札幌市議会 > 2017-03-14 >
平成29年第二部予算特別委員会−03月14日-04号
平成29年第一部予算特別委員会−03月14日-04号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2017-03-14
    平成29年第二部予算特別委員会−03月14日-04号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成29年第二部予算特別委員会−03月14日-04号平成29年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第4号)               平成29年(2017年)3月14日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  山 口 かずさ      副委員長   北 村 光一郎     委   員  三 上 洋 右      委   員  勝 木 勇 人     委   員  こんどう 和雄      委   員  山 田 一 仁     委   員  長 内 直 也      委   員  宗 形 雅 俊     委   員  こじま ゆ み      委   員  飯 島 弘 之     委   員  小 竹 ともこ      委   員  村 松 叶 啓     委   員  中 川 賢 一      委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  小 野 正 美      委   員  桑 原   透     委   員  峯 廻 紀 昌      委   員  しのだ 江里子     委   員  小 川 直 人      委   員  林   清 治     委   員  松 原 淳 二      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  涌 井 国 夫      委   員  福 田 浩太郎     委   員  好 井 七 海      委   員  前 川 隆 史     委   員  わたなべ 泰行      委   員  村 上 ひとし
        委   員  太 田 秀 子      委   員  田 中 啓 介     委   員  松 浦   忠      委   員  坂本 きょう子     委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○山口かずさ 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、村山委員からは、中川委員と交代する旨、届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第1項 社会福祉費の質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  局別施策の概要の45ページに、保健福祉局総務部事業概要と予算が掲載されております。その最初に、民生委員費2億336万7,000円、委員が2,955人とありますが、まず、この関係についての質問が1点です。続いて、札幌市の監査・指導の範囲にある社会福祉法人札幌恵友会について、3点目は、人事評価特別昇給などについて、順次、質問いたします。  まず最初に、民生委員2,955人とありますが、現在、定数は幾らで、現在員が幾らで、欠員が何人か、この状況についてお尋ねします。 ◎白岩 総務部長  定数については2,955人、現員数については平成28年12月1日現在で2,823人となっております。 ◆松浦忠 委員  欠員が生じておりますが、民生委員というのは、憲法第25条の最低限の生活をする権利が国民にあるという規定に基づいて、生活扶助など、社会福祉政策の中で、とりわけ生活保護に関する業務などが民生委員によって担われておりまして、これは厚生労働大臣の委嘱によるものであります。  そこで、なぜ欠員が生じているのか、これについてどのように把握しているか、お尋ねします。 ◎白岩 総務部長  なぜ、欠員が生じているのかというお尋ねでございます。  欠員については、例えば、地域でのつながりが非常に希薄になっていることが一つ、二つ目として、民生委員の仕事の責任が非常に重いと言われていること、三つ目として、60歳で退職した後も仕事を続ける方が非常にふえていることなどにより、民生委員などの地域活動の担い手を見つけることがなかなか困難になっている状況にあると認識しております。 ◆松浦忠 委員  民生委員の男性と女性の比率はどうなっていますか。 ◎白岩 総務部長  男性と女性の比率ですが、女性のほうが多くて、約65%となっております。 ◆松浦忠 委員  65%が女性ということになりますと、先ほどの欠員の理由について、60歳が定年で、まだ仕事を続けているからということでしたが、女性でもそういう方はいらっしゃるでしょうけれども、民生委員をやっている女性はほとんどが専業主婦の方ではないかと思われます。そういう点では、定年とのかかわりとなると、多少はそういうものもあるだろうけれども、今の実態を見ると余りないのではないかというふうに思います。  その辺を踏まえて、担当部局は欠員の補充にどういう対策を講じているのか、お尋ねします。 ◎白岩 総務部長  民生委員担い手不足について、欠員の解消のために私どもはどのような対策を行っているのかというお尋ねでございます。  まず、民生委員年齢要件に関してですが、原則65歳未満でしたが、平成24年4月以降、これを72歳未満に引き上げるなどの要件の見直しを行っていることが一つです。それから、年3回、欠員補充を行っており、その都度、欠員を解消し、欠員地区の職務の代行をする民生委員の負担軽減を図っております。あわせて、私どもの周知、PRに関して言えば、札幌市の退職者、北海道庁の退職者等々の説明会において、民生委員児童委員の活動を紹介するなどの取り組みを行っているところでございます。 ◆松浦忠 委員  民生委員に定年はあるのですか、ないのですか。法的に規定されていますか、どうですか。 ◎白岩 総務部長  定年は特にありません。国からの要請では、できるだけ75歳未満の方を採用するようにということであります。 ◆松浦忠 委員  就任していただくときに75歳未満というのはわかりましたが、民生委員を退くときの年齢の決まりはあるの、ないの。 ◎白岩 総務部長  新任については72歳、再任については75歳未満となっておりますので、75歳になったら退任していただくということでございます。 ◆松浦忠 委員  法的なことを聞いています。 ○山口かずさ 委員長  法的に、そういうところはどうなっているかということでした。 ◎白岩 総務部長  先ほど申し上げた国からの通知によるものだけでございまして、国の規定は特にございません。 ◆松浦忠 委員  私の記憶では、1985年前後だと思いますが、そのころは、定年制という指導はなかったのです。そのため、元気な高齢の方がおられると、例えば、札幌市の民生委員会の代表、北海道の副代表もやっておられて、後に北海道の代表にもなられた方がいますが、その方は、70歳を過ぎてもおやめになりませんでした。当時は、民生委員厚生労働大臣の委嘱を受ける公の仕事として、私も協力したいという人が多くいたものですから、ある意味では、いつまでも長くやっていたら俺が代表になれないということもありました。そこで、当時、私は社会党にいましたけれども、札幌市の民生委員推薦委員会があって、そこに先輩議員も入っていたのですが、先輩議員から私に、松浦君、70歳で定年にしようと言えよという話が出て、議会でそういう議論になった経過も記憶しております。  今言うように、法律では規定がないということであれば、私は、元気な方には75歳を超えてもやっていただくことが必要ではないかと思います。民生委員を長くやって、会の取りまとめをやっておられる方の話を聞くと、札幌市として、民生委員の定年の基準をなくしてほしい、そして、元気な人はいつまでもやってほしいということをぜひ議会で取り上げて、札幌市にそのことを促してほしいと言っておりました。私が住んでいる単位町内会でも、去年、ワンちゃんを何頭か飼っている75歳未満の方がいますが、高齢になったし、ワンちゃんの介護をしなければならないので民生委員をやめなければいけないと言ってやめてしまいました。しかし、後任を探してもいないし、私も探してくれと言われて何人かに声をかけましたが、なかなか引き受けてもらえなくて欠員になっております。  したがって、定年の基準はこの辺でと、そういう物差しになる参考を国から示されているようですが、それは横に置いて、札幌市独自に、元気な人は続けていただくというようなことに変更しなかったら、民生委員の定数が満たされていかないのではないかと私は思うわけです。  これについて、長年、福祉行政に携わってきて、この先、どうされるかはわかりませんが、大ベテランの瀬川局長、いかがですか。 ◎瀬川 保健福祉局長  委員もおっしゃったように、現行の新任72歳未満、再任75歳未満という年齢要件があることで、これが民生委員になっていただけない方がふえてきた一つの足かせになっていることは否定できないのではないかと思っておりまして、私どもとしても、その見直しは大きな課題だと認識しております。  一方で、先ほど部長からもご答弁申し上げましたが、民生委員は、昔と違い、生活保護の事務だけではなく、例えば、単身の高齢者の見守りの仕事も入ってまいりましたし、あるいは、知的障がい者の見守りという事務も入っており、職務が相当程度重くなってきているのも事実でございます。そのため、年齢要件の弾力化というか、撤廃というか、そういうことをしただけで民生委員をすぐに確保できるのかどうか、少し検討しなければいけないと思っております。  個人的には、民生委員の確保という視点からは、年齢要件の問題や、民生委員の負担のあり方、負担の軽減をどうすればいいかということを含めて、トータルで検討していかなければいけないと考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  札幌市は、高齢化、精神的な障がいをお持ちになる方、さらにはひとり暮らしの方々がふえてきたので、地域ごとに組織をつくり、予算をつけて福祉のまちづくり事業に取り組んでおります。私は、きょうも、議会に出てくる前に菊水まちづくりセンターに寄ると、子育て支援ということで、70歳前後の皆さんが男女ともお集まりになっているところに小さなお子さんを連れたお母さん方が来て、3世代交流や、お母さんたちの子どもの悩みを聞いたりしていました。こうした福祉のまちづくり事業も、十数年を経て、地域ごとにその組織体制が軌道に乗ってきております。  そういう意味で、それぞれが地域で分担し合いながらやらなければならないわけですが、少なくとも、戦後の新しい憲法と法律のもとでこの制度が発足して、厚生労働大臣の委嘱を受けて活動する中で、今、広がっているものは広がっているものとして、特に生活保護における役割は定着してきております。そして、昔で言うと法律的には社会福祉事務所でありますが、今、その役割を担っている各区の保健福祉部の保護課の職員の皆さんの事務の軽減にもつながっているわけです。したがって、ここは、どうやって充足するかということを中心に考えなければだめだと思います。  そこで、局長にお尋ねしますが、ここにいる中であなたがこの道に一番詳しいのですから、今みたいに抽象的なことではなくて、年齢要件を撤廃していく、その方向で行くと言わなければ進みません。特に、年齢表と定年制という決まりを見たら、局長は3月31日午前0時をもって市役所を去られるという仕組みになっています。本人に確認したわけではないし、市長に確認したわけではないからわからないけれども、規則からいったらそうなっているのですよ。したがって、私は、とりあえず、これは最後の仕事としてぜひきちんとやっていただきたいと思うのだけれども、いかがなものですか。 ◎瀬川 保健福祉局長  民生委員年齢要件撤廃のお話ですが、指定都市の一部では75歳を77歳、78歳に引き上げるといった弾力的な運用をしているところもございます。ただ、これは民生委員の身分にかかわる問題でもございますので、どういう形がいいか、まずは市の民児協あるいは区の民児協などと十分に協議、議論をしながら検討していきたいと思っております。  いずれにしても、年齢要件の問題は大きな課題だと認識しておりますので、見直しする方向で検討してまいりたいと思っております。 ◆松浦忠 委員  そこで、これについての最後の質問です。  市長のお隣に並んでいる3人は、3月31日で去られると報道している新聞がありますが、僕はそのことを聞くわけではありませんよ。聞くわけではないけれども、そういううわさがあるということは、世の中、まんざら、うそでもないということが過去の歴史です。そうすると、残るのは市長のみですが、通例では1週間前の3月23日の内示ですから、今、市長の頭の中では後を誰にするかというのがあるのではないかと思います。  そこで、このことについては、市長の意思として後任者に伝えて、年齢制限を外していただき、早急に適任者を選んでいただいて定数を満たしていくという取り組みをしていただきたいと思いますが、市長、いかがでしょうか。 ◎秋元 市長  現民生委員は昨年12月に一斉更新をしておりますので、欠員をどう埋めていくかということや、今、るる審議のあったことを含めて、民生委員の定員確保について検討を進めていきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  次に、社会福祉法人札幌恵友会の関係であります。  これは、既に皆さんもご承知のとおり、恵友会の設立当初から、その設立を認可した北海道庁の担当課長が収賄事件で逮捕され、有罪判決を受け、そしてまた、当初の設立者である理事長も逮捕されました。それから、その後に就任した理事長の乱脈経理もあり、いまだに収束しておりません。  そこで、監査指導室長にお尋ねしますが、北海道は、恵友会の監査権が札幌市に引き継がれる前の3月に改善勧告を出しました。この北海道の改善勧告の内容と、今、それがどのように実施されているか、この点について説明を求めます。 ◎小笠原 監査指導室長  社会福祉法人札幌恵友会の関係でございますが、昨年3月29日に北海道が第4回の改善命令を発しております。その内容については、経営基盤を強化すること、もう一つは、そこに至った責任の所在を明らかにすることの2点でございます。そして、委員がおっしゃったとおり、4月1日に権限移譲により監査権限が北海道から札幌市に移ったということです。その4回目の改善命令に対しては、途中3回の中間報告を経まして、最終的には昨年9月30日に社会福祉法人から改善報告書が提出されております。札幌市としては、改善内容の実効性を検証した上で、本年1月26日に改善報告を正式に受理したところでございます。  改善内容については、一つ目は、社会福祉法人三草会と法人連携協定を締結し、理事4名、評議員2名の参画を得て、法人体制の刷新と強化が図られていること、二つ目は、改善命令時の役員は、理事長を初め、理事、評議員が全員退任していること、あわせて、本部の管理職員も懲戒処分を受けるなど責任の所在が明らかになっております。さらに、外部委員3人を含む改善委員会を設置し、法人の再建基本方針を策定して改善に取り組んでいることが確認できましたので、適切に改善措置が実行されていると判断いたしました。  あわせて、今回、この改善報告を受理するに当たっては、経営再建に向けては職員の理解と協力を得ることが是が非でも必要であることから、労使関係の改善に向けて理事者側がどのような態度で臨んでいるかということに特に着目していたところでございます。職員組合理事者側に対して不信感を持っており、その主張をする一番の問題点は神恵内にある老人保健施設をめぐる諸問題ですが、これについては、その老人保健施設を他の医療法人に移管することが決まっておりまして、組合側も一定の理解を示していると聞いております。組合側は、この神恵内の問題を含めて、北海道労働委員会に対して申し立てを行っていたところですが、和解が成立し、申し立てを取り下げたと聞いております。  これで全ての労使間の問題が解消するわけではありませんが、今後の理事者側の誠実な対応と結果を積み重ねることによって改善が図られると考えておりまして、こうした労使間の改善も含めて改善報告を受理したということでございます。 ◆松浦忠 委員  一定の整理をされた部分はありますが、北海道からの改善勧告の中で、肝心の経営基盤をきちんと強化するということがありまして、そのためには1年分程度の運転資金の寄附を仰ぐということがありました。この寄附をめぐっては、中国で事業をやっていた人がやめて帰ってきて、1億円を寄附するとか、2億円を寄附するという話がいろいろありました。  まず、寄附金の関係はどうなっていますか。これが一つです。  それから、二つ目は、神恵内の老人保健施設に医師がいました。この医師は、不正診療をして、保険診療医としての資格を剥奪されておりますが、社会福祉法人の前任の理事長とも気脈を通じていろいろなことがあったということですけれども、この医師が恵友会に残るのか、残らないのか、これが二つ目であります。  それから、三つ目は、三草会なる団体について、ここの団体がどの程度の規模の事業を営んでいるのか。わかりやすく言えば、決算ベースで金額的にどのぐらいの事業内容のものをやっておられるか、この3点についてお尋ねします。 ◎小笠原 監査指導室長  まず、1点目の寄附金の件でございますが、今回の改善命令は、経営基盤の改善を図るということで、一つには、年間事業費の12分の1に相当する資金を確保しなさいということがうたわれておりまして、これができない場合には、他の社会福祉法人からの参画を得て経営基盤の改善に努めることということでございます。最終的に、札幌恵友会は、他の法人からの参画を得て経営基盤の改善を図る道を選びましたが、委員がおっしゃるとおり、資金の提供を受けることを検討していたことも事実でございます。これについては、2億1,000万円を限度とする無利子の貸し付けをするという協定書を個人と結んでおります。恵友会としては、寄附をしていただくということで協議を進めていましたが、今年度、その資金のうち6,000万円を借りておりまして、この6,000万円については、その個人から寄附していただくという了解を得たと聞いております。残余の額についても、引き続き努めると聞いております。  なお、出資をする方が経営状況の改善を見て検討したいとおっしゃっているということなので、先ほど説明いたしました組合との関係が改善に向かうこともプラスに働くのではないかというふうに考えております。  それから、二つ目の神恵内の施設長の関係です。  施設長の問題については、あくまでも法人内部の問題でありまして、札幌市として積極的に関与する問題ではないと考えております。また、先ほど申し上げたとおり、老人保健施設が他の医療法人に移管することが決まっております。そこで、今の施設長がどうなるのかについては承知しておりませんが、基本的には、施設長のことを含めて、施設自体が恵友会とは関係なくなるということでございます。  次に、三草会のことでございます。  