札幌市議会 > 2022-10-20 >
令和 4年第二部決算特別委員会−10月20日-06号
令和 4年第一部決算特別委員会−10月20日-06号

  • "自宅療養セット"(/)
ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2022-10-20
    令和 4年第一部決算特別委員会−10月20日-06号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 4年第一部決算特別委員会−10月20日-06号令和 4年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第6号)               令和4年(2022年)10月20日(木曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32名(欠は欠席者)     委 員 長  前 川 隆 史      副委員長   村 松 叶 啓     委   員  武 市 憲 一    欠 委   員  勝 木 勇 人     委   員  こんどう 和雄    欠 委   員  山 田 一 仁     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  こじま ゆ み     委   員  伴   良 隆      委   員  阿部 ひであき     委   員  川田 ただひさ      委   員  松 井 隆 文     委   員  村 山 拓 司      委   員  三 神 英 彦     委   員  小 野 正 美      委   員  大 嶋   薫     委   員  ふじわら 広昭      委   員  桑 原   透     委   員  林   清 治      委   員  かんの 太 一     委   員  成 田 祐 樹      委   員  うるしはら直子     委   員  あおい ひろみ      委   員  田 島 央 一     委   員  福 田 浩太郎      委   員  好 井 七 海     委   員  小 口 智 久      委   員  くまがい 誠一
        委   員  太 田 秀 子      委   員  池 田 由 美     委   員  田 中 啓 介      委   員  佐々木 明 美     委   員  佐 藤   綾      委   員  石 川 さわ子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○前川隆史 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、勝木委員、山田委員からは欠席する旨、竹内委員からは小口委員と交代する旨、それぞれ届出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中総務局関係分及び第12款 職員費 第1項 職員費中総務局関係分について、一括して質疑を行います。 ◆佐藤綾 委員  私からは、札幌市における障がい者雇用について伺います。  誰もが尊厳を持って生きられる社会を目指す上で、障がいのある方それぞれが持つ能力を発揮し、自立した生活を送る環境を整えること、その中でも、生活の基盤となる重要なことの一つが雇用です。障がいのある方の雇用について、社会全体で推進していくため、国、自治体、民間企業などでの取組が示されていますが、自治体としては、率先して取り組み、民間を牽引することが求められております。  まず、本市における正規職員への障がいのある方を対象とした採用について伺います。  本市においては、2003年に、障がいのある方を対象として採用選考をスタートさせ、2018年には、それまで身体障がいに限定されていた受験資格を、精神障がい、知的障がいへと拡大したところです。  そこで、お聞きいたします。  受験要件を拡大した2018年以降の採用状況について、身体、精神、知的、それぞれの障がい種別ごとにお伺いいたします。 ◎影山 職員部長  障がいのある方を対象とした採用試験における2018年、平成30年以降の採用状況についてでございますが、令和元年度は7名、令和2年度は5名、令和3年度は3名、令和4年度は1名と、これまでのところ合計16名を採用しております。そのうち、13名が身体障がい、3名が精神障がいでありまして、知的障がいのある方については採用がない状況でございます。 ◆佐藤綾 委員  2018年以降、障がい者の種別を拡大しましたけれども、ここ4年では、精神では3名、知的障がいの方は採用がなかったということなのですね。  それでは、続けてお聞きしますけれども、これらの障がい種別の受験者数の状況はどのようになっていたのか、伺います。 ◎影山 職員部長  障がい種別の受験者数の状況についてお答えいたします。  まず、障がいのある方を対象とした採用試験の受験者数全体の数字ですが、平成30年度が70名、令和元年度が98名、令和2年度が70名、令和3年度が58名と、これまでに合計296名が受験しております。そのうち、92名が身体障がい、146名が精神障がい、58名が知的障がいとなっております。 ◆佐藤綾 委員  全体でも応募がたくさんあって、なかなか倍率が高いということが分かりましたけれども、知的障がいについては、58人の応募があって採用がなかったというふうに思いました。ほかの自治体では、知的障がいのある方のみを対象とした、採用選考試験を実施している例もありまして、採用選考案内にも、振り仮名を振り、内容も分かりやすく示しております。障がいの種別による違いについても、工夫して取り入れる検討もしていただきたいと思います。  また、障がい者雇用促進法に基づく地方公共団体法定雇用率は2.6%で、昨年度、0.1%引き上がったところです。本市では、障がい種別の採用を広げた2018年当時は、まだ全体の法定雇用率は届いておりませんでした。その後、本市は努力され増やしてきておりまして、現在、交通局と水道局は法定雇用率を超えており、市長部局における今年度の雇用率は2.6%ちょうどであるとお聞きしております。  そこで、今後の雇用拡大について伺います。  安定した法定雇用率を満たすためには、まだ雇用を増やす必要があるのではないかと思います。現在は、身体障がいの方が7割弱を占めるとのことですので、まだ少ない知的障がいのある方、精神障がいの方についても、今後、増やしていくことが必要なのではないかと考えます。  そこで、お聞きいたしますが、今後、札幌市として、精神障がいのある方と、知的障がいのある方の雇用について、どのように拡大していくお考えか、伺います。 ◎影山 職員部長  知的障がいや精神障がいのある方の今後の雇用拡大についてお答えをいたします。  障がいのある方の雇用に当たりましては、障がいの程度や特性に応じた柔軟な対応が求められるところでございます。このため、札幌市では、障がい状況に応じた多様な業務内容や勤務時間に対応できるよう、令和2年度以降は、会計年度任用職員としての任用も開始しており、現時点では26名の職員を任用しているところでございます。  今後とも、障がいのある方が地域で自立した生活を送ることができる社会の実現に向け、知的障がい、精神障がいを含め、障がいのある方の雇用を進めてまいりたいと考えております。 ◆佐藤綾 委員  柔軟な対応ができるように、会計年度任用での雇用も増やしたということでございましたけれども、会計年度任用では、試験も面接だけということですので、チャレンジしやすい面もあるかと思います。様々な雇用の機会を広げていただきたいと思います。  また、市の各職場では、障がいの特性に応じて働く環境への配慮や、支援体制を進めているとお聞きしております。特性、個性に応じて能力を発揮し、働き続けられるように、両面での支援を推進いただきますよう申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆村山拓司 委員  私からは、男性職員の育児休業の取得についてお伺いいたします。  先日の代表質問では、札幌市役所男性職員の育児休業について質問させていただきましたところ、職員、職場の意識改革を進めてきた結果、男性職員の育児休業取得率が、令和元年度の6.7%に対して、令和3年度では26.7%と大幅に伸びていることと、さらに、市長からも職員に対して取得促進を呼びかけるとの答弁がありました。  札幌市役所男性職員育児休業取得率を確認しましたところ、全体では26.7%ですが、個別の部署を見ると、特に、消防局と学校教職員の取得率が低いことが分かりまして、先日、消防局、教育委員会それぞれに対して取得状況を確認し、各職場においても取組を進めるとの答弁がありました。  育児休業取得率の向上には、取得率の低い職場への対応が重要であると思いますが、消防局などの個別の職場における取組を促進していくためには、札幌市職員全体の育児休業の取得促進を進める総務局としても、何かしらの対応を行うべきと考えます。  そこで、質問ですが、男性職員の育児休業取得率が低い消防局及び学校教職員に対して、総務局として取得率向上のためにどのような働きかけを行っていくのか、お伺いいたします。 ◎影山 職員部長  消防局と学校教職員取得率向上のための働きかけについてお答えをいたします。  育児休業の承認や取得促進の取組につきましては、任命権者ごとに実施しているものでございますが、委員がご指摘のとおり、全体の取得率を底上げするためには、消防局や学校教職員への対応も重要であることから、総務局といたしましては、市職員全体の制度所管としまして、各職場の取得促進につながるようサポートを行っているところでございます。具体的には、今年度は消防局の男性職員の育児休業取得者に対してインタビューを行いまして、その内容を庁内ホームページに掲載するなど、個別の職域に対して効果的な取組を行っているところでございます。  今後も、男性職員の育児休業取得率の向上に係る取組を推進するとともに、各任命権者に取組内容を情報提供することによって、活用を促してまいりたいと考えております。 ◆村山拓司 委員  ぜひ、各局へのサポートと働きかけをお願いいたします。  改めて全国の状況にも目を向けますと、総務省が実施した地方公務員における働き方改革に係る状況の結果では、決して札幌市の男性職員全体の育児休業取得率が高いというわけではありませんので、消防局などの取得率が低い職場だけではなく、全体として取得率向上にどのように取り組んでいくのかということも重要であると考えます。  先日の代表質問では、市長が職員に取得促進を呼びかけるとありましたけれども、その呼びかけとは別に、各職員にどのように育児休業を取得するように働きかけるのかというきめ細やかな現場における対応が必要であると考えます。  本市では、今年の4月から、配偶者が妊娠した男性職員及び妊娠した女性職員に対して、個別に育児休業などの制度を周知するとともに、育児休業取得の意向を確認するという取組を始めたとお聞きしています。この取組は、個別の職員の育児休業取得に向けて働きかける重要な手法であると考え、有効に機能してほしいと考えます。  そこで、質問ですが、開始して半年経過した個別周知、意向確認の取組について、その効果や課題などをどのように認識し、今後どのように男性の育児休業取得率向上に生かしていくのか、お伺いいたします。 ◎影山 職員部長  個別周知と意向確認の取組の効果と課題、それから、今後の活用についてお答えをいたします。  まず、個別周知、意向確認の取組の効果につきましては、子どもが生まれる全ての職員に対し、育児休業の制度内容や手続方法などの必要な情報をあらかじめ提供することで、育児休業の計画的かつ円滑な取得につながっているものと認識しております。また、所属長が直接本人に確認することで、職員が育児休業の取得の意向を示しやすい職場環境を構築する効果もあると認識しております。  一方、これまで実施した意向確認の結果を見ますと、男性職員が育児休業を取得しない理由として、妻が専業主婦であったり、育児休業を取得していることや、両親などから育児のサポートが受けられるということが多く挙げられております。これは、男性職員の育児休業が父親としての自覚を高め、女性の負担を軽減すること、また、職場としても働き方の見直しにより、業務効率化が進むなどのメリットがある、こういったことが十分に伝わっていないからではないかと推測しており、課題があるというふうに認識しております。  そこで、男性の育児休業取得率のさらなる向上のためには、個別周知と意向確認の取組を一層徹底するとともに、男性の育児休業の社会的意義や取得メリットを発信するなど、職員に対しても一層の意識啓発を行うことが重要であると考えております。 ◆村山拓司 委員  個別周知、意向確認の取組により、各職場において育児休業の取得をしやすい環境整備が進んでいるとのことでありました。しかし、この取組をより実効性のあるものとし、さらなる育児休業取得率の向上につなげていくためには、職場環境の整備のみならず、ご答弁をいただいたとおり、職員一人一人が育児休業を取得することの社会的意義や、職員及び職場におけるメリットを理解することが不可欠であると考えます。また、子どもが生まれる職員本人だけではなく、各職場の所属長に対しても同様に、意識啓発を行うことが肝要であるものと考えます。  そこで、質問ですが、さらなる男性職員の育児休業取得率向上のため、職員に対する意識啓発、とりわけ育児休業の取得を進める各所属長の意識啓発に向けて、今後、具体的にどのような取組を進めていくのか、お伺いいたします。 ◎影山 職員部長  職員や所属長への意識啓発の取組についてお答えいたします。  職員の意識啓発に関しましては、これまで、様々な角度から育児休業取得のメリットを紹介する育休コラムや、育児休業を実際に取得した男性職員の体験談を紹介するイクメンインタビューといったものを庁内ホームページに掲載するなど、取組を実施してきたところでございます。  今後は、これらの取組に加えまして、所属長を対象とした研修の中で、育児休業の制度内容や取得するメリットを周知しつつ、各職場において協力体制の構築や業務効率化の推進など、男性職員が育児休業を取得することを前提とした職場環境を整備するよう促すなど、所属長をはじめとした職員の一層の意識啓発を進めてまいりたいと考えております。 ◆村山拓司 委員  本市の男性職員の育児休業取得率は増加傾向にあるものの、全国的には高い水準とは言えず、また、個別の部署に目を向けますと、勤務形態の特殊性などを理由として、平均よりも大きく取得率が下がる部署も存在するところであります。  取得率の低い消防局や学校教職員などの職場については、ほかの市役所職員と働く環境が大きく異なることは認識しておりますが、どの職場においても育児休業を取得することは、男性職員が子育てに能動的に関わる契機として重要であるため、今後も、市役所全体の育児休業制度の所管として、各職場における取組のサポートと取得促進の働きかけをお願いしたいと思います。  また、育児休業取得を希望する男性職員が取得の申出を行いやすい職場環境の整備は一定程度進んでいるものと認識しましたけれども、さらなる育児休業取得率向上のためには、より多くの男性職員に育児休業取得を希望してもらうための意識啓発が重要と考えておりますので、ぜひ、新たな取組などを通じて一層の意識啓発に努めていただくようにお願いをして、質問を終わります。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、本市の職員に関して大きく3項目、人材確保についてとメンタルヘルスについて、そして、行政改革の取組について、順次、質問いたします。  最初に、市職員の人材確保について伺います。  我が会派では、先日の恩村議員の代表質問においても取り上げているとおり、これまで機会を捉えて市職員の人材確保について質問してきましたが、近年は受験者数が減少傾向であることに加え、新型コロナウイルス感染症に対応した人員体制が求められ、今まで以上に厳しい状況と考えています。  そうした観点から、数点質問いたします。  初めに、行政職の採用について伺います。  昨年の予算特別委員会にて、2020年度採用試験の各試験区分の受験者数について状況を確認しましたところ、本市の受験者数はさらに減少しており、厳しい状況が続いていることが分かりました。また、本市を取り巻く環境については、少子高齢化の進展や児童虐待等の複雑多様化する行政課題への対応、さらには自然災害の頻発への対応など、厳しさを増していることから、多様でかつ有為な人材を確保していくことが一層必要となっており、そのためには、札幌市で働きたいという意欲のある受験者数を一層増加させることが重要です。  そこでまず、2020年度以降の採用試験の受験者数や倍率の状況とその認識について伺います。また、あわせて、今後の受験者数確保のためにどのように対応していくのか、伺います。 ◎影山 職員部長  2020年度、令和2年度以降の採用試験の受験者数と倍率、今後の受験者確保についてお答えをいたします。  まず、受験者数についてでございます。  各試験区分のうち、最も受験者数が多い区分である一般事務の行政コースにつきましては、最新の令和4年度試験が完了している大学の部で申し上げますと、令和2年度は756名、令和3年度は859名、令和4年度は822名となっております。次いで受験者数が多い区分である社会人経験者の部では、令和2年度は550名、令和3年度は442名となっています。  次に、倍率についてでございます。  大学の部では、令和2年度は5.1倍、令和3年度は6.0倍、令和4年度につきましては、定年退職者の増などにより採用予定者数が増えたこともありまして、3.9倍という結果でございました。また、社会人経験者の部では、令和2年度は32.4倍、令和3年度は26.0倍となっております。  倍率につきましては、大学の部では依然として低い状況が続いておりますが、受験者数につきましては、各種採用セミナーインターンシップをコロナ禍に対応した形式で実施するなど、人事委員会とも協力の上、各種の取組を積極的に展開してきた結果、減少傾向には一定の歯止めがかかりつつあるものと認識をしております。  有為な人材の確保のためには、今後も受験者数を増やすためのさらなる取組が必要であると考えており、受入れ部署の拡大など、学生のニーズを踏まえたインターンシップの充実ですとか、札幌市職員の業務紹介に関する動画の拡充、あるいは、合格者に対する説明会を開催することによる各種フォローアップなど、受験の検討から採用に至るまで途切れなく働きかけていけるよう、人事委員会と組織横断的、継続的な取組の展開を行っていくことにより、受験者確保策に一層注力してまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  様々な受験者数の確保といった取組をされているということでした。そして、受験者数の減少には一定の歯止めがかかっていること、また、各部局も連携して取組を行っている、そうしたことは理解いたしました。  ただ、生産年齢人口の減少を背景とした人材獲得競争は、民間企業、国、他の地方自治体を通じて非常に激化しており、また、決して楽観視のできる状況ではなく、今後もさらなる受験者数増の取組を行う必要があると思います。  本市の職員数はここ数年増加しており、今年度も40名増となっているところではありますけれども、新型コロナウイルス感染症対応や時間外勤務の恒常化、長時間化などにより職員が疲弊している状況であることは、会派からこれまで何度も指摘させていただいているところです。こうした状況を改善するためにも、必要な職員数をしっかりと確保することは重要ですので、人事委員会とも一層連携して、今後も受験者数の確保に取り組んでいただくことを求めます。  また、社会人経験者の部に関してですけれども、これは依然として高い倍率を維持しているとのことで、雇用が流動化して、官民問わず、中途で退職する職員も増えている中で、社会人経験者に対しても門戸を広げる、こうしたことで人材の確保に資すると考えますので、検討していただきたいことを申し上げておきます。  次に、現業職について伺います。  同じく、昨年の予特では、現業職の年齢要件を拡大したことによる効果についてもお聞きしたところ、受験者数が2倍近く増加し、採用予定者数も2020年度の24名から2021年度は33名に増加したとのことでした。現業職員は、地域住民、そして、児童生徒が日常生活している場所で、日々の安心・安全な暮らしには欠かせない地域に密接した公共サービスを担っており、より有為な人材確保が必要な点は同じです。  そこで、質問ですが、現業職員について、その後の採用試験の受験者数の状況と併せて、受験者数確保のための取組について伺います。 ◎影山 職員部長  現業職の採用試験の状況と受験者確保の取組についてお答えいたします。  現業職の採用試験につきましては、令和2年度採用試験から年齢要件を31歳未満から40歳未満に拡大したことにより、令和2年度の受験者数は315名に増加したところですが、翌令和3年度は254名と減少している状況にございます。  私どもとしましても、有為な人材の確保の観点からは、現業職員の受験者確保も重要であると考えておりまして、平成28年度以降は、現業職員の業務内容を具体的に紹介するパンフレットを作成しまして、札幌市職員として働くことの魅力について、効果的な発信に努めてきたところでございます。  また、令和2年度からの年齢要件拡大に加えまして、より一層多くの方が受験しやすいよう、令和3年度からは電子申請による申込みを開始いたしました。また、今年度におきましては、民間でも使用されている総合的に適性を測る検査であります、いわゆるSPIという試験を導入いたしまして、受験者数の確保を図っているところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  より多くの方が受験しやすいようにSPIを導入して試験の方法を変更したとのことで、こうした取組も受験者の確保につながることと思います。  また、同時に、札幌市で働くことの魅力を高める、それを積極的に発信することも必要だと思います。  今、ご答弁にありましたパンフレットは、先日いただいたのですが、私は歩いている中や、公共施設などで実は見たことがありません。置き場所ですとか発信の方法も、年齢要件を拡大していますので、工夫していただけたらと思います。  また、この受験者数を増やすことのみならず、しっかりと採用して、育成していくことも必要です。現業職員につきましては、業務の性質から、民間でも担える仕事として、これまで民間委託が進んできたところですが、この職員には、特に地震災害時などの職場参集義務ですとか、どのような状況でも市民サービスを止めない、あるいは市民生活と命を守るという責務があります。  昨冬の大雪時の例を見ましても、先日の環境局の質問でも触れましたが、大幅な遅れが生じたごみ収集については、市内横断的な職員の応援体制を迅速に図り、緊急対応をしたということで、こうした対応を取るには一定の人員体制と経験、そして職員の意識が不可欠です。そうした水準や質を維持し、担保するためにも、採用数自体の引上げについて、ぜひ検討いただくことを併せて要望いたします。  受験者数の状況と人材確保の取組の現状については分かりましたが、採用後の定着ということも、組織力、職員力を高めていく前提として、極めて重要と考えます。この点に関して、昨今、若手職員の離職が増えているという新聞報道もあったところであり、我が会派としても、重大な課題であると関心を持っているところです。  そこで、質問ですが、本市の若手離職者の状況とその認識について伺います。 ◎影山 職員部長  若手職員の離職状況についてお答えいたします。  市長部局における30代以下の若手職員の離職者数につきましては、10年前の平成24年度は23名でありましたが、令和3年度は53名であり、増加傾向となっております。  行政運営の観点から申し上げますと、長期勤続を前提とした人材育成を行うことで、経験や知識の蓄積や能力の向上を図り、札幌市の行政運営の改善につなげていくことが重要であると考えておりますので、こうした点からは、若手職員の退職は望ましいことではないと認識しており、しっかりと対策を講じる必要があると認識しております。 ◆うるしはら直子 委員  やはり、本市においても若手離職者が増大している状況ということが分かりました。ご答弁にあったとおり、札幌市の未来を担うべき人材が流出するということは、本市の行政として危機的なことでありますし、育成までにかけた投資ですとか時間という観点から、離職を防止していくことは非常に重要だと思います。  離職につながる要因として考えられるところでは、一般的には同僚、上司など職員の働く環境や仕事のやりがい、給与等の勤務条件など様々なことが考えられますが、職員の働く意欲や、成長を目指す意欲を高めるための取組が必要だと思います。  そこで、若手離職者が増大している理由と今後の取組について、伺います。 ◎影山 職員部長  若手職員の離職が増加している理由と今後の取組についてですが、全国的な傾向としまして、人材獲得競争の激化を背景に雇用が流動化してきており、札幌市におきましても同様の傾向が見られているものと認識しております。  札幌市におきましては、従前は、職員個々の退職理由について詳細な確認は行っておりませんでしたが、今年度からは、若手退職者に対して退職理由などをお聞きするアンケートを開始したところでございます。  また、今年1月には、職員の貢献意欲や主体性を測る、いわゆるエンゲージメント調査を改革推進室と共同で実施したところでございます。その結果、人間関係や同僚の支援などの項目については肯定的な回答が多かった一方で、職務に関するやりがいや裁量、自己成長といった項目に課題が見られたところでございます。  今後、人材育成や仕事と生活の両立支援、管理職研修などの実施について検討するとともに、退職者アンケートとエンゲージメント調査を継続的に実施しまして、若手職員のやりがいや、貢献意欲の向上につなげてまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  様々な手法で、人材育成にも取り組んでいくことは重要ですし、また、職員がやりがいを持ってずっと働きたいと感じられる環境を整えることが離職者を減らすことにもつながると思います。  本市で働く魅力をさらにアピールして人材を確保するための努力、これはもちろん必要なのですけれども、私は最近離職をされた方から少しお話を聞きまして、いざ入ってみたら職場が新型コロナウイルス感染症対応や長時間労働で疲弊した状況にあり、また、意欲持って働いてきた部署や職場が縮小されるなどで、先輩の職員が後輩を育てる余裕もなく、そうしたことを見てきて、だんだん士気がそがれまして離職したと、こうしたお話を聞きました。
