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平成30年(常任)総務委員会−10月30日-記録

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  1. 札幌市議会 2018-10-30
    平成30年(常任)総務委員会−10月30日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成30年(常任)総務委員会−10月30日-記録平成30年(常任)総務委員会  札幌市議会総務委員会記録            平成30年10月30日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後0時58分       ―――――――――――――― ○林清治 委員長  ただいまから、総務委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  用途地域等全市見直しについてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎中田 都市計画担当局長  本日は、用途地域等全市見直しにつきましてご報告させていただきます。  札幌市の土地利用計画につきましては、都市計画マスタープランを踏まえて土地利用計画制度運用方針といったものを定めており、これに基づきまして用途地域等見直しを行っております。土地利用計画制度運用方針につきましては、平成30年1月に開催いたしました総務委員会におきまして見直しの素案をご説明し、その後、6月に改定、公表しております。  本日は、改定いたしました運用方針に基づく用途地域等全市見直しの素案につきましてご説明させていただくものでございます。  説明は担当の部長から行いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◎阿部 都市計画部長  資料は、A4判の資料1とA3判の資料2の2点ございます。  まず、A4判の資料1をごらんください。  資料上段の(1)見直し必要性をごらんください。  本市では、土地利用計画制度運用方針市街化調整区域の保全と活用の方針を定め、これらに即して土地利用計画等の決定、変更を行っております。  平成28年3月に第2次都市計画マスタープラン立地適正化計画を策定したことを踏まえ、用途地域等見直しが必要となりましたことから、平成29年より、都市計画審議会のもとに部会を設置して検討を進めてきたところでございます。  資料下段の(2)見直しのスケジュールをごらんください。
     平成30年6月に用途地域等見直し基本的考え方をまとめた土地利用計画制度運用方針を改定し、このたび、この方針に基づく用途地域等全市見直しの案をまとめましたので、その概要をご説明いたします。  また、今後は、11月15日に都市計画審議会への説明、年内にパブリックコメント説明会を実施する予定です。その後、都市計画変更にかかわる手続につきましては、平成31年7月の都市計画審議会への諮問を経て、最終的な変更告示は、平成31年8月を予定しているところでございます。  続きまして、用途地域等全市見直し内容をご説明いたします。  A3判の資料2をごらんください。  まず、1ページ目の住宅市街地拠点における対応でございます。  ページの左側は、集合型居住誘導区域及び地域交流拠点における対応でございます。  1−1 運用方針位置付けですが、集合型居住誘導区域では、今後、人口減少が予想される地域については、建物用途多様性を高め、居住地としての魅力の向上を図るため、用途地域住居系の種類の中で変更することによる建物用途制限緩和を検討することとしております。また、地域交流拠点では、地域交流拠点機能向上に向けて、徒歩圏における建物用途多様性を高めるため、用途地域住居系の種類の中で変更することによる建物用途制限緩和を検討することとしております。  続いて、1−2 変更区域(案)でございますが、図の中の赤線で囲んでいる部分が今回の変更区域でございます。  集合型居住誘導区域のうち、今後、人口減少が予想される地域地域交流拠点周辺においては、建物用途多様性を高めるため、第2種中高層住居専用地域を第1種住居地域変更します。また、都市機能誘導区域内の居住系用途地域につきましては、第2種住居地域変更いたします。  