要望書の前文を掲載しております。
ここでは、
大都市の
財政需要に対し、税制上の措置が不十分であり、近年多発する大
規模災害からの復旧、復興や防災・
減災対策の推進に多額の費用が見込まれるなど、
財政運営が極めて厳しい状況に置かれていること、また、そのような中でも、
指定都市が圏域における
中核都市として先駆的かつ
先導的役割を果たすことが不可欠であることを述べております。これらのことを踏まえて、真の
分権型社会の実現に向けて、国と
地方の
役割分担を抜本的に
見直した上で
税源配分の是正を行うなど、
地方税財源を
拡充強化する必要があり、また、増大する
財政需要に対応するため、必要な
地方財源の総額を確保するとともに、
都市税源の拡充を図ることなどにより、
大都市の実態に即応した
税財政制度を確立することを強く
要望するとしております。
おめくりいただきまして、1
ページ目と2
ページ目をごらんください。
要望の背景を掲載しております。
1
ページでは、
大都市特有の
財政需要により、
指定都市の人口1人
当たりの
歳出規模が大きくなっていることや、
大都市特例事務に係る税制上の措置が不足していることについて、数値と
グラフでお示ししております。2
ページでは、それに伴い、
指定都市では人口1人
当たりの
地方債残高や
実質公債費比率、
経常収支比率が高く、
財政状況が厳しいため、
都市税源の
拡充強化など、
大都市の特性に合った
税財政制度の構築が必要であることを示しております。
続きまして、
財政関係分の
重点要望事項について、各項目の詳細の
ページをごらんいただきながら説明させていただきます。
15
ページをお開きください。
まず、1
項目めの
国庫補助負担金の改革でございます。
(1)は、真に住民に必要な
サービスを
地方みずからの責任で自主的、効率的に提供するため、国と
地方の
役割分担の
見直しを行った上で、
地方が担うべき分野については、
国庫補助負担金を廃止し、
所要額を、全額、
税源移譲することなどを求めるものでございます。
(2)は、
税源移譲されるまでの間、
地方が必要とする総額を確保するとともに、
地方にとって
自由度が高く活用しやすい制度とすることを
要望するものでございます。
おめくりいただきまして、17
ページの2
項目めの
国直轄事業負担金の廃止でございます。
国と
地方の
役割分担の
見直しを行った上で、国が行うとされた
国直轄事業につきましては
地方負担を廃止すること、また、現行の
国直轄事業を
地方へ移譲する際には、
所要額を、全額、
税源移譲することなどを求めるものでございます。
おめくりいただきまして、19
ページの3
項目めの
地方交付税の
必要額の確保と
臨時財政対策債の廃止でございます。
(1)では、
地方交付税は、
地方固有の財源であることから、一方的な削減は行わないこと、また、
社会保障と税の
一体改革や
人づくり革命のほか、
地方公務員法等の改正による
会計年度任用職員制度の
創設等に伴う新たな
地方負担を含めた
財政需要や
地方税等の収入を的確に見込むことで、
必要額を確保することを求めております。
(2)は、
地方財源の不足の解消は、
地方交付税の
法定率の引き上げによって対応することとし、
臨時財政対策債は廃止することを
要望しております。
(3)では、
地方交付税の算定に
当たり、
大都市の
財政需要を的確に反映すること、また、
算定方法を早期に明示し、
予見可能性を確保することを求めているものでございます。
続きまして、
重点要望事項以外の
要望項目のうち、
財政関係分につきまして説明させていただきます。
恐れ入りますが、31
ページをお開きください。
まず、1
項目めの
国庫補助負担金の
超過負担の解消でございます。
国庫補助負担金の改革がなされるまでの間、存続する
国庫補助負担金について、
事業実施のために必要かつ十分な金額を基礎として算出し、
超過負担の解消を図ることを求めるものでございます。
次は、右の32
ページの2
項目めの
地方債の
借入条件等の改善と
補償金免除繰上償還の実施でございます。
(1)は、
地方債のうち、
公的資金について、
貸付金利の
設定方法など
借り入れ条件の改善や安定的な
資金量を確保するよう
要望するとともに、平成19年度から24年度までに行われた
補償金免除繰上償還の
特例措置について、要件の緩和を図った上で改めて実施することや、施設の
耐用年数に応じた
償還期間の
弾力的運用を行うよう求めるものでございます。
(2)は、
公共施設等の
適正管理の推進に係る
地方債について、
対象外とされている
