再
開発事業を進めるに当たり、市は、どのような部分にかかわっているのか、また、何か瑕疵があったのか、伺います。
◎清水
事業推進担当部長 再
開発事業への市の
かかわりと瑕疵の有無についてお答えいたします。
札幌市では、再開発のマスタープランであります札幌市都市再
開発方針というものに基づきまして、計画的に再
開発事業を誘導しているところでございます。
当該地区におきましても、
土地の合理的かつ健全な
高度利用と
都市機能の更新を図るとともに、
オープンスペースや
地下通路の整備など
公共貢献を誘導することなど、札幌市の
まちづくりに資する事業といたしまして、札幌市
都市計画審議会での審議を経て、
都市計画に位置づけているものでございます。
一方、再
開発事業は、
民間事業でございますが、都市再
開発法に基づき進められる事業でありますので、札幌市が
組合設立を認可するとともに、これまでは、
基本設計等に
補助金を支出し、今後も補償費や
工事費等に支出する予定でございます。また、
組合設立認可手続や
補助金の支出等は、都市再
開発法や国の
補助金要綱等に基づき適正に行っており、組合に対しましては、
総会等に市職員が同席し、状況を確認して必要に応じて指導、支援を行っております。
以上から、札幌市がかかわる部分におきまして瑕疵はないものと考えております。
◆
小田昌博 委員 瑕疵がないということでわかりました。
次に、2点目ですが、
認可権者としての札幌市の取り組み方について、もう少し詳しく確認したいと思います。
札幌市において
組合設立を認可していますが、どのような審査で適法であると確認したのか、伺います。
◎清水
事業推進担当部長 組合設立認可の審査の
適法確認についてお答えいたします。
組合設立認可の手続は、都市再
開発法に基づきまして進められるものであり、その申請は、
当該宅地について、所有権または借地権を有する5名以上が共同で発起人となり、組合の定款と
事業計画を定め、
地権者の3分の2以上の同意を得た上でされているものでございます。
また、
準備組合から提出された
事業計画書を縦覧したところ、複数の
意見書が提出されましたが、
口頭意見陳述の場を設けるなどして審査をしたところ、
意見書は採択すべきでないと認められたものでございます。
その上で、
組合設立認可の基準といたしましては、一つ、
申請手続が
法令違反であること、二つ、定款、
事業計画の
決定手続、内容が
法令違反であること、三つ、
都市計画に適合しない、
事業施行期間が適切でないこと、四つ、
経済的基礎、
遂行能力が十分でないこと、この4項目に該当しないと認めるときは認可しなければならないものでありますが、市が審査しましたところ、いずれにも該当しないことから認可したものであり、適法であるものでございます。
◆
小田昌博 委員 法の基準にのっとり認可したということで、わかりました。
先ほどの答弁から、市は、
当該事業が
まちづくりに資するものとして、
都市計画決定や
組合設立認可、
補助金交付、さらに指導、
支援等を行い、それらの手続については適正に行われており、瑕疵も違法性もないとのことでした。
次に、もう少し具体的な
陳情書の内容として、理由第3、本事業の
問題点の1番、2番、3番について、特に
累積不良債務の点について、3点質問させていただきます。
1点目です。
陳情書の理由第3の3では、
累積不良債務を法的にも実務的にも引き継ぐことはできないとしていますが、
累積不良債務のうち、
業務委託報酬等とはどのようなものか、また、その債務を組合に引き継ぐことは、再
開発事業において認められることなのか、伺います。
◎清水
事業推進担当部長 業務委託報酬等と債務の承継についてお答えいたします。
業務委託報酬等は、
準備組合の活動におきまして、
事務費、調査費、
基本設計費等として支出された必要な経費でありますが、資金力が乏しいため、
事業協力者から借り入れていることから債務となったものでありまして、ほかの再
開発事業においても一般的に行われているものでございます。
また、都市再
開発法では、
準備組合の債務を本組合に引き継ぐことの可否に関する定めはなく、一方で、当地区の本組合の定款には、
準備組合の債権、債務を組合に承継する条文があり、これにより、本組合の
資金計画に組み入れられているものでございます。この定款につきましては、
組合認可申請書の一部としまして、総会での議決を経て承認されているほか、
準備組合の
解散総会におきましても、組合への
承継事項として議決を経て承認されております。申請書を市へ提出するに当たりましては、
地権者の3分の2以上の同意もとっているところでございます。
以上から、
地権者の同意を得て承継されているものであり、問題はないものと認識しているところでございます。
◆
小田昌博 委員 本組合に債務を引き継げるという認識ということです。
次に、2点目ですが、その債務を組合の
資金計画に組み入れた結果、その
資金計画は成り立っているのか、伺います。
◎清水
事業推進担当部長 債務を組み入れた
資金計画についてお答えします。
当地区の
資金計画におきましては、支出の主のものは
