委 員 池 田 由 美 委 員 田 中 啓 介
委 員 堀 川 素 人 委 員 坂本 きょう子
委 員 中 山 真 一
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開 議 午後1時
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○福田浩太郎 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
それでは、議事に入ります。
最初に、第2款 総務費 第1項
総務管理費中
総務局関係分及び第12款 職員費 第1項 職員費中
総務局関係分について、一括して質疑を行います。
◆竹内孝代 委員 私からは、札幌市本庁舎の維持管理と強靱化について質問いたします。
札幌市の地震想定においては、震度7クラスの
直下型地震が発生することがこれまで想定されてきましたけれども、9月6日に発生した胆振東部を震源とする大規模地震の発生は、本市においても今まで経験したことのない最大震度6弱を記録し、実際に被災した衝撃もすさまじく、札幌市民の心に大地震の恐ろしさ、また、電源喪失が市民一人一人の生活にどれほどの影響を与えるのかということを深く心に刻む機会となってしまいました。
特に、これまで類のない電力の完全喪失、北海道の
ブラックアウトの発生がもし冬の期間であったらと考えると、積雪寒冷地の札幌市において、電力は市民の命の安全保障に直結するものであることも改めて確認されました。
どんな災害があっても崩れない電力供給の確保のための北本連系の抜本的な強化、そして、電力供給の分散化による
安定供給体制の構築、速やかな情報提供に向けて、我が会派は、北海道の安定した電力供給の再構築について、国による大きな支援が不可欠であると求めており、政府もその重要性を示しているところです。
このような想定外の災害発生時における本市の対応については、今後さまざまな角度から検証を行い、この教訓を踏まえて防災、減災、災害時の取り組みを見直していくものと思いますが、特に、今回の地震発生に当たり、本市の地震対応のかなめとなる本庁舎における状況について確認させていただきます。
まず初めに、質問ですが、札幌市本庁舎は、震災による大きな被害は幸いにしてなく、
災害対策本部の速やかな設置もできましたが、本庁舎では、今回の電源喪失時の対応はどのようなものであったのか、伺います。
◎中川 行政部長 電源喪失時の対応はどうだったのかというご質問でございました。
停電後、本庁舎に設置しております非
常用発電機が自動的に運転いたしまして、約30秒以内には本庁舎の全てに電源を供給できております。非
常用発電機は、本庁舎の電気を通常に利用した場合でも連続72時間の使用が可能な状態となっておりますけれども、今回の地震の際は、冷暖房が不要な時期でもあったことから、燃料である軽油の消費量は少なく済み、72時間を超える使用も可能な状態にございました。
今回の発電機の運転時間は42時間11分で、軽油使用量は備蓄容量の約4分の1程度の6,000リットルを使用しております。
非
常用発電機の切りかえ後の対応でありますが、地震に伴い、エレベーターを安全確認のために2時間半程度停止した以外は、庁舎内の機器は通常の機能を正常に確保しており、さらに、1階ロビーにおいては、市民の皆様や観光客の方々向けに携帯電話の
充電無料サービスを行ったところでございます。
◆竹内孝代 委員 今回の地震によって、全道の完全停電、
ブラックアウトの中で、行政の機能の維持のためには、非常電源がほぼ不可欠であることが明らかになったと思いますし、本庁舎では、日ごろから備えがありましたので、功を奏して業務が可能になったと言えるのではないかと思います。
しかし、今回の震災において、本庁舎内は正常に機能していたと思いますけれども、それ以外の施設に入っている部局は決してそうではありませんでした。
例を挙げますと、震災のあった9月6日、私は、たまたま
子ども未来局に出向いて打ち合わせをする予定でした。当然、その予定を延期しようと何度も電話をしましたが、つながらず、その日はとうとう連絡がとれませんでした。後日お聞きしたところ、ビル全体が完全停電で機能できず、職員は個人の携帯電話で関係機関と連携し、問い合わせは受けられなかったということでした。
子ども未来局は、保育園や
認定こども園、
母子寡婦福祉連合会を初め、子ども会、ひきこもり支援など、多方面にわたる関係機関との連携を所管する部局です。
また、
教育委員会の入っているビルも同様で、震災の翌日まで停電でしたので、学校の臨時休校や
避難所開設などの重要な役割を果たすために、震災後は速やかに本庁舎の地下の会議室に場所を設けてパソコンを持ち込み、対応しておりました。さらに、地元の清田区は震災の被害がとても大きかったものですから、私も避難所を歩かせていただきましたが、多くの避難者を受け入れていた小学校の校長先生とばったり駐車場でお会いしまして、今、
教育委員会に文書を受け取りに行ってきたところなので、これから文書を回覧するのに走りますと、駆けずり回っていました。
誰も経験したことのない非常時、職員の皆さんが必死に災害に対応する姿を目の当たりにしてきましたので、本庁舎が正常に機能していたからといって、本市全体の業務が正常であったわけではないこと、また、本庁舎内にもしも関係部局がしっかりと配置されていたら起こらなかったことではないかと受けとめざるを得ません。
横浜市では、関係部局が本庁舎以外の民間ビルに分散化しており、日常の業務ロスに加え、災害時の連携の困難さから、
災害対策本部機能を発揮するためにも機能の集約化を図るとして、平成32年の供用開始を目指して本庁舎の新築工事を進めていると伺っています。そういう意味では、札幌市においても、日常の円滑な業務執行はもちろん、非常時にあっても正常に業務を遂行するための本庁舎の果たすべき役割と本庁舎の
耐震性確保について、今、改めて考えていくべきだと思います。
今回の震災時、本庁舎の地震計では、震度5強、150ガルと聞いていますが、それ以上である震度6強の地震が万が一発生した場合、平成23年から平成25年の調査では、本庁舎が倒壊することはないものの、
コンクリート壁のひび割れのほか、柱やはりにも被害が発生する可能性があると予測され、被害状況によっては業務継続に支障が出る事態なども想定されると平成26年の議会で答弁されております。
札幌市の
業務継続計画、いわゆるBCP計画では、本庁舎が被災した場合は
災害対策本部機能が消防庁舎に移動しますが、迅速に状況を判断して指示を出すためにも、市民や関係機関に対して的確に情報を提供するためにも、行政機能が集約された本庁舎で対応すべきと考えます。
そこで、質問です。
本庁舎の
耐震性確保のためには、
耐震改修工事の実施や庁舎の建てかえが考えられますが、今回の地震を受け、市民を守るための
対策本部機能を強化する観点からも、本庁舎の果たすべき役割と必要な機能を明確に想定し、今後の耐震対策についても速やかに検討を進め、極力早い段階で本庁舎の今後について方向性を決定すべきと考えますがいかがか、伺います。
◎中川 行政部長 本庁舎の
耐震性確保など、今後の方向性についてのご質問でございます。
本庁舎につきましては、大通西1丁目街区を将来の建てかえの候補地として検討していくことと考えてきたところでございます。一方で、今回の地震や停電を受け、札幌市としてのさまざまな課題を整理、検証していくこととなりますので、本庁舎の役割、機能といったことにつきましても、その中で改めて議論、検討を行いたいと考えております。
また、これらの検討と並行いたしまして、これまでも進めてまいりましたガラスの
飛散防止対策、本庁舎外周の塀の脱落防止、事務室のロッカー、書棚の転倒防止などの耐震対策につきましても、引き続き可能な範囲で進めてまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 議論されていくということでしたので、ぜひ加速をさせていただきたいと思います。
このたびの震災は、これまで札幌市が経験したことがないような大きな災害でしたので、札幌市は災害が少ないまちをうたってきましたけれども、これからは、災害があっても、市民を、また観光客を守れるまち、つまり災害に強いまちへシフトしていくことになると思います。そうした意味でも、札幌市の
災害対策本部が設置される本庁舎は、市民の安心・安全を守る中枢的、かつ、かなめとしての役割を担うことから、本庁舎内になるべく関係部局を集約する必要性も含め、札幌市として災害に強いまちづくりへの重要な課題の一つとして、本庁舎の果たすべき役割と必要な機能を明確に想定し、今後の耐震対策について速やかに検討を進め、極力早い段階で本庁舎の今後について方向性を決定すべきと求めて、質問を終わります。
◆太田秀子 委員 私からは、
会計年度任用職員制度について5点、
指定管理者制度について2点質問いたします。
まず、
会計年度任用職員制度についてです。
非
正規公務員は、基幹的な業務に長期にわたって従事しており、不安定な雇用、低い賃金水準といった民間の非
正規雇用者と共通する問題があるにもかかわらず、そうした働き方を想定した法整備がされてきませんでした。深刻な問題が知られるようになり、対策をとらざるを得なくなった政府は、総務省内に研究会を設置して、2017年、
地方公務員法と
地方自治法を改定するに至りました。
それにより、2020年4月から自治体の非正規職員に
会計年度任用職員制度が導入されることになりましたが、非
正規公務員の実態を踏まえたものなのか、疑問が残ります。
地方公務員制度の大転換になることは間違いありません。
そこで、1点目の質問ですけれども、改めて確認いたしますが、本市の
臨時的任用、非常勤の任用状況について伺います。
◎山本 職員部長 現在の
臨時的任用職員、
非常勤職員の任用状況についてですが、平成30年4月1日時点で、
臨時的任用職員を953名、
非常勤職員を2,272名任用しているところです。
◆太田秀子 委員 臨時職員は、一般職の
非常勤職員、特別職の