右のページに移りまして、持続可能な居住環境形成エリアにおける対応でございます。  2−1 運用方針位置付けですが、持続可能な居住環境形成エリアについては、近年の住宅規模傾向に応じた個別の建てかえも可能とするため、必要に応じて建蔽率緩和を検討することとしております。  続いて、2−2 変更区域(案)ですが、図の中の赤線で囲んでいる部分が今回の変更区域でございます。  持続可能な居住環境形成エリアにおきましては、近年の住宅規模傾向に応じた個別の建てかえも可能とするため、第1種低層住居専用地域建蔽率を40%から50%に緩和いたします。  続きまして、2ページ目は、工業地流通業務地における対応についてでございます。  ページの左側の1−1 運用方針位置付けでございますが、工業適地としての環境を維持・保全するため、特別用途地区の指定により工業系用途以外の用途制限を強化することなどを検討することとしております。  続いて、変更区域(案)ですが、図の中の赤線で囲んでいる部分が今回の変更区域でございます。  工業地流通業務地のうち、工業適地としての環境を有する区域につきましては、工業施設流通業務施設操業環境の保全を目的として、新たに第2種特別工業地区を指定します。図の濃い青い色で塗られている部分がその区域となります。また、大谷地流通業務地区のうち、流通業務市街地として整備する見込みのない区域につきましては、流通業務地区を廃止し、新たに第2種特別工業地区を指定いたします。  なお、流通業務地区を廃止する区域のうち、一部住宅地として概成している区域等につきましては、第2種職住共存地区を指定いたします。  右のページに移りまして、大谷地流通業務団地における対応でございます。  2−1 運用方針位置付けでございますが、大谷地流通業務団地につきましては、流通業務団地都市計画区域ごとに定めている土地利用制限等を見直すことを検討することとしております。  続いて、2−2 変更区域(案)ですが、図の中の赤線で囲んでいる部分変更区域でございます。  敷地ごとに定めている立地可能な流通業務施設につきまして、流通業務団地中核的施設であるトラックターミナルと鉄道の貨物駅以外の施設の区分を撤廃、統合し、図の青色の部分となりますが、新たに流通業務の用に供する施設の敷地として定めます。  最後に、3ページ目でございます。  3ページ目は、その他の用途地域等変更についてでございます。  道路の整備や土地利用状況変化から、変更が必要となった箇所を一覧で示しております。例えば、a 幹線道路沿道関連の(2)に該当する開発行為による区画道路整備が行われ、用途地域等の境界を当該区画道路の中心に変更するものが18カ所、b 土地利用動向関連の(2)に該当する準工業地域特別用途地区職住共存地区を指定している地区において、土地利用住居系へ移行し、用途地域を第1種住居地域変更するものが1カ所など、個別の土地利用動向等対応して必要な変更を行うものでございます。 ○林清治 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆北村光一郎 委員  ただいま説明をいただきました用途地域変更について、私からは、1点、非工業用途に対する制限強化が図られている区域について質問したいと思います。  これまで議会においても重ねて主張してきているとおり、我が党としては、企業の市外移転を防止することが重要な課題であると認識しています。先ほどの説明によれば、工業地流通業務地における対応として、工業適地としての環境を維持・保全するため、新たに第2種特別工業地区を指定し、工業系用途以外の用途制限を強化するとのことであります。市内に種地を確保するための施策と認識しており、我が党としても、今回の施策の方向性については理解するところです。また、具体的な区域については、先ほどの説明によれば、工業適地としての環境を有する区域のうち、現に非工業用途に対する制限強化が図られている区域は除いて指定するとのことでありました。  そこで、質問ですが、現に非工業用途に対する制限強化が図られている区域には、どのようなところがあり、また、どのような制限をかけているのか、お伺いいたします。 ◎阿部 都市計画部長  ただいまの非工業用途に対する制限強化が図られている区域及び制限についてお答えいたします。  