札幌市議会 2023-09-27
令和 5年第 3回定例会−09月27日-03号
議案第7号 令和4年度札幌市
下水道事業会計剰余金処分及び決算認定の件
議案第8号 令和5年度札幌市
一般会計補正予算(第3号)
議案第9号 令和5年度札幌市
介護保険会計補正予算(第1号)
議案第10号 令和5年度札幌市
公債会計補正予算(第2号)
議案第11号 令和5年度札幌市
病院事業会計補正予算(第1号)
議案第12号 令和5年度札幌市
軌道整備事業会計補正予算(第1号)
議案第13号 札幌市
個人番号利用条例の一部を改正する条例案
議案第14号 札幌市印鑑条例の一部を改正する条例案
議案第15号 札幌市
旅館業法施行条例の一部を改正する条例案
議案第16号
札幌市営住宅条例の一部を改正する条例案
議案第22号 訴えの提起の件(
保証債務履行請求)
議案第23号 訴えの提起の件(
保証債務履行請求)
議案第24号 損害賠償及び和解に関する件
議案第25号 町の区域を変更する件
議案第26号 市道の認定、変更及び廃止の件
議案第27号 令和5年度札幌市
一般会計補正予算(第4号)
議案第28号 札幌市
子ども医療費助成条例の一部を改正する条例案
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〇出席議員(65人)
議 長 飯 島 弘 之
副 議 長 しのだ 江里子
議 員 和 田 勝 也
議 員 山 田 一 郎
議 員 山 田 洋 聡
議 員 定 森 光
議 員 篠 原 すみれ
議 員 森 基誉則
議 員
おんむら健太郎
議 員 水 上 美 華
議 員 波 田 大 専
議 員 荒 井 勇 雄
議 員 脇 元 繁 之
議 員 丸 岡 守 幸
議 員 坂元 みちたか
議 員 米 倉 みな子
議 員 小須田 大 拓
議 員 藤 田 稔 人
議 員 三 神 英 彦
議 員 村 松 叶 啓
議 員 あおい ひろみ
議 員 たけのうち有美
議 員 うるしはら直子
議 員 熊 谷 誠 一
議 員 森 山 由美子
議 員 佐 藤 綾
議 員 長 屋 いずみ
議 員 吉 岡 弘 子
議 員 成 田 祐 樹
議 員 松 井 隆 文
議 員 中 川 賢 一
議 員 川田 ただひさ
議 員 伴 良 隆
議 員 かんの 太 一
議 員 松 原 淳 二
議 員 竹 内 孝 代
議 員 わたなべ 泰行
議 員 前 川 隆 史
議 員 小 口 智 久
議 員 好 井 七 海
議 員 田 中 啓 介
議 員 池 田 由 美
議 員 太 田 秀 子
議 員 小 竹 ともこ
議 員 北 村 光一郎
議 員 こじま ゆ み
議 員 佐々木 みつこ
議 員 よこやま 峰子
議 員 中 村 たけし
議 員 林 清 治
議 員 村 上 ゆうこ
議 員 丸 山 秀 樹
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 小 形 香 織
議 員 山 口 かずさ
議 員 細 川 正 人
議 員 長 内 直 也
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 こんどう 和雄
議 員 高 橋 克 朋
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 三 上 洋 右
議 員 ふじわら 広昭
議 員 小 野 正 美
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〇欠席議員(3人)
議 員 村 山 拓 司
議 員 勝 木 勇 人
議 員 福 士 勝
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〇説明員
市 長 秋 元 克 広
副 市 長 町 田 隆 敏
副 市 長 石 川 敏 也
副 市 長 天 野 周 治
交通事業管理者
交 通 局 長 中 田 雅 幸
水道事業管理者
水 道 局 長 佐々木 康 之
病院事業管理者
病 院 局 長 西 川 秀 司
危機管理監
危機管理局長 櫻 井 英 文
総 務 局 長 山 根 直 樹
デジタル戦略推進局長 浅 村 晋 彦
まちづくり政策局長 小 角 武 嗣
財 政 局 長 笠 松 拓 史
市民文化局長 前 田 真 子
スポーツ局長 梅 田 岳
保健福祉局長 粟 崎 寿 也
子ども未来局長 山 本 健 晴
経済観光局長 一 橋 基
環 境 局 長 菅 原 祐 雄
建 設 局 長 荻 田 葉 一
下水道河川局長 小 泉 正 樹
都 市 局 長 中 村 範 仁
会 計 室 長 野 島 聡
消 防 局 長 村 井 広 樹
教育委員会教育長 檜 田 英 樹
教育委員会委員 石 井 知 子
選挙管理委員会委員長 畑 瀬 幸 二
選挙管理委員会委員 佐々木 肇
選挙管理委員会委員 宮 村 素 子
選挙管理委員会委員 猪 熊 輝 夫
人事委員会委員 祖母井 里重子
人事委員会事務局長 槙 智 洋
監 査 委 員 藤 江 正 祥
監査事務局長 佐 藤 伸 二
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〇
事務局出席職員
事 務 局 長 鈴 木 和 弥
事 務 局 次 長 酒 井 欣 洋
総 務 課 長 森 譲
政策調査課長 安 澤 哲
議 事 課 長 岩 岡 吾 一
議 事 係 長 木 村 公 彦
委員会担当係長 村 上 雅 俊
委員会担当係長 中 村 久 弥
書 記 伊 藤 友 介
書 記 上 田 真 士
書 記 酒 井 彰 悠
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開 議 午後1時
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○議長(
飯島弘之) ただいまから、本日の会議を開きます。
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○議長(
飯島弘之)
出席議員数は、65人です。
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○議長(
飯島弘之) 本日の
会議録署名議員として
篠原すみれ議員、
成田祐樹議員を指名します。
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○議長(
飯島弘之) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(鈴木和弥) 報告いたします。
勝木勇人議員、
村山拓司議員は、所用のため、本日の会議を欠席する旨、それぞれ届出がございました。
市長から、
太田秀子議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので、昨日、その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程、
質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
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○議長(
飯島弘之) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第1号から第16号まで、第22号から第28号までの23件を一括議題といたします。
昨日に引き続き、代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
森山由美子議員。
(
森山由美子議員登壇・拍手)
◆
森山由美子議員 皆様、こんにちは。
公明党の
森山由美子でございます。
私は、ただいまから、
公明党議員会を代表し、本
定例市議会に上程されました令和4年度決算、その他諸議案並びに市政の諸課題について、順次、質問します。
最初は、市長の政治姿勢について、大きく10点質問をいたします。
1点目は、令和4年度決算と現下の社会情勢を踏まえた今後の財政運営について伺います。
令和4年度予算は、札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2019の総仕上げとして、プランに掲げる取組を着実に実施したほか、
感染症対策や
社会経済活動の回復など、
ポストコロナや新たな成長に資する事業に重点的に資源を配分した予算が編成されました。
ただ、実際には、令和4年度も、引き続き、感染症の影響や原材料等の価格の高騰等により事業執行が困難になったものもあったのではと思料いたします。
感染症対応など喫緊の課題を優先することは当然ではあるものの、市長の政策目標の実現に向け、
アクションプランの取組を着実に進めていくことは市長の責務であることから、変化の激しい社会情勢にあって難しいかじ取りを余儀なくされていたものと推察します。
今年度は、
新型コロナウイルス感染症については、感染症法上の取扱いが5月より5類に引き下げられたところですが、昨今の不安定な世界情勢を背景とする
エネルギー価格や物価の高騰は依然として続いており、市民生活や経済への影響は長期間に及んでおります。
こうした中、国は
エネルギー価格高騰の影響を踏まえ、9月末で期限となる
燃料油価格激変緩和補助金を延長する方針を固めました。3期目となる秋元市政においては、公約事業の推進はもちろん、我が会派としても、8月29日に教育機関への
エアコン設置を含めた緊急要望をするに至った、今夏のような
地球温暖化の影響に伴う記録的な猛暑などへの対応など、喫緊の課題への対応についてもバランスを取りながら進めることが重要であり、それらへの対応に当たっては、今申し上げた国の対策なども意識するとともに、財源として基金を積極的に活用するなど、柔軟な財政運営が求められます。
そこで、質問ですが、令和4年度決算を踏まえつつ、現下の社会情勢における今後の財政運営の考え方について伺います。
2点目は、第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2023における
ユニバーサル(共生)社会の取組について伺います。
我が会派では、かねてより
SDGsの理念や包摂性、いわゆる
インクルーシブの観点から、障がい、性別、年齢、人種、国籍などにかかわらず、誰もがお互いの価値観や生き方を尊重し、受け入れる
共生社会を実現することの重要性を訴えてきました。
そのような中、本年4月にリニューアルオープンした農試公園の遊具広場では、我が会派の主張も踏まえ、
インクルーシブ遊具を取り入れた誰もが遊ぶことができる環境が整備されました。この取組は、障がいのない方もある方も共に遊べる遊具の整備というハード面の取組にとどまらず、公園を訪れた市民が
インクルーシブな考え方に目を向けるきっかけとなり、多様性の理解促進にもつながるソフト面の取組でもあると評価をしております。
また、令和5年第1回定例会での
予算特別委員会において、我が会派から、
インクルーシブ遊具広場に関連して心の
バリアフリーについて質問したところ、市からは、公園の
指定管理者や地域の方などの理解を深めることが大切であり、心の
バリアフリー研修や出前講座などを実施していく旨の答弁がありました。
この心の
バリアフリーの考え方をまち全体に根づかせるためにも、市長公約にもある(仮称)
共生社会推進条例の制定に早期に取り組み、
共生社会の実現に向けた理念を市民や事業者と共有し、社会全体で支え合うという意識に変えていくことが大切と考えます。
札幌のまちを多様性への理解が進む誰もが暮らしやすい魅力あるまちにするためには、従来から進めている地下鉄駅へのエレベーターの設置や地下鉄駅の出入口からタクシーや
バス乗り場にまでつながる歩道の
バリアフリー化などのハード面の取組に加え、心の
バリアフリーの浸透に向けたソフト面の取組についても一体的に進めることが重要です。
そこで、質問ですが、
共生社会の実現に向けて、
ユニバーサルの考え方に基づくハード・
ソフト両面の取組を
アクションプラン2023にどう位置づけ、どのように進めていくのか、市長の考えを伺います。
3点目は、環境首都・札幌としての
SDGsの取組推進について伺います。
2030年に向けて、誰も置き去りにしないとの理念を底流に、持続可能な社会を構築するための17の目標が掲げられている
SDGsは、2015年の
国連サミットにおける採択から今年でちょうど折り返しの期間が経過します。毎年発表されている国別の
SDGs達成状況等をまとめた持続可能な
開発報告書によると、2023年の日本における
達成度ランキングは166か国中21位で、最も高かった2017年の11位から大きく後退しているほか、特に目標13番の
気候変動対策が昨年より評価が下がっており、懸念をしているところです。
そのような中、札幌市は、2018年6月に
SDGs未来都市として、2019年にはフェアトレードタウンの認定など、都市のサステーナビリティーの向上に向けた取組を重ね、2020年には
エネルギーや水の分野で高い評価を得て、国際的に認知されている
環境性能評価システム、LEED for Cities and Communitiesの
プラチナ認証を日本の都市として初めて取得したことは、国内外で評価をされているところです。
しかしながら、環境局が毎年実施している市民調査では、
SDGsに関して
具体的内容まで知っているといった回答が、2017年度の1.2%から2022年度には33.8%と、
SDGsの認知度は広がりつつあるものの、まだ約半数の49.5%が
ロゴマークを見たことがある、
SDGsという言葉は知っているといったレベルにとどまっており、残念に思います。
一昨年の大雪、そして今回の猛暑と温暖化の危機を肌身で感じている今こそ、次世代の
子どもたちが笑顔で暮らせる持続可能な都市、環境首都・札幌を将来像として掲げる札幌市が、あと7年に迫る
目標達成年の2030年に向け、市民の
SDGsの理解を深め、行動を促進することは大変重要であると考えます。
そこで、質問ですが、環境首都・札幌として、市民に対する
SDGsのさらなる理解の向上と行動の促進に向け、札幌市のみならず、事業者などと官民連携を図りながら進めていくことが必要であると考えますが、今後どのように取り組んでいく考えか、伺います。
4点目は、
地球温暖化の影響を踏まえた猛暑への対応について伺います。
今年の夏は、8月の平均気温が過去最高となったほか、最高気温が35度以上の猛暑日の日数が過去最多、さらには、石狩、空知、後志地方に初めて
熱中症警戒アラートが発表されるなど、記録的な猛暑でありました。そのため、熱中症による救急搬送の急増や、一部の学校では下校時間を繰り上げるなど、これまで札幌では経験したことのないような極めて大きな市民生活への影響があったところです。
積雪寒冷地である北海道に住んでいる札幌市民にとっては、これほどの暑さには体が慣れておらず、また、熱中症の危険性に対する認識も本州に比べて比較的低いと考えられることから、市民の健康を守るための暑さ対策の強化は喫緊の課題と言えます。
国レベルにおいては、
地球温暖化による近年の猛暑を受け、
気候変動適応法が本年4月に改正され、
気候変動適応計画が一部変更されるとともに、
熱中症対策実行計画が新たに法定計画として位置づけられることになったところです。
改正気候変動適応法では、具体的な取組として、現行よりも一段高い
熱中症特別警戒アラートの創設や、クーリングシェルターの指定、
