札幌市議会 > 2018-03-16 >
平成30年第一部予算特別委員会−03月16日-06号
平成30年第二部予算特別委員会−03月16日-06号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2018-03-16
    平成30年第二部予算特別委員会−03月16日-06号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成30年第二部予算特別委員会−03月16日-06号平成30年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第6号)               平成30年(2018年)3月16日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 31名(欠は欠席者)     委 員 長  福 田 浩太郎      副委員長   小 竹 ともこ     委   員  武 市 憲 一      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  高 橋 克 朋      委   員  五十嵐 徳 美     委   員  細 川 正 人    欠 委   員  小須田 悟 士   欠 委   員  宗 形 雅 俊      委   員  佐々木 みつこ     委   員  北 村 光一郎      委   員  中 川 賢 一     委   員  松 井 隆 文      委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  大 嶋   薫      委   員  恩 村 一 郎     委   員  三 宅 由 美      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  小 川 直 人      委   員  山 口 かずさ     委   員  中 村 たけし      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  成 田 祐 樹      委   員  本 郷 俊 史     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  わたなべ 泰行     委   員  前 川 隆 史      委   員  小 形 香 織
        委   員  村 上 ひとし      委   員  田 中 啓 介     委   員  平 岡 大 介      委   員  松 浦   忠     委   員  坂本 きょう子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、小須田委員からは遅参する旨、また、竹内委員からは前川委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。  次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  私は、1983年の初当選以来、知的障がい者、あるいはそのほかの障がい者で就労可能な方の職場開拓にずっと取り組んできております。  知的障がいのある方々が雇用されている状況というのは、私が最初に出たころは、どちらかというと労働条件も悪く、そして、たくさんの人を雇用しているところなんかは、寮があっても、健常者でもこういう寮には住まわせないだろうなというようなところに住まわせて就労させていました。そういう経過の中で、東札幌で三丁目食堂事件があったり、いろいろなことがありまして、昨今はこういう障がい者の雇用に対してきちっと義務づける法律ができたりして全体的にいろいろ進んでまいりました。上田市長のときに、私は、障がい者が工場などで生産するもので資材として購入できるものについては、札幌市としても積極的に購入することを提案し、そういうことも実現してきました。  そこで、今、知的障がい者の方々はどういう状況にあるかといったら、支援学校を卒業する人たちよりも逆に求人が上回っている、こういう状況になっております。一方で、知的障がい者の方々の賃金面での雇用条件というのは、やはり、国の補助金などを含めて最低賃金でというところがほとんどだと思います。  そこで、一つは、市内に事業所がある会社のうち、資本金1億円未満と1億円以上の会社の法定雇用率の達成状況についてお尋ねいたします。 ◎金谷 雇用推進部長  資本金1億円以上と1億円以下に分けた場合の雇用率の達成状況というご質問だったかと思います。  札幌圏におけます法定雇用率達成企業の資本金別の企業数ですが、制度を所管している北海道労働局から情報の公開がなされていないことから、具体的な数については不明な状況でございます。  なお、法定雇用率達成企業の多くが企業規模の比較的大きなものであるという傾向はわかっておりまして、未達成企業については比較的小規模な企業が多いという状況のようでございます。 ◆松浦忠 委員  これは、北海道労働局もいいのですが、札幌市でも、経済観光局の中に雇用推進部というちゃんとした組織があって、部長以下、職員も配置されて業務を行っております。私が今質問したようなことについては、常日ごろ、そういう業務の中で、雇用対策と同時に、そういう実態がどうなっているか、あるいは、就労条件がどうなっているかというようなことを調べて、折に触れて底上げを要請していく、私はこういうことが大事だと思うのです。  今はないということですから、ないのは仕方ないとして、今後、その調査をやっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。 ◎金谷 雇用推進部長  今後の調査ということでございますが、札幌市単体で調査を行っていくのはなかなか難しいのかなというふうに考えておりますけれども、北海道労働局と十分に調整をとらせていただいて、わかる範囲でいろいろな情報を入手いたしたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  別に、北海道労働局に聞かなくても、札幌市は高等支援学校を持っていて、市立があるのですよ。教育委員会では、学校で教育と同時に就職のための取り組みもやっているわけですよ。そうすると、市立支援学校と連携すれば、そういう調査は可能です。  そこで、市長、労働関係の担当部局の部長以下では今はこれ以上の知恵が及ばぬようですから、私は市長にお尋ねしたいと思います。  やっぱり、支援学校などと連携してそういう調査も実施し、そして、札幌市が障がいのある方々の生活の安定を求めていく。これがその先でどういうことにつながっていくかといったら、その人たちが就労できない身体的な条件になったときに、年金などを含めてその後の生活基盤の確立ということになっていくわけですね。したがって、札幌市として、障がい者だからといって賃金を安く抑えるような一つの差別をなくしていく取り組みをしなければいかぬと私は思うのですよ。  そういう意味で、まずは、支援学校などと連携をとりながら調査し、そして、調査に基づいて、雇用していただいている企業などとも積極的に意見交換をしながら、障がい者の人の賃金の引き上げなどの取り組みを要請していく、こういうことが必要ではないかなというふうに私は思うのですけれども、市長はいかがお考えになりますか。 ◎秋元 市長  障がいのある方の就労環境を向上させていくことについては、札幌市でもこれまで取り組んできておりますし、今ご質問の趣旨も同じ方向だろうというふうに思います。  そういった中で、障害者の雇用の促進等に関する法律により、法定雇用率の達成が定められていて、そういう調査がされております。ですから、公開はされていない部分はありますが、そういったデータからわかること、あるいは、今のご質問にあったように関係者にお伺いしていく中で、就労環境をより向上させていくためにはどういうことに取り組んでいけばいいのかということについて、調査手法も含めてさまざまな検討をさせていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  日本の行政機関というのは、とかく担当分野をそれぞれ細かく決めてやっております。各省庁に大臣がいて、さらに、その省庁の中に局があったり庁があったりと非常に細かく分かれております。その細かく分かれている中で、結局、横の連携をちょっととり合ってやれば、使った税金の何倍もの大きな効果を上げることがたくさんあります。  これは国のことでありますが、本市においては、基本的には市長が10階におられるわけですから、そのもとに、東京事務所や北京事務所のように海外に行っている人は別にして、基本的にはみんな市内に事務所がありますから、そういう連携というのは何の障害もなく極めて短時間にとることができますね。特に、札幌市においては、庁内LANと言われる専用のイントラネット回線もありますから、そういうものを活用すればお互いのやりとりもすぐにできます。こういうことですから、ぜひひとつ、市長を中心として、事務方にもそのことを徹底し、一貫して取り組んでいただきたいし、その一環として、このことについては早急にやっていただきたい。  次の決算議会では、これについてどうであったか、また尋ねたいと考えております。 ◆中川賢一 委員  私からは、最近よく言われている雇用のミスマッチについて、何点かお伺いしたいと思います。  財務省の法人企業統計によりますと、2012年には48.5兆円でありました我が国の企業の経常収益でございますが、4年後の2016年には75兆円余りということで、約26.5兆円、率にして55%近い増加となっているところでございます。  こうした背景には、法人の実効税率を下げることで企業の収益力を高めて、投資や賃金の引き上げを促していくという、いわゆる法人税改革を初めとした政府の経済政策の効果があったのではないかと考えられまして、企業収益の安定、拡大というものが、今後は賃上げを通じて国民の可処分所得の拡大にも貢献していくことが期待されるのではないかと考えます。まさに、経済の好循環というふうに考えるところでございますが、一方で、課題も表面化しつつありまして、その大きなものの一つが労働力の不足ということでございます。  さきに発表されました総務省の労働力調査によりますと、本年1月の完全失業率は2.4%ということで、仕事さえ選ばなければ誰もが就職できる、いわゆる完全雇用の状態の目安である3%を大きく下回っております。これは、24年9カ月ぶりの低水準ということでございまして、仕事を探す求職者にとりましては大変好ましい状況でありますが、一方、人材を確保しようとする企業にとりましては、生産年齢人口の減少が続いて、当然、求職者も減っていく中で、大変厳しい状況でございます。  そうしたことで全職種平均の有効求人倍率が高どまりをしている中、やはり、求職者の好む職種、人気のある職種とそうではない職種との間で求人と求職の量が合致しない、いわゆる雇用のミスマッチが深刻になってきております。職種別の有効求人倍率を全国で見てみますと、業種間のばらつきが大変顕著でございまして、例えば、近年の好調な建設需要を支えている建設職種の有効求人倍率は、私がさきの代表質問で触れた除排雪の人材不足とも大変大きくかかわってまいりますが、全国では本年1月時点で4.8倍、また、その建設にも深くかかわっている警備業などの保安業種は7.64倍、また、高齢化に伴って需要が急増している介護サービスの職業なども3.44倍と、社会の要請に応えることが極めて困難になりつつありまして、この倍率は1年前と比較しても大変飛躍的に上昇しているようでございます。  そこでまず、伺いますが、企業の人材確保が難しくなってきている中で、市内における雇用のミスマッチについて本市はどのように認識されておられるのか、お伺いしたいと思います。 ◎金谷 雇用推進部長  特定の職種における求人数と求職者数の乖離が大きい状況を指す、いわゆる雇用のミスマッチについてでございますが、企業の人材確保が困難となる中で、札幌市においても非常に難しい課題であるというふうに認識しているところでございます。  北海道労働局が公開している本年1月時点の札幌圏の職種別有効求人倍率によりますと、委員がご指摘のように、建設、あるいはサービス、専門技術の職種において有効求人倍率が非常に高くなる傾向がございまして、求職者の希望が多い事務という仕事につきましては0.38倍と極めて低い有効求人倍率となっております。こうした乖離が生じる要因につきまして一概に申し上げることはできませんが、それぞれの職種の仕事の内容、あるいは勤務時間、そうした求人の条件と求職者ニーズが不一致であることが背景にあるものと考えております。 ◆中川賢一 委員  札幌におけます雇用のミスマッチですが、サービスといったところの有効求人倍率が高い一方で、事務などは人気がある状況だということです。また、雇用条件とニーズがマッチングしていないのではないかというお話もございました。  そういったことがある中で、経済の好循環を支え、最終的に市民の所得向上につなげていくためには、やはり、企業が収益をしっかりと確保していくことがまずは第一歩でございますので、企業の活力である人材を確保できる環境をしっかりと整えていくことが今後は重要になってくると思います。今出ていたような全部の業種や職種を平準化することはなかなか難しいかもしれないので、そこまでは言いませんが、特に、求人数と求職者数の乖離が大きい、ミスマッチが大きいと推測される専門技術やサービスの職種については、率先してその解消に取り組んでいくべきと考えます。  そこで、次の質問でございますが、専門技術やサービスの職種における求人はどのような業界から出ており、また、その解決に向けてどのように取り組んでおられるのか、その点をお伺いしたいと思います。 ◎金谷 雇用推進部長  専門技術やサービスといった職種の求人はどのような業界から提出されているのかというようなご質問でございます。  北海道労働局においても、具体的な業種につきましては非公開としておりますことから、本市における把握は困難な状況となっております。しかしながら、本市の産業構造などを考えますと、医療や介護、保育、あるいは宿泊、飲食などといった業種が多いと考えられます。  また、雇用のミスマッチの解消に向けた取り組みにつきましては、女性や高齢者といった潜在的な求職者を掘り起こすとともに、求職者の皆さんに広く業界の魅力を伝えることが重要であると認識しております。このため、介護や保育といった業界に的を絞りまして、関係機関と連携しながら合同企業説明会を開催するなど人材確保の取り組みを実施しているほか、就業サポートセンターにおきまして、女性や高齢者を対象に職場体験を行うことによりまして、こうした企業とのマッチングを進めているところでございます。 ◆中川賢一 委員  ご答弁では、業種的には医療や介護、保育、また、宿泊や飲食など観光あたりに随分かかわってくる業種もそうだと思いますが、これらは、今の札幌における戦略的な業種でもございますし、さらに、高齢化や子育て等、今後においてニーズが高まってくる大変重要な業界においてミスマッチが発生していることがうかがわれます。それらに対して、女性や高齢者にも着目して説明会や職場体験なども実施しているということでございまして、そういった対策をしていることについては一定の評価をさせていただきたいところでございます。  ただ、どういった人に働いてもらうかという視点で女性や高齢者らを掘り起こすことも重要でございますが、どういう業種や仕事で人が不足しているのか、そして、それはなぜなのかというような実態、原因、課題などを業種や仕事ごとにしっかりと丁寧に把握していくことがまずは先決ではないかと考えます。当然、ミスマッチの要因というのは、仕事の内容、勤務条件などは業界ごとにそれぞれ違いますし、求職者が考える賃金水準と求人側が提示する賃金が合致しないとか、労働時間の問題等々、いろいろな要因が複雑に絡み合って生じているものだというふうに考えます。ですから、今後、賃金水準の検証はもとより、採用に関する経営者側のマインドや業界の働き方改革、こういったさまざまな観点から取り組みを進めていくべきでありまして、ミスマッチの要因の分析を十分に行わない中で、ただ刹那的に人と企業を結びつける取り組みばかりをしていても、根本的な解決にはなかなかつながっていかないのではないかと考えます。  そこで、もう一つ伺いますが、特に人手不足に悩んでいる各業界につきまして、ミスマッチの要因をしっかりと調査・分析した上で解決策を講じていくべきと考えますけれども、お考えを伺いたいと思います。 ◎金谷 雇用推進部長  しっかり要因分析を行って解決策をというようなご質問であったかと思います。  委員がご指摘のとおり、医療、介護、保育、宿泊、飲食など、業界ごとに仕事内容や労働時間に特性があることから、賃金水準も含め、さまざまな事柄が人材獲得のハードルになっているというふうに考えております。特に、介護や保育など需要がふえ続けている分野では、人材確保のため、勤務条件の見直しあるいは職場環境の改善を求める声も多く聞かれるところでございます。賃金改善、あるいはICTの導入などは図られておりますけれども、全体的にはなかなか改善が進んでいないというふうに認識しているところでございます。  人手不足解消に向けまして、業界を所管する関係各局とも連携しながら、要因分析も含めて、どのような対策ができるのか、検討してまいりたいと考えております。 ◆中川賢一 委員  各業界によって要因はさまざまであろうということで、それぞれの業界を所管している市の各関係部局と連携して検討したいということですので、ぜひ、そうしていただきたいと思います。  役所は縦割りだと言われておりますが、生産年齢人口が減少する中で、人手不足ということが解消されなければ、札幌、北海道の全ての活力が失われていきます。市の経済の根幹を抱える業界、または、ニーズが非常に伸びている業界として、今もお話にありました医療や介護、また、飲食や宿泊、さらには、雪のこともありますので、建設業も含めて、こういった部分はなるべく早急に各局と連携して、まずはしっかりと要因分析を行い、根拠に基づく対策を一緒になって進めていただくことを強く求めまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、女性の多様な働き方支援窓口について、3点質問させていただきます。  総務省の労働力調査によれば、生産年齢人口が減少する中、就業者数、雇用者数、正規雇用者数のいずれも、2012年と比較すると大きく増加しております。中でも、特に女性の就業意欲が高まっています。女性の労働参加率ですが、2016年では68.1%で、2012年の63.4%から4.7%の上昇を見せています。  ちなみに、アメリカは67.3%で、2000年は日本より10%以上も上回っておりましたが、逆転いたしました。また、女性の労働参加に対して先進的な取り組みを行っているヨーロッパのフランスは67.9%ですので、決して低い数字ではありません。  我が会派の竹内議員が代表質問で取り上げさせていただきましたが、本市では、昨年、さっぽろ女性応援会議を設置し、女性活躍推進施策が検討され、この会議の結果を踏まえて、平成30年度予算において各種の女性活躍推進にかかわる取り組みが盛り込まれました。この取り組みの中でも、女性の希望に合った働き方を支援する総合相談窓口の設置は、本市の働きたいと考える女性の大きな支えになるものと期待しております。  そこで、質問ですが、新たに設置を予定している女性の多様な働き方支援窓口の特徴についてお伺いします。 ◎金谷 雇用推進部長  女性の多様な働き方支援窓口の特徴についてのご質問でございます。  子育て女性の就労支援につきましては、これまで、就業サポートセンターや各区において女性向けのスキルアップセミナーを開催したほか、女性の採用に積極的な企業での職場体験などを行いまして、勤労意欲の醸成や企業とのマッチングに努めてきたところでございます。こうした取り組みを通じまして、子育て女性が抱えている課題は、働くことへの不安、家庭と仕事の両立、子どもの預け先など多岐にわたっておりまして、解決に向けては多様な支援が必要であることが明らかになったところでございます。  このため、女性の多様な働き方支援窓口では、子育て女性を主な対象といたしまして、就労の相談のみならず、生活設計や保育相談などをワンストップで実施するなど、お一人お一人に寄り添った支援を行うことが大きな特徴だと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  ただいま、子育て女性を主にして、多様な悩みに応えるようにさまざまな支援を展開していくとの答弁でございました。  個々の家庭環境やキャリアによって働ける時間や仕事内容は違ってきます。特に、未就学のお子さまを抱えるお母さんにとって、一定期間のブランクを経て再就職するのは簡単なことではないと思います。こういった方々への支援としては、スキルアップ、または就職活動なども大切だと思いますが、保育に関する支援も大切だと思います。また、子どもを預けて働きたいというお母さんは、忙しい中で、就職に必要な情報をいろいろなホームページや資料などから調べて検討していくのも大変なことだと思います。働く相談と保育の相談をまとめてできたら、どんなに助かることかと思っております。  そこで、質問ですが、窓口では、就労相談と子育て相談をどのように連携させて進めていくのか、また、その中で、保育に関してどのような情報提供をしていくのか、伺います。 ◎金谷 雇用推進部長  就労相談と子育て相談の連携、保育情報の提供ということでございます。  子育て女性が就労先を考えるに当たりましては、子どもを預ける場所や保育サービスの内容が大きく影響するため、就労支援と保育の支援は同時に進めていくことが必要なものと考えております。  このため、保育サービスの仕組みや利用手続を初め、民間の子育て支援サービスなど、その方が必要とする情報をカウンセラーがわかりやすく提供していきたいと考えております。また、窓口では、各区の健康・子ども課と連携いたしまして、定期的に認可保育所等の空き情報を集約したいと考えており、こうした情報も必要に応じて参考として利用者へ提供していきたいと考えているところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  認可保育園の空き情報を提供していく、また、カウンセラーが民間の保育サービスも含めて就労と子育て相談を一体的に実施していくとのことでした。働くことを希望する子育て女性が、子どもの預け先の問題で就労を断念してしまうケースが少なくないと伺っております。ぜひ、充実した情報提供と相談体制でサポートしていただくようお願いいたします。  さて、この相談窓口がどんなにすばらしい施設になっても、利用される方に来ていただけなければ意味がありません。利便性の高い場所に設置すると伺っておりますが、主な支援対象である子育て中の女性は外出するだけでも一苦労です。こうした女性の皆様に窓口まで来ていただくために、ほかの自治体では、SNSを活用した情報発信など、周知をしていくためにさまざまな工夫をしていると伺っています。また、施設自体も、女性が気軽に利用できるように、カウンセラーを女性中心にしたり、営業時間や曜日にも工夫しているところが多くなっていると聞いております。  そこで、質問ですが、本市の窓口においては、主な対象である子育て女性にどのように周知を図り、施設の利用を促していくおつもりなのか、また、どのような体制で相談を受けていくつもりなのか、伺います。 ◎金谷 雇用推進部長  施設の利用促進に関しましては、委員がご指摘のとおり、就労を希望する子育て女性に広く窓口を周知し、足を運んでいただくことが重要だと認識しております。  このため、子育てサロンや児童会館、あるいは、市内の幼稚園や保育園にリーフレットを配架するほか、特に子育て女性が購読者となっているフリーペーパー、あるいは、利用率の高いSNSにも広告を掲載していきたいと考えております。加えまして、マネープランや時短レシピ、在宅ワークの仕方など、子育て女性の関心が高いと思われるテーマを設定したセミナーを実施することにより、窓口の利用機会の拡大につなげてまいりたいと考えております。  次に、運営体制でございますが、女性の支援に十分な経験を有するキャリアカウンセラー5名を配置して、月曜日を除く平日に加えて土曜日も開設を考えており、9時から17時まで相談を受け付けるなど、気軽に利用できるように配慮してまいりたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  関連施設にフリーペーパーを配架したり、SNSを含めた広報をしていく、また、子育て女性の関心が高い事柄をテーマにしたセミナーを実施し、運営体制も、経験豊かなカウンセラー5名を配置し、曜日や時間にも十分配慮するということでした。こうした相談者の立場に立った取り組みが、多くの方の窓口利用、そして、働きたいという希望をかなえていけるなど、一定の効果を上げていくことを期待しております。  しかし、どんなに施設の内容を充実させ、場所も利用しやすい都心へ設置したとしても、何度も話をさせていただきましたが、窓口利用の主な対象者が大変に忙しい子育て中の女性ということなので、相談したい全ての女性が足を運べるとは思いません。  そこで、提案ですが、SNSの活用において、広報機能だけではなく、相談をフォローするような補完機能もあれば、より多くの方が就労希望を実現することに効果があると思います。また、営業時間や曜日についても、さらに多様なニーズに応えていくために、夜間の相談であったり日曜日の営業も検討していく必要があると思います。  今後も、より多くの女性に活用していただけますように、ニーズの把握をしっかり行い、利用者の立場に立った事業展開になることを求め、私の質問を終わります。 ◆前川隆史 委員  私からは、札幌UIターン就職センターについて、なるべく簡潔にお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  皆さんもご案内でしょうけれども、札幌市の今年度上期の企業経営動向調査によりますと、経営上の問題点として人手不足と回答する企業が最も多くなってございます。市内の中小企業の経営者などからも、とにかく人手が不足しているといった声をよく耳にするところでございまして、高齢化とあわせて、人手不足がますます厳しい状況になっていると地域を歩く中で感じております。また、札幌市のみならず、全道42商工会議所を対象に行ったアンケートにおきましても、約92%の会議所で人手不足が企業経営に影響を及ぼしていると回答しておりまして、人手不足対策の強化が大変求められている、このように実感しております。  こうした中、東京圏からの人材還流を図る札幌UIターン就職センターを開設したことは、人口減少対策などとあわせて企業の人手不足対策ともなると期待いたしまして、これまでもその動向に注視してきました。開設から2年目を迎えまして、大学への直接訪問によるPR活動なども頑張って、徐々にセンターの認知度も高まってまいりましたし、東京に常駐しているカウンセラーが求職者へ直接の就職支援を行うなど、地道に取り組んできた結果、求職登録者数や内定件数がふえてきていると伺っているところでございます。ただ、登録者数などがふえていることは大変喜ばしいことですが、求職者がどれだけセンターを利用して、実際に就職活動の役に立っているのかということについてもしっかり確認していく必要があるかと思います。  そこで、最初の質問でございますが、今年度、求職者から1カ月当たり何件程度の相談があったのか、確認の意味も含めて、改めてお伺いいたします。  また、相談者からセンターへどのような意見や感想が寄せられているのか、その辺もお伺いいたします。 ◎金谷 雇用推進部長  求職者からは、平均で1カ月当たり約180件、1日当たり10件程度の相談が寄せられている状況でございます。  相談者からは、声に出して相談することでUターンの気持ちが高まった、あるいは、東京にいながら札幌の現状を知ることができたなどの意見や、また、もっと早くセンターの存在を知っていればよかったというような声も聞かれております。このように、アンケート調査によりますと多くの人から利用してよかったとの回答を得ており、満足度は高いものと認識しております。 ◆前川隆史 委員  平均して月180件の相談があって、相談者の反応も大変よろしいというようなご答弁だったかと思います。  私も、東京に住む友人に、札幌で生活するという希望はないか、ぜひ札幌に移住してこいよと、そういう問いかけといいますか、地道に営業をやっておりまして、一度は住んでみたい、自然に触れて札幌ならではの生活をしてみたいといった憧れはよく耳にするところでございます。このように憧れは皆さんも大変持っているのですが、実際にUIターン就職をした一部の方からは、就職した会社が思ったような業務内容ではなかったとか、想定していたよりも給料が低かったなど、憧れと現実にギャップを感じている、そういった声も少なからずあると伺っております。  一方、受け入れる側である札幌の企業は、東京圏の学校で学んだ、あるいは、大都会の東京で仕事をしてきた方だから相当優秀な人材であろう、または、かなりのスキルを備えて来てくれるというように、非常に高い期待感、イメージを持っている企業が多いと伺っています。しかしながら、実際に東京圏から社員を採用した企業からは、求めていた能力までには達していなかったとか、想定していた業績の向上までには至らなかったといった意見も、少数ですが、あるように伺っております。  先ほど、中川委員からもミスマッチの課題等についてご指摘がございましたが、こういったミスマッチにつきましては、求職者、企業の双方にとって大きなマイナスであると考えます。やはり、UIターンをして札幌に来ていただいた方には、札幌に愛着を持って生活していただきたいですし、企業には人手を十分に確保して札幌の経済発展に貢献してもらいたいと願うところでございます。  そこで、質問でございますが、札幌市では、このようなミスマッチについてどのように考えているのか、また、どのように対応しているのか、お伺いしたいと思います。 ◎金谷 雇用推進部長  委員のご指摘のようなミスマッチは、少なからず起きているものと考えております。  その要因の一つとして、求職者にとっては企業の、企業にとりましては求職者の必要かつ的確な情報が十分に得られていないことが挙げられるのではないかと考えております。このため、UIターン就職センターでは、求職者が必要な情報を的確に得られるよう、常駐のカウンセラーがきめ細やかな支援を行っているところでございます。また、登録企業に対しましては、札幌におきまして、今年度は年4回、インターンシップからの採用活動、あるいは企業説明会の運営方法など、テーマを変えて採用力を強化するセミナーを開催しておりまして、そういったことによって企業が必要とする人材が得られるよう支援してきたところでございます。 ◆前川隆史 委員  企業側、求職者の双方に対して、ミスマッチの要因となるギャップを埋める取り組みをやっているというお話でございました。  私も、昨年12月に東京大手町のセンターを直接訪問し、視察させていただきました。大都会東京のど真ん中の大手町というすばらしい場所にございまして、行ってみますと、記憶違いかもしれませんが、神戸や金沢なども同じような事務所、ブースを構えておりまして、各都市がしのぎを削りながら人の確保に奔走している、そのような印象を持ちました。今、一歩ずつ改善しているというご答弁をいただきながら、今後は、このセンターをさらにうまく活用してミスマッチの軽減につなげていただきたいと感じたところでございます。  そこで、3点目の質問は、今後も、求職者と企業双方の目線に立って細やかな支援をしていく必要があるものと考えておりますが、そういった観点も踏まえて、新年度はどのような取り組みを行っていこうとされているのか、お伺いします。 ◎金谷 雇用推進部長  UIターン就職センターのあるビルの中には、神戸市が属している兵庫県や金沢市が属している石川県の事務所などもございまして、特に、石川県はなかなか進んだ取り組みをされているということで、これからお話しする新年度の取り組みの一つもそこからヒントを得ております。  新年度の取り組みでございますが、道内出身の学生が多く在籍している大学を主な対象として、現在のところは11校の大学と就職促進協定を締結しておりますけれども、これらの大学との連携を強化するため、東京におきまして意見交換会の開催を予定しております。この意見交換会では、大学のキャリアセンター職員に実際にUIターン就職センターへお越しいただき、札幌市の取り組み、あるいは、センターの機能を具体的に知ってもらうこと、また、大学の方々からは、札幌市への要望、学生の就職活動の実態など現場の声を聞かせていただきたいと考えております。また、登録企業への取り組みといたしましては、引き続き、採用力強化セミナーを開催してまいりますが、新たに札幌におきまして協定締結大学と登録企業との意見交換会を開催することなども検討しているところでございます。 ◆前川隆史 委員  新年度はますます力を入れ、大学との連携、大学と札幌の企業を直接結びつけて交流していくような取り組みもかなり強化していくということでございました。こういった取り組みは、求職者、企業の双方にとっても有益なものであると思いますので、大いに期待したいと思います。  いずれにしましても、多くの求職者、企業がセンターを一層活用していただけるように、力強く取り組みを継続していただきますよう要望いたします。また、札幌スタイルとも言えるこうしたライフスタイルを謳歌していただける方が一人でも多くふえるように、そういった取り組みにも尽力していただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ○福田浩太郎 委員長  以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。  次に、第6款 経済費 第1項 商工費の質疑を行います。
