加えて、今後は、さらに増加が見込まれる
高齢者が、この札幌でいつまでも元気で活躍し、介護や
福祉サービスなどを必要に応じて受けることや、住みなれた地域で安心して暮らし続けることができる、そんなまちをつくり上げていくことが求められています。さらには、
都市基盤等の一斉更新に合わせ、都市の
強靱化を進め、
災害等に強い、いつまでも安心して暮らし続けられる持続可能なまちを構築していく必要があります。
これまでの100年間、私たちの
まち札幌は、さまざまな時代の変化や困難を乗り越えながらも、先人たちの努力によって成長を続け、世界に誇る都市に発展をいたしました。札幌のまちが、次の100年も魅力と活力を創造し続けるまちであることを目指して、私は、引き続き、誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街と世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街という、二つの心豊かで明るい札幌の未来を描き、これから申し述べます六つの
まちづくりに取り組んでまいります。
一つ目は、安心して暮らせる強く優しい街をつくることであります。
人口減少社会の到来と
少子高齢化の進展という大きな課題を乗り越え、市民の誰もが、高齢や障がいなど、どのような事情を抱えても、そして、大災害などの困難に直面しても、いつまでも元気に安心して暮らしていけるまちをつくっていくことが重要です。
そこで、区の相談機能の充実を図るなど、介護や福祉、医療を、必要なとき、必要な形で切れ目なく受けられる仕組みづくりに取り組むとともに、市民の健康寿命を延ばす
取り組みを進めます。
また、ライフステージや身体状況に応じた住まいの確保に取り組むほか、旅客施設や公共的施設などのバリアフリー化を推進するとともに、心のバリアフリーのさらなる普及啓発を図ってまいります。
さらには、
北海道胆振東部地震の教訓を生かし、避難所となる全ての学校に非常用電源を確保するなど、避難所の機能強化を図るとともに、災害時に大きな支えとなる地域コミュニティーの活性化に
取り組みます。
このほか、
ICT等の先進技術の活用による除雪作業の効率化や省力化を進め、除雪における人手不足に対応していくなど、持続可能な除雪体制の再構築を図ってまいります。
二つ目は、人材を育み成長を続ける躍動の街をつくることであります。
人口減少・超高齢社会にあってもまちの活力を維持していくためには、将来を担う若い世代が札幌のまちに定着し、家庭を築いていけるようにすることが重要です。加えて、働き方改革や人手不足など、新たな課題への対策が急がれます。
そこで、安定した生活の基本となる質の高い雇用を創出するため、引き続き積極的な企業誘致を進めるほか、今後成長が見込まれる次世代産業の育成に向けた
取り組みを強化するとともに、人手不足が深刻な分野を中心に人材確保対策を進めます。
また、札幌を支える中小企業を応援するため、深刻化している後継者不在などの課題解決に向けた
取り組みを支援するとともに、地元企業の受注拡大に向けた
取り組みを一層推進します。
さらには、観光資源の魅力アップや観光客の受け入れ環境の充実などに取り組むことにより、観光産業を初めとした市内経済の活性化を図るとともに、一日も早い
北海道新幹線の
札幌延伸を働きかけ、札幌駅周辺の再整備を官民連携で着実に進めるなど、都心のリニューアルを推進してまいります。
三つ目は、女性がさらに輝き活躍する街をつくることであります。
男性に比べて女性の割合が1割以上高いまちである札幌市にとって、女性がその能力を存分に発揮し、希望に応じて職場や地域、家庭で活躍することは、地域コミュニティーの活性化や職場の生産性の向上につながるものです。
そこで、ワーク・ライフ・バランスや女性の働きやすい環境づくりを進める企業の
取り組みを支援するなど、女性活躍の場の一層の拡大を促し、男性を含めた誰もが働きやすい環境整備に
