札幌市議会 2019-03-01
平成31年第二部予算特別委員会−03月01日-04号
平成31年第二部
予算特別委員会−03月01日-04号平成31年第二部
予算特別委員会
札幌市議会第二部
予算特別委員会記録(第4号)
平成31年(2019年)3月1日(金曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 32名
委 員 長 佐々木 みつこ 副委員長 丸 山 秀 樹
委 員 武 市 憲 一 委 員 鈴 木 健 雄
委 員 勝 木 勇 人 委 員 こんどう 和雄
委 員 細 川 正 人 委 員 よこやま 峰子
委 員 阿部 ひであき 委 員 伴 良 隆
委 員 村 松 叶 啓 委 員 村 山 拓 司
委 員 畑 瀬 幸 二 委 員 恩 村 一 郎
委 員 三 宅 由 美 委 員 桑 原 透
委 員 しのだ 江里子 委 員 山 口 かずさ
委 員 村 上 ゆうこ 委 員 中 村 たけし
委 員 松 原 淳 二 委 員 かんの 太 一
委 員 涌 井 国 夫 委 員 國 安 政 典
委 員 好 井 七 海 委 員 前 川 隆 史
委 員 伊 藤 理智子 委 員 小 形 香 織
委 員 村 上 ひとし 委 員 平 岡 大 介
委 員 堀 川 素 人 委 員 石 川 佐和子
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開 議 午後1時
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○
佐々木みつこ 委員長 ただいまから、第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、松浦委員からは堀川委員と交代する旨、届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第2款 総務費 第2項
市民生活費のうち関係分について質疑を行います。
◆
國安政典 委員 私からは、
冬季オリンピック・
パラリンピックの招致活動にかかわる機運をどのように醸成していくのか、その
取り組みについて質問させていただきたいと思います。
冬季オリンピック・
パラリンピックの招致には、言うまでもなく、一人でも多くの市民の支持を得ることが重要であると考えております。そのためには、多くの市民に
オリンピック・
パラリンピックの魅力や迫力に直接触れてもらって、その
すばらしさや開催意義を実感してもらう必要があるというふうに考えます。
そういった視点で見たときに、札幌市でも、
サッカー競技が行われる来年の東京2020大会は絶好の機会になると考えています。この機を的確に捉えて、
招致機運の醸成を図っていくべきであると考えているところでございます。その際、特に重要となるのは、
オリンピック競技に比べてまだまだ認知度が低いと言わざるを得ない
パラリンピック競技への関心を高めることではないかとも考えます。
これまで、我が会派では、東京2020
大会出場国の
事前合宿の際に、選手と市民が直接触れ合って、
スポーツや文化を通じて交流することができる
ホストタウンの
取り組みの有用性について訴えてまいりました。その中でも、特に
パラリンピアンの
事前合宿を誘致して、
パラリンピアンと市民との交流をきっかけに心の
バリアフリーを推進する
共生社会ホストタウンといった
取り組みは、障がいの有無などを超えて、互いの個性や違いを認め合う
共生社会の実現を目指している札幌市としても、積極的に活用するべきものではないかと考えます。
私どもが
オリンピック・
パラリンピック招致を推進する最大の理由も、ここにあると言っていいかと思います。残念ながら、現在まで、
共生社会ホストタウンとして登録している自治体は、2030年大会の招致を目指している道内に一つもなく、全国でもたった13件にとどまっております。確かに、
共生社会ホストタウンの
取り組みは、相手国の選定を初め、日程調整や練習会場の確保、さらには、
バリアフリー対応を含めた支援体制の確立など、非常に難しい課題が数多くあることも理解しているところであります。しかしながら、やはり、札幌市が積極的にこの
取り組みを進めることが、2030年大会の
招致機運の
盛り上がりや、私たちが目指している
共生社会の実現につながっていくものであると考えます。
そこで、質問ですが、東京2020大会の
共生社会ホストタウンについてどのように取り組んでいかれるのか、具体的なお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
◎吉田
国際大会担当部長 東京2020大会の
共生社会ホストタウンについてのご質問でございます。
市民誰もが、互いに人格と個性を尊重し、支え合う
共生社会の実現を目指す上で、
スポーツの力を通じた
取り組み、とりわけ
パラリンピアンと
子どもたちとの触れ合いや交流の場を創出することは、極めて効果的であると認識しているところであります。
このため、
スポーツ局では、これまで、2017年
IPCノルディックスキーワールドカップ札幌大会で、
子どもたちと選手との交流や、多くの市民が集まる
地下歩行空間での表彰式などの実施に努めてきたところであります。この大会後のアンケートでは、多くの市民や
子どもたちから、
パラリンピアンの力強さや迫力を実感し、障がいのある方への理解が深まったとの回答が寄せられるなど、
パラリンピアンとの交流が
共生社会への理解や心の
バリアフリーを進める大変よい機会となったと考えております。また、
事前合宿としましては、昨年2月の
平昌パラリンピックの直前に、
ノルウェーやアメリカなどの
車椅子カーリングチームの受け入れなどにも取り組んできたところであります。
そこで、現在、
スポーツ局では、こうした
取り組みを踏まえ、来年の東京2020大会においても
パラリンピアンと市民との交流機会を創出するため、
共生社会ホストタウンの申請に向けて
取り組みを開始したところであります。具体的には、本市での合宿実績がある
ノルウェーやアメリカに加え、パラノルディックスキーワールドカップに参加するドイツやイギリス、
フィンランドなど、東京2020大会の終了後も冬季の
パラリンピック競技を通じて継続した交流が見込める国々の大使館に対して働きかけを開始したところであります。また、今後は、これらの国々の選手や競技団体などに対しても働きかけを重ねてまいりたいと考えているところであります。
こうした
取り組みを進めることで、
共生社会ホストタウンとして、
パラリンピアンと市民との交流を促進し、心の
バリアフリーの推進や
招致機運の醸成にもつなげてまいりたいと考えているところであります。
◆
國安政典 委員 この
取り組みが極めて効果的であった、そして、札幌市が
共生社会ホストタウンの申請に向けて
取り組みを開始したことは評価させていただきたいと思います。そしてまた、東京2020大会は夏季競技であることから、2030年大会の招致を見据えて、
冬季パラリンピック競技を通じて継続して交流が可能な国々を対象としているということで、よろしいのではないかと思うところであります。
先ほども申し上げましたとおり、相手があることですので難しいとは思いますけれども、招致が実現する、しない、いずれにしても、各国に対して札幌市が可能な限りの働きかけをしていくことは、そのこと自体、札幌市が
パラリンピック競技や障がい
者スポーツへの理解、関心が高いことを世界各国に示すことにもなりますから、そうした
取り組みが
共生社会の実現につながっていくものであると考えます。したがいまして、今後とも、これまでの
事前合宿受け入れなどと同様に、継続して取り組んでいくことを要望いたしまして、次の質問に入らせていただきます。
機運醸成へのもう一つの視点ということで、以前から提案してまいりました「虹と雪の
バラード」を活用した
取り組みについて伺います。
1972年
札幌冬季オリンピックの歌であります「虹と雪の
バラード」は、当時、NHKの「みんなのうた」で放送され、合唱曲として多くの小学校で歌われるなど、大会当時を知る世代に今もなお高い人気を誇っている曲であります。私自身も、当時は小学生でございまして、「虹と雪の
バラード」は今でも心に残っております。
先月14日には、イランカラプテくしろさっぽろ国体の開会式が札幌で行われ、トワ・エ・モアのお二人に今も変わらぬ美しい歌声を披露していただいて、会場は大いに盛り上がったと聞いております。また、それに先立って、先月4日には、第70回さっぽ
ろ雪まつりの開会式に合わせて、
札幌市営地下鉄で初めて、
接近メロディー、いわゆる駅メロとして「虹と雪の
バラード」が導入されました。この事業は、1972年大会を知る世代のノスタルジーに訴えかけるとともに、大会を知らない若い世代にも、かつての人々がそうであったように、
オリンピック・
パラリンピックへの関心を持ってもらい、より多くの市民の皆様に札幌と
オリンピックのつながりを再認識していただこうと始めた
取り組みであると認識しているところであります。
先日、ある新聞紙面で、イベントで「虹と雪の
バラード」を聞き、
札幌オリンピックを思い出して大きな高揚感に包まれましたと、当時を知る世代からの意見が紹介されていました。一方で、若い世代が駅などでこの曲を聞いてどのように感じているのか、大いに関心があるところです。
そこで、質問ですが、
駅メロ導入から約1カ月を経て、これまで市民からどのような反響があったのか、特に若い世代における反応について伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまのいわゆる
駅メロ導入への市民からの反響についてお答えいたします。
導入初日の2月4日には、テレビ局5社、新聞2社による取材があり、マスコミにも大きく取り上げていただきました。また、当日午前中には
到着メロディーの動画が投稿されるなど、SNSを中心に賛否両面において素早い反応が見られ、まずは若者を中心に多くの市民に関心を持っていただけたことが一つの成果だったと認識しております。
数多くの投稿の中には、生まれるずっと前の曲ですが、その時代があったから今がある、あるいは、
地下鉄到着のときに流れるのはよい、
札幌ならでは、このようなコメントも見られたところです。また、札幌市に直接届いた意見としては、音量が大きいといった苦情や否定的な意見もありましたが、おおむね好意的な意見が多く、例えば、この曲を知っている世代の方からは、懐かしく思った、郷愁を感じる
メロディーなどの声も寄せられております。若い世代からも、
札幌オリンピックの曲とのことで、年齢的に聞いたことはありませんでしたが、札幌らしいきれいな
メロディー、これからも続けてくれるとうれしいなどの声がありました。総じて、当時を知る世代はもちろんのこと、若い世代の方にもこの曲が札幌らしい曲として好意的に受けとめられているものと認識しております。
◆
國安政典 委員 やはり、当時を知る世代からは懐かしく思ったなどの好意的な意見が多く、また、曲を知らなかった若い世代にも魅力が伝わっているということでございました。多くの市民が日常生活の中でこの曲に触れることにより、札幌と
オリンピックのかかわりについて考えるきっかけとなって、再び札幌に
オリンピックを招致しようという機運にもつながるというふうに思いますので、この曲を活用した
取り組みを継続的、積極的に展開していただきたいと思います。
札幌市は、今年度、駅メロのほかにも、若者向けに
アレンジコンテストを実施するとともに、国体以外にも各種の
ステージイベントや啓発活動でこの曲を積極的に活用してきたことは承知しております。また、平成31年度予算の概要にも「虹と雪の
バラード」を活用した
取り組みという事業が計上されておりまして、今後も活用を図っていく考えだと思います。私もなかなかそんなにアイデアが出てくるわけではありませんし、いろいろな制限があるかもしれませんが、例えば、私がかねてから提案してきた
市役所庁舎の電話の保留音への導入とか、携帯電話の着メロとか、アイデア次第でさらに多くの市民の皆様にこの曲に触れてもらう機会をふやせる余地はまだまだあると考えています。
そこで、次の質問ですが、「虹と雪の
バラード」の今後の展開についてどのように取り組んでいくのか、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの「虹と雪の
バラード」の今後の活用についてお答えしたいと思います。
先ほど委員から触れていただきましたが、今年度は、
駅メロ事業に加え、大会を知らない世代にもこの曲に親しんでもらえるよう、若者に広く参加を呼びかけ、「虹と雪の
バラード」
アレンジコンテストを実施したところです。応募のありました15曲の中から選ばれた
最優秀作品については、3月17日にチ・カ・ホで行われる2019ワールドパラノルディックスキーワールドカップの
総合表彰式に先立って市民の皆様にお披露目するなど、会場全体の盛り上げにも活用してまいります。また、
アレンジ音源については、来年度早々にも、市内の小・中学校約300校に
オリジナル曲とともにCDを配付し、例えば登下校時のBGMや運動会での入場曲などの活用方法について、教職員の研修会などに出向き、直接、提案してまいりたいと考えています。さらに、より多くの方々にこの曲に親しんでもらえるよう、昨年、ウインター
スポーツの普及振興に関する連携協定を結んだ
コンサドーレ札幌などの
プロスポーツチームに対し、市内で行われる試合での活用を働きかけているところです。
先ほど委員からご提案いただきました電話機の保留音につきましては、まずは
スポーツ局で使用している電話機に先行的に導入する方向で検討してまいりたいと考えています。
◆
國安政典 委員 さまざまな機会にこの曲の活用を考えているということでした。
また、
電話保留音についても、まずは
スポーツ局に導入する方向で検討するという答弁をいただきました。今後は、
スポーツ局だけと言わず、ほかの部局ともしっかりと連携して、多くの部局で採用していただくよう要望したいと思います。私は、それほど反対はないのではないかと思っています。逆に、なぜ今井美樹なのか。嫌いなわけではありませんし、「PRIDE」はいい曲だと思いますが、せっかくの役所の保留音ですから、札幌らしいものがよろしいのではないかと考えるものですから、さらにほかの部局にも広げていっていただきたいと思います。
2030年大会の招致に向けましては、何よりも市民の皆さんの
盛り上がりが重要であります。「虹と雪の
バラード」は、今もなお大変多くの市民に愛されております。まさに、1972年の
札幌オリンピックが生んだすばらしいレガシーであります。この曲を通して、当時を知る世代から知らない世代に
オリンピックの思い出や
すばらしさが伝えられ、それにより若い世代の関心が高まって、そして、全ての世代の気持ちが一つになるような、そんな
取り組みを進めていくことが招致実現につながっていくのではないかと考えます。
また、当時にはなかった
パラリンピック招致の意義を市民の皆様に改めて知っていただくためにも、さきに述べた
共生社会ホストタウンの
取り組みをしっかりと継続して、2030年の
冬季オリンピック・
パラリンピック招致実現に向けて市民とともに一丸となって取り組んでいただきますことを要望しまして、私の質問を終わります。
◆
平岡大介 委員 私からは、札幌市の今後の
スポーツ行政の考え方について、大きく3点質問させていただきます。
本市では、
スポーツ基本法の理念に基づき、市民が、年齢や性別、障がいの有無等を問わず、それぞれの関心、適性等に応じて
スポーツに参画する環境を整備することなどを目的に、2013年から2022年までの期間で札幌市
スポーツ推進計画を策定いたしました。この
スポーツ推進計画は今後見直しを行うということでありますが、
スポーツを取り巻く社会情勢や市民の意識も変化していることから、今後の
スポーツ行政における重要な視点について質問します。
1点目は、
スポーツ基本法の理念とする権利についてです。
スポーツ基本法では、
スポーツは世界共通の人類の文化であり、
スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利であることが明記されています。また、ユネスコの体育・
スポーツ国際憲章、
国際オリンピック委員会の
オリンピック憲章、ヨーロッパ・
スポーツ憲章などで、
スポーツを行うこと、
スポーツに参加することは権利であることが規定されているように、今後の本市の
スポーツ行政においても、
国際的基準に沿った権利を明確に示し、理念を大切にした
取り組みが求められていると考えますがいかがか、伺います。
◎山田
スポーツ部長 スポーツに参加する権利や理念を大切にした
取り組みについてのご質問だと思います。
委員がご指摘のとおり、札幌市といたしましても、
スポーツ推進計画などにおきまして、する、見る、支えるといった
スポーツへの参画を通じて幸福で豊かな生活を営むことは、障がいの有無や年齢、国籍を問わず、全ての人々にとって大切な権利であるものと認識しております。したがいまして、これまでも、札幌市
スポーツ推進計画におきましては、
スポーツ基本法などの理念に基づきまして
スポーツ施策に取り組んできておりまして、今後も、市民の誰もが
スポーツの価値を享受することができ、
スポーツの力で人生を楽しく元気に
健康で生き生きとしたものにすることができるよう、
スポーツ参画人口の拡大や
スポーツを通じた
共生社会の実現に向けて努めてまいりたいと考えております。
◆
平岡大介 委員 世界都市さっぽろと言われておりますので、ぜひ、海外での動き、それから、海外でどういうふうに権利を明記しているのかについても参考にしていただきたいと思います。
日本では、勝つための
スポーツ、メダルをとるための競技としての
スポーツ、これを中心に才能のある子どもを早期に発掘して英才教育を施す、このようなやり方、考え方であり、私は、
