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平成27年第一部決算特別委員会−10月26日-07号
平成27年第二部決算特別委員会−10月26日-07号

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  1. 札幌市議会 2015-10-26
    平成27年第二部決算特別委員会−10月26日-07号


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    最終取得日: 2021-04-26
    平成27年第二部決算特別委員会−10月26日-07号平成27年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第7号)               平成27年(2015年)10月26日(月曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34名     委 員 長  坂本 きょう子      副委員長   村 上 ゆうこ     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  こんどう 和雄      委   員  長 内 直 也     委   員  細 川 正 人      委   員  小須田 悟 士     委   員  佐々木 みつこ      委   員  こじま ゆ み     委   員  阿部 ひであき      委   員  伴   良 隆     委   員  中 川 賢 一      委   員  松 井 隆 文     委   員  伊与部 年 男      委   員  小 野 正 美     委   員  大 嶋   薫      委   員  三 宅 由 美     委   員  桑 原   透      委   員  しのだ 江里子     委   員  林   清 治      委   員  かんの 太 一     委   員  成 田 祐 樹      委   員  涌 井 国 夫     委   員  本 郷 俊 史      委   員  丸 山 秀 樹     委   員  小 口 智 久      委   員  竹 内 孝 代
        委   員  村 上 ひとし      委   員  池 田 由 美     委   員  田 中 啓 介      委   員  松 浦   忠     委   員  石 川 佐和子      委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○坂本きょう子 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。  次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。 ◆かんの太一 委員  私からは、平成26年度の若年層就業促進事業について、また、今後の方針について、何点かお伺いいたします。  まず、国や北海道の経済動向に目を向けますと、10月14日発表の内閣府月例経済報告では、景気は、このところ、一部に弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いているとあり、また、雇用情勢は、改善傾向にあり、先行きについては改善傾向が続くことが期待されるとあります。また、10月16日発表の北海道経済産業局管内経済概況では、全体として管内経済は緩やかに持ち直しているとあります。一方、札幌圏の有効求人倍率は0.96倍と前年同期に比べて0.15ポイントふえているものの、国の1.08倍と比べると依然として低い水準が続いており、就職に至らない若者も少なからずいる状況です。  このような中で、本市においては、将来を担う若者への就職支援取り組みを行っています。2014年度からは、新卒未就職者を対象に、卒業後の早い段階で地元企業への正社員就職に結びつけていくというフレッシュスタート塾事業を実施しており、我が会派としても、たびたび特別委員会などで取り上げています。  また、おおむね35歳未満の若年求職者定時制高校生に対する就職支援事業として、若年層就業促進事業、いわゆるジョブチャレンジプログラムがあります。このジョブチャレンジプログラムは、就職に必要な能力や社会人基礎力を身につけてもらう研修や、短期の職場体験などを通じて就業意欲を向上させ、地元企業への就職に結びつける事業です。札幌の未来を支える若者に対する人材育成を通じた就職支援事業として、非常によい事業であると考えております。この事業は、2006年度から始まり、今年度で10年目を迎えており、この間、若者を取り巻く環境は随分と変わってきているものと認識しています。2008年度のリーマンショック直後に比べると、雇用情勢はよくなっているものの、離職率が高くなり、また非正規雇用の割合も高く、先を見通せず、将来に不安を持っている若者も少なからずおり、この事業は、人口減少対策の観点からも必要性は高いものと考えております。  そこで、質問ですが、このジョブチャレンジプログラムの2014年度の実績について、まず、お伺いいたします。  また、この事業の課題についてどのように把握しているのか、あわせて、お伺いいたします。 ◎花田 雇用推進部長  若年層就業促進事業ジョブチャレンジプログラムの昨年度の実績についてでございます。  この事業におきましては、面接演習などの就職活動に役立てる研修や、ビジネススキルなどの社会人基礎力を身につけるための研修を行いました。そのほか、各受講者が希望する企業において3日間の職場体験を実施するとともに、座学研修の実施に当たっては、グループ討議に重点を置き、コミュニケーション能力や積極性を身につけてもらったところでございます。また、受講者のみを対象とした合同企業説明会を開催し、就職に向けた地元企業とのマッチングの場を設定いたしました。受講者数につきましては155人で、そのうち、地元企業の就職に結びついたのは81人、就職率にいたしますと52.3%となります。  次に、この事業の課題についてでございますが、就職に至らなかった受講者の中には、若者全般の傾向と同様に事務職を希望する方が多く、それ以外の職種に選択の幅を広げることができなかった方がいたことを課題として捉えているところでございます。 ◆かんの太一 委員  事務職に少し偏っていて、他の職種に幅が広がらないといった課題があるということですが、地元企業への就職に結びついたのが155名中81名、就職率は52.3%ということです。  就職に結びつかなかった方がいるということで、行政においては、本当に困っている方がしっかりと就職できるように、職業選択の幅を広げられるような研修内容の充実が必要だと考えますけれども、2014年度の課題を踏まえて、2015年度事業はどのように改善しているのか、お伺いいたします。 ◎花田 雇用推進部長  昨年度の課題を踏まえた上での今年度の改善についてでございます。  この事業の受講者を就職にしっかりと結びつけるためには、職業選択の幅を広げてもらうことは重要であると考えております。そのため、さまざまな業界における仕事の内容や求められる能力など、受講者がみずから研究を行い、理解を深めてもらえるよう、研修内容の充実を図っております。さらに、異なる二つの業種での職場体験を可能とするため、体験の期間を3日間から6日間にふやし、職業選択における視野を広げられるよう改善したところでございます。 ◆かんの太一 委員  二つの異なる業種で3日間のところを6日間に長くしているなど、改善に取り組んでいるということでした。ただ、今後、事業の効果をさらに上げていくためには、受け入れ先企業での就職を前提とした本格的な職場実習が必要になってくると考えております。実習を行うことにより、実務に沿って受講者の能力を見きわめられるようにし、その結果、しっかりと就職に結びついていくものと考えます。来年度以降は、事業内容をより充実させ、発展的に継承させていくものとして、若年層ワークトライアル事業を計画されているとのことであり、さらなる事業効果を期待するところであります。  そこで、質問ですが、若年層ワークトライアル事業では、職場体験ではない、受け入れ先企業での就職に結びつける職場実習を取り入れるべきと考えますけれどもいかがか、お伺いいたします。 ◎花田 雇用推進部長  来年度から実施を計画しております若年層ワークトライアル事業についてでございます。  就職支援事業におきましては、受講者の就職率を上げることが重要と考えております。このためには、受講者の能力を受け入れ先企業がしっかりと見きわめられ、また、受講者にとっても、みずからの適正を判断できる機会が得られることが効果的であると考えております。したがって、若年層ワークトライアル事業におきましては、委員のご提案のとおり、短期の職場体験ではなく、受け入れ先企業での就職を前提とした職場実習を取り入れることを検討してまいります。また、実習先の企業の選定に当たりましては、カウンセラーが受講者の適性などを十分に把握した上で、必要なアドバイスをしっかり行っていくようにしてまいりたいと考えております。 ◆かんの太一 委員  就職実習を取り入れることを検討してくださるということなので、若者の就職につながるような取り組みを今後も進めていっていただきたいと思います。  最後に、要望ですが、若年層就業支援の形はさまざまであり、例えば、他の自治体では、大学在学時から企業と大学、行政が連携し、アルバイトとインターンシップを結びつけて職業観を身につけさせ、地元企業と学生のマッチングを促進する取り組みなどもあり、今後、札幌の若者が地元で生き生きと働き、十分に能力を発揮していくために本市として取り組むべき課題は多いと感じております。そのたくさんの課題の中でも、スムーズに就職できず、自信をなくしている若者に寄り添い、雇用のセーフティネットとしての役割を果たすことが期待される若年層ワークトライアル事業は、非常に重要であり、強く推進していくべきだと考えます。  本市におかれましては、弱い立場の若者の職場定着に向け、しっかりとサポートしていただくことに主眼を置いて政策を進めていただくようお願い申し上げまして、私からの質問を終了いたします。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、若者の雇用対策、特に学生の地元就職とその定着について伺います。  いわゆる人口減少は、働き手の不足だけでなく、消費活動そのものの減退を招き、経済規模の縮小にも直結する我が国の大きな課題であります。国においては、まち・ひと・しごと創生総合戦略を定め、人口減少に対応していく方向を打ち出しているほか、地方自治体にも各地域の実情に合った地方版総合戦略を策定するよう求めているところであります。  札幌市においても、(仮称)さっぽろ未来創生プランの策定を進めており、その中で、基本的な方針として、結婚や出産を望む市民の希望がかなえられる社会の実現と地域に定着できる環境づくりを掲げております。幸い、札幌市は、現在も年間5,000人程度の人口増加となっておりますが、増加率は年々鈍化の傾向であり、出生数と死亡数の差である自然動態は平成21年度から減少に転じ、人口減少社会の到来が予測されております。  人口減少の要因はさまざまでありますが、その一つとして、20代の若者の地域からの流出があります。市の調査によると、市内の大学生約7,000人のうち、毎年4割近くが就職を機に道外に流出しており、特に理系学生の半数以上が道外に転出しております。この年齢層は、これから市内において結婚、子育てをしていく世代でもあり、仕事の面でも将来の札幌を支える人たちでありますが、保育所などの子育て環境をどんなに整えても、この層の流出が続けば出生数は減少し、人口減少を食いとめることはできないものと思います。  若年層の流出をとめる上で、雇用の場を確保、創出していくことが必要であり、これまで、札幌市においては、産業振興ビジョンに基づき、食や観光などの重点分野の振興、低利融資制度など、中小企業の経営基盤の強化、新たな雇用を創出する企業誘致などにも取り組んできております。これらの産業振興施策につきましては、今後もより積極的に進めていただきたいと考えますが、若者の流出防止を強化する観点からは、市内企業への支援に加え、学生に地元企業への就職を直接働きかける取り組みも並行して実施していく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、学生の地元就職を促進するため、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎花田 雇用推進部長  学生の地元就職を促進するための取り組みについてでございます。  本市が市内の学生を対象に本年6月に実施したアンケート調査によりますと、学生が企業情報を入手する際の手段として特に重視しているものは、大学内での企業説明会就職支援サイトの情報となっております。一方、地元企業への就職に際し、必要な情報が提供されているかとの問いに関しましては、十分に提供されていると感じる学生は17.9%にすぎませんでした。  こうしたことから、今後は、学生の地元就職を支援するため、学生が利用することの多い民間の就職支援サイトを活用して、中小企業を中心とした地元企業の情報を提供するほか、大学の就職支援センターと連携し、魅力ある中小企業の情報が学生に伝わるよう取り組んでまいります。 ◆丸山秀樹 委員  地元への就職に対する情報の提供については、17.9%と大変低い数字であると思います。今後、大学に対するさまざまな情報提供を強化していく必要があるように感じます。特に、就職ウェブサイトなどの活用などにより、学生の地元就職の促進にしっかり取り組んでいただきたいと思います。  大学生の就職活動は、今や、インターネットの利用が当たり前になっており、履歴書に当たるエントリーシートも、書類ではなくデータとしてウェブサイトを通して提出する事例がふえているように聞いております。そうしたウェブサイトを通じて学生に情報を発信することは、魅力ある企業が市内にも存在することの裏づけともなり、可能な限り多くの企業を掲載していく必要があるのではないか、このように思います。  次に、中小企業採用支援について伺ってまいります。  民間企業の調査によれば、平成28年3月卒業予定者の採用に関する有効求人倍率は、大企業で0.7倍であるものの、中小企業は3.6倍となり、中小企業の人材不足が深刻な状況となっております。中小企業家同友会では、会員企業の採用支援のため、以前から、毎年、合同企業説明会を開催しておりますけれども、学生の参加人数は年々減少しているということであります。このため、昨年度から、中小企業庁地域中小企業の人材確保・定着支援事業というものを受託し、北海道の中小企業を特集した小冊子なども発行したほか、社長弟子入りプロジェクトと題して、就業体験を事前に積むいわゆるインターンシップを実施し、中小企業みずからが人材獲得できるように取り組みを進めているところでもあります。中小企業も、大学生の就職活動の変化を感じ取り、創意工夫を凝らして学生を呼び込むことが求められております。難しいこととは承知しておりますが、札幌市も経済界の取り組みと連携した支援を検討する必要があるものと考えます。  そこで、質問ですが、最近の若者の就職活動を踏まえ、中小企業採用活動への支援の必要性についてどのように認識しているのか、お伺いいたします。 ◎花田 雇用推進部長  中小企業採用活動への支援の必要性についてでございますが、生産年齢人口の減少もあって、大企業に比べ、中小企業の人手不足は厳しさを増しているところでございます。このような状況の中、中小企業庁が全国の中小企業を対象に行った調査によりますと、人材採用に当たっての課題といたしましては、採用活動に専念できる従業員やノウハウが不足していることが挙げられておりまして、札幌市も、経済活力を維持し、活性化を図る観点から、採用活動への支援は必要というふうに認識しております。  民間企業の調査によれば、約4割の学生がやりがいがあれば中小企業を就職先として選ぶと回答していることから、企業の魅力や特徴が学生に伝わることが採用に結びつくものと考えますので、今後、経済界と連携し、採用活動に対する効果的な支援策を検討してまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  ただいまの答弁で、学生の4割がやりがいがあれば就職したいということでありますので、特に魅力や特徴などの情報をしっかり伝えていただくことで就職活動がさらに進むものと思うところでもあります。こうした現状を踏まえて、中小企業採用活動への支援策を検討していくというお話でございました。若者の就職支援につながるものでありますことから、こうした取り組みにもぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。  さて、若者が地元に定着し、パートナーとの出会いを経て子育てに取り組むようになるためには、当然のことながら、安心して長期にわたって働ける環境が必要でありまして、それは、やはり生活基盤が重要であるということが言えると思います。雇用情勢の改善に伴い、札幌圏の高卒者、大卒者の就職内定率は上昇を続けてきており、平成27年3月の卒業者の内定率は、高卒者で91.8%と前年比プラス2.9ポイント、大卒者で91.6%と前年比プラス2.5ポイントとなっております。その一方で、北海道の若者の離職率は、全国と比較して、大卒者の例で言えば就職後3年間で約4割が離職している状況でもあります。  先ほど申し上げましたとおり、企業の人材不足は大変深刻であり、せっかく獲得した人材が離職してしまえば、採用の努力も全て無駄になってしまいます。また、特に、従業員が少なく、1人の社員が多くの業務を担うことになる中小企業においては、育てた人材こそが企業の財産であり、生命線にもなります。人材の定着を図ることは、大変大きな課題と言えます。  そこで、質問ですが、若者の離職の原因についてどのように分析されているのか、また、今後どのような取り組みを行っていくのか、お伺いいたします。 ◎花田 雇用推進部長  若者の離職の原因分析と今後の取り組みについてでございます。  昨年、厚生労働省から発表された調査結果によりますと、若者の離職原因の主なものとして、労働時間や休日、休暇、賃金の条件がよくなかったなど労働条件に関するものや、仕事の内容が自分に合わないなど業務に関するもののほか、人間関係に関するものがございました。この中には、企業における社員の育成が十分でなかったことや、若者が、仕事に対する心構えなど、しっかりとした職業観を持たずに就職したことによるものが少なからず含まれているものと認識しております。  したがって、若者の職場定着を促進するため、企業や若手社員を対象とした研修を引き続き実施するとともに、今後は企業の人材育成力を強化するための支援事業にも取り組んでまいります。また、若年求職者に対しましても、フレッシュスタート塾事業を初めとした就職支援事業の中で職業観の涵養を図るなどして、若者の職場定着を進めてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  雇用のミスマッチというのはよく聞く話でございますが、学生に対して職業観をしっかりとつけさせていくこと、また、受け入れる企業側に対しても、しっかりとした研修が必要ではないかというふうに感じます。人材不足に悩む中小企業に対して、人材の育成と定着を進めることができるような取り組みを進めていく、そうした支援を引き続き行っていただきたいと思うところであります。  一方、違法な長時間労働による若者の使い捨て、いわゆるブラック企業が社会問題化していることに対しましては、我が党の青年委員会は、法制定を提案、推進し、青少年の雇用の促進等に関する法律が衆院本会議で全会一致で可決、成立しました。このことによって、来年3月から法令違反が疑われる悪質な企業からの新卒求人はハローワークで拒否できるようになるなど、適正な労働条件確保のためにさまざまな取り組みを進めているところであります。また、企業が離職率などの情報を就職活動中の学生に提供するよう促す仕組みも導入されます。就職率や平均勤続年数ブラック企業を見分けるための重要な指標となることから、こうした企業側による情報提供の法制化は、若者の早期離職防止に向けた大きな第一歩と捉えるところであります。  しかしながら、この法律では、新卒求人のみを対象としていることから、中途採用については改善されないという問題もあり、国への働きかけは今後も一層重要になるものと考えます。札幌市としても、若者がブラック企業に就職し、人生を台無しにすることのないよう、労働知識の普及啓発にもしっかりと取り組んでいただくことを要望し、私の質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からも、若年層雇用対策について質問させていただきます。  本市が2015年3月から4月に本市で暮らす25歳から39歳の男女に行ったアンケートで、結婚をしたいと思っているけれども、結婚への最大の障害になっているのは、男女ともに結婚後の経済問題と回答し、男性は2番目に非正規で雇用が不安定と答えております。