委 員 村 上 ひとし 委 員 平 岡 大 介
委 員 松 浦 忠 委 員 石 川 佐和子
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開 議 午後1時
――――――――――――――
○よ
こやま峰子 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
それでは、議事に入ります。
本日は、本委員会に付託されました議案7件に対する討論及び採決を行います。
最初に、議案7件を一括議題とし、討論を行います。
◆村山拓司 委員 私は、
自由民主党議員会を代表し、第二部
決算特別委員会に付託されました平成29年度の各
会計歳入歳出決算認定の件及び各
事業会計決算認定の件について、これを認定する立場で、簡潔に討論を行います。
まず最初に、先月の台風と
胆振東部地震という連続で発生した大きな災害を踏まえた
都市災害への対応についてであります。
特に、先月発生しました
胆振東部地震では、速報値でありますが、市内で1名の方が亡くなられ、300名近い方々が負傷されました。
ここに、改めて、お悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、被災された方々の一日も早い回復と復興を願うところであります。
被害状況は、相当数の建物被害を初め、道路の亀裂、陥没や断水、さらに、全道一斉の停電、ブラックアウトにより
交通機関等が全面停止となったことから、物流の混乱を招き、水、食料を初め、
災害対策物資品等が不足するなど、本市としてこれまでに経験をしたことがない災害に見舞われました。その影響は、特に清田区の
里塚地区等における液状化により道路の陥没と住宅の損壊、傾きが激しく、ふだんどおりの
市民生活が全くできない現状が今も続いているところであります。
市は、地震発生直後から、被災者のための避難場所の設置や水、食料等の
備蓄物資の提供を行うなど、
災害初期段階の対応を積極的に行うとともに、幹線道路の陥没等に対し、応急的な
災害復旧を講じており、議会においても、災害からの早急な復旧、復興を図るため、2度にわたり総額約189億7,000万円の補正予算を可決したことは、一定の評価をするところであります。
また、これまで、安倍首相を初め、多くの大臣等が災害状況の視察に訪れ、市として、積極的に被災実態を訴え、議会としても、
激甚災害の指定を求める意見書を可決し、国へ提出するとともに、我が会派も積極的な要望活動を行い、その結果、早期に
激甚災害の指定を受けたところであり、今後も、
災害復旧等に伴う財源確保に向け、さらなる
取り組みが望まれます。
今回、被害の激しい地区においては、今後の生活に不安を感じている方々が多く、その対策が求められておりましたが、本議会の中で、宅地と道路を一体的に土砂流出の再発を防ぐ
液状化対策に取り組むことが決定し、さらに、観光の風評被害に対しては、メディアやSNSを活用した
取り組みを行うとともに、
観光産業の早期回復を図るため、復興割などの
取り組みを
観光関連事業者とともに講じるとのことであり、今後も、積極的な対策について、
地域住民や
関係機関と連携し、推進すべきと強く指摘します。
我が会派は、本定例会の代表質問及び
委員会質疑において、今回の
地震災害等による
災害復旧について迅速な回復を図るとともに、避難を余儀なくされた方々への支援について、精神的不安の解消に向けて
スピード感を持って対応すべきと訴えております。
特に、今回の災害を教訓として、避難所の環境改善と
備蓄物資を見直し、停電対策への具体的な検討、震災を踏まえた札幌市
強靱化計画の改定、
地震被害における公費撤去の
支援制度の拡充、災害時における
観光客対策の強化、被害を受けた商店街や
農業生産者への支援、高齢者の入所施設や
保育所通園に対する
継続的支援、消防団員を活用した
地域防災力の充実、
ブロック塀等の倒壊を防止することによる
子どもたちへの安全対策など、
災害発生時の各種施策の充実について、被害を受けられた方々の目線に立って検討を行い、今後も、札幌での生活に支障がなく住み続けたいと思える対策を講じるよう強く求めてきたところであり、関係する部局が連携を図り、積極的に対応することを望むものであります。
次に、平成29年度の決算内容についてでありますが、
一般会計における補正後の最終予算において1兆円の大台に達し、決算における執行率も94.3%、決算額9,693億円に達したところであり、また、歳入における市税収入において20年ぶりに2,900億円台に回復するなど、積極的な
財政運営と歳入確保については評価する一方、今回の災害の影響は、今後の札幌市の経済、とりわけ本市の基軸である
観光産業や企業の立地促進及び雇用といった面で影響を受け、後年度における歳入等にも大きく影響を及ぼすおそれも考えられることから、これまで以上に
財政運営の健全性の確保に努めるよう強く求めるところであります。
また、
企業会計については、特に水道・
下水道事業について、
災害復旧への対策等を適宜講じるとともに、今回の災害を教訓として管路の耐震化の推進など災害に強い
まちづくりのためにさらに
取り組みを強化するよう指摘します。
軌道事業会計については、我が会派として、
民間事業者の参入による
上下分離方式の経営形態が望ましいと考え、議論してきたところであり、このたび、その担い手として札幌市
交通事業振興公社とする方向で検討中との表明がありましたが、よりよい
路面電車事業を将来世代に継承していくためにも、さらなる民間活力の導入が必要と考えられることから、今後も十分な議論を行うべきと考えます。
病院事業会計については、今回の災害時の
救急対応等について、その機能を果たしていただいたことに感謝しておりますが、病院の経営実態としては非常に厳しい段階に入っているものと考えられることから、6年間の中期計画での健全性を目指すとの方向性ではなく、一刻も早い
黒字化改革と医療の質の向上に向かって病院一丸となって取り組むよう強く指摘します。
それでは、我が会派として、本
特別委員会等の中で質疑しました政策や事業を初め、今日的課題に対し、特に指摘や意見が必要と思われる事項について、簡潔に述べてまいります。
最初に、
国際的スポーツ都市の創造における課題についてでありますが、今後の2030年
冬季オリンピック・
