札幌市議会 2019-02-19
平成31年第 1回定例会−02月19日-03号
○議長(
山田一仁) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第1号から第54号まで、第56号から第63号までの62件を一括議題とします。
昨日に引き続き、代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
涌井国夫議員。
(
涌井国夫議員登壇・拍手)
◆
涌井国夫議員 私は、ただいまから、
公明党議員会を代表して、本
定例市議会に上程されました平成31
年度予算案、平成30年度補正予算、その他諸議案並びに市政の諸課題について、順次、質問します。
質問に入る前に、一言、所感を述べさせていただきます。
私は、今期をもちまして勇退をいたしますので、本議場で行う質問は最後になりますが、まず、6期24年間にわたりまして、札幌市政に少しでも貢献できましたことに、市長並びに理事者の皆様、特に議員各位に心から感謝申し上げる次第でございます。
その中で、特に、12年前、障がい者を扶養している保護者が亡くなった後、残された障がい者に終身年金が支払われる
心身障害者扶養共済制度の3年の時効による未払い問題で、国会議員と連携し、時効の撤廃を果たし、過去にさかのぼり未払いを全額給付することになり、DPIの方と喜んだことが忘れられません。国の制度を地方議員と国会議員の連携で変えた実績は、地方議員の励みとなりました。
さらに、本年は、
札幌市議会において、私どもの先輩である緒方博愛さんなどが初めて市民の負託を受けて
市議会議員に初進出したのは、昭和34年4月の
議会議員選挙からであります。その年から本年で60周年の佳節を刻む年であります。その意義ある平成最後の代表質問に入ります。
まず、市長の政治姿勢について、6点質問します。
初めに、
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2015の達成状況と評価について伺います。
秋元市長は、就任時に、誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街と、世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街という二つの未来の札幌の姿を掲げ、市長公約を実現するための事業や
人口減少対策に関する事業を含め、計画期間内に札幌市が実施する全ての
政策的事業を
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2015に盛り込みました。中でも、保育・
子育て支援センターの全区設置を初め、みなみの
杜高等支援学校の新設や、昨年10月にオープンした
札幌市民交流プラザへの図書・情報館の設置など、我が会派が求めてきた施策の多くが実現されました。
我が会派は、これまで、是々非々の立場から、時の市長による市政運営に真摯に向き合ってきたところであり、これまでの
秋元市長の取り組みについては、一定の評価をするものであります。
一方で、この4年間という短い期間においても、さまざまな
社会経済情勢の変化や新たな市政課題の出現などがあり、加えて、今後、人口減少・超高齢社会という難しい時代に対応した
まちづくりを進めていくためには、ここで
アクションプランの達成状況を振り返って評価し、次なる施策に生かしていくことが非常に重要と考えます。
そこで、質問でありますが、秋元市政を体現した計画である
アクションプラン2015の達成状況と、それを踏まえたご自身の評価について伺います。
続いて、
財政運営の振り返りと課題について伺います。
新
年度予算案は、4月に
市議会議員選挙、市長選挙が控えていることを踏まえ、義務的な経費や例年実施している経常的な事業を中心とした
骨格予算として編成されております。加えて、
アクションプランの総仕上げの年度であることを踏まえ、プランに掲げた取り組みを着実に実施することとしたほか、平成30年
北海道胆振東部地震の
被災者支援や復旧、復興、今後の災害に対する防災、減災といった課題や、子ども・
子育て支援といった喫緊の課題に対するものとしたとのことであります。この結果、
一般会計の新
年度予算案の規模は、
骨格予算でありながらも1兆193億円で、過去最大となりました。
この予算案の特色としては、
国土強靱化に資する建設費についても、6年連続で1,000億円以上を確保したこと、
子ども関連予算についても、市長の任期中に36%増となる1,837億円を計上したことが上げられます。本年10月に予定されている
消費税率引き上げに関しても、地域における消費を喚起するための
プレミアムつき商品券の発行を予定するとともに、新たに幼児教育・保育の無償化に取り組むこととするなど、適切な対応を図っていると考えるところであります。こういった目配りをした新
年度予算案については、誰もが安心して暮らせるまちを目指した
安心生活予算として、我が会派としても評価できるものであります。
市長においては、この予算編成に際して、
骨格予算としての性格を踏まえながら喫緊の課題へ対応していく難しさがあったのではないかと考えます。確かに、市長就任前の平成27年度予算8,722億円と比べ、
一般会計の予算規模は任期4年間で17%増となったところでありますが、市税収入も2,811億円から3,309億円と18%の増であり、予算規模に見合った伸びを果たしているところです。加えて、
臨時財政対策債を除く建設債等の市債残高については、市長就任前の平成26年度末の5,970億円に比べて、31年度末見込みは6,031億円と微増にとどめており、財政需要が高まる中でも健全な
財政運営に努めたものと評価しております。
そこで、質問でありますが、4年間の
財政運営を振り返った評価と今後の中長期的な
財政運営の課題について、市長の認識を伺います。
続いて、
市制施行100年の認識、次の100年を見据えた
まちづくりについて伺います。
昨年12月21日に、
秋元市長は、2期目への立候補の意向を表明されましたが、その出馬会見において、「つづける、つなぐ、つぎへ」「次なる100年へ 市民と共に確かな歩みを」とのキャッチフレーズを掲げられたとお聞きしました。
来る2022年は、
市制施行から100周年となる記念すべき年であります。ご承知のとおり、札幌における本格的な
まちづくりは、明治2年の
北海道開拓使の設置までさかのぼりますが、その後の明治32年、札幌は、函館、小樽とともに、北海道区制が施行され、道庁による官治を脱した自治の時代に入りました。しかしながら、この札幌区と称された時代は、当時の本州府県における市町村と比べ、その自治の権限は大きく制限されていたとのことであります。
大正11年の
市制施行により、議決機関であるそれまでの札幌区会は、現在の
札幌市議会の前身とも言える札幌市会へとかわり、その職務権限が拡大したほか、市会議員の選挙権、被選挙権の制限も大幅に緩和されました。また、
市制施行当時、札幌の人口は12万7,000人余りでありましたが、今日では人口196万人を擁する大都市にまで発展いたしました。
本市の発展の節目としてひときわ大きいのが、昭和47年の
冬季オリンピック開催であります。当時の札幌は、
オリンピックのほかにも、
政令指定都市への移行を控え、地下鉄の開通や地下街のオープン、市役所新庁舎の完成などが相次ぎ、今日の札幌のまちがつくられた時期でもありました。以来、さまざまな市政課題に直面しながらも、市民と議会、行政が一体となって
まちづくりを進めたことにより、今日では、北海道の中心都市にまで発展し、内外から1,500万人を超える観光客を集めるまでに至ったものであります。
こうした自分たちが暮らすまちの生い立ちやゆかりについて、いま一度、見直す機会を持つことは、郷土意識や市民意識の向上につながり、市民が生き生きと暮らす上で糧になりますので、
子どもたちも含め、市民に広く周知してはいかがかと考えます。
一方で、次なる100年は、人口減少・超高齢社会に入り、従来どおりの手法や考えのままでは立ち行かない難しい時代を迎えるものと考えます。
我が会派は、
国際社会共通の目標として掲げられた持続可能な開発目標、すなわちSDGsの理念に基づく取り組みの推進をかねてより訴えてまいりました。これまでにも、札幌市は、
SDGs未来都市に選定されたほか、
フェアトレードタウン認証に向けた市民団体の動きを支援し、広く市民の
フェアトレードへの理解促進や普及に向けた取り組みを進めていることについては、評価をしているところです。SDGsが掲げる持続可能な経済成長や人間らしい雇用、強靱な
インフラ構築といった項目は、まさに今後の札幌市の
まちづくりの指針となるものと考えます。
そこで、質問でありますが、2期目の市政のかじ取りを担う決意を表明した
秋元市長は、札幌のこれまでの100年の歴史をどう認識し、そして、次の100年を見据えた
まちづくりについてどのようにお考えか、伺います。
続いて、さっぽ
ろ連携中枢都市圏について伺います。
これまでも、札幌市は、広域的な行政の解決などに向け、
札幌広域圏組合の事業や、近隣の市町村と協力した経済・観光振興、札幌市の行政施設の広域的な利用などを通じ、さまざまな分野で
近隣市町村との連携関係を築いてきました。そのような中、
少子高齢化の進展や来るべき人口減少を踏まえ、札幌市及び
関係市町村においては、一定の人口規模を有し、活力ある社会経済を維持することを目的とした
連携中枢都市圏の形成に向けて、昨年2月以降、たび重なる協議を行ってきたと承知しております。
本定例会にも、関係11市町村との
連携協約の締結に係る議案が提出されているほか、中長期的な圏域の将来像を示し、その実現に向けた具体的な
取り組み等を掲載するさっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョンの策定に向け、札幌市民及び
関係市町村の住民を対象とした
パブリックコメントが実施されているところであります。
議案の中にある
連携協約の案によると、その締結の目的は、地域の活性化及び持続可能な経済並びに住民の安心で快適な暮らしを実現することとされているほか、昨年11月の市長の
連携中枢都市宣言においても、圏域全体の経済を牽引し、圏域の住民全体の暮らしを支えるという役割を積極的に担っていくと記されているところであります。これらは、すなわち、これからの札幌の行政運営は、圏域内の住民全体の暮らしを視野に入れていく必要があるという市長の強い覚悟のあらわれであると受けとめたところであります。
連携中枢都市圏の形成は、これまで、基本的に札幌市民に対する
行政サービスについて考えてきた札幌の行政にとっても、そして我々
札幌市議会にとっても、一つの転換点に当たり、今後の行政運営を考える際に新たな視点を持つ必要が生じているのではないかと考えます。
一方、この圏域の発展につながる具体的な事業を考えた場合、例えば、この圏域の
地域ブランドをつくり上げていくことは、国内外にこの圏域の特産品を売り出すとともに、圏域自体の発信力を高める上で大変重要な戦略であります。また、この圏域の強みの一つである観光分野において、それぞれの市町村の持つ食や豊かな景観といった強みや特徴を生かし、例えば、記念植樹のように圏域住民が他のまちに何度も足を運ぶような工夫をすることなどにより、圏域住民、特に札幌市民が圏域内の他の市町村を周遊することも圏域全体の発展に向けては欠かせないものであると考えます。こういった経済や観光分野の取り組みについては、現在、公表されているさっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョン案に盛り込まれており、5年間という期限を定め、さまざまな連携事業を実施することとされております。
今回、
連携協約を締結することで、それぞれの市町村とは長期にわたって連携していくことになりますが、まずは、この最初の5年間である一定程度の成果を上げ、連携する市町村やその住民の皆様に
連携中枢都市圏ができてよかったと喜んでもらうことが、この取り組みが成功する大きな鍵となるのではないでしょうか。そのためには、この5年間で、短期的な目標や理想とすべき連携の姿などを持ちながら取り組みを進めていくことも重要であると考えます。