    ◆中川賢一 委員  私からは、大きく3項目にわたりまして、一つ目に都市間交流を生かした経済の活性化について、二つ目に医療分野の産業振興について、三つ目に、観光に関連して、北海道が現在検討している宿泊税について、以上の3点について順に伺ってまいりたいと思います。  まず、一つ目でございますが、都市間交流を生かした経済の活性化についてお伺いしたいと思います。  私は、さきの代表質問におきまして、海外の都市との交流というのは、産業、観光などの連携を通じて経済効果やまちづくりにも寄与していくものに発展させていけるものであって、地元経済界なども巻き込んで交流を深めていくべきことの重要性を指摘させていただきました。それを受けまして、今後の取り組みの方向性についてお伺いしましたところ、市長からは、引き続き、海外都市とのネットワークを強化し、地元経済界や関係支援機関とも連携を図りながら、企業の海外展開支援や観光客の誘致に積極的に取り組んでいきたいというご答弁がございました。  例えば、最近の台湾高雄市との交流ですが、これは、昨年2月に本市議会の日台友好議員連盟が高雄市を訪問したことがきっかけとなりまして、12月には両市におきまして観光交流に関する覚書の締結に至りました。そして、ことしの2月に開催された高雄の国際マラソン大会には札幌の市民ランナーやボランティアが参加するなど具体的な都市間交流の成果につながっていきまして、市の取り組みが反映された非常にいい事例ではないかなというふうに捉えております。  そこでまず、質問いたしますが、世界が経済的にも社会的にもグローバルに相互連関を深め、発展してきている今日、自治体レベルでも、海外都市とのネットワークを積極的に活用するなどしてグローバルな活力を積極的に取り込み、地域経済の活性化を図っていく視点が非常に重要と考えますけれども、都市間連携の有用性に対する認識につきまして改めてお伺いしたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  都市間連携の有用性に対する認識についてお答えいたします。  少子高齢化や人口減少に伴い、国内市場の縮小が予想される中、世界を視野に入れた事業活動を行う企業の増加を図っていくことは、札幌市経済の持続的な発展のためにも必要と考えております。一方で、市内企業の大部分を占める中小企業にとりましては、海外事業を軌道に乗せるにはさまざまなハードルがあり、海外都市とのネットワークを強化し、現地政府の支援を受けることは、市内企業の海外展開を支援する上でも非常に有用であると認識しております。  このような認識のもと、これまでも、中国や台湾などアジアの諸都市を中心に経済交流に関する覚書を締結するなど、積極的に海外都市とのネットワークを構築し、信頼関係を強化してきたところでございます。 ◆中川賢一 委員  市内企業の海外展開を支援していく上では、やはり、現地政府の支援を受けていくことも大変有効だということで、これまでも、市内企業の海外展開を支援していくために、海外都市とのネットワークを構築して信頼関係を強化してきたということでございまして、そういった点は一定の評価をしたいと考えます。  ただ、貿易の自由化や国際航空ネットワークが拡大して、国境を越えて人や物が活発に移動している今日、グローバルな地域間競争、企業間競争というものは一層激しさを増しておりまして、札幌の企業が世界を舞台にビジネスのフィールドを広げてしっかりとした成果を残していくことは容易なことではないと考えます。そういった意味におきましては、先ほども現地政府の支援ということもございましたが、やはり、行政機関にも地域企業の海外での事業展開をサポートしていく積極的な姿勢が求められまして、現地の行政機関や関係機関とのネットワークを構築して、信頼関係の強化にこれまで以上に取り組んでいただきたいと考えるところでございます。  海外都市との信頼関係という視点でいきますと、札幌市は、これまでも姉妹・友好都市交流を積極的に展開して、青少年の交流、またはスポーツ、文化、芸術などさまざまな分野での交流を推進し、長年にわたって信頼関係を築いてきているというふうに評価できると思います。  そこで、質問ですが、これまでのこういった姉妹・友好都市との交流の成果を経済分野の施策にも積極的に反映して発展させていくべきと考えますけれども、姉妹・友好都市との経済交流の実績についてお伺いしたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  姉妹・友好都市との経済交流の実績についてお答えいたします。  姉妹・友好都市におきましても、従来の文化や青少年等の交流に加えて、経済交流の取り組みも始めたところでございます。例えば、瀋陽市とは、中国において顕在化する土壌汚染や水質汚染などの課題解決に向けて、環境分野における経済交流を推進しております。これまでも、周年事業や冬の都市市長会議を活用して現地企業との商談の機会を設けてきたところであり、昨年度からは、北海道と連携し、札幌市内において、瀋陽市を含む中国東北地方の企業との商談会を開催しており、市内企業が現地に進出する成果も出始めております。また、ノボシビルスク市におきましては、ことし2月に経済分野での交流の試みとして同市企業が参加するビジネス交流会を開催し、市内企業の寒冷地対応製品に関心を持つロシア企業など約80名の参加を得たところでございます。  これら両市との経済交流事業におきましては、これまで構築してきた信頼関係のもと、現地で参加する企業の募集などで両市政府から全面的に協力を得ており、引き続き、姉妹・友好都市のネットワークを活用した経済交流に取り組んでまいります。 ◆中川賢一 委員  瀋陽市やノボシビルスク市などそれぞれの地域の現地における課題や企業のニーズをベースに、いろいろな経済交流に取り組んでいるというお話だったと思います。このように姉妹・友好都市との間で市民交流を基礎として積み重ねてきた実績を、経済交流の分野におきましても実のある交流へと発展させられないかといった視点で、積極的に情報交換を重ね、知恵を絞っていくことを強く期待したいと思います。  話は少し変わりますが、昨年11月、札幌市の姉妹・友好都市の中でも最も歴史の長いポートランド市に本市議会として視察団を派遣しまして、私も団員の一人として現地に赴かせていただき、大変有意義な勉強をさせていただけたと思っております。その成果につきましては、さきの私の代表質問におきましても幾つか質疑させていただいたところでございます。  ポートランド市とは、昭和34年、1959年に姉妹都市提携を結んでおりまして、以来、100を超える札幌市内の団体が姉妹団体提携を結んでいる状況であります。また、平成16年には、ポートランドで交流の中心となっているポートランド・札幌姉妹都市協会が日米交流150周年記念の外務大臣表彰を受賞するなど、青少年やスポーツ、文化、芸術など幅広い分野におきまして市民同士による草の根交流が活発に進められており、姉妹都市交流のモデルとしても非常に高く評価されていると認識しております。  さらに、今回参りました視察の際には、現地の経済界からも我々に対して食分野での交流について非常に高い関心が示されるなど、食を中心とした経済交流の可能性を実感しまして、ぜひ、何らかの形で実現できないかなと強く感じたところでございます。ポートランド市が位置しているアメリカ西海岸は、近年では多くの日系のスーパーや日本料理レストランが展開されておりまして、アメリカの中でも日本の食というものがかなり浸透している地域であるとともに、ポートランドの都市圏というのは200万人を超える人口を有する非常に魅力的な市場でありますが、それにもかかわらず、本市としましては、これまで食分野での経済交流に必ずしも十分に取り組んできていなかったのではないかというふうに感じております。  そこで、食分野での経済交流をもっと積極的に進めるべきと考えますけれども、姉妹都市提携が1959年なので、来年の平成31年、2019年はちょうど姉妹都市交流60周年を迎えますので、これをよい機会と捉え、一段と交流を深めるために、新年度において、札幌、北海道の食の魅力を現地で発信できるような機会などをまずは先行的に設けることが大変有効ではないかと考えますがいかがか、お考えを伺いたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  新年度におけますポートランド市との経済交流の取り組みについてお答えいたします。  札幌市が平成28年度に市内食関連企業を対象に実施したアンケート調査の結果では、新規に進出を希望する国の第1位はアメリカとなっており、ポートランド市やその近郊を含めた地域は有望な市場と認識しております。  したがいまして、委員からご提案のありました現地での食を中心とした経済交流事業につきましては、平成31年度の姉妹都市提携60周年につながるよう、その実現に向けて、鋭意、関係機関と協議を進めてまいります。また、周年事業などをきっかけに、両市の継続的な経済交流へと発展するよう、ポートランド市政府とも連携を図りながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆中川賢一 委員  アメリカは市内食関連企業にとって非常に関心のある国だということで、現地での経済交流事業の実施に向けた検討、また関連機関との連携などを新年度から早速進めていきたいということで、非常に前向きな姿勢をお示しいただけたなというふうに受けとめたいと思います。  繰り返しになりますが、昨年の視察でも、近年、ポートランド市では日本食への関心が非常に高まっているということを肌で感じてきたところでございまして、まずは、ポートランド市政府といった行政機関と連携して、現地のニーズの把握といった市場調査やネットワークの構築に努めて、ぜひとも、1年後に控えている姉妹都市提携60周年の節目にふさわしい取り組みにつなげていってもらいたいと思います。また、こういった取り組みがきっかけとなって、将来に向けた継続的な経済交流に発展していくことを強く期待するところでございます。  今、札幌市には五つの姉妹・友好都市がございますが、この信頼関係は長い時間をかけて市民が積み上げてきた大切な財産でございます。今後は、これらの姉妹・友好都市とのこれまでの交流の取り組みの成果を経済分野におきましても積極的に活用して、地元経済界などとも連携を図りながら、経済的にも実のある関係へと発展させていただくこと、そして、その先駆けとなる好事例を、ぜひ、ポートランド市との間で60周年に向けて実現していただくことを強く期待して、まず、この項目についての質問を終わらせていただきたいと思います。  続きまして、大きな2項目めの医療分野の産業振興につきまして、市場の形成を見据えていくという観点で何点かお伺いしていきたいと思います。  先日の代表質問で、私は、医療分野の産業振興について質問させていただき、そのご答弁としては、大学に強みがある研究を軸とした産業の育成が重要で、その候補の一つに再生医療の研究が挙げられるという内容でございました。  再生医療分野における札幌の取り組みとして、最近、全国レベルで大変注目されておりますのが札幌医科大学の研究であります。これは、患者の骨髄から採取した細胞を点滴で戻していくことによって傷ついた神経や血管を再生させようというもので、これまで、脊髄損傷、また脳梗塞といったものを対象に治験を実施し、現在、ニプロ株式会社との共同によって医薬品の実用化を目指しているところでございます。  この研究は、大変画期的な取り組みでございまして、厚生労働省が平成27年に創設した先駆け審査指定制度というものに再生医療等の製品として初めて指定されておりますし、平成29年6月に首相官邸で行われた健康・医療戦略推進本部の会議でも、安倍総理、菅官房長官、関係大臣に対して、札幌医科大学のほうから、直接、報告が行われております。このように、政府や国からも大きな期待が寄せられている研究でございまして、一部の報道によりますと、ことしの夏ごろにも医薬品の承認が申請され、来年春には販売開始となる可能性があるなど、実用化のめどが迫っている状況だというふうに伺っております。  そうした中で、札幌市の新年度予算案の中では、再生医療に関連する周辺産業の調査費として2,000万円が盛り込まれております。ただ、医薬品の実用化を担うニプロの最先端の研究開発そのものに市内の企業が直接かかわっていくことは、現実的には高いハードルがあるのではないかと考えられまして、この新年度の事業も、あくまで再生医療の周辺産業についての調査という組み立てになっております。ただ、一口に周辺産業と申しましても、医療、医薬から、看護や介護、そして、それらに関連する周辺の作業やサービス、補助器具などといった分野、さらには、それらの補助の作業や生活支援など、いろいろと広範囲にわたるものと想定されますので、こうした周辺産業というものをどのように適切に想定していくかという点が重要になってくるものと考えます。  そこでまず、今回予定されております再生医療の周辺産業調査というものは、どういった認識のもとで、何に着目して実施されるのか、お伺いしたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  再生医療の周辺産業調査に向けた認識と着眼点につきましてお答えいたします。  再生医療の実用化に当たりましては、医薬品の研究開発のほかにも、患者を札幌医大病院まで安全に搬送する方法の構築や、回復に必要となる長期的なリハビリ実施体制の構築など、考慮すべきさまざまな課題があると聞いているところでございます。こうした周辺分野の課題への対応は、民間企業の発想と創意工夫が重要でございまして、市内企業にとりましても新たなビジネスの機会につながる可能性があるものと認識しております。  このため、調査におきましては、実用化の課題となっている患者の搬送やリハビリといった点に着目し、市内における関連サービスの実態や他都市の先進事例など、現況を詳しく把握してまいりたいと考えております。 ◆中川賢一 委員  今回の研究から、患者の搬送やリハビリといった点が着目されるということで、実態や先進事例などをいろいろ把握していきたいということでございますので、ぜひ、この分野の実態により即した検討を幅広くしていっていただければと思うところでございます。  私は、さきの代表質問の際にも触れましたが、産業の振興に当たりましては、それを必要としている市場の形成という観点が重要だと常々申し上げております。今回の札幌医科大学の再生医療研究は、これまでの医療を大きく変える可能性があり、まさに新たな市場の形成が期待できるものと考えます。市場形成の主役は、やはり、ニプロが札幌に建設した再生医療研究開発センターで製造されることになる医薬品となりますが、今もお話にありましたように、実用化に向けて課題となっている患者搬送、リハビリなどの部分に関してもあわせてしっかりと環境が整えられていく必要があると思いますので、そういった点も含めて、トータルで新たな市場をしっかりとこの地域に形成していくという視点が重要だというふうに考えるところでございます。  そこで、次の質問でございますが、札幌における再生医療の実用化を契機に、再生医療分野の市場形成を見据えた環境整備を目指していくべきというふうに考えますけれども、どのようなお考えなのか、お伺いしたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  再生医療分野の市場形成を見据えた環境整備につきましてお答えいたします。  再生医療の実用化に伴いまして、例えば、搬送費用を賄う民間の保険商品や先端的なロボット・IT技術を導入した効果的なリハビリなど、新たな製品、サービスが生まれる可能性もございます。これは、さまざまな市内企業にチャンスをもたらすとともに、ベンチャーの創出や企業誘致なども期待できることから、企業の取り組みを後押しする環境整備を通じて産業の集積を目指していくことが重要と認識しております。  このため、調査におきましては、企業の意向を幅広く把握してまいりまして、再生医療分野の産業振興に当たってどのような環境整備を進めるべきか、見出してまいりたいと考えております。 ◆中川賢一 委員  産業集積を目指して、どんな環境整備が必要か検討するということでしたので、ぜひ、そうしていただきたいと思うところでございます。  ただ、世の中のニーズに根差して市場が形成される、そんな環境を整えていく過程におきましては、コアとなる産業や周辺産業を担う技術や商品、サービス、人材といったものだけではなかなか越えられないさまざまな隘路があって、例えば、法制度によります規制とか、社会習慣などといったものが立ちはだかることが往々にしてございます。再生医療の場合でございますと、例えば、治療後に札幌市内で相当期間のリハビリを行う必要が出てくるのではないかなと想像されることから、患者やご家族が長期に滞在する受け入れ環境の充実なども求められてくるのではないかと思います。こういった環境の充実に向けまして、もし法制度による規制などが隘路になってくるのでしたら、代表質問でも指摘させていただきましたとおり、やはり、規制緩和や特区といったような対応も考えられるのではないかと思います。新年度に行う調査に当たりましては、こうした市場形成の隘路もしっかりと把握するとともに、これを打開していく対策や手法などもあわせて検討していくことが重要かと考えます。  そこで、次にお伺いいたしますが、再生医療分野の市場形成を目指していくに当たって、現行の法制度等が障壁となる場合にどのように対応していくべきとお考えか、お伺いしたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  再生医療分野の市場形成に向けた障壁への対応につきまして、お答えいたします。  再生医療の実用化に当たり、長期滞在の受け入れ環境が課題となる可能性も十分ございますし、特区や規制緩和などの手法によりまして、企業の創意工夫を促進できる場合もあるものと捉えております。こうした可能性を見きわめていくため、委員からのご指摘も踏まえまして、特区、規制緩和の観点や長期滞在の受け入れ環境の把握も調査内容に盛り込んでまいりたいというふうに考えております。  また、具体的な対応の検討に当たりましては、行政だけではなく、大学や産業界と一体となって取り組むことが重要でございますので、札幌医科大学や札幌商工会議所などが参画いたします産学官医療連携協議会とも連携を密にし、議論を深めてまいりたいと考えております。 ◆中川賢一 委員  調査に当たりましては、特区や規制緩和といった観点なども調査内容に盛り込んだ上で幅広い方々と議論していくということでございましたので、極力、いろいろな角度からご検討していただくことを期待いたします。  この再生医療の件で直近で実用化の話題に上っているのは、今のところ、脊髄損傷に対する再生医療でございますが、今後は、脳梗塞を初めとして、さまざまな疾患への拡大も見込まれると伺っております。このように画期的で広がりのある研究が札幌で実用化されるという出来事は、そうそう簡単に起きることではないと思ったほうがいいと考えます。その絶好の機会を逃すことなく、今回の調査が市場形成に向けて一層効果的なものとなるよう期待しまして、再生医療に対しての質問を終わらせていただきたいと思います。  最後に、大きな3項目めでございますが、今、北海道で議論が始まっております宿泊税に関連して、札幌市のこの税に対する認識、また、札幌市内のホテル・旅館業に対する影響などについて、何点かお伺いしていきたいと思います。  国のほうでは、観光を地方創生の切り札として位置づけて、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年度までに訪日外国人観光客数を4,000万人にするという目標を掲げており、北海道は500万人を目指すとしているところでございます。実際に、近年では、皆さんもご存じのとおり、外国人観光客は全国レベルで急増しておりまして、その一方で、受け入れ環境の整備や対応する人材の育成といった行政が担うべき課題も多岐にわたってきているところでございます。  こうした課題に的確に対応していくためには、当然、観光振興に係る財源の確保が重要でございます。しかし、それを捻出するのに頭を悩ませているのは全国の自治体でおおむね共通しておりまして、今、宿泊税を検討している北海道でも極めて厳しい状況や立場が続いているということは、私もかつては道の国際観光の担当者でありましたので、痛いほど承知しております。  そういった中で、国内におきましては、法定外目的税や協力金、ふるさと納税等の手法が検討されております。北海道におきましては、昨年6月からことし2月までの期間、北海道観光審議会及びその部会におきまして、北海道に適した財源確保策の検討ということでトータル9回にわたって議論されてきたと伺っております。この中で、今後の北海道の観光施策として、人材確保・育成や地域の取り組みへの支援、また、観光インフラの整備といった施策の拡充強化、さらには、こういったことの加速化を図っていくことが必要だとして、新たな施策、課題に対応していくための事業規模として、総額で200億円程度、単年度で40億円程度が必要だと試算されるという報告がございました。このため、北海道観光審議会におきましては、観光振興に係る新たな財源の確保策として、東京や大阪、京都などでも先行している法定外目的税の宿泊税の導入を答申いたしまして、ホテルを初め、民泊も含めた道内の宿泊施設に宿泊する方に対する課税を検討するように促したところでございます。  北海道、札幌の観光の振興上、外国人観光客をターゲットとして、多言語対応や人材の育成、あるいは、観光地や関連施設の設備充実などといった受け入れ環境の整備は重要な施策でございまして、その財源がふえていくことはありがたいことでございます。ただ、それを目的税とした場合に、その使途や効果に加えて、税の公平性、中立性などといった課題、また、納税者となるホテル利用者の受けとめ方、宿泊事業者への影響や理解、こういった多様な角度からの検討が求められます。  そこで、まず最初に、現在、北海道において検討されている宿泊税の導入につきまして、札幌市のほうではどのように認識しておられるのか、お伺いしたいと思います。 ◎森 観光・MICE推進部長  北海道が検討している宿泊税の導入に対する札幌市の認識についてでございます。  国や北海道と連動し、国内外の観光客の受け入れ環境を充実させていくことは重要なことと認識してございます。一方で、道内外から訪れる観光客や観光事業者から宿泊税の導入への理解が得られなければ、宿泊施設の観光客の入り込み数などに影響を及ぼすものというふうにも認識しております。  このため、宿泊者や宿泊事業者に対しまして、宿泊税の目的や、この財源をどのような事業に充当するかなどについて、丁寧な説明と周知を含めた準備期間の確保が重要であるというふうに考えてございます。 ◆中川賢一 委員  多くの影響があるだろうと、いい部分もそうではない部分もあるかもしれませんが、いずれにしても準備期間が必要だというお話だったと思います。  宿泊料金に応じて課税するという宿泊税方式の場合ですと、ホテル事業者にとりましては、場合によっては経営への懸念材料と受けとめ得ることもあるでしょうし、行政としましても、新税導入の効果と、一方ではこの税収の使途や効果をしっかりと見きわめていくことが不可欠でございます。今後の検討や制度設計は主に北海道がすることになると思いますが、札幌市としましても、道内のホテルの約4割が札幌に集中しておりますので、その点の見きわめ、もしくは把握をするためにも、しっかりと情報を得て的確に対応していくべきであると考えております。  そこで、次にお伺いしたいと思いますが、今後の宿泊税の検討スケジュールや制度設計において、本市はどのような位置づけとなっていくのかについてお伺いしたいと思います。 ◎森 観光・MICE推進部長  宿泊税の検討スケジュールと札幌市の位置づけについてでございます。  北海道は、平成30年第1回定例道議会におきまして、北海道観光審議会の答申を受けて、新たな財源の確保を検討する考えを示しておりまして、今後、道内の観光事業者等と宿泊税の導入などを協議するというふうに聞いております。具体的な検討につきましては、来月以降、北海道が財源確保の手法やその徴収方法などを検討していくものと考えておりまして、現時点では、札幌市がこの検討過程にかかわる予定はないというふうに聞いてございます。  札幌市としましては、今後、状況を見ながら、適宜、対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  来月以降に北海道の方針が決まっていくということで、今のところ、札幌市が関与する予定はないということだったのかなと思います。  ただ、先ほども申しましたが、札幌というところは道内でも圧倒的にホテル事業者が集中しているところでございまして、当然、その事業者の多くが経営への影響を懸念していることが予想されます。また、札幌の事業者から上がってくる税収入に対しては、事業者としては、負担がある分、当然、それに見合う環境整備などといった事業投下につながっていくのかどうかというところも注目されるのではないかと考えます。  今、北海道における札幌一極集中ということは、産業のみならず、いろいろな分野で課題となっておりますので、北海道全体のバランスに配慮していくことは大変重要でございますが、そういった点を含んだ上であったとしても、やはり、事業者に一定の理解を得られるような制度となっていくべきであると考えます。そのためにも、今のところは北海道の検討の中に札幌市は入らないということでございますが、やはり、北海道に対して必要な情報を求めたり、場合によっては、立場や意見を表明できるような形を整えていくことも、行政機関として本市の果たすべき役割であると考えます。  そこで、次に、今後、北海道において宿泊税を財源とする事業が札幌にとっても意義のあるものとなっていくように、札幌市としても制度設計の段階から積極的に関与していくべきではないかと考えますがいかがか、お伺いしたいと思います。 ◎森 観光・MICE推進部長  宿泊税の導入に対する札幌市の関与についてでございます。  北海道が進める観光振興に係る新たな財源確保につきましては、観光客の受け入れ環境の充実を主な目的としていることから、札幌の観光にとっても有益な事業に充てられることが市内の観光事業者の理解を得ることにつながるものと考えてございます。  札幌市としましては、北海道全体の観光振興も考慮しつつ、まずは、市内の観光事業者の意向を十分に酌み取り、必要に応じて対応してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆中川賢一 委員  今の状況でいきますと、必要に応じて事業者の状況等を把握していくというところかもしれませんが、市がこの制度設計の検討にかかわっていける、いけない、または、どうかかわっていくのかということいかんにかかわらず、市内の事業者、関係者は、当然、いろいろな立場からの考えを持ってこの件の動向や行政の対応を見ていくことになってくるわけでございまして、本市として、今後、そのあたりを丁寧に説明していく立場になることは避けられないと考えております。そういった意味からも、今のところは検討に入っていくことがなかなか難しい状況のようでございますが、適宜、北海道と打ち合わせをするなどして、市民や事業者から理解や納得が得られるような制度となるように、本市の事業者の声が少しでも反映されるようにできる限りの力を尽くして北海道に働きかけていくことを強く求めまして、この件についての質問を終わらせていただきたいと思います。 ◆岩崎道郎 委員  私からは、シニアワーキングさっぽろについて、そして、Wi−Fi環境の整備について、さらに、AIを軸とした産業振興について、大きく3点伺いたいと思います。  まず最初に、シニアワーキングさっぽろの波及効果について伺います。  2018年度予算の概要を見ますと、シニアワーキングさっぽろの目的、取り組み内容の欄には、企業の人手不足の解消と高齢者の就労促進を目的に、市内企業を対象とした意識啓発セミナー及び体験つき仕事体験会を実施するとあります。さらに読み込んでいきますと、今年度の実績は、来場者数が1,768名で、出展企業数が25社程度の見込みのところ、80社の参加との記載があります。初めての開催でありながら、2日間で1,800名近い来場者数と想定以上の出展企業数があったことから大変有意義な事業となったことが推察され、そのようなこともあり、事業費が今年度の4倍の2,400万円に増額されたものと認識しております。  そして、何よりも、就業者数が100名見込みのところ、速報値で145名となっており、この数値がこの事業の直接の効果と見ることができるのではないでしょうか。145名という多くの高齢者がこの事業をきっかけに直接雇用されたこと自体、すばらしいことでもありますし、私は、例えば、来場者の意識が就業に前向きになったなど、直接の効果以外にも波及効果があったのではないかと思っています。  そこで、最初の質問ですが、直接効果として把握している145名という数値のほかに、この事業を行ったことによる波及効果を把握しているのか、伺います。 ◎田中 産業振興部長  シニアワーキングさっぽろ開催による波及効果についてお答えいたします。  イベントの開催時に実施いたしました来場者アンケートでは、年をとっても働ける場があることを知ることができたという声があるなど、このイベントに参加したことで61%の方が就労意欲が高くなったと回答していらっしゃいます。また、イベント開催2カ月後に来場者に対して行った追跡調査では、先ほどお話があったように、出展した企業に直接雇用された145名のほかにも、イベント参加で刺激を受け、自分で会社を見つけて働いている方が約50名いらっしゃいまして、合計200名近くの方がこのイベントをきっかけに仕事を見つけて働いていらっしゃいます。このように、来場者の就業意欲の向上に加え、実際に多くの就労者増加につなげることができたものと考えております。  また、出展企業側からも、意欲のある高齢者がたくさんいらっしゃることを認識し、高齢者採用に目覚めた、高齢者も安全に働ける現場をふやして戦力として生かしていこうと社内で話し合うきっかけとなったなどの声をいただき、企業が高齢者雇用を検討するきっかけとなっております。  このような点が、この事業を行った波及効果と認識しております。 ◆岩崎道郎 委員  今の答弁で、非常に大きな効果があったことがわかりました。就職セミナーなど、そういったマッチングが行われてはいますけれども、これだけ如実にあらわれていることもなかなか珍しいのではないかなと思っています。そういった意味では、1年目ということもありましたので、これだけだったのか、もしかすると続けていったらどうなるのかなというところも非常に関心があります。  そういう中で、このイベントの効果を全市的に広めることが何よりも重要だと思いますけれども、予算の概要では、今回の1,800名近い参加者のうち、およそ400名が豊平区の方でした。これはイベント会場が豊平区だったこともありましたが、そのほかにも、参加した企業は近くに住む人を採用したいため、複数地区での開催を希望する声もあって、それを受けて今年度は会場を五つにふやすことになっております。会場については、今年度行われたきたえーるのある豊平区を初め、西区、北区、白石区、南区で展開する案となっております。非常に期待していますし、こういった広がりになっていることはまず評価をさせていただきたいと思います。  ただ、この事業は、体験型ということもあって比較的広い場所を確保する必要があるため、今回の西区、北区、白石区、南区では体育館などの大きい会場を使わなければいけません。私の住んでいる南区では南区体育館で行われますが、ただ、南区における南区体育館の位置がどうかというと、余り行きやすい場所とは言えないですし、ほかにあるのかと言われると、南区ではなかなか難しいところもあります。そういった意味では、今回はきたえーるでやったものと同じようなものを各区でやるのかなと想像しておりますが、まずはきっかけづくりという意味で、さらに小さいものをできないのかなというふうにも思っております。  