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  1. 札幌市議会 2019-06-26
    令和 元年(常任)文教委員会−06月26日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    令和 元年(常任)文教委員会−06月26日-記録令和 元年(常任)文教委員会            札幌市議会文教委員会記録            令和元年6月26日(水曜日)       ────────────────────────       開 会 午後0時58分     ―――――――――――――― ○松井隆文 委員長  ただいまから、文教委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  児童虐待による死亡事案に係る報告についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎町田 副市長  委員会の審査に先立ちまして、一言、申し上げます。  このたびの中央区の2歳の女の子が亡くなるという大変痛ましい事案につきまして、まず、亡くなられた池田詩梨さんのご冥福を心からお祈り申し上げるものでございます。  本事案につきましては、児童相談所における児童の安否確認の徹底やリスク判断において認識の甘さがあったものと考えており、その責任を重く受けとめております。まことに申しわけございません。  今後は、秋元市長の指示のもとに、私が本部長となって立ち上げた本部会議におきまして緊急対策を進めるとともに、有識者の方々で構成される検証組織におきまして、対応状況等の検証と再発防止策の検討を急ぎたいと思います。  本事案の経過等につきまして、お手元の資料に基づき、担当部長よりご説明申し上げます。よろしくお願いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  私から、事案の概要について、資料1に基づき、ご説明させていただきます。  今月5日午前5時ごろ、実母から119番通報によりまして救急隊が出動しましたところ、不審なあざや傷があったため、消防指令管制センターを通じて110番通報され、臨場した南警察署が本件事案を認知しております。  すぐに救急隊によりまして医療機関に搬送されましたが、午前5時40分ごろ死亡が確認されました。  同日午後11時43分に実母の交際相手が、翌6日午前7時25分に実母が逮捕されました。いずれも傷害罪容疑で逮捕されまして、死因は衰弱死とのことであります。  次に、世帯の概要でございます。
     本件児童の池田詩梨さんは、2歳の未就園児でございます。実母の池田莉菜は21歳です。交際者の藤原一弥は24歳です。  次に、資料3の対応経過でございます。  これまでの児童相談所東保健センター及び南警察署での取り扱いにつきまして、時系列でご説明申し上げます。  まず、平成28年6月8日、実母は、東保健センターにおきまして、本児の妊娠届を提出しております。10代の若年妊婦のため、地区担当保健師継続支援対象世帯となっております。  翌年、平成29年1月11日、東保健センターでは新生児訪問の約束を2度していましたが、当日の不在が続き、この1月11日に訪問しております。本児の発育は順調で、母方祖母の支援もあると聴取しております。  その後、4月19日には、東保健センターで4カ月健診を実施しております。体格の経過観察のため、2カ月後の来所を指示しております。  東保健センターでは、8月から9月にかけまして、計4回、経過観察未来所のため連絡をしておりますが、当時、連絡はついておりません。しばらくしまして、11月9日には10カ月健診も未受診となっておりますことから、電話しましたが、つながらず、翌日には文書によって来所を促しております。  その後、年がかわりまして平成30年6月14日になります。この日、1歳6カ月健診を受診しております。所見では、身長、体重が小さく、体格経過観察のために3カ月後の来所を指示し、病院宛ての精密検査票を交付しております。また、1歳以降の予防接種も未接種のため、接種を勧奨しておりました。  その後、約3カ月ほどがたちまして、9月28日朝でございます。私ども札幌市児童相談所に、この世帯に関する虐待通告が入っております。早速、東保健センター問い合わせをいたしまして、地区担当保健師継続支援対象世帯であることを聴取しております。また、直近の1歳6カ月健診では、小柄、運動発達の確認のため、10月に経過観察の予定であること、そのほかに、訪問しても不在のことが多いなどを聴取しております。  当日夕刻に、児童相談所では家庭訪問を実施しております。当時、お子さんに対して、身体、衣類は清潔であり、本児にあざや傷などもなく、関係者などにも調査しました結果、通告事実がないものと児童相談所は判断しております。  一方、東保健センターでは、11月から12月にかけまして、1歳6カ月健診における経過観察未来所のために連絡をしておりましたが、不在が続き、12月19日にも立ち寄り訪問をしましたけれども、不在であったため、文書を発送しております。また、1月9日にも電話をしておりますが、連絡がとれませんでした。  その後、ことしの春になりまして、4月5日、再び札幌市児童相談所に中央区内の虐待通告が入っております。当時、その通告内容では対象世帯が特定できなかったことから、当該建物の未就学児のいる世帯を複数調査しましたところ、本世帯が残り、同日夕刻に家庭訪問いたしましたが、不在であったため、連絡票を投函して帰庁しております。週が明けました4月8日月曜日、再び家庭訪問いたしましたが、不在のため、再度連絡票を投函しております。  そうしましたところ、翌日の9日、我々札幌市児童相談所のほうから、再度、電話をかけたところ、折り返しの電話が実母から入っております。実母によりますと、通告の期間は交際相手宅にいたため、その通告時には不在だったとの内容でございました。児童相談所職員は、本児の目視による安全確認を依頼しましたところ、実母からは了承いただきましたため、その後の連絡を待っていたところでございますが、実母からの連絡がなく、4月22日、訪問するも不在であったため、連絡票を投函しております。また、翌23日、24日、5月8日、それぞれ実母に電話いたしましたが、応答がありませんでした。  そのような中、5月12日深夜、札幌市児童相談所南警察署から問い合わせが入っております。内容は、住所情報のみで過去に取り扱いのあったケース照会ができるかというものでございましたが、住所のみでは検索ができない旨を回答しております。  翌13日、児童相談所では、4月5日の通告の件で、実母と接触が図れないことから、再び実母に電話いたしましたが、応答がありませんでした。  午後になりまして、南警察署から児童相談所に、本世帯の取り扱い経過の照会が入っております。情報を照らし合わせましたところ、児童相談所での取り扱いケースであることが判明しております。  同日夜間、南警察署から児童相談所のほうに連絡が入っております。内容は、当該世帯に対して強制的に、またはすぐにでも接触できる手段はないかとの要請であります。児童相談所では実母に電話をいたしましたが、応答がありませんでした。その旨を南警察署に報告し、その場での同行につきましては、夜間帯で職員体制が整わないことから困難と回答しております。  