そこで、質問でありますが、圏域の形成により、どのような視点が求められると考えているのか、また、長期にわたって連携していく中で、今後5年間の取り組みをどう位置づけるのか、市長の考えを伺います。
続いて、改正入管法に伴う本市の対応について伺います。
出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律、いわゆる入管法が成立し、本年4月1日に施行されます。専門的・技術的分野における外国人材を受け入れてきた現行制度に、一定の専門性、技能を有する外国人材を幅広く受け入れる在留資格特定技能が新たに加わり、国によれば、5年間で最大34万人を超える外国人材を日本全体で受け入れる見込みとなっております。
この法改正は、我が国における中小・小規模事業者を初めとした労働力不足の深刻化により、現在の経済社会基盤の持続可能性を阻害するおそれが生じていることが発端となったものであります。札幌市においても、平成21年に0.31倍であった有効求人倍率は、平成29年には1.0倍を上回り、現在もなお上昇を続けている状況です。また、札幌市が行う企業経営動向調査では、労働力不足を経営上の問題点として上げる市内企業が最も多く、半数以上にも上っているところであります。こうしたことから、今回の法改正は、市内企業の労働力不足を解消し、札幌経済の歯車をうまく回す潤滑油となることが想定される一方で、昨年末の国会では、法改正に係るさまざまな問題が議論されました。
その一つが、生活者としての外国人に対する支援の問題であります。現状では行き届いていない医療、保健、福祉サービスの提供、日本語教育の充実、外国人児童生徒への教育、さらに、行政・生活情報の多言語化、相談体制の整備などが必要になってきます。この点において、国では、情報提供、相談を多言語で行う一元的窓口、(仮称)多文化共生総合相談ワンストップセンターを全国約100カ所につくることを予定しており、政令市である札幌市にも当然設置されることとなります。
これから、札幌市のさまざまな部署で、先ほど述べた支援などについての準備が行われることとなり、施行までの期間も少なく、大変な作業になるであろうと思いますが、とりわけ大切なのは、やはり法改正の発端となった労働力不足への対応であります。労働力不足に対して、これまで札幌市が女性や高齢者の雇用促進を積極的に進めてきたことは評価しますが、今回の法改正に伴って、市内企業による外国人材の雇用についても前向きに考えていく必要があります。
そこで、質問でありますが、現段階において、市内企業の外国人材に関するニーズや課題認識について、どのように捉えているのか、また、その課題解決に今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
この項の最後は、女性活躍の推進についてであります。
我が会派は、女性活躍の推進を重要な課題としてさまざまな場面で提言を行ってきたところであります。公明党としても、平成26年5月に、あらゆる分野での女性の活躍推進を提案する女性の元気応援プランを作成し、国や地方で女性の視点を生かした政策の実現に取り組んでいるほか、昨年には、公明党議員による100万人訪問・調査運動を展開し、地域の住民や中小企業経営者、自治会などの関係者から、子育ての悩みや中小企業における人手不足などの課題についてご意見を伺いました。これらの課題を解消し、仕事の側面において女性が輝く社会を実現するためには、官民それぞれの立場から女性が安心して働くことのできる環境を整えることが必要であります。また、結婚や出産の時期に労働力率が一旦低下する、いわゆるM字カーブを解消するためには、子育て中の女性への支援が重要となります。
札幌市は、政令市の中で、人口に占める女性の割合が最も高い一方で、女性の有業率は低い状態にあります。平成28年に札幌市が実施した男女共同参画に関する市民意識調査においても、女性が働く上で支障になることについて、家事、育児、介護と仕事の両立が大変との回答が一番多い結果となっております。
こうした課題に対し、我が会派は、一貫して速やかな対策を求め、具体的な提案もさせていただきながら力強く推進してきました。その中で、平成30年10月に、子育て中の女性が希望に合った働き方を見つけるための相談窓口である、ここシェルジュSAPPOROを開設したほか、別々の場所で事前登録が必要であった子どもの預かりサービスについて、市内3カ所のこそだてインフォメーションにおいて一元的に手続ができるようにし、利便性を向上させるなどの取り組みを実施しております。
これらの事業を構築するに当たっては、昨年度、女性経営者や女性の活躍を支える企業あるいは団体などの有識者で構成するさっぽろ女性応援会議の設置や、札幌市の女性職員によるプロジェクトチームの立ち上げにより、現場に近い声を反映させながら、スピード感を持って今年度の事業実現につなげたことを評価しているところでありますが、今後は、始まった事業を着実に成果につなげていくことが必要であります。
そこで、質問でありますが、女性の活躍を推進する取り組みについて、今後どのように進めていくのか、伺います。
次に、文化芸術の振興について質問します。
私は、かねてから、札幌市においては、文化芸術を享受できる環境をつくり、文化芸術を地域の産業として育み、発信することが札幌市の魅力を高め、そして、さらなる繁栄につなぐものと考えてきたところであります。そのため、平成19年には、市議会の中で、文化芸術議員連盟を中心に、会派を超えてさまざまな議論や検討を重ね、札幌市の文化芸術振興の確たる後ろ盾となるよう、議員提案により札幌市文化芸術振興条例を策定しました。
市長部局においては、条例の規定に基づき、そして、その趣旨を踏まえて、札幌市文化芸術基本計画を策定し、計画に基づき、札幌市の文化芸術の振興を進めていただいたところであります。例えば、世界三大教育音楽祭の一つと言われるPMFでは、昨年はバーンスタイン生誕100周年記念、ことしは開催30回記念を迎えるに至り、市民にとって身近な場所で世界水準のすぐれた音楽を気軽に聞くことができる機会が提供され続けております。また、
子どもたちの文化芸術活動については、
子どもたちがオーケストラやミュージカルを鑑賞する機会の充実に加え、平成20年に芸術の森野外美術館の敷地内にオープンした佐藤忠良記念子どもアトリエなどを活用し、
子どもたちが楽しみながら美術を体験できる機会もふえるなど、より一層、充実されております。さらに、昨年10月には、札幌の多様な文化芸術活動の中心的な拠点となる
札幌市民交流プラザもオープンしました。これを機に、札幌の文化芸術と札幌の資源、魅力をさらに連携させ、文化芸術の力を活用してまち全体を活気づけることで、さらに都市の魅力アップにつなげていけるものだと考えております。
一方、国においては、平成29年に文化芸術基本法が一部改正されました。この改正は、
少子高齢化、グローバル化の進展など、社会の状況が著しく変化する中で、観光や
まちづくり、国際交流等、幅広い関連分野との連携を視野に入れた総合的な文化芸術施策の展開がより一層求められるようになってきたことを踏まえたものであり、また、その中で、地方においても、地方の実情に即した文化芸術の推進に関する計画を策定するよう努めることとされております。
札幌市では、この改正に先んじて、条例の制定や計画の策定を初め、文化芸術に関してさまざまな取り組みを進めてきていることに大変喜ばしく感じております。
この文化芸術基本法に基づいて、国が平成30年3月に策定した文化芸術推進基本計画においては、文化芸術の社会包摂機能を生かした心豊かで多様性のある社会などを今後の目指すべき姿として掲げており、また、平成30年6月には、障害者による文化芸術活動の推進に関する法律が施行されたところであります。まちの至るところで、年齢、障がいの有無、経済的な状況などにかかわらず、そして、最近は外国人観光客もふえている状況に鑑みると、国籍にもかかわらず、あらゆる人が芸術文化に触れ、参加できる機会をつくることは、多様な価値観を尊重し合うことにつながり、まちのにぎわい創出にもつながるものと考えるところであります。また、それらの取り組みは、文化芸術と地域社会、教育、福祉、観光などさまざまな分野との連携を図ることとなり、条例を制定した際の趣旨の一つでもある文化芸術を地域の産業として育むことにもつながるものと言えます。
そこで、質問でありますが、まず、平成19年に条例が施行され、約12年経過しましたが、札幌市の文化芸術振興のこれまでの評価について伺います。
また、国の計画や新たな法律も踏まえ、障がいの有無や国籍にかかわらない社会包摂という観点から、札幌市の今後の文化芸術振興について、市長のお考えをお伺いします。
次に、災害時の復旧・復興対策及び今後の災害対策について、3点質問します。
最初に、里塚地区における本格復旧工事について伺います。
平成30年9月に発生した
北海道胆振東部地震による里塚地区の家屋の被害は、全壊家屋が64戸、大規模半壊が34戸、半壊が30戸に至りました。このような中、全市被害の約8割を占める里塚地区の全壊家屋の住民60世帯余りの方々は、一時的ではありますが、里塚を転出せざるを得なく、現在も、市営住宅やみなし仮設、知人・親戚宅に避難している状況が今も続いており、復旧工事が終わり、もとの生活に戻るまでにはまだまだ時間がかかり、この先への不安は尽きないのが現状であります。
札幌市では、この地区の復旧に向けて、直ちに地盤調査を実施し、その結果に基づいて、被災した地区全体の復旧計画を取りまとめ、12月19日に開催した第4回地元説明会で対策工法の具体的内容を提示したところです。現在は、市街地復興推進室が中核となって現地に相談窓口を開設し、対策範囲である100世帯余りのうち、既に約30世帯から直接相談も受け、窓口対応だけでなく、職員が、直接、被災者宅を訪問し、話を伺っているなど、
被災者支援への努力がなされていることも承知しております。
しかし、復旧のスケジュールについては、工事の着手が雪解け後の春以降ということで具体的なスケジュールについては示されず、里塚地区の宅地復旧、住宅再建の時期的なめどがまだ立てられない状況であります。現在、家屋等の撤去制度の申請状況は低調で、30件程度にとどまっており、住民の中には、公費解体申請を含め、なかなか、住宅再建の計画を立てるというよりは、決断すること自体が難しい方が多いのが現状です。
住民からは、個々の今後の対応を考える上で、市から工事手順を提示されたほうが、いつまでに自分が判断しなければならないかが明確になることから、大まかでもいいから工事の工程を示してほしいとの声が我が会派に多く寄せられております。工事手順については、請負業者が立案し、市の担当者と協議して確定されるものであるのは承知しているところでありますので、一日でも早く請負業者を決定していただきたいと思います。
一方、公共事業においては、人手不足や機材需要の高まりから、札幌市が発注する工事での入札参加数が減少傾向であり、入札不調により工事着手がおくれるというリスクがないよう、早い段階で施工業者を確実に確保すべきと考えます。工事を早く発注し、請負業者を確実に確保し、工事手順を早急に住民に示し、工事を一日でも早く完了することがコミュニティーの確実な再生につながるものと確信しております。
そこで、質問でありますが、里塚地区の早期の住宅再建とコミュニティーの確実な再生に向けた対策工事の施工業者の確実な確保についてどう考えているのか、伺います。
続いて、被災者の生活支援について伺います。
我が会派では、昨年10月16日、札幌市長に対して、平成30年
北海道胆振東部地震からの復旧・復興に向けた取り組みの推進を求める要望書を提出し、一部損壊以上の住宅被害を受けた市民に対し、一刻も早い生活再建に資するよう応急仮設住宅への入居要件の緩和や義援金の迅速な配分など、各種支援策の充実強化のほか、特に被害の大きかった清田区では、道路、住宅及び水道の一体的かつ迅速な復旧を図っていくため、組織横断的に関連業務を一元的に扱い、進行管理する部署を設置することなどを求めてまいりました。
