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令和 2年大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会−06月18日-記録

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  1. 札幌市議会 2020-06-18
    令和 2年大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会−06月18日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    令和 2年大都市税財政制度災害対策調査特別委員会−06月18日-記録令和 2年大都市税財政制度災害対策調査特別委員会            札幌市議会大都市税財政制度災害対策調査特別委員会記録            令和2年6月18日(木曜日)       ────────────────────────       開 会 午前9時58分     ―――――――――――――― ○伴良隆 委員長  ただいまから、大都市税財政制度災害対策調査特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、令和3年度国の施策及び予算に関する提案(通称〜「白本」)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎福西 財政局長  本日は、指定都市共同で取りまとめました令和3年度国の施策及び予算に関する提案、いわゆる白本提案の原案をご審議いただきたいと存じます。  人口減少と少子高齢化が進行する中、全国的に新型コロナウイルス感染症の猛威が振るっており、地方には、市民生活や地域経済を守る役割が一層求められているところでございます。とりわけ、指定都市は、圏域の中枢都市といたしまして、緊急かつ重要な施策を先駆的、先導的に推進していく必要がございます。  このような情勢の中で、政府並びに関係機関に対して様々な提案を行っていきたいと考えているところでございまして、冒頭に、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止社会経済活動維持の両立に向けた対応を掲載の上、次に提案事項15項目を掲載しているところでございます。  委員の皆様方におかれましては、提案の趣旨を十分にお酌み取りいただきまして、ご支援、ご協力のほどをよろしくお願いいたします。  それでは、白本提案の具体的内容につきまして、財政部長のほうから説明をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 ◎梅田 財政部長  それでは、資料に基づきましてご説明させていただきます。  まず、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。  2種類ございまして、初めに資料1は、令和2年度国家予算等の状況と提案の主な結果でございまして、令和2年度の国家予算の概要と昨年度の白本提案の結果について、主なものをまとめたものでございます。  続いて、資料2は、令和3年度国の施策及び予算に関する提案の案でございまして、こちらは実際の提案書の形式でまとめたものでございます。  それではまず、令和2年度国家予算等の状況と提案の主な結果につきましてご説明をさせていただきます。
     資料1をご覧ください。  まず、1ページは、国家予算の概要についてでございます。  令和2年度国家予算のフレームと最近の推移をまとめてございます。  令和2年度予算は、消費税増収分を活用した社会保障の充実、経済対策の着実な実行、歳出改革の取組の継続により、経済再生と財政健全化を両立する予算として、歳出合計額は102兆6,580億円と、前年度を1兆2,009億円、1.2%上回ってございます。  歳入のうち、税収につきましては、63兆5,130億円と、前年度を1兆180億円、1.6%上回ってございます。一方、公債金は32兆5,562億円と、前年度から1043億円、0.3%下回ってございます。  なお、公債残高につきましては、下の表の右下にございますとおり、前年度より8兆円増の906兆円と見込んでいるところでございます。  次に、2ページをご覧ください。  ここでは、令和2年度の地方財政計画の概要をまとめてございます。  令和2年度につきましても、平成24年度から引き続き、通常収支分東日本大震災分の区分によって整理されておりますが、資料では通常収支分を掲載してございます。  今年度の計画は、歳入では、地方税を40兆9,366億円と、前年度比1.9%の増収を見込んでございます。また、地方交付税につきましても、16兆5,882億円と、前年度比2.5%の増とされております。  また、歳入合計欄の一つ下にございます一般財源総額につきましては、地方が安定的に財政運営を行うことができるよう、63兆4,318億円と、前年度を7,246億円、1.2%上回る額が確保されてございます。  歳出につきましては、人づくり革命の実現や社会保障の充実などに伴いまして、一般行政経費が増加した結果、歳出合計90兆7,397億円と、前年度を1兆1,467億円、1.3%上回る額となってございます。  3ページからは、令和2年度国の施策及び予算に関する提案、すなわち昨年度の白本提案の主な結果を載せておりますが、その中の主な項目についてご説明をさせていただきます。  提案項目4番目の地方固有の財源である地方交付税の必要額の確保と臨時財政対策債の廃止に関しまして、一般財源総額は前年度を7,246億円上回る額が確保されております。  中でも、地方交付税は前年度を4,073億円上回る額が確保されたほか、臨時財政対策債は前年度比1,171億円の減となりました。  提案項目8番目の学校における働き方改革の推進に関しましては、教員の負担軽減のため、部活動指導員などについて人的措置が拡充されることとなりましたほか、教職員定数についても改善がなされたところでございます。  これらのほか、3ページに記載しておりますとおり、医療保険制度抜本的改革及び国民健康保険財政の確立、義務教育施設等の整備推進、下水道施設の改築への国費負担の継続などの各分野におきましても一定の成果が得られたものと考えてございます。  次に、令和3年度国の施策及び予算に関する提案の案につきましてご説明をいたします。  資料2をご覧ください。  表紙を1枚おめくりいただきますと、目次が掲載されております。  まず初めに、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止社会経済活動維持の両立に向けた対応について掲載をしております。  次に、税財政・大都市制度関係個別行政分野関係を合わせて15項目掲載してございます。  新型コロナウイルス感染症感染拡大防止社会経済活動維持の両立に向けた対応につきましては、本年5月29日に指定都市市長会で取りまとめました提言を基に、20市において協議の上、本提案内容としたところでございます。  また、次の15項目の選定方法につきましては、最初に指定都市の各分野の所管局による各局長会議が白本としてふさわしい提案事項を選定いたしまして、その中から、指定都市市長会として特に重要性や緊急性の高いものをさらに厳選し、内容の重点化を図りまして、15項目を決定したところでございます。  次に、右のページをご覧ください。  提案書の前文が掲載されております。  令和3年度国家予算編成に当たりまして、真の分権型社会の実現に向け、適切な措置を講ずることを要請することとしてございます。  おめくりいただきまして、1ページ目と2ページ目をご覧ください。  こちらは、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止社会経済活動維持の両立に向けた対応についてでございます。  新型コロナウイルス陽性患者等を受け入れている医療機関の経営安定化のための必要な財政支援を求めますとともに、中小企業等に対する継続した資金繰り対策各種給付金や助成金、家賃の負担軽減策などの支援策をより一層求めるものでございます。  このほか、学校での感染拡大防止に対応するための継続的な財政措置や、新しい生活様式を実践するための各種行政手続オンライン化について、早期の実現を求めるものでございます。加えて、地方交付税の必要額の確保や緊急時に必要かつ十分な財政措置を迅速に講ずることを求めるものでございます。  おめくりいただきまして、3ページ目からは、税財政・大都市制度関係個別行政分野関係に分けて提案事項を掲載し、提案項目全体を一覧できるよう掲載してございます。  それぞれの提案内容の詳細につきましては、9ページ以降に掲載してございますので、9ページをご覧いただきたいと思います。  税財政・大都市制度関係の五つの提案項目について、順に説明させていただきます。  最初は、1項目め、真の分権型社会の実現のための国・地方間の税源配分の是正でございます。  下段左側の図にありますとおり、現状における国・地方間の税の配分6対4と税の実質配分3対7には、依然として大きな乖離がございます。真の分権型社会を実現するために、消費税、所得税、法人税といった複数の基幹税からの税源移譲を行い、国・地方間の税の配分をまずは5対5とすること、さらに、国と地方の新たな役割分担に応じた税の配分となるよう、地方税の配分割合を高めることを求めるものでございます。  右のページは、2項目め、大都市税源の拡充強化でございます。  ここでは、人口の集中や産業集積に伴う都市的課題から生ずる大都市特有財政需要に対応するため、消費・流通課税や法人所得課税の配分割合を拡充するよう求めるものでございます。  さらに、道府県から移譲されている事務・権限があるにもかかわらず、必要な財源については税制上の措置が不十分であるため、道府県からの税源移譲により、大都市特例税制を創設するよう求めるものでございます。  おめくりいただきまして、3項目め、国庫補助負担金の改革でございます。  これは、真に住民に必要なサービスを地方自らの責任で主体的かつ効率的に提供できるよう、国と地方の役割分担の見直しを行った上で、地方が担うべき分野については、国庫補助負担金を廃止し、所要額を税源移譲することを求めるものでございます。  また、税源移譲されるまでの間は、国において必要総額を確保することや、自由度が高く活用しやすい制度にすることを求めるものでございます。  4項目め、右のページでございますけれども、地方固有の財源である地方交付税の必要額の確保と臨時財政対策債の廃止でございます。  地方交付税は、地域社会に必要不可欠な一定水準の行政サービスを提供するための地方固有の財源でありますことから、新型コロナウイルス感染症による影響を含めた地方の財政需要などを適切に見込み、必要額を確保すること、また、地方財源不足の解消は、地方交付税の法定率の引上げによって対応し、代替措置としての臨時財政対策債は速やかに廃止することなどを求めるものでございます。  おめくりいただきまして、5項目め、多様な大都市制度の早期実現でございます。  基礎自治体優先の原則の下、住民がよりよい行政サービスを受けられるよう、特別自治市制度の法制化など、地域の特性に応じた多様な大都市制度の早期実現を求めるものでございます。  以上が税財政・大都市制度に関する提案事項でございます。  続きまして、個別行政分野に関する提案事項についてご説明いたします。  まず、14ページ、6項目め、子ども・子育て支援の充実でございます。  子ども・子育て支援の量的拡充と質の向上についての財源の確保を求めますとともに、幼児教育・保育の無償化の実施に伴い増加する地方経費への恒久的な財政措置や、保育所等の施設整備に係る補助率のかさ上げ、保育士及び放課後児童支援員等人材確保策等についても財政措置の拡充を求めるものでございます。  おめくりいただきまして、7項目め、「GIGAスクール構想」実現に向けた制度の充実でございます。  1人1台端末整備に対する国庫補助につきまして、初期整備に限定することなく、継続的な制度の充実を図ることを求めますとともに、インターネット接続回線等の増強及び家庭使用も含めた通信回線使用料に対しても財政支援を求めるものでございます。また、1人1台端末を最大限活用するための経費について、財政措置を求めるものでございます。  右のページ、8項目め、インフラ施設長寿命化対策でございます。  インフラ施設の予防保全型の修繕等について重点的な支援を求めるとともに、新技術によるコスト低減手法の開発や包括的な民間委託等の新たな事業手法の導入について、情報提供を行うことを求めるものでございます。  おめくりいただきまして、9項目め、子育て家庭等経済的負担の軽減措置や子どもの貧困対策でございます。  