札幌市議会 > 2018-10-12 >
平成30年第二部決算特別委員会−10月12日-03号
平成30年第一部決算特別委員会−10月12日-03号

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  1. 札幌市議会 2018-10-12
    平成30年第一部決算特別委員会−10月12日-03号


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    最終取得日: 2021-04-26
    平成30年第一部決算特別委員会−10月12日-03号平成30年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第3号)               平成30年(2018年)10月12日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  福 田 浩太郎      副委員長   阿部 ひであき     委   員  三 上 洋 右      委   員  宮 村 素 子     委   員  高 橋 克 朋      委   員  五十嵐 徳 美     委   員  長 内 直 也      委   員  小須田 悟 士     委   員  こじま ゆ み      委   員  飯 島 弘 之     委   員  小 竹 ともこ      委   員  中 川 賢 一     委   員  松 井 隆 文      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  大 嶋   薫     委   員  ふじわら 広昭      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  長谷川   衛      委   員  山 口 かずさ     委   員  林   清 治      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  成 田 祐 樹      委   員  丸 山 秀 樹     委   員  小 口 智 久      委   員  わたなべ 泰行     委   員  竹 内 孝 代      委   員  太 田 秀 子
        委   員  池 田 由 美      委   員  田 中 啓 介     委   員  堀 川 素 人      委   員  坂本 きょう子     委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、第2款 総務費 第1項 総務管理費総務局関係分及び第12款 職員費 第1項 職員費中総務局関係分について、一括して質疑を行います。 ◆竹内孝代 委員  私からは、札幌市本庁舎の維持管理と強靱化について質問いたします。  札幌市の地震想定においては、震度7クラスの直下型地震が発生することがこれまで想定されてきましたけれども、9月6日に発生した胆振東部を震源とする大規模地震の発生は、本市においても今まで経験したことのない最大震度6弱を記録し、実際に被災した衝撃もすさまじく、札幌市民の心に大地震の恐ろしさ、また、電源喪失が市民一人一人の生活にどれほどの影響を与えるのかということを深く心に刻む機会となってしまいました。  特に、これまで類のない電力の完全喪失、北海道のブラックアウトの発生がもし冬の期間であったらと考えると、積雪寒冷地の札幌市において、電力は市民の命の安全保障に直結するものであることも改めて確認されました。  どんな災害があっても崩れない電力供給の確保のための北本連系の抜本的な強化、そして、電力供給の分散化による安定供給体制の構築、速やかな情報提供に向けて、我が会派は、北海道の安定した電力供給の再構築について、国による大きな支援が不可欠であると求めており、政府もその重要性を示しているところです。  このような想定外の災害発生時における本市の対応については、今後さまざまな角度から検証を行い、この教訓を踏まえて防災、減災、災害時の取り組みを見直していくものと思いますが、特に、今回の地震発生に当たり、本市の地震対応のかなめとなる本庁舎における状況について確認させていただきます。  まず初めに、質問ですが、札幌市本庁舎は、震災による大きな被害は幸いにしてなく、災害対策本部の速やかな設置もできましたが、本庁舎では、今回の電源喪失時の対応はどのようなものであったのか、伺います。 ◎中川 行政部長  電源喪失時の対応はどうだったのかというご質問でございました。  停電後、本庁舎に設置しております非常用発電機が自動的に運転いたしまして、約30秒以内には本庁舎の全てに電源を供給できております。非常用発電機は、本庁舎の電気を通常に利用した場合でも連続72時間の使用が可能な状態となっておりますけれども、今回の地震の際は、冷暖房が不要な時期でもあったことから、燃料である軽油の消費量は少なく済み、72時間を超える使用も可能な状態にございました。  今回の発電機の運転時間は42時間11分で、軽油使用量は備蓄容量の約4分の1程度の6,000リットルを使用しております。  非常用発電機の切りかえ後の対応でありますが、地震に伴い、エレベーターを安全確認のために2時間半程度停止した以外は、庁舎内の機器は通常の機能を正常に確保しており、さらに、1階ロビーにおいては、市民の皆様や観光客の方々向けに携帯電話の充電無料サービスを行ったところでございます。 ◆竹内孝代 委員  今回の地震によって、全道の完全停電、ブラックアウトの中で、行政の機能の維持のためには、非常電源がほぼ不可欠であることが明らかになったと思いますし、本庁舎では、日ごろから備えがありましたので、功を奏して業務が可能になったと言えるのではないかと思います。  しかし、今回の震災において、本庁舎内は正常に機能していたと思いますけれども、それ以外の施設に入っている部局は決してそうではありませんでした。  例を挙げますと、震災のあった9月6日、私は、たまたま子ども未来局に出向いて打ち合わせをする予定でした。当然、その予定を延期しようと何度も電話をしましたが、つながらず、その日はとうとう連絡がとれませんでした。後日お聞きしたところ、ビル全体が完全停電で機能できず、職員は個人の携帯電話で関係機関と連携し、問い合わせは受けられなかったということでした。子ども未来局は、保育園や認定こども園母子寡婦福祉連合会を初め、子ども会、ひきこもり支援など、多方面にわたる関係機関との連携を所管する部局です。  また、教育委員会の入っているビルも同様で、震災の翌日まで停電でしたので、学校の臨時休校や避難所開設などの重要な役割を果たすために、震災後は速やかに本庁舎の地下の会議室に場所を設けてパソコンを持ち込み、対応しておりました。さらに、地元の清田区は震災の被害がとても大きかったものですから、私も避難所を歩かせていただきましたが、多くの避難者を受け入れていた小学校の校長先生とばったり駐車場でお会いしまして、今、教育委員会に文書を受け取りに行ってきたところなので、これから文書を回覧するのに走りますと、駆けずり回っていました。  誰も経験したことのない非常時、職員の皆さんが必死に災害に対応する姿を目の当たりにしてきましたので、本庁舎が正常に機能していたからといって、本市全体の業務が正常であったわけではないこと、また、本庁舎内にもしも関係部局がしっかりと配置されていたら起こらなかったことではないかと受けとめざるを得ません。  横浜市では、関係部局が本庁舎以外の民間ビルに分散化しており、日常の業務ロスに加え、災害時の連携の困難さから、災害対策本部機能を発揮するためにも機能の集約化を図るとして、平成32年の供用開始を目指して本庁舎の新築工事を進めていると伺っています。そういう意味では、札幌市においても、日常の円滑な業務執行はもちろん、非常時にあっても正常に業務を遂行するための本庁舎の果たすべき役割と本庁舎の耐震性確保について、今、改めて考えていくべきだと思います。  今回の震災時、本庁舎の地震計では、震度5強、150ガルと聞いていますが、それ以上である震度6強の地震が万が一発生した場合、平成23年から平成25年の調査では、本庁舎が倒壊することはないものの、コンクリート壁のひび割れのほか、柱やはりにも被害が発生する可能性があると予測され、被害状況によっては業務継続に支障が出る事態なども想定されると平成26年の議会で答弁されております。  札幌市の業務継続計画、いわゆるBCP計画では、本庁舎が被災した場合は災害対策本部機能が消防庁舎に移動しますが、迅速に状況を判断して指示を出すためにも、市民や関係機関に対して的確に情報を提供するためにも、行政機能が集約された本庁舎で対応すべきと考えます。  そこで、質問です。  本庁舎の耐震性確保のためには、耐震改修工事の実施や庁舎の建てかえが考えられますが、今回の地震を受け、市民を守るための対策本部機能を強化する観点からも、本庁舎の果たすべき役割と必要な機能を明確に想定し、今後の耐震対策についても速やかに検討を進め、極力早い段階で本庁舎の今後について方向性を決定すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎中川 行政部長  本庁舎の耐震性確保など、今後の方向性についてのご質問でございます。  本庁舎につきましては、大通西1丁目街区を将来の建てかえの候補地として検討していくことと考えてきたところでございます。一方で、今回の地震や停電を受け、札幌市としてのさまざまな課題を整理、検証していくこととなりますので、本庁舎の役割、機能といったことにつきましても、その中で改めて議論、検討を行いたいと考えております。  また、これらの検討と並行いたしまして、これまでも進めてまいりましたガラスの飛散防止対策、本庁舎外周の塀の脱落防止、事務室のロッカー、書棚の転倒防止などの耐震対策につきましても、引き続き可能な範囲で進めてまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  議論されていくということでしたので、ぜひ加速をさせていただきたいと思います。  このたびの震災は、これまで札幌市が経験したことがないような大きな災害でしたので、札幌市は災害が少ないまちをうたってきましたけれども、これからは、災害があっても、市民を、また観光客を守れるまち、つまり災害に強いまちへシフトしていくことになると思います。そうした意味でも、札幌市の災害対策本部が設置される本庁舎は、市民の安心・安全を守る中枢的、かつ、かなめとしての役割を担うことから、本庁舎内になるべく関係部局を集約する必要性も含め、札幌市として災害に強いまちづくりへの重要な課題の一つとして、本庁舎の果たすべき役割と必要な機能を明確に想定し、今後の耐震対策について速やかに検討を進め、極力早い段階で本庁舎の今後について方向性を決定すべきと求めて、質問を終わります。 ◆太田秀子 委員  私からは、会計年度任用職員制度について5点、指定管理者制度について2点質問いたします。  まず、会計年度任用職員制度についてです。  非正規公務員は、基幹的な業務に長期にわたって従事しており、不安定な雇用、低い賃金水準といった民間の非正規雇用者と共通する問題があるにもかかわらず、そうした働き方を想定した法整備がされてきませんでした。深刻な問題が知られるようになり、対策をとらざるを得なくなった政府は、総務省内に研究会を設置して、2017年、地方公務員法地方自治法を改定するに至りました。  それにより、2020年4月から自治体の非正規職員会計年度任用職員制度が導入されることになりましたが、非正規公務員の実態を踏まえたものなのか、疑問が残ります。地方公務員制度の大転換になることは間違いありません。  そこで、1点目の質問ですけれども、改めて確認いたしますが、本市の臨時的任用、非常勤の任用状況について伺います。 ◎山本 職員部長  現在の臨時的任用職員非常勤職員の任用状況についてですが、平成30年4月1日時点で、臨時的任用職員を953名、非常勤職員を2,272名任用しているところです。 ◆太田秀子 委員  臨時職員は、一般職の非常勤職員、特別職の非常勤職員に分類されていますが、この制度の導入によって、一部の特別職非常勤職員などを除いて、会計年度任用職員に一本化されることになります。  続いて、質問いたしますが、この法改正により、この方たちはどのような任用形態になっていくのか、また、本市の会計年度任用職員制度への評価を伺います。 ◎山本 職員部長  まず、会計年度任用職員制度の任用形態についてです。  これは、現在、制度の枠組みを検討している段階でありますので、個別具体の検討はこれからとなります。  現在任用しております臨時的任用職員、そして非常勤職員につきましては、法改正の趣旨を踏まえた任用形態となるよう、今後しっかりと検討してまいりたいと考えております。  続いて、会計年度任用職員制度への評価についてであります。  法改正の趣旨といたしましては、現行の臨時的任用職員及び非常勤職員の任用や勤務条件に関する制度には、法令上、不明確な部分があります。その運用が全国の地方公共団体でまちまちであることから、法改正によって統一を図ろうとするものです。このように、全国の地方公共団体におきまして、臨時的任用職員及び非常勤職員の制度が公的に整理されることは一定の評価ができるものと考えております。  札幌市といたしましても、法改正の趣旨を十分に把握した上で会計年度任用職員制度を検討していきたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  続いて、質問しますが、雇用について伺います。  今後、会計年度任用職員制度に移行する方たちの中で、希望された方は全員継続されるのか、伺います。 ◎山本 職員部長  会計年度任用職員制度での任用の継続ということです。  まずは、このたびの法改正を理由とした人員整理は考えておりません。会計年度任用職員の任用に当たりましては、できる限り広く募集を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  続けて、伺っていきます。  能力実証、いわゆる試験ですが、総務省の会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルでは、今まで働いていた職員を任用する場合に試験をするかどうかは自治体の判断だと書かれています。  本市はどのようにするつもりなのか、伺いたいと思います。 ◎山本 職員部長  会計年度任用職員能力実証方法ということであります。  会計年度任用職員の採用に当たりましては、その従事する業務の性質などを踏まえて、競争試験によることを原則とする任期の定めのない正規職員とは異なり、競争試験または選考により採用するという特例が設けられたところです。  したがいまして、競争試験によらず、選考によることといたしまして、その方法として、面接あるいは書類選考などといった方法によって能力を確認する手法が考えられるところであります。その具体的な方法についての検討は、これからであります。法改正の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  手当についても伺います。  今回の改正で、これまで出せなかった手当の支給が可能になったと言われております。職員は、フルタイム会計年度任用職員パートタイム会計年度任用職員に分かれます。フルタイムは期末手当、退職手当などの手当を支給しますが、勤務時間がフルタイムより一分でも短いパートタイムは期末手当のみの支給という格差が残ります。しかも、総務省のマニュアルによりますと、手当については、支給できるという文言になっておりますので、支給するか、しないかは自治体の判断に委ねられているわけです。  そこで、伺います。  手当はもちろん支給すべきだと思いますが、どのような計画なのか、伺います。 ◎山本 職員部長  会計年度任用職員に対する手当の支給ということです。  ご指摘のように、法改正により、フルタイム会計年度任用職員に対しましては、給料、時間外勤務手当、通勤手当、期末手当、退職手当、特殊勤務手当など、一部手当が支給できるとされたところです。一方、パートタイム会計年度任用職員は、これまでと同様に、報酬及び費用弁償の対象ということでありますが、ここに法改正で新たに期末手当が支給できるという規定が設けられました。  私どもとしましては、国から示されるマニュアル、あるいは他都市の検討状況などを参考に、適切に検討してまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  国は、今回の法改正の趣旨は、任用の適正化と勤務条件の確保であるとしています。今後、各部局で新しい仕事のやり方を検討して、ここの部局ではフルタイムの人が欲しい、こちらの部局ではパートが何人欲しいということを検討して、集約されていくと思いますが、その結果を見て、誰をどこに配置するのかを決めていくことになります。先ほど来、法改正の趣旨を踏まえて把握してやっていきたいというご答弁でしたので、ぜひ、任用職員ご本人の意向や要望を聞き取り、検討に入ってほしいと思います。  総務省は、改正案を審議する国会の中で、雇いどめを行うとか処遇を引き下げることは改正法案の趣旨に沿わないと考えている、任期は会計年度とされているけれども、これまでの各自治体における取り組みをそのまま会計年度任用職員にも当てはめていただくことになると答弁しております。  本市を含めて、自治体の非正規職員は、一般事務はもとより、保育、給食調理、図書館職員、看護師、学童保育、消費生活相談などの職種に広がり、本格的・恒常的業務を担っています。本来、恒常的な仕事は正規職員で担うべきところを、任期の定めのある非正規職員が市の仕事の多くを担っています。これら職員の手当や労働環境が改善されるように、総務省の答弁の趣旨を踏まえて具体化するように求めます。  ことしの4月から、民間で働く非正規労働者は、無期転換ルールが始まり、5年を超えて雇用が継続していれば、本人の申し出により期限に定めがなくなる無期雇用へ転換することになりました。しかし、公務につく臨時・非常勤職員には、この労働契約法は適用されず、任用であることを根拠に、いつでも雇いどめ、いつまでも非正規という不安がつきまといます。  2016年、総務省が行った地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査によりますと、本市では、特別職の非常勤職員で再任用を繰り返し、看護師で26年、図書館職員で31年働いている方がいます。20年、30年働いても非常勤です。  報道によりますと、地方自治総合研究所の研究員が、この法改正は政府が進める同一労働、同一賃金に逆行すると指摘しています。地方公務員法では、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営とされており、住民の命と暮らしを支える恒常的な業務は、地方公務員法原則どおり正規職員に移行すべきことを申し上げて、次の質問に移ります。  次に、指定管理者制度についてです。  我が党は、指定管理者制度は、非正規雇用労働者を生み、官製ワーキングプアの温床であることを指摘してきました。本市では、2017年4月時点で424施設が指定管理施設であり、延べ3,770人が働くうち、非正規雇用は2,465人、実に65%を超える職員が非正規職員です。低賃金、不安定な雇用環境で働く職員の労働環境を維持・向上させることが必要です。  そこで、1点目の質問ですが、指定管理施設で働く職員について、賃金を含めた労働環境の維持・向上についてどのように取り組んでいるのか、伺います。 ◎熊谷 改革推進室長  指定管理施設で働く職員の賃金を含めた労働環境の維持・向上というご質問でございました。  この点に関しては、これまでもいろいろと見直しを重ねてきているところでございます。例えば、指定管理者の応募に当たりまして、現在雇用している労働者を次の指定期間においても継続雇用する意思表示があった場合、あるいは、非正規職員から正規職員への転換に向けた方針が応募の提案の中で示された場合には、選定の際に高い評価につなげるように、今日、選定基準を改めて運用しております。  また、平成26年度の選定時から、指定管理施設で働く職員の賃金につきまして、国の定める最低賃金を上回る本市独自の基準時給額を設定しているところであり、その基準時給額をさらに上回る提案があった場合には、選定における加点の対象としているところでございます。  さらに、選定後におきましても、施設所管部局による業務検査を実施しており、労働関係法令の遵守状況について確認を行い、必要な場合には改善指導もしているところでございます。  このほかにも、一斉更新を迎えた今年度より、指定管理期間を4年から5年に変更しており、さらなる雇用の安定化に期待しているところでございます。 ◆太田秀子 委員  先ほどの質問でも触れましたが、2013年4月に労働契約に関する法律、労働契約法が改正されて、ことし4月から無期転換ルールが導入されました。同じ事業主のもとで5年継続して働いた労働者は、申し出することにより無期雇用へ転換することができるようになりました。  2点目の質問ですが、本市は、指定管理施設に対して、無期転換ルールの厳密な適用について、制度の周知とともに具体的なチェック体制が必要だと思いますけれども、どのような取り組みを行っているのか、伺います。 ◎熊谷 改革推進室長  無期転換ルールに関する制度の周知とチェック体制についてのご質問でございました。  今年度、多くの施設が指定管理者の一斉更新を迎えるに先立ちまして、全ての指定管理者に対して無期転換ルールを含めた労働関係法令の遵守について周知を図ったところでございます。  また、先ほども申し上げました施設所管部局による業務検査については、毎年度実施しており、労働関係法令の遵守状況について確認を行い、また、必要な場合は改善指導も行っているところでございます。  なお、この業務検査がより適正に実施されるよう、無期転換ルールも含めた労働関係法令に関する知識や業務検査のポイントを身につけるために、人事、労務の専門家である社会保険労務士を講師とした職員向けの実務研修も行っているところでございます。  今後も、これらの取り組みを通じまして、指定管理施設における労働環境の維持・向上を図ってまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  労働環境の維持・向上のためには、非正規職員の正規化とか、アルバイトやパートなど有期の雇用職員の無期化など、雇用の安定化を促すことが重要です。無期雇用については、無期雇用の転換点である5年で雇いどめが起きないように注視していただきたいと思います。また、非公募の指定管理施設について、特に福祉分野などは、専門性や利用者との継続的な信頼関係を構築していく上で、指定管理者制度の適用はなじまないと考えます。  雇用環境の維持・向上は当然のことですが、何より、指定管理ありきではなく、施設ごとの性質を見定めて、直営に戻すことも含めた抜本的な検討をしていただくよう要望して、質問を終わります。 ◆松井隆文 委員  私からは、札幌市における障がい者雇用についてと知的財産の取り扱いについて質問させていただきます。  まずは、障がい者雇用について伺います。  障がいのある方の雇用につきましては、障害者の雇用の促進等に関する法律、いわゆる障害者雇用促進法が定められており、ここで障がい者の法定雇用率以上の雇用義務が規定されております。この法定雇用率は、平成30年4月から引き上げられ、国や地方自治体では2.3%から2.5%に、都道府県や政令市等の教育委員会では2.2%から2.4%に引き上げられました。  地方公共団体の任命権者は、毎年、障がい者である職員の任命に関する状況を厚生労働大臣に通報することになっており、ここで障がい者雇用率を報告しています。  今般、国の行政機関において、この通報書で報告する障がい者雇用の義務制度の対象者の範囲に誤りが見られたことを受け、地方自治体においても再点検を実施するように国から依頼があり、札幌市においても再点検がなされたと聞いております。  そこでまず、札幌市の障がい者雇用率の状況についてお伺いいたします。 ◎山本 職員部長  札幌市職員の障がい者雇用率ですが、このたび再点検を行いました結果、当初報告値から雇用率に変動がありました。任命権者別に申し上げますと、市長部局は2.50%から2.49%、交通局は2.39%から2.56%、水道局は2.33%から2.17%、病院局は1.21%から0.87%、教育委員会は1.69%から1.28%となりました。  また、法定雇用率が異なる教育委員会を除いた札幌市の障がい者雇用率は、2.41%から2.38%となったところです。交通局は当初よりも上がりましたが、そのほかの任命権者は当初報告値から下がったということで、札幌市全体としても法定雇用率を満たしていない状況であります。 ◆松井隆文 委員  ただいまの答弁によりますと、再点検したところ、当初の報告値から下がっている数字が多く見られたわけですが、報告値が下がっている理由はどういうことなのか、お伺いいたします。 ◎山本 職員部長  再点検の結果、障がい者雇用率が低下した理由についてであります。  職員の所持する障害者手帳を確認することが今回の調査の手法ですが、一方、国のガイドラインにありますように、障害者手帳を強制的に提出させることはできないものであります。今回の調査では、障がいの状況を申告しているものの、障害者手帳の確認ができなかった職員がいるため、雇用率が低下したということです。