このうち、組織横断的な部署については、今月1日付で機構改革を行い、建設局内に市街地復旧推進室を設置し、兼務も含め、15名の職員を配置するとともに、現地に住民向けの相談事務所を開設したことは、大いに評価しています。
また、住宅被害を受けた市民に対する各種支援策の充実強化については、一部損壊の罹災証明書を発行された方が災害義援金の配分対象に追加されるなど、生活再建に向けた支援策の充実が一定程度図られてきたところであります。
しかしながら、地震発生から5カ月が過ぎた今も、数多くの市民がもとの日常生活を取り戻せずにおり、今年1月の1カ月間を見ただけでも、計304件の罹災証明書が発行され、1月末までの累計で5,619件となっております。これは、生活再建に向けた支援が今もなお必要とされていることの証左であると思うわけであります。
そこで、質問でありますが、これから生活再建に向けて踏み出そうとする方がいることなどを踏まえ、札幌市としてその歩みをしっかりと後押しできるような支援制度の運用が引き続き必要であると考えますが、被災者の生活支援について、今後どのように取り組んでいくおつもりか、伺います。
続いて、スフィア基準を踏まえた避難所のあるべき姿について伺います。
北海道胆振東部地震における災害対応は、1月31日に災害対策本部が廃止になるなど、応急対応から本格的な復旧、復興というフェーズに移行しております。札幌市における一連の災害対応の検証についても、市民アンケート調査や各局・区の対応状況調査など、多くの意見をもとに作業が進められており、課題の整理、改善策の方針が検討されていると聞いております。
さきの第4回定例会において、我が会派の本郷議員からも指摘しておりますが、これからの札幌市の災害対応については、検証結果を防災計画や各種マニュアルにしっかりと反映させ、今後の防災、減災に向け、しっかりと準備していく必要があります。また、役所だけの対応では限界があることがはっきりしたことから、今後の災害対策は、社会全体でさまざまな災害に備える防災意識社会へ転換していく必要もあると考えます。
今回の災害対応において、避難所の開設、運営面、停電時の対応など、多くの課題が浮き彫りになったと考えており、特に被災者への情報提供、食事環境、衛生環境、要配慮者への支援といった面で、多くの市民の皆様から改善が必要であるという声を聞いております。避難所は、避難された方の安全を確保し、復旧に向けた支援対策の拠点となるべき重要な施設であり、被災者の健康を維持することはもちろんですが、人が人間らしい生活を送ることや、自分らしい生活を送るという当たり前の生活環境を提供すべきではないでしょうか。
こういった避難所の本来あるべき姿を考える上で参考にしなければならないことは、過去に大きな被害を受けた他都市の事例から学ぶことです。札幌市の避難所は比較的早期に閉鎖されていますが、長期にわたって避難所を運営した経験を有する自治体も多く、そういった自治体が作成した計画、マニュアルには大変有用なものが見受けられます。
また、避難所における良好な生活環境の確保については、国際的にはスフィア基準が広く知られており、これは、国際赤十字などによって命を守るための主要な分野における最低限満たされるべき基準を定めたものです。スフィア基準については、内閣府の避難所運営ガイドラインにおいても、今後の我が国の避難所の質の向上を考えるとき、参考とすべき国際基準であるとされております。
そこで、質問ですが、現在、札幌市では、避難所の環境改善に向け、避難場所基本計画の見直しを行っておりますが、計画の見直しの議論を進める際には、スフィア基準のような国際感覚も十分に考慮した対応が必要と考えます。避難所の質の向上を目指す上で、避難所のあるべき姿についてどのように考えているのか、伺います。
次に、観光資源としての水族館の活用について質問します。
札幌市を訪れた観光客は、今年度は、胆振東部地震の影響で、一時期かなり落ち込んだものの、最近では多くの場面で回復基調も見られるところであり、昨年度は、過去最高の1,527万人、特に、外国人の市内宿泊者数は約250万人を記録し、5年連続で過去最多を更新した状況にあります。新千歳空港と国外を結ぶ航空路線は、現在、約20本を数え、来年度には17年ぶりに欧州直行便の復活が見込まれるなど、ますますインバウンドの増加が期待されるところです。
このように、表向きは国内外の観光客がともに堅調に上昇していくことが予想される札幌市の観光情勢ではありますが、札幌観光の弱みとして挙げられるのは、魅力を食と自然に依存する傾向が強く、滞在型観光を促す楽しめるスポットや体験が少ないことであります。実際、平均宿泊日数は1.2日と大半が1泊するだけとなっており、これは、京都市の1.8日はもとより、名古屋市の1.4日よりも短く、地域経済への波及効果を高めるためにも、観光業界からは連泊を促す対策が必要との意見が出ているところです。
滞在型観光の強化と推進を図るには、新たな観光資源の発掘と具体的取り組みをセットで考えていくことが重要であります。現在構想中の札幌博物館もその候補になり得ますが、既存施設であっても、そこに新たなコンセプトを打ち出し、その潜在的な力を引き出すためのリニューアルを施すなどの工夫を加えることで、観光資源となり得るのではないかと考えるところであります。
その候補となり得るのが、札幌市内唯一の総合都市型水族館であるサンピアザ水族館であり、子どもの教育施設的側面を持ち、長く市民に親しまれてきたものの、ここ数年の来館者は年間15万人程度にとどまり、年間90万人近くの来園者を集める円山動物園に大きく水をあけられているところです。しかし、潜在的には、子どもも大人も多世代が日常から離れた思い思いの時間を水族館で過ごし、陸上とは異なる水中の世界観を身をもって体感できる教育的エンターテインメント施設として、リピーターを集め、円山動物園に匹敵するほど、例えば、西の動物園、東の水族館、心躍る動物園、心潤す水族館といったキャッチコピーを将来的には掲げられるほど、まちの活力を牽引する集客交流の拠点となり得るポテンシャルを持ち、さらに、近隣にある北海道博物館や北海道開拓の村などをめぐる周遊ルートの拠点として、観光資源にもなり得る可能性さえも秘めています。
例えば、東京池袋のサンシャイン水族館は、行き交う人々の規模は異なりますが、複数の交通機関が乗り入れ、さまざまな施設が集積するハブターミナル駅に近接するという点で、新札幌のサンピアザ水族館と共通する特徴を持っています。このサンシャイン水族館は、海から離れ、まち中にあり、展示スペースもとれず、大きな水槽もつくれず、何よりも小さいという弱点がありますが、招聘した水族館プロデューサーは、天空のオアシスというコンセプトを打ち出し、まち中ゆえの小ささという弱点を、まち中ゆえの気軽さとおしゃれさという強みに変え、リニューアルを施していくことで、年間70万人程度まで落ち込んだ来館者数を3倍近い200万人まで一気に伸ばしております。
さて、サンピアザ水族館が立地する新さっぽろ地区は、平成27年に策定された新さっぽろ駅周辺地区
まちづくり計画に基づき、現在、再開発に向けて具体的な動きが進んでおり、今後、駅周辺の利便性とにぎわいはさらに増していくことが予想されています。この機会を捉えて、副都心再開発に対する市民や事業者の関心と期待を集め、事業を加速させ、再開発の効果を高め、副都心の魅力を向上させるためにも水族館の持つ潜在的なポテンシャルと観光資源としての可能性についても着目すべきと考えます。
そこで、現状では、サンピアザ水族館は札幌市が出資する株式会社札幌副都心開発公社が独自に運営しており、札幌市が施設整備や事業展開に直接関与できるものではありませんが、開発公社の筆頭株主として事業内容に積極的に発言できる立場にあることから、今後は、副都心の再開発や
まちづくりにおいて、水族館を取り残すことなく、そのリニューアルと観光資源としての活用に向けて議論を開始すべきではないかと考えるところです。
折しも、2022年には札幌
市制施行100周年を迎え、市民とともにその機運を盛り上げていくためには、節目のシンボルとなるものを打ち出していくことが有効でありますが、水族館のリニューアルをその節目のシンボルに位置づけていくことにより、水族館への関心も高まり、100周年への機運も高まるといった相乗効果も期待できるところであります。
そこで、質問でありますが、札幌市では、水族館の役割や機能、そのあり方についてどのような認識を持っているのか、また、水族館の持つ潜在的なポテンシャルや先進事例を踏まえつつ、観光資源として位置づけ、水族館の将来的なリニューアルを現在進行中の副都心再開発事業と一体的に捉えて検討すべきと考えるがいかがか、そして、インバウンドなども見据え、近隣の他施設と連携し、水族館を拠点とする周遊ルートをつくり、滞在型のモデルプランを観光業界に提案していくべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、市内展示機能の強化と地場産業の振興について質問します。
展示会は、製品、サービスの情報発信や商談を行う場であり、企業や業界団体が主催者となって数多く開催されますが、出展者や来場者などに多様な消費活動を誘発し、地域への経済波及効果も大きいものと考えられています。国内では、このような展示会のほか、即売会、文化イベント、スポーツイベント等、さまざまな催事の開催を目的とし、90年代をピークに展示施設が整備されてきました。
本市では、昭和59年6月、道内最大の本格的な公的展示施設として札幌流通総合会館、アクセスサッポロがオープンしました。同館では、知名度の高まりとともに、催事数が増加し、平成28年度には稼働率が8割を超えるなど、数多くの催事に利用され、本市の産業振興に寄与しているところです。
しかしながら、近年、アクセスサッポロの利用者である催事主催者からは、催事の変化に応じてより広い展示スペースを求める声があるほか、最新の映像・音響設備や冷房設備、防音対策等の必要性を指摘する声もあるように聞いており、展示施設としての基本的な機能が不十分であることによって、新たな展示会の機会を逃がしている可能性も懸念されているところです。
また、企業を対象に商談や情報発信を行う、いわゆるBtoBを中心とした大規模な展示会は関東などの大都市に集中しており、民間企業のアンケート調査によると、全国で開催される展示会のうち、73%が関東地方、16%が近畿地方で開催されており、北海道での開催は1%と非常に少ないのが実情です。大規模な展示会には全国から同じ分野の企業が集まるため、地場産業の活性化や競争力の強化が期待できるだけではなく、地域のイメージやブランド等の対外発信力を向上させるものであり、より多くの開催が望まれるところです。
展示会は、一定期間に関係者が集まるため、商談やマーケティングが効率的に行えるだけでなく、実物を見ることや対面による信頼関係を築くことができるものであり、インターネットが普及した現在においてもその重要性は変わりません。特に、多くの費用をかけられない市内中小企業にとっては、営業活動を行いやすい場であり、地域経済活性化の観点からも有効な手段であります。今後も、その機会を安定的に提供し、地場産業の育成を通じて産業振興を図るためには、時代の要請に応じ、さまざまな展示会に対応できるよう、アクセスサッポロを初めとする市内展示機能を強化すべきと考えます。
そこで、質問ですが、地場産業の育成や振興の観点から、アクセスサッポロの再整備について、早期に方向性を検討する必要があると考えますがいかがか、伺います。
次に、障がい者雇用について質問します。
我が会派では、以前から障がいのある方への雇用の推進について意見を述べてきており、平成24年第3回
定例市議会の私の代表質問においては、知的障がいのある方への就労支援の充実について求め、また、さきの平成30年第3回
定例市議会の決算特別委員会においても、これまで以上に障がいのある方の雇用に力を入れるよう要望してきたところであります。
札幌市では、平成15年度から障がいのある方の採用選考を開始し、今年度からは知的障がいのある方及び精神障がいのある方にも受験対象を拡大したと聞いております。これまで、15年以上にわたり、障がいのある方を採用してきたこと、また、今年度からは受験対象を拡大したことについては一定の評価はできますが、札幌市全体としてはいまだ法定雇用率を満たしていない状況であります。引き続き、積極的に雇用を推進していく必要があります。
