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  1. 札幌市議会 2019-09-30
    令和 元年(常任)文教委員会−09月30日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    令和 元年(常任)文教委員会−09月30日-記録令和 元年(常任)文教委員会            札幌市議会文教委員会記録            令和元年9月30日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午後0時58分     ―――――――――――――― ○松井隆文 委員長  ただいまから、文教委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第24号 札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例案を議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第24号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  異議なしと認め、議案第24号は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時       再 開 午後1時1分     ―――――――――――――― ○松井隆文 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第8号 令和元年度札幌一般会計補正予算(第3号)中関係分及び議案第12号 公の施設の指定管理者の指定の件(羊丘児童会館)を一括議題とします。  質疑を行います。 ◆森山由美子 委員  私からは、議案第8号について質問させていただきます。  いよいよ10月1日から、これまで我が会派が強く主張してきた幼児教育・保育の無償化が始まります。全国300万人以上が対象となる幼児教育・保育の無償化は、日本の教育施策歴史的転換点とも言うべき大改革です。子育て支援、力強い少子化対策になり、保護者経済的負担の軽減が図られると大いに期待をするところです。  第2回定例市議会代表質問で、我が会派の福田議員が、無償化に関して新たに発生する業務への対応について質問し、札幌市からは、子ども子育て支援事務センターを設置し、対応する旨の答弁がありました。  この間、札幌市においては、万全の体制で制度が開始できるよう、対象者や施設への制度周知認定事務等事前手続事務センター開設等の諸準備を進めてきたことと思います。その事務センターがいよいよあした開設され、償還払いの申請や問い合わせの対応等、無償化に伴って発生する事務処理がここで行われるということであります。選挙や国勢調査等の短期間の繁忙業務について一時的に庁舎とは別に事務室を設けることはよくあることと思いますが、無償化に係る事務についても事務センターを開設しなければならない膨大な事務量が発生するということであります。  そこで、質問ですが、札幌市子ども子育て支援事務センターについて、センターを設置するに至った経緯や必要性について伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  事務センター設置の経緯や必要性についてのご質問でございます。  設置の経緯等については、幼児教育・保育の無償化に伴い、毎年約4,000人と想定される幼稚園の預かり保育や、認可外施設利用者に係る認定事務、毎月約7,000人と想定される償還払いの申請に対する支払いなどといった新たな事務が発生する見込みです。これらの新たな事務に関して、区の現員等では対応が困難であることに加え、事務センターの名のもとに問い合わせや申請といった市民とのやりとりの一元化を図ることにより、迅速かつ確実な申請処理が可能となるなど、市民サービスの向上につなげることができることから、常設の事務センターが必要と判断したところです。 ◆森山由美子 委員  答弁を伺いまして、改めて、このたびの無償化は大変な制度の改正なのだと感じるところでございます。そして、事務センターを設置することで市民サービスの向上にもつながるとのことでした。  償還払い等の申請を区役所ではなく事務センターで行うというのは、子育て中の忙しい保護者の皆様にとっては手続が大変ではないかと感じるところです。  そこで、質問ですが、事務センターが行う事務は具体的にどのような内容なのか、また、市民の手続はどのように行うのか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  具体的な委託事務の内容や市民の手続についてのご質問でございます。  