社会福祉法人三草会は、老人保健施設のほか、地域包括支援センター介護予防センター、グループホームやデイサービス事業を営んでいる社会福祉法人で、母体の医療法人三草会というところからつくられた法人です。社会福祉法人医療法人を含めて、経営的には問題がないことを確認しております。 ◆松浦忠 委員  神恵内の関係をなぜ毎回問いただすかといえば、何の組織もそうですが、組織は人が動かすわけですよ。そして、この組織が混乱に至った要因の大きな一つは、2代目の理事長とこの医師なのです。これは、皆さんもおわかりのとおりです。したがって、この医師が恵友会に残留するか、しないかということは今後の経営に大きくかかわってくるということですから、私は、この医師の退任を求めて、きちんと指導していただきたいと常に言ってきております。ですから、このことをきちんと確認してください。一つは、これを求めておきます。  それから、6,000万円を寄附したということですが、無利子ということですが、いまだに寄附していないのですね。この経営基盤については、結局、2代目理事長が乱脈経営をして、法人の金を私的に多額に使ったという事実があるわけですよ。そして、今までの私どもの調査では、それによってこの法人の経営がおかしくなっていったということになっているわけです。  そこで、小笠原室長も、私と堀川議員も一緒でしたが、神恵内村役場の助役でやめた施設長、村の元工事課長でやめた理事長代行と一緒に金融機関の札幌支店に行って、札幌市が再建に向けて責任を持って指導するから、ひとつ融資を続けてほしいという話もしてきました。ただ、経営陣が入れかわることは経営を健全にしていくことですけれども、穴をあけたお金というのはどこからも埋まりません。したがって、そういうお金は、一部は寄附金をもって充てることにならざるを得ないわけで、それが2億円になるのか、1億5,000万円になるかわからないけれども、できるだけのお金をきちんと寄附していただくということでなければいけません。  そして、今は理事に残っているかどうかわかりませんが、群馬で設備関係をやっている会社の人が来て、3代目の施設長などをやり、実質、経営を握りましたが、うまくいかないで、ぱっとやめて帰りましたね。その後に入ってきた方々が、中国のその人も含めた人たちなのです。したがって、寄附を受けるものはきちんと受ける、このことが完了するまではこの問題を解決する経営基盤の改善にならないということなのです。  それから、三つ目は、なぜ私が三草会は1年間でどれぐらいの事業費でやっているのかということを聞くかというと、役員が派遣されて連携するというのは何のためかといったら、いざとなったら、そこの信用で金も借りられるという担保能力をここに求めているのです。したがって、ここがどの程度の規模の事業をやっておられるのか、そして、その内容はどうなのかということについてきちんと把握した上で、札幌市としてそれがよしかどうかという判断をしなければだめなのです。私は、そのことを求めてきているのです。  先ほどのお尋ねに対して、どの程度の事業をやっておられるかという答えがありませんでした。前年度の決算額ではどの程度やっておられたか、答えていただきたい。 ◎小笠原 監査指導室長  まず、1点目の神恵内の施設長の関係につきましては、施設自体が恵友会と関係なくなりますので、施設長としてその方が残るか残らないかは別にして、一切、恵友会とは関係がなくなると判断しております。  それから、三草会の事業規模の関係については、大変申しわけありませんが、金額的な資料を持ち合わせておりません。 ◆松浦忠 委員  後で結構ですから、調べて報告してください。  とにかく、私も堀川議員もずっとこれにかかわってきていますが、2人が見るところでは、法的な決まりがあるか、ないかは別にして、札幌市が安心して特別監査対象から外すところには至っていないという認識ですけれども、監査室長の認識はいかがですか。 ◎小笠原 監査指導室長  改善命令の報告を得て、これからの経営改善に向けてスタートしたという時点でございます。経営改善の実が上がるか上がらないかというのは、我々としてもきちんと見なければいけないと思っておりますし、そういう面では委員の認識と同じでございます。 ◆松浦忠 委員  この中で、特に寄附金の関係については、今年度内ということですから、3月31日までに6,000万円が入るかどうか、とりあえず4月1日には確認し、報告してください。  続きまして、人事評価についてお尋ねいたします。  これは、まず、総務部長にお尋ねしますが、総務部長のところに保健福祉局の各部から人事評価書が来ると思います。そこで、総務部長は、来たものに手を加えますか、加えませんか、お尋ねします。 ◎白岩 総務部長  人事評価の基本的な仕組みでございます。  私は部長職ですが、人事評価の場合、一般的に、1次評価、2次評価、最終的に局長の調整という形になってまいります。私がかかわるのは2次評価までということでして、それは、1から5の数字ではなくて、S、A、B、C、Dの5段階評価となっておりますが、当然、SをAにするなどの場合もございます。 ◆松浦忠 委員  ございますではなくて、ことし1月1日で定期昇給がありましたが、昨年、評価した中で変えたのがあったか、ないか、答えてください。 ◎白岩 総務部長  変えたのはございました。 ◆松浦忠 委員  そこで、局長にお尋ねします。  局長のところへ来た段階で、S、A、B、C、Dの5段階のクラスの入れかえがあったか、ないか、あったら、何人入れかえたか、記憶があったら答えてください。 ◎瀬川 保健福祉局長  直近の人事評価ということであれば、今回はございません。 ◆松浦忠 委員  次に、特別昇給について、総務部長にお尋ねします。  特別昇給は、保健福祉局ではどういう評価作業になりますか。 ◎白岩 総務部長  特別昇給についてのお尋ねでございます。  特別昇給については、私どもで行った人事評価の結果並びに公務に対する貢献度も総合的に判断して、最終的には総務局において昇給区分を決定しているところです。 ◆松浦忠 委員  そこで、局長にお尋ねしますが、特別昇給について、どういう目的でやっておられると局長は認識されていますか。 ◎瀬川 保健福祉局長  総務局でやっておりますので、私からはなかなか答えにくい部分がありますが、職員のモチベーションアップだと認識しております。 ◆松浦忠 委員  先ほどの総務部長の答弁からすると、総務局でやっていることが確認できたので、これで私の社会福祉費の質問の全てを終わります。 ◆中川賢一 委員  私からは、社会福祉法人の改革に関する本市の取り組み状況と、今般、改定される予定の地域福祉社会計画の2点についてお伺いしたいと思います。  まず、社会福祉法人の改革についてでございます。  ただいまも、ある社会福祉法人についていろいろな議論をされておられましたが、昨今は不適切な事例が表面化することも出てきております。そういったことから、国においては、社会福祉法人の改革に着手しておりまして、今般、その一環として社会福祉法が改正され、市内にも200余りの社会福祉法人がありますが、ことし4月に迫った改正法の施行に向けて各法人において対応作業が進められているところだと認識しております。  そこでまず、質問ですが、今般の社会福祉法の改正について、その改正目的はどういうことであるのか、改めて確認させていただきます。  また、その目的を達成していくために、今回の改正でこれまでとどのような点が大きく変わったのか、そして、法人側ではどのような対応を行わなくてはならないのか、このあたりもあわせてお伺いしたいと思います。 ◎小笠原 監査指導室長  社会福祉法人の制度改革についてのお尋ねですが、1点目の社会福祉法人制度改革の目的についてであります。  社会福祉法人は、昭和26年に制度創設以来、これまで社会福祉事業の主たる担い手として戦後の社会福祉を支えてきました。しかしながら、昨今、独居老人の増加あるいは子どもに対する虐待の深刻化など、福祉ニーズが多様化・複雑化しております。一方で、民間事業者の参入によって担い手も多様化していることから、改めて、社会福祉法人に対して高い公益性、非営利性を求められることになったものでございます。このため、組織のガバナンスの強化、事業運営の透明性の確保などの説明責任を果たし、地域社会に貢献するような改革を行うことになったものでございます。  2点目の改革の内容と各法人が行わなければならない対応についてでございます。  まず、ガバナンスの強化については、理事会は業務の執行機関となり、単に諮問機関にとどまっていた評議員会は、今後は法人運営に係る重要事項の議決機関となされ、権限が分かれたために相互に牽制が働くことになります。また、理事の選任は、評議員会で行うことになっておりまして、これまで、評議員は理事を兼ねることができましたが、新制度では兼務できないことになります。評議員の選任は、これまでは理事会で行っておりましたが、今後は選任・解任委員会を設けて、ここで行うことになります。
     続きまして、透明性を確保し、説明責任を果たすということですが、社会福祉法人の定款のほか、今後は財務諸表や役員報酬基準を公表することになります。また、一定規模以上の法人には会計監査人等を設置することを義務づけたほか、いわゆる内部留保を明確にして、社会福祉事業等へ計画的に再投資することとされております。  これらの改革は、先ほど委員からございましたとおり、本年4月1日から実施されることになっておりまして、全ての社会福祉法人で定款を変更しなければならないということで、現在、その作業を行っているところでございます。 ◆中川賢一 委員  今回の制度改革では、ガバナンスの強化や事業の透明性の向上など、法人側でも、理事会や評議員会の役割の変更や定款の変更等の作業があるということでした。当然、法人側でもいろいろとやっておられると思いますが、制度の趣旨というものがありますので、このあたりを十分に理解していただいた上で、適切に対応していただくよう、本市としてもしっかりと注視していただきたいと思うところです。200以上ある市内の法人ですが、経営の規模や運営体制はさまざまな状態ですので、制度改正への対応状況や、これらがもたらす影響もそれぞれ違ってくるのではないかと予測されるところです。  次に、社会福祉法人に対するこうした周知はこれまでどのように行われてきたのか、それから、改正法の施行を目前に控えて、各法人のそれぞれの対応準備はどのような進捗状況にあるのか、中にはなかなかうまく進んでいないところもあると想像しますが、そうした場合はどのような対応をされているのか、あわせてお伺いしたいと思います。 ◎小笠原 監査指導室長  社会福祉法人への改革の周知と、準備がおくれている法人への対応というご質問でございます。  社会福祉法人への周知については、昨年8月に札幌市所管の社会福祉法人向けの説明会を行っており、ほぼ全法人が参加しております。また、その後、実地監査の際に説明を行ったり、電子メールで周知しております。また、社会福祉法人からの問い合わせについては、その回答をまとめてQアンドA集を作成し、各法人に送って疑問の解消に努めております。事務処理がおくれている法人については、こちらから問い合わせを行ったりして相談に応じております。  これらの対応により、新しい定款の認可は全体の86%ぐらいまで進んでおり、事前相談を含めれば、現在、99%の法人が対応している状況となっております。 ◆中川賢一 委員  99%でおおむねの準備が済んでいるという状況ですので、とりあえずスタートできるかなと思います。ただ、それは、スタートする準備が整ったということであり、今後、法改正の趣旨をしっかりと酌んで各法人が経営改善を達成していけるのか、そして、いろいろな福祉ニーズに応えていけるのかということは、新たな制度、経営体制のもとで今後どのような事業運営がなされていくのかというところにかかってくるのだと思うところでございます。  そこで、さらに質問させていただきます。  今後、社会福祉法人は、この法改正を受けて今後どのような対応をしていく必要があるのか、また、札幌市としてはこれらにどのように対応していくお考えなのか、そして、このようなことを通じて今後どのような効果を見込んでいるのか、お伺いしたいと思います。 ◎小笠原 監査指導室長  今後の対応とその効果というお尋ねでございます。  本年4月1日以降、社会福祉法人においては、決算を行って財務諸表を公表することとあわせて、社会福祉事業等への計画的な再投資を促す計画の策定が求められております。札幌市では、これらが円滑に実施できるように要綱等の整備を行うとともに、監査の機会等を通じて新しい制度への対応を助言・指導し、支援して、法に基づく役割を積極的に果たしていきたいと考えております。  新しい制度への対応により、社会福祉法人においてはより一層の責任を求められることになりますので、社会福祉法人に対する地域における信頼性が高まっていくことを期待しております。 ◆中川賢一 委員  制度の趣旨なり対応ということから考えると、そういったところが本来的なことになってくると思いますけれども、表面的にそうしたことを進める中で、今後、実態がどうなっていくかが非常に問題であります。当然、今後は高齢化がさらに加速していきますし、福祉事業の姿も、これらのサービスを必要とする人の数や担い手の数の割合、要するに需給バランスが急激に逼迫することは確実でして、これらが法人の経営に与える影響は小さくないと考えるところでございます。また、社会福祉事業に関しては、社会福祉法人のほかに株式会社やNPO法人など、今後はいろいろな形の経営主体が参入してくることが見込まれまして、利用者側のいろいろなニーズや経済事情に応じてそれぞれがいろいろな役割を果たそうということになって、こちらも競争環境が多様化してくると考えられます。  こういった環境下ですので、社会福祉法人も、これまで以上に競争にさらされていくことは避けられませんので、各法人において、適切なサービスの提供と、今回の主目的である経営の健全化、さらには、今のお話にあった再投資をどのように適正に行っていくのかといった経営センスも求められてまいります。本市としても、今回の国の制度改正等に対して、とりあえずは事務的に対応していかなければならないところはありますが、こういった点を踏まえて、いろいろな形態の事業者がどのような役割を果たしていけるのか、しっかりと明確な方向性を持って、当然、社会福祉法人にもふさわしい役割を果たしていっていただけるように、主体的にいろいろな対応をしていっていただきたいということを今の段階では申し添えておきたいと思います。  社会福祉法人の関係の質問はこれで終わらせていただきまして、次に、地域福祉社会計画についてお伺いしたいと思います。  札幌市の地域福祉社会計画は、社会福祉法の規定に基づく市町村の福祉計画として、平成7年に第1期の計画が策定され、現行の計画は平成24年に策定された第3期の計画ということで、29年度に最終年度を迎えると伺っております。次期計画の策定に向けては、昨年11月に札幌市地域福祉社会計画審議会を立ち上げて、現在、鋭意、作業が進められていると伺っております。  そこでまず、お伺いいたしますが、今後、審議会で計画の具体的内容が審議されていくに当たって、審議会の事務局であって、計画の事業主体である本市の保健福祉局としてはどのような点が新計画検討の着眼点になると考えておられるのか、見解をお伺いしたいと思います。 ◎白岩 総務部長  審議会における検討の着眼点についてお答え申し上げます。  少子高齢化の一層の進展や人口減少社会の到来により、地域住民が抱える福祉課題は多様化あるいは複雑化しており、複数の課題を抱える世帯や既存制度の対象とならない課題を抱える世帯が生じてきているところでございます。地域での困り事が漏れなく速やかに発見されるよう、単位町内会など小地域を単位とした見守り活動を、より一層、充実、拡大していくことや、地域住民みずからが困り事の解決に取り組むことのできる体制づくりに向けた検討をしていかなければならないものと考えております。また、地域住民のみでは解決を図ることが難しい課題へのバックアップ体制についてもあわせて検討してまいる所存です。 ◆中川賢一 委員  いろいろな着眼点についてお話しいただきました。いろいろな着眼点があると思いますが、それらを踏まえて計画を策定するに当たって、その前提となる地域の実態の把握についてでございます。  どのような着眼点で検討するにしても、その前提として、実情をどれだけ正確に把握しておくかということが何より重要だと思います。今回の策定作業においても、審議の基礎資料とするため、昨年9月に地域の福祉活動に関する市民意識調査というアンケート調査を実施されまして、せんだって、調査結果の報告書を拝見させていただきました。その報告書によりますと、調査の対象は、無作為抽出で、16歳以上の市民3,000人、郵送で調査票を送り、有効回答率は38.8%でした。どういった回答があったかということは置いておきまして、38.8%の回答率というのは、調査結果の妥当性が高いのか、低いのか、十分なのか、いろいろと評価できるところだと思いますが、検討材料としての一般的な最低要件は満たしている数字だと理解したいと思います。  しかしながら、地域の生活や福祉の実態は、先ほど来のお話もありますが、極めて変化しており、多様化している状況でございます。また、少子化、高齢化が急速に進展して人口構造が変化しておりますし、さらに、住宅のインフラも変化して、計画が対象としている地域の姿は日々刻々と変わっております。1回のアンケートでそうした実態を十分につかまえられるのかとなると、若干、心もとない部分もあると感じざるを得ないところでございます。  先ほども、民生委員のなり手の話等がいろいろ出ておりました。私自身も民生委員などから不安の声や不都合な部分を伺うことも少なくなくて、担当の皆さんにもいろいろご相談に乗ったりしていただいておりますが、こういったことを通じて考えても、役所の中で立てた仕組みが必ずしも現場でうまく機能していないこともあるのだと思いますし、そういったことから先ほどの着眼点も出てきていると思います。こういったことを踏まえますと、現計画で設定している前提が次期計画にそのまま踏襲できるものではないと思いますし、また、次の計画の6年ということでも地域の姿はどんどん変貌していくと考えるべきだと思います。  このように考えてみると、地域の実態把握に関する作業は、どれだけ深くやってもやり過ぎることはないと思います。作業の実質的な限界もありますが、いずれにしても、さきのアンケート結果のみでニーズや課題が浮き彫りになったとして、これらをベースに議論を進めていくというのはちょっと簡単過ぎるかなという感も否めないところでございます。  そこで、次の質問をさせていただきます。  計画の策定作業を進めていく中で、既に終了したアンケート調査以外に、もっと踏み込んで市民が抱えている課題やニーズを把握し、向き合っていかなくてはならないのではないかと考えますが、今後、そのような作業を行う予定があるのか、今後の全体スケジュールも含めてお伺いしたいと思います。 ◎白岩 総務部長  市民が抱えている課題やニーズの把握方法あるいは今後のスケジュールについてもあわせてお答え申し上げます。  昨年9月に実施したアンケート調査のほか、本年7月以降には、地区福祉のまち推進センターの活動者や民生委員児童委員など、地域福祉活動を実践している方との意見交換会を各区1地区ずつ行います。