まず、区域につきましては、例えば発寒鉄工団地手稲工業団地など専用工業団地として造成された地区などのうち、工業専用地域特別工業地区などに指定しているところが該当いたします。また、工業専用地域等を指定しているところでは、工業地としての利便を増進するため、住宅や学校、病院といった工業系以外の施設立地制限されているところです。 ◆北村光一郎 委員  ただいまの答弁により、現に非工業用途に対する制限強化が図られている区域については理解いたしました。  一方で、昨年度、経済観光局市内企業2,000社を対象に行ったアンケート調査によれば、回答のあった1,153社のうち、中長期的なものも含めると、156社が新増設や移転の計画を有していることがわかりました。また、近年、市内の食品製造業が適地を確保することができず、北広島市などの近隣市に新たな製造拠点を求める事例が見られました。既に市内の多くの工場や倉庫は老朽化し、建てかえの時期を迎えており、新たな市外移転の発生も懸念されるところです。  そこで、質問ですが、今回の見直し工業系用地の確保にどの程度寄与するのか、お伺いいたします。 ◎阿部 都市計画部長  今回の見直しによる効果についてお答えいたします。  先ほど答弁いたしました工業専用地域などを指定している地区面積は約325ヘクタールとなっております。これに加えて、今回、米里地区北丘珠地区など工場や倉庫などが集積している10地区面積にしますと約417ヘクタールを対象にして、新たな特別用途地区である第2種特別工業地区を指定するものでございます。これらの地区におきましては、工業地としての継続的な土地利用が図られることから、企業の建てかえ需要等に中長期的に応えることができるものと考えております。 ◆北村光一郎 委員  本日の説明市街化区域内における対応でありますが、市街化調整区域土地利用についても、先般、市街化調整区域の保全と活用の方針の素案が示され、さきの総務委員会において、私から、流通業務施設立地指定路線見直しに関連して、許可対象施設の拡充についてただしたところであります。  工場が市外に移転すると、それまで働いていた従業員雇用機会が失われるとともに、周辺地域経済の停滞や税収面への影響なども考えられ、本市にとっては大きなマイナスになると思います。市街化調整区域における検討とあわせて、市街化区域内における工業地確保を適切に図ることで、札幌市全体で工業流通業務機能が維持され、雇用機会や税収の確保にも結びつくことから、関係部局とも連携しながら着実に対応するよう要望し、質問を終わります。 ◆成田祐樹 委員  私からは、集合型居住誘導区域地域交流拠点における対応についてお伺いしたいと思います。  最初に、用途地域変更による制限内容の違いについてですが、先ほどの資料説明において、今回の用途地域等見直しでは、集合型居住誘導区域地域交流拠点周辺について、建物用途多様性を高めるために用途地域変更を行うとのことでした。時代の流れで、地域における事情もそれぞれ変化をしてきているので、今回のような用途地域変更を行うことについては理解するものであります。  とりわけ、建物用途多様性を高める趣旨については、ことし1月に行われた総務委員会における市の答弁の中で、多くの人が集まる拠点周辺交通利便性の高い地下鉄沿線において、マンションなどの居住機能に加え、店舗や病院などの日常生活を支える機能や事務所などの業務機能を誘導することで、地域にぎわいが生まれ、まちの魅力が高まる効果が期待されるとの回答があったかと思います。それらのお答えをいただいたことに対しての動きかと思うのですが、本日示された具体的な用途地域変更案として、集合型居住誘導区域のうち、今後の人口減少が予測される地域においては、拠点周辺の第2種中高層住居専用地域を第1種住居地域へ、都市機能誘導区域内においては、住居系用途地域を第2種住居地域へという内容でそれぞれ変更が示されました。形としては規制緩和がなされたと受けとめておりますが、突如、大きく緩和されたというものではなく、市として考えている用途変更の意図、方向性があったかと思われます。  そこで、お伺いしますが、今回の用途地域変更によって具体的にどのように制限内容が変わるのか、見解をお聞かせいただければと思います。 ◎阿部 都市計画部長  ただいまの用途地域変更による制限内容の違いに関してのお答えでございます。  今回の変更によりまして、宿泊施設遊技施設などが建築可能となるほか、店舗や事務所などの面積制限緩和されます。