翌14日の午前になります。南警察署から連絡が入りまして、当該家庭に対して訪問可能となった場合、児童相談所の同行訪問を考えたいがいかがかという内容でございます。児童相談所といたしましても、本世帯に接触したいと考えていましたので、警察が訪問する際に可能ならば同行訪問も考えたいと伝えております。  同日昼ごろ、南警察署から、翌15日の訪問約束ができた、しかしながら、実母との会話の流れで児童相談所の同行を嫌がる可能性が高く、当時、児童相談所と警察との話し合いの中で児童相談所は同行しないことといたしました。その際に、警察で面会した後、児童相談所が実母に連絡して面会することとし、警察には訪問時の状況について報告をお願いしております。  翌日の15日午後には、南警察署が訪問して、当該母子と面会を実施したとの連絡があります。子どもの身体状況を確認し、虐待が心配される状況ではなかったとの連絡を児童相談所では受けまして、この内容をもって、児童相談所としましては虐待事実がないと判断したところでございます。  その際、警察からは、実母から、本児がよく泣くことについて、自閉症ではないかと悩んでいるとの情報を受けております。そのため、実母の発達相談の意向を踏まえ、5月17日、5月22日に実母へ電話をしましたが、応答していただけず、6月4日に児童相談所が家庭訪問いたしましたが、不在であり、連絡票を投函しております。  そして、6月5日、本事案が発生いたしました。 ◎山本 子ども育成部長  資料2及び資料3については、私から説明いたします。  まず、資料2の札幌市児童虐待防止緊急対策本部会議におけます副市長指示事項の内容と対応状況について説明いたします。  同会議は、町田副市長を本部長とし、今月10日に立ち上げ、総務局、保健福祉局子ども未来局の関係局長、部長で構成されており、副市長からは、3の副市長指示事項にあります5項目の指示事項が出されております。  1点目は、乳幼児健診未受診者等の再点検についてであります。  乳幼児健診や精密検査を未受診の子どものうち、日常的に子どもの状況を確認できない全てのケースについて、6月中に安否確認を実施することが指示されております。  対応状況といたしましては、現在、各区保健センターにおいて、6月末をめどに安否確認を実施中であり、安否確認ができない世帯については、保健師と家庭児童相談室による緊急対策チームが早期把握に努めることとしております。  2点目は、警察との確実な連携についてであります。  対応状況としては、今月17日に市長と道警本部長との間で、実務者による協議の場を設置し、緊密な連携体制を築いていくことを確認いたしました。今後、着実に情報共有、連携を進めていきます。  3点目は、夜間・休日対応の検討についてであります。  対応状況としては、児童相談所内で夜間・休日対応手順を明確にするための検討に着手したほか、初期調査を委託している児童家庭支援センターと今後の対応等について協議を開始したところでございます。  4点目は、リスク再評価方法の徹底についてであります。  虐待通告のあった全てのケースに対し、組織的なリスク評価、確実な進捗管理の徹底に加え、状況の変化があった場合にリスクを再評価し、必要な関係機関との共有について検討することが指示されております。  対応状況としては、今月10日より、虐待通告書へのリスクアセスメントシートを全件について作成し、リスク評価等の確実な実施を徹底しているところであります。また、毎日の所内会議の中で組織的な情報共有を図り、いわゆる48時間ルールについて、通告から48時間が経過しないよう、適切に進捗管理を行うことを徹底しているところでございます。さらに、区や関係機関との情報共有のあり方の再検討に着手したところであります。  5点目は、児童相談体制及び第2児童相談所の早期検討についてであります。  これにつきましては、児童相談体制の強化についてご審議をいただくべく、子ども・子育て会議児童福祉部会を7月中をめどに開催し、第2児童相談所の設置を含む第3次児童相談体制強化プランの検討を進めることといたします。  資料2につきましては以上でございます。  最後に、資料3の検証組織の設置について説明いたします。  まず、1の経緯ですが、児童虐待の防止等に関する法律において、児童虐待を受けた児童がその心身に著しく重大な被害を受けた事例について、国、地方公共団体双方の分析等が必要と規定されております。具体的な検証の進め方としては、検証に関する基本的な考え方や検証の進め方等については厚生労働省から通知が出ておりまして、札幌市では、それを踏まえ、今後、検証作業を進めてまいります。  また、検証組織ですが、札幌市では、札幌市子ども・子育て会議の中に常設されております児童福祉に関する事項の審議等を行う児童福祉部会検証組織と位置づけております。  なお、この児童福祉部会ですが、2の委員構成にあります方々で構成されております。  今月20日にはこの児童福祉部会が開催され、3の審議結果にありますが、児童福祉部会内に検証ワーキンググループを設置し、具体的な検証を開始することとしたところです。  なお、1回目の検証ワーキングについては、7月中をめどに開催することとし、この検証ワーキングについては非公開とすることが決定されました。  この検証ワーキンググループの役割としましては、1点目として、対象事案について、関係機関へのヒアリングやその他必要な調査を実施すること、2点目として、その調査結果に基づき、課題等を分析し、再発防止のために必要な取り組みを検討すること、3点目として、検証結果とともに再発防止のための提言をまとめ、児童福祉部会に対して報告することでございます。  また、検証ワーキンググループの委員構成ですが、児童福祉部会から部会長及び委員1名が検証ワーキンググループの委員に就任するほか、その他の分野の専門家の方々に対し、臨時委員として就任を依頼することになります。 ○松井隆文 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆小須田ともひろ 委員  今ほど、今回の事案の対応状況についての報告がありましたが、子どもを守る立場である札幌市においてこのような事件が起きたことは大変憂慮すべき事態であり、今後、児童虐待防止緊急対策本部会議検証委員会などで今回の事件がなぜ起きたかについてしっかりと検証し、このような痛ましい事件が二度と起きないよう改善策を講じなければならない重大な問題であります。  この対応経過からもわかるように、この母親が電話や不在票にはなかなか応じないということは明らかだったはずです。それにもかかわらず、立入調査などによる48時間以内の安否確認が実施されておりません。警察との同行訪問に応じて直接安否確認を行うことも可能だったはずですし、特に、本事案は、児童相談所による直接の安否確認が必要だったのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、なぜ児童相談所の職員による安否確認が行われなかったのでしょうか。また、5月15日の警察からの連絡を受け、当時、虐待なしと判断した経緯について、改めて、どのように受けとめているか、伺います。 ◎高橋 児童相談所長  安否確認を行わなかった理由と虐待がないと判断した経緯についての受けとめのご質問でございます。  5月15日に警察が本世帯を訪問しまして、本児を目視確認しております。警察からの報告で、虐待が心配される状況ではなかったとお話をいただいております。