札幌市議会 2021-03-08
令和 3年第二部予算特別委員会−03月08日-03号
令和 3年第二部
予算特別委員会−03月08日-03号令和 3年第二部
予算特別委員会
札幌市議会第二部
予算特別委員会記録(第3号)
令和3年(2021年)3月8日(月曜日)
――
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●議題 付託案件の審査
●
出席委員 34名
委 員 長 阿部 ひであき 副委員長 かんの 太 一
委 員 武 市 憲 一 委 員 三 上 洋 右
委 員 高 橋 克 朋 委 員 山 田 一 仁
委 員 長 内 直 也 委 員 よこやま 峰子
委 員 北 村 光一郎 委 員 伴 良 隆
委 員 松 井 隆 文 委 員 村 山 拓 司
委 員 三 神 英 彦 委 員 小須田ともひろ
委 員 小 野 正 美 委 員 桑 原 透
委 員 峯 廻 紀 昌 委 員 村 上 ゆうこ
委 員 林 清 治 委 員 成 田 祐 樹
委 員 たけのうち有美 委 員 あおい ひろみ
委 員 田 島 央 一 委 員 國 安 政 典
委 員 福 田 浩太郎 委 員 小 口 智 久
委 員 わたなべ 泰行 委 員 森 山 由美子
委 員 村 上 ひとし 委 員 池 田 由 美
委 員 田 中 啓 介 委 員 吉 岡 弘 子
委 員 佐々木 明 美 委 員 石 川 さわ子
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開 議 午後1時
――――――――――――――
○
阿部ひであき 委員長 ただいまから、第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、
前川委員からは、わた
なべ委員と交代する旨、届出がありました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第7款 土木費 第3項 河川費及び議案第15号 令和3年度札幌市
下水道事業会計予算について、一括して質疑を行います。
◆
小口智久 委員 私からは、河川の水害対策について質問をいたします。
近年、気候変動の影響などから、大雨による災害が激甚化、頻発化しております。
昨年7月には、梅雨前線により、九州から東海、東北にかけて記録的な大雨被害が発生したことは記憶に新しいところです。
さらに、
高度成長期以降、集中的に整備されたインフラが、加速度的に老朽化し、課題となっております。
こうしたことを踏まえて、我が会派は、かねてより、災害から国民の命と暮らしを守るためには、重点的かつ集中的な対策が必要であると主張してまいりました。
国では、防災・減災、
国土強靱化のための5か年
加速化対策を取りまとめ、本年4月からスタートさせますが、その大きな柱の一つは、我が党が強く訴えてきた
流域治水の推進です。特に、新たな取組として行われる
流域治水プロジェクトは、これまでの
河川管理者による対策に加え、あらゆる関係者が協働して、流域全体で水害を軽減しようとする取組であり、全国の109の全ての1級水系において、118の協議会を設けて検討していくことになっております。
札幌市は、国、北海道、流域内の各市町村等から構成される石狩川(下流)
水系流域治水協議会の一員となり、令和2年9月23日に第1回の協議会が開催され、
流域治水プロジェクトの検討が始められたとお聞きしております。
そこで、質問ですが、この
流域治水プロジェクトの
取組状況について伺います。
◎伊藤
河川担当部長 流域治水プロジェクトの
取組状況についてお答えいたします。
流域治水プロジェクトは、協議会とその下にある六つの
地域部会において検討が進められており、札幌市は協議会と
豊平川外地域部会の一員として参画しております。
1月29日に開催された
地域部会では、
関係機関からそれぞれの取組について報告があり、それに対して質疑や意見交換が行われたところでございます。
札幌市からは、雁来川などの
河川改修や、学校、公園を活用した
流域貯留施設整備などの
河川事業に加え、下水道の
雨水拡充管の整備、さらには、小・中学校での防災授業の実施、適切な避難行動の周知など、ハード・ソフトの両面の施策を主な取組として報告いたしました。
今後、第2回の協議会で、さらなる検討を経まして、年度内をめどに各
関係機関の様々な取組を盛り込んだ
流域治水プロジェクトを公表する予定となっております。
◆
小口智久 委員 札幌市も協議会の一員として
流域治水プロジェクトに取り組み、
河川改修、また、
流域貯留施設、公園、学校という、そういうような具体的なお話もありましたけれども、それらの整備など、
ハード対策、また、防災教育などの
ソフト対策を進めていくということでございまして、また、第2回でさらなる検討が行われるということでございます。
今後も引き続き、国などの
関係機関と積極的に連携して防災・
減災対策に取り組んでいくことを強く望みます。
一方、これまで、我が会派は、防災・
減災対策に関し、整備をして終わりとするのではなく、ふだんから、適切に
維持管理を行い、河川が有している
治水能力をしっかり発揮させられるよう、
事前防災に取り組むことが重要であると主張してまいりました。
昨年の
予算特別委員会において、
竹内委員が、
河道内樹木の伐採及び
しゅんせつについて質問し、さらに、河道内に繁茂した樹木や河床に堆積した土砂を取り除き、本来の断面を確保するよう求めたところ、令和2年度予算で
維持管理費を増額して取り組んでいくとの答弁をいただきました。
この河道内の樹木や
堆積土砂については、
令和元年台風19号による大規模な
河川氾濫等の原因ともなったことから、国においても、事前の対策が必要であるとしており、
地方公共団体が緊急的に
しゅんせつ等を実施できるよう、地方債の発行を可能とする特例的な措置として、令和2年度に
緊急浚渫推進事業債が創設されております。
当事業債は、
起債充当率100%、償還時の
交付税措置率70%、これは実質30%で事業ができる、そういうことになりますので、本当に財政的に有利であると伺っております。
そこで、質問ですが、
河道内樹木の伐採や
しゅんせつについて、令和2年度の
実施状況を伺います。
また、令和3年度の予定と
緊急浚渫推進事業債の活用について、併せて伺います。
◎伊藤
河川担当部長 令和2年度の
河道内樹木の伐採や
しゅんせつの
実施状況、令和3年度の予定と
緊急浚渫推進事業債、いわゆる浚渫債の活用についてお答えいたします。
まず、令和2年度の
実施状況ですが、樹木の伐採につきましては雁来川など4河川、
しゅんせつにつきましては手稲土功川などの3河川で実施しております。
次に、令和3年度の予定でございますが、樹木の伐採については新琴似川など15河川、
しゅんせつにつきましては東濁川など3河川で実施する予定でございます。
浚渫債につきましては、委員のご質問にもありましたとおり、大変有利な財源であると認識しているところであり、令和3年度予算案において、
河川維持管理費7億8,100万円のほかに浚渫債3億5,000万円を計上したところでございます。
このように、浚渫債を積極的に活用することで、
河道内樹木の伐採や
しゅんせつを着実に実施し、河川が有している
治水能力をしっかりと発揮できるよう、防災・
減災対策に取り組んでまいります。
◆
小口智久 委員 ただいま答弁いただきましたように、浚渫債3.5億ということで、まず、樹木の伐採についても、昨年4河川から15河川ということも具体的にお話がございました。
河道内樹木の伐採や
しゅんせつについて、この
緊急浚渫推進事業債を積極的に活用して進めていっていただきたいと思います。
札幌市においても、いつ大規模な水害に襲われないとも限りませんので、今後もしっかりと
事前防災に取り組んでいただきたいと思います。
この取組に当たっては、各河川の状況を的確に把握した上で、優先順位づけを行うとともに、着工後に手戻りとならないよう、しっかりと必要な調査を行うなど、
事前準備が重要と考えます。
例えば、
しゅんせつ工事の場合、河道内の
堆積土砂の中に
自然由来の
重金属等が含まれていることが発見された場合、その
処理方法が決まるまで現場が止まってしまうことにもつながりかねません。
そこで、
事前準備についての質問ですが、
しゅんせつを行う河川をどのように選定しているのか、また、工事前にはどのような調査を行っているのか、伺います。
◎伊藤
河川担当部長 しゅんせつを行う河川の選定と、工事前の調査についてお答えいたします。
しゅんせつを行う河川の選定につきましては、傾斜地なのか平地なのか、市街地なのか郊外部なのかといった流域の特性や、土砂の
堆積状況、地域要望などを勘案しまして、区土木部と連携を図りながら進めているところでございます。
工事前の調査といたしましては、
しゅんせつ予定河川の堆積土量を算出するための測量や、
自然由来の重金属などの含有調査、動植物の
生息状況を把握するための
自然環境調査などを行っております。
委員のご質問にありました環境基準を超えるような
重金属等が含まれていた場合には、
しゅんせつした土砂を
最終処分場に搬出することとしているほか、動植物に希少種が確認された場合には、その
生息環境に配慮するなど、調査結果を踏まえた施工に努めているところであります。
今後も引き続き、
事前準備をしっかり行い、円滑に施工ができるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
◆
小口智久 委員 まず、河川の選定というのは、
流域特性というものをしっかりと把握して、土砂の堆積、また、地域の要望等も勘案しながらということでございました。
