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平成30年第二部予算特別委員会−03月14日-05号
平成30年第一部予算特別委員会-03月14日-05号

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  1. 札幌市議会 2018-03-14
    平成30年第二部予算特別委員会−03月14日-05号


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    平成30年第二部予算特別委員会−03月14日-05号平成30年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第5号)               平成30年(2018年)3月14日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32名(欠は欠席者)     委 員 長  福 田 浩太郎      副委員長   小 竹 ともこ     委   員  武 市 憲 一      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  高 橋 克 朋      委   員  五十嵐 徳 美     委   員  細 川 正 人      委   員  小須田 悟 士   欠 委   員  宗 形 雅 俊      委   員  佐々木 みつこ     委   員  北 村 光一郎      委   員  中 川 賢 一     委   員  松 井 隆 文      委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  大 嶋   薫      委   員  恩 村 一 郎     委   員  三 宅 由 美      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  小 川 直 人      委   員  山 口 かずさ     委   員  中 村 たけし      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  成 田 祐 樹      委   員  本 郷 俊 史     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  わたなべ 泰行     委   員  竹 内 孝 代      委   員  小 形 香 織
        委   員  村 上 ひとし      委   員  田 中 啓 介     委   員  平 岡 大 介      委   員  松 浦   忠     委   員  坂本 きょう子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、恩村委員からは、遅参する旨、届け出がございました。  また、陳情提出者から資料の提出がございましたので、お手元に配付しております。  それでは、議事に入ります。  最初に、陳情第249号 次期介護保険料引き上げ中止を求める陳情につきまして、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩します。     ――――――――――――――       休 憩 午前10時       再 開 午前10時13分     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  委員会を再開いたします。  それでは、第3款 保健福祉費 第3項 老人福祉費、議案第7号 平成30年度札幌市介護保険会計予算、第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分、議案第24号 札幌市介護保険条例の一部を改正する条例案及び陳情第249号 次期介護保険料引き上げ中止を求める陳情について、一括して質疑を行います。 ◆成田祐樹 委員  私からは、議案第24号 札幌市介護保険条例の一部を改正する条例案及び陳情第249号 次期介護保険料引き上げ中止を求める陳情に関連して質問いたします。  札幌市では、2018年度から2020年度までの高齢者支援計画において、65歳以上の方の介護保険料基準額の月額、いわゆる1号保険料を5,773円としていますが、現在の計画期間に当たる2015年度から2017年度の5,177円と比較すると11.5%程度の上昇となりました。その背景としては、高齢者の増加が大きいのかなと考えられますが、実際には、今後3年間の被保険者数の延べ人数が148万人から159万人と7.4%程度の増加と見込まれるのに対し、サービス費用は前期計画の3,919億円から4,583億円と16.9%程度の増加と、高齢者人口の伸びを上回るサービス費用の伸びがあると、札幌市高齢者支援計画2018(案)にも明記されておりました。  新聞報道などによると、次期介護保険料の基準額の月額は県庁所在地政令指定都市などの65%が6,000円を超えており、最も高い大阪市では7,927円になるとされておりました。  そこで、お伺いしますが、現在、札幌市が把握している他都市の基準額とそれに対する札幌市の認識について、どのように考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  ただいまの他都市の基準額と札幌市の認識についてでございますが、保険料はまだいずれも確定ではございませんけれども、現時点で把握している政令指定都市18市の月額平均は6,155円でございます。これと比較いたしまして、札幌市は、月額で382円、年額にしますと4,580円程度低い状況でございます。また、旭川市、函館市など、札幌市を除いて人口が多い道内5都市の平均は5,992円でございまして、札幌市のほうが月額で219円、年額にしますと2,630円程度低い状況でございます。都市によりまして、人口構成や要介護認定率などに違いがございますので、基準額を単純に比較することはできませんが、札幌市の保険料は他都市より比較的低いものと認識しているところでございます。  今後3年間の高齢者人口の増加を踏まえますと、施設及び在宅サービスの充実や地域支援事業の強化などが必要でございまして、これらの介護保険制度の安定的な運営のためには、今回の改定はやむを得ないと考えているところでございます。 ◆成田祐樹 委員  政令指定都市の平均が6,155円、道内の5都市の平均が5,992円という話がありました。それと比べたら、札幌市は現状では比較的低い金額であり、その中でも、介護給付準備基金の活用によって上昇を抑制したことや、低所得者に配慮するとともに、能力負担に応じた多段階化を行うことについては評価できるところであります。現在の月額5,177円と比較すると596円の上昇とはなりますが、サービスの利用率が高いと考えられる75歳以上の高齢者が増加することを考えると、札幌市のこの上昇をやむを得ないと考えているという答弁については、全国的にも同じ状況であるということを含めて、理解できるところではあります。  しかしながら、1点、問題点を考えますと、札幌市は低所得者の割合が高く、最も所得が低い第1段階の方は26.2%と、全国平均の18.6%より大分高い割合でいるとされております。今のところ、札幌市の保険料は政令指定都市の中では低い金額にとどまっていますが、2020年には基準額で7,600円程度まで上昇するとの予測や、他都市においては月額1万円近くになるところもあるのではないかとも言われております。このままのペースで上昇を続けていくと、低所得者の保険料負担は大きいものとなっていくことが予想され、本当に負担することが可能なのか、考えていかなければなりません。  そこで、お伺いしますが、低所得者の保険料の負担を軽減するための今後の対策についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  低所得の方の保険料負担を軽減するための対策についてということでございますが、平成27年4月から、最も所得の低い第1段階の方を対象に、消費税引き上げ分を財源とした公費を投入しまして、負担割合の引き下げを実施しております。また、札幌市では、従前より、能力に応じた保険料負担とする観点から、現在の第2段階の方の負担について独自の軽減措置を導入しているところでございます。  さらに、国におきましては、平成29年4月に予定されておりました消費税10%への引き上げの際に、軽減の対象者を第3段階まで拡大するとともに、第1段階の方の軽減幅を拡大するとしております。消費税率引き上げが来年10月に延期されたことに伴いまして、現在まで完全実施には至っておりませんが、札幌市といたしましては、消費税率の引き上げにかかわらず、軽減が早期に完全実施されるようこれまでも国に求めておりまして、引き続き、他の政令指定都市と連携いたしまして要望してまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  札幌市が既に第2段階で独自の軽減をしていることや、低所得者の保険料軽減早期完全実施に向けて取り組んでいることは今のお答えでもわかりましたが、やはり、上昇の根本となるのは少子高齢化であり、介護保険事業の中だけでできることには限界があるかなとも考えます。  ただ、将来的に介護保険料がこのまま上昇を続けると、低所得者のみならず、高齢者全体において負担は限界になるのではないかなとの懸念があります。そうなると、第2号被保険者の対象年齢の引き下げという話も、遠からず国のほうで出てくるのではないかなと個人的には思っております。いずれにせよ、20代、30代といった若い世代への負担をふやしていくことになり、簡単な話ではないというふうに考えております。  まずは、将来的な介護保険料の伸びを抑えていくためにも、元気な高齢者をふやしていく必要があるのではないでしょうか。我が会派は、代表質問で、将来的に見込まれる介護保険料の上昇に対する対策について質問したところでありますが、それに対し、予防と早期支援、そして、適切なケアマネジメントの推進により介護保険制度持続可能性を高めたいとの答弁がありました。これからは、地域包括ケアシステムの構築によって、医療、介護、介護予防、住まい、生活支援など一体的に提供されることが求められていきますが、その中でも、札幌市は、高齢者の社会参加や住民主体の介護予防などにおいて今まで以上に効果的な取り組みを行っていただくことを求めまして、質問を終わりたいと思います。 ◆竹内孝代 委員  私からは、札幌市高齢者支援計画2018におけます特別養護老人ホームの整備について質問いたします。  これまで、私たちの前を歩き、道を開いてきてくださった先輩である高齢者の方々が生き生きと暮らせる環境づくりのためにも、在宅介護とあわせて、高齢者施設等における介護はとても重要な役割を担っております。その中にあって、札幌市の特別養護老人ホームの待機者はいまだ多く、現在、入居率は97.3%と、入退去時の入れかわり対応を考えるとこの97.3%というのは常時満床であるという意味であり、待機者は3,219人と、依然、特別養護老人ホームが不足している状況にあります。  特に、近年の傾向といたしまして、本来は自分の年金等で入れる特養を希望しているが、かなわないため、家族などにお願いして有料老人ホームなどを選択し、生活するための支援を受けていることを心配される利用者や、実際に生活支援を工面することに苦労されているご家族もいらっしゃるなど、待機者の数以外にも特養を希望している方は潜在的に多くいるとされております。さらに、これからますます増加することが予想される高齢者人口の中で、介護を必要とする方もまた増加することがわかっております。  こうしたことからも、次期計画である札幌市高齢者支援計画2018では、特別養護老人ホームについて、平成30年から32年の3年間で800人分の定員を確保することを目標としておりますが、特別養護老人ホームが不足している現状を踏まえると、今期計画に引き続き、目標達成に向けて確実に整備を進める必要があります。  私は、前職で札幌市や近隣市町村特別養護老人ホームを新設する際の新規事業の担当を経験いたしましたが、事業者としては、特養施設整備を計画する際には、その建設費用面や実際に働く介護職員、また看護師などの人材確保について、さまざまな面から運営可能かどうかを思案いたします。そして、整備計画を推進する自治体側の札幌市においても、整備・運営するこの事業者を広く公募し、良質な運営をする事業者を選定したいところです。  そこで、質問ですが、改めて、施設整備についての現状や、今後整備を進めるに当たっての具体的な手法について、どのようになっているのか、特に、近年は特別養護老人ホームの整備を希望する事業者が減少しているとお聞きしておりますので、札幌市における近年の状況についてお聞きします。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  整備希望事業者の近年の状況についてでございますが、特別養護老人ホームの整備につきましては、毎年、整備事業者の公募を実施しております。平成26年度までは、募集数に対して3倍から5倍の応募がありましたが、平成27年度には、選定すべき事業者数が足りずに追加募集を行ったところでございます。また、今年度の公募では4施設分の募集に対して応募があったのが5事業所と、近年は整備を希望する事業者数が減少傾向にあるという現状でございます。 ◆竹内孝代 委員  特別養護老人ホーム整備事業者については、毎年、公募を実施していることと、今年度実施した公募では4施設の募集に対して応募があったのは5事業者であったこと、また、平成27年度には事業者が足りずに追加募集をした経験もあるといったことがわかりました。特に、平成24年度は12事業者、平成25年度は15事業者、平成26年度は9事業者と、過去と比較しても近年は減少傾向にあります。  そこで、質問ですが、札幌市の特別養護老人ホーム入居希望者は依然多く、大勢の方が待機している現状と、札幌市は、計画的に施設整備を推進したい状況の中で、応募事業者の減少というのは分析しなければならないと考えますが、本市はどのようなことが要因であると捉えているのか、お伺いいたします。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  応募事業者の減少の要因分析でございますが、施設整備に関する意向については、特別養護老人ホームを運営されている事業者に対してアンケートを実施したり、あるいは関係団体との情報交換等によって、これまでも把握に努めてきたところでございます。  その中では、応募事業者の減少にはさまざまな要因が考えられますが、まずは、介護報酬の減額改定に伴う収入減や人件費の増加などに伴う支出の拡大といった経営面での見通しの不安が主に挙げられるかと思います。さらには、先ほどもお話がありましたように、近年の建築費の高騰、あるいは、介護職員の確保が難しくなってきていること、それから、施設整備をするには用地が必要ですが、用地の取得が難しいというようなことなども影響しているのではないかというふうに認識しているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  さまざまな要因が考えられるということで、いろいろ聞き取りもしていただいておりまして、今お話がありましたように、人件費の増に伴う今後の経営面に対する不安であったり、介護人材不足も言われていたり、建築費の高騰、また、用地確保の問題などさまざまなことが挙げられるということでした。  一つ事例を挙げさせていただきますと、実際に札幌市で一番多く待機者がいると言われている中央区で施設整備をする場合、土地の購入で約2億円、その他建設工事、備品、運転資金の合計額というのは国庫補助を除いても約8億円かかりまして、自己資金を出したとしても、多くは長期借り入れをして返済していくような予算となります。特に、札幌市の場合は、土地を自力で見つけて購入しなければなりません。これは、他の市町村では、例えば、保育所や特養などの福祉施設を建設する際には自治体の土地を無償で貸与したり、補助体制が手厚いなど、福祉施策を重点にした市町村がある中で、そうしたところと比較すると、政令市である札幌市というのは施設整備をする上でのハードルはなかなか高いものがあると言われております。  また、実際に運営する際の大きな支出の一つである人件費についてですが、職員の効率的な配置が求められますけれども、現在の札幌市の公募条件にある定員80名ですと、法人の考える効率的な職員配置がかなわない場合が多く、良好な事業運営の壁になる一因でもあることから、私は、これまでも定員の緩和を求め、会派の予算要望でも毎年提案させていただいております。その際に、札幌市からは、事業者や関係団体の意向を調査し、検討したいとのことでした。  そこで、質問ですが、事業者の経営面においては、介護報酬プラス改定により一定の改善が期待されるものの、まだまだ介護職員の処遇改善は課題となっていること、また、札幌市として、応募事業者の減少という状況を踏まえて、800人分の整備目標を達成するために今後は具体的にどのような方法を考えているのか、お伺いいたします。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  整備目標を達成するための、今後の具体的な目標、方策ということでございます。  次期の計画におきましては、新規の整備だけではなく、既存施設の定員増、いわゆる増床による整備を進めていく方針であります。増床による整備は、既存施設の職員あるいは設備を効率的に活用でき、経営面あるいは人材確保面において事業者にも利点があると考えられることから、新規整備とあわせて増床も積極的に進めてまいりたいと考えております。また、今期の計画では、1施設当たりの定員を80人としておりましたが、事業者側の経営上のスケールメリットも得やすくなるように、次期の計画におきましては、定員の上限を緩和することを検討してまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  今、新規整備に加えて既存施設の増床の整備も含めていくというお考え、また、80人定員についても、上限を緩和して、健全経営ができるような検討もされるということで、期待させていただきます。  札幌市の特養というのは、専門スタッフをたくさん配置しておりますし、地域との交流ができるようなスペースを設けていたり、災害時の避難場所にも使っていただけるように多くの備蓄をするなど、いざというときに地域の高齢者の皆さんにも使っていただけるような、そういった貢献のできる重要な役割も担っていると考えております。  今後、さまざまな面からも、また、急がれる特養待機者への対応のためにも、札幌市が計画する必要な施設を確実に建てられるよう、社会情勢の変化等を踏まえた適切な方法について検討を続けていただき、特養利用者に対して良質なサービスの提供ができる体制の後押しとなることを求めまして、私の質問を終わります。 ◆平岡大介 委員  私からも、議案第24号と介護保険料引き上げ中止を求める陳情にかかわりまして、高齢者の生活実態介護保険制度について、2点質問させていただきたいと思います。  まずは、本市が高齢者の生活実態についてどのように認識しているのか、この点を伺いたいと思います。  先ほど陳情者から説明されたとおり、高齢者の生活実態は、決して楽ではないばかりか、今後ますます苦しくなっていくというふうに思うのです。医療では、高過ぎる保険料、それから、患者の自己負担の増加、また、保険で給付される医療の制限などの大幅な後退が既に実施され、今後も計画されております。このため、経済的な理由で治療がおくれてしまって亡くなってしまう、いわゆる手おくれ死が後を絶たないというのが実態であります。介護では、介護利用料の負担の3割を導入し、2割の範囲をさらに拡大しようとしています。年金はどうか。マクロ経済スライドによる減額と支給開始年齢のさらなる引き上げが実施されようとしています。  このような負担が高齢者に重くのしかかって、下流老人、または老後破産という言葉が流行語となる事態まで招いております。先ほど、陳情者からもお話がありました。灯油が高い、野菜、食材も高い、こういった物価の上昇と、来年10月に予定されている消費税10%への増税が高齢者の生活にさらに追い打ちをかけることになります。  日本の高齢者の貧困率を見ていきたいと思いますが、OECD加盟国34カ国の中、日本は貧困率が4番目に高く、19.4%となっております。まさに5人に1人が貧困という状況の中で、単身高齢者の男性の場合は38.3%、女性の場合は52.3%が貧困している世帯に当たると専門家が指摘しています。先ほど、陳情者からも、本来必要とされる介護サービスを制限せざるを得ない高齢者が多いこと、また、金額を抑えてサービスの組み立てにご苦労されているという事業者の声もございました。  そこでまず、1点目に、本市は、高齢者が置かれている生活状況についてどのように認識しているのか、伺いたいと思います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  高齢者が置かれている生活状況の認識についてでございますが、平成28年度に札幌市が実施いたしました高齢者の意識調査では、経済的なゆとりについて、やや苦しいと答えた方が26.5%、大変苦しいと答えた方が11.7%でございましたので、経済的にゆとりのない状況に置かれている方がいらっしゃるものと認識しております。  