スポーツをする人としない人の二極化を生み出すと同時に選手の心と体を壊す事態にもつながっていると思います。
スポーツ実施率が91%にもなっている
フィンランドでは、1912年の
ストックホルム五輪で金メダルを12個獲得したことを皮切りに、
トップスポーツ強化を推進してきました。しかし、選手の自殺が一向に減らないといった状況があり、政府は国民一人一人の
健康づくりを目指した
スポーツ政策への転換を図りました。その結果、国民同士が楽しめる
スポーツ、例えば、夫が奥さんをおんぶって走る
ワイフキャリー選手権大会や雪合戦、
サウナ大会、
泥サッカー選手権などの
スポーツが大変盛んになっております。
スポーツ競技などで相手に勝つことを絶対的な目標とする
勝利至上主義ではなく、市民が気軽に参画できる
スポーツを推進する、そのための権利というのも明確に示していただきたいと求めます。
次に、透明性と公平性を保障する
スポーツ行政について伺います。
早速、質問に入りますが、今後、本市の
スポーツ行政において
冬季オリパラの招致が大きなものとなります。開催に向けて市民の理解と協力を得るには、あらゆる段階で市民が納得のいく財源の透明性と公平性の確保を表明すべきと思いますがいかがか、加えて、世界都市、
平和都市宣言の本市にふさわしく、平和の文化である
スポーツを通じた平等と信頼関係を基軸に、世界の人々との相互理解と交流を促進することを表明すべきと考えますがいかがか、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの、
オリパラ招致開催に向けての財源の透明性、公平性、それから、世界の人々との相互理解、交流に関するご質問に対してお答えしたいと思います。
これまでも、
オリンピック・
パラリンピックの開催経費につきましては、かかる経費は極力広い範囲で計上し、収入についてもきめ細かく試算し、広く市民に公表してきたところであり、今後も財政面についての透明性を確保してまいります。加えて、フェアプレーの精神や公平性の理念を含むオリンピズムの精神を普及啓発しながら、招致に対する市民の理解と協力を得ていきたいと考えております。
また、
オリンピック・
パラリンピックは平和の祭典と言われており、現在進めている
開催概要計画においても、国籍、年齢、性別、文化の違い、障がいの有無にかかわらず、全ての人が、
オリンピック精神である世界平和を感じ、発信できる
環境づくりを目指すことを招致の意義として明確に位置づけているところです。
◆
平岡大介 委員 この間を振り返りますと、例えば、ドーピングの問題や中学や高校の部活動における行き過ぎた指導や暴力、体罰、また、指導員による選手へのパワハラ、国際的な
スポーツの場における差別の問題など、
スポーツマンシップにはおよそ似つかわしくない話題が多くなっており、非常に残念に感じています。このような
スポーツを取り巻く諸課題の原因として、
スポーツ界には閉鎖的な側面があり、ガバナンスが機能していないことが考えられます。改めて、今後の
スポーツ行政における透明性と公平性の確保に努めていただきたいと求めます。
また、
オリンピックについても、今後も財政面の透明性を確保していくということでしたが、費用について心配する声も多く、財政規模については適切に市民に情報提供し、その意見を聞いていくことが大事だと思います。
最後の質問になりますが、財源の確保について伺います。
市民が
スポーツに参加するための環境整備として、
スポーツ施設の維持管理、新設、更新は欠かせませんが、市民や団体が必要な整備を求めていても、
要望どおりにその予算措置が行われないという事態もあります。市民の活動と交流拠点となる
スポーツ施設を整備していく上で、今後の
スポーツ行政における予算の裏づけを明確にすべきと考えますがいかがか、伺います。
◎山田
スポーツ部長 スポーツ施設を整備していくための予算確保についてのご質問でございました。
今後、1972年の
冬季オリンピック開催前後に整備いたしました
スポーツ施設の老朽化に伴いまして修繕等の経費の急増が見込まれますことから、計画的な施設の更新や長寿命化などに取り組む必要があると認識しております。
このため、札幌市では、施設維持から機能重視へという考え方のもと、将来に向けて持続可能な
スポーツ施設のあり方について検討を進めているところでございます。
なお、今後の
スポーツ施設の更新及び整備に向けた財源の確保に当たりましては、PPPやPFIを初めとした民間資本の活用を検討するとともに、特に
冬季オリンピック・
パラリンピック招致に伴う
競技施設の改修におきましては、例えば
toto助成、
宝くじ収入、さらには
交付税措置等のある有利な地方債等の活用など、さまざまな形で財源確保に努力することででき得る限り市民負担の軽減を図ってまいりたい、このように考えております。
◆
平岡大介 委員 公共の
スポーツ施設というのは、この間、どんどん減ってきております。
公共の
スポーツ施設の総数は、1996年から2008年、これが最新の数字ですが、12年間で1万1,796カ所減っておりまして、年間平均で実に約1,000カ所も消えております。これは、この間、国の
地方切り捨てによって
スポーツ行政も予算が大幅に縮小され、既存施設の老朽化が進んでいても補修や改築費用が確保できないといった問題があります。安全性の観点からも、閉鎖せざるを得ないといった施設もございます。また、
学校統廃合によって体育館がなくなっていっております。これにより、日ごろ
スポーツをするため、放課後に利用していた一般市民の方が非常に不利益を受けるという問題もあります。それから、今後、市民が
スポーツに参加できる環境を保障するためには財政措置が必要です。先ほど部長は民間の活用と答弁されましたが、やはり、公的な施設で行政がきちんとそこを守っていく、保障していくという整備が必要だというふうに求めて、質問を終わります。
◆よこやま峰子 委員 私は、北区新琴似の運動広場用地についてお尋ねいたします。
この土地は、札幌市の埋め立て処理場として長年にわたり使用され、その後、複数回の譲渡を経て平成15年度に土地開発公社が取得した後、土地開発公社の解散に伴って札幌市が管理することになり、最終的に
スポーツ局の所管になったという非常に複雑な経緯がある土地であります。
その後、敷地内で土壌汚染があることが確認され、地下水のモニタリングを継続するとともに、専門家による委員会を開催するなどして、アクションプラン2015において市民運動広場として整備する方針が平成27年度に公表されました。このアクションプランでは、平成32年度、すなわち2020年度の供用開始予定とされており、その実現を目指して整備を行うという計画でありました。このような説明を受けた地域住民は、その完成を大いに期待しておりました。
ところが、平成29年度に行われた詳細な地盤調査や検討の結果、想定を上回る軟弱な土地であることなど大きな課題が判明しました。そのため、やむなく、一旦、事業を中止せざるを得なくなったとの説明があり、運動広場の供用開始を心待ちにしていた住民は非常に落胆しているところであります。
このような状況を受け、私は、ちょうど1年前の3月6日の
予算特別委員会で、なぜ、アクションプランに記載され、計画が具体化するまで、このような土地の沈下の詳細がわからなかったのかとただし、改めて今後の整備方針について質問いたしました。この質問に対して、札幌市からは、今後は専門家を交えた検討を行いたいとのご答弁がありました。我が会派では、この土地については、一度は供用開始まで予定していた事業であり、地域住民の関心が高く、私もたびたびパークゴルフ場はどうなったのでしょうかと質問されることも多いため、昨年の
予算特別委員会や代表質問等において再検討の必要性や検討経過、今後の整備方針等について再三質問してきたところであります。
今回、平成31年度予算案において、この事業に5,800万円が計上されております。また、3回に及んだ専門家委員会も終了したとのことであり、そこで一定の結論が下され、ある程度の方向性が定まったものと思いますので、改めて質問させていただきます。
今年度行われた専門家委員会における結論並びにそれを受けて札幌市として今後この事業に対する
取り組みをどのようになさっていくのか、お伺いいたします。
◎山田
スポーツ部長 新琴似市民運動広場に関する専門家委員会の結論と札幌市の
取り組み姿勢についてのご質問かと思います。
今年度実施いたしました専門家委員会では、1点目として、想定を上回る軟弱地盤にいかに対応すべきか、2点目として、盛り土などの整備などにより地下水へどのような影響を及ぼすのか、3点目として、それらを考慮したより安全で経済的な整備手法はどうあるべきかといった主に三つの視点についてご議論いただいたところでございます。その結果、1点目の軟弱地盤への対応につきましては、専門的な見地から対策を講じてもある程度の地盤沈下は避けられないことから、整備する施設は地盤の凹凸があっても利用に支障の少ないものとするべきだというご提言をいただきました。2点目の地下水への影響についてでございますが、盛り土などの整備による影響は限定的だと思われることから、最初から敷地全体への大規模な対策が必要とは考えにくいという提言をいただいています。加えて、3点目の安全で経済的な整備手法についてでございますが、地下水等の状況を綿密に観測しながら必要に応じて対策を施すなど、慎重を期して段階的に事業を進めることで、より費用を抑えて整備できる可能性があることなどについてご提言をいただきました。
札幌市といたしましては、専門家委員会でのご議論を踏まえまして、現時点では、安全・安心を第一に、一方で、地元住民の皆さんのご期待の声があることからも、できる限り早い供用開始に向けて引き続き事業を進めていきたいと考えております。
◆よこやま峰子 委員 今のご答弁によりますと、委員会の結論は、地下の状況を事前に見通すことはなかなか難しい、そのため段階的に進めるべきだとの提言があったとのことであります。確かに、地元からは要望の声が強い事業とはいえ、安全・安心の確保は言うまでもなく、周辺に悪影響がないように進める必要があることは納得いたしました。今回、計上されている事業費も、そうした専門家委員会の考えや札幌市の認識を反映したものであろうと思います。
そこで、質問ですが、計上された予算5,800万円により、この事業は、来年度、具体的にどのような
取り組みを実施されるのか、お伺いいたします。
◎山田
スポーツ部長 来年度の具体的な
取り組みについてでございますが、来年度の予算案に計上させていただきました事業費については、段階的な整備により事業を進めていくための第一段階として、より安全を期すため、委員会の提言に基づきまして試験的な盛り土を実施することとしております。具体的には、敷地の中央付近で実際に幅30メートル、奥行き30メートル、高さ2メートル程度の盛り土をいたしまして、地盤がどの程度沈下するのか、また、それにより地下水がどのように変化するのかといったことなどにつきまして、年末の降雪期まで観測しながらその影響を分析することとしております。そこで得られる結果につきましては、次年度以降の整備に向けた詳細な設計につなげるなど、速やかに事業を進めてまいりたいと考えております。
◆よこやま峰子 委員 検討の状況や来年度の事業内容については、ただいまのご答弁によってもある程度把握できましたが、地元では、やはり、事業の進展について、パークゴルフ場の整備への強い思いと同時に、しっかりと安全性を確保してほしいという両方の声があります。この先どういう方向に行くにしても、毎年のモニタリングは継続していかなければいけなくて、そうしますと、今までかかった費用とこれからかかる費用というのも本当に莫大なものがあると思います。そういうことを考えますと、現時点で運動広場について具体的にどのような整備内容を想定して検討を進めていかれるのか、今後どのようなスケジュールを想定して事業を進めていかれるのか、札幌市のこの事業への
取り組み、お考えを伺いたいと思います。
◎山田
スポーツ部長 新琴似市民運動広場の整備内容とスケジュールの想定についてでございますが、当初の計画では、パークゴルフ場、ラグビー場、それから多目的広場といったものの整備を検討しておりました。専門家委員会の結論からは、地盤沈下の影響が少ない整備内容が適切だと考えておりまして、具体的な整備内容といたしましては、地元住民の皆さんからの要望の多い簡易なパークゴルフ場の整備を目指したいと考えております。また、事業スケジュールといたしましては、地盤等に与える影響を見きわめながら段階的に整備を進めていく必要がありますが、次期中期計画期間内での供用開始を目指してできる限り早期に進めてまいりたいと考えております。
◆よこやま峰子 委員 最初に述べましたように、この土地は、札幌市の
スポーツ局の所管になるまでにさまざまな変遷を経て、本当に大変複雑な土地だと思います。そして、今までにも取得費とか検査費、調査費、これからも地下水のモニタリングなど、いろいろお金がかかる非常に悩ましい土地であると私は思います。しかし、もちろん4ヘクタールにも及ぶ広大な土地をこのまま放置しておくわけにはいきません。先ほど申し上げたように、地域住民からは、高齢の方も多いので一刻も早くパークゴルフ場にしてほしいという声があります。その一方で、さきの地震とか地盤の変動による地下水の汚染があっては困るという声もあって、本当に二つの思いが錯綜している土地でもあります。実現してほしいと思うと、では、安全性はどうするのか、安全性を追求していくとしたら、いつになったらこの土地が生かされるのか、そうした非常に矛盾した思いに駆られております。そういう中ではありますが、私は昨年も申し上げましたけれども、やはり、
スポーツ局だけにとどまらず、全庁的に環境局やまちづくり政策局などさまざまな局が一体となって、一刻も早い土地の有効活用、市民が安心して本当に望んでいる形に実現されるように心からお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
◆松原淳二 委員 私からは、障がい
者スポーツの振興についてお伺いいたします。
今月13日から本市で2年ぶり2回目の開催となる2019ワールドパラノルディックスキーワールドカップ札幌大会が開催されます。昨年、
平昌パラリンピックが開催されたばかりということもあって、参加人数などが懸念されていたところですが、現時点で15カ国、選手、スタッフ総勢140名の参加予定となっていて、前回大会の15カ国133名を上回る見通しと聞いております。また、平昌で活躍したクロスカントリースキーの新田佳浩選手も参加すると聞いています。
2017年に開催した前回の大会は、直前に開催した冬季アジア競技大会と連動させ、札幌市が招致を目指す
冬季オリンピック・
パラリンピックのモデル的な大会と位置づけ、積極的にPRを行った結果、成功裏に終わったと思っております。私も、現地で観戦したり、チ・カ・ホの表彰式などにも参加させていただきました。選手が所属する企業、団体、町内会や学生たち、多くの市民が応援に駆けつけるなど大いに盛り上がったと感じております。また、さまざまな面での相乗効果も感じられ、すばらしい大会であったと実感しております。
こうした障がい
者スポーツの国際大会は、障がい
者スポーツの市民理解を促進していくためにも、一度開催したら終わりということではなく、継続的に開催していくことが大切であり、再び、札幌でこの大会が開催されることは大変喜ばしいと感じています。また、本市の大会運営能力や
盛り上がりも評価されたと推察しております。
前回はIPCノルディックスキーワールドカップ、そして、今回はワールドパラノルディックスキーワールドカップということで、パラが前面に出てきた大会名称になっていて、障がい
者スポーツの大会ということが少しわかりやすくなったという感じはしますが、市民全体の関心といった点ではさらなる継続的な
取り組みが必要と感じております。特に、障がいのある方にとって、障がい
者スポーツが身近な存在と感じていただける
環境づくりが一層重要となります。障がいのある方に
スポーツへの興味や関心を持っていただけるよう、なるべく早い時期に
スポーツを知り、
スポーツに出会う場を積極的に創出していく必要があります。世界各国からトップレベルのパラアスリートが参加する今回のような国際大会は、またとない絶好の機会であり、有効に活用すべきと考えます。
また、もう一つのワールドカップとして、国際知的障害
者スポーツ連盟が開催するサッカー世界選手権大会が、2002日韓サッカーワールドカップから、同じ年、同じ開催国で行われるようになり、
オリンピック・
パラリンピックと同じような国際大会と障がい
者スポーツの大会を連動させるといった動きも広がりを見せているところであります。
そこで、1点目の質問ですが、今回の2019ワールドパラノルディックスキーワールドカップにおいて、障がい
者スポーツを普及促進していくためにどのような
取り組みを行うのか、お伺いいたします。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの2019ワールドパラノルディックスキーワールドカップ札幌大会における障がい
者スポーツの普及促進のための
取り組みについてのご質問にお答えしたいと思います。
今大会では、障がいのある
子どもたちが、
スポーツのおもしろさや自分の可能性に気づき、
スポーツを始めるきっかけを得られるよう、そうした
子どもたちに、大会観戦や競技体験の機会のほか、選手と直接触れ合える機会を提供したいと考えております。そこで、大会前に、選手、コーチが試合当日の観戦ツアーを予定している高等支援学校や視覚支援学校を訪ね、みずからの競技との出会いや
スポーツの
すばらしさなどを
子どもたちに語りかけるといった交流会を行っているところです。さらに、大会期間中には、競技場でパラアスリートと一緒に楽しみながらクロスカントリースキーができるファンランを行い、障がいのある
