委 員 小 形 香 織 委 員 村 上 ひとし
委 員 吉 岡 弘 子 委 員 佐々木 明 美
委 員 千 葉 なおこ
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開 議 午前10時
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○村上ゆうこ 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、藤田委員からは小須田委員と、太田委員からは
村上ひとし委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち
農業委員会関係分の質疑を行います。
◆三神英彦 委員 私からは、農業委員及び
農地利用最適化推進委員の現状について伺わせていただきます。
現在、農林水産省では、農業の
成長産業化を図るため、6次産業化や農地集積・集約化等の政策を活用する経済主体等が積極的に活動できる環境を整備する観点から、農地制度において、平成28年に
農業委員会等に関する法律を改正し、農業委員の選任方法が選挙等による公選制から公募による市長の任命制へと変更になりました。また、農業への新規参入者の促進、農地利用の相談窓口、
遊休農地発生の防止といった農地利用の最適化を推進する
農地利用最適化推進委員を新設しました。農業委員は、農地保全や転用に関することを総会で審議、推進委員は、農業委員と連携しながら現場活動を担うというように役割分担が明確にされたところです。
この制度のもとで、平成29年には現在の農業委員と推進委員といった2種類の委員による体制となり、次期改選まで残り1年を切ったところとなっています。
そこで、最初の質問ですが、農業委員及び推進委員の現状と課題をどのように認識されているのか、伺わせていただきます。
◎中田
農業委員会事務局長 農業委員及び
農地利用最適化推進委員の現状と課題認識についてお答えさせていただきます。
法改正後の平成29年6月からは、11名の農業委員と17名の
農地利用最適化推進委員の体制で活動に取り組んでまいりました。
農業委員は、地域ごとの定員枠は設けないとの国の方針のもとで選考した結果、農業委員の不在地域が発生しまして、
地域農業者からは、誰に相談すればよいのかなどと戸惑う声や改善要望が出されているところでございます。また、現場活動を担う推進委員は、各地域に配置して積極的に巡回活動や相談活動、さらには各種会合等への出席といったような活動を行ってまいりましたが、新しい制度が必ずしも十分に浸透していないという課題もあり、農業者は、どうしても農業委員を頼る傾向があると認識しているところでございます。
◆三神英彦 委員 ただいまのお話を伺うと、農業委員と推進委員の役割について、明確化を目指している一方で、まだ、しっかりとは機能していないかと感じます。私の地元である南区も、
農業委員不在の地域となっていて、ほかの地域の委員に相談を受けてもらうようになっている状況で、相談機能としては物足りなさを感じているところです。事務局機能としては、農業委員の次期改選において、不在地域を解消するなど、改善できることはまだ幾つかあるのではないかと考えます。
それに関連して、次の質問ですが、
農業委員会では、
不在地域解消の問題について他都市に
アンケート調査を行ったと伺いましたが、それによって、どのようなことが把握できたのか、それから、それをどう生かしていこうとしているのか、伺わせていただきます。
◎中田
農業委員会事務局長 農業委員の次期改選に向けた取り組みについてでございます。
農業委員の
不在地域解消の課題は他都市でも同じ状況であるところから、過日、ほかの政令市への
アンケート調査を実施したところでございます。アンケートによりますと、農業委員の不在地域を生じさせないよう、例えば、
地域農業者等が主体的に応募者を調整していると回答した政令市が1市、それから、
農業関係団体等に対して
農業委員会が推薦等を働きかけているのが3市、それから、募集後に地域性を考慮して委員を選定しているところが3市、選任後に委員を各担当地区へ配置しているのが3市であることがわかりました。
こうした結果を踏まえると、二つ目に申し上げました
農業関係団体等を通じて適任者の推薦等を呼びかける方法が、地域に対して広く効率的に周知でき、かつ、地域ごとのバランスがとれた応募が期待できるものと思われますことから、これを参考にして、今後、
農業関係団体と積極的に情報交換を行ってまいりたい、そのように考えているところでございます。
◆三神英彦 委員 農業の
成長産業化を図るという大目的があるので、まずは、農業従事者や予定者の相談窓口として農業委員と推進委員の役割をさらに明確にする、さらに強化することに取りかかっていただきたいです。
また、今お話もありましたけれど、
農業関係団体だとか、場合によっては農業機械のメーカーや販社なども農業活性化のために有効なアイデアを持っている可能性があると思いますので、事務局側も、また委員の皆さんにも、日ごろから感度のよいアンテナを持っていただきたいと思います。
○村上ゆうこ 委員長 以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。
農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。
次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。
◆伴良隆 委員 私は、
就職氷河期世代の問題について質問させていただきます。
就職氷河期世代とは、
バブル経済崩壊後の平成不況で超就職難だった1993年から2005年ごろに学校を卒業した世代、およそ49歳から33歳の代名詞であります。大卒就職率は50%台まで低下し、正社員の就職先が少なく、非正規雇用などで職を転々とする人が多く、いわゆる
ロストジェネレーション、ロスジェネとも呼ばれ、1970年代前半に生まれた
団塊ジュニアを含むため、総人口の約2割を占めているとのことでございます。40歳前後という働き盛りにもかかわらず、依然として非正規の割合が高く、給与額も前後の世代に比べて低い傾向という環境の中、急増する高齢者を支えながら子ども世代を養い、上下世代の
社会保障制度を辛抱強く支えております。その一方で、就職希望の無業者や長期失業者が30万人を超える実態もあり、この世代が高齢となり、享受する社会保障それ自体も危うく、三重苦になりかねない状況が、今ここにある危機であります。
と言う私も、まさにその真っただ中の世代で、先輩、同級、後輩たちと、就職や家庭、そして育児の苦労を共有し、励まし合ってきましたが、きょうは、この世代の一人として、これから質疑してまいります。
そこで、まず質問でありますが、いわゆる
就職氷河期世代への本市としての認識を伺います。
◎小野塚
雇用推進部長 いわゆる
就職氷河期世代の方々に対する認識ということでございます。
就職氷河期世代の方々につきましては、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行っていることから、希望する就職ができずに、不本意ながら非正規労働についている方、また、無職の方も少なからずいることが
就業構造基本調査などから見てとれるところでございます。また、希望職種以外での就職を余儀なくされ、早期離職を繰り返したことによりまして、自己研さんの研修を受ける機会に恵まれなかった方々、それから、転職の際に採用企業が求める職務経歴を十分に積めていない方もいらっしゃいます。そうした方々は、年齢を重ねるごとに、正社員への就職や転職がしづらくなっていることが想定されます。
加えまして、このような就職状況から派生いたしまして、結婚や出産、さらには年金など、さまざまな影響が生じる可能性がございますことから、安定した生活が送れるように就労支援を講じていく必要があると認識しております。
◆伴良隆 委員 就労支援の取り組みが必要といったご認識をお聞きしました。
政府は、ことし7月31日、
就職氷河期世代の就職を支援する
就職氷河期世代支援推進室を設置し、政府一丸となって取り組むべき日本の将来にかかわる重要問題であり、
民間ノウハウの積極活用など、これまでのやり方にとらわれない取り組みとし、政府の
経済財政運営と改革の基本方針、骨太の方針では、
就職氷河期世代の正規雇用者を3年間で30万人ふやす目標を掲げ、内需を支える所得向上策の一環でもあるとし、各種教育や訓練、相談対応などを展開するとしています。
そこで、質問でありますが、特に
就職氷河期世代に着目して行っている既存の事業があるのか、伺います。
◎小野塚
雇用推進部長 既存の事業ということでございます。
現在、おおむね40歳以下の求職者あるいは非
正規労働者の方々を対象といたしまして、座学研修と最大21日間の職場実習を通じて市内企業への
正社員就職を支援いたします
ワークトライアル事業というものを実施しております。この事業では、転職を繰り返して、自己研さんをする機会に恵まれなかった方々に対しまして、座学研修で
社会人基礎力の重要性を振り返る機会をつくっているほか、納得した就職先が選べるように、研修給付金のある職場実習を通じて企業とのマッチングを行っているところでございます。このほか、市内企業への就職を希望したにもかかわらず、条件が合わずに、東京圏の企業へ就職した方々も少なくないと思われますので、道外在住の社会人に対しまして、
UIターン就職を支援いたします
UIターン就職センターを開設してございます。