こうした状況なども踏まえまして、次期介護保険料につきましては、介護給付費準備基金を上昇抑制のために活用することに加えまして、所得の低い方に配慮しつつ、負担能力に応じた保険料の多段階化を行い、最高段階の負担割合を引き上げたところでございます。 ◆平岡大介 委員  札幌市の意識調査で、約37%の高齢者が苦しいとおっしゃっております。ケアマネジャー介護福祉士などが協力して全国で行われた介護・認知症なんでも無料電話相談に寄せられた声を幾つかご紹介させていただきたいと思いますが、80代の女性からは、ヘルパーサービスを受けているけれども、自分は要支援で、今後、ヘルパーの支援がなくなると聞いた、保険料をちゃんと納めてきたのにひどいではないか、60代の女性の方からは、70歳の主人が2割負担になった、医療費や薬代が高額になった、年金も少ない中で苦労している、薬代は月に8,000円もかかっている、70代女性の方からは、介護が必要になっても、家族も生活がありますから頼ることができない、年金が月6万円だと施設にも入ることができない、将来が不安だということであります。陳情者もいろいろご説明されておりましたが、食事を1日2回に減らして何とか切り詰めている、寒くてもストーブをなるべく使わないようにして、昼間はショッピングセンターで過ごしている、こういった話もありました。高齢者は、こういった細かな節約をして何とか生活されている方が多いというのが実態ではないでしょうか。  今回の改定によりまして、来年度からの保険料は基準額で月額5,773円とされており、10%以上の引き上げとなるにもかかわらず、介護サービス利用料の3割負担が導入されるなど、さらに負担がふえ、サービス抑制が進められて、保険料を払ってサービスは受けられない、まさに保険あって介護なしという状況がさらに加速するのではないかというふうに思います。  それから、介護保険料のこれまでの推移を見てみますと、2005年は全国平均が2,311円だったものが、その後、3,293円、4,090円、4,160円、4,972円、5,514円と改定のたびに上がっています。厚生労働省は、2025年度には月額8,000円を超えるといった試算を出しています。制度スタート時から3.5倍にも膨らんでいるのですよ。これは、低い年金ではとても払える金額ではないと思います。  先ほどの質疑で、岡島部長は、制度の安定的な運営をする上で保険料の引き上げはやむを得ない、こういった話をされておりましたが、所得の低い高齢者にとっては耐えがたい負担増なのです。しかも、これからも保険料は上がっていくと厚生労働省が言っております。  そこで、最後の質問ですが、このような状況を踏まえると、高齢者を支える仕組みであるはずの介護保険制度が制度としてすでに成り立っていないのではないかというふうに思うのですけれどもいかがか、伺います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  介護保険制度の現状についてでございますが、この制度は、平成12年4月に、介護などが必要な方の尊厳を保持し、能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう支援することを基本理念として創設されたものでございます。その後、要介護者の心身の状況や生活実態に応じて、専門職による適切なサービスを利用できるようにということで、在宅サービスの充実や施設整備を進めてきたところでございます。  平成28年度に札幌市が行いました要介護者、要支援者への意向調査でございますが、サービス利用者の7割以上の方が現在利用しているサービスに満足していると回答しておりまして、家族介護者の負担軽減にもつながっておりますことから、社会全体で高齢者とご家族を支える仕組みとしては有効であると考えているところでございます。この制度の持続可能性を高めるために、国におきましては、3年に1度、制度の見直しを行っており、札幌市におきましても、保険者として、引き続き、効果的、効率的な事業運営に努めてまいりたいと考えております。 ◆平岡大介 委員  自治体としては、制度自体が既に成り立っていないとは断言できないのかなというふうには思います。先ほどの調査では、7割の方は制度に満足されているということでありますが、裏を返せば、3割の方は満足をされていない、不満だということであります。  札幌市は、他都市と比べて保険料がまだ安いのだといった質疑もございましたが、自治体によって支払う保険料に差があることで、受けられるサービスに違いが発生いたします。すなわち、お金がなければ必要な介護サービスを制限せざるを得ないという状況は、既にこの制度の欠陥であることを指摘させていただきます。  今定例会の代表質問で、我が党は、一般会計からの繰り入れによって、保険料の引き上げを行わないようにということを求めました。本市は、介護保険制度は保険料と国、都道府県、市町村による公費負担の割合が法令によって定められておりまして、札幌市独自の繰り入れにより保険料を引き下げることは適切ではないと考えていると答えております。介護保険制度の構造から言いまして、施設がふえる、または、サービスの利用がふえていけば、それが保険料にはね返る仕組みでありますけれども、この中で何が大きな問題かといいますと、それは国庫負担が少な過ぎるということであります。  本市は、ほかの政令都市と連携して国による財政支援措置を求めておりますし、これからも求めていくと言っておりますけれども、この間、国からの回答はないのです。それから、全国市長会が国に対して提出している介護保険制度に関する重点提言では、低所得者に対する介護保険料や利用料の軽減策については、国の責任において、財政措置を含め、総合的かつ統一的な対策を講じるよう抜本的な見直しを行うこと、このことを求めております。同時に、際限なく保険料が引き上げられる現在の制度を、国庫負担を大幅にふやすなど根本から見直すよう、全国市長会として要望するよう働きかけていくべきであり、国が何もしてくれないのであれば、市の独自の判断が必要ではないかというふうに思います。  今回の保険料の改定について、他の自治体では、保険料据え置きの努力をされているところもあると聞きます。陳情に賛同する立場から、本市も、市長の決断で、一般会計からの繰り入れで保険料を抑える、引き上げは行わないように求めて、質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  2点、質問いたします。  一つは、議案第24号 介護保険条例の関係、二つ目は、老人福祉費のうち、老人クラブ活動費補助金の関係についてです。  まず最初に、介護保険制度が日本で話題になったのが大体2007年か2008年で、菅さんが厚生労働大臣になって、そこで具体的になってきたわけですね。私は、実は、平成9年の3定が終わってすぐに、ドイツのミュンヘン、デンマークのコペンハーゲンに介護保険やダイオキシンの問題などの調査に行ってまいりました。そのときに、報告書も出したのですが、ドイツはちょうど発足3年目だったのです。ドイツは、発足3年目で保険料の値上げを検討しなければならぬという予想外のところに来た、こういう実態がありました。それは何かといったら、統計は間違っていないけれども、統計上の年齢構成から予測した以上に、介護を受ける方が質を高く求めてくるということなどもあってそういう状況が発生してくると。当時、説明いただいた現場の方あるいは調査に訪れた施設側からもそういう話がありました。  ことしが平成30年ですから、それからもう20年が過ぎます。私は78歳ですが、年齢構成からいったら、日本も、戦後に小学校に上がった世代はみんなそうですし、昭和33年の早生まれの人はことし60歳ですから、市役所の公務員などは、もう定年退職するような年代に入ってきております。そうすると、やっぱり掛金的に必要なお金が相当ふえてきますから、どうしても財政的にやっていけないということになるわけですね。その間の措置として行ったのは、都道府県別に、人口の多い都市、年齢構成の比較的若い都市、いわゆる掛金が多くて受給する高齢者が少ない都市などがあって、市町村単位でやれば格差が生まれるということで、今度は都道府県に移行しました。しかし、移行しても、やっぱり都道府県別に格差がある。きのう、厚生労働省が健康年齢の平均的なものを発表しましたが、1番のところと北海道ではやっぱり3歳ぐらいの差がある、こういうことも統計上は出てきております。  そういうことからいったら、給付するお金をどう確保するか、もう一つは、次の項になりますが、健康年齢をどうふやして介護期間をどう短くするか、この二つの取り組みを合わせてやらなければならぬということだと思うのです。  そういう中で、先ほどから、生活が苦しい、大変だという質問が委員から出ているし、陳情者の趣旨説明の中でもそういう説明がされております。  そこで、お尋ねしたいのは、生活保護というのは、いわば日本の憲法25条に基づく最低限度の健康で文化的な生活をする基準だと国が定めて支給されております。それに対して、土地を持って家も建ててずっと頑張ってやってきた、そして、今、年金をもらっていて、その土地の固定資産税、建物の固定資産税、あるいはまた市民税といった公的負担、こういうものを差し引いた可処分所得、実質的に使えるお金が少ない人は、生活保護費と比べてどうなのか、保険料を算定するときにその辺をどういうふうに考慮に入れておられるか、この点についてお尋ねします。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  保険料算定の際にいわゆる可処分所得を考慮した上で算定しているかという質問だと思いますが、保険料の算定の際には、今後3年間でかかる費用がどの程度になるのか、それをそれぞれの負担割合でどう負担していくかという観点で算定しておりますので、個々の可処分所得に応じて保険料を算出することはやっていない状況でございます。 ◆松浦忠 委員  生活保護の最初の考え方というのは、財産、いわゆる固定資産を持たない、土地、建物など、あるいはまた預貯金などを持たない、そういう方が本当に生活に困窮して、それをみんなで助け合っていくという制度だと、これはこれで必要なことですからいいのです。  そこで、私も多くの方から聞くのは、一生懸命働いて何とか家を持ち、土地を買って我が家に住みたいということでやってきた、年金は生活保護基準よりもちょっと多いぐらいだ、いろいろな公的負担を払ったら、実質的には生活保護の方より少なくなっている、かといって、家や土地を売って知らぬところに行って生活するというのは、もう年をとったから精神的に大変だ、こういう方々がかなりいらっしゃるわけです。  こういうことについて、一つは、自治体によっては、行政の側で、そこに住めるように家や土地の何割かのお金を融資してあげる制度をつくり、そのご夫婦がともに亡くなったときに最終的に清算して相続人に渡す、こういう制度をやっている市もあります。たしか、一番最初にこれをやったのは東京の小金井市かどこかだと思います。  そこで、私は以前にもこういうことをやってはどうかと提起したのですが、その後、検討された経緯はありますか。なければ、ないで結構です。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  いわゆるリバースモーゲージ制度のことだと思いますが、自治体だけではなくて、社会福祉協議会が主体になってやっている都市もあるかと思います。  札幌市におきましては、リバースモーゲージ事業に関して直接検討したことはございません。 ◆松浦忠 委員  市長、これは政策的なことだと思うのです。持ち家の人がそれを抵当にして、自治体がかかわってお金を貸し付け、そのお2方が亡くなったときに整理して相続人に渡すと。こういう制度について、やっぱり本市も始めていくべきではないかと思うのです。先ほど説明した可処分所得の話のように、生活保護よりもちょっと多い年金、しかし、公的負担をした後の使えるお金は生活保護の人よりも少なくなっている、こういう人たちの窮状を解消し、持ち家に住み続けていく、あるいは在宅介護でいく、そういうふうに考えたら、やっぱり、早急にそういうことをすべきではないかなというふうに私は思うのですけれども、市長はいかがお考えになりますか。 ◎秋元 市長  今のご質問にありましたように、いろいろな財産を活用した制度は、私も個人的にいろいろな方のご意見を伺っております。課題もいろいろあるようでございますが、引き続き、いろいろな政策をつくっていく中でさまざまなことを検討していきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  それは、ぜひ早急にやっていただきたいと思います。  それから、保険料の算定に当たっては、やっぱり、可処分所得というものを調査して、どういうところにあるのかと、そして、それを考慮していくことも大事なことではないかというふうに思うのです。私が前から提起しているような家や土地の前借りの制度があってというならまた別ですけれども、今はありませんからね。したがって、やっぱり、そういうことも考慮して保険料を算定していくことが私は必要だと思うのですけれども、これについてはいかがお考えになりますか。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  保険料の算定に当たって、可処分所得を考慮すべきではないかという質問だと思います。  先ほどもお話ししましたが、現時点では、将来にかかる費用に関してそれぞれで負担する割合をどう割り振っていくかという観点で保険料を算定しています。ただ、保険料の支払いをしていただく方に対しては、それぞれの所得、あるいは世帯構成によって段階が変わっています。そこの部分で、可処分所得ではないですが、資力に関してある程度きめ細やかに対応していると思いますし、例えば、所得が激減した方、あるいは、独自に減免制度というものも持っておりますので、その辺は事情に応じて相談していただいて保険料を減額していくことも可能であるというふうに思っております。 ◆松浦忠 委員  いずれにしても、そういったようなことなどをいろいろ検討して、私は、できるだけ生活保護の水準を下回らないで生活できるようにすべきだと思うので、ぜひひとつ、そのことに取り組んでいただきたいということを求めておきます。  次に、老人福祉費の関係で、老人クラブ活動費は、今年度は4,300万円の補助金が組まれております。  そこで、札幌市内における老人クラブ数、会員数はここ5年間でどういうふうに推移しているか、把握していれば示していただきたいと思います。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  ここ5年間の老人クラブ数の推移ということでございますが、平成29年度のクラブ数は448クラブで、5年前の平成25年度では483クラブですので、毎年、クラブ数は少しずつ減っている現状でございます。会員数についても、平成29年度におきましては2万6,442人、5年前は2万9,589人ですので、会員数も同じく減っている現状でございます。 ◆松浦忠 委員  市のほうは、老人クラブが結成されていることによって、どういう効果があるというふうに認識されておりますか。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  老人クラブの意義ということでございますが、老人クラブ自体は、健康づくり、趣味だけではなく、環境美化やひとり暮らしの高齢者宅への訪問など地域を豊かにする社会活動に取り組んでいて、かなり大きな役割を果たしているというふうに考えております。さらには、今後も、健康寿命の延伸、あるいは、活力ある高齢社会のためにも、老人クラブの主体的な活動は大変大事になってくると思っておりますので、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  私も幾つかのクラブに入っていますが、老人クラブは、数年前から会員増強ということで全国的に目標を掲げてやっておりますけれども、なかなかふえていきません。  そこで、補助金を出す側として、老人クラブの数が減り、そして、会員が減っていっているというのはなぜなのだろうかというようなことを分析されておりますか。されておりましたら、その分析結果などを示していただきたい。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  老人クラブの会員数あるいはクラブ数が年々減っていることに関して分析しているかということでございます。
     お話がありましたとおり、老人クラブ自体で会員増強運動を行っております。その際に、私どもが直接ではございませんが、札幌市老人クラブ連合会を通じて、会員増強運動に向けてのアンケートのような意識調査をしておりまして、それを踏まえた上で会員増強を行っていることはお聞きしております。なかなか一筋縄ではいかないということではありますが、例えばでいきますと、老人クラブという名前にどうしても抵抗があるというお話を伺うこともあります。あるいは、情報発信の仕方に関しても、もう少しPRしてほしいという声もあったかと思いますので、その辺も踏まえた今後の会員増強運動を支援してまいりたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  老人クラブのいろいろな取り組みについては、私も会員として幾つかに入っていて、たまに顔を出していろいろな話を伺いますが、昨今は、新しく入る方はどういうつながりで入ってくるかといったら人のつながりなのです。最初は、老人クラブは町内会など区域ごとのクラブでやっていましたが、だんだん少なくなってくるものですから、今は、区域を外して、例えば、私は白石ですけれども、厚別の人で仲のいい友達がいて、来ないかいと誘うことによって来るようになっているのですね。老人クラブの会員増強運動を見ていると、やっぱり、人のつながり以外のものはないのです。  そこで、私が市に力をかしてほしいなと思うことは、一定の年齢以上の方を所得階層別に抽出して、意向調査、いわゆるアンケートをしてみてほしいなと。老人クラブに入っているか、入っていないか、入る意思があるか、ないか、入る意思がない人はなぜ入らないか、入るとしたら、どういう条件で、どういうことが行われていれば入るかとか、そういった意向調査をしてもらって、それに基づいて、各クラブは、それではそういうような方向にクラブ運営のやり方を変えていったり、いろいろなことができていくと思います。つまり、どう声をかけていくかというときに、声をかける範囲のところでなかなか手がかりがないのが実態なのです。そういう手がかりをつくるために、そういうアンケートなどを実施してほしいと私は思うのですが、いかがでしょうか。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  先ほど来お話をしておりますが、札幌市老人クラブ連合会という老人クラブを支援する団体がございます。以前も会員増強運動の前にそういったアンケートのようなものを行っておりますので、現在のクラブ会員以外の方も含めて、そういうアンケートができるかどうか、手法も含めて検討させていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  今は、個別の家ならば、ピンポンを鳴らして訪ねることができるのですが、マンションはほとんどが自動施錠装置、いわゆるオートロックになっていまして、なかなか訪ねることができません。札幌市が意向調査をしますということになったら、いろいろな方法で人を選んで、往復はがきなり封書なりでもそういうことができるわけです。やっぱり、そういうふうにして意向調査をしてもらって、それに基づいて、それでは、マンションでもこういう方が一定数はいるということになれば、その取り組みについては老人クラブが管理組合と話をしたり、いろいろなことをして働きかけていくことができると思うのです。  今は、そういう個別の働きかけはだめだということで、チラシすらも入れさせてくれないようなマンションが多いのです。したがって、なかなか手がかりもない、こんなような状況があるので、ぜひひとつ、意向調査、アンケートを実施して、そして、老人クラブにそれを提供して手がかりをつくってあげていただきたいということを求めて、私の質問は終わります。 ◆中川賢一 委員  私からは、介護におけます人材不足への対応というテーマにつきましてお伺いしたいと思います。  先ほどから、介護のための経済的な負担が厳しいという深刻な状況につきまして、るる触れられておりますし、当然、財政のほうも厳しい状況なのかなと思うところでございます。一方で、介護の現場も同様に厳しい状況で、特に最近の人材不足ですが、ご承知のとおり、全国的にこれまた深刻な問題となってきております。  ことし1月の介護サービス業の有効求人倍率は、全国で3.44倍で、昨年の同時期より0.62ポイントも悪化している状況でございます。市内におきましても、正確な数値は把握しておりませんが、かなり厳しい状況なのかなと推察されまして、事業者におかれましても、必要なサービスを提供できるよう、人材の確保に日々大変なご苦労をされているのではないかと推察するところでございます。  介護というのは、お世辞にも決して人気職種とは言えないのかもしれませんが、一方で、高齢化はさらに加速していきますので、介護を必要とする方の数がこれからもさらにふえていくことは明白でございまして、札幌市でも、介護人材の確保を支援するために、これまでも合同就職相談説明会の開催などさまざまな取り組みをされております。しかし、限られた人材の中でより効率的な介護サービスが提供できるよう、今後も工夫していくことは避けられないというふうに考えるところでございます。  