委 員 池 田 由 美 委 員 田 中 啓 介
委 員 脇 元 繁 之 委 員 坂元 みちたか
委 員 荒 井 勇 雄 委 員 米 倉 みな子
――
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開 議 午後1時
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○松原淳二 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、
山田洋聡委員からは
三神英彦委員と、
丸岡委員からは
脇元委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第7款 消防費 第1項 消防費の質疑を行います。
◆
森山由美子 委員 私からは、
救急活動のDX化について伺います。
命を救うため、後遺症を生じさせないためには、一分一秒でも早く
救急搬送から適切な治療につなげることが重要で、それには止まることのないスムーズな連携が必要不可欠となります。
一方、現場での
受入れ確認には時間と回数がかかり、救急車も長時間停車することがあるなどの課題もあり、昨今、大きく取り上げられてきた
救急搬送困難事案、
たらい回しなど、こうした
課題解決に向け、
デジタルの活用は有効な手段として各地で導入が進められてきているところです。
これまで、我が会派では、
多言語翻訳機能、
画像転送機能や
病院選定支援等、
救急活動の
デジタル化に向けた取組、先進的な技術による活動の効率化やレベルアップの実現に向けて支援をしてきたところです。
昨年の令和4年第3回
定例市議会決算特別委員会においては、消防局による次世代型の
救急情報システムに関する
実証実験について質問し、
救急現場での滞在時間や
受入れ確認に要した時間などの計測、救急隊と
医療機関、双方の利便性についてアンケートを実施して検証するなど、その内容についても確認をさせていただきました。
この実験結果については、患者の搬送先となる病院を選ぶ際の
受入れ確認に要する時間が短縮できたと伺っており、速やかな事業化に期待するとともに、一日も早い全市的な実用が展開できるよう求めてきたところです。
そうした中、今年度、本
システムの導入、
救急活動のDX化に関して予算化され、消防局では入念な整備を進めているところであると思います。
そこで、質問ですが、現在の事業の
進捗状況について伺います。
◎戸部
救急担当部長 DX化事業の
進捗状況についてお答えいたします。
救急活動のDX化につきましては、今年4月に、
指名競争入札により、
DX化システムの開発業者を決定したところでございます。
現在は、
システムの根幹となる
情報収集用のアプリを、私どもが求めます仕様にカスタマイズする作業に着手しているところでございます。
今後は、今月下旬に全ての救急隊に
システムを利用するための機器を配備し、研修会を開催するなど、操作訓練を実施するところでございます。
また、11月中には、準備の整った病院との連携について
試行運用を開始し、来年2月まで
動作確認を進め、同月からの
運用開始を目指しているところでございます。
◆
森山由美子 委員 現在の
進捗状況と今後の段取りについて、順調に整備が進んでいるとのお話でありました。引き続き、よろしくお願いいたします。
さて、報道でも頻繁に目にしておりますが、昨今の
救急出動件数は、月の集計や年の累計において過去最多の記録を次々と更新しているとのことであり、また、これらの出動に対応する
救急隊員の
労働負荷も増加の一途となっているのではないかと危惧をしているところです。
これまでも、
救急隊員に対して、様々な
労働負荷の対策を行ってきていると思いますが、今回のDX化を進めることにより、
救急活動の効率化を図るだけではなく、
救急隊員の
労働負荷軽減にもつながるのではないかと考えるところです。
そこで、質問ですが、DX化に伴って見込まれる
救急隊員の
労働負荷軽減に対する具体的な効果について伺います。
◎戸部
救急担当部長 救急隊員の
労働負荷軽減に対する
具体的効果についてお答えいたします。
増大する
救急需要に比例して、
救急隊員の
労働負荷は増加しているものと認識してございます。
今回のDX化では、
救急活動中だけではなく、
救急活動後の
事務処理についても省力化が図られるものと考えているところでございます。
現在、救急隊は、
救急現場で収集した
傷病者情報を紙に記録し、その記録を基に自席の
パソコンに転記入力することにより、
救急出動報告書を作成しているところでございます。
DX化後は、
救急現場で
タブレット端末に
傷病者情報を入力し、この内容を
救急出動報告書に直接反映する仕組みを構築する予定でございます。
これにより、今までは報告書の作成に出動1件当たり30分以上を要していた作業時間を15分以下に短縮することが可能となり、
事務処理に係る
労働負荷の軽減を図ることができるものと考えているところでございます。
◆
森山由美子 委員
救急活動のDX化は、ただいまお答えいただいたように、
救急隊員の
労働負荷軽減も期待できるとともに、昨年の
実証実験で示されたように、市民にとっては、
受入れ確認に要する時間の短縮が図られ、速やかに病院に搬送してもらえるなど、複合的な
メリットが得られる
投資効果の高い事業と考えられ、大いに期待をしているところです。さらに、今後は、AIを活用した
救急活動の効率化、
労務負荷の軽減等にも期待をするところです。
また一方で、よりよい
救急医療体制の構築には、病院側の
体制整備や
保健福祉局の
救急医療に係る事業も欠かせないと考えますので、本事業と
関係機関との効果的な連携を要望させていただきまして、私の質問を終わります。
◆
山田一郎 委員 私からは、
札幌圏共同消防通信指令システム更新整備事業について及び
救急活動の効率化について、大きく2問についてお伺いいたします。
初めに、
札幌圏共同消防通信指令システム更新整備事業についてお伺いいたします。
まず1点目は、
負担割合の考え方及び金額について伺います。
我が会派の
小須田議員が、令和3年第1回
定例市議会の
予算特別委員会におきまして、
消防指令業務の
共同運用の進捗について質問いたしました。
それによりますと、
構成市町村及び
石狩北部地区消防事務組合の管理者間で、
札幌圏消防通信指令業務の
共同運用に関する
基本協定書を締結し、令和7年度を
開始予定として、札幌市
消防局庁舎に共同の
指令センターを設置することとなったこと、また、
札幌圏消防通信指令委員会を設置し、
具体的事項の協議を進めることの答弁をいただきました。
その後、
実施設計業務に係る事務の委託に関する協定、工事に係る事務に関する協定等を締結し、札幌圏6
消防本部で使用する
消防通信指令システム更新整備に向けての事業を進めているところであり、さきの令和4年第4回
定例市議会で議決されました
消防指令システムと
消防救急デジタル無線の工事契約では、
消防指令システムが33億6,490万円、
消防救急デジタル無線が29億4,250万円となっています。
札幌圏共同消防通信指令システム更新整備事業は、
石狩振興局管内6
消防本部による
共同事業であることから、この契約額は関係6
消防本部で負担するもので、その負担の割合については公平性の観点を持って協議したものと思います。
そこで、質問ですが、この
負担割合はどのような考え方により設定されているのか、また、この
負担割合により札幌市が負担する割合とその金額についてお伺いいたします。
◎大井
警防部長 負担割合の考え方及び金額についてお答えいたします。
まず、1点目のご質問の
負担割合の考え方でございますが、
消防指令システムにつきましては、各
消防本部が現在運用している
システムを単独で更新整備した場合の見積額に応じた割合としてございます。
次に、
消防救急デジタル無線につきましては、各
消防本部における
必要無線装置数による比率などに応じた割合としてございます。
いずれも、6
消防本部の消防長を委員とした
札幌圏消防通信指令委員会などにおいて協議を重ね、
指令業務を共同化する全ての市町村に公平な
負担割合としているところでございます。
続きまして、2点目のご質問の札幌市の
負担割合と金額でございますが、
消防指令システムが61.80%で、20億7,951万円、
消防救急デジタル無線が56.87%で16億7,340万円でございます。
◆