さらに、地域が抱えている問題や地域福祉のあり方に関する意見を把握することを予定しております。また、福祉のまち推進センターの活動者を対象としたフォーラムもあわせて開催する予定でございます。  こうした機会によって得られた地域の課題の実情や市民意見を踏まえて、10月には審議会から計画案の答申をいただく予定でございます。その後、パブリックコメント等の手続を経て、平成30年3月に次期計画を策定する予定となっております。 ◆中川賢一 委員  今後、区を単位にした意見交換会やフォーラムなども行っていくということでした。これらは、ニーズや課題把握の検討に当たっての十分な基礎資料になるのかというのはこの場だけではわかりませんが、いずれにしても、しっかりと今後の議論の中に反映させていくために、できるだけ早い時期にこれらを実施して、検討に当たっての資料として、極力、今後の作業に反映できるよう、計画の策定スケジュールを改めてチェックしてみるべきではないかと申し述べておきたいと思います。  最後に、確認させていただきますが、今回の計画策定に当たって、審議会にお諮りして作業を進めていくということでした。しかし、言うまでもなく、計画の策定主体は札幌市ですし、関連する事業の執行主体や責任主体も市になってきます。そういう意味では、本市としても、地域の実態把握にはできるだけ力を傾けていくことが重要であると考えますし、それらを踏まえて、市が主体的に考えていくことで計画に実現性が出てきますし、また、そういった姿から現場の市民の理解も得られてくるのではないかと考えます。審議会に委ねて専門の方にご検討いただくことも大変重要ではございますが、市として、しっかりとした方向性と主体性を持って計画の策定に臨んでいただきたいということを申し添えて、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。 ◆岩崎道郎 委員  私からは、大規模災害に備えた今後の取り組みについて、2点質問させていただきます。  まずは、災害ボランティアセンターについてです。  先日、発災から6年を迎えた東日本大震災、来月で間もなく1年目を迎える熊本地震には、多くの方がボランティアとして復興に向けた支援をいただいております。今でも、引き続き、地域によってはボランティアの皆さんが活躍されていると思います。このボランティアの方々が円滑に活動を行うために、各市町村に災害ボランティアセンターが設置され、ボランティアを必要とする方と活動者をつなげる需給調整などを行っております。この災害ボランティアセンターを経由してボランティア活動を行った方は、延べ人数で、東日本大震災では約150万人、熊本地震では約12万人となっております。これだけ多くの方が一日も早い被災地の復興を願い、ボランティア活動を行ってきていることに大変心強く思うと同時に、これらの取りまとめを行う災害ボランティアセンターが災害発生時に迅速に設置され、的確に運営されることの重要性を強く感じております。  そこで、質問です。  札幌市の地域防災計画には、札幌市社会福祉協議会に災害ボランティアセンターが設置されることが明記されております。この災害ボランティアセンターが、発災後、速やかに設置され、円滑に運営されるためには平時からの備えが重要であると考えますが、どのような準備がなされているのか、お伺いいたします。 ◎白岩 総務部長  災害時に災害ボランティアセンターが円滑に運営されるための平時からの準備についてお答え申し上げます。  札幌市におきましては、災害発生時の円滑なボランティア支援体制の確立のため、日ごろからボランティア活動センターの運営や地域福祉活動の推進を行っている札幌市社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを設置することとしております。この災害ボランティアセンターについては、災害発生後に、設置の要否の判断、あるいは、ボランティアの受け入れ体制の整備、ボランティア要望の把握、さらには災害ボランティアセンターの周知などを迅速に行う必要があることから、災害ボランティアセンターを運営する札幌市社会福祉協議会において、平成23年4月に札幌市災害ボランティアセンター設置運営マニュアルを作成しております。  また、平成28年3月には、過去の災害の教訓等も踏まえて、SNSを活用した災害ボランティアセンターの周知や他都市の社会福祉協議会等との連携などについても新たに明記したところであり、今後も必要に応じてマニュアルを随時見直すこととしております。さらに、マニュアルにも記載されておりますが、平時から地域住民との信頼関係の構築や、NPOを初めとした各災害支援団体との関係づくりにも取り組むこととしております。 ◆岩崎道郎 委員  発災時に災害ボランティアセンターが円滑に運営されるよう、マニュアルの整備、地域住民との関係構築が行われているということでございます。  先日、3.11でしたが、あのときを思い出すさまざまな映像を見る中で、恐らく、マニュアルがあってもそのとおりには動かないという側面もあろうかと思いますので、マニュアルをしっかり見直していくことが非常に大事ですし、さまざまな角度からマニュアルを見直していただきたいと思いました。  災害ボランティアセンターは、他の都市においても、札幌市と同様、社会福祉協議会に設置されるケースが多く見られますが、円滑な運営を行うためには、マニュアル等の整備のほかにも、市町村と社会福祉協議会の連携が重要になるだろうと思います。  そこで、質問ですが、災害ボランティアセンターを円滑に運営するため、札幌市と社会福祉協議会がどのような連携体制をとっているのか、お伺いいたします。 ◎白岩 総務部長  災害ボランティアセンターの円滑な運営のための札幌市と札幌市社会福祉協議会の連携についてお答え申し上げます。  災害ボランティアセンターの設置や運営を円滑に行うためには、社会福祉協議会との連携が大変重要であることから、これまでも、災害ボランティアセンター設置運営マニュアルの作成あるいは改定作業に札幌市として参加しております。また、昨年8月には、業務内容や役割分担を明確にし、連携体制の強化を図る目的のために、札幌市と札幌市社会福祉協議会との間で札幌市災害ボランティアセンターの設置運営に関する協定を締結いたしました。さらに、実際に災害が発生した場合には、災害ボランティアセンターの設置に向けた情報の共有など緊密な連絡が必要となることから、札幌市社会福祉協議会に本市の防災無線を設置したところでございます。今後についても、連絡会議などを定期的に行い、連携体制をさらに強化していきたい、このように考えております。 ◆岩崎道郎 委員  準備を重ねても足りないのが震災の現実なのかなというふうに思いますので、ますます強化を図っていただきたいと思います。  阪神・淡路大震災ぐらいからだと思いますが、震災の際には、日本中の方がボランティアとして被災地に足を運び、復興に向けた協力をしてくださっています。過去の災害で見ますと、多い日には1日1,000人を超える方が被災地に足を運んでお手伝いに訪れていると聞いております。こういった活動とボランティアを受けたいと思っている方をつないでいただき、一日も早く復興を行うためには、災害ボランティアセンターの設置が必要不可欠になります。今後についても、これまで以上に社会福祉協議会と連携を図り、日ごろから準備を行うことを切にお願いしたいと思います。  次に、福祉避難場所の運営強化に向けた今後の取り組みについて伺います。  昨年4月に発生した熊本地震では、高齢者や障がいのある方など多くの要配慮者の皆さんが非常に困難な避難生活を余儀なくされたところであり、昨年の第3回定例市議会の決算特別委員会で、私から、福祉避難場所におけるさまざまな課題解決に向けた取り組みについてお聞きいたしました。これに対して、福祉避難場所の充実については、宿泊施設関係団体などと協議を進めている、また、人的応援体制の確立については、医療・看護系大学の学生にボランティア協力をいただけないか、協議を進めているなどといった答弁をいただきました。この後の動きとしては、昨年12月15日には、医療・看護系6大学と福祉避難場所等へのボランティア派遣協力に関する協定、さらには、本年2月15日には、宿泊施設関係2団体と福祉避難場所の設置運営に関する協定を締結したことが新聞などで報道されたところであり、さまざまな課題解決に向けて着実に取り組んでいることについては評価できるのではないかと思います。  また、協定締結に当たって、医療・看護系大学側からは、大学と市の連携をふだんから深め、災害時に学生がすぐに活動できるようにしたい、学生向けの訓練も検討してもらいたい、さらには、宿泊施設関係団体からは、宿泊施設の機能を生かし、有事の受け入れ体制を整えたいといったコメントをいただいたことも報道されており、本市にとって大変ありがたく、そして心強く感じたところであります。  私は、このたび協定を結んだ関係団体の皆さんのお考えについては、もちろんこれまで協定を結んできた福祉施設関係団体の皆さんも同様のお考えをお持ちだと思いますので、本市がこうした皆さんの意向をしっかりと受けとめて、平時から連携関係を構築し、発展、強化させていくことが必要であり、この連携関係が大規模災害発生時には大きな力になってくれるものと考えます。  そこで、質問ですが、来年度以降、協定締結先の団体の皆さんとの連携という視点も踏まえ、福祉避難場所の運営強化に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。 ◎白岩 総務部長  福祉避難場所の運営強化に向けてでございます。  これについては、協定締結団体等の協力を得ながら、研修あるいは訓練といった実効性の高い取り組みを行うほか、その内容などについて情報共有を図っていく中で、平常時から相互理解を深め、緊密な関係を築いていくことが大変重要であると認識しております。このため、来年度以降については、今年度協定を締結した医療・看護系大学の学生を対象にした福祉避難場所運営の理解を深めるための研修の実施、あるいは、これまでも社会福祉施設等の協力のもとに実施してきた訓練は、今年度に協定を締結した団体、大学も含め、参加施設等を拡大していくとともに、より実践的なものとするなど、内容を充実していくことを検討してまいりたいと思います。以上のこととあわせて、さらなる福祉避難場所の拡充や人的応援体制の強化のため、他の関係団体との連携についてもあわせて協議を進めてまいりたいと考えております。  平常時からのこうした取り組みを通じて、災害発生時には、市民の皆様、とりわけ高齢者や障がいのある方が少しでも安心した避難生活を送ることができるよう、最大限、尽力してまいりたいと考えております。 ◆岩崎道郎 委員  先ほどの災害ボランティアセンターの件でもそうでしたし、福祉避難場所についてもそうだと思います。災害が起こったときに本当に計画どおりにしっかり動けるのかというのは、日ごろから連携してさまざまな角度から検証していくことが何よりも大切であろうと思います。本番は震災が起こらない限り経験できないわけでありますから、さまざまな観点からより深く検討していただきたいと思います。さまざまなところから多くの方が一緒に福祉避難場所を運営しようと協力を名乗り出てくださっておりますので、そういった方々と日ごろからしっかりと連携していただくことを強くお願いして、私からの質問とさせていただきます。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、成人期の発達障がい支援を行う発達障がい者地域支援マネジャーと児童における支援の障がい児地域支援マネジャーについて、大きく二つの観点から質問させていただきます。  我が会派では、さきの代表質問において、発達障がい者支援の充実について質問を行ったところですが、発達障害者支援法施行から10年がたち、保健、福祉、教育等の関係機関の連携のもと、支援体制が少しずつ成熟してきていると感じている一方で、発達障がい者を支援する現場においては、療育支援の質にばらつきがあると感じております。  発達障害者支援法では、発達障害者支援センターを地域支援の中核的・専門的機関として位置づけまして、都道府県、指定都市において設置されておりますが、現在は発達障がいに関する社会的な認知度も上がってきていることから、全国的にこのセンターへの直接の相談がふえていると聞いております。国におきましては、センターの業務として、相談支援の実施、支援機関への研修等を規定していましたが、平成25年からは、このセンターの役割が明確になるように、さらに支援機関へのコンサルテーションの強化や対応困難な事例に対するバックアップなどを追加しております。しかし、現在においても、この困難事例への対応等の役割が十分に発揮できていない状況にあるとも聞いております。やはり、当事者及び家族にとって身近な地域支援機関においては、個々の特性に合った支援の実施が必要であり、そのためには、各支援機関への研修、コンサルテーションの実施を担う発達障がい者支援センターの役割は大変大きいと考えております。  そこで、質問ですが、現在、札幌市のセンターである札幌市自閉症・発達障がい者支援センターにおいて、個別相談及び支援機関への研修やコンサルテーションの実施状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  札幌市自閉症・発達障がい者支援センターの現状についてのお尋ねでございます。  現在、センターには5名の相談員が配置され、個別相談に加えて、支援機関への研修や助言・指導を実施しております。このセンターが受けた相談者数は、多いときには年間で1,300人に達するなど、全国的に見ても相談員1人当たりの対応数が大変多い状況にございました。委員からのご質問にもありました国の方針を受けて、地域の支援機関への研修や助言、指導に重点を置いた取り組みを進めてきており、助言・指導の件数は平成25年度の542件から平成27年度は1,125件に倍増している状況となっております。  その結果、基本的な相談に対する各支援機関での対応能力が徐々に向上して、センターでの相談数は減少するなど、相談における役割分担が明確化してきております。また、各支援機関への研修については、発達障がいの基礎的な理解から事例に合わせた支援方法の検討までの4段階に分けた研修会の実施や講師派遣を行っており、実施回数も平成25年度の121回から平成27年度は218回に増加させるなど、支援の質の向上に向けた取り組みを進めているところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  今の答弁で、支援機関への研修や助言、また指導に重点を置いて、回数もふやしているということで、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと思います。  さらに、国におきましては、平成26年度から、支援機関のバックアップ、困難事例への対応強化のために、発達障がい者地域支援マネジャーの配置を推進しており、都道府県では37カ所、指定都市では5カ所で配置されていると聞いております。  今回、本市におきましても、この青年・成人期への支援を強化するため、札幌市自閉症・発達障がい者支援センターに発達障がい者地域支援マネジャーを1名配置するとのことですが、地域支援マネジャーというのはどのような職種を配置する予定なのか、また、どのような業務を行うのか、伺います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  発達障がい者地域支援マネジャーの職種や業務内容についてお答えいたします。  発達障がい者地域支援マネジャーについては、困難事例への専門的な支援を担うことから、社会福祉士、臨床心理士等の専門資格を持ち、発達障がい者支援にかかわる十分な知識、経験を有している者の配置を想定いたしております。  業務内容としては、行動援護や生活介護などの障がい福祉サービス事業所や、少年院や司法機関などの関係機関を訪問し、発達障がい者の支援に関する専門的な助言・指導を実施する予定でございます。特に、犯罪行為や暴力などの2次障がいや行動障がいがあるなど、事業所だけでは対応が困難な青年・成人期の事例については、問題行動を分析し、支援計画や家族支援等に関する助言・指導を行い、各事業所における困難事例の対応能力の向上を図ってまいりたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  この事業の実施により、支援機関における対応能力が向上して、青年・成人期においても、一人一人の特性に合った支援、多くのニーズに応えていける支援が行われるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次に、児童への支援について質問します。  札幌市は、障がい児通所支援事業所が多くて、本年2月1日の時点では361カ所に上っております。この数は全国的にも多い状況にありまして、ハード面で見ますと、受け皿が多くて障がい児の支援にとっては大変よいことであると思っております。しかし、ソフト面においては、事業所の療育内容にばらつきがあり、質の確保が問題となっていると聞いております。私も、地元の小児科の医師からこういった心配の声を伺いまして、今回、そういうことからこの課題に取り組ませていただきました。  乳幼児期は、障がいの有無にかかわらず、子どもの生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期であり、特に発達に支援が必要な子どもにとっては、将来の発達、成長の姿を見通しながら、日常生活や社会生活を円滑に営めるよう療育支援を担う障がい児通所支援事業所の役割は大変重要であると考えております。  本市では、現在、市内9カ所の児童発達支援センターにおいて、当該事業所を対象とした研修の実施、また、今年度からは、障がい児通所支援事業所への機関支援を行う障がい児地域支援マネジャーを設置するなど、療育の質の向上の取り組みを進めておりますが、障がい児地域支援マネジャーは、昨年10月から、児童発達支援センターきらめきの里に1名が配置されて、厚別区、清田区を担当していると聞いております。  そこで、事業開始から5カ月が経過しましたが、実際にマネジャーが事業所を訪問してみて、どのような状況にあって、どのように課題を捉えているのか、伺います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  障がい児地域支援マネジャーが事業所を訪問して把握した現状と課題等についてお答えいたします。  昨年10月から事業を開始して、厚別区と清田区の43カ所の障がい児通所支援事業所のうち、2月までに32カ所、今年度中に全事業所を訪問する予定となっております。児童が実際に利用している時間帯に訪問して療育状況を確認するとともに、事業所から療育方針や関係機関との連携、運営状況等について聞き取りをいたしております。地域支援マネジャーからは、いずれの事業所においても療育方針は作成されているものの、それに対する職員の理解や療育への反映状況には差があり、継続した支援が必要な事業所が少なからずあるとの報告を受けております。  一方、児童の生活習慣の形成を目指したプログラムの実施や児童の特性を尊重した支援を展開している事業所も見られております。