取り組みます。
また、引き続き保育定員の拡大を図るなど、
子育て世代が安心して
子育てしながら働ける環境づくりを推進するとともに、保育士の就業継続と離職防止に向けた支援など、保育人材の確保に向けた
取り組みを一層強化します。
さらには、産後ママの健康をサポートする
取り組みを進めるなど、妊娠期から出産、育児まで切れ目なく支援を行い、産前・産後ケアを充実させます。
四つ目は、すべての
子どもたちが健やかに育つ街をつくることであります。
子どもたちが持つ無限の可能性を引き出し、最大限に伸ばしていくためには、全ての
子どもたちが健やかに育ち、学べる環境づくりを進めていかなければなりません。そこで、学習や文化活動、スポーツを初めとした多様な学びを支え、みずから学び、みずから課題を解決する力を育むとともに、学校におけるウインタースポーツ学習を支援するなど、豊かな心と健やかな体を育む教育を推進します。
また、児童虐待に的確かつ迅速に対応するため、児童相談所の2所体制化を含め、児童相談体制の機能と専門性を強化するとともに、いじめ問題や不登校へのきめ細やかな対応など、一人一人を大切にする
取り組みを進めることにより、
子どもが安心して暮らせる環境をつくります。
さらには、貧困などの困難を抱える
子どもを支援する仕組みづくりを加速するとともに、さまざまな事情で義務教育を終えられなかった市民に、学び直しの機会を提供する
取り組みを進めてまいります。
五つ目は、魅力と活力にあふれる成熟した街をつくることであります。
先人たちが築き上げ、
市制施行100周年を迎える札幌のまちを豊かな形で将来の世代に引き継いでいくためには、持続可能な形で、都市の魅力と活力に一層磨きをかけていかなければなりません。
そこで、
子どもたちに夢と希望を与えるとともに、札幌、北海道の魅力を世界に強く発信できる
冬季オリンピック・パラリンピックの2030年招致を目指すなど、元気と感動を生み出すスポーツの力を生かした豊かな
まちづくりを進めます。
また、
北海道胆振東部地震における全道の完全停電、いわゆるブラックアウトの教訓を踏まえ、札幌の顔である都心において、エネルギー施策と連動した先導的な
まちづくりに
取り組みます。
さらには、地域の拠点等のにぎわいや魅力の向上に加えて、バスロケーションシステムの導入による公共交通の利便性向上など、誰もが歩いて暮らせる
まちづくりに
取り組みます。
このほか、
札幌市民交流プラザを核とした札幌・北海道発の舞台芸術の創造、発信により、文化芸術を活用した豊かな
まちづくりを進めるほか、
冬季オリンピック・パラリンピックの招致に取り組む都市として、互いの個性や違いを認め合う、より成熟した寛容なまちを目指します。
六つ目は、行政サービスを高度化し不断の改革に挑戦する街をつくることであります。
人々が安心して暮らし、必要なときに必要なサービスを確実に受けられるためには、多様化する市民のニーズを的確に捉え、持続可能な形で行政サービスを高度化していかなければなりません。
そこで、政策立案や行政改革に対し、専門的知見や民間の経営感覚に基づいた助言、意見を受ける仕組みをつくるとともに、民間企業による調査・分析や、他市町村を含めたあらゆるネットワークを活用し、業務の見える化による事務の効率化と市民サービスの向上に
取り組みます。
また、窓口の一本化や待ち時間対策などにより、申請手続の簡素化を図り、わかりやすく時間のかからない窓口を目指すとともに、より適正な事務処理を確保していくための仕組みとして、市役所に内部統制を導入します。
以上に申し上げた六つの
まちづくりに加え、今後の市政運営に当たっては、次の四つの視点を大切にしてまいります。
一つ目は、中長期を展望した
まちづくりです。
これからも魅力と活力を創造し続けるまちであるためには、遠い将来を展望した視点を常に持ちながら市政運営に取り組んでいくことが重要です。