山田一郎 委員 今の答弁で、札幌市の負担額は約6割から5割強と伺いました。共同化する全ての市町村に公平な
負担割合を設定されたことを確認いたしました。
次に、共同化による課題についてでございますが、
指令業務を行う管轄人口は、現在、約197万人から約240万人に増え、面積も1,121平方キロメートルから約3,540平方キロメートルに拡大すると聞いております。人数で約1.2倍、面積で約3.1倍と、
指令業務を管轄する範囲が広がることで、万が一、
システム障害が発生した場合には受ける影響が圏域全体に広がることから、確実な対策を構築する必要があります。
また、今回は、
札幌市内のみの
指令業務を行っていた本市の指令員が、
札幌市外に広がる
田園地域など、目標となる建物もなく、また、土地勘のない場所で発生した災害について場所を特定することは困難を極めるのではないかと感じるところでございます。
さらに、
指令業務を札幌市消防局へ委託した5
消防本部は、共同化前までは各
消防本部の
指令センターへ集まっていた情報が入手できなくなることも懸念されるところです。
これらの課題について、我が会派の
小須田議員から
共同運用への
課題解決について質問をしたところ、
代替機器の設置など、
指令業務を継続できるよう検討中であると答弁をいただきました。
そこで、質問ですが、
指令業務の共同化を踏まえて、今回の
指令システムにおいてどのような
機能強化が図られることになったのかについてお伺いいたします。
◎大井
警防部長 指令システムの
機能強化についてお答えいたします。
今回の
指令システムでは、大きく3点の
機能強化を図ってまいります。
1点目が、大
規模災害などにより
システム障害が発生した場合においても
指令センターの機能を維持できるよう、新たに衛星回線を使用した可
搬式指令システムを導入し、
システム障害発生時の
機能強化を図ってまいります。
2点目が、田園地帯などの目標となる建物がない地域においても容易に
災害地点を特定できるよう、通報者が撮影した動画を受信する
システム、いわゆる
映像通報システムを導入するとともに、通報者と
本市指令員と
管轄消防本部の職員において、この3者が同時に通話できる機能を組み込み、
災害地点特定のための
機能強化を図ってまいります。
3点目は、各
消防本部が当局へ
指令業務を委託した後につきましても、管轄の
消防本部で
共同指令センター内の情報を表示できる装置を導入するなど、
消防本部間における
情報共有のための
機能強化を図ってまいります。
◆
山田一郎 委員 今の答弁でも、大きく3点、
指令業務の共同化における課題について
機能強化が図られるというような答弁をいただきました。
その一方で、指令員は強化された新たな機能や
操作方法などを習熟していく必要があり、管轄範囲が広がった中で
指令業務を行うには、異なる組織の消防力や
地域特性など、今後学んでいかなければならないことは多いのではないかと感じております。
令和7年度に
運用開始予定の
指令業務の共同化について、基本的には全て札幌市で受ける状況でもございますので、
システム機器等の
機能強化に加え、指令員の教育にも力を入れて取り組んでいただき、札幌圏で生活する全ての
地域住民や札幌圏への来訪者の安心・安全のために、
指令業務の
事務委託を受ける札幌市の責任と、また、リーダーシップにより、万全な体制の構築に向けてしっかりと取り組んでいただくことをお伝えして、この質問を終わります。
次に、
救急活動の効率化について質問いたします。
我が会派の
三神英彦議員が、本定例会の代表質問において、昨今の増加する
救急需要に対する
救急搬送体制確保に向けた取組について質問いたしました。この質問に対する答弁の中に、
救急活動を効率化し、限りある
救急資源を有効に活用していくことが重要とあり、さらに、最先端の技術により、救急隊と
医療機関の間で患者の症状を共有し、搬送可能な
医療機関を速やかに決定することで搬送時間の短縮を図るとありました。
この取組は、
アクションプラン2023の中で予定されている
救急DXを指すものだと思われますが、この
救急DXは、事業化に先立って、昨年度1年間を通じて
実証実験を行い、事業の内容を構築したものだとお聞きしております。
また、現在の救急隊の活動では、患者の症状に適した病院を選ぶに当たり、受入れが可能か否かを確認する際に、患者の容体や持病などに関する情報を、
搬送候補となる病院に電話により口頭で伝えることで
情報共有をしていること、また、断られた場合は、別の候補となる病院に、また口頭で同じ情報を伝えて
受入れ確認をしなければならず、
搬送先病院の決定までに時間がかかっているとお聞きしております。
さらに、DX化することで、口頭により伝達していた患者の情報をアプリでデータ化し、病院と共有でき、
実証実験結果においても功を奏したというお話を聞いております。
そこで、質問ですが、最先端の技術により搬送時間の短縮を図る取組の具体的な内容についてお伺いします。
◎戸部
救急担当部長 搬送時間短縮を図る取組の
具体的内容についてお答えいたします。
このたびの取組は、
救急活動に
デジタル技術を活用した、いわゆるDX化、
デジタルトランスフォーメーションにより活動の効率化を図るものでございます。
これは、昨年度の
実証実験により、機器の操作感覚や通信不具合など、実運用上の様々な課題を抽出し解決策を講じるなど、これらの情報を基に検討を行い、
事業内容を構築したものでございます。
具体的には、救急隊に配備された
タブレットなどに導入する
救急活動アプリにより口頭で伝達をしていた
傷病者情報を
電子データに入力変換し、病院側の
パソコンなどの画面上に文字化して伝達するものでございます。
このことにより、救急隊と病院間の
情報伝達が簡便となり、傷病者の
受入れ判断が早くなることが期待でき、救急隊は
搬送開始までの時間短縮が図られるところでございます。
また、救急隊が速やかに傷病者を病院搬送できるということは、次の
救急要請への体制が早く整うことにつながるため、増加する
救急需要に効率的に対応することが可能となるものでございます。
◆
山田一郎 委員 ただいまの答弁により、搬送時間の短縮に係る具体的な取組内容を伺いました。
私も、現場の隊員の方からも話を聞いておりまして、確かに、本当に口頭で病院に連絡してまた同じことをやらなければいけないというのは、思っている以上に大変で無駄な労力を使っているとも伺っておりますので、こういったところについては、DX化、事業化に先立って、
実証実験によってやっていただくのは評価したいと思います。
また、この実験は、企業と
大学病院に数隊の救急隊が協力する
実験協力という形で行ったと聞いており、事業を始める前に、しかも、今回は費用を伴わずに検証を行うことができたという手法についても評価したいと思っています。
さて、これらの取組が晴れて予算化、事業化された場合において、DX化を進めるに当たっての成功の鍵は、どれだけ多くの病院がこのアプリを共有先として参加するかということにかかっていると思います。しかし、病院への参加呼びかけに関しましては、
消防局単独で話を進めることはなかなか難しいと危惧しており、医師会や
病院協会など、
関係機関にも相談しながら進めていく必要があるのではないかと思う次第でございます。
そこで、次の質問ですが、本事業への病院の参加をどのような対応で促していくか、お伺いします。また、本事業の今後の展望についても併せてお伺いします。
◎戸部
救急担当部長 本事業への病院の
参加促進に関する対応と今後の展望についてお答えいたします。
まず、本事業への病院の
参加促進に関する対応についてでございますが、
事業展開にあっては、市内約90の病院の参画を目標としてございます。
委員がご指摘のとおり、本事業の成果は、どれだけ多くの病院の参画が果たされるかというところにより大きく左右されると認識しているところでございます。
そのため、札幌市医師会などとの連携の下、複数回にわたり
病院向け説明会を開催し、
傷病者情報の共有が円滑となることや救急隊の
入力情報が病院の
電子カルテに反映できるといった病院側の
メリットを打ち出しまして、本事業への参画を広く呼びかけているところでございます。
次に、本事業の今後の展望についてでございますが、
保健福祉局が整備を進める病院の
受入れ状況を可視化する
システムと連携を進め、
複数病院一括要請機能という複数の病院に対して同時に
