委 員 太 田 秀 子 委 員 田 中 啓 介
委 員 松 浦 忠 委 員 坂本 きょう子
委 員 中 山 真 一
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
開 議 午後1時
――――――――――――――
○山口かずさ
委員長 ただいまから、第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、こじま委員からは、遅参する旨、届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第7款 土木費 第5項
都市開発費のうち
関係分、第7項 建築費、議案第17号 札幌市
証明等手数料条例の一部を改正する
条例案のうち
関係分、議案第20号 札幌市
住宅資金融資条例を廃止する
条例案並びに財産の処分の
件議決変更の件に係る議案第23号及び第24号について、一括して質疑を行います。
◆
前川隆史 委員 私からは、
市営住宅の
募集方法について2点、1点は
市営住宅の
空き室対策について、もう1点は
市営住宅の
応募資格について、順次、お伺いします。
初めに、
市営住宅の
空き室対策について伺います。
市営住宅の募集については、原則、
抽せん方式で行われておりますが、例外的に、特に大
規模団地である厚別区の
もみじ台団地では、
余り応募者がいない
空き室を
抽せんなしでいつでも
申し込みができる
通年募集方式で行っていると承知しております。
そこで、最初の質問でございますが、平成27年10月から実施しているとのことですが、約1年半が経過して実績はどのようになっているのか、まずもってお伺いいたします。
◎杉村
住宅担当部長 もみじ台団地の
通年募集の状況についてお答えいたします。
もみじ台団地は、他の
市営団地で行われている年3回の
定期募集にはかけずに、30戸程度の住戸をほぼ毎月募集にかけております。これを
短期募集と申しますが、この
短期募集において応募がなかったような4階、5階の住戸を中心に、10戸から20戸程度を選定し、
通年募集にかけております。
通年募集の平成29年2月までの実績ですが、67戸を募集にかけて、このうち49戸が入居に至っております。
抽せんではなく、いつでも先着順で確実に入居できるということで、
住宅施策としても入居を希望する方の多様なニーズにお応えできることと、かつ、
空き室対策としても効果があると考えておりまして、引き続きこの方法を続けてまいりたいと考えております。
◆
前川隆史 委員 大変よい実績が上がっていて、
空き室対策としても効果的であるといったご答弁を頂戴しました。
基本的には、
市営住宅の
募集期間は、通常、5月・6月期、9月、12月の年3回の時期に限られておりますが、
もみじ台団地だけはほぼ毎月の募集です。しかし、それでも月1回の
抽せんであって、外れると次の
抽せんまでチャンスがありません。そういう意味では、実態として長期間にわたって
空き室になっているところを対象にして、いつでも無
抽せんで入れる住宅の枠で
通年募集を用意したことは大変に合理的な取り組みではないかと思います。ただ、
もみじ台団地は地域的に市内の東端のほうですから、できれば、ほかの地区の団地でも、長期にわたって
入居希望者がない部屋がありましたら、
もみじ台のような
通年募集方式を導入してもよいのではないかなという感想を持ちました。
そこで、質問でございますが、
通年募集を
もみじ台団地以外の団地でも実施すれば、
入居希望者の選択の幅が広がり、より効果的な施策となると思いますが、ご見解を伺います。
◎杉村
住宅担当部長 通年募集をほかの団地へ拡大してみてはどうかという点でございます。
市営住宅の募集につきましては、
公営住宅法第22条で公募が原則となっており、入居の
機会均等を確保するという考えからも、一定の
募集期間を設けて公平な
抽せんを行うことを基本としております。一方、
もみじ台団地は、総戸数5,530戸と市内で
最大規模であり、その半数以上が築40年を超えているということもあり、ここ2〜3年は残念ながら
空き家率が1割を超える状況が続いております。これらの事情から、
もみじ台団地のみを対象として
入居者を
申し込み順で随時受け入れるという例外的な方法をとったとしても、公平性を欠くことにはならないだろうという判断から
通年募集方式を導入したものでございます。
前川委員がご指摘のように、ほかにも、郊外にある規模の大きな団地において、
定期募集でなかなか応募がない団地が一部あるのは事実でございます。ただ、
抽せん方式が原則であることを考えますと、これらを直ちに
通年募集の枠に含めることには慎重な判断が必要ではないかと考えております。当面は、各団地の
応募状況や
空き室の状況を見ながら、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
◆
前川隆史 委員
もみじ台団地の
通年募集はあくまでも例外的なものであり、ほかの団地でも実施することについては検討が必要になってくるといったことでしたが、どうか、実現に向けて、検討だけはしっかりやっていただきたいと思います。ほかの団地でも
余り応募者がいない
空き室があることも事実でありまして、
市営住宅全体の
平均倍率が高い中、そのような
空き室を少しでも有効に活用するためには、何らかの
改善措置を考えるべきではないかと思います。
そこで、質問でございますが、今、ご答弁があったとおり、
通年募集の検討は続けていただくとして、まず、当面の対策として何かお考えはないのか、お伺いいたします。
◎杉村
住宅担当部長 当面の
空き室対策ということでございます。
現在は、
もみじ台団地以外の団地において
定期募集を行って
応募者がいなかった住戸があった場合には、再募集という形で、再度、その住戸を公募に出しております。つまり、
定期募集の案内の中で、今回出しているところで応募がない場合には、いついつの期間で再募集しますということをあらかじめ周知した上で再募集を行っております。この再募集は原則1回のみですので、1回の再募集で
応募者がいなかった場合はどうしているかといいますと、もう一度、
定期募集に戻す形をとっております。
もみじ台団地での
通年募集と再募集との均衡を考えますと、まずは再募集の回数を1回ではなくて複数回にする対応を行った上で、その上でなお応募がないようであれば
通年募集を検討するという順番になっていくのではないかと考えております。
◆
前川隆史 委員 再募集の回数をふやすことも検討するというお話でした。
私の地元である白石区の団地の
自治会役員の皆さんからいつも出るお話ですが、
高齢化が進んで、1室、2室でも
空き室が続くと自治会の運営が財政的に大変な負担になる、ぎりぎりのところでやっているので何とか知恵を絞ってやっていただきたいというご要望をたくさんいただいておりますので、
スピード感を持ったご検討をお願いしたいと思います。
次に、
市営住宅の
応募資格について伺います。
市営住宅の
募集冊子では、
単身者向けの住宅と
家族向けの住宅に分けて募集しておりまして、それぞれの
応募資格として、収入額による制限のほかにさまざまな条件がございます。
そこで、確認の意味も含めて質問いたしますが、
応募資格の条件の内容と、どのような背景でそのような条件が設けられているのか、まずもってお伺いします。
◎杉村
住宅担当部長 市営住宅の
応募資格とその背景などについてのお尋ねだと思います。
市営住宅は、もともと
家族向けの低廉な住宅の供給を目的として整備してきた経緯がございますので、応募に当たっては、かつては
同居親族がいることが条件になっておりました。昭和55年の
公営住宅法の改正で初めて単身の
高齢者や障がいのある方なども
住宅確保要
配慮者に位置づけられて、
単身者にも
応募資格が広がったという経緯がございます。現在の札幌市における
市営住宅の
応募資格は、
単身者の場合は60歳以上、または身体障がいなどの障がいのある方、あるいは