社会全体で障がいのある方の雇用をより推進していくためには、行政が率先して取り組んでいくことが重要と考えております。例えば、先日、私どもが視察しました鳥取県においては、郵便物などの集配や電算用紙の仕分け作業などの業務を集約したワークセンターを設置し、知的障がい、精神障がいのある方を採用するとともに、障がいのある方2名に対し、支援員を1名配置するなどの体制を整えております。
また、山口県宇部市においては、障がいのある方の就労支援事業として、障害者就労ワークステーションを立ち上げ、障がいのある方の雇用や自立を促進する取り組みを行っており、市職員が支援員として配置されております。この取り組みについて宇部市役所内でアンケートを行った結果、職員の障がいへの理解が深まった、業務の効率化につながる、個々の特性によっては健常者以上の働きが期待できるなどのメリットが挙げられたところです。ただ、その一方で、サポートする職員の負担が大きいなど、職場での支援体制や環境整備などが課題として挙げられております。
自治体の規模や業務の外部委託の状況、障がいのある方を支援する民間事業所を含めた体制などに違いがあることから、これまでの事例全てを本市でも同様に取り組むということは難しいことは承知しておりますが、知的障がいや精神障がいのある職員に対して、個々の事情に応じた仕事の補助や相談体制を整えるなど、職場環境の向上につながるような取り組みの検討が必要であります。また、単に採用すればよいというわけではなく、採用された後もやりがいを持って長く仕事を続けていけるような支援体制を整えることも極めて重要であります。
国では、常勤職員としての採用が内定した障がいのある方について、採用後、円滑に業務を開始できるようにするため、本人の希望に応じ、採用前に非常勤職員として勤務できるプレ雇用を行う方針であると聞いております。また、自治体によっては、特別支援学校からの実習やチャレンジ雇用を経た採用という取り組みの事例もあります。
そこで、質問でありますが、今年度の障がいのある方の採用選考の結果とあわせて、採用された障がいのある職員のためにどのような配慮を行うことを考えているのか、伺います。
また、知的障がいのある方については、他の障がいのある方と同じ筆記試験を受験しても合格することは困難であると考えられることから、単に障がいの程度をはかるような内容ではなく、試験方法についても何らかの配慮が必要ではないかと考えます。
そこで、質問でありますが、今後の障がいのある方の採用選考の方法について、どのように考えているのか、伺います。
最後に、公立夜間中学について質問します。
我が会派では、第3回
定例市議会の代表質問において、持続可能な開発目標、SDGsの理念に基づく、誰一人取り残さないという教育の推進に向けた施策として、公立夜間中学は大変意義深いものと見解を示しながら、今後の設置についての教育長の見解を伺ったところであります。これに対し、教育長からは、公立夜間中学の設置に向け、北海道教育委員会を初め、関係機関とともに、札幌市の果たす役割を含め、議論を深めていくとの答弁があったところであります。
一方、文部科学省が公表した平成29年度児童生徒の問題行動・不登校調査によると、年間30日以上欠席か不登校の子どもは、全国の小・中学生合わせて前年度比7.7%増の約14万4,000人に上り、5年連続で増加したとのことであります。
また、さきに触れました入管法の改定を受けて、昨年12月25日、特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針についてが閣議決定され、外国人材の適正、円滑な受け入れ促進とともに、外国人との共生社会の実現に向けた環境整備を推進することが示されたところであり、我が国の教育を取り巻く状況も大きな曲がり角に来ていることを改めて感じるところであります。
我が会派は、従前から公立夜間中学の早期設置を求めてきたところでありますが、こうした社会情勢への変化に対応していくためにも、今後、より一層のスピード感を持って取り組むべきであると考えます。
そこで、質問でありますが、このような状況を受けて、札幌市として公立夜間中学の設置についてどのように検討を進めていく考えか、伺います。
以上で、私の全ての質問を終わりますが、最後に、6期24年間にわたりまして、温かく励まし、支えていただいた創価学会の同志の皆様を初め、多くの支援者の皆様並びに市民の皆様に、衷心よりお礼と感謝を申し上げまして、代表質問を終わります。ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(
山田一仁) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で7項目にわたりご質問をいただきました。私からは、大きな1項目めの私の政治姿勢についての6点をお答えさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の副市長と教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
答弁に先立ちまして、ただいま代表質問にお立ちになられた公明党・涌井議員の長年にわたるご活躍、ご労苦に対し、感謝を申し上げさせていただきます。
平成7年の初当選以来、6期24年の長きにわたり、
札幌市議会議員として市政の発展に寄与していただいたことに、心からの感謝を申し上げます。
とりわけ、障がい者福祉の向上のために精力的に活動され、さまざまな政策の実現にご尽力をされてまいりました。また、文化芸術の振興につきましても熱心に取り組まれ、文化芸術振興条例の制定にかかわっていただきましたことは、札幌の文化芸術振興の後ろ盾となっており、深く感謝を表する次第でございます。
涌井議員におかれましては、議員在任期間はもとより、その後におかれましても、これまでのご経験を生かし、大所高所から札幌市政へのご提言、ご助言を賜りますようお願い申し上げます。
それでは、答弁に入らせていただきます。
1項目めの私の政治姿勢についてのご質問のうち、まず、1点目の
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2015の達成状況と評価についてお答えをいたします。
中期実施計画であります
アクションプランに位置づけた取り組みにつきましては、その全てに着手し、ほぼ計画どおりに実施をしており、主要事業の進捗状況を示す活動指標についてもおおむね目標を達成する見通しであります。特に、喫緊の課題であります
子育て支援に意を用いてきた結果、保育所の定員数や保育士の就職支援による就職者数などについて、
アクションプランの目標値を大幅に上回る見込みであります。さらには、
北海道胆振東部地震からの復旧、復興を初め、性的マイノリティーの方への支援や医療的ケアを必要とする児童への支援など、
アクションプラン策定時には想定していなかった新たな課題に対しても機動的に対応してきたところであります。
こうしたことから、
社会経済情勢の変化に柔軟に対応しながら、
アクションプランで目指してきた札幌の未来像の実現に向けた歩みを着実に進めることができたと認識をしているところであります。
次に、2点目の
財政運営の振り返りと課題についてであります。
この4年間は、都市の魅力や活力の創造に積極的に資源を投入しつつ、財政規律の確保にも意を用い、バランスを重視した
財政運営を心がけてきたところであります。具体的には、民間の活力を最大限活用しながら、まちのリニューアルを進めるとともに、市政運営上の喫緊の課題であります、例えば
子育て支援や経済活性化について、予算編成の重点分野として機動的に取り組みを推進してまいりました。一方、
アクションプラン期間中の基金の取り崩しや市債の残高は、計画策定時の想定を下回る水準にとどめることができ、将来世代に過度な負担を残さない
財政運営を行うことができたと認識をしております。
しかしながら、今後の中長期的な
財政運営について考えていきますと、札幌市は、財政基盤が脆弱で地方交付税への依存度が高いという環境の中で、さらに、人口減少局面に伴う税収の減少が予測されるなど、楽観視できない状況であります。そのため、都市再開発や企業誘致などの税源涵養の取り組みによる歳入の確保と、事務事業の不断の見直しによる歳出の削減ということを両面から行っていくことが必要でありますとともに、さらには、中長期の人口規模や財政見通しを踏まえた公共施設マネジメントの取り組みによりまして、施設総量の適正化を図りながら市債残高をコントロールするなど、持続可能な
財政運営を行っていくことが重要であると考えております。
次に、3点目の
市制施行100年の認識、そして、次の100年を見据えた
まちづくりについてお答えをいたします。
1922年の
市制施行によりまして、より多くの市民が選挙に参加し、市会において市に関する事件を広く議決できるようになるなど、札幌市民がみずからの手でまちをつくる自治の基礎が形成されたものと認識をしております。その後、札幌がこれだけの大都市へと発展を遂げましたのは、さまざまな立場の市民による
まちづくりへの参画とともに、議会、行政による多くの先人の並々ならぬ努力と労苦のたまものであると受けとめております。
一方、
市制施行以来、100年間は、右肩上がりで増加をしてきた人口も、間もなく減少に転ずる見通しでありまして、まさに札幌にとって時代の転換期を迎えているというところであります。そこで、次の100年を見据えつつ、先人から受け継いできた成熟した自治をさらに深化させるとともに、人々を魅了してやまないこのまちの魅力を一層磨き上げ、持続可能な形で将来の世代へ引き継いでいく、そのことに全力を注いでまいりたいと考えております。
次に、4点目のさっぽ
ろ連携中枢都市圏についてお答えをいたします。
連携中枢都市圏の中心都市となります札幌市は、地方交付税などの財源を活用しながら、市域を越えた圏域全体の発展に資する取り組みを積極的に担うものと認識をしております。この場合、連携事業を通じた連携市町村の魅力、活力の向上が経済や生活面で密接な関係を有する札幌市にとっても好影響を及ぼすこと、このことを十分に意識しながら連携市町村と札幌市の発展の調和を図っていくという視点が重要であると考えているところであります。
また、今回のビジョンの計画といたしました5年間は、将来にわたってより密な連携を行っていくための基礎固めの期間と考えておりまして、まずは、経済分野での連携などによる成果の積み重ねや、観光分野など初年度においては検討段階にとどまる事業の具体化を図っていくことなどを想定しております。
このように連携関係を着実に進めながら、さっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョンに掲げる将来像の実現に向け、中心都市としての役割を果たしつつ、圏域一丸となった取り組みを進めてまいりたい、このように考えております。
次に、5点目の改正入管法に伴う本市の対応についてであります。
昨年10月、外国人材の受け入れ拡大に向けて、出入国管理及び難民認定法の改正案の骨子が示されたことを受けまして、札幌市においても、市内の経済団体や業界団体、就労支援機関などを対象として、外国人材にかかわるニーズや課題についてのヒアリング調査を実施したところであります。ヒアリングの結果といたしまして、専門的な技術などを有する高度人材を除いた外国人材については、現地点で雇用までは考えていないという声が大半を占めた一方で、仮に雇用するとすれば、在留期間の延長、外国人と企業のマッチングの場の提供、日本語習得や生活面の支援などを望む声が多いということがわかったところであります。
今後も、労働力不足は深刻化していくと見込まれますことから、引き続き、国の動きも注視しながら、外国人材の受け入れへの支援について、北海道や関係団体などと連携をしながら取り組んでまいりたい、このように考えております。
次に、6点目の女性活躍の推進についてであります。
さっぽろ女性応援会議を初め、さまざまな機会で出されたご意見を踏まえますと、女性の活躍のためには、社会全体として女性を取り巻く環境への理解をさらに深めていくことはもとより、個々人の意識改革を進めていくことが特に重要であると認識をしております。