公用施設も対象とするとともに、恒久的な措置とするよう、あわせて
要望するものでございます。
以上が、
財政関係分の
要望事項でございます。
最後に、34
ページ以降の
資料編についてご説明させていただきます。
ここでは、
指定都市の実態について掲載しておりますが、図表などにつきましては、現在、
指定都市市長会事務局におきまして数値の更新を行っているところでございますので、本日は前年度のものを添付しております。
大都市は、人口や
商業活動の
集積性、
都市機能や産業の
高次性、
都市圏の中核を担う
中枢性など、
日本経済を牽引する役割を担っている一方、過密や集中による
交通混雑や住環境の問題、福祉の問題など
都市的課題が存在するとともに、
企業活動等への支援や
インフラ整備など
大都市特有の
財政需要があるものの、必要な歳入が確保されていないなど厳しい
財政状況にあることをデータを活用しながら説明しております。
◎増田
税政部長 私からは、
税制関係分についてご説明させていただきます。
まず、
重点要望事項でございますが、
税制関係分につきましては3項目ございます。
9
ページをごらんいただきたいと思います。
9
ページの項目1、真の
分権型社会の実現のための国・
地方間の
税源配分の是正についてでございます。
ここでは、真の
分権型社会の実現のため、複数の
基幹税からの
税源移譲を行い、国と
地方の
役割分担に応じた税の配分とするよう求めております。具体的には、国・
地方間の税の配分をまずは5対5とし、さらに、国と
地方の
役割分担を抜本的に
見直した上で、その新たな
役割分担に応じた税の配分となるよう、
地方税の
配分割合を高めていくことを
要望するものでございます。
1枚おめくりいただきまして、11
ページでございます。
要望項目の2番の
大都市特有の
財政需要に対応した
都市税源の
拡充強化についてでございます。
こちらは、
都市税源である消費・
流通課税や
法人所得課税について、
大都市特有の
財政需要に対応するため、その
配分割合を拡充するよう
要望するものでございます。
続きまして、1枚おめくりいただきまして、13
ページをごらんいただきたいと思います。
項目3の
事務配分の特例に対応した
大都市特例税制の創設についてでございます。
道府県から移譲されている事務について、
指定都市の市民は、その
指定都市から
行政サービスを受ける一方、その経費を
道府県税として負担しており、受益と負担の関係に
ねじれが生じております。この
ねじれを是正するため、
道府県から
指定都市へ
税源移譲するための
大都市特例税制を創設するよう
要望するものでございます。
以上が、
重点要望事項の3点でございます。
続きまして、その他の
要望事項として、24
ページをごらんください。
その他の
要望につきましては、
税制関係分といたしまして6項目ございます。
まず、24
ページの項目1の消費・
流通課税の充実でございます。
消費・
流通課税につきましては、
市町村への
配分割合が下の図にありますように3.2%と極めて低い現状にあるため、その拡充を
要望するものでございます。
1枚おめくりいただきまして、25
ページでございます。
項目2の
所得課税の充実のうち、
個人住民税についてでございます。
税収が安定している
個人住民税は、
市町村の
基幹税目であることから、国・
地方間の
税源配分の是正を図る中で、より一層の充実を図るよう
要望するものでございます。
続きまして、右の26
ページになりますが、項目3の
所得課税の充実のうち、
法人住民税についてでございます。
法人所得課税の
市町村への
配分割合につきましては、左下の図にあるように4.5%と極めて低いことから、国・
地方間の
税源配分の是正により、その拡充を図るよう
要望するものでございます。
1枚おめくりいただきまして、27
ページでございます。
項目4の
固定資産税の
安定的確保についてでございます。
こちらは、3点ございまして、
一つ目は、
市町村の重要な
基幹税目である
固定資産税につきまして、公平かつ簡素な税制を目指すとともに、安定的な確保を図ること、
二つ目は、
償却資産に対する
固定資産税の制度は堅持すべきであり、国の
経済対策などの観点から
見直しは行わないこと、
三つ目は、土地の
負担調整措置については、現行の
商業地等の
据え置き特例を廃止すること、以上の3点を
要望するものでございます。
1枚おめくりいただきまして、29
ページになります。
項目の5番目の
定額課税の
見直しについてでございます。
こちらは、相当期間にわたって税率が据え置かれている