生活保護受給者などが条件となっております。家族の場合は、夫婦または親子を主体とした世帯で入居することが条件でして、同じ親族でも例えば
兄弟姉妹や
いとこ同士の場合は認めておりません。
なお、先ほどお話ししたとおり、
単身入居の制度が認められたのが昭和55年の法改正からですので、
単身者向け市営住宅の戸数が少なくなっております。ですから、毎回の募集でも、
世帯向け住戸よりも
単身向けの
募集戸数自体が少ないこともあって、
単身者向け住宅の
応募倍率が
世帯向けに比べて高い状況が続いているということがございます。
◆
前川隆史 委員 今のご答弁によりますと、
単身者向け住宅に応募できる人は限定されていて、
高齢者や障がいのある方、一方、
家族向けの住宅については、夫婦、親子を主体とした家族で、兄弟やいとこはだめだということでございました。そうなりますと、例えば、
配偶者やお子さんがいない
単身高齢者の場合は、
兄弟姉妹がいたとしても
単身用住宅にしか応募できないことになります。現在、
高齢者や障がいのある方のケア、見守りなどをどうしていくのかということが大変大きな社会問題になっている中で、
市営住宅は長くお住まいの方が多く、特に
高齢化が進んでおり、非常に不幸なことですが、孤立死や孤独死も多くなってきております。
そこで、質問でございますが、
高齢者や障がいのある方など、条件を限定して
兄弟姉妹だけでも家族として同居することを認めるようにすれば、お互いのケアもできますし、先ほどの答弁にあった
単身向け住宅が不足しているといった
課題解消にも有効であるかと思いますが、ご見解を伺います。
◎杉村
住宅担当部長 限定的に
応募資格を拡大してはどうかというお尋ねだと思います。
現在も、
市営住宅の
定期募集の
応募倍率は依然として平均20倍を超えておりまして、
市営住宅の
応募資格を緩和することは、
申し込み倍率のさらなる上昇に直接つながると考えます。一方、団地の
入居者のますますの
高齢化や
単身者向け住宅の不足のような課題に対しては、ご提言いただいたような
入居方法も一定の効果があり、大変貴重なご提言だと思います。ありがとうございます。
しかしながら、限定的とはいえ、
応募資格を広げることになるため、
入居資格の緩和については、現時点では困難であり、慎重な検討が必要と考えております。
◆
前川隆史 委員
応募資格の拡大については、相当慎重な検討が必要だということでした。しかし、
高齢者の孤立化、孤独化、社会とのつながりの喪失は、ご本人のみならず、
地域社会にとっても余り好ましくない状況かと思います。私や、
同僚議員のところにも、何とか応募の枠を拡大してほしいという切実なご相談をたくさん頂戴しておりますので、どうか、時代の流れを捉えて、
スピード感を持って前向きな検討をしていただきますことをお願い申し上げて、質問を終わります。
◆
田中啓介 委員 私からも、
市営住宅について、特に、
市営住宅の
空き家、修繕、
募集戸数について質問いたします。
先ほどの答弁にもありましたが、
市営住宅への
応募倍率は依然高くて、入居できない市民がたくさんおります。何年も応募し続けても入居できず、家賃の高い
民間賃貸住宅で
生活費を切り詰めながら住まざるを得ない市民は少なくありません。
今定例会の
代表質問において、
市営住宅の
空き家と
修繕戸数について、
一般空き家の戸数が1,260戸あるという指摘に対し、ご指摘の
市営住宅における一般の
空き家の数は、毎年12月の
最終募集の後、年が明け、特に
転出者の多い年度末にかけて一時的に増加するものでございますという答弁でした。そこで、毎月の
一般空き家数、
退去世帯数、
入居世帯数、
修繕戸数の資料をいただきましたが、これを見ると、年度末の2016年3月が特別多いわけではなく、2016年1月から12月まで毎月1,200戸以上、8月は1,472戸と、1,500戸近く
空き家になっている月もございます。
そこで、質問ですが、
代表質問で、年が明けて特に
転出者の多い年度末にかけて一時的に増加するものという答弁は事実とは違うと思うのですがいかがか、伺います。
◎杉村
住宅担当部長 市営住宅の
空き家と修繕の関係でございます。
代表質問におきましては、
市営住宅の
空き家というのは、
入居者が退去して、修繕を行い、次の
定期募集に出す、そして、次の
入居者が決まるまでの一時的なものというふうにお答えいたしました。
ただいま
田中委員からご指摘のありました
空き家数は、例えば、平成28年3月の1,260戸、平成28年8月の1,472戸ということでしたが、この
空き家数というのは、退去して修繕が終わり、次の
定期募集を待っている住戸と、まだ修繕が終わっていない未修繕の住戸を合わせた全体の数になります。ですから、今年度でいきますと5月、9月、12月の年3回
定期募集をしておりますが、いつも募集しているわけではなく、その3回しかやっておりませんので、修繕前と修繕後を合わせた全体の
空き家の数は
定期募集の直前が一番大きくなるのが当然です。そういう意味で、8月は9月の募集の直前ですから、多くなるのが自然なことでございます。
一方、さきの
代表質問でお尋ねになった内容は、あのときは1,200戸と言いましたが、1,200戸の
空き家があって、年間に行った修繕の数が800戸しかない、だから400戸が積み残しされているのではないかという意味で、こちらでは、いわゆる未修繕の
空き家についての質問の趣旨だと捉えまして、それに対して答弁したということでございます。そのため、毎年12月の
最終募集以降、年度末に向けて転出した人がどんどんふえていく、特に年度末の3月には
転出者がふえるという意味で一時的に未修繕の
空き家が増加すると申し上げたものです。
◆
田中啓介 委員 今、部長からあった年度末の1,260戸というのは、年3回ある
定期募集の前に一時的にふえていくということでした。
しかし、例えば、同じ2016年9月に
中期募集をしていると思いますが、確かに8月の1,472戸から9月は1,393戸に減っておりますけれども、10月には1,444戸と
空き家戸数がふえております。また、修繕も、年度は
余り関係なく、また、毎月、計画的に修繕されているわけではなくて、180戸を修繕している月もありますが、中には3戸しかしていないということもあります。そういった意味で、
空き家戸数というのは実際に修繕をしていないものを含んでおります。ですから、1,260戸というのは年度末にかけて一時的にふえたものではないというふうに思いますけれども、改めて伺います。
◎杉村
住宅担当部長 私の説明の仕方が不十分だったのかもしれません。申しわけありません。
ただ、1,260戸というのは、修繕が済んだものと済んでいないものの合計だということはご理解いただけたと思います。実は、その1,260戸のうち、幾つが
修繕済みで、幾つが未修繕なのかというデータは刻々と変わりますので、特に持っておりません。例えば、今、平成28年9月に減って10月にふえているとおっしゃいましたが、あくまでも一点一点をとった月末の数字ですので、その月の
入居者数と
退去者の数の差し引きで、
退去者のほうが多ければ当然ふえますし、
入居者のほうが多ければ
空き家は当然減るわけですから、数だけを捉えてちゃんと修繕しているのかというのはちょっと違うのかなというふうに思います。
それから、先ほど180戸ほど修繕している月があれば、3戸しかしていない月もあるのではないかとおっしゃいました。この3戸ですが、平成28年4月は確かに3戸しか修繕しておりません。これは、
空き家修繕というのは、札幌市が札幌市
住宅管理公社に委託して、施工は同公社の
指定工事店が実施しておりますが、今言われた3戸という月別の
修繕戸数は
竣工ベースでカウントしております。