受入れ確認が行えるような機能について実運用を目指すなど、本事業で整備した機器を最大限有効活用する手法を検討してまいりたいと考えているところでございます。
◆
山田一郎 委員 ただいまの答弁でも、病院の参画という形でありますが、救急をやっている病院に関しては、基本的には全てできるような形で対応いただきたいと思っております。
また、増大する
救急需要に対応するためには、DX化などの最先端の取組を推進し、活動の効率化を図ることが重要であるということは認識しております。
同時に、緊急度の低い
救急要請が存在するという話も聞いており、救急車の本来の利用方法を改めて市民に周知するなど、従来の取組も依然大切であると感じております。
多角的な取組により、これらも市民の負託に応えていただくように要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆
あおいひろみ 委員 私からは、消防局の取組について、大きく2点質問いたします。
1点目は、令和4年度決算に係る救急安心都市さっぽ
ろ推進事業において整備した
自動心臓マッサージ機について質問します。
心肺機能が停止した患者に用いるこの
自動心臓マッサージ機については、令和2年度から3か年かけて、市内全部の救急隊に段階的に整備するものと承知しています。また、令和4年度は
整備計画の最終年次であり、令和5年3月には全ての救急隊への整備が完了したと聞いております。
そもそも
心肺機能が停止した患者が発生したということは、救急車を呼ぶ理由の中で最も重い理由の一つだと思うのですが、私は、救急の
応急手当講習会などの受講を通して、
心肺機能が停止した方の救命には絶え間のない
心臓マッサージが重要であることを理解すると同時に、
心臓マッサージが非常に重労働となる活動であり、講習会で数分実施しただけでも相当な体力が求められることを痛感しました。
そのような、本来は一、二分での交代が推奨される重労働にもかかわらず、
救急隊員の方は、限られた人数の中で、救命のために絶え間なく
心臓マッサージを続けていて、揺れる救急車の中などで交代ができない場合は、10分以上これを継続するのも珍しくないとのことで、
男性隊員であれ、
女性隊員であれ、体力的に厳しい活動なのではないかと心配しておりました。
この
心臓マッサージという命を救うために重要であり高い負荷もかかる
救命処置を自動的に行うことができる機械が導入されることで、重篤な患者さんの救命につながることはもちろんのこと、さきに申し上げた
救急隊員の
労働負荷の軽減も図られるのではないかと注目していた事業です。
そこで、一つ目の質問ですが、この資機材について期待される
導入効果について伺います。
◎戸部
救急担当部長 資機材の
導入効果についてお答えいたします。
心肺機能停止傷病者への
救命処置は、
心臓マッサージ、いわゆる
胸骨圧迫をいかに継続できるかということが重要な要素の一つでございます。救急隊が
心肺機能停止傷病者に対して、担架などを使い救急車まで移動する際は、従来、移動中は
胸骨圧迫を中断して搬送せざるを得なかったところでございますが、本資機材を使用した場合は、最小限の中断で
胸骨圧迫が実施可能となるものでございます。
また、本資機材の使用を開始することで、これまで
胸骨圧迫に従事していた隊員の
労働負荷が軽減されるだけではなく、必要となる点滴や薬剤の投与など、ほかの
救命処置に速やかに従事することが可能となり、重篤な傷病者に対するより円滑な
救命処置が図られるところでございます。
◆
あおいひろみ 委員
自動心臓マッサージ機の
導入効果について、
心臓マッサージをし続けていた
救急隊員を機械がカバーすることで、隊員がほかの
救命処置に従事できるというお話を聞き、患者に対する
救命効果に大きな期待を抱きました。
そこで、次の質問ですが、この資機材を使用した実績をお伺いします。また、この資機材の使用により
社会復帰につながった実績について併せてお伺いします。
◎戸部
救急担当部長 資機材の使用実績についてお答えいたします。
本資機材は、傷病者の年齢、体格、体の状態のほかに、建物の通路や階段の広さ、扉の大きさなど、使用するに当たっての条件が伴うものでございまして、救急隊全隊に本資機材の配備が完了した令和5年3月15日から7月31日までの間に675件の
心肺機能停止の症例があり、そのうちの228件に本資機材を使用したところでございます。
なお、本資機材の使用により、
救急隊員がほかの
救命処置に従事することで、例えば、
心肺機能が停止した重篤な傷病者の心臓の働きを助ける強心剤を投与するための点滴の確保率がよくなっており、効果が見られているところでございます。
また、本資機材を使用して
社会復帰につながった件数は、
初年度導入から統計処理が完了している令和4年末までの間で12件となってございます。
今後は、本資機材について、高い効果につながるよう、より効率的な運用を引き続き検討してまいるところでございます。
◆
あおいひろみ 委員 想像するだけですさまじい処置がされていたことを思い浮かべると、すごく頑張ってほしいなと思っております。
心臓マッサージ器の使用により
社会復帰につながった実績が上がっているということで、さらに効果的・効率的な運用となるようにお願いしたいと思います。救急出動が増加し続けている大変厳しい環境にあっても、
救急活動の質を維持し、さらに向上させようとするような取組は非常に重要なことだと認識しています。
救急分野においては、これまで人力で行っていた処置を機械に代替させることにより、効率化、省力化を図ることは特に重要な検討事項になると考えられますので、国内にとどまることなく、先進的な取組や資機材に関する情報収集、研究を今後も継続するよう要望させていただきまして、この質問を終わります。
続きまして、高齢者世帯自動消火装置設置費助成事業について伺います。
令和5年上半期の火災発生状況は、昨年と比較して減少したものの、火災による死者数の割合は高齢者が8割と年々増加傾向にあり、その多くが逃げ遅れによるものと伺っております。
令和2年の国勢調査によりますと、65歳以上の高齢者が札幌市民の4分の1を上回り、高齢者のみの世帯、単身高齢者世帯ともに増加していることからも、今後も高齢者宅からの火災や火災による死者が増えることを危惧しております。
このような状況を見ても、消防局が行っている自動消火装置の助成事業は、火災発生時に迅速な消火、避難行動を起こすことが難しい高齢者に向けた対策として非常に有効であると感じております。
そこで、質問ですが、この事業開始以降の助成実績はどうだったのか、また、それに対する消防局の受け止めはいかがか、伺います。
◎坂上 予防部長 助成実績とその受け止めについてお答えいたします。
平成30年11月の事業開始から昨年度末までに、710世帯に対し822台の助成を行ったところです。
本事業は、札幌市まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2019において、設置する世帯数を目標に掲げて取り組んできたところでありまして、令和元年度の目標達成率は99.6%に到達したのですが、令和2年度以降の達成率は50%前後にとどまったところであります。
事業開始以降の助成実績といたしましては、このように伸び悩んでいる状況にありますけれども、その要因といたしましては、コロナ禍により広報手段に制限がかかったことや、特に高齢者からのニーズが高い自動消火装置の機種が販売休止になったことなどが影響したものと考えているところであります。
◆
あおいひろみ 委員 コロナ禍による影響や、高齢者からのニーズが高い商品に不足が生じ、助成実績が伸び悩んでいるとのことでした。
高齢者を火災から守るためには、火災の初期消火に自動消火装置は非常に有効であると認識しており、もっと多くの高齢者の方に知ってもらいたいと考えているところです。
現在、札幌市公式ホームページにおいて、この制度の概要や自動消火装置が作動している実験動画等が詳しく紹介されていますが、高齢者ご自身がインターネットを検索して制度や自動消火装置の性能などについて調べたり、理解していただくというのはなかなか難しいのではないかと感じています。
より多くの方にこの制度を利用していただくためには、高齢者に向けた広報だけではなく、その家族や高齢者に関わりの深い方にも制度の内容をよく理解していただき、その方を通じて高齢者にお伝えいただくなど、広報手法を工夫することで、高齢者も安心して制度を利用していただけるのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、令和4年第1回