子ども医療費助成につきまして、国で統一的な医療費助成制度を創設するよう求めますとともに、ひとり親家庭の支援策や子どもの貧困対策の拡充強化を求めるものでございます。  右のページ、10項目め、医療保険制度抜本的改革及び国民健康保険財政の確立でございます。  国民皆保険制度を安定的で持続可能な制度とするため、国の責任において、医療保険制度の一本化に向けた抜本的改革を実現いたしますとともに、一本化が実現するまでの間の必要な財政措置などを求めるものでございます。  おめくりいただきまして、11項目め、介護保険制度の円滑な実施でございます。  介護報酬の改定や制度改正に当たりまして、地方公共団体の意見を十分反映すること、また、地域支援事業につきまして必要な財政措置を行うことを求めるものでございます。  さらに、地域医療介護総合確保基金の運用改善のほか、保険料及び利用料について、さらなる負担軽減策の実施を求めるものでございます。  右のページ、12項目め、学校における働き方改革の推進でございます。  学校が抱える課題がより複雑化、困難化する中で、教員が子どもに向き合う時間を確保し、きめ細やかな教育活動を進めることができるよう、教職員定数の改善や部活動指導員等の人的配置の拡充など、教員の負担軽減に向けた施策に対して、より一層の財政措置を求めるものでございます。  また、育児休業者の代替措置として配置する正規教職員国庫負担金算定基礎定数に含めることについて求めるものでございます。  おめくりいただきまして、13項目め、義務教育施設等の整備促進でございます。  老朽化対策や防災・減災機能の強化などについて、財政措置を求めますとともに、事業採択時期の早期化を求めるものでございます。  右のページ、14項目め、下水道事業における国土強靱化等のための財源の確保でございます。  浸水対策や地震対策など、国土強靱化のための事業費について、財源を確保するよう求めますとともに、改築に対して必要な財源の確保と国における適切な負担を求めるものでございます。  最後は、おめくりいただきまして、15項目め、生活保護の更なる適正化及び生活困窮者支援に対する財政措置でございます。  生活保護制度のさらなる適正化を推進するため、生活保護費全額国庫負担等の必要な措置を講ずるとともに、生活困窮者自立支援制度において、より実効性のある事業が実施できるよう、十分な財政措置を求めるものでございます。  以上が白本本文の概要でございます。  最後に、今後の日程についてでございますけれども、本日、原案についてご審議をいただき、その結果を踏まえまして、指定都市の窓口・財政担当局長による協議において最終案を決定いたしました後、7月1日に予定されております本委員会で改めて報告をさせていただきたいと考えてございます。 ○伴良隆 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆三神英彦 委員  白本について質問させていただきます。  白本は、例年、今時期、次年度の国の施策や予算に対して、20の政令市が協力して、特に重要な事項を提案しているものですが、今年に関しては、その準備のさなかに新型コロナウイルス感染拡大が起こったわけです。  感染症対策とその対策による経済へのダメージと、それぞれ目の前の待ったなしの状況で、札幌市単独だったりとか、あるいは、先ほどお話にも出ていたテレビ会議による指定都市市長会などを通じて要望活動を続けていただいているんだと思います。ありがとうございます。  ただ、白本は、次年度の国に対する提案なり要望であるということを考えると、言うまでもなく、今年に入って、この市内で起こったこと、それから、今、市役所でやろうとしていること、コロナそのものの状況や、コロナによる影響が来年はどうなっているかを予測すること、これら全てを組み合わせて白本は提出できるのではないかと私は考えます。  そこでまず、確認的な質問になりますけれども、白本の冒頭に感染症対策についての要望を掲げた意図、それから、新型コロナウイルス感染症が今後の白本要望に与える影響について、改めて伺います。 ◎梅田 財政部長  冒頭に感染症対策について要望を掲げた意図と、今後の白本要望に与える影響についてのご質問でございます。  新型コロナウイルスは、大都市で感染が拡大していることが特徴でございまして、感染拡大防止対策経済対策を行う指定都市財政運営に非常に大きな影響を及ぼしているところでございます。緊急かつ最大の課題であるとの認識から、最重要項目として、このたび冒頭に置いたものでございます。  また、今後につきましては、新型コロナウイルス対策のための新しい生活様式の実践によって、感染拡大防止対策など、新たな行政需要が生まれることが想定されます。  こうした行政需要を柔軟かつ適切に反映した要望活動を、指定都市一丸となって行ってまいりたいというふうに考えてございます。 ◆三神英彦 委員  ありがとうございます。  今お話があったように、大都市での感染拡大の話、それから、生活様式をこれから考えていかなければならない中、今回の感染症対策での大事なポイントにスピード感というものがあると思います。次の新型コロナウイルス感染拡大、または、別の感染症が発生したときに、今回よりも早く物資だとか財源だとかを必要なところに届けられるように知恵を絞る義務が私たちにはあると思います。  政令市が国の人口の2割を占めることを考えると、先ほどもお話があったとおり、20の政令市が一丸となって今回のコロナから学んで、そこに知見を集中するということは、これは本当に世界にも誇れる知見となってもいいぐらいの案件になっていくのではないかと思います。  そう考えたときに、札幌市がもっとスピードを上げるということを考えると、やっぱり気になるのが北海道との連携になってくると思います。国と、それから政令市と、それから都道府県と3者の関係をより良好に改善することによっても、このそれぞれの施策のスピードを上げたり、内容をさらに充実させたりすることができるのではないかと思います。  今回、飲食店に対して、道と市が協力して30万円を支援しただとかという案件は、本当に限られた時間の中ですばらしい連携だったと思います。成功事例ができたのですから、ほかの案件についても積極的に推し進めていただけたらと思います。  このような考え方から質問させていただきますが、政令市として、もっとスピード感を上げた政策、あるいは、もっと内容の充実した対策を取っていくために、国と地方の権限や財源をより明確にしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ◎梅田 財政部長  国と地方の権限や財源を明確にしていく必要があるのではないかというご質問でございます。  新型コロナウイルス感染症は、大都市である指定都市に大きな影響を与えているものでございまして、感染拡大防止医療提供体制の維持、そして事業の継続と雇用の維持、さらに市民生活の支援といった様々な対策をスピード感を持って打つ必要がございます。  新型インフルエンザ等対策特別措置法による権限につきましては、基本的に都道府県知事に与えられておりますけれども、病床確保、あるいはクラスター対策、さらに事業者支援や住民対応といったきめ細かな対応につきましては、市が主体的に実施しなければなりません。  そのような中において、札幌市は北海道と連携して対策を取ってきているところでございますが、委員がご指摘のとおり、より一層、緊密に協力していく必要があるというふうに認識をしてございます。  このたびの経験を踏まえまして、新型コロナウイルス対策要望項目、今回の要望項目の6項目めの感染症対策のあり方の検討という部分におきまして、国、都道府県、市町村の役割分担や事務権限について、指定都市の意見を踏まえて感染症対策の在り方の検討を行うよう要望しているところでございまして、今後、指定都市間での意見交換を通じて具体的な要望につなげていきたいというふうに考えてございます。 ◆三神英彦 委員  どうもありがとうございます。  新型コロナウイルスの案件も、また次の感染拡大、また新型コロナウイルス対策中に、本会議でも議論になりましたけれども、新型コロナウイルスがある間に自然災害対策だとか起こす必要があるといったときのことを考えると、迅速に進めていただきたいと思います。着手もそうなんですが、改善が完了するところまで、本当に速いスピードで進めていただけたらと思います。  今も出てきたスピード感に関連して、行政手続オンライン化についても質問をさせていただきます。  国からの10万円の特別定額給付金についても、スピードの議論がありました。当然、大都市になるほど時間がかかっています。それぞれの実施方法も違って、やり方それぞれについてもいろいろな賛否が出ていたと思います。また、ダイレクトに個人に入金させる方法論として、マイナンバーカード普及と、それに金融商品等とひもづけするという議論も出ています。実現すれば、アメリカや韓国の実践事例のように、数日で入金になる可能性もある一方で、やはり、ここにも個人情報保護法の立場から反対する意見もあって、そこはちゃんとまとまってないという状況だと思います。  どの議論がどう決着するにせよ、その一方で、窓口としての、市役所、区役所の窓口業務のデジタル化スマート化の推進については、感染症対策として有効であること、これはもう全く明白で、今回の要望項目にも入っているところですが、ここを最後の質問とさせていただきます。  市民が窓口まで来なくても行政手続ができるような各種行政手続オンライン化についての質問でございます。 ◎梅田 財政部長  各種行政手続オンライン化についてのご質問でございます。
     札幌市におきましては、これまでも、市民の利便性の向上、あるいは行政の効率化といった観点から、電子申請などの行政手続オンライン化、あるいはマイナンバーカードの普及の促進に努めてきたところでございます。  今後は、新型コロナウイルス感染症を踏まえた新しい生活様式を実践するためにも、ICTの取組をより一層加速していく必要があるというふうに認識してございます。 ◆三神英彦 委員  どうもありがとうございます。  今回、白本の中で、1番から5番ぐらいまでのところで、本当に国と地方とのお金の在り方だとかという部分に関して要望していただいているわけですが、多分、今回の新型コロナウイルスの中で、マスクにしても、10万円にしても、もっとスピード感が欲しいという声は本当に多かったんだと思います。  地方の行政として、さらにスピード感の議論を続けるということを考えると、例えば、ふだんは行政がお金を動かすためには、健全で、しかも不正がないようにお金が動いているということをチェックするために議会が存在していたりするんですけれども、今回、国会のほうで10兆円の予備費の話だとかという部分も、そのスピード感のほうを重視したときに、どんな新しい仕組みをつくったらいいのかという話の中で出てきたものだと思います。  地方の行政にしても、そういった部分は、多分、考え続けていかなければならないんだと思いますし、その一方で、本当に札幌市にとってのステークホルダーとして、まずは市民ですけれども、議会だったりだとか、ほかの市町村ですとか、道ですとか、それから、国の場合、政府だったり財務省だったりするのかもしれないんですけれども、どの人たちが見ても承認が得られるような形で、さらにスピードアップし、緊急時にはお金が動かせる仕組みというのは模索していただけたらと思います。  最後にそれをお願いして、私からは終わります。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、GIGAスクール構想実現に向けた制度の充実について、大きく2点伺います。  新型コロナウイルス感染症の拡大は、学校の臨時休業等による子どもたちの教育環境などに大きな影響を及ぼしました。再度の感染拡大に伴う臨時休業等も想定し、全ての児童生徒の教育機会の確保に向けた一つのツールとして、ICT環境の整備を進めていく必要があります。1人1台の端末と校内LANの環境整備については既に予算化されていますが、全国的な整備のため、時間を要していると理解をしています。  札幌市としては、Wi−Fi環境が必要な家庭へのルーターと端末の貸与に向けて、全力で取り組んでいると聞いています。1人1台の端末など、全児童生徒の環境整備が実現したとします。前回の休業の際には、オンライン会議システムZoomで児童生徒の学習状況などを確認することが認められましたが、通信量に制約があるため、各校がZoomを利用できる日付が指定される上、使用可能なパソコン台数も1校当たり一、二台、参加する児童生徒は1回当たり10人程度に制限されたとのことでした。  そこで、1点目の質問ですが、このような通信量の制約等の課題、現在の整備状況や今後の見通しについて伺います。 ◎梅田 財政部長  オンライン授業に関して、通信量の制約等の課題と、現在の整備状況、今後の見通しについてのご質問でございます。  現在の通信環境は、学校の端末を使って児童生徒が情報を検索したり、あるいは動画を視聴したりすることを想定して整備してきたものでありまして、いわゆるオンライン会議システム等を使って、一度に複数の教員が複数の家庭と双方向で通信することを想定しているものではございませんでした。  現在の回線状況につきましては、各学校1台ずつ、100校程度までしか接続することができなかったため、臨時休業期間は、回線の負荷を抑えながら、試験的にオンライン授業を実施したところでございます。  今後は、1人1台端末環境や再度の臨時休業の発生も見据えまして、できるだけ多くの台数から同時に接続できるよう早急に整備を進めまして、学校と家庭との双方向通信をより円滑に行える環境を整えてまいりたいというふうに考えでございます。 ◆たけのうち有美 委員  しっかりと進めていっていただきたいと思います。  2点目の質問に移ります。  教員、児童生徒の力を最大限に引き出し、多様な子どもたち一人一人に個別最適化された環境で、資質、能力をより確実に育成するためには、教員の研修の機会が確保されなければなりません。オンラインでの学習活動に伴う授業展開に必要なセキュリティー対策なども重要です。  まず、教員1人1台の端末を確保することでスムーズに研修を進めることが可能となると思います。今、学校では、制限のある中で、子どもたちの側に立った教育活動を行い、さらに教育課程の再編成という大仕事も同時進行で行っています。教材研究の時間を確保するのもままならない状況の中にあって、GIGAスクール構想を少しでもスムーズに進めていくためには、研修の機会をどのように確保するのか、それが極めて重要です。  一例ではありますが、研修の方法として、教員が研修会場に出向くのではなく、市教委、業者がチームを組んで学校を回り、レクチャーをする中で、教員の具体的な質問にも丁寧に答えることができる方法を取っている自治体もあると聞いており、工夫が必要です。  そこで、質問ですが、教員の研修の機会の確保についてどのようにお考えなのか、伺います。 ◎梅田 財政部長  教員の研修の機会の確保についてのご質問でございます。  1人1台端末の活用や、さらなる臨時休業における家庭学習支援の充実に向けて、教員のICT活用能力を向上する研修は重要性を増しているというふうに認識してございます。  ICT活用に関する研修につきましては、タブレットを学校に整備する際に、講師が学校に出向いて訪問研修を行うなど、必要に応じて行ってきているところでございます。  今後は、操作上の技術的なこと、あるいは教育内容的なこと、さらに校内での運用に関することなど、それぞれのニーズに応じた専門人材を学校に派遣し、研修を行ってまいりたいというふうに考えてございます。  さらに、オンデマンド方式により動画等の研修資料を提供するなど、実施規模や形態を工夫することによりまして、研修機会の確保に努め、より多くの教員のICT活用スキルの向上を進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆たけのうち有美 委員  教員のニーズに合ったものとなるよう、ぜひともお願いしたいと思います。  最後に要望ですけれども、GIGAスクール構想を進めていくということは、これまでの学校教育の在り方や授業の在り方も変わっていくということだと思います。現在、小学校1・2年生、中学校1年生は1学級35人ですが、さらに段階的にでも少人数学級を進めていかなければ、GIGAスクール構想は絵に描いた餅となってしまいます。  先日まで行われていた分散登校では、感染防止の観点から、1学級を複数のグループに分けて、少人数での授業が行われていました。制限があるとはいえ、現場の教員からは、授業中、一人一人のノートもしっかりと目に入り、個別指導も十分にできたという声を聞いています。  今後、再度の臨時休業の際、オンラインでの学習活動が導入されたとして、一方的ではなく、双方向で進めるためには、通常の授業以上に少人数での実施が必要となります。学習でのフォローが必要な子どもたちに対し、教室ではほかの職員の力を借りながら対応できても、家庭でのオンラインによる学習活動を行う場合、今の1学級の人数では、その子どもたちへのフォローは極めて難しいものがあります。  また、全教職員がそれぞれの立場、視点から子どもたちの心と体のケアに当たっていますが、コロナの影響でストレスを抱えながら過ごす子どもの変化に気づきやすいのは、最も近くにいる学級担任です。学校生活全ての面で子どもたちをしっかり見ていくためにも、また、GIGAスクール構想の実現と併せて少人数学級が有効と思います。  さらに、学校における働き方改革の推進の観点からも重要です。一人の担任が関わる子どもが40人なのと30人では、テストの丸つけ、宿題、評価、評定、どれをとっても、それに割かれる時間は大きく変わってくるという現実があります。  現場の実態を述べさせていただきましたけれども、コロナの影響下にあっても、子どもたちの健やかな成長と豊かな学びを保障していくためにも、国にしっかりと財政措置を要請していただくことを強く要望して、私からの質問を終わります。 ◆森山由美子 委員  我が会派からは、個別項目4、地方固有の財源である地方交付税の必要額の確保と臨時財政対策債の廃止についてお伺いいたします。  本市は、財政基盤が弱く、地方交付税に頼る割合が大きいため、この項目は非常に重要であると考えております。今回の白本の大きな特徴は、これまで質疑があったとおり、新型コロナウイルス感染症対策、GIGAスクール構想でありますが、この項目の中にも、新型コロナウイルス感染症による影響を含めた地方の財政需要や地方税等の収入を的確に見込み、地方財政計画への別枠加算を設けるなどにより、標準的な行政サービスの提供に必要な地方交付税額を確保すべきであるとの記載があります。  そこで、質問ですが、この記載が追加された意図としては、新型コロナウイルス感染症の影響により各指定都市の税収減が見込まれる中にあって、地方交付税についても減少するという危機感があるということか、考えを伺います。 ◎梅田 財政部長  地方交付税に関して、税収減等が見込まれる中で地方交付税が減少するという危機感があるかというご質問でございます。  平成30年6月5日のいわゆる骨太方針におきましては、平成31年度から3年間の地方一般財源総額について、平成30年度地方財政計画の水準を下回らないように、実質的に同水準を確保するというふうにされておりまして、令和3年度以降も引き続き、一般財源総額は実質的に同水準が確保されることとなってございます。  しかしながら、今回の新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、経済活動が低迷し、そして、法人市民税あるいは個人市民税の減、さらに扶助費の増といった行政需要が見込まれますことから、地方交付税の確保を要望する必要がさらにあるのではないかというふうに考えてございます。 ◆森山由美子 委員  今回の新型コロナウイルス感染症は、子どもや高齢者、障がい者など、行政の支援が必要不可欠な社会的弱者にとって極めて危険なものであります。また、社会を支える大きな基盤となってきた中小事業者の経済活動に大きな痛みを与えております。そして、主に大都市を中心に猛威を振るっているという特徴があります。  こういった面を踏まえて、市民生活や安心な社会を持続し続けていくためにも、これから指定都市行政サービスの需要がますます増大していくことは間違いありません。骨太の方針による一般財源の水準の確保にとどまらず、新たな財政需要に対応して、さらなる地方一般財源の増額が求められるところであると考えます。  そこで、質問ですが、新型コロナウイルスの影響による新たな行政需要についてどのようにお考えか、伺います。 ◎梅田 財政部長  新型コロナウイルス感染症の影響による新たな行政需要についてのご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして、感染拡大防止対策、あるいは経済雇用対策などの新たな行政需要が発生しておりまして、これに対しては何らかの財政措置が必要だというふうに考えてございます。  例えば、リーマンショックが起きました平成21年度の地方財政計画におきましては、別枠加算ということで、雇用創出あるいは地域の元気回復といった財源として、地方交付税が1兆円ほど増額されているところでございます。  このような過去の例も踏まえて、別枠加算を設けるなどの措置を行って、新たな行政需要に対応できるよう、要望に盛り込んだところでございます。 ◆森山由美子 委員  新型コロナウイルスに対応するための交付税の増額について、リーマンショック時と同様に増額措置を求めることは理解いたしました。指定都市にとって、行政需要は、増えこそすれ、減ることはないと考えます。今後の要望に当たっても、そのことをしっかりと訴えていくべきであると強調して、私の質問を終わります。 ◆吉岡弘子 委員  指定都市の国の施策及び予算に関する提案、いわゆる白本について、私からも何点か質問させていただきます。  初めに、新型コロナウイルス感染症対策推進の感染防止策と医療体制の整備について、2点質問させていただきます。  新型コロナウイルス感染の防止策として、新型コロナウイルス感染者を受け入れている医療機関や医療従事者への必要な支援を講じることが重要だと要望しており、私も急いで支援してほしいと思っております。  一方、日本病院会などが行った全国調査では、新型コロナウイルス感染者を受け入れていない病院の62.3%が赤字となっている結果が出ています。どの病院も、感染症対策や受診抑制によって減収となり、職員の手当が払えない、経営が成り立たないという実態が浮き彫りになりました。これは、どの政令市でも同じことが起こっていると思います。  そこで、質問ですが、感染者の受入れをしていない医療機関にも財政支援をするよう要望に加える必要があると思いますがいかがか、伺います。 ◎梅田 財政部長  新型コロナウイルス感染症に対して、陽性患者を受け入れていない病院に対しても支援を行うよう求めるべきではないかというご質問でございます。  陽性患者を受け入れていない病院に対する支援につきましては、指定都市としても問題意識を持ってございまして、5月29日の指定都市市長会の提言の中にも盛り込んだところでございます。  その後、6月12日に国の2次補正が成立しましたけれども、この中におきまして、陽性患者の受入れのいかんを問わず、病院や診療所等で勤務して患者と接している医療従事者等に給付金の交付を行うこと、あるいは、感染拡大防止対策等に要する費用の補助を行うこととなってございまして、一定の支援は行われていくというふうに考えられます。  2次補正の効果につきましては、今後、評価検証の上、次の対策を考えていくべきものと認識してございまして、現時点での要望文からは落ちているというものでございます。 ◆吉岡弘子 委員  感染者受入れ以外の医療機関やそこで働く看護師などへの支援の用意があるということですけれども、感染者を受け入れていない病院の職員には、1人1回5万円のみというわずかなものになっています。医療崩壊ぎりぎりという訴えが、医療現場や政府の専門家会議から相次いでいます。第3波に備えた医療体制を確立するために、感染者の受入れをしていない病院を含め、財政支援をさらに求めるべきと申し上げます。  次に、雇用の維持と経済活性化についてです。  中小企業に対しての支援策の充実強化が示されておりますが、ここに書かれている各種給付金には、持続化給付金や雇用調整助成金などが含まれていると聞いております。持続化給付金は、売上げが前年度比で50%以下となった中小企業に最大200万円、個人事業主には100万円給付される制度ですが、50%まで売上げが下がっていないため、助成金が受けられず、経営が困難な事業者が生まれています。支援策の充実強化として、売上げが20%、30%の減収でも対象となるよう、具体的に求めるべきと思います。  そこで、質問ですが、中小企業や事業者の皆さんのこのような実態に沿った要望にするべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎梅田 財政部長  持続化給付金等の中小企業に対する支援策の拡充についてのご質問でございます。  持続化給付金、雇用調整助成金等の国の中小企業への支援策につきましては、中小企業の事業継続を下支えする重要な施策でございまして、指定都市においても、これまでも支援策のより一層の充実を求めてきたところでございます。  札幌市は、平成28年経済センサス−活動調査によりますと、従業者の規模が19人以下の事業所が9割程度と非常に多うございまして、中小企業対策ということは札幌市の経済の根幹をなすものとして非常に重要なものというふうに考えてございます。  