先日、民間で実施しております介護事業者向けのセミナーに私が参加した際に伺った事例でございますが、就労継続支援の施設外就労を利用して、障がいを持っている方に事業所内の軽作業などを受け持ってもらうことで、障がい者の雇用を創出すると同時に、介護職員の業務の負担軽減を図り、利用者の介護に集中できる職場環境を整備するという取り組みが紹介されておりました。また、私が以前に東京で視察した事例におきましては、外国人を事務員として採用して、彼らを補助的な作業などに活用している事例もございました。  こういったものはあくまで一例でございますが、介護事業所における業務には、専門的な介護職種でなくても可能な仕事も多々あるものと思われますので、こうした業務を介護職員以外の人材で担うことができますと、限られた介護人材を有効に活用していくことができるのではないかと考えます。それぞれの介護関連の事業者においても、今後こういった工夫がなされることが望ましいというふうに考えます。  そこでまず、第一に伺いますが、市内の介護事業者におきまして、介護業務以外の附帯的な仕事を介護職員以外で分担しているような事例があるのかなど、実態をどの程度把握しておられるのか、お伺いしたいと思います。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  介護業務以外の附帯的な仕事を介護職員以外が分担しているような事例があるかということでございます。  介護職員を多く抱える特別養護老人ホームなどにおきましては、清掃あるいは洗濯などを外部業者に委託して介護職員との業務分担を図り、効率的な運営を図っている施設が多いという状況にあるものと認識しております。また、元気な高齢者などを直接雇用して、ベッドメーキング、あるいは食事の配膳など、介護以外の補助的業務に特化して働いてもらうことで、介護職員の負担軽減を図る取り組みを試験的に行っている施設があることも把握しているところでございます。 ◆中川賢一 委員  ただいまご答弁がございましたが、外部への委託や元気な高齢者を雇用するなどして業務分担をいろいろ工夫している事業所などもあるということでございます。そのほかにも、いろいろ独自の取り組みを進めておられる事業所もあるのではないかと考えます。  ただ、介護事業者と一口に申しましても、大規模なところから規模の比較的小さいところまで幅がございます。特に、小規模な事業所におかれましては、こういった工夫やノウハウについて、十分な情報を得る機会や余裕、さらにはネットワークも十分にないところも少なくないのではないかと推察いたします。  そこで、次にお伺いしますが、例えば、経営コンサルタントや外部の専門家から人材活用の方策を助言してもらえるようなことができますと、事業所にとって非常に役立つのではないかというふうに思われますけれども、札幌市でもこういったことに関して取り組んでおられるのか、お伺いいたします。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  経営コンサルタントなど外部の専門家を活用している事例があるかどうかということでございます。  平成28年度に札幌市で実施した介護保険サービス提供事業者調査によりますと、介護事業を運営する法人などでは、運営に関する問題点がある場合の相談先として、特に相談はしていないというような回答が最も多かったところでございます。また一方では、介護事業所の運営について特に問題はないと回答した事業者がわずか5%程度で、運営に関して何らかの問題を抱えていても外部に相談していない事業者が一定数いるものというふうに推察されます。  札幌市におきましては、外部の専門家などから助言を受けられる機会を設けることは意義のあることだと考えておりますので、人材活用に関する知識や経験、資格を持つ方を講師として、広く市内の介護事業者を対象にしたセミナーを実施しております。さらには、労働環境などを整え、働きやすい職場づくりを進めるため、社会保険労務士を介護事業所に派遣する事業を行っております。その中で、人材活用の方策を含めた事業所運営全般に関する相談にも応じているところでございます。 ◆中川賢一 委員  札幌市におきましては、事業者が人材活用の知識を得るためにセミナーなどの機会を設けている、または、社労士を派遣するようなことにも取り組まれているというお話でございました。  先ほどのご答弁の中で、運営に問題があっても相談していない事業者が一定数いるというお話でございました。運営に問題がないとされる事業者がわずか5%という一方で、特に相談はしていないという事業者が回答として最も多いということですので、一定数どころか、困っている事業者が相当多数おられると解釈できるのではないかというふうに思います。そういった意味からも、今後さらに深刻化することが見込まれる人材不足に対応していくためには、やはり、介護職員の適切な分担、また事務処理の効率化、最近はICT化といったことで介護ロボットも非常にクローズアップされておりますが、さまざまな手法や対応策について、幅広い事業者に対して、かつ、彼らにきちんと届くように情報を提供していくことが望まれるのではないかというふうに考えます。  そこで、もう1点伺いますが、札幌市として、人材不足に対応する具体的な手法や事例を取りまとめて、全ての介護事業者に提供していくなどといった施策を実施していくことが有効ではないかと考えますが、お考えをお伺いしたいと思います。 ◎渋谷 高齢保健福祉部長  人材確保に関する手法、あるいは、事例などをまとめて全事業者に提供していくことについてでございます。  現在、国において、介護事業所における業務の効率化を図るため、経営の専門家による調査研究を行い、その結果を踏まえて、業務改善等に取り組むためのガイドラインを作成する事業をやっております。札幌市としましては、こうした国の動向も注視しながら、人材不足に対応するためのさまざまな手法などについてまずは情報収集に努めて、介護事業者等の関係者の意向なども踏まえながら、情報提供のあり方について検討してまいりたいと考えております。 ◆中川賢一 委員  国の動向を見ながら、今後の情報提供をいろいろ検討していくということでございます。国の動向も当然重要かつ有効ではあると思いますが、何も国ばかりが正解を知っているということではございませんので、事業所の経営ということでありますと、民間にもいろいろなノウハウがかなり蓄積されているのではないか、場合によっては、民間のほうが先行していることも十分に考えられます。そういった意味でも、本市といたしましても、やはり、アンテナをいろいろな方面に高く張って、有効な取り組み等がございましたら市の中にどんどん蓄積して事業者にわかりやすく提供していくように、今後積極的に努めていくべきであると申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。 ○福田浩太郎 委員長  以上で、第3項 老人福祉費及び介護保険会計予算等の質疑を終了いたします。  次に、議案第5号 平成30年度札幌市国民健康保険会計予算、第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分、議案第20号 札幌市基金条例の一部を改正する条例案及び議案第22号 札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆小形香織 委員  私は、国民健康保険の資格証明書について質問したいと思います。  国保料を滞納した場合に、その後、督促状が届けられ、それでも支払えない場合には、4カ月間だけ有効な保険証、短期証に切りかえられ、そして、それでも支払えない場合には、滞納が発生した月の1年後ぐらいに資格証明書が届けられるという仕組みになっております。  資格証明書というのは、国保に入る資格はあるけれども、病院の窓口では、一旦、本人負担として10割を払わなければなりません。後から国保の負担分は戻ってくるとはいうものの、そもそも国保料を支払えない方が病院の医療費を10割負担できることはまずあり得ません。資格証明書では、病院の受診というのは相当困難であります。必要な医療を受けられない事態を招きかねないと思いますし、私どもは実際にそうした事例を聞いているところでございます。  本市の議会での答弁によりますと、資格証明書というのは、1年以上滞納を続けている世帯に対して、文書、電話、訪問によってその方に会えるよう努め、それでもなお連絡をもらえない方、折衝を行っても保険料を納付する意思が希薄な方、また意思がない方に交付しているとのことであります。  この資格証明書の発行枚数ですが、2016年12月の時点では1万380世帯、そして、2017年5月の時点では8,856世帯となっております。今回の議会の我が党の代表質問で国保の資格証のことについて取り上げまして、資格証明書が国保料の収納率向上に効果的かどうかについて早急の検証を求めたところ、副市長は、資格証明書は折衝の機会を得ることを目的に交付しているものであり、ご指摘のような検証については特に行っていないと答弁をされました。  ことし1月23日に、札幌市の高すぎる国保料を引き下げる会という市民団体が本市の保険医療部と国保料引き下げの交渉を行った際、資格証明書についてもテーマとなりまして、横浜市が検証を行った結果、資格証明書は収納率向上に効果的ではないと判断したことなどを示して、資格証の発行目的の検証を求めたというふうにお聞きしております。  その際、本市は、この団体に対してどのように回答したのか、まず初めに伺いたいと思います。 ◎富樫 保険医療部長  どのように回答したのかということでございますけれども、折衝機会の確保の目的と現状の資格証の発行の状況がどうなっているかということは検証させていただきたい、このように答えました。 ◆小形香織 委員  代表質問では、特に行っていないという副市長の答弁でございました。しかし、部長は、ここの団体にはどうなっているのかを検証すると回答されたということでありますから、これから検証されるということでよろしいのでしょうか。 ◎富樫 保険医療部長  委員からもお話がありましたように、さきの代表質問におきましては、資格証明書の発行目的というのは折衝機会の確保でありますので、納付に結びついた世帯数については特に検証していない、副市長からはこのように答弁しているところでございます。  ただ一方で、資格証明書の発行目的であります折衝機会の確保にどの程度の効果があるのかという実態を把握することは必要だと考えております。したがいまして、その検証の手法も含めて検討してまいりたい、このように考えております。 ◆小形香織 委員  折衝の機会がどうなのかということについては、検証していきたいということでございますね。  そこで、具体的にお聞きしたいと思いますが、国保料の滞納が発生すると、その約1カ月ぐらいの間に督促状というはがきサイズのものが送られてくるということで、資料もいただきました。その間も、区役所からは、国保料のお支払いを忘れていませんかという電話をするようにしているとお聞きしております。  最初に督促状が送られた後、どのような経過をたどって資格証明書が本人に送られるのか、その時期や送られる文書の内容について、順を追ってご説明いただきたいと思います。 ◎富樫 保険医療部長  未納の発生から資格証明書の交付までに至る流れについてでございますけれども、年度のどの時点で未納が発生したかによってもさまざま異なりますが、毎年6月に送付している納付通知書について、特別の事情に該当することがないにもかかわらず、全く支払いをしなかった場合の例について、時系列的にご説明いたします。  まず、最初の納期は6月末でございますので、それまでにお支払いがない方については、7月に最初の督促状が行くことになります。以降、これは納期限ごとに毎月行きます。その後、随時でございますが、滞納の状況に応じた催告書が発行されることになります。催告書の中身については、状況に応じていろいろありますが、保険料の納付をお忘れでないですかというようなタイトルをつけているもの、あるいは、ずばり、国民健康保険料の納付についてというタイトルのものもございます。あとは、後ほど短期被保険者証のお話をいたしますが、短期被保険者証交付の事前予告というようなちょっと強目の言い方をしている催告書など、さまざまな形になっております。  その後、保険証の有効期限が11月いっぱいで切れますので、12月になりましたら、有効期限が4カ月の短い保険証を交付することになります。年が明けて、翌年4月にもまた有効期限が切れますので、ここでまた4カ月の短期被保険者証を交付いたします。それでもお支払いいただけない場合には、大体翌年の7月くらいに、最終通告といいますか、弁明通知書と保険証の返還命令の通知書を送って、それでもお支払いいただけない場合には大体8月に資格証明書の交付と、このような流れになっております。 ◆小形香織 委員  今の事例で言いますと、大体、滞納が発生してから14カ月後には資格証明書が送られてくることになりますけれども、その都度、催告とか、事前のお知らせという形で短期証になることを伝え、あわせて、国保料を納めてくださいという趣旨のことを毎回言っているわけですね。  今の話はご自宅に送られてくる役所からのお手紙でありますが、あわせて、区役所の担当職員や保険サービス員から支払いを求める電話がかけられますけれども、それはどの程度の頻度で行われるのか、伺いたいと思います。 ◎富樫 保険医療部長  電話催告の頻度についてでございますが、滞納が発生しますと、世帯の状況に応じた方法でいろいろな催告を行うこととなりますけれども、特に、滞納の初期においては単純な納め忘れのケースも多いため、保険サービス員を中心に電話による催告も積極的に行っております。  基本的には、滞納発生後1カ月以内に何らかの催告を行うよう努めております。1カ月以内に滞納が解消しなかったとしても、電話や文書、あるいは訪問といった方法を組み合わせながら催告を行っているところでございまして、それぞれの世帯の滞納の状況によって電話催告の頻度は異なります。例えば、単純な納付忘れの場合は1回の電話で済むことも多くございますし、逆に、何度も電話催告が必要なケースもございますので、一概に何回くらいというようなお答えをすることはできないところでございます。 ◆小形香織 委員  払えなかった人の場合のことで少し聞きたいのですが、もちろん、状況や先方の対応によってかける頻度は違うだろうということは私も想像できますけれども、例えば、なかなかお支払いいただけない方の場合は、大体2〜3カ月に1回ぐらいの感じか、それとも月に1回ぐらいの感じなのか、その幅のニュアンスぐらいは教えていただきたいと思います。 ◎富樫 保険医療部長  そういうケースでは大体どのくらいのスパンになるのかということでございます。  先ほど答弁いたしました、6月に納付通知書が送られてきて全く支払いがなくて、翌年の8月ごろに資格証明書に至るようなケースですと、催告書は、まず最初の督促状の時期に1回目が行きます。あとは、確実に催告が行われるのは、短期被保険者証に切りかえる都度、事前に催告を行っています。すなわち、先ほどのケースで言いますと、12月の証更新、あるいは、翌年4月の証更新の前には必ず催告を行います。あとは、資格証明書の交付に至りそうになったときにも催告を行います。これで、最低4回は催告を行っていることになります。あとは、ケース・バイ・ケースでさらに催告するようなケースもございます。 ◆小形香織 委員  今の答弁は、私がお聞きしたことと違うと思います。私は、電話をかける頻度がどのくらいかということをお聞きしています。 ◎富樫 保険医療部長  大変失礼しました。  電話の頻度でございますが、電話の頻度はケースによって非常に異なります。例えばの数字で、平成29年度に電話催告した件数が大体10万6,000回くらいあります。それを単純に滞納世帯数で割りますと、大体3回というような数字が出てくるかと思います。 ◆小形香織 委員  よくつかんでいないということがわかりましたので、これ以上は質問しませんけれども、恐らくは月に1回とか、そのぐらいの頻度でかけているのではないかなと私は思っております。  そこはいいのですが、結局、滞納したら、月に何回かはそういう電話も来るわけですね。それから、最初にご説明されたように督促状も届きますし、短期証になりますというお知らせも来て、短期証になる。そして、国保証が切れるところでは、このままだと資格証になりますよというお知らせなどもやっているわけで、折衝の機会というのは十分にとっておられるのではないかというふうに思うわけです。さらに、滞納が発生しますと、場合によってでしょうけれども、すぐに財産調査もスタートさせて、財産があるということになれば、金融機関の口座を使えないようにロックするというやり方をして差し押さえをかけることも既に行われているわけですね。  ところで、分割納付というやり方もありますが、分割納付が認められて短期証になります。この場合は、4カ月間有効な短期証になりますが、分割納付が認められているわけですから、未納の分があったとしても請求は行わないのではないのかな、支払ってくれとは言わないのではないのかなと思いますけれども、実際のところはどうなのですか。短期証の方に、未納分について請求や督促などを行っているのですか。 ◎富樫 保険医療部長  分割納付の約束をしている場合の請求、あるいは催告をしているのかというご質問かと思います。  分割納付の約束をしている場合、約束内容によって短期証が交付されることがありますが、約束していても条例で定める納付通知書の納付期限内に完納していなければ、自治法の規定により督促状を出さなければならないことになっております。ただ、分割納付の約束をきちんとお守りいただければ、滞納分を催告することはございません。 ◆小形香織 委員  完納しなければ、結局は督促状が来るのですね。滞納分の額があればということですね。結局は、短期証でもその間に払っていない部分があれば督促なり催告なりが来るということですね。  厚生労働省の保険局国民健康保険課長が、各都道府県指定都市に対して、2008年12月に、国民健康保険法の一部を改正する法律の施行に係る留意点についてという文書を出しております。それには、運用に当たっては十分留意の上、遺憾なきを期されたいとして、二つ目に、被保険者資格証明書の交付に際しての留意点についてという項目がありまして、「資格証明書については、事業の休廃止や病気など、保険料を納付することができない特別の事情がないにもかかわらず、長期にわたり保険料を滞納している方について、納付相談の機会を確保するために交付しているものであり、機械的な運用を行うことなく、特別な事情の有無の把握を適切に行った上で行うこと」、こう書いてありました。  先ほど紹介したように、本市は2017年5月時点で資格証明書を8,856世帯に交付しておりますが、この全ての世帯について特別な事情の有無の把握を行ったのかどうか、伺いたいと思います。 ◎富樫 保険医療部長  資格証明書を発行した世帯の全てに対して特別な事情を把握したのかどうかというご質問でございます。  まず、資格証明書につきましては、従来から申しておりますように、1年以上の滞納を続けている世帯に対して法令に基づいて交付しているところでございますが、委員のご指摘があったとおり、特別な事情がある場合には交付しないこととされているところでございます。ただ、この特別な事情については、個々の世帯によって生活実態というのはさまざまな状況でありまして、こちらのほうから一律に把握できる方法は持っておりませんので、あくまで国保加入者に納付相談に来ていただいて生活状況をお聞きすることによって把握に努めている状況でございます。 ◆小形香織 委員  これは、把握に努めろというふうには書いていなくて、特別な事情の有無をちゃんと把握しなさいと書いているのです。確かに、適切にというのは書いてありますよ。だけど、今、部長がおっしゃった部分は、私は、適切に行われているとは思いません。つまり、一人一人の事情が違うのだということで、きちんと特別な事情を把握しなさいというのが厚労省から来ている文書の中心点ですよね。把握した上で、特別な事情がないとわかったときに短期証を発行することになっているのですよ。特別な事情がないとはっきりわかっている方が全部で8,856世帯なのですか。 ◎富樫 保険医療部長  先ほど答弁しましたが、この全てについて、こちらのほうから把握するようなことはできないということを申し述べたつもりでございます。  ただ、資格証明書に至るまでの流れの中で、こちらのほうから、資格証になりますから、何か弁明することがあったらお知らせくださいという弁明通知書を全ての対象者に出しておりますので、事情があればこれで示していただく、このようなことをやっていますので、基本的には我々のほうではやっていると理解しております。 ◆小形香織 委員  今のご答弁は、結局、機械的にやっている、一律にやっているということなのですよ。だって、資格証明書を出されてどれだけの人が泣いていると思っているのですか。本市は、連絡をもらえない方、折衝を行っても保険料を納付する意思が希薄な方、または意思がない方に資格証を交付している、こう言いましたけれども、では、連絡をもらえない方の特別な事情はどうやって把握しているのですか。 ◎富樫 保険医療部長  特別な事情がある方はお知らせくださいという形で弁明通知書を出しておりますので、特にその回答がない方については特別な事情がないというふうにみなさざるを得ないということでございます。 ◆小形香織 委員  非常に冷たいですよね。今もご説明いただきましたが、滞納が始まってから、督促状が来る、そして、短期証になりますよというお知らせも来る、保険サービス員から電話もかかってくる、そして、資格証になる前にもお手紙が来る、何回もお手紙が来るということは、本人にとったら、払いたいけれども、払えないでいる、その事情をなかなか話せない、そういう中で、最後に資格証明書が来るような形であれば、幾ら役所がお知らせくださいと言ったって、それはなかなか言えないものだと思うのですよ。