児童発達支援センターと障がい児通所支援事業所は、ともに地域の療育を支える機関であり、地域支援マネジャーを通じて、ともに療育を考え、支えられる関係となれるよう、訪問を重ね、さまざまな課題解決に向けた技術的支援と助言を行っていきたいと考えております。  なお、本事業については、平成29年度にマネジャーを1名増員して東区を担当する予定となっております。今後とも、段階的に増員して、平成31年度までに5名を配置する計画となっております。 ◆わたなべ泰行 委員  最後に、要望で私の質問を終わります。  今回、答弁いただいた取り組みなどについて積極的に頑張っていこうという姿勢が見られて、今後も支援の充実に向けて引き続き頑張っていただきたいと思います。  ただ、発達障がい者地域支援マネジャー、また、障がい児地域支援マネジャーの人数の配置についてです。現在、札幌市では、発達障がい者地域支援マネジャーの配置が1名となっておりますが、国では事業所等への困難事例対応として2名程度の配置を想定しておりますので、1名では仕事を担い切れないことが予想されます。また、障がい児の通所支援事業所を訪問するマネジャーについても、業務の質が低いような事業者だと、マネジャーが訪問することを好意的に思わないとか、仕事の内容がなかなか見えてこないとか、また、こちらが言っていることを理解してもらうことができないとか、このように仕事にとって困難なことがあると予想されまして、一人で訪問するマネジャーはさまざまな苦労が伴うのではないかと思います。  アクションプランで、平成31年度までに5名を配置していくということでしたが、これを前倒しして配置することで、事業の課題も共有され、効果的な事業展開ができるのではないかと思います。また、市内には児童発達支援センターが9カ所あるので、全センターへの配置が必要ではないかとも思います。ぜひ、これらの事業が実を結びますよう、今後の実績等も踏まえて配置人数の充実を図っていかれることを要望します。  また、児童、青年・成人期と支援の充実が図られてきましたが、切れ目のない支援のためには情報の共有、引き継ぎが必要であり、札幌市では、関係機関での情報伝達ツールとしてサポートファイルさっぽろを作成しております。しかし、その活用はまだまだ十分ではなく、本市が行ったアンケートでは支援機関での活用率は20%程度ということでした。また、保護者へのファイルの周知度がまだ低いと思われるため、保護者に対して人生の節目ごとの活用を促すなど、活用促進に向けた取り組みを積極的に展開することを要望して、私の質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私からは、札幌市独自の介助制度であるパーソナルアシスタンス事業について伺います。  重度の障がいのある方が、暮らし方の選択の幅を広げ、地域で自立した生活を営むためには、食事や排せつ、入浴などの身体介護のほか、治療や清掃などの家事援助、継続した見守りなどさまざまな介助が必要であり、介助時間の確保は大変切実な問題だと思います。先般、重度の障がいのある方を対象としたホームヘルプサービスである重度訪問介護の支給決定のあり方について見直しを求める陳情が上がったことも、当事者の方々にとってこの問題がいかに重要であるかをあらわしていると思います。  さて、札幌市では、知人や地域の方々の福祉力を活用して、長時間の介助体制を築き、安心な地域生活を実現していくために、2010年からパーソナルアシスタンス事業を実施しております。この事業では、重度訪問介護の対象となる方が重度訪問介護の介護範囲と同様の介助を受けることができ、通常の重度訪問介護ではつくことができない入院時の利用も可能となっています。札幌市から介助に要する費用を支給することで、ヘルパー資格の有無などにかかわらず、みずから選択した知人や地域の方々から直接介助を受けられるようになると同時に、それまで事業所が行っておりました介助のシフトや介助内容の調整を自身で行うことができるようになります。さらに、介助者に支払う介助料は、利用者と介助者の契約によって設定するもので、契約内容によっては介助時間を大幅にふやすことも可能であることから、重度の障がいのある方には重宝されております。  このようなパーソナルアシスタンス事業のメリットについては、私どもの会派としても評価しており、今後も事業の充実に努めてほしいと考えているところです。  そこで、質問ですが、まず、現時点における利用者数と介助者数を伺いたいと思います。  そしてまた、重度訪問介護を利用した場合と比較して、どの程度、介助時間がふえているのか、そのほか、事業の充実に向けて札幌市が実施してきたこれまでの取り組みもあわせて伺います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  パーソナルアシスタンス事業の実施状況などについてでございます。  まず、この事業の利用者数と介助者数ですが、本年2月末現在で、利用者が68名、介助登録者が515名となっており、いずれも年々増加している状況でございます。  次に、介助時間の増加状況ですが、重度訪問介護を利用していた場合の時間と比較して、最大で介助時間を約2.4倍まで延ばした方もいらっしゃいますが、利用者全体では平均すると約1.7倍まで介助時間が延びている状況となっております。  次に、事業を充実させるためのこれまでの取り組みについてでございますが、平成24年度に、入院するなどの理由で使い切れなかった介助費用について、一定額の範囲内で翌月に繰り越して使用することができる繰り越し制度を導入し、柔軟な利用を可能といたしました。また、平成27年度には、重度の身体障がい者としていた対象者要件を緩和して、重度の知的障がい、重度の精神障がいのある方も対象といたしました。さらに、平成28年度には、自宅からの外出のみならず、入院先からの外出にも利用できるようにするなど、事業の充実に努めてきたところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  利用されている方たちは68名、また、その方たちを介助する登録をされた方も大変多く手を挙げていらっしゃって、そして、平均で1.7倍という時間数の増加にも取り組むことができたということでした。この間、さまざまな充実を図られ、平成27年度には知的・精神障がい者に対しても適用されるということで、大変幅が広がっていることは私たちも十分に理解し、このことに関しては本当に喜ばしい状況であると思います。  導入から7年がたって、幾つかの課題も見えてきていると思います。この事業では、介助を受けるに当たって、地域の方々と介助契約の締結や介助費用の支払いなどをみずから行う必要があることから、利用者はさまざまな書類を作成しなければなりません。こうした作業は、重度の障がいのある方にとって大きな負担となっており、事業の利用から遠ざかってしまう要因ともなるとお聞きしております。また、この事業は、利用者が自分自身に必要な介助体制を組み立てることができるというメリットがありますが、利用者の中には、介助のシフトや介助内容について、全てを自分で調整することが難しい方もいらっしゃると聞いております。重度の障がいのある、より多くの方々にこの事業を利用していただき、安心した地域生活を実現していただくためには、利用者の負担軽減を図るなど、より利用しやすい事業にしていくことが必要であると考えております。  そこで、質問ですが、利用者の負担軽減について、札幌市としてはどのようにお考えなのか、伺います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  利用者の負担軽減について、具体的には書類作成の面、介助体制の面はどのように考えているのかというお尋ねでございます。  まず、契約書や請求書の書類については、適切な公費支出の観点から重要なものでございまして、利用者の皆様に作成をお願いしているものでございます。こうした書類作成にかかわる負担の軽減については、多くの利用者からご意見をいただいているところであり、これまでも、提出書類の削減や記載内容の簡略化など継続的な見直しを図っているところでございます。また、利用者ご自身で書類作成を行うことが難しい場合には、介助者が利用者のかわりに書類作成を行うことも可能としております。
     次に、利用者が自分自身に必要な介助体制を組み立てることの負担軽減ですが、利用者ご自身が介助者のシフト調整などを行うことが難しい場合、介助者が利用者のかわりに調整を行うことを可能としております。  なお、利用に関する相談支援業務等を行うためのサポートセンターを設置しており、このセンターが書類の記載に関する助言やシフト調整の支援を行うことで、円滑に事業を利用できるよう努めているところです。  今後についても、利用に当たっての負担軽減については十分に検討してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  さまざまな課題がありますが、例えば、書類作成などに関しては今までも簡略化してくださっていますし、また、介助の調整等に関しては介助者に作成や調整をお願いすることも可能になってきているということです。そして、サポートセンターがここで大きな役割を果たしていることに関しては、大変心強く感じております。  札幌市が利用者の負担軽減を図ることで、よりよい事業となることを私たちは期待しておりますが、利用のしやすさという点では、介助者の選択に関する課題解決も必要と考えます。この事業の利用者は、地域の方々と介助契約を締結いたしますが、知人に依頼する場合など、あらかじめ介助者が決まっている方を除いては、既に登録を受けている介助者のほか、情報誌を活用した求人募集などを行い、介助者の選択をしていると聞いております。こうした介助者の選択に当たっては、サポートセンターが利用者の支援を行っていると聞いておりますが、丁寧な対応を重ねてもなお介助者が見つからない例もあると伺います。  そこで、質問ですが、今後、利用者が容易に介助者を選択できるよう、札幌市としてはどのように取り組んでいただけるのか、伺います。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  利用者が容易に介助者を選択できるための取り組みについてでございます。  利用されている方々が介助者の選択にご苦労されている場合があることは承知しております。この背景としては、利用者が希望する介助内容、例えば、深夜や早朝の時間帯における体位交換などに対応できる介助者が少ないことなどが考えられます。本市といたしましては、今後、利用者と介助者双方へのアンケートを実施するなどして、利用者のニーズと介助者が提供できる介助内容を明らかにし、利用者のマッチングがより円滑に行われるよう努めてまいりたいと考えております。  また、利用者が介助者を選択しやすくするためには、さらに介助登録者をふやしていくことも必要です。これまでも、区役所や地下鉄掲示板等へのポスター掲示や介助者講習会などで事業の全般的な周知、PRを行ってまいりましたが、今後実施いたしますアンケートの結果などを踏まえて、より効果的な周知を行い、介助者のさらなる増員を目指してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  いろいろな手だてをしていただけるということで、大変うれしく思います。また、利用者、介助者に対するアンケートなどをしていただけるということで、直近のそれぞれのご意見を聞いていただけるものと思います。先ほどの答弁にもありましたように、サポートセンターの役割は本当に大きいと考えますので、うまくマッチングできるような手だてを講じていただきたいと思います。  重度の障がいのある方が地域で自分らしい自立した生活を送ることができるようにするために、障がい福祉サービスには重度訪問介護というホームヘルプサービスが用意されていますが、札幌市ではさらに独自事業のパーソナルアシスタンス制度が整備されており、この二つの制度が相互に補完することで重度障がいのある方々の地域生活がより充実したものになっていくと考えます。  パーソナルアシスタンス制度は、当事者や地域の方々と何度も意見交換をしながらつくり上げた事業と聞いております。パーソナルアシスタンス制度を利用されている方、これから利用を考えていらっしゃる方のそれぞれお一人お一人は、年齢や生活、何より障がい状況が違っております。時には、全く知らない方に介助を委ねることもあると思います。そんな中で、互いの相性が合う、合わないということはどんな場でもありまして、この制度では試行期間を設けることも可能であるということを伺いました。しかし、実際にはそのことを知らない方もいるやに聞いておりますので、実際に有効に使っていただけるよう丁寧な説明を求めたいと思います。  札幌市は、この制度をつくり上げたときと同じように、これからも利用者の声に耳を傾けながら、また、介助者からもご意見をしっかりと伺い、さまざまな工夫を凝らして、重度障がいのある方にとってより使いやすい制度に改善していただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆好井七海 委員  私からは、ヘルプマークの導入について質問させていただきます。  ヘルプマークは、義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病、妊娠初期など、援助や配慮を必要としていることが外見からわかりづらい方がストラップ型のマークを身につけることで周囲の援助を得やすくするものであり、平成24年10月に東京都が作成したものであります。札幌市も、平成28年2月に策定した障害者差別解消法を踏まえた札幌市の対応方針の中で、新たな取り組みとしてヘルプマークの導入を検討することとしましたが、その後、平成28年の第1回定例会の代表質問における我が会派の質問に対し、ヘルプマークについては、平成29年度中の導入を目指すとのご答弁をいただきました。  現在、札幌市においては、保健福祉局を中心に導入に向けた検討が進められていることと思いますが、ヘルプマークの導入に当たっては、その対象となる援助や配慮を必要としている方、特に障がい当事者の考えをお聞きし、その声を反映させていただくことが大切であると考えます。これについて、さきの答弁の中で、障がい者団体から意見を聞く場を設け、検討を行いたい旨のご発言があったところであり、その後、障がい者団体を対象に意見交換会を実施したと聞いております。  そこで、質問ですが、これまで開催した障がい者団体との意見交換会について、開催した時期、対象とした団体、いただいた主なご意見はどのようなものであったか、お伺いいたします。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  ヘルプマークの導入にかかわる障がい者団体との意見交換会の概要についてお答えいたします。  意見交換会については、昨年6月から7月にかけて、身体障がい、知的障がい、精神障がい、難病などの障がい者団体を対象に3回に分けて開催して、合計14団体、66名の方々にご出席いただきました。ヘルプマークの導入に反対の意見はございませんでしたが、周知や広報に力を入れてほしいといったご意見や、当事者が集まる場所で配付してほしいなどのご要望をいただいたほか、配付対象者やヘルプマークの素材などについてもご意見をいただいたところです。 ◆好井七海 委員  ただいま障がい者団体を対象に14団体、3回の意見交換会を行ったとのご答弁でしたが、ヘルプマークの導入に限らず、共生社会の実現に向けた取り組みを行う上では、今後も障がい当事者などのご意見を丁寧にお聞きし、施策に反映いただくようお願いいたします。  さて、このヘルプマークについては、平成24年10月の東京都を皮切りに、その後、平成28年4月には京都府、さらに、7月には和歌山県、徳島県、10月には青森県、奈良県が導入しております。札幌市は、平成29年度中の導入を目指すとのことですが、私のところにも、ヘルプマークをなるべく早い時期に導入してほしいという声が届いております。  そこで、さらに2点伺います。  まず、1点目として、平成29年度のいつごろの導入を考えているのか、伺います。  また、ヘルプマークの配付対象者について、東京都では、援助や配慮を必要としている方に対し、障害者手帳などの提示を求めずに希望者に幅広く配付していると聞いており、誰もが助けたり助けられたりすることがごく普通のことになっていく社会を目指しているとのことです。我が会派としては、障がい者に限定することなく、東京都のように援助や配慮を必要としている方に幅広く配付するべきと考えます。  そこで、2点目としては、配付対象者についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  ヘルプマークの導入時期と配付対象者についてでございます。  まず、導入時期については、今後、配付場所、周知方法などの導入に当たっての詳細を詰めた上で、平成29年の秋ころをめどに導入いたしたいと考えております。  次に、配付する対象者についてですが、ただいま委員からお話がありましたとおり、ヘルプマークの趣旨から、援助や配慮を必要とされているより多くの方々にご利用いただき、この仕組みが広く浸透していくことが重要であると認識しております。  したがいまして、札幌市としても、東京都と同様に、障害者手帳などの挙証書類の提示を求めずに、援助や配慮を求める市民の方々に幅広く配付していくことが望ましいと考えております。 ◆好井七海 委員  ただいまの答弁では、導入時期については平成29年秋ごろとのことでしたが、導入を期待している方々のためにも、導入に向けた取り組みが着実に進むことを期待しております。  また、配付対象者について、東京都と同様、希望者に配付するとのことで、ぜひそのようにご対応いただき、援助や配慮を必要としているより多くの方々がヘルプマークをご利用いただけるようお願いいたします。  さて、我が会派としては、ヘルプマークの導入に当たっては、制度の周知、広報が最も大切であり、特にヘルプマークを持っていない一般市民がヘルプマークの存在とその意味を知らなければ、援助や配慮を行うきっかけとはならず、障害者差別解消法に定める合理的配慮を提供しやすくする環境の整備としては不十分であると考えます。  そこで、伺いますが、ヘルプマークの普及に当たり、制度の周知、広報をどのように行う予定か、お伺いいたします。  また、東京都では、ヘルプマークとあわせてヘルプカードを導入しており、その後、和歌山県、青森県もあわせて導入しております。ヘルプカードは、障がいがあるなど援助を必要とする方々が、緊急連絡先や病名、必要な支援内容を記載し、緊急時や災害時などのいざというときや、日常生活の中で困ったことを周囲の人にお願いしやすくするものであり、我が会派としては、ヘルプマークとあわせてヘルプカードについても導入することが望ましいと考えております。  そこで、最後に、ヘルプカードの導入についてどのように考えているか、お伺いいたします。 ◎嶋内 障がい保健福祉部長  まず、周知、広報についてであります。  委員がご指摘のとおり、ヘルプマークの導入に当たっては、この制度の周知と広報が極めて重要であると考えております。