• 土地(/)
ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2019-10-23
    令和 元年第二部決算特別委員会−10月23日-08号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    令和 元年第二部決算特別委員会−10月23日-08号令和 元年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第8号)               令和元年(2019年)10月23日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32名(欠は欠席者)     委 員 長  村 上 ゆうこ      副委員長   中 川 賢 一     委   員  鈴 木 健 雄    欠 委   員  勝 木 勇 人     委   員  こんどう 和雄      委   員  長 内 直 也     委   員  佐々木 みつこ      委   員  こじま ゆ み     委   員  北 村 光一郎      委   員  阿部 ひであき     委   員  川田 ただひさ      委   員  村 山 拓 司     委   員  三 神 英 彦      委   員  藤 田 稔 人     委   員  大 嶋   薫      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  しのだ 江里子      委   員  林   清 治     委   員  岩 崎 道 郎      委   員  かんの 太 一     委   員  あおい ひろみ      委   員  水 上 美 華     委   員  恩 村 健太郎      委   員  丸 山 秀 樹     委   員  好 井 七 海      委   員  わたなべ 泰行     委   員  竹 内 孝 代      委   員  くまがい 誠一
        委   員  村 上 ひとし      委   員  太 田 秀 子     委   員  吉 岡 弘 子      委   員  佐々木 明 美     委   員  千 葉 なおこ       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○村上ゆうこ 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、勝木委員からは欠席する旨、また、伴委員からは北村委員と、小形委員からは村上ひとし委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第7款 土木費 第3項 河川費及び議案第7号 平成30年度札幌市下水道事業会計剰余金処分及び決算認定の件について、一括して質疑を行います。 ◆三神英彦 委員  私からは、次期下水道ビジョン策定状況について質問させていただきます。  下水道河川局は、10年間の下水道事業方向性下水道ビジョンで定め、その方向性に基づく実行計画として5年ごとの中期経営プランを策定し、事業を進めています。計画期間最終年度は令和2年度、2020年度であるため、ことし7月からは、令和3年度から令和12年度、2021年度から2030年度を計画期間とする次期下水道ビジョンの策定について、市営企業調査審議会での議論も始まっていると伺っています。  下水道は、道路や橋といったほかの社会インフラと同様に、急激に増加する老朽化施設を抱え、増加する集中豪雨や大規模な地震、さらには人口減少に伴う下水道使用料の減少への対応も求められています。こういった状況のもとで、下水道施設を確実に将来に引き継いでいくためには、10年先を見通す下水道ビジョンは大変重要なものと考えています。  そこでまず、確認的な質問になりますが、次期下水道ビジョン策定スケジュール、また、基本的な方向性についてどのようにお考えか、伺います。 ◎加藤 経営管理部長  ご質問いただきました2点につきまして、お答え申し上げます。  まず、次期下水道ビジョン策定スケジュールについてです。  策定に当たりましては、ことし7月以降、これまでに市営企業調査審議会下水道部会を3回開催してございまして、課題や基本方針などをお示ししてご議論いただいているところでございます。今後につきましては、12月ごろに予定しております第4回目の部会での審議を経まして、ビジョンの素案を取りまとめる予定と考えてございます。その後は、年が明けました後に建設委員会下水道ビジョンの案をご審議いただきまして、令和2年度、新年度に入りましてからパブリックコメントの手続を経まして策定、公表する予定としてございます。  次に、ビジョンの基本的な方向性でございますが、特に重要なものとして三つ考えておりまして、現在、審議会で議論いただいているところでございます。一つ目といたしましては、急激に増加する老朽化施設に対応すること、二つ目といたしましては、集中豪雨や大規模な地震といった自然災害に対応すること、最後に、三つ目になりますが、事業が増加する一方で収入減少などが予想される厳しい経営環境に対応することでございます。 ◆三神英彦 委員  老朽化対策自然災害、それから経営環境への対応ということでしたが、やはり、一番気になるのが自然災害への対応になると思います。先日も、15号、19号と台風が続いて、本州のほうでは、本当に多くの河川の決壊、人命が失われるなど、甚大な被害が起こったところです。たまたま今回は札幌市に直接的な被害はなかったのですが、いつ札幌で同じことが起こってもおかしくないような状況になっています。下水道としても、雨水を排除する役割を担っていることから、自然災害への対応は重要と考えます。  また、老朽化への対応が喫緊ということも理解できます。札幌の下水道というのは、1970年代から1980年代にかけて集中的に整備した部分が多いわけですから、標準的な耐用年数の50年を経過する施設がこれから急激に増加していくこともわかりますので、心配なところです。  そこで、質問ですが、自然災害や急増する老朽化施設への対応について、ビジョンの作成に当たってどのような考えで進められているのか、伺います。 ◎加藤 経営管理部長  まず、自然災害への対応につきましては、雨水拡充管の整備あるいは施設の耐震化など、これまでの取り組みを引き続き進めますとともに、ソフト対策も合わせた総合的な対策をとっていくのが重要と考えております。具体的に申し上げますと、大雨時に下水道で雨水を排水できなくなることで浸水する可能性があるエリア、こういったエリアをハザードマップにより市民の皆様へ周知することや、昨年の北海道胆振東部地震による被害を踏まえて対策を検討するなど、新たな取り組みによって被害の軽減を図ることが必要と考えているところです。  次に、老朽化施設への対応につきましては、今後、改築事業を強化していかなければいけないと考えてございます。施設のうち、管路につきましては、平成27年に策定しております札幌市下水道改築基本方針に基づきまして、毎年度の事業量を計画的に増加させて改築を進めているところでございます。  また、施設のうち、処理施設については、その施設内部機械設備あるいは電気設備は既に事業量を平準化して改築を進めているところでございますが、建物など施設全体の改築については、今後、再構築計画を新たに策定する必要がございます。その際には、人口減少を考慮した施設の規模の適正化延命化などを検討いたしまして、事業量を平準化することが必要と考えてございます。 ◆三神英彦 委員  基本方針や新たに策定する計画の中でということでした。基本方針等にも既に触れられていることですが、それでも、やはりここまで築き上げてきた下水道施設というのは本当に膨大な量に上るため、今後のそれに対する対策強化、また老朽化対策も、当然、事業量が大きなものになるということです。市民の安全・安心を確保するためにも、これらの事業というのは悪条件の中で確実に進めなければなりません。当然、事業の実施に財源が必要ですが、このように事業が増加する一方で、人口減少に伴って使用料収入が減少するという中、実効的なビジョンとするためには方向性を持ってビジョンをまとめていくべきだと思います。  そこで、質問ですが、今後、災害対策や改築に係る事業の増加が見込まれる中で、このビジョン実効性のあるものにするための財政的な見通し、それから対応について伺います。 ◎加藤 経営管理部長  ビジョン実効性のあるものとするための財政的な見通し、あるいは対応についてのご質問でございます。  お話しいただきましたとおり、今後は、施設の改築がさらに増加いたしますし、自然災害のさらなる対応も求められる一方で、やはり人口減少に伴う下水道使用料収入の減少などが予想されるため、将来的には大変厳しい状況になると推測しております。ビジョンの検討におきましては、コスト縮減など、これまで進めてきた取り組みをさらに推し進めますとともに、収入の確保にも努めなければいけないと考えてございまして、これらの点について、下水道部会においてもいろいろなご意見をいただきながらしっかり議論していきたいと考えているところです。 ◆三神英彦 委員  これから財政が厳しくなっていくかもしれないところで、本当に膨大な予算の必要な部局なのだろうというふうに思います。  そこに関して、国から、下水道行政について、今後もそれこそ強靱化計画といったもろもろの施策の中で交付金などの援護射撃が出てくると思います。それに対しては、やはり、周りのほかの行政と組んで要望して予算を引き出していく部分と、その一方で、ほかの自治体と競争しながら獲得していく部分があると思いますので、国からもらってくる部分に関してもしっかり確保できるようにお願いしたいと思います。  