例えば、意思が希薄だということはどうやって把握しているのか、特別な事情の有無というのは意思が希薄ということとどういう関係があるのか、私は非常に疑問があります。  そこで、資格証になる手前でどのような文書が送られてくるのかということで、私は事前に資料をいただきました。これは、資格証明書になる前の被保険者証返還命令通知書ですよ。このタイトルは、役所からの命令という形で送られてくる。大変厳しい文書ですよ。これは、大変重みがありますよ。なぜならば、先ほどの厚労省の通知のように、機械的な運用を行うことなく、特別な事情の有無の把握をちゃんと行った上で、なお支払わないという場合に送付されるものだからです。今のようにみなしてするものではないのですよ。ちゃんと把握してやるものなのです。  2008年4月に厚労省で医療機関の未収金問題に関する検討会が開かれていて、私はそのときの議事録を読みましたが、当時の厚労省の担当課長がそこにいる検討委員の皆さんに向けてこうやって話しているのです。資格証明書というのは、本来、保険料を払えない理由がないのに保険料を払っていない方に窓口に来ていただくための仕組みだと。つまり、単に連絡をもらえないとか、折衝を行っても保険料を納付する意思が希薄だということではなくて、明らかに払えない理由がないのに払わない、こういう人に対して保険証の返還を求める、つまり、資格証明書になる、そういうものなのだということを厚労省ははっきり言っているのです。  本市もそういう人にのみ資格証を発行するというふうにすべきだと思いますけれども、そこはどうなのですか、伺いたいと思います。 ◎富樫 保険医療部長  まず、機械的な運用ではないのかということにつきましては、先ほどから申しているとおり、我々のほうでも理由があるのであれば教えてくださいという形でやっておりますので、機械的な運用を行っているという認識には立っておりません。  資格証につきましては、特別な事情がない限りは法令に基づいて発行せざるを得ないものでございますので、その運用をきっちりやっていきたいと考えております。 ◆小形香織 委員  特別な事情をきちんと把握していれば、私たちが聞いているような手おくれ死ということは起こらないはずなのです。だけど、実際に病院では手おくれ死のケースがあることが報告されているのです。資格証明書で、そして、もうがんの末期になって、結局は手おくれで亡くなった、こういうことが起きているのです。だから、部長がおっしゃる把握をしているということにはなっていないのが現状だということを私は申し上げたいと思います。  先ほど、短期証を発行している世帯に対しても、滞納分については支払いを求める働きかけを続けられるのだと富樫部長は答弁されました。資格証明書は、特別な事情の有無を把握した上で、理由もなく故意に支払わない滞納者だけに発行するべきなのです。厚労省の通知に沿わないやり方はやめて、短期証を発行しながら支払いを求めていけば、それでも十分に折衝の機会はとれると思いますがいかがか、伺いたいと思います。 ◎富樫 保険医療部長  我々としましては、厚労省の通知に基づいてきちんと対応しているというふうに理解しております。  また、短期証でも折衝の機会があるのではないかということでございますが、短期証の目的も折衝の機会の確保となっておりますけれども、いきなり普通証から資格証になる方はおりませんので、まずは短期証にして折衝の機会の確保を図り、それでもだめであれば資格証というような手順を踏んでやっているということでございます。 ◆小形香織 委員  富樫部長、厚労省の言っていることの理解を間違っています。もう一回繰り返しますが、特別な事情というのをきちんと把握すれば、病院で手おくれ死ということが起きるはずがないのです。ですから、短期証を出しているのですから、そこで十分に折衝の機会はとれるでしょう。だって、資格証の発行の目的は、折衝の機会を得るために出しているというのが今までの答弁ですよね。短期証だって、こうやって十分に折衝の機会を得ることができるわけです。そうしたら、それで十分にその目的は果たせるわけですから、資格証にする必要はないのですよ。資格証明書であるということは窓口の負担が10割なのです。短期証だったら、通常の窓口負担で済むわけですよね。全額負担になるのか、通常の患者本人の窓口負担で済むのかによって、病院に行けるかどうかのハードルが変わってくるのですよ。資格証であったがゆえに、通いにくくなる。確かに、役所はいろいろご説明されるでしょう。しかし、滞納に非常に心を痛めながらも払えない人たちにとってみれば、資格証になったら病院に行くことそのものが遠くなってしまうのですよ。そうなったら、これは命の問題というふうになるわけですから、やっぱり、短期証の発行という形で受診抑制を防ぐということが保健福祉局としてやるべきことなのではないでしょうか。  その点は、私はぜひとも長谷川局長に聞きたいのです。市民の命と健康を守る部局である保健福祉局として、このような受診抑制を招くような資格証明書の発行よりは、同じ折衝機会を得ることができる短期証のほうにしていくことをご検討されてはいかがかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎長谷川 保健福祉局長  段々のお話の中で、部長からもご答弁させていただいておりますが、短期証を交付した後もご連絡をいただけないということで、特別の事情がないにもかかわらず1年以上滞納を続けている世帯に対しましては、法令に基づきまして資格証を発行しているということでございます。  ただ、小形委員が先ほど申し上げられたように、事情があるのになかなか窓口に行けないという方がいらっしゃるのであれば、周知の方法等についてはまた改めて検討したいと思います。 ◆小形香織 委員  申し上げておきますが、本人から連絡がないということイコール特別な事情がないということではないということなのです。そこをよくわかってください。資格証明書の一律機械的な大量発行はやめて、短期証を出すことで折衝の機会を得るように努めることを強く求めて、質問を終わりたいと思います。 ◆坂本きょう子 委員  私は、ただいま議題となっております議案第22号 国民健康保険条例にかかわって、これによって国保の都道府県単位化が進んでいきますので、何点か質問したいと思います。  さきの代表質問の中で、新年度の国民健康保険料1世帯当たりの平均保険料は下がる見込みであるというご答弁があったかと思います。札幌市は、今まで据え置いてきた平均保険料が都道府県単位化によって下がるというご見解を示されましたが、これは新年度だけのものなのか、今後、これから保険料は下がっていく見通しであるのか、端的に伺いたいと思います。 ◎富樫 保険医療部長  平成30年度の国民健康保険料は、従来据え置いている1世帯当たりの平均保険料よりも下がる見込みだということだけれども、その後はどうなっていくのかということでございます。  今、北海道が定めている国保運営方針の中では、平成30年度からとりあえず3年間は考え方を変えずに同じような形でやっていくという話がありますので、31年度、32年度くらいまでは、基本的に30年度と同じような考え方で保険料率が決まっていくというふうに思われます。ただ、医療費に連動して北海道に納める納付金の金額が変動します。また、札幌市民の所得の状況に応じても変わりますので、そのような変動要素があることはご承知おきいただきたいと思いますが、基本的な考え方は当面変わらないということでございます。 ◆坂本きょう子 委員  今、部長から答弁をいただきました。これから3年間、2020年度までは保険料は上がらないだろうということが道から示されている、しかしながら、医療費が上がったり、世帯の所得が上がったりというようなことがあれば変動要素になるというお話でした。  今、北海道が保険者の主体となって、もちろん市町村自治体にも保険者としての位置づけはありますが、国保運営方針というものをつくります。これは、市町村と一緒になってつくっていくということになっていますが、北海道の国保運営方針の中には、保険料水準の統一を図っていくということが既に掲げられております。札幌市としては、当面3年間は保険料が上がらないだろうというふうに考えているけれども、この3年という見通しが甘くなるのか、それよりさらに先は、先ほど変動要素はあるというお話もありましたように、医療費の抑制などがきかないということになれば、保険料はおのずと上がっていくというふうになるのでしょうか。 ◎富樫 保険医療部長  北海道が国保運営方針の中で示している保険料水準の統一を図っていくことに関連して、保険料がどうなっていくかというご質問でございます。  まず、都道府県単位化後の保険料につきましては、市町村ごとの医療費水準と所得水準に応じて北海道から割り当てられる納付金の額が決まる仕組みとなってございます。北海道の目指す保険料水準の統一というのは、市町村ごとの医療費水準の違いにかかわらず、同じ所得であれば同じ保険料水準にするというものでございます。今後、保険料水準の統一化が図られて医療費水準が反映されなくなりますと、札幌市は、現在、全道平均と比べて医療費水準が若干高くなっておりますので、これを反映しないということになれば保険料は下がる方向に作用することとなります。  ただ、これはあくまで北海道全体の1人当たりの医療費が変わらないという前提でございますので、医療費の変動があれば、当然、その分は保険料も変動してくることになります。 ◆坂本きょう子 委員  今回、新年度に当たって保険料が下がる見込みですが、北海道からの納付金の額は既に示されていると思いますので、そこからいろいろな係数を掛けたりなんかして保険料賦課額が決まっていくということになるわけですね。札幌は一定程度下がっていく、しかも、それが今後も続いていくだろうという見通しが今部長から示されました。ただ、やはり、北海道の保険料の水準を統一化していくという国保運営の基本方針があるわけですから、そこは、片や上がる自治体があり、片や下がる自治体があるということでは、安心して医療を受けるということに対して、北海道を一つの単位にする中ではやはりそごが出てくるだろうと思います。  国保の都道府県単位化、広域化をやる以前から、いかに医療費を抑制するか、医療費の給付削減ということでさまざまな施策が講じられてきております。特定健診の受診率を上げるとか、それに伴って保健指導などで糖尿病を中心にした重症化対策を自治体がしっかりとやれば、そこに対してお金をつけてやるというような誘導策も行われていて、そういう中での医療費の抑制が進められていると思いますけれども、安心して医療機関にかかることができるという状況は、札幌市としても、各自治体と十分な連携をとりながらしっかりと守っていっていただきたいと思います。保険料の値上げというのは、やはり、市民の理解、道民の理解も得られないだろうと思いますので、この点を申し上げておきます。  そこで、今回は保険料が引き下げになるだろうという見通しの中で、法定外繰り入れも行わないことになりました。これも北海道の考え方によるもので、保険料を下げるための法定外繰り入れというのは速やかに解消を図るべきだという方針が提示されていて、札幌市もこれに倣って法定外繰り入れは行わないことになっております。  そこで、今回、一般会計からの繰り入れとして、保険料軽減対策分ということで上げられておりますが、合計で言うと45億円という押さえでよろしいでしょうか、この内訳についてお示しをいただきたいと思います。  なぜならば、保険料の減免分について、賦課総額に合算するというのが条例改正の中身になっております。保険料の減免は、災害であるとか、所得が急激に減ってしまったような事情があって保険料が支払えない方に対する大切な救済制度と理解をしております。この減免分についてですが、これを賦課総額に含めることは、減免した分の保険料を他の被保険者に転嫁することになるのではないかと思います。そうなると、減免されていない方の保険料の上昇が理論的には考えられると思うのですけれども、このことがどうなのか、法定外繰り入れの中身とあわせてお答えいただきたいと思います。
    ◎富樫 保険医療部長  法定外繰り入れの中身と、国保条例改正の議案の中で保険料の減免分を賦課総額に合算することが保険料の上昇につながるのではないかというような趣旨のご質問かと思います。  まず、法定外繰り入れは、今回の平成30年度予算では15.6億円を計上しております。平成29年度までは保険料軽減対策分として整理していたものの中で、交付税措置のある財政安定化支援事業も軽減対策分に入れていましたが、これは法定分ですので、制度分の中に取り入れるような繰り入れなどをしたので、先ほどの45億円という数字と今お話しした15.6億円は変わってきますけれども、15.6億円の法定外繰り入れの中身で説明しますと、保険料減免分などが9.7億円くらい、予備費分などが3億円、子ども医療費など地方単独事業の調整交付金のカット分に見合う額を2.9億円、合計15.6億円を平成30年度の法定外繰り入れとして整理しております。  もう一つ、保険料の減免分を賦課総額に加えた場合、保険料の上昇につながらないのかというご質問でございます。  保険料を減免した場合には、その分、札幌市全体として必要な保険料を集め切ることができない状況になりますので、北海道への納付金の支払いに影響が及ぶ可能性がありますことから、今回、一旦は条例を改正して減免額の総額を賦課総額に上乗せすることにしました。ただ、このことによる保険料率の算定への影響を避けるために、減免分の相当額について、別に一般会計から繰り入れるような予算の内容になっております。したがって、結果的に保険料の上昇にはつながらないというふうに考えております。 ◆坂本きょう子 委員  減免分については、一般会計から繰り入れされるということになるので、保険料の引き上げの直接的な要因にはならないというのが最後の部分のご答弁ですね。  それから、法定外繰り入れとして一般会計から入れているということですが、ここについては、今回は一定額が入るわけですから、さまざまな社会情勢などを見込まなければならないことになります。先ほども申し上げた大規模な自然災害、それから、大きく景気動向を変動させるようなことが起きた場合、所得の激減ということが十分に考えられます。今回の予算措置で減免額が超えてしまうという危険性がありますが、こういう場合はどのように対処なさるのか、伺いたいと思います。 ◎富樫 保険医療部長  何らかの理由によって減免額が予算で想定した額よりもふえた場合にどうするのかというご質問でございます。  減免につきましては、札幌市の持つ現行の減免基準に該当する場合には、加入者全てに適用すべきものだと考えておりますので、想定した予算額よりも減免額がふえて、仮に歳入に不足が生じて北海道から割り当てられた納付金の支払いに影響が及ぶことになりましたら、当然、必要な予算措置をして対応したいというふうに考えてございます。 ◆坂本きょう子 委員  減免分については、全ての世帯に対する想定を行っているので、必要な予算措置は講ずるということでした。以前の数字を見ますと、全ての世帯ではなくて、おおよそ8割の世帯に対する減免額に相当する財政措置を講じていましたが、今回は、全額、法定外繰り入れとなっているということですから、ここはしっかりと対応していっていただきたいと思います。  今回の国保の都道府県単位化、広域化に当たって、先ほど、保険料水準の統一化ということでの懸念を伺いましたが、もう一つ、市町村の保険者としての事務の標準化を進めることも言われていて、保険料や一部負担金の減免も標準化の対象となっていると聞いております。これは北海道が主体となって考え方を示していくのだろうと思いますが、北海道では、今、標準化に向けての検討がどの程度進められているのか、伺いたいと思います。 ◎富樫 保険医療部長  北海道における減免に係る事務の標準化の状況についての質問でございます。  北海道では、ただいま、市町村あるいは国民健康保険連合会の職員で構成するワーキンググループを設置しております。その中で各市町村による減免制度の現在の運用について調査を行っておりまして、その調査をベースにして、一旦、北海道として事務の標準例の案を作成している段階だというふうに聞いております。今後は、市町村からの意見を踏まえまして、北海道と道内市町村との連携会議という場がありますので、このような場などで事務の標準化に向けた協議、検討を進めていく予定となってございます。 ◆坂本きょう子 委員  ワーキンググループで事務の標準例について例示できるようにいろいろ検討が進められているということであります。  連携会議はもちろん開かれていきますし、それぞれの自治体の減免制度の実情についても北海道がしっかりと把握されていくというふうに思いますが、自治体によって、子どもに対するものであるとか、私が従来申し上げているような多子世帯に対するものなど、さまざまな医療費の減免制度がある中で、これが標準化をされていく、でこぼことしていたものが平らにならされていく、今までは自治体の裁量で行われていた制度、事務が根こそぎなくなってしまうのではないか、こういう懸念があります。  今、北海道が継続して検討しているということですが、北海道からの標準的な事務処理手順が示された場合、札幌市としては、それに従うというのでしょうか、それを追認する形で事務の標準化に取り組んでいくということなのでしょうか。 ◎富樫 保険医療部長  北海道の標準例に従っていくのかどうかということでございます。  まず、今回の国民健康保険の都道府県単位化の目的として、財政運営の安定化のほかに、事務の標準化や効率化も目的の一つとしているため、基本的には札幌市としても道の示す標準例に近づけていきたいとは考えております。ただ、そのことで加入者に大きな影響がないように配慮することは当然必要なことでございますので、一旦、北海道から標準例が示されてから、それを踏まえて札幌市としてどういうふうにしていくべきか判断していきたい、このように考えております。 ◆坂本きょう子 委員  部長は、今、市民に対する影響ということもおっしゃいましたが、まさにそういうことなので、ここは慎重な対応をすることを求めたいと思います。  先ほど言ったような多子世帯に対する減免制度、あるいは、保険料を払ってしまうと生活保護基準以下になってしまうであろう、いわゆる境界層に所得水準がある世帯など、生活が厳しいと思われる世帯に対してめり張りをつけた保険料の引き下げを図るべきだということを主張してまいりました。まさに、これが都道府県化によって今は全国一律にというようなことになってしまいかねない状況にあるわけですから、そこについては、やはり、本市として、国保加入者の皆さんがしっかりと医療を受けられ、命と健康を守っていけるように、そういう立場から本市が独自で減免制度を拡充するようなこともこれからますます求められていくと思いますので、北海道に言われたとおりに全部を標準化してしまうことがないように、ここは強く求めておきたいと思います。  今、部長は、国保の広域化、都道府県化の大きな眼目が国保財政の安定化だというふうにおっしゃいました。そういう意味では、保険料収入が大変重要になってくるわけですから、ここについても、きちんと保険料を取っていこうという思惑が出てくるのだろうと思います。現に、厚労省や北海道から出されているさまざまな資料を見ましても、収納対策はきちんとやるようにということが書かれております。そして、これは北海道が出している都道府県単位化の概要ですが、この中にも、国からの負担金もありますけれども、市町村からの納付金を財源としている、全道の国保加入者の医療費を払うためにしっかりと保険料も取らなければならない、そして、保険料の収納率向上のための研修会や収納率向上アドバイザーの派遣などを各自治体に行うので、各自治体で保険料の取りっぱぐれがないようにきちんとやってください、それが財政の安定化につながることなのだということがしきりと書かれております。  私は、本市ではこれまでも厳しい取り立てが行われてきたと考えておりますが、都道府県単位化後の収納対策については、本市としてどのように進めていくおつもりなのか、伺いたいと思います。 ◎富樫 保険医療部長  都道府県単位化後の収納対策についてのご質問でございます。  従来からでございますが、札幌市の収納対策は、国保財政の健全な運営に資するとともに、加入者間の負担の公平性を図るためにも、日ごろから適宜・適切に行っていると考えております。  収納対策につきましては、多分、今後、北海道から標準例が出てくると思います。できる限り北海道の標準例に近づけていきたいと考えておりますが、先ほどの減免と同じように、まずは北海道から示されている内容を見て、それで札幌市としての対応について検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆坂本きょう子 委員  2016年度の国保料の納付率が厚生労働省から発表されました。これによりますと、北海道の収納率は93.75%で、本市は92.72%という確定数値が載っております。札幌市は、この間、収納強化、収納対策の基本方針を立て、それにのっとって納付率を上げるためにさまざまな収納対策をやってきましたけれども、北海道全体よりも札幌市の収納率が低いことが2016年度時点の数字として確定しております。こういう中で、先ほど言ったように、例えば、アドバイザーを派遣するとか、もっと厳しく収納対策を講じるようにと、道からお尻をたたかれるようなことが提示されたら、札幌市はそれをやっていくのかという問題があります。  今、滞納整理の件数は金額とともに上昇しており、それに伴って、毎年、収納率も数字が上がってきている中で、本市は、政令指定都市の中で名古屋市をお手本として収納率を上げていきたいという基本的な考え方があるのかなと思って私は見ておりますが、苛酷な取り立ては行うべきではありません。