このアンケート結果についての我が党の代表質問に対して、本市は、市民アンケート結果を踏まえ、対策を盛り込んでいくことを考えている、また、若者が安定した就労ができるよう、正社員就職の促進などの施策を盛り込むことを考えて支援を進めてまいりたいと答弁されております。  そこで、具体的に正社員の目標を何人に設定し、実雇用数の増加をどのように見込んでいるのか、お伺いいたします。 ◎花田 雇用推進部長  正社員の目標人数とその増加の見込みについてでございます。  正社員を希望する求職者に対しましては、あいワーク就業サポートセンターで職業紹介を行ってきたほか、新卒未就職者の正社員就職への支援にも取り組んできたところでございまして、今後もこれらの事業を通じて正社員就職を促進してまいります。正社員の増加につきましては、企業の経営上の問題もございますので、経済全体の活性化を図るなど総合的な対策が必要というふうに考えております。  いずれにいたしましても、札幌市といたしましては、希望する方が正社員就職につながるよう支援していくものでございますので、指標などは具体的に設定してございません。 ◆田中啓介 委員  数値などを具体的に決めてはいないということでしたけれども、本市は、2011年度から2014年度までの4年間、計画として5万人の雇用創出という目標を持ち、実際にこの4年間で6万1,000人程度を達成したとしております。このことからも、目標を持つことがまず一つ大切なことではないでしょうか。  ただ、この6万1,000人の雇用形態は、正規か非正規かという限定をしておりません。実際に、保育士は、今、2人に1人が非正規雇用です。潜在保育士は全国で60万人以上、また、介護や福祉の現場でも半数近くが非正規で、こちらも潜在介護福祉士はたくさんいることが調査でも明らかになっております。私自身、障がい者の施設で働いておりましたけれども、障がい者の施設においても、まず、休みはほとんどとれません。土・日であっても、利用者から電話がかかってくると、施設に行ったり、利用者が住んでいるアパートに行かなければならないということも実際に経験しております。また、そのため、長期の旅行も家族ではなかなか行けません。まさに、今、福祉の現場というのは低賃金の上に過重労働ということが現実にございます。30代、40代の家庭を持つような世代で共通しているのは、今話したような状態のために不安で将来に展望を持てず、その施設をやめて同業種の違う施設に転職するのではなく、他業種に転職するという実態もございます。また、ある70代の方は、建設現場で働いてきて、一度退職したけれども、建設業の社長から復帰してほしいと言われた、建設の現場でも30代、40代がいなくて技術、技能の継承ができないと訴えておりました。  本市は、人材確保対策として、札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015(案)の中で、保育士等支援事業、建設業人材確保育成支援事業、介護人材確保促進事業などを進めていこうとしております。福祉分野、建設分野のどちらも、非正規雇用のため、また、さまざまな労働条件によって不安で先が見通せないという共通の問題がございます。これらの分野で働く人は、全産業に占める雇用の割合から見ても決して少なくはございません。本市の経済にも大きな影響があると思います。  そこで、質問ですが、人手不足問題の取り組みについて、介護人材は高齢保健福祉部、保育人材については子育て支援部、建設現場などの人材については土木部などになっておりますけれども、それぞれの部局に対して本市全体の雇用対策を担う雇用推進部として、今後どのような働きかけを行っていこうとしているのか、伺います。 ◎花田 雇用推進部長  人材不足に関する雇用推進部から各局への働きかけについてでございます。  委員からもお話がありましたけれども、人材不足分野の人材確保につきましては、それぞれの業界と関連の深い部局において積極的な取り組みを始めており、例えば、介護の分野では事業者の採用力向上に向けたセミナーやアドバイザーの派遣、合同企業説明会などを行っております。建設分野でも、インターンシップの実施や女性従業員のための環境整備に対する支援などを行っているところでございます。  雇用推進部といたしましては、今後も、北海道労働局と連携し、業界の情報収集に努めるとともに、関係部局との連携を深めながら人材確保を支援していきたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  ついこの前の10月24日、NHKの報道番組で、「働き盛りがなぜ?“中年フリーター”270万人の衝撃」というテーマで非正規雇用の労働者がふえている問題について取り上げられておりました。正社員との年収格差は300万円を超え、特に深刻なのは、中年フリーターなどと呼ばれる35歳から54歳の非正規雇用の人たちです。民間の調査会社の調べでも非正規で働く人は実際に270万人以上に上っていて、これによる晩婚化、少子化への影響、また、生活保護予備軍への可能性も指摘されておりました。また、この番組の中で、同じ時期に勤め始めた非正規雇用と正社員の方のそれぞれ20年後ということで、非正規の方は、初任給が17万円から、20年たった段階では20万円、アパートでひとり暮らしです。一方、正社員の場合は、初任給が20万円、これが20年後には35万円、家を持って、結婚し、子どももいるというような比較をしておりました。本市が行ったアンケート結果でも、これはまさに全国の問題と共通しているというふうに思います。  今、理事者から、さまざまな連携をするというご回答がございました。超高齢社会を迎える本市として、人対人ということで、子どもは保育所、高齢になると介護や高齢者施設、また、交通事故等で障がいを持ったときには障がい者の施設、そして、これらの施設は、いざ災害が起きたときの避難場所にもなってまいりますし、まさに、市民の生活を支えていく大事な福祉の分野であります。また、まちのインフラ整備を担っている建設現場では、新卒者や30代、40代の働き盛りの世代の安定した雇用拡大が喫緊の課題であると思います。雇用推進部として、ぜひ先頭に立って力を発揮していくべきではないでしょうか。  先ほど理事者から説明がありました介護人材確保促進事業の中身を見てみますと、人材を適正に確保するために、事業の魅力をうまく伝え、求職者の心をつかむ手法の習得を支援する、これが札幌市の役割だと書いております。しかし、先ほど私が述べたように、介護の現場へは、やりがい、熱い思い、人のためにという思いで希望して就職します。しかし、実態は過重労働であって、30代、40代の人がやめて他職種に移ってしまう、こういう実態を正確に把握して雇用推進部として支援策を考えていくべきではないでしょうか、いかがでしょうか。 ◎花田 雇用推進部長  人材不足分野の雇用確保についてでございます。  委員のご指摘のとおり、福祉分野、建設分野では、業界の将来を担う人材が不足しており、こうした背景には、従業員の処遇の問題、あるいは、業種に対する理解や情報の不足により就職希望者が少ないことも影響しているかと思っております。市民が安心して暮らすために欠かせない分野におきましては、人材が不足することは市民生活に大きな影響をもたらしますので、人材の確保や定着に向けた取り組みが必要だというふうに考えております。  今後は、若年者に対する就職支援事業において人材不足分野への就職につながるよう取り組むとともに、企業に対しましても、関係部局や経済界と連携しながら、情報発信力の強化や人材採用力・育成力の強化を支援してまいりたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  本市の経済を支えていく上において、福祉の分野、建設現場は、直接はかかわっていない分野でありますが、間違いなくつながっている分野であります。この分野にまさに働き盛りの世代がいないことは、技術、技能を次世代に受け継いでいく世代継承という意味で、本市として解決しなければならない必要不可欠な問題だと思います。また、この世代への対策を講じていくことは、実際に生産力を高めていくだけではなく、所得が安定することによって家族を持ち、購買力が増し、消費もふえて本市全体の経済の活性化にもつながってまいります。人材不足問題を解消して雇用の推進を図っていくためにも、それぞれの部局に分散しているものを、それぞれの部局任せではなく、本市全体の問題として、プロジェクトチームをつくるなどして若者の雇用の安定、拡大に努めていただくことを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ◆佐々木みつこ 委員  若者、中高年と参りましたので、私からは、高齢者の活躍支援について伺います。  日本の人口は、今後、合計特殊出生率の向上等がなければ、2060年には9,000万人を割り込むと予想されています。中でも、15から64歳までのいわゆる生産年齢人口の減少は、労働力の減少を招き、ひいては企業の人手不足や経済規模の縮小をもたらすこととなり、国においては、こうした状況の中で、日本再興戦略2015を閣議決定し、合計特殊出生率の向上や地方創生など、人口規模を維持するための取り組みを進めているところです。  札幌においては、長い景気低迷及び地元企業の採用情報が少ないなどさまざまな要因により、若者が大手雇用市場のある首都圏へ流出する傾向にあります。すなわち、出生率の低下による生産年齢人口の減少に伴うものに輪をかけて労働力不足は既に顕在化しており、企業からは、必要な人材を採用できず、仕事を受けることもできないといった声が上がり、事態は深刻化しております。  しかしながら、一方で、60歳以上の高齢者人口はふえており、また、一昔前の60歳代のイメージとは違い、私の周囲にも健康で若々しく高いスキルを持ったばりばり元気な高齢者がたくさんいらっしゃいます。団塊の世代が引退を迎える2025年、超高齢社会突入を間近に控え、長い不景気から脱却しようとする秋元新市長体制において、札幌市は、まさに、社会と経済の活動力を維持し、札幌の未来を支えるためにも、高齢者や子育て女性など労働参加が進んでいない年齢層の就労を積極的に促していく必要があるのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、札幌市の高齢者の就労について、未就業人数、就業率、就業意向などをどのように認識しているのか、お伺いします。 ◎花田 雇用推進部長  高齢者の就労に対する認識についてでございます。  国の就業構造基本調査によりますと、全国の高齢者の有業率は21.3%であるのに対し、本市では14.7%と低くなってございます。一方で、本市でも、65歳以上69歳以下で仕事をしていない方は8万4,600人、そのうち、約1万4,000人、16.2%が就労を希望しており、高齢者の就労を支援することは企業の人手不足解消に資することにもなりますので、経済活力の維持と社会参加につながるものと認識しております。このため、仕事内容や勤務時間など、個々の高齢者のニーズに合った働き方が可能となるよう、環境づくりを進めていく必要があると考えているところでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  仕事をしていない方の中で1万4,000人も就業を希望しているということは、すごい人数だなというのが率直な感想です。高齢者の有業率向上が課題であり、就労を促進するためには、個々の高齢者が望む働き方を実現することが必要というご答弁をいただきました。札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015を見ますと、重点課題としていつまでも安心して暮らせる街を取り上げ、その実現のため、高齢者が豊富な経験や知識を生かしながら生涯現役として社会に貢献できる環境を整えるとしております。  そこで、質問ですが、札幌市の高齢者の有業率向上を図るため、アクションプランの中でどのような取り組みを進めていくおつもりなのか、伺います。 ◎花田 雇用推進部長  アクションプランにおける取り組みについてでございます。  本市が今年度実施した企業経営動向調査によりますと、市内の企業のうち25.1%が高齢者の活用に興味があると回答しております。高齢者の就労を支援するためには、企業が元気な高齢者を積極的に採用していくことが必要でございます。今後は、就業サポートセンターに専任の求人開拓員を配置し、企業の規模や業務内容に応じた高齢者雇用のあり方を提案するなどして求人の掘り起こしを行うとともに、個々の高齢者がこれまで培ってきたスキルや経験を生かせる求人の開拓にも取り組んでまいりたいと思っております。 ◆佐々木みつこ 委員  就業サポートセンターを活用してやっていくということでした。  高齢者の中には、経済的な理由から就労を望む方、生きがいを求めてシルバー人材センターのように臨時的な就業を望む方、そして、社会に貢献するためにボランティア活動を希望される方など、たくさんの方がいらっしゃいます。しかしながら、いわゆる臨時、短期、軽易な業務のシルバー人材センターの登録者においても、実は経済的な理由から登録会員になった動機が多いと聞いております。  私は、おととしの平成25年第4回定例市議会の代表質問で、福岡県の70歳現役応援センターを取り上げ、前市長から、高齢者の就労に関する就業センターの持つ機能について、今後、国や北海道との役割分担とその動向を見きわめながら検討する旨、答弁をいただきました。  高齢者の社会参加のニーズは年々高まりを見せているところであり、それらの多様なニーズに応え、高齢者が培ってきた経験を社会に生かすためには、就労や就業、さらにボランティアにも対応できる総合的な窓口の設置が必要なのではないでしょうか。国も、生涯現役社会の実現に向け、いわゆる臨・短・軽要件の緩和や介護分野への職域拡大など、シルバー人材センターの機能強化を検討しているところです。また、各地域においても、シルバー人材センターを活用した取り組みは広がりを見せています。  先日、視察してまいりました、愛媛県松山市では、2014年から、フルタイムでの就業を念頭とした職業紹介を行ういきいき仕事センターをシルバー人材センターに委託し、ホワイトカラーでの就労を望む高齢者会員の多様なニーズに応えようとしていました。松山市では、求人開拓、マッチング、情報誌作成による広報、企業への提案や、高齢者の希望を明確にさせるためのコンシェルジュ機能など、昨年からの1年弱で300件以上の相談者からたくさんの事例を学び、超高齢社会の中で生き生きと働く高齢者就労支援体制を2025年までにつくろうという工夫がありました。  例えば、これは、活躍世代というイメージのチラシでございます。シルバー人材センターで言う剪定や自転車整理ではなくて、知性と精力あふれるホワイトカラー、キャリアバンクというイメージのチラシをつくられていました。また、イメージ払拭とムード醸成のために、楽しく参加をさせる、興味が湧く仕組みを情報誌としてつくっていました。例えば、名前は「げんぇきもん」というタイトルで、ビートルズを模しているのですが、ビートルズの役をやっているのは全員が60歳以上の方でして、そういった楽しい表紙です。「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」のジャケットにあるようなものを利用した情報誌をつくって、市内で3,000部も発行しておりました。この中の記事には、60歳、65歳の方々がやっている活躍が非常に満載でして、カフェだけではなくて、葉っぱビジネスなどで起業して1億円を目指すというような事例が載っていたりとか、非常にやりたいと思わせる仕組みがございました。  しかしながら、札幌市に戻りますと、おととしの私の代表質問のときからはまだ余り変わっていないなという感じがしております。私のところにも、仕事につきたいのだけれども、高齢でつけないという相談が来ます。定年、引退という社会の仕組み自体、時代の価値観の転換期であるので、ここは歯車が動き出すための役所の後押し体制が必要だと思います。  本市には、幸いなことに、身近な区役所で職業紹介を行うあいワーク就業サポートセンターが整備されています。会員数が伸び悩んでいる本市のシルバー人材センターの活性化を図る意味でも、まずはシルバー人材センターとあいワークの機能の集約に向けた取り組みを進めるべきではないでしょうか。  そこで、質問ですが、シルバー人材センターとあいワークの連携についてどのように考えているのか、伺います。 ◎花田 雇用推進部長  シルバー人材センターとあいワークの連携についてでございます。  高齢者の就労ニーズはフルタイムから短期までさまざまございまして、これに対応するためには、あいワークでのきめ細かな就労支援とともに、臨時、短期または軽易な就業の機会を提供するシルバー人材センターの機能強化が必要と認識しております。現在、シルバー人材センターでは、従来の請負業務の受注に加え、派遣労働の拡大にも積極的に取り組むなど機能強化を進めており、本市もこうした取り組みを支援しているところでございます。
     今後は、あいワーク及び就業サポートセンターとシルバー人材センターが連携し、求人開拓の中でシルバー人材センターでの受注が適当な業務については同センターを紹介し、会員の就業機会の拡大を図ってまいります。さらに、臨時・短期的な就業を希望する高齢者につきましては、各区のあいワークにおいてシルバー人材センターを案内し、会員数の増加につなげてまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  税収増及び企業の収益増という経済景気向上のためにも、高齢者の健康のためにも、安倍総理の掲げる一億総活躍社会実現のためにも、もっと積極的に前倒しで実施すべきと考えます。  高齢者の望む多様な働き方に応える意味でも、シルバー人材センターの果たす役割は少なくありません。しかし、シルバー人材センターも、人口規模が全く違う札幌市と先ほどご紹介した松山市で登録会員数がほとんど同じ3,700人台というのは、就労意欲、期待にまだ応えていないということを物語っています。シルバーという響き、印象から、積極参加に至っていない高齢者の価値観もあるのではないかと思います。私もお話をしますと、まだ高齢者ではない、シルバーではないと言われることもございます。  ここ数日、ちょっと考えてみましたが、シルバーや老人、高齢者という呼び方は、今の若々しい60歳代にはふさわしくないと考えます。経験値や人間力においてすぐれた労働力層であることをイメージするネーミングとして、プレミアムなどはいかがでしょうか。プレミアム人材センター、プレミアムクラスであれば、イメージ改善になるのではないかとも考え、提案いたします。  また、アクションプランにおいて、就業サポートセンターを活用した高齢者の就労支援事業の目標に平成31年度のセミナー参加数を掲げています。経済局として本気で取り組むのであれば、目標は、セミナー参加数ではなくて、就業者数、企業開拓数、定年延長した企業数などであるべきです。さらに、商工会議所など経済界との連携協力体制も必要であり、福祉部局との連携も必要なことから、それらの協働のプラットホームといった組織をつくるべきこともご提案します。  最後になりますが、札幌市には、就業サポートセンターも含めて、10区で職業紹介をできる体制が既にでき上がっています。求職者にとっては、非常に利便性が高いと言えるものです。しかし、高齢者の就労支援という意味では、まだまだ不十分と言わざるを得ません。あいワークには、キャリアカウンセラーなどの専門資格を持つ相談員が配置されているとは聞きますが、高齢者の方々の希望に合った働き方を実現するためには、高齢者に特化した職業相談員の配置が必要なのではないでしょうか。  東大の廣瀬教授のお話を伺ってまいりましたが、高齢者の就労にモザイク型就労という言葉を使われていました。アナログ的なチームマッチングで、企業と個人の個々の就労をモザイク、パッチワークのように当てはめていく手間がかかります。しかしながら、現状の札幌は、就労意欲のある1万4,000人ほどの方々の労働による税収、健康の効果について、本来生むべき利益の逸失を招いている状態と言えます。市民にとって身近な職業紹介の窓口であるあいワークを高齢者にとっても身近なものにしていただけるよう、ぜひ、専任の相談員を配置していただきますよう指摘して、私の質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、これまでの雇用政策の総括と今後の女性への就労支援について伺います。  ことし8月時点の札幌圏の有効求人倍率は0.96倍を記録しまして、数値だけを見ますと66カ月連続で前年同時期を上回る状況となっています。しかし、雇用情勢は改善していますが、取り残され、求職期間が長期化する方も大変多くなっておりまして、その支援は引き続き課題となっています。  札幌市では、全国や全道と比べて有効求人倍率が低迷する中で、求職者の就職を支援するため、2006年9月に就業サポートセンターを開設して以来、北海道労働局と連携し、身近な就職相談の拠点であるあいワークを各区に整備してきたところです。