工事費でございまして、収入の主なものは保留床の処分益でございます。また、
業務委託報酬等は、支出におきまして
調査設計計画費、
事務費、
借入金利子等として計上されておりまして、
準備組合の各年度の予算、決算として総会で承認されてきたものでございます。
なお、これらの
資金計画は、
準備組合が
不動産鑑定士や
税理士等、各
専門機関に委託して算出したものであることから、客観的な数値に基づいており、信憑性の高いものと考えております。
このような経緯で提出された
資金計画につきまして、市は、
組合設立認可申請時の根拠等を確認の上、審査したところ、
資金計画における全体の収支は成り立っていると判断したものでございます。
◆
小田昌博 委員 信憑性はありということでわかりました。
これまでの答弁を聞きますと、債務は、再
開発事業において一般的であり、
地権者の同意のもとに承継されていること、また、
資金計画は成り立っていることは理解しました。
そこで、最後の質問です。
改めて、債務を承継することが
組合設立認可へどんな影響があるのか、伺います。
◎清水
事業推進担当部長 債務を承継することの
組合設立認可への影響についてお答えいたします。
準備組合の債務を組合に承継することは問題がなく、その債務を組み入れた
資金計画における全体の収支は成り立っております。したがって、
当該地区における債務を承継することは、
組合設立認可の審査には影響しておりません。
◆
小田昌博 委員 審査には影響なしということです。
これまでの答弁によりますと、市は、法に基づき、指導、
支援等を適切に行っており、債務の承継についても、
地権者の同意により行われていることがわかりました。今後についても、
地権者の皆さんが納得するように、引き続き適切に事業を進めていただきたいということを申し上げ、私の質問を終わります。
◆
田島央一 委員 私からは、
事業主体は誰かという観点から、
陳情書の理由第3の本事業の
問題点の4番について、何点か質問させていただきたいと思います。
1点目は、
コンサルタント会社や
建設会社等が主導しているとありますが、再
開発準備組合と
コンサルタント会社や
建設会社はどのような関係にあるのか、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 再
開発準備組合と
コンサルタント会社や
建設会社の関係についてお答えいたします。
地権者で構成される
準備組合は、再
開発事業や建築物の知識及び経験が豊富ではない場合が多く、
コンサルタント会社や
建設会社の支援を受けることが一般的に行われております。
当該地区におきましても、同様でございまして、
準備組合の総会にて承認を得た上で支援を受けているものでございます。
◆
田島央一 委員 そういった関係性は一般的だということで理解いたしました。
次に、2点目ですが、同じく理由第3の4番目には、
地権者は無視されているという記載があります。
準備組合はどのように運営がなされているのか、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 準備組合の運営の状況についてお答えいたします。
当該地区の
準備組合では、
意思決定方法や会計などに関する条項を定めました規約に基づきまして、
地権者が主体となって
質疑応答及び採決などを行い、民主的に運営されていることを
総会等に市職員も同席した上で確認させていただいております。
◆
田島央一 委員 市の職員も同席してということで理解いたしました。民主的だということですね。
3点目は、(3)の2には、業者が自己の
利益確保に再開発を悪用した事例として、
地権者の
従前資産評価の半額以上をかすめ取るとの直接的な
金額被害が示されておりますが、
従前資産はどのように評価され、それが適切なものか、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 地権者の
従前資産評価についてお答えいたします。
当該地区の
組合設立認可申請時の
従前資産評価は、国の
評価基準に基づいて、
不動産鑑定士によりまして、
組合設立後に行う
不動産鑑定評価と同等の手法を用い、推定値を算出しておりますことから、適切な評価がなされていると認識しております。
◆
田島央一 委員 適切な評価がなされているということです。これまでの答弁を聞くと、
準備組合が
コンサルタント会社や
建設会社から支援を受けることは一般的であって、また、
準備組合の運営は民主的に行われているとのことでありました。さらには、
地権者の
従前資産評価は適切であるということでもありました。
最後に、改めて、法に基づき、
地権者が主体的かつ適切な事業を行っているかどうかの確認をする上で、
地権者の
同意状況について、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 法に基づきます
地権者の
同意状況についてお答えいたします。
当該地区の
準備組合は、資金や活動の状況、重要な
決定事項等について、総会の議決により承認を得て進めており、
組合設立認可申請におきましては、都市再
