除雪費は、真ん中の四角枠に記載されておりますとおり、215億1,300万円でありますが、除排雪作業にかかわる道路除雪費は、その下にありますとおり、79.1%となる170億1,400万円で、薄いグレーの部分の合計でございます。そのほか、
ロードヒーティング関連などの雪対策関係費が濃いグレーの部分で、除雪費の20.9%に当たる44億9,900万円を占めております。
今年度につきましても、限られた予算を有効に活用し、冬の市民生活を守るべく、効果的・効率的な除雪事業の執行に努めてまいりたいと考えております。
おめくりいただき、4ページをごらんください。
今年度の事業概要を表としてまとめたものでございます。
上から順に説明いたします。
まず、除雪体制についてですが、標準となる作業期間は11月1日から3月31日まで、また、
除雪センター開設期間も12月1日から3月20日までで、いずれも例年どおりの日程で予定しております。
次に、車道除雪です。
札幌市が管理する道路管理延長5,525キロメートルのうち、機械除雪が可能な道路や新たに認定された道路などを合わせて、昨年よりも9キロ増となる除雪計画延長5,444キロについて実施することとしております。
なお、括弧内は、昨年度との増減の比較の数値でございます。
歩道除雪についてです。
機械除雪が可能な有効幅員2メートル以上の歩道の管理延長4,050キロメートルのうち、3,041キロを対象として実施することとしております。
運搬排雪につきましては、バス路線や交通量の多い幹線道路など1,378キロメートルを対象に実施することとしております。このうち739キロの区間は、排雪時に路肩部に雪を残す排雪量の抑制を実施いたします。このほか、小学校が指定する通学路のうち、児童数が多く、シーズンを通して歩行空間が確保できない路線269キロについて、通学路排雪を実施することとしております。そのほか、
パートナーシップ排雪に伴う幅員10メートル以上の排雪延長として499キロ、渋滞解消を目的とした主要な交差点排雪を255カ所予定しております。また、平成27年度から実施しております見通し改善のための交差点排雪として1万6,000カ所を予定しております。
次に、
パートナーシップ排雪制度です。
ここでは、括弧書きにありますとおり、地域からの申請が12月からのために、昨年度の申請延長としてその計画値であります幅員10メートル未満の生活道路の延長を利用延長として、2,061キロメートルの事業量を見込んでおります。
次に、凍結路面対策につきましては、幹線やバス路線などの朝ラッシュ時の凍結路面対策として、全市で728キロメートルを対象に凍結防止剤を散布することとしており、このうち、夕方ラッシュ対応としては282.4キロを対象に強化を図ることとしております。
また、歩行者の安全対策としまして、公共施設や地下鉄駅周辺などの人通りが多い歩道318キロメートルを対象に、凍結防止剤、滑りどめ剤の散布を実施するよう考えております。さらに、歩行者用砂箱を1,684カ所に設置いたします。
雪堆積場につきましては、開設箇所数は75カ所、計画搬入量としまして1,877万立米としております。開設形態別では、市民排雪の受け入れが可能な一般用の雪堆積場として31カ所、幹線道路や
パートナーシップの排雪を受け入れる市専用として44カ所を予定しております。
なお、一般用の雪堆積場につきましては、米印にありますとおり、降雪量に応じて12月1日から段階的に開設したいと考えております。
市民助成トラックにつきましては、町内会などが実施する運搬排雪を支援するために、232キロメートルを見込んでおります。
次に、雪対策関係費ですが、雪対策施設につきましては、流雪溝が8施設、融雪槽等が8施設、
地域密着型雪処理施設が3施設となっております。
広報活動につきましては、広報さっぽろ12月号に冬のくらしガイドをとじ込むとともに、札幌ゆきだる
マンプロジェクトの推進による情報発信を行います。
協働による取り組みにつきましては、町内会などへの小型除雪機の貸し出しは40件を予定しております。
続きまして、右側の今冬から新規・拡充する主な取組をご説明いたします。
5ページをごらんください。
まず、1点目は、
パートナーシップ排雪の実証実験です。
地域支払額については、複数の連合町内会の方から負担軽減の要望を受けており、地域支払額の軽減などを目的に、平成29年度から実証実験を行っております。今年度は、地域住民への影響や道路管理上の課題など、さらなる検証を重ねるため、実験数を昨年の40団体から100団体以上に拡大し、実施いたします。実験の排雪断面は、図が三つ並んでおりますが、真ん中にある個人排雪対応型として個人排雪が多い地区を対象にしたものと、一番右側にあります排雪抑制型として、これまでより圧雪を厚く残していくものの2パターンを予定しております。
なお、排雪抑制型につきましては、暖気などの気象により路面がざくざくになった場合は、削った雪を道路の脇に寄せる場合もあることをご理解いただいた上でご利用いただくことを考えております。
次に、2点目の生活道路の
除排雪作業方法の検討と、その下の3点目の
除雪作業日報作成支援システムの構築についてですが、これらにつきましては、次の札幌市冬みちプラン2018・
実行プログラム(案)の中で詳しく説明させていただきますので、ここでは省略させていただきます。
おめくりいただき、6ページをごらんください。
4点目は、除雪センターの
電話自動録音方式の導入です。
除雪センターに寄せられる電話の内容を録音する取り組みで、電話をかけると、
事前メッセージが流れた上で、全ての通話を自動に録音するものでございます。期待できる効果としては、正確な情報の把握や
除雪センター職員の電話対応意識の向上などを考えております。録音したデータについては、マニュアルに基づき、管理者を設定し、個人情報の保護を行い、業務終了後は公文書として管理いたします。
5点目の
バス路線排雪強化と7点目の1人乗り除雪機械への移行推進につきましても、先ほどの2点目、3点目と同様に、次の札幌市冬みちプラン2018・
実行プログラム(案)の中で説明をさせていただきますので、ここでは省かせていただきます。
6点目は、歩道における
凍結路面対策強化であります。
近年の高齢化や観光客の増加などが要因と考えられますが、転倒による救急搬送者の増加傾向を踏まえまして、冬季の安全で安心な歩行空間の確保を目的として、滑りどめ剤の散布回数を現在の年20回から年40回に倍増させるといったものであります。強化路線は、
バリアフリー基本構想で設定された生活関連経路など全体320キロを対象としており、今年度は、そのうちの60から65キロメートル程度を対象に強化する予定で、現在、各区で選定しているところでございます。
次に、7ページをごらんください。
8点目は、
除雪機械オペレーター講習会です。
除雪事業者の担い手不足が課題の一つとなっている中、若手や未習熟者への技術継承を目的とした講習会を年に複数回実施しています。今年度におきましては、実施講習の拡充として掲載した
除雪機械オペレーター指導員育成研修と題し、除雪事業者内で指導する立場の職員を育成するための育成研修を新たに実施したところでございます。
おめくりいただき、8ページをごらんください。
ここからは、例年行っております主な取り組みとなりますので、抜粋しながら、要点のみをご説明させていただきます。
まず、一番上の路上駐車防止、道路への雪出し防止などに向けた各種啓発活動の実施でございます。
札幌ゆきだる
マンプロジェクトや、地域や北海道警察と連携した合同パトロールなどによる啓発活動を実施いたします。
冬みち地域連携事業につきましては、今年度は、市内の小学校全199校のうち、9割以上となる182の小学校で雪体験授業を実施するほか、地域懇談会などを実施いたします。
続きまして、9ページをごらんください。
一番上の公園や雨水貯留池などの既存公共用地の活用では、今年度も、公園や学校グラウンド、そのほか河川敷地などの既存の公共用地を雪置き場として活用する予定で、特に公園は、市内の全公園数のうち約半数となる1,400カ所以上が地域に利用されております。
その下の除雪機械についてですが、令和元年度の購入予定台数の表をごらんください。
除雪グレーダーは、増強、更新を合わせて10台、
小型ロータリーは4台、
凍結防止剤散布車6台、歩道用散布車2台で合計22台の購入を予定しております。
なお、市が除雪業者に貸与する今年度の機械台数は、右側の
市貸与機械台数の推移の表にありますとおり、昨年度から6台増車し、411台となります。
次に、その下にあります雪堆積場の確保につきましては、一般用31カ所、その開設時期を4回に分けて段階的に実施します。また、
最大受け入れ可能容量としまして、平成24年の過去最大搬入量2,524万立米と、交差点の排雪の強化分として80万立米の合計となる2,604万立米を上回る2,606万立米を確保することとしております。
おめくりいただき、10ページをごらんください。
上から三つ目の冬の暮らしに関する総合的な情報の発信でございます。
中段にあるホームページによる情報提供ですが、生活道路における新雪除雪の出動情報や、路面のざくざく状態になる可能性を示すザクザク路面指数など、市民の皆さんの気になる情報を雪対策室のホームページで提供しております。また、テレビのデータ放送でも4局で新雪除雪の出動状況について情報提供しているところでございます。
右側の11ページに参りまして、豪雪時体制の充実として、大雪時には、町内会への情報提供や交通事業者との情報共有を行いますとともに、ホームページ及びデータ放送により