そこで、質問ですけれども、地区センターや地域の小・中学校の体育館など、より地域に密着した会場での開催を検討してもよいのではないかと思いますが、認識を伺います。 ◎田中 産業振興部長  シニアワーキングさっぽろの会場の選定の考え方についてお答えいたします。  ただいまご指摘いただいたとおり、仕事体験つきということで通常よりは広目の企業ブースが必要なため、拡大する会場につきましては各区の体育館で開催する案としております。ただ、区の体育館でも、面積はことし開催いたしました北海きたえーるの半分程度となり、出展企業数を絞らざるを得ない見込みであります。そうした状況においても、シニア層、出展企業双方の満足が得られるよう、実施に当たりましてはさらなる工夫が必要と考えております。  地区センターなどさらに狭い会場での開催につきましては、区体育館での実績を踏まえるとともに、利便性などにも十分配慮しながら検討してまいりたいと考えております。 ◆岩崎道郎 委員  シニアワーキングさっぽろ自体、大きい会場で体験もできることが非常に大きな魅力であろうということは理解しております。一方で、今回、61%の方がこの企画を契機として働く意欲を高めているということもありますので、両方のバランスを見ながら、今年度の結果を見てまた新しい取り組みにも積極的に取り組んでいただきたいということを求めて、この質問は終わらせていただきます。  続きまして、Wi−Fi環境の整備について、まず最初に、Sapporo City Wi−Fiのつながりにくさについて質問させていただきます。  札幌市では、外国人観光客の利便性及び満足度の向上を目的に、2015年10月から、無料公衆無線LAN、Sapporo City Wi−Fiを整備しています。利用可能エリアは、大通公園や定山渓、円山公園といった観光施設、さらには、主要地下鉄駅のほか、札幌ドームや大倉山ジャンプ競技場などのスポーツ施設にも広がっています。そして、利用エリアの拡大に伴って利用者数も増加しており、今では1カ月約20万人の方に利用されており、非常に多い方に利用されていることがわかります。  しかしながら、Sapporo City Wi−Fiがつながりづらいという声が聞かれており、現に、私も真駒内駅をよく利用しますが、その場でSapporo City Wi−Fiに接続しようとしてもつながらないことも多々ございます。そのような状況に鑑みますと、先ほどの1カ月の利用人数についても、利用したい方がスムーズに接続できれば本来はもっと大きな数になるのではないか、そのように考えているところであります。  そこで、最初の質問ですが、札幌市では、Sapporo City Wi−Fiがつながりづらいといった意見を把握しているのか、また、それに対してどのように対応しているのか、伺います。 ◎森 観光・MICE推進部長  Sapporo City Wi−Fiのつながりにくさとその対応についてでございます。  私ども札幌市にも、大通公園などでSapporo City Wi−Fiがつながりにくいというご意見をいただくことはございます。そうした場合、その都度、その通信状況を確認している現状でございます。  現在、Sapporo City Wi−Fiを整備した当時より社会全体にWi−Fiが普及し、個人でモバイルWi−Fiルーターを持つ方もふえている中、それらの多くは、Wi−Fiに許可された二つの周波数帯のうち、2.4ギガヘルツ帯を使用しているものでございます。そのため、この2.4ギガヘルツ帯は、電波干渉により通信が不安定になりやすく、つながりにくいのが主な原因となっているというふうに考えております。一方、もう一つの5ギガヘルツ帯につきましては、電波干渉も少なく、安定した通信ができることを確認済みでございますが、利用者は接続するWi−Fiの周波数帯を指定できない状況となってございます。よって、つながりにくい箇所は、この2.4ギガヘルツ帯を一旦停止し、5ギガヘルツ帯のみにした場合の影響について今後調査をしてまいりたいと考えているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  通信環境の向上に取り組んでいることは理解いたしましたが、一方で、接続に当たっての認証も非常に不便でございます。先ほど私が申し上げた真駒内で使いにくかったというのは、これも一因であります。  特に、皆さんも、ご自宅ではスマホを自分の家のWi−Fi環境でWi−Fiの状況にしていて、一歩外に出ると、Wi−Fiが飛んでいないので、キャリアからもらう、通信会社からもらう電波を利用する。でも、Wi−Fiはオンになっている。すると、Sapporo City Wi−Fiのところに来ると、キャリアの電波ではなく、City Wi−Fiにつながってしまうので、では認証するのかというように、ちょっと手間が感じられるのですね。やはり、便利なものでございますので、たかだか1個の認証かもしれませんが、ここが非常にストレスになってくるというところがあるのではないかなと思っております。そういった意味で、Sapporo City Wi−Fi以外にもさまざまな民間が提供している無料のWi−Fiもありまして、どれをとっているのかというような、ちょっと混雑している感じがあって、自分で一々ちゃんと認証しなければいけないというストレスをなくしていくことが非常に重要なことなのかなというふうに思っております。Wi−Fiが変わるたびに新たな登録や利用の際の認証を求められる、そういった煩わしさを回避できないのか、そのことが私の今の考えであります。  そこで、質問ですが、Sapporo City Wi−Fiの認証の不便さに対してどのように考え、どういう対策をとっているのか、伺います。 ◎森 観光・MICE推進部長  Sapporo City Wi−Fiの利用に当たっての認証についてでございます。
     初回の利用者登録後、Sapporo City Wi−Fiは、1日何回でも利用できるものの、1回の利用が30分を超えると、再度、認証が必要となっております。これは、無料のWi−Fiを安全に、かつ、多くの方に利用していただくという趣旨から設定しているものでございます。また、30分以内であっても、設置エリアごとのアクセス数を把握するため、エリアが変わると認証を求める設定にしております。  これらの不便さを多少でも解消するための一つの方法として、Japan Connected−free Wi−FiなどのWi−Fi接続用アプリが配信されておりまして、このアプリを利用すると、Wi−Fiサービスごとに認証する煩わしさも緩和される状況でございます。さらに、現在、Sapporo City Wi−Fiの利用者登録や認証をわかりやすくするために、利用開始画面を自動で表示させることも考えておりまして、今後も、Sapporo City Wi−Fiをより利用しやすくなるような仕組みを検討してまいりたい、このように考えてございます。 ◆岩崎道郎 委員  しっかりアプリを使えば少しはストレスが緩和される、ただ、アプリを落とすという作業も含めて、フリーで飛んでいるものですので、何も障壁がなくさくさくと使いやすいのが理想かと思っています。  今回、この質問をさせていただこうと思った経緯ですが、今後の外国人観光客に対する通信環境の整備についてというところに着目をしたからであります。今、パブリックコメントを求めていると思いますが、新しい観光まちづくりプランの改訂版の中で、新たに欧米人の観光客をターゲットとして設けて、しかも、倍増させたいというようなかなり野心的な取り組みだと思います。そういった方々に向けてはやはりWi−Fiの環境は不可欠なものかなと考えております。  北海道でも、昨年12月下旬から新千歳空港で外国人に無料SIMカードを配付するなど、各自治体でもさまざまに取り組んでいるところです。そして、民間のホテルでも、昨年10月に無料貸し出しスマートフォンのhandyを導入したと聞いています。そういったことが進めば進むほど、一層使い勝手のよいWi−Fi環境が求められると考えているところであります。  そして、今回の質問に当たり、さまざまな資料を当たりまして、日本人で世界一周を経験している14人のブロガーのインタビュー記事を拝見したのですが、そういった方々の多くが口をそろえて言うのは、やはり、日本のWi−Fi環境、公衆無線LAN、誰でも使える無線LANの環境は非常におくれているということで、このことも札幌市の大きな課題ではないかなと考えております。  そこで、質問ですが、札幌市における外国人観光客の通信環境整備について、今後、どのように考え、取り組んでいくつもりか、伺います。 ◎森 観光・MICE推進部長  今後の外国人観光客に対する通信環境整備についてでございます。  まずは、先ほどお答えさせていただきましたように、Sapporo City Wi−Fiのつながりにくさへの対応や、利用できる場所の周知等にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  一方、例年、雪まつり会場で外国人観光客に実施している調査では、日本滞在時に利用する通信手段として無料Wi−Fiと答えた方は少し減っておりまして、プリペイドSIMカードやモバイルWi−Fiルーターと回答する方がふえる傾向が見られております。そういったことから、外国人観光客にとって何が有益な通信手段なのか、どんな場面で通信端末を利用しているかなどについて把握し、課題を見きわめた上で、さまざまな事例を参考によりよい手法を検討してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  世界のスマートフォンの利用率というのがありまして、昨年のデータをちらっと見たのですが、日本はまだまだ6割程度です。しかし、今回ターゲットとしている欧米はもう80%を優に超えておりまして、やはり、使いやすいスマホを手に持って、そして観光地に案内できるようなものが不可欠なのかなと思っております。  先日、ニュースにもなりましたが、日本にアメリカ人の非常に有名なブロガーがいらして、ちょっとやんちゃをして、そのことによって使用停止になったことが話題になりましたが、彼には数十万人のフォロワーがいて、いつでもかなり多くの人が見て、そして、彼が行った場所に旅をしたいという憧れを抱くと。もう一方では、同じようなブロガーの方が、自分がこれから行くまちのホテルに、私が行きます、そして、紹介をするからホテルにただで泊めてくれないかというとんでもない話をして、ホテルにこっぴどく怒られたという報道がありました。  今は悪い話を二つ並べましたが、それでも、やはり、そういった方々の持っている影響力が非常に大きいことのあらわれだと思います。観光にはいろいろな形があると思いますが、個人的に口コミで広がる観光の強さというものがあると思いますので、そういった発信に向けても必要なWi−Fiの環境だと思います。  加えて、Wi−Fiの環境というのは、防災の面でも非常に有用だと言われています。自宅にいられなくて、携帯での通信もなかなかできない中にあって、公衆無線LANが飛んでいるところで安否の確認ができるとか、そのエリアによって今はどういう人が助けを求めているかがわかるという意味においても、この環境整備が求められてくるだろうと思いますので、今後も取り組んでいただけますようお願い申し上げます。  最後に、AIを軸とした産業振興について質問させていただきます。  今は、AI、IoT、ビッグデータといった先端技術の活用が急速に進んでいて、ニュースでもAIという言葉を目にしない日はないぐらい、本当に、日々日々、見ているところでありまして、第4次産業革命の到来と言われているところであります。  札幌市では、こうした状況に対応して、先端技術を活用した新たなビジネス創出を目指して、産学官が連携して札幌市IoTイノベーション推進コンソーシアムを設立し、昨年6月には、このコンソーシアムのAI専門部会としてSAPPORO AI LABが立ち上げられております。このSAPPORO AI LABでは、AI社会実装を先導する都市「さっぽろ」を掲げ、AIを活用した新たな製品やサービスを札幌から続々と生み出していくことを目指して取り組みが進められているとのことです。  AI技術は、日進月歩の勢いで開発競争が繰り広げられておりまして、今、私が申し上げたように、本当にいつもAIという言葉を目や耳にしているところです。例えば、金融市場では1秒間で2,000回以上の取引がAIによって自動的になされています。最近は、フィンテックという言葉がよく聞かれるようになってきましたが、自分が信託をして、証券会社は勝手にAIを使ってその方の信用調査をしてどんな商品がいいかを選ぶというようなことで、日本の企業でも既に行われています。そして、自動車産業では、自動走行が2020年の実用化を目指して開発されており、何度も申し上げますが、家庭用のAIスピーカーもかなり浸透してきているのではないでしょうか。  こうして、世界の超巨大企業が社会のあらゆる側面でAI技術の研究開発を急速に進め、次々と新たな製品やサービスを打ち出している中にあって、SAPPORO AI LABでは、地場IT企業がAI技術を活用して独自に製品開発をしていくことを目標とするとしています。そこで、世界の超巨大企業に伍して、地場IT企業がAI技術を活用した製品やサービスを独自に開発することの意義について伺います。 ◎知野 国際経済戦略室長  地場IT企業がAI技術を活用した製品やサービスを独自に開発することの意義についてお答えいたします。  世界的大企業は、巨額の研究開発費を投じて製品開発を進めており、最先端の技術による高機能、多機能な製品やサービスの展開を得意としておりまして、巨額の開発費と製品の世界展開という二つの要因が、高コストと最大公約数的なニーズに合致した製品設計をもたらす傾向にあります。しかし一方で、地場中小企業にとりましては、最先端、高機能だが、高コストな製品よりも、機能は限定的でも低コストで導入可能なAI製品が求められる場合も多いと考えられ、実際に企業からそのような声も伺っております。そこで、札幌のIT企業がAI技術を活用して独自に製品開発ができれば、地場中小企業の課題やニーズに合致した機能に絞り、より低コストで製品やサービスを開発し、提供することが可能になります。  このように、札幌のIT企業による独自開発には、IT企業自身のビジネスチャンスの拡大と、地場中小企業へのAI導入による生産性向上という二つの意義があるものと考えております。 ◆岩崎道郎 委員  ここ最近、AIが人の仕事をどんどん奪ってしまうのではないか、数十年後にはかなりの数の職種がAIに奪われてしまうという報道もなされていますが、一方で、実はそうではないのではないかと言う研究者もいらっしゃいます。やはり、共存していくことが何よりも大切で、今、巨大企業がどんどん開発を行っていることは企業活動の一つだと思いますが、札幌市が地場でやっていくことというのは、むしろ、人のために即したというか、人の便利さのために寄り添った開発になっていくのかなということを今のお話を伺って想像しておりました。  今、地場IT企業がAI技術を活用した製品やサービスを独自に開発することで、地域の実際のニーズに合致した事業展開が可能であり、これがAI技術の社会実装とビジネスチャンスの拡大につながるとお答えをいただきました。しかし、実際には、広く社会で活用されるためには、技術を使う側である他産業においてAI活用のメリットを具体例とともに実感することが何よりも重要ではないでしょうか。先日の報道にもありましたが、SAPPORO AI LABの取り組みとして、円山動物園と連携したAI技術の活用に関する調査研究に着手したとのことです。こうした事例は、先端技術活用の可能性を追求するものであると同時に、AI活用のモデル的事例として普及啓発に資するものとなり得ます。  そこで、質問ですが、円山動物園におけるAI技術の活用に関する調査研究事業の概要についてお伺いするとともに、この調査研究をどのように産業振興へと結びつけていくお考えなのか、伺います。 ◎知野 国際経済戦略室長  円山動物園におけるAI技術の活用に関する調査研究事業の概要と産業振興への展開についてお答えいたします。  初めに、調査研究事業の概要についてでございますが、現在、AI技術は、画像認識における応用が進んでおり、円山動物園の飼育動物の動画をAIで自動認識して動物行動を把握するため、その技術的可能性について調査研究を進めております。こうした技術が確立されますと、動物の異常行動などの予兆を自動で検知し、リアルタイムに通知するといったことが可能になり、病気の早期発見など動物の飼育環境の向上等につながるものと考えられます。  この調査研究は、円山動物園と連携し、北海道大学の獣医学部と情報科学研究科、地場IT企業の参画により実施しているところでございます。  次に、調査研究事業の産業振興への展開についてでございますが、この調査研究は、産業振興への展開をにらんで、当初から地場IT企業を含めた産学官連携の体制で進めております。動物行動をAIによって自動的に把握する技術は、他の動物園や酪農への横展開のほか、例えばペットの様子を遠隔で把握するような消費者向けのサービスへの応用も考えられるところでございます。  そこで、調査研究で得られた知見を共有し、新事業の着想を得る機会としてもらうために、新年度におきましては、SAPPORO AI LAB主催によるセミナーや勉強会を実施し、地場IT企業へ成果の移転を進めてまいりたいと考えております。さらに、SAPPORO AI LABにおきましては、専任のコーディネーターを配置しており、地場IT企業による事業化を進めるため、積極的な支援を行ってまいります。 ◆岩崎道郎 委員  動物園でやられているということでした。動物が亡くなる悲しい事故が過去にたくさんありましたが、異常行動が発見されたりということがありますので、そういったものが防げるようになるかどうかも含めて、そこは大いに期待したいと思います。また、先導的なプロジェクトを呼び水として、その横展開を図るとともに、後続のプロジェクトも創出していくとのことでした。ぜひ、そういった方向で進めていただきたいと思います。  ただ、AIをつくる人たち、AIに携わる、いわゆるAI人材というのは果たしてどうなのかを見てみますと、経済産業省の推計ですが、先端IT人材は2020年には5万人不足すると見込まれています。また、日本はもとより、世界的に見てもAI人材が不足しており、海外では、高額の年俸によるAI人材の争奪戦といったニュースも伝えられているところであります。そのため、先導的なプロジェクトの実施とともに、その成果を広げていく原動力となる人材育成を同時に進めていくことが重要であると考えます。そして、人材不足が叫ばれる中、札幌でしっかりとAI人材の育成に取り組んでいくことで、札幌に厚みのあるAI人材の集積が図られ、それがさらにAI関連の企業やビジネスを呼び込んでいくという好循環につながるのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、SAPPORO AI LABとして、今後どのようにAI人材の育成に取り組んでいくお考えなのか、伺います。 ◎知野 国際経済戦略室長  SAPPORO AI LABのAI人材育成の取り組みについてお答えいたします。  AIの開発研究に必要となる知識や技術は、従来のITエンジニアとしてのスキルの延長線上にはなく、全く新たに習得する必要がございます。さらに、そうした知識や技術は、今のところ、大学などの学術研究機関のみに蓄積されており、一般のエンジニアがAI技術を学ぶためにはこうした二重の障壁があるのが現状でございます。  そこで、SAPPORO AI LABでは、各企業のITエンジニアが実際にAIの知識、技術を学べる場を提供するため、北海道大学や研修実施機関である北海道ソフトウェア技術開発機構と連携して、札幌独自のAI人材育成の仕組みづくりを進めております。このAI人材育成事業で開講する講座は、大学の専門家の監修により、裾野を広げるための初心者向けの講座から、高度な専門知識や実践的な開発ノウハウを学べる講座まで、各レベルに対応した体系的な構成にする計画でございます。  こうした取り組みによりまして、他都市に先駆けて札幌におけるAI人材の効果的な育成、集積が図られるものと考えております。 ◆岩崎道郎 委員  どんな分野でもそうですが、やはり、産業の礎を築くというのは人材あってのものだと思います。くしくも、ちょうどと言っていいのでしょうか、札幌市立大学の次期学長に、元はこだて未来大学の学長で、AI分野では日本を代表する研究者の一人であります中島秀之先生が就任される予定であります。中島先生は、学長就任の抱負として、デザインと看護を誇る大学にITとAIを持ち込み、地域の知の拠点として次世代の看護の姿をデザインしたいと語られております。私は、これを聞いてちょっと鳥肌が立ちました。すごいな、いいな、こういうことが本当に進んでいったら何てすばらしいだろうということを思わされました。  日本は、世界に先駆けて少子高齢化が進み、人口減少局面を迎える課題先進国とも言われておりますが、次世代の看護のあり方や労働人口の減少に対応する生産性向上など、AI技術の活用がこうした課題の突破口になるのではないかと考えております。ぜひとも、札幌における知の集積、IT産業の集積といった強みを生かして、産学官がしっかりと連携し、地域の課題に対応し得るAIの社会実装を目指して取り組んでいただくよう強くお願い申し上げまして、質問を終わります。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、民泊の適正な運営の確保についてと、映像産業の振興について、大きく2点、順次、質問させていただきます。  最初に、民泊の適正な運営の確保についてです。  昨日、民泊の営業を希望する方に義務づけられる届け出の事前受け付けが全国一斉に始まりました。このたびの定例市議会において、民泊による生活環境の悪化を防止する観点から、民泊の実施を制限する区域や期間を定めることを目的として、札幌市住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例が制定されました。この条例の制定に先立ち、昨年12月に開催された経済観光委員会において、我が会派では、民泊を適正に運用させるためには、民泊事業者をいかに管理監督するかが重要になってくると指摘し、札幌市は、地域住民や観光客にとって安心・安全な制度となるよう、きめ細かく、かつ適切な監督ができる仕組みづくりに努めると答弁しておりました。また、この条例案に対するパブリックコメントによる意見などにおいても、市民は、民泊による近隣トラブルが起きないか、不安を抱えており、適正な民泊が運営されるよう、民泊事業者に対して厳格に監督することを求める声が数多く寄せられています。  そこで、質問ですが、民泊の適正な運営を確保するために、まず、民泊を営業しようとする方々が法令の趣旨や札幌市内における民泊営業のルールを十分に理解することが重要となりますけれども、具体的に民泊事業者に対する周知はどのように行おうとしているのか、伺います。 ◎森 観光・MICE推進部長  民泊事業者に対する周知についてでございます。  札幌市では、民泊事業者に対しまして、民泊を実施するに当たって留意すべき事項を定めた札幌市民泊の手引きを作成し、また、民泊に宿泊する観光客の迷惑行為を未然に防止することを目的としたマナー啓発リーフレットを作成する予定でございます。今後は、住宅宿泊事業法の施行に向けまして、この手引やリーフレットを活用しながら、観光客の多様化する宿泊ニーズに応えつつ、市民の安心・安全の確保を第一に適正な民泊が運営されるよう民間事業者に対する周知を行ってまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  札幌市民泊の手引きやマナー啓発のリーフレットといったツールを使って周知をしていくという答弁でございました。  次に、法令では、民泊事業者は、周辺地域の住民からの苦情に対して、深夜、早朝を問わず、常時、対応する必要があり、状況に応じて現場に急行し、必要な対応を講じなければならないと規定しております。ただ、近隣住民にとっては、民泊事業者に連絡することがかえってトラブルのもとになるのではないかと不安になって、苦情を直接申し出ることができるとは限りません。昨日は、本市に28件の問い合わせがあって、担当部署が対応したと伺っております。  そこで、質問ですけれども、市民の安心・安全を確保するためには、行政機関において相談や苦情に対応する専門的な窓口を設置すべきであると思いますが、札幌市ではどのように考えているか、伺います。 ◎森 観光・MICE推進部長  市民からの苦情対応の窓口設置についてでございますが、民泊に関する相談や苦情等につきましては、現在は国が開設した民泊制度コールセンターで受け付けているほか、札幌市においても、住宅宿泊事業法の施行前に札幌市民泊総合窓口を開設し、民泊事業者からの相談や届け出に加え、市民からの苦情や通報などに対応してまいりたいと考えているところでございます。また、匿名性を排除し、市民の安心・安全を確保するために、民泊事業者に対して標識の掲示を義務づけるほか、提出された住所などを札幌市のホームページで公表する予定となってございます。 ◆わたなべ泰行 委員  次に、法の施行後、実際に民泊の営業が始まりますと、無届けの営業、また、規定する期間を超えての営業、課せられた義務を適切に履行しない場合や、事業を開始した後に届け出の要件を満たさなくなってしまう場合など、さまざまな場面で民泊事業者の取り締まりを行う必要が生じてくると思われます。  そこで、最後の質問ですけれども、民泊事業者に対する事前の周知・啓発や、市民からの相談や苦情への対応と同様に、法の施行後は、民泊事業者に対する助言や指導が重要になりますが、具体的にどのように管理監督していくのか、伺います。 ◎森 観光・MICE推進部長  民泊事業者への指導・監督についてでございます。  まずは、庁内におきまして、保健所や消防局などの関係部署と情報共有しながら、民泊事業者への指導・監督を行ってまいりたいと考えております。また、本年2月、国や北海道、保健所設置市、警察などの連携により、民泊の適正運営確保に関する連絡会議を設置したところでございまして、この会議を通じても、民泊の適正な運営の確保に努めることとしてございます。さらに、札幌市では、届け出された民泊の全てを対象に現地確認を実施するほか、不適切な運営を行う民泊事業者に対しては、報告徴収や立入調査を実施し、必要に応じて業務改善命令や停止命令などの措置を行ってまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  関係各位と協議していただくことと、全ての民泊の事業者に対して現地へ確認に行くこと、また、立入調査や、必要に応じては停止命令などといった適切な措置もしていくということでした。しっかりとした管理体制を行っていくというお話だったのですが、きょうの新聞報道でこういうことが載っておりました。ある大学の准教授からの心配の声ですが、届け出ずに海外のサイトで予約をとる闇業者の取り締まりが困難だ、規制を強化すればするほど業者は闇に潜るだろうという指摘もありました。こういった指摘、また、市民の不安が現実にならないように、今後もしっかりと管理、指導をしていっていただくことを求めて、民泊の質問を終わります。  続きまして、映像産業の振興について質問させていただきます。  札幌市では、かねてより、映像の力を生かしたまちづくりに取り組んでまいりましたが、平成24年に札幌コンテンツ特区の認定を受けて、平成26年に制定された映像の力により世界が憧れるまちさっぽろを実現するための条例に基づきまして、平成28年には札幌市映像活用推進プランを策定し、一層の取り組みに励んでいると伺っております。とりわけ、映画やドラマのロケ誘致においては、原作は本市出身の東 直己さん、舞台は薄野、そして、秋元市長の銀幕デビューにもなった「探偵はBARにいる3」が年末年始にかけて全国公開され、札幌市内での撮影場所や取り上げられた飲食店などの施設を中心に地域の住民や観光客の間で大いに盛り上がっております。このように、まちの魅力発信や地域の活性化という観点におきまして、映画やドラマは、他のいかなる手法でも実現できないようなインパクトが非常にあると、改めて映像の力を確認いたしました。これまで以上に戦略的に作品の誘致を行うとともに、作品を活用した地域の活性化を目指していただきたいと思います。  そこで、質問ですが、本市フィルムコミッションの現在の取り組み状況についてと、最近の誘致実績のうち、特筆できるものがあればご紹介ください。 ◎知野 国際経済戦略室長  本市フィルムコミッションの現在の取り組みと、最近の誘致実績についてお答えいたします。  まず、フィルムコミッションの取り組みですが、さっぽろ産業振興財団に2名の専任スタッフを配置して、ロケ地情報の提供やボランティアエキストラの手配など各種撮影支援を行っております。平成29年度の相談対応件数は、2月末時点で105件、映画、ドラマの誘致支援作品数は4件となっております。  最近の特筆できる誘致実績といたしましては、3月3日から劇場公開されております国内映画「プリンシパル」を初め、アメリカのAmazonプライムで全世界にインターネット配信されておりますドラマ「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」、台湾で放送されるテレビドラマ「フズリナの記憶」や、中国本土でインターネット配信されるドラマを誘致したところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  フィルムコミッションの取り組みに2名のスタッフが対応しているということで、多いか少ないかはわかりませんが、何となく少ないのかな、もっとふやしていただければなとも思っております。ただ、平成29年度は問い合わせが105件あったということで、これは多いのではないかなと思います。  また、実績では、私も宣伝活動を頑張っている「プリンシパル」のロケ地マップでは札幌が全てのロケ地になりました。また、原作者のいくえみ 綾さんも札幌在住で、札幌が誇る劇団TEAM NACSの森崎さんも出演するなど、札幌づくしの話題でありまして、私も見に行こうと思っていたのですが、何せジャニーズの方が主演で、学園恋愛ドラマで、僕みたいなおじさんはなかなか腰が引けてしまいますけれども、必ず見に行こうと決意しております。また、ネット配信向けの海外作品なども誘致しており、時代のニーズに対応して誘致活動の幅を広げていることは、一定の評価をさせていただきます。  ただ、先ほども申し上げましたが、地域にとって、ロケ誘致ができたということがゴールではなくて、公開された映像作品がいかに見る者の心をつかんで、視聴者の関心を地域に向けさせるかが極めて重要だと考えます。  そこで、質問ですが、そのような視点に立って、こうした誘致作品を活用して、シティプロモーション等の本市のメリットにどのようにつなげていくのか、具体的な例を挙げてご説明ください。 ◎知野 国際経済戦略室長  誘致作品を活用したシティプロモーションについてお答えいたします。  ただいま委員からご紹介いただきました「プリンシパル」ですが、ジャニーズ事務所の人気若手俳優等を起用した青春恋愛映画で、札幌在住の漫画家のいくえみ 綾さんの原作であり、円山動物園や市電、旭山記念公園の夜景など全体の9割が札幌で撮影されていることから、作品公開に合わせた積極的なプロモーション支援を実施しております。具体的には、札幌市公式ホームページへのバナー掲載や市電ラッピング電車の運行、消防団員募集タイアップポスターの作成といったシティプロモーションにつながる支援を行っております。また、ロケ地マップを2万5,000部作成し、全国の公開映画館等で配付するなど、ロケツーリズムに向けた誘客支援を進めております。さらに、映画の場面に登場する小道具として札幌スタイル認証商品が使われており、いわゆるプロダクトプレースメントでございますが、この手法を用いて他産業との連携に向けた工夫も進めているところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  ホームページのバナー、またラッピング電車などは「探偵はBARにいる3」でも行われましたが、着目すべきは、消防署とのタイアップで女性隊員の募集ポスターなどもつくられているということで、新しい展開だなと。また、マップもつくったり、プロダクトプレースメントの手法で札幌スタイルの小道具も映画の中で使われていて、札幌のものづくりの商品も映画を通じてどんどんプロモーションしていっていただけるということでした。すばらしい取り組みだとは思います。  しかし、これまで誘致した大規模作品のほとんどが本市以外の映像制作会社が手がけたものであって、必ずしも地元の映像産業の発展に寄与していないのではないかと懸念しております。プロダクトプレースメントについての言及もありましたが、札幌市映像活用推進プランの基本方針を踏まえて、今後、札幌をもっと元気にしていくためには、これまで取り組んできたシティプロモーションだけではなくて、市内の映像産業を積極的に盛り上げていく取り組みと、映像分野以外のほかの産業との連携をさらに展開していくことが重要だと考えます。  