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平成29年冬季五輪招致・スポーツ振興調査特別委員会−12月08日-記録

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  1. 札幌市議会 2017-12-08
    平成29年冬季五輪招致・スポーツ振興調査特別委員会−12月08日-記録


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    平成29年冬季五輪招致スポーツ振興調査特別委員会−12月08日-記録平成29年冬季五輪招致スポーツ振興調査特別委員会  札幌市議会冬季五輪招致スポーツ振興調査特別委員会記録            平成29年12月8日(金曜日)       ────────────────────────       開 会 午後0時58分     ―――――――――――――― ○しのだ江里子 委員長  ただいまから、冬季五輪招致スポーツ振興調査特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  冬季オリンピックパラリンピック招致に係る報告についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎石川 スポーツ局長  冬季オリンピックパラリンピックの招致につきましては、これまでも、本委員会の場におきまして委員の皆様に大変なご議論をいただきながら、計画づくりを進めてきたところでございます。この議論を踏まえまして、JOC、日本オリンピック委員会などとこれまで協議を重ねてきたところではございますけれども、去る11月22日にJOCの竹田会長と秋元市長が対談を行いまして、IOC、国際オリンピック委員会の2026年大会の立候補プロセスにおける対話ステージに参加することとなったところでございます。  本日は、今後の想定スケジュールと、国への要望事項や対話ステージにおけるIOCとの交渉項目などについてご報告させていただきたいと存じます。  今後とも、議会の皆様のご意見を賜りながら、北海道、国、JOCとも十分協議を行いましてIOCとの協議に臨んでまいりたいと考えておりますので、引き続きお力添えのほどをよろしくお願い申し上げます。  それでは、本日の資料に基づきまして、招致推進部長のほうから報告させていただきます。よろしくお願いいたします。 ◎梅田 招致推進部長  私から、今後のスケジュール、そして国への要望事項と対話ステージでの交渉項目、さらに、対話ステージ用の資料についてご説明させていただきます。  まず初めに、今後のスケジュールについて、資料1をごらんください。  上段のIOC、国際オリンピック委員会の動きといたしましては、9月29日にIOCによる2026年大会の立候補プロセスが公表され、IOCとの非公式の事前協議である対話ステージが開始されております。11月22日に市長とJOC、日本オリンピック委員会の竹田会長が会談を行い、この対話ステージに参加することとなり、年内にも予定されるワーキングセッションや専門家の派遣の受け入れ、さらに、来年2月の平昌オリンピックオブザーバープログラムにJOCとともに参加いたしまして、IOCからアドバイスを受けながら計画づくりを進めるとともに、2026年招致の可能性を見きわめてまいります。そして、来年、2018年10月に開催されますIOC総会におきまして、立候補ステージへ参加する都市が招待され、その後、1年間の立候補ステージを経て、2019年9月のIOC総会において開催都市が決定されることとなっております。  次に、3段目の道と市の動きについてですが、IOCとの対話ステージに参加しながら、国との協議、調整を行い、開催概要計画の見直し作業を進めてまいりますが、しかるべき時期に2026年大会立候補の是非について判断し、見直した開催概要計画を公表の上、市民アンケートを実施いたしまして、市としての正式な立候補表明を行い、2019年1月に提出する必要のある立候補ファイルの作成に着手することを想定しております。この場合、その下の段にありますとおり、オールジャパン体制を築きつつ、正式立候補手続が開始される来年10月までの間に招致委員会の設立、閣議了解、財務保証、最終的には国会決議をいただく必要があると考えております。  続きまして、下の段に移りまして、2026年大会における海外都市の状況についてでございますが、ヨーロッパにおきましては、スイスのシオンが4月にスイスオリンピック委員会の立候補承認を受けてございまして、来年6月に住民投票を予定しております。そのほか、スウェーデンのストックホルムやトルコのエルズルムも立候補を検討しているとの情報があります。  なお、オーストリアインスブルックは、10月の住民投票の結果、反対多数で事実上の断念となっております。北米におきましては、カナダのカルガリーが早くから立候補について検討しているほか、最近ではアメリカのNOCが関心を示しておりまして、ソルトレークシティー、デンバー、リノ・タホといった名前が挙がっております。
     なお、カザフスタンのアルマトイも前回大会に引き続き立候補を検討中との報道がございまして、IOCの対話ステージに参加しながら、こうした海外都市の情勢について情報収集に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、開催経費縮減に向けた国への要望事項と対話ステージでの交渉項目につきまして、資料2をごらんください。  まず、左上の開催経費縮減に向けた考え方についてでございますが、国に対して、開催経費縮減、特に開催地負担の軽減に向けた施設整備や大会運営への支援を要請いたしますとともに、IOCに対して、コストを抑えた持続可能な大会の実現に向け、施設整備や大会運営のあり方について要望、交渉を行ってまいります。  下に開催経費の縮減イメージを載せておりますが、昨年の開催提案書の提出時点で試算した総額4,565億円のうち、左側の大会運営費につきましては、収入に対して運営費が上回っているため、903億円の不足額が発生しており、これを公的助成で補填する試算となっております。  今後の国への要望や対話ステージでのIOCとの交渉によりまして、収入の増、仮設費用の縮減、競技運営や輸送セキュリティーなどのその他運営費の縮減により、大会運営費不足額の最小化を図ってまいります。加えて、施設整備費や招致経費についても縮減を図ってまいります。  次に、2番目の国への要望事項についてご説明いたします。  まず最初に、冬季オリパラ招致に係る支援でございますが、オリンピックパラリンピック招致は、国、北海道、札幌市による連携協力が不可欠との認識のもと、国家プロジェクトとしての全面的な支援を要望いたします。  次に、冬季オリンピックパラリンピックに係る施設整備及び大会運営への支援でございますが、1点目は、既存のスポーツ施設を国際基準に適合させるための費用につきまして、財源措置の拡充を要望いたします。2点目は、真駒内屋内競技場と手稲山におけるボブスレー、スケルトン、リュージュ会場につきまして、国立施設としての整備を要望いたします。3点目は、競技会場となる大倉山・宮の森ジャンプ競技場などのNTC競技別強化拠点施設整備費用につきまして、国費の支出を要望してまいります。  また、大会運営費につきまして、パラリンピックセキュリティードーピング対策などは、東京2020大会と同程度の国費の支出を要望してまいります。  続いて、右側の対話ステージでの交渉項目についてでございますが、収入につきましては、国内スポンサー収入の最大化を図るため、国内スポンサーの選定業種の拡大について協議いたします。  次に、大会運営費につきましても、競技会場の仮設物のグレードの見直しや、メディアセンターなどの面積基準の緩和が可能か協議いたします。そのほか、輸送セキュリティーのレベル、仮設電源などのエネルギーインフラなどの大会運営費の最小化に向けた協議を行いますほか、IOCからの情報提供によるコンサルタント料の縮減やドーピング検査施設など、東京2020大会の既存設備の活用を提案してまいります。  最後に、施設整備費につきましては、1点目は、既存施設の利用による整備費削減を図るため、競技会場の広域化及び観客席基準の緩和について協議いたします。具体的には、スピードスケート会場での観客席基準は6,000席となっておりますが、明治北海道十勝オーバルの改修で4,500席まで緩和すること、あるいは、ニセコ地区の既存のスキー場の活用について提案してまいります。  2点目は、後利用としての需要を考慮いたしまして、選手村やメディアセンター等の規模の縮小及び分散について協議いたします。具体的には、真駒内地区の再整備と合わせた選手村の整備や、メディアセンターのうち、IBC、国際放送センターとMPC、メーンプレスセンターを分散いたしまして、札幌コンベンションセンターの活用ができないか、提案したいと考えております。  続きまして、資料3をごらんください。  この資料は、今後開催されます第1回ワーキングセッションにおきまして、初期段階の大会コンセプトを協議する場とされていますことから、昨年11月の開催提案書の記載内容をIOCの関係者向けに札幌をアピールできる内容として再整理したものでございます。  まず、資料上段の招致の意義として、ウインタースポーツを取り巻く世界的な課題に対して、札幌の強みであります大会実績や1972年のレガシー、豊かな自然や都市機能を生かして、札幌だからこそできる持続可能な大会モデルを実現し、ウインタースポーツの新しい未来を創造するとまとめました。  