    ◆松井隆文 委員  申告はあったけれども、確認ができなかったため、その数字を捉え直すと数値が下がった理由であったことは理解いたしました。  先ほどの答弁では、例えば、交通局のように法定雇用率を達成しているところもあれば、大きく届いていないところもあるということで、かなりばらつきがあるようですが、任命権者ごとで雇用率に差が生じていることについて、市としてはどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎山本 職員部長  任命権者ごとで障がい者雇用率に差が生じていることへの認識についてですが、どのような業務や職種に障がいのある職員が従事できるかなどが課題となっております。特に、医師や看護師あるいは教員など、専門職や技術職が多い病院局や教育委員会では雇用率が低い状況となっております。  今後、常勤にこだわらない職種、職域も含めた採用方法についても検討してまいりたいと考えております。 ◆松井隆文 委員  雇用率に差が生じているのは、専門職とか技術職といった任命権者によってそれぞれ事情が違うためということについては理解できるところです。  札幌市の法定雇用率は、教育委員会を除くと2.38%と冒頭に答弁されましたが、法定雇用率2.50%を満たしていかなければなりません。これは、率で言うと2.5%ですが、率ではわかりづらいので、実際にどのくらいの人数を雇用しなければならないのか、また、それを満たすのにどのくらいの期間が必要になると考えているのか、この2点についてお伺いいたします。 ◎山本 職員部長  法定雇用率を満たすための必要な人数あるいは期間についてです。  まず、教育委員会を除く市長部局等では2.50%という法定雇用率が定められており、これを達成するためには、障がいの程度にもよりますが、6名から12名の採用が必要となります。  今後も、継続して障がいのある方を対象とした職員採用を行っていくほか、先ほど申し上げましたように、常勤にこだわらない職種、職域への雇用も含めて検討を行い、できるだけ早期に、まずは最低限、法定雇用率を満たしていきたいと考えております。  一方、教育委員会では、2.40%の法定雇用率を達成するためには、およそ40名から80名の採用が必要となります。教員などは、資格職であり、専門性が高い業務ですので、教育現場の状況なども考慮しながら、今後の採用のあり方を検討していかなければならないと考えております。 ◆松井隆文 委員  そのような人数が必要になってくるということでした。  障がい者の雇用に伴いまして、今までは率の話を申し上げてきましたが、障がい者の合理的配慮という点についても1点お伺いしたいと思います。  障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法がございますが、この中にも出ている合理的配慮という点に関して、札幌市では職員に対してどのような合理的配慮に関する取り組みを行っているのか、この点についてお伺いいたします。 ◎山本 職員部長  職員に対する合理的配慮についてであります。  例えば、人事異動の際に、障がいのある職員からの要望に応じて対応しているところであります。具体的な例で申しますと、車椅子を使用している職員に対しては、施設のバリアフリーの状況なども踏まえ、車椅子での勤務が可能な職場に配属するといったようなことを可能な範囲で対応しているところです。  また、役職者向けの研修などでは、合理的配慮の必要性や重要性を伝えているところであり、同じ職場の同僚や部下にこうした合理的な配慮が必要な職員がいる場合には、本人への配慮を前提にいたしまして、ほかの職員に障がいの内容や必要な配慮を説明し、周りの職員が障がいを理解した上で業務を行う職場環境を整えるなどしております。  ただ、職場の施設面では、状況によっては大規模な改修などが必要となるなど、早期の実現が現実的に困難な場合もあります。引き続き、可能な範囲で合理的配慮の措置を講じていく考えであります。 ◆松井隆文 委員  障がい者の雇用という点で、冒頭から質問させていただいた雇用率については、例えば実態が2.5%といったときに、手帳を出したくない方がおられれば、当然、2.5%を下回っていくことになろうかと思いますので、この法定雇用率を達成するということを考えますと、さらに高い雇用率を目指して努めていくことが必要ではないかと思います。  また、手帳の確認ということについては、もちろん手帳を提示させることが目的ではありませんので、誰もが働きやすい職場にしていくために、障がいのある方に対して、今後も可能な範囲で合理的配慮を行っていただきたいということを要望させていただきます。  引き続き、札幌市における知的財産権の取り扱いについてお伺いいたします。  広報さっぽろの6月号のイラストが、漫画「ベルサイユのばら」の著作権を侵害するのではないかと池田理代子プロダクションのほうから抗議を受けて、札幌市が謝罪したという案件がございました。  ここについては、先般、私も報告を受けました。この経緯の詳細について全ては触れませんけれども、まず、札幌市として、そのイラストを見た市民が「ベルサイユのばら」に似ていると想起することについて、札幌市の認識があらかじめあったのかどうか、この点についてお伺いいたします。 ◎青山 広報部長  広報さっぽろ6月号のイラストが「ベルサイユのばら」を想起させるかどうかの認識があったかどうかというご質問でございます。  この広報さっぽろ6月号には2人のキャラクターが登場しますけれども、その2人の関係性、名前、背景を全体で見たときに、似ている、イメージさせる、あるいはパロディーであるといったご指摘を受けても仕方のないものになっているというふうに感じております。ただ、あらかじめそういう認識があったわけではございません。 ◆松井隆文 委員  あらかじめそういう認識があったわけではないけれども、今の時点ではそう思っているということですね。そうではなくて、この広報さっぽろ6月号が出るに当たって、そのような認識が事前にあったかどうかという点についてはいかがですか。 ◎青山 広報部長  今お答え申し上げましたとおり、私のほうではあらかじめそういう認識は持っておりませんでしたけれども、その後、いろいろとご指摘をいただいた結果、それはやむを得ないことであるというふうに考えております。 ◆松井隆文 委員  ということは、6月号が発行される前にはそういった認識はなかったが、市民や池田事務所からの指摘を受けて、今考えると、そういったことも理解できるというご答弁ですね。  それでは、この6月号を発行されるまでの間、この制作は業者に委託していたと思いますが、業者との間ではどういった確認、やりとりがなされたのか、お聞きします。 ◎青山 広報部長  業者との間でどのような確認がなされたかというご質問でございます。  広報さっぽろのイラストを委託しております会社との間では、仕様書の中に、あらかじめ、著作権等について侵害することがないように配慮するというような文言が定められております。また、それに基づいて、作成している過程の中でも、そういったことがないようにということは確認させていただいておりました。 ◆松井隆文 委員  今回、この6月号の制作途中においても、このイラスト等が池田理代子氏の「ベルサイユのばら」との間で問題を生じないのかも確認していたということでしょうか。 ◎青山 広報部長  「ベルサイユのばら」に抵触しないかを確認していたかというご質問でございます。  「ベルサイユのばら」に限らず、今回は漫画という手法をとりましたので、ほかの著作物に抵触することがないかどうかを確認させていただいたという意味でございます。 ◆松井隆文 委員  私は、この6月号に関する説明を受けたときに、このイラストが著作権等の関係で本当に大丈夫なのか、業者に再三再四確認したという報告を受けたのですが、大丈夫なのかと再三再四確認したということは事実でしょうか。 ◎青山 広報部長  事実でございます。それは、仕様書に基づいて確認させていただいたということでございます。 ◆松井隆文 委員  別の質問をしますが、著作権法上の著作物について、第三者が使用するときに誰の承諾が必要であると認識されているかという点についてお伺いいたします。 ◎青山 広報部長  誰の承諾が必要かというご質問ですが、著作権者であるというふうに認識しております。 ◆松井隆文 委員  大きく3点の質問をさせていただきましたが、まず、札幌市として、「ベルサイユのばら」に似ている、パロディーである、あるいは、市民に想起させるという認識が事前には全くなかったということと、これは大丈夫なのかということを業者に再三再四確認していたということの整合性を感じません。つまり、「ベルサイユのばら」に似ているのではないかと池田プロダクションや市民から指摘されて、初めて認識して、そんなことを言われるとは寝耳に水だったというのならわかるのですが、再三再四確認していたということは、札幌市としても、この作品が「ベルサイユのばら」に似ているという認識があったのではないかと思いますが、この点についてはどういうことなのでしょうか。 ◎青山 広報部長  ただいまのご質問ですけれども、先ほどもご答弁させていただきましたとおり、仕様書の中に著作権に抵触しないように配慮するという文言がございます。今回は、写真ではなく、特に漫画という手法をとりましたので、そこのところの著作権は大丈夫かという確認をさせていただいたということでございます。 ◆松井隆文 委員  「ベルサイユのばら」という特定の作品を想起させるから、そこを確認したという答弁だと捉えましたが、そういう意味ではないということですね。  もう1点は、著作権法上の第三者が使用するときの承諾の話をしましたが、今回の「ベルサイユのばら」の漫画には著作権者がいるわけです。「ベルサイユのばら」に似ているということは、事前に全く想起しなかったということなのか。著作権者ではない委託業者には確認しているけれども、なぜ池田事務所に確認しなかったのかという点をお伺いします。 ◎青山 広報部長  当初、我々のほうでは、「ベルサイユのばら」ということを想定しておりませんでしたので、池田理代子事務所に聞くことは行っておりませんでしたが、漫画という手法をとっている以上、著作権上、問題がないかと業者に確認していたという意味でございます。 ◆松井隆文 委員  そうであれば、先日、私が報告を受けたときには、市の担当の方も「ベルサイユのばら」を頭の片隅に置きながらの確認であったと私は捉えておりましたので、矛盾しているのではないかという指摘をさせていただきました。しかし、そこについては、最後の答弁で、全く想定していなかったというのであったので、それは認識の問題ですから、そこについては、これ以上、確認のしようがないかと思います。  いずれにしても、著作権に対する認識というものについて、業者には仕様書に従ってということがあったのかもしれませんが、かなりの市民がこれを見て想起したということは、やはり問題であったというふうに思うわけです。  私は、この点について、平成27年の4定の代表質問で知的財産権について質問させていただいております。  今後、札幌市が芸術祭やオリンピックを初め、創造都市さっぽろを掲げて行われるさまざまなイベントなどに取り組んでいく中で、知的財産権が注目を受けていくのではないか、知的財産権に対する市民の権利意識が高まっていくことが予想される中で、札幌市としては、知的財産権に関して権利者とトラブルが起きないように適切に管理しつつ、その活用を図っていくことについて、市民や権利者にしっかりとした姿勢を見せることが必要だと指摘した上で、トラブルを未然に防ぐ、いわゆる予防法務という観点からも、知的財産権についての職員の専門性を高めていくことが必要である、第三者の著作物などを市の刊行物に引用することなども含めて、知的財産権への意識を庁内で高める取り組みが必要である、このように取り組む姿勢は、創造都市さっぽろを掲げ、知的財産を中心とするコンテンツを重要視するという本市にとって不可欠と言える、今後ますます重要性が高まる知的財産権について市長はどのように認識しているのか、また、職員の専門性や意識を高めるために、今後どのように取り組んでいくのかという質問をさせていただきました。  ここにおいて、当時、市長ではなく、板垣副市長から、知的財産権は、重要な資産であります、第三者の権利を侵害しないよう十分配慮しなければならないというふうに認識しています、今後も、ロゴやキャラクターなどを広報や啓発のツールとして活用していくことも想定されますことから、庁内の連携を密にしながら、研修などを通じまして知的財産権に関する職員の専門性や意識の向上を図るとともに、担当部局からの相談に応じる体制を整えるなど適切に対応してまいりたいという答弁がございました。  私は、今回の事案というのは、まさに4定の代表質問で質問したそのものの事案ではないかと思っているところです。全国に札幌市の名前が報道等でこうした形で出たということが大変残念でならない思いであります。  そこで、この代表質問で板垣副市長からの答弁にあったような取り組みをこれまでどのように実践されてきたのか、そこについてお伺いいたします。 ◎青山 広報部長  札幌市の財産管理を所管しておりますのが財政局管財部ということで、私は直接の所管部局ではございませんが、著作権にかかわる業務を持つ一つの事業部局としてご説明させていただきます。  現在も、庁内のイントラネットを活用した職員のための学習システムであるeラーニングというところに著作権に関する項目を設けているほか、採用3年目研修、採用7年目研修など、さまざまな研修機会を捉えて知的財産権に関する内容にも触れております。  それから、広報課では、このたびの広報さっぽろ6月号の事案を受けて、著作権についての職員の知識を深めるために、専門の弁護士を講師として研修を実施したところであり、これは、人事異動なども考えますと、定期的に開催していく予定でございます。現在は、広報課と各区の広聴係を対象に研修を行ったところですが、今後、この研修につきましては、全庁の職員が参加できるよう、他の部局にも門戸を広げてまいりたいと考えております。 ◆松井隆文 委員  研修等に取り組んできたということですが、そんな中、平成27年の代表質問で指摘したのに、ことし、平成30年にこういった案件が生じてしまったということです。今回の事案というのは、結果的に著作権者である池田理代子プロダクションの承諾を事後に得られたということです。ただ、結果的に札幌とプロダクションの間で得られたから大丈夫だったという話ではないと私は思います。つまり、こういった問題が起きたということ自体に、認識不足であったり、対応の問題があったのではないかと思うところです。  創造都市さっぽろとの関係において、知的財産権の問題を秋元市長はどのように認識しているのか、そして、まさに知的財産権をめぐっての問題が全国に報道されてしまったという、ある意味、不名誉といいますか、知的財産権に対する認識が低いかのように広く知られてしまったことについて、札幌市は今後どのように挽回していくのか、秋元市長にお伺いいたします。 ◎秋元 市長  今回、広報誌の掲載の関係で、著作権者である池田事務所からご指摘をいただいて、そのことが広く報道され、市民の皆様にも大変ご心配をおかけいたしました。そういう意味では、著作権に対しての考え方、取り組みについて、この後、札幌市としてしっかりと対応していかなければいけない事案だったというふうに認識しております。  先ほど部長からご答弁させていただきましたように、平成27年に代表質問でご質問いただいた後も、eラーニングなどのさまざまな研修の機会にそれを入れてきましたが、それを多くの職員が認識することは最低限必要だろうというふうに思います。  加えて、これからいろいろなロゴやキャラクターを使っての広報、PRも出てまいります。そうしたときに、基本的・基礎的な著作権に関する知識やノウハウについて職員が認識することはもとより、少し疑義が生じた場合に、専門的なアドバイスを得られるように、現状でも、顧問弁護士、あるいは、顧問弁護士から紹介いただいた著作権に詳しい弁護士にご相談するという体制もとっておりますので、そういったことをしっかり徹底し、不名誉なことを挽回していかなければいけないだろうと考えております。 ◆松井隆文 委員  ぜひとも、ただいま市長から答弁がありましたような取り組みについて徹底していただいて、創造都市さっぽろとして今後さまざまな取り組みを全国、全世界に発信していただくことを求めて、私の質問を終わらせていただきます。 ◆成田祐樹 委員  私からは、災害時の広報体制と職員の住居手当問題の追加調査等についてお伺いいたします。  まずは、災害時における広報体制についてです。  今回の震災は、地震の影響により、札幌市を含む北海道全域が大規模な停電となる、いわゆるブラックアウトが起きたことで、災害情報を取得するツールが極めて少なくなったことが大きな特徴でした。大規模な停電の影響で、テレビはもとより、市のホームページが、一定時間、閲覧できなくなるなど、これまで想定されなかった規模での情報の遮断が生じていたと思われます。  一般的には、停電を伴う災害時に情報を得るためのツールとしてはラジオが有効でありますが、現在は、パソコンやスマートフォンなどで無料でラジオ番組が聞けるradikoといったサービスなどもあり、ラジオそのものを所有していない家庭も多いと考えられます。このため、東日本大震災や熊本地震のときと同様、多くの市民がスマートフォンからSNSなどを通じて行政や報道機関からの情報を収集していたものと考えられます。  市の広報部でも、SNSについては、平成24年から公式ツイッターを開設し、これまでも、新たな事業やイベントの予定といった市政情報に加え、特に警報が発令された際には、昼夜を問わず、速やかに情報発信していることについては認識しているところです。  私自身も市広報部のツイッターをフォローしており、今回の地震の際にも、さまざまな災害情報に関する発信を市のツイッターから得たところであり、リツイートも含めて多くの方へ情報を拡散したところですが、札幌に特化した情報という観点でいくと、震災直後にネットで報道機関が出していた情報にも限りがあり、札幌市が出した情報に関してはかなりの反応があったのではないかと推測します。  その反応の結果というものがツイッターであればツイートアクティビティーから確認でき、その中でも、インプレッション数、いわゆる市の発信した情報を見た方の件数ですが、実際にどの程度いたのか、その情報伝播力が気になるところです。  そこでまず、今回の地震が起きて以降、市がツイッターでどのような情報発信をしてきたのか、また、その情報が実際にどの程度見られていたのか、お伺いしたいと思います。 ◎青山 広報部長  地震発生以降のSNSを活用した情報発信というご質問でございます。  広報部では、職員が登庁後、災害対策本部に寄せられた情報を確認し、午前3時52分を皮切りに、水道、電気、ガスなどライフラインに関する情報や、市立学校の休校情報などを公式ツイッターで順次発信いたしまして、発災後の3日間で75件発信したところでございます。  ツイッターの発信が見られるように登録しているフォロワーの数が発災後の3日間で約3万人ふえ、現在は約10万1,000人となっております。また、ツイッターで発信した情報が実際にどのくらい見られていたかを示す指標となるインプレッション数につきましては、3日間で延べ2,623万回となってございます。中でも、携帯電話の充電サービスやライフライン、市立学校の休校に関する情報につきましては、いずれもインプレッション数が100万回を超えており、多くても10万回程度の通常時と比較しても、非常に多くの方に見られていることがわかります。 ◆成田祐樹 委員  延べ人数ですし、札幌に直接関心がない方が目にした数も含まれているので、今お答えいただいた数字だけをうのみにするわけではありませんが、それでも、2,600万回を超えるというのは相当な数だと思っております。発災からの3日間でインプレッション数が非常に多いということもありますし、ごく短期間でフォロワーが約3万人ふえていることからも、何よりも信頼のおける市の情報が発信されたことで、より拡散されていったものと考えられます。  今回の地震のように大規模な停電が発生し、情報を発信する手段が極めて限られるような事態においては、ツイッターなどのSNSを使った情報発信がかなり有効であることが今お伺いしたインプレッション数やフォロワーが大幅にふえたことからも明らかになったのではないでしょうか。  そうした中、市の主要施設33カ所のうち、清田区役所、厚別区役所、中央区役所、教育委員会子ども未来局、スポーツ局などの8カ所が震災の際に機能不全に陥り、業務が実施できなかったり、電話が通じないなどといったことが起きたと報道からも発表がありました。当然ながら、平日で学校や保育園などもあり、保育園の当日の運営について子ども未来局の判断を仰ごうとも、連絡がつかずに困った園長や、市民からもごみを出していいのかどうかといったさまざまな問い合わせが私たちのところにも届きました。当然ながら、市民の方から、直接、市や担当に問い合わせていたことも考えると、電話応対の業務だけで相当な負担になっていたことが想定されます。これらについては、市民ニーズを踏まえた的確な情報発信をツイッターで行うことで、混乱する現場への問い合わせ等を少しでも減らすことができ、結果として、震災時に各部署が本来やるべき業務に集中することで市民サービスの向上にもつながったものと考えております。  そこで、お伺いしますが、今回の震災を受け、ツイッターでの発信内容や反応の分析を含め、市民が求める情報をどう的確に発信していくとお考えか、見解をお聞かせいただきたいと思います。 ◎青山 広報部長  今回の震災を受けて、ツイッターでの発信内容をどう的確にしていくかというご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、災害時には、市民が求めている情報を把握し、そのニーズを踏まえて的確に発信することがより重要になってくるものと考えております。  今回の震災では、ライフラインを中心に、地震に関する情報につきまして、本日までにツイッターで延べ112件発信しておりますが、そのうち、民間による携帯電話の充電サービスの提供など市政情報以外のものにつきましても、被災された方が必要と思われるものについては21件発信しているところでございます。これらの情報につきまして、インプレッション数や札幌市が発信した情報をフォロワーがみずから発信するリツイートなどを改めて個別に分析することで、災害時における市民ニーズを把握できるものと考えております。  携帯電話の充電サービスやライフライン、学校の休校情報などに反応が多かったことが既にわかっておりますので、このほか、市民から寄せられた意見などもあわせて、今後の災害時広報に生かしてまいりたいと考えております。  災害時には、情報の正確さはもとより、スピード感が求められております。伝えるべき情報が市民に正しく早く伝わることで、安心して次の行動につなげられることから、引き続き、的確、迅速な情報発信に努めてまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  今お答えいただいたように、的確で正確な情報発信を受けることで市民も安心できることがあると思いますので、ぜひ積極的にやっていただきたいと思います。特に、停電が長引いたこともあって、今回は市民に情報が入りにくいといった想定しづらい災害であったかと思います。ぜひ、今回の震災を糧にして、災害時に必要な情報発信を臨機応変に行っていただきたいと思います。  災害という非日常は、突然やってまいります。そういうときこそ、市民が何を求めているのかを強く意識して情報発信に努めてほしいところです。  