特に、さきのリーマンショック直後には、急激に悪化する経済・雇用状況の中で、多くの市民の方たちが失業を余儀なくされることとなりまして、市民生活を支えるため、就職支援施設の整備のほかにもさまざまな雇用政策に取り組んできたところであります。  そこでまず、質問ですが、リーマンショック以降、これまで進めてきた雇用政策についてどのように評価するのか、お伺いします。 ◎花田 雇用推進部長  本市のこれまでの雇用政策についてでございます。  本市における雇用情勢は、リーマンショック直後の平成21年5月には有効求人倍率が0.28倍まで低下するという大変厳しい状況にございました。このような中で、就業サポートセンターあいワークでは、求職者の年齢や性別に応じた求職活動を支援するため、カウンセリングや各種セミナーの開催、ハローワークと連携した職業紹介などを行い、多くの求職者の就職を実現してまいりました。また、国の雇用創出基金を活用し、新卒未就職者の直接雇用や地域のニーズに応じた人材育成、さらには、雇用の創出にも取り組んできたところでございます。  これまでの本市の雇用政策といたしましては、これらのさまざまな施策の実施により、雇用の場の確保や人材育成に一定の成果を上げてきたものと考えているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  6年前に比べますと0.7ポイントも上げてきたということに関しては、大変大きな力を果たしてきたと思います。そして、就業サポートセンターを中心とした雇用政策、そしてまた人材育成により、就労の場の確保に大変大きな成果を上げてきたと思います。  しかし、雇用情勢の回復に伴い、働きたいと考える女性、そしてまた、先ほど佐々木委員からもありましたが、高齢者が増加しておりまして、就労ニーズが多様化する一方で、労働力人口の減少によって企業の人手不足や業種による雇用のミスマッチが深刻化するなど、さまざまな課題が生じています。このため、札幌市では、本年10月から、資格取得や職場体験を通じて求職者の就職を支援するSkipさっぽろと就業サポートセンターを統合し、機能の強化を図ることで、離職後、ブランクを感じている方や経験のない業種にチャレンジしようとする方の就職を支援していると聞いております。  そこで、質問ですが、このような就業サポートセンターの一層の活用も含め、多様な就職者、求職者の就労ニーズに応じた就職支援と企業の人手不足解消に今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、伺います。 ◎花田 雇用推進部長  求職者のニーズに応じた就労支援と企業の人手不足への今後の対策についてでございます。  就業サポートセンターは、今、委員からお話がありましたとおり、Skipさっぽろとの機能統合により、職場体験や資格取得を活用した就労支援について、短時間勤務を望む子育て女性や高齢者にも拡大し、求職活動をためらっている方を後押ししているところでございます。今後は、子育て女性や高齢者、雇用情勢が回復する中でも就職が難しい若者のため、就業サポートセンターを中心に、個々の求職者の就労ニーズに合った求人開拓を行うなど、これまで以上にきめ細やかな支援に取り組んでまいります。また、市内の大学生に向けて、新たに地元企業の情報発信を支援するなど、企業が必要とする人材の確保や定着にも取り組んでまいります。 ◆しのだ江里子 委員  就業サポートセンターを中心として、個別の求人開拓など、きめ細やかに就労ニーズに応えていくために、そしてまた、先ほど丸山委員からもありましたが、市内の大学生の地元就職についても新たに取り組んでいただけるということでした。  札幌市は、今までも、新卒未就職者に対して、フレッシュスタート塾など本当に手づくりの就労支援をされておりまして、実績を積み重ねてきています。今までのノウハウの蓄積も大いに役立つと思いますので、ぜひとも積極的に進めていただきたいと思います。  労働力人口が減少する中で、今の答弁にもありましたように、女性の社会参加の促進というのは、日本の経済活力を維持していくためにも必要不可欠な取り組みだと私も考えます。女性の職業生活における活躍の推進に関する法律が成立しまして、来年4月の法施行により、国は、大企業に対して、女性の活躍に係る行動計画の策定などを義務づけることとしています。多くの企業が女性の継続雇用と活躍推進に取り組み、社会全体として女性の就労を支えていくことができればと、本当に願ってやまないところです。  こういった中で、札幌市に目を転じますと、女性の有業率は、政令指定都市の中で特に低い状況にあります。5年ごとに総務省が実施する就業構造基本調査の直近2012年の結果ですけれども、札幌市の女性有業率は45.2%、そして、全国の政令市では神戸市、北九州市に次いで低く、全国平均を3ポイントも下回っておりました。同じ調査の育児休業等制度を利用して育児をしている女性雇用者の割合は31.4%と、やはり、全国比で1.9ポイント低く、これは、札幌市においては、中小企業が多く、育児休業などの制度はあっても、企業内の雰囲気からなかなか利用しづらい環境にあることも一つの要因と考えられます。  札幌市のこのような環境によりまして、結婚や出産を機に仕事をやめるケースや、前職のキャリアを生かせず、再就職を諦める方も多い中で、昨年度から、結婚、出産後の継続就労を希望する女性に対し、子育てをしながら働き続ける選択肢があること、産休、育休などの知識を提供するとともに、企業に対して、子育てしながら働ける環境づくりを支援する女性社員の活躍応援事業を実施しております。  そこで、質問ですが、昨年度の女性社員の活躍応援事業は、対象となる女性や企業にどのような影響を与えることができたのか、そしてまた、どのように評価されているのか、伺います。 ◎花田 雇用推進部長  女性社員の活躍応援事業の影響と評価についてでございます。  この事業は、女性向けと企業向けにそれぞれセミナーを開催する事業となっております。昨年度は、女性向けセミナーに、子どもの預け先に関する情報の提供や、実際に職場復帰を果たした女性との交流会を設定したほか、企業向けセミナーにも女性の積極的な活用により業績を上げた企業の事例を紹介するなどの工夫を取り入れたところでございます。参加した女性と企業からのアンケートでは満足度の高い結果となっておりまして、女性が結婚、出産後も働き続けることへの意識づけや企業内での環境づくりを考えるきっかけになったものと認識しております。今後も、この事業は継続して実施すべきものと評価しているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  去年、私たちの会派も、女性向けのこのセミナーに参加させていただきました。やはり、それぞれに考えていらっしゃることはあるのだと思うのですが、具体的に、子どもの預け先であったり先輩女性社員の話を聞くなどということは大変力になるものだったと思います。今後も、事業の継続と発展を大変期待したいと思います。  しかし一方で、退職し、現在、再就職を考えている子育て女性も少なくはありません。先ほど来の就業構造基本調査によりますと、就業を希望している子育て女性のうち、実際に求職活動を行っているのは5人に1人と聞いております。企業の多くはフルタイムでの雇用を求めておりまして、子育て女性の多くは短時間勤務を希望しているなど、ここでも雇用のミスマッチが生じています。  ことし2定の代表質問で、私どもの会派から、この問題への対応の必要性を指摘させていただいたことに対しまして、出産や子育てなど、一人一人の状況に応じた働き方ができる環境づくりが重要であること、そしてまた、従来の再就職だけではなく、多様な就労ニーズに合わせた求人開拓、企業とのミスマッチを解消するための方策、再就職に不安を感じている女性へのきめ細やかな支援を検討するという答弁をいただいております。また、企業の人手不足解消を図るという観点からも、札幌市は、子育て女性への再就職支援に一層取り組むべきではないかと考えます。  そこで、質問ですが、今後、子育て女性の再就職を中心とした女性の就労支援にどう具体的に取り組まれるのか、伺います。 ◎花田 雇用推進部長  子育て女性を中心とした今後の女性の就労支援についてでございます。  子育て女性の多くは、再就職に当たって、仕事と子育ての両立や離職後のブランクなどに伴う不安を抱えており、仕事内容や職場環境を知るための機会を提供することが不安を払拭する上で有効と考えております。このため、就学前のお子さんがいる子育て女性について、本人の希望に応じ、採用意欲のある企業において職場体験を行い、子育て女性と企業双方の理解を深めてまいりたいと考えております。また、各区のあいワークにおいては、マザーズデーとして、年間数回程度、求職活動のきっかけとなる託児つきセミナーの開催や子育て女性を歓迎する求人情報の提供などを一体的に実施し、子育て女性の就労支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  各区のあいワークでマザーズデーの開催を予定されているというご答弁をいただきました。しかし、女性が輝く社会をつくるためには、女性に特化した取り組みだけを行っても改善されていかないと思います。  内閣府の2012年男女共同参画社会に関する世論調査によりますと、家庭生活についての意識では、いまだに、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきという固定観念を持つ男性の割合が55.2%、特に大都市に暮らす男性に強い意識があります。また、平成27年度男女共同参画白書によりますと、6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児関連行動者率によりますと、夫が有業で妻が専業主婦の場合は妻が87.8%、共稼ぎの家庭においても妻が80.5%と、5年前の調査と比べましてもほとんど改善されておりません。時間に換算しますと、1日当たりの夫の家事・育児関連時間は、日本においては1時間7分です。先進国の夫の家事関連時間全体は2時間半から3時間であることを考えますと、いかに少ないかがわかります。また、男性の育児休業取得率の推移を見ましても、平成25年では民間企業が2.03%、国家公務員が2.77%と大変低い状況があります。  一方で、正規職員・従業員で週49時間以上の長時間労働が40.5%もあることを考えますと、やはり、企業が男女とも長時間労働を改善していかなければ何も前に進まないとも言えると私は考えます。配偶者の理解は何としても必要ですけれども、まずは、よい事例を多くつくって広めていくことが重要だと考えます。  先ほど、職場実習というご答弁もありました。子育て女性が就労支援に向けて職場体験をする際には、交通費もかかりますし、そしてまた、小さなお子さんたちがいれば、お子さんを預けるための費用も発生してまいります。この事業の先進地域である、あいち子育て女性再就職サポートセンターによりますママたちの職場実習とか、福岡県子育て女性就職支援センター実施のセミナーでは、無料で託児を実施しておりまして、参加者からはとても好評ですし、また、大きな実績をつくっております。札幌市でも、子育て女性に対して、かかる費用の一部でも支援をするとか、無料の託児をしていただくなど、職場体験をしやすい環境の充実こそが再就職を後押しする際に効果的だと考えますので、ぜひ、他都市の事例を参考にした上でこうした制度をつくっていただくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○坂本きょう子 委員長  以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。  次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち経済局関係分の質疑を行います。 ◆本郷俊史 委員  私からは、道内連携について質問したいと思います。  日本の総人口は、2008年をピークに人口減少に転じ、2040年、25年後には約1億700万人まで減少すると言われております。ちなみに、札幌市は、国からおくれること7年、ことしをピークに194万人から175万人まで減少するという推計でございます。一方、北海道は、国よりも早く、1998年、平成10年、569万人をピークに減少に転じ、2040年には419万人まで減少すると予測されております。  そういった中、国においては、各地域がそれぞれの特徴を生かした自立的で持続的な社会を創出できるよう、地方創生の考え方を打ち出して施策の展開を図っているところでございます。北海道にとっては、来年3月の北海道新幹線開業の経済効果を全道に広げていくこと、また、先日、大筋合意されたTPPに対応した1次産品の付加価値を高めるために産業の6次化を進めることなどが今後は重要になってくると考えます。市内には、道内のブランド力のある1次産品に支えられている食関連産業や卸売業が集積しており、本市が道内の各地域と連携していくことは、札幌市のみならず、北海道経済を活性化していく上で重要な取り組みと考えます。このことについては、これまで、我が会派としても積極的に取り組むことを要望してまいりました。  このような考え方はまちづくり戦略ビジョンにも示されており、その一環として、平成25年度、市長政策室が道内市町村へのアンケート調査を実施いたしました。その中で、今後、札幌市に求める役割として、特産品等の販路拡大や販売力強化への支援が73.6%、集客機能の活用支援が60.1%といったことが上位に上がっており、経済局の取り組みが道内連携を進めるかなめになると考えます。道内市町村と連携した経済活性化策をより効果的に実施していくためには、アンケートによる調査だけではなく、道内他都市のニーズをきめ細かく把握した上で事業を構築していく必要があると思います。  そこで、質問ですが、経済局では、道内他都市のニーズを把握するためにどのような取り組みを行っているのか、また、取り組みの中でどのような効果があるのか、お伺いいたします。 ◎小野 産業振興部長  道内他都市のニーズを把握するための取り組みとその効果についてでございます。  札幌市におきましては、市長政策室が中心となり、道内14の振興局を訪問し、管内市町村に本市の施策を紹介するぐるっと地域訪問を平成25年から実施しておりまして、経済局職員もこれに同行し、道内各都市の担当者と顔を合わせて情報交換を行い、ニーズの把握に努めているところでございます。また、経済局では、道内主要10都市で構成いたします北海道内都市経済活性化会議を平成22年から開催し、各都市の取り組みについて情報共有を図るほか、各都市が連携事業のアイデアを持ち寄り、事業化に向けた検討をしているところでございます。  こうした議論の中で、互いに顔の見える関係が構築され、日常的な情報交換により互いのニーズを把握しやすくなるといった効果のほか、実際に各都市が共同で事業を実施するとか、もしくは、札幌市が実施する事業に各都市が参加するといった成果にもつながっているところでございます。 ◆本郷俊史 委員  確かに、今、答弁があったように、実際に出向いて、直接、話をすることが本当に大事だと思います。やっぱり、道内の他地域というのは、組織的にも、また財政的にも規模が小さいこともありますし、札幌市がこれだけの大都市ですので、若干敷居が高いというか、そういったことがないわけではありません。そういうことも含めて、この取り組みについては、ぜひ、さらに連携を深めていってもらいたいと思います。  次に、道内連携の具体的な事業として、経済局が昨年度初めて実施した道内連携卸売キャラバン事業についてお伺いいたします。  この事業は、市内卸売企業が道内各地に出向き、地域の食品メーカーと商談会を行うことによって卸売企業の販売ルートを活用して、道内外に北海道産品の販路を拡大する事業でございます。昨年度は、帯広、室蘭、北見の三つのエリアに出向いて商談を実施されました。  そこで、道内連携卸売キャラバン事業において実際に道内自治体とどのように連携し、事業を実施されたのか、また、連携した各エリアの自治体や参加企業の反応、評価はどうであったのか、お伺いいたします。 ◎山田 国際経済戦略室長  まず、卸売キャラバン隊の事業における各地域との連携手法についてでございますが、この事業の実施エリアは、北海道内都市経済活性化会議の参加自治体と協議し、各市からの意見や意向を踏まえて決定しておりまして、協力いただく各自治体には、会場の選定や商談当日の運営支援、現地企業への視察対応等を担っていただいております。さらに、各自治体は道庁振興局や地元の商工団体、金融機関と日ごろより結びつきが強いことを生かして、札幌市では詳細な情報をなかなか持ち得ていない地場企業の発掘や、商談会後のフォローも円滑に進めていただいておりまして、全体の企画調整を行う札幌市と一体的にこの事業を実施しているところでございます。  次に、連携した各自治体や参加企業の反応、評価についてでございますが、開催地域の自治体や、ふだん、札幌で開催される大規模な商談会への参加が難しいメーカーからは、札幌の卸売企業が地元に来ていただき、一日に集中して相談ができるため効率的である、それから、卸売事業の方に自社商品の改良に必要な視点も教えられるなどといった好意的な意見をいただいております。一方、札幌の卸売企業を含めた参加企業からは、実施エリアや開催時期、さらには企業数の拡大などといった要望もいただいておりまして、引き続き、各自治体等のニーズを踏まえて道内特産品の販路拡大や販売力強化に貢献していきたいと考えております。 ◆本郷俊史 委員  確かに、道内の各地域の方にすると、展示会だ何だで札幌に来るだけで経費もかかりますので、今、部長が答弁されたように、そういう面では地元にとってはありがたいことというふうに思います。この事業は、道内連携における国内販路の拡大策として、答弁がありましたように、地元の金融機関、あるいは道庁の振興局とも一体となって進めて、北海道全体の経済活性化に貢献しており、今後も各地域の意見を取り入れながら、より充実した事業となるように推進していただきたいと思います。  次に、海外向けの販路拡大に対する道内連携の取り組みについてです。  今後、TPPへの対応も考えると、道内1次産品や加工品の競争力強化に向けては、輸出拡大の視点がますます重要になってまいります。北海道においては、高橋知事の公約として、食品輸出額を、平成26年度では667億円ですが、平成30年までに年間1,000億円にすることを目標に、新たにシンガポールに拠点を設置するなど、さらなる取り組みを進めております。先日も、知事みずから中東のドバイ、サハリンにトップセールスもされているわけでございます。  本市も、これまで、海外での物産展や展示会の出展支援など、さまざまな海外向けの事業を実施してまいりました。道内の各エリアにはすぐれた逸品があるものの、まだ海外まで目が向いていない商品も少なくないと聞いております。今後、本市として、国内のみならず、海外展開の分野でも、北海道全体に目を向けた道内連携の視点で企業を支援することが重要と考えます。  そこで、海外向けの販路拡大事業の中で、これまで道内の地域と連携した実績について伺います。  また、今後の海外展開における道内連携の取り組み内容についても、あわせてお伺いいたします。 ◎山田 国際経済戦略室長  まず、海外への販路拡大事業における道内連携の実績についてでございます。  昨年度は、外食産業海外展開支援事業におきまして、札幌市のほか、札幌商工会議所やジェトロ北海道などから成る実行委員会に旭川市にも参加いただきまして、香港のフードエキスポでの実演販売支援や観光プロモーションをともに実施したところでございます。また、日本酒など道産酒類の販路拡大事業におきましては、小樽市とともに世界各国のバイヤーを招聘し、道内酒造の視察や商談会も実施したところでございまして、自治体間での道内連携の枠組みは広がりつつあると考えております。  次に、今後の海外展開における道内連携の取り組み内容についてでございますが、香港や台湾、シンガポールなどで開催される食品輸出を目的とした海外展示会に、引き続き、道内自治体と連携し、各地域の企業が出展できるよう支援を行う考えでございます。加えまして、食品を初めとする道内産品を取り扱う市内の貿易商社と連携して海外への販路を拡大する新規事業にも取り組む予定でございまして、これまで以上に札幌の都市機能と道内各地の地域資源を結びつけ、道内連携による海外展開に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆本郷俊史 委員  最後に、企業の皆さんの声として、北海道の企業は本州の企業に比べて物流面でのコストがかかる、また、現地の商習慣の違いから通関が思うように通らない、あるいは、何の書類を出したらよいかがわからないなどなど、さまざまな課題があるとのことでございます。道内産品の付加価値を高め、海外の市場でビジネスをしていくためには、札幌に集積する研究開発機能や商社機能をフル活用していくことが重要であり、経済局の役割は非常に大きいと考えます。  