熱中症対策を普及、推進していくための地域団体の活用などが規定され、来年春の全面施行に向けて
熱中症対策等の強化が検討されることとなります。
札幌市では、
年平均気温が100年当たり約2.5度の割合で上昇しており、このまま
地球温暖化が進むと、厳しい
温室効果ガス削減策を取らなかった場合、21世紀末には、
年平均気温が20世紀末に比べて約4.9度も上昇するといった予測もあります。この夏の暑さは決して今年に限ったことではなく、来年以降に向けて本市としてしっかりと猛暑への準備を進めていく必要があると考えます。
我が会派としては、市民からの切実な声を踏まえ、今年8月、市長に対して、記録的な猛暑に対応するための緊急要望を行いました。その中で、温暖化の影響を踏まえた暮らしに必要な対応を検討する(仮称)
温暖化対策検討会議を設置し、市長をトップとする組織横断的な情報共有及び対策を図ることや、今後の取組に対する市民意見の把握、そして、対策に必要な財源の確保に向けた国への
緊急要請活動の実施などを求めたところであります。この緊急要望を踏まえ、早速、今回の
アクションプラン2023(案)の中に
学校施設冷房設備整備事業が盛り込まれたことは評価するものですが、本市の暑さ対策は喫緊の課題であります。
そこで、質問ですが、今年の夏のような記録的な猛暑に加え、今後も
地球温暖化によるさらなる気温上昇が予測されていることから、札幌市における全庁的な対応が必要であると考えられますが、その認識について伺います。
5点目は、
木質バイオマスの有効活用について伺います。
令和5年7月の
世界平均気温は最高記録を更新し、国連では、
地球温暖化の時代は終わり、
地球沸騰化の時代が到来したと、国際社会においても
気候変動対策のより一層の強化が求められております。
こうした中、国は、GX、グリーントランスフォーメーションの実現に向けた基本方針を2023年2月に策定し、分野横断的な取組を進めております。GX実現には、徹底した省エネ等の取組のほか、廃棄される製品や原材料などを資源と考え、廃棄物を出さずに循環させる
サーキュラーエコノミー、循環経済への移行が求められ、2030年までに関連する市場規模を80兆円以上にするという目標が掲げられております。
また、今年4月に開催された
G7札幌気候・
エネルギー・
環境大臣会合では、
サーキュラーエコノミーへの移行及び
資源効率性の向上には主要なプレーヤーである民間企業の取組促進が不可欠とし、循環経済及び
資源効率性の原則、CEREPを採択したところです。
このような状況を踏まえ、我が会派では、炭素循環、炭素固定ができる重要な資材として、
木質バイオマスの活用に着目をしております。道内における
木質バイオマスの使用量は、熱利用のほか、各地の
木質バイオマス発電施設の稼働が大幅に進み、2016年度の89万立方メートルから、2022年度は160万立方メートルと大きく増加をしております。
しかしながら、海外や本州では、2021年初旬から、
ウッドショックと呼ばれる世界的な木材価格の高騰のため、
チップ原料の原木確保が以前より難しくなったと伺っております。
こうした事態の回避には、都市と地方がそれぞれの特性を生かして補完し合う
地域循環共生圏の形成が必要であり、札幌市で発生した剪定枝などの
木質バイオマスを圏域として確保、発電等へ利用し、圏域循環をしていくべきであると考えます。
そこで、質問ですが、札幌市で発生した剪定枝などの
木質バイオマスの積極的な活用と、それらなどから発電した電力を市内で利用することについて見解を伺います。
6点目は、GX推進と札幌経済の活性化について伺います。
国は、ロシアによる
ウクライナ侵略以降、
エネルギー安定供給の確保が世界的に大きな課題となる中、GXを通じて脱炭素、
エネルギー安定供給、経済成長の三つを同時に実現する新たな政策として、2023年2月にGX実現に向けた基本方針を掲げ、7月にはこれらの政策を実行するための
GX推進戦略を策定しました。
こうした
国家的プロジェクトの動きを契機と捉え、去る6月23日、札幌市では、北海道と連携し、ほかの自治体に先駆け、北海道の
再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限に活用し、アジア・世界の
金融センター実現を目指す、産学官金21機関から成るコンソーシアム、Team
Sapporo−Hokkaidoを設立しました。さらに、8月23日には、このTeam
Sapporo−Hokkaidoの取組を推進するため、
北海道知事とともに岸田総理に面会し、特区等をはじめとした五つの要望を行ったとお聞きしております。
国の動きに連動する形で矢継ぎ早にこのような攻めの事業展開を図るTeam
Sapporo−Hokkaidoの動き、取組には一定の評価をいたします。
一方で、大事なことは、北海道が国の
再生可能エネルギーの供給基地となり、国に貢献しつつ、同時に、札幌、ひいては北海道の
経済活性化にどうつなげていくかということであります。今後、有効な対策を打っていくことが強く求められます。
風力発電を例にすると、風力発電の設備は海外製のものが多く、
地元調達率が低いため、地域経済への波及効果が限定的であるとの声もあり、そうした課題への対応、対策も講じながら、戦略的に
経済活性化、雇用創出に向けた事業展開を図っていくべきと考えます。
また、北海道、札幌がGXの先進地域としての地位を構築することにより、GX産業の集積に伴う直接的な経済効果のみならず、GXに関連する国際会議や展示会、商談会等が開催されるなど、国内外からの誘客促進につなげていくような視点も重要であります。
そこで、質問ですが、市長は、Team
Sapporo−Hokkaidoの取組を進めるに当たり、どのような手法で、今後10年間で150兆円とも言われる官民投資のうち、30から40兆円の投資を札幌、北海道に呼び込み、札幌経済の活性化につなげていく考えか、伺います。
7点目は、超高齢社会における生活道路の除雪について伺います。
札幌市では、多様化する市民ニーズや高齢化の進行などに対応するべく、冬のみちづくりプラン2018に基づき、冬期間の安心で安全な道路環境を実現するため、様々な施策を展開しております。
その中で、令和元年度から、一部の地域において生活道路の新たな除雪方法の試行に取り組んでおります。これは、新雪除雪の出動基準を変更し、路面整正作業を増やすとともに、除雪車で削った雪を出入り等の影響が少ないところに寄せ、さらに、道路脇に雪を積み切れなくなった際には、状況に応じて行う簡易的な排雪を併せて実施するものです。これにより、除雪作業後に宅地出入口や車庫前に寄せられる雪を処理する市民の労力の軽減を図るだけではなく、シーズンを通じた通行のしやすさや、除排雪作業の平準化による担い手の労働環境の改善にもつながるものと認識をしております。
ただ、これまでの試行の結果、特に市民の労力負担軽減といった面で高く評価しているとの声が我が会派にも届いているものの、体制面等の課題もあり、現段階で市内全域へ展開することが難しいことは理解をしているところです。
しかし、札幌市では、行政と市民の協働の取組として、除雪作業後に宅地の出入口前等に寄せられる雪の処理は市民の役割としておりますが、そのことについて、毎年、多くの苦情や要望が寄せられております。このほか、除雪で出入口前に寄せられた雪を自力で処理することが困難になっている高齢者なども増えてきており、福祉除雪やボランティア除雪などの利用も増加しています。今後もさらに高齢化が進む状況の中、生活道路の除雪に関する市民要望はこれまで以上に高まっていくのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、宅地出入口前の雪処理労力の軽減などに向け、今後も、こうした除雪方法を含め、継続的に検討するべきと考えますがいかがか、伺います。
8点目は、ラピダス次世代半導体プロジェクトへの支援について伺います。
去る9月1日、ラピダス株式会社は、千歳美々ワールドにおいて、最先端半導体の開発及び生産を行う施設、IIM−1の起工式を行い、2025年4月のパイロットライン稼働、さらに、2027年の量産開始に向けたプロジェクトを開始いたしました。
これまで、我が会派は、成長が期待される分野の経済施策の推進を訴えてきましたが、このたびのラピダス社進出は、我が国のものづくりの中で最も高い付加価値を生み出す科学産業がこの北海道に根づくチャンスであり、札幌市にとっても経済成長の一助になるのではないかと期待をしております。
その意味を踏まえ、さきの第2回定例会の代表質問では、ラピダスの進出は札幌にも幅広く影響が及ぶ認識があることと、部局横断の会議体を立ち上げることを確認したところです。千歳市に次世代半導体製造拠点が整備されることで、各工程で必要となる原材料や消耗品等の供給、設計、製造、組立て、機械や設備のメンテナンス、販売など、関連企業や人材が札幌市を含む周辺市町村に集積することが期待されます。また、工程外では、環境・衛生・モニタリング・分析分野等の整備が必要となるなど、関連企業と言っても想像している以上に非常に幅広い分野の企業が関わることになります。
さらに、熊本県で行われているTSMC工場建設の先進事例等から、半導体の製造装置に使われる部品や原材料には極めて高い精度や純度が求められる特殊なものが多く、道内企業が対応できるかという課題、また、従業員やそのご家族の住居や医療・教育体制をはじめとする生活環境など、検討しなければならないことは多岐にわたると思われます。
したがって、ラピダス社や関連産業等が本市の支援を必要とする際には、サポート等、でき得る限りの対応をしていただきたいと思います。
そこで、質問ですが、札幌市もこのラピダス次世代半導体プロジェクトを積極的に支援していくことが重要と考えますが、どのようにして取り組んでいく考えか、伺います。
9点目は、ポップカルチャーを活用したまちづくりの推進について伺います。
本市では、昨年度、漫画を幅広く活用し、より広い市民の課題解決支援、地域の魅力発信を担うための漫画複合施設の可能性調査を行い、さらに、今年度は、漫画等を活用した企画、展示の展開及び経済波及効果等の調査・分析業務を進めていると伺っております。
ポップカルチャー、特に漫画やアニメは私たちの日常生活に溶け込んでおり、漫画のキャラクターを使った様々なコラボレーション商品の展開、アニメを用いたテレビCMなど、多様な媒体で目にする機会が多くなっております。また、海外の若い世代においては、漫画やアニメをきっかけとして日本の文化や日本語を学ぶ方が多く、日本に関心を持っていただく一つの出発点となっています。
2019年に大英博物館で開催されたマンガ展が盛況を博し、パリで開催されたオークションでは漫画の原画が高額で落札されるなど、漫画やアニメは日本が世界に誇る文化遺産と言っても過言ではありません。
札幌市内においても、札幌芸術の森美術館を会場に、2013年には北海道ゆかりの漫画家、アニメーション作家70名の作品を集めたほっかいどう大マンガ展が、また、2016年には、漫画、進撃の巨人展が開催され、それぞれ約2か月程度で3万人を超える動員があったことから、漫画やアニメは文化的価値が高く、興味・関心を持つ方が多いことがうかがわれます。
また、漫画やアニメ、そしてゲームなども含めたポップカルチャーは、一人一人に夢や希望を与えるものであることは言うまでもなく、コミュニティ形成への一助になるなど、社会に広がりを持たせられる可能性も秘めているものではないかと考えます。
一方、他都市においては、京都国際マンガミュージアムをはじめとして、北九州市漫画ミュージアムや秋田県横手市の増田まんが美術館など幾つかのポップカルチャーを活用した先行事例がある中で、本市がこれから漫画やアニメを活用した様々な施策を行っていったとしても、二番煎じ、三番煎じとなる可能性も否めません。
そこで、質問ですが、札幌市として、なぜ漫画やアニメ等のポップカルチャーを活用したまちづくりを推進するのか、伺います。
あわせて、札幌市ではどのような特色を出して進めていくのか、市長の考えを伺います。
この項目の最後は、冬季オリンピック・パラリンピックの今後の招致活動について伺います。
冬季オリンピック・パラリンピックの招致について、札幌市では、東京大会の汚職等で失われた市民の信頼回復のため、大会運営に向けた見直し案を示すとともに、開催意義や大会計画の中身を分かりやすく発信する対話事業を進めてきたところです。会場を訪れた市民からは力強い応援の言葉もあった一方で、計画は理解できるが、信頼できないとの厳しい声もあったと聞き及んでいるところであり、開催地決定が来年に迫る中、市民理解の促進は今後の招致にとって大きな課題と考えております。
今、このまちでは、北海道新幹線の延伸や都心部の再開発等、2030年に向けてまちのリニューアルも加速しているところであり、経済も回復の兆しを見せているところであります。一方で、大規模工事の経済効果は永続するものではなく、開発終了に伴い失われるため、稼ぐ機会が一時期に集中することについて市民や経済団体からも意見を頂戴しているところです。
人口減少を迎え、経済の主な担い手である生産年齢人口の割合が低下していく札幌で、市民が必要な行政サービスを受け、暮らしていくためには、まちのリニューアルとともに、経済を活性化させ、将来にわたって持続させていくことが不可欠と考えます。
冬季オリンピック・パラリンピックは、再開発をはじめとするまちのリニューアルや
バリアフリーなど、誰もが暮らしやすい
共生社会の実現を加速させるだけではなく、開催後も観光消費を押し上げるなど、経済効果が長期にわたり継続するものであり、その点からも札幌での開催意義は揺るぎません。だからこそ、その招致に当たっては、まちの持続可能性も考慮し、市民や関係団体の支持や理解を前提に進めていくべきものではないかと考えます。
そこで、質問ですが、今後の大会招致活動についてどのように進めていく考えか、伺います。
次の項目は、持続可能で安心・安全なまちづくりについて、7点伺います。
1点目は、札幌駅バスターミナルの整備についてです。
札幌駅前では、北海道新幹線札幌開業を見据え、世界へつながる“さっぽろ”の新たな顔としてふさわしい開発の実現を目指し、北5西1・西2地区市街地再開発事業が進められております。令和5年2月2日には、秋元市長が、我が党の国会議員とともに、北5西1地区に設置される都市間バス中心のバスターミナルの早期事業化について斉藤国土交通大臣に要望したところ、今年度には新規事業化され、北海道開発局により整備が進められることになりました。そして、8月22日には、大臣自らが現場を視察に来られて事業の後押しを約束してくれました。また、北5西2地区に設置される市内路線中心のバスターミナルについては、北海道旅客鉄道株式会社、JR北海道により整備が進められることとなっております。
こうした新たな事業を計画する中、昨今の報道によれば、物価高騰や人手不足等、建設業界は厳しい環境に置かれているとのことでありますが、この新たに整備されるバスターミナルは、道都札幌の玄関口にふさわしい交通結節点として着実に整備を進めていかなければならないと考えます。今後は、管理や運営方法などについて、バス事業者をはじめ、様々な関係者との協議、検討が必要となることから、我が会派としては、札幌市に対し、国と密に連携し、しっかりと取り組むよう強く求めます。
そこで、質問ですが、札幌駅バスターミナルの整備を進めるに当たり、札幌市はどのような役割を担っていくのか、伺います。
2点目は、我が会派が強く訴えております防災・減災から、共助、公助の視点で避難行動要支援者の災害時の避難支援について伺います。
