成果指標についてお答えをいたします。
文化部におきましては、大通情報ステーションの活動指標を印刷物の取扱い数、成果指標といたしまして、来場者数と
ホームページのアクセス数に設定をしたところでございます。
◎葛西 経済観光局観光地域づくり担当部長 観光・MICE推進部における大通情報ステーションの活動指標及び成果指標についてお答えいたします。
観光・MICE推進部におきましては、観光案内所運営費について、年に1回実施をしております来札観光客満足度調査の結果を指標として設定しております。具体的には、活動指標としまして、観光情報の提供に関する満足度を設定しており、また、成果指標といたしましては、観光地としての総合満足度を設定しております。
◆ふじわら広昭 委員 それでは、今、文化部と観光・MICE推進部から、そうした成果指標はつくっていたということですけれども、いわゆる該当する項目については、全てつくっていたということで確認してよろしいのでしょうか。
◎柏原 市民文化局文化部長 先ほど申した指標については、毎年、回答のほうを作成していたところでございます。
◎葛西 経済観光局観光地域づくり担当部長 経済観光局も同様でございます。
◆ふじわら広昭 委員 それでは、質問の3点目に移りますけれども、質問の3点目は、同事業は札幌市役所の五つの所管部が運営しております。行政評価委員会からも、関係部署で、この間、定期的に課題の共有する場が持たれず、責任の所在や、課題解決に向けたアプローチが曖昧な状況になっていると評価されております。
それは事実なのか、また、事実なら、なぜこのような状況になっているのか、まず伺いたいと思います。
◎稲垣 都心
まちづくり推進室長 関係5部で運営することに対しての指摘についてのお尋ねでございます。
これまで、大通情報ステーションは、関係する5部、具体的には、
まちづくり政策局都心
まちづくり推進室、市民文化局文化部、経済観光局産業振興部、同観光・MICE推進部、交通局事業管理部がそれぞれ費用を負担しまして、それを都心
まちづくり推進室で取りまとめて運営業務を発注してきたところでございます。
この間、例えば、関係部による定例会議などは開催してきておりませんでしたが、必要に応じて、当室が関係各部と課題等を共有して対応することで運営してきたところでございます。しかしながら、機能ごとに所管部が業務発注することで責任を明確にし、課題への対応や必要な見直しを適時適切に行う運営体制とはなっていなかったことが、行政評価委員会外部評価の指摘の一因であると認識しております。
◆ふじわら広昭 委員 定期的にも、全くとは言わないけれども、あまり積極的にされていなかったのではないか、私がこの間の委員会の中で、例えば、名義後援などのときにもう少しこういった工夫をしたらどうだというようなときには、何かそうした関係部局と行ったということを聞いているわけでありますけれども、やはり、大通情報ステーションの目的や意義を踏まえて、それをまとめていく役割を担っていた都心
まちづくり推進室の中で、大通公園に対するそうした目的がどの程度達成されているのか、そうした検証、情報の共有が十分されていなかったところに問題があるのではないかと指摘をしておきたいというふうに思います。
質問の4点目は、同じく行政評価委員会から論理的な考察ができていないと評価されていることについてです。
事業目的を達成するため、同ステーションの機能がどのような役割を発揮すべきか、また、どのような課題解決に向けた取組を行うべきなのか、論理的な考察ができていないと評価されておりますが、なぜそうなったのか、その理由について伺います。
◎柏原 市民文化局文化部長 行政評価委員会外部評価におきまして、いわゆる論理的な考察ができていないと評価された理由につきましてお答えをいたします。
行政評価委員会の評価におきましては、活動指標と成果指標の因果関係について整理がされておらず、事業目的を達成するためにステーションの機能がどのような役割を発揮するべきか、どのような課題解決に向けた取組を行うべきかの論理的な考察ができていないとの評価を受けたところでございます。
文化事業は、もともと数値による評価が難しい分野でございまして、大通情報ステーションについては、市内の様々な文化イベントを発信することが大通情報ステーションの役割と考え、情報発信件数を増やし、多くの方に情報に触れてもらうことを主な目標としてきたところでございます。
しかしながら、行政評価においては、広報すること自体が目的ではなく、その先の結果を目標とすべきとの考えからこのような評価を受けたものと認識をしてございます。
◎葛西 経済観光局観光地域づくり担当部長 観光・MICE推進部に対する行政評価委員会外部評価におきましては、近隣の札幌中心部には観光案内所が複数あり、さらに、情報発信についても、様々な情報媒体がある中、この拠点がなくても対応が可能という考えもあり得るとの指摘を受けております。
しかしながら、大通情報ステーションにおきましては、観光案内を目的とした利用者がコロナ禍前の令和元年度実績で約1万6,000人おりまして、これらの利用者からの問合せに対して適切に対応してきたところでありまして、観光案内所として一定の役割を果たしてきたものと認識をしてございます。