資料の中段では、大会全体のコンセプト開催提案書の基本理念であります札幌らしい持続可能なオリンピックパラリンピックモデルといたしまして、施設整備費の軽減による持続可能性、環境への配慮、大会運営費の軽減によるシンプルでスマートな大会運営を目指すこととしております。  続く右側のコンセプトの1から3では、IOCが求めるメーンターゲット別に、選手・役員、観客・VIP、市民・道民に向けたコンセプト開催提案書から抜粋してまとめております。  選手、役員に対しては、「そのパフォーマンスを変えていく。」といたしまして、アスリートの視点でベストな環境を提供すること、観客、VIPなどに対しては、「その体験を変えていく。」といたしまして、国内外から訪れる全ての人に驚きと感動の体験を提供すること、そして、市民・道民に対しては、「その未来を変えていく。」といたしまして、ウインタースポーツ都市としての発展とオリンピズムの継承を世界に発信するというコンセプトで訴えてまいります。  資料下段では、札幌大会が目指す方向性として、新しい冬が始まるまちへと題しまして、開催提案書の基本理念であります、つくるオリンピックからつながるオリンピックパラリンピックへとして、過去と未来、オリンピックパラリンピック、札幌と世界がつながる大会とすることなど、新たなモデルとして世界へ提唱するものでございます。  次のページをごらんください。  施設整備のコンセプトや施設配置につきましては開催提案書とほぼ同じ内容になっておりますが、スピードスケート会場につきましては、開催提案書で、真駒内公園の屋外競技場の建てかえ案と、帯広の明治北海道十勝オーバルの改修案のどちらかとしておりました。しかし、対話ステージにおきましては、帯広案を優先して協議していくこととしております。また、資料下段左側の開催経費の縮減に向けた施設整備の考え方につきましては、開催提案書と同じですが、既存資源の最大限の活用と仮設による無駄のない施設整備、PPP、PFI等による民間資本の積極的活用、公共施設等の再整備と連動の三つを示しております。  今後の対話ステージでのIOCとの協議に当たりましては、先ほどもご説明いたしましたが、資料下段右側に記載のとおり、さらなる施設整備費の縮減に向けて、競技施設では、帯広の既存施設であるオーバルをスピードスケート会場とする場合の観客席の基準の緩和や、まちづくりと連動した真駒内地区での選手村の整備と市内での分村、さらに、メディアセンターについては、札幌コンベンションセンターの活用や施設整備基準の緩和についても協議してまいりたいと考えております。 ○しのだ江里子 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆松井隆文 委員  私からは、まず、IOCとの協議の基本姿勢と開催経費削減の考え方について質問いたします。  開催経費については、東京2020大会において、当初、立候補ファイル時点で8,000億円だった総経費が1兆3,850億円まで大きく膨らんでおり、その金額の大きさや経費負担問題ばかりが大きく取り上げられております。こうした背景もあり、札幌開催においても、最大4,565億円という総額の大きさと、それをいかに削減できるかという点ばかりに注目が集まる傾向にあると思います。一方で、開催経費と言われる中には、仮にオリンピックパラリンピックを開催しなかったとしても必要な競技施設の建てかえ費用や民間投資を促すものも含まれており、総額の削減のみが議論されるべきではないと考えるところであります。開催経費については、ウインタースポーツ都市さっぽろとして将来的に必要なものや、市民にとって重要なまちづくりの整備に関しては、しっかりと投資するという視点が必要であります。  担当部局としてもご承知のとおり、去る10月19日には、オリンピックパラリンピック担当鈴木俊一大臣から、次回、札幌開催となる場合には、手稲区へと延伸される地下鉄東西線が将来へ残されるべきレガシーとなるという認識が示されました。このことにつきましては、さきの決算特別委員会でも扱いましたとおり、財務大臣からも、いまだに地下鉄東西線が手稲区に延伸されない状態は深刻であるとの認識が示されたところであります。オリンピックパラリンピック開催後も、国際大会や市民利用が可能な競技施設の整備とあわせ、こうした地下鉄網の整備は、まさに札幌のまちづくりに必要な都市の再開発やバリアフリー化にも資するものであり、こうした新たなレガシーとなるものについてはしっかりと投資を行うべきであります。このことは、オリンピックパラリンピックの大会時にのみ必要となる開催経費とは分けて考える必要があります。  以上を踏まえまして質問させていただきますが、今後の対話ステージのさまざまな場面を通じて、札幌市はどのような基本姿勢でIOCとの協議を進めていくか、お伺いします。  また、開催経費削減に向けてどのような考え方でIOCと協議を進めるか、あわせてお伺いいたします。 ◎梅田 招致推進部長  IOCとの協議の基本姿勢と費用削減の考え方についてのご質問でございます。  IOCとの協議における札幌市の基本姿勢につきましては、今回の対話ステージにおいては、大会コンセプトである札幌らしい持続可能なオリンピックパラリンピックモデルの実現に向けまして、IOCの専門家との情報交換や平昌オリンピックオブザーバープログラムへの参加を通して、IOCからさらなる経費縮減のためのアドバイスを受けながら、開催概要計画の見直しを行ってまいります。これに加えまして、この対話ステージに参加する中で海外情勢の情報収集に努め、2026年大会の実現性についても見きわめてまいりたいと考えております。  次に、開催経費削減に向けた考え方ですが、市民の開催経費への関心が非常に強いことから、例えば、競技会場の観客席や仮設物の規模、あるいは輸送やセキュリティーの体制など、大会時のみに必要となる開催経費については極力縮減する方向でIOCと協議を進めてまいりたいと考えております。  しかし一方で、大会後もウインタースポーツ都市さっぽろとして世界を牽引していくために、国際大会の開催や市民利用が可能な競技施設の整備、あるいは、オリパラを契機とした都市の再開発やバリアフリー化といったまちづくりなど、札幌市民にとって新たなレガシーとなるようなものにつきましては、しっかりと対応させていただきたいと考えております。 ◆松井隆文 委員  ただいまのご答弁にありましたとおり、大会時にのみ必要となる開催経費については極力縮減する一方で、開催後も市民が利用できるものの整備といった新たなレガシーについてはしっかりと対応していくとのことでありました。新たなレガシーであり、都市の再開発やバリアフリー化にも資する必要な整備として質問いたしました地下鉄東西線の手稲区延伸につきまして、まさに開催後の市民のレガシーとなるものとして適切に投資を行い、整備していただきますことを重ねてお願い申し上げます。  次に、道外施設に関する考え方について質問いたします。  札幌市が、大会開催費用縮減のため、札幌市内の施設だけでなく、例えば、帯広市の北海道十勝オーバルなど道内他都市の既存施設を活用して、オール北海道で大会に取り組むという考え方につきましては理解するところであります。しかしながら、既存施設の活用や費用削減が可能という観点だけで競技施設が道外や国外の施設になっていくとなると、これはもはや、北海道・札幌オリンピックパラリンピックではなくなってしまうのではないかと危惧するところであります。  先般、IOC幹部がボブスレーやスケルトンなどのそり競技会場について、札幌市が開催提案書で示した札幌手稲から長野市や韓国・平昌の既存施設に変更して分散開催する代替案が示された場合には、これを容認する考えを明らかにしたとの報道もなされております。  そこで、質問ですが、競技施設が道外、国外になることについての札幌市の基本的な考えを伺います。  さらに、IOC幹部の発言を踏まえ、ボブスレー、スケルトンなどのそり競技施設についての考え方をお聞かせ願います。 ◎梅田 招致推進部長  競技施設が道外、国外となることについての考え方、そして、そり競技施設についての考え方についてお答えいたします。  札幌市といたしましては、オリンピックパラリンピック招致の意義は、オール北海道でアジアにおけるウインタースポーツの拠点化を目指し、北海道全体を活性化していくことにあると考えておりますことから、競技施設については、基本的に道内施設を活用することが望ましいと考えております。  一方で、そり競技につきましては、競技人口が少なく、施設の建設及び維持には多大なコストがかかりますことから、一つの自治体が所有し、維持していくことは負担が大きく、国内唯一の国際競技施設である長野市のスパイラルは、平昌オリンピック後には冬季の製氷を休止する予定でございます。このような状況も踏まえまして、そり競技施設につきましては、札幌手稲において国立施設として国による整備を要望しつつ、今後のあり方について、スポーツ庁、JOC、そして競技団体、関係自治体と協議をしていく必要があるものと考えております。 ◆松井隆文 委員  国による整備も含めて、札幌手稲において開催できるよう対応していただきたいというふうに思います。  最後に、真駒内地区における選手村の検討状況について質問いたします。  選手村につきましては、昨年11月に公表された冬季オリンピックパラリンピック開催提案書で、札幌ドーム隣接地に整備することとしている一方で、真駒内地区等における整備についても検討するとの記載があります。