委託事務の具体的な内容についてですが、今年度は、幼稚園の預かり保育や認可外施設利用者からの償還払いに関する問い合わせ対応や、申請の受け付け及び1次審査、通知の発送に加えまして、給食や就学など期限のある認定要件の確認といった基本的な事務を委託いたします。来年度からは、幼稚園の預かり保育や認可外施設利用者にかかわる新規認定事務、認定の更新を確認するための現況届にかかわる事務について、システム操作や入力にかかわる部分を含めまして委託する予定でございます。  次に、市民の手続についてでございますが、償還払いの申請においては、幼稚園の利用者に関しては施設経由で来庁することなく行うことができ、認可外施設利用者に関しても、直接、事務センター宛ての送付を可能にすることで事務センターで一括処理することになり、迅速かつ確実な市民サービスの提供につなげられると考えているところです。 ◆森山由美子 委員  申請関係受け付けや1次審査など、無償化に係る基本的な業務は事務センターで行われるということでございました。また、幼稚園利用者は、施設を経由して償還払いの手続ができ、認可外保育施設を利用する方についても、事務センターへの送付による申請ができるとのことでした。  開設当初は多少の混乱もあると思いますが、保護者がスムーズに手続できるよう、そして事務が滞りなく進められますよう、しっかりと対応していただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆長屋いずみ 委員  幼児教育・保育の無償化に伴う補正予算について、私からも質問させていただきます。  3歳から5歳児までの全ての子どもと低所得世帯のゼロ歳から2歳児までが対象になり、それに伴う新たな事務委託システム改修等の予算です。札幌市子ども子育て支援事務センターへの外部委託とのことで、内容などについては今の質疑でも出されておりましたが、私からの質問の1点目は、事務センター設置に伴う子ども子育て支援制度システムの改修を行わなければならない理由は何か、お伺いいたします。 ◎押見 支援制度担当部長  札幌市子ども子育て支援制度システムの改修が必要な理由についてのご質問でございます。  無償化に伴う新たな事務としまして、償還払いに関する事務、認可外保育施設利用者等に関する保育の必要性の認定に関する事務がございます。特に、保育の必要性の認定については、札幌市子ども子育て支援制度システムの利用が不可欠でありますが、本市のルールにより、セキュリティー対策上、現状のシステムのままでは外部委託業者が操作することができないため、来年度からこれを外部委託業者も使用できるように必要な対策を施すものであります。これにより、来年度、認可外保育施設利用者等認定事務についても外部委託を可能とするものであります。 ◆長屋いずみ 委員  認可外施設利用者認定事務を処理するために、委託事業者も同システムの操作が必要になるので、これを行うために改修するということでした。  そこで、2点目の質問ですが、新制度はあすから始まります。無償化に向けて、現在認可外施設に通っている児童の認定など、無償化に伴う新たに発生する業務について現在どのように対応されているのか、お伺いいたします。 ◎押見 支援制度担当部長  無償化に伴って新たに発生する事務への対応についてのご質問でございます。  認可外保育施設利用児童等に対する保育の必要性の認定については、システムへの反映等について外部委託を行うことができないため、内部職員により行っておりまして、具体的には主に区の職員や臨時職員などが対応しているところです。 ◆長屋いずみ 委員  現在は、認可外施設利用者認定事務などを区の職員や臨時職員が対応されている、この部分の業務を今後は外部委託にするということでした。  しかし、現状では、札幌市イントラネット利用要領で市職員以外はシステム操作等が不可と定められているため、外部委託ができないようになっております。ですから、今年度は無償化に伴うシステム入力については、区役所の臨時職員、職員などで対応予定とのことです。しかし、2020年度以降は、システム操作等、現在、区役所と本庁で行っている業務についても委託業務の範囲を拡大していくものです。つまり、市職員に限定されている仕事を、ミラーサーバーを別途設置するというシステム改修外部委託を可能にしようとするものです。  市の職員以外が市民の個人情報を扱うわけですから、漏えいなどの懸念も払拭できません。そもそも子ども子育て支援は、市の重要な施策の柱でもあり、これまでどおり市職員が責任と誇りを持って担うべきものであり、外部委託すべきではないと申し上げて、私の質問を終わります。 ○松井隆文 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。 ◆長屋いずみ 委員  私は、日本共産党所属委員を代表して、議案第8号中関係分、第12号に反対の立場で、討論を行います。  議案第8号中関係分は、幼児教育・保育の無償化により発生する施設等利用費支給事務など、新たな事務を札幌市子ども子育て支援事務センター外部委託するものです。  そのために、本来、個人情報を扱う業務は札幌市イントラネット利用要領で市職員以外はシステム操作等が不可と定められているものを、ミラーサーバーなどシステム改修によって市職員以外でも可能とするとしています。  しかし、システム改修しても、操作する側は端末を通じて個人情報を見ることになり、情報の漏えいリスクが高まることは明らかです。本市が要領で定めているように、本来、個人情報を扱う業務は職員が行うべきであり、そうすればシステム改修も不要となります。  よって、議案第8号中関係分に反対です。  議案第12号は、現在の羊丘小ミニ児童会館羊丘児童会館に建てかえることに伴い、その運営管理に当たり、指定管理者制度を導入しようとするものです。  羊丘小ミニ児童会館は、現在業務委託されていますが、指定管理者は施設の管理権限が与えられるなど、業務委託よりさらに市の関与を弱め、市有施設への民間参入を一層進めるものです。  また、低賃金、不安定な非正規雇用を拡大し、官製ワーキングプアを広げるものであり、反対です。 ○松井隆文 委員長  ほかに討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第8号中関係分及び第12号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○松井隆文 委員長  賛成多数であります。  よって、議案2件は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第19号 札幌市児童福祉法施行条例の一部を改正する条例案を議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第19号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  異議なしと認め、議案第19号は、可決すべきものと決定いたしました。  次に、議案第20号 札幌市児童会館条例の一部を改正する条例案を議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第20号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  異議なしと認め、議案第20号は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時16分       再 開 午後1時17分     ―――――――――――――― ○松井隆文 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、「札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例」に基づく平成30年度取組状況についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎山本 子ども育成部長  私から、お手元の資料に基づき、説明いたします。  今回の報告は、子どもの最善の利益を実現するための権利条例附帯決議に基づき、平成27年度から31年度の5年間を計画期間とする第2次札幌市子どもの権利に関する推進計画の4年度目の平成30年度の取り組み状況について報告するものでございます。  それでは、報告書の1から3ページに基づき、取り組みの概要を説明いたします。  まず、1ページをごらんください。  主に子ども未来局で実施しております子どもの権利の推進に関する取り組みでございます。  一つ目の丸の子どもの権利の理解、参加の促進などの取り組みについてですが、主な子ども意見表明、参加の促進の取り組みとしては、子ども議会や市政に対する子どもからの提案、意見募集はがきなど、市政に子どもの意見を反映する取り組みを実施しております。また、子ども権利条例を制定している奈井江町、長野県松本市と札幌市の子どもまちづくりに関する意見交換及び提言を行う子ども交流事業を南区の定山渓で実施し、参加した子どもたちが編集した記事を載せた広報紙を全小・中学校に配付するなど、子どもの参加を一層進めるための取り組みを実施いたしました。  このほか、主な理解促進意識向上取り組みとして、子育てサロンでの乳幼児の保護者向け広報など、若い保護者世代への普及啓発を実施したほか、学校の授業でも活用できるパンフレットを配付しております。また、さっぽろ子どもの権利の日事業として、子どもの権利をテーマとしたポスター作品子どもたちから募集し、ポスター展を開催するなど、広く子どもの権利の理解促進のための取り組みを実施いたしました。  