また、調査は、土量の把握、これは、非常に、札幌市街というのは本当に置き場所が足りないですので、しっかりと土量を把握するというのは重要でございます。
また、重金属を含めた土壌の分析、また、動植物、これは希少種、また、非常に貴重なその場所の動植物についてしっかりと配慮していくと。重金属については最終処分、そういうような形で、しっかりと事前調査、準備をするということでございます。想定外のことが起きないように、工事が止まらないよう、しっかりお願いをいたします。
最後に要望でございます。
この近年の激甚化する風水害により、ダムと堤防を基本としてきた戦後の
治水対策では対応が追いつかない状況となっております。今後は、流域における雨水の貯留、例えば、先ほどご答弁ありましたグラウンド、公園、また、
雨水貯留管、また、遊水地、また、ビルディングの下に
貯留施設を設ける、そういうようなことをしながら、貯留機能を高める
スポンジシティーの推進、そういうことや、
災害リスクの高い住居や地域からの
避難体制強化など、都市行政や住宅行政と連携していくような治水の考え方に今後なっていくと思います。
まずは、
流域治水プロジェクトで取りまとめられた取組をしっかりと推進し、より一層災害に強い札幌市にしていただくことを要望し、質問を終わります。
◆
三神英彦 委員 私からは、
下水道管路施設の
地震対策についてお伺いします。
東日本大震災からちょうど10年を迎えようとする矢先、先日もまた再び、福島沖で大きな地震が発生いたしました。
地震対策については、どこまで想定して、どこまで備えるかという本当に難易度の高い課題だと考えています。
札幌においては、2年前、
胆振東部地震で、
ライフラインである下水道の
管路施設についても、
市内各所で被害を受けたと聞いております。
被害から2年半を経過し、施設の復旧もおおむね完了したとは聞いていますが、改めて
胆振東部地震による
下水道管路の
被害状況と
発生要因からお伺いします。
◎善徳
事業推進部長 胆振東部地震におけます
下水道管路の
被害状況と
発生要因についてお答え申し上げます。
まず、
下水道管路の
被災状況についてでございますけれども、市内約12キロメートルの管路が被災いたしました。
これらの被災した管路につきましては、
被害状況の調査や復旧工事の設計などに関しまして、
札幌下水道災害支援協力会や
全国上下水道コンサルタント協会から支援を受け、国の
災害復旧事業を活用いたしまして、令和2年、昨年7月までに全ての工事が完了しております。
具体的には、清田区里塚地区や東区の東15丁目・屯田通におきまして、地盤変動や道路陥没に伴い、
下水道管路が大きく損傷し、それぞれ、約4.3キロメートル、1.4キロメートルの被害を受けたほか、清田区美しが丘で約2キロメートル、北区屯田地区では約0.8キロメートルなど、
市内各所におきまして、管路や
マンホールの損傷などの被害が発生いたしました。
次に、主な要因についてでございますけれども、管路と管路の継ぎ手部でひずみが生じる被害があったほか、管路と
マンホールの接合部での破損や、
マンホールの浮上などが発生していることから、地震の揺れによります地盤が液状化したことによるものと考えているところでございます。
◆
三神英彦 委員
マンホールの浮上、管路の損傷等の被害が発生し、液状化によるものがあったとのことでした。
胆振東部地震に限らず、
東日本大震災やその前の
阪神大震災など、過去の大規模な震災の例を見ても、地盤の液状化は、道路や上下水道など
ライフラインの
被害拡大の大きな要因となっています。
このような状況を踏まえて、市でも、今後、
下水道管路の
液状化対策を進めていくことを目的とし、令和元年度から、市内でどの程度の
下水道管路が液状化による被害を受ける可能性があるかを把握するために、液状化に対する診断を実施していると伺っています。
次の質問ですが、現在進めている
下水道管路の液状化に対する診断の
進捗状況を伺います。
◎善徳
事業推進部長 下水道管路の液状化に対する診断の
進捗状況についてお答え申し上げます。
札幌市では、市内の全ての管路約8,300キロメートルのうち、
緊急輸送道路の下に埋設されている管路や、防災拠点と
水再生プラザを結ぶ管路など、市内の重要な
下水道管路1,624キロメートルにつきまして、優先的に耐震化を進めることとしてございます。
これらの重要な管路のうち、液状化の被害を受ける危険性のあるものを把握するために、液状化に対する診断を進めているところでございます。
診断を行うに当たりまして、まず、液状化のおそれがある地域を把握するため、市が保有する
地盤データを活用いたしまして、国交省が示す方法により、地震動を与えた場合の液状化の
危険度マップを作成いたしました。
この
危険度マップのデータと、重要な管路約1,600キロメートルのうち、全国的な指針に基づく耐震設計がなされていない、平成10年以前に埋設された管路のデータから、液状化の被害を受ける可能性がある管路を抽出いたしまして、土質、地下水位、管の大きさ、種別、埋設深さなどのデータを用いて、耐震性の確認を行っているところでございます。
現在、その結果を取りまとめているところでございますけれども、重要な
下水道管路のうち、液状化により被害を受ける危険性が高い管路は、約100キロメートルになる見込みでございます。
◆
三神英彦 委員 今、8,300キロのうち、大事そうなところが1,600キロで、そのうち、100キロが特に液状化による被害の可能性があるということですね。
それから、その前の質問で、液状化というのが主な原因であるのではないかという話です。
下水道は、
市民生活を支える重要な
ライフラインの一つであって、被災によって機能が失われた場合というのは、大きな影響を受けるというのは当たり前に思っていたんですけれど、意外と、
マンホール自体が浮き上がりますだとか、下水道の損傷によって道路形状が変わるだとかという被害というのは、普通の方は、すぐさまには思いつかないのかなというふうに思います。
そういったところを、ちゃんと気づいていただいて、いろいろ調べたり、対策を施してくださるということは、市民に対して、ちゃんと回り込んでくださっているということになると思います。
こういったところで、液状化による被害が危惧される管路については、対策、それから、調査を進めてくださる必要があると思うんですが、これまでの診断結果を踏まえ、今後、この対策をどのように進めていくのか、また、具体的にどのような対策を行っていくのかを伺います。
◎善徳
事業推進部長 下水道管路の今後の
液状化対策についてお答えいたします。
下水道管路につきましては、現在取りまとめております
液状化診断の結果を活用いたしまして、令和3年度、来年度に管路の
液状化対策に関する
事業計画を策定いたしまして、老朽化の程度や、被災時の被害の大きさ等を考慮いたしまして、計画的に進めていきたい、このように考えております。
具体的な対策といたしましては、
老朽化対策としても従前から実施しております、管路の内面に樹脂製の管を新たに形成いたします
管更生工法、これが主な対策となります。
また、
マンホールの浮上への対策といたしまして、令和3年度に市内5か所の
マンホールで試験的に施工を予定しております
マンホールにかかる浮力の原因となります地下水を
マンホール内部に逃がすための逆止弁、こういったものの設置のほか、管路と
マンホールの接合部を可動性のものに改造する工法なども考えております。
平成30年の
胆振東部地震の被災経験を生かしまして、
下水道管路の
液状化対策も着実に進めてまいりたい、このように考えております。
◆
三神英彦 委員 なかなか形状を口頭で言うのは難しいですよね。
本当に、この液状化に対して目をつけて、これから進めていただくということに対して感謝しますし、上手に進めていただけたらと思います。
一方で、気になっているのが、この間、北34条駅ですね。多分、まだあの水がどこから来たのか分からないという話になっていて、そうすると、私たちは、そろそろ札幌の地下の水というのがどんなになっているのかというのを調べたほうがいいんじゃないかなというふうに思って、幾つかの局に質問させていただいたんですけれど、それぞれの局が、それぞれの目的でいろんな調査をしてくださっているんですけれど、それが、じゃ、例えば、今回は下水さんに液状化の質問をさせていただいたんですけれど、液状化に対して、例えば、地質だとかという部分からの専門家の話というのはあるんですけれど、そのときに、地下水の量だとか、形状だとかというのが、液状化にどう寄与しているのかというような話だとかというのは、まだこれからなんだと思います。
一方で、いろんな局で
ボーリング調査をしたりだとか、先ほど河川さんのほうでもいろんな調査をされているということを伺ったんですけれど、それが、ひょっとしたら、上手に取りまとめる方がいらっしゃることによって、それぞれの部局の調査ということによって、地下の水を知るということになっていかないかなというふうに思っていますので、これは、引き続き、各局、やらせていただけたらと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
◆
あおいひろみ 委員 私からは、
下水処理施設における
新型コロナウイルス感染症への対応について、3点質問いたします。
一つ目です。
下水処理施設における
新型コロナウイルス感染症への対応について質問いたします。
札幌市においては、全庁一丸となって
新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた取組を行っているところでありますが、このような状況においても、
市民生活や
社会経済活動の基盤である