◆ふじわら広昭 委員 私も、この間、
まちづくり政策局の大通情報ステーションの取組については、やはり、いろいろな取り扱う情報、それについて、きちっと今の委託事業者は以前と比較して少ないということも指摘をして、やっぱり、そういう目標値ですとか、そうしたウィークリープレスなどの誌面の間違いをたくさん指摘しましたけれども、そうした間違いの目標値というか、このくらいにきちっとしなさいという指導をすべきだということを言ってきたわけでありますけれども、そうしたこともやられてはきていると思いますけれども、そうした取組が十分されていない。そしてまた、チケットの問題、いわゆる、そこに来た人がどういったチケットを買って、見に行ったのかどうかということも行政評価委員会の中で問われているわけでありますけれども、これは、本来、この仕様書の中には、そういうチケットを売るようなものが仕様書に入っていないわけでありますから、そこは、やはり、きちっと行政評価委員会にはそうしたことを、こういう仕様書になっているんだと、あるいは、今後、そういう必要性があれば検討会議を開いて判断していくとかという、そういう適切な回答を私はすべきであったというふうに指摘をしておきたいというふうに思います。
5点目の質問は、指摘事項で、同ステーションは、事業目的や指標の設定が明確でないなど、現状の施設や機能のまま運営を続けていくには課題が多くあることから、抜本的に改廃を含む検討を行うことが求められました。
これに対して、関係所管部は具体的にどのような課題や問題点があると把握しているのか、伺いたいと思います。
また、行政評価委員会は廃止のみを求めていたわけではないと思いますが、関係部局それぞれ及び五つの所管部全体で、具体的にどのような議論が行われ、廃止を決定するに至った理由について伺いたいと思います。
◎稲垣 都心
まちづくり推進室長 抜本的に改廃を含む検討を行うこととの指摘を踏まえ、課題や問題点をどう認識し、札幌市としてどのような経緯と理由で廃止を決定するに至ったかとのご質問でございます。
指摘を踏まえた札幌市内部の検討は、当室が調整を図ってまいりましたので、私からお答えをさせていただきます。
今回の行政評価委員会外部評価の指摘は、インターネットの普及や札幌文化芸術交流センターSCARTSの開設など、平成27年の設置当時以降の状況変化への対応ができていなかったことが最大の要因であり、札幌市としては、この指摘を踏まえ、早急な見直しが必要であると認識をしております。
そのため、指摘を受けました令和4年11月のうちに関係5部等によります会議を開催して情報共有を行うとともに、それ以降、企画、財政、総務など、関係部を広げながら見直しに向けた検討を重ね、その結果、デジタル技術を活用した効果的な情報発信を行うこととして、現在の大通情報ステーションについては廃止するとの判断に至ったものでございます。
◆ふじわら広昭 委員 この点については、後ほどの新しい事業計画の中でも問題点を指摘していきたいと思いますので、質問の6点目は、同事業全体の総括調整を
まちづくり推進室が担当しておりますけれども、同事業に対する認識の甘さと委託事業者に対する管理監督が不十分であったということを認めるのかどうか、伺いたいと思います。
◎稲垣 都心
まちづくり推進室長 大通情報ステーション及びその運営業務受託者の管理監督に関しての認識についてのお尋ねでございました。
大通情報ステーションは、札幌市内及び近郊の観光・文化等イベント情報の提供や、交通機関や店舗等への案内を市民及び観光客に行うことを目的として設置したものでございます。その運営業務は、この目的を確実に果たすべく、関係部との協議を経て仕様を定め、発注してきたものでございます。
また、運営業務の受託者に対しましては、仕様書に従って業務の履行状況を随時確認しますとともに、改善すべき点があった際には研修を行わせるなどして指導をしてきたところでございます。
したがいまして、大通情報ステーションにつきましては、当初の目的を十分認識した上で、受託者に対し、着実に管理監督を行ってきたものと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 幾つか指摘をして、次の質問に移りますけれども、やはり、先ほどの答弁では、インターネットの普及ですとか、SCARTSができたということを理由に挙げておりますけれども、インターネットは、ここ1〜2年で出てきたわけではなくて、性能を含めて、日々、技術が新しくなっておりますけれども、さらには、SCARTSについても、今から10年以上も前に建てるという計画が具体化になっていて、その中で、SCARTSにはどういう機能を持たせるかということは市内部で共有していたはずだと思うんですよね。
そういう意味では、令和3年度を含めた事業者の契約更新時に合わせて、こうした仕様書がしっかり大通情報ステーションの目的、新たな役割というものを、都心
まちづくり推進室をはじめ、関係所管部が、十分、検討、議論を進めてこなかった、そして、従来と同じような方式をやったためにこうした問題に直面しているんではないかということを指摘しておきたいと思います。