定例市議会の
予算特別委員会において、我が会派のたけのうち委員からの質問に対し、市民意識調査の結果を踏まえた効果的な広報を検討していくとの答弁がありましたが、市民意識調査の結果と、それを踏まえた広報をどのように行っているのか、伺います。
◎坂上 予防部長 市民意識調査の結果と、それを踏まえた広報についてお答えいたします。
令和4年12月に実施いたしました市民意識調査では、本事業の認知度は5.6%と低い状況でありました。また、高齢者の中でも、本事業の利用に踏み切れないのは、40.9%の方が制度内容や利用方法が分からないといった理由でありました。一方で、本事業を利用したいと回答された高齢者は48.1%に上り、また、30代から40代を中心とした51%の方が本事業を身近な方に紹介したいと回答されたところであります。
このような状況を踏まえまして、町内会に向けた説明会などの対面型の広報を強化するとともに、9月に実施をいたしました住宅防火・防災キャンペーンなどの機会を捉え、消防局公式SNSを活用して、高齢者を親に持つ子ども世帯への広報を実施しているところであります。
このほか、高齢者宅を訪問する機会の多い訪問
介護事業所や民生委員・児童委員をはじめ、日頃より火災予防広報活動に協力いただいております企業、団体との連携を図りながら、幅広く広報を展開するなどして、助成事業の普及に努めております。
◆
あおいひろみ 委員 市民意識調査の結果と、その結果を踏まえ、様々な広報に取り組まれていることがよく分かりました。
先日、消防局公式SNSにおいて、自動消火装置助成事業の動画を拝見いたしました。
敬老の日に「火の用心」の贈り物をコンセプトに、高齢者のご家庭に向けて制度の内容が分かりやすく紹介されており、非常によい取組だと感じましたが、一方で、消防局のインスタグラムのフォロワーは、消防隊のファンである可能性が多いので、投稿に安心するばかりではなく、フォロワー以外の方にも見てもらえる工夫が必要なのではないかと感じました。
広報担当の方は大変ですが、インスタの仕組みを理解し、流れに乗っていくと、もっとよいかと思います。
あわせて、私も高齢者を親に持つ身として、身近な高齢の方々にこの制度の重要性についてSNSで呼びかけていきたいと思っているところです。
広報をする上で、対象となる年代が主にどのような広報媒体を利用するのかを十分に分析し、その人の目に留まるような広報手法を随時取り入れていくことは非常に重要であると考えます。
この制度がまだまだ認知されていない一方で、制度を利用したいという声は48%もあるということなので、今後も世代に応じた丁寧かつ効果的な広報を展開し、認知度の向上を図るほか、高齢者の暮らしを支える家族や関係団体等と連携を図りながら、高齢者宅の防火対策を進めていただくことを要望いたしまして、私からの質問を全て終わります。
◆竹内孝代 委員 私からは、地域防災力の向上に向けた消防団の充実強化について質問をさせていただきます。
近年、大規模な自然災害が増加傾向となっており、今年に入ってからも全国各地で記録的な豪雨による被害が頻発しております。こうした状況下において、消防団は地域防災の中核として、実際の災害活動に従事をするほか、市民の防災訓練の指導を行うなど、重要な役割を担っていただいているというふうに思っております。
そのため、地域防災力の向上には、消防団の充実強化が欠かせないとの考えから、これまで何度も質疑で取り上げさせていただいたところでございます。
この充実強化を行う上で重要なことは、消防団員をしっかりと確保、そして、定着をする取組だと認識しております。特に、高い意識の下、入団をした団員に長く定着をしてもらう、こうした取組が重要であるというふうに思います。
本市の消防団は、女性の比率が他の政令市よりも高いと、多くの女性団員が応急手当指導や地域の防災指導などで活躍していただいております。
私は、平成28年
決算特別委員会で、団員からの声を踏まえまして、消防団の活性化、また、活躍推進のために、ぜひ10区の女性消防団員同士の情報交流の場をつくっていただきたいと主張をさせていただきました。
消防局からは、市内全体の研修会の実現に向けて協力をしていきたいといった答弁をいただき、その翌年、全女性団員を対象にしました札幌市女性消防団員活性化推進会議という形で実現していただき、コロナ禍ではリモート開催も含めまして、これまで年に一度の開催を重ねてきたというふうに承知をしております。
私も消防団員として活動をさせていただいております一人といたしましてこの会議に出席をしておりますが、参加希望者も大変に多く、互いに大きな刺激を受け、また、非常に有意義な会議であると毎回好評をいただいている会議でございます。
一方で、こうした機会を通じてご縁が広がった市内の女性消防団員からは、様々な声やご相談をいただくようになりました。
その共通していることというのは、悩み事、また、改善をしてほしいといったことがあっても相談をしにくいですとか、また、相談しても取り合っていただけなかったとか、消防団活動はしたいけれども、環境の中で厳しいものがあるなどといったものであり、その都度、対応させていただきながらも、この議会の場でもそうした声があることを取り上げさせていただいたところでございます。
そこでまず、質問でございますけれども、令和5年第1回
定例市議会の
予算特別委員会で、この女性団員の意見を団活動に反映するための仕組みづくりについて提案をさせていただきましたところ、指導的立場の分団長に対する研修、また、女性団員向けのアンケートを実施したいといった答弁をいただいたところではありますけれども、その取組状況についてお伺いをいたします。
◎長沼 総務部長 指導的立場の分団長に対する研修と、女性団員向けのアンケートの取組状況についてお答えをします。
初めに、指導的立場の分団長に対する研修についてですけれども、相談しやすい分団の環境づくりということを目的にしまして、令和5年8月に全ての分団長と本部長の計82人を対象に、適切な指導方法や分団内のコミュニケーションの取り方などについて研修を行ったところであります。
研修実施後に確認したところでは、分団長の役割を再認識し、今後の分団運営の参考になったといった回答が多数を占めたことから、一定の成果があったと認識をしております。
次に、女性団員向けのアンケートの実施についてですが、より女性からの意見や要望を消防団運営に反映しやすくするために、女性団員によるグループミーティングを行いまして、その場で出された意見や要望を消防団側に提案する仕組みを準備しております。
また、委員からご指摘のありました女性団員の消防団活動における個別の悩みですとか相談といったことについては、各消防署の予防課ですとか消防団員専用のホームページを開設しておりまして、ここでもお受けをしております。気軽にこういったところに相談をできるということを周知しているということにも力を入れていきたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 研修も早速開催していただいて、一定の効果もあるといったこと、また、グループミーティング、また、個別の対応についても答弁をいただいたところであります。
女性団員の声が届く、そうした仕組みを検討していただいているといったことは分かりましたけれども、前回の質疑から半年を経過しております。
前回、アンケートの実施について触れていただいておりました。今、答弁の中にはこのアンケートについてはお答えがございませんでしたので、ぜひとも、なかなか大きな、例えばグループミーティングのような場では言いづらいような内容もあります。しっかり個別のお声が届くような仕組みをつくっていただきたいというふうに求めておきます。また、時間をかけずに速やかな実施も併せて求めさせていただきます。
本来でありますと、人と人とのつながりの中で、一対一の対応の中でご相談をしていくといった環境が一番望ましいと思っております。
私の所属する分団も、団員同士で大変相談しやすい環境でございますので、団員も定着しておりますし、新しい団員も増えているところもございます。高い志を持って入団した団員が困り事、悩んでいることがあったときに、その声を届けられる環境の重要性も実感しております。一方で、先ほど申し上げましたように、相談しづらいといったところもあるというふうに伺っておりますので、ぜひとも、今後、こうした団員の声を拾う仕組みをつくっていただくよう、併せて求めさせていただきます。