     これはほんの一部の声かもしれませんけれども、こうした話が広がっていけば、受験者数の減少や離職を考えることにもつながらないとは限りません。今ある職員の働く環境を改善していくことが、結果として本市で働く魅力につながり、新たな人材確保や職員力の向上の鍵になるのではないかと思います。  今後も不断の努力が必要であることを改めて認識いただきまして、さらなる取組を展開することを求めまして、次の質問に移ります。  次に、市職員のメンタルヘルス対策について伺います。  近年のコロナ禍においては、行動自粛などの生活に関する制約で、市民も経験したことのない環境下に置かれ、また、感染への不安を感じることも多く、市役所への相談や問合せなども増えることとなり、これまで以上に札幌市政への期待や要望が高まりを見せてきたと思います。  一方で、市役所の職員自身も同様に不安を感じる中、日々変化する職場環境、慣れない業務や長時間勤務の中に身を置かざるを得なくなり、心身に大きな負荷がかかる状況だったことは想像に難くありません。  一部の報道によれば、全国の保健所の職員などを対象に行った調査では、2021年の1年間で鬱のような症状があったと回答した職員の数は、実に36%に上ったとのことです。コロナ禍のように生活環境も職場環境も変わってしまうような、過去に例を見ない状況下においても、市民への行政サービスを提供し続けるためには、職員自身が、心身の健康を崩すことなく、安定して職務を継続できることが不可欠だと考えます。  そこで、質問ですが、近年のメンタルヘルス不調により休職をした職員数と休職に至る要因として新型コロナウイルス感染症が影響しているのか、また、札幌市はどのような対策を行ってきたのか、伺います。 ◎影山 職員部長  メンタルヘルスの不調により休職した職員数と新型コロナウイルス感染症の影響、これまでのメンタルヘルス対策についてお答えいたします。  まず、札幌市職員のメンタルヘルス不調による休職者数についてですが、令和3年度は延べ180人でありまして、令和2年度と比較すると13人の増となっております。  次に、休職に至る要因についてですが、新型コロナウイルス感染症の影響を休職の直接的な要因として挙げた職員はごく一部に限られておりますが、コロナ禍がメンタルヘルスに与える影響については、今、委員からもお話がありましたとおり、報道などもなされておりまして、札幌市としましてもその影響を懸念しているところでございます。  そこで、職員に対しまして、注意喚起やセルフケアの情報などを周知する必要があると考えまして、保健所応援などの感染症対策関連業務に従事する職員や、職場で通常業務を行う職員、管理監督者など、それぞれの立場の職員に向けて、専用のリーフレットやホームページなどによる情報発信を行ってきたところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  本市においても、メンタルヘルス不調による休職者が増えているとのことで、また、新型コロナウイルス感染症の影響についても懸念されているということです。札幌市の対策として、この間に感染症対策関連業務へ従事する職員などに向けて注意喚起を行った対応は、メンタルヘルス不調の職員を生み出さないために非常に重要だと思います。  今後も、メンタルヘルスに影響を与えるような状況に職員が置かれるような場合には、不調者を発生させないよう、常に先手を打つという姿勢で、具体的な対策を確実に行っていただきたいと思います。  次に、長期的な視点に立ったメンタルヘルス対策について伺います。  昨年の決算特別委員会においても、我が会派からは、職員のメンタルヘルス対策について質問をし、その答弁の中では、総務省が中心となって、地方公務員のメンタルヘルス対策に関する全国調査が実施されることに触れられていました。この調査の集計結果については私も確認しましたけれども、メンタルヘルス不調による休務者の増加傾向について考えられる要因としては、若手職員の休務者の増加を挙げる自治体が38%に上がっています。  先ほどの質問でも触れましたように、若手職員は今後長期間にわたって市政運営を担い、札幌のまちづくりを支えていく重要な柱であり、育てていかなければならない存在です。また、こうしたことで離職を余儀なくされることも避けなければならないことです。  そこで、質問ですが、札幌市における休職者のうち、若手職員は何人いるのか、また、若手職員向けにどのようなメンタルヘルス対策を講じているのか、伺います。さらに、若手職員の育成という観点からもメンタルヘルス対策の拡充は不可欠と考えますが、具体的な拡大策はあるのか、伺います。 ◎影山 職員部長  若手職員の休職者数とメンタルヘルス対策の現状と今後の拡大策についてお答えいたします。  まず、休職者数についてでございますが、令和3年度は、メンタルヘルス不調による休職者延べ180名のうち、30代以下が110名と約6割を占めております。  札幌市のメンタルヘルス対策につきましては、産業医と心の健康スタッフを配置した健康情報室を軸としまして、特にメンタルヘルス不調の未然予防に重点を置き、ストレスチェックや各種研修などを実施しております。とりわけ、若手職員に向けましては、新規採用職員全員を対象に保健師による個別面談を行うほか、新規採用職員と採用3年目職員を対象としたメンタルヘルス研修を実施しているところでございます。  また、各所属長がメンタルヘルスの実践的な知識を習得することで、各所属において若手職員の変化に早期に気づき、適切なサポートを行うことができるよう、課長職を対象とした研修を毎年実施しております。今後は、これまでの対策に加えまして、採用5年目、7年目の職員が集まる機会を活用しまして、相談窓口を含めたメンタルヘルス対策の周知を行うなど、さらにきめ細やかなサポートを行っていくとともに、より効果的な対策について、引き続き情報収集を行いながら検討してまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  今のご答弁にありました特に5年目と7年目のメンタルヘルス研修は、以前、何年前にもあったのではないかと記憶しております。こうした節目の研修は、自分の心身の状況を見詰め直すよい機会でもありますし、また、悩みなどを相談できるきっかけにもなると思います。離職防止に効果があるかと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  昨年度の質疑の中で、職員のメンタルヘルス不調の主な要因として、業務内容や周囲の職員との関係性、さらに職員個人のプライベートな問題も関連するなど、複合的に発生する事例も多く、特定するのが難しいといったことも答弁されておりました。今後の市役所の業務は、たとえ新型コロナウイルス感染症の対応が落ち着いたとしても、少子高齢化の進展やデジタル化の推進といった課題への対応が必要であり、さらには、まだ顕在化していない新たな行政需要への対応が必要になることも十分に考えられます。職員個人を取り巻く環境もキャリアとともに変化し、市役所の業務の複雑化が見込まれる中にあっても、市民の期待に応え続けられる市役所であるために、職員が心身ともに活力を持って働き続けられるよう、時期を逸しない効果的なサポートの実施を要望して、最後の質問に移ります。  最後に、行政改革の取組について、2点質問いたします。  これまで取り上げましたように、市職員の人材確保、必要な職員数の採用をしっかり行っていくことは重要です。一方で、保健所などの災害対応をはじめ、複雑多様化する福祉分野などへの行政ニーズは増加の一途である中で、さきの代表質問でも指摘しましたとおり、本市は人口1万人当たりの職員数が政令市20市中18番目と、依然、大変低い位置にある中で対応をしています。  こうした中で職員が市民ニーズに対応していくためには、いかに既存の業務の見直しを図り、必ずしも職員でなくてもできる実務については民間に担っていただき、職員が相談対応や企画立案などのコア業務に注力できる時間と環境を整えていくことが肝要であり、ひいては、安定的に市民サービスを向上していくことにつながると考えます。  2021年の予算特別委員会において、私から申請書類の受付や入力作業、発注業務などを集約する行政事務センターの設置について、基本的な考え方について取り上げさせていただきました。その後、昨年6月に、民間事業者への委託という形で行政事務センターが設置され、当初は5業務の取扱いからスタートしまして、本年10月現在で、延べ16業務をセンターに担っていただいていると承知しています。  そこでまず、この間の行政事務センターの運営状況についてどのように評価しているのか、また、特に職員の負担軽減にどのように貢献しているのか、状況を伺います。 ◎北川 改革推進室長  行政事務センターの評価についてお答えをいたします。  行政事務センターは、順調に業務を拡大しておりまして、本年10月からは、証明郵送センターという大規模な取扱い業務も開始したところでございます。  職員からは、残業して行っていた作業がなくなった、軽減された時間で市民との窓口対応にかけられる時間が増えたといった声も寄せられておりまして、職員がコア業務に注力できる環境の整備に寄与しているものと認識をしているところでございます。  令和3年度から令和4年度にかけまして合計16業務、延べ5万9,000時間相当の業務負担軽減効果を見込んでおりまして、これは職員約30人分の1年間の労働時間に相当するものでございます。さらなる追加業務の検討依頼も庁内から複数いただいていることから、今後も、センターの業務拡大を通じて職員の負担軽減を図っていくとともに、負担軽減によって生み出された時間を新たなニーズへの対応や手厚い市民対応などに振り向けてまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  開設からまだ1年と4か月といった現在でも、各部局の一定の業務を行政事務センターに委託化しまして、職員の事務負担がかなり軽減されているとのことで、そのことにより職員が持つ能力を最大限に発揮するという開設当初の目標に向けて、まずは順調に進められていると感じました。  また、担当からお聞きしているところでは、現段階でも特に大きなミスもなく業務が行われているということで、前回指摘しました個人情報の取扱い上のリスク管理もしっかり行われているということで、安心いたしました。今後、委託される業務量も増えるとのことで、ますますミスを防止するという管理体制が重要なポイントになってくると思いますので、安心な市民サービスに向けて、さらにリスク管理については強化していただくようお願いいたします。  行政事務センターについては、今後も期待をするところですが、改革推進室の行革の取組としては、局別施策概要に業務改革推進費ということで、行政手続のオンライン化が挙げられています。  本市の2021年度の市民意識調査結果によると、市役所や区役所において、どのようなことを改善すべきと思いますかという問いについては、手続ごとに申請書などを書かなければならないこと、複数の窓口で手続をしなければならないこと、そして、パソコンやスマホなどから手続ができないことが上位の三つに挙げられていました。確かに、区役所を訪れますと、多くの市民が来られて、手続に時間がかかっている様子ですとか、特に、月初めや年度替わりなどは、順番待ちの電子表示が時には30人、あるいは50人といった状況も目にしております。これらの各種手続は、オンライン化を図ることで市民サービスがより向上し、職員も窓口で対応する時間が軽減され、そして、紙の申請書の削減につながるなどの効果も見込めます。  昨年10月に導入したスマホから行政手続が行えるスマート申請について、これも担当に伺いましたところ、本年9月末現在で延べ50を超える申請手続についてオンライン化を行ってきたとのことでした。市民からも多様な手続が当たり前のように、オンラインで済ませることのできる環境が求められておりまして、また、オンライン化で区役所の混雑を抜本的に解消することで、職員の事務負担の軽減にもつなげていくことが必要と考えます。  そこで、最後に、行政手続のオンライン化について、現在の評価と今後の拡大に向けた考え方について、併せてお伺いいたします。 ◎北川 改革推進室長  オンライン化の推進についてお答えをいたします。  昨年度導入いたしましたスマート申請を活用いたしまして、これまでに住民票や税証明の取得、保健所における新型コロナウイルス感染症関係の諸手続などの市民向けサービスとともに、消防や建設関係など事業者向けの諸手続などもオンライン化をしてきたところでございます。  例えば、自宅療養セットの申込みにおいては、市民からも話すのがつらいときに助かったということや、時間を問わずに手続ができるので助かるといった声が多く寄せられておりまして、職員の負担軽減はもとより、市民サービスの向上にも大きく寄与しているものと認識をしているところでございます。  このことから、今後の拡大につきましては、原則として全ての行政手続のオンライン化を目指し、順次、対象手続を拡大していくとともに、市民へのアピールも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  こちらのほうも順調に進められているということで、今後もさらに申請や手続のオンライン化を広げていただきたいと思います。  また、このスマート申請システムですけれども、申請ということに限らず、これまで時間を要していました書類の報告ですとか提出、また、応募の受付など幅広い活用ができるかと思いますので、期待したいと思います。  行政運営の取組は、秋元市長のアクションプラン2019で掲げた大きな項目の一つで、市民サービスの高度化に向け、不断の市役所改革に取り組む行政運営として進められておりますけれども、この間、コロナ禍からデジタル化が一挙に加速したことで進んだという側面、人の力、職員力が重要だということも見えてきたのではないかと思います。  人口減少、少子高齢化の中で、将来的な財政運営という考えももちろん大切ですけれども、重要なのは、例えば、デジタルと人力両方の活用ですとか、また、民間活用と行政の役割、このバランスが大事だと思います。市民が利用しやすい市民目線の行政運営をこれからも目指していただきたいことを申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆小口智久 委員  私からは、多文化共生の推進に関し、さっぽろ外国人相談窓口についてと、災害時の外国人支援についての2項目をお伺いいたします。  まず、さっぽろ外国人相談窓口について伺いますが、我が会派は、これまで一貫して、国際都市さっぽろの実現に向け、SDGsやフェアトレード、多文化共生の推進に取り組む重要性を指摘してまいりました。  札幌市は、令和元年11月、外国人生活者に対して、多言語による様々な情報提供を行うとともに、行政手続や暮らしに関する相談対応を一元的に担うさっぽろ外国人相談窓口を設置いたしました。この施策は、国籍にかかわらず誰もが安心して暮らせるまちの実現に向け、非常に重要と考えられ、我が会派は、現地を視察し、令和3年1定の予算特別委員会で、設置後1年の窓口の状況等について伺いました。  そこで、質問ですが、来月で窓口設置から丸3年となることから、これまでの相談対応の実績や、多く寄せられている相談の内容について伺います。 ◎安岡 国際部長  さっぽろ外国人相談窓口のこれまでの対応実績や、多く寄せられる相談の内容についてお答えいたします。  さっぽろ外国人相談窓口への相談人数は、開設初年度の令和元年度は延べ94人、令和2年度は769人、令和3年度は1,231人となっております。令和4年度も9月末までの半年で延べ957人と、開設以降、右肩上がりに相談が増えております。  相談内容では、開設から間もなく新型コロナウイルス感染症が発生したこともあり、定額給付金ですとかワクチン接種などに関する相談が多い状況にございました。また、留学生からは、アルバイト収入が減少し、生活が苦しいといった相談が多く寄せられたところでございます。  相談件数の全体に占める新型コロナウイルス感染症関連の割合は徐々に低下してきておりますが、依然として一定の相談があるほか、出産、子育てや入管手続、雇用、労働、日本語学習など、様々な相談が寄せられております。 ◆小口智久 委員  外国人生活者からの相談件数は右肩上がりに増えている、特に留学生からの相談や新型コロナウイルス感染症に関する相談が多いということでございます。在留外国人の中でも留学生は生活基盤が脆弱なため、世界的な新型コロナウイルス感染症流行による影響を大変強く受けていると思われますので、今後もきめ細やかな対応をお願いいたします。  一方、新型コロナウイルス感染症関係の相談割合が徐々に低下している傾向にあるとのことでしたが、社会情勢の変化に合わせて相談内容も複雑多様化していく可能性が高いことから、しっかりと対応できる体制を整えていただくよう要望いたします。  札幌市に住む外国人市民の人数は、令和2年2月に1万5,073人とピークに達した後、感染症の拡大に伴って、今年4月には1万3,095人まで減少しておりますが、水際対策の緩和に伴ってV字回復し、今月1日時点で1万5,418人と過去最多を更新いたしました。少子高齢化や人口減少を背景に、今後も外国人市民の増加が見込まれるため、こうした方々への情報発信をより充実させていく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、札幌市として外国人市民への情報発信にどのように取り組んでいるのか、伺います。 ◎安岡 国際部長  外国人市民への情報発信の取組についてお答えいたします。  札幌市では、公式ホームページの自動翻訳機能により、市政情報を英語、中国語、韓国語で発信しておりますが、外国人市民が必要としている情報をより分かりやすく発信する必要があると考え、令和3年3月にさっぽろ外国人相談窓口の公式ホームページを開設いたしました。ここでは、英語、中国語、韓国語のほか、外国の方にも分かりやすいよう配慮した易しい日本語、さらに、近年増加が著しいベトナムの方向けにベトナム語にも対応しております。  内容といたしましては、住民手続や子育てなど、暮らしに関わる様々な情報のほか、感染症対策やワクチン接種の方法なども丁寧に発信しており、毎月1万件前後のページビューがあるところでございます。  引き続き、分かりやすい情報発信に努めるとともに、外国人相談窓口とホームページの認知度がさらに向上するよう、周知に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  外国人相談窓口のホームページに必要な情報が記載され、さらに、相談ができるという体制づくりは、困難を抱える外国人市民にとって大変重要なため、相談窓口の存在意義がますます高まるものと思われますので、引き続き、分かりやすい情報発信に取り組んでいただくよう希望いたします。  次に、災害時の外国人支援について伺います。  札幌市の地域防災計画地震災害対策編において、外国人の方々は要配慮者と位置づけられ、言葉や文化、生活習慣などの違いに加えて、地震そのもののリスクに対する知識不足から、災害時に迅速かつ的確な行動を取ることが困難な場合が多いとされております。特に、日本語が不十分な外国人の方については、必要な情報や支援が得られない可能性が考えられ、国際都市さっぽろを標榜する上で、災害時の外国人支援の体制を整えることは極めて重要と考えます。  こうした中、札幌市は、平成30年9月の胆振東部地震の経験を踏まえて、日本語を話せる外国人市民が公助の側に立って外国人被災者を支援する役目を担う、札幌災害外国人支援チーム、略称SAFEを令和2年度に発足いたしました。災害発生時に、避難所を巡回して通訳などを行うほか、SNSを活用して災害情報を多言語で発信するなど、その活動は多岐にわたりますが、札幌市総合防災訓練に参加されるなど、非常に熱心に活動されている姿が大変印象に残っております。  我が会派が令和3年1定の予算特別委員会において、SAFEの方向について質問した折、引き続きメンバーの拡大に取り組むとの答弁をいただきました。  そこで、質問ですが、第1期メンバー認定後、現在までのSAFEの認定状況と、これまでどのような活動を行ってきたのか、伺います。 ◎安岡 国際部長  札幌災害外国人支援チーム、SAFEのこれまでの認定状況と活動についてお答えいたします。  SAFEについては、複数回の研修を受講し、災害の基礎知識ですとか被災者とのコミュニケーションなどについて学んだ後、情報配信訓練や避難所巡回訓練などを経て、正式にメンバーとして認定されます。令和2年度には第1期として9か国18人、令和3年度には第2期として8か国17人を認定しております。今年度は、第3期のメンバーを育成しているところであり、年度末には全体で20か国48人の体制となる見込みでございます。  活動につきましては、発足当初は地震などの大規模災害発生時のみを想定しておりました。しかしながら、情報格差が生じがちな外国人に対しては、より幅広く災害などから身を守るための情報を届ける必要があると考え、令和3年5月には、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に関する注意喚起を行ったほか、今年2月には、暴風雪警報に関する情報発信も行ったところです。 ◆小口智久 委員  ただいまの答弁で、新型コロナウイルス感染症や大雪に関する情報発信も行ったとのことから、地震災害のみに限らないSAFEの有用性が示されたところでございます。  先ほどの相談窓口の質問においても、外国人市民の方々への情報発信が今後も重要になり、特に災害関係は命に関わる場合もあり、しっかり情報を届ける必要があると考えます。残念ながら、昨年度と今年度の総合防災訓練は感染症対策のため中止となりましたが、引き続き、様々な研修、訓練を通じて災害対応力の向上に取り組んでいただきたいと思います。  最後に、SAFEの今後の方向性について伺います。  先ほどの答弁で、3期まで認定されれば48人体制になるとのことでしたが、次年度以降のSAFEの体制をどのようにしていくのか、また、今後どのような活動を行っていく予定なのか、伺います。 ◎安岡 国際部長  来年度以降のSAFEの体制と今後の活動についてお答えいたします。  災害時にチームとして活動する性質上、顔の見える関係性が重要であることから、現在の規模が適当であると考えております。このため、来年度以降は、帰国などで抜けたメンバーの補充ですとか言語バランスを考慮した上で認定を行っていくことを予定しております。  今後の活動といたしましては、全メンバーが参加するチームビルディング研修などを通じてチームとしての一体感をさらに高めていくほか、先ほど答弁したとおり、地震に限らない災害などの情報発信も必要に応じて行ってまいります。  また、平常時の取組として、外国人市民向けの防災啓発なども行っていきたいと考えているところです。外国人市民が安心して札幌で暮らせるよう、引き続き、支援体制の整備に取り組んでまいります。 ◆小口智久 委員  最後に、要望を言わせていただきます。  遠く故郷を離れて生活している外国人市民が安心・安全に暮らせるように支援体制を充実させることが、札幌市の魅力向上につながり、ひいては観光や経済にもよい影響を与えるものと思いますので、さらに多文化共生の推進に取り組んでいただくよう要望し、私からの質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からは、市職員としての専門性を確保するための採用と育成について質問をいたします。  この間、我が党は、専門性の確保について、配置の在り方、在籍年数、職場の年齢バランスなどについて質問をしてまいりました。  今、生活保護受給世帯の中で、高齢者世帯の割合が55%を超え、そのうち、単身世帯では9割を超えている、まさに、超高齢社会の進展、児童虐待など、福祉に係る市職員の専門性の必要性はさらに高まっていると思います。  福祉の仕事は、子どもや高齢者、障がいを持っている方、生活困窮者などから相談を受け、支援対象者の人生がよりよくなるように支援をしてまいります。その支援対象者は、抱えている悩みや周囲の環境、経済状況も全て異なるので、その都度、適切な支援を考えていかなければなりません。明確な正解はありませんので、大変難しい仕事に感じることも少なくありません。場合によって、悩みを解決できないということもある難しい仕事です。  しかし、福祉の仕事は、その支援をしていく中で、担当する1人で支援をするのではなく、同僚や先輩、上司のアドバイスなどを受けながら、共同で1人の対象者を支援してまいります。そのことが、自分自身の成長にもつながり、社会や人に貢献することにつながっていき、やりがいを感じることができる仕事でもあります。  これは、市の職員も同じだというふうに思います。職員は、市民に向き合い、市民のために共同で仕事に取り組み、市民のための仕事が公務員としてのやりがいや誇りに感じるというふうに私は感じております。  そのことで、2020年の予算特別委員会で、市職員の採用の福祉コースの採用枠と、福祉の知識と経験を持った人の中途採用枠を設けることなどについて質問をいたしました。これに対し、本市は、中途採用の福祉コースの受験要件の拡大については検討するとお答えをし、2021年度採用試験から社会人経験者の部を追加しております。  そこで、質問いたしますが、福祉コースにおける社会人経験者の部について、その考え方と採用数を伺います。また、大学の部も含め、その後の本市における福祉コースの採用人数と考え方についても併せて伺います。 ◎影山 職員部長  福祉コースにおいて社会人経験者の部を設けた考え方と採用数、それから、大学の部を含めた福祉コース全体の採用数と採用の考え方についてお答えいたします。  まず、福祉コースにおいて社会人経験者の部を設置した考え方についてでございますが、福祉需要の全体的な高まりを踏まえますと、児童相談所や各区保健福祉部、保健福祉局などの福祉現場については、福祉コースの職員の一層の配置が必要であると考えまして、福祉分野で即戦力として活躍でき、さらには、他の若手職員の見本となり、指導・育成をすることができる職員が求められている状況にございます。  こうしたことを踏まえ検討を行った結果、令和3年度の採用試験から、福祉コースにおいても、新たに社会人経験者の部を追加し、3名を採用いたしました。新たに採用した職員につきましては、これまでの経験を生かし、本庁職場や児童相談所などで即戦力としてそれぞれ活躍しているところでございます。  次に、大学の部も含めた福祉コース全体の採用数につきましては、令和元年度から令和3年度までは各年ともそれぞれ15名ずつ、そして、令和4年度は、大卒の部の11名と、今申し上げました社会人経験者の部の3名を合わせて14名を採用したところでございます。また、来年度に向けましては、大卒の部で20名の合格者を出したところであり、現在、採用試験を行っている社会人経験者の部においても、5名程度の合格を予定しております。  今後も、受験倍率なども考慮しつつ、福祉需要の高まりを適切に捉えた採用を行ってまいりたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  人のために、社会のために仕事をしたいと福祉関連について学んだ学生、また、福祉現場で実際に働いてきた、その知識とか経験を生かしたいという思いで採用された職員を、ぜひ今後も計画的に増やしていただきたいですし、そのことが重要だというふうに思いますが、同時に、その専門性を確保していく上においては、その育成の在り方ということもまた重要だというふうに思います。  実際に、社会人の部で採用した職員、あるいは、採用された若い職員が経験を積んで、さらなる専門性、また専門の知識を身につけていく、そして、今度は、次世代、若い世代、若い職員に的確なアドバイスやサポートができるような立場になっていくように、人材の育成というのも大事だというふうに思います。  そのときに、やりがいを持って採用された職員が物理的に、また精神的に過重な負担となってしまっては、先ほど、若手の職員が早期に退職してしまうということもありましたけれども、それ以外にも、市民に対して、適切な対応や支援ができなくなってしまいます。  札幌市子ども・子育て会議児童福祉部会の2022年2月の令和元年6月死亡事例に係る検証の提言に対する札幌市の取組の評価報告書の中で、福祉職採用を増やすというのは、数の話であり、入り口の話であると指摘されております。子どもや保護者、また、市民と直接対応する児童相談所や区役所などの現場において、対人サービス、子ども虐待の防止に関わる子どもと家族への支援、これは高度な専門性を必要とする業務であり、本市職員の体制整備において、専門職集団の育成を中心に位置づける必要があるとして、新任、中堅、上級レベルにおける段階ごとの獲得すべき知識、技術、態度という専門性を明確にした上で、職員に対する研修、人事を行っていく、この取組を抜きにして札幌市の中に専門職集団を形成していくことができないのではないかと指摘されております。  そこで、本市として、福祉コースの人材育成をどのように進めていくお考えか、伺います。 ◎影山 職員部長  福祉コースの人材育成についてお答えいたします。