次は、(仮称)大通観光案内及びアイヌ文化PRコーナーについて質問いたします。
そちらから総務委員会などで提出いただいた資料を見ますと、大通情報ステーションをなくすということは、次の5点をなくして、新規にアイヌ文化のPRコーナーを新設するということに集約されると思います。
まず、なくすものとしての業務は、一つは、観光地や乗り継ぎ時刻表の案内、二つ目には、地下街の施設と道案内、三つ目には、広報中イベントの情報再発信、4番目には、市民イベント、小規模ギャラリー展覧会の情報発信の受付、5番目には、イベントチラシの配架が今後なくなる、廃止をするというふうに理解をしているわけであります。
そこで、質問の1点目ですけれども、これまで、市内の小規模な文化芸術団体が持ち込む情報、例えば、ダイレクトメールやチラシなどの取扱いについてです。
新しい計画案では、こうした事業などは、札幌市民交流プラザにありますSCARTSの中で対応するよう受け取れる表現がありますが、今後どのように考えているのか、伺いたいと思います。
また、こうした持込み情報の件数は、新型コロナウイルス感染症発生以前、どのくらいになっているのか、件数の推移について、まず伺いたいと思います。
◎柏原 市民文化局文化部長 小規模な文化芸術団体が持ち込むイベント情報の取扱いにつきましてお答えをいたします。
札幌文化芸術交流センターでありますSCARTSにおきましては、これまでもイベントチラシの配架を行ってございまして、今後も、スペースの許す限り、イベントチラシの配架を行うことを考えているところでございます。
次に、大通情報ステーションにおきます印刷物の配架の件数でございますけれども、コロナ禍前はおおよそ3,000件から4,000件というところで推移をしてございましたけれども、コロナ禍以降は大きく数字が落ち込みまして、令和3年度は930件、令和4年度は1,735件となっているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 そうした小規模な市民のグループ、団体のこうしたダイレクトメールやチラシなどについては、配架を継続していきたいということで確認をしてよろしいんですね。
◎柏原 市民文化局文化部長 配架については、SCARTSのほうに集約をするということでございます。
◆ふじわら広昭 委員 私もたまにSCARTSに行きますけれども、SCARTSでは、やはり、hitaruや、札幌市の所有している公共施設での様々な催物のパンフレットがずらっと並んでいて、新たに、今、大通情報ステーションで取り扱っていたような量をあそこに置くことができるのか、私は難しいと思います。けれども、置いてもらわなければなりませんので、ぜひ、その工夫をしていただきたいというふうに思います。
次に、2点目の質問はウィークリープレスの発行、配布や配架についてどのように考えているのか、伺います。
また、ウィークリープレスに掲載されたイベントで、SCARTSでは取り扱っていないイベントは、何件、何%ぐらいになっているのか、伺いたいと思います。
◎柏原 市民文化局文化部長 ウィークリープレスの今後の取扱いにつきましてお答えをいたします。
近年、インターネットの利用率は急速に向上してございまして、総務省の調査でございますが、令和4年度の利用率は84.9%となってございます。例えば、もともとのステーションを設置した平成19年でございますが、70歳代、28.8%という利用率でございましたが、これも令和4年度には65.5%と大きく伸びておるところでございます。
こうした状況を踏まえまして、情報提供の手法を紙媒体からより利便性の高いインターネットを活用すべきとの判断から、ステーションの廃止を機にウィークリープレスを廃刊することとしたところでございます。
なお、これまで、ウィークリープレスに掲載をされた文化イベントにつきましては、その全てをSCARTSの
ホームページに掲載してございまして、今後は、文化イベントの検索がしやすいよう、
ホームページを改修するなど、一層効果的な情報発信に努めてまいります。
◆ふじわら広昭 委員 答弁では、SCARTSの持っている
ホームページに載せるということでありますけれども、調べてみますと、SCARTSの
ホームページというのは、大通情報ステーションから吸い上げてきたもの、これを載せているんですね。もう一つの
ホームページには、先ほど申し上げましたけれども、hitaruですとか、教育文化会館とか、隣の昔の旧市民会館ですとか、こうした施設で行われる催物を別に載せていて、部長が答弁した、いわゆるさっぽろArt&Cultureインフォメーションだと思うんですけれども、そこの情報は、大通情報ステーションが、ということは、今の委託者が情報を収集して
ホームページに上げているものをSCARTSのほうで自動的に引っ張ってきて、自分たちでは何も調べないでスポーツ以外の文化芸術分野だけをそこに載せているわけです。
そうすると、今度、その情報を誰がどうやって収集をして、どうやってこれを打ち込んでいくのか、その辺についてどう考えているのか、伺いたいと思います。
◎柏原 市民文化局文化部長 情報の収集の方法というものは、今ふじわら委員がおっしゃったとおりでございますけれども、今後、SCARTSのほうに集約をするということで、先ほど
