◎池田
市民文化局長 このたびの事態につきましては、不適正な
事務処理が組織的かつ長期にわたって行われてきたこと、それから、私の
在職期間にも複数の不適正な
契約が行われていたことから、局の仕事と
職員を統括する立場にある私として、大変強く
責任を感じているところでございます。
毎年の
契約事務の通知をどのように取り扱っていたのかということですが、厳正な
事務処理体制というにはやはり遺漏があったと認めざるを得ないかと思います。私は、不
適正処理が明らかになって以来、特に
契約事務が集中し、また、
人事異動が行われる
年度がわりの時期を中心にして、とにかく
法令等に従った適切な
事務執行を行うことを局内の
職員に呼びかけてきたところでございます。特に、
市民生活部アイヌ施策課では
印刷物の
業務で不正があったということで
研修に力を入れておりますが、
市民生活部にかかわらず、局内全てに注意をしなければならないと呼びかけてきたところでございます。
今後も、機会あるごとに、
業務知識の向上、
法令等の遵守、
服務規律の確保などにつきまして、直接、
職員に指導していくことに加えまして、職場における
上司と部下、
職員同士のコミュニケーションを促進して、このような不祥事は絶対に起こさない、それから、
業務上の悩みは抱え込まないで相談して解決するといった
職員の意識や職場の風土を一層醸成していきたいと考えております。
◆
ふじわら広昭 委員 局長から具体的な考え方が示されましたので、ぜひ、そうしたことを具体化していただきたいと思います。
特に、
自治研修センターでは、毎年、
新任係長などに対するいろいろなカリキュラム、テーマがありますが、それは、必ずしも年度当初ではなく、夏以降になったりすることもありますので、
局長が言われたように、やはり、年度当初の節目のときには局全体として取り扱いをして、きちんとした
相談体制がとれるような環境を今まで以上につくり上げるように取り組んでいただきたいと思います。そして、同じような間違いを繰り返さないような
取り組みをしっかりしていただくことを求めて、私の質問を終わります。
◆
竹内孝代 委員 まず初めに、今回の案件である
アイヌ施策課が行ってきた不適正な
契約事務により、市役所に対する
市民の皆様の信用を失墜させたことについては、極めて遺憾であることを申し上げます。
その上で、私からは、2点質問させていただきます。
先ほど、
部長から、
職員がさまざまな
調整に追われていたこと、
業務多忙であったことがこのたびの不適正な
事務の原因であった旨の
説明がなされました。確かに、
職員の方々は、そのとおり大変な思いをして
業務に追われていたのかもしれません。しかし、そのことをもって組織として不適正な
事務を行うことが許されるわけでは決してありません。
そこで、質問ですが、
平成27年に市が行った、いわゆる
官製談合防止法違反等に係る2件の告発について、
検察庁は、先日、不
起訴処分と判断したとのことでありますけれども、本市はこの決定をどのように受けとめているのでしょうか。
また、本市としては、事件の全容が解明されたと考えているのか、まず初めにお伺いいたします。
◎
芝井 市民生活部長 まず、不
起訴処分の受けとめについてです。
今回の
検察庁による不
起訴処分の判断は、嫌疑不十分を理由に決定したものと確認しております。さらに、この嫌疑不十分の
内容につきましては、
検察庁からは答えられないとのことで承知しておりませんが、今回の不適切な
事務処理について、
金品授受など
職員個人の利益になるような行為を含めて、
刑事罰を問われる事実が捜査などにおいても確認できなかったものと考えているところでございます。
こうしたことは、本市が行った
内部調査の結果と同様でありまして、警察や検察による捜査を経た判断として、この不
起訴処分を受け入れたいと考えております。
次に、事件の全容についてでございます。
検察庁の不
起訴処分の判断に加えまして、私どもの
内部調査によって、
平成15年度に不適正な
事務処理が始まった理由や具体的な処理の
内容、さらには関与した
職員の範囲などが確認できておりまして、主要な部分は明らかになったものと考えているところでございます。
◆
竹内孝代 委員 ただいまの答弁では、不
起訴処分という
検察庁による判断は、嫌疑不十分を理由に決定したもので本市としては受け入れるということ、また、
