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平成31年(常任)総務委員会−01月25日-記録

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  1. 札幌市議会 2019-01-25
    平成31年(常任)総務委員会−01月25日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成31年(常任)総務委員会−01月25日-記録平成31年(常任)総務委員会  札幌市議会総務委員会記録            平成31年1月25日(金曜日)       ────────────────────────       開 会 午後0時58分     ―――――――――――――― ○林清治 委員長  ただいまから、総務委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  さっぽろ連携中枢都市圏ビジョン(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎浦田 まちづくり政策局長  本日は、さっぽろ連携中枢都市圏ビジョン(案)について報告させていただきます。  連携中枢都市圏構想につきましては、昨年2月に関係する市町村首長会議を行って以降、今年度末の圏域の形成に向けて協議を進めてまいりました。このたび、関係市町村との協議や、関係者有識者によるビジョン懇談会での議論を踏まえ、中長期的な圏域の将来像や具体的な取り組みを示すビジョン案を取りまとめましたので、ご報告させていただきます。  内容につきましては、担当の芝井政策企画部長から説明させていただきます。よろしくお願いいたします。 ◎芝井 政策企画部長  私から、資料に基づきましてご説明申し上げます。  まず、配付資料の確認ですが、A3判の資料1のさっぽろ連携中枢都市圏ビジョン(案)の概要と、A4判の資料2の同ビジョン案の本編がございます。説明はA3判の資料1で行いますので、そちらをご参照いただきたいと思います。  初めに、1 連携中枢都市圏の形成に向けてでございます。  1の策定の趣旨でありますが、全国的に人口減少高齢化が進んでいる中、札幌を含むこの圏域におきましても近い将来の人口減少が見込まれておりまして、その中で圏域内活力維持や魅力あるまちづくりを進めていくためには、さまざまな資源を活用した連携の強化、行政のコスト削減や運営の効率化が必要となっております。こうしたことから、連携中枢都市圏の形成に向けて昨年11月に札幌市が連携中枢都市宣言を行ったところでありまして、このビジョン案は、中長期的な圏域の将来像や具体的な取り組みを計画的に進めるために策定するものでございます。  2の連携中枢都市圏及び構成市町村の名称でありますが、連携中枢都市圏の名称はさっぽろ連携中枢都市圏構成市町村は、石狩管内の8市町村に加えまして、小樽市、岩見沢市、南幌町、長沼町の計12市町村という構成となっております。  3の取組の期間といたしましては、本年4月からの5年間としております。  次に、2−1 圏域の概況についてでございます。
     地勢といたしましては、本圏域の面積は4,515平方キロメートルでありまして、北海道全体の約5%を占めている状況です。  構成市町村の概況でございますが、小樽市は年間800万人超の観光客が訪れる観光都市岩見沢市は米の作付面積道内一位、江別市は大学や研究機関が集積、千歳市は年間2,200万人超が訪れる空港を有するなど、この圏域の市町村はそれぞれ異なる魅力や資源を有しているところでございます。  次に、人口でありますが、右の表にもございますように、2015年時点では約260万人である圏域人口は、2040年時点では約235万人に減少すると推計されております。  次に、産業構造都市機能集積状況でありますが、圏域外から資金を稼げていないという課題がある一方で、食品製造業や農業、観光といった強みのほか、大学、工業団地などの集積に加えまして、空港や港といった交通の大きな拠点など、すぐれた都市機能を有している圏域となってございます。  資料の右側に移りまして、2−2 圏域の中長期的な将来像でございます。  「住みたくなる」「投資したくなる」、「選ばれる」さっぽろ圏域という将来像を掲げまして、各市町村の持つ魅力をかけ合わせて、圏域に人、物、金、事を呼び込む取り組みや、適切な役割分担によるきめ細かな住民サービスを提供することにより、多くの人が住みたくなる、この圏域に投資したくなる事業者がふえていくなど、さまざまな面で選ばれる圏域となることを目指してまいります。  