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平成27年第一部予算特別委員会−03月04日-05号
平成27年第二部予算特別委員会−03月04日-05号

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  1. 札幌市議会 2015-03-04
    平成27年第一部予算特別委員会−03月04日-05号


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    平成27年第一部予算特別委員会−03月04日-05号平成27年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第5号)               平成27年(2015年)3月4日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人(欠は欠席者)     委 員 長  村 山 秀 哉      副委員長   谷 沢 俊 一     委   員  三 上 洋 右      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  勝 木 勇 人      委   員  村 松 正 海     委   員  細 川 正 人      委   員  小須田 悟 士     委   員  宗 形 雅 俊      委   員  こじま ゆ み     委   員  川田 ただひさ      委   員  小 竹 知 子     委   員  阿部 ひであき      委   員  西 村 茂 樹     委   員  畑 瀬 幸 二      委   員  大 嶋   薫     委   員  ふじわら 広昭      委   員  恩 村 一 郎     委   員  三 宅 由 美      委   員  長谷川   衛     委   員  小 川 直 人      委   員  山 口 かずさ     委   員  林   清 治    欠 委   員  植 松 ひろこ     委   員  本 郷 俊 史      委   員  國 安 政 典     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  宮 川   潤
        委   員  坂 本 恭 子      委   員  小 形 香 織     委   員  伊 藤 牧 子      委   員  小 倉 菜穂子     委   員  松 浦   忠      委   員  金子 やすゆき       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○村山秀哉 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、勝木委員、細川委員からは遅参する旨、堀川委員からは松浦委員と交代する旨、それぞれ届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第1項 社会福祉費中子ども未来局関係分、第2項 子ども福祉費、議案第4号 平成27年度札幌市母子父子寡婦福祉資金貸付会計予算、議案第23号 札幌市立幼保連携型認定こども園条例の一部を改正する条例案、議案第24号 札幌市児童福祉施設条例等の一部を改正する条例案及び議案第25号 札幌市区保育子育て支援センター条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆小倉菜穂子 委員  私は、子育て支援と保育に関連して質問いたします。  来月からいよいよ子ども・子育て支援新制度がスタートいたします。この間、札幌市子ども・子育て会議の委員の方々や市の関係部局が、国の制度の詳細がなかなか固まらない中で、さまざまな議論を重ね、大変なご苦労をされてここまでに至ったというふうに思います。  新制度の実施に向けては、いわゆる待機児童対策に高い関心が集まりました。しかし、子育て支援にかかわる方々や保護者から、今後5年間の大事な計画は、待機児童対策だけではなく、さまざまな生活環境にある子どもや家庭に目を向けた取り組みが重要との声も伺っているところです。ゼロ歳から2歳の子どもたちの約7割が在宅で暮らしている現状や、保護者の働き方の多様化に応える仕組みの充実に取り組まなければならないと考えています。  そこで、私からは、これら保育サービス以外の部分としての子育てサロンと、新制度の中で札幌市は組み込まないとしている居宅訪問型保育事業について質問いたします。  1点目は、子育てサロンについてです。  札幌市では、新制度の中の法定事業である地域子育て支援拠点に位置づく子育てサロンとして、現在、常設子育てサロンの整備を進めていますが、子育てサロンは、子育て家庭の孤立化や子育てに関する不安を解消し、安心して子育てができる環境をつくるため、町内会や民生委員児童委員協議会、福祉のまち推進センターなど、地域が主体となって立ち上げていただいたものが基礎となっています。これまで、小学校区に一つ以上の子育てサロンを目標に設置を進め、地域主体のサロンは、昨年6月の時点で市内に175カ所、児童会館などの子育てサロンも合わせると、その目標がほぼ達成されています。  先日訪問した地域のサロンでは、2歳の息子は、ボランティアのおじいちゃんが大好きで、サロン以外の場でお目にかかった際にもうれしくて離れません、おかげで私も夫も地域の方と顔見知りになることができましたという声を伺いました。地域の方がかかわっているからこその利点がある一方、高齢化による担い手不足や負担感の増大など、大きな課題も抱えています。このような身近な場所での子育てサロンを今後も継続してほしいと願うところですが、そのためには、安定的に担い手を確保し、担い手不足により地域のサロンが中止に追い込まれないよう、地域サロン開催の枠組みや支援方法の工夫が必要な段階に来ていると考えています。  そこで、質問ですが、地域主体の子育てサロンの担い手の問題について、現状をどのように認識しているのか、また、今後について、例えば、有償ボランティアの活用や保護者自身が運営に参加していくことなども検討していくことが必要と考えますけれども、どのように取り組んでいこうと考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎福田 子育て支援部長  地域主体の子育てサロンの担い手についてのご質問でございます。  まず、現状についてでございますが、地域主体の子育てサロンは、多世代交流や親子の見守りにもつながりまして、地域にとってなくてはならない存在であるというふうに考えてございます。将来的にも安定的に運営が行われていくためには、新たな担い手を確保していくことが必要だというふうに認識しているところでございます。  次に、担い手の確保についてのご質問でございます。  地域主体の子育てサロンの担い手不足の問題は、主催している各団体の担い手不足によるところも大きいと認識しております。そのため、今後、担い手の確保に向けて、関係部局と連携を図るとともに、実際に参加者が運営にかかわっている事例もございますので、こうした取り組みを参考としながら対策を検討してまいりたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  子育てサロンについては、多世代交流や見守りとしてなくてはならない存在だとおっしゃいました。私も、実際にそこに通っておられる方々の声を伺いまして、そのように考えておりますけれども、担い手確保というところでは、町内会の方々の高齢化も最近は言われていますので、その辺が大きな課題かなというふうに思っています。  先ほどの答弁の中でも、参加者が運営にかかわっているケースがあることもお伺いいたしました。子ども未来局だけで解決できる問題ではないということで、他部局との連携というお話だったと思いますが、ぜひ、札幌市がきちんとそこに向き合いまして、解決の糸口を見つけてほしいというふうに思います。また、先ほど自分で考えた事例を申し上げましたが、地域団体のみに頼らないで、新たな担い手を得る方策について検討すべき時期と考えています。子育て支援の充実が今後のまちづくりに大きくかかわっている中で、取り組みを後退させることがあってはならないと思っています。解決策の構築に向けて、一日も早く着手することを強く求めたいというふうに思います。  2点目に、居宅訪問型保育事業に関連して質問いたします。  子ども・子育て支援新制度のもと、地域型保育事業の一類型として、居宅訪問型保育事業が新たな認可事業として児童福祉法に定められました。この事業は、ゼロ歳から2歳児を対象に1対1で子どもを保育することを基本とし、利用の対象として、障がいや疾病により集団保育が困難、ひとり親家庭などで夜間、深夜の就労がある場合などとしていますが、このたび、札幌市は採用しませんでした。保護者などからは、子どもや保護者の状態によっては有効な取り組みであり、札幌市が認可することで安全性も担保されると期待していたとの声もあります。ひとり親のお父さんからは、建設関係の仕事で夜遅くなる、冬場は除雪の仕事もあり、深夜になるため、子どもだけ残すことはできず、不安だといったような声を伺ったこともあります。  そこで、札幌市としてどうして今回この事業に取り組まなかったのか、また、今後、本事業に取り組むつもりはないのかどうかについてお伺いいたします。 ◎野島 子育て支援新制度担当部長  居宅訪問型保育事業を実施しない理由と今後の予定についてでございます。  この事業につきましては、現在策定中の新・さっぽろ子ども未来プランの計画期間においては実施しないとしたところでございます。これは、供給量の確保策としまして、計画上、まずはより多くの市民が利用できる保育サービスの供給を優先する方針としたことや、保育従事者が子どもを1対1で保育するという本事業の性質上、現状におきまして保育の質の客観的な把握や検証が困難であるといった理由によるものでございます。  しかし、本事業でなければ対応できないニーズもあると考えられることから、現在、国において検討している状況も踏まえまして、今後、実施の可否について判断していきたいと考えているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  今のところ、計画期間内では実施しないといったお話でした。客観的な検証が難しいという理由も、今、伺いました。ただ、最後のほうの答弁の中で、そうしたニーズがあることも感じられていらっしゃると受けとめたのですが、私もそうしたニーズがもあるというふうに思っています。札幌市として今回は実施しないということですけれども、新制度とは別の世界で、いわゆるベビーシッターのような形態で現に乳幼児の保育を行っている事例が多くあって、行政が把握していないところで認可外の居宅訪問型保育が実施されて、ひいては子どもの安全確保に懸念が生じる場合もあるのではないかというふうに考えておりまして、私は、札幌市がこの事業を実施することでベビーシッター全体の質の向上につながる部分もあるのではないかと思っています。  しかし、今のご答弁から、残念ながら札幌市では居宅訪問型保育は実施しないということですから、最後に、もう1点質問したいと思います。  今後、認可外の居宅訪問型保育事業とも言えるベビーシッターのような保育形態の事業者に対して、札幌市として子どもの安全のために指導・監督の充実強化を図っていくべきというふうに考えますが、この点についてどのように取り組んでいくおつもりか、お伺いいたします。 ◎福田 子育て支援部長  認可外の居宅訪問型保育事業への指導・監督の充実強化についてでございます。  認可外の居宅訪問型保育事業につきましては、子ども・子育て支援新制度のもとにおきまして、認可外保育施設と同様に、一日に保育する乳幼児が6人以上の場合につきましては、原則として、児童福祉法に基づく市長への届け出が義務づけられるところでございます。これまで、届け出のあった認可外保育施設に対しては保育環境に関する調査、指導・監督を行っておりまして、認可外の居宅訪問型保育事業につきましても、今後示される国の基準をもとに対応させていただきたいと考えてございます。  また、届け出義務のない認可外保育施設に対しまして、これまでも、保育の質を確保するために任意での届け出を勧奨しておりまして、実態の把握に努めてきたところでございます。また、その従事者を対象とした研修も実施しているところであり、今後は、その対象を認可外の居宅訪問型保育事業にも拡大いたしまして、保育の質の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◆小倉菜穂子 委員  研修の充実というお話がございましたが、ぜひ充実させていただきたいと思います。  ベビーシッターのような形態で事業を実施している事業者の中にも、きちんと認可を受けて実施したいと考えているところもあると考えられます。また、こうした事業を活用したいと考えている子育て家庭のためにも、これから計画が始まりますが、全て終わったということではなくて、適正な基準のもとで認可を実施することの是非について丁寧に検討を進めていただきたいと思っています。  要望ですが、新制度実施後も、とりわけ、休日、深夜、24時間などの保育を行っている認可外保育施設を利用している保護者も依然としていらっしゃいます。こうした保育に対する公的な仕組みが不足する中、札幌市が把握できていない民間の保育の場を選択せざるを得ない方もいらっしゃいます。深夜労働や長時間労働などに従事しなければならない方がいて、とりわけ子育て世代の方の働き方は改善されるべきというふうに思いますが、同時に、さまざまな施設で生活する子どもたちの安心・安全が確保されなければならないのに、その実態が全て把握されていない現実にも向き合う必要があるというふうに考えています。子どもたちが、どの施設、どのサービスのもとで生活していようと、全ての子どもが安心して過ごせることが何よりも大切です。このたびのニーズ調査で聞き取れなかった声も多々あると思いますので、そうした事柄にも常に気を配り、施策の充実を図り、全ての子どもたちの育ちに責任を持って取り組んでいく札幌市であるべきということを申し上げて、質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  二つ質問いたします。  一つは、待機児童ゼロを目指すということでやってきておりますけれども、待機児童は常にゼロになりません。本当にゼロを実現できるのですか。どうやったらゼロが実現できるのか、待機児童ゼロを目指すという方針を掲げているわけですから、そのことについて、まず、お答えください。 ◎野島 子育て支援新制度担当部長  待機児童解消策についてということでございます。  昨年の第3回定例市議会では、660人分の認可保育所の整備と小規模保育事業をあわせて追加の施設整備をしたところでございます。そういった施設の整備とあわせて、現在、各区には、保育コーディネーターということで、保育サービスを利用したい方々に対してアドバイスする非常勤職員を配置しておりますが、そういった方々のアドバイスも適切に行いながら、平成27年4月の待機児童の解消に向けて対応していきたいと考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  これは、現実には無理でしょう。なぜかといったら、日本国は、人の住むところの自由が保障されているわけですよ。これは、憲法でちゃんと保障されております。したがって、いろいろなところにいろいろな方がお住まいになる、そうすると、子どもを持ったお母さんが今度はここに引っ越そうと考えて引っ越してきた、そろそろ子どもを預けて働こうかなとなったら、いやいや、あと3人でゼロになると思って頑張ったところが4人になる。したがって、ゼロというのは実現できないのだ。だから、限りなくゼロに近いものを目指しますと書いたほうがいいよ。できないことを掲げるからいろいろな批判を受けるのです。  私は、きょうはそのことを一つ言いたくてここに出てきました。なぜかといったら、小さい子どもにうそを言っちゃいかん。やっぱり、子どもが言葉を覚え、知恵がついて知識を持ってきたときに、ゼロになるのに入れないんだよ、あんた、もうちょっと待つんだよとお母さんに言われて、なぜかなと思う。ああ、大人ってうそを言うんだなと。こうなったらうまくないから、そこは限りなくゼロを目指すというふうに改めるべきだというふうに思うのです。正しく日本語を使う。正しく子どもに物を教えていく。大人の世界は今のように曖昧でいいとしても、子どもはよくないから、そこの表現は変えたほうがいいのではないですか。 ◎野島 子育て支援新制度担当部長  実際に、昨年、補正予算で整備費をつけていただいたり、いろいろと取り組みをしましたが、例年に比べると入所の申し込み児童も多くなってきている傾向もございますので、正直、楽観できない状況にはあるとは思いますけれども、最大限の取り組みを行い、解消を目指して何とか頑張っていきたいと思っているところでございます。 ◆松浦忠 委員  これは、皆さん、終わった後によく考えて、今後、表現するときには実態に合った表現をしたほうがいいと思うので、このことはこれでやめておきます。  次に、学童保育の関係について質問します。  学童保育は、この30年間、いろいろな経緯があって今のところへ来ています。今の1中学校区1館というのも、最初に板垣市長のときに定めた100館構想からスタートして、距離的な関係で102館になって終わっていましたが、それからまた距離的な関係でこうやってふえてきています。そのときの学童保育は補助金も何もかも打ち切ってということだったけれども、その後、政府の方針もあって学童保育にも補助金を出す、学童保育を積極的に活用するというふうに変わってきております。そして、札幌市内にも幾つかの学童クラブが既にできております。  そこで、取り組まれている内容について、クラブのお母さん方にそこへ通っている間のことを聞いてみると、例えばおやつが出るとか出ないとかという話があります。ある新聞社の子育て中の記者が自分のことを記事に書いておりましたが、その方に尋ねたら、札幌以外の地方にいたときにはおやつが出て、子どもは放課後お母さんが帰ってくるまで児童会館にちゃんといた、ところが、札幌へ来たらおやつが出ないと。そんなことが一つの要因となって児童会館に行きたくないということで、今はどうしているのと聞いたら、家でお母さんの帰りを待っていると言うのです。  私は、こう思います。子どもも親も、それぞれの子育ての方針があると思います。その方針の中で、どうしても児童会館の方針にはちょっとなじまないということになって、10名なり15名なり一定の数がまとまって学童クラブをつくるということになったら、1中学校区1館ということではなくて―児童会館だって距離的な関係がありますからね。最初は1中学校区1館だったのが、白石区の川北では、学校区からいったら片側に寄っているということで、私自身がかかわって川北小学校の敷地に隣接して101館目をつくってもらいました。児童会館も、そういうことで今はふえてきています。そして、親は先ほど話したようなことですから、したがって、私は多様性にも対応していかなければだめではないかと思います。  国は、むしろ、施設中心の整備では金がかかり過ぎるから、民間の建物なども利用して、施設整備には余り金をかけずに実態として子どもの居場所をつくることを考えているわけです。通っている子どもたちも親も多様化してきていますから、学童保育について、1中学校区一つなので補助金を廃止すると言っても、補助金は要らぬ、でも、我々の方針でやるということで四十幾つかのクラブが頑張ってやってきて、その後、札幌市も方針の変更があって補助金が出るようになったとか、いろいろな変遷がありました。  しかし、新しい制度では、今までの1中学校区1館にこだわらず、基準を満たして届けたものについては、全部にきちんと補助金を出すということになりますね。そこで、それらも踏まえた上で、例えば、児童会館の中でも有料でお勉強を教えたりしていますが、今度は、これらも、有料ではなく、ボランティアなども活用しながら、児童会館で預かっている時間帯の中で遊ぶ子もいれば勉強する子もいる、こういうような多様性のある仕組みを考えるべきではないかと思うですけれども、この点についてはどうですか、まず、お尋ねします。 ◎浦屋 子ども育成部長  札幌市の放課後児童対策は、委員のご指摘のとおり、児童会館、ミニ児童会館で行う放課後児童クラブと児童育成会にお願いしている民間学童保育所の2本の柱で行っているところでございます。それぞれの役割があるということで、私どもも両方の存在意義を確認させていただいておりますので、今後もこのような体制で放課後児童健全育成事業を続けていきたいと考えております。  また、私どもが直営で行っている児童会館、ミニ児童会館放課後児童クラブにつきましても、今後、有料化等も含めて、質の改善等を検討していかなければならないというふうに考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  まず、一つ確認ですが、新制度に移ったら、いわゆる1中学校一つという基準はなくなるということですね。基準はなくすということですね。これを確認します。 ◎浦屋 子ども育成部長  児童会館の建設につきましては、1中学校区1館ということで整備を進めさせていただいてきました。また、放課後児童クラブのあり方ということでは、1小学校区に一つということで整備を進めてきたところでございます。ただ、今回、国の制度が変わりまして、民間学童保育といいますか、放課後児童クラブの位置づけも変わり、ことし4月からは新たに届け出制という体制が組まれることになりましたので、それに対応して私どもの助成の考え方も整理していかなければならないというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  条例との関係ではどうなりますか。 ◎浦屋 子ども育成部長  昨年の第3回定例市議会で、放課後児童クラブの設備と運営に関する基準条例を制定していただきました。基本は、この設備と運営に関する基準を満たした放課後児童クラブの届け出を受けるというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  そうすると、1中学校区1児童会館、基本はこれを堅持するけれども、実態に応じて新設もあり得るということですか、どうですか。 ◎浦屋 子ども育成部長  児童会館の整備につきましては、市有建築物の配置基本方針等に基づきまして、今後は、建てかえ等においては小学校と合築して整備していくという考え方を確認したところでございます。 ◆松浦忠 委員  そうすると、1中学校区1館が基本ではないということですか。 ◎浦屋 子ども育成部長  現状ではまだ1中学校区1児童会館ですが、新型児童会館という考え方になれば1小学校区1児童会館を目指すと決定させていただいております。 ◆松浦忠 委員  基本的に、30年前に1中学校区1児童会館と決めた板垣市政時代の方針がここで大きく転換されたということですね。まず、これが一つ確認できました。  それから、学童クラブについては、数の制限はないということでいいですか。例えば、10人から15人ずつ1小学校区に二つか三つできることがあっても、その制限はないということですか。 ◎浦屋 子ども育成部長  代表質問等でもご答弁させていただきましたとおり、大規模化、過密化している児童クラブが札幌市内各所にございますので、それらに対応するために1小学校区に複数の放課後児童クラブをつくることも検討させていただきたいと思っております。 ◆松浦忠 委員  大規模を分散するという考え方と、親が求めている考え方は全く違うのですよ。今の浦屋部長の答弁は、例えば30人が大きいから20人にしましょう、あるいは、15人を半分に割りましょうということです。しかし、親が求めて学童クラブをやってきたのが四十幾つ残って、それから、今、これにプラスして二つか三つ新しく学童クラブをつくって継続していると思いますが、これらの親の話を聞くと、例えばお勉強を教えたりおやつを出したり、学童クラブにおける子どもの過ごさせ方とか子どもを育てる考え方が一致する人が集まってつくっているのです。つまり、人間の数が15人を超えたら、あるいは20人を超えたら二つに割るという物理的なことではないのです。皆さんは、数に対してはそういう考え方を求めていません。子どもを育てる条件が一致した人たちが集まって学童クラブをつくっていく、そういうことが今残っている四十幾つと、新しくできた二つか三つのクラブのお父さん、お母さんなのです。  したがって、札幌市はそういうことにきちんと対応するのですかということを私は聞いております。 ◎浦屋 子ども育成部長  札幌市における放課後児童クラブのあり方で、喫緊の課題が過密化、大規模化でございますので、私どもとしましては、まずはその解消を図ってまいりたいということで、これから札幌市の助成基準等の検討を進めさせていただきたいと思っております。  ただ、委員がご指摘のような考え方もございますので、それらも含めて検討させていただきたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  これは、大事なことなんだよ。親が家庭にいないから、鍵っ子になるからということでやっているわけですよ。私も幾つか行ってみましたが、それぞれ違うのです。その過ごし方の中で、指導員になる人が子どもをどういう導き方をするかということは非常に大事だなと思って私は見てきました。それぞれの親は、他の人に自分の子どもをこういうふうに指導してほしい、こういう考え方の人が集まって学童クラブをつくるわけですよ。したがって、それを尊重するということでなかったら単なる収容施設になるのですよ。収容施設であってはならぬと私は思うのです。小学校1年生から6年生ぐらいまで、特に1年、2年、3年ぐらいの低学年は、いろいろな意味で、子どもがいろいろなことの基礎をつくる非常に大事な時期です。その時期に、親の教育方針ができるだけ反映されるような指導方法でやるところに預けたいというのは当たり前なのです。  だって、そうでしょう。今、いろいろな事件が起きたら、親の育て方はどうなっている、親の責任はどうなっていると言われますね。親は、働かなかったら食べられないから、家族が生活していけないから、パートでも最低賃金でもとにかく働きに出る、しかし、子どもは私たちみたいなつらい思いをしないように、いろいろな学業を習得して賃金の高い安定した仕事についてほしい、親はみんなひとしくそう思っているのですよ。ですから、そういうことをきちんと指導してもらえるような学童クラブをつくろう、あるいはまた、しっかりした子どもが育つように体力をつける、こういうことを中心に指導してくれる学童クラブをつくろうとしている。しかし、自分が子どもを育てるために働かざるを得ないから、それは、他人に何がしかのお金を払う中で預かってもらってやっていこう、そういう親の願いがあるわけです。  したがって、児童会館もそうですが、学童保育というのは、放課後の一時預かりというのは、札幌市がそういうことをきちんと受けとめて、それに対応するような対策をきちんと講じていく、これがなければだめなんですよ。私はここのところをきちんと基本に据えてやっていただきたいと思うのですが、浦屋部長、私の言っていることはちょっと無理があると思うのか、もし間違っているのだったらご教導をお願いします。 ◎浦屋 子ども育成部長  放課後児童クラブにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、届け出制に変更となります。ですので、どのような形が本来の放課後児童クラブであるべきかということは、私どもも再整理させていただかなければならないと考えております。その中で、委員がご指摘のような内容も含めて検討させていただきたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  これで最後にするけれども、市長以下の皆さん、聞いてくださいよ。  これは、鍵っ子対策から始まったのです。もっと言えば、幼稚園がないときに、札幌市は、仲よし子ども館をやったり、子どもの集団発育ということに対して一生懸命に手助けしてきました。その延長線上で、市はいち早く取り組んでやってきました。したがって、基本は、やむにやまれず他の人に一定時間預けるけれども、そこで親の思いが実現できる指導をしてもらえるように、親同士が話し合ってこういうクラブをつくってきたということであります。  私は、白石区にある一つのクラブに行って、本当に気の毒だなと思ったのは、1人の子どもに1万6,000円、2人預けたら2万数千円を親が負担して、なおかつ、それでも足りないからとバザーをやっています。そうしたら、私のすぐ近所のおじいちゃん、おばあちゃんは、私より若い元気な方ですが、いよいよかわいそうになって私も年に何回かカンパすると言うのですよ。そうやって、補助なしでも自分の子どもをこう育てたいという願いの中でやるわけですよ。でも、札幌市にそこへ補助してくれという話をしたら、これは市の方針に合わないからだめよと言われる。1クラブわずか200万円ですよ。それを拒否してきたというのは、余りにも実態に合っていない。  こういう実態があることを皆さんに指摘して、今後、制度を変えていく過程の中で、今、私が指摘して求めたようなことを十分に盛り込んだ新しい学童保育、児童会館、放課後の預かり方針をつくっていただくことを求めて、終わります。 ◆こじまゆみ 委員  私からは、先日の代表質問において我が会派が取り上げました助産施設の拡大について、引き続き、関連の質問をさせていただきます。  札幌市の助産施設は、現在、3施設7床となっており、この3施設の利用状況を見ると、入所者の約9割が特定の施設に集中し、昨年9月から10月にかけてこの一つの施設が一時的に受け入れを制限する事態まで発生したと伺っております。特定の施設に集中することで助産施設としての運営に支障を来すようでは、妊産婦が安心して利用することができない現状であると思います。  我が会派は、従前より、特に宮村議員が、助産施設を拡大し、1区に1カ所の助産施設を設けるように何度も訴えてまいりました。このことは、助産施設側の負担軽減はもちろんのこと、妊産婦にとっても、より身近な病院が助産施設となることによって早い段階から妊婦健診の受診を促すことにつながり、また、各区の保健センターなどとの連携もスムーズになり、産後のケアも安心して受けられることになると考えます。  理事者の方々からは、これまでの質疑の中で、助産施設の拡大の必要性を認め、まずは、助産施設を実施する病院の経済的な負担軽減のため、国が定める措置費のほかに、市単費で支給している補助金の見直しを年度内に行うとの答弁を伺っておりました。  そこで、1点目の質問ですが、既に3月を迎えている中で、補助制度の見直しはどのようになったのか、また、見直しに当たっての考え方はどのようなものなのか、伺わせていただきます。 ◎福田 子育て支援部長  補助制度の見直しの状況と考え方についてでございます。  補助制度の見直しにつきましては、市内の医療機関の実際の分娩費用を念頭に入れながら、助産施設となることで過度の負担が生じないということで制度設計を進めさせていただいておりまして、近日中には医師会や市内医療機関にお知らせできるものと考えております。 ◆こじまゆみ 委員  近日中に市内の医療機関にお知らせしていくということでございますが、速やかに実施した上で助産施設の早期拡大につなげていただきたいと思っております。  また、一方、補助制度の見直し以外にも、助産施設として運営するに当たって懸念される課題を払拭していかなければ、病院側は助産施設となることをちゅうちょしてしまうのではないかと考えます。私自身も、以前に働いていた病院等にも働きかけをさせていただいております。私が住む厚別区には約1万戸もの市営住宅を抱えておりますので、助産施設を利用する方たちも決して少なくないことから、そういったことが地域に必要なのではないかということで私どもも働きかけさせていただいております。  助産施設は、ある程度の規模の病院のほうが受け入れ体制も整っていて望ましいと考えます。ただ、数多くの妊産婦を受け入れる中で、妊娠中毒症や合併症等を持つハイリスクの妊産婦ももちろんもいますし、ずっと妊婦健診を受けないで飛び込みで出産を迎えるような方も想定されまして、私も実際に見てまいりました。また、助産施設の対象者は生活保護世帯や非課税世帯であり、経済的に困窮している方々がほとんどであるために、中には出産後のフォローアップの支援が必要となる世帯も多くあります。そんな中で、病院側としても、現在もリスクを抱えている妊産婦を受け入れている中で、生活保護世帯や非課税世帯の対象者など、さらに課題を抱える世帯を受け入れる体制が十分に整えられるかどうか心配であるという声も私は伺っております。  さきの代表質問においては、理事者から、各施設が安心して妊産婦を受け入れられる環境づくりが必要と認識している、また、今後、関係機関とも協議して具体的な検討を進めてまいりたいという答弁をいただいておりますので、そこで、さらに掘り下げて質問させていただきます。  具体的には、検討に当たっての関係機関とはどのようなところを想定していらっしゃるのか、また、検討の内容を現時点でどのように考えているのか、伺います。 ◎福田 子育て支援部長  具体的な検討に当たっての関係機関とその検討内容についてのご質問でございます。  関係機関といたしましては、母子保健を所管いたします保健所とか各区の保健センターなどの行政機関のほか、医師会の産婦人科医会などを想定しております。  検討内容といたしましては、助産施設の拡大に向けた課題整理とか、問題を抱えた妊産婦を助産施設と各区の保健センターなどが連携して支援できる体制づくりなどを想定しているところでございます。まずは、これらの点について協議できる場を設置させていただきたく、その検討を進めているところでございます。 ◆こじまゆみ 委員  関係機関と連携していただける、協議の場を持っていただけるということでございます。  私は、ある医療機関から伺った話ですが、妊娠8カ月までは妊産婦健診も含めて自分の病院でずっと診ているけれども、10カ月を超えるころになると助産施設へ診療情報提供書を送っている現状がある、これはおかしいとまで言っていました。助産施設の拡大に当たっては、施設個々に依頼しても限界があると思います。今、少子化問題を抱える札幌市だからこそ、安心して子どもを産み育てられる場所の提供はやはり必要であるというふうに思います。私自身、厚別区の病院を見てきた中でも、もちろん、生活保護の方もいますし、低所得者層の方もいらっしゃいます。しかし、病院は診ていないわけではないです。助産施設に送らなくても、各施設の努力で診ているところはたくさんございます。ですから、やはり、札幌市医師会、札幌の産婦人科医会、行政側の子ども未来局、保健福祉局など関連する部局が協議の場を持ち、しっかりとした体制にすべきであると私は考えます。身近な場所で、出産前から出産後の子育てにかかわるところまで切れ目なく支援して初めて子育てしやすいまちづくりとなり、少子化がストップするのではないか、その一翼を担えるのだというふうに私自身は考えます。  助産施設の拡大は喫緊の課題であります。速やかに関係機関との協議を始めていただきたいと思いますが、副市長、気構えのほどをお伺いしたいと思います。 ◎井上 副市長  子育てに対する支援ということでは、今、委員からお話がありましたとおり、おなかの中にいるときからの支援がとても大事だろうというふうに考えておりますので、今の委員からのお話の趣旨を踏まえまして現況等においても十分に取り組もうと考えております。 ◆小川直人 委員  私からは、新年度から始まる子ども・子育て支援新制度に関し、新たな法定事業として位置づけられた利用者支援事業について、何点かご質問させていただきます。  平成24年8月、子ども・子育てをめぐるさまざまな課題を解決するため、子ども・子育て支援法が新たに制定され、乳幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援などの量の拡充や質の向上を進めていく子ども・子育て支援新制度が本年4月から本格的に実施されます。札幌市で現に策定中の新・さっぽろ子ども未来プランでは、教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業に関する需給計画を定め、計画的に保育や子育て支援サービスの拡充を図ることになっています。さまざまなサービスが受けられる環境が整うことは子育て家庭にとって大事なことであり、計画を確実に進めていっていただきたい。しかし、単にサービスを拡充していくだけでは十分ではなく、個々の家庭がその家庭の状況に合ったサービスを選択し、円滑に利用できるように支援、援助を行っていくこともあわせて取り組まなければならない大きな課題であり、子育て家庭の悩みをきちんと聞き、相談に応じ、適切な情報を提供して解決に導いていく体制の確立が急務であります。  一方、新・さっぽろ子ども未来プランの素案の中でも触れられていますが、平成25年度に実施された市民アンケートの調査では、子育てについての相談体制に満足している割合は32.8%であり、現行のさっぽろ子ども未来プランの目標値である60%とは乖離があります。また、同じく、平成25年度に実施した札幌市子ども・子育て支援ニーズ調査によると、子育ての相談に関しては、その相談先は、保健所・保健センターが5.7%、行政の子育て関連担当窓口が0.7%となっています。このような調査から見て、子育て家庭に行政の相談窓口をもっと利用していただくために、より一層の創意工夫が必要と考えております。  そこでまず、1点目の質問ですけれども、新・さっぽろ子ども未来プランの素案では、このような課題に対応するため、利用者支援事業を新規事業として位置づけ、区役所、ちあふる等の拠点において実施するとしていますが、新たに実施する利用者支援事業とは子育て家庭に対してどのような支援を行うものか、お伺いいたします。