そのため、今後は、我々としても、中小企業の声を聞き、ニーズを把握して、必要に応じて国に対して要望を続けてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆吉岡弘子 委員  最大の問題は、支援が現場に届くのが決定的に遅く、失業や倒産、廃業が増え続けていることです。また、制度が使えれば、事業を継続でき、それが大量失業の危機を防止することになります。ですから、困っている事業者のところに行き届く支援策となるよう要望することを求めます。  次は、個別行政分野関係のうち、最後になります15の生活保護の更なる適正化及び生活困窮者支援に対する財政措置について、3点伺います。  生活保護制度のさらなる適正化を推進するためとして、被保護者の就労先への回答の義務づけ、医療費の一部自己負担の導入が要望されております。  最初の質問は、被保護者の就労先への回答の義務づけについてです。  被保護者の就労先への回答の義務づけによって、これまでの調査がどのように変わるのか、伺います。 ◎梅田 財政部長  生活保護の被保護者の就労先への回答の義務づけに関するご質問でございます。  生活保護法第29条の規定では、保護の実施機関等は、金融機関や雇い主等に資産及び収入等の状況について報告を求めることができることとなっておりまして、この条文を根拠に、これまでも就労先への照会を行ってきたところでございます。  回答の義務づけをすることによりまして、照会に実効性が生まれ、これまで回答を得られなかった照会先から回答が得られる効果があるものと考えられます。仮に就労先への回答を義務づけしたとしても、本人の同意の下に照会を行う運用には変わりがあるものではございません。 ◆吉岡弘子 委員  これまでも、必要に応じて、本人の同意の下に調査をしてきたことであり、収入に対して疑問などがあるときには、担当のケースワーカーが、直接、被保護者に聞くことが一番の解決法です。これまでも要望項目にあった金融機関の回答の義務づけも同じですが、就労先への回答の義務づけは、被保護者のプライバシーの侵害が強まる懸念があることから、要望すべきではないと申し上げます。  次に、医療費の一部自己負担の導入についてです。  この要望は、2016年の白本に掲載されており、我が党は、医療抑制、受診抑制につながること、保護費の削減が実施されている中でさらなる負担となるということで反対し、一度、要望項目から外されていたものです。  3年間、要望から外されていたものが、今回、なぜ復活したのか、理由を伺います。 ◎梅田 財政部長  医療費の一部自己負担がどういった理由で要望文に掲載されたかというご質問でございます。  札幌市におきまして、医療扶助の適正化ということが課題というふうに認識してございまして、重複受診に対する受診指導等を通じて適正化への取組を行ってきているところでございます。  他の政令指定都市におきましても、医療扶助の適正化が大きな課題というふうに認識されておりまして、適正受診につなげていくための動機づけの仕組みとして、医療費の一部自己負担の提案に至ったものでございます。  これは、大都市民生主管局長会議におきまして、白本に掲載する項目を選定する中で、指定都市として要望する項目として掲載されたという経緯でございます。 ◆吉岡弘子 委員  受診内容を把握するための動機づけというのであれば、ケースワーカーが把握しており、そのことを被保護者と話していくことで、十分把握ができると思います。体調が悪くても、保護課のケースワーカーに連絡して病院にかかることを負担と感じ、我慢する被保護者が今でもいるんです。たとえ医療費の一部であっても、そのことがさらなる医療抑制、受診抑制につながる懸念があります。住民の福祉の増進を図ることを旨とする地方自治体として、医療費の一部負担を要望項目から外すべきと申し上げます。  最後に、生活困窮者支援に対する財政措置として、無料・低額診療制度について質問いたします。  無料・低額診療制度で受診された方の保険調剤薬局での自己負担は、2016年から社会福祉法に基づく事業として位置づけが明確になるよう、大都市民生主管局長会議を通じて国に要望しているところです。つまり、全国の政令市が必要であるとの認識で国に求めているものであります。  本市議会においても、2019年3月に、保険薬局における調剤費を無料・低額診療事業の対象とすることを求める意見書が採択され、国に上げております。  そこで、質問ですが、コロナ禍にあり、ますます必要とされる事業であることから、国の施策及び予算に関する提案、いわゆる白本でも要望すべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎梅田 財政部長  無料・低額診療の保険調剤薬局について要望すべきではというご質問でございます。  札幌市といたしましても、無料・低額診療に係る調剤の在り方につきましては、保健福祉分野に関する要望事項を調整する大都市民生主管局長会議を通じて国に働きかけを行っているところでございまして、これは、国が責任を持って対応するよう求めているところでございます。  今回ご審議いただいております白本要望につきましては、指定都市の各分野の所管局の局長会議におきまして、白本としてふさわしい提案事項を選定して、その中から指定都市市長会として特に重要性や緊急性の高いものを厳選した結果でございます。 ◆吉岡弘子 委員  国が医薬分業を進めた結果として、このような事態が起きているものであります。要望に入れるべきと申し上げます。  この白本は、20政令都市として、国に対し、令和3年度に向けた予算に関するものですから、地方自治体として住民の立場に立った要望となることが重要と考えます。地方自治法第1条の2には、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」とあり、住民の福祉の増進が地方自治体の基本的な仕事です。  コロナ禍の下、特に生活保護の申請は権利である、このことをしっかり周知し、その財源措置を国に求めるべきと強く申し上げて、質問を終わります。 ○伴良隆 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、令和3年度国家予算等に対する札幌市重点要望事項についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎小西 まちづくり政策局長  本日は、国の予算、制度の両面にわたりまして、札幌市が抱えております重要な問題について独自に要望を行います令和3年度札幌市重点要望につきまして、その原案をご審議いただきたいと存じます。  今年度につきましては、例年同様、札幌市まちづくり戦略ビジョンの三つの重点テーマに沿って要望を重点化いたしますとともに、現下の新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた要望を冒頭に取りまとめております。  この新型コロナウイルス感染症に関する要望につきましては、札幌市重点要望が来年度、令和3年度国家予算に関する要望であることを前提に、新型コロナウイルス感染症対策の長期化を見据え、将来的な感染予防・拡大防止対策や、医療、福祉の提供体制の整備のほか、市民生活や地域経済を守る対策など、国に対して支援を求めるべき内容を整理しているところでございます。  それでは、内容につきまして、政策企画部長より説明をさせていただきます。 ◎浅村 政策企画部長  令和3年度札幌市重点要望(案)につきましてご説明させていただきます。
     まず、配付資料を確認させていただきます。  3種類ございまして、資料3、令和2年度札幌市重点要望の要望結果、資料4、令和3年度札幌市重点要望(案)、資料5、省庁別要望項目一覧でございます。  初めに、昨年度の要望結果についてご説明をいたします。  資料3をご覧ください。  要望結果の主なものといたしまして、表の2番にございます国道5号創成川通の機能強化の早期実現におきましては、2020年3月に、整備方法を地下整備とする方針で決定いたしまして、国が計画段階評価手続を完了させたところでございます。  次に、5番のSociety5.0の実現に向けた支援策の拡充におきましては、地方創生推進交付金におきまして、Society5.0タイプが新設されたところでございます。  次に、6番の子ども・子育て支援の充実・強化におきましては、児童相談所の一時保護所職員の配置につきまして、配置基準の改善や加算が創設されたほか、一時保護所整備に係る交付金の基礎単価が大幅に拡充されてございます。  委員の皆様におかれましては、昨年7月29日、30日に、関係省庁などに対しまして、札幌の現状や国への提言を直接お伝えいただきましたことによりまして、多くの成果が得られましたことを、この場をお借りして感謝申し上げます。  続きまして、資料4、令和3年度札幌市重点要望(案)をご説明いたします。  資料4の表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。  構成といたしましては、例年は、札幌市まちづくり戦略ビジョンの重点テーマでございます産業・活力、そして、暮らし・コミュニティ、低炭素社会・エネルギー転換に分類しておりますが、今回におきましては、先ほど局長からもご説明をいたしましたとおり、特別に新型コロナウイルス感染症に関する要望事項を設定することといたしまして、これを先頭に置いてございます。  それでは、各要望事項の説明をさせていただきます。  まず、1ページをご覧ください。  こちらでは、新型コロナウイルス感染症対策に関する要望の背景を整理してございます。  新型コロナウイルス感染症が急激な勢いで世界に蔓延する中、札幌市では、2月14日に市内最初の感染例が発生して以降、全市を挙げて感染拡大防止に取り組んできたところでございます。  また、北海道では、緊急事態措置が5月25日まで維持されたことから、観光客の激減や市民の外出自粛、さらにはイベントの自粛などが長期にわたりまして、地域経済は深刻な影響を受けてございます。  札幌市としても、国の緊急経済対策を踏まえて補正予算を編成して対応を図っているところでございますが、さらなる対策の拡充が喫緊の課題となっております。  つきましては、国に対して、以下のとおり、より一層の対策の強化を要望いたします。  2ページ目をご覧ください。  大項目の一つ目、感染予防・拡大防止対策と医療・福祉提供体制の整備についてでございます。  (1)といたしまして、医療提供体制の確立です。  具体的には、広域的、総合的な医療提供体制の確保、医療用資器材を速やかに確保できる体制の構築、保健所の体制強化に係る財源的な支援、患者を受け入れる医療機関に対する応援体制の構築と専門家派遣などの実施体制の整備、検疫・検査体制の強化を要望するものでございます。(2)といたしまして、感染症患者を受け入れる医療機関に対する財政的な支援、(3)といたしまして、介護・障がい福祉施設及び事業所に対する人的・財政的支援、(4)といたしまして、安全な治療薬及びワクチンの開発・活用、(5)といたしまして、感染症の発生リスクに備えた持続的な体制の構築を要望いたします。  次に、3ページをご覧ください。  2項目め、雇用・生活の維持と事業の継続についてでございます。  (1)といたしまして、中小企業等の事業継続の支援として、実質無利子・無担保融資の継続、(2)といたしまして、テレワークの環境の整備や、より一層の生産性向上のためのIoT、ロボット導入支援の拡充、(3)といたしまして、北海道内の農水畜産物事業者や食品製造業者の経営維持に向けた財政支援の強化と北海道産食品の消費喚起の取組、(4)といたしまして、オンライン販売等に取り組む中小企業等への支援と物流の安定化、(5)といたしまして、収入の減少や失業等により、生活に困窮する世帯等に対する継続的な支援、(6)といたしまして、公共交通事業者に対する財政的な支援を要望いたします。  次に、4ページをおめくりいただければと存じます。  3項目め、事態収束後の経済活性化についてでございます。  (1)として、にぎわい創出支援など、地域における消費喚起対策の切れ目ない実施、(2)といたしまして、事態収束後を見据えた海外展開、販路拡大のきめ細かな支援、(3)といたしまして、観光需要の喚起やインバウンド回復に向けた対策の継続的な実施について要望いたします。  次に、5ページ目をご覧ください。  4項目め、ICTを活用した感染拡大防止に向けた体制整備についてでございます。  (1)といたしまして、GIGAスクール構想の加速に向けた継続的かつ十分な財政措置、(2)といたしまして、人流データの継続的な提供、(3)といたしまして、行政手続オンライン化に対する財源措置を含めた幅広い支援について要望をいたします。  