緊急除排雪体制の作業情報を提供してまいります。
その下の冬のボランティアの推進では、地域の
除雪ボランティア活動に対する除雪用具の貸し出しや、自主的に道路除雪を行う町内会などへの小型除雪機の貸し出し並びに購入補助などの取り組みを行うこととしております。また、
除雪ボランティアを実施したいと考えている企業などとボランティアを求める地域とのマッチングについても、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、冬の暮らしをゆたかにする活動の推進につきましては、
メーンキャラクターであるゆきだるマンを用いた広報啓発活動により、冬の
市民生活ルールの遵守、マナーの向上に向けた意識啓発、冬の文化の創造の浸透を図ります。
以上が、令和元年度除雪事業の実施計画についてでございます。
続きまして、札幌市冬みちプラン2018・
実行プログラム(案)についてご説明いたします。
2枚おめくりいただき、15ページをごらんください。
このページでは、冬の
みちづくりプラン2018の概要と
実行プログラムの目的や位置づけなどを説明いたします。
まず、冬の
みちづくりプラン2018の概要です。
上段をごらんください。
札幌市では、少子高齢化の一層の進行や、間もなく到来する人口減少など、社会環境が大きく変化する中におきましても、将来にわたり持続可能な雪対策を維持するため、昨年、中長期的な基本計画として策定いたしました。
新プランでは、左側の雪対策が抱える五つの課題として、市民ニーズに対応した除排雪、危ぶまれる除排雪体制、増大する除雪予算、市民との協働による雪対策、雪対策に対する市民意識を掲げており、それに対し目指すべき将来として、安心・安全で持続可能な冬の道路環境の実現と設定し、その右側に五つの視点で取り組みを推進するといったことで掲げております。
次に、下段の
実行プログラムの策定についてでありますが、昨年策定した新プランでは新規、拡充、そして継続の三つに分類した全106の取り組みを掲げておりますけれども、このうち、とりわけ新規と拡充の取り組みについて、その実効性を確保し、着実に推進していくための実行計画として、札幌市冬みちプラン2018・
実行プログラムを策定することといたしました。本
実行プログラムでは、各取り組みの具体的な実施内容とか実験目標を定めており、今後はこれに基づいて進行管理を行っていくことと考えております。
なお、位置づけとしましては、本市の総合計画、札幌市
まちづくり戦略ビジョンの中期実施計画である
アクションプラン2019と連動したものであるとともに、計画期間は、本年の2019年度から2023年度までの5カ年とし、その内容につきましては
アクションプラン2019と連携を図るよう考えております。
おめくりいただき、16ページ、17ページでは、本プログラムに掲載した新規、拡充の64の取り組みのうち、代表的な四つの主な取り組みをご紹介しております。
まず、16ページ上段のバス路線の除排雪作業の強化であります。
これは、先ほどの令和元年度の除雪事業の実施計画の際に説明を省かせていただいた6ページの(5)の説明にもなります。
札幌市では、これまで、バス路線の排雪の強化として、上段の表にありますとおり、専用レーンや優先レーン、また、路肩の狭いバス路線の一部において、排雪回数を通常の1回から2回もしくは3回と増加させ、強化をしておりましたが、さらなる円滑な運行の確保のため、路肩の狭いバス路線について強化する路線を段階的にふやしていくよう考えております。
下段にある実施内容、実施目標の表にも記載していますとおり、一番左の現状では約37キロメートルの延長について排雪強化を行っておりましたが、今後は、2023年度までに約152キロの路線について排雪を強化するべく、延長を段階的にふやしていくことを想定しております。
次に、除雪機械の1人乗り化です。
雪対策が抱える大きな課題の一つとして、除雪従事者の高齢化や不足が挙げられますが、これに対応するため、これまで2名乗車としてきた除雪機械の運転について、安全装置を設置することで1名乗車を可能とした機械を導入することを考えております。
まず、左側の実施内容ですが、
除雪グレーダーについては、老朽化に伴う更新に合わせて、1人乗り機械を導入していくのに対し、タイヤショベルや除雪トラック、
凍結防止剤散布車などのその他機械については、現在使用中の機械に安全装置を設置することで1人乗り化の拡大を図っていきます。
次に、右側の表の実施目標ですが、
除雪グレーダーについては、昨年度末時点、この表では現状の欄で22台の保有台数だったのに対し、2023年度までに63台までふやしてまいります。また、その他機械については、現状欄のとおり、昨年度は4台に安全装置を設置して実証実験を行いましたが、引き続き、2020年度までを目標に安全装置の検証を行い、2023年度までには157台の1人乗り化を目指してまいります。
なお、1人乗り化を進めていくに当たりましては、新プラン策定時に推計した除雪従事者の減少速度に合わせ、それに追従するよう年間合計43台程度の導入を考えております。
次に、右側の17ページ上段の生活道路の除雪方法の変更についてでございます。
生活道路の除雪につきましては、今後、除雪従事者の減少が続けば、今の夜間一斉出動に耐え得る体制の確保が難しくなるのに加え、今後さらなる高齢化が進めば、玄関先や車庫前の雪処理が難しくなるご家庭がふえることを懸念しており、それらに対応するための除雪方法を検討するものでございます。
実施内容としましては、上段の表にありますとおり、これまでの10センチを目安とする降雪に応じた新雪除雪から変更し、月に2回程度、数日かけて実施する計画的な路面整正作業を基本として考えており、作業の際には、単純に雪をかき分けるのではなく、出入り口に残す雪の量を緩和する作業も付随して行います。一方で、20センチや30センチを超えるような大雪が降った際には、やはり最低限の通行を確保するための対応が必要であると考えますので、減少する除雪従事者においても対応可能な方策を検討してまいりたいと考えております。
次に、実施目標ですが、今年度は、まず2から4地域で試行を実施し、課題の検証を行い、試行を重ねながら見直しや改善を図ってまいりたいと考えております。
次に、その下の作業日報などの提出書類の電子化です。
昨今、ICTなどの先進技術を活用した作業の効率化や省力化の先駆けとなる取り組みでございます。実施内容として、これまで手作業で作成していた作業日報などの提出書類の一部について、ICTなどを活用することで自動作成が可能となるシステムの導入を進めます。これにより、除雪従事者の労働時間の短縮が見込まれ、労働環境の改善に寄与するものと考えております。
実施目標としまして、今年度、システムを構築するとともに、試験運用として100台程度の導入を行います。その後は、順次、導入台数を拡大し、2021年度からの全面運用を目指してまいりたいと考えております。
おめくりいただきまして、最後に、18ページのICT等の先進技術の活用についてであります。
札幌市では、雪対策事業の課題の克服に向け、近年、目覚ましい発展を遂げるICTなどの先進技術の活用が必要と考えておりますことから、一覧にあります11の取り組みを計画しております。
まず、1番目のGPSなどを活用する取り組みですが、前のページでご説明しました(1)の作業日報などの提出書類の電子化に着手した後、そこで構築したシステムを活用もしくは改良しながら、その下にあります除雪機械の
運行管理システムや作業経路などのナビゲーションシステムなどの取り組みへと、順次、発展、展開していきたいと考えております。
また、2番目の情報処理技術などを活用する取り組みとして、雪堆積場の選定システムの導入や、将来的にはビッグデータを活用した作業支援のシステムの検討も想定しております。
3番目の除雪機械に先進技術を搭載する取り組みでは、先ほど16ページでご説明した除雪機械の1人乗り化の実施や、除雪機械の高度化による運転操作支援として、国や有識者、産学官連携による先進技術の情報共有を図りながら、導入可能なものがあれば柔軟に対応し、活用に向けて検討してまいりたいと考えております。
そして、四つ目になりますが、先進技術を活用して従事者の育成を支援する取り組みということで、ICTを活用した
運転技術習得教材の作成や
運転操作練習用シミュレーターの作成などについて、各方面での知見の集積に鑑みながら、今後検討に入ってまいりたいと考えております。
最後に、今後の予定についてでありますが、12月上旬にはこの
実行プログラムを策定、公表したいと考えてございます。
○中川賢一 委員長 それでは、質疑を行います。
◆伴良隆 委員 私からは、大きく2項目質問させていただきます。
天気予報も、今週末は雪マークが出始めているところでございます。市民の興味というのは、やはり、間口の雪から生活道路、幹線道路ということで、皆さん方も非常に感度のいい形で我々にいろいろな要望をされますが、特に、間口の雪に関して、提案している
小型除雪機関係をやっていただいていることは非常に評価したいというふうに思います。
ただ、身近な雪の問題ということでご自宅から近いものもありますが、雪対策としては、我々は、やはり雪体制の維持ということを非常に大事にしていかなければなりませんし、場合によって市民サービスが劣ったり遅滞したりすることがあってはならないと考えるところでございます。大きな体制といたしましては、皆さん方ももうご承知のとおり、担い手の方々の不足であるとか、あるいはダンプの不足であるとか、これは、夏場の公共事業等でも見られますが、冬でもそういった事案が見受けられて、燃料費関係、あるいは人件費といったことも非常に大きな課題というふうに捉えているところでございます。