TPPへの対応に向けては、国も、合意内容の精査や国内農業への影響を見定めた上で、今後、さまざまな対策、施策を打ち出すことと思いますけれども、しっかりと国の情報をキャッチし、これをうまく活用した道内連携の取り組みを行っていくべきと考えますが、きょうまだ答弁されていない局長に最後の答弁をお願いいたします。 ◎荒井 経済局長  TPPにつきましては、これからも国においてさまざまな施策が出されていくと思いますので、私どもとしては、国の動きの情報をしっかりキャッチすることはもちろん、札幌市は道内における兄貴分ということで、道内各都市の皆さんと連携していくことが大変重要だと思っております。札幌市が持っている研究機能あるいは市場がありますので、そういったものを生かし、道内の皆さんと手を携えながら、販路の拡大、製品の開発といったことについても連携を深めていきたいと思います。そして、そのことによって、道内経済の活性化はもちろんですが、札幌市の経済の活性化についても図ってまいりたいというふうに思っております。 ◆池田由美 委員  私からは、小規模企業への対策について質問いたします。  2014年の経済センサス基礎調査を見ますと、2014年7月1日現在の速報値では、本市の事業所数は7万5,056事業所、従業者数は91万2,961人となっております。前回調査の2009年と比較いたしますと、それぞれ5,257事業所の減少、1万5,010人の従業者数の減少となっています。しかも、この減少は、従業員が1人から4人、5人から9人の小規模事業所で起きていることが調査の結果からも明らかとなっています。  我が党は、本市の企業の8割が小規模企業であり、地域経済を支えている小規模企業の実態を把握する必要性を一貫して主張してきました。2014年の第4回定例会の代表質問におきましても、小規模企業への支援を充実させていく上で、市内の全ての小規模企業を対象とした調査を行うべきとの質問に対して、副市長から、年2回、市内企業2,000社を対象とした企業経営動向調査を実施していて、小規模企業の動向も一定程度把握してきているとの答弁がございました。  そこで、質問ですけれども、本市の小規模事業所と従業者数の減少についてどのような認識を持っているのか、伺います。  また、企業経営動向調査で4割の小規模企業の意向を調査している、把握していると聞いておりますが、実態をどのように分析しているのか、伺います。 ◎小野 産業振興部長  小規模企業の減少についてでございますが、札幌市では、確かに、委員のご指摘にありましたように、平成21年から24年の間で数字が減少しております。しかし、これは札幌市だけのことではなく、全道、全国的にはそれ以上の減少率になっているところでございます。  それから、小規模企業の実態把握につきましては、毎年2回、企業経営動向調査というものを実施しておりまして、ことし2月に実施した調査におきましては、993社から回答がございまして、そのうち、小規模企業は363社からの回答がございました。そこに特化した数値分析を実施しましたところ、結果としましては、自社が属する業界の景況感や経営状況について、前期と比べて、大企業では改善していましたが、中小企業では悪化傾向にあり、小規模企業だけを見ると、中小企業全体の数字と比べてもマイナスの幅が大きくなっていたことがわかりました。また、経営上の問題としましては、大企業が人材不足を上位に上げていたのに対しまして、小規模企業では、売り上げ不振とか諸経費の増加といういわゆる資金面に関するものが上位を占めていたような状況でございます。 ◆池田由美 委員  小規模企業の経営がどういう状況なのか、苦しくなってきていることを認識されているのかどうか、再度、お聞きしたいのですが、いかがでしょうか。 ◎小野 産業振興部長  一概に言えないかとは思いますが、大企業に比べると、小規模企業の経営が厳しいということは間違いなく言えるかと思います。 ◆池田由美 委員  本市の小規模企業向けの支援策として運転資金のための融資があるかと思いますが、小規模事業融資、小口資金の融資制度の二つの2014年度の実績を見ますと、小規模事業融資では1,650件、融資額で118億円、小口資金では400件、融資額は16億円の利用となっております。ある程度は融資制度が活用されているというふうに思いますが、先ほども述べましたけれども、小規模事業所5,056件の減少数から見ると十分な制度にはなっていないというふうに感じております。融資が受けられない事業所は、倒産、またはやむなく休・廃業するという実態につながっているのではないかと思います。地域を訪問して理容室、美容室などの店主に聞きますと、先が見えない、3カ月後はどうなっているのかわからない、廃業するか、しないか、1年後は本当にやっていけるだろうかと、前が見えない不安な状況が本当にたくさん語られております。  融資以外の制度で見てみますと、新製品開発への補助率2分の1の補助制度や、海外に輸出する際の商品改良への支援など、小規模な企業では受けられない、ある程度の力がある限られた企業しか使えない制度になっているのではないかというふうに感じています。今後、小さな企業が本当に活用できる支援策を検討していくのかどうか、このことについて伺います。 ◎小野 産業振興部長  ただいま小口資金、小規模事業資金の活用のお話がございました。  私どもの中小企業支援策は、全てが従業員20人以下の小規模企業にもご活用いただけるものではございますが、実際にそれらの施策が小規模企業の方にどれだけ活用されていて、どのような効果があるかという検証につきましては、正直、そこまで綿密にというか、詳細にできているわけではございません。対象になっているからいいと言うつもりはございませんので、実際にどの程度受け入れられているかということについては、今後、検証していく必要があるというふうに思っております。そのために、小規模企業の方々がどのようなニーズをお持ちなのか、そこら辺につきましても、今後、その把握に努めていく必要があろうと考えているところでございます。 ◆池田由美 委員  今ある制度がどのように使われているのか、そして、小規模の企業に対して、いろいろな制度を使った後はどうなっているのか、使えていないのかどうか、そういうことも含めて検証が十分ではないというお答えだったと思います。先ほども言ったように、小規模企業の皆さんは、経営をどうしていくのか、運転資金をどうしていくのか、それも含めて、返す当てがなければ借りることさえできないような状況がございます。先ほども言いましたが、理容室、美容室であれば、これだけ経済が冷え込んでいる中で、1カ月に1回行くお客さんが、2カ月に一遍、3カ月に一遍とだんだん数が減っていくわけです。こういう状況の中で、本当に経営が苦しいということが今は広がっているのではないかと思います。ぜひ、そういう小さな規模の企業の皆さんの要望をしっかりと聞くことを進めていってほしいというふうに思います。  そういうことを進めていくことで、今後、本市が小規模企業への具体的な検討を考えていくことにつながっていくと思うのですが、具体策の検討の土台となっていくものとして、2014年6月20日に国会で成立した小規模企業振興基本法では、小規模企業への支援が国と全ての自治体の責務として明確化されております。本市として、小規模企業振興基本法をどのように活用していくおつもりなのか、このことを伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  本市は小規模企業振興基本法を小規模企業の施策にどのように活用していくかというお尋ねだと思います。  小規模企業振興基本法には四つの基本方針がございますが、その四つの基本方針につきましては、私どもが所管している中小企業振興条例の中でも基本方針を定めておりまして、その基本方針の中に包含されていると考えております。 ◆池田由美 委員  小規模企業振興基本法の中では、自治体に対し、今、小さな企業が抱える後継者をどうしていくのかというような問題、それから、販路拡大をどうしていったらいいのか、経営方法や広報活動などなどの施策について、細やかに寄り添ってつくっていくことが書かれてあります。この施策は、今ある本市の中小企業振興条例の中で重なっている部分もあると思いますが、それに加えて上乗せや見直しも検討していくことが大事だと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎小野 産業振興部長  ことしは、平成23年1月に策定いたしました産業振興ビジョンの改定作業を実施しているところでございます。その中で、市内1万社にアンケートを実施してニーズ把握することになっておりますが、その半分程度の5,000社ほどは小規模企業の方々にアンケートをお送りすることとしておりまして、そこでいろいろなニーズを捉えてまいりたいと思っております。調査項目としましては、事業を行っていく上での課題や販路拡大の意向、札幌市に求める支援策というような設問を設けようと考えておりますので、まずはその中でご意向を把握したいと思っております。 ◆池田由美 委員  細やかな要望も聞きながら対応していってほしいなと思います。  先ほども話をしておりますが、現在の中小企業の支援策は、小規模事業者が使えるものがなかなか少ないと感じています。具体的な支援策が少なかったことが、小規模事業者の減少の要因の一つとしてあるのではないかというふうに私は考えています。小規模事業者への施策が求められておりますので、小規模事業者の声をしっかり聞いていっていただきたいと思います。  先ほど、1万社にアンケートを行い、その半分を小規模事業者の調査として進めていきたいと言っておりましたが、跡継ぎはどうしていくのかなど、本当に細やかに悩みを聞いていただくアンケートにしていってほしいと思います。  加えて、直接、足を運んで、困っていること、要望などを聞いてくることも大切なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ◎小野 産業振興部長  小規模企業のニーズを把握するために現地に足を運んではどうかというご質問だったと思います。  私ども経済局といたしましては、従前より、企業訪問を通じて皆様のニーズの把握に努めているところでございます。いろいろな規模の企業があり、ニーズはさまざまだと思いますので、限度はあるかと思いますが、今後ともできるだけ直接お話を聞く機会をふやしてまいりたいというふうに思っております。 ◆池田由美 委員  ぜひ、訪問件数の目標を持って積極的に取り組んでいただくことを求めておきたいと思います。  自営業者の多くは、地域に住む人々の暮らしや生活に必要なものを供給することをなりわいとしております。そこには、競争というより、協働の意識が強いのではないかと思います。地域の一員として小さな企業を営んでおり、地域での仕事興しによる地域経済の振興策が必要です。  札幌市中小企業振興条例の前文には、小規模の企業が元気になることで、働く人の収入がふえ、消費が活発化し、雇用が創出される、さらに、市の税収が増加して福祉や教育などの市民サービスが向上し、まちづくりが発展するなどの好循環が生み出される、このようなことから、中小企業の振興は、単に中小企業だけにとどまるものではなく、札幌の産業、経済と市民生活全体にかかわる課題といえると書いてあります。ぜひ、本市がこの立場に立って、職員みずから出向きながら小規模企業への実態調査に取り組み、小規模企業の要望に沿った効果的な施策を構築して実施していくべきだということを強く申し上げて、質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  先日、私は、しばらくぶりに月寒あんぱんを買い求めに行きました。場所はおよそここだったと思って行ったら、ないのですね。さて、どこへ行ったものかと思って車のナビゲーションに案内してもらったら、やっぱりその場所なのです。そこで、電話をかけて聞いたら、国道36号線の月寒中央通に本社があるということで行きました。そして、工場はどうしたのですかと聞いたら、恵庭に移ったと言うのです。そして、もとのところに3階か4階建てぐらいのビルを建設中で、そこは事務所とお店だと言うものですから、なぜ工場をあそこに一緒につくらなかったのと尋ねたら、あそこは住宅地域だから工場をつくれなかったという話なのですね。私がそのときに思ったのは、恵庭にどの程度の工場をつくったかはわからないけれども、経済局が話を聞けば、工場も含めていろいろやりようがあったのではないかなというふうに思いました。建築基準法というのは、柱一本を残しても改築ですから、やりようがいろいろあったなというふうに思っています。あそこには、もちろん正社員もいるだろうし、恐らく、ご近所のパートの方も結構いると思います。そういうことで、経済局では、こういうことに対する相談はどうなっているのかと一つ思いました。  振り返ってみると、私が転勤で札幌に出てきたのが昭和41年5月1日です。駅前で一番最初に目についたのは、北海鋼機という大きな看板でした。そのほかに、サッポロビールだとか、薄野に行けばサントリーとニッカの大きな看板があったりしました。北海鋼機も、もともとあった場所は今の白石区役所のところですが、江別に工業団地ができて移転しました。鋼機の後は、大半が区役所で、一部は今のUR、当時の住宅・都市整備公団に50年契約で札幌市が貸して、公団があそこに住宅を建てております。そしてまた、日本で最初にビール醸造の工場をつくると言ってできたのがサッポロビールです。日本で最初のビール工場ですね。私が議員になってから、これもまた恵庭に行ってしまいました。そういうようなことで、企業には企業のいろいろな条件があったのだろうけれども、札幌市としてこういう企業の流出に対してどう取り組んできたのか。  一方、企業誘致の状況について、平成17年度から26年度までの資料をいただきました。そうしましたら、10年間で231件に補助金を出し、立地件数は全体で132件で1万583人の雇用があるけれども、いわゆる月給制の正社員はわずか1,428人で14%と極めて少ない状況にあります。誘致活動にかかったお金は幾らなのかと思ったら、1億400万円ぐらいの金がかかっていて、1件当たり大体45万円、これは職員に係る経費ですね。さらに、補助金も出しております。  そこで、入ってきた会社の固定資産税だとか個人の所得税をおおよそ見積もって、誘致活動費の1億円、さらにまた18億5,000万円ぐらいの補助金などを含めて、どれくらいでかけた金を回収できて、その後は札幌市の税収として増になる、そういう計算をどのようにしているか、まず、1点お尋ねいたします。  それから、2点目は、流出企業に対して、今までそれをとめるという取り組みをどのようにやっていたか、この2点についてお尋ねいたします。 ◎小野 産業振興部長  1点目は、10年間で誘致した132企業に支出した補助金18億4,400万円、それから、誘致の活動費として1億400万円ほど、合わせまして19億4,800万円ですが、それが固定資産税、所得税等でどのように回収されているかということについてでございます。  申しわけございませんが、今、その計算につきましては、手元に資料がございませんので、後ほどでよければご説明させていただきたいと思います。ただ、実際に1社当たりに直しますと、補助金、誘致活動費を合わせて1,470万円ほどでございますので、今、細かいお話はできませんけれども、回収は十分に可能な数字だというふうに考えているところでございます。
     それから、市内企業の流出をどのように防いできたかということでございますが、現在の制度としましては、市外から新たに誘致、立地する企業に対する補助金があるとともに、市内で移転または増設する企業に対しても補助制度を設けております。その制度は、固定資産税の標準課税額が増加する分の10%程度、上限5億円という制度を運用しているところでございます。  なお、その制度につきましては、製造業の業種の限定はあわせて整えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  私は、企業を誘致するというのはなかなか大変だと思います。来る企業も、この表でもわかるように、正社員が14%程度です。正社員というのは、一般的に考えれば、家庭において生計を立てるに足りる収入を得ている人、こういうふうに理解していいと思います。パートの人は、あくまでも、家庭において主たる収入がある人の若干の補助として補っていくという収入の区分だと思います。そういうことからしたら、私は、誘致ももちろん一生懸命やらなければいけないけれども、まず、今ある企業を出さないことに積極的に取り組まなければいかぬ。  そこで、札幌市内の企業で、例えば、会社の敷地が狭くなってどこかへ移らなければいけないと考えているかどうかとか、市内であってもほかに行くというような全体の意向調査などを今までやったことはありますか、どうですか。 ◎小野 産業振興部長  流出防止という観点で全企業の調査をしたことはございません。 ◆松浦忠 委員  まず、そこは一つわかりました。  それから、私らにもよく相談があるのですが、例えば、数年前に、白石の住宅街で食品を製造している会社がありまして、どこへ行こうかという相談があったので、たまたま米里の工業団地にあいた土地があって世話をしたりしました。このように、用途規制のないときに工場を建てたのですが、その後に用途規制が出てきた、あるいは、敷地が手狭になったり、周囲の環境が変わって、住宅が張りつき、やかましいと言われてどこかへ移らなければいけなくなったとか、こういう会社も市内には結構あると思います。そういうときに、札幌市が保有している土地の中で準工業地帯なり工業地帯の保有地などがあって、そういう企業から相談があったら、移転立地を条件にして適正な価格で積極的に販売するようなことなども企業の流出をとめる上では必要だと思うのですけれども、これについてどう考えるか。  そこで、質問は順調に来ているようですからこの辺で終わりますが、局長、先ほど言ったように、全企業に対して、今、どういう企業が悩みを抱え、どういうようなことをしようとしているかという意向調査、もう一つは、条件が変わったために、できれば市内で問題が起きないような場所に移転したいという相談があったら、札幌市が保有している工業地帯なり準工業地帯の中の適した場所を適正な値段で随意契約によって優先的に販売してあげるなど、そういうことは最低限やらなければいかぬと思うのですけれども、この点についていかがですか。 ◎荒井 経済局長  松浦委員のご指摘にありましたように、札幌で操業されている既存企業の皆様方の流出防止もきちんとやるべきではないかということについては、委員と全く同感でございます。企業誘致というのは、各都市との競争も非常に激化しておりまして、一朝一夕にはなかなか成果が上がらないのも事実で、非常に難しいところがあります。ですから、今現在、札幌の中で操業されている企業の皆さんにそこにとどまっていただく、あるいは規模を拡大していただく、そういったことは非常に重要だというふうに思います。  そこで、その方策ですが、今、委員からもご提案がありましたように、私どもとしては、そういったニーズがあることを十分に承知していないところもありますので、企業の皆さんのご意向をきちんと把握するということがまず一つです。それから、もう一つは、そういった希望があった場合に、私どもの職員だけではありませんけれども、ご相談に乗って、どういうような解決策があるのか、一つ一つの企業に向き合ってやっていくこともまた重要だと思います。  そして、その解決策といたしまして、その土地をどう手当てしていくのかということになりますが、確かに札幌市が持っている遊休地がございます。ただ、そういったものは、各部局においてそれぞれ必要性があって持っているものもありますから、一概に私からこの土地をどうぞとは言えませんけれども、土地の状況も勘案し、さらに、その取得に当たっては、市民の皆さんに対する公平性もしっかり考えた上で、そういうことができるような十分な環境を整えていく努力をしてまいりたいというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  決算委員会でも予算委員会でもそうですが、経済局に対する質疑というのはなかなか面倒です。誘致について言えば、1件当たりのお金がこのぐらいで安く済んだからいいとか、かかり過ぎているとか言っても、相手あってのことですから、いろいろなことでお金のかかる場合もあるし、あるいは、かからないでできる場合もあって、そういう点では、皆さんは本当に面倒な仕事をされていると思います。  それから、後段の土地の手当てについて言えば、特に準工業地帯、工業地帯で遊休地を持っているところは、きちんと経済局のほうで把握する、そして、きちんと条件を整えて、そういう方に随意契約で売ってあげるということを一つ一つちゃんとやっていかなければだめだと思いますので、ぜひ、このことを一生懸命やってください。 ◆中川賢一 委員  私からは、一つは札幌コンテンツ特区に関して、もう一つは、今もお話がありましたが、企業誘致に関連して、大きく2点の課題について質問いたします。  まず最初に、企業誘致に関連してお伺いしたいと思います。  