開発法の
同意要件である
地権者の3分の2以上の同意を満たし、
準備組合の総会の議決を経て提出されているものでございます。
その同意の
取得状況についてですが、
当該地区では、その同意率が
土地所有者の100%、
借地権者の83%、
所有権者と
借地権者の
合計面積割合は97%となっております。
◆
田島央一 委員 これまでの答弁によると、
地権者の
同意状況の要件である3分の2以上ははるかに上回り、9割近く得られているということで、
地権者が主体となって総会も民主的に運営をされているなど、適切に事業を進めていることは理解いたしました。今後についても、これまでどおり適切に事業を進めていただきたいと思います。
◆
小口智久 委員 私からは、まず、
陳情書の理由第3 本事業の
問題点の1にある
確認書について、2点の質問をさせていただきます。
1点目は、法令に反して、
組合設立を強行するため、
確認書をつくったとありますが、
確認書を交わす目的は何か、まず、伺います。
◎清水
事業推進担当部長 確認書を交わす目的についてお答えいたします。
確認書は、平成31年2月6日、札幌市と
準備組合との間で交わしたものでございまして、
組合設立に向けて、市と
準備組合が事業を円滑に進めるために協議、調整を行い、交わした文書でございます。
当該地区は、これまで
事業者側が長期にわたり検討された中で、
社会情勢や
経済情勢の影響を受けまして、計画の見直しが行われてきた経緯がありますことから、改めて、一般的な
補助金や
事業費等の考え方について双方で再確認したものを共有する目的で
確認書を交わしているものでございます。
◆
小口智久 委員 まず、
準備組合と市が円滑に準備を進めていくためということで、その経過の中でいろいろ変化があって、再確認もするという目的で
確認書を交わしたということでございました。
2点目の質問ですが、
確認書は契約書のように守らなければならない義務があるのでしょうか、また、
確認書を交わすことが
組合設立の認可に必要だったのか、交わさなくても認可したのか、伺います。
◎清水
事業推進担当部長 確認書の守るべき義務と認可の関係についてお答えいたします。
確認書は、先ほど申し上げましたとおり、事業を円滑に進めるために留意すべき点を再確認したものでございますので、義務を定めたものではございません。
また、
確認書を交わす、交わさないにかかわらず、法の要件に適合すれば
組合設立は認可しなければならないものでございます。
◆
小口智久 委員 義務を定めたものではないこと、また、交わされていなくても、基準を満たしていれば認可はするということでございます。そして、これまでの答弁で、
確認書は事業を円滑に進めるためのものであるということです。
次の質問に行きたいと思いますが、
陳情書の理由の第3 本事業の
問題点の2の(4)に
補助金不正受給の疑いとあり、これが事実であれば、裁かれるべき問題と考えますけれども、この
補助金について質問させていただきます。
まず、
補助金というものはどのようなものなのか、伺います。
また、陳情にありますように、
不正受給の事実があるのかについても伺います。
◎清水
事業推進担当部長 補助金につきましてお答えいたします。
平成26年度に
準備組合が行いました再
開発事業の
基本設計業務等に対しまして、国の
補助要綱に基づき、申請額や
申請目的等が適正であることを確認し、国及び市が
準備組合に補助をしたものでございます。
基本設計業務等は、
準備組合が
指名競争入札により
業務委託したものであり、市や国が
完了検査においてその
業務委託が適切に遂行されていることを確認した上で、
補助金を交付することが適正であると判断したものでございます。
◆
小口智久 委員 平成26年度に、
基本設計業務で必要となる中で、
業務発注をするのも
指名競争入札を行い、国や市の
完了検査もしっかりと行われているということでございました。これまでの答弁で、
補助金は適正に交付されているということです。
この地区の再
開発事業は、札幌駅北口にありまして、札幌駅
交流拠点の一画を構成していると言ってもよいところでございます。この事業が
まちづくり上の所期の目的を果たせるよう、市としてもしっかりと確認し、厳格に審査した上で
補助金を交付するなど、適切に指導、支援をしながら円滑に進めていただきたいと思います。
◆
池田由美 委員 今、
小口委員から
確認書の質問が出ておりましたが、最初に、私もそのことで聞きたいことがありましたので、質問させていただきます。
この
確認書は、
準備組合と札幌市が交わしたものです。開発が円滑に行われるようにというお話がありましたが、こうした
確認書はどの再開発においても交わしていくものなのかどうか、伺いたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 確認書がどの地区でも交わされているのかという件でございます。
確認書につきましては、北8西1地区以外にも交わしている場所はございますけれども、余り例が多いことではございません。交わすことにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、これまで北8西1地区では、
