札幌市議会 > 2018-10-18 >
平成30年第一部決算特別委員会−10月18日-05号
平成30年第二部決算特別委員会−10月18日-05号

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  1. 札幌市議会 2018-10-18
    平成30年第二部決算特別委員会−10月18日-05号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成30年第二部決算特別委員会−10月18日-05号平成30年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第5号) 平成30年(2018年)10月18日(木曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32名     委 員 長  よこやま 峰子       副委員長   中 村 たけし     委   員  武 市 憲 一       委   員  鈴 木 健 雄     委   員  勝 木 勇 人       委   員  こんどう 和雄     委   員  細 川 正 人       委   員  佐々木 みつこ     委   員  北 村 光一郎       委   員  伴   良 隆     委   員  村 松 叶 啓       委   員  村 山 拓 司     委   員  畑 瀬 幸 二       委   員  恩 村 一 郎     委   員  三 宅 由 美       委   員  桑 原   透     委   員  しのだ 江里子       委   員  小 川 直 人     委   員  村 上 ゆうこ       委   員  松 原 淳 二     委   員  かんの 太 一       委   員  涌 井 国 夫     委   員  本 郷 俊 史       委   員  國 安 政 典     委   員  好 井 七 海       委   員  前 川 隆 史     委   員  伊 藤 理智子       委   員  小 形 香 織
        委   員  村 上 ひとし       委   員  平 岡 大 介     委   員  松 浦   忠       委   員  石 川 佐和子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○よこやま峰子 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を行います。 ◆松原淳二 委員  私からは、農業委員会等に関する法改正を踏まえ、農業委員の地域性、農地利用の最適化についてお伺いいたします。  まず、1点目に、農業委員の地域性についてお伺いいたします。  2015年、農業委員会等に関する法律が改正されました。この改正により、農地等の利用の最適化、すなわち担い手への農地利用の集積・集約化、遊休農地の発生防止・解消、新規参入の促進が、農業委員会の業務の重点であることが明確化されました。あわせて、農業委員の選出方法を選挙制と市町村長の選任制の併用から、市町村長の任命制に変更するとともに、農地利用最適化推進委員を新設することなどが改定されたところです。  本市においては、公募による市長の任命制に変更されるとともに、22名の農業委員が11名となり、現在1名の欠員が生じ、10名となっております。また、従前は、農地のない中央区を除き、各区に農業委員が配置されておりましたが、新体制となった2017年6月からは、農業委員が不在の地域、地区が存在しております。このため、農業委員が不在となっている地域農業者などからは、新規就農や営農等について相談する相手がいないなどの理由により、農業委員の配置について求める声が聞かれております。  これは、ただ単に地元地域や近隣地域に農業委員がいないことから、すぐに相談できない、顔の知った方に相談できないという即時性のことだけではなく、地域の特性や地域の課題への専門性に対する不安からの声と認識しています。札幌の農業は、地域ごとに特色があり、地域特性の課題の解決や、個性を生かした農業を推進するためにも、地元の農業委員の存在が必要不可欠だと考えているところです。  そこで、1点目の質問ですが、農業委員の地域性についてどのように考えているのか、また、次期改選に向けて、農業委員を地域にバランスよく配置する考えがあるのか、お伺いいたします。 ◎中田 農業委員会事務局長  ただいまの農業委員の地域性についてでございます。  農業委員の公募につきましては、農林水産省より、あらかじめ地域ごとに定数枠を設けて募集することは適当ではないという通知がなされておりますことから、地域の定数枠は設けておりません。新設された農地利用最適化推進委員が地域の現場活動を担うこととなっておりますことから、担当区域を指定して募集、配置しており、結果として農業委員会全体としては一定の地域性が確保されているものと考えております。  しかしながら、農業委員が存在しない空白の地域が生じたことにより、それらの地域の農業者の皆さんにはご心配をおかけしていることを踏まえまして、農地利用の最適化を推進するために、地域の事情に精通した農業委員を配置し、農地利用最適化推進委員と連携した活動が重要となると考えているところでございます。このため、来年度に予定している農業委員の募集に当たり、法令の枠組みの中で農業委員の地域性が確保される選考方法について検討してまいりたいと考えております。 ◆松原淳二 委員  法の趣旨に基づき、農業委員の公募に当たっては地域の定数枠を設けないこと、また、新設された農地利用最適化推進委員について担当区域を指定することで、地域性を担保していきたいという答弁でございます。また、農地利用の最適化を推進するために、地域事情に精通した農業委員の配置、そして、最適化推進委員と連携した活動といったことが重要であるとの認識についてもお伺いすることができました。また、最後のほうでありましたが、法令の枠組みの中で地域性が確保される選考方法についても検討していきたいということでございますので、しっかり検討していただきたいと思います。  それでは、2点目の質問ですが、農地利用の最適化に向けた取り組みについてお伺いいたします。  先ほどの答弁では、法改正により、札幌市農業委員会は、農地利用最適化推進委員を新設して、担当区域を決め、地域ごとに配置し、農業委員と連携して取り組む体制を整備したとのことでございます。当該農地利用最適化推進委員現場活動の中心的な役割を担うことが農地利用の最適化を図る上で極めて重要であり、それが農地を守り、ひいては地域農業の維持・発展につながるものと考えます。  そこで、新体制移行から1年が経過してございますが、農地利用の最適化に向け、農地利用最適化推進委員はどのような活動を行ってきたのか、また、農業委員会として今後どのように取り組んでいくのか、あわせてお伺いいたします。 ◎中田 農業委員会事務局長  農地利用の最適化に向けた取り組みについてでございます。  札幌市農業委員会では、農地利用最適化推進委員として17名に委嘱しているところでございます。当該委員の活動といたしましては、営農相談や農地の巡回などといった個々の活動のほか、農業委員との合同による遊休農地等の各種調査や意見交換会への参加などがございます。また、市長部局と連携いたしまして、地域の担い手や農地の課題を解決するための人・農地プランの策定にかかわるワークショップに参加していただいたり、あるいは、札幌市やJAなどで構成する新規就農サポートチームに加わって新規就農者の面談等を実施しております。  今後も、地域の農業者から信頼が得られますように、日々の相談活動や巡回活動に加えまして、地域の話し合いの場等へ積極的に参加するよう促すとともに、農業委員と合同による活動機会を設けるなど農業委員との連携を強化し、農地利用の最適化を図ってまいります。 ◆松原淳二 委員  今、農地利用最適化推進委員については、17名に委嘱し、取り組みを進めているということで、営農相談や農地の巡回活動など個々での対応、そして、遊休農地の各種調査や意見交換など農業委員と連携した合同での活動、また、ワークショップサポートチームへの参加など、札幌市やJAなどと連携した活動による取り組みを進められているとのことでございます。それぞれの連携によって農業委員農地利用最適化推進委員それぞれの役割をしっかり理解していただくとともに、現場活動を担う農地利用最適化推進委員を広く認知していただけるよう、行政としてもしっかりバックアップしていただきたいと思います。現場では農業委員が減ったというイメージがまだまだ多く聞こえてきます。最適化推進委員現場活動を担う存在なのだということをしっかり広くアピールしていただきたいと思います。  また、本市は、やっぱり地域ごとの特性があります。山間の傾斜を利用した果樹園であったり、平たん地ではタマネギ、砂地ではスイカやカボチャ、そして、火山灰ではホウレンソウということで、決して、広大なエリアで多様な作付をするのではなく、その地域ごとに、まさに適地適作といった農業が札幌市の特徴でありまして、これらをしっかり推進する必要があると思います。そのために、法の趣旨を踏まえつつも、地域性をしっかり意識した配置となるよう求めるとともに、やはり、女性や若者の声など、就農といったところで多様な声を広く吸い上げ、多角的な意見反映ができる体制をぜひとも構築していただくよう求めて、私からの質問とさせていただきます。 ○よこやま峰子 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。  次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。 ◆村上ゆうこ 委員  私は、女性の就労環境の向上に関する本市の取り組みについて、2点伺います。  最初に、女性の多様な働き方を支援する女性のための総合窓口である、ここシェルジュSAPPOROにおける雇用と子育て部門の連携についてです。  本年7月に、総務省から2017年の就業構造基本調査の結果が発表されております。調査結果の中で、育児中の女性の有業率に着目すると、全ての年齢階級で有業率が増加しており、これについては、総務省もいわゆるM字カーブが解消の方向に向かっているものと分析しています。一方、札幌市の女性の就業状況について見ると、有業率は全国平均の50.7%を3.2ポイント下回る47.5%となっており、特に25歳から39歳までの子育て女性については、全国平均の62.7%に対し、8.5ポイントも下回る54.2%となっており、依然として、大変低い数字となっています。  昨年行われました官民協働会議、さっぽろ女性応援会議では、この原因として、札幌の3世代同居率の低さと保育園の入所定員の少なさの2点を挙げておりました。特に、保育所の入所定員が少ないということは、やはり今後の重要な課題というふうに私も認識しています。また、この会議においては、子育て女性が就労について考えた際に、子どもの預け先の確保に不安を感じていることを指摘する意見も出されております。  これらのことからも、女性の活躍推進に向けては、雇用部門と子育て部門が一体となって取り組むことが重要です。このことを踏まえ、我が会派も、昨年の予算特別委員会において、女性の就業率向上に関して、子ども未来局を初めとする関係部局が相互にしっかりと連携することによって、大きな効果が見込める取り組みを進めることができるとの意見を述べさせていただいたところです。私は、女性の有業率の上昇と子どもの預け先の確保は、女性の活躍を進めていくための車の両輪のようなものであると思います。このため、就労と保育の一体的相談を行うここシェルジュSAPPOROに対する市民の期待は大変大きいと考えています。  そこで、質問ですが、ここシェルジュSAPPOROについて、保育と就労に関する庁内での連携の内容はどのようなものか、また、今後はどのような取り組みを行っていくのか、お考えをお伺いいたします。 ◎金谷 雇用推進部長  委員のお話にございましたとおり、3世代同居率の低さといった札幌市の子育て女性を取り巻く世帯特性、あるいは保育所の入所環境などは、女性の働きにくさの要因となっているものと認識しているところでございます。  このため、子ども未来局の協力を得まして、各区で保有する認可保育所の空き情報を、週に1回、提供を受け、ここシェルジュSAPPOROで活用させていただくこととしております。また、窓口にキャリアカウンセラーを5名ほど配置しておりますが、オープンに先駆けて研修を行い、区の保育所申請窓口の対応状況を実際に見学させるなど、保育制度に関する知識の向上を図っているところでございます。窓口の運営は今月始まったばかりですので、市民の方々のニーズ、あるいは、利用状況等を把握しながら、関係部局と引き続き連携を深めてまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  保育所の空き情報の提供のほか、窓口職員の研修体制について、引き続き連携を深めていくとのご答弁をいただきました。  ワンストップ窓口とうたっておりますが、ワンストップ窓口としての機能を十分に果たしていくことができますよう、事業の内容について現状分析をしっかり行い、今後とも緊密な連携を継続していただくように求めます。  次に、2点目の質問です。  今年度の女性社員活躍応援事業の中に、働き方改革モデルづくりに取り組む企業への支援というものがありまして、既に事業が始まっているところですが、その中での働き方改革ロールモデルの進捗状況と課題に対する取り組みについてお聞きします。  女性の就労環境向上のためには、ここシェルジュSAPPOROのように女性に対して直接的な支援を行うことも重要ですが、その土台となる女性が活躍できる職場環境づくり、すなわち女性が働く企業の意識改革や取り組みもあわせて重要であると考えます。  2017年の札幌市企業経営動向調査の結果を見ると、3割を超える市内の企業が女性活躍の推進に資する取り組みを実施していないと回答しており、さらに、その理由についても、取り組みの必要性を感じない、自社に必要な取り組みがわからないとの回答が合わせて6割を超えております。現状がこのようになっていることから、企業の意識改革を進めるため、企業向けの支援が急務となっていることは明らかであります。  こういう状況のもと、我が会派では、札幌市が今年度より行っております女性活躍に向けた働き方改革ロールモデルづくり取り組みに大きな関心を寄せております。この事業では、ことし6月に、女性社員の採用強化、定着率アップ、能力発揮などの重要性を学ぶための企業向けセミナーを実施し、参加企業に対して社内就労環境の改善に向けた動機づけを行うとともに、改善を希望する企業を公募、選定したと聞いております。しかし、公募により集まった企業は定員ちょうどの10社とのことであります。このような状況を見ると、企業の女性活躍に対する職場環境の改善意識がどれだけ高まっているのか、また、そもそも他社の手本となる企業ロールモデルができるのか、さらには、できた場合には、どのようにして企業ロールモデルを札幌市内の企業に波及させるのかといった不安が残るところです。  そこで、質問ですが、女性が活躍できる環境の整備について、企業向けに行っているロールモデルづくりの現在の進捗状況や課題に対する取り組みについて伺います。 ◎金谷 雇用推進部長  働き方ロールモデルの関係のご質問でございます。  