適切な滞納処分、整理ということは行われてしかるべきだと思いますけれども、苛酷な取り立てには間違ってもつながらないようにしていただきたいというふうに思います。  冒頭から、保険料の値上げにならないのかという懸念を申し上げてまいりました。また、本市独自の減免制度をしっかりと守り、さらには、拡充ということも必要だというふうに私は思っておりますが、ここはぜひともしっかりと対応していただきたいと思います。  厚生労働省は、国民健康保険は国民皆保険の最後のとりでです、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、平成30年度からの制度見直しにご理解、ご協力をお願いいたしますということで、厚生労働省とそれぞれの自治体のロゴが入るようなパンフレットのひな型をつくり、各自治体でこのパンフレットを自由に使ってくださいということで、国民に向けて国民健康保険制度が変わりますということの周知を行っております。  一方では、保険料が値上がりになっている自治体があります。札幌市以上に滞納処分が強化される自治体も出てくるだろうと思います。先ほどは資格証のことでいろいろとやりとりがありましたが、私は、短期証についても大いに問題だと思っています。以前の特別委員会では、短期証のとめ置きの問題について質疑いたしましたが、短期証も納付相談の機会の場として確保したいということで窓口交付になっていますね。今、20政令指定都市の中で、漫然と窓口交付をやっている自治体は少なくなってきています。今は、本当に納付相談の機会が確保できないとき以外は、短期保険証は郵送で被保険者に送られる状況が広がってきております。資格証や短期証などで無保険状態になる、それが国保の都道府県化、広域化によってさらに広げられるようなことがないように、本市としてしっかりとした国保行政を行っていっていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。 ○福田浩太郎 委員長  以上で、国民健康保険会計予算等の質疑を終了いたします。  次に、議案第6号 平成30年度札幌市後期高齢者医療会計予算、第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分及び議案第23号 札幌市後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  ここで、およそ1時間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後0時22分       再 開 午後1時19分     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第3款 保健福祉費 第5項 健康衛生費及び議案第16号 札幌市附属機関設置条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  最初に、保健所にいろいろな業務が移管されて、保健所の業務が大変多岐にわたり、人数も多くなっております。  調べればわかることなのですが、ちなみにちょっとお聞かせいただきたいのは、まず、条例上の保健所の役職別定数です。医務監もいらっしゃる、所長もいらっしゃいますが、保健所の役職別定数をもし答えられるのでしたら、教えてください。 ◎川上 健康企画担当部長  今、役職別定数は手元にございませんが、全体の定数は193人でございます。 ◆松浦忠 委員  今、保健所の所長の階級は、札幌市で言うと一般職員から係長、課長、部長、局長という階級がありますが、どう位置づけられていますか。 ◎川上 健康企画担当部長  階級のご質問でございますが、現在、保健所長につきましては、局長職の医務監が事務取扱となっておりまして、保健所長は空席となっております。(「階級」と呼ぶ者あり) ◎矢野 保健福祉局医務監  私のことですので、私からお答えします。  医務監が事務取扱で、保健所長自体は部長職でございます。 ◆松浦忠 委員  そこで、副市長にお尋ねするのですが、業務の合理的な取り扱いを進めていくということで、一般行政機関で持っていたものを保健所に移しました。人もふえ、お金もふえました。200名近い人を擁していて、所長が部長職というのは、消防を除いて一般行政ではそういう部門は余りないかなと思います。私は、前々から、これだけふやしたのだったら、保健所長は局長職を充ててもいい、いわゆる所長として局長職に位置づける、こういうことでいいのではないかなと思っていたのだけれども、こういうことについて検討されたことはありますか、ありませんか。 ◎岸 副市長  保健所長の職階のお尋ねでございます。  市役所全体の中では部長職となっております。区の保健福祉部長の中では二百数十名の職員定数を抱えている部署もあったかと記憶しておりますが、いわゆる本庁部局として政策的なことを推進していく上において、200名近い部の陣容というのは相当大きなところだと思います。  保健所長はどういう職階がいいのかということについて、最近においては具体的に検討したことはありません。 ◆松浦忠 委員  本庁の中にそれぞれの部があります。しかし、きちっとした行政処分権限を持って保健所長のような仕事をするという部長は数少ないです。そういうことからいったら、私は、保健所長は職階として局長職を充てるべきだと。これは、もうきちっと位置づけていいのではないかなと思います。  相当前になりますが、お医者さんで衛生局長をやられた方がいましたが、その人とそんな話をしたときに、どういうわけか、全国的に都道府県も保健所の所長はそういう扱いになっている、事務系統の組織から見ると1ランクぐらい低い扱いになっている、その当時、そういうことを言っておられました。  これは、市長もおられますから、市長はきちっと位置づけをするということを考えてあげてください。それは何かといったら、そういう位置づけというのは、やっぱり、業務執行上、組織全体に与える影響として大きいものがありますから、ぜひひとつ、4月の異動で考えていただきたいということを要請しておきます。  そこで、私は、健康づくりについて、議員になってからずっと取り組んできました。いろいろな自治体がやっていることを調査に行ったり、私自身も、そういうことに基づいて、日本で先進的な実験を行った先生に記録をいただいたり、執筆をいただいて、こういう本をつくって皆さんにお配りしたり、いろいろなことをやってきました。  健康づくりというのは、これをやったらうまくいくということを行政側で示しても、行政側がそれを強制できるものではなく、最終的には個人個人の意思によって成果が定まってくるものでありますから、そこがなかなか難しいところだなというふうに思います。なかなか難しいというより、大変難しいと私は思っています。  そこで、質問ですが、実は、平成28年の第3回定例会で、私は、健康づくりについてこう質問をしております。「健康増進の取り組みは、施設もつくっていろいろやっていますが、余り成果が上がっていないのではないかと思いますので、健康増進に対して税を投入してずっと長い間やってきて、数字的にどんな成果が出ているのか、示せるものがあれば、まず示していただきたいと思います」と。そこで、川上健康企画担当部長は、「健康づくりの成果を示す数字的なものがないかどうかというご質問です。札幌市では、健康づくり基本計画、健康さっぽろ21を策定して、それに基づいてさまざまな健康づくり活動を進めておりまして、その計画の中で、平成26年度策定時の現状値と10年後の目標値を定めて、その目標に向かってさまざまな取り組みを進めているところでございます。現在、まだ計画の途中段階でして、平成30年度に中間評価を行う予定ですので、その前年度の29年度に市民に対してアンケート調査等を行い、成果数値を一旦把握した上で、また改善に向けて取り組んでいきたいと思っております」と。  思っていたのですね。思っておりますということですから、思ったのですが、思ったとおりにこれを実行されて、そして、平成29年度に中間の調査をされたかどうか、お尋ねいたします。 ◎川上 健康企画担当部長  昨年度お答えしたとおり、予定どおり中間評価を行っているかというご質問でございます。  健康さっぽろ21は10年計画であることから、平成30年度に中間評価を行うこととなっております。そのため、前段として、昨年11月に市民1万2,000人に対して市民意識調査を行っておりまして、今後、その調査結果に基づきまして、数字的にこれまでの取り組みの成果があったのかどうか、どういった変化があったのか、そういったことを検証していく予定でございます。  指標は多岐にわたりまして、成果については現時点でもまだまとまっておりませんけれども、中間評価委員会を設置しましたので、今後、そこで鋭意分析、評価を行い、しっかりと検証作業を行って今後の成果を出すための取り組みにつなげていきたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  本当に難しい問題で、行政側が取り組む上で、数値的に成果を上げていこうとしてもなかなか上がらぬと思います。  そこで、もう一つ、国民健康保険の関係で、厚生労働省は、中高年齢層の人が健康診断を受けて健康改善に取り組み、その受診率によって国からご褒美が出るとされておりますけれども、その健康診断の受診率は始まってから今までふえているかどうか、受診する人がふえているかどうか、そして、指導改善が上がっているか、そういうことを健康づくりの一つの参考として取り入れているかどうかについてお尋ねします。 ◎川上 健康企画担当部長  今、委員からご指摘のありました国民健康保険の健康診断を受けて、受診率の向上などといったデータ的なものを健康づくりに生かしているかというご質問だと思います。  がん検診、健康診断も含めまして、受診率向上につきましては、私どもも大変重要な課題と認識しております。受診率の向上策につきましては、健康保険のほうも含めまして、種々の手段を用いて受診率向上に努めているところでありまして、がん検診、国保の特定健診のいずれも増加の傾向にはございます。そういった数値的なものを含めまして、今後の健康づくり、健康増進にデータを用いて具体的な取り組みをした結果、それがどう生かされたかということにつきましては、今後ともその数字を生かせるように取り組みを進めてまいりたいと思っております。 ◆松浦忠 委員  市長にお尋ねしたいのですが、市長は、私が市長を見かけてから今日まで、余り体型も変わっていないなというふうに思っているのです。数値はわかりませんよ。だけど、外見的に見ると、そう思っているのですよ。  そこで、市長、血圧とかコレステロール、血糖値など、医者に行ったら血液を採取されて言われる事柄が幾つかありますね。その辺の数値は健康な人の範囲の中にずっとおさまってきているか、10年前と比べたらそういうものがちょっと上がっているのか、差し支えない範囲で結構ですから、お聞かせいただければと思います。 ◎秋元 市長  数値的なものといいますか、それは、若いころに比べると、年齢を重ねることによって良好な数字ばかりではありませんけれども、いわゆる治療を要するものではないといいますか、健康であるという範囲にはおさまっております。 ◆松浦忠 委員  なぜこれを市長に聞いたかといったら、私は前にもこの委員会で申し上げたのですが、実は、私も議員になってから太りました。そして、2度減量して、2度失敗しました。減ったけれども、またついつい箸を出しているのですね。3度目は、減らした目標の数値を大体保っておりまして、数値はよくなりました。やっぱり、私は、そういう自分自身の体験から言ったら、健康というのは辞書で引いてもなかなか出てこないのですが、言えることは体重管理に尽きるのではないか、私は、2度の減量失敗と、3度目の今は何とか保っていて、こういうふうに思うわけであります。  そういう点で、やっぱり、市が健康指導をするときに、ちょっと太り気味の人について、パーセンテージを分けて、何十人がいいのか、何百人がいいのか、わからぬけれども、1年間なら1年間、健康体重に戻すという取り組みをしてもらって、そういう人の記録をずっと集めて、健康な体を維持していくという指標をつくってあげることも大事な要素ではないかと思うのですが、この辺についてはいかがでしょうか。 ◎川上 健康企画担当部長  ただいま委員からお話がありましたように、例えば、特定の集団を対象にして、1年なり2年なり、一定期間、健康づくりに取り組んでいただいて、その効果をデータ的に把握し、検証した後に、効果があればそれを広範囲に進めていくということは大変意義のあることだと認識しております。  先ほど申しましたが、平成30年度は健康さっぽろ21の中間評価を行いますので、これまでの取り組みの効果、数値を検証して見直し、改善を行っていく予定でございます。その見直しの作業の際には、これまでの事業の実施方法が効果的であったかどうかも含めて議論いたしますので、ただいまご提案がありました手法も大切ですので、そういった考え方も含めて、今後の取り組みの一つとして検討させていただきたいと思っております。 ◆松浦忠 委員  余り時間はとらないほうがいいと思うので短く話をしますけれども、以前にもお話ししましたが、高知県の香北町という町では、今はもう亡くなりました高知医科大学の老年病科の小澤利男先生が、10年間にわたって、高齢者に運動をしてもらって医療費がどのぐらい削減になったか、県と比較したのです。その結果は、運動をした香北町は、最初は医療費が高かったけれども、1年、2年、3年目になったら県よりもずっと安くなってきたということが報告されております。そんなことで、ぜひ、そういうような形で、100人なら100人でもいいですから、そうやって取り組んでもらって、成果が出たら、それに基づいて皆さんにもやっていただくと。  あれは、桂さんが市長のときですから、いっとき、これがブームになったのですが、茨城県大洋村では、東京大学の体育の助教授をやっている方が村長に立候補して当選いたしました。そして、文科省と厚労省の支援を受けていろいろな施設をつくり、乗馬も健康に取り入れるということで、その乗馬クラブのほうは皇族の方が顧問に就任されたというようなことで、いろいろ取り組んで一定の成果が上がっておりました。このごろは、どうも世の中全体でそういうことが下火になったと見えて余り出ませんけれども、あのころはそれが一つのはやりになりまして、あちこちで取り入れてやりました。そして、健康増進法などもできてきました。  しかし、健康増進法もできてしばらくたったら、その他一般の法律と同じように埋もれてしまって、何となくやっているということになっているので、ぜひひとつ、ここで、5年目の見直しもあるし、さらに、今提起したようなことも含めて具体に取り組んでいって、皆さんそれぞれが健康寿命を延ばしていく取り組みをしてもらう、そのことによって市民全体が楽しい毎日を過ごすという大きな目標に近づいていくことになると思うので、そういう取り組みをやっていただくことを求めて、終わります。 ◆佐々木みつこ 委員  私からは、動物愛護センターの新設について、そして、斎場等あり方検討費について、新生児聴覚スクリーニングについて、この3点を質問させていただきます。  まず、動物愛護センターの新設についてです。  こちらにつきましては、先日、厚生委員会で報告がありました。委員会では、報告案件ながら、計画の中身、特にセンターの設立をめぐってたくさんの質問があったところです。市民からの興味・関心も高いものと思われ、ちょうど3月6日に札幌市動物愛護管理推進計画案のパブリックコメントの募集が終了したところですので、ぜひ、その状況をお伺いしたいと思います。  そこで、質問です。  まず、パブリックコメントの市民意見は全体で何人から寄せられたのか、また、キッズコメントも募集していたと認識していますが、そのうち子どもからの意見は何人から寄せられていたのか、さらには、まだ集計中だとは思いますけれども、どのような意見が多かったのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  動物愛護センターの新設についてお答えいたします。  まず、パブリックコメントの状況についてでありますが、札幌市動物愛護管理推進計画案に対するパブリックコメントは、一般向けのほか、子ども向けのキッズコメントも実施したところであります。寄せられた意見は、個人、団体を含め、全体で432人となっており、動物愛護に対し、大変多くの関心が寄せられていると感じたところであります。これらの意見のうち、キッズコメントとしては385人から意見が寄せられ、子どもたちに動物愛護について考えてもらうきっかけになったのではないかと捉えております。  寄せられた意見の内容については、現在、精査しているところでありますが、一般の方の約8割から施設整備に関する意見をいただいており、また、子どもからは、犬や猫の終生飼育や迷子にしないといった飼い主の当たり前の責任を徹底してほしい、動物を見たり知ったりする場や機会をつくってほしい、飼い主探しなどの取り組みを強化してほしいなどの意見が寄せられているところであります。 ◆佐々木みつこ 委員  やはり、432人とたくさんの方々がコメントを寄せており、さらには、この一人一人が複数のご意見を寄せているとも伺っています。特に、今回、キッズコメントを募集したことにより、学校の授業として取り組まれたというお話も伺っていて、動物愛護の啓蒙のためにも計画の一翼を担ったのではないかと評価するものです。  意見の中には、愛護センターの新設を含め、施設を早期に整備することを期待する声が多かったと思いますが、先日の厚生委員会でも、施設の改築か新築なのか、また、その時期についてもまだ明確にされていなかったところであります。  そこで、これらのパブリックコメントの愛護センター早期新設を求める声を受けてできるだけ詳しく伺いたいのですが、平成30年度予算に計上された動物愛護センター整備基礎調査費について伺います。  調査費は、200万円計上されています。来年度は、どのようなスケジュールで、具体的にどのような調査を行うのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  整備基礎調査のスケジュールと具体的な調査の内容についてでございます。  整備基礎調査を行う前に、まず、動物愛護センターが設置可能な場所についての検討を行い、次に、その中から数カ所の基礎調査対象地を絞り込む予定でおります。その後、絞り込んだ基礎調査対象地につきまして調査を実施する流れを想定しております。  整備基礎調査につきましては、動物愛護センターの整備に向けて必要な内容の調査検討を行うものでありまして、具体的には、施設へのアクセス性の調査、必要な土地の規模や形状といった土地利用の調査、また、音やにおいといった周辺環境への影響調査などを想定しております。  以上のような調査を実施した上で、財政面なども踏まえ、関係機関と協議しながら、総合的に勘案して最終的な候補地の選定を行ってまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  調査をするに当たって可能な場所を絞るということで、今のお話にあったのはアクセスや規模、形状やにおいという条件が出てきました。こちらの条件は、札幌市動物愛護管理推進協議会の答申に沿った要件だと思いますが、この条件を考えましても、各機能に相当の部屋が必要だったり、アクセスや機能性から今の福移や八軒の施設改修ではなかなか難しそうだなというふうに思ったところです。また、この条件に合致しても、その土地の所有者、周辺の住民を含めた環境など、市側の都合だけでなく、相手のあることなので札幌市が一方的に即決できることではないことは理解いたします。  しかし、市民の要望を受けて、なるべくスムーズに実現してほしいと思うとともに、早期設立を焦る余り、クオリティーの低いところで妥協してもらっても困ると思うところです。  そこで、質問ですが、早期実現をするためにどのような工夫をしていくのか、行程についてお伺いします。  もう一つは、調査を終了して候補地が決まった後、動物愛護センターの整備についてはまた改めて整備計画を策定するつもりなのかどうか、そして、どのような手順で整備を進めていくつもりなのか、お伺いします。 ◎高木 生活衛生担当部長  新たな整備計画の策定と調査終了後の整備の手順についてでありますが、今回の動物愛護管理推進計画案の中には、動物愛護センターの位置づけや必要な機能など整備構想的な要素は既に盛り込まれていることから、整備基礎調査を実施後、改めて整備計画を策定する考えはございません。  このため、今後の動物愛護センターの整備につきましては、来年度の整備基礎調査の結果を受けて設置場所や施設の規模を決定した後、基本設計、実施設計を行い、さらに、設計に基づく整備、竣工といった流れを想定しているところでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  これまで、大変時間をかけて検討してまいりましたが、候補地が決まった後はすぐに進みそうで安心しております。札幌市の動物愛護管理推進計画ですが、議会での陳情採択から2年、そして、ここからまだ10年の計画と伺っています。動物愛護管理の取り組みがなかなか進まないのは、市民にとってとても残念な思いでございます。もしかしたら、市長公約にのっていなかったからだとも考えますが、センター新設計画を含め、動物愛護推進を求める市民の声を生かした計画を着実に進めてほしいと思います。  既に政令市の半数以上は、動物管理ではなく、愛護の管理センター化している中で、後発になる分、世界に誇れる日本一の動物愛護センターを目指してほしいと願いますが、ここで副市長の意気込みを伺って、この質問は終わりたいと思います。 ◎岸 副市長  動物愛護センターの新設についてのお尋ねでございます。  新たな動物愛護センターにつきましては、人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろの実現に向けまして、市民、事業者、関係団体、行政と、動物にかかわるさまざまな主体が一体となって動物愛護の取り組みを展開していく中で、その中心的な役割を果たす拠点になるものというふうに考えているところでございます。現在策定中の札幌市動物愛護管理推進計画に掲げておりますさまざまな施策を速やかに実現していけるように、他都市の先進事例を十分に参考にさせてもらいながら、動物愛護センターの早期整備に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  続きまして、斎場等あり方検討費についてお伺いいたします。