事業者側が長期にわたり検討された中で、
社会情勢、
経済情勢の影響を受けて計画の見直しが行われていった経緯があることから、改めて、一般的な
補助金や
事業費等の考え方について双方で確認し、共有するために交わしたものでございまして、あくまでも事業を円滑に進めるために交わした文書でございます。
◆
池田由美 委員 余りないことなのだということです。この地区では計画などもありましたけれども、見直しもしていかなければならなかった状況もあって、長期になっているため、
地権者の皆さんとこういった
確認書を交わした中で円滑にしていきたいのだという答弁だったと思います。
私も、この
確認書を見せていただきましたが、一番気になったところが6番なのです。収入が減少した場合は、本事業の実現を図るため、支出の低減に努め、特に
工事費については、
支出事業費の大部分を占めることから、設計の工夫や仕様の
見直し等による低減を図ると。そして、この次なのですが、あわせて、収入である
保留床処分金、そして
参加組合員負担金の増額、賦課金、
分担金の徴収等に努めるとあります。
参加組合員の
負担金の増額ということは、一体どういうものなのか、お聞きしたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 地権者に対する負担というものの内容につきましてお答えいたします。
資金計画には、
事業収支が示されているところでございますが、仮に
進捗状況によりましてそのバランスが崩れた場合には、基本的には、
工事費等の支出を抑える、あるいは、保留床の売却益など収入の増額を図るというものでございます。
ただし、それでも困難な場合に、
自己負担が生じる可能性があるということでございまして、この仕組みについては、
準備組合のほうで
地権者等に説明会を通してご説明されていると聞いております。
◆
池田由美 委員 増額となっておりますから、
参加組合員の
分担金というところでは、今現在もあるというふうに読み取れますけれども、現在は、
参加組合員の皆さんへの
負担金はどのような金額になっているのか、お聞きしたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 現在の
参加組合員の
負担金についてでございます。
地権者からの
負担金は、現在、ないということでございます。
◆
池田由美 委員
地権者からの
負担金は、現在はないということなのですね。
仮に、何か、試算がうまくいかなかったとか、
工事費などがうまくまとまらないというか、それ以上になって赤字が出るようなことがあったとしたら、
工事費を抑えたりということもありますが、
参加組合員にも負担があるということで、それは
地権者の皆さんとちゃんと合意をされているということでよかったですか。
◎清水
事業推進担当部長 事業計画書の中の
資金計画におきまして、実際に収支というものが資料として計上されている中で、
準備組合では、
地権者等に事前に
説明会等でそういった仕組みについてご説明をしておりまして、総会の中で過半数の議決を得て承認された上で提出されているものでございます。
◆
池田由美 委員 札幌市と
準備組合が交わした
確認書ということですから、札幌市がどういった立場でかかわるのかというと、やはり、
地権者の立場に立ってしっかりと損がないようにというか、負担が生じないような再開発を進めていく責任があるというふうに私は思うわけです。
そういった中で、こういった
確認書において負担の増額や
分担金の徴収等に努めるというような書き方だと、そういったときはちゃんとやりなさいというような書き方に見えるものですから、ちょっと指摘をさせていただきました。
先ほどの浅井さんの
趣旨説明にもありましたが、札幌市がこの再開発にかかわるということは、あくまで
地権者のためのものだ、
地権者の再開発になるという立場に立つことが重要なのだと私は思いますので、こういった中身でいくとしたらちょっと問題があるのではないのかと、そのことを最初に指摘しておきたいと思います。
続きまして、再開発を進めるに当たって、札幌市が果たしていく役割についてです。
地権者、
住民本位の再開発になっていくように、再開発の
計画そのものをしっかりと検討して指導していく、かかわっていくことが市として重要な役割だと私も考えているところです。北8西1の再開発では、特に
地権者が
一般市民であることから、再開発の仕組みやメリット・デメリット、リスクなど、基本をしっかりと理解できるように本市が十分配慮していく役割も大きいのだというふうに思います。
先ほどの
趣旨説明にもありましたが、再
開発事業において、
都市計画決定を申請する前に、再
開発事業の
不動産鑑定を行って、
土地の評価と再
開発計画での権利床の分配、
モデル権利変換の計画をしっかりと作成して、
施設計画、
資金計画もあわせて検討して、
地権者に同意を得ることが重要な手続だというふうにおっしゃっておりました。私も、この
都市計画決定の前に、
モデル権利変換をするということは、