私は、さきの代表質問におきましても、現行の産業振興ビジョンの現状認識や今後の企業誘致の方向性といったものについて質問させていただきまして、おかげさまで、ビジョンにおいて重点分野と位置づけている食、観光、環境、健康・福祉の四つの分野を中心に産業振興を展開していくことが、これからの札幌経済の持続的な成長を牽引していく上で大変重要であることを共通認識とさせていただきました。また、企業誘致につきましても、これらの分野を見据えて展開していくということを確認させていただきました。本日は、その点につきまして、もう少し突っ込んでお伺いさせていただきたいと思います。  まず、産業振興ビジョンの開始年度である平成23年度から26年度までの4年間における企業誘致の実績と、その中で重点4分野に該当する実績がどの程度あったのかということについてお示しいただきたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  平成23年度から26年度までの4年間における企業誘致の実績と、そのうち、産業振興ビジョンの重点4分野に該当する実績についてでございます。  この4年間で本市の誘致補助金を活用して新たに立地いただきました件数は、合計で58件でございます。このうち、重点4分野に該当する件数といたしましては、食料品製造業や創薬関連企業など、食、環境、健康・福祉の分野で合計7件の新規立地があったところでございます。 ◆中川賢一 委員  最近の誘致実績をお聞かせいただきましたが、全体としての件数は58件と少なくないレベルで、まずまずだという評価はできると思います。しかし、そのうち、重点分野の誘致実績は7件ということで、全体と比較すると余り芳しくないと言わざるを得ないのではないかという印象でございます。  これまで、企業誘致の中心として、最近、コールセンターに力を入れておられたというふうに認識しておりますが、コールセンターの場合、雇用の拡大に寄与したという点では一定の役割を果たしてこられたと受けとめます。しかしながら、札幌市の産業構造にしっかりと厚みをつけて、波及的な雇用の広がりをつけていくといった観点からは、やはりコールセンターは産業立地の柱とはなり得ないのではないかという認識を持っております。  雇用対策につきましても、前段でるる議論がありましたが、こういった部分を進めていくにも、その前段階として、札幌の産業の底上げをしっかりと図っていって、雇用吸収力や雇用創出力のある企業活動をしっかりと促していく必要がまずもってあると思います。そのためには、このビジョンの理念のもと、重点4分野の振興にしっかりと力を注ぎまして、企業誘致もこれらの分野で重点的、一体的に進めていくことが極めて重要ではないかと考えております。  そこで、何点かお伺いしたいのですが、まず、これまで、市の産業振興上、企業誘致というものをどのように位置づけておられたのか、そして、その上で、重点4分野での産業立地にどのように取り組んでこられたのか、そのあたりのご認識をお伺いしたいと思います。  また、これらの重点分野におきましても、ものづくりの役割はやはり大きなものだと思います。先ほど本郷委員からも海外展開の話がいろいろと出ておりましたが、やはり、それに当たっても、前提として競争力のあるものを持っていなければ海外展開もままならないものでございまして、製造業を中心としたものづくり産業の立地はこれからも推進していかなければならない、この点は変わらないと思っております。  しかしながら、製造業について見てまいりますと、全国と比べて北海道自体は製造業がかなり脆弱だという状況でございますが、とりわけ、札幌の製造業はたったの3%前後で、北海道全体の9%前後と比較してもこれまた著しく低い状態でございます。北海道においては、全国と比べても比較的強みがあるだろうと思われるものに食品産業がございまして、先ほど月寒あんぱんやサッポロビールの話が出ておりましたが、そういった食品製造業ですらたった1.6%ということで、極めて心もとない状況でございます。  こういった状況を踏まえまして、製造業の誘致をきちんと見ていかなければならないと思いますが、製造業の誘致を行う上で、札幌の課題、弱みというものがどこにあるのか、あわせてご見解をお伺いしたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  1点目は、これまで、本市の産業振興上、企業誘致をどのように位置づけ、また、その上で、重点4分野での産業立地にどのように取り組んできたのかという点でございます。  産業振興ビジョンでは、新たな雇用創出と地域産業の活性化を図るため、さまざまな分野の横断的な取り組みとして企業誘致を位置づけ、札幌の産業全体の競争力を高めることを目的としているところでございます。このような考え方のもと、雇用創出に重きを置いてコールセンターの誘致に取り組んできましたほか、札幌に優位性があるIT・コンテンツ企業やバイオ企業、食などの製造業の誘致を行っており、重点4分野に特化しているわけではございませんが、それらに取り組んできたところでございます。  2点目の製造業の誘致を行う上での札幌の課題や弱みについてでございますが、これまでの企業との折衝等を通じて得たものとしましては、例えば、大消費地である首都圏からの距離が遠いこととか、企業にとって適当な工場用地が多くないこととか、札幌と札幌の近郊を比べた場合、近隣と比較して地価が高いことなどが挙げられると考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  これまでの企業誘致は、特定の分野というよりは、分野横断的に雇用創出を狙ってやってきたと、そのあたりのお考えにつきまして、一定の理解はさせていただきます。しかし、分野横断的と言えば非常に聞こえはいいのですけれども、言いかえると、うがった見方をすれば、重点分野に関しては、特に際立った戦略を持たずに企業誘致をやってきたと言えるのではないかというふうに思います。そういった意味では、これは、札幌ではなくても、全国どこであってもある程度共通する企業誘致で、札幌の特性には関係ない企業誘致でございまして、企業にとってはどこに出ても根本的な差は余りないと見えるのではないかというふうにも思われます。そういった中で、補助金競争だとか、ちょっと前にはやった言葉で言えばレッド・オーシャン的な対応に終始してしまうのではないかというふうに考えるところでもございます。  これから本格的な人口減少社会を迎えるわけでございますけれども、その中で地域間競争がますます激化すると思われますので、札幌の産業構造を札幌に合った形でしっかりと強固で厚みのあるものにしていくことが不可欠であると感じるところでありまして、今後は、重点分野を中心としたものづくり産業の立地にもしっかりと力を入れて、その上で物流やサービス、観光といった周辺の産業とのシナジー効果を上げていくことが必要であるというふうに思います。  そして、製造業の課題、弱みという部分でもお話をいただきました。いろいろ現状把握はされているということでございますが、それを収集するに当たっても、現場の肌感覚とか、言ってみればアプローチしやすい企業、情報を得られやすい企業の意見だけで判断するのではなくて、先ほど松浦委員から流出していった企業の話もございましたように、そういった企業の意見とか、そもそも札幌に関心がない、目も向けていない企業は企業立地に関してどのような判断基準を持っているのかというようなこともしっかりと幅広く取り入れていくことが求められるのではないかと思っております。  今後、産業振興ビジョンを改定されるということでございますので、最後に、もう1点お伺いしたいと思います。  今申し上げたような視点を強めながら、現状の札幌の課題や弱みについてしっかりと的確に把握、分析して、それらを踏まえながら、産業基盤の強化につながる企業誘致へとシフトしていくことをビジョンの中でしっかりと打ち出していく必要があると思いますが、今後の企業誘致についてどういった方向性を示していくのか、お伺いしたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  今後の企業誘致の方向性についてでございます。  人口減少という時代の大きな変化を迎える中で、本市の大きな課題となっております若者の流出防止という観点からも、これからの企業誘致では、若者などにとってより魅力的な雇用の場を確保することが求められておりまして、これまでの取り組みに加え、特に健康、医療、バイオ関連のものづくり分野の企業誘致にも積極的に取り組んでいく必要があると考えているところでございます。これらにより、雇用の創出のみならず、関連企業の集積や市内企業の取引拡大など、本市産業の基盤強化に資することが期待できるものと考えているところでございます。  なお、企業誘致に当たりましては、委員からもご指摘がありましたとおり、札幌の課題や弱みを把握することはとても重要なことであり、例えば、東京事務所での企業折衝などを通じて、首都圏企業から得られた情報を札幌市でも一層活用、分析しまして、これらを誘致の施策に生かしていけるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  ビジョンの改定前でございますので、きょうは、企業誘致に関してこれ以上深入りいたしませんけれども、今、方向としては若者の流出防止を踏まえて魅力的な企業をということでございます。魅力的な企業と言えば非常に聞こえはいいのですが、全て相手のある話でございますので、そのあたりは実はかなり地道な活動になってくるのではないかというふうに思います。  企業の立地というものは、企業活動のいろいろな側面にかかわる部分を多様的に見据えた上での複合的な活動でございます。先ほどの部長の答弁の中でも東京のスタッフの活用ということがございましたが、彼らがいろいろな意見を吸収しやすいよう、働き方の環境も含めて、しっかりと骨太に議論を深めていっていただきたいと思います。この件につきましては、今後、ビジョンの改定もありますので、折に触れて議論させていただきたいと思います。  企業誘致に関しては、このあたりで終わらせていただきたいと思います。  引き続きまして、今年度で指定期間が満了します札幌コンテンツ特区について、何点かお伺いしたいと思います。  札幌市では、平成23年12月に国からコンテンツ特区の指定を受けまして、来年3月で5年の指定期間が終了すると伺っております。  近年、アジアを中心として、海外におきましても日本の食や文化の注目度が大変上昇しておりまして、我が国を訪れる外国人の数も飛躍的に増加しております。そんな中で、国のクールジャパン戦略といったものの後押しもございまして、当地、札幌におきましても、元来、札幌はイメージが非常にいいということもありまして、映画のロケや映像素材の提供といったことに対する引き合いは一定程度拡大しているというふうに認識しております。そのような時代背景下で特区の認定をされたわけでございますので、当然、各方面の関係者が大きな期待を持って行く末というものを見ているのではないかと思われます。  そこでまず、最初にお伺いします。  今回、札幌コンテンツ特区に指定されたことによりまして、規制の特例措置などで得られた成果についてお伺いしたいと思います。 ◎山田 国際経済戦略室長  コンテンツ特区認定により、例えば規制の特例措置など得られた成果についてでございます。  国に対しましては、撮影にかかわって道路を使用するに当たっての許可基準の緩和とか、火薬類を使用するに当たっての使用許可権限の一部移譲、さらには、海外撮影隊の在留資格要件の緩和などを初めとするさまざまな規制の特例措置を提案したところでございました。しかしながら、結果的には、残念なことではございますが、法制度の改正を伴う規制緩和には至らなかったところでございます。 ◆中川賢一 委員  規制緩和という部分では、余り目立った特例措置は受けられなかったというようなお話でございました。規制緩和は非常にハードルが高くて、いわゆる岩盤規制などと言われているようなものでございますので、特区に指定されて交渉する権限ができたからといって、担当の省庁のほうで、はい、わかりました、どうぞというような簡単なものでは当然ないと思いますし、これは釈迦に説法かなと思われます。  そんな意味では、特区の指定を受けた後の活動としまして、国とどんな折衝をされてこられたのか。細かくは存じ上げておりませんが、例えば、実際の撮影案件があったときに、その都度、不都合があるので国に規制緩和の要望を上げていくというような単発的な対応では、国から簡単に許可をいただく、国に穴をあけていくことはなかなかできないのではないかと思うところでございます。そもそも、コンテンツ産業を育成していったり、ロケを促進していくことに対して、どんな規制が隘路になっていて、それをどう緩和することでどんな姿を目指していくのか、そういう基本的な方向性みたいなものをしっかりと持って、関係各方面の方々の協力のもと、粘り強く折衝していくという姿勢が不可欠なのではないかというふうに考えるところでございます。  そういった意味におきましては、今回の取り組みに際しても、当初から、関連の事業者とか関係各方面の方々と現状、課題、方向性を共有しまして、それらに基づいて計画的、具体的に国に働きかけていくべきであったと考えますけれども、実際にはそういう取り組みがなされてきたのかも含めて、その点のお考えをお伺いしたいと思います。 ◎山田 国際経済戦略室長  今のお話にありましたように、例えば、規制緩和などに関する提案を国にするに当たっての働きかけ方についてでございます。  どういったものを提案していくのかといった中身についてでございますが、地元のテレビ局や映像関連団体、金融機関、大学、私どもも含めた行政機関等から構成される札幌コンテンツ特区協議会というものがございます。これは、特区の法定協議会という位置づけでございますが、この協議会での議論の結果、それから、地元の映像関連事業者の日ごろの具体の事業や活動を通して私どもに寄せられております声などを、一旦、札幌市が集約、検討した上で国へ働きかけを行ってきたところでございます。 ◆中川賢一 委員  法定の協議会をつくって、恐らく、定期的にいろいろな協議を重ねてこられたということだと思います。しかし、形式的な会議を各般の方々とやっていくだけでは、業界やマーケットの実態をしっかり踏まえた具体的で細やかな課題への対応方向はそう簡単に出てこないのではないかと思います。その都度、いろいろな企業の方々の声は聞いてきたというお話ですが、結果的には国に相手にしてもらえなかったというような水準で、こちら側の意見集約、問題認識にしかならなかったのかというような印象も拭えないところでございます。そういった意味では、今回、特区としては規制緩和等のメリットが得られませんでしたが、これが無駄だったかどうかということに関して評価を下すには、まだまだ早計なのではないかというふうに思います。  札幌市としては、先般、新聞報道もされておりましたとおり、特区の終了後も、札幌市映像基本計画なるものを策定して映像関連産業の強化やロケの誘致を進めると伺っております。それは大変結構ですが、特区の対応の際に行ったような姿勢ですと、今回も、現状の制約の中で結果的に見ればできることをやるようなところにとどまって、今、世界的にも非常に注目されている産業分野でございますが、今後、世界をターゲットにしていくような迫力ある将来像はなかなか描けないのではないかと懸念するところでございます。  そこで、国とのかかわりもございますので、今後の対応について局長にお伺いさせていただきたいと思います。  今回の特区指定の成果とか、そこに至る事業の進め方に対する反省点も踏まえまして、今後も特区に活路を求めていくのかどうかといったことも含めて、基本計画をどのように策定しようとなさっておられるのか、お伺いしたいと思います。 ◎荒井 経済局長  今後、基本計画をどのように進めていくかということでございます。  今回、特区をとって、それからさまざまな事業活動をやってきましたが、それについて、きちんと反省し、課題をまとめるのは大前提でありますけれども、これから進めるに当たっては、特区に関連した事業者の方々はもちろん、今回の基本計画に当たっては市民の役割といったことも述べておりますので、市民の方々からの意見も十分に踏まえることが必要だと思います。その上で、今、特区の活用についてもお話がありましたが、私も特区が無駄ではなかったと思っております。この間、各事業者の皆さんといろいろな議論ができたことも、まさに特区をとったところに大きな要因があるわけで、その特区を今後活用できるかどうか、さらに、これからの国の動きも当然見据えた上で、特区が映像産業の振興にとって本当に必要かどうか、効果があるのかどうかということも考えた上で特区の活用を考えていきたいと思います。  そして、それも踏まえた上で、基本計画の中に盛り込んでいく中身については、非常に期待を持ってくださった事業者がたくさんいらっしゃいますので、そういった方々とも、形式的な議論にとどまることなく、各事業で困っていること、あるいは規制のあり方、それから札幌市の役割、そして市民の協力といった観点からもしっかり議論させていただきたい、その上で基本計画をつくっていきたいというふうに思っております。 ◆中川賢一 委員  特区が一つの引き金になってこういった動きにつながってきたというご認識でございまして、それらをしっかりと踏まえた上で、関係の事業者のみならず、市民の役割ということもおっしゃっていましたが、幅広く次の計画に反映させていくということでございましたので、そういった方向で進めていただきたいと思います。  先週、ニュージーランドの首都のウエリントンの市議会議員が私を訪ねて札幌にお越しになったものですから、うちの会派としましてもいろいろ意見交換をさせていただく機会を持ち、また、町田副市長がご公務だったということでしたので、板垣副市長にもお会いいただきましたが、国際経済戦略室の方々には大変お骨折りをいただきました。  ご存じのとおり、ニュージーランドというところは、「ロード・オブ・ザ・リング」とか「ホビット」「アバター」といったハリウッドの超人気大作の映画を初めとしまして、多くの映画のロケ地になっている映像産業の大変な先進地でございまして、その首都のウエリントンは、映画関係や映像、デジタル技術の関連企業や人材が集積しているところでございます。来られた市議の方は、もともとメディア関係の業界にもおられた方でしたから、そのあたりについてもいろいろお伺いしますと、現在、ニュージーランドの繁栄の基礎になっている最初の要因はやはり人材だったということでした。また、先ほども言いましたが、「ロード・オブ・ザ・リング」という人気映画の監督のピーター・ジャクソンさんや特撮のリチャード・テイラー氏は、偶然にもウエリントンもしくはその周辺の出身で、こういう天才的なクリエーティブ人材が偶然いたという幸運はありましたけれども、これを軸として、産業にかかわる技術や創造性を持った人材を内発的にも育成していく、また、外からも積極的に確保するという仕組みや取り組みをどんどん築いていき、その上で、現在の映像ビジネスのメッカとしての地位が確立されたというようなことでございました。  今後、札幌にピーター・ジャクソン氏のような天才的なクリエーティブ人材が出てくるかどうかはまた別といたしまして、こういう創造性や技術、センスを持った人間が育っていくような、また、そういう人材が集まってくる、もしくは住みたくなるような仕掛けを戦略的に講じていかなければならないというふうに強く印象づけられたところでございます。そういった環境をつくっていくためには、市の内外、もっと言えば国内外の幅広い関係者の声に耳を傾けながら、人が集まって活動するのに必要な環境づくり、環境改善も、規制の見直しなどを含めて、言われてやるのではなくて、こちら側から自発的に進めていくことが重要なのではないかと改めて思ったところでございます。  今般の新しい計画の策定によりまして、映像コンテンツ産業の振興にまた新たな一歩を踏み出すということでございますので、今後、国等の関係者への働きかけ方なども含めて、再度、幅広い角度から多様な議論がされていくことを強く求めまして、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。 ○坂本きょう子 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時27分       再 開 午後3時50分     ―――――――――――――― ○村上ゆうこ 副委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆しのだ江里子 委員  私は、健康分野の産業振興施策について伺います。  国内では超高齢社会が到来しておりますが、札幌市も例外ではなく、2015年の本市の高齢化率は24.3%となっております。こうした中、健康寿命の延伸、つまり、健康上の問題がない状況で日常生活を送られる期間を延ばそうという考え方が重要になってきております。昨年、札幌市は、これからの10年を展望した市民の健康づくりの指針となる札幌市健康づくり基本計画(第二次)、健康さっぽろ21を策定いたしました。計画の基本理念は、市民が地域とのつながりの中で健やかに心豊かに生活できる社会の実現とし、この理念を実現するための全体目標として、健康寿命の延伸、健康格差の縮小などを掲げて取り組むこととしております。