そこで、質問ですが、ロケ誘致以外の市内映像事業者向けの取り組みについて、また、映像分野以外の事業者を対象とした取り組みについて、それぞれどのように進めていこうとしているのか、伺います。 ◎知野 国際経済戦略室長  ロケ誘致以外の市内映像事業者向けの取り組みと、映像分野以外の事業者を対象とした取り組みについてお答えいたします。  まず、ロケ誘致以外の市内映像事業者向けの取り組みにつきましては、市内映像事業者の強みであるドキュメンタリー分野における制作能力の一層の強化を図るため、平成28年度から国際ドキュメンタリー共同制作支援事業を実施しております。これまで、市内映像事業者から企画案を募り、海外の放送局や制作会社へ提案して国際共同制作を促進させる取り組みや、人材育成ワークショップなどを実施いたしました。これによりまして海外とのネットワークや世界レベルの制作技術に関する知見が得られたことから、30年度には、海外向け作品の制作案件を実際に創出するべく支援を続けてまいります。  次に、映像分野以外の事業者を対象とした取り組みについてでございますが、食やサービス、ものづくり企業等が海外向けプロモーション映像を作成する際に、制作費の助成を行っております。これまでは、一般消費者向けの映像制作のみを助成対象としておりましたが、企業の皆様からの要望を受けまして、補助率を高めたり、あるいは、バイヤーとの商談用に特化した映像も助成対象とするなどの改善を検討し、市内企業の海外進出を後押ししてまいりたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  皆様も記憶にあると思うのですが、昔、札幌のローカル局でドラマや映画に頑張っていた時代がありました。しかし、時代とともに、予算の都合上、ドラマなども札幌独自でつくれなくなっていると伺っております。ただ、その一方で、報道に特化したり、ドキュメンタリー番組のほうが強くなっていったということで、本市の地元映像産業の強みを生かした取り組みは、一定の評価をさせていただきます。  また、映像分野以外のことに関する取り組みですが、映像分野以外の企業の方が映像をつくられるときに、どういったものが支援をしていく対象になるかということで、海外の現地のテレビ局で放映するというような縛りがあったと伺っておりましたが、今回は、商談といったことに向けても助成金を出していき、また、その上限を上げていくというので、大変すばらしい取り組みだと思っております。  最後に、要望ですが、ふだんは見なれた景色でも、映像を通すと今までと違う魅力を発揮することがあります。例えば、厄介だなと思うことがある雪も、映像制作の上では大切な資源となり、作品に価値をつけて、ひいては、人を呼び込み、産業を元気にしていく起爆剤ともなります。映像には、今まで気づいていなかった札幌市の魅力の発見や、まだまだPRできていないすばらしい本市の資源を効果的にアピールする力があります。今後も、事業成果を狭い範囲で終わらせず、映像産業以外の業界とも連携を図り、市民を含めた本市全体がさらに活気づくような取り組みを進めていただくことを要望して、私の質問を終わります。 ○福田浩太郎 委員長  ここで、およそ1時間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後0時22分       再 開 午後1時19分     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆小形香織 委員  観光まちづくりプラン案が示されたところですので、それにかかわって質問したいと思っております。  国土交通省のホームページでも、観光をめぐる諸事情という中の経済・社会環境の変化でさまざま書いてある中の一つに、環境意識の高まりというのが出されており、地球環境問題が顕在化し、自然・社会環境の保全、向上についての国民の関心が高まってきている中、大量生産・大量消費を前提とした社会のあり方が根本的に問われてきていると書いております。やはり、温暖化対策に緊急に手を打たなければならないことが課題になっている中で、地域資源を生かし、地域の住民が参加する形で環境重視のエコロジカルな暮らしがそのまままちの魅力になって、観光客が多く訪れるようになっているという傾向が強まっていると思っております。  札幌は、豊かな自然に囲まれ、夏と冬の気候がはっきり違って、特に、196万人を超える人々が住む大都市でありながら、年間の累積降雪量が6メートルにもなるまちは、世界でも札幌だけだという独自性を持っております。  昨年の第3回定例会の我が党の代表質問で、環境を中心にした魅力と活力あるまちづくりを取り上げました。環境を中心に、住民参加型、地域の資源や特徴を生かした地域活性化策を進めることで、本市独自の魅力を構築していくべきだと求めたところ、吉岡副市長は、環境首都としての札幌の魅力や取り組みを国内外に積極的に発信することにより、札幌のブランド力の強化や市民の誇りの醸成、ひいては観光振興にもつなげ、活力あるまちづくりを進めたいと答弁されております。  そこで、環境首都・札幌としての魅力、取り組みをどのように国内外に発信され、札幌のブランド力や観光振興にどのようにつなげていこうとお考えなのか、伺いたいと思います。 ◎森 観光・MICE推進部長  環境首都・札幌としての観光振興の取り組みについてでございます。  観光における取り組みといたしましては、さっぽろホワイトイルミネーションにおいて、多くのオブジェに使用済み食用油を活用して自家発電で賄っております。また、ミュンヘン・クリスマス市においても、環境先進国ドイツに倣い、リターナブル食器やペレットストーブを利用するなど、環境に優しいイベントであることを前面に打ち出しているところでございます。そのほか、環境に配慮したMICEを開催する主催者に対しまして、札幌市がグリーンMICE推進奨励賞を贈呈する取り組みを行い、過去5年間で23件の実績がございます。今後も環境に配慮した取り組みに努めてまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆小形香織 委員  そうしたことにも少しずつ取り組んでおられるということでした。  いただいた観光まちづくりプラン案に示されている目標像というのは、産・民・学・官が連携する観光まちづくりの実現とされていて、その実現に向けた取り組みの基本的な考え方として三つのステップが書かれております。その3点目に書いてあるのが、来訪者が札幌の魅力の情報に触れ、楽しむこととなっておりまして、私は、これは今後の観光の大事な視点だと思っております。  これまでのパッケージツアーなどで、時計台とか赤れんが庁舎あるいは雪まつりなどの観光スポットとか観光イベント、観光名所オンリーという捉え方では、リピーターというのはなかなか生み出せないのではないかと思います。また札幌に来たいと思ってもらえるためには、大自然に囲まれた雪の降る札幌を感じてもらい、ただ見るだけの観光から、実際に市民の日常の暮らしを体験したり、札幌に住む人はこんな暮らし方をしているのだと発見してもらえるような工夫をすることが、北海道あるいは札幌に来る観光客のニーズだと思っております。  こうした体験型の推進、あるいは、札幌がもともと持っている魅力を実感してもらえるような取り組みをどのように行ってこられたのか、伺いたいと思います。 ◎森 観光・MICE推進部長  体験型観光や札幌特有の魅力を実感してもらうための取り組みについてでございます。  新たな魅力創出といたしまして、民間事業者が行う外国人観光客向けの忍者体験などに支援を行っているほか、果物狩りや乗馬、カヌーなど体験型施設が点在している定山渓エリアにおいてアクティビティーつき宿泊プランを販売するなど、体験型観光の推進を図っているところでございます。また、札幌特有の魅力を感じられる取り組みといたしまして、夜景観光を積極的に推進しているほか、歴史や文化という面では、昔ながらのまち並みが残る鴨々川、中島公園エリアの魅力を再発掘する事業に支援を行い、お寺をめぐって枯れ山水づくり体験などを行うガイドツアーや、灯籠を持ちながら開拓期の歴史をたどるナイトツアーを実施しているところであります。  今後も、体験型観光を推進していくとともに、札幌ならではの歴史や文化の魅力を掘り起こしてまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆小形香織 委員  昔ながらのというのがあるのは、観光客にとっては非常におもしろい発見だろうというふうに思うのです。それをどういうふうに観光でめぐっていくかということがとても大事だと思っていて、それは、観光だけでなく、まちづくりのことにも関係してくると思います。歩いて回るという回遊性、あるいは、このかいわいがおもしろいというようなエリアをつくっていくことが、観光客が札幌に住んでいる人の暮らしを実感したり、実際にそれを体験しようと思うと札幌での滞在も自然と長くなっていくだろうと思っております。  札幌の場合、市内の中心部は、札幌駅から中島公園まで歩いていける要素が比較的多いだろうと思いますが、その中でも工夫できるところはまだまだあると思っています。例えば、表通りは今のままですが、実は大通や薄野あたりを歩くと中小路だとかちょっとした抜け道がたくさんありまして、表通りから一つ裏に入ったら、今おっしゃったような歴史や文化を感じられるような建物があったり、そうしたことを大事にしたお店があったりして、そんな小路を工夫することも観光のまちとしてやれる可能性があるところではないかと私自身は思っております。  もう一つ、藻岩山とか大倉山とかモエレ沼など、郊外の観光スポットへの交通手段について伺いたいと思います。  団体ツアーなどの観光バスは別ですが、札幌市は、これから少人数グループで来る観光客をふやしたいと考えておられるということです。こういう少人数のグループの方がモエレ沼とか大倉山などを訪れようとすると、どうしてもレンタカーとか路線バスを利用することになると思います。夏場はレンタカーを運転できると思いますが、冬道の運転はなれない人にとっては大変困難ですから、冬に少人数のグループでこうした観光スポットを訪れようと思うと、最寄りの電停や地下鉄の駅から観光スポットまでどのように移動するかということが課題になるのではないかと思っております。
     このように最寄りの駅から観光スポットまでの利便性を高めていくために、これまでどのような取り組みがされてきたのか、あわせて、今後どのようなことを取り組もうと思っておられるのか、お考えがあればお示しいただきたいと思います。 ◎森 観光・MICE推進部長  観光スポットへの利便性向上についてでございます。  札幌市内の観光スポットは、最寄り駅から少し離れているところもあり、交通アクセスの利便性が必ずしも高くない面があることは課題として認識しております。そのため、藻岩山や大倉山などの夜景スポットの魅力を市民が語る夜景ナビゲーターを養成し、昨年10月から12月までの間、都心部のホテルから夜景周遊バスを運行し、好評を得たところであり、今後もこの夜景キャンペーンに合わせて継続していきたいと考えております。さらには、来年度におきましては、都心部とモエレ沼公園などの郊外観光スポットを周遊するバスの運行をモデル的に実施する予定であり、今後、その実績等を踏まえながら観光スポットへのアクセスや周遊のあり方について検討してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆小形香織 委員  これも、少しずつ実験しながら検討していくということでした。  ヨーロッパの方々というのは、観光地に長く滞在して、そこの暮らしをじっくり味わう過ごし方を好むというふうに聞いております。観光スポットを見ることだけでなく、例えば、自転車を持ち込んだり、レンタサイクルやカーシェアリングを利用して、地元の人たちと同じように日中はアウトドアでハイキングとか農作業などを体験し、午後になるとスーパーに買い物に行って納豆や豆腐などを買う、あるいは、湯船につかって入浴を楽しむ、キッチンではナイフではなくて包丁を使ってお刺身をつくってみるとか、とれたての野菜を和風の味つけでつくってみるなど、こうした日常の体験をすることで日本あるいは札幌に来たことが実感され、それが楽しくてまた来たいと思い、また来てくれることになると思っております。  札幌らしい環境に配慮したまち並みづくりとか歴史的なものの保存、あるいは、公共交通体系の充実、自転車やレンタサイクルの活用も経済観光局の大事な分野として視野に入れていただきながら、市民の日常生活や本市の持つ自然環境を生かした観光施策を推進していただきたいことを求めまして、質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  局別施策の概要の経済観光局のうち、産業振興部の68ページを開いてください。  まず最初に、出資団体について伺います。二つ目は、産業振興総務費のうち、産業振興一般事務費3,209万3,000円について伺います。三つ目は、72ページの観光・MICE推進部の観光統計調査費について伺います。次に、73ページの観光バス暫定駐車場整備費について伺います。5点目はMICE推進費についてお伺いします。  それでは、順次、質問してまいります。  まず、出資団体ですが、かねてから、我が会派の堀川議員と私は、佐藤美智夫さんや宮本さんがおられたときも含めて、長い間、藻岩山の再整備事業などを含めて問いただしてまいりました。  まず、一般的に札幌市職員の再就職に関する取扱要領と言われていますが、昭和60年8月24日に市長決裁でつくられた札幌市出資団体の指導調整事務実施要綱がいろいろ改定されてきております。平成11年5月31日の市長決裁は今も変わっていませんが、これを見ますと、在任期間の制限の(2)で、任期は2年を超えないものとするとし、当該任期中の経営実績などを考慮し、2年を超えない範囲内で更新または再更新まですることができる、いわゆる6年を限度と書かれております。  しかし、札幌振興公社の現在の星野社長は、この3月で在任15年9カ月目となっております。札幌市は、たしか82%前後の資本金を出資していまして、実質的な札幌市の支配会社ということであります。私が議員に出た1983年ごろは平瀬さんが社長をやっていて、その後、勝田助役、石原助役が社長になられて、そして、今の星野さんがなられました。私は、当時、社会党で、天下りはだめだということで反対をしておりましたら、上田市長になって、星野さんという北洋銀行の常務取締役だった人を社長に迎えて15年9カ月の長きにわたって務めております。今期が終われば16年になりますが、なぜこんなに長く社長として任命してきたのか。  現在、小西局長も交通事業管理者の野崎さんも取締役の一人ですね。札幌市の関係者では2人の取締役がいますが、所管の局長である小西取締役に、なぜこういう再任が長く続いてきたのか、このことについて見解を伺います。 ◎小西 経済観光局長  社長の在任期間についてのお尋ねでございます。  札幌振興公社の事業目的は、藻岩山ロープウェイの索道事業、不動産の賃貸事業、駐車場経営、あるいは観光文化施設、スポーツ施設の管理運営といったことがうたわれております。とりわけ藻岩山の再整備を初めとしたこれらの事業につきましては、一定の資金調達をし、長期にわたって回収して償還していくという事業の性格上、資金運用面での堅実な経営手腕が求められること、それから、先ほど挙げた事業に対して精通していること、また、事業を推進していくために広い人脈あるいは豊富な経験が考慮されて今の在任期間になったものと私は認識しております。 ◆松浦忠 委員  あそこを再整備するときに、私も堀川議員も、当時は宮本議員も佐藤美智夫議員もおられましたが、ずっと一貫して札幌市が策定する再整備事業の規模、内容についてはだめだよと指摘して、そして、建物なども具体的に縮小させました。例えば、当時は毎日登山している人が1,000人いましたが、これらの人たちの休憩所も設けないことなどについても、登山者からの苦情を受けて、私が指摘して休憩所を設けたり、さまざまなことをやってきました。  今、手腕があると言われましたが、結果として、あそこの目玉としてつくったプラネタリウムですが、電球の数は日本で一番多いと言われたプラネタリウムはほとんど人が入らない。食堂に至っても、一般の人たちが行っても余り食べるものがない。値段が高い。あるいは、ボックスのつくり方も、当時は、あそこに若い恋人同士が来て、背もたれの高い椅子で横の人からのぞかれぬようにして、楽しく夜空を眺めて夢を語り合うというようなことでつくられましたが、なかなかそうなっていない。そして、どうなったかといったら、近年、委託した事業者は広島県の会社ですが、我々はこれにも反対したけれども、レストラン経営から手を引いて、今は直営でやっている。さらに、中間にある店の売れ行きもそんなにぱっとしたものでもない。  結果的にことごとく失敗です。失敗しているのに、何でずっと継続しているんですか。資金の調達と言われたけれども、あの当時、振興公社は30億円の金を持っていたんですよ。そして、アルゼンチン国債も買っていたんですよ。銀行から来たといっても、アルゼンチンはどうなりましたか。アルゼンチンは、国の財政がパンクして、アルゼンチン国債はパアになりましたね。そんなことがあって、私は、議会で取り上げて、いわゆる外債を含めて持っているものは全部売りなさいと。特に、外国のドル建ての仕組み債も持っていたから、私が指摘してこれらも全部売らせたんですよ。  また、後に議員となった金子元議員は、大学を出て、最初にある会社に入って仕組み債を販売する責任者になったそうです。議員になってから、議事録を見たら松浦議員が仕組み債のことをやっているようだけれども、私も質問していいですかと聞いてきたので、どうぞ、おやりなさいと言いました。金子元議員は、実は、僕が最初に就職した会社で、日本が仕組み債を販売していいという国の法律が整備されて販売するようになったので、私が最初にそれを担当したんですと。そこで、それはどうだったかと聞いたら、あんなものは最初からもうかるわけがない、ドル建てで買って、30年後に売るときには絶対もうからない、どうやってそれを売ったのかと聞いたら、金を持たされて、とにかく飲ませ食わせして売りなさいと言われて売ったけれども、ばからしくなって会社をやめたと彼は言っていました。  それやこれやを含めて、星野さんは、振興公社にプラスになるようなことなんて何もやっていません。堀川議員も私も、具体の契約書について開示しろとずっと要求しているのに、市長も含めて、いまだに私どもに開示しません。こんな大失敗をしておいて、役員任期は2年が1期ですから、秋元市長になってから少なくとも1回の改選期があったと思うのですが、それなのに再任されている、これはなぜなんですか。  そこで、私は市長にお尋ねします。どうしてなんですか。 ◎秋元 市長  先ほど小西局長からご答弁させていただきましたように、星野社長の持っている経営手腕、それから、藻岩山の投資を長期的に回収していくということで事業の一定の方向性が出ているため、そういった経験を生かしてというふうに認識しております。 ◆松浦忠 委員  星野さんの経歴を調べたら、ただ銀行の中の業務をやっているだけ、常務で東京支店長をやっただけでここに来ているだけですよ。索道事業に具体的にかかわったこともなければ、観光事業に具体的にかかわったこともない。何ゆえに、失敗した人をこんなに長く置くのか。  少なくとも、秋元市長は、いっとき、選挙のために副市長から身を引いたけれども、あなたは連綿とやっているわけですよ。にもかかわらず、こういうことをさらに続けていく。そして、星野社長の経営について心配だから、板垣副市長を、我々は議会で4年選任したんですが、それを2年でやめさせて副社長に入れたということは、経営手腕がおぼつかないからじゃないですか。いかがですか。 ◎秋元 市長  星野社長の経営手腕に対しては一定の評価をしてございます。板垣副市長の退任に当たりましては、個人的な事情もあり、退任を認め、その後、再就職をしたものであります。 ◆松浦忠 委員  それでは、板垣副市長は、札幌市職員の再就職に関する取扱要領、札幌市職員の退職管理に関する要綱、あなたが市長になって、1月18日に市長決裁した、これとはかかわりのない就職だということですか。 ◎秋元 市長  基本的には、会社の状況において必要な人材を採用したものと認識しております。 ◆松浦忠 委員  じゃ、板垣副市長のことは関係ないということですね。一般人になった人を会社が雇用したということなんですね。役員に雇用して、そして、札幌市も同意して役員に選任した、こういうことなんですね。これをひとつ明らかにしてください、市長。 ◎町田 副市長  当時の板垣副市長が副市長を退任して札幌振興公社に再就職したことに関しましては、札幌市職員の再就職に関する取扱要領の中で振興公社へ再就職したと捉えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  市長、私はなぜこういうことを質問するかといったら、一つは、上田市長のときも、本当に経営が失敗しているにもかかわらず、ずるずるとやらせているから、私も堀川議員も、少なくとも札幌市の出資団体として第1号につくったこの振興公社がこんなことで存続していってはならぬ。株式会社なんですから、市におんぶにだっこではなくて、きちっと自立してもらわなきゃならぬ。  なぜ、私が市におんぶにだっこと言うかといったら、平成28年3定の決算議会で、出資団体の経営状況報告書の中の振興公社の報告書に要約してこう書かれているんです。白石区役所の敷地内に建っている民間の建物、市の駐車場を含めた建物、これらの委託を受けて経営が好転した、こう書いている。そして、振興公社の営業内容をつぶさに調べてみたら、一昨年の報告書では、市の委託を受けて行っているパークアンドライド駐車場などで利益が上がっているという内容分析になっているんですよ。おんぶにだっこなんです。そして、もう誰もがわかるように藻岩山は大失敗だ。にもかかわらず何をされているんですか、こういうことなんです。  そして、今、副市長が正確に答弁されたけれども、私は、ここに、昭和60年の制定からの札幌市出資団体の指導調整事務実施要綱を変えてきた記録を全部持っているんですよ。そうしたら、助役と市長は別格だということで、以前は局長までしか給与の定めはなかったんです、板垣さんがつくったころ、最初のころは。ところが、私どもの厳しい追及によって、ついにつくらざるを得なくて、改定して、副市長は900万円ということになりました。この要綱の中では、退職金についても、最初は払っていたけれども、私が議会で、これはだめだよ、払うべきではない、民間と比べて交付し過ぎているということを繰り返し指摘して今度は払わなくなったんです。  改めて、町田副市長にお伺いしますが、板垣副社長は、役職は何であれ、少なくとも今は役員ですから、退任するときに、公社をやめるときに退職金の対象になりますか、なりませんか。 ◎町田 副市長  今お話をいただいている取扱要綱の中に、特定指定団体に再就職する者に対しては退職金等は支給しないものとするという規定がございまして、それに従うこととなります。 ◆松浦忠 委員  そこで、市長、振興公社に役員退職慰労金規程というものがございます。いつつくった規程かというと、平成12年4月1日です。それまではなかったんです。これをつくったときの社長は石原元助役です。石原さんは、平成10年6月に就任して、3期6年やられて16年6月に退職して、社長として初めて適用になった方です。  これを見ますと、退職金の支払い基準がどうなっているかといったら、退職慰労金イコール(退職時報酬月額掛ける100分の110)掛ける通算在任年数別支給率掛ける役位別係数となっているんです。役位別係数では社長は2.5倍にするということになる。さらに、別表で勤続年数があり、10年以上になると、さらにそれに14.4を掛けて、もしことし退任されるとしても、在任14年になります。そうすると、これにさらに1年に1.8、3年で5.4の加算、合計19.8、だから、月額報酬の100分の110掛ける2.5掛ける19.8です。例えば100万円としたら、およそ5,000万円の退職金が支払われることになるわけですよ。  事前に通告してありますから、そこで、お尋ねするけれども、前期まで、社長の星野さんが13年間の各期ごとの利益の総合計は、投資とかそういうことは別にして、幾らになりますか。 ◎森 観光・MICE推進部長  星野社長が就任した平成16年から平成28年度までの13年間の合計で、営業ベースでは1億3,500万円の黒字となってございます。税引き前の当期純利益といたしましては3億6,200万円の黒字となっているところでございます。 ◆松浦忠 委員  私らも勤労者ですから、区分けは報酬となっていますけれども、要は税金を払ってどれだけ使えるかなんです。そうすると、単純に1億3,500万円の利益を出したよと。事業の失敗は横に置いておきましょう。1億3,500万円の利益を出して、14年間勤めて、ことしの6月にもし退任したとしたら、慰労金規程からいったら計算上は約5,000万円の退職金になるわけですよ。  これは、市長はこのまま容認されるのですか。82%出資している大株主として、このまま容認されるのですか、これを伺います。 ◎小西 経済観光局長  退職手当につきまして、まず、私から手続についてご説明申し上げます。  まず、株主総会に取締役の退職金支給についての議案が出され、承認された後、取締役会に諮られることになります。 ◆松浦忠 委員  よくわからぬので、もう一回伺いますよ。  実は、桂さんが市長を退任されてドームの社長になりました。週3日の勤務で80万円か90万円の報酬を得るということが公表されました。それを聞いた南区にお住まいの当時70代の主婦から私に問い合わせがあって、わざわざ訪ねてきて、市長を3期12年やって、退職金だけで職員期間を含めて1億円以上を超える退職金をもらい、そしてまた、一日置きの勤務で80万円、90万円の報酬というのはおかしいのでないか、こういう話がありました。  そこで、どうしたらいいかと聞くから、桂さんをドームの社長から退任させてくださいという署名を集めて上田市長宛てに出して、上田市長がどう判断するかでないですかと言うと、そうしたら、その奥様は、1週間に1,000人ぐらいずつ集めて、1,000人集まるごとに持ってきて上田市長に出しました。その結果、上田市長が退任を求めて、桂さんが退任するということがありました。  これは何かといったら、先ほど小西取締役は議決権のことを言いました。私が言っているのは、82%前後の出資をして、いわゆる圧倒的な株式を持っている札幌市長が、札幌市民が、こういうことを容認するわけにはいかない。だから、どうするかといったら臨時株主総会を開いて、議案として提出して、役員退職慰労金規程の廃止なり改定を求める、これは会社法でできるのですよ。今、私が提案していることをやらなければ、株主権を持って市民を代表している執行権者は市長ですから、市長が、会社法で言うと利益相反と言って、刑法上、背任罪になるのですよ。こういう疑いのある問題なんですよ。私は弁護士にも相談しました。可能性は極めて大だなと。  そういうことについて、このままでいいのですかと。これを、市民代表である、法に基づいて80%の出資株主で権利所有者である秋元市長に私は尋ねるのですよ。いかがするんですか。 ◎町田 副市長  札幌市の出資団体ではございますが、株式会社札幌振興公社に明文の役員退職慰労金規程がございます。したがいまして、まずは、会社の中で役員退職慰労金規程に従って退職金を算定し、取締役会で議論がある中で、札幌市からも取締役が出ておりますので、退職金をどうするのかというような形で今後協議がなされていくことになると思います。明文の明らかな役員退職慰労金規程がございますので、まずはこれをベースにすることになると思います。 ◆松浦忠 委員  株主総会というのは、会社法によると最高の意思決定機関なんですよ。まず、株主総会で、現在、取締役に委任していた執行権のうち、現状に沿わない執行がされているということになったら、まずは、その執行方針について株主総会で変更を求めることができるんです。会社法にちゃんと書いてあります。それを求めて、これを廃止することもできるんです。総会で議決して、そして、社長にこのとおり執行しなさいと言うことができるんです。それで、社長が意に沿わぬというのなら、即刻解任、これを議決して解任ですよ。そうしたら、退職金も払わなくていいんですよ。  そのぐらいは、私も字が読めるから、法律を読めばわかるんです。そしてまた、今は丁寧に専門家の解説つきで法律書を売っているんです。私は、議会事務局に言って議会図書室に備えつけてもらっています。刑法も備えつけてもらっています。  私はそのことを求めているんですよ。これについて、いかがするんですかと言っているんですよ。答えてくださいよ。 ◎小西 経済観光局長  先ほど来、話のある退職金の規程でございますが、これは、会社の内規でございまして、引当金の額の算出の根拠となっているものでございます。ただ、実支給額をどうするかということにつきましては、先ほど答弁申し上げたとおり、総会の議案として諮られ、取締役会の中で具体の額が承認されるものですので、その中で慎重に議論されるものと考えております。 ◆松浦忠 委員  いいですか。私は、今、市長に何を求めているかといったら、82%余の株主として、こういう実情に沿わない、会社も実質的に札幌市から委託された資産活用によってほぼ成り立っている。自主事業でやっているもの、投資したものは失敗している。こういう状況だから、臨時株主総会を開いて、この規約の抹消を諮りなさいと。抹消を議決して、社長にその執行を求めなさい、こう言っているんですよ。今、解任しろなんて私は言っていませんよ、桂さんみたいに。  これについてどうなんですか、市長、答えてください。 ◎秋元 市長  段々のご質問の中でのご指摘について、そのようなご指摘があったということは理解いたします。  その上で、この会社として退職慰労金規程そのものが当初設定した当時と今は状況がどうであるのか、こういったことについては、会社の利益との関係など、さまざまな観点で総合的に判断をしていくことになるだろうというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  実はこの規程をつくったときに、当時、石原さんはたしか総務局の管理部長という職責にあったような気が私はしています。石原さんが管理課長か部長かどちらかで、葛西さんが総務局長で、たしか部長でなかったかと思います。私は葛西さんとか石原さんと比較的いろいろな話をしたのですが、石原さんが退職されるときに、当時、助役の選任時期が6月の2定でしたから、それで、桂さんが市長になって助役人事を一緒にやるほうがいいということになって、他の助役と一般職の人事異動を合わせるということで、3月で石原さんは任期を残して退任されたのですよ。  その後、石原さんといろんな話をしたときに、俺は早くやめたんだからここへ行って少し稼いで、株式会社だから退職金はちゃんともらうよ、市長にもそれはちゃんと話してあるから、石原さんはこう言っていました。石原さん、それはちょっとやり過ぎではないかと言ったんだけれどもね。石原さんは、俺は任期前にやめて桂市長に人事をやりやすいように配慮してやった、その分のお駄賃をもらうよ、こういうことだったと思うんです。  しかし、今の星野社長について言えば、率直に言うと、事業の失敗からしたら、逆に、退職慰労金どころか、本来からいったら給料だって減額してなきゃならぬのですよ。それすらもしていない。市長ね、これは、情だとか、長い間ご苦労をいただいたとかという話ではないんですよ。全部、税金をつぎ込んでやっていることです。  振興公社を助けるために、上田市長のときに、白石区役所は、区役所を一つつくるぐらいなら駐車場を含めてちょうど適正な面積だったものを、わざわざ半分を民間に貸して、そして建てた建物を丸ごと、区役所の駐車場、ごみ置き場、これらを含めて丸ごと、地代1,000万円をもらって振興公社に2,400万円払っている。ずっとこの契約を隠してきた。おととしの11月7日から供用を開始して、使い勝手が悪いといろいろ文句が出て、それで、私は、供用開始の翌年の3月に、地域振興部長に、契約書などいろいろなものを全部出しなさいと言って、渋るのを出させていろいろ見たら、そういう実態も明らかになりました。そうやって助けてきて、何とか赤字決算にならないで今日まで来ているのが振興公社なんですよ。それに、まだ退職金の規程もこれからと。  だって、13年間の決算をして1億3,500万円しか利益を出していないのだから、1年で言えば、税引き後100万円の利益だもの、この会社を経営して14年いたからといって計算したら退職金が5,000万円になるというのは、誰が考えても、札幌市内の普通の他の中小企業を考えても、あるいはまた、これが一般的に―税務署はよく言います、退職金について、それから社長の給与についても。おたくのこのぐらいの規模だったらこのぐらいが世間並みでないですかと指導されるそうです。