    ◎福田 子育て支援部長  利用者支援事業の内容についてのご質問でございます。  子ども・子育て支援新制度のもとでは、新たな形態の保育サービスや子育て支援事業が展開されることになります。また、それ以外にも、民間において独自に取り組まれている子育て支援のいろいろな活動がございます。利用者支援事業は、こうした多様なサービスの中から子育て家庭が自分に合った制度を選択できるよう、専門の職員が個々の相談に応じて情報の提供とか関係機関・団体との連絡調整を行うとともに、地域の子育て支援にかかわる方々のネットワークづくりなど、身近な子育て環境の充実を図るものでございます。平成27年度から、各区の保健センターや保育・子育て支援センターなどにおきまして、保育士が中心となって新たにこの事業を実施する予定でございます。 ◆小川直人 委員  ただいまの答弁では、ちあふるや区役所等の保育士がさまざまな支援事業の紹介等や地域とのネットワークづくりを行っていくということでした。保育士の専門性を生かし、当事者目線で相談に応じて、サービスの押しつけではなく、その家庭が本当に必要としているサービスにつなげていっていただきたいと思います。  また一方で、現在、区役所には、待機児童対策の一環として、平成25年10月から非常勤の保育コーディネーターが配置され、保育ママや幼稚園預かり保育などの多様な保育サービスの情報を子育て家庭に提供するなどしており、この事業も、新制度のもとでは利用者支援事業の一つに位置づけられていると聞いております。  そこで、質問ですが、先ほどの保育士による利用者支援事業と保育コーディネーターが行っているコーディネート業務とでは内容と役割にどのような違いがあるのか、また、これまで保育コーディネーターが対応した相談実績とその効果についてお伺いいたします。 ◎福田 子育て支援部長  1点目の業務内容と役割につきまして、私からご答弁させていただきます。  まず、保育コーディネーターは、待機児童の解消を目的に設置した非常勤の職員でございまして、主に保育所や幼稚園などの施設紹介、利用相談を行っております。一方で、新たに実施する利用者支援事業を担う保育士につきましては、さまざまな悩みを抱える子育て家庭が各種支援制度を円滑に利用できるようにするため、その専門的な知識、経験に基づき、育児相談や情報提供など子育てに係る幅広い援助を予定してございます。 ◎野島 子育て支援新制度担当部長  2点目の保育コーディネーターの相談実績と効果について、私からお答えさせていただきます。  まず、相談実績といたしましては、平成26年9月末までの半年間でございますが、4,500件余りになってございます。  次に、効果でございますが、保育コーディネーターによる保護者への積極的な働きかけによりまして、平成26年度中の半年余りの期間で約300人の待機児童の解消に寄与したものと考えております。具体的には、自宅近くの保育所のみを検討していた世帯に、細かく聞き取りを重ねる中で、実際に保護者が自家用車で通勤しているという実態を聞いて、それを踏まえていろいろ探したところ、勤務先近くに適当な保育所があったということで入所が実現した事例もございました。 ◆小川直人 委員  保育コーディネーターはこれまで相当数の相談に応じてきており、今、具体例もご紹介いただきました。さまざまな保育サービスの情報をきちんと伝達することで子育て家庭のニーズにも応えており、待機児童の解消に一定の効果があったということでございました。  しかし、保育コーディネーターの任期は2年間、平成27年9月末までと聞いておりまして、保育コーディネーターがいなくなった場合の影響を懸念しているところです。  そこで、質問ですが、ことし10月以降、保育コーディネーターの配置を継続する考えはないのか、お伺いいたします。 ◎野島 子育て支援新制度担当部長  保育コーディネーターの配置の継続についてでございますが、この配置によりまして待機児童の解消につながっていると認識しておりますので、10月以降もその体制を継続していきたいと考えているところでございます。 ◆小川直人 委員  10月以降も今の体制を継続していきたいということですので、ぜひそのようにしていただきたいと思いますし、引き続き、保育所の入所を希望する家庭に対してきめ細かな対応に努めていただきたいと思います。  ここまで主に行政の窓口について伺ってきましたが、利用者支援事業を行っていく上では、当事者目線で支援を行っていくとともに、いつでも気軽に相談できる環境を整えることが必要であると考えております。新・さっぽろ子ども未来プランの素案の教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業に関する需給計画では、利用者支援事業の実施主体を行政として、最終的には各区2カ所ずつ設置することを目標に行政の窓口を整えていくとしています。行政が持つ情報量やネットワークを生かして利用者支援を行っていくことも大事ですが、より身近な支援者や場所、例えばNPO法人や地域団体などの民間が実施している子育てサロンなどと連携して、子どもの相談に応じてさまざまな情報を提供することで子育て家庭を支援していくことも、いつでも気軽に相談できる環境を整えていく上では意味のあることだと思います。  そこで、質問ですが、利用者支援事業について、行政の窓口以外に、こうした民間の子育てサロンなどの場所での実施についてはどうお考えか、お伺いいたします。 ◎福田 子育て支援部長  民間での利用者支援事業の実施についてでございます。  いつでも気軽に、より身近な場所で利用者支援を受けられる環境を整えていくということは、子育て家庭にとっては望ましいことだろうと認識しております。  しかし、この事業の実施に当たっては、多様な保育、子育てサービスの情報収集とか、関係機関・団体との連携、地域のネットワークづくりなど重要な課題がさまざまございます。保育士の専門的な知識、経験を生かして、まずは行政が取り組むものということで計画させていただいたところでございます。今後は、子ども・子育て支援事業計画の取り組みを進める中で、必要に応じて事業のあり方についても考えてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆小川直人 委員  子ども・子育て支援新制度のもとでは、施設や事業などの数の整備だけではなく、子育て家庭のさまざまな声に寄り添い、より一層、きめ細かく対応する相談支援体制が必要であります。すぐには課題があるとしても、将来的には、民間の力も活用しながら、行政と民間が一体となって子育て家庭を支援する環境を実現していっていただきたいと思います。  そのことを申し上げまして、質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、認定こども園と保育サービスの供給確保について質問いたします。  最初に、認定こども園の返上問題についてお伺いいたします。  さきの代表質問において、我が会派の三浦議員より、4月からの子ども・子育て支援新制度における待機児童対策についてお伺いさせていただきました。それに対して、本市は、保育サービスの供給に当たっては、認定こども園への移行を初めとした既存施設の活用を優先することなどを基本方針とするなどの答弁をいただいたところです。  しかし、認定こども園への移行については、以前から公定価格が低いなど幾つかの課題が指摘されており、現在、認定こども園として運営している園が、新制度を機に認定こども園を返上するといった動きが全国的にも大きく報道されてきたところであります。こうした動きを受けて、国においては、認定こども園の減収を避けるために、算定上限数の見直し等の対策を講じることが年明け早々に決定されました。札幌市においても、昨年来、幾つかの認定こども園から返上したいという意向が示されたとも伺っております。新制度下において、認定こども園の普及を保育サービスの供給方策として見込んでいる中、現状の認定こども園が返上するということでは、この方針も非常に頼りないものになってしまいます。  そこで、質問いたしますが、国から一定の対応策が示されている中で、返上の意向を示していた認定こども園はどのような動きを示したのか。  二つ目として、札幌市としてこれまでどのような対応をとってきたのか、その経緯を含めてお伺いいたします。 ◎野島 子育て支援新制度担当部長  認定こども園のこの間の経緯と札幌市の対応についてでございます。  昨年実施いたしました意向調査の結果、新制度の開始に伴い、二つの認定こども園がその認定を返上したいという意向を示していたところでございます。これは、新制度の認定こども園は単一の施設となることから、施設長の1名分しか手当てされなくなるなど、新制度の開始によって減収となることが主な理由でございました。これに対しまして、ことし1月中旬に国から対応策が示されましたので、それを踏まえ、札幌市から園に情報提供を行いまして、その後の対応について協議を行ったところでございます。  各園において、国の対応策を踏まえた運営費の試算を行ったところ、いずれの園も、認定こども園を継続した場合でも、これまでの教育、保育の質を確保できる見通しが得られたということで、認定返上の撤回について申し出をいただいたところでございました。この時点では既に認定こども園の返上を前提とした入所手続が進んでおりましたが、児童に影響がないよう関係機関と調整を行った上で、子ども・子育て会議に諮り、認定返上の撤回を認めたものでございます。結果といたしまして、市内の全ての認定こども園が、新制度開始時点でそのまま新制度の認定こども園に移行する状況になったところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  返上意向を示したところが2園あって、1月中旬の国の対応策等で返上を撤回したということでございました。親の就労状況にかかわらず、就学まで通いなれた一つの園を継続して利用できることなど、認定こども園のメリットは大きいものと考えます。その意味で、現在の市内の認定こども園全てが新制度開始後もそのまま認定こども園として継続することについては、大変安堵するところであります。また、新制度の予算案における施設整備についても、認定こども園への移行を中心とした配分となっており、認定こども園への移行が一層進むことを期待いたします。  一方、保育に対するニーズはさまざまであり、多様なサービスの提供が必要であります。これに対し、新制度では、さきに述べた認定こども園の普及が図られることを初め、いわゆる保育ママや小規模保育事業が新たな認可事業となるなど、保育の場の充実が図られることとなります。  札幌市においては、新制度開始後は、現在策定中の子ども・子育て支援事業計画に基づき、可能な限り既存の施設や事業を活用して、潜在的なニーズを含めて、事業に見合うよう保育サービスの供給を図っていくとのことであります。この計画の策定に当たりましては、昨年7月、保育所や幼稚園などの既存の事業者に対して意向調査を行い、これらを通じてさまざまな保育サービスの供給量を把握した上で、計画期間中に必要な保育サービスを確保すると伺っております。しかし、さきの代表質問では、新制度開始後、計画策定時には想定しないニーズの発生も考えられるという答弁でしたので、保育サービスの供給に当たっては現実的な対応も必要であると考えます。  そこで、質問いたしますが、保育サービスの供給量について、今後どのように把握し、必要な供給量を確保していくつもりなのか、お伺いいたします。 ◎野島 子育て支援新制度担当部長  今後の保育サービスの供給量の把握と確保についてでございます。  4月からの新制度開始後も、当面、幼稚園に対しては新制度への移行などについて調査を継続する予定でございまして、平成27年度の夏ごろをめどに調査を行いたいと考えております。また、必要に応じて、保育所の定員拡大など、さまざまな事業者の意向を把握することによりまして、既存施設を優先的に活用しつつ、必要となる保育サービスの供給量が確保できるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  平成27年の夏にも調査を行っていくというお話でした。この4月からいよいよ子ども・子育て支援新制度が始まり、認定こども園への移行を進めることなどにより保育サービスの供給量を確保していくという答弁だったと思いますが、やはりこれには既存事業者の協力が不可欠であります。札幌市としても、事業者の意向を可能な限り尊重していただき、利用者の多様な保育ニーズに対して適切なサービスを選択できる環境づくりをしっかりと行っていくことを要望させていただきたいと思います。  それとあわせまして、私たち公明党といたしましても、毎年のように重点要望の中に上げさせていただいている保育・子育て支援センターですが、これも、南区の設置は決まりましたけれども、厚別区、中央区の2区はまだ設置ができていない状況です。この2区については、特に厚別などは市営住宅の高層化により余剰地が生まれることもありますので、保育・子育て支援センターの設置もしっかりと求めたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  私は、学童保育の問題と保育の問題の二つについて質問したいと思います。  まず、学童保育の問題から質問したいと思います。これは、代表質問でも取り上げた問題で、民間学童保育所への助成についてです。  児童クラブがある小学校区に後から民間学童保育所が開設された場合、助成の対象にならないということで、この間、学童保育所の運営がなかなか厳しかったということがございました。さきの代表質問の答弁では、学童保育の大規模化の解消とあわせて、助成金のあり方についても検討していく旨のお話がございました。  現在、札幌市内では二つの民間共同学童保育所において、事前に児童クラブができていて、その後、開設したいということで、先ほどの要件に該当すると思いますが、この二つの民間共同学童保育所は新年度から助成の対象になるのかどうか、改めて伺いたいと思います。 ◎浦屋 子ども育成部長  現在、既に放課後児童クラブのある小学校区に後から民間学童保育等を開設した場合、助成金を出さないというルールで行っております。  先ほども答弁させていただきましたが、今回、国から放課後児童クラブの届け出制という新しい仕組みがつくられたところでございます。それに伴いまして、ことし4月から民間学童保育についても届け出を受けることになりまして、その位置づけが変わるということでございますので、助成のあり方についても、再度、整理しなければいけないというふうに考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  届け出制に変わるということですから、示された要件、基準が満たされれば、後からできた民間学童保育所についても助成の対象にすべきだと思いますし、そういう方向で検討しているというふうに理解して差し支えないですね。そう思いますので、それは丁寧にやっていただきたいと思います。  次に、学童保育にかかわって、移転あるいは分割という問題です。  先ほど来お話がありましたように、中学校区、小学校区の中に複数の児童クラブ、ミニ児童クラブ、あるいは民間学童保育所ができていくことになりますが、本来、国の基準によりますと、面積要件は1人当たり1.65平米となっておりますけれども、札幌市の場合は、条例で、当分の間、現状のままでいいとされております。この当分の間というのは一体何年間なのかということもいろいろ議論がありますが、今現在、建物が老朽化していたり、あるいは、おおむね40名が望ましいという適正規模も示されている中で、よりよい環境で子どもたちを育てたい、見守りたいという思いもございます。  そういう中で、移転や分割を検討している学童クラブ、学童保育もあると思いますが、移転、分割にかかわって新しくできる施設については、当分の間という規定は外されて1.65平方メートルを守らなければならないことになるのだろうと思いますけれども、そういう考え方で間違いないのか、そしてまた、児童クラブ、ミニ児童クラブも同様の対応をとっていくことになるのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎浦屋 子ども育成部長  今の大規模クラブが分割して新たに学童保育所等を設けた場合でございますが、現在では、4月1日時点で民間学童保育所を運営していた場合に限り、転居、改築等で建物が変わる場合には1.65平米に合わせてもらうということで、当分の間の経過措置を設けたところでございます。したがいまして、新しい箇所を借りて行う場合には、新しい設備基準の1.65平米を適用させていただきたいと考えております。また、私どもが指定管理、委託等で行っております児童会館、ミニ児童会館につきましても、なるべく早く1.65平米の基準を満たすように努めていきたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  1.65平米ということで基準どおりのものにしていかなければならないということですから、当然、家賃もふえていきます。家賃補助は札幌市も行っておりますが、その家賃補助の問題、あるいは、移転に伴うさまざまな費用もかかります。そういうものについてもしっかりと手だてをとって、民間学童保育所がいい環境で運営できるような支援が必要だと思いますけれども、その点についてはいかがお考えになりますか、伺いたいと思います。  またさらに、大規模な学童保育所を2カ所に分割するとなりますと、指導員も常時複数配置ということが定められておりますから、当然、それもやらなければなりません。備品とかさまざまな設備についても新たなものを備えていかなければなりません。一つの学童クラブであっても、2カ所を運営するとなると、全てのものについて二重にお金がかかってくることになります。  先ほど申し上げましたように、家賃補助のさらなる増額、あるいは移転にかかわる費用の支援、それから、二つに分割した学童保育所に対する助成の考え方といいましょうか、基本的な市のスタンスについてお示しいただきたいと思います。 ◎浦屋 子ども育成部長  まず、民間学童保育所の家賃、移転費用等の独自加算ということでございますが、現在、家賃につきましては札幌市の独自の加算として行わせていただいております。今回、国の補助要綱等は3月中旬以降示されることになっておりますが、新たな単価が設定されてまいりますので、その中で家賃、移転費用等がどのように扱われるのかということも含めて、新たな市の助成制度を検討する中で整理していきたいというふうに考えております。  次に、大規模なクラブが分割する場合、さまざまなところで二重の負担が生じるということについてでございます。  今回、国の補助制度で大きく変わった点は、今までクラブごとの補助制度だったものが、児童40人程度の支援の単位ごとに補助をする方法に変わってまいります。そこで、指導員等についても、その考え方をもとに助成のあり方を検討すべきだと私どもも考えておりますが、これらも、国の補助要綱等が示された後、関係部局等と協議しながら整理していきたいというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  国の要綱がまだ出ていないということもあって、札幌市としての具体的な考えがなかなかまとまらないのはわかります。しかし、具体的なものではないにしても、国からもいろいろ方向性が既に示されてきておりますから、ぜひ、そこは、国待ちではなくて、積極的に先取りをして、まず、札幌市としての独自の動きをつくっていく、そして、そこに国の要綱がかみ合ってくるような状況をつくっていただきたいと思います。  そこで、分割に際しては、1クラブに対してではなく、その施設という単位で支援、助成の対象になるだろうという見通しを持っていると確認してよろしいでしょうか。 ◎浦屋 子ども育成部長  現在、示されております国の補助のあり方、考え方では、先ほど申し上げましたとおり、40人程度の支援の単位ごとに補助するという考え方だと示されておりますので、私どもも、それを基本として市の助成のあり方を整理していきたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  わかりました。しっかりとやっていただきたいと思います。  それから、指導員の研修の問題ですが、これは各都道府県が行うということで、北海道が主体となって研修が行われていくと聞いておりますけれども、もう既に、いろいろな児童クラブ、学童保育から、どういうカリキュラムなのか、どういう日程なのか、どういう場所でやるのかというような声が出ております。そしてまた、研修費用についてはどうなるのかと。当然、研修に行く職員は休日扱いではありません。そこでも人件費が発生しますし、また、代替職員の配置もしていかなければなりませんから、そこにも人件費が発生することになりますので、学童保育全体としての費用負担に非常に大きな不安の声が出ておりますが、これについてはどういうふうに対処するのか。  あわせて、共済費、社会保険料の負担の問題です。常時複数配置ということが決まりましたから、それ相当の職員、指導員を確保しなければなりません。以前、札幌市は共済費なども助成の対象としておりましたが、外しましたね。これは、やはり復活してほしいという声が上がっている中での今回の複数配置ということですから、やはり、負担がどんどん重くなっていきます。ぜひ、以前のように助成金に加算してほしい、復活してほしいというふうに思いますが、ここについてはどのようにお考えになっているか、伺いたいと思います。 ◎浦屋 子ども育成部長  まず、1点目の研修費用についてでございますが、今、私どもが聞いている国からのお話では、研修にかかる実費については徴収することを予定しているそうです。研修の時間、内容、場所等につきましては、道が運営するわけですが、道においては、現在もまだ検討中ということで、私どもも実施方法等について問い合わせを行っているのが現状でございます。  また、先ほどありました研修を受講する際の代替職員等の費用の問題でございますが、国が今回示した補助の基準の考え方の中では、代替職員等の雇用の経費は運営費の中に計上しているというふうに説明されております。そのため、私どもも、そのような考え方に基づいて整理していきたいと思っております。  また、共済費や社会保険料の負担は、平成19年まで札幌市独自で行っておりましたが、今回、新たな市の助成基準を決める際にこれらも含めて検討させていただきたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  共済費、社会保険料については検討してくださるということですから、ぜひ、実現に向けて精力的に対応していただきたい。  研修については、代替職員の人件費分について、運営費の中に加算されて入っているということですが、研修自体は実費負担になるということですね。集中しているのはほぼ札幌だろうというふうには思いますけれども、全道ということになりますと、事、札幌だけの問題ではありません。日帰りなのか、宿泊なのかも含めて相当負担がかかっていくと思いますので、カリキュラムの組み方などについても、北海道に対して札幌市としての意見を積極的に述べていっていただくこと、あわせて、実費負担分についても、何らかの援助といいますか、札幌市としてそういうことができないかどうなのか、改めて検討していただきたいということを要望して、学童保育の質問については終わらせていただきます。  次は、保育の問題について質問いたします。  まず、質問の一つ目は保育料についてです。  今まで保育料の算定基礎ベースというのは、所得税に基づいて行われていましたけれども、この4月からは住民税がベースに変わることになります。ホームページなどをずっと探っていきますと、今の保育料階層の区分で住民税が幾らだとこれぐらいの保育料というのがありますが、これだけを見てもわかる保護者の方はなかなかいらっしゃらないと思います。  今回のことで、保育料の階層が変わってしまう、負担がふえるケースがやはり発生するだろうと思うのですが、その点の見通しはどのようになっているのか、保護者への影響額はどの程度のものになるのか、試算があればお示しいただきたいと思います。 ◎福田 子育て支援部長  新制度移行に伴っての保育料、所得税から住民税に変わっての保育料の影響ということでございます。  新制度後の保育料の改正につきましては、国におきまして、夫婦と子ども2人の4人世帯をモデルといたしまして、同じ所得水準であれば同じ保育料の階層となるよう設定しているところでございまして、札幌市も国に準じて同様の考え方で設定を予定しているところでございます。しかしながら、モデル世帯を基準に保育料の階層を設定しているということですので、世帯構成などによりまして保育料の階層に若干の変動が生じることがあるというふうに認識しております。  また、切りかえによる影響額でございますが、その時点での世帯構成などによって変わってくることになりますけれども、札幌市の保育料の総額といたしましては、現行から大きな増減はないものと考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  シミュレーションが妥当かどうか、昨年の10月に保育所にいらした世帯ということでつくっていただいた資料がありますけれども、大体年収420〜430万円から800万円くらいの世帯が上に上がるか、下に下がるかという数字なのです。おっしゃったように、個別のケースが出てこないと、一体どなたが上がって、どなたが下がるかというのは、やはり、シミュレーションをつくってもそこまでは探り切れずにおります。ということは、4月に前年度の住民税でまず保育料を算定して、納付書をもらった時点で、所得はそんなに変わっていないのに、何で保育料がこんなに上がっているのだというようなケースが少なからずあると思います。もちろん、逆に安くなる世帯もあるとは思いますが、急な保育料の負担増という可能性もありますね。そうなると、市に対しての相談や問い合わせがぐっとふえるのではないかなというふうに思います。  毎年、年度当初はそういう問い合わせがあるのだろうと思いますけれども、相談体制の整備とか丁寧な対応、説明をしていくべきだというふうに思いますが、ここに対してはどういう対処をなさる予定なのか、伺いたいと思います。 ◎福田 子育て支援部長  相談体制についてでございます。  これまでも、保育料に関する問い合わせにつきましては、各区役所、それから私ども子ども未来局におきまして丁寧に対応させていただいてきたところでございます。新制度における保育料に関する問い合わせ、相談につきましても、これまで同様、個々の世帯に応じて、特に今回の制度の変更に係る相談等にわかりやすい説明を心がけてまいりたいと考えてございます。 ◆坂本恭子 委員  しっかりと対応していただきたいと思います。  それからまた、影響額について、保護者負担が余りにふえるようなことがあれば、今、AからDの9まで階層が分かれておりますけれども、その細分化なども含めて、保育料の設定自体を変えていかなければならない事態もあるのかなというふうに私は思います。これは4月になってみなければわからないことだとは思いますが、既に保育料の10%値上げがされていて、保育料負担が非常に厳しいと言われておりますので、そのことについては改選後にまた改めて議論をしていければと思います。  続いて、待機児童の解消についてです。  先ほどもお話がありましたが、本来であれば、ことしの4月1日に待機児童数はゼロという目標を持って整備も進められてきました。待機児童ゼロについては、先ほども答弁がありましたし、2月20日の文教委員会でも、私の質問に4月1日時点でできるのかということは楽観できない状況であると答えられていました。  10年期限つきの賃貸物件で募集をかけるようなことも含めて、今、とにかく待機児童を解消しようと手だてを打ってきて、これには補正予算がついていましたが、結局、260名分を確保できなかったということで、やはり待機児童は減らないのじゃないかという議論もしてきたところです。改めて、私は、できないことはできないと言えというのではなくて、やるべきことはやれと思っていますから、いつまでに待機児童をゼロにするのか、明確な目標を持って取り組むべきだというふうに思っています。  新・さっぽろ子ども未来プランの中では、1,070人程度の定員増を図っていこうという計画です。5年間かかってこれをゼロにしていくのか、それともこの新年度内に待機児童をゼロにしていくのか、明確な目標を持って取り組むべきだと思いますけれども、いつまでにゼロになさいますか、お答えください。 ◎野島 子育て支援新制度担当部長  待機児童解消の目標年度でございますけれども、現段階では、先ほどの施設整備ということで、実際には目標には達しなかったところがございますが、保育コーディネーターによる保護者への働きかけ等を継続しながら、保育を必要とする全ての児童が必要な保育サービスを受けられるように、まずは最大限の取り組みを行ってまいりたいと考えているところでございます。  また、新・さっぽろ子ども未来プランについては、国の待機児童解消加速化プランに基づき、潜在人数を含めて―潜在人数と言いますのは、今現在、保育所の利用を希望していないけれども、今後、就労して保育所を利用したいということでまだ表にあらわれていない人数ですが、平成30年度当初までにそうしたニーズを含めた全ての保育ニーズを賄えるようにこの計画を策定をさせていただいておりますので、可能な限り早期に待機児童の解消を目指していきたいと考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  可能な限り早くということですけれども、やはり、在宅で求職活動をなさっている方とか、本当に差し迫って保育園に入りたい方がたくさんいらっしゃるわけですから、待機児童解消は一日でも早くやっていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。  そこで、先ほども言いましたように、今、賃貸物件で、10年期限での保育所整備が行われているところですので、そこにかかわって園庭と設置階数についての質問です。  園庭が確保できない場合は、300メートル以内の都市公園を、園庭というか、屋外施設として使用できるということで規制緩和がありました。  都心部の保育所では、時計台の隣のオフィスビルの2階に60人定員の認可保育所が入ることになりました。4月にオープンということで、ただいま急ピッチで改装をしているところだというお話を聞いておりますが、その園庭に当たる公園が大通公園となっています。時計台のところから大通公園まで行くことになりますと、かなりの交通量のある道路を通ることにもなります。そしてまた、大通公園というのはほとんどイベントで利用されているところですので、本当に伸び伸びと芝生の上でゆったり遊べるような期間は非常に短いと思いますし、遊具すらないような状況だと思いますので、私は、こういうところを園庭として許可することが適切なのかなというふうに思います。小規模保育事業などではほかのところでも大通公園を園庭として使っているという資料も頂戴しておりますが、私は、こういうことで園庭はなくてもいいですよという規制緩和は許されないことだなというふうに思いますけれども、この点についてのお考えを伺いたいと思います。  それから、設置階数についてです。  1階、最低でも2階以下が望ましいということで賃貸の募集をしております。いただいた資料では25園ありますが、そのうち14園が2階以上となっています。中には、4階、5階の2フロアを借りて90人定員の園や4階にワンフロアで60人の園があるということです。  もちろん、避難経路であるとかさまざまなことについては、認可するときに指導もするし、それなりの設備もちゃんと設置するようになると思うのですが、ゼロ歳からの子どもさんが入る保育所で、現実的に4階、5階に90人とか、4階に60人子どもたちがいるような状態、あるいは、一時預かりなどでここに入ってくるかもしれないということですから、やはり、子どもたちの安全管理上の問題があるのではないかというふうに思います。飲食店と一緒に入っているビルも見られますし、先日のようにオフィスビルでの地下食堂からの火災ともなりますと、そこで何かあったときに、子どもたちが本当に安全に避難することができるのかということに大変な懸念があります。私は、やはり、こういう形での規制緩和というのは行うべきではなかったのではないかと思いますが、この点についてはどういうふうにお考えになっていますでしょうか。 ◎野島 子育て支援新制度担当部長  2点のご質問でございますが、まず、1点目の代替園庭についてでございます。  確かに、大通公園では1年を通してさまざまなイベントが行われておりますが、イベント期間中でありましても、時間帯に応じては児童が自由に遊ぶことは可能ではないかと認識しているところでございます。  なお、大通公園を代替園庭に設定している保育所につきましては、園から東側に創成川公園もありまして、こちらも同様に園児が利用できるものと考えているところでございます。  ただ、外遊びの野外活動を行うに当たりましては、当然のことながら、十分な数の保育士が同行することはもちろん、あらかじめ移動経路を確認した上で危険箇所や避難場所を把握するなど、園児の安全が確保できるように設置者に指導してまいりたいと考えているところでございます。  また、2点目の賃貸ビルの設置階にかかわるご質問でございますが、認可保育所につきましては、新築か賃貸かを問わず、耐火性、避難路につきまして建築基準法を上回る要件が必要でありまして、安全性は確保されているものと認識しております。具体的には、保育室が2階以上の場合には、2方向避難ができることはもちろんのこと、煙に巻かれにくい屋外階段や排煙設備のある避難用階段の設置など、一般的な建物よりも厳しい基準を設けているところでございます。  なお、賃貸ビルにつきましては、同一の建物内に他のテナントが入っているという特殊性がありますので、そういったことを踏まえまして、保育所外で出火したことも想定した避難訓練を実施するなど、運用面でも安全確保ができるよう保育所設置者に指導しているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  安全管理をきちんとというのはもちろん当たり前のことで、本来、1階にあって地続きで園庭があることを確保されていれば、より厳しい設置基準というようなこともおっしゃっていましたが、そういうことなしに安心して子どもたちが本当に健やかに遊んだりいろいろなことを集団で体験できるわけです。ですから、私は、待機児童解消を目的に、こういう形で賃貸のオフィスビルなどに入るようなことはやっぱり本末転倒だと思いますので、改めて、ここは考え直して、従来型の社会福祉法人での認可保育所の整備を進めていくべきだということを申し上げたいと思います。
     それから、小規模保育事業についてですが、これについても、A型は全員が保育資格を持っていること、B型は札幌市の上乗せ要件で3分の2以上の職員が保育士資格を持っていること、C型は半数以上の職員が保育士資格を持っていることとして、この三つの小規模保育事業を展開するというお話でございました。このとき、B型、C型の整備はすべきではないということで質疑しましたところ、A型の整備を基本に進めていきたいのだというご答弁があったと記憶しておりますし、議事録でもそれは確認しております。  ところが、今回、小規模保育事業について一覧表を頂戴いたしました。全部で39園ありますが、A型での整備が30、B型の整備が2事業所、そして、C型が7となっています。A型でのみの整備とおっしゃっていましたけれども、国基準よりも資格要件を上乗せしたから、基準を厳しくしたからB型、C型の整備も進めていくということなのでしょうか。方針が変わったのでしょうか。お答えください。 ◎野島 子育て支援新制度担当部長  ただいまのB型、C型があることについてでございますが、今回、来年度に小規模保育事業B型を実施する予定の事業者につきましては、現在、札幌市でグループ型の家庭的保育事業、いわゆる保育ママを実施している事業者が新制度開始に伴って移行するものでございます。また、来年度に小規模保育事業C型を実施する予定の事業者は、全て平成26年度から既に小規模保育事業C型を実施している事業者でございます。したがいまして、ご指摘のB型、C型につきましては、既存事業者からの移行でありまして、札幌市が新たに募集したのではなく、我々としては、やはり原則としてA型であるという認識でございます。 ◆坂本恭子 委員  わかりました。  B型、C型については移行の園であって、札幌市としては、小規模保育事業については今後もA型のみの整備を進めていくということですね。  B型、C型は保育ママなどからの移行ということですけれども、ここについては、札幌市できちんと指導・援助をしながら、最終的に全ての職員の方が保育士の資格を持つA型に移行していくための支援策、誘導策を持つべきだと思いますので、その点についてのお考えを伺いたいと思います。  あわせて、小規模保育事業というのは3歳未満児までの受け入れということですから、3歳を過ぎたら別の保育園に行かなければならなくなりますけれども、卒園後の受け皿保育園が決まっていない園が11あります。そういう中で、当初、5年間の猶予ということで受け入れ先を決めればいいということがあったと思うのですが、ゼロ歳で入っても3年後には出ていくわけですから、5年間の経過措置の中で対応し切れないことになるわけですね。2歳とか3歳ぎりぎりで入ってくる子どもだと、入ったはいいけれども、すぐどこかに行かなければならないということになりますが、卒園後の受け皿保育園が決まっていないことに対して、保護者から、次はどこに行ったらいいのだ、どこの園がいいのだ、また新たに探さなければいけないのか、また待機になるのか、こういう不安があると思うのです。  そこで、この点については、5年の経過措置ではなくて、早急に受け入れ園を確保すべきだと思いますが、手だてを講じていますか。 ◎野島 子育て支援新制度担当部長  まず、1点目のB型、C型からA型への移行についてでございます。  A型への移行についてはあくまで事業所の判断でございますけれども、札幌市としましても、A型に移行することについては、新たに保育所を確保しなければならないという部分はございますが、事業者の研修等の機会を捉えて助言などを行っていきたいと考えているところでございます。  それから、2点目は、今の小規模保育事業に入所している子どもの3歳以降の連携施設をまだ確保できていないところに手だてを講じているのかということでございます。  私どもは、今現在、こういう施設に対して、連携施設を確保するようにいろいろ相談に応じる形で引き続き取り組みを進めているところでございます。もちろん、経過期間がありますけれども、それはあくまでも経過期間で、その期間は何もしなくてもいいということでは決してありませんので、その中でそういった事態が速やかに解消できるように私どもも取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  とりわけ連携保育園、卒園後の受け皿保育園については確保することをしっかりとやっていただきたいと思います。やはり、保育の質をいかに担保していくのかが問われているのだろうと思います。待機児童の解消と同時に、保育の質は下げない、保育士の処遇改善なども含めて、ここはしっかりと対応していただきたいと思います。  最後の質問になります。  保育料の延滞金を徴収するための条例案というのが、さきの文教委員会、それから、2月23日の本会議で可決されました。そうしましたところ、保育の関係者から、このことについては全く聞いていないと言われました。そしてまた、悪質滞納者ではなくて、払いたいのに払えない、今月はまとまったお金がないけれども、来月になったらまとまったお金が入るので、おくれながらでも2カ月ないし3カ月分をきちんと払いたいというような保護者がいらっしゃると思うのです。私ども独自の調査ですが、保育料が月4万円の場合はおよそ3カ月半、月2万円の保育料の場合はおよそ6カ月を超えた時点で、年率9.1%の延滞金を払わなければならないことになります。3カ月、半年ということですが、もっと高い保育料を払っているご家庭もありますから、まず、こういうところに対して丁寧な対応をしていく必要があるだろう、機械的な延滞金の請求はすべきではないというふうに思います。  今現在、困っていてなかなか払うことができずに滞ってしまっている、でも、頑張って払おうとしている世帯があります。あるいは、保育園を経営している側やその関係者など、そうした当事者に何の説明もなく延滞金発生という条例が議会に出され、唐突に決まってしまいました。私ども共産党はこれに反対しましたが、これが議会の中で可決されてしまいました。各会派に対しても、各政党、議員の皆様へということで、怒りのお手紙といいますか、書面が届けられていますし、各議員もそれを目にしているのだろうと思いますが、やはり、当局としてきちんと説明責任を果たすべきだったというふうに思います。  これは、たしか4月1日施行となっていると思いますが、説明責任をきっちり果たすためにも、施行日を延ばして執行を後ろにおくらせることも可能だと思うのですけれども、この点についてはどのようにお考えになりますか。 ◎福田 子育て支援部長  延滞金についてでございますが、納期限内に保育料を納付していただいた方との負担の公平と、それから、納期を過ぎた保育料について、できるだけ早く納付していただくということで、それを促す効果を考えて延滞金を徴収することとさせていただいたところでございます。  延滞金の徴収につきましては、平成27年度の保育料から対象にしておりますので、今後、札幌市のホームページとか、個々の保護者、それから保育所等にお知らせしようというふうに考えているところでございます。保護者の方々等につきましては、事前にというわけにはなかなかいきませんので、必要性を鑑みた中で措置をとらせていただいたところでございます。公平性の観点からもご理解をいただきたいと考えてございます。 ◆坂本恭子 委員  子ども・子育て支援新制度が始まることに伴うさまざまな混乱があり、なかなか具体的なものが決まらなくて、各委員からもどういうふうになっているのだと言われる中で、保護者、運営する側、関係者は不安を抱いていらっしゃると思うのです。そういうときに、今回、突然、降ってわいたように、滞納している分については延滞金を徴収するという新たな規定が設けられるということですから、到底、理解できないことだと思うのです。  できるだけ早く納付してもらうことを促すために延滞金の措置をとるのだというお話でしたけれども、一昨年でしたでしょうか、保育園の玄関先に「滞納している世帯の皆様へ」というポスターがでかでかと張り出されたことがありました。これは、私ども共産党として撤去すべきだと申し上げました。私は、滞納しているところについては、経済状況などを丁寧に聞き取り、そして支払っていただくようにすべきで、払っている人と払っていない人の公平性というようなことは保育の現場で出てくる言葉ではないと思います。払いたくなくて払っていないわけではなく、払いたいけれども、払えないという状況の中で、それでも頑張って払っていきたいのだということですから、そういうところには、延滞金をかける、罰を与えるということではなくて、丁寧な対応をとっていくということが真っ先に行われてしかるべきだと思います。  新年度からの保育料については延滞金が発生するということですが、これは、説明責任をしっかり果たしてから執行するということで、まずはきちんと関係者の合意を得るというところに力を注いでいただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ◆阿部ひであき 委員  私からは、ひきこもりあるいはニートといった困難を有する若者支援事業のうち、中学校卒業者等進路支援事業について伺いたいと思います。  当該事業は、事業名にもあるとおり、中学校や高校の卒業時または高校中退時に、進路が未定で社会的自立に不安がある若者を早期に支援することによって、ひきこもりなどの困難を有する若者への移行を未然に防ぐとともに、社会的自立の促進を図るものとして、平成23年度より実施されております。  地域社会における人間関係の希薄化といったことが叫ばれる昨今でありますけれども、学校が家庭以外の社会との唯一の接点となっている子どもたちも少なくないのではないかと考えます。そのような中で、卒業時あるいは中退時に、進路が未定の子どもたちが学校から離れてしまうと、誰が支援していくのか、あるいは何ができるのか、先行きが見えない現実といったものが待ち構えていることは容易に想像できるところであります。支援の手もなく、進路未定のまま卒業したり中退したりすることは、本来、夢や希望を抱く年代である多くの子どもたちにとって、大きな損失に至るケースも多いと考えます。そのような意味でも、本事業に寄せられる期待は非常に大きいものであるというふうに私は認識しているところであります。  当該事業では、進路未定者の情報は、札幌市から各学校へ情報提供を依頼し、学校からは、支援を希望する生徒で、保護者の理解の得られた生徒についてのみ情報が提出されるとのことであります。  そこでまず、質問でありますけれども、質問の前提として、本事業の昨年度、今年度のこれまでの取り組み状況について伺いたいと思います。 ◎浦屋 子ども育成部長  昨年度及び今年度の取り組み状況ということでございます。  昨年度は、中学校から6名、高校から17名、計23名の情報提供がございまして、このうち22名の生徒に支援を実施し、進学、アルバイト等で6名の進路が決定しております。今年度は、1月末までの実績となりますが、中学校からは13名、高校からは12名、計25名の情報提供がございまして、このうち23名の生徒に支援を実施し、アルバイト、進学等で7名の進路が決定している状況でございます。 ◆阿部ひであき 委員  ただいまの答弁で、情報のあった生徒数は、平成25年度は23名、平成26年度は若干増加して25名でありまして、中学生では6名から13名へと推移しているということであったと思います。  しかし、札幌市統計書に掲載されている学校基本調査資料によれば、中学校卒業者の卒業後の状況として、就職も進学もしていない中学校卒業者は毎年100名程度で推移しており、平成25年度の数値、これは平成24年度3月の卒業生だと思いますが、これでも85名となっております。さきの数値に比べると、このうち、若者支援総合センターへとつながった生徒は1割程度であると言えるかと思います。他都市と比較して、先進的なよい取り組みがあるにもかかわらず、支援へとつながった生徒数が少ないのは大変残念で、もったいない結果であると言えるのではないかと私は思います。  そこで、質問でありますけれども、一般的に支援を受けられない状況が長期化することで、ニートあるいはひきこもり等、困難を有する状況になってしまうことが懸念されますが、このことについてどのように認識しているのか、また、これまでの取り組みによる成果についてどのように捉えているのか、伺いたいと思います。 ◎浦屋 子ども育成部長  これまでの取り組みの課題と成果の認識でございます。  ニート、ひきこもり等、困難を有する状況になるということは、若者がみずからの可能性を広げて豊かな人生を歩むことが困難になるばかりではなく、社会にとっても大きな損失であるというふうに認識させていただいております。  それを未然に防止する策として、学校在学中からの支援、中学校、高校卒業後の早期支援は非常に重要なものと考えております。若者支援センターで行っているこの事業につながることで、学校以外の新たな自分の居場所、社会との接点を持つことができる、このほか、センターでの継続的な相談や自立支援プログラムにより、同じような悩みを抱える同年代の仲間との人間関係も築けるというようなことで自信を回復し、自立に向けて進み出せるように現在取り組んでいるところでございます。このような取り組みをこれまで継続して実施してきたことによりまして、平成22年4月、若者支援施設開設以来、進路決定者が年々増加することで、一定の成果はあるものと認識しております。 ◆阿部ひであき 委員  社会的損失が大きいということで、若者支援総合センターが自信回復の居場所として機能して、進路決定者も年々増加しているということであれば、やはり、ここで言えるのは、最初に触れたように、学校からより多くの情報が得られる取り組みが必要不可欠であるというふうに考えます。  以前、私も、実際に若者支援総合センターを視察して、センター職員からもお話を伺ったことがあります。その中で、本事業で配置されている進路支援員が、各学校を訪問しながら、卒業時期の情報提供について協力を求めた際に、学校側からは、保護者の理解が得られずに情報をつなぐことができないといった意見が多数あったと記憶しているところであります。学校としても、現在における個人情報保護の観点に立てば、保護者の理解がないまま生徒の情報を札幌市や若者支援総合センターへと安易につなぐことができないという判断なのでしょう。しかし、子どもたちは、中学を卒業するころにもなれば、大人に向けて心身ともに成長し、自分の行動は自分で決めたいとの思いを持つようにもなります。そのような子どもたちにとってみれば、進路未定で将来に不安がある場合、保護者の同意に限らず、本人の希望により、みずから総合センターへとつながることができるのではないかと考えます。また、本事業を初め、困難を有する若者の支援事業そのものの認知度が不足していることも影響しているのではないかと考えるところであります。  そこで、質問でありますけれども、進路未定者が一人でも多く若者支援総合センターへとつながるよう、今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、伺います。 ◎浦屋 子ども育成部長  本事業の今後の取り組みということでございます。  若者支援総合センターや、この事業の支援内容につきまして、多くの子どもたちに知ってもらえるよう、これまでも、毎年度、各中学校、高校に対して、卒業する生徒一人一人へのリーフレットの配付や事業説明について協力を求めてきたところでございます。また、子ども、若者にかかわる方々に向けて作成した子ども・若者支援ハンドブックを市内各学校の全教員の手に渡るよう送付するなど、支援機関の情報の普及にも努めてきたところでございます。  しかし、提供される生徒情報が少ないということは、委員のご指摘のとおり、いまだ認知度、信頼度が不足していることにも起因していると考えられますことから、今後とも、これまでの取り組みを継続、発展させるとともに、PTA協議会とか進路指導員、担当教員が集まる会議など、さまざまな機会を通じて本若者支援事業の周知、広報に努めてまいりたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  粘り強い周知、広報も非常に大事でありますが、今後も情報提供数が伸び悩むようなことがあるとすれば、新たな手法についても検討していくことが必要であると考えます。  特に、私がここで非常にひっかかるのは、学校の持つ情報の取り扱いについてであります。個人情報保護といった一言で、単純にその壁でもって保護者の理解が得られるか否かで中身の取り扱いが判断され、制限されるということには違和感があります。本市におきましては、子どもの権利ということを掲げながら、裏を返せば、個人情報保護という一言でもって保護者の権利に気を使っている、その余りに当事者である子ども自身の権利と本気で真剣に向き合っていると言えるのか、そのことが甚だ疑問であります。保護者の理解が得られるか否かで将来ある子どもたちの未来が損なわれることのないように、子ども未来局、あわせて教育委員会において、いま一度、情報の取り扱いについての議論をよりしっかりと深めるべきであると私は思います。  ニート、ひきこもりが長期化すると自立に至るには大変な労力がかかるために、それを未然に防止する本事業は非常に意義があります。ぜひとも、一人でも多くの子どもたちが社会とのかかわりを持ちながら自分らしく生きていけるよう、本事業の取り組みの強化に全力を尽くしていただかなければなりません。重ね重ねでありますけれども、そのためにも、教育委員会とともに今ある課題をいま一度議論していただかなければならないということを指摘して、私の質問を終わります。 ◆恩村一郎 委員  私から、気象災害に対する警報発令時等における保育所への対応についてお伺いしたいと思います。  きょうも道東地方では50年に一度と言われるような大雪警報が出ておりますし、昨年9月11日は豪雨に伴う大雨特別警報、そして12月18日には暴風雪警報が出されておりますが、保育所を所管する子ども未来局のそのときの対応についてお伺いしたいと思います。  北海道においては、大変珍しいといいますか、めったにない気象状況だったかなと思いますが、いずれのケースの場合も、教育委員会のほうでは、かなり早い段階でこうした気象に対する学校等への対応を検討されて、児童生徒たちの安全を守る観点から早々に休校を決定されております。それと同時に、教育委員会からは、道教委、子ども未来局へも連絡をとっていらっしゃいます。  そのときの事例を見ますと、9月11日の大雨のときには、午前5時35分に大雨特別警報が出されたのを受けて、市教委では、6時6分には市立幼稚園、学校へ臨時休校を指示しています。6時15分には子ども未来局、道教委へも連絡をとっていらっしゃいます。  また、12月18日の暴風雪警報が出されたときには、市教委では、前日の17日の段階で午前9時20分に気象情報を入手され、11時40分には全市の幼稚園、学校の臨時休校を決定しています。当日の17日に関しては、午後3時30分までに下校するようにという指示も出されています。特に、12月17日から18日にかけての暴風雪の際には、子ども未来局からの保育所に対する指示というのは、午後3時現在の対応方針ということで、各保育所の設置者にファクスが送られてきておりますけれども、おくれているといいますか、教育委員会で決められてから既に数時間たってから指示が出ています。18日の暴風雪に対して、17日の午後3時以降にファクスが送られてきても、早い家庭ではもう既にお迎えが来て、お子さんを連れて帰っていらっしゃいます。3時現在で送られてきたファクスを見ますと、設置者の判断によって、保護者への早目のお迎えや家庭での保育協力の依頼と、児童の安全を最優先した対応をとってくださいということと同時に、18日は通常保育を行ってくださいと。9月の雨のときもそうですが、学校は休校としていますけれども、子ども未来局から保育所に対する指示は原則として開園してくださいということでした。  同じ子どもを扱っているといいますか、それぞれ所管は違いますが、どうして指示、判断が変わってくるのかなと、正直言って非常に不思議だなというふうに思います。まして、保育所のほうが小さいお子さんたちを扱っていて、直接、お子さんたちが登園してくるというよりも、保護者が連れてくるわけですが、その時間帯、来るまでにきちんとした方針が示されていないと、来たはいいけれども、その日は休園になりますとか、開園ということでも行く途中に何かあったらどうするのかとか、いろいろな不安があり、学校と保育所の両方に預けているお子さんを持っている親御さんはそれぞれの対応に非常に戸惑いを覚えたという話を実は聞いております。  そういう状況下において、どうして子ども未来局の指示、判断に時間がかかったのかということと、なぜ、同じ子どもを対象とした施設でありながらそのように対応が違ってくるのか、まず、その点についてお聞かせください。 ◎福田 子育て支援部長  まず、9月11日と12月18日の保育所への連絡についてでございます。  9月11日の豪雨の際は、未明からの警報の発令ということもございまして、局内の連携が不十分であったこと、それから、庁内でのファクス送信を午前6時52分にさせていただいたのですが、ファクスが集中したために、各園に連絡が届くまでに相当な時間がかかってしまったということがございます。これは、私ども庁内においても非常に反省材料でございまして、局内への連絡体制については直ちに見直しを行ったところでございます。ただ、各保育所への連絡の方法につきまして、ファクスは庁舎管理の中で回線が限られることもございますので、今、各保育所と電子メール等の活用についても協議させていただいているところでございます。  12月18日の暴風雪の際には、9月の反省を踏まえまして、前々日の16日の段階で、一旦、各保育所に対して事前の注意喚起のファクスを送らせていただきました。その上で、委員のご指摘のとおり、17日の午後3時にその時点での最新の情報を確認して2回目の連絡をさせていただいたところでございます。お迎えの時間との関係で、この時間帯に問題があるというご指摘でございますので、こちらについてはまた内部で検討させていただきたいと考えてございます。  2点目の学校の対応との違いでございます。  市町村には、保育を必要とする児童の保育をするという責任がございます。現に、どうしても家庭で保育することが困難である方もおられます。保育所においては、園舎そのものに危険があるような場合を除きまして、児童の安全に十分配慮することは当然で、その場合はそれなりの対応ということになろうかと思いますけれども、原則として開園と判断させていただいているところでございます。 ◆恩村一郎 委員  実際に、認定こども園では、幼稚園児は休みで保育園児は登園という状況が生まれました。同じ施設内でありながら対応が違うということで、保護者の間にも非常に違和感がありましたし、また、職員の中でも違和感があった方がいらっしゃったと聞いています。まさに新年度から子ども・子育て新制度がスタートして、認定こども園に関しては幼保一体化となっていくわけですね。そういった点から考えると、同じ対応でなければまずいのではないのかなというふうに私は思います。  また、12月の暴風雪警報の際には、気象台からなるべく外出を控えるようにとの注意が促されていました。保育所を開園するということは、ご承知のとおり、出勤する職員の安全性の面も考えなければいけません。特に、延長保育をやっている場合、早番の職員は、午前7時から受け入れるために6時半ぐらいには園に出てきております。学校の場合、登校時間はまだ後ですからその時点での連絡は可能かと思いますが、早く出勤する保育士たちへの連絡は非常に難しいものがあります。また、保護者に対する周知も、今は特に連絡網があるわけではありませんから、これも非常に難しいです。建物の安全性が確保されていなければならないのは当たり前のことですから、先ほど申し上げたように、登園、降園の際の保護者と子どもの安全をどう確保するかが最大の問題になってくるのかなと思います。親の判断でということかもしれませんが、園がやっているとなれば無理してでも預けに来る保護者もいらっしゃいます。ただ、預けに来たはいいけれども、帰りに迎えに来るときに、果たして安全に迎えに来ることができるかどうか、正直言ってその保障はありません。  保育所というのは、確かに働く親御さんたちをサポートする施設ですけれども、こういう警報が発令されている中で、あえて親の仕事を優先して開園しなければならないのかなということに関しては、私はちょっと違和感があります。第一は、子どもの安全を最優先に考えるべきではないのかなというふうに思うのです。早くにいろいろな指示が出ていれば、それぞれが勤務先と連携をとって休むことも可能だと思います。しかし、当日といいますか、まさにその日の登園時間になってからいきなり言われてもなかなかできないというのもわかります。ですから、子ども未来局からの対応に関する指示を見たときに、原則として開園ではなくて、むしろ逆ではないのかなと思いました。まず先に、安全面を考えて危険性があるときには園を休む、しかし、どうしても保育を必要とする子どもたちにはあけてあげるとか、そういう対応をとる考え方があってもいいのかなと思っています。  また、保育所は、皆さんたちのように土・日がお休みではありません。土曜日も開園しています。今回の場合は平日でしたが、土曜日などに何かあった場合、子ども未来局に緊急の連絡体制があるのかと聞きましたら、そういったものは特にないということでした。実際に、園長などの施設設置者が危険を感じた場合、電話をかけて対応をどうするか聞いている事例があると伺っていますが、それも、いるか、いないかわからないけれども、電話をかけてみたら担当の方がいたので指示を仰いだといったケースもあるそうです。  いずれにしても、めったにない状況下においての園の対応については、教育委員会等ともいろいろ協議されて、市として、こういう場合にはどうするかという一体化した一つの基準を検討することが必要ではないのかなと、私は去年の雨、雪の警報の際に非常に強く感じたのですが、その点に関してはいかがでしょうか。 ◎福田 子育て支援部長  緊急時の対応についてのご質問でございます。  休日、夜間でございましても、非常配備態勢になりましたら、私ども担当部局の人間は招集されておりまして、各園からの問い合わせにはある程度対応できると考えておりますので、その点はご連絡をいただければというふうに思います。  また、施設にいろいろな問題があれば、各施設の管理者も、まず、各園においでになって状況を確認されるものから、各保護者の方々への連絡となりますと、当然、名簿等は園におありでしょうから、園においでになってからの対応ということになりますので、私どもから園に何らかの通知をするという体制になろうかと思います。  それから、非常時における体制を事前にある程度考えておくというのは、今ご指摘のとおり、必要なことだろうと考えます。その点については、私どもは、2回の災害時の対応の検証の中で内部検討させていただいているところでございますので、今後、関係する私保連、日保協等の各団体とも協議させていただいて、原則の対応も含めて、そうした対応を検討させていただきたいというふうに考えてございます。 ◆恩村一郎 委員  とにかく、子どものことを第一に考えてほしいなと思います。厚労省によるものかもしれませんけれども、全体を見ていますと、子ども支援よりは保護者支援になっているような気がしてしようがありません。子ども未来局は施設運営などに関していろいろ指導する立場にあるわけですから、子ども主体の視点にもうちょっと重点を置いて、教育委員会等とも連携をとりながら対応していただきたい、そのことを強く申し述べまして、質問を終わります。 ○村山秀哉 委員長  以上で、第1項 社会福祉費中子ども未来局関係分等の質疑を終了いたします。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時15分       再 開 午後3時35分     ―――――――――――――― ○村山秀哉 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第9項 学校整備費まで、議案第22号 中等教育学校の設置に伴う関係条例の整備に関する条例案及び議案第26号 札幌市立幼稚園保育料等に関する条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  一つは、私は、先般、地方教育行政に関する法律の改正に伴い、議案第44号で、札幌市の条例が改正され、教育委員長というものがなくなるということに対して討論いたしました。  きょうは、教育委員会制度が大きく変わった、そして、少なくとも、札幌市においては、市長は、市長の任期満了を待たずして、議員の任期に合わせて辞任されることを表明されております。そういうことから後任の市長が教育長を再選するかどうかはわかりませんが、市長も、表明はしていても、人の心ですから、辞表を出すまでどう動くかわかりません。  そんなことから、私は、教育委員会制度が変わって、委員長が廃止され、新しい制度に行く可能性が5月2日からあり得るという前提も一つありということで、いわゆる教育委員会制度が変わったときに、今の教育委員の皆さんあるいは市長がどういう懸念を持っているかということについてお尋ねします。  そのために、きょうは、通常は教育委員長だけが出席ですが、男性と女性の教育委員にも出席いただきたいということで、女性の阿部委員にもお願いしておりました。しかし、都合によって出席がかなわなかったということなので、きょうは池田[光]委員に出席いただいております。お忙しいところ、私の質問のために出ていただきまして、ありがとうございます。  そこでまず、戦争に敗れて、新しい憲法のもとでの教育のあり方についてです。日本が戦争に負けた、あるいは戦争に突入した、そして、1億総玉砕といって総動員がかかるという戦時体制、これは全て教育にあります。教育と、それを指揮する時の権力にあるわけです。  そこで、教育委員長にお尋ねいたします。  新しい教育委員会制度の法案が突如として出されて、本来であれば、平成24年4月27日に決定している自由民主党の日本国憲法改正草案でいくと、第26条第3項に新しく加える事項が、突如、改正案として出てきて、それが可決されるに至りました。それに対して、私は、当時の新聞、テレビなどのマスコミと言われるところもそんなに大きく取り上げるわけでもなく、あれよ、あれよという間に行ってしまったと。こういう現象がなぜ起きたか。そして、この先、教育長のもとに統括される教育委員会というものが、今の教育委員会と比べてどんなふうに変わるのか、どう予測しているか、まず、その辺についてお尋ねしたい。 ◎山中 教育委員長  ご指摘の問題につきましては、いろいろ考えるところがございます。  私は、教育委員会でいろいろな議論をさせていただいておりますが、皆さんは大変活発に議論していただきまして、そういう中で、そういうアプローチもあるのだな、そういう考え方もあるのだなという場面によく遭遇いたします。そのたびに、はっと思うことがございます。  今の札幌市の教育委員会を見ておりますと、それぞれ専門を持ち、あるいは社会的な経験をお持ちになっています。そういう中でいろいろな角度からご指摘、ご意見をいただいておりますが、そういったものを総合して教育委員会の現場でいろいろ議論し、積み重ねてきたことを新しい目で見ていただいて、さらに改革を加えていく、あるいは、積み重ねていくということで、札幌市の教育委員会としては教育委員の皆さんに本当によくやっていただいているなというふうに思います。  もちろん、教育委員会としては、何かが起きたときにぱっと行動しなければならない場面もございます。たまたま教育委員会制度の改革というものは、大津市のご承知の事件がございまして、大変痛ましい不幸な出来事でございましたけれども、それをきっかけとして急激に議論が進み、制度の改正になってしまったわけですが、札幌市教育委員会の現状から見ると多少残念に思うところもございます。  制度を変えれば全てが解決するものではないということは、多くの方がご承知かと思います。ただ、制度は既に変わろうとしておりますので、先ほどの話ではございませんけれども、私も首になるかもしれない立場でございまして、今から申し上げても仕方がないのではないかという気持ちがしないでもありません。しかしながら、札幌市の教育委員会の場合は、先ほど申し上げたように、各教育委員からそれぞれの分野、それぞれの経験をもとにした大変よいご意見、ご指摘をいただいて、それによって現場でこれまで積み上げてきたいろいろな施策についてさらに改善していくような形で進んでおります。そういった伝統と申しますか、会議の運営の仕方、あり方は、ぜひとも今後も引き続き同様に進めていってほしいなというふうに思うところでございます。  ご承知のように、亡くなったマンデラ大統領は、教育は世界を変えることができる最も強力な武器であると言っております。また、せんだってノーベル平和賞を受賞したマララさんも、一人の教師、一冊の本、一人の子ども、一本のペンこそが世界を変えることができるのですと言っておられます。その言葉にも大変感動いたしましたけれども、ぜひとも、札幌市の教育委員会は今後もそういった気持ちで進んでいただきたい、これは私の個人的な思いでございますが、そんな気持ちでいっぱいでございます。 ◆松浦忠 委員  池田[光]委員にお尋ねいたします。  池田[光]委員は、会社を経営されていて、たくさんの人も就労されております。  まず、会社を経営して人を使われている、そういう立場で教育の大切さというものを見ておられたのではないかと思いますが、実際に教育委員につかれて、学校教育で足りなかったものは何か、もっとこういうことをやったほうがいいのではないかというものは何であるか、そういうふうに感じたものを教育委員会会議の場で教育委員として発言されて、それが、実際の教育現場の学校にどの程度反映されたというふうに思われているか、この点についてお尋ねいたします。 ◎池田[光] 教育委員  委員のご指摘は非常に鋭いところをつかれているなとお聞きしましたけれども、企業ですと、基準というのは数字で常にあらわれてきまして、その数字を軸にいろいろな物事を判断できます。しかし、教育は、心の中の問題をどう広げていってあげようかということですから、そういう視点から見たときに、いろいろな要素が加わって解決が非常に難しいものがたくさんあるなということを私は非常に感じております。今でも感じていまして、自分がそれを解決できない歯がゆさみたいなものを感じるときがございます。  それは、例えば、先生たちの仕事量、あるいは保健の先生たちの仕事量、カウンセラーもいて、さらに、子どもたち一人一人の家庭環境によって教育のアプローチの仕方が全部違うわけです。それは、最大公約数をとるのか、もっと特化したものに問題解決を向けていくのか、そこのところでいつも悩みます。本当は、最大公約数でやると楽なのかもしれません。しかし、子ども一人一人の家庭、子どもが置かれている現状、それを一つ一つ拾い上げながら話し込んでいくときの膨大な時間、エネルギーを考えたときに、どこから手をつけていいかというような意味合いでございます。  ただ、幸いにも、今ほど山中教育委員長がおっしゃっていただいたように、議論をする時間が自由であります。私は、自由に発言できる時間をとても大切にして、それが事務方の人たちにも伝わっていくように、そしてまた、事務方の人たちの意見も自分が吸収できるように、そういう教育委員になりたいと思って今現在でも活動しているつもりでおります。2年ほど前に子どもたちの自殺が相次ぎ、札幌でも痛ましい事故がありました。このときは、こうしよう、ああしようと、臨時の教育委員会を随分開いて、議論して対応を考えましたし、そしてまた、現実に起こってしまったという歯がゆさもありました。私は、これからのテーマとして、もっともっと子どもたちに近づいて、子どもたちの気持ちを吸収できる親であり、教育委員であり、経営者でありたいというふうに思います。  一つ、身近な問題で解決できたことは、我が社で働いている人たちの子どもたちのことを今まで以上に考えるようになりました。そこから、自分のできる範囲での解決方法を見つけていっている現状であります。冒頭に申したように、最大公約数で考えては何もできません。今回の教育制度改革も、要は、教育にかかわる人たちの思いが命綱だと思うのですね。どんなに制度を変えても、その思いを大切にするような委員でありたいなと思います。歯がゆさと、解決したときのうれしさをいつも織りまぜながら、今回はよかったな、次回はもっとこうしよう、ああしようと常に考えておりますけれども、まだまだ至らないというところは認めざるを得ないなというふうに思っています。  具体的に自殺の件で話をしましたけれども、あのときに、どうしたらよかったのか、もっともっと考えることがあったのではないかということを今でも悔しく思っております。今後、そういうことが起きないように、自分を戒めながら、教育長も含めて、あるいは仲間の教育委員も含めて、いつも切り込むような気持ちで議論している、そして、解決に向けてやっているような気持ちでおります。  質問に対する答えになったかどうかは知りませんけれども、思いはそこにありますので、最大公約数ではできない個々の問題をどうやって解決していくかということが、今、私が教育委員として置かれている最大のテーマだと自分は思っております。 ◆松浦忠 委員  そこで、山中委員長にお尋ねしたいのですが、僕は小学校を昭和21年に上がりました。そのころ、学校の先生は、夏休みと冬休みで学校が休みだったら先生も休む、その間は自由に過ごすということでしたが、これがだんだん勤務時間というもので縛られて、休みでも学校に行っているということですけれども、これはどうなのでしょうか。委員長は、以前のように、夏休みと冬休みは解放して先生方は自由にいろいろな研究をしなさいということがいいのか、それとも定時に出てきて定時に帰るほうがいいと思うか、どう思われますか。先ほど委員長は首になると言いましたけれども、僕は本当はそれを言いたかったのですが、失礼だから言いませんでした。しかし、委員長がみずから言われたので、そういう意味では委員長が一番率直に話ができるのではないかなと思うので、ここのところを聞かせてください。 ◎山中 教育委員長  今のお話で思いますのは、大変牧歌的な時代であったのかなという気がしないでもございません。率直に申しまして、私ども教育委員会としては、教職員の多忙感、そしてまた、それによって子どもとかかわる時間が少なくなっていること、こういった問題については、何とか少しでもよくなるように、委員の皆さんのお力もいただきながら改善していかなければならないというふうに思っているところでございます。 ◆松浦忠 委員  池田[光]社長さん、本職は社長ですからね。池田[光]委員は、今、質問したことについてはどう思いますか。 ◎池田[光] 教育委員  先生たちのお仕事というのは、やはり、生徒たちとの心の結びつきが非常に大きな接点だと思います。したがって、時間から時間までで解決できない要素の上で成り立っているような気がします。委員長の言葉をかりると、牧歌的といいましょうか、そういう時代もあったでしょう。しかし、これからは、働いた時間に対する対価の問題とか、働く時間の中での深さの問題とか、いろいろなことを総合的に判断して待遇していく時代に来ているなと私は思っております。
     会社経営でいきますと、例えば、5時に終わると、5時過ぎからは必ず残業代がつきます。しかし、役員の場合は、時間に関係なく働くことが可能です。では、先生たちはどうなのだろうと。現場である学校に行って、先生たちの苦労話を聞いていつも自問自答しているところでもあります。生産性という言葉もなじみませんし、時間をかければいいということでもありません。ここは私の一つの大きな課題なので、札幌市議会としても、この問題はどうしていったらいいのだろうというところから議論していただいて、何か方向を打ち出してくれればありがたいなと思っているのが日ごろであります。本当に、時間で計算できる仕事ではありません。しかし、一定の枠組みは必要で、どこまでどうしたらいいのだろうということは私にもわかりません。できれば、一日、学校で働かせていただいて、やってみて、どうなのかなと実感したいなと思うぐらいであります。学校に行ったときに、先生たちに必ず聞きます。「どうでしょうか」「いや、全然大丈夫です。私には子どもを育てる生きがいがありますから」と言う先生もいらっしゃいますし、「いや、厳しい」と言う先生もいらっしゃいますし、学校を訪問にした後に帰ってくると、いつもそこの線引きが難しいなという感想を持っています。 ◆松浦忠 委員  それでは、市長にお尋ねします。  戦後約70年、戦前の教育と、いわゆる戦争をしたことの反省に立って、教育が大事だということで、教育は可能な限り政治と権力から遠ざかって中立でということで教育委員会制度ができ、諸法律が整備されてきた経緯があります。今度、この制度に移行したときに、改正前と、札幌市教育委員会で言うと、今の教育委員会制度から新しい制度になって、政治からの教育の中立性ということについては、市長は教育長とのかかわりでどういうふうに懸念されているか、この点をお尋ねしたいと思います。 ◎上田 市長  ご指摘のように、戦前の教育の反省に立って、70年前ではありますが、新しい憲法が制定され、教育基本法ができたという経過があります。教育の内容について、戦前は、教育勅語によって全ての日本人のあるべき姿が語られ、それに従って人間像、日本人像というものが教育の目標にされていました。その考え方によって、結局、戦争を開始し、被害が甚大になったにもかかわらず、それをとめることもできなかったという深い反省のもとに、もっと多様な物の考え方ができるような社会を目指していこうということで、憲法第26条ができ、かつ、それを具体化する教育基本法が制定されたと承知しているところでございます。  ここでの問題は、やはり、真理あるいは相対性、多様性、人格を尊重する、その人格の完成を目標とするのが教育の目標であったということで、国のための教育ではなく、個人のための教育だということを鮮明に打ち出したのが教育基本法であったというふうに思います。教育基本法も改正されましたが、基本的な物の考え方、政治と権力と教育の関係というのはしっかり緊張感を持っていかなければならない、そんな考え方に立っているというふうに思います。そしてまた、今回の地教行法の改正というのは、この問題について、地方公共団体の長が総合教育会議を主宰することなどを通じまして、行政の立場から教育委員会のコンタクトがよりとりやすいといいますか、制度的に連携する方向へ道筋をつけたということになろうかというふうに思います。  今回、大津市の事件がありましたが、教育委員会に独自の権限等が与えられ、その責任を担うことに対して、今回の事件の対応を外部から見ていますと、実際には運用の面でそれが十分ではなかったというふうな評価がなされ、市民、一般の保護者の皆さん方、社会から見て、教育委員会がもう少ししっかりしてほしいという希望が出されて、大きな世論の中で改正ということになったのだと思います。しかし、一番大事なのは、教育の自立性といいますか、あるいは、政治的中立性というものは、揺るぎない真実として私たちは大事にしなければならないことであると思いますので、そのことをしっかり頭の中に置いて、胸の中に置いて運用しなければ大変なことになるだろう、こんなふうに思います。  これから教育委員会の代表として新しい教育長の任に当たられる方も、そして、首長としてつかれる方の認識においても、そこをしっかり持たずに、この制度の乱用といいますか、逸脱した使い方になりますと、大事にしていた政治的中立性といったものが揺らぐ、そして、再び一つの価値だけを教え込むという戦前にあった教育による弊害が再来する可能性がないわけでもない、こんなふうに懸念するところでございます。 ◆松浦忠 委員  先ほど山中委員長と池田[光]委員にお尋ねしたのですが、私も、たまに学校に行って職員室を通る中で、先生は何をしているかなと思ってちらっと見たら、みんなパソコンに向かっているのです。何だか知らぬけれども、一生懸命にパソコンを打っています。校長先生、教頭先生に、何でみんなあんなにパソコンに向かっているのかと聞いたら、とにかく教育委員会に報告するものが多くてと言うのですね。  そういう実態を踏まえると、私は、夏休み、冬休みの先生方の拘束の仕方について、拘束と言ったら語弊があるかもしれないけれども、いわゆる勤務のあり方について、自由研究というか、その中でもうちょっと緩やかな期間を一定程度つくってあげないとちょっとまずいのではないかなと。心のゆとりというか、気分転換も含めて、365日、そういうものを持つ期間がないのではないか、私は最近こういうことを感じています。  この点について、市長はどういうふうに見ていますか。 ◎上田 市長  私は、文字がわからない、言葉がわからない自分の子どもに対して小さいときからそれを教えていこうと思っても、とてもではないけれども、僕は教えられません。何でこんなことがわからないかというふうにすぐに言ってしまいます。ですから、物を教えるということは、ものすごく大変で、プロフェッショナルといいますか、専門的な仕事だと私は思います。単に教えるだけではなくて、納得させる、そして、それによって心を育てていくというのは、先生たちは大変な仕事をしているというふうに私は思います。しかし、教師に対する世の中のリスペクトがだんだんなくなってきまして、物を教えることがどれだけ大変なのかということについて、余り考えなくなってしまったということがあるように思います。  あるいは、世の中全体が高学歴化しまして、小学生に教えるようなことは俺にだってわかる、そんなことを教えるぐらいは簡単なことじゃないか、ちゃんと勤務時間を守れ、こういうふうな話になりがちだと私は非常に危惧するところでございます。私は、やはり、全人格をかけて知識を教え、心を育てるという特別な作業をされていると思いますし、教職に対する尊厳といったものをみんなで共有できるようにしなければならないと思います。  そういうことから言えば、先ほど山中委員長は牧歌的とおっしゃいましたけれども、本来のあるべき姿というのは、先生方が自由に研究できる、そして、それに応え得る信頼を獲得する作業が相互に行われることがなければ、教育はうまく進まないのではないかなと思っているところであります。夏休み、冬休みもそれとの関連で考えるべきでありまして、ただ職員室の自分の机に向かっていることだけがカウントされる、自由研究を遊びだというふうに捉える風潮は余りよろしくないのではないかと思います。 ◆松浦忠 委員  予算にかかわる実務的なことは後から質問いたしますが、もう一つ教育委員長にお尋ねします。  私は、教頭先生の勤務時間を見ていて、これはすごい関門だな、これを越えていくのは至難なことだなと思っているのですが、委員長はその勤務時間についてどんなふうに掌握されているか、また、思っておられるか、お聞かせください。 ◎山中 教育委員長  私は、最近まで、教頭先生の勤務時間の実態について詳しく知っているとは言いがたい状況でございましたが、聞くところによりますと、セブンイレブンという言葉があるそうです。それは、必ずしも札幌だけではなくて、先般、東京で行われた指定都市教育委員・教育長協議会に出席したところ、各地の教育長あるいは教育委員長も同様なことを言っておられました。文科省のお役人をやめて大阪市の教育長になっている方がいましたが、その人でさえ、みずからセブンイレブンという話をされていて、しかも、そのために教頭に手を挙げる方が少なくなってきている、ゆゆしき問題だ、そこで教頭の待遇をもっと考え直さなければいけないというようなことを言っておられました。あの大阪市長のもとで、文科省から行かれて教育長になった方でもそういうことを痛切に感じておられるのだなと、私も認識を新たにいたしました。  そんなことで、札幌市としても、平成29年には、いわゆる県費負担の関係で教員給与等の支払いが札幌市に移管される方向のようでございますけれども、そういったことを見据えながら、そしてまた、札幌市における教頭職あるいはその他の管理職の登用に対しても、待遇の面からも、そしてまた、単に経済的な待遇だけではなく、どういう体制がいいのかということを検討して、教頭職の希望者がもっともっと出ていただけるように、女性も教頭、校長等になりやすい体制をつくっていくことが大変大事だろうなと。  そういう意味で、今後とも、教育委員会事務局でもいろいろ検討していくことになりますが、議会の皆様方のご理解、ご協力をお願いしたいと思うところでございます。 ◆松浦忠 委員  教育委員、教育委員長、市長からもそれぞれ意見を伺いました。  私から指摘させていただくと、まず、教頭先生は、お金をあげれば済むという問題ではありません。朝の7時から晩の10時、11時では肉体的にもたないのではないかと思うのですが、それぐらいしなければならない体制になっているのですよ。何でも教頭先生なのです。この問題については、教育委員長の在任期間はいつまであるかわかりませんけれども、在任期間中にこれ一つで結構ですから、ぜひひとつ、セブンイレブンまで行かないで、セブンセブンぐらいでおさまるぐらいのところでもいいから何とか改善策を見出してあげていただきたい。  教頭先生というのは校長への前段の試練だと見ている先輩方もいらっしゃるそうですけれども、私は、それはちょっと違うのではないかと思います。もっと人間らしく、そして家庭生活も営んでいける、こういう勤務時間の範囲で教頭職を務めていけるようにぜひしていただきたい。私は別に教頭先生に頼まれたわけではないけれども、見ていてそう思うのです。校長先生の中には、いやいや、それも関門だからと言う人もいるのです。これではちょっとと思っているのですが、ぜひひとつ、これはやっていただきたいと思います。  それから、教育委員会制度の改正について、忙しい中、わざわざ池田[光]委員にもおいでいただいて、なぜ私がこういう場を持って質疑させていただくかといったら、今、この会場の中にいる方で敗戦の日を鮮明に覚えている方は恐らく何人もいないと思います。私は6歳でした。満5歳ですが、昔は数えで勘定しますから6歳です。8月の、本当に天気がいい、かんかん照りの日でした。私の家は農家で、電気が来ていなくて、4キロぐらい離れた母親の家にラジオがありまして、兄貴とか父さん、母さんはそっちへ行きました。私と妹の2人がぽつんと残った記憶があります。帰ってきて、戦争に負けたと言うのですね。江部乙村の農家でしたけれども、それからいろいろな話を聞いて、グラマンだとかB29が低空で飛んでいくのを見て、すごい大きなものが飛ぶんだなという感じの中で小学校が始まりました。そして、1年生になった昭和21年4月、いわゆる戦前の教科書でしたから、片仮名で「アカイアカイアサヒ サイタサイタサクラ ヘイタンサン」というところから墨で消されているのです。そういう教科書で教育を受け、そして、戦争の中で、戦後、統制経済が始まってという疲弊のどん底から、私は、75年、おかげさまでこうやって生きながらえてきました。  その自分の経験からして、そう時間がかからないで、再び、教育の国家統制、そして、なんじ臣民はと。私は、市の職員に部屋に来てもらったときによく言うのです。あなた方と僕とは出自が違うんだ、私は天皇の子に生まれた、あなたらは平民の子だなと言っています。憲法改正後はそうですからね。そうしたら、はっという顔をしていますが、まさにそこなのです。今の流れを見ていると、早晩、10年ともたずに教育は時の権力の思うがままにというところに行くことも必至だというふうに私は感じております。  そういう中で、市長は希望を述べられました。希望と夢は政治にあります。しかし、現実もまた政治であります。そういうことからすると、我々はしっかりと現実を見きわめて、教育というものをどういうふうに仕向けていくか、札幌市の子どもたちに対する教育、これは札幌市議会議員に大いに責任があるというふうに私は思っております。  したがって、ぜひひとつ、市長におかれましては、退任されても、札幌市の市長として12年間培った経験を生かして、教育がそういう方向に向かわぬように市民にぜひ啓蒙していただきたい。私はこういうことが大事だと思うのです。実は、そのことを皆さんがここでお互いに認識し合うために、きょう、この質疑をさせていただきました。忙しい中、出席いただきました池田[光]委員、本当にありがとうございました。市長もどうもありがとうございました。  ここのところはこれで終わらせていただいて、今度は予算にかかわることについて2〜3質問させていただきます。  そこで、教育長にお尋ねします。  実は、手稲中学校の関係で、耐震工事で新しく中学校を建てられました。そして、場所が変わってマンションの向かいに来ました。壁の色は何色になっていますか。 ◎町田 教育長  濃いネズミ色といいましょうか、グレーでございます。 ◆松浦忠 委員  今までは、手稲山が常に眺望できたマンションの住民の皆さんは、今度、朝起きると、ネズミ色の暗い感じの壁に遮られて気がめいってしまうと言われているわけですよ。これを何とか解消してほしいということで、ことしを入れて3年前から教育委員会に要請してきました。  教育委員会は、これにどのような対策を立てていこうとしているか、お尋ねします。 ◎大古 学校施設担当部長  ただいまの色のお話ですが、学校施設については私ども教育委員会、都市局建築部、学校の皆さんと協議して決めてきました。ただ、色を選定する際には、主観的な部分がかなりあってそれぞれの市民の皆さんで捉え方がいろいろあろうかと思いますし、濃い、薄いというのは感覚的な部分でもございますので、我々施工者にお任せいただきたいということでお願いし、私ども施工者で決定させていただいた経緯でございます。 ◆松浦忠 委員  学校を建てかえるときに、近隣町内会、学校、PTA、教育委員会などが集まっていろいろ検討を重ねてきて、今のような形で建てかえることが決まったというふうに私は教育委員会から聞いております。  ところが、地域町内会の代表は連合町内会の役員で、肝心の近隣住民はその会議に招集されず参画していないのです。一番大事なのは近隣住民なのです。しかし、連合町内会の役員はその付近に住んでおりません。そして、眺望権というものは、今の日本の社会では権利として既に確立されております。珍しい言葉ではありません。したがって、これはそういうことに対する配慮が全くされていなかったということなのです。  したがって、これに対して、関係の住民の皆さんは、朝起きるとうっとうしい、気分的に落ち込むと今でもまだ言っているのです。札幌市が市長の執行権の中で色を決めていくのはいいですよ。しかし、少なくとも、関係住民がその色を見てうっとうしく感じる、気分が落ち込むということになったら、それはあなたの勝手でしょうというわけにはいかぬと思うのです。これは、やっぱり何らかの方策を講じなければいかぬ。  そこで、教育長、どう方策を講じようとしているのか、お尋ねします。 ◎町田 教育長  手稲中学校の校舎の色につきましては、グレーの外壁でございます。色の問題につきましては、校舎の建てかえをしまして、道路一本を隔ててはいるのですが、マンション側に寄ってきたということで、そのマンションにお住まいの方からは圧迫感があるというお話を承っているところでございます。壁の色については、都市局建築部ともいろいろ話をしながら札幌の景観色の中から選んだものでございまして、それが暗いというか、圧迫感があるというお話ですが、これは個人の主観によるところがございまして、それが明るい色になればなったで、またいろいろなお話もあるところでございます。  松浦委員は、色を決めるときに、いろいろな形で住民の皆さんのご意見も聞くべきだったというお話でございます。それはそのとおりだと思いますが、グレーにしている色をどう違う色にするかというようなことについては、教育委員会としては、今、検討しておりません。 ◆松浦忠 委員  教育委員会として検討していないって、別に遠いものがそばに寄ってきたのではないのだよ。朝起きて、ベランダをあけたら手稲山が眺望できたのですよ。それを見えなくしてすぐそばに来た。だから、圧迫感もあるだろうし、あるいはまた、そういう色だからということなのですよ。  そこで、例えば、いろいろな壁画を描いているところもあります。したがって、この壁に楽しくなるような絵を描くとか……(「余計に苦情が来るって」と発言する者あり)いやいや、余計に苦情が来るじゃないんですよ。そういうことを地元の人たちと話をして―先ほど皆さんがそれぞれ言っておられたけれども、人の心というものを多数決で押し込めるような問題ではないのですよ。そして、そのマンションというのは、その人にとっては生涯をかけて手にした唯一の財産なのですよ。個人財産なのですよ。しかし、眺望権がなくなることによってその個人財産の価値が下がることは世の常識です。そういうことに対して全く配慮されないで今のように答弁されるというのは、いわゆる戦後の日本国憲法をきちんと理解していない。憲法第29条の個人財産権の保障というところを理解していない。そして、公共の福祉というのは、避けがたい場合であって初めて公共の福祉という言葉が適用されるのであって、あそこに校舎が建ったことは避けがたいことではないのです。だから、私は、こうやって何度も何度も皆さんに答えを求めているのです。  そのこと一つすら理解できないのでは、先ほど山中教育委員長なり池田[光]教育委員が答えたことを事務方として皆さん方が受けとめてやっていくなんていうことはほど遠い。したがって、せめて壁画を描くなり何なりして、それも、その方々と相談してきちんと実現するようなことがあって初めて問題の解決になるわけですよ。  そういうことについて考えていくべきだと私は思うのですけれども、いかがですか。 ◎町田 教育長  校舎に壁画を描くというようなお話がございましたが、これは一つのアイデアかなと思います。例えば、屯田南小学校の校舎の壁には、学校と地域をつなぐシンボルとして、学校の花である大きなヒマワリが描かれております。これは縦13メートル、横8メートルぐらいの非常に大きなものでございまして、3階建ての壁面いっぱいに表現しております。この屯田南小学校にヒマワリを描くことになった経緯は、平成22年に、屯田南小学校の開校30周年を機に、地域住民の皆様の協力のもとで、札幌出身の画家に依頼してこの絵を制作したもので、さらに、ヒマワリの中心部分は、屯田南小学校の児童と教職員が一緒になってデザインしたというようなものでございます。このように、子どもたちからの発想、提案があり、子どもたちと地域の皆様が一緒になって行うなどの取り組みとして実現するということであると、教育的な意義というのは非常に大きなものがあると思います。  今、松浦委員のアイデアで、手稲中学校の外壁に絵を描くといいのではないかというご提案をいただきました。ただ、絵というものは、どんな絵でもいいわけではなく、かえって気を悪くするようなものをいい絵だと主張すると、これまた逆に申しわけないことになります。ですから、絵を描くことについても、地域の皆様、近隣に住んでおられる方、そして、学校に描くわけですから、学校の卒業生や教職員も含めて、一つのおもしろいアイデアとしていろいろな形で検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  それでは次に、教職員採用試験のあり方についてお尋ねします。  教育大学できちんとした学業を修められると教師の受験資格を得られることになります。先般、私は、札幌市の小学校の校長先生を10年間務められて、その後、文化関係のいろいろな事業の役員もお務めになった72歳の方と会っていろいろ話をしましたが、その先生は私にこう言っていました。自分が校長のときに、先生に来てもらうに当たって、いきなり先生になった人ではなくて、一般の仕事についていて、途中から先生にかわった経歴のある人を選んで来てもらったと。結果はどうでしたかと聞いたら、その人のほうが、真っすぐ教師になった人よりも、子どもを教えたり、子どもをまとめたりということではいろいろな意味で力を発揮したと言うのです。  そこで、私は、かねがね思っていることをその先生に尋ねてみました。例えば、学校教育の中でしなければならぬ所定の実習のほかに、本人の意思によって札幌市の小学校なら小学校で実習を重ねて、採用試験のときに実習で重ねた時間を点数に加えた形で採用を決めてみてはどうだろうかと言ったら、それはぜひやるべきだと答えました。  そこで、お尋ねしたいのですが、これについてもいろいろな見方はありますけれども、その方は、10年間、校長をして、その経験の中からこれは教育委員会としてぜひ取り入れるべきですよという話をしてくれたわけです。