また一方で、やっぱり、災害に関することは上水、下水はセットだと思います。今回も首都圏では八ッ場ダムの話があったり地下神殿の話があったりしましたが、八ッ場ダムは上水ですから厚労省になり、地下神殿という話になると下水になって国交省案件というような話になると思います。しかし、住んでいる人から考えると、そういった区分けは関係なく、この地域の人たちを守るためにどれだけの準備をきちんとしていくのかということが大事になると思いますので、そういった部分での課題意識というのも引き続きお願いします。 ◆岩崎道郎 委員  私からは、市内における河川の水位情報について質問いたします。  まずは、冒頭、先日の台風19号によって亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被災された方々にお見舞い申し上げ、一日も早くふだんの生活に戻ることができるようお祈り申し上げます。  今回の台風被害に限らず、近年は、地球温暖化の影響もあり、雨の降り方が局地化集中化、激甚化しており、洪水氾濫内水氾濫が同時に起こるなど、水害のメカニズムも複合化してきています。また、ここ数年を振り返ってみましても、4年前の鬼怒川の氾濫、そして、3年前には、道内を複数の台風が襲い、各地で大規模な水害が起こるなど、毎年、記録を更新するような降雨や、それに伴う水害が起こっております。  洪水対策といたしましては、ハード整備により治水上の安全性を向上させることを基本とするものの、その整備には莫大なコストと長い期間が必要になることに加え、計画以上の降雨には対応できないという現実があります。そのため、命を守り、社会経済に対して破滅的な被害が発生しないことを目標とし、ソフト対策に重点を置いた社会全体での対応が不可欠なのではないでしょうか。  例えば、水防法改正を契機に、中小河川を対象とする水位周知河川においても浸水想定区域図ハザードマップの整備が進められており、札幌市でも、先日、洪水ハザードマップの改訂版が各家庭に配付されたところですが、ただ配付するだけでは効果はありません。市民の皆さんに、地域に潜む危険に関心を持ってもらうことはもちろん、河川の災害については、浸水に関していかにリアルタイムの情報を提供し、活用してもらうかが非常に重要だと思います。  河川の氾濫による被害といいますと、大規模な河川の堤防が決壊するようなイメージを抱きがちですが、近年においては、人的被害を伴う災害は中小河川でも発生しており、被害の軽減を図るためには、リアルタイム水位情報に基づき、実情を的確に把握し、適切な行動を選択することが大切となっています。  しかしながら、多くの中小河川では、水位観測が十分に実施されていないのが現状と聞いています。私としては、全国的にも、氾濫危険水位を超過している中小河川増加傾向にあることから、身近な河川の水位情報を市民にわかりやすく提供することが急務であると考えます。  このことに関して、一昨年の3定の決算特別委員会で、市内における河川水位観測状況について私から質問し、市民の安全と安心に寄与すべく、河川情報システム更新早期実施と、新しい技術を活用した水位観測について検討することを求めたところです。  そこで、最初の質問ですが、河川情報システムの更新に当たっては、一昨年から検討を進めていると聞いていますけれども、現在の進捗としてはどのような状況であるか、伺います。 ◎伊藤 河川担当部長  河川情報システムの更新に当たって、現在の進捗状況についてお答えいたします。  本システムは、札幌市が管理する河川の水位情報を収集するものであります。排水機場の運転や水防活動に活用しておりますが、このたび、老朽化により更新を行うものでございます。  今回の更新は、現地で水位を観測する水位計と、その観測データを処理するシステム、そして、システムを稼働させるソフトウェアを予定しております。新システムは、2021年度からの運用開始を目指し、2020年度より、水位計設置工事システム調達などを行う予定でございます。今年度は、システム更新に向けて、システム全体の仕様やセキュリティーについて情報システム部と協議を行っているところでございます。あわせて、水位計の設置については、電気工事に関する専門知識が必要となることから、都市局建築部に委託いたしまして実施設計を進めているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  2021年度から運用開始ということでした。今お話があった都市局建築部との連携というところは非常に大事なことだと思います。さまざまな観点で、庁内一丸となってさまざまな安心・安全に向けて取り組んでいただけることに関しては、非常に評価させていただきたいなと思います。  近年の大雨の降り方を見てみますと、台風が来て広範囲に強くまとまって降るという従来型のものから、局地的かつ短時間に集中的に強く降る、いわゆるゲリラ豪雨が多数発生するなど、降雨の形態が多様化しています。そういった意味では、昨年、北海道開発局が作成した豊平川決壊による水害のシミュレーション動画は、ごらんになった方は多いと思いますけれども、前提の雨量が72時間で406ミリとなっています。しかし、この前提すら軽く超える雨量がもう各地で確認されていることは、多くの皆さんがご理解いただいていることかと思います。そのような状況に鑑みますと、より多くの場所で身近な河川の水位状況を知ることは市民にとっても有益なことであり、いつ、どこの場所からでも水位情報を確認できるようなシステムにすることが求められていると考えます。  また、水位計の数字の情報だけでは、実際にどれほどの危険が迫っているのか、市民の感覚としてはこういったものを直感的に理解するのはなかなか難しいのかなというふうに考えます。  そこで、質問ですが、水位の観測や情報の公開に向けて、どのような課題があり、それにどのように対応していく予定なのか、また、水位計設置箇所カメラを設置するなど、視覚的に情報を得ることについての本市の見解をあわせて伺います。 ◎伊藤 河川担当部長  水位の観測や情報の公開に向けた課題と対応並びに視覚的な情報を得ることの3点についてお答えいたします。  最初に、水位の観測や情報の公開に関する課題についてですが、札幌市が管理する現行のシステムは、昭和56年に発生したいわゆる56水害を契機にいたしまして、平成の初期にかけて構築された古いものでございまして、水位計には凍結防止機能がございません。そのため、融雪期には観測できない状態になってございます。また、近年多発する大雨に対応するためには、観測箇所が十分でない状況にもございます。また、観測した水位は、専用の端末でしか確認することができないなどの課題も抱えてございます。  次に、これらの課題への対応についてですが、融雪期の観測につきましては、凍結時でも水圧を感知することができる水位計を導入いたします。また、観測箇所につきましては、実際に大雨のときに現地で対応を行っております各区の土木センターの意見などをもとに、水位計設置箇所をふやすこととしております。さらに、市民への情報提供につきましては、ウェブ閲覧機能を追加し、パソコンやスマートフォンから情報を得られるようにするなど、システム全体の改善を図ってまいります。  最後に、カメラの設置など視覚的な情報を得ることにつきましては、委員のご指摘のとおり、現場の状況を的確に伝える手法として認識しているところでございます。  札幌市の管理河川におきましては、今回、更新するシステムを運用する中で、その必要性を含めて検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  確かに、凍るとわからないというのは怖いことだなというのは改めて感じるところです。今回、そうした部分が更新されて、安心・安全に寄与していくことになるのは喜びたいと思っています。  それから、各区の土木センターに意見を聞くということは非常に大事だなと思っています。私も、地元を歩いていますと、やはり、そこにお住まいの方が危険性を一番感じているということは少なくありません。これは、川だけではなく、さまざまな場面でそうですが、上から目線ではなく、そういった地元の皆さんの声をしっかり聞いた事業になっていただきたいなと改めてお願いしたいと思います。  そして、何よりも、市民の皆さんがウェブでこの情報を閲覧できるようになること、これは大変重要なことだなと思っております。私たちも、より多くの人に見てもらえるような取り組みを考えていきたいというふうに思います。  水害時の被害軽減に関しては、やはり、季節に関係なく、河川の情報の速やかな収集が必要であります。当然のことながら、故障によりデータを収集できなくなることは避けなければなりません。また、防災の観点からは、市民の自主的な行動を促すことです。先日の台風でも、1週間ぐらい前から、危ないぞ、史上最大の台風が来ると言っていてもなかなか行動に結びつかなかったという例もありますので、やはり、市民の皆さんにこういった感覚を持っていただく取り組みも本市に求められているのかなというふうに思っております。  そういった意味で、情報を公開していただいて皆さんにしっかりと動いてもらうことが大事ですが、先ほど申し上げたことと少し背反しますけれども、市内には、本市が管理する河川のほかに、国や北海道が管理する大きい河川もあります。それぞれが個別に情報を公開していて、市民の皆さんにそれぞれ見てくれというのでは非常に効率が悪いですから、防災、減災の活動に取り組むという観点からも、一元化した情報公開が求められているのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、市内における水位計設置箇所は、国や北海道管理河川を含めると合計で何カ所になるのか、また、それらを一元化した情報公開についてどのように考えているのか、伺います。 ◎伊藤 河川担当部長  最初に、水位計設置箇所についてお答えいたします。  札幌市の管理河川では、現在27カ所に水位計を設置しておりますが、今回のシステムの更新に合わせまして39カ所に増設する予定でございます。また、国においては現在28カ所、北海道においても28カ所の水位計が設置されておりまして、それらと合計いたしますと市内において95カ所の水位計が設置されることとなります。  次に、一元化した情報公開についてお答えいたします。  国土交通省が主体となって河川の水位情報を提供する協議会を設置しておりますが、現在、その協議会に加入した自治体や国の管理河川の水位を一括表示する川の水位情報というウェブサイトがございます。このサイトには北海道管理河川の水位も公開されておりますので、札幌市におきましても、このサイトを活用することで市民に適切な情報公開ができると考えているところでございます。  この協議会への加入につきましては、昨年度から協議、調整を行っておりまして、ことしの5月に加入が認められました。システムが更新された際には、当サイトにおきまして、札幌市の水位情報を掲載することで、管理河川の区分に関係なく、身近な河川の水位情報リアルタイムで閲覧できるようになり、地域の防災活動に結びつく重要なツールの一つになり得るものと考えているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  今お話があったとおり、市民にしてみれば、自分の身近な河川は、それが市の管轄だろうが、道や国であろうが関係ないと思います。市民の皆さんに安心・安全をしっかりと理解していただく取り組みというのは、自助のこともそうですけれども、公助、共助とたくさんあると思いますので、まずは、しっかりと情報が提供されること、わかりやすい情報になるということが必要です。先ほどの質問でも、カメラによる映像でどうだろうかというお話をさせていただきました。市民感覚としては、何メートルですとか言われても、リアルに怖いなとはなかなか思えないものですから、やはり、映像によってもう本当にここまで来ているのだという危機感みたいなものを感じられることはとても大事だと思います。  一例として、今、アメリカのニュース番組を見ていますと、ハリケーンが来るといった天気予報の際には、VRですか、ARですか、CGを使い、バーチャルリアリティーで、もうこの辺まで水が来ますとか、こんなものが飛んできますというように、視覚的に訴える情報を視聴者に提供しております。特に災害に関しては、やはり、目で見えるわかりやすい情報提供で市民の足を避難のほうにしっかりと向けてもらえるように、そういう取り組みに向けてこれからもしっかりとやっていただきたいと思っております。  同時に、本市では防災アプリのそなえが重要な役割を担っております。市民の皆さんからもいろいろなご意見をいただいていますが、やはり、まずは多くの人に使っていただいて、使い勝手の悪いところをどんどん直していくということが非常に重要だと思います。川の水位情報も、ぜひともそなえのほうにもリンクしていただいて、札幌市民はそなえを見れば一元的に防災ができる状況になることを求めたいと思います。  そして、最後に、繰り返しになりますが、映像でしっかりと視覚化するということについてです。これは、特に弱い立場にある人、小さな子どもや高齢者の皆さんなど、文字情報だけではなかなか危機感を感じ取れないという方もいらっしゃると思いますので、そういった方々に対する防災に向けて、よりわかりやすい形での取り組みがなされることを私からも求めまして、質問を終わらせていただきます。 ◆くまがい誠一 委員  私からは、河川の維持管理計画について質問させていただきます。  先ほど来お話が出ているとおり、近年、全国各地で想像をはるかに上回る豪雨が頻発しており、河川の氾濫や浸水被害などが毎年のようにニュースで報じられております。本市では、ここ数年、甚大な被害に至る水害は発生していないものの、最近では、北海道に上陸あるいは接近するような予報が出される台風が増加傾向にあります。  そのような中、このたびの台風19号では、71河川135カ所で堤防が決壊、242河川の流域で浸水被害が発生し、未曽有の災害となりました。今回、幸いにも進路はそれましたが、もしも私たちが住んでいるまちに直撃したら、市民生活に大きな影響をもたらすのではないかと強い危機感を抱いているところでございます。  水害から市民を守るためには、事前防災の観点から河川整備を進めることはもとより、整備された河川が本来の機能を発揮できるよう、河道内や施設の状況を把握し、適切な維持管理を実施することが重要と認識しております。  例えば、河道内に土砂が堆積し、樹木が繁茂してしまうと、流れの阻害や滞水をもたらし、さらには、それ自体が流出すると橋梁や護岸に損傷を与え、より大きな水害に発展する危険性があることから、土砂のしゅんせつや樹木の伐採は適切に実施されなければならないものと考えます。加えて、排水機場などの重要施設の老朽化が進行し、機能が低下または停止すると大規模な内水氾濫につながるため、その機能を維持していかなければならないと考えます。  このことに関しては、平成31年1定の予算特別委員会において、状態監視保全と呼ばれる予防保全の考え方に移行することを基本方針とした維持管理計画を策定し、日常的な維持管理の水準向上に向けた取り組みなどを進めていくとの答弁をいただいたところでございます。また、さきの代表質問においても、河川の維持管理を中心とした事前防災のあり方についてお聞きし、吉岡副市長より、河川の防災機能を発揮させるには、河道整備や適切な維持管理が必要であり、計画的な維持管理に向けた施策を強靱化計画やアクションプランに位置づけて事前防災にしっかり取り組むとの答弁をいただいたところであります。  そこで、最初の質問ですが、維持管理計画に基づき、現在どのような取り組みを進めているか、伺います。 ◎伊藤 河川担当部長  現在進めております取り組みについてお答えいたします。  札幌市河川施設等維持管理計画は、河川の老朽化を初めとしたさまざまな課題に対しまして適切な維持管理を行うことで、市民の安全と安心を確保し、良好な都市環境を提供することを目的としており、中長期的な視点で、計画的で、かつ効率的な維持管理を推進するため、今後5年間を見据えて取り組みを定めております。  現在の取り組みといたしましては、まず、状態監視保全への移行に向けて、各施設の状態を正確に把握し、メンテナンスサイクルの構築や補修の優先順位を決めるため、定期的な巡視によって得られた損傷箇所について、情報のカルテ化を進めているところでございます。また、暗渠河川につきましても、今年度より、状態を把握するために河川用マンホール内の目視点検を進めているところでございます。さらに、老朽化が著しい排水機場や護岸などにつきましては、損傷が拡大する前に適切な補修などを行い、機能や安全性を維持するため、長寿命化計画や補修計画の策定に向けた検討を行っているところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  維持管理計画に基づいて、河川施設のカルテ化による情報の更新作業や、暗渠河川におけるマンホール内の点検、さらには、老朽化した施設の長寿命化や補修計画を検討しているとの答弁だったかと思います。  水の流れの変化や草木の繁茂など、自然の外力が相手である河川では、災害の発生原因も複雑で、河川の維持管理も容易なことではないと思います。そのような中、しっかりとした維持管理の計画をつくり、実行することは、市民が安全で安心できる暮らしを実現していくため、河川管理者が行う大切な仕事であると改めて認識したところでございます。  そこで、質問ですけれども、施設の点検や長寿命化計画の策定など、計画的な維持管理を進めているとのことでしたが、現在取り組みを進めている中で、新たにどのようなことが確認されているのか、伺います。 ◎伊藤 河川担当部長  現在進めております取り組みの中で新たに確認されたことといたしましては、河川の巡視の結果をもとにカルテ化を進めていく中で、転落防止柵や護岸などにおきまして損傷度の進行が確認されているところでございます。また、現在進めている暗渠河川のマンホール内の点検におきましても、接合部分で老朽化の進行が確認されているところでございます。加えまして、札幌市が管理する米里排水機場の長寿命化計画の策定に向けた検討を進めていく中で、施設そのものの耐震性能を確認する必要が見えてきたところでございます。  このほか、河道内に繁茂した樹木につきまして、年々成長し、予想以上の大きさになっている箇所も散見されているところでございます。そのことによりまして、治水上の安全を確保するため、計画的に伐採していかなければならないと改めて認識したところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  損傷箇所のカルテ化、暗渠河川のマンホール内点検、施設の長寿命化計画策定に取り組んでいる中で、さまざまなことが新たに確認されており、河道内の樹木についても計画的に伐採していかなければならないと再認識したとの答弁でございました。  答弁でもございましたが、例えば、転落防止柵が破損していたら、近くを通る歩行者が、また自転車が誤って川に転落し、命にかかわるような大けがを負う危険性がありますし、護岸が破損していたら、川の流れによって洗掘され、そこから周囲へ悪影響を及ぼす可能性があることから、安全性が確保されていないものについては、随時、補修等で対応すべきと考えます。  暗渠河川につきましては、マンホールとの接合部分の老朽化を確認したとのことですが、護岸などの構造物と違い、地上からの目視で状態を確認することが不可能な施設であり、特に道路下に埋設されている場合は、損傷により、道路陥没、さらには第三者被害をもたらす危険性もあることから、早急に状態の把握が必要と考えます。  