そこで、今後の
まちづくりに当たっては、
人口減少の緩和に努めながら、国連が採択した持続可能な開発目標であるSDGsの視点を踏まえつつ、都市の発展を継続させ、今を生きる私たちはもとより、将来を担う
子どもたち、そして将来の世代までが幸せに暮らしていけるまちを目指してまいります。
二つ目は、市民とともに歩む、市民に寄り添った行政運営です。
時代によって変化していくさまざまな地域課題に適切に対応していくためには、行政の力のみならず、このまちにかかわる多くの皆様の力が必要不可欠です。
そこで、企業、NPOなどを含めた市民のお力添えをいただきながら、オール札幌でこれからの札幌のまちをつくってまいります。また、私たち行政の仕事は、市民の皆さんのためにあるという認識のもと、最適なサービスを的確かつ迅速に届けていくため、私たちは、常に市民感覚を持ちながら、いつでも地域に出向き、市民の皆さんの声に耳を傾け、わかりやすい言葉で伝えるなど、みずからのコミュニケーション能力を高めてまいります。
三つ目は、将来を見据えたバランス重視の財政運営であります。
限られた財源の中で、選択と集中により、最少の経費で最大の効果を上げられるよう、めり張りのきいた財政運営を行うことを基本とするとともに、社会経済情勢等の変化を踏まえた不断の見直しを実施してまいります。
また、都市の魅力向上や地域経済の活性化により税収増につながる政策に対しては、未来への投資として財政出動を行うとともに、市債や基金の適切な管理などによって、将来世代に過度な負担を残さない健全な財政運営を堅持してまいります。
四つ目は、道内市町村との連携であります。
札幌の魅力は、豊かな自然や食などの北海道の魅力に支えられているという認識のもと、道内178市町村と相互に補完し合う関係を築くとともに、北海道との連携を強めながら、道都として北海道活性化を牽引してまいります。
また、札幌市を含む12市町村から成るさっぽろ連携中枢都市圏において、各市町村が持つ強みを生かし、住民サービスの向上や圏域全体の経済成長など、魅力ある
まちづくりを進めてまいります。
以上申し上げました施政方針を実行するに当たり、
まちづくり戦略ビジョンの次期中期実施計画を1年前倒しで本年中に策定をし、市民の皆さんとともに、確かな歩みを進めてまいります。
続きまして、今回提案しております補正予算につきましてご説明申し上げます。
まず、議案第1号 令和元
年度札幌市
一般会計補正予算についてでありますが、この編成に当たりましては、ただいま申し上げました施政方針の六つの
まちづくりに沿って、公約としてお約束いたしました事柄を中心に、早期に着手し、または事業化のめどをつける必要のあるものについて計上いたしました。
特に、昨年9月の
北海道胆振東部地震の教訓と課題を踏まえ、公共的機能を有する施設への非常用電源の整備や、避難所の環境向上といった都市の
強靱化に資する
取り組みを進めるほか、待機児童ゼロを支える保育人材確保のための保育士支援策を充実させることに加え、訪日観光客の増加に対応するための環境整備や、民間投資を呼び込む再開発事業など、市内経済の活性化や将来の
まちづくりに向けた
取り組みも積極的に盛り込むことといたしました。
また、医療助成制度の対象拡大を初めとする
子育て世帯の経済的負担の軽減や、
冬季オリンピック・
パラリンピック招致に向けた環境整備と、対話を通じた機運の醸成にも取り組んでまいります。
そのような中にあっても、財政規律の堅持に努め、基金の取り崩し額や市債残高の見通しについては、
まちづくり戦略ビジョン・アクションプランにおける見通しを下回る水準にとどめるなど、将来世代に過度の負担を残すことなく、財政バランスを重視した予算編成となるよう意を用いたところであります。
それでは、各会計の補正予算の主な事項の内容を六つの
まちづくりの柱に沿ってご説明いたします。
1点目は、安心して暮らせる強く優しい街の実現に向けた施策であります。