パラリンピック招致に向けては、これまでの招致活動の成果を無駄にすることなく、培ってきたIOC、JOCとの良好な関係を維持し、積極的な対応を心がけるとともに、
ウインタースポーツ都市としての
取り組みを充実し、特にウインタースポーツツーリズムによる
インバウンド拡大に向けた
取り組みを期待いたします。
次に、経済・観光分野における課題でありますが、さきに述べました震災による観光業界に対する
風評被害対策を除き、今回の震災に伴う一斉停電の影響は、北海道はもとより、札幌市の経済、観光に甚大な経済損失を及ぼしたところであり、一義的には、電力供給を一手に賄う北海道電力の責任は大きいものと考えますけれども、今後はこれまで以上に安定供給と情報提供について連携強化を図るよう強く指摘いたします。
このほか、中小企業に対する設備投資や
経営継続支援と、建設業の健全な体制維持に向けた対策は、将来への雇用拡大や災害時等における地域の守り手となることからも、さらに踏み込んだ
取り組みを求めます。
次に、医療・保健・福祉施策の向上における課題についてであります。
まず、障がい児に対する療育の質の向上においては、
支援事業所の環境や経営により大きく違いが生じるため、本市として効果的な
取り組みについて指導を行い、将来の自立した生活と社会での活躍につながるよう、
取り組みの質の向上に努めるべきと考えます。
このほか、斎場の
あり方検討については、民間団体や
事業者等と広く意見を交わし、行政との共同体を構築し、検討を進めること、
認知症発生リスクや、糖尿病を初めとした
生活習慣病の
発症リスクを低下させるためにも、
歯周病検診の充実を図ること、人と動物が共生する社会を実現するため、動物愛護に係る施策を積極的に周知することなど、
各種事業の推進に向けて検討を行うよう求めます。
次に、都市環境と雪対策における課題についてであります。
最初に、
公園整備についてでありますけれども、現在、緑の基本計画に基づき、公園機能の見直しが進められていますが、街区
公園整備については、
市民満足度を向上させるため、住民理解の上で機能分担するなどの
ルールづくりを推進するとともに、
公園トイレの建てかえの工法について効果的・効率的な手法を検討すべきと考えます。
次に、
市営住宅については、
住宅マスタープランにおける住宅の安定確保の視点において、人口構造の変化に対応するため、
市営住宅の総量抑制が提示されておりますが、
市営住宅の配置について、中期的な数値目標を持って
取り組みを進めるべきと指摘します。
次に、最近の台風等による大規模災害への対策として、河川管理における減災の
取り組みが重要となってきているため、国や道と連携し、流域全体で
取り組みを強化することを求めます。
次に、
雪対策事業については、
除雪パートナーシップ制度について、年々、町内会が支払う
地域支払い額が増加しているため、市が実証実験を行い、検討を続けておりますが、制度運用の見直しについては
スピード感を持って対応すべきと考えます。このほか、未除雪道路を抱える地域への支援や公園の雪置き場の利用促進に向けても、検討を行うよう求めます。
以上、内容のみ述べさせていただきましたが、このほか、本
特別委員会等において我が会派が質問し、留意すべき点や指摘しました内容について、十分参酌され、
スピード感を持って今後の
事務事業の執行に当たられますよう強く求めて、討論を終わります。(拍手)
◆松原淳二 委員 私は、
民主市民連合を代表し、第二部
決算特別委員会に付託されました議案第1号から第7号までの2017年度各
会計決算認定の件については認定すべきものとの立場で、討論いたします。
2017年度決算は、
歳出決算額9,693億円に対して
歳入決算額は9,831億円となり、2018年度へ事業を繰り越した財源を除いた実質収支は72億円の黒字となりました。
県費負担教職員の権限移譲による職員費の増など、大きな制度変更や喫緊の課題に対応しながらも、将来に過度な負担を残さない堅実な
財政運営を行ってきたものと理解します。
また、
市債残高の推移を見ると、
企業会計を含めた札幌市全会計の
市債残高は、2017年度末で1兆6,839億円と14年連続の減となっており、評価できますが、
一般会計の
市債残高だけを見ると1兆531億円と6年連続で増加しており、懸念を持っています。今後も、子育てや教育、福祉の充実と公共施設の更新需要といった大きな課題への対応も必要となり、
財政運営はより厳しさを増していくものと考えます。
加えて、さきの台風21号、並びに、続く
北海道胆振東部地震は、本市にも大きな影響をもたらし、全市的な長時間の停電、大きな
住宅被害や道路の陥没など住民生活に直結する被害からは、さまざまな課題が浮き彫りになりました。さらに、先日の10月27日には、前線の影響で市内でも局地的に雨が強まり、一部地域では土砂災害の危険があるとして、避難準備、
高齢者等避難開始情報が出されました。震災の記憶が消えぬ間の大雨被害に市民の不安も大きかったと思います。一連の被害を受け、本委員会において、各委員が指摘したことを含め、全庁を挙げて早急に検討を行うよう、冒頭に求めておきます。
それでは、本委員会において、我が会派の各委員が取り上げた各局の課題について、提言を含め、順次、述べてまいります。
初めに、建設局です。
除雪パートナーシップ制度については、1992年の制度発足以来、支払い額が年々上昇しており、町内会が
地域住民に負担を求める際に大変苦慮していることから、民間排雪など市民の自助努力が
地域負担額に反映される制度に改定し、公平で持続可能な
除雪パートナーシップ制度になることを求めます。
東15丁目・屯田通の陥没については、
地下鉄東豊線上の市道4.3キロにわたり全面通行どめになりましたが、仮舗装を行い、9月17日、全面開通となったものの、応急復旧のため、新たな路面損傷が起きており、毎日2回の点検を行うとしてございますが、慎重で早急な対応を求めます。
公園樹木と街路樹については、約7,900本の倒木被害があったことから、植え直し等に際し、風の強い公園や街路樹には、耐風性、風に強い樹木を選ぶなど、在来種を中心とした選定を求めます。また、倒木の処理については、売却後、
木質バイオマスなど札幌市の
エネルギー利用の一端とされることを求めます。
次に、病院局です。
市立札幌病院の