我が国では、近年、記録的な豪雨、台風、洪水等、気候変動による災害が頻発化しております。内閣府によると、近年の国内各地の大規模災害においては、犠牲者の実に6割以上が高齢者、障がいのある方、妊婦や子どもといった、自ら避難することが難しい、いわゆる要配慮者の災害時の避難支援について避難の実効性を確保することが課題とされております。
災害対策基本法では、要配慮者の中でも、特に、避難時において介護を必要とする方や、重い障がいのある方などの避難行動要支援者については、市町村における名簿の作成が義務づけられております。札幌市においても、平成27年度から名簿の作成を行い、名簿掲載者数は令和5年1月1日時点で11万8,242名と聞いております。この名簿は、本人の同意を得た上で、希望する町内会等の地域団体に対して提供される仕組みとなっており、令和5年4月1日時点で69団体が当該名簿を地域住民の災害時の避難支援や個別避難計画の作成などに活用されているとのことです。
また、個別避難計画は、避難行動要支援者それぞれが、有事の際、どこへ、どのような経路と方法で、誰の支援を受けて避難するのかといった事柄をあらかじめ決めて記載しておくものであり、特に、土砂災害や浸水など災害が予見されている状況で、自ら避難することが困難な避難行動要支援者の安全確保に有効な取組とされております。
令和3年5月に改正された災害対策基本法では、この個別避難計画について、市町村において作成に努めること、また、優先度が高いと市町村が判断したものについて、地域の実情を踏まえながらおおむね5年程度で取り組むこととされており、昨年度の決算特別委員会での我が会派の質問に対し、担当部局からは、市町村における計画作成についても、対象者の優先度設定や先行都市の事例収集をさらに進めながら取り組んでいきたいという趣旨の答弁があったところです。
同様の災害は、全国どこでも起こり得るものであり、札幌市も決して例外ではないと懸念をしております。
そこで、質問ですが、今後、札幌市として、避難行動要支援者の災害時の避難支援にどのように取り組んでいくのか、市長の考えについて伺います。
3点目は、防災・減災の自助の視点から、防災教育と子育て世代の家庭内防災力の向上について伺います。
災害は、いつ、どのような場所で発生するか予測がつかず、有事の際に、まず自分の身を守ることが最優先となります。自助の取組は災害に対する備えの基本であることから、北海道胆振東部地震を経験した本市としても、さらに広く、市民の防災意識の醸成や向上のため、防災普及啓発用のパンフレットの配布や、防災DVDの活用、出前講座、自主防災活動への支援等により啓発を行ってきていることは承知をしております。
しかし、これらの取組は幅広い世代を対象にしていることと思いますが、実際には町内会や老人クラブなど比較的に偏ったものになっているのではないかと懸念をしております。もちろんこうした取組も大切ですが、今後は、より対象者を明確にした啓発が大事であり、自助の基本である家庭内の防災力向上に着目した取組が重要と捉えております。
具体的には、札幌市では、既に平成24年度から、児童生徒の防災意識を啓発するため、小・中学生に対して防災教育に取り組んでいますが、同時に、今後は保護者をターゲットとした啓発に取り組むことで、家庭内の防災意識をより効果的に高められるのではないかと考えます。
中でも、就学前の小さいお子様や赤ちゃんのいるご家庭、また、要配慮者である妊婦がいる場合等、こうした方たちが被害を受けるリスクは高いことから、ふだんからの有事の際の取るべき行動意識の醸成や備えが、直接、いざというときの命を守ることにつながると確信をしているところです。
そこで、質問ですが、家庭内における防災力を向上させるために今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
4点目は、認知症基本法成立に基づくご本人とご家族への支援の強化について伺います。
令和5年6月、超党派の議員連盟で検討していた
共生社会の実現を推進するための認知症基本法が成立しました。法では、認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ、支え合いながら共生する活力ある社会、いわゆる
共生社会の実現を推進することを目的としております。
さきの第2回定例会の代表質問において、我が会派から、認知症施策を
アクションプラン2023の計画事業としてしっかりと位置づけ、計画的、重点的、継続的に取り組むことの重要性について訴え、
共生社会の実現のため、認知症施策を今後どのように強化していくのかと質問したところ、副市長から、
アクションプラン2023や高齢者支援計画2024に位置づけることを含め、計画的に取り組むとの前向きな回答がありました。
また、認知症の方やサポートする方への支援の充実については、市長公約でも掲げられているところですが、新法の基本理念においても、認知症の方のみならず、家族等に対する支援が適切に行われることにより、認知症の方及び家族等が地域において安心して日常生活を営むことができるようにすることと示されております。このように、地域における認知症の方への支援はもとより、特に介護負担の大きい家族介護者への支援も強化すべきであると考えます。
国の施策の一つである、地域において把握した本人や家族の身近な支援ニーズ等と地域のボランティアを中心とした支援者をつなぐチームオレンジの取組は、家族の負担軽減に寄与するものであり、その重要性から、我が会派では、これまでも、議会で取り上げ、チームオレンジの取組、設置を
アクションプラン2023に位置づけて推進するよう強く要望してきたところです。
そこで、質問ですが、
共生社会の実現に向けた認知症施策を、高齢者支援計画2024にどのように位置づけるのか、また、地域において認知症の方と家族を支える支援をどのように強化していくのか、伺います。
5点目は、帯状疱疹ワクチン接種に関する情報収集及び調査について伺います。
帯状疱疹は、子どものときに感染する水ぼうそうのウイルスが原因で起こるとされており、体内に潜伏していたウイルスが、過労やストレスなどで免疫力が低下してくると、再び活性化し、発症するもので、日本人の成人90%以上の人の体内に潜んでいることが明らかになっております。
特に、加齢に伴い、発症する人が多いのが特徴です。特に問題なのは、神経への炎症と損傷が長期化されると合併症が起き、重症化すると視力の低下や失明、顔面麻痺など重い後遺症に悩まされる点にあります。
そのため、我が会派では、令和4年第3回定例会の決算特別委員会で、帯状疱疹ワクチンの任意接種への公費助成を求めました。また、本札幌市議会では、令和5年3月、5会派の連名により、国に対し、帯状疱疹ワクチンの接種経費の助成制度の創設や早期に定期接種化を求める意見書も提出をしたところです。
既に、全国では2023年8月時点で272の自治体が帯状疱疹ワクチンの接種経費の助成を行っており、その数は着実に増えてきていることから、こうした自治体の取組を、札幌市としてもしっかり把握することが重要と考えます。特に、先ほども触れたような帯状疱疹の発生経緯や合併症、後遺症など、予防や治療に関する実態を速やかに把握することが、市民への情報提供のみならず、対応を一歩進めることにつながるものと考えます。
そこで、質問ですが、ワクチン接種経費の助成状況の把握と帯状疱疹に関する情報収集及び調査などを札幌市として今後いかに進めていくつもりか、伺います。
6点目は、市立札幌病院の再整備について伺います。
市立札幌病院が平成7年に桑園駅前に移転してから、今年で28年目となります。病院は、24時間365日、診療を続けている施設であることから、配管設備などの老朽化は相当進んでいると考えられますが、市立病院のような地域の基幹病院は、その機能が停止した場合の影響は非常に大きいため、計画的に施設・設備を更新していくことが必要です。
本市では、2040年代に高齢者の人口のピークを迎えることが予想されており、救急医療等の医療需要への対応や、介護が必要な患者の増加などに対応できるようにしていくことが求められます。
また、本年5月8日に
新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行してから4か月以上が経過し、様々な場面において日常に戻りつつあるものの、人と人との交流が活発になってきていることや、インバウンド需要の回復によって今後新たな感染症が発生することも見据えて、早期に病院の機能強化に着手する必要があると考えます。
これまで、我が会派では、市立札幌病院が、平時、有事を問わず、いかなるときでも市民のための最後のとりでとしての役割を果たすため、病院の建て替えに向けた検討を進めるべきであると主張してまいりました。
一方で、秋元市長の公約においても、市立札幌病院における災害・
感染症対応、地域医療機関との連携、救急・周産期医療等の充実と機能強化が掲げられているところであり、抜本的な機能強化のためには建て替えに向けた議論を加速する必要があるのではないでしょうか。昨今では、全国的に建設人材の確保や資材価格の上昇等が課題となっており、北海道においても大型の建設事業の規模やスケジュールの見直しが必要となる事例も見られることから、建設人材の安定的な確保の観点からも、早い段階から病院の建て替えを進める強い意思を札幌市として示すことが重要と考えます。
そこで、質問ですが、平時、有事を問わず、市民が必要な医療を受けられるよう、市立病院の建て替えをはじめとした再整備に早期に着手する必要があると考えますがいかがか、伺います。
7点目は、市営住宅を含めた住宅セーフティネットの構築について伺います。
札幌市における市営住宅の入居募集に対する倍率は、団地ごとにばらつきはあるものの、令和4年度の定期募集で約20倍と依然として高く、市営住宅に入居したくてもなかなか当選しないという声が寄せられております。
一方で、入居率は、令和5年3月時点で85%を超えているものの、空き住戸が一定程度存在している状況です。
入居を求める高いニーズに対応するため、まずは修繕が済んでいない空き住戸をなくし、募集可能な住戸数を確保する取組を進めるべきであり、この点について、我が会派から本年の
予算特別委員会において指摘をしたところ、札幌市からは、積み残しとなっている空き住宅修繕に関する予算を令和5年度に別途計上し、空き住宅修繕に重点的に取り組んでいくとの答弁がありました。もっと早くから対応すべきだったと考えますが、新たな取組に着手したことについては一定の評価をしているところです。
ただ、昨今の建築費の高騰の影響等から予定どおりに修繕が進んでいないと聞いており、住宅に困窮している方々のためにも、今後もしっかりと予算を確保し、計画的に進めていく必要があります。
また、市内には約730棟の市営住宅が立地しておりますが、そのうち、建築後40年以上が経過したものは4割以上を占め、老朽化が進んだ市営住宅も多く、住民からは、結露の発生やエレベーターがなく、階段の上り下りが大変であるとの切実な声を聞いております。
先般、ある市営住宅自治会連絡協議会から、札幌市に対し、市営住宅が抱える諸課題への迅速な対応を求める要望書の提出に、我が会派が関わらせていただいたところでもあります。市営住宅の中には、老朽化が進んでいたり、エレベーターが設置されていないなどの理由から、募集をしても応募がない住戸もあります。老朽化した市営住宅の建て替えを進めることで、居住環境の改善や施設の
バリアフリー化が図られ、新たな募集戸数の増加にもつながることから、市営住宅の建て替えを積極的に進めるべきと考えます。
その一方で、札幌市の推計では単身高齢者世帯は増加していく見込みであり、国の調査でも低額所得世帯は増加傾向にあるなど、いわゆる住宅確保要配慮者は今後も増加していくものと想定されます。
そこで、質問ですが、現在抱える様々な課題を踏まえ、市営住宅を含めた住宅セーフティネットの構築について、今後どのように進めていくのか、伺います。
最後の項目、持続可能な子ども・若者・教育施策について、5点伺います。
1点目は、婚活支援事業についてです。
国では、婚活事業に活用できる地域少子化対策重点推進交付金の助成率上限を本年度から4分の3に引き上げるとともに、結婚支援センター運営費の交付金支給の時限措置をなくするなどにより自治体への取組を加速させており、現在、令和5年9月時点では30以上の府県に設置されている結婚支援センターにおいてマッチングシステムが導入されていると聞いております。
我が党では、結婚支援の拡充を重要な柱の一つと位置づけているところであり、札幌市議会においても、我が会派から、平成27年の大都市税財政制度・人口減少対策調査特別委員会で、結婚支援情報の発信のみならず、実効性のある婚活支援について初めて訴え、それ以降、継続してその必要性を論じてまいりました。
以後、令和3年第3回定例会の代表質問においてAI技術を活用した婚活支援について質問し、令和4年第4回定例会の代表質問では若者の意識を踏まえた支援の在り方についてただしたところです。さらに、さきの第2回定例会の代表質問においては、我が会派の前川議員から、早急に婚活支援事業を実施するべきとただしたところ、秋元市長からは、事業化に向けてスピード感を持って取り組んでいく旨の答弁があり、その検討状況に対して大いなる期待を持って見守っていたところであります。
我が会派としては、これまで、長きにわたり、婚活支援事業の事業化を唱えてきた中で、このたびの補正予算において札幌市のオンライン結婚支援センターの開設に伴う予算案が提出されたことを評価しており、これまでの取組を経て見えてきた課題を踏まえ、充実した事業となるようしっかり臨んでほしいと期待をしているところです。
そこで、質問ですが、このたびの補正予算において婚活支援事業を計上したことについて、改めて市長のお考えを伺います。
2点目は、こども誰でも通園制度(仮称)を踏まえた未就園児への支援について伺います。
我が会派では、昨年の決算特別委員会にて、国との緊密な連携を図る観点から、札幌市の課題を国に直接届けるとともに、国の最新の動向を把握できるとして、こども家庭庁への本市の職員派遣を提案いたしました。早速、今年度から2年間を任期として課長職の派遣を実現させたところであり、今後の本市の子ども施策のさらなる発展に向けて大変意義のあるものと評価をしております。
このように、本市はこれまで子ども施策の推進について積極的な姿勢で取り組んできたと承知をしておりますが、さらに、今後の新たな支援策として、専業主婦家庭を対象にした保育園利用が可能となる制度が必要であると考えております。
我が会派では、本年の
予算特別委員会において、空きのある保育園等を活用した未就園児への一時預かりに関する取組について質問をいたしました。それに対し、札幌市からは、様々な課題はあるが、未就園児への支援は必要であるとの認識とともに、既存の子育て支援施策との整合を図りながら検討を進めるとの考えが示されたところです。
未就園児を対象としたこうした支援は、遊ぶ経験を通じて年齢に合った発達を促すとともに、保育所や幼稚園等を利用せずに孤立しがちな保護者支援につながるものであると考えます。札幌市においては、令和元年、虐待により2歳の女の子がお亡くなりになるという悲しい事案もありました。子どもの命を守るためには、孤立・孤独な子育て家庭をなくすよう、社会全体で寄り添いながら支援をしていく必要があります。