これまで、札幌市では、国や道、経済団体等との連携を図りながら、多様な働き方を支援する窓口の開設や、子育て環境の充実、企業の取り組みを促すための支援など、種々の対策を講じてきたところでありますが、今後は、これらの取り組みについて、一層の周知を図るとともに、より実効性を高めるため、利用者などのニーズを的確に把握し、さらに充実、拡大をしてまいりたい、このように考えております。
私からは、以上であります。
○議長(
山田一仁) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、5項目めの市内展示機能の強化と地場産業の振興について、6項目めの障がい者雇用についてお答え申し上げます。
5項目めの市内展示機能の強化と地場産業の振興についてでございますが、アクセスサッポロは、開館から34年が経過しており、施設の老朽化に加え、議員がご指摘のとおり、設備面において主催者ニーズの変化に対応できていないといったご意見も頂戴しているところでございます。また、同施設を初め、市内で展示機能を有する施設の稼働率は高く、市内全体の展示機能としては供給量がやや不足している状況にあるものと認識しております。
これらのことから、一部の催事では機会喪失が生じて開催できる催事を取り逃がしているところであり、その対応としてアクセスサッポロの再整備の是非を検討すべき時期にあると考えるものでございます。
今後は、札幌市全体における需要と供給の動向を踏まえながら、市内展示機能の強化について一定の方向性を出し、地場産業の振興に寄与してまいりたいと考えるところでございます。
6項目めの障がい者雇用についてでございますが、今年度の障がいのある方の採用選考の結果につきましては、7名が最終合格となり、そのうち、身体障がいのある方が5名、精神障がいのある方が2名となっております。
障がいのある方に対しては、採用の前後におきまして、きめ細やかな面談を行い、本人が抱える不安や必要な配慮事項などを把握し、職場環境の改善などについてもできる限りの対応を行っているところでございます。
今後の採用選考のあり方につきましては、今年度の選考結果を検証の上、国や他の自治体の取り組みなども参考にしながら検討してまいりたいと考えるところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(
山田一仁) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、3項目めの被災地の復旧・復興対策及び今後の災害対策について、4項目めの観光資源としての水族館の活用について、2項目についてお答えいたします。
最初に、3項目めの被災地の復旧・復興対策及び今後の災害対策についての1点目、里塚地区における本格復旧工事についてであります。
里塚地区の市街地の復旧が一日でも早く進むことがコミュニティーの再生につながりますことから、復旧工事を行う施工業者を確実に確保していく必要があります。復旧工事は、家屋直下の地盤改良や、道路、下水道などの工事がふくそうする中で、住民の生活環境を確保するとともに、住宅再建のスケジュールとの調整も不可欠であるなど、高度な技術力と調整力が必要となってまいります。このため、実績や技術提案を評価する契約方式を導入するとともに、早期発注に加え、早い段階から工事概要や入札条件などの発注情報を広く周知することで多くの入札参加者を募り、確実な発注につなげてまいりたい、このように考えているところでございます。
2点目の被災者の生活支援についてであります。
北海道胆振東部地震の被災者に対する罹災証明書の発行は現在も続いており、生活支援が引き続き必要であると認識しております。これまでも、罹災証明書の発行に合わせて、被災された方に各種支援制度の申請方法等に関する案内を郵送しておりますほか、生活支援等の情報を集約し、整理した生活支援ガイドなどを随時更新し、区役所や
まちづくりセンターなどで配布するなど、支援制度の周知を図っているところでございます。
今後も、罹災証明書の発行や被災者の生活再建の状況などを踏まえながら、引き続き、
被災者支援室を中心に被災者の生活支援にしっかりと取り組んでまいります。
3点目のスフィア基準を踏まえた避難所のあるべき姿についてであります。
避難所は、被災された方に対し、良好な居住環境を提供し、食料など生活関連物資の配付を行うことにより、健康的な生活を送っていただくことが求められる施設でございます。また、やむを得ない理由により車中泊をされている方などに対しても、生活関連物資の配付や必要とされる情報の提供が求められる施設であると考えているところでございます。これまでも、継続的に避難所の環境改善に取り組んできたところでありまして、現在、進めている見直しの中で、スフィア基準を初め、多くの事例を参考に、妊産婦の方、障がいのある方などさまざまな方により配慮できるような避難所を目指し、議論を進めてまいります。
4項目めの観光資源としての水族館の活用についてであります。
まず、水族館の役割や機能、あり方についてでありますが、サンピアザ水族館は、科学、社会文化の振興、発展に寄与する施設として昭和57年に新さっぽろ地区に設置され、水中生物を身近に感じられる子どもの教育施設としても市民に親しまれてきていると認識しております。
次に、水族館の将来的なリニューアルについてであります。
現在進んでいる副都心再開発事業を見据えて、相乗効果が得られるよう、設備の更新などを含めて、効果的な運用について運営会社と検討してまいります。
次に、水族館を拠点とする周遊ルートづくりについてであります。
来札観光客の滞在日数の長期化に向け、周遊を促進させるためには、郊外型の観光資源を点で捉えるのではなく、エリア単位での視点が重要であると認識するところでございます。
新さっぽろ周辺のエリアには、サンピアザ水族館に加えて、青少年科学館や北海道博物館、北海道開拓の村といった観光資源が集積しており、教育旅行向けなどの周遊ルートを形成することが可能であると考えているところでありまして、今後は、観光客のニーズや当該エリアの現状などを分析した上で、
連携中枢都市圏の枠組みの活用や観光事業者との連携などを意識しながら検討を進めてまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(
山田一仁) 岸副市長。
◎副市長(岸光右) 私からは、ご質問の中の2項目めの文化芸術の振興についてお答えをさせていただきます。
まず、文化芸術振興のこれまでの評価についてでありますが、今年度実施をしました市民意識調査では、文化芸術に関する事業について、市がよくやっていると思うと回答した市民の割合は全22項目の中で4番目に高くなっており、市民からは一定の評価を得ているものと認識をしております。一方で、札幌の文化芸術の魅力を国内外に発信する取り組みや、産業、観光等、他分野と連携した取り組みについてはまだ十分とは言えない状況であると考えております。
昨年10月には、市民交流プラザもオープンし、市民が芸術文化に触れる環境は整ってきている、そのように考えておりますが、今後は、さらにまち全体の活力や魅力を向上させる観点から、文化芸術の振興に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、社会包摂の観点での今後の文化芸術振興についてであります。
札幌市では、
まちづくり戦略ビジョンにも掲げているとおり、互いに手を携え、心豊かにつながる共生のまちの実現を目指しており、文化芸術はその実現に向けて大きな役割を担うものと認識をしております。具体的には、各文化施設における多目的トイレや託児室などの設置はもとより、体の不自由な方にも楽しんでいただけるジャズイベントや、親子で参加できるアート企画、さらには、解説の一部多言語化対応など試行的な取り組みも実施しているところです。
今後も、障がいの有無、年齢、国籍などにかかわらず、全ての方にとって文化芸術に触れる機会がより身近なものとして感じられるよう、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○議長(
山田一仁) 長谷川教育長。
◎教育長(長谷川雅英) 私から、7項目めの公立夜間中学についてお答えをいたします。
義務教育を終了しないまま学齢期を経過した方や、不登校などの事情から実質的に教育を受けられないまま卒業し、中学校で学び直すことを希望される方、近年増加する日本国籍を有しない方などに教育を受ける機会を保障することは、重要なものと認識をしております。
また、他都市の公立夜間中学の事例におきましても、その果たす役割は多様であり、それぞれの地域の実情に応じて年齢や国籍などさまざまな方々の受け入れが行われているところでございます。このため、設置に当たりましては、教育ニーズを踏まえた学校づくりが重要であり、基礎的な知識や技能を学ぶことはもとより、不登校のまま卒業された方などへの教育機会の確保を含め、札幌市の課題に応じた学びの場の提供を目指すべきと考えているところでございます。
今後は、こうした課題の把握や整理とともに、教育内容の検討等を行いながら、公立夜間中学の設置について前向きに検討を進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○議長(
山田一仁) ここで、およそ30分間休憩いたします。
――
――――――――――――――――――
休 憩 午後2時23分
再 開 午後2時55分
――
――――――――――――――――――
○副議長(三宅由美) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
村上ひとし議員。
(
村上ひとし議員登壇・拍手)
◆
村上ひとし議員 私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について、順次、質問をいたします。
初めに、市長の政治姿勢についてです。
質問の第1は、統計不正問題と消費税増税についてです。
厚生労働省の毎月勤労統計の不正は、雇用保険や労災保険などで延べ2,000万人、567億円もの被害を出すとともに、国の政策判断はもちろん、政府への信頼を根底から揺るがす大問題です。世論調査でも、政府の発表する統計を信用できない、79%、この問題で政府の対応は不十分だ、83.1%と、大多数の国民が不信と疑念を抱いています。厚労省が設置した特別監察委員会の報告書が隠蔽の意図までは認められなかったなどと述べているのは、極めて問題であり、不正の究明に後ろ向きな安倍政権の隠蔽姿勢に批判が高まっています。
この不正は2004年から行われていましたが、とりわけ、2018年1月から密かにデータの修正が行われ、これによって賃金水準がかさ上げされていた問題は重大です。安倍政権は、これをアベノミクスの成果だと自慢していましたが、いまや国民を欺く統計データの偽装ではなかったのかという疑惑に発展しています。
この不正の全容究明は絶対に曖昧にしてはならない問題だと考えますがいかがか、市長の見解を伺います。
あわせて、保険の給付などで市民への影響はなかったのか、伺います。
また、この統計不正によって、10月からの消費税10%への増税の前提が崩れる事態となっています。実際、賃金は増加するどころか、実質賃金の伸び率は前年同月比でほとんどマイナスだったことが明らかとなりました。
10月からの消費税率の引き上げは中止すべきだと考えますがいかがか、市長の見解を伺います。
質問の第2は、安倍政権による軍備拡大計画についてです。
昨年12月、安倍政権が閣議決定した防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画で、今後5年間に過去最大の27兆4,700億円もの大軍拡が進められようとしています。政府は、対日貿易赤字の解消を求めるトランプ政権の言いなりにアメリカ製兵器の大量購入を決め、1機116億円のステルス戦闘機F35は105機を追加購入し、147機保有する計画で、その費用は、維持費を含め、6.2兆円と言います。この爆買いに、自衛隊の元幹部から、F35を100機以上も買って、一体何をするのか、トランプの言いなりで兵器を買うなという声が上がるほどです。