具体的には、店舗の面積制限といたしましては、第2種中高層住居専用地域が1,500平方メートルまでであるのに対して、第1種住居地域では3,000平方メートルまで、第2種住居地域では1万平方メートルまで許容されるものでございます。また、事務所につきましては、第2種中高層住居専用地域が1,500平方メートルまでであるのに対して、第1種住居地域では3,000平方メートルまで、第2種住居地域ではそれ以上の規模も許容されることになっております。  この緩和によりまして、例えばオフィスビルビジネスホテルなどが立地することで人の往来がふえ、これに伴い、店舗や飲食店などについても立地の期待が高まるものでございます。このように、現在よりも多くの種類の建物用途が建築可能となることによりまして、さまざまな施設立地を促し、地域にぎわいにつながるものと考えております。 ◆成田祐樹 委員  用途地域変更による制限の違いについてご説明いただきましたが、住居系用途地域の中でも、より多種類の施設が建築可能な用途地域変更することで、建物用途多様性を高めることにつなげたいという意図があることについては、地域活性化にもつながることから前向きに受けとめられると思っております。  ただ、この用途変更について問題点として考えなければならないのは、多くの建物用途が出てくることや、特に、現在よりも大きな店舗や事務所が建築可能となることで、近隣道路違法駐車や渋滞、騒音など住環境への影響が生じる可能性が出てきます。  今回指定された地域を見ていると、駅近くの幹線道路沿いの裏手といいますか、駐車場などが多くて、利便性が高い割に余り活用されていない地域もあるという印象で、全部が全部、住環境に影響を及ぼすところでもないと思いますが、とはいえ、住まわれている方がいないわけではないので、やはり影響が出る可能性については地域住民のご理解をいただく必要があるのかなと思っております。  そこで、質問ですが、今回の用途地域変更に当たって、住環境に関してはどのような配慮をしているのか、お伺いしたいと思います。 ◎阿部 都市計画部長  ただいまの住環境への配慮についてお答えいたします。  委員がご指摘のとおり、住宅地における用途地域変更に当たりましては、周辺住環境に対する配慮も重要であることは認識しております。そのため、今回の見直しでは、住居系用途地域の種類の中で変更を行うことにより、建物用途制限緩和する一方で、容積率や高さに関する制限は現状から変えないことといたしました。さらに、用途地域変更範囲につきましても、住環境が過度に損なわれないよう、主要な地下鉄駅など地域交流拠点周辺に限定することとしました。多くの人が集まる拠点周辺におきまして、優先的に建物用途多様性を高めることで、住環境に配慮しつつ、より効果的に地域にぎわいを生み出し、まちの魅力向上につながるものと考えております。 ◆成田祐樹 委員  今回の用途地域変更に当たっては、住環境への一定の配慮がなされていることは、今、ご回答いただきました。しかし、やはり、市民の中には現在の制限内容自体を把握していない方も一定程度いると思われますので、用途地域変更に当たっては、市民の十分な理解を得ることが必要だと考えます。  また、用途地域変更を実施するということは、特に土地を所有する市民の財産権に直結する問題でもあり、不動産価値が上昇するといううれしい点と、それに比例して固定資産税が上がることで、市はうれしくても、所有者が憂鬱になるという背中合わせの話も出てくるかと思いますので、今後の市民周知に当たっては、パブリックコメントの実施にあわせ、できるだけ多くの周知機会を設けて丁寧な説明をしていただくことを求めて、質問を終えます。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、持続可能な居住環境形成エリアにおける対応について質問したいと思います。  札幌市が平成28年3月に策定した札幌市立地適正化計画によりますと、郊外住宅地においては、今後、20年の間は、人口密度はおおむね維持され、居住地としての需要は一定程度存在するものの、開発時期の古い地域の一部では、近い将来、人口減少のスピードが速まることが想定されるとのことです。そこで、札幌市では、独自の区域として持続可能な居住環境形成エリアを設定し、今後も、生活利便性交通利便性を確保しつつ、持続的な地域コミュニティー形成を目指すとしております。  