次に、5項目め、財政支援の充実についてでございます。  (1)として、地方自治体が地域の実情に合った取組を機動的に推進できるよう、必要な財源措置を講ずること、(2)といたしまして、地方交付税の総額を確保するということについて要望をいたします。  次に、6ページをご覧ください。  こちらでは、産業・活力分野に係る要望の背景や取組内容を整理してございます。  まちづくり戦略ビジョンの目指すべき都市像の一つである、「北海道の未来を創造し、世界が憧れるまち」の実現に向けて、都心の再開発やMICE施設の整備などを進め、まちの魅力の向上を図ってまいります。また、交通面からは、北海道新幹線の札幌早期開業や、都心と高速道路間のアクセス機能強化を図り、広域的な交通ネットワークの一層の強化を目指します。  こうしたまちづくりの状況を踏まえながら、冬季オリンピック・パラリンピックの招致に取り組み、都市のブランド力をさらに高めてまいります。  次に、7ページをご覧ください。  大項目の一つ目、北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の早期完成についてでございます。  1といたしまして、新函館北斗・札幌間の早期完成、次に、8ページに参りまして、2として、建設財源の確保及び地方負担に対する財源措置の拡充、3といたしまして、青函共用走行区間等における新幹線高速走行の早期実現を要望いたします。  次に、9ページをご覧ください。  2項目め、札幌都心部における交通結節機能の強化についてでございます。  1といたしまして、道路整備に必要な予算の確保、2といたしまして、国道5号「創成川通」の早期事業化、次に、10ページに参りまして、3といたしまして、札幌駅の交通ターミナルの事業計画の策定に向けた調査の促進を要望いたします。  なお、ただいま申し上げた項目のうちの3につきましては、札幌駅の交通ターミナルの早期整備に向けて、今回、新たに要望するものでございます。  次に、11ページをご覧ください。  3項目め、国際競争力の強化に向けた都市の魅力向上についてでございます。  1といたしまして、MICE施設整備に係る財政支援と国際会議の本市開催、2といたしまして、新千歳空港の機能強化の着実な推進、3といたしまして、道内航空ネットワークの充実に向けた丘珠空港の利活用の促進、次に、12ページに参りまして、4といたしまして、都市の魅力向上に向けた都市開発事業等への支援、次に、13ページに参りまして、5といたしまして、地下鉄南北線さっぽろ駅改良事業への支援について要望いたします。  なお、ただいま申し上げた項目のうち、5番目、地下鉄南北線さっぽろ駅の将来的な利用人員の増加を見据えた列車遅延・運行円滑化対策として、今回、新たに要望するものでございます。  次に、14ページをご覧ください。  4項目め、冬季オリンピック・パラリンピックの招致についてでございます。  1といたしまして、冬季オリンピック・パラリンピック招致に係る支援、次に、15ページに参りまして、2といたしまして、国内有数の施設に係る再整備等への支援、3といたしまして、冬季版ハイパフォーマンススポーツセンターの建設、次に、16ページに参りまして、4といたしまして、国際競技大会招致への支援、5といたしまして、交通輸送手段等のバリアフリー化に向けた支援について要望いたします。  次に、17ページをご覧ください。  こちらでは、暮らし・コミュニティ分野に係る要望の背景や取組内容を整理してございます。まちづくり戦略ビジョンのもう一つの目指すべき都市像でございます、「互いに手を携え、心豊かにつながる共生のまち」の実現に向けまして、医療的ケアが必要な児童への支援を拡充するほか、保育人材の確保や子ども医療費助成の対象拡大に取り組むとともに、少人数学級の拡大や公立夜間中学の設置に向けた検討を進めてまいります。  また、札幌市は、生産年齢人口の減少と老年人口の増加が急速に進むことが見込まれることから、質の高い地域包括ケア体制の構築や介護人材の確保に取り組んでまいります。さらに、政令指定都市への移行時期に整備された公共施設やインフラの更新、維持管理を着実に実施するとともに、平成30年北海道胆振東部地震の教訓を踏まえ、災害に強いまちづくりを進めてまいります。  18ページをご覧ください。  5項目め、子ども・子育て支援の充実・強化についてでございます。  1といたしまして、多子世帯への利用者負担額の軽減措置の拡大と必要な財源措置、次に、19ページに参りまして、2として、医療的ケア児に対する十分な支援体制の確保、3といたしまして、保育士等の処遇改善に向けた支援、4といたしまして、国による子ども医療費助成制度の構築を要望いたします。  なお、ただいま申し上げた項目のうち、1については、現在、子どもの年齢差等によって世帯負担に不公平が生じている制度について、これを解消すべく、多子軽減措置に係る同時入所要件の撤廃などを、今回、新たに要望するものでございます。  20ページをご覧ください。  6項目め、多様な教育環境の整備についてでございます。  1といたしまして、少人数学級の推進に向けた教職員定数の拡充、2といたしまして、公立夜間中学の設置に向けた支援を要望いたします。  21ページをご覧ください。  7項目め、介護基盤の充実についてでございます。  1といたしまして、地域包括ケア体制の深化・推進に係る支援の拡充、次に、22ページ目に参りまして、2といたしまして、介護人材の確保に係る取組への支援を要望いたします。  次に、23ページをご覧ください。  8項目め、国土強靱化に向けたまちづくりについてでございます。  1といたしまして、国土強靱化へ向けた着実な施策の実施と財政支援、次に、24ページに参りまして、2といたしまして、地震被害を受けた宅地復旧及び防災対策への支援、次に、25ページに参りまして、3として、学校施設整備に係る国庫補助の拡充及び財源の確保、次に、26ページに参りまして、4といたしまして、下水道施設老朽化対策に係る国費支援の着実な実施、次に、27ページに参りまして、5といたしまして、除排雪経費に係る地方交付税措置の拡充を要望いたします。  次に、28ページをご覧ください。  こちらでは、低炭素社会・エネルギー転換分野に係る要望の背景や取組内容を整理してございます。  札幌市は、2008年に環境首都・札幌を宣言するとともに、2018年3月には、第2次札幌市環境基本計画を策定し、次世代の子どもたちが笑顔で暮らせる持続可能な都市、環境首都・SAPPOROを、2050年に向けた札幌の環境の将来像として設定してございます。  この将来像の実現に向けて、都心の低炭素化を進めるとともに、水素などの次世代エネルギーの普及、導入を推進し、積雪寒冷地に適した脱炭素社会を構築いたします。また、ごみ減量化によって確立したスリムで効率的なごみ処理体制を将来にわたって維持するほか、アスベスト対策にも取り組んでいきます。  29ページをご覧ください。  9項目め、エネルギー需給構造の多様化についてでございます。  1といたしまして、都心の低炭素化に向けたまちづくりへの支援、次に、30ページに参りまして、2といたしまして、水素社会の早期実現に向けた支援、3といたしまして、ゼロエネルギー住宅、いわゆるZEH、そして、エネルギーゼロビル、いわゆるZEB補助制度の充実を要望いたします。  なお、今申し上げた項目のうち、3については、ゼロカーボンシティーの実現に向けた住宅やオフィスビルのZEH、ZEBの普及のため、今回、新たに要望するものでございます。  31ページをご覧ください。  10項目め、環境負荷低減に向けた取組の推進についてでございます。  1といたしまして、清掃工場更新における財源措置、次に、32ページに参りまして、2として、アスベスト対策への支援を要望いたします。  最後に、資料5でございますが、各要望項目を省庁別に分類し、整理したものとなってございます。 ○伴良隆 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆三神英彦 委員  私からは、今年度要望の構成に関する考え方について2点、それから、昨年度要望の成果について1点、質問させていただきます。  今回の新型コロナウイルスによる感染拡大で、札幌は、全国的に見ると、早い段階から3月の第1波、4月から5月にかけての大きな第2波に見舞われたことに伴って、市民の外出自粛や事業者への休業要請が長期にわたり、市民生活や市内経済への影響は、これまで経験したことがないほど甚大なものとなっております。  今後は、感染予防対策と社会経済活動の回復という両輪の取組をスピーディーかつ慎重に進めていくため、財源措置を含め、必要な支援を国に対し継続的に求めていくことが必要であると考えます。  こちらについても先に確認させていただきますけれども、今年度の重点要望案はどのような考え方で取りまとめを行ったのか、特に新型コロナウイルス感染症対策に関する要望部分の考え方について、改めてお伺いします。 ◎浅村 政策企画部長  今年度要望の構成に関する考え方、特に新型コロナウイルス対策に関する要望の考え方についてお答えをいたします。  例年同様に、まちづくり戦略ビジョンの三つの重点テーマに沿いまして整理した要望項目については、中長期的なまちづくりの視点で、札幌市として推進すべき取組であるものに重点化いたしまして、特に国に要望するべき内容を盛り込んでいるところでございます。  また、新型コロナウイルス感染症対策に関する要望については、感染拡大の影響が長期化するということが見込まれることから、来年度以降においても重点的な取組が必要という認識の下に、継続的に必要となる感染症対策医療提供体制等の整備のほか、市民の雇用や生活の維持に必要な支援を要望することとしたものでございます。  加えて、今後、新たな日常に向けた社会経済活動の再開、活性化や、今般の新型コロナウイルスの拡大を契機として顕在化いたしましたICT活用の推進についても、来年度に向けた要望項目として整理したところでございます。 ◆三神英彦 委員  ありがとうございます。  5月の第2波までは、経済を止めてでも全力で感染拡大を食い止めるというフェーズだったと思います。それから、5月後半からは、感染予防と経済回復を両にらみで進めるという難易度の高いフェーズに入ったと思います。そこでは、平時以上にこの市役所の主体性が大事になってくるんではないかと私は考えます。  今、札幌のまちについてどう考えていて、だから市役所はこうしたいと、そこが大事で、それを支援してもらうための国への要望であり、その内容は、日々変化する対応に関する要望と、それから、半年、1年を見越しての中期的なものとが有機的に結びついた骨太の要望であることが望ましいと考えます。  次の質問ですが、今回の重点要望のみならず、目下の課題にスピード感を持って対応するため、日々発生する課題を適時適切に国に伝え、国の対策に反映させていくことが必要と思いますが、札幌市としての考えを伺います。 ◎浅村 政策企画部長  目下の課題に対する国への要望というご質問にお答えいたします。  今般、感染拡大に伴って生じております医療提供体制の強化の必要性ですとか社会経済活動の維持といった課題に対しましては、感染拡大の兆しが見られました2月下旬以降、国の緊急経済対策なども見据えながら、その都度、北海道と連携して政府に要望をしてきたところでございます。  先日、国において成立いたしました2次補正予算におきましても、医療機関への財政支援が拡充されたほか、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が増額されるなど、地域の声を踏まえた支援の強化が図られたものと認識してございます。  今後も、日々変化する感染状況等を踏まえ、スピード感を持って課題に対応していくため、今回の重点要望のみならず、これまで同様に、時期を失することなく、北海道とも連携しながら、政府に対して必要な支援を求めてまいりたいと考えております。 ◆三神英彦 委員  ありがとうございます。  新型コロナウイルスの発生の時期も早く、規模の割にもダメージが大きかった札幌だからこそできる要望ってあるんだと思います。この重点要望とセットで、今お話しいただいた都度、都度での要望でも、それをきちんと打ち出して、この緊急時だからこそ、市役所はあらゆる市民にとって今よりもさらに信頼できる存在になっていただけたらと思います。  そのために、今回はこの重点要望を取りまとめていただいたんですけれども、全ての部局がそろそろ攻めの姿勢に転じていってはいかがかと思います。止まっていたものをどう取り戻せるのか、今、もっとできることはないのか、それぞれの部局がそう考えていただくことによって、また、それを吸い上げて上手に取りまとめていただくことによって、国への要望というのは、もっともっと札幌市は強くしていいのではないかと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。  昨年度要望の成果についてお伺いします。