先ほどの説明の中では、施設整備費の縮減に向け、将来的なまちのリニューアルと連動した真駒内地区での選手村の整備について、対話ステージで協議していくとのことでありました。また、今回、新たな考え方として、必要に応じて市内での分村についても検討しているとのことであります。  そこで、質問ですが、真駒内地区における選手村の整備について、具体的に現時点でどのような検討をしているのか、お伺いいたします。 ◎梅田 招致推進部長  真駒内地区における選手村の検討状況についてでございます。  開催提案書におきましては、札幌ドーム隣接地を選手村の候補地としつつ、真駒内地区等の既成市街地における整備についても検討するとしておりました。札幌ドーム隣接地での整備につきましては、開・閉会式会場との近接性やセキュリティーの確保など、アスリートファーストの視点で立地上のメリットがあります。一方で、仮設も含め、大規模な整備を必要とすることから、多額の費用負担が発生する可能性があります。  一方、真駒内地区での整備につきましては、1972年のレガシーの継承と、まちのリニューアルと連動した既存の都市機能の活用による開催地負担の抑制など、まちづくりやコスト縮減の観点からのメリットがあることから検討を進めてきたところでございます。  現在の真駒内地区における選手村の検討状況といたしましては、平成25年に策定した真駒内駅前地区まちづくり指針で示した区役所や学校等の公共施設が立地する駅前エリアを中心に、真駒内地区の共同住宅などの再整備と連動させて、選手村を整備できるかどうかについて検討しているところでございます。また、真駒内地区での選手村の整備は、既成市街地のリニューアルによる整備となりますことから、IOCが求める必要な規模が確保できない場合には、例えば市内の民間ホテルの活用などによる分村ということが可能かどうかについて、対話ステージにおいてIOCと協議してまいりたいと考えております。 ◆岩崎道郎 委員  私からは、オリンピックパラリンピック招致の機運醸成とオールジャパン体制の構築の大きく2点について伺いたいと思います。  冬季オリンピックパラリンピックの招致実現に当たっては、何よりも市民の支持が重要であります。このことは、先ほどお示しいただきましたスケジュールの道と市の動きの中で、来年4月に記載されております市民アンケートが非常に大きなポイントになるであろうと考えています。  説明の中にもありましたとおり、オーストリアインスブルックが、住民投票の結果、53%の反対ということで招致を事実上断念しました。そして、ヨーロッパでは、過去にも他都市でそういった状況があるやに聞いております。札幌においても、ある意味で4月の市民アンケートが一発勝負になるのであろうというふうに思います。これまでたくさん積み上げてきたものも、市民の理解が得られなければ、招致に手を挙げる、立候補することすらできないというところだと思っています。来年、いよいよ平昌オリンピックパラリンピックが開催されますが、ここで日本人、北海道のアスリートたちが活躍してくれるということも非常に大きなチャンスであります。逆の意味で言えば、市民理解をさらに得ていく機会はここしかないのかもしれません。ですので、これまでの間に機運を醸成していく、盛り上げていくことが何よりも重要なのではないかと私たちは考えているところであります。  そこで、最初の質問ですが、平昌オリンピックパラリンピックに合わせて、札幌へのオリンピックパラリンピック招致機運の盛り上げに向け、どのような取り組みを行うおつもりか、伺います。 ◎梅田 招致推進部長  平昌オリンピックパラリンピックの機会を捉えた招致機運の醸成についてのご質問でございます。  まずは、大会の前から、子どもたちがオリンピックパラリンピック教育で訪れている大倉山のオリンピックミュージアムにおきまして、歴代の冬季オリンピックで使われた聖火トーチを初めとした特別展示会を実施いたします。そして、広く市民にPRするために、同時期に開催される雪まつりと連携した体験型のイベントを実施するなど、オリンピックパラリンピックの魅力を積極的に発信してまいりたいと考えております。  これらに加えまして、大会に向けた機運を盛り上げる大規模なシンポジウムに合わせまして、どさんこアスリートの壮行会を実施いたしますほか、大会期間中にはパブリックビューイングを行うなど、身近な選手の活躍を市民みんなで応援して、感動を共有することができるような取り組みを集中的に展開することで、札幌への招致機運の盛り上げにもつなげてまいりたいと考えてございます。 ◆岩崎道郎 委員  ぜひとも、本当に盛り上がるような下支えを進めていただきたいと思います。  冬季アジア大会のときにも、アンバサダーの方にお手伝いいただいたり、ドリカムも開会式に音楽を提供してくださったり、さまざまな方にお手伝いをいただきながら機運が醸成されたと思っておりますので、ぜひとも、市民アンケートに向けて、アスリートだけではなくて、さまざまに応援してくださる方を多く募っていただきたいと思います。ことしは、ウインタースポーツに限らず、札幌のスポーツが非常に盛り上がりました。コンサドーレ札幌もJ1に定着しようというところにあろうかと思います。ぜひとも、全てのアスリートの方々に冬季オリンピックパラリンピックに力をかしていただきたい、そういったものを市からも発信していただけたらよいのではないかと思っております。  また、これは、2点目の質問にもつながるお話ですが、冬季オリンピックパラリンピック招致は、今申し上げたとおり、市民の支持が不可欠でありますけれども、さらに、これは国家的なプロジェクトで、北海道だけではなく、雪が降らず、ふだんはウインタースポーツに触れ合わない国民の皆さんにも応援していただかなければいけません。これも先ほどのスケジュールにありましたが、来年5月から6月にかけて国会の決議などもあります。札幌市民がやりたいと言っても、やはり大きなお金がかかりますので、日本の中で札幌だけやる意味があるのかという声が上がってはいけないと思いますので、やはりオールジャパンでしっかりと立ち向かっていかなければいけません。  しかし、このスケジュールをもう一度拝見しますと、2026年大会の開催都市が決まる2019年、ラグビーのワールドカップが日本で開催されております。そして、その翌年には東京2020大会がありますので、日本のスポーツ界にとっては、札幌の2026年大会の招致がそれほど注目されないおそれもあるのかなというふうに考えております。  そこで、質問ですが、オールジャパンで招致活動を進めるに当たり、どのような体制を構築していくのか、お伺いいたします。 ◎梅田 招致推進部長  オールジャパン体制の構築についてのご質問でございます。  2026年大会の札幌開催を実現するためには、JOC、国、自治体を初め、競技団体あるいは経済界が一つの目標に向かって招致活動に取り組む、いわゆるオールジャパン体制を構築して、それぞれがしっかりと力を注いでいくことが不可欠と認識しております。  そこで、IOCとの対話ステージ参加に当たりまして、関係団体が連携しながら計画づくりを進めるために、まずは、JOCを中心とした国、北海道等の関係自治体による横断的な組織づくりについて調整しているところでございます。さらに、2026年大会の正式立候補を行っていく段階となれば、閣議了解やスポーツ議員連盟等の賛同を得ながら、国会決議もいただくとともに、全国規模の競技団体や経済団体なども広く巻き込んだ大会招致委員会を立ち上げて、招致委員会を核としたオールジャパン体制で招致活動を推し進めていくことになります。こうした体制の構築に向けて、今後とも、北海道とともに国に対して招致活動への全面的な支援を要望していきますとともに、招致活動全般においてJOCに強いリーダーシップを発揮していただくよう働きかけてまいりたいと考えております。 ◆岩崎道郎 委員  いずれにいたしましても、市民の理解を得るには、平昌オリンピックパラリンピックで北海道、日本のアスリートが大活躍してくれて、こういった感動を札幌でも見たいなと思ってもらうことが大変重要だと思いますが、それと同等、いや、それ以上に、先ほど松井委員からもお話がありました開催経費が一番大きな市民の関心事だと思います。そういった意味においても、いかに負担を少なくしていくのか、子どもたちに夢を与えるはずのオリンピックパラリンピックが子どもたちの世代に過度な負担を与えることになってしまっては本当にとんでもないことだと思いますので、まずは、経費に関して抑えるところはしっかりと抑える努力を重ねていただきたいと思います。  そして、私は、今、南区真駒内に住んでおりまして、また、五輪団地に住んでいたこともありますので、この団地がどういう状況か、よく存じ上げております。オリンピック開催から45年という期間がたちましたけれども、札幌市は間違いなくオリンピックによって成長してきたのだと思います。やはり、次の50年に向けても、次の世代が使える施設の整備やオリンピックの考え方にしっかりと組み込んでいただきたいと思います。  この委員会で新潟県のアオーレ長岡というところに視察に行ってまいりましたが、ああいったスポーツ施設と市の施設が一緒になっているものなど、全国には参考になる設備がさまざまあろうかと思いますので、オリンピックパラリンピックを目指してつくる設備であっても、市民が今後50年使えて活用できる施設のあり方ということも十分に検討していただいて、持続可能で、そして未来目線のオリンピックパラリンピックというものを札幌から発信していただくことを要望しまして、私の質問を終わります。 ◆小口智久 委員  私からは、2点質問いたします。  