これは、全部でなくてもいいのですよ。例えば何割かはこういう制度で採用して、それ以外は今までどおりやる、そして、その先の何年かでどういう違いが出るか追跡調査していくとか、いろいろな形で採用方法の参考にしていくのは大事なことだと私は思うけれども、この点についてはいかがでしょうか。 ◎引地 教職員担当部長  採用検査につきましては、現在、道教委と共催で行っておりますが、筆記試験、面接試験等を行って進めているところです。  今、ご指摘いただいたように、学生時代の経験、ボランティア活動、部活動、その他いろいろな経験をされていることに関しましては、今、自己推薦書というものがございまして、受験者にそちらに書いていただいております。そして、それをもとに、今まで経験していること、あるいは、教師になってやってみたいこと等も含めて面接官から聞いているという状況でございます。  教員採用検査のあり方につきましては、平成29年度に向けて、道教委等と協議しながら、より質の高い教職員の確保に向けてまた検討していきたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  私が質問していることは、教育大学の教育の中の実習時間以外に、札幌市内の学校の教室で実習すると。例えば、担任のほかに補助者として教室に入って実習をする、勉強が少しおくれている子を指導する、そういう実習時間を加点したらどうかというのが10年間の校長経験のある先生の話です。私もそう思うのです。したがって、そういうことについて、採用試験は道教委と一緒にやるのはいいとして、当然、採用試験は札幌市教育委員会を希望する者と北海道教育委員会の採用を希望する者とに分かれてやるわけでしょう。合格した者の中からより分けるのではないでしょう。だから、札幌市教育委員会を受験する者についてはそういう形で加点していくということをやってはどうかと私は言っているのですよ。ボランティアやアルバイトもある意味では社会経験です。しかし、その校長先生いわく、それでは余り役に立っていないという話をしていました。したがって、それについてどうかということを私は尋ねています。  本当は教育委員長なり教育委員に尋ねたいところだけれども、ここを尋ねてしまうと後の教育委員会での議論に影響するかなと思うものだから、ここは控えておきまして、教育長以下、事務方に尋ねたいと思います。 ◎引地 教職員担当部長  教育実習以外に教育現場で経験を積むというお話かと思います。市内の各大学と連携して学生ボランティア事業というものを進めておりまして、協力していただける大学の数も徐々にふやして拡大しているところでございます。また、大学によっては、学生ボランティア事業への参加を単位として認定していくような取り組みも行われていると伺っております。  したがいまして、教育実習は教育実習で各大学ごとに評定して単位の認定を行っておりますので、学生ボランティア事業等の様子も見ながら、いろいろな形で学生時代に経験を積むことは非常に重要なことですので、その辺の連携はきちんと深めていきたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  実は、30年前に遠藤さんという教育長がいらっしゃいました。そのときに、私がいたかつての日本国有鉄道の中でもいわゆるキャリアと言われる採用組の中でそういうことがありまして、その実態を引き合いに出して、特別委員会の中で遠藤さんに答弁を求めて、遠藤さんは、やってみますと言ってやってみたのです。後年、遠藤さんがやめられてからどうでしたかと聞いたら、経験を積んだのは大変よかったと話していました。30年前ですから、皆さんは、入っていない人もいるでしょう。私は、教員の採用のあり方について、そういうように1期生で出たときから関心を持って提言したりいろいろやってきております。30年たって今みたいな答えだったら、遠藤教育長のときから見たらずっと後ろ向きになってきている。  これ以上は質問しませんけれども、教育長、そういうことをよく検討していただきたい。特に人のことは難しいですから、その先々まで見て、その結果、このような経験をすると、人によって、この人たちはよかったな、ここがうまく伸びている、でも、この人はちょっとうまくいかなかったなということもあるでしょう。ただ、最終的には統計的な確率論でしかないですから、そういうことを試しながらいろいろやってみることが大事だと思うので、ぜひひとつそういう方向で検討し、取り組んでください。このことを申し上げておきます。  最後に、白石区の新しい区役所に絵本図書館ができることになりました。  実は、今から10年ぐらい前になるかと思いますけれども、西岡に図書館がありまして、たしかモリモトさんという女性の館長がいらして、そのとき、西岡図書館の子どものトイレのタイルが剥がれて2個ぐらい使用停止になっておりました。そして、そこにいつも絵本の読み聞かせに来る、当時70歳を少し超えたぐらいの繁とし子さんというご婦人がいらっしゃいました。私は全く見ず知らずでしたが、そのご婦人から、そのトイレを直してちょうだいと電話が来ました。私が館長に尋ねたら、お金がないですと言うから、それから、私は白石の工務店にお願いして、ボランティアでそれを直してもらいました。  それが縁で、つい2〜3年前、繁とし子さんから、ご主人が亡くなって数千冊の絵本と紙芝居を持っている、全く手をつけていないものもある、ぜひ、札幌市の図書館に寄贈したいという話がありました。そこで、教育長に話をして、本当は中央図書館にそのコーナーをつくってほしいと思ったのですが、容積の関係があってかないませんでしたけれども、教育長のほうから白石区の新庁舎の中で考えたいという話があって、それが絵本図書館につながったのかなと私は思っているのです。  そこで、教育長、繁とし子さんの絵本と紙芝居など、総数で幾ら寄贈を受けることになりましたか、まず、お尋ねいたします。 ◎江本 中央図書館長  ただいま委員がおっしゃった方から寄贈を受ける予定ということで、現在、大型絵本、紙芝居、絵本関連の雑誌、児童書、総数で約3,000冊をお預かりしているところでございます。 ◆松浦忠 委員  ぜひ、この絵本図書館において、寄贈いただいた繁とし子さんを顕彰するように、子どもたちが来て、ああ、これは繁のおばちゃんが寄附してくれた本だな、ここにあるのはそうなんだなとわかるような方法をとっていただきたいと思うのが一つです。  それから、二つ目は、市内でも初めてできる絵本図書館ですが、たくさんの絵本あるいは紙芝居がこれからここに置かれていくと思うのです。それを、白石区はもとより、市内の幼稚園、保育所、あるいは、子どもたちを預かって保育されている託児所だとか、小規模なところを含めて、そういうところの貸し出し要請に基づいて配本、集荷をする体制をぜひつくってほしいと思うのですが、いかがでございましょうか。この2点です。 ◎江本 中央図書館長  ただいまの感謝の意をどのように表現するかという部分でございますけれども、現在、リストづくりをしておりまして、今後、寄附受理の手続をとり、感謝状を差し上げることを検討するとともに、登録作業、装備を進めていきたいと考えているところでございます。絵本図書館の整備に合わせて、非常に保存状態のいい絵本をまとまった形で寄贈いただけることに大変感謝しております。その旨がわかるように、絵本には押印またはシールを貼付するとか、館内に記念のプレートを掲示するとか、そういった形で感謝の意を表したいというふうに考えているところでございます。  それから、貸し出しについてでございますが、原則として、絵本図書館に所蔵している絵本については貸し出しの対象と考えております。現在、幼児教育センターで私立幼稚園に対して大型絵本、紙芝居の貸し出しを行っておりまして、貯蔵冊数でいくと2,000冊ぐらいありますが、その事業についても絵本図書館で移管を受けて行っていきたいと考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  最後になりますけれども、きょうは、池田[光]委員、お忙しいところ、本当にありがとうございました。池田[光]委員は、本業がお豆さんをつくっている会社ですから、いつもまめまめしく働いておられると思うのですけれども、お忙しいところ、時間を割いていただきまして、本当にありがとうございました。  また、教育長には、手稲中学校のこと、今の白石の絵本図書館のこと、教員の採用の3点について、ぜひひとつ、取り入れて実施していただくことを求めて、終わります。 ◆山口かずさ 委員  私からも、絵本図書館について質問いたします。  待ち望んでいた白石区複合庁舎の建設が昨年12月に着手され、子育て中の私としては、併設される絵本図書館のオープンを心待ちにしています。多くの市民や区民が集う公共施設に図書館が併設される例としては、厚別区役所に区民センターが併設され、その中に図書室があります。また、清田区役所には地区図書館が併設されていますが、子ども専門の図書館が併設されている例として、姉妹都市である韓国・大田広域市があります。大田市の市庁舎の一番見晴らしのよい20階に子ども図書館が併設されており、子どもたちがアクセスしやすい、親しみやすい庁舎になっていると訪れた我が会派の委員からも聞いており、絵本図書館の整備を検討するに当たり、この例が参考の一つとなったものと理解しています。  親が子どもに絵本を選んで読んで聞かせることは子どもの成長にとって大変重要ですが、保護者ばかりではなく、多くの方々が、図書館のほか、子育てサロンや児童会館、さらには小学校の地域開放図書館など、市内の全域で絵本の読み聞かせや子育てのボランティア活動が行われていて、白石区においても子どもと絵本をつなぐ営みが盛んに取り組まれています。2002年に、白石保健センターにおいて、乳児の10カ月健診の際に絵本の読み聞かせや貸し出しを行うとともに、子育て情報誌の提供を行うブックスタート事業が開始され、その後、全区へとその取り組みが広がったという経緯があります。そうした活動の背景の一つとして、区内に絵本の専門店があり、長年にわたって子どもに絵本との出会いを提供し、地域に根差して営業を続けてこられたことが挙げられると思います。また、このような活動もあり、白石区でも読み聞かせや子育てのボランティア活動が大変活発に行われていると感じます。絵本図書館の整備には、以上に述べた背景があるものと理解しています。  一方、絵本図書館が具体的に検討され、整備することが決定された経緯については、私は、2011年第4回定例市議会の代表質問で、白石区役所の移転に関して、多くの市民や区民が集う新しい公共施設の併設について検討してはどうかという質問をしたところ、子どもの読書活動を推進する機能や、読書活動を通じて子育てを支援する機能を検討するとの答弁をいただきました。その後、市内部での検討、議会での審議などを経て、2012年4月に策定された白石区複合庁舎整備基本計画に絵本図書館の整備が位置づけられ、2012年度予算に絵本図書館の基本設計費が計上されました。そのことから、絵本図書館の整備は、2010年9月に策定され、2014年度までを計画期間とする第2次札幌市子どもの読書活動推進計画には盛り込まれていません。  そこで、質問ですが、絵本図書館の整備は、図書館の計画上、どのような位置づけとなっているのか、お伺いします。 ◎江本 中央図書館長  絵本図書館の図書館計画上の位置づけでございます。  委員がおっしゃるとおり、(仮称)絵本図書館の整備は、平成24年4月に策定された白石区複合庁舎整備基本計画に位置づけられたものでございまして、22年9月に策定された第2次子どもの読書活動推進計画には盛り込まれておりません。  しかしながら、絵本図書館の子どもの読書活動を推進する機能と読書活動を通じて子育てを支援する機能は、第2次推進計画の基本目標や基本方針に合致するものでございまして、いわゆる計画外の新規事業として位置づけられるものと理解しております。  なお、現在策定中の第3次計画の検討に当たりまして、絵本図書館は、中央図書館の児童コーナーのこどもの森とともに、より一層、子どもの読書活動を推進する中核的な施設として、幼児期からの読書のきっかけづくりや読書環境の充実を図れるよう検討しているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  白石区役所の移転に際し、複合庁舎に子どもの読書活動を通じた子育てを支援する機能を備えることとなり、ハード面での検討が加えられた結果、白石区複合庁舎整備基本計画に絵本図書館の建設が位置づけられたわけです。  一方で、絵本図書館の具体的な事業についてはどのように検討し、どのような事業展開を考えているのか、お伺いします。 ◎江本 中央図書館長  絵本図書館の事業の検討経過、事業内容についてでございます。  絵本図書館で展開する事業については、幼児教育の有識者や読み聞かせボランティアなどで構成する懇談会で協議いただくとともに、学校教育や社会教育の学識経験者などで構成する図書館協議会で専門的な立場からさまざまなご意見をいただいたところでございます。これらの意見を踏まえながら、他都市の図書館の調査結果を参考に、絵本図書館で展開する事業について検討してきたところでございます。  幼児が読書を楽しみ、学べる場としての機能に関する主な事業としては、長く読み継がれてきた絵本などを提供するほか、年齢に応じたお話し会などの行事を用意すること、また、幼稚園や保育所の団体利用を積極的に受け入れまして、一般利用者と分けた空間で自由に本を読んだり、紙芝居など集団で楽しめるプログラムを提供することなどを検討しているところでございます。  また、絵本にかかわる大人を支援する機能に関する主な事業としては、保護者を対象として、絵本の選び方や読み聞かせの方法などを指導するとともに、子育てなどのボランティア向けの絵本講座を開催するほか、絵本図書館でのボランティア活動の場を提供すること、さらには、絵本作家に作品を先行して発表する場を提供することなども検討しております。  そのほか、障がいのある幼児向けの布の絵本やデジタル絵本を収集するほか、剣淵町などとの道内連携についても検討しているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  絵本図書館で展開される事業を伺いましたが、子どもたちにたくさんの絵本が用意され、楽しく読書できる環境が整えられるとともに、子どもたちの読書活動にかかわる多くの方々に対する支援がより一層進んでいくことを期待します。  ところで、絵本図書館の名称は仮称となっていますが、正式な名称はどのように考え、いつごろ決定されるのか、伺います。  また、開館時間はどのように考えているのか、あわせてお伺いします。 ◎江本 中央図書館長  絵本図書館の名称と開館時間についてでございます。  絵本図書館の正式名称については、札幌市図書館条例の改正により行うこととなりますが、わかりやすい名称という観点から、絵本図書館という名称は有力な候補の一つと考えております。条例改正の時期については、区役所や保健センターなどの移転の条例改正に合わせて改正することで関係部局と協議しているところでございます。  絵本図書館の開館時間については、中央図書館において、幼児と保護者については午後4時以降は余り来館しないという現状を踏まえつつ、隣接する白石区民センター図書室の開館時間も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。 ◆山口かずさ 委員  絵本図書館の開館時間については、利用者の利便性を第一に考えて決めていただきたいと思います。  冒頭で申し上げましたが、市内各地では、読み聞かせや子育てなどのボランティア活動が大変盛んです。絵本図書館での事業展開として、ボランティアの方々への支援を行い、また、絵本図書館でも活動の場を提供するとのことですので、図書館員だけではなく、ボランティアを初めとして、絵本にかかわる多くの方々とともに絵本図書館づくりをしていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。 ◆本郷俊史 委員  私からは、市立札幌開成中等教育学校の入学者選考について、簡潔に質問いたします。  1月31日、4月開校の市立札幌開成中等教育学校の1期生160名の最終選考が公開抽せんで実施されました。札幌市としては初めての中高一貫教育校であり、公立の中等教育学校では全国初の国際バカロレアの教育プログラムに取り組んでいくということで、市民の関心も非常に高いものがありました。そのことは、定員160名に対して出願者数が1,688名、定員の10倍を超える出願があったことでもうかがえます。しかも、学校のある東区の477名はもとより、離れた地域の豊平区から192名、西区から159名、中央区から155名など、市内全域から出願がありました。  入学者選考の方法については、1次検査として適性検査を行い、定員の3倍、480人以内に絞り込み、2次検査として個人面接を行い、1次、2次の結果を総合して、適性であると認められる児童を入学候補者として最後に公開抽せんにより男女各80名を選考します。したがいまして、1次検査で480名に絞り、2次検査を通った方が279名、公開抽せんで160名ですから、約120名の方が不合格ということでございます。  マスコミ報道にもありましたけれども、公開抽せんという選考方法について、賛否の声がございました。  そこで、実際に今回の入学選考を実施してみて、教育委員会としてどのように感じているのか、まず、率直な感想をお伺いしたいと思います。 ◎大友 学校教育部長  1,600名を超える出願に対して入学者選考を実施した感想についてでございます。  今回、10倍を超える出願があったことは、開成中等教育学校に対する市民の皆様の期待のあらわれと感じているところでございます。  教育委員会といたしましては、当初から10倍程度の出願を想定しておりまして、学校だけで実施することは難しいとの判断から、事務局職員はもとより、小・中学校、高校の協力も得るとともに、開成小学校を第2会場として除雪やシャトルバスの手配など、学校とともに実施体制を準備してきたところでございます。こうした状況の中、実際に選考を実施した学校からは、出願から入学予定者の決定まで、限られた時間の中で進めていくことは予想以上に大変であったとの報告を受けているところでございます。
     このため、教育委員会といたしましては、このような出願が続く状況にあっては、学校単独での実施は難しいものと考えておりまして、引き続き学校を支援する体制を整えていく必要性を強く感じたところでございます。 ◆本郷俊史 委員  今回の入学者選考については、平成25年7月に教育委員会会議において決定した内容でございます。公立の中等教育学校については、学力検査は行わない、受験競争の低年齢化を招かないよう十分に留意するとの法令の趣旨にのっとった公平・公正な仕組みとして実施したということかと思います。  しかし、私は、実際に公開抽せんの場に出席されていた保護者からお話をお聞きいたしました。同じクラスの友達同士で受験したにもかかわらず、一方は合格、友人は不合格、ともに頑張ってきた友人がその場で泣き崩れる姿を見て大きなショックを受けた、声もかけられなかったし、自分が合格したことを素直に喜べなかったと。私もその話を聞いて大変胸が痛みました。2次検査で選考された279名は、適性があると認められた児童であります。1次、2次検査を頑張ってきて実力の差はないのに、最後に抽せん、運によって合否が決まるという制度は本当に公平・公正なのかと疑問を感じるところでございます。幾ら公平な仕組みといっても、児童の能力と関係ないところで選ばれるということは、子どもに与える心理的な影響は大きいと思われます。ましてや、小学校6年生、12歳の児童には酷な仕組みと言わざるを得ないと思います。  次年度に向けて、この抽せんの導入を見直す考えはないのか、お伺いいたします。 ◎大友 学校教育部長  抽せんの見直しについてでございます。  中等教育学校の入学者選考につきましては、教育委員会で議論を重ねまして、この学校に対する適性と受験競争の低年齢化を招かないよう十分に留意するという観点から、開校当初は相当数の志願者が見込まれる状況も踏まえて基本方針を決定したものでございます。基本方針でも定めておりますが、入学者決定方法につきましては、実施状況を踏まえて検証することとしておりまして、まずは今回の結果を検証し、その中で、抽せんのあり方も含めて今後の選考方法について検討してまいりたいと考えております。 ◆本郷俊史 委員  平成25年9月の文教委員会で、我が会派の涌井委員からも、入学者選考には公開抽せんはなじまないのではないかという疑念を申したところでございます。私もそう思います。市営住宅の公開抽せんとは全く意味合いが違うわけです。運、不運で自分の将来が決まるということは大変問題があると思います。  札幌市に先行して開校した全国の公立中高一貫校、約100校ぐらいあるのでしょうか、抽せんを採用しているのはごく少数であり、抽せんで不合格となった方々の納得が得られない等の理由で抽せんを廃止してきているというふうにもお聞きしております。道立の登別明日中等教育学校でも、生徒の努力や能力と関係ないところで合否が決定するのは納得できないという声により、開校以来実施してきた抽せんを平成27年度より廃止することを決定されたそうでございます。  私は、来年度、この抽せん方法をぜひ廃止してもらいたいと思うのですが、最後に町田教育長の見解を伺いたいと思います。 ◎町田 教育長  抽せんの早期見直しについてのご質問でございます。  中等教育学校の入学者選考における抽せんの取り扱いにつきましては、本郷委員のご指摘の点も踏まえまして、今後、そのあり方についてしっかり検討してまいります。 ◆小形香織 委員  私は、就学援助についてと公立夜間中学校について、2点質問したいと思います。  まず、就学援助についてです。  義務教育は、基本的に無償となっております。しかし、実際には、教科書以外の教材や修学旅行あるいは部活動など、義務教育に対して保護者の大きな負担があります。就学援助というのは、教育の機会均等の一つとして、経済的理由によって就学困難と認められる学齢児童の保護者に対しては、市町村は必要な援助を与えなければならないという規定に基づいて子どもの教育を受ける権利を保障するという一つの制度です。私は、現在の受給者で対象者の全ての子どもたちを網羅できているのかどうか、不足する事項はないのかという目でこのことを進めていくことが重要だと思っております。  本来は、国が運用する自治体に100%の支援をすべきだと私は考えておりますが、現在のところは各自治体にその運用が任されていて、しかも、2005年度には、就学援助に対する国庫補助が廃止されて一般財源化されることになりました。さらに、国の社会保障削減策によって、一昨年の8月から生活保護の基準が切り下げられました。そのことに連動する就学援助の認定基準をどうするのかということを本市で検討することになって、就学援助審議会を立ち上げ、5回の会議を経て昨年10月に答申を出しております。  答申の内容としては、一つは、今回、保護基準の削減には連動させないこと、そして、自家用車を持っている場合は、これまでは特別限度額としていましたが、ぜいたく品として考えられるものではないということで一般限度額の適用にすること、特別支援学級等の在籍者の場合、目安額は廃止すること、それから、今後の検討課題として、クラブ活動費や生徒会費、PTA会費なども含めた支給費目の追加について、また、持ち家による特別限度額の適用は今後検討する必要があるということだったと思います。  そこでまず、質問の一つ目は、特別支援学級等の在籍児童の特例基準、いわゆる目安額は廃止となった点について質問したいと思います。  これまで就学援助を受けることができたのに、今回の答申を受けて新しく就学援助の基準が変わることになると、特別支援学級等在籍者の子どもたちは就学援助が受けられなくなることになります。それはどのぐらいいるのか、事前に資料をいただきました。はっきりした明確な数字は出せないということでしたが、およその試算で言うと、小学生では918人、中学生では470人、合わせて1,388人程度の子どもたちが就学援助の対象から外されると伺いました。そして、この場合、就学援助ではなくて、今後は特別支援教育就学奨励費というものを申請するように促すのだということでした。実際に別の奨励費に移行するとどうなるのかと聞きましたら、今までの就学援助と比べて学用品費で言うとほぼ半額程度になりそうだということ、あるいは、修学旅行や学校給食費については、就学援助では実費を全て見ておりましたけれども、今度は2分の1ですから、就学援助の半額の支給となってしまう項目が大変多いと思っております。  私どもは、就学援助の基準が引き下げられるかどうかという段階のときに、代表質問で、現在、就学援助を受けている世帯が、今回の生活保護基準の引き下げによって受けられなくなることがあってはならないと申し述べました。しかし、就学援助そのものからは外して、奨励費として実質的にその人たちの支給額が下がっていくことになるわけですから、こうした人たちを生んでしまったことについては問題があると指摘したいと思います。  そこで、今回の審議会答申では就学援助を受けられなくなる方には説明等を十分に行うようにと記されておりますので、対象になる方々への周知がどのようになっているのか、まず、そのことについて伺いたいと思います。 ◎大友 学校教育部長  特別支援学級在籍者基準額、いわゆる目安額の廃止に伴う周知についてでございます。  就学援助制度につきましては、年度の初めに全ての保護者に対して各小・中学校を通じてお知らせの文書を配付しておりまして、特別支援学級在籍者基準額の廃止につきましてはその中で周知しているところでございます。就学援助に該当とならなかった世帯の方には、その旨の通知の際に、制度変更の趣旨を記載したお知らせを個別に配付するとともに、学校からも丁寧に説明するよう、教育委員会から依頼しているところでございます。  なお、これらの方には、特別支援教育就学奨励費の申請漏れがないよう周知する予定でございます。 ◆小形香織 委員  お知らせに記載している、学校を通じて説明するのだということですが、お知らせというのも、下のほうに小さい字でちょっと書いてあるだけで、なかなか気がつかないのではないかなというふうにも思います。結局、このまま進むと、新しい方は別として、これまで就学援助を受けていたのに、今回、年度がかわるときに申請してみたら認定されないという通知書をもらって、初めて、えっ、私は今まで受けていたのにどうして受けられなくなったのと思う方が生まれるケースが想定されると思います。ですから、周知という点で言うと、外されるから説明するというのではなくて、申請するかどうかということはもちろんあると思いますが、これまで受けておられた方には十分な説明をすることが必要なのではないかと思いますので、その点は求めておきたいと思います。  それから、質問の二つ目は、就学援助の支給費目の追加についてです。  特に、部活動費、生徒会費、PTA会費です。今はこれらが含まれておりませんが、これは、いずれも子どもが学校生活を送る上で欠かせないものですし、親としては支払わないことができない費用だと思います。ですから、私は、この三つについては就学援助の支給費目に追加すべきだと思いますけれどもいかがか、伺いたいと思います。 ◎大友 学校教育部長  PTA会費等の3費目の追加につきましては、就学援助審議会におきまして、本市の財政状況、他都市の状況等を考慮して、すぐに追加することは難しいと判断されたところでございます。また、支給するために整理すべき課題が幾つかあると思われることから、これらの課題について研究し、支給方法についても検討してまいりたいと考えております。 ◆小形香織 委員  特に、部活動に係る費用というのは、保護者の負担が大変大きいと思います。入部したいけれども、親にこれ以上お金の心配をさせたくないと言って子どもが諦めてしまうケースもあると思います。もちろん、部活に入るかどうかは子ども自身が決めていくわけです。しかし、少なくとも、家計の心配をして入らない、入れないという子どもを生んではならないと思います。  また、中学校の場合、部活動の加入率はどのぐらいか、私は正確な数字は持っておりませんが、大体60%から70%の加入率と聞いていますから、やりたい子どもたちがかかる費用を心配しないようにさせるという点で、就学援助の支給費目の中に部活動を入れるのは特に大事だと私は思っています。  本市の中学校では部活動に幾らぐらいの費用がかかるものか、教育委員会は調査されているのかどうか、調査されているのであれば、どのぐらいかかっているのかなど、お示しいただきたいです。 ◎大友 学校教育部長  部活動費負担額の調査についてでございます。  その調査はしていないところでございますが、仮に国の要保護児童生徒援助費補助金の単価を参考といたしますと、中学校の活動費は年間2万9,600円となります。 ◆小形香織 委員  やっぱりかかっていますよね。スポーツ系に入れば、ユニフォーム代やラケット、シューズなどの道具代、練習試合に行くときの移動交通費、夏や冬の合宿代、文化系でも、とりわけかかると言われているのが吹奏楽部です。楽器が全てあるとしても、楽器ごと移動しなければならないので運搬費などが相当かかりますし、学校によっては学校全体で吹奏楽部の活動を支援していく工夫をしながらやっているぐらいですから、特に吹奏楽部に入る場合などは2万9,600円という金額では到底おさまらない活動費用がかかると私は思います。  私も、幾らぐらいかかるのか、文科省の子供の学習費調査というものを調べてみましたが、やはり、中学生では2万7,000円から2万9,000円ぐらいの金額がかかるようです。この金額が特に就学援助を必要としているご家庭にどれだけ重い負担になっているのか、私は負担が重いのではないかと思いますが、その点について、教育委員会はどう考えておられるか、伺いたいと思います。 ◎大友 学校教育部長  部活動につきましては、さまざまな種類の部活動がございますが、今、委員のご指摘にありましたように、例えばブラスバンドでは、高額な楽器、遠征費等の負担があることは認識しているところでございます。 ◆小形香織 委員  負担があることについてどう思うのかということを聞いているのです。大変だと思うのか、思わないのかということをお聞きしたいのです。 ◎大友 学校教育部長  私も中学校で校長をやっておりましたので、子どもたちの部活動に係る費用をご家庭に負担していただく重さについては十分認識しているところでございます。 ◆小形香織 委員  重さは認識されておられるようです。いずれにしましても、PTA会費も生徒会費も部活動費もそれぞれ学校ごとに少し違うのだろうと思いますので、実際にどのぐらいかかっているのかという調査に踏み出しながら、この3項目については就学援助の対象費目に追加するような方向をつくっていただきたい、まず、実態をよく調べていただきたいということを求めておきたいと思います。  次に、公立夜間中学校について、一つだけ伺いたいと思います。  戦後の混乱や貧困、不登校などさまざまな理由で義務教育を終えられなかった方々、あるいは、終えても、その後、再度、学びが必要だと言われる方々が通う公立夜間中学校について、文部科学省は昨年9月に各都道府県に1校以上配置する方向を示したと報じられております。札幌市内には札幌遠友塾自主夜間中学がありまして、大変なご苦労をされながら、喜びをともにして運営されていると伺っております。本市でも、遠友塾に対して向陵中学校校舎の一部を利用することを認めてきました。また、札幌市議会では、国勢調査において小学校、中学校卒業の区分がわかるような項目を設けてほしいという議論もあり、意見書を国に提出したという段階になりまして、いよいよ夜間中学校設置の日程が大体見えてくる感じかなというふうに私は受けとめております。  しかし、今のところ、次年度以降の国家予算がどうなるのか、まだはっきりしていない部分があると思います。そこで、現段階ではどのような国の動きになっているかということと、それに対して本市教育委員会の構えはどのようになっているのかという点について明らかにしていただきたいと思います。 ◎大友 学校教育部長  主に文部科学省ということになりますが、公立夜間中学に対する最近の動きでございます。  平成26年5月21日の衆議院の文部科学委員会におきまして、文部科学大臣が、少なくとも各都道府県に一つぐらいは設置することが必要であると答弁されました。それを受けまして、平成27年度の予算案におきまして、中学校夜間学級を未設置の道及び県に対して、設置に当たっての課題やその解消策に関する調査研究費を計上したところでございます。  それに対する札幌市教育委員会の考え方についてでございますが、この調査研究事業の申請に当たっては、今後どのように進めていくのか、北海道教育委員会と十分な協議が必要でありますけれども、中学校は市町村に設置義務がありますので、可能であれば札幌市教育委員会が直接申請したいと考えているところでございます。  札幌市に公立夜間中学を設置するに当たりましては、中学校を卒業していない市民の方のうち、夜間中学で学びたい方がどのくらいいらっしゃるのかということを把握する必要がございます。しかしながら、市民のプライバシーに直接かかわる問題がありますので、ニーズ調査の実施等につきましては慎重な検討が必要であると考えております。