働き方ロールモデルにつきましては、この5月から7月にかけまして、市内中小企業を対象に公募を行いました。10社の応募に対して、残念ながら申し込みも同数の10社ということでございました。応募のあった企業でございますが、飲食店、IT、製造業、小売業、運輸業、コールセンター等、幸いなことにさまざまな業種でございました。7月に外部委員を交えた選考会で選考いたしまして、10社全てが最低限の基準をクリアしているものと判断して支援対象としたところでございます。  支援に当たりましては、社会保険労務士中小企業診断士などが2人1組のチームをつくって企業に対してヒアリングを行った後、個別の支援メニューを策定し、現在、具体的な改善に取り組んでいるところでございます。8月から支援を進めておりますけれども、こうした支援は1月末まで継続して行い、2月には改善モデル事例の報告会を開催したいと考えております。また、取り組み内容につきましては、事例集にまとめて、来年度以降、企業向けセミナーなどさまざまな機会を活用することによりまして広く市内企業に波及させてまいりたいと考えております。  課題に対する取り組みということでございますが、企業からの応募が少なかったことが最大の課題というふうに認識しております。そのほか、大小さまざまな課題がありますが、こうした課題を踏まえて改善策を講じていきたいと考えております。中でも、市内企業の皆様に関心を持っていただけるように、特に広報に意を用いてまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  最後に、要望です。  10社で企業ロールモデルができると思いますが、この企業ロールモデルが他の札幌市内の中小企業に大きく広がっていくことが望まれます。職場の環境改善に一生懸命取り組んでいるこの10社には、本当に頑張ってもらいたいと思っております。  今、札幌の女性の人口割合が高いということですが、札幌市がこれからますます女性が活躍できるまちになっていくために、それぞれの関係部局が連携協力してきめ細やかな支援を行う体制づくりを進めていくこと、さらには、女性のみならず、男性も含めた社会全体が働きやすい職場となるよう、取り巻く環境の整備や意識の改革を目的とした官民協働の取り組みをこれからも強化していただくことを強く要望して、質問を終わります。 ◆好井七海 委員  私からも、女性の多様な働き方支援窓口の開設について、村上ゆうこ委員と重複しないように、2点伺います。  1点目は、窓口利用を促す効果的な広報についてです。  女性活躍推進法の施行から3年が経過いたしまして、我が党もこの法律の成立の後押しをし、さらに加速、推進しております。内閣に設置されたすべての女性が輝く社会づくり本部が決定した女性活躍加速のための重点方針2018では、女性活躍“以前”の課題の解消と女性が働きがいを持てる就業環境の整備を女性活躍推進の基本的な考え方として挙げております。人口における女性の割合が20の政令市の中で一番高い札幌にとっては、北海道の首都として今後発展し続けていくためにも、女性活躍の推進が重要であると考えます。  これまで、女性活躍の推進については、市民からのさまざまな小さな声を聞き、我が会派では、2年前から代表質問で3度、委員会でも3度取り上げ、質疑させていただいており、平成29年度に始まったさっぽろ女性応援会議の議論をきっかけとして、スピード感を持って事業化に取り組む市の姿勢は大いに評価しているところであります。  そのような中で、働くことに不安を感じている子育て女性の「はたらく」をサポートする総合的な相談窓口、ここシェルジュSAPPOROが今月2日に開設されたことには、大変喜んでおります。  先日、私も窓口を見学して、実際に支援に当たるカウンセラーから直接話を聞きましたが、全国でも初めて就労と保育の両方の相談を一体的に行うサービスは特にすばらしく、ネーミングも、ここから、心を込めておもてなし、コンシェルジュするという意味でここシェルジュとすばらしい名前で、非常に効果的な支援ができる施設であると感じました。  しかし、幾らよい施設であっても、つくって終わりではありません。子育て女性のもとにしっかりと情報が届き、実際に利用していただくためには、対象者に対して適時適切な手法による広報が継続して行われる必要があると考えます。  そこで、質問ですが、女性の多様な働き方支援窓口について、開設までにどのような広報を行い、今後はどのように周知していくのか、お伺いいたします。 ◎金谷 雇用推進部長  今、委員からお話がありましたとおり、一人でも多くの相談希望者に時期を捉えて適切に施設を利用していただくためには、計画的な広報戦略が特に重要な役割を占めているというふうに考えております。  報道機関向けには、8月の市長定例記者会見を皮切りに広報活動を開始いたしました。9月には、報道機関向け施設内覧会を実施いたしまして、これまで多くの報道機関の取材があり、その様子はテレビあるいは新聞などで多数取り上げられたところでございます。相談希望者に向けましては、9月に専用のホームページを開設いたしました。これはスマートフォン等にも対応しており、LINEやインスタグラムといったSNSなど、相談者の年代や志向に合わせた広報媒体を積極的に活用しております。また、試行的ではございますが、出張相談先となる北区と連携いたしまして、乳幼児健診の案内文発送の折に、ここシェルジュSAPPOROリーフレットを同封するという庁内連携も進めているところでございます。  今後は、今ほど申し上げました乳幼児健診通知の中にリーフレットを同封するということにつきまして、その効果を検証していくとともに、市内のフリーペーパー等を積極的に活用するなど、より実効性の高い広報手法となるように工夫してまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  広報については、マスコミ等でも多く取り上げていただいて、また、SNSや乳幼児の健診案内の中にも入れるということで、さまざま活用され、また、直接、窓口の対象者に対して周知を促すような取り組みも工夫されていることがわかりました。まだ開設して間もない施設なので、データとして把握していないかもしれませんが、スタートダッシュがどうなっているのか、利用状況が気になるところであります。  次は、出張相談の拡充について伺います。  ここシェルジュSAPPOROは、主に子育て女性を対象とする窓口であり、子育て女性は外出に制限のある方が多いかと思います。窓口が開設されている札幌エルプラザは、JRと地下鉄の双方からの乗り入れが可能であり、市内での立地としては最適だと思います。また、平成30年度は、中央区と北区の2カ所で出張相談を行うと聞いており、子育て中の女性が相談しやすい体制づくりに配慮していることに一定の評価はしております。しかし、中央区と北区以外の区にお住まいの方にとっては、身近な地域で出張相談を受けられないことから、我が会派としては、出張相談の全区拡充が必要だと考えます。  本年7月の大都市税財政制度人口減少対策調査特別委員会で、我が会派の竹内委員が窓口の利用促進の手法について質問しましたところ、利用者のニーズをしっかりと把握し、多くの女性にとって気軽に利用できる施設を目指すとのご答弁をいただきました。  そこで、質問ですが、ここシェルジュSAPPORO出張相談について、我が会派としては全区拡充が必要だと考えますけれども、今後の可能性について、市のお考えを伺います。 ◎金谷 雇用推進部長  今後の出張相談の拡充というお話でございます。  今年度の出張相談につきましては、今、委員からお話がございましたとおり、中央区の子育て支援総合センターの中の子育てサロン、それから北区の乳幼児健診の会場を活用してそれぞれ月1回ずつ実施する予定でございます。  北区につきましては、先週10月9日火曜日に第1回目の出張相談を実施したところでございまして、午前中に4カ月健診の会場で、午後には3歳児健診の会場で行いましたが、4カ月健診の会場のほうが就労相談の希望が多いような状況で、3歳児健診のほうは、既に仕事をしているなどの理由で相談が多くなかったと聞いております。まだ1回だけの実施ですので詳細はこれからとなりますけれども、より小さなお子さん、1歳児とか2歳児のお子様が集まる会場のほうが需要が高いのではないかなというふうに感じたところでございます。また、中央区の子育て支援総合センターでの出張相談につきましては、1回目の相談をあすの10月19日に予定しております。  出張相談を各区に広げることにつきましては、今年度の実施状況、実施会場の状況を十分踏まえましてしっかりと把握した上で、準備が整った区から順次進めてまいりたいと考えております。  なお、質問ではなかったのですが、開設後の状況はどうかというふうなお話がございました。10日ちょっとでございますが、10月16日現在の窓口状況は、登録件数が132件、相談件数は32件、また、セミナーを実施しておりまして、セミナーの参加者は2回行って合計25名という状況でございました。 ◆好井七海 委員  直近の窓口利用状況まで教えていただきまして、ありがとうございました。2週間足らずで132名という登録件数に驚いております。  また、平成30年度に実施する2カ所の相談実績を踏まえて、新年度の途中からでも出張相談の全区拡充を検討していただけるという前向きなご答弁をいただきましたので、何とぞよろしくお願いいたします。  ここで、要望になりますが、今後より具体的な周知をしていただくことと、都心から離れた場所に住む女性も利用しやすいよう、また、相談者の意見を聞きながら出張相談の会場や時間などの実施方法を検討していただくように強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○よこやま峰子 委員長  以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。  次に、第6款 経済費 第1項 商工費の質疑を行います。 ◆北村光一郎 委員  私からは、観光都市さっぽろを推進していることに関して、今回の災害時における観光客の一時避難について課題が見つかったところでございますので、2点質問させていただきたいと思っております。  まず、1点目は、観光客の避難に対する課題についてです。  9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震では、停電や断水、建物の損壊、道路の亀裂など、市民生活において甚大な被害に見舞われました。そして、ブラックアウトに伴う一斉停電で交通機関が麻痺したことにより、足どめされた観光客の方々は、行き場を失い、都心部にあふれるなど、混乱状態に陥っていたと聞いております。  札幌市内には、避難所が約300カ所ありますが、資生館小学校を初め、都心部の避難所に観光客が集中し、避難者を受け入れることが困難な状況になったことから、札幌市では、急遽、中島体育センターやオープン前の市民交流プラザなど、観光客向け臨時避難所を6カ所開設し、発災当日には1,700名を超える方々がそちらに避難したと聞いております。  このような事態に対して、札幌市として、観光客向け臨時避難所を次々と開設し、柔軟に対応したことについては、私は評価できると思っております。しかし、昨年度の外国人宿泊者が257万人に達するなど、年々、観光客が増加していることを踏まえると、災害時対応の想定が甘かったのではないかと言わざるを得ないところでございます。  そこで、質問でございますが、このたびの地震により、災害時の対応の一つとして、観光客を円滑に避難させることがいかに重要であるかということを改めて感じたところでございますけれども、観光客の避難に対する課題をどのように考えているのか、まず、お伺いいたします。 ◎森 観光・MICE推進部長  災害時におけます観光客の一時避難に対する課題についてでございます。  観光客向けの避難場所の確保や、宿泊事業者、交通事業者などとの情報の共有、連携、多言語による的確な情報提供などが課題ではないかというふうに考えているところでございます。特に、今後、観光客の皆様の避難場所確保につきましては、今回のように市有施設の活用を検討するとともに、市内の宿泊事業者とも十分に協議し、観光客の皆様が安心して訪れることができる環境の整備に向けまして、連携・協働できる体制を構築していく必要があると考えております。 ◆北村光一郎 委員  余分な発言でございますが、私は、冬場には地下街なども有効に利用できるのかなと考えておりますので、お聞きおきいただきたいと思います。  続きまして、宿泊事業者との連携についてお伺いいたします。  観光客の避難場所をできる限り確保し、市内の宿泊事業者とも連携できる体制を構築していくことを課題として認識しているという答弁がございました。やはり、急増している外国人観光客の動向を踏まえると、あらかじめ観光客向けの避難所を指定しておくべきであると思います。また、行政機関だけでは物理的にも人的にも限界があるので、ホテルや旅館などから可能な限り協力を得ることが必要であります。今回の震災では、多くのホテルで延泊の受け入れやロビーの開放などを行っておりましたが、中には、施設の安全管理面から延泊を断ったホテルがあると聞いています。  風評被害を払拭し、また、多くの外国人観光客を呼び込むためには、元気な札幌の姿を発信することも大切でありますが、あわせて、万が一、災害が発生しても、円滑に避難することができて、安心して過ごせる場所が札幌には十分あるということをアピールする必要があると考えます。  そこで、質問ですが、観光客が安心して訪れることができる環境の整備に向けて、具体的に市内の宿泊事業者とはどのような連携・協働体制を構築するつもりなのか、お伺いいたします。 ◎森 観光・MICE推進部長  宿泊事業者との連携についてでございます。  観光客向けの環境整備に向けまして、市内115施設が加盟している札幌市内ホテル連絡協議会及び札幌ホテル旅館協同組合とは、既に協議を始めているところでございます。  災害が発生した場合、建物の安全が確保されていることなど個別の事情がありますが、ホテル側といたしましては、可能な限り、延泊や予約客の受け入れ、ロビーの開放などを行っていただく一方、札幌市といたしましては、ホテル側に対して交通機関等の情報の提供、物資の供給、それから、外国語対応の人的支援などを実施することを検討しております。今後は、観光客が安心して訪れることができるまちを目指すという共通認識を持ちまして、これらの事項について協議、調整を進め、宿泊事業者と札幌市との間で災害時における協力体制に関する協定を締結したいというふうに考えているところでございます。 ◆北村光一郎 委員  前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございました。  ただいま指摘しました事項に関して、しっかりと対応していただくことを申し上げて、質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、札幌市における省エネルギービジネス創出について質問させていただきます。  地球温暖化対策につきましては、環境局のみならず、全庁一丸となって取り組むことが重要でありまして、企業における省エネも積極的に推進すべきという立場から、経済観光局の事業についてもこれまで議会で取り上げさせていただいたところです。経済観光局では、東日本大震災以降の電気料金の値上げなどを受けまして、中小企業の経営基盤強化を目的に、2013年度から札幌型スマートファクトリー化推進支援事業など、企業に対する省エネ推進の事業を行ってまいりました。  2016年第3回定例市議会では、環境・エネルギー産業の振興について代表質問をさせていただき、省エネビジネス創出の今後について伺い、市長からは、市内中小企業の参入も期待でき、ノウハウや技術の蓄積が進むと、将来的には札幌市以外の地域にも市場の拡大の可能性もあるとの答弁をいただいております。そして、続く決算特別委員会では、省エネビジネス創出事業で想定している窓口機能について、他都市の状況や課題などを踏まえ、どのように行っていくのか、また、想定されるスケジュールなどを伺いまして、環境・エネルギー分野の新たなビジネスとして産業振興に資するものであり、そして、情報の発信から診断、顧客に合わせた提示、業者の紹介までワンストップで進め、検証までできるということで、2017年開始予定という答弁をいただいております。  現在は、これを一歩進め、省エネの総合窓口を設置し、工場等の企業の省エネ需要と省エネ施工の担い手をつなぐことで、省エネを札幌の新たなビジネスとして創出できる事業に取り組んでいるところと聞いております。これまでの省エネは、診断と施工が異なり、主に新製品の入れかえを勧めたり、省エネのみのメリットを重視したり、大企業やメーカーが担うことが多かったというのが明らかです。一方、特に大きな初期投資を必要としない既存設備の改善などに着目したこの省エネビジネスは、市内の中小企業でも担える分野でありまして、これまで経済活動を規制する側面のあった地球温暖化対策と、経済成長を目指す産業振興という、一見、相反する分野を両立させ、相乗効果を生み出す取り組みとして大きな期待をしているところです。