2010年の札幌市の平均寿命、男性の79.79歳、女性の86.56歳に対して、健康寿命は、男性は69.55歳、女性は73.29歳と、男性では10歳、女性では13歳と差異がありまして、まさに健康上の問題がない状況で日常生活を送られる期間のギャップは大変大きくなっております。目標では、平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加を目指すこととしています。  健康寿命の延伸に向けては、減塩を含めた栄養バランスのよい食事の摂取とか、散歩やマラソンなどの運動といったより健康的な生活を送るための取り組みを、多くの市民が始められるようにすることが大事です。そのため、生活習慣の改善など、行政として市民を取り巻く環境を整えていく一方で、産業振興の面からも、民間事業者の創意工夫を生かした新たなビジネスを後押しして、広がりのある展開を生み出していく発想が求められます。  生活習慣の改善については、青年期や中年期から取り組むことが効果的であり、ビジネスの対象としては、高齢者のみならず、多様な世代が想定されます。札幌市では、健康・福祉を産業振興の柱の一つに掲げておりまして、これまでの4年間、健康サービス産業推進事業に取り組んできたところであります。また、先般の2定補正予算におきましては、健康関連産業ビジネスモデル構築支援事業を新たに実施することとしています。  そこで、質問ですが、健康サービス産業推進事業の実施結果とそれに対する評価について伺います。  そしてまた、今年度の健康関連産業ビジネスモデル構築支援事業は、健康サービス産業推進事業とどう違うのか、伺わせていただきます。 ◎小野 産業振興部長  まず、健康サービス産業推進事業の実施結果についてでございますが、この事業は、予防医療や健康増進などのビジネスを行う事業者に必要経費の一部を補助する事業であり、4年間で16件の採択枠に対し、例えば、長距離サイクリングによる健康増進プログラムや介護予防のための運動療法の開発など、11件の支援を行ってまいりました。  その評価でございますが、健康分野においては、市場ニーズの拡大が見込まれる一方で、応募件数が伸び悩むとともに、継続性、発展性のあるビジネスモデルが期待どおりに集まらなかったことから、これまでにない新たなビジネスモデルを構築することの難易度が高く、事業における支援の仕組みが十分ではなかったものと捉えております。  次に、健康サービス産業推進事業と今年度の健康関連産業ビジネスモデル構築支援事業との違いについてでございますが、これまでの結果と評価を踏まえ、補助金に加えて、専門家が継続的にアドバイスを行うハンズオンと呼ばれる支援を実施いたします。これにより、健康に関するさまざまな消費者ニーズをうまく捉えた、新規性のある安定的なビジネスモデルの構築につなげてまいりたいと考えているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  今、お話がありましたハンズオンですが、字引を引きますと、専門家が事業者に寄り添いながら経営課題や事業方針についてのコンサルティング支援を行うものと書いてあります。健康分野におけるこうした支援策というのは全国でも非常に珍しいと聞いておりまして、このことに関しては非常に期待しています。  しかし、先ほどのお話にもありましたように、4年で16件の採択枠であったのに11件ということで、市場ニーズがなかなか伸び悩み、この4年間の支援というものは決して成功したとは言えない中で、ハンズオン支援を取り入れることによって果たしてうまくいくのか、不安を感じるところでもあります。具体的な成果を上げていくためには、しっかりとした支援体制を整えていくことがとりわけ重要だと考えます。  そこで、質問ですけれども、健康関連産業ビジネスモデル構築支援事業のハンズオン支援に当たり、具体的にどのような体制を整えていこうとされているのか、伺います。 ◎小野 産業振興部長  ハンズオン支援の具体的な体制についてであります。  採択された事業者を総合的にサポートしていくための事務局を設置するとともに、事務局が有する幅広いネットワークを生かして、コンサルティング企業や中小企業診断士など、多様な分野に豊富な知見と経験を有する専門家を確保したいと思っております。また、事務局では、それぞれの事業テーマや経営課題を考慮しながら、ハンズオン支援を行う専門家とのマッチングを図ることとしております。こうした体制を整えることによりまして、事業者の視点に立った適時適切な支援を実施してまいりたいと考えているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  事務局を設けるということ、そしてまた、事業者の視点に立った頼りになる支援体制をつくっていただけるよう、ぜひとも準備を進めていただきたいと思います。  ところで、最初の答弁において、昨年まで実施しておりました健康サービス産業推進事業を見直した要因の一つとして、先ほどもお話ししましたが、応募件数の伸び悩みとか単発イベント、まさに継続的、そして発展的と言うには少々足りなかったなと思われる要素が多かったことなどが挙げられていたと思います。  しかし、例えば、2013年度の採択事業であるNPO法人花サイクルクラブは、NPO法人の北海道歩くスキー協会と連携して、クロスカントリースキーとスポーツ自転車を組み合わせた冬季版デュアスロン大会を開催しております。デュアスロンというのは、複合競技の一種で、ランニングと自転車ロードレース、ランニングを順に行いまして所要時間や順位を競うスポーツでありまして、トライアスロンの水泳をランニングに変えたものだそうです。そして、調べますと、国内では既に11カ所で開催されておりまして、国際大会もロンドンを初め3カ所で開催され、注目されています。札幌版のように、冬季、雪のある環境の中で行うのは非常に先進的であり、ことし2月に国営滝のすずらん丘陵公園で第2回が開催されて多くの市民が参加して、身近な歩くスキーと自転車を組み合わせたことで冬期間も新しいスポーツに親しむ環境の提供ができておりますことから、私は継続的な開催を期待したいと思います。  このように、健康につながるさまざまなビジネスが行われている一方で、異分野のビジネスで蓄積した強みを生かして新たに健康分野のビジネスを行いたいと希望しながらも、なかなか一歩を踏み出せない事業者もあると思われます。支援の成果を上げるためには、多くの応募が集まるように案件を発掘するとともに、より有望な取り組みを支援していく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、健康関連産業ビジネスモデル構築支援事業の支援先を公募するに当たって、応募件数を確保し、そしてまた、有望な取り組みを見出していくためにどういった工夫をされるおつもりなのか、伺います。 ◎小野 産業振興部長  応募件数を確保し、有望な取り組みを見出すための工夫についてでございますが、先ほど申し上げた事務局が専門家や産業支援機関と協力して健康分野のビジネスを検討している事業者を幅広く把握するとともに、特に有望な事業者に対しては、訪問活動などを通じて応募を呼びかけてまいります。また、本年4月に民間メンバーが主体となって設立され、会員数が160を超える北海道ヘルスケア産業振興協議会と連携を図りながら、協議会が主催するビジネスモデル検討会において参加事業者に応募を促してまいります。さらに、事務局では、専門の窓口を設置して、応募を検討する事業者の相談に応じることにより、応募内容の精度を高める支援も行ってまいりたいと考えております。こうした工夫を通じて、一層多くの応募が集まり、有望な取り組みを見出せるよう、その掘り起こしに努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  事務局を中心として工夫されるということで、大変期待したいと思います。  健康産業は、医療、介護、食、IT、ものづくりなど幅広い産業とかかわりがありまして、札幌市内にはそういった企業もたくさん存在しております。  ただいまの答弁にありました北海道ヘルスケア産業振興協議会には160社が参加していると聞いておりますが、ことし8月に開催された全体会合には100人以上が参加して、アクティブシニア、地域課題、地方創生、食、医療・介護機関との連携といったようなヘルスケア分野の重点テーマとか、10年後のヘルスケア産業の将来像、こんなビジネスが実現できないかとか、こういうことで社会に貢献できないかということについて、さまざまな業種の参加者がグループごとに語り合い、共有したことがインターネット上に載っておりました。また、札幌におきましては、先月、美容と健康をテーマにした複合ビルとして、アインファーマシーズが大通地区にル・トロワをオープンするなど、まさに健康に対する民間事業者の注目は非常に高まってきておりますし、観光におきましても、健康食とか運動を取り入れたヘルスツーリズム事業が大変注目されています。ぜひとも、こういった新たな機運をうまく捉えて後押ししていただき、健康分野の産業を札幌の新たな産業の柱に育てていくことが重要であると考えます。  ぜひとも、本事業の効果的な実施を通じまして、他の事業者の参考となるような成功事例を数多く創出できるよう積極的に進めていただくことを求めます。 ◆桑原透 委員  私からは、コンテンツ産業の振興について、何点かお伺いいたします。  まず、札幌コンテンツ特区について伺います。  札幌コンテンツ特区は、総合特別区域法に基づいて、札幌市が札幌コンテンツ特区協議会での検討を踏まえ、2011年9月30日に特区の指定申請を行いました。地域活性化総合特区には全国各地から77件の申請がありましたが、国の総合特別区域評価・調査検討会による評価や、総合特別区域推進ワーキンググループ及び総合特別区域推進本部での審議を経て、2011年12月22日、札幌コンテンツ特区は、内閣総理大臣により、地域活性化総合特別区域に指定されました。札幌市が日本で初めてとなるコンテンツ分野での地域活性化総合特区の指定を受けたことは、映像のまちとして札幌市がこれまでに取り組んできたことを高く評価されたもので、現在、札幌コンテンツ特区として、特区の推進組織である一般財団法人さっぽろ産業振興財団内に設置している札幌映像機構、SASが中心となって映像コンテンツを活用した新たな取り組みを進めてきているところでございます。  しかし、コンテンツ特区の計画期間も、今年度がいよいよ最終年度となりました。このコンテンツ特区の取り組みで札幌市が活用した地域活性化総合特別区域制度とは、地域活性化のための包括的かつ先駆的なチャレンジに対して、財政支援措置や規制の特例措置によって国が地方を総合的に支援するものであります。コンテンツ特区事業については、この支援制度に基づき、本市の事業費に加え、国からも相当額の支援を得ていると聞いております。  そこで、質問ですが、2012年度から2014年度までの間にこの取り組みに投じられた本市と国の事業費及び主な事業内容、さらに、その成果についてお伺いいたします。
    ◎山田 国際経済戦略室長  まず、札幌コンテンツ特区に係る事業費と主な事業内容についてでございますが、平成24年度から26年度までの3年間のコンテンツ特区に係る札幌市の事業費は約3億8,000万円、国からの財政支援は約3億3,000万円でございまして、合計で約7億1,000万円となっております。  主な事業といたしましては、助成金制度を活用したロケ誘致や撮影支援、札幌特区映像撮影コーディネーター認定制度の創設等による撮影環境の整備、それから、国際映像商談会を通じた札幌、北海道の地域映像の輸出支援、そして、世界各国から映像関係者を招聘した国際映像イベントの開催などといった事業を行いました。  次に、札幌コンテンツ特区の成果についてでございますが、特区計画に掲げております映像制作の誘致、実施に伴う経済効果、映像の海外輸出額、外国人宿泊者数、この三つの指標はおおむね目標を上回ることができました。特に、経済効果につきましては、平成24年度から26年度までの合計で約52億2,000万円となっておりまして、事業費の7億1,000万円に対し、一定の成果を上げることができたものと考えております。  さらに、映像の海外輸出額についてでございますが、札幌市が中核となって、道内だけではなく、全国の自治体や地方テレビ局を中心とする映像事業者と連携いたしまして海外の映像商談会に共同出展を行った結果、多くの商談に結びつき、平成24年度では4,000万円であった輸出額が26年度には約2億8,000万円まで増加したところでございます。 ◆桑原透 委員  両方合わせると7億1,000万円と、かなりのお金をかけてこの事業をやってきたということです。私たちも、当初、このコンテンツ特区をとるために、国に要請に行ったことを覚えております。そのときは民主党政権だったものですから、私も行って、何とか特区をとれた、これは映像産業に結びつける大変すばらしいものになっていくのかなというふうに思っておりました。今、答弁があったとおり、結構ユニークな取り組みをいろいろされて、かなり成果が上がってきているのかなというふうに思っています。  当初、札幌コンテンツ特区については、いろいろな評価指標を求めながら、こういうものをつくってやってきたと思っています。今あったとおり、三つの指標について目標を上回ることができたということです。しかし、経済効果については、今年度までで144億円という目標が出ておりまして、これをクリアしていく努力はされると思いますが、残念ながら今現在で52億円ですので、ちょっと難しい面もあるかなというふうにも思っています。これがどうだったのかということについては、平成27年度が終わってからまたゆっくりと精査させていただければと思っております。  次の質問をさせてもらいます。  今、海外での映像の商談会に出展していますが、単に映像作品を並べて引き合いがあることを待っているのではなく、そうした機会を捉えて多くの人脈やネットワークを広げ、海外との共同制作をしたりロケ誘致につなげることが大切だと思っています。実際に、タイでは、今、九州がちょっとしたブームになっていると聞いております。きっかけは、九州北部でロケをしたドラマがタイで放映され、雑誌や新聞が九州を特集し、旅行イベントでも九州のブースがにぎわいを見せており、観光客が前年同比2.2倍にもなった事例があるということで、海外からの観光誘客などの面で大きな成果を得ていると聞いております。  そこで、質問ですが、2014年度に海外の商談会に出展した概要とそれに要した経費、その成果についてお伺いいたします。 ◎山田 国際経済戦略室長  まず、平成26年度の海外商談会の出展概要でございますが、シンガポールと香港での海外商談会に参加したところでございまして、シンガポールでは七つの自治体から19の映像事業者、香港では14の自治体から46の映像事業者を取りまとめ、共同で出展を行ったところでございます。これによりまして、各地の特色ある映像コンテンツをそろえることができ、取り扱う映像の種類や数の充実を図ったところでございました。成果につきましては、商談会の場での成約数はシンガポールで2件、香港で7件でございましたが、多くの場合、なかなかその場で即成約につながるものではございません。継続的な商談会へ参加、その後の個別交渉など、間断のない営業活動を経て成約に至るものというふうに理解しております。  札幌市といたしましても、これまで継続的に海外商談会へ出展支援を行ってきておりまして、そのことが平成26年度の映像輸出額が約2億8,000万円に急増した要因の一つではないのかなと思っております。また、商談会に参加することで培った国際的なネットワークを生かして、札幌と東南アジアのテレビ局が番組の共同制作を実現させた例も生まれておりまして、映像輸出だけではなく、札幌、北海道へのロケ誘致の成果にもつながっているものと考えております。  なお、出展にかかった経費につきましては、シンガポールで約1,100万円、香港で約2,100万円、合計約3,200万円となっておりますが、このうち、国の制度を活用して約1,300万円の助成を受けているところでございます。 ◆桑原透 委員  コンテンツ特区ということでは、まさに、今説明があったとおり、こういうお金が使われることは正しいと私は思っております。行ってすぐに商談が成立するようなことはないと思っています。まずは顔合わせから始まり、そして札幌に来てくれという取り組みが必要なのですよ。そこにお金を使うことについては全然問題がないと思っています。これが今後につながっていけばというふうに私は思っていますので、これまでの経過については本当にすばらしい内容になっているというふうに考えているところでございます。  次に、規制の特例措置に関して質問します。  映画やテレビのロケにおいてはさまざまな規制が存在し、市民生活の制限や危険の伴う撮影に関しては、諸外国よりも相当厳しいレベルであると聞いております。そうした状況がロケ誘致のハードルにもなっていると考えられ、これを克服することが特区制度活用の理由でもあったと思います。  そこで、質問ですが、2012年度から2014年度までの間の規制緩和に関する国との協議を通じてどのような意義や効果があったのか、お伺いいたします。 ◎山田 国際経済戦略室長  規制緩和に関する国との提案、協議を通じて得られた意義や効果といった質問だったと思います。  法制度の改正を伴うといった意味での規制の特例措置を得ることはできませんでした。しかしながら、規制緩和に関して、所管省庁や関係機関との交渉をたびたび重ねる過程で、撮影における問題点や課題といったものに対して、相手方、すなわち所管省庁に理解を深めていただくことができたものと思っております。さらに、現行法の範囲内でも、迅速かつ実情に配慮した対応をしていただけるといったきっかけもつくれましたことから、撮影しやすい環境づくりを進めるといった意味では一定程度の意義があったものと理解しているところでございます。 ◆桑原透 委員  特例措置を得ることはできなかったということでした。確かに、私たちも、今回のコンテンツ特区ではどのように規制緩和ができるかということを注視しておりました。しかし、話を聞くと、国ではなく、道や警察、また関係機関などと協議していろいろできることがわかったと思います。これは札幌独自でやっていける一つだというふうに私は思っていますので、ぜひ、国に要請するのではなくて、札幌市として道や警察や関係者ときちんと協議しながら行っていっていただきたいと考えているところでございます。  次に、2014年の第2回定例市議会において、映像の力により世界が憧れるまちさっぽろを実現するための条例が議員提案で制定されました。条例には、目的や基本理念、市の役割、事業者の役割、市民の理解や協力などが書かれております。特に、第7条の基本計画には、「映像活用施策を戦略的かつ総合的に実施するため、映像活用施策に関する基本的な計画を定めなければならない。」とあります。また、代表質問の答弁で、他産業への波及について一層工夫の余地があるという課題認識を踏まえ、今後のコンテンツ産業の振興につなげていく必要がある、さらに、コンテンツ産業の中でも、引き続き映像分野を基軸として振興していくとの答弁でありました。そして、その方向性や特区事業終了後の具体の取り組み方針を担保する(仮称)映像基本計画を策定するとのことでした。しかし、いまだに中身が見えてきません。また、10月15日の新聞に映像基本計画策定と記事が掲載されましたが、中身は今までの取り組みにすぎないというふうに私は思っています。  そこで、質問ですが、昨年来、2015年度中をめどに基本計画を作成していきたいとしていましたが、さきの代表質問の答弁では、2016年6月の公表を予定しているとした事情及びどのような観点を重視して計画を策定しようとしているのか、伺います。 ◎山田 国際経済戦略室長  まず、映像基本計画を来年6月に公表予定としたことについてでございますが、現在策定中の今後5年間の行財政運営の指針となる、いわゆる中期実施計画における産業振興施策といったものの方向性を踏まえた内容とする必要性があると考えました。したがいまして、現在のようなスケジュール感となったものでございます。  次に、基本計画で重視する観点でございますが、産業振興の観点では、多様な産業への波及、地域間連携の促進、撮影環境の整備、映像人材の育成などを重視したいと考えております。また、市民参加の観点でございますが、映像制作発信に取り組む機会の充実とか、映像鑑賞や人材育成機会の充実などといったことを重視したいと考えているところでございます。 ◆桑原透 委員  計画策定に向けて今後作成していく内容と、おくれた原因について答弁されましたが、私は、6月ということが出たときに、中期実施計画のことがあったのかもしれませんが、私たち議員でつくった条例の言葉が今の答弁で一回も出てこないというのは寂しいのです。議員条例としてつくったわけですよ。この中の第7条の3には、「市民の意見を適切に反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。」とも書かれております。