非常勤職員に分類されていますが、この制度の導入によって、一部の
特別職非常勤職員などを除いて、
会計年度任用職員に一本化されることになります。
続いて、質問いたしますが、この法改正により、この方たちはどのような任用形態になっていくのか、また、本市の
会計年度任用職員制度への評価を伺います。
◎山本 職員部長 まず、
会計年度任用職員制度の任用形態についてです。
これは、現在、制度の枠組みを検討している段階でありますので、個別具体の検討はこれからとなります。
現在任用しております
臨時的任用職員、そして
非常勤職員につきましては、法改正の趣旨を踏まえた任用形態となるよう、今後しっかりと検討してまいりたいと考えております。
続いて、
会計年度任用職員制度への評価についてであります。
法改正の趣旨といたしましては、現行の
臨時的任用職員及び
非常勤職員の任用や勤務条件に関する制度には、法令上、不明確な部分があります。その運用が全国の
地方公共団体でまちまちであることから、法改正によって統一を図ろうとするものです。このように、全国の
地方公共団体におきまして、
臨時的任用職員及び
非常勤職員の制度が公的に整理されることは一定の評価ができるものと考えております。
札幌市といたしましても、法改正の趣旨を十分に把握した上で
会計年度任用職員制度を検討していきたいと考えております。
◆太田秀子 委員 続いて、質問しますが、雇用について伺います。
今後、
会計年度任用職員制度に移行する方たちの中で、希望された方は全員継続されるのか、伺います。
◎山本 職員部長
会計年度任用職員制度での任用の継続ということです。
まずは、このたびの法改正を理由とした人員整理は考えておりません。
会計年度任用職員の任用に当たりましては、できる限り広く募集を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
◆太田秀子 委員 続けて、伺っていきます。
能力実証、いわゆる試験ですが、総務省の
会計年度任用職員制度の導入等に向けた
事務処理マニュアルでは、今まで働いていた職員を任用する場合に試験をするかどうかは自治体の判断だと書かれています。
本市はどのようにするつもりなのか、伺いたいと思います。
◎山本 職員部長
会計年度任用職員の
能力実証方法ということであります。
会計年度任用職員の採用に当たりましては、その従事する業務の性質などを踏まえて、競争試験によることを原則とする任期の定めのない正規職員とは異なり、競争試験または選考により採用するという特例が設けられたところです。
したがいまして、競争試験によらず、選考によることといたしまして、その方法として、面接あるいは書類選考などといった方法によって能力を確認する手法が考えられるところであります。その具体的な方法についての検討は、これからであります。法改正の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
◆太田秀子 委員 手当についても伺います。
今回の改正で、これまで出せなかった手当の支給が可能になったと言われております。職員は、
フルタイム会計年度任用職員と
パートタイム会計年度任用職員に分かれます。
フルタイムは期末手当、退職手当などの手当を支給しますが、勤務時間が
フルタイムより一分でも短い
パートタイムは期末手当のみの支給という格差が残ります。しかも、総務省の
マニュアルによりますと、手当については、支給できるという文言になっておりますので、支給するか、しないかは自治体の判断に委ねられているわけです。
そこで、伺います。
手当はもちろん支給すべきだと思いますが、どのような計画なのか、伺います。
◎山本 職員部長
会計年度任用職員に対する手当の支給ということです。
ご指摘のように、法改正により、
フルタイムの
会計年度任用職員に対しましては、給料、時間
外勤務手当、通勤手当、期末手当、退職手当、
特殊勤務手当など、一部手当が支給できるとされたところです。一方、
パートタイムの
会計年度任用職員は、これまでと同様に、報酬及び費用弁償の対象ということでありますが、ここに法改正で新たに期末手当が支給できるという規定が設けられました。
私どもとしましては、国から示される
マニュアル、あるいは他都市の検討状況などを参考に、適切に検討してまいりたいと考えております。
◆太田秀子 委員 国は、今回の法改正の趣旨は、任用の適正化と勤務条件の確保であるとしています。今後、各部局で新しい仕事のやり方を検討して、ここの部局では
フルタイムの人が欲しい、こちらの部局ではパートが何人欲しいということを検討して、集約されていくと思いますが、その結果を見て、誰をどこに配置するのかを決めていくことになります。先ほど来、法改正の趣旨を踏まえて把握してやっていきたいというご答弁でしたので、ぜひ、任用職員ご本人の意向や要望を聞き取り、検討に入ってほしいと思います。
総務省は、改正案を審議する国会の中で、雇いどめを行うとか処遇を引き下げることは改正法案の趣旨に沿わないと考えている、任期は会計年度とされているけれども、これまでの各自治体における取り組みをそのまま
会計年度任用職員にも当てはめていただくことになると答弁しております。
本市を含めて、自治体の非正規職員は、一般事務はもとより、保育、給食調理、
図書館職員、看護師、学童保育、
消費生活相談などの職種に広がり、本格的・
恒常的業務を担っています。本来、恒常的な仕事は正規職員で担うべきところを、任期の定めのある非正規職員が市の仕事の多くを担っています。これら職員の手当や労働環境が改善されるように、総務省の答弁の趣旨を踏まえて具体化するように求めます。
ことしの4月から、民間で働く非
正規労働者は、
無期転換ルールが始まり、5年を超えて雇用が継続していれば、本人の申し出により期限に定めがなくなる無期雇用へ転換することになりました。しかし、公務につく臨時・
非常勤職員には、この
労働契約法は適用されず、任用であることを根拠に、いつでも雇いどめ、いつまでも非正規という不安がつきまといます。
2016年、総務省が行った
地方公務員の臨時・
非常勤職員に関する実態調査によりますと、本市では、特別職の
非常勤職員で再任用を繰り返し、看護師で26年、
図書館職員で31年働いている方がいます。20年、30年働いても非常勤です。
報道によりますと、
地方自治総合研究所の研究員が、この法改正は政府が進める同一労働、同一賃金に逆行すると指摘しています。
地方公務員法では、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営とされており、住民の命と暮らしを支える恒常的な業務は、
地方公務員法の
原則どおり正規職員に移行すべきことを申し上げて、次の質問に移ります。
次に、
指定管理者制度についてです。
我が党は、
指定管理者制度は、非
正規雇用労働者を生み、
官製ワーキングプアの温床であることを指摘してきました。本市では、2017年4月時点で424施設が
指定管理施設であり、延べ3,770人が働くうち、非正規雇用は2,465人、実に65%を超える職員が非正規職員です。低賃金、不安定な雇用環境で働く職員の労働環境を維持・向上させることが必要です。
そこで、1点目の質問ですが、
指定管理施設で働く職員について、賃金を含めた労働環境の維持・向上についてどのように取り組んでいるのか、伺います。
◎熊谷
改革推進室長 指定管理施設で働く職員の賃金を含めた労働環境の維持・向上というご質問でございました。
この点に関しては、これまでもいろいろと見直しを重ねてきているところでございます。例えば、
指定管理者の応募に当たりまして、現在雇用している労働者を次の指定期間においても継続雇用する意思表示があった場合、あるいは、非正規職員から正規職員への転換に向けた方針が応募の提案の中で示された場合には、選定の際に高い評価につなげるように、今日、選定基準を改めて運用しております。
また、平成26年度の選定時から、
指定管理施設で働く職員の賃金につきまして、国の定める最低賃金を上回る本市独自の
基準時給額を設定しているところであり、その
基準時給額をさらに上回る提案があった場合には、選定における加点の対象としているところでございます。
さらに、選定後におきましても、
施設所管部局による業務検査を実施しており、
労働関係法令の遵守状況について確認を行い、必要な場合には改善指導もしているところでございます。
このほかにも、一斉更新を迎えた今年度より、
指定管理期間を4年から5年に変更しており、さらなる雇用の安定化に期待しているところでございます。
◆太田秀子 委員 先ほどの質問でも触れましたが、2013年4月に労働契約に関する法律、
労働契約法が改正されて、ことし4月から
無期転換ルールが導入されました。同じ事業主のもとで5年継続して働いた労働者は、申し出することにより無期雇用へ転換することができるようになりました。
2点目の質問ですが、本市は、
指定管理施設に対して、
無期転換ルールの厳密な適用について、制度の周知とともに具体的な
チェック体制が必要だと思いますけれども、どのような取り組みを行っているのか、伺います。
◎熊谷
改革推進室長 無期転換ルールに関する制度の周知と
チェック体制についてのご質問でございました。
今年度、多くの施設が
指定管理者の一斉更新を迎えるに先立ちまして、全ての
指定管理者に対して
無期転換ルールを含めた
労働関係法令の遵守について周知を図ったところでございます。
また、先ほども申し上げました
施設所管部局による業務検査については、毎年度実施しており、
労働関係法令の遵守状況について確認を行い、また、必要な場合は改善指導も行っているところでございます。
なお、この業務検査がより適正に実施されるよう、
無期転換ルールも含めた
労働関係法令に関する知識や業務検査のポイントを身につけるために、人事、労務の専門家である
社会保険労務士を講師とした職員向けの実務研修も行っているところでございます。
今後も、これらの取り組みを通じまして、
指定管理施設における労働環境の維持・向上を図ってまいりたいと考えております。