今回、震災後に私が確認しただけでも、余震や断水に関する多くのデマ情報がSNS上に飛び交っており、中には、情報源が自衛隊ということで大きな広がりを見せたものもありました。これらの事象は過去の震災時にも起きており、私が東日本大震災や熊本地震の被災地に視察に行った際にも、職員から、震災直後にはデマなどの情報が出てきますといった話を伺っていたこともあり、こういうことなのかと改めて感じさせられました。  今回、デマが広まった背景には、ツイッターではなく、LINEといった水面下で情報伝達が行われるツールの普及も原因であると考えられます。LINEは、即時に画像などが送れる反面、その真贋について、外部からの指摘が難しいことから、伝言ゲームをしていくうちに誤った情報が伝達される傾向があります。そのような際に、市が正確な情報を発信できれば、デマ情報に対抗して打ち消すことも可能です。  実際に、苫小牧市は、今回の震災で、公式フェイスブックページにて地鳴り情報を否定する発信をしましたが、それをきっかけに誤った情報伝達がとまりました。もちろん、さまざまなSNSがあるので、一体何を利用するのかという話になりますが、やはり、利用者が多く、多数の市民に発信できるSNSを利用することが必要ではないでしょうか。  災害時に市民が求める情報をより手軽に、よりスピーディーに届けることは広報として重要であり、人口が196万人を超える大都市札幌において、多くの人に同時に情報を発信できるメリットは、災害時には特に威力を発揮すると思われます。情報発信ツールとして、ツイッターに加え、現在普及しているツールであればLINEなど、そのときに一番普及しているSNSの活用を検討すべきと考えます。現在は、企業に加えて、自治体も公式SNSを多数持つ時代となっています。  そこで、最後にお伺いしますが、災害時の情報発信ツールとして、ツイッターに加え、LINE等の既存のSNSや、今後出てくる新たなSNSの活用を検討し、情報発信力のさらなる強化が必要と考えますが、見解をお伺いしたいと思います。 ◎青山 広報部長  ツイッターに加え、LINEなど既存のSNS、あるいは新たなSNSの活用を検討してはいかがかというご質問でございます。  今回の震災におきまして、ツイッターが持つ情報の即時性、拡散性について改めて認識したところでございます。特に、災害時には、ホームページを補完する情報発信手段として効果を発揮したところでございます。一方で、当然、ツイッターだけでは不十分なことも事実であり、より幅広く多くの市民に的確、迅速に情報を届ける上では、新たなSNSの活用は有効であると考えております。  SNSにはさまざまなサービスがございまして、その特性に合わせた情報発信が可能となりますが、その中で、LINEは、幅広い年齢層に多く利用されておりますことから、効果的な情報発信手段の一つであると認識しているところでございます。  SNSのサービスは日進月歩であり、これからも新たなサービスが提供され、普及されてくる可能性がございます。今後は、先行自治体の運用状況等を調査研究しながら、LINEも含めた新たなSNSの活用につきまして検討してまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  災害時の広報体制について、2点要望したいと思います。  SNSを活用しようとすると、やっていない高齢者の方はどうするのだという話もありますが、さまざまな情報発信をした後に、とりわけ重要なものであれば、近隣に住んでいる携帯を持っていないお年寄りの方に一言お伝えしてくださいとか、そういった言葉を足すだけでも情報が伝わったり、避難所の中でも伝わると思います。これは使いようだと思いますので、SNSを含めて正しい情報が多くの人に届くことを意識していただきたいと思います。  もう1点は、広報部の体制に対してです。  災害時に、広報部から発信しようと思っても、原局が忙しくて正確な情報が広報部に届かない可能性もあります。広報部がみずからあちこちに行こうとすると、なかなか人手が足りないと思いますので、各部局をまたいで、正確な情報を広報部に届けるといった体制もご検討いただきたいと思います。  もう1点の住居手当の追加調査等について、2点お伺いしたいと思います。  去る5月15日に、親族間の賃貸借契約に基づく借家、貸し間の住居手当に関し、19件、約6,000万円の不適正な事例が判明し、歴代の職員部長を含む22名が処分されたところであり、また、このたび、10月4日に住居手当の追加調査等の結果報告がありましたが、調査の結果、残念ながら、17件、約300万円の不適正な受給事例が判明し、対象の職員に対し、減給や戒告などの処分が行われたところです。  現時点では一通りの調査を終えたところと思いますが、結果を見ますと、長年にわたり不適正な受給が続いていたことが判明し、職員の自己申告に頼り過ぎの制度設計であったことは、手当が税金を原資として支払われるものであることに鑑みると、理事者にあっては深く反省すべきものと考えます。  本件については、5月16日に開催された総務委員会において、私からも、不適正受給の原因として、本人の過失もさることながら、支給側の確認体制に不備があったのではないかという点を指摘し、確認体制の改善を強く求めたところです。  そこで、1点目の質問ですが、このたびの追加調査の概要について、まずはご説明をお願いします。  とりわけ、さきに指摘した確認体制について、一体どのような改善をしたかもあわせてご答弁をお願いします。 ◎山本 職員部長  まずは、10月4日に、住居手当等の追加調査に当たりまして、結果報告で17名に処分を出したということです。事務統括責任者の私から、改めておわび申し上げます。
     ご質問の追加調査等の概要と確認体制の改善点についてであります。  5月15日に公表した件は、平成30年1月時点で親族間で賃貸借契約をして住居手当を受給している職員を対象とした調査の結果に基づくものでありました。このたび、10月4日に発表した追加調査は、過去にさかのぼって行ったものであり、大きく2つあります。一つ目は、住居手当支給データが残っている最も古い平成23年1月以降、1カ月でも住居手当を受給したことがある者全員を対象とした調査です。  これは、親族間の賃貸借契約だけではなく、アパートなどに入居して家賃などを払い、住居手当を受給したことのある者、あるいは、持ち家で住居手当を受給したことのある者、合計約2万1,000名を対象に実施した調査です。もう一つは、住居手当、通勤手当等を正しく届け出ているか、毎年10月に各職員がパソコン上で確認していたものを、6月に前倒しして実施したものです。  いずれの調査でも、家賃の領収書、登記簿あるいは通勤定期の写し、SAPICAの利用履歴などの挙証書類を提出させて確認方法を強化したほか、各職員に渡る手当受給状況の確認票の内容に間違いがないかどうかを確認させ、自署させるといった改善を行ったところであります。 ◆成田祐樹 委員  住居手当についてはデータが確認できる過去の部分について調査されたということで、まず、やれることをしたというのは確認できました。また、気になっていた住居手当、通勤手当の現況調査についても、従前はパソコンで簡単なチェックをさせるだけであったものを、証拠書類を出させたほか、職員自身に自署させるなどの改善策を講じたということで、ようやくしっかりとした確認体制になったのではないかと思います。  ところで、市民の皆さんが最も危惧していることは、また再び同じことが起こらないかということです。この間の不適正な事例に対し、親族間契約に基づく住居手当については、秋元市長の指示により、この10月1日付で廃止され、この部分にかかわる不適正事例がもう発生しないであろうことは承知しておりますが、今後において今回判明した不適正な事例がもう起きないのか、事例ごとの再発防止策の実効性についてご認識をお伺いしたいと思います。 ◎山本 職員部長  今回の問題事例を大きく四つに分類しましたので、それに沿って回答いたします。  まず、1点目は、親族間契約に基づく住居手当であります。これは、委員がご指摘のとおり、去る10月1日付で廃止したところであります。  2点目は、賃貸住宅、いわゆるアパートなどに住んでいる者が長期間入居しているという理由によって家賃が減額になるということ、連動して住居手当額を減額すべきだった事例というものもあります。今後は、定期点検におきまして、家賃の領収書などを提出させ、職場に保管している賃貸契約書と突合させることで確認を徹底してまいります。  3点目は、持ち家の住居手当であります。今回は、登記簿の証明書を提出させ、所有権などを確認しましたが、この持ち家の住居手当は、今年度末で廃止となるため、来年度以降、問題事例が発生することはないと考えております。  4点目は、通勤手当であります。定期券の写しあるいはSAPICAの利用履歴など、挙証書類の提出を今後は年に複数回実施することをもって確認の実効性を高めてまいりたいと考えております。  これら点検強化に加えまして、各種研修を通じて全職員に公務員としての自覚をしっかり持たせるなど、再発防止に努めてまいります。 ◆成田祐樹 委員  再発防止について、親族間契約にかかわる住居手当と持ち家手当は、制度そのものが廃止になり、そのほかの二つの事例についても、挙証書類の提出や複数回の確認で再発防止に努めるという点を確認させてもらいました。しかし、再度繰り返すようなことがあれば、信用をさらに失ってしまいますので、しっかりと機能させていただきたいと思います。  前回、今回と、残念ながら不適正な事例として処分になられた方がおりましたが、その人たちについては、職員自身の自覚が足りなかった部分もあるものと思います。  一方、通勤手当に関して、少し個人的な見解でお話しさせていただきますと、通院したり実家に寄ったりといった個人や家庭の事情など、なかなか、毎日、経路どおりにいかない場面も多いと思いますし、時には知見を広げるために勉強会に出席したり、また、大通や薄野あたりで同僚や友人と親睦を深めたりといった行動は、経済的効果の側面からもあってしかるべきものと思います。支給する側としてしっかり確認していくことも非常に重要だと思いますが、職員側にもさまざまな生活の事情があるかと思います。何でもかんでもがちがちにしてしまうのではなく、幾らか弾力的に運用できないのかと考える部分もありますので、そこはご一考いただければと思います。  点検強化について確認させていただきましたが、不適正な事例を防止するために一番重要なのは、まず、職員にとって簡潔でわかりやすい制度とすることと考えます。イントラなど、職員へ情報発信するツールはたくさんあると思いますので、しっかり周知した上で、職員に誤った申請をさせない対策についても今後力を入れていただくことをお願いして、質問を終わりたいと思います。 ◆小口智久 委員  私からは、障がい者雇用について質問いたします。  我が会派は、以前から、障がいのある方の雇用についてさまざまな事例を取り上げ、身体障がいのある方ばかりでなく、知的障がい、精神障がいのある方の雇用を進めるべきであるなど、積極的に障がいのある方の雇用の拡大を訴えてきました。  また、公的機関では非常勤での雇用が多いのですが、精神・知的障がいのある方が対応できる仕事を考えていき、正職員として市で採用することは、社会的に意義があります。最初から多くの方を採用することは難しいとは思いますが、市が障がい者雇用の積極的な姿勢を示すことにより、民間への波及効果につながるのではないかとこれまでも指摘してまいりました。  そういった中、先ほど松井委員からも指摘がございましたが、今回の障がい者雇用率の再調査の結果、当初の報告値から雇用率が下がったと聞いております。雇用率については、国の中央省庁における不適切な算入に端を発しておりますが、本市においても、若干ではあるものの、数値が不正確であったことに関しては遺憾に思っております。  障がい者の確認については、人権やプライバシーにも十分配慮して行う必要があるものと認識しております。そういった中で、ルールに基づき、今後とも正確な把握に努めていただきたいと思います。  そこで、質問ですが、札幌市全体としては法定雇用率を満たしていない状況であり、今後も法定雇用率を達成する取り組みを行う必要があると考えますが、具体的な方策について伺います。 ◎山本 職員部長  法定雇用率達成に向けた具体的方策についてであります。  札幌市では、全体として法的雇用率を満たしていない状況であることも踏まえ、引き続き障がいのある方を採用していく考えであります。障がい者の法定雇用率に関しては、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の施行により、これまでの身体障がい者または知的障がい者に加えて、ことしの4月から精神障がい者も算定の基礎となったところであります。  これまでも、障がい者雇用のあり方に関しては、各方面からご意見をいただき、検討してきたところですが、平成15年から実施している身体に障がいのある方を対象とした採用選考につきまして、今年度から受験対象を知的障がいのある方と精神障がいのある方にも拡大したところであります。  この採用の第1次選考は来月の11月11日を予定しておりますが、受験申込者数は昨年度を上回る見込みであり、これからも着実に障がい者の雇用の促進に努めていく考えであります。 ◆小口智久 委員  ことしから、障がいのある方を対象とした採用に、知的障がいのある方及び精神障がいのある方も加え、受験対象を拡大したということは一定の評価をしております。ただ、採用試験においては、障がいの程度判定だけによることなく、これまで以上に受験者の特性をしっかりつかんで、専門的な見地から判断すべきであります。  そこで、質問ですが、今後の障がい者の採用に当たってどのようなことを工夫していくのか、伺います。 ◎山本 職員部長  障がい者採用における今後の工夫についてです。  採用選考の方法については、これまでの面接試験に加えて、今年度からグループ討論を行うことを予定しており、より深く受験生を知ることができると考えております。一方、受験者からの受験上の合理的配慮が必要という求めがある場合には、例えば、受験の際の車椅子の使用とか、補聴器等の持ち込みを認めるなど、対応を行っているところです。今後も、試験のあり方につきましては、人事委員会とともに検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  グループ討議を行いながら、試験場の合理的配慮もする、また、試験のあり方についても検討を進めるということでございました。  知的障がいのある方は、通常行われる筆記試験はハードルが高いことも考えられ、難しいことは承知しておりますが、それぞれの特性に応じて力を発揮できるような仕組みを検討していただければと思います。また、採用後においても、障がいのある方が日々の業務を行うに当たっては、障がいの種別によらず、分け隔てなく働きやすい環境を整えていくべきと考えます。  そこで、質問ですが、障がいのある職員の働きやすい環境づくりについてはどのような課題があると考えているのか、伺います。 ◎山本 職員部長  障がいのある職員が働きやすい環境づくりにおける課題についてです。  障がいのある職員も、区役所を含めて全ての職域に配置することを原則としております。ただし、実際の人員配置に当たりましては、職場の施設面での課題のほか、職員としてその能力を十分に発揮できる職場であるかどうか、適性などを見きわめることも必要だと考えております。  また、各職場で実際に仕事に従事している中で生じる課題もあるところです。それらをしっかり把握して、個別の事情に応じた解決策を検討しながら対応してまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  働きやすい環境の課題は、施設面の課題、能力が発揮できる職場になるよう検証していく、また、採用後には具体的な課題も把握して解決していく、フィードバックしていくということでございました。  最後に、要望になります。  障がいのある方の能力や特性に応じた職域の開発、望ましい支援のあり方、さらには障がいのある方が働きやすい雇用・就業形態など、さまざまな角度から研究、検討を行うとともに、障がいについて一律に捉えるのではなく、障がいの種別や程度に応じたサポートが必要と考えます。  民間等での就労を参考にしますと、例えば知的障がいのある特別支援学校の生徒は、通常、就労前に職場実習を経て、経験を積んだ上で採用されます。公的機関でもいきなりの採用ではなく、職場実習と連携した取り組みが必要と考えております。また、採用後においては、身体障がい者は主にハード面の配慮、知的・精神障がい者はソフト面の寄り添った配慮が必要で、場合によっては、さまざまな福祉サービスや人的サポートを活用していくことについても検討していただきたいと思います。  社会全体で障がいがある方の雇用をより促進していくためには、行政が率先垂範して取り組んでいくことが重要であり、こうした取り組みが誰もが活躍できる社会の実現につながっていくのではないかと考えております。  これまで以上に障がいのある方の雇用に力を入れていただきたいと要望し、私からの質問を終わります。 ◆岩崎道郎 委員  私からも、広報さっぽろについて、何点か質問させていただきたいと思います。  まず初めに、広報さっぽろのリニューアルについて質問させていただきます。  広報さっぽろは、皆さんもご案内のとおり、本年の5月号から誌面のデザインを一新しております。まず、そのデザインを変えた意図は、何よりも市民の皆さんに手にとっていただき、しっかりとした情報を伝えたいといった思いに駆られてのリニューアルであったと認識しているところです。  広報さっぽろは、昔からありますから、時々リニューアルをしているのかなと思ったのですが、聞いたところによると、昭和25年の創刊以来、初めてとなる大きなリニューアルであったということで、担当された方々は、恐らくかなり気合を入れて改編に当たったと思っております。  6月号については後ほど少し触れさせていただきますが、そもそもリニューアルについてはどうだったのかという点について、初めの質問をさせていただきます。  今回の広報さっぽろのリニューアル後、誌面デザインなどについて市民の皆さんからどのような反応をいただいているのか、そして、それについてどのように受けとめ、いただいたご意見などを誌面にどのように生かしていくおつもりなのか、初めに伺います。 ◎青山 広報部長  広報さっぽろの誌面デザインなどに対する反応と、いただいたご意見をどう生かしているかというご質問でございます。  広報さっぽろのリニューアルに関しては、電話や手紙、ホームページなどによりまして、リニューアル後、これまでに484件のご意見が寄せられているところでございます。内訳につきましては、一つの意見の中に肯定、否定の両方の意見があるものがございますので、合計数は一致しませんが、肯定的なご意見として278件、否定的なご意見として193件、どちらでもないものが32件となっております。  主な内容ですが、肯定的な意見では、レイアウトの工夫やカラーとなったことによって読みやすくなった、あるいは、デザインがよくなった、おしゃれになった、表紙に引きつけられる、記事の内容がよくなった、今まで読んだことがなかったが、見てみようという気になったといったものがございます。また、否定的なご意見としては、文字の色や大きさが読みづらい、安っぽくなった、雑誌っぽい、重みがない、そもそもカラーにする必要がないといったものがございます。  このように賛否両論がありますが、これまでこれほど多くのご意見が寄せられた例はありません。広報誌を改めて知っていただいた、あるいは関心を持っていただいたという意味で一定の効果はあったと受けとめております。また、いただいたご意見につきましては、貴重なご意見として誌面づくりの参考とし、可能なものにつきましては、随時、反映しているところでございます。  例えば、リニューアル当初にいただいた、文字が小さくなった、あるいは、カラーになって色によっては薄くて見づらいといったご意見につきましては、字体を変更したり、あるいは濃い目の色を使うことによって、6月号から直ちに改善を行ったところでございます。今後も、寄せられる声をしっかりと受けとめ、より読みやすい誌面づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆岩崎道郎 委員  さまざまな声が届いているということです。  実際に、先月号でしょうか、青い表紙のものがあったと思いますけれども、自宅でも、いつもであれば広報さっぽろがしっかりと居間に届けられます。しかし、リサイクルのマークが書かれていたせいか、そのまま古新聞のほうに回っていて、そもそも広報さっぽろだと気づいていないということがあるのかなと思っておりますので、今後はそういったところに注意していただきたいと思います。月のマークも年月によって若干変化があったりしていると思いますので、一瞥して広報さっぽろであることがわかるという意味では、従前のように小学生たちの作品を出して、誰が見ても広報さっぽろだとわかるようにするのも一つの手だてだと思いますが、今回のリニューアルによって、表紙を見て今号の広報さっぽろには何が特集されているのかわかるという意味においては、表紙のデザインというのは何よりも重要だと思っています。  私も、市議会議員になる前に、十数年にわたって広告デザインの仕事をしておりましたので、このデザインに対して皆さんがどのようにご苦労されているかは少し想像がついております。今までのように、学生の作品の写真を載せて、タイトルをつけていればよかったものが、内容によって毎号ごとに表紙のデザインを変えていくのは非常にご苦労があると思っています。  先ほどのやりとりの中で、「ベルサイユのばら」に似ていると気づかなかったというお話がありましたけれども、あれは「ベルサイユのばら」じゃなければ何の意味もないと思っています。特に、広報さっぽろでこれからマナーなどを注意喚起したいという若いお母さん方や女性を対象にしたものだと思いますが、そういった人たちにとってみれば、市内の小学生の作品が載っている表紙よりも、自分になじみのある少女漫画のほうが手にとりやすいわけです。先ほどの委員のお話のように、絶対に著作権を侵害することはあってはなりませんけれども、それに萎縮して、おとなしいデザインでいいのかというと、私はそうは思いません。どんどんとがって、攻めていってほしいと思います。  と申しますのも、最近のテレビCMを見ていて、昔に放送されていたさまざまなアニメ、誰もが知っているようなアニメに、あえて自分のところの宣伝を吹きかえて表現するものを本当に多くの皆さんが見ていると思います。ああいったものによって、どんな人にも、ある程度、自分たちの情報を伝えるのだ、皆さんが知っているさまざまなキャラクターを活用して世の中に知らしめていくのだという手法は、今は決して珍しいものではありません。  ただ、何度も繰り返しますが、さまざまなCMが勝手にやっているかといえば、そうではありません。そのキャラクターを使用するお金を払っている場合もありますし、著作権者としっかりと契約を結んでやっているのは間違いありませんので、札幌市としても、「ベルサイユのばら」のマリー・アントワネットのような表現をすること自体、私は全く間違っていないと思っていますので、前段として著作権に十分な配慮をしていただいて、それを進めていただきたいと思っております。  その上で、今回、そういった経緯がありましたが、制作会社と事後にどのような協議があったのか、その内容について教えていただけますか。 ◎青山 広報部長  6月号の制作に係る経緯というご質問でございます。  まず、制作の経緯についてですが、6月号は公共マナーを守ろうという特集のテーマとしたところで、これは、耳の痛い話ということで、なかなか読んでいただけない可能性があると考えて、若い世代も含めた幅広い方々に読んでいただけるよう、イラストを使った楽しい誌面を目指したところでございます。こういったイメージをデザイン、レイアウトの制作を委託している事業者に伝えて、幾つか提案のあったものの中から、札幌市が今回のイラストを選んだところです。  これらのデザイン、レイアウトの制作に当たりましては、第三者の著作権等を含むいかなる知的財産権も侵害することがないよう、事業者との契約における仕様書の中にうたっておりますほか、制作過程におきましても確認をしながら進めておりましたが、問題がないという説明があったため、これらも踏まえて、最終的には札幌市としてこのデザインで発行することを決定したところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  今、何点かデザインの案があったというお話がありました。私もその経験がありますが、1案だけ持ってきて、これで進めようということはまずないと思います。