     今回、重点要望の説明をいただいた際に、資料3、要望の結果に基づき、3年度の項目から外したものというのが三つありました。ここでは、その一つ、子ども・子育て支援の充実・強化について伺います。  昨年6月に、2歳の女の子、詩梨ちゃんが衰弱死する事案があって、今年3月には、子ども・子育て会議児童福祉部会より検証報告が手交されました。その際、部会長の松本氏からも、事件のたびに報告書を出しているが、それを受け取った後、市役所はどうしているのかという問いが出されていたと思います。それに市役所が行動で応える前にこの新型コロナウイルスが押し寄せてきてしまったっていう感じがあったんですが、今回、このタイミングで重点要望項目から外れるというのが気になったので、この部分を質問させていただきます。  この項目について、令和2年度国家予算において具体的にどのような改善が見られたのか、伺います。 ◎浅村 政策企画部長  児童相談所に係る要望の具体的な改善内容についてお答えいたします。  昨年度要望におきましては、一時保護所職員の配置基準の改善や、それに伴う財政支援のほか、一時保護施設の整備に係る財政支援、さらには、一時保護委託の受皿確保のための支援の拡充を国に要望してございます。  令和2年度国家予算におきましては、一時保護所職員の配置に関しては、一時保護を必要としている子どもを適切な環境において保護するために、職員配置基準の改善がなされるとともに、個別の対応が必要な子どもに対します支援を強化するために新たな加算が創設されるなど、財政的な支援の拡充が図られたところでございます。  また、一時保護施設の整備に関しては、定員1人当たりの交付金単価が2倍以上となるとともに、個別対応に必要な施設整備などに係る新たな加算も創設されたほか、地方自治体に有利な起債も適用されるということになってございます。  このように、要望内容に対して大幅な改善が見られまして、札幌市も、こうした中、順次、児童相談所の体制強化を図ってきているということから、昨年度で要望は終了するとしたところでございまして、今後は、拡充された国の支援策をしっかりと活用しながら、再発防止に向けて、引き続き、児童相談体制の強化を着実に推進してまいりたいと考えております。 ◆三神英彦 委員  どうもありがとうございます。  昨年度の要望を踏まえて、国から予算を大幅に獲得できているということは、要望活動に一定の成果が得られたんだと思います。しかし、予算がついたからこそ、そこからが市役所及び私たちの仕事であって、児相の入り口で上手に異変に気がつける仕組み、それから、児相で預かった子どもたちのために最善の出口を用意してあげることなど、今、まだやりかけであって、きちんと整備していくこと、それから、その議論の中に私たちも参加させていただくことが大事になってくると思います。  児相の案件に限らず、高齢者福祉にしても、GIGAスクールにしても、ただでも複雑だった課題というのが、今回の新型コロナウイルスによってさらに難易度が上がってしまったということが山積しているんではないかと危惧しています。  各部局で、どうか体には気をつけていただきながらも、頭はフル稼働していただいて、今、この新型コロナウイルスによる遅れというものをきちんと取り返していくという意識を皆さんの共通認識にしていただけたらと思いまして、私からは終わらせていただきます。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、要望項目の5番目になります子ども・子育て支援の充実・強化のうち、19ページになりますが、3番の保育士等の処遇改善に向けた支援について、また、要望項目7番の介護基盤の充実、そのうち、22ページの2、介護人材の確保に係る取組への支援について、新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえた観点から、大きく2点伺います。  今般の新型コロナウイルス感染症拡大によりまして、在宅勤務や時差通勤などが広がり、働き方が徐々に変わりつつある一方で、医療従事者や介護・障がい福祉従事者、保育従事者、公共サービスや公共交通機関関係者など、私たちが生活を営む上で必要不可欠な仕事に従事している方々、いわゆるエッセンシャルワーカーに関わる課題解決が急務となっています。  エッセンシャルワーカーの方々は、感染が拡大する状況下においても現場に立ち続け、自分が感染するのではないか、または感染させてしまうのではないかといった恐怖と常に隣り合わせの中で日々働いています。  さきの第2回定例会の会派代表質問においても、保育人材の確保や医療機関、また、介護福祉施設などにおける対応について質問をしたところですが、子どもたちや介護を必要とする高齢者との密な接触を避けることができない保育従事者や介護従事者については、ただでさえ大きな身体的・精神的負担がのしかかっているにもかかわらず、今回の感染拡大を受けて、その負担がより大きくなっており、札幌市においても、継続的な人材確保に大きな支障が出るのではないかと危惧しています。  そこでまず、1点目として、保育士等の人材の確保に関して質問します。  今回の新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、保育人材の確保や離職対策の重要性がより浮き彫りとなったところですが、今年度の国への要望の考え方について伺います。 ◎浅村 政策企画部長  保育人材の確保に関しましての今年度の国への要望の考え方についてお答えいたします。  これまでも、国において保育士の処遇改善が徐々に図られてきているところでございますが、国の賃金構造基本統計調査によりますと、全職種の勤続年数が約12年であるのに対しまして、保育士等につきましては約8年と大きな開きがありまして、抜本的な解決には至ってないところでございます。人材確保と職場定着に向けた保育士の処遇改善については国の責任において行うべきであるということから、賃金体系の改善など、さらなる処遇改善策の強化を要望するというものでございます。  委員がご指摘の新型コロナウイルス感染症の拡大に対しましては、国の2次補正予算におきまして、児童福祉施設に対する支援ということで、医療機関等による相談窓口の設置ですとか、マスク、消毒液などの衛生用品等の確保といったことが新たに措置されているところでございます。  今後も、感染状況の推移等を踏まえながら、必要に応じてさらなる支援を国に要望してまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  要望の考え方については理解いたしました。  保育所については、緊急事態宣言の後においても、医療従事者や、また、ひとり親家庭などで仕事を休むことが困難な保護者の子どもの受皿として必要であったことから、原則として引き続き開所がされていました。  保育所は、施設の特性上からも、3密を避けるには限界があり、いっときはマスクや消毒液なども不足し、また、国による支援も十分ではない中、保育士等の従事者は懸命に働き、通常の受入れ体制となった現在も、感染のリスクに神経をすり減らしながら従事されています。そもそも、保育士等の処遇は、他の職種と比較しても決して恵まれているとは言えず、そのような中で、さらなる重い負担を強いられています。  しかし、今回、国の2次補正予算で給付が決まった医療従事者や、また介護施設等で働く方々に対する慰労金の給付対象から保育士等は除外されたこと、また、北海道、特に札幌市においては、長期化する対応、そうしたことで、負担、疲弊感があって、保育従事者の方々からは、もう転職したい、負担が大き過ぎるなどの声が多く聞こえてきています。  このような状況では、本市が掲げる安心して子どもを生み育てられる環境の実現どころか、保育士を辞める方が増え、新たに保育士を目指す方々もいなくなってしまうのではないかと、強い危機感を抱いているところです。  今年度の札幌市重点要望(案)では、保育士等の処遇改善に向けた支援を国に対して求めているところですが、保育現場の状況は大きく変化しており、従事者の処遇改善や環境の抜本的な改善が必要な状況の中でありながら、昨年度からの継続的な要望として、この要望内容が、文言も内容も昨年度と全く同じものとなっています。  そこで、質問ですが、保育人材の確保に向けた処遇改善については、喫緊の課題として、要望文でもこれまで以上に強く国に要望すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎浅村 政策企画部長  保育士の処遇改善に係る要望内容についてお答えいたします。  委員がご指摘のとおり、今回の新型コロナウイルスの拡大を受けまして、保育現場からは職員の負担感が強まっているという声が寄せられておりまして、保育士の負担軽減ということはもとより、負担に見合った処遇改善を図るということは極めて重要な視点であると認識してございます。  つきましては、保育士の処遇改善については、国の責任において確実に実施されるよう、保育士の厳しい実情等をしっかりと訴えた上で、これまで以上に強く国に対して要望してまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  保育士の厳しい実情をしっかりと訴えた上で要望したいとの答弁でしたので、ぜひとも要望文自体にもその旨を盛り込み、これまで以上に強く国に要望していくことを求めます。  また、子ども・子育て支援の重要な担い手となる保育士等の人材確保については、対策として、他の政令指定都市などでは独自の処遇改善を行っているところもありますが、札幌市の場合は、独自の処遇改善を図ることは、近隣市町村の保育人材確保への影響も大きいことから、やはり、ここは、公定価格を国がしっかり引き上げるべきと考えます。  この点においては、白本の中でも、公定価格の処遇改善等加算のさらなる拡充や、地方自治体が実施する保育士確保策への財政措置の充実を図ることを求めていますが、本市としてもさらに強く要望していくことを求めまして、次の質問に移ります。  次に、介護人材の確保について伺います。  介護老人保健施設、茨戸アカシアハイツにおいて、大規模なクラスターが発生し、入所者のみならず、介護士や看護師にも多くの感染者が発生し、介護サービスの提供が困難な状況に陥りました。  さきの代表質問と、また、厚生委員会の中で我が会派は、感染拡大の初期から介護士や看護師が不足したこと、福祉における緊急時の派遣チームを構築する仕組みがないなどの事前準備が脆弱であったことから、早期の対応の遅れを招き、感染拡大につながったことは大きな課題であると指摘し、早急な対策と改善を求めました。  これに対しまして、介護施設においては、一たび感染者が発生すると、感染拡大を食い止めることが容易ではないことから、感染させないことが何よりも重要で、今後に備えて医療と介護の両方が必要な方に対応できる体制の整備について早急に取り組む、また、そのため、国に対しては、入所者等が感染した場合における介護職員等の応援の仕組みを構築することを要望するとともに、札幌市としても、北海道と連携しながら、介護施設に対する支援体制の検討を進めてまいりたいとの答弁がありました。  特に、この応援の仕組みということについては、今回、重点要望の中でも、新型コロナウイルス感染症対策に関する要望の中の2ページ目になりますけれども、文言が盛り込まれたということで、ここについてはしっかりと国のほうに求めていただきたいと思います。  また、このようなことも踏まえると、体制の強化を図るに当たっては、介護従事者においても、これまで以上に身体的・精神的負担が大きくなることは容易に想像されるところですが、今年度の重点要望案では、先ほどの保育士と同様、介護現場も大きく変化している中で、こちらも昨年度と同じ文面となっています。  今後、札幌市においても、さらなる高齢化の進展が見込まれる中、感染予防を適切に講じながら、安全・安心に介護サービスを提供するとともに、それを支える介護人材の確保を着実に進めていくことが必要となります。  そこで、質問ですが、今回の新型コロナウイルスの影響なども念頭に、介護人材の確保に向けて、国に対してどのような支援を要望していくお考えか、伺います。 ◎浅村 政策企画部長  介護人材の確保に関しまして、国に対して要望する支援についてお答えいたします。  国に対しましては、これまでも、市内の感染状況を踏まえまして、その都度、必要とする支援を北海道と連携して要望してきたところでございます。  このような地域の声を受けまして、国の2次補正予算においては、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が介護・福祉分野にも拡充されまして、感染症対策に必要な経費や介護・障がい福祉事業所の職員に対する慰労金の支給などが措置されたものでございます。  