◆太田秀子 委員 労働環境の維持・向上のためには、非正規職員の正規化とか、アルバイトやパートなど有期の雇用職員の無期化など、雇用の安定化を促すことが重要です。無期雇用については、無期雇用の転換点である5年で雇いどめが起きないように注視していただきたいと思います。また、非公募の
指定管理施設について、特に福祉分野などは、専門性や利用者との継続的な信頼関係を構築していく上で、
指定管理者制度の適用はなじまないと考えます。
雇用環境の維持・向上は当然のことですが、何より、指定管理ありきではなく、施設ごとの性質を見定めて、直営に戻すことも含めた抜本的な検討をしていただくよう要望して、質問を終わります。
◆松井隆文 委員 私からは、札幌市における障がい者雇用についてと知的財産の取り扱いについて質問させていただきます。
まずは、障がい者雇用について伺います。
障がいのある方の雇用につきましては、障害者の雇用の促進等に関する法律、いわゆる
障害者雇用促進法が定められており、ここで障がい者の
法定雇用率以上の雇用義務が規定されております。この
法定雇用率は、平成30年4月から引き上げられ、国や
地方自治体では2.3%から2.5%に、都道府県や政令市等の
教育委員会では2.2%から2.4%に引き上げられました。
地方公共団体の任命権者は、毎年、障がい者である職員の任命に関する状況を
厚生労働大臣に通報することになっており、ここで障がい者雇用率を報告しています。
今般、国の行政機関において、この通報書で報告する障がい者雇用の義務制度の対象者の範囲に誤りが見られたことを受け、
地方自治体においても再点検を実施するように国から依頼があり、札幌市においても再点検がなされたと聞いております。
そこでまず、札幌市の障がい者雇用率の状況についてお伺いいたします。
◎山本 職員部長 札幌市職員の障がい者雇用率ですが、このたび再点検を行いました結果、当初報告値から雇用率に変動がありました。任命権者別に申し上げますと、市長部局は2.50%から2.49%、交通局は2.39%から2.56%、水道局は2.33%から2.17%、病院局は1.21%から0.87%、
教育委員会は1.69%から1.28%となりました。
また、
法定雇用率が異なる
教育委員会を除いた札幌市の障がい者雇用率は、2.41%から2.38%となったところです。交通局は当初よりも上がりましたが、そのほかの任命権者は当初報告値から下がったということで、札幌市全体としても
法定雇用率を満たしていない状況であります。
◆松井隆文 委員 ただいまの答弁によりますと、再点検したところ、当初の報告値から下がっている数字が多く見られたわけですが、報告値が下がっている理由はどういうことなのか、お伺いいたします。
◎山本 職員部長 再点検の結果、障がい者雇用率が低下した理由についてであります。
職員の所持する障害者手帳を確認することが今回の調査の手法ですが、一方、国のガイドラインにありますように、障害者手帳を強制的に提出させることはできないものであります。今回の調査では、障がいの状況を申告しているものの、障害者手帳の確認ができなかった職員がいるため、雇用率が低下したということです。
◆松井隆文 委員 申告はあったけれども、確認ができなかったため、その数字を捉え直すと数値が下がった理由であったことは理解いたしました。
先ほどの答弁では、例えば、交通局のように
法定雇用率を達成しているところもあれば、大きく届いていないところもあるということで、かなりばらつきがあるようですが、任命権者ごとで雇用率に差が生じていることについて、市としてはどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎山本 職員部長 任命権者ごとで障がい者雇用率に差が生じていることへの認識についてですが、どのような業務や職種に障がいのある職員が従事できるかなどが課題となっております。特に、医師や看護師あるいは教員など、専門職や技術職が多い病院局や
教育委員会では雇用率が低い状況となっております。
今後、常勤にこだわらない職種、職域も含めた採用方法についても検討してまいりたいと考えております。
◆松井隆文 委員 雇用率に差が生じているのは、専門職とか技術職といった任命権者によってそれぞれ事情が違うためということについては理解できるところです。
札幌市の
法定雇用率は、
教育委員会を除くと2.38%と冒頭に答弁されましたが、
法定雇用率2.50%を満たしていかなければなりません。これは、率で言うと2.5%ですが、率ではわかりづらいので、実際にどのくらいの人数を雇用しなければならないのか、また、それを満たすのにどのくらいの期間が必要になると考えているのか、この2点についてお伺いいたします。
◎山本 職員部長
法定雇用率を満たすための必要な人数あるいは期間についてです。
まず、
教育委員会を除く市長部局等では2.50%という
法定雇用率が定められており、これを達成するためには、障がいの程度にもよりますが、6名から12名の採用が必要となります。
今後も、継続して障がいのある方を対象とした職員採用を行っていくほか、先ほど申し上げましたように、常勤にこだわらない職種、職域への雇用も含めて検討を行い、できるだけ早期に、まずは最低限、
法定雇用率を満たしていきたいと考えております。
一方、
教育委員会では、2.40%の
法定雇用率を達成するためには、およそ40名から80名の採用が必要となります。教員などは、資格職であり、専門性が高い業務ですので、教育現場の状況なども考慮しながら、今後の採用のあり方を検討していかなければならないと考えております。
◆松井隆文 委員 そのような人数が必要になってくるということでした。
障がい者の雇用に伴いまして、今までは率の話を申し上げてきましたが、障がい者の合理的配慮という点についても1点お伺いしたいと思います。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法がございますが、この中にも出ている合理的配慮という点に関して、札幌市では職員に対してどのような合理的配慮に関する取り組みを行っているのか、この点についてお伺いいたします。
◎山本 職員部長 職員に対する合理的配慮についてであります。
例えば、人事異動の際に、障がいのある職員からの要望に応じて対応しているところであります。具体的な例で申しますと、車椅子を使用している職員に対しては、施設のバリアフリーの状況なども踏まえ、車椅子での勤務が可能な職場に配属するといったようなことを可能な範囲で対応しているところです。
また、役職者向けの研修などでは、合理的配慮の必要性や重要性を伝えているところであり、同じ職場の同僚や部下にこうした合理的な配慮が必要な職員がいる場合には、本人への配慮を前提にいたしまして、ほかの職員に障がいの内容や必要な配慮を説明し、周りの職員が障がいを理解した上で業務を行う職場環境を整えるなどしております。
ただ、職場の施設面では、状況によっては大規模な改修などが必要となるなど、早期の実現が現実的に困難な場合もあります。引き続き、可能な範囲で合理的配慮の措置を講じていく考えであります。
◆松井隆文 委員 障がい者の雇用という点で、冒頭から質問させていただいた雇用率については、例えば実態が2.5%といったときに、手帳を出したくない方がおられれば、当然、2.5%を下回っていくことになろうかと思いますので、この
法定雇用率を達成するということを考えますと、さらに高い雇用率を目指して努めていくことが必要ではないかと思います。
また、手帳の確認ということについては、もちろん手帳を提示させることが目的ではありませんので、誰もが働きやすい職場にしていくために、障がいのある方に対して、今後も可能な範囲で合理的配慮を行っていただきたいということを要望させていただきます。
引き続き、札幌市における知的財産権の取り扱いについてお伺いいたします。
広報さっぽろの6月号のイラストが、漫画「ベルサイユのばら」の著作権を侵害するのではないかと池田理代子プロダクションのほうから抗議を受けて、札幌市が謝罪したという案件がございました。
ここについては、先般、私も報告を受けました。この経緯の詳細について全ては触れませんけれども、まず、札幌市として、そのイラストを見た市民が「ベルサイユのばら」に似ていると想起することについて、札幌市の認識があらかじめあったのかどうか、この点についてお伺いいたします。
◎青山 広報部長 広報さっぽろ6月号のイラストが「ベルサイユのばら」を想起させるかどうかの認識があったかどうかというご質問でございます。
この広報さっぽろ6月号には2人のキャラクターが登場しますけれども、その2人の関係性、名前、背景を全体で見たときに、似ている、イメージさせる、あるいはパロディーであるといったご指摘を受けても仕方のないものになっているというふうに感じております。ただ、あらかじめそういう認識があったわけではございません。
◆松井隆文 委員 あらかじめそういう認識があったわけではないけれども、今の時点ではそう思っているということですね。そうではなくて、この広報さっぽろ6月号が出るに当たって、そのような認識が事前にあったかどうかという点についてはいかがですか。
◎青山 広報部長 今お答え申し上げましたとおり、私のほうではあらかじめそういう認識は持っておりませんでしたけれども、その後、いろいろとご指摘をいただいた結果、それはやむを得ないことであるというふうに考えております。
◆松井隆文 委員 ということは、6月号が発行される前にはそういった認識はなかったが、市民や池田事務所からの指摘を受けて、今考えると、そういったことも理解できるというご答弁ですね。
それでは、この6月号を発行されるまでの間、この制作は業者に委託していたと思いますが、業者との間ではどういった確認、やりとりがなされたのか、お聞きします。
◎青山 広報部長 業者との間でどのような確認がなされたかというご質問でございます。
広報さっぽろのイラストを委託しております会社との間では、仕様書の中に、あらかじめ、著作権等について侵害することがないように配慮するというような文言が定められております。また、それに基づいて、作成している過程の中でも、そういったことがないようにということは確認させていただいておりました。