◆伴良隆 委員 特に着目しての既存事業ということでございますが、今の答弁では、やっていないわけではないと。しかし、私としては、本当にそれに着目してやっていくのかどうかというあたりについて、これから質問してまいります。
ただいま、
ワークトライアル、そして
UIターンという言葉が出ましたが、私は、就職活動の当初から社会構造と社会情勢によるしわ寄せを受けた世代として、時に、路頭に迷う仲間たちを励まし、社会に対し、極めて大きな疑問を持ちながら過ごしてまいりました。現在の北海道におきましても、30代、40代の
道外転出超過は800人以上もいますが、当時の
就職氷河期は、なおさら東京圏への就職を強いられた人々も多かったであろうと思います。
そこで、私は、社会が私たち世代に目を向け始めてきた機会を見計らい、2年前の代表質問では、同世代の
ライフステージに着目し、まず、
UIターンを題目に、結婚や子育てや親の介護の心配など、人生の節目や変化を捉えたきめ細やかなアドバイスと支援をすべき、このように質疑いたしました。加えて、当人の職の希望理由はもちろん、生きがい、やりがい、
生活スタイルとともに、札幌の魅力や生活情報など、
UIターン希望者との相互のやりとりを高めるように指摘したところでございます。
そこで、質問でありますが、私の代表質問以降に、
UIターンでどのような取り組みに力を入れてきたのか、また、今後はどう取り組んでいくのか、伺います。
◎小野塚
雇用推進部長 社会人の方というのは、家族構成や生活環境がさまざまでございますので、仕事以外の相談も想定されます。そのため、求職者のニーズに寄り添った支援が必要だというふうに認識しております。
平成29年4定の代表質問におきまして、委員から
UIターン希望者の支援強化の提言がございました。この提言を踏まえまして、求職者と実際に接する東京側の相談員、それから、企業と接する札幌の企業開拓員、この2者の連携を密にいたしまして市政情報を共有しております。そのため、東京にいながらにして、最新の札幌の生活情報を求職者に伝えることができる状況にしています。例えば、お子様をお持ちの求職者に対しましては、さっぽ
ろ子育てアプリなど子育てに役立つ情報を紹介しております。また、移住に伴う住まいの相談につきましては、住宅冊子などを窓口に配架するなどいたしまして、さまざまなニーズへの対応に努めているところでございます。
今後も、このような取り組みを継続してまいりますとともに、社会人採用を希望する企業の声も多いことから、数多くの企業に求人登録をしてもらえるように、
UIターン就職センターが持っているさまざまな機能、実績をお伝えしながら企業開拓を進めてまいりたいと考えております。
◆伴良隆 委員 非常にやる気のあるお話をありがとうございました。大変高く評価したいと思います。
我々は、当然、いろいろなものを負っておりますけれども、しかし、前向きに生きております。その中で、
ライフステージの変化に基づいていろんなご相談があろうかと思います。
そして、私が一番着目したのはやはり親の介護です。知人、友人からもよく聞きますが、私たちはこれからどうやって親を支えていくかということです。いろんな事情があって東京圏で就職した方もいるでしょうし、希望があって行かれた方も当然いると思います。しかし、改めて振り返ると、
ふるさと札幌への思いが強い、親への思いが強い、あるいは、子育ての環境もよろしい、こういったことの中で、ご答弁のとおり、ぜひきめ細やかなアドバイスに力を入れていただきたい、このように思います。
我々世代は、今後、さらに、社会を支える当事者責任が高まります。国もやっと動き出した今、施策と予算化の動きが着実に強まるであろうし、また、そうあるべきである、私はこのように思っております。よって、
UIターンなどの既存事業の改善はそれとして、もっとこの
就職氷河期世代に着目し、就労はもちろん、結婚、子育て、親の介護などに対して先んじて施策を展開していくことは、この年齢層であるだけに、札幌を支え、牽引する即戦力となり、国もまた、
先進的取り組みとして本市を注目し、応援してくれるでありましょう。
そこで、質問でありますが、本市は、
就職氷河期世代に着目し、さまざまな分野で施策展開すべきでありますけれども、まずは、経済部門として
就職氷河期世代についてどのような取り組みを積極的に進めていくのか、伺います。
◎小野塚
雇用推進部長 経済部門の取り組みということでございました。
求職者だけではなく、雇用の受け皿となります企業にも目を向けて働きかけをしていかなければならないというふうに考えております。
正社員就職を希望いたしますいわゆる
氷河期世代の方々を積極的に採用していただける企業がふえますように、
経済観光局といたしまして、経済団体との連携を通じて企業への働きかけを行ってまいりたいと考えております。
また、今年度、札幌市
産業人材創出推進本部というものも立ち上げております。この本部での議論を踏まえまして、
氷河期世代の特性の理解や正社員採用に結びつけられるような企業向けの事業も検討してまいりたいと考えております。
◆伴良隆 委員 今、私は、就職を希望する側のお話をさせていただきましたが、当然、雇用する側のほうも大事で、いわゆるマッチングであります。
私は、30代はもとより、40代あるいは50代、
UIターンでも50歳代で就職をかなえた方もいると聞いています。40代、50代の方は、
生活スタイルがどうなっているのかというのはそれぞれですが、やはり、仕事に専念しやすい環境になりつつある世代ではないかというふうにも思いますし、当然、ノウハウも持っています。持っている技術がその会社にとって必要なものかどうかというのはふるいにかけられますが、人間力、
コミュニケーション能力、営業力、企画力というのは、私は、いずれもすばらしいというふうに思っております。いわゆる世代が上になっていって、ンっと思うようなことがあっても、実は、そんなことはそうでもないことだというところを企業の皆さん方にもぜひご理解いただけるように、今のご答弁のとおり、頑張っていただきたいと思います。
およそ33歳から49歳の世代は、比較的、社会の恩恵を受けてこなかったとはいえ、働く世代、子育て世代として、今までと同じく辛抱強く頑張らなければなりません。ただ、
氷河期世代への施策が後手に回れば、一年一年と年を重ねていく分、即効性が薄れ、問題を抱えたまま高齢化し、社会から支えられる側に回ると、親世代にはもちろん、我々の子世代である次の世代に対して大変申しわけが立たないわけであります。また、社会で活躍できず、悩み、苦しみ、時にひきこもりとなっているような同世代には、必ずや生きがい、やりがいを見つけ、社会で活躍してほしいと心から願い、また、私も何とかしたいと思っております。
きょうは、
経済観光局として雇用部門を手始めに質疑いたしましたけれども、我々世代が抱える超高齢・少子化という社会保障問題とともに、私たち世代への支援のあり方も極めて重要な観点と考えますので、今後、またいろいろな場面を通じて我々世代の声を強く訴え、継続的に取り組んでまいります。
◆岩崎道郎 委員 私からも、同じような観点で、働くことについて少し質問させていただきたいと思います。
私からは、
ワークトライアル事業について、何点か質問させていただきます。今の伴委員からの質問とも少しかぶってまいりますので、関連して、そして、少し補足するような形で質問させていただきます。
私もまさに
就職氷河期世代でございまして、働く、就職となると、働く場所がない、周りの人間もなかなか就職が見つからないというところがメーンでした。しかし、最近、やはり雇用情勢が少し持ち直しておりまして、厚生労働省の発表によりますと、全国的にはことし8月の
有効求人倍率が1.44倍と一定の水準を維持しております。一見すると好調のようにも見えますが、しかし、求人の中にはもちろん非正規雇用が含まれております。2017年度の
就業構造基本調査では、札幌市の非正規雇用率が39.9%と全国よりも高い状況になっています。さらに、先ほどのご答弁にもありましたが、非
正規労働者の中には、本来は正規雇用を希望しているけれども、正規の仕事がないという理由で非正規の労働を続けている、いわゆる不本意非
正規労働者の割合も札幌市では15.1%と全国よりも高くなっております。
こういった状況を背景に、正規社員として安定して働きたいと考える方々への支援が非常に重要であるとして、札幌市では、非正規社員や求職者が座学研修と職場実習を通じて
正社員就職を目指す
ワークトライアル事業を2016年度より継続して実施しております。我が会派としては、求職者にとって手厚い就職支援が受けられることは非常に重要であると考えて、これまでも委員会等で幾度か質問してきたところです。
今年度は、これまで新卒未就職者などを対象としてきた
フレッシュスタート塾という類似した事業を統合し、
ワークトライアル事業の開催時期を2期に分けて実施しています。おおむね30歳以下の求職者を対象に行う1期目の募集では、求人雑誌の媒体等を利用して積極的に事業周知を行った結果、定員60人を大幅に超える166名の応募があったほか、
実習受け入れ先企業も270社を超える登録があったことを確認しておりまして、今後の取り組みにも大いに期待しているところであります。
また、昨年度は、研修生の約7割が
正社員就職を達成できたことから、一定の成果として非常に評価できるのかなと思うのですが、一方で、7割ということは、逆に3割の方々は
正社員就職できなかったということですので、この要因をしっかりと分析して今後の事業に生かしてもらいたい、そのように考えています。
そこで、最初の質問ですが、これまで実施してきた
ワークトライアル事業を通じて得た手応えと見えてきた課題は何か、伺います。
◎小野塚
雇用推進部長 手応えと課題ということでございます。