児童相談所としましては、このことをもって虐待はないと当時の判断に至っております。  しかしながら、本児の発育面を含めた身体状況につきましては、児童相談所みずからの目視や、実母に対しての聞き取りによって虐待の有無を判断すべきでありまして、案件に対するリスクの判断が当時十分に行われていなかったものと受けとめております。 ◆小須田ともひろ 委員  経過について、ちょっとさかのぼりますが、5月12日の警察からの住所照会に対し、住所検索はできないという回答があります。システムで情報管理をしているならば、子どもの生命、身体を守るという緊急性が求められる業務の性質上、住所だけで検索できる仕組みにして当然だと考えます。  そもそも、虐待の疑いがあるとして近隣の住民などから通報がある場合、氏名がわかっている場合というのは少ないのではないでしょうか。住所での検索ができないのはなぜか、早急に住所検索を可能とするよう求めますが、対策は進んでいるのでしょうか。 ◎高橋 児童相談所長  住所から検索できない理由と対策でございます。  現在のシステムでは、児童または保護者の氏名での検索は可能となっておりますが、住所からの検索機能というものを有しておりません。このことから、応急的に、現行システム内のデータを加工しまして、職員で共有できる体制をつくったところでございます。また、今年度中のシステム改修におきまして、しっかりと住所検索機能を整備する予定でございます。 ◆小須田ともひろ 委員  昨年の第2回定例市議会で、我が会派は、児童虐待発生の防止や対策について、虐待発生は保護者の心身の状態や環境上の要因によるところが大きい、どのような対策に取り組むことが必要と考えているかという趣旨の質問をいたしました。その際、秋元市長は、児童虐待は、経済的な影響や少子化、核家族化による育児知識の不足など多岐にわたる背景が見られる、親子とかかわるさまざまな機会を捉えて、不安を抱える家庭の状況をしっかりと把握し、助言や支援に結びつけていくことが重要と答弁しておりました。  そこで、質問ですが、今回のケースでは、家庭の収入や交際相手などの生活実態をどの程度把握していたのでしょうか。今回のような事件に結びつく可能性をどの程度考えていたのか、お聞きいたします。 ◎高橋 児童相談所長  生活実態の把握と事件の可能性でございます。  まず、育児放棄の疑いで通告がございました昨年9月28日の家庭訪問では、実母から聞き取りを行うことができております。この時点では、生活実態につきましてはある程度把握しておりました。また、東保健センターからは、1歳6カ月健診のときに把握した情報も共有しておりました。  ことしになりまして、4月5日、通告受理以降におきましては、4月9日の実母からの電話で交際相手の存在を知り得ておりましたが、詳細につきましては把握しておらず、関係機関からの情報も含めた判断におきまして、リスク評価が十分ではなく、今回の事案に結びつくような可能性を想定できなかったものでございます。 ◆小須田ともひろ 委員  もう1点、昨年の第3回定例市議会で、副市長から、子どもの安全確保を最優先する対策を徹底して迅速に進める、児童相談所関係機関との情報共有を徹底し、子どもたちが支援のはざまに落ちることがないよう、切れ目のない支援に向けて取り組みたいという答弁がありました。また、本年の第1回定例市議会で、これからの母子保健のあり方について、さまざまなリスクを有する妊婦の早期把握や継続支援の充実など、母子保健事業の強化を図ることがこれからの母子保健のあり方と認識、妊娠期から包括的な支援体制の充実を図り、児童虐待の予防に取り組むというお答えがありました。  そこで、質問ですが、具体的にどのような対策を進めているのか、今回のケースに関して、児童相談所東保健センター、警察がかかわっていますが、どのように情報とリスクを共有し、連携して支援していこうとしていたのでしょうか。改めて振り返り、どのように連携していく必要があったか、受けとめをお伺いします。 ◎小田原 保健福祉局健康企画担当部長  ご質問のうち、母子保健における児童虐待予防の具体的な対策については、私からお答えいたします。  母子支援の入り口であります母子健康手帳交付時には、これまでも保健師が全員に面接を実施しており、本年4月からは、より丁寧に状況を聞き取るよう、チェックリスト表を導入し、妊娠・出産・育児期において支援が必要な妊婦を漏れなく把握するよう対応を強化したところでございます。  また、児童虐待の予防には、医療機関と行政の切れ目のない支援が重要でありますことから、その双方向の情報共有の仕組みであります保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業への協力医療機関の拡大を図っているところでございます。 ◎高橋 児童相談所長  児童相談所における具体的な対策についてでございます。  これからの母子保健のあり方につきましても、本年度中に策定します第3次児童相談体制強化プランの中で、どのような体制で取り組むべきか検討しようとしたやさきでございます。今回の事案におきまして、児童相談所保健センターなどでは、一定程度の情報を共有しながら、母子に会えるようそれぞれが連絡をとっておりましたが、リスクの認識が十分ではございませんでした。  これらの状況を踏まえますと、要保護児童対策地域協議会における個別検討の対象児童としまして、具体的な支援策の検討を継続的に行うとともに、4月5日の通告受理後、48時間が経過した早い段階で警察に対する情報提供としかるべき対応について議論すべきであったと認識しております。  改めまして、これらの課題を検証の中でも明らかにし、今後の計画などに反映していきたいと考えております。 ◆小須田ともひろ 委員  今月、この事案が起きた後、6月11日に、我が会派では、市内で発生した児童虐待が疑われる事案に対する緊急要望を提出いたしました。その中では、子どもの権利条例において、条例が目指すとしている権利侵害からの救済について、全く機能していないと言わざるを得ないと書かせていただきました。  そこで、副市長にお伺いいたしますが、この緊急要望について、どのように受けとめ、今後どのように取り組んでいくおつもりでしょうか。 ◎町田 副市長  このたびの緊急要望につきましては、児童虐待防止緊急対策本部の本部長として大変重く受けとめております。  緊急要望におきましては、人員体制の強化や専門性の向上、地域や関係機関との連携の強化についてご指摘いただいているところですが、これらを含めまして、再発防止に向けた検証の結果を踏まえ、早急な改善策を講じてまいります。 ◆小須田ともひろ 委員  最後に、要望でございます。  これから今回の事案に対する検証が進むものと思いますが、目に見える形で改善が進むことを期待いたします。改善に当たっては、早期に対応が必要なものや十分に議論が必要なものなどさまざまだと思いますが、二度とこのような事案が発生しないよう、全庁を挙げて取り組むことを強く要望いたします。  さらに、第2児相のあり方検討と方針をなるべく早く打ち出すとともに、子どもの権利条例が名ばかりの条例にならないための対策を十分に検討することを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆松原淳二 委員  2歳のとうとい命が亡くなった、亡くなった池田詩梨さんに、私の立場からも心よりご冥福をお祈りしたいと思います。  