◆松井隆文 委員 今回、この6月号の制作途中においても、このイラスト等が池田理代子氏の「ベルサイユのばら」との間で問題を生じないのかも確認していたということでしょうか。
◎青山 広報部長 「ベルサイユのばら」に抵触しないかを確認していたかというご質問でございます。
「ベルサイユのばら」に限らず、今回は漫画という手法をとりましたので、ほかの著作物に抵触することがないかどうかを確認させていただいたという意味でございます。
◆松井隆文 委員 私は、この6月号に関する説明を受けたときに、このイラストが著作権等の関係で本当に大丈夫なのか、業者に再三再四確認したという報告を受けたのですが、大丈夫なのかと再三再四確認したということは事実でしょうか。
◎青山 広報部長 事実でございます。それは、仕様書に基づいて確認させていただいたということでございます。
◆松井隆文 委員 別の質問をしますが、著作権法上の著作物について、第三者が使用するときに誰の承諾が必要であると認識されているかという点についてお伺いいたします。
◎青山 広報部長 誰の承諾が必要かというご質問ですが、著作権者であるというふうに認識しております。
◆松井隆文 委員 大きく3点の質問をさせていただきましたが、まず、札幌市として、「ベルサイユのばら」に似ている、パロディーである、あるいは、市民に想起させるという認識が事前には全くなかったということと、これは大丈夫なのかということを業者に再三再四確認していたということの整合性を感じません。つまり、「ベルサイユのばら」に似ているのではないかと池田プロダクションや市民から指摘されて、初めて認識して、そんなことを言われるとは寝耳に水だったというのならわかるのですが、再三再四確認していたということは、札幌市としても、この作品が「ベルサイユのばら」に似ているという認識があったのではないかと思いますが、この点についてはどういうことなのでしょうか。
◎青山 広報部長 ただいまのご質問ですけれども、先ほどもご答弁させていただきましたとおり、仕様書の中に著作権に抵触しないように配慮するという文言がございます。今回は、写真ではなく、特に漫画という手法をとりましたので、そこのところの著作権は大丈夫かという確認をさせていただいたということでございます。
◆松井隆文 委員 「ベルサイユのばら」という特定の作品を想起させるから、そこを確認したという答弁だと捉えましたが、そういう意味ではないということですね。
もう1点は、著作権法上の第三者が使用するときの承諾の話をしましたが、今回の「ベルサイユのばら」の漫画には著作権者がいるわけです。「ベルサイユのばら」に似ているということは、事前に全く想起しなかったということなのか。著作権者ではない委託業者には確認しているけれども、なぜ池田事務所に確認しなかったのかという点をお伺いします。
◎青山 広報部長 当初、我々のほうでは、「ベルサイユのばら」ということを想定しておりませんでしたので、池田理代子事務所に聞くことは行っておりませんでしたが、漫画という手法をとっている以上、著作権上、問題がないかと業者に確認していたという意味でございます。
◆松井隆文 委員 そうであれば、先日、私が報告を受けたときには、市の担当の方も「ベルサイユのばら」を頭の片隅に置きながらの確認であったと私は捉えておりましたので、矛盾しているのではないかという指摘をさせていただきました。しかし、そこについては、最後の答弁で、全く想定していなかったというのであったので、それは認識の問題ですから、そこについては、これ以上、確認のしようがないかと思います。
いずれにしても、著作権に対する認識というものについて、業者には仕様書に従ってということがあったのかもしれませんが、かなりの市民がこれを見て想起したということは、やはり問題であったというふうに思うわけです。
私は、この点について、平成27年の4定の代表質問で知的財産権について質問させていただいております。
今後、札幌市が芸術祭やオリンピックを初め、創造都市さっぽろを掲げて行われるさまざまなイベントなどに取り組んでいく中で、知的財産権が注目を受けていくのではないか、知的財産権に対する市民の権利意識が高まっていくことが予想される中で、札幌市としては、知的財産権に関して権利者とトラブルが起きないように適切に管理しつつ、その活用を図っていくことについて、市民や権利者にしっかりとした姿勢を見せることが必要だと指摘した上で、トラブルを未然に防ぐ、いわゆる予防法務という観点からも、知的財産権についての職員の専門性を高めていくことが必要である、第三者の著作物などを市の刊行物に引用することなども含めて、知的財産権への意識を庁内で高める取り組みが必要である、このように取り組む姿勢は、創造都市さっぽろを掲げ、知的財産を中心とするコンテンツを重要視するという本市にとって不可欠と言える、今後ますます重要性が高まる知的財産権について市長はどのように認識しているのか、また、職員の専門性や意識を高めるために、今後どのように取り組んでいくのかという質問をさせていただきました。
ここにおいて、当時、市長ではなく、板垣副市長から、知的財産権は、重要な資産であります、第三者の権利を侵害しないよう十分配慮しなければならないというふうに認識しています、今後も、ロゴやキャラクターなどを広報や啓発のツールとして活用していくことも想定されますことから、庁内の連携を密にしながら、研修などを通じまして知的財産権に関する職員の専門性や意識の向上を図るとともに、担当部局からの相談に応じる体制を整えるなど適切に対応してまいりたいという答弁がございました。
私は、今回の事案というのは、まさに4定の代表質問で質問したそのものの事案ではないかと思っているところです。全国に札幌市の名前が報道等でこうした形で出たということが大変残念でならない思いであります。
そこで、この代表質問で板垣副市長からの答弁にあったような取り組みをこれまでどのように実践されてきたのか、そこについてお伺いいたします。
◎青山 広報部長 札幌市の財産管理を所管しておりますのが財政局管財部ということで、私は直接の所管部局ではございませんが、著作権にかかわる業務を持つ一つの事業部局としてご説明させていただきます。
現在も、庁内のイントラネットを活用した職員のための学習システムであるeラーニングというところに著作権に関する項目を設けているほか、採用3年目研修、採用7年目研修など、さまざまな研修機会を捉えて知的財産権に関する内容にも触れております。
それから、広報課では、このたびの広報さっぽろ6月号の事案を受けて、著作権についての職員の知識を深めるために、専門の弁護士を講師として研修を実施したところであり、これは、人事異動なども考えますと、定期的に開催していく予定でございます。現在は、広報課と各区の広聴係を対象に研修を行ったところですが、今後、この研修につきましては、全庁の職員が参加できるよう、他の部局にも門戸を広げてまいりたいと考えております。
◆松井隆文 委員 研修等に取り組んできたということですが、そんな中、平成27年の代表質問で指摘したのに、ことし、平成30年にこういった案件が生じてしまったということです。今回の事案というのは、結果的に著作権者である池田理代子プロダクションの承諾を事後に得られたということです。ただ、結果的に札幌とプロダクションの間で得られたから大丈夫だったという話ではないと私は思います。つまり、こういった問題が起きたということ自体に、認識不足であったり、対応の問題があったのではないかと思うところです。
創造都市さっぽろとの関係において、知的財産権の問題を秋元市長はどのように認識しているのか、そして、まさに知的財産権をめぐっての問題が全国に報道されてしまったという、ある意味、不名誉といいますか、知的財産権に対する認識が低いかのように広く知られてしまったことについて、札幌市は今後どのように挽回していくのか、秋元市長にお伺いいたします。
◎秋元 市長 今回、広報誌の掲載の関係で、著作権者である池田事務所からご指摘をいただいて、そのことが広く報道され、市民の皆様にも大変ご心配をおかけいたしました。そういう意味では、著作権に対しての考え方、取り組みについて、この後、札幌市としてしっかりと対応していかなければいけない事案だったというふうに認識しております。
先ほど部長からご答弁させていただきましたように、平成27年に代表質問でご質問いただいた後も、eラーニングなどのさまざまな研修の機会にそれを入れてきましたが、それを多くの職員が認識することは最低限必要だろうというふうに思います。
加えて、これからいろいろなロゴやキャラクターを使っての広報、PRも出てまいります。そうしたときに、基本的・基礎的な著作権に関する知識やノウハウについて職員が認識することはもとより、少し疑義が生じた場合に、専門的なアドバイスを得られるように、現状でも、顧問弁護士、あるいは、顧問弁護士から紹介いただいた著作権に詳しい弁護士にご相談するという体制もとっておりますので、そういったことをしっかり徹底し、不名誉なことを挽回していかなければいけないだろうと考えております。
◆松井隆文 委員 ぜひとも、ただいま市長から答弁がありましたような取り組みについて徹底していただいて、創造都市さっぽろとして今後さまざまな取り組みを全国、全世界に発信していただくことを求めて、私の質問を終わらせていただきます。
◆成田祐樹 委員 私からは、災害時の広報体制と職員の住居手当問題の追加調査等についてお伺いいたします。
まずは、災害時における広報体制についてです。
今回の震災は、地震の影響により、札幌市を含む北海道全域が大規模な停電となる、いわゆる
ブラックアウトが起きたことで、災害情報を取得するツールが極めて少なくなったことが大きな特徴でした。大規模な停電の影響で、テレビはもとより、市のホームページが、一定時間、閲覧できなくなるなど、これまで想定されなかった規模での情報の遮断が生じていたと思われます。