労働者が安心して働き、安定した給与を得ていくことはもちろんのこと、札幌市の経済を支えていただくためにも、求職者や非
正規労働者への就職支援というのは重要と考えているところでございます。
ワークトライアル事業でございますけれども、先ほど伴委員の質問にも中身を若干お答えいたしましたが、
社会人基礎力などを養う座学研修、それから、実際の仕事を体験した上で就職や採用を決定していただける職場実習、こちらは、参加者から、あるいは
受け入れ企業から大変好評でございます。そうした意味で、求職者、企業双方のニーズに合致する事業になってきたなというふうな手応えがございます。
しかしながら、人気が高い職種がある一方で、実際に働いたことがないにもかかわらず、イメージのみで敬遠している職種もございまして、いかに研修を通じて求職者の職業観を広げていくかということが課題というふうに認識しているところでございます。特に、若年層の方々が柔軟性を持って職業選択できるように、背中を押してあげるような支援というものが重要だと考えております。
◆岩崎道郎 委員 先ほど伴委員がおっしゃっていたことで、私もすごく共感したのですが、学校に行くと技術などは身につけることができますけれども、例えば人間力や
コミュニケーション能力といったものは、やはり、なかなか学校で学んでできるものではありません。そういった意味で、この
トライアル事業というのはそういった部分をしっかりと涵養していくことができるのかなと期待しているところでございます。今後も、若年層の求職者、そして、非
正規労働者が広い視野で求職活動に取り組めるよう、事業を組み立てていただきたいなというふうに思っています。
私も、この質問を組み立てる最中にいろいろと資料なども読み込ませていただいて、とある
労働経済学者の資料に少し着目しました。1980年代からのデータですが、全体を見ると、実は、正社員と非正規社員の比率というのはここまで大きく変化していないのです。にもかかわらず、非正規は大変で、なかなか正社員になれないのだという声が聞こえてくる、これは何なのかなと中身を見ますと、年代で大分ゆがみがあるのです。若い世代、そして女性ほど、非正規で働く人が多いことがわかります。
今、時代が変化していまして、特に若い人や女性は多様な働き方を求めていると見ることもできますが、中途採用によって正社員、正規職員になっていくというのは非常にハードルが高いです。特に、私たちのように
就職氷河期と呼ばれる1993年から2005年に就職活動を行った方々については、まずは学校卒業時に就職が困難であった、そして、少しキャリアを積んでレベルアップをしようかなと思ったころには、今度、リーマンショックで転職活動が困難でした。そういった意味で、雇用情勢の恩恵を受けていないというか、雇用情勢の劣悪な部分をまともに受けてしまっているというふうにも言えるのかもしれません。
加えて、今、仕事の合間を縫いながら就職活動を行う非
正規労働者にとっては、正社員に移行することが容易ではありません。独立行政法人の調査によりますと、非正規労働を離職した後、正社員につけた割合は25歳から29歳で25%程度、30歳から34歳で18%程度、そして35歳から39歳でも15%程度と、やはり、年齢を重ねると
正社員就職が決して容易ではないことがわかると思います。
我が会派では、2018年4定の経済観光委員会において、
ワークトライアル事業の支援対象年齢の拡大について提言させていただき、今年度より支援対象が40歳という高い年齢の方まで広がってきていまして、このことは評価したいと思いますし、提言を実行に移した札幌市の判断には感謝したい、そのようにも思います。
しかし一方で、研修生には、今申し上げたとおり、学校卒業後、間もない20歳代の方々もいることから、研修生同士の年齢差が生じてきています。培ってきた職務経験や能力にも大きな違いが出てくることも想定されます。いよいよ、ことしの11月からは、対象年齢を拡大した2期目の座学研修を始めていくと聞いていますが、世代の異なる求職者に対して一つの集団で座学研修を通じて職業観を涵養していくためには、それより幅広い年齢層に対応できる研修となるよう、さらなる事業内容の創意工夫が必要ではないでしょうか。
そこで、質問ですが、異なる経験値を持つ各世代の研修生が
正社員就職を果たすためには、どのようなところに意を用いて事業を進めていく考えなのか、伺います。
◎小野塚
雇用推進部長 異なる世代の研修生に対する事業の進め方ということでございます。
委員のご指摘のとおり、年齢が大幅に離れた研修生が一緒に学びますので、その職務経験には差があることが想像されます。誰もが正社員として就職を目指すことができるように、能力、経験の違いに応じて学ぶことができる研修内容となるように配慮していきたいと思っております。
具体的には、求職者がさまざまな職種の仕事のイメージが湧くように、実際の現場で働く先輩社員の声を聞く機会をふやすほか、希望に応じて個別の補講時間を設けるなど、工夫を凝らしているところでございます。このほか、幅広い世代の求職者に対応できるように、受け入れる側の企業、数多くの業種の企業に職場実習の登録をしてもらうために、企業開拓にも力を入れてまいります。
◆岩崎道郎 委員 少し、要望というか、思いを伝えて終わりたいと思います。
この質問のデータをもらったときに、業種によってやはり人気、不人気がすごくあるなと感じたのですが、先日、私の知り合いの中小企業の経営者とお話をしたときも、その企業では、一般の事務員の募集をかけて、1名の希望のところに130人ぐらいの応募が来たそうです。人手不足と言いながら、そういうものなのかな、やはり一般の事務職というのはまだまだ人気のある職種なのかなと思ったのです。その一方で、130人の中から1名を選んだのですが、そうしたら3カ月ぐらいでやめてしまったそうです。非常に残念なことだなと思います。働いている人にとっても企業風土が合わなかったというところが非常に残念ですし、会社にとっても、中小企業ですので1人の人間を雇うのは非常にご苦労があって、まだ仕事ができない空の運転でも、育っていってほしいという思いでお給料をあげていると思うのですが、それがなかなか結実しない、実を結ばないということは双方にとって非常に苦しいことだと思います。
今、ご答弁の中でも、そして、先ほどの伴委員とのやりとりの中でも、企業側にも働きかけていきたいという言葉がありました。これは企業の側にとってもいい事業だと思いますので、ぜひとも、多様な業種の皆さんにここに参加していただいて、働く人、企業の双方に実りのある事業になるようお願い申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。
◆くまがい誠一 委員 私からは、若者の人材還流の促進について質問させていただきます。
今年度、総務省が発表した人口推計によると、道内の人口は、前年より3万4,000人少ない528万6,000人となり、21年連続で減少しております。一方、札幌市の人口は、若干の増加をしているものの、その実態は、自然減を道内他市町村からの転入による社会増で維持している現状にあります。また、20歳代の若者の人口動態を見ると、平成30年中で、札幌市から道外へ2,756人の転出超過が発生しており、このうち、特に東京圏と呼ばれる東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県だけで2,510人の転出超過という状況であることから、やはり、札幌市が地元定着、人材還流といった北海道のダムとしての機能をしっかりと果たしていかねばならないと思います。
このような中、札幌市では、東京駅近郊に札幌
UIターン就職センターを開設し、既にことしで4年目を迎えており、施設利用者が年々ふえ、順調に求職登録者もふやしていると伺っております。先ほどの質疑でもございましたが、
UIターン促進の一環として、東京において、札幌市内などの企業と学生とのマッチングを図る合同企業説明会を開催するほか、企業と学生が膝を交えて本音を話し合うイベントなどを行ってきており、これまでの地道な取り組みが結果につながっていると考えられます。
また、20歳代の道外からの転入者数だけを見ると、平成26年に6,988人だったのに対し、平成30年には7,630人と増加しており、札幌
UIターン就職センターが人材還流促進に一定の役割を果たしていることがうかがえ、これまで、同センターの視察を初め、この取り組みを後押ししてきた我が会派としても、大いに評価と期待をするところでございます。
しかし、民間企業の調査によると、これまで、地元以外の大学に通う平成31年3月卒業生の約35%がUターン就職をしたいと考えていたにもかかわらず、実際の道内出身学生のUターン就職率は2割程度にとどまっており、地元で就職したいという方々の希望が十分にかなっていない現実がございます。ついては、まだまだ、大学生を中心とした若者に対して
UIターン就職支援に取り組む余地があると考えます。
そこで、質問ですが、地元を離れて道外に進学した大学生に対し、これまで3年間にわたり進めてきた
UIターン就職の取り組みから見えてきた課題は何か、また、この課題に対してどのように取り組んでいるか、お伺いいたします。
◎小野塚
雇用推進部長 先ほどは社会人に対する
UIターン就職センターの支援についてお答えさせていただきましたが、ただいまは大学生に対する支援ということでございます。
昨今、売り手市場というふうに言われておりまして、多数の就職情報があふれている中で、札幌
UIターン就職センターが持つ地元企業の情報をいかに学生に届け、
UIターンの意識を醸成していくかということが課題というふうに考えております。