そして、何としてでも札幌市として取り組みを進めていかなければいけないと思っていますので、その上で質問させていただきたいと思います。  本市は、子どもの権利条例を掲げ、児童虐待は子どもの最大の権利侵害という共通認識のもとで各種の取り組みを行ってきたところです。また、全国的にも、子どもが犠牲となる事件、事案が相次ぎ、国の児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策の徹底が急がれる中、このような事案が発生したことは、大変ショックであり、残念でなりません。  どこかで他人ごととしての思いがあったのではないか。市長も会見などで語っていたとおり、また、今ほど町田副市長からもありました認識の甘さ、リスク判断の甘さが、このような最悪な事態を招いたものと考えます。まだ明らかになっていない事柄もありますが、児童相談所を初め、行政としての責任は大変重たいものと認識します。今後の徹底的な検証と原因究明、再発防止に向け、全庁一丸となって取り組まなければなりません。  先日設置された子ども・子育て会議児童福祉部会の中で、今後、多角的な視点で検証作業などが進むことと思いますが、その上で、これまでの業務のルールでは児童虐待防止に向けてどのように取り組んできたのか、そして、どうしてこの事案が見過ごされてしまったのか、児童相談所の対応並びに児童相談所との連携という観点から保健センターにかかわる点を中心にお伺いいたします。  まず、児童相談所の対応についてお伺いいたします。  児童相談所では、児童虐待の通告があってから、児童の安全確認を48時間以内に行うルール、いわゆる48時間ルールとなっており、安全確認ができなければ警察へ情報提供し、立入調査の実施などといった次の段階に早急に進むべきこととなっております。しかし、今回のケースではそうした点が徹底されていませんでした。  そこでまず、1点目の質問ですが、これまで、通告があってから受理に至るまでのルール、そして、48時間ルールを遵守するためにどのような取り組みが行われてきたのか、お伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  虐待通告の受理と48時間の安全確認ルールについてでございます。  昨年度、国から示されました虐待防止強化策につきましては、48時間の安全確認のルールや警察との情報提供のあり方などを事務処理マニュアルに反映させまして職場内周知を図ってきたところでございます。これまで、児童虐待の通告を受理した場合、まず、受理票というものを作成しまして、緊急案件の場合は直ちに緊急受理会議に諮ることとしております。また、それ以外は、原則、当日のうちに、私、所長までの関係ラインに受理票を回付する形で共有しておりまして、訪問調査につきましては2人1組の体制で迅速に初動活動を行ってまいりました。また、日々の訪問調査に伴う児童の安全確認につきましては、随時、課内会議などで実施状況を共有しながら進めていたところでございます。 ◆松原淳二 委員  強化策を受け、48時間ルール、情報共有のルールの徹底、マニュアルをしっかりと行ってきたということでございますが、結果的にはマニュアルをつくっただけ、実行に移されなかったということだと思います。また、通告があってから、まずは受理票を作成して、安全確認が必要とされるリスクの高いケースでは必要に応じて緊急受理会議を行う、しかしながら、一般的なものに関しては当日の受理票の配付のみで終わっていたということであります。また、通告の初期調査を主に行う調査担当の職員10人が、2人1組でペアを組みながら、チームとして補完し合う形で取り組みが進むこととなっていたのだと思います。ただ、これも、結果的には、情報共有、また、所長のところまで情報が上がらなかった、毎日の所内会議も形骸化され、実際には徹底されていなかったのだと思います。  そこで、質問ですが、多分、情報共有をする毎日の所内会議もしくは朝のミーティングなどで情報共有する場面をつくっていたのだと思いますが、この所内会議といったものが通常はどのような形で行われていたのか、お伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  所内会議の内容でございますが、児童虐待通告で申し上げます。  所内の緊急受理会議に諮っていましたのは、情報内容が直ちに危険と判断され、一時保護が想定される案件に限られておりました。また、初期調査を終えた案件の報告につきましても所内会議に諮っておりましたが、48時間を超えたもの全てを所内会議に諮るという仕組みにはなっておりませんでした。  このことから、事案の発生後、虐待通告につきましては、速やかに受理会議に諮り、また、48時間以内に児童の安全確認がとれない案件につきましては、毎日の所内会議で情報を共有する仕組みとしたところでございます。 ◆松原淳二 委員  これまでの所内会議、一日の朝の会議では、一時保護を想定していなければ緊急受理会議が行われていなかった、安全確認が必要とされ、それに応じて開催される緊急受理会議も、これまでは、その緊急性を議論するのではなく、あくまでも限りなく一時保護が想定される緊急性を要するものしかかからなかった、そして、何といっても、48時間を超えていたもの全てが共有されていなかった、こういったことが事実であります。今、改善のお話がありましたが、一時保護を想定した緊急性を要するものに限られていたこと、また、48時間ルールを超えていても情報共有されていなかった現実を見ると、所内会議といったものが形骸化されていて、情報共有の場として全く機能していなかった、そして、報告もペアを組んでいる担当者任せに陥っていたというのが実態だと思います。  日ごろの業務が多忙なのは重々承知しております。だからこそ、その進捗を管理する第三者の目として、所内会議で明らかにし、どこまで進んでいて何が足りないのかといった点を共有しなければならなかった、せっかくつくったマニュアルを生かし切れていなかった、このことに対する取り組みを早急に進めていただきたいと思います。  次に、保健センターの連携についてお伺いさせていただきます。  児童を対象とする保健福祉サービスは、児童の健康状態や保護者の育児の悩みなどを確認し、必要な支援につなげる重要な機会であり、児童が健やかに成長するために必要不可欠なものだと認識します。特に、就学前の乳幼児期は、外部と接する機会が少なく、また、成長スピードも速く、変化も著しいことから、必要な支援につなげる重要な機会だと考えます。  しかし、この乳幼児健診等のサービスを勧奨しても、合理的理由なく受診しない子どもの家庭においては、虐待発生のリスクが高く、支援について検討が必要な家庭も考えられると言われております。また、そうでなかった場合においても、何らかの困り事を抱えているケースも多いと聞いております。こういったことから、2018年3月に発生した目黒区の児童虐待事案を受け、国の児童虐待防止対策のための強化に向けた緊急総合対策の中でも、乳幼児健診未受診者や未就園児等の緊急把握の実施に取り組むよう求められていたところであります。  そこで、質問ですが、本市における乳幼児健診の未受診者に対し、具体的にどのようなルールで取り組みが行われていたのか、お伺いいたします。 ◎小田原 保健福祉局健康企画担当部長  乳幼児健診未受診者対策の具体的なルールについてお答えいたします。