     一方で、昨年度から省エネの総合窓口が立ち上がっておりますが、この運営事業者については、今年度、変更になっていると聞いております。当該事業は、補助金を徐々に減額し、3年間で経済的自立を目指す事業であることから、継続性が何より重要と認識しておりまして、事業者の変更が当該事業の推進に影響を与えているのではないかと心配しているところです。  そこで、質問ですが、2017年度の事業開始からこれまでの実績と、事業者変更に伴う影響について、まず、伺います。 ◎田中 産業振興部長  札幌型省エネルギービジネス創出事業について、2点お答えいたします。  まず、当該事業の実績についてでございますが、昨年度からの累計で、省エネ診断が20件、施工が4件でございます。また、ことし3月に札幌商工会議所と連携して顧客向けセミナーを実施し、100名を超える来場者に事業を周知いたしました。加えて、今年度からは、補助対象事業者がみずからの技術力向上を目的として勉強会を3回実施したほか、今後、環境局が主催する省エネ技術者の育成セミナーにも参加することとしております。  次に、事業者変更に伴う影響についてでございますが、今年度は、昨年度から本事業に参加している市内の中小施工業者が主体となって構成した団体に補助を実施しております。実質的には取り組みが継続されておりますので、事業者変更に伴う事業への支障はないものと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  この事業は、2017年度と言いましても、かなりたって2017年度の後半になってから開始されたものと思いますが、その中で、診断が20件、施工が4件、そして商工会議所とのセミナーなどなど、さまざまな実績が見えてまいりました。そういう中で、事業者変更に伴う影響についてはないということで、これに関しては安心いたします。事業者の変更に伴う事業の滞りがなく、昨年度の取り組みが生かされているということで、本当に何より安心するところです。  そして、当該事業を開始する前に経済観光局で実施した調査によりますと、省エネの潜在市場は十分にあるけれども、担い手企業が少ないため、担い手の育成も一つのポイントであるとの指摘を受けていることから、今回、勉強会の実施やセミナーへの参加というのは非常に意義ある取り組みだと私は思います。また、省エネ診断や施工実績については、確かに20件とか4件ということであります。ただ、これが少ないと感じるかというと、こういったものは決してすぐに形になるものとは思えません。やはり、さまざまな検討があって、そこから実績につながってくると思いますので、これからしっかりと数字が上がってくるのではないかと期待しているところです。  一方で、民間主体の省エネの総合窓口を立ち上げ、省エネをビジネス化させるというのは、全国でも例のない取り組みと認識しております。そういったことから、実際に取り組み始めた中で、さまざまな課題が見えてきているのではないかと思うところです。  そこで、質問ですが、現在、札幌市として認識している課題はどういったところにあるのか、そして、その解消に向けてどのような取り組みを行っていくおつもりか、伺います。 ◎田中 産業振興部長  札幌型省エネルギービジネス創出事業の課題とその解消に向けた取り組みについてお答えいたします。  課題としては、大きく2点あると認識しておりまして、1点目は、当該事業のメリットの周知についてです。顧客の獲得に当たりましては、省エネによるコストの削減効果、一方、これからこの事業に参画する企業の開拓に当たりましては、省エネビジネスがみずからの収益につながる可能性が大きい市場であることを多くの方に知っていただくことが非常に重要と認識しております。現在、この改善に向けまして、来場者が約2万人という市内最大のビジネスイベントであるビジネスEXPOへの出展や、札幌商工会議所との連携によるセミナーの開催などを企画しているところでございます。  課題の2点目は、補助対象事業者が複数の中小企業の連合体であり、情報共有や意思決定などの体制が確立していないことが挙げられます。こちらにつきましては、札幌市といたしましても、円滑な事業運営ができるよう積極的にサポートし、事業者と二人三脚で組織体制の安定化を図っているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  大変いい取り組みでありましても、当然、課題はまだまだございます。今、部長から二つの課題があるということで、一つ目がメリットの周知であり、そしてまた、事業者が中小企業の連合体であることから、なかなか体制が確立できていないことが示されました。  大きな初期投資を必要とせずに既存設備の運用方法の改善などに着目した省エネルギービジネスは、本当にすばらしい効果を生むことが明らかになっています。まさに、市内の中小企業の経費削減による経済基盤の強化であったり、そして、中小企業施工業者の新たな収入源になることを多くの当事者の方たちにしっかりと知っていただくこと、これが何より大切だと思います。そしてまた、札幌市全体を考えてみてもCO2削減と、三つの大変大きなメリットを生み出す事業でありますので、私は大きく期待しているところです。  省エネ事業につきましては、東京都とか北九州市でもさまざまな取り組みを行っていると聞いておりますが、まさに積雪寒冷地である札幌ならではの取り組みでありますので、地域密着の身の丈に合った事業を進めていただき、札幌市の企業、事業者の多くが省エネに取り組むことができるように期待したいと思います。  一方で、この事業を推進するに当たりましては、補助金も大切な要素であると思いますが、それ以上に、札幌市と一緒にやっているという信頼感はやはり大変大きなものだと認識します。組織の安定化に向けて札幌市が積極的にかかわっていただけるのは望ましいことで、この3年間での経済的自立を目指して本当に頑張ってほしいと思いますが、補助事業終了後につきましても札幌市がしっかりとかかわり続けていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。 ◆前川隆史 委員  私からは、1点目に震災後に開催したオータムフェストについて、そして、2点目に医療関連産業集積促進事業について、順次、お伺いいたします。  まず、さっぽろオータムフェスト2018についてお伺いいたします。  さっぽろオータムフェスト2018は、9月6日に発生いたしました北海道胆振東部地震の影響によりまして、当初の開催日を約1週間延期して9月15日からの開催となりました。来場者数は、前回比約15%減の172万人と伺っておりますが、会期が3分の2に短縮されている中、1日当たりの来場者数では前回に比べて2割以上増加しておりまして、多くの来場者に恵まれたと言えるのではないかと思います。こうしたことに鑑みますと、今回、観光事業の早期回復が望まれる中、震災直後での節電要請にも配慮しながら、速やかにオータムフェストを開催したことは大変よかったのではないか、このように思っております。  一方で、引き続き観光事業の低迷が懸念されている状況下では、今後、誘客促進に資する取り組みを継続的にさらに充実させていくことが重要でございます。そのためには、今回の取り組み結果を震災復興の視点でしっかりと検証していくことも必要である、このように思います。  そこで、最初の質問でございますが、震災の影響が残る中、オータムフェストをあえて実施したことについて、開催に向けて期待した効果と、結果を踏まえて感じた成果や課題をどのように認識しているのか、お伺いいたします。 ◎森 観光・MICE推進部長  さっぽろオータムフェスト開催に伴って期待した効果と、結果を踏まえた成果、課題についてでございます。  さっぽろオータムフェスト2018の実施に際しましては、震災後、被災地の活気を取り戻すとともに、札幌、北海道が元気であることを国内外にアピールすることを目的として実行委員会として開催を判断したものでございます。開催に当たりましては、自家発電機で電力を賄ったこととか、来場者、会場管理者から義援金を募ったことなど、被災者の方々に配慮しながら実施した結果、開催趣旨に広く賛同いただきまして、札幌市民を中心に多くの来場者にお越しいただいたところでございます。さらには、多くのメディアで取り上げられたことによりまして、所期の目的でありました札幌、北海道が元気な様子を発信することにつきましても、一定の貢献をすることができたと考えております。  一方、震災直後の影響を受けまして、海外からの来場者は大幅に減少しておりまして、インバウンドの回復に資する取り組みの強化が今後の課題であろうというふうに考えているところでございます。 ◆前川隆史 委員  震災の復旧、復興も念頭に、北海道を元気にしていく、そういった役割も感じつつ、今回のオータムフェストを開催した、ただ一方で、インバウンドが大変減少して、これからの大きな課題になっているということでございました。今後、この課題の解消に向けた取り組みを推進していくことになると思いますが、例えば、これから開催される予定のさっぽろホワイトイルミネーションとかミュンヘン・クリスマス市、また、さっぽろ雪まつりといった大規模な観光イベントは、海外からも大変注目されている魅力的な催しでございまして、こうした機会を通じて札幌が元気であることを積極的にアピールすることが効果的ではないか、このようにも考えております。  そこで、質問でございますが、今後開催される大規模イベントを活用した外国人観光客の誘客対策について、現時点でどのような考え方を持っているのか、お伺いいたします。 ◎森 観光・MICE推進部長  大型イベントを活用した外国人観光客の誘客対策についてでございます。  委員のご指摘のとおり、外国人観光客の誘客に向けまして、集客力の高い大型イベントを活用することは非常に有効な取り組みであると考えております。  そこで、今後開催されるさっぽろホワイトイルミネーションやミュンヘン・クリスマス市 in Sapporoにつきましては、今月上旬に再認定された日本新三大夜景の効果も最大限に生かしながら、その魅力の発信に努めてまいりたいと考えております。さらには、今回で70回を迎える本市最大の観光イベントであるさっぽろ雪まつりは、海外における認知度も高く、札幌の魅力を改めて発信し、誘客につなげることができる絶好の機会であると認識しているところであります。  このため、観光客数を回復させるための復興イベントと位置づけ、市長を先頭とするトップセールスを実施するなど、外国人観光客誘致の取り組みを一層充実させてまいりたいと考えているところございます。 ◆前川隆史 委員  第70回の雪まつりということでもございますので、全世界から人を呼び込めるように、市長が先頭に立ってあらゆる知恵を振り絞って取り組んでいただきたいと思います。  では、次の質問に移りたいと思います。  次に、医療関連産業の振興についてお伺いいたします。  札幌市は、流出になかなか歯どめがかからない理系人材の雇用の受け皿を拡大していくために、新たな基幹産業創出といったことも視野に、北海道大学や札幌医大などの研究を生かした医療関連産業の振興、集積に力強く歩み始めた、このように思っております。一口に理系人材と言いましても、大学にはさまざまな学問分野がございますが、とりわけ医療関連産業は、生物学とか、医学、薬学といった生命科学分野の学生の受け皿として大変有望な分野と言われております。  札幌では、生命科学分野のすばらしい研究が数多く行われておりますので、地域の産業やまちづくりに生かせるに違いないと確信しておりますし、特に、新たな札幌の基幹産業へと成長し得る分野だと、私はその可能性に大変期待しております。その可能性を現実の形としていくためには、企業、大学、行政という産学官の強固な連携体制が欠かせません。しかし、せいて事をし損じてしまっては元も子もございませんので、まずは進むべき方向性をしっかり見定めるとともに、市内企業の機運を盛り上げていく、こういったことが必要であるかと思います。  そうした観点からしますと、札幌市が昨年初めて開催したフォーラムは非常に有意義な催しになった、このように感じております。このフォーラムは、これからの産業とさっぽろの未来と題して、札幌商工会議所との共催で2回実施されまして、我が会派も挙げて参加させていただきました。フォーラムでは、札幌医大の再生医療とか、北海道大学のがんゲノム医療、IT技術を活用した医療などさまざまな有望テーマが紹介されるとともに、産業振興の可能性について活発な議論が行われましたが、大変に夢と希望あふれる議論でございました。将来、あのフォーラムが全ての始まりだったと記憶されるようなスタートとしていかなければならないと思います。そのためにも、取り組みの効果をしっかり検証して、軌道修正しつつも、どんどん新しい挑戦をしながら前に進んでいくことが重要であると思います。  そこで、最初の質問でございますが、昨年の医療関連産業フォーラムの開催によって、どのような効果があったと認識しているのか、まず、お伺いいたします。 ◎知野 国際経済戦略室長  医療関連産業フォーラムの開催効果についてお答えいたします。  主に二つあったと考えております。  昨年は、健康・医療、IT、ものづくり、食、建設など幅広い業種から延べ379人が参加するとともに、参加者の85%が満足という大変好評なアンケート結果が得られ、例えば、今後の新事業展開に向けて刺激を受けたとの声も複数いただきました。このように、多くの参加者と産学官の協力体制や今後の進むべき方向性を共有し、医療関連産業振興に向けて一歩を踏み出せたことは、開催による大きな一つ目の効果であったと捉えております。  また、開催後には、結果の概要を全国版の経済誌に掲載したところでありまして、フォーラムの議論を踏まえることで、札幌の積極的な姿勢や可能性をより具体的に発信できた点が、二つ目の重要な効果であったと認識しております。 ◆前川隆史 委員  ただいまのご答弁は、大変大事なことだったと思います。しかしながら、2年目、3年目と回を重ねていく中でどんどん取り組みの効果が見えるようになるよう、追撃の手を緩めず、どんどん知恵を出して取り組んでいかなければいけないと思います。フォーラムに参加した人が、きょうの話はとてもよかったねというだけで終わってしまっては、大変もったいないことになってしまいます。フォーラムを起点にして、企業が行動を起こし、産学の連携プロジェクトが生まれるのが目指すべき目標の一つでございますので、今後は札幌市としても仕掛けや工夫をしていくことが必要かと思います。  昨年の2回のフォーラムでは、多くのテーマを議論として、一つ一つが駆け足だったために、自分たちもこういう取り組みができる可能性があるのではないかとイメージできた参加企業がどれくらいあったのか、若干心配されるといったこともございます。一方、今年度の初回として、先月、9月に開催が予定されていた3回目のフォーラムは、震災の影響で12月10日に延期となりました。ただ、北海道大学のがんゲノム医療にテーマが絞られておりますので、企業の具体的な動き、産学連携につながる可能性もこれまでのフォーラム以上に高まるのではないかと期待もしておりますが、仕掛けとまで言えるものではないのではないかとも若干思っております。  そこで、次の質問でございますが、フォーラムを起点として新たな産学連携の創出に結びつくよう工夫していくべきと思いますけれども、どのようにお考えか、お伺いいたします。 ◎知野 国際経済戦略室長  フォーラムを起点として新たな産学連携に結びつける工夫についてお答えいたします。  昨年開催した第2回目のフォーラムでは、産業振興につながるテーマとして、北大のがんゲノム医療が有望と考えられるものの、札幌市内の企業が十分に関与できていないとの議論がございました。このため、札幌市では、ゲノム医療の基盤ともなる施設で検体などを保存する北大のバイオバンクに着目の上、その機能を生かして創薬などを目指す企業向けの補助を新設するとともに、北大との共同で公募説明会も実施いたしました。また、次回、12月のフォーラムでは、産学の交流促進を目的として、研究者と企業のポスター・パネル展示を同時開催いたします。  今後も、こうした工夫を組み合わせて、フォーラムを起点として新たな産学連携が生まれますよう企業を後押ししてまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  一層、力を入れて進めていただきたいと思います。  先日、がんの画期的な新薬のもとになる研究でノーベル生理学・医学賞を受賞された本庶先生は、実用化したくてもパートナーが見つからないときが一番大変だったと記者会見でお話しされておりました。パートナー探しが難しいという点では、予算特別委員会でも引き合いに出しましたが、産学連携は私がずっと取り組んでいる婚活と同じでございまして、やはり仲人役の存在が重要でございますので、札幌市には関係機関と協力してその役割を果たしていただきたい、このように思います。  ただ、企業と大学が出会ったとしても、企業には次の壁として大学との共同研究費という問題が立ちはだかります。私の若かりしころの恋愛もそうでしたが、私も貧乏学生で生活が苦しい中、好きな子がいてもデートに誘うお金がなくてなかなかつらかったわけでございます。企業と大学のおつき合いも、せっかく気持ちがあっても経済的な理由でうまくいかないとなれば、大変残念な話になります。そういう意味では、先ほどご答弁されました新しい補助制度は非常に前向きな取り組みであると評価させていただいておりますし、この事業の成否も実はそこにかかっていると言っても過言ではないかもしれません。  そこで、次の質問でございますが、北大のバイオバンクと連携する企業向けの新たな補助を通じて、どのような成果が生まれると期待しているのか、お伺いいたします。 ◎知野 国際経済戦略室長  北大バイオバンクと連携する企業向けの補助を通じた成果への期待につきましてお答えいたします。  現在支援しております4件は、医薬品やがんの新たな検査方法の開発といった研究開発型の取り組みで、ベンチャー企業が中心でございます。こうした医療分野の企業は、事業化に向けて薬の効き目や検査の正確さなどを厳密に実証するように求められ、場合によっては数百億円という莫大な費用が必要となってまいります。一方で、バイオバンクの活用によりまして、こうした実証費用の軽減とともに、事業化までの期間を短縮できるという可能性もございます。このため、今回の補助を通じて、医療分野における市内企業の事業化と成長が促進され、成功事例の創出につながるとともに、理系人材の雇用受け皿が拡大していくことを期待しているところでございます。 ◆前川隆史 委員  全く同感でございますので、しっかり進めていただきたいと思います。企業には、産学連携を通じて将来大きく成長して、雇用と市税を出世払いしていただければいいわけですから、将来を見据えた前向きな投資として、デート代の支援と言っては誤解されるかもしれませんけれども、企業が大学とうまくおつき合いを始められるよう、経済的な後押しにも一層積極的に取り組んでいただきたいと思います。  さて、これまでは主に結びつけるという視点でお話をしてきましたが、もう一つの重要な視点として、外から呼び込むという考え方があります。  先般、私が訪問した神戸医療産業都市では、どんどん企業の誘致を進めております。札幌も、医療関連産業の振興を成功させていくには、新たな挑戦の動きを道外に発信して企業、人、投資を呼び込んでいかなくてはなりませんが、医療関連産業のフォーラムはそのきっかけとなる可能性があると思います。道外からもフォーラムに足を運んでいただければ、札幌の魅力、またやる気をじかに感じられ、将来の誘致に向けて弾みとなるのではないか、このように期待するところでございます。  しかし、残念ながら昨年のフォーラムでは、道外からの参加者数は決して多くなかったと伺っております。  そこで、最後の質問になりますけれども、誘致に向けたきっかけをつくっていくために、道外からのフォーラム参加者をふやせるよう取り組みを強化していくべきと思いますが、どのようにお考えか、お伺いいたします。 ◎知野 国際経済戦略室長  道外からのフォーラム参加者をふやす取り組みにつきましてお答えいたします。  昨年は、道外に向けた開催前の周知として、経済誌への広告掲載や全国4,500社へのダイレクトメールの発送、展示会でのアピールのほか、札幌市ホームページへの掲載などを行ったところでございます。  ことしは、これらの取り組みに加えて、医療分野の専門誌あるいはウエブサイトへの掲載を強化するとともに、東京事務所が開始いたしましたメールマガジンなどによる周知を新たに実施いたします。さらには、例えば東京に出向いて開催することなども検討いたしまして、札幌市の取り組みを全国に発信しながら、道外の参加者をふやしていけるよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  より多くの人にこの札幌の取り組みの情報が届き、道外からの参加者がふえていくよう頑張っていただきたいと思います。  要望でございますけれども、その他にぜひチャレンジしていただきたい点として、札幌出身者をどう呼び込むかということがございます。私の身内にも実は国内外の大手製薬メーカーに勤務している者が何人かおりますが、製薬業界筋の話によりますと、ここ数年、大規模な早期退職の募集が各社で相次いでいるとのことで、その中には相応の数の札幌出身者もいると思われます。大都市の生活に疲れたので札幌に戻りたいと考えている人たちもいらっしゃるのではないかと思いますので、そういった人たちを呼び込む絶好のチャンスが到来しているのではないかと思います。このような業界を熟知した高度な人材は札幌にはなかなかおりませんので、大変貴重でございます。残念ながら、受け皿となる企業は多くございませんが、それであれば、ベンチャーをしっかり起業していただくなどして、怖いもの知らずの若者が、そしてまた業界を熟知した人材が札幌で大活躍できる機会もつくっていただけたらと思います。今、東京事務所の活用のお話もございました。また、大手町の札幌UIターン就職センターもございますので、そういったことも念頭に置きながら取り組みを充実させていただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆村上ひとし 委員  私は、大きく2点質問させていただきます。  1点目は、経済センサスから見た今後の札幌市の経済について、2点目は、定山渓温泉の温泉街の環境整備に関してであります。  まず最初に、経済センサスから見た今後の札幌市の経済、とりわけ札幌市産業振興ビジョンの数値目標の関連について質問したいと思います。  まず、産業振興ビジョンであります。この産業振興ビジョンは改定版が出されておりますが、札幌市の企業の9割以上が中小企業だということで、経済は中小企業に支えられていることから、2008年4月に全面改正した札幌市中小企業振興条例において、市は、中小企業振興施策を総合的に策定し、及び実施しなければならないと明記され、2011年から2020年までの産業の振興の方向性を示す計画として、2011年1月に札幌市産業振興ビジョンが策定され、その後、改定されたということであります。  ちょうどこの時期はリーマンショックの影響もまだございまして、全国でも札幌でも、経済的にも、そして市民や国民の暮らしも大変厳しい状況でした。当時の札幌圏の有効求人倍率を見ますと0.34倍で、産業振興ビジョンの最重要の課題としては雇用の受け皿を増大、創出することを中心に置いております。そうした中、5年が経過した2016年ころでしょうか、社会情勢が変化したということで改定されております。  この位置づけとしては、札幌市中小企業振興条例に基づいている総合的な計画であり、札幌市のまちづくり戦略ビジョンの方向性に沿った個別計画ということであります。当初、数値目標というのを掲げておりませんでしたが、改定版の中では、雇用の場を確保し、創出し、市民に働く機会を提供するとともに、企業活動の活性化を通して企業の売り上げ増加を図り、就業者の収入増加につなげ、それが新たな雇用の場を創出するという好循環を目指し、産業振興ビジョンの目的である雇用の場の確保・創出、そして、企業・就業者の収入増加に沿って、市内従業者数、そして市内の企業の売上高の二つの数値目標を掲げました。  この二つの数値目標は、総務省の統計局が実施する経済センサスの調査結果を活用しておりますが、直近では平成28年の経済センサスの結果が公表されました。そこで、それに基づいてお伺いいたしますが、この二つの数値目標について、直近の経済センサスではどのような状況となっているのでしょうか。 ◎田中 産業振興部長  札幌市産業振興ビジョンの数値目標の現状についてお答えいたします。  まず、民営の市内従業者数でございますが、平成26年の実績が85万8,000人で、平成33年の目標を90万人としております。しかし、直近の平成28年では83万8,911人と、平成26年実績よりも約1万9,000人減少しております。減少の内訳といたしましては、運輸業・郵便業で4,000人強、生活関連サービス業・娯楽業で4,000人弱、卸売業・小売業で3,000人強、宿泊業・飲食サービスで3,000人強、建設業で2,000人強、それぞれ減少となってございます。減少している業種が多数を占める一方で、医療、福祉で4,000人強、金融・保険業で1,000人強など、従業者を大きくふやしている業種もございます。  次に、市内企業の売上高でございますが、平成26年実績が15兆7,794億円で、これを平成33年に16兆8,500億円にすることを目標としておりますけれども、直近の平成28年では21兆1,623億円と大幅に上回っております。 ◆村上ひとし 委員  民営の市内従業者数については、当初、2014年の実績が85万8,000人、これを2021年までに90万人にするということでした。しかし、医療、福祉を中心に増加しているところもあれば、運輸、郵便、あるいは生活関連サービスや宿泊などで、大きく減少しているところもあります。売り上げにつきましては、2014年実績が15兆7,794億円、2021年の目標では16兆8,500億円ですが、これが21兆円と目標を大幅に上回ったということで、従業者数は減っている中で企業の売り上げは大幅に上回りました。しかし、市内の経済の活性化と成長のためには、市内企業の売上高の増加が個人消費の増加に結びつくことが大変重要だと考えます。  そこで、お伺いいたしますが、売上高の増加と個人消費の関係についてどのようにお考えになっているか、お伺いいたします。 ◎田中 産業振興部長  市内企業の売上高の増加と個人消費の関係についてお答えいたします。  総務省統計局の平成26年及び28年の家計調査によりますと、勤労者世帯の名目消費支出は29万9,012円から31万1,037円と4%増加しており、売上高の増加が個人消費の増加に一定の影響を及ぼしていると考えてございます。 ◆村上ひとし 委員  総務省統計局の調査によると、勤労者世帯の名目消費支出が約4%増加したということですが、全世帯で名目消費支出を見ると0.8%の増加です。先ほど売り上げのことも触れましたが、売上高については、三十数%ぐらい、ぐっと急上昇して大幅にふえておりますけれども、勤労者世帯などの名目消費支出で見ると伸び幅は小さくて、個人消費の持ち直しには力強さが欠けた状況だというふうに言わざるを得ないと思います。また、名目消費支出という数値と実質的な消費支出というのがあると思いますが、あるいは、物価の影響によって消費支出は相当左右されます。  そこで、先ほど部長が答弁された2014年から2016年の総務省統計局の家計調査の結果ですが、実質可処分所得について、同じく総務省の家計調査を見ますと、1997年は月額47万9,302円ですけれども、1997年を頂点に減少しております。そして、2015年には40万8,649円まで下がり、この額は1985年の41万3,835円より低い水準であります。つまり、実収入から税金などを控除した可処分所得は、30年前の水準であるというのが2015年の全国的な状況でした。  そうした点で言いますと、今後は、名目消費支出のみならず、総合的な視点から企業の売り上げと個人消費の動向を慎重に見きわめていく必要があると思います。実質的な数字も踏まえて複眼的に評価していくことが必要で、消費支出がこの数字であることをもって喜べる状況なのかどうかは、見きわめる必要があります。  次の質問に入ります。  このように市内の企業の売上高が増加している一方で、民営の市内従業者数については、目標に近づくどころか、減少してしまっている状況であります。2021年に90万人と設定している数値目標の達成は、現状のままでは相当厳しい状況だというふうに思われます。この点では、やはり、勤労者の実収入が伸び悩んでいることで、収入が高い東京などに働く人が流出する傾向も否めないのではないかと思います。  ことし4月に公表された2017年度の下期の札幌市企業経営動向調査では、経営上の問題点として人手不足が50.3%で第1位でありまして、第2位の諸経費の増加をおよそ9ポイントも引き離している状況であります。また、2012年経済センサスと比較しますと、個人経営の事業所数については2万1,147事業所から1万9,314事業所へと約2,000事業所も減少しております。