3案、4案、捨て案も含めてお持ちして、この中からどれがいいかと担当者と協議をして決めると思うので、その時点で、漫画の「ベルサイユのばら」だからひっかかるよね、前もってプロダクションに確認しようと。それでお金がかかっても、より広く市民に伝わるのであれば、お金をかける価値はあると思っております。  今後、著作権にかかわるから、もうこの表現はやめようという方向に進むのではなく、今回の顛末はそうだったわけですから、著作権者にちゃんと確認して、広報誌であれば特段お金は要らないという配慮も期待できると思いますので、まずはぶつけてみることが大事です。とがったデザインを決して諦めないように今後もやっていただきたいと思っているところです。  と申しますのも、リニューアルした5月号以降、本当に多くの市民の皆さんから私のところにも、広報さっぽろは開いてみたくなるよねと言われています。これも、やはり、表紙から中身が伝わってくるという意味においては、今回の震災の特集なども早期に行ってみてもいいのかなと思います。今後の取り組みはこういうことがあるとか、今回の経験を踏まえて、少し落ちついたぐらいのタイミングで、被災者の声とか、実際に暮らしの中で何が足りなかったのかなどを広く伝えていく必要があると思います。  先ほど成田委員からご指摘がありましたように、札幌市、行政から発信される情報の正しさは、ほかのものとはかえがたいし、比べようもないものだと思っておりますので、ぜひとも災害への備えに関する特集をやってみてはと思っておりますがいかがか、伺います。 ◎青山 広報部長  災害についての特集を組んではいかがかというご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、今回の地震をきっかけといたしまして、防災について改めて考えていただき、例えば、避難所の場所をあらかじめ確認したり、必要な備えをしていただくことはとても重要なことであるというふうに考えております。  広報さっぽろは、単なる情報提供にとどまらず、市の取り組みや課題を市民と情報共有いたしまして、考え、行動していただくことを目的にしておりますことから、改めて、防災について考えていただき、災害に備えるという行動を促す内容は、まさに広報さっぽろのコンセプトと合致するものでございます。  このため、11月1日から配布を開始する広報さっぽろ11月号におきまして、通常の特集は6ページですが、これを8ページに拡大して、しっかり訴えかけていくことを予定しております。 ◆岩崎道郎 委員  最後に、少し要望も含めて話しますが、今回の震災を見ても、区によって災害の状況やお困り事が違ったと思います。今回は11月号ですので、これから中身を差しかえて印刷するのは物理的に難しいとは思いますけれども、せっかく広報さっぽろは10区版でつくっておりますので、今後、例えば中央区にはマンションがあって、そのときには水がこうだったよね、地盤が弱い地域ではこんな備えができるのかなとか、そういったことを紹介していくことも一つの手なのかなと思っております。  いずれにいたしましても、冒頭に申し上げたとおり、この広報さっぽろのリニューアルは、68年目のリニューアルでございます。物すごい歴史を背負って、今回、広報さっぽろに携わる方々、そして、発注しているデザイナーの皆さんも、かなり緊張感とかいろんな思いを持って広報さっぽろに当たっていただいていると思います。してしまったことは決して許されることではありませんので、今後も制作者に対してもしっかりと周知徹底していただきたいと思います。  ただ、そこに余りちゅうちょすることなく、表現というものに常にチャレンジして、市民の皆さんにしっかり伝わるということが何なのかをみんなで考えて、いい広報さっぽろになることを期待して、私の質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、1項目めはボランティア休暇制度について、2項目めは基幹系情報システムについて、2項目質問いたします。  最初は、ボランティア休暇制度についてです。  質問の1点目は、取得状況の認識についてであります。  ボランティア休暇制度は、1995年、平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災を機に、社会全体でボランティアの役割に関心が高まり、各種団体、企業でも一定期間に限って有給休暇を与えるところがふえました。こうした状況を踏まえ、国の人事院は、1996年、平成8年12月9日に人事院規則の一部を改正したのを受け、総務省は、翌日に、人事院の規則改正に基づき、各自治体に通達を出し、札幌市も平成9年に札幌市人事委員会規則改正により制度化されております。  同休暇制度に基づく取得は、他人に強要されるものではなく、あくまでも本人の自主的な判断によるものです。また、別の次元でありますけれども、政令市間で連携をとり、札幌市も、例えば消防局や水道局、下水道河川局など、各部局が市長の指示のもとに被災地に職員が派遣されていることもご承知のとおりです。  当該休暇の取得状況を調べてみますと、平成26年度は1人、平成27年度はゼロ人、平成28年度は3人、平成29年度は1人、平成30年度はこれまでに2人が取得しております。私は、今言った人数が多いとか少ないということを問題にしているのではありませんが、まず、この取得状況についてどのように認識しているのか、伺います。 ◎山本 職員部長  まず、ボランティア休暇取得状況の認識についてですが、ほかの特別休暇の取得状況と比較いたしますと、ご指摘のように、ボランティア休暇は取得件数の少ない休暇と言えると認識しております。  なお、この休暇は、ボランティア休暇と称されるように、その対象となる活動は限定的なものになるため、このことも取得件数が少ない理由の一つではないかと考えるところです。 ◆ふじわら広昭 委員  質問の2点目は、同制度の内容について伺いたいと思います。  今、部長から、他の休暇制度と比較して取得件数が少ない、それは、この制度自体の目的とか趣旨によるのではないかという答弁がありました。  そこで、当該休暇制度の取得日数、取得単位及び取得の対象となる活動など、札幌市の制度内容について具体的にどのようになっているのか、伺いたいと思います。  また、他団体の制度内容はどのようになっているのか、あわせて2点伺いたいと思います。 ◎山本 職員部長  ボランティア休暇制度と対象活動、あるいは他団体の制度概要についてです。  まず、札幌市では、取得日数は1年度に2日以内、取得単位は1日ないし半日単位です。対象となる活動の範囲は、大きく四つあります。一つは被災地等における被災者を支援する活動、一つは障がい者支援施設等の施設における活動、一つは障がい者、高齢者等の日常生活を支援する活動、そして、その他人事委員会が特に認める活動となっております。  ほかの地方公共団体でも、札幌市と同じく、おおむね国と同様の制度内容となっておりますが、一部の地方公共団体では、取得日数、取得単位、そして対象活動の範囲に相違があります。具体的に申し上げますと、取得日数が1年度につき6日以内であったり、時間単位での取得が可能であったり、対象活動が自治会の活動、あるいは、国や地方公共団体が行う地域における環境保全、文化振興、スポーツ振興等の事業活動を含むものが挙げられます。 ◆ふじわら広昭 委員  札幌市では、四つの活動を中心にボランティア休暇制度の取得を認めているということ、また、他の自治体などにおいては、もう少し幅広い分野においても取得が認められているということでした。  ボランティア休暇制度に関する最後の質問になりますが、同制度に対する札幌市職員への意向調査についてです。  当該休暇の取得件数が少ない要因として、職員が業務多忙であることや、そのほかにもさまざまな要因があると思います。職員の積極的なボランティア活動を推進していくことは肝要であると考えることから、より使い勝手のよい休暇とするため、当該休暇における職員のニーズや意識について調査する必要があると思いますが、どのように考えているのか、伺いたいと思います。 ◎山本 職員部長  ボランティア休暇の職員ニーズあるいは意識調査についてであります。  まず、札幌市職員の勤務条件、制度のあり方あるいはその運用につきましては、国及び他の地方公共団体との均衡等も考慮する必要があります。その上で、ただいま委員からお話がありましたボランティア休暇に対する職員のニーズあるいは意識の実態把握につきましては、その手法や内容を含めて今後検討してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  要望を申し上げて、次の質問に移りたいと思います。  今後、実態把握を含めて、制度の拡充にかかわる必要性等々について、前向きな判断と積極的な協議、検討を進め、勤務条件の充実を図るよう求めておきたいと思います。  次は、2項目めの基幹系情報システムについて質問いたします。  札幌市の基幹系情報システムは、住基関係、税関係、国保関係など大分類で7システムとなり、これを小分類すると、住基本体、住民税、法人市民税、国保、年金、収納、滞納など17のシステムになっております。これらの開発は、2010年度、平成22年度から始まり、平成27年度を最終年度として、6年間にわたって開発が進められてまいりました。  最初の質問は、外部システム監査の内容についてです。  私は、これまで、基幹系システムの再構築に関して幾度か質問してきました。具体的に、第1は、産業技術総合研究所、略称、産総研が開発した包括フレームワークに基づく3工程として、要件分析、基本設計、開発に分けた分離発注の是非について、第2は、開発予算約202億円のうち、約35億円が産総研の関連団体A社1社に随意契約されていたこと、第3は、システム開発工程作業における管理監督などについて、第4は、稼働投資を含め、その後においても多くの障害が発生し、区役所など現場の職員に多大な負担がかかっており、それが市民サービスに大きな影響を与えていること、第5は、開発業務を進めていく上で、各区役所などの職員がより仕事をしやすくする、いわゆる現場主体とすること、このシステムを開発する段階では、原局の各区役所などの皆さんが主導し、中心的な存在にならなければならないということが明記されていました。こうしたことが十分に取り込まれていたのか、そういう視点が抜け落ちていたのではないかということも指摘させていただきました。こうした結果、使い勝手の悪いシステムになっているのではないかということを懸念して質問してきたわけです。
     システムの障害件数について具体的に申し上げますと、以前に質問したときも指摘したとおり、2016年、平成28年1月20日時点で総数7,600件にも上っており、このうち、国保など福祉系システムで約3,000件の割合を占めていました。  こうしたことから、これまでの質疑の中では、システムが安定稼働に至っていないことなどを踏まえ、内部による検証だけではなく、外部の第三者機関によるシステム監査を実施し、約20年という長期間、本当に使い続けられるシステムなのか、また、次期再構築に向けて、産総研の包括フレームワークという開発手法も含め、再構築事業全般にわたり、どういう課題があったのか、検証していく必要があるのではないかと解明を求めてきました。  この外部によるシステム監査については、2017年、平成29年の予算特別委員会で、行政側から、平成29年度に実施できるよう準備を進めているとの答弁がありました。昨年度、これを実施しておりますので、その結果について質問したいと思います。  そこで、最初の質問ですが、昨年度実施した外部システム監査の目的、実施期間、調査方法などの概要とその結果について伺いたいと思います。 ◎高棹 情報システム部長  基幹系システムの外部監査の概要と結果についてのご質問でございます。  1点目の外部監査の目的については、まずは、基幹系情報システムの再構築事業の目的についてご説明させていただきますと、一つ目が老朽化対応、二つ目が発注者主体のシステム管理、3点目が地元企業の参入機会の拡大の実現を図るということでございました。外部監査は、この再構築事業の目的達成度に関する評価を得るため、そして、今後のシステムの維持管理及び将来の大規模改修に向けた提言をいただくために実施したものでございます。  2点目の監査の期間ですが、平成29年7月から30年1月の約7カ月間をかけて実施しております。  3点目の調査方法についてですが、システム設計書などの成果物の充足度や整合性の調査が一つでございます。二つ目が開発・運用保守業者及び情報システム部とかシステム所幹部の直接開発に携わった職員などに対するヒアリング調査、そして、区の職員などシステム利用者へのアンケート調査などを行いまして、総合的に分析して評価いただきました。  以上が外部監査の概要でございます。  続きまして、外部監査を実施した結果についてでございます。  先ほどご説明させていただきました再構築事業の三つの目的につきましては、税系システム及び国保・福祉系システムにおいて、稼働後に多くの追加開発が発生したことで、再開発時の要件分析が十分でなかったという指摘はいただきましたが、おおむね達成できたという評価をいただいております。  また、調査結果を踏まえた提言につきましては、入札参加業者をふやすため、今後、成果物を効果的かつ安定的に運用保守していくため、そして、将来の再構築に向けた計画に対してという三つの観点から、26項目に及ぶ提言をいただいております。  主なものをお話しさせていただきますと、一つ目は、将来、多大な費用をかけて再構築するのではなく、システムの改善を重ねて継続利用をすることを目指すべきだ、二つ目は、システムの品質改善が短期的な課題であり、ふぐあいの解消だけではなく、性能や使いやすさについても改善を図っていくべき、そして、運用保守業務等については、一般競争入札のように、価格だけはなく、技術力も評価した業者決定方法をとるべき、最後になりますが、次の再構築を行うこととなった場合には、要件分析、基本設計、開発という三つの工程ごとに分けた調達方法を見直すべき、また、システムごとに再構築時期を分散し、開発期間を十分に確保すべき、こういった趣旨のご提言をいただいたところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  今、外部システム監査の概要について答弁がありました。  私も、そちらから資料を提出いただいて、読ませていただきました。その上で、次の質問は、提言を受けての今後の取り組みについてであります。  今、答弁のありました外部システム監査の提言の中には、要件分析、基本設計、開発という三つに分けた開発工程の見直し、また、開発期間の十分な確保などといった項目があります。私は、平成28年度予算特別委員会でも指摘しましたが、こうしたことに加え、基幹系情報システムの稼働当初の障害件数が多い原因として、各工程の引き継ぎに当たっての事前、事後の協議やコミュニケーション不足、開発工程全体の進行管理を含めて問題があったのではないかとこれまでも指摘してきましたけれども、監査結果によって、これまで申し上げてきたことが一定程度裏づけられたと理解しております。  そこで、質問ですが、外部システム監査で提言を受けたことに対して、今後、札幌市としてどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。 ◎高棹 情報システム部長  外部監査からの提言を受けた今後の取り組みについてでございます。いただいた提言のうち、早期に取り組まなければならないと考えていることを中心にお答えいたします。  まず、障害の改修等によるシステムの品質改善でございます。  具体的に申し上げますと、システムの障害改修を着実に進めるとともに、使い勝手の悪い部分につきましても、システムの所管部としっかり調整しながら改修していくことにより品質改善が図られるように取り組んでまいりたいと考えてございます。  次に、総合評価方式での調達の実施による運用保守業者の技術力の確保でございます。  具体的には、来年度は、住基系システムの運用保守業務が更新となりますので、総合評価方式の調達の実施を予定しているところであり、これ以外のシステムについても、順次、総合評価方式での調達の実施に向けて検討を行い、運用保守業者の技術力を確保し、適切な運用保守が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上の2点について早期に取り組まなければならないと考えており、また、ほかの提言につきましても具体的な取り組みを検討し、効果の高いものから順次取り組んでまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  ただいま、品質の改善、そしてまた、価格のみの競争ではなくて、総合評価落札方式を導入して業者選定を行っていくという答弁がありました。また、外部システム監査の中で、特に、国保・福祉系システムや税系システムは、要件分析が不十分であったため、稼働後の追加開発が多くなってきたという趣旨の答弁がありました。  また、冒頭でも申し上げましたが、国保・福祉系システムに障害が多く、その件数は平成29年度において約2,000件となり、特に国保システムにおいては平成28年度で574件の障害があり、基盤システムを含む全システムでは約4,000件の障害が発生しております。私は大阪市に照会をいたしましたが、大阪市でも、札幌市と同じように、大分類では6システムを改修してきております。平成28年度が702件、平成29年度が529件で、札幌の4,000件とはほど遠い状況となっております。  そこで、質問ですが、国保システムにおいて現在も多くの障害が発生している理由をどう考えているのか、この状況にどのように対応しているのか、また、いつまでに終息させるのか、あわせて伺いたいと思います。 ◎高棹 情報システム部長  まず、国保システムの障害発生の理由等についてでございます。  国保については、例えば、平成30年度の都道府県化、広域化とか高額療養費の改正など、頻繁に大規模なシステム改修を伴う制度改正が実施されております。このような制度改正に対するシステム改修を行う際には、システム全体への影響を含め、事前に十分な調査を行っておりますが、予期せぬ障害が発生することがございます。また、大規模なシステム改修が行われている時期には、積み残しとなっている障害の抜本的な改修に取り組む期間の確保が難しく、区などの現場の職員に大きな影響を与えないよう、データ修正などの暫定対応にとどまっている場合もあるため、同様の障害が再発することがあります。  次に、障害への対応と完了時期についてでございます。  先ほどもご説明しましたが、頻繁に制度改正があるため、積み残しとなっている障害の抜本的な改修に対応することが難しい状況にございます。また、大規模なシステム改修により障害が発生する場合もあることから、対応の完了時期を現時点で明確に申し上げることはできませんが、優先順位の高い障害から順次改修しており、今後も、これを継続することにより、早期に障害の解消ができるようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  障害に対していろいろ対応しており、いつまでに終息させるかというめどは立っていないけれども、優先順位を決めてしっかり取り組んでいきたいという答弁がありました。  私は、こうしたことを計画的に進めなければ、現状はいつまでたっても変わらないということを指摘しておきたいと思います。国の大規模な法律や制度改正によって、国保や介護保険を初め、基幹系システムの改修が毎年行われております。そちらから提出いただいた資料をもとに申し上げますと、例えば、平成28年度は約1億4,400万円、平成29年度は2億1,300万円、そして、今年度は2,100万円前後の予算が制度改正に伴う改修費用として充てられております。  部長の答弁にありましたふぐあいや障害を改善していく項目を見ていきますと、事務改善というのは、例えば国保の担当部局である保健福祉局の職員が操作するいろいろなものを改善していくため、原局で予算を持つわけです。また、情報システム部は、制度改正や従来から直り切っていないものについての予算を計上しております。  国保システムの状況を見てみますと、事務改善では、原局で平成28年度に約9,200万円を計上していましたが、これは全額を情報システム部が負担しております。本来の事務改善であれば原局が負担するのに、なぜ情報システム部が負担しなければならないのか。お金の出どころは同じですから結果的には同じことになりますが、障害の改修に向けて十分な取り組みがされていないのではないかと思います。また、平成29年度は、障害を直すための予算として、情報システム部は国保の関係で約3,600万円を計上しておりますが、介護保険システムに目を向けてみますと、予算がまだまだ十分ではないのではないかということが指摘できると思います。  今回の外部システム監査で受けた提言は、次の再構築の際はもちろん、今後、制度改正を含めて、システム改修や運用保守を行っていく上でも非常に有用なものと言えるわけです。  そこで、質問です。  外部システム監査の報告書は6分野26項目に及んでおりますが、札幌市公文書管理規則に基づいて、この報告書の保存期間を何年と設定しているのか、伺います。 ◎高棹 情報システム部長  外部監査報告書の保存期間についてでございます。  昨年度実施した外部監査の報告書の保存期間ですが、今のご質問にもございましたとおり、公文書管理規則に従いまして、5年としております。しかしながら、ただいま委員のほうからもお話がございましたが、監査報告書は、次の再構築の際はもちろん、今後、システムの運用保守を適切に行っていくためにも非常に大切なものであると考えておりますので、5年の保存期間が経過したら、次の再構築の時期まで毎年延長して、適切に保存してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひ、公文書管理規則に基づいて適切に取り扱っていただきたいと思います。  最後に、要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。  私も、今回質問する際に、各都市に照会させていただきました。先ほども申し上げましたように、大阪などでは、一番近いものでは平成29年度の522件と申し上げましたが、これらは、サーバー機器やネットワーク障害、オペレーショントラブルなど、通常のトラブルも含んだ件数となっております。  また、札幌市の平成30年度の基幹系情報システムの運用保守にかかわる費用は、ざっと18項目で14億4,000万円の契約を今日までに結んでおります。一概に比較はできないと思いますが、北九州市に照会した結果、機器リース料を含めた平成29年度の共通基盤システムの保守費用は5億8,000万円である状況からいきますと、札幌市の18項目の端末リース機器の金額を含めた14億4,000万円とはかなりの乖離があります。  そこで、要望を5点申し上げたいと思います。  外部システム監査の結果を総括すると、将来、多大な費用と時間をかけて基幹系情報システムを再構築するのではなく、現在のシステム改善を重ねて継続利用することを目指すとのことでした。しかし、私は、現時点で、国保システムの障害の終息の目途すら立っておらず、安定稼働に至っていない状況を踏まえると、本当に答弁にあった総括でいいのかなという思いがあります。  1点目は、現時点では障害の解消対策を計画的に進め、一日も早く安定稼働につなげるべきです。  2点目は、今後、システムを使用していくためにも、外部システム監査からの提言を着実に実施することを求めておきます。  3点目は、この問題につきましては引き続き注視していきますので、障害発生件数等について、その都度、報告するよう求めておきます。  最後に、町田副市長に要望したいと思います。  冒頭に申し上げましたように、今回の基幹系情報システムの再構築事業では、区役所などの職員がより仕事をしやすくする現場主体、いわゆる自治体主導という視点が開発のときにも明記されておりましたが、その視点が大きく抜け落ちていたと言えます。そういう意味では、今後のシステム改善に当たっては、システムを所有する本庁職員、システムを利用して仕事をする区役所職員の代表、そして、情報システム部職員に加えて、産総研の関連団体や改修業者など5者を含めて協議をする場を設けて、現場からの意見を反映していくことが極めて必要だと思います。  私が行った現場での意見聴取などでは、アンケートなども担当部局などでやっておりますが、それは形式的なもので、継続性がないということですから、その辺をぜひしっかり押さえていただきたいと思います。