そのような中、国は、このたびのこども未来戦略方針において、全ての子育て家庭を対象としたこども誰でも通園制度(仮称)を創設する考えを示しました。これは、子育て家庭への伴走型支援の一つになり、孤立を防止し、保護者への支援につながる重要な取組であり、本市においても未就園児への支援の在り方をいま一度考えるべきであります。
そこで、質問ですが、こども誰でも通園制度(仮称)を踏まえ、札幌市の未就園児への支援について今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
3点目は、教員の資質向上について伺います。
近年、GIGAスクール構想の実現によるICT環境の整備や、
共生社会への理解に向けた特別支援教育の充実など、学校教育を取り巻く環境は変化し、教育課題は多様化しております。令和4年12月、文部科学省中央教育審議会の答申では、令和の日本型学校教育を担うこれからの時代の教師の姿について、子ども一人一人の学びを最大に引き出し、子どもが主体的に学べるよう支援する伴走者としての能力を兼ね備えることが期待されると示しました。
我が会派では、今年の第1回定例会の代表質問で、次期教育振興基本計画で描く札幌の今後の教育について伺ったところ、教育長より、様々な人々と協働しながら、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会のつくり手となる教育を推進していくとの答弁があったところです。これは、将来の予測が困難な時代でも、多様性を尊重し、社会の変化に柔軟に対応する力を育むために、これからの札幌市の教育が目指す方向性を示したものであり、大きな期待を寄せております。
一方、こうした教育を担う教員に目を向けると、昨年、教員の免許更新に関する制度が改正され、教員一人一人が研修の記録を管理職と共有し、教師自身が自らの目標設定や振り返りを行う新しい仕組みが始まったことから、教員の学びにおいては一人一人の主体性が一層重要になると考えます。
これまで、我が会派では、子どもにとり最大の教育環境は教師であるとの思いから、教員の資質向上のための教員研修について注目をしてきたところであり、札幌市においては、教員が身につける資質について、平成30年にまとめた札幌市教員育成指標に基づき、経験や職能に応じた研修が適切に行われていることを高く評価しております。
今後、札幌市が目指す教育をさらに推進していく上で教員の資質向上は不可欠であり、教育委員会が、学校の実情を踏まえ、学びやすい研修環境に配慮しつつ、時代のニーズに応じた専門性も育むことができるよう、一層の研修の充実を図ることが必要と考えます。
そこで、質問ですが、札幌市として、今後どのように教員の資質向上を図っていくのか、伺います。
4点目は、札幌市の学校教育における読書の充実について伺います。
一冊の良書が人生を広げ、深く生きる力になるとの思いを持ち、我が党では、2001年、子ども読書活動推進法の制定に尽力するとともに、会派としても、子どもが本に親しみ、豊かな心を育むことができるよう、学校教育における読書について高い関心を寄せてまいりました。
そうした中、先日の我が党の全国女性委員会において、文部科学省が示す学校図書館に整備すべき蔵書の標準である学校図書館図書標準を満たしていないこと、また、古い本を廃棄せず、蔵書を更新していない自治体があり、それが読書離れにつながっていることが話題に上がっておりました。
札幌市の学校図書館の整備状況を確認したところ、小・中学校いずれも蔵書の更新を行っており、学校図書館図書標準についても平均100%を超えているとのことでしたが、その一方で、近年の
新型コロナウイルス感染症の流行により、学校生活に様々な制限が生じ、学校図書館が閉館や利用制限を余儀なくされる等の影響があったのではないかと、札幌市の子どもの読書の状況を心配しておりました。
しかし、この5月に
新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、学校生活が日常を取り戻しつつある中、今年度の全国学力・学習状況調査の結果が公表され、読書が好きな子どもの割合について、小・中学校ともコロナ前とほぼ変わらず、全国平均を上回っていたことが分かり、安心をしたところです。
これは、札幌市が読書を長年にわたり推進してきた成果であると捉えておりますが、札幌市においては、子どもが家庭でゲームやSNS、動画視聴に費やす時間が多い傾向があるとも聞いており、家庭での読書の時間が今後減少していくのではないかと懸念をしております。
私は、2020年代を通じて構築を目指す学校教育、いわゆる令和の日本型学校教育が示す、全ての
子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現には読書は欠かせないものであると考えており、これからも教育委員会には読書に関する取組を積極的に推進し続けることを期待しております。
そこで、質問ですが、札幌市の学校教育における読書の充実について伺います。
最後に、誰もが安心、快適に利用できる学校トイレの環境整備について伺います。
学校のトイレは、汚い、臭い、暗いといった3Kに加え、怖い、壊れているを加えた5K問題として指摘され、児童生徒はもちろん、保護者から改善を望む声が多数寄せられております。
これまで、我が会派の訴えにより便器の洋式化は進められてきましたが、建築後40年以上経過した施設も多く、老朽化の一途をたどる中、災害時には学校は避難所にもなるため、避難してきた高齢者や障がいのある方々も安心して使用できるようにすることが急務となっております。
我が会派では、TOTOなど複数のトイレ関連企業から成る学校のトイレ研究会と情報交換をいたしました。同研究会では、札幌市立学校のトイレ環境の在り方について様々な視点から検討を行っておりますが、毎年の全国自治体へのアンケート調査において、校舎内で児童生徒のために改善が必要と思われる場所はという質問で最も多かった回答がトイレ環境の改善でした。
実に、多くの学校では、いまだにトイレの床を水で洗い流す湿式清掃が行われております。湿式清掃は、乾式清掃に比べ、菌が多く検出されるほか、タイル目地などへの大量のアンモニアの染み込みで悪臭が発生するなど、衛生面からも改善が望まれております。
また、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、改めて、衛生管理の重要性から学校の場においても接触を避けた設備の導入に関心が集まっておりますし、本研究会から全国の自治体における先進的な事例なども把握する中で、衛生面を中心に取り組むべきものがさらにあると考えます。例えば、今や家庭でのシャワートイレなどの普及が80%を超える状況で、学校には一つもないために、一日中、トイレを我慢した子どももおりました。
今、家庭はもちろん、ほかの商業施設等においてもトイレの機能が向上しており、本市でも清掃の乾式化や接触の回避、一般的に普及している設備の導入や
バリアフリー化の推進、社会環境や生活様式の変化に取り残されることなく、学校のトイレが誰もが安心で快適に利用できるよう整備を進めていくことが重要です。
そこで、質問ですが、札幌市では今後どのように学校トイレの環境の向上に取り組んでいくのか、伺います。
以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
○議長(
飯島弘之) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で大きく3項目、ご質問をいただきました。私からは、1項目めの私の政治姿勢についての10点、お答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の町田副市長、石川副市長、天野副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
私の政治姿勢についてのまず1点目、令和4年度決算と現下の社会情勢を踏まえた今後の財政運営についてお答えをいたします。
令和4年度は、
アクションプラン2019に掲げた取組を着実に進めるとともに、
新型コロナウイルス感染症や物価高騰等、喫緊の課題に対応してきたところでありますが、財源の確保や、事務事業の効率的な執行に努めた結果、財政調整基金の年度末残高を前年度並みに確保したほか、市民1人当たりの市債残高の減少についても目標を達成したところであります。
今後も、物価高騰や
地球温暖化への対応など社会情勢に応じた課題に対しては、国や北海道とも緊密に連携をしながら機動的に対策を講じていくことが必要と考えており、財政運営に当たりましては、喫緊の課題に対応しつつ、国費等の財源を確保しながら事業の継続的な見直しを進め、持続可能な財政構造を維持してまいりたいと考えております。
次に、2点目の第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2023における
ユニバーサル(共生)社会の取組についてお答えいたします。
第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョンでは、
ユニバーサル(共生)を重要概念の一つとして掲げており、
共生社会の実現に向けては、いわゆる庁内の縦割り意識を排して、施策間の連携を図りながら、ハード・
ソフト両面の取組を一体的に進めることが重要であると認識をしております。
アクションプラン2023では、施設や移動経路の
バリアフリー化などのハード面での事業や、当事者への支援や情報発信の充実、心の
バリアフリーの浸透などのソフト面の事業を数多く盛り込み、それらを有機的に連携して進めるため、
ユニバーサルプロジェクトとして位置づけをしたところであります。
今後は、今月設置をいたしました
ユニバーサル推進本部の枠組みにおいて、私のリーダーシップの下、部局間連携の一層の強化を図り、
共生社会の確実な実現に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
次に、3点目の環境首都・札幌としての
SDGsの取組推進についてお答えをいたします。
SDGsの2030年の目標達成に向けては、市民のさらなる理解の促進に加え、確実な行動につなげていくということが重要であります。このことから、事業者と連携した体験型の環境イベントや、事業者と若者による
SDGsの課題解決に向けたワークショップなどの官民協働の取組に加え、省エネ・再エネ機器や次世代自動車への導入補助などの取組を通じて市民の行動変容を促しているところであります。今後とも、環境首都・札幌として、様々な事業者などとの連携を強化しながら、
SDGs達成に向けた取組を一層進めてまいります。
次に、4点目の
地球温暖化の影響を踏まえた猛暑への対応についてであります。
札幌市では、今年度から熱中症の危機度が高まると予想された場合に、市の公式SNSで注意喚起するなど、市民への情報提供を行っているところでありますが、今後の
地球温暖化の影響を見据えて対応を強化していく必要があるものと認識をしております。
特に、家庭に冷房設備のない市民への対応のほか、子どもや高齢者といった、いわゆる熱中症弱者の方々への対応の強化が必要と考えており、今後、クーリングシェルターの指定などの施策を進めるとともに、組織横断的に情報を共有することで、猛暑に備えた体制の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、5点目の
木質バイオマスの有効活用についてお答えをいたします。
市内で発生いたします剪定枝などをバイオマスという資源物として活用し、そこから得られた
再生可能エネルギー電力を利用するということは、ゼロカーボン都市、環境首都・札幌の実現に向けた重要な取組であると認識をしております。
現在、剪定枝などの一部は清掃工場で焼却発電しているところでありますが、
木質バイオマスとしてより効率的な利用がなされるよう検討しているところであります。
また、
木質バイオマスを含め、道内で発電された
再生可能エネルギー電力の市内での活用について、道内自治体や民間企業と連携を図りながら着実に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、6点目のGX推進と札幌経済の活性化についてお答えをいたします。
Team
Sapporo−Hokkaidoは、国内随一の
再生可能エネルギーの潜在力を生かし、GXに関する資金、人材、情報が集積するアジア・世界の金融センターを目指すものであります。今後、水素活用や洋上風力関連産業の育成、振興等を目的とする八つのGXプロジェクトで実証実験を展開し、実装、事業化に結びつけることにより、関連産業のサプライチェーンを構築していく考えであります。
札幌市は、道内の商流、物流、人流を支える拠点として、GX産業集積と金融機能の強化を両輪で進めるとともに、GX先進都市としてのブランドを生かしたMICE誘致を進めるなど、幅広い産業分野に取組の効果を波及させ、札幌の経済を活性化してまいりたいと考えております。
次に、7点目の超高齢社会における生活道路の除雪についてであります。
除雪後の宅地の出入口前の雪処理につきましては、高齢化に伴う市民の負担感の増加に加え、福祉除雪やボランティアの担い手不足などが課題であると認識をしております。
令和元年度から一部の生活道路で取り組んでいる試行では、出動基準や作業方法の変更などにより宅地の出入口前の雪処理に係る市民の負担感は軽減をするものの、路面整正の回数が増えるなど除雪事業者の負担増の課題ということが確認をされているところであります。
今後は、出入口に寄せる雪を減らせるよう、作業手法の工夫や除雪機械の改良など新たな視点も加え、市民の雪処理労力の軽減に向け、引き続き検討してまいります。
次に、8点目のラピダス次世代半導体プロジェクトへの支援についてであります。
ラピダス次世代半導体プロジェクトは、国の半導体・デジタル産業戦略にも位置づけられている重大な国家プロジェクトであると認識をしており、札幌市としてもこれを成功に導きたい考えであります。既に、庁内組織として、札幌市半導体関連産業集積推進会議を立ち上げ、札幌市内における関連企業の立地促進や人材の供給、従事者の生活支援などの検討に取りかかっているところであります。
今後も、ラピダス社はもとより、北海道経済産業局の半導体人材育成等推進協議会や北海道の立地推進連携会議市町村ネットワークなどとも密に連携をしながら、プロジェクトの成功を支える視点で幅広く取り組んでまいります。
次に、9点目のポップカルチャーを活用したまちづくりの推進についてでありますが、漫画をはじめとするポップカルチャーは、先進自治体において、アニメ作品の舞台となった地に多くの観光客が訪れる等の観光振興のほか、経済、地域活性化、教育などの様々な分野で効果を発揮し、本市においても新たなまちづくりの可能性を有しているものと認識をしております。
札幌、北海道は多くの漫画家を輩出し、市内ではこれまで様々な漫画やアニメに関する企画展が開催されてきた中で、有志の方々から協力の申出をいただいているということは、本市にとって大きなアドバンテージになるものと考えております。このアドバンテージを生かし、漫画やアニメ等を通じて、札幌、北海道の魅力発信、市民の社会的課題の理解促進、地域経済の活性化などを実現する札幌市独自の事業スキームを検討してまいりたいと考えております。
次に、10点目の冬季オリンピック・パラリンピックの今後の招致活動についてお答えをいたします。
冬季オリンピック・パラリンピックの招致につきましては、多くの市民の賛同、支持を得て進めていくべきものと認識をしております。