それに伴い、個人経営の事業所の従業者数を見ますと、5万5,335人から4万9,430人へと約6,000人も減少しております。  そこで、お尋ねいたしますが、民営の市内従業者数が減少している結果をどのように分析しているのか、また、労働力が不足していることへの対策をどのように考えているのか、お伺いいたします。  さらに、個人経営の事業所の減少に歯どめをかける具体的な振興・支援策が必要であると考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎田中 産業振興部長  民営の市内従業者数と、それから、個人経営の事業所数の減少の要因とその対策についてお答えいたします。  まず、民営の市内従業者数の減少についてですが、総務省統計局の平成29年就業構造基本調査によりますと、生産年齢人口は直近の5年間で3.9%減少しておりますことから、この生産年齢人口の減が大きく影響しているものと考えております。  そうした状況のもとで、民営の市内従業者数を大きく増加させることはなかなか難しいところではございますが、例えば、テレワークの普及促進を図ることで女性の有業率の向上、また、シニア向けの体験つき仕事説明会の開催によって高齢者の有業率の向上を目指しまして、これまで働いていなかった方々の労働参加により、労働力不足の解消へとつなげてまいりたいと考えております。  また、個人経営の事業所の減少についてでございますが、市内経営者の高齢化が進んでいる一方で、事業承継がスムーズに進んでいないことや、設備投資への負担感から廃業を選択していることなども大きな要因と認識しております。そのため、事業承継につきましては、特に高齢の経営者に向けまして、国や北海道との連携の上、その必要性を積極的に働きかけていくような施策を進めてまいりますとともに、設備投資につきましては、生産性向上特別措置法による固定資産税の賦課を軽減する特例措置などによる支援策を実施しているところでございます。 ◆村上ひとし 委員  15歳以上のいわゆる有業率をどう上げていくのかというのは、札幌のみならず、全国的にも相当難しい課題であります。当然、少子化の影響もこの数字に強く出ていると思われますので、どうやって子どもを産み育てやすい環境をセットにしていくかということも同時に進めなければ、これは改善できないだろうということだと思います。  いろいろな形でできるだけ仕事につけるような取り組みもしているということでありますが、私が特に気になるのは個人経営の事業所の減少であります。当然、高齢化が進み、後継者もいないので、事業の承継がなかなか進まないことも背景にあると思いますし、設備投資をする上での負担感、将来を見込めずに投資できない、赤字になる前に事業をやめてしまおうという方も多いということであります。先ほど来申し上げておりますが、やはり、個人消費がどのように地域の経済を活性化していっているのかという点で、このあたりも札幌の弱さの一つのあらわれではないかなというふうに思われます。  そこで、いろいろな設備投資をしていく上で、生産性向上特別措置法によって税金の負担を軽減するような特例措置も使って支援する、あるいは、していると思うのですが、どういうところでこの特例措置を使えて、使えないところは何が理由なのか、私はこの間もそのことについて委員会で取り上げてきました。やはり、個人事業主に寄り添いながら、どうしたら事業を承継できるのかということについて工夫していただきたいと思います。総体的には消費が投資を呼んでいくと言われているように、私は、個人消費がふえ、それに伴って雇用も生産も増加していくのがあるべき姿であると思います。  そこで、次の質問に入りますが、女性と高齢者について、総務省統計局の2015年の国勢調査によりますと、札幌市は、生産年齢人口における女性の人数を100とした場合、男性の人数の割合が91.4%となり、政令市の中で最も女性の割合が高く、また、総人口に占める65歳以上の人口の割合も24.8%と、こちらも政令市の中で8番目に高い数字になっております。そして、女性の有業率は47.5%で政令市の中で3番目に低い状況、65歳以上の高齢者の有業率は18.3%で政令市の中で最も低くなっております。これは、2017年の就業構造基本調査により判明しております。  生産年齢人口そのものが減少している中で、女性と高齢者をどう新しい事業に結びつけていくのかということで、テレワークとかシニア向けの事業にもさまざま取り組んでおります。しかし、こうした取り組みだけでは、市内の従業者数の数値目標を達成することはかなり厳しいというふうに考えます。  そこで、若者が道外に流出するという問題でありますが、専門学校や大学を卒業した学生、とりわけ理数系の学生は圧倒的に首都圏に流出するようですけれども、それ以外の学生でも相当数が首都圏に流出します。私は、流出すること自体が全て悪いというふうには思いません。一度、北海道を出て、本州の企業に勤め、そして、結婚したり、出産、あるいは親の介護などのいろいろな家庭環境の変化の中で、もう一度、北海道、札幌に戻ろうかという若者も相当数いらっしゃると思います。私自身がそうでありました。ですから、年齢や家庭の状況、個人の状況によって、働き盛りの若者が札幌に戻ってくることは、方法によってはかなり可能だというふうに考えます。そのためには、札幌に戻ってきて、少なくとも奥さんと子ども1人あるいは2人が生活できるような、そういう最低限の状況や環境をつくることは極めて重要だと思います。  そこで、お伺いいたしますけれども、一度、北海道外に転出した若年層が安心して北海道や札幌に戻ってくることができる環境づくりのために、地元中小企業の経営力強化につながる支援を行っていく必要があると思いますがいかがか、お伺いいたします。 ◎田中 産業振興部長  中小企業への支援策についてお答えいたします。  まず、道外に転出した若年層への働きかけにつきましては、UIターンを希望する学生や社会人が安心して戻ってくることができるように、例えば、札幌の通勤時間の短さや物価の安さなど、労働、生活環境に関する情報を東京に設けた札幌UIターン就職センターなどから発信しております。また、同センターにおいて、市内企業の求人情報の提供や職業紹介を行うとともに、民間就職支援サイトへの企業情報の掲載を支援するなど、道外における採用活動を支援することで人材の還流促進を図っております。  次に、地元中小企業の経営力の強化につきましては、円滑な資金の供給を行うとともに、新製品、新サービス、新技術の開発による付加価値の向上や国内外への販路拡大などを支援しているところでございます。  今後とも、地元中小企業が道外に転出した若年層の受け皿となることができるよう、国や北海道、金融機関などと連携いたしまして経営力の強化に向けた取り組みを支援してまいりたいと考えてございます。
    ◆村上ひとし 委員  一度、道外に転出した若者に対して、東京の札幌UIターン就職センターなどで札幌市内の企業情報をいろいろな形で発信しているということであります。ただ、どんどん情報発信することも重要だと思いますが、現に中小企業に再就職した若者が本当に安心して仕事と生活ができている状況をつくり出していくことが極めて重要ですし、同時に、それをつくっていくためには中小企業そのものの体力をつけていくことが欠かせませんから、本市として内需の拡大を優先して対策を打っていただきたいと思います。  それでは、次に、定山渓温泉街の環境整備について質問いたします。  紅葉のシーズンになってまいりました。ちょうど紅葉の時期になりますと、定山渓温泉街も非常ににぎわいが出ます。先ほど、市内の中小企業の人手不足や若年層向けの雇用創出などの課題を取り上げました。札幌市産業振興ビジョンにおいて、札幌市経済の成長を牽引する重点分野の一つに位置づけられているのが観光でありますし、観光は、宿泊業や飲食業あるいは小売業など業種の裾野も非常に広く、多くの雇用も期待できる分野の一つであります。そのためには、北海道と札幌市の自然や文化を生かした観光資源の魅力を高めるなど、独自性のある観光振興が必要だと思います。定山渓温泉街は、都心とは違った楽しみ方を提供できる、いわゆる札幌の奥座敷としてとりわけ重要な観光資源であります。市民にとっても観光客にとっても非常にいい場所だということで、いわゆるこのエリアの価値を高めていくことは、今後、積極的に取り組んでいかなければならない課題であると思います。  こうした中、札幌市でも、この間、観光まちづくりプランを改定し、観光分野における今後の取り組みの方向性を示し、その重点施策として定山渓エリアの魅力アップを掲げてさまざまな環境整備にも取り組んでおります。しかし一方で、定山渓地区の皆さんから、特に観光協会の皆さんからは、定山渓エリア内における公衆トイレや日帰り客用の駐車場の数が非常に少ないため、日帰り客の訪れる機会が失われているのだというお話がありました。私も何度も行きますけれども、ちょうどこの紅葉の時期になって大型のバスや自家用車がたくさん入ってくると、まず、トイレがないということは本当に深刻な状況だと伺いました。そして、当然、駐車場もなく、こうした環境整備が大きな課題となっているということであります。  そこで、お伺いいたしますが、日帰りで定山渓温泉街を訪れる市民や観光客が気軽に利用できる公衆トイレ、あるいは駐車場に関して、現在の設置状況と今後の増設に向けた考え方についてお伺いいたします。 ◎森 観光・MICE推進部長  定山渓温泉街の公衆トイレ、駐車場の設置状況と、今後の増設に向けた考え方についてでございます。  初めに、現在の設置状況でございますが、公衆トイレにつきましては、二見公園や三笠緑地など定山渓エリア内に6カ所設置しております。また、駐車場につきましては、定山渓まちづくりセンター横の敷地に約40台分の駐車場を整備しており、日帰り客の皆様等々にご利用いただいております。  次に、今後の整備に関する考え方についてでございますが、いずれの施設とも地域から増設の要望があることは承知しておりまして、これまでも検討を行っているところであります。現在は、定山渓観光魅力アップ構想に位置づけられている定山渓集客交流拠点施設の整備に向けて検討中でありますことから、この議論とあわせて、トイレや駐車場につきましても設置場所や費用などさまざまな観点からさらに検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆村上ひとし 委員  ちょうど今、道路の拡幅整備をされておりまして、観光協会の方の話を聞くと、道路整備が終了して走りやすくなったら、ほとんどの皆さんは定山渓に寄らずに通過してしまうのではないかと心配されておりました。  そういう中で、できるだけ定山渓に足を運んでもらうにはどうしたらいいのか、つまり、駐車場をどう整備していくのか、さらには、駐車場を整備した上で、当然、定山渓の周辺エリアを歩いて楽しんでいただくことになろうかと思いますので、当然、トイレが必要になると思います。トイレについては、ひょっとしたら皆さんの守備範囲外で、建設局などが公園のトイレを整備することもきっとあると思います。ただ、日帰りであっても、一度、定山渓温泉に足を運び、ここはよかったなということで、今度は宿泊しようという市民がふえることは極めて重要だと思います。先ほど部長は整備に向けて検討中だと言われましたが、大いに財政的な裏づけもつけていただいて、できるだけ早くいいものを整備していただきたいと思いますし、そのことが観光客の満足度を高めたりリピーターとなっていく環境整備になると考えます。  トイレや駐車場以外にも、ちょうど定山渓温泉街に入っていく道路は、余り華やかさを感じないのですね。寂しいのです。そういう意味では、歓迎塔というのでしょうか、ようこそ定山渓温泉だとか、そういうふうにもっと目立つような工夫、あるいは、案内サインといったものの整備も必要だと思います。それから、私も夜に温泉街をずっと歩きましたが、ホテルによっては、表はきれいだけれども、ちょっと裏のほうに入ると、いわゆるバックヤードというのでしょうか、そういうところは少し暗かったり、整備が十分されていない状況が散見されました。  そういう点では、観光客や市民が定山渓を歩いて楽しんでいく上ではさまざまな改善を図っていくことが必要だと思います。当然、先ほど言いましたように、経済観光局だけで整理できない事柄も多く、公園のトイレなどは建設局ですし、都市局などさまざまな部局が観光振興の視点で連携を図っていく必要があると思います。  そこで、お尋ねいたしますが、定山渓温泉街の観光地としての魅力を高めるための環境整備に関するさまざまな取り組みについて、今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。 ◎森 観光・MICE推進部長  定山渓温泉街の環境整備に関する推進方針についてでございます。  定山渓温泉街の環境整備の必要性につきましては、札幌市観光まちづくりプランの中でも、美しい温泉観光地としての景観形成や温泉施設などの環境整備を取り組むべき方向性として掲げてございます。こうした中、より具体的な推進方針を定めた定山渓観光魅力アップ構想に基づきまして、これまで、温泉街の景観の魅力を高める取り組みに対する補助制度の創設や、温泉街の誘導サインの整備などに取り組んできたところでございます。今後につきましては、定山渓地区の魅力向上に資する環境づくりを継続的に進めることはもとより、これらの取り組みの展開に当たりましては、観光客や観光事業者のニーズを的確に捉えるとともに、庁内関係部局との調整を図りながら推進してまいりたいと考えているところでございます。 ◆村上ひとし 委員  ぜひ、定山渓観光協会あるいはホテルの皆さんや住民の皆さんも含めて、どういう整備が一番いいのだろうかという点で大いに対話を進めていく中で整備を進めていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。 ◆村山拓司 委員  私からは、災害時における商店街の役割について質問いたします。  9月6日に発生した震災では、地震の揺れによる道路や住宅地の被害に加えて、長時間の停電に伴い、都市機能が大きく停滞いたしました。そのような中で、私の地元である発寒北商店街、通称ハツキタ商店街では、連合町内会と連携し、水や防災備蓄米の配付、安否確認などを行っておりました。また、中心部の狸小路商店街においては、停電で暗くなった商店街に車のライトで明かりを提供したり、街頭ラジオや張り紙による観光客への情報の提供、また、店舗が停電中なので、商品を外に出して災害対策品や食品の販売などを行っていたとお聞きしております。商店街では、地域のコミュニティーの担い手として、日常から地域の安心・安全を守る活動を行っており、このたびの震災においても、ハツキタ商店街や狸小路商店街以外でも市民のためにさまざまな手法で尽力されたことと思います。  そこで、質問ですが、札幌市は、このたびの震災における商店街による被災者に対する支援活動を把握できているのか、伺います。 ◎田中 産業振興部長  商店街による支援の活動についてお答えいたします。  札幌市では、現在、来年度以降の施策を検討するに当たり、市内70の商店街に対してアンケート調査を行っておりますが、このたびの震災を受けて実施した活動についての質問項目も設けております。現時点で半数程度の商店街から回答があったところでございますが、炊き出しやマンション住人に対する水の確保、自家発電機による携帯電話充電サービスなどの活動を行った商店街があったと確認しております。 ◆村山拓司 委員  発災後に、多くの市民が物資を求めてスーパー、コンビニ、ガソリンスタンドなどに長蛇の列をつくっていた姿が印象に残っています。商店街もまた生活に必要な物資を市民に提供することができる事業者であり、災害時には店舗の集合体という特性を生かした貢献方法があるのではないかと考えております。また、加盟店が力を合わせて被災者への支援を実施することができた商店街があった一方で、支援活動を行うだけの人手を確保することができなかった商店街もあったのではないかと思います。  そこで、質問ですが、災害発生時に商店街や加盟店はどのような活動を行うことが望ましいと考えているのか、市の見解を伺います。 ◎田中 産業振興部長  災害発生時の商店街活動についてお答えいたします。  札幌市といたしましては、商店街の店舗では、あくまでも可能な範囲ですけれども、早期に営業を再開し、市民の皆さんに物資を提供していただくことが望ましいものと考えてございます。  なお、本年1月には、札幌市や商工会議所などが主催いたしまして、熊本県商店街振興組合連合会会長の釼羽逸朗氏を招き、震災から学ぶ商店街の役割をテーマに講演会を行ったところでございます。その講演におきましても、災害時に商店街が果たす最も大切な役割とは、安全を確認した上でいち早く営業を開始し、被災した方々の役に立つことと述べられておりました。  このたびの震災においても、発災直後から営業を行った店舗の対応がマスコミに取り上げられておりましたが、このような取り組みを行う店舗がより一層広がるよう、啓発に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆村山拓司 委員  ハツキタ商店街や発寒商店街の加盟店では、震災後の停電中であるにもかかわらず営業された店舗が多数あり、終日長蛇の列をなしたガソリンスタンドでは、皆さん、食事をとる時間もない中で、お客様の対応をされたそうであります。また、商店街に加盟している事業者の皆さんは、消防団や町内会役員をされている方も多く、地域と連携をとりながら防犯活動に取り組んでおりました。  地域への貢献を行う商店街に対し、今後も支援を継続してほしいということを要望して、質問を終わります。 ○よこやま峰子 委員長  ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時55分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○中村たけし 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆恩村一郎 委員  私からは、局別施策の68ページ、69ページに関連しての話になりますが、以前から関心を持っておりました食産業の海外販路拡大への取り組みについてお伺いしたいと思います。  ご承知のとおり、北海道は、都道府県別食料生産額で第1位を誇っており、我が国最大の食料基地であります。そして、札幌市は、その北海道における食の一大消費地であるとともに、北海道経済の中心都市であることから、食品製造業が多く存在しております。また、国内外各地への流通機能も持っているのが札幌です。言いかえれば、食産業は、農業などの1次産業だけではなくて、食品製造業、卸売業、運輸業、飲食業、小売業などさまざまな波及が期待できる分野でして、札幌の経済活性化には食分野の活性化が求められているというふうに考えます。そうした中、札幌市は、今後、人口減少が見込まれ、市場の縮小が予期されています。そういったことから、市内企業の今後の発展には、観光に依存するばかりでなく、海外からの積極的な需要の獲得が不可欠な状況になってきています。  私の手元にありますが、北海道がことしの5月に北海道食の輸出拡大戦略推進状況報告書というものを発表しておりまして、それを見ますと、平成29年における食の輸出額は674億5,000万円となり、前年度より3.9%減少しております。内訳は、水産物・水産加工品は8%減少の536億4,000万円、農畜産物・農畜産加工品は12%減少の36億7,000万円、その他加工食品は、幸いなことに菓子類が非常な人気を呼んでいるようでして、35%増加の101億4,000万円となっておりました。  北海道における食全体の輸出額減少の大きな要因の一つである水産物・水産加工品の輸出額の減少について、報告書では平成26年の大型低気圧などの影響がいまだある状況としております。そういった意味では、今回、道内全域の産業活動に大きな被害を与えたさきの9月6日の北海道胆振東部地震についても、今後の影響が心配されるところです。こうした状況下であるからこそ、まさに官民一体となった取り組みが今後必要であろうと思います。  そこで、質問ですが、札幌市では、官民一体となった食産業の輸出拡大に向け、どのような連携体制で、どのような取り組みを行っているのか、また、その取り組みの成果はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  食産業の海外販路拡大に向けた官民一体となった取り組み内容とその成果についてお答えいたします。  札幌市では、札幌商工会議所や札幌物産協会などの関係団体とともに、札幌食と観光国際実行委員会を構成し、官民一体となって取り組んでおります。平成29年度におきましては、市場規模が大きい中国、また、経済成長が著しい東南アジアの国々を中心に物産展や国際食品見本市への出展、海外バイヤー招聘、商談会の開催といった市内企業への支援を実施しており、本実行委員会の事業に参加した企業は合計418社であり、物産展での売上金額が約8,800万円、輸出成約額が約3億5,000万円の実績となっております。 ◆恩村一郎 委員  いろいろな関係団体と連携されて食の輸出拡大に取り組んでいることがわかりました。  そういった中で、札幌市がことし6月に取りまとめられた札幌市における食関連企業の輸出実態にかかるアンケート調査がございますが、この報告書によりますと、平成29年の札幌市内における食関連企業の食品輸出額は79億円となっておりました。平成28年との比較で約30%の伸びが確認できたのですが、一方、この調査における輸出への取り組み状況の項目を見ますと、既に輸出している商品があると回答した企業が全体の4割を超えていることに対して、輸出に興味はあるものの、まだ輸出できていないと回答した企業が2割弱存在していました。  既に輸出に取り組まれている企業に対する支援を行って輸出販路の拡大を図ることは一つの施策としての有効性は認められると思いますが、反面、全企業のうち9割以上が中小企業であるという札幌の特徴を考えますと、この調査から、どのように輸出に取り組めばよいのかわからない企業に対する支援が求められている実態を読み取ることができまして、こうした企業に対する支援もまた必要であると考えるところです。  そこで、次の質問ですが、輸出する意欲はあるものの、いまだ輸出に至っていない企業が抱える課題について、札幌市では、その課題が何であると分析し、また、その解決のためにどのような支援を行っているのか、お伺いしたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  輸出意欲はあるものの、いまだ輸出に至っていない企業が抱える課題とその支援についてお答えいたします。  まず、課題についてですが、現地のニーズに合った商品開発が企業にとっての大きな課題の一つであると認識しております。パッケージ、風味、価格帯が海外の消費者に受け入れられやすいか、また、賞味期間、保存方法、輸送方法が流通業者に受け入れられやすいか、さらには、使用している食材とその表示方法が海外の監督機関の基準に適合しているかなど、さまざまな障壁を乗り越える必要がございます。  札幌市では、このような課題に対しまして、輸出仕様食品製造支援事業において補助金を交付する制度により支援しており、長期冷凍保存が可能な生ラーメンや賞味期間を延長した即席みそ汁など、そういった商品が誕生しております。制度を開始した平成25年度から過去5年間で、49社に対して補助金は合計約6,600万円を交付し、その成果である輸出額は約3億7,400万円となっております。  また、本事業において開発した商品につきましては、商談会などへの補助を継続して行っているとともに、さっぽろ産業振興財団の販路拡大コーディネーター等による事後フォローを実施し、支援しているところでございます。 ◆恩村一郎 委員  企業に対する支援策をこれからも積極的に行っていただきたいなと思います。  そして、この同じアンケート調査の結果をさらに読み解いていきますと、輸出を意識すらしていない企業が実は4割もあるのですね。これら企業は、今後の取り組み次第で輸出が可能となる、いわば伸び代であろうと思います。まだ輸出されていない魅力ある商品を積極的に海外展開する、そういう支援が求められているのではないのかなと考えます。  そこで、最後の質問ですが、このような視点から、食品輸出に取り組む企業をふやすために札幌市はどのような支援を行っているのか、お伺いしたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  食品輸出に取り組む企業をふやすことを目的とした支援についてお答えいたします。  札幌市では、市内企業のニーズが高い香港と台湾に対して、海外進出等の相談や支援を行うアドバイザー機能を現地に設置し、新規に食品輸出に取り組む企業を支援しているところでございます。特に、台湾におきましては、本年6月、札幌商工会議所、ジェトロ北海道などとともに、これから台湾進出を目指す食品関連企業を対象とした視察会を実施いたしました。視察会には、20社、27名が参加し、台湾の食産業における最新の動向や商取引において基本となる商慣習を学んでいただくとともに、現地バイヤーとのネットワーク形成に役立てていただいたところでございます。また、台湾へのアドバイザー機能の設置により、台湾全土に1,300店を展開するコンビニエンスストアでございますハイ・ライフにおきまして、本年9月12日から10月9日の約1カ月間、北海道フェアを実施して約1億4,000万円の輸出実績を上げております。  今後も、セミナーや視察会などで輸出相手国の理解を深めていただくような取り組みなどを積極的に行いながら、食品輸出に取り組む企業を支援してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆恩村一郎 委員  大変な売り上げがあったということがわかりました。輸出の支援については、これから輸出に取り組もうと考えている企業とか、輸出販路をさらに拡大させようと考えている企業など、輸出に関するそれぞれの状況や段階に応じた支援が求められていると思います。それぞれの状況に応じた適切な支援策を提供するためにも、行政機関だけではなくて、先ほどお話がありましたジェトロなど実際に施策を届ける支援機関、そして、施策を利用する中小企業や小規模事業者間との連携というのが今後の課題であろうと思います。また、輸出を拡大する上での企業ニーズの把握というのは札幌市が施策を立案する上で不可欠でありますから、支援する対象者と日ごろから密接なつながりのある商工会議所を初めとした団体との連携についても欠かさないでいただきたいと考えます。  今回の具体的な成果というのは、主にアジア圏になろうかと思いますが、今度、来週には中国四川省の成都との友好提携が結ばれるという話も伺っております。札幌市には姉妹都市もたくさんあるわけですね。これまで、姉妹都市といいますと、ともすれば文化芸術や人的な交流が非常に多かったのですが、これからは、一歩先に進んで経済的な交流という部分にももっと力を入れていくべきではないのかなと思っています。  そんな中で、来年はポートランドと姉妹都市提携60周年となりますので、経済交流の面でもより深まっていただければありがたいなと私は考えております。ポートランドには、秋元市長も既に行かれていますし、一番直近では、町田副市長もことし7月に経済関係の問題で伺ったというふうに聞いております。そういう意味では、ポートランドとの姉妹都市提携60周年に向けて、販路拡大という部分も含めて、そういうことに対する手応えみたいなものを何か感じて帰ってこられたのか、最後にその所感を伺って、私の質問を終わりたいと思います。 ◎町田 副市長  今、恩村委員からお話がございましたとおり、2019年は、札幌市とアメリカ・ポートランド市が姉妹都市提携60周年を迎える年でございます。そういったことから、その前さばきという意味も含めまして、両市の経済交流を図る目的で、7月に札幌市と札幌物産協会が現地のポートランド郊外の大きな日系スーパーで開催した札幌フェアを私も実際に見学してまいりました。  この札幌フェアでは、お菓子とか調味料など、15社、80の商品を出品したところでございますが、来店者の数も非常に多く、出展した企業の皆様によると、予想以上の売り上げで、商品が足りなくなるようなことが実際にございまして、現地の北海道の商品への関心の高さがうかがえたところでございます。また、現地のスーパーの担当者からも、この担当者は高校生のころに留学で札幌に来た経験のあるマネジャーでしたが、単発のイベントで終わらせるのではなく、継続的な取引をしたいという強い意見がございました。  実際に、宇和島屋という日系のスーパーは大きなスーパーでございましたが、店内を見てみますと、日本から輸入された食材、食品が棚の結構な部分を占めておりまして、そういう中で、こちらから北海道の食材、食品を輸出していく可能性は非常にあるのではないかなと感じて帰ってまいりました。そういう意味では両市の経済交流の可能性を大きく感じたところでございまして、来年の姉妹都市提携60周年事業でもこうした食のイベントを成功させるのと同時に、さらに継続的な経済交流に発展させていきたいと強く思っております。 ◆好井七海 委員  私からは、市内周遊バス運行実証事業について伺います。  我が会派では、かねてより外国人観光客の受け入れ環境の整備や観光関連産業への支援を行うことについて、何度か要望してまいりました。  札幌の観光は、訪れた国内外の観光客の満足度が高いと聞いている東区のモエレ沼公園を初め、市郊外にある観光スポットを訪れるには交通機関の乗り継ぎが必要となり、どうしても都心部中心になりがちであることが課題だと捉えております。そのような中で、本年7月26日より実験的に行った市内周遊バスは、東区方面の施設と都心のホテルを乗り継ぎなしで結ぶ上、多言語対応可能な乗務員が添乗しているので、札幌観光の広域化につながる事業と非常に期待しておりました。しかしながら、台風21号や北海道胆振東部地震の影響により事業の途中で中止となったことは非常に残念でした。  そこで、質問ですが、周遊バスの運行中止に関してどのような経緯があったのか、また、実施期間中の実績はどうだったのか、お伺いいたします。 ◎森 観光・MICE推進部長  市内周遊バスの運行中止に至った経緯と、期間中の実績についてでございます。  この周遊バスは、夏の観光シーズンに合わせて実施したことから、モエレ沼公園の景色やサッポロさとらんどの体験を楽しむために乗車した方々が多く、7月26日から9月4日までの40日間に延べ2,000人が利用されたところでございます。しかしながら、9月4日の台風被害、さらには、9月6日の北海道胆振東部地震の発生で、サッポロさとらんどのSLバス無料乗車券等の特典が提供できない状況が続いた上、観光客が激減し、乗客増加が見込めなくなりました。