先ほども申し上げましたように、原局の事務改善費及び障害やふぐあいを改修する予算をもう少し増額していくべきだと思います。こうしたことは、システム部と関係部局では縦割りの関係があるため、局長や部長だけではなかなか難しいところがありますので、ぜひとも副市長のほうで適切な指示を行い、改善に向けての一層の努力をしていただきたいということを求めて、質問を終わります。 ○福田浩太郎 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時11分       再 開 午後3時30分     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆坂本きょう子 委員  私から、2点質問いたします。一つは、本市職員の採用における辞退者対策についてです。もう1点は、働きやすい職場環境について、とりわけ若い職員についてになろうかと思います。順次、質問いたしますので、よろしくお願いいたします。  ことしの9月、本市人事委員会から、職員の給与に関する報告及び勧告が出されております。その中でも、人材の確保というところで、若年人口の減少や、進学、就職に伴う若年層の道外流出、民間企業等における高い採用意欲等を背景に、職員採用を取り巻く情勢は非常に厳しい状況にあるというものが出されております。  ご承知のとおり、昨今は、景気回復に伴って、民間企業の採用活動が活発化しております。また、少子化の影響などにより、人材の奪い合いが激化していると思っております。本市としても優秀な人材を確保することは重要であり、特に採用試験を通過した最終合格者の辞退を防止することが大変重要だと考えております。  本市でも、人事委員会で実施する採用セミナーや各学校での説明会のほか、職員部で実施する最終合格者を対象とした説明会により、人材の確保、辞退者数の抑制に取り組んできたということですが、これらに加え、さらなる取り組みが必要だと思っております。  現在、新たな取り組みが行われていれば、明らかにできる内容をお示しいただきたいと思います。 ◎山本 職員部長  辞退者対策についてお答え申し上げます。  人材の確保、辞退者抑制の新たな取り組みについてですが、今年度は、これまでの取り組みに加え、最終合格者宛てに通知をしておりますが、この通知に秋元市長からの手紙を添えたところです。それ以外にも、採用説明会は、ことしは例年よりも1週間程度前倒しして合格発表のすぐ後に開催するなど、最終合格者への早目のアプローチを行っているところです。このほか、これまで、各局・区で行っていた職場体験実習、いわゆるインターンシップを職員部として実施するなど、そういった充実にも取り組むことで、辞退者数の抑制、人材の確保に努めているところであります。 ◆坂本きょう子 委員  今般、北海道職員の辞退者が6割を超えていることが報道されて、たしか昨年度も北海道では6割の辞退者が出たと思います。本市においても努力をしているというお話でしたが、採用者の辞退率が増加傾向にございます。  一般事務の大学の部、行政コースというくくりで申し上げますと、2017年度の採用試験の合格者における辞退率が前年度よりも4.4ポイント上回り、28.5%だったということです。今ほど、部長より、市長からのお手紙を同封するなどいろいろと取り組みをしているという答弁がありました。  今年度の採用も最終盤に入ってきていると思いますので、今年度の一般事務の大学の部の行政コースにおける辞退者数の現状を踏まえた見解があれば伺いたいと思います。 ◎山本 職員部長  辞退者数の現状と認識についてお答えいたします。  まず、今年度の札幌市職員採用試験のうち、最も採用数が多い一般事務の大学の部の行政コースにつきましては、合格者数が155名おりました。このうち、現時点では25.8%に当たる40名から辞退の届け出を受けているところであります。委員がご指摘のとおり、昨年度は、合格者数186名に対して辞退者数が53名、28.5%でした。したがいまして、ことしは、これよりもやや少ない人数、低い率で辞退率が推移しており、これまでの取り組みが一定程度の成果を上げているものと認識しております。  ただ、民間の景気動向の回復も含めて、今後も厳しい採用情勢が続いていくと思います。今後も、市民の期待に応えられる人材をしっかり確保していくために、辞退者数を抑制することはとても重要なことであると認識しております。  今年度の全体の辞退者数の状況を踏まえ、来年度以降も、さまざまな工夫により、辞退者対策に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 ◆坂本きょう子 委員  せっかく札幌市という職場を選ぼうと思って受験してくださる若い能力あふれる方たちですから、有能な人材を確保していくことは市民サービスの向上につながっていきますし、大切な行政を執行していくという中でも重要な役割を担っていくのだろうと思います。ですから、辞退者対策をしっかり行うことはもとより、冒頭に人事委員会の報告について申し上げましたけれども、人材の確保に何よりも力点を置いてしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。  働きやすい職場環境についてです。  職員が働きやすい職場環境を実現していくことは、今ほど申し上げましたように、札幌市でぜひ仕事をしたいという方をふやしていく、あるいは、辞退者を減らしていくという意味でも有用なことだと思っています。職員の勤務条件について、しかるべき整備を行うことは、社会的要請でもあり、人材確保の観点からも大変重要なことだと思っております。  そこで、本市の若い職員の働きやすさに着目して質問いたしますが、育児関連休業等の制度について、どのようなものがあり、整備が図られているのか、この点について伺いたいと思います。 ◎山本 職員部長  札幌市の育児関連休業制度についてであります。  まず、法定の休業制度といたしまして、育児休業や部分休業がございます。そのほか、産前産後の休暇あるいは子の看護休暇、子育て参加休暇など、子育てに関する制度がさまざまに整備されているところです。 ◆坂本きょう子 委員  民間企業、ましてや中小企業などに比べると、特段の手厚い制度があるのかなという印象は受けます。そして、夫婦間で育児や家事の負担を分かち合うことが求められているわけですから、こういう制度を活用しながら、男性の育児参加をより促進すべきだと考えますが、現在、本市の男性職員の育児休業取得状況はどのようになっているのか、お示しください。 ◎山本 職員部長  札幌市の男性職員の育児休業の取得状況についてですが、育児休業を取得できる男性職員の中で、実際に育児休業を取得した職員の割合は、平成29年度は4.1%で、さかのぼりましても、平成28年度は4.7%、平成27年度は3.4%ということです。 ◆坂本きょう子 委員  男性の育児休業取得率の目標は13%だったと記憶しています。そういう意味で申し上げますと、今、部長からお話があったように、3.4%、4.7%、昨年度が4.1%ということですから、低過ぎる、低調であると言わざるを得ないと思います。休業制度の取得促進については、前段にお話があったように制度の内容の充実を図っていくことはもちろんですし、制度の周知を図っていくことも重要だと思っておりますので、しっかりとやっていただきたいと思います。  男性職員の取得率の数字が出てまいりましたが、2015年度は12人の取得、2016年度は16人の取得ということですから、人数でいっても本当に少ないと思います。逆に、女性の場合はほぼ100%に近い育児休業を取得しているわけですから、この差は歴然と言わざるを得ません。また、3歳までの子どもがいらっしゃる方は、育児休業を一定程度とれることになっておりますが、男性の取得期間が極めて短いのではないかということも容易に推察されます。  そういう意味で、男性職員の育児休業と関連休業の取得促進のためにもさまざまな取り組みを行っていく必要があると思いますが、現段階でどのような取り組みを行っているのか、伺います。 ◎山本 職員部長  現在の育児休業等取得促進の取り組みについてであります。  制度の充実という点で申し上げますと、育児休業期間が1カ月以内であれば、勤勉手当の減額の対象外とする制度を改正いたしました。また、制度の周知ということも大事であります。この点では、休暇の制度全般や経済支援の制度内容だけにとどまらず、より身近な話題として感じてもらえるよう、男性職員の育児休業取得者の体験談などを職員向けの庁内ホームページに掲載しております。このほか、子どもが生まれた男性職員やその所属長に対して勤労課長が直接イントラメールを送信しており、そのときに子育て支援に関する制度の情報を提供するなど、周知に工夫を重ねているところです。 ◆坂本きょう子 委員  工夫を重ねていろいろな取り組みも行っているというご答弁がありましたが、それでもなお、男性職員の取得率が低調であるという事実がございます。なぜ取得率が上がらないのかという分析もしっかりしていく必要があると思います。これだけ手を尽くしてもなお取得率が上がらないという事実を受けて、今後さらに取り組みを行っていくべきと思っておりますが、どのような取り組みを行っていこうとお考えになっているのか、お示しいただきたいと思います。 ◎山本 職員部長  特に、男性職員の今後の育児休業取得の取り組みについてであります。  今申し上げましたように、制度周知等、さまざまな取り組みを工夫しながら重ねているところですが、依然、男性職員の育児休業等の取得率は低い状況にあります。課題はいろいろあると思いますが、一つは、職場の理解と協力を得られる環境づくりや、育児休業を取得しやすい職場風土の醸成を図っていくことが大事だと考えております。研修等のさまざまな場面において、管理職を初めとした職員に対して、制度周知、職場環境の改善、風土の醸成という観点で周知するという工夫も今後重ねてまいりたいと考えております。 ◆坂本きょう子 委員  今、働き方改革が言われていますが、とりわけ仕事と家庭生活の両立を支援していくことが大事だと思います。若い職員の皆さんの士気も高めながら、また、家族も含めての協力ということでいけば、一定程度、職歴を重ねていった方たちの介護休暇についても、これからはしっかりと対応していかなければなりません。こういう多様な職員の皆さんの働き方、それから家族のあり方というところについても、両立できるようにしっかりと支援していく必要があると思います。  そしてまた、働き方や職場環境の改善というお話もありましたが、やはり、長時間労働であるとか、そもそも休暇が取りづらい職場があるのも事実だと思いますので、そこは丁寧に職場環境を向上させていく、変革していく、そして、長時間労働の是正なども含めて、しっかりとした職場の運営を図っていただきたいということを申し上げて、終わります。 ◆中山真一 委員  私からは、市職員の手当の不正受給、中でも通勤手当に絞って伺いたいと思います。  私も、ふだん、市役所のさまざまな施策や事業を見ていて感じることですし、議会の場でもたびたび指摘してまいりましたが、市役所における市民の貴重な税金を使っているという意識が希薄であって十分ではなく、今回の一連の住居手当や通勤手当の不正は、まさにそんな市役所の組織風土、税金に対する意識の薄さ、感覚の鈍さを象徴しているのではないかと考えるところです。  5月に公表された住居手当の不正を受けて、先日、追加調査の結果が公表されました。今回の調査では、通勤手当についても調査、点検がなされました。結果、通勤手当に係る不正行為も発覚したところです。  今春、住居手当の不正受給問題が発覚して以降、私のところにも、複数の職員やOBの方々も含め、通勤手当の不正についての情報提供が合わせて10件ぐらいありました。私どものところには、日常、いろいろな通報や情報提供などがありますが、一つの案件でこれだけあるのはなかなかないことです。  それらの情報の個別の真偽のほどは定かではありませんが、例えば、バスや地下鉄で通勤していると申請して、その分の手当をもらっておきながら、実際は職場の近くに駐車場を借りて車で通勤している職員が自分の職場にいるとか、夏は自転車で通っているけれども、手当は地下鉄の通勤分をもらっているとか、ほかにも、ある出先の部署では、その事業所の施設が組織ぐるみでそのような状態を黙認しているとか、そんなことが過去数十年にわたって続いているというお話もありました。実際に、今回の調査でも6名の職員について通勤手当の不正が発覚しました。  私は、最初にこれらの情報提供を受けたときに、それは本当なのか、一般社会の感覚だと、普通の会社では、当然、定期のコピーなどを3カ月や6カ月ごとに提出させておりますので、それで何でそんな不正ができるのかと聞きますと、毎年、定期のコピーなど証拠書類を提出しなくてもよく、確認していないということでした。これは、はっきり言って、あえて甘くしているのではないかと疑われても仕方がないぐらい、一般社会の感覚や常識とは違っていると思います。このタイミングで原因の本質をつかまないと、根本の解決にはならないと思います。  先ほどのやりとりの中で、これまで毎年の点検のやり方についても部長からご説明がありましたが、通常、毎年、PC上の画面で確認するだけで、挙証書類などを提出させていなかったというお話がありました。  そこで、伺いますが、なぜ通勤実態の確認がこのようなやり方であり、こんなやり方が長年続いていたのか、その理由をお伺いいたします。 ◎山本 職員部長  ご指摘のとおり、通勤手当の支給は、公共交通機関で最も安い額を支給しております。通常考えられるのは定期券額ということですが、札幌市の市営交通の料金体系を申し上げますと、実際に、定期券額よりも、SAPICAといった地下鉄やバスを利用する際の交通系電子マネーを利用したほうが割引率が高いことから、SAPICAの利用額を月額の通勤手当として支給しております。  したがいまして、ご指摘のような形で定期券の提示を求めることは、実態として実効性の確保が難しいということであります。
    ◆中山真一 委員  今のご答弁でちょっと思ったのですが、今回の再調査では、SAPICAの履歴も含めて確認され、定期券の証明も求めたということです。今、地下鉄のお話がありましたが、当然、JRに関しては、ほぼ皆さんは6カ月の定期をご購入されているという実態があります。その実態からすると、今のご答弁だと、なぜこのやり方が続いていくかという理由にならないと思います。私はそういうことを聞いているのではなく、今までも、SAPICAの履歴だったり、定期をご購入されている方に関しては定期のコピーを求めることは可能だったと思いますが、なぜそれがされていなかったのかという点を再度お答えください。 ◎山本 職員部長  現在、再調査の中で、ご指摘のとおり、SAPICAの利用履歴を出させる、あるいは、定期券で通っている職員に関しては定期券の写しを出させるといった確認方法をとった結果、問題が発覚したという点もございました。この点に関しては、今後、一定の有効な確認方法であるということで継続していきますが、過去になぜやってこなかったのかというご質問だと思います。  それに関しては、実際に定期券で通っている職員は全職員の1割程度ということですが、実効性の確保という点で、改善した形での確認を私どもが過去にやっていなかったというご指摘の点は、真摯に受けとめなければならないというように考えます。 ◆中山真一 委員  繰り返しになりますので、これ以上お聞きしませんが、実効性のある確認ができないから確認しなかったというのは、多分、日本語として一般市民の方々に納得、理解していただけるのか、甚だ疑問だと思います。  ここに、札幌市職員通勤手当支給規則というのがございます。この通勤手当支給規則の第14条にこのように書かれております。読み上げますが、「任命権者は、現に通勤手当の支給を受けている職員について、その者が条例第25条の2各号のいずれかの職員たる要件を具備するかどうか及び通勤手当の額が適正であるかどうかを当該職員に定期券等の提示を求め、又は通勤の実情を実地に調査する等の方法により、随時、確認するものとする。」という規定があります。  規定があることも踏まえて、この種の問題が再発しないように具体的にお伺いします。  木内局長は、恐らく30年以上ご在職されていると思いますが、このようなやり方が長年続いてきたのは、幹部の皆さんがこの規則を知らなかったのか、それとも、規則も知っていたし、確認の仕組みも認識していたけれども、このやり方を放置されていたのか、どちらなのか、具体的にお答えいただけますでしょうか。 ◎木内 総務局長  ただいまご指摘いただきましたが、私は30年以上、職員でおります。通勤手当につきましては、当時は定期券で購入するということですから、当初は定期の写しをつけて申請するという形をとっておりました。私どもも、そういった形を漫然と続けてきた部分があるのかもしれません。そういった意味で、5月に不祥事ということで発表された際、職員の処分をあわせて行ったわけですが、この制度を所管する責任者といたしまして、通勤手当の執行管理に万全を期していなかった部分があるということで、歴代の職員部長3名もあわせて処分いたしました。  そういった点で、今考えましても、ご指摘のとおり、確かにこの執行管理は非常に甘かったのではないかということについては真摯に受けとめたいと思っております。 ◆中山真一 委員  今のお話は、市長も含めて従前から皆さんも言われているお話なので当然理解しておりますが、規則はご存じだったということでいいですか。それに対する具体的なお答えがわかりませんでした。 ◎木内 総務局長  この規則の存在自体については承知しておりました。ただ、毎年の確認方法について、定期券の写しなり、使用実態をあらわす書類を提出させるまでしなかったということは、札幌市の職員の善意に期待した上での制度管理だったというところが、今般、大きく反省しているところであります。 ◆中山真一 委員  幹部の皆さんは規則をご存じだったけれども、職員の皆さんの善意に期待していたと。今のお答えですと、札幌市は規則に書いてあっても善意に期待したら守らなくていいのかというふうにもとれます。  今、規則の解釈というお話も出ましたが、規則の文面を読んだらどうとれるかというのは、社会通念的にも明確だと思います。規則には、当たり前というか、至極当然のことが書かれているのであって、市民の皆さんが税金をお支払いになるときには、領収書等をかなり細かくチェックされるのに、使う側がこの実態だというのは大変問題だと思います。重ね重ね申し上げますが、こういったことを放置していた市役所の組織としての責任は大変重いと改めて申し上げておきます。  その上で、先ほどの部長の答弁にも今回の調査の話がありましたが、職員の皆さんに伺うと、定期を購入されている方は1割ぐらいだということです。職員の皆さんに聞いた感じでも、JRの方は6カ月分の定期を購入されておりますが、ほとんどの職員はSAPICA定期を購入されておらず、通常の通勤の日数だと定期を買わないほうが安いのは、職員の皆さんからすると当然の選択なのだろうと思います。  定期を購入されている職員については、そのコピーを提出してもらえれば正確に確認できます。先ほど、部長から実効性のある確認ができないというお話がありました。ただ、SAPICAの履歴は、皆さんもご存じのように、20件までしか表示されません。システムについて詳しくお聞きしましたが、現状では20件以上を出力することはできないということです。20件というのは、通勤に直すと、5日間の往復ですので、単純に言うと2週間分で、これで果たして正確に確認できるのかというところがちょっと疑問だなと思います。極端な話として、もうすぐ点検だとわかった時点で、20件分の履歴を埋めることもできるわけです。職員の善意に期待しないとなると、そんな考え方もできると思います。  今回の調査というのは、調査の適切性を担保するために、例えば事前告知なしの抜き打ちでやられたとか、実効性の部分についてはどういうふうに的確に確認されたのか、その疑問にお答えいただければと思います。 ◎山本 職員部長  このたびの追加調査における通勤手当の確認に関しましては、今ご指摘のとおり、SAPICAの履歴あるいは定期券の写しを提出させて確認しましたが、あらかじめ実施すると通知した上で提出を求めました。 ◆中山真一 委員  今おっしゃることが全てだと思います。くしくも先ほど部長がおっしゃっておりましたが、今回の調査は、そもそも実効性が担保されていないのではないかという疑問も当然あります。ただ、大事なのは今後のことです。二度とこうした事態が発生しないよう再発防止に努めるというお話がありましたが、適正に確認できませんし、今の状態では、市民から見て信頼に足る仕組みになっていないのではないかと思えます。  市民から見て信頼に足る仕組みにするためには、今後どのように点検を行っていかれるのか、伺います。 ◎山本 職員部長  今後の再発防止策の徹底についてです。  重ねてお話ししますと、SAPICAの利用履歴は20件しか印字されませんし、これだけで全ての通勤実態を把握することはできないことも事実であります。しかしながら、今回の点検の中で、利用履歴の提出をきっかけに、疑義のある通勤実態が見つけられたということ、あるいは、所属において詳細な状況確認の契機になるということは認識しております。手当受給の問題があったことは大変申しわけないのですが、一定の効果はあったものというふうには考えます。  ただ、ご指摘のとおり、実効性をどこまで確保していくかというところは、工夫しなければなりません。具体的には、SAPICAの利用履歴に関しては、例えば年度の中で複数回の提出を求めるとか、あらかじめということについてはどこまでできるか工夫しなければなりませんが、現実の利用実態をしっかりと証明できるような形で提出させることは大事だと思っています。そして、委員がおっしゃるように、税金を原資としていただいている手当をどう意識するかというところは、とても大事なテーマであります。我々は、当然という意識がありがちですが、足元を見直すことを職員に対して改めて周知する、あるいは、緊張感の維持をさまざまな形で伝えることもあわせて大事だというふうに考えております。 ◆中山真一 委員  今、今後のことも含めてご答弁をいただきましたが、SAPICAの履歴をずっと出せるようにシステム改修するのは交通局も大変だろうと思いますし、今のような通勤手当の支給の仕組みになっている以上、技術的にも市民の皆さんが適切にチェックされているだろうと思われるぐらいまで、手法についていろいろ工夫していただいたほうがいいのかなと改めて思います。先ほども申し上げましたが、今のお話を聞いていますと、できることの一つとして、抜き打ちでやるとか、そういうことでもやらないとだめなのだろうなという気がしております。  再度、別の角度から確認しますが、書類の確認等は各部署の課長がやっていると伺っております。私のところの情報提供にもありましたが、職員の皆さんの間では、特に出先の部署など目の届かない場所で組織ぐるみの不正のうわさもあると伺っております。SAPICAの履歴など届け出どおりの適正のものかどうか、怪しいものについてどう判断されているのか、判断基準をどうしていくのかということについて、課長の皆さんの裁量次第になるのではないかという心配もしております。加えて、課長としても、自分の部下を疑ったりとか、それを問い詰めるのは、マネジメント上も、結構つらいというか、難しいしというか、厳しいと思います。  そこで、再発防止のためにも、今後は、確認に際しての統一的な基準を明確にして、現場任せではなく、職員部などの責任において一元的に管理、点検することも考えたほうがいいのではないかと思いますけれども、お考えをお伺いします。 ◎山本 職員部長  管理、点検の手法を職員部で一括してやってはどうかというご提案でございます。  私ども人事当局におきまして職員を数えますと、約2万3,000人おります。この2万3,000人の通勤手当の点検事務を一括して集中的に実施することは確かに一つの方法だと思いますが、短期的、効率的に点検を終えるということを考えますと、いささか難しい点があろうかと思いますし、各所属での点検実施というものが基本的には適当であろうと考えます。  通勤行為におきましては、例えば、保育園への送迎とか、職員自身の日々の生活に密接する部分もあります。そういったことについては、その職員を知らない人間がSAPICAの利用履歴だけを見てもわかりません。これは、所属長が、維持管理の中で、どういう生活をして、どういう人間かということをわかった上で通勤実態も把握することが適当であろうというように考えます。  もう1点は、ご指摘のように、所属によって判断基準や確認基準にばらつきがあるのではないかというご懸念は確かに受けとめます。