さらに重大なことは、他国を攻撃できる長距離巡航ミサイルの導入や、護衛艦いずもを事実上空母化するなど、専守防衛を建前としてきた自衛隊を、米軍とともに海外で戦争できる軍隊に変質させようとしていることです。
市長は、安倍政権による軍備拡大計画をどのようにお考えですか。また、他国への攻撃を可能とする軍備の増強は、専守防衛はもちろん、国際紛争を解決する手段としての武力の威嚇や行使を禁じた憲法9条に反すると考えますがいかがか、見解を伺います。
質問の第3は、本市で働く外国人労働者についてです。
1点目は、改定出入国管理法についてです。
昨年末、安倍自公政権によって強行された改定出入国管理法は、多数の外国人労働者を安価で、いつでも解雇可能な労働力として受け入れようとするもので、日本経団連が早期成立を求めていたものでした。
既に、国際貢献を建前とした技能実習制度で外国人労働者が劣悪な労働条件のもとで働かされ、失踪した実習生の聞き取り調査では、実に67%が最低賃金以下だったことや、暴力、セクハラなどの人権侵害が引き起こされている実態も明らかとなりました。この法律は、技能実習生のこうした現状を放置し、しかも、そのまま使い続けることを可能にするなど、多くの問題点が指摘されてきましたが、市長は、この改定出入国管理法について、どのようにお考えですか。
また、本市で働く外国人労働者の実態を把握し、相談窓口など支援策が急がれると考えますが、今後どのように対処していくのか、伺います。
今、本市で働く労働者の実態も深刻で、女性の53.6%が非正規雇用で、本市の事業所数で2番目に多い宿泊業、飲食サービス業では、実に7割が非正規雇用となっています。こうしたもとで安価な外国人労働者が増大していくことは、本市においても、低賃金で不安定な雇用を一層拡大することになると思いますがいかがか、ご見解を伺います。
2点目は、子どもへの日本語教育についてです。
海外から帰国した子や外国人の児童生徒に対する日本語教育への支援は急務です。しかし、本市の日本語教育支援の予算は、2018年度、対象者84人に対して150万円と、20政令市で最低です。しかも、有償ボランティアでの支援しかなく、その謝金も1時間当たり800円で、他都市での1時間2,000円や1回につき4,000円などと比べても、極めて低いのが実態です。
日本語が十分話せず、学校や日常生活に不安を抱える
子どもたちのために、他都市の取り組みも参考にして、外国人児童生徒への教育支援事業を改善すべきだと考えますがいかがか、伺います。
質問の第4は、市民との対話についてです。
1点目は、誘導的なアンケートについてです。
秋元市長就任以降、都心アクセス道路は、常に本市の建設ありきの姿勢で検討が進められてきました。2016年10月に行った都心アクセス強化のためのパネル展アンケートは、期待する効果、現況についての課題、配慮すべきことという設問で、いずれも必要性を感じない市民が回答する欄がなく、どの選択肢も事業推進を前提としたものであるため、回答した場合には、推進を望まなくても、期待しているものとして分類されました。
日ハム新球場を真駒内公園に誘致するために2018年2月に行った新球場建設検討のアンケートも、必要な配慮、期待する効果という設問が主であり、同様のことが起こりました。
本市は、自由記載欄を設けることにより、市民からさまざまなご意見を伺うことができたなどと答弁していますが、詭弁にすぎません。設問の中心は事業推進を前提にしたもので、選択肢に丸をつけるだけの簡易な方法である一方、懸念を持つ人は、狭い欄に時間をかけて文章を記入しなくてはならず、高いハードルがありました。
こうしたアンケートの設問は、中立性を著しく欠いたものであり、市民の意思を本市の思惑に誘導するものであったと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、市民との双方向の対話についてです。
上野幌小学校と青葉小学校の統廃合は、適正化検討委員会が学校規模適正化により期待される効果を話し合う、統廃合ありきのものでした。昨年2月24日の住民説明会で初めて統廃合を知った人も多く、統廃合に反対だ、今からでも話し合いを要望したいとの声が多数出されました。統廃合を決めた後に住民説明を行った本市の姿勢は、市民との話し合いを余りにも軽視したものでありました。
また、丘珠空港関係では、空港整備に係る基本的な考え方に変わりはないとしながら、利活用に関する検討を行い、滑走路を300メートルもしくは500メートル延伸させた場合の図を描いて金額を示しました。このような利活用の必要性の強調は極めて誘導的であり、住民と合意した基本的な考え方をほごにしようとしているとしか思えません。
胆振東部地震で被災した清田区の1回目の地元説明会に市長が来なかったことに、住民から強い不満が出されました。最も困っている市民と直接対話する姿勢が欠けていたのです。
市長は、この4年間の市政運営の中で、市民との対話が不足していたと反省点を述べていますが、自治基本条例に基づき、市長は、市民との双方向の対話の重要性についてどのように認識しておられるのか、伺います。
次は、都心アクセス道路についてです。
2016年に調査検討費が予算化されてから、我が党は、このアクセス道路については連続して議会で取り上げてきました。莫大な総事業費となる懸念があるからです。1キロ当たりの建設費が250億円を超える高架、地下構造の高規格道路ではなく、費用負担が少ない右折車線の延長や新設など、交差点改良による整備を進めるべきです。
質問の第1は、公平・公正な市民への情報提供による判断の必要性についてです。
市長は、昨年7月の記者会見で、高架と地下構造による高規格道路の整備を前提とした上で、最少の経費で最大の効果を上げると述べ、新たな道路建設を容認しました。しかし、創成川通の混雑度は0.87で、これは4段階ある混雑度の中で最低ランクです。国道36号の豊平橋付近の混雑度1.93の半分以下であることから、新たな道路建設自体が必要ありません。しかも、高齢者の運転免許証の早期返納、自動車を所有しない若者とカーシェアリングの急増など、今後、自動車の保有台数は確実に減少が見込まれ、自動車をめぐる状況は、過去に例がないほど急激に変化しています。
本市は、渋滞の解消、防災、医療、観光に役立ち、石狩湾新港、丘珠空港との連携強化など、アクセス道路の必要性を強調してきました。しかし、そのどれもが高架、地下構造の建設を誘導しようとする傾向が強く示されたもので、巨額の費用を費やす道路建設の必要性を証明する根拠としては乏しいものだと言わざるを得ません。
改めて、都心アクセス道路が必要か否かの根本的な市民意見を確認するための調査が必要だと思いますが、認識を伺います。
質問の第2は、新規の大規模開発を抑制し、国の債務を減らす本市の役割についてです。
国は、公共事業による財政出動を経済対策、景気対策の重要な柱と位置づけ、高速道路や巨大港湾、大規模再開発プロジェクトなど、今、優先すべき防災やインフラの老朽化対策より、財界の要望に応え、新規、新設の大型開発事業に多額の予算を投入してきました。その結果、大都市圏では、
国土強靱化、都市間競争力強化を理由に、高規格道路や空港などの大規模開発事業が相次いで復活し、本市でも総事業費1,000億円規模の都心アクセス道路の計画が進められています。
一方、2013年度推計によると、国土交通省が所管する道路やダムなどの維持管理・更新費用には毎年3兆6,000億円かかり、20年後には最大5兆5,000億円、1.5倍になる見通しです。この推計から、今後、50年間の道路やダムなどの維持・更新費用の総額は、200兆円を優に超える規模になると言われています。これに水道や学校などの施設を含めると、数百兆円の維持・更新費用を要するため、今後は、新規、新設の大型開発事業に税金を費やす余裕はありません。
財務省は、今月8日、国債など、いわゆる国の借金が2018年12月末現在で1,100兆円と、過去最高を更新したと発表しました。単純計算で国民1人当たりの借金は約885万円となり、昨年9月末から7万円増加したと報じられています。
この現状について、東京財団政策研究所の小林慶一郎研究主幹は、日本が他の国と違っているのは、債務レベルが突出して高く、さらに右肩上がりでふえ続け、債務比率は250%に迫る、これは、終戦直後のレベルを超え、世界の歴史上、先進国が平時においてGDPの200%を超える債務を負った例はない、日本の債務は人類未踏の領域に達していると警鐘を鳴らしています。深刻な国の債務比率を軽減させる大都市の責任と役割の発揮が求められています。
都心アクセス道路の建設は、一層、債務比率を高くし、国の危機的な財政状況をさらに悪化させる懸念があると思いますが、認識を伺います。
新規の大型開発事業となるアクセス道路の建設は中止し、費用が抑えられる交差点改良による整備を優先させる決断こそ必要だと思いますが、認識を伺います。
次に、学童保育についてです。
昨年11月、内閣府は、学童保育に従事する職員、いわゆる指導員の配置基準について、従うべき基準から参酌すべき基準へと緩和する考えを示し、翌12月、閣議決定しました。放課後児童支援員という有資格者を原則2名以上配置するという従うべき基準は、子どもの命と安全・安心できる生活の場を保障するために必要不可欠な基準であり、これが緩和されれば、学童保育の安全と質の低下は避けられません。
子どもたちの放課後の健全育成のために必要な最低限の基準として、2名以上の指導員の配置は不可欠だと考えますが、本市のお考えはいかがか、子どもの権利条例を持つ本市として、指導員の配置基準の緩和についての見解を伺います。
次は、行政運営のあり方についてです。
自治体によるさまざまな行政施策は、生存権や社会保障などを定めた憲法第25条の理念に基づくものであり、自治体は、その増進を図ることとされています。しかし、安倍政権は、自治体の公的責任を縮小、解体する公的サービスの産業化を打ち出し、民間事業者の参入を進めようと、その環境整備と規制緩和を推進しています。
質問の第1は、水道事業の公的役割についてです。
昨年の12月国会で、改正水道法が強行成立しました。これは、施設の所有権を自治体に残しながら、運営権を民間に移すコンセッション方式を導入するもので、水道民営化にほかなりません。民営化による懸念、弊害がさまざま指摘されていますが、例えば、企業秘密と判断された情報は非公開とされ、料金の妥当性などを議会で十分審議できないまま値上げとなること、また、水道事業に精通した職員が減少し、業務の適切な履行をチェックする機能が低下して、万一、公設に戻す際には、新たな人材育成に相当額の費用がかかるなどです。
水道事業が民営化された国では、料金の高騰や水質の低下などが多発し、2000年から2014年までで再公営化された事例が180件、35カ国にも上っています。今、民営化に反対するブルー・コミュニティーという運動がヨーロッパなどで広がっており、安全で安価な水を得ることは基本的人権であり、上下水道の公的所有と運営を掲げ、昨年、ドイツでは、ミュンヘン市を初め、四つの都市がこれに加わり、水道の公的管理を守る態度を明確に示しました。
生きる上で水は不可欠であり、水道事業はそれを住民に保障するものです。安全で安価な水を供給することは、まさに生存権の保障とも言え、そのために必要な人材の確保と技術の継承は地方自治体の重要な役割だと考えます。これまで本市の水道事業が果たしてきた役割や意義について、市長はどのように認識をされているのか、伺います。
質問の第2は、窓口業務の公共性についてです。
安倍政権は、証明書の発行や戸籍の届け出を受け付ける市民総合窓口と、保険、国民年金、児童、高齢者、障がい福祉等に対応する福祉総合窓口を集約し、まとめて民間事業者に担わせる民間委託を推進するとしています。窓口業務は、それぞれの制度や仕組みを理解し、法令の趣旨に沿った専門的知識、経験を要する業務です。同時に、職員が住民の抱える問題や課題を直接知る重要な機会であり、これらを他部門と連携して解決を図るなど、重要な役割を担っています。