     福祉コースにつきましては、平成8年度から採用が開始され、職員数は全体で300名近くとなっておりますが、これまでは、福祉コースの職域や専門性が必ずしも明確ではなかったものであります。しかしながら、令和元年6月に発生した児童虐待による死亡事案の反省を踏まえまして、現在、福祉コースの育成方針について、今年度末の完成を目指して策定を進めているところでございます。  育成方針では、採用年次に応じて求められる職務内容やスキルを整理した、いわゆるキャリアラダーや人事異動のローテーションの考え方を示すことを予定しております。この育成方針に基づく各職場での研修や個々の職員の振り返りなどを通じまして、福祉コースの職員が福祉分野の中核をなす職員として活躍することができるよう、効果的な人材育成を進めてまいりたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  今、お話のあった件、検証されている札幌市子ども・子育て会議児童福祉部会から出された、私が紹介しましたこの評価報告書では、福祉関係の相談支援の業務は時に個人の人生を左右し、命を支える仕事であるがゆえに、専門的知識、技術、態度に裏づけられている必要があり、自他共に専門職であるという認識、専門職であろうと務める職員が担い手でなければならない、これは今の部長の答弁にもありました中心的な役割を担っていく大切な部分だというふうに思います。そして、専門的業務は、協働の文化を持つ職場で支えられてこそ、なし得るというふうに指摘もされております。  この報告書のおわりにの冒頭に書かれているのが、まさに2020年3月11日に、令和元年6月死亡事例に係る検証報告書を市長に手交して、文言として、「札幌市は、これまでの死亡事例等から本気で学ぶつもりがあるのか。市民の困難を共感的に洞察し、協働の文化を持つ組織になる必要性を、本気で感じているのか。市政のあり方そのものが問われている。」と、改めて書かれております。そして、おわりにの最後の部分に、「冒頭述べたように、2年前の報告書は『札幌市は本気か?』と問うた。その後の市長のメッセージ・指示と札幌市の動きは、『本気である』という応答と理解している。であればこそ、全体的なビジョンを明確にし、専門職の体系的な育成を積極的に進めるべきである。それが現在行われている各職場での取組を生かし、事例からの教訓を風化させないために必要ではないか」と締めております。  まさに、この報告書の提言に応えて、専門職集団の育成とともに、市職員一人一人のやりがいと誇りが職場内外に伝わる体制整備、人材育成を行っていただくよう求めて、私の質問を終わります。 ◆阿部ひであき 委員  私からは、札幌市の適正な事業の運営において、チェック、見直し機能の充実が欠かせないという観点から、本市の行政評価制度について、幾つか質問をさせていただきます。  札幌市の行政評価制度は、平成11年から事務事業評価として開始して以来、もう23年ぐらいにわたって実施されてきました。この間、外部有識者から成る行政評価委員会も続けながら、あるいは、市民評価とか、その業務がどういう中身なのかということがよく分からない中で評価を受けて、なくなっていくということもありました。そういうふうに考えていくと、この手法は、いろいろあって紆余曲折を重ねながら今日に至っているのではないのかなというふうに思います。  私は、本市では、様々な行革の取組、例えば、デジタル化による業務効率や、あるいは事業の委託化などにも取り組んでこられていますけれども、やはり、行政改革の大原則というのは、時代、時代のニーズに合っていない事業、そしてまた、市民サービスの効果が得られていない事業といったものは、しっかりと見直しをして、必要なところに必要な予算を配分するということが基本にあるというふうに思います。  その意味では、本定例会で議決された第2次まちづくり戦略ビジョンのビジョン編に沿って、これから本市でも様々な事業の企画立案が行われていくこととなり、我々議会もそれに対して意見を言っていくとか、あるいは、必要なところに必要な予算をつけていただくということになりますけれども、それと並行して、スクラップ・アンド・ビルド、この考え方に基づいて、しっかりと事業の実施状況を点検して、そして、大胆な見直しを行っていただき、常にスリム化を図ることが必要であり、その根幹とも言える行政評価制度は、今後ますます重要性が増してくるのではないかと考えているところであります。  そこでまず、行政評価制度の基本的な位置づけを確認させていただきますけれども、今年度の外部評価委員会では、特にどのような視点に立って委員会運営を行っているのか、対象となる評価の事業数と併せて伺います。 ◎北川 改革推進室長  今年度の行政評価制度の取組についてお答えをいたします。  行政評価制度におきましては、札幌市の全予算事業のうち、いわゆる内部管理経費や法定経費などを除く約600事業を対象といたしまして、市役所内部による自己評価と有識者で構成される行政評価委員会による外部評価を行っているところでございます。  この外部評価の対象事業につきましては、例年、アクションプランの施策体系の中から、各委員の問題意識に基づきまして10から15事業程度を選定いただいておりましたが、今年度は、より効率的、効果的な行政運営を目指しまして、事業の企画立案時に設定いたしました成果指標の達成状況が思わしくない事業を中心といたしまして、合計12事業を外部評価の対象事業として選定をいただいたところでございます。  現在、行政評価委員会では、事業の妥当性や効率性といった視点に加えまして、各事業における指標の設定手法や効果測定面の課題などについて、活発な意見交換を行っていただいているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  今年度の委員会の取組状況についてお答えいただきましたけれども、これまで、外部評価の対象事業としては、委員会にて委員の関心のある事業を抽出していたところ、今年度は、事業を企画立案したときの指標の設定に着目して、この進捗状況が思わしくないものを集中的に取り扱っているということであります。  ここ1〜2年は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、各事業とも思うように成果が得られていないものがあるということは理解しますけれども、一方で、過去からずっと同じような事業を行えばよいというものでもなく、毎年続いている事業の中には、決まった一部の市民しか利用のないもの、あるいは、取組が浸透していないものなど、様々あるのではないかというふうに思います。その時代、時代に求められる事業の在り方というのを、市民サービスの必要性だとか、公平性、そして、健全性、こうした観点から常に考えていただく必要があるというふうに思います。  その意味で、私は、この事業を見直しする際の基準、なかなか言葉が難しいのですけれども、例えば、物差しのようなものが必要で、その物差しをどう使って評価するか、また、物差し自体をどう活用するかということが大事だというふうに思います。  今年度の行政評価委員会にて、事業の達成度を示す成果指標の在り方というところに着目し、事業の見直しや発展につなげるべく委員会運営が行われていることには、まさにこの物差しを使った評価の手法が具体化されている、そういうふうに認識しております。ただ、一方で、ただいまの答弁でありますけれども、指標の設定手法などで課題が多く見られたとのことでありますから、この点を深掘りして質問させていただきますが、指標設定における課題はどのように認識しているのか、また、それに対し、どのように改善していこうとお考えなのか、伺います。 ◎北川 改革推進室長  指標設定、成果指標の考え方についてお答えをいたします。  指標設定の課題でございますが、今年度の行政評価委員会では、例えば、相談業務では、計測しやすい相談件数といったものが指標になりがちでございますけれども、これですと、増えたほうがいいのか、あるいは減ったほうがいいのかという判断がつきづらく、むしろ、相談者の不安が解決に至ったかどうかといったことを示す数値を指標として設定すべきではないかといったような意見交換が行われているところでございます。  このように、安易に計測可能なものを指標として設定しがちでありますが、事業目的に照らして妥当性のある指標となっているかどうかということを、しっかりと事業の企画立案段階で検討することが必要だというふうに認識をしているところでございます。  今年度の委員会では、これら指標設定における全般的な課題やポイントなどを提言としておまとめいただく予定とされておりまして、私ども改革推進室からも適正な指標設定の考え方を各事業所管部局にお示しするなどいたしまして、改善につなげてまいりたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  民間企業であれば明確にその売上げだとか、その利益という基準がありまして、そのプロジェクトの評価もしやすいというふうには思いますけれども、行政の場合は様々にいろいろとありますので、どのような取組が市民のためになっているのかというのが分かりづらい点もあることは重々理解をしております。  したがって、指標設定というのが行政と市民とをつなぐ、ある意味で、共通の物差しとして活用できる可能性があるということだというふうに思います。  今年度の行政評価委員会で指標の在り方についての指摘や課題提起をしていただくというのは非常に大事なことだと思っておりますので、ぜひ、事業所管部局の方にしっかりと課題として伝えて、改善に結びつけるよう、引き続き指導をしていただかなければならないということを改めて指摘しておきます。  続けて質問をさせていただきますが、肝心なことは、せっかくの行政評価制度も、評価して終わりということであれば全く意味がないということであります。評価制度の結果を実際にしっかりと行政運営の中にフィードバックしていくことが必要であります。  とりわけ、スリム化の観点からは、予算編成にしっかりと反映していただくことが必要であり、そのためには、事業所管部局だけに委ねるのではなくて、財政部との協力関係も欠かせないと考えております。  そこで、質問ですが、評価制度の結果をどのように予算編成などの行政運営に反映していくお考えなのか、伺います。 ◎北川 改革推進室長  評価結果の行政運営への反映についてお答えをいたします。  行政評価の結果を予算をはじめとした行政運営に反映していくことは、評価制度を実効性あるものとするために不可欠であると認識をしております。  このことから、例年は、行政評価委員会による外部評価報告書は、事業を実施した翌年度の末頃に提言をいただいておりましたが、今年度は11月頃をめどに提言をいただく予定としており、指摘事項を翌年度の予算編成に反映できるスケジュールとしているところでございます。  また、予算編成方針におきましても、行政評価を踏まえた予算要求を行うこととしておりまして、引き続き指標設定の在り方や事業の進捗状況、また、評価結果などを財政部や政策企画部などとも共有しながら、各部局の効果的な事業推進や見直しといった行政運営に反映するよう努めてまいりたいと思っております。 ◆阿部ひであき 委員  最後に、行政評価制度を契機とした事業の見直しについて、今度はそれぞれの市職員の皆さんの意欲喚起だとか、あるいは能力向上という点で質問をさせていただきたいと思います。  市の職員の皆さんは、真摯に業務に取り組んでいただいていると思いますけれども、どうしても、やはり前例踏襲といいますか、そういったものになりがちで、今行われている制度、事業に固執してしまう、そしてまた、柔軟な発想が持てなくなっているのではないのかなということを、実は、私は非常に気にしているところであります。  今後、予算も潤沢にあるわけではありません。人口減少にいよいよ突入してきているという現状の中で、どんどん人口減少を迎えていけば、税収というのは自然に減っていくわけであります。これが減っていくと、今度は当然、市職員の数といったものも、やはりだんだん限られてくるものになると容易に想像できるわけです。  そうした中で、時代のニーズに合っていない事業だとか、あるいは、納得感のある市民説明、こうしたものが難しい事業というものは、ある程度、大なたを振るっていくということが必要になってくる、そういう時代がもう間もなくやってくる、そういったふうにやっぱり考えていかなければならないのだと思います。  そのためには、市職員の皆さんが行政評価制度の意義というものをしっかりと理解して、そして、事業の企画、あるいは、実施、そして、評価という各段階でしっかりと、今の課題は何なのかということにやはり向き合っていかなければならない、そして、マンネリ化することなく、常に改善策というものを検討、模索するという意欲が必要になってきます。  そこで、質問でありますけれども、評価制度の運用を契機とした市職員の意識改革、あるいは能力向上に向けてはどのような取組をしていくお考えなのか、伺います。 ◎北川 改革推進室長  行政評価制度を契機といたしました職員の意識改革、能力向上についてお答えをいたします。  行政評価制度の取組におきましては、いわゆる事業の企画立案、実施、評価、改善というPDCAサイクルの実践を通じまして、職員の業務改善意欲や問題発見能力の向上を促すことが重要であると認識しております。  また、指標の設定や効果測定などの取組を通じて、論理的に物事を考える政策形成能力も育てていくことができると考えてございます。  今後も、こういった評価制度の意義を職員と共有するとともに、職員の政策立案や評価に係る研修を検討するなどいたしまして、職員の能力向上に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  本日は、行政評価制度の観点から、行政改革、あるいは適正な行政運営の必要性、こういったものを指摘させていただきました。  先ほどもお話ししましたけれども、今後の人口減少社会、これを受けて、今度はそれぞれの事業が複雑化していくし、そしてまた、多様化していくと。こうした行政課題に対応していくためには、やはり、伸ばすところは伸ばし、見直すべきところは見直すというめり張りの利いた行政運営、そして、行政のスリム化を図る体制づくりというものが私は必要になってくるというふうに思っております。  そのような状況の中で、客観的に外部の視点からも事業の在り方を提言いただける行政評価の取組は、今後の行財政運営においてますます重要になってくるのではないかというふうに思います。  本市でも挙げておりますけれども、スクラップ・アンド・ビルドという言葉、これを言うのは簡単なのですけれども、やはり、我々の視点、特に私が議会で見ていると、どうしてもスクラップの部分の焦点が薄いのです。ビルド・アンド・ビルドにしか見えない。やっぱり、そういったところで考えると、スクラップの部分に対しては、もっと実効性のある取組というものを確立していかなければならないというふうに思うのです。  例えば、行政評価制度をしっかり進めていくためにも、今、たしか行政評価委員は5人ですよ。事業数は、さっきの答弁にもありましたけれども、抽出したら600事業です。600事業を5人でやるというのは、取組として本当に真剣にやる気があるのかと本当は聞きたいところですよね。やっぱり、もうちょっとその辺のところは、事業数に見合う増員ということもしっかり検討していただかなければならない。  ある程度、この外部評価委員の方も、以前、市民評価のときにやった反省点ってあるじゃないですか。それぞれの事業においては、様々多様化している事業の中で、どう判断するかという専門性がある程度認められなければ駄目です。そういうある程度専門性を持った外部評価委員をしっかりと人数的に確保していただきたい。  同時に、ビルドの部分を進めるのであれば、スクラップの部分もちゃんと進めていただかなければならない、私はそういうふうに思うところであります。  加えて、行政評価委員というものに頼るだけでは駄目だと私は思います。これは、本来であれば、ただいまの質問で取り上げたように、市職員自身が自分たちが企画立案した事業をしっかり振り返って見直しを行っていくことが必要なのだと、それを私は大前提だというふうに考えます。すなわち、職員それぞれが自分たちの企画立案力の向上のために、こうした行政評価制度の指摘項目などをちゃんとしっかり自分たちにフィードバックして、そして、その中身をしっかり考えて検証していくという流れが本当にあるのかなと常々思うんですね。  やっぱり、そういったことを考えて、別な表現をすれば、企画立案した事業の見積りというものは、それぞれの職員に委ねられているところがありますから、そう考えると、もしかすると皮算用かもしれない。これぐらいでいいだろう、それで、財政もいいよね、これぐらいでと、そういう決め方をされているかもしれないんですね。我々議会だって、それを言われたところで、中身を検証しろと言われても、やっぱりこれは難しいですよ。それぞれの職員の能力向上というのは非常に大事で、事業をやる場合にも、予算をつけ過ぎとか、少な過ぎとか、そんなことがあっても仕方がないのです。  なので、そういったことを考えると、こうした制度をうまく活用して、今後の財政への反映だとか、あるいは、職員の企画立案能力の向上、こうしたものに資するものでなければならない、このことを強く指摘申し上げて、私の質問を終わります。 ◆田島央一 委員  私からは、姉妹・友好都市交流事業についてと、社会的に問題のある団体との関係について、この2点についてお伺いしていきたいと思います。  まずは、姉妹・友好都市交流事業についてお伺いをします。  新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、札幌市と姉妹都市や友好都市との交流にも影響が出ているものと懸念をしております。さらには、本年2月に発生したロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、世界情勢が緊迫するような状況が現在も続いております。  そこで、お伺いしますが、令和3年度の姉妹・友好都市交流事業の実績はどのようなものであったのか、お伺いしたいと思います。 ◎安岡 国際部長  姉妹・友好都市交流事業の令和3年度の実績についてお答えいたします。  令和3年度は、前年に引き続き、新型コロナウイルス感染症による出入国制限などが行われていたことから、姉妹都市との交流はオンラインで実施いたしました。  交流の主な実績ですが、まず、ノボシビルスク市とは、令和2年度から延期していた姉妹都市提携30周年の記念事業として、市長同士のオンライン会談を昨年12月に実施し、青少年交流や経済交流など、今後の交流促進について意見交換を行いました。また、瀋陽市、大田広域市とは、それぞれ小学生、中学生同士のオンライン交流を行い、互いの学校生活や文化について紹介し合い、交流を深めたところでございます。加えて、札幌市、瀋陽市、ノボシビルスク市、大田広域市の4市は、それぞれが互いに姉妹・友好都市の関係にあることから、昨年12月、この4都市が一堂に会するオンライン交流会を初めて行いました。  これらの取組を通じて、対面での交流が困難となる中でも、姉妹・友好都市との絆を確認することができたと考えております。 ◆田島央一 委員  様々な世界情勢の変化があるものの、姉妹都市だとか友好都市との交流事業の実績を積み重ねてきたということで、特に、コロナ禍でオンラインが活用できるような状況にも世界情勢としては変わったところもあるので、そこをうまく活用したということで理解をいたしました。  一方で、本年2月には、ロシア連邦によるウクライナへの軍事侵攻があり、国際社会の平和と安全を脅かし、武力による現状変更という手法は、国際秩序の根幹を揺るがす、ゆゆしき事態でもあります。さらには、戦況が悪化するのに伴い、ロシア連邦による核兵器の使用の可能性が報じられるなど、全くこういったものは相入れないものであり、平和的解決を強く望むところでもあります。  そのような状況下、札幌市は、ロシアのノボシビルスク市とも姉妹都市提携をしておりますが、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に伴い、特に、ロシアに関係した交流事業や世界冬の都市市長会議への影響について、現状はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。 ◎安岡 国際部長  ロシアに関係した交流事業や世界冬の都市市長会議への影響についてお答えいたします。  ロシアのノボシビルスク市との交流については、市民団体や学校間で一部交流が行われているものの、行政が中心となって行う事業については、現在の国際情勢の下では市民の理解を得にくいと考えております。  また、世界冬の都市市長会議については、来年度、ロシアのノリリスク市で開催予定でありましたが、会員都市と協議の上、1年延期したところでございます。これは、現在の国際情勢や新型コロナウイルス感染症により、渡航や入国が制限されている国があることから、会員都市が希望する対面での交流が難しいと判断したためでございます。  これに伴い、今年度、札幌で行う予定であった実務者会議についても、来年度に開催を延期したところでございます。 ◆田島央一 委員  入国制限だとかその辺が影響して、日本は緩和されていますけれども、実際に行って、特に、戦時下の国に行って、身柄がどうなるかということも分からない部分もありますから、そういった判断は妥当なのかなとは思います。ただ、やはり、軍事侵攻の影響で、そういった交流事業に大きな影響が出ているということは理解をいたしました。  また、対ロシア連邦ということで言えば、ロシアが実効支配している北方領土との交流、墓参事業やビザなし交流も完全に今はストップしている状況だと私も認識をしております。私も以前、ビザなし交流で国後島を訪れたことがありますが、せっかく積み重ねてきた交流というものがストップして、さらに再開の見通しが立たないなど、こういった状況は本当にゆゆしき事態で、せっかく積み上げてきたものがこの期間に止まってしまうという、大変もったいないことだなと思います。  こういった世界情勢が緊迫化する中、今後の周年事業や姉妹・友好都市交流事業に大きく影響しているところを懸念しておりますが、姉妹・友好都市交流事業開催について、今後どのように進めていこうと考えているのか、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。 ◎安岡 国際部長  姉妹・友好都市交流事業の今後の進め方についてお答えいたします。  姉妹都市交流は、文化や経済などの交流を通じ、市民同士が友好と相互理解を深め、世界平和に寄与することを理念としております。現在の国際情勢などにより、先を見通すことが難しくなってはおりますが、この理念の実現に向けて、できる限り交流を継続することが重要と考えております。  今年度は、新型コロナウイルス感染症による出入国制限が緩和されたことから、9月には、市長が姉妹都市提携50周年を迎えたミュンヘン市を訪問し、同市のライター市長と友好関係のさらなる発展について確認してきたところです。  今後も、各姉妹都市とは、社会情勢や国際情勢なども踏まえながら、互いに友好と信頼を深められるよう、引き続き交流を行ってまいりたいと考えております。 ◆田島央一 委員  例えば、政府間交渉が動かないときには、地方や民間レベルでのこういった交流というのが大変重要だということを再考させられました。また、こういった取組をぜひ推進して欲しいなと思っておりますし、コロナ禍ということで、若干、そういうところをストップせざるを得ない状況も理解しますが、やはり、国が殴り合いをやっているときに、片方では握手をしていくという、こちらの握手をする側のこういったチャンネルをしっかり大切にしていかなければならないと思っておりますので、ぜひとも対応をしっかり進めていただければと思っております。  また、先般、札幌市議会としても、ドイツのミュンヘン市に市議会議員団が行きまして、交流を深めてきたということでありますが、やはり、コロナ禍ですから、タイミングを計って、できることは限られていたのかもしれないので、うまくこういった機会を使って、やるべきことをしっかりやっていただきたいなと思っております。  それでは、次の質問項目に移りたいと思います。  社会的に問題のある団体との関係について、お伺いをしていきたいと思います。  先般、7月8日に安倍元首相が銃撃されて、お亡くなりになられたという事案があって、私自身も、あの報道を見ていて、途中からはもう見たくないなという非常に気持ち悪い思いをして、政治家は皆さんそうでしょうけれども、マイクを握っているときにこんなことがあるのかと、本当に信じられないような印象を持ちました。  その後、その事件を発端として、旧統一教会の状況がいろいろ明らかになってきまして、特に、霊感商法だとか高額献金、あとは二世問題ですね、家族が崩壊していくような、こういった状況で、皆さんも報道で見ているとおり、大変な状況が、団体の名称を変更して連綿と続いてきたということが非常にショックな部分でもありましたし、こういった事態になったのはなぜなのかということも、非常に考えさせられるものがあります。  その中で、札幌市においても接点が浮き彫りになってきていると私は承知をしておりますが、先般、札幌市においても調査を実施したと承知をしております。  そこで、具体的にどのような調査を行ったのか、調査の実施期間や対象範囲といった調査の概要はどのようなものだったのか、お伺いをしたいと思います。  また、調査をするに当たって、旧統一教会の関係団体のリストアップはどのように実施をされたのか、この点についてもお伺いしたいと思います。 ◎城戸崎 行政部長  世界平和統一家庭連合、いわゆる旧統一教会に関する調査の概要と、リストアップについてお答えいたします。  札幌市の全局・区に対しまして、今から5年前の平成29年度以降の寄附受理、共催、名義後援、補助金交付、契約締結等、各局・区の事業について、旧統一教会とその関連団体との関係を調査したものでございます。また、指定管理者など、本市と関わりが深い団体についても調査対象に含めてございます。  旧統一教会の関連団体のリストアップにつきましては、公式なリストが存在しないため、インターネットなどで、関連団体とされている約140団体の情報などを参考としたものでございます。 ◆田島央一 委員  概要については承知をしました。  リストアップについては、札幌市独自で情報収集をしてということで進めたというふうに認識いたしました。本来であったら、ここは国の本気度みたいなものがあって、やっぱり、国が情報収集したものをしっかり開示して、ここに対してどうなのだということを進めていただきたいなという思いを持っていますが、国のほうでも、昨日、おとといぐらいの国会答弁でも少しずつ動きを見せていますから、今後の国の動きに期待したいなと思っております。  それでは、調査結果としてはどのようなものであったのか、具体的な事例を示してお答えいただければと思います。 ◎城戸崎 行政部長  調査結果についてお答えいたします。  札幌市が受けた寄附については1件あり、令和2年5月に、子ども未来局が、世界平和女性連合から、児童福祉のためにと手づくりマスク100枚の寄附を受けたもので、このマスクは希望する保育所等に対して配布をしております。  寄附については、このほか、社会福祉法に基づき、地域福祉の推進を図っている社会福祉法人札幌市社会福祉協議会等が、世界平和統一家庭連合などから、マスクや雑巾、バザー益金2万6,000円の寄附を受けていたものがあり、これらのマスクや雑巾については、子ども食堂や福祉施設に配布され、益金も地域等の福祉事業に役立てたとのことであります。  事業の共催については、札幌市との共催はなく、指定管理者と旧統一教会の関連団体との共催が2件あり、いずれも公益財団法人札幌青少年女性活動協会によるものであります。  そのうち1件は、青少年女性活動協会が指定管理者として管理している札幌市環境プラザにおいて、旧統一教会の関連団体とされている学生団体である北海道CARPとの共催で、令和3年度から6回、食品ロスに関するカードゲーム、廃油を使った石けんづくり、もしこの世に電気がなかったら体験など、環境やSDGsに関する子ども向けのイベントを実施したものであります。  また、もう一件は、同じく青少年女性活動協会が管理している札幌市若者支援総合センターにおいて、北海道CARPとの共催で、令和3年度に1回、SDGsについてのすごろくをしたり、環境問題について考える若者向けイベントを実施したものであります。  いずれも、イベント中、宗教に関する話などはなかったということを指定管理者の職員が確認しております。 ◆田島央一 委員  調査結果については、事例を示していただきました。  もう一点、お聞きをしたい件がありまして、本日の北海道新聞の報道であったかと思うのですが、関係団体との面会を道庁の副知事がされたということで、これと似たような事例はあるのか、あったのか、その辺についてもお伺いをしたいと思います。 ◎城戸崎 行政部長  今回の調査は、本市の事業遂行上の関わりについて調査をしておりましたが、表敬訪問につきましては、本市においても旧統一教会の関連団体の関係者が、自転車で走るピースロード活動について、令和2年と令和3年の2回、副市長に表敬訪問をしております。何らかの名義後援等の依頼があったわけではなく、挨拶でありました。 ◆田島央一 委員  令和2年、3年ということで、実際には、これだけ周知をされているような状況ではなかったということは理解をしておりますが、こういった表敬訪問について、今後こういったことがあった場合、どういう対応を取っていくのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