ホームページの改修ということもございましたけれども、そこに、情報の収集についても、そうした漏れがないような形で、しっかりとそこは人的対応も含めて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆ふじわら広昭 委員 漏れのないように検討していきたいということでありますので、ぜひ、そういう情報を待っている、使う人がたくさんいらっしゃるわけでありますから、ぜひとも、検討して、有効活用できるようにお願いをしたいと思います。
次に、質問の3点目は、アイヌ文化のPRコーナーについてです。
新たな計画案では、サッポロファクトリーのアイヌ文化PRコーナーを現在の大通情報ステーションエリアに移転するということであります。ファクトリーのアイヌ文化PRコーナーの目標設定及び論理的な考察をどう考えていたのか、まず伺います。
同時に、同コーナーが十分な実績が上がっていない理由と、移設により大きな効果があると思う根拠、どこがPRコーナーの事業主となるのか、さらに、チ・カ・ホで行われている販売実績について、まず伺いたいと思います。
◎田口 市民文化局市民生活部長 私から、現在のアイヌ文化PRコーナーにおける目標設定と論理的考察、それから、十分な実績が上がっていない理由、それと移設による効果の根拠、さらには、PRコーナーの事業主とチ・カ・ホで現在行われている販売実績についてのお尋ねにお答えさせていただきます。
現在のアイヌ文化PRコーナーの設置の目標につきましては、大きく二つ掲げております。一つが、訪れた方に、アイヌ民族やその文化を知り、正しく理解していただくこと、もう一つが、アイヌ工芸品の振興を図ることにより、新たな担い手、この工芸品の制作という意味ですが、新たな担い手の育成につなげることとしております。
論理的考察ということですが、この目標を達成するための目安ということだと思いますが、こちらのほうの成果指標といたしましては、アイヌ工芸品の購入者の人数を現在掲げているところですが、こちらのほうは、全体としては目標数を上回ってはおりますが、現在のPRコーナー会場における令和4年度の購入者数につきましては、全体が1,107名のうちの151名という、十分に結果が得られなかった状況だと認識しております。
続きまして、その実績が上がっていない理由でございますが、令和4年度にこのアイヌ工芸品販売に係るテストマーケティングをほかの商業施設でも同様に行っておりましたが、いずれの会場でも十分な実績が上がりませんでした。その理由といたしましては、商業施設の性質上、お客様はそこに目的を持ってその施設に来られることから、その目的を終えると、中をあまり見ないですぐ施設を出てしまうというところから、現PRコーナーでありますとか、テストマーケティングの会場にはなかなか立ち寄ってもらえなかったのではないかと分析しております。
続きまして、大通情報ステーション跡地に移設することにより効果が上がると考える根拠についてでございますが、この場所は1日の平均通行量が10万人とされておりますチ・カ・ホの大通側出口の近くに位置しております。多くの観光客や市民の方々が通行する場所であることから、先ほど申し上げたアイヌ文化PRコーナーの設置目標を実現するのには適した場所であると判断したところでございます。
ご質問の順番とちょっと前後いたしますが、チ・カ・ホで開催したアイヌ工芸品販売会の実績についてでございます。
令和4年度が1日平均約11万7,000円、令和5年度は年度途中ですので8月と9月の販売会の実績ということになりますが、こちらのほうも1日平均約12万1,000円となっておりまして、令和4年度に現在のPRコーナー会場で開催した場合の実績を申しますと、1日平均約1万4,000円と、こちらのほうを大きく上回っている状況でございます。このような実績も踏まえまして、PRコーナー移設による効果は大きなものになるものと期待をしているところでございます。
最後になりますが、新たなPRコーナーの運営についてでございます。
現段階では、民間事業者への委託を考えておるところでございます。来場者の問合せ対応でありますとか、取り扱う商品についての説明などをしっかり行っていただく必要があることから、委託に当たりましては、アイヌ文化に係る基本的な知識を有していること、それから、アイヌ文化の普及啓発に係る類似業務、例えば、現在の工芸品販売業務などが挙げられますが、その履行実績があることなどというような条件を設けることを現在は想定しておるところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 大通が1日10万人前後の通行量があるということであります。ファクトリーは、年間700万人の来館者があるというふうにされております。大通駅の利用者数は1日約11万人強でありますけれども、これを年間に直しますと、約4,000万人となるわけであります。人数だけなら5〜6倍になるわけでありますけれども、今の方々は、いろいろありますけれども、やはり、ご商売をしている方のご意見などを聞くと、目的を持たない方を立ち止まらせる工夫が大変だというふうに言っております。ただ単に人通りが多いから、ファクトリーから大通に持ってきても、なかなかそうしたものにはつながらないということが言えると思うわけであります。