これは、私は企業の経営者からよく聞きます。私は、会社法ではそんなことは何も決めていないし、税法上もそんなことはあり得ないと言うのだけれども、一般的にはそんたくして聞かなきゃいかぬと言っています。税務署の言うことを聞かなかったら、江戸のかたきは長崎ではなくて、ここから時計台ぐらいのところでかたきに討たれるからと。これが一般の中小企業の経営者と対税務署との関係ですよ。  そうしたら、これについて、私は、給料を減らせとは言いません。少なくとも退職金はゼロですよ。ゼロにするという意思表明は、市長はここではできないですか。 ◎町田 副市長  先ほどとまた重ねた形でご答弁することになりますが、株式会社として役員退職慰労金規程というものを明文で持っておりまして、この規程に従って、株主総会の決議に基づき、取締役会が決定することになります。札幌市も株主でございますので、その中で退職慰労金規程をベースにした形で協議をしていくことになると思います。 ◆松浦忠 委員  いわゆる国が定めている地方自治を進める上に当たっての法律上の解釈と会社法の解釈は決定的に違うんですよ。会社法は会社法に基づく会社運営なんですよ。会社運営というのは、基本的に利益を上げるためにあるんです。利益が上がらなければ経営者をかえるんです。それから、取締役を選んで委任して、執行している内容が株主の利益に反するときには、株主総会において、こういう内容を決めている、これを変えないならば、社長を初め、全部、ここで解任しますということもできるんですよ。会社法では株主が絶対的な権限を持っているんですよ。したがって、それをちゃんとやってくださいよと私は言っているんです。会社法もよく読んだし、弁護士にも相談しています。  したがって、市長、本来なら市長がちゃんと答えて、ここで決断できることなんですよ。しかし、どうも市長は決断できないようですから、私は、次の株主総会に向けて、このことを皆さんはどういうふうに判断するかということで市民の意見を集約して、また、桂さんのときと同じように市長に市民の意向を届けるようにしていきたいなというふうに今考えました。この問題については、ここでやめておきます。また改めてやります。そういうことで、ぜひひとつ、退職金についてはゼロということを強く求めておきます。  続いて、産業振興一般事務費3,209万円が計上されております。  私は、過去の予算・決算特別委員会でずっと質問してきまして、今までの推移をずっとチェックして点検してきております。これは、市商連に対する補助金が中心であります。今まで市商連がどういうことを行ってきたかといったら、商店街がだんだん消滅して、市商連は加盟数が少なくなっています。そこで、今、市商連に加盟している組合の数は何組合で、組合員数は個人商店を含めて何団体か、それから、加盟しないで商店街活動をしているところもありますので、それは何団体あるか、まず、これを明らかにしてください。 ◎田中 産業振興部長  ただいま、札幌市商店街振興組合連合会に関するご質問でございました。  まず、市商連に加盟している団体数ですが、平成29年6月現在、いわゆる振興組合で法人化されている法人が28団体、それから、任意会と呼んでいて、法人化はされていませんけれども、商工会と名乗っているところが7団体、都合35団体となっております。それから、加盟していない団体は、法人では1団体、任意会では33団体ございます。 ◆松浦忠 委員  これを聞いたら、加盟しているのは35団体、加盟していないのは34団体、加盟していない組合が何でこんなに多くなったのか、それはどのように分析されておりますか。 ◎田中 産業振興部長  もともと、市商連、札幌市商店街振興組合連合会は、商店街振興組合法に基づきまして、組合である法人の商店街の振興の役割を主に担っております。先ほど申しました任意会につきましては、法人化はされていませんが、市商連、商店街振興組合連合会の趣旨にのっとって参加されたというふうに判断しております。  任意会は、平成6年が90団体とピークでしたが、それが先ほど申し上げたように市内で40団体となっておりますので、個人商店とか商業が難しい中でだんだんとその数を減らしていったのではないかと思われます。 ◆松浦忠 委員  法人と任意団体の加盟している会社なり商店では、法人の場合は加盟している方にこういう利益があるよ、任意の場合はこういう利益が受けられるというように、そういう差はあるのですか、お尋ねします。 ◎田中 産業振興部長  今は、法人化と任意との違いか、それとも市商連に加盟しているか加盟していないかの違いでよろしいでしょうか。(「いやいや、法人と任意との違い、受ける違いということです」と呼ぶ者あり)  少々お待ちください。  申しわけございません。今、手元に資料がないのでちょっとお答えできません。申しわけございません。 ◆松浦忠 委員  じゃ、私のほうから説明しましょう。  これは、商店街振興組合法という法律があって、それに基づいて法人団体になると、金融機関から融資を受けるときに商店街振興組合が無担保で融資を受けられる。そして、商店街振興組合が組合員に対してまた無担保で融資をする。今でこそ、安倍、麻生ラインの内閣になって、融資について担保はとるなという通知が国からも出されますけれども、それ以前は、全部、担保主義だったのです。土地・建物、有価証券などを含めた担保主義だったのです。それが無担保で借りられるから、みんな入っていました。それが、今度は、金融機関は預金が集まり過ぎて金余りになり、金利がだんだん下がってきました。こういう状況になって、組合も、担保によって借りても商店がどんどん倒産していくし、そういう責任を持たされることから、組合を通して金は借りないということになっていって、じゃ、借りられなければそんなものには入らない。けれども、お祭りでも何でもやることがあるから、任意でつくろうかということで任意団体がふえていったと、私が歴史的に経緯を調べるとそういうことなんですよ。  まだ状況は変わっていないと思いますが、認可の所管は北海道です。かつて言われていたのが、千歳の商店街と真駒内の商店街は、多額の金を借りて組合員に貸し付けて、返済されないで焦げつきが出ている。それで、組合は解散するにもできない。北海道のほうも困っている。私が人を介して確認してもらったら、これは今も変わっていないという話でした。  それからもう一つ、札幌市商店街振興組合連合会に補助金を出すという理由の中に、それぞれの組合に加盟している商店が連合会への加盟負担金も出せないところもある。賦課金も出せないところもある。正式に言うと賦課金という言葉を使っていますね。ゆえに補助金を出す、こう言っています。この35団体のうち、賦課金を払えていない団体は何団体ありますか。 ◎田中 産業振興部長  賦課金が払えていない団体がないという話は聞いておりません。(発言する者あり)賦課金を払っていない団体はゼロでございます。  それから、法人化のメリットですが、まさしく松浦委員がおっしゃるとおり、融資が受けられるメリットもありますほか、財産を所有できる、あるいは組合員へ貸し付けができるといったような法人化のメリットがあるということでございます。 ◆松浦忠 委員  実は、私は以前にも指摘しましたが、白石に商店街組合がありますが、組合費を取っていないところがあるんです。どうやってやっているかといったら、以前に指摘して大分やりましたけれども、大規模小売店舗法という法律がかつてありました。大型店が出店するときに、地元の商店街との間に札幌市も入って商業調整会議というのが持たれて、大型店も地元の商店街に入って多額の会費を払う。そして、商店街では、加盟している人たちがそのもらった会費を年度ごとにどう消化するかということで、研修旅行で温泉に行ったりいろんなことをやっている。この実態は、私が、1983年に初当選で出たときに、白石・厚別商店組合がありまして、厚別に札幌副都心開発公社が土地を所有してダイエーが進出しましたが、そのときに商業調整会議の中で多額の会費を払うことになりました。厚別商店街は、何軒もの会員は商売をやっていない。どうして存続しているのかと聞いたら、当時の組合長が、こういう金が入っているから、3軒でも5軒でもいいからとにかく商店街を維持していかなかったらこれだけの金がダイエーから入ってこない、入ってきたら残った者みんなで使うんだ、こういうことでした。  それから、近年、数年前ですよ。白石では、北都商店街と言って、線路から北側、平和駅の北側のほうに商店街があります。ここの商店街は会費を1円も取っていません。何で運営して上納金があるかといったら、その大規模小売店舗法のときに会員にした店舗からの会費で、自分たちの活動も、さらに上納金も賄っているということです。しかし、今度は大店法が改正になって、本郷商店街のほうからそれはおかしいよと異議ありが出て、結果的に、お金を払っていた会社がそれを知って、何社も支払いをやめて、それでもまだ何ぼかの会社がおつき合いでということで払って、それで運営している、こういう実態なんですよ。  したがって、組合があっても、商売を継続していくための組合活動ではなくて、地域の町内会と同じような、例えば冬の雪明かりの運動があるといえば、ろうそくを買ってその運動に参加したり、防犯カメラをつけるから、当時、市を経由して国の補助金を申請して、安倍内閣から補助金をもらって防犯カメラをつけたりとか、そういうのが商店街振興組合の実態なんですよ。  今、市商連には誰が事務局長に行っていますか、答えてください。 ◎田中 産業振興部長  名前は入澤 豊と申します。市のOBでございます。 ◆松浦忠 委員  札幌市商店街振興組合連合会で経理上の不祥事が起きましたが、それ以前も含めて議会で取り上げていて、どこか途中でそういうごたごたがあって私に相談が来て、それからずっと札幌市の振興部長をやった人が退職して事務局長に行っていた、こういうことなんです。今は、課長職が行っているのか、部長職が行っているのかわかりませんが、今もそれが続いているということです。  そこで、来年度の市商連に3,209万3,000円の中から、どういう目的で、幾らの金を補助金として支出するのか、明らかにしてください。 ◎田中 産業振興部長  まず1点、先ほどの答弁を訂正させてください。  事務局長というご質問がありましたけれども、私が答弁した市のOB職は、専務理事という肩書です。  それから、札幌市商店街振興組合連合会に対する補助ですが、これは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、商店街振興組合法に基づく市内唯一の指導機関と位置づけられております。市内の会員商店街を指導・助言するなどの社会的役割を担っていることから、その事業費の一部を支出しているものでございます。  まず、予算額の総額ですが、平成30年度につきましては1,460万8,000円が計上されております。これは、申請に基づきますので、内訳につきましては、例えば平成28年度の決算を参考に申し上げますと、人件費が750万円、その他事務費になっております。 ◆松浦忠 委員  札幌市商店街振興組合連合会は、69団体あるうち35団体しか入っていないのだから、店の数、団体の数、会社の数は明らかになっていませんが、数でいったら半分ですよ。そこに、1,500万円近い補助金を出して、人も送っている。私は去年の決算を分析してみたら、中心街の交通量調査をやって、そして、各商店はそれを商売にいろいろ生かしていると言っているのですが、ここ数年、交通量調査をやって具体にどこにどういうふうに生かしているのか、ひとつこれを示してください。 ◎田中 産業振興部長  交通量調査の内容でございますが、毎年行っておりまして、その変化の推移を観察しているものでございます。具体的には、その状況を経営計画の基礎資料として活用していただくように、都心部の組合員ほか金融機関などに配付しているところでございます。 ◆松浦忠 委員  調査をするには人手もかかるし人件費もかかりますから、これはわかります。ただ、調査した結果について、組合員が具体に何に利用して、これは役に立ったことがあったかどうかということを尋ねているので、その具体例があったら教えてください。  そして、この調査に補助金として税金を出したことでどういう効果があったのか。それは、今、私が指摘したようなことを尋ねて初めて評価できるのです。また来年もこのお金を出そうか、これはやめようかという判断基準になるのです。  これについて、結果を求めて評価したことはありますか。 ◎田中 産業振興部長  配付先のご意見まで伺った事実はございません。ただ、毎年、そのデータを提供しておりますので、活用されているものと考えております。 ◆松浦忠 委員  商店が新しく店を出すときには、自分で調査会社に依頼して、皆さんが車で来るとしたら、道路幅はこんなだし、時間帯はこのぐらいに混むし、このぐらいの時間に来る、だから、ここに店をつくれば売り上げはどのぐらいという予測が立つとか、商売している人はそういうことを全部やっているのですよ。ただ、通行する人をはかって、これだけの人が通っていますよというだけでは、どこをどういうふうに調査しているのかわかりませんが、ことしの予算要求調書を見ても中心街のところと言っていますから、これを見ると駅前通だと思いますけれども、毎年、同じことを書いていて、私は、これでは市商連に補助金を出すのは意味がないのでないかと。私は以前から言っていますよ。やめるべきでないかと。
     これを続けるということは、逆に言えば、どういうふうに見えるかといったら、市の退職者の再就職先を確保するというふうに見えるんですよ。これなら、別に市商連にその金を使うのではなくて、札幌市の行政としてやってほしいということもあるけれども、人手が薄いとか、あるいは、今、社会福祉法人関係、いわゆる福祉関係で人手が足りないし、行き届いていないところもあります。そういうところに再任用で市が人を抱えて、そういうところでいろいろな手助けをするというように、需要はたくさんあるのですよ。私は、税金を有効活用しなきゃだめだなと思うから、具体にこうやって一つ一つ聞き出して、私がなぜこういう質問をするかということが皆さんにわかるように丁寧にやっているんです。  そこで、町田副市長、私は、この市商連とのかかわりについては少し整理すべきではないかという段階に来ているなと思います。税金で手助けをしてあげて商売をやる人に本当に役立っているなら、それはそれで意味があると思います。しかし、相当長い期間、札幌市商店街振興組合連合会の各組合などの話を聞きながらずっと見てきて、私は、それはないなと。  最近、市商連の加盟団体員で顕著に目立った動きをした団体が一つありました。市商連の中のわくわく何とかという団体グループが、真駒内公園に球場をつくることを推進したいと言って署名を集め、さらに、この団体が主催して、北海道青少年会館の大ホールを借りて、インターネットで人を集めて、地下鉄真駒内駅からマイクロバスで送迎もして、思ったほどは入っていませんでしたが、その会合に、札幌市まちづくり政策局長と担当部長、あるいはまた、日本ハム球団の前沢事業統括本部長、三谷副本部長などが出て一方的な説明をしたことがありました。これが目立ったぐらいで、余り大してないんですね。したがって、この辺はもう整理する段階に来ているんじゃないですか。  ただ、いきなりやめるというのも大変でしょうから、今年度は人件費などの最小限は出すとしても、この中の交通量調査の金はカットして一部を整理するとかして、このまま1,400万円も出すわけにはいかぬなと私は思っています。  この辺について、副市長、どう思いますか。 ◎町田 副市長  一般論のお答えになって恐縮でございますが、制度の趣旨、目的に立ち返ってしっかり検討していくことは必要でございますので、商店街振興組合連合会の事業に対してもしっかり精査してまいりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  それでは、次に移ります。  次は、72ページの観光統計調査費ですが、私は、この内容を精査しました。そうしましたら、観光に来られた方はどういう要望があるかということを調べる、その中に、ホテルとか宿泊施設など、あるいは遊技場と言うのですか、遊ぶ場所などで調査するとあります。しかし、観光を進めるということは、本来は、民間の方たち、それを業としている方たちが、自分の商売ですから、自分たちでいろいろお金を出し合ってそういうことをやっていくのが当たり前のことだと思うのです。本来は税金を入れるようなことではないのです。  あるいは、税金を入れるとしても、調査をするのだったら、こんなに金をかけないでやるべきです。札幌市の調査様式を使って、今はインターネットですぐ送れますから、そういうところに送って、コピーをしてもらって、お客さんにこういう意向調査をしてください、そして集計したものを送ってくださいと。紙代やコピー代程度のことは、それぞれのホテルとか旅館のお客さんをふやすために使うことですから、当然、そこの営業費でやってもらって、嫌だというところは拒否すればいいだけです。そうやってやれば、ここにお金を計上するような経費なんていうのは要らないのではないかと思うのですよ。そして、そういうことが、本当に行政組織とそれぞれの事業者が一体となった取り組みになっていくのではないか、私はこう思うんですよ。  これについていかがお考えか、お答えください。 ◎森 観光・MICE推進部長  来年度の観光統計調査費のことでございます。  今、委員からご指摘がありました調査方法も確かにございます。来年度の2,500万円の予算要求の中では、実は4本の調査項目がございまして、松浦委員からご指摘のあったような調査も中には確かにございますが、このうち一番大きいものは、来年度初めて始める観光客の動態調査というものが1,800万円でございます。これは何かといいますと、今まで札幌に訪れる外国人観光客の方たちに対しては、とりわけ一番多く来る雪まつりを中心に調査を行っておりました。しかし、それでは偏りが生じるため、来年度からは、新千歳空港の協力も得て、空港の出入り口に人を派遣し、そこで、外国人観光客に、来札の目的とか、帰ってくる方には何をしたのか、何泊したのか、どこに泊まったのかという調査をし、それを分析した上で、観光事業者の方たちと情報を共有したいと。これを毎月やって、札幌の本当の姿、外国人観光客の本当の姿をつまびらかにしたいという事業が来年度の一番大きい事業でございます。  よって、これ全体を委員がご指摘の調査で使うわけではございません。 ◆松浦忠 委員  それらも、予算についてどういうふうに財政局に出されているかということは私も全部調べてわかっています。今、わざわざ説明があったから、それについても私の意見を申し上げましょう。  それらも含めて、何で全部を税金でやらなきゃいかぬのですか。少なくとも、事業者は、札幌で営業されて、そして成り立ってやってきているわけですから、そうすると、応分の負担を求めて、例えば札幌市も半分は出す、事業者も半分出してください、出し方については客室数に応じるとか、案分でとか、いろいろあると思うのです。逆に言えば、私は、こういうことは旅行会社のほうがもっとしていると思う。JTBでも近畿日本ツーリストでも日本旅行でも、旅行会社のほうがもっとしていると思う。旅行会社が調査している調査分析などは、向こうも企業秘密だから全部は出さないだろうけれども、意見交換をして調査内容、動向などについて聞いたことがありますか。 ◎森 観光・MICE推進部長  旅行会社などとそういう意見交換をしたことがあるのかというご質問でございました。  委員がご指摘のとおり、私どもも、日ごろから、JTBや日本旅行、近畿日本ツーリストとそういうお話をすることはございますが、委員のお話の中にもありましたように、やはり、各会社もご自分たちの経費でまとめ上げたさまざま特殊事情の情報も多々入っていることから、なかなか気持ちよく私どもにそういう数字等々を提供していただけない状況にあるのが実態でございます。 ◆松浦忠 委員  これをやってもらって一番わかるのはホテル、旅館なのです。みんなはここに来て泊まるわけです。そうすると、意向調査票があっても、じゃ、10分か15分だから書いてあげようということになって書いてくれるわけです。ここが一番まとめやすいのです。  飛行機をおりてこれから目的地に向かおうというときに、ちょっとちょっとと呼びとめられて、これどうですか、ああですかなんて言われたら、面倒くさいな、そんなものはやらぬよ、こう思うのがほとんどだと思うのです。人の心理的なことも含めて、空港をおりた人とか、急いでお土産を買ってこれに乗らなきゃいかぬという人にしてくれというのは、ちゃんとした実態を把握できる調査にならぬと思います。やっぱり一番はホテル、旅館だと思う。そういうところでやれば、ホテルや旅館も先ほど言ったようなことで協力してくれて、札幌市はこういう部分についてもっと調査したり呼びかけたりしてふやしてという話も出てきて、本当に金もそうかけなくて効果が上がるものになってくるのです。  私が調べてこうやって質疑をしていると、職員がいて何か仕事をつくらなきゃいけない、1人の職員を置くには大体このぐらいのお金を使ってこういう内容の仕事をすれば何人工になる、こういう算定基準もあるようですから、大体はそれでやっているのかな、こうも疑いたくなるのです。これは、経済観光局ばかりではなく、ほかも含めてたくさんあります。一番わかりやすいのが経済観光局のものだから、森部長には気の毒だけれども、私はこうやって質問しているのですよ。  そういうことで、森部長、予算執行前に指摘を受けたのだから、もう一回、ホテル旅館協同組合などとも話をして、本当にその調査の内容も含めてどうするのがいいのかということを聞いて、その上で調査方法をきちっと考え、少なくとも結果として組み立てているこの予算の執行残が出るように取り組んでください。このことを求めて、ここは終わります。  次に、4番目の観光バス暫定駐車場整備費4,000万円が計上されております。  私は、前期のときに、上田市長に、北大通に観光バスが駐車していて皆さんから大変苦情がある、私も苦情をいただいているので、市民会館の前に4台くらい置けるからあそこを整備したらどうですかと言ったら、あそこの前に文化財だか何かがあってだめだと言われて、終わっていました。  ところが、今、大通を東に向かって伸ばすということで、平成29年度の予算で、株式会社かんぽ生命保険から、そこの土地3,819.53平方メートルを20億5,030万円のお金をかけて去年の8月28日に取得いたしました。今、これがどう使われているかといったら、札幌市は北1西1の再開発の作業に従事している方の駐車場に貸しているんですよ。観光バスの問題について、我々議員が指摘するだけでなく、多くの市民が迷惑駐車で困るという意見、苦情は札幌市にも随分寄せられていると思うのです。そういう中で、北1東2のかんぽ生命のところは数年前に解体されて更地になっていたのです。そうすると、札幌市は、北に伸ばすという都市計画決定をして、事業決定をして取り組んでいるわけですから、いち早くあそこを取得して駐車場として活用していく、こうしなければならぬことだったのです。  ちなみに、かんぽ生命を調べてみたら、札幌市が取得するまで無料で貸していたというのです。札幌市が取得してから、月150万円ぐらい駐車料をもらうようになっている、こう言っています。あそこは、民間の組合が施工しているのです。したがって、そこで働く人たちの駐車場をどう確保するかといったら、都心の中には空き地もありますから、そういうところで確保してもらえばいいのであって、札幌市がいち早く取得して、少なくとも去年の8月に取得したなら、それ以降、すぐさま整備して観光バスの駐車場にすべきだったのですよ。  札幌市があそこの土地を取得していくという方針について、部長は全く知らなかったのですか、それとも、知っていたけれども、何もしなかったのですか、答えてください。 ◎森 観光・MICE推進部長  東2丁目のこの土地に関する件につきましては、市役所全体の中で都心の土地活用の中の話題として出ていたことは私も承知しております。そういった意味では、知っていたのか、知らなかったのかということについては、話として存じ上げておりました。 ◆松浦忠 委員  小西局長、あなたは、局長会議にも出ているから、市長の本当の側近ですよ。副市長は言うまでもなく側近中の側近だけれども、あなた方は側近ですよ。大事な事項というのは局長会議にかかります。都市計画決定は、いつされたと記憶していますか。 ◎小西 経済観光局長  都市計画決定の時期については、済みませんが、存じておりません。 ◆松浦忠 委員  私は、少なくとも、上田市長の時代に、そうやって具体に場所を提案してこれはどうだということまでやりました。その当時はどういう話かといったら、今のNHKがどこかに移転してと。あの当時、NHKは複合の建物の中に入ってほしいと札幌市がラブコールを送っていて、NHKは入ろうかなと言っていました。その後に、将来、市役所が建てかえをするとしたらあそこに行くだろう、行くとすれば、その地下に観光バスの駐車場をつくるのが一番利便性がいいねという話をして、ぜひ、将来、そういうことでつくっていこうという話を私もしました。  しかし、現実の問題として、今度、大通を東に伸ばしていくということで都市計画決定をしているわけです。そして、あそこは北海道の事務センターがあったのですが、かんぽは、早くに北海道、東北の保険に関する事務センターということで東北に集約してあそこはあいていて、いつ売るかということだったのです。したがって、札幌市が都市計画決定をするという方向を定めたならば、札幌市が取得したいという話をかんぽと進めて、決定したら即座に取得して観光バスの一時駐車場にする、待避駐車場にする、普通はこういうことをやるのですよ。そういうことについて、終わってしまったことを言ってもしようがないからそれ以上は言いませんけれども、何といいましょうか、当たり前のことができていない。しっかりやってよ。  そこで、あの辺は地盤がいいですから、駐車場にするなら、せいぜい50センチぐらい掘って砂利を入れ、ローラーで固めて20センチぐらいの舗装をかければ重量バスでも大丈夫ですから、そんなに時間がかからずにできるんですよ。ものの10日もあったらやれます。したがって、大至急、あそこを観光バスの駐車場にしてみんなに使ってもらえるようにしなきゃいかぬと思いますけれども、今のところ、大体、どういう工程でいつごろ使ってもらおうと考えていますか。 ◎森 観光・MICE推進部長  暫定バス駐車場のオープンのころ合いということでございます。  実は、予算書に載っている平成30年度の4,000万円につきましては、この時点では我々札幌市が直接発注してアスファルトを敷いて駐車場にするという案でございました。ただ、現状はちょっと変わっておりまして、私どもが所管している南8条西2丁目のバス駐車場もそうですが、駐車場事業者の提案を受けて、ここを駐車場として事業者にやってもらえないかということを模索しているところでございます。そういう状況でいけば、今のさまざまな話をトータルしますと、4月1日以降、即座に工事をし、オープンにつきましては、ゴールデンウイーク前のできるだけ早目にということで駐車場事業者に整備していただけるような状況になっているところでございます。 ◆松浦忠 委員  駐車場事業者というよりも、観光バス協会というのがありますね。そこに委託して管理してもらうと。今だって、そういう整理は協会の人たちがやっているわけです。ハイヤーは、JRの駅前でもハイヤー協会が人を出して順序よく並ぶようにやっています。したがって、観光バス協会というのがあるわけですから、そこに委託して出入りの整理をしてもらう、これが一番理にかなっていると思います。わざわざ駐車場を業とする人がやらなくてもいいので、そうすると、利益を求めませんから安く済むのです。わかりやすく言うと、必要な人件費だけで済むわけです。そういうふうに実態にそうようなことをする。バス協会が札幌市と契約すれば、それで契約が成り立ちます。正式には北海道バス協会ですか。そこはちゃんと法人の資格を持ったところで、何も札幌市が契約するのに不足の相手ではないですから、ぜひそことやってください。いかがですか。 ◎森 観光・MICE推進部長  先ほどもお話ししました南8条西2丁目も、一旦はバス協会とやらせてもらった経緯がございますが、人件費の問題、それから、24時間営業等々の問題もありましてなかなかうまくいかなかったという実態がございます。そのため、南8西2も駐車場事業者にゲートをつけていただいて24時間でやっていただいているという実態でございます。  そういうことで、バス協会自体、恐らく、東2丁目のこのエリアでの委託はなかなか受け切れないのではないかと、今、私は思っているところでございます。 ◆松浦忠 委員  何で私がこういうふうに言うかといったら、またも振興公社となるからですよ。またも振興公社に委託する。こうなっていって、一般で競争させたら安いものを、何らかの理由をつけて振興公社にとなって無駄な金を使うから、したがって、バス協会がやるのが一番だなと。あるいは、方法としては、出入り口に自動遮断機をつけて、それぞれの会社には遮断機をあけるスイッチを持たせれば、あけ閉めは自動でできます。皆さんの家にある電動シャッターと同じですよ。そういうことなどを含めてできるわけです。  したがって、なるべく経費が安くて済むような方法を講じてください。具体的にそのやり方が固まったら、事前にやり方の説明をしてください。私が、なるほど、いい知恵を出すなとなったら、次の議会で褒めます。  最後に、MICEについてお尋ねいたします。  MICEは、わかりやすく日本語で言うと国際会議場ですね。これは、札幌市が国鉄清算事業団から依頼を受けて、東札幌の市域の中の線路跡地について、一部、アサヒビールのところは先に取得していましたが、全部を取得しました。そして、あそこに多国言語の同時通訳つきで大会議室2,000席の国際会議場をつくりますとなったときに、ホテル業界から民業圧迫だということで反対の声が上がりました。その反対の理由というのは、ホテルロイトンが同じように同時通訳装置を持った2,000席の大会議場があるというので、当時、私もやっぱり民業圧迫はうまくないということになりまして、そこであそこを2,500席にしたのです。  そこでまず、お尋ねしますが、今度の国際会議場の大会議室の座席数は幾つですか。 ◎森 観光・MICE推進部長  新しいMICE施設の座席数ということでございます。  現在、ホールが2,000平米ということは決まっています。それから、展示場も4,000平米ぐらいと考えておりますが、固定にするのか、可動にするのかも含めて、座席はどうするのか、ステージはどうするのかということは、詳細な設計に入っていないことからまだ決定しておりません。 ◆松浦忠 委員  新聞によると、2,000席だと。そして、およそ280億円から300億円で、現在、パークホテルのところを所有しているフジサンケイグループの不動産会社から札幌市が買い取ることを市長・副市長会議で決めたということが報道されていて、私はそれしか知りません。  そこで、町田副市長にお尋ねするけれども、そういう決定をされたのですか。2,000席で、フジサンケイグループ不動産会社が建てたものを280億円から300億円で買い取るということを決めたのですか。 ◎町田 副市長  市長・副市長会議では、規模としては2,000平米を想定して事業計画を進めていこうということを決めました。 ◆松浦忠 委員  副市長にお尋ねするけれども、民業圧迫についてはどういうふうな考え方を持って決定されたのですか。 ◎森 観光・MICE推進部長  民間ホテルに対する民業圧迫というのは、ホテルと一体で整備をするからということなのかなというふうに思いますが、このMICE施設そのものが他の施設の営業等々を圧迫するとは、今のところは考えてございません。  なぜならば、全体で5,000人、そして周辺も含めると1万人規模の国際会議を考えており、今まで札幌にできなかったMICE規模、会議規模を誘致するための施設でございますから、私が所管しているコンベンションセンターもそうですが、他施設のお客さんをこちらに呼び込もうというような考えには立っておりません。基本的には、これをつくって大きな会議を誘致し、市全体でその施設を運用しようという考えで設置するものでございます。 ◆松浦忠 委員  市長・副市長会議で決めた内容の中では、パークホテルの宿泊者数は何人になっているのですか。 ◎森 観光・MICE推進部長  私どもが市長・副市長会議にかけさせていただいたのは、この施設の計画だけでございます。ホテルの関係につきましては、民間の事業ということで、そこに関しては市長・副市長会議にはかけてございません。 ◆松浦忠 委員  今まで聞いているような、そんな調子で300億円もの金の決定を市長・副市長会議でしたなんていうのは、私はとんでもない話だなと思います。何がとんでもないか。秋元市長は、上田市長のもとで、副市長をずっとやってきました。あるいは、市長政策室長もやりました。上田市政の中で中枢にいました。その中で、国が新たな国際会議場構想を出して、手を挙げるところは国の査定に合えば補助金を出すという仕組みですね。  そこで、ここでやろうと決めていたのが、もとの厚生年金会館、今、市民会館の代がわりとしてニトリが命名権を持って運営しているあの場所ですね。