ただいまの説明の中で、初のパラリンピックの開催を契機に、ユニバーサルデザインや心のバリアフリーの推進など、全ての人に優しい共生社会の実現が大会の目指す方向性とのことで、我が会派としてもぜひともなし遂げていただきたいと考えております。  一方で、説明資料3では、施設整備費の縮減に関する主な協議事項として、既存施設を利用する場合、施設整備の観客席基準の緩和が掲げられており、もし開催経費縮減のために既存施設のバリアフリー整備が十分に行われないとするならば、これは大会の目指す方向性と相反するものではないかと考えられます。開催経費を縮減することは、次世代に過度な負担を残さないという観点からも重要なことであると認識しておりますが、共生社会の実現という観点に加え、超高齢社会の到来やインフラの老朽化などへの対応を考慮すると、アクセシビリティーに十分配慮した施設やインフラの整備を積極的に進めていくべきと考えます。  そこで、質問ですが、開催経費の縮減を目指す中で、大会後を見据えた障がい者への配慮についてはどのように考えていくのか、お伺いいたします。 ◎梅田 招致推進部長  大会後を見据えた障がい者への配慮についてでございます。  今後ますます高齢化が進む札幌市においては、初のパラリンピックの開催に向けた取り組みを全ての人に優しい共生社会の実現を目指す契機としてまいりたいと考えております。さらに、大会開催に向けた施設整備については、ユニバーサルデザインの普及促進など、先駆的なまちづくりのモデルとしていくことが重要と考えます。  そこで、開催経費の縮減を目指していく中で、例えば、施設整備につきましては、既存の施設を積極的に活用しつつも、障がい者用の観客席やトイレを改修によりしっかりと拡充し、高いアクセシビリティーを確保してまいりたいと考えております。また、大会時のみにかかる費用といたしましては、仮設施設のグレードは下げながらも、選手や観客などの動線については、可能な限り障がい者対応を行ってまいりたいと考えております。  今後は、オリンピックパラリンピックを契機とした障がい者スポーツの普及やさらなる心のバリアフリー化に向けた取り組みを、障がい者団体や障がい者アスリートの意見も聞きながら積極的に進めてまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  ただいまご答弁いただきましたが、トイレと観客席を拡充し、動線も障がい者目線でしっかり対応していただけるということでございました。共生社会の実現に向けて、札幌で初めて開催されるパラリンピックの意義が損なわれることがないように、障がい者スポーツの関係者やパラアスリートとしっかりと連携をとって対話ステージに臨んでいただきたいと思います。  次に、オリンピックパラリンピック教育の推進について伺います。  私たち公明党は、かねてより、オリンピックパラリンピックの意義、スポーツの価値といったものをいかに子どもたちに伝えていくかが重要であると強く訴えてきたところでございます。  さきの代表質問において、前川議員が、オリンピックパラリンピック教育、いわゆるオリパラ教育の推進に向けた今後の方針について質問したところ、市長から、小学生向けの教材やオリンピックミュージアムを最大限活用しながら推進したい旨の答弁があったところでございます。  オリパラ教育については、昨年度、教育委員会において、オリンピックパラリンピック教育推進事業を開始し、研究推進校として29校が取り組み、今年度は倍の60校が実施予定であります。その取り組みは、オリンピアンやパラリンピアンを学校に招いた講演や児童生徒によるオリンピックミュージアムの訪問、スキーやスケートといった冬季競技の体験授業など充実した内容で、参加した子どもたちや教員からも好評と聞いております。今後、こうした研究推進校で得たノウハウを生かし、少しでも多くの学校がオリパラ教育に取り組んでいっていただきたいと考えております。  そこで、質問ですが、今後、市内の小学校、中学校においてオリパラ教育をどのように広めていくのか、お伺いいたします。 ◎梅田 招致推進部長  今後、オリパラ教育をどう広めていくかというご質問でございます。  オリンピックパラリンピック教育につきましては、国において日本全国への展開を目指した取り組みを進めているところでありまして、札幌市においても教育委員会と連携して積極的に取り組んでいるところでございます。今年度は、今後さらに多くの学校現場で取り組んでいただきますように、大学教授やオリンピアン、パラリンピアンなどの有識者で構成する検討会議を設けまして、子どもの発達の段階に応じた札幌らしいオリンピックパラリンピック教育の内容や実施方法について検討を重ね、小学生向けの教材や、中学校あるいは高校の教員向けに指導方法を解説した実践事例集などの作成をしているところでございます。  例えば、小学校では、3年生の社会科の市の様子の移り変わりという単元におきまして、1972年のオリンピック開催を契機に競技施設や地下鉄が整備されるといったことで、まちが大きく発展してきた様子を学べるように工夫した内容となっております。今後は、オリンピアン、パラリンピアンにも協力をいただきながら研究推進校を拡大するとともに、全校に対してこれらの教材を配付した上で、各種の教員研修や公開授業の場などを通しまして活用を働きかけるなど、より多くの学校に札幌ならではのオリンピックパラリンピック教育を広めてまいりたいと考えてございます。 ◆小口智久 委員  ただいま答弁いただきましたが、高校、中学校については教員向けの事例集、また、小学校については教材を配付し、社会科の授業で工夫して使えるようにということでございました。  私も、札幌市のホームページで副教材(案)を拝見させていただきましたけれども、さまざまな角度で子どもたちに伝えたい内容がちりばめられておりました。また、1972年の札幌大会に関するページを開きますと、当時を思い起こす内容がコンパクトにまとめられており、私もわくわくして、これは、子どもばかりではなく、親の世代にも見ていただきたい内容だと思いますし、小学生の手に届く日が待ち遠しいと感じております。  また、話は変わりますが、来年1月16日から18日の3日間については、小学生を対象に6種目の体験教室、さっぽろウインタースポーツ塾も開催されます。これからを担う子どもたちに札幌ならではのウインタースポーツに挑戦してもらい、体力向上はもちろん、感謝の気持ちや協力する心、やり遂げる力など、生きる力を醸成できるよう要望して、私からの質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からも、質問させていただきます。  先ほどの質疑の中でもありましたが、冬季オリンピックパラリンピック招致に当たって、市民が最も関心があって、また不安に感じていることは、開催に係る軽費、大会が終わった後の競技施設の維持管理に係る経費など、札幌市の財政負担がどうなのかということです。さきの代表質問では、札幌市の財政負担についても丁寧な説明を行い、ご理解をいただいていくことが何よりも重要であり、今後についてはあらゆる機会を通じてわかりやすく丁寧な説明に努めると答弁されています。  我が党は、この間、市民アンケートにおいて、市の財政負担がどうなのか、大会後の負担はどうなのかという不安や疑問が最も多いことから、市民との議論を積み上げていき、しっかりと市民の意見を聞き、応えていく姿勢を持つべきだと求めてまいりました。  そこで、改めて、市民の不安や疑問に対しては市民の声を尊重すべきだというふうに思いますがいかがか、伺います。 ◎梅田 招致推進部長  オリンピックパラリンピック招致の取り組みを進めていくに当たりましては、何よりも市民の理解というものが大前提になっていくと思います。  そこで、今、市民の懸念として、オリンピック開催に伴う経費の市民負担が非常に大きいということについては、私どもも肌で感じているところでございます。したがいまして、今後取り組みを進めていく上で、やはり、オリンピック開催に伴う経費は常に透明性を持って市民の皆様に公開しながら取り組みを進めていく必要があるというふうに考えてございます。 ◆田中啓介 委員  透明性を持って説明していくということでしたが、説明して、また理解してもらうという一方通行的な周知ではなくて、これまでも行ってきております出前講座などにより、双方向的に市民の声を聞く場をこれからも積極的に設けていくことをまず求めておきます。  次に、資料3の施設配置計画等について、施設整備のコンセプトの財政のところでは、分散開催(一部競技)の検討により、さらなる施設整備費の縮減へとあります。また、その下の持続可能性では、既存施設を最大限活用するとともに、後利用を重視し、大会後も稼働率の高い施設として整備とあります。冬季オリパラで言うと、例えば、アルペンスキー、クロスカントリー、スノーボード、スケート、カーリング、これらの競技会場は、オリパラの大会が終わった後でも市民が気軽に利用できるような会場だと思います。一方で、スキーのジャンプの場合、例えば、大倉山ジャンプ競技場は、日本の代表選手などが練習する施設、または国際的な大会を開催するための施設であって、市民が気軽に利用できるとはなかなか考えられませんし、稼働率を上げることもできないというふうに思います。大倉山ジャンプ競技場では、FIS、国際スキー連盟が行う国際大会の基準に合ったものに改修しなければなりませんが、その改修費用は、全額、本市が負担していると聞いております。  また、先ほどの説明でもありましたが、資料2の開催経費縮減に向けた国への要望事項及び対話ステージでの交渉項目の2の国への要望事項についてでは、競技会場となる真駒内屋内競技場とボブスレーなどの競技会場は国立としての整備を要望するということでした。大会に向けての支援については、前回、国に対する財政的な支援を求めるべきという私の質問に、スポーツ庁からは招致が決まれば国としてしっかり支援したいと言われておりまして、引き続き国に対して支援を要請してまいりたいと答弁されております。  そこで、質問ですが、オリンピックパラリンピックのためだけではなくて、その後の競技施設の維持管理に係る費用は国が財政的な負担を持つべきだというふうに思いますがいかがか、現在、その点については国とどのような協議をしているのか、あわせて伺います。 ◎梅田 招致推進部長  ジャンプ競技場のような施設については、国が経費を負担すべきではないかというご質問でございます。  大倉山ジャンプ競技場あるいは宮の森ジャンプ競技場につきましては、国が指定するナショナルトレーニングセンターの競技別強化拠点施設となっておりまして、アスリートが施設を利用するための環境整備に係る経費については、国から事業費の交付を受けております。しかし、例えば国際大会基準に改修するような施設の改修費につきましては、現在は補助の対象となっておりません。