この点に関しては、我々としても、どういった手法で公正、透明な確認をするかということをしっかり工夫して周知することも必要でしょうし、例えば、点検が終わった後の記録に関して、それが果たして正しくされているかどうかということに関しては、それ以外の所属からの点検の目を持つように、現行制度を活用しながら、透明性の確保に努めていくべきと考えるところです。 ◆中山真一 委員  今、部長からるるご説明をいただきました。おっしゃるとおり、今の手当の仕組みをとっている以上、完璧なものは難しいので、一元的にやるのがなかなか難しいというのは一定程度理解します。統一的な基準をどう工夫できるかとか、自分の職場以外の目を入れて多面的に確認していくことは一つ有効だろうというふうに思いましたので、少しでも早く市民の皆さんの信頼を回復していただけるよう努めていただければなと思います。  改めて確認しますが、この種の問題というのは、根本的には市役所の組織風土の問題ではないかと僕は思います。市長は、不祥事が発覚するたびに、職員一人一人が市民の税金を使っているという意識を持たないといけないという話を繰り返されてきましたが、先ほど、この手当についても、研修などで周知徹底しますというお話がありました。意識が変わったら行動が変わると一般的によく言われますが、事、組織においては、一人一人の意識はそう簡単に変わらないのではないかと一面では思います。私は、意識を変えるためには、まずは行動を変えてもらうほうが確実ではないかと思います。行動を変えてもらえば、それが定着して、意識が徐々に変わっていくものだというふうに考えます。その行動を変えていただくためには、ある意味、強制的に行動を変えさせる機能を持つ仕組みや制度を整え、変えていくことが必要ではないかと思います。  そこで、最後に、改めて町田副市長にご確認します。  これ以上、そういう仕組みというか、抜け穴になりそうなものはないですよねという確認です。これは念のための確認ですが、あわせて、先ほどもありましたように、職員の善意に基づいている制度や仕組みはもうないか、改めて点検、検証すべきだと思います。皆さんは今の仕組みが正しいと思っていても、厳密に言うと、職員の善意に期待するしかないというものはないか、市民の皆さんの信頼を回復するためには、再度、点検、検証することが必要ではないかというふうに私は思いますが、副市長のご意見をお伺いします。 ◎町田 副市長  今回の住居手当、通勤手当に関しましては、実際に職員において長年にわたって適正ではない形で受給があったということで、これは、職場全体として反省していかなければいけないと強く思うところでございます。実際に厳しく処分し、制度を改正し、あるいは、その運用についても、もう一度、原点に立ち返って厳しく運用していこう、組織全体で改めていこうということで臨んでおります。  ほかにもこういうものがないのかというご質問ですが、いろいろな制度を運用する中で、中山委員がご指摘のように、我々は市民の信頼の上に成り立っている仕組み、制度を運用している市役所でございますので、2万3,000人の職員が改めて意識を厳にしていきたいと思っております。 ◆中山真一 委員  今、副市長から、市民の皆さんの信頼の上で成り立っているというお話がありましたけれども、加えて思いますのは、職員の皆さんがふだん取り組んでいる市役所の仕事や事業の中には、私から見るとですが、税金でやらなくてもいいのではないかとか、税金をもっと有効に使う方法があるのではないかというものが散見されます。そういったものがある限り、我々は市民の貴重な税金を使っているのだという意識が根づくのは難しいのではないかと思っております。私からの願いは、そういうところから特に幹部の皆さんが実践して範を示していかない限り、組織の風土というか、税金に対する一人一人の意識はなかなか変わらないのではないかと思います。  幹部の皆さんが、ふだんから、市民の皆さんの貴重な税金を使っているということを今まで以上に念頭に置いた意思決定や仕事ぶりにより、行動で職員の皆さんに示していかれることを求めまして、私の質問を終わります。 ○福田浩太郎 委員長  以上で、第1項 総務管理費総務局関係分等の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後4時16分       再 開 午後4時18分     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を行います。 ◆こじまゆみ 委員  台風21号、北海道胆振東部地震、大規模な災害が立て続けに発生し、本市も大きな被害を受けました。負傷、また、罹災された方々の一日も早い回復と復興を心からお祈り申し上げるものでございます。  そこで、私からは、大規模地震への備えについて大きく2点、備蓄物資の見直しについて、地震防災マップの市民周知についてお伺いしたいと存じます。  まず最初に、備蓄物資の見直しについて伺います。  さきの我が会派の代表質問で、避難場所の環境改善として、温かい食事の提供や清潔の保持のための備えが重要であると指摘させていただいたところであります。私自身も、実際に、罹災直後、厚別区の各小学校、信濃小学校やひばりが丘小学校、そして、断水をしていた上野幌東地区、もみじ台南中学校や厚別区体育館など避難所を回らせていただき、発生直後ということもあって、避難所では、調理を必要としない備蓄食料のアルファ化米、そのほか毛布や寝袋などを配付しておりましたが、改めて避難生活がいかに大変であるかを感じさせていただきました。  災害時の物資や飲料の供給等について協定を締結している企業からはパンやペットボトル飲料などの提供があり、その配給については各避難所に一任されているといった状況でございました。  災害時であるので、避難所で用意できるものは限られているといえばそれまでですが、絶えず不安と緊張の中で避難生活を送っている避難者の方々に少しでも安心していただくためには、避難場所の環境改善への取り組みが何より重要と思われたところであります。  実際に、昼間は自宅に帰り、停電をしているので、夜間にもし地震が起きたときに不安だからと避難されてきている方が多かったのも事実でございます。  近年は、食生活が豊かになり、保存食料についてもいろいろな商品が開発されておりますので、温かい食事に適した品目のものに更新していくことを検討してみることは大切であると考えます。  非常時における対応であるとしても、避難者の健康維持やストレスの解消などを考えた場合、できるだけ画一的なものとならないように配慮するとともに、私が今回避難所を回らせていただいて、例えば、カップラーメンのお湯を沸かすための器具、または、紙皿や紙コップ、そして、お箸などの食器も用意しておかれるといいなと思いました。また、多くの避難者が避難所生活を余儀なくされていると、感染症等の予防や健康問題の悪化防止の対応も必要となってきますので、これらの対策のための備蓄も進めていくことが必要であると考えます。  マスクやアルコール消毒ができるような手拭きをみずからご用意されている方がいらっしゃいましたけれども、札幌市ではタオルやマスク、アルコール消毒薬などの備蓄は行っていないと聞いておりますので、こういったものについても今後検討を進めていくべきと考えます。  特に衛生面で配慮を必要とする方々に対しては、避難所でのほこりが大きな問題となる場合もありますし、段ボールベッドなどの備蓄や、ほこりの少ない場所を提供するなどの配慮も必要ではないかと考えます。避難所は、災害時とはいえ、避難者が我慢して避難生活を送る場所でないと私は考えます。  そこで、一つ目の質問ですが、避難所における備蓄物資の見直しについてどのように対応していくお考えなのか、伺います。 ◎中出 危機管理対策部長  備蓄物資の今後の対応についてお答えいたします。  避難所における環境改善に取り組むことは、避難者の健康を守り、その後の生活再建への活力を支えることにつながるものと考えております。  委員からご指摘のございました温かい食事の提供や清潔の保持などについては大変重要な課題であるというふうに考えておりまして、避難場所基本計画の見直しの中での検討を予定していたところでございます。  また、同じくお話にございましたマスクや消毒薬の準備につきましては、過去の災害時において避難所で感染症等が流行したという現象もございましたので、これについても大きな課題であるというふうに考えております。  避難所における備蓄物資につきましては、過去の他都市の災害における課題や今回の震災における検証を踏まえ、避難場所基本計画の見直しの中でしっかりと検討してまいります。 ◆こじまゆみ 委員  まだ余震も続いておりますので、備蓄物資の見直しについては鋭意進めていただき、万全な体制をしっかりと整えていただきたいと存じます。  次に、地震防災マップの市民周知について伺います。  今回の地震では、市内でも最大3日弱の停電が発生したことから、鉄道、バスなど交通機関が全面的に停止いたしました。また、物流の混乱による物資不足から、スーパーやコンビニからは物が消えてしまい、避難所においても食料や飲料などの供給がおくれるなど、市民生活に大きな影響を与えました。  また、このような災害が冬期間に発生した場合、さらに逼迫する状況が想定され、災害に対する備えの見直しを早急に進めていく必要があります。大規模な地震に備えるためには、地震によりどういった被害が予想されているのか、地震に備えて日ごろから何を準備しておく必要があるのか、また、地震が発生した際にどういった行動をとるべきなのか、市民一人一人がしっかりと知っておくことが重要であると考えております。  札幌市では、こういった内容を記載した地震防災マップを作成しており、これまで、市役所や各区役所、市のホームページで公開しているところですが、このたび、地震防災マップの市民周知に向けて、停電対策に関する内容も掲載した上で、全戸配付を行う予定であると聞いております。こういった取り組みを行うことは、とても評価できるものです。大規模な地震や停電に備えるために、しっかりとした市民周知を行っていただきたいと考えております。  そこで、二つ目の質問ですが、停電対策に関して具体的にどういった内容としていくお考えなのか、伺います。 ◎中出 危機管理対策部長  地震防災マップにおける停電対策の具体的な掲載の内容ということでございます。  地震防災マップにおける停電対策の掲載内容ですが、委員からご指摘がございましたとおり、今回の地震によりまして大規模な停電が発生し、市民生活に大きな影響があったことから、マップの中には新たに停電への備えというコラムを追加したところでございます。  今回の停電による影響として特に顕著だったものは、高層マンションにおける断水とか、オール電化住宅では、給湯や調理ができなくなるといった事象もございました。あとは、携帯電話のバッテリー残量がなくなるというようなことで、情報伝達や情報の収集に支障が生じたといった状況もございました。  こういった状況を受けまして、これらに対する家庭レベルでできる備えとして、具体的には、飲料水や携帯電話等の充電用電源の確保、さらにはカセットこんろの準備といったものについて新たに掲載することとしております。 ◆こじまゆみ 委員  地震防災マップに新たに停電対策の備えのコラムを用意していただけるということでした。確かに、私もマンションに住んでおりますので、エレベーターがとまると往復するのが大変ですし、高齢者の方はなおさらだと思います。  飲料水、カセットこんろというお話をされましたけれども、実際にカセットこんろで暖をとれるようなストーブが非常に売れていると聞いております。また、内地の友人たちからも、昔使っていたアラジンというタイプのポータブルストーブがいいというお話も聞いておりますが、冬期間に向けて新たな備えをしていかなければならないと私自身も感じておりますので、そういった周知を鋭意積極的に行っていただき、市民の皆さんが困ることがないようにお伝えしていただきたいと思います。  最後に、要望になりますけれども、このたび避難所の状況を確認して回り、ミルクはありますかと尋ねてくるお母さんに遭遇しました。そして、避難場所には、哺乳瓶は準備されているものの、衛生上の管理ということから、ミルクは区役所でのみ備蓄されております。  ことしの7月、西日本豪雨により甚大な被害となった倉敷市においては、液体ミルクが東京都より緊急調達で届けられました。この乳幼児の液体ミルクは、調乳せずにそのまま飲めるため、お水もお湯も使わずに済みますので、消費期限が短いという点もあるのですけれども、災害時には非常に有用であると考えております。また、ことしの8月から製造、販売を可能にする規格基準を定めた省令が施行され、基準がなくて今まで流通していなかったのですが、今後は各企業が商品化することができるようになりました。  避難所において乳幼児のための備蓄といった場合、哺乳瓶だけではなく、衛生面での消毒なども必要になることから、例えば、哺乳瓶は、煮沸なのか、次亜塩素酸による消毒にするのか、そんな備えも必要になってくると思います。停電が長期化して避難が長引くと、健康上の問題が生じてくる方も多いことから、早い段階からそういった方たちの情報収集をしていくことも必要であると思います。  また、夜間の避難訓練や冬期間の避難所のあり方なども重要になってくるのではないかと考えます。夜間避難訓練を開催している地域では、避難場所がどういうところかわかっているので、みずから避難所に赴くそうです。しかし、避難所を知らない人たちは、行っていいものだろうか、どんなところだろうかと言って避難をちゅうちょされる方もいると伺いました。  この数日、余震も続いていることから、大規模地震への備えを万全にすべく、危機管理対策室におかれましては、さまざまな角度から情報を収集していただき、対策を早期に講じていただきますよう求めて、私の質問を終わります。 ◆成田祐樹 委員  私からは、今回の震災を受けての避難所の充実強化について、また、災害時の情報伝達の2点についてお伺いしたいと思います。  まず、1点目ですが、その中でも、避難所運営ゲーム、HUG等の訓練研修の充実について質問いたします。  9月6日に発生した胆振東部を震源とする大規模地震においては、札幌市で初めて震度6弱を記録し、清田区や東区を中心に、建物の倒壊や損壊、また、道路の亀裂や陥没、断水が発生し、さらには、ブラックアウトにより都市機能が完全に麻痺するなど、想定していなかった事態となりました。  こうした中、札幌市は、発生直後から、順次、各区の避難所開設を進め、午前7時30分ころにおいて、停電の復旧の見通しが立たないなどといった状況を踏まえ、市内の全区の基幹避難所の開設指示を行ったことなど、市民の避難先の確保に迅速な対応を行っており、これについては一定の評価に値するものと考えております。  避難所につきましては、発災直後からの一定期間、特に初動期においては、区職員が中心となり施設管理者である教職員、そして、地域住民と相互に連携して運営することになっていると避難場所運営マニュアルにも記載されているところです。  今回の震災では、発災直後の混乱の中、区職員もできる限りの努力をしていたことは承知しており、よく頑張っていたという地域住民の声も届いている一方、私自身も複数の避難場所を見た中では、実際のところ、混乱が生じていた避難所も幾つかあったと認識しております。こういった有事の際に、ごく限られた数の職員や経験値の浅い若手の職員だけで避難所を運営するのは大変難しかったのではないかと考えます。  今回、札幌市では過去最高レベルの災害が発生しましたが、そんな状況下においても避難所の開設や運営を円滑に進めるためには、区役所職員だけではなく、地域住民が平常時からの備えとして避難所運営に関して訓練をすることが大変重要ではないでしょうか。  避難所における開設時の準備、施設の状況把握や防災行政無線の取り扱いなどを事前に熟知しておくことが、まさかという自然災害の発生時において、地域住民が避難したときの初動対応やさまざまな情報提供などといった基本的行動という点で非常に重要であると考えております。そのためにも、平常時に、市職員だけではなく、何よりも地域住民が参加できる訓練や研修を繰り返しすることが重要であると、今回の震災を経験して日ごろからの備えとして改めて強く感じたところであります。  その手法の一つとして、近年よく取り組まれている避難所の運営を疑似体験できるHUG、いわゆる避難所運営ゲームが挙げられます。  ゲーム内においても、外国人観光客が団体で避難してきたといったケースや、医療的な介助が必要な要援護者が避難してきたというケース、また、ペットを飼われている方など、今回の震災で実際に対応しなければならなかった事例が多数含まれており、また、中でも、北海道バージョンにつくられたDoはぐは、寒冷地仕様ということで、冬期間の対応も考える必要がある仕組みになっております。今回の地震が夏であったことを考えると、改めて地域住民の方とともに冬季対応も考える必要があるかと思います。  これらのHUGは、災害医療にかかわる方への研修材料としても広く使われており、札幌市においても避難所に関する研修としてHUGを含めた避難場所運営研修を既に実施していることは承知しておりますが、今回の震災を機に、災害についてより関心が高い時期ということも踏まえて、地域住民を広く巻き込んで一度経験及び議論をしてもらう必要があるのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、今回の震災における実体験も踏まえ、今後における避難所運営能力の一層の向上を図るため、避難所におけるHUG等の訓練研修を今後どのように充実させていく考えか、見解をお伺いしたいと思います。 ◎中出 危機管理対策部長  避難所運営ゲーム、いわゆるHUG等の訓練研修の充実についてお答えいたします。  避難場所運営研修につきましては、東日本大震災を受けて、平成25年から市内の小・中学校を会場として、区の職員、さらには学校の教職員、地域住民を対象に開始しております。  当初は各区1校、年間10校という形でスタートしておりますが、その後、翌年には20校、さらに平成28年からは30校と実施校の拡大をしてきたところでございます。  また、研修の内容につきましては、学校施設や応急備蓄物資、防災行政無線の使用手順といった基本的なことを確認するとともに、ご紹介いただきましたHUGを初年度から取り入れて実施しているところでございます。さらには、参加された地域住民の皆さんからアンケートをいただきまして、当初は座学中心で行っていた研修を、住民が実際に防災行政無線の操作を行うといった形で体験型の研修に変化するなど、順次、見直しを加えながら取り組んできたところでございます。  今後は、より多くの地域住民の方にご参加いただけるように、例えば、開催日やご案内するタイミングを工夫するなど環境づくりに努めるとともに、今回の震災の検証も踏まえ、HUGの実施に当たりましては、職員によるサポート体制の充実、訓練想定の中に停電時における対応を新たに盛り込むことも考えております。さらに、参加者による研修の振り返りのための意見交換の機会も新たに設けることなども考えておりまして、こういったことに取り組みながら、より一層の研修内容の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  今、お答えいただきましたけれども、HUGを実施したこと自体で何か結論が出るというわけではなく、実施したことによって課題が見えてくると思います。ぜひ、意見交換を含めて訓練を実施していただければと思いますし、また、そのような課題認識をもとに、地域における避難所の事前の準備や訓練につなげていけるよう、これまで札幌市が実施してきた訓練なども絡めて取り組んでいただきたいと思います。何よりも、こういうときこそ、行政の職員だけではなかなか何ともならないと思います。やはり、地域住民が一歩ずつ手伝っていくということが大事だと思いますので、その辺の意識啓発についてもぜひお願いしたいと思います。  次に、避難所の環境整備についてお伺いします。  避難所や避難者の状況を確認するために学校など幾つかの避難所を回りましたが、札幌市では、早い段階から備蓄している食料や毛布、寝袋などの生活物資が避難者に提供されていた点、または、民間企業との協定等による物資の供給も行われており、当初から対策していたある程度の配慮がなされていたと感じたところであります。実際に、避難されていた方々は、更衣室や授乳室など体育館とは別のスペースも確保されていましたが、体育館においては、支給された毛布や寝袋を敷いて生活している状況でありました。  避難所での生活は、多くの人々と集団で過ごすことになるため、気持ちが落ちつかない、眠れないといったストレスにつながりやすくなると考えます。例えば、段ボールや仕切り板、カーテンなどといった間仕切りを事前に準備しておき、避難者に配慮した環境にしておくことが必要ではないでしょうか。
     今回のように3日目の応急期までの期間に自宅に戻られた方についてはまだよかったかと思いますが、中長期の避難を余儀なくされる方においてプライバシーの確保は必要であると考えます。  また、内閣府の防災担当が平成28年4月に発行した避難所運営ガイドラインを見ると、間仕切りの確保についてはチェックリストにも記載されている事項でもあり、同じ政令市でもある千葉市などでは既に間仕切りが備蓄として導入されていることを考えると、今回、札幌市による準備がなされていなかったことについては今後の課題と思われます。  そこで、お伺いします。  避難場所の環境整備として、今回の地震を踏まえて避難者のプライバシーの確保が重要と考えますが、どのように考えるか、見解をお伺いしたいと思います。 ◎中出 危機管理対策部長  避難所の環境整備についてお答えいたします。  ひとたび、今回のような災害が発生いたしますと、避難所は、年齢、性別、生活リズムといったものが異なるさまざまな方々が住みなれた家を離れて一緒に生活をする場となります。不便でふなれな生活は、心身の健康を害する原因となることから、避難所におけるプライバシーの確保は、特に避難が長期化する場合においては大変大きな問題であるというふうに認識しております。  今回の震災における検証の結果とか、他都市の過去の災害時の工夫の状況なども調査いたしまして、今後、避難場所基本計画の見直しの中でしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆成田祐樹 委員  ぜひ、そういった検証を踏まえて、準備をお願いしたいと思います。全部の避難所に配備しなくても、とりあえず市内に資機材だけあれば、必要な避難所に送ることができると思います。また、避難にかかわる食料などの備蓄状況についても、改めて今回の震災の経験やガイドラインをもとに再度確認を進めていただくことを要望いたします。  次に、災害時の情報伝達についてお伺いしたいと思います。  防災ラジオ等の導入についてお伺いします。  今回の震災では、停電により、災害情報を得る手段が極端に少なくなってしまいました。携帯ラジオやスマートフォンなどで情報を得ることができたものの、ラジオでは、大まかな情報は得られても、居住地域の詳細な情報を得ることは難しかったのではないでしょうか。また、スマートフォンなども、長引く停電によってバッテリーが切れたり、基地局の備蓄電源も尽きてしまってからは、電波が届かなくなってしまった地域もあったと聞いております。災害時において、まずは正確な情報を得ることが身を守る上でも何より重要でありますが、今回の震災においては情報伝達手段に脆弱な部分があったことも課題として挙げられ、今後の災害に備えるためには強化が求められるところであります。  一方、本市においては、今回の震災が発生する以前から災害時の情報伝達手段の多様化について検討を行っており、昨年の第3回定例会の決算特別委員会では、我が会派の松原委員からの携帯電話などを持たない市民への緊急情報の伝達についての質問に対し、防災ラジオと固定電話などへの連絡の二つについて検討中であるとの答弁がありました。  そこで、質問ですが、その後1年が経過し、現在の検討状況はいかがか、お伺いしたいと思います。 ◎中出 危機管理対策部長  防災ラジオ等の検討状況についてお答えいたします。  携帯電話などを持たない市民の皆様への情報伝達手段として検討しているものは、委員からご紹介いただいたとおり、大きく分けますと、防災ラジオと固定電話への連絡の二つについて検討してきております。  そのうち、まず、防災ラジオにつきましては、昨年の決算特別委員会でもお答えさせていただいたとおり、ポケベル波を活用したタイプと地上アナログテレビ放送終了後にあいた周波数帯を使用したVアラートという放送システムを活用したタイプの二つが候補となっております。  まず、ポケベル波を活用した防災ラジオにつきましては、音の伝わりやすさや導入のコストといった点について、今後、先行導入している自治体を調査する予定となっております。