現在、学生との接点をふやしていくために、札幌市就職促進協定を締結しております東京圏の19大学を中心にいたしまして、大学の学内で開催する就職イベントに積極的に参加しております。この中で、学生に対しまして、大手の就職サイトには掲載されていないような札幌市内の企業の情報や
UIターン就職センターの支援内容を伝えているところでございます。今後も、東京圏だけではなく、北海道出身の進学者が多い関西の大学や東北の大学での就職イベントにも参加しながら、学生に
UIターン就職センターの周知を進めてまいりたいと考えております。
◆くまがい誠一 委員 就業経験がない学生が、さまざまな就職情報があふれている中、自分にとって有益な情報を選別していくことは決して容易なことではございません。今後も、東京圏のみならず、北海道出身者が多い大学のイベントなどに積極的に参加し、
UIターンセンター活用のメリットを直接伝えていただければと存じます。
ところで、
UIターンセンターでは、ことし8月末現在で、大学生368人が求人登録をしており、この内訳は、大学3・4年生が339人、大学1・2年生が29人とお聞きしております。就職活動が本格化していく大学3・4年生の登録者が多くなることは理にかなっておりますが、大学1・2年生の登録者が少ないことは事業を進めていく上で課題であると考えます。日ごろ、学生と接している大学キャリアセンター職員の話によると、地方都市から東京圏へ進学した大学生は、入学から2年生までの間は地元に帰りたい気持ちが高いものの、学年を重ねていくにつれ、東京などで友人がふえ、帰省の機会が限られている中、地元意識が次第に薄れていくと伺っております。東京圏に残りたいといった気持ちになる前の大学1・2年生に対して、積極的に
UIターン就職を考えるきっかけをつくっていくことが重要ではないでしょうか。
加えて、地元を離れる前の高校生、特に札幌近郊で道外に進学する学生が多い附属高校については、中期的な視点で
UIターンセンターを周知していくべきと考えます。
そこで、質問ですが、大学1・2年生の
UIターンセンター登録者が少ないことについて、その要因をどのように認識しているのか、また、この分析の結果から、どのような取り組みを行い、今後どのように事業を展開していくのか、お伺いいたします。
◎小野塚
雇用推進部長 大学1・2年生の登録者が少ない要因と今後の取り組みということでございます。
まず、大学1・2年生の登録者が少ない要因についてでございますけれども、学業に加えまして、友人をつくったり、あるいは、初めてひとり暮らしをする、それから、アルバイトもするということで、生活環境が大きく変わる中で、その環境になれる努力をしておりまして、
UIターンを含めた卒業後の就職までまだ意識が向いていないことが要因かなというふうに認識しております。
そこで、道外へ進学する高校生に対しましては、
UIターン就職センターが、就職以外にも地元出身者の交流の場として活用できるということを周知していくことが重要と考えております。現在、道外へ進学する学生が多い札幌市立の高校に対しまして、
UIターンセンターの周知を図っているほか、協定を締結している大学の附属高校に対しまして出前授業等を行っているところでございます。
今後も、道外へ進学する高校生への
UIターンセンターの周知をより一層強化していくとともに、就職活動の早期化が見込まれることから、インターンシップ等のイベントの開催を通じて大学1年生から3年生までの取り込みを図ってまいりたいというふうに考えております。
◆くまがい誠一 委員 道外進学を決めた高校生に対して札幌
UIターン就職センターを周知することは、広報手段としても効率的であることから、今後も積極的に行っていただきたいと思います。また、大学1・2年生から
UIターンセンターを長い間利用して札幌に就職した方は、特に貴重な体験談を語ることができる情報発信者となります。このような方々の協力も得ながら、今後も積極的に周知活動等に取り組んでいただきたいと思います。
我が会派は、先にも述べましたが、平成29年12月に札幌
UIターン就職センターを視察しており、同じフロア内に、地方創生ラウンジとして、札幌市のほか、四つの県の
UIターン施設を目の当たりにしたところですが、現在では八つの県までふえ、それぞれの自治体が人材還流を推進していると伺っております。この地方創生ラウンジに窓口を開設している九つの自治体のうち、八つは県による開設で、市は札幌市のみであり、そうした点でも札幌市の取り組みは評価できるところです。
また、東京圏への転出超過を背景とした人材還流の促進は地方自治体の共通課題であることから、同じ悩みを共有するほかの自治体と連携して、それぞれ効果があった取り組みなどの情報共有を行っていくと、今後の
UIターンの取り組みの推進によいヒントが得られるのではないでしょうか。また、
UIターン者については、地方都市に憧れることが多いため、共同でイベント開催を行ってもよいと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市では、これまで、ほかの地方自治体の事例を参考として効果的な取り組みを行ってきたことはあるのか、また、今後どのように他の地方自治体と連携していくのか、お伺いします。
◎小野塚
雇用推進部長 他の自治体との連携ということでございます。
日ごろから、
UIターンの取り組みに積極的な自治体との間で効果があった取り組み等の情報交換を行っているところでございまして、地方創生ラウンジにも窓口を開設しております石川県が行っていた事例を参考にいたしまして、昨年度から、協定締結大学と地元の企業が学生の就職状況等を共有するため、名刺交換を兼ねた交流会を開催しているところでございます。今後は、
UIターンセンターの同じフロア内に就職窓口を開設している他県と共同で大学生向けの
UIターンイベントの共催を検討しておりまして、若者の転出超過といった同じ悩みを共有する自治体との連携を深めて、
UIターン就職者の増加につなげてまいりたいというふうに考えております。
◆くまがい誠一 委員 人材還流は、地方都市が取り組む共通の課題であるため、今後も、他の自治体と連携を深め、よりよい事業となるよう努めていただきたいと思います。
UIターンセンターが札幌市の人材還流の拠点となり、多くの求職者により一層活用してもらえる施設になることを要望し、私の質問を終わります。
◆竹内孝代 委員 私からは、ここシェルジュSAPPOROについて質問いたします。
総務省が本年7月に発表しました労働力調査において、女性の就業者数は初めて3,000万人を超えたと大きく報道されたことは記憶に新しく、女性の就業者数は、前年同月と比較すると53万人の増加であり、男性の増加分が7万人ですので、それを大きく上回るものです。10月1日に発表されました最新の調査結果におきましても、就業者全体の伸びを支えているのが女性であるという傾向は変わらず、令和元年の男女共同参画白書によれば、25歳から44歳までのいわゆる子育て世代の女性就業率も76.5%まで上昇しており、今後も女性活躍推進に向けての取り組みのさらなる成果が期待されているところであります。
このような状況下、我が会派においては、数年来、力を入れてまいりました女性活躍推進への取り組みとして待望の事業化となりました女性の多様な働き方支援窓口、ここシェルジュSAPPOROについて、開設前から質疑で取り上げ、開設直後には会派で運営状況を視察させていただくなど、大きな期待を寄せて見守ってきたところであります。
ここシェルジュSAPPOROは、平成30年10月2日、エルプラザ内に開設され、今月で1周年を迎えました。窓口の登録者の6割が30代で、このうちの7割が小学校入学前のお子さんを持つ女性であるというふうに伺っております。このような小さな子どもを持つ女性がさらに相談しやすくなるようにと、我が会派におきましては、平成30年
決算特別委員会と平成31年予算特別委員会の2度にわたり、エルプラザ内にあるここシェルジュSAPPORO窓口のほかに、出張相談の充実について要望してまいりました。市からは、昨年度は中央区と北区の2区で行っていたこの出張相談を10区に拡大するとの回答をいただいており、開設後、まだ1年ではありますが、実際の取り組みがどこまで進んでいるのか、気になるところであります。
そこで、質問ですが、開設から1年経過した現時点での取り組み状況を伺うとともに、この1年間の成果をどのように認識しているのか、伺います。
◎小野塚
雇用推進部長 開設から1年間の取り組みと成果についてでございます。
昨年度、窓口の利用を通じまして仕事に就かれた方は49名おられました。そのうち、職場体験を利用して就職した方が7名となっております。登録者についてでございますけれども、昨年度で541名、今年度9月末現在までに新規に316名が登録されましたので、この1年間の登録者ということでは857名となっておりまして、この数字は、開設1年目としてはまずまずかなというふうに考えております。
現時点の取り組み状況でございますけれども、昨年度、子育てと仕事の両立などをテーマにいたしましてセミナーを18回開催しております。受講者は、241人でございました。ただ、テーマによりましては集客に差があったことから、今年度は、就職を余り意識していない女性でも興味を持てる内容を新たに加えまして、セミナーが就労を考える動機づけ、入り口となるような工夫をしております。
それから、出張相談の充実ということに関してでございますが、各区で月1回行うことを原則にいたしまして、ちあふるの常設子育てサロンなどを会場といたしまして、11月までには全区で実施できる状況になっております。
なお、登録者の少なかった清田区につきましては、試行的に月2回の開催としておりまして、8月からは、うち1回を保健センター内に設置しましたこそだてインフォメーションで始めたところでございます。