経営健全化に向けては、本年6月に設置した医療分野の専門家による検討会の最終報告を踏まえ、現在の増収・節減施策に加え、検討会の
経営改善策について、今できるものは
次期中期経営計画を待たずに取り組むとともに、職員の
モチベーション低下や職場環境の悪化並びに受注業者へのしわ寄せを招く過度な節減策は行わないよう求めます。
次に、
保健福祉局です。
1点目は、
社会福祉費に関してです。
要配慮者のさまざまな困難に対応していくには、市や区の職員だけではなく、NPOや
福祉施設などさまざまな資源の連携が有効と考えます。また、職員採用時には、
避難所訓練などを実施し、職員一人一人が自分のこととして行動できるよう取り組むことを求めます。今回の経験を踏まえ、避難所の運営方法の見直しや実践的な
ガイドラインづくりに取り組むべきと考えます。
子ども発達支援総合センターちくたくの
地域支援室は、地域のさまざまな機関、施設との連携により、地域における子どもの
療育支援体制の底上げに大きな役割を果たすことから、
専門的知識を持った人員などの増強を検討し、障がいのある子どもや保護者の方が安心して暮らせる環境を実現することを求めます。
2点目は、
生活保護費に関してです。
自立相談支援事業所であるステップは、みずから声を上げることが難しい
生活困窮者の早期把握や、複合的な課題を抱える
生活困窮者に対して、
関係機関が連携して支援を行うため、ステップから、
民生委員や、高齢者、障がい者の支援を行う機関等の地域組織などへの働きかけを積極的に行い、
ネットワークづくりを進めるよう求めます。
3点目は、
老人福祉費に関してです。
要
介護認定に当たっては、今後も、要
介護認定者数や介護保険の
サービス利用者の増加が見込まれることから、さらなる迅速化が必要と考えます。これまでも、申請者への訪問調査の円滑化や
主治医意見者の早期提出を依頼し、
介護認定審査会の部会増や
部会当たりの
審査件数増などの
取り組みは理解するものの、要
介護認定の遅滞によって
サービス利用に不公平が生じることが懸念されることから、簡素化などさらなる迅速化に向けた協議を早急に進めるよう求めます。
4点目は、
健康衛生費に関してです。
母子保健における
児童虐待予防の強化については、支援が必要な対象者を早期に捉え、児童虐待のリスクを低減することが重要です。対応する保健師等の職員の資質向上、
相談対応技術の向上のため、体系的な研修、事例検証による情報の共有化などを実施し、未然に虐待を防ぐ体制を強化することを求めます。
日本脳炎ワクチンの接種については、既に本市で5件の副反応が起きており、日本脳炎の発症がないのに予防するワクチンによる副
反応被害を出したことは重大であり、北海道に対し、区域指定に戻すよう求めるとともに、
子どもたちは、今後、病気の恐怖より
日本脳炎ワクチンの
定期接種化がもたらす弊害にさらされていることを認識すべきです。
また、
子宮頸がんワクチンによる副
反応被害については、本市でも独自の救済の方法を検討するとともに、
自治体保険の適用を積極的に進めるべきです。
次に、
農業委員会です。
農業委員会等に関する法律の改正を踏まえ、
農業委員の地域性、農地利用の最適化に向けては、
農業委員と新たに配置された
農地利用最適化推進委員の役割について理解の浸透を図るとともに、地域性を意識した配置となるよう求めます。また、女性や若者の声も意識した多角的な意見反映ができる体制を構築するよう求めます。
次に、
経済観光局です。
女性の就労環境の向上は、子どもを預けられる環境の確保と女性が働く企業の意識改革、環境整備をあわせて推し進めることが重要です。ここ
シェルジュSAPPOROの
ワンストップ窓口としての機能強化並びに
女性活躍推進に取り組む市内企業に対し、支援の充実を一層図るよう求めます。
大きな初期投資を必要としない既存設備の運用方法の改善などに着目した
省エネルギービジネス創出事業は、
市内中小企業の経費節減に伴う経営基盤の強化、
市内中小施工業者の新たな収入源になるとともに、札幌市全体における
CO2削減をもたらす事業であり、大きく期待しています。3年間での
経済的自立を目指し、
補助事業は終了となりますが、その後の札幌市のかかわりを強く求めます。
食品産業の
海外販路拡大に当たっては、2017年度、中国、香港、台湾のアジア圏を中心に好調の動きを見せました。今後も、官民一体となった
取り組みをより一層進めるとともに、輸出に意欲を持つ企業が抱える課題を洗い出すなどして、海外における
コーディネーター機能を積極的に活用しながら
海外進出支援を進めるよう求めます。
卸売市場法の改正を踏まえ、改めて認定申請をするとともに、各市場の実情に合わせた独自の
取引ルールを策定することから、関係者の意見を十分聞きながら事業者の安定的な経営と市場の活性化の両面をにらみながら、
市場関係者の誰もが使いやすく、市場の活性化に資する
取引ルールとなるよう求めます。
次に、交通局です。
お客様が安全かつ安心して地下鉄を利用できるよう、災害や事故に備え、職員の訓練、研修等を計画的に行うとともに、利用者の安心・安全につながる啓発やアナウンスといったメニューにも力に入れ、日々の安全運行に取り組むことを求めます。
次に、
スポーツ局です。
札幌ドームの活用については、
ファイターズ移転前から
自主イベントの強化など、新たな活用策を先行して実施することを求めます。また、
札幌ドームの
女子トイレの増設、他の大
規模スポーツ施設の施設整備を進め、お客様はもちろんのこと、道内外の競技者にも快適な設備環境を提供することを求めます。
次に、都市局です。
10月16日、建築物の免震・制振装置について、メーカーによって意図的に
調査データの改ざんが行われ、本市有施設の3施設が含まれていることが判明しました。現時点ではデータが改ざんされているかどうかは確認がとれていないことから、早急に調査、確認を進めるとともに、国や
第三者機関が行う製品の検査を行う仕組みの構築など、不正の
再発防止策を急ぐよう国に求めていくべきです。
子育て世帯に配慮した住居支援については、
市営住宅の若者世帯の
専用申し込み枠の募集戸数及び対象団地の拡大を引き続き検討し、子育てしやすいまち札幌を若い世帯が実感できるよう施策の推進を求めます。
次に、
下水道河川局です。
台風や地震などの
自然災害対策においては、被害軽減のため、日ごろからの危険箇所のパトロール、適正な維持管理が重要です。