また、今回の具体的な変更案といたしまして、持続可能な居住環境形成エリアにおいては、第1種低層住居専用地域建蔽率を40%から50%に緩和するということです。  そこで、質問ですが、持続可能な居住環境形成エリアにおいて建蔽率緩和を行うことでどのような効果があるのか、お尋ねいたします。 ◎阿部 都市計画部長  ただいまの建蔽率緩和による効果についてお答えいたします。  専用住宅のうち、築30年以上の割合を見てみますと、持続可能な居住環境形成エリアでは51%、郊外住宅地全体では42%を占めており、比較しますと9ポイント高いのが現状となっております。このことから、持続可能な居住環境形成エリアにおける専用住宅は、郊外住宅地の中でも老朽化が進行しており、更新時期に差しかかっている状況であると認識しております。  一方で、近年の住宅ニーズにつきましては、敷地面積縮小傾向にあるものの、建築面積及び延べ床面積増大傾向にあり、第1種低層住居専用地域指定建蔽率が40%の場合、住宅ニーズに見合った規模住宅を建築することが難しい状況になっております。今回の建蔽率緩和によりまして、近年の住宅ニーズ対応するとともに、玄関や廊下などの幅を広く確保するといったバリアフリー住宅平家住宅などがこれまでよりも建てやすくなることから、専用住宅の建てかえが促進されるといった効果が期待できるものと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  ただいまの答弁によりますと、このエリア老朽化が幾分進んでいることで、建蔽率緩和することによって住宅の建てかえを促進し、ニーズに合った住宅に建てかえられるようになることを期待しているということでした。  そこで、もう1点お尋ねしますが、土地利用計画制度運用方針によると、持続可能な居住環境形成エリアについては、郊外住宅地としての環境を維持しつつ、近年の住宅規模傾向に応じた個別の建てかえも可能とするという答弁でした。ただ、そういうことを可能としますが、容積率最低敷地面積、そして壁面後退距離などの制限は維持した上で、必要に応じて建蔽率緩和を検討するということでございます。持続可能な居住環境形成エリアでは、人口減少が進む中においても、持続的な地域コミュニティー形成して居住環境を維持していく必要があると考えておりますが、近年の住宅規模傾向対応するためには、果たして建蔽率緩和のみでよいのかということも気になるところです。  そこで、質問ですが、なぜ、持続可能な居住環境形成エリアにおいて、建蔽率以外の土地利用制限は維持した上で建蔽率緩和を検討することとしたのか、お尋ねいたします。 ◎阿部 都市計画部長  なぜ建蔽率以外の制限は維持した上で建蔽率緩和することにしたのかというご質問についてお答えいたします。  制限のうち、容積率につきましては、平成18年の用途地域等全市見直しにおいて、当時の2世帯住宅等住宅ニーズを踏まえ、第1種低層住居専用地域指定容積率が60%となっていた区域の全域につきまして、これを80%に緩和してきた経緯があります。  今回の見直しでは、専用住宅に関する現状や最近のニーズを踏まえて建蔽率緩和するものですが、戸建て住宅を主体とする低層住宅地住環境を保護する観点から、容積率のほか、最低敷地面積壁面後退距離などの土地利用制限を維持することとしたものでございます。 ◆福田浩太郎 委員  容積率についてはこれまでも見直しをしてきていること、また、今回の持続可能な居住環境形成エリアについては、近年の住宅ニーズを踏まえつつも、戸建て住宅を主体とする低層住宅地住環境を保護するために建蔽率以外の土地利用制限はそのままにするということは理解いたしました。このエリアについては、戸建て住宅を主体とした住宅地ですから、今後とも、良好な居住環境の維持に努めることを基本に、取り組みを展開していただきたいと思います。  また、持続可能な居住環境形成エリアは、地域ごと人口動態が異なり、各地域が抱える課題多様化しております。地域特有課題も見きわめながら、さまざまな分野を横断した総合的な取り組みが求められていると思います。そのために、必要に応じて部局を超えて連携して地域ごと課題対応していただきたいということをお願いして、質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からも、何点か質問いたします。  かつて、用途地域の整備は、人口増に伴って、災害対策居住環境に配慮するよりも、住宅業務施設などの需要の拡大に対する量的対応を図ることが中心的な課題でした。