新型コロナウイルスの影響が一定程度長期にわたることが今後想定されることから、来年度に向けました新型コロナウイルス対策に関する要望におきまして、安全・安心して介護サービスを提供し続けられるよう、感染防止対策等に係る財政的支援や、集団感染が発生した場合に備えた要介護者等の受入れ体制の整備に必要な財政的な支援、さらには、医師や看護師、介護士等の応援体制の構築を国に強く要望してまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  今回発生した介護施設での集団感染、このことを教訓に、札幌市としてもしっかりと対応策を図るとともに、今後の第3波以降の波に備え、万全の体制を構築できるよう、改めて国に対しても必要な支援を早急に要望することを求めます。  本日指摘しました保育士や介護士の処遇改善や人材確保については、これまでも重要な課題と認識しておりましたが、今回の新型コロナウイルスの拡大を受けて、こうしたエッセンシャルワーカーの潜在してきた課題がこれまで以上に深刻なものとして明らかになったものと考えます。  また、大変残念なことであり、そして、決して許されることではありませんが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、エッセンシャルワーカーやその家族に対する偏見や、また差別につながる行為なども少なからず見受けられると伺います。  繰り返しにはなりますけれども、神経をすり減らしながらも、日夜、使命感を持って懸命に努力を続けていただいているこうした全ての方々が誇りを持って安心して働き続けることができるよう、これまで以上に強く国に働きかけることを改めて求めまして、私の質問を終わります。 ◆森山由美子 委員  私からは、要望項目5、子ども・子育て支援の充実・強化及び要望項目9、エネルギー需給構造の多様化の2項目についてお伺いいたします。  最初に、要望項目5、子ども・子育て支援の充実・強化のうち、多子世帯への利用者負担額の軽減措置の拡大と必要な財源措置について伺います。  我が国では、急速な少子化の進行や幼児期の教育、保育の重要性に鑑み、子育てを行う家庭の経済的負担の軽減を図ることを目的として、子ども・子育て支援法を一部改正し、3歳から5歳児は、保護者の年収を問わず全世帯、ゼロ歳から2歳児は住民税非課税世帯を対象として、昨年10月から保育料が無償化されたところです。  この幼児教育・保育の無償化については、我が党が、2006年、少子社会トータルプランで方向性を示し、その実現に向け、様々な取組を進めてきた政策であり、生涯にわたる人格形成の機会を培う幼児教育の重要性や、少子化対策としての子育て世代の経済的負担の軽減という点において、大きな意義を有するものであります。  子育て世代の経済的負担の軽減は、少子化対策や子どもの貧困の連鎖を断ち切る上で大変重要なものであります。特に、経済的負担が重い多子世帯に対する支援は、先月、5月29日に閣議決定された少子化対策基本法に基づく指針である少子化社会対策大綱の柱としても掲げられましたが、希望する数の子どもを持てる社会を実現する上でも重要な位置づけになっているものであります。  実際、札幌市が本年4月に策定した第2期さっぽろ未来創生プランのアンケート調査の結果では、持つつもりの子どもの数の平均は1.98に対して、夫婦が結婚後、十分に時間が経過して、もはや子どもを産まなくなった時点の子どもの数を表す完結出生児数は1.74となっており、実際には持つつもりの子どもの数を持てていないということが判明したところです。  また、その理由としては、年齢や健康上の理由で子どもができないことに次いで、収入が不安定であることが多いという結果でありました。  そこで、質問ですが、多子世帯に対する札幌市の取組と今回の要望について、その趣旨を伺います。 ◎浅村 政策企画部長  子ども・子育て支援の充実・強化の中で、多子世帯への利用者負担額の軽減措置の拡大と必要な財源措置、中でも、これまでの札幌市の取組と今回の要望の趣旨についてお答えいたします。  まず、1点目の札幌市のこれまでの取組についてでございますが、札幌市では、子育て世帯の経済的負担軽減を目的といたしまして、2017年度から、3歳未満の第2子の保育料について、国の基準が半額となってございますところを無料の扱いとしてございます。また、国におきましては、2016年度から年収約360万円未満の世帯に対しまして適用してございます同時入所要件の撤廃につきまして、本市においては、より多くの世帯が経済的負担の軽減が受けられるように、今年度、2020年度から約640万円未満の世帯に緩和をいたしまして、第2子無償化の対象範囲をさらに拡大したところでございます。  2点目の今回の要望の趣旨につきましてでございますが、子育て世帯が安心して子どもを生み育てていける環境を整備していくためには、子どもの年齢差などによって世帯間に負担の差が生じることや、上の子の卒園を契機として保育料が増額するということは望ましくないものと認識してございます。  このため、経済的負担の軽減が公平かつ切れ目なく持続するよう、国の責任で適切な制度を構築するとともに、必要な財源措置を要望することとしたものでございます。 ◆森山由美子 委員  2017年度から3歳未満の第2子の半額を無料の取扱いとし、2020年4月から同時入所要件の撤廃に係る年収要件を緩和し、2人目の半額の対象範囲をさらに拡大したとのこと、また、多子軽減に係る同時入所要件の撤廃など、国の責任において適切な制度を構築し、必要な財源措置を講じることを要望するものとのことでありました。  少子化対策が目指すべきは、実際に持つ子どもの数が理想の子どもの方に近づくことができる生み育てやすい環境の整備であり、それが結果的に少子化の流れを変えることにつながるものと期待をしております。多子世帯全てに対し、公平に経済的負担の軽減を切れ目なく持続し、より効果的な子育て支援を図ることが重要であると認識をしております。  未来を見据えると、子どもや子育て世帯の支援は、広く社会全体の発展として還元されます。子どもを育てる家庭の声に耳を傾け、子どもを生み育てやすい環境の整備に係る取組を引き続きしっかり進めていくことを求めて、次の質問に移ります。  次に、要望項目9、エネルギー需給構造の多様化のうち、ZEH・ZEB補助制度の充実について伺います。  今年の第1回定例会の代表質問において、我が会派は、地球温暖化に伴う気候変動対策は人類共通の喫緊の課題であるとの認識の下、脱炭素社会の実現に向けた札幌市の姿勢についてただしました。  これに対し、秋元市長は、地球温暖化は、世界全体の喫緊の課題であり、環境首都を目指している札幌市としても全力で取り組むべき課題であるとの認識を示し、2050年には温室効果ガス排出量の実質ゼロ、いわゆるゼロカーボンシティーを目指すこととし、市民や事業者と一体となって脱炭素社会の実現に取り組んでいく旨を表明しました。  2016年にパリ協定が発効したことを踏まえ、温室効果ガス削減に向けた取組を推進してきた公明党としては、ゼロカーボンシティーを目指すことを表明した札幌市の姿勢は評価をするところです。2018年3月に策定された第2次札幌市環境基本計画においては、2050年に向けた札幌の環境の将来像として、市内から排出されているCO2などの温室効果ガスが80%以上削減されており、さらに改定中の(仮称)札幌市気候変動対策行動計画では、脱炭素社会の実現に向けた具体的取組に期待をしております。  この将来像の実現に向けて、積雪寒冷地に適した低炭素社会を構築するため、ゼロエネルギー住宅やゼロエネルギービル、いわゆるZEHやZEBの普及など、住宅・建築物の省エネルギー対策を推進していくこととしております。  そこで、質問ですが、ZEH、ZEBの普及に向けて、札幌市として具体的にどのような取組を進めているか、伺います。 ◎浅村 政策企画部長  エネルギー需給構造の多様化という項目の中で、ZEH・ZEB補助制度の充実に関しまして、札幌市の取組ということについてお答えいたします。  積雪寒冷地である札幌市におきましては、冬季の暖房エネルギーの消費量が大きいことから、このエネルギーを削減して温室効果ガスの排出を減らすというためには、住宅・建築物の高断熱・高気密化、省エネルギー設備などの導入を進めるとともに、太陽光発電など、再生可能エネルギーの活用を促進することが重要な視点であるというふうに認識してございます。  ZEH及びZEBに関しましては、国の補助制度があるものの、札幌市としてより一層の推進を図るために、今年度から、独自に設計費の増嵩分に関する補助制度を創設いたしまして、ZEBについては最大300万円、それから、ゼロエネルギーマンション、いわゆるZEH−Mについては最大100万円の補助を行うということにしてございます。  加えまして、環境性能の高い建築物のメリットにつきまして、市民や事業者に対して分かりやすく情報発信をするなど、ZEHやZEBの推進に向けた普及啓発にも取り組み始めたところでございます。 ◆森山由美子 委員  今年度から、国の補助に加えて、独自に設計に係る費用に対する補助を実施するとともに、今後は、普及啓発についても力を入れていくとのことでありました。  取組はまだ緒に就いたばかりでありますが、家庭や業務といった民生部門のCO2排出量が大きい札幌市においては、住宅・建築物の省エネルギー化は地球温暖化対策に資することから、今後も着実に取組を進めていただきたいと思います。  一般社団法人住宅性能評価・表示協会の公表データによると、ZEBについては、全国で424棟あるうち、札幌市内は8棟、ZEH−M、ゼロエネルギーマンションについては、全国で396棟あるうち、札幌市内は4棟と、全国的に見てもまだまだ少ない状況であると考えます。  そこで、質問ですが、ZEB等の普及に向けては、札幌市としてどのような点を課題と捉え、国に対してどのような支援を求めるのか、要望の趣旨を伺います。 ◎浅村 政策企画部長  ZEB等の普及に向けた課題と今回の要望の趣旨についてお答えいたします。  1点目のZEB等の普及に向けた課題についてでございますが、昨年度、ZEBやZEH−Mの普及状況や普及に向けた課題等を把握するために、地場の設計事務所等を対象に調査を実施してございます。調査結果によりますと、設計する人材の不足や設計者の技術力の向上が必要というような回答が多かったほか、建て主の予算内での提案が難しいといった声があるなど、コスト面での課題も明らかになってきたところでございます。  2点目の今回の要望の趣旨についてでございますが、先ほどお答えした、このようなコスト面での課題を解決いたしまして、ゼロカーボンシティーの実現に向けた取組を着実に推進するために、札幌市のような積雪寒冷地においてもZEHやZEBの建設が促進されるよう、補助率の引上げなど、積雪寒冷地の実情に即した支援の拡充を要望することとしたものでございます。  また、市内で実績のございますフリークーリングなどの自然換気利用をはじめとした未評価技術につきまして、ZEBの評価基準への適用を国に対して強く要望することで、積雪寒冷地に適した札幌版ZEBのモデル構築を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆森山由美子 委員  今回のZEHやZEBに関する要望は、昨年度実施した実態調査で判明した課題に即して、今年度、新たに要望するものであり、ゼロカーボンシティーを目指すことを宣言した札幌市にとって非常に重要な視点であると考えます。  地球温暖化による気候変動の脅威は、我が国においても確実に迫ってきており、日本全体として対策を進めるべき喫緊の課題です。一方で、南北に長い国土を持つ我が国においては、その気候も地域で大きく異なることから、各地域特性に応じた適切な対策を講じていくことが重要です。  札幌市は、2008年に世界に誇れる環境都市を目指して環境首都・札幌を宣言し、市民一人一人が地球環境保全に取り組んでいく決意を示しました。  我が会派は、これまでも、様々な機会を捉えて、環境保全対策に係る取組を推進するよう訴えてまいりましたが、国連の持続可能な開発目標であるSDGsの理念に基づき、札幌の恵まれた環境を次世代に引き継いでいくためにも、札幌市の現状や課題を国にしっかりと伝え、必要な支援を求めながら、引き続き取組を推進するよう求めて、私の質問を終わります。 ◆佐藤綾 委員  私からは、札幌市重点要望(案)について、何点か質問いたします。  まず、新型コロナウイルス感染症対策に関する要望の1、感染予防・拡大防止対策と医療・福祉提供体制の整備についてお伺いいたします。  ウの保健所の体制強化とオの検査体制の強化、構築についての要望ですが、新型コロナウイルス感染症対応では、保健所への緊急の増員や、他部署から援助を入れて対応するという状況でした。