ライフラインの確保は重要であります。
下水道事業は、市民の快適な
生活環境の維持や、
公共用水域の水質保全といった重要な
社会的役割を担っていることから、
新型コロナウイルスの
感染流行期においても事業の継続が求められております。
特に、
下水処理施設は、24時間365日体制で、施設の運転操作や異常・故障時等の緊急対応を行う必要があり、職員の
感染防止対策を徹底するとともに、万が一、職員に感染が蔓延した場合でも運転を継続していく必要があります。
そこで、質問ですが、
新型コロナウイルス感染症の流行期において、
下水処理施設ではどのような対応を取っているのか、伺います。
◎土橋
処理担当部長 新型コロナウイルス感染症の流行期における
下水処理施設での
対応状況についてお答えいたします。
下水処理施設におきましては、万が一、職員に感染が蔓延した場合でも運転を継続できるように、職員の
感染状況に応じ、段階的な業務の縮小計画を作成しているほか、各施設の
運転経験者のリストを作成し、速やかにほかの施設からの応援ができる体制を備えております。
また、WHO、
世界保健機関によりますと、感染者のふん便から感染するリスクは低く、下水道を介して感染したという知見はないとのことであり、下水から感染するリスクは低いと考えられますが、職員の
安全対策に万全を期すために、作業現場の状況に応じ、手袋やマスク、
保護眼鏡等の着用や、作業後の手洗い、消毒等の徹底を図っております。
さらに、
新型コロナウイルスは、一般的な
下水処理の過程で感染力を失うとの見解が示されていますが、本市では、処理した水は、河川に放流する前に
塩素消毒を行い、安全性を確保しております。
引き続き、
新型コロナウイルスの
感染予防に取り組み、
下水道事業としての社会的な役割を継続的に果たすよう努めてまいりたいと考えております。
◆
あおいひろみ 委員
下水処理施設において、
感染流行期にもしっかりと運転を継続できる体制を取っていることや、河川へ放流する前に
塩素消毒を行い、安全性を確保していることを聞き、安心いたしました。
建設委員会の視察でも処理場を見学しましたが、少ない人数の中、何かあったときの対応は、徹底されており、大変工夫されていると感じました。
引き続き、
感染予防に取り組んで、市民の
ライフラインを守ってください。
2問目です。
最近、下水中の
新型コロナウイルスを調べることによる
感染流行状況の把握に向けた取組が進められており、国内外において
下水処理に関する様々な報道がされております。
国内においては、
日本水環境学会COVID−19
タスクフォースが設立され、大学機関と自治体が協力して、下水からの
新型コロナウイルスの
検出方法の開発に取り組んでおり、札幌市においても、
北海道大学と連携して調査を行っていると聞いております。
そこで、質問ですが、札幌市における下水中の
新型コロナウイルス調査の
取組状況について伺います。
◎土橋
処理担当部長 本市における下水中の
新型コロナウイルスの調査の
取組状況についてお答えいたします。
本市としましても、
感染症対策に下水を活用する調査に協力することの
社会的意義は大きいと考えて、
タスクフォースのメンバーである
北海道大学に、昨年5月から
下水試料を提供しております。
下水から
新型コロナウイルスを検出することは初めての試みとなりますので、北大にて
ウイルスの
検出方法について試行錯誤を重ねた結果、ようやく下水から
ウイルスを検出することに成功いたしました。
この
検出方法を用いて本市の
下水試料を測定したところ、
感染流行期には下水から
新型コロナウイルスが検出されることが確認できましたが、検出感度に限界があり、市中の
感染状況と下水中の
ウイルス濃度に明確な相関が見られませんでした。
したがいまして、
下水調査を
感染症対策に活用するためには、下水中に低い濃度で存在する
ウイルスをより高い感度で確実に検出できる技術の開発が課題であると認識しております。
◆
あおいひろみ 委員
下水調査を今後活用していくためには、さらなる検出技術の開発が必要であることは理解いたしました。
高い濃度で存在するということは、感染が拡大しているということなので、そうはなってほしくないですが、下水道の可能性や役割の一つとして、このような研究は、市民の関心も高まります。安心して暮らせるまちの一つとして、研究者との協力は進めてください。
最後の質問です。
新型コロナウイルスは、感染してから発症までに数日、発症してからPCR検査を受け、陽性と確定するまで、さらに数日かかるため、新規の陽性者が増加してきたときには、既に市中に感染が拡大してしまっていることが懸念されます。
もし、
下水調査で感染拡大の兆候を早期に察知できれば、いち早く感染拡大防止を講じることが可能となるほか、流行の収束を把握できれば、
社会経済活動の再開に向けた判断材料の一つに使用するといった活用方法も期待されるところです。
また、
新型コロナウイルスは無症状の感染者のふん便からも排出されることから、
下水調査は、有症状、無症状の両方を含めた市中全体の
感染状況を把握できる可能性もあります。
そこで、質問ですが、
下水調査の活用に向けて、今後どのように取り組んでいく考えか、伺います。
◎土橋
処理担当部長 下水調査の活用に向けた今後の取組についてお答えいたします。
下水調査の結果を
感染状況の把握や政策判断などに活用するためには、感染者数と下水中の
ウイルス濃度の関連性を解明することが必要であり、そのためには、確実で、かつ、定量可能な
検出方法を確立することが求められます。
これまで
検出方法の研究に取り組んできた
北海道大学より、最近になって、従来の方法より高い感度で検知できる新しい技術を開発できたとの報告があったところです。
これを受けて、本市では、この新技術を用いて測定したデータを積み重ねて検証することを目的に、本年2月から、北大との受託研究の契約を締結したところであり、引き続き、将来的な
下水調査の
感染症対策への活用に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
◆
あおいひろみ 委員 コロナ対策への研究は、まさに目が離せないといったスピード感で進んでいると思います。引き続きよろしくお願いいたします。
最後に要望です。
下水道は、
市民生活を守る上で重要な
ライフラインであるため、引き続き、職員の
感染予防の徹底などにより、感染流行時においても確実に機能を維持できる体制を確保していくように要望いたします。
また、下水道は、市街地の汚水を速やかに排除することで、
生活環境を改善し、害虫の発生や感染症を防ぐなど、古くから公衆衛生の向上に寄与してきましたが、
下水調査を
感染症対策につなげることができれば、下水道という社会基盤に、感染症流行状況の監視という新たな役割、価値が付加されるところであります。
今後の下水中の
新型コロナウイルス調査に関する研究や技術開発の加速と、
感染症対策としての早期活用に期待して、私の質問を終わります。
○
阿部ひであき 委員長 以上で、第3項 河川費及び
下水道事業会計の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時35分
再 開 午後1時36分
――――――――――――――
○
阿部ひであき 委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第14号 令和3年度札幌市水道事業会計予算について質疑を行います。
◆村上ひとし 委員 私は、水道料金の負担を軽減する減免に関連して質問をさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、休業、失業する市民が増えております。また、企業、事業者などでも、もう収入が大幅に減少しております。廃業、倒産するところも増えているというふうに聞いておりますし、深刻な事態が続いているということだと思います。
そうした中でも、市民と企業あるいは事業者などには、北海道、札幌市などが出す外出の自粛要請をはじめ、感染の拡大防止に積極的に協力をしていただいております。この協力なしには、
感染防止対策を進めることはできません。
しかし、外出の自粛をはじめ、市民が
感染防止対策に一生懸命になればなるほど、自宅で過ごす時間が長くなり、その結果、電気、ガス、水道など、いわゆる公共料金は当然高くなるわけであります。特に、冬でありますから、札幌は暖房費が相当かかり、家計を圧迫します。高齢者や子育て世帯などは、本当に大変であります。また、小まめな手洗い、うがいの励行は、水道料金にも跳ね返ります。
このように、多くの市民は、収入は大きく減少する一方、公共料金は高くなるといういわゆる二重のダメージを受けていると言えます。ですから、感染を収束させるには、市民や企業の自粛に見合った補償と経済的負担の軽減が、私はどうしても必要だと思うわけであります。
このような中において、経済的負担の軽減を図るため、水道料金の減免を行っている都市が全国的に広がり、国においても、公共料金等について支払いを猶予するなど柔軟な対応を求めていると聞いているところです。
そこで、お尋ねをいたします。
他都市の水道料金の減免状況はどのようになっているのか、また、国からはどのような通知が発出されているのか、お伺いをいたします。
◎熊谷 総務部長 他都市における減免の状況、それから、水道料金の減免等に関する国からの通知についてのご質問でございます。
昨年12月の厚生労働省の調査では、全国1,258事業者のうち、水道料金の減免を実施中、実施予定あるいは実施済みと回答したのは、約4割に当たります498事業者でございまして、約6割の760事業者は実施をしていないという結果になってございます。