次に、消防団の充実強化に向けて、現状の災害傾向に対応しました資機材の整備についてお聞きをしていきます。
先ほども申し上げましたように、本市消防団は女性団員が多く在籍をしている状況であります。加えて、近年は高齢化も進展しておりますので、資機材を整備する際には、こうした方々でも扱いやすいものにしていかなければならないというふうに思っております。
また、大
規模災害時は長時間の活動となりますので、全ての団員にとっても、少しでも負担の少ない資機材が求められているというふうに考えます。
そこで、質問でありますけれども、女性団員、また、高齢な団員にも負担が少ない資機材の整備が必要かと思いますけれども、どのように考えておられるのか、伺います。
◎長沼 総務部長 女性団員や高齢な団員に負担の少ない資機材の整備についてお答えをいたします。
委員がご指摘のとおり、女性団員の増加や高齢化の進展を踏まえますと、負担の少ない資機材の整備は必要と考えております。
最近の実績では、重くて扱いにくいとの声があります消防団用の可搬ポンプについて、重量100キログラムから50キログラムの軽量な機種に順次更新を進めまして、昨年度、80台全ての更新を終えたところであります。
これからの予定としましては、大
規模災害用として各分団に配置しておりますスコップについて、大雨による土砂災害や大雪で使用が増加することを想定しまして、軽くて腰への負担が少ない形のものを今年度中に追加配備する方向で検討を進めております。
今後も、資機材の整備に当たっては、災害傾向や団員の状況を踏まえまして、適宜、消防団側と検討を進めてまいりたいと思っております。
◆竹内孝代 委員 可搬ポンプを軽量なものに更新してこられたこと、また、今年度は速やかに土砂災害にも対応できるような軽量のスコップを配置していくということであります。負担の少ない資機材を整備していくという考えは理解をいたしました。
団の訓練活動をしていく中で、女性の団員ですとか他の団員の方からちょっとお声が上がったものが一つございまして、例えば、負傷者を運ぶ担架がございます。これの組立て、また、重さ等で、なかなか複雑なものがあり、何度も訓練して速く組み立てられるようにするのが私どもの課題でありますので、そうしたことで一生懸命やるのですけれども、万が一のときに、速やかに、そして、すぐに負傷者を運べるといったことを考えますと、この担架についても、軽量であったり、組み立てやすいものが必要なのではないかといった声もありました。
これは一つの例でございまして、その他、この資機材の入替えを計画的に実施する際には、ぜひとも、今、答弁もいただきましたけれども、現場の声を聞いていただいて反映していただきたいというふうに思っております。
次に、消防団の充実強化に向けた取組のうち、防災指導力の向上についてお聞きしたいと思います。
近年の頻発化する災害状況を踏まえますと、行政主体の取組だけではなかなか対応は困難であり、地域住民の皆さん自らが防災意識を高めて主体的に取り組んでいただいて、防災力を高めていかなければいけないということが求められております。
そのために、消防団の役割の一つであります
地域住民に対します防災指導は、地域防災力の向上には欠かせないものであります。
本市消防団では、防災に関する専門的な知識、また技術を身につけた団員を、札幌市地域防災指導員として認定し、地域の方々に向けて防災指導を行っていただいており、私もこれまで質疑で取り上げさせていただいたところでございます。
新型コロナウイルス感染症が5類に移行して、これから各地域において防災訓練の実施が増加しますと、地域防災指導員による指導の予約が取りにくくなるといったことが容易に予想されます。加えて、地域防災指導員に備わっている専門的な知識、技術を維持していくためには、定期的な研修、スキルアップをしていく取組も必要であると考えております。
そこで、質問ですが、札幌市地域防災指導員の充実に向けて、これからどのように取り組んでいくお考えなのか、伺います。
◎長沼 総務部長 札幌市地域防災指導員の充実についてお答えいたします。
地域防災指導員を充実するためには、地域からの要請に的確に対応できる指導員の人数を確保することと指導の質を担保すること、この2点が重要であるというふうに認識しております。
指導員の人数の確保については、令和3年11月から指導が始まり、約2年が経過したところですが、こちらの需要をしっかり見極め、検証を重ねた上で、必要に応じて増員などの検討を進めてまいりたいと考えております。
また、現在活動しております246名の地域防災指導員の質の担保については、委員がご指摘のとおり、定期的な研修が重要と認識しているところであります。
今年度から3年間かけてフォローアップ研修を行い、地域防災指導員が主体となって
地域住民に指導できるように進めてまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 地域防災指導員を目指したい、受けたいといった団員のお声も聞いており、その中の一人が私でもありますけれども、今、増員も考えるという答弁もございました。皆さんは大変喜ぶと思います。また、現在の方々へのスキルアップも考えていらっしゃるということで、理解をいたしました。
今回は3点質問をさせていただきましたけれども、災害はいつ起こるか分かりません。万が一のときに現場に駆けつけ、市民の命と財産を守る活動をするためにも、こうした
地域住民の防災意識向上に向けた防災訓練指導の万全な体制を整備していく、こうしたことは大変重要なところでございます。
これも含めまして、ぜひとも、この3点の質問に答弁をいただいたことについて、スピード感を持ってご対応いただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。
◆小竹ともこ 委員 私からは、超高層建築物の出火防止対策について伺います。
札幌市においては、都心の再開発や大型の建て替え計画が進行し、高層の建築物が顕著に増加しているところであります。今年7月にはモユクサッポロが開業し、また、11月にはココノススキノが開業を予定されております。今後も、JR札幌駅南側で高さ200メートルを超える超高層建築物の建設も計画されており、その中には、商業施設やホテル、レストランなどの飲食店の設置が見込まれているところであります。
このような超高層建築物は、建築基準法では60メートルを超える建築物として区分されておりますが、大規模再開発の流れの中で、今後も増えていくことが予測されております。
そのような中、令和5年上半期の火災は昨年と比較して減少傾向にある一方で、コンロ火災が昨年より多く、特に飲食店での火災発生が増えているとのことであります。
飲食店の厨房では、火器を取り扱う設備が多く、また、調理する際には油を使用することも多いことから、潜在的な火災リスクが高いと考えられます。
このことを踏まえますと、超高層建築物に所在している飲食店などの厨房から火災が発生した際には、早期に被害の拡大を防止することが大変重要であると考えます。
そこで、質問をいたします。
市内にある超高層建築物の棟数と、それらにおける過去10年の火災発生状況、また、その火災のうち、飲食店の厨房設備からの火災があったのかについて伺います。
◎坂上 予防部長 超高層建築物の棟数及び火災発生状況についてお答えいたします。
札幌市内における60メートルを超える、いわゆる超高層建築物の棟数につきましては、9月末現在で73棟ございます。それらにおける平成25年から令和4年の10年間の火災発生状況につきましては、8件の火災が発生しております。
この8件の火災につきましては、店舗等における電気を原因とした火災でして、飲食店の厨房設備からの火災については発生しておりません。
◆小竹ともこ 委員
札幌市内での超高層建築物の棟数、また、過去の火災件数などの状況については分かりました。
私は、令和2年第3回定例会の
決算特別委員会におきまして、狸小路の飲食店で発生した火災を受け、未然防止の取組やその重要性について質問をしております。また、それ以降、火災のニュースには非常に敏感になってしまいまして、それと同時に、全国的には飲食店での火災が実に多いということを感じております。
先月、9月22日には、東京都渋谷区の渋谷センター街のビルから出火したニュースを拝見しました。報道によりますと、5階建てビルの1階にある飲食店の厨房から出火し、排気ダクトを通じて屋上まで燃え広がり、黒い煙と真っ赤な炎が燃え上がり、周辺は人通りも多く、一時騒然となったとのことであります。