定額課税につきまして、
社会状況の変化を踏まえて適切な
見直しを行うよう
要望するものでございます。
最後になりますが、右側の30
ページの項目6番の
税負担軽減措置等の
整理合理化についてでございます。
こちらは、
税負担軽減措置や
租税特別措置のうち、課税の均衡上、適当でないものや、主として国の施策により
地方税に影響を及ぼすものなどにつきまして、一層の
整理合理化を進めるよう
要望するものでございます。
○
伴良隆 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
三神英彦 委員 私からは、19
ページの
地方交付税の
必要額の確保と
臨時財政対策債の廃止について質問させていただきます。
地方交付税の
交付額の最も多い本市は、
一般財源全体に占める
地方交付税の割合が高く、青本
要望の中でも
地方交付税の項目が特に重要だと考えます。
要望するに
当たり、7月23日に、今年度の
普通交付税交付額と
臨時財政対策債発行可能額が決定したばかりです。
そこでまず、1点目の質問ですが、今年度の
普通交付税と
臨時財政対策債の
決定内容について、改めて伺わせていただきます。
◎梅田
財政部長 今年度の
普通交付税及び
臨時財政対策債の
決定内容についてのご質問でございます。
今年度の
普通交付税は1,078億円、
臨時財政対策債の
発行可能額は473億円となり、
合計額は1,551億円となったところでございます。
予算計上額は、
普通交付税が1,078億円、
臨時財政対策債は480億円ということで合計1,558億円と見込んでおりましたので、7億円の
予算割れとなったところでございます。
前年度の
決定額との比較で申し上げますと、
普通交付税は1,001億円、
臨時財政対策債は559億円ということで
合計額は1,560億円でありましたことから、
普通交付税は76億円の増、
臨時財政対策債は86億円の減ということで、
合計額は9億円の減となったところでございます。
◆
三神英彦 委員 今、二つの
合計額1,558億円から7億円の
予算割れとなっているということでした。割合にすると0.4%ですが、7億円というのは大きな金額であり、
予算割れにより、
市民サービスへの影響は少なからずあるのではないかと考えます。
質問ですが、今年度の
普通交付税等の
予算割れの誤差についてどのようにお考えになり、対応されるのか、伺わせていただきます。
◎梅田
財政部長 今年度の
普通交付税の
予算割れについての考え方と今後の対応についてのご質問でございます。
予算割れの原因といたしましては、
基準財政需要額が
補正係数の改善により
予算見積もり額よりも12億円ほど増となったものの、
基準財政収入額のほうが
個人市民税の増により19億円の増となったことにより、差し引き7億円の
予算割れとなったものでございます。現在の算定の仕組みでは正確な
見積もりが非常に難しい面もあるものの、来年度以降は、大きな乖離が出ないよう、今年度の算定結果を分析して
見積もりを行ってまいりたいと思っております。
次に、今後の対応についてでございますが、
予算割れを原因とした事業の取りやめ、あるいは縮小といったようなことは、今のところ考えておりません。市税を初めとした他の歳入の確保を図りつつ、歳出につきましては節約や効率的な執行に努めることで対応してまいりたいと考えております。
◆
三神英彦 委員 他の
歳入確保や歳出の節約によって対応するとの答弁でした。ほかの
サービスに影響を与えることのないように、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
これまで、青本
要望の中で、
普通交付税額の
予見可能性の確保について
要望してきていますが、札幌市の
普通交付税と
臨時財政対策債は、過去から、数十億円規模で予算を上回ったりしたこともあると伺っています。
予算割れをおそれて過少に予算計上すると、かえって
市民サービスに使える
予算額が少なくなり、
サービス水準を落とすことにもなりかねません。反対に、大幅に
予算割れすることになると、予算全体に悪影響を及ぼすことも事実で、この
予見可能性の精度を高めることがとても大事だと思います。
そこで、質問ですが、札幌市として、
予見可能性をもっと高めるためにはどのような具体的な
要望を出せばよいと考えていますか、お伺いします。
◎梅田
財政部長 予見可能性を高めるための具体的な
要望についてのご質問でございます。
普通交付税等の算定に用いる
基礎数値は、例えば保育園の
園児数とか学校の
生徒数など、その年度の数値を用いる場合も多くあります。そのため、