そのため、本来7月26日から9月24日までの約60日間の運行を予定しておりましたが、本事業の目的を十分に達成することができないと判断いたしまして、9月5日から運休していたこのバスの運行を再開することなく、9月14日に事業の中止を決定したものでございます。 ◆好井七海 委員  60日から40日間に短くなったものの、延べ2,000人もの人が利用されたということで、ちょっと驚きました。台風21号の強風のためにモエレ沼公園では多くの倒木があったと聞いておりますし、また、そのような状況で観光客に安心して景観を楽しんでもらうことは難しいことだと推測いたします。さらに、9月6日の北海道胆振東部地震の発生が重なり、これまで経験のない自然災害の影響で中止の判断をしたことはやむを得ないことだったと感じます。  しかし、事業を途中で終了したとはいえ、新規事業でもあるさっぽろスマイルバスの運行開始に当たっては、乗車券の販売場所や料金の設定、運行ルート、特典など、事前の準備や課題も多かったことと思いますし、7月26日から9月4日の40日間の運行実施で体験したことによって得たものもあったと思います。  私もさっぽろスマイルバスのことをお聞きしまして、乗車券を提示するとレンタサイクル1時間無料などいろいろな特典があり、また、バスの利用料金やルートも非常に考えられたルートになっていて乗りおり自由ということですから、とても観光客のことを考えてつくられているなと感じました。札幌市内には、今回の周遊先である東区以外にも観光客に足を運んでほしい施設が数多くあります。それらを楽しんでもらうためにも、準備を含めて今回の40日間の経験を生かすべきだと考えます。  そこで、質問ですが、今年度の実施の中で得た成果や課題をどのように認識しているのか、また、それを踏まえて今後の市内周遊策をどのように考えているか、お伺いいたします。 ◎森 観光・MICE推進部長  今年度の成果と課題の認識、今後の市内周遊策についてでございます。  事業開始後もPR活動を実施したことで、9月の連休を含めた行楽シーズンに向けて乗車券が事前に購入される動きもあり、一層の利用者増が見込まれていたところであります。また、今回の周遊バスは、外国人、日本人を問わず、幅広い年代の観光客に利用されており、添乗員の方が直接聞き取りをしたところ、その利便性について評価をいただいており、事業の必要性を感じたところでございます。  しかしながら、事業期間の短縮によりまして、アンケートでの具体的な声の収集を十分に行うことができず、事業の目的としていた周遊観光へのニーズ把握や、民間における事業性の検討ができない結果となったものでございます。  まずは、短い実施期間の中で見えてきた周知方法等の課題をしっかり検証し、あわせまして、今後の周遊バス運行の市内周遊策のあり方について検討してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆好井七海 委員  一層の集客が見込まれる時期に突入する直前の災害で、非常に残念ではありますが、添乗員の聞き取りでは、利便性があり、とっても快適だったというようないい意見をいただけて、非常によかったのではないかなと思います。また、今後の周遊策についても、ぜひとも前向きに検討していただきたいと思います。  最後に、要望ですが、周遊バスは季節によってルートを変えるなど自由度があることからも、東京では外国人観光客向けの乗りおり自由な観光スポットを周遊するバスが人気になっているようです。その理由の一つに、乗り継ぎがないことと、多言語化されていて行きたい場所に心配なく行けることが便利だということでした。  札幌市内の郊外には、多くの魅力的な公園、そして、先日、全国2位になった新三大夜景もあります。これらは札幌市の宝とも言えますので、国内はもちろんのこと、多くの観光客の方々に気軽に足を運んでもらえるよう、一つにとどまらず、いずれは何種類もの周遊ルートへと展開していただき、再度、札幌に来てまた違うルートで回りたいと思うような事業にしていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。 ◆小形香織 委員  本市のまちづくり戦略ビジョンでは、魅力あるまちづくりと観光振興の一体的促進を産業・活力分野の施策の一つとして掲げており、観光地としての総合満足度、札幌市内での総観光消費額、年間来客数を指標に、総合満足度では、2014年度23%から、次年度には36.1%に引き上げようということで施策が展開されているところでございます。  そこに、9月6日に胆振東部地震が起きましたが、そのことへの本市の観光客への対応というのは、やはり、総合満足度を引き上げるかどうかの大事な要素だったというふうに考えます。そこで、9月6日から9月8日、8日は新千歳空港やJRが再開された日でありますので、主にその3日間の対応について質問したいと思います。  訪日客対応に課題とか、外国人観光客、同胞を頼りに乗り切るなどと新聞報道の見出しに書かれておりましたが、私も、ホテルから出されてしまったという観光客の声を聞いております。  そこでまず、伺いたいのですが、9月6日の時点では、およそ何名程度の方が観光客として札幌市に宿泊しておられたのか、そして、そのとき、本市はホテルにはどのように対応されたのか、また、ホテル側の反応や様子などもわかれば、あわせて伺いたいと思います。 ◎森 観光・MICE推進部長  災害時のホテル側への対応、それから、その反応等についてでございます。  震災当日、札幌市といたしましては、札幌ホテル旅館協同組合などに対しまして、延泊を希望する観光客の皆様にはでき得る限り配慮していただけるよう要請したところであります。  ホテル側の反応といたしましては、都心部の宿泊施設では、宿泊客の安全を確保できないなどの理由から延泊に対応できなかった施設もあることは聞いております。ただし、昨年のこの時期の宿泊実績から推計いたしますと、地震発生時には、およそ2万3,000人程度の観光客が宿泊していたと考えております。当日、観光客向け避難所での宿泊者が1,720名であったことを踏まえますと、多くの宿泊施設において延泊に対応していただいたものというふうに認識しているところでございます。  なお、定山渓地域の宿泊施設につきましては、延泊の方々はおよそ1,000名程度いたというふうに理解しております。 ◆小形香織 委員  ホテルのほうももちろん電源があるかどうかなども含めて事情が違いますので、延泊の対応ができた、できないということはそれぞれあったと思います。そして、ホテルのほうで対応してもらえた方は、とりあえず寝る場所の心配はせずに済んだのだと思いますが、ホテルを出された、あるいは、さまざまな理由でそのホテルに泊まれない、泊まる予定をしていなかったという方は、これからどうしたらいいのかと、災害が起きた当日は途方に暮れていたのではないかと推測されます。  本市では、急遽、観光客向けの避難所を開設したとお聞きしておりますが、具体的にどのような経緯で観光客向けの避難所を開設されたのか、また、その避難所が開設されたことを観光客に向けてどのように周知されたのか、明らかにしていただきたいと思います。 ◎森 観光・MICE推進部長  観光客向け避難所の開設の経緯、それから、その周知についてでございます。  都心部の避難所が避難された方々であふれ返っていたことから、緊急対応といたしまして観光客向けの臨時の避難所を6カ所開設したものでございます。まず初めに、わくわくホリデーホールを震災当日の午後1時30分に開設いたしました。その後、大通高校、市民交流プラザ、北海道庁別館地下1階、中島体育センター、地下歩行空間を避難所として、順次、開設したところでございます。  わくわくホリデーホールにつきましては、札幌駅の観光案内所に張り紙を掲示して周知いたしました。2カ所目以降の避難所につきましては、運営状況等を確認しながら、わくわくホリデーホールの前で私どもの職員が誘導いたしました。また、翌日以降の避難所の開設状況につきましては、国際プラザの災害多言語支援センターや観光案内所等で多言語による問い合わせ対応を行ったところでございます。 ◆小形香織 委員  最初、都心部があふれ返っていたので、午後1時半にわくわくホリデーホールを避難所として開設されたわけですから、午前中は避難する先がなかったということです。つまり、どこの場所を観光客の方々に避難所として使っていただくか、あらかじめ決めていなかったので、全体としては後手に回りながら、それでも周知しながらやってきたということだったと思います。  観光客は、駅の観光案内所の張り紙を見てここが避難所だとわかった以降は、恐らくは、ご自身が何かで発信されるとか友達に教えるなどして、避難先がここだということが広がっていったのではないかなと想像されます。やはり、地理にふなれだし、そして、初めて地震を体験した方もいらっしゃって、さらに、外国人だと言葉も不自由という中で、知らない場所を移動することそのものが大変なことだったと思います。  そして、避難所の延べ宿泊者数は1,720人でした。ただ、これは、札幌に来た観光客がそのままいただけではなくて、実際には札幌市外から札幌に移動してきた観光客も相当数いらっしゃったと聞いております。  そこで、そのあたりはどんな事情だったのか、目的とか、どんなふうに移動してきたかなどについて、把握しておられれば明らかにしていただきたいと思います。 ◎森 観光・MICE推進部長  市外から移動してきた観光客の目的、移動の方法等についてでございます。  その詳細な動向については、大変申しわけございませんが、把握している状況にはございません。しかし、市外から移動してきた観光客につきましては、札幌が備えている都市機能を求めて、道内を周遊していた観光バス、あるいは、一旦は新千歳空港まで移動した観光バスも相当数が札幌のほうに戻ってきたものと認識しているところでございます。 ◆小形香織 委員  私は韓国領事館のそばに住んでおりますが、ちょうど9月6日のその日、大通高校と韓国領事館の間の道に大型の観光バスが数台とまっていて、大勢の方が道端でスマートフォンを見ながら韓国語で会話しておられる姿を見ました。大型バスが何台か並んでいましたので、やはり、新千歳空港が使えないなら、札幌の都心部に行けば何かわかるかもしれない、何か助けてもらえるかもしれないという気持ちだったのではないかなというふうに私は推測しております。北海道の中心都市である札幌というのは、災害のときにも、大都市だからということで期待が生じるということがあるのではないかと思っております。今回、市外にいた観光客が札幌に助けを求めてきたこういう動きも、今後は予測すべき観光客の災害時の動きの一つとして捉えておく必要があるのではないかと思っております。
     そして、その当日の夜、中島体育センターが観光客の避難所になったということで、その現場を見に行った方がおられます。その方からは、市の職員が一生懸命対応されていて、そして、事前にほかのまちの事例に学んでおく必要もあったと話していたことも聞きましたし、また、避難所の中には小さな子どもや妊婦もいたということでした。頼みのスマートフォンの電源がもう危うい状態になっていて、日本人以上に情報を得ることが難しい外国人観光客に対してはさまざまなサポートが必要だったと思います。  そこで、そういうサポートをする上では、まず言葉を通訳することが必要だったのではないかと思うのですが、実際にどれだけの通訳を確保できたのか、具体的なところをお伺いしたいと思います。 ◎森 観光・MICE推進部長  外国人観光客に対する通訳の関係についてでございます。  各避難所のニーズに応じて交通機関の運行情報などを英語を初めとする多言語で掲示するとともに、9月6日から9日までの4日間、災害多言語支援センターを運営する札幌国際プラザの職員や札幌市の国際交流員など延べで37名が避難所に派遣され、英語や韓国語で通訳の対応を行ったものであります。また、自主的にボランティアが駆けつけ、通訳や避難所内の情報提供支援を行った避難所もございました。 ◆小形香織 委員  延べで37名の方が通訳にかかわってくださったということでした。実際にはたくさんある市内の避難所を巡回して回ったということも聞いておりますが、やはり、そのときにどういうふうに通訳を確保するのか、あるいは、どうやって連絡をとって来ていただくかなどということも今回の災害では課題になったのではないかと思います。  今回のことを教訓に、やはり、観光客の避難場所をどうするか、あるいは、食料が切れないように災害時にはどういうふうに食料を提供するのかなど、都心部の民間施設、ホテルなどの宿泊事業者、その協会などとは事前にきちんと取り決めをして、さらには、経済観光局としてもきちんと計画していくことが大事なのではないかと思います。  そこで、本市としてどう対処されるのか、既に前段で幾つかご答弁されたと思いますが、改めて、今後の対処方針について伺いたいと思います。 ◎森 観光・MICE推進部長  都心部の各民間施設等々との災害時の取り決めについてということだと思います。  観光客を含めた帰宅困難者の避難誘導につきましては、今後、全庁的な災害対策の検証を行う中でしっかりと検討してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆小形香織 委員  今後、ぜひ全庁的に検討していただきたいと思います。冒頭に述べましたが、やはり、いざというときに本市が観光客に十分な対応をすることが総合満足度を引き上げる大事な要素だと思います。何かあったときも、札幌はよくやってくれたと観光客に喜ばれることが観光施策として大事だということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ○よこやま峰子 委員長  以上で、第1項 商工費の質疑を終了いたします。  次に、第2項 農政費のうち経済観光局関係分の質疑を行います。 ◆北村光一郎 委員  農政費について、これも、やはり自然災害等による農業被害への対応についてということで、2点ほど質問させていただきたいと思います。  札幌市は、平成29年に第2次さっぽろ都市農業ビジョンを策定いたしました。当ビジョンでは、市民に信頼される持続可能なさっぽろ農業として、農産物の安全・安心の向上や地産地消による流通拡大支援が上げられており、さっぽろとれたてっこの取り組みや直売所での販売などを推進していくこととしています。最近、JAさっぽろやサッポロさとらんど、八紘学園などの直売所や6次化の推進による農家個々の直売所、農家レストランもふえてきていると実感しております。さらに、スーパーのインショップやマルシェなどで、地域の新鮮な農産物が並んでいるところをよく見かけます。大都市の札幌でも、すぐそばに農地があり、農業者が頑張っているとのことで、我々消費者が恩恵を受けていることは言うまでもありません。  さて、9月の台風21号や北海道胆振東部地震と相次ぐ災害によって各地が被災し、さらには、道内全域が停電となるいわゆるブラックアウトにより、道内の物流がストップするなどして店頭から野菜が消えてしまったという事実がありました。そうした中で、市内の直売所やスーパーのインショップではいち早く地元の野菜が並び、地域住民から大変喜ばれていたと聞いております。このような農家の対応に感謝するとともに、改めて地産地消の重要性を実感したところであります。  とはいえ、今回の災害では農家も被災されていたのではないかと思います。北海道では、台風21号関連による農作物、畜産物、農地被害等の総額が24億円、北海道胆振東部地震関連では417億円の被害が生じていると報道にございました。