     4カ月児健診におきましては健診案内日から1カ月間、1歳6カ月児健診と3歳児健診におきましては2カ月間、来所がない場合、アンケート票を送付し、その未受診の理由等を把握しております。アンケート票の返信がない場合には、電話や家庭訪問により状況を確認し、状況確認ができない際には、要保護児童対策地域協議会情報共有すべき案件か否かについて、保健センター内の課内会議にて判断する仕組みとなっております。情報共有すべき案件につきましては、要保護児童対策地域協議会におきまして対応等について検討し、その後も引き続き状況把握に努めることとしております。 ◆松原淳二 委員  それぞれの健診時期に応じて1カ月から2カ月といった未受診者に対してのルールがあり、それにのっとって取り組みが行われているということです。また、このルールに乗った事案であれば要保護児童対策地域協議会情報共有することになりますので、そこで児童相談所保健センターとの情報共有がなされることになります。今回の事案は、1歳6カ月健診を受診していたことから対象となっておらず、情報共有されていなかったものだと考えます。  しかしながら、先ほどのお話を聞いておりますと、1歳6カ月健診を受診した際に出された精密検査受診票を使用して病院受診をしていない、また、3カ月後の再来の呼び出しにも応じていないということであります。さらに、当該健診の際にはかなり小柄であったということであります。子どものその後の成長・発達の確認にとどまらず、疾病の可能性の有無についても早急に確認すべきであったと思われます。現行のルールでは、対策から漏れることや対応し切れないものと考えます。  そこで、質問ですが、今回の事案を踏まえ、このような対策から漏れることがないよう取り組むべきと考えますが、どのようにお考えか、お伺いいたします。 ◎小田原 保健福祉局健康企画担当部長  今回の事案を踏まえた今後の未受診者対策の取り組みについてお答えいたします。  今回の事案におきましては、4カ月児健診や1歳6カ月児健診を受診していたものの、指定された再来の健診や精密検査については未受診でありました。これまでも、再来未受診や精密検査未受診につきましては受診勧奨をしておりましたものの、その後の対応について明確なルールを設けていなかった現状にございます。今後は、これら再来未受診や精密検査未受診につきましても、乳幼児健診未受診者と同様に取り組みを強化していく必要があるものと認識しております。  札幌市児童虐待防止緊急対策本部会議におきまして、副市長から指示があり、現在行っております乳幼児健診未受診者等の緊急点検の結果も踏まえまして、漏れがないような対策を講じてまいりたいと考えております。 ◆松原淳二 委員  やはり、漏れる事象といったものも発生しますし、再来がなかなかされない、また精密検査を受けないといった事象については、さらに対応をしっかり行っていかなければいけませんし、想定される課題はまだあろうかと思います。今後、検証委員会での専門家などのお話も参考にしながら、どういったケースで漏れる可能性があるのか、また、児童虐待を疑うケース、困り事を抱えているケースにはどういったものがあるのか、しっかりと検討を行っていただきたいと思います。保健センターでの面会の機会といったものは、乳幼児期にとっては貴重な時間になります。こういった機会をしっかりと生かし切る対策がとられるように期待させていただきたいと思います。  次に、児童相談所の体制について、もう一度、児童相談所に戻ってお伺いさせていただきたいと思います。  国が昨年12月に策定した児童虐待防止対策総合強化プランでは、児童福祉司1人当たりの管轄人口を4万人から3万人に見直し、児童福祉司を増員する旨がうたわれております。また、今般改正された児童虐待防止法においては、児童虐待に関して、介入と支援という言い方になろうかと思いますが、一時保護等の介入的対応を行う職員と、子どもや保護者の支援を行う職員を分ける措置を講じるように示されているところです。  本市の場合は、現在、児童福祉司は49名で、管轄人口は4万人となっています。介入的対応を行う部門は、虐待通報などがあった際に即時に対応しなければいけないということで、一定程度の機動力、そして即応性が求められることから、介入的対応の初期調査を主に行う調査担当10名がその任を担っていて、この10名で年間1,500件近い虐待通告の初期調査を担当していると聞いております。単純計算ですが、1人当たり年間の対応件数は150件となります。  しかし、先ほどのお話にもあったように、2人ペアで調査に当たることになると、1人当たりは150件かもしれませんが、2人で行動するのであれば訪問調査はその倍を想定しなければなりません。また、残りの39名の児童福祉司については、年間4,000件という相談受理に対応をしなければなりません。そういった中で、初期調査を行う担当10名が初動調査、また一時保護も行う環境にあります。  そこで、質問ですが、業務分担なども含めて、現行の児童相談所の体制における課題認識についてどう考えるのか、お伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  業務分担などを踏まえた現行体制の課題認識でございます。  委員からお話がありましたとおり、児童虐待の通告があった際には即時に対応しなければならないことから、一定程度の機動力といったものが必要でございます。また、体制の充実と業務の役割分担というものも重要だと認識しております。  札幌市児童相談所では、従前から、一時保護などの介入的対応を行う職員と保護者への支援を行う職員を一定程度分けて取り組んできております。このため、今回の法改正におきまして、より明確に介入的対応体制の見直しと安全確認の迅速化を進める必要がございます。当面は、現行体制の中で即応的な職員対応の体制をつくり、そして、児童家庭支援センターなどとの連携を含めて検討して取り組んでいきたいと考えております。 ◆松原淳二 委員  介入と支援という役割分担の中で、国が示しているものがさらに明確になるということであります。  ただ、これも、明確にすればいいのかという懸念もあります。今の体制ではできていませんでしたが、本来であれば、介入を含めて、手が回らなければ、相互支援といったことも可能にしていかなければいけないと思います。即時性を求められる介入だからこそ10名という専任担当を持っていますけれども、この10名で回り切れない場合には、即応性を有しない担当からも応援をいただく、支援をいただくといった相互連携をしなくてはいけない、また、介入、一時保護などの事案がない場合には、逆の立場もあろうかと思います。やはり、業務が明らかになればなるほど、こうした相互支援といった枠組みもやりづらくなるのが現状だと思います。こういった点もしっかり踏まえながら、相互連携、また、児童相談所のチームとして取り組みを進めていただきたいと思います。  もちろん保健センターもしかりですが、やはり、行政一丸となって取り組むといったことは、ただ単に全員で頑張るというわけではなく、相互間の連携、情報共有をいかにやっていくかがキーになります。ぜひ積極的に、また、今後の検証作業、専門家の意見などもしっかり聞き入れながら、よりよい環境づくりに努めていただきたいと思います。  また、このような仕事の仕組みといったものは、決して児童相談所だけではないと思っています。今、本庁舎内でも情報共有が滞っている部門もあろうかと思います。