北海道胆振東部地震及び台風21号によって浮き彫りになった課題の解決に努めるとともに、しゅんせつや草刈りなど
河川維持管理にこれまで以上に取り組むことを求めます。
最後に、水道局に関する課題です。
水道管が破損していない場合でも、マンションなどのポンプが停止し、水が出なくなり、
市民生活に甚大な影響を及ぼしたことから、敷地内に利用可能な共有の給水用具があること、また、その使用方法についてしっかり住民にPRすることを求めます。
以上が、本
特別委員会で、我が会派に所属する各委員が提言、要望を交えて行った質疑です。市長を初め、各理事者におかれましては、各委員の指摘、提言について、来年度の予算はもとより、今後の
市政運営に積極的に反映していただきますよう求めて、私の討論を終わります。
◆前川隆史 委員 私は、ただいまから、
公明党議員会を代表し、本
特別委員会に付託されました平成29年度各
会計決算につきまして、これを認定する立場から、討論を行います。
今回の議会は、札幌市がかつて経験したことのない地震、台風による大災害直後の議会でございました。特に9月6日に発生した
北海道胆振東部地震では、多くの札幌市民が被災いたしました。復旧、復興へ、現在、札幌を挙げて取り組んではおりますが、発災から2カ月近く経過した今なお、住宅の損壊や今後の生活再建に悩んでいる方も数多くいらっしゃいます。地域を歩くと、住宅が損傷していながら、罹災証明の存在すら知らない市民の方も少なくないと感じております。被害を受けた方に寄り添い、ただ市民の申し出を待つのではなく、市民と積極的につながる姿勢が大切でございます。
SDGs未来都市として、誰一人取り残さないとの理念に基づく
市政運営が試される場面であります。
あわせて、災害に強い
インフラ整備が急務であります。今まで以上に、災害に強い
まちづくりのために、創造的な復興に向けて取り組むべきであります。
近年、想定外の災害の激甚化が進み、国民の生命や生活を脅かす事態が急増したことから、政府においても組織の見直しを積極的に行っております。復興大臣はもとより、内閣府
特命担当大臣、防災担当や
国土強靱化担当大臣を置くなど、国土の強靱化や防災、減災、復興などに当たる職や担当を明確にし、省庁を横断する事案に対応しております。
本市においても、今後、災害に強いまちを標榜し、国内外に札幌を発信していくためにも、平時における
防災対策や、非常時の迅速な市民の安全確保や復旧、復興を推進する組織横断的な権限や働きをする職や部署を新たに設置するなど、365日、油断も緩みもない市の体制を整えるべきであると、まずもって、冒頭に申し上げさせていただきます。
それでは、平成29年度決算についてでございますが、
経済対策等に関連した国の
補正予算等を活用しながら、札幌市
まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015で重点に置いている観光や産業振興、再開発支援などの
取り組みに加え、女性活躍など社会情勢の変化を踏まえた新たな
取り組みを始めております。その結果、
一般会計の
歳出決算額9,693億円に対して、
歳入決算額は9,831億円となり、平成30年度への繰り越し財源65億円を除いた実質収支はおよそ72億円の黒字となったところでございます。このことは、市税収入が予算額を42億円上回ったことが大きく寄与しているものと認識しております。女性の納税者数が伸び、また、固定資産税収入も前年を上回り、今後もこの流れを促進する税源涵養に資する
取り組みを行っていく必要があります。
一方、公共施設やインフラの更新費用が今後の
財政運営を逼迫させる懸念があると指摘されています。本市においても、将来の費用負担を見据えながら、既存設備の更新と将来の市民のために必要な投資のバランスに留意しながら積極的な
取り組みを進めていくべきであると考えます。市長も、アクションプラン2015において、財政バランスを重視し、めり張りのきいた
財政運営を行うとしていることから、以下、我が会派の提言等を踏まえ、本年度予算の執行及び平成30年度予算編成にも反映されることを要望いたします。
次に、本委員会を通じて、我が会派が取り上げてまいりました主な諸課題等について、局別に、提言、要望等を含めて述べてまいります。
最初に、建設局関係でございます。
まず、持続可能な除雪・排雪体制についてですが、
除雪パートナーシップ制度では、町内会等の安定的な運営を確保するため、
地域支払い額を、一定期間、同額で運用することを検討するとともに、排雪作業の効率化に向け、市街地内の遊休地を堆積場として利用できるよう要件緩和を検討するなど、しっかりとしたビジョンを構築することを求めます。
次に、
胆振東部地震の被災地復興に向けた調査状況についてでございます。
甚大な被害を受けた清田区里塚地区では、地質調査や地積調査に加え、地盤の変化や動向を確認できるモニタリング調査など、確かな検証と適切な調査、解析を求めます。また、里塚地区と同様の被害が発生した清田地区や美しが丘地区でも、道路復旧に向けた調査や検討結果などは
地域住民にしっかりと情報提供するよう要望いたします。
一方、緊急輸送道路についてですが、このたび陥没が発生した東15丁目・屯田通は、第2次緊急輸送道路の指定を受ける重要な路線でありますので、しっかりと原因を究明し、本復旧に向けた調査検討を行うべきであります。また、これ以外にも陥没や段差などが発生している幹線道路があります。一昨日の大雨でも冠水し、通行どめとなった道路も数多くございました。地震による地盤沈下の影響も考えられますので、特に低地地域の路線も重点的に対応すべきものと考えます。
さらに、今回の震災では、停電で水が使えなくなったマンション住民が近隣公園の水飲み台で水をくむ光景が見られ、改めて、公園における防災機能について、その重要性を感じたところでございます。さまざまなケースを想定し、公園の防災機能をもっと発揮できるよう、現在改定中の札幌市みどりの基本計画に盛り込むとともに、市民にも周知していくことを要望いたします。
次に、病院局関係でございます。
このたびの地震の対応については、食料や医薬品等の物資調達に加え、院内職員の情報共有や近隣医療機関との連携のあり方など、新たな課題も見えたことから、今後も、最後のとりでにふさわしい災害拠点病院として、これらの課題解決に向け、継続的に取り組むよう要望いたします。