債務負担行為などをすれば別ですが、予算上、発注と竣工というのは同じ年度におさまらなければいけないという単年度の原則がございますので、年度末にかけて未修繕の住戸の積み残しがあり、それを修繕に出したいけれども、2月、3月ぎりぎりになると修繕に出しても次の年度になってしまって出せないことから、4月の頭になって初めて修繕を発注できます。そして、その修繕は、鍵を取りかえるなどの本当に軽微な修繕でその月内に終わるものもありますが、大概は1〜2カ月かかりますので、どうしても4月の実績は少なくなることをご理解いただけるのではないかなと思います。
ただ、平成28年度の実績でいきますと、4月から9月の上半期だけで589戸の
空き住宅を修繕しておりますので、少ないと言われることに関しては、正直言って心外でございます。
今後につきましても、速やかな修繕に努めてまいりたいと考えております。
◆
田中啓介 委員
空き室が発生したら、早期に修繕しているということだと思いますが、ここ3年の
空き家戸数の推移は毎年ふえてきております。まず、毎月のように1,000戸以上
空き家戸数がありますし、さらに、その戸数は年々ふえてきていて、最新の2016年2月で1,413戸、2015年2月は1,286戸ということでいくと、修繕の戸数が追いついていっていないというふうに思います。
そこで、同じ
代表質問での副市長の答弁では、
空き家が発生した場合は、速やかに修繕を実施し、募集に出しているということでした。しかし、
言葉どおりに速やかな修繕、募集をかけているというのであれば、
空き家数は、ふえるのではなくて、年々減っていくと思いますがいかがか、伺います。
◎杉村
住宅担当部長 きちんと修繕をしていれば、
空き家の数は減っていくのではないかということです。
空き家の数というのは、ここのところ、積み残しが若干ふえております。3月3日に
建設委員会があり、そちらの会派には
建設委員がおらず、説明できていなかったので申しわけないと思いますが、最近は、
東日本大震災や
東京オリンピック・パラリンピックなどがあって
工事単価が上昇しておりまして、ここ5年間ぐらいで1戸当たりの
修繕費の単価が1.3倍から1.4倍ぐらい上がっております。また、お持ちの資料の中で、特に平成27年度の退去数が例年に比べて多いことはご理解いただけていると思いますので、この辺で未修繕が若干積み上がってきているのは確かに事実でございます。
そこで、平成29年度の予算案の中では、
市営住宅修繕費のうちの
空き家修繕に係る
予算配分を厚くしております。ですから、平成29年度はできるだけ多くの
空き家修繕を行いまして、きちんと
定期募集にかけて、
田中委員がご指摘のところもクリアして頑張っていきたいと思っておりますので、ご理解をお願いいたします。
◆
田中啓介 委員 確かに、我が会派に
建設委員はいませんが、事前に、
担当課長から、補正で約5億円を
修繕費として来年度に向けてということを聞いております。あわせて、
空き家修繕費も、今、部長がおっしゃったように、5年前に比べて約1.5倍ふえており、1戸当たり63万円ぐらいかかっているというふうに思います。補正でさらに上乗せされた5億円があれば、1戸当たり63万円かかるとして、単純に年間800戸弱を修繕できる額になると思います。今現在も約800戸から900戸の修繕をやっていますから、それをトータルすると修繕できていない全ての
空き家をまさに1年間でできると思いますので、修繕だけではなくて、あわせて、毎回の
募集数もふやしていくことが大切だと思います。
国の調査では、今、どの世代でも格差、貧困が広がっていて、
民間賃貸住宅の
入居者にとって高い家賃というのは全国的にも大きな問題となっております。年金の収入だけの
高齢者で
家賃負担が重いと答えている方が72.6%もおりますし、また、若者の
単身者も同じように高家賃が大きな問題で、30歳未満の
勤労単身世帯では、1カ月当たりの所得に占める住居費、つまり
家賃負担の割合は、男性は25%、女性は26.2%と所得の4分の1以上になっております。これは、
実質所得が減っている中で、
家賃負担が生活を圧迫している実態をあらわしているというふうに思います。
また、2015年に本市が行った
市営住宅入居予定者への
アンケート調査では、
民間賃貸住宅から
市営住宅へ住みかえたい理由として、やはり、
民間賃貸住宅の家賃が高いことが最も大きいと答えております。
市営住宅より高い
民間賃貸住宅の家賃に住まざるを得ず、重い
家賃負担のため、食費や暖房などの
生活費を切り詰めながら生活している市民を一人でも多く
市営住宅に入居できるようにするべきです。
そこで、質問ですが、
代表質問では、吉岡副市長から、
空き家が発生した場合には今後とも速やかな修繕に努めてまいります、あわせて募集もやっているという答弁がありました。また、今、部長からは、来年度の分は確保しているという答弁でしたので、それを単年度だけで終わらせないで、今後も引き続き、
一般空き家を一つでも出さないように、全ての
一般空き家を修繕できる予算を計上し、速やかな修繕、募集に努めていくべきだと思いますがいかがか、伺います。
◎杉村
住宅担当部長 本当に、
田中委員のご指摘のとおりだと考えております。
先ほど言いました、現在積み残しと言われているものについては今年度厚くした予算で来年度にはほぼ解消したいと思っておりますので、未修繕の
空き家を解消して、できるだけ多く
定期募集に出していきたいと考えております。
◆
田中啓介 委員 ぜひ、速やかな修繕、募集をお願いします。
公営住宅法に基づいた
市営住宅というのは、住宅に困窮する低
所得者に対して、低廉な家賃で賃貸し、国民の生活の安定と福祉の増進に寄与することとなっております。ここ数年の
市営住宅の
応募者数は、1万5,000人前後になっております。
市営住宅に入居を希望している市民が一人でも多く入居できるよう、
一般空き家を全て修繕し、全て募集にかけること、これを早急に行うべきことを重ねて申し上げるとともに、また、
政策空き家なども入居募集できるような工夫を検討することもあわせて求めておきます。
ただ、それでも
応募者数の1万世帯以上は入居できません。つまり、
市営住宅の総戸数、絶対数が足りません。
市営住宅を新たに建設することも含めて、住宅に困窮する市民の実態に応える政策を早急に行うべきことも求めて、質問を終わります。
◆松浦忠 委員 私からは、1項目めは児童生徒が喜んで使用する便所の設計について、2項目めは設計業務内容について、3項目めは建築基準法に依拠した業務執行のあり方について、この3項目について質問いたします。
まず最初に、児童生徒が喜んで使用する便所の設計ということですが、これは確認しておきたいのです。
何かというと、昨年、西白石小学校で便所の改修工事を行いました。このときに、一つは、1学期が終了した後の夏休み期間中にできるだけ終わらせていただきたいということでやっていただきました。しかし、結果として全部は終了しませんでした。そこで、ことし行う改修ではどういう工程を考えているか、これが一つです。
二つ目は、西白石小学校では、去年、初めて、施工の段階でそれぞれの階を使用する学年に塗装の色を選んでいただきました。その結果、校長先生あるいは父兄から私のところに届いている意見をまとめて言うと、子どもたちが便所に行くのを楽しみにしているということでした。さらに、私が訪問したとき、校長先生から、最後に工事を完成させた業者の方々に対して子どもたちが作文をつづって手渡し、感謝の気持ちをあらわしたということを聞きまして、教育上も非常によかったなというふうに思っております。
これらについて、ことしはどのように進めようとしているか、お答えいただきたいと思います。
◎大島 建築部長 西白石小学校につきましては、委員からもご意見をいただいて、夏休み中の工事完了に努力しましたが、狭い中にたくさんの工種が入ってくるので、さほどの短縮にはつながらず、いろいろと頑張りましたけれども、夏休み中には終わらずに工期が少し出てしまったという状況です。