我が会派としても、除排雪事業は重要な施策の一つと位置づけており、社会環境が大きく変化することに対応していくためにも、今ご説明がありましたとおり、ICT等の先進技術の活用も積極的に導入すべきと強く主張してきたところでございます。
先ほどご説明いただいた冬みちプラン2018・
実行プログラム(案)では、今後予測される
除雪従事者不足に対応するため、従来2人乗りとしていた作業について、除雪機械に安全装置を設置することにより、限られた人員でも安全に作業を行うことができる体制の確保を進めているということでございます。確かに、除雪機械の1人乗り化を推進していくことは、作業の省力化にもつながり、持続可能な除排雪体制の確保に大きく寄与する取り組みの一つであると考えられます。しかし一方で、過去には、除排雪作業中の重大な死亡事故が発生していることもございますので、当事者はもとより、第三者被害などを起こさぬよう、事故防止対策について万全を期した上で取り組みを進めていくべきであると考えます。
そこで、質問であります。
除雪機械の1人乗り化についてご説明がありましたが、1人乗り化に伴う安全面の確保について、今まではどのように取り組んでこられたのか、確認したいと思います。
◎土井 雪対策室長 ただいまの除雪機械の1人乗り化におけるこれまでの安全対策の取り組みについてお答えします。
委員のお話にもありましたとおり、除雪機械の1人乗り化に当たりましては、安全対策の整備が最も重要であり、また、1人乗り化が原因となる事故が発生することはあってはならないと認識しておりますことから、段階的に取り組みを進めております。
平成29年度から本格的に取り組みを開始した
除雪グレーダーの1人乗り化については、先行実施をしております北海道開発局の実績などを参考に、伴走車を走らせ、この2年間で1人乗りでも安全に作業ができることを確認してきたところでございます。また、平成30年度から取り組んでいるその他機械の1人乗り化については、タイヤショベルなど既存の除雪機械にバックモニターやバックセンサーなどの安全装置を設置し、まずは、助手を同乗させたまま、装置の性能など1人乗り化に向けた確認を行っているところでございます。
◆伴良隆 委員 今、確認しているということで、段階的に非常に慎重に進めているということでございました。
取り組みを進めるに当たりまして、助手の代替となるような安全対策がしっかりと施されていることが特に重要であり、将来にわたって安全性が継続、維持され続けなければならないと考えます。また、今後は、さらなるオペレーターの高齢化も予測されることから、若手オペレーターの熟度を上げていくことも必要であり、除雪機械の1人乗り化を進める上では、安全装置などのハード面の整備に加え、オペレーターの育成といったソフト面の充実も大変重要であると考えております。
そこで、質問ですが、除雪機械の1人乗り化について、将来を見据えた安全対策を今どのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
◎土井 雪対策室長 除雪機械の1人乗り化におけます将来を見据えた安全対策についてお答えします。
まず、今年度からは、新たに人と物を見分けることができるセンサーなども採用する予定であり、今後も、新たな先進技術について導入を検討していくなど、より一層、安全な装置の配置を進めてまいります。また、ソフト的な視点では、1人乗り除雪機械に特化した研修を開始しております。その研修内容は、機械操作の基本はもとより、安全装置の的確な取り扱い方法といった安全面にも重点を置いたものとしており、今後とも充実を図ってまいります。
このほか、引き続き、オペレーターなどの現場の声をしっかりと把握しながら、万全な安全対策を図った上で、除雪機械の1人乗り化の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◆伴良隆 委員 いろいろなセンサーなどの先進技術も見据えてというお話もございました。一般車におきましても、皆さんはドライブレコーダーをつけたり、安全対策といいましょうか、事後対応といったことについても、万が一に備える機材のあり方も一つ懸案にあろうかと思っておりますので、そこは指摘をさせていただきます。
また、試行から本格実施となっていこうとしている今、実施が広く行き渡るにつれて、いわゆるなれることでミスが起きることは、人の手でございますので、ICTの技術があったとしてもその可能性は排除できません。たとえ1人乗りであっても、業界団体、事業者等の協力も含めて、今後も引き続き、安全確保の中で目視などの基本かつ細心の注意を徹底されることを強く指摘させていただきたいと思います。
それでは、次の質問でございますが、雪堆積場でございます。
雪堆積場は、いろいろな中で遠隔化しておりまして、なかなか土地も見つけづらく、不確定要素もございます。その近さや遠さ、利便性といったことで、事業者の方々からの声が非常に強いこともございます。
先ほどご説明のありました冬みちプラン2018・
実行プログラムにおきましては、冬期間の道路環境の確保に欠くことのできない排雪作業に関するICT活用の取り組みとして、排雪現場から最適な搬入先の雪堆積場を選定するシステムを導入し、ダンプトラックの効率的な運用を進めるといった記載がされておりまして、一部、ご説明もありました。生産年齢人口の減少が加速することを背景に、さまざまな業界で人手不足、人材不足が懸念されており、排雪作業に欠かせないダンプトラックの運送業界についても、当然、例外ではなく、作業を持続可能なものとしていくためには、ダンプトラックの運搬距離の低減や台数の縮減につながる取り組みは、確かに非常に重要であります。
そこで、質問ですが、札幌市の排雪作業における搬入先雪堆積場の選定方法については、現行の方法と、今後導入を予定している搬入先雪堆積場の選定システムとではどのような違いがあるのか、伺いたいと思います。
◎土井 雪対策室長 札幌市の排雪作業におけます搬入先雪堆積場の選定方法に関しまして、現行方法と選定システムの違いについてお答えします。
現在は、土木センターの職員が、区内の運搬距離ができるだけ短くなるよう、排雪現場における作業内容や雪堆積場の状況を確認した上で、隣接区と調整しながら搬入先を選定しております。一方で、検討中の選定システムにつきましては、10区全ての作業内容などの必要な情報を入力することで、全市的な視点からより最適な搬入先を選定するものであり、これにより札幌市全体での運搬距離の低減が図られ、ダンプトラックの台数縮減にもつながるものと考えております。
◆伴良隆 委員 センターの職員が区内や隣接区で調整しているのと比べて、システム導入後は、全市的な一円の視点で広く見た上で最適化の調整を行っていくといったお話であり、大きく違うのだということでございます。
確かに、近年、発展が目覚ましい情報処理技術は、大量の情報を分析して瞬時に最適な答えを導くことができますことから、システム導入によって、ダンプトラックの平均運搬距離の低減が期待できるとともに、使用する台数の縮減も図れることは、理論的に理解することはできます。一方で、排雪現場と雪堆積場間の運搬距離にばかりとらわれてしまい、シーズンを通しての雪の降り方や個々の排雪現場の進捗状況といった情報を反映し切れなくなりますと、例えばシーズン後半は遠くの雪堆積場だけが残ってしまうなど、シーズン全体を通して最適な選定先を導けなくなることも危惧されるところでございます。このため、システムの開発から現場への導入に向けては、しっかりとした検証を行う必要があると考えられます。
質問でありますが、雪堆積場の選定システムの実現に向けた今後の進め方について伺いたいと思います。
◎土井 雪対策室長 今後の進め方についてでございますが、現在検討中のシステムは、運搬距離や雪堆積場の受け入れ能力のほか、各地区における降雪量や排雪作業の進捗状況などさまざまな情報を分析して、各排雪現場の最適な雪堆積場を選定する予定でございます。委員のお話にもございましたが、シーズンを通して最適な搬入先を選定できるよう、システムの開発後には、現行の方法とシステムによる方法とで例えば運搬距離の違いなどの比較検証を行いながら、システムの検証などを経た上で本格運用につなげてまいりたいというふうに考えております。
◆伴良隆 委員 今、検証ということで、これからということでございますけれども、基本的な方向性については理解ができると思います。
ただ、先ほど私が理論的には理解できると申したのは、全体的な運搬距離、ダンプの台数、こういったものが縮減されるということは理論的な部分としてはわかりますけれども、要するに全体を平準化するわけですから、個別のエリアによっては、今までよりむしろ距離数が若干ふえてしまうケースも可能性としてあるのではないかというふうに思うところでございます。だからこそ検証が必要なので、答弁のとおり、きちんと検証していただきたい。
これは、可能性を探っていくという意味だと思いますが、全体的にはよくなっていくと言っても、もしかしたら個々には距離数がふえたじゃないかという声が事業者から出てきたときに、我々もなかなか説明に困ることもございます。よって、これを検証する際には、市としても、全体の持続可能な雪体制という中で公共の利益に資するのだというところをしっかりと固めながら、事業者の方々にきちっと理解していただくためにも水面下で丁寧に説明していくことが非常に重要だと思っておりますので、検証を継続しながら、ぜひとも本格導入に向けて頑張っていただきたい、このように思います。