     近年の少子高齢社会の進展に伴い、高齢化や核家族化、親族の減少から、お墓を管理し続けることが負担になることによる墓離れや無縁化などの言葉が聞かれるようになり、国民のお墓、葬送に対する状況や意識は変化してきていると感じます。  各家の個別の区画ではなく、先日の報道でも話題になりました見ず知らずの人と一緒に眠る合葬墓や、墓石ではなく樹木を墓標とする樹木葬、先ほどの動物愛護のニーズからはペットとの合葬墓や、屋内墓石、納骨堂などさまざまなタイプのお墓が登場しており、ニーズも多様化しています。さらには、2030年ごろから、団塊の世帯が寿命を迎え、亡くなる方が増加する、いわゆる多死社会の到来が見込まれています。  そこで、質問ですが、平成30年度の事業に斎場等あり方検討費340万円が計上されておりますが、どのようなことを行う事業なのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  斎場等あり方検討費についてお答えいたします。  斎場等あり方検討費の概要についてでございますが、委員からもお話がありましたとおり、近年、少子高齢社会の進展による墓地の無縁化や墓地に対するニーズの多様化、多死社会の到来による火葬件数の増加など、墓地や火葬場に関する状況が大きく変化してきていると認識しております。  あり方検討事業は、このような状況を踏まえまして、将来にわたって安定的な墓地や火葬場の運営を継続するため、それらのあるべき姿とその実現に向けた取り組みを検討するものであります。今年度は、札幌近郊も含めた墓地や火葬場の実態把握、市民アンケート等の基礎調査を先行して実施し、現在、結果の取りまとめをしているところであります。来年度は、基礎調査の結果も踏まえ、札幌市が管理する平岸、里塚、手稲平和霊園内の墓地がどの程度無縁化しているかの調査や、霊園、火葬場の利用者へのアンケート調査を実施するとともに、専門家を含めた会議を新たに設置し、近隣市町村との協議の場も設ける予定であります。これらの調査結果や会議での検討を踏まえまして、今後、墓地や火葬場のあるべき姿を実現するための基本方針を取りまとめる予定であります。 ◆佐々木みつこ 委員  将来にわたって安定的な火葬場や墓地ということで基本方針を策定したいというご答弁だったと思います。  そこで、現状はどうなっているのかということを質問したいと思います。  先日、横須賀市に伺ったうちの議員がおりますが、身寄りのない方の合同埋葬の増加について課題となっておりまして、社協と連携体制をとってエンディングプラン・サポート事業をするようにしたというお話を伺いました。本市の身寄りのない方のご遺体は、3年間、申し出を待つ間は保管することになっておりますが、この件数は、平成26年は111体、平成27年で144体、平成28年も145体、ゆえに、3年分で400体もの数を現状で保管しており、満杯状態に近いと思っております。このことは、今後、高齢化し、核家族化していくため、身寄りのないご遺体の埋葬に対し、保管スペースの問題や札幌市の費用負担増という一つの課題が予想されるものと思います。  しかし、そのほかの現状については、今のご答弁にありましたように、昨年10月より火葬件数など数値的予測などに関する近隣市町村などの基礎調査や、ことし1月26日締め切りで市民アンケートなどをしていると伺っていますが、調査結果が3月末にまとまるとのことで、実態に関する基礎調査の結果はまだ出ていません。  今回の件にかかわらず、どこの部局においてでも、議会や委員会のときにはまだ結果が出ていないという話をよく聞きます。議会は市民の代表であり、特にこの予算議会の議論に係るようなスケジュールで調査、集計をし、まとめをすべきではないかと思います。このことは指摘しておきたいと思いますし、結果を待望していることをつけ加えておきます。  また、今申し上げた3月末に集計するという1月実施のアンケートですが、内容を見ましたら、無作為抽出で18歳以上の3,000人に聞き、4割ぐらいの回答を得ているとのことです。しかし、その質問項目を見ると、私は、まるで札幌市が近々にも火葬有料化を検討しているかのような感想を持ちました。同時に、不安にも感じたところです。  市民が人生の重大な最期の節目である死、死後にかかわる施設としてどのようなものを求めているのかについては、行政からの一方的な発信ではなく、税金のかけ方、個人負担などいろいろな条件を明らかにしていきながら、市民意見を反映し、共通認識の上に方針をつくっていくことが重要であると考えます。  そこで、質問ですが、方針を検討するに当たって、どのように市民の意見を把握、集約していく考えなのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  市民意見の把握についてでありますが、今年度に実施した市民アンケートでは、先ほど委員からもお話がございましたけれども、無作為抽出した3,000人を対象に墓地や火葬場に関する考え方を調査しており、来年度は、実際に市営霊園や火葬場を利用した方を対象としたアンケート調査を実施し、生の声を把握する予定であります。また、新たに設置する専門家会議には、学識経験者のみならず、実際に葬儀に関する業務に携わっている事業者のほか、市民団体や公募による市民委員にも参画していただく予定であります。  このように、墓地や火葬場を運営する側やこれらを利用する側などさまざまな立場の方からの意見を把握、集約し、方針を策定していきたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  来年は、利用されている方へのアンケートなど、さまざまな立場の方の意見を入れて市民意見を把握、反映していくとのことでございました。  そこで、ぜひ、アンケート調査項目として検討していただきたいことがあります。それは、火葬場の友引開場でございます。ちょうど10年前の2009年3月に里塚斎場の改修に伴う対応のときに、私自身が質問しておりました。友引開場は、改修期間の2年間、10月から3月の冬期間限定で開場していました。当時、1日20件ほどの利用があったと答弁がございました。しかし、私は、当時、恒常的な友引開場について質問し、求めましたところ、4月以降の市民のニーズは特に承知していない、また、開場するには機械のメンテナンスが必要などの理由で困難との答弁がございました。  しかしながら、友引は札幌市の火葬場が休みであるため、葬儀も全て連鎖的に延期となります。家族に大きな負担がかかります。先月、私の父が亡くなりましたが、ちょうど友引に当たりました。一例としてご紹介いたしますが、2日、葬儀が延びました。遺体の安置のためにドライアイス代1万円掛ける2日、遺体安置の部屋代2日分、遠方家族の滞在費2日分、また、その間の仕事のストップと金額の負担増、そして、身体的疲労増のみならず、社会的、経済活動的にも大変な負担になるという課題があると思います。自分が死んだときに家族に負担をかけないようにと考える人が多い中、たまたま亡くなった日が友引だったことにより、札幌市の火葬場が休みで連鎖的に遺族に負担をかけることになってしまうのは故人の気持ちとしてもいかがかと考えます。今も10年前と同じ思いです。  そこで、質問ですが、葬送に関する考えが変化する中、札幌市民へのサービス向上策として、遺族負担のかからない運営として火葬場の友引開場についても議論すべきと考えるがいかがか、お伺いします。 ◎高木 生活衛生担当部長  火葬場の友引開場についてでありますが、今回のあり方検討において、火葬場につきましては、安定的な運営の観点から、火葬炉設備の更新時期や施設の建てかえ時期などについて検討を進めることと考えているところであります。  委員からご指摘のありました友引開場につきましては、現在、友引日に行っている設備の定期点検や保守などのメンテナンスの実施という整理すべき課題はありますが、利用者に負担のかからない運営という観点からの議論も重要であると認識しております。このことから、友引日の開場などについて、専門家会議の中で幅広く議論してまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  死は、誰にでも、予定なく突然に訪れます。自分の葬儀のことや死後の準備については、日ごろは家族との話題にせず、認識を共有しないで後回しにしている方が多いのではないでしょうか。この斎場等あり方検討は、今後、多死社会を迎えるに当たって本市にとって非常に重要です。葬送に関することをもっと啓蒙、周知し、札幌市全体がどのような多死社会設計をしていくのか、市民全体が共感を持って共有できるような検討事業になることを期待して、この質問は終わります。  最後に、新生児聴覚スクリーニングについてお伺いします。  新生児期に発見できる聴覚障がいは、1,000人に1人から2人と言われていることからも、新生児聴覚スクリーニングにより聴覚障がいをいち早く見つけて支援を行うことが大切です。  我が会派は、先日の定例市議会代表質問においても、新生児聴覚スクリーニング検査の速やかな公費負担の実施について訴え、副市長からは、先行して公費負担を導入している他の政令市における事業の効果や課題について実態把握を行い、検討していきたいとの答弁をいただいております。  日本耳鼻咽喉科学会の福祉医療・乳幼児委員会では、新生児聴覚スクリーニングの実施状況について2年ごとに実態調査を行っていますが、地域により実施にばらつきがあるという状況が示されております。各都道府県でこうした差が生じている理由は、公的な助成が整備されていないことで、保護者の認識も低く、結果的に検査未実施という状況が起こっていると考えられています。札幌市においては、公費負担の実施はされていませんが、先日、約7割の新生児が検査を受けていると答弁をいただいたところです。  そこで、質問ですが、約7割の新生児が検査を受けているという答弁をいただきましたが、どのように把握したのか、伺います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  新生児聴覚スクリーニングについてお答えいたします。  新生児聴覚スクリーニングの受検の現状把握についてでありますが、4カ月児健診を案内する際に同封している問診票の聴力検査の有無を問う質問項目の回答の集計を行っておりまして、平成28年度の受検率72.5%を把握しております。受検者新生児の聴力検査の結果については、異常なしが96.9%、経過観察が0.4%、治療が必要が0.1%という状況になっております。  現在、問診票により受検率を把握しておりますが、保護者の記憶による回答でございまして、受検の有無を正確に把握できないこともありますことから、来年度は、保健師等による乳児全戸訪問事業において、母子健康手帳の記録の確認により受検状況及びその結果について把握いたしまして、今後の検討に活用してまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  やはり、私は、受検しているかどうかについて実態把握や分析が不足していたと思います。4カ月健診のときの記憶というか、問診ですので、7割という数字についても実は曖昧ではないかと思います。  現在、未受検の理由について検証を行っていると聞いておりまして、始まったばかりではあると思いますが、未受検理由を検証する中でどのような状況がわかってきたのか、伺いたいと思います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  未受検理由の検証についてお答えいたします。  現在、平成30年2月と3月の4カ月児健診の対象者約2,000名の保護者を対象といたしまして、出産医療機関、受検の有無、未受検の場合は未受検理由についてアンケート調査を実施しているところであります。まだ集計途中でございますが、未受検の理由としましては、検査を知らなかった、病院で勧められなかったといった回答が多かったほか、自由記載ではございますが、先日、上の子が中等度難聴とわかり、もっと早く受けたかったといった早期発見がおくれた事例もございました。検査のことを知らずに受検できない傾向が見られるとともに、未受検の3割の中には、検査を受けられずに、聴覚障がいの早期発見・早期療育につながらなかった事例が実際にあったことが確認されたところでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  先日、私の事務所に保育料の陳情でいらした方に、ところで、聴覚スクリーニング検査は受けてみましたかと聞いてみましたら、さあ、どうだったかという回答でした。このことは、これが大事な項目であるということがお母さんに認識されていない一例だと思います。しかし、その方からは、病院でも健診でも必要ですと言われたものは大抵やっているというお答えでした。つまり、こちらからの働きかけやスクリーニングを受ける環境ができていることが受検率を向上させるために大事であると考えます。  私は、先日の代表質問での答弁を受け、この3月5日、その答弁を持って厚生労働省に行って確認してまいりました。代表質問でも触れましたが、新生児聴覚スクリーニングは、国において平成12年度から18年度までは補助事業であったものを、平成19年度からは、大半の医療機関において聴覚能力をスクリーニングできる体制が整備されている状況を踏まえて、地方交付税措置による一般財源とし、必要な財源を確保して全ての新生児聴覚検査が実施できるよう求めております。しかしながら、岡山や広島、北九州市のように公費負担で取り組んでいるところがある一方、公費負担の金額も取り組み方もそれぞれで、ゆえに、再三、厚生労働省より現状把握や実施通達が来ております。お会いした厚生労働省子ども家庭局母子保健課によりますと、この検査による早期発見・早期療育には有意性が認められているので国として予算を措置しているものであり、100%の実態把握をして公費負担分を措置しているのであるから、100%の実施を求めているものであるとのことです。  また、平成28年度では初回検査について公費負担を始めているところが全国224市区町村にふえてきている状況にありますが、日本産婦人科医会母子保健部会でも、全国自治体により実施率に差があり、どこで生まれるかによって子どもにとって不平等が生じているとしております。  ここにコピーがありますが、先月、1月20日の北海道新聞の記事に、北海道内の新生児聴覚スクリーニング検査の実施率は73%と全国最低で、多くの都道府県が90%を超えて実施しており、85%以下は北海道だけとありました。その中で、多分、札幌市は7割というご答弁だったと思います。子どもを産み育てやすいまちを掲げる札幌市は、これでいいのでしょうか。  また、生まれたばかりの子どもが音が聞こえにくいということは、本人はもちろん、外見ではなかなかわからないものであり、親もまさかと思いつきません。成長の過程でも外観からはなかなか発見できず、子どもたちは曖昧な理解のまま、慎重な行動、的外れな行動をしてしまうことの不安により、自分の振る舞いに緊張やおそれを抱きやすく、学習、生活場面において発達の障がいになることもあります。  私は、平成26年1定で、軽・中程度の補聴器助成による早期療育について質問し、実現しました。聞こえにくさのある子どもたちへの補聴器助成、早期療育助成についても、札幌の対応は全国でおくれがちでした。もっと早く、耳が聞こえづらいことを自覚していない、まだわからない新生児のうちに、子どもたちの将来と未来を救うために支えてあげることが札幌市にとって必要だと思います。例えば、4カ月の集団健診がありますが、もしもここで未受検らしいことが発見されたら、眠っていなくてもその場で計測できるOAEという機械で聴覚スクリーニングを実施し、限りなく受検率100%を目指し、発見、早期療育につなげるという案もあるのではないでしょうか。  そこで、副市長に伺います。  まずは、交付税措置されている聴覚スクリーニングの公費負担についてですが、札幌市において新生児が聴覚検査を100%受けられるよう、早期の公費負担を実施すべきと思うがいかがか、札幌市の方針に対する意気込みを伺います。 ◎岸 副市長  新生児聴覚スクリーニングに関するお尋ねでございます。  新生児聴覚スクリーニングは、難聴を早期に発見いたしまして、言葉の発達への影響を最小限にとどめることができるものでございまして、大変重要なものだと認識してございます。  また、今、部長からの答弁にもありましたが、検査を知らなかったということでスクリーニングを受けなかったために、その結果、難聴の発見がおくれたという事例があったというご報告もさせていただきました。そういうことを受けまして、まずは、保護者の皆様に新生児聴覚スクリーニングの情報が行き届くような対策に取り組む必要があると考えている次第でございます。  公費負担の実施につきましては、代表質問でもお答えさせていただきましたが、導入している他の政令市における事業効果、あるいは、本市で実施する場合の課題等について十分な把握を行いまして、検討を行っていきたいというふうに考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  ぜひ、一日も早い公費負担の実施と、あらゆる手だてをとって啓蒙を行うなど、札幌市の全ての新生児へ聴覚検査を実施していただくことを求めます。  札幌市の予算の概要の中でも、今回の予算の3本柱の一つが子どもの育成支援であり、生まれ育った環境に左右されることなく子どもが健やかに育つまちへとあります。最後に、市長の意気込みを伺って、質問を終わりたいと思います。 ◎秋元 市長  札幌の子どもたちが健やかに育っていく、そういった環境整備をしっかりしていかなければいけないというふうに思います。財源との関係もございますが、できる限り多くの子どもたちにとってそういう環境になっていく整備にしっかり取り組んでいきたいと思います。 ◆成田祐樹 委員  私からは、動物愛護の推進についてお伺いしたいと思います。  札幌市では、犬、猫等のペットにかかわる課題の解決に向け、平成27年に策定した札幌市動物愛護管理基本構想において、人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろの実現を目標に掲げ、その取り組みの第一歩として、全国で初めて、動物の福祉向上を一つの柱とした札幌市動物の愛護及び管理に関する条例が平成28年10月1日に施行されました。この条例では、行政、市民、関係団体等の責務を明確化するとともに、飼い主の遵守事項の拡充強化を行うとともに、犬、猫について、生後8週間は親子をともに飼養してから譲渡することとした努力規定や、飼い主のいない猫に餌を与える者の遵守事項などが北海道の条例にはない新たな札幌市独自の規定として盛り込まれ、その反響が全国から多く寄せられたことは、当時、質問させていただいた私も記憶しております。  その条例の運用から約1年半が経過しましたが、その間に、札幌市においては、条例の周知から始まり、関係団体との連携など、条例の運用についてはこれまでにいろいろ取り組まれてきたことと思います。  そこでまず、質問ですが、条例の制定、そして運用により、どのような効果があったと認識しているのか、お伺いしたいと思います。 ◎高木 生活衛生担当部長  動物愛護の推進についてお答えいたします。  条例制定やその運用による効果についてでありますが、札幌市動物の愛護及び管理に関する条例のPRや条例に基づく啓発指導などにより、飼い主責任の意識の向上や適正飼育が一定程度進んだものと認識しているところであります。  具体的には、その効果は苦情件数や飼育放棄頭数などにあらわれており、猫については、飼い主のいない猫に繰り返し餌を与える者の遵守事項の規定などに基づく積極的な啓発指導の効果としまして、苦情件数は、条例施行前の平成27年度の885件から、施行後の29年度は、1月末現在の数字でございますが、389件と大きく減少しています。また、犬についての苦情件数は、平成27年度は647件でありましたが、29年度は326件と大きく減少しているほか、飼えなくなって動物管理センターに引き渡されたいわゆる飼育放棄頭数は、27年度の75頭から、29年度は49頭と減少しております。 ◆成田祐樹 委員  条例の運用により、苦情件数や飼い主の放棄件数が減少するなど一定の効果があったことはわかりましたが、件数は減少しているものの、犬、猫を合わせて依然として年間700件を超える多くの苦情相談等が寄せられている状況があることには少し驚きました。  これまで、動物愛護にかかわるNPOの方々とお話をさせていただいた中では、虐待の疑い、多頭飼育崩壊、犬のかみつき事故などがあり、解決すべき問題はまだまだ山積しているのではないかと実感しております。条例が施行されたとしても、その目的や趣旨、取り組み内容が市民に浸透しなければ、この条例が目指す人と動物が共生する社会の実現は困難であり、せっかくの条例も絵に描いた餅となってしまうのは言うまでもありません。  つい2週間ぐらい前だったでしょうか、報道で、札幌市内の住宅街で多数の猫を劣悪な環境で飼育したとして、札幌南警察署が動物愛護法違反の疑いで書類送検する方針を固めたとの記事が出ておりました。