予算編成の段階で正確に見積もることはできませんが、
予見可能性が低過ぎることは問題だというふうに認識しております。
普通交付税の
見積もり方法の概要が
総務省から示されるのが前年度の1月下旬であり、これを予算に反映するにはタイミングが遅いということで、まずは、早期にこれを明示してもらう必要があると思っております。
また、その
見積もり方法の概要も、安全を見て過少な
伸び率が示される場合があることや、最も金額の大きな税目である
個人市民税がその時点で示されていないといった問題もございますので、そういった点の改善に向けて今後も国に
要望してまいりたいというふうに考えております。
◆
三神英彦 委員 地方交付税、
臨時財政対策債を合計して1,600億円近くあるため、誤差のパーセンテージが低かったとしても額としての振れ幅は大きいことになります。次年度以降の
交付額について、より正確に見積もることができるよう、国にしっかり求めていただきたいと思います。札幌市にとって、
地方交付税は、言うまでもなく、なくてはならない重要な財源であります。引き続き、
必要額の確保と誤差の
最小化、この2点について20政令市とのコンセンサスの中でしっかり国に
要望していただくことを求めて、質問を終わらせていただきます。
◆うるしはら直子
委員 私からも、同じく19
ページの
地方交付税の
必要額の確保と
臨時財政対策債の廃止に関して、今年度新たに掲載された(1)の5行目の
会計年度任用職員制度について、2点ほどお伺いいたします。
まず、2017年5月に
地方公務員法及び
地方自治法の一部が改正され、2020年、来年の4月から
会計年度任用職員制度が導入されることとなりました。この
会計年度任用職員制度は、
地方行政において重要な担い手となっている臨時・
非常勤職員の適正な
任用や
勤務条件を確保することを目的として導入されるものです。
現在、札幌市におきましても、市民からの
行政ニーズが
多様化・複雑化する中で、医療や教育、子育てなどさまざまな分野において臨時・
非常勤職員が
任用されており、それぞれの職場でご活躍いただいておりますが、その不安定な雇用の形態や処遇などから、将来に不安を抱えながら働いている方々も少なくないと認識しております。
今回の新制度の導入に向けては、
所管部局におきまして鋭意検討されていることとは思いますが、臨時・
非常勤職員として働いている方々にとりましては、この
会計年度任用職員制度はどのような制度になり、今後の
任用や
勤務条件がどうなるのか、強い関心と不安をお持ちのことと思います。
そこで、質問ですが、まずは、一般的に
会計年度任用職員制度はどのような制度となるのか、また、
会計年度任用職員制度の導入に当たって、札幌市の
財政にどのような影響があるものなのか、お伺いいたします。
◎梅田
財政部長 会計年度任用職員の制度の内容と、この制度の導入による札幌市の
財政面への影響についてのご質問でございます。
会計年度任用職員は、
一般職の
非常勤職員であり、
任用期間が
会計年度の範囲内とされているため、
会計年度任用職員と呼ばれておりますが、次年度における再度の
任用を妨げるものではありません。勤務時間はフルタイムとパートタイムがありますが、いずれにしても
期末手当の支給が可能になっているほか、その他の
勤務条件についても、
労働関係法令を遵守いたしまして、類似する職務に従事している
正規職員、あるいは国の
非常勤職員との均衡を踏まえて適切に整備することが求められているものでございます。
札幌市の
財政に与える影響につきましては、現在、制度を構築している段階であること、また、ことしの4月1日現在で
非常勤職員が約2,300人、
臨時的任用職員が約1,000人おりますが、来年度にどのくらいの職員が
会計年度任用職員に移行するかはまだ不明であることから、正確な金額を出すことは困難ですけれども、
期末手当の支給などによりまして
財政支出の増大が見込まれるところでございます。
◆うるしはら直子
委員 会計年度任用職員の区分などが整備され、また、
期末手当などが支給になる一方、
財政支出の増大も見込まれるとの回答でございました。
会計年度任用職員制度の導入は、
地方公務員制度の大転換であり、
正規職員との
格差是正、非
正規職員の
処遇改善の一歩であると評価しております。
札幌市における
会計年度任用職員制度の検討に
当たりましては、制度が導入された趣旨を踏まえて、
会計年度任用職員には適切に
期末手当を支給するべきだと考えますが、一方で、今の答弁にございましたように、そのことによって新たな
地方負担として