隣にロイトンがあります。2,000席の会議室もあります。同時通訳装置もあります。このパークホテルのところを280億円から300億円と決めたのは、一体、土地代を幾らと見て、建物を幾らと見ているのですか。 ◎森 観光・MICE推進部長  建物、土地代を幾らと見ているのかということでございます。  基本計画上は、事業費トータルで約280億円を予定しておりまして、そのうちの建設工事費が230億円ぐらい、調査費、設計費で9億円ぐらい、土地持ち分取得相当費で35億円ぐらい、これらを合わせておよそ280億円というような算出をしております。 ◆松浦忠 委員  芸術文化の館の場所の土地の面積は幾らか、それから、今、パークホテルで取得しようとしている土地の面積は幾らか、示してください。 ◎森 観光・MICE推進部長  私どもが中島公園で事業展開を考えている土地の面積は、約2万平米でございます。それから、芸術文化の館につきましては、延べ床面積で3万平米ぐらいと認識しております。 ◆松浦忠 委員  パークホテルのところは、2万平米、およそ6,000坪の土地を取得するということですか。そして、芸文のところの土地の面積は幾らあるのですか。 ◎森 観光・MICE推進部長  大変申しわけございません。  芸術文化の館の土地は、1万1,600平米程度でございます。パークホテルのほうは、土地を取得するというよりも、今、再開発のスキームで物事を考えておりまして、来年度以降になりますが、土地持ち分取得相当ということで事業費案分によって土地代をお支払いすることになろうかと思います。 ◆松浦忠 委員  実は、上田市長のときに、小泉内閣は、厚生年金会館などを含めて外郭団体の整理をする、そして、いわゆる一般公益財団と一般財団、課税、非課税とに分けるということをやりました。そして、厚生年金会館だとか北24条のサンプラザだとか、あるいは菊水のところなど、当時の郵政省が持っていた建物を取得してくれということで、札幌市が取得することになりました。私は大反対しました。国の尻拭いをやる必要はないと。けれども、上田市長を初め、多くの議員が賛成して取得しました。  そのときに、私は、取得費は幾らだと言っても、国との約束があるからということで、当時、上田市長はかたくなに出しませんでした。  そこで、きょうは、ここに管財部長の出席を求めています。上田さんからかわって秋元市長になった。時間もたった。さて、管財部長、あそこの取得価格は幾らですか。 ◎大関 財政局管財部長  旧厚生年金会館の取得価格についてのお尋ねでございます。  土地につきましては24億1,669万7,776円、建物等につきましては4億3,560万9,774円、それに消費税2,178万488円、合計で28億7,408万8,038円でございます。 ◆松浦忠 委員  これは、今、見込んでいるパークホテルの土地の取得価格のほうが高いし、さらに、面積からいったら、向こうは2万平米、およそ6,000坪で、こちらは、1万1,600平米だけれども、ホテルロイトンがあり、会場としても2,000席の同時通訳の大会場があるわけですよ。そうすると、誰が考えたって、ここに建てるほうが合理性があるんですよ。1万1,600平米ですから、向こうの2万平米を買わなくても、建物の建て方によってね。さらに、あのとき、商工会議所は、分けて駐車場を買ったわけですし、商売としてもうかる事業もやりたいということで、学校をやったりいろいろなことをやっています。そういうようなことなどを含めて考えていくと、パークホテルに持っていった経緯というのが全くわからない。  さらに言うと、あの当時言われていたのは、民間活用型でニトリがやると言われたのですよ。そして、当時の経済局長の荒井さんは、やめる挨拶に来たから、あなたはどこに行くのと聞いたら、ニトリに行きますと。何かの準備かと言ったら、準備とは言えないけれども、そういう可能性もあるでしょうねと言って、部屋を後にして出ていったんですよ。  そういう中で、突然として、グランドホテルの所有者、フジサンケイグループの不動産会社、ずっと戦後の日本の保守政治の中枢に近い位置にいて、今もいますが、そのフジサンケイグループが買った途端に変わってきた。何か、東京のほうと似ているんではないかい。これは、合理的な理由というのが余りないね、どう考えたって。  理屈というのはいろいろな立て方がある。ただ一つあるのは、今まで、国際会議などを当て込んで、あそこにホテルロイトンを建てて、さらに厚生年金会館を買った中で、札幌市がそういう方針を出してきた。ロイトンも苦しい経営をしていたでしょう。やれやれと思っていたと思うんですよ。ロイトンは、東札幌に国際会議場をつくったときに、民業圧迫はせんでくれよと言っていました。  市長、私にはどうやったって変更した理由が理解できないんですよ。  例えば、具体的な青写真が、少なくとも概要が書かれて、この会議室は何千の座席で、同時通訳が何カ国語でどうして、さらに、小部屋の会議をやるところがこういうふうにあって、何階建てでつくってと。私は、景観などを考えたら、中島公園の中ですから、特例でうんと高いものをつくるなんていうことは、中島公園という都心部の公園からいったらすべきでないと思う。  どう考えているのか、その構想なくして、280億円もの金を出すなんていうことを決めること自体、私には理解できぬ。市長、これをもっとわかるように説明してください。 ◎小西 経済観光局長  MICE施設の候補地については、西11丁目周辺地区と中島公園周辺地区の2地区を比較対照いたしました。その中では、MICE施設について、これまでコンベンションセンターをお使いいただいた方から、特に宿泊機能がないということでいろいろなご意見をいただいておりました。  それから、ホテルとの一体整備ということで、例えば、先ほどホールが2,000平米、展示場が4,000平米と申しましたが、会議室については、大中小のもろもろの会議室で5,000平米程度が必要だというふうに考えております。そういった中で、パークホテル側からの共同事業の提案について協議した中で、5,000平米のうち、3,000平米程度はホテル側で担うといったお話があり、結果的に我々が負担する面積が少なくなったことがあります。  それから、実際にご利用するお客様の多くは札幌駅、新千歳空港からいらっしゃいますが、そこからは乗りかえなしで真っすぐ来られます。また、パークホテル側からは、地下鉄駅から外に出ずにダイレクトアクセスするというようなご提案もありました。  一方、周辺の宿泊機能については、例えばパークホテルだけでは担えない場合、エリアで考えると、10丁目地区はもろもろのホテルを合わせて約1,500室ですが、中島公園周辺では倍以上の3,500室ほどで、これも中島公園地区のほうがはるかにすぐれております。あるいは、今後になりますが、周辺の開発状況を見ると、民間開発投資の可能性としても、空地を含めて中島公園地区のほうがあります。  そういった総合的な判断のもと、今回、市としては中島公園周辺地区での整備を決断させていただいたということでございます。 ◆松浦忠 委員  なぜ、市長が語らないのか。私はあなたに聞いているのですよ。私は不可思議だと言っているんですよ。  外国の人が札幌に来て、一様に何を言われているかといったら、雄大な自然だなと、東南アジアの人もそう言っているのですよ。富裕層というのは都心部にいるのです。札幌を知らない人が外国から来たら、一番に中島公園から植物園を通って北大の構内まで案内したいなと思っているのです。植物園というのは、まさに札幌ができる前の姿なのですよ。やっぱり、あれを外国から来た人に見てもらう、これが大事なことなのですよ。一杯飲むのは、薄野でなくても、東京にもあるし、外国にもあるんです。国際会議などで札幌に来た人たちに、札幌はどういうところだったか、それが何年で今のように変貌したかが一目でわかるのはあそこなんですよ。そういう魅力をきちんと把握する。ただ、この把握というのは我々にはできないんです。外国から来た人にその意向を聞かなきゃわからないんです。そういうことをきちっとした上で、こういう意向を持っているから、じゃ、ここがいいなということになるのです。  それから、もう一つ、面積が小さくても、あそこならば例えば特例で高層にしても特段の問題は起きないと私は思うんです。そのようにいろいろな使い方がありますからね。そして、国際会議ということになれば、商工会議所が持っている駐車場の用地なども高層の駐車場に変えて、一部の用地は地下道を掘って使うとか、いろいろなことが出てくるのです。極めて合理性があるのです。こういう合理性があることに反するものに金を出すと決定したのは、局長や副市長ではないんですよ。決定権があるのは市長なんですよ。その市長から、こういう合理性のあるものをなぜやめたかということについてぜひ聞きたいなと、こういうことなんです。 ◎秋元 市長  MICE施設の整備に関しまして、これまでも議会で何度かご答弁させていただいておりますが、今、お話しの西11丁目エリア、中島公園エリアのそれぞれにどんなメリット、デメリットがあるかということを整理した上で、先ほど来、一旦の整備の方向性として、札幌市役所としての意思決定をさせていただいて、一つの構想としてこの案をつくり、昨日の常任委員会でも詳細の説明をさせていただきました。先ほど答弁させていただいたのは具体的な数字に関することでございますので、局長がご答弁させていただきました。  そういう意味では、これは、議会にもご説明した上で、その構想について、今、市民からパブリックコメントでさまざまなご意見を頂戴して、議会の皆様方ともお話をさせていただきながら最終的に決定していくというプロセスでございます。 ◆松浦忠 委員  私は1983年からこの仕事をしているけれども、私が記憶している限りでは、札幌市が決定して、議会も圧倒的多数で議決したものが、市民の意向によって変更になった事例が二つあります。  市長、記憶にありますか、お答えください。 ◎秋元 市長  ご質問の件について、思い当たる部分はございません。 ◆松浦忠 委員  これは、一つは、上田市長のときに、市営バスを廃止して白石と厚別の運行を民間バスに割り振った。そのときに、白石と厚別を運行している中央バスが、当初計画では補助金はもらわないでもやれると言った。けれども、やってみた結果、予想以上にお客が減っている、年間1億円ぐらい補助金が欲しいと言ったことに端を発して、時の上田市長は、それなれば中央バスからJRバスにかえる、車両購入などのいろいろな費用で約20億円を負担し、それでかえる、こう言って議会に提案しました。当時、議会で反対したのは、明確に反対して取り組んだのは、私と堀川議員の2人でした。そして、北郷の老人クラブの10人ぐらいが、それは変だと言って期成会をつくり、大通の三越前で街頭署名活動などをやって、テレビが一斉に放映しました。すると、当時、服飾関係の人を連れてファッションショーを見に北京に出張していた上田市長が、わずか3晩目ですぐに飛んで帰ってきました。そのテレビを見た市民の人からは、本当に市役所の電話回線が長時間つながらないぐらい抗議の電話が来て、上田市長は、その取り組みを始めてから1週間で撤回して、もとに戻すという意思決定しました。これが一つです。  二つ目は、平成24年、北ノ沢から盤渓に抜ける道道西野真駒内線、このうち、北ノ沢と盤渓の間に標高約300メートルのこばやし峠があります。このつづら折りのところで冬に事故があるので、ここに1,600メートルのトンネルを掘る。そうしたら、ボーリング段階で、盤渓側400メートルのずりの中から国の基準の3倍を超える猛毒のヒ素が検出された。これを、中の沢川の源流部分、30年間、地崎工業の子会社の札幌優碩というところが砕石をとった平地約20ヘクタールを、誰も買い手のないところを、3万余を出して買い取り、そして、そこに野積みをする。 ○福田浩太郎 委員長  松浦委員、質疑に入ってください。 ◆松浦忠 委員  (続)いいですか。今、市長がもっともらしくパブリックコメントなんていうことを言うから、私は事例を出して言っているんですよ。  これも、当時、川沿のまちづくりセンターの地域の防災地図では、国土交通省の基準では大雨が降ったときの土砂流出区域ですが、ここに置くと決めたんですよ。明確に反対して、これはだめだと言って、終始一貫、地域住民と取り組んだのは私一人でした。  なぜ、そこに決めたか。そのうち、札幌優碩の親会社の地崎商事、今は合併していますが、ここにおよそ8億円の土地代が入る。ここの社長はカワサキさん、その前はアカイさん、さらに、今は濱田さん…… ○福田浩太郎 委員長  松浦委員、質疑に入ってください。 ◆松浦忠 委員  (続)入りますよ。説明せんきゃわからぬから言っているんですよ、私。(発言する者あり)近未来のパブリックコメントなんて、そういうもっともらしいことを言うから、私が事例を出して……(発言する者あり) ○福田浩太郎 委員長  静粛に願います。 ◆松浦忠 委員  (続)こういうことですよということを話しているんですよ。  そして、今、濱田さんが社長をやっている。そこにおよそ8億円の土地の買い取りになるということがわかりました。その結果、これは、住民が、わずか3家族6名の人が…… ○福田浩太郎 委員長  松浦委員、繰り返します。質疑に入ってください。(発言する者あり) ◆松浦忠 委員  (続)いいですか。あるんですよ。  そして、その結果、わずか5カ月で撤回して、世界で初めての安全なトンネルの中に封じ込めるということがあった。
     これ以外は、どんな意見があったって、札幌市は全く聞かない。これが実態ですよ。  そして、委員会で説明したと言ったって、委員の質疑の記録を聞いたら、ほとんどが市長の意見に沿った内容の中身がこれからどうなるのかという質疑だけですよ。根本的な、なぜ変わったのか。土地代だって27億円もかけて、(「質問あるなら質問しろって」と呼ぶ者あり)わざわざその方針を立てたのは…… ○福田浩太郎 委員長  静粛に願います。  松浦委員、繰り返しますが、説明の趣旨はわかりましたので、質疑してください。 ◆松浦忠 委員  (続)よし、わかった。  市長ね、それをきちっとわかるようにこの議会の場でしなきゃだめですよ。常任委員会は、限られた10人か11人のメンバーですよ。(「おまえの持論はわかったから、質問しろ」と呼ぶ者あり)ここはですね。  委員長。 ○福田浩太郎 委員長  静粛に願います。 ◆松浦忠 委員  (続)委員長、ちょっと私は委員長にお尋ねするんですが、この間も、元副議長の大嶋さんは、おまえのと、こう言いました。これは、議会として、発言してよろしいんでしょうか。(「関係ないだろ」と呼ぶ者あり) ○福田浩太郎 委員長  質疑を続けてください。(発言する者あり) ◆松浦忠 委員  (続)そういうようなことで、市長、もっときちっと、ここは予算を、きのうの常任委員会というのは単なる説明ですよ。(「質問があるならしろって言ってんだぞ」と呼ぶ者あり)…… ○福田浩太郎 委員長  静粛に願います。 ◆松浦忠 委員  (続)予算審議の場じゃないんですよ。市長の構想の説明を受けただけなんですよ。ここは、それに伴っての予算が計上されているから私は質問しているんですよ。それをもってして、予算審議にかえるなんて思ってもらったら大きな間違いだって、これ。(発言する者あり)  それは違いますか、市長、きのうの審議にかけたんだから、それでよしとしていると、さっきの市長の答弁からいったら、そうとれるんですよ。 ◎秋元 市長  先ほど、そのような答弁をさせていただいたつもりは全くございません。常任委員会で説明させていただいて、今後、議会の中でもいろいろな議論をさせていただき、市民のご意見をいただいていくのが最終決定するプロセスだと申し上げました。  それから、先ほど来、方針転換というふうにおっしゃっておりますが、方針転換ではございません。これははっきり申し上げます。  西11丁目エリアですが、これは、今のニトリホールの取り壊しをします。これは、耐震の問題があって壊していくのですが、その跡地をどうしていくのかということについて、市の方向として出ていたのは、一つは博物館の候補地とするということでした。これは、私がちょうど退任しているときに決められたことでございますが、札幌市としては博物館の候補地とするということでした。その後、やはり、ニトリホールの閉館に伴って、いろいろな関係の方と、札幌は学会などの大きな会議を誘致できない、いろいろなニーズがあるが、それを受け切れるだけの施設がない、今のコンベンションセンターではやはり規模が小さい、あるいは、宿泊施設が併設されていない、都心から離れている、こういったことで都心部に大規模な会議を誘致できるMICE施設を整備していきましょうと、そのときの候補地として、一旦、博物館の構想用地としてはあるけれども、ここをもう一度考えることが必要なのではないかという議論をしました。その後、先ほどご答弁させていただきましたように、フジサンケイグループである株式会社サンケイビルから、中島公園にホテルの建設と、ホテルと併設する形でMICE施設という整備はどうかというご提案があり、その二つを比較検討して議論してきたということであります。  詳細についてこれを全部言っておりますと―まず、資料をごらんいただきたいと思います。ご説明させていただいた上で、また議論させていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  我々のところには何の資料の配付もありませんよ。市長、11人か10人の常任委員会のメンバーだけが67人を代表していると市長はお考えなのですか。私は、少なくともそうではないと思っているのですよ。そして、特に、これは予算審議ですから、やっぱり、今ここで明らかにしなきゃいかぬ。  それから、もう一つ、この中で、先ほど部長から説明がありましたが、3,000平米の会議室などはパークホテル側の施設を使わせてもらうと。何のことはない、パークホテルと専有的な契約をするということなのですよ。さらには、ここで大きな会議をやったら必ずあなたのところに泊まらせますよと。宿泊も優先で、パークホテルの定員内だったら、支障のない限り全部パークホテルを満室に埋めますよ、こういうことなんですよ。ほかのホテルからしたら、それはないのでないか、こうなるんですよ。  しかし、少なくともロイトンについて言えば、ほかのホテルも、早くからロイトンがあそこに建てて、2,000席の何カ国語かの同時通訳を持って、そして、国際会議が来ればうちにどうぞと言ってずっと営業してきている。だから、この横に建って、ここが主に使われるということならば、それはみんな了解すると思います。そういう点で、説明に全く合理性がない。これを指摘しておきます。  それから、もう一つ、市長に尋ねるのは、東札幌のコンベンションセンターは私の地元ですよ。場所が小さくてこれに入り切らず、国際会議を開けなかったという事例は何例ありましたか、あれができてから。 ◎森 観光・MICE推進部長  東札幌のコンベンションセンターでどの程度の取りこぼしがあったのかというご質問でございますが、そもそも東札幌のコンベンションセンターでは平成28年度で1,100件ぐらいの会議がございました。そのうち、海外からの件数は24件でございまして、どちらにしても100人、200人規模の国際会議であったと記憶しております。  問い合わせがあって来なかったものもあれば、そもそも札幌にそういう規模の会議場がなくてお話をいただけなかったこともあるものですから、どれだけ取りこぼしたかという正確な数字は把握してございません。 ◆松浦忠 委員  私は、たまたまあそこに寄るんですよ。寄って、実際に営業などを担当している社員の人と話をするのです。そんな国際会議なんか、ほとんど網にかかっていませんよ。あれは、指定管理者で民間に委託するのであの会社を選んだときに、どう言いましたか。東京に本社があって広くネットワークがある、だから、あそこを指定管理者に選べばいろいろな会議を誘致できますよということだった。何も特別なものはない。大体が、札幌に来るという大きな国際会議の需要がそんなにないんですよ。(「そんなことない」と呼ぶ者あり)  ないとあなた方は言うけれども、長い間やっている私が言うんだから間違いない、今までの結果について言っているんだから。これから先は何も言っていない。(発言する者あり) ○福田浩太郎 委員長  静粛に願います。  松浦委員、質問してください。 ◆松浦忠 委員  (続)結果からそういうことだと言っている。  したがって、そういうことも含めて、次から次へと、国が出したからと言って何でも食いついて、そして、結果的にお荷物になっていく、特に施設、建物です。これが今の実態じゃないですか。性懲りもなく、また何かをそんたくして、どうも何かが働いたんではないかとみんなが思うような、決定していなくても、方針として言われていたものが急に変わっていく。理屈はどうでもつくんです、これ。  これからまた、この議会の中で、いろいろと幾つか、市長がかかわって、大きな問題で変更したり、あるいは進もうとしている問題について、私は、19日には第一部の委員会に行って具体的にその質疑をします。そのときにもまた市長に出席を求めますので、これも含めて、総体的にやっていく中で、なぜ、そういう問題のあるものがこういうふうになってきているのかということについて、聞いている市民の皆さんがなるほどなと思うように、それをわかるようにしていきたいということを申し上げて、きょうはこの辺にしておきます。 ◆松井隆文 委員  私からは、民泊の届け出における適正な申請の確保について質問させていただきます。  本年6月15日の住宅宿泊事業法の施行に向けて……(発言する者あり) ○福田浩太郎 委員長  静粛に願います。 ◆松井隆文 委員  (続)札幌市では、民泊による生活環境の悪化を防止する観点から、民泊の実施を制限する区域や期間を定める条例を制定し、昨日より、民泊を営業しようとする方からの届け出の受け付けが開始されたところであります。現在、札幌市内では、旅館業法に反して民泊を営業していると思われる施設がさまざまな民間の仲介サイトに1,500件以上掲載されており、騒音やごみ出しなどで住民トラブルが発生しているものの、施設の所在地が特定できず、対応に苦慮していると聞いております。このような中、民泊の適正な運営を確保するためには、まずは、民泊営業を考えている住宅宿泊事業者に届け出を徹底させることにより、匿名性を排除する必要があると考えます。  そこで、質問ですが、札幌市では、民泊の届け出はどの程度申請があると見込んでいるのか、伺います。  また、届け出をするに当たり、どのような書類の提出を求めるのか、あわせて伺います。 ◎森 観光・MICE推進部長  届け出件数の見込みと届け出書類の内容についてでございます。(発言する者あり) ○福田浩太郎 委員長  傍聴者は静粛に願います。(「うるさい」と呼ぶ者あり)  静粛に願います。 ◎森 観光・MICE推進部長  (続)札幌市内における民泊宿泊施設は、大手民泊仲介サイト、Airbnbに掲載中の物件は、直近で約1,450件となっております。平成28年10月末時点には約900件であったことから比べると、現在公開されている掲載物件は1.5倍に増加しており、この傾向が続き、全てが届け出ると仮定いたしますと2,000件程度に上ります。しかし、現時点で実際に届け出される件数を見込むことは非常に困難だというふうに考えております。  次に、届け出に必要な書類についてでございますが、住宅宿泊事業法施行規則や国のガイドラインに基づきまして、住宅宿泊事業届け出書や住宅の図面、登記事項証明書、消防法適合通知書などのほか、届け出住宅の形態に応じてマンション管理規約の写しや届け出住宅の貸し主の承諾書などを提出していただくこととなってございます。 ◆松井隆文 委員  申請手続において、登記事項証明書ですとか、消防法令については適合の通知書など数多くの書類が必要になるということであろうと思います。電子申請ができなかったり、煩雑であったりという理由から、宿泊事業者の中には、自分自身で申請することができずに代理申請する方もいるのではないかと思われます。  これは、民泊の届け出に限らないことですが、行政機関へ申請するに当たって、本人申請が原則ではありますけれども、代理申請というものも認められております。この代理申請は、誰でも無制限に行えるわけではなく、行政書士などの資格を有した者だけが業として代理することが可能であり、資格がない者が代理申請した場合は行政書士法違反となります。現に、広く行政手続において無資格者の申請が発覚し、監察案件となるケースが多くあります。民泊においても、こうした悪質な代理人が報酬を得て代理申請をすることが想定されます。  そこで、質問ですが、民泊を適正に運用するためには、住宅宿泊事業者や管理業者、仲介業者に対する指導・監督が重要であることは当然です。しかし、申請において行政書士法違反とならないよう、民泊の届け出において適正な申請の確保を図ることも必要であると考えますがいかがか、見解を伺います。 ◎森 観光・MICE推進部長  適正な申請の確保についてでございます。  住宅宿泊事業者の届け出は、原則として、民泊を所管する官公庁に対して事業者本人が意思表示を行うものであり、書類の作成及び提出は事業者本人が行うものと認識しているところでございます。  このことから、民泊の届け出に当たりましては、オンライン上で申請ができるものの、個人及び法人を特定できる電子証明書の添付や住民票の郵送による提出を義務づけるなど、事業者本人による適正な申請となるよう運用しているところでございます。一方、民泊の届け出を代理申請する場合につきましては、一般的には、官公庁に対する申請を法令で認められている行政書士などが行うものと考えております。  札幌市といたしましては、民泊の申請が適正に行われるよう、民泊の手続等による周知や関係団体と連携した啓発等について検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆松井隆文 委員  啓発とか連携というご答弁がございました。先ほども申し上げましたが、これは民泊の申請に限ったことではありませんが、こうした申請行為の問題につきましては、北海道行政書士会あるいは北海道行政書士会札幌支部との協力関係の構築と啓発活動における連携が重要であると考えております。  札幌市におきましては、これは人ごとではなく、違法行為たる申請を受け取る当事者として適法な申請手続の徹底に努めていただくよう求めまして、私の質問を終わります。 ◆前川隆史 委員  長時間になっており、大変恐縮でございますが、私の後に休憩だそうですので、お許しください。  私からは、医療関連産業の振興に向けた取り組みと観光バス暫定駐車場整備事業の2点について、順次、お伺いいたします。  私は、かねてより、医療関連産業の振興、集積に注目してまいりまして、これまでも、代表質問とか委員会の場で繰り返し取り上げさせていただきました。昨年12月に、町田副市長も主催者、またパネリストとして出席されておりましたが、札幌市と札商が「これからの産業とさっぽろの未来〜医療関連産業の集積に向けて〜」と題してフォーラムを開催しました。私も参加しましたが、そのフォーラムでもテーマとなった北海道大学病院のがんゲノム医療、人工知能、ビッグデータを活用した新たな医療、また、国際医療、スポーツ医療など、今後ビジネスにつながることが予感される有望な分野が数多く存在していることを改めて確認して、札幌市の新たな基幹産業に成長し得る分野だと確信したところでございます。  申すまでもなく、先端医療分野は、国内外の都市間競争も激しい分野ですし、具体的に踏み込んだ産学官の連携をスタートさせるためにも、私も、会派の皆さんと行動を開始し、早速、我が党の国会議員、道議とともに、先月、北大病院を視察させていただきまして、寶金病院長を初め、教授の皆さんと現実的な課題等について意見交換もさせていただきました。また、その際、バイオバンクや陽子線治療センターといった最新技術を導入した施設を時間をかけてご説明いただきまして、北大の医療あるいは研究の将来性を肌で感じさせていただくとともに、ぜひ産業振興に結びつけていくべきと改めて強く思ったところでございます。  そこで、最初の質問ですが、北海道大学の医療や研究に着目した産業振興に向けて、今後どのように取り組みを進めるお考えか、まず、お伺いいたします。 ◎知野 国際経済戦略室長  北海道大学の医療や研究に着目した産業振興についてお答えいたします。  委員もご承知のとおり、12月のフォーラムでは、がんゲノム医療を初め、産業振興に有望な医療や研究のテーマが北海道大学から幾つか示されております。来年度は、これらのテーマを産業振興につなげていくため、産学官の協力によるフォーラムも継続しながら、課題の抽出や取り組みの検討をより具体的に進めてまいりたいと考えております。また、研究者と市内企業のマッチングや産学共同で行う研究開発への支援にも一層力を入れてまいりまして、北海道大学と市内企業の連携事例がふえますよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  北大と市内企業の連携がふえていくように、一層、支援に力を入れていきたいということでございました。新年度予算案にも盛り込まれているバイオバンクに関連する新たな企業向け補助といったものもその一環なのかなと思っております。  北大病院では、平成28年からがん遺伝子診断外来を開始しております。これは、がん患者の遺伝子に発生している異常を調べて、患者ごとに適切な治療薬を見つけようとするもので、ゲノム医療と呼ばれる新たな医療でございます。ゲノム医療では、血液といった検体の保存や遺伝子情報の解析などを行うバイオバンクが欠かすことができない施設となります。このバイオバンクと連携する企業の補助を、フォーラムの開催から間を置かずに速やかに実施しようという点については、一定の評価をさせていただくところでございます。  しかしながら、産業振興に結びつけるためには、バイオバンクと連携しようとする企業がいなければ、せっかくの補助も絵に描いた餅になってしまいます。  そこで、次の質問ですが、北大病院のバイオバンクと連携する企業の見込みについてどのように認識しているのか、お伺いいたします。 ◎知野 国際経済戦略室長  北大病院のバイオバンクと連携する企業の見込みについてお答えいたします。  今年度に実施しているバイオバンクに着目した産業振興の調査によりますと、創薬や検査など市内企業43社、市外企業54社が北大バイオバンクとの連携に興味を抱いている状況でございます。ただし、こうした企業の興味の度合いはさまざまと推測されますことから、一つ一つを丁寧に精査していく必要があるものと認識しております。その上で、ノーステック財団など関係機関と協力しながら有望な企業をバイオバンクにマッチングして新たな連携と事業の創出につなげてまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  大学と企業は、お互いにそれぞれすばらしい力を持っていますが、お互いに何ができるかわからないことも多いかと思います。連携に至るまでには何度も何度も具体的な打ち合わせを重ねていく必要があり、途中でご破算にならないように、まさにこれは婚活と一緒で、おせっかいをやく仲人役の存在が欠かせないのではないかと思いますので、ぜひ、おせっかい役としてしっかり取り組んでいただきたいと思います。  話を戻しますが、北大病院は、先月、厚生労働省が全国11カ所で整備するがんゲノム医療中核拠点病院の一つに選定されました。寶金病院長からも応援してほしいとご要望もいただいていたところでもあり、2倍を超える倍率の選定を勝ち抜けたことに本当に喜んでいるところでございます。これにより、今後、北大病院を中心にゲノム医療が一層本格的に実施され、バイオバンクの役割もますます重要になっていくものと期待されます。  一方で、気をつけなくてはいけないのは、医療はあくまでも医療ですので、その発展が産業振興に直結するとは限らないということです。このため、現状では、企業が連携して何ができるのか、しっかり見きわめた上で、地に足をつけて産業振興を進める視点も重要かと思います。  そこで、次の質問ですが、企業がバイオバンクと連携して行う取り組みとしてどのようなものを想定しているのか、また、バイオバンクを生かした産業振興施策のさらなる展開をどのようにお考えなのか、あわせてお伺いいたします。 ◎知野 国際経済戦略室長  企業がバイオバンクと連携して行う取り組みの想定と、バイオバンクを生かした産業振興施策の展開につきましてお答えいたします。  まず、企業の取り組みといたしましては、バイオバンクが保存する検体を生かした創薬の推進や、健康状態の詳細な解析に基づいて適切な運動プログラムを提供するサービスの創出などを想定しております。  次に、産業振興施策の展開に関しまして、来年度は、補助の実施を通じて企業とバイオバンクの連携にどのような課題や可能性があるか、具体的に検証してまいります。その上で、今後、委員からご指摘のあったがんゲノム医療中核拠点病院の動向も注視しながら、北海道大学と情報交換を密にして産業振興施策の展開を検討してまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  北大を視察させていただきましたが、陽子線治療センターなど世界でトップの技術もあり、大変感銘してまいりました。