子どもたちにも参加していただく予定となっており、こうした
取り組みにより、障がいのある子どもが一人でも多く
スポーツに興味や関心を持っていただけるよう努めてまいりたいと考えております。
なお、今大会は、地元競技団体の協力のもと、直前に同じ西岡会場で開催される第90回宮様スキー大会国際競技会と連動してコースづくりなどの準備を進めているところです。
◆松原淳二 委員 私が一昨年にお邪魔したときには、障がいのある方の観戦が少し不足しているかな、実際に見て感じてもらう機会が少し足りないと思っていたところでしたので、高等支援学校、視覚支援学校で行う交流会、また、ファンランで
子どもたちが直接触れ合ったり体感できる競技大会にしていくことで、障がいのある方がさらに
スポーツに興味や関心を持ち、さまざまな競技を体験できる場を創出していくことは重要だと思います。ぜひ、積極的に行っていただきたいと思います。
また、前回の2017年大会では、冬季アジア大会との連動で、
盛り上がりの連続性のみならず、施設を継続して利用することで経費の抑制にもつながったと評価しております。今回、宮様スキー大会との連動ということもあります。また、先ほどあったように、国際大会と障がい
者スポーツの連動がこれからの障がい
者スポーツをさらに普及啓発させていくと思っております。決して大きな大会ばかりではなくて結構だと思います。実際にプロのトップアスリートが使ったピッチに立つ、そして、その場所で経験するというのは非常に有意義な場になると思いますので、さらなる普及啓発のために積極的な招致にも取り組んでいただきたいと思っております。
さて、本市では、障がいのある方が専用の競技用具を利用して
スポーツをしたいと思ったときに、できる環境が少ない、なかったということで、2017年9月から、障がい
者スポーツ専用として南区のみなみの杜高等支援学校の体育館を開放し、競技用具も確保してきました。しかしながら、この学校開放では、あらかじめ団体登録をしなければならないなど、既に
スポーツに取り組んでいる方には使いやすいものの、障がいのある方が初めて
スポーツをしたいと思ったときに気軽に利用できる環境にはなっていないと感じております。私は、これまで、機会を捉え、単に学校開放で終わるのではなく、さまざまな人に利用していただけるように取り組むとともに、障がいのある方が
スポーツを体験するに当たっては、指導やサポートをする人材の存在も不可欠であり、指導者の配置も求めてきたところでございます。
そこで、二つ目の質問ですが、みなみの杜高等支援学校において障がいのある方が気軽に
スポーツを行うため、今後どのように取り組むつもりか、お伺いいたします。
◎山田
スポーツ部長 みなみの杜高等支援学校における今後の
取り組みについてでございます。
障がい
者スポーツ専用の学校開放は、2017年4月に開設したみなみの杜高等支援学校の体育館を活用して、障がい
者スポーツ普及の課題であります活動場所の不足を補い、障がいのある方が競技
スポーツに親しめる環境をつくることを目的に開始したところでございます。これまで、その利用に当たりましては、一般の学校開放と同様に地域や職域などのサークルを対象としておりまして、団体を登録した上で予約する必要があることから、委員のお話のように個人単位での利用には対応できていない状況となっております。
そこで、障がい
者スポーツの裾野の拡大を図るためにも、みなみの杜高等支援学校の学校開放の枠を活用しまして、子どもを初めとする初心者でも気軽に競技
スポーツを楽しめる障がい
者スポーツクラブを来年度に立ち上げたいと考えているところでございます。具体的には、まずは、これまでに実施した障がい
者スポーツ体験会の参加者などへ呼びかけてクラブメンバーを募集し、種目に応じた指導者のもと、週に1回程度、定期的に車椅子バスケットボールや車椅子テニスなどのさまざまな競技を行うことができるようにしたいと考えているところでございます。
なお、運営に当たりましては、
パラリンピアンや障がい
者スポーツ関係者にもご協力いただくとともに、シットスキーなどのウインター
スポーツなどにも取り組めるような体制としてまいります。また、より本格的に競技
スポーツに
取り組みたい方には、既存の団体との橋渡しを行うなど、ソフトとハードの両面からサポートできる環境を整えてまいりたいと考えております。
◆松原淳二 委員 今後、障がい
者スポーツの裾野を広げるに当たっては、学校開放を積極的に活用していただきたいと思います。また、既存の団体やサークルが活性化するということは、その競技レベルであったり競技人口をふやすことになるのは言うまでもございません。先ほどのご答弁にあったように、学校開放の枠の中で初心者に向けても
取り組みを行うことについては、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
既存の団体が使いやすくするのは当然のことだと思いますが、その上で、障がいのある子どもにとっては学校の部活動や少年団のようなものがないことから、既存の団体で大人にまじって活動しなければならない、初めて参加するためのハードルとしては決して低くない課題もあると聞いております。今ご答弁があった
スポーツクラブについては、気軽に参加できる少年団のような受け皿として機能することを期待しておりますし、ぜひそうなることを求めて、質問を終わりたいと思います。
◆こんどう和雄 委員 私からは、札幌ドームの活性化につきまして、3点の質問と、要望をさせていただきたいと思います。
最初に、札幌ドームの保全改修についてであります。
札幌ドームは、2002年サッカーワールドカップを契機といたしまして、2001年に開業してことしで18年目を迎えます。私は、平成12年12月15日に、議員に初当選して初めての自民党の代表質問で、札幌ドームの安定
経営、収入面から、試合数も多く、人気の高いプロ野球球団を誘致すべく、不退転の決意で決断すべきと当時の札幌市長でありました桂市長に提言いたしました。桂市長からは、プロ野球フランチャイズ球団の誘致における実際の活動には何よりも受け入れ側の熱意が不可欠であり、また、市民、道民、さらには経済界が一体となった熱心な活動が誘致を成功させる秘訣につながるということで、全庁を挙げて誘致推進体制を整えてまいりたいというご答弁がありました。ありがたいことであります。
2004年に札幌ドームに日本ハム球団が本拠地を移転いたしました。札幌ドームを本拠地とするファイターズ、そして、コンサドーレの公式戦やサッカーワールドカップ、ノルディックスキー世界選手権、冬季アジア大会でもすばらしい開会式、競技がありました。このように大規模な国際大会など数多くの夢と感動の舞台となった札幌ドームは、大変好評であります。さらに、ことしの9月にはラグビーのワールドカップ、来年には東京2020
オリンピックの
サッカー競技の会場となるほか、2030年に招致を目指している
札幌冬季オリンピック・
パラリンピックでも開閉会式での利用が今から想定されております。これからも札幌ドームにおいてプロ
スポーツや国際的なイベントを継続的に開催するためには、積極的な誘致活動とともに、計画的、適切な維持管理など、ソフトとハード両面の
取り組みが絶対に必要であると考えるわけであります。
まず、
取り組みの中で、ハード面についてお伺いいたします。
札幌市では、札幌ドームの保全改修に平成26年から10年間で約96億円という予算を組んでいると伺っております。平成31年度予算につきましても、札幌ドーム保全費として9億3,100万円が計上されております。
そこで、質問します。
札幌ドームの保全計画について、これまでの5年で主にどのような改修を実施し、どの程度進捗したのか、また、来年度はどのような保全改修計画を予定しているのか、お伺いします。
◎山田
スポーツ部長 札幌ドームの保全計画のこれまでの内容、あるいは、進捗状況、それから来年度の改修内容についてでございます。
札幌ドームの保全計画は、開業から13年を迎えた平成26年に、今後一斉に更新時期を迎える電気機器や空調、冷暖房などの設備機器の更新を平準化すること及び観戦環境の改善を図ることなどを目的として策定いたしました。その後、札幌ドームにおけるラグビーワールドカップや東京2020
オリンピック・
パラリンピックの開催が決定したことから、計画に盛り込まれておりますホヴァリングステージ、天然芝の張りかえ、音響設備の改良、更新、さらには、アリーナ照明のLED化など、改修を前倒して行ってきた結果、前半の5年間で計画事業全体の6割程度を終えたところであります。
来年度におきましては、中央監視設備や受変電設備の改修を行うほか、これらの大規模イベントを見据え、エレベーターのサイズアップとスピードアップを行いまして、高齢者や障がいのある方を含む誰もが利用しやすい環境の整備を進める予定でございます。
◆こんどう和雄 委員 2点目ですが、収入の確保策の検討状況について質問いたします。
答弁にありましたとおり、引き続き計画的に保全改修をしていくことはもちろん、高齢者、障がいのある方も含め、誰もが使いやすい施設となることを今から期待しております。
さて、2004年から札幌ドームを本拠地としてきたファイターズが北広島市における新球場建設を決定いたしました。4年後の2023年には札幌ドームから移転することが決定しております。ハード面の改修をソフト面でも生かしていくためにも、札幌市と札幌ドームでは、ファイターズの移転後の活用策を検討するプロジェクトチームを発足させ、収入の確保や経費の削減についてさまざまな
取り組みを進めていくと伺っております。札幌ドームの今後を考える上で、まず、ファイターズにかわる収入の確保が本当に必要であり、先決問題であると強く感じております。最近の報道で、札幌ドームの空間を二つに仕切って1万人から2万人規模のイベント会場として貸し出すことで、中規模のコンサートを誘致するという案が新たな
取り組みの一つとして議論されていると伺っております。
そこで、二つ目の質問でございます。
ファイターズ移転後の収入を確保するため、具体的にどのような
取り組みを考え、さらには、特に1万人から2万人規模のコンサートについてどの程度の需要を見込んでいるのか、さらに、実現に向けてどのように進めていくつもりか、お伺いいたします。
◎山田
スポーツ部長 ファイターズ移転後の収入の確保策と1万人から2万人規模のコンサートに関する検討状況についてでございます。
ファイターズ移転後の札幌ドームの活用策につきましては、昨年5月に株式会社札幌ドームとプロジェクトチームを設置し、代替収入の確保策の検討を鋭意進めているところでございます。
最大の収入源であります貸館事業につきましては、収益性の高いプロサッカー、コンサート、コンベンション及び自主イベントの開催日数の拡大に取り組むこととしておりまして、これまで日程の確保がなかなか難しかった夏場のコンサートや展示会等を取り込むことを前提としてイベント誘致に関するマーケティング調査を行いました。その結果、特にコンサートにつきましては、直近3年間におきまして札幌ドームで4万人規模のコンサートを開催したアーティスト数は10組程度でした。調査によりますと1公演当たりの推定動員数が1〜2万人規模のアーティストとなりますと30組程度存在しておりまして、アリーナを分割することで市場が大きく広がると見込まれております。
したがいまして、この層を新たなターゲットとして取り込んでいくため、地元の音楽プロモーターや舞台製作会社などの意見を聞くとともに、費用対効果も考慮しながら、1〜2万人規模のコンサートに適した施設改修について現在検討を進めております。さらに、今後はプロモーターのセールス活動も本格化させることで、代替収入の確保に全力で取り組んでまいりたい、このように考えております。
◆こんどう和雄 委員 1〜2万人規模のコンサートの確保に一生懸命努力されていらっしゃることはよく理解いたしました。
三つ目ですが、新たな集客施策について質問いたします。
札幌ドームは、豊平区の宝物と言っても過言ではないと思います。かねてからイベントがある日には人がすごくたくさん通るものですから、なかなか渋滞が激しくて、逆に、ない日は非常に快適、余りにも早く着き過ぎてほかの用を足せるといった効果もあります。このように、イベントのある日、ない日で人が動くぐらい、札幌ドームは愛されていたのだと思います。今後も札幌ドームが市民に末永く愛され、親しまれるためには、ドームの中で行うさまざまなイベントを積極的に誘致することももちろん必要ですが、ドームの中のみならず、広大な敷地面積全体を生かしてにぎわいを創出することも重要な観点ではないかと思っております。
そこで、最後の質問ですが、札幌ドームの新たな集客施策の検討も進めていると伺っておりますけれども、その具体的な内容、導入時期について質問いたします。
◎山田
スポーツ部長 札幌ドームの新たな集客施策についてでございます。
委員がご指摘のとおり、イベントがない日のにぎわいの創出も大変重要な観点だと認識しております。
プロジェクトチームにおきましても、イベントに左右されない集客に向けて、広大な敷地全体を活用した集客施策の検討を進めているところでございます。具体的には、屋外のホヴァリングステージ置き場を活用したアクティビティーとして、上空に張られたワイヤロープを滑りおりるジップラインの導入やライブ等の多様なイベントを創出するドーム型テントの屋外テラスへの設置などといったことについて検討中でございます。これらの導入に当たりましては、より多くの収益を上げる観点から、単体のアトラクションとして捉えるのではなく、飲食、物販や展望台ツアーと複合的に組み合わせることで充実させていきたいと考えております。
来年度におきましては、テスト運用など早期に実施可能なものから取り組むことで新たな集客を図るとともににぎわいを創出し、ドームの活性化に努めてまいりたいと考えております。
◆こんどう和雄 委員 最後に、要望で終わります。
2004年、札幌ドームはファイターズの本拠地となりました。年を追うごとに多くの市民が応援に駆けつけ、そして、札幌市民の中にはファイターズ愛とプロ野球の観戦文化が根づきました。私の地元の豊平区にも、夕食をつくらずに足しげく札幌ドームに通っている主婦もいらっしゃいます。たくさんいるファンの中には、北広島に球団が移った場合、北広島までは通えないという方もいると伺って、残念なことだと思っております。そういったファンのために、残念だと諦めないで、また次のステップ、わかりやすく言えばピンチをチャンスに変えると。私のことを言っているような感じもいたしますが、例えば平日のナイターなど、年間数試合だけでも札幌ドームで試合が行われたら、その
盛り上がりははかり知れないものがあるのではないかと思います。また、セ・リーグの試合を誘致して、そこで新しい野球ファンを掘り起こし、開拓していくことによって、野球観戦の魅力、経済効果にもうまく連動していくのではないかと確信する次第です。
プロジェクトチームにおいても、現在、多目的施設としての札幌ドームの特徴を最大限に生かそうと、ハード・ソフトの両面でさまざまな活用策が検討されていると理解しております。それは、ぜひ進めていただきたい。そして、市民に定着したプロ野球の観戦文化を承継して、札幌ドームをもっと効果的に活用できる野球へのアプローチもぜひ忘れないでいただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○
佐々木みつこ 委員長 以上で、第2項
市民生活費のうち関係分の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時8分
再 開 午後2時11分
――――――――――――――
○
佐々木みつこ 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。
農業委員会の説明員は、退席されて結構です。
次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。
◆好井七海 委員 私からは、女性の多様な働き方支援窓口、ここシェルジュSAPPOROの開設後の状況及び今後の事業展開について質問いたします。
我が会派では、これまで一貫して女性活躍の推進について議会で取り上げ続け、そこから事業化されたここシェルジュSAPPOROについては大きな期待を寄せており、開設直後に会派としても運営状況を視察し、活気あるスタートを確認したところであり、平成30年決算特別委員会に引き続き質問させていただきます。
平成29年の就業構造基本調査では、25歳から39歳の子育て女性の有業率は54.2%となり、政令市平均58.9%には及ばないものの、その差は5年前に比べて縮まってきております。また、今回の調査で、札幌市の子育て女性の有業者と無業者の数が逆転し、子育て女性の半数以上が仕事をしている状況であります。
このような状況下、子育て女性の再就職をさらに後押しするため、就労と保育の一体的相談窓口として、札幌市は、昨年10月にここシェルジュSAPPOROを開設しました。また、中央区にある子育て支援総合センター内の子育てサロンと北保健センターの乳幼児健診会場の2カ所で出張相談窓口の開設を試行的に行うなど、子育て中の女性に寄り添った支援を実施しており、新聞の報道等によれば現在の利用も好調とのことであります。このような窓口を一人でも多くの支援を必要とする女性に使っていただきたいと考えます。
そこで、質問ですが、開設から約半年が経過したことを踏まえ、利用状況や相談者の声などを把握、分析して今後の事業運営に速やかに生かすべきと考えますけれども、現在の利用状況や相談状況はどのようになっているのか、また、利用者の声やニーズはどのようなものか、まず、お伺いいたします。
◎金谷 雇用推進部長 ここシェルジュSAPPOROの現在の利用状況あるいは相談の状況というご質問かと思います。