さらに、排水機場につきましても、内部のポンプ設備はもとより、建物そのものが地震で倒壊してしまっては、機能を失い、内水氾濫を引き起こす危険性があることから早急な対応が必要と考えます。  このように、計画を進めていく過程の中でいろいろな状況が見えてくることはよくあることで、この場合、それにいかに対処するか、検討し、適切に解決方法を導くことが大切であります。  また、樹木の繁茂に関しては、治水上の安全を脅かすことに加えて、害虫の発生やごみの堆積など環境面での影響も懸念されます。さらに、強風や洪水の際には倒木の危険性もあり、もし民地へ倒れたら家屋にも被害を与えかねないため、適切に対処する必要があると考えます。  そこで、質問ですが、さまざまなことが新たに確認されている中、それらに対応するには多くの事業費が必要となり、今すぐ全てを行うのは容易なことではないと考えますけれども、それらに今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。 ◎伊藤 河川担当部長  今後の対応につきましてお答えいたします。  損傷した転落防止柵や護岸などへの対応につきましては、まず、テープなどで立入禁止を明示することで危険箇所であることを周知いたします。その後、周辺への影響度合いなどから優先順位をつけて、順次、補修を行ってまいります。  次に、暗渠河川の老朽化につきましては、重要度の高い緊急輸送道路に埋設されているものから内部のカメラ調査を実施し、状態の把握を進めてまいります。  米里排水機場につきましては、耐震診断を早期に行い、長寿命化に合わせまして所定の耐震性能を確保してまいりたいと考えております。  樹木の伐採につきましては、労務費が上昇しているなど厳しい状況にありますが、今後も繁茂の状況をしっかり把握しながら対応していかなければならないと考えているところでございます。  今後も、維持管理計画に基づいて取り組みを進めていく中で、さまざまなことが見えてくることと思われます。PDCAサイクルの考えに基づきまして、計画のフォローアップを適切に行い、より効率的な維持管理に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  優先順位をつけて対応するとともに、施設の状態把握の継続に努めながら、PDCAサイクルの考えに基づき、計画のフォローアップを適切に行い、より効率的な維持管理に取り組んでいくとの答弁でした。  河道及び河川管理施設の維持管理には、長年にわたり、経験を積み重ね、技術を継承しながら、分析や評価を繰り返し実施していくことが重要であると考えます。また、維持管理の水準を保つためには、コストの平準化を図り、河川管理施設がその本来の機能を発揮されるよう、効率化や長寿命化など戦略的な維持管理を進めることが今後より一層求められると思います。  加えて、治水上の安全を確保し、浸水などの被害を防ぐためには、河川の整備も必要なことであると認識しており、このたび、以前より住民から要望されていた厚別西川などの改修を行うとも聞いております。今後も、このようなハード対策を計画的な維持管理に並行しながら治水事業を進めていただくことがとても重要であると考えます。長い将来にわたって市民の安全と安心に寄与するため、維持管理計画を着実に実行するとともに、河川整備を進め、事前防災にしっかり取り組んでいただくことを要望し、私の質問を終わります。 ◆阿部ひであき 委員  私からも、近年、台風あるいは局地的な大雨による浸水被害が増加していることを踏まえ、河川の整備について質問いたします。  ことし、札幌市内における大雨の警報は一度も発令されませんでしたが、先ほど来、岩崎委員あるいはくまがい委員も触れましたとおり、10月12日から13日にかけて、関東から東北にかけて上陸した台風19号により、多くの人命が失われるとともに、さらにまた数多くの家屋が浸水するなど、甚大な被害が発生いたしました。
     私からも、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族、そして水害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げる次第であります。  また、北海道内でも、8月31日には岩見沢市で1時間に94ミリもの大雨が降り、大きな被害が発生しました。雲の動きによっては、この雨が札幌市内に降った可能性があるというふうに考えます。  このような大雨に対しては、河川整備などのハード対策だけで対応することは不可能であり、人命優先で適切な避難を促すソフト対策も極めて重要であることは言うまでもありません。しかし、市民が速やかに日常生活を取り戻すためには、住宅等の被害を最小限に抑えることが重要ですので、河川整備により浸水被害を軽減する必要性は、今日、極めて高いというふうに考えます。  そこでまず、本市における河川の整備はどのような状況になっているか、伺います。 ◎伊藤 河川担当部長  札幌市の河川の整備状況についてお答えいたします。  札幌市では、昭和56年8月に1万戸を超える浸水被害が発生したいわゆる56水害を契機といたしまして、河川の整備を積極的に進めてまいりました。  市内にある1・2級河川の318キロメートルにつきましては、国や道と役割分担を行いまして、河川法で定めることとされている河川整備計画に基づいて整備を進めており、札幌市は、これまでに74キロメートルの整備を行い、現在は1級河川の雁来川とモエレ中野川の整備を進めているところでございます。  また、小規模な河川である準用河川と普通河川につきましては、浸水被害の発生状況などを踏まえまして、河川ごとの状況に応じて治水対策を進めており、これまでに管理延長528キロメートルのうち、約140キロメートルの整備を行い、今年度から準用河川の北郷川と厚別西川の整備に着手したところでございます。このほか、学校や公園の敷地に一時的に雨水をためることで河川への雨水の流出を抑制する流域貯留施設の整備を伏籠川流域と望月寒川流域で進めているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  私も、こうした質問を何度もさせていただきながら、札幌市における河川事業の今までのあり方をずっと聞いてきているところでありますが、私は、今日まで、河川整備に関して非常に危惧するというか、しっかりとやっていかなければならない部分があるなと思うのは、先ほども答弁でも少し触れていましたけれども、やはり、国や道との役割分担というところだと思うのですね。河川というのは、国や道との役割分担が非常にはっきりしていて、道や国でしかできない部分というのがあって、札幌市としてどんどん進めていっても道や国が全然進んでいかなければ、本当にきちっとした整備にはつながらないものも出てくると思うわけです。ですから、やはり、国や道との役割分担もあわせて、国や道との連携のあり方、河川全体がどう整備されているかという視点をぜひとも共有していただきたいなというふうに思うところであります。  次に、小規模な河川の治水対策の一つとして、白石区の東米里地区について伺います。  東米里地区は、北白石川や6線、7線幹道排水等の南北方向の河川、それから10号、11号幹道排水等の東西方向の河川が格子状になっているところに位置しております。この地域はタマネギ栽培が盛んでありまして、タマネギは水はけのよい土地を好むことから、農家の皆さんは、暗渠排水を整備し、畑の水はけをよくしようと日々努力されているところでありますが、大雨のたびに周辺の河川の水位が上がり、農地の冠水に悩まされているところであります。特に、7線幹道排水の周辺では、農地の冠水だけではなく、札幌と江別を結ぶ幹線道路である道道東雁来江別線が冠水し、たびたび通行規制がかかる状況となっております。  これまでも、国は、低地の水を排水するため、厚別排水機場を設置し、平成21年度には排水能力の増強も行っており、札幌市も排水機場について運転受託や北白石川等の導水河川の整備を行うなど、両者が連携して治水安全度の向上に努めております。しかし、もともと低地な上に地盤沈下が進行していることもあり、浸水被害が解消されていないことから、格子状の位置関係を利用して、現在の排水機能の切りかえを行い、7線幹道排水等の負担の重い排水路における流量の軽減を図るなど、抜本的な対策を考えるべきであるとこれまで働きかけてきたところであります。  そこで、質問ですが、東米里地区の治水上の課題をどのように分析しているのか、また、今後どのように対応していくのか、伺います。 ◎伊藤 河川担当部長  最初に、東米里地区の治水上の課題についてお答えいたします。  これまでも、札幌市といたしまして、国が整備しました厚別排水機場への導水を目的として、1級河川北白石川や普通河川8号幹道排水などの河川の整備を進め、治水安全度の向上を図ってまいりましたが、委員のご指摘にございましたとおり、地盤沈下の影響などもあり、普通河川7線幹道排水周辺の農地や幹線道路において浸水被害が発生しております。この浸水状況を分析いたしますと、東米里地区の南側に降った雨水の流入が7線幹道排水にとって負担となっておりまして、地盤沈下とともに治水上の大きな課題であると考えているところでございます。  次に、今後の対応といたしましては、東米里地区の南側に降った雨水を北白石川へとバイパスし、7線幹道排水の負担軽減を図るため、11号幹道排水などの東西方向の河川整備について検討中でございます。