地権者が安心して再開発に参加するかどうかを決定していくためにも必要なことだと思いますがいかがか、伺います。
◎清水
事業推進担当部長 都市計画決定前の
資産評価について
地権者へ説明する件につきましてお答えいたします。
今般、当該街区におきましては、2014年、
都市計画決定案を作成するに当たりまして、
準備組合のほうでは、
概略設計、
概略資金計画など必要な事項を策定した上で
準備組合の理事会に説明していると聞いております。
◆
池田由美 委員 2014年に概略で行ったということを今おっしゃったと思います。
決定前にやっているということですが、概略でやるというところは、先ほどの
趣旨説明の中身とはちょっと違うのかなというふうに思うのです。専門家が入ってやるということとの違いなどがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 概略設計に関して専門的な知見が入っているのかということにつきましてお答えいたします。
準備組合のほうでは、
コンサルタント会社に業務を委託しまして、
概略設計、
概略資金計画などを策定していることから、
一定レベルの専門的な技術によって策定されたものと認識しております。
◆
池田由美 委員 今、
コンサルタント会社というお話が出ていましたが、先ほど浅井さんが再
開発プランナーと言っておりましたけれども、こういう方が入ってちゃんとやったということですか。
◎清水
事業推進担当部長 再
開発プランナーという方が入っているかどうかについてお答えします。
今回、
コンサルタント会社に
業務委託をしているところですが、再
開発プランナーたる役目もその
コンサルタント会社が果たしているものと認識しております。
◆
池田由美 委員 そういう役割の方もいらっしゃったということですね。
今出てきた再
開発プランナーという方は、再
開発専門技術者の称号として再
開発プランナーと言われていますが、私が調べたら、
一般社団法人再
開発コーディネーター協会の
認定資格だというふうに書いてありました。
資格を取るに当たって、講習会なども開催しているということで、ここで教えている再開発の流れという資料も私は見ましたけれども、簡単に言うと、
まちづくりの発意があって、勉強会、協議会の発足となり、
準備組合の設立が行われて、
施設計画や
資金計画、
モデル権利変換という検討が進められて、そのもとで
地権者の合意形成を図っていき、その後に、
都市計画決定へと進んでいくのだと。再
開発プランナーの皆さんはこういった流れで進めていく、これが常識的な役割なのだと、私は、資料を調べた中で、そういうことを認識しております。
概略でやるということであれば、最後に、自分の資産がどの程度あって、どの程度の保留床がもらえるのか、そういったことに誤差があってはならないし、再開発に参加したけれども、思っていたものと違ったものになった、そんなことが起きてはならないと思います。そういうことから、
準備組合の中で
都市計画決定前にきちんとやっていくことが重要なのではないかなというふうに私は思うわけです。
それが概略でやられたというところでは、私は、やはり、納得いかなかった方も中にはいらっしゃったのではないのかなと思うわけです。こういう中で、
地権者の皆さんが本当に理解していたのか、そのことが不透明であるなというふうに非常に感じているところです。言葉だけで交わしていたり、概略だけでいいのだというふうに進めていくような再
開発プランナーであったとしたら、私は、そのときに、札幌市の役割として、これでいいのかという意見を述べていかなければならなかったのではないのかと思っております。そこのところで、札幌市がしっかり役割を果たしていくべきだったのではないのかということを指摘しておきたいと思います。
次に、2014年の
都市計画決定のときにも、2017年の
都市計画の変更が行われたときにも、やはり、そうした
モデル権利変換計画の作成、提示、承認手続を概略でやってきたため、そういうことについて
地権者の同意を得られていないと、それが浅井さんの陳情の中身にもあるわけです。そういったことに対して、札幌市はどのような認識でおられるのか、伺いたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 地権者が認識されていないのではないかというご指摘に対してのお答えをさせていただきます。
2014年の
都市計画決定案を作成するに当たっては、
概略設計、
概略資金計画ということを事前に説明しているところでございますが、その後、
都市計画決定後、2015年2月以降に、個別の
資産評価を
地権者の方々にご説明させていただいているところでございます。
概略設計と申しましても、
都市計画決定をする以前のものとしては、
都市計画審議会での審議によりましては計画変更の可能性もあることから、
都市計画決定をして、その事業の確実性が担保されたことに伴いまして設計の精度を上げていくものでございます。
概略設計から基本設計で
組合設立の
事業計画を立てたり、あるいは、
組合設立が認可された後には実施設計という形で権利変換計画に向けた精度を高めていくという作業に合わせた形で、それぞれの時点において、各個人の