利用状況についてですが、2月20日現在で登録者数が441名、個別相談件数が延べ238件となっております。相談状況につきましては、冬場、特に1月ですが、相談件数が減少いたしました。ただ、2月に入りまして施設に対する問い合わせなどもふえておりまして、相談件数も持ち直している状況となっております。ここシェルジュSAPPOROは、札幌駅直結ということで利便性のよい場所にあると考えおりますが、郊外の小規模区につきましては登録者数、相談件数のいずれも少ない傾向となっております。
開設から3カ月を迎えました12月末までの相談の内容について分析したところ、将来仕事につきたいと相談に訪れる方はもちろんですが、現在継続してお仕事をされている方も一定数いらっしゃっていただいていることがわかったところです。現在お仕事をされている方の相談内容といたしましては、出産後も仕事を続けていく上で必要な育児休業制度、あるいは、保育所の入所に関する情報提供などを求めるものが多くなっている状況です。
◆好井七海 委員 市が利用状況や相談ニーズの把握に努めていることはわかりました。冬場の利用者は減少しましたが、気温が上がるにつれ、利用者からのお問い合わせがふえているとのことで、開設後、間もないとはいえ、冬場の利用者数が減少傾向であることや利用者の居住区に偏りがある点は引き続き注視していかなければならないと考えます。
ベビーカーを使用できない冬場は、幾らアクセスのよい札幌とはいえ、子育て中の女性が立ち寄るためにはそれなりの思いを持っていなければ利用は難しいのではないでしょうか。就職するかどうか迷っている女性が身近な場所で相談を受けられる体制を整えることが急務であると考えます。我が会派では、さきの決算特別委員会でも出張相談の拡充について質問したところ、今年度、先行実施する2カ所の利用状況を踏まえて、次年度は出張相談の全区拡充を検討する旨の答弁をいただきました。
私は、札幌市がスピード感を持ってこの事業に取り組んでいる姿勢を大変評価しており、開設してから半年間で得られたさまざまな情報を、これからの事業に速やかに、そして積極的に生かしていただきたいと考えております。
そこで、質問ですが、出張相談の全区拡充に向けて、現段階での準備状況についてお尋ねいたします。
◎金谷 雇用推進部長 出張相談の全区拡充に向けた現段階での準備状況でございます。
今年度、出張相談会場で実施いたしましたアンケートでは、7割以上の方が出張相談を行ってほしい場所として各区あるいは大通周辺の子育てサロンを挙げている状況です。こうしたことから、平成31年度につきましては、現在出張相談を行っております2区に加えまして、残った8区においても子育てサロンを会場に月1回の出張相談を実施すべく、現在、鋭意準備を進めております。さらに、実はここシェルジュSAPPOROの相談件数が最も少ないのは清田区ですが、清田区におきましては、ニーズなどを確かめるという意味もありますので、試行的にではありますけれども、出張相談の回数を月2回にしたいと考えているところです。
開始時期につきましては、雪解けが進み、お母さんたちが外出しやすくなる時期を目途に関係機関と調整しているところです。
◆好井七海 委員 新年度の雪解けが進んだ時期ということで、恐らく5月ごろかと思いますが、10区拡大に向けて準備を進めていただけるとのことで、大変うれしく思っております。清田区のような遠方に住む女性にとっても、2回実施というのは特にありがたいことだと思いますので、着実にスタートを切っていただきたいと思います。
先ほどの答弁では、相談者の中には現在就労中の女性も多く相談に来ているとのことでした。女性の就業者数や有業率が向上している昨今、結婚、出産、子育てといったライフステージに向き合う機会もふえ、継続して働くかどうか迷っている女性がふえてきていると考えます。
そこで、質問ですが、女性の有業率向上に向け、利用者をより一層ふやしていくため、今後の窓口の事業展開について市のお考えをお伺いいたします。
◎金谷 雇用推進部長 利用者をふやしていくための今後の事業展開ということでございます。
先ほども少し申し上げましたが、ここシェルジュSAPPOROの相談者のうち、5人に1人の方が現在お仕事をされている状況でございます。こうしたことから、これまで当部で所管して別な事業で行っておりました女性社員向けの就労セミナーにつきまして、次年度よりここシェルジュSAPPOROの事業に組みかえることを予定しております。このセミナーの受講者の方々は継続就労中の方々ですので、ここシェルジュSAPPOROのカウンセリングの支援に直接つなげていくことができるものと考えているところでございます。
また、出張相談の10区への拡大を含めて、ここシェルジュSAPPOROのさらなる周知について、子ども未来局あるいは各保健センターなどの情報発信の機会を活用させていただくことで関係部局との連携をより一層深めていきまして、潜在的利用者のさらなる掘り起こしにつなげてまいりたいと考えております。
◆好井七海 委員 相談者の5人に1人は仕事をしているという中で、就労セミナーの受講者をここシェルジュSAPPOROにつなげて横断的な連携を進めていくということでした。
ここシェルジュSAPPOROは、女性の多様な働き方の支援に向けて市長がスピード感を持って開設した窓口でありますが、女性に寄り添った事業展開は皆さんに大変喜んでいただけるのではないでしょうか。今後も利用状況や相談内容をつぶさに分析して、必要なところに必要な支援がしっかりと行き届くように、引き続きスピード感を持って適切な施策を行っていただくことを求めて、質問を終わります。
○
佐々木みつこ 委員長 以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。
次に、第6款 経済費 第1項 商工費の質疑を行います。
◆伴良隆 委員 IT・クリエーティブ産業の振興について質問させていただきます。
私は、創造都市というのは一体何なのかということについて、代表質問もしてきましたし、ずっと考えてきました。当時の長期総合計画で言うところの創造と、まちづくり戦略ビジョンで言う創造というものに関しては、私は、違和感というか、ちょっと違いがあったのではないかと思っています。
少しうんちくっぽいのですが、長総で言う創造は、まさにクリエートのほうで、長い時間軸の一貫性のもとで、一般市民の力で北方圏らしい暮らしやすさを具体につくり出そうというものだったのかなと思っております。一方、まちづくり戦略ビジョンのほうは、あと数年になりましたから、今後10年レベルの長期的な計画が策定されるのかもしれませんが、創造は創造でもイメージのほうということがあったのではないかと思っています。つまり、いろいろな考え方や価値観を集めるため、一貫性や継続性というものに欠け、一部の市民理解にとどまっていたのではないかというふうに私は思っています。
こういった状況でありますが、創造都市の創造とは、結局のところ、興行性の強いイベントやコンサートや展覧会、さらには一般市民にわかりづらい文芸作品であったり、それに加えて市民参加も薄かったのではないでしょうか。クリエーティブ産業とは創造的な産業ということになりますと、扱い方によっては単なる一過性の自己満足に陥る可能性がございます。また、時代のはやりについていこうと浮足立つ可能性もございます。産業振興という一分野でございますので、IT・クリエーティブとなりますと、鑑賞型であったり見て楽しいというレベル以上のものがあるのかどうかという指摘もあります。
さて、今回、予算の概要書には、IT産業に対する数々の事業費が並んで記載されております。横文字もありますが、わかりやすいのはIT利活用ビジネス拡大費、IT産業UIJターン等支援費であります。だんだん怪しくなってくるのが、IT−バイオ連携推進費、ICC事業推進費、それから、映像産業振興費というのは補助等であります。ただ、これらは、先々何が生まれるのかよくわからない。それから、クリエイティブ産業活性化費も、e
スポーツ等ではやっておりますが、先々どうするのかよくわからない。さらに、No Maps事業費、IoT推進コンソーシアム事業費も、内訳を見ますと理解はするのですが、一般市民は非常にわかりづらいのではないか、つながりが一体どうなっているのかというふうなこともわかりづらいわけであります。IT・クリエーティブ産業を振興することによって、最終的に札幌の産業振興全体にどのように寄与していくのか、ひいては、札幌をどう活性化していくのか、一般市民の皆さんにはなかなかわかりづらいのではないかと思っております。
そこで、質問してまいります。
まず、第1問目でありますが、札幌市のIT・クリエーティブ産業を振興することが札幌の産業振興、札幌の活性化にどのように寄与しているのか、実施している事業のつながりを含めて説明をいただきたいと思います。
◎知野 国際経済戦略室長 IT・クリエーティブ産業の産業振興への寄与についてお答えいたします。
IT産業は、4,000億円近くの売り上げ規模を有し、従業者数1万6,000人以上、事業所数650以上と札幌市の基幹産業となっております。さらにIT・クリエーティブ産業は、例えばさまざまな業種の会計システムや製造業におけるIoTによる業務効率化、製造パッケージやブランディング戦略など、全ての業種の下支え、あるいは付加価値向上を担っていることから、同産業の振興は全ての産業の高度化、活性化に寄与するものと考えております。
各事業のつながりでございますが、まず、これまでの
取り組みとして市内中小企業が業務の効率化を図ることができるよう、補助金、専門家派遣などによってIT導入を促進してまいりました。また、北海道大学等には先端的研究の強みがあることから、産学官が連携してIoTイノベーション推進コンソーシアムを立ち上げ、AIと先進的技術のビジネス化や開発者など高度人材の育成、理系人材の確保を進めてまいりました。そして、こうした
取り組みが取引に結びつくように、IT産業と他産業とのマッチング事業、ビジネスコンベンションでありますNo Mapsによる企業連携や技術発表の場の創出を図ってまいりました。
このように、ITの導入促進、企業の技術力向上、人材育成、取引先や雇用の拡大へと
取り組みが循環するよう進めてきたところでございます。
◆伴良隆 委員 一般市民にはわかりにくいかもしれませんが、今、知野室長のお話を聞けば、そうだなと納得いただけるかなとは思います。私も映像系では雪ミクが大好きで、当然、いろいろな形で商品化されていることもそうであります。ただ、今、知野室長がおっしゃった部分で言えば、私は、当初から、代表質問でも取り上げましたように、例えば働き方改革ということです。これは、もちろんお金をかけなくてもすぐにできる改革もありますが、なぜ働き方改革と申したかといえば、それは、言わずもがなのこと、労働生産性の向上ということであります。あるいは、生活の豊かさという意味では、ご自身たちのバケーションや余暇、趣味であるとか、地域貢献もその中で果たせるのではないかとも思いますが、つまり、経済成長だけではないわけであります。また、道内のポテンシャルある農産品の6次化等も含めて、札幌として付加価値が足りないというふうに、当時、私は数字をもって指摘しました。いずれも、札幌がこれからの時代をどう重ねていくかというふうに期待して質問を繰り広げてきたわけであります。その中で、IT技術云々ではなくて、ちょっとした工夫でできるような働き方改革もありますが、当然、先進的な技術というものは欠かせません。第4次産業革命の到来というふうに言われますが、まさにAI、IoTの活用により、企業活動だけではなくて、生活のあらゆる場面で質の向上が大きな転換期を迎えております。
しかし、これは、市民からすればいろいろな疑問もございます。地方の衰退も現実となって都市間競争も激しくなっておりますけれども、札幌もまた同じであります。だからこそ、先見性を持ち、次の次を見据えて、札幌らしい地域に必要な技術、産業を育て、磨き上げていく成長戦略を描いて、新しいことに取り組む都市として進んでいかなければ、いつしか、若い人は集まらず、企業も離れ、負のスパイラルに陥ることが予想されます。ましてや、市民からすれば、IT産業、クリエーティブ産業といった先進的なものについては国が主導してやっていくべきもので、札幌市はいわゆるひもつきの中でやっていくことでいいのではないかと思う方もいるかもしれません。しかし、私は、そうであってはならないと思っております。長くなりましたが、私が申したいことは、そういう厳しい時代であるからこそ、単なるイメージの創造ではなく、まさにクリエート、創造していくということでなければ、今回のさまざまな予算の事業について、やはり市民は納得しないのではないかというふうに思っております。
そこで、私が市の職員の皆さん方に望むものは、当然、ビジョンや戦略もそうですが、先見性を持って、我々はこういうことが札幌のためになるからこの分野をやるのだ、あるいは、国のいろいろな先進的な予算をとりに行くのだと。その中で札幌の人材を育てていくということもあっていいと思いますが、そういう強い意思を市民に訴えて取り組んでいかなければならないと考えているわけでございます。
そこで、質問でありますが、産業振興ビジョン等にいろいろ書いてあるのは私も知っていますが、そうした計画上のことを超えて、何を目指したのか、何のためにIT・クリエーティブ産業の振興を目指していくのか、何なのかということを明確にお答えいただきたいと思います。
◎知野 国際経済戦略室長 札幌のIT・クリエーティブ産業の目標についてお答えいたします。
産業振興の目標は、雇用の場の確保と創出、企業、就業者の収入増加でありまして、IT・クリエーティブ産業の振興もその役割を担う一つであると考えております。今、第4次産業革命の到来と言われているとおり、AIやIoTといった先進的技術の社会での活用が急速に進み、例えば自動運転や遠隔医療など、これまでになかったビジネスやサービスが実現しようとしております。このように市民生活を変革する力のあるIT・クリエーティブ産業は、新ビジネスによる創業をもたらし、人材や投資を広く全国から呼び込むなど、活気あふれるまちづくりへの成長戦略に結びつけることができるものと考えております。
しかし、全ての都市において潜在能力があるわけではなく、全国有数の企業集積と研究開発の蓄積という強みを有する札幌市だからこそ、先端技術の産業化に向けて大学などの研究機関と企業をつなぐなど積極的な施策を進めることが可能であり、引き続き同分野における先進的都市を目指すべく重点施策として進めていかなければならないと考えております。
◆伴良隆 委員 産業振興ビジョンにも、約40年前にサッポロバレーと呼ばれた時代から、今となってはIT技術の下請というふうな形で札幌人がかかわっている傾向があるとも書いてあります。知野室長がおっしゃった部分で言えば、今までの歴史を踏まえながらも、我々にはポテンシャルがある、今まで着実に進めてきた、これから実行に移していくという話だったと思います。
札幌市は、産業構造上、第2次産業が比較的乏しいですが、ものづくりは創造と技術に支えられ、先導され、特にIT産業は社会全体に関わる裾野の広い分野でございますので、具体にサービス化されることに大変期待したいと思います。しかし、創造も技術革新も商品化も人間という人があってこそなし得るものでありまして、人づくりが両輪として極めて大切であります。知野室長が答弁されたように、市民に訴えるべき先を見据えた大きな目標があるのは確認いたしました。
そこで、質問でありますが、目標に向かって、来年度以降、特にどういった方法を重ねながらIT・クリエーティブ産業の振興を進めていくのか、伺います。
◎知野 国際経済戦略室長 来年度以降のIT・クリエーティブ産業振興の
取り組みについてお答えいたします。
IT・クリエーティブ産業振興の中でも特に力点を置いて取り組んでいる新たなビジネス創出を目指した産学官連携の札幌市IoTイノベーション推進コンソーシアム事業は、現在、高度IT人材の育成を図り、先進的技術のビジネス化実証事業にも取り組んでおり、まさに実際のビジネスに結びつく動きを進めている段階に来ています。これまで、国内最大級の先端技術展示会でございますCEATECなどで札幌の
取り組みを発信してまいりましたが、今後はさらに具体的なビジネスに展開するマッチングを重視して
取り組みを進めていきたいと考えております。そのためにも、No Mapsなど企業連携を加速する場の充実や、マーケティング戦略を加速させるクリエイター支援の
取り組みもより一層進めてまいります。
また、経済産業省は、IT人材の不足が深刻化し、2030年には59万人が不足すると予想しております。そこで、将来、札幌のIT・クリエーティブ産業で活躍するであろう若年層に対する産業目線での人材育成にも、企業と連携しながら
取り組みを広げていきたいと考えております。
◆伴良隆 委員 私が期待したサービス化に結びつけていくためのマッチングの段階に来ているという話とともに、やはり、IT人材の不足とも言われておりますので、人づくりの分野、人材づくりのほうにも経済観光局側としてかかわっていきたいというふうな意思があらわれたところであります。
舞い戻って、大切なのは、これが市民の暮らしやすさにどうつながっていくのかということだと私は思っております。また一方で、市民は施策や事業にどう主体的にかかわっていくのかということも大切であります。これは、市の姿勢によって大きく変わってしまいます。ですから、皆さん方はIT・クリエーティブ産業振興というものをなぜやるのか、何をやるのか、そして、いつまでに、どのようにして、どこまでやるのかということを、常々、自問自答していただきたいと思っております。
ですから、出鼻をくじくということではなく、もしうまくいかないようなことがあれば、行政には早くやめてしまう勇気も持っていただきたいと思いますし、その分、ほかのところにジャンプしていただきたいと思って期待しているところであります。