財政支出の増大が見込まれるため、国からの財源の確保が課題となります。
そこで、質問ですが、札幌市として、
期末手当の支給などに伴う財源の確保について、国にどのように求めていくのか、お伺いいたします。
◎梅田
財政部長 財源の確保について国にどのように求めていくかということでございますが、
委員がご指摘のとおり、
会計年度任用職員制度の導入に当たっては、財源の確保が大きな課題となっております。
この
会計年度任用職員制度の創設に伴い、必要となる財源につきましては、平成29年5月9日の
衆議院総務委員会におきまして、当時の
高市総務大臣が、
制度改正によって必要となる財源につきましては、今後、各
地方公共団体の取り組みについてしっかりと調査する必要がありますけれども、
地方財政措置についてはしっかりと前向きに検討させていただきますというふうに答弁をしておりまして、実際に、今年度に
総務省が調査を行っているところでございます。十分な
地方財政措置がなされるよう、
全国市長会や
北海道市長会のほか、
大都市人事主管局長からも国に要請を行っているところでございます。引き続き、この青本
要望を含め、さまざまな機会を捉えて国に強く
要望してまいりたいというふうに考えております。
◆うるしはら直子
委員 会計年度任用職員制度の導入に
当たりまして、必要な財源の確保に向けて、ただいまの答弁にもございましたように、さまざまな方面からも国に対して強く
財政措置を
要望していただきたいと思いますし、また、この青本
要望で
地方交付税額をしっかりと確保することも重要だと考えるところでございます。
最後に、
要望ですが、今回の制度が運用されるに当たっては、
財政上の制約を理由として、例えば、雇いどめを行うとか、あるいは
期末手当を支給しないなど、不適切な運用が行われることのないように進めていただくこと、あわせて、札幌市として、今後、市民が求めるより質の高い
行政サービスの提供を行っていくためにも、
正規職員をしっかりと確保した上で、
会計年度任用職員の方が負担を感じることなく働くことができるよう、適切な運用をしていただくことを強く
要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
◆
森山由美子 委員 私からも、何点かお伺いいたします。
まず最初は、昨年度の青本
要望の成果についてでございます。
青本
要望については、毎年実施していますが、
税制関係、
財政関係ともに、昨年度と同様の
要望項目となっております。青本
要望は、大きな
税財政改革が必要な
要望が多く、短期的に簡単に実現するようなものでないことは理解しておりますが、せっかくやるからには成果を出していく必要があると考えております。これまでの青本
要望の成果としては、県費負担教職員に係る権限移譲に伴い、
税源移譲が実現したことは認識しております。
そこでまず、1点目の質問ですが、昨年度の青本
要望の成果について、具体的にどのようなものがあるのか、伺います。
◎梅田
財政部長 昨年度の青本
要望の成果についてのご質問でございます。
昨年度の青本
要望の成果といたしましては、19
ページの
重点要望事項の
財政関係3の
地方交付税の
必要額の確保と
臨時財政対策債の廃止の項目につきまして、今年度の
地方財政計画における
一般財源総額が、前年度から1.0%、5,913億円上回る額が確保されたことがまず挙げられます。また、その
一般財源の中身におきましても、
地方交付税が前年度から1.1%増額となったのに対し、
臨時財政対策債は、廃止とまでは行かなかったものの、前年度から18.3%の減ということで大幅な削減が実現したところでございます。
そのほか、
要望事項の
財政関係2の
地方債の
借入条件等の改善と
補償金免除繰上償還の実施の項目につきまして、
公的資金の
貸付金利の設定を小数点第3位に引き下げるよう
要望しておりましたが、ことしの4月から、
財政融資資金において部分的に
貸付金利の設定が小数点第3位まで引き下げられたところでございます。
また、同じ項目の
公共施設等適正管理推進事業債につきまして、対象施設を拡充するよう
要望してまいりましたが、今年度から橋梁や都市公園につきましても対象が拡充されるなど、一定の成果があったものと認識しております。
◆
森山由美子 委員 今触れられた32
ページの(2)にかかわる
公共施設等適正管理推進事業債の活用状況について質問させていただきます。
地方交付税や
臨時財政対策債のほか、
地方債の項目において、
公共施設等適正管理推進事業債の対象施設の拡充などの成果があったということでございました。