まず、災害から市民を守る
まちづくりの
取り組みといたしまして、病院や福祉施設に加え、災害時の一時滞在場所となるホテルなど宿泊施設の非常用電源設備整備に対し助成を行うほか、在宅で常時電源を必要とする障がいのある方に対する非常用電源確保のための費用助成を行います。また、避難場所における寒さ対策や停電対策のための備蓄物資の充実を図るほか、災害時においても継続して行政サービスを提供できるよう非常用電源設備の強化などに
取り組み、災害時のリスクの低減を図ります。さらに、
北海道胆振東部地震により被害を受けたグラウンド等の学校施設の復旧を行うほか、今後の災害に備え、市内の大規模盛り土造成地の調査を実施します。
次に、市民の健康寿命延伸に向けた
取り組みといたしまして、40歳代女性の乳がん検診にエコー検査を追加し、検診の充実を図るほか、市内企業にお勤めの方を対象に、健康意識の向上や健康行動の促進につながる効果的な手法について調査研究を行います。
2点目は、人材を育み成長を続ける躍動の街の実現に向けた施策であります。
まず、産業分野の人材確保と人材育成に向けた
取り組みといたしまして、IT人材へのニーズ拡大を踏まえ、小学生から高校生までの各年代に向けた啓発イベントなど、将来のIT人材の育成に努めます。
次に、次世代型産業の育成を進めるための
取り組みといたしまして、先端医療分野における産学連携の
取り組みへの支援など、医療関連産業の集積に向けた
取り組みを強化することに加え、若者の雇用促進につながるスタートアップの創出を支援します。
次に、外国人観光客の受け入れ環境の充実と観光資源の魅力アップに向けた
取り組みといたしまして、外国人観光客から要望の多いキャッシュレス決済について、市内店舗への導入を促進するほか、滞在期間が長く、経済効果が大きい体験型観光に関する国際会議の北海道開催に向けた誘致活動を進めます。
また、道内有数の温泉地である定山渓温泉エリアへの集客交流施設整備に向けた
取り組みを進めるほか、新たなMICE施設の整備を予定している中島公園駅周辺について、
まちづくりに向けた検討を進めます。
さらに、外国人生活者に対し、暮らしにかかわる情報提供や相談支援を多言語で行う総合窓口を設置し、安心して暮らせる環境づくりを進めてまいります。
次に、都心のリニューアルに向けた
取り組みといたしまして、
北海道新幹線延伸に向けて、札幌駅交流拠点の主要街区である北5西1街区及び北5西2街区の市街地再開発に向けた準備組織を立ち上げるほか、大通・創世交流拠点の
まちづくりに向けた検討を進めてまいります。
次に、中小企業や商店街の活性化を支援する
取り組みとして、後継者不在に悩む中小事業者と起業志望者をマッチングすることにより、事業の継続とスムーズな事業承継を支援いたします。
3点目は、女性がさらに輝き活躍する街の実現に向けた施策であります。
まず、待機児童ゼロの継続に向けて、保育人材の不足が喫緊の課題となっていることを踏まえ、保育士の仕事を補助する支援者の雇用や、繁忙時間帯など短時間勤務の保育士の雇用に対して補助を行うことにより、保育士の方々の負担軽減や潜在保育士の方々の復職しづらさの解消に努めるとともに、保育士の仕事を意欲的に継続していただくため、継続開始から3年ごとに3回、10万円の一時金を支給します。
次に、
子育て世帯への支援を強化する
取り組みとして、現在小学2年生までを対象としている通院に係る
子ども医療費助成制度の対象を、令和2年度からは小学3年生まで、令和3年度からは小学6年生まで拡大するためのシステム整備を進めます。また、1・2歳児のおたふく風邪ワクチン接種費用に対する助成を開始するほか、
子どもの預かりサービスの事前登録手続を一元的に行う窓口を全区に拡大いたします。
4点目は、すべての
子どもたちが健やかに育つ街の実現に向けた施策であります。
まず、
子どもが健やかに育つ環境づくりを進める