    ◎城戸崎 行政部長  今後の表敬訪問についてということでございますが、本件と同様に表敬訪問の申出があった場合には、訪問に係る趣旨ですとか内容ですとかをしっかり確認しますとともに、旧統一教会については、今、社会的に指摘されている問題を考慮いたしまして、より慎重かつ厳格に対応していきたいと考えているところでございます。 ◆田島央一 委員  慎重かつ厳格にということで、先ほどちょっとリストアップの話もありましたが、そこも含めてしっかり対応していただけるのかなと思います。  次に、先ほどちょっと話に出ていましたが、市として寄附を受けた団体の名称や寄附内容を公表したりしているのでしょうか、この点についてお伺いしたいと思います。 ◎城戸崎 行政部長  市として寄附を受けた団体の名称や内容の公表についてお答えいたします。  札幌市に寄附をいただく場合、寄附受理に関する事務取扱要領により、寄附者名、寄附金品、寄附分野の公表について、寄附者の同意があれば一覧表にして、札幌市のホームページにおいて公表しておりまして、その中で札幌市が世界平和女性連合から受けた1件も、掲載しているところでございます。 ◆田島央一 委員  まだ、私はそのホームページを確認していないので、後でちょっと見ておきたいと思いますがもう1件、環境プラザの事案についてお伺いしたいと思います。  環境プラザの事案については、既に報道に出ている部分もありますが、現場段階ではこれを当該団体ということを認識して、対応していたと聞いております。現行のルールに沿って対応したとのことですが、この件と同様のケースがあった場合、今後どういった対応をしていくのか、お伺いをしたいと思います。  あわせて、このようなリストアップされた団体との名義後援など、今後どのような取扱いになるのか、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。 ◎城戸崎 行政部長  旧統一教会の関連団体に対する今後の対応についてお答えいたします。  この件と同様に、旧統一教会の関係団体から共催の申出が今後あった場合ですが、先ほども表敬訪問の関係で申しましたけれども、事業の趣旨ですとか内容を確認するとともに、旧統一教会について社会的に指摘されている問題を考慮しまして、より慎重かつ厳格に対応することとし、今後、国において、法令違反の疑いがあるなどとして宗教法人法に基づき旧統一教会に対し行う、質問、調査の結果を見極めていきたいと考えております。  また、名義後援などにつきましても、同じく、より慎重かつ厳格に対応していきたいと考えております。 ◆田島央一 委員  環境プラザの件は、これだけ報道がなされる前に気づいていたということで、ある意味、現場の方の感度が高かったのかなと思っておりますし、それを意識してちゃんと対応もされたということなので、すごいなと私は実感をしております。  また、先ほどちょっとお話が出た今後の寄附の受け取りについてなのですが、今後、寄附があった場合に札幌市としてどのような対応をしていくのか、この点についてお伺いをしたいと思います。 ◎城戸崎 行政部長  寄附事例に関する今後の対応についてでございます。  関連団体と思われる団体から寄附の申出があった際には、やはり、厳格に対応し、見極めた上で対応をしていきたいと考えているところでございます。 ◆田島央一 委員  札幌市の社会福祉協議会などは、今後、寄附は受け取りませんよと、そういう姿勢を示していますので、そういったところを参考にしながら、厳しい対応があってもいいのかなと私は思っております。  ただ、過去に行ってきた部分は、もうそこはしようがないと思っておりますし、新型コロナウイルス感染症でマスクが本当に足りなくて大変だったというときに、そういったことを対応されたということは、もう終わったことでありますが、それはやっていることがそんなに間違ったことではなくて、そこを受けて、しっかり受け取ったということで認識をしております。  慎重かつ厳正に対応していくということで、今回、調査を行った箇所に対して、関連団体のリストが、指定管理者の団体だとか、市の各部だとか、区役所内に配られているというふうに認識しておりますが、今後、厳正に対処していくときには、出たリストを基に対応していくということで基本的にはよろしいのでしょうか、それとも、何かルールの変更があって対応していくということになるのか、その点についてお伺いしたいと思います。 ◎城戸崎 行政部長  関連団体のリストも、インターネットを見てみますと、どうも時点修正がいろいろされているようであります。ですから、我々も最新の情報をしっかり押さえていかなければならないと思っているところであります。庁内にも、最新の情報をしっかり押さえるようにということでやっていきたいと思っておりますし、慎重かつ厳格にやっておりますが、これまで以上に慎重かつ厳格にやっていくということで考えているところであります。 ◆田島央一 委員  名義後援だとかを含めて、宗教団体の扱いだとか、いろいろなことがあるのでしょうけれども、ある意味、社会的に問題のある団体としては、受けられないものだとかいろいろあると思うので、ルールの変更ではなくて、しっかり運用の部分で、その辺は厳格に対応していただけるということで理解をいたしました。  また、今回の調査を行ったことで、ある意味、こういう団体があるのだという共通認識をまず持てたということで、それをもって対応していくということで理解いたしました。  最後に申し述べたいと思いますが、今回の問題は、国内的な問題だけではなくて、高額寄附をされた方々の資金が教団本部の韓国に流れて、一部報道では、それが北朝鮮に流れたり、旧統一教会の関係団体とか商社が、ソビエトから潜水艦を仲介して北朝鮮に流したという報道もあって、それには巡航ミサイルとか軍事技術をそのまま転用できるとか、そういった技術的な知識を得られるような取組もあったという報道がありました。国内のお金が韓国や北朝鮮に流れて、この前もありましたけれども、Jアラートが鳴って北朝鮮からミサイルが飛んできたということがありますので、こういった一つ一つの積み重ねが実はそういったところにつながっていくのだという危機感を持たなければいけないなと思っていますし、風が吹けばおけ屋がもうかるではないけれども、そういった社会的に問題のある団体に信用なりお墨つきを与えることによって、それがミサイルが飛んでくるということにつながりかねないと思っております。  こういった社会的に問題のある団体に対してはお墨つきを与えない、特に市のお墨つきというのは大きいですから、そういったことが今後ないように取組を進めていただきたいことを申し上げて、私からの質問を終わります。 ◆好井七海 委員  私からは、首都圏におけるシティプロモートについて質問いたします。  我が会派では、札幌、さらに北海道の発展のため、地域の基幹産業を育て、雇用の場を創出していくことが必要と考え、東京事務所で行っている観光客誘致や企業誘致についてこれまでも質問を行い、事業の拡充や機能強化のために数多くの提言や要望を行ってまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、度々緊急事態宣言等が発出され、そもそも往来が制限されたことから、東京事務所でのシティPR事業にも、大きく影響したと認識しております。  昨年の決算特別委員会で、我が会派の丸山委員から、コロナ禍における首都圏のシティプロモートの在り方について質問したところ、気軽な形で札幌を応援したいと思っていただける方をさっぽろファンと捉え、新型コロナウイルス感染症の感染状況を見極めつつ、その拡大とつながりの強化に努めていくというご答弁があったところであります。  コロナ禍が続く中、これまでにも増して東京事務所で工夫を重ね、種々取り組まれていると思いますが、中でも、このようなさっぽろファンを地道に増やし、つながりを強化していくことは、札幌を訪れる観光客だけではなく、遠くに住んでいても札幌を応援したいという方々を増やすという意味で、意義ある取組だと考えます。このようなさっぽろファンは、定住人口の増加につながるきっかけとなるものであり、その強化・拡大を図ることは極めて重要であります。  そこで、質問ですが、コロナ禍という制約下にあって、昨年度、さっぽろファンの強化・拡大に向けて、首都圏におけるシティプロモートにどう取り組んだのか、お伺いいたします。 ◎白石 東京事務所長  コロナ禍という制約下における昨年度の首都圏でのシティプロモートの取組についてお答えいたします。  令和3年度は、首都圏においても感染拡大が続いたことから、札幌市が主催するイベントについては実施を見合わせたほか、民間事業者等が主催する展示会、商談会等につきましても中止や規模の縮小が相次ぐなど、令和2年度に引き続きまして、非常に厳しい1年でございました。こうした中にあっても、可能な範囲で取組を進めてきたところでございます。  具体的には、札幌、北海道にゆかりのある飲食店等と連携いたしまして、札幌の魅力を発信する首都圏さっぽろ応援ショップ制度を実施いたしました。都内を中心に多くの店舗とのネットワークを築くことによって、集客イベントとは異なる形での食や観光のPRを行ったところでございます。  また、感染状況が比較的落ち着いていた12月には、民間事業者が開催した地域の魅力発信イベント、サッポロスマイルウイークと申しますけれども、こちらに協力をいたしまして、地域住民をはじめとする多数の来場者に対して、観光情報を提供するとともに、札幌市のふるさと納税の取組をPRするなど、コロナ禍においても、可能な限りシティプロモートの活動を行ってきたところでございます。 ◆好井七海 委員  感染拡大が続き、社会経済活動が制限される厳しい中で、さっぽろファンの拡大を図ってきたということは理解できました。  また、さきの代表質問で我が会派は、札幌市の人口減少について触れ、まちの活性化を図るため、若い世代を積極的に呼び込む方策について質問いたしました。答弁の中では、札幌市における20代の道外転出超過が続いており、特に、大学、大学院における新規学卒者の4割が道外に就職している状況とありました。一方、コロナ禍において、働き方に多様性が生まれ、リモートワークが進み、地方移住への関心がこれまでにも増して高まっている中、多くの自治体が首都圏での移住促進事業などのシティプロモートに力を入れていると聞いております。  札幌市も、この流れに乗り遅れることなく、これまで以上に積極的なシティプロモートを行い、さっぽろファンの強化・拡大を図り、UIターンといった定住人口の増加など移住促進などにつなげ、雇用に結びつける取組を行っていくことが大切です。  首都圏の大手人材会社が地方への本社機能移転をするなど、首都圏からの本社機能の地方への分散、移転が加速化し、北海道では、2020年に7件だった企業移転件数が2021年には33件となり、全国でも3番目の数値となりました。  また、札幌においても、大手ゲームメーカーの株式会社セガが自社製品の開発等を行う子会社を札幌市に新たに設けたほか、大手IT企業の株式会社サイバーエージェントも新たに札幌に拠点を開設するなど、雇用創出の場の提供、移住促進に大きな効果があったものと考えます。  また、札幌の都心部では2030年頃までに大規模な再開発が次々と計画されており、札幌市では、まちが大きく変わる絶好の機会を捉え、大札新というスローガンを掲げるとともに、札幌都心部の再開発と企業誘致についてPRを行っていただける企業、団体の会員組織、大札新パートナーズを立ち上げて、まさに官民一体となって企業誘致に取り組もうとしているところであります。北海道新幹線札幌延伸に向けて、まちが大きく変わる機を捉え、これまで以上に官民一体となって企業誘致を進める必要があり、首都圏でのネットワークの構築はますます重要であります。  そこで、質問ですが、企業誘致や移住、UIターンの促進という観点を踏まえて、さっぽろファンの強化・拡大に向けて今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎白石 東京事務所長  企業誘致や移住、UIターンの促進という観点を踏まえまして、さっぽろファンの強化・拡大について、今後どのように取り組んでいくのかというご質問にお答えいたします。  令和4年度、今年度につきましては、首都圏においても各種イベントが再開しております。先月、9月には、首都圏在住の札幌の関係者、企業、各種団体の皆様をお招きいたしまして、札幌市が主催するトップセールス型イベント、サッポロスマイルデーを3年ぶりに開催し、対面形式による交流を行いまして、さっぽろファンの拡大に取り組んだところでございます。  また、今年5月からは、渋谷にあるビジネスコミュニティ施設、渋谷キューズの会員となり、会員企業や多くの若手起業家との接点を持つ機会を得まして、こうした若手起業家に対して、札幌での起業や移住につながるよう、札幌のビジネス情報を発信しているところでございます。  加えて、この10月からになりますが、道内他自治体、道内企業、あとはメディアの皆様の東京事務所や東京支所と連携いたしまして、札幌・北海道出身の大学生との交流の場を設け、札幌で働くことの魅力を伝える取組を始めたところでございます。  コロナ禍で働き方に大きな変化が生じ、特に若者層はより多様で柔軟な働き方を求めておりますことから、地方で暮らして働くことへの関心が非常に高まっておりまして、札幌にもその目をより向けてもらう絶好の好機となってございます。  今後も、他部局とも連携いたしながら、移住、UIターン、企業誘致の取組をさらに行うとともに、その基礎となります首都圏における人材ネットワークの強化・拡大をさらに進めてまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  様々な魅力ある取組をされているということは理解できました。  最後に要望ですが、コロナ禍で地方から東京への人口流出の動きに変化が見られるものの、依然として多くの若者が札幌を離れております。そうした若者に、自身のふるさとにとどまって活躍してもらうためには、雇用の場を確保することはもちろん、起業しやすい環境整備が重要です。首都圏には大学も多く、若手起業家が多く集まっていることから、ぜひそうした方々とネットワークをつくり、起業家が求めるニーズを把握していただきたいと思います。  首都圏での人的ネットワークの形成は、札幌市にとっても非常に重要であり、東京事務所はその最前線として、さらに積極的な取組を進めていただくことを要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ◆桑原透 委員  私からは、札幌市の広報の在り方について質問をいたします。  昨今の札幌市政の重要課題は、特に、2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致や、除雪、雪対策では、市の職員だけでなく、民間の事業者の皆さんなど数多くの方たちが携わり、本当に地道に札幌を支えるために頑張っていただいていると感謝をしております。  しかし、それらにまつわる情報の伝わり方という点で考えると、マスコミなどで様々な負の面のほうが大きく取り沙汰されています。そういった報道を否定するつもりは全くありませんが、市の考えや関係者の努力が市民の皆様へ十分に伝わっていないのではないかと強く不満を感じているのが正直なところでございます。  例えば、オリンピック・パラリンピック招致ですが、基本的にはスポーツ局がいろいろと周知、広報に努めておりますが、広報部でも、広報さっぽろなど様々な媒体を通じて、運営経費には税金を投入しないとか、施設整備は、そもそもオリパラに関係なく、必要な老朽化した施設の建て替えや大規模改修に限ることで費用を抑えているなど、関心や批判の多い費用については特に丁寧に説明をしているのを見ていますが、いろいろな方に会って直接お話をすると、こういった情報はあまり届いていなく、やはり負の印象が強く伝わっています。ところが、改めて説明をすると、一定の理解を示してくるのです。  除雪についても、除雪事業者の方から、夜通し市民の生活のために一生懸命除雪作業をして、朝に帰ってゆっくり休もうとテレビをつけたら、除雪がきちんとされていないとか、車が通れないとか、確かに大雪でみんなが大変かもしれませんが、ひどい言われようで悲しくなったと涙ながらに訴えてきた、そんな電話が市にあったと聞いています。  除雪の現場では、市内で3,000人もの方々が、氷点下の中、夜を徹して作業をして札幌を支えてくれているんです。ただでさえ働く方がどんどん減り、人を確保するのが大変になっている中、頑張っても認められない、こういうことであれば、ますます働く方がいなくなってしまうのではないかと思うのです。  これらは、特に、市政の重要課題ですし、いろいろと情報発信をしてきたのは承知しています。しかし、せっかく広報をしているのに、何かしっかり伝わっていない、これを何とか打開してほしいと思うのです。  事業のPRは、まず、その事業を所管する部局に委ねられていることは分かりますが、今は、テレビ、新聞だけの世界ではなく、インターネットを含めた多種多様な広報媒体があり、情報発信の方法は本当に難しい時代になってきていると思います。だからこそ、私としては、専門部門である広報部が、多様な媒体に精通し、伝える媒体から伝え方まで、しっかりとリードしていく必要があると考えます。  そこでまず、質問ですが、現在、広報部として、広報の仕方や広報媒体の活用方法について、職員のスキルアップにつながる具体の取組があるのか、伺います。 ◎加藤 広報部長  職員のスキルアップに関する取組でございます。  情報伝達手段に関しましては、社会全体への広報、いわゆるマスの広報から個の広報に移ってございます。個人のニーズに応じて、多種多様な媒体が利用されるようになってきているところでございます。また、媒体それぞれに長所、短所がございまして、その特徴をよく理解して利用しなければ、適切に情報を伝達することはできないものと考えているところでございます。さらに、私どもが行わなければならないのは、広告ではなく広報でございますので、単に伝わるだけではなく、受け取った市民の皆さんの気持ちや行動が変わることが必要でございます。  このような考え方を、広報部のみならず、各部局に浸透させていくためには、職員の知識やスキルの向上が不可欠でありますことから、これまでも様々な研修を行ってまいりましたが、今日的な新しい広報に関する取組が弱いのが課題でございました。  そこで、今年度、新たに、全庁的な広報力アップの取組といたしまして、近年、情報発信の手段として重要性が増しているウェブメディアを活用した広報を学ぶために、ヤフー社ですとかMeta社と連携をしまして、SNSについての実践的なセミナーを開催いたしました。また、新たな発想や柔軟な思考での事業展開を学ぶため、札幌よしもとと連携いたしまして、若手職員を対象にしたワークショップを開催したところでございます。  さらには、我々広報部の職員を対象に、新たな発想を生み出す土壌を培い、今後の職務に生かすことを目的に、民間で最近取り入れられている手法でございますギャル式ブレストというものを、先駆的な取組として試験的に実施する予定でございます。この取組は、直感的でポジティブ思考であり、自分軸をしっかり持った方々、いわゆるギャルと言われる方々との意見交換を通じて、発想の広がりを体験し、新たな概念の創出を図るプログラムでございまして、柔軟な発想を養うものでございますので、この研修を通じまして、若者世代の情報伝達の強化につなげてまいりたいと考えてございます。  今後も、積極的な調査研究や研修、実験的な取組の実施によりまして、札幌市全体の広報力の底上げをすべく、広報部がリードしてまいります。 ◆桑原透 委員  市職員の知識やスキルの向上、マインド醸成のための研修など、多岐にわたり積極的に実施していることは理解いたしました。  広報力の向上などについては技術的な側面でしたが、次に、広報の在り方について聞きたいと思います。  市民に施策を伝えて、しっかりと理解、納得させていくためには、札幌市のまちづくりをいかに自分事として捉えてもらえるかが重要ではないかと考えています。  さきのオリパラ、除雪についても、持続可能なまちづくりのために何が大切かをさらに踏み込んで考えていただけると、また違った視点で市民に見てもらえるのではないかというふうに感じます。社会全体への広報から個という話もありましたが、受け手である市民にしっかりと入り込んだ形で、市民との対話を深め、新たな合意形成を成果とするようなことが求められると考えており、広報でもそういった点を加味していく必要があるのではないかというふうに思います。  特に、次の100年に対する大きなまちづくりの観点については、しっかりと市民に浸透させていっていただきたいと感じています。  そこで、質問ですが、広報部において、札幌市のまちづくりに対して、より深く認識されるような取組を進めるべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。 ◎加藤 広報部長  札幌市のまちづくりの考え方などについて、より深く伝えるための取組についてでございます。  委員がご指摘のとおり、様々な施策の理解を得ていく上で、まずは、大きな視点でのまちづくりの考え方を市民の皆様と共有した上で対話を深めていくことが重要だと考えてございまして、現在、札幌の未来のまちづくりを考えるオンラインコミュニティーを開設いたしまして、議論をいただいているところでございます。  このオンラインコミュニティーは、札幌市民を中心として、市内、道内、経済界の方々やまちづくりの専門家など、約100名の方にご参加いただきまして、札幌市の情報を客観的な記事で提供し、様々な視点から率直で前向きな意見交換をしているところでございます。自由闊達な意見交換を促すために、全ての意見については参加者だけで閲覧できるものとしているところでございますけれども、定期的に意見を集約いたしまして、誰もが閲覧できる記事として広く発信することとしてございまして、多くの市民の皆様が札幌の将来を考える上で有益な情報になるものと考えているところでございます。  また、オンラインという手法は、時間に縛られることなく、じっくりと考えて意見を述べることができ、また、他の参加者の多様な意見や専門家の観点も理解をしながら発信できるというメリットもございますので、札幌の未来のあるべき姿を創造するための前向きな議論を積み重ねることができるものと考えてございます。  今後は、この事業の成果を確認しながら、引き続き時代に即した広報手段を実践していくことによりまして、重要な施策に関しましては、まち全体の空気感が醸成されるような広報に力を注いでまいりたいと考えてございます。 ◆桑原透 委員  まちづくりを市民に浸透させていく広報について、新たな手法にチャレンジしていることは分かりました。  ここで、さらに踏み込んで話を聞きたいのですが、各部局の様々な事業は、オリパラなど大きな事業であれば特になのでしょうが、事業の運営実施と併せて広報についても、いわゆるプロポーザルなどを行って広報代理店などに委託していることがほとんどだというふうに思います。  しかし、こういった市の事業や啓発が専門の事業者の手にかかっても、市民にしっかりと伝わっていないとすれば、これは一体どういうことなのだというふうに思うのであります。幾ら専門家に依頼をしても、発注する側に広報媒体をうまく使うスキルや確たる意思、思いがなければ、うまくいかないのではないかと思います。そういう意味では、何が足りないのかを外部の方に確認してみるのも必要ではないかと思うのであります。今後も、事業者の力を借りて、様々な部局で事業の広報を進めていくものと思いますが、委託も、直接の広報も含めて、一度、市の広報の在り方、やり方について、広い視野を持って見ることも必要ではないかというふうに思います。  そこで、質問ですが、これからの本市の広報を進めるに当たり、あるべき姿だとか大きな観点から振り返る機会を設けるべきと考えますが、広報部の見解をお伺いいたします。 ◎加藤 広報部長  札幌市の広報の振り返りについてでございます。  今日では、従来からあります紙メディア、テレビ、ラジオに加えまして、先ほどから申していますネットメディアも加えた様々な広報媒体が存在しておりまして、適切に情報提供を行うためには、それぞれの特徴を生かしながら、それらを上手に活用していく必要がございます。  