そのため、開催意義やクリーンな大会に向けた見直し案等を公開討論会等の対話事業により発信をしてきたところでありますが、賛成の声がある一方で不安や懸念の声もあるなど、対話の継続が必要な状況と考えております。
今後、2030年招致に関するIOCの動向や、東京大会をめぐる様々な事案の状況などを踏まえ、市民の意向を確認しながら招致実現に向けて進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上です。
○議長(
飯島弘之) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな2項目め、持続可能で安心・安全なまちづくりについてのご質問のうちの2点目、3点目、4点目、5点目のご質問と、大きな3項目め、持続可能な子ども・若者・教育施策についての1点目、2点目、計6点の質問についてお答え申し上げたいと思います。
大きな2項目め、持続可能で安心・安全なまちづくりについてのうちの2点目、避難行動要支援者の災害時の避難支援についてのご質問でございますが、介護を必要とする方や重い障がいのある方など、避難行動要支援者に対して災害発生時の避難支援を行うことは、その命を守る取組として非常に重要なものと認識するところでございます。
そのため、地域における主体的な避難支援の取組の促進に向け、出前講座やリーフレットの配布などを通じて、避難行動要支援者名簿の活用について、町内会など地域団体へ呼びかけを行っているところでございます。加えて、災害発生時のリスクの特に高い方につきましては、行政が主体となった個別避難計画の作成に試行的に取り組んでいるところでございます。その結果を踏まえ、日頃から要支援者を担当する福祉専門職などとの連携を図りながら、来年度は対象者数を増やしてのモデル実施を予定しているところでございます。
このように、地域主体の取組と行政主体による計画作成を並行して進めることにより、安心・安全なまちづくりに取り組んでまいりたいと考えるところでございます。
次に、3点目の防災教育と子育て世帯の家庭内防災力の向上についてのご質問でございますが、防災に関する学校での教育と家庭への啓発は、災害時における子どもの生きる力を育むとともに、保護者の防災意識を高め、家庭における防災力向上に寄与するものと認識するところでございます。
このため、小・中学生向けの防災教育教材の刷新と併せ、本年4月に作成した家庭への持ち帰り教材を活用していくことが、子どもと保護者が共に防災を考える契機となることを期待しているところでございます。
今後は、未就学児を持つ世帯にも重点を置き、子育てサロンの場を利用した啓発を行うなど、災害から家族の命を守り、生き抜く力を高めるための取組をより一層進めてまいります。
次に、4点目の認知症基本法成立に基づくご本人とご家族への支援の強化についてでございますが、札幌市では、認知症基本法の趣旨を踏まえて、高齢者支援計画の中の施策を認知症施策推進計画として位置づけ、新たな取組も推進してまいりたいと考えているところでございます。
具体的には、来年度、まず、市内五つの区の地域包括支援センターにおいて、認知症の方と家族への支援体制の強化のため、新たにチームオレンジの取組を開始する予定でございます。この取組を通じまして、地域ボランティアの活躍の場を広げ、認知症の方の社会参加の促進や相談体制の充実を図ることにより、
共生社会の実現を目指してまいりたいと考えるところでございます。
次に、5点目の帯状疱疹ワクチン接種に関する情報収集及び調査についてのご質問でございますが、ワクチン接種経費の助成状況については、引き続き、様々な場面も活用し、政令指定都市等における助成状況の詳細について把握してまいります。
また、帯状疱疹やワクチンにつきましては、既に大規模な疫学調査が行われ、現在も国の内外で様々な調査等が行われているところから、新たな知見の把握に努め、帯状疱疹を含めた
感染症対策に活用してまいりたいと考えるところでございます。
次に、大きな3項目めの持続可能な子ども・若者・教育施策についてのご質問ですが、そのうち、1点目の婚活支援事業についてお答え申し上げます。
少子化傾向を反転させるためには、今がまさにラストチャンスでございます。少子化対策は待ったなしの瀬戸際にあると言われております。今こそ、結婚や出産を望む若者の希望がかなえられるよう後押しすることが重要でございます。
これまで、婚活イベントや若者の意識調査を行ってきた中で、行政が関与する形で婚活支援を行っていくことに安心感を抱く人や、AI機能を使ったマッチングに期待する人が多数いることが明らかとなっているところでございます。
そこで、オンライン結婚支援センターの令和6年度開設への準備に着手し、100年先の札幌の未来を見据えながら、若者の理想とするライフプランの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えるところでございます。
次に、2点目、こども誰でも通園制度(仮称)を踏まえた未就園児への支援についてでございますが、全ての子どもの育ちを応援するとともに、子育て家庭に対して、働き方やライフスタイルにかかわらず支援を強化することは重要と認識するところでございます。
札幌市といたしましては、制度の導入を見据えて、一時預かり事業などを利用する保護者や関係事業者の声を丁寧に聞くとともに、国の検討状況を踏まえながら課題の整理を進めてまいります。今後も、子育て家庭の孤立を防止し、安心して子育てができる環境づくりのため、子どもや保護者に寄り添い、身近なところで相談支援を受けられる体制づくりを推進してまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(
飯島弘之) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな2項目め、持続可能で安心・安全なまちづくりについての6点目、市立札幌病院の再整備について答弁をさせていただきます。
平時はもとより、災害時や感染症拡大時にありましても必要な医療を提供していくためには、中長期的に求められる医療ニーズなども踏まえますと、市立札幌病院が果たすべき役割は大きいものと認識をいたしております。
そこで、施設の老朽化対策と併せまして、
新型コロナウイルス感染症対応時に一般医療との両立に当たり課題となりました施設の狭隘化や換気機能の不足、さらには個室不足などの解消を図りながら、抜本的な機能強化を進めることが必要であると認識をいたしております。
このため、早期に市立札幌病院の役割や機能を再構築するための調査に着手し、病院の機能強化に向けて、施設の建て替えや改修など、再整備に係る具体的な手法の検討を進めてまいります。
私からは、以上であります。
○議長(
飯島弘之) 天野副市長。
◎副市長(天野周治) 私からは、大きな2項目め、持続可能で安心・安全なまちづくりについての1点目、札幌駅バスターミナルの整備について、それと、7点目の市営住宅を含めた住宅セーフティネットの構築についての2点についてお答えをいたします。
まず、1点目の札幌駅バスターミナルの整備についてでございます。
札幌駅バスターミナルは、都市間バスと路線バスの乗降場や、2階部分の待合空間の整備に加え、他の公共交通機関とも
バリアフリー化された乗り継ぎ動線で接続することとしており、札幌駅周辺の交通結節機能の強化のためには一体的な取組が不可欠でございます。このバスターミナルは、利用客はもちろんのこと、バス事業者等にとっても使いやすいものとするため、専門的な意見を聞きながら管理運営方法などの検討を進めていく必要がございます。
整備に向けましては、北5西1・西2地区市街地再開発組合や、JR北海道をはじめ、バス事業者など多様な関係者との協議を円滑に進めるため、北海道開発局と連携しながら、札幌市が調整役を担い、札幌の玄関口にふさわしいバスターミナルを実現してまいります。
次に、7点目の市営住宅を含めた住宅セーフティネットの構築についてでございます。
住宅セーフティネットの一翼を担う市営住宅につきましては、来年度以降も引き続き空き住宅の修繕を進め、募集戸数を増やしてまいります。また、建て替えにつきましても、老朽化した市営住宅の改善に加え、大規模な団地などではまちづくりとの連携なども図りながら計画的に実施をしてまいります。
一方、現在の札幌市住宅マスタープラン2018では、今後の人口減少や民間賃貸住宅の空き家が多いことなどを踏まえ、市営住宅全体の管理戸数は抑制することを基本としております。そのため、住宅セーフティネットの構築に当たっては、不動産業界などとも連携し、民間賃貸住宅も活用しながら官民が一体となって進めてまいります。
なお、国においても、住宅セーフティネットの強化に向けて居住支援機能等の在り方に関する検討会を立ち上げており、これらの動向も注視しながら、新たな方向性や取組について次期札幌市住宅マスタープランで示していきたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○議長(
飯島弘之) 檜田教育長。
◎教育長(檜田英樹) 私からは、大きな3項目め、持続可能な子ども・若者・教育施策についての3点目、教員の資質向上について、4点目、札幌市の学校教育における読書の充実について、5点目、誰もが安心、快適に利用できる学校トイレの環境整備についてお答えをいたします。
まず、教員の資質向上についてでございますが、これまで、札幌市においては、教員育成指標に基づきまして、初任者研修あるいは管理職研修等の経験年数や職能に応じたきめ細かな研修を体系的に実施し、教員の専門性の向上を図ってきたところであります。
しかしながら、子どもを取り巻く現在の課題はますます多様化していることから、教員が、日々の授業を通して、子ども一人一人のよさ、あるいは可能性を引き出す実践的な指導力を常に磨き続けていくことが重要であると認識をしております。
そのため、教員一人一人が、自身の研修履歴を振り返り、自らの強み、課題を明らかにした上で、主体的に研修を選択し、切れ目なく学び続けていくことができる研修体制を整備していく所存であります。
教育委員会といたしましては、教員が強い使命感を持って専門性の向上に主体的に取り組むとともに、地域と連携しながら子どもの学びや成長を支えていけるよう、さらなる資質向上に努めてまいります。
次に、札幌市の学校教育における読書の充実についてでございますが、札幌市では、これまで、札幌らしい特色ある学校教育の一つに読書を掲げ、学校図書館の蔵書の充実はもとより、朝読書の推進、読書ウイークの実施、学校司書の配置など、様々な取組に力を入れてきたところであります。
読書は、主体的な学びを促すとともに、見方や考え方を広げ、他者との関わりによる創造的な活動にもつながることから、これからの時代を生き抜く
子どもたちにとってますます重要な役割を果たすものと認識をしております。
今後は、学校図書館に加えまして、1人1台端末も活用しながら様々な読書活動に取り組み、全ての子どもが生涯にわたって読書に親しみ、豊かな人生や新たな社会を切り開いていけるよう、一層、取組を充実してまいりたいと考えております。
次に、誰もが安心、快適に利用できる学校トイレの環境整備についてでございますが、学校は、
子どもたちの教育の場であるほか、災害が発生した場合には避難所にもなることから、様々な利用者に配慮したトイレを整備することが重要であると認識をしております。
これまで、大規模改修でありますとか更新時の標準仕様といたしまして、清掃の際に水を使用しない床材の導入、手洗い場の蛇口の自動水栓化、あるいは、センサーで点灯する照明の整備など、衛生面の向上に努めてきたところであります。
今後は、令和7年度末までに全学校に整備する
バリアフリートイレへの温水洗浄便座の装備、あるいは、ジェンダーに配慮したトイレの試行的な設置など、誰もが安心して快適に利用できるようトイレの整備を進めてまいります。
以上でございます。
○議長(
飯島弘之) ここで、およそ30分間休憩します。
――
――――――――――――――――――
休 憩 午後2時24分
再 開 午後2時55分
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――――――――――――――――――
○副議長(しのだ江里子) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
太田秀子議員。
(
太田秀子議員登壇・拍手)
◆
太田秀子議員 私は、日本共産党を代表し、市政の重要事項について、順次、質問をいたします。
初めに、市長の政治姿勢についてです。
質問の第1は、燃油価格対策についてです。
第2回定例会で、市長は、市民生活を支えるためには機動的な対応が不可欠であり、国の財源を活用してスピード感を持って支援策を講じてきたと答弁をされています。
燃油の高騰は、原油価格、円安などを要因とするもので、現時点で収束を見通すことができず、長期化することは確実です。
本市は、昨年、住民税非課税世帯等に対して市民生活への支援に関するものとして、国の電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金に1万円を上乗せして給付されました。
具体的にどのような効果があったのか、伺います。
昨年11月に開催された経済産業局主催の灯油価格意見交換会で、北海道消費者協会の代表は、灯油価格の高騰は命に関わる問題だと訴えられていますが、現在の価格水準は当時とほぼ同じで、高止まりをしています。
低所得者への助成制度として各自治体で広がっている福祉灯油制度は、支給方法も使途の限定がない現金給付が一番多く、給付を受けた住民からは、凍えなくて済む日が少しでも増えると喜ばれています。
2020年9月時点で、1リットル当たり78.6円だった灯油店頭価格は、今年9月現在、124.8円と約1.6倍です。燃油は厳しい冬を越すための命綱であり、高くて購入できないということはあってはなりません。市長は、灯油が生活必需品であるとの認識をお持ちなのか、伺います。
また、本市独自の支援策を実施する必要があると考えますが、見解を伺います。
質問の第2は、マイナ保険証についてです。
医療機関の窓口では、日常的に氏名、生年月日、性別、保険者名、被保険者番号、負担割合などの項目で資格確認が行われ、医療関係者からは、現行の健康保険証で何ら支障なく業務が行えるとお聞きをしています。
この間起きているトラブルは、現行保険証の廃止を打ち出し、本来任意としていたマイナ保険証の取得を、事実上、強制していることによるもので、市民の不安解消の上でも、政府が廃止方針を撤回するように強く求めます。
1点目は、現行保険証の原則廃止の方針についてです。
マイナ保険証のトラブルを受け、多くの有識者が、システムや制度を運用する上でセキュリティーの事故は避けられない、誤登録は人為的ミスとして扱われるが、構造的問題と見るべきだなどと指摘をしています。
就職や転職、退職などで保険者への加入、脱退など変更の届出が必要なのは、現行の保険証もマイナ保険証も変わらず、厚労省は、7月の通知で、保険者の変更に伴って保険者のデータ登録の遅れが発生することや、機器のトラブルなどにより、マイナンバーカードでオンライン資格確認を行うことができない場合、患者に必要な書類に記載してもらうよう医療機関に徹底をしています。
本市は、さきの定例会で、再発防止の仕組みづくりや国民の不安解消は、国が責任を持って進めていくと説明されましたが、2024年度までに再発防止の仕組みづくりが完了するという政府の確約はあるのでしょうか、伺います。