刑事罰が問われなかったということは、
金品授受など
職員個人の利益になるような行為はなかったと検察が判断したもので、
内部調査と同様であること、主要な部分は解明されたものと考えるとの答弁でございました。
関係職員が利益供与を受けていなかったということで、その点については理解を示していますが、だからといって今回の事案が許されるものでは決してなく、
市民の信頼を失う重大な事案であると認識しなければなりません。さらには、本来、適切に処理されていれば、競争の原理が働き、
契約金額も変わってきたものと想定されます。
今回の事案によって本市に損害が発生するのではないかと考えますので、その点についてさらにお聞きしたいと思います。
現在、
監査委員に対して、損害の有無及びその金額について決定を求めているとの
説明でありますので、実際の金額決定については
監査委員が判断することになると考えます。しかしながら、
担当部局として、当該事案がどの程度の損失を生じさせたかについては、何らかの試算を行っているのではないかと思います。
そこで、2点目の質問ですが、現状において、
担当部局としてはどの程度の金額の損害が生じたと考えているのか、また、さらには、その損害を回復するためには、本市は今後どのように取り組んでいく考えなのか、その方針についてお伺いいたします。
◎
芝井 市民生活部長 市の損害についてであります。
今回の
契約事務において適正な入札などが行われていた場合には、業者間の競争が働いて、不適正な
事務処理によって本市が実際に
契約した額を下回ると考えられますことから、この差額が損害に相当するものと考えております。
今回の不適正な
契約にかかわる予定金額は9件の合計で620万円程度でございますが、この金額に対して、過去に
契約している同様の
印刷物発注にかかわる落札率などを勘案いたしますと、数十万円規模の損害が発生しているものと想定しております。今後、
監査委員において、こうしたことも一つの材料として決定がなされるものと考えております。
次に、市の損害を回復するための
取り組み方針についてでございます。
監査委員による決定に沿って
職員への賠償命令を行うとともに、
事業者に対する請求も視野に入れて、損害の回復に向けて努力してまいりたいと考えているところでございます。
◆
竹内孝代 委員 ただいまの答弁で、部局として算出した損害金額は数十万円規模と考えていること、また、その損害については、
監査委員の決定に沿って、
関係職員及び
事業者に対して請求し、市としてその損害金額を回復する方針であるとのことでした。
改めてですが、今回の事案は、
職員の
業務が多忙かつ困難であることを理由に不適切な
事務を行ったとのことでしたけれども、これは決して許されるものではありません。そのような問題があるのであれば、組織として必要な手当てをきちんと行うべきであり、問題点について多くの視点から見直しを行い、解決するための組織づくりをぜひ行っていただきたいと思います。
さらに、不適正な
事務により
職員が生じさせた損害については、賠償を求めることは当然のことであり、それ以上に重要なのは、今回の事案により市役所に対する
市民の信用が失われ、その回復は簡単には図れないことをしっかりと認識していただかなければなりません。
本市では昨年12月に
札幌市
印刷物発注ガイドラインを作成しましたが、その
内容を見ますと、冒頭に、不適正な
契約事例や今後の取り扱いについて、続いて、発注に当たって必要な事柄や、さらには印刷に係る知識についても詳細に記載されておりました。
職員にこのガイドラインの周知徹底を図ることは、
関係法令を踏まえた上で認識を明確にできることから、
再発防止の
取り組みの一つとして重要なものであると考えます。
先ほど
局長、
部長より
改善に向けて強い意思が示されましたが、今後は、
職員全員が常に
関係法令やガイドライン等の強い遵守意識を持って
業務に当たることに加え、組織全体の
情報共有を密にするなど、このような不祥事を再発させない体制づくりを行い、
市民に信頼される
業務遂行に努めることを求めて、私の質問を終わります。
◆
小形香織 委員 今回の問題は、
市民から見て、
公平性あるいは公正性に欠け、信頼を失う重大な問題だと思っております。
経緯をお聞きしますと、2003年、
平成15年に、
アイヌ文化交流センターオープンに当たっての