このことをもう一方の側面から考えますと、市民の皆様にとっては情報の接触機会が拡大しているということであるため、それに合わせまして私どもも日々進化すべきであり、そのためにはどういう広報の仕方が理想的であるのか、しっかりと振り返る機会を設けることが必要であると認識しているところでございます。  このことから、広報に関わる様々な方にご意見を伺う場といたしまして、札幌で日々活動されていますテレビ局、ラジオ局や広告代理店、ウェブメディアの皆さんにお集まりをいただく懇談会を開催することとしているところでございます。この会では、札幌市の広報につきまして、率直にどのように考えているのか、問題点は何か、どうすべきと感じているかなどを、ざっくばらんに意見交換を行いまして、そこで得られました意見を基に、札幌の広報の在り方を見直し、さらなる広報の強化につなげてまいります。 ◆桑原透 委員  事業者との率直な意見交換はよい取組ですので、ぜひ広報の強化につなげていってほしいと思います。  それでは、副市長がいらっしゃいますのでお伺いしたいのですが、広報部が進めてきている新たな展開で、先ほど話が出たオンラインコミュニティーや札幌よしもとを活用した広報の取組、さらには専門事業者との意見交換など、これまで聞いたことのない新たな取組だというふうに思いますが、町田副市長から職員への提言やアドバイスもあったと聞いています。副市長は、広報部の経験があり、さらには情報伝達に欠かせないIT産業にも精通していらっしゃり、常に高いアンテナを張っていると思いますので、引き続き、その知見を職員にフィードバックしていただきたいと思うのです。  そこで、最後になりますが、札幌市の広報は今後どのように進めていくべきか、その決意を副市長に伺って、質問を終わります。 ◎町田 副市長  札幌市は、市制100年を迎えました。次の100年を見据えて、札幌を持続的かつ魅力ある地域にしていくためには、まず、何よりも市民の皆様のお力が必要、必須でございます。市民の皆様とともに次の100年を理想のまちとしていくためには、市民の皆様に様々な情報をしっかりとお伝えし、市民一人一人にその情報をご理解していただくということが本当に重要だと思うところでございます。  今日は、様々な広報手段が存在します。便利ではございますが、かえって伝わりにくい、あるいは、市民の皆様からすれば、何が正解で、何が真実なのか分からないということもある、そういう難しい状況にございます。だからこそ、広報さっぽろや広報番組といった基本の広報媒体はしっかりと確保しつつ、様々な手段に挑戦していくことが必要であると考えております。  委員からもお話がございましたように、私も広報部長を務めておりました。そういったことも含め、今後、私も職員と一緒にいろいろな形で知恵を絞って考えてまいりたいと思うところでございます。 ◆石川さわ子 委員  私からは、(仮称)国際交流・多文化共生基本方針の策定について伺いたいと思います。  多文化共生社会とは、国籍や民族の異なる人々が、互いの違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら生きていける社会のことだというふうに認識しております。こうした多文化共生の理念を基本に国際交流はなされるべきものと考えるところです。  札幌市においては、多文化共生の考え方を掲げた計画について、国際化推進プランを前身とする札幌市国際戦略プランがありまして、2014年3月に策定されております。この推進プランの計画期間が2022年度で終了することから、(仮称)国際交流・多文化共生基本方針を2023年度中に策定すると聞いております。  そこで、質問でありますが、(仮称)国際交流・多文化共生基本方針を策定する背景と方向性について伺います。 ◎安岡 国際部長  (仮称)国際交流・多文化共生基本方針策定の背景と方向性についてお答えいたします。  委員のご指摘のとおり、今年度末に国際戦略プランが期間満了となるため、プランのうち、国際交流と多文化共生について焦点を当て、基本方針を策定することとしております。札幌市の外国人市民の人数は、コロナ禍で一時減少いたしましたが、今月1日には1万5,418人と過去最多となり、国際戦略プラン策定当時の平成26年3月から1.5倍以上に増加しております。今後も、グローバル化や国による外国人材受入れ拡大などにより、外国人市民のさらなる増加が見込まれますが、これに伴って、言葉や習慣などの違いから日常生活で困難を抱え、地域から孤立する外国人が増えることが懸念されます。  また、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン(ビジョン編)では、まちづくりの重要概念の一つとしてユニバーサル(共生)が位置づけられ、誰もが互いにその個性や能力を認め合い、多様性が強みとなる社会の実現がうたわれております。  こうしたことを踏まえ、新たな基本方針の策定に当たっては、国籍の違いに関わらず、安心して安全に暮らせる共生社会の実現を柱に、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆石川さわ子 委員  外国人市民の皆さんが増えてきていらっしゃるということでありました。  私は、北区に住んでおりますので、特に、大学の留学生の方やその家族の皆さんをよく見かけております。そうした皆さんの国籍を少し見てみますと、アジアの方々が大半で、全体の85%を占めているのだなということが分かります。町内会など地域活動への参画ですとか、商店街イベント等への参加など、積極的な交流が行われている地域もあるというふうに認識をしております。  私は、これまで、代表質問や特別委員会等の質問を通しまして、外国人市民のまちづくりへの参画や相談窓口の設置、災害時の支援など、多文化共生のまちづくりの充実を求めてまいりました。多文化共生を推進するに当たっては、外国人市民も地域で安心して生活できる環境を整備することが何よりも重要であり、また、私たちにおいても日頃から、言葉や文化の違いを知ることや、地域の中で顔の見える関係をつくっていけるよう、互いに働きかけていくことも重要だというふうに考えるところです。  そこで、二つ目の質問でありますが、札幌市における多文化共生社会を実現するためのこれまでの取組の状況と課題について、伺います。
    ◎安岡 国際部長  多文化共生の取組状況と課題についてお答えいたします。  多文化共生の推進に当たっては、外国人市民に対する暮らし、コミュニケーションのサポートと、日本人も含めた市民全体の相互理解の促進が重要であると認識しております。  そこで、外国人市民に対する支援として令和元年11月、各種相談に一元的に対応するさっぽろ外国人相談窓口を開設したほか、札幌国際プラザと連携しながら、日本語学習支援や災害時の外国人支援、医療通訳派遣制度の整備などに取り組んできたところでございます。  一方、相互理解の促進については、日本人と外国人の交流事業や、外国人市民の地域活動への参画などを想定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、思うように事業が進められない状況にございました。  今後は、これまで行ってきた外国人市民に対する支援に加えて、日本人市民と外国人市民が互いの文化を知り、理解を深める取組についても、しっかりと進めてまいりたいと考えております。 ◆石川さわ子 委員  生活をしていく上で欠かすことができない相談窓口ですとか、子どもたちの日本語学習支援や医療通訳の派遣などの取組をされてきたということについては評価をしております。また、新型コロナウイルス感染症の影響で思うように事業ができなかった、そうした課題もあるということが分かりました。  さきに議決をされました第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンは、先ほどの部長の答弁にあったように、まちづくりの重要な概念の一つにユニバーサル(共生)ということが掲げられておりまして、その文言としては、誰もが互いにその個性や能力を認め合い、多様性が強みとなる社会の実現ということであります。誰もがというふうに言ったときに、外国人市民も当然対象となっておりまして、共にまちづくりのパートナーであるというふうに認識をし、理解し合うことが大前提であると考えるところです。そのためには、まず、当事者である外国人市民の皆さんが困っていることや、また、広く市民が多文化共生についてどのように思っているのかなどについて、率直な意見を聞くことが重要だというふうに考えます。  国際部では、今年度、市民アンケートを外国人と日本人向けにそれぞれ実施したほか、外国人市民のみを対象としたワークショップと、日本人市民と合同のワークショップを開催したというふうに聞いております。  そこで、質問でありますが、市民アンケートやワークショップから明らかになった課題について伺います。 ◎安岡 国際部長  アンケートとワークショップで明らかになった課題についてお答えいたします。  まず、外国人市民向けのアンケートですが、生活の困り事として、日本語のコミュニケーション、地域住民との交流や日常生活のルール、行政窓口での手続といったことが上位を占めました。また、日本人市民向けのアンケートでも、日本人が同様の認識を持っていることが分かりました。  ワークショップについては、外国人の困り事に関して同様の意見があったほか、相互理解を進めるための提案として、外国人と日本人が趣味など関心のあるテーマを通じて自然に交流できる機会があるとよい、日本人の子どもが学校で外国の言葉や文化をもっと学べるようにしてはどうか、外国人が地域活動に参加しやすくなるとよいなどのご意見をいただきました。  このほか、札幌市が現在行っている多文化共生の取組が外国人に十分に周知されていないことも課題として明らかになりました。  これらの課題については、今後、基本方針を策定する中で反映させてまいりたいと考えております。 ◆石川さわ子 委員  国際部が行いましたアンケートやワークショップを通して明らかになりました様々な課題を今ご答弁いただきましたが、そうした外国人市民の生活上の課題などをしっかりと分析し、必要な支援ニーズを的確に把握して、これからまとめようとしている方針に反映していくということでありましたので、しっかりと行っていただければと思います。  また、こうした取組は単なる外国人支援に終わらせるのではなく、外国人市民の課題を認識し、法的、また制度的、そして日常的な差別の解消に向けた取組の必要性についても検討することを求めておきます。  外国人市民の状況におきましては、外国人住民調査報告書という法務省の委託によって公益財団法人が2017年にまとめた報告書がありました。これは1市・区当たり500人の外国人に調査票を郵送し、回答を得たもので、回収率は札幌市が33%と全国で一番高い数字でありました。  この調査報告書の中を見ますと、住む家を探したときに外国人であることを理由に入居を断られたり、外国人に対する差別的な表現を見たり聞いたりしたことがあるということでありました。インターネット上の差別的な書き込みについても、約4割の外国人が見たことがあるというふうに回答しておりました。  共生社会を実現するためには、生活の中で困っていることはもちろんでありますが、こうした外国人差別やヘイトスピーチなど、当事者が抱えている課題にも耳を傾け、外国人市民の声を方針案に反映していくことが重要であると考えます。そのためには、アンケートなどで意見を聞くのみならず、外国人市民が方針策定に参画することが必要不可欠と考えるところです。  そこで、質問でありますが、方針策定に向けた体制などの進め方とタイムスケジュールについて伺います。 ◎安岡 国際部長  策定に向けた検討体制とタイムスケジュールについてお答えいたします。  策定に当たっては、検討会議を設置し、意見を聞くこととしております。この検討会議には、多文化共生を専門とする学識経験者や、国際関係機関、教育機関、支援団体の関係者のほか、町内会や外国人コミュニティーの方に加えて、公募委員にもご参加いただくこととしております。なお、この委員の中には複数の外国人市民も含まれております。  検討会議は、来月、まず第1回目の会議を開催し、以降合計4回開催する予定であり、これまでの札幌市の取組を検証するとともに、アンケートやワークショップの結果などを踏まえ、今後、札幌市が行うべきことなどについて議論をしていただきます。  その後、検討会議の議論を踏まえて、来年の夏頃までには方針の素案を作成し、議員の皆様にご説明させていただくとともに、パブリックコメントを実施し、市民の皆様からのご意見を反映した上で、来年度中の策定を目指しているところでございます。 ◆石川さわ子 委員  検討会議を設置し、その中には外国人市民の方たちも参画していただけることが分かりました。今後、審議がされると思うのですけれども、その最中に議論を深めるに当たっては、外国人による部会の設置なども検討していただければというふうに思います。  さらに、要望になりますけれども、札幌市の市民意識調査が昨年あり、公表されておりましたが、その中では、海外との交流及び外国人との共生についてをテーマにしておりました。多文化共生を知っているかという問いに対して、知らないと答えた人の割合が51.9%と半分以上を占めており、また、今後、外国との関わりが深まってきたときにどのような対応をしていきたいかという問いに対しましては、約25%の方が特にないというふうに答えておりました。こうした消極的な意向がある一方、外国人市民とのまちづくりで大事だと思うことは、日本人が外国人に対する差別意識を持たないよう、意識啓発や異文化理解を促すと回答した方々が47.3%おられました。  こうした数字から、総じて多文化共生の推進にはまだまだ課題があるというふうに思われ、一層の積極的な取組が求められると思います。  現在の国際戦略プラン作成に当たって、国際都市さっぽろワールドカフェというものを2012年に開いておりましたが、その中で出された声の中には、重要なこととして、外国の人が普通に暮らせる、また、国際都市になるということは、人との壁がなくなることという意見が出されておりまして、これは10年前の意見でありますが、多文化共生社会の具体としては、私はこれに尽きるのではないかと考えるところです。  札幌市において、多文化共生の意識がさらに高まり、人と人の壁がなくなり、外国人市民が普通に暮らすために(仮称)国際交流・多文化共生基本方針が有用なものとなるように積極的に取り組むことを強く求めまして、私の質問を終わります。 ○前川隆史 委員長  以上で、第1項 総務管理費中総務局関係分等の質疑を終了いたします。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時48分       再 開 午後4時10分     ―――――――――――――― ○村松叶啓 副委員長  委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中デジタル戦略推進局関係分及び第7款 土木費 第4項 都市計画費中デジタル戦略推進局関係分について、一括して質疑を行います。 ◆三神英彦 委員  私からは、証明書の取得における利便性の向上と、デジタルトランスフォーメーションを進める上での庁内の連携について、順次、質問します。  まず最初に、住民票の写しや戸籍証明などの証明書を取得する際の利便性の向上です。これは、いろいろな、司法書士会ですとか行政書士会から会派のほうにも要望が上がっているような案件です。  今月、10月3日に、札幌市証明郵送センターの運用が始まりました。センターでは、これまで、各区役所の戸籍住民課で行っていた市民などからの郵送による各種証明書の請求を1か所で集約できるようになったという話です。10区で別々に行っていた業務を、業務委託を活用しながら1か所に集約できているということになります。利用者にとってもメリットがあるのではないかと思うのですが、早速、質問です。  今回の札幌市証明郵送センターの開設は、利用者のサービス向上の観点から、具体的にどのような効果があると考えているのか、伺います。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  札幌市証明郵送センター開設に伴う利用者のサービス向上についてお答えをいたします。  これまで、利用者が郵送により各種証明書を請求する場合、居住地や本籍がある区役所に請求しなければなりませんでした。そのため、例えば、相続の手続において相続人を確定させるため、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本が必要になった際、その方の本籍が複数の区に移動している場合には、本籍があった区ごとに別々に請求しなければなりませんでしたが、当センターに請求先が集約されることになります。これは、市民からの依頼により、弁護士や司法書士などが一度に多くの住民票の写しや戸籍謄本などを請求する場合においても同様であります。  このように、当センターの開設により、郵送による請求者の手間に加え、郵送料の負担を軽減させることで、利用者へのサービス向上が図られるものと考えております。 ◆三神英彦 委員  次に、そのセンターで取り扱う証明書のオンライン請求のほうの質問をいたします。  郵送で証明書を請求する場合には、証明書発行の手数料相当額の定額小為替を同封して請求しなければなりません。この定額小為替なのですけれども、今年の1月、ゆうちょ銀行での発行手数料がこれまでの100円から200円に増額改定され、例えば、350円の住民票の写しを取り寄せるためには、さらに200円の費用がかかってしまうということが、今、起こっているということですね。そんなところで、デジタルを活用し、スマートフォンを使ったオンライン請求や、証明書の手数料などの支払いもキャッシュレス化することによって、利用者の負担軽減にもつながるのではないかと思います。  質問ですが、今後、このセンターではオンライン請求にどのように対応していくのか、お伺いします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  オンライン請求にどのように対応していくのかについてでございます。  証明郵送センターの設置は、郵送による請求に伴う事務を集約させることだけではなく、オンライン請求の拡充を効率的に行っていくことも目的としております。同センターにおいて、まずは、昨年10月から導入している住民票の写しのオンライン請求に関する手法や効果などについて検証を進めてまいります。その上で、証明書のオンライン請求の拡充については、今年度中をめどに戸籍関係の証明が請求できるよう準備を進めるとともに、その後も、順次、対象となる証明書の種類を増やしていくことに努めてまいりたいと考えております。 ◆三神英彦 委員  今は、行政と市民との間のコミュニケーションという部分でのデジタルの話でした。  次に、デジタルトランスフォーメーションを進める上での庁内の連携の話になります。ここ十数年で急速に発展してきたデジタル技術の利活用について、国は、オールジャンルで推し進める方針を示していて、今年の6月7日には、デジタル社会の実現に向けた重点計画及びデジタル田園都市国家構想基本方針を閣議決定したところです。  行政分野においては、9月2日に自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画の改定を行い、デジタル社会の実現に向けて、自治体の取組を後押ししていくこととしております。この計画では、自治体DXの推進に向けて、まずは、効果的な推進体制の構築を速やかに行うこととして、しかも、令和7年度までという期限を切られて、情報システムの標準化を行わなければならないということで、そのスピードを出すために、市役所としても、全庁横断的な推進体制が必要になるのではないかと思います。  その準備として、本市では、昨年12月に札幌DX推進方針を策定し、4月にはDXの司令塔となるデジタル戦略推進局を設置し、自治体DXに向けての準備は整ったものと認識しています。ここからは、さらなる変革を進めていくために、デジタル戦略推進局がDXという切り口で全庁にどんな形で関わっていくのかということに尽きるのではないかと思います。  質問ですが、デジタル戦略推進局の発足以来、札幌DX推進方針の実現に向けて、全庁に横串を通すために、どのようなことに取り組んできたのでしょうか、お伺いします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  デジタルトランスフォーメーションを進める上での庁内の連携についてお答えをいたします。  札幌DX推進方針では、CDOを本部長とするデジタルトランスフォーメーション推進本部会議を設置し、外部専門人材であるCDO補佐官の知見も活用しながら、本市の情報政策に関する協議、決定などを行うこととしております。  今年8月に開催した第1回の本部会議では、DXの基本的な考え方や重要な視点を組織に浸透させるため、CDO補佐官を講師として、全ての局長職を対象としたトップセミナーを実施したところであります。その上で、まずは、職員が自ら担当する業務の自動化や、データ利活用などに取り組むことのできるソフトウェアの導入に向けて、これを使って何ができるか、各局・区に問合せを行ったところ、多くの部局から具体的な活用方法に加え、日々の業務上の課題まで寄せられたところでございます。  今後は、DXアドバイザーや民間企業と連携しながら、各局・区の職員から寄せられた声の実現に向けた支援を実施していくほか、大学などとの連携による職員のデジタルスキルの向上にも併せて取り組むなど、引き続きデジタル技術を活用して、DXを推進していくための全庁的な土壌づくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆三神英彦 委員  結局、役所と市民との間、それからまた、部局間のやり取りという部分で、まさに先ほどの総務局関係の質疑で出てきた広報の話と同じで、ワード自体は本当にどこにでも存在するようなものだけれども、上手にやると便利という話になると思いますので、引き続きよろしくお願いします。 ◆成田祐樹 委員  私からは、庁内ネットワーク再構築事業について、3点お伺いしたいと思います。  これまで、行政の中における業務は、機密性の高さや情報流出時のリスクなどから外部と遮断する形で、イントラネットワークが形成されてきたかというふうに思っております。しかしながら、今回のコロナ禍によって、在宅勤務をせざるを得ない状況や、オンライン会議の発達などにより、インターネット上の利便性の高いサービスを利用できないことで、行政内での業務においても、民間の運用状況とも離れつつあり、不利益が出てしまう状況になってきていると考えます。  そのような状況の中、札幌市でも庁内ネットワーク再構築事業が展開されており、グループウエアの導入、仮想デスクトップの導入、新たな働き方へつながるインターネット接続系、いわゆるNEWSネットの構築などが段階的にされてくると伺っております。  しかしながら、今後、課題になってくると思われるのが、既存のイントラネットからの移行についてです。分野によっては、スムーズに移行できる部局もある一方、福祉分野など市民と直接的に接することが多い業務などにおいては、その取り扱っている情報の機密性などから、システムへの移行や再構築の手間を懸念し、移行が遅れるのではないかと懸念しているところです。  そこで、一つ参考に例を挙げたいのですが、2020年の第1回定例会の予算特別委員会にて、当時、私から子ども未来局の質疑において、三重県のタブレットを利用した児童相談所の児童虐待対応支援システムについてお話をさせてもらったことがあります。内容としては、児相職員が虐待の疑いのある家庭を訪問した際、タブレットを利用し、児童の状況など、チェック項目に入力、傷などがあればその場で写真を撮り、クラウド上にあるそのデータをリアルタイムで、児童相談所に在庁しているベテラン職員が一緒に確認できる仕組みとのことです。若手職員では難しい一時保護の必要性の判定を、チェック項目によるAI判定とベテラン職員の同時チェックによって、必要な一時保護なのかどうかの判断に役立っていると伺い、何よりも子どもを守るためにつながっているという話でした。さらには、タブレット上に打ち込んだデータをアウトプットすることで、書類作成の業務の時間削減に大きく役立っているそうです。結果的に、何よりも職員が児童や家庭と向き合う時間が増えたとのことでした。  今は例題の一つとして挙げさせていただきましたが、札幌の場合は、自治体としての規模が大きいゆえに、家庭児童相談室、保健所や各区の保健センターの保健師、学校といった施設がそれぞれ遠く離れていることや、状況によっては警察とも情報共有をしなければならず、個別のケースについてお互いが情報共有するだけでも、非常に大きな手間がかかっているのが現状であると思います。そういった状況こそ、改善の余地があるのではないでしょうか。  本来、庁内ネットワーク再構築事業の本意は業務効率化を図ることという点を考えると、各部局の中でも、これまでICTが効率化に大きく寄与してこなかったという部局や、独自のシステムを使っている部署であればあるほど、さらなる効率化を図ることができる可能性があることから、渋る部署にこそ理解をいただき、移行を積極的に行っていただく必要があるのではないかと考えるところです。  ここで、お伺いしますが、各部局に対してNEWSネットへの移行を促していく必要性があると思いますが、デジタル戦略推進局の見解を、お伺いしたいと思います。 ◎長沼 情報システム部長  新しいネットワーク、NEWSネットへの移行の促進についてお答えをしたいと思います。  NEWSネット、すなわち、インターネット接続系のネットワークの構築は、インターネット上の利便性の高いサービスを活用できるようにするとともに、場所に縛られない、より柔軟で機動性の高い働き方を可能とするための環境整備であります。  一方、NEWSネットは、インターネットに接続された環境であるため、マイナンバーをはじめとした機密性の高い情報については、NEWSネットでは直接取り扱うことができないこととしております。  そこで、情報システム部では、現在、各原局が扱う情報資産等の実情をヒアリングするとともに、NEWSネット移行の意義や効果を伝えながら、スムーズに移行する方策を共に考え、積極的な移行を促す取組を進めているところであります。また、その結果を取りまとめることで、令和5年度中には全体移行計画を策定し、原局業務を安全にクラウド上で実施できるように変革するための検討や助言を行うなど、原局に寄り添った支援を行い、新しい環境への移行を全庁挙げての作業として進めてまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  現在、ヒアリングを行っているということで、本当にクラウドを利用した部分のサービスの利用は、職員の皆さんの働き方に大分影響してくると思います。特に、今申し上げたように、家庭訪問であったり、そういったところは外に出ても情報の共有だったり送信ができるということで、いろいろな部分で効率化が生まれてくるのではないかと思いますので、ぜひ、各原局の話を加味しながら、移行へ促していくことを進めていただきたいというふうに思っております。  次に、ノートパソコンの導入についてです。  