今年度につきましても、便所改修等の学校の改修については10校程度を予定しておりまして、委員から、なるべく夏休み期間中に終わらせるようにというご指摘をいただいて、いろいろと検討はしております。しかし、やはり、狭い中にいろいろな工種が入ってきてふくそうしているので、完全に夏休み期間中だけで全てを終わらせるのは困難だろうと思っております。ただ、生徒にはなるべく影響が出ないように、学校が始まったときに一部で工事をしていても主要な部分は使えるなど、なるべく夏休み期間がメーンになるような形で進めたいと思っております。
また、2点目ですが、西白石小学校については、生徒の意見を聞きながら色決めなどを行う取り組みをさせていただきました。これは、委員からご意見、アドバイスをいただいてやりまして、非常に好評を得たところであります。学校側の協力も必要となりますので、今年度も何校かに打診して、同じような取り組みができるところはやっていきたいと思っております。
◆松浦忠 委員 ここの校長先生は3月で退職します。私は、うちから近いですから、工事期間中、3日とあけずにずっと現場を見に行きました。一つは、作業員の手配の関係もあるのでしょうけれども、もうちょっと作業員を入れたら何とかぎりぎり間に合ったのかなと実感しておりますので、その辺は、ぜひひとつ受注した業者と詰めてやっていただきたい。
それから、子どもの意見を聞くことについては、恐らく、学校全部を当たれば、これには反対しないと思います。特に、教育委員会に西白石小学校の事例などを話して、ことし工事する学校に知らせていただければ、当然、反対はしないし、知らせなくても、わけをお話すれば、みんな賛成してくれると思いますので、ぜひ、そういう形でやっていただきたいということを求めておきます。
続いて、2項目めの設計業務内容の質問に入ります。
きょうは、白石区の市民部長と建設局土木部長に出席いただいております。
そこでまず、最初に、11月7日から白石区役所を使い始めていますが、区役所にも、また私のところにも多くの市民、区民から苦情が来ております。
そこで、白石区の市民部長にお尋ねいたします。
最初に、建物の構造的なもので結構ですので、最初に苦情があったのは何ですか。
◎鈴木 白石区市民部長 11月7日に庁舎が移転し、オープンしてからこれまで庁舎の管理をしてきましたが、来庁した方々からのご指摘や、我々が運用していく中で幾つかのふぐあいが見つかり、対応した案件がございます。
最初かどうかはわかりませんが、まず、冬季に入ってから緊急に対応する必要が生じたものとして、雪が降った際に庁舎の外窓の下側の水切りの部分ですけれども、そこに付着した雪が氷となって落下する現象が相次ぎ、周辺の通行に支障が生じました。白石区では、手の届く範囲で雪や氷を取り除いたり、カラーコーンやバーにより敷地内の通行規制を行ったりしましたが、抜本的な解決には至らなかったことから、建築部に対策を講じるよう要請いたしました。
建築部では、2月までに、庁舎出入り口における屋根つきゲートの設置や出入り口上部の窓の改修を行ったところです。
◆松浦忠 委員 そこで、建築部にお尋ねいたします。
一体、なぜ、雪が降ったら窓のところに雪がたまって、そして、それが玄関を出入りする人の頭の上に落ちてくることになったのですか。
◎大島 建築部長 窓につきましては、窓が壁の位置より7センチメートルほど引っ込んでおりまして、その結果、窓の下の部分に奥行き7センチメートルの台のような水切りの部品があって、ここに雪がたまり、それが固まって落下するという状況でございます。この水切りというのは通常の建物にもよくついているもので、ここに雪がたまるのはそんなに珍しい事象ではありません。ただ、7センチメートルというのは普通の建物に比べると少し奥行きがあるほうですが、それは、この建物は外側に断熱材がある関係で通常の建物より奥行きが少し大きくなり、そこにたまる雪も多くなったものでございます。さらに、通常の建物でもたまったものが落ちることがありますが、ここの敷地条件からして道路に近接している上に、人が通行する入り口の上部にもそういった仕様の窓があったという条件が重なり、手直しが必要な事態となってしまいました。
◆松浦忠 委員 玄関なり出入り口は何カ所あって、その対策はどのように講じたのですか。
◎大島 建築部長 南郷通側に関しては、地下鉄に入る出入り口と区役所の建物に入る出入り口の2カ所がありまして、その上部にある窓が改修の対象となりました。それから、直接の出入り口はありませんが、環状通側についても歩道に接近している部分がありましたので、そこの上部の窓が改修対象となりました。したがいまして、全部で16カ所の窓を改修いたしました。
◆松浦忠 委員 どんなふうにして雪がたまらないように改修したのですか。わかるように言葉で説明してください。そして、お金が幾らかかったのか。
◎大島 建築部長 改修方法と金額ですが、改修につきましては、今ある窓を一旦撤去しました。ただ、撤去するときには、モルタル等で建物と堅固に接続している部品はそのまま残し、その他の部分を撤去して、新たな窓を外側につけ足すようにして壁面と同じ位置に窓が来るような形で外側に出しました。つまり、7センチメートル奥まっていたものを、その分だけ外側に出したことによりまして、その後も降雪等の状況を見ていますが、雪はたまらなくなりました。
費用につきましては、窓改修が終わるまで数カ所の出入り口に鉄骨で屋根を設けて工事が終わるまで歩行者の安全を確保したことと、出入り口の1カ所には後づけ方式のひさしを設けました。これらの工事を合わせて1,780万円かかっております。
◆松浦忠 委員 壁の面と平らにつけるという直した後の窓のつけ方は、特別に考案したのですか。それとも、札幌の高層の建物だったら、雪が積もらないように、壁の面と窓枠の面が離れないように一般的につくっているものですか。どっちなのですか。
◎大島 建築部長 高層の建物であったり、下を人が通るような建物であれば、壁と位置をそろえるというのは通常とられている施工方法かと思います。
◆松浦忠 委員 そうすると、これは誰が考えても設計の間違いだった、一般的に使われている片仮名語で言えば設計ミスということになりますね。
そこで、その設計ミスによって建てて、使い出した途端に窓を取りかえて、それらにかかる経費が1,780万円、これは誰がどう弁償するのですか。これを聞かせてください。
さらに、地域避難所など防災上の観点から改修を行っているのか、伺います。
◎大島 建築部長 保全推進事業におけるトイレ改修についてでありますが、保全推進事業は、建物の機能を保持し、長寿命化を図る目的で修繕を行うものであります。
そのスケジュールについてですが、トイレの改修時期につきましては、設備の劣化状況や事業の平準化などを勘案して実施しており、トイレの改修につきましては、建築後おおむね30年を目安に大規模修繕を行っております。
また、防災上の観点についてのご質問もございましたが、トイレ改修につきましては、衛生器具や配管の標準的な更新周期などをもとに、洋式化を含めた計画的な修繕を実施することとしております。しかし、これは、特に防災上の観点から注目してやっているものではございません。
◆村山拓司 委員 特に防災上の観点からしているものではないということでした。
次に、3月21日の
予算特別委員会の市民文化局との質疑の中で、地域避難所に指定され、かつ、洋式トイレよりも和式トイレのほうが多い公共施設は、依然として14施設あるとのことでありました。保全推進事業においては、個々の施設ごとに修繕の内容や時期を想定しているとのことでしたが、地域避難所に指定されているにもかかわらず、洋式トイレよりも和式トイレのほうが多い公共施設は、早急に洋式化に取り組む必要があると考えます。
そこで、質問ですが、平成29年度予算案において、保全推進事業では何施設のトイレ改修を予定しているのか、また、そのうち、洋式トイレよりも和式トイレのほうが多い14施設のトイレ改修は何施設を予定しているのか、伺います。
◎大島 建築部長 平成29年度の保全推進事業では15施設のトイレ改修工事を予定しておりますが、和式トイレのほうが多い地域避難所というのは、この中には含まれておりません。