取り組みとして、医療的ケアを要する児童生徒が通う学校への看護師派遣を拡充するほか、困難を抱える
子どもを支援する
子どもコーディネーターの配置を拡大します。
また、新たに国庫補助の見通しを得た学校1校の給食室の整備を行います。
次に、学び直しの機会をつくる
取り組みとしては、さまざまな事情により義務教育課程を受けることができなかった方の学び直しの場となる、公立夜間中学校の整備に向けた検討を進めます。
次に、
子どものスポーツ振興に向けた
取り組みとして、市内の小学3年生を対象とした市内スキー場のリフト料金の助成を小学6年生まで拡大するほか、ウインタースポーツの裾野拡大と観戦文化の醸成に向け、大倉山ジャンプ競技場の観戦環境の充実を図ります。
また、
子どもが安心して暮らせる環境づくりの
取り組みとして、現在、中学校に配置されている不登校の
子どもに日常的に働きかけを行う相談支援パートナーの配置を小学校に拡大します。
5点目は、魅力と活力にあふれる成熟した街の実現に向けた施策であります。
まず、拠点の
まちづくりを進める
取り組みとして、市民活動の拠点である厚別中央市民交流広場の再整備を進めるほか、北区北部地域の利便性向上のため、篠路出張所の機能強化に向けた
取り組みを進めるなど、地域のにぎわいと魅力向上を図ります。
また、新たに国庫補助の見通しを得たことから、街路拡幅とあわせて、路面電車の既設線に係る機能向上を進めます。
次に、原発に依存しない社会を目指す
取り組みとして、都心エネルギーアクションプランの策定や、都心部における再生可能エネルギーの導入に向けた調査を行うほか、実質的なエネルギー消費がおおむねゼロとなる住宅やビルの普及に向けた調査を行います。
次に、
冬季オリンピック・
パラリンピック招致に向けた
取り組みとして、市民意見を踏まえた開催概要計画の策定に向けて、ワークショップ等を通じて幅広い市民との対話を行ってまいります。
また、障がいの有無にかかわらず、誰もがスポーツを楽しめる環境づくりに向けて、スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲームの開催支援を通じて機運の醸成を図ります。
次に、スポーツによる
まちづくりを進める
取り組みとして、都市型のスノーリゾートエリアとしてのブランド確立を目指し、調査を行うほか、大通公園を会場としたクロスカントリースキー大会を開催し、新たなにぎわいを創出します。
6点目は、行政サービスを高度化し不断の改革に挑戦する街の実現に向けた施策であります。
まず、業務の効率化や生産性の向上のため、モバイルワーク導入の実証実験を行います。
また、神戸市や民間企業との協働により業務の見える化を進めるとともに、委託化や集約化といった見直し手法の検討や実証実験を行い、事務の効率化と市民サービスの向上を図ります。
以上、補正予算に計上した事業の内容について述べてまいりましたが、今回の補正を含めた
令和元年度の各会計の予算規模といたしましては、繰り越し事業分を除いて、一般会計では1兆227億130万円で、平成30年度当初予算と比較して1.1%の増となり、公債会計以外の特別会計、企業会計を合わせた合計でも、同じく前年度比1.1%の増となる1兆6,517億8,230万円であります。
また、今回の
一般会計補正予算33億5,930万円の財源につきましては、国庫支出金や市債などの特定財源11億1,236万8,000円のほか、当初予算時に留保しました地方交付税20億円を充て、なお不足する財源については、財政調整基金からの繰入金及び平成30年度からの繰越金をもって充てるものであります。
次に、債務負担行為の補正でありますが、先ほどご説明した歳入歳出予算の補正に伴うもののほか、駒岡清掃工場の更新と運営に関する債務負担行為を設定するものであります。
なお、議案第2号 令和元
年度札幌市