最後に、指摘させていただきますが、予算組みされているのは市民の大切な税金であります。先ほど来、わかりにくいとは申しましたが、きちんとご説明いただければ恐らく市民は理解していただけるものと思います。次の時代に挑戦する先見性と戦略、そして、一般市民をしっかり巻き込んだ形で知恵と工夫を総動員して、暮らしやすさを生み出す
取り組みがぜひ継続、発展することを祈り、期待し、さまざまな指摘をさせていただいて、私の質問を終わります。
◆かんの太一 委員 先ほど質疑の中でもIT・クリエーティブ産業、新ビジネスの創造において重要であるマッチングというキーワードが出てきましたが、私からは、その象徴的な産業イベントであるNo Mapsについて質問いたします。
本格開催として第2回目となった今年度のNo Mapsは、市内32の会場において先端技術や新産業ビジネスなどをテーマとしたカンファレンスや、参加者、関係者の交流、チ・カ・ホをメーン会場とした展示、短編映画祭や音楽などのイベント、そして、先端技術の実証実験など100を超える多種多様な事業が開催され、約2万3,000人の来場者があったと聞いております。
チ・カ・ホでは、大手航空会社によるVRを活用したバーチャル旅行体験など、市民の方が気軽に触れることができるさまざまな先端技術系の展示がされておりましたし、ローカル・クリエイターズ・エキシビションと題し、道内の大学、専門学校、高校、合わせて6校によるIT技術を活用したクリエーティブな作品が発表されており、将来を担う世代の参画も見られました。また、実証実験事業として、狸小路商店街振興組合と連携し、公道では全国初となる配送ロボットのデモ走行をしたり、アーケード街の通行部に滞留スペースを設けてイベントを開催しておりました。本格開催2年目を迎え、産業イベント実証実験の場としてますます多様な動きを見せてきたものと感じるところであります。
昨年の第2回定例会の代表質問で、我が会派は、No Mapsについて、新たな切り口でのイベントであり、札幌市、北海道の経済振興の起爆剤として期待したい旨を伝えてまいりました。第2回が終了し、立ち上げ期ではありますが、新ビジネスの創造に向けたさまざまな
取り組みを誘発する形が整ってきたのではないかと考えております。
そこで、質問ですが、No Mapsでは、テクノロジーやアイデアで未来の社会を切り開く、そのような志を持つ人たちが集い交わる場、新たなビジネスを生み出し、加速させる場、こういった場となることを目標として掲げておりますけれども、その目標に対する到達の状況をどう認識しているのか、お伺いいたします。
◎知野 国際経済戦略室長 No Mapsが掲げる目標の到達状況につきましてお答えいたします。
No Mapsは、カンファレンスなど大きく五つの事業を通じて新ビジネスの創造に向けた人、情報、知識、物などの交流の場をつくり出すことを目標としております。今年度は、さまざまな参加者や出演者、関係者が一堂に集まる機会を生み出し、ビジネス交流事業を16件開催し、1,500人以上に昼夜を問わず参加いただくことができました。また、カンファレンスにつきましては、今年度から参加者全員にパスを購入していただくことといたしましたが、AIやIoT、人工衛星データなど先端的で多様なテーマを用意したことにより、48件の事業で会場はほぼ全て満員、道外からの多くの参加者を含む3,000人以上に参加いただき、未来の技術、新ビジネスアイデアへの高い関心を感じることができました。
なお、10月のメーン期間を象徴的な
取り組みとしておりますが、No Maps自体は、年間を通じてテクノロジーやアイデアで未来の社会を切り開く人たちが集う場ということで、随時、カンファレンスなどの連携事業を開催しております。昨年は、メーン期間以外でも62件の連携事業の実績を上げており、新しい
取り組みイコールNo Mapsというプラットホームが定着し始めたものと考えております。
◆かんの太一 委員 多くのビジネス交流につながったこと、カンファレンスについては、多くの参加があり、関心の高さを感じることができたということでした。
ビジネスチャンスの拡大において最も重要なことは、やはり、人と人とのつながりであります。No Mapsにおいては、カンファレンスによる新しい発想や提言がきっかけとなり、交流事業での意見交換によって人と人とのつながりが生み出される点を特に期待しており、札幌市の産業振興として意味のある
取り組みと感じております。
また、新しい
取り組みイコールNo Mapsというプラットホームの定着という答弁もありました。官主導のイメージが根づく札幌、北海道の地にあって、No Mapsは、民間が先導役となり、新たな挑戦の象徴として多くの企業や団体の連携を促す役割を担っています。No Mapsのカンファレンスの中でも、ITなどの先端技術を活用して社会課題を解決し、急成長を目指す創業、いわゆるスタートアップ企業のプレゼンテーションが行われておりましたが、技術、アイデアを有する新たな企業とさまざまな企業が連携し、支え、ビジネスチャンスを広げていく、そして支援を受けたスタートアップ企業が育ち支える側になっていくといった循環を生み出すこともNo Mapsの役割として期待できるのではないかと考えております。
このように、AI、IoT、スタートアップ等々、未来に向けた産業振興に必要なキーワードを多分に含み、新たなビジョンと人と人とのつながりを生み出す事業は、行政にとっても新たな挑戦の象徴であり、経済活性化に向けて有用な
取り組みであると改めて認識するものであります。現アクションプランでは、No Mapsに対する予算措置は平成31年度までを予定しておりますが、民間主導の
取り組みを活用して企業連携の好循環が生まれるべく着実な
取り組みを重ねていけるように、平成32年度以降も支援していくことが望ましいと考えております。
そこで、質問ですが、No Mapsの平成31年度の
取り組みの展望と、平成32年度以降における札幌市としての支援をどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎知野 国際経済戦略室長 平成31年度の展望と平成32年度以降の支援についてお答えいたします。
平成31年度の展望でございますが、引き続き、カンファレンスと交流事業を中心に据えて、多くの企業連携を生み出す場の創造を支援してまいります。今年度、地場の企業からは、No Mapsに合わせて道外企業が視察に来てくれたことで新たなビジネスにつながったという声や、No Mapsがあったから新しいチャレンジをしようという気持ちになり、実際に仮想現実技術の新会社を設立したとの直接の感想をいただいたりもしました。このような事例を積み重ねられるよう、平成31年度も引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
平成32年度以降の支援についてでございますが、これまでの立ち上げ期では、民間主導ではありましたけれども、札幌市もNo Maps実行委員会の一員としてしっかりと手を組みながら形をつくり上げてきたところでございます。本市のIT・クリエーティブ産業の振興を象徴する事業となってきているものと考えております。新ビジネスの創造に向けた場づくりは、産業振興のために必要不可欠であることから、新しい
取り組みイコールNo Mapsというプラットホームの定着を目指し、今後も協力体制を維持しながら必要な支援をしてまいりたいと考えております。
◆かんの太一 委員 今までの答弁の中で、No Mapsによって生み出された新ビジネスの例を挙げていただきましたが、ぜひ、今後ともそういった事例を積み重ねていただきたいですし、カンファレンスでは国内外のさまざまなテーマと参加者が組み込まれておりますので、札幌、北海道の企業が、全国、広くは世界の企業と融合できる場になるまで成長させていっていただきたいと思います。
No Mapsは、単なる産業振興策だけにおさまらず、札幌、北海道の地域そのものを盛り上げ、飛躍させる可能性を秘めていると思います。札幌市として積極的な支援を引き続き行っていただくことを要望いたしまして、私の質問を終了いたします。
◆前川隆史 委員 私からは、2点、プレミアムつき商品券事業について、そして
健康・医療関連産業の集積につきまして、順次、お伺いいたしたいと思います。
初めに、プレミアムつき商品券事業についてお伺いします。
プレミアムつき商品券事業は、本年10月1日に予定されている消費税率の引き上げが低所得者及び子育て世帯の消費に与える影響を緩和するために実施するものでございます。内閣官房のプレミアム付商品券施策推進室の資料などによりますと、4年前の商品券事業とは異なりまして、購入できる市民は一定の所得要件を満たす者や子育て世帯などに限定され、対象となる市民は購入の申請が必要となります。この事業は、多くの市民が商品券を購入し、使用することが事業の効果を高めることになりますので、購入する権利がありながら、手続の方法や商品券そのものの存在を知らないまま、せっかくの機会を逃してしまう市民が多くなってしまいますと、事業の効果が100%出ないといったことになってしまいます。
そこで、最初の質問でございますが、商品券を購入できる市民が限定される中、どのような方法により事業内容を周知していくおつもりか、お考えをお伺いいたします。
◎田中 産業振興部長 プレミアムつき商品券事業の事業内容の周知についてお答えいたします。
事業の周知に当たりましては、まずは、国において新聞やテレビなどを通じた広報を実施する予定でございます。本市では、広報誌によるお知らせに加え、対象となる方に制度のご案内を直接郵送するなどして周知の徹底を図ることを検討しております。また、専用のコールセンターを開設し、対象者や申請方法といった事業の内容が市民に浸透するよう丁寧に説明してまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 対象者には郵送やコールセンターの設置などを通じて周知していきたいということでございました。
今回の商品券事業は、消費喚起に加えまして、落ち込みが予想される消費を下支えする目的もあるとされております。本事業は、消費税率の引き上げによってふだんの買い物を我慢することのないよう措置する目的があることから、市民の利便性を確保するためにも市内の店舗を広く対象とする必要があると思います。
そこで、質問でございますが、商品券の利用可能店舗について、どのような店舗を対象として、どのように募集を行っていくのか、お伺いいたします。
◎田中 産業振興部長 商品券の利用可能店舗についてお答えいたします。
ご指摘のとおり、本事業において市民の利便性確保は重要な課題であると認識しております。商品券が利用できる店舗につきましては、ふだんの買い物でも使えるよう、地域の商店街はもちろん、スーパーを初めとした大型店も加えるなど、市内の幅広い店舗を対象とすることを検討しております。また、店舗の募集に当たりましては、商工会議所や商店街振興組合連合会などの経済団体と連携し、多くの事業者に参画していただけるよう努力してまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 市民にとって利便性の高い商品券となりますよう、引き続き事業の詳細を検討していただきますことを要望いたします。
次に、
健康・医療関連産業の集積についてお伺いいたします。
私は、
健康・医療関連産業の集積に取り組む必要性につきまして、これまで、代表質問や委員会等で何度も訴えさせていただきました。その背景には、強い危機感と思いがございます。全国20の政令指定都市の中で札幌は4番目に人口が多い大都市でございますが、財政力指数、つまり稼ぐ力は残念ながら最低水準でございます。製造業や大規模な企業が少ないといった事情もございまして、法人税、固定資産税などの税収を生み出していく力が弱いためでございます。稼ぐ力が弱いことは札幌の最大の課題でございまして、私は、日ごろから大きな危機感と課題認識を持っているところでございます。
しかし、足元をよく見てみますと、札幌には、ほかの都市に負けない、今後大きな成長を期待できる分野がございます。その一つが、世界が注目する先端医療技術でございます。例えば、北海道大学のがんゲノム医療、バイオバンクや、札幌医科大学の再生医療はもちろん、民間の医療機関も含めて市内では数々のすばらしい
取り組みが行われているところでございます。
このような医療や研究は、医薬品産業、医療機器産業、IT産業、ロボット産業、技術開発を支えるベンチャー企業など、多様な産業との深いかかわりがございます。札幌が持つ医療の強みや市民の
健康や生命を守るという本来の目的に加え、
健康・医療関連産業の集積につなげていくことによって、札幌の新たな基幹産業を創出して稼ぐ産業へと成長させられる力を持っていると私は確信しております。その実現に向けましては、札幌市も、さまざまな切り口から積極果敢に新しい
取り組みにどんどん挑戦していく姿勢が重要です。
こうした中、今回の予算案に盛り込まれました新たな
取り組みとしまして、さっぽろ連携中枢都市圏において、
健康医療、IT、
経営に関する学生を結びつけ、創業意欲を醸成する起業家育成プログラムがございます。
健康・医療関連産業の集積を進めるに当たっては、札幌経済の成長を牽引する企業をふやすために、大きく成長する可能性のあるベンチャーの創出が不可欠でございます。私は、常々、札幌を人材が活躍する舞台にしていきたい、若い優秀な人材が大いに力を発揮できるまちにしていきたいと考えておりますので、起業家育成プログラムには非常に期待を寄せているところでございます。
そこでまず、質問でございますが、札幌市は、
健康・医療分野の学生起業家育成プログラムをどのような狙いで実施していくのか、お伺いいたします。
◎知野 国際経済戦略室長
健康・医療分野の学生起業家育成プログラムを実施する狙いについてお答えいたします。
健康・医療分野では、人工知能などのIT技術を用いたサービスでベンチャーを創業する若者がふえてきており、国内外で注目が高まっております。こうしたベンチャーでは、
健康・医療の専門知識のみならず、IT技術や
経営の知見も求められますことから、1人で創業するのではなく、例えば医師とエンジニアが共同で創業する事例も見られております。
一方、さっぽろ連携中枢都市圏では、当別町の北海道医療大学、江別市の北海道情報大学、小樽市の小樽商科大学など、
健康医療、IT、
経営に関連する大学が多く存在しているものの、
健康・医療ベンチャーを創業する若者は非常に少ない状況でございます。今後、そうした若者を札幌圏でふやしていけるよう、このプログラムを通じて三つの異なる分野の学生が相乗効果を生む場をつくり、若者が果敢に創業する機運を盛り上げてまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 地元で
健康・医療ベンチャーを創業する若者がふえていくことは、理系人材、とりわけ学生や若者の道外流出という課題を克服するためにも大変有意義なのではないかと思います。さっぽろ連携中枢都市圏に集積する大学を生かして、将来への種をまき、機運を盛り上げていく、これは行政の大事な役割の一つでございまして、ぜひとも情熱を持って取り組んでいただきたいと思います。
こういう中で、まずは一人でも多くの学生にプログラムへ参加してもらうことが最初で最重要のミッションでございますが、現実的には、明確に創業するぞと考えている学生は多くはないかもしれません。関心はあるが、きっかけがない、何をやりたいか漠然としている、あるいは、困っている人や社会の課題を解決したいけれども、方法がわからないといった学生が相当数いるはずでございます。このプログラムを受講してすぐに創業とはならないでしょうが、今、例に挙げたようなもやもやしている学生に参加してもらって、
健康・医療ベンチャーの創業に向けて背中を大きく後押しできれば大成功なのではないかと思います。
ただ、問題は、そうした秘めた思いを持つ学生にどのように知ってもらうか、参加してもらうかということでございます。さらには、集まった学生の漠然とした思いが明確になるようにしていくためには、企業や医療現場を知ってもらうなどプログラム内容の企画・運営を工夫していくことも必要かと思います。
そこで、質問でございますが、
健康・医療分野の学生起業家育成プログラムに参加する学生を集めるための周知、そして、プログラム内容の企画・運営についてどのような工夫を行っていくおつもりか、お伺いいたします。
◎知野 国際経済戦略室長
健康・医療分野の学生起業家育成プログラムにおける周知や企画・運営の工夫についてお答えいたします。
まず、学生への周知につきましては、各大学に趣旨を説明して具体的な協力を得ていくとともに、募集に当たっては、学生向けの現地説明会を開催するなど、一人でも多くの学生に情報が届くよう工夫いたします。
次に、企画・運営につきましては、学生が段階的に知見を獲得できるよう、講義を中心とする基礎編と現場へのインタビューやワークショップを行う実践編に分け、プログラムを構築する予定でございます。実践編に向けては、インタビューにご協力していただける企業、医療機関、福祉施設などをサポーターとして募集したいと考えております。さらには、さっぽろ連携中枢都市圏の自治体と協力するほか、さまざまな企業が持つネットワークや発想も活用し、効果的な周知と企画・運営ができるよう工夫してまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 医療機関や福祉施設を学生のサポーターとして募集していくというユニークな
取り組みもご紹介されました。
健康・医療関連産業の集積に向けましては、これまで行っている札幌商工会議所、北海道大学、札幌医科大学などとの連携を一層深めることはもちろん、連携の輪をさらに広げながら、絶えず新しい視点を取り入れていくことが必要でございます。さっぽろ連携中枢都市圏の大学や医療機関、福祉施設と連携して実施する今回の
取り組みが、輪を広げる大きなきっかけになるよう期待しているところでございます。
札幌市がこのような新たな
