地勢といたしましては、本圏域の面積は4,515平方キロメートルでありまして、
北海道全体の約5%を占めている状況です。
構成市町村の概況でございますが、小樽市は年間800万人超の観光客が訪れる
観光都市、
岩見沢市は米の
作付面積道内一位、江別市は大学や
研究機関が集積、千歳市は年間2,200万人超が訪れる空港を有するなど、この圏域の
市町村はそれぞれ異なる魅力や資源を有しているところでございます。
次に、人口でありますが、右の表にもございますように、2015年時点では約260万人である
圏域人口は、2040年時点では約235万人に減少すると推計されております。
次に、
産業構造と
都市機能の
集積状況でありますが、
圏域外から資金を稼げていないという課題がある一方で、
食品製造業や農業、観光といった強みのほか、大学、
工業団地などの集積に加えまして、空港や港といった交通の大きな拠点など、すぐれた
都市機能を有している圏域となってございます。
資料の右側に移りまして、2−2 圏域の中長期的な将来像でございます。
「住みたくなる」「投資したくなる」、「選ばれる」さっぽ
ろ圏域という将来像を掲げまして、各
市町村の持つ魅力をかけ合わせて、圏域に人、物、金、事を呼び込む
取り組みや、適切な
役割分担によるきめ細かな
住民サービスを提供することにより、多くの人が住みたくなる、この圏域に投資したくなる
事業者がふえていくなど、さまざまな面で選ばれる圏域となることを目指してまいります。
次に、将来像を実現するために特に力点を置いて取り組んでいく三つの
重点施策でございます。
重点施策1魅力・活力にあふれ、投資や人材を呼び込む圏域にといたしましては、
圏域外からの
資金獲得や起業などの
取り組みを位置づけてございます。
重点施策2将来を担う人材が豊富な圏域にといたしましては、
人口流出の抑制や
人材育成の
取り組みを位置づけてございます。
重点施策3住民の安全・安心が確保され、持続可能な
行政サービスが提供できる圏域にといたしましては、災害時の対応や
医療関係の
取り組みのほか、効率的な
行政運営に向けた
取り組みなどを位置づけてございます。
次に、
目標人口でありますが、2040年時点で圏域の人口240万人以上を確保することといたしました。この数値は、各
市町村で策定しております
人口ビジョンの目標値の合算値を勘案した数字としております。
次に、3 計画の体系であります。
総務省の要綱で示されている
経済成長の
けん引など三つの役割に具体的な
連携事業を位置づけております。圏域全体の
経済成長の
けん引では9事業、高次の
都市機能の集積・強化では6事業、圏域全体の
生活関連機能サービスの向上では25事業の合計40事業を
ビジョンに盛り込んでおります。また、札幌市の2019年度
予算案ベースでの
事業費規模は、トータルで40億7,000万円余としております。
なお、最終的に
ビジョンが確定して公表する際には、札幌市の
予算額に
構成市町村の
関連事業予算額も合算して掲載したいと考えております。
おめくりいただきまして、4
連携協約に基づき推進する
具体的取組であります。
ここでは、先ほど申し上げました全体40事業のうち、主な事業の22事業を抜粋して掲載しております。
まず、1の圏域全体の
経済成長の
けん引であります。
経済成長の牽引における
基本KPIは、
経済センサスの
活動調査における
圏域内民営事業所の売上額27兆9,000億円を、札幌市の
産業振興ビジョンの
考え方に即して、
目標年度の2023年には30兆円と設定いたしました。また、観光入り込み客数につきましては、3,700万人余を、過去のトレンドをもとにして2023年に4,400万人にすると設定しております。
主な事業といたしましては、連携した
企業誘致の推進として、
企業立地補助金の圏域への
対象拡大や、上から
三つ目にありますが、新産業の育成に向けた支援として、新製品などの開発にかかわる
補助金の対象を
圏域企業に拡大いたします。さらに、下から
二つ目になりますが、
共同プロモーションや
観光資源の
活用等の推進といたしまして、
ツーリズム連携など圏域の周遊を促進する
取り組みなどを進めてまいります。
次に、2の高次の
都市機能の集積・強化です。
基本KPIにつきましては、
JR札幌駅及び地下鉄さっぽろ駅の
乗降人員の増加といたしました。
主な事業といたしましては、上から
二つ目の札幌市都心部の再開発といった