その後、人口の増加が緩やかになるとともに、少子高齢化の進展や人々のライフスタイルの多様化など、都市を取り巻く状況が変化してきて、それに伴って用途地域の指定の見直しなども行われてきております。  さらに、全国的な人口減少少子高齢化のもとに、それに対応することがまちづくりの大きな課題として、2014年、都市再生特別措置法が改正され、コンパクトなまちづくりに取り組むためとして市町村が立地適正化計画を策定できるようになり、本市においては、先ほどの説明にもありましたが、2016年の第2次札幌都市計画マスタープラン札幌市立地適正化計画を策定しております。  今回の用途地域等全市見直しはそれらに即して行われるとのことですが、まず、集合型居住誘導区域内で、人口減少が予測される地域において、建物用途多様性を高めるために、第2種中高層住居専用地域から第1種住居地域変更するとしています。先ほどの報告でもありましたが、これによって、規制されていたホテルや旅館、遊技施設、より床面積の広い店舗、事務所は1,500平米から3,000平米へと2倍の規模に、また、今までは2階建てが限度だったものが3階以上も可能となってきております。  そこで、質問いたしますが、第2種中高層住居専用地域を第1種住居地域規制緩和する変更の根拠は何か、伺います。 ◎阿部 都市計画部長  ただいまの第2種中高層住居地域を第1種住居地域変更する理由についてお答えいたします。  まず、この用途地域変更する理由といたしまして、本市の今後20年間の人口推計によりますと、地下鉄周辺において人口増加が著しい地域がある一方で、小幅ながら人口減少する地域が存在しております。これらの人口増加が予測される地域と減少が予測される地域土地利用の状況を比較いたしますと、増加地域減少地域と比べて住宅以外の建物用途の割合が高い状況でした。住宅以外の建物用途の割合が高くなると、地域にぎわいを生み出し、居住地としての魅力向上につながると考えられます。そのため、今回の見直しにおきましては、建物用途多様性を高めることが人口減少の抑制にも結びつくものと考え、用途地域変更することといたしました。  また、第2種中高層住居地域を第1種住居地域変更することにより、先ほど申しましたとおり、建物用途が広がることとなり、そうしたことでさまざまな施設立地を促し、地域にぎわいにつながることが考えられるところでございます。 ◆田中啓介 委員  報告でも、また今の答弁でも、人口減少が予想されている地域だから地域にぎわいを生み出すために多様なものをということでした。  しかし、先ほど成田委員からも懸念としてありましたが、ホテルとか旅館、遊技施設が新たにできることによって居住環境が変化し、今住んでいる方々のコミュニティーに対する影響が一つ出てくるのではないでしょうか。加えて、規模の大きな店舗や事業所、娯楽施設などの進出によって、今現在、営業している商店などへの影響もまた懸念されると思います。  次に、今、集合型居住誘導区域外の一般住宅地郊外住宅地で、生鮮食品などの買い物が困難になっている地域がございます。私の地元の西区でも、西野や福井などの地域では、数年前にはスーパーなどがありまして、この地域に住んでいる人は歩いて食材などを買うことができました。しかし、そのスーパーが撤退したことによって、この地域の人は、今、車がないと買い物をすることができなくなっています。  今回の見直しは、集合型居住誘導区域地域交流拠点へ誘導することが目的になっていると思いますが、これによって、一般住宅郊外住宅地にあるスーパーなどの店舗が駅周辺などに移転してしまうのではないか、歩いて買い物ができなくなるなど、いわゆる買い物難民がふえる懸念はないのか、伺います。 ◎阿部 都市計画部長  ただいまの郊外住宅地生活利便性の低下に関してお答えいたします。  郊外住宅地生活利便性の確保という面につきましては、平成24年の用途地域等全市見直しにおきまして、郊外住宅地の幹線道路沿道等において日常生活に必要な店舗等の立地が可能となるよう、用途地域変更しているところでございます。  また、今回の見直しでも、持続可能な居住環境形成エリアにおける専用住宅が更新時期に差しかかっている状況がありますので、それを踏まえるとともに、建築面積増大傾向にあるといった近年の住宅ニーズ対応するため、建蔽率緩和を行うこととしているところでございます。