また、政令指定都市に東京都を加えました21都市におきましては、6都市が減免を実施いたしました。このうち、一般会計からの繰出金を受けずに水道事業会計の負担で実施したのは、3都市ということになってございます。
次に、国からの通知についてでございます。
国からは、水道料金の減免を求める通知はございませんが、昨年の3月18日付で、委員のほうからもお話がございましたけれども、水道料金の支払いに困難を来している方々に対して、支払猶予の対応等の柔軟な措置を検討するよう、厚生労働省から通知がございまして、また、今年1月25日にも、同様の措置について、引き続き検討するよう通知があったところでございます。
なおまた、国からの通知ではございませんけれども、総務大臣が、本年1月の記者会見におきまして、独立採算で運営される水道事業会計で負担する場合においては、適切な更新投資を含め、今後の持続的な経営に支障が生じないよう、適切に対応していただきたいというふうに述べておりまして、各自治体における適切な対応ということを求めているところでございます。
◆村上ひとし 委員 部長は、6割の事業者は実施していないんだということでありましたが、私は、4割もの事業者が減免を実施しているというのは、非常に大きな数字だろうというふうに思っております。
それぞれ地方公営企業である水道事業の本来の目的と役割である公共の福祉の増進を発揮しようということで、他都市では、4割もの自治体で減免が進んでいるということだと思うわけであります。
支払い猶予等の柔軟な措置の実施を検討せよという通知も、厚労省のほうから2度来ているということであります。
やはり、それだけ、全国的な感染拡大の影響による
市民生活と事業者などの経営の維持が、水道料金を下げてでも必要なんだという判断として、国のほうでも通知を出したんだろうというふうに思われます。
札幌市は、他の都市と比較いたしまして、非正規雇用などの不安定雇用者の割合も高く、休業、失業の影響は、一層深刻であると思います。また、札幌市は観光都市でありますから、ホテル、旅館、飲食店などのいわゆるサービス事業者とその関連業者というのは、極めて厳しい状況であるというのは言うまでもありません。
ですから、私は、きっと、札幌市でも、水道料金の支払いが大変なんだという市民あるいは事業者がたくさんいるんじゃないかと思っているんです。
そこで、お尋ねをいたします。
現在までの市のほうに寄せられている相談状況、これは件数も含めてでありますけれども、どのようになっているのか、お伺いをいたします。
◎松浦 営業担当部長
新型コロナウイルス感染症の影響による水道料金の支払い猶予の相談状況についてお答えします。
水道料金の支払いが一時的に困難になっている方には、これまでと同様ではございますけれども、一律の猶予期間を定めることなく、それぞれ個別の事情に合わせて支払期限を延長するなど、柔軟な対応をさせていただいているところでございます。
そのような中で、
新型コロナウイルス感染症の影響による支払い猶予の相談件数でございますけれども、集計を始めた3月27日から先月2月末まででございますが、累計で1,020件になってございます。
なお、最も多かったのは昨年の4月でございまして、1か月で400件ほどお受けしましたけれども、その後は減少傾向にございまして、現在は1か月20件前後で推移しているところでございます。
◆村上ひとし 委員 今、部長のほうから、徴収猶予については、期限を設けず、個別にも相談を継続するんだということでありました。ここは、丁寧に進めていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
そこで、私、水道局のホームページを見ましたら、お知らせということで、水道料金のお支払い困難な方についての部分がありまして、そこを見ますと、相談の対象となるのが、水道局から直接、その請求を受けている市民などが対象になるんだというふうになっているんですね。
つまり、賃貸マンションなどで、家賃自体に水道料金あるいは共益費として含まれた形で定額制になって、管理会社や大家さんに払っているという方がいらっしゃいます。恐らく、市内にもたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか。
そうした場合、家賃の支払いが大変なんだと。しかし、その中には、水道料金だとか、いろいろ入っている。大家さんや管理会社に相談する人もいるかもしれないんですよね。水道料金の分、何とかならないのかとか、支払いを待ってほしい、猶予してほしいと言っても、なかなか相談する場所がないということでありますから、やはり、困難な状況下に置かれている市民というのは、そういう賃貸マンションに住まわれている方もいらっしゃるはずなので、何とか、相談の受け付け方、あるいは、管理会社や大家さんとどう連携して対応できるのかというのを、ぜひ検証していただきたいなというふうに思っております。
料金に関する相談が全体で1,000件以上ということでありますから、やはり、生活が相当厳しいという状況を反映したものだと思いますし、飲食店などでも、相当厳しい状況が続いております。
新型コロナ感染の拡大は、今後も予断を許さない状況が続くと考えられます。水道事業者として、
新型コロナウイルス感染症の影響を受けている市民や事業者の経済的負担を軽減するためには、様々な手段を講じて支援をしていくことが必要だと思います。
そこで、お尋ねをいたします。
市民、事業者の負担軽減のために、札幌市も水道料金の減免を実施すべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。
◎熊谷 総務部長 水道料金の減免についてお答えを申し上げます。
私どもの今後の
事業計画におきましては、配水管の更新や耐震化に加えまして、老朽化した白川浄水場の大規模改修が数年後に控えておりまして、建設改良費が高い水準で推移していく一方、人口減少に伴いまして、給水収益は減少していくものというふうに見込んでございます。
このような中で水道料金の減免を実施した場合、事業を継続するために必要な資金が減少することとなるため、水道事業経営への影響は大きく、仮にその財源を企業債に頼ることとした場合には、将来世代へ負担を先送りすることとなってしまいます。
水道は、
市民生活に不可欠な
ライフラインでございまして、安全で良質な水を将来にわたって安定的に供給していくことが、私ども水道事業者の使命でございます。このため、今後も、健全経営を維持しながら、
事業計画を着実に進めることが重要であるというふうに考えてございます。
現下のコロナ禍は、過去に例を見ない事態であるというふうには認識しておりますが、持続可能なインフラ整備という視点を失ってはならず、水道料金の減免を実施することにつきましては、慎重な判断が必要であるというふうに考えているところでございます。
◆村上ひとし 委員 先ほど、答弁の中で、厚労省が、地方自治体に対して、水道料金の支払い猶予等の柔軟な措置を実施するよう、こういう通知を2度出しているということでありました。
一方で、総務省のほうでは、今年の1月の末頃ですかね、減免に関する大臣の発言、これは、先ほど部長のほうでもありましたけれども、あまりにも自治体で減免が進む状況の中で、地方自治体が地域の実情に応じて判断すべきものとしつつ、独立採算で運営される水道事業だから、適切な更新投資も含めて、将来支障が生じないように適切にやりなさいよという通知が出されたということであります。
こうした総務省の、総務大臣のいわゆる方向性というんですかね。国の背景によって、自治体では、インフラの整備あるいは維持にかける資金を優先すべきか、市民や事業者の経済的負担を優先すべきか、判断に悩む状況になっていると思います。
札幌市も、先ほどの答弁にあったように、減免した場合、いわゆる企業債に依存するようになり、将来の経営への影響が大きく、将来世代に負担を回すことになる、そんな旨のお話でありました。
やはり、部長のおっしゃった答弁というのは、国の示す姿勢に影響を受けてのお話であり、判断ではないかと思うわけであります。本気で新型コロナ感染防止に取り組むならば、国は、Go Toより、国費で水道料金を減免すべきであります。
そこで、札幌市の対応についてであります。
コロナ禍での減免は、全国的に国費で賄うように、他都市とも連携して、国に強く要請すべきだと思うんです。
そして、水道料金の減免には、国によりますと、地方創生臨時交付金の活用もできるということでありますし、浄水場の改修資金など、いわゆる建設投資を延期するなどの対応も可能だと思います。
これらの対応を急いで、札幌市は、全市民に行き渡る支援として水道料金の減免に踏み切るべきであります。
改めて申し上げて、質問を終わります。
◆
三神英彦 委員 私からは、水道施設等の強靱化について、全般的に4点ほど質問させていただきます。
令和3年度から、国は、防災・減災、
国土強靱化のための5か年
加速化対策を定めており、この加速化で重点的に取り組むべき項目として、激甚化する風水害や大規模地震等への対策を位置づけているということです。特に、地震については、東日本から10年を迎えようとしている今年も、同じく、また福島沖で余震が発生し、そんな中で、北海道に関しても大規模の地震を予測するような話だとかということも出ているというところですね。
そんな中で、巨大地震に備える強靱化とは、地震に対する強さと、それから、被害があってもできるだけ迅速に復旧できるしなやかさを兼ね備えることで、本市の水道施設がどの程度の強靱性を有しているのか、質問させていただきます。