取り組みに挑戦し続け、粘り強く展開していけば、時間はかかるかもしれませんが、輪が広がって産業の集積は必ず実現できると考えております。しかしながら、
取り組みを検討する際に、日本国内の事例だけを参考にしているようでは、大きな飛躍は難しいのではないかと常々思っております。海外では、アメリカのピッツバーグやボストン、サンディエゴなどのように、大学や医療機関と企業との連携が非常に活発で、
健康・医療分野のベンチャーが活躍しやすい環境のもと、産業が集積して新たな基幹産業に育て上げ、稼げるまちへと成長した先進都市がございます。私は、こうした海外の先進都市から生の情報を収集して、見聞と視野を大きく広げて、人脈もつくり、施策に反映させていくことが重要であるとこれまでも主張してまいりました。
札幌が世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街であるためには、国内の先進都市をただ追いかけるのではなく、アメリカを初めとする海外の先進都市から学ぶ必要がある、特に医療産業のようなグローバル業界では必要であると強く思っております。札幌市自身が新しい試みに大胆かつ果敢に挑戦する姿勢を持つことが極めて重要であります。
そこで、最後の質問でございますが、今後の施策構築のために、
健康・医療関連産業の海外先進都市を視察するなど現地の
取り組みや情報を収集する必要があると思いますけれども、どのようにお考えか、お伺いいたします。
◎知野 国際経済戦略室長 今後の施策構築に向けた海外先進都市の情報収集についてお答えいたします。
札幌市では、医療分野の市内企業が欧米の展示商談会に参加できるよう支援しておりまして、職員も、現地でのサポートなどを目的に、適宜、随行し、海外の先進都市の状況を肌で感じているところでございます。しかしながら、展示商談会が業務の中心で、都市の
取り組みについて生の情報を収集する機会は限られていることから、改めて海外先進都市の
取り組みの情報を収集し、しっかりと学ぶことは大変有意義であるというふうに捉えております。
一方、
健康・医療関連産業の集積に取り組むに当たりましては、地域のさまざまな機関と方向性や足並みをそろえながら進めていくことが必要でございます。このため、札幌市だけではなく、関係機関と共同で先進事例の情報を収集することが重要となりますので、委員のご指摘を踏まえつつ、札幌商工会議所や大学と協議してまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 ぜひとも、関係機関と速やかに協議を重ね、力を合わせてしっかり連携し、また、海外にも速やかに足を運んで現地の苦労話もよく聞きながら、新しい産業創出への力につなげていただくことを要望しまして、質問を終わります。
○
佐々木みつこ 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時5分
再 開 午後3時24分
――――――――――――――
○丸山秀樹 副委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆小形香織 委員 私は、産業振興ビジョン、中小企業の支援にかかわって質問したいと思います。
昨年12月の第4回定例会の我が党の代表質問で、産業振興ビジョンについて質問いたしました。市長からは、本市経済の好循環を生み出すために必要な要素について、雇用の場の確保、創出及び企業、従業者の収入増加であると答えておられます。中小企業というのは、中小企業憲章にも社会の主役として地域社会と住民生活に貢献すると定められております。また、本市の企業の9割が中小企業でありまして、本市の経済発展というのはまさに中小零細企業の発展が鍵であると考えております。
2016年の経済センサスを見ますと、市内企業の売上高は、21兆1,623億円で、目標に対して4兆円上回る結果となっている一方で、民間の従業者数は、2016年は83万8,911人と2014年よりも約2万人減っているということでした。売上高が伸びていて従業員数が減っているという現象を見ますと、中小企業及びその就業者の方々に本当に好循環の影響が及んでいるのかという疑問が残ります。
そこでまず、市内の中小企業の現状をどのように認識されているのか、伺いたいと思います。
◎田中 産業振興部長 市内の中小企業の現状認識についてお答えいたします。
平成26年と28年の経済センサスを比較すると、従業者が50人未満の事業所で働く従業者は、数そのものは減少しておりますが、従業者全体に占める割合は逆に増加しており、市民雇用者報酬もここ数年上昇傾向にありますことから、中小企業においても少なからず好循環の影響が及んでいるものと認識しております。
◆小形香織 委員 もう一つ、質問を追加します。
あわせて、市内企業就業者の収入増を実現するためには、どのような支援策を展開されるのか、伺いたいと思います。
◎田中 産業振興部長 ただいまお答えした少なからず影響が及んでいる好循環を、より大きなものにしていくためには、
経営資源の不足や事業承継など中小企業が抱えるさまざまな課題について、その解決を後押しする支援策が必要と考えております。今後とも、中小企業の発展が札幌経済の発展の根幹であるという認識のもと、企業や業界団体の声を伺いながらタイムリーな支援策を実施してまいりたいと考えております。
◆小形香織 委員 50人未満の事業所で働く従業者は減っているけれども、従業者全体に占める割合は逆に増加しているということで、承継などが課題になっているということでありました。
先ほどの2016年の経済センサスで具体的に見ていきますと、中小企業の中でも、特に従業者数が1人から4人、つまり5人未満の事業所数は、2014年は4万1,617、それが2016年には3万8,861と、マイナス2,756になっております。そしてまた、それに比例するように、従業者数でも同じく5人未満のところがマイナス6,757人になっております。
このように5人未満の小規模企業が著しく減っているのが実態だろうと思いますが、どのようにお考えなのか、見解を伺いたいと思います。
◎田中 産業振興部長 小規模企業の減少の認識についてお答えいたします。
先ほどの答弁で、中小企業の課題は
経営資源の不足や事業承継であると申し上げましたが、規模が小さくなればなるほどこの課題が顕著にあらわれると考えております。
経営者の高齢化や設備投資への負担感から、廃業を選択している事業者が多いものと考えております。
小規模企業の減少に歯どめをかけるため、事業承継や設備投資への支援を継続していくとともに、札幌産業の競争力を高め、雇用の場を創出する起業の促進にも力を入れてまいりたいと考えております。
◆小形香織 委員 小規模事業者のところは、とりわけ高齢化していたり、それに伴って後継者がいないということで、倒産というより、むしろ廃業していくのが実態ということであります。これに加え、さらにことしの10月には消費税が10%に増税するということですから、小規模企業はさらに大きな打撃になるだろうと大変心配しております。そしてまた、こうした小さな企業がなくなるというのは、札幌らしい魅力が大きく失われていくのではないかという懸念を持っています。
5人未満の小規模企業というのは、多くが家族
経営のような形の個人事業主であると思います。そういう仕事をなさる方は、地域に密着していて、地元のニーズに応えたサービスなど、札幌らしさを生かした店舗
経営を展開することができていたというふうに思います。ですから、こうした小規模企業が繁栄することが、景気の好循環を生む大事な要素だと考えております。今、通りを歩いておりますと、全国展開のチェーン店とか多国籍企業やフランチャイズのコンビニなどが同じような形で並んでいて、全国どこを歩いても同じような感じで札幌らしさがなかなか見えづらいと感じておりますので、ぜひ、地元の小規模企業を育てる支援を強めていただきたいと思っております。
そして、雇用の点で、先ほど起業というご答弁をされましたが、やはり、新たな会社を生み出すのも経済、雇用の活性化のためには大事だと思います。起業ということでは、株式会社をつくって全国展開をするようなもの、初期投資をしてつくっていく起業もありますが、一方で、手の届くようなやり方で会社を起こしていくプチ起業もあると思います。例えば、60歳以上で起業する方の割合がふえていると聞いておりますし、女性向けの雑誌などを見ますと、子育て中の女性が手先の器用さを生かして小さな会社を起こしたり、インターネットを活用してネットビジネスを始めたり、そういうおうち起業とかプチ起業を始める方が注目されているという記事も見かけます。子育てしながら、あるいは家族を介護しながら、初期投資をかけずに事業を起こし、具体的なニーズのあるところで無理のない範囲で
経営する、そういうやり方によって地に足のついた地道な企業としてふえていくのも、規模は小さいですが、札幌の経済の活力の一つになると思いますし、札幌らしいスタイルをつくれるのではないかと思います。
そこで、こうしたプチ起業と呼ばれるような小さな規模での起業も含めて、起業を始めやすい環境整備が必要だと思いますけれども、その点をどうお考えか、伺います。
◎田中 産業振興部長 札幌らしい小さな起業の支援についてお答えいたします。
札幌市産業振興センターのスタートアッププロジェクトルームの入居企業へ支援を行うほか、多様な生活スタイルに合った働き方を知ってもらうきっかけづくりとして、女性のためのコワーキングスペースであるリラコワの運営を行うなど、これまでもプチ起業を含めた幅広い支援を行ってきたところでございます。さらに、札幌市と札幌商工会議所が設置した総合相談窓口であるさっぽろ創業支援プラザが中心となって、金融機関などの支援機関とともに、起業前の段階から起業後のフォローアップまで、さまざまな起業ステージに合わせた一貫した起業支援を実施しております。
こうしたさまざまな起業ステージに合わせた支援を継続しながら、セミナーや講座などを通じて起業に係る機運醸成について今後とも一層進めてまいりたいと考えております。
◆小形香織 委員 ぜひ、そうした小さなところも視野に入れた起業支援も進めていただきたいと思います。
9割を占める中小企業の中でも、とりわけ小規模企業を支援していく、育てていくことが大事だと思います。そうしたことによって、ビジョンに掲げた雇用の場の確保や創出、そして企業、就業者の収入増加につながり、市内経済に好循環が生まれると思いますので、そういう形で積極的に支援していただきたいということを求めまして、質問を終わりたいと思います。
◆しのだ江里子 委員 私からは、災害時における民泊事業者の対応について伺います。
第70回さっぽ
ろ雪まつりが閉会し、来場者数は273万7,000人と過去最多となりましたが、この中でも民泊の利用者数はかなりあったと思います。民泊の適正な運営を確保しつつ、観光客の多様な宿泊ニーズに対応することを目的として、昨年6月に住宅宿泊事業法が施行されています。この法の施行後、札幌市内においても多数の民泊の届け出がなされておりまして、本年1月31日現在の届け出件数は1,626件と、全国的にも大阪市に次いで2番目に多い状況で、そのうちの9割近い1,437件が家主不在型とのことです。また、民泊の利用者は、昨年の6月から11月までの半年間で約7万2,000人でありまして、そのうちの約8割の5万9,000人が外国人の利用であったということです。
このような中で、昨年の第3回定例会の代表質問において、私どもの会派から、民泊の現状認識について質疑をさせていただいたところ、懸念されていた生活環境の悪化という状況には至っていないとの答弁でありました。しかし、家主不在型の民泊は、ホテルや旅館とは異なり、フロントに従業員が常駐していないことから、トラブルが発生したときにしっかりと対応できるのか心配するところです。
昨年9月6日に発生しました北海道胆振東部地震において、札幌市では、急遽、観光客向け避難所を6カ所開設して、延べ2,800人以上の方たちを受け入れたと聞いております。市内の多くのホテルや旅館でも、延泊希望者に対して飲料や食料、寝具を無料で提供し、中には、ロビーを開放して炊き出しを行い、近隣のホテルを出て行き場のなかった観光客などにも振る舞ったところもあると伺っています。
本来、民泊ホストの住宅宿泊事業者は、外国人宿泊者に対して、外国語を用いて、届け出住宅の設備の使用方法に関する案内をすること、そして、移動のための交通手段に関する情報を提供すること、火災、地震その他の災害が発生した場合における通報連絡先に関する案内をすることが必要とされています。
そこで、質問ですが、北海道胆振東部地震において、ホテルや旅館ではできる限り延泊希望者の対応をしていたと聞いておりますけれども、民泊事業者はどのような対応をされたのか、伺います。
◎森 観光・MICE推進部長 北海道胆振東部地震における民泊事業者の対応についてでございます。
昨年9月の震災発生後、間もなく、市内の主要な民泊管理業者に状況を確認したところ、管理業者と民泊利用者は電子メール等で頻繁に連絡をとり合っているため、これを利用し、延泊の希望や予約の取り消しなどおおむね支障なく対応できたということでございました。したがいまして、民泊事業者の対応につきましては大きな問題は生じていなかったものと認識しておりますけれども、今後とも、災害時に適切に対応できますよう、日ごろから私ども札幌市で定めている札幌市住宅宿泊事業指導監督実施要領に基づきまして指導・監督をしてまいりたいと考えているところでございます。
◆しのだ江里子 委員 今回の震災では、民泊の管理業者が利用者の方たちと電子メールなどで頻繁にやりとりでき、おおむね支障がなかったということで、本当に何よりなことだったと思います。
やはり、民泊の管理業者は、宿泊者と顔を合わせた対応ができているわけではなく、また、多数の物件を抱えていると思われることから、いつも的確な情報が民泊利用者に伝わるとは限りませんし、9月のときも停電の際に携帯電話がつながりづらかったということも多々あったと思います。そこで、観光客が札幌市内の民泊を安心して利用できるようにするためには、札幌市と民泊事業者が連携し、災害に関する情報が民泊利用者にタイムリーに伝わるような連絡体制をあらかじめ構築しておくことが重要ではないかと考えます。
札幌市では、ことしの1月15日に、市内のホテル、旅館が加盟する3団体と災害時における旅行者の受け入れ等に関する協定を締結し、旅行者の一時滞在施設の指定や公共交通機関などの情報提供などについて連携・協働できる体制を構築していくということでありました。私は、このような
取り組みは、ホテルや旅館だけではなくて、民泊事業者も含めて検討すべきであると考えます。
そこで、質問ですが、災害時における民泊事業者との連携についてどのようにお考えなのか、伺います。
◎森 観光・MICE推進部長 災害時におけます民泊事業者との連携についてでございます。
昨年の震災対応を踏まえまして、災害時には旅行者の一時避難場所を確保するとともに、交通機関の運行状況など、旅行者にとりまして必要な情報を迅速かつ正確に届けることが重要であると認識しております。また、民泊の利用者への情報提供につきましては、管理業者のほか、予約等を仲介いたします住宅宿泊仲介業者と連携協力することも有効であると考えているところでございます。
今後につきましては、札幌市内ホテル連絡協議会などと災害時におけます情報ネットワーク体制の整備を進めていく中で、民泊の管理業者や仲介業者の方たちへの情報提供についてしっかりと協議してまいりたい、このように考えているところでございます。
◆しのだ江里子 委員 昨年の胆振東部地震では、停電はあったものの、ほとんどの地域では2日以内に回復しました。しかし、特に高層のマンションタイプの民泊では、エレベーターの復旧にも時間がかかり、宿泊利用者は不安なときを過ごしたのではないかと考えます。
観光庁は、昨年の9月28日、災害発生時等、非常時における外国人旅行者の安全・安心確保のための緊急対策案を公表しております。台風21号や北海道胆振東部地震の際、訪日客への情報提供が十分でなかったとの指摘を受けて発案されたこの中で、観光庁は、JNTO、日本政府観光局コールセンターについて、あらゆる手段を用いて周知しつつ、災害発生時などにおいて、24時間365日、英語、中国語、韓国語で相談を受け付ける体制を確立することを初めとし、関係省庁・機関と連携することでさまざまな場面で外国人旅行者が情報を入手しやすくするよう環境整備を図ることを求めています。
私は、住宅宿泊事業者、民泊ホストも、市内のホテルや旅館が加盟する3団体と市が締結した協定に参加し、しっかりと連携・協働すべきだと考えます。重ねて、民泊はネット環境さえあれば空室情報を検索することも可能になります。現在、年間180日泊で運営しておりまして、空室を災害時に提供することも可能なのではと考えるわけで、これに関してはぜひ検討していただきたいと思います。
今後の対応に関しては、札幌を訪れる観光客の宿泊選択の一つとして、ホテルや旅館とともにしっかり利用していただけるよう、民泊事業者の皆様にもより安全・安心で使いやすい環境整備を図っていただけるように、札幌市としてもしっかり指導していただくようお願いいたします。
◆好井七海 委員 私からは、観光客が夜の時間帯に夜景やショーなどを楽しむ観光、いわゆる夜間観光の推進と、映像産業の振興について、2点質問させていただきます。
まず、夜間観光の推進に関するこれまでの
取り組みについてお伺いいたします。
我が国では、観光を成長戦略、地方創生の柱と位置づけるとともに、目標値として2030年までに訪日外国人旅行者数を6,000万人、訪日外国人旅行消費額を15兆円という非常に高い目標を掲げ、国を挙げて観光を基幹産業へと成長させるべく観光先進国という新たな挑戦を進めているところであります。そして、これらの目標を達成するためには、モノ消費からコト消費に移行している現状を踏まえ、体験型観光についての消費を促していくことの必要性が指摘されており、これを受けて、観光庁では、「楽しい国日本」の実現に向けた観光資源活性化に関する検討会議を設置し、新たな体験型コンテンツを観光資源として掘り起こす