◆水上美華 委員 私からも、2点お伺いさせていただきます。
初めに、今年度から拡充されるバス路線の排雪強化の取り組みについてです。
交通量が多いバス路線について、冬の間、道路の脇に堆積した雪山により道幅が狭くなるなどの影響で、バスの運行ダイヤに乱れが生じることがあります。運行ダイヤの定時性の確保につきましては、かねてよりバス事業者やその利用者から改善を要望する声もあるため、この取り組みの拡充が効果的になることを大いに期待しております。
また、バス事業者との連携強化策として、今、リアルタイムにバスの運行状況を把握、配信できるバスロケーションシステムの導入補助を2020年まで計画されています。準備が整ったバス路線からさっぽろえきバスナビで情報を配信するとされており、バス利用者の利便性向上に向けて複合的に取り組まれているものと推察いたします。
そういう中で、先ほど、これまでの強化の取り組みは継続しながら、路肩の狭いバス路線を対象として2023年度まで排雪強化路線をふやしていくとの説明がございました。
そこで、質問させていただきますが、これまでは、主に総幅員10メートル以下の特に狭小なバス路線を対象としてきたと伺っておりますが、今回追加するバス路線の内容とその全体延長についてお伺いいたします。
◎土井 雪対策室長 今回追加するバス路線の内容と、その全体延長についてお答えいたします。
バスの定時性の確保に向けましては、車道部の幅員を確保することが重要でありますが、雪山の堆積スペースとなる路肩の狭いバス路線につきましては、特にバスの運行ダイヤが乱れやすく、除排雪に関する苦情、要望も多いことから、新たに排雪強化の対象としたところでございます。
今回追加するバス路線の内容につきましては、車道部幅員9メートル以下の2車線道路と、車道部幅員13メートル以下の4車線道路でございまして、その全体延長は約230キロメートルを想定しております。
今後は、全ての対象路線で排雪を強化してまいりたいと考えておりますが、まずは、先ほどご説明した本実施プログラムのとおり、現在強化を実施している路線を含めまして、2023年度までに約152キロを目標に段階的に拡張してまいりたいと考えております。
◆水上美華 委員 バス路線の排雪強化における対象路線の考え方については、おおむね理解いたしました。
それでは、続けて、対象路線の優先度について伺いたいと思います。
先ほどの説明では、この取り組みは段階的にふやしていくとのことでありました。今後、対象となる路線に優先順位をつけて選定していくことになると思いますが、その際、路肩の幅員のみで優先度を決定されていくのでしょうか。対象となる路線ごとにバスの利用人数や遅延状態などもそれぞれ異なるので、道路の幅員だけではなく、バスロケーションシステムのデータも参考にしながら、それらも踏まえた上で優先順位をつけることで、より効果的な取り組みになると考えます。
そこで、伺いますが、段階的に排雪強化路線の延長をふやしていくに当たり、どのような条件から優先度を決定していくのか、その考え方について教えてください。
◎土井 雪対策室長 まず、段階的な排雪強化路線の延長、拡充におけます優先度の考え方についてお答えいたします。
対象路線の優先度につきましては、路肩や車道部の幅員、また、バス便数や交通量のほか、バス事業者や利用者から寄せられた苦情、要望などを総合的に勘案しながら決めております。また、委員のおっしゃるとおり、バスロケーションシステムといったことで、遅延状況についてもしっかりと把握しながら、今後はそこも含めた優先度の考え方について検討していきたいなと考えております。
また、こういった優先度の考え方に基づく選定については、現在、各区において、今年度から強化する路線の選定作業を進めている状況でございます。
◆水上美華 委員 幅員だけではなく、そのような分析をもとに対象となる路線を選定していくということで、より大きな効果が得られるものと大変期待いたします。
しかしながら、こうした取り組みは、複数年かけた長期的なスパンにより、ようやく効果を実感できるものと思われます。引き続き、バスロケーションシステムの活用などを通し、バス事業者との連絡体制の強化に努めていただいて、そして、バス事業者の声にはしっかりと耳を傾け、何より利用者の皆さんが困ることがないよう、適宜、必要な除排雪作業に取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移りたいと思います。
次に、地域内雪処理の推進についてお伺いいたします。
地域内雪処理の推進は、雪堆積場の郊外化が進行している中、遠くの雪堆積場まで雪を運ぶのではなく、地域の雪はその地域内で処理することで、排雪作業の効率化や雪堆積場の負担軽減、また、運搬に必要なダンプの台数を減らすことができ、これによりコストの圧縮につながる取り組みとして大変期待しております。このため、将来にわたり持続可能な雪対策を描く上では、重要な取り組みの一つであると考えます。
その地域内雪処理の活用地としては、公園や学校のグラウンドのほかにも、雨水貯留池など、これまで公共用地を中心に進められてきており、特に公園については相当数が利活用されております。一方で、同様に、地域内雪処理に活用可能な土地の候補地として民有地も考えられております。これについて、札幌市冬みちプラン2018・
実行プログラム(案)の中では、除雪作業における民有地活用の検討として、当面、空き地の洗い出しや活用事例の調査を行うこととされております。
そこで、地域内雪処理を進めていくに当たり、本
実行プログラムにおいて、民有地については今後どのように洗い出しを行っていくのか、考えをお伺いいたします。
◎土井 雪対策室長 本
実行プログラムにおけます民有地の洗い出しについてお答えします。
民有地の洗い出しにつきましては、まず、地域に精通している除雪業者や町内会などから活用可能と思われる空き地の情報を収集するよう考えております。その情報をもとに、周辺状況などの現地確認を行いながら、洗い出した民有地について活用の可能性を判断してまいりたいと考えております。
また、地域内雪処理を進めるに当たりましては、今年度から2カ年程度で洗い出しやこれまでの活用事例の調査などを行うほか、並行して、土地所有者からの承諾を得やすくなるような方策も検討してまいりたいと考えております。
◆水上美華 委員 除雪業者や地域の協力を得ながら民有地の洗い出しを進めていくという今の答弁でございました。
大きな面積の空き地は地域内にはなかなかないものの、一宅地程度の空き地であれば市内に多数あるのではないかと思われます。地域内雪処理の対象として、潜在的に大きな可能性を有しているのではないかと考えられます。ぜひ、町内会などと協力体制を構築しながら推進していくべきであると考えます。
その一方で、民有地であるという性格上、活用に向けてはクリアしなくてはならないハードルや課題も相応にあると考えられますし、それによってなかなか思うように活用が進まないのではないかと懸念するところでもございます。
そこで、民有地を活用した地域内雪処理を進める上で、現段階においてどのような課題をクリアしなければいけないと認識されているのか、伺います。
◎土井 雪対策室長 民有地を活用した地域内雪処理を進める上での課題についてお答えします。
民有地の活用に当たりましては、雪解け時の排水処理や雪解け後のごみの清掃、また、遅くまで雪が残ることで冷風が発生するほか、雪入れ作業時の騒音や振動などさまざまな課題があると認識しております。また、これらの課題があることによりまして、土地所有者や隣接地からの理解、協力を得られにくいといった状況もありますことから、民有地利用に当たっての運用や管理体制などについて地域と連携して対応していく必要があるものと考えております。
◆水上美華 委員 今お伺いした中で、民有地の活用に向けては、その土地の所有者だけではなくて、隣接地の皆さんの理解や協力を得るためにさまざまな課題があるということは十分にわかりました。それでも、やはり、持続可能な雪対策を目指す上で地域内雪処理は非常に有効な手段であると私も考えますので、ぜひ、民有地については積極的に利用拡大が図られることを期待しております。
そこで、要望いたしますが、今回策定する
実行プログラムの中にも、土地所有者から承諾を得るための優遇策などを検討するとございます。やはり、協力していただける土地の所有者の皆様に対しては、何らかのメリットがあるような仕組みが必要ではないかと考えますので、そのような優遇策なども含めて、民有地の利用拡大に向けた課題への対応策をぜひ検討していただきたいと思います。
また、私どもの会派では、以前より、下水処理水といった都市の未利用エネルギーを利用する施設について、やっぱり、雪国札幌にとって貴重な財産となるものであり、財源や適地の確保策、市街地であるがゆえの周辺住民の理解などさまざまな課題があるものの、安定的な雪処理を実現するためには今後も新規の施設整備を検討するべきであるとお伝えしてきました。今後もダンプ不足が続くとすれば、運搬距離の低減を図り、より効果的な排雪作業を行うことが必要であります。このためには、雪処理施設をいかに有効かつ効果的に利用していくかということが何よりも重要であると考えますので、地域の雪はその地域で処理できるよう、雪処理施設のさらなる拡充をぜひ検討していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
◆竹内孝代 委員 私からは、大きく2点伺います。
まず、
パートナーシップ排雪制度の実証実験についてお伺いします。