資産評価をする中で中間的にその時点時点において
地権者の方々にご説明しているというふうに聞いているところでございます。
私どもとしては、当然、組合のほうでそういった進め方をしっかりやっていただくよう指導をしてきたところでございます。
◆
池田由美 委員 今の答弁の中で、計画変更があるかもしれない、だから、概略でやるのだというふうにおっしゃっていました。でも、計画変更があるなんてことが起きてはならないと私は思うわけです。そのために、しっかりと
都市計画決定の前に
地権者の皆さんに納得していただくと。それでなければ、恐ろしくて、参加するかどうか決められないのではないのかと私は思うわけです。だから、私は、計画が変更されることを前提としていくなどということは考えられないということをまず指摘しておきたいなというふうに思います。
6月26日に、本組合の設立ということが許可されております。再開発については、
不動産鑑定をされて、
組合設立の許可、工事日より起算して30日経過した日が
評価基準日となるのだというふうに、この間、当局の方に説明いただきました。
評価基準日の現在で、今、
不動産鑑定をまさにやっているっていうふうに聞いていますが、その中で、2014年と2017年で、
モデル権利変換計画というのは概算でやっているということで理解してもよろしいのですね。
◎清水
事業推進担当部長 概算でモデル式でやっているかどうかということについてお答えいたします。
今回、権利変換計画を策定するに当たって、最新の実施設計の内容に基づき、従前従後の
資産評価をした上で基準日の数値を導きまして、モデル変換によって算出しているところでございます。
◆
池田由美 委員 原局の皆さんとお話ししたときに、今の
モデル権利変換というのは、
不動産鑑定士がちゃんと入ってされているというふうに思いますが、その前はそうではなかったというふうに私は聞いていて、そう認識しているところです。
では、3回分、
不動産鑑定書というのがあるのかどうか、それをちゃんと
地権者の皆さんに提示してしっかりと説明をされて、合意を得ているのだというふうに理解してもいいのですか。
◎清水
事業推進担当部長 不動産鑑定につきましてお答えいたします。
不動産鑑定士につきましては、権利変換計画を立てる段階で初めて出てきた方ではなく、以前からご協力をいただいて推定値というものを算出していただいていると聞いております。なおかつ、その手法については、実際に
不動産鑑定書を発行する際と同じ手法で計算しているというふうに聞いているところでございます。
また、
不動産鑑定書自体を正式に示した上で
地権者のご理解をいただいているかという件についてですが、手法が同じであるということでの推定値でございましても、内容については同じでございますので、鑑定書を出して確認をとっているわけではございませんが、内容は一緒だというふうに聞いております。
◆
池田由美 委員 今のやりとりの中では、3回、
不動産鑑定をやっていますから、3回分の鑑定書があると私は思います。最後の一番新しい
不動産鑑定書を見せないで、
地権者の皆さんに説明したり、確認していくことはあり得ないのではないのかなと思うわけです。
先ほどの再
開発プランナーの仕事の中身を見ますと、やはり、権利変換もそうですが、
不動産鑑定書というものは、いつでも見せて、自分の
土地がどうなのか、そういうことをしっかり把握していく必要がありますから、それを見せないで説明していくことはちゃんと説明したことにならないのではないのかなというふうに思うのです。
だから、そういった問題があるからこそ、こういった陳情も上がってきているのではないのかなというふうに私は改めて感じているところです。そういった視点が本当であれば、きちんと
不動産鑑定書を見せつつ、合意をきちんと得て進めていくべきだということを求めておきたいと思います。
私は、今、あり得ないという話をしましたが、
不動産鑑定書は一度も見たことがないと言っている
地権者も知っています。私は、そういうやり方では納得していないと本当に思いますから、
不動産鑑定書を一度も見せない実態というか、それが全体にそうなのか、それとも、その人にだけ見せていないのか、そういったことなどはどのように把握されているのか、伺いたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 不動産鑑定書の扱いについてお答えいたします。
不動産鑑定書につきましては、現在、正式に判こを押したものはまだ
地権者の方にはごらんになっていただいておりませんが、実際の計算手法は、同等のものを行いまして、その金額につきまして
地権者の方々にお示しした上で同意をとってきているというふうに聞いております。一方で、権利変換計画書を正式に申請する段階では、そういったものを正式にごらんいただくようなことになるというふうにも聞いております。
◆
池田由美 委員 判こを押したものかどうかというのは、私もどういったものなのか、実物をちゃんと見ていない中での話なので、現在、判こを押していないという話が今出ていましたけれども、今後は、ちゃんと判こを押したものを使って