取り組みのほか、社会や
企業等の
ニーズに対応できる人材の育成として、
地域課題と学生のマッチングにより
地域課題の解決策を検討する
取り組みなどを進めてまいります。さらに、その下の
公共施設の
相互利用や配置に関する検討として、斎場の
広域利用に関する検討などを行ってまいります。
右側に移りまして、3の圏域全体の
生活関連機能サービスの向上でございます。
KPIは、20歳から29歳人口の道外への
社会増減数について、2,805人の
転出超過を、さっぽ
ろ未来創生プランの
考え方に沿って2023年には半減の1,400人にすることを掲げてございます。
主な事業といたしましては、
救急医療の維持・向上に向けた
取り組みの推進といたしまして、
救急安心センターの広域的な活用を図るほか、中ほどになりますが、消防の
連携協力の推進といたしまして、
消防指令業務の
共同整備に向けた検討などを行ってまいります。さらに、
再生可能エネルギーの
圏域内導入拡大にかかわる検討や、その二つ下になりますが、
地元定着等の促進などに取り組んでまいります。
なお、これまで、
札幌広域圏組合におきまして
石狩管内の7
市町村とともに実施してきた事業につきまして、上から
二つ目の文化的な
教育活動の充実に向けた
取り組みの推進や、下から
三つ目の
圏域外からの
移住促進のように、引き続き圏域の事業として実施することとしてございます。
最後に、5 計画の
推進体制であります。
さっぽ
ろ連携中枢都市圏関係首長会議における協議や、さっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョン懇談会における
効果検証などを行いながら、この図の中ほどになりますが、さっぽ
ろ連携中枢都市圏実務者会議の中で事業の実施、
進捗管理や新たな
取り組みの企画、検討を行ってまいります。こうした
PDCAサイクルを通じて、さっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョンにつきまして、毎年度、所要の変更を行ってまいります。
資料の説明は以上となりますが、今後のスケジュールについて、若干補足させていただきます。
この
ビジョン案につきましては、本
委員会の報告後、2月4日から3月6日まで
パブリックコメントを実施する予定でございます。その後、その結果や
連携協約に係る各
市町村の議決の状況などを踏まえまして、3月中に策定、公表したいと考えております。
○
林清治 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
北村光一郎 委員 ただいま説明をいただきましたさっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョン(案)でございますが、この特色について、1点お伺いしたいと思います。
総務省が制定した
連携中枢都市圏構想推進要綱によりますと、その制定の背景として、今後の
人口減少の加速や急速な
高齢化により、人々が快適で安心して
暮らしていくための基礎が失われることや、
行政サービスの持続的な提供への懸念があるとされています。したがって、地域を
活性化し、経済を持続可能なものとし、国民が安心して快適な
暮らしを営んでいけるようにするためには、圏域の
中心都市が近隣の
市町村と連携し、
経済成長の
牽引等を行うことにより、一定の
圏域人口を有し、活力ある
社会経済を維持するための拠点を形成することが、
連携中枢都市圏構想の目的として示されているところであります。
これらの背景や目的を踏まえると、本構想に基づいて実施する
取り組みにおいては、大きく、地域の
活性化に資する
取り組みと住民の安心や快適な
暮らしに資する
行政サービスの提供という二つの軸が想定されており、
取り組みの範囲としては経済、福祉など行政の
役割全般に及ぶものであります。また、この両方の軸では持続的という共通のキーワードがつけられていることから、
行政運営としての
効率化や
集約化といったこともあわせて求められているものと考えます。
先ほど説明を受けたさっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョン(案)を見てみると、推進する
具体的取り組みとして、
経済分野の
取り組みから始まり、多岐にわたる分野において40の