また、現行保険証の廃止方針を見直すよう国に求める考えはないのか、伺います。
2点目は、デメリットと選択権についてです。
マイナ保険証によるオンライン資格確認では、転職や転居等で被保険者番号が変わっても同一人物と判定し、生涯にわたる受診履歴を把握し、医療情報も全ての医療機関で共有することが可能になるとされています。政府は、こうした医療情報の対象をマイナ保険証の普及と併せて、投薬や特定健診情報に拡大し、今後、レセプト、予防接種、電子処方箋、自治体検診、電子カルテなどの情報も医療機関で共有できるようにする方針です。
医療関係者は、医療情報の中でも、特定の診療履歴は家族や担当医以外に知られたくないとの事例もあり、全ての医療機関や事務職員まで情報が共有できるようになるのは問題が多過ぎると指摘をしています。
本市は、マイナ保険証の導入により、これまでの受診・服薬情報を医療機関が確認の上、治療に生かすことができるようになるなど、国民がメリットを享受できるとの認識でしたが、医療情報の共有について、デメリットをどのように認識されているのか、伺います。
また、マイナ保険証を使うのか、現行の保険証を使うのかという市民の選択権は、最大限、保障するべきと本市は考えているのかどうか、伺います。
質問の第3は、グリーントランスフォーメーション関連の取組についてです。
1点目は、GX投資の対象についてです。
政府に提出したGX投資に関するアジア・世界の
金融センター実現に向けた要望書にある八つのGXプロジェクトや、資金供給を促進させる(仮称)GX NISA投信等には、政府が官民投資の対象とした原子力の活用やアンモニアの製造は規定されていません。
政府への要望書で、本市は、国際的なガイドラインに合致するGX投信等としてブランド化し、投資対象として風力、水素、電気及び水素運搬船等のグリーン案件に特定したと説明をされていました。原子力やアンモニアについては、投資対象としてはふさわしくないという判断をされたのかどうか、さらに、課題をどのように分析し、そうした判断に至ったのか、理由について伺います。
2点目は、GX投資と原発についてです。
本市の官民投資は、政府の骨太方針2023のGX投資を大胆に加速させるという方針に基づいたものですが、政府が目指すGXへの官民投資150兆円の対象には、原子力の活用、アンモニアの合成技術の開発が入っています。
原子力については、国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCの報告書に採用された論文で、原発が増えてもCO2排出削減はもたらされないが、再エネを増やせば、排出削減がもたらされた、原子力発電を増やすと再エネが伸びにくいと紹介をされ、再エネ導入にとって障害になるという研究結果が見られます。
政府が原発への投資を続ける限り、原発を固定化させ、本市の再エネ導入が伸び悩み、再エネへの投資も鈍るという悪循環に陥ることが考えられますが、市長は、こうした事態を招かないため、どのような対策を考えているのか、伺います。
3点目は、再エネの需給についてです。
6月の市長との共同記者会見で、鈴木知事は、半導体製造会社のラピダス社について、北海道への立地理由の一つとしても、この再エネ、これが非常にポイントになったと発言をされました。
政府が計画する北海道から本州への200万キロワット級の海底送電網が完成すると、本州への電力供給能力が高まり、道内への企業進出のメリットが低下することも考えられます。
投資を呼び込むという場合、利益を回収しなければならず、しっかりとした再エネの需要予測が必要となりますが、ラピダス社以外に、札幌に本社を置く企業も含めて、再エネを利用する産業の集積や企業進出をどのように見込まれているのか、伺います。
質問の第4は、自衛隊への個人情報提供の中止についてです。
本市は、9月12日、本年度、18歳と22歳になる3万1,550人分の名簿を、昨年に続き、自衛隊札幌地方協力本部に提供をしました。このうち、情報提供を望まないと除外申請をした人は205人、昨年の2人から大きく増えています。
しかし、除外申請をしなかったことをもって本人の同意があったものではなく、同意なしに自衛隊への名簿提供を行っていることに変わりはありません。
本市は、2021年度まで、個人情報保護条例の趣旨に沿って、自衛隊への名簿提供は行わず、自衛隊による住民基本台帳の閲覧しか認めていませんでした。
しかし、2021年2月、防衛省及び総務省から、全国の自治体に、自衛官または自衛官候補生の募集事務に関する資料の提供について、住民基本台帳法上、情報を提供しても自治体が持つ個人情報保護条例に問題を生ずるものではないという通知が発出され、本市は、翌年、2022年から、自衛隊による閲覧から紙媒体による積極的な情報提供へと変更しています。
ところが、防衛省等のこの通知には、地方自治法第245条の4第1項により技術的助言であると明記されています。応じないことをもって自治体が不利益を被るものではありません。
市民団体の問合せに、防衛省は、紙媒体、電子媒体で提出を求めているが、依頼した自治体のうち、3分の1に当たる534自治体は閲覧のみであると回答をしています。
技術的助言であることを受け止め、また、除外申請を申し込んだ当事者の思いを尊重し、本市は、自衛隊への個人情報の提供は中止すべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、2030年札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致についてです。
質問の第1は、大会運営費についてです。
昨年9月の第3回定例会の代表質問で、我が党の議員が、スポンサー料が当初の見込みを下回った場合、本市の負担が発生するのではないかと思いますが、市長はどうお考えかと質問をしたところ、市長は、スポンサー収入が見込みを下回るなどの不測の事態におきましても収入に見合った大会運営を行うと答弁をされました。
東京都議会では、大会運営を行う組織委員会の予算について、都からの支出はありませんと、全て民間資金によって賄われると答弁しましたが、実際には、組織委員会との共同事業への支出という形で、都民の税金が投入されたことが明らかになっています。
東京2020大会の開催都市契約においては、可及的速やかに大会の総合的な組織計画をIOCに提出し、承認を得なければならず、変更する場合にはIOCの書面による事前承認が必要とされていたことから、本市が開催都市に決定をした場合においても契約に基づいた大会運営が大原則となり、万一、収入が見込みを下回るなどの不測の事態が起こった場合でも契約に従った運営が求められると考えられます。
そこで、伺いますが、本市での開催が決まった場合、大会運営費は、いつの段階でスポンサー等からの収入が見込みどおりになっていないと判断し、いつの段階でそれに見合った大会規模へと見直すことを想定しているのか、伺います。
また、その場合の市民への説明と周知は行われるのかどうか、併せて伺います。
東京大会では、パラリンピックには、運営費の半額の70億円を都が負担すると説明をしていましたが、実際には379億円と5倍以上になりました。
本市が試算している大会運営費2,200億円から2,400億円のうち、オリンピックにかかる費用とパラリンピックにかかる費用、それぞれ幾らと試算しているのか、お示しください。
質問の第2は、IOCとの対等な関係の構築についてです。
大会組織委員会が設置されれば、本市は職員の派遣や大会運営に関わることとなり、その財源は市民からの税金となります。スポンサーを集めるための広告代理店等との契約、IOCに支払うロイヤリティーなどの金額も当然ながら市民に公開されなければなりません。
東京都がIOCと結んだ開催都市契約第41条には、大会に関するあらゆる種類及び性質の権利、権原、利権が全世界を通じて永久にIOCの独占的な財産であることが規定されており、そのことを理由に、IOCに支払ったロイヤリティーやトップスポンサーとの契約内容は都議会での追及でも明らかにされませんでした
東京大会での汚職事件に鑑みれば、JOCとスポンサーとの関係のみならず、IOCを含む全ての契約の内容を明らかにし、チェックできることが肝要だと考えます。本市が開催都市に決定した場合、開催都市契約を公開するのかどうか、また、契約の際に、IOCへのロイヤリティー金額やIOCとトップスポンサーとの契約内容について公開を求めるのかどうか、本市のお考えを伺います。
公開を求め、実行されなければ、本市がうたうIOCとの対等、平等な関係は築けないと考えますが、いかがお考えか、伺います。
質問の第3は、招致が決まる前の市民の意向確認についてです。
市長は、住民の支持があって招致活動が進められるべきと述べ、現在、市民対話や理解促進活動が実施されています。今後、これらによる市民意見や検討委員会の報告を受け、新たな見直し案を策定、公表し、再び見直し案の理解促進を図り、改めて民意の確認を行うとの方針を示しております。
IOCは、来年7月に開催されるパリ五輪の開催前に、2030年冬季大会の開催地を決めるとの方針を示していますが、IOCが最も重要視する市民の意向確認について、本市は、どのような形で、いつ実施するお考えなのか、お示しください。
IOCが開催地を決定する前に市民の意向を確認する必要があると思いますが、そのお考えがおありか、市民の意向を確認した上で招致を目指すとした市長の公約はどのように実行されるのか、伺います。
次は、猛暑に対する備えについてです。
国連のグテーレス事務総長は、7月27日、記者会見を行い、
地球温暖化の時代は終わり、
地球沸騰化の時代が到来しました、地球全体にとって、この夏は災害ですと発言をし、各国政府などにより強力な対策を至急取るよう促しました。
本市でも、6月から8月、30度以上の真夏日が30日間、うち3日間で35度以上の猛暑日を記録しました。8月23日は観測史上最高の36.3度で、5月から9月、熱中症により救急搬送された人数は、9月24日現在566人に上り、うち、教育機関からの搬送は27件でした。
質問の第1は、学校の
エアコン設置についてです。
2021年、文教委員会で審査した札幌市内公立小中学校の冷房設置に関する陳情について、我が党は、賛成をし、採択を求めたものの、継続審査、廃案となりました。
その年、本市で熱中症により、学校から救急搬送された件数は17件、公立小・中学校からも1人搬送されており、夏の気温上昇は、この年、既に北海道でも異常と言えるものでした。文部科学省は、教室などの望ましい温度基準を17度以上28度以下としておりますから、猛暑による児童生徒や教職員の健康を心配する声が広がっていました。
アクションプラン2023における計画事業では、5年間で137億6,000万円の学校施設冷房設備整備費が計上されました。内容は、全ての市立学校の普通教室等に移動式ではなく、ルームエアコンを設置するというものです。緊急対応として、2023年度中には312校全ての保健室に設置する予定ですが、普通教室は、2024年度から約100校ずつ設置する予定としています。
気候変動に関する政府間パネル第5次、第6次評価報告書の執筆者である江守正多さんは、次に今夏同様の気象条件が発生するときには、今年以上の酷暑になるおそれがあると述べています。災害級の暑さに備えるため、未設置の学校に一気にエアコンを設置できるよう、できるだけ計画を前倒しし、柔軟かつスピード感を持って取り組むことが必要と思いますがいかがか、伺います。
質問の第2は、避難所の備えの認識と、札幌市避難場所基本計画の見直しについてです。
これまで、本市は、冬の災害に備え、体育館の暖房など、避難所や避難物資の充実を図ってきたところです。
アクションプラン2023では、新規事業とされている避難場所整備事業で、冬季や停電発生時における避難所運営を踏まえ、基幹指定避難所のインフラ強化等を実施するものとなっています。
しかし、今夏の異常気象は、冬季と同様に、猛暑の備えも必要であることを明らかにしました。道外では、猛暑対策として、移動式のスポットクーラーを避難所である体育館に数台ずつ設置している自治体がありますが、震災はいつ来るか分かりませんので、本市も早急に猛暑対策を加えた検討を始めなければなりませんが、その認識はおありか、伺います。
異常気象や
新型コロナウイルス感染症を経験して、避難所の生活環境の充実が一層求められると考えます。札幌市避難場所基本計画の見直しが必要と思いますがいかがか、伺います。
次は、
新型コロナウイルス感染症対策についてです。
質問の第1は、感染状況と今後の対応についてです。
今年5月8日、政府は、
新型コロナウイルス感染症を感染症法上の5類と位置づけました。それに伴い、医療体制や検査、診療報酬や医療費、治療薬の患者窓口負担などを大幅に変更し、流行状況の把握は、指定した医療機関に週1回報告してもらう定点把握に変更しました。5類移行後、感染状況は全国的に拡大傾向となり、病院の病床状態や119番への電話がつながらない事態などが報じられました。
本市では、5月には1定点医療機関当たりの患者数が3人から4人程度でしたが、8月には20人程度と急速に拡大しました。8月は、
新型コロナウイルス感染症による入院患者が400人前後となる日が続き、医療機関や介護施設等では、クラスターが相次ぎました。それにより、医療や介護サービスが提供できない事態もあったと現場からの声が届いています。本市消防局のデータでも、新型コロナウイルス感染やその疑いのある人からの出動要請が、昨年8月の2,242件を上回る2,359件でした。市民からは、札幌の感染状況が分からない、どうなっているのか、どう対応したらいいのかと、不安や感染対策に迷う声が多く寄せられています。
5類移行後、本市の新型コロナウイルス感染状況はどう変化していると分析されたのか、保健所は医療や介護現場にどのように対応してきたのか、ウイルス感染が心配される秋から冬に向け、どのように対処されるのか、具体的にお示しください。
質問の第2は、無料検査の再開についてです。
PCR等の検査は、感染の拡大を抑制、防止するために重要であり、我が党は、介護老人保健施設で発生したクラスターを繰り返さないため、無料で行うPCR検査や、そのスクリーニング検査の実施を繰り返し求めてきました。その後、本市は、無料のPCR検査センターの設置や介護施設への検査キットの送付、抗原検査キットの配付等を実施して感染の波を抑えるよう努力してきたと承知をしています。
5類移行後も、なお感染は拡大傾向であり、秋から冬の流行期にはさらに拡大することが懸念されます。市民がためらうことなく検査ができるよう、本市が取り組んでこられた無料PCR検査や抗原検査キットの無料配付を再開させ、流行拡大を抑制する手だてを講じるべきだと考えますが、いかがお考えか、伺います。
質問の第3は、民間医療機関との連携と市立札幌病院の役割についてです。
5類移行後、9月7日までに、医療機関や介護施設のクラスター発生件数は112件に上り、うち、半数が8月以降という拡大傾向が続きました。厚生労働省が9月15日に公表した新たな
新型コロナウイルス感染症対応の方針は、10月以降の入院は、重症者、中等症2、感染拡大の状況に応じた対応に限定し、保健所が一部関与して入院調整を行ってきたものを、10月以降は、医療機関の間で入院調整をさらに促進し、病床確保料についても、5類移行後の半減に続き、2割削減をします。来年4月からは、通常の体制へ完全移行、恒常的な
感染症対応に戻すというこの政府方針は、感染症病床を大幅に削減し、