そうした取り組みと相まって登録者数と個別相談者数の増につながっておりまして、出張相談の効果があらわれ始めたというふうに考えております。
◆竹内孝代 委員 登録者が857名でまずまずということ、また、この1年間、札幌市が支援メニューに対してさまざまな工夫を行っていることがわかりました。
私も、先日、ここシェルジュSAPPOROのホームページを拝見しましたところ、募集中のセミナーのほとんどの申し込みが定員まで埋まっている盛況ぶりでありました。また、内容についても、今お話がありましたように、子どもを持つ、持たないにかかわらず、多くの女性の興味を引くものであることには感心しております。
以前の質疑の中では、窓口から遠い区の登録者、また利用者が少ないといった課題があると伺っておりまして、我が会派としても引き続き注視してきたところです。今の答弁で、出張相談の全区実施が11月ごろというめどがついたことを評価し、今後の状況を見守ってまいりたいと思っております。
また、先ほどの答弁では、ほかの区では各区の子育て支援センターちあふるで出張相談を開催しているのに加えまして、登録者数がちょっと少なかった清田区では、このほかに保健センター内のこそだてインフォメーションでも出張相談を開始したとのことでした。ここシェルジュSAPPOROとこそだてインフォメーションの連携も含めまして、これまでの取り組み内容について検証を重ねていただいて、より効果的な支援を目指していただきたいと思います。
先ほどお聞きしましたこれまでの登録者数、また就職者数については、潜在的な需要を考えたとき、まだまだ伸びる余地があると考えます。そのためには、施設を使ってもらうためのさらなる工夫や仕掛けが必要だとも考えております。
そこで、質問ですが、より多くの女性に利用していただくために見えてきた課題、また、その課題に対して今後力を入れていくべきであると認識している点は何か、2点お伺いいたします。
◎小野塚
雇用推進部長 見えてきた課題と今後についてでございます。
平成29年の
就業構造基本調査によりますと、仕事をしていない子育て女性のうち、6割以上の方が仕事をしたいと考えているとのことですので、委員のご指摘のとおり、潜在的な需要はまだまだあると感じておりまして、そうした方への周知ということが大きな課題であろうというふうに考えております。
情報については、必要とされている方に的確かつ迅速に届けることが重要でありますことから、対象となる方に直接呼びかけるような工夫をしているところでございます。具体的には、小さなお子さんを育てる方に対しましては、乳幼児健診のお知らせ封筒に広告を印刷しております。さらに、出産を控える方に対しましては母子手帳を交付する機会を利用するなど、母子保健部局などとも連携してまいる考えでございます。また、子どもの預け先に不安を抱える方に対しましては、区の保育入所担当と連携いたしまして、ここシェルジュSAPPORO窓口の機能を周知する機会をふやすなど、ここシェルジュSAPPOROに行けば悩みを相談できるのだというふうに考えていただけるような効果的な広報を行ってまいりたいというふうに考えております。
◆竹内孝代 委員 窓口の認知度を高めるために、対象となる方にダイレクトに周知できるような取り組みにも力を入れていきたいということでありました。
この事業を応援してまいりました私も、ここシェルジュSAPPOROについて、市政報告の機会や、また、ご相談者に積極的にお知らせしているところですが、実際に利用した方からは、とても丁寧に対応していただいて諦めていた就労に踏み出せましたなど、好評である声も多数伺っており、札幌市と運営受託者の事業への力の入れぐあいを感じているところであります。
ここシェルジュSAPPOROは、働きたいと考えている女性一人一人にとって、さまざまな意義や機能を持つ施設であると考えます。また、全国的にも画期的な取り組みである就労と保育の一体的相談を行うこうした窓口の特徴を、一番利用してほしい方々に十分にお伝えできるよう工夫していただき、事業を推進していただくことを求めまして、私の質問を終わります。
○村上ゆうこ 委員長 以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。
次に、第6款 経済費 第1項 商工費の質疑を行います。
◆あおいひろみ 委員 私からは、食関連企業の支援についてお伺いいたします。
さきの代表質問において、我が会派から、北海道、札幌の強みであり、経済のかなめでもある食関連産業のさらなる発展に向けて、企業の海外展開支援の重要性について指摘いたしました。
私からは、同じ食関連産業の振興でも、食料品の付加価値向上という観点から質問いたします。
北海道は、良質な食材を多く生産していますが、それらは、大消費地である関東圏など道外へ運ばれ、そこで加工がされて付加価値がついて販売されているのが現状であり、地場産業が稼ぐことのできる素地を持っているにもかかわらず、十分に生かし切れていないのが現状です。
このような状況を受けて、札幌市では6次産業活性化推進費を設け、地場における北海道の農畜産物の付加価値向上を目指しているところです。6次産業活性化推進費では、商業流通を目的に、北海道内の1次産業者と札幌市内の2次・3次産業者から成る共同事業体が、道内産の農水産物を使って新商品を開発する際、さっぽろ産業振興財団を通じて400万円を上限に補助金を交付する事業があり、2011年の事業開始から9年目を迎え、開発された商品は40アイテムを超えているところです。商品としては、広尾産のツブガイを使用したレトルトカレー、羽幌の甘エビを使用したタマネギベースのドレッシング、北海道産原料100%のシュークリームなど、幅広い分野での商品化が進んでいます。
しかし、私も食べてみたいと思い、商品を探しに行きましたが、見つけ出すことに少し時間がかかるくらい、置いてあるお店がありませんでした。やっと見つけ出せたものの、ふだん使いの食品の割には高額であることや、大量生産されているほかの商品と余り差がないという点で、付加価値向上のコンセプトに沿っているかは疑問を持ちました。
そこで、質問ですが、本事業による成果及び開発された商品の中でどういった商品が売れ筋となっているのか、お伺いいたします。
◎高橋 国際経済戦略室長 事業の成果と売れ筋商品についてでございますが、本事業を開始した平成23年度から昨年度までの間、合計36件の新商品開発に対しまして約1億円の補助金を交付し、これまでの売上高は約10億円に達したところでございます。
その中で、平成26年度に開発いたしました飲むヨーグルトは、北海道産の良質な生乳を使い、手ごろな価格と味が受け入れられ、関東における販路の開拓にも成功しましたことから、現在最も売れている商品となっております。また、平成29年度に開発した委員からもお話のありましたシュークリームにつきましては、全ての原料を北海道産にこだわるとともに、独自の製法で味を損なわずに冷凍流通が可能となりましたことから、全国の物産展でも販売されるようになってきたところでございます。
◆あおいひろみ 委員 飲むヨーグルトは、私も飲みまして、大変おいしいなと思っております。そのように、口にした方が必ずこれはおいしいと思えるようなものは売り上げが伸びていると思うのですけれども、だしとか、どうやって使ったらいいのかなと思うようなものは割と伸びないのかなというのが私の見解でした。
補助金に対して10倍の売り上げがあったということで、一定程度の成果が出ていることはわかりました。毎年4から5アイテムの商品が開発されておりますが、補助対象となっている企業関係者からは、事業を始めたばかりの中小企業や販売経路が確立していない企業では、補助金を投じたにもかかわらず売り上げが伸びていない商品も少なからずあるとの声も伺っております。また、食の販売には、現在のトレンドや、少し先にはやりそうなものを意識すること、購入する側の購買意欲を刺激するライティングが必要と考えますが、開発商品のパッケージは少し一般的なもので、そちらの面でも付加価値向上の工夫は余り見られないような気もしました。開発された商品は、比較的、販売価格が高目なものが多い中、ほかの商品と比較されたときに買ってもらえる仕組みを取り入れることは、食の業界では必須であると考えます。
そこで、質問ですが、高付加価値化を目指す札幌市の補助事業の現状に対する認識と、今後の取り組みの方向性について伺います。
◎高橋 国際経済戦略室長 本事業の現状認識と今後の取り組みについてでございますが、魅力ある商品を開発して継続的に販売していくためには、開発段階から開発後の販路確保まで広く支援していくことが重要であると認識してございます。
今後につきましては、開発段階においてバイヤーなどの助言を受けられる機会を設けることによりまして、ニーズに合った魅力的な商品づくりが進むよう支援してまいりたいと考えております。また、販路確保を目的に、これまで支援してきました展示商談会などへの出展に加えまして、バイヤーが持つネットワークを活用して販路開拓や商品PRができるように支援し、継続的な商品販売へつなげてまいりたいと考えてございます。
◆あおいひろみ 委員 バイヤーのセンスやネットワークはとても大事だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
要望です。
今後、開発段階から販路確保まで広く支援していくとのことですが、食関連企業には中小企業が多く、商品開発段階や販売ルートの確保、宣伝、PRといった面では、少し弱さがあり、継続的な支援が必要であると考えます。販路の確保に関しては、北海道内外のバイヤーへの売り込みはもちろんのこと、例えば、北海道どさんこプラザのような多くの観光客の目に触れる場所での販売など、さまざまな販売チャンネルを活用していただきたいと思います。