先ほどの質問ともちょっと関連していくのですが、独自性が高ければ高いほど、これまでICTの恩恵を受けていない部署であればあるほど、ノートパソコンに使える予算が少ないのではないかと予測をしているところです。  これまで、本市の決算書を見てきた中では、部局によっては、予算の執行率などにおいて極めてぎりぎりの部署もあり、それこそ、先ほどもお話に出させていただきました児童相談所については、2015年度の決算書において、この児相の予算執行率が99.7%という年度がありました。当時、人手不足に拍車をかけていた時期でもあり、結果的にその後の2019年に2歳児虐待死という痛ましい事件が起きることとなってしまったのですが、このように、現状、ぎりぎりでやっている部署が当初予算において果たして十分なノートパソコンの予算を計上できるのか、疑問が残るところです。人手や予算が足りない部署ほど、本来であれば業務効率化を図るべきなのに、部署によって、このNEWSネットを使うためのノートパソコンの予算が少ないのであれば、庁内ネットワークを再構築した意味から離れてしまい、本末転倒になってしまうのではないかと考えるところです。  ここで、お伺いしますが、ノートパソコンの導入については、各部局の予算状況に関係なく、業務効率化に必要な部署には確実に導入する必要があると思うのですが、見解をお伺いしたいと思います。 ◎長沼 情報システム部長  ノートパソコンの確実な導入についてお答えします。  札幌市としても、在宅勤務やペーパーレス会議、場所に縛られない市民に寄り添ったサービスの提供など、より柔軟で機動性の高い働き方を実現する上で、デスクトップパソコンからノートパソコンへの移行が欠かせないものと考えております。  そこで、各部局が計画的に移行できるように、各部局のパソコン購入予算を情報システム部がまとめまして、一括して調達を行う集中調達事業を実施しているところであります。実際の調達については、委員がご指摘のように、現在は各部局のパソコン購入の予算化の状況に合わせて調達を行っており、今後は、各部局へのヒアリングを実施し、導入や予算化に当たっての課題を聞き取りながら個別にサポートを行い、ノートパソコンを確実に導入できるように計画的に取り組んでまいりたいと考えております。  そして、そのような取組を続けていくことで、将来的には、ノートパソコンは業務上必須のインフラであるとして情報システム部が一元管理できるような、そのような体制を構築してまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  この部分については、予算や人員繰りが厳しいところこそ、効率化を図るために投資すべきだと思いますので、ぜひ、財政措置も含めて、これは財政方にも頑張っていただいて、検討いただきたいなというふうに思っております。  次に、実際の操作に関わる部分についてですが、職員の中においては、システムの移行及び新たなシステムについて慣れるまで、相応の時間がかかることが予想されます。職員の研修体制をしっかり構築していくことも、今回の庁内ネットワーク再構築事業の一つに含まれると考えるところです。ノートパソコンの購入も含めて、徐々に移行していくと伺っておりますが、これだけ多くの職員が働いている札幌市においては、その研修を実施していくだけでも相当な労力とマンパワーを使うことが想定されます。早い段階から計画的に研修や職員のサポート体制をつくっていくことが大切ではないでしょうか。  ここで、お伺いしますが、今後、どのように職員の研修体制を構築していくのか、見解をお伺いしたいと思います。 ◎長沼 情報システム部長  職員の研修体制についてお答えをいたします。  デジタル技術によって職員の働き方を変革させ、市民サービスの向上につなげていくという本事業の目的を達成するためには、新たなグループウエアの導入など、デジタル基盤環境の整備だけではなく、それらを使いこなせるように、スキルを高めていくための取組が大変重要であると考えております。  そこで、まずは、個々の職員が利用イメージを具体的に思い描けるように、基本的な使い方や活用方法について、他都市や民間企業の活用例を交えたり、ビジュアルを多用するなどの工夫をした研修コンテンツを作成し、分かりやすく発信、周知をして、活用を促してまいります。  また、ユーザーサポートに職員の質問に自動で回答してくれる、いわゆるAIチャットボットを導入するなど、多様な質問に対してもすぐに回答を提供できるような仕組みを導入することで、切れ目のない充実した職員サポートを提供してまいります。  加えて、他の自治体や民間企業等でも実績のある事業者の力を活用しまして、札幌市に適した新しいツール類の活用方法や、職員の活用能力の底上げ方策について、効果的な施策をこれからも検討していきたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  ぜひ、この研修体制の充実化についても、引き続き検討いただければというふうに思います。  最後に、要望なのですが、この点は福祉の分野を含めて少し多めに話をさせていただきましたが、昨今、福祉の部分、住民に対する支援の部分が様々な分野で非常に業務量が増え続けているというふうな認識があります。  そんな中で、福祉の分野というのは、100人いたら100通りの対応の仕方があって、一つのパターンに落とし込むというのは大変難しいものだというふうに十分承知しておりますが、その一方で、皆さんが、今、手作業で一つ一つやっているということで、非常に時間をかけてやっていらっしゃるところも一つあると思います。そういったところは、様々な手法を用いながら効率化を図るということは、まだこの分野に関しては難しいけれども、取り組むべき部分だと思いますので、こういった福祉に関わる、特に支援に関わる分野に対して、業務効率化の部分にぜひチャレンジしていただきたいというふうに思っております。  また、もう一点、この分野に関して、データみたいなものがあまり集まっていないのですね。例えば、保護に関わる家庭の状況であるとか、そういったことというのは、データ化して、論文化などはほとんどされていないという中で、こういった部分が、例えば、チェック項目の中で、特性だったり、もしくは、その人の今置かれている環境だったりという客観的なデータがある程度取れると、それについての分析というのができるというふうに私は思っております。  これまで、例えば、ベテランの職員の皆さんは、この方は、今、このタイミングで課題が起きるかもしれない、もしくは支援できるかもしれないということを、多分、経験則でやられている方が多いと思うのですが、実際にそういうデータがたくさん集まってくると、そういう状況の人は、今、非常に寄り添って助けるともっといい状況になりやすいということが数字にも出てくると思いますし、実際にそういうのはこういうシステムを使っていかないと上がってこないものだと思います。もちろん、効率化もそうですけれども、いろいろ支援が必要だったり、寄り添わなきゃならない方へ、そういったデータを基に先に対策をしておく、もしくは事前に準備をしておくということもできるかと思いますので、難しい部分だと思いますが、引き続き取り組んでいただくことを求めて、質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、マイナンバーカードの普及促進についてと、市民が効果を実感できるデジタル技術の活用について、2点質問いたします。  初めに、マイナンバーカードの普及促進について、順次、質問させていただきます。  マイナンバーカードは、安心・安全なデジタル社会の基礎となるもので、令和4年度末までにほぼ全国民に行き渡ることを目指し、国を挙げて普及に取り組んでいるところであります。  本市においても、各区役所窓口の交付体制の強化や、マイナンバーカードセンター設置による土・日や夜間の対応、さらには、市民に身近な場所での出張申請受付の実施により、カードの申請や受け取りがしやすい環境を整えて、普及促進の取組を進めているというふうに理解をしております。  今年3月の予算特別委員会において、カードを取得していない市民に取得メリットを理解してもらうために、どういった取組を行っていくのかをお尋ねいたしましたところ、カード取得に至っていない理由や、活用方法の認知度などについて、アンケート調査を実施し、これを分析した上で、効果的な手法を検討するというお答えをいただきました。  そこで、質問でございます。  アンケート調査の実施結果がどのようなものであったのか、また、その結果を踏まえて、まだカードを取得していない市民に対してどういった取組を行っているのか、お尋ねをいたします。
    ◎渋谷 スマートシティ推進部長  カードをまだ取得していない市民への取組についてお答えをいたします。  今年3月に、インターネットを活用してカードを取得している方、取得していない方それぞれ360名ずつ、合わせて720名の市民からアンケートの回答を得たところであります。そのうち、カードを取得していない方の主な理由としては、個人情報の安全性が気になるが約39%、取得するメリットがないが約37%、申請手続が面倒が約36%、カードは自分に必要ないが約36%という状況でありました。また、カードを取得していない方は、取得している方に比べ、マイナンバー制度やマイナンバーカードの特徴などに関する認知度が低い状況であるということが分かりました。  アンケートの結果を踏まえ、カード取得のメリットやカードの利便性、安全性について、分かりやすく共感が得られやすい漫画素材を活用し、出張申請受付の会場周辺に配布するチラシや、地下鉄、市電、バスの車内広告、テレビやユーチューブのコマーシャル、インターネット広告など、様々な手段を用いて広報を展開しております。  また、日本ハムファイターズの選手や地元アイドルユニットといった、親しみやすく、著名な人物によるカードのメリットや安全性などの周知のほか、ラジオ放送に毎週職員が出演し、丁寧にマイナンバーカードの特徴を説明するなど、幅広い世代への訴求に努めているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  アンケート調査の結果の状況、また、広報に大変工夫をして努力をしているということを理解いたしました。  また、国のほうでは、マイナポイントの第2弾や、QRコードつき交付申請書の再送付など、国全体として普及促進の取組も行われているところでございます。  そこで、確認をしたいのですけれども、こういった様々な取組によりカードの普及に努めているところなのですけれども、この半年で市民へのカードの普及はどの程度進んだのか、全国との比較を含めてお尋ねをいたします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  カードの普及状況についてでございます。  今年3月末時点における札幌市の交付率は42.7%であり、全国平均の43.3%を下回っておりましたが、この半年間で6.7%上昇し、9月末現在、札幌市の交付率は49.4%となり、全国平均の49.0%を上回っている状況でございます。  また、他の政令指定都市との比較においては、この半年間の伸び率が最も高い数字になっているものの、交付率の順位につきましては、20政令指定都市中、16番目にとどまっている状況でございます。 ◆福田浩太郎 委員  政令市全体と比較しますと、まだ16番目ということでありますけれども、札幌市としても、カードの普及に努めて、この半年間では政令指定都市で一番交付率を伸ばしたということでございます。これまでのご努力に感謝を申し上げます。  ただ、いまだ約半数の市民の方がカードを取得していないということも事実でございます。これまでの普及の推移を考えると、令和4年度末までにほぼ全市民に行き渡るという目標の達成は相当厳しいと言わざるを得ないところでございます。  先ほど答弁のあったアンケート調査結果では、カードを取得していない方の多くは、取得するメリットがない、必要だと思わないと回答しているとのことでございました。こうしたことを考えますと、今後は、ポイント付与などの優遇策を通じて普及促進をすることから、市民がカードを保有する利便性を実感できるようにすることへと軸足を移そうとしているデジタル庁の動きも見据えつつ、カードを利用する場面を増やし、生活を営む上で便利で必要なものとして認識をしていただく取組が重要になってくるのではないかと考えております。  そこで、お尋ねをいたします。  さらなるカードの普及に向けて、カードの利便性を実感できるようにしていくために、どのような取組を行っていくのか、お尋ねをいたします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  カードの利便性を実感できるようにしていく取組についてお答えをいたします。  現在、マイナンバーカードは、本人確認書類としての利用や、確定申告、証明書のコンビニ交付での利用など、その活用の場面は多いとは言えないと認識しております。  国においては、現在の健康保険証について令和6年度秋をめどに、原則、廃止して、マイナンバーカードとの一体化を目指すほか、令和6年度末としていた運転免許証との一体化についても時期の前倒しを検討する方針であるということが示されたところでございます。  また、本市においては、来年2月から引っ越しワンストップサービスを開始することで、転出・転入手続の簡素化を図るほか、証明書コンビニ交付サービスにおいて、来年4月から戸籍証明の発行を開始するとともに、オンライン請求の活用も、順次、拡充する予定でございます。  このように、マイナンバーカードの活用場面を増やすことにより、市民に利便性を実感していただけるよう、積極的に取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  皆さんご案内のような健康保険証の廃止ですとか運転免許証の関係、それ以外にも、本市では引っ越しワンストップというものを始めていくということですとか、コンビニにおける戸籍の交付も始めるということで、先ほど議論もあったオンライン請求にも対応していくということかと思います。こうした利便性の向上の取組をぜひとも進めていただきたいというふうに思います。  ただ、昨日、市民の方と懇談をする機会がございまして、高齢の女性だったのですけれども、その方の心配事として、マイナンバーカードを取得して、情報漏えいですとか悪用されるのではないかという不安を語られておりまして、そういう方が周りにたくさんいるというお話をされておりました。詐欺などが横行する昨今ですので、こういうご心配も理解できるところでございます。  ただ、カード本体とパスワードの流出が同時に起こらない限り、他の人は核心的な部分にはタッチできない、悪用されないのがこのマイナンバーカードの仕組みでございます。安全性の周知も、利便性の向上とともに、引き続きしっかりと取組を進めていただきたいというふうにお願いを申し上げます。  次に、市民が効果を実感できるデジタル技術の活用について、端的に質問いたします。  札幌市では、昨年12月に札幌DX推進方針を策定いたしまして、行政のデジタル改革と地域のデジタル改革を進めることにより、市民生活の質の向上を図ることとしております。さらに、今年の4月には、デジタル戦略推進局を新たに立ち上げました。CDO補佐官、DXアドバイザーの専門的な知見を活用しながら、各部局のデジタル化を積極的に支援していく体制を構築したと、先ほども議論があったところでございます。  我が会派では、これまでも一貫してデジタルを活用した住民サービスの向上が必要と主張してまいりましたし、また、デジタルトランスフォーメーションをやり遂げるための専門部署の設置について、その必要性を訴えてきたところでございます。札幌市として、その実現に向けた方針を定め、組織や体制の整備が進められたことに対しては一定の評価をするところでございますが、これは、あくまでスタート地点に立ったにすぎず、今後は、市民がデジタルの効果や利便性を実感できるような分かりやすいデジタルサービスを創出していくことが何よりも重要なことであると考えております。  令和3年第3回定例市議会の代表質問において、デジタルトランスフォーメーションによる施策の高度化についての質問を行いました。防災・減災、ヒグマ対策、婚活事業といった市民生活に身近なところでAIの活用検討を進めるとのご答弁があったところでございます。  こうした取組については、一部の部署にとどまることがないよう、デジタル戦略推進局が司令塔となって、様々な分野において推進していくことが重要であると考えております。  そこで、お尋ねをいたします。  市民が実感できるデジタル活用について、各局・区では具体的にどのような取組が検討されているのか、また、これを広く推進していくためのデジタル戦略推進局の取組についても、併せてお尋ねをいたします。 ◎渋谷 スマートシティ推進部長  市民が効果を実感できるデジタル技術の活用についてお答えいたします。  各局・区において検討されている市民生活に身近なデジタル活用事例といたしましては、救急搬送前に医療機関と電子化された患者情報を共有することで、受け入れる医療機関の選定を効率化する仕組みや、介護保険料、後期高齢者医療保険料の納付方法の多様化に向けたスマホ収納の導入などが挙げられます。こうした取組を広く推進していくため、今年4月には、各局・区がデジタル活用を進める際の基本的な考え方や承認手続などについて、札幌市情報政策推進要綱で定めるとともに、デジタル活用の相談窓口も併せて設置をしたところでございます。  この体制において、全庁の業務システムだけではなく、各局・区の事業で実際に市民が使用するクラウドサービスなどを導入する際にも届出をすることとしておりまして、これまで、100件以上の案件について、デジタル活用の目的と手段の適切性や投資対効果、さらにセキュリティー対策など、必要な対策、対応が実施されているかなどの観点から検討を進めてまいりました。  デジタル戦略推進局では、全庁のデジタル政策を俯瞰する立場から、自らの専門性を高めるとともに、市民が実感できるデジタル活用が進められるよう、引き続き、各局・区への支援や働きかけを行ってまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  デジタル戦略推進局として、各局・区の取組がスムーズにできるように要綱をつくっていくですとか、相談窓口などの体制も整備をしていくというようなお話をいただきました。ぜひ、しっかりと進めていただきたいというふうに思います。  人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響による生活様式の変化などによる社会情勢の変化に柔軟に対応していくためには、デジタル技術の活用は必要不可欠であり、地域活性化の鍵であるとも言われております。引き続き、市民がデジタル技術の利便性を実感できるような取組をしっかりと進めていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。 ○村松叶啓 副委員長  以上で、第1項 総務管理費中デジタル戦略推進局関係分等の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後4時50分       再 開 午後4時52分     ―――――――――――――― ○村松叶啓 副委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中危機管理局関係分の質疑を行います。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、2項目、様々な危機事象における札幌市の対応体制及び情報伝達についてと、地域の防災活動について伺います。  初めに、様々な危機事象における札幌市の対応体制及び情報伝達について伺います。  最近のアジア情勢を鑑みますと、連日のように北朝鮮から弾道ミサイルが発射されたとの報道がなされておりますが、このことは、我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものと考えます。  10月4日に北朝鮮から発射された弾道ミサイルは、日本の上空を通過するとともに、過去最長となる4,600キ ロメートルも飛行し、太平洋上の排他的経済水域外に落下したところでありますが、対象地域となった北海道全域には、弾道ミサイルの発射を警告するJアラート、いわゆる全国瞬時警報システムにより、国民保護情報が伝達されました。  北朝鮮のミサイル発射に関連してJアラートが発せられたのは、5年前の2017年以来のことで、その当時とは違い、昨今の情勢から、市民の皆様も大変驚き、また、早朝で通勤・通学時間であったことから、どう行動すればよいのか戸惑い、不安を感じたとの声が多く届きました。  当日の防衛省の報道資料を見ますと、7時28分頃から29分頃にかけて青森県上空を通過したとのことで、このたびのJアラートについては、弾道ミサイルが北海道上空を通過する可能性があるということの警告だったわけですが、自宅で待機しておりました市民からは、1回目のアラートの直後から、このJアラートは、弾道ミサイルが到達するかもしれないという情報なのか、あるいは通過するという情報なのだろうか、また、いつまで避難していればいいのか、学校は休校なのかなどと、多くの問合せをいただいたところです。  また、後日になりましても、Jアラートが鳴った際には、札幌市としてどのような情報を市民に発していたのか、また、ミサイルが落下した後に、安心情報の発信がなかったため、自宅から出ることができなかった、何らかの情報が札幌市から欲しかったなどと、様々な反響があったところです。  私も詳しく分からなかったものですから調べたところ、内閣官房の国民保護ポータルサイトのほうで、弾道ミサイル落下時の行動に関するQ&Aというものがありまして、そこでは、ミサイルが通過した、あるいは、どこかの海に落下したときから避難の必要がなくなるというふうなことが書かれておりますが、そういったことを知っていた市民も少なかったことと思います。  そこでまず、北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過した10月4日当日、災害対応の主軸を担います危機管理局はどのような体制で臨んでいたのか、また、札幌市からも、Jアラートが鳴った際の情報や、ミサイルが既に太平洋上に落下したという安心情報など、市民に向けて何か発信したのかについて伺います。 ◎浅山 危機管理部長  まず、札幌市の体制についてですが、Jアラートが鳴った段階で、危機管理局の全職員が直ちに参集し、情報収集体制を取ることとなっております。そのため、局内の全職員が参集準備をしておりましたが、早い段階で太平洋上に落下したとの情報を入手しましたので、その後は、職員2名による体制を取り、情報収集を行いました。  このたびの弾道ミサイルは、報道によると、音速の17倍という超高速であったため、安心情報も含めて最も早く市民の皆様に情報をお届けする手段は、政府が発するJアラートということになります。 ◆うるしはら直子 委員  当日における札幌市の体制については分かりました。  また、その後の安心情報につきましても、事案の特殊性から考えますと、当然、政府でなければ発信できないものであり、かつ、政府から直後に国民の皆様に発信することが最も早い伝達方法であるということは、当然、理解をするところです。  ただ、このたびの弾道ミサイルの発射に関する情報については、ミサイルが発射されたことやミサイルがどこかに落下したこと、また、避難行動の解除の情報などは札幌市からも発信されるものだと思っていた市民がいたことを考えると、地震や風水害といった自然災害に関する情報や、今回のような国民保護情報がどこからどのように市民に伝達され、また、札幌市の動きですとか、こうした警告を市民が受けたときにどのように行動するのかといったことも、しっかりとお伝えしておくということが必要だと思います。  市民の皆様がそうした流れを明確に頭の中でイメージできれば、その時々で一番早く情報が入手できる方法を選択して正確な情報を取り、適切に命を守る行動ができるようになるのではないかと思います。  また、札幌市の緊急時体制についても、自然災害と弾道ミサイルの発射では異なるものと思いますが、行政内部のそうした対応についても、ほとんどの市民がよく知らないため、結果として、ミサイルが飛んできたのに札幌市は何もしないのかといったご意見にもなるものと思います。  そこで、改めてお聞きしますが、地震、風水害、弾道ミサイルの発射という事態が発生した際、どこからどのように情報が発信され、市民はどう行動すればよいのか、また、札幌市では地震、風水害、弾道ミサイルのそれぞれにおいて、どのような体制を取って対応しているのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  まず、情報発信についてお答えいたします。  地震と弾道ミサイルの発射に関しましては、いずれも即時性が要求されます。そのため、政府が発する緊急地震速報やJアラートを通じてお知らせいたしますので、直ちに身を守る行動を取っていただくということが必要となります。  一方、風水害につきましては、気象予報により備えることが可能です。札幌市災害対策本部から、随時、情報を発信いたしますので、状況に応じた身を守る行動を取っていただくことが必要となります。  次に、札幌市の体制についてです。  地震は、震度4で職員2名による警戒配備、震度5弱で災害対策本部を設置し、危機管理局職員は全員参集となります。風水害につきましては、気象警報の発表で警戒配備、局地的に災害発生または発生するおそれがある場合に、災害対策本部を設置いたします。弾道ミサイルにつきましては、政府から事態認定が出された場合に、国民保護対策本部を設置し、国の指示の下、市民の避難等の対応をしてまいります。 ◆うるしはら直子 委員  情報の発信については、即座に市民の皆様の対応が求められるものについては政府からの情報、そして、災害の度合いを見ながら、正確な情報を発信できない場合は札幌市からの情報ということになると思います。また、地震による災害とか弾道ミサイル発射時における避難のポイントやタイミングについては類似性があるとか、災害発生時の札幌市の対応についても理解をいたしました。  今回、市民の皆様がJアラートの音と表示されたメッセージを見て大変驚いて心配され、また、改めて、これまで想定しなかった弾道ミサイルの発射という事態での避難行動を考えることとなりました。  いま一度、市民の皆様には、こうした警報や入手した情報を受けて、どのような避難方法を選択すればいいのか、また、札幌市の緊急体制はどうなっているのかということを広く周知するとともに、訓練などを加えまして実施することを強く要望しておきます。  また、今回のような場合も含めて、Jアラートは個人の携帯に情報発信されるものですが、携帯電話を持たず直接情報を獲得できない市民に対する情報配信手段の整備が急務であると考えます。  2022年1定の予算特別委員会で、我が会派は、高齢者等の防災情報が届きにくい方々へ、よりきめ細かく防災情報を行き渡らせるための検討経過について質問をし、札幌市からは、他都市への調査を行った結果、高齢者にとって身近な存在である固定電話を活用した手段が有効であると評価した旨の答弁がありました。また、本市では、今年度から、携帯電話を持たない方にも避難情報や国民保護情報を伝える手段として、自宅の固定電話へ情報を配信する避難情報等電話サービスを南区で試行していると承知しています。  そこで、質問ですが、今年度から試行した避難情報等電話サービスの現在の取組状況と今後の展開について伺います。 ◎浅山 危機管理部長  避難情報等電話サービスは、65歳以上の携帯電話を持っていない方に避難情報や国民保護情報を無料配信するサービスです。本年8月より、南区を対象に希望者を募集し、試行を開始いたしました。9月末までの間に南区では46件の申込みを受けておりまして、一定のニーズがあることが確認できました。  先日の弾道ミサイルに係る国民保護情報も固定電話番号宛てに配信したところでして、携帯電話を有しない市民に対する情報伝達手段として、有効であると認識しております。このため、次年度での全市展開も視野に、検討を進めてまいりたいというふうに思っております。 ◆うるしはら直子 委員  今年度試行した避難情報等電話サービスには一定のニーズがあって、情報手段として有効であるということ、また、次年度からは全市展開ということで理解しました。  一方で、固定電話については、利用者が年々減少の傾向にあります。不特定多数への音声による緊急情報の一斉配信手段としては、やはり不足しているのではないかと懸念をしているところでもあります。また、これまで、我が会派では、防災ラジオ等の戸別受信機の各家庭への配備を推奨し、求めてまいりましたけれども、最近、地上デジタル放送波を活用した同報系システムが開発され、消防庁が有識者会議を設置して、システムの規格統一化を図り、地方自治体によるシステム導入を後押ししていくという報道を目にしたところです。  避難情報や国民保護情報は、視聴覚などに障がいのある方も含め、全ての市民に対して漏れなく、かつ迅速に提供することが必須であり、情報伝達手段の多様化に向けては、こうした新たなシステムについて調査研究を進めることが重要と考えます。  そこで、質問ですが、地上デジタル放送波を活用した同報系システムについてどのように考えているのか、札幌市の見解を伺います。 ◎浅山 危機管理部長  地上デジタル放送波を活用した同報系システムにつきましては、消防庁主催のガイドライン策定に係る検討会が開催されておりまして、昨年度末にシステムの詳細や、標準とするべき技術的要件などを整理したガイドラインが示されました。  同システムは、自治体での導入実績がまだ少ないことから、十分に調査研究を行う必要があるものと認識しております。今後は、消防庁主催のアドバイザー会議などを通じて知見を深めつつ、情報伝達手段の多様化について検討を継続していきたいというふうに考えております。 ◆うるしはら直子 委員  しっかり検討していただくよう、よろしくお願いいたします。  今、情報の伝達や災害時における札幌市の体制、また、携帯を持たない市民に向けた情報発信などについて、いろいろと質問をさせていただきましたけれども、これまで想定していなかった危機や災害に市民も行政も対応していくには、やはり何よりも情報だと思います。今後は、交通局や教育委員会などともしっかり連携しながら広報していくこと、そして、研修や訓練など様々な機会を創出して、どのような危機情報が発せられても、落ち着いて、正しい情報に基づき行動できるように取り組んでいただくことを要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  次に、地域の防災活動について、2点伺います。  近年、豪雨災害の危険を及ぼす大雨の発生頻度は大幅に増加しておりまして、北海道においても、1時間当たり100ミリを超す大雨が降るような気候となっています。また、今年度の防災白書の中では、今後、30年以内に南海トラフ地震の発生確率が70から80%の予測ということも出されておりまして、今後も自然災害の頻発化、激甚化の傾向が続くことが懸念されており、これまで以上に防災や減災の取組の強化が極めて重要となっています。  過去の震災などの教訓からも、災害の初動期において被害を最小限に食い止めるには、この自助、公助、共助の力が必要ですけれども、さきの代表質問でも触れたように、行政も万が一被災した場合などは、公助の力だけでは限界がありますので、自助と共助の力で命を守っていただく、こうしたことが必要となります。  地域の防災活動の取組は、自助あるいは共助で命をしっかりと守り、また、共助の力でお互いに助け合う、そうしたことを身につけ、それを高めるためにも大変重要な活動であり、こうしたことを進めていくためには、リーダーとなって引っ張っていく人材が必要と考えます。ただ、主に地域の防災活動の中心となっていただいている町内会の方々は高齢化しており、リーダーとなってもらえる方を見つけるのもなかなか難しく、防災スキルが高い人材の育成も必要だと思います。  そこで、質問ですが、地域の防災活動においての現状、そしてまた、札幌市の支援についてどのようになっているのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  地域の防災活動は、町内会を主体とした防災組織が担っており、その結成率は令和4年4月1日現在で約9割と、ほぼ全ての単位町内会で結成されております。  自主防災組織を結成した町内会に対しましては、防災資機材を助成しているほか、人材育成のための防災リーダー研修も実施しております。また、地域住民による自発的な防災活動を推進するため、専門家の派遣や防災に関する研修会の開催などを行い、地区防災計画の作成を促進したり、あるいは、町内会に北海道地域防災マスター制度を紹介し、活用いただくなど、様々な支援を行っております。 ◆うるしはら直子 委員  札幌市においては、自主防災組織というものがもう約9割ということで、また、防災訓練を行ったり、人材育成として防災リーダー研修の実施、地区防災計画の作成などの支援をしていることは分かりました。  私も、防災の研修は様々受けておりまして、防災リーダーの研修についても見させていただいたのですが、研修の中だけの知識では、いざというときの対応で、個人の負担がすごく重くなって、困惑するのではないかと考えるところです。  北海道の地域防災マスター制度を活用しているということですが、現在、この防災マスターのほうは、元自衛隊の方や元警察官といった防災にたけている方々が増えているところですが、中でも特に多いのが防災士の有資格者です。  2019年度に、大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会の行政視察で松山市を訪問させていただいたのですが、こちらは防災士の育成が日本一ということで、職員の方も防災士の資格を取得して、市を挙げて防災に取り組んでいる、こうした都市の例もあります。  地域の防災活動には限界もあり、地域の中心となって防災活動を進める、防災の知見が高い防災士の資格を持つ方の協力を得て地域の防災活動を進めていく必要があると考えます。そのためには、地域にお住まいの有資格者の方を把握するなど、具体的な検討が必要であると思います。  そこで、質問ですが、地域の防災活動を向上させていくためには、もっと防災士を活用していくべきと考えますが、どのようにお考えか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  専門的な講習を受けて、深い知識と高い意識を持っている防災士のような皆さんを活用することは、有効なものというふうに認識しております。  防災士を活用するためには、市内の有資格者の把握をはじめ、どのような役割を担い、どのような活動をしていただくのかを整理する必要がございます。地域のリーダーとなって防災活動を進めていく人材が必要でありますので、今後は、防災士の活用についても検討したいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  活用について検討していただけるということで、心強い回答だったと思います。  あくまでも防災士は個人の資格ということで、資格を取るのにも少し高額なところがあります。しかしながら、防災士は地域防災力の強化に貢献するということで注目も集めておりまして、自治体による地域防災力向上の取組の一つとして、住民の方々に防災士の資格取得を奨励し、助成金を交付するという自治体が多く見られるようになっています。また、その数も増加の傾向にありますので、他都市の状況や成果も踏まえて、これからますます増えていく自然災害や非常時に対応するために、ぜひ防災士の活用について、また、将来的には資格を取得するための支援まで進めていただけたらなと思っています。
     こうしたことに取り組みながら、本市の防災・減災について強化するように要望しますとともに、防災まちづくり大賞が地域の活動の中から、札幌市の中からも出るぐらい災害に強いまちにしていただきたいとお願いしまして、私の質問を終わります。 ◆くまがい誠一 委員  私からは、北朝鮮による弾道ミサイルの日本上空通過に係る対応についてと、市民への防災意識の向上について、順次、質問をさせていただきます。  前の質問に若干かぶる部分は極力省きながらご質問をさせていただきたいと思います。  今月4日の朝7時27分、私の妻のスマートフォンから、緊急地震速報とは異なる警報音が鳴り、驚いて画面を見させていただくと、北朝鮮からミサイルが発射されたものと見られます、建物の中または地下に避難してください、対象地域は北海道とのメッセージが書かれておりました。ちなみに、私のスマートフォンは、妻とは違うキャリアで、ガラケーも持っておりますが、どちらもそういったアラートのようなものは鳴りませんでした。  突然の出来事で、避難しろと言われても、どのように避難すればよいのか、どう行動すればよいのか考えているうちに、7時44分頃、日本の排他的経済水域外に落下したとの追加情報が入り、ほっと胸をなでおろしたところでございます。  この警報音の正体はJアラートでございましたが、政府がJアラートを発信したのは、先ほどもあったように、5年前の2017年、北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過したとき以来で、今回は、通勤・通学のラッシュと重なったこともあり、警報音が一斉に鳴り響き、周囲は騒然となったものと伺いました。  その後、多くの方から、Jアラートが鳴ったらどうすればよいのか、どこに避難すればよいのかといった問合せを多くいただきました。危機管理のこれまでの取組により、また、広報活動により、地震や風水害といった自然災害に関する避難行動を想定している方は多くなってきているところでございますが、今回のように、接する機会が圧倒的に少ない事柄に対して、どのように行動すればよいのか分からないという方が多いと思うところでございます。  そこで、最初の質問ですが、Jアラートが鳴ったときの具体的な避難行動として、札幌市ではどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎浅山 危機管理部長  Jアラートが鳴ったときの具体的な避難行動についてですが、弾道ミサイルは、発射されてから僅か10分もしないうちに目標地に到達する可能性がございます。このため、Jアラートが鳴った場合は、落ち着いて爆風や破片から身を守る行動を取ることが何よりも重要というふうになります。その上で、屋外にいる場合は近くの建物か地下に避難する、建物が近くにない場合は地面に伏せて頭を守る、自宅も含めて屋内にいる場合は、窓から離れるか、窓のない部屋に移動してほしい、そのように市民の皆様に呼びかけているところです。 ◆くまがい誠一 委員  Jアラートが鳴ったときの具体的な避難の行動については理解いたしました。  次に、札幌市では、弾道ミサイルによる爆風等から身を守るために、小・中学校や地区センターのほか、8月24日には、地下鉄駅舎や地下街、公共地下駐車場など、新たに55の施設を緊急一時避難施設に指定しており、そのような中、今回、避難施設を利用することが必要になる事態となりました。  実際にどれだけの市民がこの緊急一時避難施設に避難してきたのか、報道では数人程度であったとのことでありますが、避難したくてもどこに避難すればよいのか分からず不安だった、地下鉄駅舎や地下街が実は緊急一時避難施設であったことを知らなかったという市民の声もございました。また、Jアラートが鳴ったときに自宅にいた場合は、近くの緊急一時避難施設に避難したほうがよいのか、それとも自宅にいるべきなのか、どういった場合にこの施設を利用したほうがよいのか、判断が難しいと思われます。  そうした中、私の住む地域の小学校では、Jアラートが鳴った際、校長先生の判断により、Jアラートが鳴りましたので、安全が確認されるまで児童を自宅待機させてくださいと連絡がございました。保護者としては、学校に行かせるべきか、自宅待機させたほうがよいのか、判断に迷い、突然の出来事で不安に思われた方が大勢いたと聞いております。そうした中、この校長先生の判断は、保護者と子どもの不安を払拭し、その後の行動を後押しするものとして、的確な判断がされたものと思います。さらに、この学校では、その後、弾道ミサイルが付近に着弾することを想定した訓練を実施したとのことで、意識の高さを感じたところでございます。  危機管理局として、こうした取組等がほかでもしっかり行われますように、他部局と連携を密に取っていただけるようお願いしたいと思います。  北朝鮮による弾道ミサイルの発射が頻発している昨今の状況に鑑みると、今後も日本上空を通過するおそれがあり、Jアラートが鳴るかもしれませんし、最悪の事態、札幌市にミサイルが落下することも想定されます。そのため、市民の皆様の関心が高いこの時期を逸することなく、弾道ミサイルに対する避難行動を広く知らしめていくことが必要ではないかと思います。  そこで、質問ですが、このたびの北朝鮮による弾道ミサイルの発射を踏まえ、今後、札幌市では、弾道ミサイルに対する避難行動についてどのように市民に周知していくのか、お伺いいたします。 ◎浅山 危機管理部長  弾道ミサイルが発射された際の具体的な避難行動につきましては、発射から間を置かずに、それこそ時期を逸せずに、危機管理局についてはさっぽろ防災ポータルにて市民に周知をしていきたいというふうに考えております。また、今後も、さっぽろ防災ハンドブックのようなパンフレットや、出前講座などあらゆる機会を活用し、市民の皆様に普及啓発をしていきたいというふうに考えております。 ◆くまがい誠一 委員  要望でございます。  緊急一時避難施設は、屋外にいる人が主な対象であること、弾道ミサイル着弾までの時間的制約を勘案すると、自宅から出るのではなく、むしろ、その場で身を守る行動を取ったほうがよいことについては理解いたしました。  また、今後の市民広報については、先ほども申しましたように、今が一番効果的であると思いますので、広報さっぽろなども活用し、幅広く啓発していただきたいと思います。  今後は、自然災害のみならず、相次ぐ北朝鮮による弾道ミサイルの発射など、国際情勢の動向を踏まえた対応も求められるところでございます。今の答弁にもございましたけれども、このような事態を想定した住民避難訓練や、市民の皆様を対象とした研修を実施するなど、あらゆる危機事象に対して、市民の皆様が認識し、行動要領を頭の中でイメージすることができ、今回のようにJアラートが突如として鳴ったとしても落ち着いて自分の身を守る行動ができるような取組をしていただくことを要望し、この質問を終わります。  次に、市民の防災意識の向上についてお伺いいたします。  過日の我が会派の竹内議員の代表質問において、市民一人一人の心に届くインパクトがあり、自分事として防災に取り組んでいく意識を持つよう、啓発を強化すべきということについて質問させていただいたところでございます。答弁といたしましては、あらゆる機会を捉えて、市民の皆さん一人一人が防災の取組を自分事として考えることができるよう、防災意識の醸成や向上につながる啓発を進めてまいりたいということでございました。  近年、自然災害が頻発している一方、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により地域の活動が停滞している状況もあり、今こそ防災意識向上に向けた啓発が必要であると考えるところでございます。現在、危機管理局でも様々な普及啓発活動を進めており、一定の効果はあるものと思いますが、一歩、二歩進んだ、さらなる普及啓発の強化を図るべきものと考えるところでございます。  そこで、質問ですが、防災意識の向上に向けた具体的な強化策についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎浅山 危機管理部長  これまでは、出前講座などによる直接的な啓発をはじめ、さっぽろ防災ハンドブックや各種ハザードマップの配布などにより啓発を行ってまいりました。地域の町内会を主な対象としてまいりましたが、今後は、就学前のお子さんを持つ世代への啓発にも取り組んでいきたいというふうに検討しております。  また、地域で活動しているNPOや企業と住民が連携協力して、防災協働社会の構築を目指すよう働きかけるなどの啓発も強化してまいりたいというふうに考えております。 ◆くまがい誠一 委員  次に、消防団や少年消防クラブを活用した地域防災の人材育成についてお伺いしたいと思います。  市民の防災意識を高めていくには、行政からの啓発はとても重要でありますが、地域の中で自主的に防災活動を進めていくための人材育成も必要であると思うところでございます。私自身も、地域の消防団に加入しており、町内会の活動をはじめ、様々な場面で消防団員として貢献させていただいているところでございます。  また、地域には、消防局が主体となりますが、青少年を対象とした少年消防クラブがあり、クラブの世話役的なマスターやリーダーの子どもたちの中から、消防士や地域の防災活動で活躍している人材も多く現れているところでございます。このような消防団員やクラブ員が地域の防災活動に主体的に参加し、このような人材を活用していくことは、地域全体の防災意識の向上につながるとともに、各地域の人材育成に寄与していくものと考えるところでございます。  そこで、質問でございますが、地域の消防団や少年消防クラブなどの人材を活用した地域防災の人材育成を進めるべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎浅山 危機管理部長  地域住民が共に助け合う共助の取組を進めていくためには、地域の防災活動を牽引していく人材の育成は重要であると認識しております。消防局が中心となって、消防団や少年消防クラブで人材育成を進めていることは承知しておりまして、防災訓練において消防団員が実技指導をするなど、地域のリーダー的立場で活躍いただいているところです。  コロナ禍で地域活動を休止しておりましたが、今後も、消防局との連携を強めながら、これらの人材活用の場を広げ、積極的に地域の防災活動で活躍していただけるよう取り組んでまいりたいというふうに思います。 ◆くまがい誠一 委員  最後に、防災意識向上に向けた啓発ツールについてお伺いしたいと思います。  啓発ツールについては、さっぽろ防災ハンドブックをはじめ、地震マップや洪水ハザードマップなど、様々なツールを用いて進めていると伺っています。  私としては、もっと身近で目に見えるところにインパクトのあるツール類を新たに作成するなどの拡充をすべきと考えております。例えば、配布品としては、冷蔵庫に貼り付けることができるマグネットシートに避難場所や持ち出し品等のチェック表を印刷したものを配布したり、また、広報部のLINEに防災関係のボタンを設けるなど、分かりやすい形のものが必要だと思います。身近にこのようなものがあれば、もっと災害を自分事として捉えてもらえ、防災意識の向上につながっていくものと思います。  そこで、質問ですが、防災意識の向上に向けた啓発ツールを拡充すべきと考えますが、拡充についてどう考えているか、お伺いいたします。 ◎浅山 危機管理部長  防災訓練などでは、札幌市の備蓄品で使用している非常食を参加者へ配布し、家庭内備蓄のきっかけづくりなどをしておりますが、今後も、委員のお話にもありましたような、防災意識向上の啓発につながるようなツールや、より効果的な配布方法など、いろいろ検討してまいりたいというふうに思います。 ◆くまがい誠一 委員  最後に、要望です。  ただいまご答弁いただいたように、より効果のあるものを検討してまいりたいということでございましたので、ぜひ、質問の中でも述べたようなLINEに防災関係のボタンを設けるなど、分かりやすく身近なツールに取り入れていただくことを重ねて求めて、質問を終わらせていただきます。 ◆池田由美 委員  私からは、地区防災計画について、3点質問いたします。  東日本大震災の教訓を踏まえて、2013年に災害対策基本法が改正され、地区防災制度が創設されております。この制度は、地域の防災力を向上させることを目的に、地区居住者が自発的に防災計画を作成し、市町村の防災計画に定められるもので、過去の災害事例を踏まえ、想定される災害についての検討を行い、活動主体である地区の目的やレベルに合わせて、地区の特性に応じた項目を計画にしていくことが重要となっています。  先ほど質疑がありましたけれども、単位町内会では、もう9割に自主防災組織ができているということですけれども、地区防災計画は、その組織とも連係するもので、地域から地区へと範囲を広げた計画となります。  計画作成は連合町内会などが中心となっていくものだと考えますが、先ほどの質疑にもありましたように、町内会はたくさんの課題を抱えていますから、計画作成に向けては、想定される災害などを出し合い、災害について学ぶことも含めて、大変なご苦労があるのではないのかと考えるところです。  本市の地区防災計画は、2019年から14のモデル地区が指定されており、そのうち、8地区で計画が完成し、札幌市地域防災計画に位置づけられていると伺っています。  ここで、質問いたしますが、モデル地区の地区防災計画の作成に当たって、本市はどのような支援を行っているのか、また、計画作成に至っていない6地区の状況と今後の対応について伺います。 ◎浅山 危機管理部長  モデル地区への支援としましては、地区防災計画制度の説明会をはじめ、専門家による講演会や、理解促進のためのワークショップなどを実施しております。  計画が未作成となっている6地区では、新型コロナウイルス感染症の影響により、地域活動が休止となっておりましたが、現在、町内会役員やまちづくりセンターを交えながら、改めて計画作成に向けた協議を進めているところです。  計画作成の初期では町内会の役員が中心となって進めていくこととなりますが、多くの住民の皆様に参加いただき、それぞれの地域の災害リスクに応じた計画となるよう、取組を進めてまいりたいと思っております。 ◆池田由美 委員  6地区においては、新型コロナウイルス感染症の影響があったということで伺いました。そして、講演やワークショップなどの支援をしてきているということであります。多くの地域の住民が参加していくということが重要だなというふうに考えているところです。  しかし、新型コロナウイルス感染症の収束というのは、まだまだ見通しが十分ではありませんから、新型コロナウイルスの感染状況や地区の実態もつかみながら、支援をしていただきたいというふうに思っています。単位町内会では、先ほどもありましたけれども、役員の成り手がいない、高齢化している、見守り活動などの活動が山積しておりますから、ご苦労されているというふうに思います。  ここで、質問いたしますが、地区防災計画の作成における課題についてどのように考えておられるのか、また、今後どのように計画を広げていくお考えなのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  地区防災計画は、地区の範囲や形式を自ら定めることができる自由度の高い計画ではあるのですが、その一方で、地域が主体的に計画を考える必要があるということから、モデル地区では地域が一体となって、計画作成に取り組む意識を醸成することが課題となっております。  地区防災計画は、継続的な防災活動を行うために、とても効果的な取組と認識しておりますので、今後も、計画に係る説明会を実施するなどして、あらゆる機会を通じ、作成を支援していきたいと考えております。 ◆池田由美 委員  答弁にありましたように、地区の範囲というか、区切りをつけていきながら、自由度の高い計画である一方、主体的に進めていく必要があるということで、やはり時間がかかるのだなというふうに思っているところです。多くの人に関わってもらって計画をつくり上げていくということは、私も本当に大切だなというふうに思っておりますし、それには時間がかかるのだなというふうに考えているところです。それぞれの地区で納得ができる計画となるように、今後も支援をお願いしていきたいというふうに思っています。  地区計画を作成し、札幌市地域防災計画に位置づけられることが一つのゴールではありますけれども、計画の見直しや、実際に災害が起きたときに活動できる人的体制の維持も大切です。  そこで、質問いたしますけれども、計画作成の支援も、計画作成後の支援も必要と考えますが、どのように支援を継続していくのか、お考えを伺います。 ◎浅山 危機管理部長  地区防災計画を作成し、市の地域防災計画に位置づけられることは一つのゴールではありますが、地域の防災活動そのものはそこからがスタートであると考えております。こうした地域の防災活動を継続して行えるように、計画策定作成後のフォローアップをしているところです。  今後も、各区の職員やまちづくりセンターとも連携し、町内会に寄り添いながら防災活動の支援に取り組んでまいりたいと思います。 ◆池田由美 委員  答弁にありましたように、できたところからがスタートだということは、本当にそうだなというふうに思います。そして、計画をフォローアップしていくように支援をしていただけるというお話でありました。  町内会では、役員もその年で代わる可能性もありますし、先ほどリーダーをなかなか確保できないのだという話もありましたけれども、災害も複雑化しております。そういった困難もありますけれども、いざというときに計画が生かされるように、計画が作成された後の支援も続けていただきまして、充実させていただきますように最後に求めまして、質問を終わります。 ◆三神英彦 委員  私からは、まず、武力攻撃事態等を想定した危機対応について、どちらかというと避難施設のほうを気にしながら質問させていただきます。  先日の代表質問、補充質問において、秋元市長からは、近年の北朝鮮における弾道ミサイル発射事件、ロシアとウクライナの侵攻などを勘案すると、武力攻撃事態等は決して対岸の火事ではないということ、そのため、施設管理者の協力をいただき、地下鉄の駅舎や地下街など55の施設を新たに緊急一時避難施設として指定したこと、今後も避難施設の追加指定や有事が発生した場合の市民の対応方法の周知などに平時から取り組んでいくとの答弁をいただいたところです。  これに対して、早速の質問なのですけれども、現在、札幌市では、地下施設も合わせて242施設を緊急一時避難施設として指定しており、今後も追加指定するとのことですが、どのような考え方に基づいて追加指定するのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  緊急一時避難施設は、爆風や破片などから直接の被害を軽減するためのもので、特に屋外にいる市民の皆様が直ちに避難し、身を守ることができるように指定しております。これは、ミサイル着弾による死傷者の大部分は屋外にいるときに発生しているという海外の事例から得られた教訓でございまして、屋外にいる市民の皆様の命を守るために有効なものであると認識しております。  