この観点から、水道局では、浄水場、それから、配水池でいいのですね、配水池の「ち」は池ですとみんなに言えばいいのかな、配水管など、それぞれの耐震化を進めていることは承知していますが、水道は、これらの施設が浄水場から末端の配管までつなげるもので、どこか一つでも壊れると、その先に水が行き届かないことから、被災時には、全体が、システムとして、どの程度、機能を維持できて、どのくらい給水が可能となるのかが重要であると考えています。
最初の質問ですが、浄水場、送水管、配水池、配水管、それぞれの耐震化の状況について、まず伺います。
◎阪 給水部長 私どもから、水道施設の耐震化の状況について、それぞれの耐震化率でお答え申し上げます。
まず、浄水場についてでございますけれども、全浄水場の施設能力が、1日にして83万5,000立方メートルに対しまして、耐震化が施されている藻岩浄水場と宮町浄水場の施設能力の合計で、1日当たり16.1万立方メートルとなってございまして、施設能力としてのその比率は、耐震化率が19.2%でございます。これは、本市最大の浄水場でございます白川浄水場の耐震性が不足と診断されておりまして、今後の改修事業で耐震化を図る予定でございます。
次に、浄水場から配水池までの水を送る大動脈の役割を担います送水管については、白川浄水場からの白川第3送水管の整備が完了いたしまして、昨年12月に無事に通水を開始したところでございます。これによりまして、送水管の布設延長が耐震化率41.2%に向上しまして、送水機能の安全度が向上してございます。
最後に、配水池でございますけれども、配水池容量から見た耐震化率は84.7%、そして、配水管は、布設延長の耐震化率でございまして、30.2%となってございます。
◆
三神英彦 委員 配水池まで水が届けば、配水管の損傷がない地域への給水を継続できる確率が高まるということ、また、断水した地域への円滑な応急給水と迅速な応急復旧が可能となるということですね。
しかしながら、浄水場の耐震化率は19.2%ということで、耐震化されている藻岩、宮町は、それぞれの配水池まで水が供給されますが、それ以外は供給されないということになります。
強靱化には、迅速な復旧による給水も含めて、白川浄水場の被害を早期に復旧して、配水池まで供給する必要があると考えます。
次の質問ですが、巨大地震が発生した場合の配水池までの供給、さらに、早期復旧の可能性を含めて、現状、どの程度供給することができるのか、お伺いします。
◎阪 給水部長 配水池までの供給、そして、早期復旧の場合を含めた、どの程度供給できるのかという質問でございますけれども、まず、耐震化されております藻岩浄水場、宮町浄水場のそれぞれの配水池まで供給できる水量は、1日にして15万5,000立方メートル、そして、5,600立方メートルで、合計で16万600立方メートルでございます。これを令和元年度の平均配水量52万2,000立方メートルで見ますと、約30%となります。
次に、早期復旧の可能性でございますけれども、巨大地震における耐震診断の結果から、白川の第1・第2浄水場の被害は大変大きくなる見込みでございまして、一方、第3浄水場の損傷は一部にとどまる見込みでございます。これを迅速に復旧しまして、浄水可能というふうに考えてございます。
復旧後、耐震化されている最大1日当たり37万立方メートルの水を送ることができます白川第3送水管を経由しまして、既に耐震化済みでございます平岸配水池、清田配水池に20.5万立方メートルの水を供給できます。
これによりまして、さきの藻岩、宮町と合わせまして、合計で1日当たり36.6万立方メートルとなりまして、平均配水量から見ますと、約70%の供給が可能となる予定でございます。
◆
三神英彦 委員 白川の応急復旧を考慮しても、70%ぐらいということですね。それが、現時点における巨大地震の耐震性能と言えますが、この70%をどう捉えるかということになります。それから、市内の西方面、つまり西部配水池まで供給が途絶え、大規模な断水になるということが、現状として懸念されます。
浄水場から配水池までは、水道システムの根幹で、さらには、各方面へ偏りがないようにするのがベストであると思います。西方面への整備を進めるとともに、今後、白川浄水場の改修などを耐震化により早期に性能アップしていく必要があると思います。
当然、それには巨額な投資が必要になるんですが、きちんとお金的な部分でもバランスを取って、耐震性能向上に努めていただきたいと思います。
質問ですが、今後の耐震化の予定と耐震性能についてお伺いします。
◎阪 給水部長 今後の耐震化の予定でございますけれども、まず、現在、西野浄水場の耐震化の工事を実施中でございまして、令和3年度に完了する予定でございます。
次に、西部配水池でございますけれども、令和3年度に耐震改修工事に着手しまして、令和5年度には完成させる予定でございます。
令和7年度には、石狩西部広域水道企業団から西部配水池に最大1日当たり4万4,000立方メートルの水を受水する予定でございます。
また、令和7年度には、定山渓浄水場に対しまして、白川浄水場からバックアップを完成させる予定でございまして、なお、定山渓浄水場につきましては、令和3年度に改めて耐震診断を行う予定でございます。
令和9年度でございますけれども、白川浄水場の新浄水場、日当たり16万立方メートルが完成しまして、新浄水場、藻岩浄水場、宮町浄水場、西野浄水場で合計33万6,000立方メートルの水となりまして、さらに、石狩西部広域水道企業団からの受水4万4,000立方メートルを加えますと、合計で38万立方メートルとなってございます。
これは、令和9年度に予測しております平均配水量51万7,000立方メートルの74%になりまして、制限を伴いますが、全断水を回避できるというふうに考えてございます。
さきの迅速に復旧いたします第3浄水場、この20万5,000立方メートルを加えますと、全体で58万5,000立方メートルとなります。
これを平均配水量から見ますと、6.8万立方メートル多い水量を各配水池まで供給できるようになる、そのように考えてございます。
◆
三神英彦 委員 最後の質問です。
冒頭でお話しした強靱化とともに、しなやかさについてという話についてお伺いします。
復旧作業について、
東日本大震災や熊本地震では、全国的な応援体制の下、水道局も参加されたということですね。それから、
胆振東部地震では、市内のみならず、安平町、厚真町においても復旧活動を展開されたということをお伺いしました。
質問ですが、応急復旧を一日でも一時間でも早く完成させるために、これらの地震被害への応援から何を学んで、それから、どのような準備を進めているのか、お伺いします。
◎阪 給水部長 これまでの応急復旧活動を通しまして、大規模地震における発災直後の混乱時においては、被災事業体が応援活動に関わる指揮命令を円滑に執り行うことができず、応援する側がスムーズに活動を行うことが困難な事例も多々見受けられましたところがございます。迅速かつ効率的な応援を受けるためには、受ける側の受援の体制の構築が重要であるというふうに認識しております。
水道局では、独自に作成した受援マニュアルにおきまして、応援要請時の連絡フロー、受入れ体制や双方の役割分担など、他水道事業体からの応援受入れに関わる手順を明確化してございます。
また、この受援体制を強固なものとするために、異業種の連携といたしまして、道路や下水道などの仕事を行っております札幌環境
維持管理協会との応急給水に関する協定締結をはじめとしまして、被災時の調査や応急復旧などの支援を受けるために、
全国上下水道コンサルタント協会北海道支部との協力体制の構築も進めているところでございます。
◆
三神英彦 委員 大規模災害になると、報道だったりだとか、ドラマだとかにも出てくるわけですけれど、本当に、職員の皆さんって、自分たちの家族という部分と、それから、市民の代わりに働くという部分、どうやって両立するかという話になってくると思うので、マニュアルのみならず、そのときに、どういう形が自分たちと市民とを両立して動くのかという部分に関しては、うまく議論を進めていただけたらと思います。
それから、下水のほうでもちょっとお話ししたんですけれど、今回の地下鉄の水浸しの事故だったりだとか、その前の東豊線だとか、里塚だとかの流動化に関しては、ひょっとしたら、地下にある水が何か因果関係があるのかもしれないということを考えると、そういったところに知見を集中すべきだというふうに考えています。
水道局さんも、いろんな事業の中で、本当に、地質、水質を調べる機会があると思いますので、また機会があったら聞かせていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
◆たけのうち有美 委員 私からは、水道凍結防止のPRと、コロナ禍における職員研修の2点についてお伺いします。
まず最初に、水道凍結防止の周知について伺います。
普通に暮らしていると、蛇口をひねれば、当たり前に安全で良質な水道水が使えるため、ありがたみを感じにくい部分があるのかなと思います。
さきの年末年始の寒波により、水道管凍結がかなり発生し、水道局への問合せも多かったと報道されていました。私の知り合いのお菓子屋さんやカフェでも、水道管凍結によって予定どおりの営業ができなかったという話を何件も聞きました。
そこで、改めて確認の意味で質問ですが、年末年始の水道凍結に関する問合せ件数は例年と比べてどうだったのか、また、問合せが多かった理由についてどのように考えているのか、お伺いします。
◎佐々木 配水担当部長 凍結に関するお問合せ件数及びその件数が多かった理由についてお答えいたします。
さきの年末年始12月29日から1月3日までに水道局電話受付センター及び宿日直を含めた水道局へのお問合せ件数は、合計で1,761件となり、過去10年間で突出して多かった平成24年度の249件をさらに大幅に上回る件数でございました。