保健所の電話相談だけでも、1日700件以上という中、本当に職員の皆さんも大変だったと思います。また、オのPCR検査機器や試薬の確保、体制強化の要望との関連では、新型コロナウイルス感染症では、PCR検査も追いつかず、医師が必要性を判断しても検査されない、陽性と判定されても入院できないという状況も生まれました。  今回の新型コロナウイルス感染症での経験からも、公的な保健衛生機関の拡充と政策を転換する必要性が明らかとなっています。  質問いたしますが、保健所は、感染対策の要、他機関との連携の核となるものであり、地方衛生研究所は、病原体を検査し、感染症の発生状況や分析する機関としても重要です。  今回の要望では、本市は、具体的にどういう体制強化が必要と想定しているのか、国に対してどのような支援を求めるのか、要望の趣旨についてお伺いいたします。 ◎浅村 政策企画部長  新型コロナウイルス感染症対策に関する要望の中で、保健所、それから衛生研究所の体制強化の要望の趣旨等についてお答えをいたします。  新型コロナウイルスへの対策は、今後、一定程度長期にわたることが見込まれているところでございます。したがいまして、いわゆる第3波以降の波に備えて、PCR検査をはじめ、必要な方が必要な検査を受けられることや、感染の急激な拡大に対応できるよう、受入れ可能な病床数の調整を図るほか、再度、感染拡大が見られたときに、患者の疫学調査などによって感染経路を確実に把握できるよう、保健所や衛生研究所を中心といたしました継続的な体制強化が必要というふうに認識してございます。  つきましては、国の2次補正予算において、PCR検査や抗原検査による検査体制の充実が図られたほか、医療機関の体制強化等に活用可能な新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金、これが大幅に増額されたところでございますけれども、今後の感染拡大に備えて、必要な財政的な支援を、令和3年度以降、継続的に得られるように要望するものでございます。 ◆佐藤綾 委員  保健所は、国の政策により、27年間で852か所が472か所に半減され、本市でも9か所あった保健所が1か所に削減されました。また、2009年の新型インフルエンザ流行の後、地方衛生研究所全国協議会は、衛生分野での人員予算の削減はもはや限界に達している、例えば、PCR検査を実施するために必要な人的資源、検査機器が十分に配備されていない地方衛生研究所もあると訴えていますが、全国的に、職員数、予算や研究費も削減されてきました。  こうしたことが、保健所の削減とともに、今回の新型コロナウイルス感染症対応に大きく影響したと批判も起こっています。保健所体制とともに、衛生研究所の体制や、財政面、人的な面での強化についてもしっかり要望していくべきと申し上げます。  次に、エの新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関に対する専門医などの応援体制と感染管理の専門家派遣等、体制整備の要望についてお聞きします。
     今回、新型コロナウイルス感染症のために用意したベッド数を増やして対応しておりますが、医療崩壊寸前だという指摘もありました。また、茨戸アカシアハイツでは、介護が必要な感染患者を入院させず、施設内で治療するということから、集団感染が長引き、感染が拡大し、命を救えなかった方も少なくありませんでした。  新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた規模の病院等では、感染対策の基準があり、感染対策をする部署として対応することとなっています。治療に当たる専門医、看護師はもちろんですが、院内全体を見る感染対策のためには専門家と体制が重要であると思います。  質問いたしますが、医療機関に対する専門医や看護師等の応援体制の構築や疫学調査の専門家派遣の実施体制を求めていますが、どういう想定であるのか、お伺いいたします。 ◎浅村 政策企画部長  医療機関に対します応援体制、それから、専門家の派遣といったことについての要望の趣旨についてお答えいたします。  患者を受け入れる医療機関におきましては、今般、一般患者用の入院病棟の休止といったことによりまして、医師や看護師をやりくりしていただいているところでございますが、感染者が急激に増加した場合においては、必要な人員確保が困難となる状況になると考えております。  つきましては、そのような状況に対応するため、国の主導で専門医や看護師等の応援体制を構築するということを要望するものでございます。  また、これまでも、大規模クラスターの発生時には、国のクラスター対策班から専門家の派遣を受けてきたところでございますが、有効な疫学調査の実施にはこのような専門家の知見が必要不可欠であるということから、確実かつ円滑に支援を得られるよう、実施体制の整備を要望することとしたものでございます。 ◆佐藤綾 委員  院内での患者の治療に当たる医師や看護師の応援体制とともに、クラスターが発生した場合の対応以外にも、ふだんからの感染管理の体制強化の支援ということもぜひ強調して要望していくべきだと思います。  次に、2の雇用・生活の維持と事業の継続についてお伺いします。  ここでは、子どもの学校生活について触れられておりませんけれども、2月から長期の休業となり、ようやく6月1日から分散登校、6月15日から通常どおりの学校生活が始まったところです。感染防止のため、外出を抑制し、在宅ワークを推奨し、人との距離を空けるという対応が必須となっています。学校でも、3密を防ぐために、休み時間に体育館で遊べるのは1学年ずつにする、給食時の対策など、密集、密接を避ける努力をしています。また、学校行事等も大幅に見直すこととなり、夏休みは8月の10日間余りに短縮されることや、一日の授業数を増やすことなど、学習への対策もされています。  こうしたことから、教職員と子どもたちへの負担が大きくなることが懸念されます。  学校では、1クラス40人では、机の間に大人が通れるかどうかほどの距離しか取れない状況です。20ページの6、多様な教育環境の整備の1、少人数学級の推進に向けた教職員定数の拡充で要望が出されていますが、今、喫緊に新型コロナウイルス感染予防と学びへの配慮が必要であることから、国に対して、少人数学級と教職員の増員への財源措置などの支援を要望すべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎浅村 政策企画部長  学校におきます感染予防と学びの配慮についての考え方についてお答えいたします。  感染症対策や児童生徒の心と体のケアを徹底することを前提に、最大限、子どもたちの学びを保障していくことが必要だということから、これまでも、北海道と連携しながら、教育活動に必要な支援を国に要望してきたところでございます。  国の2次補正予算におきましては、学校再開に伴います感染症対策に必要な経費が措置されましたほか、学習指導員の追加配置など、人的体制の強化も図られるということから、このような国の予算をしっかりと活用するとともに、今後も、北海道と連携しながら、必要に応じて、その都度、政府に対して必要な支援を求めてまいりたいというふうに考えてございます。  また、少人数学級につきましては、感染症対策はもとより、児童生徒に対し、個性に応じたきめ細かな指導を行う上でも有効であるというふうに考えられることから、これまでも継続して教職員定数の拡充を国に要望しているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  先ほど、白本でも、この少人数学級、分散登校はとても効果的であることが分かったということも言われましたけれども、本当にそのとおりだと思うんですね。長期休みや分散登校、そして、今、通常に戻ると、いつもより長時間の授業で、子どもたちのリズムの乱れ、体調に変化を起こす子どもも出ています。夏休みの短縮に伴い、熱中症対策で、扇風機や空調機などで健康に配慮することも必要となりますし、少人数学級と教職員の増員とともに、子どもたちの体と心のケアについての支援の財政措置なども求めるべきと申し上げます。  次に、産業・活力についての1の北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の早期完成の要望についてお伺いいたします。  新幹線トンネル掘削土のうち、有害物質を含む要対策土は660万立方メートルで、そのうち、受入れが確保できたのは200万立方メートルです。  本市では、要対策土処分受入れの候補地として、手稲区金山と厚別区山本の事前調査に住民が反対しています。市には、地元住民が集めた反対署名も届けられています。過去に有害物質が流出した異常出水などもあり、住民の懸念は当然です。市民理解なしには進めないと、これまでの質疑でも答弁されておりますが、今回も、2030年開業、できる限り早期の完成を要望し、昨年と変わっておりません。  そこで、質問いたしますが、新幹線トンネルの要対策土の問題を考慮し、市民理解のないまま進めるべきではないと思いますが、これでは市民の声がなおざりに進められるように捉えられかねません。市民理解が得られないまま国へ要望することについてどうお考えなのか、お伺いいたします。 ◎浅村 政策企画部長  北海道新幹線の早期完成の中でも、発生土への住民理解が得られていない段階での要望ということについての考え方についてお答えいたします。  新幹線のトンネル発生土の受入れ地確保に当たりましては、市民の安全・安心が確保されることが大前提でございまして、地域住民をはじめ、市民の理解なくしてはその先に進めることができないものというふうに認識しておりまして、引き続き、地域住民の声を十分に聞きながら検討してまいりたいと考えております。  北海道新幹線は、札幌まで延伸されてこそ、その効果が最大限に発揮されるものであるということから、市民理解を得るための取組を進めるとともに、引き続き、国に対して早期完成を要望するものでございます。 ◆佐藤綾 委員  この要対策土を受け入れた北斗市では、鉄道運輸機構から住民への説明は一切ないということで、地元の農業者が怒っているという問題があることも指摘されています。残土処理をどうするのか、取決めがあやふやなまま工事に着手してきたということです。国会答弁でも、理解が得られないままでの調査実施は困難と承知しているということでした。  手稲区金山と厚別区山本の住民はきっぱり反対していることから、要対策土受入れは白紙に戻すべきです。新幹線延伸のスケジュールを優先するあまり、市民との信頼関係を壊すことにもなります。市民の安全を最優先とすべきと申し上げます。  次に、2の札幌都心部における交通結節機能の強化の2、国道5号「創成川通」の早期事業化についてお聞きします。  創成川通の、いわゆるアクセス道路の推進についてですが、昨年、この要望について私が質問したところ、札幌市としては、検討段階に応じて市民の皆様へ丁寧な情報提供を行うとともに、重視すべき点や配慮すべき点などの市民の声に耳を傾ける等、答弁されております。  我が党は、正確な情報を誠実に提供することが合意形成の大前提だと申し上げてきました。  質問いたしますが、昨今の豪雨災害の頻発などから、創成川通、アクセス道路が地下構造の場合、浸水時について想定されていると思いますが、その危険性について認識を伺います。  また、市民への情報提供を行う際、そうした災害の想定を情報として提供していたのか、お伺いいたします。 ◎浅村 政策企画部長  創成川通、都心アクセス道路の浸水被害の危険性に対する認識、それから、市民への周知ということについてお答えいたします。  都心アクセス道路におきます豪雨等への対応につきましては、国、北海道及び札幌市による検討会におきまして、人命を第一とした安全確保の考えの下、地下トンネルの安全対策基準やほかのトンネルでの対策事例などを基に議論を行っているところでございまして、その資料をホームページで公開して、市民への周知も図ってきたところでございます。引き続き、市民との情報共有に努めてまいりたいと考えております。 ◆佐藤綾 委員  創成川通は、混雑度も0.87と低く、災害についても、ホームページなどで市民が何人見ているのかという問題もございます。とても市民に情報を正確に提供するという点では十分とは言えないと思います。1,000億円以上もの莫大な税金を投入することに市民の理解は得られません。新型コロナウイルス感染症の第3波以降が考えられる中、国と市の税金の使い道は、特に大型公共事業において検討し直すことが必要です。  創成川通は、費用の少ない右折レーン整備などの交差点改良を国に求めるべきであると述べまして、質問を終わります。 ○伴良隆 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後0時8分...