◆村山拓司 委員 この14施設のトイレ改修は、来年度はないということでした。地区センターやまちづくりセンターなど、地域に最も身近である地域避難所が洋式トイレよりも和式トイレのほうが多いというのでは、お年寄りや体に不安を抱える地域の住民にとって安心して避難できる施設ではないと思います。地域避難所の改善は
スピード感を持って取り組む必要があると考えますが、平成29年度は洋式トイレに改修される地域避難所はないとのことであり、防災の備えとしては全く不十分であります。
そこで、質問ですが、今後、洋式トイレよりも和式トイレのほうが多い14施設のトイレの改修時期はいつになるのか、また、この14施設の保全推進事業での改修時期がいつになるのか、それぞれお伺いいたします。
◎大島 建築部長 14施設の改修時期の予定と保全推進事業上の予定時期というご質問でございます。
実際の改修時期につきましては、今後の劣化の進行状況や事業の平準化などを勘案しながら各年度の予算編成の中において決定いたしますので、現段階で実行計画である実施時期をお答えすることはできませんが、目安といたしまして、各施設の保全計画で設定している設置後30年となる時期についてお示ししたいと思います。
平成30年度が厚別区民センター、新発寒地区センターの2施設、平成33年度が西野地区センター、平成34年度が新琴似まちづくりセンター、平成35年度が東区民センター、発寒地区センター、厚別西地区センター、豊平まちづくりセンターの4施設、平成39年度が豊平区民センター、拓北・あいの里地区センターの2施設、平成40年度が苗穂・本町地区センター、このほかに、保全計画において改修時期未定としているのは、日の丸、伏古、菊水やよいの3児童会館、以上が14施設の状況でございます。
◆村山拓司 委員 保全推進事業は施設の長寿命化という観点からの大規模な修繕ですので、トイレ改修時期は、建物の老朽度や建築時期によって長いものでは平成40年度と11年も先になるとのことでした。一般的なトイレの洋式化は、保全計画の中での改修や給排水設備などの大規模改修と合わせて行うことは非常に効率的であると思います。
しかしながら、地域避難所については、長寿命化の観点や施設の老朽化によるものではなく、万一の災害に備える必要があり、防災上の観点から、
スピード感を持って進めるべきと考えます。
東日本大震災、熊本地震など、これまでの大惨事を教訓に、改めて地域の防災力向上が求められており、地域の防災力を高めるにはハードとソフトの両面からの取り組みが必要であります。地域避難所のトイレの洋式化は、特にお年寄りや体に不安を抱いている地域住民にとっては喫緊の課題であります。防災を統括する危機管理対策室、施設を管理する市民文化局と都市局が連携して、一刻も早く全庁的にこの課題に取り組んでいただくことを強く要望します。
また、私が指摘している問題は平成40年度で解消されることが確認できましたけれども、この問題が解決されるまで、今後も、各局に対して検討している内容や進捗状況を確認していくことをお伝えし、質問を終わります。
○山口かずさ
委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時50分
再 開 午後3時10分
――――――――――――――
○山口かずさ
委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆林清治 委員 私からは、高断熱・高気密住宅の普及促進について質問していきたいと思っております。
まず、住宅の高断熱・高気密化については、札幌市のような積雪寒冷地に応じた温暖化対策の推進などに効果があり、札幌の将来ビジョンにマッチした取り組みで、我が会派は一貫して注視しており、幾度も議会で取り上げて提言してきたところでございます。
昨年の決算特別委員会においても、我が会派の議員からは、札幌版次世代住宅補助制度について質疑いたしました。その中では、札幌版次世代住宅の一層の普及を図るためには、
申し込みをしてもさまざまな理由で辞退する方もいることから、制度を見直す必要があり、できるだけ多くの方に補助金を利用していただくことが重要であると指摘したところでございます。それに対して、予算の執行減少を抑制するため、辞退者の発生にも対応した補助制度の検討に取り組む旨の回答があったところであります。
そこで、最初の質問ですが、札幌版次世代住宅補助制度に関して、来年度における効率的な予算執行に向けた取り組みとして、今年度から改善する点についてお伺いしたいと思います。
◎杉村
住宅担当部長 札幌版次世代住宅補助制度におけます効率的な予算執行についてのお尋ねかと思います。
予算の執行率を高めるためには、仮交付決定後の辞退者への対応が必要となりますが、そもそもどういう理由で辞退するかにつきましては、住宅建設自体を中止した、延期した、また、次世代基準に該当しない住宅へ仕様変更したというようなことが実際に挙げられます。このことから、これは今までも行っておりましたが、仮交付決定者に土地を確保できたら設計の進捗状況を直接確認していますが、それに加えて、補助金の利用の実効性をより高めるために、次年度からは、仮交付決定者から定めた期限までに実際の工事計画書を提出していただき、住宅の建設計画の進捗を直接確認する手続を取り入れることといたしました。その期限までに関係書類の提出がなく、建設計画の進行が確認できなかった方は辞退扱いとさせていただきまして、あいた枠を次の回の募集に回すことや、予定する年3回の募集のうち、最後の第3回目の受け付けが
抽せんとなった場合、その後の辞退者を利用できるように補欠当選する制度もあわせて設けたいと考えております。
このような辞退者の早期の確定や辞退によるあきの補充によって、より多くの方が補助を受けられる制度に見直したいと考えております。
◆林清治 委員
抽せんとなった後、当選者が辞退するなど補助に至らないケースがあったときのための補欠当選者の設定など、予算の未執行を減らすには効果的な取り組みだなというふうに思います。昨年度は、総計156件の予定で、応募が207件あり、補助件数は144件、今年度も、151件の予定でしたが、
応募者は395件、補助件数は131件と聞いておりまして、補欠制度によって多くの市民の支援につながることが期待できるのかなというふうに思っております。
しかし、例えば、補欠当選となった場合にはいつ着工していいのか、または、建築中に補助決定する場合もあるのかなど、補助決定の時期や手続の煩雑化などで利用者の混乱を招かないよう、この制度の運営と周知にしっかりと配慮していただきたいと思うところです。今後も、実施状況により、制度をよりよい内容とするために見直しを進めていくことは必要であると考えておりますので、さらに利用者や事業者の声を聞き、制度改善に向けた提言をしていきたいと思っております。
さらに、住宅部門において札幌市の温暖化対策を一層進めるためには、さらなる高断熱・高気密住宅の普及に向けて、今までの戸建て住宅を中心としたこれまでの取り組みはもとより、新たに集合住宅の省エネ性能向上に向けた取り組みも進めていくと聞いております。私は、以前に環境局で調査を行っていた集合住宅の高断熱・高気密化に対して関心を持ち、取り組みの具体化を求めてきましたが、札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015では、高断熱・高気密住宅普及促進事業の一つとして
市営住宅における高断熱改修の実証実験をするとの記載もありました。
そこで、次の質問ですが、
市営住宅における高断熱改修の実証実験について、目的やスケジュールをお伺いしたいと思います。
◎杉村
住宅担当部長 市営住宅における高断熱改修の実証実験の目的とスケジュールについてお答えいたします。
札幌市内におきまして、集合住宅は、住宅全体のおよそ6割を占めておりまして、主要な居住形態となっており、その高断熱・高気密化は、本市の温暖化対策を推進する上で非常に重要であると考えております。今回の実証実験は、民間の集合住宅での取り組みの普及を目指しまして、