次に、将来像を実現するために特に力点を置いて取り組んでいく三つの重点施策でございます。  重点施策1魅力・活力にあふれ、投資や人材を呼び込む圏域にといたしましては、圏域外からの資金獲得や起業などの取り組みを位置づけてございます。重点施策2将来を担う人材が豊富な圏域にといたしましては、人口流出の抑制や人材育成取り組みを位置づけてございます。重点施策3住民の安全・安心が確保され、持続可能な行政サービスが提供できる圏域にといたしましては、災害時の対応や医療関係取り組みのほか、効率的な行政運営に向けた取り組みなどを位置づけてございます。  次に、目標人口でありますが、2040年時点で圏域の人口240万人以上を確保することといたしました。この数値は、各市町村で策定しております人口ビジョンの目標値の合算値を勘案した数字としております。  次に、3 計画の体系であります。  総務省の要綱で示されている経済成長けん引など三つの役割に具体的な連携事業を位置づけております。圏域全体の経済成長けん引では9事業、高次の都市機能の集積・強化では6事業、圏域全体の生活関連機能サービスの向上では25事業の合計40事業をビジョンに盛り込んでおります。また、札幌市の2019年度予算案ベースでの事業費規模は、トータルで40億7,000万円余としております。  なお、最終的にビジョンが確定して公表する際には、札幌市の予算額構成市町村関連事業予算額も合算して掲載したいと考えております。  おめくりいただきまして、4 連携協約に基づき推進する具体的取組であります。  ここでは、先ほど申し上げました全体40事業のうち、主な事業の22事業を抜粋して掲載しております。  まず、1の圏域全体の経済成長けん引であります。  経済成長の牽引における基本KPIは、経済センサス活動調査における圏域内民営事業所の売上額27兆9,000億円を、札幌市の産業振興ビジョン考え方に即して、目標年度の2023年には30兆円と設定いたしました。また、観光入り込み客数につきましては、3,700万人余を、過去のトレンドをもとにして2023年に4,400万人にすると設定しております。  主な事業といたしましては、連携した企業誘致の推進として、企業立地補助金の圏域への対象拡大や、上から三つ目にありますが、新産業の育成に向けた支援として、新製品などの開発にかかわる補助金の対象を圏域企業に拡大いたします。さらに、下から二つ目になりますが、共同プロモーション観光資源活用等の推進といたしまして、ツーリズム連携など圏域の周遊を促進する取り組みなどを進めてまいります。  次に、2の高次の都市機能の集積・強化です。  基本KPIにつきましては、JR札幌駅及び地下鉄さっぽろ駅の乗降人員の増加といたしました。  主な事業といたしましては、上から二つ目の札幌市都心部の再開発といった取り組みのほか、社会や企業等ニーズに対応できる人材の育成として、地域課題と学生のマッチングにより地域課題の解決策を検討する取り組みなどを進めてまいります。さらに、その下の公共施設相互利用や配置に関する検討として、斎場の広域利用に関する検討などを行ってまいります。  右側に移りまして、3の圏域全体の生活関連機能サービスの向上でございます。  KPIは、20歳から29歳人口の道外への社会増減数について、2,805人の転出超過を、さっぽろ未来創生プラン考え方に沿って2023年には半減の1,400人にすることを掲げてございます。  主な事業といたしましては、救急医療の維持・向上に向けた取り組みの推進といたしまして、救急安心センターの広域的な活用を図るほか、中ほどになりますが、消防の連携協力の推進といたしまして、消防指令業務共同整備に向けた検討などを行ってまいります。さらに、再生可能エネルギー圏域内導入拡大にかかわる検討や、その二つ下になりますが、地元定着等の促進などに取り組んでまいります。  なお、これまで、札幌広域圏組合におきまして石狩管内の7市町村とともに実施してきた事業につきまして、上から二つ目の文化的な教育活動の充実に向けた取り組みの推進や、下から三つ目圏域外からの移住促進のように、引き続き圏域の事業として実施することとしてございます。  最後に、5 計画の推進体制であります。  さっぽろ連携中枢都市圏関係首長会議における協議や、さっぽろ連携中枢都市圏ビジョン懇談会における効果検証などを行いながら、この図の中ほどになりますが、さっぽろ連携中枢都市圏実務者会議の中で事業の実施、進捗管理や新たな取り組みの企画、検討を行ってまいります。こうしたPDCAサイクルを通じて、さっぽろ連携中枢都市圏ビジョンにつきまして、毎年度、所要の変更を行ってまいります。  