連携事業が掲載されておりました。その中で、三つの
重点施策として力点を置いて取り組んでいく施策について記載されているものの、幅広く事業を計上しているため、いま一つ、この
ビジョンの特色が見えてこないところがあります。一方で、行政の
効率化や
集約化に資するような事業はどれかと探したところ、
公共施設の
相互利用や配置に関する検討、消防の
連携協力の推進など、
事業数としては余り多くなく、具体の検討まで至っていないようなものがあるようで、今後検討を要するものと考えます。
そこで、質問ですが、本
ビジョンの特色はどのようなところにあるのか、また、今後の
検討課題についてどのように考えているのか、あわせてお伺いいたします。
◎芝井
政策企画部長 この
ビジョンの特色と今後の
検討課題についてお答えいたします。
このたびの
ビジョン案の策定に当たりましては、
連携市町村と密接な協議を行いながら、その
ニーズや課題などを踏まえた上で、
総務省が示す三つの役割に沿って事業を構築いたしました。特に、この圏域の
域外収支が大きくマイナスであることを喫緊の課題として捉えまして、
圏域外から資金を稼ぐための
取り組みや、
圏域内での資金や産品の循環を生み出す
取り組みなどに意を用いたところでございます。このような
取り組みによりまして、一つの強い
経済圏域を形成することで、圏域の
活性化はもとより、
北海道全体の
活性化にも寄与するという視点を持っていることが本
ビジョンの特色であると考えているところでございます。
一方で、ご質問にありました行政の
効率化や
集約化に向けた
取り組みにつきましては、大変重要であるものの、住民の利便性の確保に関する検討などさまざまな課題がありまして、その
具体化には時間を要すると考えているところであり、今後、
連携市町村との協議の中で検討を深めていきたいと考えております。
◆
北村光一郎 委員 次に、この圏域における札幌市の役割についてお伺いいたします。
それぞれの事業のページを見ると、
役割分担という項目があります。例えば、連携した
企業誘致の推進ならば、札幌市の役割は、
企業誘致動向調査の実施、
企業誘致のための
情報共有、
産業展示会の
共同出展、
企業立地補助の
実施等とあり、新産業の育成に向けた支援では、新製品、新
技術開発等に対する補助や
専門家チームの企業への
派遣等とされております。また、
共同プロモーションや
観光資源の
活用等の推進では、札幌市の役割と
連携市町村の役割が同じであり、連携して事業に取り組んでいこうということが感じ取れます。
圏域における札幌市の人口や
経済規模の占める割合を考えると、札幌市が中心となって圏域全体を引っ張っていくことがある程度以上に求められていると思います。一方で、連携する
市町村の強みや特徴を生かしていかなければ、連携する意味合いが薄くなってしまうと考えます。幾つかの例を挙げましたが、全40事業を進めていくに当たり、札幌市が圏域に果たすべき役割や貢献といったものがこれで見えてくると思います。
そこで、質問ですが、圏域全体の発展に向け、
連携中枢都市である札幌市として、これから実施する
連携事業を通じてどのように圏域に貢献していこうと考えているのか、お伺いいたします。
◎芝井
政策企画部長 札幌市としてどのようにこの圏域に貢献していくかということについてお答えいたします。
このたびの
ビジョン案では、この圏域を構成する
市町村がそれぞれの特徴を生かしながら密接な連携と
役割分担のもとで一致団結して圏域の発展を目指すこととしておりまして、札幌市は、
連携中枢都市として中心的な役割を積極的に果たす必要があると認識しております。
このため、
地方財政措置などを活用しながら、これまで札幌市が実施してきた
企業立地や新製品、新技術などにかかわる
支援制度の圏域への
対象拡大や、札幌市の
都市機能を高める事業などを行うことで、圏域全体の
経済活動の
活性化や魅力、活力の向上を図っていく考えでございます。また、
保育士不足や防災など、地域、圏域に共通する諸課題につきまして、札幌市が先導的にその解決に向けた協議、検討を行い、圏域全体の
住民生活の向上を目指してまいります。
今後、
ビジョンを推進していく中で、
連携市町村の
ニーズや課題などを丁寧に把握した上で事業の運用や
新規構築を行うなど、圏域の中心として圏域全体の発展に貢献してまいりたいと考えております。
◆