私が住む清田区でも、台風21号によってビニールハウスが損壊したほか、スイートコーンが風になぎ倒されるなど農作物への被害もたくさん見受けられました。  そこで、質問でございますが、今回の一連の災害による市内の農業被害はどの程度あったのか、まず、お伺いいたします。 ◎中田 農政部長  台風21号及び北海道胆振東部地震による農業被害についてでございます。  まず、台風21号による農業被害についてでございますが、委員のお話にもありましたように、スイートコーンが倒れたり、果樹の実が落ちたり、枝折れあるいは倒木といったような被害が多く見られまして、面積で10ヘクタール、被害額で約500万円となっております。また、営農施設では、ビニールハウスのビニールが剥がれたり、骨がゆがんだり、あるいは、農業用倉庫の屋根が飛んだり、シャッターが壊れたりといった被害が103件、被害額で約1,100万円、これらを合わせまして約1,600万円となっております。  また、北海道胆振東部地震による農業被害につきましては、酪農被害のみでございまして、停電による生乳の廃棄が生産者6戸で20トン、サツラク農業協同組合の生乳工場で184トン、合わせて204トン、被害額で約2,000万円となっております。また、施設では同じくサツラク農業協同組合の生乳工場のタンクが破損しておりまして、こちらは1件、被害額で約2,000万円、合計で約4,000万円となっております。  したがいまして、今回の台風及び地震による農業被害の総額は約5,600万円となります。 ◆北村光一郎 委員  平成16年9月に猛威を振るった台風18号では、札幌市内でも果樹の倒木や落果、ビニールハウスの倒壊など大きな農業被害を発生したことから、それに匹敵する台風21号でもかなり農業被害が出るのではないかと心配したところであります。しかし、大きな被害につながらなかったようなので、大変安堵しているところです。また、北海道胆振東部地震では、各酪農家において電源の確保に努めたというふうに伺っておりまして、そういうことがあって大きな被害を回避することにつながったのかなと理解いたします。とはいえ、被災された生産者に対して、速やかに生産を復旧させ、経営を安定させていくことが重要であると考えます。  そこで、質問ですが、台風21号及び北海道胆振東部地震による農業被害に対してどのような支援を進めていくのか、お伺いいたします。 ◎中田 農政部長  台風21号及び北海道胆振東部地震による農業被害の支援についてでございます。  委員のご指摘のように、生産者の農業生産の維持や経営安定のためには、被災した農業用施設等の早期復旧を行うことが重要でございまして、そのことが農地の保全にもつながるものと考えているところでございます。先ごろ、国から支援策が示されたところであり、これらを活用しつつ、生産者が速やかにもとの生産状態に戻れるよう支援してまいりたいと考えております。 ◆北村光一郎 委員  速やかに進めていただければと思います。  さて、次に、農業被害と言えば、エゾシカ、ヒグマ、アライグマ等の野生生物による農作物への被害も深刻でございます。清田区では、エゾシカやアライグマが畑に侵入して、食害によるスイートコーンなどの露地栽培に被害が出ています。札幌市では、畑への有害鳥獣の侵入防止を目的とした電気柵の設置や、アライグマの箱わなによる捕獲、駆除や殺処分等について支援していることは承知しております。  そこで、質問でございますが、こういった取り組みによって農作物への被害軽減につながっているものと思われますけれども、近年、札幌市内における野生動物による農業被害はどれくらい生じているのか、まず、お伺いいたします。 ◎中田 農政部長  市内における野生生物による農業被害についてでございます。  野生生物による農業被害額は、平成27年度で約2,500万円、平成28年度で約2,400万円、平成29年度で約1,900万円と、少しずつではございますけれども、減少してきております。  ちなみに、平成29年度の農業被害の主な内訳は、エゾシカによる被害が約500万円、キツネによる被害が約400万円、アライグマによる被害が約300万円となっております。 ◆北村光一郎 委員  全市的な被害状況は、よく理解いたしました。  清田区では、真栄・有明地区で、ポーラスターという銘柄で高い評価を受けているホウレンソウや、ミニトマト、スイートコーンなどの野菜のほか、イチゴや鶏卵の生産が盛んに行われております。農産物の供給地として地産地消に大きな役割を担っているほか、生産者がみずからの農作物を提供する飲食施設などには多くの市民が訪れるようになってきており、新たな経営形態が営まれております。  当地区でも、有害鳥獣対策として電気柵の設置が進んでおりますが、近年、エゾシカが電気柵を飛び越えて場内に侵入するなど、十分に効果が発揮されていないとの声も私の耳には聞こえてきております。  そこで、質問ですが、エゾシカによる農作物被害回避の対策として有効な手だてはないものか、お伺いいたします。 ◎中田 農政部長  エゾシカによる農業被害対策についてでございます。  エゾシカによる農業被害対策といたしましては、侵入防止を目的とした電気柵の設置が有効であると認識しております。電気柵の効果が十分発揮できない要因としては、雑草などが電線に接触して漏電するといった管理上の問題が考えられます。また、電気柵を二重に設置するなどの方法により効果を高めることも可能となっております。  今後は、電気柵の効果が十分発揮できるような管理方法や設置方法について、生産者に指導・助言してまいりたいと考えております。 ◆北村光一郎 委員  最後に、地産地消に向けて地域で活動している市内農家に対するさらなる支援、補助等を要望いたしまして、私の質問を終えさせていただきます。 ○よこやま峰子 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  最後に、議案第3号 平成29年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆松原淳二 委員  私からは、卸売市場法の改正と札幌市中央卸売市場について、何点か質問させていただきます。  全国の中央卸売市場運営の根幹である卸売市場法が抜本的に見直され、この6月に改正卸売市場法が成立し、公布されました。2年後の2020年施行となりますが、この改正は、札幌市中央卸売市場にも大きな影響を与えるものと想定いたしますので、この法改正について伺っていきたいと思います。  札幌市中央卸売市場は、1959年に全国17番目の中央卸売市場として開設されました。2017年度の決算における取扱高は、水産物が1,015億円、青果物が628億円に上り、2017年度における40都府県市が開設する64の市場の中でも有数の規模を誇る市場として、札幌市民はもとより、北海道、さらには広く全国へ食料基地である北海道の農水産物を供給している拠点的な市場であります。市場運営に当たっては、1971年に制定された卸売市場法が全国的な市場の整備計画や取引のルールを定め、それを受け、開設者たる各自治体が議会の議決を経て条例を制定し、施行する仕組みとなっております。  本市におかれましても、札幌市中央卸売市場業務規程として市場の設置目的を初めとする各種の取引ルールを定め、市場開設以来59年間、開設者と市場の卸売業者、仲卸業者、小売業者の皆さんが一丸となり、水産、青果を合わせて1,600億円を超える取扱高の大きな市場に発展してきました。  そこで、質問ですが、このように市場が大いに発展し、生鮮食料品の安定供給という重要な役割を果たしてきた中、このたび、なぜ卸売市場法の改正が行われたのか、その経緯と改正の内容についてお伺いいたします。 ◎片貝 中央卸売市場長  卸売市場法が改正された経緯とその内容についてのご質問です。  まず、経緯といたしまして、市場を取り巻く環境の変化がございます。昭和46年、卸売市場法が制定された当時と比較して、加工食品や外食の需要が拡大するとともに、産地直送など流通の多様化が進んでおります。これに伴い、農水省が公表しております卸売市場経由率、これは国内で流通した水産物、青果物について市場を経由した割合、この推計値でございますが、平成27年度は水産物が52.1%、青果物は57.5%となっておりまして、平成元年度に比べますとそれぞれ20ポイントを超す減少となっております。この結果、生鮮品流通における市場取引の割合が低下していることが数値でも確認されております。  次に、改正内容についてでございますが、これまでは、国が中央卸売市場の全国的な整備計画を策定し、国の認可制のもと、市場開設者を地方自治体に限定して整備を進める仕組みでございました。しかし、国は、この整備計画の策定を廃止するとともに、民間事業者であっても、施設や運営体制のほか、公共性を担保する取引ルールの遵守など、国が示している基準を満たせば中央卸売市場として認定する制度に移行しております。  なお、既存の市場であっても新たに国の認定を受ける必要がありますので、改正法が施行される2年後の平成32年6月までには、当市場も国に対して認定申請を行う必要があります。  また、取引ルールに関しては、例えば、卸売業者の販売先を仲卸業者に限定する規制、また、市場の中に必ず商品を運び入れなければならない原則など、これまで全国一律で定められていた卸売市場の取引ルールは各市場の実情に応じて独自に定めることも可能となっております。 ◆松原淳二 委員  今ほどの答弁で、市場を取り巻く環境について少しご説明がありました。市場を経由する農水産物の割合が減少していて、水産で52%、青果で57%と、ともに50%台で20ポイント減少している状況でございます。こういったことを背景に、全国的な中央卸売市場についての考えが国でまとめられ、全国的な認可制から、そもそもの国の関与のあり方を見直すような制度改正の状況にございます。また、全国的に定められていた取引ルールについても、各市場が独自に判断して定めることを可能とする改正であるという説明でございました。規程であったり、原則も独自に決めなければいけないという状況でございます。  そこで、二つ目の質問として、確かに、農水省などの統計では全国的に市場経由率が低下してきているという認識は理解するものの、札幌市の市場における取扱量や取扱高の現状はどのようになっているのか、札幌市の認識についてお伺いいたします。 ◎片貝 中央卸売市場長  当市場の取扱量や取扱額の現状認識についてのご質問です。  平成29年度決算では、先ほどお話がありましたとおり、水産物は取扱量8万2,000トン、取扱額1,015億円、同じく青果は27万トン、628億円であります。これをそれぞれのピークであった年度と比較しますと、水産は平成11年度が19万7,000トン、額で1,749億円であり、青果は平成5年度に34万6,000トン、746億円でありますので、水産の取扱量はピークから約60%減、取扱額では40%減、青果につきましては取扱量で約20%減、取扱額は約16%の減となっております。  農水産物の取扱量は天候など自然環境に左右される性格もあり、また、額も全国的な単価の高低などの影響もあるため、市場の取扱高の減少の要因を特定することは難しいところですけれども、少子高齢化、あるいは、消費者の魚離れなどにより消費量が減退していることに加え、先ほど申しましたとおり、流通の多様化などが影響しているものというふうに考えております。 ◆松原淳二 委員  今ほど、それぞれのピークの年度と比較して、減少した状況についてお伺いさせていただきました。札幌市中央卸売市場の取扱量、取扱高もともに減少ということでございますが、やはり、天候など市場外に起因する要因といったこともあり、加えて、少子高齢化などの社会的要因や消費者の嗜好の変化もあるのではという答弁でございます。こういったことは想像では理解できるものでありまして、このような状況の中、人口増を背景とした右肩上がりということは、当然、これからの社会では望めない状況であると認識いたします。  今回の法改正では、全国一律に定められていた取引ルールを各市場の実情に合わせて独自に定められるという点が、改正のポイントでもございます。  そこで、三つ目の質問として、今回の改正を受け、市場の取扱高が伸び悩んでいる現状を踏まえ、札幌市においてどのような独自の取引ルールを定めるのか、また、そのことに対する札幌市の考え方についてお伺いいたします。 ◎片貝 中央卸売市場長  当市場の独自の取引ルールを定めるに当たって、札幌市の基本的な考え方についての質問でございます。  今回の法改正に当たっては、昨年度より、国によって、全国の各市場の開設者、また市場の中の事業者にヒアリングなどが行われておりまして、市場ごとに私どもも法改正の趣旨などについて説明を受けております。こうしたことから、当市場においても、開設者と市場内事業者で法改正に対してどのように対応するか、話し合いを進めてきたところでございまして、改正法が公布された6月22日当日に、開設者と市場内事業者の代表で構成される法改正対応検討委員会を発足させ、議論を始めたところであります。現在、現行の取引ルールについて、市場取引に果たしている役割や改善点の有無などについて分析を行っており、今後、具体的な見直しの論議を進めることとなります。  なお、国からは、今回の法改正につき、市場ごとに独自ルールを定める場合、開設者は関係事業者の意見を十分に聞いた上で定めるようにというふうに要請されておりまして、当市場の議論に際しましてもこのことを心がけてまいります。  今後の議論に当たり、札幌市としては、市場内事業者の経営の安定性に配慮するとともに、市場の活性化に資する取引ルールの策定を目指すことを基本としております。 ◆松原淳二 委員  今回の法改正に伴って、改正法が成立後、すぐに関係者との話し合いの場ということで検討会を組織し、既に議論を始めているそうでございます。事業者の安定的な経営、そして市場の活性化という両面をにらみながらということですので、ぜひとも、関係者の意見を十分聞きながら、今回の法改正を踏まえたしっかりとした議論をしていただきたいと思います。今回の法改正に伴う業務規程の見直しは取引ルールに関することですので、卸売業者、そして仲卸業者、小売業者それぞれの意見を十分に聞くことが基本でございます。それぞれの立場でそれぞれの目的があろうかと思いますので、十分話を聞いていただきたいですし、また、開設者としては市場の活性化を目指すことが大事な目的でございますので、その点もしっかりと議論していただきたいと思います。  もう一つ重要なこととしまして、札幌市中央卸売市場は、札幌市民に対して生鮮食料品の安定供給を果たすことも使命の一つでございます。本年6月に公布されたばかりの今回の改正法でございますが、2年後の6月までには、改めて中央卸売市場の認定申請も行わなければいけないというタイトな日程でございますので、最も大切な札幌市民への生鮮食料品の安定供給という使命についても、事業者の皆さんと十分連携し、話し合って、市場関係者の誰もが使いやすく、また市場が活性化する取引ルールの策定を求めて、私からの質問とさせていただきます。 ○よこやま峰子 委員長  以上で、中央卸売市場事業会計の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、次週、10月22日月曜日午後1時から、交通局及びスポーツ局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後2時4分...