先ほど言った乗降客ですね、年間4,000万人ですけれども、その乗客の2割程度をターゲットとすれば、ほぼファクトリーと同じ700万の分母になるわけでありますけれども、先ほど申し上げたように、ただ単に人通りが多いからそこに移したからといって、必ずしもその効果が思ったように上がらないということをやっぱり受け止めていただきたいというふうに思うわけであります。
あと、そういうアイヌ施策に精通した民間の事業者をそこに配置するという答弁がありましたけれども、やはり、これは、ただ単に入札で一番低いところが取るというのではなくて、私は、価格と同時にプレゼンテーションを受けて、きちっと説明を受けて、適切な対応ができるのかということを判断して入札を行うことを強く求めておきたいというふうに思います。
次に、4点目の質問ですけれども、大通観光案内のデジタルサイネージについてです。
このデジタルサイネージには、具体的にどのような検索項目を導入しようとしているのか、伺います。
また、これまでの大通情報ステーションの過去の案内実績として、新型コロナウイルス感染症が発生する以前のデータを分析して検索項目を検討しているのか、まず伺いたいと思います。
◎葛西 経済観光局観光地域づくり担当部長 大通観光案内のデジタルサイネージの検索項目についてお答えをいたします。
現時点におきましては、札幌市内の主な観光施設の営業時間や行き方等の施設に関する情報や、観光関連のイベントに関する情報、都心部の宿泊施設や飲食店に関する情報、また、大通駅構内のロッカーの場所などの基本情報を想定しているところでございます。
今後、コロナ禍前も含めまして、大通情報ステーションにおける過去の案内実績を確認するほか、札幌市内に開設をしている他の観光案内所、さらには、先行して観光案内サイネージを設置している他の自治体へのヒアリングも踏まえて、必要な検索項目を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆ふじわら広昭 委員 私も、質問するに当たり、以前そちらから提出いただいております月報を改めて確認してきましたけれども、それは、今の業者だけではなくて、その以前の事業者の方のも見てきたわけでありますけれども、やはり、大通では、例えば、海外のカードを使えるキャッシュディスペンサーというのですかね、お金を引き出す専用機の機械のことでありますけれども、こうした機械がどこにあるのかと。必ずしも世界共通のカードを持ってくるわけではないので、自国専用のカードを持ってこられるんですよね。そうした方が、今言ったようなキャッシュディスペンサーというものがどこにあるのか、あるいは、特にまた一般的にはトイレの道順の案内などもありますけれども、こうしたことは、今後の計画の中に示されている札幌駅からの遠隔案内や大通の地下鉄の駅務員の案内などでは、十分に私はできないというふうに思います。
また、その月報などを具体的にひもといていきますと、海外から来た人は、携帯で写真を見せてこのお土産を買いたいんですけれどもという質問もあるみたいなんですね。やはり、そのお土産が漢字の名前であった場合には、来られた方の自国の携帯電話では検索ができず、当然、大通の情報ステーションに来られる方が多いわけであります。デジタルサイネージを設置するにしても、いろいろな検索ができるものにしなければ、多くの市民や、あるいは、観光客へのサービスの低下につながっていくと思います。
雪まつり期間中は、大通西3丁目の地上にある案内所は閉鎖をされますので、やはり、様々なこうした問合せが大通に集中するわけでありますけれども、それをデジタルサイネージでやったとしても、検索項目をかなり充実しなければできない、逆に、それが分からないトラブルになってしまう可能性がありますけれども、この辺についてどのように考えているのか、もう少し詳しくお答えいただきたいと思います。
◎葛西 経済観光局観光地域づくり担当部長 新たなデジタルサイネージの機能についてでございます。
今ご質問にありました外国人対応、特に、最近もインバウンドは非常に増えてございます。そういう意味では、こちらのデジタルサイネージには、今の英語、中国語に加えまして、韓国語でも対応できるようにするほか、機械の操作などに不慣れな方につきましては、JR札幌駅の観光案内所とリモートでつないで対応できるというような想定をしてございます。
今、委員がおっしゃられたようなキャッシュディスペンサーですとか、様々なそういったニーズにも応えられるように、これから検索項目については精査をしていきたいというふうに考えてございます。
◆ふじわら広昭 委員 最後の質問になりますけれども、新たな大通観光案内及びアイヌ文化PRコーナーの開設の時期についてです。
資料を見ますと、現在の大通情報ステーションは、来年3月中旬に廃止をして、4月から9月まで改修工事を行い、同年10月から業務を新たに開始する予定となっています。観光都市を目指していく札幌、そしてまた、国際芸術祭を開催している札幌市が、市民や国内外の旅行客、観光客のおもてなしの窓口の一つとなる場所を半年も閉鎖することに驚きを隠せません。先ほどの質疑でも明らかなように、新たな計画、企画に対する認識は、私は十分ではないと思います。