また、同じくポケベル波を活用した情報伝達手段としまして、サイズが防災ラジオよりも小さくて、外出時にも携帯が可能な小型の受信端末について、現在、事業者側において試作品を開発中という状況があり、今後も協議を継続してまいります。Vアラートシステムを活用した防災ラジオにつきましては、現在も開業に向けた準備を行っているとお聞きしております。  大きい手法のうちの二つ目の固定電話への連絡という方法でございますが、やはり相当な時間を要するということ、また、今回の地震のように大規模停電が発生した場合には不通になるということもございまして、対象となる市民の方が情報を受け取れない可能性がございます。そういったことから、今後におきましては、今ご紹介いたしました防災ラジオと小型の受信端末について検討を優先してまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  検討が進んでいることを確認させていただきました。今回の震災を機に、またいろいろな部分が見えると思いますが、引き続き進めていただきたいと思っております。  最後に、災害時におけるWi−Fi設備の充実についてお伺いしたいと思います。  現在、日ごろから、多くの市民がスマートフォンなどにてさまざまな情報を取得しており、今後も災害時などはスマートフォンから得られる情報が命綱の一つとなることも考えられますが、携帯の基地局は、災害時に利用が集中して接続しづらい状況が発生いたします。しかしながら、Wi−Fiを利用すると、携帯電話利用者が個別に携帯基地局に接続するのに比べて基地局の混雑が緩和され、より多くの利用者が接続しやすくなると言われています。  本市では、観光スポットを中心に公衆無線LAN、Sapporo City Wi−Fiを提供中ではありますが、避難所など災害時に市民が集まるエリアでの情報収集環境の強化を図るため、Wi−Fi設備を充実することについて検討すべきではないでしょうか。  また、エリア拡大の検討に当たっては、今回の震災のように大規模な停電が長時間にわたる場合、Wi−Fi設備もそもそも停止してしまうので、今回の事例をもとに、各地域で比較的通電が早いと思われるエリアの選定や、被災した観光客への対応ができるエリア選定なども求められる材料の一つと考えられます。  そこで、質問ですが、今回の震災を受け、本市では避難所等におけるWi−Fi設備の充実についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎中出 危機管理対策部長  避難所におけるWi−Fi設備の充実についてのご質問でございます。  今回の地震におきましては、停電によってテレビ等による情報収集が制約を受けたため、情報の収集手段としてスマートフォン等が重要な役割を果たしたと認識しております。しかしながら、委員からご指摘のございましたとおり、災害時には利用が集中し、接続しづらい状況の発生が懸念されますので、情報収集環境の強化が必要であるというふうに考えております。  8月から検討を開始しております避難場所基本計画の見直しの中では、今回の停電によって生じた課題も含めてあわせて検討を行っていくこととしておりますので、避難所における情報環境のあり方につきましても、その中であわせて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。  また、今回の地震の際には、通信事業者のご厚意により、Wi−Fiを利用するためのアクセスポイントという機器の貸し出しについてお申し出をいただいたところでございます。今後、災害が発生した際にも避難所等に設置するため、この機器を貸与いただくことが可能かどうか引き続き事業者と協議いたしまして、それが可能であれば、協定を締結するといったことについても検討してまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  アクセスポイント機器の貸与ということで、今回の震災を機に、さまざまな部分で課題も出てきたし、実際に対応できたこともあったかと思われます。被災したときの全ての情報等が出そろっているというわけではなく、これからまたいろいろなことが起こってくると思いますが、今後の震災の対応については、市民の皆さんに安心・安全を与えられるような取り組みを引き続きしっかりと行っていただくことを要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。 ◆竹内孝代 委員  私からは、避難所や備蓄庫の環境改善について、今、さまざまな質疑がありましたので、重複を避けて質問させていただきます。  9月6日に発生した今回の地震というのは、先ほどの質疑でも述べましたが、札幌市内でも今まで経験したことのない最大震度6弱を記録しましたので、大きな被害が発生するとともに、市内全域がブラックアウトに陥るなど、市民生活に大きな衝撃を与えるものとなりました。  札幌市危機管理対策室では、発災後、迅速に災害対策本部を立ち上げまして、最大で300カ所に上る避難所の開設、また、混乱の中においても、1万人を超える避難者の対応に奮闘されてきたということは大変なご苦労があったと承知しており、改めて評価し、また感謝しております。まだまだ余震も続きますし、災害による被災者の方も多くいらっしゃいますので、引き続きの活動をどうぞよろしくお願いいたします。  私も、地震発生以降、避難所を日々訪問しまして、避難されている皆さんから、行政に対する要望など、いろいろなお声をいただきながら、寄り添ってまいりました。避難所の運営状況についても、自分自身の目でもしっかりと見てまいりまして、即座に対応すべき事項だと思ったものは、会派を通じて日々札幌市に申し入れをさせていただき、先ほど来話題になっておりましたけれども、段ボールベッド、間仕切りスペースに対しても速やかに改善していただきました。今回、清田区は、特に1カ月間の避難所生活を送られている方がいらっしゃいましたので、災害時の速やかな対応、臨機応変な対応といったものの大切さを改めて感じました。  多くの避難所の状況を見てきた中で私が切実に感じたことは、停電になった場合の対策が十分ではなかったということ、さらには、先ほど来出ていましたように、生活に必要な物資が十分ではなかったのではないかということでした。これは、恐らく、対応されていた市の職員の皆さんも同様に感じていることでもあるかと思います。  例えば、避難所として開設しておりました学校は、停電のために施設内の電動シャッターが動かなくなります。そうすると、備蓄物資の運搬を迅速に行うことができなかったり、太陽光発電があるのですが、それも4時間しかもたないということで、アルファ化米を戻すのに、お湯が沸かせず、お水で対応したり、情報収集のためのテレビが短時間しか見られないなどの状況を見てまいりました。また、給水ポンプが動かないため、トイレや洗面所などが使用できず、生活用水や飲料水の運搬、災害用トイレの使用などにおいて、管理面や衛生面でも問題が生じておりました。また、非常食、毛布、寝袋、ランタンなど最低限度の備蓄物資はありますけれども、協定を結んでいる民間企業のパンの提供やボランティアの炊き出しに支えられて運営されてきたと思います。  私は、これまで、避難所における備蓄物資の充実について議会で取り上げまして、食料の品目、種類の多様化を初め、女性の視点を取り入れたきめ細やかな対応が必要であると指摘してきたところですが、今回の震災の経験から、改善すべきさまざまな問題があると強く認識しています。  そこで、一つ目の質問ですが、停電時、また断水時の対策など、避難所のハード面を含む環境改善について、これまではどのような対応を行ってきたのか、また、今回の震災を教訓にして、今後はどういった対応を行っていく予定なのか、伺います。 ◎中出 危機管理対策部長  避難所の環境改善についてのご質問でございます。  避難所は、被災された方の安全を確保し、復旧に向けた支援対策の拠点となる大変重要な施設であるというふうに認識しております。避難所の環境改善には、備蓄物資の充実や施設の整備といった対策のほかに、実際の運用面での対策もしっかり進めていく必要があるというふうに考えております。  ご指摘いただきました電動シャッターの問題などにつきましても、手動操作の方法を周知するなどの運用面における対策でも実際には対応できるということもございます。  これまでも、備蓄食料について、1人2食から3食に増強を行い、寝袋につきましては、保温性を高めるなどの機能強化を図ってきたところでございます。また、停電時の対策としても、全ての基幹避難所にライトやランタンの整備を進めるなど、備蓄物資の充実に継続的に取り組んできたところでございます。  今後、委員からご指摘のあった点も含めて検証を進め、運用面における対策につきましても、関係部署としっかり調整を図りながら、改善に努めてまいります。 ◆竹内孝代 委員  ぜひ、検討をお願いします。  私は、災害が発生した際に、円滑に避難所の設営、運営を行うためには、備蓄庫の環境改善が守られるべき被災者の支援のためにはとても重要であるということも改めて考えさせられました。  備蓄庫の環境改善についてお伺いいたします。  これまでも、プレハブ型の備蓄庫に対して照明を設置するよう、その必要性を取り上げまして、速やかに約20カ所で設置いただくなど、安全に使用できる備蓄庫の環境改善に向けて一緒に取り組んできたというふうに認識しています。  札幌市では、災害に備えて、小・中学校など全ての基幹避難所に備蓄物資を配備するとともに、2カ所に拠点倉庫を整備するなど、物資の速やかな提供に努めておりまして、そのことは高く評価しているところです。  しかしながら、今回の震災で避難所の運営にかかわった職員の方々からは、備蓄庫と避難所となる体育館までの距離が遠く、階段を使わなければならない場所もあるなど、物資の搬送に時間を要していたり、備蓄庫では、脚立などが用意されていないため、高いところにたくさんの物資が置かれているところもあります。そういったところでは、物資を取り出すのに、会議用テーブルを運び、使用して対応するなど、職員の方々の必死で臨機応変な対応に支えられていることも見てまいりました。備蓄庫は、整備が完了することで終わりというものではなく、こういった震災によって明らかとなった課題についてしっかりと検証を行い、この教訓を踏まえて改善していく必要があると考えます。  そこで、2点目の質問です。  札幌市では、今回の震災に関する検証をまさに進めている最中であると思いますが、今回の震災を踏まえて備蓄庫の環境改善に向けてはどのように対応するのか、伺います。 ◎中出 危機管理対策部長  備蓄庫の環境改善についてお答えいたします。  備蓄庫の環境改善は、我々といたしましても、避難所を迅速かつ安全に開設するといった面からも重要な課題であるというふうに考えております。  環境改善に関しましては、先ほどもご説明いたしましたが、こちらについても運用面での対策が重要であると考えております。例えば、ご紹介いただきました件については、停電時における注意点、備蓄物資の運搬に関する経路、動線などを定めた手順書といったものを作成して、避難所の運営を行う職員にしっかり周知するなどの対応をしていきたいというふうに考えております。また、備蓄物資を備蓄庫に収納する際には、取り出しやすい配置や、ご指摘のあった脚立を準備しておくなど、その点についても丁寧な対応を行ってまいります。  今後、施設の管理者や避難所の運営に携わった職員の方々からも意見を聞くなどして検証をしっかり行い、必要な対策を進めていきたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  代表質問でも述べさせていただきましたが、札幌市は、災害に強いまちづくりを目指しております。これに必要な力というのは、災害に備える力、また、災害から市民を守る力であるとともに、万が一、被災しても、たくましく立ち上がり、力強く復興をなし遂げる力であると考えています。  札幌市にとって経験したことのない大きな災害を教訓に、本当は災害が起きてほしくないと願いながらも、万が一、これから、いつ何時、災害が起きたとしても、市民を守ることができるよう、改善点には早急に対応し、そして、しっかりと検証して、適切な対応をすべきものは、じっくりと現場職員から聞き取りを行っていただきながら、改善計画を立てていくことが必要だと思います。  今まで以上に災害に強い札幌のまちづくりのために、今こうして拝見いたしますと、室長、部長、課長の5名、そのほかにいらっしゃる職員の皆さん、本当に少数精鋭で頑張ってくださっているのだなということを改めて感じましたけれども、危機管理対策室にしかできない大きな使命を果たしていただくことを求めて、そして、最大限に応援する気持ちを込めて、質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、災害時の情報伝達について伺いたいと思います。  9月6日に発生した北海道胆振東部地震から、早いもので1カ月以上が経過いたしました。また、今回の地震が起きた前日の5日の深夜には、台風21号の接近により、暴風雨や大雨、洪水など各種の警報が立て続けに発令され、人的被害や住宅の破損、一部の地域では停電も発生し、私も、屋根等の飛散防止や倒木の対応、さらには被害を受けた住民への住宅支援などにも当たらせていただいたところであります。短期間に連続して札幌市を襲ったこの二つの災害を経験し、自然の猛威に対し、いかに私たちの生活が脆弱であるかということを改めて知ったところでもあります。  札幌市では、このたびの台風、そして地震によって明らかになった課題の検証を行い、改善に向けて取り組みを進めているところですが、この質問では、災害時の情報伝達に焦点を絞って、課題を含めて質問させていただきたいと思います。  今回の地震では、停電により、テレビやラジオを利用した札幌市からの情報発信が不可能になるという事態が発生いたしました。先ほど、総務局関係でも、即時情報としてツイッター、広報の役割についてのやりとりがございましたけれども、災害時、市民は携帯電話やスマートフォンといった限られた媒体での情報収集を余儀なくされ、一部のSNS等で、より強い地震が身近に迫っているとか、市内全域で断水が発生しているなどのデマ情報が流れたために、多数の市民が翻弄され、不安な気持ちを抱えながら、正確な情報を求め続けました。さらに、電気の復旧が見込めない中、携帯電話等の充電が不足したことで多数の市民や観光客が充電可能な場所に殺到し、充電のために長時間待たざるを得ない状況も発生いたしました。行政内部においても、一般電話や携帯電話がつながりにくい状況が続いて、主に防災行政無線による連絡体制がとられたということですが、この防災行政無線のバッテリー不足も懸念され、急遽、補充用のバッテリーを各区に届ける対応もとられたようであります。  このような停電に起因する問題は、社会インフラや電力事業にかかわるもので、札幌市単独での解決が困難な面もありますので、今後も国や事業者に対して必要な働きかけは継続していただきたいと思います。市民への正確な情報発信、行政内部の連絡体制の強化という視点に立ち、現行の災害時の情報伝達体制全体に対して改めて見詰め直してみることが札幌市自身にも求められていると思いますが、まず、この点についていかがか、お伺いいたします。 ◎中出 危機管理対策部長  災害時の情報伝達体制全体の見直しについて答弁させていただきます。  委員がご指摘のとおり、今回の地震におきましては、停電によってテレビ等が使用できなかったこと等により、市民や避難所への情報提供にも支障が生じたというふうに認識しております。こういった事態に加えまして、初期段階では、各避難所等との通信手段が防災行政無線や携帯電話といったものに限定されまして、適切な情報伝達に支障が生じたといった状況もございました。  今後の検証の中で、いま一度、現行の情報伝達体制全体についてもしっかりと検証し直して、必要な見直しを図ってまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  さて、我が会派では、かねてから、災害時における市民への迅速、正確な情報伝達の重要性や、情報伝達手段の多様化という面で、アプリを活用した情報発信の必要性について指摘させていただいたところであります。  こうした指摘を踏まえまして、昨年9月には札幌市防災アプリそなえの運用が始まり、先月末時点でダウンロード数は3万4,000件に達したということですので、情報伝達手段の一つとして、このアプリには私も大きな期待を寄せたところです。  しかしながら、今回の地震において、アプリでは、避難所開設情報の発信がなされないなど情報の発信数が乏しく、市民への情報伝達手段としての役目を十分に果たせなかったと考えますが、この点についてどう認識しているのか、お伺いいたします。 ◎中出 危機管理対策部長  今回の地震における防災アプリでの情報発信についての認識というご質問でございます。  札幌市ホームページやLアラートなど複数の伝達手段がございますが、そういった状況の中で、防災アプリのプッシュ通知を活用して提供するのにふさわしく、市民にとって有用な情報はどういったものであるのかということについて、今、委員からご指摘のあった点も含めて、また、このたびの地震の経験もしっかり検証いたしまして、今後の情報発信に生かしていくことが必要であると認識しております。 ◆丸山秀樹 委員  私は、今回、このアプリによる情報伝達には大変課題があったと思っております。  このアプリは、実は、いざというときに役立つ情報として、緊急情報や気象台のホームページなどへのリンク、安否確認やSOS、位置通知機能、さらには、日ごろからの防災意識や備えとしてのハザードマップや避難場所など、九つのアイコンで構成されております。今や、多様な災害アプリが存在しているので、そうした中で、札幌市独自のアプリとしてそなえが研究されてきたということについては理解できます。  例えば、避難場所のアイコンをクリックすると、現在位置が確認できた上で、近くの災害避難場所を土砂、地震、洪水で区別でき、さらに、「空間にかざす」をタッチすれば、避難場所を現実風景の中でエアタグで確認できて、その直線距離を知ることができるようになっています。また、マップに戻れば、どこまで避難所に近づいているかを地図上で確認することもできるようになっています。そして、情報の取得も、天気のアイコンをクリックすると、気象庁の石狩地方の予報がトップ画面に出るようにもなっています。  しかしながら、緊急情報の発信が明らかに不足しておりました。例えば、アプリの震度情報は、札幌市内全体で、区ごとによるものではありませんでした。また、風水害の情報に関しても、1時間当たりの最大降雨量はありましたが、警戒や注意喚起はあっても、どのくらいの風速が押し寄せているかの情報もありませんでした。さらに、どこが開設され、どこが閉鎖されているのかという避難所の最も大切な情報は発信されていませんでした。その他にも、停電情報が不確かだったり、断水情報がなかったり、やはり現場で欲しい情報が明らかに不足していたように思います。  こうしたことも踏まえ、市民がアプリに対してどのような機能を求めているかについて、常に検証し、見直しを図っていくことが必要と考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎中出 危機管理対策部長  札幌市防災アプリの見直しについてのご質問でございます。  札幌市におきましては、幸いなことに、これまで大きな災害に見舞われることが少なかったということもあり、災害に対する市民の危機意識がそれほど高くなかったと思われますが、災害時には、いかに日ごろから備えをしておくかが重要であり、それを今回も痛感したところでございます。  札幌市防災アプリは、災害時の情報収集に利用していただくといった機能のほか、愛称がそなえとなっておりますが、この名前にあらわれているとおり、平常時から、災害に備えて、今ご紹介いただいた避難場所や地域の危険度等といったものを確認し、そういったものを通じて日ごろからの防災意識を高めていただくことにも重きを置いて開発したものでございます。  委員のお話にもございましたが、アプリの公開から1年を経過いたしまして、ダウンロード数も何とか3万を超えましたけれども、まだまだ広がりが足りないと考えており、より多くの方に利用していただけるよう、一層の取り組みが必要というふうに認識しております。  利用者の方々がこのたびの地震においてどのような機能を実際に利用したのか、また、どのような機能があれば現在利用していない方にも使っていただけるのかといった点について、アンケート等により把握するとともに、ほかの防災系のアプリが多数存在しておりますので、こういったものとの機能の比較も行いながら、行政が運用するアプリとして適切な機能を追及してまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  私は、アプリへの信頼性を高めるためには、正確で、なるべく身近な地域情報が素早く、わかりやすく受け取れるようになることが必要であるというふうに思っています。  さきに述べたような情報のほかに、お知らせとして、例えば、JRや地下鉄、バスの運行状況など、交通情報や河川情報もお知らせアイコンを使ってワンクリックで確認できるようにするというのはどうでしょうか。ついては、日ごろからいざとなったときの情報収集のあり方や収集内容、さらには、情報提供してもらう関係機関及び関係部局との連携は、今後、大変重要になると思っております。  これは町田副市長への要望となりますが、市民への情報収集と発信に当たって、私は、災害対策本部で掌握されている情報はとても有用であると思っています。当然、持ち寄った会議資料の全部を公開すると言っているのではありません。ルールや公開してもよい情報をあらかじめ決めておけば、一々、各部署と連携をとらなくても、リアルタイムな情報を持ち寄ってこられているので、効率的であると思うのであります。  ぜひ、市民の安全・安心を守る観点からも、危機管理対策室の体制強化も視野に入れて、見直しを検討していただくことを要望したいと思います。  あわせて、この防災アプリは、多言語でのSOS位置通知情報、平時から学べる防災・減災知識も提供されておりますけれども、使い方がどれほど浸透されているかと思うところでもあります。もっと言えば、SOS機能は、日常の防犯機能を持っていて、ワンクリックのSOS送信で事前に登録している相手に自分の現在位置とメッセージを地図で表示してもらえるようになっています。ですから、市民意見を求める上で、既存アイコンの持っている機能の理解を深めていただくことも必要だと思っております。  アプリの改善、見直しを進める中で、使い勝手のよいものにしていただくとともに、利用の促進や使用に当たっての普及啓発として、今でも小学校などで防災アプリを活用した防災授業を展開していることは承知しておりますけれども、今後、より一層、市のさまざまなイベントや町内会での出前講座なども活用されて、利用促進を図っていただくことを求めて、質問を終わります。 ◆坂本きょう子 委員  私からは、避難場所基本計画の見直しの今後の進め方について質問したいと思います。  今まで、各委員から、今回の北海道胆振東部地震についてお話がありました。それに対して、避難場所基本計画の見直しの中で位置づけて検討していきたいというご答弁が幾度かございました。  札幌市の避難場所基本計画は2013年に策定されまして、被災者の安全確保、復旧に向けた支援対策の拠点となる避難場所について、その備えるべき機能目標の設定、整備方針を定めたものということです。  今、この基本計画の見直しがちょうど行われておりました。8月2日に第1回目の検討委員会が立ち上げられ、9月からは本格的に検討委員会、それから、それを受けての庁内会議が行われていくという段取りになっていて、まさに、そのさなかで起きたのが今回の大地震、また、今ほどお話がありました21号の台風だったと思います。当然、このスケジュールも変わってくるだろうというふうに思います。  本来、この基本計画の見直しについては、8月に第1回の委員会が開催され、それから9月、10月、11月と4回の委員会を経て素案が完成し、12月にはパブリックコメント、年度内には計画を策定していくという段取りになっておりました。そういう中で、熊本の震災なども含めて、全国の経験を学びながら、この検討委員会の中で新しい基本計画を策定していこうということだったわけですけれども、これがこういう形で中断されています。当然ですが、スピード感を持ちつつも、今回の委員会で出されたさまざまな声を受けとめて、検証結果も盛り込みながら計画を練り直していかなければならないということですから、今、示されているようなスケジュールでは到底実現されていかないだろうというふうに思います。  今まさに検証を進めながらの計画策定、見直しということになっていきますけれども、まず、見直しのスケジュールについて、今の段階でどのようにお考えになっているのか、伺いたいと思います。 ◎中出 危機管理対策部長  避難場所基本計画の見直しのスケジュールについてのご質問でございます。  避難場所基本計画の見直しにつきましては、今、委員からご紹介いただいたとおり、今年度の8月から開始しておりまして、4回程度の委員会、さらには3回の庁内会議、パブリックコメントといった経過を経て、年度末の3月策定予定と考えておりました。しかしながら、ご承知のとおり、今回、震災という状況になったものですから、先ほど来、何度か答弁させていただいておりますが、震災を踏まえた検証による課題もあわせて検討したいというふうに考えております。  できる限り早い時期に計画を策定できるよう、精力的に取り組んでまいりますが、やはり検討すべき課題もふえましたことから、策定時期が当初予定の今年度末の3月から来年度にずれ込まざるを得ないというふうに考えております。 ◆坂本きょう子 委員  停電のこともそうですが、もともとの想定では17%程度の停電で、それも翌日にはほぼ復旧するだろうという見通しが立てられておりました。そういう中で、本当に想定外という形でブラックアウトになりました。  私が住んでいる地域は、台風のときから既に停電だったものですから、一瞬復旧しましたけれども、ほとんど丸々3日間、電気がつかないということで、地域の皆さんも本当にご苦労されておりました。また、信号機もつきませんでしたから、物を求めて外に行きたい、しかし、ガソリンが心配なのでガソリンスタンドには車が並ぶ、さらに、電源をとるためにガソリンが必要、ただ、信号がついていないのでなかなか外には出られない、そういうジレンマの中で、真っ暗な中、多くの皆さんが不安な夜を過ごされたと思います。  もちろん、震災の次の日の朝7時過ぎから全市的に避難場所が開放されることになりましたので、多くの方たちが避難場所に行かれる状態だったと思います。寒くなかったからまだよかったということですが、先ほど各委員からも寒さ対策が出されておりました。本当に想定外のものがいろいろ起こり、検討する課題もたくさんふえたので、年度内は無理で、新年度になるだろうというスケジュールについてもお話がありましたけれども、ここはしっかりとやっていただきたいと思います。  冒頭に申し上げたように、熊本の震災などを受けて、例えば、ペットの同行避難者についてはどうするかとか、あるいは、車中泊ということが随分報道されておりまして、車中泊の避難者の対応をどうするのか、また、今回、この委員会では議論できませんが、福祉避難場所の開設については要配慮者対策というところでいろいろと問題が提起されております。さらに、外国からの旅行者への対応など、さまざまな観点で、宿題といいますか、見直すべきところが出されてきたと思っております。  検討委員会には17名の委員がいらっしゃって、それぞれのスペシャリスト、ボランティア等を経験している方たちも名を連ねていらっしゃいますけれども、計画の見直し項目の追加が幾つも幾つも出てくるということですから、新たな委員を加えたりすることも必要ではないかと思っておりました。