成田祐樹 委員 さっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョン(案)についてお伺いしたいと思います。
今回の
連携中枢都市圏の形成については、既存の
石狩管内で区切るのではなく、隣接地である小樽市や
岩見沢市などを加え、より現実的に生活に結びついている
地域同士の連携ということもあり、圏域のさまざまな資源の活用などを進められることについては、単なる運営の
効率化だけでなく、産業や観光面の発展からも期待しているところです。
その具体的な
取り組みについて、何点かお伺いしたいと思います。
まずは、
公共施設の
相互利用や配置に関する検討についてです。
事業概要によると、斎場の
広域利用やその他の
公共施設の
相互利用などについて、今後の検討が進められる方針かと思います。とりわけ、私も
小樽市政にかかわっておりましたので、隣接する都市の課題の幾つかはわかっているつもりですが、特に札幌を除いた
中枢都市圏の
市町村においては、
公共施設の
老朽化が極めて進んでいながら、一方で
人口減少も著しく進んでいるため、
公共施設をどの程度の
サイズ感で更新すると
自治体として維持できるのか、判断が難しくなってきているのが現状です。
相互利用することでお互いの負担が減る
ケースというのは、間違いなく出てくるかと思います。
今回検討される斎場もそうですが、
ごみ処理施設など、いわゆる一般的に
迷惑施設と呼ばれる
公共施設は、
自治体の
境界線あたりに設置される
ケースが多いことから、
自治体間の
相互利用がしやすい箇所にあることがほとんどだと思います。どうしても都市の規模を考えると、札幌市の施設を
相互利用という
ケースが出てくるのかなと思いますが、
札幌市民の負担がふえるような形ではなく、
相互利用した両方の
自治体に
メリットがあるような形を示してほしいと思います。
そこでまず、お伺いしますが、
連携中枢都市圏の
市町村とどのような調査や協議をしていくのか、見解をお聞かせください。
◎芝井
政策企画部長 公共施設の
相互利用や配置に関する検討につきましてお答えいたします。
圏域における
自治体の厳しい
財政状況や、今後の
人口減少、
少子高齢化などにより
公共施設の
利用需要が変化していく中で、施設の
相互利用や配置について検討していくことは、質の高い
行政サービスを継続していく上で大変重要であると認識しております。
公共施設の
相互利用などを検討するに当たっては、
連携市町村の
ニーズや課題を丁寧に把握するとともに、札幌市と
連携市町村にとってお互いにウイン・ウインの関係を目指す視点が必要だと考えております。新年度は、現在進めている札幌市における斎場などの
あり方検討の中で、
広域的利用の観点からの
調査研究や
連携市町村との
情報共有を行う予定でございます。そのほかの
公共施設につきましても、施設の
利用状況や更新時期などにかかわる
情報交換を行いながら、
相互利用や機能の
集約化などの
可能性について検討を進めていきたいと考えております。
◆
成田祐樹 委員 調査や協議の内容については、今お答えいただいたように、基本的には
公共施設の
相互利用の検討がメーンになるかというふうに思っております。ただ、施設だけにとらわれない
相互利用も考えられるかと思います。近年、各
自治体どこでも
除排雪の費用が上がってきており、ダンプでの
排雪運搬費がその多くを占めている現状を考えると、
雪堆積場の
相互利用や
作業用資機材の共用など、別な観点からの
効率化も考えられると思います。
そこで、お伺いしますが、
公共建造物以外での
効率化についても検討する余地があるかと思いますけれども、どのように考えていくのか、見解をお聞かせ願えればと思います。
◎芝井
政策企画部長 公共施設以外での
効率化についてお答えいたします。
将来的に労働力や税収の減少が見込まれる中で、
公共施設や
公共サービスを各
自治体がフルセットで提供することが難しい時代の到来が予測されていることを踏まえまして、このたびの
ビジョン案におきましては、より効率的な
行政運営に向けた
取り組みを推進することとしております。そのため、
公共施設以外の分野における
取り組みも幅広く検討する必要があると認識しております。
例えば、ご質問にもありました
雪堆積場につきましては、既に北広島市と石狩市との間において共同利用しておりまして、さらに、小樽市と連携の可否などについて協議することとしております。このほかにも