この間、全国では、税事務所のデータ管理を民間委託したところ、その業者が下請にデータ管理を発注するという事例が明らかとなり、住民の家族構成や所得などの個人情報が安易に扱われている実態が判明しています。窓口業務の民営化は、住民サービスの低下や市民の個人情報の漏えいなどの懸念があります。
高齢化の進展や、医療や介護、障がい者制度などの複雑多様化により、今後ますます窓口業務での丁寧な対応や専門性、部局間での連携が求められていると考えますが、窓口業務の重要性について、どのようにお考えか、お伺いをいたします。
次は、国の震災救援制度についてです。
昨年9月6日に発生した
北海道胆振東部地震で、本市は、家屋全壊102件、半壊712件、一部損壊4,607件、避難場所は、最大300カ所に1万297人が避難する被害となりました。
質問の第1は、本市独自の支援策の構築についてです。
1995年の阪神・淡路大震災の経験から、1998年に被災者生活再建支援法ができましたが、住宅再建に対する支援額の上限は300万円、対象は全壊と大規模半壊に限定されたものであり、その結果、本市で支援が認められたのはわずか165件でありました。しかも、この支援は一部損壊は対象外のため、自力で再建が難しい市民が今なお取り残されております。一部損壊の方たちが活用できる制度をつくることが必要だと思いますがいかがか、伺います。
質問の第2は、国の支援事業の活用についてです。
大阪北部地震で被害を受けた京都市では、国の住宅・建築物安全ストック形成事業を活用し、地震による一部損壊も含めた住宅の劣化、ゆがみ、ひび割れなどの補修、屋根、壁、床工事に補助を実施しています。国の防災、安全に関する交付金は、宅地の液状化対策も支援メニューになっています。
本市は、国のあらゆるメニューを最大限活用し、多くの被災者が支援されるよう工夫すべきと思いますがいかがか、お伺いをいたします。
次に、国民健康保険制度についてです。
国保は、国民皆保険制度の最終的な支え手です。しかし、協会けんぽなどと比較して、低所得者の加入が多く、構成年齢が高いため、医療費水準が高く、所得に占める保険料負担が重いといった課題を抱えています。加入者の所得は低いのに、保険料は一番高いという構造的な問題の解決が求められています。
質問の第1は、国保料を協会けんぽ並みに引き下げることについてです。
協会けんぽなどの保険料は、収入に保険料率を掛けて算定する応
能負担であるのに比べ、国保には、所得割のほかに平等割、均等割があり、低所得者や世帯員、特に子どもの数が多いほど保険料が引き上がる逆進的な負担となります。全国知事会は、2014年、協会けんぽ並みに引き下げるには1兆円の公費負担増が必要という試算を示し、国保の都道府県化が導入された後も、医療保険間の格差解消のために定率国庫負担を引き上げることを国に要求し続けています。
本市の場合、年収400万円の4人家族の国保料は約41万円なのに対し、協会けんぽでは約20万円と倍以上の負担となっている実態です。
市長は、1兆円の公費負担で国保料を協会けんぽ並みに引き下げることについてどのようにお考えですか、また、均等割と平等割による逆進性についてどのようにお考えか、あわせて伺います。
質問の第2は、子育て世帯に対する国保料軽減策についてです。
少子化対策や
子育て支援策として、子どものいる世帯の国保料の負担軽減を行う自治体がふえています。国民健康保険法第77条の市町村の独自の判断で特別の理由がある者に対して保険料を減免できるという規定を活用し、仙台市では、所得制限なしで国保に加入する全ての子どもの均等割を一律3割減額しました。
本市は、昨年の第4回定例会で、我が党が子育て世帯の国保料の負担軽減を図るべきと求めたのに対し、難しいと答弁いたしました。しかし、本市の合計特殊出生率は1.16で、20政令市中、最下位です。あらゆる手だてを尽くした
子育て支援が求められており、市長みずから
子育て支援に力を入れると述べています。
国保法第77条の規定を活用し、子育て世帯に対して国保料軽減策を検討すべきだと思いますがいかがか、伺います。
最後は、新さっぽろ駅周辺の
まちづくりについてです。
昨年、日ハムが本拠地を札幌市から北広島市に移転することが決まり、市民とファンからは、失望の声とともに、
秋元市長を初め、市の担当者による対応がおくれたなど、市の責任を問う厳しい意見が多数寄せられました。日ハムが出ていくことによる札幌ドームの経営悪化の懸念と将来にわたる市内経済の損失ははかり知れません。結局は、市民と十分に対話をしない本市の姿勢が日ハムとの交渉過程でも露呈し、市民に失望感と市内経済に損失を与えたのです。本市の責任は非常に重大です。
この問題は、北広島市と隣接する厚別区の新さっぽろ駅周辺の
まちづくりにも重大にかかわります。
新さっぽろ駅周辺は、札幌市中心部と江別、岩見沢方面を結ぶ国道12号や、6車線の骨格道路である南郷通、厚別中央通に囲まれ、中心にはメーンストリートである厚別青葉通があります。この全てが北広島市に連絡する道路ですが、日ハムが本拠地を北広島市に移転することにより、医療機関や公共施設などが集中する新さっぽろ駅周辺には、車の渋滞と、それに伴う想定外の課題が出てくることが予測され、今後の
まちづくりにも大きな影響を与えます。
また、地下鉄、バス、自家用車を乗りかえ、JR新札幌駅やJR上野幌駅から北広島市にアクセスする市民が集中することも想定されます。しかし、現在でも、駅のホームを初め、駅舎の待合スペース等は狭く、乗降客の収容はもとより、安全に乗降できるのかが課題となります。野球を観戦する市民の交通の利便性と安全性を向上させる上でも、今後進められる新さっぽろ駅周辺の
まちづくりは、JR北海道との連携など、本市が積極的に関与し、さまざまな課題を解決していく責任があると思いますが、市長の認識と対処策を伺います。
以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(三宅由美) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で大きく7項目のご質問をいただきました。私からは、1項目めの私の政治姿勢についてのうち、1点目の統計不正問題と消費税増税について、2点目の安倍政権による軍備拡大計画について、3点目の本市で働く外国人労働者についての1点目、改定出入国管理法について、そして、4点目の市民との対話についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の吉岡副市長、岸副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、私の政治姿勢についてお答えをいたします。
1点目の統計不正問題と消費税増税についてであります。
まず、統計不正問題についてでありますが、毎月勤労統計における不適切な事案は、公的統計全体への不信や疑念を招いており、まことに遺憾であります。国におきましては、徹底的な原因究明と再発防止に向けた取り組みを行う必要があるものと考えているところであります。
また、雇用保険の給付などにつきましては、本来の額より少なく支給されている市民がいると見込まれますので、引き続き、国の追加給付の動向などを注視してまいります。
次に、消費税増税についてでありますが、消費税率の引き上げは、国及び地方を通じた社会保障の充実・安定化に充てる財源の確保を目的として、さまざまな視点で議論がなされ、国政の場において決定をされたものであります。
札幌市におきましても、税率引き上げによる増収分を、幼児教育、保育の無償化や介護保険料の軽減拡大といった重要施策に活用することとして、平成31年度予算に反映をしているところであります。
次に、2点目の防衛力の整備と憲法9条についてであります。
憲法9条は、平和主義の理念を具体化した規定であると認識をしており、国の予算についても、こうした憲法の理念を尊重しつつ、国会において審議を尽くしていただきたいと考えております。
いずれにしましても、国民の安全・安心を確保するとともに、国際環境の安定に寄与するものであるということが重要であると考えているところであります。
次に、3点目の本市で働く外国人労働者についてであります。
外国人労働者について、まず、改正出入国管理法についての見解及び今後の対処についてでありますが、今般の出入国管理法の改正では、人手不足が深刻化する特定の産業分野において、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れていくために、特定技能の在留資格が創設されたところであります。制度の運用に当たりましては、新たに出入国在留管理庁が設置され、受け入れ機関に対する調査などを通じて適切な管理が徹底されるものと認識をしております。
こうした新たな在留資格の創設、運用により、札幌市においても外国人の雇用が進むことが想定されますことから、国籍や文化の違いを超えて誰もが安全・安心に暮らすことができる共生社会の実現を目指す取り組みが今後ますます重要になるものと考えており、そうした観点から、まずは外国人が抱える日常生活や仕事上の不便や不安などの実情を把握し、国や北海道、関係団体等と連携をしながら、暮らしを支援する総合的な相談窓口の設置に向けた検討を進めていく必要があるものと考えております。
次に、低賃金で不安定な雇用の拡大への見解ということでありますが、改正出入国管理法は、生産性向上などの取り組みを行っても、なお人材を確保することが困難な特定の業種に、適正な賃金などの労働条件のもと、外国人を受け入れていく仕組みを構築するものでありますことから、このことが直ちに不安定な雇用の拡大につながるものではないと認識をしております。
次に、4点目の市民との対話についてであります。
まず、誘導的なアンケートについてということでありますが、都心アクセス道路及び真駒内公園における新球場建設に関するアンケート調査は、これらの取り組みに対する札幌市の対応を決めていく際の参考とする目的で、その時点で提示できる内容をもとに市民の皆様に真摯に意向を伺ったものであり、このことによりさまざまなご意見をいただくことができたと認識しております。
次に、市民との双方向の対話についてでありますが、自治基本条例には、市長の役割として、広く市民の声を聞くよう努めるとともに、
まちづくりについての考えを市民に明らかにすることとあり、私自身、極めて重要なことであると認識しているところであります。
今後とも、さらに必要な情報を速やかに、かつわかりやすく市民に提供することとし、可能な限り市民との対話の機会の創出に努めてまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○副議長(三宅由美) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、4項目についてお答えいたします。
最初に、2項目めの都心アクセス道路についてであります。
1点目の公平・公正な市民への情報提供による判断の必要性についてでありますが、市民意見を確認する調査としては、国が計画段階評価においてアンケート調査等を実施しており、現在は、それらの結果を踏まえた検討が進められているところでございます。
札幌市といたしましては、これまでも、市民の皆様に検討の進捗に応じて丁寧な情報提供や対話に努めてきたところでありまして、今後も引き続き取り組んでまいります。
2点目の新規の大規模開発を抑制し、国の債務を減らす本市の役割についてであります。
札幌市としても、健全な
財政運営は重要であると認識するところでございます。国が道路事業を新規採択する場合には、事業費をもとにした費用対効果分析などの総合的な評価を行った上で、必要と認められる事業について予算化する仕組みとなっておりまして、現在は、計画段階評価において、交差点改良案を含む四つの構造案の比較、評価を行っている段階でありますことから、地域の課題や達成すべき目標、地域の意見等を踏まえ、さまざまな角度から検討が進められていると認識しております。
次に、4項目めの行政運営のあり方についての1点目、水道事業の公的役割についてであります。
水道事業の役割は、市民の健康を保持・増進すること、市民の生活や都市の経済活動を支えること、また、消防用水として市民の生命・財産を守ること等であると認識しており、札幌市におきましても、昭和12年の水道創設以来、時代の要請に応えながら、安全で良質な水道水を安定的に供給し、住民福祉の向上や都市の発展に寄与してきたものと考えているところでございます。