資料の説明は以上となりますが、今後のスケジュールについて、若干補足させていただきます。  このビジョン案につきましては、本委員会の報告後、2月4日から3月6日までパブリックコメントを実施する予定でございます。その後、その結果や連携協約に係る各市町村の議決の状況などを踏まえまして、3月中に策定、公表したいと考えております。 ○林清治 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆北村光一郎 委員  ただいま説明をいただきましたさっぽろ連携中枢都市圏ビジョン(案)でございますが、この特色について、1点お伺いしたいと思います。  総務省が制定した連携中枢都市圏構想推進要綱によりますと、その制定の背景として、今後の人口減少の加速や急速な高齢化により、人々が快適で安心して暮らしていくための基礎が失われることや、行政サービスの持続的な提供への懸念があるとされています。したがって、地域を活性化し、経済を持続可能なものとし、国民が安心して快適な暮らしを営んでいけるようにするためには、圏域の中心都市が近隣の市町村と連携し、経済成長牽引等を行うことにより、一定の圏域人口を有し、活力ある社会経済を維持するための拠点を形成することが、連携中枢都市圏構想の目的として示されているところであります。  これらの背景や目的を踏まえると、本構想に基づいて実施する取り組みにおいては、大きく、地域の活性化に資する取り組みと住民の安心や快適な暮らしに資する行政サービスの提供という二つの軸が想定されており、取り組みの範囲としては経済、福祉など行政の役割全般に及ぶものであります。また、この両方の軸では持続的という共通のキーワードがつけられていることから、行政運営としての効率化集約化といったこともあわせて求められているものと考えます。  先ほど説明を受けたさっぽろ連携中枢都市圏ビジョン(案)を見てみると、推進する具体的取り組みとして、経済分野取り組みから始まり、多岐にわたる分野において40の連携事業が掲載されておりました。その中で、三つの重点施策として力点を置いて取り組んでいく施策について記載されているものの、幅広く事業を計上しているため、いま一つ、このビジョンの特色が見えてこないところがあります。一方で、行政の効率化集約化に資するような事業はどれかと探したところ、公共施設相互利用や配置に関する検討、消防の連携協力の推進など、事業数としては余り多くなく、具体の検討まで至っていないようなものがあるようで、今後検討を要するものと考えます。  そこで、質問ですが、本ビジョンの特色はどのようなところにあるのか、また、今後の検討課題についてどのように考えているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎芝井 政策企画部長  このビジョンの特色と今後の検討課題についてお答えいたします。  このたびのビジョン案の策定に当たりましては、連携市町村と密接な協議を行いながら、そのニーズや課題などを踏まえた上で、総務省が示す三つの役割に沿って事業を構築いたしました。特に、この圏域の域外収支が大きくマイナスであることを喫緊の課題として捉えまして、圏域外から資金を稼ぐための取り組みや、圏域内での資金や産品の循環を生み出す取り組みなどに意を用いたところでございます。このような取り組みによりまして、一つの強い経済圏域を形成することで、圏域の活性化はもとより、北海道全体の活性化にも寄与するという視点を持っていることが本ビジョンの特色であると考えているところでございます。  一方で、ご質問にありました行政の効率化集約化に向けた取り組みにつきましては、大変重要であるものの、住民の利便性の確保に関する検討などさまざまな課題がありまして、その具体化には時間を要すると考えているところであり、今後、連携市町村との協議の中で検討を深めていきたいと考えております。 ◆北村光一郎 委員  次に、この圏域における札幌市の役割についてお伺いいたします。  それぞれの事業のページを見ると、役割分担という項目があります。例えば、連携した企業誘致の推進ならば、札幌市の役割は、企業誘致動向調査の実施、企業誘致のための情報共有産業展示会共同出展企業立地補助実施等とあり、新産業の育成に向けた支援では、新製品、新技術開発等に対する補助や専門家チームの企業への派遣等とされております。また、共同プロモーション観光資源活用等の推進では、札幌市の役割と連携市町村の役割が同じであり、連携して事業に取り組んでいこうということが感じ取れます。  圏域における札幌市の人口や経済規模の占める割合を考えると、札幌市が中心となって圏域全体を引っ張っていくことがある程度以上に求められていると思います。