この火災で、けが人や逃げ遅れの方はいなかったようではありますけれども、飲食店の店内は焦げ臭いにおいが充満し、食材もすすだらけ、電気系統も機能を失い、ビル全体が休業に追い込まれたとのことでありました。厨房から一たび出火すると、出火階のみならず、排気ダクトを通じて被害拡大のおそれがあることを改めて認識し、震撼としたところであります。
こうしたことからも、超高層建築物において同様の火災が発生した際には、消防隊の活動の困難性が増すことはもちろん、利用している方々の避難にも大きな支障が生じることは容易に想像ができます。
一方、厨房設備に関しましては、火災予防の観点からも、小まめに清掃や点検をすることが必要であると考えますが、業務用の厨房設備や作業が大がかりになることや、昨今の慢性的な人手不足も影響し、維持管理が行き届かないのではないかと心配しているところであります。
私は、先ほども申し上げました3年前の本委員会におきまして、ダクト火災を防ぐための自動消火装置に係る札幌市の設置要件についても質問をいたしました。
そのときのご答弁では、不特定多数の方が出入りする施設の地階にある厨房設備や高さ31メートルを超える建物で一定の消費熱量以上の厨房設備には義務づけとなっているというものであります。
これを受けまして、その後、私は、各都市、各消防局で出されております高層建築物の指導要綱を調査、確認いたしました。また、今年8月には東京消防庁に視察に伺いまして、高層建築物における出火防止対策指導基準の変遷についても調査をしてきたところでもあります。
◆三神英彦 委員 ハンターさんは、南沢のときも、多分、2日間で6名、4名みたいな形で、延べ10名ぐらい、直ちに出動してくださったというような話になっていたと思います。また、当然、年間を通じて、ただ撃つ技術だけではなくて、わなとの兼ね合いだったりだとか、春は春で穴に対してどうこうとか、いろいろやるということもあってということで、本当に技術というのはいろいろな角度から継承していかなければいけないということもハンターさんから伺っています。
一方で、夏の熊に関しては、やはり、雄の熊が繁殖期に入って、雌熊だったりだとか、子熊だったりだとか、逃げ惑った結果、人目についてしまうというタイプだったと思います。冬に入って、今度は冬籠もりの準備という話になると、今度は、餌を探して、餌探しに夢中になったら、南沢だって、斜面を転げ落ちているところだとかも見られてしまっているわけですから、そうすると、やっぱり、人の被害というリスクで考えると、夏よりも今のほうが上がっているんじゃないかなというふうに考えるわけなのです。そういったところを単純に予算で解決できるということもあれば、そうじゃないところもあるのかなというふうに思います。
質問ですが、ヒグマ出没対応の増加を見据えて、今後の対策をどのようにしていくおつもりか、お伺いします。
◎西村 環境管理担当部長 今後を見据えたヒグマ対策についてお答えします。
アクションプラン2023において、さっぽろヒグマ基本計画推進事業として計上しているところであり、出没対応と並行し、人の生活圏への侵入抑制にもこれまで以上に注力していくこととしております。
特に、市街地に隣接する都市近郊林ゾーンや、藻岩山などを含むヒグマ対策重点エリアにおいては、ハンターによる巡回や追い払いによって、ヒグマにとって居心地の悪い環境をつくり、ヒグマの生息密度を下げる取組を進めていくこととしております。
このような取組を進めながら、市街地の近くに生息するヒグマについて早期の対策を講じることで、市街地等への出没の抑制に努めてまいりたいと考えております。
◆三神英彦 委員 分かりやすくゾーニングで熊のエリアと人のエリアを分けるということに関して、本当にそれでいけるのだったらヒグマを撃たなくてもいいよねというロジックになると思うんですけれども、今、南区に住んでいて、これだけの出没情報が出ていると、やはり、相対数がもう必要以上に増えてしまっていて、それを何とかしなきゃいけないということになっているのだろうなと。そういったところでは、ゾーニングも、ある程度の数まで減ってこないと効いてこない可能性もあるのかなというふうに思います。
だからこそ、総数をちゃんと数えるという技術だったり、その上で、何頭から何頭ぐらいまでというのが人間にもヒグマにもいい数になっているのかなというところの知見をもっともっと積んでいくというのは、本当に難しいけれども、一方で急務なんだろうなというふうに思います。
結果として、このシーズンも、出没件数がこれだけ頻発した割には、一人も、誰も被害に遭わなかったというのは、本当に幸いなことだと思います。それは、本当に熊に関わってくださったいろいろな方々のおかげなのだと思うんですよ。ただ、これが、一人でもやられるということが起こったら、世論があっという間に反転して、多分、市役所もいろんな意味で責められるということが起こるんだと思います。
そのために、総数を何とかするという話と、ゾーニングを引き続き続けるという部分に関しては、市役所だけの努力ではなくて、やっぱり、道庁との関わり、それから、場合によっては環境省だったり農林水産省との関わりだとかという部分もありますので、実際に市役所が当たる部分、それから、私たち議員として横から援護射撃できるような部分というのは積極的に進めますので、引き続きよろしくお願いします。
◆定森光 委員 私からは、気候変動対策行動計画について質問をいたします。
最初に、家庭部門の排出量削減についてであります。
本市は、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするゼロカーボンシティーの実現を目指しており、排出量を削減していくために、市民・事業者・行政が一体となって取り組んでいくことが求められております。
そこで、本市は、温室効果ガス排出量を2030年には2016年比で55%削減するという高い目標を掲げた気候変動対策行動計画を2021年3月に策定し、市民、事業者、そして市役所、それぞれの削減目標と達成に向けた取組について定めております。
部門別の排出量を見ますと、全国では産業部門が最も多いわけですが、本市に至っては、大規模な工業地帯もないことから、家庭部門が排出量の最も多い部門であります。
2030年の目標達成には家庭部門の排出量削減が特に重要になってくることから、本計画でも、高断熱、高気密の住宅であるZEHの推進、再エネや次世代自動車の導入、公共交通の利用促進など、目標達成に向けた市民に協力していただきたい取組についても挙げられております。
そこで、最初の質問ですが、本市の家庭部門における排出量の削減状況とその要因について伺います。
◎上田 環境都市推進部長 家庭部門における温室効果ガス排出量の削減状況とその要因についてお答えいたします。
市内から排出される二酸化炭素などの温室効果ガスの排出状況については、毎年、進行管理報告書として取りまとめ、公表しているところでございます。
今年9月に公表した最新の報告書では、2021年の速報値として、市内全体の排出量が1,025万トンと、前年比で約2.1%の削減、また、気候変動対策行動計画の基準年であります2016年比では、約14%の削減となっております。
そのうち、家庭部門における二酸化炭素排出量については374万トンであり、2016年比で約15%の削減となったところでございます。
その要因としましては、高断熱、高気密な住宅への建て替えやLED照明など、エネルギー効率の高い機器の普及による省エネルギー化、太陽光発電設備など再生可能エネルギーの導入が進んだことなどが考えられるところでございます。
◆定森光 委員 家庭部門においても約15%削減できているということで、年々削減はできているということでした。といえども、2030年には55%削減するという目標には、正直、現状の削減ベースでは厳しいところもあるのではないかと思います。
家庭部門の削減には、気候変動対策にそれほど関心のない市民の方にも積極的に削減につながるような行動を取ってもらうということが大事になってきます。このような市民のライフスタイルの変革、これは計画にも書かれていることですが、こうしたことを進めていくためには、本市として、しっかりと市民のニーズに基づいた施策を展開する必要がございます。
そこで、続いて、気候市民会議について質問していきます。