印刷物の作成のときに、段々の経緯から発注先としてこの会社を選んだということです。当時の事情に鑑みたとしても、その後、2014年に至るまで、1年間は発注がなかった年もあったようですが、結局、12年間という長い期間、同じ業者に
印刷物の作成を委託してきたということは、はたからはどう見てもあり得ないことだと思います。
基本的なこととして確認したいのですが、適正な
事務が行われている中で、一つの
印刷物の発注を長期間にわたって一つの会社と
契約し続けるということは通常あり得ることなのかどうか、伺いたいと思います。
◎
芝井 市民生活部長 一つの
印刷物を長期間にわたって同一の業者と
契約し続けることがあり得るのかとのご質問でございます。
デザインが似通った
印刷物の発注を繰り返し行うようなケースでは、一度、データを制作した業者は、既存のデータを活用できる余地がありますので、結果的に費用が低く抑えられて、他の業者よりも低廉な金額で入札できる
可能性があると思います。
また、指名見積もり合わせなどの業者選定におきましては、
競争性や
公平性が重要なのはもちろんでございますが、資力、能力、信用などの要素も大切でありますことから、過去に同一
業務の受注実績がある業者を選ぶことも可能となってございます。
こうしたことなどから、一つの
印刷物について、同一業者との
契約が長期間にわたって継続することは、もちろん望ましいことではないと思いますが、法令に違反しない
契約事務のもとにおいても全く排除はできないのではないかと考えているところでございます。
◆
小形香織 委員 同じ業者と
契約する
可能性はあり得るということです。
そういうことであれば、例えば、今回の件についても、その都度、その業者に委託するのが妥当なのかどうかを一つ一つ検証していく作業が必要だったのではないかと思います。つまり、見積もり合わせをするとか競争入札を行うなど、ほかと比較して、結果としてここと
契約するのがよかったのだと客観的にわかるようなやり方をとればよかったのではないかというふうに思うのです。
質問ですが、昨年12月に
印刷物発注ガイドラインを作成したということです。いただいた資料でも、先ほどのご
説明でも、印刷原稿の作成と印刷、製本を分離してチェック機能が強化できるように
業務改善を図ったというご
説明がありましたけれども、具体的に言うとこの
改善というのはどのような
内容ですか。
また、
印刷物発注ガイドラインに基づいて、現在の
アイヌ施策課では
印刷物をどのように作成しているのか、状況について伺いたいと思います。
◎
芝井 市民生活部長 具体的な
改善の
内容と現在の
アイヌ施策課における
印刷物の作成についてでありますが、この二つは同じお答えになるのではないかと思うので、あわせてお答えしたいと思います。
今回の不適正な
事務処理が発覚して以降、
アイヌ施策課ではしばらく
印刷物を作成しておりませんでしたが、現在、
札幌市
アイヌ文化交流センター、サッポロピリカコタンの
紹介パンフレットを作成しているところでございます。
今回は、
デザインを一新することとあわせまして、先ほどの質問にもありました
印刷物発注ガイドラインに基づいて、写真撮影
業務、原稿作成
業務を別々に発注して、既に
業務が完了しております。また、
印刷業務につきましては近日中に発注する予定でございます。こうした
改善を図ったところでございますが、今後、他の
印刷物も含めて、
契約関係規定や
印刷物発注ガイドラインに沿って適正な
事務処理に努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆
小形香織 委員 改めてこれから進めていくということでございますので、
市民の誰から見ても、公正にやっているのだという仕事をぜひしていただきたいということと、今後このようなことが起きないよう、今回の対応を徹底されるように求めて、質問を終わりたいと思います。
○
村上ゆうこ 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
村上ゆうこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
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閉 会 午前10時47分...