一方で、連携する市町村の強みや特徴を生かしていかなければ、連携する意味合いが薄くなってしまうと考えます。幾つかの例を挙げましたが、全40事業を進めていくに当たり、札幌市が圏域に果たすべき役割や貢献といったものがこれで見えてくると思います。  そこで、質問ですが、圏域全体の発展に向け、連携中枢都市である札幌市として、これから実施する連携事業を通じてどのように圏域に貢献していこうと考えているのか、お伺いいたします。 ◎芝井 政策企画部長  札幌市としてどのようにこの圏域に貢献していくかということについてお答えいたします。  このたびのビジョン案では、この圏域を構成する市町村がそれぞれの特徴を生かしながら密接な連携と役割分担のもとで一致団結して圏域の発展を目指すこととしておりまして、札幌市は、連携中枢都市として中心的な役割を積極的に果たす必要があると認識しております。  このため、地方財政措置などを活用しながら、これまで札幌市が実施してきた企業立地や新製品、新技術などにかかわる支援制度の圏域への対象拡大や、札幌市の都市機能を高める事業などを行うことで、圏域全体の経済活動活性化や魅力、活力の向上を図っていく考えでございます。また、保育士不足や防災など、地域、圏域に共通する諸課題につきまして、札幌市が先導的にその解決に向けた協議、検討を行い、圏域全体の住民生活の向上を目指してまいります。  今後、ビジョンを推進していく中で、連携市町村ニーズや課題などを丁寧に把握した上で事業の運用や新規構築を行うなど、圏域の中心として圏域全体の発展に貢献してまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  さっぽろ連携中枢都市圏ビジョン(案)についてお伺いしたいと思います。  今回の連携中枢都市圏の形成については、既存の石狩管内で区切るのではなく、隣接地である小樽市や岩見沢市などを加え、より現実的に生活に結びついている地域同士の連携ということもあり、圏域のさまざまな資源の活用などを進められることについては、単なる運営の効率化だけでなく、産業や観光面の発展からも期待しているところです。  その具体的な取り組みについて、何点かお伺いしたいと思います。  まずは、公共施設相互利用や配置に関する検討についてです。  事業概要によると、斎場の広域利用やその他の公共施設相互利用などについて、今後の検討が進められる方針かと思います。とりわけ、私も小樽市政にかかわっておりましたので、隣接する都市の課題の幾つかはわかっているつもりですが、特に札幌を除いた中枢都市圏市町村においては、公共施設老朽化が極めて進んでいながら、一方で人口減少も著しく進んでいるため、公共施設をどの程度のサイズ感で更新すると自治体として維持できるのか、判断が難しくなってきているのが現状です。相互利用することでお互いの負担が減るケースというのは、間違いなく出てくるかと思います。  今回検討される斎場もそうですが、ごみ処理施設など、いわゆる一般的に迷惑施設と呼ばれる公共施設は、自治体境界線あたりに設置されるケースが多いことから、自治体間の相互利用がしやすい箇所にあることがほとんどだと思います。どうしても都市の規模を考えると、札幌市の施設を相互利用というケースが出てくるのかなと思いますが、札幌市民の負担がふえるような形ではなく、相互利用した両方の自治体メリットがあるような形を示してほしいと思います。  そこでまず、お伺いしますが、連携中枢都市圏市町村とどのような調査や協議をしていくのか、見解をお聞かせください。 ◎芝井 政策企画部長  公共施設相互利用や配置に関する検討につきましてお答えいたします。  圏域における自治体の厳しい財政状況や、今後の人口減少少子高齢化などにより公共施設利用需要が変化していく中で、施設の相互利用や配置について検討していくことは、質の高い行政サービスを継続していく上で大変重要であると認識しております。  公共施設相互利用などを検討するに当たっては、連携市町村ニーズや課題を丁寧に把握するとともに、札幌市と連携市町村にとってお互いにウイン・ウインの関係を目指す視点が必要だと考えております。新年度は、現在進めている札幌市における斎場などのあり方検討の中で、広域的利用の観点からの調査研究連携市町村との情報共有を行う予定でございます。そのほかの公共施設につきましても、施設の利用状況や更新時期などにかかわる情報交換を行いながら、相互利用や機能の集約化などの可能性について検討を進めていきたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  調査や協議の内容については、今お答えいただいたように、基本的には公共施設相互利用の検討がメーンになるかというふうに思っております。