したがいまして、地下鉄や路面電車などの専用席、優先席付近へのステッカーの表示や、地下鉄駅構内や市内公共施設、学校等へのポスター掲示、広報誌や広報番組、ホームページに加えて、市内の大型ビジョンでの放映など、さまざまな手段で幅広く周知、広報してまいりたいと考えております。また、民間の商業施設の店舗などにも協力をお願いして、官民挙げての実施に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、2点目のヘルプカードについてでございます。  ヘルプカードは、本人はもちろん、ご家族や支援者にとって安心となるものであり、情報コミュニケーションの支援、障がいに対する理解促進という点において大変意義があることから、ヘルプマークと同様、共生社会の実現を目指す上で有益であると考えております。  ヘルプマークとヘルプカードをあわせて導入することにより、効果的に周知、広報を行うことができることからも、今後、障がい者団体等からご意見をいただき、これらを同時に導入する方向で検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  最後に、要望ですが、ただいま、ヘルプマークだけではなく、ヘルプカードについても導入を検討する旨のご答弁をいただきました。  私は、先日、失語症の方の話を聞き、ヘルプマークとヘルプカードの必要性を切実に感じました。導入に当たっては、助ける側の市民への制度の周知、広報が最も大切だと思っておりますので、導入前の周知、広報はもちろんのこと、導入後も定期的にヘルプマークとヘルプカードの市民への認知度を調査、把握し、状況に応じた周知、広報を積極的かつ継続的に行うよう要望して、質問を終わります。 ○山口かずさ 委員長  以上で、第1項 社会福祉費の質疑を終了いたします。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時50分       再 開 午後3時9分     ―――――――――――――― ○北村光一郎 副委員長  委員会を再開いたします。  次に、第4項 生活保護費の質疑を行います。 ◆村松叶啓 委員  では、私から、職員の不適切な事務処理について、生活保護受給者の就労実態と就労支援について、2点お伺いいたします。  まず、職員についてですが、今般、白石区保健福祉部の職員による生活保護の不適切な事務処理が発覚いたしました。内容は、ケースワーカーが、被保護世帯の扶助額決定に際して、決定に必要な収入の認定を行わなかったり、被保護世帯から提出のあった給与明細書を加工したり、訪問記録等の虚偽記載を行った結果、計6世帯について107万円余りの過大支給と28万円余りの過少支給を発生させたものであります。このような職員の行為は、生活保護制度に対する信用、信頼を著しく毀損させるのみならず、札幌市職員全体に対する信用を失墜させる行為であると思いますし、決して許されるものではありません。当該職員は、この点に関して言えば非難されるべきであり、弁解の余地はないと思います。  一方で、生活保護に限らず、行政は、職員が個人で行うものではなく、組織として、係長、課長、部長といったそれぞれの段階に応じてチェックを踏んで行政処分を決定していることから、今回の事案は、これらのチェックをくぐり抜けてきた結果、生じたものであり、一個人の責任ばかりを問題にしても解決にはならず、組織としてどのように対応してきたかも問われなければならないと思います。  そこで、最初の質問ですが、今回、なぜこのような事案が発生したと考えているのか、また、何が原因であったと考えておられるのか、伺います。 ◎大野 保護自立支援担当部長  白石区の保護課職員による不適切な事務処理については、いずれも計画的な業務の進行管理や上司の適切な報告があれば未然に防止できた内容でございます。被保護世帯からお預かりした書類の管理がずさんであるなど、基本的な仕事の進め方が徹底されておらず、職員として法令遵守の意識が欠けていた対応であったと言わざるを得ません。また、上司である課長、係長について、当該職員の業務状況がおくれがちであったことを把握しながら、適切な指導や助言、決裁時の確認が不十分であったことも一因であると認識しております。 ◆村松叶啓 委員  公務員として、札幌市職員として、最後のセーフティネットである生活保護制度の最前線を担う職員としての自覚と責任が不足していたこと、また、上司である課長、係長の業務進行管理と業務状況に応じた適切な助言等ができていなかったということでありますが、まさしくそのとおりであると言わざるを得ないと思います。今回の事案の当事者は20歳代の事務職員ですが、少なくとも採用試験というフィルターをくぐって一定の能力が実証されている以上、これにふさわしい仕事をしてもらうのは当然であり、決して甘やかすことを許すものではありません。また、意図的に書類を加工したり隠したりすること自体を発見するのは難しいかもしれませんが、これを含めて、組織としてチェック機能が十分ではなかったと考えられるところであります。  一方で、20歳代の若いケースワーカーであり、経験不足や社会人として未熟な部分がないとは言い切れないところもあります。今回の事案の当事者は、対人関係を構築していくことや相手方とのコミュニケーションをとることが不得手だったと聞いておりますが、ほかにもそうした職員が少なからずいるのではないかと思います。  そのため、今回のような事案の発生を防止するためにも、ふだんと比べて職員の様子がおかしいなどといったことをいち早く察知し、周囲が早目に気づくことができるよう、組織や職場の環境整備という点も重要であると思います。仮に、本人が精神的に追い詰められ、つらい状況に陥った場合に、これを気軽に相談できる同僚や上司、コミュニケーションのとりやすい職場環境であることは、そこに働く職員にとって大切な要素であると思います。  そこで、質問いたしますが、今回の白石区のような事案の発生を未然に防止し、仮に職員が何かの問題を抱えていたとしても、これに気づくことができる職場環境が整っているのか、お伺いいたします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  職場環境についてでございます。  保護課は、若い職員が多く、また、ケースワーカーは、担当する地区は異なっておりますが、同じ業務を担っていることから、他の職場よりも日ごろから職員同士のコミュニケーションを図りやすく、上司にすぐ相談できない場合であっても、職員同士で相談し合い、支え合うことができる職場であると感じていました。しかし、今回のような事故が発生したのは、同じ世代の職員が多く、競争意識が働いたことで、かえって上司や同僚に相談しづらい面もあったところであり、良好なコミュニケーションを構築するためには職場環境に改善の余地があると考えております。  今後は、職員間の情報共有が円滑に行われ、世代にとらわれず、声をかけ合って、より一層、風通しのよい職場環境づくりを進めていけるよう、職場のコミュニケーションスキル向上のための研修を充実するなど、対策を講じる必要があると考えております。 ◆村松叶啓 委員  社会人としての基本である法令遵守、規範意識の醸成は、職員みずから自覚し、与えられた機会だけではなく、常日ごろから自身で学んでいくことが必要不可欠であります。また、職員自身が感じる自身の不得意な部分、例えば、整理整頓、コミュニケーションのとり方、業務進行管理といったことに問題があると感じているのであれば、答弁にもあったように、研修等の機会を積極的に利用して、みずからの能力を高める努力をすべきであります。  しかしその一方で、ケースワーカーの業務負担感が増し、精神的に圧迫感があり、オーバーワークになっているという事態も少なからず耳に入っているところです。平成28年12月の札幌市の被保護世帯数5万4,465世帯に対してケースワーカーの定数は653人であり、1人当たりの担当数は平均で83.4世帯となっておりますが、実態としては、体調不良等により休務する職員の担当地区を分担したり、地区の特性により被保護世帯が急増して担当数が100世帯を超える例も見られます。また、保護の相談、申請、受給する方が抱える問題はこれまでに比べて複雑多様化し、高齢、障がい、子どもなど社会的弱者への支援に対する期待は年々高まっている状況にもあります。そんな中で、業務量が多いとか職員の負担感が強まっているからといって今回の行為は許されるものではありませんけれども、業務負担感の増加、オーバーワークといった面が職員を心理的に追い詰めていくという側面も否定し切れないと思います。  そこで、質問ですが、職員が感じる業務の負担についてどのように考えているのか、もし、負担の増加を感じているのであれば、業務遂行に当たって職員の心理に大きく影響してくることはないのか、認識を伺います。 ◎大野 保護自立支援担当部長  保護課のケースワーカーが担う業務については、国が定める実施要領の改正等により、住宅扶助基準の改定や冬季加算特別基準への対応、資産申告書の年1回の徴取など、年々増加している状況にあります。業務の繁忙による負担感の増加が今回の事故に直接影響したものではないと考えておりますが、ケースワーカーが心理的圧迫感を覚えることは否定できないと考えております。  なお、保護課においては、平成28年2月に導入した新しい生活保護電算事務システムの有効活用などにより、事務処理の効率的・効果的な執行を心がけているところでございます。 ◆村松叶啓 委員  繰り返しの話になりますが、このような事案が発生したことについては弁解できる状況ではありませんし、本人の帰責事由は極めて大きいと思います。さまざまなチェック体制をしいてもなおこれを発見することができず、生活保護制度と札幌市職員に対する市民の信頼を裏切ってしまったことは極めて遺憾であります。ゆえに、どうしてこのようなことが起こったのか、職員が、いわばせっぱ詰まった状況を極力発生させないようにするためにも、職員同士がお互いをフォローしやすい体制をつくっていくにはどうすればいいか、真剣に考えるべきであると思います。  そこで、最後の質問ですが、このような事案の発生を防止するためにどのような対策をとるのか、お伺いいたします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  再発防止策についてでございます。  今回の事故が発生した白石区保健福祉部では、基本的な仕事の進め方を定期的に研修で取り上げて徹底するほか、臨時会議の開催や職員に対する注意喚起を行うこととしております。また、市全体の取り組みとして、職場における法令遵守のさらなる浸透を図るため、今後開催する保護課職員を対象とした説明会や各種研修会において、法令遵守に係る説明や講義の追加、また、コミュニケーションスキルの向上に資する内容を充実させた研修を行いたいと思っております。このほか、事務処理の遺漏防止を徹底するため、事務処理の状況が把握しやすくなるよう、転居費用や眼鏡などの一時扶助の申請受け付け簿の管理方法の見直し、被保護世帯等から提出された書類の管理方法の改善、保護費の定期点検の実施などの取り組みを検討しているところでございます。  今後は、こうした取り組みを通じて、同様の事故が繰り返されることのないよう、再発防止に万全を期し、市民の信頼回復に努めてまいりたいと思っております。 ◆村松叶啓 委員  市全体で法令遵守に取り組んでいくということでした。  先ほども申し上げましたが、職場のコミュニケーションは非常に重要なことだと思います。悩みや困っていることを打ち明けられる、あるいは、そういうものに気づいてあげられる職場環境を築いていくことが大切であります。今回は、ケースワーカーということで保護課でしたが、保護課のみならず、今後、札幌市全体で再発防止に取り組んでいただきたいということを申し上げまして、最初の質問を終わります。  続きまして、生活保護受給者の就労実態と就労支援についてです。  生活保護を受給している方に対する就労に向けた支援として、札幌市では、就労支援相談員計30名を各区に配置して支援に当たっておりますが、平成28年4月から29年1月まで、就労支援実績の中で支援を開始した1,557名のうち、実際に就労に至った方は977名と6割以上であり、一定程度の成果が上がっているようであります。また、これ以外の就労支援事業として、ハローワークと連携した個別支援事業、福祉施設等でのボランティア体験などを通じて社会参加意識や就労意欲の向上を図る就労ボランティア体験事業を実施していると聞いております。  しかしながら、稼働を開始しても、家庭の事情や体調不良等により短期間で退職したり、また、今までの生活歴や稼働経験等により、一つの仕事が長続きせず、転職を繰り返してしまうような実態もあると聞いております。その結果、一度は生活保護から自立したにもかかわらず、再度、生活保護の受給に至る人も少なくないと思います。働くということは、単に収入を得るということだけではなく、社会に出て働くことのすばらしさや喜びを体験することができ、その結果として自己肯定感や自己有用感が醸成させることから、稼働を継続していくことが重要だと考えます。  そこで、質問ですが、札幌市では、生活保護受給者が就職した後、どの程度、稼働が継続しているのか、その状況を把握しているのか、また、被保護者の自立を促すという点を考えると、雇用形態は正規雇用が望ましいと思いますが、実際に就労支援事業等を通して就職に至った方の正規雇用と非正規雇用の割合はどのようになっているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  稼働状況と雇用形態の把握でございます。  働くことのできる方が、その能力を活用し、保護から就労により自立することが重要だと考えております。札幌市では、生活保護受給者が就職した後、どのくらい稼働を継続したかの期間についての集計はございません。雇用形態については、国の調査である就労支援等の状況調査の平成27年度の結果によると、札幌市において就労、増収した方のうち、正社員が24.5%、非正規雇用ではパートが46.1%、アルバイトが10.7%となっており、パートによる稼働の割合が最も高いところでございます。  パートの割合が高い理由は、国による就労支援の考え方が平成25年度に見直され、直ちに保護から自立可能な就労が困難と見込まれる方については、低額でも一旦の就労を基本的な考え方としているところによるものです。札幌市においても、この国の考え方に基づき、収入は少なくても本人ができる範囲で仕事についてもらうことを第一に就労支援を行っているところでございます。 ◆村松叶啓 委員  まず、稼働の継続期間を集計、把握されていないということでしたが、これは、ぜひやっていただきたいと思います。就労支援事業の効果をきちんと検証するという意味でも、把握することを検討していただきたいと思います。  それから、札幌市は、パートなどで収入が少なくても本人ができる範囲で仕事についてもらうという国の考え方に基づいて就労支援を行っていることは理解いたしました。しかしながら、実際に、就職した場合に正社員として雇用されると、収入が安定しているほか、健康保険や厚生年金保険、雇用保険に加入できるなどのメリットがあることから、正規雇用として就職することは保護から自立への近道と考えます。  そこで、質問いたしますが、現状として、保護が廃止となった方の雇用形態は正規雇用、非正規雇用のどちらが多いのか、伺います。 ◎大野 保護自立支援担当部長  廃止した方の雇用形態についてでございます。  廃止となった方の雇用形態は、先ほどの国の調査結果によると、札幌市では、正社員が49.3%、非正規雇用ではパートが22.6%、アルバイトが5.4%と、現状では正規雇用の割合が高い状況となっております。  委員がご指摘のとおり、一般的には、正社員のほうが収入も高く、自立を促すという点では正規雇用が望ましいと思います。また、保護受給者が求職活動を行うに当たっても、最初はできる限り正社員を目指す方が通常でありますが、実際に求人に応募しても、本人の希望と求人側が求める人材とのミスマッチなどにより、なかなか採用されないという現実もあり、早期就職が難しくなるケースが多いのも現状でございます。最初は非正規雇用であったとしても、一旦は就職することで、生活のリズムが安定したり、就労実績の積み重ねにより、その後の就労につながりやすくなるという利点があります。また、非正規雇用から次のステップで正社員を目指すという場合も十分に考えられることから、本人の意思を尊重しつつ、本人の状況に応じた切れ目のない支援を継続していきたいと思っております。 ◆村松叶啓 委員  札幌市は、保護率が指定都市の中で大阪に次いで2番目に高いという中、被保護者の経済的自立を促していくことは大変重要であると思います。このためには、働ける方には働いていただくことが重要であり、札幌市が行う就労支援についても、単純に稼働を開始させるだけではなく、就労ボランティア体験事業などの準備事業へ幅を広げていく必要があると思います。  先述のとおり、平成28年4月から29年1月までの就労支援相談員による新規相談を開始した方は1,557名ということでありました。しかしながら、就労可能な方はそれ以上にいるはずであります。中には自力で就労に至る方もいると思いますが、一方で、支援を受けていない方についても積極的に事業への参加を促していく必要があると思います。  そこで、質問いたしますが、就労可能な方の人数はどのくらいおり、そのうちどのくらいの人が札幌市が行う就労支援事業に参加しているのか、お伺いいたします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  就労支援事業への参加者数でございます。  就労支援事業への参加は、まず、前提として、本人の意欲と事業参加の同意が必要でございます。平成27年度の調査では、就労可能な人は、就労中で増収指導されている方も含めて9,435人、就労支援事業に参加した人は2,873人でございます。  ちなみに、就労支援事業に参加した人のうち、就労もしくは増収した人の割合は46.9%であり、また、保護を廃止した人の割合は8.7%となっております。一方で、就労支援事業に参加していない方は6,562人であり、就労可能な人のうち、69.5%が事業に参加していないという結果になっております。 ◆村松叶啓 委員  就労可能な方が9,435名、事業に参加している方が2,873名、就労可能な方のうち、およそ7割の方は事業に参加していないということでした。その一方で、就労支援事業に参加した方のうち、就労、増収に至った方の割合が46.9%、支援を受けた方のうち、自立に至った方の割合は8.7%という結果を見ると、有意義な施策であり、逆を言えば、より一層、この事業に参加してもらい、もっと多くの方に就労していただくことが大切だと思います。  そこで、質問ですが、就労支援事業に参加していない人に対してどのように参加を促していくのか、伺います。 ◎大野 保護自立支援担当部長  先ほど申し上げたとおり、就労支援事業に参加していない方は6,562人であり、就労可能な人のうち、69.5%が参加していない状況です。この中には、就労中だが、より高い収入を得るための指導をしている方のほか、ハローワークや求人情報誌などで求職活動中の方が2,115人、当初、就労指導の対象でしたが、傷病、障がいにより稼働能力を失った方が810人、その他439人となっております。この中で、ハローワークなどを利用して自力で求職活動をされている方についても、例えば、就労支援相談員による手厚い支援を受けることで、より早期の就労が見込まれるなど、就労支援事業への参加が効果的だと判断されている方については、適宜、ケースワーカーからより積極的な参加を促していきたいと思います。  また、平成27年度の実績におけるその他の439人は、稼働指導するも、求職活動が低調な方です。このような方については、本人の意思も尊重しつつ、就労支援事業へつなぐための助言等をより強力にしていくほか、必要に応じて、より積極的な求職活動を行うよう指導、指示を行っていくことも検討していきたいと考えております。  今後も、必要な方に必要な支援を適切に行うことで、就労支援事業の参加率向上につなげていきたいと考えております。 ◆村松叶啓 委員  今後も、必要な支援を行いながら、就労支援事業の参加向上につなげていきたいということでした。  先ほどもありましたが、事業に参加した約半分近くの方は就労、増収につながっております。こうした事業に参加していただくことが、ひいては保護率の低下、自立につながっていくと思いますので、今後も継続的にやっていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