先ほどの実施計画のご説明の中では、近年、上昇を続けております地域支払額の軽減などを目的に、3年目の実証実験に取り組むとのことであります。新たな排雪断面の選択制の導入に向けて、今年度は大変重要な年であるというふうに考えております。
本格運用に向けて、実証実験を実施してきた町内会の声、また、除雪事業者の声を大切にしながらも、そもそも新たな排雪断面の需要がどのくらいあるのか、また、その需要への対応が可能なのかどうかなど、ことし1年でしっかりと検証しなければなりません。
これまでの実証実験における町内会の選定は、市が主導となり、地域支払額の軽減に関する要望や相談があった町内会に対し、個別に実験への協力を呼びかけたというふうに聞いております。対象にならなかった町内会でも希望するところがあったと伺っており、町内会の経費負担に苦慮する背景を考えますと、可能であれば希望する町内会もしっかりと実証実験の対象に加える必要があるのではないかと考えております。
そこで、初めの質問ですが、今年度の実証実験に向けて実施町内会の選定はどのように進められているのか、お伺いいたします。
◎土井 雪対策室長 ただいまの実施町内会の選定についてお答えします。
今年度は、昨年に
パートナーシップ排雪制度をご利用いただいた全ての町内会などに対しまして、各区土木部から実証実験の利用案内を発送し、実施を希望する町内会などが自由に申し込みできるように進めております。案内を発送する際には、昨年実験を行った道路の状況ですとか実施町内会の声などをまとめた検証結果も同封しておりまして、デメリットも含めた実験の内容を案内し、その上で申し込みをいただくことから、新たな排雪断面の需要をある程度把握できるものではないかと考えております。
今年度は、100以上の町内会で実験を想定しており、申し込みにはできるだけ応えてまいりたいと考えておりますけれども、例えば、同一業者の担当エリアに多数の申し込みがあった際などには、除雪業者とも協議の上、件数を調整させていただくこともあるかと考えております。
◆竹内孝代 委員 実施町内会の選定については、ことしは100以上に拡大することもあり、本当に希望されている方の願いも届きやすくなるのかなというふうに期待しております。できるだけ町内会の希望を受けられるよう、今お話がありましたが、除雪事業者との調整を図っていただくことを求めておきます。
昨年度の検証結果を見てみますと、実施町内会における住民へのアンケートでは、実験の内容を知っていたとの回答が全体で約7割だった一方で、一部では5割に満たない町内会もあったようであります。実験を知らない住民からは、作業後に疑問を感じたり、また、除雪事業者への問い合わせもあったというふうに伺っております。実施町内会における実験の認知度が評価に与える影響というのは大変大きいため、市には、町内会の協力もいただきながら、広く住民に実験の取り組みを周知し、的確な検証に努めていただきたいと思います。
一方、除雪事業者といたしましては、限られた施工体制で効率的にかつ省力的に作業を進めていくために、時間のロスや作業の手戻りを減らし、作業効率を悪化させないといったことを検討していかなければなりません。
そこで、質問ですが、住民への周知、また事業者の作業の効率化について、今年度はどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎土井 雪対策室長 住民への周知と作業の効率化について、今年度の取り組みをお答えします。
パートナーシップ排雪制度の実証実験につきましては、町内会のご協力もいただきながら、地域の評価や作業効率などを的確に検証してまいりたいと考えております。
そこで、住民への周知についてでありますが、実施町内会を決定した後、区の土木部と実施する町内会とで調整の上、まず、チラシによる周知を予定しております。また、排雪作業中におきましては、のぼり旗を立てることで実験のPRをするなど、住民への周知に努めてまいりたいというふうに考えております。
次に、作業の効率化についてですが、本格導入に向けましては、委員がおっしゃるとおり、効率的な作業が必要不可欠であると認識しておりますことから、効率的な作業に向けては、雪出しや迷惑駐車などの防止を周知徹底するとともに、排雪日程の柔軟な変更についてもより一層理解を求め、これから開催する各区の除雪連絡協議会など、さまざまな機会を捉えてご協力いただけるようお願いしてまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 今、しっかり的確な検証をするための方策としてさまざまご説明いただきました。やはり、のぼり旗一つとっても、実験を見える化して住民の皆さんがしっかり理解しながら検証に向けた実験が進んでいくことは大変意義深いことだと思います。また、事業者に決して負担をかけないという視点での除雪連絡協議会の取り組みについても、しっかりと進めていただくことを求めます。
2点目の質問に入らせていただきます。
雪対策における広報活動についてお伺いしたいと思います。
札幌市は、四季折々にすばらしい景色が広がるまちで、豊かな冬の暮らしを過ごすためには、決して雪を邪魔者扱いせず、一つの文化として上手につき合うべきと考えております。そのためには、雪対策に対するイメージアップが必要不可欠であり、資料にも記載のあるゆきだる
マンプロジェクトのような広報活動は大変重要であると考えております。また同時に、大変地味な作業であるとも考えております。
本プロジェクトは、平成21年より10年間にわたって、雪のイメージアップにつながるように、雪と親しむことを初め、雪対策に関するルール、またマナーなどを広報してきており、これまで、テレビアニメの放送や地域イベントでの啓発活動など、さまざまな広報活動を展開してきたというふうに承知しております。
そこで、質問ですが、10年間取り組んできましたゆきだる
マンプロジェクトにおいてどのような効果があったと考えているのか、まず初めに伺います。
◎土井 雪対策室長 ゆきだる
マンプロジェクトの効果についてお答えいたします。
雪対策に関するルールやマナーなどの広報活動は、どうしてもかた苦しい印象を与えてしまいがちですが、ゆきだる
マンプロジェクトでは、市民の方々にとって親しみを感じてもらえるよう、
メーンキャラクターとしてゆきだるマンを発案し、テレビやラジオなどを通してこれまでさまざまな広報活動を展開してきたところでございます。
小学校では、雪体験授業が定着してきておりまして、子どもたちにはゆきだるマンが非常に人気になっているところでございます。こうしたプロジェクトの中では、冬の
除雪ボランティア活動についても積極的に取り上げてきたところであり、こうした取り組みを通じて、雪と親しむ気持ちの醸成や、ボランティアの精神が少しずつ芽生えるといった効果があらわれてきているのではないかと考えているところでございます。
◆竹内孝代 委員 今ご説明がありましたけれども、このプロジェクトでは、ゆきだるマンの協力もあって、子どもたちを含めて、本当に雪に親しむ気持ち、またボランティア精神を育んでいく効果が出てきているといった答弁でありました。
私は、札幌の雪対策については、持続可能なまちとしていくことを考えると、単にハード面の整備だけではなく、ソフト面、精神面の働きかけも大変重要なものと考えております。今後とも、楽しく、また本当に親しみやすいさまざまなアイデアを出しながらこのような取り組みを継続していただきたいと考えております。
そこで、今年度の広報活動に目を向けてみますと、新たな取り組みとして、除雪車に乗車体験できる冬のはたらくくるま博を開催するというふうに記載されておりました。さっぽろ雪まつりのつどーむ会場で開催するとのことであり、より多くの人が集まる場所でのイベントであることから、広報のよい機会になるのではないかと期待しているところであります。
そこで、質問ですが、今年度に初めて実施予定の冬のはたらくくるま博の内容について少し詳しくお伺いしたいと思います。
また、今後、全体としてはどのような広報活動を展開していくおつもりなのか、あわせて伺います。
◎土井 雪対策室長 冬のはたらくくるま博の内容と今後の広報活動の展開についてお答えいたします。
まず、冬のはたらくくるま博の内容については、会場内で除雪車の乗車体験や作業デモンストレーションなどを実施し、来場した多くの子どもたちや保護者などに対する除排雪事業へのイメージアップにつなげてまいりたいと考えております。また、路上駐車や雪出しの禁止といった、雪対策に関するルールやマナーについてのパネル展示もする予定でございます。
次に、今後の広報活動の展開についてでありますが、ゆきだる
マンプロジェクトについては、今後ともイベントの実施やゆきだるマンを用いた情報発信などを継続して行い、雪対策事業への理解をより深めてまいりたいと考えております。このプロジェクトを含めた雪対策に関するさまざまな情報発信については、テレビや新聞などのマスメディアに加え、ツイッターなどのSNSやインターネットなどの多様な媒体を活用し、幅広い世代に効果的に広報を広めてまいりたいというふうに考えております。
◆竹内孝代 委員 ゆきだる
マンプロジェクトの活動内容、また、冬のはたらくくるま博、今後の広報活動について理解いたしました。市民の方のルール、またマナーの協力を得られるようにする取り組みというのは、こうした楽しい身近なイベントから口コミで広がっていくことも大変あると思っております。ぜひとも成功を祈念しております。