今、世界で、市民ニーズを的確に把握するための一つの手法として、気候市民会議という新たな市民参加の手法が注目をされております。
この気候市民会議は、無作為抽出で選ばれた市民が、専門家からの情報提供を基に、気候変動対策について数日間かけた深い議論、いわゆる熟議を行う会議であります。そして、市民会議でまとめた気候変動対策は実効性のあるものが生まれやすいということから、今、欧州を中心に世界各国が導入をしているところであります。
この日本においても、札幌市が協力しました北海道大学の研究グループによる気候市民会議さっぽろが2020年11月に行われたのを皮切りに、武蔵野市や所沢市など関東を中心に、今、日本でも気候市民会議が広がっております。
この気候市民会議さっぽろの開催に先立って、2020年の
決算特別委員会にて、我が会派のしのだ委員が、気候市民会議さっぽろと本市との関わりについて質疑したところ、部長からは、市民会議で得られた市民意見を本市の取組に反映していきたい旨の答弁がありました。その後、2021年1月に気候市民会議さっぽろの報告書が本市にも届けられ、計画が策定をされる運びとなりました。
そこで、質問ですが、この気候市民会議でどのような市民意見が挙がり、どのように計画に反映したのかを伺います。
◎上田 環境都市推進部長 気候市民会議における意見の気候変動対策行動計画への反映についてお答えいたします。
2020年11月から12月にかけて開催された気候市民会議さっぽろ2020では、札幌市の職員もオブザーバーとして議論に参加し、参加者からの意見を直接聞く機会を持っております。
参加者からは、有識者から、省エネルギー住宅や家電などに関する最新の知見について説明を受けた上で議論を行いましたが、これまで住宅や製品を選択する際に、エネルギー性能などに関する情報があれば省エネルギー性能の高いほうを選んだはずであるという意見があったことから、市民への情報提供の重要性を改めて認識いたしました。
そこで、気候変動対策行動計画の策定に当たりましては、市民のライフスタイル変革に向けた取組項目の中において、市民、事業者と一緒にゼロカーボン都市の実現といった目標を達成するため、民間事業者との連携なども含め、様々な機会を通じた情報発信を進めることということについて盛り込んだところでございます。
◆定森光 委員 気候市民会議で挙がった市民意見が計画にも反映されたということでした。特に、専門家からの情報提供によって行動変容の可能性が示されたということは、大きなことだったというふうに思います。
気候市民会議さっぽろの報告書がホームページに上がっているのを私も見ましたが、計11人の専門家による情報提供と、4日間の市民による話合いが行われたということであります。その結果、様々な効果があったということなのですけれども、例えば、政策に対する市民の選好の把握でございます。住宅の断熱性能の向上などは、市民の大半が支持していることが明らかになった一方で、自家用車の利用削減とマイカー規制という政策については支持が大きく分かれる、こうした政策の選好の違いというものも明らかになりました。
また、脱炭素の実現時期について、3割を超す参加者が2050年よりも早い達成の可能性を追求すべきと、気候変動対策に対する積極的な考えに変化をしております。
こうした適切な情報提供と熟議を組み合わせた市民参加の手法は、本市の気候変動対策をより市民目線で評価することに役立ったり、市民のライフスタイルの変革を促したりすることにも有効であると考えます。
そこで、最後の質問ですが、計画を策定してから今年で3年目ですけれども、本市の気候変動対策を推進する上で、適切な情報提供と熟議による市民参加の手法を生かした取組をどのように行っているのか、伺います。
◎上田 環境都市推進部長 市民参加の手法を生かした取組についてお答えいたします。
委員がご指摘のとおり、気候市民会議さっぽろ2020では、有識者や札幌市からの適切な情報提供を行った上で議論を行うことにより、参加者は気候変動対策に対して積極的に取り組む必要性を認識し、意見として発信されております。
このように、札幌市における取組や民間事業者等が行っている取組などを市民が学び、対話や議論を通じて様々な意見を交わすことで、気候変動対策に取り組む意欲が高まることから、市民参加の手法として、事前の情報提供と対話の重要性を認識したところでございます。
そこで、市民が気候変動対策に向けて、対話を通じ自ら行動を起こすことや、企業における気候変動対策などの取組を学び、共に行動すること、こういったことを目的としたワークショップの開催など、市民の自主的な取組の促進を行っているところでございます。
今後も、気候市民会議での経験を生かし、情報提供と対話を通じた市民参加などの取組を積極的に取り入れてまいりたいと考えております。
◆定森光 委員 適切な情報提供と対話による市民参加の手法の重要性について、今、答弁をいただきました。
気候市民会議さっぽろが行ったような数日間の熟議ということは、なかなか時間とコストもかかるということで頻繁に行うのは難しいということだとは思います。しかしながら、その分、市民の行動変容を促す施策が展開できるということは言えるのではないかと思います。
政策への反映のしやすさなどを考慮すると、こうした市民会議を5年ごとに行う計画の見直し時期などに取り入れていくということもぜひご検討いただければと思います。
また、専門家による情報提供と熟議を組み合わせた市民会議という新しい市民参加の手法というものは、市民に専門的な知識が求められたり、市民の考えの違いが表れたりする政策を本市が立案、実行する際に取り入れることが有効な方法だとも考えられます。気候変動対策にとどまらず、他の政策領域にも生かせる可能性があることから、本計画での市民会議の有効性をしっかりと評価していただくことを最後に要望し、私からの質問を終えたいと思います。
◆
森山由美子 委員 私からは、熱源転換の取組について質問をいたします。
札幌市は、環境首都・札幌を掲げ、2021年に札幌市気候変動対策行動計画を策定し、先ほど定森委員も触れていらっしゃいましたが、2030年には温室効果ガス排出量を2016年比で55%削減するという極めて高い目標を掲げ、取り組んでまいりました。
さらに、2050年までに地域から排出される温室効果ガスを実質ゼロにするゼロカーボンシティーを目指し、昨年は脱炭素先行地域にも選定されました。
我が会派は、これまで、代表質問などにおいて、札幌市に脱炭素社会の実現を積極的に目指すように訴えてまいりました。本年の第2回定例会代表質問においても、脱炭素型ライフスタイルへの転換を促すための取組について質問をし、市内で広く普及している灯油式の暖房のエネルギー源を、CO2排出量の少ない電気やガスに転換する熱源転換の取組が重要な観点との答弁でございました。
その熱源転換を促す取組の一つとして、省エネ機器エネルギー源転換補助金制度の実施が挙げられます。
そこで、質問ですが、この省エネ機器エネルギー源転換補助金制度の概要とこれまでの実績について伺います。
◎上田 環境都市推進部長 省エネ機器エネルギー源転換補助金制度の概要とこれまでの実績についてお答えいたします。
この補助は、環境省の地域脱炭素移行再エネ推進交付金を活用する事業であり、住宅において、既存の暖房や給湯機器を撤去した上で熱源転換し、CO2排出量が30%以上削減される場合に補助を行うものでございます。
具体的には、灯油を使うストーブから、電気をエネルギー源とし、外気温がマイナス15度以下となる寒冷地でも暖房性能が落ちない寒冷地エアコンへ取替えを行うものなどが対象となり、最大45万円と手厚い補助を行っております。
昨年度は、11月より受付を開始し、その実績は5件でございました。今年度は、8月より受付を開始し、9月末時点で既に6件の申請を受け付けております。昨年度より実施していることもあり、今年度は8月の1か月だけで100件を超える問合せがございました。
◆
森山由美子 委員 補助の内容と実績については分かりましたが、実績や申請の数はまだまだ少ないと感じます。
札幌市気候変動対策行動計画では、電気やガスをエネルギー源とする暖房機の割合を2016年の33%から2030年には80%、給湯器では60%を73%とする指標を示しております。
補助については、今年度の申請は昨年より早い時期から実施され、今後も伸びてくるとは思いますが、既設の灯油機器の撤去や30%以上のCO2削減効果が必要となることから、要件が厳しく、多くの方が容易に取り組めるものではないと感じるところです。