     そこで、オリパラの招致を契機に、こうした施設改修費についても国からの支援が得られるように、今後、国に対して働きかけを強めてまいりたいというふうに考えております。 ◆田中啓介 委員  大会後、大倉山ジャンプ競技場を利用できる一般市民はほとんどいないというふうに思います。国際大会を目指している人、また、アスリートなどが利用するような施設であって、その改修のための費用は、札幌市が持つのではなく、市民負担にならないよう国に求めていくべきということを要望して、質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  この特別委員会ができて、招致をするかどうかという最初の議論のときに、私は、こう市長に問うたのです。記録に残る大会ではなくて、記憶に残る大会にしようと。それは何かといったら、オリンピックパラリンピックの同一期間内開催ということができるならば、私も賛成だと申し上げました。その後、推移を見ていると、札幌市がJOCに働きかけた段階で、JOCは、IOCのオリンピック開催の立候補の条件としてそれはだめということで、そこでもう終わっております。  そこでまず、一つお尋ねしたいのは、経費を膨張させる、多額のお金を集める、こういう膨張路線は各国それぞれの世界的な経済の行き詰まりから無理になったということで、幾つかの都市が立候補しても住民投票で否決されて撤退するということが起きております。そして、我が国では、2020年の東京大会において、経費が当初よりも膨らんで、多くの都民、国民の批判が出て、知事選挙では小池百合子さんが圧勝することになり、それらを受けて、IOC、国際オリンピック委員会も、今度は経費などを見直していくことに大きくかじを切るという経過をたどってきております。翻ってみると、ブラジルで開催した大会も、ブラジル自体が財政難で、ようやく開会にこぎつけたというようなことで、その後は非常に厳しい経済状況に置かれていると報道されております。  そんな中で、国際オリンピック委員会は、今度はいわゆる事前協議をしましょうということになってきたわけですが、まず最初に、市長は、オリンピックパラリンピックの同一期間内の開催について、札幌市としてこの事前協議で要請する気持ちはあるのかどうか、これをお聞きしたいと思います。 ◎秋元 市長  今、ご質問のオリンピックパラリンピックの同時開催についてであります。  2026年の招致についていろいろな議論をする中で、私は、この件について、JOCの竹田会長に可能性としてどうなのだろうかとお尋ねしたことがあります。今、委員がおっしゃられたように、これまでの状況の中では、オリンピックパラリンピックを同じ会場を使ってやるというところまでは国際オリンピック委員会パラリンピック委員会では合意していて、それがオリンピック憲章の中にも盛り込まれる状況になっています。ただ、現実的には、両方の大会を同時にやるということは、その分の選手村の数や会場が複数要る、そういうことにもなって経費の増大にもなるので、現時点では、そういう前提で議論するのは非常に難しいというお話がありました。  そういう意味で、その基本路線というのは、そう変わっていないのだろうと思います。今の松浦委員のお話のように、オリンピックそのものの存在意義が問われるといいますか、そういったことが議論にもなって、そのことが経費全体の節減と持続可能なオリンピックを開催するということにもつながっていくのだろうというふうに思います。その議論の中の一つとして、例えば、完全な同一ということは難しいけれども、何らかのことを一緒にやることはできないだろうかという議論はあるかもしれません。しかし、現状のオリンピックの招致プロセスの中では、それを前提とした議論にはなっておりません。  ですから、これは、JOCともいろいろ話をしていかなければいけませんけれども、現実的には、今、IOCとその件で直接お話ししていくのは難しいのではないかというふうな認識を持っております。 ◆松浦忠 委員  私が知る限りの今までの歴史を振り返ってみると、新しく踏み出すときにはいろいろなことが言われますし、いろいろな困難もあります。しかし、そこで提起をして議論を始めていかないと、そこの扉は開いていかぬのです。  戦後のオリンピックを思い浮かべてみると、施設でも経費でも、質を高めていく、拡大していくという路線でずっと来ました。しかし、ここに来て、それはもう無理だということになって来ました。ですから、国際オリンピック委員会との事前協議などというのは、少なくとも近代オリンピックが始まって以来、初めての大転換なのですよ。そういう点では、協議に挑む中で、そういうことについて話題にして、話をして、全面的にはいかぬとしても、可能なものを幾つかでもやるとか、何らかのそういう道をつくっていくことが大事ではないかと私は思うのです。  そういうようなことについて札幌市が一生懸命やるよということになれば、また、市民の理解も、そういうことも含めて、それではという面も出てくるのではないかというふうに私は思っているのです。ですから、それは、協議の中で、全部とはいかなくても、一つでも二つでもそういうものが入っていくようにと。例えば、競技期間についても、全部が同一期間でなくても、競技の進行の組み立て方によって、早く終わった選手は帰国するでしょう。そうすると、終わりのほうで期間を重複させて、その中で幾つかをやるとか、最終的にそういうことに到達していくよというふうに、いわゆるとば口を開いていくことが大事だと思うのですよ。  その辺について、私は、ぜひやっていただきたいと思うのですけれども、市長、いかがでしょうか。 ◎秋元 市長  一つの考え方として、これからのオリンピックパラリンピックの持続的な開催に向けての議論という意味で有意義なご提案かというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  これは、ぜひやっていただきたいと思います。  それから、二つ目に、選手村です。  当初、市が発表した今のドームのそばの土地を再開発していくことについて、私にもいろいろな人から意見が寄せられました。寄せられた中には、せっかく住宅街に近いところに手つかずで残っている自然をわざわざ住宅地に変えていく必要はないのではないか、あれはあれで残していくべきではないかという意見がかなり多いです。北海道自然保護協会の在田会長はもちろんですけれども、一般の方でも、いろいろと意見を聞いたら、そういう方が多いのです。  したがって、私は、選手村については、そこに新しくつくることはやめて、できるだけ経費をかけないということで、札幌が新たな出発点となるような大転換を図ることも大事ではないかと思います。そういう点からいったら、先ほどから出ている、あるいは答弁にもあったように、分散ということも視野に入れて、そして、その分散が地域の再生につながっていくことなども考慮しなければいかぬのではないかと思います。  そして、そうした分散は、真駒内ばかりではなくて、市内の幾つかの場所で可能ではないかと思います。例えば、新さっぽろでは、当初描いた副都心構想がいまだに進んでいない。新さっぽろをどうするのかということとか、札幌市の都市計画においても、中心部一極集中だけではなくて、それぞれの生活圏を中心にしたまちをどう構築していくかというような視点も含めて、こういう機会にそうしたものを活用して、後にそれが生きていくということもあると思うのです。  したがって、率直に言うと、ドームのそばの選手村という考え方はご破算にして、新たにそういう視点で考えていくべきではないかなというふうに思うわけですけれども、市長はこういう考え方についてどう思われますか、お尋ねいたします。 ◎秋元 市長  選手村に関する従前のIOCの考え方は、いろいろな種目の選手が一堂に会するということもオリンピック開催の一つの意義だと言ってきました。しかし、状況がいろいろ変わって、例えば、会場そのものも分散開催を認めるとなると、全ての競技を1カ所の選手村でカバーする必要があるのか、宿泊施設である選手村も分散化してもいいのではないかという考え方が出てくるのは当然であります。そういう意味では、IOCとの協議の中でさまざまな可能性を議論していきたいと思います。  