新型コロナウイルス感染症に対応できなかった教訓を踏まえているとは思えず、診療報酬の削減は、人的体制や防護体制を必要とする感染症病床の確保を困難にしかねません。
本市は、秋から冬にかけての
感染症対応で医療機関と連携していくと思いますが、どのような入院の受入れ体制を整備していくのか、伺います。
連携していく上で重要な役割を果たす市立札幌病院が
感染症対応の病床を確保していく必要があると考えますが、どのように考えておられるのか、伺います。
次は、働く若者への支援についてです。
1990年代に起こったバブル崩壊以降、グローバル化の進展の中で、市場競争が激化し、企業によるリストラ、人減らしが横行しました。さらに、政府による労働法制の規制緩和で雇用破壊が深刻になり、働く貧困層の抱える問題が、派遣切り、子どもの貧困、ネットカフェ難民などの形で今もなお顕在化しています。
質問の第1は、非正規雇用など働く若者の生活実態の受け止めについてです。
2022年2月に総務省が発表した労働力調査によると、正規の職員、従業員は前年より1万人増えたのに対し、非正規の職員、従業員は26万人増加しています。年齢階級別の非正規の職員、従業員の割合は、15歳から24歳が50.4%と前年より1.6ポイント上昇し、特に、若年層の非正規労働者は20年前と比べて大幅に増えたままです。学業を終えて社会人になろうとする若者が社会に出る最初から非正規で働いており、その人数は決して少なくない実態であることが示されています。
2021年の東洋経済オンライン、若者の貧困特集では、早稲田大学の橋本健二教授の調査で、コロナ禍が若者の仕事により強く影響したと取り上げています。
新型コロナウイルス感染症によって勤務先が休業した人の比率は、20歳から39歳が16.8%で、40歳以上8.3%の2倍となっており、転職した若者は9%に対し、40歳以上は0.5%との調査結果を示し、若者たちは、勤め先が休業するなどの影響を受け、転職や副業、いわゆるダブルワークによって何とかしのいでいる、弱者がより大きな影響を被り、格差が拡大したと報じています。
この特集では、さらに、日々のお金に困るため、月給を日給制に変えてもらった、バイトアプリをダウンロードして日雇いの仕事を探した、家賃や水光熱費のやりくりを考えるのがつらいのでネットカフェ暮らしになったなど、その日暮らしの苦しい生活をリアルに報じています。
10月から北海道の最低賃金は時給920円から960円になりますが、週5日フルタイムで働いても年収200万円になりません。親と同居できない場合は、食費や医療費等を減らさざるを得ず、厳しい生活を余儀なくされています。
市内の青年団体による2022年アンケートでも、どれだけ生活を切り詰めても、1日に必要な栄養を補えたことは一度もない、体調が悪くても医療費が怖くて病院に行けないとの切実な声が書かれ、給料が上がったらやりたいことは、美容室や病院に行きたい、リースでいいから車を持ちたいなど、安定した生活への願いが表れていました。
本市は、非正規雇用を余儀なくされる状況や、このような働く若者の生活実態をどう受け止めておられるのか、伺います。
質問の第2は、若者支援施策における利用者の声と今後の取組についてです。
働く若者は、社会に出て就労はしているものの、低賃金、非正規労働、不安定雇用のために将来を見通した生活が難しい状況です。これまでの、自立して生活するほどの収入がない場合には家族が支えるという、かつてあった家族の関係は崩れ、親自身が疾病や貧困を抱えていることが少なくありません。
非正規就労の場合、皆保険であるはずの年金や健康保険には加入できない場合も多く、高い国保や国民年金の保険料を支払うことになり、その負担ができなければサービスを受けることすらできません。今は健康でも、生活するために、長時間労働、ダブルワークをせざるを得ず、身体的、精神的に健康を害して、就労ができなくなるのではないかというリスクを常に抱えています。
正規職員として就職できた若者も、成果主義原理による競争で即戦力を求められ、過重なノルマと達成度による厳しい評価や査定が行われ、その達成のために超長時間労働、休日出勤を強いられ、就職早々、過労死予備軍となる実態です。かつては、職場にあった労働組合活動による職場会議などが奪われ、職場環境について本音で話す場も時間もつくることができません。学業のために、奨学金などを借りていれば、初任給から毎月平均1万円から2万円を返済し、それが約15年も続くなど、スタートから重いローンを背負った社会人になるのです。
正規職員として就職した若者も、非正規労働の若者も、常に追い詰められるというリスクを背負っていると考えます。精神疾患、過労自殺、失業などと隣り合わせというリスクは、本市が支援しているニートやひきこもりを抱えている若者と同じ状況と言えるのではないでしょうか。
本市では、2020年に第4次子ども未来プランを策定し、基本目標3に、子どもと若者の成長と自立を支える環境の充実を掲げて、ひきこもりなどの困難を有する若者が社会に自立できる環境の充実を図るとして、ひきこもり支援センターにおける相談やフリースクールなどへの補助を実施してきました。また、札幌市生活就労支援センターステップでは仕事や生活に困り事を抱えている方のための相談を、若者総合支援センターでは若者向け相談や居場所の提供などを行っています。
本市が行ってきた若者支援の施策において、利用された方からどのような声が寄せられているのか、伺います。
また、現在、利用につながっていない方に対する周知も含めて、今後どのように取り組んでいくお考えか、伺います。
次に、学校給食費の公費負担拡大についてです。
質問の第1は、秋元市長の公約についてです。
市長は、さきの選挙で、学校給食費への公費負担をさらに拡大することを公約に掲げました。ここで言う公費負担の拡大とは、これまでのように物価高騰における食材費への助成などで保護者に今以上の負担をさせないというものなのか、もしくは、保護者の負担を軽減するための拡大とお考えなのか、伺います。
質問の第2は、保護者の負担軽減の検討についてです。
文部科学省の調べで、保護者の負担軽減を実施している、または予定している自治体は83%に上っています。第2回定例会の我が党の学校給食費無償化の検討はされないのかとの質問に、教育長から、就学援助制度等において支援を行ってきたところである、負担軽減については、必要に応じて関係部局と協議していく旨の答弁がありました。
本来、義務教育無償の原則に照らせば、給食は、
子どもたちの身体と心、命と健康を育む教育的営みです。無償化の対象を就学援助制度等を受給する世帯に限定するものではありません。全ての子育て世帯の支援策として学校給食費の負担軽減を検討すべきと思いますがいかがか、伺います。
最後に、大通及びその周辺のまちづくりについてです。
本市は、第2次都心まちづくり計画に基づき、大通及びその周辺をはぐくみの軸として骨格軸の一つに位置づけています。このたび、このエリアの将来像や取組の方向を明確にし、展開するために、強化方針を策定しようとしています。
このエリアは、札幌の中心部であると同時に、ビジネスや観光で訪れる人が多く、地元の市民が北国らしいライフスタイルを送っている姿を来訪者が北海道、札幌らしさとして感じながら過ごすエリアとなっており、その大きな要素が緑や自然が豊かで広大だと感じられる空間だと考えます。また、道庁赤れんが、札幌時計台、旧札幌控訴院庁舎など、歴史を語る建造物を保存し、まちづくりに生かすことは、他府県と比べて歴史の浅い北海道、札幌にとって重要です。
質問の第1は、周辺の新たな建築物への規制についてです。
本市は、札幌駅周辺の再開発の際に、現状の建築物を制限緩和によってより高層の建築物にすることを誘導し、北5西1・西2街区では、地上43階、245メートルの建築計画で、38階建て、地上173メートルのJRタワーよりさらに高い高層建築物を計画しました。道内で初めて百貨店が建てられた6階建ての五番館、その跡地の北4西3地区では、地上31階、170メートルの建築物が建てられようとしています。
大通西4地区では、これまで容積率800%だったところを、周辺環境に考慮し、公共貢献したとして1,650%の容積率へと緩和し、12階建てから34階建ての地上185メートルへ、テレビ塔よりも高い建築物が造られる計画です。
周辺環境に調和させるという説明は、周辺の高い建物と高さを合わせることであり、このままだと開発のたびに高層建築物が造られ続けることになります。2018年に本市が実施した緑に関する市民アンケートでは、札幌の原風景として思い描くものとして、手稲山や藻岩山など山並みの見える風景と答えた市民が69%と1位になっています。建築物の高層化は、市民の原風景を奪うことになり、まちを歩いて空を見上げても山並みも広さも感じることができません。それは、札幌市が誇る豊かで広大な自然が感じられなくなることであり、本市の最大の魅力を失うことになるのではないでしょうか。
大通やその周辺を、レガシーを生かした次の100年も魅力あるまちにするために、容積率の規制緩和で高層建築物を許容するというこれまでの方針を根本から見直すべきです。はぐくみの軸は、時計台や旧札幌控訴院庁舎など、札幌の歴史や文化を象徴するまちの重要な資源がどこからでも見えるようなエリアにし、自然や緑が豊かで広大だと誰もが感じるために、周辺の新たな建築物を現状より高いものにしないという方針を持つべきだと考えますがいかがか、伺います。
質問の第2は、豊平川までの緑の連続性についてです。
現在、はぐくみの軸強化方針と併せて、都心のみどりづくり方針がつくられようとしています。
本市の都心部は緑に覆われている率、いわゆる緑被率は、市街化区域が21.57%なのに対し、都心部は13.45%と大きな開きがあります。東京23区全体の平均17.4%と比較しても少なく、本市が誇る豊かな自然は、都心部では感じにくい数値となっている現状です。
2018年度の市民アンケート等では、都心の緑が少なく、心が寂れる、緑を増やしてほしいなど、本市の緑化施策に満足していない市民の声が多く出されています。これに対し、本市は、再開発の際に、建築物の一部や歩道との空間に緑のある公共空間等をつくるなどして緑を確保してきましたが、都心部の緑被率は微増にとどまり、まとまった緑の空間の創出は進んでいないと言わざるを得ません。
はぐくみの軸を強化する検討に当たり、大通公園の東側、いわゆる創成イーストは東8丁目の先につながる豊平川緑地までを連続した緑でつなげることと併せ、そのボリュームを大幅に増やし、まとまった空間として都心の緑を創出すべきだと考えますがいかがか、伺います。
以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(しのだ江里子) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で7項目にわたり、ご質問をいただきました。私からは、大きな1項目めの私の政治姿勢について、そして、2項目めの2030年札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致について、6項目めの学校給食費の公費負担拡大についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の町田副市長、天野副市長、教育長からお答えをさせていただきます。
私の政治姿勢についてのまず1点目の燃油価格対策についてお答えをいたします。
昨年実施をいたしました電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金につきましては、使途を限定しない現金給付として行ったことから、燃油価格高騰の影響など様々な困難に直面されている方々への幅広い生活支援につながったものと考えております。
冬季の札幌において、灯油価格の高騰が市民生活に大きな影響を及ぼすことは十分に認識をしており、国が実施をしております燃油価格の抑制策の実施状況や効果も注視しながら、引き続き、必要な対策を講じるよう国に対して要請してまいりたいと考えております。
次に、2点目のマイナ保険証についてお答えをいたします。
まず、現行保険証の原則廃止の方針についてでありますが、全国的に発生をしたマイナンバーカードに係る様々なトラブルを受け、国において、8月にマイナンバー制度及びマイナンバーカードに対する信頼確保に向けた対応を政策パッケージとして取りまとめたところであります。具体的には、ひもづけの総点検とともに、再発防止対策としてマイナンバー登録に係る横断的なガイドラインの策定や定期的なシステムチェックの導入などが示されており、札幌市といたしましては、現行保険証の廃止方針を見直すよう国に求めることは考えておりません。
次に、デメリットと選択権についてでありますが、医療情報の共有はマイナンバーによる確実な本人確認と本人同意が前提でありますし、医療機関におきましても、個人情報保護法や厚生労働省のガイドライン等により適切に情報管理がなされるものと認識をしております。
また、現在、国においてマイナ保険証を持たない方への対応について検討を進められており、カードを持たないことや保険証利用申込みをしていないことにより、保険診療が受けられなくなるということはないと認識をしております。
次に、3点目のグリーントランスフォーメーション、GX関連の取組についてお答えをいたします。
まず、GX投資の対象についてであります。
北海道におきましては、次世代半導体製造拠点の立地や洋上風力の有望5区域の選定など、GX産業の集積に向けた様々な取組が動き始めているところであります。
こうした動きを踏まえ、国内随一の潜在力を有する北海道の
再生可能エネルギーを活用する上で必要であるとともに、また、関連投資を呼び込む上でも有望な八つの分野をGXプロジェクトとして掲げ、取組を進めているところであります。
次に、GX投資と原発についてでありますが、原子力発電については、省エネの推進や
再生可能エネルギーの拡大を図っていく中で、可能な限り依存度を低減していくということが重要だと考えております。
そこで、八つのGXプロジェクトを集中的に推進し、GX産業の集積とこれを支える金融機能の強化、集積を両輪で進めることでGX投資の拡大につなげてまいりたいと考えております。
次に、再エネの需給についてであります。
次世代半導体の国産化を目指すラピダス社が工場建設地に北海道を選んだ理由の一つとして、
再生可能エネルギーが豊富であるということが挙げられております。さらに、本年5月には、
再生可能エネルギー等の脱炭素電源の活用ポテンシャルが高いことなどを理由に、北海道が東京圏、大阪圏を補完、代替するデータセンター等のデジタルインフラの中核拠点に位置づけられたところであります。こうしたことを背景に、
再生可能エネルギーを利用する産業の集積、企業進出については、今後も期待が持てるものと認識をしているところであります。
次に、4点目めの自衛隊への個人情報提供の中止についてお答えをいたします。
自衛隊への個人情報提供につきましては、自衛隊の持つ公益的な役割を考慮し、関係法令に基づき、適切に対応しているところであります。
今後も、自衛隊から同様の依頼があった場合には、情報提供を望まない方について除外申請を受け付けることによって丁寧に対応してまいりますとともに、こうした取組について継続的に周知を行うことで、一層の市民の理解促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、大きな2項目めの2030年札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致についてお答えをいたします。