これらの取り組みは、子どもから高齢の方まで、雪対策に関する情報をしっかり伝えることが可能であります。今、ツイッター等のお話もありましたので、私もぜひ登録をしたいと思っております。私もしっかり皆さんに周知をしていきますけれども、こういったすばらしい内容も周知をしなければなかなか皆さんに理解してもらえませんので、どうか積極的な広報をお願いいたします。
最後に、要望を一つさせていただきたいと思います。
雪と暮らすおはなし発表会について、1点要望させていただきます。
雪と暮らすおはなし発表会というのは、札幌市内の幼稚園児、小学生、中学生が雪や冬に関してみずから知ったこと、また学んだことを発表するイベントであり、ステージでプレゼン形式の発表をする部門と、壁新聞などの作品の掲示をする部門の二つがあると承知しております。このイベントは、毎年多くの作品の応募があり、昨年度は、200点を超える作品の応募、1,000人近い参加者数であったというふうに聞いております。多くの子どもが作品の制作を通じて札幌市の雪対策、また、雪と親しむことを学べるすばらしいイベントであると感じております。ぜひとも、今後もこのイベントを継続していただいて、将来の札幌を担う子どもたちにみずから雪について学ぶ機会を設けていただくことを求めまして、私の質問を終わります。
◆吉岡弘子 委員 私からも、札幌市冬みちプラン・2018
実行プログラム(案)について質問したいと思います。
その前に、一言だけ、先ほど
除雪グレーダーの1人乗り化についてのお話がありましたが、1人になるということは、本当に集中力、神経の使い方が2人でやるのとは全く違うと思います。安全装置をつけたとしても危険は伴います。事故にまで至らなかったとしても、運転して作業をしている方の労働強化にも本当につながると思いますし、いろいろな面での課題がないかということを含めて、ぜひ慎重に進めていくことを求めたいと思います。
それでは、質問に移りたいと思います。
代表質問でも申し上げましたけれども、本市が行う市民意識調査では、ほぼ毎年、1位が除雪に力を入れてほしいというもので、除雪や排雪に対する苦情や要望は毎年2万件を超えています。
パートナーシップ排雪制度を利用していない町内会からは、制度を利用したくても高額のために利用できない、利用している複数の町内会からは、地域支払額の費用負担見直しの要望書が提出されております。
冬みちプランには、地域支払額を軽減することを目的に、2017年は3団体、2018年には40団体で実証実験を行い、今年度は100団体で実験を行うとされております。冬みちプランの中には、現行断面として現在の排雪基準と実証実験をするパターン、残雪厚として現行より厚く残すパターンが書かれております。実施内容や実施目標には、実証実験を拡大するなど、地域の費用負担額を抑えた新たな選択肢を加えた制度運用の見直しを進めますとあります。2020年には、選択制の開始となっています。
冬みちプランには書いておりませんが、実証実験結果のまとめを見ますと、地域住民に行ったアンケートには、現行断面のほかに、排雪量を抑え、地域支払額をこれまでの7割程度に軽減と書いてあります。実証実験のパターンは、現行断面より雪を厚く残すことでわだちをつくりやすくするものです。排雪の質は確実に低下し、悪くなります。
そこで、質問です。
パートナーシップ排雪実証実験の
実行プログラム案では、費用負担を抑えた新たな選択肢を設けると書かれ、実験内容、実施目標には、2020年度から選択制を開始するとなっています。選択制の開始とは何と何を選択するのか、伺います。
◎土井 雪対策室長 ただいまの
パートナーシップ排雪におきまして2020年から運用開始を予定している排雪断面の選択制についてお答えいたします。
パートナーシップ排雪制度を利用する地域におきましては、現行の排雪断面、もしくは運び出す雪の量を抑えた新たな排雪断面のいずれかを選択していただくように考えております。来年度から選択することができる新たな排雪断面は、今年度の実証実験の検証結果をもとに検討することになりますけれども、地域の費用負担を軽減する観点から、地域支払額は現行断面の7割程度となる見込みと考えております。
◆吉岡弘子 委員 昨年度に実証実験をしたある町内会では、こんな排雪のやり方じゃ、ざくざくになってだめだ、来年からはもとに戻そうという声が上がったそうです。そうすると、町内会はお金がないし、町内会員から集める額を引き上げようという声や、引き上げはとんでもないという声もあって、町内会では頭を抱えているということを聞いております。
実証実験の除雪業務に当たった除雪事業者からアンケートをとったと伺っておりますけれども、除雪事業者からはどのような声が寄せられているのか、伺います。
◎土井 雪対策室長 実証実験後に行いました除雪事業者の声についてお答えいたします。
除雪事業者からは、2月中旬以降の暖気の影響もありまして、施工時の気象状況などで20センチの圧雪を残すことは困難との意見や、また、春先のざくざく処理の作業が増加するといったご意見がありました。
◆吉岡弘子 委員 そのほかにも作業完了の判断が難しいとか、地域の不公平感を生じさせやすい、そういったことも言われていると聞いております。業者の方も本当に大変だったということがわかります。
今年度も実証実験を行いますが、これらの声にどのように対応するのか、伺います。
◎土井 雪対策室長 今年度の実証実験断面の一つである路面に雪を多く残す排雪断面における対応についてお答えいたします。
昨年度は、路面に雪を多く残す方法と、削って道路脇に残す二通りの選択を可能としておりましたが、今年度は、どちらかの希望は聞き取るものの、気象状況によりまして施工者側で施工方法を判断できるような仕組みにしてまいりたいと考えております。
◆吉岡弘子 委員 春が近くなると、道路はざくざくになりますし、基準である20センチを残すのは大変な状況になると思います。そうすると、道路の脇に雪を置いていくことになり、道路は狭くなります。また、しばれている時期に排雪したところは、気温が緩むと、その後はざくざく道で車も高齢者も大変だといった状況になってしまいます。
パートナーシップ排雪制度の費用負担が大変だから安くしてほしいと要望が出されたからといって、財政が困難な町内会に、3割の負担費用を軽減するために、その分、雪を残すというやり方は、住民にも除雪業者にも負担を押しつけることになります。町内会の悲鳴に応えるべき道は、排雪の雪を残すことではありません。9億円の予算を増額して、
パートナーシップ制度の町内会の負担分をやめるべきと申し上げます。
次の質問に移りたいと思います。
生活道路の除雪方法の変更に向けた検討について質問いたします。
2021年度まで試行実施、2021年度から2023年度まで実証実験をする計画となっております。大雪時の応急対応の検討案では、原則、一晩で除雪を実施し、最低限通行が可能な道路を確保するとありますが、ここで言う大雪とは、どの程度の降雪か、あわせて、最低限とはどの程度か、伺います。
◎土井 雪対策室長 まず、応急対応の実施を想定している降雪状況についてでありますが、短時間に20センチから30センチ以上の雪が降るような状況を想定しております。
次に、今回試行する生活道路の除雪方法は、月に2回程度の除雪を標準作業としておりますが、大雪時のような場合には、応急対応として車と歩行者が通行できる最低限の道幅を確保できるよう、原則、一晩で可能な除雪を実施したいと考えております。また、応急対応後には、数日かけて圧雪路面を削る除雪作業を実施することで、道路環境を確保するように考えております。
◆吉岡弘子 委員 出動判断では、これまで10センチ以上雪が降った場合、出動していたというものを、月に2回程度、数日かけて作業することなどを、お考えだということです。雪の降り方によって本当に柔軟な対応が求められると思いますがいかがか、伺います。
◎土井 雪対策室長
実行プログラムに記載された試行内容というのは、標準的な雪の降り方を想定しておりまして、著しく路面状況が悪化するような場合などには、臨機な対応を行い、道路環境を確保してまいりたいというふうに考えております。例えば、応急対応を行わないような降雪であっても、数日間、連続して雪が降って、著しい交通障害が発生した場合や、地吹雪などによる吹きだまりが発生した場合には、柔軟な対応が必要というふうに考えております。
◆吉岡弘子 委員 2023年まで実証実験をするとのことですから、住民と、それから除雪従事者の声をしっかり受けとめて、冬道の安全・安心の確保を最優先することを求めたいと思います。
冬みちプランの5年間の計画の中で、除雪にかかわる人を何人ふやすのか、具体的な目標が示されておりません。なぜ数値目標が示されていないのか、目標を持つべきだと思いますがいかがか、伺います。
◎土井 雪対策室長 人材確保の数値目標についてかと思いますが、お答えいたします。
今回策定します
実行プログラムについては、除雪従事者の不足や高齢化などといった課題に対応していくため、昨年策定した札幌市冬の
みちづくりプラン2018の実効性を確保することを目的としております。本プログラムでは、さまざまな取り組みについて数値目標を示しているところでありますが、企業の担い手不足に対しましては、人材確保につながる支援策や効率化、省力化を実現する取り組みなど、さまざまな施策を複合的に展開していくことを考えておりますため、単純に従事者を数値目標で示すことができないものと考えております。
◆吉岡弘子 委員 さまざまな方法でというお話でした。グレーダーを操作する除雪オペレーターは、高齢化などもあって10年で2割減ると言われております。1人乗りのグレーダーがふえるので、少なくても賄える状況もあるとのことですけれども、きょうの質疑の中でも、改めて、冬道の安全・安心を考えると、やっぱり人をふやすというのが必要なことだと思います。