そのような中で、今後、入札でコンサル会社などを決めて取り組んでいったとしても、市民や国内外の観光旅行客などが何を求めているのか、必要な情報などは何かが分からず、一方的な情報の発信になってしまう可能性があります。
また、新たな事業が今回の行政評価委員会からの厳しい評価や指摘を生かすためにも、これまで8年間の大通情報ステーションの利用者ニーズをしっかり分析し、今後1年から2年かけて、企画、計画をすべきと思いますがいかがか、伺います。
その間は、現在の大通情報ステーションの契約を、新規にプロポーザルなどの入札を実施すべきと思いますけれども、併せて伺いたいと思います。
◎稲垣 都心
まちづくり推進室長 新たに設置いたします大通観光案内・アイヌ文化PRコーナーの開設時期についてのお尋ねでございます。
大通情報ステーションの見直しに関する一連の進め方に関するお尋ねでありますので、私からお答えをさせていただきます。
先ほどもお答えいたしましたとおり、行政評価委員会外部評価の指摘を踏まえまして、早急な見直しが必要であると認識をしておりまして、これまで1年弱にわたり検討を重ねた結果として、現在の大通情報ステーションを廃止すべきであると判断したところでございます。そのため、現在の大通情報ステーションを現状のままさらに存続させることとして、その運営業務を発注することは適切ではないと考えております。
今後は、この場所に新たに設置いたします観光案内機能とアイヌ文化発信機能のそれぞれについて、具体的にどのような施設やサービス内容とすべきか、ご指摘のこれまでの利用者ニーズの分析も含め、関係部を中心に検討を深めてまいります。
◆ふじわら広昭 委員 要望を申し上げて、質問を終わりますけれども、やはり、幾つか課題や指摘をいたしました。ぜひ、そういうことをしっかり受け止めて、この大通情報ステーションを発展的に、また新たな役割を具体化してほしいというふうに思うわけであります。そうでなければ、今までの答弁などを聞いていきますと、観光客への案内はアイヌのPRに置き換えて、観光案内は、十分、今までやってこなかったわけでありますけれども、そうしたものはやらないと。イベント情報も、優良事業イベント以外は、細かいのでSCARTSなどで多少取り扱うということでありますけれども、やはり、そうしたことを多くの市民は見ているわけでありますので、しっかりと取組をお願いしたいというふうに思います。
あと、アイヌ文化のPRでありますけれども、具体的な動員というか、集客目標や指標をしっかり立てていかなければならないと思います。やはり、アイヌの方々のそうした作品を説明する、売るときには、先ほどの答弁では、民間に委託をして対応するということでありますけれども、具体的な例としては、デジタルサイネージを操作することが分からない方や、また、使ったとしても理解がいかない方がいて、アイヌのPRコーナーの担当の民間の事業者に聞く場合もあり得ると思うのですね。
そういうときに、私はここの担当者じゃないですから関係ありませんなんていうようなことにならないように、関係部局の中でしっかりとした対応をして、札幌のおもてなしの心というものをしっかりと新しいところに生かしていただくように強く求めて、質問を終わります。
◆米倉みな子 委員 私からは、丘珠空港の滑走路延伸について質問いたします。
7月31日の総合交通政策調査特別委員会において、2030年までに丘珠空港滑走路300メートル延伸を目指すことが明らかになりました。市民ネットがこの丘珠空港滑走路延伸問題を考えるとき、必ず念頭にあるのが、1998年度の住民説明会で札幌市が地元案として提示した丘珠空港整備に関する基本的な考え方です。5項目ありますが、四つを読ませていただきます。
滑走路延長は100メートルとする、全長1,500メートルとする。定期便の運航便数は現在の生活環境を悪化させないことを基本とする。環境基準を超えない運航便数は現状の2倍、44便程度を想定。今後も、毎年騒音の実測調査を行い、環境基準との関連を検証しながら、空港周辺の生活環境の保全を図っていく。
この基本的な考え方は、昨年11月に示された丘珠空港の将来像の概要の中で「札幌市として重要な地域住民との合意であると認識。」、このように書かれています。航路直下の住民も札幌市との約束だと理解してきました。しかし、決して、住民が全面的に納得して合意したものではありません。当時からずっと滑走路延伸に反対している方から、この地元案は我慢できるぎりぎりのラインだったと聞いております。
そこで、質問です。
札幌市と地域住民との大事な約束を札幌市はほごにして覆そうとしていると私は考えますが、このことについて札幌市の認識を伺います。
◎奥木 空港活用推進室長 地域住民との合意についてのお答えをさせていただきます。
今お話のありました、平成10年度に北海道と札幌市が取りまとめました空港整備に関する基本的な考え方につきましては、空港周辺の生活環境の保全を図ることを目的に地域住民と合意したものでありまして、札幌市としても重要なものと認識しております。