公共施設等適正管理推進事業債は、
公共施設等の集約化、複合化、老朽化対策等を推進し、その適正配置を図るため、平成29年度に創設され、令和3年度までの時限措置となっております。交付税措置のある有利な起債となっているので、札幌市においても積極的に活用していくべきと考えます。
そこで、質問ですが、
公共施設等適正管理推進事業債について、札幌市として具体的にどのような事業に活用しているのか、伺います。
◎梅田
財政部長 公共施設等適正管理推進事業債の具体的な活用についてのご質問でございます。
この制度が創設された平成29年度におきましては、長寿命化事業として市有建築物の改修に25億円、道路、橋梁等補修に20億円、合計45億円の
公共施設等適正管理推進事業債を活用したところでございます。平成30年度におきましては、同じく、市有建築物の改修に31億円、道路、橋梁等補修に14億円のほか、集約化・複合化事業として学校新築に2億円、合計47億円を起債したところでございます。
長寿命化事業の交付税の措置率は30%から50%となっており、これは
財政力によって変動しますが、今年度の札幌市の場合は33.5%となっております。また、集約化・複合化事業の交付税措置率は50%となっており、従来は、交付税措置のない、または措置率の低い市債や
一般財源で実施していた事業につきまして、この制度の創設により、札幌市の実質的な持ち出しを減らすことができたものでございます。
したがいまして、今後も活用できる事業につきましては、積極的に活用してまいりたいと考えてございます。
◆
森山由美子 委員 昨年度は、市有建築物の改修や道路、橋梁等の補修などに47億円ほど活用したとのことでありました。積極的に活用するとともに、恒久的な措置となるようしっかり国に
要望していただきたい。
最後になりますが、
要望書の作成に当たっては、各市でさまざまな議論がなされているかと思いますけれども、札幌市の意見を積極的に主張することで、札幌市にとって効果的な
要望としていくことが必要です。さらに、昨年度の地震も踏まえ、今後の災害対策にとって有効な具体的
要望を行っていくべきであります。
そこで、
要望書作成の過程において、札幌市としてどのような意見を出し、反映されたのか、お伺いいたします。
◎梅田
財政部長 要望書案の作成過程における札幌市の意見とその反映についてでございます。
まず、さきにご審議をいただきました白本提案の文案作成の際に札幌市の意見が採用され、そのまま今回の青本
要望に反映された部分が、19
ページの
地方交付税の項目において2点ほどございます。
1点目は、
人づくり革命に伴う新たな
地方負担を的確に盛り込むべきという表現を追加した点でございます。もう1点は、
臨時財政対策債につきまして、
指定都市への配分が多くなる
算定方法となっているという問題点を指摘する表現を追加したものでございます。
それ以外に、今回の青本で新たに札幌市の意見が反映された部分といたしましては、32
ページの
要望事項の
財政関係2の
地方債の
借入条件等の改善と
補償金免除繰上償還の実施の項目でございまして、
公共施設等適正管理推進事業債の対象施設の拡大につきまして、例えば区役所や消防署などの
公用施設も対象とすべきという部分が追加されております。昨年9月の北海道胆振東部地震を踏まえて、区役所は災害対策における極めて重要な役割を担うとともに、
指定都市だけの共通の課題でもあることから、拡大すべき対象施設について、昨年度の青本の表現では全ての施設という言い方でございましたが、単に概括的な表現ではなく、具体的に区役所というような文言を明示するよう求めたところ、文案に反映されたものでございます。
◆
森山由美子 委員 青本の内容について、昨年の本
委員会で我が会派が指摘したように、安易に毎年同じ内容とするのではなく、必要に応じて
見直しを行い、時宜にかなった効果的な
要望としていくべきと考えます。また、札幌市の意見を反映させることも重要です。来年度以降の青本
要望においても、しっかり主張すべきことは主張し、効果的な
要望とすることを求め、私の質問を終わります。
◆佐藤綾
委員 私からは、4点質問いたします。
まず、27
ページの4
固定資産税の
安定的確保についてお伺いいたします。
(2)の
償却資産にかかわる中小企業設備投資の
特例措置は、昨年度、2018年度から実施されていますが、以前から、中小企業への設備投資促進を図るという目的でこうした
特例措置があり、2016年度、平成28年度から、取得後3年間に限って
固定資産税を2分の1に減額するという仕組みであるとお聞きしております。しかし、昨年度からの