さらに、開設に向けては、設置する中学校の校舎の活用方法や教員配置等の運営形態の整理が必要でございます。このため、既に設置している他の政令市の公立夜間中学を視察するなど、ニーズ把握の手法などを含めて、北海道教育委員会と十分に協議しながら今回の調査研究事業において検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆小形香織 委員  札幌市としては積極的にやっていきたいという答弁だったと受けとめました。  ニーズ調査などの課題があると思いますが、実際に遠友塾でやっておりますので、そういう人たちがどんなニーズを持っているのかとか、そうしたことを実践的に把握できるわけですから、それらの方と連携しながら、速やかに夜間中学校が設置できるように進めていただきたいということを求めまして、質問を終わりたいと思います。 ◆伊藤牧子 委員  私からは、情報教育について伺います。  ICT、情報通信技術の急速な発展は、グローバル化が進む経済社会に変革をもたらし続けるとともに、私たちの日常生活やライフスタイルに対しても、いや応なしに大きな影響を与え、今後も世界的規模で進行していくことが予想されます。それに伴い、ICTを活用した学びの姿も変化しており、多様化が進みつつあります。  このような状況の中、国は、2011年度に教育の情報化ビジョンを策定し、情報活用能力の育成、教科指導におけるICTの活用、校務の情報化の三つの側面を通じて教育の質の向上を目指すとしており、2010年代中に、いつでも、どこでもインターネットが活用できる無線LANの環境のもと、電子黒板が配置された教室で児童生徒が1人1台のタブレット端末を学習の道具として利用することがICT教育のモデルとしています。札幌市においても、現在、市内全小・中学校に大型テレビ、実物投影機が整備されるなど、ICTの活用が図られています。  しかし、文科省のICT活用に関する教員の研修体制についてのアンケート調査によると、教員の多くは授業などにおいてICTの活用を考えているが、教員研修の実施や教員研修マニュアルの策定など教員のICT活用指導力の向上に向けた対策を講じる教育委員会は少ない状況である、また、札幌のICT活用指導力のある教員の割合は65.0%で、全国平均の71.9%より低く、教員のICT指導力の向上に向けた支援の充実が課題であるとしています。このことからも、ICTを活用し、子どもたちの主体的な学びを実現するためには、教員のICTの活用指導力を向上させる支援が重要と考えます。  そこで、質問ですが、ICTを活用したことによる授業の効果について伺います。  また、教員のICT活用の現状と課題についてどのように認識しているのか、あわせて、今後、ICTの活用指導力向上のための教員の研修などについてはどのように取り組んでいくおつもりか、お伺いいたします。 ◎松田 児童生徒担当部長  ご質問のあった3点についてお答えいたします。  まず、1点目の授業におけるICTの活用の効果についてでございます。  授業の中で、コンピューター、提示装置などのICTを活用することは、子どもが学習に対する興味・関心を高め、みずから課題をつかんだり、思考や理解を深めたりすることなど、大変効果的であると捉えております。札幌市において、ICTを活用した学習指導の実践研究を行った学校の児童アンケートでは、画面上で図が順々に動くので円の面積の求め方などがよくわかった、映し出された友達のノートを見ることで、友達の考えを知り、違うやり方でやってみようと思うなどの声が上がっており、8割以上の児童がICTを活用した授業はわかりやすく楽しいと回答しております。このことから、学習指導等でICTを活用することは、学ぶ意欲を高めるなど、札幌市が目指す学ぶ力の育成に効果的であると認識しております。  2点目のICTの活用の現状と課題についてでございます。  実物投影機の整備により、資料提示など、教員によるICTの日常的な活用が広がってきております。一方、平成25年度の文部科学省の調査においては、ICTを活用した学習指導に苦手意識のある教員が3割以上いることから、ICTの基本的な操作スキルの向上を図るとともに、わかる・できる・楽しい授業づくりに向けて、より効果的にICTを活用しようとする教員の意識を高めることが重要であり、課題であると認識しております。  3点目のICTの活用指導力の向上のための教員の研修についてでございます。  教育センターが実施している研修において、基本的な操作方法に関する研修や、授業におけるより効果的なICTの活用に関する研修を実施しているところでございます。今後、授業におけるICT活用を苦手としている教員を対象とした研修講座の開設や、10年経験者研修等、経験年数に応じた研修において効果的なICT活用の具体例を提示するなどして、より実践的な研修を充実させ、教員のICT活用指導力の一層の向上を図ってまいりたいと考えております。 ◆伊藤牧子 委員  生徒たちの8割以上がICTを使ったことでわかりやすくなったということです。ただ、先ほど教師の仕事量の負担の話もありまして、私のようなアナログ世代では全てを活用することはなかなか難しいのかなと思いますけれども、ICTというのは、道具であって目的ではないと思いますので、教員の皆さんも、そういう視点に立ってぜひ実践的な研修でICTの活用を進めていただきたいなと思います。  ICT活用教育については、現在、特別支援学校・学級においてデジタルテレビやタブレット端末の活用事例がふえてきています。たくさんの事例が出ていましたが、東京都内の学校では、タブレット端末の漢字書き取り順アプリを活用することで、弱視の生徒が、これまで曖昧になりがちだった漢字のとめ、はね、払いなどをしっかり学習することができた、また、呼吸器障がい等で気管支切開を行って発声が不可能な生徒が、コミュニケーションの手段のためにアプリの流暢トークを使用して朝の会などの発表を行うなど、生き生きと学習していることも報告されていて、やはり、特別支援学校などにおけるICT活用は大変重要ではないかなと思っております。  そこで、質問ですが、札幌市内の特別支援学校や特別支援学級へのICT活用の取り組みの現状についてお伺いいたします。  今後、障がいがあっても、自分らしく学習し、生活できるよう、タブレット端末機等を積極的に取り込んでいくべきと考えますが、どのように取り組むのか、お伺いいたします。 ◎松田 児童生徒担当部長  特別支援学校、特別支援学級におけるICT活用の現状と今後の取り組みについてお答えいたします。  ICT機器の整備状況としましては、特別支援学校において児童生徒の障がいの状況や学校規模などに応じてコンピューターを設置、整備しており、特別支援学級にはタッチパネル式のコンピューターを各校に整備しているところでございます。ICTを活用することにより、特別支援教育においては、特に必要となる児童生徒一人一人の状況に応じた個別の学習がより一層促進されるなど、その効果は極めて高く、写真や映像の提示、音声の読み上げなどのほか、インターネットの活用が積極的に行われているところでございます。  今後についてでございますが、個別学習にとって使いやすく、その効果が期待できるタブレット端末について、モデル校を選定し、効果等の具体的な検証を行い、積極的な導入、活用に向けて検討してまいりたいと考えております。 ◆伊藤牧子 委員  モデル校でタブレット端末を活用するということですが、今、全国の都市や市町村でたくさんの事例がありますので、全校、全学級で利用できるよう、ぜひ早急に進めていただきたいなと思います。  次に、情報モラル教育について質問いたします。  総務省の2013年度情報通信白書によると、携帯電話、PHS等及びパソコンの世帯普及率は94.5%、75.8%、そのうちスマートフォンは45.9%で前年比で20.2ポイント増と急速に普及が進んでいます。高校生の8割、中学生の約半数が既にスマートフォンを持っているという調査もあり、ツイッターやLINEなどのSNSは中・高生にとっては身近な存在になっています。  そうした中、インターネットへの過度な依存やネット詐欺、不正請求などのネット被害、出会い系サイトや、いわゆるリベンジポルノなどのインターネット上の犯罪、また、インターネット上への不適切な投稿による社会問題化などが頻発しています。とりわけ、LINEやツイッターなどのSNSにより、日常生活のリズムの乱れなどの影響やネットいじめ等の問題が起こっています。少年犯罪で問題となるネットの利用については、情報モラル教育など、今後、子どもたちがネット社会とどう向き合っていったらよいのか、家庭、学校、地域で解決しなければならない大きな課題と考えます。  そこで、質問ですが、現在、学校においては情報モラル教育にどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。  また、今後、丁寧に情報モラル教育を行っていくためには、家庭、地域と連携した取り組みが必要と考えますが、どのように取り組むおつもりか、お伺いいたします。 ◎松田 児童生徒担当部長  ご質問のあった2点についてお答えいたします。  1点目の学校における情報モラル教育の現状についてでございます。  社会の情報化が急速に進展する中、インターネットでの誹謗中傷やいじめ、有害情報が大きな問題となっている現在、学校が家庭や関係機関等と連携して情報モラル教育に取り組むことが必要だと考えております。  各学校においては、不適切な書き込みや安易な個人情報の掲載により被害に遭わないよう、インターネット上での情報の扱い方やコミュニケーションのあり方について考える学習など、児童生徒の発達段階に応じて系統的な情報モラルの指導を行っているところでございます。また、北海道警察や各通信事業者等と連携しまして、ネットショッピングにかかわる金銭トラブルや、携帯電話の長時間使用による健康被害の事例をもとに、正しい携帯電話等の使い方に関する安全教室を実施するなど、子どもと保護者の情報モラル啓発に取り組んでいるところでございます。  2点目の今後の家庭、地域と連携した取り組みについてでございますが、教育委員会といたしましては、年々、ネット利用の低年齢化が進んでいることから、専門業者と連携して校区内の小・中学校においてアンケートにより実態を把握するとともに、地域の実情に応じ、子ども向けの授業や、教職員及び保護者、地域の方々に向けてそれぞれ研修会を行う、情報モラルの啓発事業を昨年度より実施しております。しかしながら、時代の変化とともに、保護者の目の届かないところで容易にインターネットに接続できるようになり、子どもたちのネット利用は一層身近なものになってきており、その危険性は増しているところでございます。特に、コミュニティサイトの不適切な利用による性被害や個人情報の流出など、取り返しのつかない事態になることもあり、この事業を継続し、学校及び家庭や地域がネットでの被害の実態や影響に係る最新の情報の共有に努め、子どもを見守ることが重要であると認識しているところです。  今後、この事業を通して明らかになった子どものネットへのかかわり方や問題点、最新の対応策等をホームページに掲載するなどして普及啓発に努め、学校と家庭、地域が連携し、子どもが安全にネットを利用できるように取り組んでまいります。 ◆伊藤牧子 委員  今のご答弁で、さまざまな取り組みがなされ、これからも実態を把握しながら子どもたちをネット被害から守っていくということがわかりました。  市内の高校の中には、自分たちが自主的にSNSなどの課題を解決しようと取り組んでいるところもありまして、中学生や高校生は、自分たちの力を信じて問題解決能力を高めていくことも必要ではないかなと思います。また、情報モラル教育を進めていくためには、親と子、教師との間で信頼関係を築くことが一番大事だと思いますので、そこを前提に進めていただきたいと思います。  要望です。  川崎で中学1年生の痛ましい事件が起き、なぜ、あれほど多くのサインを出していながら、大人が気づけず、救えなかったのか、本当に悔やまれるところです。今、子どもたちの多くはLINEでつながっています。大人の知らないところで、子どもたちはいつの間にかネット上で交友関係を広げています。地域などいろいろなところでコミュニケーションが薄れている中、LINEなどで人のつながりを欲している子どもたちにスマートフォンを規制することはなかなかできないと思いますし、SNSは将来の社会生活にとっても必要な道具であり、それを上手に正しく使いこなすことが必要であると思います。  そういう状況の中で正しく利用するには、先ほどコミュニケーションも大事だとおっしゃっていましたが、子どもたちのコミュニケーション能力が鍵を握っていると思いますので、私は、教育の中で良好な対人関係をつくっていく力を身につけてもらうことが一番大切ではないかと思います。ICTが急速に進展し続ける高度情報化社会において、ICTの活用はあくまでも人と人との関係を豊かにする道具だということを踏まえて、家庭、地域と連携し、情報モラル教育とともにコミュニケーション教育をぜひ進めていただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。 ○谷沢俊一 副委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後5時43分       再 開 午後6時5分     ―――――――――――――― ○村山秀哉 委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆長谷川衛 委員  私からは、中学校の運動部活動の問題、もう一つは高等学校の就学支援金の2項目について質問させていただきます。  最初に、運動部活動ですが、この間、私は何回かにわたって質問しておりますので、なるべく簡潔に質問していきます。  言うまでもありませんが、運動部活動というのは、私自身も経験しておりますし、多分、皆さんも経験してきていると思います。私は、教員として顧問の立場でも経験しておりますが、子どもたちにとっては、ある意味では健全育成といいますか、そういう面では非常に大事なものであり、教育的な効果は非常に大きいことは誰しもが理解していると思います。しかし一方で、この間、申し上げてきましたように、多くの課題も抱えています。  私は、前回は2013年の3定の決算特別委員会においてこの問題について質問いたしました。その中身は、運動部活動の現状と課題認識、そして、その課題解決に向けてどのような取り組みを今後していくのかということで、当時、引地部長だったと思いますが、答弁をいただきました。また、私も、要望の中で、プロジェクトチームをつくって解決に向けて努力してくれというお話をしましたら、教育委員会は、早速、この課題解決に向けて、保護者、有識者、中体連の関係者、実際に指導している教員、外部指導者で構成する中学校運動部活動の在り方検討委員会を設置し、先進的な取り組みを実施している他都市の事例も参考にしながら、今、多様な視点から対応策を検討しているということでした。  そこでまず、1点目の質問ですが、在り方検討委員会においては、どのような課題を洗い出し、どのような対応策を検討しているのか、その進捗状況について伺いたいと思います。 ◎松田 児童生徒担当部長  中学校運動部活動の在り方検討委員会の取り組みの進捗状況につきましてお答えいたします。  教育委員会では、平成19年度から20年度に設置された中学校運動部活動の在り方検討委員会からの報告に基づきまして、札幌市独自の取り組みとして、教員経験者を顧問として任用する外部顧問制度を実施しているほか、複数校合同部活動の推進などを行ってきているところでございます。しかしながら、任用している外部顧問が全市で9名までであることや、一層の少子化の進行による学校規模の縮小などにより、顧問を確保することがいよいよ困難になってきている状況でございます。  平成26年4月の時点で札幌市教育委員会が把握している状況として、顧問が確保できないことから廃部または休部となったもの、また、その予定がある学校が合わせて21%に及ぶ状況でございます。このことが現在も中学校運動部活動の抱える最大の課題と捉え、教育委員会では、平成26年6月に再び中学校運動部活動の在り方検討委員会を設置し、その対応策を検討し始めたところでございます。現在までの進捗状況といたしましては、昨年8月に委員による関西方面への視察を行うとともに、4回の検討委員会を開催したところでございます。  課題の対応策といたしましては、外部顧問の増員に加え、在籍する学校に希望する部が設置されていない場合、生徒の活動を保障する制度として、京都市で実施している学校間連携方式、堺市等で実施している拠点校方式の二つの制度について、札幌市へ導入する可否などについて現在検討しているところでございます。学校間連携方式とは、近接する学校間の協議によりまして他校の部活動に参加できる制度であります。また、拠点校方式とは、種目ごとに教育委員会が指定した拠点校を設置して、市内のどこからでも拠点校の部活動に参加できる制度でございます。一方、過度の練習による健康面での負担なども課題でありまして、安全面と健康面にかかわるガイドラインの作成の必要性なども検討しているところでございます。
     今後につきましては、平成27年の秋ごろを目途に、検討委員会からの提言を踏まえ、中学校運動部活動の活性化に向けた新たな施策を実施していく予定でございます。 ◆長谷川衛 委員  今、部長から答弁がありましたが、昨年から4回ほど在り方検討委員会を実施している点、それから、今、視察に行っているというお話があって、拠点校方式等を勉強してきたと。そういう意味では、問題解決に向けて非常に精力的に努力していることは大変よくわかりました。  これからまだまだ議論が続くわけですけれども、今、生徒数は減っていますが、一方で、あれもしたい、これもしたいという生徒のニーズは結構ふえています。ニーズに応えるためには、学校ごとに部を設置する、設置するためには指導者がどうしても必要だ、その指導者をどう確保するのかという問題ですね。私は、この問題を前から言っておりますが、教員以外の外部の人材をどう活用するかということが大変有効であるというふうに考えています。  そこで、再質問ですが、在り方検討委員会として、外部の人材活用について今後どのような取り組みをしていこうと考えているのか、その点をお聞かせください。 ◎松田 児童生徒担当部長  中学校運動部活動の在り方検討委員会としての外部人材活用の取り組みについてお答えしたいと思います。  外部人材を活用することは、中学校運動部活動の活性化になり、必要不可欠であると考えております。平成26年4月時点で札幌市教育委員会が把握している状況として、札幌市独自の外部顧問について、派遣を希望している学校、また、状況によっては派遣を希望する学校が市内97校のうち45校と、ほぼ半数もあることから、現在の最大9名までの任用では対応することができず、増員が必要な状況でございます。  しかしながら、教員のOBと限定している外部顧問を担う人材について一定数の確保が可能であるかなど解決すべき課題があり、教員経験者でなくても、生徒指導にすぐれ、教育的効果を引き出しながら部活動を単独で指導できる(仮称)特別外部指導者制度の新設について、現在、検討しているところでございます。また、先ほどお話ししましたが、このたびの視察の成果である、関西で行われている学校間連携方式や拠点校方式などについても、札幌市の実情を考慮しながら、外部指導者の効果的な活用とあわせて、その導入について検討してまいりたいと思います。 ◆長谷川衛 委員  ここで、要望になりますが、財政が絡みますので、これは副市長への要望になると思います。  先ほど、松浦委員から戦後の教育委員会制度のお話がありましたが、戦後のことをずっとひもといていきますと、中学校の部活動というのは、中体連組織のトップで決めた組織ではなくて、地域から自然発生的に生まれてきたものなのですね。戦後、先生方が子どもたちを何とかして育てていきたいという熱意から地域ごとに生まれてきて、歴史的に、70年間、結局は教員の好意に甘えてきたのではないかと僕は思っているのです。お金をかけずに、安く、それでいてしっかりやれと。しかし、今、70年間、ずっと一貫してやってきたこういうことの見直しをする時期に来ているのだと私は思います。  私は、できれば部活動から地域スポーツへ、スポーツクラブへの移行という持論で前からずっと言ってきていまして、いろいろ調べたり視察へ行ってきましたが、そこまで行くところがまだなかなかありません。そこで、何をすればいいかというと、今、部長から答弁があった外部顧問等の増員をしなければなりません。増員するというのはお金がかかります。ところが、教育にお金をかけたくないというのが日本独特の一貫した物の考え方で、なぜか教育にお金をかけない、やはりここが一番大きな問題です。  そこで、副市長へ要望したいのは、今後、いろいろなお金はかかりますが、安上がりの道はもう捨ててもらいたい。大した額ではないのですよ。外部顧問をふやそうというのは大した額ではないのですよ。それを財政が渋っているのです。まず、このことを強く副市長に要望しておきます。  二つ目の課題に入りますが、高等学校の就学支援金についてです。  これは、できる限り保護者の所得に影響されることなく、子どもの学習権保障を目的として、民主党政権のときに、2010年から高校授業料の無償化が実現しました。多くの国民の期待に応えて実施されたのですが、残念ながら、2014年4月からいわゆる所得制限が設けられました。我が会派としては、当時から、世界の先進国はどこも高校は無償である、子どもたちの精神的な影響、事務量の現場への負担、これはやっぱり弊害が出ますよ、何とか所得制限はしないほうがいいですよと言ってきましたけれども、残念ながら、今、新制度に移行しました。その制度の中で、実際に私たちの懸念が起こっているのではないかと危惧しています。  そこで、最初に、2点質問したいと思います。  一つは、高等学校等就学支援金制度の内容について、意外と知られておりませんので、確認の意味で、もう一度、どのようになっているのか、それから、具体的な事務処理方法、札幌市立高校における対象件数についてです。  それから、事務処理に要する経費について、国から補助金が交付されていると聞いておりますけれども、各学校にどのように措置されているのか、この2点について伺いたいと思います。 ◎大友 学校教育部長  まず、高等学校等就学支援金制度の内容と具体的な事務処理方法及び対象件数についてお答え申し上げます。  高等学校等就学支援金制度は、保護者の市民税所得割額が30万4,200円以下の世帯について、全日制は月額9,900円、定時制は2,700円が支払われるもので、支援金を受給するためには学校を通じて申請が必要となっております。市立高等学校の場合、授業料は、全日制は9,900円、定時制は2,700円と支援金と同額であるため、実質の負担額はゼロ円となっております。平成26年度の入学生から段階的に導入されるため、今年度の2年生以上の生徒は従来どおり無償と現在なっているところでございます。  各学校では、申請書を入学願書に同封して保護者へ配付し、入学後の4月に保護者から提出された申請書及び添付書類である前年度の課税証明を取りまとめまして、札幌市教育委員会を通じて北海道教育委員会へ提出いたします。その後、北海道教育委員会からの審査結果を保護者へ通知すると同時に、受給資格が認められた保護者に対して収入状況届を配付し、当該年度の課税証明を受けて、保護者から提出された収入状況届を取りまとめて、6月に、再度、札幌市教育委員会を通じて北海道教育委員会へ提出することになっております。  平成26年度に市立高校で就学支援金の受給対象となったのは8校1,908人で、全校生徒2,480人のうち76.9%となっております。1校当たり250名前後でありまして、来年度以降、1学年分ずつふえますので、3年後には単純計算で各校750名前後になるというふうに予想しております。  次に、事務処理経費の各学校への措置についてでございます。  経費につきましては、財源として、国から北海道に対して認定者1人当たり1,600円、1校当たり3万円の補助がありますが、札幌に交付されるのは、認定者1人当たり800円、1校当たり3万円であり、市立高等学校8校分の補助金合計額は176万6,000円となっております。市教委の事務処理経費もかかることから、平成26年度につきましては、各学校には用紙代等の需用費を配分しましたが、時間外手当等については配分できていない状況にございます。 ◆長谷川衛 委員  今、部長から、制度の内容と現状について答弁がありました。  意外と保護者の中でも知らない方が多くて、例えば、お兄ちゃんがいる、今度は弟が入ってきた、お兄ちゃんが無償ですから無償だと思って手続をしないケースがかなり多いと言っています。書類は渡しているけれども、よく読まない、それだけ認識がまだ十分ではないという問題も実は抱えているということです。  一番大きな課題は、文科省がお金をつけるということですから、当然、学校では本務外のことをやるわけですよね。そうなると、3月、4月、5月と、特に4月は繁忙期です。言うまでもなく、入学にかかわるさまざまなことばかりではなくて、特に事務職員は、口座の設置も含めて物すごく業務が濃縮されている時期です。そのときにこの制度が入ってきて、またそこに上乗せされてしまいます。  煩雑化させている一番の原因は世帯年収の確認です。課税証明書を提出してもらうのですが、きちんと書いてくる家庭といいかげんな家庭とがあって、誰がチェックするかというと学校ですよね。再度、やり直しをさせるのだけれども、ここでプライバシーの問題にかかわるのです。所得によって生徒が分けられてしまうということで、なるべく知られないような形で学校はいろいろな配慮をしております。  例えば、担任の先生にも手伝ってもらうわけですけれども、ほかの生徒が帰った後に、なるべく、その子がちょっとしたタイミングでいるときに別の部屋でお話しするとか、そこまで気を配らなければならないのですよ。忙しいのだけれども、さらにそういう配慮もしながら大変な状況になっています。さらに、部長の答弁にもありましたが、4月で終わるわけではありません。前年度の所得証明ですから、もう一回、7月に取り直さなければなりません。年2回やらなければならないというところが煩雑化の大きな原因になっています。  それから、もう一つは、非課税世帯に対して給付型の奨学金が出ます。いわゆる奨学給付金を受けられるのですが、これは今まで学校の仕事ではありませんでした。しかし、これが新たに学校の仕事になって入ってきた、これもやはり大きな負担になっていおります。  私は、負担は仕方がないにしても、それを補うさまざまな措置として経費ということがあります。これは十分に措置できなかったという答弁ですけれども、実は、直接やり合う学校現場が一番大変なのです。ところが、道教委も調べましたし、市教委にも聞きましたが、札幌市教委も道教委も自分たちの業務はお互いに臨時採用者を雇っていますけれども、学校にははっきり言うと需用費しか行っておりません。需用費というのは紙代やコピー代などの必要経費ですが、それしか行っていないということで私はちょっと疑問でした。それから、道立高校には役務費も行っているということで、これまた疑問です。道は、札幌の分を半分削っておいて道立高校には需用費も役務費も渡している、自分たちは事務職員を雇っている、しかし、札幌市教委の措置は余りにも弱いなという感じがいたします。道から書類を取り寄せますと、実績報告書により額を決定して交付することになっていると書いてあります。  そこで、質問ですが、この実績報告とはどのような実績なのか、また、政令市である札幌市は学校数から見ても他の市町村とは規模も大きく異なっていますので、事務作業を考えても、道教委を通さずに、直接、審査事務を行うことで国からの補助金が札幌市に全額交付されるようにできないのか、この辺の見解を伺いたいと思います。 ◎大友 学校教育部長  まず、実績報告の実績でございますが、実績とは、平成26年5月1日現在の市立高校における認定者数となります。それから、就学支援金の事務に関しましては、都道府県で行っている事務を指定都市でもできるよう、指定都市市長会を通じて国に要望したところでございます。その結果、北海道が認めれば札幌市が直接行うことも可能とされましたことから、今後、北海道に要望してまいります。 ◆長谷川衛 委員  北海道が認めればということですけれども、多分、認めていただけるのではないかと思いますので、ぜひ強く求めてほしいと思います。  部長答弁にもありましたけれども、今年度は1学年だけですが、2015年度は2学年にふえ、2016年度は3学年にふえていきます。業務も毎年どんどんふえていくわけです。このような現状を踏まえますと、2015年度以降は、補助金も含めて学校に十分配慮して、賄えないのであれば札幌市独自で措置すべきではないかと思います。財政が、嫌だ、金がないとまた逃げるのであれば、学校業務を大幅に減らしてはっきり言って集めるだけ、あとは市教委にそのままお渡しして、市教委が1枚ずつ全部チェックしていくという方法だって考えられると私は思います。  そこで、最後の質問になりますけれども、2015年度以降の事務費についてはどのようにしようと考えているのか、学校の事務負担軽減についての考えを伺います。  さらに、実は、大通高校はかなりの率の受給者がいます。そして、特殊事情をたくさん抱えています。大通高校に対しては臨時職員の配置は考えられないのか、この2点について質問したいと思います。 ◎大友 学校教育部長  平成27年度以降の事務費と学校事務の負担軽減についてでございます。  平成27年度以降の事務費の各学校への配分につきましては、国や北海道から補助額等の通知を受けていない状況ではございますが、学校の実情を把握しながら、可能な限り善処していきたいと考えております。  学校事務の負担軽減でございますが、申請書の受け付け、取りまとめ等の事務により学校現場の事務が煩雑化していると認識しております。申請の簡略化等につきましては国においても検討されておりまして、平成27年度には申請書が改正される見込みであります。学校事務の負担軽減に向けまして、今後、北海道及び国に対しまして、事務方法の改善、予算措置について要望してまいります。  なお、平成28年1月から、社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度による番号利用が開始されますが、その中で課税証明等の添付書類が省略されることを期待しているところでございます。  また、特に事務負担が増加している大通高校についてでございますが、年度始めの繁忙期に臨時職員を配置する方向で検討したいと考えております。 ◆長谷川衛 委員  最後に、要望だけお願いいたします。  大通高校は何とか前向きに検討していただけるということでございましたので、よろしくお願いします。  ほかの学校についても、残業が常態化しないようにしていただきたい。お金を出せばいいだろうという問題でもありません。残業、残業、残業で負担が増大する可能性がありますから、その時々の実態をしっかり把握して対処していただきたい、そのことを求めて、質問を終わります。 ◆國安政典 委員  私からは、(仮称)南部高等支援学校の教育内容等についてと、豊明高等養護学校への就労支援コーディネーターの配置の2点について、順次、質問させていただきます。  まず、南部高等支援学校について質問させていただきます。  私は、これまで、札幌市内の中学校の特別支援学校を卒業して高等支援学校へ進学する生徒の多くが市外への通学または寄宿舎生活を余儀なくされている中、今後も高等支援学校への進学を希望する生徒がふえることから、札幌市内の早期の間口の拡充を求めてまいりました。  振り返りますと、最初に取り上げさせていただきましたのは平成20年第1回定例市議会の予算特別委員会でありました。当時、西村教育次長から、指導担当部長としてご答弁いただきました。それ以来、札幌市教育委員会は、北海道教育委員会と協議していくとか協議中であるなど、配置計画を策定するのが北海道教育委員会ということもあり、そういった答弁をずっと繰り返してこられたわけであります。その後、平成21年の決算特別委員会でも、増加する志願者への対応について、さらに、平成21年の2定の本会議でも質問させていただきました。さらには、平成23年9月、第3回定例会の本会議でも取り上げさせていただき、このとき、上田市長は、市として避けては通れない問題だという認識を示されて、当事者の皆さんのご期待に応えられるよう努力してまいりたい、このようなお話をいただき、進めていただきました。また、平成24年3月の決算特別委員会では、私から、具体的に真駒内小学校跡地というご提案もさせていただいて質疑をさせていただいたわけであります。  そこで、昨年になってようやく南区の真駒内小跡地に市立での設置を決断されたわけであります。開校は平成29年4月であります。また、北海道教育委員会でも、北区の拓北高校を活用して高等支援学校を整備することが公表されております。非常に遅いという印象は否めませんが、札幌市内の間口が一気に拡大するという意味では非常に喜ばしいというふうに捉えさせていただいております。高等支援学校への出願者は今後も増加すると思いますので、市内の間口の整備につきましては、引き続き北海道教育委員会とともに検討するよう求めてまいりたいと思います。  