やはり、持続可能なオリンピックの開催ということは、そこで建設したものがその後も持続的に使われるかどうか、そのまちに必要なものとして残していくことができるのかということが大きな視点になると思いますので、そういう点を踏まえて十分検討していきたいというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  次に、施設整備の考え方です。  日本国内で言うと、戦後、国民体育大会が始まって、各県の持ち回りでずっとやりました。最初に北海道に来たのはたしか昭和30年か31年ぐらいだと思うのですが、いろいろと整備しました。その後、ずっと回って2巡目に入り、ほとんどのところはつくった施設の維持管理に苦慮しています。さらに、札幌の冬季オリンピックも長野もそうです。  したがって、私は、国際オリンピック委員会が基準を決めて、これで整備しなければだめですという今までの考え方を変えて、それぞれの開催地域に合った基準に変えていってもらう。これは札幌だけの問題ではなくて、国際的に、どこの都市が手を挙げても、よっぽどお金持ちのところは別にして、例えば、本来は雪の降るこういうところでやったらいいよねと思う地域でできないことになると思うのです。そういうことについて、こういう事前協議という期間ができたわけですから、私は、札幌市として思い切ってそういうことを提案していくべきではないかなと思うのですけれども、いかがですか。 ◎秋元 市長  競技施設の中で一番議論になってくるのは、一つは観客席の数だと思います。大きなものをつくると、その大きなものをずっと維持していかなければいけないことになりますので、現状でも仮設で臨時的に対応するものと常設で残すものといった機能を振り分けていくことになります。当然、施設の維持、持続可能なオリンピック開催ということについては、IOCとしてもいろいろなことをお考えだろうというふうに思います。そういう意味で、我々としても、さまざまな可能性について提案していければなというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  それから、競技の開催都市ですが、オリンピックで、みんながその場所に行って視界の中で確認できて感激するのはジャンプとスピードスケートだと思うのですよ。選手が競技しているところをずっと肉眼で見られるわけですからね。そういう点では、スピードスケートを帯広で開催するということについてはいかがなものか、できればやっぱり札幌で開催すべきではないかなというふうに私は思うのです。  これは、施設整備に多少のお金がかかっても、今後、札幌でスピードスケートの国際大会などを開催していくことになったらそういうものが必要なのですね。最初のオリンピックのときに、真駒内の競技場をああいう形で整備して、あれが国内大会でも国際大会でもずっと使われてきております。そういう点では、私は、金がかかっても真駒内の屋外スピードスケート場は整備すべきだというふうに思うのです。それこそが今後にもずっと生きていくというふうに思うのですけれども、この辺はいかがでしょうか。 ◎秋元 市長  いろいろな施設が市内で全て充足され、それを持っていることができるのであれば、それは望ましいことだろうというふうに思います。しかしながら、誰が経費を負担していくかという議論をしていく過程の中で、例えば、北海道内にそういう施設があるのであれば、北海道としてそういったものを使っていくというのも一つの考え方であります。  ですから、現状の中では、既にある帯広のオーバルを使うということで、ただ、先ほど言いましたように、IOCとの議論の中では観客席との折り合いがどうつくかという結論がまだ出ておりませんので、まず、帯広の十勝オーバルを使うということを前提とした議論に入りたいというふうに思っております。 ◆松浦忠 委員  観客席だとか何かで求められているだけの席の確保が難しいのかなという新聞報道も一部でありますが、そういった場合には真駒内に転換してもいいのではないかなというふうに思います。これは、ぜひ、そういうことを念頭に置いて協議していただきたいと思います。  次に、財源の関係です。  財源は国と言うけれども、国も、この間、日銀が国債をどんどん買い入れるということで、さて、日銀そのものがもつのかなというような状況に今は来ております。そういう中で、国と言ったって、しょせんは国も我々の財布から出ていく金の先ですからそういうことを考えたら、まず、札幌市がどうやって金を集めるかということに相当知恵を絞ってやらなければだめだと思うのです。  今回、東京の2020年大会で、地方開催の経費についてどうするかということがいろいろとあって、東京都は最後に宝くじに求めました。そういう意味では、宝くじも一つの方法だと思うのです。そのほかに、例えば、全国あるいは世界に寄附金を募って、施設を整備したら外壁や内壁にでも名前を記していくとか、いろんな方法を考えて、やっぱりお金を集めるということに最大の知恵を絞らなきゃだめだと思うのです。お金については全部を国に頼ってなんて、そして、施設は市民の理解を得て後のことをというのは、私はちょっと違っていると思っています。何事をやるにも、まず、お金をどうするかということを考えなければならない。やはり、お金は、最大限、自分たちでと。臨時課税なんていうことは考えぬけれども、いろんな形で市民が出したくなる、国民が出したくなる、あるいは、世界の人も、そうか、それならば、俺の名前をそこに残すのに100ドルぐらい出すかとか、そういうような知恵を出して、まず、金集めに一生懸命奔走する。そういう中で、どうしても足りぬ分については、全国民の皆さんに対して、国という機関から支出を求めるということでなきゃいかぬと思うんですよ。そうでないと、金はあなたで、競技を開催することについてのみ、条件の話し合いだとか、あるいは市民の理解を得るということでは、なかなか市民の理解も得にくいと思うのです。金を集めるのに具体的にこういう方法でやるから何ぼかでも協力してくれぬかと、こういうことを市民にも語りかけ、そういう中でやりたいという人がふえていくのだろうと思います。  今の段階で私が聞いている皆さんから寄せられるオリンピックについての意見は、私が何て言われたかといったら、あなたは、なぜオリンピックについて議会の場で反対だと言わないんだということでした。そこで私が答えたのは、パラリンピックオリンピックを同一期間で開催して一つの経費の中で賄う、そうすることによって、障がい者団体の競技が成り立っていく、そしてまた、みんなの理解もさらに深まっていく、そういう前提条件で私は賛成したんですと答えたら、それならなるほどなという話になったのです。  したがって、私は、お金についてはそういう方法でぜひやるべきだと。過去の開催都市を見ると、私が調べた限りでは、夏、冬を合わせてもこういうことをやったところはありません。これもまた、IOCと事前協議をするとき、札幌市みずからが最初にここに手を挙げてやっていくということが大きな転換になっていくのではないかなというふうに思うのですが、市長、いかがでございましょうか。 ◎秋元 市長  松浦委員の非常に前向きなすばらしいご提案だというふうに思います。そういう意味では、多くの市民の皆さん、国民の皆さんがいろいろなことを考えていくきっかけとして、このオリンピックパラリンピックの開催の議論を進めていければというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  最後に、市民意見の集約については、今回、どの程度のことを考えているのかわかりませんが、思い切って住民投票をやってみることも一つの方法ではないのかなと思います。その住民投票をやる前に、市民に内容をきちんと説明して、その上で住民投票してみる、意見集約としてはこれが最もいい方法ではないかなというふうに思うのですね。  この辺についてはいかがですか。 ◎秋元 市長  自治基本条例の中でも、住民投票を条例で制定できるとうたわれております。住民投票という直接民主主義と議会制民主主義には、さまざまな議論があるというふうに承知しております。オリンピックパラリンピックに限らず、住民投票の是非については、今の札幌市議会との関係の中で、今後、そういう議論が出てくるだろうというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  まとめて言いますと、私が聞いている限りでは、なぜこういう経済状況の中でオリンピックをやらなきゃいかぬのかという市民の意見のほうがまだまだ多いです。そういうことからしたら、これから事前協議をして、そして、その事前協議の中で詰まった内容についてしっかりと市民に説明すると同時に、正式な住民投票にするか、あるいは、もどきにするかは別にして、ほとんどの市民が何らかの意思表示をできる、少なくとも前回の統一地方選挙の投票率に近いぐらいの意思表示がされる、こういうような方法を講じて今度の大会は可否を決めていくと。オリンピックを開催するとすれば、それをやることが本当の意味での市民理解と成功につながっていくのではないかというふうに私は思っております。  ぜひひとつ、市長においては、ここのところを念頭に置いて今後進めていただきたい。また機会があったら、質疑を深めていきたいというふうに思っております。 ◆中山真一 委員  委員の皆さんからるる質問がありましたが、そのやりとりも踏まえながら、私からは、施設整備について伺いたいと思っております。  先ほど市長からもお話がありましたが、私は、基本的に、スポーツ局招致推進部の皆さんを中心に、過去の大会や東京も反面教師にしながら、将来にできるだけ負担を残さない持続可能な大会にすべく準備を進められている点を評価しております。  