特区が終わる段階で次をつくらなければだめだということは、当然、理事者側もわかっていらっしゃったと思います。となれば、中期実施計画がああだ、こうだと言う前に、市民に聞くことができたと私は思っているのですよ。議会説明もなかったし、聞いていませんので、わからないうちにおくれていったというのは、私としては納得のいかないところだったのです。まずは市民意見を聞けよ、そのことをやってからつくれば間に合うのではないのかと思ったのが、どんどんおくれていった。そうできなかったのかもしれませんが、残念だったなというふうに思っています。  段々の質問をしてきました。特区が今年度で終わります。今年度も、恐らく単費で1億3,000万円ぐらいのお金がこれに出ていると思っています。確かに、これからは国からの財政援助はありませんが、特区終了後もきちんとした形で続けていかなければなりません。これは、先ほど言ったとおり、市役所の皆さんだけではできない課題であります。私は、事業者の皆さんときちんとした意見交換をする中で基本計画をつくっていただきたいと思っています。その中には、先ほど言ったとおり、当然、市民の意見が入ってくると思いますので、お願いしたいと思います。  それから、もう一つです。  市役所の皆さんというか、担当の方のことですが、この取り組みを行うためには、相当な能力が必要だと私は思っています。海外に行ったりいろいろな事業者と話をしたりするということは、誰も彼もができるわけではなく、専門性がすごく高いというふうに私は思っています。2年、3年でかわられてもいいですが、きちんとした形で担当課長ぐらいを置きながら事業を進める、私は、そういう取り組みが必要ではないかと思っています。今後の札幌の生きる道は、観光分野もそうですし、映像分野もそうだと思っていますが、これを大事にしていかなければいけないというふうに思っています。  最後に、局長、今、段々の話を聞いていただいたと思いますが、私の意見を含めてどのように考えているか、お伺いいたします。 ◎荒井 経済局長  いわゆる映像のまち条例は、委員を初め、全会派一致でつくられたということでございます。私どもコンテンツ産業を振興する者としては、背中を押していただいたということで、大変ありがたい条例でありますし、そういう面では非常に重く受けとめております。  基本計画の策定が6月にずれ込んでいるということについては大変申しわけなく思っておりますけれども、その内容は、単に映像振興だけではなく、他産業も含めた札幌市全体の産業の振興につながるという使命を持っていますので、その内容をしっかり基本計画に盛り込んでまいりたいと思います。そのためには、当然、行政マンだけではできませんので、映像関連事業者、市民、議会の皆さんを初め、多くの方々としっかり丁寧な議論をさせていただいて、その内容を盛り込んでいきたいというふうに思います。  そして、このコンテンツ産業の振興を管理する、あるいは内容を盛り込んでいく職員の問題でありますが、委員のご指摘のとおり、非常に専門性の高い分野です。特に、海外とのネットワークとなれば、人的なネットワークということですので、どんどんかわってしまったらそのネットワークが切れてしまうこともまた事実でございます。そういう意味では、一例ではありますが、産業振興財団の中に映像機構がありまして、そこは、専門性を持った職員をこれからもずっと置いておかなければいけません。行政マンは3年、4年でかわってしまいますが、そういった人材もいらっしゃいますし、民間の事業者の中には、今までずっとやられている方々もいらっしゃいます。我々はそういった方々とのネットワークをしっかりと使わせていただく中でいい施策が実現できるのではないかと思いますので、そういったことも含めてコンテンツ産業の振興に努めてまいりたい、そして、基本計画の策定をしてまいりたいと思っております。 ◆石川佐和子 委員  私からは、札幌スタイル推進事業について伺います。  札幌スタイル推進事業は、札幌というまちの良好なイメージをブランド力として生かして、価値を高めながら、さまざまな企業や人材が連携してビジネスを生み出していく、そういうネットワーク型の産業を育てる事業です。2004年に経済局が主導してスタートし、この間、北国札幌のライフスタイルや札幌の持つ価値を背景に、かつ、デザインを手段として活用し、ブランドイメージの形成や製品化への支援から、さらに、近年では、こうしたブランドの成長に向け、製品やブランドのプロモーションや販路拡大に重点を置いた取り組みに移行してきていると聞いております。  札幌スタイルの推進体制としましては、認証製品を持つ企業などで構成している札幌スタイル機構が設立され、公式ホームページの管理運営など、販売促進の中心的な役割を担っていると承知しております。こうした取り組みを経て、札幌スタイルとしては、現在、38社、116もの製品が認証されていると伺っております。道産素材の生活用品やインテリアなど、その実物は、地下鉄大通駅のコンコースにあるショーケースとか、JRタワー展望室の入り口にある札幌スタイルショップでも販売しております。商品を見てみますと、本当に札幌らしさを暮らしの中に生かすということで、生活や気持ちを豊かにする楽しさ、温かさ、そして美しさを持つ製品がつくり出されているなと感じられて、札幌らしさというものを改めて考えながら、本当にさまざまなイメージが広がり、そこから個性として新たな価値が生み出される可能性を感じております。  市民ネットワークでは、2014年、第1定の代表質問におきまして、札幌スタイル推進事業の10年の総括と今後の取り組みについて伺いました。答弁としては、市民への浸透が進んでいないことを課題として認識し、企業の創造性や発想力により誕生した製品が市民の暮らしに取り入れられ、都市ブランドの強化につながるよう、製品の充実を図るとともに、国内外へのPRを進めていくということでありました。  そこでまず、この答弁を踏まえて、札幌スタイル推進事業の2014年度の取り組みとその成果についてお伺いいたします。 ◎山田 国際経済戦略室長  札幌スタイル推進事業における2014年度の取り組み、成果についてお答えいたします。  札幌スタイルにつきましては、これまで以上に多くの市民や市内企業への浸透を図るために、札幌スタイル機構と連携しながら新たな取り組みを進めております。昨年度は、具体的には、10周年を記念したセミナー、パネル展を市内中心部で実施したほか、一般市民が認証企業の制作現場を直接見学できる制作体験会や、市内の有名カフェでの展示・販売会などを開催いたしました。また、国内外へのPRを図っていくために、英語版カタログを作成するとともに、東京銀座のソニービルにおきまして、訪日観光客向けに展示・販売会を行いました。さらに、新たな流通販路の開拓を進めるため、首都圏での卸売の見本市に出展するとともに、オンラインショップを開設してインターネット販売を開始したところでございます。  このような新たな取り組みは、新聞や雑誌など各種広報媒体にも取り上げられまして、札幌スタイルの認知度向上、認証製品の充実に一定の成果があったものと考えているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  札幌スタイル機構と連携しながら、市民の皆さんへの認知度を上げていくこと、また、認証された製品の充実を図るために、イベントや展示、販売のプロモーションなどさまざまな取り組みを行ってきたということを、今、伺いました。今年度は、さらに新たな取り組みとして、札幌スタイルの認証企業と、国内有数の伝統工芸品の産地である富山県高岡市の企業との共同開発を初めとする連携した取り組みを進めていると伺っております。これまで新聞報道等でも取り上げられているとおっしゃっておりましたが、こうした道外企業との連携も既に注目を集めていると思います。  民間企業において全国の約3万人から有効回答を得て毎年発表しているものに、地域ブランド調査というものがございます。市町村の魅力度ランキングという有名なランキングですが、札幌市は、この3年間、上位3位以内で、観光意欲度、居住意欲度もともに上位にランクづけされております。こうした札幌が持つブランド力を背景に、札幌の名前を冠した札幌スタイルの道内外、国外への発信においては、2014年度の取り組みは実績として非常に評価できるのではないかというふうに思っています。さらに、札幌市と相手方の地域のお互いの歴史や文化を生かし合う、そして交流を図り、ブランドの発展に努めていただきたいということを強く求めたいと思います。  一方、札幌スタイルは、地元の札幌市民の皆さんから支持され、市民が誇りに思うことで、市民としても札幌スタイルを育てていくことが重要だと思います。私は、こうした新たな取り組みや札幌スタイル自体がもっと市民に認知されるように、ショーケースやショップ以外でもさらにPRを充実させていくべきだというふうに思います。  そこで、質問いたしますが、札幌スタイルのさらなる発展に向け、他の地域と連携した取り組み、また、今後の事業展開についてどのように進めるのか、お伺いします。 ◎山田 国際経済戦略室長  他の地域との連携の取り組みと今後の事業展開についてでございます。  委員のご質問の中にもございましたが、今年度からは、札幌スタイルと、札幌にはない強みを持った企業がお互いの価値や魅力をさらに高めていくことを目的としまして、他の地域との連携といった取り組みを進めております。具体的には、北前船で知られていて、歴史的なつながりも深く、銅やすずといった金属加工分野など強みを持つ富山県高岡市の伝統産業との連携を進めておりまして、札幌スタイル企業による高岡市企業の視察、交流会を行うとともに、新たな製品の共同開発を行っているところでございます。また、今月初旬には、高岡市内で地場のクラフト製品を集めたイベントにおきまして、共同開発製品も含めた札幌スタイルの展示・販売会を実施しまして、さらなる連携も検討されているところでございます。  今後の事業展開につきましては、これまで以上に、飲食業など他産業との連携や他地域の企業との連携を進めるとともに、取り組み内容を市民や市内企業に積極的に発信していきたいと考えております。また、海外からの観光客の増加を踏まえまして、今年度から、英語版に加え、簡体字、繁体字のカタログも作成するとともに、札幌スタイルの魅力を広く市民に浸透させる他の方策についても引き続き検討していきたいと考えているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  札幌にない、他の地域のブランド力を生かしたさらなる共同開発を進めていくというお話がありましたので、さらに積極的に進めていただきたいと思います。  札幌スタイル推進事業については、事業に対する市民評価におきまして、廃止も含めた見直しという評価も一時ありました。しかし、札幌市内の製造業は総生産の割合の中で3%という現状ですが、物差しではかれない価値といいますか、企業や個人の創造性や発想力が地域の活力ある新しい産業を創出し、経済局が、販売力、競争力の強化や連携の促進等を支援することで、札幌の地域経済の活性化に少なからず貢献してきているのではないかというふうに感じています。  札幌スタイルの一つである保冷機能がついたお弁当箱は、お弁当箱づくりからスタートしたのではなく、北大大学院で高機能のジェルを研究していた方が、夏はお弁当が傷みやすくて保冷材を入れているのだという主婦の言葉をヒントに開発されたヒット商品だと伺っています。このことについては、つい最近も経済新聞に取り上げられて掲載されておりました。製品そのもののみならず、製品化までの物語は、市民を初めとする多くの方の製品への愛着心を引き出すものになるというふうに考えます。  一方で、物余りといいますか、物がとても氾濫している状況の中で、札幌市民が愛着心を持ち、誇りに思うような札幌スタイルの世の中への出し方といいますか、アピールの仕方を工夫し、さらに積極的に取り組みを進めることを求めて、私の質問を終わります。 ◆中山真一 委員  私からは、企業の海外進出支援、輸出支援事業等、食産業の海外展開推進について質問させていただきます。  私は、ことしの頭まで、民間企業で、道内企業の海外進出や輸出の支援、ASEANでのプロモーション等に係る仕事をしておりました。海外ビジネスの実情を踏まえ、行政の果たすべき役割について質問させていただきます。  さて、本市では、国際経済戦略室を1年半前に設置し、食品の輸出促進や外食産業の海外展開支援など、海外への販路拡大支援に力を入れてまいりました。現在では、国や自治体でもさまざまな施策が実施され、海外展開への追い風が吹いているとも言えます。一方で、企業にとってみますと、海外ビジネスは大変難しく、うまくいっている企業はそれほど多くありません。例えば、昨年度、本市が支援して海外展示会等に参加した企業が年度末時点でどれぐらいの成約につながっているかを見ますと、シンガポールの展示会では10社参加で800万円、上海は2社参加でゼロ、沖縄は14社参加で110万円、米国は3社参加で36万円、マレーシアは14社参加で4万円、タイは14社参加で20万円です。そのほか、香港での外食産業の展示会では、53社とのマッチングを行い、2社が出店に向けて交渉中とのことでした。言うまでもなく、それぞれ旅費、宿泊費や出展費用など、参加企業や本市にとっても決して安くない費用がかかっております。これは、いろいろな企業の海外展開を見てきたり、実際に展示会等にもかかわってきた私から見ても、今の枠組みの中での事業成果としては決して悪い数字ではないと思います。国際経済戦略室を初め、関係の皆さんのご努力の成果だというふうにも思います。特に中小企業にとって、海外ビジネスを軌道に乗せるのはこれぐらい難しいということです。  そこでまず、伺います。  このようなこれまでの海外展開支援の実績や成果についてどのように評価されているか、伺います。  あわせて、これまでの事業実施を踏まえ、今後、海外展開を支援していくに当たり、どのような課題があると考えているか、現状認識を伺います。 ◎山田 国際経済戦略室長  これまでの食品海外展開における札幌市が行った支援事業などの評価及び課題認識といったような趣旨のご質問だったと思います。  人口減少期を迎えまして、経済の市場規模が縮小する中、札幌市といたしましても、海外を視野に入れた外需獲得の機運を醸成することが極めて重要と捉えておりまして、こういった食品海外展開の支援を行ってきたものでございます。既に海外展開に取り組んでいる企業に対するビジネス拡大への支援はもちろんでございますが、新たにこれに取り組む企業の発掘を進めておりましたし、こういったことをこれからも進めていくことが札幌市全体の経済の活性化につながると考えております。  一方、企業の皆様自身が感じておられる点におきましては、アンケートやヒアリング結果などからではございますが、輸出ビジネスや外食企業の進出時における大きな課題として、現地の信頼できるパートナーをいかに確保するかといったことがまず挙げられております。また、中長期的には、企業が自立して輸出ビジネスに取り組むためには、いわゆるグローバルビジネスと言っておりますが、そういったビジネスを担う人材を企業の中で輩出、育成していくことも重要な視点と捉えられております。  札幌市といたしましては、こういった課題認識を踏まえまして、引き続き企業の取り組み状況に応じた支援を実施してまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今、山田室長がおっしゃったことは、基本的に認識を共有しております。海外ビジネスにおいては、さまざまな困難がございます。国によってもその課題は多様です。  北海道庁が8月に実施した調査でも、課題として、人材がいない、現地パートナーがいない、現地の市場や法制度などに関する情報不足等が多く挙げられておりました。海外展開に向けて努力されている企業の現状を見ると、抱えている課題は大きく三つに集約されると考えます。  一つ目は、リアルな現地情報の把握の難しさです。企業の海外展開に当たっては、実行可能性や採算性など、事業化の可能性を事前に調査するフィジビリティースタディーが必要です。商品開発や現地化のためのマーケティングも必要です。そのためには、現地の市場や法制度、商習慣などの正確な情報が不可欠であります。現地に関しての一般的な情報はネット上にも数多くありますし、政府系機関や民間のシンクタンクが出している詳細な調査データもあります。しかし、正確で実践的な現地の情報を得ることは簡単ではありません。これらの国は、日本とは比べものにならないぐらいのスピードで変化しておりますし、現地に行ってみたら違っていたということも少なくありません。  二つ目の課題は、現地のパートナーや販路などのネットワークの課題です。アジアでは、人間関係が全てと言っても過言ではありません。うまくいくかどうかは、現地のよいパートナーと組めるかどうかで決まりますし、ネットワークがないと販路開拓にも大変苦労いたします。そのためには、息の長い関係構築が不可欠であります。  三つ目は、先ほどもお話にありましたが、海外ビジネスを担える人材がいないという問題です。これは、個人的には、企業の中で担当者が場数を踏み、経験値を上げてもらうしかないかなというふうにも思います。  これらの課題は、いずれも簡単には解決しない課題です。しかしながら、これらの課題を解決できないと、現地でのビジネスはうまくいきません。そのために、行政としては何ができるか。民間企業で約20年働いてきた私から見ると、行政には大局的な観点でのビジネスの環境づくりを求めたいと思います。  そこで、この三つの課題を解決できる解決策が一つだけございます。それは、本市として、重点化する都市に拠点を置き、そこが企業の水先案内人の役割を果たすことです。拠点があることで、現地での迅速かつ的確な情報収集が可能となります。現地にいてこそ、見えることがたくさんあります。また、現地パートナーや販路のキーマンとの持続的な関係性を構築することができます。これらは、出張ベースではなかなか難しいことでもあります。私自身のことを振り返ってみても、昨年は、1年のうち、トータルで2カ月弱はベトナムのホーチミンにいたことになりますが、それでも現地で十分にその役割を果たすことは容易ではありませんでした。3カ月ぶりに行ってみると、前回来たときと全く変わっているということもよくあります。それぐらい変化のスピードは速いです。  このようなことから、その必要性に気づいた全国の自治体は、近年、海外の拠点の新設や機能強化を進めております。以前の海外拠点は、どちらかというと交流拠点という意味合いも強く、その意義が疑問視されていた時期もありましたが、現在は、経済拠点として、海外展開支援やインバウンド誘致の拠点としての役割が強化されております。政令市で見ても、浜松市は、民間企業に委託し、ASEAN12都市でビジネスサポートデスクを設置しております。大阪市も9都市でビジネスサポートデスクを開設しております。その他、海外拠点の数は、新潟市3カ所、横浜市3カ所、神戸市3カ所などです。ちなみに、京都市はインバウンド誘致がメーンの業務ですが、世界10カ所に海外情報拠点を設置しております。  そこで、伺います。  本市では、12年前から北京に事務所を開設してまいりました。今後、市内中小企業の海外ビジネスに係る情報収集やネットワーク構築などの課題を解決するため、また、インバウンド誘致に係る情報発信等を強化するためにも、新たに海外に複数の拠点を構築すべきだと考えますが、ご所見を伺います。 ◎山田 国際経済戦略室長  情報収集あるいはネットワーク構築、観光インバウンドの強化のために、海外拠点構築の複数化ということについてのご質問でございます。  食品輸出の面はもちろん、委員のご指摘のとおり、観光振興、国際交流の面もあろうかと思いますが、海外に現地拠点を形成することで、相手国や、時には地方政府、さらには現地企業と強固なネットワークが構築されるということは私どもも認識しております。こうしたことによって市内企業等のニーズを踏まえたきめ細かな支援を行うことが可能であると考えておりまして、現在、北京に海外事務所を構えてはいますが、そのほかに、シンガポール等、ASEANにおける日本政府の関係機関に職員の派遣もしているところでございます。  加えまして、ただいま検討中の中期実施計画におきましても、企業の輸出希望先としてニーズが高く、一定の市場規模を有し、さらには、例えば中国本土へのゲートウエーといった役割も期待できる香港、それから、台湾におきまして食品輸出の専門コーディネーターを配置することを検討しておりまして、そのコーディネーターに拠点としての機能や役割も果たさせていきたいと考えているところでございます。さらに、市内金融機関や北海道におきましても、ASEANを初めとする各国への事務所設置、あるいは職員派遣を行っておりまして、札幌市といたしましては、これらとも十分に連携を図りまして、市内企業の海外展開に関する多様なニーズに応えていきたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今、北京に加えて、香港や台湾にもコーディネーターを置くことを検討しているというお話がありました。大企業は、自力で支社を置いて、もしくはコンサルタント会社に高い費用を払って現地でビジネスを展開しております。