また、過去には、大型犬のシェパードや秋田犬による凄惨なかみつき事故も発生するなど、市民生活を驚かす事案も発生していたということも聞いております。このような問題を耳にするたびに、犬、猫の飼い主がきちんとその果たすべき内容をみずからしっかりと行うという、いわゆる飼い主責任を徹底することが動物愛護を推進する上で必要な柱ではないのかというふうに痛感しております。札幌市の抱える課題のさらなる解決に向けては、条例におけるさまざまな規定に関する取り組みを推進することはもちろんですが、中でも、飼い主責任の徹底ということに重点的に取り組むことが必要なのではないでしょうか。  現在、札幌市では、基本構想に基づく実施計画として札幌市動物愛護管理推進計画を策定していると聞いており、これについて質問させていただきますが、この計画において、飼い主の責任の徹底に関し、どのような施策を盛り込み、今後どのように取り組んでいくお考えなのか、伺いたいと思います。 ◎高木 生活衛生担当部長  飼い主責任の徹底に係る施策と今後の取り組みについてでありますが、飼い主責任とは、動物が健康で快適に暮らせるようにするとともに、社会や近隣に迷惑を及ぼさないという、人と動物が共生する社会のために飼い主に求められる責務であり、札幌市としても、動物愛護を推進していく上で大変重要なものと認識しております。  そこで、飼い主責任の徹底に関し、計画案では、基本施策の一つである動物の適正管理、福祉向上を推進する取り組みとしまして、家庭動物の適正管理を掲げているところであります。具体的な取り組みとしましては、不衛生、放し飼いといった苦情相談等に対して飼い主責任の啓発指導の強化を行うほか、飼い主マナーに関する出前講座等を充実させるとともに、愛護センター整備後においては、来所された方へのマナー講座や初めての飼い方教室などを新たに実施していくこととしております。 ◆成田祐樹 委員  お話しいただきましたが、現在策定中の計画において飼い主責任の徹底を基本施策の中に位置づけ、マナー講座や飼い方教室などこれまでにない新たな取り組みを実施されることについては、先ほどお話しさせていただいた観点からも評価できるものだと考えておりますし、ぜひ、お願いしたいと思います。  近年では、犬、猫等のペットは、単なる愛玩の対象から、大人から子どもまで家族の一員として飼い主と深いかかわりを持っているのは皆さんも存じ上げているかと思いますが、一方で、動物愛護という言葉を考えますと、動物を飼っている飼い主だけが取り組むものではなく、飼い主以外も含めた全ての人が考え、取り組むべきものでもあると考えます。特に、子どもに関しては、国は、動物愛護及び管理に関する基本的な指針において、生命尊重、友愛等の情操の涵養の観点から、子どもが心豊かに育つ上で動物との触れ合いや飼育の経験が重要と示しているところでもあり、子どもの時代からの動物愛護教育というものの重要性が増してきています。  今、札幌市が目指している人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろを実現するということは、新たな文化をつくることにつながります。そういった文化の創生という点を考えると、子どもの時代からの動物愛護教育は重要であり、子どもが参加できる普及啓発などもさらに充実させていく必要があるのではないでしょうか。子どもの時代からの教育が進まなければ、根本的な犬、猫の飼育マナーの向上、発展に結びつかないのではないかと私は考えます。  また、子どもへの教育は、ある時期だけの一過性のものではなく、継続的に取り組むことにより、初めてその効果があらわれるのであり、計画で掲げた個々の数値目標の達成といったことを考えても、子どもへの継続的な動物愛護教育の推進は大きな柱になると思います。  そこで、質問ですが、子どもへの動物愛護教育について、今回の計画ではどのように考えているのか、そして、どのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いしたいと思います。 ◎高木 生活衛生担当部長  計画における動物愛護教育の位置づけと今後の取り組みについてであります。  本計画では、子どもへの動物愛護教育を基本施策である動物愛護精神の普及啓発を推進する取り組みの一つとして掲げており、動物との触れ合い体験や動物の習性などの学習を通じて、動物への理解を深め、命の大切さを学ぶ、いわゆる命の教育が重要と考えております。このことから、これまでの保育園や幼稚園の取り組みに加えまして、今回、小学校及び中学校で道徳が教科化されるのに合わせて、教員が使用する教育課程編成の手引に、現在、動物管理センターが実施しているいのちの教室の活用を盛り込む方向で教育委員会と調整を図っているところでございます。また、今後、本計画について、一般向けのパンフレットのほかに、わかりやすい子ども向けのパンフレットも作成し、市内の小・中学校や児童会館に配付する予定であります。  今後とも、教育委員会とのより一層の連携のもと、動物愛護教育の推進に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  ぜひ、教育委員会等とも連携して、子どもへの動物愛護の教育等を進めていただきたいと思っております。  最後に、要望ですが、動物を飼育しない方も対象とした動物愛護精神の普及啓発は非常に重要であるということを何度もお話しさせていただきましたが、虐待や遺棄といった問題防止のために、命の大切さといった認識を市民が共有する上で、新たな動物愛護センターには動物愛護、市民交流ができるような開かれた施設が必要となってくると考えております。  ただ、動物愛護や、それらを含めた道徳学習や市民交流を実施するためには、既存の施設では極めて難しいのではないでしょうか。現状の管理センターは、小さな会議室が一つあるだけで、譲渡設備もなければ、教育につながる設備もありません。動物に対する措置をする場所も十分とは言えません。玄関には亡くなった動物を引き取る台がありますから、入り口は少しお線香のにおいがします。ここに児童生徒や市民を連れてきて、果たして動物愛護の気持ちが伝わるのでしょうか。そういったことを勘案しますと、今の施設はあくまで管理のための施設であり、横浜市や新潟市の施設も見てきましたが、他の政令市の動物愛護施設と比べると、札幌市は極端におくれていると言わざるを得ません。  我々の会派は、動物愛護センターの新設を求めていますし、他の会派の皆さんも同様の主張をされてきているかと思っております。施設の新設に向けて、ぜひ前進していただくとともに、来年度の予算には、先ほども佐々木委員が動物愛護センター整備基礎調査費のことに触れられておりましたように、これが計上されておりますから、この調査実施の中で施設の規模なども決まることと思いますので、しっかりと検討し、条件整備をしていただきたいと思います。  また、新たな取り組みもふえると思いますが、現在はそれを強くサポートしてくれそうな多くの市民団体の動きが出てきているとも聞いております。行政頼みではなく、官民協働で支えることができれば、持続可能な施設に近づくのではないでしょうか。ともに取り組めるパートナーとしてしっかり協働していくということを求めて、私の質問を終わりたいと思います。 ◆竹内孝代 委員  私からは、子育て世代への支援について質問いたします。  初めに、妊婦への相談対応の充実についてお聞きします。  平成28年6月に母子保健法が改正されまして、母子保健事業は虐待予防に資するものであることが明確化されました。また、平成29年8月に発表された子ども虐待による死亡事例等の検証結果等についてでは、厚労省が把握した死亡事例のうち、心中以外の事例ではゼロ歳児が約6割を占め、その背景には、予期せぬ妊娠や10代等の若年世代の妊娠など、妊婦がひとりで悩みを抱えながら出産に至る事例が多く含まれているという結果が明らかになりました。  我が会派では、かねてより、妊娠期からの切れ目のない子育て支援の充実として、全ての子ども、家族を支援の対象とするネウボラ理念を取り入れた取り組みを求めてまいりました。札幌市においては、産前産後の取り組みとして、母子健康手帳を交付する際の妊婦支援相談事業、そして、初妊婦訪問事業、産後ケア事業、生後4カ月までの乳児全戸訪問などを実施し、妊娠期からの支援の充実を図るなど、これまで強力な支援の取り組みがなされていることは承知しております。  しかしながら、本市の支援体制というのは、一度、面談等でリスクが少ない妊産婦であると判断されると、本人の相談がない限り、必要な支援を受けることが困難です。例えば、精神疾患を抱え、見守りが必要な妊婦や、さまざまな事情から困り事をうまく伝えられずに孤立している妊婦、また、急な環境の変化によりリスクが高まってしまった妊婦など、そのご家族も含め、ご相談をいただくことがあります。直接、保健所や保健センターにご本人やご家族をつないだり、依頼を受けて情報提供をするなどして必要な支援が受けられるようにサポートしてまいりました。しかし、みずから相談できたり、周囲が気づいてあげられる場合はよいのですが、困っていても何も言えず孤立をしている妊産婦のリスクがさらに高まって事故等につながるということで、先ほどの厚労省が発表した事例を通しての検証結果からも、孤立しているこうした方々を救っていくことが必要となってくると思います。健やかな妊娠、出産、育児のためには、支援を必要とする妊婦の把握と一人一人に合った適切な支援を行うことがますます重要なものであることを実感いたします。  そこで、質問ですが、妊婦支援相談事業においては、さまざまな生活背景を持つ妊婦が窓口に訪れますけれども、事前情報はなく、初対面の面接の中で個々の状況やニーズを把握し、必要なサービスにつなぐための面談は大変重要であります。そこで、一人一人の妊婦の状況を丁寧に見抜く力や対応力が必要とされる相談対応の充実のために、どのような取り組みを行っていくのか、伺います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  子育て世代への支援についてお答えいたします。  妊婦への相談対応の充実についてでございますが、母子健康手帳を交付する際、各区保健センターの保健師が全ての妊婦に対して面接を行い、妊娠届のアンケートに基づくアセスメントを実施するとともに、現在の体調や治療中の病気、また、困っていること、心配に思っていること、妊娠中や出産後の協力者など、家庭環境を含めた妊婦の状況について聴取しているところでございます。また、メンタルヘルスや産後鬱のリスク要因がある場合などにおきましては、さらに詳しく状況を把握することとしておりまして、必要な支援につながるよう、医療機関等を含めて、支援に携わっている関係者間で情報共有を図っております。また、各区保健センターごとの事例検討会の実施や、外部講師による職員研修会の開催、また、道外で開催する母子保健の専門研修への保健師等の職員派遣を行うなどの取り組みによりまして、相談技術の向上に努めているところでございます。  一人一人の妊婦のさまざまな状況に合わせまして、切れ目のない適切な支援を提供できるよう、今後もさらに相談対応の充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  今、お話がありましたように、たくさんの研修であったり、取り組みをされていることがわかりました。  私のところにご相談に来られた方の事例で申し上げますと、そういった対応をしてくださるところと、そうではなかったところと、職員によって、また、保健センターによって対応が違ったということが聞かれましたので、ぜひ、どこの場所に行っても、どの職員に言っても、そのような支援が受けられるような徹底をお願いしたいと思います。  札幌市における母子保健は、困ったときに手を差し伸べ、支援を行う体制が充実しているという反面、困り事の有無やリスクの有無にかかわらず、積極的に全ての妊産婦や子ども、ご家族を見守り、孤立化させないためのアウトリーチ型の支援、いわゆるネウボラ的な支援まではまだできずにおります。今後、さらに充実をさせていく必要があると考えております。  平成27年9月から開始されました初妊婦訪問事業については、全ての初妊婦を対象としておりまして、初めての出産や育児に対する不安の大きい初妊婦が安心して産み育てることができるための支援として大変重要であると考えます。しかし、この初妊婦訪問の実施率は平成28年度が34.7%と、生後4カ月までの乳児に行う乳児全戸訪問の実施率が91.9%であるのに比べると、大変に低い状況であります。  そこで、質問ですが、全ての初妊婦に支援を行う初妊婦訪問事業の実施率の向上に向けて、どのような取り組みを行ってきたのか、また、これを向上させていくために、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  初妊婦訪問事業の実施率向上に向けた取り組みについてでございます。  妊婦支援相談事業での面接の際には、初妊婦に対して案内チラシを渡すとともに、妊娠5カ月以降にも電話連絡により訪問することを説明しております。未訪問の理由といたしましては、就労によるものや、心配なことがないため訪問を希望しない妊婦が多かったことから、訪問日時の柔軟な調整や訪問に対する動機づけを図るなど、面接から訪問への継続した支援となるよう、その充実に向けて取り組んでいるところでございます。また、平成29年8月には、妊娠期の支援の重要性につきまして、保健師等を対象とした研修会を開催しまして、初妊婦訪問の実施率の向上に向けて、人材育成、また資質の向上にも努めているところでございます。  今後も、妊娠期の支援として、一人でも多くの初妊婦に対して家庭訪問を実施できるよう、さらに取り組みの充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  ぜひ、現在の34.7%から、乳児全戸訪問の91.9%につなげていただくように、応援をしておりますので、頑張っていただきたいと思います。お一人お一人は、お仕事であったり、相談することがないということかもしれませんが、急に環境が変わってしまったり、リスクが高くなるという統計も出ておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。  最後に、新生児聴覚スクリーニングについてお聞きいたします。  我が会派の涌井議員のもとに、お子さんが聴覚障がいであることがわかったというご家族からご相談がありまして、その中で、新生児聴覚スクリーニング検査のことについてもございました。先ほど佐々木委員の質疑等にもございましたが、新生児期に行われる聴覚スクリーニングは、異常の早期発見を目的として、先天性難聴の出現頻度は1,000人に1人から2人とされ、現在、マススクリーニングが行われているほかの先天性疾患に比べてもその頻度が高いのが特徴でありまして、欧米では検査の実施を義務づけて法制化をしている国もあります。難聴は、早期に発見されれば難聴による発達への影響を最小限にとどめることが可能で、高度難聴の場合には1歳までに、軽度難聴の場合には3歳までに発見されることが望ましいとされています。  産婦人科診療ガイドライン2017では、出産医療機関において、保護者の同意を取得した上で聴覚スクリーニングを実施し、母子健康手帳に結果を記載することが推奨されており、今後は、全ての妊産婦に対し、検査について説明することが必要とされました。  そこで、質問ですが、現在、未受検となっているのが3割という状況の検証について、先ほどの佐々木委員の質疑でもございましたように、全ての新生児が新生児聴覚スクリーニングを受けることができるためには、医療機関における機器の整備のほかにも、受検できるような仕組み、相談体制もあわせて必要ではないかと考えますけれども、今後どのように対応していくのか、伺います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  新生児聴覚スクリーニングと、その相談体制等についてのお尋ねでございます。  聴覚障がいの早期発見のためには、全ての新生児が新生児聴覚スクリーニングを受検できる体制が必要であると考えておりますが、先ほどもご答弁いたしましたように、未受検の理由といたしまして検査自体を知らなかった方が非常に多く見られた状況でございますので、保護者に対する聴覚スクリーニングの重要性の啓発や相談の機会の確保が重要と考えております。今後は、乳幼児健康診査に加えまして、乳児全戸訪問事業におきましても、母子健康手帳により新生児聴覚スクリーニングの実施の有無を確認いたしまして、未実施の場合は訪問した保健師等から検査についての情報提供を行うなど、全ての新生児が受検できるよう相談体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
    竹内孝代 委員  今、全戸訪問の中で1対1で聞き取りを行い、漏れのないようにお知らせしていくということなので、ぜひ期待したいと思っております。  国からは、平成28年3月、市町村は、全ての新生児に対して新生児聴覚検査が実施されるよう、新生児聴覚検査に係る費用について公費負担を行い、受診者の経済的負担の軽減を図るよう通知が出されております。お聞きしたところ、現在、札幌市内の受診施設では、数千円から1万5,000円を超えるところがあるなど、その検査料金に大きな差があるということです。同じ検査でありながら料金が違うというのは、それぞれの施設の判断でなされているからだと思います。全ての子どもたちが早期発見によって発達への影響を最小限にとどめていっていただきたいという願いから、ぜひとも新生児が聴覚スクリーニング検査を受けやすくなるように整備していくことが重要だと思います。  今年度は、4市の政令指定都市で公費負担を実施し、平成30年度には新たに4市、平成31年度には東京都においても公費負担を開始する予定であることも聞いております。  先ほど、佐々木委員からもございましたが、私ども公明党会派といたしましても、公費負担の実施を求めてまいりたいと思っております。市民の方々からのご相談を受けて、ぜひとも、一人でも多くの新生児に対して新生児聴覚検査をできるよう早期の公費負担の実施を求めまして、私の質問を終わります。 ◆松井隆文 委員  私からは、里帰り出産時の定期予防接種への助成制度開始について質問させていただきます。  私は、昨年の決算特別委員会で、札幌市外の実家に戻っての出産、いわゆる里帰りをして出産された場合、その生まれてきたお子さんに定期予防接種を受けさせるには、接種費用を自己負担していただいている現状があること、そして、その費用負担額がかなり高いことについて指摘をいたしました。費用の高さが理由で接種することができないとか、接種をちゅうちょしてしまうということであれば、そのお子さん個人の感染予防の面もさることながら、集団的な感染予防の観点からも課題と言えることも指摘させていただいたところであります。予防接種のためだけに市外から札幌市にお戻りになってかかりつけ医療機関に行くということは、これも負担が大きく、なかなか現実的ではないと思います。そこで、他の多くの政令市では既に開始している接種費用の助成について、札幌市においても早期に開始していただくよう強く要望したところであります。  また、私は、市外で接種することとなる理由について、里帰り出産のほか、親御さんの仕事などで一時的に市外に滞在しなければならないといったさまざまなご事情があることも述べさせていただきました。さらに、里帰り出産の際に一緒に連れていく新生児の兄弟もあわせて接種時期を迎える場合もあると思います。全国どこでも接種できる制度となっていない中では、札幌市民の多様な事情を酌んで、お子さんにとって適切な時期に市外においても接種できるように配慮するべきであり、幅広く検討していただくことを求めたところであります。  さて、この接種費用の助成制度について、新年度の予算に反映していただいたと伺いました。  そこで、質問ですが、新制度の概要として、助成対象者、助成額、助成件数、また、制度の開始時期についてお伺いいたします。 ◎山口 医療担当部長  里帰り出産時の定期予防接種への助成制度の概要についてお答えいたします。  助成する対象者につきましては、里帰り出産のほか、予防接種を受けるお子さんや保護者の長期療養及びDV等の家庭の事情などにより、札幌市外に滞在中に予防接種を受けることになるお子さんとそのごきょうだいでございます。助成額につきましては、札幌市が定める額を上限に、医療機関に支払った実費を助成することといたします。助成件数等につきましては、平成30年度は、既に制度を開始している政令市における実績を参考とし、助成件数を約1,690件と見込み、予算額といたしましては約1,580万円を計上しております。開始時期につきましては、平成30年4月からを予定しており、開始日以降の市外での接種につきまして、接種後に助成申請を受け付けることとしております。 ◆松井隆文 委員  市民の方が市外で接種するケースというのは、それぞれやむを得ない事情があってのことでありまして、私は、広く対応して差し上げるべきだというふうに考えておりましたので、ご答弁にありました対象者等は要望にかなっているというふうに思います。  それでは次に、申請の手続についてですが、市民にとって複雑な手続となっていないのか、その具体的な手続をお聞きいたします。  またあわせて、制度開始が4月からということでしたが、市民への周知方法についてお伺いいたします。 ◎山口 医療担当部長  申請手続及び市民への周知についてお答えいたします。  申請手続につきましては、接種前に市外接種に係る申請書を区保健センターに提出していただくと、市外医療機関宛てに接種依頼書を発行いたしますので、これを持参の上、市外の医療機関にて接種していただくことになります。