一般的には、停電を伴う災害時に情報を得るためのツールとしてはラジオが有効でありますが、現在は、パソコンやスマートフォンなどで無料でラジオ番組が聞けるradikoといったサービスなどもあり、ラジオそのものを所有していない家庭も多いと考えられます。このため、東日本大震災や熊本地震のときと同様、多くの市民がスマートフォンからSNSなどを通じて行政や報道機関からの情報を収集していたものと考えられます。
市の広報部でも、SNSについては、平成24年から公式ツイッターを開設し、これまでも、新たな事業やイベントの予定といった市政情報に加え、特に警報が発令された際には、昼夜を問わず、速やかに情報発信していることについては認識しているところです。
私自身も市広報部のツイッターをフォローしており、今回の地震の際にも、さまざまな災害情報に関する発信を市のツイッターから得たところであり、リツイートも含めて多くの方へ情報を拡散したところですが、札幌に特化した情報という観点でいくと、震災直後にネットで報道機関が出していた情報にも限りがあり、札幌市が出した情報に関してはかなりの反応があったのではないかと推測します。
その反応の結果というものがツイッターであればツイートアクティビティーから確認でき、その中でも、インプレッション数、いわゆる市の発信した情報を見た方の件数ですが、実際にどの程度いたのか、その情報伝播力が気になるところです。
そこでまず、今回の地震が起きて以降、市がツイッターでどのような情報発信をしてきたのか、また、その情報が実際にどの程度見られていたのか、お伺いしたいと思います。
◎青山 広報部長 地震発生以降のSNSを活用した情報発信というご質問でございます。
広報部では、職員が登庁後、
災害対策本部に寄せられた情報を確認し、午前3時52分を皮切りに、水道、電気、ガスなどライフラインに関する情報や、市立学校の休校情報などを公式ツイッターで順次発信いたしまして、発災後の3日間で75件発信したところでございます。
ツイッターの発信が見られるように登録しているフォロワーの数が発災後の3日間で約3万人ふえ、現在は約10万1,000人となっております。また、ツイッターで発信した情報が実際にどのくらい見られていたかを示す指標となるインプレッション数につきましては、3日間で延べ2,623万回となってございます。中でも、携帯電話の充電サービスやライフライン、市立学校の休校に関する情報につきましては、いずれもインプレッション数が100万回を超えており、多くても10万回程度の通常時と比較しても、非常に多くの方に見られていることがわかります。
◆成田祐樹 委員 延べ人数ですし、札幌に直接関心がない方が目にした数も含まれているので、今お答えいただいた数字だけをうのみにするわけではありませんが、それでも、2,600万回を超えるというのは相当な数だと思っております。発災からの3日間でインプレッション数が非常に多いということもありますし、ごく短期間でフォロワーが約3万人ふえていることからも、何よりも信頼のおける市の情報が発信されたことで、より拡散されていったものと考えられます。
今回の地震のように大規模な停電が発生し、情報を発信する手段が極めて限られるような事態においては、ツイッターなどのSNSを使った情報発信がかなり有効であることが今お伺いしたインプレッション数やフォロワーが大幅にふえたことからも明らかになったのではないでしょうか。
そうした中、市の主要施設33カ所のうち、清田区役所、厚別区役所、中央区役所、
教育委員会、
子ども未来局、スポーツ局などの8カ所が震災の際に機能不全に陥り、業務が実施できなかったり、電話が通じないなどといったことが起きたと報道からも発表がありました。当然ながら、平日で学校や保育園などもあり、保育園の当日の運営について
子ども未来局の判断を仰ごうとも、連絡がつかずに困った園長や、市民からもごみを出していいのかどうかといったさまざまな問い合わせが私たちのところにも届きました。当然ながら、市民の方から、直接、市や担当に問い合わせていたことも考えると、電話応対の業務だけで相当な負担になっていたことが想定されます。これらについては、市民ニーズを踏まえた的確な情報発信をツイッターで行うことで、混乱する現場への問い合わせ等を少しでも減らすことができ、結果として、震災時に各部署が本来やるべき業務に集中することで市民サービスの向上にもつながったものと考えております。
そこで、お伺いしますが、今回の震災を受け、ツイッターでの発信内容や反応の分析を含め、市民が求める情報をどう的確に発信していくとお考えか、見解をお聞かせいただきたいと思います。
◎青山 広報部長 今回の震災を受けて、ツイッターでの発信内容をどう的確にしていくかというご質問でございます。
委員がご指摘のとおり、災害時には、市民が求めている情報を把握し、そのニーズを踏まえて的確に発信することがより重要になってくるものと考えております。
今回の震災では、ライフラインを中心に、地震に関する情報につきまして、本日までにツイッターで延べ112件発信しておりますが、そのうち、民間による携帯電話の充電サービスの提供など市政情報以外のものにつきましても、被災された方が必要と思われるものについては21件発信しているところでございます。これらの情報につきまして、インプレッション数や札幌市が発信した情報をフォロワーがみずから発信するリツイートなどを改めて個別に分析することで、災害時における市民ニーズを把握できるものと考えております。
携帯電話の充電サービスやライフライン、学校の休校情報などに反応が多かったことが既にわかっておりますので、このほか、市民から寄せられた意見などもあわせて、今後の災害時広報に生かしてまいりたいと考えております。
災害時には、情報の正確さはもとより、スピード感が求められております。伝えるべき情報が市民に正しく早く伝わることで、安心して次の行動につなげられることから、引き続き、的確、迅速な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
◆成田祐樹 委員 今お答えいただいたように、的確で正確な情報発信を受けることで市民も安心できることがあると思いますので、ぜひ積極的にやっていただきたいと思います。特に、停電が長引いたこともあって、今回は市民に情報が入りにくいといった想定しづらい災害であったかと思います。ぜひ、今回の震災を糧にして、災害時に必要な情報発信を臨機応変に行っていただきたいと思います。
災害という非日常は、突然やってまいります。そういうときこそ、市民が何を求めているのかを強く意識して情報発信に努めてほしいところです。
今回、震災後に私が確認しただけでも、余震や断水に関する多くのデマ情報がSNS上に飛び交っており、中には、情報源が自衛隊ということで大きな広がりを見せたものもありました。これらの事象は過去の震災時にも起きており、私が東日本大震災や熊本地震の被災地に視察に行った際にも、職員から、震災直後にはデマなどの情報が出てきますといった話を伺っていたこともあり、こういうことなのかと改めて感じさせられました。
今回、デマが広まった背景には、ツイッターではなく、LINEといった水面下で情報伝達が行われるツールの普及も原因であると考えられます。LINEは、即時に画像などが送れる反面、その真贋について、外部からの指摘が難しいことから、伝言ゲームをしていくうちに誤った情報が伝達される傾向があります。そのような際に、市が正確な情報を発信できれば、デマ情報に対抗して打ち消すことも可能です。
実際に、苫小牧市は、今回の震災で、公式フェイスブックページにて地鳴り情報を否定する発信をしましたが、それをきっかけに誤った情報伝達がとまりました。もちろん、さまざまなSNSがあるので、一体何を利用するのかという話になりますが、やはり、利用者が多く、多数の市民に発信できるSNSを利用することが必要ではないでしょうか。
災害時に市民が求める情報をより手軽に、よりスピーディーに届けることは広報として重要であり、人口が196万人を超える大都市札幌において、多くの人に同時に情報を発信できるメリットは、災害時には特に威力を発揮すると思われます。情報発信ツールとして、ツイッターに加え、現在普及しているツールであればLINEなど、そのときに一番普及しているSNSの活用を検討すべきと考えます。現在は、企業に加えて、自治体も公式SNSを多数持つ時代となっています。
そこで、最後にお伺いしますが、災害時の情報発信ツールとして、ツイッターに加え、LINE等の既存のSNSや、今後出てくる新たなSNSの活用を検討し、情報発信力のさらなる強化が必要と考えますが、見解をお伺いしたいと思います。
◎青山 広報部長 ツイッターに加え、LINEなど既存のSNS、あるいは新たなSNSの活用を検討してはいかがかというご質問でございます。
今回の震災におきまして、ツイッターが持つ情報の即時性、拡散性について改めて認識したところでございます。特に、災害時には、ホームページを補完する情報発信手段として効果を発揮したところでございます。一方で、当然、ツイッターだけでは不十分なことも事実であり、より幅広く多くの市民に的確、迅速に情報を届ける上では、新たなSNSの活用は有効であると考えております。
SNSにはさまざまなサービスがございまして、その特性に合わせた情報発信が可能となりますが、その中で、LINEは、幅広い年齢層に多く利用されておりますことから、効果的な情報発信手段の一つであると認識しているところでございます。
SNSのサービスは日進月歩であり、これからも新たなサービスが提供され、普及されてくる可能性がございます。今後は、先行自治体の運用状況等を調査研究しながら、LINEも含めた新たなSNSの活用につきまして検討してまいりたいと考えております。
◆成田祐樹 委員 災害時の広報体制について、2点要望したいと思います。
SNSを活用しようとすると、やっていない高齢者の方はどうするのだという話もありますが、さまざまな情報発信をした後に、とりわけ重要なものであれば、近隣に住んでいる携帯を持っていないお年寄りの方に一言お伝えしてくださいとか、そういった言葉を足すだけでも情報が伝わったり、避難所の中でも伝わると思います。これは使いようだと思いますので、SNSを含めて正しい情報が多くの人に届くことを意識していただきたいと思います。