また、この商品が札幌の補助事業でつくられたというストーリーをどこかに明記することは、北海道や札幌を応援してくれる方へのメッセージでもあります。札幌市が発信する北海道ブランドが、より多くの市民や海外の方へ伝わるよう工夫を重ね、ヒット商品が次々と出る事業に発展することを要望して、私の質問を終わります。
◆くまがい誠一 委員 私からは、シニアワーキングさっぽろについて質問させていただきます。
札幌市の老齢人口は、さまざまな場面で言及されておりますが、2025年に30.5%になると推測されております。人生100年時代と言われる今日、市内にも元気な高齢者がふえてきており、ボランティア活動や地域の活動に積極的なかかわりを持っている方もいる一方で、私が受ける市民相談では、元気に働けるうちは働きたいというお声を数多くいただいているところでございます。
今回、3定の代表質問で、我が会派は、こうした高齢者にいつまでも元気で活躍していただく生涯現役社会の実現へ向け、さまざまな観点で活動、活躍の場の拡大、情報発信を含めた取り組みの強化が重要と指摘し、本市の対応を求めたところです。
そうした中、高齢者の就労については、今後も、少子高齢化がさらに進むことを見据えて、重点的に取り組むべき課題として、平成30年予算特別委員会でも取り上げてまいりました。国の発表によると、2019年9月時点の65歳以上の高齢者は3,588万人となり、総人口に占める割合は28.4%と、いずれも過去最高を更新したほか、昨年仕事についていた65歳以上の方も、過去最多の862万人で就業者全体の12.9%を占めるまでになり、企業の人手不足が深刻化する中、高齢者は社会の担い手としてますます重要となっております。
そうした中、シニアワーキングさっぽろは、全国で初めてシニアを対象とした体験つき企業説明会として平成29年に開催され、2年間で350人以上の雇用に結びついており、一定の成果を上げてきたことは、これまでこの取り組みを訴えてきた我が会派としても喜ぶべき成果と考えます。
これまで産業振興部で所管してまいりましたが、令和元年度からは雇用推進部に所管が変更になったとお聞きしております。移管に当たっては、十分に検討がなされた上で決定されたことと思いますが、改めて、雇用推進部が所管することでどのような効果が期待できるかについてお伺いいたします。
◎小野塚
雇用推進部長 雇用推進部が所管することによる効果ということでございます。
雇用推進部では、所管しております就業サポートセンターやシルバー人材センターにおきまして、年間を通して高齢者への就労支援を展開しているところでございます。
一方で、昨年度のシニアワーキングさっぽろの来場者アンケートによりますと、来場者の約半数の方が、参加したことによって就労意欲が高まったと回答しているほか、自分でもできるかもしれないと意欲が湧いた、あるいは、今回をきっかけに検討したいなどの声が寄せられております。このため、シニアワーキングさっぽろは、求職者の掘り起こしに効果的であるという認識でおります。
高齢者への就労支援のノウハウを持つ就業サポートセンターやシルバー人材センターと、求職者の掘り起こしに強みを持つシニアワーキングさっぽろを同じ所管部とすることによりまして、連携を一層強化するとともに、機動力を生かしまして、掘り起こしから就労支援の流れを促進していくことができるというふうに考えております。
◆くまがい誠一 委員 就業サポートセンターやシルバー人材センターとの連携強化により、就労意欲が高まったシニアに対し、継続した就労支援ができるとの答弁でした。それぞれの強みを生かして相乗効果を生み出せるよう、ぜひ工夫してやっていただきたいと思います。
次に、今後の事業展開についてお聞きします。
シニアワーキングさっぽろは、事業所の近くに住む人を採用したい企業側と、自宅近くでの就職を希望する高齢者側、この双方のニーズに応えるため、昨年は職住近接をテーマに市内5カ所で6日間開催し、計2,700名以上の方に来場していただいたと聞いております。昨年度のアンケートでは、企業、来場者とも65%以上が、会場についてよいと回答しており、各区開催について一定の支持があったものと感じています。
職住近接の流れをさらに推進するため、ぜひ年間を通じて全区で開催すべきと思いますが、今年度は3会場、3日間となり、昨年度より事業規模が縮小となっております。先ほど述べたとおり、人手不足の企業を支える貴重な戦力として高齢者の存在感が高まっている中、就業機会を創出する取り組みはさらに強化すべきと考えますが、会場数も開催日数も縮小されてしまうと、これまでのような成果を生み出すことができるのか、大変心配するところでございます。
そこで、質問ですが、事業規模が縮小された中でも昨年度と同等以上の効果を生み出していくために、今後どのように事業展開していくつもりなのか、お伺いいたします。
◎小野塚
雇用推進部長 今後の事業展開ということでございます。
委員からは、年間を通じて全区で開催すべきとのご意見のほか、事業規模が縮小になっているとのご指摘がございました。
現在、平成30年度から3年程度の期間をかけて順番に開催しているところでございまして、今年度は3会場での開催となっております。3会場ということではございますが、これまでと同等の効果を生み出せるように、運営方法を工夫しているところでございます。
先ほど連携強化ということをお答えいたしましたが、具体的には、シニアワーキングさっぽろの来場者に対しまして、就業サポートセンターが全区で実施しています高齢者と企業による交流会のPRを強化しておりまして、意欲がある高齢者が地元で就職活動を行うことができる機会の創出と周知に努めてまいります。
◆くまがい誠一 委員 就業サポートセンターが事業として行っているシニア交流会との連携などにより、地域でのシニアの就業機会を確保し、同等以上の効果を生み出していくとのご答弁でした。
最後に、私から2点要望いたします。
現在、全区開催に向け、3年程度の期間をかけて順番に回っているとのことでしたが、これは、ぜひ実現させていただきたいと思います。私は、生活圏で就労ができることが望ましいと思っておりまして、近隣区や中心部を含む生活圏の範囲の中で開催する現状のスタイルはよいと思っております。市民が通いやすい会場で年に1回はそのような機会が得られることを念頭に置いた事業設計を、これからも継続していただきたいと思います。
次に、全区を一巡した後、来場者や企業へのアンケート、開催結果などから傾向が見えてくることと思います。高齢者のニーズは多様化しておりますので、これをよく分析し、次の展開に生かしていただきたいと思います。
以上2点を要望し、私の質問を終わらせていただきます。
◆千葉なおこ 委員 私からは、定山渓温泉地域の公共トイレについて質問いたします。
2015年に策定された定山渓観光魅力アップ構想では、「札幌の集客交流を担う重要な温泉地として、また、札幌市民に愛される札幌の温泉地として、ソフト・ハードの両面から温泉観光地として魅力の底上げを図るとともに、新たな価値を創出・発信する必要があります」と書かれています。
定山渓では、今、ちょうどもみじ狩りで観光客がふえ、にぎわう季節です。毎年、この時期になりますと、定山渓観光協会では、観光案内所駐車場から絶景紅葉ポイントを案内する紅葉かっぱバス、外国人観光客にも人気ナンバーワンの豊平峡ダムへ向かう豊平峡ダムライナーなど、五大紅葉スポットを案内する観光バスを運行しており、全てのバスの発着起点が観光案内所前となっております。ことしも、観光協会では、バス発着起点のすぐそばには観光客向けの仮設トイレを設置しています。そうしたさまざまな努力をされ、ことしも大勢の観光客が雄大な五大紅葉スポットを楽しめるよう、おもてなしをしております。
また、定山渓温泉街のすぐそばの二見公園では、6月1日から10月20日の約5カ月間、豊かな森に水と草花を光で表現したライティングパフォーマンス、定山渓ネイチャールミナリエを2016年から開催し、今では定山渓温泉を代表する人気イベントとなっており、本市としても、定山渓地区魅力アップ事業として定山渓観光振興に力を入れています。
しかし、このすてきなイベントを開催する観光スポットの二見公園に現在併設されております公衆トイレは、観光地にふさわしいとは思えません。二見公園の公衆トイレは、外から男性用トイレが見えてしまう古いタイプで、札幌市内の公園の公衆トイレとしては、比較的、今でもよく見るタイプではあります。しかし、二見公園においては、世界中から観光客が大勢訪れ、利用される公衆トイレです。観光都市にとって、大勢の観光客に散策を楽しんでもらうためには公衆トイレの整備は不可欠というのが、今、全国各地の観光地で当たり前の認識となっています。
なぜ、二見公園のトイレや定山渓温泉地区の公衆トイレを新設しないでいるのでしょうか。国際都市の中において、この公衆トイレは驚くべき構造であり、観光都市として観光地にふさわしくありません。これは、単に公園所轄部局という範疇を超え、札幌市の観光振興上の課題となっております。
そこで、質問ですが、二見公園を初めとした定山渓地区のトイレの現状について、本市はどのように捉えているのか、認識について伺います。
◎石川 観光・MICE推進部長 平成27年に地域とともに策定いたしました定山渓観光魅力アップ構想では、定山渓の魅力アップに向けて、目指すべき将来像及び方向性を描いておりまして、その基本方針の一つに、温泉街らしさやにぎわいづくりを掲げているところでございます。その実現の方向性といたしまして、温泉施設や観光スポットなどの環境整備を掲げているところでありまして、温泉街にあるトイレの整備も定山渓の観光魅力アップに向けた課題の一つであるというふうに認識しているところです。