この点は、決して他人ごととはせず、全庁一丸となって、風通しがよく、情報共有されるように、属人に任せ切りではないチームとしての取り組みを進めていただくよう求めて、私からの質問を終わります。 ◆森山由美子 委員  まず、このたびの1人のとうとい子どもが亡くなるという痛ましい事件につきましては、大変心を痛めるとともに、亡くなられた池田詩梨さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。  私からも、何点かお伺いいたします。  我が会派は、このたびの事案を重く受けとめ、6月10日に市長に対して緊急要望書を提出させていただくとともに、先日の代表質問でも、児童相談所が果たすべき基本的な責務を果たせなかったことに猛省を促すとともに、その事実を真摯に受けとめ、徹底した検証と原因究明に全力を挙げていただくことを求めたところでございます。  今回の事案では、地域住民から複数回にわたり虐待疑いの通告があったにもかかわらず、児童相談所は、48時間以内の直接確認など、本来すべき対応を行っていなかったこと、さらに、道警と情報を共有していながら、連携を十分にとることができなかったなど、さまざまな課題が挙げられています。このことを踏まえ、この6月17日には、市長が道警本部長を訪問し、今後の情報共有や連携のあり方について協議をしたい旨の申し入れを行っております。児童虐待の防止に当たっては、まずもって警察との連携強化が不可欠であり、より効果的な連携のあり方について、今後しっかりと協議していく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、市長と道警本部長の会談でどんな話し合いがされ、これからどのように協議を進めていくのか、そして、道警との連携で目指している形はあるのか、伺います。 ◎高橋 児童相談所長  市長と道警本部長との協議内容についてでございます。  今回の事案を受けまして、今後、実務レベルで警察との連携をより強固にするための協議をするお願いをし、道警からもそうした場を設定することに対してご了解をいただいたところでございます。  内容としましては、虐待通告があった際の対応ルールの明確化や、家庭の状況変化を捉え、双方の情報やリスク判断を共有した上で連携して対応することを目指していきたいと考えております。既に、道警とは課題整理などの連絡をとっておりまして、実務に当たる者をメンバーとした協議に早急に取りかかる予定でございます。 ◆森山由美子 委員  私が地域住民の皆様とさまざまなお話をさせていただく中で、今回の事案について、民生委員や児童委員、青少年育成委員から意見をいただくことが数多くあります。これら委員の方々は、日ごろから地域を歩いているので、地域のことをよく知っており、たくさんの情報を持っています。児童相談所にも、日々、さまざまな情報や相談が寄せられているとは思いますが、既存の体制だけでこれらに対応することはおのずと限界があると感じます。  そこで、質問ですが、虐待を未然に防止するためには、このような地域に根差した団体と連携し、地域力を総合的に発揮することが大事であると考えるがいかがか、伺います。 ◎高橋 児童相談所長  地域に根差した諸団体との連携についてでございます。  市民や諸団体に対しましては、出前講座などの開催を通じて、児童虐待の早期発見・早期対策の必要性について説明を行っているところでございます。また、地域においてきめ細やかな児童虐待の予防、防止の活動を展開していただくため、オレンジリボン地域協力員を展開しており、これまで多くの民生委員、児童委員や青少年育成委員の方々などに担っていただいております。この協力員の方々には、児童虐待の現状などについて定期的に情報提供させていただいておりまして、フォローアップのため、オレンジリボン講演会も開催しているところでございます。  これらの取り組みを着実に続けていくことで、地域で児童虐待防止に協力していただける方や悩んでいる保護者、子どもの声を受けとめていただける方がふえていくことは大変重要なことでございます。ぜひ、今後とも積極的に推進してまいりたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  先日の代表質問において、我が会派の福田議員が、第2児童相談所の開設を含めた児童相談体制の強化について札幌市の考えをただし、市長から、第2児童相談所の可能な限りの早期開設や、人材育成を含めて計画的に専門職を確保する旨の答弁がございました。第2児童相談所ができるのは数年先になりますが、それまでの間、児童相談所の体制強化をどのように行うかが喫緊の課題と言えます。  特に、昨年12月の国の児童虐待防止対策体制総合強化プランにより、児童福祉司の配置基準が人口4万人に1人から3万人に1人に見直され、今後、児童福祉司のさらなる増員が必要ですが、それに対応する有資格者の配置や事務スペースの確保など、さまざまな課題が考えられます。  そこで、最後に、札幌市児童虐待防止緊急対策本部長であられます町田副市長にお伺いいたしますが、児童相談所として人材確保の課題はどのように考えるか、また、当面の強化としてはどのような対応を検討しているのか、伺います。  加えて、虐待専門の部署の新設など、組織体制の抜本的な改革の検討も今後必要と考えますが、ご認識をお伺いいたします。 ◎町田 副市長  児童相談所児童福祉司などの専門職は、専門知識に加えまして、経験も非常に重要なものであります。いかにして専門性を有する人材を確保し、育成していくかというのは大変重要な課題だと認識するところでございます。そして、児童相談所の体制強化に向けましては、児童福祉司の一人一人の専門性に加えて、児童相談所の組織としての専門性、ノウハウ、知識が重要でございます。  当面の取り組みといたしましては、先般の児童虐待防止緊急対策本部におきまして、夜間・休日対応等について早急に検討するようにと指示したところでございますが、子どもたちの安全を最優先に考え、児童相談体制強化に向けて現時点で行えることは早急に行い、また、今回の事案の検証を踏まえた検討をしっかりと行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆森山由美子 委員  今後、二度とこのような事件が繰り返されぬよう、大切な命を守るため、いついかなるときも命の安全に緊急性を持って対応できるよう、今後、児童虐待対策について、全庁を挙げて迅速な検討、対策を講じられるよう強く要望し、私の質問を終わります。 ◆村上ひとし 委員  幾つか質問させていただきますが、説明にあったり、あるいは、これまでの委員の質疑とも多少重複する傾向があるかもしれませんけれども、重要な案件ですので、委員長におかれましてはご配慮をいただきたいと思います。  それでは、早速、質問に入ります。  まず、先ほど、対応した経過について時系列でご説明がありました。そこで、時系列の部分で、もう一度、確認も含めてお伺いしたいと思います。  私は、詩梨ちゃんを救うチャンスは複数回あったというふうに認識しておりますし、高橋所長も同じ思いだと思っております。そこで、2019年4月5日金曜日の対応ですが、この4月5日以降、4月8日に家庭訪問するが、不在で連絡票を投函したり、4月9日には電話もしている。折り返し実母から電話があって、通告の期間は交際相手の家にいた、だから不在でしたというようなことが述べられていた。