広域連携による行政の
効率化に向けた検討を進めてまいりますが、その際には、事務の
共通化や
スケールメリットを生かした
取り組みによる
行政コストの削減はもちろん、
行政サービスの
高度化に向けた視点も持ちながら検討を進めていきたいと考えております。
◆
成田祐樹 委員 小樽市銭函の端のほうは札幌市とかなり隣接していて、小樽市の市街地からは遠いのですが、札幌市の市街地からは近いというところで、
場所等もありますので、各
自治体の持っている資源は一体何があるのか、うまく共用できるのか、ぜひさまざまな検討をいただきたいと思います。
もう1点は、
連携中枢都市圏の
医療体制についてお伺いしたいと思います。
こちらの課題は、逆に、集約することが必ずしもよいとは限らないのが現状です。各地域でそれぞれ
医療体制を維持しつつも、必要な医療は
連携中枢都市圏で連携して提供していくという形をとらなければなりません。特に救急や周産
期医療については、札幌に一極集中してしまうと、
医療現場の
疲弊化を招いてしまう要因となります。また、各地域で周産
期医療が提供できなくなると、これは、単に産婦人科だけではなく、新生児を診ることがなくなることから小児科の衰退にもつながり、その地域の
人口減少に拍車をかけていくこととなります。
市立札幌病院は、3次救急や総合周産
期母子医療センターなどを担っており、
連携中枢都市圏の中心的な存在であり、最終的には圏域における重篤な
ケースの受け皿となりますが、一方で、各地域において既存の
医療体制をしっかり維持していくことも大切であります。両方の環境がともにそろって初めて連携がとれる状況となることから、今後、札幌と各
自治体の
医療体制の向上を図りながら連携をとる必要があるのではないでしょうか。
そこで、お伺いしますが、さっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョンにおける
医療連携について、今後どのように
連携事業を図っていくのか、見解をお聞かせ願えればと思います。
◎芝井
政策企画部長 今後の
医療連携についてお答えいたします。
地域医療のような住民の
日常生活に欠かせない
サービスにつきましては、それぞれお住まいの地域において安心して受けられることが重要だと認識しております。
一方、
圏域内の
医療施設は札幌などの
都市部に集中しておりまして、今後、
高齢化や
人口減が進むことなどを勘案しますと、
地域医療を取り巻く状況についてはさらに厳しさを増すものと推定しております。このため、来年度から、各
自治体における持続可能な
救急医療体制を整えることを目的に、圏域全体で協議する枠組みを設けるとともに、
救急安心センターさっぽろのさらなる
広域的利用に向けた
取り組みを進めていく予定でございます。
今後、
市町村の
医療ニーズや課題などを把握して、
医療計画を所管する
北海道とも協議しながら、圏域における連携の
可能性について検討したいと考えております。
◆
成田祐樹 委員 今お答えいただいたように、ソフトの部分での共用であったり、
医療連携というのはさまざまな部分で可能かと思います。道の
医療計画だと、どうしても
石狩管内は
石狩管内、後志は後志、空知は空知という
考え方で、
札幌圏という形での
医療連携の議論がなかなか大きくされてこなかったと思いますので、各地域や
医師会を含めたさまざまな
有識者から意見を聴取し、ぜひ連携が図られることを願いまして、質問を終わりたいと思います。
◆
福田浩太郎 委員 私からも、さっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョン(案)に関して、2点お尋ねしたいと思います。
初めに、創業の促進について伺いたいと思います。
本
ビジョンでは、
目標人口の達成などに向けてさまざまな
取り組みが盛り込まれておりますが、中でも圏域全体の
経済成長の牽引に関する
取り組みは、圏域の
活力向上に直接的につながり得るものであると考えております。特に、創業の促進の
取り組みについては、本
ビジョンの
重点施策の中にも位置づけられておりますが、新たな価値の創造やイノベーションの誘発、新たな雇用の創出につながるなど、経済の
活性化に向けて多くの
可能性を秘めている
取り組みであると考えております。
また、