地権者の皆さんに示していく、そして権利変換も行っていくのだと理解してもよろしいですか。
◎清水
事業推進担当部長 その件につきましては、そのとおりです。
◆
池田由美 委員 前段、再開発の自治体の役割について言いましたが、今回の再開発は
地権者の多くが市民であったということで、再開発の仕組みやメリット・デメリット、リスクなど基本をしっかりと理解できるように本市には十分配慮していく役割があります。やはり、一度も
不動産鑑定書を見ていない方がおられて、そういった皆さんが疑問を持っておられると思いますから、今後は札幌市の役割をきちんと果たしていかなければならないし、今現在、果たされていないのではないのかなというふうに私は思います。
地権者の皆さんに、現在行われている権利変換も含めて、適切に行われているのか、このことがやっぱり今問われてきていますから、本市がかかわった以上、きちんとそのことをやっていくように指摘しておきたいと思います。
続いて、2014年の
都市計画決定後、2015年3月に本市から1億3,840万円の
補助金が出されております。
準備組合に
補助金を出したことになるわけで、それはちゃんと見きわめてきていたのだろうというふうに思います。
補助金というのは、
資金計画、基本設計とか
モデル権利変換などが適正であるかどうか、そういった見通しがある計画なのか、きちんと判断もしていくべきだと思いますが、適正な内容だと判断していたのかどうか、お聞きしたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 補助金を支給するに当たっての札幌市の認識についてお答えいたします。
2014年の基本設計につきましては、市が
完了検査におきまして委託業務が適切に遂行されていることを確認した上で、
補助金を交付することが適正であると判断したものでございまして、一方、その
資金計画につきましても、根拠を確認した上で成り立っていると認識した上での判断でございます。
◆
池田由美 委員 この質問は重複したのではないかと思って、言ってからちょっと皆さんに申しわけないなと思いましたが、適正だというふうに判断したということですね。
やはり、大切な税金から支出していくわけですが、その後に計画変更をされていますよね。医療と福祉が入るということだったけれども、それがオフィスビルとホテルに変更になりました。結局、計画変更になって、設計そのものがやはり無駄になってきてしまったんだなというふうに思うし、そのように計画変更してしまったという現状の中で、
補助金を返還させることはできないものなのか、伺いたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 補助金の返還についてお答えします。
先ほど申し上げましたとおり、2014年の基本設計につきましては、適正であると判断して
補助金を支給しており、その中身については、
完了検査において適切に遂行されているということも確認しております。したがいまして、
補助金の返還は不要であると考えております。
◆
池田由美 委員 基本設計とか資金の面において計画が不備であったりとか、そういったものであったらきっと返還は求められるのかなと思いますが、今現在においては適正であったという判断だという答弁だったと思います。
先ほども言いましたが、2015年3月に
補助金が投入されて、2017年には医療と福祉が撤退し、ホテルとオフィスビルに計画を変更しました。そのときにも、
都市計画決定をやり直しておりますが、
補助金は基本設計のためと言っておりました。結局、その基本設計が生かされなかったということです。
先ほど、基本設計を見て妥当だ、ちゃんとしているということで
補助金を出したのだというふうに答弁されておりましたが、1億3,840万円というのは基本設計に使ったものではないのですね。どうなんですか。
◎清水
事業推進担当部長 2017年の
都市計画変更のもとになったものが基本設計によるものではないかどうかということについてでございますが、2014年に行いました基本設計に基づきまして、修正を加えた上で、2017年の
都市計画案というものが策定されていると聞いております。
◆
池田由美 委員
補助金は、基本設計を土台にして、2017年にも使っているのだという判断でよかったですか。
私は、
計画そのものがどうだったのかということが非常に問われるのではないかというふうに感じております。医療や介護の撤退のときには、資材や労賃の高騰で床の価格が高騰したことで医療や介護が撤退して計画変更されていったわけです。
先ほど陳情者のお話にもありましたが、このときに見直していくことができなかったのか。そして、こういった労賃や資材の高騰ということを見通せなかったのか。そこがちゃんとできていれば、計画はスムーズに行けたのではないのかなというふうに私は思うわけですが、そういった見通しが甘かったのではないのか、そこはいかがか、伺いたいと思います。
◎清水
事業推進担当部長 2017年の
都市計画決定の変更に伴う札幌市の認識についてお答えいたします。
当時の社会全体の