市営住宅におきまして試行的に高断熱改修をするものであります。具体的には、住宅の断熱性能を高めるために断熱材を増し張りしたり、窓の取りかえを行いまして、住民の快適性向上とあわせて、暖房エネルギー削減や住棟の長寿命化を図るという目的でございます。
今年度に策定しました基本計画におきまして、今後、計画修繕を予定している団地の中から、先日、里塚団地の14号棟を対象住棟として選定したところでありまして、平成29年度に実施設計、平成30年度に改修工事を予定しております。
◆林清治 委員 集合住宅の高断熱・高気密化に向けて、モデルケースとして
市営住宅での実証実験を行うとのことで、このことは大変有意義な施策であると考えますし、札幌市エネルギービジョンや札幌市温暖化対策推進計画で掲げる目標の達成に向けては、高断熱・高気密住宅のより一層の普及促進が必要であると思っております。さらに、市民や民間事業者への普及啓発も重要になってまいります。
市営住宅における実証実験がきっかけとなり、民間集合住宅の高断熱・高気密化がさらに促進されることに期待したいというふうに思っております。
既に、民間の賃貸集合住宅において、高断熱・高気密住宅の建設に取り組んでいるオーナーや建築家の方々もいます。私も、昨年10月に西区山の手に建築中の3階建て賃貸住宅を見学する機会がありました。その賃貸マンションでは、かなりのレベルの省エネ住宅ができ上がっております。そうした中で、住宅の高断熱・高気密化は、省エネルギー対策に効果があり、望ましいものであることは周知の事実でありますけれども、その効果を検証し、次の取り組みに向けての検討が重要になってまいります。
そこで、次に、この実証実験に係る効果の検証についてはどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
◎杉村
住宅担当部長 今回の高断熱改修実証実験に係る効果検証についてお答えいたします。
実証実験から民間の集合住宅の高断熱・高気密化への展開に当たりましては、林委員がご指摘のとおり、その効果の検証と公表が非常に重要になるというふうに認識しております。そのため、当然、入居されている方にご協力を仰ぐことになりますが、改修前後における室内温度の測定や光熱費などを具体的に調査いたしまして、改修効果の分析、検証を行うことを予定しております。設計の仕様とか費用対効果など、検証結果を広く公表いたしまして、集合住宅の高断熱・高気密化の推進に向けた普及啓発を図ってまいりたいと考えております。
◆林清治 委員 適切な検証を行い、その結果や効果を広く公表するということでしたが、今後、集合住宅における高断熱・高気密化を促進することで本市の温暖化対策がさらに促進されることを望みたいと思います。
建築にかかわる市職員の皆様は十分にご存じだと思いますけれども、高断熱・高気密住宅の先進国である北欧やドイツでは、集合住宅の省エネ化が基本で、今、アメリカでも急ピッチで進んでおり、日本においても、東京の多摩地区や、今は富山県の黒部地区で大規模な改築が進んでいるところでもあります。札幌市内や近郊においても高断熱改修に取り組んでいるマンションオーナーや建築業者のグループも多くいますが、工事経費の高騰や断熱材が厚くなることにより、建蔽率と室内の広さの問題など、オーナーが建設にちゅうちょする課題もたくさんございます。今後は、そうしたこともしっかりとクリアしながら、また、冒頭に述べたとおり、積雪寒冷地での温暖化対策の推進のためには行政の支援も重要になってくると思いますので、実証実験の成果を見きわめ、必要であれば行政としての支援制度を検討することも求めて、私の質問を終わらせていただきます。
◆好井七海 委員 私からは、札幌市住宅エコリフォーム補助制度についてお伺いいたします。
住宅エコリフォーム補助制度については、自民党、民進党、公明党による超党派のプロジェクトでの検討を経て、議員提案で成立した条例に基づく制度であり、既存の住宅が安全で快適に利用することができるものとなるよう、これまでも我が会派で継続的に取り上げてまいりました。平成22年度の制度開始以降、毎年度の予算執行率が高く、多くの方に利用されている状況にあり、市民の皆さんに非常に喜ばれている制度と考えております。
そこで、一つ目の質問ですが、平成28年度もこれまでと同様に多くの方の利用があったことと思いますが、平成28年度の利用状況についてお伺いいたします。
◎杉村
住宅担当部長 住宅エコリフォーム補助制度の平成28年度の利用状況についてお答えいたします。
今年度は、第1回目を5月9日から5月20日の受け付け期間としまして、予算総額1億2,000万円のうち、8,000万円をここに配分して募集を行いました。この期間中に申請額が予算額に達しなかったことから、予算額に達するまで
募集期間を延長して受け付けを行ったところです。次に、第2回目は、8月22日から9月2日までとして残る4,000万円を配分して募集を行ったところ、予算額を超える応募となりまして、制度開始後初の
抽せんになりました。その結果、1回目と2回目を合わせて900件強の交付決定を行ったところでございます。
◆好井七海 委員 これまで制度の改善やPRに努めてきたことと思いますが、制度開始後初となる
抽せんということで、それだけ市民に周知され、住宅エコリフォーム補助制度が順調に普及していることのあらわれだと感じております。また、住宅エコリフォーム補助制度は、リフォームの施工業者や資材調達などの関連事業者等への地域経済にも波及効果があることから、多くの市民に利用されることは望ましいことであると思います。一方で、先ほどの答弁にありましたように、平成28年度の募集の1回目は、
募集期間では予算額に届かなくて期間を延長しましたが、2回目には、
募集期間中に予算額をオーバーしたことで初めて
抽せんになったと聞いておりまして、申請状況を見ますと
募集方法などを工夫することも必要な状況ではないかと思います。
そこで、二つ目の質問ですが、平成29年度の募集はどのように行うのか、お伺いいたします。
◎杉村
住宅担当部長 平成29年度の
募集方法についてお答えいたします。
平成28年度と同様に2回に分けまして、1回目を5月10日から5月23日、第2回目を9月4日から9月15日までとして募集を行うことを考えております。今年度の1回目、2回目はちょっとバランスが悪かったという申請状況を考慮の上、予算総額1億2,000万円に対し、1回目を7,000万円、2回目を5,000万円と予算額の配分を若干変更して募集を行う予定でございます。
◆好井七海 委員 初めての
抽せんになった後の募集ということで、この変更による効果がどのように出るのか、現時点では見通すことは困難であると思いますが、厳しい財政状況の中で予算額が決まっていると思いますので、より効果的な
募集方法となるように次年度以降も引き続き検証を行っていただくことを求めます。
次に、住宅のバリアフリー化や断熱化に関する支援制度として札幌市住宅資金融資制度がありますが、近年の市場金利の低下や他の補助制度メニューと一部重複することなどによってこの制度の利用者数が非常に少ないことから、平成28年度をもって新規の受け付けを終了することとして、札幌市
住宅資金融資条例を廃止する
条例案が提出されております。以前は多くの利用があった制度でも、利用者の減少によって融資の新規受け付けを終了することはやむを得ないものと考えますが、新規受け付けの終了に伴って市民の利便性が低下しないようにできるだけ配慮することも必要と考えます。
そこで、三つ目の質問ですが、住宅資金融資制度の廃止に伴い、どのような配慮を行ったのか、お伺いいたします。
◎杉村
住宅担当部長 住宅資金融資制度の廃止に伴ってどのような配慮を行ったのかということでございます。
今回、
条例案を提出させていただいて新規分を廃止いたします住宅資金融資制度と、先ほどからお尋ねの住宅エコリフォーム補助制度は、対象となる工事が多くの部分で重複しております。実際にこれまで融資を利用された方の工事内容を見ても、住宅エコリフォーム補助制度でかなりの部分が対応できている状況と思われます。