まず、大会運営費についてであります。
大会運営費については、招致決定後に設立される組織委員会において、大会開催の直前まで、スポンサー収入等の状況を踏まえながら、随時、大会の規模、仕様などの精査、見直しが行われるものと認識をしております。
予算の検討状況については、定期的に市民に説明、周知していく必要があると考えているところであります。
また、大会運営費の内訳についてでありますが、予備費の200億円から400億円、これを除きまして、オリンピックが1,750億円、パラリンピックが250億円と試算をしているところであります。
次に、IOCとの対等な関係の構築についてであります。
大会運営を担う組織委員会は、大きな社会的影響力を持つ公共的な団体であり、公益性も高いことから、市民や社会から信頼を得るためには、所有する情報を積極的に公開することが重要であると認識をしております。
したがいまして、開催地契約などIOCが関係する情報についても可能な限り公開できるよう、IOCとの対等な立場での協議に努めてまいりたいと考えております。
次に、招致が決まる前の市民の意向確認についてでありますが、大会招致を進めていくに当たりましては、市民の意向を確認した上で招致を目指すということを私の公約としております。IOCが開催地を決定する前に、改めて民意の確認を行う考えであります。
現在、市民対話事業に取り組んでいるところでありますが、今後も、大会運営見直し案の検討と併せて、一層の市民理解の促進に努めた上で、民意の確認を行いたいと考えており、その手法についても、市民の意向の的確な把握や市民参加の在り方などの観点から引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、6項目めの学校給食費の公費負担拡大についてお答えをいたします。
私の公約についてと保護者の負担軽減の検討についてというご質問でございました。併せてお答えをさせていただきます。
公約で掲げた学校給食費への公費負担のさらなる拡大につきまして、
アクションプラン2023を策定する過程において、子育て支援の拡充策の一つとして検討してきたところでありますが、多額の財政負担を要することから、この夏の猛暑を踏まえ、学校施設への冷房設備の導入を優先する判断をしたところであります。
学校給食費につきましても、物価が高騰している状況も踏まえ、公費負担により、引き続き、保護者負担が増えないように対応していきたいと考えております。また、国においても、給食の無償化に関する課題の整理を行っている状況でありますことから、国の動向や市の財源の状況を見据えながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。
私からは、以上です。
○副議長(しのだ江里子) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな3項目め、猛暑に対する備えについての2点目、避難所の備えの認識と札幌市避難場所基本計画の見直しについてのご質問、そして、大きな4項目め、
新型コロナウイルス感染症対策について、そして、大きな5項目め、働く若者への支援についてのご質問にお答え申し上げます。
まず、大きな3項目めの2点目、避難所の備えの認識と札幌市避難場所基本計画の見直しについてでございますが、そのうち、猛暑対策を加えた検討についてでございますが、近年の気象状況の大きな変化や新興感染症の発生など、避難所においては様々な状況を想定した対策が必要であると認識するところでございます。
札幌市避難場所基本計画の見直しについてでございますが、現行の計画には避難者の健康管理対策についても盛り込まれておりますことから、引き続き、避難所の良好な生活環境の確保に努めてまいりたいと考えるところでございます。
次に、大きな4項目め、
新型コロナウイルス感染症対策についての1点目、感染状況と今後の対応についてでございますが、定点報告によりますと、
新型コロナウイルス感染症の陽性者報告数は夏場にかけて増加し、依然として高めの値を示しているものの、直近では減少の兆しも見られるところでございます。
この間、札幌市では、高齢者施設等が行う感染対策への支援を継続して行ってきているところでございます。引き続き、外来対応医療機関の拡充に努めるとともに、コールセンター等での相談体制を継続するほか、ホームページを通じて市内の感染状況や療養に関する情報等を分かりやすく提供し、市民の皆様の不安解消に努めてまいります。
2点目、無料検査の再開についてのご質問でございますが、5類感染症への移行に伴い、他の疾病との公平性を踏まえて、全国一律で検査費用の公費支援が終了したところでございます。
発熱等は
新型コロナウイルス感染症に限った症状ではないため、他の疾病と同様に、ご自身の体調や重症化リスクに応じて受診の要否をご判断いただき、医師による適切な検査、診断、治療等を受けていただくことが大切でございます。そのため、行政の役割として、例えばセルフケアの考え方など、その判断に資する情報の発信に努め、今後の感染拡大時に備えてまいりたいと考えるところでございます。
次に、3点目、民間医療機関との連携と市立札幌病院の役割についてのご質問でございますが、基本的には、ほかの疾病と区別することなく、確保病床によらない形で幅広く医療機関が
新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる体制に移行する必要があると考えるところでございます。
一方で、今後の感染拡大を見据え、入院治療が必要な患者の受入れを適切に行うため、市立札幌病院も含めた医療機関と連携し、感染状況に応じて、重症や中等症患者のための病床を確保するなど、受入れ体制を整備してまいります。
次に、大きな5項目め、働く若者への支援についてでございますが、そのうち1点目、非正規雇用など働く若者の生活実態の受け止めについてでございますが、全国的に非正規雇用で働く若者の中には、正規雇用の仕事がないため、不本意に非正規雇用で働き、将来にわたる展望を描けずに生活している方もいるものと受け止めており、札幌市としても、独自にそうした若者の正社員就職支援などに取り組んでいるところでございます。
2点目、若者支援施策における利用者の声と今後の取組についてでございますが、これまでに自立支援プログラムなどを利用した方々からは、相談や対人トレーニング、職場実習など、自分の状況に合わせた支援を段階的に受けることができてよかったという声が寄せられているところでございます。
今後も、SNSを活用したプッシュ型の情報発信など、丁寧な広報に努めるとともに、若者の不安や悩みに寄り添いながら社会的な自立に向けた支援に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○副議長(しのだ江里子) 天野副市長。
◎副市長(天野周治) 私からは、大きな7項目め、大通及びその周辺のまちづくりについてお答えをいたします。
まず、1点目の周辺の新たな建築物への規制についてでございます。
札幌の魅力と活力の向上を先導すべき都心のうち、大通及びその周辺では、道内全体の業務機能の集積地として、経済活動を支える高度利用のニーズと、このエリアの特徴を踏まえた良好なまち並み形成との両立を図ることが重要でございます。
そのため、大通公園や歴史的建造物などから建物をセットバックさせ、居心地のよい緑化空間を創出するとともに、隣接建物を含めた周辺環境に応じた適切な高さやデザインに配慮し、良質な開発を連鎖的に誘導することで都市の骨格軸としての魅力を高めてまいりたいと考えております。
次に、豊平川までの緑の連続性についてでございます。
現在策定を進めている都心のみどりづくり方針では、基本方針の一つに、民間開発等との連携による魅力的な緑の空間の創出を位置づけているところでございます。はぐくみの軸の東側を含む創成イーストエリアにおいても民間開発が活発化してきていることから、こうした機会を捉え、質の高い緑の空間の創出を誘導してまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○副議長(しのだ江里子) 檜田教育長。
◎教育長(檜田英樹) 私からは、大きな3項目めの猛暑に対する備えについての1点目、学校の
エアコン設置についてお答えをいたします。
エアコン整備につきましては、普通教室など約6,000室分の機器を一度に調達することは難しく、また、電気容量の増強等を受託できる業者にも限りがあることから、全ての学校を一斉に整備することは困難であるというふうに認識をしております。
このため、従来の発注方法に加えまして、設計及び工事を一括で発注するなどスピード感を持って整備を進めてまいります。
以上でございます。
(
太田秀子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(しのだ江里子)
太田秀子議員。
◆
太田秀子議員 私から、再質問させていただきます。
一つ、働く若者の支援についてのところでは、質問はしませんけれども、正社員就職支援を行っている、本市も行っているという答弁がありました。
私もよく分かっているんですけれども、本市が今後も社会的自立に向けて取り組んでいくということでありましたけれども、各局でそういう若い方たちを取りこぼしのないように連携をしてやってくださっているということも承知はしているんです。
しかし、今の若者支援の枠では、いよいよ生活ができなくなったから生活保護というときには保健福祉です。そして、失業したというときには雇用なんです。ひきこもりになったというときは子ども未来局なんですよね。今日お話ししたのは、働いているんだけれども、大変なんだ、将来の展望が見えないんだと、そういう方たちがたくさんいますよと。ですから、これまでの枠組みでは、支援から外れる層がいるんだということへの問題提起のつもりで代表質問を行いました。
これらも視野に入れた部局の連携を強めていただきたいということを申し上げます。
再質問は、二つです。
燃料価格対策についてとオリンピックについて伺います。
この燃油価格対策についてですが、昨年行いました、住民税非課税世帯に対して行った支援給付金、この効果はあった、生活の支援につながったんだという答弁をいただきました。しかし、札幌市独自の支援策というところでは、国の燃油価格の調整額などを見ていく、国にも要請したいよという答弁だったと思います。
今、市民の皆さんは、冬に向かって灯油代の心配をとてもしています。容赦なく高騰しておりますし、暖房は節約しようにも限度があります。昨年の冬よりももっと大変な状況です。もう待ったなしのせっぱ詰まった状況であると言ってもいいと思います。
このたびのこの議会での決算を見ましたけれども、国からの臨時交付金の残額が1.8億円ほど、来年度への繰越金が31億円ほどあります。もちろん札幌市としては予定している使途はあるんでしょうけれども、まず、市民への燃油高騰支援策に優先して使っていただきたい。国から来る、国の燃油価格の調整額ですとか、もしくは、これから国の経済対策などもあると思いますけれども、それが来てからという段階ではないということで、改めて伺いますが、本市独自の燃油高騰への支援策を求めます。いかがか、お答えください。
もう一つは、冬季オリパラの市民の意向調査についてです。
IOCの決定前に意向確認をするということをおっしゃいました。パリの五輪は2024年の7月末から開催ですから、そうしますと、その前ということであれば、遅くとも来年の春には市民の意向の確認を終えている、そういう必要があるのではないかと思いましたけれども、いつなのかということを具体的にお聞きしましたが、そこへの答弁はありませんでした。
そして、市民理解の促進に努めて、IOCが決定する前に調査するということでありましたけれども、手法は検討しているということでした。市民理解が促進されて、そして意向調査をするんだというふうにも聞こえます。この間、本市が行ってきた市民対話などは、市民の様々な意見を聞いて札幌市が判断していくんだ、そのために開催してきたものだと認識しておりますけれども、市民に理解をしてもらうためのものなのかと、そういうこともちょっと思ったわけです。
そこで、この質問についてでありますけれども、意向調査により、どういう結果が出るかということもあるんですけれども、国、JOCは、今、札幌を候補地として決めています。しかし、地元の札幌が招致をやめるんだと言えば、やめることはできるのか、本市の決断でできるのかどうかをお聞きしたいと思います。
以上2点、ご答弁ください。
○副議長(しのだ江里子) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 2点、再質問をいただきました。
まず、1点目の燃油価格の高騰への対応ということでございます。
燃油価格等につきましては、先ほどもご答弁申し上げましたように、国においてこの価格の上昇ということに多額の補助金を入れている、そういった施策を取っているところであります。
燃油価格の高騰も含めて、物価高騰対策については、国あるいは北海道との役割を、しっかりと役割分担を果たしながら、札幌市としての独自の対策を引き続き検討してまいりたいと考えております。
オリンピック・パラリンピックの招致に関しましては、これまでも申し上げておりますように、市民の理解、支持、これを、まず多くいただいていくということが重要であります。
東京大会での様々な不祥事などについての見直し案ということも、今、検討を進め、間もなくこれらも公表をさせていただきたいというふうに思っております。そういったことも含めて、引き続き市民との対話を進めていきたい、その上で、しかるべき時期に意向の確認等を行っていきたい、このように考えております。
以上です。
(
太田秀子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(しのだ江里子) 再々質問ですので、簡潔にお願いいたします。
太田秀子議員。
◆
太田秀子議員 今の再質問で伺ったのは、本市が決断できるのか、招致をやめるという決断を札幌市ができるのかということを伺いました。
招致を見送るという判断ができるんだという捉えでいいのかどうか、見送る判断もあるのかということをお聞きしたいと思います。
○副議長(しのだ江里子) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 引き続き、市民の理解を進めるべく、様々な取組を進めてまいります。
以上であります。
○副議長(しのだ江里子) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日9月28日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(しのだ江里子) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定いたしました。
――
――――――――――――――――――
○副議長(しのだ江里子) 本日は、これで散会いたします。
――
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散 会 午後4時9分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 飯 島 弘 之
副 議 長 し の だ 江 里 子
署名議員 篠 原 す み れ
署名議員 成 田 祐 樹...