    ◆林清治 委員  私からは、生活保護制度を直接担当する保護課職員の業務などについて質問していきたいと思います。今の村松委員の質疑にも関係するところがありますので、できるだけ省けるところは省いていきたいと思います。  まず、保護課職員のうち、ケースワーカーは、国が定める最低限度の生活の保障、いわゆる経済給付を行うことと、被保護者の自立助長を図ることが大きな業務であると思っております。札幌市の直近の保護率は、2014年度の38.4パーミルをピークにして、2015年度は38.2パーミル、昨年12月は37.7パーミルと減少傾向が続いている状況でもございます。ただ、保護人員が減少傾向にある中で、保護世帯数は一貫して増加傾向にあります。2015年度は5万3,714世帯であったのが、直近の昨年12月には5万4,465世帯となっています。これは、全国的な傾向と同様に、高齢者世帯、それも単身の高齢者世帯の増加が主な要因となっております。札幌市の生活保護受給世帯のうち、高齢者世帯が占める割合は46%、その高齢者世帯のうち、単身世帯が占める割合は、実に高齢者世帯全体の90.3%を占めている状況になっております。一方で、稼働が可能であるその他世帯の割合は、雇用環境の改善や、先ほど質疑があった就労支援などもあって、2013年度の22%をピークに減少傾向にあり、直近では16.5%まで低下していると聞いております。  このような保護動向の中で、生活保護を受給される方が抱える問題は複合的なものとなっており、また、高齢、障がい、子どもがいる世帯への支援は相当難しいものとなっております。中でも、割合が最も多い高齢世帯は、家族関係の希薄化もあり、単身世帯化や介護、医療といった問題に直面し、以前に比較してより手厚い支援が必要となっていると思われます。生活保護行政の最前線を担うケースワーカーは、適正な保護の実施に向けて日々の業務をこなしていますが、複雑多岐にわたるさまざまな相談や要請を受けながら、昨今の法改正等により、冬季加算の改正、住宅扶助基準の改正、資産申告書の年1回の定期徴取、ジェネリック医薬品使用促進指導の強化、さらには、今般成立した年金受給資格期間の短縮に伴う年金受給に向けた被保護者の支援等、処理しなければならない業務負担はふえ続けていると言われております。ケースワーカーの基本は、被保護者と直接接することで必要な支援、援助を行っていくことにあり、社会福祉法でもケースワーカー1人当たりが担当する標準世帯数は80世帯と定められているなど、マンパワーの確保が欠かせない状況であると思います。  そこで、札幌市における近年のケースワーカー定数を見ると、世帯数の増加とほぼ連動する形でふえ続け、昨年度は653人とピークになりましたが、来年度は7名減の646人になると聞いております。確かに被保護者数は減少傾向にあるものの、先ほど申し上げたとおり、行わなければならない事務の増加、介護等で対応の困難度合いが増している高齢者世帯の増加といった面を考えると、マンパワーの確保は大変重要であると考えております。  そこで、最初の質問ですが、来年度は札幌市のケースワーカー定数が減ることになりますが、業務運営に支障が生じる心配はないのか、まず、お伺いします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  ケースワーカー定数の減員による業務運営への支障ということでございます。  ケースワーカーの定数については、平成20年のいわゆるリーマンショック以降、被保護世帯数が急激に増加したことから、平成25年度は43人、平成26年度は19人、平成27年度は15人増員してきたところでございます。その後、被保護世帯の伸びが当初見込んでいたよりも鈍化したことから、平成28年度は増減なしとなり、平成29年度は7人の減員となりました。被保護世帯数については今後も微増傾向が続くと考えておりますが、就労指導等が必要なその他世帯は減少し、増加しているのは主に高齢者世帯となっております。高齢者世帯は、委員がご指摘のとおり、介護等の複雑な課題を抱える世帯が多くなる一方で、関係機関の支援を受けることで経済的給付の支援のみで足りる世帯もあることから、定数が減員になったとしても業務の適正な運営に大きく影響を及ぼすことはないと考えております。  今後も、被保護世帯数の動向を見きわめながら、適正な職員配置を検討してまいりたいと考えております。 ◆林清治 委員  ただいま関係機関との連携、支援についてもお答えいただきましたが、しっかりと連携をとりながら保護者に対する支援が適切に行われるように配意していただきたいと思います。  また、被保護人員数が減少傾向にある中で、被保護世帯数は微増傾向であるという答弁がありました。世帯単位で業務を担当するケースワーカーの数が単純に減ることにはならないと思いますし、先ほども申し上げたとおり、ケースワーカー1人がこなさなければならない業務は着実に増加していることから、世帯数に応じた人数の確保でいいのかという思いもございます。  私は、2012年の決算特別委員会で就労ボランティア体験事業について質問しており、その当時の状況としては、今の答弁にもあったとおり、毎年受給者が増加し、ケースワーカーの担当受給者数も増加する中で、ケースワーカーの負担も大きく、保護受給者の自立支援に向けて、逆にケースワーカーを支援しなければならないということで質疑し、求めたところでございます。そのような状況が続いておりましたが、そうした就労支援などの成果があらわれてきたものと思うのですけれども、来年度から受給者の減少によるケースワーカーの定数減少が実施される状況になってきました。  また、ケースワーカーの平均年齢が30.9歳と大変若く、また、経験年数2年未満の職員が全体の半分を占める状況にもなってきており、全体的に経験が乏しい中で、多くのさまざまな業務をこなしていくことに心理的な負担を感じてしまう職員もおります。その結果、業務がおくれぎみになったり、通常の勤務時間で処理が終わらずに休日出勤をしたり、最悪の場合は、体調を崩し、休務、休職に至る例も少なからずあるのが実態だと思っております。  そこで、次の質問ですが、ケースワーカーに過重な負担がかかることのないよう、具体的に配慮、支援していくことが重要と考えますがいかがか、お伺いします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  ケースワーカーへの配慮、支援ということでございます。  ケースワーカーの業務については、近年の法改正や実施要領の改正などによって新たな業務が生じており、年々、業務量が増加している状況にあります。一方で、先ほど申し上げたとおり、ケースワーカーの定数は減員となることから、業務負担を軽減するため、非常勤職員等の活用や業務効率化を進める必要があると考えております。具体的には、就労に向けた支援が必要な被保護者に対しては、就労支援相談員の配置や就労ボランティア体験事業といった就労支援事業を継続して引き続き積極的に活用を図ってまいりたいと考えております。また、業務を効率化するため、先ほど申し上げたように、平成28年2月にケースワーカーが日常的に使用する生活保護電算事務システムを新システムに移行し、新たな機能として、保護費の変更の予約機能、また、例えば児童扶養手当が変わったなど、他の業務システムとの連携により手当の受給状況といった情報入手を可能にしたところでございます。  今後も、ケースワーカーの業務負担が過重とならないよう、適正な職員配置を検討するとともに、非常勤職員の活用や業務の効率化等の環境整備についても取り組んでまいりたいと考えております。 ◆林清治 委員  ただいま答弁いただきまして、電算事務システムなどさまざまな改善を行っているということですが、ケースワーカーへの業務支援は今後もさらに充実を図っていく必要があると思っております。来年度のケースワーカーの定数は減となりますが、今後も被保護世帯数の増加傾向が続く中で、ケースワーカーの数が無尽蔵にふえていくことはないと思っておりますけれども、限られた人数の中で効果的に生活保護行政を進めていくためには人材の育成が大変重要になってくると思います。  先ほどの質疑の中で研修の問題が出ておりましたが、生活保護行政を支えるケースワーカーに必要な知識、技術の習得と資質の向上という面で札幌市ではどのような研修を進めていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎大野 保護自立支援担当部長  ケースワーカーの研修ということでございます。  ケースワーカーに対する研修については、効率的・効果的に知識を身につけるため、生活保護制度に関する研修のほか、年金制度など他法、他施策に関する研修を実施するとともに、ケースワーカーが関係機関とスムーズに連携を図れるように、法テラスやハローワーク、児童相談所などの関係機関から講師を招いた研修も実施しております。さらに、多様なニーズに対応すべく、医師を講師に招いた精神医学の研修を行うほか、今年度においては、自傷行為や大量服薬等を繰り返す方への実践的な対応、支援方法を学ぶための研修を実施しております。  具体的には、新任ケースワーカーを対象とした4回の研修を含め、ケースワーカーを対象とした研修を年9回実施しており、新任の役職者研修等を加えると年16回の研修を開催しています。これらの本庁が主催する研修のほか、各区保護課においても、区の事情に応じた新任ケースワーカー向けの職場研修や、実際にハローワークに行って求職活動の手続をどうするかといったような研修など、より実務的な研修をあわせて行うことで、知識や技能を向上させ、ケースワーカーが自信を持って業務に当たることができるようにすることで、結果的にケースワーカーが感じる負担感等の軽減に寄与していると考えております。 ◆林清治 委員  ただいま、研修の内容等も具体的にるる答弁いただきました。そういう形の中で、しっかりと体制組みができて、優秀なケースワーカーの人材育成なり知識の習得が進んでいけばいいのかなと思います。  先ほど来言っているとおり、ケースワーカーが行う業務というのは年々複雑多様化しております。ここ数年で業務量が増加している中で、答弁にありましたように、ケースワーカーの負担感を少しでも軽減し、ケースワーカーを支援していくことは大変重要であると思っております。  その一方で、ケースワーカーが心身ともに健康であることが被保護者にとっても好ましい状況であると思います。また、被保護者との面談や生活支援などいろいろな状況があり、ケースごとに対応が違う中で、経験の少ないケースワーカーへの指導・助言が大事になってくると思いますけれども、当然、係長、課長は行いますが、係内でほかのケースワーカーとの意見交換などの場もあるはずですので、そういう場でもしっかりと取り組んでいくことが重要だと思います。  また、先ほど来出ているとおり、書類作成や申請手続などはある程度マニュアル化しながら、少しでも業務の時間短縮、負担の軽減にも取り組むことができると思います。例えば、申請手続であれば、チェック表の作成、預かった書類を保管するケースを専用に用意するなど、そうした取り組み自体もかなりの負担の軽減になると思います。  当然、市役所の各部署の中ではいろいろな取り組みをされていると思うし、実際に区役所の中でもそれぞれ工夫して取り組んでいるところもあると聞いております。そうした情報を横展開したり、周知、研修なども徹底しながら、ケースワーカーに必要な指導・援助をしていただければ、先ほどの質疑にあった白石区のような事案も起きなくなるし、防止にもなると思っておりますので、皆さんのほうでしっかり取り組んでいただくことをお願いしまして、質問を終わらせていただきます。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、就労ボランティア体験事業と認定就労訓練事業についてお尋ねしたいと思います。  初めに、就労ボランティア体験事業についてでございます。  この体験事業は、平成22年度から開始して、平成27年度からは生活保護受給者に対する就労準備支援事業の一つとして実施されております。一方で、平成27年4月からは、生活保護に至る前の段階の方を支援するために、生活困窮者自立支援法が施行され、札幌市には札幌市生活就労支援センター、通称ステップが設置されまして、ステップでは生活相談や就労相談に対応してさまざまな支援を行っているところであります。  生活困窮者、生活保護受給者の中には、求職活動がうまくいかずに、就労を希望してもなかなか就職に結びつかず、未就労期間が長期化することで、働く意欲を失い、社会とのつながりが希薄になった結果、社会の中で孤立してしまう方も多いと思います。そうした方々に対して、まずは、日常生活において自立した生活を送ること、そして、社会的つながりを回復し、地域社会の一員として充実した生活を送ることを促し、次のステップとして就労による自立へとつなげていく必要があります。そのために実施されている就労ボランティア体験事業の効果的な実施について、我が会派ではたびたび要望してきたところでございます。平成28年度については、事業の効率的かつ継続的運営の観点から、生活保護受給者と生活困窮者への支援を一体的に実施していると聞いております。  そこで、1点目の質問ですが、平成28年度の就労ボランティア体験事業の実施状況についてお伺いいたします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  平成28年度の就労ボランティア体験事業の実施状況ということでございます。  就労ボランティア体験事業は、ひきこもりや長期間の未就労等により、就労意欲が低下して社会とのかかわりに不安を抱いている方に対して、ボランティア活動等を通して生活習慣の改善や社会参加意識の向上、就労意欲の向上を図ることを目的に実施しているところでございます。事業の内容としては、介護事業所や障がい者支援施設等において、利用者の話し相手や軽作業等のボランティア活動への参加のほか、パソコン講座、清掃講座、身だしなみセミナー等、就労に向けた基礎的な知識を身につけるためのさまざまなセミナーを用意し、参加を促してきたところでございます。  参加者は、平成29年1月末現在で、生活保護受給者101名、ステップの利用者6名で、このうち、生活保護受給者2名が就職に結びついたところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  内容について、身だしなみセミナーなどを拡充してきたと思います。また、生活保護受給者と生活困窮者を合わせて107名の方が参加され、そのうち2名の方が就職に結びついたということです。しかし、残りの方については、この事業の参加だけではなかなか就職が難しいという現状があろうと思います。  ただ、この事業へ参加する方は、先ほど来申し上げているように、働きたい気持ちはあっても、何らかの要因により、うまくその一歩を踏み出せずに社会から孤立してしまっている方が少なくないと思います。例えば、高校を卒業してから一度も働いたことがない方や、一度就職したとしても、人間関係がうまくいかないなどの理由により、退職後、長期間未就労という方もいると聞いております。そのような方に就労ボランティア体験事業に参加していただき、他者とのかかわりを持つことによって、自尊心を取り戻し、自己有用感が醸成され、社会に出る自信がついていけば、就労に向けて新たな一歩を踏み出せるようになるのではないかと思います。  そこで、質問ですが、この事業の効果をどのように捉えているのか、また、この事業の実施によって見えてきた課題についてもあわせてお尋ねいたします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  就労ボランティア体験事業の事業効果と課題についてでございます。  委員がご指摘のとおり、もともとこの事業の対象となる方については、さまざまな要因で就労への意欲が低下している、自分に自信が持てないなどにより、あと一歩が踏み出せないという方が少なからずおります。この事業に参加した方の中には、さまざまな人との触れ合いを通して、徐々にその環境になれ、他者との会話が難しかった方でもコミュニケーションがとれるようになるといった社会参加へのきっかけとなる変化が見られることから、こういった変化こそ、この事業が目指す効果であると考えます。  また、就労ボランティア体験事業への参加期間が終了してもなお、結果として就労に向けた準備期間がまだ足りずに十分な意欲の回復につながらない、また、自信が持てないなどによってすぐには就職活動に取り組めない方が多くいるのが現状でありまして、これが事業実施の課題と認識しております。そういった方々を次のステップへつなげていくために、他の就労支援事業と連携を図りながら切れ目のない支援を実施していきたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  生活保護を受給されている方は、社会からの疎外感といいますか、保護を受給してしまったのだという思いを乗り越えるにはなかなか時間がかかると聞いておりまして、この事業が就労以外の分野でも次のステップにつながるような大きな効果もあることは理解いたしました。ただ、実際に就労に至らないでこの事業が終わってしまう方に対して、次のステップとしてどんな支援に取り組んでいくのかということが非常に重要なことだと思います。  そこで、認定就労訓練事業について、続けてお伺いしたいと思います。  認定就労訓練事業は、就労可能であるものの、すぐには一般就労を継続して行うことが難しい生活困窮者に対し、就労に必要な知識や能力を向上させるために行う訓練事業として、生活困窮者自立支援法に規定され、平成27年度から始まったと聞いております。この訓練事業は、札幌市が認定した事業所が実施できるものであり、その事業所の自主事業として実施していただくもので、札幌市からの運営費補助はないということですが、現在、認定事業所は12カ所で、社会福祉法人のほか、NPO法人、株式会社も認定を受けているとのことであります。  