将来像におきましては、航空機の技術革新や小型化等による低騒音化も踏まえまして、滑走路の延伸により運航便数が増加しても、これまでの考え方と同様に、航空機騒音の環境基準内での運用とする考えでありまして、引き続き、空港周辺の生活環境の保全を図ることを地域住民の皆様にしっかりと説明させていただきたいと考えております。
◆米倉みな子 委員 今後も生活環境の保全を図っていくというお考えのようですが、しかし、住民の皆さんの実感は全く違うようです。昨年の9月、丘珠空港周辺の会館などで行われた住民説明会において、多くの住民から延長や増便に対する不安の声が出ていました。しかし、札幌市は、11月には丘珠空港の将来像の概要の中で300メートルの滑走路延伸計画を示し、今年の8月には早期実現のために国に要望書を提出しました。住民の不安の声に寄り添う姿勢は見られず、何のための住民説明会だったのかと疑問を感じずにはいられません。
これまで、市民ネットは、地元住民の切実な声を受けて、再三にわたり、滑走路延伸に反対する立場で質問をしてきました。ですが、今回、2030年に完成を目指すと時期を決めてはっきりと打ち出されました。
そこで、質問です。
これまで、空港周辺の市民からは、滑走路延伸をしないでほしい、今の生活環境を何とか守ってほしいという要望が何度も出されていますが、この市民の声をどう受け止めて反映させていくのか、改めて伺います。
◎奥木 空港活用推進室長 市民からのご要望についてのお答えをいたします。
丘珠空港の将来像につきましては、パブリックコメントや地域住民との意見交換会等においていただきました肯定的または否定的なものを含めた多岐にわたる意見を踏まえました上で、滑走路の延伸をはじめとする丘珠空港のさらなる機能強化を進めることが必要と判断し、策定したところであります。
空港周辺の市民から、滑走路延伸や増便によって航空機の騒音や事故などを懸念する声があるということは認識しておりまして、今後とも、航空機騒音の環境基準内での運用等によって生活環境の保全を図っていくことにつきまして、オープンハウス型意見交換会などを通じて、丁寧に説明してまいりたいと考えております。
◆米倉みな子 委員 騒音や事故などを懸念する声があると札幌市も認識しているというお答えでした。
次に、1日に現在の倍の70便にも増えるという発着便とそれに伴う騒音被害についてお聞きします。
地元案には、現在の生活環境を悪化させないことを基本とするという項目があります。札幌市の
ホームページに「航空機騒音って、なに?」という資料があります。その中に「技術革新で最新の機材は大幅な騒音低減が図られています。」と書かれています。1970年代のジェット機の約20デシベルの騒音低減を実現しているそうです。しかし、航路直下にお住まいの方によると、最近は音の質が変わってきたそうで、バリバリととてもうるさい音とのことです。以前よりは騒音が低減されているかもしれませんが、地元の方にとっては、うるさく、煩わしい音であることには変わりないということなんです。ジェット機が頭上を飛び、テレビも聞こえず、夏場は窓も開けられない状況だそうです。近隣保育園では、子どもたちの生活にも影響があると聞いています。
昨年6月6日の総合交通政策調査特別委員会での市民ネットの質問に対して、前の空港活用推進室長の木村氏からは、札幌市では、毎年、騒音調査を行いながら、国が定める航空機騒音の環境基準内での運用となるよう関係機関と協議、調整をし、引き続き空港周辺の生活環境の保全を図っていきたいと考えておりますという答弁をいただいています。
先ほど紹介した資料にも掲載されていますが、実測時間内における音エネルギーの平均値を算出したLdenというやり方では確かに基準内に収まります。しかし、飛行機が飛ぶたびごとの最大値は、2021年8月の調査では百合が原公園で89デシベルです。環境基準値を超えているんです。それが、現在は1時間に3回ほどですが、便数が倍の70便になると、1時間に6回、10分に1回は騒音を聞かねばならないことになります。機体の部品等が落下してくる頻度も当然増えてくるでしょう。生活環境の保全を図るどころか、環境悪化にほかならないのではないでしょうか。
そこで、質問です。
空港周辺にお住まいの方たちは、以前も今も飛行機の騒音を我慢し続けています。増便することは、さらなるストレスを与え、負担を強いることであり、地元合意とされた現在の生活環境を悪化させないことと相反すると考えますがいかがか、伺います。
◎奥木 空港活用推進室長 地域住民の皆様との合意と増便に関してのお答えをいたします。
空港整備に関する基本的な考え方につきましては、先ほども答弁させていただきましたとおり、空港周辺の生活環境の保全を図ることを目的に地域住民と合意したものでありまして、札幌市としても重要なものと認識しております。
このことから、今後の増便に対しましても、これまでの考え方と同様に、毎年、騒音調査を行いながら、国が定める航空機騒音の環境基準内での運用となるよう関係機関と協議、調整していきたいと考えております。