これは、北白石川への負担がふえることになりますので、これについても検証などを進めまして、可能なところから段階的に整備し、できるだけ早期に東米里地区の浸水被害が軽減するように努力してまいりたいと考えているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  東米里地区の南側に降った雨水が北側に流れ込んで7線幹道排水の負担となっている、あわせて、地盤沈下が治水上の課題であり、11号幹道排水等の東西方向の河川を整備して、北白石川へバイパスすることによって7線幹道排水の負担軽減を検討していくとの答弁でありました。  これは、これまで訴えてきた抜本的な解決の一つの手法とも言えます。今まで、大雨となるたび、常態的に浸水被害が心配された7線幹道排水周辺地域にとっても、浸水被害軽減の観点からも極めて有効であるというふうに私は考えます。  ただし、一方で、7線幹道排水の流量が北白石川を経由することで北白石川の流量に負担が大きくなりますので、先ほどの答弁にもありましたとおり、実際の整備に当たっては、北白石川の負担がふえても大丈夫かどうか、これを十分検証して、可能なところから段階的にしっかりと対応していただきたいなというふうに思います。  先ほども触れましたが、この地域における治水上の課題は、地盤沈下など進行形となっている課題もあり、今回の検討も含め、それぞれの河川における流量の負担軽減を視野に入れた抜本的な解決策が必要不可欠であります。今回は7線幹道排水にスポットを当てましたが、さらに、大雨時の流量が極めて多く、いまだに課題を残す6線幹道排水の整備も、順次、対策を検討していただかなければなりません。この6線も、これから先の北白石川の流量の計算次第では、やはり、6線も切りかえて10号並びに11号のルートを通してバイパスするということも可能ではないかなと私は思いますけれども、それに対しては、多くの費用、そして時間がかかると思います。今、何よりも北白石川のそうした流量計算というものが必要とされておりますので、どれだけの大雨が降って、どれだけの量があるのか、やはり、こうしたことをしっかり調べていただきたいなというふうに思います。  また、この地域の最も低い場所の地盤の高さと、厚別の排水機場における排水を開始する高さは、実は大きな差がほとんどないという状況にあります。そういうことを考えますと、これからも地盤沈下が進むことをしっかりと見越して、排水機場そのものの改修や更新も早急に視野に入れていただかなければなりません。ただ整備すればよいというばかりでもなく、いざというとき、その機能を十分発揮するかどうかが極めて重要であり、ハード・ソフト両面から緊急時の体制を事前に整備しておかなければならないことを強く指摘しておきます。  さらに、先ほども申し上げましたとおり、河川の関係は国や道が大きく絡んでいる部分もありますが、この地区における浸水対策には一体となって取り組んでいただくことが極めて重要である、このことも指摘させていただいて、私の質問を終わります。 ○村上ゆうこ 委員長  以上で、第3項 河川費及び下水道事業会計の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時50分       再 開 午後1時52分     ―――――――――――――― ○村上ゆうこ 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第6号 平成30年度札幌市水道事業会計剰余金処分及び決算認定の件について質疑を行います。 ◆水上美華 委員  私からは、昨年9月の北海道胆振東部地震後の管路の漏水調査と地震対策について、3点質問いたします。  台風19号の猛威が本州各地を襲いました。私からも、お亡くなりになられた皆様、そして被害に遭われた皆様に、心からご冥福とお見舞いを申し上げます。  台風19号の影響で、現在も断水への対応や復旧が続いているところであり、災害への適切な備えと対応の重要性がますます高まっています。胆振東部地震を振り返ると、当市の水道も32カ所で漏水が発生し、最大約1万6,000戸で断水するなど、大きな被害を受けました。特に清田区の里塚配水池の配水区域である清田区や厚別区の一部で大規模な断水があり、復旧までに数日間を要しました。  その後も大小の余震が続いた中で、私どもの会派では、ことし3月の予算特別委員会において、水道管の漏水調査を一斉に実施すべきことを指摘し、管が抜け出したときの影響が大きい幹線や準幹線を対象として、今年度早々に緊急的な漏水調査を行うとの回答を得たところであります。  そこで、質問いたしますが、今年度の緊急的な漏水調査の状況はどうなっているのか、お伺いいたします。 ◎住友 配水担当部長  今年度実施しました緊急的な漏水調査についてお答えいたします。  委員がお話しのとおり、本震の後も本市内で震度4以上の余震が複数回発生しましたので、それら一連の地震による漏水がないかを確認するため、本年4月から6月にかけまして、口径400ミリメートル以上の幹線と、口径200から350ミリメートルまでの準幹線を対象として緊急的な漏水調査を実施いたしました。  その結果、管体そのものの損傷や管路の損傷部分の抜け出しによる漏水はありませんでしたが、空気弁などの幹線の附属設備16カ所において、地震の影響と考えられる少量の漏水が見つかっております。また、地震の影響ではありませんが、管体の外面腐食が原因と考えられる準幹線の漏水を2カ所発見しております。  今回の調査で見つかった漏水はいずれも軽微なものであり、速やかに修理を完了しております。 ◆水上美華 委員  答弁によりますと、漏水調査の結果、地震の影響によって空気弁などの附属設備での軽微な漏水が16カ所ほどあったということでありますが、引き続き、漏水調査などの維持管理を適切に行っていただきたいと思います。  一方で、管自体の損傷や抜け出しによる漏水がなかったということは、水道局がこれまでに進めてきた既設の管路を耐震性の高いものに布設がえする耐震化の効果があったと言えるとも考えます。  しかしながら、当市の水道管の耐震化率は30%程度であり、全国の大都市と同水準にあるとはいえ、今後も、定期的な漏水調査などにより、水道管の健全性を保ちつつ、計画的に耐震化を進めていく必要があります。  先ほど述べました里塚配水池の配水区域での断水は、地震によって里塚地区の一部で液状化が発生し、ポンプ場から水を送る里塚流入管が抜け出して配水池が空になったことによるものでした。  そこで、質問いたしますが、被害を受けた里塚地区において、現在までにどのような管路の整備をしてきたのか、またあわせて、管路整備の今後のスケジュールをお伺いいたします。 ◎住友 配水担当部長  被害のあった里塚地区における管路の整備についてお答えいたします。  管の継ぎ手部が抜け出した里塚流入管につきましては、応急給水の後も余震や地盤変動により再び抜け出す可能性があったことから、昨年中に、部分的ではありますが、耐震性の高い管路への布設がえを行っております。  なお、この流入管は、水道局が進めている配水幹線連続耐震化事業の中で耐震管への布設がえを計画しておりましたが、今回の被害を踏まえ、一部、ルートを変更して今年度に工事を始めており、令和6年度をめどに耐震化を完了する予定でございます。  また、里塚地区では、この流入管以外にも被害を受けた配水管があったことから、耐震管への布設がえを進めております。 ◆水上美華 委員  地震による影響があった里塚地区での管路の耐震化を速やかに進め、被害の再発防止を図っていることは承知いたしました。  例えばですが、砂や火山灰の緩い地盤で地下水位が高い場所では液状化が発生しやすいとも言われますし、再び大きな地震が起きた際に、地盤の弱いところで水道管が抜け出して大規模な漏水が発生することが心配されます。  そこで、質問ですが、配水管については、今後どのような地震対策をしていくのか、お伺いいたします。 ◎住友 配水担当部長  今後の配水管の地震対策についてお答えいたします。  管路の整備は、長期的な視点を持ち、優先度を考慮して進めていく必要があるため、水道局では、現在、既存の配水管を耐震性の高い管に布設がえする耐震化事業として、四つの大きな配水池の出口から配水区域の末端まで、少なくとも1ルートを連続的に耐震化する配水幹線連続耐震化事業や、災害時の救命活動の拠点となる医療機関などの重要施設に向かう配水管を耐震化する災害時重要管路耐震化事業を行っており、今後も継続してまいります。また、配水管の経年劣化対策として、配水管更新事業を進め、耐震性の高い管路への布設がえを行っております。  これまでは、JR函館本線以北に管路外面を腐食させやすい土壌が広く分布していることなどを重視して配水管更新事業を進めてきましたが、今後は、管路の接続部分が抜け出しやすい地盤があることも考慮し、計画的に進めていきたいと考えております。 ◆水上美華 委員  要望させていただきます。  当市の水道管の延長は約6,000キロメートルにも及ぶため、計画的に適切な耐震化を進めることが求められます。大規模地震の発生を予測することは困難ですけれども、いざというときにも安定した給水を続けられるよう、日常から、管路の点検、補修や漏水防止などの維持管理を適切に行って水道施設の健全化を確保するとともに、効率的な更新や耐震化を進め、水道管の強靱化を図ることを要望して、私の質問を終わらせていただきます。 ◆竹内孝代 委員  私からは、事故や災害時の市民対応について質問させていただきます。  昨年は、3月に発生した漏水事故による清田区の大型断水、また、9月に発生した胆振東部地震による市内各地域での断水と、水道水の供給が断たれる事象が続いて発生した年でありました。水道水の供給は、市民にとって大切なライフラインの一つであり、断水はあってはならないことではありますが、万が一、発生してしまった場合には、市民への的確な情報提供を速やかに行うことが大変重要であることが教訓とされております。  