札幌市気候変動対策行動計画に定める熱源転換の高い目標を達成するためには、より多くの市民が取り組みやすい施策が必要と感じます。例えば、今夏の猛暑の影響により、多くの市民はエアコンに関心を示しておりますが、我が会派は、この状況を活用して暖房性能が高い寒冷地用の冷暖房エアコン、いわゆる寒冷地エアコンへの誘導を図れるのではないかと考えております。しかしながら、札幌の厳しい冬においても、寒冷地エアコンが灯油暖房と同じように熱源として十分に性能を発揮されるか、杞憂している市民も多いと思われます。
そこで、質問ですが、より多くの市民に取り組んでもらうために、省エネ機器エネルギー源転換補助金制度より使いやすい別の取組が必要ではないかと考えますがいかがか、伺います。
◎上田 環境都市推進部長 省エネ機器エネルギー源転換補助金制度より使いやすい別の取組が必要ではないかというご質問でございました。
今年度は、省エネ基準達成率100%以上の対象製品を購入するだけでキャッシュレスポイント等を受け取れる、さっぽろ省エネ家電で家計を応援キャンペーンを本日から実施しており、対象には寒冷地エアコンも含まれます。
このキャンペーンでは、エアコンの設置を検討している方に寒冷地エアコンを選んでもらえるよう、既存の灯油機器の撤去や30%以上のCO2削減といった要件は不要といたしました。これによって、熱源転換で懸念となる寒冷地エアコンの暖房性能を気軽に体感できる取組としたところでございます。
◆
森山由美子 委員 この施策により、市民が寒冷地用のエアコンを購入し、その性能を体感し、ひいてはエネルギー熱源転換へとつながるということは非常に重要だと思われます。
しかしながら、熱源転換は、容易に取り組めるものではなく、一気に進めるということは難しいため、様々な施策で少しずつ推進していくべき問題であると認識しております。こうしたことから、市民には、熱源転換の重要性をもっと理解していただく必要があり、行動変容を促していくことが大切であります。
そこで、改めて質問をいたしますが、この熱源転換をさらに進めるために今後どのように対応をしていくのか、伺います。
◎上田 環境都市推進部長 熱源転換をさらに進めるためにどのように対応していくかということについてでございますが、さっぽろ省エネ家電で家計を応援キャンペーンでは、熱源転換を中心とした脱炭素につながるライフスタイルへの転換に向け、周知や啓発にも積極的に取り組んでまいります。
具体的には、家電量販店での省エネ相談窓口の設置ですとか、パネルの展示などを実施する予定でございます。
また、寒冷地エアコン購入者にはアンケートを行い、購入の動機や使用感などについて確認することとしております。
省エネ機器エネルギー源転換補助金制度でも補助対象者に同様のアンケートを行いますことから、これらの結果を集約、分析することで効果的な周知や啓発を行い、熱源転換を一層進めてまいりたいと考えております。
◆
森山由美子 委員 電気エネルギーは熱エネルギーよりエネルギーの質が高いため、ヒートポンプの技術により、COP、エネルギー消費効率は、現在の技術で最大5〜6倍となり、使用する電気エネルギーの5〜6倍の熱エネルギーが得られることになります。
脱炭素社会を目指すには、このような技術革新に誘導することが必要であり、さらに、住宅の断熱性能の向上といったエネルギーロスの対策との両輪で進めることが重要と考えます。
電気エネルギーについては、火力発電由来から風力などの再生可能エネルギー由来に主電源化することを国が推し進めており、また、今後、炭素クレジットや炭素税の導入も考えられますので、市民が使用するエネルギーの種類について変曲点を迎えることが想定されます。
したがって、本施策のように、電気エネルギーへと熱源転換するよう誘導していくことが今後重要であるため、市においては、市民への周知と丁寧な施策の推進を要望しまして、私の質問を終わります。
◆ふじわら広昭 委員 私は、家庭ごみ収集運搬業務民間委託における適切な人件費などの確保について質問します。
1点目の質問は、委託費などの設計についてです。
札幌市が1971年度、昭和46年度から実施しておりますごみステーション方式は、今年3月末現在、市内に約5万8,000か所、内訳は、専用ステーションが約3万2,000か所、共用ステーションは約2万6,000か所となっています。
札幌市は、2009年7月から、市民の皆様のご理解とご協力をいただき、家庭ごみの有料化、経済的動機づけによる市民の皆様のごみ減量やリサイクルなどを進めてきています。
家庭ごみの有料化以前の2008年度には、家庭から排出されるごみの量は年間約46万トンでしたが、有料化した年度のごみの量は約44万トン、さらに、その翌年度は約40万トン、2014年以降は40万トンを下回る状況が続いています。
家庭ごみ収集運搬業務は、直営及び民間業務委託を問わず、従事者が人の力でごみを収集車両に積み込む作業を行う労働集約型産業であります。
2021年の大雪のときは、収集して、ごみを清掃工場に搬入して、各委託事業者の事務所に戻るのは、当初、24時頃という日が何日も続き、その後、委託事業者から札幌市に改善を求める声もあったと聞いております。
大雪のために除雪が追いつかず、ごみ収集車両は住宅街の中小路に入ることができず、直営の方も民間委託の方もブルーシートなどにごみを乗せて車両まで運ぶ作業も何日か続きました。
また、地球温暖化により、毎年、夏の気温が上昇する中で、特に今年の夏は異常な暑さでした。ごみ収集に従事されている皆様は、寒い冬や暑い夏、雨や風のときも、適切にごみを収集運搬し、きれいな札幌のまちづくりに貢献されていることに、改めて感謝を申し上げたいと思います。
昨今は、人手不足やウクライナ情勢による原油価格の上昇など、人件費や物価が上昇しています。業務の実施に当たっては、人材の確保や収集車を動かすための軽油の調達などが大きな課題となっています。札幌市の家庭ごみ収集は、市の職員による直営収集と民間事業者による委託収集で行われておりますが、家庭ごみ収集運搬業務を受託している民間事業者においても、こうした価格の上昇による影響を受けております。
資料を見ますと、家庭ごみ収集運搬業務の民間委託では、収集車1台当たりの単価契約が締結されており、2023年度は3名の従事者が乗務するパッカー車1台の1日当たりの契約単価は8万4,480円となっています。
そこで、質問ですが、委託費の設計において、人件費はどの程度の割合を占めているのか、また、人件費のほかにどのような項目を積算しているのか、まず伺います。
◎川端 清掃事業担当部長 家庭ごみ収集運搬業務の委託費の設計における人件費の割合とそのほかの積算項目についてお答えいたします。
家庭ごみ収集運搬業務を委託するに当たっての設計については、業務に必要となると考えられる項目として、人件費のほかに物件費、管理的経費を積算しております。
令和5年度の業務委託契約における設計の合計額に対してこれらの項目が占める割合は、人件費が約70%、物件費が約15%、管理的経費が約15%となっております。
◆ふじわら広昭 委員 質問の2点目は、人件費及び物件費などの内容についてでございます。
答弁では、委託費の設計の大部分を占めているのが人件費とのことでしたが、人件費の内訳として、ボーナスが含まれているのか、退職金が含まれているのかなど、詳細な内訳も従事者の雇用環境を考える上では重要な要素と言えます。また、家庭ごみ収集では車両を使用するため、燃料だけではなく、車両の維持管理に係る経費も必要となります。
家庭ごみ収集を実施するために必要となる様々な経費が委託費に適切に設計されていることが事業者が業務を遂行する上で重要と言えます。
そこで、質問ですが、人件費や物件費には具体的にどのような項目が積算されているのか、伺います。
◎川端 清掃事業担当部長 人件費や物件費として積算されている具体的な項目についてお答えいたします。
現在の設計においては、人件費として乗務員に係る給与や賞与、寒冷地手当、特殊勤務手当等を札幌市現業職の給与体系に準じて積算しているほか、健康保険料や雇用保険などの事業主負担分や退職手当に係る引当金を積算しております。
物件費としては、収集車両の運行に必要となる車両購入費やエンジンオイル、タイヤ、燃料費などを積算しているほか、乗務員が使用する作業服、手袋、帽子、感染症対策用マスク等を積算しております。また、管理的経費として、業務管理に従事する職員の人件費、事務所設備に係る減価償却費や光熱水費等を積算しております。