また、DPC特定病院群への移行については、院内外に広く周知し、職員のモチベーションにつなげていくべきと考えますし、新たな係数による算定が始まり、その他報酬を上げる努力もされ、増収が続いておりますので、一層、医療の質の向上や経営の健全化に向けて積極的に取り組むよう要望いたします。
そして、地方独立行政法人化や大学病院と共同した先端医療分野の
取り組み、あるいは、札幌市が進める医療関連産業集積事業との連携など、さまざまな可能性を検討し、次期中期計画に盛り込んでいただきますよう求めます。
次に、
保健福祉局関係です。
今回の震災では、福祉避難場所が市内で初めて開設されました。要配慮者は、まずは一般の避難所の福祉避難スペースに避難することになっておりますが、一般の避難所にすら行くことが困難な方については、例外的に、直接、福祉避難場所に行くことができるような柔軟な取り扱いも検討するよう要望いたします。
また、成年後見人制度については、早期利用に結びつくための周知や、身近な医療、福祉の関係者の協力体制の整備が重要になりますので、利用促進に向けて、課題や問題点を協議しながら丁寧に進めていただくことを要望いたします。
たばこ対策では、受動喫煙が子どもや妊婦、胎児への健康や発育に影響を及ぼすことが懸念されております。安心して子どもを産み育てることができるまちを目指すためにも、子どもや妊婦の受動喫煙防止にしっかり取り組むべきと要望いたします。
また、胃がん対策については、来年1月からの胃がん予防の視点を付加した胃がん検診の変更点を市民にわかりやすく周知するとともに、実施体制の標準化を図るなど、質の高い検診体制の整備が重要です。今回の変更を機に、がん検診の重要性や、ピロリ菌と胃がんリスクの関係を正しく市民に伝え、受診率向上につなげていくことを望みます。
災害時のペット対策では、このたびの震災で同行避難ができることを知らなかった方も多く、また、動物救護ボランティアとの連携体制も不十分であったことから、今後は、避難訓練にペットの同行避難を取り入れるべきと考えます。また、避難所では、動物アレルギーへの配慮や施設管理上の問題、衛生上の問題など課題は多岐にわたりますが、ペットの飼育環境の向上に向けて検討を進めていただくことを要望いたします。
さらに、障がい者の歯科保健対策では、昨年度から検討委員会を設置し、実態調査を行いながら今後の
取り組みを検討されておりますが、障がい児、障がい者が成人、高齢者になっても歯や口の病気から守ってあげられよう、対策の充実に
スピード感を持って取り組んでいただくよう強く要望いたします。
次に、
経済観光局関係です。
今月2日にオープンしたここ
シェルジュSAPPOROですが、多くの子育て女性に利用していただけるよう、適時適切な広報の継続による具体的な周知に加え、今年度、2区で実施する出張相談の全区拡大を検討していただくよう強く要望いたします。
一方、震災の影響により会期を短縮して開催されたさっぽろオータムフェスト2018ですが、1日当たりの来場者数は前回より2割以上も増加し、多くの来場者でにぎわいました。観光需要の早期回復は喫緊の課題でありますので、今後、ホワイトイルミネーションやミュンヘン・クリスマス市、さらには70回目の記念の回となります雪まつりなどの大規模イベントの開催を通じて、札幌が元気であることを積極的にアピールすることを求めます。
次に、医療関連産業の振興についてです。
昨年から実施している医療関連産業フォーラムに加え、北大のバイオバンクと連携する企業向けの補助を新設されたことは、フォーラムを起点として新たな産学連携に結びつける
取り組みであり、今後も、こうした経済的な後押しに一層積極的に取り組むことを求めます。さらに、企業と大学を結びつける一方で、道外から企業、人、投資を呼び込むという視点も重要でございますので、道外からのフォーラム参加者をふやすよう
取り組みを強化すべきと考えます。
そして、製薬業界では、ここ数年、大規模な早期退職が相次いでおります。高度な知的人材の中から札幌出身者のUターンを促し、ベンチャーの立ち上げにつなげていくなど、積極的な
取り組みを進めていただくよう、あわせて要望いたします。
また、都心のホテルと東区方面の施設を結ぶ市内周遊バス実証実験、さっぽろスマイルバスは、このたびの震災等の影響で運行中止となりましたが、国内外の幅広い年代の観光客に利用され、利便性も評価されておりました。市内には多くの魅力的な公園があり、また、新三大夜景にも再認定されましたので、一つのルートにとどまらず、いずれは何種類もの周遊ルートへと展開していただくことを要望いたします。
次に、交通局関係です。
地下鉄駅トイレの半数が和式便座という現状の中、外国人観光客にとっても、市民、とりわけ高齢者や障がい者にとっても、交通局施設のトイレの洋式化は皆が求めているところでございます。札幌冬季オリパラ招致の機運醸成の観点からも、洋式化の整備に早急に取り組むとともに、便座の衛生面対策もしっかりと考えていただくことを要望いたします。
また、乗車料収入以外の附帯事業収入については、駅構内への出店誘致を初め、デジタルサイネージの拡充や新規媒体の設置など、経営強化のための増収に向け、民間の力も活用しながらさまざまな施策に挑戦していただくことを求めます。
次に、
スポーツ局関係です。
日本ハムファイターズの移転後の
札幌ドームの活用策の検討ですが、経費節減はもとより、より積極的な活用による稼ぐドームを目指すことを期待しております。移転が正式決定した場合、収益性の高いイベント開催などの営業展開を、速やかに、あらゆるルートを使って、あらゆる可能性を否定せず、知恵を出して進めていただくことを求めます。
一方、来年開催されるラグビーワールドカップでは、欧州や豪州からの多くの観戦者が見込まれることから、
札幌ドームの外国人の避難誘導については、さきの震災の教訓も生かしながら
関係機関とともに万全を期することを求めます。
また、欧米に対する観光PRの絶好の機会でもあります。ボランティアの協力も得ながら、おもてなしの
取り組みを展開し、スポーツ都市札幌のブランドをさらに高めるよう、大会の成功に向けて準備を進めていただくことを要望いたします。
次に、都市局関係です。
震災による