しかし一方で、一部に不明確な部分もありますので、本日は何点か確認させていただきたいと思います。  オリンピックパラリンピックの話は、特に長期の視点で考えることが必要だと思います。大会は短期間ですけれども、施設は、その後50年、存在いたします。それだけに、大会中も大事ですけれども、大会後について考えるのはもっと重要だと考えます。  大会費用については、いわゆる経費と投資を分けて考える必要があると思います。期間中しか使わないもの、例えば、仮設の部分であったり、セキュリティーや輸送などは経費になります。一方で、施設整備は、将来に向けての投資ですから、投資対効果の見きわめが大変大切になります。その投資の原資は、市民・道民、そして国民の税金です。しかも、将来の子どもたちのお金であります。市民が理解、納得できる合理的な提案、説得力のある計画が必要であります。  施設整備について、6月の委員会で、梅田部長は、建てかえなのか改修なのかも含め、ライフサイクルコスト、レガシー等、総合的に検討を進めるとおっしゃっておりました。この総合的にというのは、いわゆるライフサイクルコストや需要予測などを行い、収支計画を立てた上で投資対効果を判断されているというふうに思います。  そこで、伺います。  施設ごとに、建てかえなのか改修なのかも含め、具体的にどのように投資対効果を検証されているのか、伺います。 ◎梅田 招致推進部長  オリパラの施設整備に関しての投資対効果をどのようにはかっていくかというご質問だと思います。  現在の検討状況といたしましては、昨年の開催提案書でお示ししました施設計画の概略について見直し作業を進めているところでございます。また、施設配置計画につきましては、開催経費縮減の観点からも可能な限り既存の施設を活用することとしておりまして、現在の計画では建てかえとなる札幌市所有の競技施設は月寒体育館のみとなります。  今後、IOCとの対話ステージにおいて施設規模などに関する協議を行っていきまして、立候補ファイルに向けての計画を策定していく段階において、競技施設のうち、建てかえとなる施設については投資対効果などを検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆中山真一 委員  今、部長のお話だと、今後やりとりをして、立候補ファイルを出すタイミングで投資対効果を明らかにしていきたいということでした。  しかし、我々が常に頭に置かなければいけないのは、前回の札幌の大会のときとは社会状況が全く違うということだと思うのです。これまでの委員の方々とのやりとりを聞いてまいりましたけれども、オリパラが終わっても、施設はその後50年続きます。43年後の2060年、札幌市の人口は現在よりも3割、53万人減の143万人、北海道は5割近い243万人が減って308万人になります。前回の札幌大会からこれまでの45年間とこれからの45年間は、全く違います。  そんな中で、先ほどるるお話がありましたけれども、市民の方々の心配は、自分たちの多くの税金を投じて施設を整備しても、それが無駄になる、負の遺産になるのではないかという点であります。その後、借金と維持費を払い続けなければならないことへの不安は大きいと思います。ふだん、市民の皆さんとお話をしていますと、この点は、旗を振っている札幌市との間に、残念ながらまだまだギャップがあるなというふうに感じます。  例えば、レガシーのお話ですけれども、IOCは崇高な理想を掲げております。もちろん、さまざまな無形のレガシーは否定しませんし、我々も、それを高めるべく最大限努力をすべきだと思います。しかし一方で、市民には日々の生活があります。IOCの貴族の皆さんと違って、我々自治体は市民の生活に向き合っていく責任があります。そこにギャップが生まれます。  近年では、オリンピックの成功モデルと言われるのが2012年のロンドン大会です。ロンドンでは、この市民とのギャップを埋めるために、招致段階からさまざまな工夫をしておられます。ロンドン大会成功の立役者と言われるのは、大会組織委員会のセバスチャン・コー会長です。彼は、元陸上選手であり、IOCの委員でもありますが、施設整備について、招致段階から、施設のレガシーはいわゆる象徴ではなく活用だということを強調されておりました。東京の組織委員会の森会長が、施設のレガシーについて頻繁に象徴という点を強調されていたのと大変対照的であります。ロンドンでは、施設整備について、この施設のレガシーはいわゆる象徴ではなく活用だという理念に基づいて、その後50年をどう活用するかを招致準備段階から詳細に検討しておりました。この点、後利用についていまだに見通しの甘さなどが議論になっている東京とは大きく違います。  本市においても、施設整備について、後利用の多目的化等で稼働率の高い施設を実現することをコンセプトとして挙げております。例えば真駒内屋内競技場は、北海道の施設でありますが、建設費は約272億円、客席は1万2,000席、後利用については、冬はフィギュア、通年はイベントや展示会などで活用としております。  そこで、真駒内屋内競技場の整備について具体的に伺いますけれども、これはどのような試算に基づいて高い稼働率が見込めると判断しているのか、伺います。 ◎梅田 招致推進部長  真駒内の屋内競技場につきましては、北海道が所有する施設でございますので、冬季オリンピックパラリンピック後における活用の可能性についてはこれまで北海道と協議を重ねてきたところでございます。稼働率につきましては、スポーツに限らず、多様なイベントで活用される可能性が高いと伺っておりまして、施設としての特性や後利用の方向性も含めて、北海道で判断し、国立施設としての建てかえを要望すると伺っております。 ◆中山真一 委員  今のお話にもありましたが、この施設だけではなくて、他の施設も、後利用についてかなり頻繁にイベントや展示会という言葉が随所に出てきますけれども、私は、その見通しについて若干心配しているところであります。  本市においても、MICE施設の新設が予定されております。札幌ドームの稼働も埋める必要が出てきました。ファイターズも新球場をつくろうとしております。近隣の都市では、IRも建設される可能性が出てきました。今後の需要予測においては、競合などの外部環境についてさらなる丁寧な分析をお願いしたいというふうに思います。  さて、先ほど機運醸成の話がありましたけれども、幾らお金と労力をかけて情報発信しても、肝心の中身に説得力がないとご納得いただくことは大変難しいというふうに思います。過去の委員会の議事録を調べておりましたら、平成27年9月のこの委員会で、レガシーについて、伊与部委員の質疑がありました。恐らく、これが伊与部委員の最後の質疑になったのだと思うのですけれども、その中でこんなご指摘がありました。伊与部委員いわく、レガシーと言っても市民にはわかりづらい、もっとわかりやすく細かく具体的に説明しないと、市民もなかなか納得できないという指摘でした。さすが、本質をついたご指摘だなというふうに思いました。  市長も、先ほど、事あるごとに丁寧に説明される、市民の理解が大切というふうにおっしゃっておりました。また、これを機会に市民の皆さんがいろいろな議論をしていくきっかけになればいいというお話もありましたが、市民の考えを聞く、丁寧に説明するというのは、情報公開に尽きるというふうに思います。お互いに近いレベルの情報を共有していることが大前提となります。  施設整備について、投資を判断するにはその材料が必要です。当然、市民の皆さんから税金を投じて大会を招致するかどうかの判断をいただく際に、最大限の大会後の青写真を示す必要があると思います。住民アンケート前の開催概要計画公表の際には、施設整備に対する市民の不安に最大限応えていくことが必要だというふうに思います。  先ほども、立候補ファイルを作成した時点でいろいろな試算を出したいというお話がありましたけれども、私は、施設のライフサイクルコストや需要予測に基づく収支計画、その後の運営負担などについて、このタイミングで住民の皆さんに最大限お示しすべきだというふうに思いますが、ご見解を伺います。 ◎梅田 招致推進部長  市民への公表のタイミングということです。  一つは、これからIOCと具体的な協議をしていった後に、正式に立候補するということになれば、アンケートを実施する必要があるので、その時点での計画案については、アンケートの前にできる限り細かく市民にお示しする必要があると考えております。その時点で、例えば施設の運営費も含めた収支計画がつくれるかどうかということについてはかなり難しい部分があると思いますけれども、大規模な競技施設の建てかえといったものについては、ライフサイクルコストなどの観点も含めて、できる限り市民への説明責任を果たしてまいりたいというふうに考えております。 ◆中山真一 委員  今後、施設の状況も変わってきたり、IOCも含めていろいろなやりとりがされていくので、当然、変動はあると思います。ただ、市民の皆さんにご判断いただく際に、特に大会後について、どこまで説得力のある材料をご提供できるかというのが大変大事になってきますので、その辺は最大限のご努力をお願いしたいというふうに思います。  今は、プロセスも含めて、最大限、情報を明らかにすることが必要だというふうに思います。そこで市民と対話して合意を形成していく、そうでないと、何か都合が悪いから隠しているのではないかという疑念を持たれて、信頼性がどんどん低下していきます。