このことから、施設管理者の皆様のご理解とご協力をいただきながら、地下施設や大規模な建物などを中心としまして、今後も追加指定をしていきたいというふうに考えております。 ◆三神英彦 委員  先日の国会で、岸田総理のほうから核シェルターというワードが出ているんですよね。そうすると、この緊急一時避難施設というのは、今後、核シェルターだとかという話とどう結びついていくのか、現状としては分からないんですけれども、恐らく、そういった施設に対してこれから強靱化の話が出てくるのではないかと思うので、適切に対応していただけたらと思います。  今までの質問者から何度も出ていますが、有事の際に本当に行政にできることって、市民を避難誘導させることなんだと思うんですよね。その上で、上手な誘導をするためには、当然、国や北海道だとか自衛隊だとかとも連携を図らなきゃいけないですという話で、それぞれの役割分担を相互に確認した上で対応するというのが、結果的に市民の命を守る確率を上げることなんだろうなというふうに思います。  続いての質問ですけれども、札幌市では、武力攻撃事態を想定し、あるいは度重なる弾道ミサイルの発射実験を踏まえて、避難方法についてどう考えているのか、また、国や北海道との間で連携を図るための取組はどうされているのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  武力攻撃事態を想定した避難経路や避難手段等についての検討を危機管理局でも予定しておりまして、その実効性を確保するためには、国や北海道とも連携する必要があると認識しております。  また、札幌市では、平時から、自然災害はもとより、武力攻撃事態に関しましても国や北海道と情報交換を行っておりまして、さらに今月と来月は、国が主催する国民保護の訓練にも参加する予定でございます。 ◆三神英彦 委員  まずは訓練ですね、有意義にやっていただくということを本当にお願いしたいと思います。  武力攻撃事態等に関する事案というのは、国防が深く関係する事案なんで、当然、国とか道とか自衛隊とかというのはもちろんのことなんですけれども、やはり、危機管理局そのものに高度な知見も求められるのではないかと思います。それでは、危機管理局というのがどうあるべきなのかということで、次の質問に移っていきます。  危機管理体制の在り方です。  危機に際し、本市は、基本原則として、各局・区長が危機管理責任者として、所管業務における危機事象を想定し、主体的に対策を講じることとしています。その上で、危機管理監が組織横断的に危機管理を統括し、発災時には市長の指示の下、各局・区の職員を指揮監督し、全庁が一体となって災害対応に当たるということになっています。  このたびの体制というのは、災害時には局長よりも上位の位置づけとなる危機管理監、災害対応に特に密接な関わりを持つ局・区の兼務職の発令など、こういうものが新設されているのですが、実際に災害が発生したときにこの防災危機管理体制というものが上手に機能するのか、確認させていただきたいです。  質問ですが、本市は、今年4月に危機管理局を立ち上げ、危機管理監を新たに設置し、様々な防災・危機管理対策を進めていると思いますが、具体的にはどのような取組をされたのか、お伺いします。 ◎浅山 危機管理部長  防災・危機管理対策の取組につきましては、各局・区の危機管理責任者が行う災害対策の実効性を高め、より現実を意識した内容になるよう促したところでございます。また、兼務の職員とは定期的に意見交換し、組織間の連携を深めることで、全庁的な対応力の強化を進めております。 ◆三神英彦 委員  実際に札幌で災害対策本部が設置されるぐらいの災害を調べてもらったところ、過去40年で大体4回ぐらいなのです。直近が北海道胆振東部地震です。この災害本部が立つ回数の少なさというのは、言わば災害の少なさと捉えれば喜ばしいことなんですけれども、行政も市民も経験値が低いとも言えてしまうということで、この少ない災害経験を補うためには、本当に上手に訓練を通じてイメージを膨らませて疑似体験を重ねていくということが何よりも大事なのではないかと思います。  質問ですが、このたびの訓練を通じて、発災時の災害対応について見えてきた課題はありますか。また、災害経験の少なさを補うために、訓練以外でも取り組んでおくことがあれば、お伺いします。 ◎浅山 危機管理部長  風水害を対象としました7月の災害対策本部運営訓練では、各局・区との連携に力を入れた結果、本部事務局と各局の情報連絡員が緊密に情報共有を図ることができました。一方で、市民に発信すべき情報の整理や発信のタイミング、情報の優先度や重要度の選別など、災害経験の少なさゆえの課題も見られたところです。  そこで、危機管理局としましては、災害経験の少なさを補うために、災害対応の経験が多い都市に職員が直接出向き、災害時の実態や今後の大規模災害を想定した取組について調査を行っております。他都市の取組は非常に参考になるため、それらを取り入れ、災害対応力の強化を図りたいと考えております。 ◆三神英彦 委員  札幌市では、2004年、平成16年4月、消防局から危機管理対策室を設置して、それから大体18年ぐらい経過したそうです。当時と比べても、危機というものが定義としてきっと増えているのだろうなと思います。それから、災害そのものが激甚化していたりとか、数が増えたりとかということもあります。また、当然、いろんな議員さんから、局内連携のために危機管理も頑張れ、頑張れという話になっているわけですから、そういったことなどを考えると、危機管理局の仕事というのは当時の何倍にもなっているのかなというふうに思うんですね。現状の21名体制というのは規模感としてどうなのかなというのは、正直、思うところです。  そこで、危機管理監に組織について質問するんですが、札幌市における防災・危機管理体制の現状を踏まえ、市の災害対策を指揮する危機管理監としてどのようにお考えですか、お伺いします。 ◎櫻井 危機管理監  札幌市におけます防災、そして、危機管理体制の現状を踏まえた私の考え方についてお答えさせていただきます。  今後の災害対応におきましては、人口減少と超高齢社会を前提といたしまして、自然災害の頻発化、そして、激甚化、これらへの対応が求められているところでございます。いわゆる支える側の人数が減少する中で、在宅介護ですとか独居老人といった急増する要配慮者に対してどう取り組むのかということが大事だと思います。さらには、感染症と大雪、そして、大震災、大地震が同時に発生した場合に、こういった複合災害にどう取り組んでいくのかということは、検討していかなければならない課題が相当多いというふうに自認しているところでございます。  こういった複雑で困難な課題に対しましては、市の単独局では解決が極めて困難であります。やはり、公助を担う札幌市全体が一体となりまして、さらに、自助、共助の担い手であります市民、そして、地域、町内会、企業の理解と協力が不可欠となっております。  そういった意味では、北海道胆振東部地震で被災のありました清田区里塚地区の取組として、地域、企業、市が三位一体となって取り組んだ復興のモデルがありますので、それらの知見を生かしていきたいというふうに考えております。  あわせまして、限られた人的資源の中で災害対応を迅速かつ的確に進めるために、AIなどの最新デジタル技術によるデジタルトランスフォーメーション、DXの力も最大限活用しながら、ハード・ソフト両面からの備えをこれまで以上に強化してまいりたいというふうに考えております。 ◆三神英彦 委員  市民が高齢化しているということは、地域には考える力があまり残っていない可能性があるんですね。  この間の南区の固定電話の実験とかでも、2回目のJアラートのときでもまだ電話を取れない人って多分いたんじゃないかなというふうに思うんですよ。そうすると、私たちは試験としてどういうことをやってあげると、おじいちゃんやおばあちゃんたちが上手に逃げられるかというところまで考えなきゃいけないんですね。そうすると、やっぱり、先回りして考えるという力というのがこれからの危機管理局には求められるんじゃないかなというふうに思います。  例えば、まちの中の話にしても、例えば、市長、副市長を守るということが結果的に市民を守ることにつながるということであれば、ひょっとしたら市役所の移転というのは、むしろ3丁目、4丁目側に移転したほうが、市民のためであったりする可能性だってあるかもしれませんという話だったり、想定外の津波とかがばんと来たとかといったときに、逆にこの碁盤の目は怖いということをイメージできるかということもこれからの危機管理局には求められるんじゃないかなと思います。引き続き、よろしくお願いします。 ◆田島央一 委員  私からは、冬季防災訓練等についてお伺いしていきたいと思います。  昨年、札幌市では、記録的な大雪となり、交通機関は麻痺し、市民生活に多大な影響を及ぼしました。このため、雪害対策連絡会議を立ち上げるなどして、市長の指示の下、各種対策を講じてきたと承知をしております。あのときは除排雪が焦点となり、その後、札幌市として今後の大雪対応に係る検証と今後の対策について取りまとめたところでありますが、もしあのときに地震が発生していたらどうなっていたのかということを想像すると、とんでもない事態になっていたのではないかと考えています。  札幌市は、気候的な特性上、冬期間は雪を避けて通ることができず、スキーやスノーボードなどのウインタースポーツのほか、雪まつりやイルミネーションなどの市民生活に浸透したイベント等を通じ、雪を楽しみ、雪と上手に付き合う工夫をしています。ただ、これと併せて、冬季の災害対策にも十分に取り組んでいかなければならず、資機材や物資などの備品はもとより、訓練や研修を通じて市職員の災害対応力向上を図り、あわせて、市民の皆さんが冬を意識した災害対応を考え、それを実践し、生き抜いていく力を醸成することが求められています。  そこで、最初にお伺いしますが、札幌市として、これまで冬季の防災訓練等を実施した実績はあるのか、町内会の活動を含めどのような状況であったのか、お伺いをしたいと思います。 ◎浅山 危機管理部長  札幌市では、これまで、避難所運営を担当する職員を対象にしまして、冬季の非常参集訓練や避難場所運営研修を実施した実績がございます。また、町内会が主体となって、冬季の防災研修会や避難所宿泊体験訓練などを実施している事例がございます。 ◆田島央一 委員  少なからず取組の事例があったということは理解いたしました。  4年前の2018年9月6日、私たちは北海道胆振東部地震を経験したところでありますが、道内全域でブラックアウトが発生した中で、多くの市民の皆さんが、これが冬であったらどうなっていたのかと思われたのではないかと思います。北海道では、この地震を受けて災害検証を行ったところでもありますし、積雪寒冷地の災害対応の充実強化に係る提言を踏まえ、2020年1月25日に、厳冬期の北海道総合防災訓練が北見市で行われたところでもあります。この訓練は、停電のため、通常の暖房が使えない環境下での真冬の避難所運営を想定し、自衛隊や民間企業の方々の協力をいただきながら、市町村や防災関係機関職員の参加の下、1泊2日の日程で行われたのですが、毛布1枚での就寝トライアルやトイレ講習、ポータブルストーブの検証など、まさに厳冬期を想定した実戦さながらの訓練であったと思います。  この訓練は、2021年度には北斗市で実施されたところであり、その際には、厳冬期の災害に備えるための留意事項として、体温を下げないための備え、行動ができるようにする、ぬれた衣服のままでいない、冬の車中泊のリスクを知っておく、避難所でのトイレの清潔さを保つということを市民の皆さんに知っていただいたところでもあります。
     このような訓練には、ぜひ、市職員の皆さんも大いに参加し、実践を通じて今後の冬季の災害対策に生かしていただきたいと思うのですが、札幌市としては、他の地域での冬季防災訓練などに参加するなどして知見を深めてきたことはあるのか、この点をお伺いしたいと思います。 ◎浅山 危機管理部長  札幌市では、これまで、北海道が主催する厳冬期の防災訓練に職員を参加させ、厳しい寒さの中での避難所運営を経験しております。雪と厳しい寒さの中でどのように市民の命を守っていくのか、行政として対策の重要性を認識しているところです。  令和2年度以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、訓練に参加することができなかったのですが、今年度予定されている冬季の防災訓練には職員を参加させる予定でございます。 ◆田島央一 委員  コロナ禍のため参加できなかったということで、その点はある程度は致し方ないのかなと思います。また、道内各地の地域性もあったりするので、なかなかできない部分があるのはしようがないと思うのですが、また、いろいろな地域でリスクの持ち方もかなり違っていて、私は以前、オホーツク海沿岸のほうにずっと住んでおりましたが、例えば流氷があるときに津波が来た場合どうなるのかというのは、北海道開発局が想定をして、本当に海岸線の高い建物に逃げることで命が助かるのか、とにかく高いところに逃げるとか、そのためにどういう備えをしなければいけないのか、冬だったらガソリンを常に満タンにしておくだとか、行動変容することが非常に大切なことだと思っております。  様々な想定は地域によって差があるとは思うのですが、次に、防災訓練のことをお伺いしていきます。  防災訓練は、訓練準備や訓練を行いやすい季節に行われているのが一般的ではありますが、雪のない季節に集中して行われている印象であります。特に、9月だとか防災の日に合わせているような印象を私は持っております。このため、市民の皆さんは、雪のない季節を想定した備えですとか、初動対応、その後の避難行動、避難生活などについては、ある程度イメージすることができているのではないかと思います。しかし、冬の場合は、厳しい寒さから身を守ることを最優先として、そのための様々な対策を講じていくこと、避難行動の場面では、路面凍結や吹雪、あるいは立ち往生を想定した車中泊なども、考えていかなければならないと思います。また、停電により暖房が使用できないことになってしまうと、せっかく避難してきたのに、生命の危機に瀕することになるという事態にもなりかねないと考えますと、雪のない季節以上に様々な備えをしておき、冬の災害をイメージした避難行動、避難生活をあらかじめ想定していくことが必要不可欠であると考えます。  そこで、お伺いしますが、札幌市では、冬季の防災訓練の必要性についてどのような認識でいるのか、お伺いしたいと思います。 ◎浅山 危機管理部長  冬季の災害は、雪と寒さが足かせとなりまして、人命救助や住民の避難など様々な場面で、夏場の災害以上に人や時間を要することが想定されます。  このため、冬季の防災訓練の必要性については重々認識しておりまして、冬季特有の災害オペレーション、備蓄物資の機能性確認、訓練参加者の安全確保にも留意しながら、訓練の実施について検討してまいりたい、そのように考えております。 ◆田島央一 委員  今後検討していくということですが、最後に要望だとか意見をちょっと述べて終わりたいと思います。  昨年の12月に、国は、北海道から東北沖の巨大地震の発生に伴う被害想定を公表いたしました。これは、日本海溝、千島海溝の二つの地震によるもので、低体温症要対処者や凍結時の津波による死者数といった厳冬期の発災が想定をされております。北海道は、10月下旬にはもう最低気温が1桁となりまして、その寒さが3月まで続くこととなります。これは、札幌市も同様の気象傾向ではありますが、このことは、1年の半分は寒さ対策が必要になるということを意味しております。その中で、冬季の災害は積雪寒冷という気象条件が付与された上で遭遇するものでありますが、実際に経験してみないと冬の災害対応の厳しさを実感することは非常に困難ではないかと思っております。  私自身も、以前、宗谷管内にいたときに、札幌から宗谷に戻るとき、夜中に車を走らせていて、エンジントラブルで名寄ぐらいで止まってしまって、レッカーをしてもらい、夜中の3時ぐらいからディーラーさんが開く9時ぐらいまで駐車場で待機していたことがありました。エンジンもかからないで、12月ぐらいだったのですが、マイナス12度ぐらいになって、車の中で待機していたのですけれども、ふだん登山をするので寝袋は持っていて、マイナス15度まで大丈夫ですということで入ったんですけれども、寒くて全然寝られなくて、今はもうマイナス32度にも対応できるぐらいの寝袋を持っているんですが、やっぱり、1回やってみないと、その大変さだとか、そこを本当に乗り越えられるのかというのが分からない部分があると思っております。  また、以前、網走市の郊外のほうに住んでいたのですが、よく大雪になると、架線が切れて、停電することが多かったんですね。そうすると、地方というか、郊外地のほうに行くと、冬でも停電が頻繁に起きるようなことがあって、そのときは、長くて8時間ぐらい電気が来ないということがやっぱりありました。そのときには、やっぱり普通のストーブでは駄目だなということで、ポータブルのストーブ、灯油が使えて乾電池で発火するようなものをふだんから準備しておかなければいけないのかなと実感しましたし、私の実家なんかは、まきストーブをいまだに使っていて、何かあったときにはそういった形で通電しなくても対応できるというような備えをしております。  やっぱり、こういったことに対するイメージだとか、実際にやってみて行動変容していくということが求められますし、今はアウトドアブームでいろんなものを皆さん装備していたにしても、冬を越えるというのは相当厳しい環境なのかなと私は思っていますので、ぜひとも、そういったものも含めて対応が必要だと思っています。  最後に、要望いたしますが、防災訓練という手法は、実際の災害を疑似体験できる機会でもあります。ぜひとも、札幌市には、冬季防災訓練を検討していただいて、市民の皆さんの命を守る取組を進めていただきたいと思いますので、その点は前向きな検討をいただいて対応いただくようお願い申し上げて、私からの質問を終わりたいと思います。 ◆好井七海 委員  私からは、日本海溝・千島海溝地震を想定した道内防災への取組についてと、避難所におけるペット同行避難について、2項目質問させていただきます。  初めに、日本海溝・千島海溝地震を想定した道内防災への取組についての一つ目に、道内防災関係機関との情報共有について伺います。  令和3年12月に、国は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に対し、広域的な防災対策を検討するためのマクロ的な被害想定を公表しており、特に、冬季の深夜に地震が発生した場合、道内の死者数は13万7,000人、避難者数は41万3,000人に上るとされております。これを受けて、令和4年7月に、北海道は、津波の浸水想定区域内における時間帯別の人口動態の建物被害状況など、個別の地域ごとの実態を踏まえた、より詳細な検討を行っており、道民の防災対策の必要性を理解し、道内市町村が防災対策を立案しながら、施策の推進に活用できるよう、市町村ごとの被害想定を公表しました。  北海道内においては、平成以降、釧路沖、北海道南西沖、北海道東方沖、十勝沖での地震などに加え、平成23年3月に発生した東日本大震災により、大きな津波が発生しているところであります。これらの大規模地震では、発災後の救援・救助活動や救援物資輸送などにおいて、道路、港湾、空港及び情報通信機能といった社会基盤の迅速かつ的確な応急復旧や、電力、石油、ガス等の燃料や資機材といった諸資源の確保並びに防災関係機関等による被災地への支援等の重要性が改めて認識されたところであります。  これまでも、平成17年に施行された日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づき、北海道は、地域防災計画等の中で様々な対策を計画し、整備を進めてきていると承知しておりますが、被災地支援に向けては、北海道における地理的・気象的・社会的状況を踏まえ、防災関係機関相互の情報共有を進めていくことが大変重要であると考えます。  そこで、質問ですが、札幌市は、道内で発生が想定される大規模地震について、防災関係機関とどのように情報共有を図っているのか、お伺いいたします。 ◎浅山 危機管理部長  道内で大規模な災害が発生した場合に備え、防災関係機関が情報共有を図ることは、非常に重要な取組であると認識しております。  札幌市では、北海道開発局が設置した北海道大規模災害対応連絡会に参画しておりまして、災害への連携強化を図っているところです。令和4年8月には、この連絡会において、会員である北海道から日本海溝・千島海溝地震に関する被害想定が示され、札幌市を含む道内防災関係機関への情報共有が図られたところであります。 ◆好井七海 委員  札幌市は、北海道大規模災害対応連絡会に参画しており、日本海溝・千島海溝地震について、防災関係機関と情報共有を図っていることは理解いたしました。  次に、大規模地震に備えた道内連携についてお伺いいたします。  今回の被害想定では、津波被害が太平洋沿岸部の多くの市町村に及ぶため、被災地支援等の調整は北海道が主体になると思いますが、津波の到達が想定されていない札幌市の果たす役割も非常に大きいと思います。例えば、平成23年の東日本大震災の際には、札幌市職員を被災地に派遣した実績もありますので、こうした経験を被災地支援に生かしていくことができるのではないかと考えております。また、日本海溝・千島海溝地震の被害想定を受けまして、道都札幌市として、道内全体を俯瞰して、道内市町村と連携し、札幌市として何ができるのかを事前に考えておくことも非常に大切であります。  そこで、質問ですが、今後、札幌市は、大規模地震に備え、道内市町村との連携をより一層深めていく必要があると思いますが、札幌市としての見解をお伺いいたします。 ◎浅山 危機管理部長  大規模地震に備え、道都札幌市として道内市町村と連携を深めることは大変重要なことと認識しております。道内の市町村が被災した場合は、北海道及び市町村相互の応援に関する協定に基づき、札幌市として、人的支援、物的支援を行うことになると想定しております。  今後、北海道の中心となって広域的な支援、避難に係る検討を進める中で、札幌市に求められる役割を積極的に果たすことで、道内市町村との連携を深めてまいります。 ◆好井七海 委員  冒頭で述べましたように、平成以降、北海道内の各地で地震が発生しており、オール北海道としての人的・物的支援と自治体間の連携強化は重要であります。  札幌市が道内への協力体制を強化することは、札幌市の防災・減災対策強化につながります。ぜひとも、国や道のみならず、道内他市町村から信頼される連携と取組を求めます。さらに、災害協定を今後もより広く他の市町村と結ぶこと、また、広域災害を想定した訓練も行うことと、災害は月日の経過に応じて必要となる支援も変化するものとの考えの下、ぜひ、初期対応、災害復旧、生活確保、生活再建への尽力を求めて、次の質問に移ります。  次に、避難所におけるペット同行避難についてお伺いいたします。  最初に、ペット同行避難の考え方についてです。  近年、大規模地震や気候変動の影響による風水害が激甚化、頻発化しております。ペットの同行避難に関しては、平成30年9月に発生しました北海道胆振東部地震対応検証報告書における市民アンケート調査で、自宅にとどまり避難しなかった理由として、全体の14%の市民がペットを飼っていたためと回答しております。このアンケート結果のように、ペットとともに暮らしている支援者からは、災害が発生した場合、避難所でのトラブルを懸念し、同行避難がしづらく、ペットと一緒に安全に避難したいとの声を多く聞きました。  ペットとの同行避難については、東日本大震災のときでも、一旦避難した飼い主がペットを避難させるために災害に巻き込まれた事例があるなど、市民の命を守る上で重要な取組であり、冬季の災害においては、車中泊を選択した場合に、身体的なリスクも想定されることから、より深刻な課題になると考えています。  現在、市内でも多くの世帯でペットが家族の一員として飼われている状況であるため、いざというとき避難をちゅうちょさせないためには、避難所におけるペット受入れ体制の整備が重要であると思います。  そこで、質問ですが、ペットとの同行避難について、どのような課題があると認識しているのか、お伺いいたします。 ◎浅山 危機管理部長  東日本大震災や熊本地震など過去の災害では、避難所にペットを同行することが十分に想定されていなかったために、鳴き声や臭いなどをめぐるトラブルが発生することがございました。また、北海道胆振東部地震の際は、札幌市の避難所においても、ペットの同行について統一的な対応を取ることができなかったとのご指摘もいただいております。  そのため、災害時においては、ペットを飼っている方々が避難しやすい環境を整備することが課題であると認識しております。 ◆好井七海 委員  同行避難の妨げにならないようにすることが重要であるということでありましたけれども、次に、現在の取組状況についてお伺いいたします。  令和3年8月に札幌市が公表しました第4次地震被害想定においては、最大で約8,000頭のペットが避難所に同行する可能性があるとされております。このような想定がある中、避難所での混乱やトラブルとして、ペット同行避難者とそれ以外の避難者との衝突などがあり、このようなことを防ぐためには、避難所生活におけるルールづくりが必要であると思います。  そこで、質問ですけれども、現在、具体的にどういった取組を行っているのか、お伺いいたします。 ◎浅山 危機管理部長  従前の避難所運営マニュアルでは、ペットの飼育専用スペースを、原則、屋外としていたことから、各区役所に収容テントと動物用ケージを一定数配備しました。  胆振東部地震後には、避難所運営マニュアルを見直しまして、冬期間の寒さなども考慮いたしまして、全指定避難所において、可能な限り飼育専用スペースを屋内に配置することとしました。加えて、避難所内にペットの飼育ルールを掲示するように変更しております。  大規模災害が発生したときは、まず命を守ることが重要となりますから、ペットを飼っている方々につきましても、ペットを連れてちゅうちょなく避難してもらえるよう取組を進めてまいります。 ◆好井七海 委員  ペットを連れてちゅうちょなくということでありましたので、よろしくお願いいたします。  我が会派は、災害時の犬と猫への手引となる犬と猫の手帳を動物管理センターに作成していただき、今は、その手帳を動物の訓練士会が犬のしつけや訓練などの講習会テキストに活用し、災害時に備えた取組を進めております。こうした災害時を想定した日頃からのしつけや訓練は、飼い主の責務であると考えます。また、避難所には様々な立場の方々がやってくることから、それぞれの特性や事情に応じた対策をすることが重要であります。ペットの同行避難に関しては、ペットを飼っている方だけではなく、ペットを飼っていない方の理解と配慮も必要です。  ついては、災害時のペット対応については、動物管理センターなどの関係部局との一層の連携が重要であると考えます。同行避難に関しては、今後もしっかりと取組を強化していただくことを要望して、質問を終わります。 ○前川隆史 委員長  以上で、第1項 総務管理費中危機管理局関係分の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月24日月曜日午後1時から、市民文化局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後6時13分...