もう1点は、広報部の体制に対してです。
災害時に、広報部から発信しようと思っても、原局が忙しくて正確な情報が広報部に届かない可能性もあります。広報部がみずからあちこちに行こうとすると、なかなか人手が足りないと思いますので、各部局をまたいで、正確な情報を広報部に届けるといった体制もご検討いただきたいと思います。
もう1点の住居手当の追加調査等について、2点お伺いしたいと思います。
去る5月15日に、親族間の賃貸借契約に基づく借家、貸し間の住居手当に関し、19件、約6,000万円の不適正な事例が判明し、歴代の職員部長を含む22名が処分されたところであり、また、このたび、10月4日に住居手当の追加調査等の結果報告がありましたが、調査の結果、残念ながら、17件、約300万円の不適正な受給事例が判明し、対象の職員に対し、減給や戒告などの処分が行われたところです。
現時点では一通りの調査を終えたところと思いますが、結果を見ますと、長年にわたり不適正な受給が続いていたことが判明し、職員の自己申告に頼り過ぎの制度設計であったことは、手当が税金を原資として支払われるものであることに鑑みると、理事者にあっては深く反省すべきものと考えます。
本件については、5月16日に開催された総務委員会において、私からも、不適正受給の原因として、本人の過失もさることながら、支給側の確認体制に不備があったのではないかという点を指摘し、確認体制の改善を強く求めたところです。
そこで、1点目の質問ですが、このたびの追加調査の概要について、まずはご説明をお願いします。
とりわけ、さきに指摘した確認体制について、一体どのような改善をしたかもあわせてご答弁をお願いします。
◎山本 職員部長 まずは、10月4日に、住居手当等の追加調査に当たりまして、結果報告で17名に処分を出したということです。事務統括責任者の私から、改めておわび申し上げます。
システムの障害件数について具体的に申し上げますと、以前に質問したときも指摘したとおり、2016年、平成28年1月20日時点で総数7,600件にも上っており、このうち、国保など福祉系システムで約3,000件の割合を占めていました。
こうしたことから、これまでの質疑の中では、システムが安定稼働に至っていないことなどを踏まえ、内部による検証だけではなく、外部の第三者機関によるシステム監査を実施し、約20年という長期間、本当に使い続けられるシステムなのか、また、次期再構築に向けて、産総研の包括フレームワークという開発手法も含め、再構築事業全般にわたり、どういう課題があったのか、検証していく必要があるのではないかと解明を求めてきました。
この外部によるシステム監査については、2017年、平成29年の予算特別委員会で、行政側から、平成29年度に実施できるよう準備を進めているとの答弁がありました。昨年度、これを実施しておりますので、その結果について質問したいと思います。
そこで、最初の質問ですが、昨年度実施した外部システム監査の目的、実施期間、調査方法などの概要とその結果について伺いたいと思います。
◎高棹 情報システム部長 基幹系システムの外部監査の概要と結果についてのご質問でございます。
1点目の外部監査の目的については、まずは、基幹系情報システムの再構築事業の目的についてご説明させていただきますと、一つ目が老朽化対応、二つ目が発注者主体のシステム管理、3点目が地元企業の参入機会の拡大の実現を図るということでございました。外部監査は、この再構築事業の目的達成度に関する評価を得るため、そして、今後のシステムの維持管理及び将来の大規模改修に向けた提言をいただくために実施したものでございます。
2点目の監査の期間ですが、平成29年7月から30年1月の約7カ月間をかけて実施しております。
3点目の調査方法についてですが、システム設計書などの成果物の充足度や整合性の調査が一つでございます。二つ目が開発・運用保守業者及び情報システム部とかシステム所幹部の直接開発に携わった職員などに対するヒアリング調査、そして、区の職員などシステム利用者へのアンケート調査などを行いまして、総合的に分析して評価いただきました。
以上が外部監査の概要でございます。
続きまして、外部監査を実施した結果についてでございます。
先ほどご説明させていただきました再構築事業の三つの目的につきましては、税系システム及び国保・福祉系システムにおいて、稼働後に多くの追加開発が発生したことで、再開発時の要件分析が十分でなかったという指摘はいただきましたが、おおむね達成できたという評価をいただいております。
また、調査結果を踏まえた提言につきましては、入札参加業者をふやすため、今後、成果物を効果的かつ安定的に運用保守していくため、そして、将来の再構築に向けた計画に対してという三つの観点から、26項目に及ぶ提言をいただいております。
主なものをお話しさせていただきますと、一つ目は、将来、多大な費用をかけて再構築するのではなく、システムの改善を重ねて継続利用をすることを目指すべきだ、二つ目は、システムの品質改善が短期的な課題であり、ふぐあいの解消だけではなく、性能や使いやすさについても改善を図っていくべき、そして、運用保守業務等については、一般競争入札のように、価格だけはなく、技術力も評価した業者決定方法をとるべき、最後になりますが、次の再構築を行うこととなった場合には、要件分析、基本設計、開発という三つの工程ごとに分けた調達方法を見直すべき、また、システムごとに再構築時期を分散し、開発期間を十分に確保すべき、こういった趣旨のご提言をいただいたところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 今、外部システム監査の概要について答弁がありました。
私も、そちらから資料を提出いただいて、読ませていただきました。その上で、次の質問は、提言を受けての今後の取り組みについてであります。
今、答弁のありました外部システム監査の提言の中には、要件分析、基本設計、開発という三つに分けた開発工程の見直し、また、開発期間の十分な確保などといった項目があります。私は、平成28年度予算特別委員会でも指摘しましたが、こうしたことに加え、基幹系情報システムの稼働当初の障害件数が多い原因として、各工程の引き継ぎに当たっての事前、事後の協議やコミュニケーション不足、開発工程全体の進行管理を含めて問題があったのではないかとこれまでも指摘してきましたけれども、監査結果によって、これまで申し上げてきたことが一定程度裏づけられたと理解しております。
そこで、質問ですが、外部システム監査で提言を受けたことに対して、今後、札幌市としてどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
◎高棹 情報システム部長 外部監査からの提言を受けた今後の取り組みについてでございます。いただいた提言のうち、早期に取り組まなければならないと考えていることを中心にお答えいたします。
まず、障害の改修等によるシステムの品質改善でございます。
具体的に申し上げますと、システムの障害改修を着実に進めるとともに、使い勝手の悪い部分につきましても、システムの所管部としっかり調整しながら改修していくことにより品質改善が図られるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
次に、総合評価方式での調達の実施による運用保守業者の技術力の確保でございます。
具体的には、来年度は、住基系システムの運用保守業務が更新となりますので、総合評価方式の調達の実施を予定しているところであり、これ以外のシステムについても、順次、総合評価方式での調達の実施に向けて検討を行い、運用保守業者の技術力を確保し、適切な運用保守が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
以上の2点について早期に取り組まなければならないと考えており、また、ほかの提言につきましても具体的な取り組みを検討し、効果の高いものから順次取り組んでまいりたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 ただいま、品質の改善、そしてまた、価格のみの競争ではなくて、総合評価落札方式を導入して業者選定を行っていくという答弁がありました。また、外部システム監査の中で、特に、国保・福祉系システムや税系システムは、要件分析が不十分であったため、稼働後の追加開発が多くなってきたという趣旨の答弁がありました。
また、冒頭でも申し上げましたが、国保・福祉系システムに障害が多く、その件数は平成29年度において約2,000件となり、特に国保システムにおいては平成28年度で574件の障害があり、基盤システムを含む全システムでは約4,000件の障害が発生しております。私は大阪市に照会をいたしましたが、大阪市でも、札幌市と同じように、大分類では6システムを改修してきております。平成28年度が702件、平成29年度が529件で、札幌の4,000件とはほど遠い状況となっております。
そこで、質問ですが、国保システムにおいて現在も多くの障害が発生している理由をどう考えているのか、この状況にどのように対応しているのか、また、いつまでに終息させるのか、あわせて伺いたいと思います。
◎高棹 情報システム部長 まず、国保システムの障害発生の理由等についてでございます。
国保については、例えば、平成30年度の都道府県化、広域化とか高額療養費の改正など、頻繁に大規模なシステム改修を伴う制度改正が実施されております。このような制度改正に対するシステム改修を行う際には、システム全体への影響を含め、事前に十分な調査を行っておりますが、予期せぬ障害が発生することがございます。また、大規模なシステム改修が行われている時期には、積み残しとなっている障害の抜本的な改修に取り組む期間の確保が難しく、区などの現場の職員に大きな影響を与えないよう、データ修正などの暫定対応にとどまっている場合もあるため、同様の障害が再発することがあります。