続いて、二つ目の丸の子どもの権利に関する推進計画成果指標の状況につきましては、現行の計画の検証や次期計画策定に向けた施策検討基礎資料とするため、子どもに関する実態・意識調査を実施し、その結果を含めた経年変化を記載しております。  これらを踏まえたまとめの欄になりますが、平成30年度は、子どもの権利の理念の普及啓発のため、乳幼児の保護者向け広報や、学校、教育委員会と連携した学齢期の子どもへの広報を行ったほか、他自治体との連携による子ども交流事業の実施、地域や市政における子ども参加事例の発信などを通して子ども意見表明、参加の取り組みを進めてまいりました。  成果指標に関しては、全般的に上昇傾向にあるものの、子どもの権利が守られていると思う人の割合は、目標値と比較して特に大人の割合が低く、いじめ、虐待等の権利侵害の懸念が引き続き大きいことがうかがえます。今年度は、権利条例施行10周年という節目の年になりますが、これを機に、より効果的な広報に努めるとともに、次期推進計画策定作業を進める中で、今回の実態・意識調査結果も踏まえながら、今後の子どもの権利に関する施策の方向性や取り組みについて検討を行ってまいりたいと考えております。  続きまして、2ページをごらんください。
     子ども権利救済機関子どもアシストセンター取り組みでございます。  平成30年度の相談実績につきましては、実件数、すなわち相談者数になりますが、833件で、前年度に比べて11.7%の減少、延べ件数、すなわち総相談件数は2,653件で、前年度と比べて19.6%の減少となっております。このほか、調整活動が19件、救済の申し立てをされた事案が3件あり、調査及び調整を実施いたしました。  続きまして、3ページは、子どもの権利に関する教育委員会取り組みでございます。  教育委員会では、子どもの権利の理念を生かした教育活動の充実が各学校において一層図られるよう、教職員向けの研修や人権教育推進事業を実施しております。内容としましては、子どもの権利を大切にした教育の推進や指導の充実を初め、いじめや不登校への対応やピアサポートに関する講義などを行っており、教職員研修については教育委員会子ども未来局の連携のもとに進めております。  取り組みの概要としましては以上でございますが、具体的な取り組み内容等につきまして、4ページ以降に第2次推進計画の体系に沿って掲載しておりますので、その中の主だったものを何点か説明いたします。  まず、10ページをごらんください。  10ページ、基本目標2 子ども意見表明・参加の促進に関しまして、下段3の市政における子ども意見表明の機会の促進でございます。  札幌市では、子ども議会などのほかにもさまざまな部局において子どもの参加や意見表明取り組みを進めておりますが、その中で、昨年度の特徴的な取り組みとして、小学生がSAPPORO子ども特派員として外国人にインタビューを行い、どうしたら札幌が誰にでも優しいまちになるかを考え、市民に向けて発表したというものや、札幌市教育振興基本計画の改定版の策定において、子どもの参加する権利と関連づける工夫を行い、キッズコメントを実施したという取り組みなどがございます。  今後も、市政や地域において、より一層、子どもの参加が広がるよう、さまざまな形で子ども意見表明や参加の取り組みを進めてまいりたいと考えております。  続いて、14ページをごらんください。  14ページ、基本目標3 子どもを受け止め、育む環境づくりに関しまして、中段2の子ども貧困対策取り組みとして、平成30年3月に策定しました札幌市子ども貧困対策計画に基づき、平成30年8月からは子どもくらし支援コーディネート事業を開始し、対象地区を拡大しながら実施しているところでございます。  次に、18ページをごらんください。  基本目標4 子どもの権利の侵害からの救済に関しまして、先ほども触れました子どもアシストセンターでの相談は、電話、Eメール、面談により行っておりますが、昨今、LINEなどのSNSが子どもたちにとって身近なコミュニケーションの手段として浸透してきている状況が見られることから、昨年9月18日から10月12日にかけてLINEによる相談の試行実施を行いました。今年度は、規模を拡大してLINE相談の試行実施を行い、より多くの子どもたちの声を酌み取るための相談手段としての有効性について、引き続き調査研究を進めているところでございます。  また、19ページ下段の(2)以降では、児童虐待への対応として、平成30年度の児童虐待取り扱い件数通告受け付け件数をまとめております。今後に向けましても、いじめや虐待などの権利侵害を起こさない環境づくりに努めるとともに、子ども権利侵害からの救済の取り組みを、子ども一人一人に寄り添いながら着実に進めてまいりたいと考えております。 ○松井隆文 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆小須田ともひろ 委員  ただいま平成30年度の取り組み状況の報告を伺いましたが、まず、計画の成果指標達成状況についてお伺いいたします。  今回の報告書では、平成30年度に実施された子どもに関する実態・意識調査結果が掲載されております。その数値を見ますと、自分のことが好きだと思う子どもの割合、いわゆる自己肯定感については、目標値75%のところ、30年度は67.4%であり、子どもの権利が守られていると思う人の割合については、目標値65%のところ、子どもは63.8%となっております。これに対し、大人は49.2%と低水準にとどまっている状況となっております。特に、30年度の大人の49.2%につきましては、子どもの権利が大切にされていると思うかとの質問ではありましたが、平成21年度の48.4%からほぼ横ばいの状況が続いておりまして、目標達成にはちょっと遠い現状となっております。  昨今、大人が子どもを大切に思い、慈しむ心を育てることの大切さが叫ばれる中にありまして、この意識の向上が、札幌市を初め、全国各地増加傾向にある児童虐待事案を一つでも減らすことにつながるものと考えることから、6月26日に開催された当委員会での児童虐待事案に関する質疑におきましても、条例が目指す権利侵害からの救済について機能していないと発言し、さらなる取り組み必要性を指摘したところでありました。  そこで、質問ですが、これらの成果指標が目標に届いていないことについてどのように受けとめているのか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  成果指標達成状況についてでございます。  自己肯定感の指標につきましては、子ども権利条例を施行した平成21年度以降、上昇傾向にはあるものの、目標値には達成していない状況であり、これまでの方向性を踏まえながら、より一層、効果的な取り組みの実施が求められているものと認識しております。また、子どもの権利が守られていると思う人の割合については、目標値子どもの割合と比較して特に大人の割合が低い水準で推移しており、実態・意識調査の他の設問からもいじめ、虐待等の権利侵害への懸念の大きさがうかがえるところであります。  これらを踏まえ、今後、子どもの権利を推進するためにも、いじめ、虐待の防止や子ども貧困対策など、子ども権利侵害からの救済の取り組みとともに、子ども一人一人の権利の大切さについて、子ども自身を初め、子どもにかかわる大人への普及啓発をしっかり進めていくことが重要と認識しております。 ◆小須田ともひろ 委員  もう1点、自己肯定感に関する成果指標の設定について伺います。  大人の成果指標については、これまでの自分自身が育ってきた環境にも大きく左右されますが、設問が子ども目線であり、何をもって権利が守られているのかの価値観も個人によって大きく違うものであり、指標の設定に工夫が必要なのではないかと考えます。  また、成果指標のうち、特に子ども自己肯定感につきましても、計画の指標としては、その時々の意識に左右される主観的な数値であり、分析の難しい曖昧なものとも言えます。今年度末には次期計画に当たる第3次子ども権利推進計画策定予定と聞いておりますが、自己肯定感については、平成22年度の第1次計画から設定されている成果指標ということでありますので、現状の課題を適切に把握し、効果的な施策を実現していくためにも、成果指標の設定のあり方を改めることも重要だと考えます。  そこで、二つ目の質問ですが、推進計画における自己肯定感成果指標として設定している理由は何か、さらに、この数値に基づいてどのようにして効果的な取り組みにつなげていく考えか、見解を伺います。 ◎山本 子ども育成部長  自己肯定感に関する成果指標の設定についてでございます。  子ども自己肯定感は、子どもの健やかな成長や将来の自立につながる重要なものと認識しており、計画の上では子どもの安心や自分らしさなど、子どもの権利にかかわる状況について、子どもたち自身の受けとめを示す全体的な指標として設定しているところであります。実態・意識調査結果からも、自己肯定感は、子ども自身の中で、周囲からの受容感や意見表明の達成感、相談解決に向けた意欲などとの相互の関連性が見られ、そのことを踏まえた自己肯定感の向上を目指すことが重要と考えております。  子どもの権利の推進に当たっては、こうした観点を踏まえ、子どもの参加の促進や安心して暮らせる環境づくり権利侵害からの救済など、子ども一人一人の実感につながるような施策を進めてまいりたいと考えております。 ◆小須田ともひろ 委員  実態調査の結果では、裏を返せば、子どもの3割以上が、自分が好きになれない、または大切にされていないと感じているというふうに読み取ることもできます。