一方で、廃止する融資のほうで利用実績があった中で、例えば、玄関前のスロープ設置、屋外階段の改良、屋外の手すりの設置、また、1階と2階の両方にトイレを増設するといった以上の四つにつきましては、これまではエコリフォームの補助の対象となっておりませんでした。しかし、これらを内容的に検討したところ、バリアフリーに十分資するものであって住宅エコリフォーム補助制度の趣旨にも合致すると判断できるため、平成29年度からエコリフォームの補助対象の項目に追加したいと考えております。
◆好井七海 委員 エコリフォーム補助制度の対象枠を広げるというご答弁だったと思うのですが、住宅エコリフォーム補助制度の利用が好調であっても、まだまだ改善すべき点はあるものと考えられますので、今後においても、状況に応じて、適宜、制度の見直しなどを行い、札幌市民がより利用しやすい制度とするための取り組みを継続していくことを求めて、質問を終わります。
◆こじまゆみ 委員 私からは、
高齢化が進む
市営住宅の自治活動への学生の参加について伺います。
私は、これまでも、
高齢化が進む
市営住宅の諸課題について継続的に取り上げてまいりまして、今後は、除雪作業や
高齢者の見守り等も停滞し、
入居者が安心して暮らせる生活環境を維持していくことが困難になるというふうに指摘させていただきました。これに対し、
市営住宅における世代間バランスのとれた入居促進については、平成27年度の募集から、
高齢化が顕著な団地に専用
申し込み枠を設定していただいて若年層の入居促進を図るなど、この課題に鋭意取り組んでいただいており、一定の評価をさせていただいております。
しかし、もっと抜本的な取り組みが必要であると考え、平成28年の
予算特別委員会では、
高齢化が進む
市営住宅の
空き室を利用した学生シェアハウスを誘導し、団地の自治会を初め、地域の活動に参加してもらうことを提案させていただきました。そして、できるだけ具体的なイメージが湧くようにと、実際に公営住宅で学生シェアハウスを運営している京都橘大学などの事例も交えて質問させていただいたところ、調査を行うとの回答をいただいておりました。
そこで、質問ですが、
市営住宅を学生シェアハウスとして利用することについてどのような調査が行われたのか、お伺いいたします。
◎杉村
住宅担当部長 市営住宅における学生のシェアハウスについてどのような調査を行ったのかということについてお答えいたします。
まず、委員からもご指摘がありましたが、他都市の複数の先行事例の調査を行っております。残念ながら、直接現地を見ることはできなかったのですが、先行都市に対して実施上の課題について聞き取り調査しております。また、実際に
市営住宅をシェアハウスとして大学生に提供するとなりますと、いわゆる行政財産の目的外使用となりますので国の承認等が必要になることから、事前に窓口となる北海道開発局に出向きまして既に事前協議を行っております。北海道開発局からは、
市営住宅本来の入居対象者の入居を阻害せず、
市営住宅の適正かつ合理的な管理に支障が生じないものであれば、他都市の事例もあることから、学生シェアハウスについては基本的に認めるという見解を既にいただいているところでございます。
◆こじまゆみ 委員 目的外使用ですし、住宅に困っていらっしゃる方たちが優先されるのは当然ですが、例えば、
高齢化が進んでいる厚別区の
もみじ台であれば、1割程度の
空き室が常にありますから、そういったところをもっと有効活用していただけるように鋭意進めていただきたいと思います。できれば、京都橘大学とか、公営住宅であればURの中で藤田保健衛生大学がこのような先進的な取り組みを実際に行っておりますので、今度はぜひ出向いて見てきていただきたいなと思います。
前向きに調査を行い、開発局とも事前協議を行ったとのことなので、私自身、実現を前提とした調査をされていると受けとめ、ひとまずは安心しておりますが、今後は実現に向けて具体的な検討に入っていただきたいと考えます。
そこで、今後の検討方針についてお伺いいたします。
◎杉村
住宅担当部長 実現に向けた今後の検討方針ということでございます。
大学においては、近年、地域課題の解決に向けた調査研究や、実践、実習の場として
地域社会との連携を掲げることが非常に多くなってきております。今後の検討方針ということですが、先ほどお答えいたしましたとおり、北海道開発局からの見解もいただいていることから、既に札幌市内のある大学に出向いて実現の可能性について打診しておりまして、現在も協議を続けているところでございます。残念ながら、協議中のため、これ以上の具体的なことは申し上げられませんが、委員がお考えのとおり、実現に向けて引き続き協議を進めてまいりたいと考えております。
◆こじまゆみ 委員 ご答弁によりますと、既に大学との協議を実際に進められているということで、安心しております。もちろん相手のあるお話ですので、まだ具体的なことをご答弁できないのであれば一定の理解はいたします。ただ、この事業の主役は、あくまでも地域の方、そして、そこに住もうとする学生たちですから、その視点が抜け落ちないようにしていただきたいと思います。
そこで、改めて伺いますが、今後、大学との協議をどのような視点で進めていくのか、また、現時点で考えている今後の具体的なスケジュールについてはどのようになっているのか、お伺いいたします。
◎杉村
住宅担当部長 今後のスケジュール等についてお答えします。
事業実施に当たりましては、当然、
高齢化が進む団地の活性化、ひいては地域の活性化のために、入居する学生にどのような活動をしていただくのがいいのか、そういうことについてさらなる検討が必要と考えております。今後の協議の結果、大学側の承諾が得られれば、具体的な実施要領とか、どういう活動をするのかとか、いろいろなルールが必要になると思いますので、こじま委員がご要望の現地視察なども行った上で、大学側とさらなる協議を続けていきたいと思っております。また、大学との協議と並行いたしまして、対象となる団地の選定や、受け入れていただく団地の自治会との調整も行っていく必要があろうかと思っております。
札幌市といたしましては、これらの準備を平成29年度に行い、早ければ平成30年度からモデル事業として開始したいというふうに思っております。
◆こじまゆみ 委員 単に、
空き室を提供して学生を住まわせるというだけでは、学生が団地の中で孤立してうまくいかないことも懸念されます。厚別を事例に出しますと、
もみじ台は星槎学園、そして、青葉町は地域に住んでいらっしゃる大学生の方たちが町内会活動、自治会活動に既に参画していただいております。民間が主導してさまざまな形で進んでいる事例としては、
もみじ台のホクノースーパーと市立大学が協定を締結して研究を進めていらっしゃる事例もあります。ですから、今後は実施する団地の絞り込みを行うということですが、事前に対象の地域や関係団体などにも情報提供をしていただき、その協議の中で、学生たち、そして地域の自治会の皆様が活動しやすい素地をつくっていくことも行政の役割であろうと考えますので、そのあたりもしっかりと取り組んでいただきたいということを求めて、私の質問を終わります。
◆坂本きょう子 委員 私からは、マンションにかかわって、大きく2点質問したいと思います。
一つは、分譲マンション適正管理推進事業について、もう一つは、先ほどもありました西区での賃貸マンションのバルコニーのひさしが崩落した問題にかかわって質問したいと思います。
それでは、まず最初に、分譲マンションのほうから質問いたします。
この問題については、たびたび議会でも取り上げてまいりました。いわゆる建物の老いと、
入居者の老いという二つの老いをどう解決していくのかということについて、実際に分譲マンションに入っていらっしゃるご高齢の方、あるいは、管理組合を運営していらっしゃる方からお話を伺いまして、この問題を議会で取り上げるようになりました。
そこで、今、札幌市は、5年に1回、分譲マンション管理実態調査というものを行っていて、この調査結果がちょうどこの3月に出ましたので、まず、調査結果を伺いたいと思いますが、今の分譲マンションの管理実態について、どういうふうに把握し、評価しているのか、概要をお聞かせいただきたいと思います。