公債会計補正予算は、ただいま申し上げました補正予算に関する市債のほか、各会計の前年度からの繰り越し事業に係る市債を整理するものであります。
次に、議案第3号 令和元
年度札幌市
軌道事業会計補正予算は、街路拡幅にあわせて実施する架線柱の移設、制振軌道化などに係る経費の追加を行うものであります。
以上で補正予算に関する説明を終わりますが、私が公約に掲げた事柄のうち、今回の補正予算に盛り込んでいないものにつきましては、本年中に策定することとしております
まちづくり戦略ビジョンの中期実施計画の中で、具体的な工程を定めて、順次、事業化を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、一般議案につきましてご説明申し上げます。
まず、議案第4号 札幌市
子ども医療費助成条例の一部を改正する
条例案は、本市の
子ども医療費助成事業について、新たに小学3年生から小学6年生までの通院を段階的に助成対象に加えるとともに、入院の一部について助成内容を段階的に拡充し、これらに係る自己負担額を初診時一部負担金のみとするものであります。
議案第5号 札幌市
税条例等の一部を改正する
条例案は、地方税法等の一部改正に伴い、個人市民税について、いわゆる住宅ローン控除を拡充するとともに、
子どもの貧困対策に係る非課税措置を新設するほか、軽自動車税について、環境性能割の税率を臨時的に軽減する等のものであります。
議案第6号 札幌市
体育施設条例の一部を改正する
条例案は、藤野野外スポーツ交流施設のフィールドについて、来年度から夏期の供用時間を短縮するものであります。
議案第7号 札幌市
控除対象特定非
営利活動法人等を定める条例の一部を改正する
条例案は、特定非営利活動法人働く人びとのいのちと健康をまもる北海道センターを、個人市民税の税額控除の対象となる寄附金を受け入れるNPO法人として定めるとともに、当該寄附金が控除の対象となる期間を定めるものであります。
議案第9号 札幌市
普通河川管理条例及び札幌市
流水占用料等徴収条例の一部を改正する
条例案は、本市が管理する普通河川及び準用河川に係る流水占用料等について、消費税及び地方消費税相当額分の引き上げを行うものであります。
議案第10号 札幌市
屋外広告物条例の一部を改正する
条例案は、屋外広告物等の除却に係る期限を明確化するとともに、除却後の市長への届け出を義務づけるものであります。
議案第11号 札幌市
地区計画の区域内における
建築物の制限に関する条例の一部を改正する
条例案は、都市計画を変更したもみじ台団地の地区整備計画の区域について、
建築物の用途の制限を見直すとともに、同じく都市計画を変更したJR苗穂駅周辺地区の地区整備計画の区域について、新設する医療・業務地区における
建築物の用途等の制限を設ける等のものであります。
議案第12号 札幌市
消防手数料条例の一部を改正する
条例案は、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部改正に伴い、消防法の規定に基づく危険物貯蔵所の設置の許可の申請に係る手数料を適正な額に改定するものであります。
議案第13号 札幌市
火災予防条例等の一部を改正する
条例案は、消防法に基づく関係省令の一部改正に伴い、居室等の住宅の部分に特定小規模施設用自動火災報知設備を設置した場合においては、住宅用防災警報器等の設置を免除することを明示する等のものであります。
議案第14号 訴えの提起の件は、本市が貸し付けた住宅新築資金及び宅地取得資金を滞納している者に対し、訴えを提起しようとするものであります。
本市は、当該滞納者に対し、貸し金を償還するよう再三にわたり催告を行いましたが、相手方は全く応じておらず、任意の償還を期待することができない状況であります。このような状況を放置いたしますと、本市の今後の行政運営に重大な支障を及ぼすことから、当該貸し金を請求するため、訴えを提起するものであります。