◆米倉みな子 委員 札幌市が示しているトータルで考えて基準内とする騒音と住民が毎日聞いている騒音の実感はかけ離れています。直下に暮らしている住民の立場に立った、これ以上、生活環境を悪化させないための取組を改めて強く求めておきます。
コロナ禍以降、物価高騰や、電気代、燃料費の高騰が続き、市民生活はますます厳しくなっています。市の公共事業においても同様です。資材高騰や人手不足なども加わって、建設業界は非常に厳しい現状です。各自治体で学校や病院などの工事が遅れていて、今後、事業費が膨らむことも予想されると新聞報道で見ました。札幌市も入札不調があると聞いています。JR札幌駅南口の再開発ビルは事業費高騰で計画見直し協議入りし、大阪万博に至っては開催が危ぶまれています。一度走り出しても、予定どおりに完成させるのは難しい状況になっています。
航空事業者の経営も厳しさが続いています。8月17日付北海道新聞には、札幌市が示す航空需要は、増便増客を見込む根拠が示されておらず、費用に見合う経済効果が現時点では不明だと指摘がありました。今後、北海道新幹線の札幌開業が予定されている中で、巨額な税金を費やして滑走路延伸を行うべきではないと考えます。
丘珠空港の現在の緩衝緑地は、滑走路を1,500メートルに延伸したときに、騒音や振動、風雪などを抑える機能を有するとして整備されたものです。今回の延伸計画のように仮に300メートル延伸すれば、当然、緩衝緑地もその分狭くなってしまいます。改めて緩衝緑地の整備が予想され、本当に税金の無駄遣いだと思います。滑走路を延伸しても、どれだけの航空機の運航需要があるのかは未知数です。
今回の300メートル延伸に係る概算事業費150から200億円のうち、85%は国から、残りの15%は北海道と札幌市の負担と聞いています。しかし、札幌市の負担が幾らであっても、事業費用の大半が国からの支出であっても、私たち市民の、そして、国民の大切な税金であることに変わりありません。
そこで、質問ですが、限りある札幌市の財源は、今ある市民の暮らしを守り、持続可能なものにするために使われるべきと考えますがいかがか、伺います。
◎奥木 空港活用推進室長 空港整備に係る費用の使途についてお答えをいたします。
札幌市の試算では、空港整備事業費のうち、北海道、札幌の負担分は15%、約23億円から30億円と見込んでいるところでございますけれども、丘珠空港で道外路線1便が通年で1往復しますと、札幌市への観光客による交通費や宿泊費、飲食費などの直接消費やそれに伴う波及効果も含めた経済効果は年間約10億円が見込まれているところであります。滑走路延伸により、リージョナルジェット機が通年運航となり、道外路線が拡充されれば、さらに大きな経済効果が見込めるものと考えております。
丘珠空港の機能強化に係る費用につきましては、札幌における交流人口の増加に伴う経済活性化に加えて、道外路線拡充による利便性向上にもつながり、ひいては、市民の暮らしを支えるものと考えております。
◆米倉みな子 委員 経済効果に期待するというお答えでしたが、丘珠空港は、自衛隊との共用空港でもあり、日米地位協定により軍事利用が可能です。滑走路延伸により、さらなる軍事化への道を開くのではないかと、その点も大変危惧しております。騒音被害のみならず、財政課題や空港の利用拡大など、滑走路延伸は、空港周辺地域だけに関わることではなく、札幌市民全体に大きく関わる重要な問題と言えると思います。
先日、中央区にお住まいの方から市民ネット宛にメールが届きましたのでご紹介します。
小型ジェット機が発着し、時折、中央区上空を低空飛行し、大きな騒音を発し、飛行している状況です、滑走路が延長されれば、さらに大型のジェット機が発着されることになるでしょう、札幌市街地内を飛行する航空機の飛行高度を現状より引き上げ、規制してほしい、札幌の空を末永く穏やかに保ってください、こう書かれていました。
私にとって自宅というのは、とても落ち着く、安心できる場所で、帰ってくるとほっとします。多くの皆さんにとっても家というのはそういう存在のはずです。そんな自宅で飛行機の音を何度も聞くことを想像するだけで、私には耐えられないものだと改めて思います。私は、自分が耐えられないことをほかの人に強要したり、みんなのためだから我慢してほしいなどとお願いすることは絶対にできません。職員の皆様にも、ぜひ一度、自分だったらどうだろう、耐えられるだろうかと想像してみてほしいです。
先月、丘珠空港周辺の環境を考える市民の会の皆さんとともに、国交省に対し、滑走路延伸をしないことを求める要望をした際に、国は延伸を決めていないとの回答がありました。
札幌市においては、延伸ありきで議論を進めるのではなく、航路直下にお住まいの皆さんの、これ以上、生活環境を悪化させないでほしいという声にしっかりと耳を傾け、2030年の延伸は一度立ち止まり、行うべきではないことを求めて、私の質問を終わります。
○松原淳二 委員長 以上で、第4項 都市計画費等の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、10月16日月曜日午前10時から、危機管理局、総務局及びデジタル戦略推進局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後3時6分...