ただ、施設だけにとらわれない相互利用も考えられるかと思います。近年、各自治体どこでも除排雪の費用が上がってきており、ダンプでの排雪運搬費がその多くを占めている現状を考えると、雪堆積場相互利用作業用資機材の共用など、別な観点からの効率化も考えられると思います。  そこで、お伺いしますが、公共建造物以外での効率化についても検討する余地があるかと思いますけれども、どのように考えていくのか、見解をお聞かせ願えればと思います。 ◎芝井 政策企画部長  公共施設以外での効率化についてお答えいたします。  将来的に労働力や税収の減少が見込まれる中で、公共施設公共サービスを各自治体がフルセットで提供することが難しい時代の到来が予測されていることを踏まえまして、このたびのビジョン案におきましては、より効率的な行政運営に向けた取り組みを推進することとしております。そのため、公共施設以外の分野における取り組みも幅広く検討する必要があると認識しております。  例えば、ご質問にもありました雪堆積場につきましては、既に北広島市と石狩市との間において共同利用しておりまして、さらに、小樽市と連携の可否などについて協議することとしております。このほかにも広域連携による行政の効率化に向けた検討を進めてまいりますが、その際には、事務の共通化スケールメリットを生かした取り組みによる行政コストの削減はもちろん、行政サービス高度化に向けた視点も持ちながら検討を進めていきたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  小樽市銭函の端のほうは札幌市とかなり隣接していて、小樽市の市街地からは遠いのですが、札幌市の市街地からは近いというところで、場所等もありますので、各自治体の持っている資源は一体何があるのか、うまく共用できるのか、ぜひさまざまな検討をいただきたいと思います。  もう1点は、連携中枢都市圏医療体制についてお伺いしたいと思います。  こちらの課題は、逆に、集約することが必ずしもよいとは限らないのが現状です。各地域でそれぞれ医療体制を維持しつつも、必要な医療は連携中枢都市圏で連携して提供していくという形をとらなければなりません。特に救急や周産期医療については、札幌に一極集中してしまうと、医療現場疲弊化を招いてしまう要因となります。また、各地域で周産期医療が提供できなくなると、これは、単に産婦人科だけではなく、新生児を診ることがなくなることから小児科の衰退にもつながり、その地域の人口減少に拍車をかけていくこととなります。  市立札幌病院は、3次救急や総合周産期母子医療センターなどを担っており、連携中枢都市圏の中心的な存在であり、最終的には圏域における重篤なケースの受け皿となりますが、一方で、各地域において既存の医療体制をしっかり維持していくことも大切であります。両方の環境がともにそろって初めて連携がとれる状況となることから、今後、札幌と各自治体医療体制の向上を図りながら連携をとる必要があるのではないでしょうか。  そこで、お伺いしますが、さっぽろ連携中枢都市圏ビジョンにおける医療連携について、今後どのように連携事業を図っていくのか、見解をお聞かせ願えればと思います。 ◎芝井 政策企画部長  今後の医療連携についてお答えいたします。  地域医療のような住民の日常生活に欠かせないサービスにつきましては、それぞれお住まいの地域において安心して受けられることが重要だと認識しております。  一方、圏域内医療施設は札幌などの都市部に集中しておりまして、今後、高齢化人口減が進むことなどを勘案しますと、地域医療を取り巻く状況についてはさらに厳しさを増すものと推定しております。このため、来年度から、各自治体における持続可能な救急医療体制を整えることを目的に、圏域全体で協議する枠組みを設けるとともに、救急安心センターさっぽろのさらなる広域的利用に向けた取り組みを進めていく予定でございます。  今後、市町村医療ニーズや課題などを把握して、医療計画を所管する北海道とも協議しながら、圏域における連携の可能性について検討したいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  今お答えいただいたように、ソフトの部分での共用であったり、医療連携というのはさまざまな部分で可能かと思います。道の医療計画だと、どうしても石狩管内石狩管内、後志は後志、空知は空知という考え方で、札幌圏という形での医療連携の議論がなかなか大きくされてこなかったと思いますので、各地域や医師会を含めたさまざまな有識者から意見を聴取し、ぜひ連携が図られることを願いまして、質問を終わりたいと思います。 ◆福田浩太郎 委員  私からも、さっぽろ連携中枢都市圏ビジョン(案)に関して、2点お尋ねしたいと思います。  初めに、創業の促進について伺いたいと思います。  本ビジョンでは、目標人口の達成などに向けてさまざまな取り組みが盛り込まれておりますが、中でも圏域全体の経済成長の牽引に関する取り組みは、圏域の活力向上に直接的につながり得るものであると考えております。特に、創業の促進の取り組みについては、本ビジョン重点施策の中にも位置づけられておりますが、新たな価値の創造やイノベーションの誘発、新たな雇用の創出につながるなど、経済の活性化に向けて多くの可能性を秘めている取り組みであると考えております。  また、取り組みの結果、創業に関する成功事例がふえて、チャレンジングな風土が醸成されることにより、地域に魅力を感じる若い世代の地元定着やUターン、Iターンの促進、移住者の増加などの相乗効果も期待するところでございます。さらに、人口減少少子高齢化が急速に進む中にあって、高齢者の生活支援や孤立、孤独といった社会的な課題について、ビジネスの手法による解決がなされることなどにも期待したいというふうに思います。  本ビジョンの創業に関する具体的な取り組みにおいても、これまで札幌市で実施してきた創業志望者向けの講座を圏域全体に対象を拡大して実施することなどが盛り込まれております。このほか、人材育成取り組みの一つとして、健康医療・IT・経営分野の学生チームによる新たなビジネスプランを提案する取り組みも盛り込まれておりまして、圏域の学生の柔軟な発想が創業に生かされていくような挑戦的な取り組みにも大いに期待しているところでございます。  そこで、質問ですが、創業の促進について、圏域として積極的に取り組む意義をどのように考えているのか、お尋ねいたします。 ◎芝井 政策企画部長  創業の促進について、圏域として取り組む意義についてお答えいたします。  圏域経済の維持・発展に向けましては、企業誘致などによって域外から投資や人材を獲得するだけではなく、商品やサービスの生産性向上や高付加価値化を図ることが大変重要であると認識しております。その実現のためには、経済の新陳代謝を促して革新的な技術や発想を市場に持ち込むことが期待できる創業を促進していくことが、圏域として有効な取り組みであると考えております。この圏域には、農業や食料品製造業、観光業などの多様な産業が存在して、イノベーションの源泉とも言える大学などの研究機関も集積しておりますことから、創業を行う土壌としての優位性があり、札幌市単独の取り組みよりも創業の可能性が広がることが期待できるところでございます。  今後は、この圏域が有するメリットを最大限に生かしながら、創業の促進に力点を置いて取り組み、圏域経済のさらなる活性化につなげてまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  わかりました。  次に、二つ目といたしまして、観光施策についてお尋ねしたいと思います。  いただいた資料にもあるように、この圏域を訪れる観光客は年々増加しておりまして、特に外国人観光客は、人数も観光客全体に占める割合も急増しているところでございます。  札幌市を訪れる外国人観光客といえば、大規模施設や市内都心部に大型バスで訪れるアジア系の団体客の印象が強いですが、近年では、郊外の、ある意味、観光地ではない施設などにも外国人観光客の姿が散見されるようになってきております。私の地元の前田森林公園でも、冬期間に開放している歩くスキーコースに外国人観光客が個人で来られるケースがふえております。また、札幌市観光まちづくりプランにおきまして札幌市を訪れる国内観光客のニーズの多様化が示されているなど、地域の魅力を生かした、いわゆる着地型観光の取り組みがより重要になってきていると考えられます。  連携事業では、この圏域にあるさまざまな魅力的な観光資源の活用に向けた取り組みを行っていくということですが、その中においては、既に知名度のある観光地ばかりをアピールするのではなく、ローカルで潜在的な観光資源にも着目し、情報発信をしていくことが、今後の国内外の観光客のニーズに応え、ひいては、リピーターも含めたさらなる観光客の増加につながるのではないかと考えております。そのためには、例えば、小樽市と手稲区といった連携市町村とその近接する区を周遊するようなローカルな観光コースの作成や、地域の特色ある施設やレジャー等の情報を提供するようなアプリの開発などといった取り組みが有効と考えられるところでございます。  