取り組みの結果、創業に関する成功事例がふえて、チャレンジングな風土が醸成されることにより、地域に魅力を感じる若い世代の地元定着やUターン、Iターンの促進、移住者の増加などの相乗効果も期待するところでございます。さらに、
人口減少、
少子高齢化が急速に進む中にあって、高齢者の生活支援や孤立、孤独といった社会的な課題について、ビジネスの手法による解決がなされることなどにも期待したいというふうに思います。
本
ビジョンの創業に関する具体的な
取り組みにおいても、これまで札幌市で実施してきた創業志望者向けの講座を圏域全体に対象を拡大して実施することなどが盛り込まれております。このほか、
人材育成の
取り組みの一つとして、健康医療・IT・経営分野の学生チームによる新たなビジネスプランを提案する
取り組みも盛り込まれておりまして、圏域の学生の柔軟な発想が創業に生かされていくような挑戦的な
取り組みにも大いに期待しているところでございます。
そこで、質問ですが、創業の促進について、圏域として積極的に取り組む意義をどのように考えているのか、お尋ねいたします。
◎芝井
政策企画部長 創業の促進について、圏域として取り組む意義についてお答えいたします。
圏域経済の維持・発展に向けましては、
企業誘致などによって域外から投資や人材を獲得するだけではなく、商品や
サービスの生産性向上や高付加価値化を図ることが大変重要であると認識しております。その実現のためには、経済の新陳代謝を促して革新的な技術や発想を市場に持ち込むことが期待できる創業を促進していくことが、圏域として有効な
取り組みであると考えております。この圏域には、農業や食料品製造業、観光業などの多様な産業が存在して、イノベーションの源泉とも言える大学などの
研究機関も集積しておりますことから、創業を行う土壌としての優位性があり、札幌市単独の
取り組みよりも創業の
可能性が広がることが期待できるところでございます。
今後は、この圏域が有する
メリットを最大限に生かしながら、創業の促進に力点を置いて
取り組み、圏域経済のさらなる
活性化につなげてまいりたいと考えております。
◆
福田浩太郎 委員 わかりました。
次に、
二つ目といたしまして、観光施策についてお尋ねしたいと思います。
いただいた資料にもあるように、この圏域を訪れる観光客は年々増加しておりまして、特に外国人観光客は、人数も観光客全体に占める割合も急増しているところでございます。
札幌市を訪れる外国人観光客といえば、大規模施設や市内都心部に大型バスで訪れるアジア系の団体客の印象が強いですが、近年では、郊外の、ある意味、観光地ではない施設などにも外国人観光客の姿が散見されるようになってきております。私の地元の前田森林公園でも、冬期間に開放している歩くスキーコースに外国人観光客が個人で来られる
ケースがふえております。また、札幌市観光
まちづくりプランにおきまして札幌市を訪れる国内観光客の
ニーズの多様化が示されているなど、地域の魅力を生かした、いわゆる着地型観光の
取り組みがより重要になってきていると考えられます。
連携事業では、この圏域にあるさまざまな魅力的な
観光資源の活用に向けた
取り組みを行っていくということですが、その中においては、既に知名度のある観光地ばかりをアピールするのではなく、ローカルで潜在的な
観光資源にも着目し、情報発信をしていくことが、今後の国内外の観光客の
ニーズに応え、ひいては、リピーターも含めたさらなる観光客の増加につながるのではないかと考えております。そのためには、例えば、小樽市と手稲区といった
連携市町村とその近接する区を周遊するようなローカルな観光コースの作成や、地域の特色ある施設やレジャー等の情報を提供するようなアプリの開発などといった
取り組みが有効と考えられるところでございます。
そこで、質問いたしますが、
圏域内の
観光資源の活用に向け、今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
◎芝井
政策企画部長 圏域内の
観光資源の活用についてお答えいたします。
これまでの
連携市町村との協議におきましては、道内屈指の観光入り込み客数を有する札幌や小樽からほかの
市町村への周遊を促す仕組みの構築など、
圏域内の観光消費の増大に向けた
取り組みについて大きな期待が寄せられているところでございます。このような
取り組みの
具体化に向けましては、ご質問にもありましたが、既に知名度のある観光スポットの積極的な活用はもとより、
圏域内に眠っている