まさに東京で起きていることだと私は思いますけれども、本市においては、ソチや北京、東京とも違う、いわゆる札幌らしい正直で透明でオープンなオリンピックパラリンピックを目指して進めていただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆宗形雅俊 委員  2巡目なので、簡潔に聞いていきたいと思います。  まず、メディアセンターについて、当初の開催概要計画では共進会場跡地ということでしたが、コンベンションセンターを利用するということで、これはこれでいいのではないかと思っております。そして、メディアが1万名ぐらい来るということで、宿泊する市内ホテルの不足に対応するため、メディア村を設置していくということですが、24時間稼働で1,000ベッド、三ツ星レベル以上の施設と概要計画の中ではうたっております。  そこで、当初、共進会場の近くという思いがあったと思いますが、コンベンションセンターとなったときにそういったスペースがあるのかどうか、それから、どちらにしても仮設になっていくと思いますけれども、何をもって三ツ星なのかということがよくわからないので、設置の可能性や経費縮減の可能性のことについてお聞きします。  それから、選手村について、私どもの会派の松井委員から真駒内ということが出ましたが、改めて確認したいと思います。  概要計画では、当初は札幌ドーム周辺に新設とうたっておきながら、もう一つは真駒内もあり得るということでした。今回は、どちらかというとドーム周辺のところは余り大きく出ていなくて、真駒内を使っていくということですが、ドーム周辺の選手村の計画はなくなったのかどうか。  さらに、それに基づいて、真駒内もしくは分村という話をしています。ただ、先ほどもお話が出ていたように、真駒内駅前地区まちづくり指針というのがありますが、あれはどちらかという機能ですし、この指針をつくったときにはオリンピックの選手村という想定はないはずで、そういう中でどのぐらいの受け入れキャパを考えているのか。  それから、民間施設の借り上げ等々ということがありますが、この場所はどういうところを想定しているのか、また、URの関係もあるかと思うので、この辺はどうなっているのか、お聞かせ願いたいと思います。 ◎梅田 招致推進部長  メディアセンターと選手村についての質問でございます。  まず、メディアセンターにつきましては、昨年の開催提案書の時点では、委員がご指摘のとおり、共進会場の跡地にIBCとMPCの二つの機能を持った大型のメディアセンターを配置するという計画を立てておりました。今回は、IOCとさまざまな協議ができるということで、できるだけ既存の施設を使うことになれば、アジア大会でもメディアセンターとして使った施設であるコンベンションセンターを使いたいと考えております。ただし、コンベンションセンターの規模は、少なくともこれまでのオリンピックパラリンピックメディアセンターと比較するとかなり小さくなります。したがいまして、例えば、IBCとMPCを分散し、メーンプレスセンターとしてコンベンションセンターを使い、国際放送センターを別の場所に整備するということで、まずは分散すること、そして、IBCのほうは規模をもう少し縮小できないかといった可能性についてIOCと協議してまいりたいというふうに考えております。  もう1点、真駒内の選手村の関係についてです。  まず、札幌ドーム案というものがなくなったのかということについてでございますが、開催提案書に記載しておりますとおり、札幌ドームの隣接地を選手村として整備するというのは、候補としては依然としてなくなっているわけではありません。ただし、先ほど松井委員のご質問にお答えいたしましたとおり、札幌ドームの隣接地を使うことになりますと、アスリートファーストの観点では非常にメリットが高いのですが、仮設も含めて大規模な開発が起き、多額の費用負担が発生いたします。そこで、真駒内地区の再整備による選手村の整備が可能かどうかということについて、今回のIOCとの協議のテーマにしていきたいと考えているところでございます。  それから、真駒内地区の選手村はどれくらいのキャパになるかというご質問でございますが、これにつきましては、まさに真駒内地区リニューアルと連動した選手村の整備となりますので、我々として、現時点で明確にどれぐらいの選手村のエリアにするかということを決めているわけではございません。先ほどもご答弁申し上げましたが、真駒内駅前地区の公共施設群を中心としたエリアに周辺の住宅の建てかえを合わせて選手村としていかに整備していけるかということについては、真駒内のまちづくり計画と連動させて今後検討していきたいと思っております。まずは、IOCに対して、これまでの基準と違う、いわゆる分村を前提とした検討が可能かどうかについて協議してまいりたいと考えております。したがいまして、今の時点では、例えばURのどこの団地あるいはどこの民間住宅を予定しているかや、具体的なエリアを定めているわけではございません。  それから、メディア村につきましては、当初の計画では、共進会場の近くに1,000人ぐらいのメディアの方が泊まれるホテルを用意することにしておりました。今回、コンベンションセンターの近くに同じような1,000人規模の既存のホテルがメディア村として使えないかどうかについて、今後、IOCと協議してまいりたいと考えております。 ○しのだ江里子 委員長  経費にかかわることも質問がありましたね。 ◆宗形雅俊 委員  今、委員長が言ったとおり、メディア村に対する経費縮減の可能性はどうなのかということだったのですが、次に答えていただきたいと思います。  選手村についてですが、これはまちづくり政策局と重なりますので、スポーツ局だけでは結論を答えづらいのかもしれません。ただ、今回、まちづくり指針に基づいて調査業務を発注していまして、コンサルがこれを受け、どんな案なのか、まだ出てきておりませんけれども、施設配置として五つぐらいの案を例示していくということまでは承知しておりますので、その中に仮に選手村が来た場合の配置というものが入っているのかどうか、わかれば教えていただきたいのが一つです。  それから、IOCの総会で開催地を決定するのは2019年ですから、2年後に開催できるかどうかが決定されます。今は2026年を目指して招致しておりますが、平昌、北京とアジアが続きますので、3回目もアジアとなると、北米やヨーロッパが手を挙げれば、地域性ということで3連続アジアというのは非常に厳しいだろうと言われております。どこが手を挙げるかはわかりませんが、仮にほかが手を挙げて2026年の札幌開催ができなかったときに、次となるのかどうかは別にして、私は南区選出議員でありますから、オリンピックの開催が延びたから真駒内駅前地区の整備がさらに延びていくというのは、まちづくりというか、都市計画の面で、そういうことによって計画が左右されていくのはどうかと考えております。  先ほど言いましたように、これはどちらかというとまちづくり政策局に聞くことかもしれませんが、優秀な石川局長もおられますから、そういったところの考え方等々について、我々も地元の方にいろいろと聞かれますので、今後、どう対応していくのかという根本姿勢を教えていただければありがたいなと思います。  最後に、これは私の記憶で、認識違いかもしれませんが、今回、メーンターゲットが市民・道民ということで、先住民族への理解促進という項目が入っておりました。しかし、過去の概要計画の中にはこういうことが入っていなかったような気がします。誤解しないでほしいのは、私は先住民族について否定するわけではなくて、当然、オリンピックですから、いろいろな国、地域、人種の方が来られて、平和の祭典ということでもありますが、あえてここに挙げてきた理由はどこにあるのかということもあわせてお聞きしたいと思います。 ◎梅田 招致推進部長  真駒内のまちづくり計画と選手村の整備の関連性に関してのご質問でございます。  まちづくり政策局との間では、まさに、真駒内のまちづくりと選手村をいかにタイミング的に合わせていけるかどうかということについて検討を進めているところでございます。今年度、委託してつくろうとしている真駒内のまちづくり計画に従来で言うところの規模の選手村を取り込むことについては、非常に難しい面があるかと思います。いずれにいたしましても、大きな考え方といたしましては、真駒内のまちづくりは、オリンピックがあろうとなかろうと進めていくべきものというふうに考えております。そういう中で、オリンピックが来たときに、既存のまちづくりリニューアルに選手村を絡ませることができるかどうか。それをすることによって非常にコストを削減できる、あるいは、それが一部しかできない場合に、IOCのこれまでの基準を緩和した分村ということができるかどうか、今後とも両者と協議を進めていきたいというふうに考えております。  それから、アイヌ文化の関係につきましては、開催提案書の時点でも、オリンピックパラリンピックムーブメントということで、多様性を学ぶ機会の創出という項目を立てて、例えば、開会式にアイヌ文化のエキシビションを組み込むことで北海道のアイヌ文化を世界に向けて発信するようなことを盛り込んでおります。やはり、オリンピックパラリンピックは多様性ということが非常に大きなテーマになっておりますので、そういう意味で今回のIOCへの提案資料の中にも記載させていただいたところでございます。 ○しのだ江里子 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○しのだ江里子 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時43分...