経済情勢は把握しているところでございますが、
社会情勢の変化や
民間事業者の事情によりまして、医療・福祉施設が撤退となったことにつきましては、その計画の変更はやむを得ないものであったと認識しているところでございます。
◆
池田由美 委員 今後どうなっていくのか、労賃とか資材がもっともっと高騰するのではないのかとか、そういった実態というか、
社会情勢などは見通せなかったということだと私は今認識いたしました。
ただ、そういうところが本当にできなかったのか。先ほどの浅井さんの話の中では、時期が違うのかもしれないけれども、状況によっては、一旦立ちどまるのだ、そして状況を見きわめながら、または計画を変えながら進めていくことが必要なのだと言っておりましたので、そういったことができなかったのかという思いをしているところです。
都市計画決定が変更されたときの
都市計画審議会の議論を見ますと、1年もかけて検討してきた医療や福祉施設を断念することに、反対の声とか、もっと時間かけて考えるべきではないのか、そういった意見が多数出ておりました。このときに本当に立ちどまっていくべきだったのだなと、私は読みながら感じていたところです。
準備組合と協力する関係にある市の当局の方々に、可能な限り丁寧な運営によってコンセンサス、同意を形成していくようにお願いしたいといった意見も出されておりました。やっぱり、こうした意見にも応えていないのだなと感じます。
今回の陳情は、札幌市がかかわっていながら、
地権者との合意形成ができず、お金ばかりつぎ込まれて
地権者の負担を広げている、そういったところが不透明ですし、あるのではないか、そして、札幌市がかかわっていた再開発における役割が発揮できていなかったのではないか、そのことへの指摘なのだというふうに思います。
今回の審議では、陳情内容については本当に不明瞭のままだなというふうに私は申し上げて、質問を終わります。
○
小竹ともこ 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
ここで、陳情第5号の取り扱いについてお諮りいたします。
取り扱いは、いかがいたしますか。
(「継続」「採決」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 継続と採決とに意見が分かれておりますので、改めてお諮りいたします。
陳情第5号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
○
小竹ともこ 委員長 賛成少数であります。
よって、陳情第5号は、本日結論を出すことといたします。
次に、討論を行います。
◆
小田昌博 委員 私は、自由民主党を代表して、本
委員会に付託されました「北8西1」
地区市街地再
開発事業に関する陳情について不採択すべき立場で、討論いたします。
さきの質問におきまして、我が会派は、再開発の札幌市の
かかわり方やその開発における法的手続、認可に当たっての適法性について質疑を行いました。その内容において、札幌市は、
都市計画決定や
組合設立認可等の手続を適正に行い、瑕疵も違法性もないこと、法に基づき、
準備組合等の指導、支援を適切に行っており、債務の承継についても
地権者の同意により行われていること、また、事業が民主的に運営され、
補助金は適正に交付されていることが確認されました。
以上のことから、北8西1地区の再
開発事業を進めていただくことを求めて、私の討論を終わります。
◆
小口智久 委員 私は、公明党を代表して、本
委員会に付託されました「北8西1」
地区市街地再
開発事業に関する陳情について不採択とする立場で、討論いたします。
当再
開発事業で交わされた
確認書は、事業を円滑に進めるためのものであり、
補助金は適正に交付されていること、また、債務の承継は適切であり、事業が民主的に運営されていることから、この事業が
まちづくり上の所期の目的を果たせるよう、市としてもしっかりと確認し、適切に指導、支援しながら円滑に進めていただくことを求めます。
◆
池田由美 委員 私は、日本共産党を代表し、ただいま付託されております「北8西1」
地区市街地再
開発事業に関する陳情に賛成の立場で、討論を行います。
きょうの審議で、
地権者との合意の進め方が適切に行われているのか、今後、北8西1の再開発が順調に進むのかなど、十分に解明されたとは言えません。また、市の再開発にかかわる姿勢にも問題があり、1回の審議で採決する内容ではないと考えます。もっと時間をかけて審議し、深めるべきです。
以上で、討論を終わります。
○
小竹ともこ 委員長 ほかに討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
陳情第5号を採択すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
○
小竹ともこ 委員長 賛成少数であります。
よって、陳情第5号は、不採択とすべきものと決定いたしました。
以上で、
委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後2時43分...