おのおのの家庭はもちろん、地域社会にとっても非常に大きな問題であり、重大であると認識すべきであります。  当然、今後の計画の策定に当たっては、子どものために施策を行っていくという札幌市の姿勢を示すためにも、目標値をさらに高く設定した上で、その目標達成に向けて着実な取り組みを進めることが重要だと思います。  さらに、各指標がなぜ目標値に達成しないのかを分析、検討し、効果的な取り組みに結びつけることが重要であり、その成果が結果として評価されなければ子ども権利条例の存在価値が問われることになることを十分認識し、計画策定に取り組むべきことを求め、質問を終わらせていただきます。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、3点について質問します。  まず、1点目は、条例施行10周年記念事業についてです。  条例第5条では、子どもの権利について、市民の関心を高めるため、さっぽろ子どもの権利の日を制定するとし、制定日を11月20日とすること、権利の日にふさわしい事業を行うことを定めています。  私は、30年間、学校現場で子どもとかかわってきた経験からも、子どもたちが、権利の主体者として、子どものころからさまざまな経験を積み重ねていくことは大変重要であると認識しています。なぜならば、教育の成果がすぐにあらわれるものではなく、長い間の経験の積み重ねによって人格が形成されていくものであるからです。このことからも、この事業に子どもたちがどのように参画していくのかがとても重要です。  そこで、質問です。  ことしの第1回定例市議会予算特別委員会では、10周年記念事業として、子どもの権利の日前後に、条例の趣旨を踏まえ、子どもの主体的な参加の要素などを取り入れた事業を実施予定であり、広く子どもの権利の大切さを考えてもらう機会としたいと伺っています。  時期も迫ってきている中で、具体的にどのような内容で記念事業を実施するのか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  条例施行10周年記念事業についてでございます。  これまでの10年の子どもの権利推進の取り組みを振り返るとともに、条例が目指す子どもに優しいまちづくりを改めて考える事業として、ことし11月17日にサッポロファクトリーアトリウムにおいて実施を予定しております。  具体的には、条例の紹介のほか、札幌の子どもたちの今を伝えるため、学校や地域でさまざまな活動に参加している子どもたちが活動発表を行うとともに、子どものための相談窓口である子ども権利救済機関子どもアシストセンターから子どもが抱えやすい不安や悩みの例などを紹介する予定でございます。さらに、子どもから見た子どもに優しいまちの発表を子どもたち自身が行うことに加え、当日の進行を含む事業の企画・運営を行うなど、条例の趣旨を踏まえ、子どもの主体的な参加や意見表明を体現できる記念事業にしたいと考えております。 ◆たけのうち有美 委員  たくさんの子どもたちが10周年記念事業に参加できるよう、また、多くの市民にも広く知ってもらえるよう、しっかりと広報していただきたいと思います。  次に、LINE相談の実施結果について伺います。  子どもアシストセンターへの相談件数は、昨年度、実件数833件、延べ件数2,653件で、前年度より実件数で11.7%減、延べ件数では19.6%減とのことでした。相談方法は、面談、電話、メール、LINEによるものですが、子どもたちに浸透しているLINEを新たな相談手段として試行実施した結果、昨年度は17日間で38件、今年度は29日間で319件の相談が成立したとのことです。このことからも、LINE相談のニーズは高いと考えられます。  そこで、質問です。  LINE相談の試行実施の結果と課題をどのように捉えているのか、また、今後はLINE相談をどのように実施していくのか、伺います。 ◎山本 子どもの権利救済事務局長  LINE相談の試行実施の結果と課題、今後の実施についてでございます。  結果としては、今回の実施結果では、319件のLINE相談が成立したことから、LINE相談手段として有効であることが確認できたところでございます。また、恋愛についてなど、これまでは少なかった思春期特有の悩みなどの相談も多数あり、子どもにとって気軽に相談できる手段であることも確認できたところです。  一方で、LINE相談は、他の手段より時間を要する傾向があり、相談者の時間的な制約で十分な対応ができない事例もあったため、落ちついて効果的な相談対応を行うためのルールづくりと、その周知が課題であると考えております。  今後の実施については、昨年度及び今回の夏期の試行実施の結果を踏まえ、今年度の冬期に再度試行実施を行い、課題とその解決策をさらに検証した上で、次年度以降の通年実施について検討したいと考えております。 ◆たけのうち有美 委員  今後も子どもたちのニーズにしっかりと応えられるよう体制を整え、実施していただきたいと思います。  最後の質問になります。  性的マイノリティーなど、多様性が尊重される社会の実現に向けた取り組みについて伺います。  先ほど質問した子どもアシストセンターに寄せられる相談も同様だと思いますが、昨年度の子どもの意識に関する実態・意識調査でも、条例で規定している子どもの権利のうち、大切にされていないものとして、障がいや国籍、性別等による差別を受けない権利が多く挙げられています。  特に、性的マイノリティーについては随分と知られるようになってきてはいますが、まだまだ正しい知識が浸透しているとは言いがたい状況にあります。日々の生活や保育、教育の中で繰り返される、男の子なんだから、女の子なんだからという必要のない大人の区別が子どもたちの苦しみをより深いものにしていくことは、私が出会った多くの性的マイノリティー当事者の声からも明らかです。未就学の子どもであっても、自分の戸籍上の性別と心の性別が一致しない場合、子どもがはっきりと自覚していなくても、子どもにかかわる大人の対応により、子どもは、自分はほかの子どもと違っておかしいのだろうかと自分を否定することにつながってしまいます。男の子なんだから、女の子なんだからという大人の固定観念は、性的マイノリティーの子どもたちだけでなく、全ての子どもたちがさまざまなことに挑戦する意欲を失うことにもつながります。  今は、一例として、性的マイノリティーの子どもたちについて挙げましたが、障がいや国籍の関係でも、周囲に知られずに苦しんだり悩んだりしている子どもも多くいると思います。これからも可能性に満ちたかけがえのない存在である子どもの権利を守るため、不断の努力をしていかなければなりません。  そこで、質問です。  そうした子ども一人一人が安心して自分らしく生きていくためには、まず、周囲からの理解や適切な配慮が必要であり、社会全体で多様性が尊重される意識の醸成を図っていくことが大事と考えます。このことについて、子どもの権利の観点からどのように受けとめ、取り組みを行っていくのか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  多様性が尊重される社会に向けて意識の醸成を図っていくことの受けとめと、取り組みについてでございます。  子ども権利条例としても、子どもが障がい、民族、国籍、性別、その他の理由によりあらゆる差別を受けることのないよう、お互いの違いを認め、尊重し合う社会の形成を目指しているところでございます。そのためには、年齢や性別、障がいの有無などを初め、一人一人が個々の多様性を尊重し合うとともに、適切な配慮を行っていくという基本的な人権理解の視点が重要と認識しております。  昨年度は、性別にとらわれず、個性が尊重されることの大切さを伝える子ども向け啓発冊子に子ども権利条例の紹介を加えるなど、関係部局間の連携も図っており、今後、子どもの権利を推進していく中でも広く多様性が尊重される社会の実現を目指してまいりたいと考えております。 ◆たけのうち有美 委員  昨年度、性別にとらわれない個性尊重の子ども向け啓発冊子に条例紹介が加えられたとのことですが、大変喜ばしいことであり、部局間連携の一つの成果であると思います。  性的マイノリティーについては、先ほども申し上げましたとおり、まずは正しい知識の普及啓発が必要です。部局間連携が進むことが、ひいては子どもの権利が守られることになりますので、今後も引き続きの推進を要望して、私からの質問を終わります。 ◆村上ひとし 委員  私は、学校現場の教職員の理解向上と、子ども理解促進に関して、2点質問いたします。  まず最初に、教職員の理解向上についてであります。  先ほどの説明で、山本部長から、教員に対してもさまざまな講義などを開いているというようなことがありました。  そこで、子どもの権利に関する教職員の理解向上のために、具体的にどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  学校現場における子どもの権利の普及で、子どもの権利に関する教職員の理解向上の取り組みについてでございます。  教育委員会との連携のもと、学校教育の重点にも掲げられている子どもの権利の理念に基づく指導の充実に資するよう、子ども未来局職員が講師となりまして、教職員研修を例年複数回実施しているところでございます。具体的には、新たに校長となった新任管理職対象の研修のほか、採用10年目及び1年目の教職員に対して、子どもの権利の研修を実施し、条例の考え方や取り組みの紹介を通して、子どもの権利に関する理解の促進及び学校での取り組みを働きかけております。 ◆村上ひとし 委員  その研修は極めて重要であると思います。