その後、目視で子どもの安全を確認させてくれということを実母も了承した、しかし、その後、実母から連絡が来なかったということで、4月22日に訪問したときも不在、23日、24日、5月8日に電話をしますが、応答がなかったということでした。  そこで、この間の対応ですが、これらは、保護者が虐待を認めない、あるいは、家庭訪問や子どもと会うことを拒む場合は虐待のリスクが高いと判断しなさいということで、まさに新しく国が示している状況だったと思います。リスクアセスメントシートがなかったということにもなるのでしょうけれども、この4月5日から5月8日の対応について、なぜ、職場全体でこれはリスクが高いという判断ができなかったのか、改めてお伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  本件世帯につきましては、4月5日の通告が2度目になっております。この4月5日以降、当時は中央区の状況が入ってきておりましたが、対象世帯は特定されておらず、建物の場所のみが特定されていました。そして、複数の世帯に小さなお子さんがいらっしゃるということから、幾つかの世帯を一つ一つ潰してまいりまして、最終的に確認、連絡がとれなかったのが本件世帯でございます。本来であれば、その全ての対象世帯に、チェックシートを使い、幾つかのリスクというものを持った上でそれぞれ訪問していくべきでございました。しかしながら、本件につきましては、複数の対象世帯ということでチェックシートの作成そのものが行われていなかったがために、こういった期間、調査として続いてしまったものでございます。 ◆村上ひとし 委員  ただ、4月8日に家庭訪問していますし、連絡票を複数回投函して、電話も複数回して応答がないと。こういう状況になると、普通、担当している職員が上司に相談するということが当然あろうかと思うのですよ。私は、仕組み上、リスク判断をするルールが不十分であったとしても、これが個人で処理されてきたのか、組織的に処理されてきたのかというのは、検証をしていく大きな部分だと思いますが、いかがですか。 ◎高橋 児童相談所長  折々には、課長までは状況の報告がなされておりました。しかしながら、所内会議という多くの職員が情報を共有する会議の場面には上がってきておらず、毎日の確認作業というものは行われていなかったものでございます。 ◆村上ひとし 委員  普通は、訪問して連絡票を入れても連絡が来ない、あるいは、何回も電話をかけても返答がないと。交際相手の家にいたから不在だというのは、その真実も含めて、ここでどうなのかということを疑うことも当然必要だったと思うのです。  そこで、次の質問に行きます。  5月12日の23時30分ころに、南警察署から児相に電話がかかってきたということであります。これは、相当、緊張感が走る電話であったはずだと思いますが、なぜ、このときの対応が不十分だったのか、私はここが残念でしようがないのです。そして、翌5月13日、南警察署から21時56分にまた児相に協力要請があったわけですが、12日の23時30分から13日の21時56分の間に職場でどういう対応がされたのか、お知らせいただきたいと思います。 ◎高橋 児童相談所長  ご質問のありました5月12日深夜のことでございます。  こちらにつきましては、本件と直接結びついている問い合わせではなかったと認識しております。あくまでも、これまで多くの問い合わせがある中身のものと同様の趣旨のもので、南警察署からは住所情報でわかるか否かというご質問ですので、その当時、住所を特定してお尋ねいただいているものではございません。  それから、13日に改めて我々も個別に実母と接触を図っております。そういった日中の流れの中で、改めて、13日の夜、今度は、南警察署から、個人が特定した内容で一緒に同行訪問はいかがか、あるいは、建物の中に入ってぜひ確認してみたいのだけれども、どうかといった趣旨のやりとりのものでございます。 ◆村上ひとし 委員  先ほどの質疑で、システム改修の課題がありましたが、やはり、そうであればシステム的な改修が急がれると思います。警察から通報が入るというのはそれなりの状況だというのは間違いないですから、それをシステム的に改善するというのは急がれる課題であります。それは、まず急いでいただきたいと私も申し上げたいと思います。  次に行きますが、5月14日、南警察署からの連絡が午前9時半にありまして、可能なら同行訪問も考えたいと伝えたということですが、可能ならというのはどういう意味合いなのでしょうか。 ◎高橋 児童相談所長  本件については、担当職員の記録、記載でございます。この場では推測でお答えすることができませんので、これらを含めて検証委員会の中で明らかにしていただきたいと思っております。 ◆村上ひとし 委員  人的体制上の問題ですか。 ◎高橋 児童相談所長  そこは、検証委員会の中で確認をしていきたいと思います。 ◆村上ひとし 委員  検証委員会で確認するということですが、ここも、職員体制を含めて十分に検証する必要があるというふうに私は思っています。検証委員会ということですので、そこでしっかり検証していただきたいと思います。  次に、5月15日の対応でありますが、虐待の事実がないと判断したということです。しかし、道警によりますと、詩梨ちゃんの体にあざが二つほど確認されている、母親によると、誤ってぶつけたんだという説明があったと報道されておりますが、これらを踏まえた上で虐待事実がないと判断されたのでしょうか。 ◎高橋 児童相談所長  当時、訪問調査をした南警察署の職員から私どもに状況を報告していただきました。おっしゃるとおり、小さなあざというお話がありましたが、警察と母親との話の中で、不審に思われるような状況ではなく、虐待が疑われるよう様子ではなかったという報告をいただきましたので、そのことをもって私どもは虐待の事実なしという判断をしたものでございます。 ◆村上ひとし 委員  それは大きな問題ですよ。私は時系列でお伺いしていますが、第1回目の虐待通告を受けた9月28日、2回目の4月5日、この状況を踏まえて、児相が警察の情報も受け取って、しかも、警察の情報から、小さいけれども、あざがあることを児相でも確認していたのですよね。 ◎高橋 児童相談所長  直接の確認ではなく、お話としてそういうお話をいただいておりました。 ◆村上ひとし 委員  そういう話が警察からあったならば、私は、9月28日と4月5日の状況を踏まえれば、虐待の事実がないと判断するというのはあり得ないと思います。  国から、新しいルールの一つとして、保護者が虐待を認めない、家庭訪問や子どもと会うことを拒む場合等は虐待のリスクが高いものと認識しなさいということが出されましたが、4月5日というのはまさにそうですよ。そのことを誰が判断したのですか。組織的に判断されたのですか。それとも、誰かの判断だったのですか。明らかにしていただきたいと思います。 ◎高橋 児童相談所長  そうした一つ一つの事実確認ですが、これらのことも踏まえて、検証委員会の中で明らかにしていきたいと思います。 ◆村上ひとし 委員  ここは、すごく大事なところだと思うのですよ。  私は、今回の札幌の事案については、大きく三つの問題があるだろうというふうに思っています。