観光資源を掘り起こし、圏域全体で共有しながら、観光客の
ニーズを捉えた活用方法を検討することが必要であると認識しております。
このため、来年度以降、
圏域内の全
市町村の
関係者で構成される協議会を設置して、観光客動向調査の結果なども踏まえながら、戦略的な情報発信やモデルコースの創設など、さらなる
観光資源の活用に向けた
取り組みを行ってまいりたいと考えております。
◆
福田浩太郎 委員 質問は終わりますが、こうした連携にぜひ期待いたしたいと思います。
先ほどの答弁にもありましたように、創業、また観光は、圏域で取り組むことで圏域のポテンシャルが高まるものだというふうに思います。また、市域の枠を超えて行うことで効果的に取り組めるものだとも思います。札幌市が中心となってしっかりと取り組んでいただきたいということを求めて、質問を終わります。
◆田中啓介 委員 私からは、さっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョン(案)の本編の38ページの
重点施策3住民の安全・安心が確保され、持続可能な
行政サービスが提供できる圏域にのところに書かれていることで、何点か質問させていただきます。
まず、「将来的に、
公共施設や
公共サービスなどを、フルセットで
自治体ごとに提供することが難しい時代の到来が予測され」と書かれておりますが、フルセットで
自治体ごとに
公共サービスを提供することが難しくなるというのはどういうことなのか、あわせて、「今後の圏域の
人口減少や少子高齢社会の進展に伴い」「労働力や
自治体の税収の減少も見込まれる」と書かれておりますが、本市として、どうしてこういう実態、また状態になったと分析されているのか、伺います。
◎芝井
政策企画部長 フルセットで提供することが難しくなる理由と、労働力や
自治体の税収の減少が見込まれる理由についてお答えしたいと思います。
質問にもありましたが、今後、
少子高齢化や
人口減少が本格化いたしまして、そのことが労働力あるいは税収の減少などをもたらすというふうに考えております。そうした中で、将来的に
行政サービスを持続していくためには、
市町村などの全ての基礎的
自治体が
行政サービスをフルセットで備えることが難しくなるのではないかというふうに考えているところでございます。
◆田中啓介 委員 最初の難しくなる理由というのは今お答えいただいたと思いますが、その次の質問は、要は、ここに書かれている
人口減少または少子高齢社会の進展というのはどうして起きたのか、また、それに伴って労働力や
自治体の税収の減少も見込まれることになった原因について、本市としてどういうふうに分析されているかということですけれども、改めて伺います。
◎芝井
政策企画部長 失礼しました。
人口減少や
少子高齢化の理由と税収減少の理由などだと思います。
人口減少につきましては、未来創生プランの中でもお示ししておりますが、出生率が低くなっていることが一つの要因だと思っております。それにより、子どもが少なくなり、その反対に
高齢化が進んでいくことにあわせて人口が減っていく、そういうサイクルになっているのではないかというふうに思います。
それから、税収の減につきましては、
人口減少、
少子高齢化に伴って、税の主な担い手である生産年齢人口が減ることなどから税収の減につながるというふうに理解しております。
◆田中啓介 委員 今、答弁のありました出生率の低下による少子、そして
高齢化ということですが、では、何で
少子高齢化が進んでいるのか。特に、どうして地方において
人口減少が激しいかというと、
北海道の場合だったら、輸入の自由化によって農林水産業がどんどん衰退してしまったこと、また大店法の廃止など、まさに国の政策が大きな要因だというふうに私どもは思っております。
次に行きますが、
市町村間での
役割分担のあり方や、さらなる民間活力の活用などの検討を視野に入れていく必要があるというふうにも書かれております。この民間活力の活用についてですが、国では、2018年12月6日に水道事業民営化につながる改正水道法が可決、成立しております。また、旭川市では、住民票などの各種証明書の交付や国民健康保険の手続など市民と相対する19種類の窓口業務について、2019年12月にも民間委託する方針を明らかにしております。
そこで、質問ですが、本市として民間活力の活用とは具体的にどのようなことを想定されているのか、伺います。