医療関連産業につきましては、世界が舞台となりますので、挑戦する気構えを持つことが大変不可欠であると思います。陽子線治療センターのように世界初という視点が重要であると考えます。  そこで、通告しておりませんが、町田副市長が目の前にいらして、私は大好きなものですから、一言だけいただきたいと思います。  こうした医療関連産業の振興、集積というものは、やっぱりそう簡単ではないと思います。大体、こういう話になると、国の特区に指定してもらおうとか安易に考えがちですが、やっぱり札幌ならではのものを築くためにも、代表質問でも触れましたように、鉄鋼のまちから医療産業集積都市へと見事に生まれ変わったアメリカのピッツバーグのような世界の先進事例に学ぶことが大事だと思います。そこに至るまでの苦労とか工夫とか難しさ、業界特有の課題、医業習慣の連携、国際間の問題、成功の秘訣、そういった生の声を聞くためにも現場に触れていったほうがいいのではないかと思います。その意味で、ぜひ、札幌市の職員をそういったところに派遣して勉強させていただけたらと思いますし、あわせて、札幌市の医療関連産業の集積へのご決意をお伺いしまして、この件についての私の質問を終わります。 ◎町田 副市長  札幌における医療関連産業は、北海道大学とか札幌医科大学、ほかにも大きな医療機関、病院もたくさんあること、それから、札幌には、これからの医療関連産業に必須のICTの関連産業も集積していることもございます。そういった意味で、札幌は非常に大きな産業としての可能性を持っていると思います。ぜひとも、産学官の連携のもとでこういった産業の振興を積極的に図っていくよう、札幌市としても支援してまいりたいと考えているところでございます。 ◆前川隆史 委員  続きまして、観光バス暫定駐車場整備事業について、なるべく短目にやりますので、皆さん、ご容赦いただきたいと思います。  我が会派では、インバウンドの順調な増加傾向を踏まえまして、かねてより、観光バス対策として都心部のバス駐車場を確保するために、都市開発に合わせた新たな駐車場の確保について要望を重ねてまいりました。今般、札幌市が取得した大通東2丁目のかんぽ生命の跡地について、本格利用が決まるまでの暫定とはいえ、観光バスの駐車場が整備されることは大変喜ばしいことと思っております。  一方で、札幌市では、先ほど来話が出ておりますが、南8西2に観光バスの待機場を設け、平成27年8月には運営時間の延長もし、さらに、今年度からは夜間駐車も可能にするなど、これまでも観光バスに対する取り組みを行ってきております。  そこで、質問でございますが、どのような課題認識を持って、今回、大通東2に観光バス暫定駐車場を整備することにしたのか、お伺いいたします。 ◎森 観光・MICE推進部長  大通東2丁目に観光バス暫定駐車場を整備する理由についてでございます。  札幌市では、平成28年度から、夏、冬の繁忙期に道庁赤れんがや狸小路周辺など都心部の観光バスの駐停車が多い箇所に整理員を配置し、バス運転手に対して南8条西2丁目にある待機場の利用を促してきたところであります。しかしながら、南8条西2丁目は中心部から若干距離があるため、待機場に移動しても、とまる間もなく戻らなくてはならないという理由で、観光客をおろしたその場所に停車し続ける状況も見られたところでございます。一方、バス事業者からは、より都心部に近い場所にさらなる観光バスの駐待機場を確保してほしいとの要望もございまして、庁内の関係部署と連携の上、都心部の再開発の動きを注視しながら観光バス駐待機場の実現可能性を模索してきたところであります。  そういった中、札幌市が取得しました大通東2丁目の土地の本格利用が決まるまでの間、路上駐停車対策の一助として観光バスの暫定駐車場を整備することになったものでございます。 ◆前川隆史 委員  関係者にとっては、非常に便利な場所になるのではないかと思います。  そこで、続けて伺いますが、南8西2の観光バス待機場は、バス30台をとめることができ、民間事業者に貸し付けて運営されておりますが、大通東2丁目の観光バス暫定駐車場は、具体的にどのように整備し、運営していくのか、お伺いいたします。 ◎森 観光・MICE推進部長  観光バス暫定駐車場の整備内容と運営方法についてでございます。  取得した土地の約3,000平米を駐車場運営の実績のある民間事業者に有償で貸し付け、観光バス30台の駐車枠を設ける予定でございます。本駐車場は、乗客をおろした、空のバスを一時的にとめる場所であり、バスを利用する観光客が滞留することはありませんが、一般の歩行者等の安全確保に配慮して、外周部の柵や出入り口への出庫灯、照明などを設置することとしております。これら必要な整備は、貸し付け先の事業者が実施するため、今のところ、札幌市の費用負担はございません。  また、運営としましては、24時間入出庫を可能とし、ウェブでの予約や満車・空車情報の確認にも対応いたします。短時間の利用を想定し、料金は30分ごと700円程度で検討しており、今のところ、運営開始は4月下旬を予定しているところでございます。 ◆前川隆史 委員  4月下旬からの運用開始ということで、市としては、費用負担はなく、逆に賃料収入があるといった仕組みを理解させていただきました。  札幌市として、観光バスの路上駐停車対策にさまざま取り組んでいるものの、市役所や大通公園周辺にもお客さんの戻りを待つ観光バスの路上駐車が見られるのも現状でございます。エンジンをかけた状態で待機しているため、排気ガスで雪山が変色して景観を損ねるとか、また、たまった排気ガスのにおいに不快感を覚える通行人もいると伺っております。現に、地下街におりていく階段に排気ガスがかなりたまっていて、私もあそこに行くときは、まず息を大きく吸って、オーロラタウンの扉を抜けるまでは無呼吸で通り抜けられるように毎回頑張っていますが、そんな声はほかからも伺っております。  また、大通東2に暫定駐車場を設けても、今度は、便利になりますので、これまで南8西2の待機場にとめていた観光バスが、こっちのほうが便利だからということで、そっちにとめないで大通東2に移動してしまい、都心部の観光バス路上駐停車自体は余り減らないのではないかと若干危惧するところでございます。  そこで、質問でございますが、新しく整備する暫定駐車場を含めて、観光バスの路上駐停車対策に今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎森 観光・MICE推進部長  今後の観光バスの路上駐停車対策についてでございます。  今後は、今般整備する暫定駐車場の都心からの近さを生かして、大通公園周辺などに停車する観光バスに対して積極的に移動を促してまいりたいと考えております。  とは言うものの、観光バスの駐待機場所や観光客の乗降場所は、バスの運転手の判断ではなく、旅行会社の指示で決まる場合が多いようでございます。そのため、バス事業者のみならず、旅行会社や着地型の旅行サービス手配業、いわゆるランドオペレーターに対しても、今回整備する暫定駐車場や南8条西2丁目の待機場、乗降場所などについて広く周知し、今後も観光バスの路上駐停車対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆前川隆史 委員  観光まちづくりプランを改定して、外国人宿泊者数の目標を現状の209万人から350万人と大きく打ち出しました。先般の代表質問でも触れさせていただきまして、ムスリム対策云々というお話もさせていただきましたが、札幌のインバウンドの受け入れ力を高める一環としても、観光バスの対策も含めて、さまざまなことに具体的に取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。 ○福田浩太郎 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後4時14分       再 開 午後4時34分     ――――――――――――――
    ○小竹ともこ 副委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆北村光一郎 委員  私からは、工業系用地の確保に向けた取り組みについて、1点質問させていただきたいと思います。  我が会派としては、これまでも道外からの企業立地を推進してきましたが、近年、市内食品製造業が市外に新たな製造拠点を求める事例があることから、企業の市外流出を防止することが重要な課題であると考えております。また、私の地元ですが、古くから地元で操業している工場の周りに団地が造成されて宅地建設が進み、工場の建てかえや増築ができないといった事例も把握しているところであります。  こういった課題認識のもと、我が会派の松井議員から、平成29年第1回定例会において、企業が求める条件の土地を札幌市内でいかに確保していくかという観点から質問し、平成29年度に、工業用地の需給状況の把握のための実態を調査し、工場等の立地に必要な土地の確保に向けた施策検討のための基礎資料として活用していくとの答弁があったところでございます。企業が市内で事業を継続していくためには、建てかえや増設のための種地が必要であることから、工業系用地の確保について速やかに対策を検討していく必要があると考えています。  そこでまず、質問ですが、平成29年度に実施した実態調査の結果と、これを踏まえた工業系用地確保に向けた具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。 ◎田中 産業振興部長  今年度に実施いたしました実態調査の結果と、これを踏まえた具体的な取り組みにつきましてお答えいたします。  1点目の需給状況調査の結果についてですが、まず、企業側のニーズを伺った移転動向調査では、製造業、道路貨物運送業、倉庫業、卸売業を営む市内企業2,000社を対象に、新設、増設、移転の計画の有無などについてアンケート調査を実施いたしました。その結果、1,153社から回答があり、そのうち、現在計画があって用地を探していると回答した企業が35社、中長期的に検討すると回答した企業が85社あり、合計120社にニーズがあることがわかりました。一方、工業系未利用地調査では、工業専用地域、工業地域、準工業地域にある1,000平米以上の未利用地を調査いたしました。その結果、空き地や空き工場・倉庫といったすぐに活用できる可能性が高い土地を78カ所把握できたところでございます。  以上のことから、市街化区域内には一定数の未利用地が存在しているものの、今回のニーズ調査の結果や全市的に工場、倉庫の老朽化が進んでいる状況を踏まえますと、十分な種地が存在するとは言いがたいところでございます。  2点目の調査結果を踏まえた用地確保に向けた具体的な取り組みですが、今回の調査で把握した未利用地などと、移転動向調査で増設・移転などのために用地を探していると回答した企業とのマッチングを図るため、企業に土地の情報を提供するなど市外移転防止の取り組みを進めているところでございます。また、土地利用計画制度の所管部局におきまして、市街化区域内の工業適地につき、住宅など工業系用途以外の土地利用が進まないような土地利用計画上の手法を検討しているところでございます。 ◆北村光一郎 委員  大体の予定はわかりました。実態調査で把握した未利用地などの種地と土地を求める企業とのマッチングを図っていくことは大変大事なことでございますので、ぜひ進めていただきたいと思います。  我が会派としては、平成29年第1回定例会において指摘しましたが、札幌市は、これまでは、どちらかというと雇用の創出の観点から、企業誘致、つまり道外から企業を呼び込むことに力を入れてきましたが、何より、足元を固めるという意味で、地元企業への支援の意思が若干薄かったのではないかと私としても思います。そういった観点からも、ぜひ、土地を求める地元企業が引き続き市内で事業を継続できるよう丁寧な支援を行っていってほしいとご指摘させていただきます。  もう一つの具体的な取り組みとして、工業適地に対して工業系用途以外の土地利用が進まないような土地利用計画上の手法についてでありますが、こういった規制を強化することは、これまで商業系の施設や住宅の建設が可能だった地域において工場や倉庫などしか建てられなくなる可能性もございます。このことによって、土地の利用方法にこれまで以上に制限がかかることになるのではないかと危惧するところでございまして、土地の所有者側の観点に立つと不利益があることも考えられます。  そこで、質問ですが、工業系用途以外の土地利用が進まないような土地利用計画上の手法に関して、経済観光局としての認識をお伺いいたします。 ◎田中 産業振興部長  工業系用途以外の土地利用が進まないような土地利用計画上の手法についての認識でございます。  ご指摘のとおり、土地利用計画上の手法の検討に関しましては、周辺を含めた土地利用の現状や動向を詳細に把握するなど、慎重に進められるべきであると認識しております。一方で、工業系の用途地域の中で周辺環境を考慮して工業適地と評価できる土地や、現に工場、倉庫等が集積している土地について、今後も工業適地として維持・保全していくことは、中長期的に見て必要な取り組みであると認識しております。 ◆北村光一郎 委員  最後に、要望でございますが、国は、土地の流動化と有効利用ということで規制緩和を進めていると私は認識しております。本市の土地利用の規制強化については、場合によっては地権者によって不利益となる場合もあることから、所管部局と連携を図りながら慎重に取り組みを進めていただきたい、そして、経済の活性化に努めていただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、先ほど岩崎委員からも質問がございましたシニアワーキングさっぽろを通じて、高齢者の就業機会の創出、展開のあり方について質問させていただきたいと思います。  私は、これまでも、予算、決算等の委員会、さらには代表質問を通じて、高齢者の就労を取り上げ、まちづくりパートナーを活用した高齢者の雇用促進や高齢者雇用を考え、また望んでいる企業のためのノウハウを学んでいただくセミナー、さらには、企業と高齢者とのマッチングを図る体験会などについても事業展開を求めてきたところでございます。  求人動向は、全国の平成30年1月の有効求人倍率は1.52倍と、5年前の0.74倍から急激な上昇を見せております。札幌圏におきましても同じ状況となっており、同じく平成30年1月現在で1.08倍と、過去最高水準となっているところであります。この有効求人倍率の高まりは、昨今の少子高齢化による生産年齢人口の減少の流れを考えると、一時的なものではなく、長期的なトレンドになるものではないかと考えているところであります。  そのような状況の中、私たち会派の前川委員のさきの質問でも触れておりましたが、札幌市が昨年8月に実施した企業経営動向調査によれば、経営上の問題で人手不足を挙げた企業の割合は47.1%と、5年前と比較して約3倍以上の上昇で、収益率の低下や諸経費の増加を上回り、第1位となっているところであります。一方、65歳以上の高齢者の有業率を政令指定都市で比較すると、札幌市は14.8%と最下位であり、全国平均の21.3%と比較しても大きく下回っている状況にあります。  しかしながら、これまでも述べてきたとおり、高齢者の就業ニーズは高く、平成28年8月に保健福祉局が行った調査では、仕事をしていない65歳から74歳の方の4人に1人が仕事をしたいと回答しております。実際に、今のシニア層は元気な方も大変多く、働けるうちは働いて社会に貢献したい、賃金を得たいという声が私のもとにも直接寄せられ、相談される方もおり、高齢者の社会参加意欲は高いと感じているところであります。ついては、今後、元気なシニアの意欲を雇用につなげ、経済を活性化していくためには、受け皿となる企業側の採用意欲を高めていくことが大変重要であると考えます。  昨年の3定の決算特別委員会の経済観光局でこうした高齢者雇用の質疑を行った後に、人手不足に悩む企業と高齢者をマッチングする合同企業説明会、シニアワーキングさっぽろが開催され、大変好評だったことも示されました。  そこで、質問ですが、このシニアワーキングさっぽろは、企業側の採用意欲を高めるためにどのような働きかけを行ったのか、伺います。  また、イベント開催に当たって、どのような工夫をしたのかもあわせてお伺いいたします。 ◎田中 産業振興部長  シニアワーキングさっぽろの開催に当たりまして、企業への働きかけとイベント開催における工夫についてお答えいたします。  まず、企業側への働きかけですが、このイベントに先立ちまして、人事採用担当者向けにシニア層を採用するメリットやノウハウを紹介するセミナーを計5回開催いたしました。このセミナーでは、高齢者雇用に対する国の助成制度のご案内のほか、実際にシニア層を採用している企業をお招きし、実例紹介や質疑応答などを行ったところでございます。これによりまして、企業の高齢者採用に対する意欲の向上を図っております。  次に、イベント開催に当たっての工夫点ですが、まずは、対象者を60歳以上に絞り込み、シニア層が対象であることを強く印象づけております。これによりまして、働く意欲があっても年齢を理由に実際の求職活動をちゅうちょしていた方々も会場に足を運んでいただけたものと考えております。また、多様な業種を一堂に会した合同企業説明会とすることで多くの来場者を呼び込むとともに、仕事体験つきとすることで来場者の不安を払拭し、仕事のイメージをつけていただく工夫を行っております。対象者を60歳以上に絞り込んだ仕事体験つき合同企業説明会は全国初の試みで、このような工夫を行ったことが延べ80社の出展と約1,800人の来場につながったと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  シニアワーキングさっぽろは、今年度初めて行われた取り組みで、しかも全国初の試みということでもありますので、担当された皆さんにもさまざまな苦労があったものと思いますが、対象者を60歳以上に絞り込んだことで、きょうの主役は自分だ、そして、自分たちのために企業はこれほど集まってくれたという思いを持っていただけただけでも大きな価値があったものと思います。  一方で、多くの来場があったことから、働くことに対するシニア層のさまざまな思いやニーズを聞き取れなかったのではないか、さらには、当然、来年度の開催に向けての課題もあったものではないかと考えるところです。終わった後のアンケート等での聞き取りでも、参加した企業は事業所の近くに住む人を採用したいために複数地区での開催を希望、参加した高齢者も複数回の実施を要望する声が多かったこともあり、そうしたニーズから来年度は市内全域をカバーする5会場で展開するということでした。今年度と同様、盛況なものになるよう努力してほしいと思うところでもあり、そのためにも、実際に参加した企業や高齢者の声をしっかり把握しながら課題を検証し、解決することが重要と考えます。  そこで、質問ですが、今年度初めて開催したイベントについてどのような課題があり、2年目を迎えるに当たってどのように展開しようと考えているのか、お伺いいたします。 ◎田中 産業振興部長  イベントの課題と2年目の展開についてお答えいたします。  まず、イベントの課題ですけれども、私どもといたしましては、多様な業種の企業を募集したところですが、雇用情勢を反映いたしまして結果的には警備とビル清掃の会社で20社となって全体の3分の1を超えるなど、業種構成に若干バランスを欠いていた部分があり、その点を指摘された来場者もいらっしゃったところでございます。また、参加した企業から、近くに住む人を採用したいというニーズがあったのと同様、来場者からも、自分の住む地域で働きたいという声を多く伺っております。そのようなことから、2年目を迎える来年度は、拡大する各会場においてそれぞれの地域の多様な業種の企業に積極的に出展していただくことに留意しながら、地域に根差した雇用を創出していきたいと考えているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  今の答弁を受けまして、高齢者雇用を展開していく上での提言を四つほどさせていただきたいと思います。  一つ目は、今回のイベントは、やはり、回数を重ねることで浸透が図られ、高齢者の社会参加への理解が大きく広がっていくものであろうと思いますので、今後も継続した実施を進めていただきたいということです。  二つ目は、高齢者の雇用を進める上では、いかに生活圏、住まいと密接な地域に根差した雇用を創出できるかが重要となります。岩崎委員もおっしゃっていましたが、今回、5回と言われておりましたけれども、できれば全区、そして、そのニーズに合わせてなるべく細かい単位でやっていく必要があるのではないかと思います。その理由は、高齢者は通勤における体への負担を考慮して職場を選択する傾向が強く、雇用側も通勤に対する心配を考慮した上で採用するという側面があるからです。  三つ目は、業種構成をいかに多様化させることができるかどうかであります。そのためには、企業の理解と開拓のためのセミナーですが、先ほど5回やっていただいたという話もございましたけれども、シニア採用のメリットをいかに理解していただくかが大事であります。例えば、高年齢者雇用開発特別奨励金は、雇い入れた事業主に労働時間に応じて年50万円から70万円が国から入るものです。また、高年齢者の雇用環境調整支援助成金は、機械や設備、さらには作業方法の改善、また、雇用管理として健診の導入など雇う側の不安の軽減につながるようなアドバイスを主体としたものです。こうしたことについて、しっかり徹底して、ご理解いただけるような場を幾つ持てるかということも今後は大変重要になるのではないかと思うところであります。  四つ目は、賃金や交通費の支払い助成も含めた就業体験機会の創出ができるかどうかだと思っております。高齢者こそ、マッチングが重要であります。若者雇用でも取り入れられてはおりますが、イベントのみならず、実際の企業や事業所において就業体験の機会を設けることができないか、検討していただきたいのであります。そうした体験機会を得られれば、ミスマッチや高齢者に対するブラックの抑制につながるものと思います。  以上の4点を申し上げて、私の質問を終わります。 ◆佐々木みつこ 委員  私からは、テレワーク普及促進補助金について質問させていただきます。  国では、働き方改革を最大のテーマとして検討しているところですが、札幌でも、今もございましたように、最近、さまざまな業種で企業の人手不足が経営課題となっており、労働力の確保は喫緊の課題であり、つまり、働いていただく側の改革も喫緊の課題であります。本市では、若者の人口流出超過、また、30歳前後の女性の有業率が全国比で低いことが課題となっており、特に、高齢者及び女性が活躍できる仕事場改革が重要な要素であります。例えば、女性について言えば、職場経験やスキルを積んだ女性が結婚や引っ越しや出産を機に退職したり、または、熟練の技術者が介護や傷病など人生の岐路で退職しますと、企業としては貴重な人材を手放すこととなり、大きな損失であると言えます。何とかしてこういった人材を継続雇用できるような仕組みの整備が必要であると考えます。  こうした中、札幌市では、昨年度にテレワークの実証実験を行いました。テレワークに適した業務を事前に洗い出し、業務時間などの運用ルールを決め、ファイルの共有や勤怠管理ができるネットワークシステムを活用してテレワークを導入した結果、特に問題は発生せず、円滑に在宅勤務を行うことができたとのことでした。この結果を受け、今年度からは、道内自治体で初めての取り組みとしてテレワーク普及促進補助金を創設し、市内中小企業のテレワークシステム導入について補助を行ったと伺っています。  そこで、質問です。  札幌市では、今年度に実施した補助金について、どのように周知し、どのような実績及び成果があったのか、伺います。 ◎田中 産業振興部長  テレワーク普及促進補助金の今年度の周知方法、実績及び成果についてお答えいたします。  まず、補助金の周知に当たりましては、説明会を開催いたしまして、直接、企業の皆様に制度の紹介を行ったほか、企業を顧客として抱える社会保険労務士などの士業の方や金融機関向けに制度を説明する機会を設けたところでございます。そのほか、市のホームページを通じた広報を実施するなど、さまざまな場面で制度の周知を行ってまいりました。  その結果、今年度の補助実績は、想定していた件数5件を大幅に上回る10件の申請があり、業種につきましても、IT技術に精通している情報通信業だけではなく、サービス業、建設業などといった幅広い種類の企業に対して導入を支援することができております。また、成果でございますが、子育てや介護などさまざまな理由で在宅勤務やモバイル勤務を希望する方々の賃金、雇用や継続雇用につながったものと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  さまざまな場面でテレワークシステムの普及を目的に補助金の利用を促すように取り組み、10件ほどの成果が出たこと、新規や継続の雇用について成果が出たということを今お伺いしました。  ちょっと資料を調べましたら、子育てのために就業を中断した場合の生涯賃金という試算がありました。平成27年度の厚生労働白書をもとに、甲南大学の足立教授に伺ったのですが、大卒の生涯賃金といいますと大体2億7,000万円だそうです。産休をとり、育休をとって、即仕事に復帰して、これが常勤だった場合は余り逸失されず、まだ2億5,000万円あるそうです。ところが、6歳、つまり小学生に上がってから常勤で復帰したら1億7,000万円となり、1億円も減ってしまいます。そして、パートで復帰することになったら、生涯賃金は何と5,000万円になってしまうということでした。  本人にも、札幌市の経済的にも、できるだけ就業を継続できるような環境が必要であると私は考えます。また、シニア及び女性が一旦仕事から離れ、社会復帰するときに不安だという項目は、何からやればいいのだろうか、両立できるのだろうか、毎朝、通勤の形で就業できるのかと続きます。産休や休職、そして退職などのタイミングでもブランクなく仕事をつなげられる就業形態をつくることが、生産年齢の人口減が大きな課題となる本市にとって重要なことであります。  しかしながら、札幌市が一昨年2月に実施した企業経営動向調査によると、市内でテレワークを導入している企業の割合は3.3%であり、全国の割合13.3%に比べますと大きな差があります。先日、ある会社の方とテレワーク導入についてお話ししましたら、電話の受注業務の外注のことかと言われたことがありました。また、別のある建設業の経営者は、人手を確保できず、いつも自分で伝票を持って家に帰ってから、夜に集計、分析や営業交渉などをしていたり、また、別の会社では、ベテランの事務職が退職するので誰かいい人がいないですかという相談を受けたりします。テレワークというツールがあること、そして言葉や業態もまだまだ浸透していないことを実感いたしました。  また、なれ親しんだ仕事の仕方を変えることは企業には大変な決断であり、テレワークについて理解や関心の薄い経営者への普及はなかなか難しいと考えます。したがって、補助金による限られた10社ぐらいの企業への支援だけではなく、広く多くの企業に周知を行っていく必要があると思います。  そこで、質問ですが、札幌市では、今年度の実績を踏まえ、さらなる普及に向け、来年度はどのように取り組むつもりなのか、伺います。 ◎田中 産業振興部長  来年度の取り組みについてお答えいたします。  今年度は想定を上回る申請があったことを踏まえ、来年度は補助総額をことしの300万円から400万円に増額することとしております。来年度も、補助金説明会などを通じて導入企業の掘り起こしを行い、より多くの企業に対してテレワークシステム導入を支援してまいりたいと考えております。また、さらなる普及のためには、導入事例を幅広く周知することが重要と考えております。来年度においては、広報面を強化し、ホームページの充実を図るなど、さまざまな媒体を通してテレワークの取り組みを広めてまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  来年度は補助金も強化したということであります。また、ことしの状況を伺いますと、応募して落ちた企業はないとのことでしたので、来年度にテレワークを検討する企業や、フリーの出退勤時間や在宅勤務などの仕事を探している人にもよいニュースだと思います。企業の人手不足という経営課題の解決や、市民が多様な働き方により活躍できる社会を実現するためには、市としてこうしたテレワークシステムの導入に対する支援を今後も継続していく必要があると考えております。どの業種でも、業務の細分化などにより可能であるし、必須なことだと思っております。  しかし、テレワークシステムの導入が人手不足対策に有効だということを理解されている企業においても、どう導入していいのかやり方がわからないケースもあり、そういう場合は、導入事例の紹介のみならず、業務改革やテレワークの導入サポートコンサルティングも必要で、それらの費用負担が原因となってなかなか普及が進んでいないというのも現実です。今回の補助金は、機器やソフトのみならず、そういった委託費も補助対象であり、国のメニューであるITやレジの導入や店舗改装などの補助金メニューと同時に紹介されていることで、導入を検討する企業はふえるのではないかと期待しています。  今後も、市内中小企業や働きたい人のニーズをしっかりと把握しながら、企業が利用しやすい補助金制度となるよう工夫することで、企業にとっても、働く人にとっても、テレワークが当たり前の働き方の一つとなるようさらなる普及に努めていただきたい。そして、次は、IT、フリーアドレス化など、企業の経営効率アップを支援していってほしいと考えます。中小企業が8割を占める札幌市の企業が元気で、そして働きやすいまちになることを期待して、私の質問を終わります。 ◆坂本きょう子 委員  私は、台湾との経済交流の促進について質問いたします。  昨年は、機会に恵まれまして、2月に日台友好議員連盟の訪問団の一員として台湾を訪問することができました。また、11月には、経済観光局の皆さんが台北市の産業発展局と経済交流に関する覚書を締結する際に同行することができ、経済・観光分野を中心に現地調査や関係機関と意見交換を行うことができました。  実際に現地を訪問して、台湾の方は、アジアの中でもとりわけ親日派が多いこと、また、日本の文化、風習にもとても関心が高いということを実感いたしました。今年度上期の外国人宿泊数を見ても、台湾からの来札者は約25万人と韓国に次いで多く、北海道、札幌の人気は非常に高いものがあることがうかがえます。一方で、少子高齢化の進展や人口減少に伴って国内市場の縮小が懸念されている中、本市経済の持続的な発展のためには、海外の需要を積極的に取り込むことが重要だという思いもございます。  また、市内企業の大半は中小企業、小規模事業者ということもあり、海外展開の意思はあるものの、資金や人材あるいはノウハウの蓄積がない、不足していることなどから、いまだ海外との取引に踏み切れない企業が多いのが実態ではないかと考えています。実際に台北を訪れていろいろ話をする機会もありましたが、台北市を初めとした都市部は所得水準が非常に高く、中国本土に比べると、食に関する輸入規制も緩やかです。また、中小企業が海外でビジネスを行うには比較的取り組みやすい市場だということで潜在的なものがあるだろうと思いました。もちろん、食ということですと、北海道、札幌となるわけですから、このようなことを踏まえて、食関連産業を中心に台湾への輸出、または現地への進出に取り組む意思のある市内中小企業に札幌市として支援を積極的に行うべきだと思いながら台湾を訪問してきました。  そこで、伺いたいのですが、これまで、本市としてどのような支援策を講じてきたのか、取り組みの実績はどういうものなのか、伺いたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  これまでの取り組み実績についてお答えいたします。  札幌市における食関連企業の輸出実態に関するアンケート調査におきましても、台湾に対しましては、重点的に輸出を希望する企業が多く、アジア進出のテストマーケットとして最適な市場であることから、これまでも企業の現地展開を支援してきたところでございます。具体的には、昨年6月に、台湾最大の食品見本市であるFOOD TAIPEIへの出展を支援したほか、7月には、一般消費者向けの食の展示会である台湾美食展に初出展し、札幌の食と観光のPRを実施いたしました。さらに、市内企業の台湾進出や輸出拡大を後押しするため、11月には、台北市政府と経済交流に関する覚書を締結し、貿易や投資の発展に向けた両市の協力関係の強化に努めてきたところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  私も、覚書の締結の場に居合わせることができました。