市営住宅への影響についてですが、漏水と断水が発生した東川下団地では、応急措置により漏水がおさまっているものの、入居者は再び断水になるのではと心配していることから、直圧方式へ変更した早急な工事の完了を要望いたします。
また、被災者の
市営住宅入居については、使用期限が来年3月31日までとのことですが、次の行き先が見つからない方については、期限の延長等の対応を検討するとともに、
市営住宅募集において被災者の優先申し込み枠を設けることを要望いたします。
さらに、空き家対策では、今回の台風や地震により、周囲への影響も考えられますので、状況の確認と所有者への指導など安全確保に努めるとともに、協定を結んだ札幌司法書士会と連携し、空き家の解消に向け、着実に取り組むよう求めます。
次に、
下水道河川局関係です。
このたびの地震における下水道施設での対応についてですが、災害時には、今回のように、まずは、被災した施設を早急に復旧することが第一ですが、引き続き、ハード・ソフトの対策を総合的に組み合わせた地震対策を進め、どのような事態でも適切に対応できるよう準備を進めるなど、下水道のさらなる強靱化を目指していくことを要望いたします。
最後に、水道局関係でございます。
浄水場における災害時の対応についてですが、本市のような大都市では、全市域に及ぶような大規模な断水があった場合の影響ははかり知れません。国内における過去の被災事例も考慮しながら、水道施設の機能を維持するとともに、将来の世代のためにも災害に強い水道システムの構築をしっかりと進めていただくことを要望いたします。
以上が、本委員会の審議において、我が会派が取り上げてまいりました質疑等の概要でございます。理事者におかれましては、提言、要望を十分検討され、市政執行に当たられるよう強く要望いたしまして、私の討論を終わります。
◆平岡大介 委員 私は、日本共産党所属委員を代表して、本委員会に付託されました議案7件中、議案第1号 各
会計歳入歳出決算認定の件中関係分並びに第4号 軌道
事業会計決算認定の件、第5号 高速電車
事業会計決算認定の件、第6号 水道事業会計剰余金処分及び決算認定の件、第7号
下水道事業会計剰余金処分及び決算認定の件の5件に反対、残余の議案2件には賛成する立場から、討論を行います。
議案第1号に反対する理由の第1は、社会保障・税番号制度対応システム改修費などに8,104万6,000円が含まれているからです。
マイナンバー制度は、個人情報の漏えいの危険、それに伴うセキュリティー強化のため、際限なくシステム改修に費用がかかり続けることから、反対です。
理由の第2は、国民健康保険会計において、高過ぎる国保料の引き下げに背を向け、資格証明書の発行や差し押さえ強化が進められているからです。
国保料の引き下げを求める陳情が提出されていることからも、
一般会計からの繰り入れをふやし、保険料の引き下げを決断するべきです。また、これまで高額療養費、高額介護合算療養費制度の70歳以上の自己負担限度額は、一律8万100円だったものを、制度改正により課税所得380万円以上は16万7,400円へ、690万円以上は25万2,600円へと自己負担限度額が引き上げられることになり、それに伴うシステム改修の補正予算が組まれました。このような負担増が受診抑制につながり、医療を受けたくても受けられなくなる市民がふえる懸念があります。
理由の第3は、後期高齢者医療会計において、低所得者に対する保険料の軽減特例措置が所得割では5割軽減から2割軽減へ縮小されたためです。
理由の第4は、介護保険会計において、介護予防・日常生活支援総合事業への移行により、利用者のサービスの質の低下と事業者の経営の悪化を招くものだからです。
介護事業所は、利用者一人一人の健康状態に応じたメニューをつくり、サービスを提供してきましたが、介護予防・日常生活支援総合事業への移行により、月額報酬から回数単位の報酬へと変わりました。これによって、介護報酬が減額となると同時に、軽度者のサービスが縮小され、利用者が必要なサービスを受けられなくなることにつながります。
また、決算額で
一般会計から9,400万円、国庫補助として500万円、計9,900万円が追加された介護保険のシステム改修は、介護保険事業計画の策定や2018年度介護報酬改定、介護保険法の改正等に伴うものですが、新たに創設した介護医療院は、病床削減、医療費給付の抑制路線の一環であり、利用者へのサービスの低下が懸念されます。
また、利用料では、一定の所得がある利用者の
サービス利用料を2割から3割へ引き上げました。介護保険制度が始まって以降、見直しの都度、改悪されてきました。さらなる給付抑制と負担増は、市民を必要な介護サービスから一層遠ざけることとなり、保険あって介護なしという事態を拡大させます。そのためのシステム改修は行うべきではありませんでした。
議案第4号に反対する理由は、路面電車の運賃改定を行い、大人の普通運賃を現行170円から200円に値上げし、市民の負担がふえたからです。
議案第5号に反対する理由は、東豊線の可動式ホーム柵設置に伴うワンマン化で、46人の人員削減が含まれているからです。
議案第6号に反対する理由は、水道局中部料金課のサービス管理係の統合や委託化などで、職員定数が削減されたためです。
議案第7号に反対する理由は、水処理施設総括監理業務を民間委託するための1億5,000万円の債務負担行為を行ったためです。
民間に委託すれば、本市職員の技術力の向上や人材育成が困難になります。また、人員削減も伴うことから、反対です。
次に、代表質問並びに本委員会で取り上げた諸課題について、局別に述べてまいります。
まずは、
保健福祉局です。
福祉避難場所についてです。
2016年に内閣府が示したガイドラインでは、福祉避難所に関する情報を広く住民に周知するとされています。しかし、災害が起きてから、協定を結んでいる施設と確認をとり、福祉避難場所を開設する仕組みである本市の場合、施設名の事前公表は行わないとのことでした。
しかし、そのことは市民に周知されていません。災害時福祉避難場所への移動を促す判断や、対応できる職員が不足した場合などに医療や福祉の専門的な人員体制をどのようにとるのか、基幹避難所での一時的な避難生活も困難なことが明白な障がい者、難病患者もいることから、一律に基幹避難所へ行ってから福祉避難場所へというルールを適用させることに対する課題もあります。
今回の経験を教訓に、福祉避難場所の内容の周知や、必要とする人が迅速に移動できる仕組みなどを改めて検討されるよう求めます。