◆千葉なおこ 委員 水回り機器メーカーのTOTOでは、2018年7月に訪日外国人150名を対象に、外国人のトイレに関する
アンケート調査を実施いたしました。
アンケートにおいて、公衆トイレが整備されていることについて、観光地のイメージがよくなると答えた人は7割を超え、次に、観光地で安心して長時間過ごすことができるという方は3割を超えました。さらに、観光地がどのように整備されているとまた訪れやすくなるかとの問いには、1位の公衆無線LANスポットに次いで、トイレが明るく、臭くないというのが2位でございました。
国も、観光振興事業の一つに、公衆トイレの洋式化や機能向上に力を入れ、補助もしておりますし、全国の観光地でもおもてなしトイレに取り組んでいるところです。本市でも、東京2020オリンピック・パラリンピックの札幌開催に向けて地下鉄主要駅のトイレのバリアフリー改修や、大通公園で行われたラグビーワールドカップのファンゾーンには、外国人来場者が多く利用することを考慮した仮設洋式トイレの設置や、トイレ周辺には目隠し用フェンスの設置などを行いました。
現在の大通公園の観光事業と定山渓観光事業とでは、観光に対する取り組みに大きな差があるのではないでしょうか。関係者とも協議した上で、現在、定山渓観光協会が独自で設置している仮設トイレを含め、観光客が大勢訪れる二見公園を初めとした定山渓観光スポットのトイレ対策をすべきであると考えます。
そこで、質問ですけれども、二見公園を含め、定山渓地区の観光にふさわしいトイレを整備すべきと考えますがいかがか、また、定山渓地区の繁忙期などは、観光振興事業として本市で仮設トイレの設置を検討すべきと考えますがいかがか、伺います。
◎石川 観光・MICE推進部長 観光地にふさわしいトイレのあり方につきましては、現在、先ほど申し上げました定山渓観光魅力アップ構想に位置づけられております定山渓集客交流拠点施設の整備に向けまして、周辺環境の整備を含めた定山渓地区全体の観光魅力アップのための検討を進めております。そうした中で、地域の方々のご意見を聞きながら、あわせて検討してまいりたいというふうに考えております。
また、繁忙期におけます仮設トイレの設置につきましては、定山渓観光協会などの関係者の方々と協議しながら、今後必要な対応をとってまいりたいというふうに考えてございます。
◆千葉なおこ 委員 ぜひ、ご検討していただきたいと思います。
今すぐに公衆トイレの新設ができないとしても、やはり、現在のトイレのままですと、観光地としてふさわしいとは思えませんし、トイレ一つで観光地の評価を下げるのはもったいないことだと思います。観光で訪れた方が気持ちよく使えるトイレが、観光地では求められる時代です。今は、きれいで清潔に使える仮設トイレなどもありますから、一時的にでも設置していただくように申し述べまして、私の質問を終わります。
◆小須田ともひろ 委員 私からも、定山渓の観光振興について、2点お伺いいたします。
今ほどの千葉委員のお話にもありましたが、定山渓は、まさに今、観光シーズンのピークを迎えております。例年に比べると、若干、紅葉の色づきが遅いようですが、これからまさにピークを迎える紅葉を見に多くのお客様が定山渓を訪れてくれると思います。
観光を地域経済の柱の一つとする札幌市におきまして、温泉とすばらしい景観を有する定山渓地区はとても重要なエリアでございます。新たな宿泊施設やアクティビティーもふえ、これから、さらに魅力のある地域となっていく可能性が多分にあるこのエリアのPRにももっと力を入れるべきと考えておりますが、札幌市では、平成27年に定山渓の観光地としての魅力を高めていくための指針であります定山渓観光魅力アップ構想を策定しております。
ことしの第2回定例市議会の議案審査特別委員会において審議された定山渓集客交流拠点施設整備についても、この施設整備は、この魅力アップ構想の目的の一つである温泉街らしさやにぎわいづくりを実現するための取り組みであり、定山渓全体の魅力アップが原点であることを忘れずに進めていただくよう指摘させていただきました。
そこで、質問ですが、定山渓観光魅力アップ構想に基づく取り組み状況をお伺いいたします。
◎石川 観光・MICE推進部長 定山渓観光魅力アップ構想に基づく取り組み状況というご質問でございます。
定山渓観光魅力アップ構想につきましては、定山渓の魅力アップに向けまして目指すべき将来像及び方向性を描いたものでございまして、その推進に当たっては、四つの基本方針に基づいて、地域と札幌市が一体となって取り組んでいくこととしているところでございます。
基本方針の一つ目でございます温泉街らしさやにぎわいづくりに関しましては、温泉街の観光サインの整備や景観まちづくり指針に基づく魅力的な景観形成、開湯150周年に合わせた歓迎塔及び手湯の再整備のほか、定山渓観光協会といたしまして源泉公園のリニューアルなどを行ってきたところでございます。
また、基本方針の二つ目でございます広域的なネットワーク化による新たな魅力創出に関しましては、定山渓ネイチャールミナリエや雪灯籠などの集客イベントや、温泉街の空き店舗を活用したカフェの開業などに取り組んでまいりました。
◆三神英彦 委員 法改正対応検討委員会を設置し、かなりの部分で合意されているというのはすごく驚きです。
協議中の取引ルールに関しては、内容が確定次第、業務規程に反映することになると思いますが、市場運営のよりどころとも言える業務規程について、取引ルール以外の部分も含めて、全体としてどのように改正しようと考えているのか、その方向性までお聞かせいただけたらと思います。
◎片貝 中央卸売市場長 業務規程の改正の方向性についてのご質問です。
まず、取引ルールに関しましては、生産者、消費者の利益につながるか否かというところを判断基準としながら、原則的には、現行のルールを尊重し、維持していく方向で考えております。一方で、取引関係者が求める物流の効率化などに対応するために、一部の規制につきましては例外規定を設けることも検討しております。
次に、取引参加者に関する規定ですが、卸売業者につきましては、これまでの国による許可制度がなくなりましたので、今後は本市による許可制度を業務規程に設けます。また、仲卸業者、売買参加者、関連事業者につきましては、引き続き、本市による許可・承認制度を維持していきたいというふうに考えております。
このように、許可制度によって市場関係者に対して適切に関与することで、取引ルールの公正さを維持し、市民への生鮮食料品の安定供給という使命を引き続き果たしてまいりたいというふうに考えております。
◆三神英彦 委員 今までの取り組み、経過を伺いまして、来年6月まで、遅滞なく事務処理、調整作業をお願いしたいと思います。
一般的に、商売において取引上優位な立場に立つ事業者が主導権を握るなどということが起こることも想定されます。また、卸売市場法は改正されましたが、取引においては不当に差別的な取り扱いをしてはならないことだとか、出荷された商品は全て受け入れるというような市場関係者を公正・公平に取り扱う原則は、当然、引き続き明示されて続いていくわけです。
札幌市の卸売市場で活躍する多くの地元企業が今後も安心して事業を継続でき、そして、その企業で働く人々が今まで以上に活躍できる、そのような側面での市場づくりと、それから、消費者意識の市場づくり、両方を目指して運営に当たってください。どうぞよろしくお願いします。
◆丸山秀樹 委員 私からは、中央卸売市場の活性化について質問させていただきます。
まず、9月15日に行われました市場開放イベント、消費拡大フェア2019では、私も同じ会派のくまがい議員とともに参加させていただきました。昨年は、北海道胆振東部地震の影響で中止となり、2年ぶりの開催ということになりましたものですから、例年のように多くの来場者に恵まれるかと心配はしておりましたけれども、マグロの解体ショーは長蛇の列、水産仲卸の通路は中になかなか進めないほど混雑しており、日ごろ入ることができない卸売市場での買い物やさまざまな催しを多くの市民が楽しんだことと思います。伺いましたところ、入場者数は3万1,000人であったとのことでございます。午前中のみのイベントとしては人数も大変多く入り、中央卸売市場で販売した生鮮食品の品質、その新鮮さなど、改めて市場のブランド力を認識したところでもございます。
しかしながら、農水省が発表している全国推計の卸売市場経由率は、平成元年度は、水産物が74.6%、青果物が82.7%であったものが、平成28年度には水産物が52%、青果物が56.7%と大きく減少しているところであります。また、いただきました中央卸売市場の決算書によりますと、平成30年度の取扱量は、水産物が7万9,476トン、青果物が25万1,341トンであり、取扱額は水産物が954億円、青果物が591億円と、いずれも前年を下回る結果となっております。これまでの市場の取り扱いのピークは、水産物が平成11年度、青果物は平成5年度であり、その後、多少の変動はありますが、総じて減少傾向にあります。
そこで、質問ですが、平成30年度の決算に係る市場取扱高について、現状をどのように認識しているのか、お伺いいたします。
◎片貝 中央卸売市場長 平成30年度の市場の取扱高の現状認識についてであります。
まず、水産物の取扱額につきましては、鮮魚のサンマは、不漁でありました前年度に比べて31%増加し、ここ数年、減少傾向でしたホタテも17%増加いたしましたが、原材料不足から冷凍品、加工品が振るわず、水産物全体の取扱額としては大きく減少する結果となりました。