そこで、質問いたしますが、圏域内観光資源の活用に向け、今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。 ◎芝井 政策企画部長  圏域内観光資源の活用についてお答えいたします。  これまでの連携市町村との協議におきましては、道内屈指の観光入り込み客数を有する札幌や小樽からほかの市町村への周遊を促す仕組みの構築など、圏域内の観光消費の増大に向けた取り組みについて大きな期待が寄せられているところでございます。このような取り組み具体化に向けましては、ご質問にもありましたが、既に知名度のある観光スポットの積極的な活用はもとより、圏域内に眠っている観光資源を掘り起こし、圏域全体で共有しながら、観光客のニーズを捉えた活用方法を検討することが必要であると認識しております。  このため、来年度以降、圏域内の全市町村関係者で構成される協議会を設置して、観光客動向調査の結果なども踏まえながら、戦略的な情報発信やモデルコースの創設など、さらなる観光資源の活用に向けた取り組みを行ってまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  質問は終わりますが、こうした連携にぜひ期待いたしたいと思います。  先ほどの答弁にもありましたように、創業、また観光は、圏域で取り組むことで圏域のポテンシャルが高まるものだというふうに思います。また、市域の枠を超えて行うことで効果的に取り組めるものだとも思います。札幌市が中心となってしっかりと取り組んでいただきたいということを求めて、質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からは、さっぽろ連携中枢都市圏ビジョン(案)の本編の38ページの重点施策3住民の安全・安心が確保され、持続可能な行政サービスが提供できる圏域にのところに書かれていることで、何点か質問させていただきます。  まず、「将来的に、公共施設公共サービスなどを、フルセットで自治体ごとに提供することが難しい時代の到来が予測され」と書かれておりますが、フルセットで自治体ごとに公共サービスを提供することが難しくなるというのはどういうことなのか、あわせて、「今後の圏域の人口減少や少子高齢社会の進展に伴い」「労働力や自治体の税収の減少も見込まれる」と書かれておりますが、本市として、どうしてこういう実態、また状態になったと分析されているのか、伺います。 ◎芝井 政策企画部長  フルセットで提供することが難しくなる理由と、労働力や自治体の税収の減少が見込まれる理由についてお答えしたいと思います。  質問にもありましたが、今後、少子高齢化人口減少が本格化いたしまして、そのことが労働力あるいは税収の減少などをもたらすというふうに考えております。そうした中で、将来的に行政サービスを持続していくためには、市町村などの全ての基礎的自治体行政サービスをフルセットで備えることが難しくなるのではないかというふうに考えているところでございます。 ◆田中啓介 委員  最初の難しくなる理由というのは今お答えいただいたと思いますが、その次の質問は、要は、ここに書かれている人口減少または少子高齢社会の進展というのはどうして起きたのか、また、それに伴って労働力や自治体の税収の減少も見込まれることになった原因について、本市としてどういうふうに分析されているかということですけれども、改めて伺います。 ◎芝井 政策企画部長  失礼しました。  人口減少少子高齢化の理由と税収減少の理由などだと思います。  人口減少につきましては、未来創生プランの中でもお示ししておりますが、出生率が低くなっていることが一つの要因だと思っております。それにより、子どもが少なくなり、その反対に高齢化が進んでいくことにあわせて人口が減っていく、そういうサイクルになっているのではないかというふうに思います。  それから、税収の減につきましては、人口減少少子高齢化に伴って、税の主な担い手である生産年齢人口が減ることなどから税収の減につながるというふうに理解しております。 ◆田中啓介 委員  今、答弁のありました出生率の低下による少子、そして高齢化ということですが、では、何で少子高齢化が進んでいるのか。特に、どうして地方において人口減少が激しいかというと、北海道の場合だったら、輸入の自由化によって農林水産業がどんどん衰退してしまったこと、また大店法の廃止など、まさに国の政策が大きな要因だというふうに私どもは思っております。