1点目は、通告受理後、原則48時間以内に子どもの安全確認等を行うルールの徹底が示されていたにもかかわらず、このルールに基づいた対応ができなかったこと、2点目は、子どもに会えないこと自体をリスクが高いものとすることなどの新たなルールが示されておりましたが、結果的にこのルールに基づいた対応ができなかったこと、3点目は、虐待などの対応については、組織的に協議して決定するとともに、事例の進行管理は、状況の変化等について確実にフォローを行うため、全ての事例について定期的に確認する必要があるということです。そういう意味では、5月15日も組織的な対応が不十分であったと思われますから、今後、この部分の検証は極めて重要だというふうに思います。  次に、職場の児童福祉司などの状況についてお伺いいたしたいと思います。  今、48時間ルールの徹底や、新しく朝の会議をしているとか、そういう中で、児相の職員の皆さんがいろいろな意味で疲弊されていると思います。一方で、私は、児相の職員というのは、子どもを虐待から守っていくという意味では誇り高い仕事であると思いますし、やりがいもあるはずだというふうに思っています。  そこで、体制上の問題についてです。共産党も過去に言ってきましたが、資料をいただきますと、先ほどの質疑にも出ておりましたように、2019年度では児童福祉司の配置人数が49人です。2018年度で言うと、相談対応件数が7,465件、うち虐待が1,885件、1人当たりの相談対応件数で言うと162件、うち虐待が41件です。  そこで、1人当たりの相談対応件数が160件を超えているというのは、他の政令市と比較してどういう状況なのか、あるいは、国が示している1人当たりの基準という点ではどうなのか、改めてお伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  配置人数で割り返したときの相談件数162件という昨年度の数字は、他都市と比べてどうなのかというご質問でございます。  人口規模ベースで申し上げますと全国平均とほぼ同傾向ですが、18歳未満の児童人口で割り返したときの札幌市の状況は、若干高い数値を示しております。 ◆村上ひとし 委員  国が求める1人当たりの抱えるケースについて答弁をお願いします。 ◎高橋 児童相談所長  失礼しました。  国のほうでモデルケースとして出しております、将来的には1人当たり40件から50件といった数字との比較のお話だと思います。  今のお話に出ております札幌市の162件というのは、全ての相談件数を割り返した平均値の数字ですが、国が想定している40ないし50件という数字は、1回限りの助言、指導を除外したものでございますので、同じような比較をしたときには数件高いぐらいで、そんなに高いものではございません。 ◆村上ひとし 委員  児童福祉司などの職員はどういう状況で働いているのかという点でも、検証を進めていく必要があると思います。  そこで、児童福祉司の平均年齢と経験年数がどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  札幌市児童相談所児童福祉司の平均年齢でございますが、この6月末現在においての平均年齢は30.8歳となります。また、今月末での平均の経験年数は1.59年という結果になります。 ◆村上ひとし 委員  平均年齢が30.8歳で、経験年数が1.59年、1年半ということだと思います。児童相談所児童福祉司として働いていく上では、いろいろな機関とも連携を求められるし、今回の事案でも連携の不足が指摘されていて、今後、検証を深める部分の課題の一つだと思います。そういう点では、経験年数1年半というのが専門性を有する職場として果たして妥当なのかどうかというのは、児相だけではなくて、全市的な課題として検証する必要があると思います。  そこで、町田副市長、この年齢構成と経験年数をどう認識されているか、お伺いします。 ◎町田 副市長  私が本部長となって立ち上げております対策本部におきましては、私のほかに、子ども未来局長、保健所の医務監、保健所の医務監は乳幼児健診等も所管しておりますが、そのほかに総務局長も入れております。これは、今、村上委員がご指摘の児童相談所の体制について、児童福祉司をどう配置し、どう育成していくのか、あるいは、区役所における家庭児童相談室との連携をどう考えるかというのが今回の問題であり、これらは、検証の中でいろいろなことが明らかになってくると思いますが、市役所として人事体制をどう見直すかというのは非常に大きな問題だと思っておりまして、本部会議でも、私が本部長になって総務局とともにいろいろな形で検討していくことになると思います。 ◆村上ひとし 委員  先ほど、時系列で高橋所長に幾つか質問させていただきました。特に4月5日以降、複数回対応されたけれども、結果が出ないというときに、仮に先輩がきちんと配置されていて、いわゆる年齢構成のバランスがとれている職場であれば、相談もしやすかったり、あるいは、先輩が後輩に声をかけて、どう対応すべきなのかという職場での対応が可能だったというふうにも考えられると思います。もちろん、ルールを明確にして仕事をするというのは当然のことですけれども、そういうもとでも、やはり専門性を生かしていく職場ですから、今後は、児童福祉司などの人材の確保ももちろんですが、専門性の向上を図り、必要な経験を積むためにも、札幌市としての人事異動のローテーションのあり方なども配慮していくことが極めて重要だと思います。  この点については、本部長の町田副市長が先頭になって、人事政策上、大いに進めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎町田 副市長  児童相談所の体制強化については、村上委員のご指摘は私もそのとおりだと思います。これから第2児童相談所をどうつくっていくかということもありますが、建物をつくったからといってすぐに機能するわけではありませんので、その体制をどういうふうにつくっていくのか、それから、職員の育成をどのように行っていくのかと。すぐにどこかから職員に入ってきてもらうわけにはいきませんから、そうすると、組織としてどういうルールでやっていくのか、あるいは、組織の中で、ベテランの職員がいろいろな形で補うようなことがどれぐらいできるのか、できないとすれば、それを補うようなルールをどうやっていけば仕事としての工程管理ができるのかということを札幌市として検討してまいりたいと思います。 ◆村上ひとし 委員  いろいろな関係機関と必要な連携を深めることはもちろんですが、私は、核になるのは市の児相だろうと思いますので、児相の職員の働き方をどう変えていけるのか、これは児相内部でよく検証していってほしいと思います。また、市全体としては、町田本部長が先頭になって、人的体制の充実をどう図っていくのかということを進めていただくことを求めて、終わります。 ○松井隆文 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○松井隆文 委員長  なければ、質疑を終了いたしますが、委員長である私から、一言、申し上げます。  札幌市議会では、これまでも、児童虐待等から子どもを守るためのさまざまな質疑、要望をしてまいりました。しかしながら、今回の大変痛ましい事案が発生いたしました。  本日の各委員からの質疑、要望を最大限真摯に受けとめ、今後、対児童はもとより、その親が抱える悩みや課題に対しても全庁を挙げて向かい合い、対処するよう当職からも申し添えまして、本日の委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――      閉 会 午後2時33分...