実際、3月の清田漏水事故の際には、断水地域に住む方から、水道がとまっているが、何が起きているのか、水道局に電話してもつながらない、ホームページにも情報が出ていないといった声が、早朝から私のもとにも寄せられました。事故直後の予算特別委員会において、私からは、事故発生時に必要なことは、正確な情報を速やかに市民に届けることであり、そのことが市民の不安を緩和するだけでなく、災害時の市民の適切な行動につながる重要な取り組みであると、災害対応の情報提供について具体的な指摘と提案をさせていただきました。水道局からは、市民への情報提供に課題があったとして、速やかな検証と改善を行いたいとの答弁をいただいたところであります。  このような有事の際、市民の疑問や不安を少しでも解消していくためには、市民からの問い合わせに的確に対応できる体制を整える必要があると考えております。その一つとして、さきの予算特別委員会で我が会派から提案させていただきましたが、現在、水道局で進められております電話受付センターの移設、機能強化、こういったものに大きな期待を寄せており、いつ起こるかわからない災害に備えて早期の実現を求めるところであります。  そこで、質問ですが、電話受付センター移設に向け、現段階における進捗状況をお聞きします。  また、移設により事故や災害発生時にはどのような改善が見込まれるのか、示していただきたく、重ねてお伺いいたします。 ◎松川 営業担当部長  今、電話受付センターについて、2点質問をいただきました。  まず、移設に向けた進捗状況でございますけれども、一般競争入札により事業者が決定し、9月17日に業務委託契約を締結したところでございます。新たな設置場所は、JR札幌駅から徒歩5分の交通の便のよい民間ビルでございまして、12月16日の開設に向けて、回線工事やシステムの調整、オペレーターの研修等を進めてまいります。  なお、業務を円滑に移行するために、来年7月末までは、水道局の庁舎内の電話受付センターと2カ所で並行稼動いたしまして、8月以降、民間ビルに集約する予定でございます。  次に、移設により事故や災害発生時にどのような改善が見込まれるのかについてでございますが、入居するビルは耐震性にすぐれており、非常用自家発電設備については、ビル全体をカバーするもののほかに、電話受付センターの入るフロア専用の自家発電装置も完備しておりまして、停電時には2系統の電源により円滑な業務継続が可能となっております。また、都心部への移設によりまして、現在よりもオペレーターの数の確保が図られる見込みでありますことから、緊急時でも入電数に合わせて臨機応変にオペレーターを配置できるようになるほか、新たに自動音声案内を導入することによりまして、応急給水場所の開設状況など、事故や災害発生時に市民が必要とする情報をニーズに合わせて迅速に提供できるようになる見込みでございます。 ◆竹内孝代 委員  今、12月16日の開設を目標に準備されているということで、さまざまな効果が期待されるということをお聞きいたしました。契約の更新によりまして市民対応が強化されることに期待いたしまして、着実に準備を進めていただきたいと求めます。  昨年、8,100戸、約2万人が被害に遭い、復旧までに約27時間を要した清田区の大型断水の際は、広報車で流れるアナウンスが聞こえなかったり、先ほどもお話ししましたように、ホームページを見ても情報が掲載されていないなど、市民の方々が求める情報がうまく伝わらず、市民の方々への広報の観点で多くの課題が明らかになりました。  昨年5月に開催されました事故報告時の建設委員会におきまして、事故を教訓とした取り組みとして、適時適切に市民の皆様に情報を提供できるよう、断水時における広報マニュアルを平成30年度中に策定するというふうにもお聞きしております。このことについて水道局に確認させていただいたところ、本年3月に策定が完了したとのことでございました。策定作業中にも、胆振東部地震であったり、その他の事故等もありましたので、その実体験や得られた教訓等も盛り込みながら、しっかりとした整備がされたことと思います。  今年度は、台風15号の影響で千葉県では大規模な停電があり、復旧に関する情報が二転三転し、住民生活に大きな影響を与えたことは記憶に新しいところです。また、台風19号の被害も、今現在も連日報道されております。  私からも、改めまして、お亡くなりになられました方々へのご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧、復興をご祈念させていただきます。  これまでの災害の教訓を踏まえ、災害時は、混乱を発生させないよう、市民に対して適時適切な情報を発信し、少しでも安心感を与えることが極めて重要であると考えます。  そこで、質問ですが、清田漏水事故の際、うまく行き届いていなかった広報車やホームページを活用した広報活動について、マニュアル上、どのように整理したのか、伺います。  また、これまでの事故、災害の経験を踏まえ、その他の広報手段としてどのようなものを想定し、今後、情報発信していくおつもりか、以上、あわせてお伺いいたします。 ◎阪 給水部長  私から、事故・災害時の広報についてお答えいたします。  清田の漏水事故は、水道局にとりまして約10年ぶりの大規模な断水事故でございました。職員の広報活動の経験が乏しく、そして、区役所との連携も十分ではなく、市民への広報がきめ細やかにできなかったというふうに考えてございます。  この反省を踏まえまして、事故・災害時に実施すべき広報活動を整理し、ルール化する必要があると考えまして、広報マニュアルの作成に取り組んだところでございます。マニュアルの作成中には、お話にありましたとおり、北海道胆振東部地震がございましたし、ことし1月には、北区新琴似地区の大規模な漏水事故がございました。この中で、情報発信のタイミングや手段を工夫して広報活動を行った経験を反映させまして、マニュアルを作成いたしました。  マニュアルでは、事故や災害による影響の範囲や緊急の度合いに応じて実施すべき広報手段を定め、その内容や作業手順を整理いたしてございます。例えば、地震などにより漏水事故が市内に多発しているような場合や、配水管の事故で中学校の通学エリア程度よりも広い範囲に影響が及ぶような場合などは、ホームページや携帯電話の防災アプリケーションなどにより、断水、濁水の対象地域や給水場所あるいは復旧見込みなどの広報をすることとしてございます。また、影響範囲が先ほど申しました中学校の通学エリア程度よりも小さくて、断水、濁水が限定的となる場合におきましては、広報車を使いまして巡回広報を適切な音量、スピードで丁寧に行いますほか、個別にチラシ配布を行うこととしてございます。  さらに、北海道胆振東部地震の里塚地区におきましては、職員による戸別訪問を行ってございます。このように、限定的なエリアで断水が長く続く場合には、戸別訪問を行うことも想定してございます。  これらに加えまして、区役所及び町内会に広報を支援してもらうための情報提供や、学校、福祉施設などを所管する市の関係部局、大規模な医療機関への広報も水道局から行うこととしてございます。  今後は、この広報マニュアルに基づきまして、適時適切な広報活動に努めていくとともに、日ごろから区役所やまちづくりセンターとの情報交換や訓練を行うことで連携を強め、有事の際の円滑な広報活動に役立てていきたいというふうに考えてございます。 ◆竹内孝代 委員  これまでの災害を教訓に、特に昨年の清田での大型断水事故からスピードを上げて対策を練られて、そして、整備されたことを評価させていただきます。  市民にとりまして、有事の際にもたらされる情報は何にもかえがたい重要なものであり、水道事業者にとっても、情報提供が非常に重要な使命になると思います。マニュアルの整備をゴールにすることなく、災害対策訓練の実施や、それを踏まえた不断の見直しを実施していただき、有事に備えていただくことが、市民を守り、信頼される水道事業をつくることにつながるものと考えております。  今後への期待を申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆吉岡弘子 委員  私は、水道ビジョンの見直しについて質問いたします。  このたびの台風19号では、被害を受けた14の都府県で浄水場が水没するなどのところもあり、長期で、また広域にわたって断水の被害が広がっております。本日午前8時現在で、福島県いわき市の3万5,900戸を初め、8都府県4万2,340戸がいまだに断水しております。想定を超える地震や台風が次々と列島を襲っています。全国で起きている災害からどう教訓を引き出すか、それが私たちに問われています。  札幌水道ビジョンの見直しは、札幌市の水道事業に係る中長期計画である水道ビジョン後半期に向けて見直しを行うものです。水道事業が果たしている役割や意義について、ことしの第1回定例議会で日本共産党の村上議員が質問したところ、吉岡副市長は、水道事業の役割は、市民の健康を保持・増進すること、市民の生活や都市の経済活動を支えること、また、消防用水として市民の生命・財産を守ること等であると認識しており、札幌市におきましても、昭和12年の水道創設以来、時代の要請に応えながら、安全で良質な水道水を安定的に供給し、住民福祉の向上や都市の発展に寄与してきたものと考えていると回答しました。このことは、極めて重要な考え方で、継続していくべきだと思います。  それでは、質問に移りますが、札幌水道ビジョン後半期の見直しについては、どのような改定を行うのか、その考え方を伺います。 ◎小笠原 総務部長  札幌水道ビジョンの見直しの考え方についてでありますが、札幌水道ビジョンは、今年度で計画の折り返し点を迎えており、現在、前半5年間の検証を行うとともに後半期の事業計画を作成している段階であります。  