     次に行きますが、市町村間での役割分担のあり方や、さらなる民間活力の活用などの検討を視野に入れていく必要があるというふうにも書かれております。この民間活力の活用についてですが、国では、2018年12月6日に水道事業民営化につながる改正水道法が可決、成立しております。また、旭川市では、住民票などの各種証明書の交付や国民健康保険の手続など市民と相対する19種類の窓口業務について、2019年12月にも民間委託する方針を明らかにしております。  そこで、質問ですが、本市として民間活力の活用とは具体的にどのようなことを想定されているのか、伺います。 ◎芝井 政策企画部長  ビジョンの中に民間活力の活用ということがありますが、これは、具体的なターゲットをこれだと特定しているわけではなく、一般的に、行政効率化などを図っていく上、あるいは、サービスの向上を図る上で民間活力の活用が必要であろうという視点から記載しているものでございます。 ◆田中啓介 委員  今、札幌市では、行政の効率化を進めている中で、指定管理者制度というのがあると思います。この指定管理者制度は、まさに民間に委託するということですが、これは、非正規雇用をどんどん進めて、官製ワーキングプアが一層拡大していき、また、それによって不安定雇用が拡大していくことにもつながっております。指定管理者制度は安定した雇用とはほど遠いものになってしまいますので、私どもは、民間活力の活用によって指定管理者制度をこれ以上広げるのではなく、むしろ縮減していくべきと思っておりますし、ぜひ、そのようなことは広めないようにしていただきたいと指摘しておきます。  次に、同じ市町村間での役割分担のあり方や公共施設相互利用などに係る検討で、より効率的な行政運営に向けた取り組みを進めるとしております。総務省連携中枢都市圏構想推進要綱で、地域において相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町村と連携し、コンパクト化、ネットワーク化するとしております。  そこで、質問ですが、さっぽろ連携中枢都市圏ビジョン(案)にある市町村間の役割分担のあり方、公共施設相互利用の検討というのは、具体的に、例えば地域の住民の生活に根差した介護福祉であったり区民センターのサロンとか教室などについて、本市としてはどのようにお考えなのか、伺います。 ◎芝井 政策企画部長  公共施設相互利用などの対象という質問かと思いますが、質問にもありました医療、福祉など住民の生活に密着したサービスにつきましては、お住まいの地域のそれぞれにおいて安心して受けられることが重要だと思っております。  冒頭の質問でもお答えしたように、現段階では、このビジョンの中で行政の効率化公共施設の関係について明確に具体化しているものはありませんが、今申し上げた視点を十分考えながら、市町村とも丁寧な議論をして慎重に検討していきたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  ぜひ、地域住民へのサービス低下につながるようなことは決してないようにしていただきたいと思います。  実際、平成の大合併のとき、あるいは、今、既に全国的に連携中枢都市圏が進められておりますが、そういう中で懸念されているのが周辺自治体公共施設公共サービスが縮小されていくことであり、これが住民サービスの低下にもつながっていきます。  また、先ほど民間活力の活用の部分でもちょっとお話しさせていただきましたが、民間事業者というのは、利用者が少ないような施設よりも、むしろ利用者が多いところに参入していきます。利用者が多い公共施設が民間活力の活用という名で民間に委託されることは、先ほど言ったように不安定雇用を生み出すことにもつながりますし、それが地域の人口減少や若者がどんどん流出していくことにもつながっていきますので、地域住民の福祉サービス行政サービスが決して低下していかないように求めておきます。  あわせて、総務省連携中枢都市圏構想推進要綱では、圏域全体の生活関連機能サービスの向上において、生活機能の強化に係る政策分野の中の福祉の分野では保育所で子育て家庭のニーズに応じた広域入所、また、教育・文化・スポーツの分野では小・中学校の区域外就学やスクールカウンセラー等の共同活用など、自治体を超えて広域での公共サービスを可能にすることも求めております。これらは、本書で書かれている圏域に住む人々の安全・安心が確保されるということよりも、むしろ、住民の福祉、また行政サービスの低下により一層つながっていく懸念があります。地方自治体という住民福祉の増進を図る機関として、後退する、また逆行することにもなりかねない極めて重大な問題を含んでいることを指摘して、質問を終わります。 ○林清治 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後1時48分...