これによりまして、専用住宅の建てかえが促進される効果が期待でき、また、郊外住宅地への多様な世代の流入につながるものと考えるところでございます。これら双方の見直しによりまして、日用品販売等店舗などの立地が促され、郊外住宅地生活利便性の維持に寄与することが期待できるものと考えております。  また、先ほどの質問にございましたとおり、買い物難民ということについては、ただいまお話ししたとおり、都市計画部門といたしましては、今後、将来を見据えた中で施策を積極的に打ち出してきている状況でございます。そうした中でも、買い物弱者問題につきましては、さまざまな要因から生じる事象であると考えられることから、土地利用計画制度の運用のみではなかなか解決しづらいものではないかと考えておりまして、そういった課題に対しては、今後、さまざまな方策と連携しながら総合的な取り組みを進めていくことが重要ではないかと考えております。 ◆田中啓介 委員  買い物難民については、確かに、まちづくり政策局だけでは解決できないこともわかりますし、複雑な問題があると言われておりますので、そこは、全市的に、市民が日常生活において不便にならないようにしていただきたいと思います。やはり、規制緩和をすることに伴って、住民、市民の利便性が逆に低下しているという実態があります。かつて、大店立地法による規制緩和が行われたことによって、全国各地で大型資本の郊外出店が活発化し、既存の商店街がシャッター通り化するというケースが広がりました。これらの商店街のシャッター通り化は、地元の経済の縮小をもたらすだけでなく、徒歩生活圏における消費生活が困難になります。先ほど買い物難民には幾つかの要因があると言っていましたが、その要因の一つとして大店立地法が緩和されたことが影響しており、まさに買い物難民を生み出したと言われております。今回の規制緩和でも、新たに市民、住民の生活基盤が奪われる懸念があるのではないかと指摘しておきます。  次に、同じ資料2の1−2の変更区域(案)の都市機能誘導区域内の住居系用途地域については、第2種住居地域変更するとあります。  先ほど質疑の中でもありましたが、この第2種住居地域変更することで、3,000平米までだった店舗や事務所が1万平米規模のものに、さらに、今規制されているカラオケボックス、麻雀店、パチンコ店、馬券・車券販売所なども1万平米までのものが新たに建てられるようになります。  そこで、質問ですが、この用途地域変更見直しについて、地域住民への情報提供、合意形成をどのようにしていくおつもりか、伺います。 ◎阿部 都市計画部長  市民への情報提供についてお答えいたします。  今回の見直しに当たりましては、まず、用途地域等の運用の考え方と検討事項を示した土地利用計画制度運用方針を本年6月に改定したところでございます。その改定に当たりましては、パブリックコメントを実施しており、今回の見直し方向性は市民意見を反映したものと考えております。  また、今回の具体の用途地域変更案につきましても、今後、パブリックコメントや各区での説明会を実施する予定でございますが、その際には、用途地域ごとの建築制限などをできるだけわかりやすく表現したパンフレットを用意するなどして、市民理解を得るための工夫に努めてまいりたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  用途地域変更する、また、まちづくりを進めていく上では、十分な情報提供と住民との合意を図っていくことが絶対に必要だということを述べておきます。  日常的な生活で行動する範囲を生活圏と言われますが、学校、保育所、幼稚園などの教育・子育て施設、介護関係施設、障がい者施設、文化・スポーツ施設などの公共施設と医療機関、商業施設などが生活圏に整備されていることが本当に重要だと言われております。また、これは、おおむね小学校区とも重なってまいります。これがコミュニティーの基礎単位となって地域形成されており、このことを中心に考えたまちづくりを進めていくべきです。しかし、都市機能誘導区域集合型居住誘導区域は、全てJRや地下鉄駅を中心にしています。生活圏である小学校区との関係を全く考慮されていないことを指摘して、質問を終わります。 ○林清治 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○林清治 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後1時39分...