このようなことは、市内の中小企業にとっては容易なことではありません。ぜひ、行政にはこの役割をきっちりと担っていただきたいと思います。  しかし、海外拠点というのは大変に費用がかかります。そこで、この費用の問題を大幅に解消する方法があります。それは、海外拠点を北海道と共同で運営するということです。共同運営は、費用の面だけではなく、相乗効果も期待できます。特に、アジアにおいては、札幌市よりも北海道の知名度のほうが圧倒的に高いです。ビジネス相手にとっても、札幌市単独よりも北海道と一緒になっているほうが重要なパートナーとなり得ます。現在、北海道は、上海、ソウル、サハリンに現地事務所を持っており、先ほどもお話がありましたが、新たにシンガポールに事務所を開設するとのことです。北海道は、海外への食品輸出額1,000億円を実現するとしております。本市も、目的が一緒であれば一緒にやらない理由はないと思います。既に、熊本市は熊本県と共同で、また、大阪市も大阪府と共同で上海事務所を運営しております。また、九州広域圏では、九州、山口8県共同での海外拠点設置に向け、検討が進んでおります。九州や関西にできることが札幌市にできないはずはないと思います。  そこで、伺います。  費用のかかる海外拠点の運営においては、共同運営を見据えた北海道とのさらなる連携強化の取り組みが必要だと考えますが、ご所見を伺います。 ◎山田 国際経済戦略室長  海外事務所の拠点を含めた道庁との連携のこれからの考え方といった趣旨のご質問だったと思います。  北海道とは、これまでも、タイなど海外で共同の食品商談会を開催してきましたほか、いわゆるフード特区機構にはともに職員を派遣するなど、連携した海外ビジネス事業を行っております。これに加えまして、本年6月に開催されました北海道・札幌市行政懇談会の場における知事と市長との意見交換を踏まえまして、両自治体が現在事務所を有する中国本土の北京と上海、あるいは、道が本年度中に事務所を開設するシンガポールにおきまして、来年度の新たな取り組みとして食品など海外展開の分野で具体的な共同事業の実施に向けた協議を行っているところでございます。まずは、オール北海道での輸出促進に向けて、こういった事業の展開におきましてこれまで以上に道と情報共有あるいは意見交換を行い、連携を強固なものにしていきたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今、これまで以上に連携を強化していかれる、また、北京や上海、シンガポールでの共同事業も検討されているというお話もありました。  海外でビジネスを展開しておりますと、日本国内でのビジネスと比べものにならないくらいいろいろなことが起きます。民間レベルではどうしても解決できない問題も発生いたします。例えば、許認可の問題や裁判や規制の問題、パートナーとのトラブルなども頻繁に起きます。そんなときに役に立つのは、現地の行政機関、政府機関とのネットワークです。ASEANを初めとしたアジアでは、まだまだ政府や行政機関の力が強いところが多いです。ただ、民間レベルでそのような行政や政府機関とのネットワークを構築するのはかなり困難であります。札幌市が現地の行政や政府機関との強いパイプを構築することで、そのような困難な場面でのサポートが可能になります。他都市でも、横浜市は7都市とパートナー都市の提携をしております。大阪市は、世界13都市とビジネスパートナー都市提携を結んでおります。このように、特に、近年では経済分野での各都市との関係構築のニーズが高まっております。  そこで、伺います。  市内中小企業の海外展開を支援するため、行政にしかできない役割として札幌市と相手国都市の政府機関等との関係構築が重要だと考えますが、ご所見を伺います。 ◎山田 国際経済戦略室長  札幌市と相手国、都市の政府機関等との間の関係構築についてでございます。  委員のご指摘のとおり、双方の政府間のネットワークの構築によりまして、最新の生の現地情報を取得したりニーズを把握することが可能となるほか、例えば、規制が厳しくて通関が容易には通らない国、地域などは、現地の行政機関の後ろ盾が重要となるケースもあると認識しております。こういったことから、札幌市では、昨年、香港貿易発展局と連携協定を締結することによりまして双方の企業交流をさらに進めることとしておりますし、中国本土におきましても、友好都市である瀋陽市政府を初めとして行政間の結びつきを強めているところでございます。  今後は、相手国の政府機関等と連携した取り組みを行っている自治体の事例についても、今、委員からご案内がございましたので、そういうところも調査した上で、参考にしながら、さまざまな機会を捉えて相手国との関係構築を進めてまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  これは、相手国、相手都市のある話なので、多分、簡単には進まない話だと思いますが、ぜひ前向きに進めていっていただければなと思います。  このような関係づくりも、現地に拠点があればスムーズに進むこともあります。これは、実際に現地で聞いた話でございますが、高知県はシンガポールに拠点を持っております。そこの県職員は、例えば展示会等で100人と名刺交換をすると、1週間後ぐらいからその100人を順番に回っていくそうなのです。そういうことを実際にやっていらっしゃいます。その中で、シンガポールを代表する飲料メーカーと関係ができて、高知はユズが名産ですが、そのメーカーが高知のユズを使ってジュースを発売しました。今は、そのメーカーだけで年間10トンぐらいの輸出になっておりまして、そのジュースはシンガポールの全てのスーパーに並んでいるとのことです。ほかの自治体はそこまでやっています。逆に言えば、そこまで現地に根づいてやらないと、海外展開支援は成果につながらないということです。  このように、本当に必要なのは、海外進出支援ではなく、海外販路拡大です。市内の企業の課題もここにあります。ASEANを初めとしたアジアは、確かにポテンシャルは高いです。しかし、現地に拠点のない地域で本当に実効性のある支援を行うことは大変難しいと思います。この施策を担っていらっしゃるのは国際戦略室の皆さんですが、適切な戦略を立てるためにも、現場の状況を正確につかむことが大前提となります。そのためには、現地で正しい感覚をつかむしかありません。日本にいたら、ずれてしまいます。  例えば、日本のメディアを見ていますと、ASEANで日本ブームだ、北海道ブームだという情報を目にすることが多いのですが、私は大変違和感を覚えます。実際は確かに日本ブランドへの評価もありますし、北海道も一定程度の人気はあります。しかし、現地では、圧倒的にヨーロッパが強いです。ヨーロッパの植民地だったところが多いこともあり、ヨーロッパに対する憧れが強いわけです。韓国も、韓流ブームがあって現地を席巻しております。加えて、日本全国の自治体がこぞって殺到しております。ASEANは、国家としてはまだまだ新興国も多いですが、市内企業が進出したり販路を拡大するのは、大抵、都市であります。シンガポールやバンコク、ジャカルタ、クアラルンプール、ホーチミンなど、これらの都市では東京と同じぐらい飲食店が乱立しておりますし、スーパーには世界中の商品が数多く並んでおります。札幌よりも非常に激しい競争を覚悟しなければなりません。その中で、どんな商品や業態だったら勝てるのかをしっかりと見きわめなければなりません。このようなことも、現地にいないと実感としてつかめません。ぜひ、積極的な海外拠点整備を求めたいと思います。既に少し出おくれぎみの感もありますので、スピード感を持って進めていただきたいと思います。  また、海外拠点開設の際は、ぜひ、市の職員も派遣していただきたいと思います。国際都市を目指す札幌市としては、こんなによい人材育成のチャンスはないと思います。本当の国際感覚を身につけた職員が市民の大きな財産になると思います。これは、かなり割りのよい投資だというふうにも思います。  少子化、人口減の時代、札幌の未来を考えると、海外の成長を取り込むことが不可欠だと思います。外貨を稼いで福祉や教育に使う、そのために真に実効性のある海外展開支援の実施を求めまして、私の質問を終わります。 ○坂本きょう子 委員長  以上で、第1項 商工費のうち関係分の質疑を終了いたします。  次に、第2項 農政費のうち経済局関係分の質疑を行います。 ◆かんの太一 委員  私からは、平成26年度の新規就農の推進について、また、今後の方針について、何点かお伺いいたします。  まず、新規就農対策の取り組み実績と成果についてお伺いいたします。  都市農業は、多くの消費者が近くにいることなどの立地条件を生かした効率的な農業を展開しながら、農業体験や食農教育の場の提供、保水や生物保護といった環境保全など多様な機能を発揮していますが、都市化の進行によって縮小を余儀なくされてきました。しかし、近年、人口減少、少子高齢化が進み、宅地などの新規開発需要の減退とともに、都市農業の多面的機能を評価する声が高まる中で、都市農業の安定的な継続を図ることによって良好な都市環境の形成に資することを目的とした都市農業振興基本法が本年4月22日に公布、施行され、国は基本計画の策定に取りかかっております。本市としても、どのような方向性で都市農業を考えるのか、しっかりとした議論が必要であると考えます。  また、先ごろ、市長政策室が公表した第1回市民アンケートにおいて、札幌の農業に対して、多くの市民が、農産物の生産、供給のほか、生産者と消費者の交流の場として高い期待を示している結果が出ています。都市農業の重要性に対する認識が、国、また市民の間にも高まってきているということが言えると思います。  しかしながら、本市の農業は、道内の他地域よりも農業者の高齢化が進むとともに、後継者不足などにより、最近の5年間でも約60戸が離農しており、年々、農家数や農地が減少しているのが現状です。私は、豊平区の福住に住んでおりますが、福住は広島県から入植した方が多くて、まちを歩いていると趣のあるサイロがあったりして農業の歴史が深いところです。そういう中で、農業者の高齢化や後継者不足という問題に対して国でもさまざまな政策を講じているところですが、とりわけ新たな担い手となる新規就農者を育成、確保していくことが重要であると考えます。  そこで、質問ですが、市として、今後の札幌農業の持続的な発展を支える担い手となるべき新規就農者の育成、確保にどのように取り組み、その成果がどうなっているのか、お伺いいたします。
    ◎三部 農政部長  新規就農対策の取り組み実績と成果についてでございます。  新たに農業を始めるには、農業の知識と技術の習得、就農地、機械や施設等の生産基盤の確保が必要となりますほか、就農後、経営が安定するまでの所得の確保が重要と考えております。  このため、本市では、農業者のもとで実践的な知識、技術を習得するための研修事業や、初期投資の軽減を図るための補助事業、さらには、就農直後の時期に年間150万円を給付する国の青年就農給付金事業を実施しております。また、札幌市や市農協、農業委員会等が地元の農業者と連携いたしまして、就農地の確保や就農計画の作成支援を行うなど、研修生の円滑な就農をサポートしているところでございます。こうした取り組みによりまして、平成22年度から24年度までの3年間で3名でありました新規就農者数は、25年度に8名、26年度に4名、27年度もこれまでに4名が就農し、ここ3年間の合計では16名となっておりまして、就農促進に一定の成果が出ているものと考えてございます。 ◆かんの太一 委員  今、答弁の中でも触れられておりましたが、新規就農するまでにはさまざまなハードルがあります。技術習得のための2年間の研修、就農する土地の確保、さまざまな農業機械の購入など、一定の期間と投資が必要となってきます。先ほどの説明の中で、3年間で16名が就農しているというお話でしたが、今後の都市農業を担う貴重な人材が途中で事業を断念するようなことがあってはならないと思います。  そこで、質問ですが、近年、新規就農された方は、どのような経営をされており、どのような課題を抱えているのか、お伺いいたします。 ◎三部 農政部長  新規就農者の経営の現状と課題ということでございます。  本市の新規就農者は、ミニトマト中心のハウス栽培や直売用野菜の多品目生産のほか、契約栽培による加工用イチゴの生産といったように、多くが野菜の栽培を主体としたものとなっております。こうした新規就農者の多くは、就農時の経営規模が決して大きくはなく、野菜主体の経営で、手間とコストがかかる割には十分な農業所得を得られないことから、その不足分を国の青年就農給付金や冬期間のアルバイトなどで補っているのが現状でございます。  このため、規模が小さい中でも一定の農業所得が確保できるよう、みずからの経営を分析し、生産性の向上や有利な販売先の確保などの戦略を立てられるような経営感覚を磨き、できる限り早い段階で農業者として自立できるようになっていただくことが大きな課題と考えているところでございます。 ◆かんの太一 委員  国の青年就農給付金制度を利用して、農業技術などの研修に年間150万円、最長2年間の給付を実施するなど、新規就農に対するサポート体制が充実していく中で、新規就農者がふえているという傾向は歓迎できます。  しかし、安定した収入と経営が成り立ってこそ、農業人としてひとり立ちできると考えます。農業所得を確保し、収益性を高める経営戦略が重要との市の見解は私も考えを同じくするところですが、経営定着に向けてどのようにサポートしていこうとしているのか、お伺いいたします。 ◎三部 農政部長  新規就農者の経営定着に向けた今後の対応ということでございます。  栽培技術の習得や販売先の確保などによりまして新規就農者の経営が安定するまでには、一般的には5年程度かかるというふうに言われております。こうしたことを踏まえまして、青年就農給付金は、2年間の研修期間に加えて、就農後も最長で5年間は給付を受けられますが、この給付金がなくなってもなお経営が継続できるように、給付期間中に経営安定のめどをつけることが重要と考えております。  このため、就農後5年以内の新規就農者を対象にいたしまして、栽培技術指導や小規模機械等の導入支援はもとより、経営管理ノウハウ習得のための講習会等の開催、あるいは、販路開拓を含めた経営改善に係る助言・指導といった取り組みを、農協あるいは農業委員会、それから北海道の農業改良普及センターなど、そうした関係機関・団体と連携して進めてまいりたいと考えております。 ◆かんの太一 委員  先日、国民の理解が不十分なままTPPが基本合意され、北海道農業に大きな影響を与える懸念が広がっていると私は考えております。個別の品目の保護や補助金などによる救済策を含む政府の対応の全体像がいまだ見えず、推移を見守る必要はありますが、価格だけではなく、例えば、遺伝子組みかえの問題とか、過度の食品添加物に対する注視など、国民の食の安全、そして、国内の農業をしっかりと守っていくという視点を欠くことはできません。  本市においては、新規就農者の経営安定化に向け、経営改善の指導・助言、販路確保の支援などを行う旨、先ほど答弁がありましたが、今後の政府の施策や動向を注視しながら、新規就農者を含めた札幌市の都市農業を担う方々をしっかりと支える政策を推し進めていただくことをお願いいたしまして、私からの質問を終了いたします。 ○坂本きょう子 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  最後に、議案第3号 平成26年度札幌市中央卸売市場事業会計剰余金処分及び決算認定の件について質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  私は、582万食のために、日々、地道な努力をしている中央市場の皆さんに質問いたします。  一番は、何といっても、582万食―本当は388万食だったのです。それがいつから582万になったかといったら、江戸時代からなのです。わかりますか、この数字。副市長は首をかしげているけれども、帝国大学の法学部を出た優秀な人が首をかしげたらだめです。  これは何かといったら、194万人の人が3食を食べる、3を掛けたら582になるの。2を掛けたら388になるの。江戸時代までは2食だったの。何で3食になったかといったら、江戸幕府のとき、大名が新田開発をどんどんやって米余りになった。そこで、江戸時代に幕府が考えたのは、国民は3食とすることによって米余りを解消する、これで始まったのが3食なのです。ですから、今は飽食なのです。そういうことで、日々、そのことに一生懸命取り組んでいる中央市場の皆さん、ご苦労さん。  そこでまず、中央市場に質問しますが、全部で二つ三つありますけれども、まとめてやります。  一つは、中央市場で1年間に扱っている品目別の数量について、農政部と連携をとっているかどうか。  何を言うかといったら、札幌で一番とれているものは何だとったらタマネギですが、実は、全国的にこの作付面積は国内のタマネギの需要よりも多いのです。したがって、今、札幌市民は何を食べているからということで作付を変更しようとするときの基礎材料は、中央市場が一番よくわかると思うのです。そういう点で、農政部と連携をとり、農政部はそれを受けて畑作農家に対して品目の転換を持ちかける、こういうことを中央市場としてやっているかどうか。やっていなかったらやっていないでいいから、それ以上質問はしないから、これが一つです。  それから、二つ目は、早朝の相対取引、その後の競りの取引の立ち合いです。以前、私が指摘したときには、早朝の相対取引の立ち合いはしていませんでした。私は、ぜひ職員できちんとやるべきだと言ったのですが、札幌市職員組合のほうは、朝早くに出るのは嫌だということで、今度、市場長以下の市場の皆さんは、退職したベテランの仲買人の再任用ということで職員と組み合わせてやっているということですけれども、今、その体制はどうなっているか。そして、裏も表もやっていたそのベテランが監視人になってどういうふうに成果が出ているか、これについて答えていただきたい。 ◎高橋 中央卸売市場長  まず、1点目は、農政部との連携というお話でございました。  市場では、まさに、札幌圏を中心とした札幌産の野菜、例えばタマネギにしてもスイカにしてもカボチャにしても、いろいろと取り扱っておりますが、市場開設者と卸売業者が連携しながら、そういった取引が円滑に進み、販売が促進されるように、例えばマスコミに情報を流し、取材していただいて販売がスムーズに行くように取り組んでおります。  農政部との連携ということについては、どちらかというと、農政部というより、JAなどと連携をしながらその辺の取り組みをしております。また、道庁とも作付面積の関係でも連携しておりまして、その一環で農政部と情報共有する形になっております。  2点目の早朝の監視についてでございますが、委員のご指摘を踏まえまして非常勤職員を配置したところ、平成25年度は173件の指導件数だったのに対して、平成26年度は246件と73件増加しておりまして、競りや入札などの取引にかかわる指導や繁忙期における施設の使い方などの指導が増加しております。増加した要因としては、目きき感や相場観といった卸売業者のOBならではの指導が強化されたことに伴いまして、そういった成果が出ていると考えております。 ◆松浦忠 委員  最初の質問は指摘しておきますから、農政部長も聞いてください。  やっぱり、札幌市民は194万人いるわけですから、札幌市内の農家の方は、札幌市民が日ごろ食べるものに対して、農薬の少ない安全な野菜をどう提供するか、食材を提供するかということが大事であります。外国に物を売りに行ったら、必ず向こうも買えと言うのですよ。したがって、その前に、194万人の台所を安全にどうするかということは農政部の大変重要な仕事です。部長の傘下にはさとらんで営農指導する人たちもいて、技術的な指導とあわせて経営指導もするわけですから、したがって、市場と連携をとってそういうことをきちんと把握した上で農家に対して生かしていっていただきたいということを指摘し、要請しておきます。  それから、あとのほうについては、裏も表も知っている人が表の監視役に回ると大した効果が出るものだね。そこで、場長、この人たちだけに任せたらだめだよ。なぜかといったら、長年、住みなれた仲間ともとに戻ったら困るから、表をなくして裏ばかりになったら困るから、したがって、必ず職員を1人つけてお互い組でやるように、表の監視をする職員がいなければだめですから、組でやって、ぜひひとつ、これからも適正な取引がきちんと行われていくようにやっていただきたい。  これから年末を控えて繁忙期を迎えると取扱量も多くなると思いますから、特に職員の皆さんにご苦労をかけますけれども、頑張ってやっていただきたい(発言する者あり)  こっちのほうの人もわかったと言うから、この会場の全部の人がわかったようなので、委員長、これでやめます。 ○坂本きょう子 委員長  以上で、中央卸売市場事業会計の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、明後日、10月28日水曜日午後1時から、観光文化局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後5時21分...