水道ビジョンでは、事業面の根幹である水道事業の基本理念や取り組み姿勢などを掲げておりますが、それらは、計画の後半期においても変えることなく、引き続き維持していくこととしております。  今回の改定では、昨年の北海道胆振東部地震の経験を踏まえた災害対策の強化や、利用者サービスのさらなる向上を図るための取り組みを計画に盛り込んでいくこととしております。また、改定後のビジョンでは、計画の後半期のスタートとなる2020年度以降の財政収支の見通しを示すことにしております。 ◆吉岡弘子 委員  今回の見直しでは、胆振東部地震による被害を踏まえて、配水管の枝線について、里塚や液状化の可能性のある地域など、緊急性の高い地域を優先して更新すると聞いております。100%の更新までに80年かかるという当初の計画は、今、変更はまだありません。本市の配水管の長さは6,027キロメートルで、そのうち、各家庭につながっている配水枝線は4,808キロメートルと全体の約8割を占めますが、その耐震化率はわずか28.0%です。  そこで、質問です。  昨年の胆振東部地震を踏まえて、更新時期を前倒しし、耐震化を早めるべきだと考えますがいかがか、伺います。 ◎住友 配水担当部長  配水枝線の更新に関する期間を繰り上げて早められないかとのご質問でした。  配水管の更新や耐震化には多くの事業費と長期間を要しますので、水道局では、管路の優先度などを考慮しつつ、配水管の整備を計画的に進めております。口径75から350ミリメートルまでの配水枝線の耐震管としましては、災害時の救命活動の拠点となる医療機関などの重要施設に向かう配水ルートを優先し、既設管について、管路の接続部が地震の揺れによってこれまで以上に抜け出しづらくなる耐震管に布設がえする事業を進めております。また、管の腐食による漏水を未然に防止して健全性を確保するため、平成25年度より配水管更新事業を進め、市内の延長約4,800キロメートルの配水枝線を対象に耐震管を用いた布設がえを進めております。この配水管更新事業では、限られた事業費の活用のため、管の法定耐用年数が40年であることを踏まえ、可能な延命化を図ることとし、また、年度ごとの事業量の偏りが大きくならないように事業量を平準化して計画的に進めております。  水道局では、現在のペースを基本として配水管更新事業を続け、耐震化率の向上を図りながら、将来に向けた管路整備についても継続的に検討していきたいと考えております。 ◆吉岡弘子 委員  現在のペースで進められていくというお答えでした。  胆振東部地震では、ブラックアウトとともに、数日間、断水したことが市民生活に重大な影響を与えました。水は、申すまでもなく、ライフラインの中でも私たちの生活に何より欠かすことのできないものです。昨年の胆振東部地震を踏まえ、安全で良質な水をいつまでも安定して供給するという本市水道事業の使命を果たすためには、全ての配水管の耐震化や更新に80年もかけるのではなく、前倒しすべきです。  改定水道法が10月1日から施行され、民営化が可能になりました。世界では、民営化によって料金の大幅値上げや安全性が損なわれるなどにより、市民の大きな反対が起こり、再公営化の動きが加速し、2000年から15年間で再公営化した水道事業は37カ国、235事業にも上ります。
     本市のこのたびの水道ビジョン改定においては、民営化の方向性は示されておりません。国は民営化を進めようとしていますが、安全で良質な水道水を安定供給する上でも、本市水道事業においては、当然、公営を堅持すべきと申し上げて、私の質問を終わります。 ◆三神英彦 委員  私からは、水道局の主要事業であります豊平川水道水源水質保全事業について質問させていただきます。  バイパス事業と呼ばれるこの事業は、札幌市の水道水源の98%を担う豊平川において、定山渓流域におけるヒ素等を含む自然湧水や下水処理水について、導水路を用いて白川浄水場の下流まで迂回放流し、豊平川の水からヒ素等を抜本的に排除するバイパスシステムを構築するものです。また、豊平川上流での土砂災害、大量の油等の流入などの水源の事故・災害時には、バイパスシステムの流れを切りかえることで、上流域の清浄な川の水を白川浄水場に直接導水することで浄水処理を継続し、断水を回避することもできるという意義のある事業であると考えています。  平成26年度の導水路トンネルの着工以降、種々の工事が本格化していますが、平成30年の予算特別委員会にて我が会派の松井委員が質問したところによると、導水路トンネルの工事は地下水の影響を受けてとても苦労しており、事業完了は当初予定の令和2年度よりも先になるという答弁がありました。  そこでまず、質問ですが、導水路工事を含め、各工事の進捗について伺います。  また、事業完了の見込みについて伺います。 ◎阪 給水部長  バイパス事業の各工事の進捗状況についてご説明いたします。  バイパスシステムは、上流側から、川の水を取り込む取水堰、そして、約10キロメートルの導水トンネル、導水路出口の斜面管路、水圧と水質を調整する放流調整池、そして、豊平川への放水路、放水口、さらに、先ほど出ました水源の事故や災害時の直接導水のために白川浄水場と接続する緊急導水管で構成されます。  まず、導水路のトンネル工事は、三つの工区に分けまして、かたい岩盤層をシールド工法で掘削するものでございます。平成26年度に着手しておりまして、委員のご指摘のとおり、平成29年の秋ごろから大量の地下水の湧出により進捗におくれを生じましたが、予定よりも半年ほどおくれてことしの5月に掘削が完了し、全長約10キロメートルのトンネルが貫通したところでございます。  そのほかの工事につきましては、平成29年度に取水堰工事、平成30年度に放水路及び放水口の工事、今年度に入りまして斜面管路工事に着手しまして、目下、鋭意、工事を進めているところでございます。そして、放流調整池とその関連施設は、令和2年度に発注を予定してございます。  次に、事業完了の見込みについてお答えいたします。  バイパス施設の供用開始は、現在進めております工事及び放流調整池等の工事の完了後の令和7年度になる見込みでございます。その後、事故・災害時に活用する緊急導水管は令和8年度に整備いたしまして、これによりまして事業を完了する予定でございます。 ◆三神英彦 委員  10キロにも及ぶトンネル工事などでありますが、スケジュールに関しては、湧き水があったために、令和8年度まで大幅におくれるとのことでした。  導水路工事における地下水対策等の設計変更のほか、自然由来の重金属を含んだトンネルの掘削土を運搬することでも総事業費は増加傾向にあるのではないかということでした。また、事業期間が大幅に延期になることで、当初は8%で済んだ消費税の部分が10%になるという影響も受けることになるのではないでしょうか。現在公表されている総事業費に関しては187億円ですが、導水路工事もほぼ完成し、現在進行中の工事に加え、今後の各工事の設計も進んでいると思われ、そろそろ総事業費を把握できているのではないかと推察いたします。  そこで、質問ですが、事業期間延期の理由について、それから、現時点の総事業費の見込みについて伺います。 ◎阪 給水部長  まず、一つ目の事業期間の延期の理由についてでございます。  導水トンネルを掘り進めるために、発進基地及び斜面管路を整備いたしますが、これは白川浄水場の北側に位置します急斜面の中腹に築造いたします。当初の計画では、工事資材や土砂を運搬するために、そこまでは樹木を伐採して仮設でつづら折りの工事用通路を整備する予定でございました。しかし、樹木伐採が生態系への影響が大きいと判断いたしまして、伐採量が少ない工法として斜面を昇降するインクラインの設置に変更いたしました。この結果、インクラインの施設の一部が放流調整池等の建設予定地を利用することになったため、放流調整池等の工事については、導水トンネルや斜面管路と同時に施工することが困難となりまして、事業期間を延長して施工することといたしました。  以上のとおり、自然環境への配慮、そして工事の施工性、そして安全性の面から、事業期間の延長はやむを得ないというふうに判断したところでございます。  次に、総事業費についてお答えいたします。  これまで、工事契約額や今後発注する工事費を精査した結果、総事業費は約290億円となる見込みでございます。  事業費が増加した理由としましては、平成18年度に当初計画で算定して以降、労務費の上昇や積算基準の改定による経費の上昇、そして、消費税の2度の増税がありまして、約40億円増加してございます。また、導水路工事での地下水対策に要した費用や、重金属を含む掘削土の処分方法、そして、土どめなどの仮設工事等の施工方法、最後に放流調整池などの施設・設備の一部変更によりまして、約60億円の増加となってございます。 ◆三神英彦 委員  総事業費については、先ほどの187億円から今の290億円へと、約100億円増加するということです。その理由も伺ったのですが、平成18年の算出当初から十数年たっているとはいえ、かなり乖離が大き過ぎるのではないかと考えます。人口減少に伴う料金収入の減少等により厳しい財政状況が予測される中で、今回明らかになった事業費の増加については、かなりのものと認識し、水道事業の経営に与える影響はいかばかりなのかというふうに考えます。  水道局として、このような計画との乖離についてどのように考えられているのか、その見解について伺います。 ◎阪 給水部長  本事業につきましては、労務費の上昇、消費税の増税などの社会情勢の変化という不可抗力的な面に加えまして、10キロにわたる長大なトンネルの構築や重金属を含む掘削土の処分の対応など、私どもがこれまで経験していなかった内容によって当初計画からの変更を余儀なくされた場面が多くございました。また、トンネルの掘削が進まないと、重金属を含む掘削土の発生量が不明であるなど、総事業費の見込みが見通せない状況でもございました。