次に、青果物ですけれども、天候不順により、道内産が主力であるバレイショが27%の減少、当市場で取り扱いが大きいキャベツも20%減少するなど、水産物と同様に取扱額が減少しております。
また、先ほどの質問の中にもありましたけれども、北海道胆振東部地震の影響として、地震の発災により、産地からの入荷が不安定となり、取引が正常化するまでの4日間の取扱額、これを前年同月の同じ期間で比較しますと、水産物で9億4,000万円のマイナス、青果物でも約2億4,000万円のマイナスとなっております。市場における生鮮食料品の取り扱いは、天候不順などの自然環境の変化や産地における労働人口減少による生産量の減少、市場外流通の増加などさまざまな要因の影響を受けており、厳しい状況にあるというふうに認識しております。
◆丸山秀樹 委員 ただいま答弁で昨年の胆振東部地震による影響について説明がございましたけれども、やはり、あれほどの震災でございましたので、分荷や流通、販売と正常化に至るまでは本当に大変だったというふうに思います。
私たち公明党は、昨年の胆振東部地震が発生した数日後には、国会議員とともに、ここにおります好井議員、わたなべ議員、そして、この春に勇退された本郷議員と一緒に市場に伺い、場長を初め、水産、青果の業界関係者の皆さんからお話を伺いました。地震が起きた9月6日の朝3時過ぎは、競りの準備に追われる時間帯でしたが、卸会社は生産者や出荷者からの持ち込みを拒めない、いわゆる受託拒否の禁止を貫いて、市場外にまで倉庫を確保するなど、あらゆる手を尽くして対応に当たったと伺っております。その後、市場が落ちつきを取り戻しますと、今度は、産地が、市場に対して物流が安定するよう意識して札幌市場に対して出荷してくれたということも伺いました。
ですから、当時、テレビのニュースでは、連日、工場製品を初め、食料品の品不足が騒がれていたときに、青果物などの生鮮は、陳列台に並べられ、販売されていたわけでございます。災害時にあっても、そうした出荷者との信頼関係は、やはり市場ならではのエピソードであり、消費者のもとに新鮮な生鮮食料品を届けるために尽力した関係者の努力は、大変評価されるべきだと私は思います。
同行した国会議員には、そうしたことをすぐ農水省にも報告してもらいました。その後、農水局長が東京から札幌に来たわけですけれども、改めて市場の再評価につながったものと私は思います。
しかしながら、生産量が天候に左右されやすい生鮮食料品の特性や、産地での労働人口の減少など、市場の取り扱いはさまざまな要因を受けやすい難しい状況にございます。中央卸売市場は、市民の食生活を守る食の拠点であり、市民と生産者を結ぶ非常に重要な施設であります。消費拡大フェアに見られるようなにぎわい、活気にあふれた市場の姿は、市場の信頼感を高め、市場全体の今後の活力になるものと考えます。取扱高が減少している今だからこそ、市場のブランド力を生かし、市場の持つ資源を有効に活用して活性化に取り組むことが重要であると考えます。
そこで、2点目の質問ですが、市場の取扱高が減少傾向にある中での市場活性化の取り組みについてお伺いいたします。
◎片貝 中央卸売市場長 市場の活性化に向けた取り組みの状況についてであります。
現在は、平成23年度に策定した活性化ビジョンや経営改革プランに基づき、販売力の強化、市場の情報発信、食育事業、市場施設の有効利用等について取り組んでおります。例えば、販売力の強化につきましては、札幌近郊の生産者と連携し、消費者ニーズに合った形のブロッコリーを開発するとともに、その鮮度を落とさないために温度管理に配慮した輸送の開発などを行っております。市場の情報発信につきましては、専門小売店をより多くの方に知っていただくために、札幌市内及び近郊の八百屋や鮮魚店を紹介するパンフレットを地域ごとに作成いたしまして、消費者の方にご利用いただいております。食育事業につきましては、市場見学と料理教室を両方体験できるツアーの開催、小学校の社会科見学の受け入れ、場内の調理実習室を活用した子ども向けの料理コンテストを実施しております。市場施設の有効利用につきましては、取引が行われていない時間帯に競馬場来場者あるいは近隣事業者に有料で駐車場の貸し出しを行っております。
こうしたさまざまな活動を通じ、市場関係事業者の皆様と連携しながら、市場の活性化に現在取り組んでいるところであります。
◆丸山秀樹 委員 平成23年度に策定いたしました市場の活性化ビジョンと経営改革プランに基づいて、生産者との連携や市民への情報発信、市場施設の有効活用に市場関係事業者が市と一体となって取り組んでいるという答弁だったと思います。
これらの計画は、持続可能な強い市場づくりのための10年間の指針でありますが、来年度で計画年度が終了いたします。現在、市場では新たな事業計画である札幌市中央卸売市場経営展望の策定に着手しているところでございます。平成30年6月に卸売市場法が改正され、市場を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。また、さきの答弁にもありましたが、市場における生鮮食品の流通は今後も厳しい状況にさらされるという認識でもございました。このような局面において、現在検討されている経営展望は、卸売市場が市民の皆様へ生鮮食料品を安定供給するという役割を果たしていく上で、極めて重要なものになると考えます。
そこで、質問ですが、この新たな計画でもあります経営展望の方向性についてお伺いいたします。
◎片貝 中央卸売市場長 現在策定中の市場の経営展望の方向性についてでございます。
場内事業者の代表と開設者で構成している経営展望策定委員会におきまして、これまで、活発な議論のもと、三つの基本方針を定めております。
一つ目は、選ばれる市場を目指すという基本方針です。生産者の方が安心して生鮮食料品を出荷し、託せる場所として、一方、小売店の方が必要とする商品を安心して仕入れることができる場所として、双方から選んでいただける市場を目指すこととしております。
次に、信頼される市場を目指すということです。公正で透明性の高い取引ルールの遵守を通じて、全ての取引参加者にとって公平で信頼される市場を目指します。
そして、親しまれる市場を目指すということでございます。既に取り組んでおりますが、市場に集まる旬の食材の情報を、SNSなどを活用しながら一層積極的に市民の皆様にお伝えしていくことで、食に関する関心を高めていただき、そして、卸売市場の役割につきましてもご理解を深めていただきたいと考えています。
また、これらの三つの基本方針のもと、公設公営市場の開設者として、長期的な視点に立った適切な施設改修計画、HACCPの義務化など社会的要請への対応に関する方向性をこの経営展望に定めてまいりたいというふうに考えております。
◆丸山秀樹 委員 経営展望の基本方針として、選ばれ、信頼され、親しまれる市場を目指すこと、公設公営市場として、開設者として社会的要請に応えていくということでございました。経営展望や取引ルールの作成に当たっては、十分な議論、合意形成に努め、やはり市場一丸となって取り組みを進めていく必要があります。特に、戦略的に踏み込んで、考え方をしっかり整理しながら、具体性を持っていくことも重要というふうに私は思います。
昨年の大規模停電のときには、近所の八百屋さんが市場で野菜を調達して、地域の食を懸命に支えているという側面もございました。とりわけ、市場の活性化を進める中で一つの大きな鍵を握るのが、小売屋さん、売買参加者の減少にいかに歯どめをかけるかだと私は思っています。青果の売買参加者は、かつて900人近くおりました。今は400人を切っているという状況にあります。そうした後継者や人材育成をいかに図るかというのが検討課題にもなっております。
そこで、一つ、私は要望させていただいて、終わりたいと思います。
小売の活性化については、私は、まちセンマルシェというのを検討してはどうかというように思っています。これは、買い物難民という地域課題の解決にもつながるものとして、新たな挑戦であり、取り組みにもなるというふうに思います。考え方として、対象はあくまでも同じ区内で営む八百屋さんや小売店で、区内のまちセン、または町内会館に月に何度か販売に来てもらう取り組みでございます。当然、持続できることが肝心ですので、市場の休みの前の日、土曜の午後だけでもいいですから、時間設定は柔軟に対応する、そして、安かろう悪かろうではなくて、市場ならではのおいしくて満足のいく価格で、損をしない、顧客獲得にもつながる、そうした取り組みをしていただきたい、そうした検討をできないものかと思うところです。
小売屋さんの中には、当然、手が回らない、人手がないと言う方もいらっしゃるかもしれない。でも、これを、いかにして人手をふやす契機、きっかけにできるかということも大事でございます。また、既にスーパーがドラッグストアに変わり、そのドラックストアに野菜売り場を置かせてもらったり、また、サービスつき高齢者向け住宅で販売している方もいて、実際に店舗を持たずに納品している方も多い状況がございます。
ついては、これまで、青果小売業者が地域社会の中で培い、果たしてきた役割、機動力を生かし、その中でマッチングを図り、地域課題の解決を通じて小売業者の経営に資する取り組みに新たな販路を見出していく、そうしたことも協議し、モデルケースや試行的な検証を進めていただくことも求め、私の質問を終わります。
○村上ゆうこ 委員長 以上で、中央卸売市場事業会計の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回は、次週、10月16日水曜日午後1時から、交通局及びスポーツ局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後4時39分...