2点目の窓口業務の公共性についてであります。
窓口業務は市民と行政の接点として重要な
行政サービスの一つと認識しており、人口減少・超高齢社会が深刻化していく中、行政運営全般における公務能率と市民の利便性の向上が求められていることから、窓口業務においても、そのあり方や手法を検討することで、さらなる市民サービスの質の向上に努めてまいります。
次に、5項目めの国の震災救援制度についてであります。
1点目の本市独自の支援策の構築についてでありますが、札幌市では、一部損壊の方に対しても義援金を配分するとともに、宅地復旧費用の補助制度を提供しているところであり、引き続き被災者の生活支援にしっかりと取り組んでまいります。
2点目の国の支援事業の活用についてであります。
札幌市においても、国の耐震化等の補助事業である住宅・建築物安全ストック形成事業を活用し、外壁などの一部損壊部分の復旧のうち、耐震性の向上に資する工事につきましては対象としているところでございます。
また、清田区里塚地区の復旧工事におきましても、国の防災・安全交付金事業を活用し、実施するものでありまして、今後とも、国の支援制度の情報収集に努め、最大限活用してまいります。
次に、7項目めの新さっぽろ駅周辺の
まちづくりについてであります。
新さっぽろ駅周辺におきましては、地域交流拠点としての多様な機能集積を図るとともに、充実した交通結節機能を生かして、江別市や北広島市などの後背圏の生活を支える拠点としての
まちづくりを進めているところでございます。
今後、新さっぽろ駅周辺の
まちづくりが進む中、交通の円滑化などさまざまな課題に対しては、市民の利便性や安全・安心を確保する必要があるという認識のもと、JR北海道などの関係機関と連携し、それぞれの状況に応じた施策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(三宅由美) 岸副市長。
◎副市長(岸光右) 私からは、ご質問の中の3項目めの学童保育について、6項目めの国民健康保険制度についての2項目についてお答えをさせていただきます。
まず、3項目めの学童保育についてであります。
放課後児童健全育成事業に従事する職員の配置基準につきましては、年齢や発達状況の異なる
子どもたちを同時に、かつ継続的に育成支援する必要があること、また、複数の場所でそれぞれに活動する場があること等の理由から設けられたものと認識をしております。
今回、国としては、地域の実情等を踏まえた柔軟な対応を可能とするため、基準の参酌化を図るものでありますが、札幌市といたしましては、この基準を最低基準と位置づけ、常にこれを向上させるよう努めていることや、利用児童数の実態からも、あえてこれを緩和する必要はないものと考えているところであります。
次に、6項目めの国民健康保険制度についてであります。
1点目の国保料を協会けんぽ並みに引き下げることについてでありますが、国民健康保険料につきましては、他の健康保険と比較して決して安くはなく、加入者の負担感には強いものがあると認識をしております。
札幌市では、加入者の負担軽減のために、国の財源措置のさらなる拡充が必要と考えており、今後も引き続き国にしっかり訴えてまいります。
また、均等割と平等割につきましては、受益に応じた負担として法令により定められておりますが、低所得者に対しましては、収入や加入者数に応じてこれらを減額する措置が講じられており、国において一定の配慮がなされているものと認識をしております。
2点目の子育て世帯に対する国保料軽減策についてですが、仙台市では、減額に係る財源を、
一般会計からの繰り入れではなく、加入者全体の保険料で賄っておりますが、札幌市におきましては、加入者の負担感が強い中で、さらに保険料負担をふやすこととなるため、同様の措置をとることは難しいと考えております。
なお、子育て世帯に対する保険料の負担軽減につきましては、子どもに係る均等割保険料を軽減する制度を創設するよう国に対して要望しており、今後も引き続き要望してまいります。
私からは、以上でございます。
○副議長(三宅由美) 長谷川教育長。
◎教育長(長谷川雅英) 私から、1項目めの市長の政治姿勢についての3点目、本市で働く外国人労働者についての2点目、子どもへの日本語教育についてお答えをいたします。
日本語支援を必要とする児童生徒に対しましては、これまでも、教育センターで行っている日本語教室での個別指導に加えまして、各学校でボランティアが支援を行うなど、安心して学校生活を送ることができるよう取り組みを進めてきたところでございます。
今後は、一人一人に応じたきめ細かな指導計画を作成するなど、各学校においてより丁寧な指導を行うことができるよう教育支援事業の充実に努めてまいります。
私からは、以上でございます。
(
村上ひとし議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(三宅由美)
村上ひとし議員。
◆
村上ひとし議員 2点、再質問させていただきます。
1点目は、都心アクセス道路について、2点目は、新さっぽろ駅周辺の
まちづくりについて質問をさせていただきます。
まず最初に、1点目のアクセス道路についてでありますけれども、今後、整備形態などについては、国の計画段階評価や国の実施しているアンケート調査の結果も含めて、地域の課題や意見を踏まえて検討するというようなお答えがございました。具体的にどのような手法を想定しているのか、これが1点目の再質問です。
それから、2点目は、新さっぽろ駅周辺の
まちづくりであります。
日ハムの北広島市への移転に伴い、交通の円滑化など発生する課題に対して、それぞれの状況に応じた施策を講じるというご答弁でありましたが、現段階で、そして、将来的にどのようなことが課題であると認識されているのか、再質問をいたします。
○副議長(三宅由美) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 2点について再質問をいただきました。
最初に、都心アクセス道路についての地域の課題や地域の意見を踏まえての検討ということで、具体的にどのような手法で把握をしていくのかというご質問でございます。
私どもからお答えさせていただいたところでありますけれども、国のほうでも、平成30年、昨年の10月から11月にかけまして、札幌市を含む自治体や商業、運輸等の関係団体へのヒアリングを行いますとともに、地域住民への無作為抽出による郵送アンケート等を実施したところでございます。
札幌市といたしましても、平成30年、昨年11月から12月にかけて、札幌駅地下街や北区、東区の区民センターなどにおきまして、職員が常駐する対話型のパネル展、オープンハウスと称してございますけれども、そういったものを開催し、直接対話により市民の皆様のご意見を伺ったところでございます。これまで札幌市に寄せられました意見等につきましては、把握したものを全て国と情報共有をしているところでございまして、今後も引き続き、同様に、検討の進捗に応じまして市民の皆様への丁寧な情報提供や対話に努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、新さっぽろ駅周辺の
まちづくりにつきまして、交通の円滑化に関する現時点での課題、そして将来的な課題をどう考えているのかというご質問でございます。
現状の新さっぽろ駅周辺の
まちづくりにおきましては、周辺道路への影響を最小限に抑えるよう交通解析を実施いたしまして、駐車場の規模や出入り口の配置などを事業者と調整し、交通の円滑化を図っているところでございます。将来的に、周辺自治体を含めました後背圏の交通需要の変化などが生じた場合は、新たな課題が発生する可能性もあるかと思いますけれども、現時点におきまして具体的な想定は困難となっておりますので、今後、そういった事象に対応して考えてまいりたいと考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
(
村上ひとし議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(三宅由美)
村上ひとし議員。
◆
村上ひとし議員 吉岡副市長、この間、市が実施されましたアンケート調査や国の5万人アンケート調査ですか、これは、いずれも誘導的なアンケートの内容だと思っています。基本的に、どの項目に丸をしても事業の推進への期待にカウントされる。そもそも、賛否を問う項目がないのですよ。ですから、どこに丸をしようとしても、たとえしたとしても、そこで事業の進捗の期待にカウントされてしまう。
交差点改良の評価は、その中でも著しく後景に追いやられていました。しかし、右折ライン設置などの交差点改良は、工事による通行どめ、周辺環境への影響も少なく、交通事故の減少など即効性が期待できます。しかも、事業費は安いということであります。他の整備形態同様に、交差点改良の効果にも踏み込んで公平・公正に市民に情報提供し、そのもとで改めて市民の賛否を問うべきです。
先ほど、副市長は、今後も同様、情報提供と対話に努めるとおっしゃいましたので、この点はしっかり取り組んでいただきたいと思います。莫大な事業費となる高規格道路の建設に意図的に市民を誘導することは、あってはならないということを申し上げておきます。
2点目の新さっぽろ駅周辺の
まちづくりについてであります。
車で札幌市内から北広島市に向かう場合の走行経路は想定されます。先ほど、吉岡副市長からは、新たな課題を今の段階で想定するのは難しいというようなお答えがありましたけれども、どの道路や交差点などが混雑するのか、予測可能な場所もあるわけです。ですから、現時点での交通量調査などは早期に実施し、市として可能な対策を講ずるべきだと思います。
最後に、市長にお伺いをいたします。
日ハムが出ていくことによって札幌ドームの経営が悪化し、新たな市民負担がふえることへの懸念、将来にわたる市内経済の損失、そして観戦しづらくなったということになれば、市民にとっては二重、三重の負担になるわけです。北広島で野球を観戦しようとする市民やファンができるだけ観戦しやすいように、市長が率先し、あらゆる努力と工夫をすべきだと思いますが、市長ご自身のご見解をお伺いして、私の質問を終了いたします。
○副議長(三宅由美)
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 新たな北広島での球場は、今、検討されているわけでありまして、交通手段についてもどのように進めてくるのか、この全容というのがまだ明らかになってございません。ですから、現時点で、例えばJR、その他公共交通機関をどの程度、現実的にいつから実現していけるのか、こういった詳細が明らかでありませんので、それに対して私どもが今何らかの形で先行して議論を進めていくという状況にはない、このように思っております。
いずれにしましても、周辺の方々、それから市民の方も含めてでありますけれども、より観戦しやすい、あるいは、さまざまなボールパークというものを楽しんでいただける環境づくりということは、札幌市にとっても必要なことだろうというふうに思います。そういう意味で、さまざまな計画を具体化していく過程の中でさまざまな検討をしてまいりたい、このように思っております。
○副議長(三宅由美) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日2月20日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(三宅由美) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
――
――――――――――――――――――
○副議長(三宅由美) 本日は、これで散会します。
――
――――――――――――――――――
散 会 午後3時53分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 山 田 一 仁
副 議 長 三 宅 由 美
署名議員 高 橋 克 朋
署名議員 竹 内 孝 代...