     また、パブリックコメントというのは、通常、計画策定の素案の段階で募集されるものですが、多くの市民の皆さんの声も反映していかなければならないと思います。私は、この是非はわからないですが、素案ができた段階でパブリックコメントを行い、より多くの方たちから期間も延長して意見を聴取していくのか、あるいは、検討委員会として意見聴取の機会をつくるのか、あるいは、市がそういう機会をつくるのかなどなどを含めて、必要な検討委員会のあり方、今後の進め方も随分変わっていくのではないかというふうに思いますので、今段階で今後の検討委員会をどのように進めていくお考えなのか、伺いたいと思います。 ◎中出 危機管理対策部長  今後の検討委員会の進め方についてお答えいたします。  先ほど来、答弁させていただいておりますが、今回の震災を踏まえた検証によって出てきた課題につきましても、避難場所基本計画見直し検討委員会の中であわせて検討することとしております。  課題もふえますので、予定していた委員会や庁内会議を当初の予定より多く開催することも必要だろうというふうに考えております。ただ、検討委員は幅広い範囲から就任していただいておりますので、現時点で新たな委員の選考については予定しておりませんが、検討スケジュールなり課題についての検討の優先順位については再構築いたしまして、検討委員会をしっかり進めていきたいと考えております。 ◆坂本きょう子 委員  ご答弁になかったのですが、市民の意見をきちんと聞くということについては、生の声を受けとめていただきながら、検討委員会としてもしっかりと対応していただきたいと思います。  それから、年度内の策定が困難であり、新年度に計画策定がずれ込むというのはいたし方のないことだというふうに思いますが、今回の議会も、冒頭で補正予算が提案され、議会としても早く対応したいということで、議会の招集が早まり、補正予算についてもその日のうちに審議され、可決されたという状況があります。激甚災害に指定されるという中で、これから国からの予算措置等々、補正予算があるだろうと思います。来年は、選挙のある年ですので、骨格予算の審議となりますけれども、今回のとりわけ地震にかかわるお金というのは待ったなしの状況にもございますので、そこら辺についてはしっかりと対応していただきたいと思います。  計画の策定が来年度になるということでありますが、新年度の予算に幾らかでも反映させていかなければなりませんし、備蓄など、今、委員会で出たものにも対応していただかなければなりません。また、短期間で一遍にできるものでもないと思いますから、何年かの年次計画で整備していくことも必要だと思います。  現時点では確定的なことは言えないとは思いますが、被災された市民の皆さんに少しでも希望を持っていただくために、室長、副市長なり、札幌市としてこれからどういうふうに対応していくのか、予算づけも含めて、今、明らかにできることがあれば、市民、議会の前に表明していただきたいと思います。それを伺って、質問を終わります。 ◎中塚 危機管理対策室長  ただいま坂本委員からいろいろとご要望をいただきました。  避難場所の基本計画の見直しについては、当然のことながら、非常に多くの課題が出てきたということも含めて時間がかかっております。しかし、先ほどの部長からの答弁にもありましたとおり、優先度の見直し、あるいは再構築も考えながら、できるだけ早い時期に整理して、予算に反映できる可能性があるものはそういう形で考えていきたいと思っております。時間がかかるものと、すぐに対応できるものがあろうかと思いますので、その辺は私どものほうでもいろいろと考えてまいりたいと思っております。 ◆中山真一 委員  私からも、今回の地震を踏まえた今後の対応について伺います。  今、室長からもお話がありましたが、今後の復興、今回の震災の経験を踏まえた防災、減災の取り組みに当たっては、短期、中期、長期でやるべきことを整理していただいて、まず、短期で今やるべきこと、今しかできないことはスピード感を持って取り組んでいただくことが必要であります。  そのうち、短期、3カ月から半年ぐらいの期間のうちに取り組んでいただきたいことについて、先月、市長に3点の要望、提案をさせていただきました。  その3点の一つ目は、市民の皆さんの防災意識が高まっているうちに、ご家庭で災害に備えていただくための防災ガイドブックやマップのようなものをなるべく早く全戸配付していただくこと、二つ目は、今回の検証や今後の計画等の見直しを行うに当たって、市民の皆さんに対する聞き取りやアンケート調査、何に困ったか、どう対応したかなどの調査を市民の皆さんの記憶が薄れないうちに実施していただくこと、三つ目は、避難所の環境改善、特に、電源や照明については、できることは早急にスピード感を持って手を打っていただくこと、市長も、これらはいずれも必要だということで、早速、そのうちの二つ、防災マップの全戸配付と課題洗い出しのための市民に対する調査については具体的に着手していただき、昨日の記者会見でも発表されました。その点は、まずは評価したいと思います。  本日は、これらも踏まえて、避難所の環境整備、今後の検証や計画見直しに向けた市民の皆さんに対する調査、そして、今後の検証や計画見直しの進め方について、大きく3点伺います。  まずは、避難所の環境整備について、具体的に早急にやっていただきたいことに絞って、中でも電源と照明の備えについて伺います。  私は、2日間、多くの避難所を回らせていただきましたが、トイレも使えず、真っ暗な中、ランタン一つで皆さんが過ごされておりました。私がお邪魔した避難所でも、小さなお子さんたちが暗い中でご飯を食べていらっしゃったり、余震が続き、1人で家にいるのは不安だということで、ご高齢のご婦人が避難所に来ても暗い中で、不安な夜を過ごされておりました。  そこでまず、電源や照明について伺います。  札幌市においては、発災時、拠点倉庫に可搬式発電機と投光器が16台備蓄されていたと思いますけれども、今回、それらはどう活用されていたのか、伺います。 ◎中出 危機管理対策部長  今回の震災に当たっての発電機等の活用状況ということでございます。  委員からご紹介いただいたとおり、札幌市の地域防災計画の地震災害対策編においては、現状の被害想定におきましては、発災初日が17〜18%の停電率と想定しております。その停電率によりまして、現状、札幌市におきましては、発電機については16機、それに応じた投光器についても備蓄しておりますが、この数ですので、各基幹避難所に配備ということではなくて、市内に二つある拠点倉庫に配備している状況でございました。  今回、想定外の大規模な停電という事態でございまして、正直、いつ復旧するのかという状況でしたので、それをすぐにどこかに届ける判断には至りませんでした。本部の中の状況としては、それよりも、まず、医療機関やその他ライフラインの非常電源の燃料の確保を優先順位が高い業務ということで必死に対応していた状況がございます。  また、避難所への物資配送においても、配送業者の数をなかなか用意できなかったということで、結果的には、物資の配送において、自衛隊にも派遣要請をかけるといった状況もございまして、発電機等の避難所への配備ということについては、今回は実施しなかったという状況でございます。 ◆中山真一 委員  今、部長からご答弁がありましたが、部長がおっしゃったことは、私は一定の理解ができると思います。312の基幹避難所がある中で、どこに持っていくかということを皆さん方でご判断していく、実態をつぶさにつかんで把握していくということも、今回の現場の状況だと簡単ではなかったと思います。また、東日本大震災のときもそうですが、渋滞や燃料の問題も含めて、拠点に備蓄していたものを避難所に搬送することが難しかったという問題があったということです。最低限のものをどこまで各避難所に備えておくかというのは、いろいろなご判断があろうかと思います。  基本的に、防災、減災というものは、まず第一に自助をやっていただいて、公助の部分では、最低限やるべきことをやっていくというのもご判断だと思います。一方で、先ほど避難場所基本計画の見直しという話もありましたが、大きなハードを各避難所に整備していくことになると、スピード感も含めてそう簡単には進めないのかなというのも一定の理解をします。  私は、今回の経験を踏まえて、今後、例えば電源に関してはカセット式の発電機、ライトに関してはLEDライトなどの照明機器といったように、比較的早く対応できるものを少なくとも312の全基幹避難所に配備すべきだと思いますが、ご見解を伺います。 ◎中出 危機管理対策部長  今回の震災を踏まえての避難所への電源の確保といった点についてのご質問でございます。  今回の震災におきましては、ほかの委員からもるるご紹介をいただきましたが、停電によってテレビ等が使用できないなどの状況もあり、重要な情報提供・収集の手段が制限されたといったつらい状況がございました。  今、ご指摘をいただいたとおり、そういった中で、避難所にとってどういった電力が必要なのかという点については、私たちとしても、いま一度、考え直す必要があるというふうに考えております。  今、ご指摘があったような必要最低限というのはどの程度なのか、具体的にどういった手法がとり得るのかについて検討を開始したところでございます。 ◆中山真一 委員  検討しているというお話がありましたが、できることからスピード感を持ってやっていただきたいと思っています。  きょうも地震がありました。気象庁から、今後も余震が続くというお話もあります。  電力に関しても、苫東厚真が再稼働したというお話がありましたが、電力の専門家の方々に現状をいろいろお聞きすると、今後も予断を許さない状況が続いていることを我々は認識しなければいけないとつくづく痛感いたします。  詳しい方にお伺いすると、多くの火力発電所が稼働している中でも、40年以上経過し、老朽化した火力発電所が稼働しているということで、故障のリスクもあると思います。また、今回の停電の原因の一つに送電線などのインフラの故障がありましたが、送電線等のインフラの状況は地震前から今も何も変わっておりませんので、相変わらずそのリスクは高いというふうに私は思っております。ですから、今冬に備えて、やるべきことは早急にやっていただきたいというふうに思います。  先ほど申し上げた非常用のコンパクトな発電機というのは、北海道の地震以降、各自治体がこぞって発注されているようで、メーカーにもなかなか在庫がない状況のようです。ほかの政令市を見ても、東日本大震災以降から既に多くのまちで各基幹避難所にコンパクトな非常用電源の機械やLEDの照明ライトが置かれていたりしておりまして、市民の不安だったり安心・安全にどう応えていくかという点で、特に今冬にどう備えていくかというところも優先順位を高くやっていただければと思います。  先ほど具体的なお答えはありませんでしたが、LEDライトや非常電源の備えという最低限のことをいつごろまでにやっていただけるのか、改めて確認したいと思います。 ◎中出 危機管理対策部長  避難所における電源確保対策の検討の期限について、いつ答えが出るのかというご質問でございます。  現状におきまして、種々ある手法について検討を開始したという状況でございまして、他都市の取り組みの状況なども参考にさせていただきながら、可能な限り早い時期に答えを出していきたいというふうに考えております。 ◆中山真一 委員  部長から可能な限り早く答えを出していきたいというお答えがありました。他都市の事例を見ますと、非常用のカセット式の電源を用いている自治体が多く、物にもよりますが、1台5万円から10万円するものを最低限の電気の確保として各避難所に置いてあるようです。それから、LEDのライトは2〜3万円ぐらいですが、そういったものを配備されているところが多いと思います。あとは、非常用電源もリースなどのさまざまな手法がありますので、そこら辺もご検討いただければと思います。  それから、すぐにできることの一つに、これは港区で実際にやられていることですが、停電に備えて、職員の皆さんでプリウスなどの燃料電池自動車をお持ちの方を登録していただいて、いざ、そういうことが起きて、職員が現場に向かえるのであれば、それを使わせていただいて、あとで燃料代をお支払いする、そういう備えをされているところもあります。そういったことも含めて、早急にさまざまなご検討をいただければと思います。  それでは次に、避難所のペットの問題に関してお伺いしたいと思います。  ペットの避難というのは、熊本の地震でもそうですし、西日本の豪雨でも問題になっておりました。実際に、今回、私が回った避難所でも、わんちゃんとご夫婦が、体育館ではなくて、避難所の玄関で夜を過ごしていらっしゃったりしていました。また、市民の皆さんから、避難所に行きたかったけれども、ペットがいるから行けなかったという声を伺ったりもしておりました。先ほどもお話がありましたけれども、家族の健康被害にもつながったり、車中泊の問題もありますので、大変重要な問題だと思います。  ペットの避難については、現状、計画には位置づけされておりませんで、マニュアルでは、ペットは避難所に持ち込まず、屋外で飼育と定義されております。今回の地震に際して、避難所同行のペットについてどのように対応されたのか、あわせて、それについて特段の指示が本庁の皆さんからあったのかどうかということも伺います。 ◎中出 危機管理対策部長  今回の震災における避難所でのペットの対応というご質問でございます。  まず、検証作業についてですが、各避難所等での対応状況につきましては、これから検証作業を本格化するという状況もあり、当方としては全貌を集約できている状況にはございませんけれども、現状、把握している範囲でということでお答えさせていただきます。  対応の事例といたしましては、清田区体育館の中でペット用の室内飼育スペースといったものを確保したほか、幾つかの避難所では、物置きなどの人の入らないスペースにペットのための場所を用意したといった事例があったと把握しております。 ◆中山真一 委員  部長から、清田区等ではペット用のスペースを確保していただいたりしたという説明をいただきましたが、多分、現場のご担当の皆さんのご配慮でそういった対応をしていただいたのだろうと思います。  今、避難場所基本計画についてご検討いただいているというお話がありましたが、避難所開設の際のペットの問題についてもご整理いただいて、同伴用の避難所開設などを計画に盛り込むべきだというふうに思いますけれども、その件に関して伺います。  あわせて、同行避難の可否や、それぞれの避難所がペット可能なのかという情報発信に関しても盛り込んでいただきたいと思いますが、それに関してのご見解を伺います。 ◎中出 危機管理対策部長  今後のペット対策の検討と周知についてのご質問でございます。  まず、今後の検討のことですが、ペット対策を含めた避難場所のあり方につきましては、有識者の委員の皆様や関連部局の意見なども聞きながら、避難場所基本計画の見直しの中で検討する項目の一つとして位置づけておりますので、しっかり検討してまいりたいと考えております。  また、避難所へ避難する際のペット同行避難の扱いについては、保健福祉局で整理している手引、冊子がございますが、そういったものには同行避難は可と記載させていただいておりまして、そういったものも引き続き活用しながら、周知については取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆中山真一 委員  今、お答えをいただきましたけれども、避難場所基本計画を検討されているところですので、そういったお答えになるかと思います。  次に、今後、さまざまな計画の見直しや検証に当たっての実態調査について、1点お伺いしたいと思います。  今回の経験を生かして、さまざまな計画などを的確に見直すに当たっては、実態の把握が不可欠であります。私は、高齢者や障がいをお持ちの方や乳幼児、その他特に配慮が必要な方々などには聞き取りなどもやったほうがいいのではないかと思います。聞き取りの方法はさまざまあると思いますが、病院や福祉施設、高齢者の皆さんや学校、市役所内部もありますが、そういった聞き取りなどの定性的な調査と、市民アンケートなどでデータをとるという定量的な調査の両方が必要ではないかと思います。何に困ったのかとか、それにどう対処したかということをぜひ調査していただければと思いますが、それに関して改めてお伺いします。 ◎中出 危機管理対策部長  今回の災害対応に当たっての市民アンケート等についての進め方ということでございます。  こちらとしては、今後、検証を本格化させていく中で、各局における対応状況をうまく集約していきたいと考えております。あわせまして、昨日、市長記者会見でもお話しさせていただいておりますが、市民が今回の災害対応についてどう受けとめたかということについてのアンケート調査を予定しております。  そのアンケート調査に当たりましては、手法については今後具体に詰めてまいりますが、高齢者や要配慮者を含め、市民の意識について広く把握するために実施したいと考えておりますので、アンケートを通じまして、課題の解消に向け、改善策に生かしてまいりたいというふうに考えております。 ◆中山真一 委員  今、方法、調査の中身について検討されているということでしたが、時間がたてばたつほど皆さんの記憶が薄れてきたりしますので、記憶が熱いうちにもそうですし、スピード感を持って計画等を見直していただいたり、検証作業を進めていただくためにも、可能な限り早くやっていただきたいと思いますけれども、大体いつごろまでに実施されるおつもりなのか、お伺いします。 ◎中出 危機管理対策部長  アンケート調査の実施時期ということでございます。  現状、各局・区のほうで震災対応について具体の対応の記録等を整理していただいておりまして、この後、集約し、課題を洗い出していこうと考えております。あわせまして、市民アンケートにつきましては、具体に準備しているところですが、今月中には何とか発送することを予定しておりまして、できれば年内には結果を取りまとめて、その後の検証に反映していきたいというふうに考えております。 ◆中山真一 委員  今月中に発送していただいて、年内には取りまとめをしていただくということですので、いろいろと大変な中、スピード感を持って対応していただいたことに心から感謝したいと思います。  最後に、これまでのいろいろなやりとりの中で、有識者会議というお話も耳にしておりますし、避難場所基本計画の話も出ましたが、今回の地震、また、それに伴う停電も踏まえて、今後、それ以外にもさまざまな計画の見直しなどをなされると思います。その際、特に停電に関してですが、前回、地域防災計画などを検討されたときには北海道電力が入っていまして、その記録を読みますと、北海道電力としては十分な対策を打っているというお話がありました。当時は国の基準に沿ってちゃんとやっていますということだったので、それはいたし方なかったと思います。  しかし、今後、今回の検証や計画等を見直すに当たって、いわゆる電力のトラブルや停電への備えについては、北海道電力以外の視点ということで、例えば危機管理の専門家など、北海道電力はこういうふうにおっしゃるけれども、別な見方もありますと指摘できるような方をメンバーに入れていただくことが必要なのではないかと、私は今回のことを受けて思いました。そのほうが、市民の皆さんにとっても、より説得力のある検証や見直しが行えるのではないかと思います。  そこで、伺いますが、今回の事態に対して、今後の検証や有識者の会議、地域防災計画の見直し等のご検討をされるに当たって、北海道電力から見た視点というか、率直に言うと北海道電力にとって都合のいい視点だけではなくて、それ以外の電力の専門家をメンバーに入れるべきではないかと思いますけれども、ご見解を伺います。 ◎中出 危機管理対策部長  今回の震災、さらには大規模停電を踏まえて、今後、さまざまな計画を見直していく中で、これまで入っていただいていないような別な専門家の視点も入れていく必要があるのではないかというご質問かと思います。  今回の停電によって、電力の安定供給というものは、現代においては何より重要な社会インフラだということを痛感したところでございます。  先日の代表質問のやりとりでもございましたが、北海道電力に対しては、今後、札幌市としても必要な情報提供を強く求めるとともに、そういったものについてもしっかりと意見を申していくと市長も答弁しておりますので、どういった体制がいいのかについては、検討しながら、しっかり努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆中山真一 委員  ご答弁の中で、どういった体制がいいのかをしっかり検討していくというお話がありました。  しかし、電力のトラブルとか、いわゆる市役所としての停電への備えとか、市民の皆さんにご自宅でやっていただくいろいろな備えもそうですが、僕は、多分、電力の危機管理の専門家でなければわからない部分があるのではないかと思いますので、その辺も含めて検討していただくことを改めて申し上げて、私の質問を終わります。 ○福田浩太郎 委員長  以上で、第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月16日火曜日午前10時から、教育委員会関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後5時54分...