さて、南部高等支援学校でありますが、平成26年の第1回定例市議会の代表質問におきまして、私どもの会派の本郷議員が、新設校における教育内容について伺い、町田教育長から、産業構造や障がいのある方の雇用状況及び今後就労が期待される職種等を考慮して学科を設定するとともに、生徒みずからが就労意欲を持ち、働くことの意義を体得できるような教育内容を検討するという答弁がございました。これまでの道内校には見られない思い切った取り組みをされるのではないかと期待してきましたけれども、この1年で校舎の基本設計を進めていくとともに、教育内容の検討もかなり進んできたことと思います。  そこで、伺いますけれども、(仮称)南部高等支援学校ではどのような教育を行おうとしているのか、伺います。 ◎大友 学校教育部長  (仮称)南部高等支援学校の教育内容についてでございます。  新設校の教育内容を検討する上で、今、企業が生徒にどのような力を求めているのかを把握することが重要な点の一つと考えまして、この1年、市内の多くの企業の方々から貴重なご意見を伺うとともに、道内外の多くの高等支援学校の取り組みを見せていただきました。道内の全ての高等支援学校の設置学科は、入学時に選択した学科の作業を卒業まで続ける職業学科でありますが、道外の新設校では、生徒の適性に合わせた柔軟な作業の履修ができることに加え、雇用情勢の変化に応じて作業の内容を容易に変更できる普通科職業コースを積極的に採用しております。これらの学校では就労率向上などの実績を上げておりまして、時代に合った運営形態であると考えられますことから、新設校におきましてもこの普通科職業コースを採用したいというふうに考えております。  また、作業学習の内容につきましては、札幌における障がい者の雇用状況を踏まえまして、農園芸、家政、工業、リサイクル、清掃、流通、カフェサービスの七つといたします。これらの作業を、校内に設けましたカフェを通して、お客様との触れ合いの中で相互に関連づけて学習することで生徒の就労意欲を向上させるとともに、一人一人の職業適性の把握に役立つものと考えているところでございます。具体的には、園芸コースで育てました野菜のサラダと家政コースでつくりました手づくりパンを工業コースで製作した木製の食器に乗せてカフェでお客様に提供することなどを想定しているところでございます。また、校内の学習では企業などから講師の派遣を受けて定期的に専門的な技術指導を受けるほか、企業に出向いて実践力を養う校外学習と、そこでの課題を持ち帰って課題解決に取り組む校内学習を繰り返し行う学習を展開したいと考えているところでございます。 ◆國安政典 委員  内容を伺いますと、大変斬新な感じを受けました。園芸、家政、工業、さらにはカフェということで、非常に札幌らしい学校になるのかなというイメージを抱かせていただきましたし、さらには、多くの企業からの意見も聞いてということでこれまで精力的に取り組んでこられたのかなと感じました。  今、答弁にありましたとおり、新設校では、道内で初めて普通科職業コースを設置するということで、従来の職業科よりも生徒たちの適性に合った柔軟な教育ができることに期待します。しかし一方で、市立豊明高等養護学校では、平成25年度からコース制を採用しておりますが、普通科職業コースはこれとはどのように違うのか、いま一つわかりにくいようにも思います。  また、私が以前から市内の間口不足の原因として指摘してきたことでありますが、北海道教育委員会では、職業科を設置する道立校において、比較的、障がいの軽い生徒を対象とする既設科と、比較的、障がいの重い生徒を対象とする生活科を併設している学校の入学者選考は併願を可能としてきました。北海道教育委員会でも、ここに来てやっとその弊害を認めたのか、平成25年10月に道立特別支援学校高等部の在り方検討会議を設置して検討を行い、先月、その報告書が公表されました。この報告書によりますと、学科については、職業学科における生活科をなくすことと、新たに普通科1型と普通科2型を設置することとしており、5年程度の準備期間を設けて取り組むということであります。  今まで、障がいの重い生徒が通う養護学校の高等部、障がいの比較的軽い生徒または比較的重い生徒の通う高等支援学校と区分としていたものを、生徒や保護者は、障がいの程度により学科を選択するのではなくて、将来の進路希望等に応じて教育課程の特色や学ぶ内容によって学校を選択できるようにするということであります。これについても、南部高等支援学校に設置しようとしている普通科職業コースとの関係がわかりにくいような気もいたします。  そこで、伺いますが、新設校に設置する普通科コース制と豊明高等養護学校のコース制の違いは何なのか、また、道立校が導入しようとしている設置学科との関係はどのようになっているのか、伺います。 ◎大友 学校教育部長  新設校の普通科コース制と豊明高等養護学校のコース制の違いについてでございます。  職業学科である豊明高等養護学校では、出願時に学科を選択しなければならず、入学した学科、例えば、産業科の生徒は、3年間、その学科の作業内容を中心に学習することとなります。しかし、卒業後、すぐに一般就労を目指す生徒と、一旦、就労移行支援事業所を経験して一般就労を目指す生徒、また福祉就労を目指す生徒など、さまざまな進路希望を持った生徒がいることから、生徒の適性や進路先に応じまして、2年次から学級編制を二つのコースに分けることとしたものでございます。一方、新設校は、学科の選択はせずに出願することができ、入学から1年間をかけて生徒が七つの作業内容を全て経験しながら、自分の適性を見きわめ、2年次以降、卒業後の就労先を見据えた作業コースを選択できる普通科職業コースとするものでございます。  次に、道立校が導入予定の設置学科との関係でございます。  道立校が導入を検討している設置学科は、卒業後の進路先や学習内容によって三つの類型に分けております。従来からの職業学科に加えまして、新たに設置される普通科1型では、卒業後に、企業などへの就職のほか、専門学校などへの進学を想定しており、国語や数学などの各教科による幅広い知識や技能の習得、就業体験やボランティア活動などの体験的な学習を行うものでございます。普通科2型では、卒業後に就労移行支援事業所などの福祉事業所の利用を想定しており、各教科等を合わせた内容の学習をもとに作業学習などの実践的な学習を行うものでございます。  (仮称)南部高等支援学校で予定しております普通科職業コースは、この三つの類型とは異なるものでございますが、基本的には全員が就労を目指すものでございます。 ◆國安政典 委員  新設校の学科、運営形態、豊明高等養護学校や道立校とどう違うか、大体ですけれども、わかったような気がいたします。  今回、市内南部に高等支援学校を新設することの大きな目的の一つは、既存校が北西部に偏在していることに対する通学負担の軽減ということがあったかと思います。  ちなみに、現在、豊明高等養護学校には、南区から10名の生徒が通っていると伺っております。職業科を設置する高等支援学校は、手稲区に道立校で2校、北区に市立1校ですが、先ほど述べましたとおり、拓北高校跡に整備される1校を加え、北西部には4校となるわけであります。南部に新設されるのは1校だけでありますが、生徒の通学負担の軽減を目的に設置する以上は、障がいの程度が比較的軽い生徒ばかりを受け入れるのでは意味がないと思います。卒業後の一般就労を目指す学校ということでございましたが、障がいの程度が重くても、就労したいという意欲のある生徒はぜひ受け入れるべきであるというふうに考えます。ただし、点数の高い順に合格する現在の入学者選考の仕組みの中では、現実的にはそれは難しいと思います。  そこで、伺いますけれども、教育委員会では、新設校に比較的障がいの重い生徒を受け入れることについてどのように考えているのか、また、受け入れるのであればどのような仕組みを考えているのか、伺います。 ◎大友 学校教育部長  比較的障がいが重い生徒の受け入れについてでございます。  委員のご指摘のとおり、(仮称)南部高等支援学校は、生徒の通学困難の解消を図るために新設するものでございまして、一定程度は比較的障がいの重い生徒を受け入れる方向で考えているところでございます。  比較的障がいの重い生徒を受け入れる場合の仕組みについてでございますが、障がいの程度をどのように判断するかなど難しい問題はありますけれども、何らかの方法で対応できないか検討を行っておりまして、平成28年度当初までに結論を出したいと考えているところでございます。 ◆國安政典 委員  なかなか難しいことはたくさんあるように思いますが、障がいの比較的重い生徒も受け入れたいという方向性で何らかの方法を検討されるということで、このことには非常に期待させていただきたいと思います。いずれにいたしましても、すばらしい特別支援学校をつくっていただけるよう期待しておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  この質問は終わりまして、次の質問に入らせていただきます。  豊明高等養護学校への就労支援コーディネーターの配置についてであります。  平成25年の第3回定例市議会の決算特別委員会におきまして、私どもの会派の丸山委員が、高等養護学校卒業後の就労支援について質問いたしました。このとき、横浜市で採用しております就労支援コーディネーターの取り組みをぜひ参考にしてほしいと要望いたしました。  その数カ月後、文部科学省が、平成26年度の予算で、地方公共団体への委託事業として、就労支援コーディネーターの配置を含むキャリア教育・就労支援等の充実事業を実施すると発表いたしました。私は、当然、札幌市もこの事業に手を挙げるのだろうと思っておりましたが、教育委員会はこれを見送ってしまいました。教育委員会の担当者の説明では、事業実施に当たっての検討期間が短過ぎるなどといった理由が挙げられておりましたが、非常に残念でありました。  それから1年がたち、平成27年度も国はこの事業を継続するということですが、この間、十分な検討期間がありましたので、当然、札幌市は手を挙げられたことと思いますけれども、予算説明書の中には明記されておりませんので、まず、このことについて確認したいと思います。  教育委員会は、国の平成27年度におけるキャリア教育・就労支援等の充実事業に申請したのかどうか、伺います。 ◎大友 学校教育部長  平成27年度のキャリア教育・就労支援等の充実事業への申請についてでございますが、本年1月下旬に文部科学省へ申請したところでございます。 ◆國安政典 委員  申請されたということで、安心いたしました。  1年間の検討を経て申請したわけですから、まさか国のほうが却下することはないと思いますので、具体的な中身についてお聞きしたいと思います。  教育委員会では、この事業を活用してどのような取り組みを行おうとしているのか。また、就労支援コーディネーターはその中でどのような役割を果たすのか、あわせて、どのような人材をコーディネーターとして採用しようとしているのか、伺います。 ◎大友 学校教育部長  まず、キャリア教育・就労支援等の充実事業の取り組み内容についてでございます。  この事業は、豊明高等養護学校をモデル校といたしまして就労支援コーディネーターを配置し、企業開拓や職場定着支援など教員の進路指導力の向上を図ることによりまして、豊明高等養護学校の就労率や職場定着率の改善を目指すものでございます。また、保健福祉局と連携しながら、労働、福祉などの関係機関、企業などと情報交換を密にして、就労支援の新たなネットワークを構築することを目指すものでございます。加えまして、企業向け啓発リーフレットの作成、配付を行い、障がいのある生徒の新規雇用への理解、啓発を行うものでございます。  次に、就労支援コーディネーターの役割についてでございます。  就労支援コーディネーターは、教員に対して企業開拓の方法や進路指導方法等の改善に向けて助言するほか、協力企業情報をデータベース化するなどの支援を行うものでございます。また、生徒や保護者が安心して進路を選択できるような情報提供や相談支援、さらには、企業に対して障がいのある生徒を受け入れる際に留意すべき点などについてアドバイスなどを行うものでございます。  就労支援コーディネーターの採用につきましては、市内の福祉事業所におきまして、障がい者の就労支援のために企業開拓や受け入れ調整を行っている経験豊かな方に委嘱することを検討しているところでございます。 ◆國安政典 委員  昨日もお話を伺ってまいりましたが、現場の進路担当の先生のご負担というのは相当なものがあると思います。ぜひ、この取り組みによって豊明高等養護学校における教育内容や就労支援のあり方をしっかり見直しして、就労状況がさらに改善するように頑張っていただきたいと思います。また、新設する南部高等支援学校におきましても、その成果を十分に反映させていただきたいと思います。  前半の教育内容を含めて、これによりまして市内2校体制の高等支援学校となるわけであります。このメリットをしっかり生かして相乗効果を生むような、そして、互いに就労率も上げていけるような学校にしていただきたい、このことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆宮川潤 委員  私は、学校歯科健診について質問いたします。  全国保険医団体連合会は、ことし1月15日、東京で開いたマスコミ懇談会で、健診で要治療なのに歯科に行かない子が多いと訴えたそうであります。また、宮城県、長野県、大阪府で、2013年、14年に調査した学校歯科健診の内容も公表されました。学校健診で歯科医が要治療と診断した小学生が実際に受診した率は、宮城県50%、長野県57%、大阪府48%、中学生はさらに低く、宮城県34%、長野県38%、大阪府30%でした。虫歯が10本以上あったり、歯の根しか残っていない口腔崩壊の児童生徒がいると答えた養護教諭は、宮城、大阪で半数以上、長野で半数弱に上りました。  また、ある医療機関の調査では、歯がぼろぼろになり、かみ合わせも崩壊と言えるような状態になるまで歯の痛みを我慢し、その後にようやく受診した事例が、わずか3カ月の間に85例も集約されたとのことであります。しかし、85例の方々は、少なくとも一度は歯科を受診できた方々であります。一度も受診できないまま苛酷な状況に置かれている方がはるか多数に上ることは想像にかたくありません。  この85例の中から、一つだけご紹介いたします。遺族年金で暮らす母子世帯の3人姉妹の末っ子で小学校低学年の児童です。永久歯10本と乳歯14本のうち、中等度齲蝕5本、重度齲蝕1本、歯磨きは朝に時々する程度で親の仕上げ磨きはされていない。この児童は、ゼロ歳のときに父親が死亡し、ひとり親家庭で遺族年金での生活となりました。母親ひとりきりの子育てで、世間から孤立し、母親自身の歯科への恐怖心からまず母親が口腔崩壊、そして、子どもも歯科受診せず、口腔崩壊に至ったということであります。  現在は格差社会と言われていますが、北海道医療大学の千葉逸朗教授は、経済格差が健康格差を生み、子どもたちには健康格差がある、その格差は口の中に顕著にあらわれ、親の格差は子に引き継がれ、格差を決めるのは社会的決定要因のようだと言っています。歯科での受診抑制は生命の危機には直結しないこともあり、放置され、結果として内科、外科などの医科よりも大きな影響が出ています。医科の普通の病気で、そう重くない場合には、しばらく安静にしていたら自然と治るということもあります。しかし、歯科は、自然治癒ということがなく、放置すればするほど虫歯は悪化し、治療を先延ばしにするほど費用も上がり続け、やがてぼろぼろになって手がつけられない状態になります。  本市で、小学校、中学校、高校の児童生徒を対象に、毎年、歯科健診を行っていますが、本市全体の歯科健診の結果で要治療とされたのは何%ですか。また、要治療とされた児童生徒が治療したかどうか、札幌市全体の状況について教育委員会として把握しているかどうか、伺います。 ◎大古 学校施設担当部長  平成26年度の歯科健診の結果、要治療と診断された児童生徒の割合は、小学校で26.7%、中学校で23.2%、高校で26.3%となっております。  歯科健診の結果、要治療と判断された児童生徒が実際にどれぐらい歯科医院で治療を受けたかということについては、教育委員会として把握しておりません。ただ、要治療者の保護者にお渡しするお知らせには、歯科医院で治療等を行った場合の連絡書がついているため、この連絡書の提出をもとに、各学校では歯科医院に通った要治療者の数が把握できているということでございます。  ただし、この連絡書の提出は義務化しているものではなく、実際には歯科医院に通いながらも連絡書を学校に提出していない場合も考えられるところでございます。 ◆宮川潤 委員  全体で要治療の子どもが23%から26%ということであります。歯科健診の結果、要治療とされても対応しない、受診しない、あるいはできないということで歯の悪化が進行し、深刻な状態になっていきます。  大阪府歯科保険医協会が歯科医院657カ所を対象に調査を行ったところ、症状の重い初診患者がふえたという回答が20%、治療中断があったという回答は89%に上っております。歯の治療がなされないことが社会問題とも言える状況になっているため、私は、要治療と診断された児童生徒が実際に受診したかどうかということをきちんとフォローアップすることが必要だと考えます。  実情をつかみたいということもあり、特定の小学校での歯科健診の結果と要治療者のその後の対応について調査を依頼いたしました。その調査結果をお示しください。
    ◎大古 学校施設担当部長  委員からご依頼がありました学校について調査しました結果、この小学校で要治療と診断された児童は、全児童数452人に対して94人、割合としましては20.8%で、このうち歯科医院で治療等を行ったのは37人、39.4%という結果でございました。 ◆宮川潤 委員  特定の小学校ということですが、要治療という子どもが452人中94人で20.8%です。このうち、治療あるいは経過観察といった何らかの対応をした子が37人ですから、要治療とされた児童のうち対応された子は率で言うと約39%、残りの61%の子どもがなぜ歯科受診しなかったのか、その理由、あるいは今後治療する予定があるかどうかという点について把握されていますか、伺います。 ◎大古 学校施設担当部長  要治療と診断されて治療を行っていない児童の今後の予定については、把握しておりません。要治療と判断された場合でも、虫歯の状況や、乳歯か永久歯かなどにより、保護者の判断で子どもをすぐに歯科医院に通わせないような場合もあり、さまざまな事情によって治療を行っていないことが考えられます。  教育委員会としましては、虫歯にならないように予防することの重要性を教えるとともに、虫歯になったときは、歯科医院等に相談し、早期に適切な処置をとるよう、児童への指導及び保護者への啓発を引き続き行ってまいりたいと考えております。 ◆宮川潤 委員  要治療で、治療した子どもはわかる、あるいは、治療していない子どもの人数までは把握できるが、なぜ歯科を受診していないのかということは把握していないということですけれども、私は、そこを把握することが大事だと思うのですよ。その理由を把握することで、それでは、その子はどうしたらいいのだろうかという次の対策に結びついていくからであります。健診を受診に結びつけてこそ意味があるのではないでしょうか。  大阪府歯科保険医協会は学校歯科治療調査を行ったそうですが、その中でこのようなことがわかったそうです。虫歯が10本以上あるが、親は乳歯だからという理由で受診させていない、治療するときに痛がるので親が連れていかない、生活保護で医療費が無料なのに受診しない人もいるし、裕福でも受診しない人もいるなど、親の意識の問題が明らかになっていると思います。また、一人で来た子どもが、処方時に薬剤の値段を聞いてから処方してもらうかどうか決めていた、無保険状態の児童に短期保険証を発行しても受診につながらないのは、3割の窓口負担を支出できない、あるいは、母子家庭で子どもを受診させるための時間をつくれないなどの要因を明らかにして早急に対応していくことが必要だ、公費負担の援助を広く知らせる必要があるという意見も医師から出されました。親の意識の問題ということを一つ申し上げましたが、もう一つは経済的な側面も大きいということだと思います。  そこで、本市の児童生徒が生活保護以外で自己負担なしで虫歯の治療をする方法があるのか、伺います。 ◎大古 学校施設担当部長  生活保護以外での治療でございますけれども、就学援助では、給食費のほか、学校病医療費も無料としておりまして、虫歯の治療についてもその対象となっております。また、無料・低額診療を行っている歯科医院が札幌市内に何カ所かあるということは情報として聞いております。 ◆宮川潤 委員  一つは、無料・低額診療を実施している歯科医院が何カ所かある、それから、就学援助を受けている場合は、虫歯は公費で治療することができるということであります。しかし、それが周知されているかどうかということであります。  就学援助を受けるときに、就学援助制度のお知らせという書類をもらいます。どういう支援を受けられるのかということは、そこにびっしり書かれています。確かに、その中に虫歯の治療が受けられるということは書かれています。その制度のお知らせを受け取った時点で、虫歯の治療が必要だということであれば就学援助で治療できるのだと認識されると思います。しかし、就学援助の申請の時点では虫歯がなくて、歯科健診を受けて初めて虫歯があったから治療する必要があるという通知を渡されても、そういえば就学援助で治療できることになっていたなと気づくかどうかというのは別問題ですね。  ネット上でこういったことを探してみますと、治療費が不安だ、あるいは、就学援助が使えるようなので担任に聞いてみたけれども、わからないと言われた、こんな話が随分たくさん出てくるのですよ。治療する必要があるという通知を出すのであれば、就学援助を受けている方は養護の先生に伝えて医療券をもらって治療してくださいと、そこに書いておけばいいと思います。私は、歯科健診の結果報告書に、就学援助で治療できる旨の記載が必要だと思っていますけれども、いかがですか。  また、就学援助かどうかは別として、歯科健診で要治療の結果が出た場合、治療したかどうかフォローアップすることが必要だと思いますけれども、いかがですか。 ◎大古 学校施設担当部長  今、委員からお話がありましたように、就学援助の対象となる保護者に対しましては制度の概要を説明した文書を配付しておりまして、虫歯の治療も対象になることはそこにも記載されておりますことから、歯科健診の結果報告書に就学援助で治療できることを記載することまでは考えていないところでございます。一方、虫歯は初期段階で治療することが効果的でございまして、早期治療の重要性を理解してもらう必要があると考えておりますことから、結果報告書を配付する際など、歯科の受診についてより一層働きかけるなど、フォローアップには努めてまいりたいと考えております。  虫歯のない丈夫な歯は、健康な体をつくり上げていく上で基礎となりますことから、保健所とも連携を図りながら、虫歯予防や虫歯の早期治療について、幼少期から積極的に取り組んでもらえるよう広く啓発を行ってまいりたいと考えております。 ◆宮川潤 委員  まず、フォローアップについてですけれども、歯科受診を働きかけていくという答弁がありました。私は、歯科受診を働きかけていくということが、単なる一般的な呼びかけで終わらせるのではなくて、一人一人の児童生徒が受診しない、あるいはできない状況を具体的につかんで個別指導していただきたいと思います。そこまで立ち入って子どもの置かれている状況、問題を把握して、解決の道を探っていただきたいと思います。健診をしても、それが受診に結びつかなくては意味がないと思うからであります。必ず受診率を上げるように、目標を具体的にして取り組んでいただくように求めておきたいと思います。  次に、歯科健診の結果報告書ですが、ほかの自治体のものを見ますと、就学援助の対象になりますと書いてあるところもあります。先ほどの答弁でも、保護者の判断で治療していないこともあるのだ、こういうことをおっしゃいました。そのとおりだと思いますよ。親の意識と経済的な問題が受診抑制に結びついているからであります。就学援助を申請するときにもらう就学援助制度のお知らせに書いてあるからそれだけでいいということになりますか。治療に結びつけるために必要なことであれば、できることはいろいろあるので、やってみよう、できることがあるならやってみようという発想をすべきではないのですか。  経済的に大変な家庭にとっては、就学援助で無料で治療できますという一行が書いてあるだけでも、これなら治療できると思う人は少なくないはずです。何よりも、教育委員会自身が、口腔崩壊を深刻に受けとめて、健診が受診につながるように積極的な姿勢を持つべきであります。就学援助で無料で治療できるなど、歯科受診につながる記述を加えることは簡単にできることですし、かつ、私は効果があると思いますよ。それを受けとめて、まず検討すべきと思いますけれども、いかがですか。 ◎大古 学校施設担当部長  委員のお話のとおり、就学援助の対象となっているという周知につきましては重要なところでございますので、結果報告書への記載につきましても、その有効性を十分に検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆宮川潤 委員  歯科受診をしない児童生徒に対するフォローアップ、受診率向上の取り組みをぜひ具体的に進めるように求めたいと思いますし、特に就学援助のお知らせは徹底していただきたいと思います。  歯の健康は、啓蒙活動と生活習慣の改善で大きく変えることができます。本腰を入れてやれば、見るべき前進をつくり出すことは可能です。動物は、歯がなくなったときは死ぬときです。一方、人間にとっては、年をとっても食べる喜びを感じられることは何よりの幸せです。子どものころから歯の健康を守る本市であるように、ぜひ、保健福祉局あるいは歯科医師会とも協力して積極的に取り組んでいただくように改めて求めて、質問を終わります。 ◆小倉菜穂子 委員  私からは、性教育の手引の改訂について、簡潔に伺います。  全ての子どもが、それぞれの成長・発達段階に応じて、性に関する正しい知識を学ぶ、自分のものとすることは、さまざまな人とかかわり、豊かな人生を送るために大変重要なことというふうに思います。現在、教育委員会においては、近年の子どもを取り巻く性に関する状況に伴い、2006年に策定した性教育の手引の改訂作業に着手したところと聞いています。現在の手引は、10代の人工妊娠中絶率や性感染症罹患状況が高いこと、性の逸脱行為などへの対応を喫緊の課題とし、幼稚園や高等学校、特別支援学校においても活用できるよう策定されたものです。  そこで、質問ですけれども、教育委員会においては、この間の子どもを取り巻く性の問題についてどのように認識されているのか、伺います。  また、この間の性教育に関する取り組みをどのように検証しているのか、成果や課題についても伺います。  また、今後の手引改訂のスケジュールについてもあわせて伺います。 ◎大友 学校教育部長  まず、子どもを取り巻く性の問題についてでございます。  社会状況の変化に伴いまして、インターネットに起因する性的トラブルや、人権尊重の精神の欠如によるデートDVなど多様化しており、そのような状況を踏まえまして、子どもが、正しい知識に基づき、適切に判断し、行動する力を育成することが重要であると認識しております。  性に関する指導のこれまでの取り組みの成果と課題でございます。  各学校におきましては、平成18年度に教育委員会が発行した性教育の手引に基づきながら、保健体育や道徳、特別活動などの授業で、自他の生命を尊重することや、性に関する正しい知識、倫理観を身につける指導を行っているところでございます。また、教育委員会といたしましては、産婦人科医師、助産師の協力を得まして、性に関する理解を深めるための生徒向け講演会や効果的な指導方法の研究開発を行うなど、性に関する指導の充実を図ってきたところでございます。  これらの取り組みの検証の一つとしまして、今年度、中・高生を対象とした性に関する意識・実態調査を実施いたしました。その結果については現在分析中でございますが、例えば、「自分の体を大切にしているか」との設問で、平成20年調査に比べて肯定的な回答が増加しておりまして、学校の取り組みが自尊感情によい影響を与えたものと推察しているところでございます。  課題といたしましては、先ほど申し上げましたインターネットに起因する性的トラブルなど、社会状況の変化に伴って生じてきた新たな問題に対応した指導や、幼稚園から高等学校までの発達段階に応じた系統的な指導を行う必要があると認識しております。  手引の今後のスケジュールについてでございますが、教育委員会といたしましては、中・高生を対象とした性に関する意識・実態調査の結果分析をさらに進め、来年度中に性教育の手引を改訂して性に関する指導の手引を発行するとともに、教員向けの研修会を実施するなど、各学校における指導を一層充実していく予定でございます。 ◆小倉菜穂子 委員  インターネットのことや系統的な学びといったこの間の取り組みなど、さまざまなお話をいただきました。また、中・高生の実態調査もこれからまとめて分析するということで、まだ全体を見ておりませんが、自尊感情、自分を大切に思っているところのポイントが上がったという点についてはよい傾向だなというふうに思っています。子どもたちが今後の人生において本当に欠くことのできない学びだと思いますので、現在の子どもたちが置かれた状況を十分に理解、分析して、ぜひ改訂等をしていただきたいと思っています。来年度、1年間かけて策定されるということですので、今のお話などをまとめて、また子どもたちの声もあわせて、これから課題について具体的な検討に入っていかれるのだろうと思います。今後、どのぐらい進みましたかとか、子どもたちの声はどんな形でまとまったかなど、その経過については改めてお知らせいただく機会をつくっていければと思っております。  そういう中で、教育委員会として進めていかれると思いますが、現在の性教育の手引を見せていただいて、ぜひ力を入れていただきたいことがございます。この間も、子どもの性虐待などについて子ども未来局で質疑したことがありますが、今後の性教育を進める中で、性被害からどのようにして身を守るかということはもちろん、仮に被害に遭ったら早急に適切な支援につなげる視点が欠かせないと思っています。性被害については、現在、札幌市は、性暴力被害者支援センター北海道SACRACH(さくらこ)というものを北海道とともに開設しております。そこに寄せられる相談の数は大体150から160件ぐらいだと伺っておりますが、相談される方の年齢はさまざまな中で、被害に遭った年代は20歳未満だったという方が約半数を占めております。  また、性暴力の深刻さについては、最近では、新聞報道で何回か目にされた方もおられるかと思いますが、2014年9月、札幌高裁で控訴審判決が出ました釧路PTSD裁判の審理過程の中で、幼少期に被害に遭った女性が18歳で鬱病を発症するなど精神障がいに苦しんでおり、深刻な状況は時間がたっても減ることはないということが改めて明らかになりました。幼いころの性的被害の特性として、被害に遭っている時点で被害の認識は困難であるとか、相談がなかなかできないとか、成長してからも交際、結婚、子どもを産む、産まないなどのライフステージに直面して被害が悪化することがあります。  そこで、質問ですが、現在の性教育の手引には、性被害について、実態を知らせ、それを避ける行動を身につけさせることが指導内容に盛り込まれております。今後は、そういったことに加えて、どういったことが性被害に当たるのか、また、何だかおかしいと感じたり、被害に遭った際には、保護者や教員等の信頼できる大人に、また、先ほど申し上げたSACRACH(さくらこ)とか、児童相談所、アシストセンター、警察や相談機関、病院などにも相談できることを、あらゆる年齢の子どもたちにわかりやすく教えることをしっかりと盛り込んでいくべきだと思うのですけれども、その点についてはいかがか、伺います。 ◎大友 学校教育部長  手引に性被害の内容や被害への対応を盛り込むことについてでございます。  各学校では、手引の指導事例等を参考に、性被害の実態やその防止について指導を行うとともに、不安や悩みを持つ児童生徒本人やその保護者の困りを把握し、必要に応じて医療機関等と連携するなどして、子どもの心情に十分配慮しながら対応してきたところでございます。今後は、インターネットに起因するさまざまな性的トラブルやデートDVの被害等を例示するとともに、被害防止や、被害に遭ったときの具体的な相談先等を手引に盛り込むなど、内容を充実してまいりたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  充実させていただけるということですので、大変期待したいと思っています。具体的な例示をしていただけるということでしたから、先生たちが教える立場に立ったとき、そういうことがちゃんと手引の中にあると、とても有効ではないかなと思いますので、よろしくお願いします。  そして、よく言われることですが、相談を受けた際、あなたは悪くないとか、よく話してくれたねといったようなことを言ってくれる大人の受けとめ方が大切だと思っています。私たち大人もそのような態度を学ぶことは、子どもの2次被害を防ぐためには欠かせないと思っています。