接種した後は、区保健センターに医療機関から発行された領収書及び予防接種済み証などの必要書類を添付していただきまして助成費を申請いただくこととしております。  市民周知についてでございますが、保健所等のホームページにて手続のご案内を行うほか、リーフレットを作成し、区保健センターの窓口にて配付する予定です。また、特に、初妊婦訪問などを通じまして、里帰り出産等で市外での予防接種を予定されている方に対して、直接、リーフレットをお渡ししたいと考えてございます。 ◆松井隆文 委員  手続には、あらかじめ、市外医療機関宛て接種依頼書を取り寄せることが必要ということでした。このことについては、リーフレットなどはできるだけわかりやすくしていただくことをお願いしたいと思います。  また、市外へお移りになった後にこの制度を知った場合は、区の保健センターに赴かずに、電話やメールでの問い合わせ、また、郵送での申請も多いかと思いますが、的確で丁寧な対応をお願いしたいということもあわせて申し上げたいと思います。  今後、市内、市外のいずれにおきましても定期予防接種を適切な時期に受けることができるよう、保健所や保健センターでの対応につきましては、事務の遺漏なきようお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、難病患者への支援についてと、がん予防におけるたばこ対策について質問させていただきます。  初めに、難病患者への支援について伺います。  平成29年第2回定例会の代表質問で、我が会派の竹内委員から、難病患者への医療費助成事務の権限移譲について取り上げましたが、本日は、その準備状況等を伺ってまいります。  いわゆる難病法が平成27年1月に施行されてから3年余りが経過し、法に定める大都市特例によって、札幌市に居住されている難病患者の方々については、ことしの4月からその事務が北海道から札幌市へ移譲されることとなっております。難病患者にとって、より身近な札幌市への事務移管ということであり、我が会派としても、より患者や家族に寄り添った行政につながるものと期待するところであります。  一方、札幌市としては、これまで、道からの委託に基づき、申請関係書類の進達や道が発行した受給者証の患者への送付と一部の業務にのみ携わっていたところ、4月以降は、市みずからが受給者証の発行を行うほか、現在、道が行っている多岐に及ぶ事務を主体的に担っていくこととなります。また、特に札幌市は、患者数が平成28年度末で約2万1,500人と、政令指定都市の中でも横浜市に次いで2番目に多いと聞いており、その点をあわせますと、今後、市が担っていく業務の量は相当膨大になるのではないかと推測されます。そうしたことから、権限移譲に向けては、多くの難病患者やご家族に混乱を及ぼすことのないよう、事務の円滑な移管とその後の安定的な執行が重要であると考えます。  そこで、質問ですが、現在、道では、難病対策において、課長職以下、合計20人の体制で業務に当たっているとのことですけれども、札幌市ではどのような人員体制で権限移譲後の業務に対応しようとしているのか、お伺いいたします。 ◎川上 健康企画担当部長  北海道からの権限移譲に向けた人員体制等についてでございます。  権限移譲後は、毎年約2万件の更新申請、3,000件の新規申請に係る支給認定を行い、認定患者に受給者証を交付するとともに、各月の請求に基づく医療費助成を行う等の事務が発生いたします。またあわせて、指定医や指定医療機関の登録、変更手続や相談事業等、各種の患者支援事業も行っていくため、事務量は、現在、北海道が受け持つ量の約6割から7割になるものと見込んでおります。  そのため、平成30年度に向けた機構改革では、保健所に難病医療係、難病事業担当係の2係を新設し、非常勤・臨時職員も含めて総勢13人体制で業務に当たることとしたところでございます。また、このほか、毎年更新受け付け時期となる7月から9月は特に繁忙が予想されるため、別途、委託職員を配置するなどの対応をとりながら、円滑な事務の処理を図っていきたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  今ご答弁がありましたように、実は道が扱っていた事務量の6割から7割が今度は札幌市になるということでございました。特に更新時期と言われる繁忙期については、やはり体制を組んでやらなければならないだろうというふうにも思っておりましたが、13人体制で出発されるということでございますので、4月と言ってももう間もなくのことですから、まずはしっかりとした準備をお願いしたいと思います。  次の質問に移りますが、医療費の助成は難病患者にとって療養生活を支える共通の基盤となるものでありますけれども、患者個々人の立場に立ってみると、その抱えている問題や必要としている支援はさまざまであり、その内容も医療、福祉、教育、就労など多種多様でございます。今回の権限移譲を機に、市は、患者のこうした悩みにこれまで以上に主体的にかかわっていく立場となるわけですから、関係団体と連携して、患者あるいはそのご家族がそれぞれの悩みをより相談しやすい環境づくりに努める必要があるものと考えます。  また、患者への支援には、現在でも、患者を医療面で支える病院や訪問看護ステーション、福祉面で支える相談支援事業所や障害福祉サービス事業所、あるいは、患者が生活する地域コミュニティーなどがそれぞれの立場でかかわっておりますが、今後は、札幌市が中心となって関係機関とネットワークを構築し、問題点や課題を共有する中で、具体的な解決策を検討し合うことも重要と考えますし、それにより、さらに患者、ご家族に寄り添った対策に結びつけることができるものと考えます。  そこで、質問ですが、このたびの権限移譲を機として、札幌市として、今後、難病患者を支える各種関係機関と具体的にどのような連携を図りながら取り組んでいくお考えであるのか、お伺いいたします。 ◎川上 健康企画担当部長  関係機関との連携についてでございますが、このたびの権限移譲を契機として、関係機関との連携を図っていくため、ことしの夏ごろを目指し、患者、家族の代表や医療、福祉、教育等の幅広い部門の有識者で構成する札幌市難病対策地域協議会の設置に向けて準備を進めているところでございます。設置後は、札幌市が中心となりまして、それぞれが有する情報や課題を共有し、解決に向けた具体的な対策について協議すること等により、札幌市の課題に応じた難病患者の支援体制整備を目指していきたいと考えております。  また、関係機関の中核となっております北海道難病連の施設内に4月から札幌市難病相談支援センターを開設する予定でございまして、患者や家族の視点に立った相談支援を実践し、丁寧に関係機関につなぐ役割を果たしてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  この夏には地域協議会を設置するとともに、支援センターもしっかり整えていくという答弁でございました。  次に、難病患者への就労面での支援についてお伺いしたいと思います。  難病の中には、完治はしないものの、適切な治療や自己管理を続ければ普通に生活できる疾患もあり、そうした患者にとっては、病気を持ちながらも、いかに働き続けることができるかということが大きな課題となってまいります。  ただ一方で、難病の患者は、病気の症状が変動しやすく、日単位や年単位で症状が変わるなどの特徴もあることから、就労に当たりましては、就労先が難病患者の持つ固有の事情を十分に理解していただくことも必要であります。  そこで、質問ですが、札幌市では、権限移譲を踏まえ、難病患者の就労支援についてどのようなことを行っていくお考えなのか、お伺いいたします。 ◎川上 健康企画担当部長  難病患者の就労支援につきましては、患者が病気を抱えながら安心して社会生活を営んでいく上で大変重要な課題と認識しております。  札幌市では、これまで、北海道難病連に委託しまして、難病医療相談会を、年4回、実施しておりまして、その中で、ハローワークの難病患者就職サポーターによる就労相談なども行ってきたところでございます。この取り組みは、難病に特化した就労相談の場として活用されていることから、権限移譲後も継続しつつ、内容の充実に努めてまいりたいと考えております。  また、先ほどの札幌市難病対策地域協議会には、実際に就労支援にかかわっていらっしゃる有識者にも参加いただく予定でございますので、難病患者の就労に係る事例の共有や社会的理解を得るための普及啓発等について協議を行い、各関係機関の取り組みにつなげていくことによりまして治療と就労が両立する社会の実現を目指してまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  今回の権限移譲は、申請手続のみならず、難病を持つ方への理解といった企業による就労支援も含め、患者、家族に寄り添った相談支援体制も強化していただくことになるものと思います。権限移譲に伴い、札幌市では、今までになかった受給者証のケースを作成し、複数傷病者の受給者証を1枚にされるとともに、これまでコピーして用紙を配付していた自己負担上限額の管理票を冊子化することなども行っており、患者に対して大変細かい配慮がなされているものと思っております。今後については、事務の移管を生かした手続書類の一部省略など、簡素化にも期待して、次の質問に移りたいと思います。  次に、がん予防におけるたばこ対策について伺います。  さきの平成29年第4回定例会の本会議において、我が会派の前川議員が、国の健康増進法改正が先送りとなる中、オリンピック・パラリンピックの開催を目指す都市として、受動喫煙防止対策に関し、市長は、今後どのような方向で取り組んでいくお考えなのかを伺い、秋元市長からは、飲食店等の店舗環境を利用者が選択できる環境づくりや、がん対策認定企業制度の導入を進めるとの答弁をいただいております。  国の法改正に関しては、先週3月9日、ついに健康増進法の一部を改正する法律案が閣議決定され、厚生労働省がその資料を公表したところでございます。  そこでまず、伺いますが、国が示した健康増進法の一部を改正する法律案の特徴についてお伺いいたします。 ◎川上 健康企画担当部長  国が示した健康増進法の一部を改正する法律案の特徴についてでございますが、公表された内容は、望まない受動喫煙をなくすこと、受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者等に配慮すること、施設の類型、場所ごとに対策を実施すること、以上の三つの大きな柱で構成されております。  特徴といたしましては、まず、施設の種類に応じて敷地内禁煙と原則屋内禁煙の二つに分けられます。学校や行政機関等は敷地内禁煙、飲食店を含むそれ以外の施設は原則屋内禁煙とするが、例外として喫煙専用室内でのみ喫煙可能とされております。  次に、全ての施設で喫煙可能場所につきましては掲示が義務づけられ、客、従業員ともに20歳未満は立入禁止、また、従業員の募集の際は受動喫煙防止対策の明示が義務づけられることとなっております。ただし、さまざまな議論のありました飲食店につきましては、経過措置が設けられまして、経営規模や面積が小規模な既存店の場合、一定期間、喫煙、分煙の表示によりまして喫煙可能とされているところでございます。  さらに、加熱式たばこにつきましては、煙に有害物質が含まれていることは明らかではありますが、現時点で受動喫煙による健康影響は明らかではないということですので、当分の間、専用室内でのみ喫煙可能とされているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  ただいま三つの柱を中心にご答弁いただいたところでございますが、私たち公明党は、これまで受動喫煙防止対策の必要性を強調してきており、東京オリンピック・パラリンピックまでに準備が整うよう法整備を進めるよう求めているところであり、また、子どもたちや働く人たちに望まない受動喫煙が生じない制度であることが大事であると訴えているところであります。  国は、喫煙者や小規模飲食店についても配慮しつつ、未成年者への望まない受動喫煙を生じさせない形で法整備を進めていく方向であることは理解しており、札幌市としても、国の動きにおくれることなく、否、国を牽引するぐらいの勢い、スピード感を持って体制整備を進めるべきと考えます。なぜならば、政令指定都市の中で喫煙率が一番高いのが札幌市であり、肺がんによる死亡割合が全国と比較しても非常に高く、がんの部位で一番死亡割合が高いのも肺がんであるからであります。  こうしたデータは、これまで議会で幾度も取り上げられてきたところでありますが、オリンピックに話を戻せば、1988年以降、オリンピック会場内外における禁煙化と、たばこ産業からのスポンサーシップは拒否されておりまして、WHOとIOCは2010年にたばこのないオリンピックを目指すと合意文書に調印しているところでもあります。ついては、札幌市が厳しいオリンピック招致競争を目指す上でも、たばこ対策は中途半端にはできない必須条件とも言え、今後、市民の健康増進を図りながら、経済界との協議も具体的に進める必要があるものと考えます。  本年1月15日、北海道新聞に、厚生労働省の研究班が、たばこが原因で、2014年度に100万人以上の方ががんや脳卒中、心筋梗塞などの病気になり、受動喫煙を合わせれば1兆4,900億円の医療費が必要になったという推計をまとめたとの記事が掲載されました。この数字は、国民医療費の3.7%を占め、受動喫煙だけで見ると3,200億円の医療費が発生したと見られております。  このように、たばこが原因による医療費の増大が国や自治体の財政面に与える影響に鑑み、今回、国は、既存の小規模飲食店においても、一定期間、喫煙、分煙の標識の掲示により喫煙可能と考えているため、札幌市においても、法施行前から、掲示等によって望まない受動喫煙を生じさせない環境づくりに向けた啓発が重要になるものと考えます。  そこで、質問ですが、飲食店等の店舗環境を利用者が選択できる環境づくりの取り組みについてお伺いいたします。 ◎川上 健康企画担当部長  飲食店等の店舗環境を利用者が選択できるような環境づくりの取り組みについてのご質問でございます。  市内の観光関連団体等、29団体で構成される札幌おもてなし委員会と協力いたしまして、ことし1月、観光客等へのおもてなしの取り組みの一つとして、店頭表示のステッカーを作成したところでございます。利用者が店舗の禁煙、喫煙といった環境をみずから選択できるよう、4カ国語で説明を補足した表示を進めることとし、さっぽろ雪まつりに向けまして、札幌駅から大通周辺の飲食店を中心に約2,300枚を既に配付したところでございます。  今後、国の法改正によりまして表示の義務化が見込まれることから、これらの構成団体とも連携を図りながらこの取り組みを推進するとともに、望まない受動喫煙対策の一層の機運の醸成と、法案成立後の新制度に向けた体制整備を図ってまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  答弁にありましたステッカーについては、我が会派では、議員控室の入り口に禁煙の掲示をさせていただいているところであります。今後、この取り組みの普及が進む中で禁煙の表示がふえることが望ましく、喫煙であっても外から見てわかるようになっていることが大切であろうと考えます。  健康増進法の改正が成立すれば速やかな体制整備が必要になると思いますが、法施行までの環境づくりも大切であります。がん対策に取り組む企業の認定制度もスタートいたしました。今後は、市民や経済界、医療機関などが力を合わせ、スピード感と強い決意を持ってたばこ対策に取り組んでいただくことを求め、私の質問を終わります。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、障がい者に対する歯科保健対策について伺います。  本市は、昭和59年から、心身に障がいのある子どもや成人に対する歯科医療を確保するために、歯科医師会が運営する札幌口腔医療センターにおいて障がい者歯科医療に取り組んでいるところです。  自閉症やダウン症の子どもに対する歯科医療は、治療中に口をあけ続けることがとても難しく、鋭利な器具による治療を行っている最中に不意に動いてしまうと非常に危険なことから、極めて難しい治療になり、時間もかかります。普通のお子さんであれば1度の通院で終わるような治療であっても、障がいのあるお子さんは何度も通院しなければならないので、通院に伴う保護者の心身への負担は大変なものだと伺っております。また、子どもだけではなく、知的な障がいを持つ成人の方も、自分では適切な歯磨きをすることができず、また、保護者の高齢化に伴って、定期的に歯科医院に連れていくことも難しくなり、一般の成人に比べて重度の歯周病がある割合が多いといった調査報告があります。  こういった障がい者の方々の歯に対する課題への対策は、歯科医療の確保が極めて重要でありますが、理想は、健常者の方たちと同様に予防をして歯科疾患をつくらないことと、予防できなかったとしても早期発見・早期治療を行うことです。こうした早い段階の対応をしていくためには、歯科保健対策の充実が重要であると考えます。  平成23年8月、国において歯科口腔保健の推進に関する法律が成立しましたが、これには、障がい者の方々に関する歯科保健対策が位置づけられ、厚生労働省では施策の充実に取り組んでいると伺っております。  そこで、質問ですが、法律における地方自治体の位置づけはどうなっているのか、また、国が期待する具体的な役割としてどのようなものが考えられるのか、伺います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  障がい者歯科保健対策についてお答えいたします。  歯科口腔保健法における地方自治体の位置づけ及び国が期待する役割についてでございますが、歯科口腔保健の推進に関する法律第9条におきまして、地方公共団体は、障がいのある方に対し、定期的に歯科健診を受けることや歯科医療を受けることができるよう、必要な施策を講ずるとの位置づけがなされているところであります。また、厚生労働省においては、歯科口腔保健の推進に関する法律の施行を受けまして、平成25年5月、政令市等を国庫補助の対象とする口腔保健推進事業を新規に創設しております。国庫補助事業における障がい者歯科に関する事業内容といたしましては、障がいのある方が利用する施設における歯科健診や施設職員に対する口腔ケア研修等となっておりまして、地方自治体にはこのような取り組みの充実が期待されているところと認識しております。 ◆わたなべ泰行 委員  ただいまの答弁でありましたが、法律では、地方自治体に対して、障がいのある方々が定期的に歯科健診を受けることができるようにするため、必要な施策を講じるようにとはっきり記載されているとのことであり、また、厚生労働省におきましても、地方自治体に対する国庫補助事業を創設したとのことでありました。また、他の政令市では、歯科口腔保健の推進に関する法律の成立を受けて、ただいまありました障がい者関係の施設に対しての歯科健診、また、そこにお勤めの職員への口腔ケアの研修などの歯科保健の取り組みに予算をつけて、そしてまた、地元の歯科医師会とも連携して具体的に取り組んでいると伺っております。  そこで、質問ですが、札幌市における障がい者歯科保健対策に対する認識と現在の取り組み、また、今後どのように取り組んでいくのかを伺います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  札幌市の認識と現在及び今後の取り組みについてでございます。  障がい者に対する歯科保健対策につきましては、委員ご指摘のとおり、障がいのある方の歯と口の健康を守るため、また、保護者の通院負担を軽減するためにも大変重要な課題と認識しております。  平成28年3月に私どもで策定いたしました札幌市生涯歯科口腔保健推進計画におきましても、具体的な取り組みといたしまして、障がい者や障がい児が口腔ケアを受けられる体制の整備を掲げているところでございます。このため、本年1月に、障がい者にかかわる歯科医療関係者や保護者の代表等により構成された障がい者・児歯科保健推進対策検討委員会を新たに設置したところでありまして、現在、市内の障がいのある方が利用する施設を対象に、歯科保健の取り組み状況等についての実態調査を行っているところでございます。今後、この調査結果や委員会における議論等を踏まえまして、札幌市における障がい者歯科保健対策について検討してまいりたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  法律ができましてから既に6年が経過している中で、まだ具体的な事業が始まっていないことについては非常に残念でありますが、今の答弁にありましたように、歯科医療や障がい者団体の関係者の皆様によって検討委員会を設置して本市として初めて実態調査を行っているということは、一定の評価をいたします。  最後に、要望ですが、歯の健康は、体の健康にもつながる大切な課題です。障がいのある方々の歯の健康、また、保護者の皆様の負担軽減のためにも、ぜひ、検討会におきましては十分に議論をしていただき、速やかに障がいのある方々の歯科保健対策を具体化されることを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○福田浩太郎 委員長  以上で、第5項 健康衛生費等の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、明後日3月16日金曜日午前10時から、農業委員会及び経済観光局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時12分...