ここまで件数が増えたのは、年末年始で家を留守にする方が多かったところへ、最低気温が5日連続でマイナス10度を下回るという44年ぶりの記録的な寒さが重なったことが理由と考えております。
このため、これまで、水抜きをしたことがない、凍結をしたことがないというご家庭でも凍結が発生し、問合せ件数が増大したと思われます。
◆たけのうち有美 委員 過去10年間で一番多かったことが分かりました。
水道管が一度凍結してしまうと、水道が使えなくなるだけではなく、凍結の程度によっては、管が破裂し、修理しなければならなくなります。
ライフラインである水が使えないことは、生活の根幹に関わるとともに、水道管が破裂すると、部屋が水浸しとなり、家具、家電等への被害も出てしまいます。テレビなどでも、かなり激しく水があふれている状況も見受けられましたし、私も、実際、通りがかりのマンションで、大量の水がマンションの玄関から外にあふれ出している状況を目にしました。
そういった被害を未然に防ぐためには、事前の予防が必要であると思います。
そこで、質問ですが、市民の方が凍結を防止するために事前に行うべきことの周知について、水道局としてどのようなことを行っているのか、お伺いします。
◎佐々木 配水担当部長 凍結防止の周知についてお答えいたします。
凍結防止に有効な方法は、水道管の水抜きを行っていただくことですので、水抜きの方法を、ホームページや、広報さっぽろにとじ込みの冬のくらしガイドでお知らせをしているところでございます。また、凍結してしまった場合に備えて、簡易な解氷方法の説明や、修繕を行う指定業者一覧も併せて掲載しております。
加えて、市内全戸に配布しているリーフレット、じゃぐち通信に凍結に関する記事を掲載するとともに、この冬からツイッターも活用し、PR動画を公開しております。
そのほか、PRポスターを市有施設、地下鉄の車内や駅構内へ掲示し、大通駅コンコースのデジタルサイネージで凍結防止をPRしたところでございます。
さらに、翌日に凍結が予想されるときは、テレビ、ラジオといった報道機関へ注意喚起のテロップや、番組内の天気予報で呼びかけを行うお願いをしております。
◆たけのうち有美 委員 様々な方法で周知していただいていることは分かりました。
ツイッターなどのSNSにもこの冬から取り組み始めたとのことで、よかったです。
ただ、若い世代は、あまりテレビを見ないと聞きますし、例えば、進学で本州から転入してきた学生の方などは、実際にどのように水道の水抜きをするのか、知らない方もいると聞きます。
SNSの効果的な活用や、水抜き方法の動画配信など、今後も、各世代に伝わるように工夫をしていっていただきたいと思います。
次に、コロナ禍における今年度の職員研修について伺います。
我が会派では、水道の技術力確保に欠かせない人材育成について、1年前の
予算特別委員会をはじめ、何度か質問してまいりました。
水道局では、人材育成方針に基づく研修計画を毎年策定し、給配水技術研修所を活用するなど、職員研修を計画的に行い、次世代を担う若者の育成を進めているものと認識しています。
私も、水道局の研修計画をいただいて拝見しました。
水道では、浄水場や水道管の
維持管理などの多様な技術、ノウハウが必要であり、それらを確実に若い職員へ継承していくことが重要であるとの考えの下、各職場で行う職場研修や外部による委託・派遣研修などの体系が組まれていることを改めて理解したところです。
しかしながら、現在、依然としてコロナ禍が続いている中で、水道局内での研修も思うように実施できず、中止や延期を余儀なくされたものも多いのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、現時点における今年度の職員研修の
実施状況をお伺いします。
◎熊谷 総務部長 職員研修につきましては、私のほうからお答えを申し上げます。
まず、今年度の
実施状況についてでございますけれども、水道局では、研修を内部研修と外部研修の大きく二つに分けて整理をしております。
その類型ごとに、1月末までの
実施状況をお答えいたします。
まず、内部研修でございますが、主に具体的な技術の習得などを目的とする職場研修、いわゆるOJTは、昨年度実績の約7割、233件の実施となっております。技術継承に必要な研修は、最低限実施できたのかなというふうに思っております。
それから、局職員横断的なテーマを取り扱う、局内における集合研修は、今年度25件予定のところ、11件と約半分の実施となっております。
次に、外部研修でございますが、自治研修センターなどが主催者である局外研修は7件の受講でございまして、昨年度実績の約4割にとどまっております。
同じく外部研修の一つである、国や民間企業などが主催者であります委託・派遣研修は、今年度51件予定のところ、11件の参加ということで、約5分の1の受講というふうになっております。主催者側で中止したもの、あるいは、緊急事態宣言で県外への移動自粛が求められていたため、参加を見送った研修、そういったものがございました。
また、内部研修、外部研修ともに、実施されたもののほとんどが、その内容の変更を伴うようなものでございました。
この内容の変更につきましては、参加人数の削減、ディスカッションや現場見学の中止、それから、オンライン形式や動画視聴型への切替えなど、
感染症対策に配慮したものでございました。
◆たけのうち有美 委員 多くの研修が中止となり、実施しているものについても、人数の制限やオンライン形式への変更を余儀なくされていることが分かりました。
オンライン形式については、コロナ禍でやむを得ず実施している場合もあり、講師も受講者も慣れていない部分が多かったのではないかと考えます。さらには、水道に関する技術の習得のためには、指導者が面と向かって手取り足取り教えることが必要なものも多く、オンラインでは限界があるのではないかとの懸念もあります。
前の質問でも申し上げたように、若い職員への技術の継承のためには、人材育成の手を休めることはできないので、計画どおりの研修がままならないことについては非常に心配をしております。
そこで、質問ですが、今年度、急遽導入したオンライン研修を受講した職員の反応はどうだったのか、それらを踏まえた研修の効果についてどのように考えているのか、伺います。
また、従来どおりの職員研修がなかなか行えない中で、人材育成に大きく影響を及ぼさないようにするために、今後どのようにしていくのか、お考えをお伺いします。
◎熊谷 総務部長 職員の反応ということ、それから、その研修の効果、それから、今後どうしていくのか、3点のご質問だったかと思います。
まず、オンライン形式での研修ということにつきましては、委員からのお話もございましたとおり、主催者側も、我々受講者側も、手探りの状態でスタートしたところでございます。
受講者からは、執務室の自分の席で受講した場合は、途中で周りから話しかけられたり、あるいは、音声が聞き取りづらい場面があったという声がございました一方で、研修参加のための移動時間が必要なくなった、あるいは、短時間で集中して話を聞くことができた、あるいは、ふだんなかなか話を聞くことができない講師の講演を聞けた、そういったプラス面の評価もございました。
また、動画視聴の場合は、自分の都合のよい時間や隙間時間に受講できるというメリットを指摘する声もございました。
研修の効果についてでございますけれども、実地で施設などを見る現場見学や、相互に関係を深めるディスカッションなどの実施はかないませんでしたけれども、講義を聞いて学ぶという点では、オンライン形式によるメリットも見いだせたところでございまして、新たな効果もあったのではないかというふうに認識をしております。
次に、今後の取組についてでございます。
大人数での集合研修や出張を伴う研修などが従来のように実施できない状況は今しばらく続くものと思われますことから、OJTの重要性はこれまで以上に増すものというふうに考えてございます。
これまでも、ベテラン職員と若手職員を組み合わせて学んでいけるような工夫をしてまいりましたけれども、映像を活用した研修資料の充実を図るなど、さらに取組を強化してまいりたいというふうに考えてございます。
また、今ほどお話が出ております、今般のコロナという状況ゆえに普及したとも言えますオンラインという方法につきましては、そのメリットを生かすべく、ネット回線や機器の充実などを進めているところでございまして、引き続き、こうした新しい技術に対応した環境整備なども行いながら、安全・安心な札幌の水を維持していくための技術継承、人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。
◆たけのうち有美 委員 これまで行っていた職員研修について、オンラインによる研修プログラムに編集するなど工夫するとともに、対面が不可欠なものについては、OJTなどで充実させつつ、人材育成を行っていくことが分かりました。
水道ビジョンにもありますように、今後、多くのベテラン職員の退職が続く状況にあって、これまで蓄積した技術や知識を確実に継承していく中で、研修のさらなる充実が求められています。
今回の凍結や、近年の断水の件などを思い返すと、蛇口をひねるといつでも良質で安全な水道水が出るということは、本当にありがたいことだと強く認識したところです。
いろいろと制約がある中で大変だとは思いますけれども、これからも、札幌水道を支える人材を確保し、将来にわたって、安全・安定給水を継続していただくよう要望して、私からの質問を終わります。
◆福田浩太郎 委員 私からは、先ほども強靱化の関係でご答弁の中で触れられておりましたけれども、水道局の主要事業であります豊平川水道水源水質保全事業、いわゆるバイパス事業についてお尋ねをしていきたいというふうに思います。