特例措置は、減額について、特例割合をゼロから2分の1以下とした範囲内で、本市では特例割合ゼロを適用することにしております。昨年5月29日の、
財政市民
委員会で毛利
税政部長が、ゼロにする理由についての質問に対し、事業への補助の上乗せがあり、中小事業者の生産性の向上に向けた設備投資を支援していく観点だと答弁されております。
そこで、制度が創設された2016年度、平成28年度7月以降からの2分の1の
特例措置の制度の適用企業数と投資額、また、その影響額、2018年度、平成30年度からの特例割合をゼロとした現在の生産性向上特別措置法の適用企業数と投資額、その影響額についてお伺いいたします。
◎増田
税政部長 今のご質問は、中小企業の設備投資の
特例措置の適用企業数と投資額、それから影響額ということでございます。
まず、平成28年度の税制改正において創設された経営力向上設備に係る
特例措置の実績でございますが、平成29年度課税分では、事業者数が38社、取得価額が約13億円、減税額については約800万円でございます。2年目に
当たります平成30年度課税分では、事業者数が151社、取得価額が約49億円、減税額は約2,900万円でございます。同様に、3年目となります平成31年度課税分では、事業者数が250社、取得価額が約88億円、減税額については約4,400万円でございます。
それから、
二つ目の平成30年度の税制改正において創設された先端設備等に係る
特例措置の実績でございますが、こちらは、事業者数は37社、取得価額は約10億円、減税額は約1,200万円となっております。
◆佐藤綾
委員 税の申告の時期の関係で違いが出てきますが、特例割合が2分の1の旧制度の場合、昨年は活用した企業が143社で310件、投資額は41億円、新制度の場合、今の答弁では、ことしの1月に税金の申告で反映されているのは37件とのことですけれども、現在、申請件数は123件あって、設備投資額が25億7,000万円ほどと経済企画課からもお聞きしております。
こうした中小企業が頑張れるように応援する制度は必要だと思います。しかし、対象となる企業数から見ても決して多いとは言えない件数ですので、どういう規模の企業が活用し、また一方で、なぜ活用していないのか、この制度が地域経済の活性化にどのような効果を及ぼしているのかなどの検証を行い、
要望に反映させるべきです。
また、本来であれば、
固定資産税として100%本市に入ってきますが、そのうち75%が交付税として補填されますけれども、本市としては25%の減収となります。
地方公共団体の収入である
固定資産税の減額
特例措置を国が制度として創設するのであれば、自治体の減収にならないような制度にすべきだと申し上げます。
次に、(3)の土地の
負担調整措置についての
商業地等の
特例措置の廃止の
要望についてお伺いいたします。
商業地というと商店街などが思い浮かびますが、住宅地以外、全てがこの
商業地等に含まれるとお聞きしております。現行の昨年度課税標準額の措置特例を廃止し、負担水準を70%に収れんすることでいかほどの増収額となるのか、お伺いいたします。
◎増田
税政部長 ただいまの
商業地等の
据え置き特例の廃止に伴う影響額についてでございますが、平成31年度ベースでございますけれども、
固定資産税、都市計画税を合わせまして、最終的には約33億円程度の増収となると見込んでいるところでございます。
◆佐藤綾
委員 店舗で言うと150平方メートル、45坪以下の個人商店から1万平方メートルを超える大型の店舗など、零細から大きな企業までがここに含まれますが、特に個人商店では
固定資産税も大きな負担となっています。土地の広さによって税額が違いますし、公平とはいえ、小さな個人商店、中小零細企業の営業を守ることは、札幌市の経済を考える上で重要なことではないかと思いますので、税金を負担する体力のある大企業と、負担に苦しむ零細企業、小さな商店を一律に見直すのではなく、地域で頑張っている個人経営の商店などの営業が圧迫されることのないような制度内容としていくことを求めます。
次に、29
ページの5
定額課税の
見直しと、30
ページの6
税負担軽減措置等の
整理合理化についてお伺いいたします。
定額課税の
見直しの