次に、障害への対応と完了時期についてでございます。
先ほどもご説明しましたが、頻繁に制度改正があるため、積み残しとなっている障害の抜本的な改修に対応することが難しい状況にございます。また、大規模なシステム改修により障害が発生する場合もあることから、対応の完了時期を現時点で明確に申し上げることはできませんが、優先順位の高い障害から順次改修しており、今後も、これを継続することにより、早期に障害の解消ができるようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 障害に対していろいろ対応しており、いつまでに終息させるかというめどは立っていないけれども、優先順位を決めてしっかり取り組んでいきたいという答弁がありました。
私は、こうしたことを計画的に進めなければ、現状はいつまでたっても変わらないということを指摘しておきたいと思います。国の大規模な法律や制度改正によって、国保や介護保険を初め、基幹系システムの改修が毎年行われております。そちらから提出いただいた資料をもとに申し上げますと、例えば、平成28年度は約1億4,400万円、平成29年度は2億1,300万円、そして、今年度は2,100万円前後の予算が制度改正に伴う改修費用として充てられております。
部長の答弁にありましたふぐあいや障害を改善していく項目を見ていきますと、事務改善というのは、例えば国保の担当部局である保健福祉局の職員が操作するいろいろなものを改善していくため、原局で予算を持つわけです。また、情報システム部は、制度改正や従来から直り切っていないものについての予算を計上しております。
国保システムの状況を見てみますと、事務改善では、原局で平成28年度に約9,200万円を計上していましたが、これは全額を情報システム部が負担しております。本来の事務改善であれば原局が負担するのに、なぜ情報システム部が負担しなければならないのか。お金の出どころは同じですから結果的には同じことになりますが、障害の改修に向けて十分な取り組みがされていないのではないかと思います。また、平成29年度は、障害を直すための予算として、情報システム部は国保の関係で約3,600万円を計上しておりますが、介護保険システムに目を向けてみますと、予算がまだまだ十分ではないのではないかということが指摘できると思います。
今回の外部システム監査で受けた提言は、次の再構築の際はもちろん、今後、制度改正を含めて、システム改修や運用保守を行っていく上でも非常に有用なものと言えるわけです。
そこで、質問です。
外部システム監査の報告書は6分野26項目に及んでおりますが、札幌市公文書管理規則に基づいて、この報告書の保存期間を何年と設定しているのか、伺います。
◎高棹 情報システム部長 外部監査報告書の保存期間についてでございます。
昨年度実施した外部監査の報告書の保存期間ですが、今のご質問にもございましたとおり、公文書管理規則に従いまして、5年としております。しかしながら、ただいま委員のほうからもお話がございましたが、監査報告書は、次の再構築の際はもちろん、今後、システムの運用保守を適切に行っていくためにも非常に大切なものであると考えておりますので、5年の保存期間が経過したら、次の再構築の時期まで毎年延長して、適切に保存してまいりたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 ぜひ、公文書管理規則に基づいて適切に取り扱っていただきたいと思います。
最後に、要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
私も、今回質問する際に、各都市に照会させていただきました。先ほども申し上げましたように、大阪などでは、一番近いものでは平成29年度の522件と申し上げましたが、これらは、サーバー機器やネットワーク障害、オペレーショントラブルなど、通常のトラブルも含んだ件数となっております。
また、札幌市の平成30年度の基幹系情報システムの運用保守にかかわる費用は、ざっと18項目で14億4,000万円の契約を今日までに結んでおります。一概に比較はできないと思いますが、北九州市に照会した結果、機器リース料を含めた平成29年度の共通基盤システムの保守費用は5億8,000万円である状況からいきますと、札幌市の18項目の端末リース機器の金額を含めた14億4,000万円とはかなりの乖離があります。
そこで、要望を5点申し上げたいと思います。
外部システム監査の結果を総括すると、将来、多大な費用と時間をかけて基幹系情報システムを再構築するのではなく、現在のシステム改善を重ねて継続利用することを目指すとのことでした。しかし、私は、現時点で、国保システムの障害の終息の目途すら立っておらず、安定稼働に至っていない状況を踏まえると、本当に答弁にあった総括でいいのかなという思いがあります。
1点目は、現時点では障害の解消対策を計画的に進め、一日も早く安定稼働につなげるべきです。
2点目は、今後、システムを使用していくためにも、外部システム監査からの提言を着実に実施することを求めておきます。
3点目は、この問題につきましては引き続き注視していきますので、障害発生件数等について、その都度、報告するよう求めておきます。
最後に、町田副市長に要望したいと思います。
冒頭に申し上げましたように、今回の基幹系情報システムの再構築事業では、区役所などの職員がより仕事をしやすくする現場主体、いわゆる自治体主導という視点が開発のときにも明記されておりましたが、その視点が大きく抜け落ちていたと言えます。そういう意味では、今後のシステム改善に当たっては、システムを所有する本庁職員、システムを利用して仕事をする区役所職員の代表、そして、情報システム部職員に加えて、産総研の関連団体や改修業者など5者を含めて協議をする場を設けて、現場からの意見を反映していくことが極めて必要だと思います。
私が行った現場での意見聴取などでは、アンケートなども担当部局などでやっておりますが、それは形式的なもので、継続性がないということですから、その辺をぜひしっかり押さえていただきたいと思います。先ほども申し上げましたように、原局の事務改善費及び障害やふぐあいを改修する予算をもう少し増額していくべきだと思います。こうしたことは、システム部と関係部局では縦割りの関係があるため、局長や部長だけではなかなか難しいところがありますので、ぜひとも副市長のほうで適切な指示を行い、改善に向けての一層の努力をしていただきたいということを求めて、質問を終わります。
○福田浩太郎 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時11分
再 開 午後3時30分
――――――――――――――
○福田浩太郎 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆坂本きょう子 委員 私から、2点質問いたします。一つは、本市職員の採用における辞退者対策についてです。もう1点は、働きやすい職場環境について、とりわけ若い職員についてになろうかと思います。順次、質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
ことしの9月、本市人事委員会から、職員の給与に関する報告及び勧告が出されております。その中でも、人材の確保というところで、若年人口の減少や、進学、就職に伴う若年層の道外流出、民間企業等における高い採用意欲等を背景に、職員採用を取り巻く情勢は非常に厳しい状況にあるというものが出されております。
ご承知のとおり、昨今は、景気回復に伴って、民間企業の採用活動が活発化しております。また、少子化の影響などにより、人材の奪い合いが激化していると思っております。本市としても優秀な人材を確保することは重要であり、特に採用試験を通過した最終合格者の辞退を防止することが大変重要だと考えております。
本市でも、人事委員会で実施する採用セミナーや各学校での説明会のほか、職員部で実施する最終合格者を対象とした説明会により、人材の確保、辞退者数の抑制に取り組んできたということですが、これらに加え、さらなる取り組みが必要だと思っております。
現在、新たな取り組みが行われていれば、明らかにできる内容をお示しいただきたいと思います。
◎山本 職員部長 辞退者対策についてお答え申し上げます。
人材の確保、辞退者抑制の新たな取り組みについてですが、今年度は、これまでの取り組みに加え、最終合格者宛てに通知をしておりますが、この通知に秋元市長からの手紙を添えたところです。それ以外にも、採用説明会は、ことしは例年よりも1週間程度前倒しして合格発表のすぐ後に開催するなど、最終合格者への早目のアプローチを行っているところです。このほか、これまで、各局・区で行っていた職場体験実習、いわゆるインターンシップを職員部として実施するなど、そういった充実にも取り組むことで、辞退者数の抑制、人材の確保に努めているところであります。
◆坂本きょう子 委員 今般、北海道職員の辞退者が6割を超えていることが報道されて、たしか昨年度も北海道では6割の辞退者が出たと思います。本市においても努力をしているというお話でしたが、採用者の辞退率が増加傾向にございます。
一般事務の大学の部、行政コースというくくりで申し上げますと、2017年度の採用試験の合格者における辞退率が前年度よりも4.4ポイント上回り、28.5%だったということです。今ほど、部長より、市長からのお手紙を同封するなどいろいろと取り組みをしているという答弁がありました。
今年度の採用も最終盤に入ってきていると思いますので、今年度の一般事務の大学の部の行政コースにおける辞退者数の現状を踏まえた見解があれば伺いたいと思います。
◎山本 職員部長 辞退者数の現状と認識についてお答えいたします。