◎杉村
住宅担当部長 分譲マンション管理実態調査の概要についてお答えいたします。
本調査は、築25年以上の分譲マンションを対象として実施しているものでありまして、5年前の平成22年度に行った前回の調査と比較すると、実際の回答の内容については全体としては大きな変化が見られなかったものの、5年が経過したことによる若干の特徴的なものとして、古い分譲マンションほど所有者が分譲から賃貸に出す戸数の割合が高くなること、また、居住者の
高齢化により、管理組合の運営や建物の老朽化に不安を感じる管理組合が多くなるといった傾向が見られたのではないかなと思っております。また、調査対象となる管理組合数、25年たった管理組合数が5年前は827軒だったものが今回は1,184軒とおよそ350軒ふえておりますが、回答いただいた管理組合数はほぼ横ばいから微増でありまして、分母が大きくなったけれども、回答数は変わっておらず、回答率は47%から32%に下がり、回答いただけなかった管理組合が増加していることは懸念されると思っております。
◆坂本きょう子 委員 築25年以上のマンションが対象で、5年前と比べて大きな変化は余り見られないということでしたが、マンションの戸数でいきますと、827軒だったものが1,184軒とおよそ350軒もふえているわけですから、やはり、この5年間でも古い築年数のマンションが相当急速にふえてきている実態が顕著にあらわれているのだろうなと思っています。
今、部長からは、もともとは分譲マンションだけれども、もうオーナーも代がわりをして子どもや孫の時代に移っていき、オーナー自体が実際に市内に居住していない、本州など道外にということで賃貸化が進んでいるということでしたし、そういう中で、建物の老朽化とともに、なかなかうまくいかないという組合の不安の声もあるというお話があったと思います。また、回答率ですが、分母がふえたから47%だったものが32%ということですけれども、より実態を反映した調査ということであるならば、管理組合からしっかりと回答をいただけることがやはり望ましいと思います。
まず、回答が低い要因はどういうところにあると考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
◎杉村
住宅担当部長 回答率が低くなった要因をどう捉えているかというご質問だと思います。
前回調査から5年経過したことによりまして、先ほど言った築25年以上の分譲マンションの数がふえておりまして、あくまで推察ですが、分譲マンションの賃貸化などにより、管理組合が十分に機能していない分譲マンションや、また、賃貸化していることから維持管理に対する関心が低い管理組合がふえていると分析しているところでございます。
◆坂本きょう子 委員 組合の機能が低下しているというのは、私も先ほど触れましたが、まず、
入居者が
高齢化していることと、賃貸ということでそもそも分譲という意識がない、区分所有の意識がなくて、無関心とは言わないけれども、そのために関心が低くなっているのではないかということでした。
そういう中で、維持管理に関心の低い組合の存在というのは、やはり、築年数が増せば分譲マンションはこれからなかなか厳しい実態になっていくだろうと思うのです。維持管理の重要性がより一層高まる中では、いろいろな問題を引き起こす要因になりかねないことから、維持管理に関心の低い管理組合の実態を把握する必要があると考えます。まさしく、回答率が低いことの裏に何があるのかということと表裏一体だと思うのですが、こういう管理組合にこそしっかりと対応していく、実態を把握していくことが望まれるというふうに思います。
これから、どういう形で分譲マンションの適正な管理を推進していくのかというところにもかかわってくるかと思いますが、こういう管理組合、マンションに対してどういう対応をしていこうとしていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
◎杉村
住宅担当部長 維持管理に関心の低い管理組合への対応についてのお尋ねだと思います。
現在、管理実態調査において回答いただけなかった分譲マンションの中から一定数を抽出いたしまして、職員が直接訪問し、理事長や管理人などに調査票を再度手渡して、回収も直接訪問によって行うなど、いわゆるマンパワーで実態の把握に努めております。また、札幌市住宅マスタープランの見直しに当たりまして札幌市住まいの協議会から昨年12月に答申をいただいておりますが、その中には、今後増加する老朽化分譲マンションの維持管理や、建てかえなどの更新需要への対策の重要性についてご意見をいただいているところであります。
これまで、北海道マンション管理組合連合会、道管連と申しますが、そこと連携の上、分譲マンションの維持管理に関する相談窓口の設置や講習会の開催などを行っておりまして、維持管理の重要性に関する普及啓発に一定の成果を上げているのではないかなとは思っております。ただ、現在行っている直接訪問による調査の結果も踏まえつつ、より一層の活用が図られるよう、道管連を初め、関係団体などとさらなる連携を図るとともに、情報提供などの支援の強化を図りまして、分譲マンションの適正な維持管理が行われるように引き続き普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
◆坂本きょう子 委員 マンパワーで直接訪問をしようというお話でした。全戸ではなくて抽出調査というお話ではありましたが、職員の皆さんが直接出向いていくという決断に至ったことについては評価したいなと率直に思います。
やっぱり、道管連など含めて、札幌市には、管理組合からの個別の相談なども直接あったと思います。住んでいる世帯を何とかまとめながら、維持管理、修繕なども含めて、建てかえをどうしていこうかとか悩んで、一生懸命に頑張っていらっしゃる管理組合もたくさんあります。道管連から対策の重要性を言われているという話がありましたが、まだまだ関心が低いところがあると思いますので、建てかえなのか修繕なのかということも含めて、札幌市でそうした需要をしっかり見きわめながら対応していただきたいと思います。
ただし、懸念は新年度の予算でして、分譲マンション適正管理推進事業費は160万円しかついておりません。これは、要は、道管連にお願いして相談窓口をつくっているということなのだろうと思います。実態調査については抽出ということでしたが、私は、予算をつけてでも、ちゃんと全マンションを実態調査し、把握すべきだと思います。
マンション対策の先進都市である大阪や横浜では、マンションの管理組合の要望に応じて、どういう対策が必要なのかということでのアドバイザー派遣などももう既に行っています。この件については以前も委員会で求めた経緯がありますが、札幌はまだ5年、10年先なのではないかということで、そのときにはのんでいただけませんでした。しかし、5年前の調査と比べると対象のマンション自体が350軒もふえております。
さらに、これからまた5年ごとに調査するのか、どういうふうになっていくのかはわかりませんが、確実に対象マンションがふえていく中で、旧耐震基準の建物もあるだろうと思います。実際に調査の概要を読ませていただきましたが、診断の有無ということでは、8割が診断を行っていないということでした。その理由は、耐震に不安はあるけれども、予算がないところが4割あり、また、実際に診断を行ったマンションのうち、診断結果で耐震性が不足だったところが2割に上っているということで、この数字は加速度的にふえていくわけですね。ですから、そういうことをしっかりと踏まえて、実態調査も含めて、これからどういうふうに対応していくのか、これから維持管理の普及啓発をしっかり図っていきたいという部長のご答弁がありましたので、ここを信頼いたしますから、しっかりとやっていただきたいと思います。部長、申し送りはちゃんとしていってくださいよ。