そこで、質問ですが、生活困窮者が訓練を受ける事業とのことですけれども、事業の具体的な内容と、どのような方が対象となるのか、伺います。  あわせて、実際にこの事業に参加された方の実績についてお尋ねします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  認定就労訓練事業の内容、対象者、参加者の実績についてでございます。  認定就労訓練事業は、一般就労と福祉就労との間に位置する就労で、いわゆる中間的就労として位置づけられており、生活困窮者を対象に実施しているところです。この事業は、本人の生活歴や稼働経験などを踏まえて、将来的に一般就労が可能と認められるけれども、一般就労につく上で、まずは本人の状況に応じた柔軟な働き方をする必要があると判断された者に対して、就労に必要な知識や技能を身につけてもらうため、一定期間、市が認定した事業所に通い、訓練を受けるというもので、訓練期間は3カ月から6カ月を想定しております。  対象となる方は、長期間、ひきこもり状態が続いているなど、直近の就労体験が乏しい方や、就労ボランティア体験事業に参加したものの、終了後、一般就労への移行ができない方の次のステップとして利用を想定しております。  参加者の実績ですが、累計14名が参加しており、そのうち、既に訓練が終了した6名については、清掃訓練に参加された方が4名、救護施設における軽作業に従事された方が2名であり、この6名全員が、訓練終了後、清掃会社や物流会社などへ就職しております。そのほか、現在も8名が訓練に参加中であり、清掃訓練のほか、クリーニング作業や事務作業等にも従事しているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  訓練に参加し、就労された6名については全員が一般就労につながり、また、長い間、ひきこもりの方も対象にして、そうした方を一般就労につなげていくということでした。このように新たな一歩を踏み出せるということは大変喜ばしいことであり、大きな成果ではないかと考えております。今後、この事業をより一層進めていくことで、一人でも多くの困窮者が訓練に参加することができ、また、就労に向けて新たな一歩を踏み出すきっかけになるはずだと思います。したがいまして、参加者をふやしていくことが大切だと考えますが、そのためには、訓練生を受け入れていただく認定事業所をふやしていく必要があります。  そこで、最後の質問ですが、今後、認定就労訓練事業をどのように進めていくのか、お尋ねいたします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  今後の事業促進についてでございます。  認定就労訓練事業は、生活困窮者、ステップの利用者を対象に開始したものでございますが、国は社会的資源活用の観点から生活保護受給者も利用可能としており、札幌市では、国の考え方に基づき、平成29年1月から生活保護受給者も事業の対象者として拡大しております。現時点で実際に生活保護受給者がこの事業を利用した実績はございませんが、生活困窮者の参加者の実績も踏まえ、今後は、生活保護受給者の利用についても各区と連携しながら進めていく考えでございます。また、利用者が参加しやすいように、受け入れ事業所をふやすため、多くの事業所に対し、事業の実施を検討していただけるよう働きかけているところでございます。  この事業の趣旨及び目的を事業所及び参加者により深く理解してもらえるよう、事業の周知を強化してまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  ことし1月から生活保護受給者も対象に拡大したということでした。  就労に高いハードルを感じている方がこういった事業に参加することで就労に結びつくことになれば、たとえ収入は少なかったとしても、自立に向けた大きな一歩となることは間違いないと思っております。さまざまな要因により、なかなか就職に結びつかない方たちにとって、こうした中間的就労の機会を提供することは、生活困窮者などの自立支援という点においてまことに重要な事業であり、継続、拡充をしていくべきだと考えます。当初は認定事業所の多かった本市も、今では他政令市と比べて目立たない状況になっていると伺っております。今後の事業のさらなる促進に尽力していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。 ◆太田秀子 委員  私からは、生活困窮者自立支援事業について質問いたします。  2002年、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が成立し、本市でも、2005年、札幌市ホームレスの自立支援のための取り組み方針を策定し、支援に取り組んできました。この取り組み方針によると、本市のホームレスは、失業や家族問題などを契機に住宅を失った住宅喪失者と、住宅を喪失した後、手持ち金が減少した路上生活者がいます。聞き取り調査によりますと、路上生活をする前の仕事上の立場は正社員だったという人が57%と最も多いのです。私たちは代表質問でも申し上げましたが、札幌市内の雇用形態は、正規雇用が減少し、非正規雇用がふえており、働き盛りの世代で不安定、低賃金の非正規雇用が増加しています。貧困が広がり、貯蓄ゼロ世帯は全世帯の3割とも言われています。わずかな蓄えがあっても、失業が長引くと、蓄えは底をつきます。家族など頼る人がいない場合は、ホームレスになるかもしれないという不安を抱えている人もいるのではないかと思っています。本市も、厳しい経済社会情勢を背景として、ホームレスに関するさまざまな問題への継続的な対応が必要であるとしております。  そこで、本市は、ホームレス相談支援センターが4カ所、そこを統括する基幹センターJOINが1カ所あります。JOINでは、区役所、あるいは本人から直接の相談も受けており、各センターに受け入れを依頼します。この四つのセンターでの受け入れ可能人数は47名ですが、超過入所せざるを得ない状況も生まれております。利用者数が前年比で1.95倍、約2倍になっている支援センターもあり、ホームレスは減ってきているとはいえ、2015年からの相談件数は累計で1,479件にもなっています。  そこで、質問いたしますが、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法は時限法でありまして、期限が延長されてきましたけれども、2017年、ことし8月でその時限が切れる予定です。本来、全額を国費で賄って始まったこのホームレス対策が、現在は、この事業を行う自治体に国費が3分の2出ますが、残る3分の1は自治体が負担するものになっています。この対策を始めたときのように、国として費用負担をちゃんと行って継続すべきと本市から積極的に求めるべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎大野 保護自立支援担当部長  ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法についてでございます。  この法律は、平成14年8月7日に10年間の時限立法として公布、施行され、その後、平成24年6月の法改正において、本年8月7日まで5年間、延長されたものです。この間、平成27年4月から生活困窮者自立支援法が新たに施行され、ホームレス対策費については、新法である生活困窮者自立支援法の事業へ位置づけられたところでございまして、これによって安定的な財源を確保することになったというのが国の説明でございます。  ホームレス特別措置法の動向については、国の検討を注視してまいりたいと考えておりますが、ホームレス、住居喪失者支援に係る事業費については、十分な財源措置を行うよう今後も引き続き国に対して要望していきたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  新法ができたのでそれはいいのですが、今、私が求めたホームレスの自立の支援等に関する特別措置法というのは、国の責任と義務をしっかりと定めているものなのです。だから、国が全部お金を出してスタートしたものなので、これもあわせて継続していただきたいと思います。  本市の路上生活者は、2006年をピークに、2011年からは横ばいの傾向になっておりますが、今後も予断を許さない状況にあります。ホームレスになった人が希望している今後の生活は、アパートに住み、就職して自活したいという回答が最も多くて、働いて自分で暮らしたいと希望しています。しかし、ここの支援を行政が放置することになれば、私は貧困ビジネスがふえると思います。今でも、ホームレスになった人を対象に、生活保護費を吸い上げる貧困ビジネスは大きな社会問題になっています。国は、特別措置法をやめるのか、時限で行くのかなど検討中と思いますので、ぜひ、本市から、国費の負担をもとに戻して継続すべきだと求めるように申し上げておきます。  ホームレス相談支援センターは、本市の委託を受けて、相談者の住居、就労、その他の自立についての相談を受け、支援計画を立てています。まず、病院に行かなければならない場合は病院に同行したり、部屋を探し、ハローワークへ同行して仕事を探すなど、原則3カ月以内にホームレス生活から抜けられるように支援します。さらに、受け入れ要請があれば、緊急性が必要ですから、支援センターの職員は夜8時でも10時でも準備して受け入れるのです。ですから、職員の残業が常態化している支援センターもあります。支援センターは、年間の委託費と相談者1人1泊当たり1,080円の委託費で運営していますが、この1,080円は、1日の食事代、下着や服など全て賄うには足りませんので、家賃や光熱水費、人件費を賄う年間の委託費から持ち出しているというお話を聞いています。  そこで、質問ですが、就労し自立した相談者や、施設などの入所が決まる人も多くいます。社会復帰の意思を尊重し、ホームレスがみずからの意思で安定した生活を営めるよう支援することを基本にするというのが本市の取り組み方針です。しかし、ホームレスに寄り添い、自立させようと支援すればするほど、委託費が足りなくて苦労しているという声も聞かれています。ぜひ実態を調査していただいて、委託費の内容改善が必要と思いますがいかがか、伺います。 ◎大野 保護自立支援担当部長  委託料の件についてでございます。  札幌市ホームレス総合支援センターJOINについては、総合受付及び全体の調整機関としての基幹センターと、利用者が実際に入所、生活を行うシェルターを運営する四つの分室により構成しておりまして、これらの分室は、ホームレス支援に実績のあるNPO法人4団体への業務委託により実施しております。  今年度におけるシェルターの平均的な稼働率は65%と、前年度とほぼ同程度でございます。利用者の性別や年齢、病気などの事情等によってどの分室がよいかを判断し、それぞれの団体の特性を生かした支援を行っていただいているところです。今後は、平成30年度に予定されている生活保護制度や生活困窮者自立支援制度の見直し、経済状況など、ホームレスの支援を取り巻く社会情勢を踏まえながら、事業の運営について注視してまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  その四つの分室は、平均すると65%の稼働率だと言いましたが、今はここがとても混んでいるとか、今はこちらが偏って混んでいるとか、そういうこともあると思います。本市は、今おっしゃったJOINや四つの支援センターなどといつも話し合いをしながら情報を共有して進めていると伺っておりますので、こういう内容の話もぜひ現場から聞いていただきたいと思っています。  最後に、要望ですが、失業や病気などで働けなくなったら、収入が途絶える、蓄えがなくなります。もしもそうなったときに、医療や労災、雇用保険などのセーフティネット、いわゆる社会保障が充実していれば貧困に陥る手前でとどまれますが、今、日本の社会保障は極めて脆弱です。実質的なセーフティネットは生活保護だけだと言う人がふえています。社会保障を充実することと同時に、一度、貧困に陥ったら立ち直れないという社会ではなくて、大変なときを支えて社会復帰のために支援するという自立支援制度はぜひ拡充すべきだと考えています。  実態に合った財源を保障し、特別措置法は継続するように、本市として国に求めることを繰り返し申し上げて、質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  私は、2点質問いたします。  一つ目は、白石区で最近発生した生活保護の事務の問題、二つ目は、特別指導員の関係についてであります。  3月8日に、市議会議員様として、生活保護にかかわる職員の不適切な事務処理についてという文書が来ました。  まず、表現についてお尋ねしたいのですが、不適切と不正とどう違うのですか。 ◎大野 保護自立支援担当部長  不適切と不正との違いでございます。  法に触れているのが不正、不適切は、そこまで行かないもの、事務処理として適切ではないものと考えております。 ◆松浦忠 委員  私は、金田一京助さんという国語学者が監修した辞典を持っていますが、それを引くと、不適切というのは、その場にそぐわないようなと書いてあります。不正というのは、一定の基準があって、それに外れているものを言うと書かれております。これは、日本を代表する金田一京助先生が監修した国語辞典で、四十数年前に発行されたものです。  私がなぜこういうことを申し上げるかといったら、今、部長が答弁されたように曖昧に物事を処理することが、市役所の中で直すべきものをきちんと直していかないということになっていっているわけですよ。これは、皆さんばかりではないですよ。この間のアスベスト問題もそうですね。今までのものは、みんな、そうなのです。ですから、まず一つは、言葉をまさに適切に正しく使っていただきたいということをひとつ指摘しておきます。  そこで、今回、受けている報告では、6世帯のうち、過大支給4世帯、過少支給4世帯、6世帯中2世帯が両方ということですから、実質的に4世帯ということになるのでしょうか。ここのところは何世帯になるのか、これを確認いたします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  何世帯かということですが、合計で6世帯でございます。 ◆松浦忠 委員  このほかに、先週、白石区で一つ確認されたものがありますね。承知していませんか。 ◎大野 保護自立支援担当部長  この件以外については、私は承知しておりません。 ◆松浦忠 委員  では、私のほうで申し上げましょう。  先週金曜日に、年金を受給されている方が、生活が大変になったので、区役所に生活保護の相談に行ったら、いろいろ言われて帰ってきたということで、私のところへ電話が来たのです。そこで、私は、白石区の保護担当の部長に電話して、この人の相談はどういう内容であったのか、そして、白石区の担当者がどういう説明をしたのか、それを整理して私にファクスしてくださいと要請しました。  その結果、保護担当の部長から、実は、この人については、平成25年まで保護を受けていたが、廃止となっておりまして、未払金が12万円余あるので、担当者をこの人のところへ向かわせて、13日月曜日の午前中に区に来ていただいて支払いするという取り扱いをしたという話がありました。  そこで、私は、当事者ではありませんが、入庁して十数年の白石区保護課の別の職員と会って話を聞きました。何を聞いたかといったら、一つは、この担当の職員は、平成25年4月採用の方ですが、まず、事務処理が不得意な人なのか、それとも、性格的に人に物を聞くことが余り得意ではない人なのか、もう一つは、なかなか聞けないような職場の雰囲気なのか、この三つについて聞きました。すると、私が聞いた方は、こう言いました。この担当の職員は事務的には別に処理能力が劣っている人ではないけれども、今、職場としては聞ける雰囲気にない、そして、以前はほかの区で保護の仕事をしたが、今とは雰囲気が違う、職場の中で聞けるような雰囲気にないと言うのです。私は、そこで調査を終わりにしました。  これは何かといったら、今から10年ぐらい前になりましょうか、上田市長のときに、障がい者の方々にガソリン券を発行したりしていましたが、こういうものがスタンドに置かれたり、福祉行政の中でいろいろな事故が多発していました。そのため、当時、策に窮して上田市長が行ったことは何かといったら、白石のコンベンションセンターに全市の福祉関係の職員約1,000名を集めて研修会を開催いたしました。私も傍聴しました。そのときの研修会では、講師に林家三平さんの奥さんが来られまして、どんな話をしたかといったら、私は、港区に住んでいて、区役所の皆さんには大変よくしていただいているという話でした。そういうことがあって、それから十数年という感じですね。  そこで、今、私が思うことは、まず一つは、新規採用の人であったとしても皆さんはその仕事を一生懸命にやっていますが、仕事になれていません。対象となる方は、自分のお父さんやお母さんやおじいちゃん、おばあちゃんといった年齢の方々であります。そういう中で、組織としてまずどんなことをしなければならないか、このことについて皆さんはどのように対応を考えたか、これがお尋ねしたい点であります。まず、ここから行きます。 ◎大野 保護自立支援担当部長  生活保護の業務を進める上での組織としての考え方といいますか、方法といいますか、進め方というお話だったと思います。  我々の業務ははっきりしておりまして、最低生活の保障と自立の助長のための業務でございます。 ◆松浦忠 委員  そうしたら、もっとわかりやすく言いましょうか。  組織として何を考えたかと聞いているのは、そもそも組織というのは何ですか。市長がいて、副市長がいて、局長がいて、部長がいて、課長がいて、係長がいて、担当者がいる、組織というのはこうなっているのです。今、私が質問していることは二つあります。一つは、皆さんから報告があったこと、一つは私がかかわった未払いの件の二つです。組織として何をするかということは、新規採用の人というのは、自分のお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そういう年齢層の人に対応をしているわけですから、あるいはまた、自分が生活してきたような体験にはない生活をされている方に対応するわけですから、したがって、わからないことがたくさんあります。そうすると、係長や課長は、そういう人たちに対して、時々、仕事の状況を聞かなければなりません。私が会った職員に、こういうことがされているかと聞いたら、されていないと言っています。これをしていれば、こんなことはなかったのです。  それから、先週金曜日の未払いの話をしましたが、これがなぜ発生したかといったら、70歳の相談者は、私にこう言いました。来るケースワーカーはたばこのにおいが強い、私は、肺気腫で特にたばこのにおいが嫌なのだ、それで、当時家庭訪問に来ても出ませんでしたと言っていました。そして、そのことを区のほうに話したら、部長から私に、その方はたばこが嫌だと言っていた、もう一つは、その人の家の中が雑然としているので生活指導をしましたと言っていましたが、そういうことがあった後、会えなかったからといって確認も何もしないで約3年もそのままにしているわけですよ。  まず、1番目に私が指摘したことについてどう思うか。組織として、新規採用の職員に対する業務点検に関して、係長、課長という職制の仕事のありようを聞いているのです。それでいいのか、点検がなかったよと、これが一つです。  それから、二つ目は、何回か行ったけれども、出てこないから未払いが3年以上そのままにしていたというのは、こういう対応でよかったのか、この二つをお尋ねします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  ケースワーカーについては、若い者、若くない者、それぞれの年齢の者がいますが、日々訪問して、会って話をして、保護を受けている方の生活状況やどういう指導をしたかという訪問記録を上げて、係長、課長がチェックしますし、場合によって、廃止などの重大な処分に及ぶときには部長が判こを押します。そういう中で、家庭訪問から帰ってきて、顔色が悪いとか、不満げな顔をしていたときには、基本的に係長は声をかけるというふうに我々は研修をしております。また、新任のケースワーカーについては、必ずマンツーマンで先生が1人ついて、こういう仕事をするとかOAの仕方なども、1カ月から、長い場合は3カ月かかることもあると思いますが、家庭訪問も一緒にして、こういう話し方をするんだよという教え方をしているのが実情かと思います。  白石区のこの職員についても、何年目かだと思いますが、新任のときにはそのような形で教えられてきたと思います。何年かしてからそういうところがなくなったのかどうかわかりませんが、いずれにしても、この職員については業務が少しおくれがちだったという報告がありました。