我が会派では、2008年に現地を視察させていただきまして、本事業には注目をしてまいりました。
この事業には、大きく二つの効果がございます。
一つには、豊平川上流域における水質悪化の要因となるヒ素などを取り除き、白川浄水場の下流に放流することで、より良質な水を確保できるということであります。
また、二つ目として、大雨や土砂崩れによる大規模な災害や油の流入などの事故発生時には、定山渓の玉川橋上流に位置する水を取り入れる地点で、水の流れを切り替え、上流の清浄な河川水、また、豊平峡ダムからの水を、直接、浄水場へ送ることで、大規模な断水を回避することができるという機能を併せ持つものであります。
以上のように、この事業は、水道の安定性がより一層高まる大変重要な事業であると考えておりますが、昨年、工事の遅れや事業費の増加などが明らかとなったこともあり、事業の進捗について、今まで以上に注視をしているところでございます。
そこで、質問ですけれども、令和3年度の予算には、取水堰関連工事、管理センター関連工事が計上されておりますが、改めて、現在の
進捗状況はいかがか、お尋ねをいたします。
◎阪 給水部長 事業の
進捗状況についてお答えいたします。
令和元年12月に、バイパスの水路となります全長約10キロメートルの導水路トンネル工事が完了して、令和2年10月には、白川浄水場の取水地点の下流に設置いたします放水口の工事が完了したところでございます。
令和2年の5月には、定山渓
水再生プラザからの
下水処理水をバイパス水路に取り入れる定山渓接合井、そして、6月には、バイパスした水の水圧と水質を調整します放流調整機能を有します管理センターの工事に着手したところでございます。
現在は、バイパス水路の川の水を取り込む取水堰の本体工事を間もなく完了すべく進めておりまして、令和3年度には、主に取水堰の周辺環境の整備など、外構の整備を行う予定でございます。
また、令和3年度以降に予定しております管理センターのプラント設備や関連施設の工事発注に向けて準備を進めておりまして、令和7年度の供用開始を目指しているところでございます。
◆福田浩太郎 委員 当初の予定よりは結構な遅れがありますけれども、トンネル工事が終わり、また、白川浄水場のそばの斜面の管路なども終わったと。近くを通りますと、その威容が見えるところでございます。
また、今後、ヒ素に汚れた水、もともと
自然由来でありますけども、ヒ素濃度が高い水を放流する際の管理センターの工事の準備を進めていくということでございます。
今回の工事、とりわけ、このトンネル工事においては、絶滅危惧種でありますクマタカやオオタカなどの希少動物への影響を極力軽減するため、トンネル接続部の立て坑の工事を取りやめたと。そういうことで、作業用の通路、大きな森林伐採に伴いますけれども、そうした作業用通路を取りやめたということでございます。
また、先ほど述べた斜面部の工事、白川浄水場そばの斜面管路の工事におきましても、作業用通路を取りやめて、インクラインという、ダンプトラックがエスカレーター状のエレベーターのようなもので上下に移動するというような、そうしたものも取り入れて、樹木を広範囲に伐採しないよう、環境に配慮をしたというふうに伺っております。
私も、定山渓の玉川橋上流の工事を見せていただきましたけれども、川の水をせき止める取水堰の工事がかなり進んで、ほぼ完成に近い状況でありました。
この取水堰は、北海道電力の定山渓発電所と白糸の滝の間近にありまして、玉川橋から見ると、豊平川本流の右岸から左岸まで堰が横断をする壮大な施設であります。
水道局では、バイパス事業の計画に当たり、この取水堰地点での川の流量や環境影響などを事前に調査し、堰の規模などを決定して工事を施工していると聞いておりますけれども、そこで、お尋ねをいたしますが、取水堰はどのようなものであり、そして、その運用、さらには、下流への影響についてお尋ねをいたします。
◎阪 給水部長 取水堰につきまして、そして、豊平川の下流への影響についてお答えさせていただきます。
水質悪化の要因となりますヒ素などは、主に定山渓温泉街を流れます豊平川の本流の河床から湧出してございまして、上流からの河川流量によって、そのヒ素の濃度が左右されております。
取水堰は、その下流約500メートルの位置に建設しまして、ヒ素などを含む川の水を取水するために、高さ1.6メートルの堰と言われるゲートを設置しまして、川をせき止めて、トンネル部分となりますバイパス水路へ取り込むものでございます。
バイパス水路へ取り込む取水の量でございますけれども、一年を通して、1日に14万7,000立方メートル以下となるようにコントロールいたします。
川の流れへの影響でございますけれども、バイパス水路へ取水する分だけ流量は減るものの、堰直下にございます定山渓発電所の発電後の放流水、そして、白糸の滝からの流入がございまして、さらには、その下流にて豊平川本流と白井川が合流いたしまして、大きく影響を及ぼすことはないというふうに考えてございます。
堰の部分の状況をもう少し詳しくご説明しますと、春の融雪時や降雨時などは、河川流量が多くて、堰を越えて流れていきます。一方、大雨などで増水のときには、そのままでは堰上流で氾濫する可能性が高くなるために、取水を停止いたしました上で、ゲートを開き、氾濫を防ぐ運用が
河川管理者から義務づけられております。夏や冬などの河川流量が少ない時期につきましては、堰地点へ流れ込む水量がバイパス水路へ取水する量と同程度ございまして、堰を僅かに越える程度というふうにシミュレーションしてございます。
次に、環境への影響でございますけれども、魚などの生物への影響を評価した結果では、下流からの遡上でございますけれども、定山渓取水堰下流の一の沢ダムが終点となっておりまして、問題はございません。
また、一の沢ダムの湛水域と堰上流部が分断されるんですけれども、生物等には影響しないというふうに評価されております。
以上のことから、川をせき止めるバイパス水路へ取水するものの、豊平川下流の流量及び水生生物等への影響はないというふうに考えております。
◆福田浩太郎 委員 バイパス水路の入り口であります取水堰、これは高さ1.6メートルの堰が可動式で設けられるということでございまして、1日当たりですか、14万7,000立方メートル以下ということで、降雨が少ない時期などは、多くの量がせき止められるということだそうでありますけれども、下流への影響などは、ダムや白糸の滝などの水、また、一の沢ダムでせき止めておるということで、それほど影響がない状況だということでございました。
次に、このバイパスの出口側の施設になります、これから建設を進めていく管理センターについてもお尋ねをしたいというふうに思います。
管理センターは、定山渓で導水路トンネルに取り込まれたバイパス水を白川浄水場の下流に放流できるようにするため、水圧と水質を調整する施設だというふうに聞いております。
このバイパス事業は、より良質な水道水を得るための事業ですが、一方で、浄水場の上流で取水をしたヒ素などの水質悪化の要因となる自然湧水、これを再び豊平川に放流することになりますので、合流地点より下流の河川環境が悪化することがないのか、心配になるところでもあります。
そこで、お尋ねをいたしますけれども、管理センターは、具体的にどのような施設で、どのように運用するのか、お尋ねをいたします。
◎阪 給水部長 管理センターについてお答えいたします。
まず、水圧でございますけれども、バイパス水路のトンネル終点から管理センターまで、70メートル以上の高低差がございまして、これを解消するために、一旦大きな水槽にためることによりまして、水圧を調整いたします。
なお、この高低差のエネルギーを利用した水力発電につきましては、令和7年度以降の導入を検討しているところでございます。
次に、水質につきましては、管理センター内の放流調整池にて、バイパスした水に凝集剤と呼ばれる薬品を入れてかき混ぜることで、水の中の濁りなどを固めて沈殿させて、その過程でヒ素なども沈殿物に取り込んで除去いたします。
放流調整池には、最大で1リットル当たり0.29ミリグラム、平均で1リットル当たり0.19ミリグラムのヒ素を含むバイパス水が流入するというふうにシミュレーションしてございます。これをさきに申し上げました沈殿処理にて8割程度除去いたしまして、豊平川に放流いたします。
このようにして、河川水のヒ素濃度は、下流にある北海道が定める環境基準補助点の藻南橋において、年平均で、環境基準でございます1リットル当たり0.01ミリグラム以下を守ることを目標にいたしまして、管理センターの運転を行います。
これによりまして、現状とほぼ同じ河川環境を維持してまいる予定でございます。
◆福田浩太郎 委員 水圧につきましても、大きな池で圧力を下げるということでありますし、また、ヒ素についても、ただ単に流すのではなくて、沈殿をさせるということで除去をして、環境基準補助点で、年平均基準値を上回らないというところまで落とすということでございます。非常に環境にも配慮された施設だというふうに評価をいたします。
札幌市は、水源のほとんど、98%でありますけれども、これを豊平川に依存しております。浄水場も、白川浄水場が札幌市全体の約8割を担っている状況にあります。水源も浄水場も集中をしているということで、白川浄水場に集中して効率的な整備を行ってきたというふうに思いますが、その反面、集中しているがゆえの恒常的な課題や、事故が起きた際のリスク対応が必要となっているというふうに思います。
実際、これまでも、大雨による土砂崩れで高濁度の原水となり、給水が危ぶまれることがあったということを承知しております。