目標を持たないと、どうふやすか、具体的にならず、10年がたってしまうのではないかと思います。除雪作業に参画する企業の人材確保への支援策として、除排雪作業の意義や建設業の魅力など、札幌市の除雪事業に参画する企業のイメージアップにつながる情報を札幌市のホームページで発信することや、高校や大学へのPRなどが示されておりますが、あれこれとイメージアップを図るだけではなく、住民のために誇りを持って除排雪の仕事をしている人たちが安心して生活ができる賃金保障や対策こそが除雪で働く人をふやすことになり、将来の除雪事業を維持するために必要ではないかと考えます。
世界でもまれと言われる一冬の降雪量が5メートル、6メートルもあるこの190万都市札幌が、本来するべき道路の維持管理を責任を持って進めるために、除雪予算をしっかりとふやすことが必要だと申し上げて、私の質問を終わります。
○中川賢一 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○中川賢一 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時18分
再 開 午後2時19分
――――――――――――――
○中川賢一 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第4次札幌市みどりの基本計画(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。
◎齋藤 みどりの推進部長 第4次札幌市みどりの基本計画(案)について説明させていただきます。
なお、本計画案は、全体で140ページにわたることから、その概要をまとめましたお手元の第4次札幌市みどりの基本計画の策定について、建設委員会説明資料を用いて説明いたします。
それでは、資料の1枚目をごらんください。
まず、策定の目的ですが、記載のとおり、人口減少社会の到来を踏まえ、
まちづくり戦略ビジョンに示された持続可能な集約連携都市への再構築を図るため、これまでの量的拡大から、今ある施設の有効活用へ転換を図ることを目的としております。
次に、その下の計画の策定の流れですが、フローの上段に記載のとおり、附属機関である緑の審議会では、平成30年1月に本計画の策定について諮問を受けて以降、これまで計7回の審議を積み重ねてきました。それとあわせて、下段に記載しております市民アンケート、市民ワークショップ、市民フォーラムを開催し、市民意向を把握しながら検討を進めた結果、本年10月に計画案となる答申案がまとまったところでございます。
本計画案は、本日、建設委員会で説明し、ご意見をいただいた後、11月下旬ごろに予定しておりますパブリックコメントを経て、翌年3月には策定となる見込みでございます。
次に、ページをめくっていただき、A3判2枚の第4次札幌市みどりの基本計画(案)の概要版をごらんください。
最初に、左上の目的及び位置づけですが、目的は、冒頭で申し上げましたので、省略いたします。
本計画の位置づけは、
まちづくり戦略ビジョンを上位計画とする都市計画マスタープランを初めとする分野別マスタープランの一つで、緑づくりに関する10年間の総合的な計画として策定するものでございます。
なお、計画期間は、令和2年度から11年度、根拠法令は都市緑地法となっております。
そして、策定におきましては、その下の現状と課題に記載のとおり、人口減少社会の到来や都市公園法の改正を初めとする社会情勢の変化、
まちづくり戦略ビジョンなどの札幌のまちづくりの方向性、公園の地域的な偏りや老朽化の進展、ボランティアの高齢化など、緑が有する現状と課題などを踏まえ、その右の重視すべき視点を定めました。
その視点は四つあり、丸の中に記載しているとおり、上から、人と自然の共生、都市の魅力の向上、資源の有効活用、地域コミュニティの醸成となっており、その右に続く基本理念以降は、これら四つの重視するべき視点を踏まえたものとなっております。
次に、計画の根本とも言える基本理念ですが、レイアウトの関係で、その内容は右上に抜き出して記載しております。
基本理念は、みどりを知り・守り・つくり・活かし、新たな価値を生み出し、まちの魅力を高めよう 持続可能なグリーンシティさっぽろとし、SDGsの開発目標11、住み続けられるまちづくりを、15、陸の豊かさも守ろう、17、
パートナーシップで目標を達成しように貢献しながら、持続可能なまちを目指すこととしました。
そして、この基本理念をもとに目指すことになるのが、その下に記載のみどりの将来像と目標です。
将来像と目標においては、緑がその有する機能を発揮する三つの対象、上から、自然、都市、ひとに分けて、それぞれ将来像と目標、そして緑の量やバリアフリー化率など、達成度を図るための評価指標を定めました。
まず、自然ですが、良好な自然環境が保全され、人と自然が共生していますというイメージを将来像とし、そのために森林、草地などの自然環境を適切に維持・保全していくことを目標としました。
次に、都市については、五感を通して感じられる緑が保全、創出され、都市の魅力を高めているイメージを将来像とし、そのために、公園などの緑で都市の安全・安心を高め、潤いやにぎわいを創出していくことを目標としております。
そして、ひとについては、多くの人が緑に触れ合い、幸福感のある日常生活を送っているイメージを将来像とし、そのために、市民が緑を育て、触れ合うための取り組みを活発にしていくことを目標に設定しております。
なお、将来像につきましては、イラストを使い、これからの札幌の姿をイメージしやすくしております。この将来像と目標を実現するための具体の施策についてまとめたのが次の2ページ目となります。
ここでは、14の施策の方向性とそれぞれの施策の中から、今回の計画で新たに打ち出したことや大きく変わったことなどをピックアップして載せております。
説明は、左側中段の方向性1から時計回りに説明していきます。
まず、方向性1は、持続的な森林保全・活用で、そのための施策の主なものとして、都市環境林の利活用の推進を図ることとしております。これまでの保全を中心とした取り組みに加えて、今回、登山や散策、自然観察などの森林レクリエーションの推進を新たに加えました。
次に、その上の方向性5は、市街地のみどりの推進ですが、ここでは、市街地における緑づくりの力の入れどころを整理しております。その施策の主なものは、緑化重点地区の緑化の推進で、これまで広範囲に指定していた緑化重点地区を、立地適正化計画が示す集合型居住誘導区域に絞り、市民・事業者・行政が連携して緑化を推進することとしております。
次に、方向性6は、都心のみどりの増加と価値の向上ですが、ここでは、緑づくりにおける最重点地区として都心を位置づけ、当面の取り組みを整理しております。その施策の主なものは、都心の緑づくりの推進で、今後、都心の緑づくり方針を策定し、都心の緑について目指すべき将来像を示すとともに、その実現に向けた官民連携による取り組みについても整理していく予定でございます。
次に、方向性7は、街路樹のメリハリのある管理ですが、ここでは、街路樹の維持管理についてまとめています。そのための施策の主なものは、札幌市街路樹基本方針の推進で、都心部や主要幹線道路を対象に、街路樹のボリュームアップを図るほか、維持管理のしやすい樹種への変更や配置の改善などを行うこととしております。また、幅の狭い歩道の街路樹につきましては、市民との協議の上、廃止も検討することとしております。
次の方向性8の多様な機能を発揮する公園づくりでは、公園の新規整備についての考え方をまとめております。そのための施策の主なものは、公園の必要性が高い地域での公園づくりで、緑化重点地区内に公園の必要性の高い区域を設定し、公園の新規整備や狭小公園の拡張を進めることとしております。また、民間再開発などにより生み出される緑のオープンスペースも公園に準ずるものとして活用していきます。
次に、方向性9は、ニーズに応じた安全・安心な公園の再整備ですが、ここでは、公園の再整備についてまとめております。施策の主なものに、身近な公園の再整備と公園施設の適正化があります。身近な公園の再整備では、地域住民と話し合いながら地域ニーズに応じた公園の再整備を進めるとともに、公園が密集する場合には、複数の公園で機能分担を行いながら再整備を行います。また、公園施設の適正化においては、周辺の状況や利用状況などを勘案した上で、施設撤去や配置転換などを行い、公園施設数の適正化を図ります。特に街区公園などの利用の少ないトイレについては、公園利用状況や周辺地域の実態把握を行い、更新時に廃止を前提に検討することとしております。
次の方向性10の公園の適正な管理と活用の推進は、公園の維持管理についてまとめたものでございます。そのための施策の新たなものとして、民間活力による公園の魅力の向上があります。具体的には、Park−PFIなどの手法を活用して、公園内に飲食施設やレクリエーション施設などの誘致を行うなどして都市公園の魅力を高めます。
最後に、方向性14は、協働によるみどりづくりの仕組みの充実で、より効果的な情報提供やボランティアリーダーの育成、若い世代や子育て世代なども参加しやすい仕組みづくりなどを進めていきます。
以上が施策の主なものとなります。
○中川賢一 委員長 それでは、質疑を行います。
◆阿部ひであき 委員 私からは、端的に2点質問したいと思います。
まず一つは、身近な公園の冬季利用について伺います。