生活保護費についてです。
ことし7月29日に、生活保護を受けていた西区の女性が熱中症で死亡した件について、我が党がケース記録の公開を求めたところ、ほとんどが黒塗りで医療要否意見書も非公開とされました。しかし、本市の情報公開条例第7条の「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」であることから、公開すべきです。
黒塗りのケース記録という少ない情報でも、かなりの支援が必要な方だったことがわかります。生活保護を受けている方の中には、障がいや病気があったりと、丁寧な支援を行う必要がある方も多くいます。これから冬場を迎えるに当たって、この10月から生活扶助費が引き下げられたことや、灯油代が高騰している中で、同じような事件を起こしてはなりません。なぜこのようなことが起こったのかを検証し、対策を講じるべきです。
高齢者への外出支援についてです。
敬老優待乗車証利用者実態調査において、敬老優待乗車証の交付により、外出頻度がふえたという高齢者が増加しています。本市は、高齢社会に関する意識調査では、外出が多いほど要
介護認定を受けていない割合が高いと答弁されたように、高齢者の外出支援は介護予防の促進や個人消費を促すなどさまざまな効果があると考えます。また、高齢になるほどタクシーを移動手段とする割合が多くなることからも、タクシーによる外出支援策を検討すべきと求めます。
介護事業所における災害時の対応についてです。
北海道胆振東部地震発災時、通所介護施設では、利用者の多くが災害当日や翌日の
サービス利用がなかったことや、食事を提供している事業所では、停電により食材を廃棄せざるを得なかったことなど、実例を述べました。利用者の安否確認のため、車の給油に3時間もの行列を待っていたなど、厳しい事業所運営の中で懸命な作業が行われました。
厚生労働省から
胆振東部地震に関する通知等が出されており、介護事業所への周知を行うとともに、福祉避難場所になり得る施設がどのような対応をされ、どのような課題を持ったのか、本市が把握し、必要な支援や対応を進めるよう求めます。
国民健康保険料の一部負担金減免制度についてです。
国民健康保険加入者の一部負担金減免制度は、医療費の支払いが困難になった世帯の自己負担金を減免または猶予する制度です。2017年、国保の一部負担金減免申請を却下したのは違法だとして、北区の女性が本市を相手に決定取り消しを求める裁判を起こしました。ことし、札幌高裁は、一部負担金支払いが困難になった事情や経緯などを当然考慮すべきとし、本市が裁量権の範囲を超え、濫用があったものとして違法との判決を出しました。判決結果を踏まえ、申請期間をどのように対応するのかとただすと、本市は、10月1日から、申請期間を設けない、減免期間は申請月から6カ月にしたと答弁しました。また、今回の災害で対象となる世帯がふえていることから、対象となる世帯への周知を求めます。
無料・低額診療についてです。
調剤薬局で薬代が払えず、薬をもらわないで帰る患者や治療を中断してしまう患者がいることから、旭川市や苫小牧市が実施しているような調剤費への助成を本市でも行うよう求めました。本市は国が責任を持って対応すべきと答弁しましたが、貧困が拡大している今こそ、医療のセーフティーネットとも言うべき重要な制度ですので、実施している医療機関の実態を調査するなどして検討することを求めます。
次に、
経済観光局です。
経済センサスから見た市の経済見通しについて質問しました。2016年の経済センサスの結果では、市内企業の売上高が大幅に増加している一方で、従業員者数は減少傾向にあるとのことでした。企業の売上高の増加が個人消費の増加に結びつくことが重要ですが、個人消費の持ち直しには力強さを欠いている状況です。また、2017年度下期の札幌市企業経営動向調査では、経営上の問題として人手不足が最も多く挙げられています。
2012年の経済センサスと比較して、個人経営の事業所とその従業者数が減少していることへの対策として、固定資産税の軽減のみならず、道外に転出した若年層が安心して戻ってくることができるよう、地元の中小企業の経営力強化につながる支援を行うべきです。
観光客の避難所についてです。
災害が発生した9月6日は、2万3,000名ほどの観光客が本市に滞在しており、本市が緊急に用意したわくわくホリデーホール、市民交流プラザ、中島体育センターなどの避難所に1,720名が泊まったとのことでした。新千歳空港が機能せず、行き場を失った札幌市外からの団体観光バスなども本市に移動しており、相当数の観光客が都心部に集まってくることが予測されることもわかりました。電気がとまった中でどのように避難所を周知するのか、通訳者の確保や連絡方法はどのようにするかなど、課題は山積しています。ホテルなどの宿泊事業者や
民間事業者との事前の協議や、今後の全庁的な議論を進め、何かあったときにも札幌はよくやってくれたと観光客に喜ばれるような災害時対応を求めます。
定山渓温泉街の整備についてです。
定山渓温泉エリア内の公衆トイレと駐車場が少ないことから、今後の増設に向けた考えについて伺ったところ、定山渓観光魅力アップ構想とあわせて設置場所や費用について検討していきたいとの答弁がありました。
今後は、観光協会やホテル、周辺住民との協議を進め、観光地としてよりよい環境整備を行うよう求めます。
次に、建設局です。
北海道胆振東部地震による道路の陥没について取り上げました。東区、北区、白石区で起きた道路の陥没は、いずれも地下鉄沿線上でした。本市は、現在、陥没が起きた箇所は調査中であり、その結果を踏まえ、その他の区間についても検証が必要か検討したいと答えましたが、専門家からは液状化の可能性も指摘されており、土質など全面的に調査すべきです。
また、清田通に面した崖地からおおよそ80立米の土砂が流出したことから、道路が陥没する危険があると指摘しました。清田通は交通量の多い幹線道路であり、陥没すれば大惨事になりかねません。崖地対策について、都市局は、宅地復旧支援事業の活用により支援したいと答弁しましたが、個人の負担が重たいことから、市として抜本的な対策を行うべきです。
生活道路の整備についてです。