教育委員会としても、こうした点は保護者なども共有できるように、あわせて取り組むことを検討していただきたいと思います。  もう1点、性的少数者に関する取り組みは、ぜひ盛り込んでいただきたいテーマです。  一人一人の多様性を認め合う社会こそが今後のあるべき姿であり、性についても同様であるというふうに考えています。性同一性障がい、性的な指向が同性や両性に向かう方、性分化疾患の人など、性的少数者の方々や支援者の長年にわたる運動、また、近年では、積極的な政治参加などによって、国においても、また多くの国民も、性的少数者への理解を重要な人権問題と捉えています。  現在、渋谷区、世田谷区、豊島区、横浜市などでは、同性カップルを夫婦と同等と見る証明書発行を行うことなどについて具体的な検討を進める動きがあります。しかし、いまだに根強い偏見があり、幼いころから、いじめ、ハラスメント、さまざまな人権侵害、自殺などという深刻な現状があることから、私ども市民ネットワーク北海道は、さきの代表質問において、性的少数者への理解について、誰もが幼いころから学ぶことの重要性などについて質問してきたところです。札幌市や教育委員会の答弁は、性的少数者に対する理解の重要性を認めるものであり、当事者にも丁寧に対応するということでありました。  そうした視点から、現在の性教育の手引を見ますと、男女二元が当然として成り立っておりまして、性的少数者の子どもたちの存在というのはそこにはありません。性的少数者について、科学的情報も含めて学ぶことができるのが性教育だというふうに私は考えています。性教育の手引は、人間の成長・発達は一人一人違うということを第一に考えて策定していると聞いております。だからこそ、多様な性のあり方を盛り込むことが必要であるというふうに考えます。  そこで、来年度、性教育の手引を改訂するに当たっては、性的少数者についての理解を進める内容となるよう取り組むべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎大友 学校教育部長  性的少数者についての内容を手引に盛り込むことについてでございます。  教育委員会といたしましては、性同一性障がいと性的少数者の理解に関する教育につきましては、人権教育における課題の一つとして、子どもの発達の段階を踏まえて進めることが重要であると認識しております。今後、各学校における差別や偏見のない社会の実現に向けた教育活動を充実する観点から、手引に性同一性障がいに関する内容を加えるなど、教職員の理解を深められるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  ぜひ、盛り込んでいただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。  要望です。  昨日の報道では、文部科学省が、同性愛者など、幅広い性的少数者への対応の必要性を明記した文書を学校、教育委員会向けにまとめたことが報道されていました。文書では、性同一性障がいの児童生徒だけではなく、同性愛や性分化疾患にも言及し、性的少数者の内実は多様であることを指摘していると報告していました。  代表質問でも述べたように、厚労省の研究事業として、性的少数者に関する教員等の意識などを調べた調査では、教員の多くは子どもたちに性的少数者の理解について教える必要があるとしていますが、取り組みはほとんど進んでいません。また、何よりも教員自身がその理解を深めることが大変重要と考えています。そこで、今後、性的少数者について盛り込んでいくことを検討し、教員における理解の促進及び人権教育や性教育などを進めようというのであれば、また、冒頭の要望で申し上げた文部科学省の文書には自殺を防ぐ観点もあるということなので、自殺を防ぐ観点からも、教員に対して性的少数者について学校で子どもたちに教えたことがあるかなどの調査を実施することが必要だと考えます。  最後に、当事者や専門家などのご意見をいただき、性教育が子どもたちの人生をより豊かに生きる力につながるものとなるように手引の改訂を行っていただくことを強く求めて、質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、地域の公共施設を活用した体験活動の充実について質問いたします。  札幌市では、子どもたちが知的好奇心や探究心を持って主体的に学習に取り組み、社会性や豊かな人間性を育むため、学校において、発達段階に応じてさまざまな体験活動に取り組んでいると伺っております。我が会派としても、少子化、人口減少社会の中、子どもの幸せや子育ての安心が確保される社会を構築していくことは大切であり、子ども一人一人の個性を引き出し、主体的な学習参加を促す体験活動や、講義形式ではない児童生徒の能動的な学習法であるアクティブラーニングなど、総合型授業、課題解決型授業の導入は積極的に進めるべきと考えます。  そうした中、私は、特に、地域の公共施設を活用した体験活動が盛んに行われ、子どもの学ぶ意欲を高めたり、自分の暮らす地域への愛着を深めたりする取り組みについて注目いたしております。札幌市には、円山動物園や青少年科学館、美術館、札幌市民防災センター、コンサートホール、図書館など、設立主体はさまざまですが、地域の財産とも呼べる公共施設が充実しており、それらを有効に活用した体験活動を行う環境が整備されております。  そこでまず、質問ですが、札幌市の学校教育で行われる、主に校外における体験活動の意義について、教育委員会ではどのように認識されているのか、改めてお伺いいたします。 ◎大友 学校教育部長  校外における体験活動の意義についてでございます。  校外における体験活動は、子どもが現地に行き、働く人の様子を直接見たり芸術作品に触れたりするなど、教室では体験できないことに取り組むことで学習に関する興味・関心を高めるとともに、子どもの知的好奇心、感性などを育むことに効果があると認識しております。また、子どもたちに豊かな体験をする機会を設けることによりまして、子どもの見方や考え方を深め、物事を考える力や活用する力が身につくものと認識しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  私も、校外における体験活動は、子どもが主体的に学習に取り組む能力を育み、学ぶことの楽しさを体得させるとともに、社会性や豊かな人間性を育てる上で大変に有効であると考えます。また、子どもたちが体験活動を通して、自分と向き合い、他者と共感することや社会の一員であることを実感したり、自然の偉大さや文化芸術に触れたり、新しい物事に出会ったりすることによって大きな喜びを得ることができると思います。自身の記憶の中でも、教室を離れて現地で学ぶ学習は楽しいものでございました。  私は、札幌市にある公共施設を、学校教育の中で、それぞれの実態や特色に合わせて有効に活用し、体験活動をより一層充実させていってほしいと願っております。また、学校と地域にある公共施設が連携協力することにより、地域への愛着を育てることや、ひいては、施設にとっても、施設を身近に感じていただけることになり、利用者の拡大につながるものとも思います。例えば、円山動物園では、昨年春、高校生と大学生などを対象に入園料を無料にし、この春も年間パスポートを半額にする期間を設け、学生たちの企画によるイベントも園内で開催される予定となっております。  そこで、質問ですが、現在、校外の体験活動において公共施設をどのように活用しているのか、その利用状況についてお伺いいたします。 ◎大友 学校教育部長  体験活動における公共施設の利用状況についてでございます。  例えば、青少年科学館につきましては、ほぼ全ての小学校が訪問しまして、プラネタリウムの見学や、実物に触れたり体を動かして体感したりする実験などを通し、科学の不思議について体験的に学んでいるところでございます。  なお、理科教育の一層の充実を図るため、今年度、有識者による青少年科学館のあり方検討調査を実施したところであり、今後、学校の設備ではできない実験を科学館で行うなど、青少年科学館の学習機能の強化を図っていきたいと考えております。  また、札幌コンサートホールKitaraにつきましては、全ての小学6年生が訪れましてオーケストラの生の演奏を聞く体験をしております。このほかにも、各学校では、清掃工場においてごみの減量や資源化の大切さを考える学習や、円山動物園における動物の触れ合い体験、また、市民防災センターにおける災害時の行動についての学習など、地域性や公共施設の特色を踏まえた体験的な学習を進めているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  地域性や施設の特色を生かしながら、校外における体験活動により公共施設を活用していること、そして、教育委員会としても、校外における体験活動による教育の効果の大きさも認識されていることと思います。校外における体験活動は、子どもたちが、札幌の特色である豊かな自然環境を感じ、北方の拠点都市として歴史や文化、産業に触れるとともに、家庭や地域とのかかわりを深める機会となることから、地域における公共施設を有効に活用した体験活動の一層の推進を求めさせていただきたいと思います。  一つ例を挙げますが、ことし4月18日に、北海道開拓記念館と北海道立アイヌ民族文化研究センターが統合し、北海道博物館としてリニューアルオープンいたします。この施設は、北海道の自然、歴史、文化を広く扱う博物館として新しく生まれ変わるということで、すばらしい北海道の財産を次世代につなげていくことの大切さを学ぶことができる施設となります。私は、この博物館を初め、こうした公共施設をぜひとも有効に活用してほしいと考えます。  そこで、再々質問ですが、今後、地域と連携した公共施設を有効に活用した体験活動をどのように充実させていくのか、お伺いいたします。 ◎大友 学校教育部長  地域と連携した公共施設を活用した体験活動の充実についてでございます。  札幌には、先ほど申し上げた公共施設のほかにも、郷土資料館や図書館など、それぞれの地域に子どもにとって身近な公共施設があり、活用が図られているところでございます。身近な公共施設のよさは、繰り返し、足を運んで学ぶことができることにありまして、このたびリニューアルする北海道博物館につきましても、近隣に住む子どもたちが、博物館における体験活動などを通してこれまで以上に親しみを持つようになることが望まれるところと考えているところでございます。  今後、校外における体験活動の手引を一部改訂いたしまして、地域の公共施設と学校の連携のあり方について示すなどして、地域の公共施設を活用した体験活動の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  私も校外活動の手引を少し見せていただきましたけれども、大変に数があることを実感させていただきました。今のご答弁にもございましたように、札幌市における多くの学校が、校外における体験活動において身近な地域の公共施設を活用している実態もございます。今後も、地域との連携を図りながら、公共施設を有効に活用した体験活動のより一層の充実を図っていただきたいと思います。  先ほど取り上げた北海道博物館は、子どもが自分たちのふるさとである北海道や札幌の歴史や文化、暮らしを学ぶ体験活動を行う上で、大変価値のある施設になるようであります。願わくば、リニューアルオープンについて、道や市といった所管の違い、垣根を乗り越えて市内の学校にもお知らせいただくとともに、特に近隣の厚別区などの小・中学校との連携を深め、オープニングなどにも参加できるようにしていただければ、参加した児童生徒にとって忘れられない思い出と愛着につながるものと思います。  ぜひともそうした働きかけを教育委員会にお願いさせていただくとともに、今後も積極的に地域の中にある貴重な財産である公共施設を有効活用していただくことを要望し、私の質問を終わります。 ◆坂本恭子 委員  私は、図書館運営について、帰国・外国人児童生徒への教育支援について、豊滝地域の小学校統廃合について、順次、この3点を質問いたします。  図書館の運営についてですが、先日、ほかの会派の代表質問で、教育長が、業務委託を含めて効率的な運営形態の検討を進めているということでした。それからまた、中央図書館についての質疑の中では、ロードマップを定めることを含めて、効率的な運営形態としてどういう形がいいのか、なるべく早く速やかに行いたい、こういう答弁がございました。予約、貸し出し、返本作業が年々増加して、もちろん利用者も増加して、業務量がふえている、いわゆる定型作業が多くなってきております。こういう定型作業と司書の専門的業務の関係について、業務委託等の検討過程の中でどのように整理していくのか。よもや、指定管理者制度を導入しようというようなお考えはないのか、今後、図書館業務の委託をどういう形で進めていこうとしているのか、伺いたいと思います。 ◎江本 中央図書館長  今、委員がおっしゃったとおり、2月18日の代表質問における教育長答弁で申し上げましたが、図書館業務の民間委託については、従来から検討を進めておりまして、区民センター、地区センター図書室の指定管理者制度の導入、大通カウンター業務の委託のほか、図書配送業務の委託を行ってきております。現在、貸し出し、返却等の定型的作業の増加に対応して、司書がレファレンスサービス等の専門的業務に専念できる体制づくりが必要と認識しておりまして、定型的作業について、業務委託を含めて効率的な運営形態の検討を進めているところでございます。  今、お話がありました指定管理者制度については、これまでも、また、今後も図書館の運営方法を検討する上での選択肢の一つとされると考えております。  いずれにいたしましても、どのような運営形態のあり方がいいのか、第2次図書館ビジョンで目指している図書館サービスの質の向上を推進することになるという観点が最も大切な目的であると考えておりまして、引き続き運営体制の検討を続けてまいりたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  指定管理者制度は、やはり選択肢の一つとして残るということなのかなと思います。都心にふさわしい図書館ということで文教委員会でも議論しましたが、そこも直営で、先ほど来の質疑にもありました白石区の子どもの絵本図書館についても直営でやっていくということでした。全国的には指定管理者制度を導入している図書館がありますけれども、うまくいっているという話はなかなか聞いていませんので、とりわけ司書業務についてはぜひ直営のままやっていっていただきたいと思います。  そして、今、ご答弁があったように、司書の専門的業務の重要性はますます増してきていると思いますので、司書の業務について伺いたいと思います。  ちょうど、今回の局別施策の概要の中で、図書館の「知の拠点化」推進事業というものがございました。その中に司書の研修充実ということが書かれていたと思います。職員研修、学校等との連携による図書館普及事業の推進ということで、知の拠点という事業が載っております。図書館員の倫理綱領には、「図書館員は、自主的研修に励むと共に、研修条件の改善に努力し、制度としての研修を確立するよう努めるべきである」ということも書かれています。「知の拠点化」推進事業というのは、400万円程度の予算ではありますが、まさに図書司書の専門性の追求には大変重要な問題だろうというふうに思います。  新年度に新しく始まる事業ではなくて、今年度も既にこの事業が行われているということですから、どんな研修が行われているのか、どこに力点を置いているのか、あるいは、対象者はどうか、全体的な司書のスキルアップの底上げを「知の拠点化」推進事業で行おうとしているのか、この点についてお示しいただきたいと思います。 ◎江本 中央図書館長  司書の専門性にかかわる研修についてでございます。  「知の拠点化」推進事業は、第2次図書館ビジョンに基づく図書館サービスの質的向上を図るため、司書の専門性のより一層の向上を図る研修の実施や、ただいまありましたように学校や地域との連携を図る事業などで構成されておりまして、特に司書の研修は重要な柱となっております。この事業における研修は、これまでの研修に比べまして、絵本図書館、都心にふさわしい図書館の開設に備え、必要となる専門知識や情報発信力、コミュニケーション能力等の向上に向けた、より広く高度な内容の研修を新たに行う予定でおります。例えば、既に行った研修でございますが、6月には、変革する図書館〜これからのデジタルネットワーク時代の情報サービス、7月には、ビジネス支援海外事例報告会、子どもへの読み聞かせボランティアの研修、ビジネス支援をやっている鳥取県立図書館の取り組みについて担当の職員からレクチャーを受けるなどの研修をやってきております。  対象としている職員は、司書業務に従事している約130名の職員でございまして、個別研修と全体研修を組み合わせながら、段階的かつ計画的な研修を実施することで司書全体のレベルアップを図っていくことにしております。 ◆坂本恭子 委員  司書の研修を充実し、これらの研修を通じて司書の専門性を高めてスキルアップさせていく、そして、その能力を存分に遺憾なく発揮し、よりよいサービスを市民、利用者に提供していくことは大変重要なことだと思います。私たちは、この間、司書については専任化ということも求めてきておりますが、ぜひ、この先、直営で図書館の運営を行い、専任化も検討していただきたいと思うのですけれども、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◎江本 中央図書館長  司書の専任化の問題につきましては、従前から、札幌市の人事政策の中で、行政職の人事異動の際に資格のある職員を優先的に充てるという観点でやってきておりますが、これから図書館の行政運営を考える上で、どういう身分がいいのか、関係部局ともお話ししながら検討しなければいけない課題であると認識しております。 ◆坂本恭子 委員  このことについてはずっと言われておりまして、人事政策の中でということですが、今、どういう身分がいいのか、少し検討していきたいというお話もございました。司書として意欲を持って仕事をしたいという職員がいらっしゃると思いますので、その点については、専任化に向けて、全庁的な検討をぜひ進めていただきたいということを申し上げて、図書館運営についての質問は終わりたいと思います。  続いて、帰国・外国人児童生徒への教育支援についてです。  私ども日本共産党は、さまざまな困難を抱えながら学校に通っている児童生徒について、きちんと必要な支援をすべきとあらゆる機会で求めてまいりました。そして、札幌市における帰国・外国人児童生徒への教育支援は、札幌市立小・中・高等学校に在籍する日本語指導等が必要な帰国・外国人児童生徒に指導の充実を図るために教育支援を行い、児童生徒の円滑な学校生活に資することを目的とするということで、2006年から事業が進められてきております。  2006年当時は9校で12名の支援児童数で始まっておりますが、2014年度には36校、57人となっております。定住なさる方、あるいは、研究や留学などで一時的にいらしている方も対象になりますし、在札外国人の人数、子どもの数も着実にふえていますから、さまざまな形態はありますが、需要はどんどん高まってきております。  この事業については大変重要だというふうに思っておりましたところ、文科省からも、2014年度にこの事業を全国的に展開するようにという通知が出ておりますが、改めて、札幌市として、この事業の重要性をどのように認識しているのか、また、この間、どのような取り組みを進めてきたのか、この点について伺いたいと思います。 ◎大友 学校教育部長  帰国・外国人児童生徒教育支援事業の重要性の認識とこれまでの取り組みについてでございます。  帰国・外国人児童生徒が、言葉の壁を乗り越え、安心して生活し、そして学習するためには、各学校が帰国・外国人児童生徒の実態に応じて日本語習得を支援することに加えまして、本事業による個別の支援を推進することは、重要であると認識しているところでございます。  先ほどのお話にもございましたが、今年度は、小・中・高等学校を合わせて36校、57名の日本語指導が必要な児童生徒に対して、指導協力者を派遣しまして日本語指導や日常生活への不安の軽減などの支援を実施しているところでございます。  なお、本事業に加えまして、教育センターでは、週2回程度、教職経験のある教育研究員が日本語指導を行う日本語教室を行っておりまして、11名の児童生徒が指導を受けているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  とても大切な事業だと思っているということでした。  そこで、ちえりあにある教育センターでは、専門スタッフに訪問してもらって、週1回、90分の授業をやっていることをお聞きしております。2014年度は36校、57名の児童生徒に指導していますが、それはボランティア団体にお願いして派遣しているということで、時間があればボランティアの方のご苦労話をいろいろしたかったのですけれども、これは割愛します。  ただ、先ほどちょっと申し上げましたが、研究員であるとか留学などで来ている方たちはいずれまた母国に戻ってしまいます。一方では、日本にいて日本語を中心とした生活を長く続けていく方もいます。それだけでもカリキュラムのつくり方は変わってくるわけですから、学校との緊密な連携、情報交換をする中で、お一人お一人の子どもたちに合ったカリキュラムをつくっていかなければなりません。それから、経済的に豊かなご家庭もあれば、苦しい家庭背景を持っている子どももいらっしゃいますので、ただ日常会話や学習用語を教えればいいというわけではなくて、本当に子どもたちの生活、家庭環境も丸ごと受けとめながらボランティアたちは仕事をしております。
     今、57名の子どもに支援を行っていますが、ボランティア登録されている方が20名ちょっとですからお1人平均3人から4人を見ていらっしゃって、実は、学校からは派遣要請がもっと来ているけれども、ボランティアは手いっぱいでできないとお断りしているような状況も聞いています。さらに、カリキュラムを作成したり、それに合わせた教材をつくったり、購入したり、そういうことでボランティアの研修または育成や教材の提供といった課題もあります。あるいは、ボランティアの方も学校との連携強化が本当に重要だとおっしゃっていますし、集中して学習できるような体制づくりを望んでいるなど、教育委員会として対応できることはいろいろあるのだろうというふうに思いますが、この点についてはどのようにお考えになっているか、伺いたいと思います。 ◎大友 学校教育部長  教育支援事業における連携を含めた体制づくりということかと思います。  教育委員会といたしましては、本事業をより実効性のあるものにするために、日本語指導を担当する教員などを対象といたしまして、ボランティアとの連携による日本語指導の進め方などをテーマにした推進会議を今年度から開催したところでございます。来年度は、この会議をさらに発展させまして、日本語の習得状況など一人一人の実態に応じた日本語指導の進め方などについてボランティアの方と対象校の教員が意見交換を行う機会をふやし、学校とボランティアとの連携を深め、支援事業がさらに充実するように努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  ぜひ、お互いに協力関係、連携をしっかりととって、情報交換についてもしっかりと対応していっていただきたいと思います。  そこで、要綱を見せていただきましたが、交通費などは実費支給しないけれども、派遣1回につき800円の謝金を払っているということでした。実績ベースで今年度の数字を出していただきましたところ、年間の予算が43万円です。今年度の上半期だけで派遣回数が538回あったけれども、年間の予算が決まっていますから、上期相当分ということで23万円、派遣回数にすると286回分しか謝金が払えていない、あとは無償という中で、皆さんは交通費も出し、先ほど言ったように教材も自分で買って用意してやっておりますから、ほとんど無償ボランティアということですね。2006年当時は9校12名で始まって16万円でしたが、需要が高まっていって、2014年度には36校と学校数では4倍、児童数は57名と5倍を切るぐらいです。しかし、予算は当初の16万円から43万円ですから、3倍にも満たなくて、全く実態に合っていない状態だと言わざるを得ないと思います。  こういうボランティアに対しては、金銭的あるいは時間的なロス、負担がかからないようにしっかりと支援していくべきだと思います。札幌市の実施要綱では、原則、週2回の派遣支援ができる、来日初期については週3回から4回まで可能だとされています。国からの通知ですと、初期の段階では、週6回、これを3カ月から6カ月続ける、最大では年間280日という内容になっています。こういうことに対応しようと思ったら、とてもではないけれども、このような予算配分では実行できないし、ボランティアももっとふやしていかなければならないと思います。そして、ボランティアに対して負担がかからないような支援をこれからしっかりとしていくべきだと思いますけれども、この点についてはどのように考えていらっしゃいますか。 ◎大友 学校教育部長  ボランティアの方への支援についてでございます。  教育委員会といたしましては、日本語指導を必要とする帰国・外国人児童生徒の数が増加傾向にありますので、ボランティアの支援回数もふえていくことが見込まれますことから、今後、必要な教材の確保やボランティアの派遣による支援をこれまで以上に手厚く行えるよう事業の拡大を図ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  これまで以上にしっかりとやって事業の拡大を図っていきたいということでした。予算議会でございますので、新年度の予算については、今年度実績43万円を踏まえて、どれくらいの増額になるのか、お聞かせください。 ◎大友 学校教育部長  平成27年度におきましては、指導協力者等への謝金や教材費等を合わせまして100万円を帰国・外国人児童生徒教育支援事業の予算として計上しているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  この間の歩みからいきますと格段の財政措置だとは思います。しかし、まだまだ需要がふえていくと今のご答弁の中でありましたので、この点については、必要であれば年度途中でも随時見直しをかけてボランティアが無償で行うことがないように、それから、派遣を要請されてもそれに応えることができないということがないように対応していただきたいということを申し上げて、この件の質問は終わらせていただきます。  最後に、豊滝地域の小学校統廃合の問題についてです。  私ども文教委員に対して、学校規模適正化の進捗ということで説明を受けております。今は3カ所の地域で適正化の検討が行われていて、豊滝地域については、この間、私どもは、保護者や地域の方々と意見交換を行い、一部反対意見はあるものの、大半の方から児童数が少な過ぎるので統合はやむを得ないというご意見をいただいており、学校統合に対しては一定の理解をいただいていると考えているということで、文書も含めて説明を受けていたところです。  2月中に教育委員会会議が開かれ、若干の方向性が出てくるのかなと思っていたところ、2月25日、北海道新聞の札幌版に、豊滝小を来年統合という見出しの中で児童が減ったので簾舞校と統合すると書かれておりました。私は、教育委員会から一定の理解が得られているという説明を受けていましたから、こういう形で進んでいくのかなと思っていましたが、新聞の中では、ある町内会の会長は、学校がなくなると豊滝地域に移り住む若い世代が減り、避難所としての機能もなくなる、何とか残してほしいと話すというふうに書いてありました。しかし、その後、地元の方が話している中身を詳しく説明したいということで来てくださいまして、地元では決して統合に合意していない、学校は残してほしいという思いを持っている方がまだたくさんいる、そして、2月25日のこの新聞報道を見て、地元住民には不安が広がり、混乱しているということでした。  つまり、私どもに対する説明とは違う内容になっているものですから、この機会に改めて伺いたいと思います。  一定の理解を得ていると報告されていたけれども、これは事実とは違っていたのか、住民の理解度といいますか、共通の土台に立っているということについてどういう認識を持っておられたのか、まず、この点についてお聞きしたいと思います。 ◎大古 学校施設担当部長  一定の理解ということで、事実と違うのではないかということでございます。  私どもが一定の理解と申し上げたのは、全員の理解と申し上げたわけではございません。地域の大半の方にご同意いただいているような状況で、内容も含めて一定の理解をいただいているという認識で私どもは申し上げております。 ◆坂本恭子 委員  それは都合のいい報告の仕方だと私は思いますよ。私は北区在住ですから、豊滝の実情については実際に肌でお話を聞く機会がなかったものですから、私自身も改めて反省しなければいけないなと思っていますけれども、地元合意というのが大前提ですから、そこについてはきちんと議論していくべきだと思うのです。  教育委員会がそういう認識でいるからこそ、教育委員会会議の中では、これは学校規模から見て小さ過ぎるだろう、来年の統合もやむなしということで、簾舞と統合し、豊滝を閉校するという方針を確認したことになるのだろうと思うのですよ。そうすると、議会に対しての報告、教育委員会に対しての報告が同じレベルのものであったとしたならば、地元の意向がその報告の中に必ずしも反映されていないということになるのではないですか。一定の理解という中で、今、全員が賛成しているわけではないのですと言ったけれども、そこは大前提として地元の合意が必要なのですから、一定の理解とはどういうことなのかということも含めて詳しく報告すべきだったというふうに思っております。  このことについては、改めて指摘しておきたいと思います。  それから、今後、地元と意見交換する予定だと聞いています。この間の経過についても、保護者を含めて、町内会など関係の方たちには文書で配付すると聞いていますが、地元には今後どういうふうに対応していくのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎町田 教育長  豊滝小学校の件につきまして、一定の理解という形で申し上げているところでございますが、豊滝小学校は新年度から子どもの数が8名になります。8名になるということは、私どもは子どもが学校において社会性を身につけていくことも学校としての非常に大きな機能だと思っておりますが、運動会ができないということももちろんですけれども、1学年1人の学年もできますので、学校としては決定的に存続が危ぶまれることになるのかなと思っております。また、この学校の場合、バスで4分乗れば簾舞に行けます。そのバスも豊滝が始発になっておりますから、混むバスに子どもが乗るようなこともなく隣の学校まで行けます。道内のほかの町村などでは学校の統合に非常に苦労するところもございますが、豊滝の場合には、隣の簾舞小学校に行けば子どもたちが集団の中で社会性を身につける教育も受けられますので、来年4月から学校を統合したいという方針を決めたところでございます。私どもとしては、何よりも子どもたちのことを思って、子どもたちがある程度の規模の集団の中で学校生活を送れることが一番だと思い、今回の判断に至ったものでございます。  私どもがそういった判断に至ったことについては、これから、もう一度、保護者、地域の皆様にお話ししていくことになると思います。  あわせて、学校施設をどうするのか、これは、教育委員会というよりも、札幌市全体でお話ししていくことになると思いますが、地域の皆様に引き続いていろいろお話をしていくことになると思います。最終的には、学校設置条例の改正を議会にお諮りしなければいけないことになりますので、豊滝小学校を廃校する、学校設置条例から豊滝小学校を削除する条例案を議会にご提案してご審議いただくというのがこれからの動きかなと思っているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  今の答弁は、来年度末における統廃合の結論ありきということで、これから住民に対応していくということなのですね。  現に反対している人がいて、地域の中では、本当に小規模校ですけれども、複式学級のこととか、小規模校のよさについて、地域で支え合いながら何とか学校を残していきたいという声もあるわけです。ですから、私は、そこについては丁寧に説明すべきだと思います。来年度末の統合という結論ありきでこれから地元に入っていくのではなくて、皆さんに丁寧に説明する中で理解と合意をもらいながら、どうしていくのか、これから先ということも考えながら柔軟に対応していっていただきたいと思いますし、住民の合意が前提だということを改めて申し上げておきたいと思います。 ○村山秀哉 委員長  以上で、第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。  以上をもちまして、本委員会に付託されました全案件に対する質疑を終了いたします。  次回の委員会でありますが、3月6日金曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後8時12分...