副市長、局長を初め、皆さんもいらしていましたが、お互いの産業を育成する、支える、発展するという意味ですごく熱気も感じましたし、こちらから行かれた事業者もすごく意欲的に参加しているというふうに思いました。そういう意味では、本市がしっかりと支援をしていくことがとても大事なことになるのかなと思いました。  今、室長からお話がありましたが、FOOD TAIPEIは全国からの出展だったと思いますけれども、ジャパンパビリオンでは93社が出展し、道内からは6社が出展していました。海産物であるとかラーメン、パスタソースなどのレトルト食品、お菓子とか小麦、豆加工品といったものが出品されていて、やはり、食料基地としての北海道、札幌ということが十二分にアピールできたのかなというふうに思います。  また、台湾美食展についても、私たちにはなじみ深いですが、ラーメンの販売ですとか、ざんぎ、そば、てんぷらの販売、それからフレッシュジュース、あるいは、札幌からは定山渓観光協会も参加されて定山渓のPRもしておりました。そういうことでは、本市も、これまで、台湾への輸出や現地進出に取り組む市内企業に対して商談会や展示会への出展支援を行い、海外展開に取り組むきっかけの場を提供しておりますし、現地政府や関係機関などとのネットワーク構築にも取り組んでいらっしゃると思います。  そういう中で、海外展開の意思はあるものの、なかなかそこに足を踏み出すことができない、踏み切れない企業の後押しとなる支援に引き続き取り組んでいくことが重要だと思います。新たな海外展開に取り組む企業にとって大きな課題の一つは、冒頭にも申し上げましたが、人材の確保であるとか、どういうふうにノウハウを積み上げていったらいいのかというようなところにあると思います。輸出であるとか現地進出の手続、あるいは市場調査など、国内での事前準備のサポートはもちろんのこと、現地の最新情報の入手とか現地パートナーの発掘、商談支援など、現地でのサポート体制を構築することが海外展開に取り組む企業にとって非常に重要であり、心強いものだと思います。  市内の食関連企業が、人材あるいはノウハウ不足といった課題を解決し、台湾での海外展開に踏み出すことができるよう、現地でのサポート体制を整備することが重要だと思いますが、これについてどのように取り組むおつもりなのか、伺いたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  現地でのサポート体制の整備についてお答えいたします。  現地での商談会や海外展開に新規に取り組む企業向けの現地視察会を引き続き実施するほか、市内企業が台湾現地で活動する際の支援を行うため、今年度の香港に引き続き、平成30年度より新たに食品海外コーディネート事業を開始いたします。香港と同様に、市内企業と取引が見込める現地企業の情報や市場動向等の収集、提供のほか、輸出や現地進出に関する相談、あるいは、現地企業とのマッチング、現地商談会での個別支援などを実施いたします。さっぽろ産業振興財団を初めとする関係支援機関とも連携を図ることにより、国内から台湾現地までの一貫したサポート体制を整備し、台湾への輸出拡大等に取り組む市内企業の支援を強化してまいります。 ◆坂本きょう子 委員  今お話を伺っていたら、とてもきめ細かく支援をしていくのかなと思いました。とりわけ現地でのコーディネート体制を整備することで、先ほど申し上げたような進出したいと考えている中小企業の課題解決が図られるのかなと思います。私は、自分の能力をもっと大きく発揮したいとか、試したいという気持ちをしっかりとサポートしていくことが大事なのかなと思います。札幌だけ、道内だけ、国内だけというように市場を限定的考えるのではなく、もっとアグレッシブに企業を展開していくところでしっかりとサポートしていければ、札幌の経済はもっとよくなっていくのかなと思います。そういうコーディネート体制を整備することで、ベンチャーとは言いませんが、個人事業主的なところから始まって本当にいろいろなことを模索しながらやっていく市内の食関連企業などが効果的な事業を実施できるように期待したいなと思っています。  食や観光の分野においては、台湾との経済交流を推進するということでしたが、今後は、より一層、幅広い分野での経済交流に取り組む視点が必要になってくるのかなと思います。一昨年、台湾の企業が日本の大手企業を買収したことが大きなニュースになっていましたが、台湾には電子関連産業が非常に集積しております。また、台北市政府は、スマートシティを掲げて先進的な取り組みを進めています。情報関連産業においても、連携の可能性が大いにあるものと考えられます。  食や観光に限らず、幅広い分野での経済交流を模索していくべきだと思いますが、今後どのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。 ◎知野 国際経済戦略室長  幅広い分野での経済交流の取り組みについてお答えいたします。  委員のご指摘のとおり、台湾におきましては、情報関連産業は基幹産業の一つであり、近年、IT産業の高付加価値化を図るため、IoTなど先端的IT技術の社会実装を推進しており、台北市はその中心地となっております。  札幌市におきましても、昨年度改定いたしました産業振興ビジョンでIT・クリエイティブを新たに重点分野に位置づけ、IT産業の海外展開に取り組んでいるところであり、当該産業分野での台湾との連携の可能性についても検討を進めてまいりたいと考えております。昨年11月に台北市と締結した覚書におきましては、相互に進出を希望する企業の支援や情報提供を行うこととしており、具体的な分野におきまして連携を強化することで、両市の経済交流を着実に進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆坂本きょう子 委員  台北のスマートシティサミットとエキスポの資料を頂戴しましたが、大変大規模なスマートシティイベントだったということでした。室長は、IT・クリエイティブ分野についてもビジョンの中に盛り込んでいて、どういう支援ができるのか検討を進めていきたいということでしたが、このようなところを足がかりにしながら、いろいろな分野で市内企業をしっかりサポートしていくことは大事だと思います。  本市と台北市との経済交流に関する覚書について、今、室長も少し披露してくださいましたが、双方が相互の貿易規模を拡大するため、両市内において開催される商談会や両市企業等の相互訪問が円滑に実施されるよう協力する、双方は投資に関する専門機関や支援制度を紹介し、両市企業等の活動が円滑に行われるよう協力するという文言も含まれています。札幌も、あちらに現地コーディネーターを置きながらしっかりと支援体制をつくっていく、また、札幌の中でも台北の方たちのサポート体制をつくっていくということで、相互の支援がとても大事なのだろうと思います。  実際に台湾、また台北を2回訪問して、日本の商品が一定の支持と理解を得ていることを非常に実感いたしました。今後アジアへの展開を考える企業にとって、台湾というのは最適な市場だというふうに考えます。昨年6月には、札幌商工会議所が台北市の経済関連の民間商業団体と連携協定を締結しているということでもあり、官民ともに、台湾との関係、交流が着実に深まってきております。覚書に基づき、台湾との交流を一層深めるとともに、市内中小企業が台湾への輸出拡大や進出に積極的に取り組まれるよう、地元経済界とも連携を図りながら継続的に支援に取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ○小竹ともこ 副委員長  以上で、第1項 商工費の質疑を終了いたします。  次に、第2項 農政費のうち経済観光局関係分の質疑を行います。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、新規就農者の育成と確保について質問いたします。  昨年1月に策定された第2次さっぽろ都市農業ビジョンでは、多様な担い手の育成、確保を取り組み方針として、新規就農者の育成、確保に努めることとしています。農家の方の高齢化や後継者不在による担い手の減少がさらに進んでいる中、本市の農業を維持していくためには、私も、新規就農者の育成、確保は喫緊の課題であると認識しています。私の住む南区では、市が、平成23年度と24年度に生産農家による実践的な研修を受けることができる場を整備して、新規就農者の育成に努めてきた結果、豊滝や滝野に多くの方が就農されています。国も、新規就農者の確保を目的として、平成24年度から青年就農給付金事業をスタートさせ、現在は、農業次世代人材投資事業となり、一定の要件を満たす新規就農者に対して就農直後の経営確立を支援するために、就農後5年間、年間に最大150万円の給付金を交付しております。  そこで、質問ですが、これまで給付金を受給した新規就農戸数と、市としてこれまでどのような支援を行ってきたのか、伺います。 ◎長谷川 農政部長  給付金を受給した新規就農戸数と市の支援についてお答えいたします。  平成24年度から今年度、平成29年度まで、給付金を受給した新規就農戸数は21戸となっております。  次に、市の支援でございますが、就農時に必要となる農業用機械あるいは設備、農業資材といったものの導入に対する補助を行っております。また、JAや道の農業改良普及センターなど関係機関と連携いたしまして、就農地や販路の確保、栽培技術指導を行うほか、冬期間に経営管理のノウハウ取得のための講習会を開催するなど、営農定着に向けた総合的な支援を行っております。 ◆わたなべ泰行 委員  21戸が就農されたということでございました。また、JAとかいろいろな方たちの協力を得て販路の拡大をした、これは大事ですね。そして、技術の指導、経営に関する研修も行っているとのことでした。  こういった新規就農者の経営が安定していくには一般的に5年程度かかると言われているようですが、新規就農者の育成、確保に向けた支援も、平成24年度にスタートしていますので、5年以上を経過して国の給付金交付期間が終了した新規就農者も出てきていると思います。  南区に就農された方からお話を伺ったところ、札幌では、消費者に直接販売することが多い中、消費者からのニーズは多様性があって、少量で多品目の野菜を育てることになって栽培に大変時間がかかり、また、出荷業務の作業もあるため、1人で就農されている方にとっては生産量に限界があり、その結果、売り上げが伸びなくなり、経営が大変厳しいと悩んでおりました。交付期間が終了した後、経営が厳しくて離農せざるを得ない方もいらっしゃるかもしれません。  さらに、国では、給付金交付期間終了後に離農する就農者が出てくることを想定し、平成29年度に事業の見直しを行いました。内容は、給付金交付の3年目で中間評価を行い、重点的な指導を実施しても経営改善の見込みが難しいと判断された場合には交付を停止、また、交付期間終了後も、交付の期間と同じ期間の5年間、営農を継続しなかった場合には交付金の返還を求めるという大変厳しい制度となりました。このような中でも、末永く農業を営んでいく方がふえるように、給付期間中にしっかりとサポートをしていく必要があると思います。  そこで、質問ですが、給付金交付期間が終了した新規就農数は何戸か、また、新規就農者の課題をどのように捉えて、今後どのような対策を講じていくつもりか、伺います。 ◎長谷川 農政部長  給付金交付期間が終了する戸数並びに課題と今後の対策についてお答えいたします。  平成29年度で給付金の交付期間が終了するのは9戸となっております。委員のお話にもありましたように、新規就農者の場合、その多くが少量多品目の栽培を行っており、栽培や収穫に非常に手間がかかる上に、直売所やスーパーの直売コーナーなど複数の店舗にみずから農産物を届けなければならず、出荷の調整や搬送にも非常に時間を要している状況となっております。したがって、早期の経営安定を図るためにも、生産と販売を両立させ、効率的な営農環境を整えていくことが大きな課題と考えております。  こういった課題の解決に向け、今年度より、経営コンサルタントや、道が認定いたしました地域の指導農業士を含むサポートチームによる個別の面談を実施しております。こういった面談の中で、有望となる栽培品目への絞り込みや販路対策など経営改善に向けたアドバイスを行っております。また、流通、販売にかかわる負担の軽減を図るため、共同による集出荷や軽トラマルシェの開催など、関係機関と連携しながら、今後もこれらの取り組みを広め、新規就農者の売り上げや所得向上に結びつけていきたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  給付期間が終了したのが9戸あるということで、新規が21戸なので大変心配するところですが、今後も経営コンサルなどを入れて最終的には経営の安定化につながっていくようにしていくとの答弁でした。  秋元市長も、札幌の農業は、市民に対する新鮮かつ良質な農産物の供給のほか、良好な環境の保全や食に対する学習の場の提供など、多面的な機能を担っているとおっしゃっております。札幌市の農業は、販売数量は少ないですが、とれたての野菜を消費者に直接届けることができ、また、消費者が生産者のところへ行くこともできまして、消費者と生産者が交流できるという利点があり、そこにはさまざまなビジネスチャンスの可能性もあると思います。例えば、直売店で販売するだけではなく、昨今の観光戦略は体験型が有効と言われている中で、きょうの答弁でも本市は体験型観光を推進しているとありましたけれども、野菜ソムリエなどのプロのアドバイスのもと、消費者が好きな野菜をとって農場で調理して食べたり、また、札幌市民は食への意識が高い方が多いのでオーダーメード式で野菜を発注するなど、より個人のライフスタイルに合わせた野菜の楽しみ方ができると思います。  新規就農者は、現在、若い方が多いのですが、僕がお話しさせていただいた中では、特に経済的に大変豊かになりたいといったことを考えている方はいませんでした。農業を通じて札幌を活性化していきたいという夢と希望を持っている方が多かったです。しかし、そうした札幌の農業の可能性を広げていくためには、個人では限界があると思います。生産者同士や生産者や事業者、また、生産者と消費者などのネットワークの構築が大切になると考えています。
     最後に、要望ですが、今後、どうしたら就農者がふえて長く営農できるのか、また、札幌の農業がまちを活気づけていける魅力ある産業になるように、ネットワークづくりなど具体的な戦略を前向きに検討することを求めて、私の質問を終わります。 ○福田浩太郎 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  最後に、議案第11号 平成30年度札幌市中央卸売市場事業会計予算について質疑を行います。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、札幌市中央卸売市場の青果部卸売業者である丸果札幌青果と札幌ホクレン青果の経営統合についてお伺いいたします。  両者は、昨年の6月に経営統合を目指して協議を始めることを表明し、このほど、合併の期日を5月1日とすること、合併後の社名を札幌みらい中央青果株式会社とすることを公表したところであります。この合併によりまして、市場の青果部は卸売会社が1社体制となりますが、市場の歴史を振り返りますと、昭和34年の開設以来17年間、卸売会社は丸果札幌青果のみでありましたけれども、一社独占による弊害の抑制、経済圏の膨張などを理由として、小売団体等からの強い反対行動も起き、卸売会社の複数化が検討され、当時は札果札幌ホクレン合同青果と言いましたが、現在の札幌ホクレン青果が昭和51年に入場し、複数制になったという経緯がございます。以来42年間、2社体制で切磋琢磨しながら、市場の仲卸業者、小売業者と協力して、札幌市民に対し、青果物を安定供給するという重要な役割を果たしてきたところであります。  近年の青果卸売の経営は、少子高齢化に伴う野菜、果実の消費量の減少や消費者ニーズの多様化、農協の合併に見られる産地の大型化、市場外流通の拡大など、市場を取り巻く環境の変化にさらされ、年々厳しい状況にあると言えます。実際に青果部の取り扱いを見ても、ここ数年、台風などの自然災害の影響もありますけれども、取扱量については減少していることが見てとれます。取扱量では、平成5年の34万7,000トンをピークに平成28年度の28万トンまで、ピーク時から19.3%のマイナス、取扱額も、同じ平成5年の746億円から平成28年の675億円へと減少しております。このような中、市民生活に影響が起きないよう安定供給を続けてこられていることは、厳しい取引環境の中にあっても市場関係者の皆さんがさまざまな努力をしていることにほかなりません。  こうした取扱量、取扱額の減少は全国的な傾向でもあり、そうした環境変化の中で、市民に豊かな食生活を提供し、取扱高も最盛期より落ちてはいるものの、全国的に見ても両社を合わせると他市場に引けをとらない成績を残していると考えます。  そこで、一つ目の質問ですが、厳しい環境のもと、市場関係者の皆さんが大変努力しているさなか、また、過去に2社体制に至った経緯を十分踏まえた上で、なぜ経営統合を目指すことになったのか、開設者として両社からの経緯や経営方針をお聞きしていると思いますので、その点についてお伺いいたします。 ◎片貝 中央卸売市場長  まず、両社の経営統合に至る経緯についてでございます。  国内の産地では、先ほど委員もおっしゃいましたとおり、農業従事者の高齢化と減少に伴い、農産物の生産量が頭打ちになる中、農協の合併により産地の大型化が進んだことから、産地が出荷先の市場を選別する傾向が強まっております。さらに、少子高齢化による青果物消費量の減少や消費者ニーズの多様化、市場外流通の拡大など、青果卸売業者を取り巻く環境は大きく変化しているところでございます。また、近年では、全国的にも広島市や名古屋市、八戸市などの中央卸売市場において、それぞれ2社ありました青果卸売業者が合併して1社化するなど、各市場が生き残るためにより安定した集荷、販売を目指して業界再編という動きが強まっております。  両社は、このような環境の変化や他市場の先例を踏まえ、さまざまな方策を検討しました結果、経営、財務基盤を強化することで産地からの信用力を高め、集荷力の向上を図るために合併を選択したとの報告を受けております。  次に、合併後の経営方針でありますが、両社の経営資源を集中し、最大限に活用することで、販売先のニーズに対応すべく生産地との連携を強化し、生産者と消費者を結ぶコーディネート機能を拡充することや、物流及び加工等の機能充実を図り、市場にとって最も重要である集荷力を高め、新鮮で安全・安心な青果物を安定的に市民に供給することはもとより、取引先や消費者の期待に応えながら、市場から見て川上、川下の双方から選ばれる市場として活性化することで、卸売会社としてさらなる成長を目指す経営方針であると両社よりお聞きしております。 ◆丸山秀樹 委員  ただいまの答弁におきまして、市場を取り巻く大きな変化がある中で、全国的に他の市場でも合併の流れがあること、そして、両社から、卸会社として最も重要なことは市場の集荷力であり、その方策として会社合併を選択したものという説明だと思います。  確かに、市場にとりましては荷を引くことが最も大切なことであり、市場間の競争を勝ち抜くために競争力をつけることが大事であるということは私自身も認識しており、集荷力を高めることは、札幌市民への安定供給につながるものとも考えます。全国における取り扱い状況で、売上高では、丸果札幌青果が現在405億円で全国17番目、札幌ホクレン青果が約280億円で全国23番目でありますので、この両社の合併で単純計算でも全国で10本の指に入る卸売会社が誕生することとなり、産地からの集荷力に対する信頼と評価は高まるものと思います。  一方で、市場において、卸売会社が1社体制になることに対し、取引相手である仲卸業者や小売業者からは、取扱量の調整が図られ、今後減少するのではないか、また、今までどおりに商品を仕入れることができるのかといった不安の声もあったように思います。  そこで、二つ目の質問ですが、今回の会社合併に当たって、仲卸業者や小売業者などの反応、それに対する卸売会社の対応、また、この経営統合について札幌市はどのように考えているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎片貝 中央卸売市場長  会社合併に当たっての仲卸業者や小売業者の反応、そして卸売会社の対応、さらに、札幌市の考え方についての御質問でございます。  昨年6月に、経営統合を目指す旨、両社が公表した当初は、仲卸業者や小売業者からは、1社体制になることで安定的な商品の確保に影響が出るのではないかという懸念の声などがありましたが、両社の経営陣が経営統合の目的や経営後の体制などについて仲卸、小売の組合の会議に出席の機会があるたびに説明を行ったことで、現在においては会社合併に関しては理解を得られた状況にあります。  開設者といたしましては、統合後の卸売会社による適正な売買取引の保持、仲卸業者や売買参加者などの販売先に対する取引先の公正性及び透明性が十分担保されることを前提として、両社による合併という経営判断を尊重してまいりたいと考えております。また、統合後におきましても、引き続き、法令や業務規程に基づき、市民に安全・安心な青果物を安定的に供給する卸売会社の公共的な役割の維持及び公正かつ効率的な売買取引の確保がなされるよう、開設者として指導・監督を行ってまいりたいというふうに考えております。 ◆丸山秀樹 委員  ただいまの答弁におきまして、両社の代表者や役員は、市場関係者に対し、折に触れて説明を行い、関係者から一定の理解を得られたということでございました。また、札幌市も、市民に対する安全で安心な青果物の安定供給が行われるよう、市場法や業務規程に基づき、両社に対して指導・監督する立場で関与されていくということでございました。  このようなことを進めるに当たっては、やはり、関係者間の相互理解は欠かせないものでありますし、行政もしっかりとした立場で関与していただきたいと思います。統合後も、仲卸業者や売買参加者等の実需者に対する取引の公正性や透明性が保たれるよう、市場法や業務規程、施行規則の遵守、さらには、卸、仲卸、小売の三者で結んでいる協定書の維持・継続が図られる中で、市民生活に影響が及ばないようしっかりとした公共性の維持に努めていただきたいと思います。  さらに、別な観点から質問させていただきます。  経営統合により2社が1社になるわけですから、当然、これまで使用していた卸売場や事務所などの使い方について見直されるものと思います。私が危惧するのは、この見直しに伴い、市場会計の大切な収入である卸売場の面積割使用料や事務所使用料が減少するのではないかということであります。企業経営として経費の削減を目指すことは理解できるところでありますが、その結果、市場会計に大きく影響するのではないかということでございます。札幌市としては、今後も、札幌市民、ひいては北海道民の台所としてこの中央卸売市場を維持し、その存在価値を示していかなければなりませんので、市場経営の負担になるようでは困るわけであります。  そこで、経営統合による市場事業会計への影響について、札幌市としてどのようにお考えか、お伺いいたします。 ◎片貝 中央卸売市場長  両社の経営統合による市場事業会計への影響についてのご質問でございます。  卸売業者からは、取扱額に応じた売上高割使用料と売り場、荷さばき場、事務所などの使用面積に応じた施設使用料をいただいており、これらは市場事業会計の根幹をなす収入となっております。このうち、施設使用料につきましては、売り場や荷さばき場のレイアウト変更が行われる予定でございますが、両社が使用する総面積は変わらないというふうに聞いておりますので、売り場に係る使用料は現状を維持できるものと考えております。また、事務室に係る使用料につきましては、事務室を集約する意向というふうにお聞きしておりますが、会議室や書庫としての利用継続について両社と協議を行っておりますほか、仮に空室が生じる場合は速やかに他の利用者を探すなど、市場事業会計への影響がないように収入確保に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆丸山秀樹 委員  今の答弁で、売り場や荷さばき場の面積割使用料については変わらないということでした。一方で、事務室の集約に伴い空室が生じる懸念があるため、速やかに他の借り手の入居などによって収入に大きく影響しないよう努めていくということであったように思います。札幌市は、現在、平成23年度に市場の関係者とともに策定した経営改革プランに取り組まれているところですが、この経営統合により、市場事業会計に大きな影響を与えないよう、しっかりとした事業計画の中で健全な市場運営をお願いしたいと思います。  今後も、市場を取り巻く環境は引き続き厳しいものがございますが、札幌市中央卸売市場にとって、この経営統合が市場の活性化につながるものになることを大きく期待したいと思います。重ねて申し上げますが、経営統合によりまして、取引の公正性や透明性が損なわれないことに加え、市民への安定供給が十分果たされるよう、札幌市には、統合後の状況をしっかり確認していただき、適正な指導・監督に努めていただくことを要望し、質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  中央市場については、私は、議員として大変責任を感じております。私が初当選した1983年のときには、当時は板垣市政の中で、大谷地に第2市場をつくるということで土地を確保し、その方針で議会もまだ議論をしておりました。しかし、板垣市政が4期、5期と続く中で、5期目ぐらいになると、これはもう無理になってきた、現在のところでという形になりました。そして、桂市政に移って、当時の経済局長が鈴木さんでしたが、さて、どうするという話をしたときに、市場の中の人たちから、荷さばき場所とか駐車場とかいろいろなものを十分に確保してくれという要請があって、当時、それらを受けて入居者の皆さんとの協議の中であれをつくっていきました。私も、まあ、この程度かということで賛成しました。そういう意味では、私は、まだ世界全体の流れを見ることができていなかったのだなという点で反省しております。  そこで、大事なことは、時の流れ行くままにということでやっていますと、これからは市場を通さないものが大半ということになってきます。例えば、北海道の最大手のアークスグループでも、独自に自分の買い付け部門を持って、産地から買い付けたり、外国から買い付けたりといろいろなことをやっています。また、ラッキーなども、幾つかのスーパーと共同で仕入れを持ってやるような状況になってきています。こういうことを考えると、市場経営に当たる職員については、人数が多いとか少ないとかを言うのではなくて、市の職員の中からよくよく選んで配置していく、あるいは、場合によってはそういう経験者を途中採用して配置していく、こういうことが必要ではないかなと思うわけです。  もうちょっと言うと、私は、かつて、この市場の問題で、法律で決められているいわゆる競りの立ち会いについて、相対取引のときに早朝の立ち会いがされていなかったので、これは法に基づいてすべきですよと指摘しました。そうしたら、職員の皆さんから早朝出勤は嫌だと言われて、はっきり言うと就労拒否されて、どうなったかといったら、その結果、定年退職した仲買人など、取引に詳しい人を市の臨時職員として採用して、今はそういう方にその任に当たってもらっています。こういう職員の状態などを考えていくと、消費者の買い筋の把握なんかもなかなか難しいだろうなと、市場職員の中では。  そこで、市場長は、その辺について、どういうふうに動向を把握して、消費者が好むようなものを中央卸売市場に呼び込むことについて具体にどう考えているか、市場長には再質問をせずにこれで終わりにしますから、聞かせてください。 ◎片貝 中央卸売市場長  市場の流通の把握についてでございますが、委員がおっしゃるように、かつてのローテーションでの正職員の早朝勤務は今は廃止しておりまして、アトランダムに出勤させ、臨時職員ではなくて、非常勤職員による検査員が競りの立ち会いを行っている状況であります。  市場の組織といたしましては、管理課と経営支援課に分かれておりまして、管理課は庶務、経理、施設の維持管理を担当し、経営支援課が場内事業者の経営の支援、指導、そして取引の指導などを行っております。企業会計としては小さい世帯ではございますが、一そろいの幅広い事務分掌を持って業務運営に当たっているところでございます。職員の異動に当たりましては、ご指摘の流通の経験、識見のある職員が常に配置されているわけではありませんが、職員部にそういった職員を希望したり、あるいは、そういった職員がいないのか、例えば、社会人経験のある職員、流通関係の職務を経験している職員、また、今、市場で一番必要なのが仲卸への金融支援といいますか、経営指導がありますので、金融に造詣の深い職員、あるいは金融機関を経験しているような職員、こういった者が庁内にいないかどうか、人材情報に関していろいろなルートをたどって常にアンテナを張り、そうした人材の確保に努めております。  そういった識見のある職員を配置いたしますと、初めて来る職員に比べるといろいろな情報もつかんできますし、もうすぐにその日から市場の動きについて私のところに報告がありまして、私もそれによって現在の市場の動きを知ります。当然、私も、アトランダムですが、早朝出勤して、仲卸の社長、あるいは荷受けの社長、現場の競り売り場で働いている荷受けの社員とお話しして、現場がどういう動きになっているのか、きょうは何が入っていないのか、何で荷物が遅延しているのかといった話をリアルタイムでつかむようにしています。職員にもそのように指導しておりまして、早く出た職員については、売り場で何か起きていないか、どんな状況になっているか、なるべくじかに話を聞いて、聞いた話は上司あるいは私に伝えなさいというふうに指導しておりまして、そういった形で市場の動き、流通を把握しております。 ◆松浦忠 委員  私は、議員になってから、この間、いかに職員が能力を発揮して仕事をしてもらうか、適正配置を市長に求めていくか、これが議員の第一の仕事だと思ってずっとやってきました。  そこで、人事担当の町田副市長にお聞きしますが、実は、こういう市場にうってつけの中途採用職員で、ことし、係長試験に受かった職員がこの本庁舎の中に1人いるのですよ。ある品物について全国規模での流通をやっていた職員です。大きな組織です。日本を代表する組織です。実は、そのことについて、面接をした人事委員会の事務局長に、こういう人物とこういう人物が私の目にとまっているけれども、総務局のほうに、任用のときにこういう人はこういう適正配置がいいのではないかというような送り状を出すのかと聞いたら、いや、そんな仕組みにはなっていないから出さないと言っているのですが、そういうことは町田副市長の耳に入っていますか。 ◎町田 副市長  そういうことは、耳に入っておりません。 ◆松浦忠 委員  市長、内示は20日です。まだ時間があります。この本庁舎の中に、ことしの係長試験に合格した人で、日本を代表する組織で、ある品物について、全国への移動や、その業界のその品物の価格も全てを左右する動かしを長年やっていた人が、そこをやめて入ってきております。40歳ちょっと前で、ことしの係長試験に2回目で合格したという優秀な職員です。私はその職員とも話をしましたが、この人は市場にいいなと思ったのです。だけど、私が言うまでもなく、そういうことは皆さんのほうで調査されてやっているなと思いますから、私は何も言いませんでした。  ぜひ、20日の人事を明けてみてどうなるか、楽しみにしています。市長、ここからまだ時間がありますから、1人いますので、早速、議会が終わったら探索してみてください。係長試験に受かった者は、事務系でいったら本庁舎の中でそんなに数はいませんから、すぐにわかりますよ。  ぜひ、そういう人を中央卸売市場に配置して、消費者の動向を十分に把握して、あるいは、そういう機関と連携をとって中央卸売市場にそういう荷を引っ張る、そして、手数料を稼いで、あの巨大な借金コンクリートの建物の支払いを続けていくということをぜひやっていただきたいと思うのですけれども、市長、いかがですか。 ◎秋元 市長  職員一人一人のいろいろな情報をつかんで、その職員をお褒めいただいたことに感謝を申し上げます。  さまざまな観点で、総合的な形で人事異動を進めさせていただきます。 ◆松浦忠 委員  率直に言うと、大した数ではないですから、市長が本気になってやろうとしているかどうか、私は20日の内示を楽しみに見ています。そして、その後、こういう機会に、また人事の配置のあり方について市長と議論したいと思います。  きょうは、これをもって終わりといたします。 ○福田浩太郎 委員長  以上で、中央卸売市場事業会計予算の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、次週、3月19日月曜日午後1時から、交通局及びスポーツ局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後5時55分...