また、水質の面では、豊平峡ダムや定山渓ダムに貯留されている水は、国立公園や国有林で守られている良質な水ですが、流れてくる途中でヒ素などを含む自然湧水が湧き出ている状況にありますので、この事業により、抜本的に水質が改善されるということも評価をいたしたいと思います。
しかしながら、建設事業費が290億円に増加しております。
維持管理費については、下流の河川環境を悪化させないために必要な費用であるというふうに思いますが、しっかりと精査、検討を行い、コスト縮減に努め、事業を進めていただきたいというふうに思います。
以上、要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆石川さわ子 委員 私からは、ボトルドウオーター、さっぽろの水につきまして質問をいたします。
常任委員会などでほかの自治体へ視察に伺いましたときに、ペットボトルなどに入ったご当地の水道水をいただくことがよくあります。その自治体の水道水のおいしさですとか、水道事業のよい宣伝であるというふうに受け止めております。
札幌市水道局のさっぽろの水も、同様に、これまで様々に利用されていると認識をしておりますが、最近見かけないなというふうに思っていたところですが、水道局では、今年度、新たにペットボトル水のさっぽろの水を製造したというふうにお聞きをしました。
さっぽろの水は、以前販売をしていたというふうに記憶をしておりますけれども、お聞きをしたところ、平成29年度、2017年度からは取りやめているというふうにもお聞きしました。
そこで、質問ですが、さっぽろの水の販売を取りやめた理由を含め、これまでの経緯について、改めて伺います。
また、今年度製造したものについては、その目的や数量などについても、併せて伺います。
◎熊谷 総務部長 ボトルドウオーター、さっぽろの水につきまして、これまでの経緯と、それから、今年度製造したものについて、目的、数量というご質問でございます。
さっぽろの水は、私ども水道事業のPRなどを目的といたしまして、平成16年から製造を開始いたしまして、市民向けの有料販売やイベントでの配布などを目的としまして、多い年には30万本を超える本数を製造しておりましたが、委員からもお話がございましたとおり、平成28年度を最後に販売は取りやめているところでございます。
これは、民間事業者が取り扱ういわゆるミネラルウオーターなど、多様な商品が安価で販売されるようになったことが大きな要因でございまして、それに伴い、採算性の悪化が見込まれたところから、そういったことも背景にあって、販売を中止したということでございます。
平成29年度以降につきましては、製造の規模を縮小し、イベントや水道管の工事に伴う断水の際の配布用などとしまして、在庫状況も見ながら、年3万本程度の製造を続けてきたところでございます。
今年度につきましても、同様の目的で、500ミリリットルのペットボトルを3万本製造したところでございます。
◆石川さわ子 委員 確かに安価なペットボトル水はたくさん売られているわけでありますけれども、最初おっしゃっていたようなPRですとか、そういった目的は、一定程度、これからもあるのではないかというふうに考えるところです。
3万本の中で、なかなか目にしなかった理由が分かりました。数が減ってきたということでありました。
それでは次に、容器をペットボトルとした理由について伺いたいと思います。
近年、地球温暖化ですとか、
マイクロプラスチックなどの問題への対策が喫緊の課題というふうになっておりまして、世界的なプラスチック削減の取組が進められている中、環境首都・札幌を宣言している本市としましても、積極的な取組が求められると思います。
2019年の6月の市長記者会見におきましては、市の職員に対しまして、率先的に取り組むように要請をしており、エコバッグなどの利用促進、プラスチック製品の購入削減とともに、ペットボトルの使用削減を呼びかけておりました。
そのような認識の下、全庁的な取組が行われている中で、水道局が、今年度、新たにペットボトルを使用したさっぽろの水を製造したのは、私は整合性がないようにも受け止めているところです。
自治体が宣伝に使うボトルドウオーターでは、例えば、以前、視察で伺った愛知県名古屋市におきましては、水道水をアルミ缶の容器に入れて作っておりまして、札幌市としても参考にするべきというふうに考えるところです。
そこで、質問ですが、札幌市が新たにさっぽろの水を製造するに当たって、ペットボトル容器を使用したのは、どのような考え方によるのか、伺います。
◎熊谷 総務部長 ペットボトルを採用した理由というご質問でございますけれども、まず、ボトルドウオーター、さっぽろの水は、札幌市の水道水をもちろん原料としておりまして、札幌の水道の良さを実感していただくためには、これ以上ない啓発品であるというふうに考えているところでございます。
もちろん、私どもも、お話にございましたような札幌市のプラスチック削減方針というのはよく理解をしておりまして、今年度の製造を発注する際には、ペットボトルの代わりとなるような容器がないかなど、いろいろと調査検討をしたところでございます。
これも、委員からお話がございましたとおり、道外の水道局などではアルミ製のボトルを使用している例がございますけれども、残念ながら、北海道内にはペットボトル以外で製造していただけるような事業者がいないということが分かりました。
札幌市の浄水場の水道水を道外まで輸送して、アルミ製のボトルで製造するといったようなことは、現実的ではございませんので、ボトルドウオーターを製造するのであれば、ペットボトルを使用せざるを得なかったという状況でございました。
以上のような実情を総合的に勘案した結果、今年度においてもペットボトル容器のさっぽろの水を製造することとした次第でございます。
◆石川さわ子 委員 容器については、調査検討を行いましたという内容を今伺いました。
実際の水道水をたくさんの方に飲んでいただくことで、水道水のおいしさなど、札幌の水道の良さを利用者の皆様に広く理解をしていただくことは、大切なことと私も認識もしますし、その上で、容器の選択としまして、今回はペットボトルを使用せざるを得ない事情、業者がいなかったということでありますけれども、そうした事情については理解をするところであります。
しかしながら、プラスチックによります海洋汚染の問題は、大変深刻でありまして、人体にも影響するというような、そういう説も言われております。地球レベルで、プラスチックごみ削減は共通認識となっている中で、自治体での取組は重要なものだというふうに考えます。
一方、防災備蓄品として2リットル入りのペットボトル水を家庭で用意している方も多く、全てのペットボトルを否定できないということも思うところであります。
しかし、札幌市の一つの顔としまして、広告がペットボトルの姿で行われることについては、環境配慮の観点で、どうしてもマイナスのイメージが拭えないというふうに考えるところです。
そこで、質問ですが、このような状況を踏まえて、水道局としましては、さっぽろの水のボトルドウオーター事業を今後どのように取り組んでいくのか、お考えを伺います。
◎熊谷 総務部長 今後どのように取り組んでいくのかということでございますけれども、繰り返しにはなりますけれども、さっぽろの水は、安全・安心な水を市民の皆様にお届けする責任のある私ども水道局にとりましては、最も象徴的かつ効果的なノベルティーでありまして、これまで、市民の皆様にも親しまれてきたものというふうに自負はしております。
一方、プラスチックの削減方針につきましても、当然、市役所の一部局ということで、その重要性は十分認識をしております。
また、環境問題ということについては、私ども水道局としても、積極的に取り組むべき課題の一つというふうに考えてございます。
こうした状況を踏まえまして、今後、札幌の水道をアピールしていくノベルティーの一つとして、どのようなものが本当にふさわしいのかということについて、引き続き検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆石川さわ子 委員 ボトルドウオーターの事業は、札幌の水道水のおいしさ、安心・安全さを伝える最適なノベルティーである、しかし、その容器につきましては、課題があるということでありました。
そのとおりだというふうに思いますけれども、聞いたところによりますと、札幌市と同様にペットボトルを使用して自治体の水道水をPRしているほかの政令市におきましても、環境配慮の観点から、事業の在り方を検討しているところもあるというふうに聞いております。
札幌におきましては、環境都市の宣言もしておるということに併せて、SDGsの未来都市にも選定されておりますから、そうした他都市には引けを取らないような検討をしていただきたいということを求めておきたいと思います。
容器の選択で考えますと、ペットボトル以外で作ってくれる業者は道内にはいないということでありましたけれども、ライフサイクルの面から考えましても、一般的には、スチール缶ですとか、紙パックなども、本来では選択肢になるのではないかと考えるところです。
容器を考えることは、環境問題の解決につながることでもありますし、検討を今後も重ねるとともに、水の大切さなどの啓発を今後も積極的に取り進めていただくことを強く求めて、私の質問を終わります。
○
阿部ひであき 委員長 以上で、水道事業会計の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、3月10日水曜日午後1時から、保健福祉局関係のうち、総務部、障がい保健福祉部及び保険医療部、国民年金関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後2時54分...