取り組みとして、夜間、いわゆるナイトタイムの有効活用を提言しているところであります。
一方、札幌市においても、国と方向性を同じくしており、平成30年3月に改定した札幌市観光まちづくりプランにおいては、夜景を初めとする夜間観光の充実を重要なテーマとして位置づけ、夜景の魅力を伝える語り部の養成や夜景文化発祥の地としてのブランドの確立を推進することとしていると伺っております。もともと札幌市の夜景観賞に関しては、標高の異なる夜景スポットが豊富なこと、また、雪まつりやイルミネーションなど歴史ある大型の光のイベントが開催されているという点において、他の観光都市と比べて優位性があると言われており、これに加え、平成27年10月の日本新三大夜景都市の認定を契機に夜景をテーマとしたさまざまな
取り組みを展開した結果、藻岩山展望台やさっぽろテレビ塔など札幌の代表的な夜景スポットでは、夜間の観光客が大幅に増加したと伺っております。
こうした中、昨年10月には、私も出席しました夜景サミット2018in札幌において、札幌市は、長崎市や北九州市とともに日本新三大夜景都市に再認定されました。これをさらなる契機として夜間の観光客を増加させるための
取り組みをより加速させていくことが期待されており、そのためには、これまでの
取り組みを正しく振り返るとともに、その成果を踏まえて今後も展開していくことが効果的であると考えているところであります。
そこで、質問ですが、夜間観光の推進に関するこれまでの
取り組みの総括と今後の展開についてお伺いいたします。
◎森 観光・MICE推進部長 夜間観光の推進に関するこれまでの総括と今後の展開についてでございます。
平成27年の日本新三大夜景都市の認定後、特に夜景をテーマとした夜間の観光振興を進めておりまして、その推進組織といたしまして札幌夜景観光推進協議会を設置し、宿泊施設や観光施設などとの連携のもと、夜景ガイドブックの制作や夜景ナビゲーターの養成などの
取り組みを展開してきたところでございます。さらには、白い恋人パークのイルミネーションなど観光施設による夜景イベントの開催や、ホテルによります夜景観賞と宿泊をセットにしたプランの造成といった新たな動きも生まれるなど、夜景のコンテンツも充実しつつあり、これまでの
取り組みは一定の成果を上げられたと考えているところでございます。
今後につきましては、昨年の日本新三大夜景都市の再認定を受けまして、ウェブサイトによります情報発信や夜景周遊バスの運行、観光客の満足度を高める
取り組みを継続的に実施していくことに加えまして、夜景をテーマにしたプロモーション映像を新たに制作するなど、国内外に向けて札幌の夜景の認知度をさらに向上させる活動を展開してまいりたいと考えているところでございます。
◆好井七海 委員 これまでは夜景をテーマとした夜間の誘客を進めており、今後は、夜景の魅力を発信するウェブサイトの運営や夜景周遊バスの運行といった
取り組みを継続的に実施していくほか、夜景の認知度を高めるためのプロモーション活動を充実させたいとの答弁であったと思います。夜景スポットをめぐるいわゆる夜景観光はナイトタイムの重要なコンテンツであり、来札観光客の消費を増加させる効果的な
取り組みであることから、ぜひ、これらのことを着実に進めていただくことを要望しておきます。
次に、夜間観光の推進における新たな展開についてお伺いいたします。
先ほどは夜景をテーマとした
取り組みについてご答弁をいただきましたが、夜景スポットをめぐる観光は、あくまでもナイトタイムの観光資源の一つであり、観光客の夜間の消費をさらに高めるためには、夜景のみに頼るのではなく、夜の観光資源の多様化を進めていくという新たな展開が重要であり、例えば、外国人観光客向けには体験型の夜間の観光メニューが魅力的な観光資源となり得るのではないかと感じているところであります。
また、ナイトタイムの観光振興について、先進的な
取り組みを行っている都市も幾つか見受けられます。例えば渋谷区観光協会では、夜の観光大使、ナイトアンバサダーの創設に加え、夜のエンターテインメントのモデルコースの発信やバーチャルチケットの発行などを行い、外国人観光客が安心して楽しめる場を提供しており、また、大阪観光局では、ICTを活用し、夜間の観光客の動態を分析した上でスマートフォンアプリへのプッシュ通知など、効果的なプロモーション活動を展開しているとも聞いております。世界的にも、ナイトタイム先進地のロンドンでは、4兆円の経済効果と新たな雇用も生み出されております。このような他都市における先進事例や冒頭で申し上げた国の提言等に鑑みると、ナイトタイムの観光消費を増加させる
取り組みは、今、観光都市が力を入れるべき重要なテーマであり、しっかりと
取り組みを進めていくことが必要であると思われます。
一方、これまでの札幌市においては、先ほど申し上げた札幌市観光まちづくりプランにおいて夜間の観光全般を重要なテーマと位置づけながらも、夜景以外の
取り組みに関する具体的な動きはまだ十分とは言えないのではないかと感じております。札幌が多くの観光客に選ばれる、また、何度でも来たくなる、そういった魅力的な観光都市になっていくためには、今後は夜間観光をさらに充実させるべきであり、そのためには、夜間の観光の現状を正しく認識した上で、戦略的に新たな展開を進めていくことが必要ではないかと考えているところであります。
そこで、質問ですが、夜間観光の新たな展開に向けた認識と今後の推進方針についてお伺いいたします。
◎森 観光・MICE推進部長 夜間観光の新たな展開に向けた認識と今後の推進方針についてでございます。
夜間観光の推進は、観光客の滞在日数の長期化とか消費機会の増加につながることから極めて重要なテーマでございまして、これまでの夜景を中心とした
取り組みに加えて、新たな分野での展開も必要であると考えております。一方、その推進に当たりましては、外国人観光客を初めとしたさまざまな観光客が楽しめるコンテンツを充実させることや、その認知度を高めることなどが課題であると認識しているところでございます。
こうした現状の中、飲食店でのプロジェクションマッピングや夜間観光マップの作成など、民間事業者による自発的な動きも出てきており、この動きをさらに加速させる
取り組みも必要であると考えております。今後につきましては、特にニーズの高いエンターテインメントの分野におきまして、既存の観光施設の発掘とか新たなコンテンツの開発支援に取り組んでいくとともに、夜間に楽しめるモデルコースを制作するなど、札幌商工会議所とか観光施設運営者等とも連携しながら訴求力の高い情報発信に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
◆好井七海 委員 夜間観光を充実させるため、既にある観光資源の発掘はもちろん、新たなコンテンツの創出に取り組んでいくこと、そして、関係団体とも連携しながら情報発信していくとのご答弁であったと思います。
私も、夜景以外にも夜間に楽しめる観光資源はあると聞いておりますが、一方、まだまだ不足しているとも感じております。ただいまのご答弁にあったとおり、外国人観光客を含めたさまざまな観光客を引きつけるような夜の観光の魅力づくりを積極的に進めていただきたいと思います。また、小規模な観光事業者が行っている夜間の観光コンテンツは、みずからPRする力が弱い場合が多いと思われることから、このような観光コンテンツの魅力をまとめて国内外へ発信することも効果的な
取り組みであると考えており、この点についてもしっかりと支援を進めていただきたいと考えております。
以上の2点を確実に進めていくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、映像産業振興について質問いたします。
札幌市では、平成26年に制定された映像のまち条例に基づき、映像の力を生かしたまちづくりに取り組んでおります。とりわけ映画やドラマのロケの誘致や、地元のロケーションやお店、商品を作品の中で使っていただくことは、シティプロモーション効果や観光産業の振興につながります。また、出演者や制作スタッフが地域に滞在した際には、宿泊や飲食などの経済効果も見込まれます。こうしたさまざまな経済の活性化につながる効果が期待され、特に大ヒット作品が生まれると、その効果は相当なものになると認識しております。
昨年末に本市フィルムコミッションがロケ誘致に成功した札幌在住の作家渡辺一史氏のノンフィクション著書を原作とする映画「こんな夜更けにバナナかよ」が全国公開となりました。札幌出身の人気俳優の大泉 洋さんが主役で、全編が札幌市を舞台にした映画ですが、大泉 洋さんの人気も後押しとなり、公開前からテレビを初めとしたマスコミで大きな話題となりました。公開後も全国ランキングにおいて上位を記録する大ヒット作となり、安倍首相も鑑賞に訪れて絶賛するなど、世間の注目度も高まったところであります。札幌フィルムコミッション支援と表記された作品として、ロケ誘致に尽力した関係者の皆様も作品の大ヒットに安堵したところだと推察いたしますし、フィルムコミッション事業を応援している我が会派としても非常にうれしいニュースと感じております。
昨年の
予算特別委員会において、我が会派のわたなべ委員から、ロケ誘致を札幌市のメリットにつなげていくこと、さらに、作品を活用し、地域の活性化を目指していただきたいことについて質問と要望をしてまいりました。今回の「こんな夜更けにバナナかよ」が特に西区を中心にローカルに映画が展開したことで、関係した地域の
盛り上がりも相当あったとお聞きしております。
そこで、質問ですが、今回のロケ誘致作品が地域や経済の活性化につなげることができたのか、具体的な事例を含めてお伺いいたします。
◎知野 国際経済戦略室長 ロケ誘致作品の地域や経済の活性化への結びつきにつきましてお答えいたします。
まず、地域活性化の
取り組みですが、本作品は、主要ロケ地となった関係で西区山の手まちづくりセンターを中心にロケ協力要請を通じた広報に努めたほか、地域の製菓店などから撮影クルーに差し入れが提供されるなど歓迎ムードが盛り上がっておりました。さらに、作品を通じて地元愛を醸成するため、区民センターや近隣の商業施設で映画のパネル展を開催したほか、原作著者を講師に招き、区役所職員に加え、町内会関係者など地域の方々も交え、本質を見きわめる取材力と着眼点をテーマとした研修会を実施するなどさまざまな
取り組みが進められました。
次に、経済活性化についてでございますが、映画会社が市内で消費した制作費用として3,500万円以上の直接経済効果があると聞いております。また、市内の障がい者就労支援企業が映画会社と連携し、キーホルダーなど公式グッズを制作したり、撮影が行われたコーヒー店ではタイアップメニューを登場させたりするなど独自の企業活動にもつながっております。そのほか、札幌フィルムコミッションがロケ地マップを2万部制作して市内観光案内所等で配布しているほか、ロケ地めぐりスタンプラリーを実施するなど観光客の市内周遊を促進することでさらなる消費行動を喚起してまいりました。
◆好井七海 委員 経済効果が非常にあったということで驚きましたが、大ヒット作品がしっかりと地域の
取り組みや製品開発、観光プロモーションにつながっていることが確認できました。特に、地域の皆様が盛り上がっていることが非常に重要で、これをきっかけとして映像産業振興の目標の一つである地域への愛着や誇りの醸成につなげていただきたいと思っております。
次に、昨年12月に、フィリピン航空のマニラ−新千歳直行便が就航を開始いたしました。就航に合わせて、岸副市長を訪問団の筆頭として、北海道胆振東部地震後の観光振興に向けたトップセールスを現地にて実施したところでありますが、直行便の就航という話題性に加え、フィリピン国内で大ヒットした札幌と北海道を舞台にした恋愛コメディー映画「Kita Kita」を活用した観光プロモーションを行い、その手法のユニークさでひときわ新聞やテレビに取り上げられていたところです。
この映画「Kita Kita」は、札幌フィルムコミッションがロケ誘致や支援を行った作品で、報道によると一昨年前の2017年にフィリピンの独立系映画の歴代興行記録1位の大ヒットとなり、フィリピン国内に北海道ブームを巻き起こし、北海道を日本観光における主要目的地へと押し上げたとのことです。今回のフィリピン航空のマニラ−新千歳直行便実現にも大きな影響を与えたとも伺っております。
そこで、質問ですが、海外における観光プロモーションに映画を全面的に活用した事例はこれまで余りなかったものと思いますし、経済観光局の各所管課が持つ資源を有効に生かしたものと見ておりますけれども、現地での反応や、せっかく直行便が就航したこともありますので、今後のプロモーションの方向性についてお伺いいたします。
◎知野 国際経済戦略室長 フィリピンプロモーションの反応と今後の方向性についてお答えいたします。
まず、本イベントですが、直行便就航という絶好の機会を利用し、主にフィリピン現地の旅行代理店やメディア関係者約100名をお招きし、大ヒット映画「Kita Kita」の主役であり人気俳優のエンポイ・マルケス氏による札幌の魅力を語るトークショー、それから、ロケ地札幌の観光情報を提供いたしました。現地の反応ですが、テレビ局や新聞、ラジオ、ブロガーなど20社以上のメディアに取材され、数多く報道されたところでございます。特に、現地最大手のテレビ局ABS−CBNにおきまして視聴率20%超えの報道番組テレビパトロールでの特集が組まれたほか、主役のエンポイ・マルケス氏も30万人のフォロワーを誇る自身のSNSに投稿するなど、フィリピン1億人の人口の広範囲をカバーし、かつ効果的な観光プロモーションを実施することができました。
なお、今回、直行便就航とイベント実施に合わせて、映画「Kita Kita」のロケ地マップを用意しました。
今後も、最も配布効果の高いと思われる機内への配架や機内モニターでロケ地情報を紹介できるよう現在準備を進めているところでございます。引き続き、直行便を活用したプロモーションを展開していきたいと考えております。
◆好井七海 委員 トークショー、また、たくさんのマスコミに取り上げられたということで非常によかったと思います。ロケ地マップ等も配られているということで、今回は海外の事例で特に顕著でありましたが、改めて観光プロモーションに映画等が有効であることが認識されたところであります。
映像のまち条例は、市民、事業者、札幌市が協力・連携しながら映像の力を活用したまちづくりを進めることを理念としているところですので、引き続き、全庁的に各部局が連携して課題解決に対して映像を活用していただきたいと思います。また、今年度は大きなヒット作品に恵まれましたが、狙ったからといって必ず結果が出るものでないことは重々承知しておりますので、札幌フィルムコミッションは、引き続きしっかりと地に足のついた誘致と支援活動を進めていただくとともに、映画のヒットが最終的に地域活性化や地域経済の発展につながるような活動を進めていただくことを期待して、質問を終わります。
◆恩村一郎 委員 私からは、都市間連携による経済交流についてお伺いしたいと思います。
私の5期20年の議員生活を振り返ってみますと、1999年に議席をいただきましたが、当時の札幌市の経済というのは、1997年の北海道拓殖銀行の
経営破綻などの影響による景気低迷が続いておりまして、札幌市内の大部分を占める中小企業にとりまして大変厳しい状況であったかと思います。一方で、世界に目を向けますと、1990年代以降、東西冷戦の終結、ソビエト連邦の崩壊や情報通信技術の進歩等により、人や物が自由に国境を越える経済のグローバル化が進展するとともに、2010年に日本のGDPを抜いて世界第2位の経済大国となった中国を初めとしたアジア諸国が著しい経済成長を遂げるなど、世界経済は目まぐるしく変化をしてまいりました。
このような中、札幌市においても、少子高齢化や今後の人口減少に伴う市内市場の縮小を見据えて、海外の需要を積極的に取り込むため、2014年度に国際経済戦略室が新設され、市内企業の海外展開支援に重点的に取り組んできたと承知しております。言うまでもなく、経済のグローバル化が進展する中で国際競争はますます厳しくなっています。しかし、市内企業の大部分を占める中小企業にとりましては、海外展開の意思はあるものの、資金や人材、ノウハウなどさまざまなハードルがあって、なかなか海外との取引に踏み切れない企業が多いのが実情ではないでしょうか。
そのような意味では、これまで、札幌市が食関連企業を中心に輸出市場の商品開発から海外展示会への出展や現地サポートなどによる販路拡大まで一貫した支援を行ってきたことは、高く評価しているところです。また、経済観光局では、一昨年11月に台湾の台北市と経済交流に関する覚書を、翌12月には同じく台湾の高雄市と観光交流に関する覚書を締結しているほか、昨年10月には中国の成都市との経済観光を中心とした覚書を締結したと伺っております。
とりわけ、成都市は、四川料理とかパンダの繁殖でご承知の方も多いかと思いますが、中国のほぼ中央に位置する四川省の省都として、1,600万人の人口を抱える地域経済の中心地でありまして、2010年にはアメリカの経済誌フォーブス誌が今後10年間で最も成長する都市ランキングでトップに位置づけるなど、世界からも注目されている大変魅力的な市場と言われています。このように、行政機関同士でのネットワークを築き上げ、信頼関係を強化することは、一民間企業ではできないことですし、まさに行政ならではの大変有意義な
取り組みであると考えています。
そこで、質問ですが、昨年10月に覚書を締結した成都市との経済交流の実績、そして、今後の方向性についてお伺いします。
◎知野 国際経済戦略室長 成都市との経済交流の実績と今後の方向性についてお答えいたします。