公園は、言うまでもなく、市民にとって重要なオープンスペースであります。具体的には、レクリエーションや子どもの健全育成の場、または休息や憩いの場として欠かせない存在であり、さらに、景観形成や防災の一時避難場所などさまざまな機能を有しており、それらの機能が十分に発揮されることが重要であります。また、雪の多い札幌市の状況を考えますと、夏はもちろんのこと、快適な暮らしの実現のために、冬の有効活用の観点も大切ではないかというふうに思います。
ところが、公園では、子どもたちが冬もスキーなどで利用している一方で、地域と協定を結び、一定のルールを設けて雪置き場として活用している公園がふえていますけれども、雪解け時に遊具の破損しているケースも目にするところであります。公園遊具の破損を防ぐためには、地域が公園に雪を搬入する際のルールを徹底することはもちろんですが、公園においても、雪置き場としての利用に配慮する必要があると考えます。
そこで、質問ですけれども、公園が元来持つ子どもの育成の場という機能を守るといった立場から、公園の雪置き場としての利用を考慮した公園づくりについてどのように考えているのか、伺います。
◎齋藤 みどりの推進部長 公園に求められる機能や役割が多様化する中、冬季には公園に雪を置きたいという地域が多く、平成30年度時点で町内会と雪置き場の利用ルールを締結した公園は1,464カ所に上ることから、再整備の際にはそういったニーズへの対応も必要と考えているところでございます。
そこで、雪置き場の協定を結んだ公園、もしくは結ぶ予定の公園を再整備する際には、子どもの遊び場などの本来的な機能を確保することを最優先としつつ、地元の意向も踏まえながら、可能な範囲で雪置き場となる空間の確保などにも配慮した公園づくりを進めてまいります。
◆阿部ひであき 委員 雪が解けるたびに遊具が破損しているということは、市有財産の維持・継続の観点からも十分考慮しなければならないと思います。再整備の際には、子どもの育成の場としての機能を最優先としつつ、ルールの徹底や、遊具のある場所に対して雪が置かれないように、あらかじめ降雪前に背の高い囲いを設けるなど、雪を置く側にとってもわかりやすい保全のあり方もさらに構築すべきではないかというふうに思うところであります。この点については、改めて指摘しておきたいと思います。
次に、街路樹と公園樹木の取り扱いについて質問いたします。
街路樹や公園樹木は、身近な緑として季節感や安らぎを与えるとともに、豊かな景観を形成する上で重要であります。一方、街路樹は、植栽してから相当の年数が経過しており、成長して大きくなったことにより、幅の狭い歩道では民有地への枝葉の越境や、あるいは、街路灯の照明の妨げとなっているところもあちこちで見受けられるところであります。
公園樹木については、同時に越境や照明の妨げになっているほか、鬱蒼として見通しの悪い場所については、防犯上、安全・安心といった観点から配慮が必要であります。また、昨年9月に発生した台風21号では、街路樹約2,100本、公園樹木約5,800本、合計で7,900本もの倒木があったと聞いております。
支障となっている枝の剪定、あるいは、強風で倒れやすい樹木の植えかえなど、今後は、より適切な管理をしていくことが重要でありますが、これらを踏まえて、街路樹や公園樹木についてどのように管理していくのか、伺います。
◎中西 みどりの管理担当部長 街路樹と公園樹木の取り扱いについてお答えいたします。
街路樹につきましては、札幌市街路樹基本方針を策定いたしまして、都心部、それから主要幹線を対象に美しくボリュームある街路樹づくりを行う一方で、幅の狭い歩道に植栽されている街路樹につきましては、地域住民と協議の上、撤去を行うなど、めり張りのある管理を進めているところでございまして、このたび、みどりの基本計画にもその考えを盛り込んだところでございます。
また、公園樹木につきましては、本年3月に公園樹木の取り扱い方針に係る指針の改定を行いまして、成長の早い、いわゆる早生樹種は新規に植栽しないことや、既存の早生樹種については、越境や見通しに支障がある場合、伐採や剪定など必要に応じた管理を進めているところでございます。また、昨年の台風では多くの樹木被害を受けた状況を踏まえまして、根の浅い樹種はなるべく植栽を避けることといたしまして、街路樹と同様にみどりの基本計画に盛り込んだところでございます。これらの取り組みを進めることで、街路樹や公園樹木の適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
◆阿部ひであき 委員 市内には、約22万本の街路樹あるいは公園樹木があると聞いております。これらの樹木は、それぞれに育つ環境が異なりますので、市有施設のように更新を均等に一元化してマネジメントしていくことは大変なことかもしれませんけれども、今後は、やはり樹齢に応じたマネジメントを検討していくことが必要ではないかというふうに思うところであります。
さらに、この基本方針策定の目的にも触れられているとおり、将来、さらに深刻化する人口減少社会ということを考えた中でも、仕事の効率化という観点からも、私はそうした視点も極めて重要ではないかというふうに考えます。
また、根が浅い樹木を避けることはもちろんのことでありますが、市内にある木の本数について、22万本は相当数ありますので、さらに安全に、かつ適切に管理できるように、将来を見据えた事業を構築するよう求めて、質問を終わります。
◆林清治 委員 私からは、都心の緑づくりの推進についてと、都市環境林の管理について質問したいと思います。
みどりの基本計画では、札幌の社会情勢として、北海道新幹線の延伸や冬季オリンピック・パラリンピックの開催招致を挙げ、そのための重視すべき視点として都心の魅力の向上を掲げています。札幌がこれからも輝き続けるためには大切な視点だと思いますが、高度な土地利用が望まれる都心において緑化を進めるためには、市民のご理解や民間事業者との連携が不可欠であることは言うまでもありません。
私は、2014年第1回定例会の予算特別委員会においても、都市の緑化推進について質疑しており、都心部で特殊緑化などを進める企業や団体への支援を求めています。また、市役所や区役所などへも緑化の取り組みをするべきと求めておりました。
現在、札幌の都心では、札幌オリンピック前後に建てられた多くの民間施設や公共施設が建てかえの時期に来ているところで、中央区役所の建てかえなども予定されております。都心の緑化を進めるためには、公共施設が先導的、模範的な取り組みを率先して行わなければならないと考えております。他都市の事例として、京都府の京てらすは有名であり、緑化の制度を府民に啓発するため、先導的なモデルとして庁舎の屋上を緑化し、一般に公開しております。
そこで、最初の質問ですが、みどりの基本計画案では、公共施設等においてまちづくりをリードする良好な緑化空間を創出していくとありますけれども、具体的にどのように行っていくのか、お伺いします。
◎齋藤 みどりの推進部長 これからの10年でビルの建てかえなど再開発が進むことを考えますと、都心の緑づくりは重要で、公共施設においても主体的に取り組むべきものと認識しております。
ご質問の公共施設における具体的な方策につきましては、今までも、緑保全創出地域制度により一定の緑化を義務づけてきたところでございますが、今後は、計画段階から担当部局と積極的に協議を行い、より先導的な緑空間の創出に向け、連携を図っていきたいと考えております。また、都心では、土地の高度利用との兼ね合いから、緑保全創出地域制度を上回る緑化が難しいことも多いため、委員がご紹介の京てらすのような屋上緑化や、さらには、屋内緑化、壁面緑化などの技術の普及などもあわせて取り組んでいきたいと考えております。
◆林清治 委員 今ご答弁いただきましたが、この数年間、都心部の民間事業者や施設は、壁面とか屋上とか、特殊緑化を含めて本当に頑張ってやっていただいているなと思っております。そうしたことに対するいろいろな表彰制度などもございますが、しっかりと支援をしていく、さらに、先ほど答弁いただいたように、今後の公共施設の建てかえの際にも積極的な緑の活用を図っていただきたいなというふうに思っております。
そうした中、みどりの基本計画の目標において、これまでの航空写真での緑被率調査による緑の量に加え、人の視界における緑の量を把握する緑視率調査、緑を見る調査を調査項目として加えているようであります。近年、他都市でも緑視率を重要視する考え方が強くなっているというふうに聞いております。人口減少など社会情勢が変化する中、緑の分野においても、これまでの量の拡大から今ある施設の有効活用への転換期に来ており、緑視率調査を実施していくことは、今後の緑の方向性から見ても非常に重要な指標になり得ると考えております。
そこで、次の質問ですが、具体的に緑視率調査をどのように実施し、今後どのように活用していくのか、伺いたいと思います。
◎齋藤 みどりの推進部長 緑視率は、市民感覚で実感できる緑の指標であり、その値が高いほど潤い感、安らぎ感などの心理的効果が向上するという調査結果もありますことから、緑の効果を図る上でも重要な指標であると考えているところでございます。
具体的な調査につきましては、人の目線の高さで写真撮影を行い、撮影範囲における緑の面積の割合を図るもので、今年度は、都心や地下鉄駅を中心に市内50カ所について調査を行っているところでございます。今後は、調査結果を活用して、植栽手法などの分析を行い、効果的・効率的な緑化手法の検討や実施につなげていくとともに、おおむね5年ごとに調査を行い、その効果の検証、施策の見直しなどを行っていきたいと考えております。
◆林清治 委員 ただいま答弁をいただきましたが、人の目線で緑というものを見ていくと。