まず、今年度の札幌市職員採用試験のうち、最も採用数が多い一般事務の大学の部の行政コースにつきましては、合格者数が155名おりました。このうち、現時点では25.8%に当たる40名から辞退の届け出を受けているところであります。委員がご指摘のとおり、昨年度は、合格者数186名に対して辞退者数が53名、28.5%でした。したがいまして、ことしは、これよりもやや少ない人数、低い率で辞退率が推移しており、これまでの取り組みが一定程度の成果を上げているものと認識しております。
ただ、民間の景気動向の回復も含めて、今後も厳しい採用情勢が続いていくと思います。今後も、市民の期待に応えられる人材をしっかり確保していくために、辞退者数を抑制することはとても重要なことであると認識しております。
今年度の全体の辞退者数の状況を踏まえ、来年度以降も、さまざまな工夫により、辞退者対策に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
◆坂本きょう子 委員 せっかく札幌市という職場を選ぼうと思って受験してくださる若い能力あふれる方たちですから、有能な人材を確保していくことは市民サービスの向上につながっていきますし、大切な行政を執行していくという中でも重要な役割を担っていくのだろうと思います。ですから、辞退者対策をしっかり行うことはもとより、冒頭に人事委員会の報告について申し上げましたけれども、人材の確保に何よりも力点を置いてしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
働きやすい職場環境についてです。
職員が働きやすい職場環境を実現していくことは、今ほど申し上げましたように、札幌市でぜひ仕事をしたいという方をふやしていく、あるいは、辞退者を減らしていくという意味でも有用なことだと思っています。職員の勤務条件について、しかるべき整備を行うことは、社会的要請でもあり、人材確保の観点からも大変重要なことだと思っております。
そこで、本市の若い職員の働きやすさに着目して質問いたしますが、育児関連休業等の制度について、どのようなものがあり、整備が図られているのか、この点について伺いたいと思います。
◎山本 職員部長 札幌市の育児関連休業制度についてであります。
まず、法定の休業制度といたしまして、育児休業や部分休業がございます。そのほか、産前産後の休暇あるいは子の看護休暇、子育て参加休暇など、子育てに関する制度がさまざまに整備されているところです。
◆坂本きょう子 委員 民間企業、ましてや中小企業などに比べると、特段の手厚い制度があるのかなという印象は受けます。そして、夫婦間で育児や家事の負担を分かち合うことが求められているわけですから、こういう制度を活用しながら、男性の育児参加をより促進すべきだと考えますが、現在、本市の男性職員の育児休業取得状況はどのようになっているのか、お示しください。
◎山本 職員部長 札幌市の男性職員の育児休業の取得状況についてですが、育児休業を取得できる男性職員の中で、実際に育児休業を取得した職員の割合は、平成29年度は4.1%で、さかのぼりましても、平成28年度は4.7%、平成27年度は3.4%ということです。
◆坂本きょう子 委員 男性の育児休業取得率の目標は13%だったと記憶しています。そういう意味で申し上げますと、今、部長からお話があったように、3.4%、4.7%、昨年度が4.1%ということですから、低過ぎる、低調であると言わざるを得ないと思います。休業制度の取得促進については、前段にお話があったように制度の内容の充実を図っていくことはもちろんですし、制度の周知を図っていくことも重要だと思っておりますので、しっかりとやっていただきたいと思います。
男性職員の取得率の数字が出てまいりましたが、2015年度は12人の取得、2016年度は16人の取得ということですから、人数でいっても本当に少ないと思います。逆に、女性の場合はほぼ100%に近い育児休業を取得しているわけですから、この差は歴然と言わざるを得ません。また、3歳までの子どもがいらっしゃる方は、育児休業を一定程度とれることになっておりますが、男性の取得期間が極めて短いのではないかということも容易に推察されます。
そういう意味で、男性職員の育児休業と関連休業の取得促進のためにもさまざまな取り組みを行っていく必要があると思いますが、現段階でどのような取り組みを行っているのか、伺います。
◎山本 職員部長 現在の育児休業等取得促進の取り組みについてであります。
制度の充実という点で申し上げますと、育児休業期間が1カ月以内であれば、勤勉手当の減額の対象外とする制度を改正いたしました。また、制度の周知ということも大事であります。この点では、休暇の制度全般や経済支援の制度内容だけにとどまらず、より身近な話題として感じてもらえるよう、男性職員の育児休業取得者の体験談などを職員向けの庁内ホームページに掲載しております。このほか、子どもが生まれた男性職員やその所属長に対して勤労課長が直接イントラメールを送信しており、そのときに子育て支援に関する制度の情報を提供するなど、周知に工夫を重ねているところです。
◆坂本きょう子 委員 工夫を重ねていろいろな取り組みも行っているというご答弁がありましたが、それでもなお、男性職員の取得率が低調であるという事実がございます。なぜ取得率が上がらないのかという分析もしっかりしていく必要があると思います。これだけ手を尽くしてもなお取得率が上がらないという事実を受けて、今後さらに取り組みを行っていくべきと思っておりますが、どのような取り組みを行っていこうとお考えになっているのか、お示しいただきたいと思います。
◎山本 職員部長 特に、男性職員の今後の育児休業取得の取り組みについてであります。
今申し上げましたように、制度周知等、さまざまな取り組みを工夫しながら重ねているところですが、依然、男性職員の育児休業等の取得率は低い状況にあります。課題はいろいろあると思いますが、一つは、職場の理解と協力を得られる環境づくりや、育児休業を取得しやすい職場風土の醸成を図っていくことが大事だと考えております。研修等のさまざまな場面において、管理職を初めとした職員に対して、制度周知、職場環境の改善、風土の醸成という観点で周知するという工夫も今後重ねてまいりたいと考えております。
◆坂本きょう子 委員 今、働き方改革が言われていますが、とりわけ仕事と家庭生活の両立を支援していくことが大事だと思います。若い職員の皆さんの士気も高めながら、また、家族も含めての協力ということでいけば、一定程度、職歴を重ねていった方たちの介護休暇についても、これからはしっかりと対応していかなければなりません。こういう多様な職員の皆さんの働き方、それから家族のあり方というところについても、両立できるようにしっかりと支援していく必要があると思います。
そしてまた、働き方や職場環境の改善というお話もありましたが、やはり、長時間労働であるとか、そもそも休暇が取りづらい職場があるのも事実だと思いますので、そこは丁寧に職場環境を向上させていく、変革していく、そして、長時間労働の是正なども含めて、しっかりとした職場の運営を図っていただきたいということを申し上げて、終わります。
◆中山真一 委員 私からは、市職員の手当の不正受給、中でも通勤手当に絞って伺いたいと思います。
私も、ふだん、市役所のさまざまな施策や事業を見ていて感じることですし、議会の場でもたびたび指摘してまいりましたが、市役所における市民の貴重な税金を使っているという意識が希薄であって十分ではなく、今回の一連の住居手当や通勤手当の不正は、まさにそんな市役所の組織風土、税金に対する意識の薄さ、感覚の鈍さを象徴しているのではないかと考えるところです。
5月に公表された住居手当の不正を受けて、先日、追加調査の結果が公表されました。今回の調査では、通勤手当についても調査、点検がなされました。結果、通勤手当に係る不正行為も発覚したところです。
今春、住居手当の不正受給問題が発覚して以降、私のところにも、複数の職員やOBの方々も含め、通勤手当の不正についての情報提供が合わせて10件ぐらいありました。私どものところには、日常、いろいろな通報や情報提供などがありますが、一つの案件でこれだけあるのはなかなかないことです。
それらの情報の個別の真偽のほどは定かではありませんが、例えば、バスや地下鉄で通勤していると申請して、その分の手当をもらっておきながら、実際は職場の近くに駐車場を借りて車で通勤している職員が自分の職場にいるとか、夏は自転車で通っているけれども、手当は地下鉄の通勤分をもらっているとか、ほかにも、ある出先の部署では、その事業所の施設が組織ぐるみでそのような状態を黙認しているとか、そんなことが過去数十年にわたって続いているというお話もありました。実際に、今回の調査でも6名の職員について通勤手当の不正が発覚しました。
私は、最初にこれらの情報提供を受けたときに、それは本当なのか、一般社会の感覚だと、普通の会社では、当然、定期のコピーなどを3カ月や6カ月ごとに提出させておりますので、それで何でそんな不正ができるのかと聞きますと、毎年、定期のコピーなど証拠書類を提出しなくてもよく、確認していないということでした。これは、はっきり言って、あえて甘くしているのではないかと疑われても仕方がないぐらい、一般社会の感覚や常識とは違っていると思います。このタイミングで原因の本質をつかまないと、根本の解決にはならないと思います。
先ほどのやりとりの中で、これまで毎年の点検のやり方についても部長からご説明がありましたが、通常、毎年、PC上の画面で確認するだけで、挙証書類などを提出させていなかったというお話がありました。
そこで、伺いますが、なぜ通勤実態の確認がこのようなやり方であり、こんなやり方が長年続いていたのか、その理由をお伺いいたします。
◎山本 職員部長 ご指摘のとおり、通勤手当の支給は、公共交通機関で最も安い額を支給しております。通常考えられるのは定期券額ということですが、札幌市の市営交通の料金体系を申し上げますと、実際に、定期券額よりも、SAPICAといった地下鉄やバスを利用する際の交通系電子マネーを利用したほうが割引率が高いことから、SAPICAの利用額を月額の通勤手当として支給しております。
したがいまして、ご指摘のような形で定期券の提示を求めることは、実態として実効性の確保が難しいということであります。