◎芝井
政策企画部長 ビジョンの中に民間活力の活用ということがありますが、これは、具体的なターゲットをこれだと特定しているわけではなく、一般的に、行政
効率化などを図っていく上、あるいは、
サービスの向上を図る上で民間活力の活用が必要であろうという視点から記載しているものでございます。
◆田中啓介 委員 今、札幌市では、行政の
効率化を進めている中で、指定管理者制度というのがあると思います。この指定管理者制度は、まさに民間に委託するということですが、これは、非正規雇用をどんどん進めて、官製ワーキングプアが一層拡大していき、また、それによって不安定雇用が拡大していくことにもつながっております。指定管理者制度は安定した雇用とはほど遠いものになってしまいますので、私どもは、民間活力の活用によって指定管理者制度をこれ以上広げるのではなく、むしろ縮減していくべきと思っておりますし、ぜひ、そのようなことは広めないようにしていただきたいと指摘しておきます。
次に、同じ
市町村間での
役割分担のあり方や
公共施設の
相互利用などに係る検討で、より効率的な
行政運営に向けた
取り組みを進めるとしております。
総務省の
連携中枢都市圏構想推進要綱で、地域において相当の規模と中核性を備える圏域の
中心都市が近隣の
市町村と連携し、コンパクト化、ネットワーク化するとしております。
そこで、質問ですが、さっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョン(案)にある
市町村間の
役割分担のあり方、
公共施設の
相互利用の検討というのは、具体的に、例えば地域の住民の生活に根差した介護福祉であったり区民センターのサロンとか教室などについて、本市としてはどのようにお考えなのか、伺います。
◎芝井
政策企画部長 公共施設の
相互利用などの対象という質問かと思いますが、質問にもありました医療、福祉など住民の生活に密着した
サービスにつきましては、お住まいの地域のそれぞれにおいて安心して受けられることが重要だと思っております。
冒頭の質問でもお答えしたように、現段階では、この
ビジョンの中で行政の
効率化や
公共施設の関係について明確に
具体化しているものはありませんが、今申し上げた視点を十分考えながら、
市町村とも丁寧な議論をして慎重に検討していきたいと考えております。
◆田中啓介 委員 ぜひ、地域住民への
サービス低下につながるようなことは決してないようにしていただきたいと思います。
実際、平成の大合併のとき、あるいは、今、既に全国的に
連携中枢都市圏が進められておりますが、そういう中で懸念されているのが周辺
自治体の
公共施設や
公共サービスが縮小されていくことであり、これが
住民サービスの低下にもつながっていきます。
また、先ほど民間活力の活用の部分でもちょっとお話しさせていただきましたが、民間
事業者というのは、利用者が少ないような施設よりも、むしろ利用者が多いところに参入していきます。利用者が多い
公共施設が民間活力の活用という名で民間に委託されることは、先ほど言ったように不安定雇用を生み出すことにもつながりますし、それが地域の
人口減少や若者がどんどん流出していくことにもつながっていきますので、地域住民の福祉
サービス、
行政サービスが決して低下していかないように求めておきます。
あわせて、
総務省の
連携中枢都市圏構想推進要綱では、圏域全体の
生活関連機能サービスの向上において、生活機能の強化に係る政策分野の中の福祉の分野では保育所で子育て家庭の
ニーズに応じた広域入所、また、教育・文化・スポーツの分野では小・中学校の区域外就学やスクールカウンセラー等の共同活用など、
自治体を超えて広域での
公共サービスを可能にすることも求めております。これらは、本書で書かれている圏域に住む人々の安全・安心が確保されるということよりも、むしろ、住民の福祉、また
行政サービスの低下により一層つながっていく懸念があります。地方
自治体という住民福祉の増進を図る機関として、後退する、また逆行することにもなりかねない極めて重大な問題を含んでいることを指摘して、質問を終わります。
○
林清治 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
林清治 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後1時48分...