子どもの権利について、まず、教員がさまざまな観点から大いに理解を深め、教育現場で実践に移していただくということだと思います。同時に、子どもの最善の利益を実現していく上では、学校教育において、教員を初め、学校関係者の実践上の課題解決に取り組むことも必要だと私は思うわけであります。いろいろ理解が深まっても、現場でそれをどう推進させるのかということは、やはり困難な課題もあると思いますので、ぜひ、その点にも配慮しながら必要な機関とも連携して進めていただきたいというふうに思います。  国連の子どもの権利委員会の日本政府への最終所見では、主要な懸念領域及び勧告として、子どもの意見の尊重についても緊急的な措置が必要だとされておりますし、このことについては、今回、我が党の代表質問でも取り上げさせていただきました。  本市は、今年度は、第3次子どもの権利に関する推進計画の策定も予定しているということで、子ども一人一人の権利保障の観点をしっかり踏まえながら、さまざまな子ども・子育て施策を着実に進めてまいりたいというような答弁であります。ぜひ、教育委員会とも連携を深めて、学校関係者の実践上の課題について明らかにするとともに、対策を検討できるような研修もぜひ考えていただきたいというふうに思います。  次に、2点目の質問でありますが、子ども理解促進についてであります。  各学校で権利条例の趣旨を踏まえた教育実践が行われるように、公開授業の実施と研究推進校の取り組みも行われているということであります。この報告書の9ページには、課題として、各学年の各教科領域と関連させて、子どもの権利に関する内容を教科横断的に教育課程に位置づけるなど、指導の効果を高める工夫を図ることが不可欠だというふうにあります。これは、学校教育における理解促進に向けた今後の一つの課題であろうと思います。  その課題を解決する一つとして、例えば、小学校の低学年、高学年、あるいは中学生など、年代に応じた工夫も必要であります。既に学校の授業に活用できる子どもの権利のパンフレットなども作成して、子ども未来局教育委員会が連携して取り組みをしているようでありますけれども、子どもの権利に関する内容については、子どもの年代に合っていて、しかも、わかりやすい教材を作成し、各学校の授業で活用するということは、子どもたち理解促進に効果がある取り組みだと思います。  しかし一方で、先ほどの質疑で成果指標のところでありましたけれども、自分のことが好きだと思う子どもの割合は、平成30年度が67.4%で、目標値75%にいまだ到達していないということであります。  そういう点でお伺いいたしますが、子どもたち理解促進に向けて、子どもの権利についてしっかりと伝わることが大切だと思いますけれども、学校の授業で使う教材の活用についてどのように行っているのか、また、その効果をどのように受けとめているのか、お伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  子ども理解促進に向けた教材の活用及びその効果についてでございます。  毎年、学校を通して子どもの権利ポスター作品や市政に対する意見の募集等を行い、子どもたち子どもの権利を身近なものとして学ぶ機会を提供しているほか、子どもの権利の大切さを伝えるパンフレットを小学校の4年生及び中学校の1年生全員に配付しているところであります。  これは、平成26年度に、教育委員会の編集協力を得まして、授業等で使えるワークシート形式に改定し、学校での活用を呼びかけております。具体的には、子どもたち同士が支え合うピアサポートの取り組みのほか、お互いのよいところを教え合ったり、学級での話し合いに積極的に参加するなど、実践的な理解に向けた内容としており、活用の効果としては、子どもたち自身の安心やお互いの権利の尊重、さらには主体的な参加につながるものと考えております。 ◆村上ひとし 委員  パンフレットをつくって学校に配付しているということでありますから、効果がどういうふうに出てくるのかというのは引き続き注視していただきたいと思います。また、そのパンフレット、いわゆる教材についても、いろいろな専門家のご意見を聞いたりしながら、その都度、編集していく必要があろうというふうに思います。  いずれにしても、学校の教室の中で、一定の時間をかけて、適切な教材も使いながら、子どもの権利がなぜ認められているのか、自分も含め、ほかの子どもの権利もなぜ尊重しなければならないのかなどについて、教室で教師と子どもがきちっと向き合いながら考えることができる、そういう学習の機会というのは極めて重要だと思います。その点についても、教育委員会とも大いに連携して進めていただきたいということを申し上げて、終わります。 ○松井隆文 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後1時50分...