     また、仕事の中身は、先ほど来申し上げておりますが、いろいろな法改正や基準の改正があり、業務がかなり多忙になっているのは間違いありません。恐らく、20年ぐらい前にケースワーカーをやった方が今担当したら、かなり難しくなっていると感じると思います。私もかなり前にやっていましたが、今は多分できないと思うぐらい忙しくなっています。そういう中で、係長と課長がいろいろと話を聞いて、フォローしてやっていくのが今の実情になっていると思います。  それから、もう1点の支給がないまま放置されていたのではないかというお話ですが、私は、このお話は今回の不適切な処理とは別の話として聞いていました。また、この方は、先ほどたばこが理由だとおっしゃっておりましたが、何度も訪問したり電話をしたりしても会えない状況なので、文書を出して廃止という取り扱いをしたということです。ただ、廃止とする前に、来てくださいということを促すため、窓口支給にしていました。しかし、窓口支給でも何カ月も来ない状況が続いたので未払いが十何万円の金額になったと聞いております。  ただ、たばこくさいから会えないという方の中には、アレルギー症状があるから会えないという方もいるかもしれません。会う、会わないについては区の判断ですが、過去には女性ワーカーでなければ嫌だという女性もいて、男性の訪問はとても無理というときは、地区を変えて男性ではなく女性に行ってもらうことがあります。ただ、地区割りが決まっていますので、いつも要望どおりにやると、業務上、大混乱になってしまうので、話を聞きながら、お互いに納得できるところを探っていきたいと考えて現場も苦労しているところだと思います。  それで、何万円かを放置していたのではないかということですが、もう支給決定されて、受け取りに来てくださいという通知を出して、本人自身も受け取りに来ない状況でした。この方は、たしか、年金が何万円かあって、もし受け取らない状況が続いたとしても、すぐに食べ物に困るような状況ではなかったと聞いています。もし食べ物に困るような状況の方であれば、ケースワーカーが民生委員に相談したり、あるいはもっと訪問したり、いろいろな方法をとって接触してお金をお渡しすると思います。 ◆松浦忠 委員  あなたは、長々とようしゃべるけれども、中身がないです。  何を言っているかといったら、基本的に、まず最初のところの職場管理では、弁明ばかりしているけれども、課長、係長の職場管理ができていないからこういうことになったということですよ。それは、新人の期間に先生をつけてやるだけではなくて、日々が全てそういう体制で、そのための職制ですよ。そこのところをちゃんと理解せんきゃだめだ。そして、そこができていないという事実を私が調べて指摘しているわけですから、それは、あなたのほうも確認してみますでいいことなんですよ。  それから、もう一つ、未支給についてです。  もし、その人が、突然、心臓麻痺などによって死んでいたらどうするのですか。そういう場合は、生活保護法の趣旨からいったら、やはり確認という行為をしなければだめではないですか。管理人さんに話して、場合によっては警察を呼んで家の中に入り、生きているのか、死んでいるのかという確認行為をしなければだめではないですか。生活保護業務の中ではそういうことをしなければならないのですよ。私は、そういうことがされていないと指摘しているのですよ。そして、3年有余もそのまま放置している、未支給でそのまま置いておいている、そこなんですよ。  したがって、憲法第25条第2項に書かれている趣旨が何なのかということをしっかりと―各区の保健福祉部長というのは、生活保護法で言うと社会福祉事務所長ですよ。札幌市は、社会福祉事務所を廃止して区の保健福祉部としているけれども、法律上は社会福祉事務所ですよ。いわゆる社会福祉事務所長、それが各区の保健福祉部長の役割ですよ。私は、そういうことをきちんとやらないから、こういうようなことがあっちこっちで起きるよと言っているのです。皆さんは、そのことをちゃんと理解しなきゃだめだ。ああ言われればこう言う、こう言われればああ言うというふうにして言いわけだけは随分達者になっているけれども、受けとめるところはきちんと受けとめてください。  そこにいらっしゃる皆さんは、こればかりではないですが、この案件が起きてから、現場に行って、職員から直接聞き取りをしたことはありますか。  そこで、最もベテランの局長、局長は私の指摘したこの2点についてどう受けとめますか。そして、今後、どう部下を指導しようとしているか、この点について局長にお尋ねしたい。 ◎瀬川 保健福祉局長  先ほど、自民党の村松委員にも答弁させていただきましたが、やはり、本人の問題もありましたし、係長、課長、部長のチェックの問題もありました。それと同時に、一番大きな問題は、職場においてのコミュニケーションが不足しているということでございました。  私ども保護の職場というのは、皆が同じような仕事をするので、コミュニケーションもほかの職場よりいいのではないかと思っていましたが、競争意識が働いたりということもあって、なかなかコミュニケーションをとりづらい職員がいることに十分に思いが至っておらず、良好なコミュニケーションづくりという意味ではこれからもまだまだ改善の余地があるというふうに思っております。特に、若い職員あるいは新人の職員が多い職場については、とりわけ課長、係長がちゃんと目配りをしてフォローアップしていく体制が欠かせないものだと思っておりますし、私も新人のころは先輩あるいは係長、上司にいろいろ教えられました。  では、そのためにはどうすればいいのかということです。こういった不祥事が起こるたびに風通しのいい職場をつくりましょうというお話がなされまして、それに応じて、ミーティングをしてみたり、職場外での懇親を深めてみたり、それぞれの課の管理監督者はいろいろなことをやっております。しかし、改めて、形だけで終わっているのではないか、よくよく見たら壁があるのではないかということなど、いま一度、立ちどまって考え、職場の中でしっかりと議論していくことが必要ではないかと思っております。  それから、保護について、未支給があったということです。いろいろな経過がございますし、この案件について私は詳しく承知しておりませんが、いずれにしても、職場の中において、あるいは、課長、係長が担当者に対して、常日ごろから相手の立場に立って物事を考えるにはどうすればいいかということをイメージしながら仕事をするように指導していくことが大切だと思っております。その意味では、少しきめ細かさが足りなかったかもしれないというふうには思っております。 ◆松浦忠 委員  そこで、板垣副市長にお伺いしますが、先ほどの部長答弁では、法律の改正もあって忙しいということを相当強調されました。しかし、平成29年度のケースワーカーの定員は減員にしています。そんなに忙しいのだったら、増員しなければだめではないのですか。副市長は、その辺はどういうふうに捉えていますか。  私は、さっきの部長の答弁を聞いていたら、これは大変だ、増員しなかったらだめだ、副市長はどんなことで減らすことを考えたのか、相当な業務改善でもされるのかなと、今、段々の答弁を聞きながら思っていましたが、減らす理由というのは何ですか。 ◎板垣 副市長  ご存じのとおり、生活保護職員の配置基準は一定のルールがあります。今回、生活保護の全体の世帯数の伸びがとまって、高齢世帯がふえている一方で、その他世帯は減っている状況の中で、配置基準に基づいて総務局で一定の判断をしたものだというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  次に、特別指導員についてお尋ねします。  特別指導員というのは、どういう職務内容なのか、それから、特別指導に当たる人の能力というか、権限というか、これはどういうものですか、お尋ねします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  生活保護特別指導員ですが、平成17年度当初は1名、平成20年度からは2名、25年度からは3名体制として、警察を定年退職したOBを非常勤職で任用しております。平成17年当時、景気の低迷や雇用情勢の悪化で被保護世帯が増大し、被保護世帯が抱える問題も多様化しておりました。そうしたことを背景に、前からもありましたが、このころから実施機関である区のケースワーカーが処遇の大変なケースの対応に苦慮したり、あるいは、職員が危険を感じて畏怖するような保護課職員への威圧的、脅迫的な行為が急増してまいりまして、現に暴行を受けた職員もいたことから、そういう場合には係長も含めて複数のケースワーカーで対応しておりました。  しかし、犯罪や暴行があった場合は事後対応になりますし、ケースワーカーや保護課長は暴力団や犯罪に精通しているわけではなく、限界もありますので、元暴力団関係者や威圧的・凶悪的被保護者と向き合う保護課職員の心理的負担の軽減と職場の安全確保を図るため、威圧的・凶悪的暴力行為を未然に防止して円滑な事務を遂行するために必要不可欠な職として導入してきたものでございます。 ◆松浦忠 委員  そこで、お尋ねします。  ここ5年あるいは平成17年度からでもいいですが、暴力団員、または元暴力団員、それから罪を犯して服役されて出所された方の三つに該当して顕著にあった事例を示してください。 ◎大野 保護自立支援担当部長  最近のものは差し支えがありますので触れませんが、平成27年度現在で、暴力団員で保護を受けている方はゼロになっておりまして、元暴力団員の人数は145人です。  それから、暴力行為をされたというのは、暴力団員であるか、出所者であるかは分けてはおりませんが、平成27年度については5件ありました。26年度についてはゼロ件、25年度は6件、24年度は3件、23年度は3件となっております。  内容については、最近のものは差し支えがありますが、かなり前の年度では年間6件ありました。その中で、加害者が、受給中の住所とは別のアパートを賃借していたのですが、ケースワーカーが2人で訪問して面談を終えて退室しようとしたときに、保護費を使ってしまったから出してくれという話をされ、ケースワーカーの胸元をつかんで、約10分にわたって拘束した上、もう一人のケースワーカーは頭部に打撲を負ったという事案がありました。  それから、土地や家屋を持っている世帯でしたが、実態調査に応じないので却下しましたら、その却下理由が気に入らないということで、ケースワーカーを殴打したという事例がありました。  それから、居住先の住居に住んでいなくて……(「もういいって」と呼ぶ者あり) ◆松浦忠 委員  それでは、生活保護を受けている方々に対して、誰がそういう行為をするかという危険度はあらかじめ予知しているのですか。例えば、保護申請に来た、受給が決まると、月1回、ケースワーカーが家庭状況の点検に行くことになっていますね。そのときに、この人はケースワーカーに危害を加える人だと判定ができているのですか。これについてお尋ねします。 ◎大野 保護自立支援担当部長  特別指導員がそのことをわかっているというわけではありません。常時、接しているケースワーカーなり係長が、何回も電話が来ていて非常に危険なことを言っている、あるいは、前に訪問したときに暴れたことがあるとか、そういうことを察知して、家庭訪問に行くときに、係長と2人で行くのもまずいのではないかとか、あるいは、いろいろな話を聞きたくて窓口に呼び出しているけれども、どうも暴れそうとか、凶悪的な言動をしそうだというときに特別指導員に同席をお願いすることはあると思います。 ◆松浦忠 委員  では、その人が警察のOBだったらどんな権限行使をできるのですか。 ◎大野 保護自立支援担当部長  同席していて、もし凶悪的な言動になったら、法に触れるからそういうことはやめなさいなどと説得や説諭をすることが多いと思います。あるいは、どの程度のものが告訴、告発の対象になってくるのか、そうした話をお聞きして警察と調整していくことも業務になっていると思います。 ◆松浦忠 委員  結局、こういうものは突発的に起きると思います。電話で言う人もいらっしゃるでしょう。会ったときに、話のいきさつからそうなる人もいらっしゃるでしょう。なかなか予見はできないと思います。それが一つであります。  それから、もう一つは、そういうことにどう対応するかということは、まさに職務に必要な知識を研修でどう身につけるかということなのです。そして、危険を感じられるところだったら、例えば、体格のいい屈強な保護課の職員に同伴してもらうとか、対策はあると思います。  なぜ私がこういうことを言うかといったら、皆さん方は、自分たちでやるべき対策をやらないで、安易に警察に頼るとか、あるいはそのOBを活用しています。これは、特に、警察の権力をちらつかせて市民を威圧するという行為であって、自治体ではやってはならないことなんですよ。(発言する者あり)  OBといえども、さっきから言っているように、目的は、そういうような人がということですよ、雰囲気を含めて。したがって、私は、こういうことはやるべきではないと。(「意見だ」と呼ぶ者あり)意見ではなくて指摘ですよ。私は、改善を求めているんですよ、法に基づいて。  憲法第25条に国民の権利としてあるものですから、その任に当たる職員の皆さんが、これは究極だというところまでの対策を講じて、それでもなおかつ起きるといった場合に、さて、それをどうするかという話です。今までの話を聞いていて、過去のことも含めて、私もそれなりに見ていますが、そういうことはやっていない。そういう中で、安易に警察のOBに頼って市民を威圧するような、そういう札幌市政であってはならない。  そこで、局長、今、この3人は、どこに所属して、どういう範囲の中で仕事しているのか、これを答えてください。 ◎瀬川 保健福祉局長  特別指導員ですが、今は、中央区、東区、豊平区の3区に置いております。ただ、その区専任ということではございません。10区の全部をこの3人で対応することになっていると聞いております。 ◆松浦忠 委員  そこで、市長にお尋ねしますが、私は、特別指導員に警察OBを配置するということは、してはならないことだと思っています。  そこで、とりあえず、4月1日から区に配置しているのを保健福祉局の在籍にすべきです。本当に同行すべきかどうかのチェックを誰がするのかというと、少なくとも保健福祉局長が同行同意を与えるぐらいのちゃんとした点検体制のもとに同行させることでなければいけないことであって、安易に市民に威圧感だけを与えることは許されるものではありません。  したがって、人権を守り、生存権を守る法律があって、これに基づいてやっている福祉行政でありますから、私は、それはぜひやらなければならないことだと思うのですけれども、市長は私の意見に対してどう考えるか、答えていただきたい。 ◎秋元 市長  特別指導員については、先ほどご答弁させていただきましたように、決して、相手方に威圧感を与えることを目的として配属しているわけではなく、逆に、職員が暴行などを受けないようにと、それは、警察権力を盾にしているのではなく、そうしたノウハウを持った方に同席していただいて対応してもらうわけですから、対応の仕方そのものが職員の一つの勉強にもなるということで配置しているものであります。  もちろん、委員がご指摘のように、市民に対して威圧感を与える、あるいは、福祉行政において権力を意識させることがあってはならないと思います。ですから、職員に同席して対応することについても、それ相応の必要性をしっかり吟味された中で対応していかなければいけないものだと思います。 ◆松浦忠 委員  市長、私は、上田市政12年間を見ていて、ある面では、法律を駆使して市民と市役所を遠ざけるということが幾つかありました。その一つがこれであります。それから、もう一つは、市長室の入り口にガラスのドアをつくり、守衛を置くことなどを含めて、遠ざけて奥の院に入るということでしたが、これは決していいことではないと私は思っています。そういうことについてきちんともう一回検証して、今の憲法下における市民の生活権と生存権をどう守るのか、そのための生活保護行政ですから、これに当たる職員が、何を研修し、何の知識を持って、どういう体制で当たるかということをもう一回きちんとやらないといけません。  このことに関する私の前の人までの答弁を聞いていたら、自分たちがやっていることは絶対正しいのだという言いわけばかりですよ。そして、特に、10年ぐらい前の上田市長のときのコンベンションセンターでの研修は何かといったら、起こった事柄に対して、どう反省し、どう対応するかということは一言一句なくて、ただ三平さんの奥さんの港区はよかったという話だけ、それで終わっているんですよ。  市長として、職員に対する仕事のあり方、とりわけ課長以上の管理職としての仕事のあり方はどうあるべきかという指導が緩んでいる。緩んでいるというより、はっきり言ってできていない。そのことが、円山動物園であり、さらにはアイヌ問題のときのあの事件なんですよ。こういうことが起きるということは何かといったら、管理職として、自分の部下がやっている仕事をどう点検するかということについて何もしていないということなんですよ。やっていれば、ああいうものは防止できるんです。  市長、そのことをしっかりとかみしめて、そして、今の問題も含めて、もう一回、どうすべきかをきちんと考えて、何をどうしたかということについて秋の決算議会で改めて質疑をしましょう。 ○山口かずさ 委員長  以上で、第4項 生活保護費の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、明後日、3月16日木曜日午前10時から、保健福祉局関係のうち、高齢保健福祉部、保険医療部、保健所及び衛生研究所の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後5時...