中国四川省の省都である成都市は、三国志の蜀の都として知られ、歴史的な遺産やパンダの繁殖で有名な観光都市であるとともに、四川料理の本場であり、2010年にはアジアで初めて食文化分野でユネスコ創造都市ネットワークに加盟し、食の都としても確固たる地位を築いております。このように札幌市と成都市はともに食や観光に強みを有しており、このような共通点をきっかけとして相互に協力関係を構築し、経済観光交流を推進していくため、昨年10月に友好交流促進に関する覚書を締結いたしました。
覚書締結の成果として、本年1月25日から2月3日まで、札幌物産協会と一緒に成都伊藤洋華堂におきまして北海道物産展を開催し、北海道産食品の販売のほか、札幌市北京事務所と連携して観光プロモーションを実施したところでございます。物産展の開幕式には、岸副市長が出席し、札幌の食と観光のトップセールスを行いましたが、物産展初日の1月25日は物産展会場であるモール型店舗伊藤広場のグランドオープンの初日でもあったことから、大変多くの成都市民の皆様に物産展にご来場いただき、食や観光を中心とした札幌の魅力を発信することができました。
成都市は、中国西部地域における中心都市であり、非常に有望な市場と認識しておりますので、今後も、成都市政府との信頼関係を強固なものとするとともに、地元経済界や支援機関などとも連携しながら継続的に
取り組みを推進してまいりたいと考えております。
◆恩村一郎 委員 物産展のにぎわいは、北海道新聞でも報じられておりました。何よりだったと思います。
成都市は、温暖な気候と豊富な降雨量に恵まれておりまして、農産物も豊富であったため、古来、天府の国と呼ばれているとのことです。昔から豊かな大地の恵みに支えられ、ゆったりとした生活を送ることができたためか、日本の江戸っ子同様、宵越しのお金は持たないというのが成都人の気質と言われておりまして、成都市は消費意欲が非常に高い地域としても知られております。また、成都市は、中国における海外旅行の出発地として、上海市、北京市、広東省の広州市などに次いで旅行に出かけられる方が大変多く、観光意欲も非常に高い地域であるほか、新たな国際空港が2020年に開港予定であるなど、今後、観光需要がますます高まることが見込まれております。
このような有望な市場である成都市において、市内企業が活発に経済活動を推進することができるよう、ご答弁にもありましたが、引き続き成都市政府との信頼関係を強固なものにするとともに、地元経済界とも連携を図りながら継続的に
取り組みを進めていただきたいと思います。
ところで、海外都市とのネットワークという観点から改めて考えますと、札幌市は、これまで姉妹友好都市交流を展開し、周年事業を中心に、青少年、
スポーツ、文化、芸術などさまざまな分野での交流を推進しています。しかし一方で、姉妹友好都市との経済交流の実績という点については、残念ながら十分ではないと言わざるを得ません。
昨年の第3回定例会の決算特別委員会におきまして、ことしで姉妹都市提携60周年を迎えるポートランド市との経済交流、販路拡大の可能性について町田副市長に質問させていただきました。町田副市長からは、昨年7月にポートランド市郊外の日系スーパーで開催した札幌フェアを視察して、北海道の食材、食品を輸出していく可能性を大いに感じたとの答弁があったところです。
そこで、質問ですが、先日の我が会派の畑瀬議員の代表質問において、ポートランド市との姉妹都市交流について伺ったところですけれども、ことし、ポートランド市との姉妹都市提携60周年を迎えるに当たり、どのような方向性でまさに経済交流を進めていくのか、また、これまでの姉妹友好都市交流で培ってきた信頼関係を生かして、ポートランド市以外の姉妹友好都市とも積極的に経済交流を推進すべきと考えますがいかがか、伺います。
◎知野 国際経済戦略室長 ポートランド市との経済交流の方向性及び姉妹友好都市との経済交流の推進についてお答えいたします。
昨年7月に現地の日系スーパーで開催した札幌フェアについては、出展した市内企業からも大変好評であり、現地の北海道商品への関心の高さを実感いたしました。姉妹都市提携60周年を迎える新年度におきましては、今年度の成果を踏まえた上で、現地からバイヤーを招聘して取り扱い商品の掘り起こしを行うなど、札幌フェアを発展、拡大させる方向で検討を進めており、両市の経済交流が継続的な
取り組みとなるよう努めてまいります。
また、その他の姉妹友好都市におきましても、例えば、瀋陽市とは、北海道とも連携しながら環境分野、高齢者福祉分野における経済交流を進めているほか、ノボシビルスク市とは、寒冷地対応製品やIT分野において経済交流に
取り組み始めたところでございます。
姉妹友好都市との経済交流におきましては、これまで構築してきた信頼関係のもと、現地で参加する企業募集などで全面的な協力を得ており、引き続き、これらのネットワークを活用して積極的に経済交流を推進してまいります。
◆恩村一郎 委員 ポートランド市を初め、姉妹友好都市との経済交流についても市内企業のニーズを踏まえながら
取り組みを進めていかれるとのこと、承知いたしました。
私も、ミュンヘン市、ノボシビルスク市など、姉妹都市交流の機会を得ていろいろ体験させていただきました。ぜひ、姉妹友好都市との間で長年にわたって積み重ねてきた信頼関係を、経済分野においても積極的に活用していくことを期待いたします。
ここまで質問してまいりましたが、姉妹友好都市関係の活用のほかに、新たな覚書締結により、行政機関同士のネットワークを構築し、その信頼関係を活用するといった
取り組みは着実に経済交流に結びついており、市内企業の海外展開を後押しする手法として非常に有効なものと高く評価したいと思います。
そこで、最後に、局長にお伺いしたいと思いますが、引き続き、都市間連携による経済交流を主体的、積極的に進めるべきと考えますけれども、今後の
取り組みの方向性についてどのようにお考えになっておられるのか、お伺いしたいと思います。
◎小西 経済観光局長 都市間連携による経済交流の今後の
取り組みの方向性についてのお尋ねでございます。
先ほど来の質疑の中でとり上げられました四川省成都市の例、あるいはポートランド市の例など幾つかの実例からも、海外都市とのネットワーク構築によりまして、最新の現地情報、そして市場ニーズの把握が容易となるほか、現地の行政機関の協力も得られるようになるなど、都市間連携の推進は、市内企業の海外展開、そして観光客誘致を進めるに当たり非常に有効なことと認識しております。
少子高齢化や人口減少などによりまして、今後市内市場の縮小が懸念される中ではありますが、海外市場に果敢にチャレンジする企業の増加を図っていくことは、札幌市経済の持続的な発展のためにも必要不可欠と考えております。つきましては、姉妹友好都市や覚書締結による行政機関同士の信頼関係を強化することで海外との人、物の交流が促進されることから、引き続き、海外との都市間連携を推進し、地元経済界や関係支援機関とも連携を図りながら、外需獲得に向けた
取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。
◆恩村一郎 委員 ただいまのご答弁で、今後も、行政機関同士のネットワークを強化するとともに、地元経済界や関係支援機関とも連携を図りながら、市内企業の海外展開支援に積極的に取り組んでいかれるとの前向きなお考えを聞かせていただきました。
今後、国際競争はますます激しさを増すものと思われますが、このような厳しい状況下においても札幌市経済が持続的に発展するためには、これまで以上に市内企業が積極的に海外展開に取り組むことが必要であると考えます。都市間の信頼関係というのは一朝一夕で築かれるものではなく、両市の相互交流を継続的に積み重ねることでより深まっていくものと考えます。今後は、これまで築いてきた都市間ネットワークを十分に活用するとともに、常に新たな有望市場に対してアンテナを張りめぐらせながら、官民挙げて都市間連携による経済交流を積極的に推進していかれるよう要望して、私の質問を終わります。
◆石川佐和子 委員 私からは、札幌スタイルの
取り組みについて伺います。
2004年にスタートしました札幌スタイル推進事業は、札幌というまちの良好なイメージを活用し、市内ものづくり企業の競争力向上を目的とした事業でありまして、ことしの4月で15周年を迎えるということです。
この間、北国札幌が発信するコンセプトと高い品質、そして、オリジナリティーを持つ製品を認証し、そのプロモーションや販路拡大を図ってきております。実際に認証された製品を見ますと、道産素材の生活用品やクラフト製品など、札幌での生活から発想して生まれた製品が多く、札幌での豊かなライフスタイルを提案するブランドとして、また、札幌らしい文化を発信する事業としても期待しているところです。
産業振興の観点で見ますと、製造業は、日本においては基幹産業と言われる分野でありますが、経済センサス調査を見ますと、札幌の産業別事業所数のうち製造業は3%台でありまして、残念ながら、札幌では企業としての集積がまだ浅く、十分ではなく、今は本市の強みに至っていないというふうに思われます。
しかし、そうした弱みを踏まえ、事業の推進に当たっては、札幌市が一方的に支援をするのではなく、札幌の名前をブランドとして冠した認証製品を持つ企業で構成される札幌スタイル機構とともに取り組むという、官民両方の知恵を活用した事業形態をとっており、こうしたことにも大きな可能性を感じ、継続して議会で取り上げてきたところです。また、民間企業のアンケートなどを見ますと、札幌市は住みたいまち、観光で訪れたいまちでランキングの1位になっておりまして、非常にブランドイメージの高いまちであり、こうした札幌の強みをものづくり産業の振興につなげるというアイデアも大変すぐれているというふうに思います。
このように、製品も魅力的であり、事業の方向性もよいと思いますが、一方で、事業開始から約15年がたった今でも、まだまだ札幌スタイルを知らない市民も現状では多くいると感じております。
そこで、質問ですが、札幌スタイル推進事業が15周年を迎えるに当たり、これまでの
取り組みにおける成果と課題をどのように認識されているのか、伺います。
◎田中 産業振興部長 札幌スタイルのこれまでの成果と課題についてお答えいたします。
まず、成果でございますが、札幌スタイルに参加する企業と認証製品の数は、10年前の平成20年は24社、60製品でしたけれども、平成30年は、企業数が当時の2倍の42社、製品数は2.6倍の158製品となっております。また、札幌スタイルに認証された後、これまでの12年間で売り上げが約80倍に拡大している企業や、これまで企業向けの製品しかつくっていなかった企業が一般消費者向けに新たな製品づくりを始めて、それが札幌スタイルに認証され、販路を広げていくなど、札幌スタイルをきっかけに成長している企業があらわれていることが成果として挙げられます。
課題についてですが、札幌スタイルの認証製品全体の売り上げは、平成30年度の見込みで約2億3,600万円と、平成20年度と比べて1.5倍程度にとどまっているところでございます。これは、認証企業数や製品数が2倍以上に伸びていることに比べると十分とは言えない状況であることから、売り上げの向上が課題であると認識しているところでございます。
◆石川佐和子 委員 ここ10年の間に参加する企業が2倍程度に広がっていることは大きな成果だというご報告でありました。調査結果を見ますと、市内の事業所数のうち製造業の割合はここ3〜4年ぐらいの間に少しずつ減少している中で、札幌スタイルに認証された企業、製品がふえているということは、私は、事業の大きな成果というふうに考えております。また、売り上げを80倍も伸ばしている企業があるということでしたが、札幌スタイルをきっかけに成長している企業が出ていることは、まさに事業が目指す産業振興の成果として評価もしております。
一方で、課題のお話がありましたように、売り上げの伸びが停滞していることは大きな課題でありまして、札幌スタイルが提案する新たなライフスタイルを伝えていくためにも、多くの人に知ってもらう、また使ってもらうことにさらに力を注いでいくべきだと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市としては、札幌スタイル全体の売り上げが伸びない原因は何だと認識しているのか、伺います。
◎田中 産業振興部長 札幌スタイルの売り上げが伸びない原因についてお答えいたします。
現在、認証されている製品の購入方法といたしましては、製造している各企業の個別の店舗やインターネットショップを除くと、JRタワー展望台の直営ショップしかなく、札幌スタイル認証製品を集めたインターネットショップもございません。JRタワー展望台にある直営ショップの立地は、観光客に向けては有効ではございますが、市民が足を運ぶという点では十分ではなく、また、インターネットで気軽に購入できる手段もないなど、十分な販売体制を構築できていないことが売り上げの伸びない一因と認識してございます。
◆石川佐和子 委員 売り上げが伸びない理由について、今、るるご説明がありました。
この間、どこで売っているのかというと、JRタワー展望室の入り口にある札幌スタイルショップと展示している地下街ということで、なかなか広がっていっていないことを残念に思います。札幌スタイルの製品を見ますと、雪の結晶を形にしたり、あるいは、北海道の木材を使ったり、本当に観光客に人気のありそうなものもありますし、また、毎日の生活の中でぜひ市民に使ってもらいたいものもあります。先ほどの答弁にありましたように、観光客が購入されても、その後、継続して買いたいと思ったときに、ネットショップを設置しているお店もありますが、全体としてのネットショップのラインを構築していないことがあって、観光客の皆さんにとってはその後の購入が難しい現状はそのとおりだというふうに思います。
全体としてのネットショップを立ち上げること、そして運営することは、実際の話、簡単ではないと思いますが、インターネットの時代でもありますし、今後の課題として検討していくべきだと思います。また、市民の皆様にも、札幌スタイルの情報を知っていただくことも課題として検討していただきたいと思います。取り扱っている製品を観光客向け、市民向けというふうに分ける必要はないと思いますが、いずれの製品もものづくり感満載の魅力的なものですから、お客様が継続して購入しやすい売り方、売り場を考えていく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、こういった課題認識を踏まえて、今後どのような
取り組みを行っていくおつもりか、伺います。
◎田中 産業振興部長 札幌スタイルの現状認識を踏まえた今後の
取り組みでございます。
新たな売り場を拡大することやインターネットショップをつくって運営していくことは、今ご指摘のとおり、札幌スタイルの企業だけではなかなか難しいものと認識しております。一方、昨年から、期間は限定でございますが、市内の百貨店で展示販売会が開催されるなど、認証製品を購入できる機会は着実にふえているところでございます。また、例年、雪まつり会場に販売ブースを設けておりますが、ことし、新たに道産品を扱う小売業者の協力を得たことによって売り上げを大きく伸ばしております。
このようなことから、今後の販売体制の構築に当たっても、認証製品を常設で取り扱う売り場の拡大やインターネットショップの設置について、民間小売業者との連携を検討してまいりたいと考えております。
◆石川佐和子 委員 要望でまとめさせていただきますが、百貨店での期間限定のブース設置や、新たな他事業者との連携を進めていくという答弁であり、札幌スタイルの事業の形態の強みを生かした
取り組みであると思いますので、ぜひ継続して進めていただきたいと思います。
昨年の12月8日に、チ・カ・ホの北3条交差点広場で市長と市民との対話であるスマイルトークが行われて、この日のテーマが札幌スタイルでしたが、市長と認証企業など札幌スタイル関係者との対談を市民の皆さんが聞くという設定で、製品を生み出すまでの苦労とかものづくりのこだわりなど、大変興味深いお話がありました。しかし、司会者が、会場に来られている市民の皆さんに札幌スタイルを知っていますかとお聞きしたところ、手が挙がったのが半数ぐらいでした。さらに、使ったことがありますかという問いかけには、手が挙がったのはぱらぱら程度だったと聞いておりまして、やはり、今後のPRはさらに大きな課題だというふうに思います。
札幌スタイルは、個人や小さなメーカーが大変苦労して生み出してきていると聞いておりまして、市民への周知が広がるように札幌市がさらに力を入れ、市民の皆様に使ってほしいという製造している方の思いを伝える場もさらに広げていただきたいと思います。また、札幌市にはデザインを学ぶ市立大学がありますので、そこで学んだ学生が市内企業に就職したりみずから起業していくような流れが札幌スタイルの相乗効果としてできると非常によいと思います。
いずれにしましても、ブランドづくりには15年間で多くのものを培ってきたと思いますが、さらに多くの札幌市民が札幌スタイルのものを使うとともに、札幌スタイルが地元就職のきっかけになるような好循環を生み出せることを期待して、私の質問を終わります。
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佐々木みつこ 委員長 以上で、第1項 商工費の質疑を終了いたします。
次に、第2項 農政費のうち経済観光局関係分の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。
最後に、議案第11号 平成31年度札幌市中央卸売市場事業会計予算及び議案第20号 札幌市中央卸売市場業務規程の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回は、3月8日月曜日午後1時から、病院局、水道局及び交通局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後4時35分...