2017年度の建設局全体の決算額768億6,900万円のうち、道路の維持管理、建設等にかかわる事業費は大きな割合を占めており、ここ10年の推移を見ると、道路維持費は2013年から急増しています。本市は、その理由を、2012年に策定した幹線道路等舗装補修計画に基づくオーバーレイ舗装工事件数の増加と、2012年の大雪と低温による融雪期における道路の穴の多発によるものだと答弁しましたが、国の大型開発優先政策のもと、維持管理費にどの程度の予算がかかるのかを見通せていなかったことは問題です。
また、本市は、穴のあいた道路への応急的な対応として、舗装道路のひび割れ箇所に液体状の止水材を注入し、水の浸入を防止することで、穴ぼこや欠損を抑制する
取り組みをことしから実施しているとのことでした。応急措置のみならず、予防策を含めた歩道の維持管理計画と予算化を進めるべきです。
また、各区の土木センターに寄せられている最も多い要望は車道の舗装剥離の補修であることからも、今後は、新たな高規格道路などの建設よりも、老朽化した
インフラ整備に力点を置くべきと指摘します。
除排雪についてです。
毎年のように除雪費が上がって町内会の負担はもう限界だと、複数の連合町内会から
除雪パートナーシップ制度における
地域支払い額に関する要望書が出されています。本市は、要望が、地域の支払い額の値上がりが続き、負担となっているあらわれと認め、運び出す雪の量を減らす実証実験に
取り組み、費用負担と排雪レベルのあり方を検証すると答弁しました。しかし、これまで以上に雪を残して排雪することは、事故やけが、外出を控える人がふえることにつながる懸念があります。改めて、予算を拡大し、町内会の負担を軽減すべきと求めておきます。
公園のトイレについてです。
札幌の顔である大通公園のトイレは、観光地にふさわしい改善が必要です。本市は、日に2回程度、清掃を行っているとのことですが、来場者の多いイベント時期には清掃が追いつかず、清潔感が保たれていません。清掃頻度について、イベント主催者側とも協議をしていきたいと答弁されたように、清掃回数をふやして対応に当たるべきです。
また、個室の便器形態の表示や洋式化についても、今後は全ての個室に便器の種類がわかる表示を加える、老朽化の更新のタイミングで洋式化の判断をするとの答弁がありました。
また、街区公園のトイレについて、本市は、老朽化し、更新時期が来たものについては、利用状況の観点から
地域住民と話し合い、存廃について判断していくとの考え方ですが、
北海道胆振東部地震の際に一定程度利用されていたと答弁されたことからも、災害時の必要性についても十分考慮して判断すべきです。
次に、
下水道河川局です。
豪雨対策についてです。
災害に強い
まちづくりを進める上で、豪雨対策は重要です。札幌市内には、整備水準を超えるような大雨により、たびたび浸水被害が発生している地域が51カ所ありますが、うち、30カ所は雨水専用管の設置や道路雨水ますの増設などの対策を行っていないため、迅速に対応すべきです。
また、集中豪雨が発生した場合、都心部の地下街や地下鉄駅等の地下空間は多くの市民が利用していることから、地下施設への浸水被害は甚大なものとなることが想定されます。予測不能なゲリラ豪雨が増加しており、札幌管区気象台でも、今後、北海道で1時間の降水量30ミリ以上、50ミリ以上の短時間強雨の年間発生回数は増加すると予想していることから、下水道の整備水準の見直しが必要だと指摘します。
次に、都市局です。
市営住宅の給水管についてです。
北海道胆振東部地震発災時の停電により、
市営住宅でも71団地、378棟、1万5,333戸で断水が起きたとのことでした。今後、自治会から電力を使用しない直結方式への変更の要望があれば、給水方式の特徴について丁寧に説明するとともに、改修の対応も検討すべきです。
また、ことしの8月に給水管の腐食により破損で漏水した団地があったため、
市営住宅全体の給水管の更新時期の見直しを求めます。
次に、交通局です。
日本ハムファイターズが北広島市へ移転することの交通局への影響についてです。
日本ハムファイターズが北広島市へ移転し、観客の新球場へのアクセスに地下鉄が全く利用されなくなった場合には、年間約1億9,300万円の減収を想定している、経営に与える影響をできるだけ抑えるように努めたいと答弁されました。地下鉄の減収を抑えるための対策や地下鉄の利用促進を図る環境の整備として、自動車からJRへの乗りかえを考慮し、東西線沿線を中心とした駐車場の整備やパークアンドライド駐車場の時間貸し運用などを検討すべきと求めました。今後、北広島市と、適時、情報共有を行い、減収への対策と札幌市民が観戦しやすい環境整備を行うべきです。
最後に、病院局です。
救急医療についてです。
民間の医療機関での受け入れ困難な患者を担い、重症患者の搬送のためのドクターヘリのヘリポートが設置されている市立病院は、市内の救急医療において重要な役割を担っていますが、市立病院の医師がドクターヘリに同乗して他の医療機関に搬送する場合には、市立病院の収益にはならない課題があります。しかし、これは、まさに民間病院が担うことのできない市立病院の役割です。公的医療機関が担う救急医療には、その実態と役割に合った国の財政措置が必要であると同時に、入院患者をふやすための検討など、病院全体の機能をフルに生かした医療展開も必要であることを指摘します。
以上で、私の討論を終わります。
◆石川佐和子 委員 私は、市民ネットワーク北海道を代表し、本
決算特別委員会に付託されました議案7件中、議案第1号 平成29年度札幌市各
会計歳入歳出決算認定の件中関係分の1件に反対、残余の議案6件については賛成し、認定する立場から、討論を行います。
反対の理由は、社会保障・税番号制度対応システム改修費として7,155万円が含まれているからです。
日本年金機構による再委託や大手民間会社などの大量情報漏えいなどにより、情報社会におけるプライバシーの侵害への懸念がますます大きくなっています。マイナンバーカードの普及は依然として低く、多くの市民が共通番号制度の運用による情報連携の危険性を訴え、本制度の廃止を求める声を上げています。札幌市においても、市民の生命と財産を守るために、マイナンバーカードの利用拡大の見直しなど、制度改正を国に求めるべきです。
個人のプライバシー侵害、国による国民の監視・管理強化が強く懸念される共通番号制度に異議を唱える立場から、制度に対応するシステム改修費用の決算は認めることができず、議案第1号については、反対いたします。