要望、法人市民税均等割についてですが、資料では、昭和59年、1984年から36年間据え置かれているということです。表を見ますと、資本金1,000万円以下と資本金1億円、10億円、50億円以下、50億円超という分け方ですが、余りにもざっくりとし過ぎており、例えば資本金1億5,000万円の企業と9億円の企業で、従業員50人以下だと同じ16万円です。資本金が11億円と49億円の企業でも、同額の41万円ということになります。また、本市には、資本金が1,200億円を超える企業もありますが、50億円を超える企業は、従業員が50人以上の場合、全て300万円となります。均等割部分については応益負担に基づくというお考えとお聞きしておりますが、こうした分け方の段階や金額について、応益負担としても公平かどうか、疑問です。
本市として、適切な
見直しとは具体的にどういう
要望をお考えか、お伺いいたします。
◎増田
税政部長 法人市民税均等割の税率区分に関して、まず、適切な
見直しとは具体的にどういう
要望かというご質問でございます。
法人市民税の均等割の税率区分につきましては、
委員からのお話にもございましたが、
地方団体が行う
行政サービスとの応益関係に着目して、そのために要する
地方団体の経費の一部の負担を求めるものでございます。現行の法人市民税の均等割の税率区分につきましては、資本金の額と従業者数により5万円から300万円まで段階的に定められているところでございます。これが長期間据え置かれていることから、企業の規模に応じた税負担も含めて適切な
見直しが必要と考えているところでございます。
◆佐藤綾
委員 2010年、平成22年にも、日本税理士会連合会税制審議会が
地方税制の問題点とあり方についての諮問への答申で、応益課税の原則は
地方税制を構築する上での基本的な理念であるが、全ての税目を拘束するものではないと考えられるとした上で、
法人住民税の均等割について、現行の課税標準は必ずしも事業規模を反映されたものと言えない、その
見直しを行うとともに、税率水準も再検討する必要があるとしております。
札幌市は、資本金1,000万円以下の中小企業が4万件以上で75.3%と、こうした会社が札幌市を支え、経済的な役割を担っているため、中小企業へ配慮していくことが重要と考えます。適切な
見直しというのであれば、やはり先ほどのご答弁にもありましたけれども、事業規模を反映させ、大企業に見合った法人市民税の均等割としていくことを
要望するべきです。
また、
個人市民税についてですが、均等割で3,000円、そのほか、東日本大震災の復興税として臨時特例で2023年度まで市税で500円、道税でも500円多くなっております。2023年度以降は森林環境税として同額を徴収することが決まっており、そうした負担が恒常的になっている中、均等割の負担を上げるべきではありません。市民税所得割は一律8%、道民税は2%で合わせて10%ですが、累進課税とし、所得の高い層の所得割の引き上げを
要望すべきと申し上げます。
次に、30
ページの
固定資産税の減額措置についてですが、新築住宅にかかわる
固定資産税の減額措置について、昨年度に、本市で対象となった新築件数と、その減額措置により減収となっているのはいかほどなのか、お伺いいたします。
◎増田
税政部長 新築住宅に係る
固定資産税の減額措置の昨年度の件数と減収についてでございますが、平成30年度課税分の適用の戸数につきましては5万7,588戸、減税額については約23億円でございます。
◆佐藤綾
委員 これは、札幌市に家を建てる市民への減額措置ですけれども、本市に定住するということで、
固定資産税だけではない税収、所得税や住民税なども入ることになります。関連の雑誌などでも、マイホームを建てる場合、この
特例措置を含めて、制度があることで新築を推奨する記事も多く掲載され、家を建てることで、建築業界のみならず、家具や家電の買いかえなども多くなって、経済の活性化によい影響を与えることは本市としても認識していることだと思います。
住宅ストックが充足していると言いますが、古い空き家なども含めた数の上でのことですし、本市は、若い世代が首都圏へ出ていってしまうという人口の社会的流出も多いのですから、親の暮らしていた土地に若い世代が家を新築して定住する、また、子育て世代が札幌市にマイホームを建てる、こうしたことは応援すべきではないでしょうか。減税により子育て世帯への支援となることからも、新築住宅にかかわる
固定資産税の減額措置は継続すべきと申し上げ、質問を終わります。
○
伴良隆 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
伴良隆 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、本日の
委員会を閉会いたします。
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閉 会 午前10時50分...