そうした一方で、詳細な設計により、当初見込んでいなかったものが必要となるなど、見込みが甘いと言われても仕方のない部分があると認識してございます。これについては、事前の検討を入念に行わなければならなかったというふうに痛感しているところでございます。  水道局では、ふだんの業務からコスト縮減に努めるのはもちろんのこと、施設規模の適正化延命化などにより事業費の縮減に努めてきたところでございます。今後も、より一層、経費節減に取り組みながら、計画的かつ効果的な事業運営に努めることにより、引き続き健全経営を維持してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆三神英彦 委員  やっぱり、市民感覚的には100億円というのはでかいですよね。水道局というのはそれぞれが大きな事業だから、全事業の中でパーセントにしてみると、100億円というのはそれほどのことはないとは思うのです。しかし、毎日のように委員会をやっていていろいろな部局と当たっていると、よかれと思って上げている事業にはそれこそ10万円単位、100万円単位のものもあって、でも、やりたいのですというやりとりをしている部局もある中では、やっぱり100億円はすごく大きいと思います。  当然、市民の方たちも、この事業そのものが水質をよくすること、白川浄水場を守るという意味で有意義なことだというのはわかっておりますけれども、そうは言っても、ひょっとしたらもっといいやり方があって安くできたのではないかというふうに考えざるを得ないぐらいの金額の誤差だったりするわけです。そういったところは、引き続き、ほかの部局の金銭感覚という部分も意識しながら続けていただけたらと思います。  それから、災害対策となると、およそ札幌の水というのは、大きく捉えると、必要な水はどんなときでも供給しなければいけませんが、逆に、余分な水というのはきちんと流していかなければいけないと思います。そういった部分では、上下に分かれているということではなくて、上水も下水も河川もちゃんとセットになって、一丸となって、必要な水の確保、そして余分な水をどうやって逃していくのかということは、きちんとスクラムを組んで話し合っていただけたらと思います。 ◆村上ひとし 委員  私は、マンションの給水用具に関連して質問いたします。  私は、マンションの住人の一人でもありまして、住んでいるマンションの管理組合の理事長も務めております。昨年のいわゆるブラックアウトのときも、マンションでは長時間の断水が発生いたしましたし、その後、全国各地でも、集中豪雨、台風、あるいは地震などによるマンションの断水が起こっております。  そこで、マンションの管理組合の中でも、災害が発生したときの停電などの場合に、マンションとして可能な給水方法というのはないのかという意見がたくさん出されました。ご存じのとおり、高齢化ですから、マンションの上層階に住んでいるお年寄りの皆さんもかなりいらっしゃいますし、そういう意味では、遠くの公園まで給水に出かけるということは極めて大変な問題でもあります。ですから、水道局が必要な情報の提供や求められる対応をもっともっとしていただければ、マンションの住民あるいは管理組合としても大変助かるわけであります。  そこで、今回は、地震など災害発生時における停電や水道管の破損に伴うマンションの断水時の給水方法に関連して、幾つか質問いたします。  まず、基本的に、マンションなどでは、停電すると給水ポンプがとまり、給水する方式が受水槽方式や直結加圧方式だと高層階では水は出ません。しかし、停電した場合であっても、直結加圧方式については、停電やポンプが故障したときを想定し、非常用で給水できる直圧共同水栓ということで、いわゆる蛇口が設置され、給水は可能となります。また、受水槽方式については、受水槽までは通常どおり水が来ていること、それから、受水槽にたまっている水があることなど、受水槽周辺に蛇口あるいは水抜き用のバルブなどが設置されていれば、そこから給水が可能になります。  このように、停電した場合であっても、設備状況によっては給水可能なマンションもありますけれども、その設備を活用した給水方法については意外と知られておりません。そのため、昨年の決算特別委員会では、水道局として何らかの広報を行う旨の答弁があったと記憶しております。  そこで、その後、マンション等の住民に対する停電時の給水方法について、どのような周知を行っているのか、お伺いいたします。 ◎住友 配水担当部長  マンション等での停電時の給水方法に関する広報についてお答えいたします。  水道局では、マンションなどの共同住宅にお住まいの方などが建物の敷地内で水道水を得る方法をご承知いただくことが、長時間停電を伴う災害の備えとして重要であるとの考え方で広報を進めております。広く市民にお知らせする方法としましては、水道メーター検針時に各戸配布するために水道局が年2回発行しているリーフレット、じゃぐち通信に必要情報を記載して本年6月から7月にかけてお配りしたほか、水道局ホームページにも情報を掲載しております。また、本年9月14日に中央区で行われた札幌市総合防災訓練や、水道への理解を深めるなどのために毎年開催している水道記念館秋まつりなどの会場でもパネルを展示し、広報リーフレットをお配りしました。  これらに加えて、マンションなどの所有者や管理組合、居住者の皆様に直接お伝えできるよう、昨年度中に不動産を取り扱う業界団体にお知らせして協力を求めた上で、本年9月より個々のマンションの管理組合などに広報リーフレットを順次お送りしているところでございます。 ◆村上ひとし 委員  いろいろな形でお知らせしており、マンションに対してはこの9月からリーフレットを郵送しているということであります。周知を始めてからまだそれほど期間が経過しておりませんけれども、全道的な大規模停電、いわゆるブラックアウトを経験し、停電のときでも給水可能な方法を知るということは、今後の対策としても極めて重要でありますし、当然、住民や管理組合などの関心も高いわけであります。  私の住んでいるマンションでは、管理組合でいろいろな動きもありまして、管理会社、水道工事の会社とも相談して、一定の対策をとりました。  そういう中で、私は、いろいろなマンションで同じように悩んでいる方は非常に多いけれども、実際にはどう対応していいのかよくわからない方も多いと思います。そこで、停電時でも利用可能な蛇口などの給水用具の広報を行った結果、市民からどのような相談があり、どう対応されたのか、お伺いいたします。 ◎住友 配水担当部長  広報後の市民からの相談の内容と対応についてお答えいたします。  これまでの主な相談内容といたしましては、停電時に給水できなくなる原因、停電時も給水できる給水栓の場所などがありました。これらに対しては、停電すると、建物内の給水ポンプが動かず、給水できない場合があることなどをご説明し、水道局の図面情報で把握できる給水栓の位置などをお伝えしております。電話のみで伝わらないなど、必要なときには、局職員がマンション等を訪ね、受水槽や給水ポンプ周りでの給水可能な水栓の場所を確認していただく場合がございます。広報リーフレットでもご案内しておりますが、マンションにお住まいの方を対象としたご説明も可能ですので、今後も、水道利用者の目線に立って丁寧にお伝えしてまいりたいと存じます。 ◆村上ひとし 委員  特に受水槽方式は、停電のときはもちろんですけれども、水道管が破損した場合でも、受水槽には一定の水がたまっていて、その水を使えるという利点があります。この点は、災害が発生して周辺の配水管が破損、損傷した場合、意外と大きなメリットであるというふうに考えております。特に、厳冬期など、外へ給水を受けに行かなくても、マンションの建物内部で、あるいは敷地の中で一定の給水が可能となることから、災害に弱いと言われる高齢者などに対して緊急時の円滑な水の確保に資するものであります。  また、管理組合を中心に入居者間の支え合い活動にもつながります。高齢の方が上層階に住んでいることもあるということは冒頭に申し上げましたが、元気な方がマンションの内部で供給された水を上層階に届ける、そういうことが現実にできるということであります。しかも、市内の受水槽方式の建物は全体の8割近くを占めており、水道管が破損した場合に受水槽から給水可能なマンションがふえることは、水道局の給水タンク車などを利用した応急給水の負担軽減にもつながります。  しかし、受水槽にストックされた水を利用するためには、一定の専門的なアドバイスや工事が必要な場合もあります。私も地下の受水槽を設置している場所に入っていろいろ説明を受けましたが、構造自体が非常に複雑でありまして、どのバルブを使うのかとか、どの蛇口なのか、使い方も含めて素人にはほとんどわからないということであります。水道局の職員が実際にマンションに足を運び、現場を見て説明する機会もあるというお話でありますので、要望に応じて、給水方法についてぜひ積極的に説明していただきたいというふうに思います。  水道局として、予算も大いに拡充して積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、今後は、新しくマンションが建設されるときに、緊急時の給水を可能とする方法を事前に取り入れたものにするための支援も有効だと思いますので、ぜひ、このあたりも検討していただきたいということを述べて、質問を終わります。 ○村上ゆうこ 委員長  以上で、水道事業会計の質疑を終了いたします。  以上をもちまして、本委員会に付託されました全案件に対する質疑を終了いたします。  次回は、明後日、10月25日金曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後2時44分...